【艦これ】ビスマルクと提督の鎮守府ライフ (401)
第一話「ビスマルク、爆誕!」
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残り時間 04:58:21
提督「そわそわ…」
提督「わくわく」
熊野「提督…さっきからそんなにそわそわして、一体どうかなさいました?」
提督「熊野、分からないのか…?」
熊野「?」
提督「大型建造専用工廠に書かれたこの5時間という数字…」
提督「つまり、来るんだよ!ついにドイツの大戦艦が我が鎮守府に来るってことだよ!!」
熊野「…え?」
妖精「鎮守府に新しい艦娘が着任しましたよー!」
提督「おっともう5時間か!妖精さん、すぐ行く!」
熊野「…あの提督、少しよろしくて?」
提督「どうした熊野!用事なら早く言ってくれ!」ソワソワ
熊野「大変言いにくいですけど…今日の秘書、私ですのよ?」
提督「それがどうしたんだ?」
提督「あっ、もしかしてお前妬いてるのか?ハハハッこの可愛いやつめっ!」ツンツン
熊野「え…」
妖精「提督さーん?早く工廠に来てくださいー」
提督「わかった!すぐ行く!!」
熊野「…」
妖精「こちらが新しく着任した娘ですー」
長門「ビッグ7の長門だ!」
提督「」マッシロ
熊野「だから忠告しといたのに…」
Z1「うちの提督はそそっかしいからね。仕方ないよ」
提督「くそう!しまった!資材が!!」ジタバタ
熊野「提督、落ち着きなさい」
Z1「そうだよ。明日から春イベントなのに提督がそんなだったら僕たちが不安になっちゃうよ」
熊野「まあビスマルクさんの建造はまた次回にして、今はイベントに専念を…」
提督「ん、イベント…?」
Z1「提督?どうしたの?」
提督「そうだ!ここは大型建造祭りをしよう!!」
Z1「!?」
熊野「提督…それはどういう意味で」
提督「そうだ、大型建造だ…風は俺に吹いている…」
熊野「ちょっと提督!?大丈夫ですの!?正気!?」ユサユサ
Z1「どうやら提督は、秘書を熊野にしたまま建造したのがよっぽどショックだったみたいだね」
提督「ははは!奇跡のカーニバルの始まりだー!!」
熊野「あああ…これは秘書として私のミスですわ…」ガク-ン
提督「行くぞ!レシピは4000/6000/7000/2000だ!」
Z1「これはまずい。はやく提督を止めなくちゃ!」
熊野「提督!大型建造だけはやめて!!貴方がせっかく5万も貯めた資材でしょう!?」
Z1「そうだよ!提督はこのイベント頑張るって言ってたじゃないか!!」
提督「ふははは…やるぞ、俺はこのイベントをやり遂げる!頼むぞレーベちゃん!!」
Z1「待って!正気に戻ってよ!提督!!おーい!!!」
提督「ヒャッハー!高速建造だー!!」ズゴゴゴ
________
____
__
数十分後
妖精「新しい娘が着任しましたー」
ビス「という訳でこんにちは!ビスマルクよ!」
提督「…」ズ-ン
ビス「…あれ?」
熊野「…」ズ-ン
ビス「ごほんっ、Guten Tag!私がビスマルクです!よろしくお願いします!!」
Z1「…」ズ-ン
ビス「…???」
ビス「この艦隊はどうやら士気が落ちまくりのようね。艦隊の勝率でも悪いの?」
提督「…」
ビス「大丈夫よ安心して!この私、ビスマルクがこの艦隊を立て直してみせるから!!」
熊野「…」
ビス「ねぇ、どうしたのみんな。本当にこの鎮守府大丈夫なの?」
Z1「…ちがう…これはちがうんだ…」
ビス「え?」
Z1「あれをみてごらん」
ビス「??」
熊野「提督どうかしら?念願のビスマルクさんを手に入れた感想は…?」
提督「…代償に、何か大きなものを失ったような気がする…」ズ-ン
熊野「わかればいいのよ…?明日から頑張って資材を集めて、せめてE3まではクリアしましょうね…」ナデナデ
提督「うん…ありがとう熊野…」ズ-ン
残った資材
燃料7 弾薬263 鋼材2197 ボーキ14131
ビス「…えっと」
Z1「つまり提督は、君を迎えるために資材を使いきっちゃったんだ」
ビス「」
Z1「これから君が活躍してくれないと提督はたぶん帰って来れなくなるから、精一杯頑張ってね」
ビス「…」
熊野「提督…」ズ-ン
提督「熊野…」ズ-ン
ビス「……………」
ビス「私…」
ビス「ここでうまくやって行ける気がしないわーーー!」
つづく!
こんな感じでいきます
ネタを思いついたら、また更新します
乙
トリはつけないの?
前書いてたssに貼ったやつだけど参考までに
第二話「演習!ビスマルク」
Z1「今日からイベントだね」
提督「おう」
Z1「でも…」
提督「そうだ。うちには資材が…無い」ズ-ン
Z1「はあ…」ズ-ン
ビス「…」
熊野「ところで提督、あれから資材はどれくらい集まったの?」
提督「遠征部隊の活躍のおかげで、とりあえず燃料弾薬は2500まで復活したんだが…」
熊野「確かにこれじゃ少ないですわ。出撃してもすぐ資材が枯渇しますわね…」
提督「ぐっ…すまん、あのとき俺が落ち着いていれば…」ズ-ン
Z1「提督…あれはもう忘れようよ…」
熊野「ほらあの、無事にビスマルクさんも建造できたわけですし…」
提督「そ、そうだな…ここは前向きに考えよう…」
ビス「………」
ビス(私に対するプレッシャーがやばい!)
提督「しかし今日は何をしようか」
熊野「うーん…出撃は無理でしょうし…」
Z1「どうしたらいいと思う?ビスマルク」
ビス「え、私!?」
ビス「えっとそうね…」
ビス「一応イベントが始まってるようだし、ここは勝利のためにも艦隊の練度をあげるのはどうかしら」
Z1「なるほど、演習か」
熊野「それはいいアイデアですわ。資材が回復してもイベントの敵にかなわなければ、また資材がマッハで減るでしょうし」
提督「よし決まりだ。今日は演習をして、少しでも艦隊の練度をあげることにしよう」
提督「じゃあ演習場に行ってくるからお前たちは鎮守府を頼む」
熊野「了解ですわ」
Z1「演習といえど、怪我には気をつけてねー!」
提督「おう、了解だ」
ビス「…」←旗艦
提督「行くぞー」
ビス「…」
提督「おいビスマルク、何をぼさっとしている」
ビス「…提督」
提督「ん?どうした」
ビス「私が旗艦…ってことは、今から私のレベリングをするということ?」
提督「ああ、そうだが」
ビス「私まだレベル1なのよ?」
提督「知ってる」
ビス「えっと…つまり私を育てて、私をそのままイベントに出撃させるってこと?」
提督「うん」
ビス「…」
ビス「ええええぇぇぇぇーーー!?」
ビス「え!?いやいやおかしいって!私よりも既に育った艦のレベルを上げた方が絶対イベントに有利だと思うんだけど!」
ビス「だいたい着任して間も無い艦娘をイベントに出すなんて聞いたことないわよ!!」
提督「あー、えっと…」
熊野「ビスマルクさん、それがね…」
ビス「?」
熊野「うちの艦隊、主力戦艦が長門と伊勢しかいないんですのよ」
ビス「え!?」
提督「わざわざお前を建造したのも、これは軍力拡大のため…!」
ビス「ええ!?」
Z1「だからこそ、ビスマルクにはこの演習レベリングを全力で頑張ってきて欲しいんだよ」
ビス「えええ!?」
ビス「待って!他の戦艦を育てるのはどうなの!私以外にも戦艦はいるんでしょ!?」
Z1「一応、他の戦艦も居るのは居るんだけどlv10台止まってるし」
熊野「とてもじゃないけど、あの娘たちをイベント海域には出せませんから」
提督「だからビスマルク!頼む!!」
ビス「いやいやそれでもなんで私が選ばれたの!?別に私にこだわらなくてもいいじゃない!」
ビス「ていうか提督はどうして今まで他の戦艦を育ててなかったのよ!?アホなの!?」
提督「じ、実は…」
ビス「実は?」
提督「戦艦は…伊勢と長門以外…趣味に合わなかったんだ…」ズズ-ン
ビス「…て」
ビス「提督の馬鹿ああああ!」
ビス「…ん?待って?よく考えたら私のレベリングを開始したってことは…」
ビス「私は提督の趣味に合ってるってこと!?」ガビ-ン
提督「ああ、お前は俺の趣味にどストライクだが?」キリッ
ビス「だが?じゃないわよ!!恥ずかしいでしょ!!ていうか今のわざわざキリッてやるとこなの!?」
提督「違うのか?」
ビス「違うわよ!全然カッコ良くないわよ!ていうか貴方なんなの!?そんなに私のこと好きなの!?」
提督「ふっ…当然だろう」
ビス「開き直ってんじゃ無いわよこのバカアドミラール!」
Z1「おやおや?提督とビスマルクがバカップルコントを始めたようだね」ニヤニヤ
熊野「まあ!提督もビスマルクさんもおアツいですわ」ニヤニヤ
提督「なに!?」
ビス「えっ!?これは違うのよ!?別に私は嬉しくなんかないから勘違いしないでよね!」カァァ
提督「そうだ、ビスマルクの言う通り俺たちはバカップルではなくてカップルだ。そこんとこよーく覚えておくんだな」
ビス「違うそこじゃない!やめなさい提督ーーー!!」
in演習場
提督「しかし、ビスマルクがあそこまで怒るとは思わなかったな…」
ビス「もう、さっさと演習始めるわよ!」
北上「はいはい、北上様も頑張っちゃうよー」←随伴艦
大井「開幕雷撃は私たちに任せて」←随伴艦
提督「よし、それじゃ今回ビスマルクたちが戦う艦隊を紹介するぞ」
提督「今回お前たちが戦う艦隊はこちら!」
叢雲「叢雲よ。まあ精々頑張りなさい」
漣「漣です。よろしくお願いしまーす」
提督「では、互いにベストを尽くして戦ってほしい」
ビス「…」
提督「それでは、これより演習を始める」
ビス「提督ちょっと待って」
提督「ん?どうした?」
ビス「もう一度聞くけど、私が相手する艦隊は…」
漣「え?私たちだけど?」
ビス「嘘!?敵の艦隊、たった2人しかいないじゃないの!しかも両方駆逐艦って!これいくらなんでも格差ありすぎじゃない!?」
提督「ふっ、この手の艦隊を知らないのかビスマルク…?」
ビス「え?」
提督「なら教えてやろうビスマルク!この艦隊は…」
提督「いわゆる『放置艦隊』だ!」
ビス「放置艦隊?」
※放置艦隊とは?
→イベント中によく見かける艦隊。あえて高レベル艦2隻のみで編成されており、他提督の艦隊のキラ付け&レベリングに役立っているぞ!
提督「人を思いやり、少しでも他者の為になりたいという日本人精神が溢れるこの艦隊…」
提督「まさに泣ける艦これだとは思わんかね!?」ブワッ
ビス「泣けないわよ!思いっきり相手爆撃しちゃってるし!これただ単に放置艦隊が不憫なだけじゃない!」
提督「貴様…まさか自己犠牲の精神を踏みにじるというのか!?このわからず屋ァ!」
ビス「そんなのわかる訳ないでしょ!だいたい私日本人じゃなくてドイツ人だし!!」
提督「なにをー!?」
北上「あはは、二人とも仲いいねー」
大井「うふふ、まるで私と北上さんのよう」
叢雲「ねえ、いつになったら演習始めるの?」
漣「私退屈だよ!早く演習やってさっさと帰りたいよー」
北上「あ、ごめーん!今から開幕雷撃やるねー」
提督「そうだったな、では演習を開始する!互いに頑張ってくれ」
ビス「へ?ちょっと勝手に始めないで…」
大井「行け、甲標的!」シャッ
叢雲「どんと来なさい!」
ビス「えっあっ待っ…」
ズガシャーン!
漣「私、轟沈判定だねこれ」ボロボロ
北上「ふっ、どうよ私の力は」
ビス「撃った!相手は駆逐艦で少数艦隊なのに本当に魚雷撃っちゃった!なにこれ日本人怖い!!」ガクガク
提督「相手の優しさに甘えるのも、また泣ける艦これの一部だ」ウルルン
ビス「だから泣けない!いや泣けるけど違う意味で泣いちゃうわよこれ!!」
漣「ふっ、気にすることはないよ。私は…これが役目なんだからさ」ニコッ
ビス「ああもう日本人完成されすぎー!!」ブワッ
叢雲「ねぇ、ところで私に甲標的当たってないんだけど…」
ビス「あっ、もう一人の娘は無事だったんだ。よかった…」
大井「あら?魚雷を外しちゃった…ごめんなさいね」
叢雲「いいのよ。ミスは誰にでもあるわ」
叢雲「それに、たぶんそこにいる金髪戦艦が私を倒してくれるでしょうし」
ビス「ん?え??」
北上「T字有利・砲雷撃戦よーい」
ビス「…え?これってまさか私に撃てと?」
大井「そうだけど」
ビス「待ってよ、これ本当に駆逐艦に撃たなきゃいけないの?そんな冗談はやめてよね」
北上「いや冗談じゃないよ?これ演習だし」
大井「はやく相手を撃って終わらせましょう」
ビス「え…無理…だって駆逐艦がかわいそうじゃない!」
大井「でも抗えないのよ、現実には…」
ビス「そんな…そんな…」
叢雲「…あの、早くしてくれる?」
北上「さあ撃つんだ、ビスマルク!」
大井「その方が、相手にとっても自分にとっても好都合だから」
ビス「いやよ!いくら演習でも相手にいいように利用されるなんて酷いじゃない!!」
ビス「そうだ、放置艦隊なんて間違ってる…こんなの間違ってるんだ!」キッ
叢雲「…」
叢雲「あのさ、あんたらで勝手に盛り上がってないでさっさと私を撃っくれる?」
ビス「駄目!正気に戻って、叢雲さん!」
北上「諦めろぉー!」
大井「ビスマルクさん、正面から突っ込みなさい!一点突破よ!」
叢雲「………」
叢雲「こいつらめんどくさい」
漣「たぶん、ビスマルクさんは演習の趣旨をわかってないんだろうね」
叢雲「…はやく帰りたい…」
叢雲「ああもう仕方ないわ…」テクテク
叢雲「ほら、近付いてやったわよ。これならあんたも撃ちやすいでしょ?」
ビス「!!そんなの…」
大井「ビスマルク!いいからこのまま叢雲を撃ちなさい!」
北上「可能性に殺されるぞ!そんなものは捨てちまえ!!」
ビス「う、うわあぁぁぁーーーっ!!」
ビス「撃てませぇぇぇん!!」
叢雲「あんた、本当はそれ言いたかっただけでしょ!」
北上「もう叢雲は私が撃つね」シャッ
叢雲「はいはい、どうぞ」ドカ-ン
ビス「あっちょっ待っ」
勝利!S
北上「その後何かが吹っ切れたビスマルクは、放置艦隊に対して容赦無い砲撃を浴びせるのだった」
提督「でも無事に戦えるレベルになれてよかったじゃないか」
大井「よかったですね提督。やっぱり慣れですよ」
そして数時間後
北上「ただいまー」
熊野「おかえりなさい」
提督「今日の演習は放置艦隊がたくさんいて助かったよ」
ビス「あれから何とかレベル15まで行ったわ」
熊野「それはそれは」
Z1「でもレベル15か…イベントに出すにはちょっと低い…」
熊野「どうするの?提督…」
提督「決まっている!ビスマルクはイベント海域に出撃させる!」
ビス「えっ」
提督「言ったろ、戦艦不足って。だからこそ、今日こんなに演習したんじゃないか」
ビス「ちょ、初陣がイベント海域って…」
熊野「まあビスマルクさんにとってもいい経験になるでしょうし」
Z1「いいんじゃないかな、別に」
ビス「ええ…」
ビス「私…」
ビス「なんか初っ端から酷使されそうーーー!」
つづく!
今回はここまで
>>21の言う通りトリつけしました。これからよろしくお願いします
第三話「初陣!サメワニ沖海戦」
提督「資材が5000まで貯まった!」
熊野「とりあえずこれくらい資材があれば…」
Z1「ギリギリだけどイベント海域に出撃できるね!」
提督「よし行くぞお前たち!イベントの水平線に勝利を刻むぞー!」
熊野「もちろんですわー!」
ビス「はあ…出来れば最初は鎮守府海域から戦いたかったな…」ガクッ
提督「じゃあ出撃メンバーの確認だ!」
提督「まずは旗艦、航巡熊野」
熊野「承りましたわ」
提督「続いて主力戦艦ズ・伊勢&長門」
伊勢「四航戦伊勢!出撃します!」
長門「主力戦艦の力を見せてやろう」
提督「そして切り込み隊、北上&加賀」
北上「うっし!開幕攻撃は任せてよー」
加賀「ここは譲れません」
提督「そして期待の新星、戦艦ビスマルクだ!!」
ビス「…こんな主力メンバーの中に、未熟で新入りの自分がいるとか凄く恥ずかしい」
Z1「まあまあ、気楽に頑張りなよ」
提督「よしお前たち、武器は持ったかー!?」
長門「もちろんだー!」
提督「疲労抜きは終わってるなー!?」
北上「もちろんだー!」
提督「ちゃんと補給も済ませたかー!?」
伊勢「もちろんだー!」
提督「心の準備はできているかー!?」
ビス「あっ私まだ心の準備が…」
提督「オッケー完璧だな!!さっそくイベント海域に出撃だぜー!!」
ビス「いやオッケーじゃないし!?ちゃんと私の話も聞いてよね!」
出撃!
提督「なるほど、ここが最初の海域『サメワニ沖』か」
ビス「…結局私もここに来てしまった」
提督「ここから戦場だからな。お前たちも気を抜くなよ!」
熊野「当然ですわ!」
長門「腕が鳴るな。ふはははは」
提督「じゃあ交戦行くぞ!お前たち、準備はいいな!」
熊野「もちろんですわ、提督の期待に応えて見せますわよ!」
ビス「…私の低い練度で、本当に敵と戦って大丈夫なのかしら…不安ね」ハァ
ヘ級「ようこそイベント海域へ!」
敵艦隊発見!
砲雷撃戦開始!!
提督「それ行けお前たち!深海棲艦を撃って撃って撃ちまくれー!」
長門「主砲発射ー!」ズガァン
伊勢「瑞雲とかってどうかな、いける?」キ-ン
熊野「とぉぉぉおおお!」ドゴ-ン
ビス「おお…みんなやっぱり凄いなあ…」
提督「当然だろう。仮にもこの艦隊最強の主力メンバーだぞ」
提督「逆にいきなり大破でもされたら、この先はもう不安しかない」
ビス「はあ…私もみんなの足を引っ張らないように頑張れるかな…?」
提督「おやビスマルクよ、不安なのか?」
ビス「えええ!?さっきからそう言ってるでしょ!提督は本当に私の話を聞いてなかったの!?」
提督「いや…むしろ、俺が話を聞いてたとお前が思ってたことに俺は驚きなんだが」
ビス「…アンタ、いつかこの海に沈めてやるわよ?」ゴゴゴゴ
提督「あっ怒ってらっしゃる」
ビス「もうっ、提督の馬鹿!」プンスカ
提督「悪い悪い、お前意外と繊細なんだな」
ビス「ええそうよ!悪い!?」キッ
提督「いや本当に想定外だった。お前は偉そうなお嬢様タイプだったから、好戦的なんだとてっきり」
ビス「…印象だけで決めないでよ」プンプン
提督「すまなかったな…ほれ、お詫びにお前の頭を撫でてやろう」ナデナデ
ビス「あっ、ちょっと!何してんの提督!?」
提督「はっはっは、機嫌は直ったか?もっと撫でてやろうか?ん?」ナデナデナデナデ
ビス「こんなの別にいらないわよ!私もちゃんと戦うから撫でるのをやめなさいっ!」バチ-ン
提督「ぐほぉ!?」
ビス「貴方たち、喰らいなさい!」
イ級「なにっ!?」
ビス「行け!38cm連装砲!!」ド-ン
イ級「っぐはー」ゴウチン!
ニ級「やられたー」ゴウチン!
ビス「…あれ?簡単に倒せた?」
長門「おおビスマルク、なかなかやるじゃないか」
伊勢「私らも頑張んないとねっ!」
ビス「もしかして、この辺の敵って…大したことない?」
提督「え、知らなかったのか?E-1の敵は弱いことが多いんだぜ」
ビス「そうなの!?無駄に心配して損したじゃない!」ガ-ン
提督「ええっ!じゃあ俺もビスマルクを撫でて損したってことなのかよ!?」ガ-ン
ビス「いやそこは素直に喜びなさいよ!この私をナデナデしたことを光栄に思いなさい!」
数分後
ホ級「覚えておくがいい!」勝利S
北上「勝った!私たちの勝利だよ!」
加賀「幸先のいいスタートね」
伊勢「まっ、最初はこんなものか」
ビス「よーし、俄然やる気出てきたわ!これなら提督にビスマルクの戦いを存分に見せてあげることが出来るわね!」
提督「…敵が弱いとわかって急にやる気になったなお前」
ビス「見てなさい提督!このビスマルクがこの海域の敵を全滅してやるわ!」
北上「…まあ、楽しそうだしいいじゃないの」
提督「そうだな。E-1はさっさと攻略してしまおうな」
ところがどっこい
提督「…おかしい」
長門「今回もまたボスルートからそれてしまったな」
熊野「これで10回目…どうしてボスに行けないの?」
Z1「うーん…通常海域ではこんなことは無いはずなのに…」
ビス「何か原因があるのかも?」
伊勢「いや、違うな…これは、羅針盤の呪いじゃないか!?」
ビス「な、なんですって!」
ビス「…羅針盤の呪いって何?」
伊勢「知らずに言ったの!?」
熊野「ちなみに羅針盤が思うように動かないことを、そう呼ぶのよ」
ビス「そんな不可解な現象がある訳が…」
提督「くそっ、こんなときに限って羅針盤が荒ぶるなんて…資源も残り2000を切ったぞ!」
熊野「提督、これからどうしますの?」
提督「こうなったら数あるのみだ!またサメワニ沖に出撃だぜ!」
熊野「了解ですわ!」
ビス「ん?え??」
ビス「あの提督…」
提督「?」
ビス「言わせてもらうけど、闇雲に出撃するのは失敗を重ねるばかりだと思うわ」
提督「な、何!?」
ビス「ここは一度作戦を考えたほうが、効率的だと私は思うんだけど…」
提督「作戦?そんなのいらねえ!イベントは強行突破に決まってんだろ!」
ビス「いや、だからそれがボスに行けない原因のような気がする…」
提督「ヒャッハー!出撃だー!次こそ深海棲艦をやっつけてやるぜー!」
ビス「…」
それから
北上「ついに資源が1000を切ったね」
熊野「提督、本格的にやばいですわよコレ」
提督「本当におかしい…!なぜ我々はボスルートに行けないんだ…!」
熊野「提督、これはやはり何か原因があるとしか考えられませんわ!」
ビス「だからしっかり作戦会議しようと言ったのに…」
提督「ぐぬぬっ、時すでに遅し…あの時の俺に言い聞かせてやりたい」
ビス「反省してよね、提督!」
提督「理解した…」
長門「で、提督よ。作戦はどうするというのだ?」
提督「仕方ない、ここは…」
提督「先にE-1を突破したという友人提督に攻略方法を聞いてみよう」
ビス(人任せかよ!)
