遊星「……俺にも妹が欲しい」(60)
『そーんなーやさーしーくーしないでー』
遊星「……」
コンコン
「入るぞ、遊星」
ガチャッ
ジャック「このdホイールの件についてだが……って、なにを見ているんだ?」
遊星「……なぁジャック」
ジャック「まずは俺の質問に答えろ!」
遊星「俺にも妹が欲しい」
ジャック「……」
ジャック「……遊星、正気か?」
遊星「……ああ、俺は正常だ」
ジャック「……」
遊星「……」
ジャック「……龍可ではダメなのか?」
遊星「ダメだ」
ジャック「なぜだ?」
遊星「龍可は妹というよりロリに近い」
ジャック「一体何が違うというのだ!?まるで意味がわからんぞ!?」
遊星「とにかく、俺も妹が欲しい」
ジャック「……遊星、妹が欲しい理由を教えてみろ」
遊星「俺に上の子も下の子も居ないのはジャックも知っているはずだ」
ジャック「……」
遊星「そして、さっき『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』というアニメを偶然見つけて視聴」
ジャック「……見たのか」
遊星「ああ……俺にもあんな妹が欲しい、と思ってしまった」
ジャック「そうか……しかし遊星、妹が欲しいというのは不可能だと思うぞ」
遊星「わかってる……」
遊星「……言ってみただけだ」
ジャック「そ、そうか……」
遊星「……気分転換にdホイールで外を走ってくる」
ジャック「ま、待て!まだ俺の要件が…」
遊星「そこの机に置いておいてくれ」
ガチャッ
―
―――
―――――
ブオオオン
遊星「―――――」
遊星(……心地が良い風を感じるな)
赤き龍「ギャオオオオオオオ!!!」
遊星「!?赤き竜!?」
遊星「どうして赤き竜が……!?」
赤き竜「ギャオオオオオオ!!!」
遊星「――――、そうか!俺に妹を作ってくれるのか!!」
赤き竜「ギャオオオオ!!」
遊星「よし……赤き竜!俺を導いてくれ!!」
遊星「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
―――――――
―――――
――
遊星「――――――ッ!!!」
遊星「ここは……」
遊星「ベット、か……?」
遊星「……」
遊星「俺はたしか赤き竜に導かれて……これは……!!」
遊星「パジャマ……?」
遊星(どういうことだ……それに、俺のdホイールは一体どこに……)
コンコン
「お兄さん!朝ですよ!」
遊星「ハッ!まさか……桐乃か!?」
あやせ「桐乃?桐乃がどうかしましたか?」
遊星(なんだとおおおおおおおおお!?)
あやせ「まさか……桐乃に手を出したとかじゃありませんよね?」
遊星「ち、違う!!」
遊星(どういうことなんだ……話しが違うぞ、赤き竜!!)
あやせ「……お兄さん、怪しいですね」
遊星(この子はたしか新垣あやせ……桐乃を友人として溺愛しすぎている子だったな)
遊星「……本当に違うんだ、許してくれ」
あやせ「……そうですか、違うなら別に良いんです」
遊星(まずは現状の整理からしよう……俺は赤き竜の導きに従ってdホイールで走り切った)
遊星(……急に視界が暗転し、目が覚めたらパジャマ姿でベットに横になっていた)
遊星(そして……桐乃の兄ではなく新垣あやせの兄になっていたという事)
遊星「あ、あやせ」
あやせ「なんですか?」
遊星「……ここは俺の家なんだな?」
あやせ「……朝からなにを言ってるんですか?」
あやせ「それに、お兄さんの家ではなく私達家族の家ですから」
遊星「そうか……」
あやせ「……なんかおかしいですよ?お兄さん」
遊星「す、すまない……でも大丈夫だ」
あやせ「なら良いんですけど……早く、学校の支度をしてくださいね」
ガチャッ
遊星「……」
遊星「とりあえず、学校か……支度をしよう」
遊星(しかし、俺のdホイールは一体どこへ……)
遊星(……考えても仕方がないか、この制服に着替えるとしよう)
――――
―――
―
あやせ母「あら、おはよう」
遊星「ああ」
あやせ「お兄さん、まともに挨拶も出来ないんですか?」
遊星「あ、あぁ……おはよう」
あやせ「ふんっ」
遊星(機嫌が悪いな……女の子の日か?)
あやせ「ごちそうさまでした」
遊星「ご馳走様でした」
遊星(さて、問題はここからだ……俺の学校はどこだ?)
遊星(うまく聞き出すには、どうしたら……)
遊星「あやせ」
あやせ「なんですか?」
遊星「俺の学校なんだが、良かったら教えてくれないか?」
あやせ「は?どうしてですか?」
遊星「その、ド忘れを……」
あやせ「自分が通ってる学校をド忘れする人が、どこに居るんですか!?」
遊星(グッ……正論だ……!!)
