ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」シギン「3スレ目と『助言』しておこう」 (1000)



・以前総合スレでやったやつ。

・※『どんなカプが成立するかは未定』
  現時点で上条×姫神、上条×サローニャ、ウート×シギン、ウート×ベイロ-プ、ウート×ヴァルキリー
  要素あり。

・基本ほのぼのギャグ。たまにシリアス、バトル

・マイナーキャラの円舞曲≪ワルツ≫。故に推測と憶測で書かれる場合あり。

・気が向いたら更新。

・原作再構成したりしなかったり

前スレウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」天井「それは、もはや2スレ目だよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391005483/)
前々スレウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383193548/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400140451


今回はここまで。数日以内に小ネタを書いて依頼対象にならないようにする。

今スレもよろしく。


では


上条「よし、掃除終わりっと。」

トール「ふー大変だったな」

サローニャ「トールちゃんは土御門ちゃんと青髪ちゃんと箒でチャンバラやってただけじゃない!」ぷー!

土御門「許してほしいですたい」

青髪「じゃ、そろそろ誰がこのゴミ袋持ってくか決めよか」

吹寄「そうね」

姫神「ふふ。負けない。」

垣根「何で決めるんだ?」


上条「フツーにじゃんけん。じゃ、行くぞー?」



「「「「「「「せーの!」」」」」」」

上条「ごーみ出っしっじゃんけん、じゃんけん…」

垣根「っ」チョキ

上条「は!」

トール「負っけたら♪ごみを♪出っしに行け♪」

垣根(チ、ローカルじゃんけんって奴か。出しちゃったじゃねぇか)

トール「ごーみ出っしじゃんけん、じゃんけん…」

垣根「っ」グー


トール「は!」

青髪「全員参加がルールだよ、はい!」

垣根「っ」パー

サローニャ「ごみ出しじゃんけんじゃんけんは♪」

サローニャ「必ずやります月・水・金♪あそれ♪」

垣根(が?!まだあんのかよ!)

土御門「ごっみ出し♪じゃんけん、じゃんけんは♪」

土御門「新参もベテランも♪垣根がないぜ、これだけ…は!」

垣根「っ」チョキ

「「「ドンドコドコドコドンドコドン♪」」」クルクル♪

「「「ドンドコドコドコドンドコドン♪」」」クルクル♪

垣根(皆クルクルその場でリズミカルに回ってやがる?!なんなんだこのじゃんけん!)

吹寄「みっなさん♪準備はいーですかっ?」

垣根(やっとか!)

吹寄「はい!」

垣根「っ」パー

姫神「ごっみ出しじゃんけん。じゃんけんは♪一っ発勝~負~……はい!」

垣根「っ」グー

姫神「出っさなきゃ負けだよ。じゃんけんは♪経理の悩みの企業系♪」

垣根(ま、まだあんのかよ…)ゲンナリ

姫神「のがれ・・・じゃんけんほい!」

上条「っ」グー

土御門「にゃー」パー

青髪「っ」チョキ

吹寄「っ」パー

トール「っ」チョキ

サローニャ「ほいっ」グー

姫神「。」チョキ


垣根「」

トール「はい、出してない垣根の負けだな。ほらいってこーい!」

垣根「これ絶対知らない奴に行かせるためのじゃんけんだよな?!」


元ネタはsweat7というお笑いの劇の1ネタ。

面白いから知ってほしくて、ステマしたくてやった。
ニコニコとかYouTubeで見れるはず。是非。
では。


マスター「ご注文は?」

ウート「リーナちゃん何頼む?」

オリアナ「そうね…」


オリアナ「濃いのと薄いの。白濁した液体をぐちゅぐちゅ混ぜて、二つの玉状の果実を舌でレロレロ転がして楽しめるモノが欲しいわ」

ウート「」

マスター「"マティーニ"ですね?少々お待ちください」スッ

ウート「?!」

※マティーニ
 ジン3~4:ベルモット1の割合でミキシング・グラスに入れてステアし、オリーブを飾ったお酒。





オリアナ「美味しかったわ~////」ほふぅ

ウート「そりゃよかった。まだ飲む?」ニコッ

オリアナ「そうね…」


オリアナ「お姉さんのカラダを火照らせてくれるモノが欲しいな…?あ、できるだけおっきいのがいいわ…///」

ウート「」

マスター「ウイスキー、ロックですね?少々お待ちください」スッ

オリアナ「お願~い♪」

ウート「?!」


※おっきいの=入れる氷





オリアナ「もう一杯だけいいかしら?」

ウート「いいよー」ヘラヘラ

マスター「ご注文は?」

オリアナ「白くて熱~…い、ドロッドロの甘くて濃いミルクをお姉さんのに注いでちょうだい?////」

マスター「ホット・カルーアミルク、そちらのカップにお入れするのでございますね?少々お待ちください…」スッ

オリアナ「待ってるわ♪」

ウート「」

※カルーアミルク
 コーヒー・リキュールのカルーアを牛乳で割ったカクテル


オリアナ「あ、お姉さんちょっと化粧直してくるわね♪」



ウート「…あれを解読できるマスター、パネェな?」

マスター「…慣れ、でございますよ」ホッホッホ


今回は短め。ちょっと投下が切れ気味になるかも。

終わる時は宣言する。

投下






ヴァルキリー「むっふっふ。誰かと一緒の朝食は久方ぶりにつき!メニューは何との事?」ニッコ♪ニッコ♪

ウート「ん?ハムエッグとミルク、後は――」

カタカタ…

ウート「ごめ、キュリアちゃん先にお皿並べといてくれる?簡易テーブル組み立てといたからそこに」

ヴァルキリー「了解との事!」ビシッ!(^-^ゞ







ウート「ハァイ」

ベイロープ『おはよ、ウートくん。昨日は"よく眠れた"?』

ウート「おはゃゆーベルちゃん。大丈夫。ちゃんと寝たよ」ヘラヘラ

ベイロープ『そ。』ホッ

ウート「あー昨日はなんかごめんね?ベルちゃん」

ベイロープ『! いいのよ、別に!それより、今日会いに来てくれるって言ってたじゃない?』

ウート「うん。いつなら大丈夫?」

ベイロープ『それが…ちょっと今日も呼び出されてるのよ。だから会えても21:00くらいなのよね…』

ウート「あーそうなんだ?じゃ、いつくらいがいい?」

ベイロープ『うー…ん。ちょっとわからないわ。今トラブルが起きてて、その対応に追われてるのよ』

ウート「へえ?そりゃお疲れ様だ」

ベイロープ『ホントもう大変。レッサーの奴はちょくちょくミスするしね…』

ウート「はは。そーなんだ。」

ヴァルキリー(まーだーとーのー事ー?)←催促のジェスチャー

ウート「ごめ、ちょっと…」

ベイロープ『あ、そう?じゃあまた。』

ウート「ん。バイバ――」

ベイロープ『あ、そういえばこの前ね?』

ウート「う、うん。」


ウート(女の子との通話って基本バイバイからが本番なのって何でなんだろうな)







ウート「うん。うん。じゃあね。バイバイ」←バイバイ15回目でようやく切れれた

ウート「ごめーん!待ったー?」

ヴァルキリー「うむ。20分も待ったの事」ジトー

ウート「ごめんごめん。俺のソーセージもあげるから許してよ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「ほほー?なら仕方ないにつき。許してやるとの事!」ニコッ





ヴァルキリー「うーん!このジャーマンポテトが美味しいとの事~♪」モッキュモッキュ。

ウート「そりゃよかった。あ、キュリアちゃんはさ、今日は何か予定あるの?」マクマク

ヴァルキリー「いや?特にはないとの事」モキュモキュ。

ウート「そ?んじゃあさ、ちょい遠出しねえ?」

ヴァルキリー「? どこへ行くとの事?」

ウート「まあどこってわけじゃあねえんだけどね。ツーリングとかどう?」ニコッ


ウート(うし。まずは仲良くならねえと。目一杯楽しませてあげよ)







〓〓服屋〓〓



ウート「―――の前に。キュリアちゃんに服買ってあげないとな」

ヴァルキリー「? 別に私はこのままでも」

ウート「いやあ、バイク乗んなら露出しすぎは不味い。
    後で街中行くし、警察に職質されたらめんどいしさ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「むー?なんなら私が全員斬り伏せて」

ウート「うん絶対やめて?」フルフル





ウート「これとかどう?これに下ジーパン合わせてさ」

ヴァルキリー「んー…それよりはこっちの」




ウート「キュリアちゃん、これはど……ん?」


ヴァルキリー「…」ジー

ネックレス「ワシ8万円やで、嬢ちゃんよぅ」


ウート「……ふうん?」ニヤリ






ウート「で、結局…」

ヴァルキリー「首元がだぶついた白のタイトタートルネックに青ジーパン。マフラーとコートにつき」

ウート「ん。いいんじゃね?すっげー似合ってる。可愛いよ」ヘラヘラ。

ヴァルキリー「ふっふー。ありがとうとの事!」ニヘー

ウート「んじゃ中古バイク屋行こっか」テギュ

ヴァルキリー「///…手、手を繋ぐのは少し恥ずかしいにつき…///」

ウート「ダーメ。離してあげなーい♪」ケラケラ

ヴァルキリー「も!もう!ウートはいぢわるとの事!///」





〓〓バイク屋〓〓


ウート「へえ?おっちゃん元学園都市の人なんだ?珍しいな」

おっちゃん「ああ」

おっちゃん「ちょっと最新兵器を一般人に無断貸与したら始末書と減給で済まなくてな。」

ウート「何でそんな事したかは知らねえけどおっちゃんスゲーな」ヘラヘラ

ヴァルキリー「おお…種類豊富につき。私ちょっと見てくるの事!」

ウート「おー。」

おっちゃん「…あの娘、アンタのいい人か?」

ウート「今んとこは友人で同僚だね」ハハ

おっちゃん「ちゃんと捕まえとけよ。あんな美人滅多にいないぞ」

ウート「おっちゃん人の話聞いてた?」

おっちゃん「かくいう俺も昔しくじって今じゃバイクが恋人さ。
      アンタは俺と同じになるなよ」

ウート「同情はするけど違うからな?さっきから言ってっけど俺の恋人じゃないからな?」







ウート「じゃ、このバルカン1500クラシック(黒)で」

おっちゃん「毎度。じゃ、手続きとかすっから国際免許出して」つ

ウート「…」つコイン ピィィイン!


―――――
―――――――
――――――――――



――――――――――
―――――――
―――――

おっちゃん「よし、手続き終わり。」

おっちゃん「4000£(約68万円)だ。」

ウート「ほい」つ

おっちゃん「あいよ。確かに。大事に乗ってくれよ?」ハハ

ウート「もち。キュリアちゃーん!行こーぜー」

ヴァルキリー「終わったとの事?」ヒョコ

ウート「2階にいたのか。早く降りといでよー」

ヴァルキリー「あ!ウート!私これがいいにつき!」キラキラ

ウート「あーヘルメット?参ったな、もう買っちゃったんだけど…」

ヴァルキリー「えー?」プクー

おっちゃん「…換えるか?」

ウート「ごめ。そうしてもらっていい?」アハハ…







ウート「確か、学園都市じゃメチャクチャなスピードが出せるバイクとかあったらしいが…」ガポッ

ウート「俺はこーいうバイクのが好きだね。」カチャ、カシン!カチ。

キュルルル…ヴォオン!!

ヴロォオオン!ブロォオオン!

ヴァルキリー「うむうむ。私もこういうバイクは好きにつき!」ガポッ

ウート「んじゃ、行きますか!」


ゴアア!ブォォオォオオン!!!




〓〓イギリス郊外:道〓〓


ブォオオォオオ!!

ウート『最近のヘルメット、中にインカムが搭載されてて、同乗者と話せんだよね』

ヴァルキリー『へー、知らなかったにつき』

ウート『音楽も聴けたりするみてえだし…何かかける?』

ヴァルキリー『何が入ってるとの事?』

ウート『J-POP系メインかな。』

ヴァルキリー『んー。まだいいにつき。後でまた。』

ウート『わかった』ヘラヘラ








ブォオオォォオォォオ!!!


…少し型は古め。

恐らく、"バイクの絵を書いてくれ"と言われたら大半の人が書くであろうタイプのバイク。

後ろにヴァルキリーを乗せ、爆音を鳴らしてどこまでも伸びる道を疾走していく。


…イカしたバイク。後ろに美女。

男ならちょっと憧れるスタイル。


ヴァァァァアアアアア!!!



(いやあ、ここまで揃ってると嫌でも自己陶酔しちまうよな)

ウートガルザロキはギアを踏み込み、 二速から更に上に上げてシフトアップしていく。

景色をどんどん置き去りにして。ビュンビュンと前の景色を後ろへ追いやる。

風が、自身の体を撫で上げていく。

そんな感覚が少しづつ自分を愉快にしてくれる。

スピードを出せば出すほどそれは顕著に。
スピード狂やレーサーの気持ちが少しだけ理解できる。

もっと早く。もっと、もっともっともっと!!

逸る気持ちを抑えるのが大変になってくる。



『はー!気持ちいいにつき!これを運転できるウートは凄いとの事!!』

『ハハ、いいもんだろ?バイクって!』


ヴァォォオォォオン!!


"バイクという生き物が吠えている"。

そう錯覚させる心地いいエグゾーストノイズが耳を支配する。

「バイクは下半身で乗るもの」と言われる。

ニーグリップ(太股でバイクのタンクをしっかりと挟み込む事)をしっかり行い、腰で右左折を行っていく。

ヴァルキリーの体温と手、柔らかいカラダを感じながらウートガルザロキは飛ばして行く。




ヴァルキリー『まーがりっ♪くねったー♪みーちぃのさっきぃにー♪』

ウート『(みーちっのさきっにぃー♪)』

ヴァルキリー『まぁているっ♪いくつっもの♪小さなひっかりー♪』

ウーキリー『『まぁだっ♪遠くってー♪見えーないっけっどー♪』』



(…背中。広いにつき)

胸が押しつぶれるにも構わず。
ヴァルキリーはウートガルザロキの背中に更にしっかり抱きつく。

(…暖かい。)

今まで自分が感じてきた温もりとは違う暖かさだった。

(…もしずっとこうしていられたら。私は幸せなのかもしれないにつき)

ウートガルザロキとは昨日今日の関係だが、何故かひどく安心した。

『誰かに寄り添える』。それは自分が知っていたモノよりずっと幸せな事だったらしい。

(…ウートと知り合えて、出会えてよかった)

スピードを上げ。彼等は爆走していく。




ヴァルキリー『ねえ、どこまで行くとの事?』

ウート『どこまでも行くさ。君とだったら本当にどこまででも行けそうだしな!』

ヴァルキリー『ふふっ…♪』

ウート『ハハ』


ガソリンだとか、Uターン予定地とかなんかは一切考えない。


若さに任せて勢いだけで。曖昧で適当で無鉄砲で考え無しの行き当たりばったり。


でも。


なんだか、本当に地平線の向こうにでも行けそうな気がした。




〓〓ドライブイン〓〓


ヴァルキリー「あむあむ。バイクは初めて乗ったにつき!でも楽しいとの事!」モキュモキュモキュ。

ウート「そりゃよかった。」ハハ

ウート「サブウェイ美味い」モクモク

ヴァルキリー「………」チラリ

ウート「? どした?」ニコ

ヴァルキリー「ええっと…その。」

ヴァルキリー「よかったら"はんぶんこ"とか…どうかなとの事」

ウート「ふっ…ふふっ。いーよ?ほら」つチギリ

ヴァルキリー「! じ、じゃあ私のも!」つチギリ

ウート「ん。あんがと」ヘラヘラ

ヴァルキリー「…あむ//」

ウート「ん!んまいな。こりゃいい交換したわ」クックッ

ヴァルキリー「………」


ヴァルキリー「/////」

ヴァルキリー(こんな風にわけあったのはいつ以来だったか)








ウート「んじゃ、ロンドンに帰ろっか?」ニコッ

ヴァルキリー「ん!」ニコッ









〓〓学園都市屋台ロード〓〓



シギン「ふっふーふーん♪」←E:カブトムシキャップ

フレメア「にゃーにゃにゃあー♪」←E:カブトムシリュック

天井「手を繋いで楽しそうだな…しかしそんなに可愛いか?カブトムシ。」

シギン「可愛いよ?ねー?」

フレメア「ねー?」

天井「まあ構わんが…ん?」



サンドリヨン「…」モッキュモッキュ。




シギン「サンドリヨンちゃん!」フリフリ

サンドリヨン「お前達か」モキュ、

フレメア「にゃあ?大体、友達?」

サンドリヨン「ちが シギン「うんそう。そうなんだよね」

サンドリヨン「いやちが シギン「そういえばサンドリヨンちゃんはここで何を?」



※サンドリヨンさん登場時はフランス語で会話してると思えですの




サンドリヨン「…ハワイにいたメンバー探しよ」スタスタ

シギン「たこ焼きと焼きそば食べながらどこかの模擬店の景品持って?」クスクス

サンドリヨン「…別にどんなスタイルで探そうと自由でしょ」フン

シギン(素直にお祭り回ってるって言いなよサンドリヨンちゃん…)テクテク

シギン「そっかあ…ねえ、よかったら私達と一緒に探さない?お店も回りながら。」テクテク

サンドリヨン「! し、仕方ないな。まあ一人よりは効率上がるだろうしな!」テクテク

天井(プライド高い人は面倒だなぁ…)ハハ…

フレメア「にゃあー!大体、二人とも私にわからない言葉でしゃべるなー!」プンスコ!=3








〓〓別の屋台道〓〓



上条「さて、どこ行く?」

青髪「メイド喫茶行かへん?!常盤台の子達がやっとるんやって!ねえ?!行かへん?!」ハァハァハァ!

土御門「―――!」キュピーン!

土御門「…貴様、まさか舞夏か?!舞夏目当てか!?許さん!許さんぞぉ――――!!!!」クワッ

青髪「え?いややわー、違うに決まってるやーん」ナイナイ ノシ

土御門「それはそれで許せんですたい!」バキャ!

青髪「なして?!」グッハァ?!

土御門「貴様の言い方はウチの可愛い可愛い舞夏ちゃんが魅力ないと言ってるように聞こえる…それだけで万死に値する」コキコキ

青髪「んなこと言われても」

トール「いやまあ舞夏ちゃんもそれなりに可愛いとは思うけどよ」ハハ

土御門「"それなり"?!貴様"それなり"だと?!許さん!マジでブチ殺してくれるわ!」

トール「お?やるか?来いよ!」



\ト「ウルアー!ケンカナラマケネェー!」土「アニパワーナメンジャネーゼヨォォオ!」/ギャーギャー!




垣根「…いつもこうなのか?」

吹寄「そうね?まあ平常運転よ」クスクス

姫神「そう。いつもの事。」クスクス


インデックス「ねーねーとうま。」クイクイ

上条「ん?どうした?インデックスさんや」

インデックス「私、さっきのカブトムシ屋さんで欲しいものがあるかも!ちょっと行ってきていい?」

上条「あーはいはい。…皆!俺ちょっとインデックスにつきあってカブトムシ屋行ってくるわ」

サローニャ「じゃあサローニャちゃんもついてくー♪」

姫神「…じゃあ。私も…」

垣根「あ?じゃあ皆で行けばいいだろ。どーせ行くあてなかったんだし」スタスタ

上条「いいのか?悪いな」ハハ




青髪「神よ、ボクはどうなっても構いませんからアイツに非モテ男達の怒りの鉄槌をくだしてください」ブツブツ




〓〓常盤台メイド喫茶『Ben tornato(ベン・トルナート)』〓〓


食蜂「やぁねぇ。『来年から娘を入学させる殿方に媚を売るため』に『メイド喫茶』だなんて…」ヤダヤダ

縦ロール「確かに短絡的で下心満載ですが、効果は抜群らしいですわ女王」

食蜂「『そんな事を娘にさせたくない』とか、『俗で相応しくない』とかの意見はなかったのかしらぁ?」

縦ロール「なんでも、理事長がゴリ押し仕切ったとか」

食蜂「ハア…殿方って皆バカよねぇ。
   全く、何で私が奉仕力を出さなきゃいけないのかしらぁ?」ハフー

縦ロール「あら中には素敵な殿方もいらっしゃるのでは?」クスクス

食蜂「…例えばぁ?」

縦ロール「ほら、女王が大覇星祭の時に懇意にしていらっしゃった…」

食蜂「…」ピッ!

縦ロール「…? あら、いやですわ。私忘れてしまったみたいです」


食蜂「…それは、トップシークレットよぉ」ブスー

縦ロール「?」







泡浮「あらあら」

湾内「まあまあ」

婚后「これはこれは」



御坂「……////」←メイド服


泡浮湾内婚后「「「とっても可愛らしいですわ御坂さん!!」」」ニッコリ


御坂「や、やめて!//何かすっごい恥ずかしいからあ!///」ブンブン!

泡浮「では私達も」ニコッ

湾内「ええ!そうですわねっ!」ニコッ

婚后「着替えて御坂さんに負けないくらいの可憐さを発揮しなくては!」ダッ!

御坂「ちょっ、ヤダもー!やめてよね!恥ずかしいじゃない!////」




御坂「……」

御坂「………」

御坂(アイツの模擬店じゃ会えなかったし…
   知り合いなんだからチラッと見に来たりくらいするわよね?)

御坂(…誘いのメールも電話も恥ずかしくて出来なかったけど。)うう



御坂(……あいつ、来てくれるかなぁ…)










白井「えふっ…えふっえふっえふっえふっ…お、おぬぇえはまあ…おぬぇえひゃまハァハァきゃわわわわ!!ハァハァ…」デュフッ、デュフッデュフッ…




〓〓茂み〓〓


海原「………」

海原「………」

海原「…」ピポパ。

海原「…もしもし。ええ、自分です。お久しぶりです。ええ、はい。私事で申し訳ないのですが」



海原「ちょっと、協力してもらえませんか?
   やはり、ヒロインには涙より笑顔が似合いますから。」



――――――

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―――――――――――――



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―――昔。哀れな魔術師がいた。





彼は元ローマ正教信徒で、『隠秘記録官《カンセラリウス》』だった。

かのパラケルススの末裔で、彼自身の名もそれから取られた。


彼の仕事は"識る"事。その知を世に広める事。

魔術の実験を繰り返し、そこから『法則』を知る。

そしてそれを書き記した『魔道書』を世に出す。

…端的に言えば。暴漢の武器の仕組みを知り、それの対策を本にする事。


彼は『魔道書』を書く事で沢山の人間を救った。

そして、彼は誰よりも早く書く事ができた。

彼は『魔道書』を書く事で既存の魔女の邪法から身を守る事が出来る人間を増やし、罪なき人をその脅威から守れると信じていた。




だが、ローマ正教は彼の技術を独占する。


簡単な話だ。『助かりたいなら信徒になれ』。そう言うためにだ。


『これでは誰も救えない』


そうして彼は魔女被害が多い『魔術大国』英国へ渡る。

イギリス清教と接触し、


――――そして。


決して救えぬ少女《じごく》と出会う。


彼は何度か会う内に、いつしか少女の"先生"になっていた。





『"我が名誉は世界の為に"《Honos628》』。



世界の全てを救いたいと願い、自分なりの戦い方でずっと戦ってきた彼は、彼女と接する内に絶望した。


『自分では、彼女を救えない。』


自分では彼女の不幸の『法則』を見つけられなかった。




――だが、それでも彼は諦めなかった。


彼は少女ただ一人を救うためだけに、ただただひたすら魔道書を書き上げた。

何度失敗し、書き記した魔道書10冊20冊と失敗を重ねても。


―――どうしても彼女の笑顔が見たくて。


いつしか、自分がどれだけの魔道書を書き上げたかもわからなくなった頃。

彼は気づく。自分が何故決して諦めないのか。

『自分は、単に魔道書を提供するという名目の元に少女に会いたかっただけだった』


彼は筆を取れなくなった。

少女一人のためだけに魔道書を書いても彼女は救われない。

他の者のために魔道書を書いても少女は救われない。

少しでも少女の救いを模索するために、他の者のために書く事はもうできない。


彼は誰も救えなくなってしまった。




『……"この方法"では誰も救われない』


彼は決意する。


彼はローマ正教を完全に裏切り、十字教勢力を敵に回した。


―――そして。そして。彼は誰にも辿り着けなかった境地へ辿り着く。


それでも、少女は救えない。

自身のその究極の技術を世界中の魔術組織から狙われても彼は進む。

次に学園都市を敵に回した。必要なモノを揃えるために。

まだ少女は救えない。


そして。――そして。


彼はとうとう準備と調整をやり遂げた。



…長かった。3年かかった。だが安いものだ。少女が助かるならば。

世界中を敵に回し、救ったその後に自分がどうなるかわからなくても。

彼はそれでもよかった。

ただ、たったの一度だけでも。少女の笑顔が見たくて。

自らの名を呼んで笑ってほしくて。



―――だが。





    ・・・・・・・・・・・・・・・
『―――お前、一体いつの話をしてんだよ』






あろう事か、少女は既に救われてしまっていた。


少女にとっては幸せな結末《ハッピーエンド》。

少年にとっては報われぬ結末《バッドエンド》。


自分がどれだけの犠牲を払っても。

自分がどれほど苦心しても。

自分が世界中を敵に回してでも出来なかったのに。

あっさりと。彼は彼の全てを否定された。


自分を忘れて、少女は見知らぬ少年と幸せそうに笑っていた。


必死の思いだった彼に見向きもせずに。

ただの一度も微笑まずに。

もちろん少女に落ち度はない。だが、思わずにはいられない。




(酷い、裏切りだ。)




その後。彼は知識も記憶も顔も失った。


彼はかつて主人公だった。

職場を裏切り、信仰も信念も捨てて。
魔術師業界でも軽視の目で見られる"錬金術師"になり、

それでも、たった一人の少女を助けるために死力を尽くした男。


僅差。タッチの差。たった、それだけで、最悪の失敗《バッドエンド》で終わった男。


上条当麻がそうなるかも知れなかった男。




―――昔。哀れな魔術師がいた。




〓〓三沢塾戦後:とある病室〓〓




アウレオルス「―――――っ、」ッハ





アウレオルス「……?」ムク…

アウレオルス(漫然、どういう事だ?私は…っぐ)ズキッ

アウレオルス(…ああ、自分が創った幻影に喰われたのか…)ズキズキ

アウレオルス(だが力を失った訳じゃない。記憶も、五体も失ってない…)

アウレオルス(…ここは病院か)キョロキョロ


カツカツカツ。

アウレオルス(! 誰か来るか!)

アウレオルス「…『我が身の分身、アウレオルス=ダミーを顕現。数は一人、格好は今の私。記憶はゼロ』」


ポワン!


ダミー「……」

アウレオルス「綽然、上手くいったか。後の事はダミーに全て任せるとしよう…」スタスタ

スウッ……







ガチャ。


ステイル「…アウレオルス=イザード。気分はどうだい?」

ダミー「アウ…?鬱然、すまない、それは私の事か?貴方は…」

ステイル「…記憶を、失ったか」








〓〓学園都市外〓〓



アウレオルス「依然、やはり黄金錬成《アルス=マグナ》は扱いが難しい。
       思考が全て現実となり続けるのは私の精神にかかる負担も多大だ」

アウレオルス「…しからば。」コホン。

アウレオルス「『腕輪をこの手に。黄金錬成《アルス=マグナ》をオンオフ切り替えできる腕輪。数はひとつ、デザインは金色、彫金が施された美しい物』」


ポン。

…どうやら上手くいったようだ。

現れた腕輪をつけ、アウレオルスは考える。



アウレオルス(喟然。私は…私はどうすればいい?)




脳内で静かに自問自答を、シミュレートを繰り返していく。


Q.アウレオルス=イザードはこれからどう生きる?


少女への復讐?……NO。

少年、神父への復讐?……NO。

また『魔道書』書きに戻る?……NO。


ならば。自分はどうしたい。


「………」




(煢然、私は…それでも、やはり私を知るインデックスに…会いたい…)


フラリ。陽炎のように立つ。


アウレオルス(――決然、そうだ。探しに行こう。)


吸血鬼に噛ませて記憶容量を拡張する必要はもうない。

何せ彼女はもう救われたそうだから。

ならば記憶の完全な再現を自分は目指すべきだ。

よくよく考えてみれば、黄金錬成《アルス=マグナ》による少女の記憶再現には欠陥がある。

そうだ。考え、そして探そう。穴を埋める方法を。


ふらり、ふらり。錬金術師は歩き出した。



アウレオルス「…歉然、無いものか、『本人の記憶を完全に、完璧に再現するモノは』」


――現実を思い通りに歪める黄金錬成《アルス=マグナ》。

だが、それはアウレオルス=イザードが考えてしまった事をも再現してしまう。

彼が心のどこかで『これは作れない』と思えばそれは絶対に作れない。

故に『吸血鬼』も『吸血殺し』も作る事は出来なかった。


……"イメージすれば現実となる"。
それは逆に言えば"イメージできないものは創造できない"。

仮にアウレオルスが

『吸血鬼とは冷淡で冷酷、残酷無慈悲な殺戮マシーンだ』

と想像してしまえば、"それ"はそういった生物になってしまう。

だが現実には『彼等は私達と何も変わらない。(姫神秋沙談)』


現実とは差異があるにも関わらず、それが真実に成り代わってしまう。




インデックスの記憶詳細を知らない。


更に言えば、アウレオルスは未だに『絶対記憶能力者が記憶のしすぎで死ぬ事はない』事を知らない。


故に、アウレオルスはインデックスの記憶の復元はできなかった。

インデックスの記憶を呼び戻そうにも、彼女が具体的にはどう救われたのかがわからない。

察するに、彼女の容量を増やしたのか、『原典』を何十冊か削除したのか…

それを知ろうにも彼女は自分を、黄金錬成を打ち負かした得体の知れない少年に守られている。


近づく事は避けたい。



(…私がある程度、当時の事前知識を調べて知れば…?漠然、そんなイメージで…いや)


アウレオルスが復刻を望む『インデックスとアウレオルス=イザードの記憶』は彼の主観に伴う記憶だ。

仮に無理矢理にでも黄金錬成で再現しても。
当時の事を客観的に見た情報、アウレオルスの目線、思考、価値観から見た歪んだ情報しか与えられない。

そこには『インデックスの主観による記憶』が存在しない。


当時、あのエピソードをどう感じたのか。

当時、あの共にした食事はどう感じたのか。

当時、インデックスがアウレオルスをどれだけ慕っていたのか。


アウレオルスにはわからない。

推測する事はできても、真実そうであったかなんて事はわからない。

人の心なんてわからないもの。

彼が知らない心理を再生する事は叶わない。


旅をしながら時折黄金錬成で学園都市での彼女の姿や街の様子を覗く。

事件や戦いに彼女が行く度に肝を冷やしたり、万が一があれば助けるつもりで。



―――そして。転機。




黒垣根(マスター個体)『"残留思念"って言葉があんだろ?そいつらはな、「未元物質」で読み取り、再現した、妹達の"最後の断末魔"だ!!』



アウレオルス「……!」



これならば。死者の記憶ですら再現できるのならば。


アウレオルスは再び学園都市に足を踏み入れる。

希望を胸に、トラウマを押さえつけ。

再び"自分を先生と慕うインデックス"に会うために。





―――そして、現在。




(だが、容易ではないだろう。)

警戒を怠らず、アウレオルスは屋台の道を行く。

(あれだけの事をしでかす生き物だ。
 御しきれなければ、私が敗北をイメージしてしまえば終わり…)


アウレオルス(雑然…考えが纏まらんな。
       いかにして捕らえる?いかにして交渉する?)テクテク

アウレオルス(…とにかく接触し、あの"未元物質"を手に入れなければ!)テクテク

アウレオルス(あれさえ手に入れれば、黄金錬成と組合わせ、今度こそインデックスと!!)

アウレオルス(さあ、どうやって―――――)チラッ





白垣根「いらっしゃいませー、いらっしゃいませー!未元物質製、白くて可愛いカブトムシはいかがですかー!」


アウレオルス「」




アウレオルス(未元物質売ってた――――!!!!)ガ――ン?!


「お兄さーん!」テッテッテ

アウレオルス「?」チラッ

インデックス「これ一つ欲しいんだよ!」つ100円

アウレオルス(な?!!インデックス?!鴨が葱をしょって来ただと?!)カクレカクレ



白垣根「はい、食用未元物質カブトムシ一つですね?
    お味が『カスタード』、『あんこ』『生クリーム』『ハチミツレモン』とありますが」


アウレオルス(唖然!?食うのか?!学園都市では能力やカブトムシを食うのか?!
       貴様!私のインちゃんになんてゲテモノをををを?!!)ギリギリギリギリ

インデックス「じゃあ『ハチミツレモン』でお願いするんだよ!」

白垣根「かしこまりました。少々お待ちください」スッ…




インデックス「ふんふんふんーふーふーふーふん♪ふんふんふんふ~ふふん♪」

アウレオルス(燦然、第九…可愛らしい笑顔で歌う君も天使だ)






白垣根「お待たせしました!…少し多目にしておきましたよ?」クスッ

インデックス「ありがとうなんだよ!」

アウレオルス(あ、くそっ!竦然、インデックスがアレを食べてしまう!
       黄金錬成で阻止するか?だがっ)



インデックス「あーむっ。んー!まろやかクリーミー、ハチミツレモンの味が舌をとろけさせるんだよ~///」ムッチャムッチャ。

アウレオルス(…くっ、ちょっとアリかなと思ってしまったじゃないか)


インデックス「おいひぃ~♪」モムモム

アウレオルス(…ハッ!今チャンスじゃないか!今ならばインデックスも未元物質も手に入れられる!)

アウレオルス(躍然、待ってろマイスウィートエンジェル!)ダッ!


吹寄「あ、いたいた」

姫神「勝手に行くのは。ダメ。」

アウレオルス(な?!"吸血殺し"?!)キキーッ!



垣根「しっかし趣味悪りぃな。これも俺だっていうのがイヤ過ぎるな」

サローニャ「うご。まさかの食べられるカブトムシちゃん…」うえー

トール「美味いのか?あれ…」

土御門「やれやれだぜい」

アウレオルス(いや、イケる!イケるぞ!たかが子供数人!神は言っている!『ここでさらっちゃいなさい』と!)

青髪「インデックスちゃんボクのカブトムシもくわえてくれへんかな」

アウレオルス(憤然、だがその前にあの変態はしばく!
       黄金錬成《アルス=マグナ》、解放!)カチッ オン!


アウレオルス「死にさらせ、青髪の――」


上条「あ、いたいた。危うく迷子になるとこだ」スタスタ


アウレオルス(う、うわぁ――――ああああ?!出たァアア―――!!?)

アウレオルス(突然、恐怖のウニ頭も来たァアア!!)バッ!

アウレオルス(くっ、逃げろ!ひとまずはやり過ごす!)オフカチッ

ダダダダダダダダ……




上条「? 何か今、スッゲー懐かしい奴がいたような…?」ハテ?

姫神「奇遇。私も感じた。」ハテ?

インデックス「私は特に感じなかったんだよ!」モッキュモッキュ。






上条「んじゃ次行くかー」スタスタ


\土「カミヤンカミヤン!」上「ナンダヨ」/






アウレオルス「…行ったか…」ゴソ




アウレオルス「憮然、千載一遇のチャンスを逃したのは残念だ…」

アウレオルス「だが断然、あのウニとは二度と会いたくない」スタスタ




アウレオルス「すみません」

白垣根「はいいらっしゃいませ!」

アウレオルス「そのカブトムシキーホルダーを一つ下さい」

白垣根「かしこまりました!お買い上げ、ありがとうございます!」






アウレオルス(ふう…買えた…凄いドキドキした)フー

カブトムシキーホルダー「………」キシキシ…

アウレオルス(とりあえず学園都市からは出る。)

アウレオルス(彼女の記憶ゆかりの地を"未元物質"でなぞらせるのも必要であるしな)




アウレオルス(敢然、不安はあるがイギリスに"飛ぶ"か)オンカチッ








〓〓イギリス:ロンドン〓〓


ブォオオオンン…


ウート「はい到着」

ヴァルキリー「っはー!楽しかったにつき!今日はありがとう、ウート!」ニコッ

ウート「はは、喜んでもらえたよーで何よりだよ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「ウートはこれからどうするとの事?」

ウート「そだねぇ…今日の宿見つけてそこで飯でも食おっかなって思ってるよ?」

ヴァルキリー「…じゃあ、今後の予定は?」


ウート「んー。ベルちゃんと会って…後はリーナちゃんに挨拶して、学園都市に帰ろっかなーとは思ってる」

ヴァルキリー「…私、は?」チラッ

ウート「ん?ああ、ごめんごめん。もちキュリアちゃんも一緒に、ね?」ギュ!

ヴァルキリー「!」パァッ…!

ヴァルキリー「ん!」ギュ!

ウート「はは、そーんなに心配しなくていいって!キュリアちゃんはもうウチの従業員なんだからさ」ポンポン

ヴァルキリー「…ん」モフモフ


ウート「さ!行こう!何がいい?」

ヴァルキリー「んー…なんでもいいにつき。」ニコッ

ウート「なんでもかー…じゃあ魚とかどう?美味い店知ってんだ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「じゃ、そこで!」ニコッ








〓〓『Seafresh Restaurant』〓〓


ヴァルキリー「へー…私こーいう店には入った事ないとの事」キョロキョロ

ウート「そ?」クスッ

ウート「イギリス料理はあまり美味しくないだとか美味いのは中華とケバブだとかよく言われるけどさ」

ウート「そりゃそいつが知らないだけで美味いもんってのはちゃんとあんだよね」ヘラヘラ

ヴァルキリー「ふーむ?例えば?」

ウート「例えば、ここの名物の『フィッシュアンドチップス』」ニヤリ

ヴァルキリー「…確かに有名と言えば有名につき。でも…」

ウート「…と、思うだろ?だけど違うんだなこれが」

ヴァルキリー「?」

ウート「ま、食べてみてよ」ヘラヘラ






店員「お待たせしました」コト、コト。

ヴァルキリー「…見た目は一般的なフィッシュアンドチップスの範疇につき」

ウート「まーね。ほらどーぞ」ニコニコ

ヴァルキリー「…あーむっ」パク

ヴァルキリー「?!美味しい!」

ヴァルキリー「白身魚が信じられないほどふわっふわ!柔らかい!それに油の美味しさじゃない美味しさにつき!」

ウート「だろ?」ニコッ

ヴァルキリー「うわー…フォークが抵抗感なく突き刺さるにつき」

ウート「魚が『絶妙な温度』で『絶妙な時間』をかけて揚げられているからね。」

ウート「ジャンク系料理とは思えない程上品なんだよね」ヘラヘラ

ヴァルキリー「今まで食べてきたフィッシュアンドチップスはなんだったのか…」モキュモキュ。

ウート「でもそれだけじゃないんだよね。ジャンクフードの醍醐味…」

ウート「ケチャップかビネガーをたっぷりとかけたホクホクしたポテト食べる!」

ヴァルキリー「おおー…」

ウート「ま、これ食ったら『イギリスの料理はまずい』なんて二度といえなくなるんじゃね?」ヘラヘラ

ヴァルキリー「むー…確かに…」モクモク。

ウート(まあ、このあと食後のアイスも出てきて血糖値上がりまくりなのは避けられねえんだけどね)


※実際にある店です。







ヴァルキリー「はー…美味しかったー…」

ウート「満足いただけたようで何より」ヘラヘラ

ウート「ほら、手」テギュ

ヴァルキリー「う、また?」

ウート「キュリアちゃんがどっか行っちゃわないように」クス

ヴァルキリー「ぷー!そんなに心配だったら私の首に鎖でもつけたらどうとの事?」むーっ!

ウート「……じゃ、そーさせてもらおっかな?」クスッ

ヴァルキリー「?」

ウート「…」ゴソゴソ…パカッ

ヴァルキリー「あ、これ服屋で私が見てた…やだ、ホント?」キラキラ

ウート「ハハ、キラキラした瞳でずっと見てたらそりゃわかるって」ヘラヘラ

ヴァルキリー「う。///」

ウート「…こんな細い鎖で、君を繋ぎ止められるとは思わねえけど…」スッ…

ウート「よかったら、俺の横に居てよ」ニコッ
ヴァルキリー「////」カァー///

ウート「つけてあげるよ」スッ

ヴァルキリー「あ、う。////」

ウート「そんな目と手をぎゅってしなくても」ハハ

ウート「…はいっ!つけたよ」ニコッ

ヴァルキリー「わぁ…!」

ウート「ん。よく似合ってる。綺麗だよ」ニコッ

ヴァルキリー「ねえ…ウート…私今夜は帰りたくないにつき…///」ソッ

ウート「…んじゃ、今から何処か夜景の綺麗なとこいこっか?」ヘラヘラ。ヒョイ

ヴァルキリー(あ、お姫様みたいに抱き上げられて…///)キャ♪








〓〓夜景が一望できるとこ〓〓


ヴァルキリー「…綺麗につき」

ウート「だね」ヘラヘラ

ヴァルキリー「…そーいう時は『君の方が綺麗だよ』と言うものとの事」ぷくぅ

ウート「えー?恥ずかしくて言えねえよー」ヘラヘラ

ヴァルキリー「むー散々口説き文句を言ってきたクセに…」ムスー

ウート「そう?」

ヴァルキリー「そう!」

ウート「じゃあ、頑張って言うから…ちょっと耳貸してよ」

ヴァルキリー「…」ハイ

ウート「…」スッ


ウート「好きだよ」ポソッ


ヴァルキリー「な…!//////」

ウート「…あー、やべっ。ちょー恥ずかしい。忘れて忘れて///」ヒラヒラ

ヴァルキリー「…うぐ///」










〓〓ホテル、ウートガルザロキの部屋〓〓


ウート「ふー…」バタッ

ウート「何か一人になったの久しぶりかもな」ぐでー

ウート「キュリアちゃんと俺で二つ個室とったし…」バフッ。

ウート「…つーかさぁ…何俺ちょっと本気出しちゃってんの?バカじゃねえの?バカだよなバカすぎ。何考えてんだよ…」

ウート「こうしたら喜んでくれるだろうってやってったら…はあ…」

ウート「キュリアちゃんが素直にスッゲー可愛い反応してくるからついついテンション上がりまくってやり過ぎちまった…うう…」

ウート(……ベルちゃんの事もあるっていうのによ…サイテー過ぎんだろ、俺)グス

ウート「ヤベェ…本気で自粛しねえと俺マジでクズになるわ…」ゴロン

ウート「……」

ウート「まあ、たった一回のデートもどきでオチたりはしないだろ、うん」


ウート「…そーいや…シギンやあまっちは元気でやってっか…ね…」ウト、ウト…


ウート「……」スヤー




〓〓ヴァルキリーの部屋〓〓



ヴァルキリー「…」つネックレス

ヴァルキリー「…」イジリイジリ

ヴァルキリー「…ふふっ♪」ギュッ

ヴァルキリー「はー…」ボフッ

ヴァルキリー「…全部奢ってもらうなんて初めての事」

ヴァルキリー「服も食事もプレゼントも…」

ヴァルキリー「ウートガルザロキは凄いにつき…」

ヴァルキリー「……」


ウート『好きだよ』


ヴァルキリー「~~っ////」バタバタ




〓〓イギリス某所〓〓




ベイロープ『はー。全くいつまで続くのかしらね?この任務』

――――――――――――――――――――――――――――――


ランシス『ふ…ひひ……あはは…わ、わからないよ…っくく…』プルプル

――――――――――――――――――――――――――――――


フロリス『やれやれ。つーか、賊が狙ってる霊装の護衛って…ワタシ達がやるような仕事じゃなくない?』

――――――――――――――――――――――――――――――



レッサー『確かに本来は騎士派の仕事ですよね?何やってんでしょうか』

――――――――――――――――――――――――――――――


フロリス『へっ、どーせ天草式の"ねーちん"のケツ追っかけてんでしょ』ハッ

――――――――――――――――――――――――――――――


ベイロープ『…はい、全員おしゃべりはそこまで。』

――――――――――――――――――――――――――――――


ランシス『ひひ……え?』

――――――――――――――――――――――――――――――



ベイロープ『"来た"わ」ガチャ


「…………」



ベイロープ「ハァイ、盗人野郎。今すぐ投降すれば楽に殺してあげられるわよ?」ガシャリ

「…………」




「索然、貴様では私の首は取れんよ」


本編投下終了。以下おまけ。

2巻のあとがきで、かまちー曰くアウレオルスは『上条当麻がインデックス救出に失敗した姿』って言ってたけど


むごいよね


〓〓『船の墓場』:ウートガルザロキの部屋〓〓


ウート「そーいやあさ、お前って部屋に何かインテリアとか置く派?」

トール「いや?基本そーいうのは置かねぇな。何で?」フルフル

ウート「いや今度任務で行くとこにさ、けっこー有名なインテリア屋があんだよね」

トール「へー」

ウート「せっかくだから覗いていこっかなーと。んでどういうのを置くのか参考が欲しくてさ」

トール「へー…あ。ならよ、」


トール「皆の部屋を見せてもらって参考にすればいいんじゃねぇか?」

ウート「あー。いいな、それ!」



~そんなわけで。~



〓〓シギンの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーてー!」


シギン「え?んんー…まあいいけど…」



トール「ふーん?随分シンプルなんだな。」キョロキョロ

シギン「うん。やっぱりシンプルいずべすとだよ」

ウート(ぶっちゃけ『"無印良品"で生活に必要な物を全部揃えたらこうなります』って感じ?)



〓〓ヘルの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーてー!」

ヘル「散らかってるから」スー

トール「頼むって!」

ヘル「……」ツーン

ウート「何とかちょっとだけでもダメかな、ヘル。
    ちょっと見たらすぐ帰るし、よかったら今度いい雰囲気の店とかで奢るぜ?」

ヘル「う。……んー…」

ヘル「約束、よ?」

ウート「ありがとー!」テギュー



トール「ほー?なんつーか、ゴスロリ調?黒と赤、ホラー系の。」

ヘル「まあね。そういうのが好きなの」

ウート「いい部屋だな。へえ、ナイトメアビフォアのジャックのぬいぐるみとかあんだな」ヘラヘラ


〓〓ロキの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーてー!」

ロキ「ええ、構いませんよ」ホッホッホ




トール「はー、なんつーか…格調高いクラシック調な書斎って感じ?アンティークとか多いな」キョロ

ウート「確かに。貴族とか富豪の書斎みたいだな。
    柱時計とか本棚とかすげー高そ…」

ロキ「ほんの30万相当でございますよ」ホッホッホ

ウート「円?」

ロキ「$でございます」

トール「」


〓〓ヨルムンガンドの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせー…あん?」

ウート「どした?」

トール「いや、鍵開けたまんま、部屋の真ん中んで寝てるみてぇだ」



ヨルム「くー…」ZZZ

トール「…まさにおもちゃ箱の中をひっくり返した子供部屋、だな」ハハ

ウート「なんか俺、トイ・ス○ーリー思い出したわ」ハハ



〓〓フェンリルの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーてー!」

フェンリル「まー別に構わねぇよ。こんな部屋でよけりゃ、思う存分見てけ見てけ。」ハハ

ウート「あざーす!」



トール「すげー、バーカウンターとかダーツとか、ジュークボックスとかあるな」

ウート「黒い皮ソファにローテーブル、デカいタイヤ…bar調って感じ?」

フェンリル「まーな」ハハハ!


〓〓マリアンの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーて…ってマリアンかよ!アイツの部屋は俺入らねぇからな!」

ウート「? …ああ、お前スプラッタ苦手だもんな」ハハ



マリアン「部屋?別にいーけど」



ウート「んー予想を裏切らないって感じか?」

マリアン「ま、ご想像どーり、人間家具と鍛冶場があるだけだよ」フフン

ウート「ぁいや、俺が言ってんのは机の上の写真たて。」

マリアン「うにゃっ?!////」

ウート「お前それ何か盗撮っぽいんだけど…ちゃんとベルシに許可とったんだよな?」

マリアン「絶対秘密にしろ!バラしたらテメェも私の家具の一つにするからな!?////」うなー!



〓〓"魔神"の部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!」

トール「見ーせーて…ってここは一番マズイだろ!?馬鹿かテメェは!」

ウート「いや俺わりとオティちんと仲いーし。」ヘラヘラ

トール「オティちん?!」ガーン!



オティヌス「私の部屋?構わんが」

ウート「な?」

トール「マジかよ…」



トール「ふーん?意外に普通だな。俺はもっと人腕の蝋燭とか髑髏とか、
    怪しい薬とか置いてあるおどろおどろしいのを想像してたんだが」

オティヌス「ふん、そんな部屋で寛げるか」

ウート「黒基調のシャビーシックな感じだな」

トール「観葉植物とか置いてんのな」ヘー

オティヌス「ああ。ちなみに"ミッシェル"と名付けた」フフ

ウートール((何故ミッシェルなんだ…))


〓〓トールの部屋〓〓


ウート「あなたのお部屋!見ーせーてー!」

トール「まあいいけど…お前もよく来るだろ?
    大して変わってねーぞ?インテリアもねぇし。」

ウート「いやほら、新しい発見とかあるかもだし?あんまじっくり見た事はねえんだよね」ヘラヘラ



ウート「…パッと見ジムだよな、もう。
    ボクシング系トレーニング器材とミニ冷蔵庫、ソファとベッド、霊装の手入れ用器材…」

トール「いかにも俺らしいだろ?」ハハ


〓〓ウートガルザロキの部屋〓〓


ウート「結局参考になりそーなのはなかったな」

トール「だな。まあこの部屋は…」

トール「なんかこじゃれたビジネスオフィスみてえだし、
    それに合わせたらいいんじゃねぇのか?」

ウート「基本黒色、銀のパイプ系家具に合わせて?」

トール「そ。後はパソの横に置ける小物類みてーなとか」コクン

ウート「かね。あ、よかったらお前にも何か買ってこようか?」

トール「マジで?じゃあサンドバック買ってきてくんね?」

ウート「インテリア屋にンなもんねーよ」ハハハ


〓〓『船の墓場』メンバー共有冷蔵庫〓〓


ヨルム「スプンでつつけば♪ふるえーるー♪」スタスタ

ヨルム「黄色い♪ソナター♪」トコトコ

ヨルム「マロと♪ソナタの♪秘密ーのーかーいわーぁ♪」

ヨルム「ママ殿♪わすーれーなーいでーたもー♪デザートに♪プリン♪」

ヨルム「ふふっ!楽しみだな、黒蜜堂のプリン!」ニコニコ

ヨルム「僕の部屋の冷蔵庫には入りきらないくらいいっぱい買っちゃったんだよねー」ホクホク

ヨルム「へへへ…3日は美味しいプリンが食べ放題だな!」エヘヘ!

ヨルム「ぷーりーんー♪」ガチャ。


ヨルム「……あれ?」


帝凍庫「そんなもんはねえ。空っぽだ」


ヨルム「僕のぷりんが誰かにとられた!?」ガーン!?



〓〓『船の墓場』グレムリン作戦会議室〓〓

ウート「でさー」ハハハ

トール「へー」ハハ

ヘル「ふーん」アハハ


ヨルム「お前らー!」バタン!

フェンリル「どーした?ヨルムンガンド」

ヨルム「誰か共有冷蔵庫に入ってた僕のプリン知らないか?!」ゼェハァ


ウート「え?」←プリン食ってる

トール「え?」←プリン食ってる

ヘル「あら?」←プリン食ってる

フェンリル「へ?」←プリン食ってる

シギン「ん?」←プリン食ってる

(以下略)

ヨルム「な、な……」ガクガク

オティヌス「どうした、ヨルムンガンド」←プリン食ってる

ヨルム「Σ( ̄ロ ̄lll)」ガーン!

オティヌス「? ああ…」

オティヌス「お前いつもは自分の分しか菓子を買ってこないのに、今日は箱で買ってただろ?」

オティヌス「しかも当日食べなければダメになってしまうタイプの生プリンだ」

ヨルム(えっそうなの?)

オティヌス「…皆で食べたかったのだろう?」ポン

ヨルム「え?あいや……」

シギン「ヨルムンガンドは優しいね」ナデナデ

フェンリル「サンキュな」ポン!

ヘル「美味しいわ」ナデ

トール「悪いな!」ナデナデ

ヨルム「…うん、皆が喜んでくれたなら…」ズーン…


オティヌス「ほら、お前の分だ」つ

ウート(……あれ?ひょっとしてこれ、オティちん本人に確認しないまま俺達に
   『ヨルムンガンドからだ』って配った?)


ヨルム(…まあ、いっか♪)


ヨルム「あ、うまーい♪」ホクホク♪


いっぱいプリンを食べる事は出来なかったけど。

みんなと美味しいプリンを食べれてしあわせなヨルムンガンドなのでした。
                         (今日のわんこ風に)


おまけ終了。

いまいちキレがない。スランプなのかもしれない。


中々書き進まないからこねたでも。


〓〓とある高校:教室~夕方~〓〓

上条「スーッ……スーッ……」zzz

サローニャ「寝てる…」

上条「スーッ…スーッ…」zzz


サローニャ「……」ゴソゴソ

サローニャ「…縛ってちょんまげちゃんー」

まげ条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「ツインテ。」

あず条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「…立てて…モヒカンちゃんー」

モヒ条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「ワックスちゃんをバラして…天パー」

天パ条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「ウィッグつけて…アフロちゃんー」

アフ条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「更にグラサンかけさせて…きゃーファンキー…♪」

ボボ条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「髪のわけかた変えて…ビジュアル系ー」

V条「…スーッ…スーッ…」

サローニャ「……」

サローニャ「…ふふ。どんな上条ちゃんでも素敵だよっ?」

サローニャ「…大好き。」チュ


上条「ふ……あぁ~~あ…」ムクリ

サローニャ「!」シュバッ



サローニャ「あ、上条ちゃんおはよー」ニコッ
上条「…サローニャ、今なんかしてた?」くしくし。

サローニャ「んーん?何にもー。さ、早くかーえろ?」ニコ



上条「……『…ふふ。どんな上条ちゃんでも素敵だよっ?』」ボソ

サローニャ「うにゃああああああああ?!//////」


〓〓とある高校:教室~朝~〓〓

姫神「……。」

上条「スーッ…スーッ…」

姫神「……。」

姫神「…。」キュポッ。

姫神「…。」カキカキ。

姫神「…フッ。」ニヤ



姫神「……。」ガラッ…

パタン。


上条「ふあ…あー……」フワァー





〓〓上条宅~夕方~〓〓

トール「…上条ちゃんよ、なんで頬っぺたにそんな落書きしてんの?」

上条「え?」

トール「ほい」つ鏡

上条「……?」チラッ


「秋沙たんLOVE」


上条「…今日、やたらと女子皆が冷たかったり殴ってきたのって……」

トール「ああ、だからそんなボロボロなのか」コクン


〓〓『メンバー』仮本部〓〓

博士「……」カタカタカタ…

馬場「…」カタカタ

プシュー。

博士「…おや、君かね」

査楽「ええ、私ですね」

博士「何の用かね」カタカタカタ

査楽「実はお二方に個人的に相談に乗って貰えないかと思いましてね」

馬場「僕も?」

博士「ふむ…話してみたまえ」

査楽「ありがとうございますね。…あれは私が『メンバー』に入ったばかりの時の事なんですがね――」


――――――
――――――――
――――――――――――


〓〓路地裏〓〓


パァン!パァン!

査楽(くっ、しくじりましたね!まさか『メンバー』の下部組織、しかも私の隊から裏切りが出るとはね!)

査楽(ここまで、ですか…ね!)


ドカァン!「ぎゃッ……」「あああ?!」「なんだ貴さぶぎゅるッ?!」


査楽「?!」ビクッ

ツカツカ…

ショチトル「おい、終わったぞ」

査楽「あ、ありがとうございます!助かりましたね!」

ショチトル「礼には及ばん」ツカツカ。

査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)

――――――――
――――――
―――


査楽「――それが始まりでしたね……」

博士「ふむ」

馬場「へぇ」


―――――
――――――――
――――――――――――


査楽「ぐあっ!?」ドサッ

ショチトル「?!大丈夫か!査楽!待ってろ、今回復術式を!」

査楽「すみませんね」

ショチトル「ふん、仲間を助けるのは当たり前だろう」ポゥ…

ショチトル「ほら、治ったぞ。」ニコッ

査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)

―――――――
――――
―――


ショチトル「くっ、この最新式携帯は無駄に高性能でわからん!」

査楽「あ、それ私のと同じ機種ですね。よかったら操作方教えますね」

ショチトル「そ、そうか?ありがとう!助かる…!」ニッコリ!

査楽「いえいえ。」ニコッ

ショチトル「お前は優しいな…」ニコ

ショチトル「…その。どうだ、よかったらアドレス交換でも…しないか?」テレッ



査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)ポチポチポチポチポチポチ!


――――――
―――――
―――


ショチトル「…どうも最近、お前と昼食を取る事が多いな」モキュモキュ。

査楽「ですね。まあ、私はあなたの事好きですから嬉しいですがね」モグモグ

ショチトル「……」パチクリ。


ショチトル「///////」カァ…



査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)モグモグモグモグモグモグ!


――――――
――――
―――


ショチトル「ぐあ!」

査楽「ショチトルさん!くっ!あいつら!」パァン!パァン!

ショチトル「くっ…これしき!」ググ…!

査楽「バカですかね?!明らかに大怪我ですね!今すぐ病院に!」

ショチトル「だが…」

査楽「…私はあなたが心配なんですがね」

ショチトル「すまない。では…」

ショチトル「おんぶ。…してくれないか?」バ。

査楽「」




ムギュウウ。

査楽(やわらかい!やわらかいやわらかいやわらかいやわらかいやわらかいんですねぇぇ!!?)

ショチトル「ん…ありがとう、査楽…」モフ。



査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)ダダダダダダダダ!


―――――
―――
――


査楽(もうダメですね!告白するしかないですね!)

査楽(ショチトルさん可愛すぎますね!もう誰にも渡したくないんですよね!)

ショチトル「…」スタスタ

査楽(ナイスタイミングでショチトルさん!?くっ、だが心の準備が…!)

ショチトル「まったく…いつになったらエツァリお兄ちゃんに会えるんだろ…」

ショチトル「…血は繋がってない妹分だぞ?結婚だってできるんだぞ?///」

ショチトル「おにいちゃん……」ハフゥ…



査楽「」



査楽(ショ、ショチトルさんんんんん!!!)


―――
―――――
―――――――



査楽「――というわけなんですね」

博士「…まあ、諦めずにアタックをがんばったらいいのではないかね?」

馬場「……」

馬場「あのさ、」

馬場「無理じゃないかなぁ…」チラッ



~メンバーの現在状況確認画面~


警策『チョロット~?任務伝えただけでしょー?なんでそんな不機嫌になるのよー』

ショチトル「うるさい黙れ!貴様が電話をかけてこなければお兄ちゃんの魔力が辿れたんだぞ!」

警策『ンー?よくわっかんないけどー、それって私のせい?』

ショチトル「そうだ!で!任務とやらは?!おにいちゃんとの再会を妨害されただけの価値はあるんだろうな?!」プンスコ!=3





馬場「…」チラッ

博士「…」チラッ


査楽「ショ、ショチトルさんんんんん!!!」(_´;Д;`)ノ ウォォォォォォォォォ!


