このSSは今のアイプロ開催を記念してアイドルたちが肝試しをするだけのSSです
遅筆のため前後編になりましたがご容赦ください
アイプロ出演者は驚かし側で登場します(全員は出ません)
よろしければご一読ください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399390740
前編
シンデレラプロ事務所
モバP「あー、聖靴学園の七不思議の放送に合わせて肝試しの企画かぁ…」
モバP「どうしたものかなぁ…ねぇ、ちひろさん」
ちひろ「はい…あ、そうだ、なるべく低予算でお願いしますね」
モバP「……やっぱり、うーん」
ちひろ「愚痴くらいなら聞きますよ、コーヒーどうぞ」
モバP「ああ、ありがとうございます(裏を感じる…)」
ちひろ「ふふ」ニッコリ
モバP「い、いただきます…うーん、美味しいなぁ」
ちひろ「ちゃんと豆挽きたてですから…そういえば」
モバP「わざわざありがとうございます…そういえばって?」
ちひろ「いえ、聖靴学園の撮影順調かなって」
モバP「些細な問題はありますが…概ね順調ですよ、あっ」
ちひろ「何か名案でも?」
モバP「ええ、聞いてください、実は…」ゴニョゴニョ
ちひろ「(Pさん、顔近いです…でもいいかな)」
ちひろ「なるほど、それは予算も抑えて本格的にやれますね」
モバP「ええ、さっそく撮影スケジュールの確認をしてきます」
ちひろ「お願いしますね(これでたっぷり予算が浮きます…ふふふ)」
・・・
シンデレラプロ会議室
文香「………」パラ
頼子「お疲れ様です、文香さん…読書ですか?」
文香「はい…頼子さんと一緒のお仕事でしょうか、楽しみです」
頼子「ふふ…私もです」
李衣菜「久しぶりに一緒の仕事だね、なつきち」
夏樹「お、そうだな、だりー。お、頼子もいるな、気合入るぜ!」
李衣菜「えっ…仲いいんだ、ふーん」
夏樹「そりゃあ、地元近いしな…ってだりー?」
李衣菜「ふーん」
夏樹「変なやつ」
こずえ「ふわぁー、こずえ、もう寝るー」
ありす「ちょっとこずえさん、これから打ち合わせですよ」
こずえ「えー、じゃあ、ありすおぶってー」
ありす「えっ、私には無理…きゃあ」
こずえ「………」スースー
ありす「まったく…私が頑張らないと」
周子「最近、紗枝がCDの件で忙しいから自由だと思ったら…」
紗枝「うちがどうしたん、周子はん」
周子「どうもしてへんよー、紗枝」
紗枝「一緒の仕事は久しぶりやね、頑張りましょなぁ」
周子「うん、そうだね…」
紗枝「(この仕事はチャンスやね)」
凛「あっ……」
まゆ「あっ……」
凛「まゆも仕事一緒なんだ」
まゆ「凛さんも一緒ですかぁ」
凛「……」
まゆ「どうかしましたぁ?」
凛「別に…」
まゆ「……ふーん」
凛「………」
まゆ「………」
モバP「皆、お待たせ」ガチャ
一同「お疲れ様です」
モバP「お疲れ様、忙しい所ありがとう」
モバP「今回は聖靴学園の七不思議の公開に合わせて肝試しの企画だ」
文香「……」
頼子「……文香さん?」
ありす「肝試しですか?私はお化けなんて、こ、怖くありませんよ」
こずえ「…ふわぁー」
モバP「ははは、今日のメンバーで二人一組を組んでもらうからな」
モバP「組み合わせは…そうだなくじ引きでするか」
李衣菜「えっ!?」
夏樹「だ、だりー、立つなって」
紗枝「Pはん…」ギリ
周子「ひっ……」
まゆ「9分の1ですね…」
凛「9分の1だね……」
モバP「(本当はもう組決まってるけどな…)」
モバP「よーし、じゃあ、資料配るから見てくれ」
