萩村スズ「明晰夢って、どうやってみるんですか……?」 (60)


生徒会室

アリア「あら、意外ー。スズちゃん興味あるの?」

スズ 「いえその、きょ、興味というか、本当に夢でいろいろできるものなのかな、と思いまして……」

アリア「うふふふ。前に私が、津田くんのお尻調教を夢でやっていたの、覚えていたのね」

スズ 「……まぁ」

アリア「津田くんもシノちゃんもいない時に聞いてきたってことは……ふふふ」

スズ 「そ、それはっ……」

アリア「恥ずかしがらなくても大丈夫。誰にも言わないよ」

スズ 「…………内密に教えていただけると」モジモジ

アリア「んー、そうだなぁ」

アリア(夢の中で思い通りに動ける明晰夢……睡眠聴取もできるスズちゃんなら、すぐに使いこなせそう)

アリア(どうなるか、ちょっと楽しみ)

アリア「わかったよ。お姉さんに任せて」ポヨン

スズ 「は、はい」


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アリア「スズちゃんは普段から瞑想とかしてるから、そこから導入していく方法を教えるね」

スズ 「瞑想からですか」

アリア「重要なのはイメージね。どんな夢を見たいか、って念ずること」

スズ 「でもそれは、夢の中で好きに動けることにはならないですよね」

アリア「うん。夢の中で『これは夢だ』って気づくんじゃなくて、意識を持ったまま夢に落ちるっていう感じでやってみるの」

スズ 「瞑想して、意識を持ったまま……」

アリア「でも夢に気づくのもポイント。夢であると気づくためのサインを作っておくの」

スズ 「サインですか……」

アリア「夢でしかできなさそうなことをやってみて、それができたらそこは夢の中」

スズ 「例えばどういった?」

アリア「んー……身近なものがいいかなー。挿れてないア○ルプラグを抜いてみるとか」

スズ 「……身近じゃないんですが」


アリア「そっかー。それじゃあ、空を飛んでみるとかは?」

スズ 「ああ、夢っぽいですね」

アリア「でも、イって飛んじゃうのとごちゃまぜになりそうで」

スズ 「なりませんから」

アリア「やるね、スズちゃん。イク感覚もきちんと区別つくんだね」

スズ 「そういう意味じゃなくて!」

アリア「ともあれ、そんな感じで夢に気づくためのサインを準備」

スズ 「はぁ、まあ、わかります」

アリア「夢だと気づいたら、あとはその夢の支配者は自分だっていうことを頭に置いておくんだよ」

スズ 「瞑想、睡眠、気づき、支配……いろいろありますね」

アリア「そこまで行ったら、あとはだいたい好きにできちゃうから」

スズ 「は、はい……」ゴクリ

アリア「津田くんのお尻調教はなかなか難しいから頑張ってね」

スズ 「しませんよ!?」


アリア「あ、調教されたい側?」

スズ 「なにが、あ、ですか! 違います!」

アリア「津田くんMだもんね。なかなかできないプレイをするために」

スズ 「そうじゃなくて…… だいたい、なんで津田ばかり話題に……」

アリア「え、違うのー?」

スズ 「ち、ちがっ……!」

アリア「じゃあ何のために明晰夢を?」

スズ 「それはその…… す、睡眠学習に生かせればと……」

アリア「ああ、なんだー、そっか」

スズ 「そ、そう、そうなんです」

アリア「エッチな勉強に終わりはないもんね」

スズ 「聞く相手間違えたかなー……」


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夜 スズ部屋

スズ 「…………」

スズ 「そろそろ寝ようかな……」

スズ 「…………」ゴク

スズ 「落ち着け、落ち着けー……瞑想にはリラックスが大事」

スゥ ハァー

---

アリア「そうそう、良かったら夢の内容教えてよ」

スズ 「えっ、ええっ!?」

アリア「ねーねー。津田くんにどんなことされたいのー?」

スズ 「だ、だからそういうためではなく……」

アリア「誰にも言わないから大丈夫よ。これでも口は堅いんだから、上も下も」

スズ 「うう…… は、話せる内容でしたらっ」

---

スズ 「余計なこと言ったかなぁ……」

スズ 「と、とにかく、やってみよ」


スズ 「んしょ」

ゴソゴソ バサ

スズ (……リラックスと……瞑想、イメージ……)

スズ (…………津田……)

スズ (やっぱり津田が出てくるよね……)

スズ (明日も……朝迎えに行って……)

スズ (一緒に登校……)

スズ (…………)

スズ 「すぅ……」

---

スズ (…………)

スズ (あれ、結構時間たった気がする……)

スズ (なんだっけ、レム睡眠の時に見るとか聞いたような……)

スズ (……意識ある?)