提督「という訳でテレフォン!友人提督に電話をかけるぜ」ピポパポ
友人「もしもし?」
提督「おぉ友人提督。さっそくだがE-1ボスルートへの行き方を教えてくれ」
友人「E-1ボスルート?普通に索敵を上げりゃいけるで」
提督「さ、索敵!?」
友人「大本営も言うてたやないか。今回は索敵が重要やて」
提督「え、マジで…」
友人「E-1に限らずE-2、E-3も索敵上げなボス行けへんからなー。今回はうちの筑摩はん大活躍やったわ」
提督「…そうか」
友人「せや。あと索敵上げたきゃ水上偵察機オススメやで。性能ええし、あれ積んどきゃ昼戦連撃カットイン出来るしな」
提督「!?」
友人「は?知らんやったんか?これも大本営から知らされてたはずなんじゃが…」
提督「…もういい。ありがとう」
熊野「提督、いかがでしたか?」
提督「あのさ熊野…水上偵察機ってうちに残ってたっけ?」
熊野「水上偵察機?それなら昨日提督が『ヒャッハー燃料だー!』とか言いながら嬉々として廃棄してたアレのことかしら?」
提督「…あの水上機、イベント攻略に必須らしい」
熊野「え」
提督「というわけで」
ドサッ←無駄に余ってるボーキサイト
提督「今から水上偵察機の開発をするぞ!」
長門「ええぇーーー!?」
北上「どうして!どうしてイベント中なのにこんな地味な作業を!?」
提督「仕方ないだろ!資材はない!攻略のためのキーアイテムもない!どうやって敵に勝てっていうんだ!」
北上「ぐぬぬぬっ…」
熊野「仕方ありませんわ。みなさん、ここは水上偵察機の開発に勤しみましょう」
長門「くっ…飛行機の開発は苦手だが仕方あるまい」
ビス「せっかくやる気出たのに、なんでこんな事に…」
伊勢「はいそこ愚痴らない!」
長門「お、偵察機が出来たぞ提督」
提督「あ、それ12.7cm連装砲だな!飛行機ですらねぇ!!」
加賀「提督、出来ました」
提督「それもちがう!ていうかそれ62型爆戦!?逆にこんな節約レシピでどうやってそんなもの作ったの!?」
加賀「やりました」ドヤァ
提督「ドヤ顔やめてー!」
北上「あーあ、次の出撃いつかな…」
伊勢「きっと、水上偵察機が揃うまでお預けだろうね」
ビス「…」
ビス「これ…」
ビス「期限までにE-3までに行ける気がしないわーーー!」
つづく!
〈おまけ〉
提督「水上偵察機3つ量産成功!そして遠征隊+潜水艦をこき使って資材も貯めた!」
提督「さらに編成を長門伊勢ビスマルク赤城加賀大鳳にしたら難なくボスルートに入ったぜ!」
熊野(私はお留守番ですわ)
提督「E-1突破は近い!!さあ海域ボスよ、その姿を現すがいい!」
リ級改「フハハハハハよく来たな!ここを進みたければ、この私を倒すのだ!」
提督「よし頑張れお前ら!あの重巡改を倒せ!」
ビス「つ、強そうだけどやってやるわよ!」
長門「ビッグ7の力、侮るなよ」ズガァン
ヘ級「ほげほげー!」ゴウチン!
ホ級「くらえー」ズガァン
ビス「効かないわ!」
リ級「でりゃー」ズガァン
赤城「ふっ、一航戦にかかればそんな攻撃なんて余裕でぎゃあああああああ!?」大破!
提督「ファッ!?」
勝利!S
リ級改「ここは一旦去る!」
ビス「ふう、危ない所だった」
長門「流石はボス、といったところだ」
加賀「全員無事で何よりです」
赤城「ええ、全く」プスプス
提督「…」
提督「二回目の突撃だ!」
リ級改「フハハハハハここを通りたければ(略」
ビス「何度でも戦うわ!」
大鳳「負けないわ!」
赤城「行くわよみんな一航戦の誇りにかけてぐはあああああああ!?」大破
提督「…」
in鎮守府
提督「おい赤城」
赤城「?」
提督「ボスに入るたび大破って…お前本当にやる気あんの!?」
赤城「いやその…敵もなかなか強いのよね…」
提督「ごまかすなよ!?今のところE-1で中破以上の被害出してんのお前だけだからなこの慢心女!!」
赤城「何ですって!?一航戦の誇り…こんなところで失うわけには…」モグモグ
提督「やめろどさくさに紛れて資材喰うな!今うち大ピンチなんだってば!!」
加賀「提督…それならもう赤城さんを編成から外せばいいじゃないですか」
赤城「ふっ、加賀さん…それは無理なのよ」
加賀「?」
提督「残念ながらその通りだ。実は…」
提督「うちの正規空母は赤城と加賀しかいないから…赤城外すと索敵、制空権、開幕攻撃全てを下げることになるんだ」
加賀「え」
赤城「ほらね加賀さん?イベント攻略には私が必要ってことなのよ」
赤城「だから、どんなに大破しまくっても第一艦隊から外されることは無いわ!はーっはっはー!!」
提督「くそっこいつ…憎たらしいぜ…」
加賀「…」
加賀「はあ…もうやだこの貧乏鎮守府…」
※この後、なんだかんだでE-1は突破しました。
めでたしめでたし
イベント終わってるけど、イベント編はまだまだ続くよ
またお会いしましょう
第四話「突撃!ズンダ海峡を越えて」
提督「E-1突破、お疲れ様だったな!」
ビス「私たちにかかればあれくらい余裕よ」
熊野「全員無事に生還できて何よりですわ」
Z1「さらにこの海域で卯月もスカウト出来たし、今の所イベントは好調だね」
卯月「ぴょん!」
提督「ああ、サメワニ沖はなかなかの収穫だった」
提督「…だが」
卯月「?」
Z1「どうせなら卯月よりも初風来て欲しかったね」
卯月「!?」ガ-ン
提督「なぜか知らんが、卯月ばっかりドロップするんだよなあ…」
Z1「レア駆逐艦はめちゃくちゃ欲しくなるけど、2人も3人もいらないんだよね…」
提督「ああ…何人の卯月をあの海域で見たことか」
卯月「…なんかボロクソに言われてるけど、よく考えたらうーちゃんには全然関係ない話だっぴょん」プンスカ
提督「さてお前たち、次はE-2『ズンダ海峡』へ出撃だ」
ビス「ズンダ海峡…サメワニ沖よりも遠くにある海域ね」
熊野「確か深海棲艦の拠点付近ではないですか?」
加賀「その分、敵艦も強力な者たちが集まってるでしょう」
提督「その通り。E-1は楽勝だったが、E-2からはおそらく苦しい戦いになる」
提督「証拠に、この友人から送られてきたこの出撃データを見てくれ」スッ
伊勢「えっ、E-2だけで使用した修復材数50超え!?」
長門「なるほど、敵艦隊もなかなかやるようだな…」
提督「この数値だけで、イベント海域の恐ろしさが伝わってくる。E-1のようにホイホイ勝つことは出来ないだろう」
提督「お前たちには苦しい思いをさせるかもしれない。もしかしたら重症を負ってもらうことにもなる」
ビス「…」
提督「だがしかし!我々はここで退く訳にはいかない!!」
ビス「!」
提督「これは戦いだ!俺も極力お前たちが大事に至らないように指示を出す!だから俺に協力してほしい!」
ビス「提督…」
ビス(提督ってお調子者だと思ってたけど仕事真面目なかっこいいとこもあるじゃない)
ビス(いや、もしかしたら私の方が提督のこと勘違いしてたのかも?)
ビス(とにかく私も提督の期待に応えられるよう頑張らなきゃ!)
ビス「提督、私も頑張ります!この戦い絶対に勝利しま」
提督「それに、E-3さえクリアすれば、天津風ちゃんが大本営から送られてくるからな。この千載一遇のチャンス、逃してたまるか!」
長門「当然だ!!あんな可愛い駆逐艦、見過ごす訳にはいかんっ!!!」
提督「わかっているじゃないか長門!それでこそビッグ7だ!」
長門「おう!私は全力で提督に協力する!!」」
提督「っしゃああああああ!!行くぞズンダ海峡ぉぉぉぉぉ!!」
ビス「……………」
ビス「あんたって人は、本当にぶれないわね!!」パシ-ン
提督「あべしっ!?」
提督「え…俺なんでぶたれたの?」ヒリヒリ
ビス「もう!せっかく提督のことかっこいいと思ってたのにっ!!この馬鹿提督!」
提督「???」
ビス「この朴念仁!鈍感!おたんこなす!」プンスカ
提督「…よくわからんが、お前も作戦に協力してくれると言ったな?」
ビス「えっ!?ああ、まあね…」
提督「それじゃ任せたぞビスマルク。お前も主力戦艦の一人なんだから」ナデナデ
ビス「あ、ちょっと!また…!」
提督「よしよし、よくわからんがお前を怒らせたのは悪かった。許してくれよ?」ナデナデ
ビス「うぅ~…っ」
ビス「…もう、提督のばか」
熊野「提督、そろそろ…」
提督「いかん、そうだった」バッ
ビス「あっ…」
提督「えー、ごほん。次は作戦会議をする」
提督「E-2攻略には、友人の情報によりある程度の索敵が必要とわかっている」
提督「必要な索敵値の詳細は分かっていないが恐らく空母主体の編成で事は足りるだろう」
提督「それに開幕攻撃も強力だからな。赤城・加賀・大鳳、これらを主軸に出撃するぞ」
赤城「ふふん、一航戦の出番!」フンス
提督「あ、ちなみに赤城がまた大破しまくるようなら、思いきって赤城を軽空母と交代させるからな。覚悟しとけよ」
赤城「ええ!?」
熊野「で、残りの三枠はいかがなさいますの?」
提督「えっと、他に火力も欲しいし出来れば昼戦の短期決戦で決めたいから…」
提督「残りはビスマルク・長門・伊勢で出撃だ。よろしく頼む」
長門「了解した」
伊勢「任せなさい!」
熊野「…また私はお留守番ですの」シュン
ビス「って、これ結局E-1と同じ編成なのね」
提督「まあこれがうちで一番強い艦隊だからな」
伊勢「じゃあ準備も整ったことだし」
提督「行くぞ、イベント海域へ!」
ビス「戦艦ビスマルク、抜錨!出撃するわ!」
出撃!
提督「やって来ましたズンダ海峡」
タ級「うぼぁー」
提督「さすがE-2。ヤバそうな戦艦もちらほらいるな」
長門「しかしっ!」
ビス「私たちの敵じゃないわ!」ズガァン
タ級「うぎゃあ」ゴウチン!
ビス「ふっ、提督見た?私の実力!」ドヤッ
提督「ああ、しかし凄いなビスマルクは。とてもレベル20とは思えん」
ビス「えへへ…そう?いいのよ、もっと褒めても」テレテレ
提督「それが…褒めてやりたい気持ちは山々なんだが…」
ビス「?」
ハ級「てややー」ズガァン
赤城「うわちょやめ」小破
提督「艦隊の主軸であるレベル65空母がやられまくるから、もうそっちの方に気がかりで…」アワアワ
ビス「…提督も苦労してるのね」
~~~
数十分後
伊勢「あれから数回の戦闘を切り抜け」
提督「なんとかボス近くまで来たぞ!」
ビス「ここまで順調だったわね」
提督「ああ。意外とバケツ消費も少なくて済むかもしれないな」
赤城「…あれ?」
提督「赤城、どうした?」
赤城「いえ、どうにも腑におちなくて…」
提督「?」
赤城「提督よりもレベルの高い友人提督が、あそこまでバケツを使ったことを考えるとね…何かあるんじゃないかと頭の中で何かが」
提督「どうせアイツは慢心でもしたんだろう。ていうかお前はまず自分の身体の心配をしなさい」
赤城「うぅん…」
提督「ま、ここを突破すればこの海域を制圧したようなものだぜ!」
長門「では行くぞ、突撃だ!」
大鳳「…いや、待って!」
提督「今度はどうした大鳳」
大鳳「提督!あれを見て!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
提督「!?」
提督「なんだあの黒い気体状のものは」
加賀「あれは…雲?空を覆って暗くなっていきますね」
提督「雲!?まさか積乱雲か!」
加賀「いえ、雨が降る様子はありませんが」
提督「なら渦潮の心配はないようだな」
大鳳「しかし提督、暗いと艦載機を上手く発艦できません…」
提督「何!?」
提督「このタイミングで空母が動けなくなるとはな…」
ビス「な、なんなのこれ?ちょっと怖いんだけど…」
長門「これはあたかも夜になったような感じだな」
提督「夜か…ん?何かこっちに近付いてくるような」
敵艦隊発見!
我、夜戦に突入す!
提督「ダニィ!?」
ヘ級「やーせーんー!」
提督「オイ待て待て待て俺は夜戦から戦闘が開始される場所があるなんて聞いてないぞ!」
加賀「…どうやらあの雲は、艦隊戦を夜戦に持ち込むための作戦だったようですね」
ビス「じゃああれは深海棲艦の罠だったってこと!?」
提督「何!はめられたか!!」」
長門「落ち着け提督。我が艦隊は戦艦×3に空母×3だ。お世辞にも夜戦に強い艦隊ではないな」
提督「いやだから焦ってんだよ!?なに落ち着いてんだよお前は!」
伊勢「ちなみに敵艦隊は重巡に軽巡、雷巡に駆逐艦と夜戦に特化した艦隊のようね」
提督「ぎゃあああー!」
ビス「それでもやるしかないわ!喰らえ38cm連装砲!」ドゴォン
チ級「効かんな」キィン
ビス「!?」
リ級「次はこっちの番ね!」ズガァン
赤城「あべしー!」中破
提督「あ、赤城っ!」
長門「くっ、反撃だ!」ドゴォン
ハ級「かわす!」スッ
提督「くそう、今までの快進撃が嘘みたいに止まったぞ…」
ビス「まずいわ…このままじゃ負けちゃう…」
ニ級「くらえカットイン!」シャシャシャ
赤城「ぐわはぁー!」大破
提督「ていうか赤城の被弾率と大破率はなんなの!?E-1から赤城が爆死しまくってるんだけど!」
敗北! D
提督「そんなこんなで撤退してきた」
熊野「皆さん、お怪我は大丈夫ですの?」
長門「恥ずかしながら私は大破してしまった」ボロボロ
伊勢「私も中破を…」ボロボロ
赤城「私はいつも通り」ボロボロ
Z1「なるほど、夜戦マップがあるから友人提督は苦戦してたんだね」
提督「くそ、これは予想できなかったな…」
熊野「思えば夜戦マップがある海域なんて、うちではまだ言ったこと無かったですものね」
提督「ああ。これはどうやって攻略したらいいかわからん」
伊勢「夜戦の強い駆逐艦を主体に組めばいいんじゃないかな?」
提督「駄目だ、道中の敵戦艦が辛い」
伊勢「探照灯ってものを使えば夜戦で効果的と聞くよ?」
提督「探照灯なんてシロモノは持ってない」
伊勢「うーん…完全に詰んだね」
提督「仕方ない、ここは最終兵器の導入しよう」
伊勢「最終兵器?」
提督「それは…お前だ!」
提督「熊野!ここはお前に任せるぜ!」
熊野「!!」
熊野「ついに私の出番…!」
提督「重巡は夜戦が得意と聞いた。熊野は正確には重巡ではなく航巡だが、おそらく問題ないだろう」
熊野「承りましたわ!秘書艦熊野の実力、見せてあげますの!」
提督「おおぅ熊野、随分とやる気だな」
熊野「もちろんですわ」
熊野「提督、ビスマルクさんが来てからずっと彼女に付きっきりでしたから…」
熊野「ビスマルクさんばかり、提督の前でいい活躍させる訳にはいきませんからね」キッ
ビス「!!」
ビス「熊野さん、もしかして…」
熊野「貴方の想像の通りですわ」
ビス「そんな…じゃあ!」
ビス「提督、私も出ます!私にも戦わせてくださいっ!!」
熊野「!」
提督「おっとビスマルクもやる気だな。熊野に影響されてライバル心が刺激されたんだろうか」
ビス「そうよ!それと似たようなもの!」
熊野「…若い芽は大きくなる前に先に摘んでおきたいですわ」メラメラ
ビス「私だって、負けないわよ!」メラメラ
提督「うんうん。艦娘同士切磋琢磨する、いい関係だ」
長門「…いい関係というよりも、少しドロドロした関係のようだがな」
提督「?」
提督「あとは、夜戦で使えない空母も減らす必要があるな」
赤城「ぎく」
提督「夜戦マップを考慮すると、空母は1人だけにしておきたいし」
提督「とりあえずまずはE-1からずっと足を引っ張っている空母を除けようと思う」
加賀「…」ジッ
大鳳「…」ジッ
赤城「………」
赤城(やばいこれ私が真っ先に除名されるパターンじゃん!)
赤城(私だって実戦で活躍したいのに!仕方ない、ここは…)
提督「じゃあ、前からずっと大破しまくってる赤「加賀さん!」を除名し…」
提督「…?」
赤城「ほら!加賀さん呼ばれたわよ!加賀さんは第一艦隊から除名ですねっ」
提督「…」
加賀「…」ジロッ
赤城「さあ提督、次のご指名を…」
大鳳「いや、今のどう考えても赤城さんの声だっ「わーわー!聞こえない聞こえなーいっ!」た…」
提督「赤城…」
赤城「はい、何でしょう!」キリッ
提督「お前、第一艦隊から除名、あとボーキ3日間抜きな」
赤城「そんなっ!?」ガ--ン
加賀「自業自得です」
提督「空母は最も艦載機運用能力の高い加賀を出す。また空いた枠には雷巡北上を入れるぞ」
提督「というわけで今度はビスマルク・熊野・北上・伊勢・長門・加賀で再出撃だ!」
長門「了解!」
ビス「…ん?そういやこれ、一番最初の編成と同じじゃない?」
北上「本当だ。これまたボスルートからズレることとかはないよね?」
提督「大丈夫だ。今度は水上偵察機(ついでに瑞雲)を積みまくってるから索敵の心配はない」
提督「さあ、今度こそ深海棲艦に勝利するぞ!」
敵艦隊発見!
我、夜戦に突入す!
提督「リベンジ戦だ!」
リ級「ふははは!何度やっても同じ結果よ!」
提督「それはどうかな、行け我が秘書艦熊野!」
熊野「一捻りで黙らせてやりますわ!連続砲撃、喰らいなさい!」ドゴォンドゴォン
リ級「ぬっ、なかなかやるな」
リ級「…しかし!」ズガ-ン
伊勢「あうっ!」中破
提督「ぐっ…伊勢!大丈夫か!?」
伊勢「よくも…許さない!!」カットイン
ズイウン/ズイウン/ズイウン
提督「えっなにそのカットイン」※ありません
リ級「ぎゃー」ゴウチン!
提督「すげえ!すげえ威力だけど何なのそれ!?」
長門「よし、皆も伊勢に続けー!」ドゴォン
ビス「熊野さんには負けるもんですか!」ドゴォン
北上「行くぞー!!」ドゴォン
へ級「うわああーー!」
提督「…まあ、勝てそうだしなんでもいいか」
伊勢「戦いはそういうものよ」
そして…
チ級「やられたっ!」勝利!S
提督「よし、ギリギリ勝てた!お前たち無事か!?」
伊勢「な、何とかね」中破
長門「私は行けそうだが…」中破
提督「うん、本当にギリギリの戦いだったな」
熊野「でもせっかくの勝利ですし」
ビス「ここは素直に喜びましょう!」
提督「そうだな。次がズンダ海峡のボスだし、張り切って行くか!」
ビス「ええ!」
長門「ここにズンダ海峡のボスがいるんだな」
提督「さあ、ボスよ出て来い!」
敵艦隊発見!