〓〓三沢塾戦〓〓


姫神「元々私がここでどんな扱いをされていたか聞く?
   何のために建物のあちこちに隠し部屋があるのかとか。」


姫神「俗物すぎで。きっと君は耐えられない。」

上条「姫神…」



姫神(…そう。例えば…!)

――――――
――――――――
――――――――――



学生「へへ…クラスで一番を取ったらあんたを好きにできるってさ。」

姫神「そう。いつもの事。…何をすればいいの」

学生「はは…!"言わなくてもわかる"だろ?」






姫神「……」クネ

学生「ヒュー!か、か、か、かわうぃィィィィよォォォォ!!」パシャッパシャッパシャッパシャッ

学生「バニーあいさたんかわいいィィィィィィ!!!あ、もうちょっと媚びた表情してもらえます?」パシャッパシャッパシャッパシャッパシャッ

姫神「こ、こう…?///」

学生「ッフぅぅぅゥゥゥ!!!」パシャッパシャッパシャッパシャッパシャッパシャッパシャッパシャッ!

学生「じゃ、次動画いきまーす!手でぴょん♪ってやってください!」

姫神「…ぴょん。」クイッ。

学生「ウホホホホ―――ィィィィィィィィィィ!!!」

姫神(何故こんな事で…ダメ。わからない。)


―――――
―――――――――
――――――――――――


学生2「次は僕だね」ニヤリ

姫神「そう。あなたは私に何をしてほしいの」


学生2「僕達は若い。その若い情欲をぶつけるに決まってるじゃないか…!」


学生2「"服を脱げ"」



――――
―――――――
――――――――――


学生2「ウッヒョォオオ!!!あいさたんの女体盛りィィィィ!!!」パクパクパクパク

姫神「………」

姫神(刺身が生臭い…)

学生2「いっちゃう?!いっちゃう?!おへそのあたりのタンポポどかしちゃう?!」

姫神(どうでもいいけど。何故局部には乗せなかったんだろ。下着は全部つけさせてもらえたし…)

学生2「っきょぉおォォォォおッッッッ!!あいさたんの形のいいおへそォォォォ!!!」

姫神(衛生面からだろうか。)

学生2「きょおおおお!!きょおおおお!!!」

姫神(うるさい。というか何故ヘソなの。ヘソフェチなの?普通胸とか局部じゃ?)


―――――――
――――――――――
―――――――――――――


学生3「ふ~ん?中々可愛いじゃん?」

姫神「…女の人でも私が欲しいの?」

学生3「同姓だからこそできる、"やらせたい事"ってもんがあるじゃんよ」ニタァ…

姫神「……そう。何をすればいいの」








学生3「ギャアアアアアアア!!!可愛いィィィィィィィィ!!」

姫神「……」

学生3「こーいうのは私は着れないからなー!いいなー!!!」ハァハァハァハァ!

姫神(ゴスロリ、スクミズ、ブルマ、包帯だけ、ふわふわ系、森ガールと着せられ…着せ替え人形扱いか。)

学生3「っしゃあああああ!!!次コスプレ系いくじゃんよォォォォ!!!」



――――――――
――――――
――――




姫神「……俗物すぎて!!!聞いたらきっと!!!あなたは耐えられない!!!!」ガンッ!

上条「姫神?」


オティヌス「…『むかしむかしあるところに絶対記憶能力を持つが故に1年おきに記憶を消さなければならない少女がいました』」

オティヌス「『少女のパートナーは毎年変わり、歴代パートナー達は少女に忘れられて悲しんでいました』」


オティヌス「…終わり」パタン

オティヌス「…」ヨイショ


オティヌス「…『むかしむかし。吸血鬼を皆殺しにする力を持つ少女がいました。』」

オティヌス「『少女はもう誰も死なせたくないと魔法使いになろうとしました』」

オティヌス「『ですが少女はその過程で組んだ錬金術師に殺されてしまいました』」

オティヌス「おわり」パタン。

オティヌス「…」ヨイショ


オティヌス「『ある国に3人のお姫様がいました。』」

オティヌス「『2番目の"軍事"に優れたお姫様は国の行く末を予見し、怖い剣と一緒に死ぬ事を決めました。
      そして反乱を起こしました。』」

オティヌス「おわり」パタン。


オティヌス「『化け物と呼ばれ、ずっと一人孤独な少年がいた。少年は回りから唆され、たくさんの少女を殺し続けました』」

オティヌス「『あるところにシスターさんがいました。シスターさんは誰にも解けない本の暗号を解くことに成功しました。
      ところが、それ故に狙われる事になり、かつての仲間から殴られ蹴られ。酷い目にあわされました』」

オティヌス「『あるところに酷い人生を送り続けた子がいました。その子は自分以外の10人を助けるために脳の一部だけになってしまいました』」

オティヌス「おわり。おわり、……終わり。」


オティヌス「……だから、こんないいことなんてない世界から。私はさよならするよ」スッ…


「「「「ちょっと待てよ!!!」」」」


インデックス「私はとうまに助けられて、記憶を消さなくていいようになるんだよ!?」

姫神「私。助かる。もう誰も殺さなくて済むようになる!」

キャーリサ「私の反乱は姉二人と母、国民が止めてくれるの!」

一方「俺は反省し、一人ぼっちじゃなくなるンだが」

オルソラ「私も助けていただけるのでございますよ?それに、暗号解読は間違っていたのでございます!」

恋査「俺だってサイボーグとしてまた生きられるようになるんだ!
   クソみてぇな人生捨てて、先生に恩を返すチャンスをもらえるんだぞ!?」


「「「「アンタの人生も最後まで観ようぜ!!!もったいないよ!!!」」」」


オティヌス「……」パチクリ。



―――"イイコト"っていうのは、人生の最後の方で起こる。



終わり。イイコトが起きずに終わる事もあるけれど。

とりあえず、自分の人生は最後まで観たいなって。

では


※SSを読む時は部屋を明るくして、画面から充分に離れて読んでね!


トール「守んねーとピカチュウ的なアレでブッ倒れちまうぞ!ビリビリ!」b ビシッ!



…数時間後。

安置されていた霊装が消えた場所で。

血溜まりの中に斃れているベイロープが仲間達に発見された









ガチャガチャガチャ…

ベイロープを乗せたストレッチャーが病院の廊下を進んでいく。

フロリス、ランシス、レッサーがベッドと並走しながら声をかける。

「ベイロープ!死ぬなよ!?」

「意識を、しっかり…!」

「寝ちゃダメですからね?!ベイロープ!」

「……ぁ…」

ベイロープの全身は殆ど朱色に染められていた。

彼女の意識は混濁と途切れ途切れの回復を繰り返しながらも辛うじて生きていた。

  ・・
……まだ。


傷、というにはあまりにも大きすぎる"穴"が彼女の体に穿たれていて。

肉体の一部一部が無くなっていた。

ごっそりと。



「では今から手術しますので…」

『新たなる光』のメンバーに見守られて、ICUの扉の向こうへベイロープは吸い込まれていった。








〓〓ICU前〓〓


フロリス「ベイロープが一人でやるから…っ」

レッサー「…ある意味仕方なかったですけどね…」

レッサー「あの霊装を守るためには4人全員で相手どる訳にはいかなかった」

レッサー「私達がいたドッグの構造上、一ヶ所だけに全員で固まるわけにはいかないし人員は私達だけ。」

レッサー「他3人が駆けつけてもそれが陽動だった場合を鑑みても…」

レッサー「ベイロープは動く訳にはいかなかった上に私達もすぐに動く訳にはいかなかった。」

レッサー「一人が犠牲となる事でその道を守り抜く『番人』術式と『守人』術式の併合…」

レッサー「…まあ、それも破られて霊装も盗まれてしまいましたが」

レッサー「…こんな事なら自爆術式も組んでおけば…ベイロープは無駄死にしなくて…!」

フロリス「レッサー!あんたねぇ…!」

レッサー「私はこうしたら任務を果たせたのにって言ってるだけです!」

フロリス「だからって!だからってねぇ!そんな言い方はないんじゃねぇの?!」

レッサー「守れなかったら意味ないんですよ!?結果が出せなきゃ何もしてないのと同じじゃないですか!!!」

レッサー「フロリスはそれをちっともわかってないじゃないですか!」

フロリス「ハァ?!んな事言ってないっつーの!!言っていい事と悪い事がわかってないんじゃねーのっつってんの!!!」

ランシス「やめて!……今、啀み合ったって…どうしようも、ないよ!」

フロリス「ランシス、」

ランシス「…結果は、残念でも、ベイロープは、……使命を全うした。」


ランシス「…失敗はしたけど、まだ私達は、これから犯人を追わなきゃいけない……」

ランシス「手術後にベイロープが話せたら、犯人特定、……私達の手で…」

レッサー「……いなくなりませんよね、ベイロープ」

フロリス「当たり前でしょ」


なんとはなしに彼女の結末は見えていた。

わかっては、いた。……頭では


(((ベイロープ…)))


今はただ、神に祈るばかりだ。








「手術は……成功はしました。ですが」

「欠損した部分が多く…正直、いつまで持つか…」

医者が沈痛な面持ちでベイロープの容態の詳細を語る。

医者が丁寧に説明をしてくれているが、あまり頭に入ってこない。

ただ、わかる。

どれだけ手を尽くしても、あまり長くは持たないと


「…ベイロープに会わせてください」




〓〓ベイロープの病室〓〓


ベイロープ「……ぁんた……達」

人工呼吸器をつけ、苦しそうに声を捻り出す。

「大丈夫?ベイロープ」

ベイロープ「……ぁ……あ…ゲホ、うぇ゙っ……」

ベイロープは、力を振り絞って、伝えようとしていた。

「何?何を?犯人は?!」

ベイロープ「は……ん…にん…………は………」

それだけは、と言わんばかりに。ベイロープは叫んだ。

ベイロープ「黄金錬成《アルス=マグナ》使い!!!」

ベイロープ「緑のオールバック!身長は2m前後!白いスーツ!アイツばッ……ゴホッ…」

フロリス「あ、黄金錬成《アルス=マグナ》?!ベイロープ、いくらなんでもそれは」

ランシス「ま、待って!何?どうしてそう思うのベイロープ!」

ベイロープ「あ…いつ。…っは、言葉を発しただけ。詠唱じゃな…いのに…なのにっ」

ゴブッ…血が口から漏れる。

ベイロープ「あ゙いづ…っぐ、術も霊装もなしでっ…"自分の思い浮かべた事"を現実化しで……」ガクッ

レッサー「ベイロープ?!ベイロープ!」

フロリス「?! オイ、ベイロープ!」

ランシス「……」

ベイロープ「っ……っ…!…」


ピ――――――。


心電図からの音が背中に冷水を流し込まれたような錯覚。

レッサーが慌ててナースコールボタンを連打する


…風前の灯火となった彼女の命の炎はもう、いつ消えてもおかしくはなかった




〓〓イギリスホテル:ウートガルザロキの部屋〓〓


ウート「ふ、あぁ~……」ムニャ

ウート「…………」ボヘー

ウート「……っ、……っ!」←高速腹筋100回
ウート「……っ、……っふ!」←腕立て伏せ50回

ウート(っし日課終わり!弛んだ体じゃ女は抱けねえってな)

ウート(シャワー浴びっか…替えパンどこ入れたっけ)ゴソゴソ




ウート「~♪朝シャン~♪」シャワワ

ウート(無精髭って嫌われるし念入りに剃って…他の毛も股間以外全部処理……っと)ソリソリ

ウート「…眉毛と睫毛も整えとくか」チョキチョキ

ウート「鼻毛は…大丈夫…んー肌綺麗になる洗顔料…っと」カタン

ウート「歯磨きもしとくか」シャコシャコ




しゃわー。


ウート「ありのままの君でいいなんて♪俺は言わないぜ♪
    そうして生きていけないから君に♪俺は歌うんだよ♪」シャワシャワ

ウート「上手くそれらしいことばっかいってりゃ♪とりあえず♪いい感じ♪
    そうだろ?濁った"本当"なんかより♪"フィクション"の方がいい~♪」ガシガシ

ウート「だけどそれじゃ埋まらねえ♪穴ぼこがやっぱり僕らのリアリティ~♪」ジャバー





ウート「乾かして…さて、今日はどのワックス使おっかな」

ウート「んー…ふわ系か、無造作系か…」ウーン




ウート「うし、今日はこの香水~っと!」シュッシュッ

ウート「上羽織んのは…黒めのファー付きコートでいっか」






ウート「…うし!今日もバッチリ決まってるな!俺カックイー!フー↑ウッ!」ビシッ☆

ウート「………」

ウート(…今度から写真撮る時この角度のキメアングルしてみるか)








ウート「キューリーアーちゃーん!」コンコン


ヴァルキリー『はーあーいー!ちょっと待って欲しいとの事!』






ヴァルキリー「今日はどうするとの事?」テクテク

ウート「んー…ベルちゃんとこで早いとこ用事済ませちゃいたーいーんーだーけどー?」

ウート「んっ、んっ、んー?なーんか通信霊装が通じないんだよな?」つ□

ウート「ま、忙しいみたいだし?今日もどっかに遊び行こっか!」ニコッ

ヴァルキリー「うんっ!」ニコッ!




〓〓学園都市屋台道〓〓



土御門「……」

―――――――
―――――――――――
―――――――――――――――


土御門「海原か」

海原『ええ。「グループ」以来ですね』

土御門「何の用だ」

海原『お願いがあります。少しの間上条当麻を貸していただけませんか?』

土御門「なら俺じゃなく本人に直接言うんだな。切るぞ」

海原『冷たいですね』

土御門「フレンドリーな俺でも期待してたのか?冗談だろ?」

海原『…もしよかったら常盤台のメイド喫茶に上条当麻を連れて来てはもらえませんか?』

土御門「何が目的だ?まさか最近"裏"で噂されてる常盤台の優秀な能力者を暗部堕ちさせる計画に"幻想殺し"を組み込む気か?」

土御門「この際ハッキリ言っておくが…」





土御門「"幻想殺し"に何かしてみろ。アレイスターも"オレも"黙っちゃいないぞ?」




海原あ『はは、あまり凄まないでください…
    ご心配なく。自分もあなたの"本気"を見たくはないですから』

土御門「もう一度聞く。何故"幻想殺し"を常盤台に?」

海原『自分の大切な人の笑顔を曇らせたくないんですよ』

土御門「そうか」ピッ




ツー、ツー、ツー……

海原「…切られましたか」

      ・・・・・・・・・・
海原「さて。これでもう大丈夫だな」クルッ



――――――
――――――――――
―――――――――――――――


土御門(海原が何の目的で動いているかはわからない)

土御門(だが本当に来て欲しいなら本人に直接交渉かそう仕向けるかするはず…
    しかしそれをするでもなくわざわざ『来させろ』とオレに電話して来たという事は…)

土御門("幻想殺し"単独だけではなく、今いる"オレ逹学友メンバー"に今常盤台に来て欲しいという事か)

土御門(あるいは、メンバー内の誰かに…)

土御門(舞夏が常盤台に参考メイドとして派遣されている今、何かされても困るしな…)

土御門(…いいだろう行ってやるよ"幻想殺し"も連れてな)



土御門「なあなあカミや~~ん~?元春は舞夏に会いたくなっちゃったんだにゃー?」スリスリスリスリ

上条「……」


土御門「だから常盤台に行こうぜい!さあ共に舞夏たんに会いに行くぜよ!!」ビシッ

上条「は?やだよめんどくさい」プイ

土御門「……カミやん?」

上条「行きたきゃ一人で行けよ」シッシッ

土御門「……」

土御門「カミやん?」

上条「なんだよ」


土御門「…いや、なんでもない。悪かったな」フルフル


土御門「…」カチカチ

土御門「送信、と」







〓〓小萌宅〓〓


小萌『はふー。じゃあ結標ちゃんはお昼は大丈夫なのですね?』

結標「ええ。…そんな小さな男の子じゃないんだから心配しなくても平気よ」クスクス

小萌『何故素直に「子供」と言わずに「小さな男の子」という単語が出たのか先生はちょっと不安しかないですー』ウフフ♪

結標「他意はないわ?」ウフフ♪

小萌『じゃ、晩御飯は冷蔵庫にあるシーザーサラダを食べてくさださいです』

結標「はいはいっ…と」ピッ


\~~♪/

結標「ん?何か言い残しかしら?」ヒョイ

結標「……」



『手を貸せ by土御門』





結標「…今更何の用なのかしらね?あのグラサン」




〓〓常盤台メイド喫茶〓〓



\チリンチリーン♪/


泡浮「!」

湾内「!」

婚后「!」



泡浮湾内婚后「「「おかえりなさいませ!御主人様!」」」





上条「おお…凄いな」

御坂「!」

上条「よう御坂!」

御坂「あ、あんた来たんだ?ふーんふーん?」

上条「ああ!お前、俺のクラスに来てくれただろ?近くに来たし、会いたくなってさ」ニコッ

御坂「! へ、へー!」




泡浮「彼が例の?」ヒソヒソ

湾内「ええ、きっとそうですわね!」コロコロ♪

婚后「御坂さん嬉しそうですわ」クスクス♪



食蜂「………」ジー

縦ロール「あら?女王はいかなくてよろしいのですか?」クスクス

食蜂「そうねぇ…」ジー


   ・・・・・・
食蜂「本物だったら考えたわぁ」プイ

縦ロール「…女王?」







上条「じゃあおいしくなる魔法かけてくれるか?」ニコッ

御坂「え?!い、嫌よ!あんな恥ずかしいの!」

上条「へー?仕事なのに御坂さんはやらないんですねー?皆はやってるのにー」

御坂「んなっ……!ぐ。わ、わかったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」


御坂「おいしくなぁ~れ!おいしくな~れ!みこちゃんびーむ!きゅぴぴーん☆/////」


上条「…」つ携帯<録画シマシタ

上条「はい、ありがとうございました」ゴソゴソ


御坂「ン待てやぁあああああ!!!何する気?!てめーそれをどうする気だゴラァアアア!!!」


上条「おいおい…わかるだろ?」フーッ

御坂「そのムカつくドヤ顔やめて」

上条「ほら、次は食べさせてくれよ。注文だ」

御坂「うぐぐ…終わったらあんた覚えてなさいよ!」

御坂「ほ、ほら…」つ―⊃

御坂「あー……ん/////」

上条「……」つ携帯<録画シマシタ

上条「あ、どもでーす」ゴソゴソ

御坂「おい」ビリビリビリビリ

上条「ダメ…か?家でもお前の可愛い顔が見たいんだけど…」

御坂「しょ、しょしょしょしょしょーがないわねェェェェ!!!/////」


泡浮(ちょろすぎ?!)ガーン!

湾内(甘すぎ?!)ガガーン!

婚后(チョロ甘すぎでは?!)ガビーン!



上条「ん!美味い!美味いよ!美琴に食べさせてもらうと段違いに美味い!!」

御坂「も、やだもー!///」ペチペチ!

上条「あ、写真いいか?お前と撮りたいんだ」

御坂「!?」ボンッ////

御坂「しょ、しょしょしょしょしょしょしょーがないわねぇー!!/////」

上条「ほら、もう少し密着して…」ダキ

御坂「?!////」

湾内「ではとりますわね?」

泡浮「ハイ!チーズ!」パシャ!

御坂「/////」
上条「/////」


湾内「撮れましたわー」つ

上条「………」


上条「うへっ」ニヤニヤ

御坂「」



上条(さて。そろそろおいとましましょうかね)


上条【海原】(以前冥土帰しの病院にショチトルの見舞いに行った時…
      培養保管されていた彼の非常時用皮膚を失敬しておいたのは正解でした)

海原(お陰で例の『常盤台生堕天計画』遂行者に対し"幻想殺し"の存在による抑止力が働く)

海原(何せ、"幻想殺し"に何かすれば統括理事長と土御門元春を敵に回すのですからね)

海原(…自分にはこんな形でしか御坂さんを守れませんが…)

海原(精一杯やらせていただきます!)クワッ




海原(いややっぱりこの際ですからギリギリまで御坂さんと思う存分いちゃつきますッッッッ!!!)キリッ



御坂「……?何か今日のアイツめちゃくちゃキモいわね」







〓〓学園都市屋台の道〓〓



上条「は、はぐれた……」ズーン

上条「人の流れでインデックスを見落として…不幸だ…」トボトボ

上条「はあ、とりあえず『カブトムシ屋』に行くって言ってたし…行ってみるか」スタスタ





白垣根「おや、また何か御用ですか?」ニコッ
上条「ああ、インデックスたち来てないか?」

白垣根「ふふっ、ひょっとしてはぐれました?」クスクス

上条「ああ。あー2回もここに戻って来るなんてな…」

白垣根「え?いやいや3回目でしょう?」クスクス

上条「……え?」







〓〓学園都市常盤台メイド喫茶〓〓


上条「…なんで俺がこんなとこに…」ブツブツ

土御門「まあまあ。インデックスも行きたいって言ったんだしにゃー」ポワポワ

青髪「メイド…っ、ゴスロリ…っ!あは―――――ん!」クネクネクネクネクネクネ

吹寄姫神サロ「「「キモい!!!」」」バキャ!

青髪「ごッッハーぁあああああ!!?」ドシャッ

上条「……」イライライライラ

インデックス「とうまとうま」クイクイ

上条「ん?どうした?インデックス」ニコッ

インデックス「なんだかお顔が怖いんだよ。どうかしたの?」

上条「まさか。何にもないし…お前といられるだけで俺は笑顔になれる」ニコッ

インデックス「」


インデックス(とうまがとうまじゃないんだよ!!?)ガーン?!



垣根「メイド喫茶か…あれだろ?『お帰りなさいませにゃん!』って言うヤツ」

トール「ハハッ、マジか?え、じゃあ何か?ミコっちゃんの『にゃん♪』を期待しちまってもいーのかね?」ギャハハ


上条(海原)「……!…」
御坂「…!……?」


上条「! ……インデックス、ちょっと来てくれ」ガシ

インデックス「? どうしたの?とうま」

上条「いいから」グイ

インデックス「?」







土御門「よう」スタスタ

舞夏「あにきあにきー来てくれたんだなーうんうん私はうれしーぞー」クルクル

土御門「…」チラッ

上条(海原)「ああ、美琴はやっぱり可愛いよ」ナデナデ

御坂「ふにゃあ~~ん////」ゴロゴロ

土御門「すまん舞夏また後でな」スタスタ

舞夏「? おー」



上条「喉も撫でてやろー」ナデナデ

御坂「ごろにゃーん!////」


土御門「よーう!カミやん!さっきあんなに拒否してたのは自分一人で来たかったからかー?」ウリウリ

上条「え?……あ、ああ!そうなんだよ!悪いな!」

土御門「いやいや!いいんだカミやん!あ、ちょっと面白い事考えたからあっちで耳貸してくれないかにゃー?」クイッ

上条「あ、ああ…」グイ

御坂「ぷぅー!もっと御主人様にナデナデしてほしいにゃん!」プクゥ

上条「あ、ああ…後でな!」




〓〓仮設男子トイレ〓〓



土御門「で、何やってんだ海原」ガシ

上条(海原)「いひゃいれす」モガモガ

土御門「"幻想殺し"の皮膚をどうやって入手し……ああ、冥土帰しの病院か?」

土御門「何をしでかす気だ。場合によっては……」グググ

海原「…例の計画から御坂さんを守るためですよ」

土御門「常盤台生の暗部堕ちか?Level5の広告塔である第三位を暗部に堕ちさせるわけないだろ」

海原「いえ、それがわからなくなってるんですよ」

土御門「…どういう事だ」

海原「別の暗部の計画もこれに絡んでるみたいなんです」

土御門「『暗部の計画』なんて星の数ほどある。どれの事だ?」


海原「……『人的資源計画【アジテート・ハレーション】』」



土御門「…ああ、あの」

海原「首謀者が求めているモノが何かはわかりませんが…どうも御坂さんも対象に入ってるみたいなんです」

海原「…自分が"闇"に彼女を渡す訳ないじゃないですか」ギリッ

海原「どれだけ犠牲を払っても、どれだけの人を巻き込み、……貴方と敵対しても」

海原「自分は御坂さんだけは徹底的に守り抜きますから」ギンッ!

土御門「そうか」




土御門「…ちなみに第三位をどうやってあそこまで懐柔した?デレデレじゃないか」

海原「『これは『仕事』。仕事だから"仕方なく"甘えていいんだよー』みたいな事を言ったら、ハイ」



土御門「…しっかしそれならオレに電話する必要はなかったんじゃないのか?
    ああもしオレ逹にも戦わせるつもりなら全力で逃亡に力を…」

海原「え?」キョトン

土御門「?」


海原「自分は今日、あなたに電話してなんていませんよ?」

土御門「……なんだと?」








~メイド喫茶~


青髪「ふっ…さあ泡浮ちゅわん?ボクに『オイスィクヌゥアル』の魔法をかけてアーンして」キリッ

泡浮「はい!御主人様!『美味しくなぁ~れ♪美味しくなぁ~れ♪』あーん!」つ―∈□

青髪「あーむっ!」パクン!

青髪「じゃあ湾内ちゅわんはボクの体をどこでもいいからマッサージしてくれへん?」モグモグ

湾内「ハイ!御主人様!もーみ、もーみ。ですわー」モミモミ


青髪「婚后ちゅわんは写真とって?」

婚后「わかりましたわ!いきますわよー?ハイッ!チーズ!」パシャッ!

青髪泡浮湾内「「「イエーイ♪」」」



垣根「オイ、なんだアイツ…めちゃくちゃ手慣れてるぞ」ヒソヒソ

トール「はべらせてんのにああなりたいとは欠片も思わせねぇのがスゲェよな」ヒソヒソ




サローニャ「へー…じゃぱにーずカフェにはああいうお仕事ちゃんがあるんだねぃ」ズズー

吹寄「私はあんまりやりたくはないけど」フー

姫神「でも。私達がやったら。意外と儲かるんじゃないかな。」クス

吹寄「まあ確かにねー」アハハ…

サローニャ(吹寄ちゃんの自信ってどこから沸いてくるんだろ)ズズー

土御門「よーう、お待たせにゃー」だばだば

サローニャ「あ、おかーりー土御門ちゃん!上条ちゃんとインデックスちゃんは?」フリフリ

土御門「ん?まだ来てないのかにゃー?」キョロキョロ

垣根「ああ、入口のとこから見てねぇな」

トール「まあすぐ来るだろ」

土御門「……ちょっと探してくるぜい。カミやんの事だから間違って更衣室に突入とかあり得るしにゃー」スタスタ



「「「「確かに」」」」









土御門「……」スタスタ

土御門「…」ダッ!

土御門(無事で居てくれよ…!カミやん!)ダダダダダ!

土御門(電話の『海原』は偽者だった。"声変え"はなかったし、携帯に仕込んだ"確認術式"でも無反応。海原本人と認識していた)ダダダダダ

土御門("奴"はどうやら本人レベルでの変身ができる!違和感を感じてはいたがさっきまでのカミやんも…!)ダダダダダ

土御門(クソッタレ、狙いはカミやんか!?)ダダダダダ


上条「あ!土御門!よかったーここにいたんだな!
  さっき白い垣根に『KKN……いえDMNによればここにいますよ』って言われて探してたんだ」

土御門「カミやん?……は?え、…?」

上条「というか止めろよなーお前がさっき『おい、呼んでるぞ』って言うからインデックスから目を離してはぐれて…」

土御門「…え?」



…もちろん自分はそんな事は言っていない



土御門「カミやん右手をちょっと出してくれ」

上条「? ああ…」パキン!

土御門(オレの肉体再生《オートリバース》が無効…本物か)

上条「? 今何か打ち消したか?」

土御門「…カミやん。オレ逹とはぐれたのはいつだ?」

上条「? さっきのインデックスがカブトムシ屋に行きたいって走り出した時だけど」

土御門「そうか…さんきゅなカミやん。あ、皆あっちで待ってるぜい」スタスタ

上条「? おう」スタスタ

土御門「オレは後でまた合流するから」スタスタ

上条「? おう…」キョトン


土御門「じゃあな」







土御門(「カブトムシ屋についてから」……さっきまでいた『上条当麻』はやはり偽者か!)ダダダダダ!

土御門(今日現れた偽者は3人。『海原』『上条』『土御門』…三者の位置からして何かを企む犯人は複数!)

土御門(クソ!狙いはインデックスか?!能力者じゃないのに…
    魔術側か、例の暗部堕ちか、『人的資源計画』遂行者が狙ってるのか…)ダダダダダ!

土御門(クソ、カミやんの手も借りたいとこだがいずれにせよこの戦いにはカミやんを巻き込めない!)

土御門(倒すべき相手が"闇"で魔術側!決戦舞台が"裏"(ここ)ならば!そいつはオレの領分だからな!!)ダダダダダ!


土御門(……既に一人応援を頼んだが…もう一人呼ぶ…か?)ダダダダダ!

土御門「…」カチカチ

土御門「送信」カチッ



〓〓とあるスタバ〓〓


一方「ショート、バニラモカホイップゥ~♪」ニコー

「「「ショート、バニラモカホイップ~♪」」」


プルプルプル、プルプルプル……

一方「…あン?」コッソリ



『力を貸せ by土御門』





一方「……今絶賛バイト中なンだが」

「店長ー?お客様待ってますよー?」




〓〓学園都市某所〓〓




インデックス「とうま?どうしたのこんな所に連れてきて。早く皆の所に帰ろうよ」

上条「インデックス」ス…


ベリ。ベリベキバキボキ。


インデックス「?! あなたは!」





「久しいな、禁書目録。変わらぬ君の姿がとても嬉しい」





〓〓イギリスの病院:ベイロープの病室〓〓




ランシス「……つまり、ベイロープは強力な幻術を、……かけられたんじゃないの?って事」

フロリス「まー確かに…いくらなんでも黄金錬成《アルス=マグナ》なんて非現実的で無理過ぎなもんよりよっぽど現実的だよな」

レッサー「しかし、"チカラを持つ幻術師"ですか……そんな、候補なんていくらでも、」ウーン…



ウート『あどーもぉー!"ウートガルザロキ"でェーっす!幻術専門の魔術師だぜ☆』ヘラヘラ


「「「アイツしかいねーな」」」ガタッ










〓〓ロンドン街中〓〓



ウート「――――で、彼女は言ったのさ。
   『何で会えないの?!裁判所の命令なんざ無視しろっつってんだろぉがダボハゼがッッッ!!!!!!!』ってね☆」カロッ

ヴァルキリー「あはははっ!!あーなるほど!前半のアレはそういう事だったとの事?!」アハハハ!


「「「よう、幻術師」」」ポン。

ウート「ん?」クルッ

バキャ!!

ウート「んがっ?!」ドシャッ

ヴァルキリー「ウート?!くっ!」シュキン!

ヴァルキリー「貴様ら何するとの事ッッ!!」チャキ…!


ランシス「少し、話を…聞かせて、もらう…!」ジャキン!

レッサー「よくもベイロープを殺ってくれましたね…!」ジャキン!

フロリス「ぜってぇ許さない!ベイロープの前で土下座させてやる!」ジャキン!

ヴァルキリー「ち、何の事かはわからんにつき!でもウートを傷つけさせる事は許さないとの事!!」カチャリ…!


ウート「」きゅー。



―――――――
―――――――――――
―――――――――――――――




「脱衣《テイク・オフ》!!!」


バサアッ

ヴァルキリーはジーンズとタイトタートルネックを脱ぎ捨て、ビキニアーマー姿になる

煩雑化していた髪を首を振って正し、再び剣を構える

「うわ、痴女ですか?つーかベイロープがいるのに女連れてるとか…ベイロープは遊びだったんですかね?」

「サイテーだな。とりあえずコイツブッ倒したらボコす」

「……その後、去勢だね」

『鋼の手袋』を構える三者の物騒な発言を聞き流し、ヴァルキリーは彼女らの戦闘力を分析していく

(…見た所、北欧神話系。"雷神"トールの武神的な部分と豊穣神的な部分を抽出した感じとの事)




「行きますよッッ!!3人で一斉に"掴み"ますッッ!!」

『鋼の手袋』の爪指をガシャガシャ屈伸させ、飛び掛かる!

『手袋』は物質だけに限らず、空気や流動するモノを掴む事が出来る

……もし、人の身体を。その周囲の空気なんかを肉体ごと"掴んだ"ら…

明らかなパワーファイターであるヴァルキリーは確実に骨肉を砕かれ、成す術なく斃れるだろう

ガシッ!ガシッガシッ!!!

「捕らえた」
「終わりですね」
「終わったらすぐ詐欺師を」


ギチチチチチチチチ!!!




「……浅薄なり」




―――"人工"とは言え、『ワルキューレ』である彼女でなければ。





「ふんんッッッッ……ぬらッッ……ばぁッッッッ!!!」

レッサー、フロリス、ランシスは手袋の爪指が曲がらない方へ曲がるのを感じと―――

バッチイィイイイイン!!!

「「「んなっ?!」」」


弾かれ、3人は吹き飛ばされる




「チッチッチィ。猪口才な小手先だけの技など…」

目を爛々と輝かせ、戦乙女《ヴァルキリー》が目を覚ます。

「圧倒的な"チカラ"の前には無力無力無力ぅぅうううう!!!!」

抜かれたロングブレードが鈍く煌めく

「?!ダメ、フロリス!翼を!緊急回避―――」

「ハッハア―――!!!逃さんにつきィィイイイ!!!」

ブォオオオオン!!!

衝撃波によりリーチが延びに伸びた"剣"が彼女らを薙ぎ払う


「が……あ?!」
「―――ッッ?!」
「  」


「勝つのはもう!!諦めろとの事ォォォォォォオオオ!!!」


扇状に剣を降り下ろし"圧殺"する。






      ズ    シ  ッ   。






「ぽげっ?!!」
「んな、があああ?!!」
「ッッ?!!」


衝撃波を掴もうにも範囲が広すぎる。威力が重過ぎて受けきれない


「が……あ」
「う……」
「く、…あ」

鎮圧。戦闘時間、僅か十秒程度。


倒れ伏す3人にヴァルキリーはロングブレードを肩に担ぎ、一瞥する


「フッ。こちとら恥ずかしい格好をしてまで人間である事を捨てた身につき」

「そこらの魔術師程度に負けるワケないとの事!!」



(((一応羞恥心はあったのか)))



「ウート、大丈夫につき?」

稟とし、溌剌とした声色から艶と優しさをプラスした声色に変えたヴァルキリーはウートガルザロキを気遣う


……"ヴァルキリー"。"聖人"級の存在『ワルキューレ』、その劣化版。

天然ダイヤと人工ダイヤ。そう揶揄されるが……人工ダイヤもダイヤの内だ


彼女は此度も一度二度剣を振っただけ


「ふー。つまらん戦いだったにつき」



――そのチカラはまだ、全貌を魅せていない









ウート「…だぁから。俺はその日のその時間はキュリアちゃんと店で飯食ってたっつうの」ムスー

ヴァルキリー「…なんならその店行って店員に確認、その時のレシート見るとの事?」キッ

レッサー「すみませんでした…」ボロッ

フロリス「ごめん…」ボロッ

ランシス「う…」ボロッ

ヴァルキリー「全く!浅慮思考でいきなり襲撃だなんて…何を考えてるのかわからんとの事!」プンスコ!=3

ウート「うん、気持ちはわかるけど同じ方法で部下集めしてたキュリアちゃんだけは絶対それ言っちゃダメだと思うなー俺」フルフル



ウート「で?ベルちゃんは無事なの?俺としちゃそっちのが気になんだけど」

フロリス「…危篤。体のあちこちに風穴あけられて意識不明の重体」

ウート「な、は、ハア?!」

レッサー「私達に出来る事は…ベイロープにしてあげられる事は犯人探しをして捕まえる事しかないです」

ランシス「…正直、もうベイロープは助からない…と、思う」

ウート「……ベルちゃんに会わせてくんね?」




〓〓ベイロープの病室〓〓



レッサー「ここです」

ウート「そっか ありがとね」ニコッ

フロリス「あんま煩くすんなよ?ベイロープの傷に響く」

ランシス「……ベイロープの容態が、…少しでも変化したら、すぐ呼んで」

ウート「ああ、わかってるよ」ヒラヒラ

ヴァルキリー「…」スタスタ

ウート「ごめ、キュリアちゃん。ちょっとベルちゃんと二人きりにしてくんない?」ニコッ

ヴァルキリー「……わかったの事」ショボン

ウート「……」ガラッ…

パタン。



ベイロープ「………」コー…パー…

ウート「……ベルちゃん」ソッ…

ベイロープ「……」コー…パー

死んだように眠る彼女の傍に腰掛け、点滴の針が打たれた手を握る

ウート「ベルちゃん…」テギュ

ベイロープ「………」コー…パー


眠ったまま、彼女は答えない

ウート「……」



ウートガルザロキは珍しく無表情だった




~1時間後~

コンコン。

ヴァルキリー「ウート、そろそろベイロープの身体を拭くってナースさんが…」ガラッ


ヴァルキリー「……ウート?」

ウート「………」

ベッドの傍らでウートガルザロキは背中を丸めて座っていた。

ヴァルキリー「ウート、聞いてるとの事?」

心配そうにヴァルキリーがウートガルザロキの顔を覗き込むと、



「…俺はさ、"怒る"ってのは極力したくないんだよね」


そう、ポソリと呟いた



「無駄に体力消耗するしさ、基本的に怒って解決する事なんて殆どなくね?」

「失ったモンは取り返せねえし、やればやる程かえって人間関係を壊したり失っちまう」

「つーか?怒ってる奴を端から見ててもダセェ。ウゼェし目障り。ちょー迷惑」

「怒ったって満足するのはそいつだけだしー?しょーじき人間としての器がちっちぇんじゃね?」

「―――って俺は思ってんだけどー」

「ウー、」

何を、と言いかけ青年の顔を見て、ヴァルキリーは戦慄する


青年の今まで見た事がない程に冷淡な表情を見て。




「ドタマに来たわ」




ガッシャアアン!!


予想外の大きな音にヴァルキリーは思わず体をビクつかせる

横にあった椅子はウートガルザロキに蹴飛ばされ、床をゴロゴロ転がる

青年は怒りのあまり体を震わせ、どこまでもどこまでも冷たい顔で。


ウートガルザロキの放つオーラが変質していく

どこまでも軽薄で緩そうだったのが

『人がどこまで非情になれるか』をこれから誰かに試しに行く冷血な修羅(おに)と化していく


「ぜってえ許さねえ。この娘をこんな目に合わせやがったクソを生かしちゃおかねえ」

ウートガルザロキは久しく忘れていた感覚を思い出していた。


怒り。憤怒。頭に血が昇る。鶏冠に来た。

血が沸々と煮えたぎり、沸騰していく。

塞き止めていた理性のダムが決壊する



――――そんな、"ブチ切れる"という感情を




「目にもの見せてやる」

犬歯を剥き出しにしてウートガルザロキは病室を出ていった

「……う、ウート!待ってほしいとの事!」

ヴァルキリーも慌ててその後を追う。




〓〓ロンドン街中〓〓


意外にも簡単に下手人は見つかった。


ベイロープの傷に残る魔力を検索条件にサーチ術式をかけた所、対象はロンドン市内をプラプラしている事がわかったのだ

一応これは完全な私怨であるため、巻き込まないようヴァルキリーには

「とりあえず隠れておいて、俺に万が一があったらこの手紙を学園都市の叶え屋宛に。
 その後に俺を殺ったソイツを容赦なくぶった斬ってくれ」と伝えておいた

少しは色々疑うものだが彼女は少々抜けて、……純粋だったようですんなり承諾した。


……つまり今、ウートガルザロキを縛るモノは何もない




(―――見ぃー……つっ……けたっ♪)



ロンドンの街中を暢気に散歩する白スーツの緑オールバックの少年。

ウートガルザロキは自身の頬を引き裂かんばかりにニンマリと笑い、少年を犯人の特徴と合致してる事も確かめてこっそり後ろへ忍び寄る


「よお!」

後ろからわざとらしく明るく声をかける。


「テメェだろ?」

「―――は?」クルッ


バッキャアアア!!!

振り返った少年の顔に思いっきり拳を叩き込む。


「よお、このクソッタレのゴミクズ野郎。このウートガルザロキが骨の髄まで教えてやるよ」

指をコキコキ鳴らして宣告する。


「―――『死ぬより酷い』ってのがどういう事か」


もしグレムリン時代のウートガルザロキを知る人間ならこう評しただろう


『ああ、ウートガルザロキは"壊す"気だ』と


食物連鎖の頂点から最下層を見る氷の瞳。

青い瞳の奥にはコールタールのようなドス黒い殺意。

間違いなく殺される。無慈悲に、一抹の罪悪感もなく……肉骨粉にされる

そんな、瞳。




アウレオルス「駭然!な、なんの事だ!」


ウート「"足はヘシ折れ、立てなくなる"」つコイン ピィィン!

アウレオルス「! 幻術か?!」

アウレオルス「ぐ?!痛ッッ?!っく」カチッ!
アウレオルス「―――『"幻術は消えよ"』!!」

パッ!

ウート「?!」ピク…

ウート("俺級の"強力な幻術を消した?!)

ウート(まさか、本当に?ベルちゃんの言う通りに本当にマジもんの黄金錬成《アルス=マグナ》か?)



ウート「チッ、『考えた事が現実になる』ってそれもう反則じゃねえか!」

アウレオルス「綽然、故に私はこの術式を編み出したのだ」フフン

アウレオルス「…何故貴様が私を狙うかはわからん。だが、生きて帰れるとは思うな」スゥッ…

ウート「! ……」キンッ

――…

アウレオルス「――『幻術は行使不可能』!」

ウート「――"それはどうなんだろうな?"」ニヤニヤ


コイーン……カルカルカルカル……パシッ。


アウレオルス「……?」

しーん……

アウレオルス(憮然、ただのハッタリか?)

ウート「"燃え盛る火の海へ"」ピィィン!

ボォアウアア!!!

アウレオルス「?! 幻術!?バカな!何故使える!行使不可に設定したはずだ!」

ウート「……」ニヤニヤ




アウレオルス「くっ、だが無意味だ『幻術は消えよ』!」

ウート「"巨大な虫の大群。無数の巨大スズメバチ、無数の巨大蟷螂無数の巨大ダイオウグゾムシ"」ピィィン!

アウレオルス「『全て消えよ!』」

ウート「"ほら、俺の手の平が裂けて鰐の口になるぞ?早く逃げなきゃ喰われちまう"」
アウレオルス「く、――『幻術は消えよ』!!」

ウート「ハハハハッ、ほらほら"早く消し続けないとハマるぜ?"」ピィィン!

ビュワン

アウレオルス「?! 愕然、幻術師が消えた?どこかに隠れ……」キョロ



ウート「"ウートガルザロキが一人"」ビュワン

ウート「"ウートガルザロキが二人"」ビュワン

ウート「"ウートガルザロキが三人"」ビュワン

ウート「"ウートガルザロキが四人"」ビュワン

ウート「"ウートガルザロキが五人"」ビュワン

パイナップルマン「"パイナップルマンも一人"」ビュワン

ウート「"ウートガルザロキが六人"」ビュワン

ウート'S「「「「「「「さあ、俺達7人に勝てるか?」」」」」」」


アウレオルス「くっ…『全て消えよ!』『消えよ』『消えよ』『消えよ』!!」



ウート「おら!」バキャ!

アウレオルス「がっ…?!」グラッ

アウレオルス(くっ、イメージが追いつか、発動までにタイムラグがあって…中々消せぬ!)

パイナップルマン「パイナップルボンバーあああ!!!」つパイナポ

アウレオルス「パイナップル硬い?!」グバッ!

パイナップルマン「パイパイパイパイパイパイパイパイパイナポォォォォォォ!!!」バキャ!バキャバキャバキャバキャ!!

アウレオルス「ぐはああ?!くっ、何者だコイツはあああああ?!痛い!パンチより普通に痛い!!硬い!」

パイナップルマン「ふぅ…」カポッ

アウレオルス(頭のパイナップルを取った…?)



ステイル「どうだい?僕の秘奥義:『パイナップルディストラクション』の味は?」ドヤァ

アウレオルス「」



ステイル「さあ!まだまだパイナップルを味あわせてやる!」つパイナポ

アウレオルス「う、うわぁああああああ!?」ダッ!

ステイル「パイナポ――――――!!!!」パッキャアアアアン!!

アウレオルス「ぐっはぁあああ!!」ズザザザザザ!!

ステイル「パイナッ……ポォォウ!!ポォ―――!!!」パイナポ⊂( ^∀^)つパイナポ

アウレオルス「く、来るなぁあああああ!!!」ダダダダダ



ステイル「男ならすべからく!!パイナップルであれ!!!」ピョイーン!ピョイーン!

アウレオルス「全然!全く持って何一つ意味がわからん!!理解不能過ぎるぞ!!!」ダダダダダ

ステイル「地獄のパイナップル農園まで追いかけてやる!!!」ピョイーンピョイーンピョイーン!!!

アウレオルス「『消えよ』!!『消えよ』!!『頼むから消えてください!』!!」

ステイル「でも僕本当はメロンの方が好きなんだ!!!」つメロン

アウレオルス「」


ステイル「メロメロ♪メロリンクラーッシュッッ!!!」グシャッ!

アウレオルス「う、ウワァ――――ァァアアア?!!!」


―――――――――――
―――――――――
――――――


アウレオルス「」ボー


ウート「…さて?テメェはいつ『現実と認識している世界』に幻覚を差し込まれたでしょうか?」ニヤリ


アウレオルス「 」ボー…


ウート「敗者には愉快で楽しい夢を…」クスクスクスクスクスクス


ウート「あー…腕と足…あと肋骨は目一杯たくさん折っとくか」

ウートガルザロキはそこらに落ちてた石を拾って。

「よーいしょっと」


バキ。ぼきっ。

ぐしゃっ。ぐしゃ。ぐしゃ。ぐしゃ。ぐしゃ。



ウートガルザロキは無表情で何の感慨もなさそうに原始的な暴行を白スーツの少年に行っていく

それはどこか作業染みていて、まるで精肉工場でソーセージかなにかを作っていくかのようで

―――わかりやすい暴力故に下手な武器や霊装で傷つけるよりも恐ろしかった


「ふぅ…これで後は『自分の肉体がぐちゃぐちゃに破壊されていく』幻覚と
『吐き気するタイプのモノに壊される』幻覚の合わせ技でイケるかね」


多少は気が晴れたのか、手を休める。

「…痛かったか?ざまあみろ」

へっ。鼻で笑い、もう一発オマケで殴っておく。



スウッ。

「……?」

目の前にある自分の影が、盛り上がる。

何かの気配を感じ、振り返ると。




「…で?貴様の"手品"はそれが限界か?」



完璧な状態。"傷つけられた"なんて事なんかなかったように白スーツの男が立っていた。

「索然、あれだけ殺気を撒き散らしていて気づかれんとでも?
"人形"相手に遊んでいたようだが…楽しんでもらえたなら幸いだ」

(あー……なる。"ダミー"か。っべ、これしくったな完全に隙を突かれたわ)


ひどく冷静だった。間違いなくどう行動しても次の攻撃は避けられない。


だから、まあ。とりあえず強がる事にした


あらん限りの顔筋を使い、侮蔑の表情を浮かべて上から目線で。


「…やるじゃん」

「『吹き飛べ』」



ゴッ!!!ガッ!!!


「がッ…?!」


見えない壁に激突され、ウートガルザロキは血反吐を吐き散らしながら吹き飛ばされた。

1バウンド、2バウンド。それからきっちり全身をアスファルトに叩きつけられた。

「あ………が……………」


攻撃の手は緩まない。


「――『追撃。先の手順を複製せよ。吹き飛び、吹き飛べ。飛びに飛べ』」


歌うようにアウレオルスは詠唱を続ける

「ん…なっ!」バッ!

(避け――――!)

ドガッ!!

「があ?!」


―――1発。

「うぐっ、がっ、あああっ?!」

2発、3発。


「…――ッアっ、―?!―が、な、ぶ、う゛っ……」


4発5発6発。7発8発、9発。


「"痛かったか?ざまあみろ"」

「――ッ、」

……10発目。



ウート「  」パチッ…


グジャッ。



―――――――
――――――――――
――――――――――――――


「こんなものか」


ザッザッザッ。歩き、近寄る。

「コヒュー………コヒュー……」

血みどろになり虫の息となったウートガルザロキをアウレオルスは冷めた目で見つめる。

「喧嘩を売る割には存外弱いな。幻術師」

「"なんでもあり"の真髄を見せてやれんままだったが…死に逝く貴様にあと一つ見せてやろう」


「『巨大な鉄塊、重さは1万t。数は3つ。幻術師に降り注げ』」

突如鉄塊が3つ現れる。

鈍重な存在感。

確実に"潰れたトマト"を人体で再現する凶器。

―――――降り下ろされる。




――――――
―――――――――
――――――――――――


「"…で?あんたの"手品"はそれが限界か?"」

アウレオルスが振り返ると―――

「"吹き飛べ"」

ウートガルザロキ渾身の右ストレートが火を吹いた。




「がっ…?!」

よろめくアウレオルスに、ウートガルザロキは手にした石で更に殴りつけていく。

ガッス。ごきっ。ガンッ。ガンッガンッガンッガンッガンッ。

「頭脳派スマートでインテリジェンスなこの俺に泥臭い戦い方させんなよ…胸糞悪い」

「うご…『治れ』……ふぅ、『離れよ』!!貴様、一体どうやって逃れた?!」


アウレオルスは瞬時に自身の治療を済ませ、ウートガルザロキと距離をとる。



「べつにー?ただまあ、"幻術をかける手段"ってのは結構あるんだよね」

「コイン使わなきゃ幻術かけられないなんて誰が言ったよ?」

ウートガルザロキはコキコキ首を鳴らしながらアウレオルスへ飄々と近づいていく。

「単発な上に短くて簡単な誤認系幻覚しか見せらんねえが…」パッチン!パチン!

「パッチン、パッチン。指パッチーン、てか?指を鳴らしても幻術かけられんだよね、俺。」

「さっきアンタが10発目を撃つ前に鳴らして幻術をかけたんだよ」

「理屈としては…ほら、"催眠術"ってあるだろ?アレは目を覚まさせる時に指を鳴らすけどさ、
 俺はそれを利用して"自分は幻覚から覚醒した!現実に帰ってきた"と誤認させてんの」

「バカな、」



「ああ、言ってなかったよな?俺、"あらゆる幻術のエキスパート"。」


指をパチン、パチンと鳴らしながらウートガルザロキが近づいてくる

(待て、なぜ近づける?!黄金錬成で――いや、これも幻覚か?!)

「当然、あらゆる幻覚、錯覚、誤認させるといった手段を持ってるに決まってんだろ」

(ならば奴は私に近づいていると錯覚させているだけ――――)

……ゆらり。ウートガルザロキの背後から黒い禍々しい影が巨大な悪魔の形を成し始める


「――あんた、『なんでもあり』って言ったけどさ、」


「…でもそれ。例えば俺みたいな幻術師なんかが相手だったりしたら相性最悪なんじゃね?」


ニタァアアア……引き裂くような狂気染みた笑顔。


――――これ以降、どんな戦いになるかを察する




アウレオルス「ひっ…?!」びっくぅ!

ウート「短期幻覚、長期幻覚。または現実。…と見せかけた中期幻覚…
    実際の景色の幻覚を混ぜたりして、そんな幻術をかけられ続けたら……」

アウレオルス「く……」ガタガタ

ウート「アンタ、どうなっちまうんだろうな?」クスクス。



――どうなるかなど目に見えている。



ウート「言っとくけどー。『化物の幻覚を見せ、その攻撃を視覚から触覚に切り替えられた』ら。」

ウート「アンタは実際にその痛みを受けるんだぜ?ショック死しちまうんじゃね?」ヘラヘラ

アウレオルス「くっ…!」

ウート「ああ…あんたの黄金錬成もやめといた方がいいんじゃない?」

ウート「幻覚で錯覚し続けてたら。そのイメージが"本当に"現実化しちまってアンタは自滅するだろうしな」

アウレオルス「あ……ぐっ……!」


ウート「"錯覚"は怖いぞー?何せ、『ちゃんと現実を認識してる』って"理解している"のに実際とは違うんだから」




アウレオルス「煩い!!黙れ戯れ言だ!!『銃をこの手に 能力は"必中" 魔弾を装填』!」

パッ!

アウレオルス「くら――」

ウート「…」パチン!

アウレオルス「!(指パッチン!幻覚が来る!?)」バッ!

ウート「なーんちゃってー!」ダダダダ!

アウレオルス「んな?!フェイント!?」バッ




ウート「ハイ残念!実はアンタの予想通り幻術かけてました!」ダダダダダ

アウレオルス「な?!私の後ろ?!」


ウート「ウートガルザロキーック!!!」バキャ!

アウレオルス「ごへあ?!」ズザザザザザ!!!

アウレオルス「が…あはぁ――」ドボッ…

ウート「ん~?延髄にモロ入って"身"が出ちまったかな~?」ニヤニヤ

ウート「んー…幻痛で遠距離からダメージ与えてもいいが…ダメだ。俺の腹の虫が収まらねえわ」

バキャ!バキャ!

ウート「やっぱ直でぶん殴らねえと」

アウレオルス「く!がっ!…『"吹き飛べ"』!」

ウート「うが?!」ドン!

ウート「――」ヒューン!

ウート「―――――ぁぁああああ!!っが!?」ドサ!

アウレオルス「う、く……」グググ…



アウレオルス(いかん、そろそろ限界だ!黄金錬成を使いすぎた!精神が持たん!)

アウレオルス(精神安定をはからねば!鍼はないが、代わりに用意しておいたコレで…!)

アウレオルス「…!……!」ガサゴソガサゴソ

ウート「チッ、まだ元気ありやがっ……あ?」

アウレオルス「…!」つ紙袋

ウート「……紙袋?何を」

アウレオルス「ふん!」ガポッ

ウート(頭に被った?)




アウレオルス「落ち着けぇ…!落ち着くのだアウレオルス=イザードぉぉぉぉぉぉ……!!」ハァハァハァハァハァハァ

アウレオルス「ここには怖い竜はいない!怖いウニも赤いロン毛もいないぞぉ~♪私は負けない!私は無敵だ!無敵無敵無敵!!!」フゴフゴフゴフゴ



ウート「」



アウレオルス「アポーン!ポピーン!ピーヒョロピッ!!!ピンコロピンコロオンキリソワカ!!!」フゴフゴフゴフゴフゴフゴ!

アウレオルス「よ~し、楽しくなってきた!私は大丈夫。私は大丈夫。私は大丈夫。よし、3回も魔法の言葉を唱えたから絶対大丈夫だ!!」フゴフゴフゴフゴ



ウート「」


アウレオルス「マジで超大丈夫過ぎて大丈夫だけどもっかい念のためにちがう魔法の呪文唱えとこっかな~ど~しよっかな~?」フゴフゴフゴフゴ!


アウレオルス「よぉ~し!唱えちゃうぞ☆」フゴフゴ


アウレオルス「『プルルンプルン♪ファ~ミファ~ミファ~↑♪』」フゴフゴフゴフゴ。


アウレオルス「……」


ウート「…?」




アウレオルス「鎮静!」ビリビリバリーン!

ウート「」ビクッ?!



アウレオルス「昂然、例えどんな幻覚をかけられようと私はこのように精神安定を計れるのだ……」


アウレオルス「『黄金錬成《アルス=マグナ》』に死角無し!!!」ドーン!


ウート「」






ウート(何だコイツ怖ェ―――?!)ガタガタ!



ウート「チッ、ならアンタの精神がいつまで持つか試してやるよ!」ピィィン!パチン!


アウレオルス「くっ!」バッ!

ウート(ん?顔を手で覆った?)


アウレオルス「思い出せ…!思い出すんだアウレオルス=イザードぉ…!」ハァハァハァハァハァハァ

アウレオルス「昨日やっていた児童向け番組の『森のくまたん』を思い出すのだ…!」

アウレオルス「『やあ!ぼぉく、熊のくまたんだよ!アーくん頑張ってね~♪』(裏声)」

アウレオルス「……」


アウレオルス「うんっ!私頑張るよくまたんんんんん!!!!」ヒャッホォォォォォォォォォッッッッッッ!!!



ウート「…頑張りは認めるけど、お前その術式向いてないからやめた方がいいんじゃねえ?」



アウレオルス「うるさい黙れ!『ゾウ落下』!」

ボン!

ゾウ「パオーン!」

ウート「うわあああ?!」ヒョイッ!

ゾウ「パオーン!」ズシィィイイン!!!

ウート「うへぇ…地面粉々じゃん」

ウート「あぶね…」チラッ






ゾウ「ぱ、ぱお……!」ズキズキ

ウート(ゾウさんお腹打ってた―――!!)ナンカゴメンナサーイ!


アウレオルス「憤然!貴様当たってやらんとはゾウさんが可哀想だろ!」プンスコ!=3

ウート「俺に死ねと!?やだわ!」ガーン?!

アウレオルス「くっ、ならば単純に!『死ね』!!」

ウート「くっ、しまっ…!」バッ!



ゾウ「パオッ………っ!」グラッ…

ウート「」

アウレオルス「」


ゾウ「 」ドサ…

ゾウ「」死ーん


アウート「「ぞ、ゾウさ――――ん!!!」」ウワァアアアア!!!



アウレオルス「貴様…!絶対に許さん!」

ウート「いや今のは明らかにテメェのせいだろ!ふざけんな!」

アウレオルス「ゾウさんの仇…!」

ウート「チッ、こっちだってテメェはベルちゃんの仇だっつうの!ブッ殺してやる!!」

アウレオルス「……は?」

ウート「…? なんだよ」

アウレオルス「ちょっと待て貴様は一体何の話をしている」

ウート「…テメェ、イギリス王家の霊装保管庫に侵入してそこにいた女の子を瀕死にしたんだろ?」

アウレオルス「何をバカな!人違いだ!何故私がそんな事をしなければならんというのだ!」プンスコ!=3


ウート「…あ?嘘は…ついてないっぽい?おいおい…ちょっと」









〓〓学園都市:常盤台メイド喫茶〓〓


上条(海原)「…誰だよ、お前」

上条「いやお前こそ誰だよ!俺は御坂にそんな気持ち悪い接し方しねーぞ!」


トール「ぶっひゃひゃひゃひゃっ!スゲー!見ろよ上条ちゃんが二人いるぜ?!」

垣根「そっくりだな…どっちが本物だ?」

サローニャ「んー…でもでもっ片方からは魔力ちゃんを感じるしー?
      うんうん、魔術の毛色としてはアステカ系かにゃー?」

姫神「確かに。片方の上条くんからは。何かの"力"を。感じる。」

サローニャ「だよねだよねっ!しかもー"原典"ちゃんを持ってるぽい?」

吹寄「…ねえ、私にもわかるように話してくれないかしら」




上条(?)「…ち、鉢合わせたか…行くぞインデックス」ガシッ

インデックス「…」

上条(海原)「?! 見ろアレ!」

上条「んなっ?!インデックス?!待て!」ダダダダダ


上条(?)「見つかったか」ダキアゲ

インデックス「……」

上条(?)「悪いが彼女は"返してもらう"元より私のモノだったのだ」


上条「ふざけんな!インデックスを返せ!」ダダダダダ

上条(海原)「お、オイ!」


サローニャ「あっ、待ってよ上条ちゃん!」テテテテ!