津田 「……むら?」


スズ 「ん……」

津田 「萩村?」

スズ 「えっ、なに……?」

津田 「どうしたの、ぼーっとして」

スズ (これは……朝の通学路……)

スズ 「なんでもないわよ?」

津田 「そう。萩村もまだ眠いのかと思ったよ」

スズ 「眠いことは眠いけどね……」

津田 「オレも眠くてさぁ。昨日コトミが――」

スズ (夢、という意識……)

スズ 「あ」

津田 「ん?」

スズ 「な、なんでも」

津田 「忘れ物かなんか?」

スズ (確認……確認……)

スズ 「よっ」

クルッ スタンッ

スズ 「……わ、前宙できた……」

津田 「忘れ物なら早めに思い出した方がいいよ」

スズ (津田が無反応…… これは、間違いない)


スズ 「津田」

津田 「ん?」

スズ 「なんでもないから、早く学校行きましょ」

津田 「ん、ああ」

グイッ

津田 「おっと」

スズ 「えと…… た、たまには手繋いだっていいじゃない」

津田 「んー、うん」

スズ (リアクション軽いなぁ…… あ、そうか、私が津田のリアクションを想像できてないんだ)

スズ 「なら、これでどうかしら」

ギュッ

津田 「え、ちょ……萩村」

スズ (恋人繋ぎまですれば、分かりやすい反応しそうだものね)

スズ 「いいでしょ?」

津田 「う、うん……」

スズ (これはなかなか……面白いかも)


お昼休み

スズ 「津田ー。ご飯食べよ」

津田 「ああ。生徒会室でいいよな」

スズ 「んー……」

スズ (会長と七条先輩いるのかな? あ、いや、いないとして行けば……)

ガラッ

津田 「会長たちは今日はいないみたいだな」

スズ (なるほど)

スズ 「次の時間体育だからじゃない? 着替えとかあるし」

津田 「かもね。食べようか」

スズ 「うん……」

ガタ

スズ (となると……やっぱりここは)

津田 「ん……萩村のお弁当、毎度おいしそうだな」

スズ 「まあね。前に会長が作ってきたけど、今度私が作ってこようか?」

津田 「えっ、ほんと。嬉しいよ」

スズ 「ん……ふふ」

スズ (夢のだからって素直すぎるなぁ、私……)


スズ 「じゃあ今日のところは、はい」

スッ

津田 「お、もらっていいの?」

スズ 「ん。あーん」

津田 「あー」

パク

津田 「うん、おいしい」

スズ 「ふふ、お母さん作だけどね。持ってきてあげるときはちゃんと作ってあげる」

津田 「楽しみにしてるよ」

スズ (んー…… やっぱりリアルな反応がわからないなぁ……)

津田 「じゃあ、はい」

スッ

スズ 「えっ」

津田 「お返し。あーん」

スズ 「え、えっと……」

スズ (あれ、そんな想像してないけど…… でも、まぁ……)

スズ 「あー……」

パク

スズ 「ん…… あ、ありがと」


放課後 図書室

スズ (意識しなくても、無意識の願望が自動的に反映されるのかな……?)

スズ 「なるほどなぁ……」

津田 「なにが?」

スズ 「なんでもないわよ。ほら、そこの計算間違ってる」

津田 「あ、そか」

スズ 「…………そうだ」

津田 「ん?」

スズ 「ねえ、津田。ちょっとお願い」

ガタ

津田 「なに?」

スズ 「えーとね、あっちの本棚の……あそこの本とって」

津田 「はいよ……っと。これでいい?」

スズ 「う、うん」

スズ (これはいいかも……実際にもできそうだし)

こないだのコトミの人か


ヨロッ

津田 「おっと」

ガタ ドンッ

スズ 「!?」

スズ (えっ、えっ!? 津田の身体で本棚に押し付けられて……!?)