ル級改「はろー」ゴゴゴゴ
提督「なるほど戦艦タイプか。なんかめっちゃ強そうだな」
伊勢「これは、こいつの装甲を削り切るには火力的にちょっとキツイかも…」
提督「だが我々は負けんぞ!貴様を倒し、先へ進ませてもらう!」
提督「いけビスマルク!奴を倒せ!」
ビス「一撃で仕留めるわ!」ズガァン
ル級改「甘い」カキ-ン
提督「おぉう!?」
ビス「硬い!何あいつの装甲!」
北上「これ伊勢さんの言った通りだね…」
ル級改「ふふふ…私は強いぞ?」ゴゴゴゴ
長門「一筋縄ではいかんか。敵ながら流石だな」フッ
提督「いやだからお前はなんで感心してんだよ!?これ割とやべーんだぞ!」
ル級改「今度はこっちの番!」
ル級改「くらえ砲弾!」バゴォン
熊野「きゃあっ!…この私が…!?」大破
伊勢「ああっ一撃で熊野がやられた!」
北上「しょぼい!張り切ってた割にしょぼいぜこの子!」
提督「そんなこと言ってやるなよ!」
ビス「熊野さんっ!大丈夫!?」
熊野「はい…私は提督が無事ならそれで…」
ビス「熊野さん…」
提督「くっ…すまない、熊野」
提督「畜生、ル級改の野郎…!!」ビキビキ
ビス「!」
ビス(提督が怒りに震えてる…)
ビス(赤城さんが何度大破してもあんなリアクションしなかったのに…これってやっぱり提督は熊野さんのことが大好きだからかな…)
ビス(うん、だって熊野さんは提督の選んだ秘書艦だもん…私が建造された時だって提督は熊野さんにベッタリだったし…)
ビス(悔しいけど、やっぱり提督には私なんかよりも熊野さんの方が…)
提督「くっ…よくも、よくも熊野の服を…おかげでおっぱい!熊野のおっぱいが見え…俺の熊野に傷をつけてくれたなぁぁぁ!!」クワッ
ビス「」
提督「リ級改、許さんッ(ありがとうございます)!」
リ級改「どうもどうも」
ビス「…」
伊勢「お言葉ですが提督」
加賀「言ってることが無茶苦茶です」
北上「それに怒りに邪な考えが混じってるよ?」
提督「…はっ!つい熊野の貴重なセクシーシーンが見れたからつい!」
ビス「つい!じゃないわよ!!貴方はこんな時になにを考えてんの!」バシ-ン
熊野「貴方はいつもいつも…この変態提督っ!」バシ-ン
提督「ぶふぁっ!?」大破
提督「」ピクピク
伊勢「熊野に続いて今度は指揮官がやられたっ!」
北上「これで艦隊の指揮はめちゃくちゃだね」
ビス「あっしまった!つい!」
熊野「大丈夫ですの提督!?立てます!?」
提督「ん…熊野…か…?」
熊野「提督!よかった、無事で…」ホッ
提督「ああ…ピンクの…美しいピンクの観音様が見え…」
熊野「きゃああーーー!!」パシ-ンパシ-ン
提督「」バタッ
伊勢「て、提督ー!!」
長門「撤退だ!一旦ここは撤退するぞー!」
戦術的敗北!C
Z1「あ、おかえり。E-2はどうだった?」
提督「やばかった」
Z1「…そっか。ところで提督、ちょっと太った?」
提督「太ったってか、腫れた」
Z1「提督も深海棲艦と直接やりあったの?名誉の傷?」
提督「ちがう…これは悲しい男の本性の傷なんだ…」シクシク
熊野「提督…本当にごめんなさいっ!」ペコペコ
Z1「?」
ビス「…」
ビス「…なんか」
ビス「本当にイベントクリア出来る自信無くなって来た…」
つづく!
E-2は30回くらい挑みました
燃料がひたすらやばかったですね
次回でイベント編は完結です
第五話「最後の戦い!ポートワイン破壊作戦」
提督「すごい頑張ってE-2突破した」
Z1「バケツ消費50…なかなかの消耗だね」
提督「正直、このままE-3を突破できるのか心配だ…」
Z1「心中、お察しするよ」
提督「残りの資材もキツキツだし、作戦終了時間も迫って来てるし」
提督「もう俺は不安で不安で…」
Z1「まあ、本当の心配するべき所は、もう5月の終わりだってのにまだイベントの話を引きずってるこのssだと思うよ」
提督「それは言っちゃあダメだ」
提督「よし、これより最終決戦に挑むぞ。我が鎮守府はE-3『ポートワイン破壊作戦』を実施する」
ビス「ついに…長かったイベントもこれで終わりね…!」
長門「ようやく天津風の姿を拝むことができるって訳だな!」
提督「ああ。お前たちの活躍には感謝している」
提督「特にビスマルク。お前はまだ練度も低いのによくここまで頑張ったな」
提督「礼を言うぞ」
ビス「えへへ…いいのよ、もっと褒めても!」
提督「おっと、油断をしてもらうと困るな」
提督「目標はE-3を突破だ!ここを突破するでは息を抜かずに全力で戦ってくれ!」
ビス「了解!」
提督「ではE-3突破のための作戦会議を行う」
提督「再び友人に頼み、E-3の情報を手に入れることが出来たのでこれを元に作戦を考えるぞ」
伊勢「なんか友人に頼ってばっかりだね」
提督「友人の情報によると、この海域には『港湾棲姫』という特殊な深海棲艦がいるらしい」
大鳳「港湾棲姫?」
長門「聞いたことのない深海棲艦だ」
提督「姫、と呼ばれている艦種でな、そいつはこれまでに見てきた深海棲艦を数倍上回る戦闘力があるらしいんだ」
長門「何!?」
提督「艦載機をビュンビュン飛ばし、恐ろしい砲弾をガンガン撃ち、その実力は艦娘5個小隊と渡りあえる程という…」
ビス「お、恐ろしいスペックね…」
提督「E-3では、その港湾棲姫を倒すことが目的だ」
熊野「でも、数倍上回る戦闘力って…」
ビス「E-2ボスですらあんなに苦戦したのに、どうやって戦えっていうの?」
提督「いやいや。これが朗報もあるんだ」
ビス「?」
提督「またしてもこれは友人提督から送られて来た情報なんだが…」
提督「どうやら港湾棲姫には三式弾がとても有効らしいんだ」
ビス「さ、三式弾!?」
伊勢「三式弾ってあの艦載機を撃ち落とすための?」
提督「そうだ。港湾棲姫に三式弾を使うと、港湾棲姫の装甲が一気に溶けたというデータがある」
北上「へぇ…不思議だなあ」
長門「なぜ三式弾だけが港湾棲姫に有効なんだ?」
提督「さあ…たぶんなんかこう、なんかがあるんだろう」
ビス「酷い誤魔化し方ね」
提督「この情報をもとに編成を考えるぞ。まずは三式弾を装備できる戦艦がいるな」
提督「というわけでビスマルク・長門・伊勢!お前たちに港湾棲姫の攻撃を任せる!」
ビス「任せて!相手が誰であろうと倒してみせるわ!」
長門「もちろん、ビッグ7の活躍にも期待してくれ」
提督「続いて昼戦砲撃要因、航巡熊野だ!」
熊野「この熊野を頼りにするとは、提督もなかなかいい目をしてらっしゃるのね」
提督「最後は開幕攻撃&索敵要因、加賀・大鳳!」
加賀「了解しました」
大鳳「最後の戦い、全力で行くわ!」
赤城「…あれ?私は??私も空母…」
提督「お前がいたらボスまで行けそうにない」
提督「では以上がポートワイン破壊作戦のメンバーだ」
提督「E-2以上に苦しい戦いになるだろうが、総員全力を尽くし生きて帰るように!」
長門「了解した」
ビス「最後の戦い、このビスマルクが提督の期待に応えてみせるわ!」
提督「よし出撃!港湾棲姫を倒し、暁の水平線に勝利を刻むぞ!」
ポートワイン沖
ホ級「ふはは、ここは私たちが相手だ」
熊野「敵艦隊発見!交戦入ります!」
提督「うおおーーー!行けっ、潰せっ!!」
ビス「これが…ラストミッション!」ズガァン
長門「お前を撃たなくちゃならないんだ!」ドカァン
伊勢「ここからいなくなれぇーーー!!」バゴォン
ホ級「お、のーれぇぇぇぇ!」ゴウチン!
勝利!S
提督「…恐ろしいまでの快進撃だな」
加賀「やはり最後だとモチベーションが違いますから」
~~~
提督「お前らの活躍により、もう最深部まで来れたぞ」
ビス「ここに港湾棲姫がいるの?」
提督「そうだ。皆、気を引き締めていけよ」
長門「港湾棲姫よ、どこからでも掛かって来い!この長門が全滅してやる!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
大鳳「!」
港湾「クルナ…ト…イッテイル…ノニ…」
伊勢「ぎゃああああああーーー!!」
大鳳「で、出たあああーーー!」
熊野「こ、こいつが港湾棲姫…!」
長門「でかい…想像してたもの以上に恐ろしい姿をしている…!」
提督「予想外だ…港湾棲姫がこれ程のかわいさを持っているとはな」
ビス「…ん!?」
ビス「提督…?どさくさに紛れて何を…?」
提督「素晴らしい。港湾棲姫は深海の癒しだ」
熊野「いやいやいや、あれがかわいいだなんて…」
ビス「提督!?もしかして狂ったの!?」
提督「失礼だな。俺は正常だぞ」
ビス「いや深海棲艦がかわいいとか、そんなの正常な思考じゃないわよ…」
提督「まあ待て。あの港湾棲姫を見てみろ」
ビス「?」
提督「奴は…」
提督「胸が大きい!」キリッ
ビス「」
提督「他にも縦セタ、萌え袖、臆病そうな目、そして巨乳・美乳・おっぱい!!」
提督「萌え要素たっぷりの美少女と思わんか!?」
ビス「…」
熊野「…」
ビス「砲雷撃戦よーい」
熊野「目標、提督ですわ」
提督「ホワイ!?なぜ銃をこちらに向ける!気でも狂ったのか!?」
ビス「こっちのセリフよぉぉぉ!」
熊野「深海棲艦なんかに浮気をして…!」
ビス「私がその腐った精神を叩き直してやるわよ!!」
提督「おい!?ちょっ馬鹿やめ」
提督「…」ピクピク
加賀「…提督、二度目の大破ですね」
大鳳「この人はまた余計なことを言うから…」
提督「」チ-ン
長門「しかし、提督が伸びてしまったとなるとまた撤退だな」
大鳳「一度、提督を修復してから再出撃をしなくちゃ」
伊勢「じゃあ、撤退用意を…」
加賀「いえ、今回はその必要はないでしょう」
長門「?」
加賀「あれを見てください」
ビス「あんたもあんたよー!!」
港湾「!?」
熊野「深海棲艦の癖にかわいい顔して、生意気ですわー!」
港湾「!?!?」
ビス「あんたみたいなのは沈んでなさい!ファイヤー!」ズガァン
熊野「沈むがいいですわああああああ!!」ズガァン
港湾「…」チュウハ!
加賀「浮気性の提督に怒り狂う子が港湾棲姫を猛攻撃してますから」
長門「まるで鬼神のような砲撃だな」
加賀「港湾棲姫は彼女たちに任せて私たちは他の深海棲艦を撃退しましょう」
伊勢「了解」
勝利!S
大鳳「やった!私たちの勝利よ!」
伊勢「無事に勝ててよかったね!」
長門「ああ、だがしかし…」
熊野「まだまだーっ!」ドカァン
ビス「沈めーっ!」ドカァン
港湾「」ピクピク
長門「これ、どうする?」
加賀「どうするも何も止めなくては。弾薬もかなり無駄ですし」
長門「熊野、ビスマルク。もうその辺にしといてやれ。もう戦いは終わりだ」
伊勢「もうやめたげてよぉ…なんか港湾棲姫が可哀想になってきた…」
熊野「嫌ですわ。まだ私の気がすんでいませんもの」
ビス「よりによって深海の娘がかわいいなんて…本当にあの提督はなんなのよ…!?」
熊野「さあビスマルクさん、続きを…」
ビス「ええ!」
長門「…」
加賀「やっぱり先に帰りましょうか」
長門「そうだな」
___
_____
________
提督「…むにゃ」
提督「…はっ、夢!?」
熊野「あ、提督お目覚めですか?」
ビス「お茶、飲みます?」
提督「ああ…すまんな、いただこう」
提督「いやあ、不思議な夢を見たよ。E-3のボスが美少女っていう夢」
熊野「ふふ、それはまたおかしな夢ですね」
提督「それで、熊野とビスマルクに半殺しにされる夢だったんだが…なかなかの悪夢だったぜ」
ビス「私が悪夢ですって?もうっ、失礼ね!」
熊野「提督、悪い冗談はやめていただけますか?」
提督「ははは、悪い悪い」
提督「じゃあ今度こそE-3の出撃をするかー」
ビス「提督?既にE-3は終わってるわよ」
提督「え?」
熊野「提督もまだ寝ぼけているのでしょう、あんなに恐ろしい敵と戦ったじゃないですか」
提督「しかし、記憶がないのだが…?」
ビス「ほら、証拠のE-3報酬の天津風さんと、途中で出会った瑞鶴さんと谷風さん!」
天津風「ど、どうも…」
瑞鶴「貴方も提督なの…?よ、よろしくお願いします」
提督「え?ああ、E-3突破したんだったっけ…?」
提督「まあ細かいことはいいか!ようこそ、我が鎮守府へ!君たちの配属を歓迎しよう!」
天津風「は、はい…」
加賀「…まあ、丸くおさまってよかったです」
長門「ああ。提督が気絶した後はビスマルクと熊野が艦隊の指揮をとってたからな」
大鳳「提督の代わりは私たちしかいないわーとか張り切っちゃって、可愛かったです!」
伊勢「そのせいで瑞鶴あたりが熊野・ビスマルクを提督だと勘違いしてるけどね」
長門「気長に待てばその誤解は解けるさ」
大鳳「しかしなかなか面白いことになってきましたね!ビスマルクさんと熊野さん!」
長門「熊野が提督を好きなのはわかっていたが、まさかビスマルクも提督に惚れるとは思わなかったからな」
加賀「今まで余裕していた熊野さんも少々焦りを感じているようですし」
伊勢「で、肝心の提督は女好き+鈍感と来てるからね!面白い関係だよ全く!」
大鳳「熊野さんとビスマルクさん、どっちが先に提督を手に入れるか楽しみですね!」
加賀「我々は遠いところからゆっくりと見守ることにしましょうか」
伊勢「りょーかーい!」
Z1「じゃあ、序章も終わったことだし」
Z1「ビスマルクと提督の鎮守府ライフ、いよいよ始まるよ!」
つづく!
実話ネタ終了。次回からのんびり日常編に入るよ
第六話「重大任務!風呂海域掃除作戦」
ビス「長門さん、ちょっといいですか?」
長門「ん、相談か?どうしたビスマルク」
ビス「長門さん…実は私、提督のことが気になって仕方ないの」
長門「ああ、やはりか」
ビス「私、あのとき提督に撫でられてからまた頭を撫でられたいって思うの…」
ビス「提督はあんなに馬鹿で浮気性な奴なのに…」
ビス「どうして私、こんなにあの人のことが気になるのかな…」
長門「うむ、それはな」
長門「提督とお前は全く逆の性格だろう?真面目なお前は、気ままに生きる提督に憧れを持っているんだと思う」
提督「だからこそ、ビスマルクは提督に惹かれる所があるのではないか?」
ビス「そう…」
ビス「そうよ、そうよね!この気持ちはやっぱり…!」
長門(あとビスマルクがチョロインってこともあるだろうしな)
ビス「そうと決まれば突撃よ!提督のとこに行ってもっともっと褒めてもらうんだから!」
ビス「提督、待ってて!今私が行くわ!」タッタッタッ
長門「…なかなか積極的だな、あいつは」
長門「ふっ、恋に悩み、奔走する少女か…」
長門「私もいつかは、あのような感情を持ちたいものだな」
ビス「提督!ここにいた!」
提督「おおビスマルク」
ビス「提督、今から私と一緒に…」
提督「いやいやナイスタイミングだ。ちょうどいい所に来たな」
ビス「え?」
赤城「ここにビスマルクさんが来たのも何かの運命でしょうし」
熊野「この際ビスマルクさんにも協力してもらいましょう」
ビス「え、何…?」
提督「えー、本日お前たちを呼んだのは他でもない。実は重大な任務を任せようと思っている」
ビス「重大な任務?」
提督「それは…これだ!」スッ
ビス「…何ですかこれ。たわし?」
提督「お前たちにはこの装備を持って出撃してもらう」
ビス「いやたわしでどうやって戦えと」
ビス「あ…まさか、任務は戦いじゃないの?」
提督「ご名答。今回の出撃場所は、我が鎮守府の誇る大浴場だ」
ビス「お風呂…たわし…ああ、掃除ね」
提督「その通り。実は赤城から苦情が来てな、そろそろ風呂が汚れて来たから掃除してほしいとのこと」
提督「掃除は人数が沢山いた方が捗るからな。だからビスマルクにも協力してもらおうと思ったんだ」
赤城「というわけで一緒にお掃除頑張りましょう!」
ビス「そういうことならこちらこそよろしくお願いするわ」
ビス「だいたい汚れたお風呂でリラックスなんて出来ないし。私だって綺麗なお風呂に入りたいもの」
赤城「いやーありがとねビスマルクさん!お風呂掃除って意外と大変だから助かります」
熊野「一人でも労働力が多い方がこちらとしても楽なものですわ」
提督「まあ風呂は艦娘全員が利用する場所だからな。誰にでも掃除をする義務はあるだろう」
ビス「でも…そういえば掃除って妖精さんに任せられなかったの?」
赤城「あっ」
熊野「そういえばそうですわね。これはわざわざ艦娘を使わなくても解決する問題ではなくって?」
赤城「あー、実は…」
提督「最初は妖精さんにやらせようと思ったんだが…」
妖精「自分の使う施設くらい自分で掃除しな!こちとら忙しいんだよ!!」
提督「…ってキレられたんだ」
ビス「えぇ…」
熊野「妖精さんって意外と厳しいのね」
赤城「まあ、相手は妖精さんですから。仕方ないですよ」
ビス「妖精さんも忙しいのね…」ハァ
提督「まあまあ。気を落とさずにこれは花嫁修行の一つだと思ってやってくれ。女の子が家事くらい出来なくちゃあ駄目だからな」
熊野「!」
赤城「!」ピコ-ン
赤城「そうそう!花嫁修行と思って頑張りましょう!」
赤城「いいお嫁さん、にならなきゃ提督も振り向いてくれないでしょうしね」ボソッ
ビス「!!」
熊野「そ、そうね!花嫁修行頑張りますわ!」
ビス「提督!ビスマルクの掃除、しっかり見ててよね!」
提督「ん?どうしたお前ら。急にやる気になったな」
熊野「当然ですわ!これは大事な花嫁修行ですもの!」
ビス「いいお嫁さんになれるよう、頑張るわ!」
提督「頼もしいな。やはり若い者がいると活力があって良い」
赤城「本当、若いっていいわね~!」ニヤニヤ
提督「まあいい、さっさと風呂掃除に行こう」
提督「あ、ちなみにお前ら以外の艦娘にもちゃんと声を掛けているぞ。なかなかの人数で掃除をすることになるからな」
熊野「他の子も雇ったの?」
提督「ああ、何度も言うようだが人数は多い方がいいし。奴らはもう風呂場で待っているだろう」
熊野「まあ、人数がいるなら掃除も早く終わりますしね」
ビス「よーし、ビスマルクの掃除、見せてあげるわ!」
大浴場
提督「風呂海域にやってきたぞ!」
瑞鶴「こ、こんにちは」
谷風「谷風です、覚えてますか?」
天津風「ご無沙汰してます…」
ビス「あら?貴方達は…」
提督「コイツらが風呂掃除を手伝ってくれる艦娘たちだ」
提督「知っていると思うがコイツらは鎮守府に来てまだ間も無い。だからここで交流する機会を作ろうと思ってな」
卯月「よろしくだっぴょん」
ビス「へぇ、提督にしてはいい配慮ね」
熊野「提督らしくない心遣いに驚いてしまいましたわ」
提督「あのな覚えてるか?仮にも俺はこの鎮守府のボスだぞ?馬鹿にして貰っては困るな」
提督「とにかく掃除を開始するぞ!」
提督「作戦成功条件はこの風呂をピカピカにすることだ!総員、死力を尽くして本作戦に臨んでほしい」
熊野「了解ですわ」
ビス「全力でこのお風呂場を綺麗にしてみせるわよ!」
提督「よろしい。では、作戦開始!」
赤城「応っ!」
ビス「いくわよ、ファイヤー!」ゴシゴシ
熊野「一捻りでピカピカにしてやりますわ!」ゴシゴシ
提督「普通にやれ、普通に」
赤城「いやー疲れましたね。少し休憩を…」モグモグ
提督「おいそこまだ開始5分しか経ってないのにサボんな。ていうか何ボーキ喰ってんだよお前」
赤城「腹が減っては戦が出来ぬっていうじゃないですか」
提督「うるせーな。だいたい風呂場にボーキ持ち込むとかどういう神経してんだよ」
瑞鶴「…」ギクッ
提督「え?まさかお前も…?」
瑞鶴「はい…」ゴトッ
提督「何てこった!一航戦に続いて五航戦まで慢心の塊だったとは…大丈夫かこの鎮守府!」
赤城「何だか酷い言われようですねぇ」
提督「しかし、掃除というものはなかなか疲れる…」ゴシゴシ
Z1「おーい提督、ここにいるの?」
提督「おおレーベか。どうした?」
Z1「提督に電話だよ。例の友人から掛かってきてる」
提督「電話か、わかった」
提督「すまんが俺は少し抜ける。しばらくお前たちで掃除を続けていてくれないか?」
ビス「わかったわ」
熊野「ここは私たちにお任せを!」
提督「すまない、行ってくる」ダッ
ビス「…」ゴシゴシ
熊野「…」ゴシゴシ
赤城「…しんどい」ゴシゴシ
瑞鶴「私も疲れてきました…」
谷風「水回りの汚れはしつこいですからねー。根気良く磨き続けなくては」ゴシゴシ
卯月「根気…そんなの無理だぴょん」
ビス「ねぇ、もっと楽な方法とかないの?」
熊野「うーん…そうね…」
谷風「あれは?気合とか?」
ビス「いや、それ何の解決にもならないでしょ」
赤城「あっ!そういえば私にいい案があります!」
ビス「え?」
赤城「知ってますか?実は汚れを取るためには燃料をかけるのが良いんです!」
ビス「燃料?」
熊野「それは本当なの?赤城さん」
赤城「本当ですとも!何なら今ここで証明してみせましょうか?」
ビス「まあ、そこまで自信があるなら…」
天津風「物は試しです、やってみましょう」
熊野「では瑞鶴さん、申し訳ありませんがちょっと資材倉庫から燃料取って来てくれます?」
瑞鶴「あっ、はい!」ドタドタ
赤城「しかし、瑞鶴さんが帰ってくるまで暇ね」
ビス「あ、そういえば私気になってたんだけど…」
谷風「?」
ビス「どうして貴方は私たちに敬語を使うの?」
谷風「へ?」
熊野「そういえばそうですね、私は貴方と同じ艦娘ですわ。特に敬語を使われる理由も無いはずですけど」
赤城「そんな畏まらないで、卯月ちゃんみたいに気楽に話せばいいのに…」
谷風「うーん…」
天津風「とはいえ、上官にはきっちり敬語を使わなくてはいけませんし」
谷風「私だってちゃんと常識をわきまえてますよ!タメ口なんてもってのほかです!」
ビス「???」
熊野「上官?何のことかしら…」
赤城「…あ、そういえば言うの忘れてたわね」
ビス「?」
赤城(熊野さん、ビスマルクさん、少しこちらへ)
ビス「?」
赤城(覚えてます?イベント時、提督が気絶してたのであなたたちが艦隊の指揮を取ってましたよね?)
熊野(まあ、はい)
赤城(実は、どうやらそのせいであの子たちは熊野さんとビスマルクさんを提督と認識してるようなのです)
熊野(!?)
