津田「萩村と二人っきりで遭難した」 (69)
1
津田「もうすぐ夏休みかぁ……」
スズ「そうね~こうして見ると私たちの高校生活の半分は過ぎたってことなのよね……」
津田「萩村はどこか出かける予定はないの?」
スズ「私は今のところ何にも予定はないわよ」
津田「俺もなんだよな~海外のリゾートなんかで思いっきり遊んで見たいなぁ……昔からの夢でさ」
シノ「そうだな~私も一度でいいから海外のヌーディストビーチなるものに興味が………」
津田「俺の夢がぶち壊しだよ」
スズ「相変わらずね………まぁ気持ちは分からなくもないけど海外のリゾートなんてね……」
シノ「なんだ……萩村もヌーディストビーチに興味があったとは……しかし萩村の場合だと見た目の問題で入場制限が……」
スズ「そっちに興味はないから私は聞こえな~い」
アリア「………みんな海外のリゾートに行きたいの?」
津田「それは行けるなら……」
スズ「しかし海外になると流石に………」
アリア「それじゃみんなで行こうか♪」
シノ「いや……しかしだな……我々は学生で簡単に海外などには……」
アリア「実は七条グループの海外リゾートで日本人観光向けのデモストレーションバイト募集の応募があるの♪」
一同「…………マジで?」
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2
そんなこんなで海外リゾート
津田「いやぁ……本当に海外にこれるとは………」
シノ「持つべきものはアリアだな」
スズ「本当にありがとうございます」
アリア「ふふふっ……でもちゃんとバイトってことだからあんまりハメすぎちゃダメよ♪……特に津田君♪」
津田「七条先輩はセリフをちゃんとハズさないで言って下さい」
シノ「まぁせっかくなんだし思いっきり羽を伸ばして思いっきり楽しむぞ~」
アリア「でもちゃんと施設についての感想や改良点のレポートなんかも提出して貰うからね~」
スズ「海外リゾートにタダで来れるんですからそれ位全然お安い御用ですよ」
アリア「こっちこそ仕事の依頼で頼んでるから気にしないでいいのよ。スズちゃんは安く済む子で助かるよ~♪」
スズ「そのセリフは高く付くわよ」
津田、スズ(海外まで来て突っ込みさせないで………)
シノ「まぁ一旦、落ち着いたところで観光と行こうか」
津田「そうですね~これからどこに行きますか?」
シノ「そ、それなんだが私は一旦アリアと行きたいところがあるから、別行動を取りたいんだが……」
スズ「えっ??せっかくなんだしみんなで………」
アリア「シノちゃんは今から私と一緒にヌーディス………」
シノ「わぁぁぁ!私とアリアは今からエステに行くのだ!それでは夕方にホテルのロビーに集合で」ダッ
津田「ち、ちょっと……会長~!?」
3
津田「行っちゃった………」
スズ「そ、そうね………」
津田「まぁ、せっかくだし二人でいろいろ見て回ろうか」
スズ「う、うん……♪」
スズ(津田と二人っきりで観光できるなんて………)///
津田「それにしても萩村と二人でいれるなんて嬉しいな」
津田(突っ込みしないで済むからな)
スズ「なっ……///あんまり開放的になってるからって変なこと言わないでよ///」
津田「ご、ごめん……せっかくみんなと一緒だったのに萩村は二人っきりってイヤだったかな?」
スズ「そ、そんなつもりで言ったんじゃないわよっ!さっさと行くわよ」///
スズ(イヤなわけないじゃないバカっ)///
アリア「ところでシノちゃん。海外って下の毛も綺麗に剃ってるんだよ」
シノ「な、なにっ!?私としたことがしっかり残してきてしまった……」
アリア「それはそれで注目の的になるんじゃないかなぁ?」
シノ「や、やっぱり心の準備がぁぁぁ!」
4
津田「なんか聞こえたような……」
スズ「気にしたら負けよ……」
津田「まぁそれはそうとして、二人でどこに行こうか」
スズ「そうね~パンフレットで見たこのクルージングで海の生き物見学ツアーなんて面白そうよ」
津田「それにしよっか」
スズ「それじゃ行くわよ~」
観光客「ヘイッ!ボーイ!」
津田「えっ!?おれっ!?」
観光客「ペラペラペ~ラペペ~ラ」英語
津田「えっ!ええっと………」
スズ「ペラペラ~ペラペペラ」英語
観光客「ォオ!サンキュー」
スズ「なんか道を聞いてきてたのよ」
津田「めちゃくちゃ焦った……萩村と一緒にいて助かったよ……」
スズ「まったく……少しは勉強していれば分かるもんよ」
津田「うぅ……帰ったらしっかり勉強します……」
スズ「まぁその時は少しは教えてあげるわよ……」
クルージング受付
スズ『クルージングチケット2枚お願いします』英語
受付『ありがとうございます。大人チケット1枚と子供チケット1枚で30ドルでお願いします』
スズ『大人2枚で40ドルですよ』
受付『んっ!お嬢ちゃん背伸びしたいのはわかるけど大人のチケットは高いんだよ』
スズ『私は立派な大人だぁぁぁ!』
津田(英語が分からないけど今の会話は理解できてしまった………)
5
スズ「全く!日本人は若く見えるって言うけど失礼しちゃうわね!」
津田「まぁ子供料金で乗れるんだったらそれに便乗しちゃえば良かったんじゃ………」
スズ「そんな姑息なマネするわけないでしょ!私だって立派な大人なんだから!」
津田「萩村はそういうところしっかりしてるもんな……」
