海未「触れた手がまだ熱い」 (34)
絵里「みんなーきいてー!」
穂乃果「なになに?」
にこ「どうしたのよ」
ゾロゾロ
絵里「皆に話があるのー」
穂乃果「演劇コンクール!?」
希「学校を盛り上げるためのイベントの一貫としてな」
希「生徒会に提案されたんや」
絵里「生徒会顧問の先生が提案したこともあってね、ほとんど決定なのよ」
希「生徒会での支持も高いしなぁ」
絵里「それで、よ!」
ことり「?」
絵里「私たちμ'sも参加をしようと思ってるの!」
全員「ええー!?」
海未「どうしてですか?」
絵里「スクールアイドルは単に歌って踊ったりするだけじゃないでしょ」
絵里「ね、にこ?」
にこ「一理あるわね、pvにだって演技力を求められるし」
凛「それに!スクールアイドルである凛たちが演劇をするって宣伝できたら…」
花陽「μ's自身の宣伝にも、学校の宣伝にもなる!」
穂乃果「やろう!」
絵里「そう言ってくれると思っていたわ」
絵里「他の皆も参加でいいわね!?」
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絵里「それじゃあ、余裕をもって今日から早速準備に取りかかるわ」
絵里「普段の練習を少し削ることになるから」
絵里「自主練をしっかりね」
海未「ううむ、忙しくなりそうですね」
穂乃果「頑張ろうね!」
絵里「それで役割なんだけど…」
希「はいはい!うちは脚本!」
絵里「他に脚本したい子は?」
絵里「いないなら希、お願いね」
希「任せや!」
真姫「私は音響がいいわ」
凛「凛は小道具!」
花陽「花陽は照明やりたい」
ことり「ことりはもちろん衣装!」
にこ「にこは宣伝ね」
穂乃果「え?あっ!」
海未「私は…なにが残ってますか?」
絵里「キャスト専門と監督かしら」
穂乃果「じゃあ穂乃果、監督!」
凛「大丈夫かにゃー?」
穂乃果「失敬な!やるったらやるの!」
海未「え…では私がキャスト専門ですか?」
海未「他には何もやらなくていいんですか?」
絵里「海未はただでさえ忙しいんだから…ちょうどいいでしょ?」
希「えりちもやで」
絵里「うっ…私も専門にさせてもらえるかしら」
希「キャストは脚本が終わったら決めるで、っていってもクジやけどな」
絵里「それじゃあ、解散!」
穂乃果「ねぇ!それって監督の仕事じゃないの!?穂乃果やる!」
穂乃果「じゃあ…解散!」
凛「締まらないにゃー」
にこ「まったくね」
穂乃果「なにをー!?」
海未「…」
一週間後
希「脚本できたで!」
絵里「ええっ!?もうできたの!?」
希「インスピレーションがわいてん」
希「っていっても既存の物語のオマージュなんやけどな」
希「もうほとんど完璧や」
希「読んでみて」
絵里「ええ…」
絵里「えっと…簡潔に説明すると」
絵里「その美しさゆえに軟禁生活を強いられているお姫様がいて、歌うことが大好きだった」
絵里「しかし、その美しい歌声によって、引き付けられた冒険好きの王子さまと恋に落ち」
絵里「愛の試練を乗り越え結ばれる」
絵里「こんな感じね…良いじゃない!」
花陽「ラプンツェルみたいな…」
にこ「よくある話じゃない?」
ことり「いいと思う!とってもロマンチック!」
希「せやろー」
5
絵里「それじゃあ配役を決めましょうか」
希「あみだクジでええやろ」カキカキ
にこ「にこはお姫様がいいなぁ…可愛いにこにぴったり!」
真姫「にこちゃんは意地悪な王さまが似合うけど?」
にこ「うるさいわね!真姫ちゃんこそ王さまが似合うわよ!」
真姫「悪いけど私は音響に専念したいからパス」
真姫「書き下ろした曲があるからね」
凛「劇で使うの!?」
真姫「エンディングで使おうと思って…」
花陽「すごーい!」
海未「わたしは衛兵隊長がいいです」