津田 「ご、ごめん萩村。大丈夫……?」

スズ 「えっと……大丈夫じゃない、かも……」

津田 「え」

ギュッ

津田 「は、萩村!?」

スズ 「しーっ…… 図書室では、静かに」

津田 「う、うん……」

スズ (すごい、感触リアル…… こんな風に抱き着いたこと、あったかな……)

スズ (あ、そうだ。スカート風に飛ばされたとき……半裸の津田に……)※9巻#235

スズ 「えっ、てことは……」

津田 「萩村?」

スズ 「…………」チラ

津田 「?」(上半身裸)

スズ 「わーーっ!?」


朝 スズ部屋

ガバッ

スズ 「…………はぁ、はぁ……」

スズ 「ゆ、夢よね……明晰夢だものね……はは……」

スズ 「はぁー……びっくりしたー……」

スズ 「とりあえずは成功ってことでいいのかな……」

スズ 「いや、けどあれは…… ヤバかったぁ」

スズ 「下手な想像できないわね……」

スズ 「おっと、ボアの散歩行って、それから津田拾ってかないと……」

スズ 「う、津田……」

スズ 「……朝から変な気分になるなぁ……」


津田家 玄関

津田 「おはよー」

スズ 「おはよ」

津田 「いつも悪いね」

スズ 「ついでよ、ついで」

コトミ「いってらー」

津田 「お前もさっさと来いよ」

コトミ「いやぁ、おふたりの朝の秘め事を邪魔するわけには」

津田スズ「「なんもしてねえ」」

コトミ「あはは、朝から気が合いますのう」

スズ 「そんなんじゃないわよっ!」

津田 「まったく。遅刻すんなよ」

コトミ「はーい。あ、スズ先輩」

スズ 「なに?」

コトミ「タカ兄落とすなら朝はチャンスですよ。今日は特に寝ぼけて」

スズ 「落とさないっての」


通学路

スズ 「布団から出るのがつらい季節になってきたわねー」

津田 「だなー。萩村もまだ眠いの」

スズ 「まあ、多少眠いかもだけど……」

津田 「オレも眠くてさぁ。昨日コトミが――」

スズ 「…………」ピタ

津田 「ん? どうしたの、立ち止まって」

スズ 「え、いや、えっと……」

スズ (……正夢?)

スズ 「わ、忘れ物したかと思ったけどそんなことなかったわ、あはは」スタスタ

津田 「あー、あるある」

スズ (そんなボケしないわよ……けど、これは……)

スズ (夢だとあの後……手、繋いだんだっけ)

チラッ

津田 「――そんで、そこは意味ないのに続けるもんだから――」

スズ (……ま、さすがに無理か)