トール「面白そーだし俺も行くか!」ダッ

垣根「仕方ねーな。ここに一人"俺"を置いてくか」つ未元物質

姫神「私も。行く!」ダッ






吹寄「じゃあ私は警備員に通報して…ガシッ

吹寄「? 何よ」

青髪「やめときやめとき。皆がやりづらくなるだけやから」フルフル

吹寄「はぁ?アンタ何を」

青髪「えーからえーから。ボクと一緒にここで皆を待っとろ?な?」ニコッ

吹寄「なんか釈然としないけど…わかったわ」ストン




上条【海原】(…気にはなりますが…まあ、あちらは彼らに任せましょう。
      自分にはここで彼女を守る(いちゃつく)という使命もありますしね)


青髪「で?」ガシッ

上条(海原)「?」

吹寄「アンタは一体どこの誰なわけ?」

上条(海原)「……御坂さんには内緒ですよ?」




〓〓イギリス:ベイロープの病室〓〓



アウレオルス「惨然、…これは」

ウート「この子だよ」

ベイロープ「………」シュコー…パー…

アウレオルス「果然、知らんな やはり私は彼女とは会った事がない…初見だ」

ウート「…この子の傷からアンタの魔力が検知されたんだ
    実際サーチ術式にもそれで引っ掛かったのはアンタだし?」

ウート「何か心当たりとかあるんじゃね?」

アウレオルス「断然、いやどうしてそうなったかはさっぱりわからんが…間違いなく私ではない」キッパリ!


アウレオルス「神……いやインデックスに誓って、ない!」キリッ


ウート「いやあんたにとって"インデックス"ってのがどんな位置付けにあんのかは知らねえけど」


アウレオルス「む」

ウート「んー……でも確かに?嘘はついてねえな…」

ウート「ほんっっとにゴメン!マジゴメン!」

アウレオルス「まあ、誤解が解けたなら…」イイヨイイヨ

ヴァルキリー「? ウート、どうして本当の事を言ってるってわかるにつき?」

ウート「俺自身が嘘つきだからね。経験則による発言の時間、タイミング、仕方、所作…
    心理学だとかをかじってると顔つきや目なんかを見れば…まあ、なんとなく大体はわかるもんさ」

ヴァルキリー「…ふうん?よくわからぬにつき
       私も嘘をつく事はあるが…でも真偽を見抜くとか全くできないの事!」

ヴァルキリー「心理学や経験、勘ってそんなに凄いの事?」 もきゅ?


ウート「んで?どんな霊装が盗まれたんだっけ?」スルー

ヴァルキリー「無視?!」ガーン!



レッサー「私達が喋ると思います?」

ウート「ん?情報漏洩気にしてる?心配しなくても俺はベルちゃん殺った犯人をブッ殺したいだけだよ」ヘラヘラ

ランシス「……英国王家御用達、空中移動要塞、『ホテルエアリアル』……が盗まれた」

フロリス「ちょっ」

ウート「は?! あの空飛ぶ戦艦?良くそんなかさばるもん盗めたな…
    なーんで盗んだかは全く持ってわかんねえけど」ウーム

フロリス「ランシス?アンタさー…」

ランシス「……この人は、味方。私達は私達で、ベイロープ抜きで自分達の失態を拭わなければいけない」

フロリス「だからって、」

ランシス「……仲間は、多い方が、いいよ」

レッサー「まあ、彼も犯人とおぼしき奴を捕まえようとしてるようですし…少しは信用してもいいかも知れませんが」


ランシス「……でもウートさん、流石に『ホテルエアリアル』の性質までは、教えられない…」

ウート「ああ。いい、いい。なんとなくアレについては察してるからね」ヒラヒラ

ランシス「………そう?」

ウート(たーしか?あれは"英国"の象徴を積んでたはず…)

ウート("イギリスそのもの"…単純に考えるなら第二王女が国外でチカラを振るうための"カーテナ"のブースターと考えるべきかね…)

ウート(……王族にしか利用価値がないような使えねえもんを盗んで…下手人はどうしよってんだ?)



ウート「……」

アウレオルス「勃然、考えている所すまないが私はもう帰っていいか?疑いは晴れただろう」

ウート「え?あ、あー…その改めて、人違いで襲撃して申し訳なかった」ペコ

アウレオルス「澹然、気にしてはいない」

ウート「……その、恥を承知でお願いがあるんだけど」モゴ

アウレオルス「?」


ウート「もしよかったら、あんたの黄金錬成でベルちゃんを助けてくれないか?」

アウレオルス「……」


ウート「頼むよ。このままだとベルちゃん死んじまうんだ!」ガシッ

ウート「なんなら代償として俺があんたの仕事を手伝うし、金だって払う」

ウート「…だから、頼むよ」ペコ

アウレオルス「……」

フロリス「ワタシからも頼む!」ペコ!

レッサー「私もです!」ペコ

ランシス「私も……!」ペコ

ヴァルキリー「…わ、私もとの事!」ペコ


アウレオルス「…ふむ」



アウレオルス「憫然、構わん」

ウート「! 悪い!ありがと!」

アウレオルス「その代わり…私にもとある目的があって旅をしているのだが」

アウレオルス「幻術師、君が手伝うのならば承諾しよう」

ウート「もち!やらせてもらう!」

アウレオルス「…では」クルッ

ベイロープ「……」コー…パー…



アウレオルス「ん、んんっ、ゴホン。あー、あー」カチッ



アウレオルス「『―――復元せよ』」







ベイロープ「……ん?」ムクッ

ウート「ベルちゃん!」

ベイロープ「…ウートくん?」

フロリス「ベイロープ!」

レッサー「よかったぁー!」ダキッ

ランシス「…」ホッ…!



アウレオルス(…怡然、人助けもたまにはいいものだな)

アウレオルス(漫然、インデックスの件が終わったら…先祖のように医者になるのもいいかも知れんな)


ベイロープ「あ―――?!盗人野郎!!!」ビシッ!

ウート「あ、違う!違うんだベルちゃん!あいつは、」

ベイロープ「ここであったが百年目ぇぇえええ!!!」ドロップキーック!!!

アウレオルス「ファッ?!いっだ――ッッ?!」ずしゃああああ!!!

ベイロープ「よくもヤってくれたわね!覚悟しなさい!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


アウレオルス「黯然、私じゃない…」グスッ、グスッ

ヴァルキリー「数十秒前まで瀕死だったとは思えんアグレッシブさにつき…」ゴクリ







ベイロープ「そうだったの…ゴメンなさい」ペコ

アウレオルス「泰然、気にしてはいない。君の反応も無理からぬ事だ」フルフル

ベイロープ「…助けてくれてありがとう」ニコッ

アウレオルス「…いや、対価も貰う予定だしな」

ベイロープ「でも、ちょっと聞きたい事があるのだけど…いいかしら?」

アウレオルス「なんだ?」


ベイロープ「その、私の胸が…2サイズくらい…」

ばるんっ。

ベイロープ「お腹回りが…」

きゅっ。


ベイロープ「後、お尻とか太股が…」

むちむちっ!ぷりーんっ!



ベイロープ「…何となく変化しているのって、何で?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アウレオルス「……」



レッサー「ああっ?!本当です!ベイロープが更にむちぷり化してエロエロな感じに?!」

ウート「えー…と?アルくん?」チラッ


アウレオルス「……」





アウレオルス「断然、私だって18才だッッッッッッ!!!!」クワッッッッ!!



ベイロープ「よし、歯ァ食いしばれ」グッ



本編投下終わり。以下オマケ

シリアスだったりギャグだったりなのは>>1がどっちかだけをずっと書くのが無理だから。


ウート「なあ」

トール「ん?」

ウート「もしお前が車を運転しててさ、」

トール「うん」

ウート「完っ全にお前の不注意で事故ってさ、歩いてた人も何人か巻き込んで壁に大激突したとするじゃん?」

トール「これ以上ないってくらいに最悪過ぎる設定だな」

ウート「そん時にさ、その事故っちまったお前は『最初に何を考える』と思う?」

トール「…そりゃあ、まずテメェが生きてるかとか、巻き込んじまった人の事とか…ぶつかった壁や車の事とか自分の怪我具合とかじゃね?」

ウート「まあそうだよな」

トール「んで?」

ウート「でさあ、それを考える順番ってお前なら何が最初に来る?」

トール「自分の命だな」ウン

トール「何はともあれまずは自分だろ」

ウート「それだよ」

トール「あん?」

ウート「そんな大ピンチになったらさ、どんな善人だって人間は自分の事だけになる」

ウート「すげー自己中心的になっちゃってさ、」

ウート「巻き込んだ人の事だとか、ぶつかった壁とか二次災害とかなんてきっと考えねぇよな」

ウート「『助かってよかった~』とかさ、『あー…痛ぇ…』とか。よくて『車やべぇよな、どうしよう』だろ」

ウート「切羽詰まったら"他人の事"を考えないんだ。本能だけで考えてさ」

トール「まあな」

ウート「でもそれじゃきっとダメだと思うんだよね」

ウート「この前そんな感じの…あー、自分の快不快を最優先して回りへの迷惑を考えないおっさんとか見てさ」

ウート「『うわっ…コイツ本当に自分の事しか考えないクソなんだなー俺はコイツみたいな人間にだけはなりたくねえな』
    …って、思わず思っちまったんだよね」

トール「ふーん」

ウート「で、だ。そんな奴がいなくなるようにさ、これから産まれてくる人間は全員遺伝子操作でもして…」

ウート「『自分の生存』本能じゃなくて『他人防衛』本能を搭載するべきだよなって話」

トール「…それ、いざって時に助からねぇじゃねぇか。自分が生き抜くための本能(チカラ)だろ」

ウート「バッカお前、そんな原始的で生存競争オンリーな考えじゃもうダメだって。進化していかなきゃ」

ウート「てかさ?皆が"そう"なるんだぜ?皆が皆で守りあうんだ。
    いざって時は回りが助けてくれるんだ。自分だけしか自分を救えないなんてなくなるんだぜ?」

ウート「ほらアレだよ、情けは人の~って奴だよ。科学sideの連中は兵器ばっか作ってねえでこういう研究をやるべきだと思うね俺」

トール「それ実験動物…いや何でもない」


〓〓『船の墓場』:とある豪華客船の甲板〓〓

トール「ハッ」ヒュン!

トール「ふっ、はっ!」ブン!ブン!

トール「セイィッ!!」ブォン!

トール「ハァアアアアッッッッ――!!!」ズドン!

シュウウウウ……

トール「フッ、フッ、――フ――――ッ………」


ヨルム「やってるね」

トール「ん?おお。普段から体動かしとかないと、すーぐなまっちまうからな」ニシシシ

トール「なんか用か?」

ヨルム「…"俺"って言うようになったら強くなれるかな」

トール「あ?どゆこと?」

ヨルム「僕、自分の事を…一人称は"僕"じゃんか?」

トール「あー…うん」

ヨルム「で、強い人って大抵一人称は"俺"じゃんか?」

トール「あー…うん?うん…まあ?」

ヨルム「僕も一人称を"俺"に変えたら強くなれるかなって」

トール「あー……まあ、心構えとか、強くなった気分とかにはなれるんじゃねぇか?」

ヨルム「かな」





マリアン「ヨルムンガンドーアンタはアイス何にする?ラズベリー?チョコミント?」

ヨルム「"俺"、チョコミントがいい!」

マリアン「」





シギン「ヨルムンガンド。私のハンカチ知らない?」

ヨルム「"俺"知らない」

シギン「」





ウート「ヨルムん、何してんの?」

ヨルム「ジグソーパズルだけど」パチリ

ウート「へー?これもお前の玩具?」

ヨルム「そうだよ。"俺"の」

ウート「」





ウート「おいトール?ヨルムんに変な事吹き込んだのってお前?」ガシッ

トール「ファッ?!」

ウート「いやヨルムんっていっつも一人称"僕"っつてたじゃねえか」

トール「…? ああ、何か強くなりたいんだと」

ウート「強く?何それ詳しく話せよ」





ウート「ヨールムーん」

ヨルム「? なに?」

ウート「強くなりたいから自分の一人称を"俺"に変えたって聞いたんだけどさ」

ヨルム「うん。そうだよ」

ウート「何で強くなりてえの?」

ヨルム「強くなったらさ、」

ウート「うん」

ヨルム「かっこよくなってモテるかなって」

ウート「モテ……かっこよく、ねえ…」

ウート「あー…俺は他人を害さない上で自分が自分らしく、どこまでも自分である事を貫ける方がかっこいいと思うんけどね」

ヨルム「それは独りよがりってことじゃない?カッコ悪いと思うけど」

ウート「そうか?」

ウート「自分に自信がなくてつまんなそうに生きてたり、自分らしく生きる事ができなくてウジウジしてるよりさ、」

ウート「『皆がそうだから』って流されず、誰かの真似ばかりせず。
    テメェらしく生きる自分大好きなナルシストの方が百倍かっこいいと思うぞ」ヘラヘラ

ヨルム「…協調性のが大事だよ」

ウート「あー、まあ、ヨルムんのいってる事は正しいさ。確かにその通り。」

ウート「ただ、そーいう考えもあるぜ?って事」

ウート「脱線しちまったな。要するにさ?変に自分を飾り立てても中身は変わらねえんじゃね?って言いたいんだよ」

ヨルム「…」





オティヌス「さて、次策だが…ヨルムンガンド。お前が行け」

ヨルム「うん。"僕"に任せてよ」


マリアン「ほっ」

シギン「うんうん」

トール「へっ。」

ウート(ま、ヨルムんは今は年相応のがいいって。かっこつけんのはまだちょっとだけ早いよ)ヘラヘラ

オマケ終わり


「いつか本編でこういうネタをやりたいな」と思ってたけど、ちょっと雰囲気とか諸々が合わないから泣く泣くお蔵入りになった小ネタを。



禁書×大魔法峠

禁書×鋼の錬金術師

小ネタ


となってる。


サローニャ「私はサローニャ!聖魔術王国からやってきた、魔術師のプリンセスちゃん♪」

サローニャ「修行のために人間界に来たんだよっ」

上条「俺はカミやん!サローニャのマスコットだ!」

土御門(なにコイツら痛ェ)


サローニャ「よろしくねっ♪」ニコッ

青髪「うおおお!」
馬場「うおおお!」
査楽「うおおお!」
鋼盾「うおおお!」


~校舎裏~


サフリー「チッ、あの新入り…ぶりぶり、ぶりぶり…ぶりっ娘して気に食わないわね」

近江「如何する?姉御」

鞠亜「やっちゃうー?」

サフリー「あたぼう。ヤキ入れてあげようかな」ニヤリ





サローニャ「何ですか?サローニャちゃんを校舎裏に呼び出してー」

サフリー「私はサフリー。サフリー=オープンデイズ。趣味は打撃技全般」

サローニャ「ほえ?」クビカシゲ

サフリー「ごめんなさいね?私、あなたのあざといぶりっ娘キャラが気に食わないから今からボコすわ」コキコキ

サローニャ「そんな…!理不尽だよ!」

サフリー「世の中そんなモンよ!」ブンッ

サローニャ「……こうなったら魔術を使うよ!」つグングニル・レプリカ


サローニャ「リリカル(抒情的な)・トカレフ(トカレフ拳銃)・キルゼムオール(kill them all.〈皆殺し〉)!」


サローニャ「"サローニャちゃんキャノン"!」ガチャン!

サフリー「 」



サローニャ「砲撃開始《ファイア》!!!」ガチッ


ズドォオオオォオオオンンンンン!!!!






〓〓酒場〓〓


サフリー「ちぇ、中々いい『破壊』をするじゃない」ズタボロ

近江「しかしどうするつもりだサフリー」ズタボロ

鞠亜「アイツ、メチャクチャだよ?」ズタボロ

サフリー「んー…先ずはあの魔術を何とかしなきゃね」

近江「ロッドを奪うか」

鞠亜「難しー」


ウート「…ヘイ、そこのお嬢ちゃん達。ここに魔術を封じるい~~いモノがあんだけどさ…2万円でどう?」ニヤ






〓〓再び校舎裏〓〓


サローニャ「むぅ!懲りない人達だねぃ」プクゥ

サフリー「今度は前みたいにはいかないわ!この胡散臭いホストから買った像でね!」

サローニャ「な、魔術ちゃんが使えない…!?」つグングニル・レプリカ

サフリー「ふふ…あなたお得意の魔術は封じさせてもらったわ!」つ邪神アニサキスの像

サフリー「『この像の周囲では一切の魔術が行使不可になる!byウートガルザロキ』らしいわ!」

近江「…死ぬほど胡散臭いのによく信じたな」ポソリ

サフリー「…私が何を言いたいか、わかるよね?」コキ、コキ…

サローニャ「魔術ちゃんが使えない…」



サフリー「ならば、どうする?」

サローニャ「ならば、こうする!」




サローニャ「 肉 体 言 語 に て 語 る ま で ! ! 」



サフリー「んな、…行くわよ!手裏、鞠亜!」ダダダダ!

手裏鞠亜「「 応!!! 」」ダダダダ!

近江「スコップ投げ!」ヒュンヒュン!

鞠亜「"暴風車軸【バイオレンス・ドーナツ】"…!」

鞠亜「"ヘヴェルサオン"(回転蹴り)!!」

サローニャ「ふ、」ビュバッ!

近江「んな?!避け…ッ?!」バッ

サローニャ「"サローニャちゃん脇固め"!!!」ゴキャ!

近江「ぅが……ッッ?!」バタッ

鞠亜「食らえ!」ブンッ!

サローニャ「ふ、」ヒュバッ!

鞠亜「な、疾い?!」

サローニャ「"サローニャちゃん蠍固め"!!!」ボギボギボギッ!

鞠亜「ほぎゃーっ?!」バタッ



サローニャ「"サローニャちゃんアキレス健固め"!!!」ゴキャ!

サローニャ「"サローニャちゃん4の字固め"!!!」バキバキッッ!

鞠亜「アレ?!何か私だけ多くね?!」グハー




サフリー「な、何よ!?その地味で痛そうな技の応酬!!何かムカつくわ!」

サローニャ「―――ふ。あなた打撃系が得意なんだっけ?」

サローニャ「でもね。私に言わせれば打撃系などダメダメちゃんだよ…」フーッ

サフリー「聞き捨てならないわね?」ブンッ!

サローニャ「避けやすいし、カウンターパンチ、投げなんかを決められやすい」ヒョイ


サローニャ「―――打撃系など…」


           カケンシュウタイ
サローニャ「打撃系など花拳繍腿!!!」

※花拳繍腿:華やかだが見かけだけの技の事


サローニャ「関節技《サブミッション》こそ王者の技よ!!!」ドーン!



サフリー「…打撃技全般を愛する私に喧嘩売ってるねこりゃ!」ダッ

サフリー「『破壊』の素晴らしさを君に語ってあげても無駄、かな?」ヒュバッ!

サローニャ「出番よ上条ちゃんッッ!」ヒュバッ

上条「え?ごはっ?!」バキャ!

サフリー「最高の『破壊』ってのが産み出す"爽快感"とか、」ヒュババッ!

サローニャ「遅い遅い遅い!!上条ちゃんガード!!上条ちゃんガードッッ!!」バッ

上条「ひでぇぜサローニャ!マスコットを盾にする魔法少女とか聞いた事ながっば?!」バキャ!バキャ!

サフリー「美しさとか!」ブンッ

サローニャ「なんの更に上条ちゃんガードッ!」

上条「がふ?!」ガスッ!

サフリー「この外道が……ッッ!」ブォンッ!



サローニャ「教えてあげる。この世には二種類の人間ちゃんがいるの」


サローニャ「あなたみたいな"支配される者"達と―――」


サフリー「クソッたれェェェエエエ!!!」轟!!!



サローニャ「―――――"君臨する覇王"よ」




サローニャ「"サローニャちゃんスピニング・トー・ホールド"ォオオオ!!」


ゴッキャッッ!


サフリー「があァァアアアアァァアアアア?!?!!!?」



ドサ。

サフリー「」チーン


サローニャ「…ふ、この覇王サローニャちゃんに楯突いた事は褒めてあげるぜ」

サローニャ「次ィ舐めた真似したら、十万億土ちゃんに直送だぞ☆」

サローニャ「えい♪」つ邪神アニ/サキスの像 ポキャ

サローニャ「…うーん、これからもまた喧嘩しなきゃいけないのはめんどくさいなー…」ムー

サローニャ「よし!魔術で世界を平和にしちゃおう!」つグングニル・レプリカ

サローニャ「リリカル・トカレフ・キルゼムオール!」


サローニャ「出でよ!"サローニャちゃん神の軍団(ドミニオン)"!」


「「「「うおおおォオオオ!!!ジーク・サローニャ!!ジーク・サローニャ!!」」」」


サローニャ「天下統一して世界中の国を一つに纏めれば世界は平和になるよね☆」



―――その後、地球は日本で新たに生まれたマキャベリズムとファシズム吹き荒れる専制君主国家によって統一される事になる。


アウレオルス「私は国家錬金術師、アウレオルス=エルリック」

インデックス「私は妹のインデックス=エルリックなんだよ!」

アウレオルス「私達は"真理"を視て"持っていかれた"モノを取り返す旅をしている」


アウレオルス「私は精神力を」

インデックス「私はお兄ちゃんとの記憶を」


アウレオルス「決然、必ず取り戻す!」

インデックス「頑張ろーね!お兄ちゃん!」



――賢者の石を探し、喪ったモノを取り戻す旅――


〓〓アメストリス軍基地:東方司令部〓〓


ステイル「やあ、"黄金"(こがね)の!」

アウレオルス「必然、やはり君か」

インデックス「炎の錬金術師のステイル=マスタング大佐なんだよ」

ステイル「なんかあの…地図のこの辺に賢者の石があるっぽいよ」スパー…

インデックス「もんのすげー適当でアバウトな情報なんだよ」


―――唸る錬金術!


アウレオルス「ハァアアア!」パン!

アウレオルス「"錬成"!」バリバリッ!

アウレオルス「ふはははは!」ビシャーン!

インデックス「楽しそうだねお兄ちゃん」

アウレオルス「果然、『まるで神への祈りじゃないか』錬成は一度やってみたかったのだよ」フハハハハ!



アウレオルス「普段でも出来るが、やはりパクりとかは不味いだろうしな」

インデックス「よくわからないんだよ」


――"ホムンクルス"達との戦い!



アレイスター・お父様「ふははは!国家転覆どころか国中のヒューマンを"賢者の石"にしちゃうプランを実行だ!」

オリアナ・ラスト「ああん♪お姉さんもうびちょびちょよ♪」

フィアンマ・プライド「可愛いショタな俺様の見た目に騙されているがいい人間ども」

駒場・スロウス「めんどくさい、加減してほしいものだな人間」

みこラース「独眼竜な私の砂鉄剣二刀流を味わいなさい!」

フロイライン・グラトニー「あの子、"食べて"いいのでしょうか…?」

病理・エンヴィー「何段階も変形がある私を倒せますか?」ニコッ

絹旗・グリード「超私の炭素装甲は貫けませンよ!」


――様々な思惑がある仲間達!



青髪=リン「王になるでー」ハッハッハ

レッサー=メイ「はっはあ!私の遠隔錬成をくらえー!」バリバリー

マリアン=ロックベル「ねえやっぱりアンタも全身機械鎧にしない?」

上条スカー「――破壊する!」ゴキ、



―――深まる謎!


むぎのん真理「―――ようこそ。"身の程知らずのバカ野郎"」

数多=ヒューズ「早くしろッッ!!軍がヤベェ!」

天井=マルコー「私は…"賢者の石"を創った…」

?「これは、巨大な錬成陣…!」

アックア=アームストロング「"二重聖人"のの錬金術、篤と見るのである!」




――――衝撃の結末!


アウレオルス「呆然、"真理の扉"の向こうは不思議な世界だっただと…?」

一方「この世界には魔術も錬金術もねェよ」


―――いつか>>1の気が向いたら公開!(大嘘)



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黒垣根「…会いたかったぜ、一方通行」

一方「…久し振りだな、第二位。脳みそケーキになったって聞いたが」

黒垣根「復活したのさ。人体を未元物質で作る事に成功してな。臓器も、体も、」


黒垣根「"脳"もな」パチン!


垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根垣根

ズラッ!

一方「ついに"自分自身"まで作っちまったのか、オマエ」

黒垣根「まぁな」

黒垣根「…11兆4491億71万2554」

一方「?」

黒垣根「今、この学園都市に存在する"俺"の数だ」

一方「?!」

黒垣根「…第一位。全ての俺を、倒せるか?」ニヤリ

一方「ハッ、問題ねェよ。雑魚なンざ何匹増えても一緒だ」カチッ


黒垣根「おっと、お前の相手は俺じゃねぇ。コイツらだ」パチン!


ザザザッ!

黒垣根「コイツらはな、他個体とは一線を画す"特殊個体"だ」

黒垣根「中々に強いぜ?」ニヤリ

一方「ハッ、どンな奴だろォが関係な、」

チャラチャラ♪チャッチャチャーラララーラ♪(BGM)

一方「?!」キョロキョロ



一方A「燃え盛る情熱の焔!」バッバッバババッバッ!

赤一方「アクセラレッド!!」どん!

一方「」


一方B「冷静沈着!」バババッバッバッ!

青一方「アクセラブルー!」どん!

一方「」


一方C「親和と協調。」バッバッバッバッ!

緑一方「アクセラグリーン!」どん!

一方「」


一方D「カレー大好き!」バッバッババババババ!

黄一方(ぽっちゃり)「アクセライエロー!」どん!

一方「」


一方E「脳内常にピンク色♪」バッバッバババババババッ!

桃一方(百合子)「アクセラピンク!」どん!

一方「」


黒一方「アクセラブラックと」ニヤ

白一方「ホワイトアスパラもいますよ?」クス


一方'S「「「「「7人合わせて!」」」」」

一方'S「「「「「「「一位戦隊!ベクトルレンジャー!」」」」」」」ドーン!!



一方「」




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一方「うわァああああああ!!!」ガバッ


チッ、チッ、チッ、チッ…


一方「…ゆ、夢、か……」ゼェ、ゼェ…

バタバタバタバタ…

黄泉川「ど、どうしたじゃん?!」バタン!

芳川「何かあったの?」ヒョコ

番外「何?怖い夢でも見た?」ギャハ

打ち止め「?」ネムネム

一方「い、いや!なンでもねェ!なンもねェから!起こして悪かった!」グイグイグイグイ



黄泉川「…ひょっとして、おねしょでもしたじゃん?」ヒソヒソ

芳川「アレじゃない?オナ…」ヒソヒソ

番外「Gが顔の上に乗ったとか?」ニヤニヤ

打ち止め「全部かも?ってミサカはミサカは憶測に憶測を重ねてみたり」ヒソヒソ


一方「聞こえてンぞオマエら」ピキピキ



一方「ハァ…クッソつまンねェ寒い夢見ちまった…寝直すか…」ゴロン

一方「……」

一方「…」スヤスヤ


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ファ~~チャララ~ラッラ~ラララーラ…♪(BGM:愛の歌)


垣根A「俺達カキネン♪」

垣根B「第一位にだけーついてーゆくー♪」
垣根C「きょーもー♪」

垣根D「運ぶー♪」

垣根E「戦う♪」

黒垣根「増えるー♪」

白垣根「そしてー♪」

垣根ズ「「「「「「「食べーられるー♪」」」」」」」

一方「」

垣根「さぁ、第一位。俺達を奴隷のようにこき使って冒険しろよ」ニッコリ

一方「」


垣根「あ、それともこっちのがいいか?」ヒョイ

妹達「あ、お久しぶりです。やっはろー。とミサカは挨拶します」ヤッホー

妹達「あ、ご心配なく。所詮ミサカ達は単価18万円の消耗品ですから。へっ、とミサカは自分達の客観的評価価値を説きました」

妹達「貴方に使い潰されるのがミサカ達の生まれた意味ですからね…とミサカは仏のような笑顔で未開の死地へ向かいます」ニッコリ


一方「」


巨大初期一方「エッヒャッヒャッ☆食いつくしてやるぜェェ!!!」

妹達「む!出ましたね、とミサカは手榴弾を構えます!」

妹達「援護しますよ!とミサカはメタルイーターの照準を合わせます!」

妹達「ああ!ミサカ00010号が喰われました!とミサカは被害状況を報告します!」

妹達「さぁミサカ達に指示を出してください!とミサカはマスターに指示を仰ぎます!」


一方「」



――――――――――
―――――――――――――
――――――――――――――――


一方「罪悪感しかねェェェェェェ!!!」ガバッ


チッ、チッ、チッ、チッ…


一方「…ゆ、夢、か……」ゼェ、ゼェ…

黄泉川「ど、どうしたじゃん?!」ガチャ!

芳川「何かあったの?」

番外「何?鏡でも見た?」ギャハ

打ち止め「?」

一方「い、いや!なンでもねェ!なンもねェから!また起こして悪かった!」グイグイグイグイ



黄泉川「…やっぱり、おねしょでもしたじゃん?」ヒソヒソ

芳川「妹達の夢を見たとか…?」ヒソヒソ

番外「オバケ見たとか?」ギャハハ

打ち止め「全部かも?ってミサカはミサカはまた憶測に憶測を重ねてみたり」ヒソヒソ


一方「聞こえてンぞオマエら」ピキピキ




一方「…ハァ、嫌な夢見ちまった。……寝るか…」

一方「……」

一方「…」スヤスヤ


―――――――――
―――――――――――――

――――――――――――――――――――


一方「…ン?」ムク


黄泉川「あーハイハイ、また夜泣きじゃん?」ムク

一方「は?…っておい!俺を抱き抱えるンじゃねェ!」ジタバタ!

黄泉川「ねーんねーん♪ころーりーよー♪」ポン、ポン…

一方「あァ?!なンで俺が赤ン坊になってンだ?!」ナンジャコリャァアアア!!!

黄泉川「ん?お腹空いたじゃん?」

一方「ハァ?!おい、待て!まさかオマエ!?」

黄泉川「はーい、一方通行。おっぱいじゃーん」ペロン

一方「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」


垣根「え?じゃあ俺のおっぱいにする?」ペロン


――――――――――
――――――――――――――
―――――――――――――――――――



一方「色ンな意味でキツすぎるわァああああああ!!!」ガバッ


一方「つかよォ!第二位しつこすぎンだろォオオオ!!いい加減にしやがれェェ!!!」ゼェハァゼェハァ


チッ、チッ、チッ、チッ…



一方「…ま、また、夢……か……」ゼェ、ゼェ…

黄泉川「いい加減にするじゃん…?」ガチャ!

芳川「嫌がらせなのかしら…?」ピキピキ

一方「い、いや!違う!ちょっと夢見が悪かったンだ!何度も起こして悪かった!」グイグイグイグイ



黄泉川「…情緒不安定じゃん?明日病院に連れてってカウンセリングでも…」ヒソヒソ

芳川「そうした方がいいかもね。あの子も色々あったから」ヒソヒソ



一方(…それも考えた方がいいかも知れねェ…)ズーン



一方「ハァ、キモい夢見ちまった。……寝る……」



一方「…いや、今日はもォずっと起きてるか……」チラッ



黒垣根「よぉ、第一位。復活したぜ」



\あ゙゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ァァアアアア!!!!/


   \うっせぇじゃん!バキャ!/



終わり。

じゃあいっぱいいい感じの支援絵とかきたら考えます><

七夕ネタ。短い


オティヌス「今日はタナバタだ」

グレムリン´S「?」

オティヌス「ん?何だ貴様らタナバタを知らんのか?仕方のない奴らだな…」フゥッ!ヤレヤレ!

オティヌス「タナバタとは…うんぬんかんぬんベガとアルタイルは25光年離れているからン年後に叶う願いを」

トール「でーたよオティヌスの説明したがり」



オティヌス「…というわけで。私が織姫と彦星の代わりに貴様らの願いを叶えてやる。書いて吊るせ」


トール「」ボッコボコ





オティヌス「うむ。みな書けたようだな」

オティヌス「どれ」


~トール~

『ほどよく強い奴と戦いたい』

オティヌス「これは簡単だな。あとでオッレルス連れてきてやろう」

オティヌス「あとは一方通行、フィアンマあたりか」

オティヌス「一斉にかからせればいい刺激になるだろう」

トール(こ、殺される…!?)ガタガタ



~フレイヤ~



『このまま子宮の中にいて大きくなったらヤヴァイので、“私“の成長をストップさせてほしい』

オティヌス「構わないがお前それでいいのか」


~フェンリル、ロキ、ヘル、ヨルムンガンド、イドゥン、シフ~

『見た目描写とキャラ設定くれ』

オティヌス「それは魔神かまちーに言え」



~ミョルニル~


『ぶっちゃけ手と足がほしい』

オティヌス「だよな」コクン


~ベルシ~


『学園都市に残してきた教え子たちの胸がBカップ以上になりませんように』

オティヌス「くたばれ猥褻教師」ビリビリ



~マリアン~



『Bカップにしてください』

オティヌス「…」ブワッ


~ウートガルザロキ~



『     』

オティヌス「…?」





オティヌス「どういうことだ、ウートガルザロキ」

ウート「ん?書いた通りだけど?」ヘラヘラ

オティヌス「なにもないのか」

ウート「ああ、現状が最高だからこれ以上なんていらねえのさ」

オティヌス「…お前、嘘をついているだろう」

ウート「あっれー?ばれちっち?オティにゃん鋭いなー」ヘラヘラ

オティヌス「…」ムスッ

ウート「オティにゃんおこ?」

オティヌス「ふん」プイ

ウート「いやさ、ちょっと恥ずかし過ぎるから書けなかったんだよ」

オティヌス「なら墓場まで持って行ってやるから言え」






ウート「『オティヌスを含めた皆の願いが叶いますように』」

オティヌス「…なるほどな」フッ

終わり。

いつものごとく、こねた。本編の続きを書くのむずかちぃ。


上条「インデックスー」テテテ

インデックス「どしたの?とうま」

上条「大変な事に上条さんは気づいたんですよ」

インデックス「大変な事?とうま、また何か事件に巻き込まれたの?とうまは無茶をしすぎなんだよ」ホフゥ

上条「ああいや、違う違う。」フリフリ




上条「実は!なんと今日、7月20日は上条さんとインデックスさんが会った日なんですよッ!!!」

インデックス「!」




上条「そんなわけで、」


上条「でかいホールケーキと御馳走を用意してみました!」

インデックス「な、なんだってー!!!!」

※御馳走は各々の想像する御馳走で。


上条「尚、資金提供してくれたスポンサーは"雷神"トールさんです」シュバッ!

トール「いやー、何せ全ての始まりだからな!同居人としてこれくらいはしないとな!」HAHAHA!

インデックス「トール、ありがとうなんだよ!」



上条「…なあインデックス」

インデックス「なあに?とうま」


上条「俺と出会ってくれてありがとうな」ニコッ

インデックス「とうま…」ニコッ



インデックス「ううん、私こそ…私と出会ってくれてありがとう、とうま」


インデックス「改めて。私を救ってくれてありがとうなんだよ!とうま!」ニコッ

上条「よせやい。上条さん達(前条さん含む)がしたくてしただけだっての」テレテレ




\イ「ジャアエンリョナクイタダクンダヨ!」上「カミジョウサンノモノコシテクダチィ?!」/


トール(今更だけどよ、それをやり遂げたのが本当にすごい事…って、まあいいか)

トール(上条ちゃんが『どうしても納得できない事』として戦って…勝ち取ったってだけだしな)ニヤ




トール(…二人とも。今日って日が迎えられてよかったな)フッ



トール「今日っていう記念日を迎えられておめでとう!二人とも!」パチパチパチパチ!


上イン「「ありがとう!トール!」」ニコッ


終わり。ある意味今日は禁書だけに関しては記念日。では


そういえば深夜したらばで

打ち止め「あそぼ!」一方「しょォがねェな」

を書いてるのも>>1


投下







ウート「…おーい。大丈夫かー」ツンツン

アウレオルス「潸然、マジでくたばる5秒前だ…」ピク、ピク…

ベイロープ「いいから早く戻してくれないかしら?思春期少年」コキコキ

アウレオルス「……」


アウレオルス「 すまない。 残念ながら アウレオルス は MP が 足りないようだ ▼ 」キリッ


ベイロープ「もっぱつイっとく?」ニコッ

ウート「ま、まあまあベルちゃん!」

ウート「ベルちゃん元々スタイルよかったけどさ、更に良くなって俺的には惚れ直しちったけどなー?」

ベイロープ「…」ピクッ

ヴァルキリー「?!」


ウート「すごく魅力的だよ、ベルちゃん」ニコッ

ウート「ベルちゃんの怪我さえなかったら、今夜…二人っきりで会いたいって思うくらいさ」テギュ

ベイロープ「//////」ドキドキドキドキドキドキ

ヴァルキリー「………むぅ!」ムスッ

ベイロープ「ん…まあ?ウートくんが?そう言ってくれるなら?今のままでいいかなー…って?思うわ?」ェヘヘ///

ウート「そ?」ホッ

ベイロープ「…でもぉ、こんなに胸が大きくなっちゃうと私少し恥ずかしい…///」モニュンっ

ウート「むしろ見せつけてやろうぜ?ベルちゃんが魅力的だってとこをさ?」肩ダキ

ベイロープ「そう? …ねぇ、ウートくんは私のおっきいおっぱい好き?」むにゅう。

ウート「うん?大好きだよ?巨乳大好きー」ハハ

ベイロープ「よかった♪」





レッサー「なんかすげーイラッとくるんですけど。胸にドス黒いモノが込み上げてくるんですけどデレッデレやないですか誰ですかアレ」ヒソヒソ

フロリス「生きててよかったー幸せそうだねーとは思うんだけどけどなんかスゲー腹立ってくるな何あれムカつく」ヒソヒソ

ランシス「……あれが、あの男の……手口?甘い言葉をいっぱい吐いて落とす、みたいな?」ヒソヒソ


ヴァルキリー「…ウートの嘘つき。私に『好きだ』って言ったくせに…酷いとの事!」グスッ

アウレオルス(うむ…参考にするか)キリッ




〓〓ホテル:ウートガルザロキの部屋〓〓







ヴァルキリー「…ウート。心に決めた人がいるなら言っておいてほしいとの事」ムスッ

ウート「へ?」キョトン

ヴァルキリー「あの病院にいた娘を好いているのだろう?」ジト

ウート「そりゃ好きだけど?」

ヴァルキリー「じゃあ、私とあの娘だったらどっちが好き?」ジッ

ウート「キュリアちゃんだよ」ニコッ

ヴァルキリー「ほらみ……へ?」


ウート「もっかい言おうか?あの娘より君の方が好きだよ」ニコッ


ヴァルキリー「え、あ…う?/////」カァ…////

ヴァルキリー「な、ならなんでさっきはあんな口説くような真似を?」

ウート「さあ?」ニッコリ

ヴァルキリー「もぉ!言って!ちゃんと教えてほしいとの事!」プンスコ!=3

ウート「ん?ダメ。俺は嘘つきだしー?キュリアちゃん、あんまり俺の言う事なんて本気にしちゃダぁーメ。」ハナツン

ヴァルキリー「むぅ!ウートはいぢわるにつき!」むぅうう!



ウート「でも」

ヴァルキリー「?」

ウート「キュリアちゃんの事が好きな事だけは嘘偽りなく本当だよ」ニコッ

ヴァルキリー「そ、…そう…////」



アウレオルス「あー、げふんげふん!!自然、私は喉が乾いてしまったのだが何か飲み物をもらえないだろうか?!」

ウート「uh-oh…わりーわりー。居づらくさせちゃってゴメンな」メンゴ







ヴァルキリー「そっれでー?これからどうするとの事?予定変更?」キャル?

ウート「だね。まーアルくんの手伝いをやりつつベルちゃんを襲った犯人を捕まえて霊装を取り返す…ってとこかな」

アウレオルス「…」コーヒーズズー

ウート(しっかしどうすっかな。『知の角杯』を貰うのを後回しにしないとベルちゃん自身が自衛とか追跡とかが辛くなるよなー)

ウート(いい加減はやくもらっちまいたいんだーけどなー?)ハフゥ

ヴァルキリー「でーもぉー?それはウートの"やるべき事"ではないのでわ?」

ヴァルキリー「イザードの手伝い…彼女を助けた対価としてお手伝いしなきゃいけない事はわかるにつき?」

ヴァルキリー「でも『ラブホテルウッフン』まで取り返さなきゃいけないのは筋違いじゃないの事?」

ヴァルキリー「その仕事は元々彼女達や騎士派、王室派の仕事につき!私達は関係ないはずとの事!」

ウート「…そのわざとかマジかわかんねえ浅いボケはスルーするけど、『ホテルエアリアル』なんてドデケェもんを盗む時点で、」

ウート「そいつはあらゆる意味でまともじゃねえ。個人的には見逃すのはちょっと、な」

ヴァルキリー「ふむなるほど……」

ヴァルキリー「………つまり?」

ウート「…えっとな?英国王室の軍事霊装を盗むなんてしたらまあ、普通に即フルボッコのち社会的精神的物理的にデッドっしょ?」

ヴァルキリー「うむ」コク


ウート「それをやり遂げた、やるって事は、」

ウート「英国からの刺客を退けられ続けられる武力と自信があるか」

ウート「最初から死ぬつもりでやってるかのどっちか。」

ヴァルキリー「うむ」

ウート「で、後者はたぶんない」

ヴァルキリー「何故との事?」

ウート「…アルくんそっくりに化け、"黄金錬成"…もしくはそれに近しいチカラを扱ったらしいから」

ウート「もし本当に"黄金錬成"を扱えたなら捕まるなんてまずないだろ?」

ヴァルキリー「?」

ウート「…よっぽどの間抜けか、イレギュラー、自滅でもしない限り"黄金錬成"相手には勝ち目がない」

ウート「で、前者と仮定した上で何が目的かなんだけど」

ウート「『ホテルエアリアル』は単なる空中移動要塞戦艦ってだけじゃなく、"英国そのもの"の象徴を積んでんだよ」



ウート「具体的なブツはわかんねえけど、多分元々"軍事"殿が考えてた使い方はイギリス国外でのカーテナのブースター…」

ウート「恐らく、だけど。ブリハロか第三次世界大戦かのどっかで使うつもりで建造したんだと思うわ」

ヴァルキリー「うー…あー…?えっと、それで?」

ウート「……"それ"を盗んだからには、どう転んでもイギリスに大打撃を与える」

ウート「"ブースター"…『ミョルニル』みてーなジェネレーター機能はついてねえんじゃね?とは思うが」

ウート「莫大なエネルギーのパイプラインにはなる。そんだけの"天使の力《テレズマ》"を何に使う?」

ウート「平和利用するにしたってさ」

ウート「『実はこれから天使の力使った発電事業するんです!
    新しいエネルギー発電方法を実行するために必要なんでぶん盗ってきました♪』
    なんてそもそもありえねえだろ?破壊にしか使われねえだろーし?」

ウート「つーか?テロ以外に用途ないっしょ?」

ウート「使い終わったらどこへでもポイ捨てすりゃあいい。結局責任とるのも金払うのもイギリスなんだからよ」

ヴァルキリー「ふむ…ん?」

ヴァルキリー「なら尚更。何故ウートや私が動くにつき?」

ウート「……えーとね、そのテロるかもしれない奴等の標的はたぶんイギリス国外でしょ?」



ウート「最終的、間接的にイギリスになるかもしれねえけど…それでも恐らくは他国だ」

ウート「で、『ホテルエアリアル』の効果および活動範囲っつーのはさ、ブリハロの時の科学及び魔術的軍事的技術力とかから鑑みるに多分アイスランド近海くらいは行ける」

ヴァルキリー「え?なんで?」

ウート「………」

ウート「…とりあえずそうなんだって思っといて」

ヴァルキリー「ふーん…」

ウート(ぶっちゃけ何回も話の腰折られて話すの辛くなってきた)

ウート「まあ、結論だけ言うと。」

ウート「どこが狙われるかはわかんねえ。けど、"学園都市も狙われる可能性がある"」

ウート「それとなーく探っておきたいんだよね。俺の叶え屋(モン)壊されちゃかなわねえし?」ヘラヘラ

ウート「俺は、俺のモンは全力で守る派だからさ」ヘラヘラ


ウート「そーいやアルくん」

アウレオルス「む?」

ウート「話を聞いた時から気になってはいたんだけどー」

ウート「確か、"黄金錬成"を完成させるには親から子へ伝えていって詠唱させても、頑張って省略しようとしてもン百年かかるって奴だろ?」

ウート「どうやってそのめちゃんこ長い詠唱を問題をクリアして"黄金錬成"を完成させたワケ?
    よけりゃ教えてくんね?」

アウレオルス「ん?ああ…」

アウレオルス「澹然、4000人ものの人間を同時に完全に支配。各分野の呪文を並列詠唱させた」

アウレオルス「それに加え…呪文同士をぶつけて相乗効果も狙って…作業は僅か半日で終わったよ」ズズー

ウート「ひゅー…マジかよ?」

ヴァルキリー「…?」←わかってない



ウート「…まあ、どうやって人員確保、"完全洗脳して"唱え続けさせたのかは聞かねえけどさ、」

ウート「意外と盲点だよな。俺は別にやろうとは思わねえけどさ、確かにそれならクリアできるわ」

アウレオルス「うむ。この方法を思いついた時だけは思わず『恐ろしい…方法はどうあれ私は天才か』と思ったものだ」シミジミ

ウート「あーわかるわかる!自分でも納得いくチート術式理論ができた時とかマジそんな感じでテンション上がりまくるよなー!」ウンウン

ヴァルキリー「確かに。私も自分の…この術式を自力で組んだ時の全能感は堪らなかったにつき」ウンウン

アウレオルス「わかってくれるか」

ウート「もちもち。俺はどっちかってーと倫理よりは合理性優先主義者だし?」ヘラヘラ

ウート「あ、でさ?ちょっと聞きたいんだけど」

アウレオルス「なんだ?」


ウート「仮に盗んだ奴さんがアルくんと同じ事をやった、あるいは盗んだ奴が何らかの形でアルくん術式の出力先を自分のとこまで持ってこれたとしてさ」

アウレオルス「うむ」

ウート「…例えば、誰かに『本人レベルの変身』とかってできちゃうわけ?

アウレオルス「む?……まあ、出来る事は出来るだろうが…」


アウレオルス「純然、正気を保てないのではないか?」

ウート「ふうん?」


アウレオルス「ある日突然自分が知らない人間になったら誰だって戸惑うし、"動かし方がわからない"だろう」

アウレオルス「やり慣れた格闘ゲームのプレイ中に突然操作方法が違うゲームをプレイさせられるようなものだ」

アウレオルス「仮にそのタイミングを自分で決められるとしても精神が追いつかないだろうな」

アウレオルス「また、上手い事その肉体に慣れて同調《シンクロ》できたとしても
       長く変身していれば本来の自分の姿を忘れたり、
      『元に戻ろう』という意思が消える可能性もある」

アウレオルス「本当に本人そのものになってしまったりな。」

アウレオルス「完然、危険すぎる試みだな」

ウート「…そっか。さんきゅ」

ウート「……」



ウート(…これは仮説だが、)




ウート(もし盗んだ奴が"第二王女本人"に変身して、"カーテナ・オリジナル"なんかを"黄金錬成"で復活させて)

ウート(『ホテルエアリアル』ってブースターでどこぞに最大出力でぶっ放したら?)

ウート「…いや、まさかな」ハハ

ヴァルキリー「?」

アウレオルス「しかし何故急に?」

ウート「ん?なーんも。ちょっと興味があっただけさ」ヘラヘラ









〓〓学園都市:屋台の道〓〓


~シギン達とサンドリヨン~


シギン「ところでさ、サンドリヨンちゃん」テクテク

サンドリヨン「何?」テクテク

シギン「サンドリヨンちゃんはもし『グレムリン』メンバーを見つけたら何をするの?」テクテク

サンドリヨン「知れたこと。私が受けた屈辱を倍にして返す」

サンドリヨン「特にマリアン=スリンゲナイヤーに!特にマリアン=スリンゲナイヤーに!」ギリッ

シギン「二回も言うなんてよっぽど大事な事。大事な事なんだね」

サンドリヨン「たりめーだ」


シギン「…やめといた方がいいんじゃないかな」

サンドリヨン「…何?」


サンドリヨン「私が勝てないって?あの時はミョルニルの存在を知らなかっ」

シギン「正直それもあるけど、」


シギン「『復讐したとこでなんにもならないんだなー』って。バゲージシティで見たから」

サンドリヨン「……」


シギン「『グレムリン』のベルシはそれを体現して居なくなったの」

シギン「やめといた方がいいよ、と『助言』しておこう」

サンドリヨン「…理屈や損得じゃない。復讐するのは私が気に入らないからよ」つ虹色焼そばパン

サンドリヨン「いってしまえば感情論。」アム

サンドリヨン「というより、そもそもお前には関係ないだろ。とやかく言われる筋合いはない」モグモグ

シギン「そう…なんだけど、」

シギン「やっぱりどうしても私はサンドリヨンちゃんに居なくなってほしくないなって」

サンドリヨン「…」モグ…

サンドリヨン「…善処はする」




フレメア「にゃあにゃあ!大体天井は背が高いな!」キャッキャッ

天井「喜んでもらえて何より…だッ!」プルプル

天井(まさかこの年で肩車をする事になるとはな!)

※天井くんは20代です


フレメア「にゃあー!大体次はあっち!あっちな!射的やろう!射的!」キャッキャッ!

天井「ま、任せろ」プルプルプルプルプルプル

シギン「天井くん?無理すると危ないしおんぶにしたらどうかな?と『助言』しよう」

フレメア「にゃあ!?おんぶはやだ!大体肩車のがいい!」グィッ

天井「いだだだだ!?わかった、わかったから鼻フックはやめよう?!鼻フックはやめよう!?」



〓〓学園都市第7学区路地裏〓〓


「しつこいな」

そう呟き、インデックスを抱き抱えた『上条当麻』は薄暗い路地裏を右へ左へと疾走していく。

華奢な少女とはいえ、人一人抱えているというのにその速さは成人男性が全速力で走行するスピードと遜色はなかった。


「待ちやがれ!」

それを追走するは本物の上条当麻。

(くそっ、アイツ速すぎるだろ!明らかに何らかの力(ズル)を使ってやがる!)

息を切らし、破裂しそうな心臓の鼓動を押さえつけてただ走る。

(ああ、もう!いつまで走らせる気だよ!)

石か何かを投げつけて妨害と足止めをやりたいが付近にそういった類いのものが落ちてなかった。

(ああちくしょう!今日も今日とて不幸だよ!)

何か手は―――


(ダメだ、何も思いつかない)

だがイヤな事には気づく



(…あの偽物、目的地を設定していない?)



何故ならあの『上条当麻』は同じエリアをひたすらぐるぐる走り続けている。

それに、さっきから走る速さが遅くなる事はあっても一定以上早くなる事はない。

…救いなのはヒョイヒョイと障害物を避けてひた走るだけに留めている所か

これで物理的な攻撃でもされていたらひとたまりもなかったかもしれない

(にしても厄介すぎる!)

『上条当麻』は体力や生物的なエネルギー消費なんかを一切考えずに走り続けている。

ヤツを止めるとしたら…物理的障壁を用意するか、更に上条が加速するか。

もしくは『上条当麻が見失った』と判断させれば『上条当麻』は目的地へ行き、そこで戦えるのかもしれないが…

(…何にせよ)

このままではジリ貧、確実にインデックスが連れ去られる事は間違いない。

(つーか一体何が目的でアイツは…って、)


…―――ああ、そうか。




(…俺を撒くためだけに。俺に合わせたスピードで、俺に『諦めさせるためだけに』ここをウロついてるのかよ!イヤなやつ!)


と。



「『風ノ檻。捉エテ。捕ラエテ。護ルベシ
 【フモハヌ・ラサロ・レノネカマナコ】」


風の球体が上条の頭上を飛び、『上条当麻』へ向かう。

そして、その声の主はそのまま後ろからスピードを上げて上条と並走する。




上条「ひ、姫神?!」タタタタ

姫神「私も。彼女を取り返しに来た。」タタタ
姫神「前に上条くんに使った風の檻であの偽物を捕らえる!」タタタ

『上条』「…ふん」タタタタタタタタタタタタ


『上条』「―――『風は消えよ』」


ボフン…ッ

姫神「?!」ピク

上条「な、なんだ!?どうしたんだよ!」タタタタ


姫神「……『焔ヨ。」つライター

姫神「『淡キ焔ヨ。我ノ眼前ヲ照ラシ出セ。』!
   【フモハヌ・ラサロ・レノネカマナコ】!」

ボォオオオオオオオオオオッッッッ!!!!

上条「ライターが火炎放射機に?!」

姫神「…自然発生した火なら。もっと凄いのが出せるのだけど。」

『上条』「―――『炎は照り返せ』」

姫神「?! 避けて!上条くん!」バッ

上条「へあ?っうわっ?!」

ボォオオオオオオオオオオオオオッッ!!!

姫神「…ダメ。私の力は無効化される。」

姫神「…ごめん。上条くん。あの『上条くん』には私の力が通用しない。何か違う手だてを持ってくる!」ダッ

上条「姫神!……俺も何か考えないと!」ダッ



「おっけー!なら選手交替だねっ!」



上条「!」

サローニャ「こっれでも食らえー!」タタタタタ!

『上条』「!」



サローニャ「山突き(空手の両手パンチ)!」ブンッ

『上条』「くっ、」ヒョイ

サローニャ「テッ・ラーン(ムエタイのローキック)!」ブォンッ!

『上条』「おっと」ヒョイ

サローニャ「張果老【ちょうかろう】(裏拳と後ろ回し蹴りを同時)!」ブンッ


『上条』「――『離れよ』!」


ドンッ!


サローニャ「にゃん!」ベチッ

サローニャ「あーん!もう!避けんなっつーの!」プンスコ!=3

上条「サローニャ?!大丈夫か!?」タタタ

サローニャ「うん!平気平気!」にへ

上条「ここにいるってことはサローニャは使用可能エリアから多分出てる。魔術は殆ど使えないんだろ?無茶は…」

サローニャ「うーん。そうなんだけどねん?」

サローニャ「やっぱ上条ちゃん心配でさー。情動のままについてきちゃったのだぜー」てぃへっ♪

上条「…気をつけてくれよ?」

サローニャ「おけおけ!さー、もっかいもっかいぃ!」ダッ!



サローニャ「ティオティトラチャギ(飛び後ろ回し蹴り)!」ブンッ

『上条』「く、『先の手順を複製せよ、吹き飛べ!吹き飛べ、更に飛べ』!!」

サローニャ「なふっ?!」メキメキッ…!

サローニャ「あうっ!」ヒューー…

サローニャ「うにゃん!」べちっ

サローニャ「あったった~…中々やるねー…」サスサス


上条「…おいサローニャ」

サローニャ「?」

上条「スカート捲れて…その、ぱんつが」

サローニャ「うにゃっ?!///」サッ

サローニャ「やぁんもぉ!上条ちゃんのえっちぃ!/////」ササッ



「そんじゃ、またまた選手交代だな」


垣根「上条、アイツを捕まえればいいんだよな?」バッサバッサ!

上条「垣根!?…ああ、でもインデックスには…」

垣根「わーってるよ」バサッ


垣根「いくぜ、テメェら。編隊を組んで未元物質の壁で行く手を塞いで、捕縛網をアイツの上と後ろから撃つ!」バッサバッサ

垣根α「おう!」バッサバッサ

垣根β「任せろ」バッサバッサ

垣根γ「すぐ終わらせてやる」バッサバッサ




『上条』「……む?」タタタタタタタタタ


黒垣根「……」

白垣根「……」

『上条』「…少年、どけ。いや…どかずとも押し通るが」タタタタタタタタタ

    ・・・・
黒垣根「押し通る?クッハハハ……」

黒垣根「バァカ。この俺相手にそりゃ無理だ」

白垣根「すみませんが私はあなたを通すつもりはありません」

白垣根「止まってください」ニコッ



歯を剥き出しにして嗤う黒い少年は唐突に体を真っ白な壁へ変化させた。


『質量保存の法則なんて存在していない』

と言わんばかりにその体積を増幅させ、ビルの隙間を埋めて周囲の建物の壁を未元物質でコーティングしていく。

――白い、檻。

垣根α~γが後ろから追撃準備に入る。

白い少年がそれを認め、翼を目の細かい強靭な網に変え、広げる。




対する『上条当麻』は。



「…素材が何かはわからんが―――」

『上条当麻』は走るのを止めずに正面の壁へと手を翳す。

「――――『砕けよ』。」

バガァン!!!

「?!」

最初に黒い少年が構成していた壁があっさりと貫通される。

次に白い少年は網ごと跡形もなく吹き飛んだ。

『もし車がレンガの壁に突っ込んだら大体このくらいの穴が空くだろうか。』

そんな大きさの穴をインデックスを抱えた『上条当麻』は通過していく。




「「「やりやがったな!!」」」

垣根αが垣根βをボーガン状に変化させ、

「いい加減何度も何度もかませなんかやってられねーんだよ!クソッタレ!!」

バッシュンンッッ!!!

「「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」」」

撃つ。撃つ、撃つ撃つ撃つ!

放たれた矢の一つ一つが『垣根帝督』に変質し、弾そのものが相手の対応に対し、対処できる体制。


「―――『攻撃は全て消えよ』!」

「はあっ?!」

ボーガンから放たれた垣根帝督達が言葉と共に消滅した。


パッと。最初から何もなかったように。



(いやいやいや!?待て待て待て!おかしいだろ!なんだあのチート!)

(?!あいつらだけじゃねぇ!?)

壁、覆っていた未元物質。垣根α~γもいつの間にか消えていた。

(Why?!――まさか……?)


上条当麻の"幻想殺し"。あらゆる異能を打ち消す(元に戻す)能力。


もしかするとあの偽者である『上条当麻』も―――

("幻想殺し"を、持っている…?)


そんな、バカな



(……いーや、違う。上条に打ち消された時とは感覚が違う!)

歯噛みしながら追跡を続行。

(上条に消される時の感覚は…)

(『演算式は正しいし、間違いなく出力された、され続けているはずなのにそれがなくなっちまった』だ)

(つーか能力使用の限定条件は『手首から上だけ』だろ?!)

だがあの『上条当麻』の打ち消しは、

(『能力行使の過程と結果がそっくりそのまま消えた』)


(…タチ悪ィな!)