あやせ「まったく……やっぱりおかしいですよ、お兄さん」
遊星「あ、ああ……悪かった」
あやせ「……」
あやせ「大体、いつも桐乃のお兄さんがうちまで来るじゃないですか」
遊星「なに!?それは本当か!?」
あやせ「え、はい……」
遊星(桐乃のお兄さん……京介か!!)
遊星「よし!!」
あやせ「……???」
ピンポーン
あやせ「あ、来たみたいですよ」
京介「よう、遊星」
遊星「あぁ、おはよう京介……そして助かった」
京介「え?なにがだ?」
遊星「いいや、こっちの話だ……気にしないでくれ」
京介「そ、そうか……まぁ別にいいけどよ」
京介「はぁー、いいよなぁ……お前にはあんなにラブリーな妹が居て」
遊星「京介、お前にも桐乃が居るだろ?」
京介「桐乃がラブリー?フッ……それはぜんぜん違うぜ、遊星」
遊星「そうなのか?」
京介「ああ……アイツは外面だけはいいが、家に居たらうるさいのなんので…」
遊星「俺は羨ましいけどな」
京介「そうか……まぁ、アイツの本性知ったら絶対後悔するとだけ言っておく」
遊星(エロゲーマーのことか……?)
京介「そうだ、遊星……デッキを組んだから後で良かったら見てくれないか?」
遊星「なに、デッキだと?」
京介「あ、ああ……どうした?そんな怖い顔して」
遊星「いや……京介、遊戯王はどれくらいの知名度だ?」
京介「へ?」
遊星「頼む、教えてくれ」
京介「知名度か……まぁ、みんなデッキを持ってて当たり前って感じだな」
遊星「……ライディングデュエルは聞いたことあるか?」
京介「ライディング・デュエル?なんだよそれ」
遊星「……いや、なんでもない」
遊星(この世界にライディングデュエルは存在しないのか……)
遊星「決闘盤(デュエルディスク)はどうだ?」
京介「決闘盤?ああ、子供のおもちゃでよくあるやつか」
遊星「子供のおもちゃだと?」
京介「ああ、まぁアニメみたいにあんなリアルな映像が出てきたら面白そうだよなー」
遊星(決闘盤も存在しないのか……この世界、遊戯王が浸透しているだけで他はあのアニメと……)
遊星「……ん?待ってくれ、アニメ?」
京介「ああ、今やってるのは遊戯王4d'sだぜ」
遊星「4d'sだと!?」
京介「おわっ!?どうした急に!!」
遊星(……嫌な予感がする)
京介「……もしもーし?遊星さーん?」
遊星「あ、ああ……悪いな、もう大丈夫だ」
京介「……どうしたんだ、今日のお前…なんかおかしいぞ?」
遊星「そうか?俺は普通だが」
京介「いやいや……全然普通に見えねえよ、あやせになにかされたのか?」
遊星(ますます混乱してきたな……)
遊星「……放課後にでも、京介のデッキを見よう」
京介「マシか!?助かるぜー……」
遊星(……?そういえば、俺のデッキは一体どこに……)
遊星(この鞄の中だろうか……)ガサゴソ
遊星(!!……良かった、俺のデッキは無事か)
京介「にしても、お前のデッキはすげーよなぁ……」
京介「拾い集めで作ったのか?っていうくらい強いし」
遊星「……デュエルとは、カードとの絆だ……絆が強ければ強いほど勝利へと導いてくれる」
京介「……そうだな、よっし!俺も気合入れるぞ!!」
遊星(そんなことがあって、1週間が過ぎた時……)
遊星(なにも変わらないと思っていたが、一つのcmにより世界が変わった)
tv『なんとこのデュエルディスク!!立体機能付きなんです!!』
tv『そしてこの値段!!誰でもこれを付けて楽しめるように値段を大幅に安くしました!!』
遊星「なんだと……」
pi pi pi ♪ pi pi pi ♪
遊星「京介からメール……」
『おい、見たかよ今の!?お前すげーな、預言者かよ!』
遊星「……」
遊星(……一体、この世界になにが起こっているんだ?)
