萩村スズ「津田、また風邪ひいたの?」 (113)


生徒会役員共のSSです

スズちゃんかわいいな

不手際あったら御免

スズちゃん欲しいな


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萩村宅 朝


スズ「あんた、これで何回目よ。体調管理がなってないわよ」

津田『面目ない…… すまないけど萩村』

スズ「あーはいはい、仕事もノートもやっとくから、しっかり寝て早く治しなさい」

津田『うん、助かるよ。それと、頑張って』

スズ「ツッコミは私の本業じゃないわよ…… 前回でこりごりだわ」

津田『はは、オレの本業でもないけど…… 先輩たちは通常運転だと思うから』

スズ「はいはい、適当にね。明日には来てよ、私ひとりじゃ持たないから」

津田『うん、ありがとう』

スズ「お大事に」

ピッ

スズ「ありがとう、か。ちょっと前だったらあいつ、謝っていたと思うけど」

スズ「……お見舞い、いってやろうかな」


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生徒会室 昼休み

スズ「というわけで、津田は風邪で休みです」

シノ「分かった。みんなも体調管理には気を付けてくれ」

アリア「うん」

スズ「はい」

シノ「それにしても、津田も風邪が多い奴だな。そんなに体が弱いとは思えないが」

スズ(ツッコミで精神的には疲労してそうだけど)

アリア「単なる風邪ならいいけど、高熱とかおたふく風邪だと心配だよね」

シノ「そうだな」

スズ「ですね」

シノアリア「「無精子症になることがあるから」」

スズ「……ピンポイントでそこが心配なんですか」

シノ「何を言う、重要なことだぞ」

アリア「そうだよ。中出しし放題だけど」

シノ「そんな気力も失せちゃうだろう。はっ、津田のED疑惑がホンモノに!?」

スズ「食事中にやめてください」


食後

シノ「では、津田の分の仕事は分担して済ませるとしよう。とはいっても、今日は暇だからそんなにかからない

はずだがな」

スズ「はい」

アリア「うん」

シノ「ではまた、放課後に」

スズ「はい、失礼します」

アリア「先行ってるねー」

ガラガラ

シノ「津田が風邪か……」

ピロリロリン

シノ「む? ウオミーからか」

シノ(コトミちゃんから聞きました、タカくんのお見舞いに行きませんか、か)

シノ(ふむ)


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午後の授業 教室

横島「ということだから、ここの訳は…… ……この動詞はこちらにかかり……」

スズ(お見舞いにいくとは言っても…… 行ってどうしたらいいものなんだろ)

スズ(一人で行ったとして、津田の部屋に二人で……?)

スズ(あっ、思えば一人で津田の家に上がるなんて初めてじゃ……)

スズ(や、やばい放課後のことなのにドキドキしてきた)

横島「んじゃあ、このプリント宿題として出すから、次の授業で提出ね」

バサ ガサガサ バサ

横島「やってこない男子生徒は個別で呼び出すゾ」

柳本「休みの人はどうするんですか」

横島「む、津田が休みか…… 萩村ー、津田の妹とかにプリント渡せる?」

スズ「あ、いいですよ。渡しておきます」

横島「やってこなくていいよって伝言しといてぇ♪」

スズ「いつか職員会議にだされますよ」

スズ(プリント…… ……これよ、これ! 大義名分ができたじゃない!)

スズ(うん、行こう、お見舞い)

いつもの人かな?スレ立て乙です。

だがしかしスズは津田のだからカエデちゃんにしときなさい。


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放課後 生徒会室

シノ「うむ、今日はこんなところかな。暇な時期で助かったな」

アリア「こっちもこれで終わりかな。スズちゃんは?」

スズ「はい、大丈夫です」

シノ「みんな、お疲れ。それで、提案というか、勧誘なんだが」

スズ(……?)

シノ「ウオミーから連絡があってな、津田の見舞いに行こうと思う」

スズ(魚見さん……)

アリア「あら、それはいいわね」

シノ「ふたりはどうかな、一緒に行かないか」

スズ(会長と魚見さんも、お見舞い行くのか……)

アリア「えーと、ごめんシノちゃん、今日は家の用事があって」

シノ「む、そうか。仕方がないな。萩村はどうだ」


スズ「あ、え、えっと私は……」

スズ(普通に考えてみれば……)

スズ(これは渡りに船じゃない? プリントだってある、会長が誘ってくれる)

スズ(ええ、私もちょうど行こうかと思っていたところです)

スズ(そう、言ってしまえばそれで済む話)

スズ(のはずなのに、なんで)

スズ「私も、ちょっと今日は」

シノ「そうなのか。ならば二人で行ってくるとしよう」

アリア「ごめんね、よろしく」

スズ「よろしくお願いします……」

アリア「…………」


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シノ「じゃあ、私はこっちで」

アリア「津田くんによろしく言っておいてー」

シノ「うむ」

スズ「お疲れ様です」

アリア「あ、でも津田くんとよろしくしちゃだめだよ?」

シノ「なっ、何を言ってるんだアリア! ウオミーだって来るんだぞ!」

アリア「来なかったらよろしくヤっちゃってたの?」

シノ「そ、そんなわけあるか! 行ってくる!」

アリア「また明日ねー」

スズ「また明日……」

シノ「またな」

テクテクテクテク

アリア「スズちゃん?」

スズ「なんでしょう」

アリア「行かなくてよかったの? お見舞い」

スズ「ええ…… 用事が、あるんで」


アリア「うふふ。私には通じないよー」

スズ(……見抜かれた? でもこの人のことだから、カマかけただけかも)

スズ「なにがですか」

アリア「本当に用事で行けなかったなら、もうちょっと落ち込むか、悔しいはずなのよね」

スズ「…………」

アリア「私がそうだからねー」

スズ「えっ」

アリア「ん? んー?」

スズ「いや、その、七条先輩の言動に驚いただけ、ですよ」

アリア「スズちゃんは行きたいけどいけない、もしくは行きたくない」

スズ「……先輩」

アリア「私ならわかるよ」

スズ「あまり、からかわないでください」

アリア「スズちゃんなら自分の理由はわかるよね。多分認めたくないんだけど」

スズ「……怒りますよ」

アリア「ふふ、ごめんねー? でも、もったいないって思っちゃって」

スズ「もったいない?」


アリア「津田くんを好きな、まっすぐな気持ちが」

スズ「す、すっ…!?」

アリア「あーあ、私も弱ってる津田くんにあんなことやこんなことしたかったなー」

スズ「病人に何する気ですか」

アリア「うふふ。でもアレだよー? 寝込んでるから、溜まるもの溜まって……」

スズ「だから何する気だ!」

アリア「うふふふ……」

スズ「まったく」

アリア「でもスズちゃん。怖いよね」

スズ「はい?」

アリア「踏み出したら、戻れなくなりそうで」

スズ「…………」

スズ(まったくだ。まったくこの人は、つかめない)


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萩村宅 自室

スズ「…………帰ってきてしまった」

スズ(もう着替えちゃおう)

スズ(……会長と魚見さんは、今頃津田の家かな)

スズ(七条先輩の言った意味……うん、もちろん解っている)

スズ(みんなで、じゃないんだ)

スズ(一人で、津田に会いたかったんだ)

スズ(そんな自分勝手のような、わがままのような気持ちで行くのが嫌で、だから……)

パサ

スズ(…………プリント…… ああ、会長にもコトミちゃんにも渡さなかったな)

スズ(別に横島先生の授業に間に合えばいいわけだし……)

スズ(…………)


スズ(…………イライラがおさまらない)



『もったいないって思っちゃって。津田くんを好きな、まっすぐな気持ちが』



スズ(会長や、魚見さんは間違いない。そして、七条先輩も……?)