本物よりも、よっぽど。




〓〓『上条』と近いビルの屋上〓〓



トール「お、やってるやってる!んんー…中々苦戦してやがるな」ジー

トール「あ、パンツ見えた」

トール「………」

トール「『全能神』ならイケるか?いやもうちょい情報が欲しいな」

トール「たぶんこのまま俺がヤッても同じ事にしかならなそうだ」

トール「『全能神』で不意打ちなら……いや、うーん…」

トール「あ、パンツ見えた」








〓〓学園都市:某所〓〓



海原?「……」コツコツ

ブゥウン…

土御門?「……」コツコツ

ブゥウン…



――バサッ。





オッレルス「――――さて。」カツ。




オッレルス「やあ皆、待たせたね」コツコツコツ

オッレルス「いよいよを持って開戦と行こう」


―――――――――――――――――――

シルビア『…』

―――――――――――――――――――

ブリュンヒルド『…』

―――――――――――――――――――

バードウェイ『…』

―――――――――――――――――――

フィアンマ『…』

―――――――――――――――――――




オッレルス「――とはいえ、それでもまだこれは"コト"を起こす前の布石ではあるがね」

―――――――――――――――――――

ブリュンヒルド『そろそろ私達も動き始める…、というわけか』

―――――――――――――――――――

シルビア『やっと?随分かかったね』

―――――――――――――――――――

フィアンマ『ふん。何を言っている』

フィアンマ『お前らはのんびり休暇を楽しんでいたかもしれないがな、俺様とオッレルスはずっと動いていたんだぞ』フンス

―――――――――――――――――――

シルビア(皆それ知ってるし、それを言わなきゃ小物臭くならずに済むのにね)

―――――――――――――――――――

フィアンマ『そんな言葉が出る時点でお前らはもうなんか…アレだ、ダメなんだよ』ドヤァッ!

―――――――――――――――――――

オッレルス「君には皆感謝しているし、わかっているさ」フッ

―――――――――――――――――――

フィアンマ『ふん』



―――――――――――――――――――

          イレギュラー
オッレルス「しかし…予定外が紛れこんだのがね」

―――――――――――――――――――

フィアンマ『いやあ、アレは放置でも構わないだろう?ヤツの目的は"禁書目録"だろうし、直接俺様達に絡む事はないはずだ』

―――――――――――――――――――

オッレルス「だといいが」

―――――――――――――――――――

シルビア『なんか懸念があるわけ?』

―――――――――――――――――――

オッレルス「ん?いや。ほら、人生ってのは思い通りにいかない事の方が多いだろ?」

―――――――――――――――――――

バードウェイ『…まだるっこいな、何を気にしている?言え、"魔神未満"』

―――――――――――――――――――



オッレルス「今、アレイスターは動かない。他魔術sideの連中や『グレムリン』も今は沈黙」

             イレギュラー
オッレルス「幻想殺しsideは予定外を追い、"素材"の場所は窓のないビル…」

オッレルス「十二分の戦力である君達もいる。……だが、それでも」



オッレルス「"本気の土御門元春"を相手にするなら、決して油断はできない」



オッレルス「皆も用心を怠らないように」


―――――――――――――――――――

ブリュンヒルド『…何者だ、そいつは?聖人の類いか?それとも』

―――――――――――――――――――

オッレルス「多重スパイだよ。あちこちのね」

―――――――――――――――――――

バードウェイ『スペックは』

―――――――――――――――――――

オッレルス「能力者になった魔術師。Levelは0、少し傷が治りやすくなる能力で」

オッレルス「使用する魔術は陰陽道だね」

オッレルス「人間的な能力ならば…『長年暗部で生き抜いてきた』の一言でバードウェイ、君にならわかるだろう」

―――――――――――――――――――

バードウェイ『…ふん、確かにそのスペックで生き抜いてきたのならそこそこデキる奴ではあるみたいだが』

バードウェイ『…言っちゃ悪いが、その程度であればさして脅威になるとは思えんな』

バードウェイ『少なくとも。単純な戦闘力だけなら私達『明け色の陽射し』メンバーの各単騎にすら劣るぞ』



―――――――――――――――――――


オッレルス「……そうだね。但し、それは『彼を怒らせなければ』というのが前提になる」


オッレルス「私達がこれからやるのは彼を本気で怒らせる事だ」

オッレルス「私もやりたくはない。だが、これから彼には大きく動いてもらった上で倒れてもらわなくてはいけない」

      オティヌス
オッレルス「"魔神"をこの街に誘い込むためにはね」


―――――――――――――――――――



シルビア『…あんた、なんか楽しそうだね』

―――――――――――――――――――


オッレルス「そりゃね。何せあと少しであの野郎を殺せるんだ」スタスタ


舞夏「~♪」



オッレルス「…胸も踊るってものさ」プツッ




〓〓学園都市某所 → 常盤台中学敷地内〓〓



オッレルス「すまない、ちょっといいかい?」


舞夏「んんー?おにーさんメイド喫茶目当てかー?それならそこの階段を登った角に…」

オッレルス「いや、君に用があるんだよ」ニッコリ

舞夏「なんだー?ナンパならお断りだぞー」

オッレルス「いや違うよ。私の好みはもっと…って違う違う」

舞夏「んー?ならなんだー?」



オッレルス「いやあ、大変だったんだよ?"ここ"まで来るのは」

舞夏「おにーさんそんな遠い国から来たのかー?」

オッレルス「うん?ああいや、そういう意味ではないよ」フフ

オッレルス「君に言ってもきっとわからないだろうが…」



オッレルス「まず、彼は君を守るためだけに"天埜郭夜(あまのかぐや)"と話をつけた」

オッレルス「具体的な交渉内容は私も知らない。だが、その情報が示す意味は」

オッレルス「"『彼はその気になれば宇宙から凶悪な水塊爆撃を世界のどこへでもピンポイントで狙撃できる』」

オッレルス「『だから彼の義妹に手を出すのは不味い』"。――だが、」

オッレルス「と、いうのはガセネタだ」


オッレルス「…そんな嘘で守っていたり。」


オッレルス「はたまた、『彼は金で傭兵を雇って24時間ローテーションを回しながら君に害をもたらす奴を隠密に"処理"している』…」

オッレルス「――のは嘘で、本当はその『24hローテを組んだ警護隊は5隊あって、"聖人"だとか、木原一族だとか兵器…科学sideの化け物や魔術sideの化け物達で構成している私兵が護っている』」

オッレルス「あるいはLevel5の第一位や"原典"複数所持の魔術師…殆ど超能力者級の能力者と懇意にしていていつでも協力をあおげる」

オッレルス「また、"神の右席"の一人に協力させて疑似劣化天罰術式を君に展開させていたり」

オッレルス「…かの『グレムリン』正規メンバーにも懇意にしている奴がいて、そいつが望むものを手に入れてやる代わりに君を守る術式を組ませたり……」


オッレルス「いやあ。大事な人を守りたい気持ちは理解できるがね、さすがにやりすぎだろう」



オッレルス「大変だったんだよ?今も私の、あー…彼女達がそれらに対しての対策や対応をして食い止めているんだ」

オッレルス「君、愛されているんだね」ニッコリ

舞夏「………」

舞夏「…おにーさんが何を言ってるかはいまいちよくわからないけどなー」


舞夏「あにきが私を本当に心底愛してくれているのとか、それとなく護ってくれていたのは気づいてたぞー」

オッレルス「そうかい?それはすごいね。兄妹だからかな?」


舞夏「まあ私もあにきLOVEだしあにきも私LOVEなのはいいんだ」

舞夏「私が聞きたいのはだなー?結局、おにーさんは何を私に聞きたかったんだって事だぞー」

オッレルス「おっとごめんごめん。長々と無駄な前置き話、というか愚痴を溢してすまなかったね」

オッレルス「実は君に一つお願いがあって来たんだよ」

舞夏「なんだー?」





「すまないんだが、死んでくれ」





〓〓常盤台中学:メイド喫茶〓〓


上条(海原)「実は自分、肉体変化のLevel4なんですよ」ニコッ

吹寄「ホントなの?それ。」ジト

青ピ「……」

上原「ええ。実は能力の持続力を伸ばす特訓中でしてね。
   彼の見た目を借りて彼と親しい彼女がいつまで気がつかないか試しているんですよ」ペラペラ

吹寄「へー」

青ピ「……」

上原「おや、どうしました?」

青ピ「ん?ああ…」

青ピ「ボクやったら色んなタイプの女の子になって能力を有効活用するんやけどな~って思って」


上原「参考までにお聞きしたいんですが…どんな活用方法を?」

青ピ「いや大した事ないんやけど、」

青ピ「自分のやったらおっぱいとかお尻とか耳たぶとかほっぺたとか揉み放題やん?」ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ

上原吹寄((気持ち悪い))


上原(ん…?)

御坂「アイツ、まだ帰ってこないのかしら…?」キョロキョロ


上原「おや…すみません、どうやら彼女を待たせているようです。自分はこれで」ガタッ

吹寄「そう。いつかあなたの素顔も見てみたいわね」フリフリ

青ピ「またなー」フリフリ

上原「ええ、お会いする機会があれば」ヒラヒラ



吹寄「……」カチャン

青ピ「ふぁ…」



吹寄「偽者ってわかってても、見た目が上条当麻な人にああいう態度とられると気持ち悪いわね」ズズー…

青ピ「やね」ムニャムニャ






御坂「ちょっと!どこ行ってたわけ?」プンスコ!=3

御坂「メイドを放置する御主人様なんて…その、ダメじゃない!////」プイッ

上原(自分はもう死んでもいいかもしれません)ツー

上原(ですが同時にこの御坂さんの表情は彼だけに向けられているのだと思うと自分は嫉妬で狂いそうです)

上原(………なんで、自分じゃないんですか。御坂さん)



御坂「? どうしたの?辛そうだけど…」

上原「いや、何も?」ハハ






上原(どうやら暗部の襲撃はガセだったか失敗したかしたようですね…動きは特になしです)

上原(ああ…願わくばこのまま御坂さんとメイドプレイがしたいです)

御坂「ちょろっとー?動くと耳ぶっすりいっちゃうわよ?」つl

上原「あっはい。もうちょっと奥まで頼むよ」

上原(生きているって素晴らしい!!!)


御坂「全く…誰かに膝枕して耳そうじなんてアンタが初めてなんだから////」ホジリホジリ

上原「へー」

上原(っし!っし!御坂さんの初めて頂きましたッッ!!すみませんねぇぇえ?!上条当麻ぁあああ!?ゲッゲッゲ!)

上原(いっつもいっつも!あなたばかり御坂さんに好かれて、色々してもらって…ズルいんですよ!)

上原(ですが"御坂さんの初めて"の一つは自分がもらいましたから!!)

上原(…ハァ)

上原(いえ、わかっていますよ?)






上原(自分は祖国との事があったり、元暗部だったりで御坂さんとは基本関われません)

上原(それに肝心の御坂さんは彼にベタ惚れ。)

上原(というか『海原光貴』として近づいていた時も避けられてましたから、仮に御坂さんと仲良くなろうとしてもきっと…)グスン

上原(…自分もずっと御坂さんのために頑張ってきたんですけどねぇ……)

上原(想う事しか出来ない。想いを告げても間違いなく玉砕する)

上原(わかりきっている。勝算なんてまるでない事も、彼女が決して自分には振り向いてくれない事も)

上原(なのに感謝もされず、誉められもせず。無報酬で命がけのミッションを影でやってるなんて…自分はバカです)

上原(…せめて。恋敵に変身している間だけくらい、御坂さんと……)

上原(ん?)



メイド?「……」スタスタ←新訳1巻あたりで番外個体が言ってたドブのような目

上原(…来ましたか)



御坂「? どうしたのよ、さっきから泣きそうな顔して。私なんか変なとこ擦っちゃった?」

上原「いや、『奥さん出来たらこんな感じなんだろうなーでも自分にはできないかもしれないなー』って思っちゃって」ハハ


エツァリ(…このまま時間が止まればよかったのですが)



御坂「だ!誰が奥さんよ!///」ズボッ

上原「いっだぁあああぁああッッッッ?!」ギャァアアア!!!








〓〓イギリスのホテル:ウートガルザロキの部屋〓〓


ウート「ああそう言えばさ、アルくんの目的だとか、俺がベルちゃん復活の対価にやる手伝いって何?」

アウレオルス「間然、そういえば伝えていなかったな」シマッタ

アウレオルス「ウート、イギリス清教の"禁書目録"と呼ばれる少女に聞き覚えは?」

ウート「そりゃもちろん。この業界にいて"禁書目録"を知らないなんて…
    駆け出しの魔術師か引きこもりすぎの奴くらいだろ」ハハ

ウート「むしろ、知らない奴を見てみt」

ヴァルキリー「…あの」

ウート「どした?キュリアちゃん」

ヴァルキリー「いんでっくすって?」クビカシゲ

ウート「ごめんさっき言ったのナシな?知らない人もいるわー!マジ居まくりだよねー居すぎて困るレベルで」

アウレオルス「露骨だな」



~せつめいちう~







ヴァルキリー「なるほど…じゅーまんさんぜんさつも…"原典"を」

アウレオルス「そうだ。故に彼女はその膨大な記憶により脳の記憶容量を大部分を食われて1年周期で記憶を消さねば死ぬとされていた」

アウレオルス「そして毎年毎年…彼女の優しさや愛らしさに惹かれたパートナー達がいた」

アウレオルス「3年前は私。2年前は赤髪の神父と天草式の女教皇。今年は黒髪のウニ頭の少年だ」

アウレオルス「まあ忌々しいがもう彼女はあの腐れウニ頭に救われたらしいし、それはもういい」

アウレオルス「だが、私は今度こそ救いにいかねばならない」



アウレオルス「悽然、私が3年前に救う事が出来なかったインデックスを」

ウート「…」


アウレオルス「私は旅をしながらつぶさに学園都市を覗き、その手段を見いだした」

アウレオルス「詳細は、カチ ―――『理解せよ』」

ウート「―――……なるほど、科学sideの能力である未元物質で彼女ゆかりの土地をなぞって『彼女主観の記憶』を知る」

ウート「その記憶を見てイメージ化を出来るようにして"黄金錬成"で"禁書目録"にインストールする、と」



ヴァルキリー「(´・ω・`)」←話を聞いても"黄金錬成"使われても理解できなかった人



アウレオルス「うむ。あの子が具体的にどう助かったかはわからない」

アウレオルス「だがそれは聞き出せばいいし、それは大した問題ではない」

アウレオルス「重要なのは彼女の3年前の記憶。」

アウレオルス「……しかし彼女の中にはもうあの記憶は存在しない」

アウレオルス「だが彼女の外になら。消えた"彼女の3年前の記憶"を手に入れられれば!」

アウレオルス「私は、ようやくその手段を得たのだ」



アウレオルス「断々然、私は今度こそ"彼女"を救ってみせる!!」ダンッ!



アウレオルス「…だが、やはり私一人で全ての土地に訪れてなぞらせるのは難しい」

アウレオルス「彼女はイギリス清教の"必要悪の教会"で極秘に管理されていたし、
       まあ私と直接会っていた場所はそこまで潜りこまなくてもいい場所だったが」

アウレオルス「そこもやはり女狐の領地だからな…」ウムム

アウレオルス「それに今の私の立場ではこっそり入りこむのも難しいだろう」

アウレオルス「何せローマ正教を裏切りに裏切って敵に回して。数多の魔術結社や魔術師から狙われ…」

アウレオルス「おまけに死んだとされてる人間だからな…」ズーン

ウート(それを言っちゃうと俺も元『グレムリン』だし、キュリアちゃんは通り魔でフダツキなんだけどな)

アウレオルス「それに潜入する事も、潜入し続けるのも難しいのだ」

ウート「…?」

ウート「いやいや…"黄金錬成"あるし、ある程度勝手を知っているなら潜りこめないなんて事は」



アウレオルス「怖いのだ」

ウート「…は?」



アウレオルス「『もしあの女狐に「実は全部まるっとお見通しなりけるのよ!」ってバレてたらどうしよう』」

アウレオルス「ってすぐ考えてしまったり」

アウレオルス「『というかすごくご無沙汰な部屋に入るのなんか躊躇する』」

アウレオルス「それから知り合いに『またインデックスちゃんに会いに来たのか?好きだね~お前~』とか言われたり、」

アウレオルス「『もし別の昔の知りあいに会って「久しぶり~!え、お前今何してんの?」とか聞かれたら答えられない』」

アウレオルス「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどないしょどうしようどうしよう」

アウレオルス「――と、」


アウレオルス「果然、私の精神が持たんのだ」ふー

ヴァルウート「「メンタル弱っ」」



ウート「あー…つまり作戦中に"黄金錬成"で都合が悪い妄想が現実になったり、知り合いと遭遇しないようにしたいわけ?」

アウレオルス「まあ最善はそうだ」

ウート「んー…"黄金錬成"でやるのが一番だよな、やっぱ。でも俺には心を操るなんて出来ないしな」んー

ウート「もしできたらアルくんに"何があっても動じない"とか"目的遂行まで他事を考えない"とか設定すんだけど」

ウート「まあ、幻覚で"黄金錬成"使う時にイメージ固定をしたりするくらいなら――」

アウレオルス「ああいや、そうではない。私が君に望むのは一つだけだ」

ウート「何?」




アウレオルス「潜入中、ずっと私の手を握っててくれ」

ウート「やだよキモい」



アウレオルス「…憤然、貴様何でもするって言っただろう!」ガタッ

ウート「いやあほら…俺が手ェ握んのは女の子限定だから…うん…ああほら、何か違うのとか考えるからさ?」

アウレオルス「…なんなら君でも構わないが」チラッ

ヴァルキリー「やだキモい」

アウレオルス「貴様らバッサリかこの野郎」

ウート「いや普通じゃね?」



ウート「つーかさ、"そーいう幻覚"じゃダメなわけ?」

アウレオルス「イメージ、そして気分の問題だからな」

アウレオルス「確然、私は安心が欲しいのだ」

ウート「ふーん…」

ウート「…ならさ、正式な調査って名目で清教の領地に行かねえ?」

ウート「それならコソコソしなくていいし、余計な事も考えにくいし…人に会うのも最小限になるだろ?」

アウレオルス「? どういう事だ?」

ウート「ほら、『ホテルエアリアル』が盗まれた件で王室派や騎士派が『清教派の奴が盗ったんじゃね?』って、たぶん少しは疑いをかけてるはずだ」

ウート「事実その可能性も否定はできねえし」

ヴァルキリー「???」

ウート「だから、その調査を王室派か騎士派がやる時」

ウート「俺達がそいつらの代わりに『王室派から派遣された雇われ調査員』として清教領内に忍び込むのさ」ニヤリ


ヴァルキリー(どうしようウートが何言ってるのかさっぱりわからんにつき)ゴーン


アウレオルス「漠然、だがどうやってだ?まさかウィンザー城に売り込みにいくわけにもいかんだろう?」

アウレオルス「多少の偽造工作なら女狐は見破るだろうし、その後どうなるかは…」

       ・・・・
ウート「ああ。偽造なら、ね」ヘラヘラ

アウレオルス「…愕然、君はまさか本気で第二王女に交渉する気か」

ウート「まね。俺も捜査状況とかも知りたいし一石二鳥だろ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「イクサ?戦に行くとの事?」ワクワク

ヴァルキリー「私、斬り合いならそうそう負けはしないにつき!」フンスフンス!

ウート「あーいや大丈夫。俺一人でやるよ。気持ちだけ受けとっとく」ヘラヘラ

アウキリー「「え?」」







〓〓イギリス:ウィンザー城前〓〓



ウート「じゃ、今から潜入してくるから」ヘラヘラ

アウレオルス「煢然、大丈夫なのか?」

ヴァルキリー「ウート、ほんとーに大丈夫につき?よかったら私も行って斬って斬って斬りまくるが」

ウート「いやあ、コトを大きくしたくないし無理だろうし」

ウート「ま、余裕だろ」スタスタ

ウート「もし万が一戻れなかったらキュリアちゃん悪いけど後は頼むわ」ヘラヘラ

ヴァルキリー「らじゃー!」ビシッ

アウレオルス「……」


アウレオルス「万が一、か。随分自信があるのだな」








ウート「―――"何にも異常はありませんでした"」キンッ

騎士A「…」ボー

騎士B「…」ボー







監視カメラ「…」

ウート「~♪」スタスタ

ウート("人払い"の応用で『俺を認識しても興味を示せない』術式)

ウート(カメラの向こうで見てるのが人間であるなら効くってな)スタスタ


ウート「…さて。」



〓〓キャーリサの私室前〓〓



コン、コン。


『誰だ?私はまだ準備中だ、し…?」ガチャ…

ウート「こんばんは」ニコッ



ウート「通りすがりの幻術師です」ニッコリ



ウート「あ、これ手土産です」つ

キャーリサ「は?」


ウート「少し第二王女様にお話があって。お部屋に入れてもらえませんか?」ニコッ

キャーリサ「…何の件だし」

ウート「『ホテル』の件について。」ニコッ

キャーリサ「……」

キャーリサ「いいだろう。一時間だけだし」




〓〓キャーリサの私室〓〓




キャーリサ「…んで?お前はどこのバカなの?」ジト

キャーリサ「どーやってここまで乗り込めたかはわからんが早く内容を伝えて帰れ。私は忙しーの」

ウート「そーだなー…"ウートガルザロキ"、とでも呼んでよ」

ウート「あ、なんならウーくんとかウートちゃんなんかでもおっけーだよ?」ヘラヘラ

キャーリサ「呼ぶかバカ」

ウート「そう?」

キャーリサ「…で?」

ウート「率直に言おうか。今すぐ『ホテルエアリアル』を奪還するために本気で動いてほしい」

ウート「それと、清教派の誰かの犯行かどうかの調査の時は俺と…後二人を加えたメンバーだけでやらせてほしい」

ウート「あー、あとは必要経費、関連施設と立ち入り禁止エリアへの立ち入り許可、逮捜査権限と逮捕なんかの法的権限がほしい」

ウート「ここまで単騎。無傷で乗り込んだ俺の実力は折り紙つきだし、アンタだってアレを悪用されたくないはずだ」ニコッ

ウート「俺がアンタに提供するのはイギリス清教の内部情報と白黒の判断」

ウート「なんなら他に雑事をやってもいい」

ウート「何か質問は?」

キャーリサ「…ほほー?」


キャーリサ「『解決してやるから力を貸せ』と?」

キャーリサ「コソコソ乗り込んで来たから何かと思えば交渉にもなってない交渉か?」

ウート「……」

キャーリサ「大体だな、筋が通らないし」

ウート(ま、ね)

キャーリサ「バックアップはともかくだ、」

キャーリサ「仮にその交渉をやるなら私ではなく実際に警察権限を持つ騎士派の長にやるべきだったし」

キャーリサ「まー騎士派の奴等も全力で探してない訳がないし、私ではせかす事はできても捜査に口出しは基本できないし」

ウート(いやあ、"交渉"しようにも騎士団長は男だし、建前はそうでも実質騎士派に指示出来るのはあんただからだよ)

ウート「ふーん?申し出を受けないと?」ニコッ

キャーリサ「申し出?恐喝の間違いだろー?」クックック



ウート「…『もし、申し出を蹴ったら"万全の警備を叩きのめしてここまで来た"奴に何をされるかわからない』。」

キャーリサ「『盗んだ奴と繋がっている可能性』、『何より、信用ができん』…」

キャーリサ「他にも理由はてんこ盛りだし。
      とゆーか普通に考えればこんな無茶な要求が通るわけがないし」


キャーリサ「つまりだ。私がお前に対してやる事は―――――」



ウート「あ、すみません火をつけても?」

キャーリサ「…悪いがこの部屋は禁煙だし」

ウート「煙は出ませんよ」

キャーリサ「…好きにしろ」

ウート「ありがと」シュッ…ボ

キャーリサ「マッチ?ライターでつけないなんて変わってるな」

ウート「そ?」ヘラヘラ

ウート「よいしょ」つアロマキャンドル コト

キャーリサ「…"煙草に"火をつけるのではなかったの?」

ウート「うんにゃ?アロマキャンドルにだよ」ヘラヘラ

キャーリサ(なんだコイツ。頭がおかしーの?)

キャーリサ(こんな珍妙な交渉をしに王家が滞在中の城に乗り込む時点で色々おかしーが)


キャーリサ「…まあいいし」

キャーリサ「で、だ。私はまだ気になる事がある」

ウート「何ですか?」ニコッ

キャーリサ「情報元だ」

キャーリサ「『ホテルエアリアル』は元より軍事機密だし、事件に関してもそうおいそれとネットなんかでは手に入れられる情報ではない」

キャーリサ「どっから……いや、"誰から"聞いた?」

ウート「企業秘密なので答えられません」ニッコリ

キャーリサ「どーやら私は盗人よりもお前を逮捕して尋問する事に労力を使わねばならなそーだな」ハァ

キャーリサ「何を考えてるのか、何が目的なのかも全然全くわかりかねるの」


キャーリサ「それとも…」


キャーリサ「お前、"ほんとーは"交渉ではなく、何か違う事をしに来たの?」ニコッ

ウート「…」ニコニコ


キャーリサ「ああそれともお前が犯人なの?なら余計に色々わからんが要求はなんだし?」

キャーリサ「まさか私に一目惚れしたからノコノコ乗り込んで来たとかではないだろー?」クスクス

ウート「……」

ウート「……」チラッ


ウート(アロマキャンドルの"香り"は充分充満したな)


ウート(さ、そろそろ交渉し始めようか)ニヤリ



キャーリサ「おい、聞ーてるのか?」

ウート「…当たり。」ニコッ

キャーリサ「……は?」


ウート「君をこの間の夜会で見かけてさ、」スッ

ウート「君の可愛い顔を見た瞬間に…もう、ハートを撃ち抜かれてた」ストン。

キャーリサ「なっ、おい!隣に座るなし!」

ウート「身分違いだとか、常識がないとか初対面だとか…」テギュ

ウート「色々突然過ぎて混乱していると思う。
    『ホテルエアリアル』の件は君に会う口実のために必死で手に入れた情報なんだ」

ウート「もちろん君は断るだろう。それで構わないんだ。でも、」パチン!

ウート「どうしても。君にバラを一輪、届けたくて…」つバラ(幻覚)



ウート「あなたに一目惚れしました。もしよかったら今夜…俺と一緒に過ごして貰えませんか?キャーリサ姫」ニコッ

キャーリサ「…ハァ?お前頭イカれてるの?」ジト


ウート「……」キリッ

キャーリサ「…おかしいおかしいとは思ってたが、いきなりそんな事言われて落ちるバカがどこn…」


ドクン。


キャーリサ「あ…う……?///」クラッ…



ウート「…」キラキラ…

キャーリサ(顔が近…、静かで、あったかい吐息が、)

ウート「…」ニコッ…テギュ

キャーリサ(手を優しく握られて…!///)
ウート「…」フワーン

キャーリサ(う……いい匂いも、するの……)ぽやー

キャーリサ(このまま、ウートと…)

キャーリサ(ハッ、おい!私は今何を考え、)グラッ

キャーリサ(?…なんだ…か、頭。ぼんやり…してる?アロマキャンドルの匂い…か?)トローン


ウート「…あんまり、信じてもらえないかな?」

ウート「改めて急に押しかけてごめん。でも、どうしてもあなたに伝えたかった」


ウート「貴女が好きだ。キャーリサ」ニコッ

キャーリサ「…////」

ウート「俺じゃ…ダメ、かな?」チロッ?

キャーリサ「…バカ…か…、」

キャーリサ(な……ん……?何か、されたのか…?)クラッ…

キャーリサ(! まさか、あのアロマキャンドル?!しまっ……何か、術式が、組まれ……?)

キャーリサ「……」

キャーリサ(…まあ?年下のイケメンにここまで愛を囁かれるのは満更でもないし?)ぽやー

キャーリサ(私もそんなに若くはない。こんなチャンス、もう二度と…)ぽやー

キャーリサ「なら…」ぽやー



トントン。


『キャーリサ様、御支度は御済みになりましたか?』

キャーリサ「!」ハッ

キャーリサ「…ああ。今行くし!」

ウート「支度……ああ、そのカッコからしてこれから舞踏会?」

キャーリサ「……うむ」


ウート(ちっ、あとちょっとだったんだけどな)チッ



ウート("魔草調合師"バルビナ特製、判断能力を鈍らせる"幻惑の香りキャンドル"は一度冷めたら効果薄くなるしなー)

キャーリサ「…………」ムムム

ウート「いーよ?行ってきて。俺待ってるからさ」ニコッ

キャーリサ「……止むを得ない…か。なあ」

ウート「ん?」

キャーリサ「その…また後で話、……少し、後にできないか?私にも予定があるの」モジ

ウート(…お?まだ脈アリ?)ニヤ

ウート「いいよ。また君と離れなきゃいけないのは寂しいけど…」



キャーリサ「な、ならこう提案しよう!」

キャーリサ「お前も舞踏会に参加するの!」



ウート「へ?」



ウート「いや、でも」アセアセ

キャーリサ「ひょっとして、私がお前を通報したり騎士団につき出すと警戒しているの?」

キャーリサ「なら尚更だし。参加すればお前は私を監視できるし、私を人質にする事でお前をつき出せなくなる。」

キャーリサ「お前からしたらメリットしかないだろー?」

ウート(おおう…マジかよ?何しでかすかわかんねえ不審で迫ってる不法侵入者を舞踏会に招くだあ?)

ウート(判断がおかし…ってああ、キャンドルか)

キャーリサ「ふん、私とて不本意だし。だがこの舞踏会は成功させねばならんのだ」プイッ

ウート「…いいの?俺が貴女に何か恥をかかせてしまうかもよ?」

キャーリサ「構わんし」

ウート「え」

キャーリサ「その時は『不法侵入者』の件を処理する絶好の好機になるというだけだし」フッ

ウート(…ちえ。やっぱそれでもだんだん頭が冷静さを取り戻してきちゃってるのか)

ウート(なんとかしねえとな)


キャーリサ「服はすぐ用意させる。着替えておくよーに」

ウート「うん」

キャーリサ「ああ、それから」

ウート「なに?」ニコッ


キャーリサ「ウート、その…お前とのダンス、楽しみにしてるし」ヒラヒラ

ウート「ありがとう。俺も君とのダンス楽しみだよ」ニコッ

バタン。


ウート(結構予想以上に効いたみたいだな)ニヤニヤ


ウート(…もいっこ"手"を用意しとくか)








〓〓ウィンザー城特設ダンスホール〓〓



騎士団長「えー…」ゴホン

騎士団長「イギリス王家、第二王女…キャーリサ王女の、おなーりぃー!」

シャッ。ギィイイ………

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…!!!

キャーリサ「……」フリフリ

ウート「…」フリフリ


「キャーリサ様御綺麗ですわー」
「大きくなられましたなー」
「王女様きれー」
「僕もあんな人と…」
「王女様いつもと違う深紅のドレスだね」
「隣の男の子、紺色の皇子服似合ってるわねぇ」



ウート「…こりゃまた随分デカイ……大ホールでダンスパーティー?圧巻だね」ヒソヒソ

キャーリサ「…いーから、堂々としてるの」ヒソヒソ

ウート「…」

キャーリサ「…」ガッシリ

ウート「…えっと、腕組んでくれるのは嬉しいんだけど、もうちょいライトに組んだ方が」ヒソヒソ

キャーリサ「あのな?言っとくが、私と"深く"腕を組んでなければ『え?じゃあコイツ誰?』ってなるんだぞ」ヒソヒソ


「…おい、誰だ?あの若造。社交会でも見たことはないし、とても高貴な身分には見えんぞ?」ヒソヒソ
「バカ!キャーリサ王女と"深く腕を組んで"一緒にいるんだぞ?!」
「エリートや爵位持ちなんかの血筋を全員知る俺達が知らない
 "キャーリサ王女と腕を組める立場の奴"って言ったら一つだけだろ!」ヒソヒソ!

騎士団長「………」チラッ



騎士団長「……」ギロッッッ!!!


ウート「…すげえ納得。」





騎士団長「それでは…」スッ

音楽隊「「「………」」」コクン


~♪~♪~~~♪~♪


「では…手を」スッ
「ええ」スッ

「お手を」
「まあ♪」

クルクル…フワッ


ウート「へえ?皆華やかーに踊ってるな」

キャーリサ「…悠長にしてるよーだがな、次私達の番だぞ」

ウート「えっ」バッ


騎士団長「では…キャーリサ様。次に」

キャーリサ「うむ」スッ

騎士団長「―――と、見知らぬ客人よ」ヒソ

ウート「あぁはいはい?」

騎士団長「…諸事情あって今回の夜会はどうしても開かれなければならず、また成功させなくてはならない」ヒソヒソ

騎士団長「故に、本来ならば速攻で斬って捨てるような事態でも。
     我々はどこの誰だかわからぬ輩でも知らぬふりをしなくてはならない」ギリギリ

騎士団長「…客人。あなたがキャーリサ様と一緒に出てこなければまだ私か、それなりの地位の方が相手を務められたというのに…!」ギリギリ

騎士団長「…変な真似をしてみろ、その時は躊躇なく私は君の首をはねるっ……!」ギヌロッ!!!

ウート「おー…怖い怖い。ま、努力はするよ」ヒラヒラ







曲が流れ始める。

バイオリンやチェロ、ピアノ奏者達は妖精が小さく跳ねるような旋律を奏でていく。

それに合わせ。ウートガルザロキはキャーリサと一緒に踊っている貴族達の輪の中へ入っていく。

「今更だがちゃんと踊れるんだろーな?」

「まあ簡単な奴ならね」


ウートガルザロキはキャーリサの足運びとリードに追従していく。


「…ほう、中々どうして…」
「彼も元は高貴な生まれなのか?」


(まっさかー。そんなわけねえじゃん。前に『船の墓場』でヘルと踊った事があったからだっての)

耳だけ周囲に意識を集中させて、他の感覚器官は全て目の前の彼女に向ける。


…正確には彼女を酔わせる事に。

ウートガルザロキにとっての勝負はダンスが終わった後だ。

彼女に正常でいてもらっては困る。

交渉ではない交渉をしたい時。正常ではない判断をさせたければ狂わせる物を。


(さて。マジシャンがよくやる『手首に仕込んだ霧吹き』をこっそりシュシューッと)

(判断能力を取り戻しつつあるのは厄介だしなー
 もっと第二王女様には冷静さを失ってもらわねえと…)

キャーリサに優しく微笑みかけながらウートガルザロキは思案する。

(幻覚を見せる技術の派生技術。
この霧吹きには微量アルコールを混ぜた水が入っている。
…が、これは単なるアルコール水じゃねえ)

(術者以外に作用する術式を組んだ。これを吸い込むと"深酒した時の判断、認識"をさせる)

一回の散布で吸入させられる術式水の量は非常に僅かだ。

だから一回二回程度では充分な効果は発揮されない。

しかし回数を重ねれば重ねるほどに効果は重複し、じょじょに表れ始める。

(故に。魔力自体も検知されにくく"伏兵"としても扱える。)

シュ。シュ。

(ほれほれもっかーい!)

………シュ。………………………シュ。

…幸いキャーリサは敏感な方ではなかったらしく、散布されたものを吸い込んでも特に何ら不快さを感じてはいないようだった。


「…存外上手いな。もっと無様な姿を晒すと思ってたとゆーのに」

「はは。ちょっと前にダンスホールで踊る機会があってね」

胡散臭い。

それが虚偽か真実かもわからない。
そんな笑みを浮かべるウートガルザロキをキャーリサは熱っぽく見つめる。

ウートガルザロキはそんなキャーリサの白く細い手を取り、己の指をそっと絡める。

「…なあ。お前"まともな魔術師"じゃないのだろー?」

「ん?何故そう思うの?」

「私ほどの実力者なら目を見ればわかるし」

「…へえ?俺の目に何が見える?」

「お前の目の奥に沼の底みたいな澱みが見えるの」

「…君を"俺"に引き込んで『俺だけの物にしたい』って願望の表れかも?」

「とゆーよりだ。厳重な警備のここにわざわざ潜り込んで、
 いまだ首を切られずに私のダンスパートナーを即興で務めている時点でもうまともではないし」

第二王女は青年の妖しい目から何かを誤魔化すように目を逸らす。


「ふふっ…そんな怪しい魔術師と踊って大丈夫?」

「ふん。お前答えがわかってるクセに気をつかうような言葉を投げてるだろ」

「さあどうかな?」

「もしお前が危険な魔術師なら、」

「私やイギリスに危害を加えよーとしてる奴だったとしたら、」

術式により、キャーリサの足運びは少しづつスマートでなくなってきていた。


「……こんな優しい手つきで私に触れるなど出来ないし…」


陶磁器にそっと触れるような、と付け加える。


「それに、この私に年甲斐もなく変な気を起こさせるよーな笑顔を至近距離で見せられたら」

「…見せられたら?」


甘いマスクで微笑んで。青年は姫の言葉をリピートする。


「…危険であっても"火遊び"くらいならしたくなる」

シュ。シュ、シュ。

キャーリサのステップのテンポがまた少し遅くなる。

彼女の顔は真っ赤で、アイスブルーの瞳は潤んでいた。

術式(アルコール)のせいであると知ってなかったら『本気で自分に気がある』と思ってしまうかもしれない。

「私にここまで言わせるなんて…お前は童話の王子様か何かなの?」

「…どうかな。ひょっとしたら悪魔かも?」

青年は唇を妖艶に歪ませる。

「何せ俺も君と"火遊び"したくなってる」

慣れた手つきでウートガルザロキはキャーリサの背中から腰に手をまわす


「…なら王子様の見た目をした悪魔よ」

「私をその笑顔で騙して堕してみせろ」


「いいよ。じゃあ今夜は…」




      アクマ
「君だけの王子様になってあげるよ」



(上手くいった)






ダンスホールで顔立ちが整った青年と美しい王女がくるくる舞い踊る。

ああ、童話の映画か何かにでも出てきそうな絵だ。



―――青年が影でこっそり悪魔のような笑顔を浮かべていなければ。








パーティーは無事終了し、キャーリサは「彼と私事がある」と騎士達を全員追い返してしまった。



「また…二人っきりだな…?/////」

彼女は吹かれたアルコールを吸いすぎてもう完全に"正常"ではなくなっていた。

もし彼女が正常だったならウートガルザロキを捕らえさせるなり殺してしまうなりとしただろう。

何せ彼女にはウートガルザロキを処理する理由は山程あるが、生かす理由はこれっぽっちもないのだから。




だが実際彼女がしたのは…

ずっとウートガルザロキの手を握り、童女に還ったかのような笑顔を向ける事だった。

今彼女にとっては自分は童話の中のお姫様で、ウートガルザロキは王子様になっていた。


何の前提条件もなく突然ふってわいたその認識がどれだけバカげていようと。

それに至る理由に整合性がどれだけなかろうと。

"恋に"酔っていても、術式により酔わせられていても。


今の彼女にはそれが絶対の真理だった



そんな彼女を認めて、ウートガルザロキは彼女の肩を抱いてそっと自らの胸元に押しつける

「ん…」

キャーリサは抵抗しない。

彼女の髪に鼻を当てて柔らかく擦る。

「可愛いよ、俺だけのお姫様」

「…私、可愛いなんて言われるよーなものじゃ、」

「ううん。可愛いよ?すっごく…魅力的。」

そのまま唇を押しつけながら彼女の顔にキスを落としていって。



「あむ、んっ………」

「んっふ、っ……ん」

お互いの唇を貪るキス。

彼女の手首を握り、捕らえこんで。

だがその掴み方は彼女が無理な体勢で苦痛を感じないように計算されていた。

口内を蹂躙し、蹂躙させ、唾液を流し込んで自身のとからめて二人で味わう。


彼女は『するべきではない』だとか、『信用なんてするべきじゃない』だとか…

…頭から吹っ飛んでしまっていた。


今自分達がこうしている事以外に重要な事なんてない。

ただただ自分を愛してくれる彼がたまらなく愛おしくて。

目の前のモノを求める事しか考えられなくなっていた。


彼女の普段頭にある、冷徹さも軍事も政治も常識も。

誇りだとか、貞操観念だとか、そういったものはミキサーでぐちゃぐちゃのドロドロにされてしまっていた。


だから、彼女は自分がいつの間にか抱えあげられていた事だとか、

下ろされたのが自分のベッドの上だったとか、

覆い被さる青年を自ら抱き寄せて更に深く求めてしまったのは


もう、仕方のない事だった。




―――――――
――――――――――――

―――――――――――――――――



ウート「さて。」

キャーリサ「ZZZ…」ムニャムニャ

ウート(正式文書も判子も血判も本人署名も。
    『無効だ』ってやられねえように"スキャンダル動画"と写メもとったし…帰るとしますか)スタスタ

ウート(最後の良心でキスと甘い言葉とおさわりだけに留めたけど…いやまあ中々俺も下衆だな)

ウート(べっつにー?今更善人面する気もねーし?誰に何咎められても『知るかバーカ』って返すけどさ)



キャーリサ「ん、ウート…?」ムニャムニャ

ウート「……」

ウート「…おやすみ。ごめんね、お姫様」チュ

キャーリサ「ん……」スヤスヤ



ウート(さて、部屋を出たらさっさと術式を展開―――)ガチャ


ジャキ、ジャキジャキジャキジャキジャキジャキ!!


騎士団長「おや?どこへ行くのですか客人。」ニコッ

騎士「…」つ槍
騎士「…」つ剣
騎士「…」つ斧槍
騎士「…」つ三又槍
騎士「…」つ盾
騎士「…」つ大剣
騎士「…」つ長剣


ウート「uh-oh」



騎士団長「いや、随分お楽しみだったようだな?」ニコッ

騎士団長「念のためにとお前がキャーリサ様の部屋に入ってから部屋前で待機していたが…声がまる聞こえだったぞ?」

ウート「あー…ん、いや、気のせいじゃね?ほら、テレビつけてたからさ」

騎士団長「『あんっ♪ウート、そこはっ…ダメぇっ♪///』『キャリィちゃんがおねだりしたくせに♪』」

ウート「………」

ウート「いやそういう名前だったんだよ登場人物達が」

騎士団長「なワケねえだろ」つ フルンティング


「やれ」

騎士団長の短い命令により、銀色に輝く魔術鎧を着込んだ騎士達が武器を構えて襲いかかる。

「やべっ!」

バタンッ!!!

ウートガルザロキは勢いよく扉を閉めて部屋へと身を転がし鍵をかける

バンッ!!ガンッ!!!ドガンッドガンッドガンッドガンッドガンッ!!!!

「…こりゃ破られるな」

ドアには恐らく結構強力な防護術式か結界術式がかけられているだろう。

だがいくら王女の私室の防護術式とはいえども立て籠られた場合を想定していないとは思えない。

現に、

ズブッ!!

槍の穂先が扉を貫いた。


「…んなに大きな音出しやがって。キャリィちゃんが起きちゃうだろ」

(つーかぶっちゃけ今起きられたら死ぬ)

現時点でカーテナの破片を持っているかはわからないが、もうじきキャンドルの効能と酔いから覚める頃だ。

間違いなく冷静さを取り戻した彼女も攻撃に回るだろう。

様々な痴態をなかった事にするために。


(部屋の中と外から強烈な攻撃されたらいくらなんでも死ぬわ)

ならば。


(しゃーね、即興でやるしかねーか)



部屋のカーテンをはずし、彼女が寝てる天涯つきベッドを移動させる。

「キャリィちゃんはソファで寝ててね」

"舞台装置"を整えて、キャーリサには深い眠りに誘う香りを嗅がせた上で移動させる。

速効性の高い集団用幻覚を見せる準備を済ませる。

この間僅か十二秒。

「よし。さあ来い」



「"ショータイム"だ。」







バタァンッッッ!!!


扉を攻撃開始してから数十秒後。


ついに、破れ


―――――――
――――――――――――
―――――――――――――――――


        ・・
~踊る騎士と操り人間~




騎士達と共に騎士団長《ナイトリーダー》も部屋へ入る。


(……電気を消した?)

部屋は真っ暗だった。


(何も見えないな…しまった、奇襲をかけて部屋から抜ける気か、…窓から逃走か?)

何も判断ができぬほどに闇しか目の前にはなかった。

「電気を、」


ズンチャ♪ズンチャー♪ズンチャッチャ♪


――――どこからともなく間の抜けた音楽が聞こえてきた。



「奴は」

「! あそこです!」


その先には厚手のカーテンが取り付けられた簡易的な劇場の舞台があり


その手前にウートガルザロキはいた。



ズンチャ♪ズンチャー♪ズンチャッチャ♪


「さあさ♪今宵も緞帳♪上がります♪」


スポットライトを当てられながら手を少し上へ上げ、「やれやれ」のジェスチャーに似た位置へ上げる。

テンポよく首を右左。メトロノームのようにふりながらウートガルザロキは詠う


「タネも♪仕掛けも♪あるけれど♪」


彼の背後の小さな劇場。…赤いカーテンがするすると開き、

「不粋なトリック暴きは♪止めといてー♪」

「我等の舞台に見惚れなさい♪」



"何か"が


「……?」


―――開演する。



(いかん!幻覚術式か!?)

「捕らえろ!」

だが、騎士団長が命ずるも

「「「「……」」」」

騎士達は身動ぎ一つしなくなっていた。


「どういう、くっ!」

騎士団長は「自分だけでも」とロングブレードを構え、ウートガルザロキへ走る。


「『お座り下さい♪お客様♪他の方が見えません♪』」


「のわっ?!」

ボフン。

気がつけば騎士団長は映画館にあるような赤いふかふかとした肘掛け椅子に座っていた。


「『まずは前座だ♪ラインダンス♪彼等が魅せるラインダンス♪』」

ウートガルザロキが軽く上下に揺れながら手を舞台へかざす。

すると。

ガッチャン♪ガッチャン♪ガッチャン♪ガッチャン♪

「お前達?!」


舞台袖から鎧を着た騎士達がラインダンスをしながら出てきた。

「ジェームズ!?おい、ヴォルティス!ジョン!?目を覚ませ!!」

全員、今の今まですぐ側にいたはずの自分の部下達である。

「「「ッハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!」」」

楽しげに掛け声をあげ、鎧をがちゃつかせながら足を高く上げて彼等は踊り狂う。

「なん、だ…これは」

シュール過ぎて冷静に思考が出来ない。


(席からも立て…ない?)

固定されてなんていない。なのにピクリとも動かせない。


「『続きまして♪"オハナシ"でございます♪』」


再び鎧騎士達が出てくる。その手にはパペットがはめられていた。



「『あらお婆さん。どうしてそんなにお口が大きいの?』」

「『牛を一頭丸飲みにするためさ』」


(なんだ、これは…どういう事だ)

騎士達によるカオスな人形劇は続いていく。


「『私、鮫になったわ』」

「『おじちゃんはサロメ夫人の蒟蒻芋だから。おじちゃん、だから君のお嫁さんになるよ』」

「『それなら蝉をとりにいかなきゃいけないね』」

「『あらやだわあなたいつからそんなアチーブメントテストを?』」

「『君が一昨日サンマリノの頭と戯れていた時さ』」

「「『『おっほっほっほ』』」」


支離滅裂な人形劇。


ラストはあらいぐまが現れて暖炉をかじってフェードアウトして終わった。



(頭がおかしくなりそうだ)

冷静に思考しようとすると理解不能なはずの劇場の内容が脳内に強行突破してくる。

(……吐き、そうだ)

騎士団長は頭を垂れて憔悴しきっていた。


「『さてさて♪最後の演目です♪』」


ウートガルザロキの声が頭の上から聞こえる。


「『"操り人形達の円舞曲"です♪』」


(やった!終わる!これでやっと解放される!)


舞台の方へを顔をあげると。




「……」

ニヤニヤと笑うウートガルザロキが足を組んで椅子に座っていた。

(―――――――え?)


・・・・・・・・・・・・・・・・
さっきまで自分が座っていた椅子に。




自分は、いつの間にか舞台に立っていた。

横を見ると部下達がいた。


………出来の悪い『操り人形』に姿を変えて。

ふらり。

彼等の手足や頭につけられた糸が持ち上がり、騎士達が動き出す。

歌ったり踊ったり、逆立ちしたり。クルクル回転したり、飛んだり。


(なんだ?一体、これは、何が起きたというんだ?)



……ふと、この糸の先が気になる。

(……誰が操っているんだ?)


見てはイケナイ気ガスルノニ。


見上げると。


侮蔑にまみれた笑顔で手を動かす3人の王女達。

そして、


「………」


(………自分?)


醜悪極まりない、ニチャニチャとした笑顔の己。



…では自分や彼女達にに操られる彼等や"自分"は一体なんなのか。

ふと目線をさげれば

(からだに糸がツイテイル?)


鈍くなった頭の動きでぼんやり考える。

(お、れが、ボクが、私がワタシが)


(ただの"操り人形"ダッタ?)




気がつけば自分も出来の悪い操り人形になっていた。

ガッシャ。ガッシャガッシャガッシャガッシャ。

自分の手足が誰かの意思で勝手に動かされる

(…アア、カンガエルノッテナンテバカラシカッタンダロウ!!)

(ナニモカンガエナイデイキルッテナンテシアワセナンダ!!)


ガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャガッシャ


スーッ………

舞台の緞帳が静かにスルスルと閉じていく。

(…こレガ閉じタラ、帰れナクナル)

人形と化し、思考力を奪われてなお、なんとなくそれだけはわかった。

(デモボクハオ人形サンダカライケナイヤ)

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。


文字通りの木偶の坊(ブロックヘッド)。

口を開閉しながら笑う騎士団長人形と騎士人形達が緞帳の向こうへ完全に消えた。


それを眺めていたウートガルザロキは立ち上がり、

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ……。

静かに手向けのような拍手をした。




――――――閉幕。




――――――――――――――
―――――――――――
――――――――



ウート「―――…さってと」

騎士「「「「「―……」」」」」ボー

騎士団長「――…………」ボー


ウート「…集団催眠の原理を利用した劇場幻覚…ちょっと強力すぎたか?大丈夫だよな?団長だし。」


ウート「…ま、こんなもんかね。んじゃ引き上げますか」スタスタ





ウートガルザロキは静かに退室した。


部屋には静かに眠る姫君と


糸が切れた操り人形のように動かなくなった騎士達だけ。




〓〓イギリス:とあるカフェ〓〓


ウート「いぇーい!たっだいまー!」

ヴァルキリー「あっウート!どうだったとの事?」

ウート「んーばっちしばっちし。手に入れたぜ?」ピラッ

アウレオルス「…愕然、一体どんな魔法を使った?」

ウート「ん?第二王女を口説いたら全部くれたよ」ヘラヘラ

ウート「甘い言葉とアルコールでね」ヘラヘラ

アウレオルス「はあ…嘘をつくな」

ウート「あれ、バレた?」アハハ

アウレオルス「全く、君は呼吸をするように嘘をつくな?」ハァ


ウート「…それが俺さ」ヘラヘラ


本編投下終了。以下おまけ。


〓〓『船の墓場』:ウートガルザロキの部屋〓〓


トール「よー遊びに来たぜー!コーヒーでも出せよな!」ガチャ


ウート「ぐすっ、ううっ……」ボロボロ

トール「」

ウート「うおおおお……!」グスッグスッエグッ

トール「」

ウート「うう…」ぶびー!

ウート「うあああ……!」←目真っ赤

トール「…あー、何があったんだよ」

ウート「あう、あう、えぐっ」ユビサシ

トール「あん?テレビ?」チラッ



『どうしてッ!?ねぇどうしてッ!?現実の未来なんて、醜いだけなのに!』

『オラ…っ、父ちゃんや母ちゃんやひまやシロと一緒にいたいからっ…!』

『ケンカしたり、頭にきたりしても一緒にいたいから…っ』

『あと、オラ、大人になりたいからっ……大人になって、お姉さんみたいな綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!!』



ウート「やべぇ、ジャパニーズアニメ映画マジパネェ」グスッ

トール「おいおい…そんなに泣けるのか?これ子供向けだろ?しかも下品で有名な」

ウート「ばかっ!じゃあテメェも観てみろ!」

トール「まあ暇だしいいけどよ…」ヨイショ


~数時間後~


『私~はトッペーマ♪あなたのしもべ~♪』
『トッペマぁー!』

トール「…いいな」

ウート「だろ?」



~更に数時間後~

『助けて――――!ぶりぶり○えも――――ん!!!』

『……』


―――ああ、今いく!




『ねえ、何書いてるのー?』
『これはねえ、ぶりぶりざえも○って言うんだゾ』
『"ぶりぶりざえ○ん"?』
『そ!"すくいのヒーロー"なんだゾ!!』


【ぶりぶりざえもん ありがとう】


ウート「うあああっ、うおおぁ……!」ボロボロ

トール「ぐずっ、うおおぁあああ……!」ボロボロ




トール「やべぇ、なんだこれ…!馬鹿野郎、泣かせにきすぎだろぉが…!」ボロボロ


バタン!

オティヌス「おいウートガルザロキ!さっきからうるさ……って貴様ら何を号泣している」

ウート「うあああっ、うおおおお…!」つDVD

オティヌス「? なんだこの妙ちくりんな絵のアニメは?こんなもんで泣くなんて貴様らはガキか」ハァ

トール「ふぇえ…!ふぇえ…!」ガシ

オティヌス「『いいから観てみろ?』ふん、仕方ないな…」ヨイショ



~更に更に数時間後~


『お前、逃げるのか!』
『何だとぉ!』
『お前、偉いんだろ!だからこんなことになったんだゾ!なのに逃げるのかっ!』
『黙れぇ…!黙らんと、子供と言えど許さぬ!』

『全部お前のせいでこうなったんだ!逃げるなんて許さないゾ!』


ウート「……っ、……っ!」ボロボロ

オティヌス「……」




『どうしたの!?』
『撃たれたらしい…』
『ええっ!!』
『しん○すけ…何故、お前が俺の元にやってきたか今わかった』
『俺はお前と初めて会ったあの時、撃たれて死ぬはずだった…』
『だが、お前は俺の命を救い大切な国と人を守る働きをさせてくれた』
『お前は、その日々を俺にくれる為にやって来たのだ…』
『お前の役目も終わった。きっと元の時代に帰れるだろう…』

『う、く、うっ……っ』
『バカ、泣くな、帰れるのだぞ…』


トール「…ぁ…!…っ…!」えぐえぐ

オティヌス「……」


~またまたまた数時間後~


『レモン!言うことを聞きなさい!いつからそんな悪い子になったの!?』

『言うこと聞かなきゃいい子じゃないの?!』


シギン「はろー、遊びに…ってみんな何視てるの?」キョトン

オティヌス「いいから黙って静かに座って視ろ」グイッ

シギン「あ、はい」スッ



~そして更なるハイパー数時間後~


『こらあっ!!自分の子供に「くたばれ」って言う親がどこにいる!?』

『親は子供に「生き抜け」って!言うもんだろうが!』

ウート「……」ボロボロボロボロ

オティヌス「……」



~いい加減くどいくらい数時間後~


ウート「最高だよな、このシリーズ」グスッ←目真っ赤

トール「ああ、マジ泣ける」グスッ←目真っ赤

シギン「うん…私も里帰りしたくなっちゃう。したくなったよ」グスッ←目真っ赤

オティヌス「…ふん、子供騙しやワンパだったりするだろう。キンポコとか微妙だっただろうが」グスッ←目真っ赤

トール「いやでも目ェ真っ赤っすよオティヌス姐さん」




トール(だったもの)「」

オティヌス「私は帰る。もううるさくするな」



〓〓オティヌスのおへや〓〓


オティヌス「……」

オティヌス「…ケツだけ星人」クイッ

オティヌス「…ぶりぶりーっぶりぶりーっ」ワキュワキュワキュワキュ。

ガチャ。

ヨルム「リーダー、あのさちょっと…」

オティヌス「ぶりぶりーっぶりぶりーっ」ワキュワキュワキュワキュ

ヨルム「」

オティヌス「ぶりぶっ…?!」ピタッ


ヨルム「」

オティヌス「」


ヨルム「………」スーッ

パタン。


オティヌス「」




~その後、何故か『船の墓場』ではとあるアニメシリーズの鑑賞が禁止になりました~



<~~♪

ウート「船の墓場(ここ)が日本領内にある事もあって、よくメンバーの部屋とかからも日本の歌が聞こえてくるよな」

シギン「そうだね。私は結構好き、好きだけどね」

ウート「へー?シギンは何か好きなジャンルとかなんかあんの?」

シギン「うん、私はバラードっぽいものが好きだね」

ウート「へー?確かにシギンそーいうの好きそうだよな」

シギン「そうかな」

ウート「うんうん。その人の人柄とか、発するリズムとか…
    その人の好きな音楽ジャンルと同じな事多いじゃん?」

シギン「いやそれは知らないけど」

ウート「そ?まあほら、シギンってゆったりマイペースで優しい感じじゃんか?」

シギン「へえ。ウートガルザロキから見た私はそうなの?」

ウート「そうなの。だからなんとなくわかるなーってな」

シギン「ふうん。他の人だとどうなの?」

ウート「トールの奴はレゲエ。ロキじいはクラシック」

ウート「フェンニキはジャズで、ヘルはガラモン・ソング」

ウート「ヨルムんはテクノポップ。んでフレイヤはアニソン」

ウート「マリアンはデスメタルでミョルニルはユーロビートみたいな?」

ウート「ベルシは演歌でオティっちはピアノソナタかな」

シギン「へえ?じゃあ、ウートガルザロキは?」

ウート「俺?何でも聞くし、何でも好きかな。特にこれが好きってのはないよ」

ウート「あーでも。どっちかっていうとジャンルはともかく、
    気持ちを明るくしてくれる奴とか…バイタリティ溢れる曲が好きだね」ヘラヘラ

シギン「…なるほど。ウートガルザロキらしい」クス


ウート「あー…でもよく聞くのはJ-POPだな」
ウート「でも別にインストゥルメンタルも嫌いじゃなくて」

シギン「あ、うんもういい。もういいよもう興味ないから」フルフル



〓〓『船の墓場』〓〓


ウート「はー…やれやれっと。やーっぱ俺コキ使われんのは慣れねえわ」スタスタ

ウート「…あん?船の残骸に何かいる…?」


子猫「ぅなーお」


ウート「////」キュン


―――マジで、恋した。byウートガルザロキ





ウート「くっそ、中々思いつかねえ…!」つ名づけ本

ウート「漢字…いや画数が」ブツブツ

ウート「マリー、キャサリン、静奈、メィリン、アンジェリーナ…ユリーkいや今まで付き合った女の名前とか嫌だな未練がましい」

ウート「紅茶の銘柄から…いやなんかオシャレって言われたいからつけたみたいなのは」ブツブツブツブツ


ヨルムンガンド「」





ウート「ほら、君だけのために買ってきたミルクだよ」ニコッ

子猫「なー」

ウート「お礼?よせよ、ますます君に惚れちゃうじゃねえか////」

子猫「にゃー」


フレイヤ「」




ウート「あははっ……あははははっ…!」ダキアゲ

子猫「なー」

ウート「こうしてるだけでが暖かくなる…君と、ずっとこうしていたいよ」ギュッ

子猫「んなーん」

ヘル「」




ウート「ダメだな俺…君の瞳を見てると一生君の奴隷になっちまうよ…」ギュッ

子猫「ぅなー」

ウート「わかってるさ、愛してる」


ロキ「」



ウート「嘘ばっかり吐きすぎて…嘘でしかしゃべれなくなった俺だけど」

ウート「これだけは。俺の唯一不変の真実だ」

ウート「愛してるよ、シャルム」ナデナデ

子猫「ゴロゴロ」


マリアン「」






ウート「じゃあ行ってくるよ。夜までには戻るから…その時に君にプレゼントを贈るよ」

ウート「99本のバラと…爪研ぎ柱。それから君が大好きなシ●バも」ニコッ

子猫「ぅあーお」

ウート「え?ああゴメンゴメン!先に贈り物内容がわかってちゃつまらないよな!」

ウート「それじゃ別のを考えとくわ。…楽しみに待っててくれよ?」ニコッ

子猫「にゃー」


子猫「にゃー?」テクテク


子猫「うにゃっ……」ツルッ


ドポン。


ウート「たっだいまー!」

ウート「…………シャルム?」






〓〓フェンリルの部屋〓〓

ウート「…………」

フェンリル「…それで?突然消えたその娘は?」カラン…

ウート「…翌日。俺の部屋の前で浮いてるのを見つけたよ」

ウート「ヘルの術式でさ、死因聞いたら…足を、滑らせたんだって……」ヒック

フェンリル「……そうか」クイッ

ウート「なあ、まだ17才(人間換算で)だったんだぞ!?」

ウート「なんで死ななきゃなんねえんだよ!!ふざけんな!!!」ダンッ

ウート「俺、俺…!まだ、シャルムに…!」グスッ

フェンリル「…」ポン

ウート「わりぃな…こんな話しちまって」グスッ

フェンリル「いいさ…失恋話なんていくらでも聞いてやるよ…」

フェンリル「話したいだけ話しな。話せば少しだけ楽になる…。全部聞いてやるからよ」

ウート「フェンリルの兄貴…」グスッグスッ

フェンリル「墓はどうしたんだ?」

ウート「…彼女の故郷に行って……埋めてきた」

ウート「たまたまあの子の保護者に会ったんだ。
    そしたら、『この子の母もこの間亡くなった。だから一緒の墓に入れてやろう』って」

フェンリル「……そうか。その子も最後に親と一緒になれたならきっと幸せだったさ」

ウート「…そうかな」

フェンリル「ああ…」


ウート「俺さ…あの子が一人立ちする時には、相手見つけてやってさ」

フェンリル「……ん?」

ウート「いつかは彼女にそっくりな顔の子猫が産まれるのが見たかったんだ…」グスッ

フェンリル「何お前好きな子に獣姦させる気だったの」


「猫の話だ」と話したらフェンリル兄貴は笑顔でぶん殴ってきました
                   



〓〓フレイヤの部屋〓〓


フレイヤ「『あるところにピートという医者がいた』」

フレイヤ「『ピートはとても悩んでいた』」

フレイヤ「『何故ならピートは5人の患者と寝てしまったからだ』」

フレイヤ「『ピートは悪い人ではなかったからその事でひどく長い間苦しんでいた』」

フレイヤ「『しばらくしてピートは少し割りきる事ができるようになった』」

フレイヤ「『そうだ、自分も彼女達も結婚しているわけじゃないし、一夜限りの関係なんだ』」

フレイヤ「『ボクはそんな悪い事してない!』」

フレイヤ「『そこにピートの友人がきて言った。』」

フレイヤ「『そうとも。ピート、君は悪くないよ』」


フレイヤ「『だって君は獣医じゃないか』」

フレウート「「HAHAHA!」」


フレイヤ「―――――これが」


フレイヤ「ヘルから聞いた、私の父さんが友人と母さんの事で言い争いしてオーブンに頭突っ込む前に最後に遺した言葉なんだって」フー

ウート「その話の直後からしてその後何言ったか察したけどさ、ぶっちゃけそのクソ親父は死んでよかったって思う」コクン



とある高校の花壇にはサローニャちゃんが術式に使うためにエカテリンブルク産針葉樹が植えててあります。

サローニャ「おっきくなーれー♪」つ じょうろ

上条「大きくなったらどうするんだ?」

サローニャ「成長したらこの木の下でお弁当広げたりぃ、読書したりお昼寝するの!」ニコッ

サローニャ「もうないけど、昔私が好きな場所だった『小さな森』ではいつもそうしてたんだよっ!」

上条「へー…いいなぁ」

サローニャ「上条ちゃんもサローニャちゃんとする?」ニコッ

上条「そうだなー。この木がそういう事ができるくらいに成長する頃にはもう卒業してるだろうけどな」ハハ

上条「いつかしたいよな」ハハ

サローニャ「……」キュピピーン!





