先輩「…………」カタカタ 後輩「…………」カタカタ(325)

先輩「…………」カタカタ

後輩「…………」カタカタ

先輩「…………」カタカタ

後輩「…………」カタカタ

先輩「…………ふぅ。おーい、そっちはどんな感じだー?」

後輩「えーっと……もうちょっとかかりそうですぅ~」

先輩「…………。ちなみに俺はもうちょっとで終わるからな。日付が変わる前に終わらせないと置いて帰るぞ」

後輩「ええっ!? 先輩ひどいですよぉ!?」

先輩「何がひどいんだよ。お前のミスをフォローするためにこんな時間まで残って仕事してやってるだけでも十分だろ」

後輩「うぐ……うぅ…………頑張ります」

先輩「おう。せいぜい頑張ってくれ」

後輩「お、終わりましたぁ~!」

先輩「――11時47分。ま、なんとか今日中には終わったな」

後輩「が、頑張りましたぁ……」

先輩「はいはい。んじゃ俺はデータの確認しておくから、その間にちょっと外の自販機でコーヒー買ってきてくれ」

後輩「はい。わかりました」

先輩「甘さ控えめなやつな」

後輩「甘さ控えめですね。了解で~す」

先輩「……で、なんでお前はココアを買ってくるかなぁ」

後輩「すいません……」

先輩「まぁ、別にいいけどな。特にコーヒーにこだわりがあるってわけでもないし」

後輩「うぅ……」

先輩「――これでよし、っと。んじゃ、チェックも終わったし、データ送信して帰るか」

後輩「あの……先輩、それ終わったらちょっといいですか?」

先輩「なんだよ? また何か残ってるのか?」

後輩「あ、いえ、そうじゃなくって。ちょっとこっちに来てもらいたいんですけど……」

先輩「?」

先輩「……仮眠室? 家に帰らずここで寝ろってのか?」

後輩「あ、いえ、そういうわけじゃなくて……あのー先輩、ちょっとだけ目をつぶっていただきたいんですけど……」

先輩「……? これでいいのか?」

後輩「えっと……見えてませんよね? 薄目開けたりしたら駄目ですからね?」

先輩「はいはい。ちゃんとつぶってるから何かするなら早くしろよ。このままだと俺立ったまま眠っちゃうぞ」

後輩「あわわっ、すぐに用意しますからっ」

先輩「……なんなんだかなぁ」

後輩「じゅ、準備できましたっ」

先輩「ん……? だったらもう目を開けていいのか?」

後輩「はいっ」

先輩「…………」

後輩「…………」

先輩「…………何やってんのお前?」

後輩「うわお!? 何なんですかそのセメントなリアクション!?」

先輩「いや、だって……なんでお前下着姿なの?」

後輩「えっと……それはその……つまりですね」

先輩「つまり?」

後輩「先輩、私を抱いてくれませんか?」

先輩「………………は?」

先輩「……何言ってんだお前?」

後輩「えーっと、いや、まぁ、普段からお世話になってるお礼と言いますか……今日も私のミスで先輩にご迷惑かけちゃったし。これくらいしか私が先輩にお礼する方法なんてないかなー、なんて思いまして」

先輩「……お前なぁ……」

後輩「ダメ……ですか?」

先輩「ダメとかそういう問題じゃないだろ。お前がどういうつもりで言ってんのか知らないけど、そういう冗談は時と場合と相手を考えてから――」

後輩「時と場合と相手を考えた結果です。それに冗談でもありません」キッパリ

先輩「………………」

後輩「だから先輩……お願いします。私を抱いてください」

後輩「とは言ったものの……」

会社に設置された仮眠室。そこに並んだ簡易ベッドの上。
俺の目の前では、服を脱いで下着姿になった後輩が腰掛けている。

後輩「やっぱり恥ずかしいですねぇ」

先輩「自分から誘っておいて何言ってやがる」

ジト目で言って、後輩の胸に触れた。

後輩「――――っ」

びくん、と体を震わせる後輩。下着の上からでも、鼓動が伝わってくる。
両手を添えてそのゆったりとした重みを楽しみながら、下から上へ、中から外へとこね回すように揉んでやる。

後輩「ん、あ、はぁ……ぞくぞく……きます」

はぁ、と吐息を漏らす後輩。その身体から少しずつ力が抜けてきているのが解った。
そのまま少しずつ、強弱をつけて柔らかく胸を揉んでいると、うっすらと、後輩の肌に汗が滲んできた。それに合わせて漏らす声も熱を帯び始めていく。

後輩「ん、んうっ……あ、はっ……ああっ……はう……ん」

胸を揉みながら、吐息を漏らす後輩の唇を塞ぐ。
何度か唇を重ね、俺は後輩の唇の隙間に舌を滑り込ませた。

後輩「んんっ!? ああっ……んぁ……んむ……」

最初は驚いたように身を固くした後輩だったが、キレイに並んだ歯の裏根をつつくように刺激していると、やがておずおずと自分から舌を絡めてきた。

後輩「んあ……んちゅ……んんっ……ぷは」

キスをしながら、後輩の背中に手を回し、ブラのホックを外す。布地を剥ぎ取ると、圧迫から解放された乳房は一段と大きさを増したように見えた。

後輩「あ、せんぱ……んんっ」

固くなってきていた乳首を摘み、引っ張り、乳輪から擦り上げるように刺激して完全に勃起させてやる。

後輩「先輩、触り方が……あんっ……えっちですよぉ……っ」

先輩「そりゃそうだろ。えっちなことしてんだから」

後輩「うぅ~……それはそうなんですけど……ひゃんっ!?」

先輩「ふむ。巨乳は感度が悪いって通説があるけど、意外とそうでもないみたいだな」

後輩「そ、んな……あ……ん……、ひゃっ、んっ……ぅあ……ああっ!」

こちらが手を動かすたびに後輩の身体が震える。
強く、弱く、右から、左から、円を描くように。様々な形で揉み上げるたびに、それは俺の手の動きに合わせて自在に形を変えていく。

先輩「……ふむ」

後輩「ちょ、先輩!?」

戸惑いの声を上げる後輩を無視し、俺は柔らかな胸の谷間に顔を埋めた。胸にキスをしながら、ゆっくりと口を中心に近づけていく。
左側の乳首を口に含むと、唇で軽く噛んだ。

後輩「んんんっ!」

後輩が身体を震わせ、俺の頭を抱きかかえる。
柔らかな胸に顔が沈み込み少々息苦しいが、それでも俺は愛撫を続ける。

後輩「……ん、んぅっ! や……んんっ!」

口の中で硬度を増していく乳首を、前歯を使って軽く噛んだ。

後輩「~~~~~~~~~~っ!!」ビクビクッ

コリッとした感触が歯に伝わり、同時に後輩は大きく身体を震わせる。
どうやら胸だけで軽くイッてしまったらしい。

後輩「あ……は……ぁ……は、ぁ……はぁ……」

身体の力が抜けてしまったのか、後輩は座っていた腰を滑らせて、ベッドへと倒れ込む。
俺はそんな後輩を見下ろして、

先輩「なぁ、止めるなら今の内だぞ」

後輩「…………え?」

ベッドに仰向けになった後輩が疑問符を浮かべる。

先輩「だってお前、処女だろ?」

後輩「先輩……気づいてたんですか?」

先輩「そりゃ気づくだろ。反応で丸わかりだっての」

後輩「うぁ…………(赤面)」

先輩「いや、照れるのはいいけど、ホントどうする気なんだ? 正直俺も男だし、これ以上先に進んだら途中で止めるとか無理だぞ」

後輩「……いいんです。この歳になっても処女なんてちょっと格好悪いですし……だったらさっきも言ったみたいに今までのお礼も兼ねて、先輩に貰って欲しいなーって」

恥ずかしさと、申し訳なさが混じった、しかし真剣な表情。

後輩「あの、その…………やっぱり迷惑でしたか?」

先輩「そりゃな」

後輩「あうぅ……」

困ったような顔で俯く後輩。
くだらないお礼とやらで、自分の処女をもらってくれという後輩を、俺は馬鹿だと思う。
しかし――

先輩「本当に馬鹿なのはそれを多少なりとも可愛いと思っちまう俺の方か……」

後輩「へ?」

聞こえないように吐いた呟きは、やはり後輩の耳には届かなかったようだ。
俺はもう1度ため息を吐き出し、「なんでもない」と、素っ気なく言った。

先輩「さてと、というわけでここからある意味本編に入るわけだが――」

下着を脱がせて足を開かせようとすると、恥ずかしいのか後輩が膝を閉じようとした。

先輩「おいこら」

後輩「だ、だって恥ずかしいですよぉ……」

先輩「駄目だ。隠すな」

真正面から目を見てきっぱり断言すると、諦めたのか、はぁ、と熱い息をつき、後輩は自ら膝を大きく開いた。

後輩「うぅ……恥ずかしくて、死んじゃいそうです……」

先輩「恥ずかしさで死んだりはしないっての」

後輩「あ、あの……先輩?」

間近で見られて恥ずかしいのか後輩が声を上げるが、無視。
俺は目の前にある後輩の秘所へと手を伸ばす。

後輩「んぅっ……」

胸への愛撫で十分感じていたのか、その入り口はすでに濡れていた。俺はぬるぬるとしたそこに指をかけると、左右に引く。
蜜に濡れそぼったそこが、くぱぁと開き、ピンク色の秘肉を視界に晒した。

後輩「え、えーっと……先輩? さすがに開いて見られるのは……私、恥ずかしすぎるんですけど……」

先輩「気にするな」

後輩「気にしますよぉ……」

恥辱で顔を真っ赤にし、後輩が呟く。
しかしそう言う後輩も見られることで感じているらしい。実際何もしていないのに溢れる蜜はその量を増し、秘裂を開く俺の指をどんどんと濡らしていた。

先輩「んじゃ、触るぞ」

期待に震える蜜壺に、指を差し入れていく。

後輩「ふぁっ! あぁぁ……入って……きてる……」

柔らかな粘膜が、きゅっと指を締め付けてくる。熱い潤いに満たされ、きゅっ、きゅっ、と淫靡な収縮を繰り返す膣内を、ゆっくりと指で掻き回す。

後輩「ううっ、んんっ……んっ、くっ、あ……んぅ……っ」

次第に愛液の量が増えてくるのに合わせて、指を2本に増やす。
後輩の反応を見ながら、2本の指を中で蠢かせる。少しずつ指を動かす範囲を広げながら中を掻き回すように愛撫していると、緊張していた太股からも徐々に力が抜けていく。

後輩「ん、はぁ……」

すでに抗うことを止めてしまった後輩が、惚けたような表情で掻き回される秘芯を見つめている。
そんな後輩の様子を見つつ、俺は思ったことを口にした。

先輩「後輩、お前さぁ、実は結構オナニーとかしてるだろ」

後輩「ふぇっ!? な、な、ななな何を突然そんな」

先輩「いや、初めてなのにやたら感度いいなーと思って。どうよ?」

繰り返すと、後輩が首まで赤くなった。額に浮いた汗が、頬を伝って下に落ちる。

後輩「ちょちょちょ、ちょーっと待ってください。先輩、なんでそんなこと確認する必要が――って、何がおかしいんですか? 先輩」

先輩「いや、否定しないあたり、正直だなぁって思ってな」

後輩「うあっ」

かああぁっ、と、今までにも増して後輩が顔が赤くなり、乳房の上までほんのり染まった。

先輩「ふむふむ。ってことは遠慮はいらないな」

後輩「えーっと……先輩、それってどういう…………ひゃあっ!?」

後輩が大きな声を上げるが、遠慮はいらないと判断したので無視。
先ほどまでより激しく、蜜を掻き出すようにして指を回しつつ、肉芽を押し潰すように刺激する。
そして固く突起した肉芽を、親指と人差し指できゅっと摘み上げた。

「きゃうっ!」

摘んだそれを少し捻ってやると、それだけで全身をぶるぶると震わせる。

「あ、あうっ……ひ、あ、ああ、はぁっ、い……っ」

少し強めの行為だったが、後輩はそんな多少の痛みさえ快感として感じている。
俺はそれを認識するとクリトリスから手を離し、今度はそれを擦り上げる。少し速めに。

後輩「きゃぅ……は、ああ、ダメです、き、きちゃいます……先輩……っ」

かまわず続けた。
すっかり包皮から顔を出した肉芽を何度も弾き、それに合わせて濡れた膣内を掻き回す。

後輩「あ、あくっ、ああっ……ん、んうっっっ!!」

びくびくっ、と後輩の身体が弾かれたように痙攣する。どうやらイッたらしい。

後輩「はぁ、ああぁ、あっ……くぅん……はぁ、はぁ、はぁ……」

荒い息を吐きながら、ぐったりと身体を弛緩させる後輩。
目にうっすらと涙を浮かべ、潤んだ瞳がこちらを見上げる。
俺はその目を正面から見つめ、

先輩「本当に、いいんだな?」

後輩「はい。私の処女……、もらってください……」

緊張で汗ばんだ両足を改めて開き、濡れた入り口に熱くなった自分の先端をあてがった。
そのまま入り口で軽く上下させ、位置を確認する。

先輩「じゃあ、いくぞ。痛かったら痛いって言えよ」

やはり不安なのか、後輩が潤んだ瞳でこちらを見上げる。

先輩「できる範囲で優しくしてやるから」

後輩「もうちょっと言い方があると思いますけどねぇ……」

ふ、と後輩が僅かに表情から緊張を抜いた。

後輩「でも少しだけ気が楽になりました。……お願いします。先輩」

その声を合図に、俺は腰を突き出した。


後輩「んっ!」

屹立した肉棒の先端が淫裂を押し割り、後輩の中に入っていく。

後輩「痛……あう……くぅ……はぁ、ああ……」

後輩「あ、く……ぅ……は、はぁ、はぁ、ああ……」

後輩が息を吐くのに合わせ、また少し進む。そうして半ばまで埋まった時点で、俺は一度腰を止め――そして残りを一気に突き入れた。

後輩「~~~~~~~~~っ!!!」

何かを貫いたような感触。
そして、俺のモノは後輩の中に完全に収まった。
初めて男を迎えた後輩の中は、痛いくらいにこちらを締め付けていた。

先輩「……頑張ったな。入ったぞ」

後輩「あ、あは、はは……お、お騒がせしました……」

痛みを懸命に堪えながら、それでも笑顔を浮かべる後輩。

後輩「で、でももう……大丈夫……ですから」

先輩「泣きながら言われても、説得力ないっての」

ため息1つ。目に滲んだ涙を指でぬぐってやる。
ともあれ、このまま俺が動いても後輩は痛みを感じるだけだろう。
俺は繋がったまま腰は動かさずに、右手を接合部分へと持っていった。

後輩「んっ……はふぅうっ……!」

秘裂の上部、固く勃起した肉芽に触れると、ぴくん、と後輩の身体が大きくわなないた。
まだ痛みはあるものの、さすがにここだと反応があるようだ。

後輩「あ、あの、先輩、いったい何を?」

先輩「いやまぁ、マッサージしたら多少は痛くなくなるかなーと思って」

言いながら、指先で包皮を剥き、接合部から漏れた蜜を掬ってむき出しになったそこに塗りつける。

後輩「んぁあっ……あああっ……はぁあっ……あっ、ああっ……ああんっ……」

しばらくそうやって愛撫を続けていると、肉壁の奥から新しい愛液が滲み出してきた。
きつく締め付けるだけだった膣内がも若干だが招き入れるかのような収縮へと変化する。
さて、そろそろ……

先輩「動いて、大丈夫か?」

後輩「た、多分……」

頷く後輩の中から、ゆっくり肉棒を引き抜く。
そして同じようにゆっくりと中に入れていく。

後輩「はあぁん……ああぁっ……はああぁ……んんっ……」

後輩の声にはまだ苦痛の色が混じっている。だから俺はゆっくりと、なるべく後輩に負担をかけないように肉棒を前後させる。
そうやって何度も繰り返していると、徐々に後輩の体から固さが抜けてきた。漏らす声にも痛み以外のものが混じってきているようだ。
試しに少しだけ動きを速めてみる。

後輩「っふあ……あっ、くっ……ふぁっ」

手を伸ばし、胸を揉んでみる。

後輩「ふあっ、んあぅ」

ちゃんと感じているようだ。
そうやって胸を揉みつつ断続的に肉棒を出し入れしていると、膣圧も少しずつ弱まり、潤滑油が俺を包み始めた。それに合わせて嬌声の中に痛み以外のものが混じり始める。
…………ふむ。

先輩「後輩、もうちょっと速くして大丈夫か?」

後輩「……え? ……あ、はい。……動いてください……先輩」

健気に頷く後輩。
言われた通りに動きを速める。

後輩「ふあっ……んうっ……ああっ……ん……はぁ……っ」

最早痛みよりも快楽の割合が大きくなっているようだ。俺は抽挿の角度を変えながら後輩のそこを開拓していく。

激しく後輩を突きながら、上下に揺れる乳房を掴み、硬くなった乳首も指で刺激してやる。
快感によるものか、後輩の目からは涙の粒が溢れ、うわごとのように、喘ぎ声混じりに俺の名前を口走っている。
だから。

