モバP「パラノーマル」 (44)
―事務所・トライアドプリムスのミーティング―
奈緒「加蓮遅いな。どうしたんだろ?」
凛「さっき事務所の外で声がした気がしたんだけど…… あ、来たかな?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398077285
神谷奈緒(17)
http://i.imgur.com/EXdPsse.jpg
渋谷凛(15)
http://i.imgur.com/tpHnQDR.jpg
ガチャ
加蓮「ごめん遅くなった。Pさんまだ来てないの?」スタスタ
奈緒「まだだけど…… って、んん!? 」
凛「加蓮…… 両肩に小さい手が乗ってるんだけど……」ジー…
加蓮「ああこれ?これはね」クルッ ←振り返り
まゆ「ううぅ……」ピッタリ
奈緒「なんで背中にまゆがくっついてるんだよ!? 」ギョッ!!
加蓮「事務所の入口で憑かれちゃった。離してくれないの」
まゆ「つ、憑かれた!? 誰がですか!? どこにですかぁ!? 」ビクッ!!
凛「いや、まゆが加蓮にくっついてるんだよ。とりあえず落ち着いて」
北条加蓮(16)
http://i.imgur.com/VzYanrd.jpg
佐久間まゆ(16)
http://i.imgur.com/xwFWugs.jpg
―――
まゆ「今日は朝から第五弾のCDメンバーで集まって、お仕事があったんです……」
奈緒「ええと…… まゆの他は確か、智絵里と小梅と藍子とアーニャだっけ?」
まゆ「はい…… それで小梅ちゃんが少し機嫌が悪かったんですよ。お仕事はちゃんと
してくれたんですけど、後で気になったPさんが小梅ちゃんに聞いたんですね。
そしたら……」
~回想~
小梅『あの子と…、ケンカしたの。今日は、いないの…』ムスッ
~~~
まゆ「……って言ったんです」
凛「まゆってあの子を怖がってたよね。いないならいいんじゃないの?」
まゆ「まゆもその時はそう思ったんですけど……」
~再び回想~
小梅『あの子…、怒ってすねちゃった。今日は事務所から、出ないって……』シュン…
~~~
まゆ「小梅ちゃんとケンカして怒ったあの子が、ここにいるんですぅ……!」ガタガタ…
奈緒(怒ってるって何だよ!? まさか祟ったりしねえよな!? )ゾクゾクゾクッ!!
凛(悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散……)ブツブツ…
白坂小梅(13)
http://i.imgur.com/nmhToK3.jpg
カタン
まゆ・奈緒・凛「「「ひいいいぃぃぃっっっ!? 」」」ガタタッ!!
加蓮「ホウキが倒れただけだよ。大げさだねみんな」
奈緒「か、加蓮は怖くないのかよ……?」
加蓮「何が?あの子って前から小梅に憑いてたじゃん。今更でしょ」
まゆ「で、でもそれは小梅ちゃんが制御してたからで、あの子が小梅ちゃんと離れたら
どんなポルターガイストを起こすか……」
加蓮「小梅は幽霊が見えるだけの子で、エクソシストとかイタコとかじゃないでしょ?
いてもいなくても変わらないって」
奈緒・まゆ((なんでそんなに冷静なの……?))
凛「ねえ、場所代えない?ここにいるの怖いんだけど……」ブルブル
奈緒「そ、そうだよな!あたし達だけでミーティングして、明日Pさんに報告しても
いいよな!今日はスケジュール合わせだけだし!」アタフタ
加蓮「う~ん、アタシ明日事務所に来れるかどうかわからないんだよね。トライアドの
ミーティングはそれでいいとして、ソロの方の活動でちょっとPさんに確認して
おきたい事があるから今日会っときたいんだけどな」ポリポリ
奈緒・凛((なんでこんな時に限ってマジメなの……?))
加蓮「いいよ別に。トライアドのミーティングはスケジュール確認でしょ?アタシの
手帳コピーしたやつ渡しとくから、二人で合わせといてよ」サッ
奈緒「お、おう、準備いいな……」パシッ
加蓮「奈緒も何枚か準備しといた方がいいよ。ソロ活動も入って来て、これから何が
起こるかわからないからね。このトラブルは予想外だったけど」クス
凛「ごめん、じゃあ変更があったらメール送るから。加蓮のスケジュール優先で私と
奈緒のも合わせとくね……」スクッ
加蓮「ん、よろしくね。それじゃまた明日」ヒラヒラ
スタスタスタ…… バタン <ギャー!! バタバタバタ!!