~翌日~

サローニャ「見て見て上条ちゃん!」

木<ドデーン!

上条「」

サローニャ「これで一緒に色々できるよ!何するぅ?///」

上条「えっと、もしかして魔術?」

サローニャ「ち、違うよ!あの、昨日の夜にトト○ちゃんが来て」

上条「へースゲーや俺もト○ロ会いたかったなー(棒)」

サローニャ「ま、ま、ま。なんでもいーじゃん!
      さあさあ早速一緒にお昼寝ちゃんでもしよーじゃあーりませんか!」

上条「へいへい…」ゴロリ

サローニャ「♪」ゴロリ

サローニャ「…」ふー

上条「どした?」

サローニャ「私の『小さな森』にも上条ちゃんを招待したかったなーって」

サローニャ「もし、まだあったら…」ショボン
上条「……」

上条「…サローニャ、」グイッ

サローニャ「ほえ?」ポスッ

上条「失ったもんばっか数えんなよ。今はこの木も、…俺もいるじゃんか」テギュ

上条「失った辛さは埋めてやれないけど…その、」

サローニャ「上条ちゃん…」

サローニャ「うんっ!」ニコッ




青ピ「あかんわ、ボクもう何か嫉妬と羨望でどうにかなってまいそうや」ピキビキ

土御門「落ち着け、独りもん」ポン


姫神「上条くん。」

上条「何?」

姫神「…その。煮物。作りすぎちゃって。よかったら。」つ

上条「おっ、いいのか?俺姫神の煮物好きなんだよなー」

姫神「…そう?」ニコ

上条「おう。味がよく染みてるのに全くくどくないし…」

上条「料亭の女将さんみたいなっていうか、お母さんみたいっていうか…」

上条「なんか、安心するんだよな」

姫神「///」

上条「姫神の性格とかなんかそういうのも料理に出てるよな」ニコッ

姫神「//////」

上条「毎日食いたいくらいだし」

姫神「!」

姫神「あ。あの!」

姫神「も。も。……もし。よかったら。////」ユビクルクル

姫神「…上条くんが。18才になったら。私。毎日上条くんにだけ作っても…いい。よ…?////////」

上条「? なんで18才かはわからないけど…それでさ、レシピ教えてほしいなって」

姫神「」


上条「いやーインデックスとかトールに話したら食べたい食べたいうるさくてさー」ハハ

姫神「………」

姫神「ごめん。実は姫神家の煮物レシピは一子相伝の秘法。
   私をお嫁さんにしてくれないと教えてあげられない」

姫神「だから」

上条「そっかーじゃあ諦めるよ!」ニコッ



〓〓屋上〓〓


姫神「なんでやねん。」グスッ

吹寄「……」ポン


インデックス「大変なんだよとうま!」

上条「どうした?」

インデックス「たまたま会ったステイルが離してくれないんだよ!」

ステイル「…っ、くっ…うう…」ギュッ…!

上条「本当に何やったんですかインデックスさん」

上条「ステイルが泣きながら抱きついて離さないって相当だぞ」

インデックス「悪い事はしてないんだよ!」

インデックス「テレビで『背の高い人は頭撫でられ慣れてないから撫でると反応が可愛い』
       っていってたから…」

インデックス「『ステイルはいつも頑張っててエラいんだよ!』」

インデックス「って頭撫でたら」


インデックス「『ごめん、あの時助けてあげられなくて、ごめん』って…」

ステイル「ごめん…ごめん…!」メソメソ


上条(…前のインデックスとのやり取りを思い出したってとこか)

上条「まあほら、めっちゃ頭撫でてやれ」

インデックス「え?うーん」

トール「上条ちゃん早くがっこいこーぜー」





上条「ただいまー」
トール「ただいまー」

インデックス「おかえりなんだよ」

ステイル「うっうー!」ダキ

上条「…まだ?」

インデックス「かも」コクン





上条「今夜はハンバーグですのことよー」

トール「お?楽しみだな!」

インデックス「なんだよ!」


ステイル「インデックス…」ウッウッ

上条「あー、ステイルも飯食ってくか?」

ステイル「すまないな」


~3日後~


上条「なあ」

ステイル「なんだい?」

インデックス「…」ゲッソリ

上条「そろそろ…帰れ?」ニコッ


打ち止め一方通行仲良し交換日記♪(ファンシーな便箋)

『毎日ちゃんと書いてねってミサカはミサカは今から自分の書き込むネタを必死に探してみたり』

※コミックス一巻第一話18Pより


一方「………」



~しばらくして~


打ち止め「~♪」

打ち止め「さーてっ!何が書いてあるのかな~♪ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませてみたり!」

打ち止め「うえーい!」ペラリ。


  『 今日は 肉食った 』


打ち止め「!」パァッ…!


打ち止め「うわー!あの人の事だからきっと書いてくれないんだろうなーって思ってたけど!」

打ち止め「ミサカの気持ちはちゃんと伝わってたのねってミサカはミサカは予定外の幸せに嬉しくなってみたり!」クルクル♪

打ち止め「…よし!これはミサカもお返事を書かねば!ってミサカはミサカは意気込んでみたり!」カキカキカキカキ!


『そうなんだ!あなたお肉好きだもんねーってミサカはミサカはあなたの好物を思い出してみたり!

 あのねミサカもねー今日お肉食べたんだよ!

エステルとファミレスでハンバーグランチ食べたの!

ミサカね、ファミレスのハンバーグが好き。

生まれて初めてああいう食事をしたのと、初めてあなたと一緒に食べた思い出だから…

ってミサカはミサカは恥じらいながらも告白してみたり!(≧▽≦)キャー!』



~しばらくして~


打ち止め「~♪」

打ち止め「さーてっ!何が書いてあるのかな~♪ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませてみたり!」

打ち止め「うえーい!」ペラリ。


『そォかよ』


打ち止め「お、おう…」

打ち止め「ま、負けないもん!あの人がお返事書いてくれたってだけでもすごいもん!ってミサカはミサカは…!」カキカキ



『あのねあのね!今日はエステルとレストランで女子力アップの相談を受けたんだよ!ってミサカはミサカは報告してみたり!

「女の子はどうあるべきか」がよくわかんないんだってってミサカはミサカは受けた相談内容を要約してみたり!

それでね、チョコパフェ奢ってあげて慰めてあげたの!ってミサカはミサカはお姉さんした事を自慢してみたり!』



~しばらくして~


打ち止め「…」そー…

打ち止め「…」チラッ


『だからあの日、俺が「ファミレス連れてってやる」っつったのを拒否したのか?』


打ち止め「……」


打ち止め「?」


~しばらくして~

『そうだよ?ってミサカはミサカはあなたとのごはんがまたの機会になった理由を答えてみたり』


一方「……」






一方「……チッ、………チッ…!」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ

エステル「…すまない、何故私はあなたに軽い蹴りを脛に入れられ続けているのだろうか」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ

エステル「あなたに何か気にさわる事を」ゲシゲシゲシゲシ

一方「気にすンな、ただの私刑だ」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ

エステル「…できればやめてもらえると」

一方「俺の予定を狂わせやがった罪は重ェンだよクソが」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ

エステル「それは…すまない。相当楽しみにしてたんだな」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ


エステル「…ところでこれいつまで」

一方「今のムカつく発言であと小一時間ぐれェだな」ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ


禁書×ジャングルはいつもハレのちグゥ




ある日、上条さんが布団を干そうとベランダに出た時。

―――すでに何かが引っ掛かっていた


グゥ「よう」

上条「」



グゥ「あむ」ばふっ

グゥの口<スキルアウト「た、助けっ」

モギュモギュモギュモギュモギュモギュモギュモギュ。

上条「人を食べ…た?お、お前!"そういう"能力者なのか?!」

グゥ「はぁ?当麻、お前ちょっとゲームやりすぎだろう?」ん?

上条「だ、だよねー!俺の見間違いだよな!」


グゥ「グゥが"その程度"なわけないだろう」ニヤリ

上条「」

その言葉通り、グゥはとんでもなかった。



アウレオルス「『倒れ伏せ、侵入者共!』」

上条「うわぁ!」バタコッ

グゥ「む」

上条「くっ、起き上がれない…!」

上条「グゥ、大丈夫…」チラッ

グゥ「当たり前だろう」ピコピコ

上条(座ってPSPやっとる)

グゥ「おいおい…あんな魔法みたいなんあるわけないだろ?常識で考えろ常識で」

上条「お前が言うな?」フルフル

アウレオルス「」


シェリー「ハッハッ!巨大な複数魔法陣で生成、常時魔翌力供給される…通常の10倍の大きさの特殊ゴーレムだ!」

シェリー「いきな!"エリス"!!」

巨大ゴーレム「ごぉおおお!!!」

グゥ「ほう…」

上条「倒せるのか…?」

グゥ「ふむ、当麻。お前ウルトラ○ンになりたいと思った事は?」

上条「そりゃ…ちっさい頃とかは」

グゥ「ではその願い、グゥが叶えてやろう」つ駒場

上条「おい、誰だよそのゴリラみてーな奴」

駒場(ゴリラ?!)ガーン!

グゥ「"ちんちくりんステッキ"だ。これで今から当麻をアレと戦えるサイズにする」

上条「ステッ…ハアッ?!それ、つまり俺を巨人にするって事かよ!」

グゥ「その通りだ。ついでにグゥが少し後押しをして"右手の力"も底上げしてやる」スッ

グゥ「…Ready?」

上条「……あー…もう、わかったよ!やってくれ!」

グゥ「…古今東西~♪大きくなーれー♪」クルクル♪


ずももももっ。


上条(巨人)「おおう…でかい…」


グゥ「さあ存分に『怪獣と戦いの最中だから仕方ないんだ』って自分に言い訳をしながら街を破壊するといい」グッ

上条「一気に戦いづらくなったわ」




オルソラ「例え殺されるのだとしても。私は誰も恨まないのでございますよ」ニコッ

アニェーゼ「うるさいうるさいうるさいっ!ってんですよぉ!」

上条「オルソラぁ―――!!」バリーン!

ルチア「なっ、窓を体当たりで破って!」

アンジェレネ「わ、わひゃあ!」


建宮「…天草式十字清教!!」

建宮「全力を持ってあの少年を援護しろッッ!」

「「「 応 !!!」」」


グゥ「奴等は異教徒だ!異教徒は見つけ次第くびり殺せ!!この地を奴等の血で潤すのだ!」

アニェーゼ「ハイ!お任せ下さいグゥ様!」

ルチア「さあ皆いきますよ!車輪術式!」

アンジェレネ「き、金貨袋術式です~!」


上条「で、いつからテメェはローマ正教になったんだ」メリメリメリメリ

グゥ「当麻の戦いを盛り上げてやろうと思ってな」チャハ♪



上条「じゃあここはグゥの体内なのか!?」

ヴェント「そうよ」コクン

テッラ「ですねー」コクン

アックア「である」コクン

フィアンマ「そうだ」コクン

上条「…で、お前らは?」

ヴェント「"飲まれる"前の事はなんか思い出せないのよねー…」ウーン

アックア「確か…傭友(傭兵友達の略)と飲んでたとこまでは覚えているのである」

テッラ「何故か小麦粉をやたらと集めてたのは覚えてますねー?」

テッラ「きっと私、パン屋だったんだと思いますねー」ウン

フィアンマ「俺様は引きこもってて、教皇さんに『たまには外に出てきて』ってドアの外から言われていたような」

上条(ニート?)

上条(しかし随分濃いメンバーだな)



上条「男女入れ換え?!」

グゥ「そうです。つまり今の当麻は上嬢ちゃん」

グゥ「鈴科百合子ちゃん、御坂命くん、浜面仕杏ちゃんとなってるわけです」

上条「最後」


上条「"アレ"と話す、だと…?」

グゥ「ウム。ちんちくりんステッキの力を使えば虫や獣を擬人化させ、会話ができるのだよ」

グゥ「そう、黒きG 上条「やめい」



グゥ「よし、では今日は学園都市在住の人達の日々を覗いてみるか」

上条「急になんだよ」

グゥ「当麻くらいの歳の者は総じて自意識過剰で…」

グゥ「他人の目は気にするクセに他人の事には無頓着」

グゥ「心ない言葉や行動で他人を傷つけてばかりだからな…」

グゥ「当麻がそういった気持ちを自粛するように、成長するためには必要な勉強だと思うのだ」グッ

上条「おう、必要かも知らんが俺もお前の心ない言動で日々傷ついてんぞ?」ニコッ




吹寄「べ、別に好きな人なんかいないわよ!」


上条(吹寄に好きな奴…ね)

グゥ「え?何?『自分だったらどうしよ~』とか思っちゃってんの?」

上条「え?!い、いや?」ブンブン


グゥ「お前の頭がどうしよ~だな」ハッ

上条「おお、お前の頭もな?」ニッコリ



ダマ「おじィィイイイ―――――――さァアアア――――――――――――――――――――――――――――――んんんンンン!!!!」

一方「ゔわ゙ァ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!?」



垣根「つまりだな、俺はモテたいんだ!心理定規にコクられたいんだよ!」

上条(心底どうでもいい)

垣根「というわけで…」つブラックカード

垣根「俺の全財産を渡すからモテる秘訣を教えてください」土下座

上条「」



上条「母さんの実家って…」

詩奈「ええ、この豪邸よ?」ニコッ

上条「なあ…俺の父さんって、」

詩奈「……」

グゥ「…二人で会いにいってやれ。詩奈にとってはどんなにクズでも、」

グゥ「当麻にとっては無二の…大切な父親だ」

詩奈「グゥさん…」

詩奈「そうよね、会いにいくべき、よね」

上条「母さん…」

詩奈「例え"優秀な若き天才外科医"ってタグを餌に世界各地に女を何十人も作って現在進行形で浮気しまくりな上に今まで養育費も払わず当麻の育児とかせずつーか当麻産まれた事すら知らなかったとしても」

詩奈「会いに…いくべきですよね…!」

上条「ああ、今すぐ会いにいってタコ殴りしてやらなきゃいけないよ母さん」ゴキゴキ



~最後のへんとか~


ザザーン…ザザーン…

上条「なんだ、ここ…」


上条「…随分寂しい場所だな…?」

グゥ「ここは…グゥの精神世界だ」

上条「グゥの…?」

グゥ「前にアイツの精神世界に入っただろう?今回は…逆です」

上条(『精神世界の景色はその人の生まれた場所になる』…だったか)

上条(…て事は、この空に月が三つある、生き物が一切いない小さな孤島がグゥの生まれた場所…?)

上条「何故俺をここへ?」

グゥ「打開するためだ」

グゥ「グゥは有能であって万能ではない。グゥにだって出来ない事がある」

上条(嘘つけ…)

上条(お前に出来ない事なんてあんのかよ。化物染みてて魔法使って…明らかに普通の人間じゃな、)ハッ

上条(…麻痺していた。いや、"麻痺させられていた")

上条("グゥ"って、何者なんだ…?)


グゥ「…グゥは今迷っている」

グゥ「"こちら"へ当麻を連れて行くか」

グゥ「―――当麻を置いて"還る"のかを」

上条「……グゥ?」


グゥ「オティヌスの無限世界地獄から抜け出すにはそれしかない」

グゥ「恐らくだが、そろそろ当麻の精神が耐えられなくなると判断した」

グゥ「そしてグゥは壊れた当麻は見たくない」

上条「グゥ…」


グゥ「弄り倒せない友人などつまらん」

上条(もういっそ廃人になってしまおうか)

グゥ「だが一度"こちら"へ来ると決めた場合。当麻にとっては片道切符になるのだよ」

上条「…」

グゥ「だが少なくとも地獄からは抜けられる」

グゥ「当麻、お前自身の事だ。だから、グゥには選択権はない。」

グゥ「今、グゥの力で当麻はオティヌスに消されたうン万年ぶんの記憶を持っている」

グゥ「…それだけの地獄が今後も続く事を認めた上で尚あの魔神と戦うか」

グゥ「ギブアップするか、だ」

グゥ「そして、どちらを選んでも。これがグゥと当麻の最後の会話になるだろう」



グゥ「当麻。どうする?」

上条「俺、は…」

おまけ終わり。本編が上手く書けないイライラをぶつけてたらおまけの量が。

では


※コミックス1巻の巻末4コマのネタ


打ち止め「ねーえー!見て見て!新しいお菓子が入荷してるーってミサカはミサカはおねだりしてみたり!!」

一方「チッ、しょォがねェな」

エステル「……」ぢーっ

エステル「…ふ、ファミレスに連れていけっ!とワタシはワタシはお願いしてみたり…っ…///」


天井


ル「………」メリッ


一方「チッ」






打ち止め「あーっ!今度は新発売のオレンジ類ジュースが売ってるよってミサカはミサカはまたまた遠回しにおねだりしてみたり!」

一方「しょォがねェな」

エステル「……」ジー


エステル「わ、私も!よかったら私にも買ってはもらえないだろうか!」

一方「あ゙ァ?」ギロ

一方「なァンで俺がオマエに エステル「…と、ミサカはミサカはおねだりしてみたり!」

一方「……」

エステル(やはり、ダメか?)チラッ

一方「今回限りだからな」チャリン


エステル「!」

打ち止め「よかったねー!ってミサカはミサカはあなたもこのジュースを味わえる事になったのを喜んでみたり!」

エステル「ああ!ありがとう!」

エステル(なるほど、やはり彼とコミュニケーションを取る時には彼女を真似するのがいいみたいだ)

エステル「――と、ミサカはミサカはあなたにもお礼をと…」クルッ

一方「打ち止めのアイデンティティを奪うンじゃねェ」ゲシ


天井


ル「……」メリッ

エステル(…うん、コミュニケーションって難しいな)


やっぱ投下量が多いと読者sideからしたら敬遠しがちなんだろーか。

科学一方のエステルちゃんはまだまだ精神未熟な一方さんに理不尽されるポジだけど、脱却してくれたらいいなぁ…


では

詩"菜"じゃなかったか?


打ち止め「今日はなんの日でしょう!って、ミサカはミサカはあなたに突然クーイズ!」

一方「野菜(831)の日だろ」つ缶珈琲

打ち止め「ブー!ちがうもん!ちがうもん!そんな誰も知らないような日じゃなくて!
     って、ミサカはミサカはあなたの不正解な回答に憤ってみる!」

一方「…誰かの誕生日《バースデイ》だったか?」カシュッ

打ち止め「ぶぶー!ってミサカはミサカは再びの不正解に不満を持ってみたり!」ぷー!

一方「夏休み最後の日か?」クピクピ

打ち止め「あなたもミサカも年中夏休みみたいなものでしょ…ってミサカはミサカは未だに正答がでない事を嘆いてみたり…」ションボリ

一方「…じゃあそろそろ当ててやる」


一方「俺とオマエが初めて会った日だろ」

打ち止め「!」


                       ∞
一方「は、からかっただけだっつゥの。おらよ」つ田

打ち止め「えぇ!?まさかのプレゼント?!ってミサカはミサカはまさかのサプライズにビックリしてみたり!」

一方「黄泉川が『今日はお祝いで焼肉じゃンよ!』だとよ」

一方「デザートにはオマエの好きなプリンもある」ニヤリ

打ち止め「えっ」

一方「…今日は一緒に寝ような」ダキッ

打ち止め「ええええええええ?!って、ミサカは、ミサカはぁぁああああ!!?/////」




打ち止め「ZZZ…」.。oOO(   )

打ち止め「むにゃ?」パチ…

打ち止め「……」クシクシ

打ち止め「…夢、か…」ガックリ。

打ち止め「そりゃそうよねってミサカはミサカはあの人があんな風に優しいなんて気持ち悪いものって夢オチに納得してみたり…」

一方「おい」

打ち止め「あ、なあに?ってミサカはミサカは呼びかけに応答してみたり」

一方「…」

一方「いやな、黄泉川と芳川がうるせェし…」

打ち止め「?」

一方「丁度財布も重かったからなンだが」

打ち止め「? あなたが何を言おうとしてるのかよくわからないんだけどって、ミサカはミサカは理解不能を示してみたり」

一方「あァー…、その、つまり、だな、」ポリポリ


一方「…今日はオマエと初めて出会って、少しは俺の精神性が変わった日だ」

打ち止め「!」


一方「…だから、どっか美味いもンが食える所に連れてってやる」

打ち止め「ほんと!?」ガバッ!

一方「あァ」

打ち止め「…じゃあ、あなたと一緒に初めて食事したファミレスがいいってミサカはミサカは希望してみたり」

一方「…そンなとこでいいのか?」



打ち止め「ううん!そこがいいの!ってミサカはミサカは笑って駆け出してみたり!」ダダダダダ

一方「……」




一方「…ったく。走るンじゃねェよ」カツッカツッ



>>565インデックス「やっちまったんだよ」

おわり。

早く本編書かねば。


オティヌス「とある10周年で私と」

マリアン「私と!」

トール「俺が!」


「「「アニメ化したぜ!」」」


トール「ほとんどワンシーンだけだけどな」

マリアン「いいんじゃないの?たーっくさんいる禁書キャラの頭飛び越えて映像化なんてヤバいね」

オティヌス「ふん」


ウート「…」ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ!

シギン「…」ガッガッガッガッガッガッ!


オティヌス「……」

トール「…壁に頭打ち付けてるな」

マリアン「壁にひたすらパンチ入れてるね」

ウート<ドーイウコトダコルァ~…………

シギン<ワタシタチもイレンカイコルァ…

トール「にしてもかまちー10周年か…感慨深いもんがあるな。ヘヴィオブのとか出てたな」

マリアン「ね。でもさ、他の主要キャラも出したらよかったのに」

オティヌス「全員は難しいだろう。ただでさえ数が多いしな」

垣根<オレヨリモハヤクエイゾウカサレテンジャネェヨ……

オティヌス「……」

ギュ。

バレーボール<クソッタレ……


オティヌス「…かまちー、10周年おめでとう。これからも頑張ってください」


〓〓とある喫茶店〓〓


ウート「あ、マスター。ブレンド2つ。ストロングとライト」

マスター「かしこまりました」

ウート「さって。」

蜜蟻「……」グス

ウート「辛かったね…」ポン

蜜蟻「酷いわあ…本当に」シクシク

ウート「確かに。まあ…アレだ、運が悪かった」

蜜蟻「私だって…私だって…!」クスンクスン

ウート「わかるよ。俺も似たような過去もってるから」ナデナデ




蜜蟻「またかまちーの『キャラ出し→噛ませとして使い捨て』なんてえぇええ!」

ウート(かまちー、まーた新たな犠牲者出しちまったなー…)




蜜蟻「なんなの!?なんなのよお!!結局食蜂のヒロイン化の為のかませなんて!」

ウート「うんうん(でもみさきちかわいかったなぁ)」

蜜蟻「"超能力者"の座だけじゃなくて、上条くんという"私だけのヒーロー"も取り上げて!」

蜜蟻「私はどんだけあの女に踏み台にされればいいってのよお!」

蜜蟻「あげく逮捕って!逮捕って!」

ウート(まあ獄中キャラになると再登場難しいよなあ…俺も人の事言えねえけど)

蠢動『私もさ』

ウート「あ、なんかデカいアクアリウムあると思ったら…いたんすか」

蠢動『結局は脳幹の踏み台さ。ああ、裁かれて当然の悪党だが』

ウート「そう卑下すんなよ…あーほら俺さ、シャチ好きなんだよね」

ウート「だからあんたのキャラは結構好きだったよ」

蠢動『再登場はあり得ないがな』スイスイ

デッドロック「…」

ウート「ああ、トッコーヤローさんの思想はちょっと考えすぎじゃないかなって」

デッドロック「俺らはマジで使い捨てだった…」ズーン

ウート「…ドンマイ」

マスター「お待たせいたしました。どうぞ、ブレンド2つ、ストロングとライトです」

ウート「ありがと。ほら愛愉ちゃん」

蜜蟻「ありがとう…」クスン、クスン


蜜蟻「せめて…いつか、彼が私の事も思い出してくれる事を祈るわあ…」グシュグシュ


ウート「…っとに。上条くんは罪作りだねえ?」



後れ馳せながら。保守あざす。

みーちゃんと一緒にいつかあゆちゃんも出せたらなぁって。

本編が進まなくて腹立つ。他のが進むばかりちくせう

毎回毎回忘れられてしまうみさきちよりも
上条の記憶に残る分だけ蜜蟻のほうが勝ってると思う。

逮捕されても学園都市にとって利用価値のあるキャラなら再登場できることは
浜面やゴージャスパレスや警策で証明済みだしな。

>>581なるほど確かに。
あゆちゃんも頑張ればLevel5になれるし既に充分価値あるから今後に期待したい

Five_overの生体部品として使われるとかないといいんだけどな…大丈夫かな


そして今思ったけど噛ませシャチさん一人称『 「俺」 』だった。しもた。

シャチさんの一人称も好きだ。

みさきちorあゆゆだから難しいかも


そんなわけでハロウィンネタ。




  『 Happy Halloween! 』


ウート「…世はハロウィン一色。この国はマジでお祭り好きだねぇ?」

シギン「うんうん。自国のだけじゃなく、他所の国のお祭りを…
    それも宗教関係なくやれる時にやるってすごい。すごいよね」

ウート「な。俺ハロウィンなんてガキん頃にやったきりだなー」

天井「ほう、どんなコスプレをしたんだ?」

ウート「大体はカボチャ頭のジャック君。あまっちは?」

天井「いや、私はそういうイベントは参加しなかったからな」

ウート「へー?シギンは?」

シギン「ゴーストかな」

ウート「へー…可愛いだろーな…あ、」


「「?」」




ウート「叶え屋もハロウィン風にするわ」


天井「ほう」

シギン「へー」



ウート「というわけであまっちアトヨロー」コテン

天井「?!」



        :
        :
        :


天井(吸血鬼)「飾りつけ、終わったぞ」

ウート(オペラ座の怪人)「半顔仮面(ハーフマスク)って初めてつけたわ」

シギン(ゴースト)「似合ってる似合ってる」

ウート「…んー」

天井「? どうした」

ウート「いやぁ…なーんっか、もの足りねーなって」

天井「おい…鎖やら黒カーテン、カボチャに蝙蝠とこんなに飾りつけたじゃないか」

天井「さすがに私も疲れたぞ」

ウート「んー…や、そーじゃなくてさ?」

天井「?」

ウート「!」ピコーン!

ウート「…よし、こういうのやろーぜ!」

天井「?」

シギン「?」


ウート「10月31日に―――」




       :

ヴァルキリー「? 私もいいの事?」

       :
       :

アウレオルス「泰然、なんとなくくると思っていた。ああ、参加しよう」


       :
       :

サンドリヨン「…まあ構わないけど」


       :
       :

ベイロープ「へーいいわね?やるやる!」

       :
       :






~そして10月31日、当日。~





〓〓ステージ裏〓〓


ウート(ジャック・オー・ランタン)「おーおー、盛り上がってる盛り上がってる」

天井(吸血鬼)「ステージは借りたぞ」

シギン(ゴースト)「台本も覚えた。覚えたよ」

ヴァルキリー(サキュバス)「うーん、中々にエロいセレクトの事」

アウレオルス(肉が残ってる骸骨)「湧然、開演は間近…楽しくなってきたな」フッ

サンドリヨン(マミー)「…意外にたくさん客入ってるわね」

ベイロープ(バンシー)「そんな緊張しなくて大丈夫よ。…楽しみね」



ウート「んじゃ、いきますか!」


「「「「「「おー!」」」」」」



ざわざわ…


「ハロウィンショーだってさ」
「楽しみね!」
「『幻想的な世界へとお連れします』…ね」
「参加料。1500円。高い。」
「まーいいんじゃにゃい?お菓子ちゃん貰えるらしーし!」


      フッ。

「? 真っ暗になったな」
「何が始まるんだ?」
「…ねぇ、ここ…屋外よね?」

「時間もまだ16:00や。なんでいきなり――」


目の前に簡易ステージがあったはずなのに、それすら見えず。

ここは屋外で、失明でもしない限り辺り一面が真っ暗になる事はあり得ないのに。

客達は突然闇の中にいた。


ポン。

「……ランタン?」

ゆらゆら。ふらふら。

軽い破裂音と共に、不安定にゆれる古びたランタンが宙に浮かんでいた。


ふわふわ。くるんくるん。

その傍らには2匹の異形。


骸骨「Boys and Girls of every age♪」
    (男の子も女の子も)

バンシー「Wouldn't you like to see something strange?♪」
      (不思議なものが見たければ)

骸骨バンシー「「Come with us and you will see……♪」」
      ((私たちと来るがいい……))



「「「「「「「This our town of Halloween!♪」」」」」」」
(((((((ハロウィンの街へ!)))))))


そして、

バーン!!!!


ジャック・オー・ランタン「Happy、halloweeeeeennn!」


爆発音と花火と共に。ドデカイカボチャ頭がゲハハハハと笑いながらハロウィン特有の挨拶をしながら現れた。

「キャー!」
「ウォー!」
「わーっ!」



~使用曲:『This is Halloween』※ナイトメア・ビフォア・クリスマス~



周囲は闇からハロウィン風に飾りつけ、ビジュアルコンセプトを『ハロウィン風』に変更された学園都市へと変わっていた。


「「「This is Halloween, this is Halloween!」」」
(((今日はハロウィン 楽しいハロウィン!)))


ジャック(ウート)「皆様コンバンワ。どなたもご存じジャック・オー・ランタンです!」


「「「Pumpkins scream in the dead of night――♪」」」
(((串刺しカボチャが闇夜に悲鳴を上げる――♪)))


ジャック「さあ、今夕は楽しんでいってくれ!」

ジャックのカボチャ頭の下に黒のボロマントをまとった妖しい衣装の体が現れる。

ジャック「ハッハー!」

ジャックがランタンを放り投げると、

ボボボボボボボボボォォォォォ!!!

中から炎が飛び出し、その炎は鉄串が刺さったカボチャ型のファイア・ゴースト達へと変化する。


『ギャハハハ!』
『ハッピィ、ハロウィーン!』
『グハハハハハ!』


「「「This is Halloween, everybody make a scene!♪」」」
(((楽しいハロウィン 素敵なハロウィン!)))



ジャック「よっはっほっ!」

軽快な足取りでジャック・オー・ランタンは闇の宙をスキップしていく。


「「「Trick or treat'til the neighbors gonna die of fright!♪」」」
(((トリック・オア・トリート、お菓子をくれなきゃ脅かすぞ!)))


「すげー」
「綺麗」
「おー……」

ジャック「ほい、ほいっと!ヘディング♪ヘディング♪」

自身のカボチャ頭を頭上へ放り投げ、中身…ドクロの仮面を被ったウートガルザロキがヘディングする。


「「「This is Halloween, this is Halloween!♪」」」
(((今日はハロウィン 楽しいハロウィン!)))


ジャック「ほいっと!」

カボチャ頭をシュート。するとカボチャ頭がバラけ、


「すげー、分身した…」
「カボチャ頭がたくさん闇を踊ってるわ!」

たくさんのカボチャ頭が笑いながら闇を舞う

ジャック「どうぞ皆様、御菓子です♪」パチン!

指を鳴らすとカボチャが変化し、客の手元にはハロウィン風の御菓子詰め合わせの袋が。

「おお…」
「すげー」
「あ、オレオがある!」



と、そこへ。

ゴースト(シギン)「It's our town. Everybody scream♪」
         (あちこちで悲鳴がする)

ゴースト「In this town of Halloween…♪」
    (それがこの街 ハロウィン・タウン…)


白い布を頭からすっぽり被っただけのような幽霊がどこからか滑空してくる。

ゴースト「くーるくる、くーるくるっ!」

一回転、二回転。縦横無尽に飛び回り、捻り飛んでいく。


そして。

ゴースト「ぷくぅ~!」

ゴーストは風船に空気を入れていくように膨れ上がっていく。

ゴースト「Happy Halloween!」

パァン!ゴーストは弾け、中からゴーストの形をした綿菓子が降り注ぐ

「あ、甘い!」
「ベタつかないなこれ」


マミー(サンドリヨン)「「「「今夜は死者も黄泉返る!」」」」

包帯を巻かれた少女達が現れ、奇怪なゾンビダンスを踊る。

マミー「「「Happy Halloween!」」」

「お、包帯の形したチューインガムだな」
「にゃあ!柔らかい!」


吸血鬼(天井)「Teeth ground sharp and eyes glowing red.♪」
       (鋭いキバにギラリと光る真っ赤な目)

「うわぁああ!?」

吸血鬼が目を、牙を光らせ、客のすぐ近くで囁く。


「「「This is Halloween, this is Halloween!♪」」」
(((今日はハロウィン 楽しいハロウィン!)))


吸血鬼「Happy Halloween!」


吸血鬼のマントから無数の蝙蝠が飛び、客の手元へ。


「うわぁあああ!!?……あ、蝙蝠の形したチョコだこれ」
「ビビりー」
「うるせっ」


サキュバス(ヴァルキリー)「Pumpkins scream in the dead of night―――♪」
             (串刺しカボチャが闇夜に悲鳴を上げる――)

サキュバス「This is Halloween, everybody make a scene!♪」
     (楽しいハロウィン 素敵なハロウィン!)

サキュバス扮するヴァルキリーは屈みこんで胸の谷間を見せてのセクシーポーズ。


サキュバス「Trick or treat'til the neighbors gonna die of fright?♪」
     (トリック・オア・トリート お菓子をくれなきゃ脅かすぞ?)


―――からの投げキッスとウインク、きわどいポージングで男性客達を魅了する


「「「うぉー!!イタズラしてくれー!」」」
「「「けっ!」」」
「うひょーっ!」
「はーまづらぁ」
「そんなはまづらは応援できない」
「超変態です」


サキュバス「Happy Halloween!」

投げキッスのハートが現実化、客の手元へ。

「ハート型の糖蜜パイですの」
「可愛い~」


「「「「Halloween!Halloween!Halloween!Halloween……」」」」
((((ハロウィン!ハロウィン!ハロウィン!.ハロウィン……))))



骸骨(アウレオルス)「Everyone hail to the Pumpkin Song!♪」
          (みんながパンプキン・ソングに大喝采!)


"黄金錬成"の力で『生きて動く骸骨』になったアウレオルスは軽やかに、滑らかに踊る。

顔の半分や所々に人肉が残っているデザインのために中々に生々しい。
(気分が悪くならない程度に断面等は隠されているが)


骸骨(半分笑顔)「In this town, don't we love it now.♪」
        (ハロウィン・タウン この街では)

骸骨(半分鬱顔)「Everybody's waiting for the next surprise!♪」
        (皆が恐怖を大歓迎!)


肉がついていた顔部が右、左と入れ替わり、表情豊かに歌いあげる。

骸骨「Happy Halloween!」

骸骨の骨が次々飛び、客の手元に転がり込む


「あら、骨の形のラムネですわね」
「あむ。しゅ~わしゅわするの~」


頭蓋骨だけになったアウレオルスはそのままコーラスを続ける。


骸骨「This is Halloween, this is Halloween!」」」
(今日はハロウィン 楽しいハロウィン!)



フードを被り、胸元を大きく開いたローブ。

腰をくねらせ歌うベイロープ。


バンシー「'Round that corner, man, Hiding in a trashcan.♪」
    (通りの角を曲がった途端 ゴミ缶ガラン)

バンシー「Something's waiting now to pounce and how you'll―――♪」
    (何かがワッと飛びかかる びっくり仰天――)


バンシー「Baaaaaaaaaaa!!!」


「っ」ビクッ
「」ビクッ
「きゃっ☆」ビクッ


バンシー「Scream! This is Halloween!」
    (ギャーッ!と悲鳴 楽しいハロウィン!)

バンシー「Scream like a banshee make you jump out of your SKIN!♪」
    (悪霊バンシーの叫びに心臓が喉まで飛び上がる!)


バンシー「Happy Halloween!」


「うお?!いつのまにか耳元に音符形のクッキーが?!」
「バターの匂いがいいわね」


「「「「This is Halloween, this is Halloween!」」」」
((((今日はハロウィン 楽しいハロウィン!))))



ゴースト吸血鬼「「Won't ya please make way for a special guy……♪」」
       ((さあみんな道をあけて……))


骸骨「Our man Jack is King of the Pumpkin Patch.♪」
  (我らがジャックのお通りだ ジャックはカボチャ畑の王)


マミーサキュバス「「Everyone hail to the Pumpkin King now!♪」」
        ((我らが恐怖のカボチャ大王 拍手喝采万々歳!))


ジャック「呼んだー?」ケラケラ♪


「「「「「「This is Halloween, This is Halloween!」」」」」」
((((((今日はハロウィン 楽しいハロウィン!))))))

化け物達のコーラス。

今までに出演した演者達オールスターに加え、

"黄金錬成"で増えた演者達も声を揃えて歌い踊る。


「「「「Halloween Halloween Halloween Halloween!」」」」
((((ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン!))))

ジャック「In this place we call home♪」
    (僕たちの街 ハロウィン・タウン)

「「「「Everyone hail to the Pumpkin Song!」」」」
((((みんなでパンプキン・ソングを大合唱!))))


「「「「La, la, la, la……♪」」」」



ドォオオン!!!

ステージ上の下から炎が勢いよく吹き出し、今まで登場した化け物達が決めポーズをとっていた。


「「「「「「「Aren't you scared?」」」」」」」
(((((((どう?怖かっただろ?)))))))


「「「わぁああああああ!!!」」」

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

拍手喝采、スタンディングオベーション。


演者達はゆっくりボウ&スクレイプ。


ジャック「さあ、次は皆で学園都市をパレードするぞぉぉお!!!」

骸骨「―――『変化せよ。客の服を各々異形のコスプレへ』」


「マジか!」
「なンで俺セーラー服?」
「自分はいつも通りですね」
「いつも通り変態ってことね」



       :
       :
       :


ウート「いやー楽しかったなー」ヘラヘラ

天井「ああ。童心に返ったよ」

サンドリヨン「客の反応が面白かったわね。ビックリさせるのがクセになりそう」

シギン「ねー」

アウレオルス「怡然、私も楽しかった。…"黄金錬成"の一つの使い道を知ったよ」

ヴァルキリー「ウートウート!私どうだったにつき?エロかった?」ダキ

ウート「わっと…うんうん。めっちゃ魅力的だった。可愛いかったよ」ニコッ

ヴァルキリー「わーん!ありがとー!」

ベイロープ「…私は?私はどうだったかしら?」ツツツ。

ウート「ああ、思わず手を出しそうになったね」

ウート「バンシーとのハーフの話がある理由がわかた気がするわー」ヘラヘラ

ベイロープ「そ、そう?」テレ

ヴァルシギ「「むー!」」


ウート「あ、忘れてた忘れてた」ゴソゴソ

「「「「「「?」」」」」」


ウート「はいっ!今日客に配った菓子!皆の分だ!」

「「「「わーい!」」」」



ウート「皆!今日はお疲れ様!」



ウート「Happy Halloween!」ヘラヘラ



「「「「「「Happy Halloween!」」」」」」



トール(狼男)「かっみじょーちゃんっ!」

インデックス(黒猫)「とーうーまっ!」

イントール「「Trick or treat!」」

上条「はいはい。お菓子をくれてやるからイタズラはやめろよー」

インデックス「うわーい!パンプキン・パイなんだよ!」

トール「ハハ、上条ちゃん女子かよー」ケラケラ

上条「ん?そーかそーかそんなキモい奴からは貰いたくないよなーじゃートールの分はなしなー?」

トール「ああ!?食べる食べる!食うに決まってるだろ!いるって!」

上条「はいはい。こぼすなよー」


インデックス「美味しいんだよ!美味しいんだよ!」ハグハグハグハグ!

トール「ん。美味いな!」マクマク

上条「そりゃよかった」ハハ


<ピンポーン

上条「はいはーい?」ガチャ



サローニャ(オレンジと黒のボーダー魔女)「上条ちゃんっ!」

姫神(小悪魔)「上条くんっ!」


姫サロ「「Trick or treat!」」



上条「お、来たな?ほら。お菓子やるからイタズラはやめてくれよー」ハハ

サローニャ「わーい♪」

姫神「ありがとう。上条くん。」

上条「味わって食えよー」

サローニャ「んっんー?ねぇねぇ上条ちゃん?」

上条「?」

姫神「ちょっと量が。足りない」

上条「」

サローニャ「とゆーわけで。」ニヤリ

姫神「"イタズラ"する。」ニヤリ

上条「は?!おまっ」

サローニャ「えーい♪」チュ

上条「」

姫神「ん。」チュ

上条「」

サローニャ「やーんっ!////上条ちゃんのほっぺにダブルちゅーしちゃいましたー♪」

姫神「パンプキンパイありがとう。大事に食べる。」

姫サロ「「じゃあねっ!Happy halloween!////」」

上条「お、おう……////」

バタン。

上条「…嵐みたいだったな」

上条「////」

インデックス「と~う~ま~」ゴゴゴゴゴゴ

上条「」

インデックス「私もする!私もイタズラがいい!」

上条「え―――――」

ムチュ。



上条「えっ」





トール「いいなー上条ちゃんはモテモテで。」モグモグモグモグ

トール「ま、俺はパイがあるからいいけど♪」モグモグモグモグ



黒垣根(フランケン)「メジャーハート」

白垣根(マシュマロマン)「さん!」

垣根(ゴブリン)「わかるだろ?」


垣根'S「「「Trick or treat!」」」

心理定規「えっ、用意してないけど」


「「「えーっ?!」」」



心理定規「いやまさかあなたがそういうイベントやると思わなくて…」モグモグ

心理定規「えっと…食べかけのパンプキンケーキでよければ」

「「「ください!!!」」」

心理定規「…はい、あーん」

垣根「あーん!あーん!」

黒垣根「テメェ!それは俺んだろぉが!?」バキ

白垣根「ではケーキはお二方にお譲りしますから…私はイタズラの方で♪」クス

「「させるか」」


\ギャーギャー!/



心理定規「全く…子供が三人いるみたいだわ。全員が同じ人だから仕方ないけど」モグモグ



もしも『グレムリン』が


翌年の10月31日になっても何もしてなかったら。



〓〓『船の墓場』〓〓


オティヌス「…もうすぐハロウィンだな」


マリアン「だね。まーオティヌスは年がら年中ハロウィンみたいな感じだけど」

オティヌス「この格好は術式で、」

マリアン「またまた。皆そう言うけどさ、大体は自分の趣味入ってるじゃん?」

マリアン「でしょ?」

オティヌス「ふん」

オティヌス「……」

マリアン「ひま」

オティヌス「よし」

マリアン「?」

オティヌス「どうせだ。ハロウィンやろう。菓子をねだりにいくぞ」ヨイショ

マリアン「いきなり?皆用意してないんじゃない?」

オティヌス「用意がない?ならば伝統にのっとり、"イタズラ"だ」ニヤァアア!

オティヌス「ふはははははは!!!」

マリアン「何する気だ」


〓〓トールの部屋〓〓


オティヌス「開けろぉ!ヘイヘイ!ヘイヘイヘーイ!!」ガンガンガンガン!

マリアン「ノリノリだねオティヌス」

トール「あー?なんだよ、こんな時間に」

オティヌス「Happy Halloween!Trick or treat!」

トール「あーはいはい。ハロウィン?そうだな、お前年がら年中魔女ルックでハロウィンタウンの住民だもんな」

オティヌス「うるさい黙れさっき言われたわ!」

トール「あー悪い。菓子なんて用意してねーんだけど」

オティヌス「ならばイタズラだな」ニヤァアア

トール「え…何されんの?」

オティヌス「せい!」ヒュパッ!

トール「うわっ……」

トール「……」

トール「?」

オティヌス「じゃあな。今年の冬は帽子を被りっぱなしにする事を薦める」

トール「?」


パサッ。



トール(カッパ型ハゲ)「…何だったんだ?」




マリアン「エグい事するね」テクテク

オティヌス「ふん」テクテク

オティヌス「さて次はフェンリルだ」テクテク



〓〓フェンリルの部屋〓〓


オティヌス「開けんかいこらー!」ガンガンガンガン

オティヌス「ここにおんのはわかっとるんやぞー!開けんかいこらー!」ガンガンガンガン

マリアン「どこの借金取りだよ」

ガチャ。

フェンリル「んだよ、オティヌス?フェンリルちゃんになんか用か?」

オティヌス「Happy Halloween!Trick or treat!」

フェンリル「あーハロウィン?んー…」ゴソゴソ


フェンリル「はい」つ

オティヌス「……」



口臭消しガム。


オティヌス「イタズラだな」スチャつ―〓≫

フェンリル「あ、やっぱダメ?」




        \アッー/


マリアン「…何したの?」テクテク

オティヌス「奴の"フェンリル"術式の流れを組み換えて涎が止まらないようにした」テクテク

マリアン「…川ができちゃうかもね」テクテク

オティヌス「問題ないさ。海に流れるだけだ」テクテク



〓〓シギンの部屋〓〓


オティヌス「もしもし!?もしもし!?入ってますかー?!」コンコンコンコンコンコンコンコン

マリアン「トイレの個室ノックかよ」

ガチャ。

シギン「んー…?もぅ、なんだよぅ…?」クシクシ

マリアン「あ、ごめん寝てた?」

シギン「うん…」フワァ…

オティヌス「だがそんな事は関係ない!」

オティヌス「Happy Halloween!Trick or treat!」

マリアン「今の今まで寝てた奴に無茶言うね」

シギン「あるわけない。あるわけないじゃん。私ふとっちゃうからあんまお菓子食べないし」


オティヌス「ならばイタズラだな」スチャ





マリアン「…何したの?」テクテク

オティヌス「アイツの部屋をミントの香り(超キツい)にしてやった」テクテク

マリアン「へー。効果はいつまで?」テクテク

オティヌス「一週間」テクテク

マリアン「……きっつー…」テクテク




〓〓ヨルムンガンドの部屋〓〓


オティヌス「よっ、はっ!」ドンドコドンドコドンドコドンドコドンドコ

オティヌス「はっ、ほっ!」ドンドコドンドコドンドコドンドコドンドコ

マリアン「太鼓かよ」

ガチャ!

ヨルム「なんだよ!うるさいな!」

オティヌス「Happy Halloween!Trick or treat!」

ヨルム「えっ、えー…」

ヨルム「…じゃあ、さっき僕がハロウィンでもらった御菓子あげるよ…」

オティヌス「」

マリアン「」


オティヌス「そんな(大事な)ものは受け取れないからイタズラだな」スチャ





マリアン「…ヨルムンガンド困ってたね」テクテク

オティヌス「ふん、奴の部屋を御菓子だらけにしてやった」テクテク

オティヌス「一ヶ月は3時のおやつに困らんだろうな」テクテク

マリアン「好きな御菓子とか買えないから地味に嫌だよね。そーいうの」テクテク



〓〓ロキの部屋〓〓


オティヌス「おーい!ロキノー!野球しよーぜー!」

マリアン「中○かよ」

ガチャ。

ロキ「申し訳ございません。この老体にベースボールはちとキツいので」

オティヌス「バカめ嘘だ!Happy Halloween!」

オティヌス「Trick or tre ロキ「どうぞ」


ハロウィン御菓子詰め合わせ


オティヌス「」

ロキ「Happy Halloween.」ニコッ


マリアン「…ロキじいナイス老紳士だったね」テクテク

オティヌス「…拍子抜けだ」テクテク


オティヌス「奴のケツの穴にチューインガムを限界まで捩じ込んでやるつもりだったんだが」テクテク

マリアン「あぶねー……ご老人に容赦ないね」テクテク


オティヌス「さて。もう飽きた」

マリアン「唐突だね」

オティヌス「マリアン」

マリアン「なに?」

オティヌス「Trick or treat.」

マリアン「ごめん。用意してないや」

オティヌス「そうか」

マリアン「で?私は何されちゃうわけ?」

オティヌス「………ん」つ

マリアン「?」


オティヌス「…もらった御菓子を一緒に食べろ」

マリアン「あら」パチクリ


マリアン「まあ、いいけどさ」



マリアン「……」ハグハグ

オティヌス「…」モキュモキュ


マリアン「珍しいよね、オティヌスがイベント企画しないなんて」モグモグ

オティヌス「まあ、なんとなくな」モキュモキュ


マリアン「…ひょっとして。こーやって誰かと一緒にこっそりハロウィンの菓子(せんか)を山分けしてみたかったとか?」

オティヌス「……さあな」モキュモキュ


マリアン「…今回は企画してやるより、自然にやりたかったんだろうけどさ、」

マリアン「来年はさ、ちゃんとコスプレしてやろうよ」モグモグ


マリアン「いつもみたいに皆でさ」

オティヌス「…そうだな」モキュモキュ



マリアン「あ。言い忘れてたわ」

オティヌス「なんだ?」



マリアン「Happy Halloween.オティヌス」

オティヌス「Happy Halloween.マリアン」




モグモグモグモグモグモグモグモグ…



ハロウィン番外編終わり。

本編はまだがむばりちう。

では。

本当にそうした方がいい気もしてきた

ポッキーの日小ネタ。


〓〓叶え屋〓〓

天井「どうでもいい事だが、今日はポッキーの日だな」

シギン「ポッキー?」

ウート「あー…プレッツェルをチョコでコーティングした日本のおかし」

シギン「へー」

ウート「なんで11月11日がポッキーの日かは知らねえけどー」

天井「1の数字が縦に並べたポッキーに見えるからだそうだな」

ウート「何その無理矢理当てはめた感パネエ理由」

天井「さあな。バレンタインのように製菓会社が一儲けしようとした販売戦略なんじゃないか?」

天井「江崎グリコが11月11日をポッキーの日…いや正確には『ポッキー&プリッツの日』なんだが、」

天井「日本記念日協会(加瀬清志代表)の認定も受けている」

天井「平成11年11月11日の"1(ポッキー又はプリッツ)"が6個並ぶおめでたい日にスタート」

ウート「ふーん…数字的には気持ちいいな」

天井「そういえば合コンなんかでは『ポッキーゲーム』なんてのもあるが…」

ウート「ああ、確かに合コンでやったな。女の子にせがまれて2、3回」

天井「そうか(いいなぁああああ!!!)」

シギン「へー…どんなゲームなの?」

ウート「あれ、シギン知らなかったか?」

シギン「うん。知らない。知らないよ」コクン

天井「そうか…なら私とやってみるか?」ニコッ

ウート「あまっちー?それセークーハーラー。」

         :
         :



シギン「で、買ってきた。買ってきてみたよ」つ

ウート「マジ?」ハハ

シギン「天井くんから聞いたけどポッキーゲームってそんなにやったりするの?盛り上がるの?」

ウート「まあ盛り上がるかな。頻度はあんまな気はするけど」

ウート「ただ、そーとー社交性あったり盛り上がってたり打ち解けるメンバーじゃないとムズかったりするし?」

ウート「一応ホストクラブだとポキゲーはやったりするけどー」

ウート「あんま俺は担当した事ねえし?」

シギン「ふーん…ちょっと興味ある。あるかな」

ウート「…じゃ、俺とやってみる?」ニコッ

シギン「天井くんにはセクハラって言ってたよね?」

ウート「まーまーいーじゃんいーじゃん?本人同士が興味あればさ?」

シギン「ウートガルザロキは言うことがコロコロ変わるね」

ウート「まーねー?でもよ、幻術師としちゃー正しい在り方じゃね?」ケラケラ

シギン「わかんない」

ウート「じゃ、はい」パク

シギン「…ほ、本当にやるの?」

ウート「ふふんふ(君次第さ)」

シギン「…」

シギン「あむ」パク

ウート「……」ポリポリ

シギン「…///」ポリポリ

シギン(顔が…近いよ)ポリ、ポリ…

ウート「~♪」ポリポリ

シギン(むー…なんでそんな余裕なの)

ウート「…」ポ、リ、

シギン(…もうちょっとで、きす…)

ウート「…」

ウート「おっと」ポキ

シギン「えっ?」

ウート「残念。折れちゃったなー」ヘラヘラ

シギン「嘘!嘘だよね?今自分から折ったじゃん!」プクゥ

ウート「あっははははっまさかー。ちょっと力み過ぎちまったんだよ」ヘラヘラ

ウート「でもほら、遊びだし?ほんとにシちゃうと遊びじゃなくなっちまうしさ」ヘラヘラ

シギン「そ、そうだけど!」

ウート「えー?何々?シギンはそんなに俺とキスしたかった?」ニヤニヤ

シギン「ふぉ?!///いや!違う!違うけども!」

ウート「じゃ、いーじゃん?」ヘラヘラ

シギン「むー!ウートガルザロキのいじわる!!」ポカポカ

ウート「えー?なんの事かさっぱりなんだけどー?」ニヤニヤ

シギン(期待するじゃん!ここまでされたらちょっと期待するじゃんかぁああ!///)
シギン「んもー!」プクゥゥウ!


〓〓とある高校〓〓

青髪「カミやん!!今日はポッキーの日やんな!」

上条「え?ああ…まあ?」

青髪「あああん!ボクも女の子とポッキーの日満喫したいぃいい!」クネクネクネクネ

インデックス「ポッキー?とうま、私興味あるから調べたいんだよ!ポッキー買って!」

上条「お前はポッキー食べたいだけだろ?つーか学校は遊びに来るとこじゃないからな?」

トール「でもよ、ポッキーの日にポッキー食う以外にやる事ってあんの?」

上条「え、さあ?」

土御門「そらー『ポッキーゲーム』ですにゃー」

サローニャ「ポッキーゲーム?」

土御門「にゃー」

吹寄「ああ、アレ?」

垣根(忘れてた…帰ったらアイツとやろ)

姫神(ふっ。上条くんとやろうと思って既に購入済みの。私さすが。)ニヤリ

         :
         :
         :

サローニャ「へー…たのしそーだねー?」

トール「相手居なきゃ出来ねーけどな」

青髪「それは言うたらあかんて」

土御門「まあ?オレは舞夏がいるから…?」フッ

垣根「まあ?俺も彼女いるから…?」

青髪トール「「くたばれリア充ども」」

\ギャーギャー!/

吹寄「口の中なんて細菌だらけだし、食事の最中なら他人の口の中のものが口に入るかもしれないなんて最悪だと思うけど」

姫神「…それ。キス前提の話じゃない?」

吹寄「へ?あ……///」

サローニャ「ほうほう。中々に大胆ですな吹ちゃんはー」ニヨニヨ

吹寄「ちゃっ、ちがうわよ!リスクヘッジくらいしとかなきゃいけないじゃない!///」

インデックス「とうまーポッキー」クイクイ

上条「あー上条さんもポッキーゲームしたいわー…相手いないけど」

インデックス「じゃあわた サローニャ「じゃあサローニャちゃんとやろっ!かっみじょーちゃーん!」

上条「なんですとっ!?」

姫神「上条くん。私も。いいよ?あとで二人で。」ツツ

上条「?!」


「「「よし、まずアイツを殺そう」」」


ギャーギャー

小萌「……」


小萌「…みなさーん?今は授業中なのですよー?」シクシク

終わりー。ポッキーの日ってポッキー食べるのとポッキーゲーム以外に何かあるのだらうか。

もういいや。更新内容が短くても。

投下。


ヴァルキリー「そんな事よりウート、ここのワッフルは美味しいにつき!ほれほれ!あーん!」つ―∈#

ウート「へえ?どりどり?」アム

ウート「…ん!確かに生クリームとあいまって美味いな」モグモグ

ヴァルキリー「うむうむ。そーだろそーだろ?」

ウート(まーぶっちゃけ別にワッフルだったらどこの店でも大体似た美味さだろうけどな)モグモグ

アウレオルス「そんなに美味いのか?…よければ私にも」

ヴァルキリー「しょーがないなー…ほれ」つ#

アウレオルス「愕然、何故私の時だけガッツリ手づかみなのだ?!」ガビーン!