先輩「後輩」

俺は強く後輩を抱きしめ、その名を呼んだ。
後輩の膣内が熱くうねる。
喘ぐ後輩に触発されるように、俺はいっそう強く、深く、後輩の膣口に怒張を突き立てた。

後輩「はぁっ、はぁっ……先輩……あっ、ああっ……先輩っ!」

限界が近いのか切なげな声を挙げる後輩。
その声に引かれるように、こちらの動きにもスパートがかかる。

後輩「あっはあ……ふぁうっ……あああっ、ああっ、あっ、あっ、あっ……うあっ……先輩……先輩っ……あああああぁぁぁぁぁぁっ」

腿に力が入り膣内がびくりと収縮する。
その急な刺激に、俺も一気に限界まで押し上げられてしまう。

先輩「――――――っ」

間一髪。本当にギリギリの所で引き抜いた肉棒から多量の精液がほとばしり、まだ口を開いたままだった後輩の秘裂へと降り注いだ。

※事後
後輩「うー、まだ何かが股の間に挟まってるような気がします……」

先輩「しょうがないだろ。それはそーいうもんなんだから」

後輩「むぅー、先輩、人の処女奪っておいて冷たいですよぉー。もうちょっと優しくしてくれてもいいじゃないですかぁ」

先輩「何言ってやがる。十分優しくしたっての。大体、処女奪ってくれって言ってきたのはそっちだろうが」

後輩「それはまぁ……そうですけど。もうちょっと甘々なピロートークとかがあってもいいじゃないですかぁ」

先輩「そりゃ無理だ」

後輩「即答!?」

先輩「――それはさておき」

後輩「さておかないでくださいよぉ」

先輩「(ガン無視)終電無くなってるけどどうしたもんかな」

後輩「タクシー呼べば」

先輩「給料日前」

後輩「あー……」

先輩「もう今日はここに泊まるしかないかな」

後輩「おんなじベッドでですか?」

先輩「この狭いベッドでどうやってだよ。別々に決まってるだろ」

後輩「ですよねー」

※別々のベッドにて
先輩「…………」

後輩「…………」

先輩「…………」

後輩「…………先輩?」

先輩「…………」

後輩「…………先輩、起きてますか?」

先輩「…………寝てる」

後輩「……起きてるじゃないですか」

先輩「……なんだよ。明日も仕事なんだから早く寝ろよ」

後輩「…………先輩は、後悔してますか?」

先輩「…………」

後輩「……だって先輩、前に言ってましたよね『仕事仲間には手を出さない』って」

先輩「…………」

後輩「いいですよ」

先輩「…………」

後輩「気にしなくてもいいです。私だって先輩とらぶらぶ~になれるなんて思ってませんし」

後輩「それに私は先輩とこーゆーノリでやってるのが楽しいですし」

後輩「だから先輩、明日からはまたいつも通り、意地悪な先輩とそのイジメに耐える健気で可愛い後輩っていうことでひとつよろしくお願いします」

後輩「おやすみなさい……先輩」

先輩「…………ああ、おやすみ……後輩」

※後日
先輩「…………」カタカタ

先輩「…………」カタカタ

後輩「せんぱーい」

先輩「……ん? なんだ? また何かやらかしたのか?」

後輩「へ? いやいやいやっ、今日はまだ何もやってないですよぉ!」

先輩「そのセリフはツッコミ待ち……いやもういいや。で、何の用だよ?」

後輩「実は今日、私の誕生日なんですよ」

先輩「へぇ」

後輩「へぇ、って、なんなんですかその味気ないリアクションは! 可愛い後輩の誕生日ですよ! もうちょっとこう、祝ってあげるよーなこと言ってくださいよ!」

先輩「わー、後輩ちゃんおめでとー」

後輩「心がこもってなーい!」

先輩「贅沢なヤツだなぁ」

先輩「――で、お前は何を要求してるんだ? 先に言っておくが、金は無いからな」

後輩「大丈夫です。ちゃんと解決策を持ってきました」

先輩「祝われる側が解決策を持ってくるということ自体どうかと思うんだが……まぁ、一応聞くだけ聞いてやる」

後輩「先輩、また私を抱いてくれませんか?」

先輩「ぶっ!?」

後輩「おわっ、先輩汚いですよ」

先輩「誰のせいだよっ!? ったく、お前が変なこと言うから机の上がコーヒーまみれじゃねーか」

後輩「えぇー、私が悪いんですかぁ?」

先輩「明らかにお前のせいだよ! ……てか、いきなり何言い出してんだよお前は」

後輩「何って、そのまんまの意味ですけど。いーじゃないですか。1回も2回も同じですよ」

先輩「同じじゃねぇよ」

後輩「なんなら高級レストランで食事ー、とかでもいいですけど」

先輩「それは俺がよくない」

後輩「もー、じゃあ、どうしろって言うんですか」

先輩「何故俺がキレられなきゃいけないんだ? てか祝わないっていう選択肢は無いのかよ?」

先輩「よし分かった。レストランで食事でいいんだな」

後輩「はいっ――って、え? あれ?」

先輩「何だよその昔死んだ恋人が実は生きていたけど本当は血の繋がった姉弟だった時みたいな顔は」

後輩「いや、そんな器用な顔芸できませんけど……って言うか先輩、お金無いんじゃあ……?」

先輩「俺の財布の中身をお前が勝手に決めるな」

後輩「でもお給料日前ですよ?」

先輩「問題無い。ただ、今からだとレストランの予約が間に合わないだろうから食事は明日の夜でいいな」

後輩「えっと……はい。それでいいですけど……」

先輩「じゃあ、そういうことで」

(某所)
先輩「――というわけで金貸してくれ」

女「連絡も無しにいきなり元カノのところにやってきて第一声がそれってどんなクズ野郎だよ」

先輩「そう言われても他に金貸してくれそうなアテが無くてな」

女「消費者金融にでも行け」

先輩「親父殿の遺言で消費者金融と出会い系サイトは利用しないことにしてるんだ」

女「お前の親父さんどっちもよく利用してたけどな」

先輩「反面教師ってやつだろ」

女「……で、結局その後輩ちゃんを食事に連れて行くのに金が必要ってわけか」

先輩「まぁ、そうだな」

女「素直に抱いてやればいいんじゃないのか? あっちもそれを望んでるんだろ?」

先輩「残念ながら何か大きな力がそれを望んでないらしくてな」

女「なんだよ大きな力って」

先輩「大きな力は大きな力だよ。たまにそういうのがあるんだ」

女「そうか……まぁもう細かいことは突っ込まないことにしておくが」

先輩「そうしてくれ」

女「さて、話を戻して金の件だが、男とは付き合い長いし貸してやるのはかまわないぞ」

先輩「そうか。助かる」

女「しかし世の中には利子というのがあってな」

先輩「分かってるって。ちゃんと給料日には色着けて返してやるよ」

女「悪いが利息は前払いだ」

先輩「え? 何その斬新なシステム? 金無いから借りに来たのに逆に金要求されるってどういうこと?」

女「いやなに。別に現金でよこせというわけじゃない」

先輩「……すでに嫌な予感しかしないんだが」

(ラブホテル)
女「――というわけで、利子は身体で払ってもらうぞ」

先輩「やっぱりそんな展開かよ!?」

女「いいだろ別に。ここしばらく忙しかったから色々と溜まってるんだよ」

先輩「欲求不満の解消を元カレに要求するな」

女「元カレだから要求してるんだろ。お前は私が誰彼かまわず股を開くような女だと思ってるのか?」

先輩「……いや、それは思わないけど……」

女「だいたい、ラブホテルまでついて来ておいて今更ヤらないとかいう選択肢無いだろ。据え膳食わぬは男の恥だぞ」

先輩「(ため息)……はいはい。分かりましたよお嬢様」

女「うむ。よきにはからえ」

女「んっ……」

俺と女の吐息が混ざる。
鼻から、たまに口から漏れる他者の息を間近に感じるのは、慣れていない人間にすれば奇妙な感覚だろう。
唇を合わせるのも、手を繋いだり、頭を撫でたりするのとは比較にならないほど異質である。
しかしすでに何度も経験済みである人間にとってみればそれは別に異質でも何でもなく、故に俺は深く深く女と唇を重ね合う。
吸い付くように唇を重ね、その隙間から舌を突き入れては口腔で絡め合う。
途中、小休止のために唇を離すと、俺と女の間で唾液が糸を引いた。

女「ふふ、キスも随分と上手くなったじゃないか」

先輩「誰かさんのおかげでな」

ぶっきらぼうに言って、再び女と唇を重ねる。

キスをしながら、女の胸へと手を伸ばす。
当然ながら女に抵抗する素振りはない。
客観的に見て普通より大きい部類に入るそれを、俺は服の上から揉みしだく。

女「んっ……ぷは。おいこら。服がシワになるだろ」

先輩「それは脱がしてくれっていうフリか?」

女「服を買ってやる甲斐性が無いんだったら脱がせる手間を惜しむなってことだよ」

女「ああそうそう。着たままがいいってんなら下着はそのままでいいぞ」

先輩「なんでだよ? どう考えても下着の方が汚れるだろ」

女「下着は替えを持ってきてるからな」

先輩「一応聞いておくが、何故?」

女「紳士が財布にコンドームを常駐させてるように、淑女は常に替えの下着を持ち歩いてるもんなんだよ」

先輩「そんな常識初めて聞いたわ」

先輩「……話を戻そう。なんでエロシーンなのにギャグっぽい流れになってるんだよ」

女「おいおいまるで私が悪いかのような物言いだな」

先輩「明らかにお前のせいだよ!」

女「まぁ、確かにちょっと妙な流れになったのは事実だな。お前とこういうことをするのも久しぶりだから思わずテンションが上がってたのかもしれん」

女「私も服を脱ぐし、ここで一旦仕切り直しといこう」

というわけで色々仕切り直すことにして、俺は下着姿になった女の胸へ手を伸ばす。
布越しに感じる温かい肉の感触。
でもまぁ、せっかくなので生で触りたい。俺は女の下着をたくし上げ――

女「どうせ脱がすなら最初から全部脱いでた方が無駄がないんじゃないのか?」

先輩「馬鹿だな。この脱がす瞬間がいいんじゃないか」

それをたくし上げると、2つの膨らみが零れるように姿を見せた。
十分な大きさを持ちながら決して崩れない乳房と、つんと尖って上を向いた乳首。この瞬間だけは、何度見ても見とれてしまう。

先輩「――よし」

頷き1つ。
女が「何が『よし』なんだ」と言わんばかりの視線を向けてくるが、ここで男のロマンとフェティシズムについて詳しく説明してたら現代の千夜一夜物語になってしまうのでとりあえず黙秘。
その代わりに剥き出しになった女の胸を、下から持ち上げるように揉んでやる。
下着越しの時とは違うまるで手に吸い付いてくるような感触。
力を入れれば指が沈み込み、心地よい弾力を返してくる。
強く、弱く、右から、左から、円を描くように。様々な形で揉み上げるたびに、それは俺の手の動きに合わせて自在に形を変えていった。

先輩「…………っ!?」

不意に、下半身に感触。
視線を下ろすと、女の手がこちらの股間をさすっていた。

女「随分と窮屈そうにしてるじゃないか」

そう言って、器用に片手で怒張を取り出してみせる。
しがらみから解放されたイチモツが勢いよく反り返り、腹に当たってぺちんと音を立てた。

女「ふふっ、相変わらず立派だな」

満足げな口調でそう言って、女は屹立した肉棒に顔を寄せる。
熱く膨張した亀頭に唇が触れたかと思うと、女はおもむろにそれを口に含んだ。
艶めかしく息を漏らしながら、そのまま怒張を根元まで呑み込んでいく。

先輩「っ……!」

生暖かい感触が一気に広がり、俺は思わず呻き声を漏らした。
女はこちらのモノを頬張ると、すぐに前後に抽送を開始した。
リップを塗った唇が怒張した肉茎を呑み込み、そして吐き出す。

女「んっ、んちゅっ、は、ぁ……じゅっ」

熱く湿った口膣粘膜が肉棒を包み込み、絡みつく舌が亀頭を刺激する。
こちらの快感のツボを知り尽くした愛撫に、下半身に甘い疼きが溜まっていく。ともすればすぐに沸騰しそうになるそれを、俺はぐっと下半身に力を込めて押さえ込んだ。

女「ふぅ、んっ、あむっ……んふぅ……んっ」

女が扇情的に顔を揺らすたびに、その下では2つの膨らみが揺れる。俺は揺れるその胸に手を伸ばした。

女「んふっ……はぁ……胸、は……」

抵抗が無いのをいいことに、俺は前屈みになって、下向きに伸ばした両手で女の胸を捏ね回した。

女「んぅ……ちゅっ……は、ん……んっ!」

硬くなった乳首を摘み上げると、ぴくんっ、と女の喉が震える。
こちらに胸を弄られながらも、女の奉仕は止まることなく、むしろその激しさを増していく。

女「んっ……んふぅ……んむっ、んっく……んんっ……」

口唇愛撫は徐々に強く深いものへと変化する。ストロークが大きくなり、挿入時には先端が喉の奥の粘膜に当たる。
じゅぶっ、じゅぶっ、と唾液と先走りとが混ざった液体が音を立て、艶めかしいくぐもった声がラブホテルの一室に響く。

女「ん……ぷは。どうだ? そろそろ限界なんじゃないか? ……んむっ」

下半身に熱い疼きが込み上げてきて、早くそれを吐き出したいという欲求に駆られていく。それを察したように、女は再び俺のモノを咥え、口内の深くまで呑み込んだ。

先輩「それ……、くっ……ダメだ……出る……っ!」

びくんっ、と半ば無意識に腰が突き出され、咽喉に激突する。
それが決壊になった。

女「んんっ、うぶぅぅ……!」

自分でも驚くほどの射精。
腰が抜けるほどの快楽に何度も屹立が跳ね、大量の精液が、女の口内にぶちまけられる。

女「んむぅっ!? ……ん、んふ……うぅ……んっ……」

喉奥に射精された女は、一瞬だけ眉を寄せたが、しかしいつものように、喉をこくこくと鳴らして、放出される精液を飲み干していく。
口内射精は自分でも驚くほど長く続いた。
何度も迸る白濁が、女の喉奥へと消えていく。

女はしばらくして射精が終わった後も、肉棒から口を離さなかった。びくびくと脈打つペニスを頬張ったまま、最後の一滴まで精液を飲み干す。

女「ちゅ……んっ、ぷはぁっ……」

尿管の中に残った分まで吸い出して、ようやく女は口を離した。
唾液の糸が垂れて、唇と亀頭の間で糸を引いて消える。

女「ふふ。ごちそうさま」

ぺろりと自分の唇をひと舐めし、女は笑みを浮かべてそう言った。

女「さて、じゃあここからが本番だな」

そう言って、こちらを押し倒した女が上に乗ってきた。
見上げた視線の先、先ほどまでの行為で興奮していたのか女のソコは薄く口を開いて透明な蜜を滴らせていた。

女「ちゃんと私を満足させろよ?」

ベッドに膝をつき、怒濤の先端に自らの秘裂を押し当てる。
くちゅ、と小さな音をたて、熱く潤った秘唇が、充血しきった亀頭の先端を包み込んだ。

熱い息を漏らしながら、ゆっくりと女が腰を落としていく。
硬く屹立した肉棒が狭い入り口を押し分けて滑り込み、そのままの勢いで根元まで呑み込まれていく。

女「ん、はぁ……全部入ったぞ。どうだ? 私の膣内は気持ちいいか?」

そう言って女がこちらを覗き込む。
淫らにうねる襞が、ざわりと幹を撫でた。ざらつく媚肉は、こちらの性感帯を知り尽くしているように蠢く。

女「ほら、お前も何もしないんじゃなくて動いてみろよ。腰動かすなり、胸攻めるなり、色々やれることあるだろ」

こちらを見下ろし、女が言う。
確かにこのままやられっぱなしというのは、なんだか女に負けたみたいで癪だ。

先輩「よし……」

俺は軽く唇を噛んで快感を薄めると、目の前で揺れる女の胸に手を伸ばす。
揺れる乳房を下から掴んで、乳首を転がす。女が大きく背を反らした。

女「んっ、あっ……いいぞ。その調子だ」

女はそんなこちらの様子を楽しむように、ゆっくりと腰を振り始める。
持ち上げて、カリ首の辺りで止めて、また腰を下ろす。
女は肉棒を秘裂に咥えたまま、腰を艶めかしく上下させる。

女「あ、は……ん……あぁ……はぁっ」

膣内で肉棒が往復するたびに、女の口から甘ったるい嬌声が漏れる。
同時に肉壺がキュッと締まり、幾重にも折り重なった襞が、硬く張り詰めた怒張を扱いていく。

女「んっ……ぁ……ふふ」

こちらの愛撫に合わせるように腰を動かしていた女が、不意に笑みを漏らした。

先輩「……なんだよ?」

見上げたまま、問いかける。

女「いや、こうしてると昔に戻ったみたいだと思ってな」

軽く告げられた言葉に、ちくりと胸の奥が痛む。

――昔。
俺と女が『彼氏』と『彼女』だった時代。
「似すぎているから」そう言って別れ話を切り出したのは女の方だった。

先輩「………………」

感傷だと思う。
だからその感傷を振り切るかのように、俺は自らの腰を突き上げた。

女「ひゃっ!? あんっ!」

女の身体が俺の腰の上で浮き上がり、着地。
俺はその勢いのまま、何度も腰を突き上げる。

女「お、男……急に、激し……っ、ふあっ!」

意外に軽い女の身体が、俺の上で何度も舞う。

何度も何度も突き上げられる中、女自身も腰を動かし始めていた。
最初はゆっくりと、しかしすぐに激しさを増して、こちらの腰遣いに合わせていく。
突き上げる時には腰を落として、引く時には捻りを加えて膣壁を擦らせる。
俺に貫かれるだけではなく、自分でもよりを深く求めている動きだった。

