SS初投稿なので不具合ありましたらご指摘願います。
先に某イラストサイトの小説機能で上げちゃってますが一度SSとして投稿してみたかったもんで…。
あと勢いで書いたんで読みにくかったり、そこ要らんやろみたいなところもありますが……。
まあうだうだ言ってないで投下しますわw
あ、春香と千早のお菓子にまつわるほのぼのとしたSSです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400113784
私の趣味はお菓子を作ることだ。
これは誰かに「美味しい」といってもらいたい、というよりかは、お菓子を作る行為そのものが好きだからかな。
もちろん、誰かに作って喜んでもらえたら嬉しいけどね。
でも私は少々お菓子作りに依存している。
暇さえあれば、材料を買って、お菓子を作っている、これは目的としては、誰かにあげるためではなくて心の癒しであったりストレス解消であって、それってちょっと不純な動機かな、とも思うけど、まあ誰かに喜んでもらえる趣味ではあるから、なかなかやめられない。
まあやめる必要もないとは思うんだけどね。
さて、そんな私が最近よくお菓子を作って上げている相手が居る。
千早ちゃんである。
今日も千早ちゃんのマンションの部屋までお菓子を作って持っていってあげるのだ。
と、いうか今着いた。
インターホンを押すと、千早ちゃんの「開いてるわよ」との声がしたので、遠慮せずにそのまま扉を開ける。
「おはよー、千早ちゃん」
「おはよう、春香」
ゾクっとするような笑顔。
それは狂気をはらんだ、見る人によっては吐き気を催すような、そんな笑顔。
でも、私はその笑顔好きだよ、可愛い。
千早ちゃんがなぜそんなに嬉しそうにしてるのかといえば、それはやはり私のお菓子なのである。
こんなに喜んでもらえると流石の私も嬉しくなる。
持ってきているのは相変わらず暇な時間に作ったお菓子だけれど、もちろん手抜きもしてないし、昨日作って冷蔵しておいた新しいものであるということは言っておこう。
「今日もお菓子持ってきたよー」
「ええ、もう楽しみでしかたなかったのよ」
でしょうね、子供が見たらトラウマになりそうな笑顔ですね。
「じゃあまずはこれかな、シュークリーム、良く冷やしてあるし、ちゃんと冷たい状態のまま持って来たよー」
「へぇ……」
千早ちゃんは、そのシュークリームを手に取り、顔の近くまで持ってくると、
ぐしゃり、とそのまま握り潰した。
中身の生クリームやカスタードが机の上や私と千早ちゃんの顔に飛び散る。
「うん、いい冷たさよ……」
「それはよかった、喜んでもらえるなら本望だよー」
千早ちゃんは、手にまとわりついたシュークリームの残骸をペロペロと舐めとって、食べている。
「あ、美味しいわ」
「そりゃ、あの天海春香ちゃんが作ったお菓子だから美味しいに決まってるよ」
「そうね」
「まだまだあるよ、ほらほらー」
次はマカロン、これは小さめのサイズで何種類かの色を作ってみた。
「へえ…綺麗ね、食べ物としては若干どうかと思う色してるけど」
確かに。
「じゃあ、いただくわね」
ぐちゃっ、ぐちゃっ、ぐちゃっ
テンポよく、握った拳で、色とりどりのマカロンを叩き潰していく。
なんと言ったらいいのか、音ゲーのノーツを処理していくかのようにテンポよく、リズムを奏でているかのように、楽しそうにマカロンを叩き潰す。
私判定、全てパーフェクトだよ、千早ちゃん。
様々な色のマカロンが破壊され、弾けて巻き散らかされる。
千早ちゃんも、私も、視界も、色とりどりに染まっていく。
千早ちゃんはそこらじゅうに笑顔でマカロンを塗りたくっている。
それは小さな子供みたいで、やっぱり千早ちゃんは可愛いのだ。
ここまで見た人ならわかるだろうけど。
千早ちゃんは食べ物を壊すことで、快楽を得る子なのだ。
私には理由はわからないけど、千早ちゃんはそういう子なのだ。
深く追求する必要もない。
そして、千早ちゃんがお菓子を潰して快感を得るのを私がなぜ黙っているのか。
私が、お菓子を潰されても怒らない理由は、簡単なものである。
お菓子を楽しむというと普通、「食して味わう」というのが一般常識なのだろうけど、私としては、楽しみ方なんかは人それぞれだと思っているからである。
この感覚は、765プロに入る前に少しの間だけしていたドーナツ屋のアルバイトで身に着いたものだったと思う。
売れ残ったドーナツは、もちろん廃棄されるのは当たり前、まあ私の店では持って帰りたい人は勝手に持って帰っていたけれど、それでも余るものもあって、それは問答無用で捨てられていた。