スズ「当然のことよ………」
津田「あっ!そろそろ船が出発する時刻だ」
スズ「乗る前に嫌なことあったけど楽しみね」
船内デッキ
案内人『本日は海の生き物見学ツアーへようこそ。本船は2時間かけてこの島々のことや近隣に生息する生き物を説明するツアーになっております』英語
津田「………萩村……何言ってるか分かる?」
スズ「………当然」
津田「そ、その~よろしければ通訳を………」
スズ「しょうがないわね~それじゃ私が通訳して説明して上げるから隣にいなさいよ」
津田「うん!改めて萩村と一緒で本当によかったよ」
スズ「そんなこと言っても何も出ないわよ……」///
津田「ははは……それじゃよろしく~」
スズ(隣にいてくれるのは嬉しいかも…)///
スズ「まずはこの島のことからの説明ね。私達がいた本島を中心にかなりの数の小さい島が点々とあるそうよ」
津田「それは俺もパンフレットでみたよ。すごい数の島があるんだよな」
スズ「そのほとんどはセレブ達のプライベートリゾートとして買い取られてる島のようでほとんどが侵入禁止になってるみたいなの」
津田「チェッ!そんなにあるなら一つ位分けてくれてもいいのに……」
スズ「バカなこと言ってんじゃないわよ。だけど実際には買い取ったのはいいけど維持する都合が合わなくてそのまま放置されてる島なんかも多いみたいね」
津田「もったいないなぁ~」
スズ「そんなわけで本島のみがリゾート開発のメインになってしまってて回りはおまけで付いてる孤島みたいなもんね~」
津田「なるほどなぁ。なんか話し聞くと俺もそんな生活して見たいよ」
スズ「実際にやって見たら飽きるからってことなんじゃないかしら?それにこの辺りは潮の流れが急らしくて海も危険だったり暗礁なんかも多くて船をぶつけたりってことも多いみたいだし………ってあれイルカじゃない?」ダッ
6
津田「イルカだぁ!生で見るの始めてだよ」
スズ「すごいすごい!あんなに優雅に海を泳ぐのね」
津田「これだけでも海外に来てよかったって感じだよな」
スズ「ふふっ!イルカだけで海外なんてもったいないんじゃないの?」
津田「だってこんな感動は味わえないよ」
スズ「まったく子供みたいね」
津田「それは萩村も同じだろ?」
スズ「まぁそうね……それにこんな時だし思いっきり楽しまなきゃそんじゃない?」ニコッ
津田「えっ……うん!そうだよな」ドキッ
津田(萩村の笑顔がいつもより可愛い………///本当に開放的な気分になってるからかな?)
ガッ………!
スズ「えっ!?な、なに?」
津田「き、急に船が傾いて………」
グラッ
スズ「ま、まさか暗礁に乗り上げて………キャアアア!」
津田「は、萩村っ!?」
ドッポーーン
スズ(……海に落ちた??……潮の流れが急で体が……)
津田「萩村っ!俺が今助けるから……」
ドッポーーン
津田(こんなことになるなんて……萩村っ!?潮の流れで体の自由が……)
スズ(………津田、助けに来てくれたの?………でもこのままじゃ)
津田(も、もう少しで萩村を……)
スズ(津田……ダメ……意識が…もう……)
ギュッ
7
ざざぁ~ん
津田「っ………」
津田(ここは……そうだっ!海に落ちた萩村を助けようとして……!)
津田「は、はぎむ……」
津田(喉が焼けるように痛い……海水を飲みすぎた??そ、そんなことより萩村は………いたっ!すぐそばに倒れてた)
津田「萩村っ………ゲホッ……おいっ!」
ペチペチ
スズ「…………」
津田「萩村っ!……息がない!?」
津田(そ、そんな………くそッ!落ち着け……こんな時のために学校でも緊急救命の講習やったじゃないか!)
津田「ごめん萩村っ……緊急事態だし俺なんかで……」クイッ
スゥー、フゥー
津田(ま、まだ………)
スゥー、フゥー
スズ「ゲホ………ゲホッ」
津田「萩村っ!……意識が?」
スズ「津田………私達………?」
津田「無理しちゃダメだ……まだ寝てなきゃ……」バタっ
津田(あ、あれ?体が………)
スズ「つ、津田……!?」
スズ(喉がっ……こんな状態で津田も……)
スズ「お、起きれる……?」
津田「…………キツイかも」
スズ「肩貸すからとりあえず日影のあるとこまで行くわよ……!」
津田(………もう声も……)
スズ「津田!?ねぇ起きてよ……」
津田「………」
スズ「っ津田!」
スズ(呼吸は荒いけどちゃんと息はしてるっ!日の当たらないところに早く………)
ググッ
スズ「グッ……おもっ!」
ズルズル
スズ(も、もう少し………私の体が大きければってこれほど思ったことないわよ……)
どさっ
スズ「ハァハァ……なんとか運べた」
スズ(まだ呼吸が苦しい……海水の塩分で喉が焼けてるのね)
スズ「津田……私水探してくるからもう少しだけ頑張ってね………」
8
ガサガサ
スズ(なんとなく森の中に来ちゃったけどこんなところに本当に水があるのか……)
ガサっ!
スズ「な、なにっ!」
バサッバサッ
スズ「と、鳥……?ビックリした……あれっ?向こう少し開けてる場所になってる?」
スズ(い、家!?)ダッ
スズ「すいませ~ん…」ゴンゴンッ
スズ(誰もいない……よく見たら周りも草だらけだし……まさか放置されたリゾート?)
スズ「って井戸!?」
スズ(水は……あるっ!)
チャプン
スズ「ゴクッゴク!」
スズ(はぁ~生き返る……このまま津田のとこにも早く持って行かなきゃ!)