スズ(…………)

スズ(いいんですか、七条先輩)

スズ(私の背中押すようなこと言っちゃって)

スズ(私、決めたら早いんですよ)

パサ シュル

スズ「はっ、仕方ないわねー。横島先生のプリントやってこないで呼び出されたら、生徒会役員として問題だわ」

スズ「だから、届けに行ってあげるのよ」


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スズ(病人がいる家で、あまり遅くまではいないはず)

スズ(これくらい時間をずらせば、会長と魚見さんも帰ってる、はず)

スズ(確認できないものかな…… コトミちゃんにメールしてみるか)

 コトミへ ≪会長たちもう帰っちゃった?≫

スズ(これなら、自然に聞ける!)

 スズ先輩へ≪帰りましたよ! いまならタカ兄と部屋で二人っきりになれますよ!≫

スズ(…………ああ、無意味ですか。そうですか)

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津田宅 夕方

ピンポーン

コトミ「はいはーい! スズ先輩、お待ちしてましたー」

スズ「特に何も言ってなかったけど……」

コトミ「でもあのメールはもう、訪問するよーって言ってるようなものだったじゃないですか!」

スズ「ま、そう受け取られても仕方ないわね。どう、お兄さんの様子は」

コトミ「会長とお姉ちゃんのおかげか、だいぶ回復してますよ」

スズ「そう、ならいいけど」


コトミ「とりあえずは、あがってあがって」

スズ「いや、プリント渡しちゃえばそれで」

コトミ「まーまー!」

グイッ ガチャ

スズ「こ、こら引っ張るな」

コトミ「お見舞いに来たのに会わずに帰るなんて、スズ先輩も押しが弱いですよー」

スズ「押しって……別にそんなんじゃ」

コトミ「会長とお姉ちゃんは、タカ兄の穴をほじって帰ったくらいですよ」

スズ「ほ!?」

コトミ「耳かきでー」

スズ「あ、ああ、そう……」

スズ(絶対こいつ、私の反応見て楽しんでるな……)

コトミ「あーん、そんな怖い顔しないでー、スズ先輩。お詫びにふたりっきりにしてあげますからー」

スズ「余計なお世話……」

コトミ「にひひ」


コンコン

コトミ「タカ兄ー、はいるよー」ガチャ

津田「なに、また誰か」

コトミ「じゃーん、同級生のツンデレ美少女がやってきましたー」

スズ「変な紹介すなっ!」

津田「は、萩村…… 来てくれたの?」

スズ「あ、あーいや、うん…… 調子は、どお」

津田「うん、だいぶ楽になったよ。明日は学校いける」

スズ「そう、ならいいけど」

コトミ「私、お茶淹れてきますね。あとは若い二人でごゆっくりー……うひひ」

スズ「あんたより年上だーっ、変な笑い方やめろっ!」

津田「はは……」

パタン


津田「萩村も来てくれるとはね」

スズ「疲れてたんじゃない? あの二人が来て」

津田「多少は。でも萩村なら大丈夫だよ」

スズ「そ、そう?」

津田「そういえば、会長たちと一緒には来なかったんだ」

スズ「あ、あー…… うん、ほらその、プリント持っていくよう頼まれてて」

ゴソゴソ パサ

津田「プリント? 英語のかー」

スズ「次の授業までにやって来いって」

津田「ふーん。……次の授業だから、別に今日無理して持ってきてもらわなくても良かったのに」

スズ「……い、いいのよっ、できることはその日のうちに済ます!」

津田「あはは、うん、ありがとう」


スズ「あ……」

津田「うん?」

スズ「いや、なんでも……」

スズ(また、ありがとうって言ったな)

津田「あ、生徒会は大丈夫だった?」

スズ「問題ないわよ、いま時期は暇でしょ。忙しいならともかく、これぐらいの穴埋め楽勝よ」

津田「そうか、なら良かった」

スズ「…………」

津田「……ん?」

スズ「津田も、変わったものね」

津田「え?」

スズ「以前なら謝っていたところが、違う言葉で返ってくるようになったじゃない?」

津田「えー、そうかな」

スズ「そうなの」


津田「なら、多分…… 生徒会のおかげだな」

スズ「生徒会の?」

津田「仲間になったってことかな。あはは、ちょっと臭いか」

スズ「ふ…… むずがゆいわね、ふふっ……あはは」

コンコン

コトミ「タカ兄ースズ先輩ー、入って大丈夫?」

津田「どうしたんだ、いつもならノックもしないぐらいだろ」

コトミ「いや、だって…… 服着てなかったりしたら……」

スズ「さっさと入れーい!!」


ガチャ

コトミ「なーんだ、まだそこまで行ってないのか」

津田「まだってなんだ、そこまでってなんだ」

コトミ「はい、お茶どうぞー」

スズ「う、うん、ありがとう」

コトミ「じゃあ、ごゆっくり……」

スズ(やけに静かね……)

コトミ「タカ兄……」

津田「んー」

コトミ「ゴムが必要になったら、机の中見てね、入れといたから!」

津田「ならねえよ! いつ入れたんだよ! また手に入れたのかよ!」

スズ「あー、本当に体調戻ってるわね」


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少しして

スズ「ま、おおかた治ったようで安心したわ」

津田「ご迷惑おかけしました」

スズ「あー?」

津田「あ、いや、ご心配おかけしました」

スズ「そっちの方がいいわね。熱は?」

津田「さすがにもうないよ」

ぴと

スズ「……熱い?」

津田「萩村の手、冷たい」

スズ「あ、ああ、そっか……」

津田「きもちいー」

スズ「ば、ばか」


スズ(触れてる、ところが、熱い)

スズ(津田が暖かい? 私の手が冷たい?)

さら

スズ(頬も、あたたかい)

津田「萩村?」

スズ(……どうしよう)

スズ「つ、津田」

津田「う、うん」

スズ(……一歩、もう一歩進んでいきたい……!)

スズ「早く良くなる、ように」

チュ

津田「!?」

スズ「…………おまじない、よ」

津田「その、え、おでこ……」


くす

スズ「ふ、ふふ…… なんて顔してんのよ、ふふ、あははっ」

津田「い、いや、だって萩村……!」

スズ「言ったでしょ、おまじないって」

津田「……ああ……」

スズ「…………」

スズ(もしかしたら)

スズ(いま、想いを伝えるのにはいい機会かもしれない)

スズ(でも津田が動揺している今じゃなあ)

スズ(今日のところは、一歩踏み出した分だけでも良しとしよう)


『踏み出したら、戻れなくなりそうで』


スズ(!?)