・・・
後日・聖靴学園校庭
文香「中々こんな時間の学校にくる機会はありませんね」
頼子「そうですね…」ブル
文香「どう…しました?」
李衣菜「あー頼子、本当は怖いんでしょ」
夏樹「お、おい、だりー」
李衣菜「ポーカーフェースだからわかんないけど、隠さなくていいよ」
頼子「えっと、私は別に……」
李衣菜「こんなに鳥肌立ってるじゃん」
頼子「えっ、これは寒くて…」ブル
モバP「おーい、何やってるんだ」
モバP「夏樹と李衣菜、そろそろ出発だぞ」
夏樹「お、おう」
李衣菜「はーい、行くよ!なつきち」
頼子「だから違うのに…はぁ」
文香「頼子さん…これ」
頼子「文香さん…温かいです…でも、文香さんは?」
文香「私は…長袖だから大丈夫です」
頼子「ふふ(ロケバスに上着あるけど…文香さんに包まれてるみたい)」
頼子「(このままでいいかな)」
周子「最初の組はもう出発したん?」
紗枝「そうみたいやねぇ、うちらも楽しみやね」
周子「え、紗枝はそうなん」
紗枝「なんえ、周子はん、もしかして怖いん?」
周子「え、そんなことないけど…(本当は紗枝と二人きりが怖いなんて…)」
紗枝「なんやったらずっとうちが腕組んであげますえ」
周子「い、いや、いいよ」
紗枝「そう、残念やねぇ」
・・・
聖靴学園一階
李衣菜「うひゃー、さすがホラー番組の撮影してるだけあって雰囲気あるね」
夏樹「あ、ああ、最初の目的地は保健室だろ早く行こうぜ」
李衣菜「なつきち、もしかして…怖い?」
夏樹「はぁ?何言ってんだよ、ほら!」
李衣菜「いつものなつきちと違う…」ガタ
夏樹「ひぃぃぃぃ…あっ」
李衣菜「なつきち…」
夏樹「その…わりぃ、実は子供の頃からずっと苦手でさ」
李衣菜「…なつきち、隠し事はロックじゃないぜ!」
夏樹「…へっ、だりーにロックを教えられるとはな」
李衣菜「ほら、腕組も!これだと怖くないでしょ」
夏樹「…い、いや、さすがにそれは」
李衣菜「えーーー」ブルブル
夏樹「だりー……ふふ」ギュ
李衣菜「えっ」
夏樹「だりーも震えてるじゃないか」
李衣菜「ッッッ」
李衣菜「……なつきちが怖いものは私も怖いよ」
夏樹「へっ、じゃあ、怖がり同士、気合入れていくぜ!」
李衣菜「おう!(いつものなつきちだ)」
・・・
夏樹「で、ここが最初の目的地の保健室か」
李衣菜「うん、ここの棚にある鍵をとるんだって」
夏樹「な、なあ、だりー…やっぱりあるよな」
李衣菜「う、うん…そうだよね、何か仕掛けがあるよね」
夏樹「ええい、これがアタシのロック魂だ!」ガラ
李衣菜「…ねぇ、なつきち、これ……」
夏樹「ああ…臭えな……うう」
李衣菜「なつきち、私気持ち悪くなってきたよ」
夏樹「ああ…アタシもだ、早く探そうぜ」
李衣菜「うう」ネチャ
李衣菜「うわ、何これ…床グチャグチャだ」
夏樹「ああ、これはひどいな」
夏樹「これもしかして…その、あれだよな」
李衣菜「うん、私も事務所の打ち上げで見覚えあるよ」
夏樹「てことは…ああ、やっぱりか」
李衣菜「早苗……さん?」
早苗「うげぇ……」
夏樹「さ、早く、鍵探そうぜ」
李衣菜「うん、肝試しなんて案外大したことないね」
夏樹「そうだな」
李衣菜「私お酒飲めるようになっても…あれはちょっと……」ゴソゴソ
夏樹「そうは言っても普段はいい人だぜ」ゴソゴソ
李衣菜「それはわかってるけど…あ、これかな」
夏樹「やるな、だりー、じゃあこの臭い所から出ようぜ」ギュ
李衣菜「(自分から腕組むなんてよっぽど怖いんだ)そうだね…あれ」グイ
夏樹「ん、どうした、だりー」
