【それはとある世界の国で起きた事件でした】
【悪魔のみが行使できる、魔の理】
【即ち、『魔法』を扱える者達が大勢その国に集まっていたのです】
王様『なんということだ……このままでは我が国を脅かすかも知れぬ』
【国王は恐れました】
【個人差はあれど、魔法を行使する者の絶大な力を知っていたからです】
【そこで、国王は調査を命じた末についに、悪しき魔法使い達の潜む場所を突き止めたのでした】
王様『凶悪な魔物どもはなんと、神に遣えるべき神聖なる教会にいる事が分かった』
王様『我が国が誇る最強の聖十字騎士団よ、奴等が寝静まった今夜……』
王様『一人残らず神に祝福されたその聖剣で滅するのだ!!』
【そうして国王は騎士団に魔法使い達の抹殺を命じたのです】
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【それは、とても暖かい日の、蒸し暑い夜の事でした】
【とある国にある都市から少し離れた、廃墟同然の町】
少年「ねぇ、やめようよ……」
少女「大丈夫だってば、今夜は月明かりもあるから暗くないもん」
【そんな町を、二人の子供が歩いていました】
【少年の怯えた声は、普段なら来ない時間に来て、暗闇を怖がっていたのでしょう】
【では何故、子供達はここへ来たのでしょうか】
少女「それに気になるでしょ? さっき見たのよ、何か光る物がこっちに落ちてきてたのを!」
少年「そりゃ僕もみたけどぉ……でも、気のせいかもしれないし……」
少女「確かめないと分かんないじゃん、いいから行くの!」
【どうやら子供達は光が落ちた所を見て、それを確かめに来たようでした】
【気の弱そうな男の子は、どんどん先へ進んでしまう女の子の袖を掴んでいます】
【二人の足音は静かな廃墟の町に小さく刻まれていき、幼い呼吸は残滓を残して】
少女「えーと、確か……」
少年「……」ビクビク
【しかし暗さもあり、そう簡単に見つけられるものではありませんでした】
【ましてや幼さの多い子供の記憶では、まるで自分の位置すらよく分かっていなかったでしょう】
少年「……」ビクビク
少年「………え?」
【しかし、臆病な子供だからこそ】
【少年は周囲を見たときに気づけたのでした】
少年「……ねぇ、あれって…」くいっ
少女「なに?」
【少年が袖を引くと、少女はそちらを向きます】
【しかし、そこには廃屋や崩れた壁しかないように見えます】
少年「ほら、あれっ」
少女「………」
少女「!!」
【そして、目を凝らした時に少女は見つけたのでした】
魔女「……ッ…」
【青白い、淡い光を放ちながら倒れている……一人の女性を】
━━━━━ 「……」
魔女「……ぅ……ん」
魔女(頭が……痛い…)
魔女(………)
魔女(………)
起き上がりますか?(問いかけに対する安価の答えは『はい』or『いいえ』)
>>10
はい
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