加蓮「まゆも今日は帰ったら?いつもみたいにPさん待ってるだけでしょ?」
まゆ「そういうわけにはいきません…… 朝はバタバタしていてPさんとあまりお話が
出来ませんでしたし、無愛想な女だって思われたくありません……」ブルブル
加蓮「朝会ったならいいじゃん。ここで帰らないのが凛とまゆの差なのかな」クス
***
加蓮「いい加減に離れてよ。背中暑いんだけど」ジロリ
まゆ「じゃ、じゃあせめて隣にいさせてもらってもいいですかぁ……?」ウルウル
加蓮「そんな目で見ないでよ…… わかったから好きにすれば?」ハア
まゆ「どうして加蓮さんはそんなに冷静なんですかぁ?怖くないんですかぁ……?」
加蓮「う~ん、明るいうちから幽霊とか言われてもあんまりピンと来なくてさ。それに
小梅の友達だし、見えなくても知らない仲じゃないでしょ」
まゆ「それはそうですけどぉ……」
加蓮「アタシも幽霊が怖いってワケじゃないよ?夜中に病院の廊下を無人の車椅子が
転がってるのを見た時は腰抜かしたし、隣の電動ベッドが誰も触ってないのに
勝手にリクライニングした時はナースコール押しまくったしね」サラリ
まゆ「」
加蓮「朝起きた時に、病院の窓一面に泥だらけの手形がついてた時もあったっけ。あれ?
あれは近所の悪ガキのイタズラだったかな?入院しすぎてこういう体験が多いから
マヒしちゃったのかも…… って、聞いてるまゆ?」ツンツン
まゆ「」 ←気絶
加蓮「まゆは想像力豊かだね。自分が見たわけでもないのにそこまで怖がれるなんて、
女の子らしくて可愛いと思うよ」フフッ
―――
まゆ「う~ん…… う~ん……」←膝枕
加蓮「早く起きてくれないかな。そろそろ膝が痛いんだけど」ナデナデ
加蓮「ん?誰か来たかな?」
ダダダダダ…
裕子「エスパーユッコ、さいきっく参上です!」バーン!!
加蓮「おはよ裕子。どしたの?」
裕子「ちょっと来週のスケジュールでPさんに聞きたい事がありまして。加蓮ちゃんと
まゆちゃんもですか?」
加蓮「そんなとこ。まゆは違うけどね」
まゆ「たすけてぇ~Pさぁ~ん…… あの子がぁ~……」ウ~ン
裕子「ああ、さっき事務所の入口であの子を見ましたよ。まゆちゃんが怖がるからって
あの子は気を遣って外に出たのに、ムダだったみたいですね」マジマジ
加蓮「そうなの。まゆ何もされてないのに1人で怖がっちゃってさ、おかしいよね」フフッ
加蓮「…………………………………………ん?」ピクッ
裕子「さいきっく怖いの怖いのとんでけ~!もう大丈夫ですよまゆちゃ~ん?」オ~イ
加蓮「ねえ裕子、ちょっと聞きたいんだけどさ……」
裕子「なんですか?」
加蓮「アンタって幽霊とか見える人なの……?」
裕子「はい!それはもうばっちりフルカラーで!」ニコッ
加蓮「へ、へえ、フルカラーなんだ……」
裕子「幽霊くらい見えないとサイキックなんて信じられませんよ!エスパーユッコは
物理科学や自然現象を超越したアイドルですから!」エッヘン!!
加蓮(なんだろう、この釈然としないけどものすごい説得力は……)
堀裕子(16)
http://i.imgur.com/qnAU8CZ.jpg
***
加蓮「一般的な質問だけどさ、裕子は幽霊とか怖くないの?」
裕子「どっちかといえば、幽霊さんに怖がられますね。あの子に聞いたんですけど、
私にとり憑くとすごく疲れるそうですよ。たまに街であの子みたいな幽霊を
見かけますけど、私を見るとみんな逃げて行っちゃいます」
加蓮「え、すごくないそれ?」
裕子「何がいけないんでしょうね?私は幽霊さん達にサイキックトレーニングの方法を
聞いてるだけなのに『そんなの知るか!』っていつも逃げられちゃうんですよ。
あの子にも聞いた事があるんですけど泣かれちゃいました」ポリポリ
加蓮「幽霊でもアンタの相手はしんどいんだね。恐るべしエスパーユッコ……」
裕子「いやぁ~それほどでも~♪」アハハ
加蓮「誉めてないから。ただでさえ未練があって成仏できない気の毒な人達なんだから
そっとしといてあげなよ」
裕子「別にいじめてるつもりはないのですが…… でもそうですね!私もCDデビュー
しますし、これからは幽霊さんにも応援されるエスパーアイドルを目指します!
さいきっく決意表明!」ビシッ!!
加蓮「サイリウムとか宙に浮いてたらイヤなんだけど……」
裕子「その時はテレキネシス(念動力)ってことにしますから!みんなでステージに
立てる日が楽しみですね!」ニコッ
加蓮「裕子は色々と超越してるんだね。なんだか本物のエスパーに見えて来たよ」フフッ
裕子「むむっ!? その言い方だと加蓮ちゃんは今まで私を信じてなかったみたいですね!
小梅ちゃんのことは信じてるくせに不公平です!」プンプン
加蓮「だったらスプーンの1本くらい曲げてみてよ。知恵の輪でもいいけどさ」
裕子「そ、それは練習中ですから!デビューまでには必ず!」アセアセ
加蓮「まぁ、いいんじゃない?裕子のサイキックっていうのはスプーン曲げとかより
もっとスゴイんだよ多分。見ていて面白いしね」フフッ
***
P「すまん遅くなった!」バタバタ
まゆ「Pさん!? 」ガバッ!!