津田「萩村?」

スズ(フラッシュバック? なんでいま)


スズ「い」

津田「い?」

スズ「いや、何でもないわ。今日は、帰るね」

津田「あ、ああ。お見舞い来てくれてありがとう。だいぶ楽になったよ」

スズ「看病はしてないけどねー」

津田「送って行けなくてごめん。気を付けて帰って」

スズ「そんなに心配しなくても大丈夫よ。それじゃ」

津田「ああ、それじゃあ」

ガチャ

コトミ「あれ? スズ先輩、帰り支度ですか?」

スズ「ええ、もう夕食時だし。帰るわよ」

コトミ「でももう着替え持ってきてもらっちゃったんですが」

津田スズ「「は?」」


スズ「え、ちょ、ま、だ、ど」

コトミ「『え、ちょっと待って誰に、どうして?』ですか?」

スズ「(コクコク)」

コトミ「スズ先輩のお母さんに。泊まるための着替えと明日の制服を」

スズ「な、なな……」

コトミ「あとは、今日うち両親いないんで、ご飯作ってくれたらなーって」

津田「なにしとんじゃあお前は!」

コトミ「えー、タカ兄だってありがたいじゃん。私がタカ兄の料理作るのー?」

津田「そ、それは……」

コトミ「インスタントより、スズ先輩の栄養愛情たっぷりの食事の方が嬉しいでしょ?」

津田「あ、あい?」

スズ「その口閉じろぉ!!」


津田「お前なあ、勝手に……いつ連絡したんだ」

コトミ「七条先輩のところでお会いした時に、びびっと繋がっちゃった♪ あ、メアド交換したって意味だよ?」

津田「お前の垣根のなさすげーよ」

スズ「お、お母さん、迎えに来たならそのまま一緒に帰りなさいよ……」

コトミ「いえ、むしろノリノリでした」

津田「黙ってろ」

スズ「ああ……」

スズ(あの母は…… でも、今帰らないと気まずすぎるんだけど……)

ちら

津田「……?」

スズ(何とか言いなさいよ)ジー

津田「……あー…… 萩村さえよければ……食事作って泊まってくれるなんて、これ以上なくありがたいよ」

コトミ「ほーらー♪ タカ兄もこう言ってることだし♪ 泊まっちゃいましょうよぉ♪」

スズ「それ以上『♪』つけたら、あんた飯抜き」

コトミ「えーっ!? っていうことはOKですね! わーいわーい!」

津田「…………すまん」

スズ「ああ、いまは謝罪で合ってるわ」

今日はここまで

支援ありがとう 今回はがっつり津萩書いていくよ
>>6
いつものひと認識されたってことでいいのかな(ドキドキ
これ以前にはまだ2本しか書いてないけど……

またよろしくお願いします

続き

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台所にて

コトミ「スズ先輩ー、夕食はどうするんですかー」

スズ「とりあえず津田にはお粥つくるわ。ちょっと肉と野菜混ぜて雑炊っぽくしようかと」

コトミ「おー。私もそれがいいなー」

スズ「そんなんでいいの?」

コトミ「たまにはそういうのも食べたかったり」

スズ「じゃ、3人でそれにしましょ」

コトミ「はいっ!」

スズ「明日のお弁当は考える?」

コトミ「作ってくれるんですか!?」

スズ「簡単なものだけどね」

スズ(あれ、これって……)

コトミ「スズ先輩がタカ兄のお弁当を作る日が来るとは」

スズ「へ…… 変なこと言わないでよっ」

コトミ「反応が過剰ですにゃー」

スズ「ああ、コトミちゃんはそんなに明日のお昼なくしたいのかしら」

コトミ「わーっ! すいません、食欲と性欲には勝てません」

スズ「いまは食欲だけでいいでしょ……」


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お料理完了

スズ「できたけどー…… 津田は起きてこれるかな」

コトミ「え、そこは違いますよ、先輩」

スズ「は?」

コトミ「スズ先輩がタカ兄に食べさせに行かないと」

スズ「な、なな何を言っているのよ!」

コトミ「タカ兄もそれを待ってますって」

スズ「ん、んなわけないでしょ」

コトミ「やるだけタダですって。アプローチには最適じゃないですか」

スズ「あ、アプローチってねぇ、コトミちゃん、さっきから何を」

コトミ「え? だってスズ先輩ってタカ兄のことすき」

スズ「口閉じろ」ギュ

コトミ「ぶえ」

スズ「下手なこと言うんじゃないわよ、あなたの明日のお昼御飯がかかってるんだから」

コトミ「(コクコク)」

スズ「ふん、まあいいわ」パ


コトミ「でも、私やる気になったら、明日のお昼なくしてでもスズ先輩をタカ兄の部屋に押し込みますよ」

スズ「ま、ちょ、バ、バカ言ってんじゃないわよ!」

コトミ「押しが弱いですからねー、スズ先輩は。ウオミーお姉ちゃんにとられちゃいますよー」

スズ「…………別に」

コトミ「良ければ、私これから友達の家泊まりに行きます?」

スズ「ま、まって、それは逆に勘弁して……」

コトミ「じゃあ、友人として食べさせてあげるっていうのはどうですか?」

スズ「友人として……」

コトミ「それなら抵抗なく」

スズ「…………コトミちゃん、もうちょっと乙女心働かせなさいよ」

コトミ「お?」

スズ「無理なのよ」

コトミ「無理、ですか」

スズ「友人として接するってことが、ちょっともう……無理なのよ」

コトミ「…………」


スズ「つ、津田と……ふたりの空間にいるなんて、もう、ちょっと」

コトミ「~~~! せーんぱいっ!」ダキッ

スズ「ひゃぁっ!? な、なに!?」

コトミ「んもー、先輩かわいー! きゅんきゅんですなぁ!」

スズ「だぁー! うるさい離せー!」

ガチャ

「さっきからどうしたんだよ」

スズコトミ「「あ」」

「コトミ、お前なんか変なこと言ったんじゃ」

コトミ「んーんー、んーんー」フルフル

「それは嘘ついたときの態度だな。……ん、いい匂い」

スズ「あ、ああ、夕食できたわよ、食べられる?」

「うん、お腹空いてきたよ」

スズ「じゃあ……」

コトミ「じゃあタカ兄! 部屋持っていくから、待っててよ」

「いや、大丈夫だけど……?」

コトミ「病み上がりが重要だよー。あとで持っていくから、さあさ、帰った帰った」

グイグイ

「お、押すなよ。分かったから」

スズ「こ、コト……」

コトミ「(*^-゚)b」

スズ(うわ、こいつ……)