李衣菜「いや、なつきちこそ、脚掴まないでよ」
夏樹「そ、そんな事してないぞ」
李衣菜「えっ、じゃあ…早苗さんはあそこだし」
夏樹「これは…」
李衣菜「(本物の…)ああ…」ガク
夏樹「お、おい、だりー、腕組んでるんだぞ…うわぁ」ガツン
夏樹「どうしてこんなところに瓶が…」ガク
志乃「うーん、あら、夏樹ちゃんに李衣菜ちゃん…瓶はどこかしら?」
??『志乃さん…すごい音しましたけど……』
志乃「あらぁ、ちひろちゃん…どうしたの?」
ちひろ『マイクは…ちゃんとつけてくれてますね』
ちひろ『夏樹ちゃんと李衣菜ちゃんは大丈夫ですか?』
志乃「ああ…あの二人ならそこで伸びてるわよ」
ちひろ『ちゃんと仕事してくれたんですね…(意外だわ)』
志乃「二人を片付けて頂戴、それから冷えてきたから追加のお酒よろしくね」
ちひろ『ええ、今スタッフの方に担架を用意してもらいます』
ちひろ『冷えるからお酒は許可しましたけど…ほどほどにしてくださいね』
志乃「これでもプロよ…安心して」
ちひろ『ところで…早苗さんは?』
志乃「それは…」ブチ
・・・
ちひろ「あっ、切られたわ…もう」
ちひろ「これで夏樹ちゃん、李衣菜ちゃんはリタイアっと…」
ちひろ「夏樹ちゃんが怖がりなのは意外だったけど…」
ちひろ「皆完走してくれるかしら」
ちひろ「スタッフさーん、保健室まで担架二つお願いしまーす」
多田李衣菜・木村夏樹ペア:リタイア
・・・
聖靴学園校庭
頼子「さあ、私たちの番みたいですよ、行きましょうか」
文香「は、はい…私、実はこういうの苦手で」
頼子「私がいますから…大丈夫ですよ、ふふ」
文香「……うん、頼りにしてます」
紗枝「あの二人何かいい感じやね、周子はんもうちの上着使う?」
周子「えっ、それは…いいかな」
紗枝「もう、ええなんてどっちの意味なんやろか」
周子「さ、さあ、どっちだろね、ははは」
紗枝「いけずな人やねぇ」
凛「そろそろ私たちも出番…か……」
まゆ「そうですねぇ、Pさんに選んでもらったから頑張ります♪」
凛「はぁ…(別に嫌いじゃないけど…何か苦手)」
まゆ「ため息なんてついてどうしたんですかぁ」
凛「何でもないわよ」
・・・
聖靴学園保健室
頼子「脚掴まれるのはちょっとびっくりしましたね」
文香「ちょっとじゃありません…」
頼子「ふふ、私が一緒ですから…」
文香「はいっ」ギュ
頼子「(文香さん、カワイイ…)さて、次は…」
頼子「教室の開かずのロッカーですね」
文香「はい…」
頼子「この企画は聖靴学園の七不思議のいくつかを体験するみたいですね」
文香「七つもあるんですか?」
頼子「いくつか…ですよ、七不思議は二つだけみたいですね」
文香「良かった…」
頼子「ポイントはゴール含めて四つですね、どうぞ」
文香「はい…」ぎゅ
・・・
聖靴学園・開かずのロッカーの教室
頼子「この教室…ですね」
文香「はい…頼子さんは怖くありませんか?」
頼子「え、ええ、特別……」
頼子「(正直文香さんの怖がり方の方が怖かったです)」ガタガタ
文香「ッッッッ」ギュ
頼子「うっ……」
頼子「風…ですよ、さあ、ロッカーを空けましょう」
文香「はい…」
頼子「あれ…鍵を使っても開きませんね」ガチャガチャ
文香「まさか、呪いッ」
頼子「それは…」コンコン
??「もう、むーりぃーなんですけどぉ」ボソ
文香「ひぃぃぃぃ」
頼子「お、落ち着いてください…もしかして乃々ちゃん?」
乃々「頼子さんですか…嬉しいですけど…」
頼子「乃々ちゃん、開けてくれる?」
乃々「はい…」
文香「さすが頼子さん、素晴らしい観察力です」