放課後 生徒会室

アリア「んふふふ。スーズちゃん」

スズ 「う、七条先輩……」

アリア「どうだった? いい夢見られた?」

スズ 「はぁ、まあ……いいかどうかはともかく、実践はできました」

アリア「さすがスズちゃん。どんな夢だったのかなー?」

スズ 「いえーそのー……七条先輩が興味持つようなことはないと思いますヨ」

アリア「えー、気になるなぁ」

スズ 「普段通りでしたよ、普段通りの日常」

アリア「ふぅん」

アリア「それって、私やシノちゃんもいたの?」

スズ 「いましたよ」サラッ

アリア「…………」

スズ 「なんでしょう」

アリア「うふふふ、ふふふふ…… どうせなら二人きりがいいのにね、うふふ」

スズ 「そ、そうですかね、あはは……」


アリア「スズちゃん」キラーン

スズ 「は、はいっ?」

アリア「物事は段階を経て進んでいくのがいいと思うよ」

スズ 「はあ、それはそうだと思いますが……」

アリア「エッチから始まる恋もあるけど、いきなりはもったいないからね」

スズ 「なっ、何の話ですか!」

アリア「いいのよー、満更じゃなさそうだもの」

スズ 「う」

アリア「楽しかったでしょ?」

スズ 「ま、まぁ…… 悪くは、ないですかね」

アリア「うふふ、今日はキスぐらいまでにしとこうね?」

スズ 「キッ!?」

アリア「あ、もう済ませちゃった?」

スズ 「まだです!」

アリア「そっかー、まだかー、このあとかー、うふふふ♪」

スズ 「あ、あう……」


アリア「そうそう、シチュエーションも楽しめるけど、普通じゃできないことを楽しむのも一興だよ」

スズ 「はあ…… 普通?」

アリア「何でもできるはずだから、いろいろやってみるといいよー」

スズ 「……気が向きましたら」

アリア「でね」

スズ 「はい」

アリア「どんな夢見たのー?」

ギュムッ

スズ 「わ、ちょっ、後ろに回らないでくださいよ…… っていうか頭に乗せるなぁ!」

アリア「ねーねースズちゃん、お姉さんに教えてよー、津田くんに何させたのー?」

スズ 「何もさせてませんよ! 七条先輩こそなにさせてるんですか!」

アリア「聞きたい?」キュピーン

スズ 「結構です!」


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夜 スズ部屋

スズ 「はあ、さすがに七条先輩にはまいったなぁ……」

スズ 「津田や会長に話した様子はないから、信用はしていいだろうけど……」

スズ 「……七条先輩ね…… うーん、やっぱりあの胸はなあ……」

サワサワ

スズ 「…………うん、むなしい分やめとこう」

スズ 「あ」

スズ 「つまり、そういうこともできるのかな」

---

スズ 「瞑想……想像…… 今日はどうしようかな」

スズ 「……んー……私の部屋での、勉強会……」

スズ 「…………すー……」


---

スズ 「ほら、また漢字間違えたー」

津田 「あれー、違ってる?」

スズ 「払うところ跳ねちゃってるの。大体の字形はあってるのに、細かいところでぽろぽろあるのよね」

津田 「いやー、はは」

スズ (……ん、これ夢? えっと、こんなところで宙返りできるのかな……)

スズ 「よっ」

フワッ クルン

スズ 「と」スタッ

津田 「ん? どしたの、立ち上がって」

スズ (うん、夢、OK)

スズ 「え、ううん、体をちょっと伸ばしたくなっただけ」

津田 「ああうん、オレもちょっと凝ったー」ノビー…

津田 「ふう」

スズ 「仕方ないわねー。ほら、背中向けて」

津田 「お、揉んでくれるの」

スズ 「終わったら次数学よ」

津田 「うへぇ」


スズ 「よいしょ」

ギュッ ギュッ

津田 「あーきく……」

スズ (……うーん、膝立ちには高いけど、立つには低い……)

スズ (あ、そうだ)

スズ (イメージを膨らませて……手足も全体的に……)

スズ 「お、お」

スズ (会長ぐらいの背になって…… 胸は……あー、んー…… む、ムツミくらい?)

スズ 「よっ」

ポヨン

津田 「えっ」

スズ (わ、これが成長した私……! うん、服もフィット)