加蓮「あ、起きた」
裕子「さすがまゆちゃんですね」
加蓮「もう、遅いよPさん。何やってたの?」ジロ
P「悪いな、小梅にあの子と仲直りするように説得してたんだよ。さっき事務所の外に
あの子がいたみたいで、小梅と一緒に帰ったよ」ヤレヤレ
まゆ「そうなんですよぉPさぁ~ん、もうまゆ怖くて怖くて……」スリスリ
P「よ~しよし、もう大丈夫だぞ~」ナデナデ
まゆ「うふふ……♪」キュ~ンキュ~ン
加蓮(犬みたい)
裕子「まゆちゃんってプロデューサーの犬みたいですね!」ケラケラ
まゆ「……なんですって ?」カチン
加蓮「裕子、そこは思ってても言っちゃいけないから」
まゆ「加蓮さんも思ってたんですかぁ……?」ゴゴゴゴゴ…
P「ははは、あまり見ない組み合わせだけど仲が良いんだな」
加蓮「どうなんだろうね。妙にかみ合ってる気もするけど」
裕子「そうだ柴漬けだ!まゆちゃんって柴漬けに似てるんですよ!」ポン
まゆ「それを言うなら柴犬でしょう?動物ですらないじゃないですかぁ」ビキビキ…
ワイワイ キャイキャイ
加蓮「ところでPさん、ちょっと聞きたいんだけどさ」
P「ん?なんだ?」
加蓮「Pさんって小梅の友達とか見える人だったりするの?」
P「いや、見えないぞ?小梅がいるって言うならいるんだろうなとは思うけど」
加蓮「案外いい加減なんだね。そんなんで小梅のプロデュース出来るの?」ジロリ
P「小梅の信頼は得られていると思うぞ。アイドルを信じられないでプロデューサーが
務まるかってんだ。俺は幽霊は信じないけど小梅は信じてるからな!」ニコッ
加蓮「じゃあ裕子もそのうちサイキックでスプーン曲げられると思う?アタシには
とてもそうは思えないけど」
P「本人があれだけ頑張ってるんだし、そのうち曲げられるようになるんじゃないか?
でも裕子はスプーンを曲げられなくてもアイドルとして充分魅力的だけどな」
裕子「まゆちゃんが柴漬けで加蓮ちゃんがカレーで、私がスプーンで一皿出来ますね!
プロデューサー!ユニット化をお願いします!」
まゆ「どうしてまゆが柴漬けなんですかぁ!だから柴犬ですって!」グワッ!!
加蓮「アンタ犬でいいの?それ以前にカレーって福神漬けじゃなかったっけ?」
裕子「加蓮ちゃんはカレーでいいですよね?ちょっと辛口で!」
加蓮「え?嫌」
裕子「そんな!? 」ガーン!!
P「いいじゃないかそのユニット。加蓮が辛口ってのがシャレが利いてるな」フフッ
加蓮「やめてよね。アタシはまゆや裕子と違って正統派なんだから」ムスッ
まゆ「まゆも正統派アイドルですぅ!でもPさんが望むなら柴漬けアイドルでも……
いやダメ!やっぱり柴漬けはダメぇ~!」ブンブン!!
裕子「私はサイキックアイドルですからエスパーな路線でお願いします!将来的には
ステージでプリンセステ○コーみたいな脱出マジックがしたいです!」
P「おう、任せとけ!正統派アイドルでもエスパーアイドルでもどんとこい!俺から
見ればお前達アイドルって存在そのものが超常現象みたいなもんだし、お前達に
不可能はないさ。ばっちりプロデュースしてやるよ」
おわり
ここまで。タイトルは超常(Paranormal)です。スピリチュアリティ(霊的な)に
しようか迷いましたが、全部ひっくるめてパラノーマルらしいのでこっちで。ユッコは
あれだけマジメに超能力を信じてるし、何か根拠があると思うんだ。ユッコは見えても
怖がらない(確信)
作者の勝手な印象で加蓮=話し手・まゆ=聞き手・ユッコ=ムードメーカーみたいな
感じで進んでいますが、次書くならまゆが主軸でもいいかな。作者はいちゃラブ描写が
苦手なので苦戦しそうですけど。では
読むと何となく3人の関係がわかる前作
モバP「パズルリング」
>>16
加蓮「アタシも幽霊が怖いってワケじゃないよ?夜中に病院の廊下を無人の車椅子が
転がってるのを見た時は腰抜かしたし、隣の電動ベッドが誰も触ってないのに
勝手にリクライニングした時はナースコール押しまくったしね」サラリ
↓
加蓮「アタシも幽霊が怖くないってワケじゃないよ?夜中に病院の廊下を無人の車椅子が
転がってるのを見た時は腰抜かしたし、隣の電動ベッドが誰も触ってないのに
勝手にリクライニングした時はナースコール押しまくったしね」サラリ
このSSまとめへのコメント
裕子「私はサイキックアイドルですからエスパーな路線でお願いします!将来的には
ステージでプリンセステ○コーみたいな脱出マジックがしたいです!」
マジックかよ