ミカサ「さあエレン、始めよう」(32)

エレン「は? 何をだよ」

ミカサ「今日は7月7日」

エレン「ああ…タナバタか」

アルミン(今年もやるのか…ミカサ)

ライナー「何だ? そのタナバタって」

ベルトルト「聞き慣れない言葉だね」

エレン「ミカサの家に代々伝わる伝統なんだと。疲れるから嫌なんだよな」

ライナー「ミカサの家の伝統となると…東洋の儀式か何かか?」

ミカサ「そう。さあエレン」

アニ「少しくらい説明してくれてもいいじゃない」

クリスタ「そうだよ(便乗)」

ミカサ「説明するのは構わないが、少々、恥ずかしい…///」

ジャン「あぁん!? 恥ずかしい儀式って何だよ!?」

エレン「俺のヒコボシとミカサのオリヒメを一つにするんだ」

ライナー「エレンのヒコボシと?」

アニ「ミカサのオリヒメ?」

ベルトルト「さっぱり意味が伝わらないね」

クリスタ「もっと詳しく知りたいな」

ミカサ「では儀式の成り立ちを説明しよう」

ミカサ「はるか昔、アマノガワの傍には天の神様が住んでいた」

アニ「アマノガワってなに?」

ミカサ「…ちょうど見える頃だろうか。みんな外に出よう」

一同「?」ゾロゾロ

ミカサ「あれ」

ベルトルト「あれって…星空?」

ミカサ「そう。あそこ、川のように見えるはず」

ライナー「うむ…確かに見える」

クリスタ「綺麗…」

ユミル「お前の方が綺麗だぞクリスタ」

ジャン「な、なるほど。天の神様ってのは空の川のそばに住んでるから天の神様なんだな」

コニー「ゲシュタルト崩壊」

ミカサ「オリヒメというのはその娘で、神様の服を作る仕事をしていた」

ミカサ「そしてオリヒメが年頃になったころ、天の神様はオリヒメにお婿さんを探す許可を出した」

ミカサ「その相手が、ヒコボシ。恋に落ちた二人は仕事をするのも忘れて毎日ずっと一緒に居た」

クリスタ「なんだかミカサとエレンみたいだねー」

ミカサ「…/// だが、怠け者になってしまった二人に天の神様は罰を与えた」

ライナー「oh…」

ミカサ「二人はあのアマノガワに隔てられ、一年に一度、七夕の夜にのみ会うことを許された」

アニ(…素敵だなぁ)

ミカサ「そして肝心の儀式に移る」

クリスタ「えっ、お話はもう終わりなの?」

ミカサ「うん。私とエレンは、初めて会ったその日から、七夕の夜にその儀式を行っている」

アニ「その儀式とは?」

ミカサ「…///」

アニ「照れてちゃわかんないよ」

ミカサ「じょ、女性生殖器と男性生殖器を、一つにする…///」

一同「!!!?」

ジャン「まままままままま待てよ! しょっ、しょれってつまり…」

ライナー「あ、ああ…! いやそれ以前に、初めて会ったときってことは…」

ベルトルト「君たち、何歳の時に…」

エレン「9歳だ」

ジャン「ちくしょぉがぁあああああああああああああああああああああああ!!!」ダダダッ

クリスタ「ちょちょちょっ!? おかしいよ! そんな歳でどうして…!」

エレン「ミカサが伝統を続けなきゃならないって言うから」

アニ「アンタ…!」

ミカサ「…私に邪な気持ちなんてない。代々続く慣わしを絶やさないため。私はいい子だ」

ミカサ「…もう説明することはない。さあエレン、向こうに使われていない倉庫がある。そこでしよう」

エレン「…わかったよ。面倒だなぁ」

ライナー(初めて会った時から妙に達観しているところがあると思っていたが、卒業していたのか…)

ベルトルト(ぼ、僕のヒコボシと、アニのオリヒメも一つにしよう、とか…言えるわけないや)