女「あ、はっ! んんっ! ああんっ!」

女の締め付けが、さらに強まってくる。
俺もそれに負けまいと、さらに激しい動きで腰を突き上げた。

腰と腰がぶつかり合い、接合部から漏れた蜜が俺の下半身を濡らす。
膣内で肉棒が一往復するたびに、女の口から甘い嬌声が漏れる。
愛液が泡立つくらいに激しくピストンを繰り返しながら、俺は再び女の胸に手を伸ばし、硬く尖った乳首を摘み上げた。

女「ひはぁっ! くっ、ああああっ! あああああぁっ!」

一際甲高い叫び声と共に、女が背筋を仰け反らせる。
同時に蜜まみれの膣襞が絡みつき、ざらついた感触が複雑なうねりで幹を扱きていた。
その細波のような動きと強烈な締め付けの中、俺も絶頂に向けて上り詰めていく。

先輩「う、くっ……あああっ!!」

下半身が爆ぜるような快感に包まれ、俺は女の中に大量の精液を解き放った。
どくんどくんと脈打つ怒張が、2度目とは思えないほどの量と勢いで女の膣奥に向けて白濁液を吐き出していく。

女「あ、ひっ、あああっ! イク……イッ……クうぅぅぅっ!」

熱い子種汁を子宮に浴びて、女が高く澄んだ絶叫をほとばしらせた。
俺はしっかりと腰を抱いたまま、脈動を繰り返す怒張を根本まで秘裂に押し込み、幾度も精を放っていく。

女「んっ……あは、温かい……」

2度目のとは思えないほどの精液は、隙間など無いはずの俺と女との結合部から流れ出ていた。

女「ふぅ~。気持ちよかった」

汗に濡れた髪をかき上げ、大きく息を吐く女。
まぁ、ともあれ満足させることは出来たようだと俺もほっと息をつく。
――と。

女「さてと」

女は扇情的な舌遣いで、自身の唇を舐めた。
そしてその唇は、いやらしく弧を描く。

女「それじゃあ、第2回戦といこうか」

先輩「…………は?」

あっけらかんと言い放たれた女のセリフに、俺は間の抜けた声を上げてしまう。
しかし女は俺のモノを自分の中に納めたまま、ニコニコニコニコ。

先輩「えーっと、俺結構頑張ったと思うんだけど……満足できなかったのか?」

女「いや? 満足したぞ? ちゃんとイッたし。だからさ、もう1回しようぜっ」

……どうやらまだまだ夜は長いらしい。
笑みを浮かべたまま再び腰を動かし始める女を見上げ、俺は溜息を吐き出した。

(レストラン)
先輩「というわけで約束通りレストランにやってきたわけだが」

後輩「おわー。ここですかー。結構立派なところですねぇ」

先輩「お前が高級レストランって言ったんだろうが」

後輩「そうですけど……でも先輩、本当によかったんですか? 私としてはそんな無理しなくても普通に抱いてもらえるだけで良かったんですけど」

先輩「その選択肢を選ばなかったからこうしてここに来てるんだろ。いいから遠慮せずに行くぞ。もう予約もしてるんだからな」

後輩「あ、ちょ、先輩待ってくださいよぉー」

女「――や。遅かったじゃないか」

先輩「…………なんでお前がここにいるんだよ?」

女「そりゃ私だって外食くらいするだろ」

先輩「じゃあなんでこの時間にこの店にいるんだよ?」

女「元々この店をお前に紹介してやったのは私だし、その私が夕食を取りに来るのは別におかしいことじゃないだろ」

先輩「じゃあなんで俺が予約していた席にお前が座ってるんだよ?」

女「急な予約だったせいか席が空いてないらしくてな。相席にしてもらったんだ」

後輩「あのー、先輩、この人は?」

先輩「他人」

女「元カノ」

先輩「おいコラ」

女「なんだよ隠したってしょうがないだろ」

後輩「??? 先輩の元カノさんがどうしてここに?」

先輩「それはむしろ俺が聞きたい」

女「ふむ。じゃあ正直に言うが、実は後輩ちゃんの誕生日を祝いに来たんだ」

後輩「え? そうなんですか?」

女「ああ。もちろん誕生日プレゼントも用意しているぞ。ほらこれ」

後輩「えーっと、これは……?」

女「ピンクローター」

先輩「待て待て待て。そのチョイスはおかしいだろ」

女「バイブとどっちにしようか迷ったんだけどな。一般的な方にしてみた」

先輩「ピンクローターだって一般的じゃねぇよ」

後輩「あ、ありがとうございます?」

先輩「お前も疑問符浮かべながら礼言わなくてもいいよ」

女「さて、なんか順番が前後してる気がするが、とりあえずお互いに自己紹介といこうか。なんだかんだで初対面だからな私たち」

後輩「ですね」

先輩「今更ながら思うんだが、何なんだろうなこの会話の流れ……」

女「何言ってんだ。世の中何もかもが起承転結でうまく流れていくわけないだろ」

先輩「そうかもしれんがそれを言ったらいろいろお終いな気がする」

女「んじゃ、後輩ちゃんについてはある程度男から聞いてるんで、私の方から自己紹介しておくか。名前は女。見ての通り美人で真面目で聡明で尽くすタイプで大人しく清楚なお姉さんだ」

先輩「どの口が言うんだか……」

女「何か聞きたいことがあるなら答えにくいこと以外なら答えるぞ。ちなみにスリーサイズは83・57・84。今穿いてるパンツは赤でレースのやつ。好きな体位は騎乗位だ」

先輩「お前の答えにくいの基準が分からない」

後輩「えーっと、じゃあ女さん、1ついいですか?」

女「なんだい?」

後輩「女さんは先輩と付き合ってたんですよね?」

女「おお。いきなりそこに来るか。やるなぁ後輩ちゃん」

後輩「あ、す、すいません。ぶしつけでしたでしょうか?」

女「いいよいいよ。どんと来い」

後輩「えっと……それでさっきの話なんですけど」

女「ああ。まぁ、男とは付き合い長いからな。そんな時代もあったってことだ」

後輩「そんなに長い付き合いなんですか?」

女「中学からの付き合いだな」

後輩「中学生の先輩なんて想像できませんねぇ」

女「いやぁ、こいつは今とあんまり変わってないぞ。まぁ、昔はもうちょっとヤンチャだったが」

先輩「なんだろうこの俺を置いてきぼりにして話が進んでる感」

女「ちなみにどれくらいヤンチャかというと、盗んだバイクで走り出す程度にはヤンチャだったな」

後輩「おー、さすが先輩。ロックですねぇ」

先輩「待て待て。勝手に人の過去をねつ造するな」

女「なんだよ。似たようなことはやってただろ」

先輩「俺は少なくとも警察のご厄介になるようなことはやってないぞ」

女「夜の学校に忍び込んで屋上で鍋パーティーやったり、他校の暴走族とチャリンコで競争して巻いたり、器物破損も何度かやってるし、あと18歳以下の飲酒は法律で禁止されてるんじゃなかったか?」

先輩「お前だってだいたい同行してたじゃねーか」

女「それは高校時代の話だろ。中学の時はむしろ止める立場だったぞ」

後輩「そうなんですか?」

女「ああ。これでも中学時代は生徒会長を務めてたからな」

後輩「なるほどー。自由な校風だったんですね」

女「それはどういう意味かな後輩ちゃん?」

後輩「あ、あれ?」

先輩「おいおい一応初対面で誕生日なんだから店員が止めるかどうか悩むような行為はその辺で止めておけよ。まだメインディッシュ食ってないのに追い出されたらたまらん」

女「ふむ。それもそうだな」

後輩「うぅ~。ひどい目に遭いました……」

先輩「ちなみにフォローしておくと、こいつが中学時代に生徒会長だったっていうのは本当だぞ」

女「これでも真面目で頼れる生徒会長として評判だったからな」

後輩「へぇー。でも高校時代は先輩と一緒にヤンチャしてたんですよね? あ、ひょっとして朱に交わればなんとやらってやつですか?」

先輩「ん? それはどういう意味だ後輩?」

後輩「あ、あれ?」

女「おいおいいくら親しいからって誕生日なんだから周りの客が不審げな目を向けてくるような行為はその辺で止めておけよ。まだデザートが残ってるのに追い出されたらたまらないだろ」

先輩「ふむ。それもそうだな」

後輩「うぅ~。なんで私ばっかりこんな目に……」

先輩・女「「それは自業自得」」

女「お、そうこうしてる間にデザートが来たな」

後輩「うわぁ~。美味しそうですねぇ」

女「ここは料理も美味いがデザートと酒類の品ぞろえがピカイチでな」

後輩「そういえば私、ワインとかってあんまり飲んだことないです」

女「ああ。せっかくだから後輩ちゃんも飲んでみるか? 誕生日だし私が奢るぞ」

後輩「えっ、でもそんな悪いですよ」

先輩「奢ってくれるって言ってるんだから遠慮しなくていいんじゃねーの? あ、ちなみに俺は――」

女「言っとくが男の分は出さないからな」

先輩「なんだよケチ臭い奴だな」

女「そういうセリフはここの料理を金額気にせず注文できるようになってから言うんだな」

※1時間後
後輩「あはははははははははっ!」

先輩「どうすんだよこれ」

後輩「あはははははははははっ!」

女「どうしたもんかな」

後輩「あはははははははははっ!」

女「後輩ちゃんは笑い上戸だったみたいだな」

先輩「お前が飲ませすぎるからだろ」

後輩「あはははははははははっ! 私はいつでも全力全壊ですよぉー!」

先輩「お前が壊れてるのは十分わかったから。頼むからもうちょっと静かにしてくれ」

後輩「あはははははははははっ!」

※さらに30分後
後輩「Zzz…………」

女「寝ちゃったな」

先輩「そりゃあれだけ飲んで騒げばな」

女「……まるで眠ってるみたいだろ。死んでるんだぜ、それ」

先輩「そういうヤバイネタは止めろ」

女「ちなみに今のセリフはうろ覚えだから多分間違ってるけどな」

先輩「だったらなんで無理にボケたんだよ」

女「タイミングがあれば多少無理してでもボケるのが芸人としての義務だろ」

先輩「お前芸人じゃないじゃん」

女「さて、ボケも滑ったことだしそろそろお開きにするか。男はちゃんと後輩ちゃんを送ってやれよ」

先輩「わかってるよ」

女「ホテル代がいるなら貸してやるぞ?」

先輩「いらねーよ。普通に送るっての」

女「そうか。青姦はほどほどにな?」

先輩「普通に送るっつってんだろ!?」

女「なんだなんだ詰まらないやつだな。『女の子を泥酔させて○○』とかよくAVにもあるだろ」

先輩「あるけど実際やったら犯罪だろうが」

女「後輩ちゃんは拒まないと思うけどなぁ」

先輩「そういう問題じゃねぇよ」

女「そういう問題だろ。1度は関係を持っておいてその後は手を出さないとかどんな焦らしプレイだよ」

先輩「いやいやプレイじゃないから」

女「まぁ、なんにせよあんまり焦らしすぎて後輩ちゃんを悲しませないようにな」

先輩「……なんかえらい後輩を気に掛けるな」

女「後輩ちゃんは可愛いからな。悪い男に虐められないか心配もするさ」

先輩「誰が悪い男だよ」

女「ははっ。まぁそんなわけだから、気が向いたら最後に甘い言葉でも囁いてやれよ」

先輩「…………気が向いたらな」

(レストランの外・路上)
後輩「ん……先輩……」

先輩「…………」

後輩「……あ、そんな大きいの、入りませんよぉ……」

先輩「…………」

後輩「やっ……駄目です……そんな無理やり入れたら壊れちゃいますよぉ……」

先輩「…………」

後輩「ら、らめぇぇぇぇぇ~」

先輩「どんな夢だよ!?」メゴッ

後輩「うぼぁ!? ……って、あれ? え? 先輩? あれ? ここは?」

先輩「ったく……せっかく黙って寝させておいてやろうと思ってたのに突っ込みどころ満載の寝言吐きやがって」

後輩「え、えーっと……すいません?」

先輩「ちなみにどんな夢見てたんだよ?」

後輩「へ? えーっと、先輩がスマホの充電器が無いからって普通の携帯の充電器を挿そうとしてて。それで私が止めようとしたんですけど、先輩が『いけるいける。気合いで何とかなる』って言ってムリヤリ」

先輩「お前の中で俺はどんだけアホな子なんだよ……」

後輩「で、でもでも、最終的にはちゃんと充電できてましたよ?」

先輩「すごいな夢の中の俺!?」

先輩「まぁ夢の話はともかく。起きたんなら歩けるか? いい加減背負って歩くのもしんどくなってきた」

後輩「あ、大丈夫です。……ひょっとしてレストランからずっとおんぶしてくれてたんですか?」

先輩「誰かさんが酔いつぶれてたからしょうがなくな」

後輩「うぅ……。あ、あの……私、重かったですか?」

先輩「そりゃ胸にそんな重り2つもつけてりゃな」

後輩「がーん。やっぱり先輩は貧乳好きだったんですねっ!?」

先輩「なんでだよ!?」

後輩「だって先輩が大きい胸は重いって言ったんじゃないですかぁ~」ベソベソ

先輩「さっきは笑い上戸だったのに今は泣き上戸って何なんだよ……これだから酔っぱらいはタチ悪ぃ」

後輩「うわ~ん。やっぱり先輩は私のこと嫌いなんですね、このロリペド野郎~!」ベソベソ

先輩「おいこらなんてこと言いやがる。……ああもう、大きい胸も後輩も好きってことでいいからとりあえず泣き止んでくれ」

後輩「ホントですかぁ?」ベソベソ

先輩「ホントホント」

後輩「じゃあ許してあげます」ニッコリ

後輩「えへへぇ~」ニコニコ

先輩「…………」

後輩「えへへへへぇ~」ニコニコ

先輩「……てかお前はいつまで俺の背中にしがみついてるんだよ」

後輩「だって先輩がおっきい胸が好きって言ったんじゃないですかぁ~」ニコニコ

先輩「いやだから――」

後輩「だからこれは当ててるんですよぉ~」ニコニコ

先輩「……駄目だ会話が成立しない。所詮酔っぱらいとの会話は異文化コミュニケーションか」

後輩「えへへぇ~」ニコニコ

先輩「…………(ため息)」

後輩「先輩」ニコニコ

先輩「……なんだよ?」

後輩「先ぱ~い」ニコニコ

先輩「だからなんだよ?」

後輩「私、今とっても幸せですぅ~」ニコニコ

先輩「……はいはい。そりゃよかったな」

後輩「えへへへへぇ~…………Zzz……」

先輩「……寝たし。ホント酔っぱらいの行動は意味不明だな」

先輩「……で、結局最後まで背負っていくことになるわけか」

後輩「むにゃ……えへへ…………Zzz……」

先輩「ったく……幸せそうな顔で眠りやがって」

先輩「(ため息)……『今とっても幸せ』、ね。このくらいで幸せだなんて欲の無いやつだな」

先輩「……ああ、そういえばまだ言ってなかったっけか」

先輩「――誕生日おめでとう。後輩」

※後日・???
気がつくと、学校の教室にいた。

先輩「…………?」

外から差し込む夕日で茜色に染まった教室。
俺はここが、自分が通っていた高校の教室だと思い出す。

先輩「…………??」

そこに、制服姿の女がいた。
いや、もっと正確に状況を描写するなら、紺色のセーラー服に身を包んだ女が、椅子に座った俺の前に跪いて、剥き出しになった肉棒に舌を這わせていた。

女「んっ……ちゅ……は……んん……ぁ……」

男根の根本に指を置き、女はまるでアイスキャンディーを舐めるかのように怒張に舌を絡ませ、根本から先端へとゆっくり舐め上げていく。
そしてそのまま先端から僅かに漏れた先走りを舐め取ると、小さく口を開いて何度もキスを繰り返す。

先輩「…………???」

いや待て。ちょっと待て。なんかおかしくないかこの状況。

先輩「……なぁ、何か不自然じゃないか?」

問いかける。
女が顔を上げた。上目遣いの視線がこちらを見つめる。

女「ん……ぷは。何がだ?」

先輩「この状況が」

女「別に不自然じゃないだろ」

「何言ってるんだ」と、俺のモノを手でしごきながら言う。
果たしてそうなのだろうかと、疑問に思う。そもそも、どういう経緯があってこんな状況になっているのだろう?
考えても明確な答えは出ない。さらに、最初に感じたはずの違和感も、薄ぼんやりとする意識の中に溶けて消えていく。
残ったのは、目の前にある快楽だけだ。