頼子「乃々ちゃん、もしかしてずっと入ってたの?」
乃々「はい…怖かったですけど…仕事なので…」
文香「こんな所に一人で…私なら耐えられません」
頼子「Pさん…流石にこれは……」
頼子「どうする?私たちについて来る?」
文香「えっ……」
乃々「いえ…嬉しいですけど、プロデューサーさんのくれた仕事ですから」
頼子「Pさんを出されると…私、弱いな」
文香「乃々さん…強いんですね……」
頼子「これ…不安なら私たちと思って持っててください」
乃々「ハンカチ…ありがとうございます」ニコ
頼子「やっと笑ってくれたね…じゃあ、私たちいくね」
文香「……」コク
・・・
頼子「そういえば…学校の七不思議だと十三階段なんて有名ですよね」
文香「や、止めてください」
頼子「大丈夫ですよ、登ってくる時は十二段でしたから」
文香「そ、そうですよね…」
頼子「そうですよ、1、2…」
文香「数えないでください」ギュ
頼子「(文香さん、かわいいです)10、11、12、13…あれ?」
文香「いやぁぁぁぁ」
頼子「ちょっと文香さん、感触なんだか変ですから」ガタガタガタ
文香「ああああ……」ギュウウウウ
頼子「文香さん……首…締めないで……ううう」ガク
??「チョット、フミカ、ヨリコ死んじゃうヨ」
文香「お、お化け………」ブクブク
メアリー「ア…フミカもノックアウト?」
メアリー「これもアタシの名女優っぷりのおかげネ」
ちひろ『あーあー、メアリーちゃん、上手くいったみたいね』
メアリー「チヒロ…さん、上手くいったヨ」
ちひろ『はい、じゃあ、スタッフさんに回収お願いするわね』
メアリー「ところで、チヒロ…さん、アタシに階段になれなんて…」
メアリー「もっとカッコイイ役がしたいワ」
ちひろ『その役割は小柄なメアリーちゃんにしか出来ないの、だからお願い』
メアリー「そこまで言うなら、仕方がないわネ」
ちひろ『ありがとう、メアリーちゃん』
古澤頼子、鷺沢文香組:リタイア
・・・
モバP「ちひろさん、様子はどうですか…うわっ、死屍累々じゃないですか」
ちひろ「ええ…そろそろ起きると思いますけど」
モバP「夏樹に李衣菜に文香に…頼子もか」
ちひろ「それには色々ありまして……」
モバP「一体何が…」
文香「う、うん…」
モバP「ああ、文香大丈夫か?」
文香「え、ええ……はい、あ、頼子さん」
文香「頼子さんも意外と…怖がりなんですね…ふふ」
モバP「頼子…の首に妙な跡があるな……」
モバP「文香、ちょっと失礼」グイ
文香「えっ…あ……」ポッ
モバP「頼子の首の跡に文香の手がぴったり合う…おい」
文香「え、えっと…そんなはずは……」
ちひろ「文香ちゃんが思わず…不可抗力だと思いますけど」
モバP「一体どんな驚かせ方を…頼子、安らかに眠ってくれ」
頼子「生きてます」
文香「ひぃぃ、ゾンビ」
頼子「文香さん……違います」
頼子「ところでPさん、残り三組ですけど…このままでは……」
モバP「う、うん、まあ、夏樹の意外な一面も見れたし」
モバP「頼子と文香のやりとりは受けると思うけどな」
ちひろ「ですけど、このまま完走なしは…」
モバP「えっと、次は紗枝と周子、その次に凛とまゆ、最後にありすとこずえか」
一同「ふ、不安だ…」
後編へ続く
作業ペースの問題で二つに分かれてしまいました
後編は週末くらいに投下できればいいんですが
本来の新作は熊本弁のおかげで滞っています…いつか実現はします
>凛「何でもないわよ」
誰これ
乙、某所でアンケとった人かな?
>>37
誤字かまゆと仲悪くて壁作ってるから?
