魔王「本気を出せって?」 (100)

側近「はい、そうです」

側近「新世代の勇者はこれまでのボンクラとは比べものにならないほどの逸材」

側近「加えて、幼い頃より彼とともに育ち、固い絆で結ばれた女僧侶もいます」

側近「こちらも、次期賢者間違いなしと謳われた才女」

側近「高をくくって放置しておけば、我らが魔王軍の脅威となるでしょう」

魔王「へー」

側近「へー、とは何ですか、へーとは!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396632691

側近「私は貴女のことを考えて言っているのですよ」

側近「魔王様。さあ、ご決断ください」

側近「ここで勇者を潰しておけば、魔王様の覇道は約束されたも同然」

側近「勇者を倒すために――布団の中から、出てきてください!」

魔王「えー? めんどくさいなぁ」

側近「むきー!」

魔王「あ、でも、側近ちゃんがそこまで言うなら、」

魔王「頑張るのもやぶさかではなかったり……」

側近「えっ?」

魔王「そうでもなかったり……」

側近「うぎぎぎぎ……!」

魔王「あっ、ダメだ。お布団が気持ちよすぎる」

魔王「春は寝ているのが正解だなぁ。夏になったら起こして」

側近「夏まで待てるかぁ!!」

側近「その頃には、魔王軍は全滅していますよ!!!!」

魔王「そんなに、今度の勇者って有能なの?」

側近「そう言っているでしょう」

側近「7歳の頃に、魔物に襲われた幼馴染の女僧侶を守るために覚醒」

側近「その場でキングスライムを瞬殺しています」

魔王「ひゃー」

側近「そして、彼は15歳の今に至るまで鍛錬を続け、」

側近「女僧侶も、彼に負けじと学問、神事に励みました」

魔王「私には考えられないなぁ」

側近「正直、現時点で四天王と並びうる実力が彼らにはあります」

側近「加えて、転移魔法と蘇生魔法の存在……」

側近「ピンチになれば転移魔法で逃げ出して、」

側近「トドメをさしたかと思えば、蘇生魔法で復活する」

側近「勇者と女僧侶の組み合わせが、これほど性質の悪いものとは思いもしませんでした」

魔王「そうだねぇ」

側近「そうだねぇ、ではありません」

側近「勇者と女僧侶は強い。だからこそ、こうして魔王様に頼んでいるのです」

側近「その絶大なる御力によって、勇者どもを塵も残さず消滅させてください」

側近「魔王は自分から動くものではない。敵を待ち構え、粉砕するものだ」

側近「そう考えている魔界貴族たちからの突き上げは厳しくなるでしょうが……」

側近「それは私がすべて受け止めます」

側近「だから、どうか……どうか、勇者一行を倒してください」

側近「私たちの故郷、魔界を守ってください……!」

魔王「側近ちゃんがそこまで言うなら……」

側近「おお!」



魔王「本気を出すとするか」ゴウッ!



側近「……え?」

注! ここから濃厚なエロ展開になります。

「純真な少年勇者と、初心な女僧侶のエロエロな姿なんて見たくない!」

「やめてくれ! 女僧侶のビッチ化なんてたくさんだ!」

「勇者と女僧侶がさらわれた姫を一晩中犯すだって? そんなこと許されるはずがない」

と、お考えの紳士淑女の皆様は、そっとブラウザを閉じてください。

魔王「では、少し勇者と戯れてくる」ゴゴゴゴゴゴ

魔王「留守は任せたぞ、側近」ゴゴゴゴゴゴ

側近「は……はい!」

魔王「ではな」ビュン!

側近「行ってらっしゃいませ!!」

側近「よかった……よかった……」ポロポロ

側近「ようやく魔王様が本気を出してくれた」ポロポロ

側近「威厳と力に満ちたあのお姿」

側近「あれこそが魔王というものだ」

側近「これであの忌々しい勇者も葬り去られるだろう」

側近「それまでに、私は布団でも干して待っていよう」

側近「お疲れになった魔王様が、安らかに休まれるよう……」ヨイショ

魔王「ただいまー」ビュン!

