冒険者「最近発見されたダンジョン」
冒険者「その内部は広大で価値ある物がたくさん眠っているらしい」
冒険者「しかし、巣食っているモンスターも中々手強く、そう簡単に踏破出来ないそうだ」
冒険者「一攫千金を求めて来る者、力試しで来る者、ダンジョンにしか無いものを探しに来る者など」
冒険者「様々な冒険者がダンジョンを訪れ、挑戦している」
冒険者「かく言う俺も、ダンジョンに挑戦する為に冒険者の集う街にやって来たのだ」
冒険者「さて、ダンジョンに挑戦するにはギルドで情報を登録する必要があるわけだが」
冒険者「えっと、職業を書く欄もあるのか」
冒険者「俺の職業は……」
主人公の職業>>↓1
錬金術師「俺の職業は錬金術師だ」
錬金術師「材料から有用なアイテムを生成したり」
錬金術師「敵を解析して弱点を見抜いたり、弱体化させたり出来る」
錬金術師「さらに、元素を結合、分解することで魔法使いみたいに属性攻撃が出来たりもする」
錬金術師「火力は劣るけどね」
錬金術師「まあ、一応攻撃も出来る支援職、て感じかな」
錬金術師「そんな訳だから前線に立つのは辛いものがある」
錬金術師「そうだな、ダンジョンに挑む前に仲間でも集めた方がいいかな?」
錬金術師「仲間集めは……あっちの部屋で出来るのか」
錬金術師「ふーむ」
錬金術師「色んな人がいるよなあ」
錬金術師「欲しいとすれば、前線に立つ職か回復が出来る職かな」
錬金術師「誰がいいかな?」
仲間にしたい人の職業>>↓1
錬金術師「ちょっといいかな?」
賢者「あ、勧誘ですか?」
錬金術師「うん、と言ってもまだダンジョンに潜ってないんだけどね」
賢者「大丈夫ですよ、私もまだですから」
賢者「一人では心許ないので誰かが誘ってくれるのを待っていたのです」
錬金術師「リストによると、賢者ってことでいいんだよな?」
賢者「そうですね」
賢者「回復魔法から攻撃魔法まで、幅広い魔法を使えますよ」
錬金術師「ふむ」
錬金術師「俺が敵を解析、弱体化させて」
錬金術師「賢者が攻撃魔法で弱点を突けばかなり戦えそうだな」
賢者「あなたは錬金術師の方ですか?」
錬金術師「うん」
賢者「そうですか、中々相性が良いかもしれませんね」
錬金術師「まあ、どっちも後衛職だから防御が不安だが、回復魔法があるから大丈夫かな」
錬金術師「そうだな、ずっとここにいるのもあれだし、一度ダンジョンに潜ってみるか」
賢者「そうですね」
役員「ああ、君達」
錬金術師「ん?」
役員「ダンジョンに行くのは初めてかな?」
賢者「そうですね」
役員「初めての人は最初にミッションを受けないといけないんだ」
役員「まあ試験みたいなものだね、それをクリアすることでダンジョンに挑戦する実力があるかどうかを見てるんだ」
錬金術師「そうなのか」
役員「ミッションの内容なんだけど」
役員「街の外れにダンジョンとは別にちょっとした洞窟がある」
役員「手頃なモンスターが出てくるから駆け出し冒険者の格好の修行場になってるよ」
役員「それで、その洞窟の奥地で取れる鉱石を持ち帰ってきて欲しいんだ」
役員「この鉱石は武具だけでなく、日常品にも幅広く使われる重要な資源なんだ」
役員「で、ミッションをやるよね?」
錬金術師「クリアしないとダンジョンに潜れないんなら、やるしかないよな」
役員「了解、受領したよ」
役員「取った鉱石はここに持ってきてくれればいいからね」
役員「あ、ツルハシの貸出を行ってるんだけど、持っていくかい?」
賢者「じゃあ人数分借りましょうか」
役員「はい、どうぞ」
役員「じゃあ検討を祈るよ」
錬金術師「よし、ちゃっちゃと済ませるか」
賢者「そうですね」
はずれの洞窟