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コトミ「てなわけで、後戻りできません!」

スズ「……なんなのよ、まったく。どういうつもりなわけ」

コトミ「スズ先輩のペースだと、先に会長や魚見お姉ちゃんにタカ兄落とされちゃいますよ」

スズ「別にあなたには関係ないでしょうに。私を義姉にでもしたいの」

コトミ「YES!YES!YES!」

スズ「は?」

コトミ「まあ、それ以上にタカ兄にはぜひハーレムルートを歩んでいただきたく」

スズ「それはないから希望は捨てて」

コトミ「ほらほら、タカ兄がお腹空かせて待ってますよー」

スズ「……あなたが持ってく……ってのは、野暮かしらね。この期に及んで」

コトミ「うんうん♪」

スズ「はあ…… ……じゃ、あと一人で食べてなさい」

コトミ「え。あれ、スズ先輩は」

スズ「ふたりで食べる」

コトミ「え、えーっ、私ひとりー!? えー、寂しいですよー!」

スズ「こんだけ引っ掻き回した罰よ。私がいなかったらもともと一人だったでしょ」

コトミ「あーん、スズ先輩結構厳しい」

スズ(一矢報いた)

コトミ「でもふたりで食べるなんてー、やっぱりそうしたかったんでしょー」

スズ「……まあ」

コトミ「お?」

スズ「そうかもね」

コトミ「お、おお……」


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津田自室

コンコン

スズ「津田ー、入るわよ」

津田「どうぞー」

ガチャ

津田「萩村、わざわざ持ってきてくれたの」

スズ「コトミちゃんが持ってけ持ってけうるさくてね」

津田「はは、何をやってるのかと思ったら。あれ、ふたり分?」

スズ「あー…… あまりにしつこいんで、ちょっとやり返してやろうかと。一人で食べさせてるわ」

津田「ああ、たまにはいいお灸かもね」

スズ「はい、どうぞ。ベッドの上で大丈夫?」

津田「大丈夫。でもいいの、またコトミに冷やかしの種を与えたんじゃ」

スズ「いいの。行っても行かなくても冷やかすんだから」

津田「あはは、まあその、オレは気にしないから」

スズ「……はぁ、兄妹揃いも揃って」

津田「ん?」

スズ(乙女心って分からないものかしらね)

スズ「ちょっとは気にしろって意味よ」

津田「え?」

スズ(分からないなら、分からせなきゃいけないのか)

スズ「ベッド座るわね」

津田「う、うん」


ぽす  カチャ

津田「は、萩村さー…… さっきの」

スズ「はい」スッ

津田「えっ」

スズ「食べるんでしょ」

津田「……食べ、ます」

スズ「はい」

津田(えっとこれって…… あーん、だよな)

津田「あ…… ……あー」

ぱく

津田「ん、む、ごく。あ、美味い!」

スズ「そう、ならよかった」

ギシッ

津田(あ、立ち上がっちゃった。最初の一口だけ…… な、なんだったんだろ)

スズ「机借りていい?」

津田「あ、うん、お好きに」

スズ(き、き、緊張したー! こんなん一口が限度よ限度!)

スズ「まったくお母さんといい、コトミちゃんといい、困ったものね」

津田「あまり変なこと言うなって釘さしておくよ」

スズ「そうね。こういうのは個人同士の問題だもの」

津田「問題?」

スズ「え、あっ……」

津田「…………」

スズ「…………」

津田「あ、人の噂も七十五日ってやつ?」

スズ「そ、それでいいわ、もう……」

スズ(こいつはー……)


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津田「ごちそうさまでしたー」

スズ「お粗末さまでした」

津田「体調はだいぶ戻ったな」

スズ「そう? まあ、食欲もあるし、顔色もいいし、大丈夫そうね」

津田「うん、萩村のおかげだよ、ありがとう」

スズ「う、うん…… どういたしまして」

津田「?」

スズ「……あまり、恥ずかしいことさらっと言わないでよね」

津田「え、そうだった?」

スズ「そうなの。食器下げるわよ」

津田「あ、うん」

スズ「熱ももうなかったわよね。お風呂は入れそう?」

津田「うん、さすがに汗かいたし、入るよ」

スズ「じゃあ入れとくわね」

津田「悪いね、何から何まで」

スズ「いいわよ。……世話焼くのも楽しいし」

スタ

スズ「普段見上げてる人を見下ろせるしね」

津田「ベッドの傍まで来て見下ろすなよー」


スズ「ゆっくりしてなさい。お風呂入ったら教えるから」

津田「あ、あー、先入っていいよ。だいぶ汗かいたからさ」

スズ「私はいいけど…… 津田が気にするなら、そうしてあげる」

津田「はは、お願いします」

スズ「ん、ありがと」にこっ

津田「…………」

スズ「津田?」

津田「えっ。あ、ああ、じゃあ、上るの待ってるよ。コトミもオレの先にして」

スズ「? うん」

カチャカチャ

スズ「じゃ、あとで」

津田「うん」

ガチャ  パタン

津田(……いまの、萩村の顔……)

津田「……笑顔って、かわいいんだな……」


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台所

コトミ「あ、せんぱーい。どうでした?」

スズ「食欲も戻ってるし、問題ないでしょ。明日には全快ね」

コトミ「そっちじゃなーくーてー。どこまで進みました?」

スズ「進んだとしても言わんわ」

コトミ「でもでもー、タカ兄の周期的に、今日は溜まってますよー」

スズ「その話題を聞いてどうしろと…… ていうか何を把握してんのよ」

コトミ「疲れても溜まるわけですし、もうタカ兄もギンギンなんじゃ……?」

スズ「話をきけーい」

コトミ「いま押し倒せばいくらチキンなタカ兄も楽勝で性欲に負けて」

津田「しねえよ!」

スズ「そんなことしたら、蹴り潰してやる!」

津田スズコトミ「「「え」」」

スズ「つ、つつ津田!?」

津田「いや、喉乾いたからなんか飲みに来たんだけど……はは」

スズ「いや、えっといまのは……」

津田「コトミが悪いから気にするな。お前、説教の代わりに皿洗いな」

コトミ「ぶえー」


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なんやかんやあって 津田のお風呂の番

津田「ふーっ…… 汗流してるって感じするなー」

津田(しかし……)

津田(今日の萩村、様子がいつもと違うよな)

津田(妙に優しくて面倒見がいい?)

津田(でも、優しいのも面倒見がいいのも萩村だ)

津田(普段しないことをする?)

津田(これが一番引っかかってる…… 会長やお姉ちゃんと一緒に来なかったことから……)

津田(……あのおでこの感触は、やっぱり……)

コトミ「タカ兄ー、着替えおいておくねー」

津田「おー」

コトミ「溜まってるからって、お風呂で抜いちゃだめだよー」

津田「しねえよ」

コトミ「ねえタカ兄」

津田「うん?」

コトミ「スズ先輩のこと、どう思ってるのー?」

津田「どう、って」

津田(さっきまで考えていたことを、こいつは……)


コトミ「ちっちゃくて可愛いなーとか、襲っちゃいたいなーとかさ」

津田「前者はともかく後者はない」

コトミ「やっぱり可愛いとは思ってるんだね!」

津田「誘導尋問にはなってねえよ」

コトミ「ちぇー」

津田「もういいか、そろそろあがるぞ」

コトミ「いいよ、そのままあがってきて」

津田「あがれるか!」

コトミ「仕方ないなー、でるよぉ。でもタカ兄?」

津田「んー」

コトミ「鈍感も大概にしないと、スズ先輩かわいそうだよ?」

津田「は、なにを……」

ガチャ

津田「なにを、言ってるんだ」

津田(萩村がかわいそうって……)

津田(あの、妙に)

津田(勝ち気で頑張りやで、優しかったり厳しかったりする、可愛かったりする萩村が……)

津田(萩村が……可愛い?)