女は口を開けると、熱い息を漏らしながら、肉棒を呑み込んでいく。

女「んふ……あむっ、んっ……んく、んふぅっ……んむ……」

女は舌を絡めつつ、ゆっくりと前後に抽挿を開始した。
唇をすぼめて、脈打つ怒張を優しく扱いていく。

女「ふぅ、んっ……ぁ……んっ」

茜色に染まった教室に、卑猥な水音がやけに大きく響く。

女「んちゅ、ふ、んぅ……ぴちゃ、ちゅ……」

切なげに漏れる声。
口の端から漏れた唾液と、俺の先から漏れた腺液で濡れに濡れた屹立を滑る指。
俺はもっとしてほしくて、女の頭に手を乗せて前後の動きを要求する。
そんな俺の期待に応えるように、女は頭をゆっくりと前後に動かし始めた。同時に、強く吸い付いたり、舌を絡めたりしてくる。

女「んんっ……」

息を吸う代わりに、こちらのものを吸い取ろうとする口内。
先端部までやってくるとカリ首に舌を絡ませ、唾液を吸い上げながら再度喉まで呑み込む。
深い前後のストロークに、女の唾液と漏れた腺液が混じったものが淫猥な音を立てる。

女「ん、んっ……ちゅ……んむ……ん……んぐ」

このまま頭を掻き抱き、口膣を喉の奥まで犯したくなる衝動を抑えつつ、その代わりに眉根を寄せつつも懸命に尽くしてくれる女の髪や頬を撫でてやる。

女「ん……」

頬を撫でられ、まるで猫のように目を細める女。
肉茎に絡む舌、先端に当たる喉の感触、根本を滑る指、それらの刺激に下腹にじわじわと痺れるような感覚が広がっていく。

先輩「くっ……いいぞ。そのまま――」

と、俺の言葉を遮って、不意にどこからともなく電子音が響いた。
この教室には不似合な、しかし聞き慣れたその音に意識を刺激され――

そして俺は目を覚ました。

※朝・男の家
涼しい朝の空気と枕元から響く携帯のアラーム音に刺激され、意識が覚醒していく。
いつも通りの自分の部屋。カーテン越しの薄い朝の光が、部屋の中を明るく照らしていた。
覚醒途中でぼんやりと重い頭、何故か涼しく感じる下半身。
見下ろした視線の先、布団が不自然に盛り上がり、しかももごもごと動いている。

先輩「…………」

俺は無言のまま、自分の身体を覆う布団を剥ぎ取る。
そこには朝の生理現象で硬くなっている俺のモノを咥えこんだ女がいて。

女「んっ……ぷは。おはよう、男。爽やかな朝だな」

先輩「どこがだよっ!」

叫び、俺は女に蹴りを叩き込んだ。

(男の家・リビング)
女「やれやれ。いきなりレディーの顔面に蹴りを入れるなんてとんだ変態紳士だな」

先輩「一般的なレディーは人の部屋に勝手に入り込んでチンコ咥えたりしねーよ」

女「つまり私は応用的なレディーということだな」

先輩「何なんだよ応用的なレディーって。てかなんでお前がここにいるんだよ?」

女「我思う、ゆえに我あり」

先輩「哲学の話じゃねぇよ」

女「じゃああれだ。父親と母親がヤりまくった結果だろ」

先輩「生誕の秘密の話でもねぇよ」

女「まぁ種明かしすると普通に合鍵で入っただけなんだけどな」

先輩「合鍵?」

女「前にお前がくれただろ」

先輩「……そうだっけ?」

女「不用心なヤツだなぁ。私だからいいものの、他のヤツだったら寝起きを襲われる程度じゃ済まないぞ」

先輩「いや、寝起きを襲ってる時点ですでに犯罪だからな?」

女「なんだよ。不法侵入と強姦未遂にさえ目を瞑れば何の問題も無いだろ」

先輩「それに目を瞑ったら他に何が残るんだよ?」

女「朝食用意してやった」

先輩「まぁそれは素直に感謝してる」

女「しっかしものの見事に冷蔵庫空っぽだったけど、私が材料用意してなかったら何食べる気だったんだ?」

先輩「ん? んー……多分もらい物の素麺があったからそれとか」

女「朝から素麺って相変わらず食事に関してはテキトーなヤツだなぁ」

女「ともあれせっかくの休日なんだし、2人でダラダラしようぜ」

先輩「ダラダラするんなら自分の家でやれよ」

女「1人で自分の部屋にいてもオナニーくらいしかすることないからなぁ」

先輩「非生産的な休日だな」

女「休日なんてのは非生産的であってこそだろ。まぁ、オナニーで本当に自家発電できれば地球に優しいエコライフになるんだがな」

先輩「そりゃきっと原子力発電もびっくりの発電量だろうな」

先輩「――さて、朝飯も食ったし溜まってるゲームでも消費するか」

女「私は?」

先輩「その辺にある本でも読んでろよ」

女「なんだよつまんないやつだなー。そうだ、後輩ちゃん呼んで3Pでもするか」

先輩「なんでだよ」

女「つーわけで男、携帯貸してくれ」

先輩「断る」

女「しょうがないな。じゃあ自分のでするか」

先輩「……いつの間に連絡先交換したんだよ」

女「前回のレストランで。男が店員に謝りに行ってる間に」

先輩「お前、人が必死に頭下げてる間にそんなことやってたのかよ」

女「………………………………出ないな」

先輩「どうせマナーモードにでもしてて気づいてないとかだろ。もしくは携帯持たずに出かけたか」

女「ちぇー。じゃあ素直に本でも読んでダラダラするかー。男ー、お前のオススメはー?」

先輩「その辺にある本」

女「エロ本は?」

先輩「そっちの棚」

女「なんだよそういう場合はベッドの下ってのがお約束だろ」

先輩「隠す理由が無いし隠せる量でもないからな」

女「まったくからかい甲斐の無いやつだなぁ」

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………くっそ、なかなか素材ドロップしないな」

女「男ー、これの続きはー?」

先輩「その辺に積んでる中にあるだろ」

女「んー? お、あったあった」

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………っと、もうこんな時間か」

女「そろそろ昼飯準備しないとな。どうする?」

先輩「素麺でいいだろ」

女「そうか。じゃあ頼む」

先輩「いやお前も手伝えよ」

女「えー」

先輩「『えー』じゃねぇよ」

女「って言ってもなぁ、素麺ってお湯沸かして茹でるだけだろ。その間、どうやって間を持たせるんだよ?」

先輩「なんで間を持たせる必要があるんだよ?」

女「2人で鍋の中の素麺眺めててもつまらないだろ。ふむ。間を持たせるために男の爆笑トークでもするか」

先輩「……は? いや、なんだその無茶なフリ」

女「さぁ男! 面白いこと言って!」

先輩「いやいや、仮に面白いこと言おうにも、お前のその無茶なフリが完全にこれからやるボケ全てを殺してるだろ」

女「男はハードルが高ければ高いほど燃える人間だって信じてるぜ」

先輩「俺はむしろお前が俺のどこを見てそう思うようになったのか教えて欲しいよ」

先輩「ったく、馬鹿なこと言ってないでさっさと準備するぞ」

女「はいはい。で、素麺は?」

先輩「確かそっちの棚」

女「えーっと? ああ、これか。ってこれ賞味期限ギリギリだな」

先輩「過ぎてないんだから大丈夫だろ」

女「それもそうか。お湯は?」

先輩「もうそろそろ沸くな。んじゃ、麺が茹で上がるまでに付け合わせでも準備するか。俺はネギ刻むから、女は大根おろし擦ってくれよ」

女「じゃあ――私のターン! ドロー! 私は場に出ているレベル3の青首大根とレベル3のおろし金をオーバーレイ! 2つの素材でオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! 出でよ大根おろし!」

先輩「出ねぇよ!」

女「ぶー、なんだよー。ちょっとネタが古かったからって怒らなくてもいいだろー」

先輩「そこで怒ってるんじゃねぇよ」

女「最近のはペンデュラム召喚だっけ?」

先輩「知らねぇよ」

女「まぁ確かに前回あったシャイニングドローは私も反則だとは思ったが」

先輩「話を聞け!」

女「――という雑談をしてる間に茹で上がった素麺と薬味がこちらになります」

先輩「なんで3分クッキングみたいなノリなんだよ」

女「麺茹でるのに尺取ってもしょうがないだろ」

先輩「お前のそれは何視点なんだ……?」

女「気にするな。で、とりあえず出来上がった素麺を皿に盛ってみたわけだが――」

先輩「……多いな」

女「賞味期限やばいからって素麺全部茹でちゃったからな」

先輩「どう見ても2人で食べれる量じゃないだろこれ」

女「残った分は素麺チャンプルーにでもして夕食にすればいいだろ」

先輩「それにしたって量多すぎだっての」

先輩「って言うかそもそも素麺に賞味期限ってあるのか?」

女「そりゃ袋に賞味期限が書いてあるんだからあるだろうさ」

先輩「いやでも、素麺って熟成させると美味いって言うじゃん」

女「ああ、確かに古物(ひねもの)とか土蔵囲いとかっていうのがあるけど、あれはあくまでもちゃんとした条件で保管した場合の話であって、一般家庭でテキトーに置いといたやつなら早めに食べるに越したことはないだろ」

先輩「なるほど」

女「どうよこの博識な私。惚れ直してもいいんだぞ?」

先輩「そんなググればすぐに分かるようなことで得意げになられてもなぁ」

先輩「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

先輩「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

先輩「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

先輩「…………減らないな」

女「まぁ実際マンガ盛りになってるからな。この素麺」

先輩「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

先輩「…………」ズルズル

女「…………」ズルズル

先輩「…………」ズルズル

女「触手もいいな」

先輩「……お前は突然何を言い出すんだ?」

女「今素麺見てて思ったんだけどさ」

先輩「素麺から触手を連想するその想像力には驚かされるけど、いったい何の話なんだよ?」

女「いや、前回今回と私のターンが続いてるだろ。で、次辺りインターバル的な感じで後輩ちゃんのオナニーシーンでも入るかなぁと予想してたんだけどさ」

先輩「いやホントお前は誰視点で会話してるの?」

女「後輩ちゃんと触手の絡みも結構面白そうだなぁと思って」

先輩「話聞けよ」

先輩「てか、そもそも触手とか無理だろ」

女「まぁ、その場合オチは自動的に夢オチ的な感じになるだろうけど」

先輩「最悪のオチだな」

女「何言ってんだ。この話の冒頭だって夢オチだっただろ」

先輩「ほんまや!?」

女「まぁ私が突然魔法少女の力に目覚めて触手を召喚するっていう超展開もアリと言えばアリなんだが」

先輩「…………少女?」

女「ツッコミ所そこかよ。まぁその展開だとどちらかと言うと私が凌辱される側っぽくなるからな。ほら、魔法少女って凌辱されてナンボだろ?」

先輩「その価値観は正しいのか間違ってるのか」

女「つまり簡単に説明するとだな」

魔法少女・颯爽登場
 ↓
敗北
 ↓
凌辱開始
 ↓
「ぜ、絶対私は触手なんかに負けたりしないんだからぁ!」
 ↓
「あ……なんで……身体が熱くなって……や、ダメっ! そんなところ弄らないでぇ!」
 ↓
「らめ、らめぇぇぇ! きもちいいっっ! オッパイもおまんこもお尻の穴も全部気持ちいぃいのぉっ!」
 ↓
「ひゃいん! あはあぁん! だしてっ、精液いっぱいらしてっ! 私に化物の赤ちゃん妊娠させてぇぇぇぇぇっ!」
 ↓
「ひぐっ……出る……生まれちゃう……ひぎぃっ、くはあぁぁぁぁぁぁぁっ! 産卵アクメ気持ちいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」
 ↓
精神崩壊エンド

女「一般的な魔法少女だとこんな流れになるだろ」

先輩「何? お前の中で『一般的』っていうのは『猟奇的』とかと同じ意味なの?」

女「まぁ後輩ちゃんの場合だともっとライトな展開になるだろうけどな。具体的には……男、ちょっとノートパソコン貸してくれ」

※触手ルート・サンプル1
ぬらりとした触感の触手が身体の至る所を這い回り、媚薬成分を含んだ粘液を肌に擦り付けていく。

後輩「く……くぅん……」

後輩の口から甘い声が漏れた。
健康的で白く滑らかな肌が、醜い触手共の塗り込める快楽で赤く染まっていく。

後輩「ん……んんっ……あう……ひんっ」

ぬちゅり、と先走り液を滴らせた触手の先端が、乳首を押し潰すようにして刺激する。
胸に巻き付いた別の触手は形のいい乳房をじっくりと揉み解し、さらにもう1本、一際大きな肉棒型触手が胸の谷間を割り開き、後輩の眼前に顔を出した。

後輩「ひっ……な、なんですか……ん、んむぅ!?」

勃起したペニスそのものの形をした触手の先端が後輩の唇に押し付けられる。
粘ついた催淫粘液が唇から染み込み、後輩の思考力を浸食していく。

※触手ルート・サンプル2
後輩「ひあっ! そ、そこはぁっ!?」

びくりと後輩の身体が反応する。
括約筋を押し開き、細い触手が窄まりへと進入してきたのだ。排泄するためのはずである器官から、それはずぶずぶと侵入してくる。

後輩「ぅ……く……苦し……うぅ……」

身体の中を少しずつ満たしていく異物感に、後輩は苦しげな嗚咽を漏らす。
と、奥へ奥へと深く進入してきたそれが、ぶるぶると全身で細かい振動を始めた。

後輩「うあぁぁぁっ! な、中で震えてぇぇぇぇっ!?」

小刻みな振動が性感帯を内部から的確に刺激する。のみならず、振動する触手は全身から粘液を排出した。
催淫効果のある液体が直腸粘膜から染み込み、後輩の神経を直接刺激する。

後輩「や、やだ……身体が……熱く……んあああああああっ!」

悲鳴を上げる後輩の直腸に、さらに数本の触手が潜り込んできた。
挿入された触手のそれぞれが振動を開始し、複雑な動きで後輩を内部から蹂躙する。

後輩「あっ、はっ、はぁ……ひぃっ、くぅんッ」

前後の穴を激しく犯され、しかし後輩の声にもはや苦痛の色は無い。
神経へと染み込んだ媚薬は、本来なら感じるはずの苦痛すらも激しい快感へと変換する。
蜜口と直腸の間にある薄い肉の壁が、2種類の触手でゴリゴリと擦られる。
卑猥な音を立てて捲れ返る2つの肉孔に、次々と悦びが弾けた。

女「――こんな感じだな」

先輩「…………ライト?」

女「触手モノとしては全然ライトだろ。まぁ個人的には超極太触手で腹の形が変わるくらいに犯したり、耳から触手入れて脳姦とか、アナルから口まで貫通させて串刺しプレイとか、種付・産卵プレイとか、丸呑み消化プレイとかも楽しいと思うけど」

先輩「それが夢なら後輩の精神構造を疑うな」

女「ちなみに自慰ルートの場合は――」

※自慰ルート・サンプル1
さらなる刺激を求めて、私は左手を胸に持ってきた。
目を閉じて、乳房を撫でる。
指先が、乳首の周りを這い回る。
服の上から乳首を爪で引っ掻くように刺激すると、徐々にそこが硬くなるのがわかる。

後輩「あ……先輩……」

我慢ができなくなった私は上着の中に手を入れた。
あの時先輩がしてくれたように、固くなってきていた乳首をつまんで、引っ張って、乳輪から擦り上げるようにして完全に勃起させる。

後輩「はぁ……ん……はぁ……はぁ……」

私は上着をまくり上げ、オッパイを露出させた。

※自慰ルート・サンプル2
この間レストランで女さんからもらったモノを取り出す。
ピンクローターとかいう名前だったそれは、確かにピンク色で、丸っこい卵形の物体とスイッチらしいものがセットになっていた。
恐る恐る、コードで繋がれたスイッチの電源を入れてみる。

後輩「うわ、動き出した」

ビィィィン、と細かくモーターの動く音がして、卵形の部分が振動を始めた。

後輩「えっ……と、これを当てればいいのかな……?」

まずは胸の先端に押し当てる。

後輩「んんッ……ん……」

ローターの振動音に合わせて声が漏れる。
今はまだ『弱』に設定されているから、その振動は羽が撫でるようなもので。
だけど、その振動が身体の芯から気持ち良さをじわじわと染み通らせていく。