ことり「なんでまたそんな地味な役を」
海未「正直メインは嫌です。恥ずかしいですし…」
ことり「ええー?お姫様も似合うよね?穂乃果ちゃん?」
穂乃果「うん!絶対似合うよ!海未ちゃん可愛いもん!」
海未「そ、そんなこと言ったってクジなんですから!」
ことり「まあ、そうだけど」
希「できたー!」
希「番号を選んでいってね」
海未「まずは私ですか…ではこれを」
希「おっ…あっ!海未ちゃん大当たり!」
海未「えっ!?」
希「姫様役は海未ちゃん!」
にこ「ちょっとー、いきなりね」
ことり「海未ちゃん!お姫様だって!穂乃果ちゃん!」
穂乃果「うん!海未ちゃんおめでとう!」
海未「そんな…私がお姫様?」
海未「似合わないですよ!」
絵里「そんなことないわ、μ'sのメンバーにお姫様になれない子なんていないわ」
絵里「それにクジは絶対よ、大人しくしなさい」ニコッ
海未「うっ…そんな」
希「はいはい、どんどんいこ!」
希「次は穂乃果ちゃん!」
海未「…」
海未(王子さまは穂乃果に…)
穂乃果「よーし!これだっ!」
希「ふむふむ…」
希「穂乃果ちゃんは衛兵隊長!」
穂乃果「衛兵隊長かー」
凛「なんか似合わないね」
絵里「そんなことないわよ」
希「それより、この役あんまりセリフないから、同じようなのをもう一役頼むで」
穂乃果「?」
絵里「キャストが足らないのよね」
海未「…はぁ」
海未(そう、上手くはいきませんよね…)
希「次はえりち」
絵里「これで…」
希「ふむ…」
希「おおっ!えりち、王子さま!王子さまに決定!」
絵里「私が王子さまか…」
海未「…」チラッ
ことり「絵里ちゃんならぴったりだねカッコいいし」
穂乃果「うん」
海未「…はぁ」
絵里「海未!」
海未「は、はい!」
絵里「よろしくね、姫様」
海未「よ、よろしくおねがいします」
希「はいはい、残るは…」
帰り道
ことり「いやー、海未ちゃんがお姫様かー」
ことり「これは衣装の作りがいがあるなぁ」
海未「そ、そんな…」
穂乃果「きっと可愛い服を着れるよ!良かったね海未ちゃん!」ギュッ
海未「はい…」ズキッ
海未「すみません…先に帰ります」タタッ
穂乃果「えっ?海未ちゃーん!」
ことり「…」
ことり「海未ちゃんは素直じゃないなぁ」
穂乃果「?」
穂乃果「どういう意味?」
ことり「ことりは何も言ってないちゅん」
絵里「それじゃあ、練習を始めましょ!」
穂乃果「ねぇ、今思ったんだけど、監督ってなにやるの?」
凛「知らないで手あげたの?」
にこ「あれよ、アクション!とかいう」
穂乃果「ああっ!あれか!」
希「それはうちがやるで」
穂乃果「ええー!?監督出番ない!」
凛「あっはははは!」
ワイワイガヤガヤ
海未「…」
絵里「ここで王子が現れて…って」
絵里「海未?聞いてる?」
海未「えっ?あっ…ごめんなさい、何でした?」
絵里「海未…最近へんよ、いつもボーッとして」
絵里「体調悪いの?それなら…」
海未「大丈夫です、すいません」
絵里「そう?」
海未(どうかしてました、もうどうにもならないことをネチネチと…)
海未(こんなの一緒にやっていく絵里に失礼です)
海未(やるからには精一杯やらないと)
希「はいここでダンスのシーン!」
絵里「海未、振り付けは覚えて来た?」
海未「ええ…難易度は低かったですし」
絵里「そう」
絵里「それじゃあよろしくね、お姫様」
海未「…よろしくお願いします」
~♪
花陽「うわぁ、もうあんなに出来るんだ」
ことり「すごいなぁ」
真姫「海未とエリー本物の姫と王子みたいね」
花陽「お似合いだよー」
花陽「ねー穂乃果ちゃん?」
穂乃果「…」チクッ
穂乃果「う、うん」
穂乃果(あれ…なんだか二人を見てると胸がチクチクする)
穂乃果(穂乃果、心臓悪いのかな?)