錬金術師「洞窟のわりには明るい方だな」
賢者「所々光が差しているみたいですね」
錬金術師「しばらくは一本道みたいだし、進んでみるか」
………
魔物「キィ!」
賢者「氷結魔法!」キィン
魔物「ガギ!?」バタ
賢者「この程度なら余裕ですね」
錬金術師「やるなあ」
軟体魔物「ブニョ」
賢者「む、あの魔物は……」
錬金術師「どうした?」
賢者「あいつは物理攻撃には滅法弱いのですが、魔法にはかなりの耐性があるのです」
賢者「このまま戦うと骨が折れますね……」
錬金術師「そんな時の俺だよ」
錬金術師「解析・魔耐減衰!」キィン
軟体魔物「ブビ……?」
錬金術師「これで他の魔物みたいに魔法も通るようになったはずだ」
賢者「火炎魔法!」ボォッ
軟体魔物「ブニャア!?」
賢者「本当だ、錬金術師とはすごいのですね」
………
錬金術師「ん? この気配……」
賢者「気付きましたか」
錬金術師「何かいるな……」
巨大魔物「グルルル……」
賢者「……今の私達では厳しい相手ですね」
錬金術師「手頃なモンスターが出るって聞いたんだが」
賢者「強力なモンスターが出ないとは言ってませんでしたね」
錬金術師「……まだ気付かれていないみたいだが、どうしたもんかな」
どうする?>>↓1
手懐ける
>>18「そうだな、ここは手懐けた方がいいな!」
錬金術師「ん? 俺達の他にも冒険者がいたのか」
賢者「彼もミッションを受けたのでしょうか」
>>18「そーっと近付いて」
巨大魔物「!」
>>18「ほーら、魔物の生肉だよー、美味しいはずだよー」
巨大魔物「グアオゥ!」バクッ
>>18「え
賢者「……冒険者には誰彼構わず襲いかかるみたいですね」
錬金術師「手懐けるのは不可能、てわけか」
賢者「まあ魔物ですしね」
巨大魔物「」クチャクチャ
錬金術師「……食事している隙に抜けてしまおうか」
賢者「そうですね、食べるのに夢中になっている今なら気付かれずに先に進めそうですね」
………
錬金術師「よし、無事に抜けたな」
賢者「結構奥まで来ましたね、そろそろ奥地だといいのですが」
錬金術師「お、ここはもしや」
賢者「採掘所みたいですね」
錬金術師「ふう、これが言われてた鉱石でいいんだよな?」
賢者「そうだと思います」
錬金術師「早速掘り出して持ち帰るとするかな」
………
錬金術師「ぬあー、疲れた」
賢者「掘り過ぎた気もしますが、まあいいでしょう」
錬金術師「ところで帰りはどうすんだ? またあの魔物がいる場所を通るわけにもいかないだろ」
賢者「あ、こっちに抜け道がありま、ひゃあ!?」ズルッ
錬金術師「抜け道ってか穴じゃねえか! 大丈夫かー?」
賢者「いたた……尻餅ついたけど大丈夫ですー……あら?」
賢者「ここ、どうやら入り口に近い場所のようですよ」
錬金術師「何、そうなのか」
錬金術師「よっと」スタ
錬金術師「本当だ、最初あたりに来た場所だ」
賢者「でもここから採掘所には行けないみたいですね」
錬金術師「一方通行なわけか」
錬金術師「まあ、あの魔物とまた遭わずに戻れたのは幸いだったな」
賢者「じゃあ街に戻りますか」
役員「うん、確かに鉱石は受け取ったよ」
役員「ミッションクリアおめでとう」
役員「これで晴れてダンジョンに挑戦出来るようになったわけだよ」
錬金術師「なあ、あの洞窟、無茶苦茶強そうなモンスターがいたんだが」
役員「ああ、それはね」
役員「ただがむしゃらに突っ込むだけでは冒険者は務まらない」
役員「そういう意味でも最適な洞窟だっただろ?」
錬金術師「……」
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