女「多分こんな感じだろうな」

先輩「なんでこっちは後輩視点なんだよ?」

女「その場に男がいないからだろ。ちなみに触手ルートで後輩ちゃん視点ってのも一応考えてはいるんだけど、それについては要望があったらって感じだな」

先輩「さいですか」

女「で、どっちがいいと思う?」

先輩「それは俺の一存で決めていいもんなのか?」

女「別にお前が決めなくても、とりあえず選択肢を出しておけば民主的な何かでルートが決まるだろうさ」

先輩「そうか。じゃあ……」

1.漢は黙って触手ルート
2.ここはやっぱり自慰ルート

女「さて、24時間たって集計の結果が出たわけだが」

先輩「で?」

女「どうやら大きな力は自慰ルートを望んでるらしいな」

先輩「ふむ。じゃあすぐにそっちのルートに進むのか?」

女「いや、まだ今は私のターンだからな。とりあえずその話はもうしばらくしてからってことになる。べ、別に焦らしプレイじゃないんだからねっ!」

先輩「……そこでツンデレっぽく言う意味が分からない」

女「しかし残念だったなぁ触手。結構面白そうだと思ったんだけどなぁ」

先輩「接戦だったみたいだけどな」

女「こうなったら別スレッド立てて触手ルートだけやるか」

先輩「止めとけって。確実に手が回らないだろ」

女「だよなぁ。――まぁいいや。ひょっとしたらパラレルの方の話で出てくるかもしれないし」

先輩「なんだよパラレルの方の話って」

女「まぁ、こっちの男やこっちの後輩ちゃんには関係無い話だよ」

先輩「……相変わらず意味不明なヤツだな」

女「そんなことより、こっちはこっちでやることがあるだろ」

先輩「……確かに。まだ素麺も残ってるからな」

先輩「…………」ズルズル

女「…………ズルズル」

先輩「…………」ズルズル

女「…………ズルズル」

先輩「…………あかん。さすがにもう無理だ」

女「諦めるなよ男! 諦めたらそこで試合終了だぞっ!?」

先輩「いや、お前さっきから口でズルズルって言ってるだけじゃん」

女「バレてたか」

先輩「バレないと思ってたのかよ」

女「ふむ。結局なんだかんだで3分の1くらい残ったな」

先輩「これでもかなり頑張った方だと思うぞ。正直しばらく素麺は見たくない」

女「しょうがないな。じゃあ残りは小分けにして冷凍するか」

先輩「え? 素麺って冷凍できんの?」

女「茹でたてよりは味が落ちるけどな。あとはちょこちょこ消費していけばいいだろ」

先輩「……だったら無理してここまで食べる必要無かったんじゃあ……」

女「男よ……人は試練を乗り越えることで強くなることができるのじゃよ」

先輩「素麺食ってする成長って何なんだよ……?」

女「それにある程度減らしとかないと冷凍庫に入りきらないからな」

先輩「それもそうか」

女「さって、腹も膨れたし昼からはまたダラダラするかな」

先輩「このままだとホントダラダラしてるだけで1日終わりそうだな」

女「別にいいだろ。目的も無く出かけたって無意味に疲れるだけだぞ」

先輩「そりゃそうだけどな」

女「というわけで今日は1日ダラダラして過ごす。絶対外出したりはしないからな! 絶対だぞ! 引き籠もり万歳!」

先輩「まぁ別にいいけど……それはフラグな気がするなぁ」

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………」カチ、カチ

女「…………っと。男ー、続きー」

先輩「んー? あー、それが最新刊だ」

女「マジか。せっかくいいところだったのに」

先輩「残念だったな」

女「うおー、ここまでかと思うとえらい続きが気になるな」

先輩「って言っても無いものはしょうがないだろ」

女「なんとかなんないのかよ。諦めたらそこで試合終了だぞ」

先輩「内容だけならネットで調べりゃ分かるかもしれないけど」

女「それは邪道だろ」

先輩「じゃあどうしろってんだよ……って、おや? なんか最新刊が3日前に発売されてるみたいだな」

女「よし、買いに行こう」

先輩「決断速いな!? てかさっき絶対外出しないとか言ってなかったか?」

女「私は過去は振り返らない女なんだ」

先輩「……さいですか」

女「ほら男、何ぼーっとしてんだよ。早く準備しろよ」

先輩「はあ? 俺も行くのかよ?」

女「当たり前だろ。お前の本なのに私だけに買いに行かせる気かよ」

先輩「いや、俺は別に今日Amaz○nで注文して明日か明後日に届けばいいんだけど」

女「私は今読みたいんだよ」

先輩「勝手な奴だなオイ」

女「男だってさっきダラダラして1日終わるのはどうかみたいなこと言ってただろ」

先輩「俺も過去は振り返らない男なんだ」

女「うるせえ! 行こう!!」ドンッ

先輩「……で、結局俺は無理やり連れ出されるわけだ」

女「こんな美人とデートなんてむしろご褒美だろ」

先輩「……お前はどちらかと言うと残念美人だからなぁ」

女「美人ってのは認めるんだな」

先輩「でも圧倒的に残念だからなぁ。具体的には残念9に美人1くらい」

女「なるほど。まだまだ逆転可能だな」

先輩「どう見てもコールドゲーム寸前だろ」

女「馬っ鹿お前、私が本気になったら峰不○子も全裸で逃げ出すぞ」

先輩「そりゃ単なる痴女だ」

※本屋
女「というわけで本屋に到着したわけだが…………無いな」

先輩「マイナーな本だからな。入荷数自体が少ないんだろ」

女「マジかー。まぁ、代わりに面白そうなエロ本見つけたんでそれは買ったんだがな」

先輩「ならもうそれで満足して帰ろうぜ」

女「何言ってんだ。次の店行くぞ」

先輩「……はぁ(ため息)」

※本屋(2件目)
女「……まだあわてるような時間じゃない」

先輩「無かったのか」

女「つーか無さすぎだろあの本! 最新刊どころか既刊さえ置いてないとかどんだけ人気無いんだよ!?」

先輩「人気無いって言うなよ! マイナーなだけだよ!」

女「くっそ。だがしかし諦めてたまるか。男、次行くぞ次」

先輩「俺は正直もう帰りたい……」

※本屋(3件目)
女「3度目の正直って言葉があるだろ」

先輩「2度あることが3度あるとも言うな」

女「ことわざって矛盾してる場合はどっちを使うべきなんだろうな?」

先輩「実際に調べてみて、そうだった方を使えばいいだろ」

女「なるほど。じゃあ行ってくる」

――5分後。

女「男! 次行くぞ次!」

先輩「……やっぱり無かったのか」

※本屋(4件目)
女「2度あることが3度あったが、3度目を超えた先にこそ真実があると思うんだ」

先輩「個人的にはここまで無いと、もう運命的に今日は手に入らないんじゃないかって気がするけどな」

女「いいやきっとある。私はそう信じるぜ、例え信じるヤツが私だけになってもな」

先輩「セリフは格好いいけどなぁ」

女「信じる心は力になる。その力で私は運命を乗り越えてみせる! ってなわけで行ってくるぜ!」

先輩「おー、せいぜい頑張ってくれ」

――5分後。

女「キタ――――――――――――――っ!!!!!!!!!!」

先輩「あったのか」

女「どうよコレ! 人は信じる心で運命に打ち勝つことを証明してやったぞコノヤロー!」

先輩「分かったからとりあえず落ち着け。周囲のお客さんがめっちゃこっち見てるから」

女「よっし。じゃあ目的の物も手に入ったし、早速コーヒーショップにでも行って読むか」

先輩「は? 帰るんじゃないのか?」

女「あちこち歩き回って喉も乾いたしな。それに焦らしに次ぐ焦らしで最早私のリビドーは限界寸前! もう今すぐ読まんとどうなることやら!」

先輩「……いや、まぁいいけどな。歩きながら読むとか言い出すよりはなんぼかマシだし」

女「ちなみにコーヒー代に関しては奢ってやるから心配しなくていいぞ」

先輩「そりゃどうも」

※コーヒーショップ
女「…………」ペラ、ペラ

先輩「…………」

女「…………ぃよっし、読み終わったぁ! っと、あれ? なんか雨降ってるな」

先輩「お前が本読んでる間にな。さっき見た天気予報だと通り雨みたいだけど」

女「ふーん。じゃあどうする? もうしばらく時間潰すか?」

先輩「まぁそれでもいいんじゃね。コンビニで傘買うのももったいないし」

女「よし。じゃあちょっと場所変えるか。混んできたし、コーヒー1杯で長居し過ぎるのも迷惑だしな」

先輩「だったら少し早いけどファミレス行って飯でも――」

※ラブホテル
先輩「そこでラブホに直行するからお前は残念なんだよ」

女「しょうがないだろ。『女さん全裸になってください!!!!!!!!』って要望があったんだから」

先輩「意味わかんねぇよ」

女「それにちょっと試してみたいことがあってな」

先輩「すでに現時点で嫌な予感全開なんだが一応聞いておこう。……何をだ?」

女「2本挿し」

2本挿し・2本差し(にほんざし)
①《腰に刀と脇差を差すところから》武士のこと。
②《2本の串(くし)をさすところから》焼き豆腐、または田楽豆腐のこと。
③相撲で、もろざしのこと。
④まんことアナルにチンコを挿入すること(バイブでも可)。

女「まぁ当然④の意味なんだがな」

先輩「むしろ①~③だったら話の展開に困るわ」

女「つーわけでLet's 2本挿しプレイ!」

先輩「……ちなみに一応確認なんだけど、2本挿しつってもチンコの数が足りないだろ? その辺どうするつもりなんだよ?」

女「ふむ。まぁ、後輩ちゃん呼んで双頭ディルドー着けてもらうってのも考えたんだけど、まだ連絡がつかなくてな」

先輩「……いつの間に」

女「なんで普通にバイブを使うことにした。ほれ」

先輩「用意周到だなオイ」

先輩「てかこれを使うのはまぁいいとして……お前、経験あるのか?」

女「いや、弄ったことは何度かあるが何かを入れるのはこれが初めてだな」

先輩「初めてって……いいのかよ?」

女「今日は色々と連れ回しちゃったからな。礼の意味も兼ねてお前にアナルSexを経験させてやろうという私の素敵な心遣いだ」

先輩「礼だったら普通にファミレスで飯奢ってくれるとかの方がいいんだが」

女「それだと私が面白くないだろ」

先輩「結局お前の都合かよ!?」

女「なんだよなんだよいいだろ別に。それに男だって興味あるだろ、2本挿し」

先輩「無いと言えば嘘になる(きっぱり)。つーか、さっきの話の流れだと、俺が後ろに入れるのか?」

女「その予定だが? あ、ちなみに腸内洗浄は済ませておいたから安心していいぞ」

先輩「……なんかもう用意周到すぎて本を買いに出た辺りから全部フリだったんじゃないかと疑いたくなってくるな」

女「はっはっは。っと? そうなると口も前も後ろも処女は全部お前に捧げたことになるわけか。そう考えるとえらい献身的だな私」

献身的(けんしんてき)
[形動]自分のことを顧みず、心身ともに捧げるほど他のために尽くすさま。
「―な看病」「平和運動に―に取り組む」

先輩「お前の場合、基本的に自分第一だから献身的とは言わないだろ」

女「つれないヤツだなー。今の流れは『女さんマジ天使! 結婚してください!』ってなる流れだろー?」

先輩「どんな流れだよ」

女「↓こんな流れ」

先輩「女さんマジ天使! 結婚してください!」
 ↓
女「だが断る」
 ↓
男、プロポーズ失敗。傷心旅行へ。
 ↓
旅行先にてトイレを求めて公園へ。
 ↓
ふと見ると、ベンチに一人の若い男が座っていた。
 ↓
ウホッ! いい男……
 ↓
イケメン「やらないか?」
 ↓
アーッ!
 ↓
衆道ルートへ。

先輩「いやいやいやいや。おかしいだろその展開!?」

女「おっとしまった。今のは私の好感度が低かった場合のルートだ。好感度が高ければ展開が変わるから安心していいぞ」

先輩「いまいち信用できないが、どういう風に変わるんだよ?」

女「↓こんな感じ」

先輩「女さんマジ天使! 結婚してください!」
 ↓
女「幸せにしてください」
 ↓
結婚。
 ↓
その後、男の浮気が発覚。
女「実家に帰らせてもらいます!」
 ↓
男、傷心旅行へ。
 ↓
旅行先にてトイレを求めて公園へ。
 ↓
ふと見ると、ベンチに一人の若い男が座っていた。
 ↓
ウホッ! いい男……
 ↓
イケメン「やらないか?」
 ↓
アーッ!
 ↓
衆道ルートへ。

先輩「結果一緒じゃねーか!」

女「はっはっは。――さて、アホな話はこれくらいにしてそろそろ始めるか」

先輩「いきなりだなオイ」

女「ラブホの休憩時間は有限だからな。せっかく金払ってるのにいつまでも無駄話しててもしょうがないだろ」

先輩「無駄話振ってたのはお前の方だけどな」

女「というわけで衆道についての熱い語りは男の部屋に帰ってからにしよう」

先輩「いらねーよ!」

先輩「……で、結局こういう展開になるわけか」

女「なんだよ。ラブホテルに入ってるんだからむしろ当然の展開だろ」

先輩「……そりゃそうなんだけどな」

ため息を吐き出す俺。
そんな俺の腹の上には全裸になった女が座っている。

女「人の裸見てため息吐くとか失礼な奴だな」

先輩「別にそれが原因で吐いたわけじゃねぇよ」

女「じゃああれか。私のダイナマイツな悩殺ボディにため息出るほど見とれたか」

先輩「ダイナマイツな悩殺ボディねぇ……」

呟き、腹の上に座る女を見上げる。
しっかり膨らみ、それでいて型崩れしていない胸。
適度にくびれた腰回り。
そこからバランスよく膨らんだヒップへと傾斜していくライン。
ダイナマイツかどうかはともかく、魅惑的な身体であると言ってもいいだろう。

先輩「まぁ、整った身体ではあるよな」

女「ふふん。もっと素直に褒めてくれてもいいんだぞ」

先輩「人の腹の上で胸を張るな」

女「さて、じゃあ早速献身的な私がご奉仕してやろうじゃないか」

そう言って、女は俺の上で180度方向転換。
いわゆる69の姿勢になった女は、宣言通りこちらへと奉仕を始める。

先輩「っ…………」

女の掌に包まれると、それは早くも異常事態アリと状況判断を下し、鋭く突き立ち始めた。

女「ふふー。大きくなってきたじゃないか」

楽しそうに言って、手にした肉棒をしごき始める女。
そうやって刺激を受けると、それはあっさりと硬く屹立してしまう。

女「うんうん。元気そうで何よりだ」

こちらの反応に満足そうに頷き、女は愛撫を続ける。
しゅっ、しゅっ、と怒張に絡み付いた女の指が竿肌を擦り、じわじわと腰の方に痺れるような甘い感触を伝えてくる。

女「さて、お前は何もしてくれないのか?」

などと不意にこちらを振り返って女が言ってきた。

先輩「今はお前のご奉仕タイムじゃなかったのかよ」

女「持ちつ持たれつっていい関係だと思うんだよな。と言うかこの体勢で何もしないとかありえないだろ」

まぁ確かにこのまま奉仕されっぱなしというのも何だったので、俺は素直に目の前で僅かに揺れる女の尻へと手を伸ばした。
あらわになった白く柔らかな尻肉を、円を描くようにして撫でる。
そのまま秘所へと手を滑らせて、

先輩「もう濡れてるな」

女「真の闘士が気合で流血を止めることができるように、真の淑女は自分の意志で愛液の分泌をコントロールできるもんなんだよ」

先輩「お前の中の淑女像はどうなってるんだよ……」

ともあれ、これ以上アホな話で尺を伸ばしてもどうかと思うので、俺は大人しく目の前にある女のそこへと舌を伸ばす。

女「んっ……」

秘裂をペロリと舐め上げると、女が声を上げて身体を震わせた。
全体を舐め上げ、尖らせた舌先を肉膣へ進めると、しっとりとした肉壁が差し入れた舌をやわやわと包み込む。
そうやって舌奉仕を続けると、女の奥から温かな蜜が溢れてきた。

女「ふふっ。じゃあ私も奉仕を続けないとな」

ぺろりと、赤い舌の先端が俺自身にそっと触れた。

先輩「うく……っ」

ゾクッとする感覚に、思わず腰が浮く。

女「んっ、ちゅっ……ふふふっ……どう、だ? 私の奉仕もなかなかのもんだろう?」

小悪魔的な微笑を浮かべて、女は屹立した肉棒に舌を這わせていく。

女「ちゅっ……はぁ……んっ……あ、んむ……」

艶めかしく息を漏らしながら、女の口が怒張を呑み込んでいく。
揺れる肩。その動きに合わせて下腹部に感じる双乳の柔らかさ。
温かな口腔粘膜が肉棒を包み込み、熱いその口内で、ざらついた舌の刺激がこちらの全てを襲う。

女「んっ……んふぅ……んむっ、んちゅ……んんっ……」

奉仕をしながら、女がちらりとこちらに視線を向ける。
それが何を意味しているのかすぐに理解した俺は、目の前にある女の秘所への愛撫を再開した。

熱い潤いに満たされ、きゅっ、きゅっ、と淫靡な収縮を繰り返す膣内を、ゆっくりと舌で掻き回してやる。

女「ふ……ぅん……あ、んん…………っ」

舌を回し、肉壁を舐め取るように動かすと、女は腰を揺すって身悶えた。
無数の襞が舌を擦り、溢れた蜜が俺の口を汚していく。

女「あ……は、ぁ……んっ。こっちも、負けてられないな……んちゅっ」

荒い息を吐きながら、女が楽しげに呟く。
ねっとりと吸い付く口腔粘膜が亀頭を包み込み、すぼめた唇が肉竿を締め付けながら擦り上げる。

先輩「うっ……く、ぉ……」

巧みな口淫奉仕に、思わず腰が震える。
与えられる快楽に対抗するように、俺はクンニに集中した。
充血しきったクリトリスに舌を伸ばし、包皮を舌先で剥いてやる。
そのまま肉芽を舌端で転がし、包皮と芽の間に舌を無理矢理差し込むようになぞってやると、女はくぐもった声を上げ、身体を震わせた。