ピンポーン

津田(お、おい……!? 静まれよ……)


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コトミ「せんぱーい、こんな結い方はどうです?」

スズ「あはは、似合う似合う」

コトミ「じゃあ先輩にはー、編み込みを回して」

スズ「ちょ、ちょっと、私こんなの似合わないって」

津田(おお、乙女のふれあい。二人とも同じツインテールにしてること多いから、話が合うのかな)

津田「あがったぞー」

コトミ「あ、タカ兄、みてみてー、スズ先輩のディ○ニープリンセス!」

津田「ん、おお」

スズ「津田…… ど、どう?」

津田「うん……いつもと雰囲気違って、いいと思うよ」

コトミ「もー、タカ兄。こう言うときは一言、可愛いって言えばいいの」

津田「いや、うん…… 可愛いよ」

スズ「……ほんと?」

津田「本当本当」

コトミ「ですってー、よかったですね」

津田「まあ…… 慣れてないのもあるけど、なんだかんだいって、いつものが好きかな」

スズ「そ、そう?」

コトミ「ひゃー、タカ兄の大胆発言! やっぱりタカ兄はツインテール好きだね!」

津田「萩村らしいってことだよ」

スズ「……えへへ……」


コトミ「妹の前でいちゃいちゃするとか、なんか腹立つなー」

津田「い、いちゃいちゃってなんだよ」

スズ「そうよ、そんなことしてないって」

コトミ「十分してますって」

津田「む…… そ、それよりさ、なんか飲む? ホットミルクでもつくろうか」

コトミ「あ、飲むー」

スズ「じゃ、じゃあ、いただこうかしら」

津田「はいよ。ちょっと待っててな」

コトミ「え、タカ兄、台所で……?」

津田「は? 牛乳だろ?」

コトミ「え、タカ兄のホットミルクって意味じゃ」

津田「何故そう思った上で二つ返事したのかな君は」

コトミ「私、ごっくんぐらいなら」

津田「聞いてねえよ!」

コトミ「スズ先輩も、タカ兄のなら行けますよねー」

スズ「え、ええっ、わ、私!?」

津田「んなこと聞くな!」

スズ「いや、だって、そんなの……」

コトミ「先輩歯切れわるーい」ケタケタ

津田「おまえもう部屋戻って寝ろ」

コトミ「じゃあ、私は飲み物を受け取ったら、部屋に撤退します!」

津田「なんだその聞き分けの良さ」

コトミ「夜はこれからでしょー。二人きりの時間もいるよねーってことで」

津田「いらん気を回さんでいい」

今日はここまで

一応ポッキー書いた奴ですよー
今回は行けるところまでいくつもり…
ではまた~

>>47
俺もvipにいたSSの人かとおもったわ

>>50
いつもの人って言ったらやっぱりそっちだよな
あの人のおかげでアリアの可愛さが分かった


続き


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津田「できたぞー」

コトミ「はーい、じゃあ私はこれで」

津田「え、本気だったのか」

コトミ「タカにーいー」

津田「うん?」

コトミ「YOU、キメちゃいなよ!」ビッ

津田「親指挟むな、せめて立てろ」

コトミ「ではー、おやすみなさーい!」

スズ「お、おやすみ……」

タタタタタ…

津田「……まったく…… ごめんな、萩村。今日はコトミのわがままに付き合ってくれて。はい、カップ」

スズ「ありがと…… たぶん、彼女なりに気を使ってくれたんでしょ……」

津田「よ、と」

ぎしっ

スズ(と、隣、座るの……? ちょ、ちょっと近いってば……)

津田「気を使うっても、冷やかしてるようなもんじゃないか」

スズ「確かにそうだけど…… で

ミス

スズ「確かにそうだけど…… でも、私は……」


津田「……わ、わたしは?」

スズ「……なんでもない」

津田「そ、そう」

スズ「…………」

津田「…………」

津田スズ「「あのさ」」

津田スズ「「…………」」

スズ「堂々巡りになる前に、私から言っていい?」

津田「う、うん、どうぞ」

スズ「その…… 私さ、うまくできたかな?」

津田「うまく?」

スズ「ご飯作ったりお風呂入れたりしただけだけど、ちょっとはまともにやれたかな?」

津田「十分だよ。萩村が家事できるのは知ってるし、オレの体調まで考えて作ってくれたしね」

スズ「なら、良かった…… 前にも言ったけど、私こんなだから……何でもできるようにしなきゃって」

津田「萩村」

スズ「な、なに?」


津田「オレは、頭いいことも、努力家だってことも、優しい人だってことも知ってるよ」

スズ「…………」

津田「鈍感ていわれるオレが知ってるんだから、周りの人がわからないはずないし」

スズ「そうかな」

津田「うん、確かに小柄かもしれないけど…… 別にマイナスってばかりじゃないと思うよ」

スズ「それは…… 津田にはわかんないよ」

津田「そうかも。でもオレは、そうやって頑張る萩村が……」

津田(萩村が……? え、オレいま何言おうとしたんだ?)

津田「……あ、いや……」

スズ「…………」

津田「……えっと……」

スズ「つ、津田。……なにを、言おうとしたの……?」

津田「その……聞き間違い?」

スズ「だめっ」

津田(う。萩村、めちゃくちゃ見てる)

スズ「だめ、聞かせて、最後まで言ってほしい」


津田(そんな必死な声出すなよ……)

スズ「…………」ジー

津田「……その、な」

スズ「うん」

津田「そうやって頑張る萩村が……す、すごく……可愛いと思う」

スズ「かっ…… ばか、言ってんじゃないわよ……」カァ

津田「ば、馬鹿なことなんかじゃないよ。可愛いって思ったのは本当だよ。萩村は嫌がるかもしれないけど」

スズ「そっ、そんなこと、ない」

津田「でも、子供っぽいって言って」

スズ「それでもっ。津田にだったら、そう思われても…… そんなことない……」

津田「……そう」

津田(オレにだったら? オレだったらいいのか? でも、それじゃあ……それってまるで……)

スズ「津田が」

津田「え」

スズ「津田が、『あのさ』で言おうとしたこと……なに?」

津田「あ、ああ…… いや、でもこの空気でそれは……」


スズ「言えないようなこと、なのね」

津田「その言い方はずるいなぁ」

スズ「だって…… だって、もう戻れないんだもの」

津田「戻れない?」

スズ「戻れないのよ!」

津田「な、なにが」

スズ「私が踏み出しちゃったから……」

津田(……ああ、あれは、やっぱり)

