日常のSS Part2 (31)
あらゐけいいち先生作のマンガ、『日常』のSSを投稿していくスレです。
基本的に>>1の練習帳みたいな感じで進めようかと思っているのですが、もちろんみなさんの作品・ネタも大募集です。
というか明らかに書き手さんが少ないのでマジで大募集。
よろしければ他の日常関連スレから人引っ張ってきたりもお願いします。
文章の形式は何でもありで、VIPおなじみの台本形式からちゃんとした形式まで、幅広くやっていくつもりです。
クロスや安価でも、ギャグでもシリアスでも人物崩壊でもなんでも来いや!
前スレ 日常のSS
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1358297916
前スレの最後の書き込みから一ヶ月経ってないはずですが、なぜか落ちちゃったので立て直しました。
なぜだ……
さっそくですが、短いお話を一つ。
語り手はなので、本当に短いです。
「うわぁ〜、すごい!」
私、東雲なのが朝起きて外を見てみると、そこは一面の銀世界でした。
「阪本さん阪本さん、雪ですよ雪!」
「はしゃぎすぎだぞ娘。というか寒いの苦手なんだよ俺は」
「でも雪ですよ、雪!」
「人の話聞けよ!」
私はロボットですが、雪の真っ白な輝きで目がまぶしいし、雪の凍るような冷たさで手がかじかんだりもします。
それがなんだかとても嬉しくて、朝ご飯の支度を済ませたらすぐお庭に飛び出しました。
「ん〜、なのぉ〜」
「あ、はかせ! おはようございます」
「おはよぉ」
すると程なく、パジャマ姿のはかせが出てきました。
寝ぼけまなこをこすりながらの登場でしたが、辺り一面に雪が積もっていることに気づくとすぐに顔を輝かせ、
「わぁー、雪だ!」
「雪ですよ、はかせ!」
「雪だ雪だー!」
「雪なんです、はかせ!」
「朝から騒がしいなオイ」
寒いと文句を言いながらも、阪本さんも外に出てきました。
「はい! 雪合戦やりたいです!」
「やりましょう!」
「ま、ガキどもの遊びに付き合ってやるのもいいか」
はかせの提案で、雪合戦をやることに。
「おい娘、雪玉作ってくれ」
「はいはーい」
私はさっそく庭に積もった雪をすくい上げ、手でこねながら丸い玉を作りました。
それを阪本さんの目の前に置くと、阪本さんは「ご苦労、娘」と言いながらツン、と雪玉をつつきます。
「ったく、この俺が雪合戦だなんてガキの遊びをすることになるとは」
ツン。
「しかもめちゃくちゃ寒いじゃねえか」
ツン。
「ネコはコタツで丸くなるべきだっての」
ツン。
「…………」
ツン。
ツンツンツンツンツンツンツン。
「(やっべえ、めっちゃ楽しい!)」
すっかりまん丸雪玉の虜になってしまった阪本さんをニコニコ眺めていると、突然横から、
「ぶっ!」
雪玉が飛んできました。
見事に阪本さんの顔面に直撃し、雪まみれに。
「わーい、ヒットヒット!」
「てめえ何しやがるガキ!」
「ぷぷぷ、阪本白猫みたいなんだけど」
雪まみれの阪本さんは真っ白で、一瞬ですが本当に白猫みたいになってしまいました。
ちょっとかわいそうでしたが、それすらも楽しくて私達はしばらくはしゃぎ倒しました。
「ねぇねぇなの!」
「なんですか、はかせ?」
「また来年も、雪合戦しよう!」
また来年も、たくさん雪が積もりますように。
そう願わずにはいられない、はかせの笑顔でした。
「はい、やりましょう!」
おわり
以上です。
僕は雪に慣れていないクソ都民ですが、群馬もこんな感じなんでしょうか。
昨日出勤時に危うく滑りそうになりましたが、みなさんもお気をつけて。
それではまた。
前スレですが私のミスでHTML化をしてしまいました。
前スレ>>163でそのスレが完結したと勘違いしてしまったのが理由です。
ご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びします。申し訳ありませんでした。
>>8
掲示板管理者の方でしょうか?
いつもお世話になっております。
こちらこそ、紛らわしい書き方をしてすいませんでした。
(一応このスレは短編集というか、気が向いたら不定期に作品を投下していく形式です)
一度HTML化されたスレを元に戻していただくことなどは可能なのでしょうか?
もちろん無理なら構いません。
私はSS速報VIPにあるスレッドのHTML化(過去ログ化)を担当している者です。
回答ですが、申し訳ありませんが一度処理したスレッドを戻すことはありません。
こちらの不手際から起きたことですが、このスレッドで投下を続けていただきますようお願いします。
>>10
わかりました、無理言ってすいません。
これからもよろしくお願い致します。
完全に間に合わなかったァー!
なバレンタインデーSSを投下します。
みさとと笹原の話で、みさとがもし素直になったら……みたいなお話。
5レスほど。
「こっ、今年こそ……今年こそ……」
時定高校2年P組、立花みさとは廊下の隅で呼吸を落ち着けていた。
バレンタインデー。
お菓子会社の陰謀と言われようとなんだろうと、恋する乙女の背中を少しだけ押してくれる日。
みさともそんな恋する乙女の一人であり、2月14日という日付に乗じて想い人……笹原幸治郎との仲を深めたいと考えていた。
思えば、去年はさんざんだった。
前日にウェボシーとフェっちゃんにからかわれて、機関銃をぶっ放し。
チョコレートを作っているところをみほしにからかわれて、バズーカ砲を叩き込み。
挙げ句の果てには、チョコを渡すため笹原に話しかけている途中で恥ずかしさの余り、戦車で砲撃もしてしまった(当然教室は破壊された)。
しかし、今年こそは!