津田 「は、萩村……」

スズ 「なによ」

津田 「あの、えっと……」

スズ 「…………」クスッ


スズ 「なに見てるのよ、このー!」

津田 「み、見えてはいないよ!?」

スズ 「あーあ、ちょっと大きくなったからって意識しちゃってー」

津田 「ちょっと?」

スズ 「あん?」

津田 「いえ、ちょっとですね、はい」

スズ 「津田、立ってみて」

津田 「え」

スズ 「背比べてみるんだから、ちょっと立って」

津田 「い、いやー、それは」

スズ 「はい? なんでそんなことで渋って…… ……え、まさか」

津田 「なっ、なんもない、なんもなってないよ!?」

スズ 「ひくわー」

津田 「なんでちょっと嬉しそうかなー……」


津田 「た、立つよ。立てば問題ないだろ」

スズ 「うん」

津田 「よっ」スクッ

スズ 「お…… おー、頭半分くらい? 顔の位置、結構近いのね」

津田 「う、うん」

スズ 「なによ、歯切れ悪いわね」

津田 「いや……顔近いなって」

スズ 「えっ……」カアッ

スズ 「な、なに言ってるのよ、バカ……」

津田 「いや、萩村だって言ったじゃん……」

スズ 「…………」

津田 「…………」

スズ 「これだけ近いと……背伸びだけでできそうね」

津田 「えっ」

スズ 「…………」

津田 「…………う、うん」


スズ 「津田……」

津田 「……萩村」

ドキ ドキ

津田 「あの、近いんだけど……」

スズ 「近いわね……」

津田 「…………」

スズ 「…………」

津田 「か」

スズ 「か?」

津田 「肩……抱いていい……?」カアッ

スズ 「…………ばっ、バカっ、そんなん聞かないでよ!」

津田 「ご、ごめん」

スズ 「ムードないわよ、もう……」

津田 「えと、それじゃ……」

ギュ クイッ

スズ 「あ……」


スズ 「…………」

津田 「…………」

ス…

スズ (あれ?)

スズ (嘘っ。目閉じたのに、全部見える!?)

スズ (私と津田が…… あっ、津田も目を閉じて……!)

スズ (だ、だめっ、主観ならまだしも、三人称視点で見えるのはだめーー!)

スズ (え、ちょっと、津田が顎に手を添えるなんて、あんたそんな事しないでしょ!?)

スズ (あっ……)

チュ

スズ (み、見えてるのに感触はしっかりあるなんて……!)

津田 「……ん……」

レロ

スズ 「!?」

津田 「…………ん、ふ……」

スズ 「あ……あ、ん…… んふ……」

ジュプ レロォ

津田 「…………ぷは……」

スズ 「はぁっ…… ……はぁ……」


スズ 「はぁ…… ば、ばか、苦しいじゃない……」

津田 「抑えられなくて……」

スズ 「もう……仕方ないんだから……」ギュッ

津田 「萩村……」

スズ 「立った状態でこんなに首が近いと……食べたくなるわね」

津田 「えっ」

スッ カプ

津田 「う、んっ……」

スズ 「…………」

チュゥ…

スズ 「…………ふ」

津田 「は、萩村……」

スズ 「うん?」

津田 「つけたな……?」

スズ 「えへへ……付けた」


津田 「このっ」

グイ

スズ 「わわっ」

ドサッ ギシッ

スズ 「…………津田」ドキドキ

津田 「……萩村、ここまできたら……いいよな?」

スズ 「え……」ピピピ

津田 「だって」

スズ 「う、うん……」ピピピ

津田 「目覚ましすげえうるさいだろ」

スズ 「え」

ピピピ

---

朝 スズ部屋

ピピピ ピピピ ピ…カチ

スズ 「…………」

スズ 「うそぉ……」ズーン


スズ 「あのタイミングで……あのタイミングで目が覚めるとかないわー……」

スズ 「しかも、なに? 手順もいろいろすっ飛ばしてるし……」

スズ 「うー……」

スズ (夢の内容が悪くないと思っているあたり、最悪だわ……)

スズ 「と、とにかく、起きて学校行かねば……」ヨロッ

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津田家 から通学路

津田 「おはよー」

スズ 「お、おはよう……」

津田 「ん? どうかした?」

スズ 「なにも」

津田 「そうそう、今度の中間テスト、また勉強見てもらってもいい?」

スズ 「べ…… う、うちでっ!?」

津田 「へ」


津田 「別に学校でいいけど……」

スズ 「あ、ああ、そうよね。……いいわよ」

津田 「いやー、毎度お世話になります」

スズ 「感謝してよねー……」

津田 「そうだなー。今度なんかお礼するよ」

スズ 「お礼?」

津田 「なんか食べてもいいし、うーん。遊びでもいいけど」

スズ 「え、っと、それ、は…… ……で、デー」

津田 「あ、テスト終わったらケーキでも持っていこうか」

スズ 「…………」

津田 「ん?」

スズ 「そ、そこは、食べに行こうか、でしょ……」

津田 「え、あ、あー……」

スズ 「……バカ」


スズ (それにしても…… 私、積極的になってる?)