ヴァルキリー「だって…間接キス―――」///モジ

アウレオルス(ぶりっ子か)

ウート「はは。ウブだなー?カワイイカワイイ」

ヴァルキリー「――も!それ以上のエロエロとぬちゅぬちゅアッハンあんあんオーイエスも!ウートとだけと決めてるにつき!」

ウート(前言撤回!!!)

ヴァルキリー「あとこれも羞恥プレイ(攻め)との事!」フンス

アウレオルス「そ、そうか…」ヒキッ

アウレオルス(私には彼女の思考回路は一生理解出来なさそうだ)


ヴァルキリー「あ、ウートウート!」

ウート「ん? 何?」ニコッ

ヴァルキリー「私にも食べさせてほしいの事」

ウート「えと、…ここで?」

ヴァルキリー「ウートの恥ずかしがりながらあーんしてくれるとこがみたいの事」

ウート「えぇー?まさかの羞恥プレーイ?」

ヴァルキリー「イエース!オーイエッ!」

ウート「んー…どーしよっかな?」

ヴァルキリー「見たいなー?」

ウート「んー…ま、キュリアちゃんもあーんしてくれたし?いいよー」ヘラヘラ

ヴァルキリー「やたっ♪」


アウレオルス(居心地悪い)ズズ


ウート「んじゃ…」

アウレオルス(ん?ワッフルを一口サイズ…ハート型に切った?)

ウート「~♪」

アウレオルス(ハートワッフルの真横から中程までフォークを刺したな。食べやすくするためか)

ウート「それじゃ、」

ウート「はいっ!お姫様?あーんっ♪」ニコッ!

アウレオルス(全開笑顔、そして下にもう片方の手で受け皿…『姫』呼び)

ヴァルキリー「あ、あーん…/////」アム

ウート「美味しい?」ニコッ

ヴァルキリー「う、うむ…///」モムモム

ウート「あははっ、もむもむ食べるキュリアちゃんカワイーね」ニコッ

ヴァルキリー「/////」モムモム


アウレオルス(随分とクオリティが高い『あーん』だな)ズズー

アウレオルス(…漠然、いつか記憶を取り戻したインデックスにもしてやれるだろうか)

        :
        :
        :



ウート「んで、いつイギリス清教の敷地内に行くかっつーと…2日後だってさ」つc□~~コーヒーズズー

アウレオルス「2日後か…」ふむ

ヴァルキリー「それまでは自由行動との事?」

ウート「いやあ、自由行動ってーか『王室派』の魔手から逃れ続けるって感じかな」

アウレオルス「? どうやったかはわからないが正式に王室派の代理として調査するのだろう?」

アウレオルス「何故彼等が私達を狙うというのだ」

ウート「あー…まあ、話しちゃうとさ―――」

         :
         :
         :


アウレオルス「唖然、また随分な力技でいったものだな」アキレ

ウート「でもよ、これが一番手っ取り早いし、楽じゃね?」

ウート「仮に追手が来ても返り討ちに出来るくらいには俺達は強いし」ニコッ

アウレオルス「憮然、私達を巻き込まないでほしいんだが?」

ウート「ダーイジョーブだって!『このメンバーならいけんじゃね?』って前提でやってっから!」ヘラヘラ

アウレオルス「驕りは感心しないな。"黄金錬成"を持つ私ですら鼻っ柱をへし折られた事があるというのに」

ウート「傲慢なのは若い奴の特権だ……って、アルくん俺より年下じゃなかったっけ?」

アウレオルス「弁えているだけだ」

ヴァルキリー「ふむぅ。しかし逃げ切るとは具体的にどうするとの事?」

アウレオルス「ああ、策はあるのか?」

ウート「んー。ま、ね」ニヤッ

アウレオルス「どんな策だ?」

ウート「ん。じゃあ伝えるから――――」




〓〓学園都市:射的の屋台〓〓



フレメア「にゃあ!」パンッ!

スカッ。

フレメア「うにゃあああ!!大体、当たってるのに!なんで倒れないんだよぉぉおおお!!!」

屋台のおっさん「…」ニヤニヤ

シギン「仕方ない。仕方ないよ。だってそもそもあのマトはかなり重く作られちゃってるし。」

シギン「この渡された弾の重量では全ての弾を効率使ったとしても倒すのが精一杯なんだもん」

シギン「このお店のルールは『マトを棚の後ろのネットに落としたら対応した景品が貰える』ってものだし」

シギン「このお店でチャレンジするのはやめた方がいいよ、と助言しよう!」キリッ

サンドリヨン「5回もウサギぬいぐるみに挑戦して更に挑戦しようとしてる奴の台詞じゃないな」

シギン「うるちゃい」


フレメア「にゃあ…でも大体アレ欲しい…」ウルウル

天井「うむ…」

天井「では私がやってみようか」

フレメア「にゃあ?」

シギン「出来るの?天井くん」

天井「これでも計算は得意な方なのだよ」ニヤ

屋台のおっさん「ほー」

天井「ほら、300円だ」

屋台のおっさん「毎度」スパー

天井「……」

屋台のおっさん「まあ精々頑張んな」ケケケ

天井(さっきから見ていたがこの銃から放たれる弾速と角度、当たった時のマトの反発具合、etcを目測ではあるが計算すると、)

天井「…………よし」ゴソゴソ

天井「…」スチャ


天井「先ずは左上の角をスレスレに」パンッ!

マト<グラッ

天井「そしてすかさず次弾を」パンッ!

マト<グララッ

天井「そして――――」

天井「揺れた時。――このタイミングで!」パンッ!

マト<ポロッ

屋台のおっさん「」

天井「フィニッシュだ」ササッ

シギンフレメア「「おおー!」」パチパチパチパチ!

サンドリヨン「ほう」

屋台のおっさん「ば、バカ…な…!」ガクゥッ!


         :
         :
         :

シギン「ふふっ!天井くんありがとう」ニヘー

フレメア「にゃあ!」ニコニコ

天井「喜んでもらえたようで何よりだ」フフ

サンドリヨン「天井は大したものね」

天井「そうでもないさ」フッ

サンドリヨン「くっくっ。屋台の店員は天地が逆さまになったような顔になっていた」

サンドリヨン「あんな絶対落とせないようなものを落とせるとは」

サンドリヨン「何かイカサマでもしたのかと思ってしまうくらい」

天井「ああ、そうだろうな」

サンドリヨン「?」

天井「あれは本来撃ち落とすなんて事は不可能だった」

シギン「えぇ?」

サンドリヨン「む?」

フレメア「にゃあ?」


天井「これは計算した上で言うんだが…あの銃では圧倒的に火力不足なんだよ」

天井「どれだけ技術があって苦心した所でも」

天井「マトを倒す事は出来ても棚から落とす事は絶対に出来ない」

サンドリヨン「? ならどうやって」

天井「…ナイショだが」

「「「うんうん」」」

天井「ズルをしたんだ」

サンドリヨン「ズル?」

天井「ああ」

フレメア「?」

シギン「ズルしたんだって」コソ

フレメア「にゃあ!?大体ズルはいけないんだぞ!」

天井「…」メソラシ

天井「具体的には銃の射出機構に輪ゴムを巻き、コルク弾に画鋲と重りを刺した」

サンドリヨン「な、」

天井「火力が足りないならば補助機構を付け足せばいい」

天井「単純に発射速度と重さを足してやれば倒せないわけではなかったしな」

シギン「よくバレなかったね?」

天井「まああの店主は完全に舐めきっていて明後日の方向見てたからな」

サンドリヨン「ふん、ざまあみろ。阿漕な商売やっているからバチが当たったんだ」

シギン「ね!ズルい事するからズルい事でもって破られるんだよ」

フレメア「にゃあ!大体、大人は皆卑怯で自分勝手だ!」

天井「……」


天井「あれ、私ひょっとしてディスられてる?」




〓〓学園都市:路地裏〓〓




『上条』「もういいか?すぐに、と思ったが存外諦めが悪いようだ」


上条「ゼェ、ゼェ……ハァ、ハァハァ、ハァ…」

垣根「野郎…涼しい顔しやがって」

白垣根「強い、ですね…」

黒垣根「ったくよぉ…なんで殺せねぇ?イラつくぜ、全く」

サローニャ「ぷぅ…なんだってあんなに早いのさ…」ゼェゼェ

姫神「あれだけバリエーションに富んだ私達の攻撃が効かないなんて。」


               デストロイ
姫神「それに。私の新必殺技。『出巣戸炉胃エロエロテポドン』も効かないなんて。予想以上。」

垣根「ああ、アレはすごかったな」




※秋沙ちゃんの新必殺技は各自でご想像ください




『上条』「索然、…もう貴様らバカどもの顔を見るのも飽いた」


『上条』「―――『全員、死ね』。」



ドクンッッッ!!!



垣根「が…っ?」

黒垣根「っらぁ…?」

白垣根「むぅっ…!?」

姫神「ま。」

サローニャ「さ、」


ドサッ。


上条「らぁっ」パキィン!



上条「…?!」


垣根「」

黒垣根「」

白垣根「」

姫神「」

サローニャ「」


上条「皆…っ!」


『上条』「さて…貴様はもう、私の正体くらいはいい加減勘づいてるのではないか?」スタスタ…

上条「…まあな」

上条「そんだけ覚えのあるチカラを使われたらイヤでもわかるよ」


>>637

×シギン「この渡された弾の重量では全ての弾を効率使ったとしても倒すのが精一杯なんだもん」


○シギン「この渡された弾の重量では例え全ての弾を効率よく使ったとしても倒すのが精一杯なんだもん」




上条「―――"黄金錬成《アルス・マグナ》"」


上条「アウレオルス・イザード、だろ?」

『上条』「そうだ。ああそうだとも」


ブゥン。


アウレオルス「貴様にインデックスをNTR(ねとられ)たアウレオルスだ!!!」クワッ!

上条「いや別に寝取っては」

アウレオルス「私にとっては同義だ!」プンスコ!=3


上条「…お前は記憶を失って、ステイルに顔を焼かれたはずじゃないのか?」

アウレオルス「さあな。答える義務はない……ところで、だ」

アウレオルス「何故あの"竜の顎"を出さん」

上条「…お前を倒すのにあんな強い技は要らないだろ?」ニヤ

アウレオルス「強がりを」

上条(はい!強がりですよ?ハッタリですとも!あんなすごいのそうそうポンポン出せるかよ!)

上条(また右手が取れたら話は別かもだけど)

上条(…大覇星祭の時の"幻想七竜"は…出せるかわかんねぇし)

上条(っつーかフィアンマの時だってアレは出なかったってのに)

上条(…とにかく、早く右手で触って皆を)

アウレオルス「――『皆を助けないと』か?」

上条「っ、」

アウレオルス「忘れたわけではあるまい?"黄金錬成"に不可能はない」カツ、カツ…


アウレオルス「貴様の心を読むなど簡単だ」



上条「な、」

上条(そんな!じゃああの時のハッタリの手は使えない?!)

アウレオルス「判然、なんだやはりアレはハッタリだったのか」

上条(うわしまった!)

アウレオルス「…楽には殺さんぞ」ニヤァ…!

上条(どうする!何とか"黄金錬成"を失敗させるように―――)


アウレオルス「――『少年の体に殴打を三十発。 反応できぬ早さにて打ち込め』」


上条「がっ――……?!」バキャ!ゴスッ!ゴスッ!ズンッ!ゴキッ!グジャッ!バシッ!グチャッ!ベチンッ!パシンッ!

上条「―――か、は、k

上条「」ドサ


アウレオルス「『覚醒せよ』」

上条「っ」パチ

アウレオルス「『先の手順を複製せよ』」

上条「が、あああああああああ!!」

アウレオルス「『少年はショック死できず。 死ぬ程の痛みの殴打を続けよ』」

上条「ひ、ぐ、うあああああああ?!!」

上条「く……は、あ……」ガクガク…

アウレオルス「……」

上条「ぐ……お前、まさか…お前の目的はインデックスをダシに俺に復讐する事だったのか!?」

アウレオルス「否。ただの戯れだよ。気まぐれ、ついでに…というやつだ」

アウレオルス「『あ、ちょうどいいからついでにちょっと復讐しておこう』」

アウレオルス「その程度だよ」

上条(くそっ!そんな+α感覚で殺されてたまるかよ!)

アウレオルス「―――『これまでの手順を再び複製せよ』」

上条「う、うわぁぁああぁああぁああぁああぁああぁああぁああ!!!」


上条(痛い…!メチャクチャ痛い!)

上条(くそ、考えろ!考えろ!)

上条(…いや待てよ、あいつは本当に心が読めているのか?)

上条(もし読めるなら何故三沢塾戦では読心を使わなかった?)

アウレオルス(いや、それは単に忘れていたというか…思いつかなかっただけだ)

上条(コイツ、直接脳内に?!)


アウレオルス「――『先の手順を複製せよ』」

上条「あああああああああ!!」




〓〓ビルの屋上〓〓


トール「………」

トール「"黄金錬成"か。ちょっと俺(らいじん)だとキビシー…、か?」

トール「ああうん。大事なのはタイミング、だな」

トール「アウレオルス…だっけ?あいつを美味い経験値にするにはもうちょい機を見なきゃな」

トール「…さて、上条ちゃんが死なねー内に来るといいんだが」


\上条「ァアアア!!」/


トール「俺が行くまで死ぬなよ?上条ちゃん」ニヤ




〓〓常盤台メイド喫茶付近:校舎裏〓〓


常盤台中学2学年棟、その物陰に。

人目を気にしているようにも見える挙動をしながら一人のメイドが入っていく。

「…ではこの辺で」

白いふわふわしたカチューシャを外し背中のボタンの留め具を外していく。

物陰とはいえ仮にも外であるにも関わらず、彼女は自室で着替えをするような気安さでエプロンを取って雑に脱いでいく

その瞳には何の恥じらいも感慨もなく、ただただ無機質。

そしてその内に下のシャツもブラも排除し、背中を完全に露出した姿で彼女は呟く。

「そろそろですか」

無機質だった彼女の瞳に"何か"が流れ込む。

瞳の奥に、"力"が宿る


「では先生。始めます」







「何をです?」


言葉の直後、その綺麗過ぎる背中に原始的な黒曜石製ナイフが突きつけられる。



「…何者ですか」

「教えられませんね。質問に質問で返すとテストでは零点という事はご存じですか?」

「これはテストではありませんが」

「そうですね。まあとにかく最初にした自分の質問に答えてもらえませんか?」

「答える義務はありません」

「それもそうでしたね。では質問を…いえ、言い方を変えましょうか」


「何御坂さんに手ェ出そうとしてやがるんですか?」


柔和な微笑みを浮かべ、アステカの魔術師は語調を銀行強盗のそれへと変えた。

「まるで別人ですね」

「それが自分の売りですから」

「そうですか。奇遇ですね」


何が、と問う前に


「私の売りもそれなんです」


バシャン!

「…?」

(今、一瞬だが背中から巨大な花のようなものが…?)

戸惑う暇はない。何かされる前に、潰す!


「あなたが何者かは知りませんが…すみませんね、御坂さんを傷つける者には死あるのみですから」

「食らえッ!」


金星からの光を受けた黒曜石ナイフが煌めく

閃光、そして。

「…あっけなかったですね」

そこには跡形もなく。

メイド少女の姿は消えていた。

(しまった、締め上げて洗いざらいを吐かすべきだったかも知れませんね)



しかし、最後に彼女から異様な力の奔流が溢れていたのを感じた。

『アレを発動させるな』

エツァリのエージェントとして長年培ってきた本能がそう警告をしていた。

(…これでよかったのかもしれない。)

手がかりは消してしまったが、命の火を消してしまう事を思えば比較考慮するまでもない。

「…後は彼女の言っていた『先生』とやらですか」

「黒幕、諸悪の根元だといいんですがね」

魔術師が立ち去ろうとすると。


「何先生に手ェ出そうとしてやがるんですか?」


居た。逆さまになった女性が浮いていた。

文字通り目と鼻の先に。

「くっ?!」

エツァリは慌てて後ろに飛び退き回避行動をとるが、ああ―――


「あなたが何者かは知りませんが…すみませんね、先生を傷つける者には死あるのみですから」



さっきとは『別人』と変化した逆さまの彼女の背中から。



"黒い翼"がエツァリ目掛けて噴射された。




〓〓学園都市某所〓〓



(今、この街で一体何が起きている?)

              ・・
土御門元春は常盤台中学の隠し私設に入り、自身が学園都市に放っている情報網ネットワークを駆使して情報を集めていた。

(偽者、偽者。偽者…)


『上条当麻』。

『海原光貴』。

『土御門元春』。


「…D―25、3G、ヒトゴーオー…」

デバイスのキータッチパネルを高速で叩き、これらの『偽者』が現れた時間帯の各地の監視カメラの映像を確認していく。


「……」



『上条当麻』が中身(しょうたい)を現すまでカメラ映像を追っていく。


『久しいな、禁書目録。変わらぬ君の姿がとても嬉しい』


「……コイツ」

だがこれはひとまず置いておく。


『土御門元春』が馬脚を現すまでカメラ映像を追っていく。


『ふう…』


「…なんだコイツは?」

『土御門元春』の姿がモニョモニョと揺らめいたかと思うとピントを合わせていくかのようにシルエットが形を変えていった

少女に。

『とりあえずはこの姿でいいでしょう』

(肉体変化《メタモルフォーゼ》系の能力者か?)

言動から推測するに、今見ている姿も(仮)である事は確かのようだが。

「…待て、今姿が変化する前……」

デバイスのキーを叩く。

カメラ映像をコマ送りにすると彼女の背中には巨大な花のようなものが出たのが確認できた。

(…とりあえずは保留だ)

興味はあるが敵性の全てを把握する事を優先する。


今度は『海原光貴』だ。

彼が元の姿に戻るまで同じようにカメラ映像を追っていく。

「ん?」

カメラ映像に映る時刻はリアルタイムである事を示唆していた。

(…コイツはまだ中身を晒してない…)


『――――さて。』


「…随分とんでもない化け物が出てきたな」


『いよいよを持って開戦と行こう』


「魔神の成り損ない…オッレルスか」


まだこの化け物と対峙すると決まったわけではないが。

(開戦とは穏やかじゃないな)

会話内容、line式の通信霊装を使ってる所を見るとオッレルス勢力も来ていると見るべきだ。


「…」

「?」

(待て。何故オッレルスは、何故だ?!)

気づく。胸騒ぎしかさせないオッレルスの挙動に。


「何故舞夏のいる方へまっすぐ向かっている?!」


オッレルスは日曜の昼下がりに緑地公園を散歩するような気さくさを振り撒きながら、土御門舞夏の方をまっすぐ目指していた。

義妹には己が持てる全ての力を注ぎ込んでありとあらゆる防御壁と策を仕込んである。

その中には『害意を持つ者は彼女には近づけない』というものもある。

だが、だからといって『では単に害意はないだけでは?』という推測は間違いだ。

特筆すべき事項が土御門元春の両目には写っていた。


オッレルスは。

例え奇襲を受けても。

いつでも敵に致死ダメージを負わせられる術式を発動した状態だった。

…しかし、例えその辺の魔術師が画面を見た所で。

オッレルスがその状態である事を看破できないだろう。

何せ、直前のコマのオッレルスは『何もしていなかった』のだから。

だが土御門元春は見逃さなかった。

「あれは、"北欧王座"《フリズス-キャールヴ》の発動シークエンスだ…!」

オッレルスの"北欧王座"の発動モーションは基本的に誰にも見破られた事はない。

(何故なら、アイツが誰かと相対する時には既に発動モーションを終えているからだ)

例え"魔神"であっても"魔神未満"であっても。

"魔術"という技術を扱う以上は何らかの理屈が存在する。

オッレルスは"説明できない力"を使う故に、力を使う際にも力の本質を説明可能にするモーションをしない

ならば。逆に言えば。

「"現存する全ての魔術の内、『この動きをすればこの術式発動が可能だ』とする、『何の術式か』を説明可能にする行動"の一切を何一つしない状態」

それこそがオッレルスの攻撃モーションだと言える。

(間違いなく今奴はそれをした)


つまり、




「舞夏が危ない!!!」


具体的な危険の推測とデバイスを放り出し、兄は義妹の元へ駆け出した。




〓〓常盤台敷地内〓〓



土御門「……」ゼェ、ゼェ

オッレルス「やあ。初めまして…かな?」

舞夏「」

オッレルス「私はオッレルス。魔神に――」

土御門「――なり損なった哀れな魔術師、か?」

オッレルス「…その通りだよ」

土御門「……」ザッザッザ


オッレルス「うん?私の足の下にある物が気になるかい?」グリ

舞夏「」


土御門「……」ザッザッザ

オッレルス「心配しなくていいよ。よく死んでいる」ニッコリ

土御門「…」ザッ。


オッレルス「私をぶん殴ってみるかい?」

土御門「……」グイグイ

舞夏「」ズルリ

オッレルス「無視は酷いんじゃないかな」ゲシッ

舞夏「」ゴロリ

土御門「…」グイ

土御門「……」ギュ…

舞夏「」

オッレルス「君は間に合わなかった。そんな亡骸を抱きしめたところで意味はないよ」

オッレルス「結局。君は守れなかったわけだ」

オッレルス「あんなに大事にしてたのにな」ニコッ

オッレルス「不様だな」

土御門「……」


オッレルス(さて。)

オッレルス(ここまで挑発すればいいかな?)

オッレルス(全く…悪役になるのも辛いな。早く終わらせて欲しいものだ)

オッレルス(…さあ、怒れ。土御門元春)

土御門「……」


土御門「…」ぽろっ…

オッレルス「……?」


土御門「……」ポロポロ…

土御門「っ……、ぐ…っ、」フルフル…


土御門「ゔあ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ああぁあああぁああ゙あああぁ゙あああ゙ああぁああああああああぁ゙あ゙ああああぁあ゙ああああぁあああああぁ゙あああああぁああ゙あああぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあ゙ああ゙ああぁあああああぁあああああぁああっっっっッッッッッッ!!!!!」


オッレルス「……」


土御門「っ……あ……?が……?ぁああ、あああ……ああッッ……っ、」ボロボロボロボロ…

土御門「ぁ゙あ゙あ゙あ゙あぁっッッ…、ああぁあああああぁあああああぁあああああぁああぁあああああぁああ!!!!!」

オッレルス(まさか泣くとは)

土御門「何故だっ……!何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だッッッッ!!!」

土御門「何故だオッレルス!!?お前に舞夏を殺害する理由な゙ん゙てないはずだろう!!?」

土御門「何故殺したッッ?!!」

オッレルス「……」

オッレルス(意外と答え辛いな。…しかしまいったな)

オッレルス(彼には悲しみではなく怒りの感情を出してもらって"奥の手"を使ってもらいたいんだが)


プルプルプル。


オッレルス(…通信霊装、この反応はシルビアか)



オッレルス「どうした?」

シルビア『何遊んでんのよ』

オッレルス「いや遊んでは」

シルビア『早くしてくんない?こっちもけっこうキツいんだって!』

オッレルス「……。 !」

オッレルス「それが困った事にね、とりあえず小女を殺してはみたんだが全く意味がなかったみたいなんだよ」

土御門「……」ピク

シルビア『ちょっと。それ大丈夫なワケ?』

オッレルス「ああ。問題は特に生じないよ。別に私は彼女が生きようが死のうがどうでもいいからね」

土御門「…」

オッレルス「ああ。だが可哀想に。彼女は全くの無駄死だな」

土御門「………」

オッレルス(…ここまで煽ればいいかな?)チラ


オッレルス「ここに用はもうないし…そろそろ合流しようか。ポイント0へ来てくれ」

シルビア『わかった』

プツン。

オッレルス「まあ、そういうわけだ。悪いね」

オッレルス「私はもう行かなきゃならない。これで失礼するよ」

オッレルス「……」スタスタ…

土御門「……」









    ブ チ ッ ッ ッ ッ ッ !!!!!








オッレルス「……」

オッレルス(よかった、どうやら怒ってくれたみたいだな)

土御門「…………」

オッレルス(俺の背中に突き刺さってくるくらいに魔力の昂りを感じるよ)


オッレルス(さあ、使ってくれ)


オッレルス(学園都市に…いや、日本に)


オッレルス(大規模な水没を起こす"禁術"を)


本編投下終わり。以下オマケ。


〓〓『グレムリン』会議室〓〓


ロキ「『船の墓場』に入る際。合言葉を決めておく、というのはいかがでございましょうか?」


ヘル「合言葉?」

ロキ「はい。『山』と言えば『川』。『開けェ!ごまァア!』のようなモノでございます」

ヘル「へえ。何の得があるの?サーチで見つかるんじゃないの?」

ロキ「主に私の心が満たされるのでございます」ホッコリ

ヘル「趣味全開なだけって事ね?」

オティヌス「ほう、中々面白い…!よしやってみろ、ロキ」

ロキ「御意にございます」ペコリ

ヘル「マジか」


で、決まった合言葉が。


A『北欧の神々』

B『その名を冠する我等』

A『偉大な力の片鱗を』

B『其を振るうは我等』

A『我等の名は』

B『グレムリン』


ヨルムンガンドの感想:「厨二だね」

        :
        :
        :



トール「おーい、今帰ったぞ。結界解いてくれー!」

ウート「おー。なら合い言葉を言いな!」

ウート『北欧の神々』

トール『その名を冠する我等』

ウート『偉大な力の片鱗を』

トール『其を振るうは我等』

ウート『我等の名は』

トール『グレムリン』

ウート「よし入れ」カチ

トール「あんがとよ」

ウート「……」

ウート(これ、めんどくせえ上につまんねえな…)

        :
        

トール「おーい、今帰ったぞ。結界解いてくれー!」

ウート「おー。なら合い言葉を言いな!」

ウート「ほぉおおぉおおく♪おぉおおぉおおのっ♪か~~みっが~みぃ~♪(バス)」

トール「…」

トール「そぉおおっのぉおおぉおおぉおお♪名っをぉ♪冠するっわっるぇるぁぁあああ♪(テノール)」

ウート「いぃだいな力のぉ片っ鱗をっ♪」

トール「其をっ♪振るうは我等ぁ~~♪」

マリアン「我等の名っは♪(ソプラノ)」


ウートーアン「「「グーレームー―――…リィイインンン~♪」」」


ウートーアン「「「デュ~~~~ワ~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♪」」」


ウート「よし入っていいぞ!」ガラッ

トール「なあ!?これ超絶面倒くさいからやめね?!」

マリアン「はげどー!」


※以後この制度は廃止になりました。


ロキ「ちぃっ」ギリ



〓〓『船の墓場』ウートガルザロキの部屋〓〓


ガチャ、バタン!

トール「ヘーイウート!ギブミーコーヒー!」

ウート「…お前、俺がコーヒー淹れると絶対来るよな?」

トール「部屋の外にも漂うこのコーヒースメルがたまらんからな」キリッ

ウート「ったく、粉だってタダじゃねえんだからな?」トポポ

トール「そう言いつつもちゃーんと二つカップを用意してるウートが好きだぜー?」
ヒヒヒ

ウート「そらどーも」

        :
        :
        :



トール「あー…コーヒーウマー」ズズー

ウート「そりゃよかった」ズズ

トール「なんつーの?お前のコーヒーが一番うめぇんだよな」

ウート「そらどーも。お褒めいただき恐悦至極うー」

トール「お陰でハンバーガー屋とかファミレスのコーヒーが不味くてしょうがねぇよ」

ウート「はは、マジかよ」ズズ

トール「無駄にコーヒーだけ舌が肥えちまったよ」

ウート「悪いねー俺色々罪な男だから」ハハ

トール「いっつもどうやって淹れてんの?」

ウート「ん?」

トール「コーヒー。俺も自分で淹れてみようって思うんだよ。参考にしたくてな」

ウート「おーいいよーウーさんテク教えてやるよ」ヘラヘラ

        :
        :
        :


ウート「まず豆な。これを挽くとこから始める」

トール「あん?この豆茶色くないぞ。ホントにコーヒー豆なんだよな?」

ウート「ああ焙煎前の生豆は茶色くねえんだよ」

ウート「ホントはこーいう豆を選ぶとこからやるんだが」

トール「豆を選ぶ?買ってきただけはダメなのか?」

ウート「ああ。センターカットが綺麗でふっくらしててサイズや形、厚みに色が均一になってる奴を一粒一粒選出すんの」

トール「めんどくせっ」

ウート「…まあ、ささっと飲みたいなら豆からじゃなくて粉の状態で買ってきたもんで淹れた方がいいけどな」

ウート「俺は拘りたいからやってるだけでぶっちゃけその方が効率的だ」

ウート「豆の鮮度次第で味の幅が大体決まっちまうってのもあるから…」

ウート「しょーじき新鮮な豆なら多少淹れ方雑でもそこそこ飲める」


ウート「で、焙煎してくんだが」

ウート「鍋の形をした鉄網に蓋がついた奴に豆を入れる」

ウート「んで備長炭入れた七輪で焙煎。コーヒーの味の好みによって焙煎時間とかが変わるんだが」

トール「めんどくせっ」ウヘェ

ウート「…まあ、これも難しいか。専用の機械があるから楽したい奴は買ってもいいかな」

トール「そうするわ」

ウート「ところで。俺は深煎りが好きなんだけど」

トール「なんか違うのか?」

ウート「味が変わる。浅煎り、中煎り、深煎りとあるんだ。深ければ深いほど苦くなると思っとけばいい」

トール「ふーん」

ウート「お前は?」

トール「よくわからねぇな。苦いの好きだからたぶん深煎り」

ウート「そっか。一緒だな」ヘラヘラ

トール「おお」ヘラヘラ

ウート「で、終わったら挽くんだよ」

トール「お、あれか?部屋の隅にある手引きのミルとかサイフォン式の器具とか使うんだな!?」ワクワク

ウート「や、アレらはインテリア。手挽きは時間がくそかかるし」

ウート「サイフォンは挽く時じゃなくて淹れる時に使うんだがアレは洗うの大変なんだよ」

ウート「…サイフォンはたまーに使うけど。手挽きはさすがに俺も面倒だから全自動マシン使う」ガチャコ



ガー


ウート「ペーパードリップ使うなら粉は中挽きにするといい。挽き具合は"やや荒い"ぐらいが適してる」

ウート「俺は管理とか手間がかかる布(ネル)ドリップ使うけど」

トール「へー」←よくわかってない

ウート「で淹れる工程。使う水が違うと口当たりとか味もスゲー変わるからそれはまた別で買うんだが」

トール「お前水買う派なの?」

ウート「コーヒーはな」

トール「ふーん…」

ウート「俺は味調整が出来るからドリップが好きなんだよ」

トール「淹れる時のポイントは?」

ウート「ざっくり言うとな、湯の温度、湯を落としていく位置、湯を落とす速度だな」

ウート「特に湯を落とす速度。短時間で淹れると酸味が強く出たり、じっくり淹れると苦味を強く出したりとかな」

トール「俺は苦味強めで酸味弱いのがいいんだが」

ウート「じゃあアレかな。ブラジル豆を深煎りでじっくり淹れるといい。」

ウート「所謂『コーヒーらしいコーヒー』の味だ」

トール「ふーん…」

ウート「湯を注ぐドリップ用のポットがあるからそれを使う」

トール「なんか器具いっぱい使うんだな」

ウート「美味い物を飲みたいなら必要なモンだからな」

ウート「まあ湯を注ぐやつなら急須でも代わりにはなる」

トール「へー」

ウート「で、湯を上手く入れるコツなんだけど、」

ウート「まずお湯は細ーく出す。粉に置くように注ぐんだ」

ウート「"の"の字を描いて端にかからないようにな」

ウート「で、お湯が下に滴り落ちてきたら一旦止めて"蒸らす"」

ウート「するとちょっと膨らんでくる。表面が少し乾いてきたら2回目を注ぐ」

ウート「以降は中のお湯が下に落ち切らないようにして数回に分けて淹れていく」

ウート「3回目以降は2回目でできた粉のラインを越えないようにするといい」

ウート「目標の量に達したら最後も落ちきらないようにしてドリップ器具をはずす」

ウート「最後まで落とし切らないのは渋味とかの雑味が入るのを防ぐためだ」

ウート「あとは暖めたカップに注ぐ」

トール「やっとか」


        :
        :
        :

トール「ちなみに最高級のコーヒー豆ってどんなんなんだ?」ズズー

ウート「『コピ・ルアック』かな。ジャコウネコの糞から豆を取り出して使うんだ」

トール「ウヘェ」

ウート「ジャコウネコは完熟したコーヒーの実だけを食うから良いコーヒーになんだと」

ウート「元々は植民地時代にコーヒー豆を税として献上しなきゃいけなかった時、わざとジャコウネコに食わして自分達の飲む分を確保したのが始まりだとか」

トール「へー…」

ウート「ちなみにくっそ高い。個人的にちょっと飲むくらいならまあ出せる金額ではあるんだが」

トール「あんま飲む気はしねーな」

ウート「で、どう?やれそ?」


トール「俺はコーヒー飲む時は買うか、お前んとこで飲むかの2択にする」メンドイ

ウート「結局それかよ」ハハ



〓〓某国、某所〓〓

ウート「……」

ウート「バゲージシティ、ね」

ウート「ああ、うん。わかってるわかってる」ヒラヒラ

ウート「実験の『調整役』だろ?わかってるって」

ウート「…はいはい。復唱ね?」

ウート「俺の任務はウェイスランドの護衛と、どの陣営から手を出された場合でも指揮系統を幻覚魔術でのっとり実験を完遂させるよう誘導する」

ウート「また、学園都市sideからの干渉を受けた場合は全力を持って防衛にあたる」

ウート「尚、全てにおいて実験の完遂が最優先とされる――だからわかってるって。しつこいな」

ウート「…冷たくなった?俺が?」

ウート「それ、違ェだろ」ッハ、

ウート「"俺が"変わったんじゃない。"君が"変わったんだ」

ウート「だから俺も対応と態度を変えてる。俺だってTPOを多少はわきまえる方なんだよ」

ウート「…へいへい、申し訳ゴザイマセンデシター」ヒラヒラ


ウート「――がっ…――――


ドサ。

――――――

――――――――――
―――――――――――――――


マリアン「大丈夫?ウートガルザロキ。」

ウート「…おりょ?ひょーっとして、お前が俺の体を繋げてくれた?」

マリアン「ま、ね。お礼の一つや二つ、ベルシの私物の一つや二つくらいはもらっても許されるぐらいの仕事はしたよ」チラッチラッ

ウート「悪ィがベルシに交渉はしねえぞ?俺が欲しがってるみてえに見えるじゃねえか」

マリアン「ちっ」

ウート「ありがとな。助かったよ」

マリアン「どーいたしまして。つーかさー」

ウート「んだよ」

マリアン「なんでオティヌスにあんな態度とったわけ?あんなの死んでも文句言えないよ」

ウート「…ちょっと、期待しただけだよ」

マリアン「私達が前みたいな関係に戻る事を?」

ウート「まあ…そんなトコ、かな」



マリアン「…もう、無理だよ」

ウート「別にいいだろ。やってから諦めるくらいは」


サローニャ「え?上条ちゃんがちっちゃくなった?」

姫神「そう。私の術式が変に失敗しちゃって」

サローニャ「え?幻想殺しちゃんは…?まあいいや上条ちゃんに会わせてよ」


ショタ条「……」ちょこん


サローニャ「キャアアアアアア!!!可愛イイイイィィィ!!/////」

ショタ条「?!」ビクッ

サローニャ「うわー!うわー!上条ちゃんがちっちゃーい!」ダッコ

ショタ条「や、やーめーろーよー!」ジタバタ

姫神「ずるい。私も!私にも抱かせて。」

サローニャ「えー」プクー

姫神「私のおかげであることも。忘れてはいけない。」

サローニャ「へーへー」ヒョイ

ショタ条「やーめろーよー!」ジタバタ

姫神「可愛い…!」ギュッ…

ショタ条「んー!」ジタバタジタバタ

        :
        :
        :

ショタ条「おまえら、ねつぼうちょーって知ってるか?」

サローニャ「うーん知らないなー?サローニャちゃん達に教えて?」

ショタ条「あのなー?うんとなー?」

ショタ条「てっぽーをなー?あついコーヒーにつけるとなー?たまがうてなくなるんだよー!」

姫「…それ。たぶん。熱膨張じゃないよ?」

ショタ条「ちがうもん!ねつぼうちょうだもん!てっぽーがうてなくなるんだもんんん!」

サローニャ「はうう!可愛いよぉお!私ショタちゃんに目覚めそうだよぉ!」ハァハァ!///

姫神「わかる。私も。こんなショタくんならprprしたい。」

ヒュン


結標青髪「「ようこそ、"新世界"へ」」



オマケ終わり。そういえば10月31日でこのスレ書き出してから一年がたった。

時がたつの早くて恐い。では。



〓〓上条家実家〓〓


刀夜「…君と結婚してから随分たったな」

詩菜「なんですか急に」

刀夜「いやほら。今日はいい夫婦の日だろう?」

詩菜「なるほど」

刀夜「普段中々言えないからこの機に言うよ言うよ」


刀夜「いつもありがとう。」

詩菜「…私も、ありがとう。」


刀夜「君と結婚できた私は世界一幸せだと思うよ」

詩菜「もう刀夜さんたらいやですわ…私照れちゃいます」




刀夜「…愛してるよ」

詩菜「私もですよ」


旅掛『悪いな、いつも電話で』

美鈴「うん?何が?」

旅掛『中々家に帰れなくてさ』

美鈴「いいのよ。そういうお仕事だもんね」

美鈴「でもどうしたの?急にかけてきて」

旅掛『いや…なんか急に君の声が聞きたくなった』

美鈴「へー?」クスクス

旅掛『あとで美琴にも連絡するつもりだ』

美鈴「うんうん、してあげてよ。あの子も結構寂しがってんじゃないかなー」

旅掛『今度家族で旅行に行こう。美琴も誘ってさ』

美鈴「んーどうかな。美琴ちゃんは中々学園都市から出してもらえないからなー」

旅掛『何?アレイスターの野郎にウチの家族団欒を邪魔する権利があると?』

美鈴「さあね。旅掛くんそういう交渉してくれる?」

旅掛『任せとけ』

美鈴「たっのもしぃ~」

旅掛『あと、それとは別にだな、』

美鈴「うん?」

旅掛『今度の休みに二人でドライブでも行かないか?』

旅掛『それから食事しながら…君と話したい』

美鈴「うんいいよ。楽しみにしてる」


旅掛『…じゃあな、愛してる』

美鈴「うん、私も」




ピッ。




そういえば上条夫妻と御坂夫妻のSSはあんまり見かけないなぁということで。

夫婦円満のコツはボディタッチ、好意と感謝を伝える事だそうです。

喧嘩する時は自分から折れてあげる事が一番いいのだとか。


このスレだけ文が中々頭の奥から引っこ抜けない。

地味には進んでるけども。

まさかこの>>1が更新以外で保守をするとは…屈辱…ッ!

同じネタを2回やるのもどうかなぁと思ったけどお茶濁しという事で。

短い上条×姫神。



〓〓12月24日:上条宅〓〓


トール「じんごーべー♪じんごーべー♪」シャンシャン♪

インデックス「すっずっがーなるー♪」シャンシャン♪

トール「きょっおっはー♪たのっしっいー♪」シャンシャン♪

インデックス「ク・リ・ス・マ・スぅー♪」


インデックストール「「ヘーイッ♪」」


上条「英語の方じゃないのか…ほれ、クリスマスケーキですよーっと」

トール「手作りか!?」

上条「いや既製品」

トール「ちえー」ぶすー

インデックス「チキンー♪チキンー♪」ワクワク

スフィンクス「なー」

トール「いやー、やっぱクリスマスは誰かと過ごしたいもんだな!」

上条「ん?トールは一人だったのか?」

トール「まーなー」

上条「そっか」

トール「ところでよー、上条ちゃんはガールフレンドとクリスマス過ごさねーの?」

上条「あいにく心当たりがな、ねーんだよ」

トール「サローニャとか姫神ちゃんとか吹寄ちゃんとかいるじゃねーか?」

上条「いやいや。そーいう間柄じゃないんだよ」

トール「ほーん。」モッサモッサ


トール「誘ってみればいいじゃねーか」

上条「いやもう遅いし…なんか予定組んでるだろ」

トール「まーそうかも知らねーけど」モッサモッサ

上条「…あ、いっけね。俺ちょっとお餅と醤油買い忘れたから買ってくるわ」

トール「おー」

上条「なんかいるか?」

トール「特にー」

インデックス「私も特にないんだよ」

上条「あいよ」



上条「ふー」ガチャ

上条「さっむー…」プルプル

上条「…ん?」

姫神「……あ。」

上条「姫神?どうしたんだ?こんなとこで」

姫神「…ちょっと。散歩。」

上条「? そっか」

姫神「……嘘。本当は上条くんに会いに来た」

上条「え?」

姫神「…会いたく。なったから。」

上条「……」

上条「そんなに頭に雪が積もるくらい外にいたのになんでインターホン鳴らさなかったんだよ」

姫神「来たはいいけど。クリスマスだからやっぱり上条くん予定あるよねって」

姫神「そう思ったら。どうしようもなくなっちゃって。」

上条「そっか」

姫神「……」

上条「…」

姫神「上条くんは。今からどこに行くの?」

上条「コンビニだよ、コンビニ。餅と醤油買いに」

姫神「そうなんだ。」

上条「あー姫神もさ、一緒に行くか?コンビニだけど」

姫神「!」

姫神「…うん。行く。」ニコッ


         :
         :
         :


ティロリロ♪

上条「さって…どうすっかなー」テクテク

姫神「上条くん。」クイクイ

上条「ん?」

姫神「肉まん。食べたくない?」

上条「え?いや別に…」

姫神「公園で。食べない?」

上条「お金がだな、」

姫神「なら。おごったげるから。」ズイ

上条「うぇ?!いやいいよ!そんなん悪いし!」

姫神「違う。私が上条くんと食べたいから。」

上条「えっと…」

姫神「お願いっ。」






姫神「はむはむ…。」

上条「結局流されちまった…」

姫神「ふふ。クリスマスに公園で肉まん。」

上条「中々にトリッキーなクリスマスの過ごし方だよな」

姫神「うん。」クスクス

上条「肉まんうめー」モグモグ


チラチラ…チラチラチラチラチラチラ…


上条「……雪、やまねーなー」

姫神「ホワイトクリスマスを喜ぶべきじゃない?」

上条「いやいや。俺はよく滑って転ぶし…雪はあんまり」

姫神「排雪機構に優れた学園都市で転ぶあたり。さすが上条くん。」

上条「それにさ、色々と移動しづらくなるだろ?」

姫神「それは。同意する。」


上条「……」

姫神「……」

上条(こうやって、一緒に静かに過ごしてくれる人っていうのは中々に希少なんじゃないかな)

上条(上条さんの回りとかを考えたら特にさ)

上条「…」

姫神「…」

姫神「…そろそろ。行こうか。風邪を引いちゃう。」

上条「だな」ヨイショ

         :
         :
         :



上条「…」テクテク

姫神「…」テクテク


姫神「…」ソッ

上条「…姫神?」


姫神「腕。組むのは迷惑だった?」

上条「いやそんな事はないけど…どうしたのかなって」

姫神「えっと…寒いから。」

上条「カイロ貸そうか?」

姫神「いい。」

上条「…」テクテク

姫神「…」テクテク

姫神「…本当は。」

上条「うん」

姫神「上条くんと腕組んでクリスマスの街を歩いてみたかったから。」

上条「…」

姫神「私。今年はもうサンタクロースもチキンもケーキもツリーも要らない。」

姫神「上条くんと。こうして一緒に歩けるだけで。私は―――」

上条「姫が、」

姫神「秋沙でいいよ。」

上条「秋沙、あのさ」

姫神「何?」

上条「俺、前から言おうかなって思ってた事があって」

姫神「うん。」



上条「――――――」

姫神「…えっ――?」



         :
         :
         :

トゥルルル、トゥルルル

トール「…あん?」

トゥルルル

トール「はいはーい?どしたー上条ちゃん?」ピッ

トール「……うん、うん」

トール「ほー。そりゃおめでとー、だな」

トール「んで?どうすんの?今日は帰らねーって?」

トール「はいはい。彼女んちにお泊まりね。了解了解」

トール「はー…」ピッ

インデックス「とうまは?」

トール「朝帰りだとよ」

インデックス「」


トール(しゃーね。インデックスへのクリプレは俺が夜に置くか)




「秋沙、メリークリスマス。…生憎プレゼントはないけど」

「ううん。私。もう。もらったから」

私。本当はサンタクロースもチキンもケーキもツリーも要らなかった。

でも。当麻くんから予期せぬプレゼントをもらった。

物ではなかったし。気のきいた言葉でもなかったけど。

今までかけられた言葉の中で一番嬉しかった。

その年のクリスマスは。私の人生で最高のクリスマスになった。

「秋沙、メリークリスマス」

…私も伝えようと思う。

私の部屋で。私の隣に座る彼に。

プレゼントをくれた彼への感謝と。彼への愛を込めて。




姫神「Merry Christmas。」ニコッ



終わり。いつか姫神さんメインで…

はよ本編かかねば。

目立っている姫神さんはもはや姫神さんではなく別の誰かだと思ってしまうのは俺だけですか?


ウート「あけおめー!昨年度はお世話になりましたー今年もよろしく!」

1スレ目から読み始めて、ようやく追いつきました

続き待ってます


>>710それは自分もちょっと思っていた

>>712ウート「おっ、マジで?ありがとー!よかったら最後まで付き合いよろ!!」

短いけど本編更新。



〓〓イギリス:街中〓〓


<カランコローン♪

ウート「さってと。んじゃ手筈どーりに」

アウレオルス「待て」グイ

ウート「あん?」

ヴァルキリー「うむ。いるとの事」

ウート「ん?…あー。なる確かに、な」


騎士(スーツ)「……」キョロキョロ


ウート「もう追って来たのか…仕事が早えなー」ケラケラ



ヴァルキリー「ウートの言った通りにつき…でもホントにこの作戦でイケるとの事?」ヒソヒソ

アウレオルス「隠然、何も心配は要らんよ。いざとなれば大抵の事は何とかしよう」

ウート「おっマジで?アルくんたっのもしーい」ヘラヘラ

アウレオルス「では」コホン



アウレオルス「ーーー『変化せよ』」




騎士「…」キョロキョロ

騎士(複数からなるサーチ術式の結果からしてこの付近に潜伏しているのはわかってるんだが)

騎士「む?」


金髪の女「こーいうのは初めて着たなー」テクテク

銀髪の男「うむうむ。皆似合ってるにつき!」スタスタ

緑髪の少年「昂然、努力したからなパパ」テクテク



騎士「…」

騎士(妙な親子だな)

騎士(捜索対象は金髪にチャラ男(最優先)、)

騎士(許可書類に記載してあった銀髪のビキニ鎧の女、と緑髪の白スーツの男)

<キャッキャッ!

騎士(彼等は…違うか)

スタスタ…

金髪の女「…」ニヤニヤ


ウー子「おーっし!上手く行ったな!」

ヴァル男「うむうむ!にしても私がイカツいゴリマ ッチョメンになるとは」ムキムキ

あうれおるす「漠然、それが私にとっての君のイメージだ」

ヴァル男「なるほど。力強くて頼りになるというイメージの事!」フンス!

あうれおるす(否。脳味噌筋肉、だ)
ウー子(いやたぶん脳味噌筋肉かな)

ウー子「だね!キュリアちゃんめっちゃ頼りになるしー?」

ヴァル男「ふっふーん!」ドヤ



ちょっとトラブル。切る。



〓〓オサレな安アパート(潜伏場所)〓〓




ウー子「つーか男女入れ替えってアレだよな、創作物の定番お約束、王道テンプレっつーか」

あうれおるす「ああ、ロリ化やショタ化もな」

ヴァル男「私基本的には読み物とかは読まぬからわからんにつき」ムキムキ

ウー子「あーキュリアちゃんはそれっぽいよねー」ヘラヘラ

あうれおるす「しかし…」ジロジロ

ウー子「?」

あうれおるす「君は女子になっても違和感があまりないな」

ウー子「へー?そう?綺麗?」

あうれおるす「ああ。それとなくビッt」

ウー子「クルァ!」ペチ

ヴァル男「このあとはどうするの事?」

ウー子「ここで2日潜伏。ただちょいと特殊な過ごし方をする事になる」

ヴァル男「うーん?」







ウー子「? なんか引っかかる?」

ヴァル男「潜伏って…逃げ回らなくて大丈夫につき?見つかったらソッコーあうとで逮捕では?」

ヴァル男「特にあの男。ウートはあのナイトリーダーとやりあったと聞いたが」

ヴァル男「少なくとも聖人上位の神裂火織より弱い私では、アレに勝ったナイトリーダーが出てきたらほぼ絶対負けるの事」

ウー子「かもね。まあでもそれは考えなくていいよ?」

ヴァル男「何故につき?」

ウー子「俺が今伝えようとしてる作戦が上手く行けば例え奴さんが出てきても大丈夫だからさ」

ウー子「話戻すと…騎士がかなり早く速攻してきたし、俺がいる範囲はもうバレてる」

ウー子「具体的な方法はわかんねえけど、たぶんローラー作戦みてえなのをやられんじゃね?と思う」

ヴァル男「なるほど(棒)」コクン←わかってない

ウー子「んで、捜査網に発見されねえってのもまあたぶん無理」





ウー子「つーか必要がないしな。もし戦う必要が出来たらアルくんの黄金錬成を使う」

ウー子「あっ…と、聞いて無かったけどアルくん残存魔翌力であとどんくらい使えるか教えてくんね?」

あうれおるす「うむ?そうだな…私の魔翌力総量からして大規模改変ならば13回、小規模改変ならば36回程だ」

ウー子「あんがと。あてにしてっから頼むな?」

ウー子「ロンドンからは出ないつもりだからその予定で力を使ってくれ」

あうれおるす「ああ、心得た」

ヴァル男「んー…?戦う可能性があるならやっぱり潜伏するより遠くへ逃げた方がいいのでは?」

ヴァル男「ロンドンから出たら逃げられる範囲も広いにつき」

ウー子「んあ?えーっとね、」





ウー子「つーか必要がないしな。もし戦う必要が出来たらアルくんの黄金錬成を使う」

ウー子「あっ…と、聞いて無かったけどアルくん残存魔翌力であとどんくらい使えるか教えてくんね?」

あうれおるす「うむ?そうだな…私の魔翌力総量からして大規模改変ならば13回、小規模改変ならば36回程だ」

ウー子「あんがと。あてにしてっから頼むな?」

ウー子「ロンドンからは出ないつもりだからその予定で力を使ってくれ」

あうれおるす「ああ、心得た」

ヴァル男「んー…?戦う可能性があるならやっぱり潜伏するより遠くへ逃げた方がいいのでは?」

ヴァル男「ロンドンから出たら逃げられる範囲も広いにつき」

ウー子「んあ?えーっとね、」



ウー子「最終的に潜入する場所(清教内部)がバレてるからさ、2日後に入る時に狙われるかも知れないだろ?」

ウー子「だからそこの入口に辿り着くまでの距離は出来るだけ短縮しておきたいワケ」

ウー子「ロンドン郊外とかまで行っちゃったら戻ってくんの絶対大変じゃん」

ウー子「アイツらの索敵範囲(街中)から出たら街の外にほぼ100%検問敷かれるし」

ヴァル男「……」

ヴァル男「なるほど?」

ウー子「キュリアちゃん?わかんなかったらわかんないって言ってくれていいよ?」







>>724

×魔翌力
◯魔力


ヴァル男「あ、じゃーハイ」ノ

ウー子「ん」

ヴァル男「何故敵側の索敵範囲が街だけとわかるにつき?」

ウー子「それ?さっきの騎士があんなに俺に近づいてたのに俺を特定できなかったからだね」

ヴァル男「?」

ウー子「つまりさ、あいつらのサーチ術式の精度は個人特定出来ねえようなかなりアバウトな範囲式っつーことなワケだろ?」

ヴァル男「ふむふむ」

ウー子「でもそれフツーありえなくね?」

ウー子「いくら俺らがサーチ避け使ってるって言っても一流の人員と技術、武器や数を持ってる騎士派の連中がだぜ?」

ウー子「市内に潜伏してる人一人見つけられねえほど無能じゃねえっしょ。って事はー、」

ウー子「そんだけ雑になるくらい人員がいないって事で。(俺が潰したのもあるけど)」

ウー子「で、その範囲を捜索に必要な最低限での展開を考えて術式適用範囲を逆算するとこの街が範囲ってわかるんだよ」

ヴァル男「…」

ヴァル男「うん!」

ウー子「ゴメンね!俺説明下手で!」

あうれおるす(まあこの手の術式は北欧神話に一極化してる彼女ではわからんか)






ウー子「んじゃ話戻すぞ?そんなワケでそのあいつらの特定出来ねえのを利用する」

ウー子「俺らが自ら暴露でもしない限りは基本的にはバレねえ」

ウー子「だからーーー」


ウー子「これから2日間。俺たちはこの姿で家族ごっこしてあいつらを欺く」

あうれおるす「…」

ヴァル男「…」



ヴァル男「もう今から即全員ブッ倒すのはダメの事?」

ウー子「俺らは元よりお尋ね者だし戦い続けるのも限界があるし後で『騎士をいきなり襲った危ないやつらだやっちまえ』とかやられたり、何より戦うのめんどいんだよ」




〓〓学園都市:路地裏〓〓



アウレオルス「……」

上条「ひ……が……あ…はっ…!」

アウレオルス「さて。幾分か気が晴れたな」

上条(く…そ、痛い…本当ならもうとっくの昔に痛みで意識が飛んでるのに…)

上条(気絶させて貰えない…!)

上条(立てない!)

上条「う…あ……」

上条(ちくしょう、口すらもあまり動かなくーーーー)

アウレオルス「ーーー『死



上条(あ、もうダメだコレ)







「ーーーねよ、“錬金術師”」





アウレオルス「な?! 誰dーーー クルッ

トール「はいドーン!!!」ズコォムッ!!

アウレオルス(腹パンーーー?!)

アウレオルス「ごっ、があああああ!!!」ズシャアアアア!!!!

アウレオルス「が、あ…あっーーー?」ドサ

アウレオルス「あ…が、」

アウレオルス「おぶぉ…ろろろろろろろ…!!」トシャトシャトシャトシャトシャトシャ

トール「おー、おー。よーけ吐いてなさるわ」

アウレオルス「おの、れ」

トール「まあ何の防護策も展開してない時に奇襲されちゃあな?」

上条「と……る?」

トール「おーともよ!悪いな上条ちゃん。いいタイミングで参戦しようと思ってたら遅くなっちまった」





トール「助けに来たぜ。感動したか?」ニヤッ

上条(ああ、そうだな。タイミングはかってたあたりとかに感動したよ)



しばし切る。最近クソ忙しくて中々書けぬ。

もうちょい書き溜めあるけどたぶん投下は6日。では


トール「あ、今のは挨拶代わりだ。落ち着くまで追撃もしねぇし
トドメも刺さないでやるよ」

アウレオルス「ご…あ…っ」

トール「〜♪」

上条「? な……ぜ?」

トール「ん?ああ、『何で倒せる絶好のチャンスを逃すのか?』って?」

上条「…」コクン

トール「別に紳士ぶってるとか余裕だからってワケじゃねーよ?」



トール「たださ、今倒しちまったらツマンネーだろ」


上条「……え?」



アウレオルス「ぐぉ…の、」ゼェゼエ

アウレオルス「ーーー『死」

トール「あ、それはダメな?」バキャ!

アウレオルス「ぐぁっ?!」


トール「あっれー?わっかんねーかなぁ?上条ちゃん」

トール「上条ちゃんなら絶対俺の気持ちわかってくれるって思ってたんだけどよ」

上条「は…?」

トール「ほらほら、上条ちゃんだってさぁ、今までずっと絶対勝ち目のないような戦いに身を投じてきただろ?」

トール「いやー、普通出来ねぇって。特に平和ボケしまくってる日本人、それも何の訓練も受けてないハイスクールボーイじゃあよ」

トール「なのに、だ。 ああ、幻想殺し《チカラ》の有無は関係ねぇよ上条ちゃんならチカラなくてもヤるだろうし」

トール「…上条ちゃんは、きっと少なからずどっかしらイカレてる」

上条「…」

トール「俺と同じタイプのな」


トール「上条ちゃんと俺はさ、根底は同じなんじゃねぇかと思うんだよ」

トール「確かに利己的な俺とは違って『誰かのために』って利他的な理由はある」

トール「でもその手段は基本的には殴り合いだだろ。俺はそーいうのは好きだが、先進国の人間とはとても思えない解決手段だ」

トール「…上条ちゃんはさ、本当は誰かを救いたいって気持ちを利用してムカつく奴を殴りつけたいだけなんじゃねーの?」

トール「俺と同じ、一種の戦闘狂なんじゃねぇの?」

トール「って、まぁ俺は思ってんだけどさ」

上条(…そんな事は)

トール「な?言われてみたらわかってくるだろ?俺の気持ち」

上条(…まるっきりわからないってワケではない気はする)


>>736訂正

トール「な?言われてみたらわかってくるだろ?俺の気持ち」

上条(…まるっきりわからないってワケではない気はする)

の二文は無し



トール「上条ちゃんだってよ、本当に敵を止めるなり鎮圧したいなら銃でも何でももっと効率のいいもん使えばいいじゃねーか」

トール「…それをしないってのはよ、もうそれムカつく奴をただただブン殴りたいんだろ?」

トール「俺と同じ、『ちゃんと自分がやっつけて倒した』って実感が欲しいんだ」

上条「…」

トール「な?言われてみたらわかってくるだろ?俺の気持ち」

上条(…まるっきりわからないってワケではない気がする)

トール「ちなみによ、俺が戦う理由…上条ちゃんで言う『誰かのために』ってのはさ」

トール「『手を伸ばし続けたい』なんだ」

トール「 俺は別に”魔神“だとか”聖人“だとか、ましてや”世界を救うチカラ“だのアホみたいなチカラ抱えた人間じゃない」

トール「ただの魔術師だ」

トール「でもよ」

トール「無理でもなんでも。『手を伸ばせばその世界に手が届く』なのだとしたら?」

上条「…」

トール「なあ、幼い頃に月や星に手を伸ばした事はないか?普通はどうやったって無理だ」

トール「絶対無理なら諦められた。でもそれがもし“本当に届いてしまう”なら?!」

トール「誰かを踏み台に、多少無理をすれば届くなら!!」

トール「しかも届いたらそこがゴールじゃない!ゴールの先が見えてきやがるときた!」

トール「伸ばさねぇ手はないだろ!!!」

トール「んで今回はあいつってワケだよ!!」

トール「ハハッ!しかも相手はかの“黄金錬成”!相手にとって不足はねぇ!」

トール「そりゃ万全の状態からブッ倒したいに決まってんだろ!!!」


ちくせう時間切れ。切る


アウレオルス「おのれ…!」ムクッ

トール「なぁ錬金術師」

アウレオルス「…何だ」

トール「早く全快しろよ。万全の状態にな?こっちは待っててやってるんだからよ」

アウレオルス「…憤然、楽には殺さん!」

アウレオルス「ーーー『治れ』」

アウレオルス「…」ズタボロ

アウレオルス「!」シャキ-ン!