女「や、やるな……あっ、くっ……だが、まだまだ……」

負けじと女の愛撫もヒートアップする。
こちらが肉襞を舐め上げれば、女も肉棒に舌を絡める。
こちらが秘裂を吸い立てれば、女も亀頭の先端を舐め擦る。
ならばと肉芽に軽く歯を立ててやれば、お返しにと尿道を吸い上げカリ首を甘噛みされた。

ラブホテルの一室に、お互いの性器をしゃぶる水音が響く。

先輩「うあ……やば、いつもより早い……ちょっと待てよ……」

悔しいが、先に我慢の限界を迎えたのは俺の方だった。
根元まで肉棒を頬張ったまま、女がぴたりと動きを止める。ほんの一瞬こちらを窺った女は、にやりと笑みを浮かべて。
しまった、そう思うがもう遅い。
こちらが漏らした制止の声をまるっと無視して、女が一気に口唇愛撫を加速させた。
男性器の根元が、唇で扱かれる。幹を舌が舐め回し、奥では喉全体が亀頭を締め付けてきた。
ぐいぐいと吸い上げるような動きに、俺は一気に押し上げられ――

先輩「うっ! お、ぐぅっ! ううううぅっ!」

ほとんど暴発に近い勢いで、口中に精液をぶちまけた。
女の股間に顔を埋めながら、何度も何度も口腔内に白濁液を送り込んでいく。

女「んぶっ、んく、んむうぅ……んぐ……んむ……っ」

勢いよく迸る大量の精液に、女が細い肩をびくりと震わせる。
脈打つ先端が喉奥を叩くが、それでも女は男根を咥えたまま、次々に吐き出される白濁液を飲み下していく。

女「んっ……ぷはぁっ……けほっ、けふっ!」

喉に絡みつく精液が苦しかったのか、ペニスを吐き出すなり咳き込む女。
唾液と混ざり合った精液の一部が、粘つく糸を引きながらベッドを汚した。

女「けほっ…………ふぅ。随分と濃いのを大量に出したもんだな」

口の端から零れた白濁を指先で拭い、勝ち誇った表情で笑みを浮かべる女。
先に達してしまった俺としては、負け犬の心境で唇を噛むことしかできない。

女「ま、そう言えば朝は結局寸止めだったしな。ともあれ――」

ぺろりと舌なめずりをして、女は先ほどまで奉仕していた逸物を見つめる。
女の視線の先、唾液と精液とでぬかるむ肉棒は、未だ硬さを失うことなくそそり立っていた。

女「お前もまだイケるみたいだし、もう私も限界だからな。そろそろ本番に行くとしよう」

そう言って俺の上から降りた女は、ベッドに腰掛けて足をM字に開く。

女「で、まずはこれを入れる、と」

ほい、と俺にバイブを手渡し、女は2本の指で淫唇を開くと、腰を前に出した。
大きく開かれたそこには淡い桃色の肉。透明な蜜が雫を垂れ、物欲しそうにひくつく秘洞の入り口と、小さな尿道口がある。
とろとろと際限なく零れ出す蜜がシーツの上に染みを作っていくのを見ながら、俺は渡されたバイブの先端を秘唇にあてがった。

割れ目にそって先端を撫でつけ、ゆっくりと膣内に挿れていく。
濡れそぼったそこに抵抗感は無く、バイブは僅かな力で割れ目を押し開きながら膣口に飲み込まれていった。

女「んっ……よし。じゃあいよいよ今回のメインディッシュだな」

挿れやすいようにと言う配慮だろう。四つん這いになり、下半身をこちらに向ける女。
秘所から溢れた透明な蜜が、細い腿の内側を伝って流れていく。

女「ふふ……さすがにちょっと緊張するな。ちゃんと解してから挿れてくれよ?」

まずはきゅっと窄まったそこに、秘芯から溢れた蜜を指で掬って塗り付ける。
そのまま指の腹でほぐすように弄ってやると、ぴく、ぴく、と面白いように女の腰が震えた。

女「ん……ぁ……やっぱり自分でするのとは違うな……」

はあはあと、荒い息で女が言う。
顔が赤いのは熱さのせいでだけはなく、そこを触られているという恥ずかしさからだろう。
女が息を漏らすのに合わせ、うっすらと色づいたすぼまりが怪しいうねりを繰り返す。

先輩「……ふむ」

さっきまでは表面しか愛撫してなかったのだが、今度は中に指を刺し入れた。

女「ん――――っ!」

愛液に濡れた中指が、括約筋を割り開いて潜り込む。
不意打ちだったからか、女のそこはいとも簡単にこちらの指を受け入れた。
一瞬遅れて括約筋が引き締まり、第一関節まで入れたこちらの指を、それこそ折らんばかりにきつく締め付けてくる。

先輩「……さすがに締め付けがすごいな。痛くないか?」

女「痛くはないが……さすがに不意打ちは驚いたぞ」

恨みがましい目つきで女が振り返る。
その表情を見るに、確かに苦痛と言うよりは、今までとは明らかに違う感触に戸惑っているというのが強そうだ。
試しに指を曲げ伸ばししつつ、その指先で中を解すように探ってみる。

女「はあ、ん、あああ……! なんだ……こ、れ……んんっ!?」

指を押し込むと括約筋が抵抗してくるが、抜こうとするとまた抵抗する。
内側をなぞるように動かすと、入り口がそれに合わせてきゅっと締まるのが面白い。

女「ふぅっ、んんっ……あぁ……ふああぁっ!」

直腸内で指が蠢くたび、女の口から熱い息が漏れる。
最初は戸惑い半分快感半分といったところだったみたいだが、今はもう直腸粘膜を掻きまわされる刺激に、甘ったるい嬌声を迸らせている。

先輩「………………」

さて、と思う。
今はまだ、多分取り返しがつく地点だ。
『やっぱり先輩のはちんこはアナルに入れるべきではないと思うの』という意見もあったことだし、ここでバイブを抜いて前に挿入するという選択肢だってあっていいとは思う。
しかし。
上気し、汗が浮いた身体。こちらに向けて突き出された下半身。
そして何より普段とは違う頬を染めた女の顔が、こちらの思考を白く染めていく。
……ああ、それにあれだ。ここでもし「やっぱり普通にやろう」と言ったところで女が納得するとは思えないしな。
なんだか言い訳気味にそう結論付け、俺は指をアヌスから引き抜いて勃起した逸物を握りしめた。

他より少しだけ色素の濃い窄まりに、肉棒の先端を押し当てる。

女「んっ……」

やはり緊張しているのか僅かに身体を震わせる女。
それを抑えつけて、男根を女のそこへと突き入れた。

女「う……ぁ……く、ふうぅ……っ」

ずぶ、ではなく、めり、という感触。
……さすがに抵抗が強い。
しかし女もなんとか力を抜こうとしているらしく、ゆっくりとではあるが俺のモノが女のすぼまりへと埋まっていく。

女「は、ぁ……あ……ん、く……はぁ……はぁ……」

大きく息を吸い、吐く。僅かに締め付けの力が弱まり、括約筋の抵抗を押し広げて肉棒の先端が入り口を抜ける。
1番太い雁首さえ通ってしまえば後は何とかなるようだ。1度くびれの部分で引っかかったが、それを抜けると竿の部分は思ったより楽に中に入っていった。

女「はっ……あ……入った、な……」

異物の挿入に肩を震わせながら、何度も深呼吸を繰り返す女。
呼吸に合わせて括約筋が収縮し、陰茎の根元を締め付ける。
全体で絡みついてくる膣とは違い、直腸は驚くくらいにつるりとしていた。
奥行きが深く先端には何も当たらず、どこまでも続いているような不思議な感覚は直腸ならではのものだと思う。

先輩「入り口の締まりがすごいけど……痛くないのか?」

女「はぁ……はぁ……そう、だな……痛くはないが、異物感がすごいな……」

そうらしい。
まぁ、排泄を行うための器官に異物を突っ込んでいるのだから、そういう感覚も当然と言えば当然なのかもしれないが。
実際、こじ開けた括約筋は、前とは比べものならないほどの圧迫でこちらのものを引きちぎらんばかりに締め付けている。
いきなり動かすとこっちも辛いので、まずは解すためにゆっくりと小刻みに動いてみる。

女「んくっ……は……くぅ……んんっ……!」

まだ苦しそうな女の声。
しかし少しずつ、少しずつではあるが後ろも濡れるらしい。しばらく挿出を繰り返していると、前後するこちらの動きが幾分スムーズになってくる。

女「あ……あふ……ん、う……は、あ……はぁ……」

女の声にも苦痛以外のものが混ざってきた。
それを確認しつつ、俺はストロークを大きくしていく。
ぎりぎりまで引き抜き、また最奥へと入れていくと、それに合わせて女の口から吐息が漏れる。
もはやそこに苦痛の色が見えないのを確認して、俺はさらに挿出のペースを上げていく。

女「ふぅっ、んんっ……あぁ……んんっ!」

どうやら挿れる時よりも出す時の方が気持ちいいらしい。
しばらく挿出を繰り返していると、女が漏らす声に艶が出てきた。
直腸が蠕動し、粘膜が先端を包み込む。ただきつく締め付けるだけだった入り口も、なんとなく解れてこちらを受け入れるかのような状態になってきた気がする。


携帯(着信音)

不意に、どこからともなく軽快な音楽が鳴り響いた。

女「――ん? なんだよせったくいい感じだったのに」

アナルに怒張を挿れたまま、女は脱ぎ捨ててあった衣服のポケットから着信を知らせ続ける携帯電話を取り出す。
そこに表示された名前を見て。

女「あれ? 後輩ちゃんからだな」

先輩「お前がさっき電話してたから気付いてかけ直してきたんだろ」

女「ああそうか」

先輩「出てやったらどうだ? お前が朝から2回も電話するから心配してかけ直してきたんだろうし」

女「それもそうか」

言われるままに、女が携帯を操作する。

女「――はい、捜査一課」

いきなり意味不明なネタから入るあたりが女らしい。

女「――ああ、女さんだよ」

女「いいよいいよ。急に電話しちゃったこっちも悪いし。何かしてたとか?」

電話の向こうにいる後輩と会話をする女。
楽しそうに話すその様子になんとなく悪戯心が湧いてきて。
試しにちょっと腰を動かしてみた。

女「あっ……おい、こら男っ」

小声で注意する女だが、よく見るとバイブを咥えこんだ蜜壺からはトロトロと熱い愛液が溢れていた。
言葉とは裏腹に、背徳的なシチュエーションに女も興奮しているらしい。

女「ああ、いや、なんでもない……んんっ」

ゆっくりと腰を動かせば、肛門の締め付けが上下に動いて肉棒をしごき立てる。
怒張が搾られ、尿道が圧迫され、鮮烈な快感が背筋を駆け抜けた。

女「ん……ぁ……え? 電話の内容? えーっと、今日は何も予定が無かったから、後輩ちゃん誘ってどこかに遊びに行こうかと思ってさ……ぁんっ」

……朝の電話は3Pするためとかだった気がするけど。
内心でツッコミを入れつつ、ゆっくりとした挿出を繰り返す。
女は快楽で息を乱し、言葉をとぎれとぎれに吐き出しながらも、後輩との会話を続けている。

女「あ……っ、と、食事? 食事か。んっ……ぁ……い、今は別の予定が入っちゃったんで、それは次の機会にでも……はぅんっ!?」

ぐっと深く貫くと、女がびくんと大きく震えた。
根元まで挿入された怒張が、ぐぐっと強く締め付けられる。

女「あ、いや、その……ちょっと飼ってるネコがじゃれついてきてさ……ん、くっ」

……どちらかと言うとネコじゃなくてタチだけどな。
流石に不審に思われたのか、電話の向こうに対して必死に誤魔化そうとしている女。
言い訳自体は結構苦しい内容だと思ったが、疑うことを知らない後輩なら多分素直に信じてしまっているだろう。

女「うぅっ、ふっ、くっ……」

背後からの突き上げに揺さぶられながら、女は漏れそうになる喘ぎを必死に堪えている。
ぬちっ、ぬちっ、と腸液にまみれた肉棒が、てらてらと光りながら女の菊座を貫く。
ペニスが引き抜かれるたびにうっすらと色素の沈着した肛門が裏返ってめくれ、ぐっと腰を押し込むと肉の幹と共にアヌスも奥へと引き込まれる。

変わらぬペースで腸内を掻き混ぜながら、俺は女の胸に手を伸ばした。
挿出に合わせて揺れる柔肉を舌から掬い上げるように鷲掴みにする。

女「ん……あ……な、名前? えっと……名前は……ひゃうんっ!?」

硬く尖った乳首を親指と人差し指で押し潰すと、女の上体がびくんと跳ねた。
同時に肛門がぎゅっと収縮し、千切れてしまうのではないかと心配してしまうほどの締め付けがこちらを襲う。

女「あ、いや、そうじゃなくて……ん、うぁ……っ! く、ふっ……ふあっ……!?」

胸を揉み、乳首を摘んで転がすと、女が熱い息を漏らす。
そしてその度に入り口が俺のモノを締め付け、擦り上げる。

女「……くっ、うぅんっ! ちょっと……あっ……その、なんだ……ふああぁっ!」

1度声を出してしまったことで堪えが効かなくなったのか、女の口からは次々と嬌声が漏れていく。
さすがにこれはバレるかもしれないなぁ……。

ヤバイと思うなら腰を止めろよとかいうツッコミが入りそうな気もするが、ここで止めたら男が廃る。
それにきっとそんな展開誰も望んでいない。

女「あ……は……はっ……、わ、悪い後輩ちゃん。実は、ちょっと……んくっ……昼くらいから……熱が、出てて、さ……んんんっ!」

何度も息を詰まらせ、喘ぎ声を漏らしながら、それでも女はなんとか誤魔化そうをしているらしい。
しかし普段なら息を吐くように嘘を吐くことができる女ではあるが、さすがに初めてのアナルセックス中だと気の利いた言い訳が出てこなかったようだ。
結局女の口から出てきたのは仮病といういかにもな内容のもので、いくらなんでもこれで誤魔化せるのは相当なお人好しぐらいだろうと思ったが……。

女「だ、大丈夫……こっちこそごめん。心配かけて……はっ、あっ……この埋め合わせは……ちゃんと、する、から……っ」

どうやら上手く誤魔化せたらしい。

女「――ああ、うん。それじゃあ」

なんとか話を終わらせて電話を切る。
女の手から携帯電話が落ち、その通話がちゃんと切れているのを確認した俺は、女の引き締まった細腰を両手で掴んで思いっきり腰を叩きつけた。

女「ん、く――――!」

女の腕が折れた。
もう四つん這いになる力もないのか、腰だけを上げて女がベッドに倒れ込む。
それでも俺は動きを止めない。
ぱんぱんと、女の尻と俺の下腹部が当たる音が鳴り、秘裂から溢れた愛液がシーツにいくつもの染みを作っていく。

女の直腸は蠕動を繰り返し、時にはペニスを押し返し、時には奥へと引きずり込む。
複雑なうねりに巻き込まれ、女の体内で充血した亀頭が何度も脈打った。

女「あ、ああ、う、んく、はぁ……あああぁぁっ!」

女は絶頂が近いのか、肛門をひくひくと痙攣させている。
だがこちらもそろそろ限界が近い。
俺は手を伸ばし、前に挿れっぱなしだったバイブのスイッチを入れた。
途端、女の身体が跳ね上がる。

女「うっ、ああぁあっ!?」

ヴヴヴヴヴ……と、低い駆動音を響かせながら、ラバー製の疑似男根が女の膣内で暴れ回る。
どうやらこれは、振動とうねりがあるタイプのようだ。
バイブ下部にある突き出した部分が淫核を刺激し、本体はぐねぐねとした不規則な動きで胎内を掻き乱す。

女「うあっ、ひっ、はぁっ! どっちも、か、掻き回されて……ああぁあっ!」

感じ過ぎるのか、女の手が何かを耐えるようにベッドのシーツを握り締める。
とは言え、感じているのはこちらも同様だ。
亀頭を擦るつるつるした粘膜の感触、括約筋の締め付け、そして粘膜越しに伝わるバイブの振動が、こちらをどんどんと押し上げていく。

俺は最後の力を振り絞り、女の直腸壁を突き上げる。
柔らかい粘膜の感触に腰を震わせながら、括約筋の締め付けに負けないように腰を振った。

女「ひっ、くふっ、はぁっ! はうぅっ!」

こちらの動きに合わせて、女の喘ぎが短く途切れ途切れなものになる。
太ももをぶるぶると震わせ、腰を大きく脈打たせて、女は急速に上り詰めていく。

女「ふっ、あっ、ふああああぁ――っ!」

甲高い嬌声を上げて、女が全身を震わせた。
同時に鮮烈な締め付けが怒張を襲い、尿道を限界まで絞り尽くす。
それで俺も限界を迎えた。

先輩「ぐっ! くうううぅ――っ!」

括約筋の抵抗を押しのけるようにして、女の腸内に白濁液が迸る。
2度目の射精にもかかわらず、放出される精液の量と勢いは尋常ではなかった。
女の直腸の奥底へ、熱を持った液体が何度もぶちまけられる。