赤城(卯月ちゃんだけタメ口で話すのは、卯月ちゃんが配属された時はちゃんと提督が指揮を取ってたからなんです)
赤城(提督は見ての通りヘラヘラなので気さくに話しかけやすいですが、あなたたちは逆に厳しそうな見た目ですからねー)
赤城(天津風ちゃんと谷風ちゃんは必要以上にあなたたちに対して緊張してるのではないでしょうか)
熊野(ああ、なるほど…)
ビス(なんだか変に強張って見えたのはそのせいだったのね…)
赤城(ちなみに一航戦の千里眼によると、あの子たちのはもっと元気いっぱいな性格のように思えます)
赤城(これを機会に、誤解を解いてあの子たちの緊張をほぐしてあげましょう!)
ビス(了解!)
ビス「谷風ちゃん、天津風ちゃん、聞いてくれる?」
谷風「はい、なんでしょう」
熊野「実はね…」
~説明中~
谷風「え!?」
天津風「そうだったの?」
熊野「…と、いうことですわ。理解して頂けたかしら?」
谷風「何だ、熊野さんとビスマルクさんは提督じゃなかったんだね」
天津風「じゃあ敬語を使う必要なかったんですか!」
熊野「そうそう、私たちもそんな敬語とか拘りませんし」
ビス「これからは気楽な感じで話しかけてもいいのよ」
谷風「わかった!これからよろしくね!」
天津風「ふー、正直提督が3人もいるかと思って緊張しまくっちゃったわ…改めてこの天津風をよろしくお願いします」
赤城「あはは、こちらこそよろしくね!二人とも」
ビス「これから共にこの鎮守府で精進しましょう!」
瑞鶴「すみません遅くなっちゃいました…これ燃料です…」
ビス「あ、お疲れ様」
赤城「ありがとね瑞鶴さん!これなら風呂場を綺麗にできる!」
赤城「というわけで一航戦、赤城!燃料かけます!」バシャバシャ
ビス「よし、これで汚れが綺麗に取れ…」
ドロッ ゴポゴポッ
ビス「…てないわね」
熊野「むしろさらに汚れたように見えますが…」
卯月「赤城、これは一体…?」
赤城「あ、あれー?」
赤城「おかしいなあ…石鹸の原料は油だから、さらに強い油の燃料をかければ汚れが取れると思ったのに」
天津風「…そんな理由で燃料かけたの?」
赤城「そうですけど?」
ビス「…」
熊野「…」
卯月「ごめんなさい、赤城さん」
谷風「私たち、急用を思い出しました」
天津風「私たち、先に帰ります」
赤城「え!?どうしたの皆!せっかくほんわかした感じだったのにまたそんな畏まって」
谷風「すみません、そういう問題じゃないんです!」
卯月「これは流石にうーちゃんも擁護できそうにないっぴょん!」
天津風「後はよろしくお願いしまーす!」
赤城「あっー!待って!」
赤城「…行っちゃった」
ビス「いやそりゃそうでしょ」
熊野「この有様…提督からの叱責は避けられませんからね」
赤城「えぇ…やっぱり?」
瑞鶴「あの…わ、私も逃げていいでしょうか…」
ビス「そうね。ここは提督が帰って来る前にさっさと逃げておきましょう」
赤城「そうと決まれば、一航戦赤城!逃げます!!」ダッ
提督「今戻ったぞ」
赤城「」ギクッ
ビス「」ギクッ
提督「いやー実はな、俺の友人がここへ遊びに来たいって言うんだ。だからお前たちも日程を覚えておいて…」
提督「って」
提督「おい。何故だ?何故風呂から黒くて油臭い臭いがするんだ?」
熊野「…」
赤城「……」
提督「そうだな、まずはどうしてこうなったのか理由を話せ」
ビス「あのーえっとー…」
赤城「これはですねー」
瑞鶴「これは赤城さんが」
赤城「はっ!?一航戦の誇りッ!」バッ
瑞鶴「むぐぅ!?」
赤城「いやー提督すみません!実は床から燃料が噴き出て…」
提督「床から燃料??」
瑞鶴「違…本当は赤城さんが床に燃料をかけたのが原因で」
赤城「うるさいわよ瑞鶴!あなたはまずその真面目な性格をどうにかしたらどうですか!!」キッ
瑞鶴「逆ギレ!?」
熊野「いや赤城さんこそその慢心性格をどうにかしたらいかがですの!?だいたいこうなった原因は赤城さんでしょう!?」
ビス「これ、赤城さんが謝ればそれで済む話だと思うんだけど…」
赤城「ぐぬぬ」
赤城「しかし!私は怒られるのは嫌なんです!」
ビス「誰だってそうよ!」
熊野「自分の責任だからって逃げようとしないでくださいます!?」
提督「あーもう何だか面倒臭いからお前ら4人とも1週間謹慎処分な」
ビス「うぇぇぇぇ!?何で!?」
提督「まあ…3人くらい居なくなってるけどここにいた奴らの連帯責任ってことで」
赤城「そ、そんなっ!」
熊野「提督!どうか、どうか御慈悲を!」
提督「駄目だ。俺も提督だからな。こういうケジメはきちんと付けなければならん」
ビス「こんな時に限って上官ぶらなくても!」
瑞鶴「私、巻き込まれただけなのにーーー!」
ビス「…」
ビス「…結局、謹慎処分を受けました」
ビス「……寂しさで死にそうよぉ…」シクシク
つづく!
更新遅くなってすみませんでした
しかし、次回更新もたぶん遅くなります
駄目です。全然ネタが浮かびません。
とりあえず小ネタ投下で生存報告です
小ネタ1「ビスマルクと吹雪」
深雪「なぁ吹雪!外国人がこの鎮守府に来たらしいぞ!」
吹雪「そうみたいだね!どんな人なのかな?」
深雪「噂によると、金髪でカッコ良くてスタイルも良くてあと胸もでかいそうな…」
吹雪「おぉー、まさに外国人って感じだね!」
深雪「どうしよ、私って英語喋れないんだよなー、会いたいけど会話にならないのが不安なんだよなー」
吹雪「深雪ちゃん、ここは私に任せて!」
吹雪「こんなこともあろうかと、今まで独学で英語を勉強してたんだから!」
深雪「おー、流石は吹雪!優等生!!」
ビス「♪~」
深雪「っと、噂をすれば外国人さんが歩いているな!グッドタイミング!」
吹雪「おおっ!噂通りの美女じゃないですかー!!」
深雪「吹雪、さっそく話しかけてみてくれよ!」
吹雪「そうだね!じゃああの人に突撃してみようか!」
吹雪「HELLO~!」ダッ
ビス「?」
吹雪「My name is Fubuki!I'm glad to meet you!」ペラペラ
ビス「あっ…」
吹雪「I want to became a
your friend.Please tell me name?」ペラペラ
ビス「あ、あの…」
吹雪「?」
ビス「ごめんなさい。私、ドイツ人だからあんまり英語は得意じゃないの…」
深雪「えっ」
吹雪「ええ!?」
ビス「あっ!でも英語が全然わからないって訳じゃないんだからね!」
ビス「肉がどうとか言ってたくらい、ちゃんとわかってるし!」
深雪「肉?」
吹雪「もしかしてglad to meet youのミートのことですか?」
ビス「あっ…!」
ビス「と、とにかく!私の名前はビスマルク!よく覚えておくのよ!!さよならっ!」ダッ
吹雪「あっ!?あのっ!もしもーし!!」
吹雪「…行っちゃった」
深雪「…なんだかかっこいいって言うより、どっちかと言えばかわいい寄りの人だったね」
吹雪「そ、そうだね…」
おしまい
小ネタ2「ビスマルクと扶桑」
ビス「はぁ、忙しい忙しい…」
ビス「提督とお話しようと思ったら仕事の真っ最中だったなんて…」
ビス「おかげで提督と熊野さんから仕事の一部を押し付けられちゃった。なんだか今日はついてない日ね…」
扶桑「こんにちは」
ビス「あっ…貴方は…」
ビス「噂には聞いているわ。元帝国海軍最強の戦艦の生まれ変わり、扶桑さんね」
扶桑「その通り…私が扶桑よ。最強なのは見た目だけだけど、初めまして」
ビス「で、私に何か用かしら?」
扶桑「ふふ…少し貴方に言いたいことがあるの…」
ビス「あっ、ごめんなさい。私今からこの資料を提督に届けないといけないから時間が無いの」
扶桑「いい?貴方さっきついてないって言ってたけれど気安くそんな言葉を使うべきではないと思うの…」
ビス「あの扶桑さん?私急いでるんだけど」
扶桑「だいたい不幸という言葉の定義は、幸福でないということであって…」
ビス「あ、あの…」
扶桑「世の中には幸せな人と不幸せな人がいるわ。これはとても不公平なことなの…」
ビス(早く話終わらないかなぁ…提督も熊野さんも待ってるのに…)
扶桑「貴方は本当に不幸な人間なのかしら?人間になる前の前世でも、戦死したとはいえ華やかな過去を持っているし…」
ビス(なんだかんだでもう10分経過したわ。そろそろ提督もくたびれたんじゃ…)
扶桑「だいたい本当の不幸っていうのは私や大鳳とかのことを言うのよ?これを下回るくらいで不幸を嘆くようじゃ、貴方の価値観もまだまだのようね…」
ビス(ああもう、長すぎるわよこの話!!)
ビス(提督…熊野さんもきっと怒ってるだろうな…はぁ」
~~~
ビス「あの、提督…資料です」
提督「おぅビスマルク、遅かったじゃねぇか」
熊野「資料をポストまで取りに行くのに30分…ビスマルクさん、少し気が緩み過ぎではなくって?」
ビス「そ、それは…」
提督「一体どこで道草くってたのかは知らんが、資料取りくらいはさっさとやってくれよ」
熊野「一人一人がしっかりしないと仕事は早く終わらないんですからね?次から気を付けて欲しいですわ!」
ビス「はい…」
ビス(うぅ…なんで私が…)
ビス(はぁもう、なんだか今日は不幸だわ!)
おしまい
小ネタ3「ビスマルクと天龍」
天龍「龍田、外国から戦艦がやって来たって本当か?」
龍田「そうみたいね~。名前はビスマルクっていうドイツ人らしいわ~」
天龍「ドイツか!それはさぞ強い戦艦なんだろうな」
龍田「きっとそうよ~」
天龍「よーし!そのビスマルクとやらに会いたくなって来たぜ!」
天龍「行くぞ龍田!ドイツ戦艦に突撃だ!」
龍田「あー、待って~」
ビス「♪~」
天龍「いたぞ、いかにも外国人っぽい奴が歩いている」
龍田「あれがビスマルクさんよ~」
天龍「そうと決まれば自己紹介だ。おい!そこのビスマルク!」
ビス「?」
天龍「はじめまして…俺の名は天龍…フフフ、怖いか?」
ビス「あぁ、はじめまして。私はビスマルクよ。よろしくお願いするわ」
天龍「!!!」
ビス「?」
天龍(な、なんだコイツは…全然俺にビビらねぇぞ…)
天龍(流石、ドイツ戦艦といったところか…?前世で俺たちと共に戦った国家なだけあるぜ…)
ビス「天龍さん?急に固まってどうしたの?」
天龍「おい!ビスマルク!!」
ビス「ひゃいっ!?」ビクッ
天龍「気に入ったぞ!お前を天龍隊に入れてやる!」
ビス「えっ?」
天龍「ハーッハッハ!今日は宴だー!!」
ビス「え?ええ??」
ビス「な、何?何なの天龍隊って」
天龍「知らないのか?天龍隊は、世界中から資材を集めるためにつくられた部隊だ!」
ビス「それって要するに遠征部隊じゃ」
天龍「細かな詮索はやめてくれよ!おらビスマルク、宴に行くぞー!」
ビス「あ、あの…状況がいまいち飲み込めないんだけど!?」
ビス「ちょっと!おーい!天龍さーん!?」ズルズル
龍田「うふふ~、こんな天龍ちゃんだけど仲良くしてあげてね~」
おしまい
お茶濁し終了
提督との触れ合い編はもう少し待っててね
2014W杯ドイツ優勝記念でオマケ投下
もちろん本編もちまちま書き進めてるよ!
【ビスマルクのサッカー応援】
TV<ハジマリマシタケッショウセン、ドイツトアルゼンチンノタタカイデス
ビス「…」ドキドキ
Z1「…」ドキドキ
TV<オットドイツユウセイ!セメコンデイキマス!!
ビス「!」
Z1「おおっ!」
TV<シュ-ト!シカシアルゼンチンニトメラレテシマイマシタ
ビス「んぁっ!惜しい…」
Z1「もう少し…もう少しだったね。だけどいい調子だよ我がドイツは!」
ビス「とはいえ油断は禁物よ。アルゼンチンは強敵だもの」
ビス「アルゼンチンの脅威の攻めと優雅な守りを崩すのは容易ではないわ…」
Z1「確かにそうだけど、我らドイツもここまでフランスやブラジルを倒してきたんだよ?」
Z1「きっとドイツはここで決めてくれる。僕はそう信じてるよ」
ビス「そうね、母国の勝利を信じましょう」
TV<0-0、タガイニムシッテンデエンチョウセンデス
Z1「…延長戦に入ったね」
ビス「さすが決勝、といったとこかしら。手に汗握る凄い接戦だわ!」
Z1「アルゼンチンもなかなかやるなぁ。本当にどっちが勝つのかわからないよ」
TV<ピ-ッ!
シアイカイシノホイッスルガナリマシタ
ビス「さぁ延長戦が始まったわ!」
Z1「お願いだ…ドイツ、なんとかアルゼンチンに勝利してくれ!」
TV<エンチョウセン、タガイニボ-ルヲユズリマセン
ビス「…」ドキドキ
Z1「…」ドキドキ
TV<ドイツガボ-ルヲウバイマシタ!ドイツユウセイ!アルゼンチンノゴ-ルヘムカッテイキマス!
Z1「おっ!いい感じだよ!」
ビス「いけー!頑張れ、アルゼンチンに攻め込め!」
TV<ミッドフィルダ-、ゲッツェニボ-ルガマワリマシタ!シュ-トノチャンスデス!!
ビス「ゴール前!これはチャンス!チャンスよ!!」
Z1「頑張れゲッツェ!ドイツに勝利を導いてくれ!」
TV<ボレ-シュ-ト!!
Z1「!」
ビス「!」
TV<ゴォォォォ-------------ルッ!!!!!
Z1「入ったあああああーーー!!」
ビス「やったあああああーーー!!」
TV<ソシテシアイシュウリョウ!!1-0、ドイツノユウショウデス!!!
ビス「Yay,Deutschland!ドイツが優勝したわ、Deine Seele ist so gross!!」
Z1「やったよドイツ…!ドイツはサッカーで世界一になったんだ!Du bist schon,Deutschland!!」
ビス「これはもう素晴らしいとしか言いようがないわね!私、嬉しさを抑えきれない!」
Z1「僕も興奮しちゃって気分高揚だよ!今日は素晴らしい日になりそうだ!」
ビス「よーし!こうなったら優勝記念に宴をするわよ!!鎮守府にいる他の皆も誘って騒いじゃうんだから!」
Z1「わーい!」
~~~
提督「…で、この有様になったと?」
熊野「…そうみたいですわね」
Z1「みんなー、乾杯の用意はいいかなー?」
北上「もちろーん!」
ビス「ではドイツ優勝を祝って…」
ビス「Zum Wohl(乾杯)!!」
赤城「つむうぉーる!」カンパ-イ!
伊勢「ビール、いただきます!」ゴクゴク
加賀「このビールという飲み物、日本酒とは一味違う風味があって美味しいですね」ゴクゴク
提督「…いやおい待てよお前ら、何ビール飲んでるんだよ」
長門「ん?提督、お前は飲まないのか?」
提督「飲まねぇよ!まだ朝だよバカ!!」
熊野「朝からお酒だなんて、絶対にありえませんわ!」
大鳳「まぁまぁ、かたいこと言わないでくださいよ」
伊勢「W杯が終わったんだし!いいじゃんか今日くらい!」
提督「よくねぇよ!?今日は仕事ある平日だぞ!わかってんのか!?」
ビス「いやー、一日くらいサボってもいいじゃない!無理するのは体に毒よ!」
提督「とってつけたように言うなや!」
卯月「でもビスマルクのいう通りだっぴょん、今日は宴の日だぴょん!」
提督「は!?」
天津風「提督、今日は遊ばせてもらいます」
深雪「ごめんねー。ここまで来たら引き下がれないんだー」
提督「ちょ、おい」
長門「おーい!誰かビールを追加してくれー!」
谷風「かぁー!ビールよりもジュースの方が美味しいぜ!」
北上「ドイツのソーセージ、なかなかいいねー」
瑞鶴「翔鶴姉の着任まだでしょうか?」
提督「…」
提督「…熊野」
熊野「提督…?」
提督「…俺も飲んでいい?」
熊野「…ヤケ酒ですか?」
提督「そんなところだ…」
熊野「じゃあ、もう好きにしましょうか…」
提督「すまん…」
ビス「提督!こっちこっちー!」
長門「提督、ここに座れ!今日は一日中飲み明かすぞー!」
提督「やれやれ…今日だけだからな」
ビス「じゃあ提督も一緒に!」
ビス「Zum Wohl!!」
おしまい
ドイツ優勝おめでとう!
自分は実際にアルゼンチン対ドイツを見ていませんが、ビスマルクは絶対嬉しさで騒ぐと思ってこのオマケを書きました
それではまた次回お会いしましょう
大変お待たせしました。
更新します
大変お待たせしました。
更新します
第七話「ビスマルクと秘書熊野」
ビス「提督!」
提督「どうしたビスマルク」
ビス「提督、今からこの私と散歩にでも行かないかしら?」
ビス「私とっても退屈なの。せっかくだから貴方と時間を潰したいと思って」
提督「そうか。遊びに誘ってくれるその気持ちは嬉しいぞ」
ビス「ふふんっ!」ドヤ
提督「…だがビスマルク、今の俺の姿を見てくれ」
ビス「?」
提督「今の俺は…仕事をしている」
ビス「…で?」
提督「忙しいんだよ今は。遊んでる暇は無いんだ」
ビス「むー…別にそんなの後でもいいじゃない」
熊野「それがそうもいかないのですわ」
ビス「あ、熊野さん」
熊野「提督は今、私たち艦娘の出撃管理や体調確認、ドック等施設の整備に資材のやりくりを考えていらっしゃいますの」
熊野「これは鎮守府にとってとても大切なことばかりです。それを貴方のためだけに後回しにするわけにはいきませんわ」
ビス「えー…」
ビス「どうしても駄目?」
提督「駄目だ。暇ならおとなしくレーベたちと野球でもしてなさい」
ビス「うー」
提督「駄々こねても駄目だぞ。出ていかないなら俺が追い出してやるからな」
ビス「あ、そうだ!」ピコ-ン
提督「?」
ビス「提督!そんなに忙しいのなら私も一緒に仕事を手伝ってあげるわ!」
提督「え?」
ビス「提督も仕事が減って助かるし、これなら文句ないでしょ?」
提督「別に俺は手伝いとか必要としていないが」
ビス「遠慮しないで!どうせ私暇なんだし!熊野さんだけに手伝わせるのもなんだか悪いわ!」
提督「熊野は俺の秘書だから仕事をやらせてるだけなんだが」
ビス「何でよー。別に誰だっていいじゃない!」
提督「とにかくお前に余計な仕事は与えたくないんだ。仕事終わったら遊んでやるから、それまでどこかで時間を潰しておけ」
ビス「…わかったわよ。提督がそこまで言うなら、待っててあげるから…」ショボン
熊野「待ってください提督」
提督「ん?」
熊野「その意見は考え直すべきですわ。ここはビスマルクさんにも手伝って貰いましょう」
ビス「!」
提督「な、何だと?」
熊野「確かに無駄に仕事を与えるのは疲労をためるだけです。しかし彼女はどうやらエネルギーが有り余っているようで、さらに仕事をしたいと言っております」
熊野「そして何より労働力が一人でも多ければ楽になりますし、今回はビスマルクさんに甘えるべきではないでしょうか」
提督「そ、そうか?」
熊野「ビスマルクさん、貴方きちんと仕事出来ますよね?」
ビス「任せなさい!ビスマルクの実力見せてあげるわ!」
熊野「では提督。そういうことで」
提督「んー、ならビスマルクにも仕事を手伝ってもらおうか」
ビス「やったー!私は何をすればいいの?」
提督「そうだな、じゃあこの書類の処理を頼む」
ビス「了解!腕が鳴るわね!!」
ビス「さぁ、どこからでもかかってらっしゃい!この私が仕事を片付けてあげるんだから!」
提督「…仕事は静かにやれよな」
熊野「手伝ってくれるのは嬉しいですが、うるさいのなら提督に追い出されますわよ?」
ビス「はい」
提督「うむ。よろしい」
熊野「では仕事を始めますか」
ビス「はーい」
ビス(提督と一緒に事務仕事!頑張るわよ!)
ビス(私の力を見せつけて、提督にいっぱい褒めてもらうんだから!)