スズ (夢でいろいろ試した甲斐があるのか…… 感覚が麻痺してるのかはわからないけど)

スズ (これはこれで、なんかいい感じかも)

シノ 「ん。おお、津田」

津田 「あ、会長。おはようございます」

スズ 「おはようございます」

シノ 「ああ、萩村も」

スズ 「最初気づかなかったですね!?」

シノ 「い、いやぁ、津田の陰だったからかなー、あははは」

津田 「まあまあ」

スズ 「むー」


シノ 「何の話をしてたのかな?」

津田 「ああいえ、大したことではなく。いつも萩村にテスト見てもらってるんで、今度の中間が終わったらお礼でもしようかと」

スズ (えっ、馬鹿)

シノ 「ほほう」

スズ 「な、なんでしょう」

シノ 「ほーん…… どこかに行くのかな?」

津田 「特に決まってはいないですが、まあ、ケーキ店でも」

スズ (と、止めたいけど、これは止められないわね……)

シノ 「ほう。そういえば新しいカフェが駅前にできたそうだぞ」

津田 「ああ、いいですね。皆でいきますか」

スズ (ほらこうなる……)

シノ 「あれ? 私もいいのか?」

津田 「ええ、生徒会ではいつもお世話になってますから」

スズ 「ま、津田はいつものことだものね」

シノ 「おっ、お世話したことなんてないぞ!?」スコスコスコ

津田 「右手動かさないでくれませんか」


スズ 「はぁ」

スズ (ま、現実はこんなもんか)

津田 「萩村」コソッ

スズ 「んー」

津田 「これとは改めて、今度ケーキ買っていくよ」

スズ 「え、う……」

スズ 「……うん」

シノ 「?」

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放課後 生徒会室

アリア「お疲れさま、スズちゃん」

スズ 「あ、はい、お疲れ様です」

アリア「ふふ、あっちはどんな具合?」

スズ 「えーと、まあ、いい感じじゃないですかね……」

アリア「ほほう、イイ具合ね」

スズ 「違う意味で言ってませんか」


アリア「スズちゃんのことだから、もう結構使いこなしてるんじゃない?」

スズ 「どうでしょう……いろいろ成長させたりできましたが」

アリア「おっきく?」

スズ 「ええ、おおきく……」

アリア「津田くんのもおっきく?」

ドキッ

スズ 「お、おおお……」

アリア「えっ、本当に!?」

スズ 「してません!」

アリア「すでに挿入っていたり!?」

スズ 「しません!」

アリア「よかったー、安心したよ」

スズ 「ゆ、夢の話じゃないですか……」

アリア「んー、でも私、夢でもシてはいないの」

スズ 「はぇっ……!? し、して、って……」

アリア「だからスズちゃんが一足跳びでシちゃったら、それはちょっと妬けちゃうかもって」

スズ (七条先輩……も、まさか……)


スズ 「でも、所詮は夢の話じゃないですか」

アリア「だけどそれは、津田くんとそうなりたいって言う願望があるわけで」

スズ 「…………その、願望は無意識でも夢に表れるんですか」

アリア「無意識こそ表れるかもね」

スズ (じゃあ、夢での津田の思わぬ行動って……)

スズ 「う、う~……」プシュゥ

アリア「あらまっか」

スズ 「そ、そんな希望、持ってるわけない……」

アリア「ということは……夢で津田くんに何かされたってこと?」

スズ 「なっ、なに言ってるんですか!!」

アリア「キスしたら押し倒されたとか」

スズ 「わーっわーっわーっ!!」

アリア「あらー♪」


スズ 「だ、誰にも言わないでくださいよ……」プルプル

アリア「そっかー、そんな願望が」

スズ 「七条先輩ぃぃ!」

アリア「うふふふ、最初に約束した通り誰にも言わないから大丈夫」

スズ 「ううう……」

アリア「あれ、でも最後までしてないってことは、途中で目が覚めたの?」

スズ 「……まぁ、はい……」

アリア「そう……なら、今日は最後までだね!」

スズ 「さいごっ!?」

アリア「ここまで来たら、しちゃった方が」

スズ 「でっ、できるわけないじゃないですか! そもそも知らないのに!」

アリア「知識として知っている以上はできるし…… それに、痛みもないと思うから、すごくイイんじゃないかなー」

スズ 「い、い……」クラッ


アリア「あらあら。ちょっと興奮しすぎちゃった? お茶淹れようかー」

ガタ

スズ 「はぁ……はぁ……」

アリア「ちょっとやりすぎちゃったかな。スズちゃんのそんな反応新鮮で、つい」

スズ 「い、いえ…… もとは私が言い出したことでもあります……」

アリア「夢ではいろいろできているみたいだから、それをシミュレーションとして、ちょっとでも素直になれたらいいかもしれない

わね」

スズ 「素直に、ですか」

アリア「そうそう。好きな人の前って、素直になりづらいじゃない」

スズ 「……七条先輩、それって……」

アリア「ふふ、これも内緒の話」

スズ 「……はい」

アリア「人を好きになるって、いいことだもの」

カチャ

アリア「ね」

スズ 「お茶……ありがとうございます」


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夜 スズ部屋

スズ (……単なるシミュレーションとして……)