スズ「津田!……分かる?水持ってきたわよ……」
津田「…………」グテッ
スズ(呼吸はあるけど意識が……このままじゃ………)
スズ「迷ってる暇なんかないわね……」
ゴクッゴクッ
チュッ
津田「………ゴクッ………っ!」
スズ「津田!?」
津田「はぎむら……?よかった……無事だったんだ……」
スズ「それはこっちのセリフよっ!」ギュッ
津田「萩村………」
スズ「とにかく早く水を……すぐ近くにペンションあってそこに井戸もあったから」
津田「ありがと…でもちょっとだけ苦しい……」
スズ「………ごっごめん!」バッ
津田「ははっ!でも本当によかった………」
スズ「ちゃんと飲める………?」
津田「うん………」
ゴクッ
津田「はぁ~生き返った~でも最初の一口目のが甘かった気が……」
スズ「ば、バカなこと言ってないで動けるなら早く行くわよ」///
9
再び森の中
津田「まさかこんなことになるなんて………」
スズ「そうね………本当に死ぬかと思ったわ」
津田「萩村が海に投げ出されたときはどうしようかと思ったよ……」
スズ「でも流されてる時に津田が助けに来てくれたの分かったとき本当に嬉しかった………ありがと」///
津田「い、いや……本当に気付いたら飛び込んでて、そんなお礼を言われることじゃ……」///
スズ「それでもよ……津田が来てくれなきゃ本当に死んでたかもしれないもの………あっ着いたわ!」
津田「うわっ!すごい!ちゃんとしたペンションじゃん。でも周りの草とか見ると人はやっぱりいないのかな?」
スズ「さっき私が来た時も声はかけたけど水組むので必死だったから中は確認してないけど………」
津田「う~ん……とりあえず中に入ってみよっか?」
スズ「そうね……失礼だけどこんな事態だし……」
ガチャ
津田「鍵も空いてる………失礼しま~す……」
スズ「………中を見る限りは生活してる様子ないわね……埃もだいぶあるし……」
津田「でも家具とかはそのまま置いてるな………キッチンもちゃんとあるし」
スズ「少しだけここで休ませて貰おうかしら……流石に疲れたわ……」
津田「俺も……服も海水でベタベタだし」
スズ「そうね……もう少しで日も沈みかけてるし肌寒くなってきたかも」ブルっ
津田「確かにね………とりあえず上だけでも脱いで乾かしとくよ」
ヌギッ
スズ「そ、その私も……乾かしたいんだけど……」///
津田「あっ!う、うん……乾くまで俺外に行ってるよ…」///
スズ「……いいわよ、別に///もう暗くなるし外なんかにいたら風邪引くわよ……乾かして間ベットのシーツにくるまってるから……」
津田「そ、それじゃ後ろ向いてるから」
ゴソゴソ
スズ「もういいわよ……」///
津田「う、うん………」///
スズ「と、とりあえず今日は変に動き回るのもあれだしここにいよっか?」
津田「そ、そうするか……」
書き溜めしてたのが以上になるんで一旦ここまでで。
また溜まったら載せます。
あまり長文になりすぎてるので細かくわけて投下するか考えてるのでそのあたりの意見も参考にして今後投下していきます。
10
ガチャガチャ
津田「う~ん……キッチン周りには焚き木用のコンロに食器とか着火剤か……」
スズ「そうね……灯りもランタンだし牧ストーブもあるし電気を使ってるようなものはないわね……」
津田「でもライターとかランタンも使えるし放置されてから数年位ってところかな?」
スズ「ただここが放置されてるなら持ち主だってこの島に何年も来てないってことだし結局のところは救援待ちってことね……」
津田「今日は遅いし、明日になったら浜辺に行ってみよう。もしかしたらすぐ近くに他の島や船だってあるかもしれないし」
スズ「そうしましょう。それにしても建物だけでもちゃんとあって本当によかったわ……」
津田「本当そうだよな~流石に野宿なんてことになったら体力的にもキツかったよ」
スズ「何はともあれこうして休めるのは本当にありがたいわ~早いけどゆっくり休みましょう」
津田「そうだな……俺はそこのカーペットで休むから萩村はベッド使いなよ」
スズ「そ、それはありがたいけど……津田だって疲れてるのに悪いわよ……」
津田「大丈夫だって。一応俺だって男だし、萩村を床に眠らせる訳にはいかないだろ?」
スズ「そ、そうよね……それじゃお言葉に甘えさせて貰うわ」
スズ(一緒に寝ようとは言えるわけないわよね………)///
ヒュー ガタッガタッ
スズ「…………」ビクッ
津田(夏のリゾートとは言え夜は潮風もあるし、服も乾いてないしシーツだけじゃ流石に寒い……)
スズ「…………津田?起きてる?」
津田「んっ?起きてるよ……」
スズ「………寒くない?」
津田「ち、ちょっとだけ……」
スズ「そ、それならこっちに来てもいいよ………」
津田「でも萩村が………」
スズ「い、いいから!寒いんだからしょうがないでしょ!」
津田「う、うん……それじゃ……」
ゴソゴソ
津田「お、お邪魔しま~す………」
スズ「う、うん……」///
ヒューガタッガタッ
スズ「…………」ビクッ
津田「……萩村もしかして怖い?」
スズ「う、うるさい!服来てないんだからこっち見るな~!」ゲシッ
津田「った!ご、ごめん……それじゃ眠るよ」///
スズ「………うん」///
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チュンチュン
スズ「う~ん………」
スズ(朝か………)
津田「zzz」
スズ「…………」///
スズ(一緒に寝てたのよね……とりあえず服着ないと)///
津田「ふぁぁ~よく寝た~」
スズ「あっ!お、おはよう」///
津田「お、おはよう………萩村起きるの早いね」
スズ「まぁね。いつもの日課だし」
津田「俺は目覚ましがないと起きれないからなぁ……ゆっくり寝過ぎてた?」
スズ「まぁ昨日はあんなことあって疲れてたししょうがないわよ……それより顔洗って早速浜辺に行ってみましょう」
津田「そうだな。もしかしたらすぐそこに救助の船とかもいるかも」
スズ「時間も経ってるし、期待もできそうね」
津田「準備するからちょっとだけ待っててね」
スズ「それじゃ私はペンションの周りのちょっとだけ見てるから」
スズ(やっぱり建物の周りも全然手入れされてないみたいね………でも離れにある焚き木用の牧とかは湿気ってはいるけどかろうじて使えるし……)
津田「お待たせ萩村」
スズ「あっ!もう準備できたの?」
津田「うん。萩村は何してたの?」