ことり「みんなー、衣装できたよー!」
ことり「はい、みんな試着してみて!」
絵里「ことりも早いわね」
ことり「うん、デザイン考えたときから早くみんなに着せたくて!」
絵里「じゃ、早速着替えましょ」
ことり「穂乃果ちゃんの衣装はこれと、これね」
穂乃果「ありがとう、ことりちゃん」
穂乃果「おー、衛兵の衣装かっこいいなぁ」
穂乃果「ん?これは…バニー?」
ことり「うん…酒場の荒くれものの衣装なんだけど…」
穂乃果「なんでバニー!?」
ことり「いやー、西洋の酒場といえばバニーかなって」
穂乃果「この衣装で舞台にたつの!?」
穂乃果「恥ずかしいよ!?」
ことり「まあまあ」
にこ「早く着てみなさいよ、穂乃果」
穂乃果「えっ!?今!?」
凛「試着の時間でしょー?」
シャッ
穂乃果「はい…」
真姫「うわぁ…穂乃果可哀想」
穂乃果「可哀想ってなに!?」
真姫「だって足をそんなに出して…もう裸じゃない」
凛「かわいいにゃ!穂乃果ちゃん…ぷくくっ」
穂乃果「笑ってんじゃん!」
シャッ
海未「どうですか?」
ことり「うわぁ、キレイ…」
絵里「海未、凄く綺麗よ!」
希「うわぁ、かわええな」
花陽「海未ちゃんにとっても似合ってるよ」
真姫「海未はいつも大和撫子って感じだけど…」
にこ「悔しいけど、本物のお姫様みたい…」
穂乃果「…」ポー
海未「ほ、穂乃果はどう思いますか?」
穂乃果「へっ!?」
穂乃果(見とれちゃってた…)
穂乃果「い、いいんじゃない!?」
海未「えっ…」
海未(いつもなら、私が困るほど褒めてくれるのに…)
穂乃果(あっ…素直に褒めれなかった)
演劇コンクール本番
にこ「宣伝はもうバッチリ!」
にこ「海未がヒロインだって宣伝したら、もう凄かったわ」
海未「そ、そんな…」
真姫「あと、エリーが王子様だってのも、注目みたい」
希「やっぱり宣伝に力入れて成功やな」
希「外部からもお客さん沢山来てくれてるみたい」
穂乃果「これでμ'sの人気も上がるかな?」
絵里「演劇の出来次第ね」
絵里「ベストを尽くしましょ」
>>14
ミス
高坂家
穂乃果「どうして最近海未ちゃんを見ると胸がチクチクするんだろう」
穂乃果「海未ちゃんとはいつも一緒だったのに」
穂乃果「最近遠く感じる」
穂乃果「きっとお姫様になったからだね…」
穂乃果「でもどうしてこんなに不安になるんだろう…せっかく海未ちゃんがお姫様になったのに…」
穂乃果「もしかして…絵里ちゃん、いや…王子様に海未ちゃんをとられるのが嫌なのかな」
穂乃果「ってことは穂乃果は海未ちゃんが好きなんだ…」
穂乃果「そうなんだ…」
穂乃果「どうしたらいいの?」
穂乃果「この胸のモヤモヤは…」
演劇コンクール本番
にこ「宣伝はもうバッチリ!」
にこ「海未がヒロインだって宣伝したら、もう凄かったわ」
海未「そ、そんな…」
真姫「あと、エリーが王子様だってのも、注目みたい」
希「やっぱり宣伝に力入れて成功やな」
希「外部からもお客さん沢山来てくれてるみたい」
穂乃果「これでμ'sの人気も上がるかな?」
絵里「演劇の出来次第ね」
絵里「ベストを尽くしましょ」
花陽「ああ、緊張してきたー」
凛「ライブとは別の緊張があるにゃ」
真姫「そうね」
希「ライブはアドレナリンが出とるからなぁ」
凛「じゃあ、今も出さなきゃ」
にこ「演劇で興奮してどうすんのよ」
にこ「むしろ冷静にいかなきゃダメでしょ」