側近「って、早ぁっ!?」

側近「どどどどうなさったんですか!?」

側近「忘れ物ですか? 愛用の杖でも忘れられたのですか?」

側近「それとも、もしかして……勇者を、瞬殺なさったのですか?」ゴクリ

魔王「いやー、それがさー」

魔王「思った以上に強くて、逃げ帰ってきちゃった」テヘペロ

側近「魔王様ぁああぁぁぁぁぁあああ!!!!」

側近「貴方様が全力をお出しになれば!!」

側近「たかが勇者ごとき、国ごと消滅させられるでしょうに!!!!」

側近「なぜ、そうなさらないのですか!?」

側近「先ほど見せていたやる気は、いったい何だったのですか!?」

魔王「いや、だって……」

魔王「そんなに本気で戦ったら、疲れるし……」

魔王「筋肉痛になっちゃうし……」

側近「あああああああああっ!!!!!!」

側近「はひー! はひー!」

側近「わ、私、怒りで過呼吸を起こしそうです!!」

側近「これが我らの魔王様……!」

側近「こんなぐーたらが、歴代最強の魔王様……!」

側近「幼い頃からそばに仕えて、いやというほど知ってはいましたが……」

側近「今度という今度は容赦せんぞ、魔王ぉぉぉぉぉおおお!!!!」

魔王「ま、まあまあ、落ち着いて側近ちゃん」

魔王「面倒臭くて、直接対決はつけなかったけど、」

魔王「ちゃんと魔王としての仕事はこなしたよ」

側近「……えっ?」

側近「そ、それはどういう?」

魔王「うん、あのね」

魔王「攻撃するついでに、勇者に私の細胞を植え付けてきたの」

魔王「最上級淫魔であるこの私の細胞を」

魔王「これで、放っておいても勇者たちは自滅するよ」

側近「???」

魔王「分かってなさそうな顔をしてるなぁ」

側近「いや、だって、魔王様の淫魔らしい姿なんて見たことありませんし」

側近「年がら年じゅう、ジャージ姿で布団に包まっている魔王様が、最上級淫魔?」

側近「種族のことですら、今さっき思い出しましたよ」

魔王「あー、ひどいんだ」

魔王「ほら、私、よく見るとスタイルいいでしょ?」

魔王「ほらほら、ないすばでぃーでしょ?」バイーン

側近「うっ……ま、まあ、魔王の衣装であれば、それっぽくは見えますが」

側近「それはともかく、魔王様の細胞を植え付けたという話でしたが、」

側近「そうすると、具体的にどうなるのですか?」

側近「あの勇者が怠惰な性格にでも変わるのですか?」

魔王「側近ちゃんってば、言い方きついんだから」

魔王「ふう。あのね、私の細胞を人間に植え付けるとね」

魔王「平たく言うと、すっごくエロエロになっちゃうの」

側近「はあ、エロエロ」

魔王「私の細胞は、その一片までが媚毒を含んでいるから、」

魔王「血の一滴でも相手に飲ませれば、その人は発情しちゃうの」

魔王「でも、毒が抜けると症状が治まっちゃうから……」

魔王「今回は、毒の発生源である細胞を、勇者に植え付けてみたの」

魔王「これで、勇者が生きている限りは、彼の体内で媚毒が作られ放題」

魔王「お堅い勇者も、これで堕落と淫楽の徒に!」

魔王「魔王討伐なんて手がつかないほど、女僧侶ちゃんとエッチに励むと思うよ」エッヘン

側近「お、おおお!」

魔王「それに、勇者と女僧侶ちゃんは優秀だって話だから……」

魔王「快楽を得るために、きっと、放っておいても人間界を滅ぼしてくれるよ」

側近「おお、そこまで考えての行動でしたか!」

魔王「ふふふ、私、とっても働き者」

側近「話を聞く限りでは、働くのは勇者っぽいんですけどね」

側近「とはいえ、まだ分からないことが多いですね」

側近「勇者と女僧侶が快楽のために人間界を滅ぼす?」

側近「どういうことですか、それは」

側近「色情狂になるだけではなく、殺人に快楽を見出すようになるのですか?」

側近「それは願ったりかなったりなのですが……」

魔王「ち、違うよー。そんな怖いことしないよ」

魔王「私はあくまで淫魔。人を殺すのは、むしろ苦手です!」

魔王「だから、私の細胞を植え付けられた勇者も、殺人ではなくて……」

魔王「セックスで、国を滅ぼす!」ドドーン

側近「……はあ」

魔王「まあ、焦らなくてもそのうち分かると思うよ」

魔王「そうだねー。一月ぐらいしたら、様子を見てみようか」

魔王「それまで、ほら」

魔王「側近ちゃん、お布団でぬくぬくしよ?」

側近「って、わわっ!」




<ヤ、ヤメロ!

<モウ、ゼッタイニナガサレンゾ!

<ウフフフフフ……

~一か月後~

側近「うう、流されやすい自分がうらめしい」ホッコリ

側近「ああ……それにしてもよく寝た」

側近「日付は……うわ、ちょうど一か月経ってる」

側近「こと睡眠にかけては、魔王様の右に出る者はいないな」

側近「まあ、そのおかげで、私は魔王様のことを睡魔と思い込んでいたのだが……」

側近「まさか、淫魔だったなんてなあ」

魔王「うぇへへへ……zzz」スピョルルルー

側近「……これが?」

側近「何だか不安になってきた」

側近「こんな魔王様の細胞を植え付けたところで、あの勇者が淫蕩にふけるとはとても思えない」

側近「もしかしたら、私が寝ている間に、人間界の拠点が次々と落とされているかも……」ゾクッ

側近「た、大変だ! 魔王様! 起きてください!」

側近「早く勇者の様子を確認しましょう!」

魔王「んー……?」

魔王「ふわあぁぁ」

魔王「おはよう、側近ちゃん」ニパッ

側近「はい、おはようございます」

側近「ではなく、確認ですよ、確認!」

側近「勇者がどうなったのか。人間界がどうなったのか」

側近「早く様子を見ましょう!」

魔王「んー? 側近ちゃんはせっかちだなあ」

魔王「まあ、いいや。うん」

魔王「じゃあ、勇者の様子を……」

魔王「この一か月、どこでどうしていたのか、順を追って見ていこう!」ジャーン!

