照「…バカじゃない。これは古来より伝わりし伝統あるプレゼント…って匿名希望の高校100年生が言ってた」

菫（淡ェ）

照「だから菫に私をプレゼント！ 受け取ってくれる？」

菫「お前、それがどういう意味だか分かってるのか？」

照「？」キョトン

菫（ダメだ、こいつ。絶対わかってない）

照「どうしたの、菫？ もしかして私のプレゼント気に入らない？」

菫「いいか、照。こういうことはだな、好きな人に」

照「私、菫のこと好きだけど」

菫「そういう好きじゃなくてだな」

照「菫は私のこと嫌い？」

菫「それは…普通に好きだけど、違うんだよ。そういう好きじゃなくて恋愛感情的な意味で」

照「えっ、菫も恋愛的な意味で好きなの？」

菫「違っ！ …って菫『も』？」

照「あっ」

菫「…」

照「菫、今のは忘れてほしい」

菫「無理」

照「……////」ｶｧｱｱ

菫（うわっ、一気に顔が赤くなって…普段無表情なだけにこいつのこういう反応は新鮮だな）

照「お願い、菫。今のは忘れて」

菫（それに裸リボンのせいで肌の赤みが際立ってなんか凄くエロい）ｺﾞｸﾘ

菫「って何を考えてるんだ、私！」

照「！？」ﾋﾞｸｯ

菫「あ、悪い。いきなり大声出して驚かせたか」

照「べ、別に驚いてない。そ、そそそれより菫！ 話を元に戻すけど」

菫「あ、ああ、そうだな」

照「菫の誕生日のプレゼントは私！」

菫「…本当にいいのか？」

照「へ？」

菫「だから本当に貰っていいのか？」

照「いい。私のことを貰って」

菫「…」

照「…？ どうしたの、菫」

菫「いや、可愛いなと思って」

照「か、かわっ…//// …くしゅん！」

菫「あ、大丈夫か？ まったくそんな格好してるから」

照「…なんか冷えてきた」ぶるぶる

菫「…そうだな。というかお前、制服はどうした？ 流石にその格好で学校まで来たんじゃないよな」

照「えーと、私の制服は淡が持って帰っちゃった」

菫「…帰りはどうするんだよ」

照「なんとかなる」

菫「ならんだろ」

菫「ジャージは？」

照「淡に持っていかれた」

菫（抜け目のないやつだな、淡）

菫「仕方ない。私のジャージを貸してやるからそれ着て帰るぞ」

照「わかった」

ーーーーーーーーーーー

照「…着てみたけど大きい。だぼだぼ」

菫「まぁ、そうだろうな。サイズが違う」

照「……」

菫「照？」

照（菫のジャージ…）くんくん

菫「お、おい。なに嗅いでるんだよ！ も、もしかして臭いか？」

照「…いい匂い。菫の匂い…好き。なんか落ち着く。それに凄いクセになる」ほけー

菫「そ、そうか。それは良かった…」

照「あ、そうだ。菫、淡から手紙を預かってるよ」

菫「淡から…？」

菫「どれどれ…」ペラッ


菫先輩へ
菫先輩がこの手紙を読んでる頃には私は多分もう部室にはいません。
今頃、お家で菫先輩がジャージ姿のテルを前にアタフタする姿を想像して笑い転げていると思います。ぷふっ、あ、ごめんね。既に限界かも（笑）
それはそうと遅くなりましたが、菫先輩お誕生日おめでとうございます
どうです、菫先輩。私からの誕生日プレゼントは喜んでいただけました？（笑）
まぁ、お膳立てはしておいたんで後は頑張ってください
まさかここまできてヘタレ発動したりはしませんよね
それじゃー菫先輩。応援してますよ（笑）
by.高校100年生の大星淡より

菫「…」ぐしゃ

菫（お、覚えてろよ、淡）

照「ね、菫。淡、なんだって？」

菫「ああ、祝いの言葉が書いてあっただけだ」

照「それだけ？ なんかその手紙を書いてるときの淡すごく楽しそうだったけど、お祝いの言葉を受ける菫を想像してたのかな」

菫（それは間違いではないな。ただ、からかって喜んでるだけのように思えるが）

菫「それより照、帰るぞ」

照「ん、分かった」ギュッ

菫「！？ ど、どうした？」

照「ごめん、ちょっと手を繋ぎたくなっただけ…ダメだった？」

菫「ダメじゃないが…なんかこういうの照れる」

照「照だけに？」

菫「全然うまくないぞ」

照「…菫」

菫「なんだ？」

照「お誕生日おめでとう」

菫「ああ、ありがとう」

照「これからもよろしくね」

菫「そうだな。末永くよろしく頼む」

カン！