まあ、後編と一緒にフォローあるんじゃない?
今日、この作品絡みでとても嬉しいことがありました・
某所で挿絵をいただいて、感動しています。
平日は副業の都合で難しいですが、次の土日には必ず仕上げたいと思います。
リタイアしたアイドルたちも最後の方に出てくる予定です。
イベントで文香さん、出てしまいましたね。
あと、周子は…きっと男前な所も見せてくれるはずです。
聖靴学園の七不思議 番外編・後編
お待たせしました、後半部分を投下します
周子・紗枝、凛・まゆ、ありす・こずえ組の順番でスタートします
では、どうぞ
聖靴学園の七不思議 番外編・後編
お待たせしました、後半部分を投下します
周子・紗枝、凛・まゆ、ありす・こずえ組の順番でスタートします
では、どうぞ
聖靴学園・校庭
紗枝「聞きました周子はん」
周子「え、な、何?」
紗枝「前二つの組リタイアやって…だらしない方々どすなぁ」
周子「え、そんなことない思うけど」
紗枝「冗談どす、本気にせんといて」
周子「うん、さ、そろそろ出発しよ、紗枝」
凛「(今までは二人きりじゃなかったけど…)」
凛「はぁ…」
まゆ「………」
凛「(あれ、さっきまでは絡んできたのに?)」
凛「(ふーん)」
まゆ「………」
ありす「こずえさん、起きてください」
こずえ「ふわぁ……あほよう、ありす…」
ありす「今は夜です…そろそろ出番ですよ」
こずえ「うん、わかった……ふわぁ」
ありす「(私が頑張らないと、私が頑張らないと……)」
・・・
聖靴学園・理科室前
紗枝「ここが三つ目のチェックポイントやね」
周子「ねぇ、紗枝、なんでさっきから自然に腕組んでるの」
紗枝「だって…うち怖がりやし、周子はんと一緒やないと、怖あて…」
周子「(嘘だ…)」
紗枝「それにしても…さっきのロッカーは驚いたね」
周子「何で、一つのロッカーに乃々ちゃんと輝子ちゃん入ってたんだろうね」
紗枝「それは…もう……うちに言わせる気?」
周子「ううん、いらへんよ」
紗枝「ねぇ、周子はん、うちらも入ってみる」
周子「な、何にさ」
紗枝「ロッカーに決まってますやろ」
周子「それで…何を?」
紗枝「もちろん、まだ肌寒いから温めあうんどす」
周子「ッッッッ」
周子「さ、理科室入らんと」ガラ
紗枝「もう…」
・・・
紗枝「えっと、理科室の人体模型の中の鍵をとる…やって」
周子「人体模型の中って……まさか」
紗枝「臓器の辺りまさぐれ…ゆうことやろか」
周子「さすがにいい気分じゃないね」
紗枝「ほら、周子はん」
周子「う、うん…薬品臭くて……うぷ」
紗枝「(さすがにちょっと怖おすなぁ)」ギュ
周子「人体模型これか…うわ、ねちょってしてる」
紗枝「はよ、しましょ、うちも手伝うし…」ガタガタガタ
周子「うっ」
紗枝「ひぃ」
周子「は、はよ、鍵みつけよ」ゴソゴソ
紗枝「そ、そやね」コツ
周子「あ、あった、それやね、はよいこ」
紗枝「う、うん」ギギギギギギ
周子「いやーーー」ダッ
紗枝「お助けーーー、あっ」バタン
周子「紗枝…大丈夫?ごめん、あたしが急に走ったから」
紗枝「ううう」
周子「紗枝、立てる?肩貸そうか?」
紗枝「うん…堪忍な、周子はん、うちがどんくさいから」
周子「いいって…ほら」
紗枝「うん(やっぱり…周子はん、カッコイイわ)」
周子「はは…」グイ
紗枝「………うん」ギュ
周子「紗枝、そろそろいこ」
紗枝「いかへん」
周子「そうそう…って、ええっ」
紗枝「周子はん…うち」
周子「な、何、肩貸すんじゃつらい?おぶろうか?」
紗枝「ちゃう、そんなんちゃうの」
周子「紗枝……」