スズ「昨日は詳しく見れなかったから周りで使えそうな物探してたの……この牧なんかまだ使えそうよ」
津田「へぇ~なんか他にもいろいろ置いてるね」
スズ「そうね………このモリとか海で魚でも取るようだったのかしら?」
津田「魚取れるなら俺もやってみたいな~なんかテレビとかで見て憧れてて……」
スズ「まぁずっといるならやって貰うわ。救助してもらえればここにも入れなくなるし……」
津田「そうだな。それじゃ浜辺に行ってみよっか」
スズ「えぇ。そうしましょう」
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スズ「昨日私たちが流された浜辺ね……」
津田「見渡す限りは海しか見えない……」
スズ「とりあえず一周して見ましょうか。船とか他の島が見えるかもしれないし」
津田「そうするか………」
スズ(そういえば忘れてたけどここで津田に口付けで水飲ませてたのね……)
津田(ここで萩村に人工呼吸してたんだよな……)
津田、スズ(向こうは覚えてないし、胸に閉まっておこう)///
津田「は、萩村………行こっか」
スズ「う、うん!」
ザッザッ
津田「こうしてみるとこの島って1km位?」
スズ「だいたいそんなとこかしら?周りがずっと浜辺で中心の森の中にあのペンションあるって感じかしら」
津田「こんな島放置するなんて本当にもったいないよな~」
スズ「そうね……こんな所何年も放置なんて確かにもったいないわ」
津田「それならこのまま貰っちゃう?」
スズ「ふふっ。それもいいけどガスも電気もない生活なんて津田なんてすぐに飽きるわよ」
津田「うっ!確かにそう言われるとテレビとかゲームがないのはキツイ………」
スズ「こういうのはたまにするから楽しいのよ」
津田「そうなのかなぁ?」
スズ「それに今頃みんな心配してると思うし………」
津田「そうだよな……会長達今頃心配してるだろうな……」
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スズ「………一周してみたけど見渡す限り海ね」
津田「船も見当たらない……地平線ってどのぐらいの距離なんだろう?」
スズ「地面に立って見るなら5km位……」
津田「救助活動してるのかな?」
スズ「私たち思ってたよりずっと遠くに流されてたのかも……」
津田「ちゃんと見付けてくれればいいけど………」
スズ「近隣から探してるなら遅くなるのかも………」
津田、スズ「それより今は……」
グゥゥゥ
津田「お腹減った………」
スズ「私も………」
津田「ペンションにあったモリで魚取ってみるか」
スズ「そうね………私は森で食べれそうなもの探してみるわ」
津田「よしっ!そうと決まればペンションに戻ろうか」
スズ「中にキッチンもあるし津田の腕に期待してるわよ」
津田「任せておいてよ!」
スズ「ふふっ。森の中にも何かあるの期待しましょう」
津田「それじゃ海に行ってくるから魚取れたら戻ってくるよ」
スズ「頑張ってきてね。でもあんまり無理しちゃダメよ」
津田「萩村も森の中でケガとかしないように気をつけてね」
スズ「そうするわ。それじゃ行ってらっしゃい」
津田「うん!行ってきます」
スズ(なんか津田に行ってらっしゃいって新婚みたい……)///
乙です
今回のは、前回の続きなんだろうか?
見てる限りだと、違うとは思うが
14
津田(テレビで見たことあるけど素潜りって初めてだ……魚いるかな……)
ザップン
津田(うわっ!うじゃうじゃいる!これなら一匹位………)
スカッ
津田(………あれ?もう一回!)
スカッ
津田(………思ってたより難しい)
30分後
津田「ぷはぁ~もう限界……結局一匹も取れない……ってあれは!?」
スズ「森の中にもいろいろあったわね……」
津田「萩村~ただいまぁ」
スズ「あっ!おかえりなさい。どうだった」
津田「魚は結局一匹も取れなかったんだけどこれ見てよ」
スズ「貝がたくさん………牡蠣とサザエかぁ」
津田「これなら魚と違って動かないしね。それに他にもたくさん貝あったんだけど食べれるかどうか分からなくて……」
スズ「これだけあれば十分よ。でもこれで食べ物の心配ないわね」
津田「萩村の方はどうだったの?」
スズ「私の方はこれよ!」
津田「これって野草?他には木の実みたいな粒だけど……」
スズ「そうよ。これはバジルって香草ね魚とか貝と一緒に焼くと臭みとか取れるし、こっちのはブラックベリーって言う果実でそのままでも食べれて栄養も豊富なのよ」
津田「へぇ~流石萩村なんでも知ってるんだな」
スズ「本とかテレビで見たこと覚えてたからね。まだ森も少ししか探さなかったし他にもいろいろ見つかるかも」
津田「それじゃ後でまた探して見ようか?」
スズ「そうしましょう。とりあえず貝類は当たると怖いから焼いて食べるわよ」
津田「そうと決まれば早速火を起こすよ」
バチッバチッ
津田「…………」ジュル
スズ「…………」ジュル
津田「もういいかな?」
スズ「大丈夫そうね……」
津田「それじゃいただきまーす」
スズ「いただきます」
モグモグ
津田、スズ「……………」モグモグ
津田、スズ「美味しい~!」
津田「お腹空いてたってのもあってだけど、これはいくらでもいける」
スズ「うん。たくさんあったけど本当に全部いけるわね」
津田「また無くなれば取ってこれるし焼いちゃおうよ」
スズ「ふふっ。そうね……まさかこんなところでこんな美味しい食事出来るなんて考えてなかったわ」
>>21文章力なくて分かりにくかったですが一応続きです。
時間置いてしまったせいか少し飛びました。
15
津田「あぁ~食べた~ベリーまで全部食べちゃったね」
スズ「まだいっぱいあったしまた取ればいいわよ。ずっとご飯食べてなかったから生き返ったわ」
津田「ちょっと休憩しようか」
スズ「そうね。ちょっと休んだらもう一回海の方に行ってみましょう」
津田「うん。それにしても萩村と一緒で良かったよ……萩村と一緒だと落ち着けるし(ツッコミしなくて済むから)」
スズ「……急に何よバカッ」///
津田「えっ!俺変なこと言った?」
スズ「し、知らない!」プイッ
スズ(全く……鈍感なんだから)
津田「萩村~?」
スズ「もう!一旦お昼寝するから!起きたらちゃっちゃと海に行くわよ!」
津田「は、はい………」
スズ「……………」
「萩村っ…………」
「おいっ!」
「息が………」
「ごめん俺なんかで………」
クイッ
スズ(なんだろう?苦しいけど優しいものに包まれてる………?)