津田「萩村……」

スズ「…………」

津田「『あのさ』、萩村。オレが聞きたかったことなんだけど…… 夕方してくれた、おまじないって……」

スズ「…………」

ぎゅっ

津田「は、萩村!?」

スズ「ほんの一歩のつもりだったの」

津田「…………」

スズ「ほんのちょっとだけ、気持ちを伝えられたらなって思ったのよ」

津田「はぎ……」

スズ「だめ、止まらない。戻れなくなるなんて、思いもしなかった……」


津田「は、萩村」

がし

スズ「津田、腕、ちょっと痛い」

津田「ごめん…… 萩村、オレ……オレ、多分萩村のこと」

スズ「好き」

津田「す……え」

スズ「私、多分じゃない。まちがいなく、津田が好き」

津田「…………」

スズ「…………津田は……?」

津田「オレも…… まだ多分、かもしれない。でも、す、好きだ」

スズ「ふふっ…… はっきり言えないの?」

津田「だ、だってさ、萩村が今日初めて意識させたんだよ」

スズ「あ、そ、そっか……そうなんだ、私が」

津田「そうだよ。……オレに好きだなんて言わせたの、萩村なんだ」

スズ「…………」

津田「すぐに言えると思う。何度思い返しても、オレが好きなのは、萩村だって」

スズ「津田……」

津田「だから…… 付き合って、ください」

スズ「うん……うん!」


スズ「……ねえ、抱きしめて?」

津田「ああ」

ぎゅっ

スズ「…………津田……」

津田「萩村…………」

スッ

スズ「…………ん」

津田「……ふ……」

スズ「……ぷ、は…… 津田」

津田「うん?」

スズ「津田、私……」

津田「わ、ちょっと、倒れるって……」

どさ

スズ「私、もう……」

チュ

スズ「……ん…… ふ……」

津田「……ん、ん、く…… ん、ぷ……」

スズ「ぷは…… 津田」


津田「は、ちょ、ちょっと、萩村……」

スズ「だめ、くち、開けて」

チュ

津田「はぎむ……んっ…… ん、んんっ…… ん、ぷ……」

スズ「ん、じゅ…… じゅ、ぷ……は……」

津田「ぷはっ…… 萩村……」

スズ「もっと、だめ?」

津田「だめ、じゃないんだけどその……」

スズ「え? ……あ、ちょ、ちょっとこら! 何当ててるのよ!」

津田「いや、その……言い訳するとなんだけど、風邪ひいてたのと、オレだって一応男だし……こ、こんな状況だし……」

スズ「……それって、私だから?」

津田「う、うん…… とはいうけど、こんな状況なら仕方が」

スズ「てい」ギュッ

津田「ひたっ…… 萩村、鼻いきなりつまむなよ」

スズ「嘘でもいいの。嘘でも、聞きたいの」

今日はここまで

ちょっとだけ続き


津田「萩村…… 待ってよ」

スズ「……なに」

津田「嘘なんて言わないよ。本心を、全部本当のことを萩村には伝えたい」

スズ「……不器用」

津田「うん」

スズ「そんな津田だから、好きになったの、かも」

津田「ありがたいことです」

スズ「……ね、ねえ、これ……治まんないものなの?」チラ

津田「くっついている以上は、無理かも」

スズ「え、触れるたびそんななの……?」

津田「そ、外とかならともかくね、場所と時間と状況が……」

スズ「ふ、ふーん……」

津田「…………萩村?」

スズ「なーに」

津田「ど、どかないの?」

スズ「……どう、しようかな」

津田「お、おい」


スズ「病み上がり、だよね」

津田「は、萩村さん」

スズ「うん」

津田「あの、もうちょっと時間置いてからとか、そういうもんじゃないの、かな」

スズ「津田と……」

津田「……オレと?」

スズ「初めて会ってから一年以上たっているのよ、ね」

津田「う、うん」

スズ「意識してからは、どれくらいたったのかな」

スズ「不安なのも、あると思う。津田は人気だから」

スズ「あとは、その……」

津田「あと、は?」

スズ「み、みなまで言わせるなっ!」


津田「は、萩村」

がばっ

スズ「きゃっ、きゅ、急に起きあがらな……んっ」

チュ

津田「……ん……」

スズ「…………ん、ふ……」

津田「は…… オレ、萩村がほしい」

スズ「ほっ、ば、バカ! 恥ずかしい言い方しないで」

津田「…………」ジッ

スズ「…………」コク

津田「萩村……!」

どさ

スズ「あ、ちょ、ちょっとまっ……」

津田「ごめん、けど、オレだって我慢が」

スズ「あ、あのね、津田」

津田「う、うん」

スズ「ひとつだけ、お願い聞いてくれる……?」


津田「なに?」

スズ「……津田の部屋がいい」

津田「えっ」

スズ「リビングとか、ソファじゃなくて……初めては、津田のベッドがいい……」

津田「お、おい、隣の部屋には……」

スズ「分かっている、けど……でも、それでも」

津田「……わかった。……ばれても知らないぞ」

スズ「うん……えへへ、ありがと」

津田「あと、その……言いにくいけど」

スズ「なに?」

津田「上手くやれる自信ないのと……その、たぶん」

スズ「うん、痛いのは、仕方ないかなって思う…… 上手いと逆にイヤじゃない?」

津田「それは、そうかも……はは」

スズ「……わざわざ言うこともないかと思うけど」

津田「うん?」

スズ「……優しくして?」

津田「……うん」

短いけどここまで 明日はできるだけ書きます

続き


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津田の部屋

ギシッ

スズ「…………」

津田「……あ、ちょっとまって」

スズ「う、うん」

ガチャ

津田「鍵かけておかないと、コトミが勝手に入ってくるかもしれないから」

スズ「……ばれるかな?」

津田「まー……静かになるよう努めてみるけど……」

スズ「つ、津田……」

津田「萩村」

津田(肩、震えている…… 落ち着け、落ち着け、オレ……怖がらせないように、少しずつ、ゆっくり……)


チュッ

スズ「ん、ん…… ふ……」

津田「……ん、は……」

プチ プチ

スズ「!?」ビクッ

津田「あ、脱がせない方がよかった……?」

スズ「だ、大丈夫、だけど…… その、私、胸ないし……」

津田「関係ないよ」

スズ「嘘つくな」

津田「大事なのは感度っていうだろ?」

スズ「津田、ちょっと会長はいってる……」

津田「はは……」

スズ「ふふ……」

津田「脱がすな?」

スズ「……うん」


スル

津田「ん、綺麗だ……」

スズ「お世辞はいいわよ……んっ」

ペロ レロ

スズ「あっ、ちょ……と、胸だめ、だって……」

チュ チュプ チュパ

スズ「んんっ……」

グイ

スズ(あ、ズボンも……)

スルッ パサ

スズ「ん、んあ……ぁっ」

津田「ん、ふ、んく……」

プチ

津田(萩村?)


スズ「ずるい…… 津田も脱いで」

津田「あ、ああ」

グイ バサ

スズ「あ……」

スズ(引き締まった身体してるんだよね……中学までスポーツやってたんだっけ)

津田「どうしたの?」

スズ「え、あ、い言えるかっ」

津田「ちょ、声大きいって……」

スズ「あ」

津田「…………」

スズ「…………」

津田「たぶん大丈夫」

スズ「う、うん……」


ゴロ

津田「……枕一つだと、横に寝ると狭いな」

スズ「そ、そうね…… ……ん」チュ

津田「ん……ふ……」

スズ(……わ、私も何かした方がいいのかな? えっと……)

そっ

スズ「……?」

スズ(あ、あれっ……キスしながらだと、届かない……)

スズ「んーー」

津田「ん?」

グイッ ごろん

津田「萩村?」

スズ「……お、お返しよ」

ペロッ

津田「う、わ……」

津田(お、オレの胸を、萩村が……!?)