女「んんぅっ、ん――っ! くはぁっ、ふうううぅっ! あ、あついぃ……」

直接精液を浴びせられる熱さでさらなる絶頂に達しているのか、打ち出すたびに、女はびくびくと俺のモノを締め付けてきていた。

女「は、あ……ぁ……」

ようやく絶頂の余韻も収まったのか、ぐったりと女が脱力する。
少しだけ力の抜けたアナルから、俺は半分萎えた肉棒を引き抜いた。

女「ん、く……はぁぁっ」

抜ける際の刺激で、女が下半身をぴくんと跳ねさせた。
それと同時に、ぽっかりと開いた菊門から逆流してきた精液が零れ、ベッドのシーツに新たなシミを作っていく。

先輩「……身体大丈夫か?」

一応気遣って声をかけてみる。

女「や……なんつーか……すごかった……な」

言って、女はベッドに突っ伏したまま、こちらに向かって笑みを浮かべて。

女「だからさ、機会があったらまたやろうぜ」

……タフなやつだな。

※男の家
女「というわけで、現代でも『ホモがキライな女の子はいません』と言われるように、衆道――いわゆる男同士の同性愛というのは古くは神代の時代から続く由緒正しい文化であってだな」

先輩「それはもういいから!」

女「なんだよ人がせっかく宣言通り衆道について熱く語ってやってるっていうのに」

先輩「完っ全に有難迷惑だよ」

女「ちぇー。しょうがない。じゃあちょっと真面目な話でもするか」

先輩「真面目な話?」

女「本来ならこの次はリクエスト通り後輩ちゃんのオナニーシーンに行く予定だっただろ?」

先輩「いきなりメタな内容だけど、まぁ、確かにそんな話だったな」

女「その前に少しだけ間を空けようと思ってさ」

先輩「? 間を開けるって、別のシーンを挟むってことか?」

女「いや、リアルタイムで時間を置こうってこと」

先輩「……はぁ? ただでさえ更新遅くてちょくちょく催促されてるのに、それで時間まで空けてどうすんだよ?」

女「いやまぁ、ちょっとパラレルの方も進めてみようかと」

先輩「つまりこっちを放置してあっちを進めるってことか?」

女「ぶっちゃけ2連チャンでエロシーンってのも結構しんどくてな。ツンデレな後輩ちゃんに癒されたいんだよ!」

先輩「……まぁ、お前がそれでいいなら別にいいんだけど」

女「あとは後輩ちゃんのシーンが終わった後の展開も考えなきゃだし」

先輩「なるほど。つまりネタ切れか」

女「いや、エロ方面ならちゃんといくつか考えてるんだけどな」

先輩「例えば?」

女「後輩ちゃんとバカンスに行って水着で水中Sex+放尿プレイとか、メイド服+手錠でご奉仕プレイとか、時期はまだ早いけどバレンタインにチョコレートぬるぬるプレイとか」

先輩「……なんでそう特殊なプレイばっかりなんだよ?」

女「これくらい普通だろ。なんだったら淫夢イベント使ってもっと特殊なシチュエーションいってもいいんだぜ?」

先輩「……例えば?」

女「それこそ前にやれなかった触手とか、スライム凌辱プレイとか、妊娠ボテ腹母乳プレイとか、後輩ちゃんロリ化とか、フタナリ化+私も含めて3Pとか、ネコ耳にゃんにゃんプレイとか」

先輩「お前、それ本気でやる気なの?」

女「要望があればやります」

先輩「ちなみにお前のシーンは?」

女「それなんだけどさ、私のシーンは実はそんなに考えてないんだよなぁ。足コキとかちょっと興味あるんだが」

先輩「やっぱりそんなのかよ」

女「ガーターベルトで足コキとか燃えるシチュエーションだろ」

先輩「……まぁ否定はしない」

女「あとは私と男の初体験の話とか」

先輩「それはどう考えても黒歴史だろ」

女「あの頃の私は若かったからなぁ。いや、今も当然若いけどな」

先輩「はいはい」

女「初々しい私の反応に惚れ直すこと間違いなしだな」

先輩「惚れ直すかどうかはともかくとして、大丈夫なのかよ?」

女「大丈夫って何が?」

先輩「あの時、俺ら中3だっただろ」

女「あー……まぁ大丈夫じゃね? 世の中には『このゲームの登場人物は全員18歳以上です』とか言いつつ高1の後輩キャラが登場するようなゲームだってあるんだし。高1も中3もそんな変わんないだろ」

先輩「JKとJCの間には結構でかい壁があると思うけどなぁ」

女「とまぁそんなわけで、エロシーンはそれなりに考えてるんだけど」

先輩「何か問題でもあるのかよ?」

女「いやまぁ、今私たちがやってるこの会話が267だろ」

先輩「そうだな」

女「後輩ちゃんのシーンが終わったら多分300ちょい超えるくらいまで行くと思うんだよ」

先輩「行くだろうな」

女「ってことは大体3分の1だろ。そろそろマンネリ打破のためにテコ入れでもした方がいいのかと思ってさ」

先輩「テコ入れって何する気なんだよ?」

女「テコ入れの基本は新キャラの導入だってけーねが言ってたって竹林ホームレスが言ってた」

先輩「誰が言ってたのか知らんけど、要するに新しいキャラを登場させるってこと?」

女「おうともよ。ちなみに今考えてるのは僕っ娘の幽霊とかなんだが」

先輩「なんかそれってよく見るキャラじゃね?」

女「よく見るってことはそれだけ使いやすいってことだと思うんだよな」

女「それにほら、私とか後輩ちゃんとどう絡むかはまだよく分かんないけど、男との絡みだったら結構面白おかしい感じになると思うんだよな」

女「あ、ちなみにここで言う絡みってのは肉体的な絡みのことじゃなくて会話的な絡みのことだから」

先輩「知ってるよ! そのつもりで話聞いてたよ!」

女「あとここは重要だからはっきりさせておくが、『ボクっ娘』じゃなくて『僕っ娘』だからな」

先輩「どう違うんだよ?」

女「少年っぽいキャラじゃなくて青年っぽいキャラと言うか。元気いっぱいじゃなくて、落ち着いた雰囲気の冷静なキャラと言うか。まぁ具体的には――」

※サンプル1(通常シーン)
幽霊「しかし僕みたいなのに憑りつかれた割に随分と落ち着いてるね。普通はもっと驚いたり何が原因なのか悩んだりするものなんじゃないのかい?」

先輩「何かに憑りつかれるのは初めてじゃないし、原因に関しては、女がどこぞの骨董市で見つけたーとか言って持ってきたあの怪しい箱が原因だろ?」

幽霊「かの有名なパンドラの箱然り、コトリバコ然り、『匣』というのは元来何かを封じるためのものだからね。僕も同じようにあの箱の中に封じられてたみたいだね」

先輩「パンドラの箱もコトリバコも中身はロクなもんじゃなかったけどな」

幽霊「ごもっとも。でもまぁ、僕としてはキミを呪ったり祟ったりする気は無いから安心してくれていいよ」

先輩「……そりゃどうも」

※サンプル2
幽霊「そう言えばさっき憑りつかれるのは初めてじゃないって言ってたけど」

先輩「ああ。なんか俺、そういうのに憑かれやすいらしくてな。高校時代に心霊スポットに行っては何かを持ち帰るってのが何回かあったんだよ」

幽霊「なるほどね。ちなみにその時はどういう風に対応してたんだい?」

先輩「話ができる奴なら話を聞いてやってたし、それができない連中は寺に行って強制的に成仏してもらってな」

幽霊「ふむ。じゃあもし僕がここで急に『呪ってやる~』とか言い出したら?」

先輩「塩でもぶつけて成仏してもらう」

幽霊「さすがに食卓塩で成仏はしたくないなぁ」

※サンプル3(エロシーン・後輩の身体に憑依中)
幽霊「んぅ……ちゅ、ん……」

柔らかい唇の間から吐息が零れる。
軽く舌を出して唇をつつくと、戸惑いを見せつつも僅かに幽霊の唇が開く。
俺はその隙間に、舌を忍び込ませた。

幽霊「んっ……んくっ……ちゅうっ……んむぅ……っ」

閉じかけていた歯を舌で押し開いて、奥で縮こまっていた舌をノックすると、幽霊がおずおずと俺の方に差し出してきた。
最初は怖々と……しかし少しずつ積極的に、幽霊も舌を動かして求めてくる。

幽霊「はぁ……ちゅば……んふ……」

俺の舌に幽霊の舌が絡みつき、熱い吐息が俺の頬に吹きかかる。
キスを続ければ続けるほど、触れる肌が熱を帯びていく。

幽霊「んっ、ん……ちゅ、んむ……んんっ、ん、んんぅ……は、ふぅ……」

長いキスが終わって唇が離れる頃には、幽霊の身体からはすっかり力が抜けてしまっていた。

幽霊「は……ぁ……キスが、こんなに気持ちいいなんてね……。初めて知ったよ」

先輩「そりゃよかった。もう1回する?」

幽霊「そうだね。お願いするよ」

※サンプル4
幽霊「ん……っ、う……ぁ……んん…………っ」

騎乗位の状態で、ゆっくりと幽霊が腰を下ろしていく。
やがて屹立を全て呑み込み、幽霊は「はぁ……」と熱のこもった息を吐き出した。
そして完全に俺のモノを呑み込んでいる接合部を見下ろして。

幽霊「……予想はしてたけど、やっぱり痛みはなかったね」

先輩「そりゃ身体は後輩のだからなぁ。膜はもう無くなってるから痛みは感じないだろ。って言うか、痛みなんて感じなくていいなら感じない方がいいんじゃないのか?」

幽霊「そうでもないさ。破瓜の痛みというのは一生に1度きりのものだからね。やはり女性として生まれたからにはきちんと経験しておきたいと思うものだよ」

なるほど。確かに、男の俺にはいまいちよく分からないことではあるが、女性にとって処女を失ったその瞬間というのは色々と心に感じるものがあるのかもしれない。

幽霊「まぁ、無い物ねだりをしてもしょうがないからね。今は最初から痛みを気にせず気感じられるという状況を楽しむとしようじゃないか」

そう言って、幽霊はゆっくりと腰を前後に揺すり始めた。

女「――こんな感じのキャラ」

先輩「しっかりとエロシーンまで考えてるじゃねーか」

女「エロの無いキャラなんて出す意味無いだろ!」

先輩「そんな全力で断言されても……」

女「まぁこれに関しては正直全然未定なんだけどな。元々はこのスレッドが最後まで行けたら次に続きとして出そうかなーレベルで考えてたキャラだし」

先輩「大分先どころかむしろ日の目を見る可能性の方が低い気がするな」

女「幽霊なだけにな。ともあれ、今後の話はパラレルの話と後輩ちゃんのオナニーシーンが終わるまでの間に決めるとしよう」

女「というわけで、これからしばらく間を開けますので、何かご要望などありましたら適当に挙げていってください。応えられる範囲で応えますので」

先輩「要望って例えば?」

女「『もっと擬音を増やせ』とか『後輩ちゃんをもっと言葉攻めしろ』とか『喘ぎ声をみさくらな○こつ風にしてくれ』とか」

先輩「……なんだよみ○くらなんこつ風って」

女「『んほぉぉぉぉぉ♥ おちんぽみるくきもちいいのほぉおおォおおおおぉぉぉ♥』みたいな?」

先輩「……対応すんの?」

女「要望があれば、できる範囲で」

女「あとは通常シーンとエロシーンのリクエストとか。前に挙げたやつ以外でも大丈夫ですんで」

先輩「できる範囲で?」

女「できる範囲で」

先輩「ちなみに今ぱっと思いつくのだと?」

女「『媚薬で連続アクメ』とか『電車内で痴漢プレイ』とか『温泉でパイズリ+ソーププレイ』とか『こっちの後輩ちゃんとあっちの後輩ちゃん入れ替えスワッピングプレイ』とか『男が複数に増えて輪姦プレイ』とか」

先輩「……お前、ホントにそれやる気?」

女「できる範囲で。まぁあんまり特殊なプレイだと更新が遅くなる可能性が高いとだけは言っておこう」

先輩「んじゃ、そろそろ終わりにする?」

女「そうだな。じゃあ、改めてご意見・ご要望などあればよろしくお願いします」

女「黒ストモエー」

先輩「黒ストモエー」

女「しかし後輩ちゃんがまさかの黒スト装備とは。嬉しい誤算だったな」

先輩「地の文が無いとその辺描写できないからな」

女「ちなみに私はストッキングは断然破く派だ」

先輩「俺は破かない派だけどな。ストッキングと下着を一緒にずり下げた状態とかエロいだろ」

女「でもナースの白ストは破くだろ」

先輩「それは破くな」

女「まぁ、ここで黒ストの何たるかについて語り出したらそれだけでこのスレッド終わるからな。このくらいで止めて話を先に進めるとしよう」

先輩「お前はどんだけ黒ストに執着してんだよ……」

女「ともあれ、ツンデレ分と黒スト分もばっちり補充できたことだし、早速後輩ちゃんのオナニーシーンに行くとするか」

先輩「行くのは別にいいんだけど、その先の展開は決まったのかよ?」

女「流れとしては後輩ちゃんのオナニーシーンの後で1回淫夢イベント挟んで、私のシーンで初体験話やって、その後で3Pイベントでも起こそうかなーと思ってる」

先輩「足コキは?」

女「それはパラレルの方でする予定。一応今後の予定を整理すると――」

※メイン
後輩オナニーシーン
 ↓
後輩通常イベント:温泉でエッチ
 ↓
淫夢イベント:未定
 ↓
女通常イベント:初体験話
 ↓
後輩・女と3Pイベント

※パラレル
淫夢イベント:メイド服+手錠でご奉仕プレイ
 ↓
女登場:足コキプレイ
 ↓
後輩と女が遭遇:3Pイベント?

女「――とまぁ、こんな感じ。まぁあくまでも予定だから気分や要望で変わるかもしれないが」

先輩「メインの淫夢イベントが未定なのは?」

女「ボテ腹とフタナリが以外でっていう要望はあったけど、それ以外のどれにするか迷っててな。媚薬+輪姦ってのもあったけど、3P前にそれをやるのもどうかと思うし」

先輩「媚薬使って女を縛って焦らしプレイってのも要望あったみたいだけど?」

女「それは通常イベントでやるか淫夢イベントでやるかで内容変わってくるからなぁ。通常イベントならプレイの一環だし、淫夢イベントなら凌辱調教になるし」

女「まぁ、その辺りは後輩ちゃんのオナニーシーンと温泉イベントが終わる前に考えるとしよう。特に要望無いようだったら一旦パラレルの淫夢イベントに行ってもいいし」

先輩「あっちは概ね不評みたいだけどな」

女「うっかりスレタイ同じにしちゃったからなぁ。その辺りで叩かれる叩かれる。いっそタイトル替えてやり直すか。『後輩「だから先輩はダメなんです」 先輩「ごめんなさい」』とかで」

先輩「面倒臭そうだなぁ」

女「とりあえずその辺についても後々考えるってことで、とりあえず後輩ちゃんのオナニーシーンに行こう」

先輩「というわけで次からエロパートです」

※後輩の部屋
後輩「ん……ふあぁぁぁぁぁ~」

読んでいた本をベッド脇に置いて、私は大きく欠伸を漏らした。
時計を見ると時間は6時過ぎ。先輩から借りた本を読んでいたら、いつの間にか夜が明けてしまっていたらしい。
内容が面白かったから一気に読んでしまったけど、最終巻は1000ページを超える大ボリュームだったからなぁ……。

後輩「って言うか文庫サイズでこのボリュームってのもなかなか無いですよねぇ」

ベッドから立ち上がって大きく伸びをすると、ずっと同じ姿勢でいたせいか、背骨がばきばきといい音を立てた。

後輩「ん、んん~~~~~~…………ふぅ」

大きく息を吐いてベットに腰を下ろす。
なんとなく視線を移動させると、ベッドサイドにある写真立てが目に入った。
そこに入った写真には、笑う私の隣で不機嫌そうな顔の先輩が写っている。
写真を撮られるのが嫌いな先輩が写っている、数少ない写真。

後輩「先輩と後輩……か」

『いつも通り、意地悪な先輩とそのイジメに耐える健気で可愛い後輩っていうことで』
それは前回私自身が言ったセリフだ。
私はそれでいいと思うし、先輩もいつも通りでいてくれている。
それでも――

後輩「もうちょっと優しくしてくれてもいいと思うんですけどねぇ……」

写真の中の先輩を指でつつく。はぁ、とため息を吐いて、私はベッドに横になった。
オナニー……しちゃおっかな……。
何となくそんな気分になって、パジャマの上からそこに触れる。
指を曲げると動きに合わせて、ぴくん、と身体が反応した。

左手は下半身に置いたまま、左手を胸に。
目を閉じて、自分の膨らみを確かめるように指先を這わせ、円を描くように撫でていく。
力を入れた指先を沈み込ませると、じんじんという痺れが胸全体に広がった。