ビス(…それにしても)
提督「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
ビス「…」カリカリ
ビス(…沈黙してて何だか寂しい感じね)
ビス(事務仕事とはいえもう少し会話とかあってもいいと思うのに。秘書の熊野さんっていつもこんな雰囲気の中で仕事してるのかしら)
ビス(そういえば熊野さん、秘書ってことは提督といつも一緒にいるのかな…)
ビス(秘書か…ちょっと羨ましいかも)
提督「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
ビス「…」カリカリ
提督「…そういえば」
ビス「ん、どうしたの提督?」
提督「そういえばアレってどうなってたっけ?港に置きっ放しにしてたやつなんだが…」
ビス「え?アレ?」
提督「アレはアレだ。えーと」
熊野「あぁ、資材なら瑞鶴さんに倉庫まで運ばせておきましたから問題ありませんわ」
提督「そうか、すまんな」
ビス「え?何でわかるの?」
熊野「んー、勘ですわね」
ビス「へえ…?」
提督「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
ビス「…」カリカリ
提督「…喉がかわいた」
ビス「提督、何か持って来てあげるわ」
提督「じゃあアレで頼む」
ビス「アレって?」
提督「あー…えっと何だっけな、名前が…」
熊野「アレですわね、私が持って来ますから少しお待ちを」
ビス「…」
熊野「はい、どうぞ」
提督「おう、これだ、ラムネだ!よくわかったな熊野」
熊野「まぁ伊達に秘書はやっておりませんし」
熊野「それはさておき、ラムネをあんまり飲み過ぎるとお腹が太って晩御飯が食べれなくなりますわよ?」
提督「ふん、余計なお世話だ」
ビス「…」
提督「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
ビス「…」カリカリ
コンコン
提督「ん?誰だ?」
赤城「提督、失礼します」
提督「なんだ赤城か、どうした」
赤城「鎮守府に誰かお客様が来ています。提督に用事があるとかどうとか」
提督「俺に?誰がだ?」
熊野「おそらく舞鶴の提督さんでしょう。前に約束してた件じゃないですか?」
提督「あー、たぶんそれだな」
提督「熊野、ビスマルク。すまんが俺はしばらく席を外す」
提督「俺が居ない間もサボらずに仕事しとけよなー」
熊野「わかってますわ」
ビス「いってらっしゃい、提督」
ビス「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
ビス(熊野さんと二人きりになっちゃった)
ビス(それにしてもさっきの会話、凄かったな。熊野さん、提督の気持ち全部わかってるみたいだった)
ビス(やっぱりあれは秘書だから出来るのかな、私には絶対出来ないことなのかな…)
ビス(やっぱり提督と熊野さんって…)
ビス(目の前であんなの見せられたら…私…)
熊野「…ビスマルクさん?」
ビス「ひゃ、ひゃい!?」ビクッ
熊野「大丈夫ですの?貴方、何だか表情が暗くなってたようですけど」
ビス「い、いえ!何でもないわ!気にしないで」
熊野「…そう、ならいいのだけど」
ビス「…」カリカリ
熊野「…」カリカリ
熊野「…ビスマルクさん、少し質問していいかしら?」
ビス「何ですか」
熊野「貴方ってもしかして…いや、もしかしなくとも」
熊野「提督のことが好きなんですか?」
ビス「えっ!?」ギクッ
熊野「実は前々から貴方が提督をどう思っているか気になってしまって。せっかくなので今のうちに聞いておこうと思ったのですわ」
ビス「あ、あの、私」
熊野「…どうやら図星のようね」
ビス「…」
熊野「隠さなくても結構ですわよ?ここ数日の貴方の言動を見ていましたが、貴方が提督のことを好きなのはわかっていましたから」
ビス「…バレてたの?」
熊野「逆にバレてないと思ってたの?」
ビス「…はい」
熊野「ふふ、安心なさい。私も提督のことは好きですから」
ビス「それは知ってるわ」
熊野「あら?そうなの?」
ビス「…だから、提督のこと好きだって言うの遠慮したのに」
熊野「え?どうして?」
ビス「だって熊野さん、提督の秘書でいつも一緒にいるじゃない」
熊野「そうね。たまに秘書じゃない日もあるけど、1ヶ月に30日は秘書をやってますわ」
ビス「それよ。提督、熊野さんをいつも秘書に置いて…提督はきっと熊野さんのことが…」
熊野「つまりわざわざ私に気を遣ってくださったの?意外と思慮深いのね、貴方って」
ビス「今は褒められてもそんなに嬉しくないわ」
熊野「ふぅん…しかし貴方のおっしゃったこと、それは違いますわ」
ビス「え?」
熊野「むしろそれは私が願っていることですわ。あの男が私に振り向いてくれたらどんなに嬉しいことか」
ビス「ええ?提督って熊野さんのことが一番好きじゃなかったの?」
熊野「私と提督はただの上司部下の関係ですわ。それ以上でもそれ以下でもありません」
ビス「でも熊野さん、さっき提督のこと好きって…」
熊野「ええ、提督のことは愛しています」
ビス「だったらどうして」
熊野「…まだ気付かないの?」
ビス「?」
熊野「あの男、全ッ然私のアピールに気づいてくれないんですのよ!?いつも一緒にいるっていうのに私を全く恋愛対象として見て下さらないのはどうしてですの!貴方もおかしいとは思わないのですか!?あの馬鹿鈍感提督を!!」
ビス「きゃっ!?」ステ-ン
ビス「び、びっくりした…急に叫ばないでよね」
熊野「…ごめんなさい、少しため過ぎてたようですわ」
ビス「そういや提督ってあんな性格だもんね。女は好きでも恋愛に興味はなさそうな感じで」
熊野「全くですわ!本当に迷惑な性格ですことよ!」
熊野「いつも私に優しい態度を取っておきながら、構って欲しい時には構ってくれなかったり」
熊野「さらに他の子にちょっかい出したり、自由気ままに動いたりして大変なのですのよ、あの提督は!」
ビス「へぇ、そうなんだ」
熊野「…はっ、ごめんなさい、少し話し過ぎましたね」
ビス「ふふ、別に気にしてないわよ?」クスクス
熊野「な、何がおかしいんですの」
ビス「いや、熊野さんそんなに提督のこと語っちゃってたから」
ビス「熊野さんも提督のこと、本当に好きなんだなって思っただけよ」
熊野「…それは皮肉かしら」
ビス「違うわよ、全然そんなつもりで言ったんじゃないわ!」
熊野「だったらそういうことで結構…」
ビス「だって素敵じゃない。人をそんなに好きになることが出来るなんて」
熊野「…ふぇ?」
ビス「ロマンチックよ。1人の男性を一途に思い続けるのは簡単に出来ることなんかじゃないわ」
ビス「あっ!でも私だって負けないんだからね」
ビス「提督がまだ熊野さんを欲しいと思ってないのなら、私だって提督が私を貰ってくれるように頑張るんだから!」
熊野「…」
熊野「はぁー…」
ビス「え、何よその長いため息」
熊野「…何だか貴方を見ていて自分が馬鹿馬鹿しくなってきましたわ」
ビス「へっ?」
熊野「この際ですわ。もうはっきり言いましょう」
熊野「実は先ほどの質問は、貴方への牽制のつもりでしたのです」
ビス「牽制??」
熊野「はい。先ほど言った通り、最近のビスマルクさんはあまりにも提督に接近しようとしていたので」
熊野「私、実は返答次第では貴方の排除を考えていましたの」
ビス「排除!?本当に!?」
熊野「本当も何も、わざわざ貴方に仕事を手伝って貰ったのは貴方を部屋に招き入れ、その機会を伺うためでしたから」
ビス「あわわ…」
熊野「…ですが貴方は私と対照的に純粋でしたわ。とても前向きで、発せられた言葉はとても潔いもの。相手が恋敵なのにも関わらず、私の立場を尊重してくれましたわね」
熊野「私は焦りのあまり貴方を陥れることだけを考えていました。自分だけが提督と居ればそれでいい、と思っていたかもしれません」
熊野「ビスマルクさんは全然そんなことありませんでしたね。良くも悪くも貴方は素直なお方です」
熊野「だから、私は卑怯な自分が恥ずかしくなって…その…あの…」
ビス「熊野さん…」
ビス「熊野さん、私が来てからそんなこと思ってたんだ」
熊野「…恥ずかしながら」
ビス「駄目よ熊野さん!そんなんじゃ!」
熊野「わかっています。私は駄目ですよね、こんな性格では…」
ビス「だから違うってば!駄目なのはそうやって自分を強く責めることよ!!」
熊野「…え」
ビス「貴方は全く恥ずかしくなんかないわ!いいじゃない、女の子なんだから少しは行動に出ても!」
ビス「それほど提督のことを想っている証拠なの!むしろ好きな男が取られそうなのに何の対策もしない女の子なんていないわ!」
熊野「…」
ビス「だからね、熊野さん」
ビス「これからは正々堂々勝負よ!私も提督のこと好きだから、負けないわ!」
熊野「!!」
熊野「…ビスマルクさん、私を許して下さいますの?」
ビス「まだ自分を責めてるの?やめてよ、仮にも同じ鎮守府の仲間でしょ?」
熊野「…」
ビス「だから熊野さん、一緒に頑張りましょう!私、熊野さんのそんな姿は見たくないわ!」
ビス「秘書ならもっとしっかりしなさい!ねっ?」
熊野「ビスマルクさん…」
熊野「では一つだけお願いをいいですか?」
ビス「え?うん、何?」
熊野「ビスマルクさん。私は貴方を素晴らしい女性だと思います。貴方ほど理想的な人間はほかにいませんわ」
熊野「だからこそ、私も貴方に負ける訳にはいきませんの。貴方に提督を譲る気なんて毛頭ありません」
熊野「しかし私はビスマルクさんに対して敵意を持ちたくないですわ。せっかく私に理解を示してくれた仲間ですもの…」
熊野「だから…これから私と友達として、ライバルとして仲良くして下さいますか?」
ビス「なんだ、それくらいお安い御用よ」
熊野「では、貴方は私と…」
ビス「もちろん!よろしくね、熊野さん!」
熊野「…ありがとうございます、ビスマルクさん!」
熊野「何だか心がスッキリしました…ごめんなさいね、今日は」
ビス「いいのよ、私も熊野さんと仲良くなれたんだし!」
熊野「…私も貴方のような純粋さを見習わないといけませんわね」
ビス「あ!ついでに私も熊野さんに聞いてみたいことがあるの!」
熊野「いいですわよ、何かしら?」
ビス「ずっと気になってたんだけど、熊野さんって一体いつから提督の秘書をやっているの?」
ビス「さっきの貴方たち、凄かったわ。まるで熊野さんが提督の気持ち全てをわかってるみたいで…」
熊野「もしかして私、貴方に寂しい思いをさせてしまいましたか?」
ビス「いや!そんな訳じゃないわよっ!?」
熊野「ふふ、そうね…」
熊野「教えましょう。私が秘書になったのは、貴方の言うとおりとても昔のことですわ」
熊野「その当時はまだ駆逐艦数人しかいなかった、弱小鎮守府の頃でしたの」
ビス「やっぱりそうなんだ…」
ビス「熊野さんってかなりの古参なのね」
熊野「ええ。そういえばもう提督とも長い付き合いですわ」
ビス「昔の提督ってどんな人だったの?」
熊野「一言で言うなら、提督はクズで変態でしたわ」
ビス「えっ!?本当!?」
熊野「本当ですわ。まぁその、今はただの女好きな人ですけど、昔はかなり酷い勢いで駄目提督でしたわね」
熊野「失敗ばかりでノロマで、私がいないと本当に何もできない男でしたわ、全く…」
ビス「そうなんだ…」
熊野「…まぁ私はそんな人のことを好きになってしまったのですけど」
ビス「熊野さんってどうして提督のこと好きになったの?」
熊野「…人を好きになるのに理由はあるのかしら?」
ビス「ないわね!私だってそうだし!」
熊野「そういうことですの」
熊野「…では、そろそろ雑談この辺で終わりにしておきましょうか」
ビス「え?どうして?もっとお話しましょう」
熊野「それがそうもいかないんですの」
ビス「なんで?せっかくお友達になったのに…」
熊野「だって、早く仕事に戻らないと」
ビス「…あ」
ガチャ
提督「帰ったぞ。待たせたな」
熊野「ほら…」
ビス「あっ…やば…」
提督「お前らちゃんと仕事してたかー?」
熊野「も、も、もちろんですわ」
ビス「と、当然よ!」
提督「よしよし。結構長い時間席を外してしまったからな、お前らがいて助かったよ」
熊野「そ、そうですか」
ビス「か、感謝しなさい提督!」
提督「ありがとな。じゃあどこまで進んだか見せてくれ」
熊野「」
ビス「」
提督「ん?どうした?なんで固まった?」
熊野「て、提督、チェックする必要は別になくてよ?」
ビス「そうよ、そうそう!私たちがサボらずやったんだから!」
提督「だからこそだよ。俺が遅れた分だけ、お前らに追いつかないといけないからな」
ビス「…」ギュッ
提督「ん?ビスマルク、どうしてお前は書類をそんな庇うように抱きしめているんだ」
ビス「き、キノセイデース」
提督「突然の外国人かぶれ!?ていうかお前日本語ペラペラだったろ!」
ビス(駄目、このままじゃサボリがばれちゃう…)
熊野(まずいですわ、提督ってこういうのは物凄い厳しいのですのよ。もし嘘がばれたのなら…)
ビス(熊野さん、この状況をどう抜け出すの!?)
熊野(え、えーと…)
ガッチャーーーン!
提督「!?」
ビス「!?」
熊野「!?」
熊野「窓ガラスが粉々に…」
提督「な、何だ!敵襲か!?」
ビス「違うわ…提督見てアレ!」
提督「ん?」
卯月「やばい!ボール、執務室に飛んでったみたいだっぴょん!」
谷風「かぁー…谷風さんのホームランで大ピンチだよ…」
天津風「嫌な風吹いてるわ…どうする?」
Z1「決まってるよ。逃げよう!」
ビス「提督、あれ!」
提督「なるほどあいつらか…。ビスマルクよ、報告を感謝する」
ビス「ど、どうよ!」
提督「よーしお前ら!待て逃げるな!説教してやる!!」
卯月「に、逃げろー!」
提督「待たんかー!一人たりとも逃さんぞ!!」
ドタドタドタ…
熊野「…ビスマルクさん、これは」
ビス「…そうね。またとない機会ね」
熊野「では」
ビス「うん」
熊野「私たちも逃走ですわーーーっ!!」
ビス「提督、ごめんなさーーーいっ!!」
つづく!
文がなかなか思いつかなくてつらいです
文才が欲しい!
ではまた次回、お会いしましょう
追伸
小ネタ2はこの第七話より後のお話です
じゃないと少し矛盾が生じるので
オマケ「夏イベしてたら更新出来なかった」
提督「今日から待ちに待った夏イベだ」
ビス「そうね!腕が鳴るわ!」
提督「春イベは若干失敗した感じだったからな。今回は上手くいくように頑張るぞ」
熊野「ええ。前回の雪辱を果たしましょう」
吹雪「提督!大本営からの作戦概要が発表されました!」
提督「どれどれ…なるほど、今回の作戦は二手に分かれて攻撃しなくてはならないのか」
ビス「戦力投入の配分が重要になってくるわね」
提督「そうだな。とりあえずE-1・E-2にはちょっとだけの戦力を投入し、E-3以降からは主力をぶつけることにしよう」
提督「という訳でまずは春イベで手に入れた瑞鶴たちを筆頭に攻略していくぞ」
瑞鶴「わかりました」
熊野「とりあえず私たちはお留守番ですわね」
提督「さぁ出撃だ!待ってろ深海棲艦よ、貴様たちを全滅してやる!」
・・・
こうして、イベント攻略を開始してから1週間が過ぎた。
しかし…
足イ級「しねー」
赤城「ぐわらばっ!」タイハ!
提督「なんてこった!また赤城が大破しちまった!」
瑞鶴「一体何回この海域に挑んだのでしょうか…E-1とは思えないくらい苦戦してますね」
赤城「ていうかなんなんですかあのイ級は!足生えただけなのに絶対駆逐艦の強さじゃないですよ!」
提督「ぐっ…ここは一旦撤退し、陣形を整えた後また出撃する!逃げるぞ!!」
赤城「ひいい…無念!」
さらに1週間後
足イ級「しねー」
赤城「ぎゃふっ!!」タイハ!
提督「…またかよ」
瑞鶴「一体何度目ですかね、この景色見るの」
谷風「あのさー提督。もうイベント諦めない?」
天津風「やっぱり平均レベル25程度じゃ勝てないわよ。全戦力をE-1・E-2につぎ込んでイベント終わりでいいじゃない」
提督「ぐぬぬ…」
そしてイベント最終日
足イ級「しねー」
赤城「あぁん!」タイハ!
提督「…」
瑞鶴「…」
谷風「…」
提督「…よし。イベント諦めるか」
瑞鶴「判断遅過ぎません!?」
谷風「あとイベント1時間だよ!馬鹿だよこの提督!!」
提督「仕方ないだろ!やっぱり俺も人間だから欲とか出ちゃうの!」
赤城「もう帰りたい…」
ビス「こうして、提督はついに私を含む全戦力をE-1に投入したわ」
熊野「ですがイベント終了まで残り1時間。当然ボス6回撃破なんて出来ずイベント終了を迎えましたの」
ビス「で、今の提督の姿は…」
提督「…」チ-ン
ビス「完全に燃え尽きているわ」
熊野「ああ提督…こんな無残な姿になって…」
提督「しくしく」
ビス「提督?大丈夫?」
提督「…」チ-ン
熊野「提督生きてます?しっかりしてください」
提督「…」チ-ン
ビス「提督…」
提督「…」チ-ン
熊野「…えっと」
ビス「まぁ、こんな提督なんだけど」
熊野「これからも、このSSをよろしくお願いしますわね!」
提督「うう…イ級後期型キライ…ぐすっ」シクシク
おわり
春イベは苦行でした。
なぜか赤城が執拗に狙われたり(体感)、戦力が揃ってなくて駆逐艦を出してみたりで悲惨でした。他にもバケツを出し惜しみしたのが敗因だと思います。
春雨ほしかったので残念…建造落ち実装に期待かなぁ
まだ続くという意思表示のために大急ぎで更新です
第八話「おつかいビスマルク」
熊野「こんにちは、ビスマルクさん!」
ビス「あっ熊野さん、Guten Tag」
熊野「実は貴方に紹介したい食べ物がありまして…これを見てくださいます?」
ビス「ん?何これ?お菓子?」
熊野「その通り。これは日本ではポピュラーなお菓子『羊羹』ですわ」
ビス「羊羹?聞いたことあるわね。美味しいの?」
熊野「それはもう、甘くて美味しい食べ物ですわよ!」
ビス「へぇ…だったら私も今度それを買って食べてみようかしら」
熊野「ならビスマルクさん、これ半分程食べていただけないでしょうか?」
ビス「えっ!いいの!?」
熊野「だって、羊羹を一人で食べ切るのはお腹的に苦しいのですもの」
熊野「それに私は初めから貴方におすそ分けしようと思って来たのですから。そうでもなければこんなものを貴方に見せびらかしたりしませんわ」
ビス「ありがとう!じゃあ遠慮なくいただくことにするわ」
提督「よう。おはようだな二人とも」ズン
ビス「あっ、提督!」
熊野「おはようございます、提督」
提督「ふむ、羊羹とはなかなか美味そうなもの持って来たじゃないか熊野」
熊野「先ほど間宮食堂で購入したものですわ。なかなか良い羊羹ですわよ」
提督「そうか、なるほどなぁ…」
提督「もしお前が優秀な秘書官であるならば、俺を差し置いて独り占めすることはしないよな?」
熊野「はいはい、わかってますって」
熊野「心配しなくとも提督の分もありますから安心してくださいまし」
提督「よっしゃー!いただくぞ!」
熊野「やれやれ…」
ビス「全く、提督は食いしん坊ね」クスクス
提督「いやー、しかしお前らアレだな」
ビス「?」
提督「ちょっと前まではライバルみたいな感じだったのに、いつの間にか凄く仲良くなっちゃって」
提督「何かあったのか?熊野もなんだか以前と比べるとフレンドリーになったみたいだし」
熊野「まぁ、私たちにも色んなこともありますから」
ビス「私と熊野さんは同じ鎮守府の仲間だもん!仲良くなることだってあるわ!」
提督「そうだよな。何もともあれ、仲良しなのはいいことだ!」
ビス「そうそう!」
熊野「ですわ!」
提督「じゃあさっそくだが、そんな仲良し2人組に任務を与えちゃおうかなっ!」
ビス「…えっ?」
熊野「え?」
熊野「…この流れで?」
ビス「私たちに仕事を押し付けると言うの?」
提督「そう硬いこと言わずに頼むよ。今から与える任務はお前ら二人にしか出来ないことなんだからな」
ビス「…私たちにしか出来ない?」
熊野「なら仕方ないですわね…任務は何ですか?」
提督「はいこれ」
熊野「なになに…」
『ビッグ○メラで妖怪○ォッチを買って来い』
ビス「」
熊野「」
ビス「…提督」
熊野「…なんですのこれ」
提督「そのまんまだよ、妖怪ウ○ッチやりたいから買ってきてくれや。あ、バージョンは元祖の方ね」
ビス「そうじゃないわよ!なんで私たちがこんなパシリみたいなことしないといけないのよ!」
熊野「ていうかこれ私たち以外にも出来る人いますよね!?こんなの瑞鶴さんとかその辺りに行かせればいいじゃないですか!」
提督「えっ…なんでそんなに怒ってんの」
ビス「誰でも怒るわよ!突然パシリを押し付けられたら!」プンスカ
熊野「私たちだけって言うからもっとやり甲斐のある仕事と思ったのに、残念ですわ!!」プンスカ
提督「えっ…ええ!?」
提督「まぁ落ち着け。とりあえず唐突にこんな任務を与えたのには詫びるとしよう」
提督「だがこれにはちゃんとした理由があるんだ。今からどうしてお前らにこんな任務をさせるのか説明してやるから気を沈めてくれ」
熊野「当然ですわ!」
ビス「出来るだけ簡潔かつ具体的に説明してよねっ!」
提督「簡潔かつ具体的…?日本語ちょっとおかしいんじゃないかビスマルク」
ビス「今はそんなことどうでもいいじゃない!」
熊野「それよりもまずは説明を要求致しますわ!」
提督「はいはい、言う言う。簡潔かつ具体的に言ってやる」
提督「いいか、この任務はな…」
ビス「任務は…!?」
提督「この前の仕事サボリのツケだ」
ビス「」
熊野「」
提督「覚えてるかな?あの日、俺が野球の件で谷風たちを説教したとき…」
ビス「はい、覚えています」
熊野「変に逆らってすみませんでした」
提督「そうかそうか。わかってくれたならそれでいい」
熊野「はい…」
ビス「どうも…」
提督「じゃああの時の埋め合わせってことで」
ビス「…」
提督「いってらっしゃい二人とも!よろしく頼むよ」
ビス「はい、わかりました」ズ-ン
熊野「航巡熊野、任務を開始します」ズ-ン
書き溜めがなくなったから一旦切ります
残りはまた次回更新です
お騒がせしてすみませんでした
バンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄ ̄
バン はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,( ⌒;;)
(;;(:;⌒)/
(;.(⌒ ,;))'
(´・ω((:,( ,;;),
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/ ̄ ̄
/\
/ /|
∴\//
゜∵|/
(ノ・ω・)ノ
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ ポチポチポチ
ポチ (∩`・ω・) ポチポチ
_/_ミつ/ ̄/
/_/ ̄ ̄ ̄ ̄
10月になったのに全然書けてない
忙しさが辛いです
熊野「…」トボトボ
ビス「…」トボトボ
提督「気をつけていけよー」
Z1「やぁ。賑やかだね、提督」
提督「ん?レーベか、どうした?俺に何か用か」
Z1「ちょっと提督と会話をしようと思って。それになんだか面白そうな会話が聞こえてきたから」
提督「そうか、あれは熊野とビスマルクがかくかくしかじかでだな…」
Z1「ははは、そうかい。だからあの二人はがっかりして歩いていったんだね」
提督「うん、俺も鎮守府のボスだからな。形式上だけでも罰は与えなければならん」キリッ
Z1「あー、提督ってこういうところだけ厳しいもんね」
Z1「でもまぁ、仕事をサボった罰にしては緩い方だと思うな」
提督「え、そうかな?」
Z1「そうだよ。僕たちが窓ガラス割ったときの正座30分とかいう拷問よりかはよほどマシだよ」
提督「拷問って…お前そんなに辛かったのか正座が」
Z1「当然だよ。辛いよ」
提督「マジで?」
Z1「僕たちドイツ人だから正座なんて文化はないからね。日本人にはわからないと思うけどアレ結構体力使う座り方なんだよ?」
提督「そうだったのか、知らなかった…すまん」
Z1「いや、冗談なんだけどね」
提督「冗談かよ!」
Z1「提督は面白いなぁ。こういうくだらない話でも真面目に聞くから、すぐに嘘に騙されて楽しいや」
提督「そうむやみに人で遊ぶんじゃないっ!」
Z1「あはははは…」
提督「それはさておき、俺と会話したいというのはどうなったんだ!?レーべも俺に用があって来たんだろう?」
Z1「おっとそうだったね。提督に質問があるんだけど、少し時間をいいかな?」
提督「あぁ、いいぞ。何でも俺に聞くがいい」
Z1「じゃあ…聞くよ」
提督「おう」
Z1「あのさ、ビスマルクって、最近どうかな?」
提督「え?」
提督「どうしたんだ藪から棒に。新手のギャグか?」
Z1「今度は真面目な話だよ。僕の質問に答えて」
提督「答えてって言ったって…どう、と聞かれても何を答えたらいいのか…」
Z1「えっと、あの人の様子とか色々あるじゃないか」
Z1「そういうの全部。ビスマルクのこと」
提督「なるほど…お前の言いたいことがわかったぞ」
提督「つまりお前は同じ国の人間として奴のことが心配なんだな?」
Z1「…」
提督「だがそんな心配はいらん。あいつはいつも元気でしっかりやっている」
提督「特に最近は一緒におやつを分け合うような親友も出来たみたいだからな、何の問題はないだろう」
提督「本人も楽しそうだし、大丈夫かと…」
Z1「…提督ってこういうとこは真面目じゃあないんだよね」
提督「へ?」
提督「いや、別に俺は今ふざけたつもりはないのだが…」
Z1「いや、もうなんでもないよ。ごめんね、時間取っちゃって」
提督「俺は時間取られたどころかむしろ凄く早く終わって驚いている」
Z1「なんでもないってば。じゃあまたね、提督」
提督「ああ…?」
まだまだおつかいは続きます、でも更新は長引くかも
本当にごめんなさい
最近2chとかでビスマルクと熊野のカップリングが多くて嬉しいです
自分も便乗してこのスレを頑張って更新しなくてはならないのですが…
〜街〜
熊野「全く…今日はせっかくのお休みだったのに、どうしてパシリみたいなことをしなければならないのっ!?」
ビス「私、ただの巻き添えなのに…」
熊野「やっぱりあの時仕事を投げて逃げたのは少し安置な考えでしたわね。こんなところでお釣りが返ってくるなんて予想外ですわ」
ビス「うう…素直に怒られておけばよかったかな…」
熊野「もうこうなったことは仕方ないですわ。早く妖○ウォッチとやらを購入して任務を終了させましょう」
ビス「そうね、さっさと鎮守府に帰って提督と一緒に遊ばないとね」
ビス「私、日本の街って初めて」
熊野「そうなんですか?」
ビス「うん。艦娘になってから街をぶらつくことなんてめっきり無くなったから」
ビス「日本どころか、街に出ること自体久しぶりになるわ」
熊野「貴方も苦労していらっしゃるのね」
ビス「だけど情報くらいは知ってるわよ?日本の街にはアニメグッズがたくさん売ってあったりコスプレした人がいるんでしょ?」
ビス「下調べくらいはちゃーんとして来たんだから!」
熊野「それ、結構限られた街の話なんですけど…」
ビス「あれ?」
ビス「ところで熊野さんはどうなの?街とか好き?」
熊野「好きですけどそこまで行ったことは…」
ビス「なんだ!私と同じなのね!」
熊野「まぁ、外出と言えば専ら鎮守府付近のコンビニまでですし」
熊野「正直言って、電子ゲームを売っているような街まで来るのは初体験ですわ!」キッパリ
ビス「え?そうなの?」
熊野「はい。そうですわ」
ビス「ふーん…」
ビス(喋り方や振舞いは上品な癖に、生活は意外と庶民的なのね。この人って)
熊野「…ビスマルクさん、貴方何か私に失礼な事を考えてません?」
ビス「え!?いやいや何でもないわよ!」
ビス「そ、そんなことより早く買ってこないと!熊野さん、目的地の場所はわかる?」
熊野「当然ですわ!ここに地図がありますから」
ビス(タブレットとかじゃなくて普通の紙の地図って。本当に庶民的ね)
熊野「貴方はまだ日本の街というものに不慣れなものでしょう?ドイツと日本では違う所も多々あるでしょうし、迷うこともあると思いますわ」
熊野「ですからここはこの熊野にお任せを。やっぱり日本の土地は日本人に道案内をさせるのが一番ですわ!」キリッ
熊野「本当?じゃあお願いしようかしら」
熊野「安心して私についていらっしゃい。おそらく徒歩で20分後くらいにビ○グカメラへ到着するでしょう」
ビス「そうね。じゃあこの先は熊野さんに任せるわ」
熊野「さぁ、出発ですわ」
ビス「はーい」
熊野「さて、地図によるとまず…この角を右ですわ」
ビス「右ね、了解!」
熊野「次は…そこを左」
ビス「左ね!」
熊野「ええっと、さっき私たちは右に行って左に行ったから…」
熊野「そこを左…かしら。いや、右ですわ!そこを右に曲がってください」
ビス「右ね!行くわよ!」
熊野「えーと、そして…」
ビス「熊野さんまた曲がり角があるよー!次はどっちー!?」
熊野「はい!只今!!」
熊野(あれ…?思ったより地図を見るのって大変ですわね)
熊野(紙を見てるだけだから楽勝と思っていましたのに。これは少し計算外ですわ)
熊野(まぁ、目的地が近所なのがせめてもの救いですわね)
熊野(なんとかボロが出る前に早いとこゴールへ辿り着かなくては…)
ビス「熊野さーん?おーい?」
熊野「はい!少し待っててくださいっ!」
ビス「熊野さん、はーやーくー」
熊野「この曲がり角ですね、ここはですね…」
熊野「…」
熊野(…あれ?)