紗枝「周子はん、いつもうちの事子供扱いして」
周子「う…」
紗枝「ダーツバー行かはる時もうちをのけものにして、奏はんとか頼子はんと行くし」
周子「それはまだ紗枝がこど…う」
紗枝「……」キッ
周子「………はは」
紗枝「うちがどういう気持ちか考えたことあるん?」
周子「あ、あたしも…紗枝の事好きだよ」
紗枝「(周子はんの好きと…うちの好きは違います…)」
紗枝「(でも、今日はそれでええわ)」
紗枝「じゃあ、好きって気持ち証明してもらいましょか」
周子「へっ(目閉じて、紗枝一体…)」
紗枝「(もう意気地なしやね……)」
周子「うう…ええい」ギュウ
紗枝「えっ…周子はん」プシュー
周子「あたしも紗枝と一緒にいたいんよ、な」
紗枝「周子はん……うち…もう……」ガク
周子「あれ、紗枝??紗枝ーーー?」
塩見周子・小早川紗枝組:リタイア
・・・
晶葉「うう…すごいものを見てしまった」
志希「あたしも驚いたー♪」
晶葉「私も…より……」ボソ
志希「ふーん、同じようなお悩みをお持ちカナ?」
晶葉「な、何を言っている」
志希「あたしの作った惚れ薬使ってみよー♪」
晶葉「い、いるか、そんなもの、私は自分の力で頼子をッ…あっ」
志希「ふーーん?にゃーはっはっは!」
・・・
聖靴学園・校庭
凛「周子達もリタイアだって…」
まゆ「そ、そうですかぁ…ふふふ」
凛「まゆ…ちょっとあんた…」
まゆ「な、なんですかぁ、凛さん」ブルブル
凛「もしかして……怖い?」
まゆ「そ、そんなはずないじゃないですか…」
凛「ふーん、じゃあ、いくよ」
まゆ「あっ、待って…」
まゆ「(Pさんの仕事…、Pさんの仕事…だから)」ギュ
凛「ちょっと、近いって」
ありす「凛さん達の組も出発しました…あとは私達だけ」
こずえ「スースー」
ありす「私がしっかりしないと…私が頑張らないと…」
こずえ「ふわぁ」
・・・
聖靴学園・裏門
凛「これで、裏山チェックポイントまで行けばゴールか」
まゆ「そ、そうですねぇ…は、はやく、ゴールに…」ブルブル
凛「(はぁ…肝試し初めてからずっとこんな調子…ずっと私の袖つまんでるし)」
凛「怖いならさ、リタイアしてもいいよ」
まゆ「凛さん…ダメ……ダメなの」
凛「プロデュサーなら、完走できなくても怒らないよ」
まゆ「違うんです…Pさんがくれた仕事だから…最後まで頑張りたいの」
凛「まゆ…ふふ(そっか、私と同じか)」
まゆ「凛さん…?」
凛「さ、行こ、ゴールはすぐそこだよ」ギュ
まゆ「はい…」ギュ
凛「ところでさ…そっちの手に持ってるの…何?」
まゆ「え、こ、これは…そのぉ、拾い物で…」
凛「へぇ、何?見せてよ」
まゆ「ダメ、これは…あっ」
凛「えっと…志希にゃん印の……惚れ薬?」
まゆ「返して…それはPさんに…」
凛「ふーん、…返さない」
まゆ「返して」ピョンピョン
凛「ちょっと、まゆ……あっ」ドサ
まゆ「痛い…」ペキ
凛「あ…まゆ、手大丈夫?」
まゆ「あ…凛さん…やさしいですねぇ…うふ」
凛「えっ…これは、まさかこの惚れ薬のせい…うん」
まゆ「ねぇ、凛さん…カラダがアツイ……」
凛「うんッ…私も……何っ、この感じ……」
まゆ「お願い…沈めて……」ドサッ
・・・
ちひろ「カメラストッーーープ」
ちひろ「早く二人を引き離してスタッフさん」
ちひろ「それにしても…志希ちゃんの惚れ薬がここまですごいなんて」
ちひろ「ここにもう一本あるんだけど…どうしましょう」
ちひろ「………」ニヤリ
渋谷凛・佐久間まゆ組:リタイア
・・・
聖靴学園・校庭
ありす「も、もうスタートですか…」ゴクリ
こずえ「ふわぁ…がんばろうね…ありす」