スズ「う~ん………」
パチっ
スズ「はっ……夢……?」
スズ(なんだろう?夢ってよりもなんか現実で起きた事思い出したような………津田は?)
津田「………zzz」
スズ「津田も寝てたのね……本当に変な夢……」
16
津田「う~ん………」
スズ「あら、起きた?」
津田「おはよう~寝過ぎてた?」
スズ「ううん……私もちょっと前に起きたばっかだし」
津田「そっか~今は何時くらいだろ?」
スズ「多分お昼過ぎくらいかな。時計がないって感覚も不思議よね」
津田「そうかなぁ~俺なんて夏休みなんて家にいると気付いたら夜になってるって感じだからなぁ」
スズ「どうせダラけきった生活してるんでしょ?」
津田「?っ……まぁ普段の激務から解放されるとつい……」
スズ「ちゃんと学校始まるまでには直しなさいよ。どうせ夏休みの課題だって溜まってるんでしょ?」
津田「いやぁ……難しいところがあるとそのまま放置しちゃって辞めちゃうというか」
スズ「ここからちゃんと戻れたら教えてあげるわよ」
津田「ほ、本当に?いやぁ夏休みの間だとやっぱり萩村の忙しいと思って声かけられなかったから助かるよ」
スズ「ふふっ。そんなことで気を使わなくていいわよ。どうせ私は課題終わってて暇だしね」
津田「それまで思いっきり楽しんでおかないとな」
スズ「楽しみも何もここから出てからだけどね……そろそろ海に行ってみましょう」
津田「うん。今度こそ魚取るぞ!」
17
津田「それじゃ海に潜ってるけど萩村はどうする?」
スズ「私は砂浜にSOSの砂文字大きく書いておくわ。空からも探してくるかもしれないし」
津田「そういえば、そういうことまで頭回らなかった……」
スズ「少しでも可能性があるならやっておかないとね……後で時間もあるなら狼煙になるような流木とか集めてみましょう」
津田「うん!それまでに魚取ってみせるぞ!」
スズ「あんまり張り切り過ぎて奥に行き過ぎちゃダメよ」
津田「気をつけるよ」
ザップン
スズ「さてと………私は私でやらなきゃね」
30分後
スズ「…………さっきから潜って出てきて繰り返してるけど、魚取れないのかしら……」
スズ(海とか空見てるけど船も飛行機も全くこない……)
津田「プハァ………萩村~!凄いの取れた!」
スズ「本当に~!」
津田「今から沖に行くよ~!」
スズ「期待して待ってるわよ~」
スズ(でもちょっとだけ不安な気持ちだけど今は津田と一緒にいれるだけで………)
18
津田「萩村!これ見てよ!」
スズ「これってロブスターじゃない!?」
津田「たまたま見つけてさ、後は同じように牡蠣とサザエ取ってきた」
スズ「これは凄い収穫ね………」
津田「今日の夕食が楽しみだよ」
スズ「津田のおかげね」
津田「結局魚は取れなかったけど……」
スズ「でも今はこれだけあれば十分よ」
津田「萩村もお疲れ様」
スズ「私はすぐに終わったけどね……まだ飛行機も船もさっぱり見当たらないわ」
津田「まぁそんなに気にしてもしょうがないし気長に待とう」
スズ「そうね……あんまり悲観的になるのも良くないものね」
津田「せっかくのご馳走も手に入ったんだし楽しく過ごして待った方が得だよ」
スズ「ふふっ……津田らしい考え方ね」
津田「なんだよそれ~?」
スズ「いいの……でも少し楽になったかな……ありがと」ニコッ
津田「え、いや……そんなお礼言われることじゃ……」///
スズ「いいの……それじゃ美味しい夕食も期待できるし流木拾いに行きましょう」
津田「うん!」
津田(萩村って難しい顔してる時のが多いけどやっぱ笑った時の顔カワイイな……)
19
スズ「これだけ集めれば十分ね」
津田「しばらくは持つかな~」
スズ「定期的に入れなきゃいけないし、集めすぎた分は近くにまとめておきましょう」
津田「うん!それじゃ火着けて戻ろうか」
スズ「そうしましょ………日も沈んで来てるし」
津田「戻ったらすぐにご飯食べる?」
スズ「お腹減ってるならすぐにでも準備するけど少しだけ休んでからにしたいわね………」
津田「俺も休みたいかな。それじゃペンション着いたらちょっとだけ休憩だな」
スズ「そうしましょう。ねえ戻る前にちょっとだけ森でベリー取って行きましょうか?」
津田「わかったよ。それじゃ行こうか」
ゴソゴソ
津田「これ位でいいかな?」
スズ「そうね。取りすぎても良くないし」
津田「結局森の中全部見て回れなかったし明日時間あれば回って見ようよ」
スズ「他にもいろいろあるかもしれないしね。それじゃ戻りましょう」
ガッ
スズ「キャッ………」
津田「萩村っ!」
ガシッ
スズ「あ、ありがと……」
津田「大丈夫だった?」
スズ「え、えぇ……おかげさまで」
津田「なら良かった~」
スズ(津田の手暖かい……)///
ギュッ
津田「は、萩村……?」
スズ「えっ?……あっごめん……」パッ
津田「………また転ぶと危ないし手繋いで戻ろうか?」スッ
スズ「う、うん………」
ギュッ
20
スズ「…………」
津田「…………」
スズ(な、なんか手を繋いでるのはいいけど恥ずかしい………何か話題を……)
津田(思いっきって手を繋いじゃったけど………やっぱ萩村嫌だったかな……)
津田、スズ「………あの」
津田、スズ「えっ」
津田、スズ「……そっちからどうぞ」
津田、スズ「………」
スズ「ぷっ………ははは」
津田「な、なんで急に笑うんだよ」
スズ「だってなんだか可笑しくて……ふふっ」
津田「ははは………綺麗に被さったもんな」