ビス「熊野さん?」
熊野(なんてこと…先程ごちゃごちゃ考えてたせいで、私たちが今どこにいるのかわからなくなりましたわ)
熊野(地図で進んだとこを目で追っていたのに…一体ここはどこなんですの!?)
熊野(いや落ち着きなさい熊野…まだリカバリーは可能ですわ。一旦スタートまで戻って、もう一度最初から歩き直せば大丈夫だから…)
ビス「熊野さん?どうしたの?」キョトン
熊野(いや駄目ですわ熊野!そうしてしまうと、変にビスマルクさんを心配させてしまいます!)
熊野(それに日本人として、提督の秘書としてのプライドも懸かってますし…やはりここは前に進むのが最善の策!)
熊野(熊野の勘を信じ、突き進みますわよ!)
ビス「熊野さん…この曲がり角…」
熊野「お待たせしました。そこは右ですわ。右に行けばビッグカ○ラに着きますわよ」
ビス「右ね!ならそうはやく言えばいいのに!」
熊野(為せば成る、ですわ!どうせここらは鎮守府の近所ですし、道に迷うことはきっと無いでしょう)
ビス「わぁ!あの店で美味しそうなもの売ってる!」
熊野「あれは饅頭ですわ。日本ではポピュラーな食べ物ですわよ」
ビス「へー。私も今度、食べてみたい!」
ビス「…あっ?何あれ、凄い行列!」
熊野「あれは二郎とかいう人気レストランですわね。提督から聞いたことありますが、どうやら野蛮な料理があるらしいとか…」
ビス「野蛮?うーん、それはそれで気になるわね」
猫「にゃー」
ビス「あっ熊野さん見て!猫!」
熊野「そうですわね。あれは大して珍しいものではないですが」
ビス「でもかわいいじゃない!」
熊野(ビスマルクさん、凄く日本を楽しんでますわね…)
熊野(私は道に迷ってないかどうか不安だというのに…はぁ)
1時間後
ビス「熊野さん、日本って珍しいものばっかりね!」
熊野「…」
ビス「ところで熊野さん、まだ着かないの?もうかなり歩いた気がするんだけど」
熊野「…」
ビス「熊野さん?ねぇ…」
熊野「…」フルフル
ビス「?」
熊野「……」フルフル
ビス「あの…熊野さん大丈夫?どうしたの?」
熊野「ひぐっ…ぐすっ…」ポロポロ
ビス「え、ちょっと!どうして泣くの!?一体何があったの?」
熊野「…もう駄目ですの…」
ビス「え?」
熊野「迷ってますの…道に迷って…もうここがどこか全然わかりませんわ…」ポロポロ
ビス「…え?」
ビス「ええええーーーっ!?」
ビス「冗談よね!?全くもう、道に迷ったなんて悪い冗談を言うわね熊野さんは!」
熊野「冗談じゃ…ないです…」
ビス「で、でも熊野さんずっと地図持って私に道案内してたじゃない!だから嘘じゃないよね!冗談よね!?」
熊野「本当です…」
ビス「嘘でしょ!?いつから迷ってたの!?」
熊野「ごめんなさい…本当は最初からわからなくて…でも見栄を張ってしまって、それで…」グスグス
ビス「あああっ、熊野さん泣いちゃ駄目!しっかりして!」
熊野「あうう…すみません…ビスマルクさんを巻き込んでしまって…」
ビス「わかったから!お願いだから泣き止んで!私気にしてないから!」
熊野「ぐすっ…」
ビス「もう…秘書官のくせにそうすぐ泣かないの!熊野さんは私の友達なんでしょ?」
熊野「でも、これは私のせいなのに…」
ビス「うるさいわね!友達くらい頼りなさいよ!そうやって一人で物事を抱え込むのは貴方の悪い癖だってば!」
熊野「ビスマルクさん…ごめんなさい」
ビス「大丈夫だから!道に迷ったことくらい、ビスマルクにとっては何の支障でもないわ!」
ビス「ここは私に任せて!この私にかかれば、ビ○グカメラにすぐに着くんだからね!見てなさい!」
熊野「ありがとうございます…ではここから任せますわ…」
〜〜〜
伊勢「ただいまー」
北上「提督ー、艦隊が帰投したよー」
提督「うん、お疲れ様。ドッグは空けておいたから入ってもいいぞ」
北上「ふぁーい」
提督「…しかし、出撃部隊の方が先に帰ってくるとは…」
提督「帰りが遅いな熊野たちは。一体どうしたんだろうか」
Z1「提督、ビスマルクたちはまだ帰ってきてないの?」
提督「おおレーベ。機嫌は直ったのか?」
Z1「機嫌?何のことかな」
提督(やはり教えてくれないのか…)
Z1「提督、それより続きを」
提督「ああ…熊野たちの方が早く戻る予定だったのに出撃部隊のほうが先に帰ってきてる」
提督「本来ならとっくの昔に帰ってきてるはずなんだが…少し心配だ」
Z1「少しくらい遅れることくらいあるんじゃない?」
提督「いやいや。仮にもお年頃の女の子二人だけでのお使いだそ?」
提督「もしかしたら、何か良くない目に遭ったんじゃないかと思うと不安で不安で…」
Z1「大丈夫だよ提督。あの二人のことだからどうせどこかで道草でも食ってるんだと思うよ」
Z1「たしか二人とも町には出たことがないって言ってたし。珍しいものでも見てるんじゃないかな」
提督「それならいいんだが…」
提督「どうにも嫌な予感がするんだ」
〜〜〜
ビス「あれ…これさっき来た道だわ」
熊野「ビスマルクさん…」
ビス「おかしいわね。地図をずっと見ていた筈なのに一向に着く気配がないのだけど」
ビス「この地図間違ってるんじゃないの?」
熊野「そんなことはないと思いますけど…」
ビス「…やっぱりこれ横須賀鎮守府周辺の地図だわ。間違ってないわね」
熊野「私たち、本格的に迷ってますわ…」
ビス「どうやらそうみたい」
熊野「ど、どうしましょう」オロオロ
ビス「いいえ。まだまだ焦る必要はないわ、熊野さん」キリッ
熊野「そう言われましても…!」
ビス「大丈夫よ!こういう時の最後の手段があるじゃない!」
熊野「最後の手段?」
ビス「アレよ!道に迷ったら、そこら辺にいる人たちに道を尋ねろって言うじゃない!」
ビス「日本人といえばお人好しだって言うし!きっと鎮守府の場所を尋ねれば教えてくれるんじゃないかしら」
熊野「なるほど、いい考えですわ!」
ビス「でしょ?」
熊野「と、言いたい所なんですが…」
ビス「えっ?」
熊野「私たちの立場、わかってます?」
ビス「艦娘でしょ?」
熊野「そうです、艦娘だから駄目なんですの…」
ビス「???」
ビス「どういうことかしら」
熊野「ビスマルクさん、考えてみてください」
ビス「?」
熊野「艦娘とは、深海棲艦の脅威から大陸を守るの存在であるはずわ」
ビス「知ってる」
熊野「では貴方は、そんな艦娘が、こんな街中をほっつき歩いてたらどう思いますか?」
熊野「何やってるんだコイツ、とか思いません?」
ビス「…あ」
熊野「ようやく気付いたようですわね…」
ビス「じゃ、じゃあ艦娘であることを隠したらどうかしら!鎮守府って言ったらバレるから、鎮守府の近くにある建物を尋ねたら…」
熊野「コンビニ以外にわかりますの?」
ビス「…わからないわ」
熊野「コンビニはたくさんありますから、鎮守府付近のコンビニを指定すると怪しまれるのは間違いないでしょう」
ビス「じゃあ、えっと…清掃員だって言えば…」
熊野「それも無理があるでしょう。年齢が年齢ですから返って疑われる可能性が」
ビス「えっと、えっと、それじゃあ…」
熊野「…」
ビス「どうすればいいのよぉ…!」オロオロ
熊野「私に言われましても…!」オロオロ
ビス「まだよ、まだ手はあるはずだから…!」
熊野「例えばどのような?」
ビス「えぇっと…」
ビス「そうだ!公衆電話とかは?あれで提督と連絡を取って、迎えに来てくれるように頼めばいいじゃない!」
熊野「…そのためには提督にここがどこか説明しなくてはならないのですが」
ビス「あ、そっか。ここがどこかわからないのよね…」
熊野「それに私、鎮守府の電話番号知りませんし。秘書と言えど電話をかけるのは提督の仕事ですから」
ビス「うぅーっ、公衆電話も使えないなんて…!」
ビス「じゃあどこかで羅針盤を買って、それを頼りに鎮守府の方角に向かって歩くのはどうかしら!」
ビス「あれなら鎮守府の具体的な場所がわからなくても、近くまでは行けるはずだから…」
熊野「…最低限、鎮守府がある方角がわからないと使えないのですが」
ビス「そうだったわ…」
熊野「…」
ビス「熊野さん…これ、本当にもう駄目なんじゃ…」
熊野「…どうやら、そうみたいですわね…」
熊野「提督…心配してるでしょうか」
ビス「さぁ…。でも、きっとそうだと思うわ。提督だもん」
熊野「もう私たちが出てから長い時間が経ちましたものね…」
熊野「いつもならこの時間は夕食を食べて、提督と一緒に資料整理したりして、ゆっくりする時間ですから…」
ビス「そういえば今日の晩御飯は何だったかしら…なんだかお腹も空いてきたなぁ…」
ビス「提督と一緒にご飯食べるの、いつもの楽しみなのに…今日はどうやら我慢しなくちゃいけないようね…」
熊野「…」
ビス「…」
熊野「提督…」
ビス「帰りたいよ…!」
すみません、先にイベントの秋月とプリンちゃんたちを迎えに行ってました…
E2のラストダンスで念願の春雨も落ちましたし、今回のイベントはザクザクでしたね
〜〜〜
赤城「いただきまーす!」
谷風「びゃあああうまいぃぃぃ!」
提督「…夕飯時なのにまだ帰ってこない」
Z1「一体どうしたんだろうね」
提督「これ、本当に熊野たちに何かあっただろ。ここまで時間がかかってるとなると、流石に放ったらかしになんて出来ないぞ」
Z1「まぁ、当然だよね」
提督「ああああいつら、俺がおつかいに出したばっかりに、誘拐されたか…あるいは事故したか…」オロオロ
提督「レーベ、お前はどう思う!?」
Z1「うん、そういうのは考え辛いと思うな」
提督「お前はなかなか楽観的だなぁ!」
Z1「だって、2人は女と言えど肉体を鍛え上げた艦娘だよ?」
Z1「強いから、たとえ悪い奴に襲われたとしても返り討ちに出来ると思うな」
Z1「だから絶対に大丈夫。安心して、提督」
提督「確かにそうなんだが…熊野たちから何の連絡も無い所を考えるとだな…」
提督「公衆電話くらいどこかにあるだろうに。電話くらいしてくれてもいいかと」
Z1「あのさ提督、鎮守府の電話番号って、セキュリティの為とかで皆に教えてないんじゃなかったっけ」
提督「…あ」
Z1「忘れてたんだ」
提督「し、しかしそれでも熊野たちが事故をしたとか、そういった可能性が無い訳ではなくて…」オロオロ
Z1「まぁまぁ落ち着いて。そう最悪のパターンばかり思い浮かべなくてもいいじゃないか」
提督「だって!」ブワッ
Z1「冷静に考えてみてよ、ビスマルクたちはどこへ行ったのか」
Z1「誘拐でもない、事故でもない。なら残る結論はあと一つだよ」
提督「え?そうなの!?それは何だ!」
Z1「…それすら想像できないなんて、提督はどうやらかなり錯乱してるようだね」
提督「わからないものはわからない!それだけだ!」
Z1「わかったから。教えてあげるからリラックスしてよ」
提督「すまない…」
Z1「じゃあ言うよ?ズバリ、熊野とビスマルクは…」
提督「…」ゴクリ
Z1「迷子になっているね」
提督「迷子だと!」
提督「…迷子?」
Z1「うん」
提督「あの年齢でか?」
Z1「見た目は大人でも、それが迷子にならないって理由にはならないよ?」
提督「そ、そうなのかな…」
Z1「そうだよ。方向オンチは本当に舐めない方がいい」
Z1「アレは悪魔から授かったgeldstrafeだからね…いわゆるバッドスキルってやつだよ」
提督「じゃあ…熊野とビスマルクはまだこの辺をさまよってるってことになるのか?」
Z1「ま、そういうことになるね」
提督「なるほど…ようやく熊野たちが何してるかわかった」
Z1「うん。だからビスマルクたちはそのうち帰ってくるし、別に放ったらかしておいても…」
提督「じゃあ俺はあいつらを捜しに行ってくる!少し鎮守府を外すからな!しばらくお前に鎮守府を任せるぞ!」
Z1「えっ?」
Z1「提督…今なんて言ったの?」
提督「聞こえなかったか?俺はあいつらを迎えに行く。その間、お前は俺の代わりをしといてくれ」
Z1「でもちょっと待ってよ。迎えに行くって言っても、捜すアテなんかあるの?」
提督「んなもん考えてる時間が勿体無い!」
提督「あいつらにおつかいを任せたのは俺だ!帰ってこれなければ、責任持って俺が迎えに行くしかない!」
Z1「ちょっと、提督…」
提督「というわけで、じゃあ!行ってくるぜ!」
Z1「…ああ、行っちゃった」
Z1「…無鉄砲だよ。提督」
Z1「ろくに作戦も立てないで突撃…昔からいつもそうなんだ」
Z1「性格が子供っぽくてふざけてるから…本当に落ち着きがないんだよなぁ」
Z1「熊野さんも大変だよね、秘書の仕事」
Z1「全く、僕がここに着任してなかったら、ここは一体どうなってたんだろう…」
Z1「…はぁ」
Z1「本当、世話が焼けるんだから」
Z1「…だから僕に任せてて。提督」
〜〜〜
ビス「………」
熊野「………」
ビス「…熊野さん」
熊野「…何ですか?」
ビス「歩きましょう」
熊野「えっ?」
ビス「いつまでもウジウジしてちゃ駄目よ。こんな所で泣いてたって、状況が変わる訳がないわ」
ビス「私たちは帰らなくちゃいけないの、提督がいる鎮守府に。そうでしょ?」
ビス「だから歩きましょう!意地でも鎮守府に向かうのよ!」
熊野「…」
熊野「…そうね。ビスマルクさんのおっしゃる通りですわ」
熊野「私は提督の秘書ですもの。私が居なければ、提督もきっと困ってしまいますわ」
熊野「私も歩きます、ビスマルクさん!そして一緒に鎮守府へ帰りましょう!」
ビス「その調子よ!熊野さん!」
ビス「さぁ、頑張って鎮守府に行くわよっ!」
提督「熊野ー!ビスマルクー!」
提督「どこだー!返事しろーっ!!」
提督「…くそ、ビッグ○メラ付近には居ないようだな。どこかで道を外したようだ」
提督「こりゃ捜すのに相当苦労するぞ…」
提督「熊野ー!ビスマルクーー!!おーいっ!」
提督「どこだーーー!!」
ビス「熊野さん、曲がり角!」
熊野「ふむ…そうですね、この道は…」
熊野「右ですわ!勘ですが、こちらに行けば鎮守府に帰ることが出来ると思いますの」
ビス「よし!右ね!」
ビス「当てずっぽうでもいいからどんどん進んで行くわよ!」
ビス「提督、待ってなさい!きっとすぐ鎮守府に帰ってみせるんだから!」
熊野「提督ー!今行きますからねー!」
提督「熊野ーーー!ビスマルクーーー!俺だー!帰ってこーーい!!」
提督「…駄目だ、全然返事が無いぞ…この辺にはいないのか」
提督「しかしなかなか遠いとこまで来たな。ラーメン二郎のとこまで来るなんてかなりの遠出だ」
提督「さて次は右に行くか左に行くか…」
提督「…右だな、よし!」
提督「熊野ー!ビスマルクーー!出て来いやーー!!」
熊野「今度はこっちですわ」
ビス「了解よ!…ってあれ?」
ビス「ここの二郎って店、見覚えがあるわね」
熊野「二郎ですって!?」
ビス「二郎がどうしたの?」
熊野「思い出しなさいビスマルクさん!」
熊野「二郎は途中で見かけた店!つまり私たち、順調に鎮守府に向かってるってことですわ!」
ビス「そうなの!?やったじゃない!!」
熊野「これはきっともうすぐ帰れますわよ!鎮守府はとても近いですわ!」
ビス「ええ!一時はどうなるかと思ったけど、ちゃんと来た道を戻れてるのね!よかった!」
熊野「この調子に乗って行きましょう!ビスマルクさん、この曲がり角どっちに行きます?」
ビス「ここは…そうね、左よっ!たぶん!!」
熊野「左ですね!了解ですわ!!」
提督「…」ポツ-ン
提督「いない…」
提督「どこだよ…熊野…ビスマルク…」
熊野「おかしいですわ」
ビス「どうしたの?」
熊野「本来ならば、順調に帰っているのなら途中で見かけた饅頭屋が見えてくるはずなのですが…」
熊野「全く見える気配がありませんわ」
ビス「つまり、私たちはまた道を外したってことなの?」
ビス「はい。きっと二郎の道を間違えたのかと思います」
熊野「少なくとも、私達の目の前にあるこの公園は、一度も見たことがありませんわ」
ビス「確かに来るときにこんな公園はなかったわね…」
ビス「うむむ…」
ビス「まぁいいじゃない。とにかくあの店まで戻ればいいんでしょ?」
ビス「それよりも私、足がちょっと疲れちゃった。一旦あの公園で休みましょうよ」
熊野「そうですわね。じゃあベンチにでも座って休憩しましょうか」
ビス「Danke、ありがとう。熊野さんも足、大丈夫?」
熊野「当然ですわ。確かに私も疲れてますが、これくらいなら平気ですから…」
熊野「…ふぅ」
ビス「ようやく一息つけたわね」
熊野「はぁ…何だか緊張が解けて少しホッとしましたわ」
ビス「私も…。一時はどうなるかと思っちゃった」
熊野「正直もう駄目だと思ってましたが、 何とか鎮守府へ向かってると思うと安心しますわね」
ビス「ところでここから鎮守府までってどれくらいなの?」
熊野「えっと、あの時は数十分くらいで二郎に辿り着きましたから…」
熊野「かなり近くの場所まで来てると思いますわ!」
ビス「あら、まだ油断しちゃダメよ?鎮守府に帰ったという訳じゃないんだから!」
ビス「油断した瞬間、それは死を意味することだってあったりするのよ!」
熊野「迷子で死ぬなんて、そんなの聞いたことありませんが」
ビス「うるさいわよ熊野さん!?」
ビス「もう…せっかく人が心配してあげているのに」
熊野「くすくす」
ビス「全く…」
ギャ-ギャ-
熊野「…?」
ビス「何か…話し声が聞こえるわね」
熊野「話し声?まさか…提督が捜しに?」
ビス「いやちょっと待って、あれは…」
??「うーん…困ったデース…」
??「せやなぁ…こりゃどうしたものか…」
??「なんで宿の予約してなかったノー?しなかったらこうなることくらい、ワタシでも分かってマシタネ!」
??「せえへんやったわけやないねん。うっかり予約を忘れただけや」
??「それ誤魔化してるつもりデス?ワタシ野宿は嫌デスよ!?何とかしてくれデース!」
??「そうはゆうてもなぁ…うーん…」
ビス「違うみたい。あれは提督じゃないわ」
熊野「残念…でもあの人たちも何か困ってるみたいですわね」
ビス「そうみたいね。宿がどうとか言ってるみたいだし。私達と一緒で迷子かしら」
ビス「…ん?」
??「お?」ジ-ッ
熊野(え?何、凄い見られてる!?)