アウレオルス「ーーー『魔弾と刀身を撃つ銃剣を宙に顕現!数は300、人では躱せぬ速度で攻撃せよ!』」

銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣銃剣

アウレオルス「嬲れ!!!」

トール「ヒュー! そーこなくっちゃな!」



上条(イカレてやがる)

上条(でも)


上条(…俺自身も他人から見たらあんな感じで見えてるのか?)




トール「アークブレェードッッッ!!!」

上条(トールの指先から噴射するブレードが交差して網状に、)


ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキン!ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキン!!!

上条(発射された魔弾と刀剣を全部弾き返した)

トール「まぁ避けられないなら盾作っとけばいいよな?」

アウレオルス「ち、ーーー『金髪の少年の手足よ、折れろ!』

バキボキバギバキボキバギッッ!!!!

トール「がっ!アアァァァああああ!!!!」

アウレオルス「ーーー『少年の」

トール「っらぁぁぁあああっっ!!!」

アウレオルス「な?!折れた手足で走っ」

トール「どぅおおおおりゃぁぁあああ!!!!」

アウレオルス「蹴っ、?!ごっ?!がぁぁぁあああ!!!」

ズザザザザザザザザザザ!!!!


トール「いちち…ボッキボキに折れた状態で飛び膝蹴りって中々痛てーな」

上条「…」

トール「あーでもやっぱいいよなーこの感覚!」

トール「唸る拳圧!肉や骨を砕き折る快感!!」クヒッ

上条「…」



トール「飛び交う銃弾!斬撃!!当たれば必殺の凶弾の嵐に身を晒す時のスリル!!!」キヒッ

トール「痛みによる『ああ、俺って生きてたんだな』という実感!!」

トール「誰も敵わないような強大な敵をブチ殺した時の全能感!!」

トール「ビババトル!!喧嘩ハラショー!!!殴り合い最高!!!!」

トール「剣戟!死合い!エクセレント!」

トール「遠距離中距離近距離!!」

トール「中でも特に近接肉弾戦が最高だ!」

トール「だが嘆かわしい事に最近の殺り合う敵は遠距離からの攻撃手段がメインの奴ばっかになってきてやがるし…」

トール「“雷神トール”を知ってるヤツは例え自分が近接戦得意でも近接戦闘をしたがらねぇ」

トール「別にいいんだけどよぉ、やっぱちょい寂しいよな」

トール「だから、まあ。逃げるヤツを地獄の底まで追いかけてこっちからガンガン攻めて近寄ってブッ殺しに行くしかないだろ?」

アウレオルス「こ…の、」ググッ

アウレオルス「貴様など我が”黄金錬成“で、」

トール「おう。早く唱えろよー」

トール「でも一応言っておいてやるけどさ」

トール「お前ホントなら口に出さなくてもチカラは使えるんだろ?」

アウレオルス「…」

書き溜めはあるけど投下出来ぬ。切る。


トール「わざわざ口に出してんのは大方イメージを固めるためだろ?余計なイメージは不味いしな」

アウレオルス「……」

トール「せっかく想像→現実化っつー魔術的物理的プロセスをガン無視できるってのに随分な回り道だ」

アウレオルス「…」

トール「宝の持ち腐れだな。多少のリスクくらい無視しちまえよ」

トール「その臆病さで俺に一体何発殴られたってんだ?」

アウレオルス「ーーー『少年」

トール「だぁから。」バキャッ

アウレオルス「がっ?!」

トール「あーほら、”身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”って知らねぇ?日本のことわざなんだけど」

アウレオルス「あ…が…」

トール「勝ちてぇなら。ズタボロになってでも獲りにこいよ」ゴシャ!

トール「安全圏からの勝利なんてこすい真似すんなよ」バキッ

トール「リスクのねぇ戦闘なんて無いに等しいんだからよぉ!」ガスッ

アウレオルス「がっ、あごっ、」


上条(…知らなかった。トールってああいうタイプの奴だったのか)

上条(手足の骨バッキボキに折れてんだよな?つーか痛みもそうだけど物理的にどうやって立っているっていうんだ)

トール「おら、早く戦えよ!あんまり待たすと俺もイライラしてくんだっての」ゲシッ

上条(”戦闘狂”。…まるで…麻薬患者か何かみたいな、)



トール「ほらほらどーした!?ハリィハリィ!このままやられ続けて死ぬつもりかよ?!」ゲシゲシ

トール「はーやーくー?!ほら!立ち上がれって!わざわざ蹴りすら顔面にブチこまずに待っててやってんだぜ?!」ゲシッ

トール「おまけに治癒術式も使ってねぇんだ!手足折れたまんまだぜ?!」

トール「こんだけハンデもくれてやってんだろぉがッ!」



トール「 た た か え よ 」

アウレオルス「く…」




上条(魔術師って連中はなんでこうも一癖あるやつらばっかなんだ?)

上条(ああ…そうだ、アウレオルスはトールに任せよう。とにかく俺は皆を助けに行かないと…)ズ、ズズ

上条(まだ間に合うかはわかんねぇけど、…)ズリズリ

上条(俺にしか助けられない!)


アウレオルス「! 貴様には何もさせん!」

トール「ああ?テメェ何俺を無視して上条ちゃんにーーー」

アウレオルス「ッ」バッ

アウレオルス「”瞬間錬金”《リメン・マグナ》!!」

トール「ッ!(狙いは俺か!!)」バッ

スカッ!

トール「はっ、ンなもん当たらなーー」

アウレオルス「ーーー『金髪の少年の手足を鎖にて捕縛』!!!」

ジャララララララ!!!!

トール(やっべ!!!)

アウレオルス「ーー『私の周囲360°に決して破れぬ防壁を』!!」

ヴゥン!!!

アウレオルス「ーー『無数のガトリング機関銃を宙に顕現』!!」


ジャコン!!ジャコンジャコンジャコン!!



アウレオルス「ーー『全てのガトリング機関銃に”必中”、及び”絶対破壊”の効果を付与した魔弾を装填』!!」

トール「 」

アウレオルス「…ーーー『撃て』。」


バラタタタタタタタタタタタタタタタタダダダダダダダダダダダダダダダダダダズ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!!!!!!


ズガガガガガガガガガガバババババババババババババババダダダダダダ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ダラタタタタタタタタタダダダダダダタタタタタタタタ!!!!!!



アウレオルス「ーーーー『撃方、停止』」

シュウウウ……


アウレオルス「断々然、終わりだ。 油断した貴様の負けだよ、金髪の少年」

アウレオルス「…さて、これで頼みの綱もなくなったわけだが…」チラ

アウレオルス「まだ『仲間を助けられる』と思っているのか?ウニ頭の少年」

上条「…」

アウレオルス「そろそろ死ぬといい。」



「テメェがな」



アウレオルス「?!」バッ!

トール「はいドーン!!!」

アウレオルス「バカな?!何故ごっはぁぁぁああああ?!」

ズザザザザザザッ!

アウレオルス「 」ドサ

トール「ガクシューしねぇヤツ。戦闘中に背後の注意怠るとかシロートかよ」

トール「あーでもあっぶねーあぶねー。”全能神”にならなかったらやられてたな」

トール「雷神でギリイケるかってのは甘い見通しだったかね」

上条「ぐ、…う、」

トール「っと。わりーわりー上条ちゃん。手伝うか?手ェ貸すぜ」つ

上条「…」フイ

トール「…あん?」

上条「…」


上条「…」

トール「…ああ、俺のことが怖くなっちまったか?」

トール「まぁ、なんだ、その。そんなに気にするようなことでもないと思うが」

トール「…やっぱダメか?戦闘狂とは仲良くできねぇか?」

上条「ち…が…」

トール「俺は上条ちゃんとはまだ友達でいてぇんだけど」

上条「…」

トール「俺、『強くなりたい』とか『手「伸ばし続けたい』とかさ、」

トール「自分の事ばっかで。大事な人間とか今まで居なくてさ」

トール「上条ちゃんに離れられんのはちとサビシーんだが」

上条(違う。俺はただ、トールが心配になったってだけで…っと、)グラッ

トール「いっツッ!!?」

ドテーン!!

トール「ってー…悪い、やっぱ折れた手足を先に何とかするわ」

トール「ちょっと這っていってくれ。皆を頼むわ」

上条「 ちょっ」





\パキョ-ン!パキョ-ン!パキョ-ン!パキョ-ン!/

姫神「う…ん…?」

垣根「…あ?」

サローニャ「にゃ?」

上条「やっ…た!良かった…」

トール「お疲れ上条ちゃん」

上条「う…」クラ

トール「…あーほら、肩貸してやるから」


トール「っしょっと。立てるか?」

上条「ああ…わりい」

トール「随分こっ酷くやられっちまったな。まぁそんな時もあるって」

上条「…」

上条「!」

トール「あん?どーした?」

上条「インデックス…インデックスは?!」

トール「そう慌てなさんな。ん。」チョイチョイ


インデックス「zzz」


上条「よかった…!」ホッ

トール「あーでもアレだよな、あの兄ちゃんどうすっかね」


アウレオルス「 」

乙ー
楽しみに待ってまする

だが一つだけ言いたい
「ゴミだしじゃんけん」の歌詞がちょっと違うと思います!

>>754記憶を頼りに書いたのがいけなかっ




〓〓学園都市:常盤台中学校舎裏〓〓



海原「くっ、ハァハァ…!」

「…やりますね」

「とっさに私へ光線を放ち、”翼”を防御と回避に方向転換させるとは」

海原「全く…一体”ソレ”はなんなんです?」

「おや、わかりませんか?能力:”一方通行”ですが」

海原「『何故貴女がその能力を使えるのか?』と聞いているのですが」

「『そう造られたから』ですね。尚、扱えるのは”一方通行”だけではありません」

海原「…」

「私の名は『恋査』。」


恋査「『学園都市に七人存在する超能力者が全員同時に統括理事会に対し敵対行動を取った場合の対応策』として製作された」

恋査「身体の99%が機械で出来たサイボーグです」

海原(99%が機械?)

恋査「”編棒”を使い、原理不明の第七位以外の第一位から第六位のまでの超能力者の能力」

恋査「及び、半径200m以内にいる任意の能力者の能力を引き出す事が可能」

恋査「尚、現状解析不可能な第七位の能力は出力こそできないものの、他の六人分能力でゴリ押しすれば撃破できます」

海原「超能力を、引き出す…」

恋査「正確には『能力の噴射点』作るのですがね」

恋査「このように」ガシャコン!

海原「?!」

ポウ、ポ・ポポ…

海原(彼女の周囲に光球が?)

恋査「発砲」

◯〓〓>◯〓〓〓〓〓〓〓〓>

◯〓〓〓〓〓〓〓>◯〓〓〓> 海原
◯〓〓〓◯〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓>

海原(これは第四位の!)

海原「くっ!」バッ



ズドォン!ズドン!!ズドンズドン!!ズドオォオン!!

海原(間一髪!)

恋査「愚かですね。貴方の性能では空中で避けられないでしょうに」

ポ、ポウ。ポポポポポポ…!

海原「ぐっ?!」

ズドオォオン!ズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドンズドン!!!!!

シュウゥウウ…

恋査「……」

恋査「…」キョロキョロ

恋査「消し飛びました、か」

恋査「…」

恋査(先生の計画の糧になるかとも思いましたが力不足だったようですね)

恋査「まぁいいでしょう。では任務の続きを」

カッ!!!

恋査「?!」バッ

海原「おっと、外しましたか」

海原「残念ながらまだ終わっていませんよ。鉄クズになってから帰宅していただけませんか?」

恋査「何故宙に浮いて…ああ、」

「…」バサッバサッ

恋査「…何故、あなたが」


「ハァ?なァに愉快な勘違いしてやがンだオマエは」


一方「俺は別にオマエにもコイツにも興味は微塵もねェが」

一方「アロハグラサンが力を貸せと言ってきやがったからなァ」

一方「あいつが俺に頼みをするって事は相当切羽詰まってやがるって事だ」

一方「事実、あれからちょっとばかし独自に調べてみたが俺が守ってるもンにも危害が及ぶかも知れねェときた」

一方「なァ、」

一方「死にてェならそォ言えよ」

恋査「第一位…!」

恋査「…いえ、問題はありません。私のコンセプトは第一位だけでなく7人の超能力者達が結託した謀反への対応」

恋査「第一位一人にーーー」

一方「ペラペラ、ペラペラ…御託がなげェよ」


一方「俺もォ今めちゃくちゃイライラしてンだよ」

一方「バイト先が今書き入れ時だってェのに何要らねェ仕事増やしてくれてンだ」

恋査「…能力、未元物質」ガシャコン!

一方「ウザってェ…」

一方「グチャグチャにしてトール、ストロベリークリームフラペチーノにしてやる」

海原「…」





海原「…ひょっとして、バイト先ってスタバだったりします?」

一方「あァ?なンでわかった」



〓〓イギリス:安アパート〓〓


ウー子「さって。ほんじゃ早速始めよっぜー」ヘラヘラ

ヴァル男「宴を?!」ガタッ

ウー子「キュリアちゃん俺の話聞いてた?」

あうれおるす「もし追っ手が訪問してきた時、この姿で誤魔化すための設定作りか?」

ウー子「Yes。端的に言えばその通り」

ウー子「つってもワンシーン×5ってカンジ?幾つかのパターン組んでおくだけだけどね」

ウー子「動画撮って、それを流す画面を玄関と窓に設置。その画面に待機型の幻覚術式をセットしておけば追っ手が来たら対応できる」

あうれおるす(蓋然、なるほど。侵入してきたにしろ捜査されるにしろ、幻覚術式にかかれば動きも止まる)

あうれおるす(その間に対策でもなんでもできるというわけか)

あうれおるす「む?しかし幾つかの対応パターンの幻術を用意しておくという事は」

あうれおるす「相手方の予想外な言動等に対して柔軟な対応はできないのではないか?」

ウー子「かもね。まぁでもそれに関しちゃ心配は要らない」

あうれおるす「? 何故だ?」

ウー子「幻術がかかっている時間を長く設定しておくから。予想外な言動されて幻術の反応がそぐわないものでも後でアルくんの黄金錬成で修正する」

ヴァル男「…?」

ウー子「…えーっと。例えばキュリアちゃんが俺たちを捜索しに来た奴だとするだろ?」

ヴァル男「うむ」

ウー子「で、家の人に話聞いたりサーチかけたり…なんらかの捜査をするだろ?」

ヴァル男「うむ」

ウー子「ところが。実はその『捜査してる』ってのは幻覚なワケ。」

ウー子「実はドアの前に設置型幻覚術式が組まれてて、ドアの前に立った瞬間から既に幻術をかけられてるんだよ」

ヴァル男「なるほど」

ウー子「んで、そのまま『怪しい所は何も無し』って判断させて他を探させる」

ヴァル男「んー…ちなみに、もしドアの設置型幻覚術式に気付かれた場合はどうなるの事?」

ウー子「部屋に踏み込まれた瞬間に別の幻覚術式が作動、動きを止める」

ヴァル男「時間差で入られても?」

ウー子「もち。つーか、元より俺の『ウトガルザ・ロキ』の術式は待機型のが多いしね」

ウー子「北欧神話、『スノッリのエッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』でウトガルザ・ロキは雷神トールやロキとの技比べで全勝してる。」

ウー子「もちろん主神級のトールや神々を引っ掻き回すようなロキにたかが巨人の王が勝てるワケがねえ。もち幻術でイカサマしてた」

ウー子「んで。その時に用いたイカサマは待機型が多かったってわけ」

ヴァル男「あー」

ウー子「閑話休題。んで、今のは『捜査しに来た』パターンだったわけだけど」

ウー子「『侵入してブッコロ』パターン、『全く関係無い一般人だけど用があって来た』パターン等以外の目的パターンだった場合はどーすんのってアルくんは言ってたんだよ」

ヴァル男「ふむ」

ウー子「んで、そん時はなんでもいいから長い幻術がかかるよう設定しておいて、後でアルくんの黄金錬成で処理ってこと」

ヴァル男「……」

ウー子「…キュリアちゃん?」

ヴァル「なるほど、つまりあーなってこーなってシュバババーン!という事か」ウン

ウー子「オーケーわかった、アレだよ、キュリアちゃんは別に何もしなくていいよって事だぜ!」

ヴァル男「なるほど!!そんな簡単な事だったの事!」




今回はここまで。わかってはいたけども疲れてる時にSSって書くものじゃないわ。更新短いし書き溜め消えたしチクショー

SSって言いたい事がありすぎてムラムラしてる時に己から滲み出るものだもの。

以下オマケのようなもの。


〜BAR〜

ウート「いやーついに禁書にも来たか、って感じじゃね?」

加納「何が?」つオレンジジュ-ス⊂

ウート「んー?」

ウート「男の娘枠。」ジ-

加納「?!」ブハッ

ウート「あわきんが喜ぶ…いやどうなんだろうな?この場合。ちーっとばかしジャンル違う気がしてくるけど」

ウート「まぁ、食われるなよ?」

加納「うう…助けてフレンダ」

ウート「あーあーフレンダちゃんね。はいはい」

ウート「初見ですぐ死ぬキャラと見抜かれないようにってコンセプトで作られるキャラってーのも珍しーよな」

ウート「いや俺はフレンダちゃんは好きだぜ?誰がなんと言おうとな?性格アレでもちょーかわいい。」

加納「だよね?!フレンダは可愛いよね!」ガタッ

ウート「ただまぁぶっちゃけ最新巻のフレンダの『え?今更?え?何このとってつけた感じ』感はハンパなかったけどな」

加納「言わないで?!」

ウート「しっかしな、今回読んでみて改めて思ったがよ、かまちーはネットのとある関連のスレだかなんだかを見てんじゃねーかなって思ったわ」

フレンダ「?」

加納「?」

ウート「いやな?なーんっか、最近のかまちーの文章の端々から」

ウート「『お前らはこういうアンチ的な意見があんのかも知らんけどさ、俺はこう思うんだよね!』」

ウート「『”人間って生き物”はな、こういう側面だってあるんだぜ!思いっきり後付けだけどな、人間ってのは悪一辺倒じゃねーんだよ!』」

ウート「『”誰か”の一面だけを見て判断すんなよ!それにな、人間ってのは成長できるんだ!』」

ウート「『誰だって間違える!悪さをする!後でおかしい考えだったなと思うような思想を持つ!』」

ウート「『だが成長する事で間違ってることをもうしないようになれる!』」

ウート「『大事な事は、罪に対して糾弾する事じゃねえ、それじゃなにも解決しないんだ。やった奴を理解し、いかにして許すことこそが大事なんだ!』」

ウート「みたいなもんが読み取れるっつーか?」

加納「えー…そうかなぁ?」

フレンダ「えー」

サンジェルマン「えー」

ステファニー「えー」

アイテム「「「「えー」」」」

ウート「いやいや!あくまで個人的な意見だぜ?」ヒラヒラ

ウート「ただ、なんとなく読者に言い訳っつーか言い返してるっていうか、理解させようとしてるっつーか?」

ウート「まぁ、こういう”誰かを許す”とかみたいな大人さってのはとあるの読者層には理解させ辛いっぽいけどさ」

ウート「ほら、とあるって勧善懲悪だろ?基本的にさ」

ウート「悪い事をした人間は必ず何らかの形で罰を受ける。パッと見で正義に見える側は絶対負けない」

ウート「どちらが正しいか、どちらか通るべき筋か、本来は受け入れた方が良かった理不尽や悲劇…」

ウート「切り口次第でどうとでも言える思想や意見、見解は基本的に消えるだろ?」

ウート「ぶっちゃけさ、俺は今まで出てきた敵の中で全部が正しいとは思わないけど気持ちや理解できない訳ではないなって言い分も結構あった」

ウート「もっとも、もしかまちーやSS作者がその意見やキャラの行動を肯定する事を書いたらきっと読書から総スカン食らうんだろーなーとは思うから言わねぇけど」



ウート「あ、話変わるけど。だいぶ落ち着いたけどとあるって作品は作風だとか、それなりに人気がある分ファンもキャラアンチもヤバイよなー禁書好きって」

ウート「だってほら、メインキャラに殆どアンチいるじゃん?」

ウート「どっかの哲学者は『この世で最も難しいのは全ての人に好かれようとする事だ』って言ってたけど」

ウート「確かに何か一つのモノが万人に好かれるってのは無いけどさ、人間誰しも好悪があるのはわかるけどさ」

ウート「『お前が嫌いなソレを他人は好きだったりするんだぜ?』って言いてえわ」

ウート「つうか。もうちょい他人の事を尊重しようぜって」

ウート「自分がそれ言ったら空気やら人間関係悪くしたり争いの火種になったりするってわかんねえのかね」

ウート「わかって言ってんだったら御高説()を垂れ流したいかなりのかまってちゃんか人の気持ちわかんねえバカのどっちかだな」

ウート「…ああ、俺もは今あえて釘を刺す意味で言ったけどさ何が言いたかったかって言うとな?」

ウート「もしそういうアンチの過激さとかがなかったらかまちーもあんな弁解っぽい文章は書かなかったんじゃねえかなって思うんだよね」

ウート「ある意味作家には好きに書かせてあげてほしいね…どうでもいい事なんだけどさ」

ウート「あーあと話変わるけどさ」

ウート「何か最近妹達とか垣根達とかサンジェルマンとかみたいな『”自分”が大量に存在、物体に依存しない意思疎通システム持ち』が多くね?」

ウート「あとそろそろいい加減に第六位出てこいってえの」

加納「ね」

『藍花悦』「ね」

横須賀「な」

ウート「巻末の誰でも『学園都市第六位:藍花悦』になれるってアレからすると」

ウート「本物の藍花くんは何らかの形で窮地にいる誰かを『己の身分』で救うための”システム”でありたいとかなのかね」

ウート「それとも」

ウート「『実験動物にされたくないから誰にも誰が藍花悦という人間かをわからなくさせるため』だったり?」

ウート「もしくは第6位なんて人間は存在せず、オッティとの逃避行の時に『携帯を見ていた第六位』は『その時に藍花悦を名乗っていた誰か』だとかな」

ウート「はは、まあ全部臆測で終わる話だけどな」

ウート「早く第6位も能力やらビジュアルやら性格やら露出してくんねーかなー」


ヨルムンガンドロキヘルイドゥンシフ「「「「「ね」」」」」

一応今回はここまで。とある一方も書けたらそのうち。では。

書き忘れ。そういやシブのWーhelpさんのサローニャ、しんさんのウートガルザロキ、虎吉さんの病理さんがなかなかに秀逸だったなって。


〓〓とある茶室〓〓


ウート「ふー…抹茶ティーうまー」

僧正「そうかね ?それはよかった」シャカシャカ

ウート「にしても…なんかな、アレだよな」

僧正「『また使い捨てかよかまちぃいいい!』」

僧正「かね?」クピ。

ウート「だね。俺は結構あんたのキャラ好きだったんだけど」ズズ-

僧正「『諸行無常』、『盛者必衰』。”魔神”の儂らとて例外ではなかった。それだけじゃよ」

ウート「やだなーそれ。俺は絶対死にたくないわ」

僧正「全てのモノに等しく”死”は訪れる。たとい、それが全知全能の神の如き力を振るう事が出来てものう」

僧正「かまちーもひょっとしたらそれを言いたかったかも知らん」

ウート「ねーよ。いつものお家芸だろ?別に嫌いじゃねーけどね。腑に落ちないだけで」

ネフテュス「まぁ私はヒロイン化でワンチャンあるかもだけどね?」

ウート「いやぶっちゃけあんたは次巻あたりで始末されそう」

ネフテュス「そんな事ないわよ!…ないわよね?」

娘々「知らね」ズズ-

ウート「…つーかアレすか?女性の魔神は皆痴女じゃないとダメなんすか」

娘々「えー?わたしは違うでしょー?ねーふてゅーすだけだってーの!」

ウート「すんまっせーん、パンツ履いてから言ってもらえませんか痴女2号さん」

娘々「いやいや!わたしはちゃんと股間隠してるし?」

ウート「つーか恥ずかしくねえの?」

娘々「履いてないから恥ずかしくないもん!」ドヤァ!

ウート「うっせーよ見てるこっちが恥ずかしいんだよ」

僧正「…ここだけの話、実は儂もノーパn」

ウート「そんな御褒美感ねえ情報は要らねえんで」



わいのわいの


上里翔流「…」

上里「にしてもさ、”魔神”ってのも大した事ないって感じたよね」


上里「いくら弱体化したとはいえ、あの様じゃあね?」

上里「結局、”魔神”もぼくの噛ませの犠牲者でしかなかったって事か」

上里「はは、ドラゴンボー○並みにインフレ凄いけど」



上里「これからどーなるんだろね?」ニヤリ


保守。

ほす。最近いそがちぃ

というか未だに読んでくれてる人いるんだらうくぁ。

ありがてぇ、ありがてぇ。

久々の本編更新でごわす。



〜土御門side〜





「日本…特に神道には『怨霊信仰』とでも呼ぶべき慣習がある」



古来、菅原道真と平将門と崇徳上皇が”三大崇り神”として祀られてきた。

菅原道真は「天満宮(天神様)」。

平将門は「御霊神社」。

崇徳上皇は「白峯神社」。

彼らは”祭神”として、永く人々の信仰を集めてきた。

しかし、彼らの起源は人々にとってプラスなモノではなかった。

一時、最高の地位に君臨した彼等は理不尽な目に遭って万斛の恨みを抱いて死ぬと強力な邪神と化して仇なした相手を滅ぼす。

それは落雷、流行り病、旱…もしくは水害といった形で現われる。(と、されている)

時の権力者たちはなんとかしてその怨霊を鎮め、自分たちや臣民たちへの崇りを免れようとして立派な神社を建てひたすら礼拝する。

一方、民草たちも考える。

『それだけ強力な霊力を持つ神ならば、手厚く祀って祈れば逆に強力に守護し援助してもくれる筈だ』

と期待する。


しかし。



福を与えるばかりが神ではない。信賞必罰ばかりが神ではない。







元来”神様”とは”災い”。


忘れるなかれ。


滅ぼされたくないならば、我々は神様に対して祈るだけでは足りないのだ。

ただひたすらに拝み、願い、拝み、媚び、懇願し、踊り、捧げ、楽しませなければならない。


そうして、初めて。

神はやっと人に微笑むのだから。


「…ならば、こうは考えられないだろうか」


オッレルスは呟く。

「『あたかも権力者の如き力を実質的に持っていた者、”貴人”が理不尽に命を奪われたとしたらー」

「かつての怨霊達のように、人工的に”災害を起こす邪神”にする事もできるのでは』と」




オッレルスは凶々しい紫色のオーラをその身に宿していく土御門をぼんやり眺めていた。

(もっとも、本来の君なら大事な妹を邪神なんかにしないだろうが)

サングラスの奥には血走った瞳。

その瞳には狂気と怒り、哀しみと殺意。コールタールの如きドス黒い憎しみ。

(完全に頭に血がのぼってるな。『怒る時こそ冷静になる』事も出来ないほどに)

(だが君はこの禁術を使わざるを得ない。何故なら君の他の術式や魔力、実力では俺にダメージを与えられず仇を取れない)

(俺や他のメンバーは特定の誰かを貴人のやうに扱い、尽くすという事はしてきていない)

(条件に当てはまりそうなのが君くらいだった)




(そして、)

「禁術を使用するための条件、心の底から好意と敬意を持って扱ってきた『”貴人”を邪神化させる』という事も。」

「私達にはできない」

(だが、その禁術こそ…オティヌスに対して有効打を打つための布石となる)

(時間がない。アレを野放しにすれば世界が終わってしまう。)

(例え数人犠牲にしようとも、それでも止めなければ)


「さあ、こ、い…?」


ごぽ。


「…?」



口の端に液体が流れるのを感じる。




涎でも垂らしてしまったかと口元に手をやる。

「?…ぐぶっ…!?」

否。

溢れ、溢れる。

無論、唾液ではなく。

血。

血。血、血。

後から、後から。

「が…?!はっ、はっ…!」

(なんだ…?!魔力が、上手く練れない?いや、練っていく先から消え、いや、崩れていく…?)

「テメェは知らないだろうな」

ゆっくり、土御門元春が歩き出す。

「0930事件。あの日、『前方のヴェント』が何故任務を遂行出来なかったのか」

片手にはスマートフォン。画面には何らかの指示メールが飛ばされた表示。

「大きな要因は二つ」

「一つは直接、一人の男が彼女を止めた事。もう一つは」

「…? 」

血走った瞳で。刺し殺さんばかりの視線で。

「今まさにテメェの体に起きている事が彼女を襲ったからだ」

土御門元春は口端を引き裂くようにニタァ…リと嗤った。

「が…ごぼっ、」

血反吐を吐く。身体が震え、上手く動かない。

(なんっ、これは?!魔力の循環が、回路が狂わされる?!)

(練った魔力が崩れるだけじゃない。新しく練ることもできない?)

(この付近の”界”の全体に圧がかかってる?)

(一体何をしたんだ彼は?!)


耐えきれず、膝をつく。


(クソ、これは禁術ではない!まさか他にも俺を倒す隠し玉を持っていたとは!)

(これはキツイな。本当に魔術がまともに使えない)

(これを多少なりとも耐えた『前方のヴェント』を軽く尊敬するよ)


「…完全な魔神相手なら一つの個として魔力の循環経路が完成しているから”コレ”は効かなかっただろうが」

「魔神未満のお前はあくまでも一魔術師の範疇。」

「コレは魔力の回路、量が大きければ大きい程苦痛が増す」

「ジェンガでも想像すればいい。高く高く積んでいれば倒した時の威力はデカイ」

「そして特にお前みたいに膨大な魔力を持つ準魔神級な奴は並の魔術師以上の…」

「何万倍か?とんでもない苦痛を味わうだろうな」

「く…」

(くそ、完全に想定外の術を使われたな…)

身体が軋み、歪む。

自分という存在に亀裂が走っているようにすら感じる。





(ぐぅっ!不味い不味い不味い!!長くはもたない!)

ふと、土御門の顔が目に入る。

そして、気づく。

「だが…なるほど、大ダメージを受けるのは私だけじゃないようだ」

額から。

目から、鼻、口元、耳…血を流せる場所全てから。

土御門元春もまた、流血していた。

「コレ、君にもダメージがいくらしいね」

「ああ。これは学園都市にいる魔術師全員にダメージを与える。」

「ならやめた方がいいんじゃないかな。コレを使うよりは君の奥の手である洪水の禁術を使った方がいいんじゃないかな」

「馬鹿か。これでピンポイントで殺せるだろ」

「しかし、死なば諸共、かい?いかにも日本人らしい考え方だが」

「オレの命一つでテメェも仲間も道連れにできるなら安い取引だ」

「やめないかい?それなら邪神化の禁術でも使った方が」




(むぅ、一定エリア内にいる『魔術師』全員に効果がある、か)

(が、そのエリアは学園都市全域と…なんて厄介な)


「お前を、お前らを苦しめて苦しめて苦しめて。そして殺せるならどれだけ外道な手でも、…”なんでも”する」

「オレ自身も同じ目にあってもいい」

「死んだっていい」

「同僚も手を組んだヤツらも無関係な奴も皆死ね」


「ああ、」






「テメェら全員。苦しみに苦しみ抜いて。のたうちながらさっさと一人残らず死んじまえ」





壮絶な憎悪を灯す狂笑を浮かべ、土御門元春は呪符と折り紙を構えた。

「元より『陰陽道』とは他者へ呪いをかけ、呪い殺す用途で使われてきた」

「陰陽師としての本領を見せてやる」

「呪ってやる。殺してやる。復讐してやるッッッッ!!!」

「貴様を殺したら!!貴様の一族も、貴様の友も仲間も全部全部全部ッッッ!!!!」

「オレが思いつく限りの拷問で、痛めつけて『どうか殺して下さい』と懇願させてやるッッッ!!!」

(まいったな…これはちょっと困ったぞ)

「『黒の式』!!!」



「これじゃあ、大幅に予定変更して今すぐ君を殺すしかなくなるじゃないか…」


魔神未満は溜息をついた。



: 








〜数時間後〜




シルビア「…それで?」

オッレルス「参ったよ。完全に想定外だった」

シルビア「本当に馬鹿だね、あんた」

シルビア「気をつけろって自分で言っといて、しかも想定できてなかったって?」

オッレルス「面目次第もございません」

シルビア「…馬鹿だね」

シルビア「”魔術師(人間)の魔力回路”が壊されるなら、無理矢理対象外となる魔力回路装置みたいなモノを新しく作ればいいからって」

シルビア「まさか自ら片腕を引きちぎってジェネレータ兼術式発動口の代わりにするなんてね」

オッレルス「結構痛かったよ」

シルビア「そんな感想が出るあたり、あんたも化け物だね。ホント」



シルビア「にしても。本来の目的は果たせず、倒すと引き換えに左腕を無くすなんて」

オッレルス「ただ倒しただけじゃないさ。私が禁術を使う手段も手に入れたし、君らを死と苦しみから救った」

シルビア「どっちにしろとんだ間抜けには変わんないよ」

オッレルス「耳が痛いね」

シルビア「…もうちょっと反省したら?体の一部を永遠に失くしたんだからさ」

オッレルス「どうって事ないよ。これくらい」

シルビア「あ、そ…。」

オッレルス「? いつになく随分感傷的な目をしてるね」

シルビア「…」

オッレルス「そんなに気に病む事かい?」

シルビア「…もう私を抱けないね」

オッレルス「いやいや、した事ないだろう?というかそんな恐ろしい事は両腕揃ってたって出来ないって」ハハ

シルビア「…」

シルビア「…これからどうすんの」

オッレルス「禁術を行使する準備だね」

シルビア「わかった。あいつらに伝えとく」


オッレルス「頼むよ。ああ、後さ、」

オッレルス「彼の亡骸と妹の亡骸を丁重に回収してくれ。術式の素材に使う」

シルビア「はいはい」

シルビア「…」チラッ

土御門「」


シルビア「…もう兄妹揃って死んじまってるのが残念だね」

シルビア「あいつの腕の代金はあんたらの命程度じゃ釣り合わないってのに」



オッレルス「? 今、何か言ったかい?」

シルビア「別に。さ、早く帰って態勢を立て直さないと」



〓〓校舎裏〓〓

〜VS”恋査”〜





恋査「”精神掌握”《メンタルアウト》」ガシャコン!

一方「反射」

恋査「”原子崩し”《メルトダウナー》」ガシャコン!

一方「反射」

恋査「”超電磁砲”《レールガン》」ガシャコン!

一方「…」ホジホジ

恋査「”未元物質”《ダークマター》」ガシャコン!

一方「ベクトル操作」

恋査「”一方通行”《アクセラレータ》」ガシャコン!

一方「…」

海原「自分にお任せを」ダッ

海原「せいっ!」ピカッ!!

恋査「くっ…」

海原「せいせいせいせいセイャァアアアアアアーーーッ!!!」ビカッピカッピカッ!ピカッビカッ!

恋査「ぬ、ぐっ、解析できな、」

ジュ!

恋査「ぐ、うあ!この、調子づいて!」

恋査「”未元ーー」

一方「ベクトル操作ァ」

ブシャッ!!

恋査「ぎぐぅぅう!」

一方「おーおー、イイ悲鳴で鳴くじゃねェか」ニタニタ



一方「ハッ、垣根増殖事件で未元物質の解析は散々やったからなァ」

一方「今の俺に解析出来ねェ未元物質はねェ」

一方「まァ第二位の野郎ならすぐに今の俺に通用する使い方を考えつくンだろォが」

恋査「っ…!」バサッ

一方「ベクトル操作」

一方「一朝一夕でしか未元物質を使ったことがねェオマエじゃあ、単純に使いこなせねェ」

一方「結局オマエがやってきてる攻撃手段も過去の第二位の焼き回し」

一方「ハッ、なンだァ?このイージーゲームは?」

一方「俺の能力も使えるらしィが」

一方「運悪くコイツがいる」

海原「ふふ」ドヤァッ

一方「俺でも未だコイツタイプの攻撃は逸らすくらいしか出来ねェが…」

海原「せいっ」ピカッ!

一方「ベクトル操作能力に慣れてねェ、年単位で使ってきたワケでもねェオマエじゃ解析、…逸らす事すら難しいだろォよ」

一方「更に」

海原「お願いします!」ピカッ!

恋査(第一位に向けて光の槍を撃った?)

一方「オマエの反射設定を俺が逆算。それを加味しての軌道修正」ハンシャ!

恋査「う、ぐぅっ!」

恋査「それならば、」ハンシャ!

一方「そして、俺たちのこの攻撃をオマエが反射しても俺が反射し直す」

ジュジッ!

恋査「ひぎぃっ!」

一方「ロクに使えもしねェクセにLevel5《オレたちのチカラ》使ってンじゃねェよ。ポンコツジャンクが」

恋査「は、が…」


一方「さァ…!」



一方「スクラップの時間だぜェ!?クッソ野郎がァアアアア!?」



一方「ギャァーヒャッヒャッヒャッ!!!」

恋査「こ、の…!私、は、負ける訳には、」

海原(何故でしょう、何故か自分達がすんごい悪役になった気がしてきました)








恋査(ダルマ)「が、あ、ああ…」バチ.バチバチバチ....

一方「ぎゃはっ。イイィザマになったじゃねェかよ?さっきよかはフォルムに可愛げが出てきたンじゃねェか?」

海原「頭を鷲掴みにしてぶら下げてますけど、それ大丈夫ですよね?情報聞き出す前に自爆だとか頭もげたりしませんか?」

一方「俺は反射して死なねェから安心しろ」

海原「自分は死にますし常盤台で死傷者は不味いと思いますよ?」

一方「ンなもンは知らねェ」

海原「御坂さんに怪我させるかもしれません。そうなったらマジブッコロしますよ?」

一方「は。オマエ程度が俺の敵になれると思ってンのか?」

海原「あなたのバイト先店舗でも消しましょうか」

一方「チッ」

海原「…にしても」チラ

恋査「が、がが、せん、せい…!」

海原「頭部の内部、及び、胴体の中身の全てが機械とは」

海原「…99%がサイボーグだとは言っていましたがそれにしたって随分と生身の部分が少ない方ですね」

海原「目も口の中も。神経や脊髄ですら機械…どの部分が1%に値するのでしょうね」

一方「そンなに気になるならバラしてみろ。つゥかよォ、この分だと脳味噌まで機械なンじゃねェのか?」



海原「いっそ『私は100%機械だ』と言って欲しかったですね」

海原「人間を1%だけ残した状態にするなんて恐ろし過ぎですよ」






〓〓イギリス、潜伏先アパート〓〓





ウー子「…っはい!侵入者撃退用幻覚動画撮影しゅーりょー!お疲れー!」

あうれおるす「ほふぅ…」

ウー子「んじゃー今日はもう元の姿に戻っていーぜー」

あうれおるす「そうか?では…」

ウー子「ん。アルくん頼むわ」



あうれおるす「ーーー『戻れ』」



ヴァルキリー「おー」ポムンッ!

アウレオルス「ふむ」ポムッ!

ウート「っと」ポンッ!


ヴァルキリー「う、う〜ん!肩が、凝るぅ〜の事!」ゴキゴキ

ウート「あ、ああ〜…ん、んん!俺もだわー…何だこの感覚。狭いトコに入れられて一万年間もじーっとしてたみてえだな?」

アウレオルス「う、ぐぐぅ…必然、こうなるとはわかっていたが…がーっく、」


ウート「あっふ。さーて、腹も減ってきたし…俺メシ作るよ」

ヴァルキリー「フゥッフー!これは楽しみにつき!」

アウレオルス「うむ…では頼む」

和気藹々。

ウート「…」



ウート(『手伝って』と言おうとしたけどコイツら微塵も動く気ねえなちくしょう)







アウレオルス「ふむぅ。欣然、実に美味い料理だったな」フキフキ

ウート「フフ、満足してもらえたんなら作った甲斐があったよ」

ヴァルキリー「ウヌゥ、私はまだおかわりが欲しいのこと」

ウート「はは、オッケー!ちょっと待ってねー」

アウレオルス「…」

アウレオルス(ふむ…)

ウー子『ふふっ♪』

アウレオルス(美人、スタイル良し、料理も上手くて魔術師としてもレベルが高い)

アウレオルス(アレだな、あんな感じの嫁欲しい)

アウレオルス「はう!?」

アウレオルス(いや!否!断々然!!私の嫁はインデックスだけ!)プルプル!

アウレオルス「公然!インデックスは私の嫁だ!!!」くわっ!

ヴァルキリー「?」

ウート「なんだか知らんけど、近所迷惑だからあんま叫ぶなよー?」


アウレオルス「そういえば…今回の件が全て終わったら君らはどうするつもりなんだ?」

ウート「んー?」

アウレオルス「私は今回の件が全て終わったらどこか小高い丘の上に赤い屋根の白い一軒家を建てて大きな犬と一緒にインデックスと暮らすつもりなんだが」

ウート「へえー(生返事)」

ヴァルキリー「…」

ウート「俺は回収したら学園都市に帰るだけだな」

ヴァルキリー「…」

ウート「私は、」

ウート「?」

ヴァルキリー「…私、ちょっと剣の手入れしてくるにつき」ガタッ

アウレオルス「?」

ウート「?」


ぱたむ。



×ウート「私は、」

○ヴァルキリー「私は、」






アウレオルス「では、私はそろそろ寝る」

ヴァルキリー「ぐっないにつきー」フリフリ

ウート「おやすみー」ヒラヒラ

アウレオルス「ああ、また明日」

ぱたむ。


ヴァルキリー「…」

ヴァルキリー「…」チラ

ウート「〜♪」ペラ

ヴァルキリー「…あの、ウート」

ウート「ん?」


ヴァルキリー「その、…後でちょっと」

ウート「ん?今でもいーよ?」

ヴァルキリー「…ねぇ、ウート」

ウート「うん?」

ヴァルキリー「…私たちは…今回の件、上手くやれるだろうか」

ウート「もちろん。最強な俺がいるからね」ニコッ

ヴァルキリー「…ウートの事は信じてる。でも、今回の事が終わった後だとか、」

ウート「?」

ヴァルキリー「あの…私、頑張るにつき。今回の事が終わった後も、ずっと…」

ウート「…」

ヴァルキリー「だから、その、」

ウート「…」


ヴァルキリー「…ごめん。やっぱり今は言えないの事」

ウート「はは。そう?じゃあ続きはキュリアちゃんが寝る寸前の時、ベッドで聞こうか?」

ウート「そしたら眠気も手伝って言いやすいだろ」

ヴァルキリー「!」

ヴァルキリー「うん…ベッドで言うにつき。でも…その、」

ウート「…?」

ヴァルキリー「…えっと、」

ウート「うん。どうした?」ニコッ

ヴァルキリー「えっと…その…」

ウート「うん」

ヴァルキリー「…その、その前に『シャワー浴びておいて欲しい』につき」

ウート「…」パチクリ

ヴァルキリー「だ、ダメ…との…事…?」チラッ

ウート「…あー、うん。オッケ、わかった。いーよ?」ニコッ

ヴァルキリー「!///」パアッ

ヴァルキリー「そ、それじゃあ!後で!///」

パタタタ…


バタム。

ウート「…」


ウート「…」

ウート「ハァ…」ドサッ

ウート(…なるほど。彼女は今、)

ウート(『今回の件、私は特に役に立っていない。今回の件が済んだら捨てられるんじゃないか』)

ウート(『なら、せめて肉体関係があれば』)

ウート(ーーって思ってるワケね。)

ウート(元々彼女は前からそうやって誰かと人間関係を築いてきてたっぽいが、俺とはまだ”そーいうの”はない)

ウート(だからそういう形でしか人間関係を築いてこなかった彼女は不安になってきてる。)

ウート(俺に惹かれてるし、若いから情欲のままに〜ってのもあるんだろうが)

ウート(あー、まあアレだよな…端的に言えば『エッチしよ?』って事だよなー…)ガシガシ

ウート(他の娘との事を考えると『お前何考えてんの?この三股ヤロー死ね!』なワケだが)

ウート(あー…まぁいっか。俺も久々に女抱きたいし)

ウート(まあバレても皆が皆納得するようにするし)


ウート(もう彼女を心身共に一人にはさせたくはない。安心させてやりたいし)


ウート「…あ、やっべ、ゴム切らしてたんだっけ?」



:
:
:



「おまたせ」

「ん」

タオルを簡単に巻いただけの艶かしい格好。

肉弾戦を戦闘手段とする彼女だが、体の方が筋骨隆々、というわけではない。

シャープで、しなかやかで。絞られたカラダ。


「スタイルいいよね」

「そ?」

トサ。そんな音をベッドから出すように座って。

「……前にさ、色々見せちゃうーっみたいな事言ってたよね」

「うむ」

「あれってさ、まだ有効?」

「うむ」

「そっか。じゃあ…」

そっと肩に手を置いて。

「………」

「……」

見つめ合う。

ゆっくり抱き寄せる。

そして。

「ん、」

耳、頬、鼻のあたま。

キスの欠片を落として。

「…っふ、」

「…かわい。」




思いっきり、抱いた。



ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヴァルキリー「…ウート」

ウート「んー?」

ヴァルキリー「そういえばウートは何故幻術を専攻したにつき?」

ウート「…」

ヴァルキリー「ねぇってば」

ウート「…んー…」

ヴァルキリー「…『魔術師が魔術を学ぼうとする時、そこには必ず術師の願望が見え隠れする』」

ヴァルキリー「『絶対にこの現実を認められない』、『それ故にヒトは魔術師になる』との事」

ヴァルキリー「そして、『その現実を捻じ曲げるために必要な最適な手段』こそがその魔術師が扱う魔術となる」

ウート「…」

ヴァルキリー「師匠からの受け売りにつき。…私は、」

ヴァルキリー「私の場合は…単に喧嘩が強くなれば仲間や友が出来ると思ったから…」

ヴァルキリー「強い人間の周りには人が集まる。エロい女の周りにも。…だから…、」

ウート「…そっか」

ヴァルキリー「ウートは?」


ウート「んー」

ヴァルキリー「…」ワクワク

ウート「…なんだったかな。いや忘れちまったなーアハハー」ヘラヘラ

ヴァルキリー「…言いたくないとの事?」コテン

ウート「…」

ウート「面白くない話だよ?」

ヴァルキリー「知りたいにつき」

ウート「…まぁ別に大した話でもねえんだけどね」



ウート「アレだよ。簡単に説明すると…小さい頃にさ、家族で旅行行った時に事故って」

ウート「そんでそん時に…母さんが視力失って寝たきり。んで、父さんと弟が死んだ」

ウート「んで母さんを悲しませたくないからって」

ウート「必死こいて本や人から魔術学んで」

ウート「”五感を入れ替える幻術”を使って目が視えない母さんを騙してたんだよ。あたかも『家族の誰も失ってません』って体でな」

ヴァルキリー「どうやって」

ウート「簡単簡単。触れて、父さんや弟の声真似しただけ」

ウート「俺の一人三役ーってな感じ」

ヴァルキリー「…長くは続かないと思うの事」

ウート「ああ。でもまぁ、母さんもあんま長くは生きられなかったしな」

ウート「…そんなカンジ?」ヘラヘラ



ヴァルキリー「…なんか胡散臭い…ウート、嘘吐いてない?」ジロッ

ウート「さあ?」ニヤ


ヴァルキリー「んもう!もーいいの事!」プンスコ!

ウート「いやまぁ。ほら、嘘の方が優しくていいじゃん?一つの残酷な現実よりさ、千の嘘のがいいって」ヘラヘラ

ヴァルキリー「ふーんだ!真実から逃げることが嘘を吐くって事につき!」

ウート「…」ピクッ

ヴァルキリー「ウートなんてずっと逃げ続けてればいいのこと!」

ヴァルキリー「もう寝る!オヤスミ!!」バフッ

ウート「はいはい、オヤスミー」ハハ-


ヴァルキリー(…ちょっと不躾な質問だっただろうか)

ヴァルキリー(ウートはどう思って…うう、ウートの真意がわからないの事)

ヴァルキリー(嘘?本当?)

ヴァルキリー(半分本当で半分嘘?)

ヴァルキリー(うー、ウートは全体的に全部胡散臭いの事!)

ヴァルキリー「…」

ヴァルキリー「…」

ヴァルキリー「すぴょすぴょ…」

ウート「…」


ウート「…」

ウート(悪いね、俺の本心ってのは知られたくないんだよ。誰にもね)

ウート(…『真実から逃げる事が嘘を吐くってこと』…か)



ウート(言い得て妙だね。グサーッて刺さるよ…ほんと)ゴロン


〜翌日〜


ウート「俺ちょい買い物行ってくるわ」

アウレオルス「承知。では、ーーー『変化せよ』」

ウー子「ふぅ」

アウレオルス「ああ、一応言っておくが、戻りたかったら『戻れ』と念じろ。そうすれば戻れるようにしてある」

ウー子「あいあい」

アウレオルス「くれぐれも”自分”を見失うなよ?戻れなくなる」

ウー子「りょーかい!」ビシッ


バタン


ウー子「さって…あん?」

「うう…う」

ウー子「お隣さんがドアが開きっぱ、そんで中から呻き声…」

ウー子「チッ、騒ぎ起こされたくねえし…見に行くか」

ウー子「どーしまし、」

おじいさん「う…うう…」

ウー子「ちょっ!おいおいおい…大丈夫かじーさん!」

ウー子(うっげえっ!部屋ん中吐瀉物と糞尿だらけじゃねえか!このじいさんどんだけ放置されてたんだ?!)

ウー子「ああクソ!とんだアクシデントだ!」






〓〓病院〓〓



医者「ご家族の方ですか?」

ウー子「いえ…隣の住人ってだけです」

医者「…そうですか…」

ウー子「やはり、容態は…?」

医者「ええ。最善は尽くしましたが…ここまで進行しているとなると…」

ウー子「…」

医者「今夜が、限界でしょう」




〓〓病室〓〓



おじいさん「うう…ロバート…ロバート」

ウー子「…」


ウー子「…なぁ、じいさん」

ウー子「薄情なモンだよな、人と人との関係なんて」

ウー子「血の繋がりってーのも案外脆いモンだ」

ウー子(このじいさん、相当な遊び人だったらしいが何日も放置されてたとこを見ると周りのヤツとは…)

ウー子「ったく。もうちょっとまともな奴とつき合うべきだったぜ?じいさん」

ウー子(つーかそれより、だ。さっきじいさんの財布にあったメモの電話番号からじいさんの子供に電話が繋げれたんだが…)


ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー


ウー子『だから!今日で亡くなっちまうんだよ!あんたの親父が!』

『急にそんな事言われてましてもねぇ…』

ウー子『そう言わずにさ、なんとか来れねえ?』

『父さんには悪いが物理的に無理です。実は私、去年カナダに移住しましてね?』

『それだって父さんがかなりのロクでなしで会えば喧嘩ばっかりだったからなんですよ』

『それでもまぁ、別に死に目くらいは立ち会ってもいいんですけどもね?会いになんていけませんよ』

『それに今からちょっと仕事あるんです』

『そんなワケで…ええ、まぁ私も悪いとは思いますけども』

『仕方ないんです。どうしようもないし。遺産や借金についての話はまた後日自分で調査します。それじゃ』

ウー子『おまっ、…ああクソ、切れた!』


ーーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー


ウー子「…」

おじいさん「…最期に、一目、…いや、…」

ウー子「っはーあ…」ガシガシ

おじいさん「コヒュー…コヒュー…うう、」

ウー子(かなり意識は朦朧としてるし…ありゃもう目が見えてねえな)

ウー子(写真やら何やらは無しで、『男性の声』があれば幻術で騙せるか。)

ウー子(…ここで『戻る』と見つかっちまう確率がグーンと上がっちまうが…)

ウー子(しゃーね。久々にやるか。お代は息子にでも請求してやるかあ?)

ウー子「…」チラ

ウー子(『戻れ』)

ウート「…」ポフン!

ウート「鍵かけて、医者とナースは呼ばねえようにしねえとな…」

ガチャン。




ウート「…」キィン!

おじいさん「…ロバートに、あいたい…」

ウート「…ああ。任せろよじいさん。」







ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」











〜送り人〜




おじいさん「む…?」パチ

ウート「『やぁ、父さん』」

おじいさん「……ロバー、ト?」


ウート「『ああ、危篤って聞いてさ、仕事は全部キャンセルして飛んで来たんだ』」

おじいさん「そうか…よく来てくれたな…」

おじいさん「嫁さんや子供は、元気か…?」

ウート「『…ああ、元気だ。ちょっと今日はどうしても来られなかったけど』」

おじいさん「いやいいんだ。お前だけでも、来てくれて良かった…」


おじいさん「来れないと…来てはくれんだろうと、思っていた…」

ウート「『…そんなワケ、ねえだろ』」



おじいさん「…? お前、すこし、痩せたんじゃないか?声が、いつもより。」

ウート「『ああそうかもな。ちょっと最近忙しかったんだ』」

おじいさん「そうか…あまり、無理、するなよ」

ウート「『うん…ありがとう父さん』」

おじいさん「お前、の家はロンドン郊外だったっていうのに、目と鼻の先だったのに…どうして…今まで偶然に、ですら会わなかったんだろうな」ハハ...


『去年カナダに移住した』


ウート(じいさん…知らなかったのか。息子夫婦がカナダに移住したこと)

ウート「『ああ、悪かったよ。ちょっとどうにも時間作れなくてさ』」

おじいさん「でも良かった…ほんとに、良かった…」

おじいさん「最期に、家族に、息子に…会えた…」

おじいさん「会えば、話せば、ケンカばかりで…、迷惑と心配ばかりかけて、金も何も遺してやれなくて、…本当に、すまなかった」

ウート「『そんなこと言うなよ。大した事じゃない。大丈夫さ何とも思ってねえよ』」


おじいさん「こんな俺を、こんな親父に、会いに来てくれて、」

おじいさん「…来てく……ありが、……ーー」

おじいさん「ほん〝どっ、がっーっ、に〝」

おじいさん「本当に…嬉し、」

おじいさん「…」ガラガラ

ウート(冷たくなっちまった鼻、呼吸に絡む痰。力なく半開きの口)

ウート(…そろそろ、か)

ウート(僅かだった意識ももうほとんどねえだろうが…人間の五感で最期まであるのは聴覚だっていうしな)


ウート「…」スッ




ウート「…『今まで育ててくれてありがとう父さん。父さんの事、ずっと忘れない。』」


ウート「『大好きだ、父さん。』」


おじいさん「…」

おじいさん「」ツ-…




ピーーーーー……


ウート「……」







ウート「…」カチ

『はい、ナースステーションです。どうされましたか?』

ウート「…患者の容態が急変して…ええ、ボタン押す間もなく。御臨終です…死亡時刻は午前2時12分です」





:
:
:


ウート(…酷い嘘をついちまったな)

ウート(じいさんは本当は見ず知らずの奴に看取られ、息子は父親を愛していない)

ウート(でも、じいさんは安らかに最期を迎えられた)

ウート(遺族の罪悪感だって少しは軽減できる。…本当に感じてるかは別として)

ウート(誰も不幸にはしていない。悲しむ人間は誰もいない…これくらい、いいよな?)

ウート「…」

ウート(いやまぁ、それでも。きっと非難されるべき残酷な嘘だけどな…)

ウート(俺だってそんなんやられんのやだし)

ウート「…」



ウート「まぁ…安らかにな、じいさん」


















騎士「…」

今回はここまで。以下オマケ。


〓〓魔神の部屋〓〓

オティヌス「なぁ、ウートガルザロキ」コト

ウート「んー?」コト

オティヌス「一般的な意味で『天国』というものが実在すると仮定しての話なんだが」

ウート「ん」

オティヌス「『天国』というものは、本当に天国だといえると思うか?」コト

ウート「ん?そりゃそーじゃね?」

ウート「飢えない。病気にならない。老いることもない」

ウート「死ぬことも悲劇も奪われる事も騙される事もなく、喪う事もなく安全で完全。美しい場所で喜びと愛に溢れた世界」

ウート「そんなとこで生きられんなら最高だろ?まさに楽園。天国だ」コト

オティヌス「そうだな」コト

ウート「あっ、ちょ、…そーくる?」

オティヌス「長考しても構わんぞ」フフン

ウート「どもー」

ウート「…んー、ここでナイト取られたのは痛かったなー」

オティヌス「まぁ精々がんばれ。十三手後には私のクイーンが火を吹くがな」

ウート「…で?」

オティヌス「ん?ああ、天国の話だが」

オティヌス「確かに天国は素晴らしい世界だろう。宗教や宗派によっては極楽浄土やら神の国と呼称される処で生きられるのだろう」

オティヌス「しかし、だ。」

オティヌス「それは一体いつまで続くんだ?」

ウート「? そりゃ、”永遠”じゃねーの?」

オティヌス「そうだな。そしてそれは…」

オティヌス「一つの意思が。一つの魂、一つの人格が百年、二百年。千年、一万年、一千万年…」


オティヌス「…『一兆年以上経っても”存在”し続ける。』という事でもある」

ウート「…なるほど。」



オティヌス「まず精神が持たないだろう。にも関わらず永遠に生きていかなければならない」

ウート「そりゃ地獄だろうな」ウヘェ

オティヌス「ブッディズムでは輪廻や解脱、転生があるが…あれもある意味では『永遠に生き続ける』という事だ」

オティヌス「ヒトは死の恐怖を忘れるために、死を受け入れやすくしていくために『天国』という概念を作り出したというのに…」

オティヌス「皮肉なものだな。消えてなくなるよりも恐ろしい無限地獄が待っているという理屈になってしまった」

ウート「…」

ウート「盤の端から端へワープ!」コト

オティヌス「そんなもんはねぇ」ベシ





ウート「…あーダメだ。降参。チェックメイトだろコレ」

オティヌス「そうか。それじゃ約束通りイタリアの有名なカフェでパフェでも奢ってもらおうか」ガタ

ウート「オッケー。あ、私服で行けよ?色んな意味で目立っちまう」

オティヌス「わかっとるわドアホゥ」





ウート「…あのさ」テクテク

オティヌス「ん?」テクテク

ウート「さっきの天国の話だけど」

オティヌス「うむ」

ウート「もし君が、無限に”天国”で生き続けなければいけなくなったとしたらどーすんの?」

オティヌス「ん?そうだな…」

オティヌス「自己消滅する方法を探して、死ぬために生きるかもしれんな」

ウート「ふーん…」


ウート「じゃあ、そん時はご一緒させてくれよ」ニヤ

オティヌス「フッ、魅力的な提案だが私はそもそも天国など行けんよ」クックッ


〓〓ウートガルザロキの部屋〓〓

ウート「ほい、コーヒー。」

ベルシ「ああ、すまない」

ウート「んで、相談って?」

ベルシ「ああ実は…」


ベルシ「どうやら私は…今すごーく!モテモテらしい!」キリッ

ウート「なんだろ、今すごーく!殺意湧いたわ」


ベルシ「学園都市に残してきた教え子のMちゃん、グレムリンメンバーのMさんという子達二人から好意を寄せられているのだが…」

ウート「あー、うん。マリアンな?教え子の方は知らねえけど」

ベルシ「?!何故わかった!」ガタッ!