ガチャッ
遊星「……」
あやせ「あ、おかえりなさいお兄さん」
遊星「あやせか、どうした?」
あやせ「帰ってきたらた・だ・い・ま・か・え・り・ま・し・たでしょ?」
遊星「わ、悪い……ただいま」
あやせ「はい、おかえりなさい」ニコッ
遊星(……なんだこの破壊力は)
あやせ「それでお兄さん、良かったら私とデュエルをしてくれませんか?」
遊星「あやせと?デッキを作ったのか?」
あやせ「は、はい……べ、別にお兄さんの為じゃありませんからね!?」
遊星「桐乃の為か?」
あやせ「そ、それもありますけど……とにかく!デュエルしましょう!」
あやせ「これ、買ってみたんです」
遊星「これは……デュエルディスク!!」
あやせ「お兄さん、まだ持ってなかったですよね?」
遊星「あ、ああ……だが、いいのか?値段が安くなってるとはいえ、万単位だろ?」
あやせ「いいですよ、私…モデルしてますからお金もちゃんと稼いでますしね」
遊星(そういえばそんな事をアニメで言っていたな)
あやせ「それに、桐乃も…ゴニョ…お兄さんにあげたって…」
遊星「なにか言ったか?」
あやせ「……なんでもありません!」
カチャッ
遊星「サイズもバッチリだ……ありがとう、大切にするよ」
あやせ「ふふ、寝ている時にサイズを測った甲斐がありますね」
遊星(寝ている時に……今度から鍵を閉めるか)
遊星「……」
遊星「おい、デュエルしろよ」
あやせ「はい、受けて立ちます!」
遊星「……デュエル!!」
あやせ「スタート!!」
新垣(不動)遊星 lp4000 vs 新垣あやせ lp4000
ちょっと休憩します
あやせ「先攻はお兄さんがどうぞ」
遊星「……俺は手札から『調律』を発動する」
遊星「デッキからクイック・シンクロンを手札に加えてデッキをシャッフル」
遊星「そしてクイック・シンクロンの効果発動!ジャンク・シンクロンを手札から墓地へ捨て…」
遊星「現れろ!クイック・シンクロン!!」
クイック・シンクロン ☆5 チューナーモンスター atk700 def1400
遊星「そして手札から『シンクロン・エクスプローラー』を通常召喚!」
遊星「シンクロン・エクスプローラーの効果を発動!ジャンク・シンクロンを墓地から特殊召喚する!!」
遊星「集いし星が、新たな力を呼び起こす!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!」
遊星「ジャンク・ウォーリアー!!」
ジャンク・ウォーリアー ☆5 シンクロモンスター atk2300 def1300
あやせ「……ッ!すごい……こんな立体でモンスターが見れるなんて……」
遊星「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
遊星 手札2枚 lp4000
場/モ ジャンク・ウォーリアー クイック・シンクロン
場/魔罠 伏せカード1枚
あやせ「……私のターンです!ドロー!」
あやせ「……」
あやせ「私は魔法カード、おろかな埋葬を発動します」
あやせ「そしてデッキから伝説の白石を墓地へ送り、伝説の白石のモンスター効果を発動します!」
あやせ「私はデッキから……この青眼の白龍を手札に加えます」
遊星「青眼の白龍だと……」
あやせ「そして手札にある魔法カード、古のルールを発動!」
あやせ「青眼の白龍を特殊召喚!!」
青眼の白龍 ☆8 atk3000 def2500
あやせ「カードを1枚伏せて、バトルフェイズに移ります!!」
バーストストリーム
あやせ「お兄さんのジャンク・ウォーリアーを攻撃!滅びの爆裂疾風弾!!」
遊星「罠カード、オープン!くず鉄のかかしを発動!!」
あやせ「そうはさせません!こちらも罠カード、魔宮の賄賂をチェーンします!!」
あやせ「魔宮の賄賂の効果でお兄さんの罠カードの発動を無効にし、破壊させてもらいます!」
遊星「クッ……!」
遊星 lp4000→3300
遊星「……だが魔宮の賄賂の効果で、俺はカードを1枚ドローさせてもらう」
あやせ「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドします」
あやせ 手札 2枚 lp4000
場/モ 青眼の白龍
場/魔罠 伏せカード1枚
遊星「俺のターン……ドロー!」
遊星「……俺は、手札からワン・フォー・ワンを発動!!」
遊星「ワン・フォー・ワンの効果でレベル・スティーラーを手札から墓地へ送り…」
遊星「デッキから、エフェクト・ベーラーを特殊召喚する!!」
エフェクト・ベーラー ☆1 atk0 def0
遊星「そしてレベル・スティーラーの効果発動!自分の場にある☆5以上のモンスターのレベルを1下げることで…」
クイック・シンクロン ☆5→4
遊星「レベル・スティーラーを墓地からフィールド上へと特殊召喚!!」
レベル・スティーラー ☆1 atk600 def300