スズ「なんか緊張して話題だそうって思ってたけど心配なかったわね」
津田「あっ……俺なんててっきり萩村嫌なのかなって思ってたよ」
スズ「嫌じゃないわよ……それに今までだって何回かあるじゃない?」
津田「でも……その今は二人っきりだしさ……」
スズ「ふふっ。バカね……別にそんなことで気にしないでもいいわよ」
津田「そうだよな……うん!変に考えすぎてたかも」
スズ「それに津田と手を繋いで歩くの私嫌いじゃないし………」
津田「えっ………?」
スズ「な、なんでもないわよ!それより着いたし、早く休みしょう」ダッ
津田「う、うん………」
スズ(思わず変なこと口走ってしまった……変に思われなかったかしら……)///
21
スズ「それじゃキッチンに食材準備だけしておいたし、すぐに食べれるようにだけしておいたわ」
津田「うん!こっちも牧の準備しておいたよ」
スズ「それじゃ少し休みましょう」
津田「そうしようか……それじゃカーペットの上で少し寝るから」
スズ「…………ねぇ?」
津田「なに萩村?」
スズ「カーペットの上って体痛くならないの?」
津田「う~ん……少しだけゴツゴツしてるけど慣れれば平気かな?」
スズ「それならベッドで休んでいいわよ」
津田「それだと萩村が……」
スズ「私だけベッドで寝てるってのも何か津田に悪いわよ……」
津田「でも俺だって萩村にベッドで休んで欲しいし………女の子を床に寝かせるってのは……」
スズ「それは私も一緒よ……それに津田の方が動いてくれてるんだし疲れだって溜まる一方でしょ?」
津田「う~ん……それじゃ一緒に使おうか……な~んtスズ「えっ!」
津田「エッ!?い、いや冗談だよ冗談??」
スズ「そ、そうよね………あは、あはははは」
津田「そ、そうだよ………ははは……」
スズ「…………」///
津田「…………本当冗談だから」
スズ「い、いいわよ………別に一緒でも………」///
津田「そ、そうだよね………やっぱ嫌だよな………ってエッ!?」
22
スズ「良いって言ってるのよ!それに昨日だって一緒に寝てたし……」
津田「で、でも………」
スズ「何度も言わせないでよ………それとも津田の方が嫌ならいいけど………」
津田「ぜ、全然嫌なんかじゃないよ………」
スズ「それなら一緒でもいいじゃない?」
津田「そ、そうだよね………や、休むか?」///
スズ「う、うん………」///
ゴソゴソ
津田「せ、狭かったらごめん……」
スズ「大丈夫………なんだかんだ疲れたから休みましょう……」
津田「そうだね………」
スズ「…………おやすみ」
津田「…………うん」
10分後
津田「………萩村?」
スズ「…………」
津田(寝たかな?流石にいつもより動いてたしお昼寝したけど萩村小さいし疲れるよな………)
津田「………あんまり無理するなよ」
ナデナデ
津田「俺も疲れたしちゃんと休まないと持たないな………おやすみ」
津田「zzz」
スズ「………ふふっ、ありがと津田」
23
「………津田」
「………分かる?」
「………水……」
パチッ
津田「…………甘い」
津田「…………夢?」
津田「…………萩村?」
スズ「zzz」
津田「………ちゃんといるよな」
スズ「………津田」ムニャ
ギュッ
津田「は、萩村っ?」
スズ「zzz」
津田「………起こすのも悪いしもう少しこのままでもいいよな……」
スズ「う~ん………」
津田「………萩村?」
スズ「津田?おはよう………」
津田「お、おはよう……そ、その……」
ダキッ
スズ「えっ………?ご、ごめん!寝ぼけてて」///パッ
津田「い、いや疲れてたし起こすのも悪いかなって思って………」
スズ「べ、別に気にしないでいいのに………」
津田「それに………嫌じゃなかったし」
スズ「………」///
津田「ははは……変なこと言っちゃたかな?食事の準備してくるよ」
スズ「うん……」
24
バチッバチッ
スズ「そろそろ食べれるわよね?」ゴクッ
津田「………うん」ゴクッ
津田、スズ「それじゃいただきま~す」
パクッ
津田、スズ「美味しい~!」
津田「貝もいけるけどロブスターが美味すぎる」
スズ「私もはじめて食べたけどこんな美味しかったなんて………」
津田「頑張って取った甲斐があったよ」
スズ「ふふっ。本当に津田のお手柄ね。ありがと」
津田「えっ?いや………」
スズ「何よその反応?」
津田「いや………萩村からこんな褒められるのって何か意外で………」
スズ「そう?」
津田「そうだよ。俺なんか生徒会に入ってみんなから褒められたのなんて虫退治したとき位だったんだよ」
スズ「あぁ………あの時……」
津田「覚えてる?」
スズ「ちゃんと覚えてるわよ……でもみんな普段は口に出さないだけでちゃんと津田のこと認めてるわよ」
津田「そ、そうなの?」
スズ「たぶん」
津田「たぶんかよ……」ズゥン
スズ「でも私は津田のこと認めてるわよ………」
津田「萩村………うん!」
スズ「………」///パクッ
25
津田「あぁ~美味しかった……また食べたいなぁ」
スズ「ごちそうさまでした。また取れるといいわね」
津田「そうだなぁ。きっとまた取るよ」
スズ「期待してるわよ。ねぇ……少し海の方に狼煙の火に集めた流木足しに行かない?」
津田「そうしよっか……結構寝てたから全然眠れないし」
スズ「それじゃ早速行きましょう」
津田「もうすっかり暗いし気をつけないとな」
スズ「そうね」
津田「萩村………また転ぶと危ないし………手……」スッ