そのとき思ったのだ、何事も求められなければゴミであるし、求められるのであればそれはゴミではない。
そしてもう一つ、私のお菓子作りの目的が、誰かに食べてもらうことを目的としていない歪んだものである、という事が、お菓子を潰されても負の感情が生まれない理由としてあげられるだろう。
私のお菓子だって、誰かが消費してくれなければゴミなのだ。
それなら、私のお菓子を求めてくれる人がいれば、その人にあげるのが一番良い。
もちろん、普段は765プロにもお菓子を持っていって、みんなに食べてもらってもいるし、そこで美味しいと言ってもらえればとても嬉しい。本当に嬉しい。
でも、千早ちゃんにお菓子を潰されて、それで千早ちゃんが喜ぶのなら、私にとっては同じなのである。
私は、私の感情で作ったものを求められたいのだ。
それはたとえば、書いた小説を誰かに読んでもらいたい、ファンになってもらいたいという感情だったり、ツイッターなんかのSNSで、自分の意見に同意されたいとか、そういう類の感情なのだろう。
だから私は、惰性でお菓子を作り続け、誰かに求められて快楽を得るのだ。
だから千早ちゃんが、私のお菓子を潰したいというのなら、いくらでも持ってきてあげよう。
もちろん味は自分に出来る最高の味にしてるから、食べてくれたっていいし、もちろん食べなくたってもいいんだ。
千早ちゃんの笑顔が見られることが嬉しいから、この関係はきっとずっと続くだろう。
凄い……綺麗ねぇ」
「そうだね、今日はあと一つだけだけどかまわないかな?」
「ええ、感謝してるわ」
「なら良かった、最後はシンプルないちごのショートケーキだよ」
けっこう綺麗に作れたと思う、今日のフィナーレを飾る、一人ではちょっと食べきれないくらいの大きさショートケーキ。
「とても綺麗な白……いちごの赤がアクセントになってて、これ、好きよ」
「そう、それはよかった」
「申し訳ないのだけれど、こっちにそのケーキ持ってきてくれる?」
「ん?かまわないけど……」
「この椅子において欲しいの」
「ん、わかった」
椅子の上にケーキ、なんか現代アートかなんかに見えなくもなくて面白い。
ちょっと写真に撮りたくなる感じ。
でも、現実は写真のように形を留め続けはしない。
千早ちゃんは漆黒といえるくらいの真っ黒なズボンで、椅子の上の白いケーキ目掛け、腰を下ろした。
ぐちゅっ、と柔らかいものが潰れる音がして、千早ちゃんのズボンのお尻の下と椅子の間から白いクリームがはみ出してくる。
それは何か、小さい子の排泄の失敗を感じさせるような、それでいて、それが甘いお菓子であるという事実に、頭がくらくらしてくる。
千早ちゃんの顔は、もう恍惚の表情としかいえない。
お尻でケーキの感触を感じ、悪いことを知らない子供のような無邪気な笑顔で腰を上下させている。
その無邪気さと、行為の邪悪さのギャップが、私の心までウキウキさせる。
今この空間で、二人はお菓子を最高に楽しんでいるのだ。
誰に文句が言えようか。
そして気がつくと椅子の上で千早ちゃんが痙攣している。
どうやらお菓子で気持ちよくなってしまったみたいだ。
「あ……」
千早ちゃんの表情が変わる。
どうも興奮状態のスイッチが切れたみたいだ。
こうなると、ちょっとの間、千早ちゃんはぐずる。
「う……うえええええん!!」
私はそれを知っているので何も思わない。
むしろ千早ちゃんが甘えてくれるチャンスなのだ。
「おしり気持ち悪いよう……」
「よしよし、後ろ向いてー」
千早ちゃんは素直に後ろを向く。
千早ちゃんのお尻には当たり前だけど大量の生クリームと潰れたスポンジケーキが付着していて、やはりどこかお漏らしをしてしまった子供を感じさせて庇護欲を掻き立てられる。
まあしてあげられることと言っても、着替えさせてあげて、寝かしつけて、掃除をして帰ることくらいなのだけれど。
「千早ちゃん、一緒にお風呂入ろうか」
「……うん、春香……」
千早ちゃんが可愛くて、どうしてもこの生活はやめられそうにない。
また、お菓子作ってあげるからね。
えー、オチが弱いですがこれで終わりです。
案の定ちょっとミスりましたね、あとちょっと文章抜けましたね。
うん、次頑張ろう。ありがとうございました。
ありがたいですー、次に投稿することがあったら、改行は気をつけるようにしますわ
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