スズ「ん、ん、ふ……」チュ チロ

津田(気持ちいい……というよりは、くすぐったい…… それよりも)

スズ「……ん……」

スゥ

津田(髪の匂いが……いい匂いだ)

ゴソゴソ サワサワ

津田「!? は、萩村……」

スズ「んー、んく、ん……」

津田(トランクスの上から……萩村の手が……!)

スズ(わ、わっ……かた……おおき……)

スズ「えっと……どうすれば、いい?」

津田「ど、どうって……」

津田(これ、新手の羞恥プレイだな……)


津田「脱いじゃっていいかな……」

スズ「う、うん……」

ゴソ びん

スズ「!! …………」ジー

津田「あの……あまり見られると恥ずかしい、んだけど」

スズ「あ、ああ、そうよね…… えっと……こ、こう?」

きゅっ グニグニ

津田「んっ、はぎ…… あ、う……」

スズ「あ、あまり変な声出さないでよ……」

津田「むりだよ……んっ……」

スズ(うわー、私、なにしてんだろう、こんな……でも、津田も感じてくれてるのかな)

津田(他人の手って、こんな感じなんだ…… 慣れない手つきが、か、可愛いっ)

スズ(え、なに? まだ固くなるの……?)


津田(あまり、萩村にばかりさせちゃいけない、よな)

ツツ

スズ「ひ……!?」

スズ(せ、背中に、津田の手が!!)

ス さわさわ ツツー

スズ「ん、あ、ふっ……」

スズ(大きな、手……優しくなでたり、指先でなぞったり……! 声、出るー……!)

津田(あ、腕の動き止まった…… よし、ここで)

ぐいっ ごろっ

スズ「あ……」

スズ(う、上に乗られて…… でも重くない? ちゃんと、私に体重掛からないようにしてくれてるんだ……)

チュッ

スズ「ん……」

スズ(何度目のキスだろう…… ファーストキスから、もうだいぶたった気がする……)

チュ グチュ ジュ プ

スズ「んは、あ……」


津田「……ん……」

スズ(あ、離れちゃ……)

チュ レロ

スズ(く、首に……舌が、だんだん下がって…… あ、胸……)

スズ「ん、んっ…………」

スズ(そこから下は……! あ、手が、脚に……)

ツー サワサワ

スズ(ふとももダメぇ……!)

津田「……萩村、脱がす、よ……?」

スズ「…………」コク

スル

津田(あれっ、えっと…… 脱がしたのってどこに置いておけばいいんだろ……)

津田(あ、湿って……)

スズ「津田…… さすがにそれは恥ずかしい……」

津田「ご、ごめん、どうすればいいのかちょっと」

スズ「そ、そっか……パジャマと一緒に置いといて……」

津田「うん……」

パサ


津田「…………脚、開くよ……」

グ

スズ(あ…… 見られ、ちゃう……津田に、私の……)

津田(暗いからよくわからないけど……これ濡れてる、よね?)

クチュ

スズ「う、あ……」

津田(本当にぬるっとしてる……なか、はまだ挿れない方がいいよな。外側を、ゆっくり……)

ヌル クチュ

スズ「ん、は……あ……」

ギュ

津田(……シーツあんなににぎって……耐えてるのかな)

津田「萩村、痛かったら言って」

スズ「だ、大丈夫……」

スズ(あまり自分で触ったことないけど……全身が、津田を感じたがってるみたい……)

そこまで書き進まなかったー 今日はここまで

続き




スズ(感じている? 気持ちいいのか、気持ち悪いのか……この感覚が何なのか、わからないよ)

ヌチュ ヌル

津田(指の間に糸引くって、できるんだな……でもこれじゃまだ無理、だよな)

津田(あ、唾液を使う? 初めてだけど、いいのかな……)

ゴソ ゴソ

スズ(舌がだんだん、下がってくる…… お腹くすぐったい、で、でもそれ以上に……!)

スズ「つ、津田、そこは……」

津田「いい?」

スズ「だめ、だめ…… は、恥ずかしすぎて、無理……」

津田「ん、わかった」

津田(じゃあ、こうかな……?)

ヌル チュプ

津田(自分の指を濡らして……)

クチュ

スズ(あ……津田の指、が……)

津田(あれ、どこだ? もっと下?)

スズ(まだ、もうちょっとだけ、下……)

ヌプ

スズ「あっ」


津田(ここ、かな)

ツ ププ

スズ「ん、んん……んっ……」

津田(うわ、入っていく……あたたかい、というより、熱い……)

スズ「んーっ…… あ、ん……」

津田(ゆ、指一本でも、これは相当、狭いんじゃ?)

津田「大丈夫?」

スズ「うん、だい、じょぶ……」

津田(……もう少し)

スズ「う、ああ…… く……」

津田「つかまって」

ギュゥッ

津田(あ、首じゃなくて胴になるんだ)


津田(胸の中で、萩村が耐えてる…… ……可愛いな……)

ヌチュ クチュ クチュ

津田(いけるかな? その前に……)

チュッ

スズ「ん……津田?」

津田「ん」

スズ「……うん」コク

津田「…………えっと」

津田(あ、あれ、ちょっと待てよ。どのタイミングでつけるんだ、アレ?)

ギシッ

スズ「…………」

ガタ

津田(本当に机の中に入れてある……いや、ないと若干困ったけど)

津田(コトミのやつ、ここまで想定していたわけじゃ、ないよな?)

スズ「なんかさ」

津田「ん?」

スズ「コトミちゃんの掌の上って感じで、ちょっと癪よね」

津田「……そう思っていたところだよ」

スズ「ふふ」

津田「ま、使う機会があったわけだから、感謝と相殺で」

スズ「なによそれ、あはは……」


ピリ

津田(えっと、こうだっけか)

クルクル ピタリ

津田(これで、大丈夫か? あ、ちょっとだけ潤滑剤がついてんだ)

ギシッ

津田「萩村……」

スズ「津田…… ……うん、きて」

津田(さっきの場所…… ここ)

ヌチ

スズ「…………ん」

グ  グ

スズ「ん……い、つ……」

津田(本当に、入るのか?)