ビス(な、何か私たちに用があるのかしら…)
??「…ラッキーや」ボソッ
ビス「?」
??「おぉい、そこのお嬢ちゃんたち!」
ビス「ええ!?こっち来た!?」
熊野「な、何!?何ですの!?」
??「すまん!ちょい手を貸してくれや!」
??「お前たち、確か横須賀鎮守府所属の娘やろ!?名前は…えっと…」
熊野「えっ?」
ビス(私たちが艦娘であることを知ってる!?)
熊野「あの…どちら様…ですか?」
??「あぁ!思い出したわ。あんた横須賀の熊野とビスマルクやろ。久しぶりやんけ」
ビス「えっ、えっ?」
熊野「あの、私の話を…」
??「テートク、誰デスかこの人。私、この人たちと面識無いネ」
??「お前はだいたい横須賀に来ること自体初めてやろうに。知らんのも無理はあらへん」
??「こいつらは横須賀におる俺の同僚のとこで働いとる艦娘や。同じ仲間同士、お前も挨拶しとき」
??「オーウ!そうだったのデスかーヨロシクネー!!」
ビス(何か変な女のひとも来た…)
熊野(え、えっと…)
ビス(誰だろ…この人たち)
??「んで?あんたらの提督は?」
熊野「提督…ですか」
ビス「提督はちょっと今は…」
??「はぁ?アイツおらんの??」
??「じゃああんたらこんなとこで何しとるん?ここ横須賀から大分離れとる場所やろうに」
熊野「そ、それは…」
ビス「その、あのですね…」
??「何や?まさか提督にパシリとかされた系?」
熊野「あ、あの…」
??「うわーやりそうやなアイツー!横須賀の野郎はデリカシーとかそういうの皆無やけんなー!」
??「それテートクにも言えることデスよ?いい加減に執務中のお触りはやめるネ!」
??「やっぱりか!なっははははは!!」
??「HAHAHAHAHAHA!」
ビス(熊野さん、何なのこの人たち)
熊野(わかりませんわ!提督の知り合いなのは確かでしょうけど…)
ビス(私からすれば、見知らぬ人の癖に気安く話しかけて来て何だか怖いわ)
熊野(ええ。私も関西人みたいなノリは少し苦手で…)
熊野(…ん?関西人で提督の知り合い?)
熊野「あの…貴方たちは…」
??「ん、何や」
熊野「もしかして舞鶴の提督さん…ですか?」
友人「あぁ?今気付いたんか」
友人「まぁ確かに自己紹介してなかったわな。俺こそが舞鶴の提督!そしてこの小娘が…」
金剛「イエース!私は舞鶴提督の秘書・金剛デース!」
熊野「!!」
ビス「舞鶴の…あっ!」
ビス「熊野さん、舞鶴の提督って確か提督がよく電話してる…」
熊野「ええ、その人ですわ」
友人「何や!分からんかったんか!だったらさっきの俺は意味不明の不審者のように見えたやろうな!」
ビス「失礼ながら…」
金剛「ヨッ!不審者提督!変態!!」
友人「やかましいわ!なはははは!」
金剛「HAHAHAHAHA!」
熊野「…」
ビス「…」
友人「で?話戻すけど、あんたらここで何してたの?」
熊野「うっ」
友人「何かここに来るような特別な用事でもあったん?ていうか提督はどこ行ったねん」
友人「冗談のつもりやったんやけどアイツホンマに不在なん?え?ガチなんか??」
熊野「あう…それはですね…」
友人「なんや?答えられへんの?」
友人「まさか…!お前さんとこの提督が夜の愉しみに出かけてしまったから、あんたらはそれを引き止めようとここまで捜しに…!」カァァ
熊野「それだけは違います!!」
ビス「あの人は馬鹿だけどそんなことはしません!絶対に!!」
友人「お、おう」
友人「ならさっさとどういうことか説明してくれんかな…」
熊野「あっ…」
ビス「うぐっ…」
金剛「その前にちょっと待てオイ。お前今さりげないセクハラかましただろ」ゲシゲシ
友人「痛い痛い!やめろ!金剛!!脛をピンポイントで蹴るな!!」
ビス「熊野さん…」
熊野「…」
ビス(こいつ結構きびしいこと言ってくるわね…ていうかなんで舞鶴の人がこんなとこにいるのよ)
ビス(まるで私たちの迷子を咎めに来たみたいだし…)
熊野(もしかしたら本当にそうかもしれないですわ)
ビス(え?)
熊野(相手は舞鶴の提督ですもの。その可能性は否定出来ませんわ)
ビス(熊野さん、この人の詳しいこと知ってるの?)
熊野(ええ。うちの提督から散々話を聞かされてますから)
熊野(舞鶴の提督は性格こそは剽軽だけれど、能力はいわゆるエリートクラスだと聞いています)
ビス(エリート!?こんな人が!?)
熊野(思い出してみなさい。うちの提督、仕事で困ったらすぐに舞鶴へ電話してるでしょう)
ビス(あ、そういえば…)
熊野(あれはこういう理由があったからなんです)
熊野(階級も大将クラスまで行っているとかどうとか。上層部に介入できる権利も持っているとまで提督が言ってましたから)
ビス(じゃあ、この舞鶴の人がここにいる理由はやっぱり…)
熊野(おそらく貴方がおっしゃった通りですわ。私達が失踪したことを何らかの方法で聞きつけ、捜しに来たのではないでしょうか)
熊野(艦娘が迷子になるなんて前代未聞ですもの。上層部が出て来て何かしらの制裁が加えられてもおかしくはないかと…)
ビス(本当なの…?それじゃあ私たち、これからどうなるの!?)
熊野(もうわかりませんわ…何もかも…)
ビス(うう…)
熊野「…」ビクビク
ビス「…」ビクビク
友人「何かめっちゃ警戒されとる」
金剛「当たり前デース。初対面であんな挨拶は無いデスヨ。警戒されるのは当然ネ」
友人「せやかて、あれはイギリスじゃ日常茶飯事の挨拶なんやろ?」
金剛「提督はイギリスを何だと思ってるデース!?イギリスそんなセクハラ大国じゃないヨ!!」
友人「んなアホな!じゃあ俺の信じたイギリスとは一体なんやったん!?」
金剛「ヤカマシイワ!アホは提督デース!」
熊野「…」
ビス「…」
友人「とにかくまず事情を話した方がええよな」
金剛「ソウデスネ…このままではこんなマヌケな漫才が続くだけデース」
友人「あのな横須賀のお嬢ちゃんたち、ちょっとだけ俺たちの話を聞いて貰えるか?」
金剛「私タチは怖い人間じゃないネ。むしろこっちが困ってるから、少しお願いがあるのデース」
ビス「…?」ビクビク
熊野「お願い…?」
ビス「な、何をする気なの…」
友人「頼む!後生一生の願いや!」
ビス「!?」
友人「お前さんたちとこの提督に会わせてくれっ!!」
ビス「は?」
ビス「え?あの提督に?」
熊野「唐突になぜそのような…」
友人「とりあえず、まず舞鶴の俺たちが横須賀にいるかを説明するとな」
友人「実は俺ら、休みをとって神奈川旅行してたんや」
熊野「…はっ?」
友人「この金剛がどっか遊びに行きたい言うてうるさくてなぁ。仕方ないからここに遊びに来たって訳や」
金剛「イヤー神奈川は楽しい街だったデース!京都とは違う風情があってヴェリィビューティフォーデース!」
ビス「え?は?ええ??」
熊野「それは本当のことでして!?」
友人「なんでこんなとこで嘘つかなアカンねん」
友人「ちなみに神奈川を選んだ理由はアイツが住んでるってことでここに来たんや。何か困ったことがあったら助けを求めようと思ってたからな」
友人「そしたら案の定、少々困ったことが起きてもうて!アイツに助けを求めてるって訳や!なはははは」
ビス「えっ…えっ…えええ…」
熊野「では…私たちの制裁とかは…?」
金剛「は?セイサイ???何を言ってるデース?」
友人「何が?何を??どうするって言うの?」
熊野「あ、いや、その…」
ビス「なんでも…ないです」
ビス(って熊野さん!これはどういうことなのよ!!心配とか全然いらなかったじゃない!!)
熊野(だ、誰にだって思い違いくらいはありますわ!見逃してくださいまし!)
友人「とにかくな。さっきも言うたがとにかく俺たち、助けが必要な状態なんや」
金剛「この辺をさまよってたらアナタたちに出会って、じゃあもう横須賀の人に頼るかって話になったのデース」
熊野「…はぁ」
ビス「ちなみに頼みって何ですか?」
友人「それはお前さんの提督にまとめて話そう思っとる」
友人「ちゅー訳でその肝心なアイツを呼んで来てほしいねん」
ビス「!」
友人「アイツ、お嬢ちゃんたちと一緒かな思うたんやけど一向に出て来る気配ないし」
友人「なんなんアイツ。艦娘や俺をほったらかしでどっか行くなんてマジありえへん」
友人「一体どこにおるんや…全く…」
ビス「…私の提督は…」ボソ
友人「お?何や」
ビス「提督はここにいません…」
友人「は!?」
熊野「…提督は」
ビス「提督は、その…」
友人「え?ちょ?何??」
ビス「…ぐすっ」
熊野「うう…」
友人「!?」
ビス「うわぁぁぁぁぁん!!提督ー!!」
熊野「うわぁぁぁぁん!うわぁぁぁぁん!!」
友人「うおおおい!?何や何や!!」
友人「ちょ!どうした!?なんで泣くんや!!」
金剛「あー!泣ーかした!泣ーかした!テエートクーがー泣ーかした!!」
友人「こんな時までうっさいねんお前!今は少し黙ってろ!!」
友人「そしてお嬢ちゃんたちも何やねん!なんで泣いてるか理由を話してくれ!」
ビス「提督っ!提督が…ひぐぅ!ぐすん!うぇぇん!!」グズグズ
熊野「でいどぐが、私たぢをおづがいに出ざせて、でも帰れなぐなって…!!」グズグズ
ビス「どぢゅうまで帰っだんだけど、提督のごどを思っだら、やっばりざびしぐなっで…!!」グズグズ
友人「やっぱりまず泣き止め!全くもって話がよう聞こえんわ!!」
金剛「ホラ飴ちゃんデチュヨー。イイコだからこれで泣き止むネー」
友人「だからお前もお前で余計なことするなっちゅーに!話の邪魔や!」
金剛「Ulp!」
ビス「うわぁぁぁん!提督ー!!」
友人「頼むから落ち着けー!!」
〜〜〜
友人「なるほどなぁ…そういうことかいな」
ビス「ぐす…」
熊野「申し訳ありません、いきなり取り乱したりして…」
友人「大丈夫や気にすんな気にすんな」
金剛「全くノープロブレムデース。誰にだって寂しさで泣いちゃうときはあるものデース」
友人「むしろ二人でよくそんな仕事を頑張った思うわ。見知らぬ土地に飛び込むお嬢ちゃんたちの度胸、気に入ったで」
ビス「ぐすん…」
友人「あぁわかったわかった。アイツに直接スマホでここに来るように連絡するから。いいからもう泣き止もう?」
友人「お嬢ちゃんたちも早くアイツに会いたいやろ?」
熊野「はい…」
金剛「よかったデチュネ!これでアナタたちの提督に会えるデース!」
ビス「うん…」
友人「ったく、本当にアイツはもう昔から変わらずやな…」
友人「勢いだけで何か行動しようとするんよな、アイツ。ちょっと悪い癖や」
友人「…ここはウチから誰か教育係でも派遣させとこ」ボソ
プルルル
友人「もしもし!!」
提督『どうした!この忙しいときに何か用か!』ゼェゼェ
友人「どうしたもこうしたもあらへん!お前んとこの熊野とビスマルクが迷子になっとるやろ!」
提督『ちょ、どうしてそれを知ってるの!?』
友人「だってそいつら俺の目の前におるで!」
提督『何!?なんで!?』
友人「迷子になったとこを偶然見つけたんや!俺は横須賀鎮守府近くの公園んとこおる!」
提督『へ?お前、横須賀にいるのか!?』
友人「細かいことはどうでもええやろが!!」
友人「男ならつべこべ言わんでさっさと迎えに来んかい!このドアホ!!」
提督『わ、わかった』
提督『俺、その近くいるからすぐそっち行くから待っててくれ!』
友人「じゃあ5分以内や!絶対やぞ!ほなな!」ピッ
友人「これでよし、と」
熊野「あの、提督は…」
友人「んー、すぐ来るってよ。アイツこの近くにおるらしいで」
熊野「本当ですの!よかったぁ…」
ビス「でも提督はどうして近くにいたの?」
友人「そりゃお嬢ちゃんのこと捜すためちゃう?息切れもしてたし結構走り回ってたみたいやで」
友人「まぁ自分の行動は自分で責任つける態度はとってるらしい」
ビス「そうなの!?提督は私たちのこと、心配してくれてたんだ!」
熊野「素直に嬉しいですわ…ちゃんと迎えに来てくれるなんて」
ビス「それだけ聞けただけでも私は満足よ!まぁ確かにあの人は指揮官だし当然なのかもしれないけどね」
友人「お、見てみ。噂をすれば来たでアイツ」
金剛「オゥ!ミラクルなスピードデス!!」
提督「おーーーい!熊野ーーーーー!!ビスマルクーーーーー!!」
熊野「あっ!提督!!」
ビス「提督ーーー!こっちこっちーーー!!」
提督「熊野!ビスマルク!」
ビス「うわーん!提督ー!!」ギュッ
熊野「会えて嬉しいですわーっ!!」ギュッ
提督「すまんかった、熊野、ビスマルク。俺がおつかいを押し付けたばっかりに…」
熊野「こちらこそ、提督に迷惑をかけてしまって…」
ビス「元はと言えば私たちが仕事をサボったのが原因だから…ごめんなさい!」
提督「違う、これは無理な罰を与えた俺の方に非があるんだ!」
提督「だからすまん!俺を許せ!!」
ビス「提督…提督…!」
金剛「いやー!無事に再会できて良かったデース!」
友人「せやな。最初はビックリしたでホンマに」
提督「お前たちもありがとう!本当に申し訳ない!」
友人「詳しい事情はこの2人から聞いたで。確かに凄いオドオドしてたし、何か様子がおかしかったしな」
友人「お前なぁ、部下が悪さしたことにケジメつけさせることは別にええんやがな」
友人「そのやり方をよく考え直せ。お前は子供みたいにすぐ調子に乗る癖があるんやから」
提督「わ、わかった…」
友人「でもまぁ、この2人を捜すために町中走り回ったのは評価したる。当たり前っちゃ当たり前やけど最近それが出来んような奴も大勢いるんやから」
友人「次からこんなことにならんよう気を付けよ!この愚か者が!!」
提督「はい…」
友人「ま、何もともあれ2人とも無事だったし、上手く終わってよかったわ」
提督「ああ…」
熊野「提督…寂しかったですわ!」
ビス「出撃よりもずっと厳しい任務だった…」
提督「本当に申し訳ない…二人とも」
金剛「うんうん。感動の出会いは見ていて泣けるネ!」
金剛「んじゃテートク、そろそろアレを言うのデス」
友人「うむ、いい感じになったし。ここで俺から重大な発表をするで」
提督「えっ?」
提督「重大な発表?」
友人「俺がここにおるの、お前不思議に思っとるやろ」
提督「当然だ」
友人「俺等がここにいるのはな、休暇を使って金剛と一緒に神奈川旅行してた訳なんやけどな」
友人「少しお前の力が必要になったことがあるんや」
提督「俺の?」
友人「せやせや。そこでお前、俺の頼み聞いてくれるか?」
金剛「お願いデース、横須賀の提督サン。頼みマース」
提督「まぁ…熊野とビスマルクの件もあるし、聞かない訳にはいかないし…」
提督「うん、何でも聞くぞ。用は何だ?」
友人「よっしゃ!聞いたか金剛!何でも聞くってよコイツ!!」
金剛「ハッハァ!!やったデース!男に二言は無いデスヨ、横須賀の提督!!」
提督「ん!?」
友人「今、夜やん?」
提督「お、おう」
友人「夜だからどこかで休息とりたいやん?」
提督「うん、そうだな…」
友人「それが…俺たち、実は…」
友人「ついうっかり宿を予約するの忘れたんや」
提督「はぁ!?」
友人「でな、行き当たりばったりで宿を借りるのも宿に悪いし、かといって野宿やカプセルは金剛に申し訳ないし」
提督「…」
友人「そこで俺は考えた。そして最も最善の策を思いついたわ」
提督「…まさか」
友人「頼むお前!俺と金剛を横須賀鎮守府に泊めてくれんか?」
金剛「PLEASE!!さっさと私タチを横須賀鎮守府に連れて行くネ!」
提督「重大な発表ってそれ!?めっちゃ私情じゃん!」
ビス「つまり、舞鶴の提督たちは…」
熊野「あの時私たちと同じように、横須賀を彷徨ってたってことですの?」
友人「せやねん!この結論に辿り着くまでどないしよか思てたわ!なはははは!」
提督「いやそれ100%お前のせいだろ!悪いけどいきなり泊めるのはこっちにもちょっと色々準備が」
友人「オイお前!!さっき何でも頼み聞く言うたやろうが!!アァ!?」ギロ
提督「唐突な強引な押し!」ビク-ッ
友人「何やお前。頼みを聞くだけってオチはウケへんぞ。覚えとくんやな」
提督「いやでも…」
友人「聞かないなら今日の失態をウエにバラすぞ?んん??」
提督「くっそ…人の弱みにつけこみやがって…」
友人「自業自得や、バーカ!」
提督「ううう…」
熊野「提督、申し訳ありません…」
ビス「私たち、最初は迷子になったこと隠そうとしたんだけど…やっぱり怖くなって…」
提督「いやお前たちは謝らなくていいんだよ!?迷子にさせた責任は俺にあるんだから!」
友人「あ、今お前自分の責任認めたな。交渉成立や!わーい!!」
金剛「私は晩食にSUSHIを希望デース」
提督「お前も勝手に行こうとするんじゃねぇよ!お願いだから待ってください!空き部屋が無いんです!!」
友人「いやぁ俺はお前と相部屋でも構わんよ?」
金剛「私、迷子を助けたからこの子たちと相部屋でいいデスよねー」
熊野「あっ…はい」
ビス「ど、どうぞご自由に…」
提督「ちょっとやめろ!勝手に話を進めるな!」
友人「俺を舐めるな。こんな軽い交渉ならお前如きにこの俺を止めることは出来へんぞ」
提督「うぐぅ…」
提督「…わかった。いいよ、泊まっても」
友人「よっしゃ!ようやく諦めたか!これで晴れて交渉成立やな!」
金剛「やったデース!さっそく横須賀鎮守府に突撃ヨ!」
提督「うう…コイツとはもう一緒に寝たくなかったのに…」
友人「お?なに照れてんの?ホモ??」
提督「違う!お前、昔から寝るときうるさいから嫌なんだよ!」
友人「まぁ何でもええやないか。じゃあ俺に横須賀までついてこーい」
提督「だからなんでお前が仕切ってんだよ!」
友人「テイトクサンー・ススメススメチテチテター・」
提督「駄目だコイツもう聞いちゃいない」
提督「うう…俺たちも鎮守府に戻るぞ熊野、ビスマルク…」
熊野「わかりましたわ…」
ビス「あ…待って」ヨロッ
提督「ん?」
ビス「きゃっ!」バタッ
提督「ビスマルク!?」
ビス「いたたた…ごめんなさい…足が少しふらついちゃって」
熊野「すみません、ビスマルクを起こしますから少し待ってくださいますか?」
提督「わかった、待とう」
熊野「ビスマルクさん、手を…」
ビス「Danke、熊野さん」
提督「…ん?足!?」
提督「そうか!すまん二人とも!」
ビス「え?」
提督「そうだったな。お前たち、迷子になってずっと歩き回ってたもんな」
提督「足が疲れちゃったのもそれのせいだな。俺が迷子にさせた責任の一つだ」
熊野「へ?いえ、私たちは鍛えられた艦娘ですし、決してそういう訳ではないと思いますが…」
ビス「私は大丈夫だから。心配しなくても…」
提督「気にすんな。よっと!」ヒョイ
ビス「うわっ!」
熊野「きゃあ!?」
ビス「えっ?ええっ!?」
熊野「ちょっと提督!?これは!?」
提督「帰りくらい、楽させてやるから。しっかり捕まっとけ!」
ビス「あのあのあの、提督!その前にこれは一体!?」
熊野「何のつもりですの!?急にこんな!」
提督「何って、抱っこに決まってんだろ。俺は一応体力はあるから2人同時にくらい抱っこは出来る」
ビス「でっでも!こんなのは…」
提督「疲れるくらい歩き回って、辛く大変だっただろ?」
提督「それともこれは嫌いか?だったら降ろしてやるが」
ビス「うぅ〜っ…」カァァ
ビス「嫌いって訳じゃないから!もう馬鹿!」
熊野「私は…むしろこのままがいいです」
提督「そうかそうか。じゃあこのまま帰るぞ」
友人「おーいお前!チンタラ歩いてないで早よ来いやー!」
提督「うっさい!お前が俺に歩調を合わせろよ!!」
友人「嫌やー!女二人を抱えても余裕な体力くらいつくっとれー!」
提督「言わせておけば…!」
金剛「Heyテートクぅ、私にも横須賀の提督みたいに抱っこをデスねー」
友人「何でや。お前を抱く理由は特にないやろ」
金剛「Shit!」
ビス「…」
ビス(おつかいは辛かったけど、最後の最後で嬉しいご褒美を貰っちゃった…!)
