エレン「くそ!どうしてこんなことに!!」(20)




6巻の25話より



ペトラ「兵長!指示を!!」


オルオ「やりましょう!あいつは危険です!!」


グンタ「俺達がやるべきです!」


エルド「ズタボロにしてやる・・・」


エレン(そろそろ告げた方が良いのだろうか・・・)



リヴァイ「・・・・・」


オルオ「リヴァイ兵長!指示をください!!」


エレン「ちょっ!オルオさん!あまり兵長の近くより過ぎないでください!陣形が崩れます!」


オルオ「悪い」


エレン(なんか途中から違和感を感じていたんだ・・・兵長の顔の左側から何かが見えたと思ったら)



ペトラ「兵長!今、戦わなければ全滅してしまいます!!」


リヴァイ「・・・・」プラーン


エレン(ほぼゼリー状の鼻水がターザンしている!)


リヴァイ「おい、おま

エレン「兵長!!後ろ向かないで、前に集中してください!こういう時こそ基本をこなさなければ事故の原因とかになってしまいます!」


ペトラ「エレン、今はそんなことより直ぐ後ろに来ている女型巨人の事を」



エルド「そうだ!兵長の指示を最優先だ!」


オルオ「あの兵長が平凡なミスをするわけないだろ!新兵が調子乗って命令してんじゃねえよ!」


リヴァイ「・・・・・」プラーン


エレン(駄目だ!こんな時に兵長が鼻水垂らしているなんて全員にバレたら、皆それに気が一瞬向いて危険になるし、下手したら士気を下げてしまう可能性もある!)


エレン「いえ!逆にこんな些細なことで作戦を失敗させたら、一生ものの恥です!壁外調査を舐めないでください!!」


グンタ「いや、お前初めてだろ」



エレン「経験なんて関係ない!!生きて敵を駆逐するかどうかが結果に繋がるんです!下手なことで死んだとこで未来には何も繋がりません!」


エルド「エレン・・・」


ペトラ「えぇ・・・そうね。私達、ちょっと頭に血が登り過ぎてたみたいね」


リヴァイ「・・・・クソガキ・・・たまには良い事を言うじゃねえか」プラーン


エレン(さて・・・どうやってこの問題を解決しようか。耳打ちで俺が兵長に教えたとしよう。だがしかし、そうしたら兵長の兵長としての威厳を失ってしまうんじゃないか?兵長のメンタルがた折れしてしまうんじゃないか?)



エレン「とにかく・・・今は馬の持久力を考えながら、追いつかれないよう時間をかけ、安定した速度で走り続けましょう!」


グンタ「なるほど・・・有意義な時間を作り、場所やを考え、そして戦いやすい空間へ導き作戦を考えながら進んでいくというわけか・・・・」


ペトラ「兵長!そうしましょう!!」


リヴァイ「・・・・・・」プラーン


エレン(よし!取り敢えず時間の確保は完了だ。女型巨人の奴との距離感はバッチリ。この距離ならあと二十分は余裕ある)


エレン(この間に、誰にも知られないように兵長の鼻水を処理しなければならない!これは俺が初めて神に任された唯一の仕事)



エレン「兵長!ハンカチ持ってますか!?」


エルド「は?お前何を聞いているんだよ!?」


リヴァイ「ブレードを拭いた時に汚れたから、既に捨てた・・・」プラーン


エレン(神は俺を見放しただとぉ!?)


エレン「ならばティッシュは!?」


リヴァイ「そんなもの壁外調査に必要ない」プラーン


エレン(ごもっともです)



グンタ「おい!こんな時にふざけたこと聞くな!」


オルオ「いくら綺麗好きな兵長でも、ティッシュは携帯しているわけじゃねえんだよ!メモしとけ!新兵がぁ!!」


リヴァイ「・・・・壁外調査以外の時はいつも携帯している」プラーン


オルオ「だそうだ!クソ新兵がぁ!忘れるなよ!覚えときやがれ!!」


エレン「はい!すみません!!」


エレン(詰んでしまったのか!?いや!まだだ!こんな事を理由にして死ぬなんて御免だ!でもどうする!?俺はハンカチもティッシュも持ってきてないし・・・来る前にミカサに『ハンカチとティッシュは持った?』と言われて『遠足じゃねえんだよ!馬鹿か?』って言ったけど・・・・・ミカサの言う通りにしておけば良かった!馬鹿は俺だったぜ!)