後輩「んっ……」

乳首を刺激すると、小さく声が漏れた。
服の上から爪で引っ掻くように刺激すると、徐々にそこが硬くなるのが分かる。

後輩「ん……ぁ……せんぱ、い……」

もどかしいような甘い刺激。
それに我慢ができなくなった私は上着の中に手を入れた。
ブラをずらして直接胸に触れ、あの時先輩がしてくれたように、固くなってきていた乳首をつまんで、引っ張って、乳輪から擦り上げるようにして完全に勃起させる。

後輩「はぁ……ん……」

先輩のことを想うだけで、胸がモヤモヤして身体が熱くなってくる。
意識の中で、自分の手が先輩の手に変わっていく。

後輩「あ……ん……先輩、そんな強くしたら……んうっ!」

ちょっと強めにおっぱいを揉んで、硬くなった乳首を摘んで転がす。
痺れるような刺激がそこから広がって、左手を置いたままのあそこが、じゅん、っと湿り気を帯びるのが分かった。

後輩「は……ぁ……っはぁ……はぁ……」

全身が火照って、肌に纏っている布地の感触が煩わしくなってくる。
私は姿勢を変えて仰向けになり、ズボンと下着を一緒に膝の辺りまで下ろした。
シャツも上までまくり上げて、思いっきりおっぱいを露出させる。

膝を立て、両足を軽く開いた状態で、胸とあそこに両手を当てる。
直接触れてみると、予想通りそこはすっかり濡れてしまっていた。
……こんなに濡れちゃうのも、きっと先輩だから、だよね。
指先で弄ると、えっちなお汁が絡みついてくる。
割れ目に沿って指を動かすと、くちゅくちゅと水音が鳴った。

後輩「ん……ん……ぁ……ん……」

空いている手で露わになった胸をまさぐる。
形が歪むくらいにおっぱいを揉んで、乳首をくにくにと摘み、捻りながら引っ張る。
そのちょっぴり痛みを伴う刺激ですら、今の私には快感に感じてしまう。

後輩「や……こんなの、ダメなのに……気持ち……いいよぉ……」

熱い息が漏れる。陰唇はすっかり充血し、お尻の谷間に滴るほどにえっちなお汁を溢れさせていた。

息苦しさと、身体の火照りに自分を抑えきれない。
指で割れ目を左右に開き、中指で、下から溢れる蜜を掬って、上のクリトリスに丁寧に塗りつける。
ぴくん、と自分の指の動きに刺激されて、腰が切なげにくねってしまう。

後輩「あ……身体、熱くなって……んぅ……っ!」

こんなにも感じてしまう自分を恥ずかしいと思いつつも、止めることができないその行為はどんどんを激しさを増していく。
息を荒げながら、あそこの入り口を掻き回し、おっぱいと乳首をこねくり回す。
濡れた指先で包皮ごしにクリトリスを摘んだり擦ったりして刺激すると、痺れるような快感の渦が全身に広がって。
周りの皮から飛び出た部分を爪の先が引っ掻いた瞬間、一瞬目の前が白く染まった。

後輩「ふあぁ……っ!」

身体がビクンッと震える。
私は一瞬息を詰まらせ、そして脱力と共に大きく吐き出した。

後輩「あ……はぁ……はぁ……軽く、イッちゃったぁ……」

イッた直後の倦怠感が身体を包む。
それでもまだ内側にある火照りは治まっていない。
燻り続ける疼きに後押しされるように私は行為を再開しようとして――ふと、この前レストランで女さんからもらった物のことを思い出した。

後輩「えーっと、たしかここに…………あった」

ピンクローターとかいう名前だったそれは、確かにピンク色で、丸っこい卵形の物体とスイッチらしいものがセットになっていた。
恐る恐る、コードで繋がれたスイッチの電源を入れてみる。

後輩「うわ、動き出した」

ビィィィン、と細かくモーターの動く音がして、卵形の部分が振動を始めた。

後輩「えっ……と、これを当てればいいのかな……?」

まずは胸の先端に押し当ててみる。

後輩「んんッ……ん……」

ローターの振動が胸に伝わって、私の口から小さく声が漏れた。
今はまだ『弱』に設定されているから、その振動は羽が撫でるようなもので。
だけど、その振動が身体の芯から気持ち良さをじわじわと染み通らせていく。

後輩「んぅ……これ、気持ちいいかも……」

ちょっとだけ振動を強くして乳首を刺激しながら、もう片方の手で濡れたあそこを弄る。
割れ目に指を差し入れると、それだけでぞくぞくとした快感が背筋を震わせた。

後輩「あくぅく……んっ、あ、あぁ……」

差し込んだ指であそこの中を掻き回す。
溢れ出た愛液を絡め、クチュクチュと音が響くくらいに指を出入りさせ、内側をこねるようにして擦り上げる。
思い出すのは先輩との行為。
先輩の声。先輩の体温。先輩の感触。

後輩「ダメ……っ、これじゃ……足りない……っ」

より強い刺激を求めて、私は胸に当てていたローターをクリトリスに押し当てる。

後輩「ひ、ぁ……っ!?」

予想以上の刺激に、私の口から上ずった声が漏れた。
ローターの振動がクリトリスを震わせ、電流のような刺激が身体を駆け抜けていく。
その刺激に腰が勝手に浮き上がり、はしたなく動いてしまう。

後輩「うぁ……声、出ちゃう……んぅ……っ!」

しかし止まらない。止められない。
部屋の中に水音を響かせるように、指を激しく動かす。
ローターの振動がクリトリスを刺激し、2本の指があそこの奥を掻き回す。
先輩との行為とは一味違った高揚感が、私自身を昂らせていく。

後輩「ん、あっ……いい……気持ちいい、よぉ……」

限界が近づき、スパートをかけるように手の動きが早く、激しくなっていく。
掻き回す動きに合わせて、最初の頃よりも粘り気を増した蜜が身体の奥で淫らな音をたてた。

後輩「んっ、んっ、んっ、きちゃうっ……あっ……い……く……ぅっ……んっ!」

身体が跳ね、無意識に腰が浮き上がる。
押し寄せる快楽の波に、思考がぐちゃぐちゃに乱れていく。
そして限界点を超えた快楽が弾けた。

後輩「んんんんんんんんん~っ!」

頭が真っ白になる。身体が宙に浮かんで、落ちていく。
声が出ないように噛み締めた唇からくぐもった吐息が漏れ、仰向けのまま突き上げた腰がビクビクと痙攣する。

後輩「あ……は、はぁ……ぁ……」

緊張していた身体が弛緩し、私は大きく息を吐いた。
身体がとろけてしまうような甘い快感が通り過ぎ、まるでたゆたうような余韻が全身を支配する。
荒くなった呼吸を整えながら、ローターのスイッチを切って。

後輩「はぁ、はぁ……はぁ……んあっ……せんぱいぃ……」

写真に写る不機嫌そうな顔の先輩を見詰めながら、私は心地いい倦怠感に身を委ね、瞼を閉じた。

※数時間後
後輩「んっ……うぅ……」

なんか眩しいな、そう思って私は瞼を開いた。

後輩「ん……んぅ………………あれ?」

オナニーの余韻に浸りながら、いつの間にか眠ってしまったらしい。
ぼんやりした頭のまま顔を動かすと、窓から差し込む西日が目に当たる。
まさかと思って壁にかかった時計を見ると、夕方に近い時間になっていた。

後輩「うわぁ……」

しかもシャツはたくし上げたままで胸は剥き出し、ズボンと下着も膝の下まで下ろした状態。
こんな恥ずかしい恰好のまま眠り込んでいたと思うと、恥ずかしさやら居たたまれないやらで顔が熱くなるのを感じる。
今鏡を見れば、耳まで真っ赤に染まった私の顔が見れることだろう。

後輩「うぅ~……」

誰に対してか分からない居心地の悪さを誤魔化すように、私はいそいそと乱れた服装を直して。

後輩「あれ?」

そこで携帯電話の着信があったことを知らせるランプがついていることに気づいた。

履歴を見てみると、朝と今からちょっと前に女さんから電話があったことが分かる。
……そう言えば、この前のレストランで連絡先交換したんだっけ。
2回も連絡があるということは何か重要な用事かもしれないので、とりあえず私は電話をかけ直してみることにする。
リダイヤルするとコール音が鳴り、何回目かで相手が電話に出た。

女『――はい、捜査一課』

……あれ? 警察?

後輩「え、えーっと? 女さんですか?」

女『ああ、女さんだよ』

やっぱり女さんだったらしい。
事件じゃなくて良かったと、私はほっと胸を撫で下ろした。

後輩「えっとえっと、すいません。電話気付かずに」

女『いいよいいよ。急に電話しちゃったこっちも悪いし。何かしてたとか?』

後輩「あははは。いやぁ、ちょっと熟睡しちゃってまして」

女『あっ……おい、こら男っ』

後輩「? どうしたんですか?」

女『ああ、いや、なんでもない……んんっ』

後輩「そうですか? えっと、それで、結局電話の内容って何だったんですか?」

女『ん……ぁ……え? 電話の内容? えーっと、今日は何も予定が無かったから、後輩ちゃん誘ってどこかに遊びに行こうかと思ってさ……ぁんっ』

後輩「あー、そうだったんですか。すいません。なんでしたら今から食事とか食べに行きますか?」

女『あ……っ、と、食事? 食事か。んっ……ぁ……い、今は別の予定が入っちゃったんで、それは次の機会にでも……はぅんっ!?』

後輩「女さん? 大丈夫ですか? なんか変な声がしましたけど?」

女『あ、いや、その……ちょっと飼ってるネコがじゃれついてきてさ……ん、くっ』

後輩「へぇー。女さんネコ飼ってるんですか。いいですねぇ。うちは親がアレルギーだからネコ飼えないんですよねぇ」

女『うぅっ、ふっ、くっ……』

後輩「可愛いですよねー。ネコちゃんって。肉球ぷにぷにーで。女さんが飼ってるネコちゃんは名前なんていうんですか?」

女『ん……あ……な、名前? えっと……名前は……ひゃうんっ!?』

女『あ、いや、そうじゃなくて……ん、うぁ……っ! く、ふっ……ふあっ……!?』

後輩「もしもし? 女さん? どうしたんですか? ひょっとして具合が悪いんですか?」

女『……くっ、うぅんっ! ちょっと……あっ……その、なんだ……ふああぁっ!』

後輩「女さん? ホント大丈夫なんですか?」

女『あ……は……はっ……、わ、悪い後輩ちゃん。実は、ちょっと……んくっ……昼くらいから……熱が、出てて、さ……んんんっ!』

後輩「え? す、すいませんそんな時に長電話しちゃって。大丈夫ですか? お見舞い行った方がいいですか?」

女『だ、大丈夫……こっちこそごめん。心配かけて……はっ、あっ……この埋め合わせは……ちゃんと、する、から……っ』

後輩「そんな気を遣わなくてもいいですよ。それじゃあ、女さん、お大事にです」

女『――ああ、うん。それじゃあ』

後輩「女さん、大丈夫かなぁ……」

通話を切った携帯電話を見つめて、小さく呟いた。
なんだか苦しそうにしてたし、やっぱりお見舞いに行った方がよかっただろうか。

後輩「一応先輩にメールしとこうかな……」

先輩は意地悪だけど優しいから、きっと女さんが病気だって知ったらきちんとお見舞いに行ってくれるはずだ。

後輩「ん……っと」

先輩宛にメールを打っていると、なんとなく胸がモヤモヤして指が止まってしまう。
……この胸のモヤモヤは、多分女さんに対するヤキモチだ。
先輩の元カノである女さんは、私が知らない先輩のことをたくさん知っている。
女の私から見ても女さんは素敵な女性だし、先輩だって女さんのことが好きなんだと思う。
だからきっと熱が出て弱ってる女さんを優しく看病してる内に2人でなんかいい雰囲気になっちゃったりして――

先輩『おい、薬は買ってくるけど錠剤とカプセルと粉末とドリンクのどれがいい?』

女『細かいな。じゃあ液薬で』

先輩『……液薬?』

女『白くて熱くてネバネバしてて苦いやつ』

先輩『精液じゃねーか!』

女『へっへっへー俺のぶっとい注射で治してやるぜ、的な?』

先輩『俺はどんな鬼畜野郎なんだよ……大体、病人相手にそんなことするわけないだろ』

女『なんだよなんだよつまんないなー。こんな美味しいシチュエーション、いったいどんな鬼畜展開になるのか想像するだけで濡れるだろ普通』

先輩『ならねぇからバルブを閉めろこの淫獣!』

……あれ? なんか大丈夫っぽい?
もっとこう、いちゃいちゃーでらぶらぶーな展開になると思ったんだけど……。

後輩「私が頭悪いからかな? なんかもうちょっと違う展開に――」

先輩『ほら、おかゆ温めてきてやったぞ』

女『うぅ……すまないねぇ母さんや……』

先輩『誰が母さんだ誰が。それ食ったらちゃんと薬飲めよ』

女『口移しで?』

先輩『なんでだよ』

女『ほら、風邪ってうつせば治るらしいだろ』

先輩『まぁそういう話は聞くな』

女『口移しすれば粘膜接触で風邪も一発感染な上、薬も飲めて一石二鳥。相手はすぐに風邪が治ること請け合いだろ』

先輩『その理屈だと治療した方が風邪を引くことになると思うんだが』

女『ちなみに私は下の口でも全然OKだぜ』

先輩『座薬ぶち込むから黙って寝てろ!』

……あれれ? やっぱり大丈夫っぽい?
うーん、私の考え過ぎなのかな?

後輩「やっぱり先輩にはちゃんとメールしておこう」

途中まで打っていたメールを仕上げて先輩に送信する――これでよし、っと。
メールが送信完了したことを確認して、私はベッドから立ち上がり大きく伸びを1つ。
窓を開けると空には綺麗な虹が出ていて、見下ろした街並みからはついさっきまで雨が降っていたということが分かった。

後輩「さて、と」

遅くなっちゃったけど、まずはお昼ご飯かな?
ちょうど雨も止んだみたいだし、たまにはどこかで外食してみるのもいいかもしれない。

後輩「そのあとはスーパーに行って冷蔵庫の中身を買い足して――」

せっかくだしTUT○YAで映画のDVDでも借りてこようかな?
なんとなくわくわくした気分で残り短い今日の予定を考えながら、私は自分の部屋を出た。

※男の部屋
女「アヘ顔ダブルピース……か」

先輩「……お前は突然何を受信したんだ?」

女「いや、今ふと神託が下りてきて」

先輩「何それ邪神のたぐいから?」

女「ちげーよネタの神様だよ」

先輩「お前の神様頭おかしいんじゃねーの?」

女「なんでだよ。いいじゃんアヘ顔ダブルピース」

先輩「……アヘ顔ダブルピース云々はさておき、前回の投稿から結構時間空いたってのに、なんでお前またここに戻ってきてるんだよ?」

女「なんだよなんだよ。いいじゃんか別に。アナル処女捧げてやった上に夕食も作ってやったんだから冷たいこと言うなよなー」

先輩「いやお前、仕事は……?」

女「いいか男、世の中には有給という制度があってだな?」

先輩「……お前が休みでも俺は仕事があるんだが」

女「留守番なら私がしっかりやっておくから安心していいぞ」

先輩「なんでこの会話の流れで『帰る』っていう選択肢が存在しないんだろうなぁ……」

女「で、話を戻してアヘ顔ダブルピースなんだがな」

先輩「戻さなくていいよ。黙って飯食えよ」

女「つれないなぁ。お前も紳士だったら『俺、アヘ顔ダブルピースをオカズに丼3杯はイケるぜ!』くらい言うべきなんじゃないか?」

先輩「毎回思うけど、お前の紳士淑女像は絶対におかしい」

先輩「って言うかアヘ顔ダブルピースとかシーン的に使いづらいだろ」

女「いやいやそうでもないって。ちょっと待ってろよ。えーっと……」

※女の脳内
女①「というわけで、ネタ出しをしようと思う」

女②「ういっす」

女③「りょーかーい」

女①「まずはアヘ顔ダブルピースを実行するための前提条件が何かってことだよな」

女②「やっぱり撮影されてるってことなんじゃないか? ピースってカメラとかに向かってするわけだし」

女①「なるほど、ハメ撮りか。ってことは撮影するのはスマホ?」

女②「いや、ここはカメラだろ。ビデオカメラじゃなくて写真撮る方のカメラだな」

女③「その心は?」

女②「シャッター音とフラッシュがあった方が、撮られてるっていうのを意識してより興奮すると思うんだ」

女①・女③「「なるほど」」

女①「じゃあ次はアヘ顔についてだが――」

アヘ顔(あへがお)
絶頂時の表情表現の一種。アヘアヘ言っている時の顔。 アクメ顔。
紅潮した顔、ほぼ白目状態の目、だらしなくゆるんだ口元から覗く舌といった要素を含む、快楽に溺れた感を最大限まで引き出した結果ちょっとこれやりすぎなんじゃね?的な状態になった表情のこと。
主に快楽への敗北、屈服の合図として使われる。

女①「――こんな感じの、いわゆるイキ顔の進化系的な表情のことだろ?」

女②「だな」

女①「となると、問題はどうやってそんな状況になるくらいまでイかせまくるかってことなんだが……ここはやっぱり媚薬を使いたい」

女②・女③「「媚薬か」」

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