ユミル「なあ、オリヒメとオリヒメは通わせられないのか」

ホモ「ヒコボシ♂とヒコボシ♂でもいけないだろうか」

アルミン「いやそれはもう伝承からかけ離れてるし」




エレン「さっさと済まそうぜ…」ボロン

ミカサ「!! エレンのヒコボシ…一年でこんなに成長している」

エレン「そうか? 俺は気付かなかったけどな」

ミカサ「やはり一年に一度だと変化が顕著で楽しい…///」サワサワ

エレン「早く元気出してくれよ俺のヒコボシ…」

ミカサ「さあヒコボシ、私のオリヒメが待っている…」サワサワ

ヒコボシ「この日をどんなに待ち望んでいたことか…」ムクムクボッキーン

エレン「よし、ほらミカサ、オリヒメ出せ」

ミカサ「うん…///」ヌギッ クパァ

オリヒメ「ヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシ」

エレン「よっこらせ」ニュグッ

ミカサ「あっふ///」

ヒコボシ「嗚呼オリヒメっ! 会いたかったよオリヒメっ!」

オリヒメ「ヒコボシ…私もずっと会いたかった…」

ヒコボシ「やはりオリヒメの中は温かい…!」

オリヒメ「ヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシヒコボシ」


~完~

おまけ

ベルトルト「あ、アニ…」

アニ「…ん?」イライラ

ベルトルト「そ、その、ぼっ、僕の…」

アニ「は?」イライラ

ベルトルト「ぼっ、僕のヒコッ、ヒコボ…」

アニ「今気分悪いからまた今度にして」スタスタ

ベルトルト「あ…」

ベルトルト(なんて弱いんだ僕は…アニと向かい合うだけでこんなに…)ドキドキ

ライナー「ベルトルト…まあ元気を出せ」ポン

ベルトルト「ライナー…」

ライナー「こういうのは簡単に手に入らないからこそ、喜びが大きいんだ。そう焦るな」

ベルトルト「うん…」

ライナー「…俺の後ろのオリヒメでよければ、貸すぞ?」

ベルトルト「ありがとう…」

後ろのオリヒメ「ウホッ、いい男♂」

ヒコボシ「話が違うでござる」

~完~

サシャ「七夕ってなにするんですか?」

???「感じろとしか言えん」

~おまけ2~

オリヒメ「会いたかったわヒコボシ! この一年、あなたのことしか考えられなかった!」

ヒコボシ「…そうかい?」

オリヒメ「…どうしたの? どうしてそんな悲しい瞳をしているの?」

ヒコボシ「…これを口にすれば、僕はきっと罰を受ける」

オリヒメ「何をしたというのヒコボシ! 正直に話せばどんな罪も赦されるわ!」

ヒコボシ「だとしても…これを君に話すのは…」

アニ「ど、どうしたの? 早く入れなよ」

ベルトルト(念願かなってここまで来たけど…)

ウシロノオリヒメ「ようヒコボシ、ん、そいつは…?」

オリヒメ「え…お友達?」

ヒコボシ「ウシロノオリヒメ! 何故ここへ!」

ウシロノオリヒメ「今日が7月7日だからだ…嫉妬に狂いたくはない」

オリヒメ「な、なんなの!? どういうことなのヒコボシ!」

ヒコボシ「…赦してくれ、オリヒメ…僕は…君に会えない一年の間に…」

ウシロノオリヒメ「開拓作業をやったんだよ、な?」

オリヒメ「え、えと、仕事を変えた、のかしら…?」

アニ「ねえ、焦らさないでよ…///」

ベルトルト「う、うぅ…」

ヒコボシ「ウシロノオリヒメと…契りを交わしたんだ」

オリヒメ「…え? だって彼は男性…」

ウシロノオリヒメ「お嬢ちゃんにはまだ早いかな? こういう世界もあるのさ…行こうぜ、ヒコボシ」

ヒコボシ「ああ…」

ベルトルト「すまない、アニ…やはりやめよう」

アニ「え…? どうして? さっきまであんなに…」

ベルトルト「もう忘れられなくなってしまったんだ…ライナーとの日々が」

オリヒメ「そんなっ! ヒコボシ! ヒコボシぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

アニ「…乙女心を弄んだね」

ベルトルト「え? いや、そういう意味では…!」

アニ「最低っ!」コキーン

ベルトルト「」

ヒコボシ「」チーン

オリヒメ「ヒコボシィィィィィィィイィィィィ!!」


~完~

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