スズ (で、でも最後までとかそんな……)

スズ (……もし)

スズ (もし私が、津田と……)

スズ 「…………」

バサッ

スズ (リラックス、リラックス……)

スズ 「…………」

---

生徒会室

スズ 「…………」

スズ 「……あれ、生徒会室……」

スズ 「背も、いつも通りね……」

スズ 「よっと」クルッ

スタ

スズ 「ふふ、もう手慣れたものよね」

ガチャ

津田 「あれー、萩村」

スズ 「!」ビクッ


スズ 「つ、津田」

津田 「今日は活動無かったよね?」

スズ 「う、うん。たぶんそう」

津田 「たぶん? まあ、会長も七条先輩も帰っちゃったから、したくてもできないけど」

スズ 「そ、そう……」

津田 「それで萩村はどうして」

スズ 「あ、あー…… ちょっと書類置きに来ただけよ」

津田 「ああ」

スズ 「津田こそなんで」

津田 「お昼食べたときに落とし物したみたいで」

スズ 「落し物?」

津田 「あー、あったあった。お弁当の箸ケース」

スズ 「抜けてるわねー」

津田 「いやぁ、面目ない」


スズ 「あんまり間抜けなことしないでよー」

津田 「気を付けます。萩村はまだかかる?」

スズ 「いや、この書類戻したら終わり……」

津田 「ああ、じゃあ待ってるよ」

スズ 「う、うん」

スズ 「……津田」

津田 「なに?」

スズ 「この書類、棚の一番上、右から3つ目に戻してくれる?」

津田 「ん、ああ、わかった……」

ガラ

津田 「……珍しいな、萩村がオレに頼むなんて」

スズ 「合理的、とでも言ってほしいわ」


津田 「そんなもん? だって……」

スズ 「だって?」

津田 「あー、いやー…… 基本自分でやりたがるじゃん」

スズ 「そうねー、一人で何でもできなきゃって思っていたけど」

津田 「……けど?」

スズ 「あんたになら、頼っていいかなって思い始めたのよ」

津田 「……え、えーっと……」

スズ 「…………」ジー

津田 「……どうも」

スズ 「……ふふ」

津田 「?」

スズ 「ふふ、あはは、あはははっ」

津田 「萩村?」

スズ 「はは…… あー……」


スズ 「うん、やっぱり私、あんたのこと好きだわ」

津田 「へっ!?」

スズ 「言ったとおり、好きってこと」

津田 「え…… あー、んー…… は、萩村、オレも……」

スズ 「おっと、あんたは何も言っちゃだめ」

津田 「ええっ!?」

スズ 「……所詮は私の夢だからね。この先は、夢で聞きいちゃだめなの」

津田 「萩村……」

スズ 「だからこの明晰夢ごっこも、今日でおしまい」

津田 「そうなんだ」

スズ 「いつか現実のあんたに言ってやるけどね」

津田 「……うん」


スズ 「今日は、そうだなー……手繋いでかえ……」

津田 「萩村」

ズイッ

スズ 「え、津田……?」

津田 「それはそれとしてさ」

スズ 「へ?」

グイ ガタガタ  ドサッ

スズ 「えっ、あ、な、なにっ!?」

津田 「だって七条先輩が言ってただろ?」

スズ 「なんでそれを…… って、私の頭の中じゃ知ってて当然か……」

津田 「な。だから」

スズ 「だ、だからでもダメー!」


スズ (こ、これも私の願望だっていうの!?)