遊星「レベル・スティーラー、エフェクト・ベーラー、クイック・シンクロンでシンクロ召喚!!」
遊星「集いし力が、大地を貫く槍となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!砕け!ドリル・ウォリアー!」
ドリル・ウォリアー ☆6 atk2400 def2000
あやせ「またシンクロモンスターが……でも、まだ攻撃力は私の青眼の白龍の方が上ですよ……」
遊星「さらに手札から魔法カード、死者蘇生を発動!!」
あやせ「ッ!死者蘇生……!?」
遊星「この効果により、墓地にあるジャンク・ウォーリアーを自分フィールドに特殊召喚する」
遊星「そして、手札からジャンク・シンクロンを通常召喚!!」
遊星「集いし闘志が、怒号の魔人を呼び覚ます……光差す道となれ!」
遊星「シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!!」
ジャンク・デストロイヤー ☆8 atk2600 def2500
遊星「ジャンク・デストロイヤーの効果を発動!」
遊星「このカードがシンクロ召喚に成功した時、
このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで
フィールド上に存在するカードを選択して破壊する事ができる」
あやせ「そ、そんな……最上級モンスターが……!」
遊星「ジャンク・デストロイヤーとドリル・ウォーリアーでダイレクトアタックだ!!」
あやせ「きゃあああ!!」
あやせlp4000 → lp0
遊星(……罠カードは不発だったか、やはりまだ慣れてない部分があるな)
あやせ「はぁ……やっぱり昔からお兄さんは強いんですよね、改めて実感しました」
遊星「……あやせも初心者なのに十分強かった、攻撃力3000のモンスターを1ターンで出してくるなんてな」
あやせ「あはは……でも、負けちゃいました」
遊星「誰かに負けても、自分にさえ負けなければ次がある」
遊星「……あやせ、俺と一緒にもう一度デッキを見なおしてみないか?」
あやせ「え?で、でも……いいんですか?」
遊星「ああ、一緒にどのカードを抜いて、どんなカードを入れたらいいか、考えよう」
あやせ「……ま、まぁお兄さんが仕方なくというなら……一緒にしてあげてもいいですよ」
遊星「……フッ」
あやせ「……お兄さん、鼻血出てますよ?」
遊星「気にするな、それじゃあ始めよう」
―――世界は変わる。
沙織「お兄さま、今日もデュエルをしていただけませんか?」
???「ふん、いいだろう!!だがこの槇島蛇刳、控えめな妹が相手でも手加減はせんぞ!!」
沙織「ふふ、お兄さまはいつも元気がよろしいですね」
???「当たり前だ!!この俺を誰だと思っている?」
沙織「私の大好きな兄、蛇刳お兄さまですわ」
???「俺はキングだ!!兄などではない!!」
沙織「へえ……では私のお兄様でないと?ならこの家を…」
???「ま、待って!俺が悪かった!!」
一人のデュエリストと―――
遊星「……あやせのデッキは重すぎるな」
あやせ「重すぎる……私が桐乃に対する愛って、そんなに重いですか?」
遊星(め、眼のハイライトが……)
遊星「そ、そういう意味じゃない……」
あやせ「じゃ、じゃあどういう意味なんですか?」
遊星「このカードを―――――」
あやせ「……」
あやせ「……なるほど」
赤き竜によって―――
京介「だあああ!ちっくしょー!!また負けた!!」
桐乃「へっへーん!アンタ弱すぎー!」
京介「くそー……遊星にデッキを見てもらったばかりなのによぉ……」
アキ「ふふふ、京介も頑張ってるじゃない」
京介「いやー、でもアキ姉……やっぱり勝負するからには勝ちたいじゃん?」
桐乃「アキ姉はおろか、私にすらアンタ勝ててないじゃん」
アキ「こ、こら……桐乃!」
京介「ぐぬぬ……覚えておけよ!てめえ!」
―――物語が今、動き出す!!
クロウ「だからここはこうして……」
黒猫「なるほど……流石兄様、漆黒に染まりし不死鳥を使うだけあるわ」
クロウ「お前、なに言ってんだ?」
日向「きっとルリ姉はbfの事を言ってるんじゃないかな?」
クロウ「ああ、なるほど……そういうことか」
黒猫「さぁ、兄様!次こそ私があなたに勝ってみせるわ」
クロウ「……ヘッ!言ったな瑠璃!負けて泣くんじゃねえぞ!!」
「「デュエル!!」」
申し訳ないですが、切りがいいので続きは明日にでも
あやせと遊星のデュエルはもっと長引かせても良かったけど、あんま長いとgdgdになるかなと
>>36
伏せたターンで罠は使えんぞ
>>51
ご指摘ありがとうございます
初歩的なミスをしてましたね……
そういえば満足さんも京介だったか
満足満足言われてるから本名忘れてた……
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