スズ「あ、ありがと………」
ギュッ
津田「それじゃいこっか?」
スズ「う、うん………」
テクテク
津田「…………」
スズ「…………」
津田「…………」
スズ「…………ねぇ?」
津田「ん?何?」
スズ「手繋いでくれたのって私じゃなくて、他の女の子でもした?」
津田「なんだよ?急に……」
スズ「なんとなく………」
津田「………う~ん」
スズ「…………」
津田「………他の女の子だったらたぶんしないと思う」
スズ「ふぅん?それじゃ会長だったら?」
津田「会長なら先にガンガン進んで俺は後ろから着いてって感じになるじゃないかな?いつも先頭にいること多いし」
スズ「そっか………」プイッ
津田「うん………萩村だからな」
スズ「そっか………」///
26
パチッパチッ
津田「火もまだちゃんと着いてるしちょっと足すくらいでいいかな」
スズ「朝まで燃やすならこれで十分ね」
ポイッ
津田「これで大丈夫だな」
スズ「なんか暖かい」
津田「海の近くで寒いしちょうどいいね」
スズ「少しだけここにいよっか?」
津田「そうだな………」
スズ「それに昨日気づかなかったけど、空すごい綺麗………」
津田「星だらけだな……」
スズ「なんか別の世界みたい」
津田「うん…………」
スズ「本当に綺麗………」
ザザーンザザーン
津田「静かだな……」
スズ「そうね……」
津田「なぁ萩村?さっきの話の続きなんだけど………」
スズ「さっきのって?」
津田「ほら……他の女の子なら手を繋いでたかって」
スズ「えっ………うん」
津田「そ、その……萩村なら例えば他の男の人だったら手を繋いでた?」
スズ「何よ急に……」
津田「なんとなく……俺も言ったんだし気になって」
スズ「私は……たぶん繋がない」
津田「……そっか」
スズ「私も津田だからかな……」
津田「……そっか」
スズ「……そうよ」
27
ザザーンザザーン
スズ「本当に波の音だけしか聞こえないわね」
津田「………うん」
スズ「……………」
津田「……………」
キラッ
津田「あっ!」
スズ「なに?」
津田「流れ星見えた」
スズ「本当に!願い事は?」
津田「いや………一瞬だったからできなかった」
スズ「なによ~勿体無いわね~」
津田「でもこれだけ星が見えるんだからきっとまた見えるよ」
スズ「私も探してみようかな」
津田「次はちゃんと願い事考えておかないとな」
スズ「ふふっ……そうね」
スズ(私の願い事か………)
津田「萩村は流れ星に願い事とか信じるんだな……」
スズ「いいじゃないロマンがあって……それとも子供っぽい?」
津田「そんなことないよ。俺だってこんな綺麗な空見たら願い事だって叶えてくれるんじゃないかって思ってしまうよ」
スズ「これだけ星があるんだもん……願い事だってきっと叶えてくれるわよ」
津田「萩村からそんなセリフ聞けるなんてちょっとだけ意外かな……」
スズ「なによそれ……」
津田「ははは……ただいつも大人っぽくしてる萩村より子供っぽいって言うか」
スズ「やっぱり子供っぽいんじゃない」ツーン
津田「なんか萩村って俺なんかと比べてしっかりしてるし、そういうの聞くとやっぱり安心するって感じ」
スズ「フン………」///
28
キラッ
津田「…………」
スズ「…………」
津田「萩村願い事した?」
スズ「うん………津田は?」
津田「俺もちゃんとできたよ」
スズ「そっか……それじゃ戻りましょうか?」
津田「うん………こういうときって何お願いしたか聞くもんなのかな?」
スズ「知りたいの?」
津田「そりゃ気になるし」
スズ「ふふっ………それじゃ秘密」
津田「なんだよそれ?」
スズ「いいの………いつか教えてあげるわよ」
津田「わかったよ。それじゃ行こうか?」スッ
スズ「うん!」
ギュッ
津田(萩村の願い事か………まぁ俺の願い事だって言えないけど……)
29
スズ「~~~~?」
津田(海から戻って来てからなんか萩村の機嫌良さそうだな)ジィ~
スズ「んっ………何よ?そんなにじっと見つめて」
津田「えっ?い、いやなんか萩村嬉しそうだなって思って」
スズ「そう?」
津田「うん。何か楽しい事でもあったかなって思ってさ」
スズ「楽しい事ってわけでもないけど今日一日思い出してただけなんだけど………」
津田「今日一日かぁ………うん!それなら楽しいことだね」
スズ「ふふっ。最初ここに流された時は不安だったけど、今はなんとかなるって感じだし楽しんでるのかもね」ニコッ
津田「それならよかった……二人っきりだしなんかギクシャクするのも嫌だしさ」
スズ「全然いいわよ。津田と二人なんだし………私は嫌じゃないわ」
津田「それならよかったよ」
スズ「それに一日ツッコミしないってのも悪くないかもね」
津田「ははは、確かに………でもちょっと調子狂うかな?」
スズ「そうかもしれないわね……明日救助に来てくるといいな」
津田「大丈夫………ちゃんと来てくれるよ」
スズ(でもそうしたら二人っきりの時間終わっちゃう………)
30
津田「そろそろ休もうか?」
スズ「そうね………それじゃ休みましょう」
津田「うん………その寝るときは………?」///
スズ「それを女の私に言わせる気なの?」ジッ
津田「い、いや……念のために確認で」
スズ「こっちだって恥ずかしいんだから………」///
津田「うん……それじゃベッドに行こうか」
スズ「………」コクッ
津田「あっ………でもトイレ行きたいから先に寝てて。なんか一緒にベッド入るのも恥ずかしいし」///