ウート「むしろなんでわかんねえと思ったかが俺ァ不思議だよ」

ウート「んで?」

ベルシ「つき合う訳にはいかない。上手い断り文句を教えて欲しくてな」フ-

ウート(ドンマイマリアン)

ベルシ「取り敢えず好意が消えるように。あえて嫌われるような言葉を自分でも考えたんだが」

ウート「…言ってみ?」

ベルシ「『実は私、16才くらいが好きなロリコンなんだが、

ウート「それ、彼女らからしたらむしろバッチコイじゃねえの?」

ベルシ「む…」

ウート「まぁそれは削って削って。んで続きは?」

ベルシ「ああ…『ロリ好きとしてはBカップ以上は生理的に無理なんだポヨ〜ン!』」

ウート「 (・_・)」

ベルシ「…」

ウート「…」

ベルシ「…」

ウート「…」

ベルシ「…どうだろうか?私なりに嫌われる言葉をチョイスしたつもりなんだが」

ウート「あーうん。いいんじゃね?それで。むしろそれ見てえし」

ベルシ「! そうか!」



〜後日〜

ベルシ「…」

ベルシ「手紙が来た。教え子はサラシを巻きだしたそうだ」

ウート「へー?まあいいんじゃね?それくらいで済んだなら」

ベルシ「しかし…問題はもう一人の方だ」



ベルシ「…まさかマリアンが自分の乳を切ろうとするとはな…」

ウート「あんたも罪深い男だねえ」

番外編:とばっちり


(ぐぅっ!不味い不味い不味い!!長くはもたない!)

ふと、土御門の顔が目に入る。

そして、気づく。

「だが…なるほど、大ダメージを受けるのは私だけじゃないようだ」

額から。

目から、鼻、口元、耳…血を流せる場所全てから。

土御門元春もまた、流血していた。

「コレ、君にもダメージがいくらしいね」


「ああ。これは学園都市にいる魔術師全員にダメージを与える。」

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ーーーーー

結標「…土御門から指示があって、特殊なリモコンでこう…ピッてやったのだけど」


打ち止め「ミサッ、ミザミザミサカかカカカカカカキクtngnatdtjtwdv.jpbs.mttmjg@gtdt」

結標「これホントに大丈夫なのかしら?」


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トール「おごぉぅうおおおおおお!!!!」ジタバタジタバタ

上条「おい!どうしたトール!?」

トール「ぐぅああああああ!?のんじゃこりゃぁあああああ!!?イテェェェェエエエエエ!!」

上条「う、うわぁああああああ!?」

トール「ぽんぽん痛いィいいい!!」ジタバタジタバタ

上条「トールぅううう!!」

サローニャ「ウギュぅうううううう!!!?」

姫神「いったぁああああああああああッッッッッッ。!?痛い痛い痛い痛い。!!」

上条「う、うわぁああ!助けてアウレオもーん!!」

アウレオルス「ごばっ」

インデックス「ぐはぁっ!」

上条「だ、誰かぁあああああ!!!」

ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーー

サンドリヨン「オゴッウッハァッッッッ?!」ドシャアッ

シギン「?!どうしたの!?」

サンドリヨン「」ビクンビクン!

シギン「そ、そんなに七色焼きそばが口に合わなかった?合わなかったのかな…」

天井「そんな反応じゃなかったような」

フレメア「にゃあ!大体美味いのに!」チルチル

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ーーーーーーーーーー


海原「おぼろぐしゃぁああああ!!!?」

一方「うォう?!」ビクッ

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ーーーーー

マリアン「」チ-ン

ミョルニル「」チ-ン

ーーーーーーーーーー
ーーーーー

風斬「アヘェェェェエエエエエ!!!」

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ーーーーーーーーーー


結標「…なんだろ、今すごい事しちゃったような」


打ち止め「ミサミサミサミサミサミサミサtjg(a&a@&xe'.ojpptj.」

結標「…大丈夫よね?大丈夫なのよねコレ?」

終わり。最近の名前欄って何か書き込んだら問答無用で酉になるのね。

在りし日のグレムリンは30と31でした。

では。


ウート「さーて、恒例の安価練習のコーナーでーすイエー!」パチパチ

シギン「わー」チパチパ

ウート「えー今回の企画は『最強のアドバイザー、シギンさんに悩み相談をしよう!』でっす!」

シギン「いえーい」チパチパ

ウート「相談料は500円!ワンコイン!やっすぅ!ウゥ↑イ!」

シギン「私の能力、確かそれなりに価値があるはず。あるはずなんだけどな」

ウート「あ、専門性の高い事やセクハラはNGな」

ウート「別時空のため、キャラクター制限はないけどあんまりマイナーなキャラだと今手元に原作ないから書けないぜ」



残レス処理と同じ手法?
もしそうなら前スレまでの既出キャラも出さない方がいいかな

>>845イエス。ただ、もっかい前スレと前々スレ見てこいってのもアレなのでキャラはご自由に。


〜学園都市、『叶え屋』〜

シギン「ウートガルザロキ、今日の予定…」

シギン「ん?」

ウート「〜♪」ペタペタ

シギン「『あなたのお悩み、相談に乗ります』…?」

シギン「ねぇ、ウートガルザロキ。この看板、何?何なのかな?」

ウート「んー?ちょっと新しい事業でもやってみよっかなーって。その試し営業」

シギン「へぇ?」

ウート「シギンにやってもらおっかなって」

シギン「私の記憶が確かなら、そんな相談された覚えも承諾した覚えもないんだけどな」

ウート「急にごめ☆お願い☆」

シギン「えー…」

ウート「ボーナス出すからさ?」

シギン「はー…今度からはちゃんとアポとって、とってよ?」


ウート「反省してまーす」ヘラヘラ

シギン「んもぉー」


ウート「一回500円、できそうなら悩み解決してあげて。出来なくてもまぁいいよ」

シギン「え?出来なくてもいいの?」

ウート「だって看板にだって『解決します』なんて書いてないだろ」

シギン「あー」

ウート「つーか、いい金儲けの手段とか借金だとか…秘宝見つけにいくその他諸々解決出来ない事を言われても無理だろ」

シギン「まあ。まあね」

ウート「助言屋だから。あくまで『こうしたらいいんじゃね?』って言うだけだから」

シギン「うん。わかった」

ウート「んじゃ後よろ」

シギン「はいはい」


シギン(全く。ウートガルザロキも困った人だよ)

シギン(いきなりそんな事言われたって上手く出来ない。出来ないよ)

シギン(まぁ、でも頑張るしかない。頑張るしかないよ)

シギン「と言ってもそんな都合良くすぐにお客さんが来るわけが」

<スミマセン!


シギン「…おおう。予想に反して速攻御来店とは」

シギン「いらっしゃいませ。どうぞ、お入りください」

シギン「本日はどのようなお悩みを相談されにきましたか?」



依頼人↓1

相談内容↓2



姫神「恋愛相談。…いい?」

シギン「もちろん。もちろんだよ」

シギン「ささ、どうぞどうぞ」

シギン「コーヒーとマカロンあるけどいる?」

姫神「急に。フランクになった。」

シギン「私も女の子、女の子だからね。その手の話題は好きなんだ」

姫神「そう。」

シギン「自然とやる気があがる。あがるよ」ガッツ!

姫神「そ、そう。」


シギン「それで恋愛相談の内容は?」ワクワク

姫神「私。今好きな人がいる。」

シギン「ほほう」

姫神「でも。彼は鈍感。多分私の気持ちに気づいてくれていない」

シギン「ふむふむ」

姫神「今まで。それとなーーく。アプローチはしてきた。」

姫神「でも気づいてくれていない。」

シギン(んーアプローチに問題があるのか、相手が悪いのか…)




姫神「彼を落とす手段が知りたい」

シギン「なるほど。」



シギン「ちなみにどんなアプローチを?」

姫神「一緒に遊んだり。戦ったり。」

シギン(戦う?)

姫神「彼。よく荒事に巻き込まれる。」

姫神「誰かを救うために自ら飛び込んだりもする。」

姫神「だから。彼の近くにいるには共に戦わないといけなくて。」

姫神「最近学園都市のピンチを脱するために初めて一緒に戦った。」フンス

シギン「へぇ」

姫神「でも。足りない。彼の眼中に私がいるのかもわからない。」ションボリ

シギン「ふむふむ」

シギン「ちなみになんだけど、最終的には彼とどうなりたい?どうなりたいの?」

姫神「ぶっちゃけ。彼と付き合いたい。」

シギン(よかった。結婚までいかなくて)

シギン「わかった。わかったよ。」




シギン「ーーーーーでは、あなたに私はこう『助言』しよう」



〜後日〜

上条「I’m gonna be the anti-hero♪ 」テクテク

上条「Feared and hated by everybody♪」テクテク

姫神「あ。当麻くん。」

上条「ん?」クルッ

姫神「元気?」ニコ..

上条「ん?おう」ニコッ



シギン『まずは笑顔。そしてウザがられない程度に関わりをなるべく持つ事』

シギン『そして愛想を良くし、見た目は必ず清潔感と上品さがある格好とメイクをする事』




姫神「今日。一緒に帰ってもいい?」ウワメヅカイ

上条「お、おう」ドキ



シギン『可愛い仕草をするといいよ。小首をかしげ、軽く握った拳を口元に添え、上目遣いとかね』

シギン『そして”相手の視線から見て”可愛いと思われるであろう目線の合わせ方をする』

姫神「今日。遅かったね」

上条「ああ、また補習でさー」


シギン『会話中では相手と目を合わせる。会話は基本相手に合わせ、同調し、頷きと相槌。プラス『あーわかるぅ〜○○だよね!いいよね〜』などの、』

シギン『『私、あなたと同じ気持ちですよ!楽しいと感じてますよ!』というオーラが相手になんとなく伝わる会話を心がける事』

シギン『例え知らなくても『へぇ〜そういう趣味なんだね!カッコイイね!』』

シギン『『実は私もそれに興味あって〜』とか、『私もそれ好きなの!』』

シギン『ーーといった、相手の趣味を褒めて『私は貴方の趣味を理解するし、貴方の本丸、プライベートな部分も好きですよ』という印象を与える事』

シギン『『私は貴方という人間を受け入れますよ!』というイメージを浸透させる事が大事。』


・・・・・。


姫神「あ。クレープ売ってる」

上条「食べるか?」

姫神「うん。たべる。」

シギン『一緒に何か(できれば女子っぽいモノ)を食べること』

姫神「もむもむ。」

上条「はは、随分可愛い食べ方するんだな」

姫神「そう?」クス

シギン『食べ方は特に重要。汚い、大きい口で食べる、ワイルド、雑、下品な食べ方は絶対的にNG』

シギン『小さい口でちまちま女子食いをする事』

シギン『しかもかわいくだ!』





姫神「その味美味しい?」

上条「んーまぁまぁかな。そっちは?」

姫神「とても。美味しい。」

姫神「よかったら味わってみて。」ズイ

シギン『相手が潔癖症だったり気持ち悪くないと思ってくれるタイプなら同じ食べ物を共有するといいよ 』

シギン『尚、出来うる限り食べる物を交換し、”共感”を促す事』

上条「お、本当に美味いな」

姫神「でしょう?」ニコッ


・・・・。


〜夕方〜

姫神「あ。そういえば。」

上条「?」

姫神「私。スマホでプリクラアプリをダウンロードしてみたんだけど。」

上条「へぇ?」

姫神「その。よかったら…私上条くんと写りたい。」モジモジ


シギン『理由は何でもいいよ。とにかく”一緒に写真を撮る”の』

シギン『顔が近づくし体も密着できるからね』

シギン『でもたぶんそれだけだと彼の場合は落とせない。落とせないよ』

シギン『だからーーーー』


姫神「はい。チー…」

上条「イェーイ」ピ-ス

姫神「っ!///」


ちう。




シギン『ーーーーーーーほっぺにキスでもかましてあげて』




上条「」

パシャ。


姫神「協力。ありがとう。」

上条「あ、お、おう…///」

上条「な、なんだか今日は、なんだか積極的だな!?あはは」

姫神「うん。私。頑張った。」

上条「で、でも…なんで急に?」

姫神「…上条くんが。私の気持ちにあまりにも鈍感。だから」

姫神「”前へ”。一歩。踏み出そうと思ったの。」ニコッ



姫神「あなたが好きです。私と。付き合って欲しい。」




シギン『以降は結論を急ぎ過ぎず、もっと外堀を埋めてって…』

シギン『あとはタイミング見計らって告れ』コクン


シギン『やるなら夜かな。できるならば深夜に。人が人恋しくなる時間帯は深夜だからね』

シギン『え?告白は恥ずかしい?何言ってるの?何を言ってるのかな?』

シギン『あなたは付き合いたいのでしょ?』

シギン『なら、告白は絶対的に必要。必要でしょう?というか』

シギン『ぶっちゃけ、結局それができなきゃ無理。無理なんだよね』

シギン『おーけー?納得?…他にはあるかって?あとはね…』

シギン『後は、運と相手の自分に対する意識が良い事を祈るくらい。祈るだけだよ』

シギン『では…』


シギン『ぐっどらっく!』bビシッ




上条「姫神、実は俺もーーー」

姫神「!」



〜叶え屋〜

シギン「ふー…お茶おいしぃ。」ホフゥ

シギン(しかしあんな感じで良かったのだらうくぁ。)

シギン(いちおー言えるだけ言ってみた。言ってみたけど)

シギン「…まぁ私は彼女が上手くいくかはしらない。しらないけど」

シギン「私の『助言』は最高級。つまりそれ以上はないって事」

シギン「生かすも殺すもあなた次第。最強の武器を持たされるようなモノ」

シギン「まー。それで無理なら理論的には失敗してもその人の責任だよねって」ズズ-



<コンコン。

シギン「はぁーい!開いていますよー」


依頼人↓1

相談内容↓2



小萌「こんにちはなのですよー」

シギン「あれ?キミどうしたの?」

小萌「へ?あ、あの!私はこれでも大人、」

シギン「ダメだよー?こんなとこに一人で来たら」

小萌「いえあのですね」

シギン「あ、それとも相談に?」

小萌「そうなのです。あ、でも」

シギン「イヤな先生がいるとか?同じクラスの子が好きとか?」

小萌「…」



教員証!!!

タスポ!!!!!

IDカード!!!!

普通運転免許証!!!!



小萌「この通り、私は立派な大人なのです!!」フンス!

シギン「マジさーせんした」ペコ


・・・・・・。


・・・・・・。



シギン「それで、ご相談内容は」

小萌「はい。実はですね」

小萌「私の生徒で成績が非常に悪い上にロクに出席せず、その上に入院を何度も何度も繰り返す…」

小萌「そんな生徒がいるのですよ…」ハフゥ

シギン「それはまた随分な不良くんですね?」

小萌「いえいえ!とっても良い子なのです!」ブンブン

小萌「悪い事をするなんて無縁ですし、正義感が強くて。誰かの為に動ける自慢の生徒なのです」

小萌「怪我の理由も人助けばかりなのです」

小萌「…まぁ、ただちょっと学校の出席日数的な問題があるくらいで」

シギン(正直それだけを聞いてるとその子がそんな良い子とは思えない。思えないんだけどな)


シギン「ほうほう。どんな子かはわかりかねますが、主にどういった理由で休んでいるのですか?」

小萌「え?えー…」

小萌「…そういえばはっきりと言ってもらえた事がなかったのです…」

シギン「…」

シギン「…なら、まずはそれを聞くべき。聞くべきだと思いますよ」

小萌「でも、その…どうにも聞き辛いのです」

シギン「聞き辛い?」

小萌「例えばなんですが、前に私のアパートの部屋が半壊した事があったのです」

シギン(どんな状況やねん)

小萌「その時、血塗れで大怪我した女の子を背負ってて、その子は明らかに普通じゃない様子でーーーー」

シギン「…」

シギン(ふむふむ。恐らくは魔術関係の事案ってとこか)

シギン(それにその子は首を突っ込んでしまったと)

シギン(そんでその子は今も狙われてる…ってとこかな?)

小萌「学校には来るのですがーーーーー」

シギン(でも逃亡生活をしているわけではないから、未だにその事案関係で動かなければならない…って感じかな)

シギン(だから出席出来ないし、授業を受けてないから勉強もできない、と)

シギン(この話の肝は何故その子は出席出来ないのか、かな)

シギン(んー…どう言ったものかな)


・・・・。


小萌「それでその時。聞かれるとマズイって顔をしていたのです」

小萌「それでですね、とてもじゃないけど聞く事なんて出来ないような様子で」

シギン「…なるほど」

シギン(…よし、決めた。)

小萌「心配なのです。このままじゃいくら私でも救済措置なんて取れないのです」

小萌「私は、どうしたらいいと思います?」

シギン「…」

シギン「わかりました…では、貴女に『助言』します」

小萌「はい」



シギン「その子の事は、諦めてください」

小萌「?!」




シギン「それか、」

小萌「そ、そんな事できません!!あの子は私の生徒です!!」バンッ!

小萌「絶対見捨てるなんてできないのです!」

シギン「ええ、そうですよね。なのでもう一つの方法なんですが、」

小萌「はい」

シギン「その子にちゃんと聞いてください」

小萌「何をです?」

シギン「何故その子が休み続けるのか」

シギン「その理由がなんなのか。毎回同じ理由なのか」

シギン「全部。ぜーーんぶ。まるっと全部聞き出すんです」


小萌「だからそれが出来ないからーーーー」

シギン「何故ですか?かつては血塗れの女の子背負って助けを求めに来るくらい異常な事態なんですよ?」

シギン「それを無理矢理にでも聞きださないのは最早、優しさではないと思います」

小萌「…でも、もし私が聞く事で大変な事になってしまうとしたら」

シギン「なら尚更だと思いますよ?」

シギン「そんなとんでもない事態になる大事に巻き込まれているのに、まだ若い子供がたった一人でそれを解決しなければならないんですよ?」

シギン「当たり前ですけど、子供にそんな判断をさせるべきではないですよね?」

小萌「…」コクン


シギン「聞かないというのは、その子を見捨ててるのと同じだと思います」

小萌「う、」

シギン「…別に今迄の事を全部聞き出して過去を洗いざらい掘り返せとまでは言いません。言いませんけど」

シギン「せめてこれからはその子が休む時、休んだ時。必ず休む理由を絶対聞き出して下さい」

シギン「その時の答えが嘘かどうかは聞けばある程度わかるはず」

シギン「本当の理由を聞き出してあげて下さい」

シギン「…それができないのなら、貴女はその子の判断を信じて、『その子の人生だ』と諦めるべきだと思います」


シギン「…すみません。偉そうに説教してしまって」

シギン「ただ、私ができる『助言』はこれだけ。これだけです」

小萌「…」グスッ.グスッ

小萌「…ありがとうございました」



小萌(でも上条ちゃん…答えてくれるでしょうか)

小萌(うう、いえ!答えさせてみせます!)

小萌(そしてどんな事実でも受け止め、助けてみせるのです!)



〜後日、とある高校〜


土御門「にゃーカミやんカミやん」

上条「なんだよ?」ツイツイ

土御門「愛しの彼女とLINEやるのもいいが、たまにはオレ達と男同士の友情を確かめないか?」

上条「別にいいけど何をやるんだよ?」

青髪「実は明日な?学校休んでアリサちゃんの復活コンサート行こうかなって画策しとるんや」ヒソヒソ

上条「ほう」

青髪「どう?」

上条「行く行く!」


土御門「しかし誘っといてなんだがカミやん。お前出席日数は大丈夫なのか?」」

上条「大丈夫大丈夫。なーに1日くらい大丈夫さ!」

上条「よし、明日は学校休んで極秘作戦をーーー」


小萌「上条ちゃん、お話があります」キリッ


上条「」


ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


上条「だから!明日はちょっとお腹痛くなる感じで!」

小萌「ダウト」

上条「うぐっ、…その、どうしても休まなきゃいけないんです」

上条「先生なら…何も聞かずに許してくれますよね?」チラッ

小萌「だめなのです」ニッコリ!

上条「」


小萌「休むなとは言いません。でも絶対に本当の理由を言って欲しいのです」

上条「…えっと…」

小萌「先生は上条ちゃんの先生なのです」

小萌「だから、上条ちゃん一人で何かを抱え込ませません」

小萌「お願いなのです。話してくれませんか?」

上条「ぅえ?!え、えーっと、」

上条(い、言えねぇェェェエエエエエ!!!出席日数足りてない中で学校サボってライブ行きますとか死んでも言えねぇェェェエエエエエ!!!)


小萌「…上条ちゃんがどうしてもやらなきゃいけない何か大事な事をやろうとしてる事はわかります」

小萌「でも、それはきっと先生も知らなきゃいけない事なんだと思うのです」

上条(そうかもしれませんけども!!)

上条「…親が危篤で」メソラシ

小萌「あ、じゃあ今から親御さんに電話して」

上条「いやっ、でもまぁ、あのっ、アレですよ」

上条「電話出れないぐらいかもしれませんし病院とか携帯はダメですし」

小萌「まぁダメ元でかけてみるのです」スッ

上条「待って待って待って待って」ガシッ


小萌「…本当の事、話してくれませんか」

上条「…はい」

小萌(一体、どんな理由でいつも休んで…)

上条「実は友だちとアリサのライブに学校サボって行こうとしてて」

小萌「…」ビキッ 。





この後、めちゃめちゃセッキョウした。





〜叶え屋〜

シギン「もむもむ」

シギン「クッキーおいし」

シギン「まぁ、アレだよ。アレだよね」

シギン「そんなに気になるなら四の五の言わずに聞けよって事で」ズズ...

シギン「…」ホフゥ

シギン「こんな感じでいいの?いいのかな?」


<コンコン


シギン「はーい!どうぞー!」


依頼人↓1

相談内容↓2



リドヴィア「失礼します」

シギン(この人やたらとエグい痩せ方してるけど大丈夫かな)

リドヴィア「?」

シギン「あ、よかったらお菓子あります。ありますけど」

リドヴィア「ありがとうございます。しかしせっかくですが遠慮させていただきますので」

シギン「?」

リドヴィア「いえね、私宗教上の理由で菓子類は摂取し辛いのです」

シギン「あーなるほどー」

リドヴィア「私はローマ正教の宣教師、リドヴィア・ロレンツェッティと申します」

シギン「あ、シギンといいます。よろしくお願いします」



リドヴィア「ちなみにですが何か信仰しているものはありますか?」

リドヴィア「よかったらローマ正きょ」

シギン「あ、私ローマ正教教徒です。同じです。同じですよ」

リドヴィア「あらそうでしたので?」

シギン(ゴメンなさい。勧誘鬱陶しいから嘘吐きました)




リドヴィア「少し聞いていただきたい事あって入店したのですが」

シギン「はいはい」

リドヴィア「私は主に今迄社会に受け入れられぬ者達を専門に布教活動を続けてきました」

リドヴィア「活動規模も世界中であるため色々な地域で布教してきました」

シギン「お金とか大丈夫なんですか?」

リドヴィア「一応それなりの地位にはおりますので」

シギン「へぇ…それなのにこう、管理職っぽい事はされないのですか?」

リドヴィア「ええ、私は『自分の椅子』に座るよりは 世界を転々と渡って教えを広めていく事に生きがいを感じていますので」

リドヴィア「なんだかんだ現場派ですので」

シギン「ほうほう」

シギン(この人ローマ正教の営業マンみたいな感じなのか)

シギン(しかもターゲット層を『人一倍救いを求めてるであろう人』に絞ってるあたり中々マーケティングをおさえてるね)

リドヴィア「功績に対する教皇様からの褒章さえ質屋にぶち込み、 旅の資金に換えて布教のためなら何でもやってきました」

シギン「色んな意味ですごいですね」

リドヴィア「褒められた事ではないですがね。その時は例えそんな事をしてでも少しでも前進したかったので」

シギン「回りからの評価とか凄そう。凄そうですね」

リドヴィア「ふ、『告解の火曜(マルディグラ)』なんて渾名をつけられました」

シギン「へぇ…(なんだろ?知らない。知らないや)


リドヴィア「前置きが長かったですね。本題なのですが」

リドヴィア「私、基本的には順境だったり逆境でも全てやる気にできますから爆進していけてた…のですが」

リドヴィア「前々から逆境の時の方が気持ち良、」

シギン「ん?」

リドヴィア「失礼、逆境の時の方が楽しく感じるようになってきまして」

シギン「ふむふむ」

リドヴィア「ほら、ゲームでも何でも難易度が高ければ高いほどそれをクリアした時の感動が一入でしょう?」

シギン「そうですね」


リドヴィア「それでですね、やり甲斐だとか燃えてくるとか、気持ちいいとか」

シギン「ん?」

リドヴィア「いつしか『どうやったら今直面してる問題の難易度が上がるかな』と考えるようになってきました」

シギン「へぇ…」

リドヴィア「それからというもの…」



リドヴィア「火がついた蝋燭を素手で持って説法したり」

シギン(なんでだ)

リドヴィア「出来もしないヒップホップで若い方々を韻を踏みながらローマ正教に勧誘したり」

シギン(完全に変なヤツじゃないか)

リドヴィア「一ヶ月3000円生活したりとか」

シギン(どうやったんだろう)

リドヴィア「超絶ブラック企業に入って3ヶ月ほどローマ正教を紹介したり」

シギン(宗教よりもまともな職場紹介してあげたらそこの人達救われたんじゃないかな)




リドヴィア「…ですが」

リドヴィア「なんかマンネリになってきたんですよ」

シギン(中々のツワモノだね)

リドヴィア「痛い系や精神系、コレ危なすぎて死ぬ一歩手前じゃね?系もやってきましたが」

リドヴィア「うーん?っといった感じですので」

シギン「ふんふん。」


リドヴィア「何か気持ちいい…違った、もっとレベルの高い逆境とかってありませんか?」

シギン(どうしよう相当レベルの高いドMさんだぞコレ)

リドヴィア「ありませんので?」

シギン「そうですね…」ウ-ン



シギン「ではこう『助言』します」



〜後日、イタリア某所〜


オリアナ「〜♪ このバナナ美味しい…♪」レロレロ



リドヴィア「オッリッアナァァアアアア!!!!」ド-ン!!!

オリアナ「あばっふ?!」



リドヴィア「今、よろしいですか?」

オリアナ「非常によろしくないわね。何せ地面に落ちてしまったバナナもう一回買いに行かなきゃいけなくなったもの」


リドヴィア「では大丈夫ですね」

オリアナ「あらやだあなた耳がおかしいわ」

リドヴィア「ところでオリアナ。私が苦手な事を御存知ですか?」

オリアナ「んー謝罪することと空気読む事かしらね?」

リドヴィア「そう、卑猥な発言に対して免疫がない事ですので!」

オリアナ「うーん、ちゃんと人の話を聞く事も追加するわね?」

リドヴィア「私は育ってきた環境もあって卑猥な表現や性的な事に対して恥ずかしくなってしまうので」

オリアナ「ウブなお嬢さんね」クスクス

リドヴィア「私の方が年上ですので」ムス

オリアナ「あら、年齢イコール”大人”ではないでしょう?」



リドヴィア「まぁ何はともあれ」

リドヴィア「特訓といいますか、何の恥ずかしげもなく変態的な事をスラスラ言える貴女に教えを受けたくて来ましたので!」

リドヴィア「どうかご教授を」

オリアナ「あらやだお姉さんすっごぉく面倒臭い」


オリアナ「というか何でまた今頃?」

リドヴィア「実は最近とある場所で『助言』をうけましてね」

オリアナ「あらどんな?」


リドヴィア「『自分が最も不得意、苦手とする事を克服しなさい』」

リドヴィア「『それは何よりも苦痛と忍耐が必要で、とんでもなく難しい事だから』」


リドヴィア「…と」

オリアナ「へぇ?」


オリアナ「んー…でも貴女、他にも色々と直すべきとことか苦手なところあるわよね?」

リドヴィア「…ではその辺りの指摘を、先生」

オリアナ「あら、お姉さん少しヤる気が出てきたわ」

オリアナ「いいわよ?お姉さんがた〜っぷり。色んなエッチな事教えてアゲル♪」

リドヴィア「…早速卑猥ですので///」


〜叶え屋〜


シギン「〜♪」ペラ.ペラ..

シギン「あ、このブーツすっごい可愛い」

シギン(暇つぶしにファッション雑誌読んでるけどもう残りページがない。ないよ)

シギン(これを読み終わる前に次のお客がーー)


<トントン。


シギン(キターーーーーー☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ーーーーーーーーー!!!)

シギン「はぁい!どうぞー!」

依頼人を↓1

相談内容を↓2






ゴールデンレトリーバー「わん」


シギン「犬だーーーーーーーー!!!」ゴビ-ン!!







ゴールデンレトリーバー「まぁ落ち着きたまえ」

シギン「シャベッタァアアアア!!!!」


ゴールデンレトリーバー「ふぅ…やれやれ。私と初めて会う人間はみなそういう反応をする」つ葉巻

ゴールデンレトリーバー「ああ、すまない。ちょっと火を貰えるかね?」

シギン「葉巻吸えるの!!!?」


・・・。


シギン「ハァハァハァハァ」

ゴールデンレトリーバー「落ち着いたかね?では火を」

シギン「すみません。ここ禁煙なので」

ゴールデンレトリーバー「ぬぅ、煙草用集塵機くらい設置したまえ」

シギン「すみません。ウチは皆非喫煙者なので」



シギン「それでワンちゃんはどういった御用件で?」

ゴールデンレトリーバー「いやワンちゃんはやめたまえ」

シギン「んー…」

ゴールデンレトリーバー「…」


シギン「…ポチ?」クビカシゲ

ゴールデンレトリーバー「名付けるな名付けるな」


ゴールデンレトリーバー「あーいや、ゴホン。申し遅れたな。私の名は木原脳幹」

脳幹「犬の脳に外付けの機械を導入した事で人間並みの知能を手にした者だ」

脳幹「見た目はこんなだが、そこそこ長生きしている一人の科学者だよ」

脳幹「専門分野は反魔術〈アンチ・マジック〉」

脳幹「いわゆる魔術というモノに対して科学的見地からの撃滅策を考案、用意し形にし実践していく」

脳幹「よろしく。”お嬢さん”」ニコッ

シギン「あ、よろしく。よろしくお願いします」ペコ


シギン(相も変わらず学園都市お得意のゲテモノ科学、か…)

・・・・・。




シギン「それでご相談内容というのは」

脳幹「ああ、私の部下である女性の事なんだがね」

脳幹「実は彼女、最近毛が服についている事が多くてね」

シギン「毛?」

脳幹「ああ。私の毛だ」

シギン(お前のかよ)

脳幹「換毛期でね…夏毛と冬毛の総入れ替えなのだよ」

シギン(ガチの犬事情きた)

脳幹「生理現象とはいえ、彼女の服に度々こんもりと付着させてしまっていてね、みっともないのだよ」

脳幹「しかしいくら『綺麗にしておきなさい。見た目を良くしておく事など当たり前なのだから』と言い聞かせても中々聞かない」



脳幹「とは言え原因は私にある。気づいたら私も取るようにはしているのだが」

シギン「ふむふむ」

脳幹「彼女は結構な頻度で私に抱きつきモフモフするし、それもやめろと言っても聞かんのだよ」

シギン(ああ…わかる。わかるよ。私もその人の立場だったら絶対モフりにいく。いくもんなぁ…)


脳幹「ヒトと犬の関係の宿命かもしれんのだがね、」

脳幹「常に改善し続ける…進歩し続けなければそれは現状維持ではなく、退化だ」

脳幹「私はそんな事はゴメンなのでね」

脳幹「だから君に聞きたい」





脳幹「飼い犬の換毛期によくある服への毛の付着と室内の毛だらけ状態の改善方法というのはあるのだろうか」

シギン「…」








シギン(それ、私じゃなくてペットショップの人に聞いた方がいいんじゃない…?)




シギン(とは言えないので。)コホン


シギン「はい。では『助言』します」

脳幹「よろしく頼むよ」ワン!





〜ペットショップ〜


店員「いらっしゃいませー」

唯一「いやぁ、いつかは先生に付き合ってこういったお店に来るのかなーとは思っていましたが」

脳幹「…」

<ワンワン!キャンキャン!

唯一「いやーペットショップっていいですよねー」

脳幹「そうかね?」

唯一「だって小さくて可愛い子達がいっぱいじゃないですか!」

脳幹「すまないが、実は私はペットショップというのはあまり好きではないのだよ」

唯一「あれま」

脳幹「…」

唯一「先生ひょっとして、御自分を箱の中の彼等に重ねてるとか?」

脳幹「そうだな。それもある」

唯一「と、いいますと?」


脳幹「私は彼らに対して『可愛い』という癒しではなく『なんと哀れな…』という思いが先行してしまうのだよ」

唯一「へぇ?」



脳幹「考えてもみたまえ。彼らは常に狭い透明な檻に閉じ込められている」

脳幹「常に監視され、売られなければなけなしの自由すらその人生にはない」

脳幹「彼らという犬種が造られるのも哀れだ」

脳幹「例えばペット犬の商品価値の一つである『鳴かない犬』を造るのには何十世代ものの交配…品種改良が必要になる」

脳幹「つまり、延々と子供を産ませ続ける『母犬』という名の工場が必要になる」

脳幹「そして、必要の無い『よく鳴く犬』の処分もな」


脳幹「更に、商品として並んで月日が経ち…商品価値の一つである『小さくて元気がある”仔犬”』を無くせば」

脳幹「つまりは売れ残った場合。引き取り手がいればまだ救いはあるが、もしいなければ」

脳幹「殺処分だ」

脳幹「…実に悲しいと思わないか。己らの勝手な都合で命を生み出し、”生命”という尊いモノを売り買いの”物”として扱う」

脳幹「ヒトの傲慢さを存分に感じさせてくる。だから私はペットショップは好きではないんだよ」

唯一「へぇー」


店員(嫌な犬型ロボットだなぁ…)←苦笑い


脳幹「しかし今日は立ち寄らねば」

唯一「助言を受けた商品を買いに、ですよね?」

唯一「しかしそんなに嫌いならネットで買えばよかったんじゃ?」

脳幹「ん?ああ。確かにネットで購入するのもやぶさかではないのだが」

脳幹「助言してくれた彼女の意見だけでなく他の意見等を聞き、多角的、多面的に考えたくてね」

脳幹「それに専門家の知識と意見とも照らし合わせて購入したかったのだよ」

唯一「へぇー」チラ

唯一「あ、コレじゃないですか?すいませーん店員さーん!」

店員「はい。どうされましたか?」

唯一「えっとですね、犬の換毛期用ブラシと犬毛用のカーペット用クリーナーが欲しいんですけど」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」



シギン『換毛期用のブラシで毎日定期的にブラシしてもらって。してもらうといいよ』

シギン『予め抜ける毛を抜いておけば付かないからね』

シギン『後は室内だけど これもコロコロみたいなカーペット又はフローリング用のクリーナーを買うといいよ』

シギン『この二つの方法を試してみてもらえば少なくとも今の半分以下に被害は抑えられる。抑えられるよ』


脳幹「む!」

唯一「どうしました先生?そんなに犬用おやつコーナー見つめて」

脳幹「唯一。すまないがジャーキーとほねっこも買ってはくれないか」

唯一「先生?この前も獣医さんに止められたでしょう?食べ過ぎです」

脳幹「節制も大事だが娯楽も大事な事だと思うんだがね」

唯一「節制するからこそ長く娯楽を楽しめるんですよ?お酒だとか煙草、食事もそうですよ」



脳幹「…君はたまに生徒というか、私の飼い主のようになるな」

唯一「そりゃ、私はそういうポジションの人間ですからね」



唯一「…」

脳幹「…」ショボン

唯一「…もう、一つだけですよ?」

脳幹「!」パタパタパタパタ

脳幹「エフン!そうか、ありがとう。では清算を頼むよ」

脳幹「私はその間檻の中の彼らと会話でもしてくる」

唯一「はいはーい。了解ですせんせー」

唯一(先生は私をたまに飼い主のようだと言いましたが)チラッ

ほねっこ、ジャーキー、骨ガム


唯一(ふふっ。だとしたらとんだダメ飼い主ですねぇ、私)クックッ



〜叶え屋〜



シギン「ZZZ」

シギン「むにゃ?」

シギン「ふぁー…ああ…」

シギン「抱え枕でのお昼寝が中々に気持ちいいとは」

シギン「…」ボ-


シギン「もう一眠りしよっかな…」


<トントン


シギン「ふぁーいー」アファ


依頼人↓1

相談内容↓2

お悩み相談ダイヤルの人?


クランス「こんにちは」

シギン「にゅ?」ムニャムニャ

クランス「こちらで助言をいただけると聞いてきたのですが…」

シギン(あらまあ美少年)

シギン「はいはい。どんな相談?」

クランス「実は私の部下にですね、」



クランス「シースルーの肌着に黒革ベルトで要所要所を隠しているだけという過激な格好をしている子がいまして」

シギン「」



シギン「しょ、職場で?」

クランス「ええ、職場で」

シギン「なかなかにクレイジー。クレイジーだね」

クランス「まぁそれが許されるといえば許される職場なんですよ」

シギン「えー、SMクラブ的な職場?かな?」

クランス「ち、違いますよ!」

クランス「公にはできませんがある意味では公務員です」

シギン「へー」

シギン(ううん。十中八九魔術師、かなぁ)


クランス「話を戻しますが、しかもその子は私と同じくらいの年なのですよ」

シギン「ふんふん」

クランス「…正直、目のやり場に困るんです」ハフゥ

シギン「? 君が上司なら命令でやめさせればいいんじゃ?」

クランス「あー、厳密には彼女と私の間にはもう一人中間管理職の方がいまして」

シギン「?」

クランス「その方が独断と職権乱用でその子に半強制的に着せているようなんです」

シギン「それならその人に命令するなり減給降格処分なりすれば」

クランス「それが少し事情がありまして」ハフゥ

シギン「ほう」



クランス「その方、ウチの組織の中で一番強いんですよ」

クランス「そして一番仕事ができて、一番我が強くて、一番忠誠心なくて一番その子を溺愛していて」

クランス「そして、」




クランス「一番…ド変態なんですよ…」

シギン「タチ悪いね」


シギン「ちなみになんでその人はその格好をその子に強要するの?」

クランス「趣味と実益を兼ねているからでしょうね」

シギン「? 趣味はわかる。わかるけど…実益とは?」

クランス「ええとですね、説明すると難しいのですが」

クランス「端的に言いますと我々の組織では服装によって力を発揮するんですよ」

クランス「そしてその子の場合、その格好をすることで最大限の力を引き出せるのです」

シギン「へぇ?」

クランス「なので自分もちょっと言い辛いんですよ」

シギン「ふむふむ」


クランス「以前、女性の部下の方にお願いして注意してもらうとかも試みてはみたのですが」

クランス「特に効果はなかった上にその女性から反感まで買ってしまって」

シギン「まぁ『んな事くらいテメェで言え』ってなる。なるよね」

クランス「『やめないと給料減らします』と申告しても説教しても効果もなく」

クランス「ほとほと困っているのですよ」ハフゥ-

シギン「ふむふむ…」

クランス「どうしたら良いのでしょうか」

シギン「んー…」

クランス「?」


シギン「ちなみにだけど、一番解決したい事は『彼女のちっぱいやらヘソなんかが気になっちゃって思わずガン見しちゃうけど変態と思われたくない』」

シギン「これでいい?」

クランス「そ、それだけじゃないですっ!///」

クランス「わ、私は組織内の風紀が乱れているのが」

シギン「え?でも服装によって実力を発揮する『そういう職場』なんでしょう?」

クランス「う」

シギン「建前はいい。いらないよ」

シギン「というか、結果的にはその子がその服装をする事で組織の役に立つんでしょ?」

クランス「あー、…まぁ。そうとも言えるかもしれません」


シギン「ならば、変わるべきはあなた。あなたなんじゃないかな」



クランス「しかし、モラル的に」

シギン「モラルやマナーは会社、宗教や慣習によって変わるもの」

シギン「変えがたい、変えにくい。変えるとデメリットがある」

シギン「それなら相手を変えるのではなく。自分が変わるしかない。変わるしかないよ」

クランス「私にあの…えっちな服装を許容しろと?///」モジ

シギン「うーん、急には無理だろうから」




シギン「これとかどう?」ゴソゴソ

クランス「?」






〜後日、ロシア成教総大主教執務室〜


ワシリーサ「…どうしたの?それ」

サーシャ「第一の質問ですが、私も気になります」

クランス「…」



クランス(E:グラサン)「お気になさらず」ド-ン!




クランス「ふっふっふっ…!」

サーシャ「?」クビカシゲ

ワシリーサ「?┐(´д`)┌ ?Do you kotoyanen?」


グランス(無敵…っ 圧倒的な万能感…っ)




クランス(いやいや中々どうして画期的な物もあったものです)

クランス(このグラサン、もちろんただのグラサンではありません!)



クランス(なんと!眼鏡ガラスの下半分がマジックで塗り潰されているんです!)ド-ン!



クランス(これにより彼女の肢体を下半分に収めれば彼女を直視する事が可能!!)


クランス(しかも!視線を眼鏡ガラスの下半分にする事でついつい視線がいってしまっても相手には視線が見えない!)

クランス(もう大丈夫!これで私も問題なくーーー)

サーシャ「…あの、総大主教?第二の質問ですが」

クランス「なんです?」フッフッフッ

サーシャ「何故白目を向いているんですか」

クランス「…」

クランス「?」



クランス「いえ?白目など向いていませんが」

サーシャ「私見ですが、こちらから見るとグラサンの奥に見える瞳は完全に白目向いてるとしか見えません」

ワシリーサ「ん〜…? あっ、ホントだわ。クラちゃんガンギマリ眼になってる」

クランス「えっ」


サーシャ「第三の質問ですがヤバイ人にしか見えませんし辞めた方が良いのでは」

ワシリーサ「いやークラちゃんも別ベクトルでヤバイ格好のサーシャちゃんには言われたくないでしょうよ」

サーシャ「これは貴様が無理矢理着せてんだろーがァアアアア!!」ブンッ

ワシリーサ「おっとぅ」ヒラリ

クランス「」



シギン「んー…」

シギン(もうそろそろお店閉めよっかな…)

シギン(そこそこ稼いだし。時間も大分遅くなったし)

シギン(うん。あと一、二件くらいで終わろ。)

シギン(ちょっと疲れた。疲れちゃったし)



<コンコン。


シギン「おっと。かなりのハイペースだね」

シギン「はーい!開いてますよー!」






>>933違います。>>1もリアルタイムであれ読んでただけにエタって残念です。


↓1依頼人

↓2内容


うぇい。ばーどうぇいの想い人は↓1



パトリシア「こんにちは」ペコ

シギン「いらっしゃいませー」ペコ


パトリシア「あっ、あの!ここって恋愛相談とかってできますか?」

シギン「うん。できる。できるよ?」

パトリシア「私自身の恋愛相談じゃなくてもできますか?」

シギン「? 誰かの恋愛についてのって事?」

パトリシア「ええ」

シギン「…うん、できる。できるよ。必要な情報を全部くれればね」

パトリシア「ほっ。よかった〜…」


パトリシア「あのですね、」

シギン「はいはい」






パトリシア「私のお姉さんがどうやら恋をしているようでして」

シギン「ほうほう」




パトリシア「ただなんというか…危なっかしいというか、不器用というか」

シギン「ふむふむ」

パトリシア「なんとか成就させてあげたいんです」

パトリシア「でも…私もそんな恋愛経験なんてないですから、どうしてあげたらいいのかわからなくて」

シギン(いい子だ。いい子だよこの子!)


シギン「んー…でもそれって、」

パトリシア「ええ。当人達、個人の問題というのはわかっています。でも…」

シギン「でも?」

パトリシア「その、お姉さんは不器用というか、なんだかとっても危なっかしくて」

パトリシア「なんとか応援したい。助けてあげたいんです」

パトリシア「でもどうしたらいいかがわからなくて…」

シギン「ふむふむ」

ミス。>>963は無しで。


シギン「ちなみにお相手の情報は?年齢や性別、ビジュアルが聞きたい。聞きたいかな」

パトリシア「えっと、高校一年生で。もちろん男で背は〜…160くらいですかね?」

パトリシア「お姉さんとの関係は、…そうですね、お姉さんの仕事や成り行きから一緒することが多いので」

パトリシア「現状はあくまで知人の域ですね」

シギン「ふんふん…人間性はわかったりする?」

パトリシア「はい。正義感が強くて、助けを求める人には誰であっても全力で手を差し伸べる…そう、まさに”ヒーロー”みたいな人ですね」

シギン「へー」

シギン(どこかで聞いた。どこかで聞いたような人だね)

シギン「ちなみにあなたはどんな感じでお姉さんの恋心を知ったの?」

パトリシア「そうですね、この間の事なんですがーーーーー」








〓〓バードウェイ姉妹の(隠れ)家〓〓








ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


パトリシア「あ、お姉さんちょっといい?お姉さんのくまさんパンツが私のタンスに入ってーーー」ガチャ


バードウェイ「……」



パトリシア「?」

バードウェイ「………はふぅ。」

バードウェイ「…………」カキカキ

パトリシア(? 机で紙に何か書いてる?)

『とーま。 とーまとーま』

パトリシア「………?(とーまってなんだろう?)」

バードウェイ「…////」

パトリシア(あ、なんか顔真っ赤にして微笑んでいます)

バードウェイ「……」カキカキ


/\
/と‖れ\
う‖い
ま‖・
‖ぃ
‖に
‖あ


バードウェイ「ふ、ふふっ…!///」



パトリシア(うわぁ…!お姉さんがあんな満面の笑みしてるところ初めて見ました!)


>>967のバグった所は相合傘を平仮名で書いてます。


バードウェイ「…」スッ

パトリシア(誰かの写真?なんか隠し撮りっぽいですけど)

バードウェイ「んー…っまっ♪んまっ♪」チュッチュッ

パトリシア(写真にキスしてる…だと…っ?!)

バードウェイ「…はふぅー///」

パトリシア(肘ついてぼんやり空を眺めてる?)

バードウェイ「………」

パトリシア「………」

バードウェイ「ッ?!な、おまっ、いつから居たッ?!」

パトリシア「えっ!?え、いや今…かな?」

バードウェイ「……そうか…ならいい。なんの用だ?」ホッ

パトリシア「あー、うん。別にいいです!ごめんなさい!」

バードウェイ「?そうか?」






ーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー



パトリシア「この一件からお姉さんが恋の病を患っている事を知りました」フ-...

シギン「あからさまだもんね」

パトリシア「あんなに陥落されてるお姉さんなんて家族の私ですら見た事ありません。かなり重症です」

シギン「うん。重症っていうか致命”症”レベルだね」




パトリシア「それからーーーー」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


〓〓隠れ家〓〓


パトリシア「あれ?お姉ちゃんは?」

マーク「ボs…レイヴィニアさんなら先ほど日本に出かけられましたよ」

パトリシア「へ?なんでまた」

マーク「あー…、まぁ彼女にも年相応の一面があった的な?」

パトリシア「日本に欲しい物でもあるんでしょうか?」

マーク「そうですね。欲しい者を手に入れる為です」

パトリシア「へー。どんな物なんですか?」

マーク「うーん。そうですねぇ、」

マーク「黒くてトゲトゲしてて」

パトリシア「…ウニ?」

マーク「パンチ力が中々ケタ外れで」

パトリシア「…?」

マーク「我々も何度もお世話になっています」

パトリシア「んー…?」


パトリシア(黒くてトゲトゲしててハードパンチャー…)


上条『Hello!』

パトリシア(あ、あの人か)

パトリシア「…」




パトリシア「えー!?」



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パトリシア「流石にちょっと気になりましたので一度学園都市にお姉さんがどんな様子なのか見にいったんです」

シギン「へぇ」


〓学園都市〓


パトリシア「さてやってきました学園都市」

パトリシア「安心してください。”サンプルショゴス”はありません」キリッ

パトリシア「ふふっ。お姉さんの恋路、私がガッツリと応援しますからっ!」ガッツ

パトリシア「えー…っと。お姉さんはどこかなと」キョロキョロ

バードウェイ「…」

パトリシア「あ、いた!お姉さ」



バードウェイ「ところで今日の私はどうだ?」

上条「え?あー…なんか、アレだな。ヒラヒラフリフリしてるな」

バードウェイ「…」←E:フリフリドレス


パトリシア「」


上条「なぁ、俺らこれから街をブラつくんだよな?」

バードウェイ「行為自体はそうだが、これはあくまで調査だ。それは理解しておけ」

上条「ひょっとしてだけど今からダンスパーティーにでも行くのか?」

バードウェイ「違う」プクゥ

上条「え?じゃあまさかやっぱそれ私服?ぷっ」プ-クスクス

バードウェイ「ち、違う!!そうじゃなくてだな!」

パトリシア(…まさか…)

バードウェイ「いや、でもホラ!オシャレで大人っぽいだろう?」

パトリシア(アレがお姉さんの精一杯のオシャレ?!)ゴビ-ン!


上条「そりゃまぁオーダーメイドっぽいパーティーナイトドレス着るのは大人の女の人だけだろうけど」

パトリシア(お姉さんTPOを考えて!?そんなの)


上条「あー、でもまぁ可愛いんじゃないか?」

バードウェイ「!」


バードウェイ「ふ、ふん!そうだろう?ならもっと褒めろ!称えろ!崇め祀って奉れ!」

上条「しねぇよ」

バードウェイ「そして頭をナデナデしろ!」

上条「よくわからんがまぁそれくらいなら」ナデナデ

バードウェイ「おっほぅ…テクニシャンヌ…」

上条「可愛い可愛い」ナデナデ

バードウェイ「もっとだ!もっと言え!」

上条「これでいいのか?」

バードウェイ「まだー」

上条「そろそろ疲れてくるんだけど」

バードウェイ「というかこういう時は抱き寄せて頭を撫でるべきではないのか?うん?」

上条「面倒くせっ」

バードウェイ「仕方ないな…なら私おんみずから抱き寄せられてやるか…」バフム

上条「わっぷ」





パトリシア「」








パトリシア「あれじゃあ、もうレイヴィニアじゃなくてデレヴィニアですよ!」バンッ

シギン(うん、デレヴィニアちゃん可愛い。可愛いよね)



パトリシア「それからお姉さん達は事件に巻き込まれたりToLoveるったりとしたのですが…」

パトリシア「お姉さんだって頑張ってるのに彼も彼で!」

パトリシア「やれ『え?何?ゴメン聞いてなかった』」

パトリシア「付き合ってくれよ!(あの敵ブン殴るのを!)だの!」

パトリシア「『熱膨張って知ってるか?いや違うよ?俺の下条さんじゃないよ?』なんてセクハラだの!」

シギン「違う意味ですごーい」

パトリシア「お姉さんもお姉さんで不器用で!素直になれないし!」

パトリシア「…上手くいって欲しい」

パトリシア「…私は、ただただ、お姉さんに幸せになって欲しいんですよ…」クスン

シギン「…」


シギン「んー…よし、」

パトリシア「?」

シギン「さすがにそんな女の敵は許しちゃおけない。おけないよ」

シギン「というわけで」

シギン「耳貸して」

パトリシア「…?」



シギン「ゴニョゴニョゴニョ」

パトリシア「…えっ!?」



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上条「人は♪死ーぬよ♪必ずぅ♪死ぬ♪」スタスタ

上条「いつか♪君も♪俺も♪死ぬんだ♪」スタスタ

上条「だから♪せーめて♪生きてる♪間くらいは♪一緒にいてー♪くれよー♪」スタスタ




キキーッ。


ドガシャーン。




\あー/








御坂(レイプ目)「仕方ないわよ。仕方ないよね。」ビリビリ

御坂「私放って姫神さんと付き合って、オマケに金髪幼女にセクハラだと?許さんわ」

御坂「でも私は優しいからこれで許してあげるわ」

御坂「あとで待ってなさい?治療費はもちろん、最高級のフルーツバスケットお見舞いしてあげるわ」

黒子「お姉さまェ」





パトリシア「」

パトリシア「か、上条さんがはねられ、」



パトリシア(なんで『助言』の言う通りに御坂って人に事のあらましを話しただけでこうなったんだろう…)


〜ゲコ太ホスピタル〜

上条「…っはぅん!?」ガバッ

上条「…」

上条「…知ってる天井だ」

冥土帰し「だろうね?」

上条「先生、俺は一体?」

冥土帰し「車にはねられたんだね?」

上条「そーすか…」

冥土「全治3ヶ月。通学も無理そうだし、君の頭の出来を鑑みると100%留年なんだね?」

上条「」


上条「嘘だ…!ウゾダドンドコドーン!!」

上条「えぐっ、えぐっ!夢、夢だろ…っこんなの…っ」グスッグスッ

冥土「ところがどっこい‥‥‥‥夢じゃありませんん‥‥‥‥! 現実です‥‥‥! これが現実なんだねっ‥?」

上条「ファックユー!」

冥土「では充分楽しんだから僕は自室に帰るんだね?」

上条「自室じゃなくて土に還ってください」

がらっ。

上条「ちくせう…」

がらっ。

上条「ああん?今度は何だ?」

バードウェイ「フン。大変そうだな」

上条「バードウェイか。いやぁー大変っつーか、絶望が俺のゴールだね」

上条「学校はダブって入院費もかかって、体は傷みまくり」

上条「インデックスやスフィンクス、オティヌスが餓死しちまう…」

バードウェイ「ほう、それは希望の欠片もないな」

上条「ちくせう…俺が、俺が何をしたって言うんだ…」

上条「秋沙は今留学してるしなぁ…」ハァ

バードウェイ「…秋沙、ね」

上条「ああ…このままじゃ将来いい仕事にもつけない…」

上条「不幸だー」ガク-ン

バードウェイ「…そんなお前に起死回生の手があるんだが、いかがかな?」

上条「なんですと!?」ガバッ


上条「一体どんな魔術を、」

バードウェイ「簡単な話だ。私のとこに来い」

上条「( ゚д゚)」

バードウェイ「私のとこにインデックスやらスフィンクスやらも連れて来ればいい。私が養ってやろう」

上条「神様ッッッ!!!」ダキッ!

バードウェイ「ひゃん!?////」

上条「ありがとーごぜーますだー!」スリスリ

バードウェイ「ま、まぁな!それに就職口も気にするな。私が将来必ずお前を雇ってやろう」

バードウェイ「よかったな。もう内定が決まったぞ?」フフン?

上条「お前が女神に見えるよ…!」

バードウェイ「ふ、フンッ!あまりにも不憫で見てられなかっただけだ!///」ダパダパダパ



壁|リシア(お姉さん鼻血鼻血!!)



パトリシア「…でも、よかった。お姉さんも上条さんも最終的には幸せそうになったですし!」

パトリシア「これで私もーーー」



上条「あ、秋沙も呼んでいいか?」

バードウェイ「? アイサ?」

上条「ああ。俺今付き合ってる子が居てさ。その子もーーー」

バードウェイ「」ピキ





ゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴス。



\あー/



パトリシア(…前言撤回!!まだ見守る必要ありですぅうう!!!)

パトリシア(上条さんのバーカ!!!)クスン



〜叶え屋〜

ウート「お疲れ、シギン。悪りいな急に言って」

シギン「ううん。私も楽しかった。楽しかったし」フルフル

ウート「そういえばさ、最後の客はどんなんだったんだ?」

シギン「んー?『お姉さんを幸せにしてあげたい』だってさ」

ウート「へー?そりゃいい子だな。結果は?」

シギン「さぁ?知らない。知らないよ。私の仕事は『助言』まで」

シギン「成功するも失敗するも『助言』された人次第だもの」

ウート「そっか」

シギン「でもさ、」

ウート「?」

シギン「私、ホントはあの案件、『助言』しないべきかなって思ってたんだ」

ウート「へー?」

シギン「あの子さ、『幸せにしたい』って言ってたけど」

シギン「”幸せ”っていうのはね、」

シギン「追求したり与えられるものじゃなくて、後から気づくモノだと思うの」

ウート「…なるほどね」

シギン「持論だけどね。それに…」

シギン「あの子のお姉さんもさ、きっといつか気づくんじゃないのかなって思うの」

シギン「欲しいものとか『これを貰うとわかりやすい幸せを感じる』物を手に入れるのは幸せではなくて、ただの快楽でしかない」

シギン「似てるけど違う。似て非なる物だよ」

シギン「成功したら幸せだとか、失敗したら不幸だなんて一概には言えない。言えないはず」

シギン「人生万事塞翁が馬。何が幸せに結びつくかなんてわからないものだよ」

シギン「不幸になったが故に気づく事もあれば、成功した故に失うなんて多々ある事。」

シギン「だから…お姉さんの恋路はお姉さんの物で。それこそあの子に出来る事は見守る事だけだったと思う」

シギン「本当に困ったことが発生したら手を差し伸べに行くだけで良かったんじゃないかな」

ウート「なるほどね」

ウート「あー…ちなみにだけどさ、」

シギン「?」



ウート「それを助言してやれば良かったんじゃね?」

シギン「ゴメン、相手の男があまりにも腹立つものだからつい私情で」

ウート「相手の男も気の毒だなオイ」



シギン「以上です。安価協力ありがとう」ペコ


シギン「これが次スレ。http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1457980677ここから跳ぶといいよ、と『助言』しよう」

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|次スレも。宜しく。            /
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     j|:.:.:.:,ィ"j:!'/ `!.:| ,イ|  ! Y:.{
     ,/:.:./  V:./  j:.:j, ||  l lい
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    j!:.:.:ト-イ/  ',   |:.{ ヽ|  ! l j:|
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    !:.:.:.|〃 .:.   | {:/ ヽ |  |  ', i
    j|:.:.:';/  .:.  | }j    j   !.  い、
    !i:.::i:j   :、 i 〃   |  ',   〉 }
    jl.!:.:.i:l、     Y{     !   } ,イ!∧
   |:| i:.:.| :.:.、  :、!:!: .    〉 ..:/:'__》. 〉
   !:| !:.:j  .:.゙:.、 j:j; __,_;∠,.=<「:.:| ∨

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 /j:i j!:.:.:.:l、       : :、  : : : \: : : /,//  \

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月16日 (金) 22:05:53   ID: Ofyjrmqi

きた!期待っ♪

2 :  SS好きの774さん   2014年06月21日 (土) 17:19:42   ID: afcwOMQR

寒っ

3 :  SS好きの774さん   2014年10月29日 (水) 13:43:22   ID: hsO1rOLE

期待!

4 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 01:21:42   ID: p8RUrc5Y

まだですか???楽しみにしてます!

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