スズ (でもこんな、机の上でなんて……)

スズ 「こら、津田ぁ! あんたこんなところで、なに考えてんのよ!」ジタバタ

津田 「でも抵抗する割には……」

ギシッ

スズ 「あ、や、だ、だめだって……」

津田 「萩村……」

スズ 「…………だ、だめ、だめ…………」

津田 「……ん」

チュッ

スズ 「ん、ん……!」

ニュル レロ ジュル

スズ 「……ふ、は……んっ……」

津田 「ん…………ぷは……」


スズ 「ば、ばか……」

津田 「おとなしくなったね」

スズ 「ううー……」

津田 「よいしょ」

バサ ズルッ

スズ 「……!? え、ちょっと……」

津田 「ストッキングって、結構脱がしにくいな。まあ、途中まで脱がせば十分……」

スズ 「ちょっと本気!? っていうか見んなー!」

津田 「大丈夫だよ。痛くしないから……」

スズ 「痛いとかそういう問題じゃなくて…… あ、やっ……」

津田 「ん、濡れてる」

カチャカチャ

スズ 「バカバカバカ! ちょっと、なにベルトゆるめて……」

津田 「よっと」

スズ 「あ……」

スズ (実物知らないから、良く見えない…… ……けどこれはダメー!)


津田 「萩村、あまり暴れないで」

スズ 「暴れるわ! 犯罪よ、ゴーカンよ!」

津田 「昨日は乗り気そうだったのに」

スズ 「昨日の夢持ち出すなー!」

津田 「夢の割には、この状況から脱出しないんだな」

スズ 「ふぇっ!?」

スズ (そ、そういえば、私の思いのままの世界なんだから……これくらい……!)

津田 「まあ、萩村の表に出ない願望っぽいから、多分無理だろうけど……」

スズ 「希望を絶つな!」

津田 「ほら、力抜いて……」

ヌチュ

スズ 「や……だめ、津田……そ、そんなの無理よ……!」

津田 「大丈夫、ちゃんと良くしてあげるから」

スズ 「あんた夢でだって初めてでしょ!?」

津田 「萩村が一人でしてるのと同じくらい気持ちよく」

スズ 「ちょ、お、ばっ…… ……ふ、ふ……」


---

スズ 「ふっざけんなぁ~!」

ガバッ

スズ 「…………あ、あー……」

ドサッ

スズ 「はぁー……自己嫌悪半端ないー……」

スズ 「……んっ……」クチュ

スズ 「うわ……」

スズ (いくらなんでも、あ、アレはないわ……)

スズ 「現実だったら…… いやっ、そもそもあいつがそんなことするわけないし……」

スズ 「あ、あーもーっ、着替えてさっさと行こう!」


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朝 通学路

スタスタスタ

スズ 「…………」

津田 「萩村、今日なんか歩くの早くない?」

スズ 「早くないわ」

スタスタスタ

津田 「なんか機嫌悪くない?」

スズ 「普通よ」

津田 「…………」

津田 「萩村」

スズ 「なによ」

津田 「……ま、ゆっくり行こうよ」

スッ

スズ (手、これ……繋いでいこうってこと……?)

スズ 「…………で」


津田 「で?」

スズ 「できるかーっ、ばかっ!」

スズ (現実の津田が悪いわけじゃないけど……)

スズ (悪いわけじゃないんだけどさー!)

スズ 「……はー……」

スズ (…………せっかくだからちょっと素直に、ね……)

スズ 「……津田っ」キッ

津田 「うん?」

キュッ

スズ 「が、学校見えるところまでね」

津田 「ん……うん」

スズ 「…………」モジモジ

津田 「あ、そういえばさ」

スズ 「なによ」

津田 「……今度は、ちゃんと最後までしような」

スズ 「…………」ピタ

津田 「(ニコッ)」

スズ 「!?」





どっとはらい

>>12
ごめん違うんだ


生徒会役員共のSSでした

スズちゃんはかわいいね

書き溜め投下でも結構時間かかるもんですね

次は、以前のスレでウオミストの声を結構聞いたので、ネタが出ればウオミーで

ただ、今週のアリアが可愛すぎてヤバかったのでアリアにいくかも

まあ私は結局、スズちゃんが可愛ければそれで

次回はウオミーにしよう。なんとなくネタができたので。

ちょっと宣伝
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24627492
役員共動画作ってみたよ! よかったら見てやってください。

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