スズ「そ、そうよね……それじゃ先に寝てるわよ……」
津田「う、うん……それじゃ」ダッ
スズ「はぁ~………本当に鈍感ね」
31
ガチャ
津田「………ただいま」
スズ「………おかえり」
津田「あっ!起きてた?そ、それじゃベッド失礼します」
ゴソゴソ
津田「萩村~?狭くない?」
スズ「大丈夫………って別に小さいからベッドも広く使えるってわけじゃないからね」
津田「う、うん………」
スズ「ちゃんとツッコミなさいよ……人がせっかくボケてあげたのに」
津田「やっぱ、変に緊張しちゃうからかな………」
スズ「そ、そんなの私だって……」
津田「べ、別な話題をしよう!」
スズ「そ、そうね………なんか議題になるような話とか映画の感想とか」
津田「議題に映画感想かぁ………前に魚見さんが来た時に話してた異常な状況で結ばれた男女は上手くいくかどうかとか?」
スズ「………この状況でそんな話良く出せたわね」ゲシッ
津田「んっ………?あっ、そういうつもりじゃ………」
スズ「ったく………で津田はどう思う?」
津田「どうって?」
スズ「こんな状況で結ばれたカップルは上手く付き合っていけると思うの………?」
津田「そ、それは…………映画なら上手く行くのが定番だけど現実ならわからないかな………」
スズ「その現実を聞いてるの!」
津田「えっと………う~ん………」
スズ「…………」イラっ
津田「先に萩村の意見聞いてみて参考にしてみても………」
スズ「…………」プチッ
32
スズ「…………」ムクッ
津田「………萩村~?」
スズ「なんで………」
津田「えっ?」
スズ「なんで人がここまで振ってるのに気付かないのよ!あの時だって今だっていつもいつもいつも!」
津田「ちょっ……萩村!」
スズ「鈍感でも少しは気付きなさいよ!だからフラグクラッシャーなんてバカな称号付くのよ!」
津田「だから気付くって……?」
スズ「わ、私が好きでもない人と一緒にベットに入るとでも思ってるの!誰とでも手を繋いで歩くとでも思ってるの!」
津田「そ、それって………」
スズ「あんたのことが好き!津田のことが好きってことなの!」
津田「萩村………」
スズ「津田の好きな人って誰なの………?」
津田「俺が好きなのは…………」
スズ「……………」ドキドキ
津田「……………」
スズ「……………」
チュンチュン
ガバッ
スズ「……………夢?」チラッ
津田「zzz」
スズ「津田がトイレ行ってる間に寝てたんだ………」
津田「う~ん………zzz」
スズ「間の抜けた顔しちゃって………散歩行ってこよう……」
ゴソッ
33
テクテク
スズ「はぁ………なんだってあんな夢みたんだろ」
テクテク
スズ「っていうかなんであいつは夢の中でも鈍感なのよ!せっかく人が勇気出して告白したってのに………まぁ夢の中だけど………」イライラ
ガッ
ドテッ
スズ「キャッ………いたた……」
スズ(足元よく見てなかった……って………これって………?)
スズ「きゃああああ!?」
津田「………ハッ!………萩村の声!?」
バッ
津田「萩村っ!………あっちから声が聞こえてきたな!?」
ガサガサ
津田「………いた!萩村っ!?さっきの声って………」
スズ「津田………」ダッ
ギュっ
津田「は、萩村………どうしたの?さっきの声って………」
スズ「あ、あれ………」スッ
津田「んっ………?あ、あれってガイコツ!?どうしてこんなとこに………」
スズ「わからない………」ギュッ
34
津田「………とりあえず、ペンションに戻ろう」
スズ「……………」コクッ
ギュッ
津田「萩村………大丈夫?」
スズ「少しだけ落ち着いた」
津田「そっか………でもなんであんなところに………」
スズ「もしかしてここのペンションの持ち主?白骨化してるなんて相当放置されてたってことだし………」
津田「それならここがずっと放置されてたってのも分かるけど」
スズ「……………ごめん。急に取り乱しちゃって」
津田「俺だって同じだよ………あの場から離れることしか頭になかったし」
スズ「ねぇ……?もう一度あの場に行ってみない?もしこのペンションの持ち主でずっとあのまま放置されてたならかわいそうだと思う……」
津田「うん………でも萩村大丈夫?」
スズ「怖いけどちゃんと埋葬してあげたいの………」
津田「わかったよ………でも気分悪くなったら俺一人でも大丈夫だから………」
スズ「大丈夫………」
津田「うん………それじゃ行くよ」ギュッ
スズ「…………」コクッ
書き溜め消えてやる気消失してたのでのんびり更新していきます
このSSまとめへのコメント
続きを早く見たいです!
早く書いて下さい❗️
今、気付いたが風呂とかどうするんだろうか?
ちょっとエッチな描写、希望❗️❗️
面白いです!
続き期待
キター!! キタよ〜、きましたよ〜
津萩は正義!!
クゥ〜/// ラブラブじゃないですか〜
津田×萩村は本当に最高!
続きが読みたいです。
津×萩は本当に好き❗️
まさかの展開!!
骸骨!?……あぁ〜 分かった!
よく出来ている模型だ!
きっとそうだ!
続き楽しみにしてます♪
スズ*タカトシ最高♪♪♪
早く続きヨロシクです
続きめっちゃ待ってます!!!!
お願いします!!!!!!
続きを〜涙
楽しみです!!
こんなにドキドキするSS初めてです!続き待ってます!
うおーそこで終わるのは凄い生殺しだw
69で終わるとか、
1も好きだねぇ
四年待った続きを書いて〜
つづきーー