グ ププ

津田(……先だけ入った)

スズ「ん、く……~~!」

ギチッ

津田「う、あ……しまる……」

スズ「あ、う……ぐ……」

スズ「痛っ……」

津田「……あ」

スッ

スズ「……津田……」

津田「萩村、やっぱり……」

スズ「や、やめよう、なんて思ってないでしょうね」

津田「でも」

スズ「許さないわよ……」

津田「え?」

スズ「痛いのなんて仕方ないじゃない…… 止めたりしたら、もう一生しないからね……!」

津田「いや、でも……」

スズ「私だけ痛いのが不公平、とか思ってるんでしょ」

津田「その……うん……」

スズ「だめ、だからね。……悪いと思う気持ちまで、受け入れて、一緒になってよ……」

津田「…………うん」


スズ「……ごめん、わがままで」

津田「オレのセリフ、取るなよ」

スズ「いいのよ。あんたの……彼女なんだから」

津田「……! は、萩村……」

グ グ

スズ「ちょ、ちょっと急に…… う、あ……!」

津田「体につかまって。……爪立てていいから」

スズ「う……ん……~~!」

ギュッ ググ  ブチ

スズ「ん、ぐ…… いっ……!」

ツ プ プ

スズ「ぐ…… つ、だ…… 津田……!」

グ ギチ グッ

津田(背中……爪が食い込んでる…… 痛いけど、多分萩村の方が痛いよな)

津田(でも、この痛みが)

津田(オレたちを同じにしてくれるみたいで…… 少しだけ、気持ちいい)

グ プ


スズ「…………はい、った?」

津田「全部じゃないけど……ひとつになれた、よね」

スズ「ん…… ちょっと、このまま動かないで」

津田「ああ」

津田(目の端に、涙が溜まって……)

ゴソ ペロ

スズ「……あ……」

津田(だいぶ背中丸めないと届かないな)

津田「……大丈夫?」

スズ「そうは言えないけど……少しマシになってきた」

津田「ん……」

スズ「ねぇ、私」

津田「うん?」

スズ「私、津田を受け入れてる、よね。きちんと、できてるよね」

津田「…………きちんと、なんて分からないよ。オレ、初めてなんだから」

スズ「……そう」

津田「でも、たぶん……身体だけじゃなく、ふたりが納得できるなら、それが繋がったて事なんじゃないかな」

スズ「…………バカ」

津田「あれ、違った?」

スズ「あまり天然でたらしにならないでよ。不安になるから」

津田「え、あ、あれ」


ぎゅ

津田「あ、萩村……」

スズ「背中、血が出てないといいけど……」さすさす

津田「大丈夫だよ。血は、萩村だって……いて」ぺし

スズ「デリカシーない」

津田「えー」

スズ「……ね、そろそろ、たぶん大丈夫だから」

津田「うん……動くよ」

ズ クプ

スズ「う、あ、あ……」

津田(やっぱり痛そう…… でも、それも込みで、萩村がオレを受け入れてくれるから)

ズル グプッ

津田(最後まで、いくよ)

スズ「う、くあ…… あ、あっ、あ……」

津田「…………ふ……は……」

ズッ ズプ ズ

津田(すごく狭い…… 自分の手よりも、絡みつくみたいに……! そろそろ……)


ギシ ギシ ギッシ

スズ「あ、は、はげしっ……!」

津田「あ……は……」

スズ「……て…… 手、つないで……」

津田「ああ……はぎ、むら……」

ズプ ズップ ジュプッ

スズ「好き……好き、津田……!」

津田「オレも好きだ、萩村……!」

スズ「んっ、んん、あ……」

津田「…………う、んっ……」

グッ ドクッ ドク ビュッ ビュル…

津田「…………」

スズ「…………」

津田「…………はっ、ん、は…… はぁ……」

スズ「……津田」

津田「……うん、萩村」

スズ「き、気持ちよく、なれた?」

津田「うん…… 気持ちよかった」

スズ「よかった」

ぎゅ

津田「萩村……乗っちゃって大丈夫」

スズ「うん、体重かけて…… 津田の重さ、心地いい……」


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後片付けしてから

スズ「…………津田……」

津田「うん?」

スズ「もうこのまま、服着ずに寝ちゃっていい、かな」

津田「ん…… 明日、コトミが起きる前に起きないとな」

スズ「そうね……」

津田「萩村」

スズ「なに?」

津田「身体、大丈夫?」

スズ「……そりゃ……痛くないわけないし…… あんなに痛いなんて思わなかったし」

津田「だよね。……いやになった?」

スズ「そういわれると、困るんだけど……」

津田「あ、ああ、そうだよな」

スズ「だから、その……あんたが……慣らしていってよ」

津田「……うん」

スズ「……津田」

津田「うん」

スズ「タカトシ」

津田「あ……」

スズ「……おやすみ」

津田「おやすみ……スズ」


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コトミ「う~~~……にゅぅ~」

コトミ「なんか昨日は……船がギッシギッシ揺れるような夢見たなぁ」

コトミ「む、スズ先輩の朝ごはんがあるはず……顔洗って着替えて、タカ兄起こして……」

コトミ「ハッ、ここはスズ先輩にタカ兄を起こしてもらう新婚さんプレイをさせねば!」

コトミ「さっさとおーきよ!」

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リビング

コトミ「スズせーんぱーい、おはようございま……あれ?」

コトミ「キッチンでもない…… んー……?」

コトミ「お布団は、そのまま……」

コトミ「あれー、人が寝てた様子がない?」

コトミ「…………」

コトミ「タカ兄の部屋いってみよう、かなー」


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タカトシルーム前

コトミ「…………まさか、まさかねー」

コトミ「そろり、そろり……ノック……はしませんよー」

ガコ

コトミ「か、鍵……!? 普段鍵かけないタカ兄が、鍵!?」

コトミ「こ、こいつぁもしかしてもしかすると……」

トトト…

コトミ「まぁ、合鍵なんてとっくに作ってるんだけどね」

カチャ

コトミ「……おはよーございまーす……」

コトミ「!!!」

コトミ(ぬ、脱ぎ散らかった衣服……!)

コトミ(おそらくは二人分の布団のふくらみ……!)

コトミ(えー、マジでマジでマジでええええ!?)

コトミ(盗聴器仕掛けとくんだったぁああああ!)


コトミ(むむっ、これは……! スズ先輩のショーツ!)

コトミ(可愛らしいピンク地にフリルとリボンがあしらわれている一品は、スズ先輩のお母さんが用意された勝負下着!)

コトミ(な、ならば、そして私の日課であるタカ兄の健康チェック……!)

ガサゴソ

コトミ(お、おっ、おっーーー!)

コトミ(た、タカ兄がついに童貞卒業だなんて……!)

コトミ(それではー…… メーンイベント…… 布団を、こっそり、こーっそり捲ってみましょうー)

ススス…

コトミ(あーっ、あーっ! 全裸のタカ兄に寄り添うように全裸のスズ先輩が! きゃーっ!!)

コトミ(むひょひょひょ、スズ先輩おっぱいかわいー)

コトミ(はっ、こうしちゃおれん! 携帯携帯……)


スズ「……ん……」

津田「……んー……」

スズ「え」

津田「え?」

スズ「コ……ト、ミちゃん……」サァァ…

津田「はっ!?」ガバッ

コトミ「てや」パシャ

津田スズ「「あ」」

津田スズコトミ「「「…………」」」

コトミ「ブレなし、ばっちり!」

津田「けっ」

スズ「消せーーー!!!」

バサッ

津田「ああっ、萩村、服着ろって!」

スズ「ぎゃーっ!!」

コトミ「トレジャー通り越して家宝だ!」

津田「うるせえ消せ馬鹿!!」

コトミ「前途多難ですなぁ」

津田スズ「「こっちの台詞だーー!!」」




めでたし!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月02日 (土) 22:32:05   ID: pIErUm7A

やっぱ生徒会役員共のssは最高
とくに津田とスズのからみね

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