エレン(初めから兵長が鼻水を垂らす事を予定に壁外調査に望めば、こんな事にはならなかったのに!)


リヴァイ「全員、耳を塞げ」プラーン


エレン「ふぇ?」



キィィィイイイイイイン!!!



エレン「!?」



オルオ「音響弾!?」


リヴァイ「さっきからふざけたことを吐かすな。俺達の仕事はクソガキに怪我を1つでも付けないように尽くすことだ」プラーン


ペトラ「!!」


リヴァイ「だから・・・俺らがいくら危険になろうと関係ない。命の限り、お前を守りきるんだよ」キリッ プラーン


エレン(・・・・・・)


リヴァイ「それだけは覚えておけ・・・」プラーン


オルオ「は、はい!兵長!!」



グンタ「分かりました!!」


エレン(俺は見てはいけないものを見てしまったんだ。あんなの見なきゃこんな思いになんてならなった)


エレン(兵長凄い良い事を言っているのに、全く心に響かない・・・何故なのだろう?答えは簡単。鼻水を垂らしているからだ)


リヴァイ「俺達はこのまま馬で速度を上げて駆ける。いいな?」プラーン


ペトラ「了解です!」


エレン「え・・・!?」



エレン(俺の聞き間違いじゃなきゃ兵長はこう言った『速度を上げて』と・・・)


エレン(おいおい!クライマックス近いじゃねえか!?)


エレン「駆けるって・・・一体どこまで!?」


エレン(そうさ。その終着点で俺のこれからの行動も変わってくる)


エレン(というか!あいつ、急に加速してきてるじゃねえか!?)



バシュッ!バシュッ!!



エレン「ふぁっ!?」



オルオ「増援だ!!」


ペトラ「!!」


エレン(よし・・・増援だ。少しでも時間を稼いでくれ!頼む!後で315円あげるから!)


エレン(その間に俺が兵長の鼻水が駆逐する!この世から一滴残らず!!)


エレン「へいちょっ(ズルッ!!)」


エレン「うえっ!?」




ズザザザー・・・



エレン「イテテ・・・くそ、考え事してたせいで馬から目を離して・・・・って、あれ?浮いてる?」


女型巨人「エ”ェレ゛ェェンンンン!!」


エレン「た、たはは・・・兵長が鼻水を垂らしていたんだ。俺、ちょっと拭きにしかなきゃいけないんだ」


女型巨人「ヴァァァアアアア!!」


エレン「だから、ちと離してくんね?な!頼むよ!な?や、やだなぁ!そんな大きな口を開けてどうしたの?俺美味しくないよ!?ほら!毎日毎日・・・芋だけの生活だったからさ!俺の主成分は芋なんだよ!?巨人は芋食わないだろ!?なぁ!マジ勘弁してくださいって!」




エレン「・・・・・全部、兵長のせいだ」





ペトラ「あれ?エレンは?」


オルオ「ションベンだろ!」


エルド「あぁ、ションベンか」


ペトラ「・・・・・・」


オルオ「・・・・・・」


グンタ「・・・・・・」


エルド「・・・・・・」



ペトラ「え?」


オルオ「え?」


グンタ「ん?」


エルド「エレンどこ行った?ションベンなわけねえだろ?」


ペトラ「兵長!エレンが!!」


リヴァイ「クソガキがどうした(クルッ)」


ペトラ「・・・・・ぇ



グンタ「・・・・・」


オルオ「・・・・!?」


エルド「へ、兵長・・・」


リヴァイ「なんだ?」プラーン


グンタ「鼻水垂れてます」


リヴァイ「あ・・・」



終わり

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