モバP「ああ、ありす、ちょうどよかった」
ありす「どうしました、Pさん」
こずえ「どうしたの、ぷろでゅーさー」
モバP「あ、ああ、実は凛とまゆの組もリタイアしてな」
ありす「えっ……」
こずえ「……?」
モバP「そ、そのプレッシャーをかけるつもりはないが…何とか完走してくれ」
ちひろ『思い切りプレッシャーかけてますよ、Pさん』
ありす「えっ…」
モバP「と、とにかく、頼んだぞ、ありす、こずえ」
こずえ「はーーい」
ありす「は、はい」
ありす「(どうしよう…頼子さんでもダメだったのに)」
ありす「(私にちゃんと出来るかな…)」グス
こずえ「ありす…どうしたの…いっしょにいこー」グイ
ありす「あ、こずえさん、待って…」
ありす「お化けなんて触られないし怖くない…はず」
・・・
聖靴学園・保健室
モバP「ちひろさんに言われて来たけど…ドアのガラス…割れてなかったよな」ガラ
モバP「一体何が…電気つけるか…」ポチ
モバP「ッッッ、志乃さん、早苗さん、…どうして血まみれに……」
志乃「うう…ありす‥ちゃんが……」ガク
モバP「志乃さん、志乃さん、しっかりしてください、うわぁぁぁぁ」
モバP「ん、そういえば、血ってこんなに臭いだったかな」ペロ
モバP「赤ワインか…志乃さん」
志乃「あら、気づいた?このままお姫様気分でいたかったわ」
モバP「志乃さん…飲み過ぎて暴れたわけじゃないですよね」
志乃「(半分くらいそうだけど…)ありすちゃんよ…」
モバP「ありすのやつ…」
志乃「怖くて暴れたけど…こずえちゃんを守って、よく頑張ってるわ、褒めてあげて」
モバP「そうですか…ありす、ありがとう」
モバP「皆が本当にゾンビにならないといいが…」
・・・
聖靴学園・裏山
ありす「これで…チェックポイントは最後のゴールだけ…」グス
こずえ「ありす…だいじょうぶー」
ありす「あ、当り前です、私にかかれば、霊なんて非科学的なもの」
こずえ「いいこいいこ…してあげる…」ナデナデ
ありす「あ…むう、何するんですか、こずえさん」
こずえ「ぷろでゅーさーに…してもらうとうれしいの…」
こずえ「ありす…うれしくない……の?」
ありす「私もPさんにしてもらえるなら……」
こずえ「……?」
ありす「い、いえ、何でも…嬉しいです」
ありす「聖靴学園の七不思議出演者が驚かし役にまわっているようですね」
こずえ「そうなの…ありす…すごい」
ありす「ふふ、これくらいは当然です」
ありす「残るは小梅さんとヘレンさんですか…」
こずえ「こうめと…へれん……?」
ありす「そうです、知ってるでしょう」
こずえ「うん…こうめと…いつもいっしょのひと…いるよー」
ありす「えっ、小梅さんといつも一緒って…涼さん?」
こずえ「りょう?ちがうのー」
ありす「涼さんじゃない?じゃあ…」
こずえ「あのこって…こうめ…よんでるひとー」
ありす「あのこ…それは…まさか…」
こずえ「ありす…かお…あおいー…ぶどうみたいー」
ありす「はは…ところでこずえさん、今あの子はどこにいますか」
こずえ「あのこー?いまねー…ありすの…あしつかんでる…」
ありす「へっ…あ、あれ、右足が動かない、い、いや」ジョボ
こずえ「ありす…?」
??「うーーーー」
ありす「い、いやーーーーー」ダダッ
こずえ「ありす…かけっこ?こずえも…するー」ダッ
小梅「あ…行っちゃった。でも…ゾンビ役出来た……嬉しいな」
小梅「あ、さっきは手伝ってくれて…ありがとう」
小梅「汚れちゃったね…平気?」
・・・
ヘレン「叫び声が聞こえるわね、さぁ、最後の関門である私の所へいらっしゃい」