ビス(提督に抱っこして貰えるなら、またおつかいに行ってもいいかも)
ビス(…ふふっ)
ビス「提督…」ギュッ
提督「ん?どうしたビスマルク、落ちそうになったか?」
ビス「いーえ、なんでもないわ」
ビス「でも、ただちょっとね」ニコニコ
提督「???」
熊野「…」
熊野「ビスマルクさんばかり提督を独り占めしてズルいですわ!」
ビス「え!?」
提督「?」
熊野「私だってやってやりますわよ!えい!!」ギュウウウ
提督「うぐぁ!あだだだだ!首が折れる!!」
ビス「ちょっと!私が今提督を取ってたのに酷いじゃない!!」ギュウウウ
提督「ギブギブギブ!待って!取ってたとかって、俺は物じゃない!!」
友人「こらー!お前!遊んでないで歩けやー!!」
提督「いやどう見ても違うだろ!助けてくれーー!!」
ビス「私たちに辛い思いをさせた分だけ、抱きしめてあげるんだから!」ギュウウウ
熊野「覚悟なさい!提督!!」ギュウウウ
提督「ぐああぁーーー!!?」
続く!
オマケ「クリスマスビスマルク」
※時系列的には友人が来てるときとは違うお話です
卯月「♪〜♪〜」
長門「クリスマスか…胸が熱いな!」
谷風「きょーうはたーのしーいクーリスーマスーっと!」
赤城「げへへ…肉…ケーキ…うへへへ…」
加賀「赤城さん…」
ビス「…」
ビス「提督!」
提督「どうしたビスマルク」
ビス「クリスマスよ!」
提督「あぁ、知ってる」
ビス「クリスマスよ!!」
提督「なぜ二回言った?」
ビス「だからクリスマスよ!何かないの??」
提督「何かって何?」
熊野「もしかしてイベント云々のことかしら?」
熊野「そうでしたら、今日はクリスマスだから休暇ってことで今日は出撃は無し。皆、思い思いのクリスマスを楽しんでいらっしゃいますわよ」
ビス「違うわよ!そうじゃなくて!」
ビス「プレゼントよプレゼント!提督のプレゼントを私にちょうだい!!」
提督「お前は本当にストレートに言ってくるなぁ」
ビス「だってクリスマスだし…プレゼント貰わないと」
提督「何だよその勝手な脅迫観念」
ビス「とにかく私はプレゼントほしいのよ!いいからよこしなさい!!」
提督「わかったわかった。じゃあうるさいからビスマルクにこれをやろう!」
ビス「やったー!」
ビス「…って、何これ」
提督「うまい棒」
ビス「は?」
提督「知らないのか?うまい棒ってのは日本で一番有名な菓子の一つだ」
ビス「いや、そうじゃなくて、もっとこう、他に」
提督「えっ?ビスマルクはプレゼント欲しかったんじゃないのか?」
ビス「そうだけど!」
提督「ならいいじゃないかそれで」
ビス「でも…!」
提督「え?何か不満か?俺のうまい棒、ビスマルクは嫌いか?」
ビス「うっ…そんな訳じゃ…」
ビス「うう…わかったわよ…もういいわよこれで…」ションボリ
提督「んじゃ俺と熊野は残りの仕事を終わらせないといけないから。お前はレーベたちとクリスマスでも楽しんでなさい」
ビス「はい…」ガチャ
提督「…」カキカキ
提督「…よし!これで今日の仕事おわった!」
熊野「お疲れ様ですわ」
熊野「それにしても、提督…」
提督「何だ」
熊野「あの時はビスマルクさんを上手く誤魔化せてよかったですわね」
提督「そうだな。あれは流石に俺も危なかった」
熊野「あやうく私たちのプレゼント配り計画がバレてしまうところでしたわよ?」
提督「まぁな。でもアレでビスマルクを退散出来てよかったよ」
熊野「正直、私はうまい棒なんかで追い払えるとは思ってませんでしたが…ビスマルクさんの純粋な性格に助けられましたわね」
提督「やっぱり本物のプレゼントはサプライズにしたいからな。これも指揮官の性っていうやつだ」
提督「悪いがビスマルクには今はうまい棒で我慢してもらって、本物のプレゼントは夜まで待って貰おう」
熊野「あの娘も大人ですし。きっと待っていてくださいますわ」
熊野「では提督、深夜になったらまたここに集合しましょうね」
提督「わかった。熊野もそれまで皆と良いクリスマスを過ごしておいてくれ」
〜〜〜
提督「という訳で俺たちもクリスマスを満喫だ」
Z1「本当は駄目だけど…今日くらい、僕はビールを頂くよ!」
提督「よし飲め!」
熊野「私はこのシャンメリーというものを頂戴致しますわね」
谷風「おっ!それ酒っぽいけどノンアルコールみたいだな!谷風さんにもその美味しそうな飲み物くれ!」クイクイ
熊野「ちょっ!?とっ!!あまり強く引っ張らないで!」
大鳳「こらこら焦らないの、在庫は沢山あるんだから」
赤城「ふぉーへふよはにはへひゃん。はなはのふんはひゃんとほっへはりはふはは」モガモガ
谷風「え?なんて!?」
加賀「赤城さん、ものを口に入れたまま喋ってはいけません」
提督「そうだぞ!だいたいその前に赤城は食べ過ぎだろ!なんだよお前!!」
赤城「…ごくん。まあまあ、そんな硬いこと言わずに提督もいかがですか?この七面鳥は絶品ですよ」
提督「お前はまたそんなごまかしを…」
提督「でも何だかそれ美味そうだな、やっぱり遠慮なくいただくぞ」
赤城「でしょ?はい、どうぞ」
加賀「提督…」
長門「ほら、瑞鶴も七面鳥食べないのか?それにそんな離れたとこで居ては貴様もつまらないだろう」
瑞鶴「いや、私、鳥肉は苦手なんで…」
長門「そうなのか?」
ビス「…」
Z1「んで、ビスマルクもビスマルクでどうしたんだい?さっきから元気ないみたいだけど…」
Z1「風邪でもひいた?部屋まで送っていこうか?」
ビス「何でもないわよ!馬鹿ぁ…」
Z1「???」
〜〜〜
Z1「ふぅ、そろそろお腹いっぱいだ」
提督「じゃあそろそろお開きにするか」
赤城「えっ!?」
谷風「そだね。眠くなってきたし…」
長門「明日も出撃はある。来るべき戦に備え、睡眠はしっかりとらなくてはな」
提督「よし、ではみんな解散だ!」
加賀「わかりました」
赤城「お待ちください!まだ時刻は10時です!いくらなんでも早いのでは!?」
伊勢「10時ってもう消灯時間だよ。各自、自分の部屋に戻って寝なさーい」
赤城「そんな!私まだターキーを652羽しか食べてないのに!」
伊勢「十分食ってるじゃん!?」
提督「いいからさっさと寝ろ!」
赤城「あー!私の肉がー!!」
加賀「赤城さん…」
提督「さて熊野、俺たちも準備を始めようか…
」コソコソ
熊野「了解ですわ、ではまた司令室で…」コソコソ
夜12時
提督「来たか、熊野」
熊野「呼ばれましたからね。当然ですわ」
提督「ありがとう。一人じゃプレゼントを全部配るのは大変でさ」
提督「それに熊野のサンタの格好も見たかったし。こんなん頼めるのは秘書相手だけだから、俺は眼福で嬉しいぞ」
熊野「まぁ、人前でこんなことは出来ませんからね。今日くらいはこのような事もやっておきたいと思いましたわ」
提督「そうそう。サンタって来るのも嬉しいけど、なるのもワクワクするんだよなー。なんかサンタって好きだ」
熊野「提督のそのサンタクロースの格好を見る限り、相当気合いが入っているのでしょう」
提督「最近は店で何でも揃うからなぁ。この立派なつけ髭も108円で買ってきた」
熊野「こういうのは気分っていいますからね。私も結構楽しいですわ」
提督「クリスマスだからな。楽しまなくちゃ損だ」
熊野「ま、私は提督と一緒に仕事が出来るだけでクリスマスは十分満喫していますけどね…」
提督「え?そう?じゃあ明日から熊野の仕事増やしていい??」
熊野「今のはそういう意味じゃなくてですね」
熊野「…でもこの人の鈍感は今に始まったことじゃないですし。この反応も慣れてしまいましたわ」
提督「あれ?なんか今、熊野に結構失礼なこと言われたような気がする」
熊野「それは提督のせいですわよ?自業自得ですわ」クスクス
提督「むぅ…なんか腑に落ちない…」
提督「まあいいか。とにかく、今からプレゼント配りに出発するぞ」
熊野「はい!」
提督「方法は至って簡単。寮で眠る艦娘の部屋に行き、プレゼントを置いて帰るだけだ」
提督「皆、きっとプレゼントを貰えるのを楽しみにしてるだろう。プレゼントは他の人のと間違えないようにバッチリ配るんだぞ」
熊野「了解ですわ。この任務、完璧にこなしてみせます」
提督「では遅くなる前に行こうか!」
熊野「皆へプレゼントを渡しに!」ダッ
提督「っとその前に」ピタッ
熊野「急に立ち止まらないでくださいます!?」ゴスッ
提督「ごめんごめん、そういやまずは熊野から渡そうと思ってたんだ」
熊野「何を?」
提督「何って…これに決まってるだろ。はい、受け取れ」
熊野「えっ?これって…」
提督「クリスマスプレゼントだよ!プレゼント第一号!メリークリスマス!」
熊野「え…私に一番最初のプレゼントを…?」
提督「当然だろ。熊野はいつも秘書で頑張ってるからな」
提督「あと今渡さなかったらそのまま忘れそうだし。いわゆる秘書特権ってやつだ!」
熊野「私が一番最初…?提督が、一番最初のプレゼントを私に…」
提督「そうだ。嬉しいだろう?」
熊野「つまり…それって…」
熊野「…」
提督「あれ?」
熊野「本当なんですの貴方は!急にこんなことして来るなんて、ズルいですわ!!」カッ///
提督「へァッ!?」ビクッ
熊野「もう!!いつもは鈍感でそんな気は無い癖にこういう時ばっかり!どうして貴方はそんなに行いがズルいのですか!!」マッカッカ
提督「えっ…待って?どうした??」
提督「熊野、俺は何かお前に怒らせるようなことしたっけ…?」
熊野「…はっ?あっ!すみません!」
熊野「突然だったので冷静さを欠いてしまいましたわ。私、少し照れてしまって…」
提督「え?照れる?それもなんで??」
熊野「やっぱり何でも無いです。お願いですから今の流れは忘れてくださいまし」
提督「あっ…うん…はい」
熊野「そんなことより提督。早速ですけど、これ開けてみてよろしくて?」
提督「いいよ。熊野が気に入ってくれるかどうか見たいし」
熊野「ではお言葉に甘えて、中身の確認を…」ガサゴソ
提督「どう?どう?」ワクワク
熊野「…!これは…!」
提督「どうだ!?いいだろ!」
熊野「髪留め!」
提督「まぁ、そんな高級品って訳じゃないけどな…」
提督「でも熊野はいつも髪を括ってるから。やっぱり女の子だし、お洒落なものが一番いいと思って」
提督「それで…気に入ってくれたか?」
熊野「もちろんですわ!絶対大切に致します」
熊野「ありがとう、提督。メリークリスマス、ですわ!」
提督「気に入ってくれて嬉しい!」
提督「メリークリスマス!熊野!!」
提督(よかった、熊野に『神戸牛の方が欲しかった』とか言われなくて…)ホッ
提督「じゃあ今度こそ出かけるか」
提督「俺は大型艦の方いくから、熊野は小型艦の方頼むな」
熊野「わかりましたわ」
提督「では作戦の成功を祈る!」
熊野「…あっ、そうだ」
熊野「提督、最後に一ついいですか?」
提督「何だ?」
熊野「サンタとは言え、貴方はこれから寝ている女の子の部屋に侵入をするのはわかっていますよね」
提督「何を今さら」
熊野「一応、忠告しときますけど」
熊野「寝ていて無防備な娘におイタをするようなことはしては絶対にいけませんからね?」
提督「何その疑い!?」
熊野「提督は鈍感ですが、女の子が大好きですから…」
提督「俺はそんなことはしないよ!たぶんそれをしたら皆から殺される!」
提督「そうだな…例えばビスマルク!あいつは気の強くストレートな性格だから、見つかったら殺しにやって来そうだ!」
熊野「それは無いと思いますけど…」
熊野「でもその言葉を聞いて安心しましたわ」
提督「当たり前だろ…」
熊野「では提督、作戦の成功を祈っています」
提督「ああ、熊野もな。頑張ってくれ!」
熊野「…」
熊野(ビスマルクさんか…)
熊野(そういえばあの人も私と一緒に提督の雑務を処理したことが幾度かありましたわね)
熊野(なら、提督はそのお礼として何かをあげるはずですわ)
熊野(…提督はビスマルクさんにどのようなプレゼントを贈るつもりなのでしょうか)
熊野(私には髪留めを、ではビスマルクさんには…?)
熊野(…いえ、実際に比べても何の意味はありませんわ)
熊野(せっかくの提督のプレゼントですもの。こんなことを考えていたのではまたビスマルクさんから笑われてしまいますわ)
熊野(せっかくのクリスマスですもの)
熊野(今は駆逐艦たちにプレゼントを贈ることだけを専念致しましょう)
提督「さて、寮に到着したな。さっそくプレゼントを配っていくぞ」
提督「まずは赤城の部屋から侵入だ」ガチャ
赤城「zzz」
提督「…コイツよく寝てるなぁ」
提督「赤城って寝相悪いかと思ってたけど意外とまともな格好で寝てるんだな」
赤城「くっ…七面鳥の誇り…こんなとこで失う訳には…」ムニャムニャ
提督「でも何だよこの寝言。七面鳥ならさっきたらふく喰ってただろが」
提督「ったく、赤城は黙ってれば美人なんだから寝るときくらい自重してくれよ…」
提督「それはさておき、さっさとプレゼントを置いて去らなくては」
提督「…ん?机の上にサンタさんへのお手紙がある。赤城ってこんなん書くのか、可愛いな」
提督「欲しいものが書いてあるかもしれない。一応内容の確認を…」
『鎮守府の食糧全て』
提督「…」
提督「欲張りな悪い子には、ボーキ10kgで妥協してもらおう」
提督「次は長門の部屋か」
長門「…」zzz
提督「赤城とは違って寝言一つ言わないんだな」
提督「…それにしても、意外と部屋には何もない。長門とタンスと布団しかないぞここ」
提督「長門は真面目すぎなんだよなぁ。もう少し気楽にやってもいいような気がするのに」
提督「よし、そんな長門へのプレゼントは」
提督「リラックスできるように、海軍のマスコット・連装砲ちゃんぬいぐるみをプレゼントだ」
提督「この調子でどんどん配るぞ」
提督「…」
提督「一応熊野から許可を貰ってるとは言っても、やっぱり女の子の私室に入るのはなんか犯罪してる気分になる…」
提督「しかも事情を知らない奴にバレてしまったら…その時が超怖いな」
提督「まぁいいか。次は瑞鶴の部屋だ」
瑞鶴「ZZZ」
提督「お、またサンタへの手紙があるぞ。空母はサンタに手紙を書くような習性でもあるんだろうか」
提督「どれどれ内容は…」
『翔鶴姉』
提督「…」
提督「彼女は、きっと舞鶴か呉かどこかに配属されているから…」
提督「とりあえず寂しさを紛らわせるためのファービー人形をプレゼントだ」
提督「加賀には…アイス5個をプレゼント」
提督「伊勢には…そうだな、これを…」
提督「次は…えっと…」
〜〜〜
提督「ふーう、だいぶ配り終えたぞ!」
提督「プレゼントはあと一個か!つまり、次で最後ってことだ!」
提督「で、そのラストの艦娘は…」
提督「なるほどビスマルクの部屋か。まぁ今まで楽勝だったし、ここもサクッと行けるだろ」
提督「んじゃ、突撃しよっと」ガチャ
提督「オジャマシマ-ス」小声
提督「…ん?」
ビス「んっ?」
提督「!?」ビクッ
ビス「えっ…?あれ?貴方…」
提督「おっ…おい…馬鹿な…」
提督「嘘だろ…消灯時間はもう過ぎた筈だろ…」
提督「どうして起きてるんだ…お前…」
ビス「あ、貴方…まさか…?」
提督(まずいぞ。まさか俺の侵入を目撃されてしまうとは)
提督(夜の点検を怠った、俺のミスとしか言いようが無い!)
提督(さっきも言った通りビスマルクは結構強気な人間だ。つまり俺はこれから殺られてしまうのか…?)
提督(いや、とにかくまずは脱出をしなければっ!)
ビス「ねぇ」ガシッ
提督「ぎゃあ!?」
提督(やばい捕まった!これはまずい!)
提督(殺される!ビスマルクに殺されるっ!!)
提督(今のうち遺言を捧げるか…お願いだ、熊野、レーベよ…俺が死んだら、この鎮守府はお前たちが何とかしてくれ…)
提督(…)
提督(…って何もしてこないな。なんで)
ビス「貴方、サンタさんよね…?」
提督「へ?」
ビス「外は寒いでしょ…ちょっと、私と話に付き合っていきなさいよ…」
提督「!?」
提督(これはまさか!)
提督(コイツ俺のこと、本物のサンタって思ってる!!)
ビス「入って」
提督「ぐわぁ!」
ビス「座って」
提督「わ、わかったわかった」
ビス「…」フゥ
提督(うおお!?今気づいたけどなんかここ酒臭い!なんだこの部屋!どうしたんだ?)
提督(…あっ!よく見たら部屋にビール缶が散乱してる!)
提督(さてはコイツ独りで晩酌してたな!)
提督(そういや何かさっきから機嫌悪そうにしてたし、きっとそうだ!)
ビス「…」
提督(全く、こんな夜遅くまで晩酌とはねぇ…)
提督(おそらくビスマルクはクリスマスパーティが終わるのが嫌だったんだろう。そしてまだクリスマスが終わったことを認めてないんだな)
提督(これこそ、ビスマルクが晩酌に走った理由に違いない)
提督(でも気持ちはわからんでも無いぞ。せっかくの一年に一度だけ来る平和の祭典だもんな)
提督(仕方ない、ここはちょっとだけビスマルクに付き合ってやろう)
ビス「…」
提督(果たしてビスマルクは俺…もといサンタに何をしてくるのか)
ビス「ごめんなさいね。サンタさんも忙しいのに引き止めちゃって」
ビス「まぁ、お詫びにこれでも飲みなさい」
提督(おおう、いきなりビール…しかも瓶ごと渡してきやがった)
提督(確かにビールは美味いし身体も温まるけど、一応プレゼント配り終わったらまた熊野と合流することになってるんだよなぁ…)
提督(酒なんて飲んでたらあの秘書は絶対に怒るよなぁ。俺も怒られるのは嫌だからな)
提督(ビスマルクには申し訳ないが、ここは酒無しで話をしてもらおう)
提督「あぁ、すまないが酒は勘弁してくれるか?」
ビス「あら?いらないの」
提督「これでも仕事中だから。酒は今は飲めないんだ」
ビス「確かにそうね。日本だったらお酒を飲んだままソリを運転したら、飲酒運転で捕まっちゃうもんね」
提督(飲酒運転て…警察に飲酒運転で捕まるサンタとか見たくねーぞ)
提督(だいたい実際にソリを運転するのはサンタじゃなくてトナカイだろうが)
ビス「…」ゴキュゴキュ
提督(しかしコイツよく飲むなぁ。クリスマスが終わるだけでどんだけ不機嫌なんだよ)
提督(そこまでいじけなくてもいいと思うんだけどねぇ。以外と子供っぽいんだなビスマルクって)
提督(俺も無理矢理飲まされる前に早くここから出れるといいんだが…)
このSSまとめへのコメント
提督はもっとビスとイチャイチャしてもいいと思います!
ととすけキモい
更新遅すぎんよ
わたっしまーつーわー♪
1月まで動けないということになり、勝手ながら無断で落としました
本スレで前触れなく終了したこと、申し訳ありません