凛「にこちゃんが正論をいったにゃ!」
にこ「にこはいつでも正論だけど!?」
アハハハ
絵里「よし!じゃあ皆!いくわよ!」
舞台
海未「私はこのまま明るい世界を知ることのないまま年老いてしまうのでしょうか」
海未「一度でいいから、歌が教えてくれたような、人が集まる賑やかな世界を見てみたいです」
海未「でもそれは叶わない」
海未「だから今日も私は歌う」
海未「~♪」
絵里「この歌声は?」
凛「おそらくこの城のお姫様でしょう、薔薇のように美しいと噂ですが」
絵里「へぇ、それはぜひお目にかかりたい」
凛「いけません、ここの王さまが誰にも会わないように守っているのです」
絵里「ふうん、そんなこといわれたら、是が非でも見てみたい」
海未「あなたは?」
絵里「私は隣の国の王子だよ」
海未「よくここまでたどり着けましたね」
絵里「私はこれまで数多の険しい森、山、海を冒険してきた」
絵里「こんな城の中の警備なんて楽勝だったよ」
海未「外の世界について教えてください」
絵里「外の世界?」
海未「はい、この城の外…私はこの城から出たことがありません」
海未「きっと人がたくさんいて、楽しそうに生活しているんでしょう?」
絵里「うーん、そうだね」
絵里「じゃあ、私の冒険を君に話してあげる」
絵里「やあ!」
海未「王子様!また、来てくださったんですか?」
絵里「君の歌声を聴きたくってね」
海未「私もあなたのお話が聞きたいです!」
絵里「ここを抜け出そう」
絵里「ここを抜け出して、一緒に暮らそう」
海未「そ、そんな…大それたこと」
絵里「大丈夫…私が君を守るから」
海未「王子様…」
絵里「姫…」
穂乃果(大丈夫…)
穂乃果(大丈夫…これは演技…)
穂乃果(海未ちゃんと絵里ちゃんだって本気じゃない)
穂乃果(でも…)
海未「はぁ…はぁ」
絵里「追っ手は撒けたみたい!」
海未「ここが外の世界…」
海未「凄い…絵画でしか見たことなかった」
海未「脈をうっているような…」
絵里「そうだろ?この町は元気に溢れている」
海未「町というのですか」
海未「王子様…ここまで私をつれてきてくれてありがとう…」
絵里「姫…」
海未「王子様…」
穂乃果(演技だってわかってるのに)
穂乃果(この胸の痛みは…)ズキズキ
ことり「穂乃果ちゃーん、もうすぐ出番だから早く着替えてー」
穂乃果「う、うん」
穂乃果「はぁ…やっぱりこのバニースーツは着なきゃダメかなぁ」
穂乃果「ここは、町の荒くれものが集う酒場だよ」
穂乃果「あら、あなたとってもハンサム…」
穂乃果「私と遊んでいかない?」
絵里「申し訳ないけど、連れがいるんだ」
海未「…」
穂乃果「あら、そう」ズキッ
穂乃果「まぁ、飲んでいきなよ」
希「隣の国、王子めぇ…私の大切な姫を!」
希「軍隊を派遣する!姫を取り返せ!」
絵里「姫!」
海未「王子様!」
にこ「へへっ、お姫様は返してもらうよ」
絵里「なんてことだ…お姫様を守れなかった」
絵里「私は…どうしたら…」
花陽「諦めるんか?」
絵里「え?」
花陽「敵は軍隊…味方はいない」
花陽「そんな状況で仕方ないから、諦めんのか?」
花陽「お前は姫と約束したんやろ!外の世界を見せるって」
花陽「まだ、少ししか見せてないやん」
絵里「そうだった…約束を守る為にも」
絵里「私はもう一度姫を…」
花陽「皆!この王子に協力や!」
凛「はいよ!」
ことり「了解!」
穂乃果「うん…」
ことり(…?)