ヘレン「世界レベルのホラーを見せてあげるわ」
ヘレン「(足音が近いわね…)」
ヘレン「ヘーーーーイ、ガハッ」ドン
ありす「いや、もう、いやぁぁーーー」
こずえ「ありす…まってー」
ヘレン「ううう、この突進力…世界レベルさえも凌駕しているわ…」
ヘレン「私の屍を…乗り越えて行きなさい……」ガク
・・・
聖靴学園・裏山・ゴール
モバP「ありすのやつ遅いな…そろそろのはずなのに」
ちひろ「Pさんがプレッシャーかけたせいじゃ…」
頼子「だ、大丈夫ですよ、ありすちゃんなら…あ、ほら」
ありす「はぁ…はぁ…、こ、この石は…ああ、ここがゴールです、こずえさん」
こずえ「ほんとー?やったー…ごーるー」
ありす「このスタンプを押したら本当にゴールです」
こずえ「これー?あれー…ぬけないー」
ありす「も、もしかして…呪い?」
ありす「い、いえ、そんなはずは…引いてダメなら…」キュッキュッ
ありす「ふふふ、ネジになっていました…古典的ですね」
こずえ「ほえー…じゃあ…すたんぷ‥おそー」
ありす「はい、じゃあ、こずえさん、これは二人で押しましょう」
こずえ「いいのー…うん」
ありす「じゃあ、押しますよ、せーの」バン
ちひろ「おめでとうございます、ありすちゃん、こずえちゃん」
ありす「ひっ」
モバP「ちひろさんだよ、ありす、ゴールおめでとう」
モバP「(これで怒られないで済む…本当にありがとう、ありす、こずえ)」
頼子「おめでとう、二人共、すごいね」
李衣菜「まさか、この二人がゴールするなんて」
ありす「皆さんがだらしないんです、これくらい当然です」
文香「……う」
夏樹「ははは、まあ、何も言い返せねーな」
こずえ「ぷろでゅーさー…えらいえらいしてー」
モバP「ああ、すごいぞ、こずえ」
こずえ「うんっ…ぷろでゅーさー…ありすもー」
ありす「へっ、そんな事は…」
モバP「ありすもお疲れ様、よく頑張ったな」
ありす「私はそんな子供っぽいこと…あっ」
ありす「…えへへ」ポッ
周子「いやー、何とかゴール出来てよかったね」
紗枝「そやねぇ、ほんまにおめでとう」
モバP「ああ、本当にな」
頼子「ごめんなさい、Pさん」
モバP「頼子が謝ることじゃないさ」
ちひろ「ねぇ、周子さん、まゆちゃんと凛ちゃんは?」
周子「ああ、あの二人はちょっと無理…」
ちひろ「あ…そうなの?(この惚れ薬は危なそうね…)」
紗枝「ところで…何か変な臭いせえへん?」
夏樹「そーだよなー、さっきから気になってたんだ」
頼子「ええ、この臭いは」
ありす「(はっ…さっき、脚掴まれた時に…)」
李衣菜「どうしたのー、ありすちゃん」
ありす「えっ…それは」
こずえ「ありすー…こずえ…といれ…いきたいの…」
ありす「えっ、トイレですか…あっ…校舎の一階が近いですね、行きましょう」
こずえ「うん…つれてってー」
ありす「はい(ほっ…)」
・・・
聖靴学園・トイレ
ありす「ふぅ…何とか処理できました」
ありす「こずえさんは大丈夫ですか?」
こずえ「うん…だいじょうぶー」
ありす「そうですか、では行きましょう…すーすーしますね」
ありす「こずえさん、ありがとうございます」
こずえ「えー?なんのことー?」
ありす「何でもありません、ふふ」
おしまい
肝試しSSは以上になります
凛・まゆ組はもちょっと長くてもと反省してます
次回作は今度こそ蘭子主役のファンタジーものをと考えています
ご意見・ご感想いただけると嬉しいです
ではノシ
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