素直になって、絶対にチョコを無事渡すのだ。
「……よし!」
昨日頑張って作ったチョコを握りしめ、みさとは気合いを入れ直す。
笹原がいるであろう屋上へと向かっていった。
「ささは————」
見慣れた背中を見つけ声をかけようとした瞬間、もう一人の人影に気づいた。
青い髪の毛で、リボンは赤色……1年生の女の子だった(どこかで見たことがあるような気もする)。
「(ま、まさか)」
バレンタインデーで人気のないところに男と女。
女の子は妙にもじもじしている。
これは、間違いない。
「(先を越された……!)」
遠目ではっきりとは見えないものの、女の子は小さくてかわいらしい子だった。
笹原のことが好きなのだろう、顔を真っ赤にしながらこれまたかわいらしいラッピングの袋を差し出している。
学校では変人として名高い笹原ではあるが、客観的に見てとりあえずルックスは良い方だ。
笹原のことを好きという物好きもいくらかいるだろう。
そして、変人の笹原とはいえ、かわいい女の子にチョコレートをもらって悪い気がするはずはない。
しばらくの間笹原と会話をしていた女の子は、頭をぺこりと下げて、みさとが入ってきた方とは別の、もう一つの出入り口へ走っていった。
「やったじゃんみおちゃん! 渡せたじゃん!」
「ちょっゆっこ声がでかいよ!」
「でもおめでとうございます、長野原さん!」
「『ホワイトデーのお返しは弥勒菩薩像でお願いします』っていうメッセージカードを仕込んでおいて良かった」
「なにしてくれちゃってんの!?」
「冗談」
「心臓に悪いよ!」
近くで様子を見守っていたであろう友達との会話も聞こえてくる。
祝福(?)されているようだ。
一人になった笹原に向かって、声をかけた。
持ってきたチョコレートは後ろ手に隠しながら。
「さ、笹原」
「立花みさとではないか」
こちらに気づいた笹原が振り返る。
先ほどの場面を見て動揺していることや、この後の自分の行動に対する緊張を、なんとか隠しながらみさとが言う。
「ずいぶん可愛い子だったじゃない」
「こんな物をもらった。ありがたいことだ」
穏やかな微笑みで、手の中にある袋を見下ろす。
やはり、悪い気はしていないようだ。
しかし、こんなことで怖じ気づいているわけにはいかない。
「こっ、告白とかされたわけ?」
「いや、これをもらっただけだ。いつもお世話になっているから、と」
「お世話? どこで?」
「…………いや、わからん」
なんだそりゃ、とズッこけそうになったが、とりあえずは良かった。
告白はされていない。
あの様子を見る限り、明らかに女の子は笹原に好意を抱いているので安心はできないが。
「して、みさとはこんなところでどうしたのだ?」
「(ま、また『みさと』って……)」
おそらく笹原にとっては些細なことなのだろうが、下の名前だけを呼ばれ、いよいよ鼓動がうるさくなる。
体中が熱い。
しかし、今年こそは渡すのだ。
「その……ちょ、チョコレートこさえたんだけど……いる?」
以前までなら、『あんたのコトなんて全然好きじゃないんだけど』とか、
『勘違いしないでよ、世界の恵まれない子達のために作ったお菓子が偶然余っちゃっただけなんだから』などと余計な一言を付け加えていたに違いない。
しかし、今回は。
ただただチョコレートを渡したい。
それだけの気持ちを伝えた。
「ほう、みさとも私にくれるのか」
「う、うん。笹原の好きな筋子入れてみたんだけど……」
「開けてみてもいいか?」
「どっどうぞ」
小さな箱を笹原が開けると、そこには。
「あっ…………」
「ふむ」
昨日きれいに形を整えたチョコレートは跡形もなく。
ドロドロに溶けてしまったチョコレートが入っていた。
チョコレートに埋め込んだ、赤い筋子が顔を覗かせている。
やってしまった。
ずっと緊張しながら握りしめていたせいで、自分の熱ですっかり溶けてしまったのだ。
泣き出しそうになるのをぐっとこらえ、みさとはへらへら笑いながら言った。
「ご、ごめん。なんかドロドロになっちゃって————」
そこでみさとの言葉が切れる。
笹原が、溶けたチョコレートを指ですくってペロリ、と舐めたのだ。
「笹原……」
「ふむ」
やがて笹原はゆっくりとうなずいて、みさとに笑顔を見せた。
「美味であったぞ。ありがとう」
「ど、どういたしまして」
「残りは後でゆっくりいただくとしよう」
大事そうに箱をしまう笹原を見て、みさとはまた泣き出してしまいそうになるのをこらえるほかなかった。
今は、この気持ちを噛みしめるので精一杯だけど。
なんとか、卒業までに自分の想いを伝えよう。
そう心に誓ったみさとであった。
〜 Happy Valentine's Day! 〜
「よ、良かったらまたこさえてあげよっか? チョコ」
「それはありがたい。だが、チョコレートに筋子は入れなくてよいかもしれぬな」
「そう?」
「高価だったであろう?」
「(し、心配してくれたのか。笹原優しい!)」
以上になります。
8巻のみさとの、「クッキーこさえた」っていう言い回しでなぜかじわじわ来たのは自分だけじゃないはず
4月からまたより忙しくなりそう
書き手いつでも募集中!
もう6月か……
最後の書き込みが2ヶ月以上前ですが、一応生存はしています。
(むしろリアルが生き生きしすぎてネットの世界を満喫する時間がないくらい)
こんな状態でも引き続き書き手募集中!
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