ゾロゾロ ゾロゾロゾロゾロ
希「そ、そんなことが…ぐわぁ」
海未「お父様…ごめんなさい」
海未「私は外の世界へ羽ばたきます」
希「認めんぞぉ!」
絵里「姫!」グイッ
海未「王子様!」
絵里「いこう!」
海未「はい!」
穂乃果(…)モヤモヤ
ことり「穂乃果ちゃん」
穂乃果「な、なに?」
ことり「このままでいいの?」
穂乃果「このまま?」
穂乃果「このままもなにも…劇は順調だよ?」
ことり「穂乃果ちゃんも案外素直じゃないよね」
ことり「海未ちゃんのこと好きなんでしょ?」
穂乃果「えっ…」
穂乃果「…///」カァァ
ことり「ことりは二人をずっと見てきたから」
穂乃果「う、うん」
穂乃果「…穂乃果は海未ちゃんが好き」
穂乃果「でも、これはお芝居だから…」
穂乃果「海未ちゃんも絵里ちゃんも…」
ことり「お芝居なら結ばれてもいい?」
ことり「本当にそうかな?」
ことり「これは本当にお芝居?」
穂乃果「えっ?」ズキッ
ことり「大丈夫…まだ間に合うよ」
ことり「お姫様…さらって来ちゃいなよ」
穂乃果「そ、そんなことが」
ことり「後のことはことりに任せて」
穂乃果「いいの!?」
ことり「いいよ、ほらもうすぐキスシーンだよ」
ことり「急がなきゃ」
穂乃果「…穂乃果、海未ちゃんをさらってくる」ダッ
ことり「ふふっ、ウサミミ着けたままいっちゃった」
絵里「やっと、会えた…」
絵里「姫…私は君を愛してる」
海未(…)
海未(…)
絵里「海未、セリフ!」ボソッ
海未「!」
海未「わ、わたしも…あいして」
穂乃果「ちょっとまったー!」ガシッ
海未「きゃっ!」
絵里「穂乃果!?」
海未「穂乃果!?あなたは何を…」
ザワザワ ザワザワ
ナンダアレ バニーガヒメヲ…
穂乃果「聞いてくださーい!」
穂乃果「私、高坂穂乃果は!」
穂乃果「王子様に海未ちゃんを渡す気なんて毛頭ありませーん!」
穂乃果「だから!海未ちゃんを」
穂乃果「さらっていきまーす!」ダッ
海未「穂乃果!」
絵里「はぁ!?」
ことり「穂乃果ちゃん!こっち!」
穂乃果「ありがとう!ことりちゃん!」
海未「えっ…ちょっと!なんのつもりですか!?説明しなさい!ことりー!」
海未「穂乃果ー!」
穂乃果「はっ!はっ!」タタッ
海未「ちょっと!穂乃果!もういいでしょ!」
海未「下ろしてください」
穂乃果「うん」トサッ
海未「まったく…どういうつもりですか!」
海未「劇が滅茶苦茶ですよ!」
穂乃果「海未ちゃん…」
穂乃果「穂乃果、海未ちゃんがお姫様になって…」
穂乃果「王子様にとられそうになって初めてわかった…」
穂乃果「穂乃果は海未ちゃんが好き!」
穂乃果「これから、海未ちゃんの運命の相手が…」
穂乃果「白馬に乗った王子様が現れたとしても…」
穂乃果「絶対に海未ちゃんを渡さない!」
穂乃果「海未ちゃんが嫌がってもさらってしまうから!」
海未「穂乃果…」キュウ
海未「でも…これは劇ですよ?」
海未「それなのにあんなに必死になって…」
海未「本当に穂乃果はおかしな人です」
海未「きっと皆に大迷惑をかけたと思いますよ?」
穂乃果「うっ…」グサッ
海未「下手したら、μ'sや学校の名前に泥を塗ったかもしれないですよ?」
穂乃果「う、うっ…」グサッグサッ
海未「でも、嬉しかったです」
穂乃果「…え?」
海未「だって私もあなたが好きだから」
海未「こんな滅茶苦茶なあなたが好き」
海未「まだ…抱き抱えられたときの手が熱い」
海未「ふふっ、ウサミミを着けたままですよ?」
海未「私にとって穂乃果は、さしずめ白い月の騎士ですね」
海未「何度だって私をさらいに来てください」
海未「でも…次私をさらうときは、もっと優しくお願いしますよ?」
おわり
翌日
穂乃果「すいませんでしたー!」ドゲザ
海未「私からも…すいませんでした」
絵里「もう!本当に劇が滅茶苦茶になるところだったのよ!」
希「ことりちゃんが上手いこと会場を乗せてくれたから助かったものの…」
ことり「えへへー、ことりアドリブには強いんだ」
絵里「でも、あなたがけしかけたんでしょ?ことり」
ことり「ぎくっ!」
絵里「まあ、でも…」
真姫「海未をお姫様抱っこして走っていく姿は、ちょっとカッコ良かったわよ」
凛「バニーだったけど」
にこ「ほら、校内新聞でも一面よ」
花陽「なになにー?スクールアイドル高坂穂乃果、お姫様を拉致!」
花陽「だって!」
穂乃果「うぅ…」
絵里「まあ今回は皆も許してあげてね、穂乃果だって勇気を出したんだから」
穂乃果「うん、穂乃果…演劇だからって海未ちゃんを他の人に渡したくなかったの」
海未「穂乃果…」
希「ヒューヒュー!カッコええな」
希「でもな?」
穂乃果「?」
希「もう学校中の注目の的になってるし、大変やと思うよー、海未ちゃんもな」
穂乃果「ええー!?」
海未「私も!?」
ほんとの終わり
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