側近「録画水晶!? 回りくどい真似を!!」ガビーン!

さて、エロシーンに進む前に、いったん休憩。

続きは明日の夜にでも!

勇者『くっ……手ごわかった』

勇者『あれが噂に聞く四天王か?』

女僧侶『おそらくは』

側近「おお、映りましたね」

側近「魔王様と戦った直後の出来事でしょうか」

魔王「うん、そうだね」

魔王「それにしても、ぷぷぷ。四天王だって」

魔王「私、魔王なのにね~」ケラケラ

側近「それだけ威厳がないということですよ……」

女僧侶『あっ、勇者様。首筋に怪我が……』

勇者『ん? 言われるまで気がつかなかった』

勇者『こんな小さな切り傷、放っておけば治るさ』

女僧侶『ダメです! 今、治療しますね』パァァ

勇者『おいおい……ふふっ』

魔王「はい、回復魔法きましたー」

魔王「何を隠そうあの切り傷こそが、私の細胞を埋め込んだ箇所なのです」

魔王「それを塞ぐということは、勇者の体に魔王細胞を癒着させるということ」

魔王「他ならぬ幼馴染の手で、滅亡の第一歩を踏み出すなんて……いいと思わない?」

側近「ずいぶんとえげつないですね」

側近「でも、非常によろしいですよ。これぞ魔王の所業というものです」

魔王「わーい、超久しぶりにほめられたー!」

魔王「さて、媚毒の効果が最大限に発揮されるのは夜だから、」

魔王「早送り機能を使って、録画映像を進めます」ピッ

側近「了解しました」

魔王「はい、夜が来ました!」ピッ

魔王「淫夢のカーニバル、開 幕 だ !」アゲアゲ

側近「そのポーズは止めてください」

勇者『くっ……はあはあ』

女僧侶『だ、大丈夫ですか、勇者様?』

女僧侶『お加減が優れないようですが……』

勇者『あ、ああ。心配ないよ、女僧侶』

勇者『久々に強敵と戦って、少し疲れたのかもしれない』

勇者『今日は早々に休むとするよ』

女僧侶『はい……お大事に』

バタン

勇者『……』

勇者『ふっ……くっ……』

勇者『くそ……何なんだ、いったい』

勇者『何で勃起が収まらないんだ……』

勇者『うう、我慢汁でパンツの中がぬるぬるだ』

勇者『着替えようにも……くっ、つっかえてなかなか出ない』

ボロン

勇者『ようやくパンツが脱げたが……』

勇者『何だ、この大きさは』

勇者『それに、体の奥から湧き上がってくるこの性欲は……』

勇者『もしかすると、昼間に戦った魔物は淫魔だったのかもしれないな』

勇者『淫魔の毒にあてられたか……情けないが、我慢できそうにない』

勇者『早々に処理して、早く眠ってしまおう』

勇者『こんな姿、女僧侶に見られたら嫌われてしまうからな……』シュッシュッ

魔王「うわー、勇者のおちんちん、おっきいねー」

魔王「側近ちゃんのよりもちょっと大きいよ!」

側近「やかましい!」

側近「っていうか、いつ見たんですか……」

魔王「え? 側近ちゃんが寝ている間に、毎晩いただいているけど?」

側近「道理で、ストイックなまでに性欲が湧いてこないと思った!!」ガビーン!

側近「淫魔め! この淫魔め!」

魔王「はーい、淫魔でーす」

側近「そうでした……」

側近「ごほん。まあ、私のことはいいのです」

側近「問題は勇者ですよ、勇者」

側近「どうやら順調に媚毒が働いているようですね」

側近「あのように夢中で手淫にふけって……」

側近「放っておけば、一晩中自慰をしていそうですね」

魔王「ふふふ、大・成・功!」ブイ!

魔王「それに、女僧侶ちゃんの方も罠にかかったみたいだね」

側近「ほう? と、いうと?」

魔王「ほら、勇者の部屋の扉を見て?」

魔王「隙間から女僧侶ちゃんがのぞいてる」

魔王「あんなに頬を上気させて……ほらほら、右手が股間に伸びてる」

魔王「勇者の体から、媚毒がフェロモンみたいに出ているんだね」

魔王「勇者ほどじゃないけど、女僧侶ちゃんも、今、エロエロに夢中になっていると思うよ」

側近「ほほう」

魔王「ちょっと視点を変えてみてみようか」ピッ

女僧侶『具合が悪いのかと思えば……』

女僧侶『ま、まさか、性欲処理だなんて』

女僧侶『でも、勇者様も私と同じく15歳』

女僧侶『この年頃の殿方は、性欲を持て余すと聞いたことがあります』

女僧侶『これまで我慢していたけれど、抑えが利かなくなったということでしょうか?』

女僧侶『それとも、これまでも私に隠れて処理なさっていたのでしょうか?』

女僧侶『私には分かりませんが……ああ、でも……』

女僧侶『何て淫靡な……』

側近「かぶりつきですね」

魔王「ふふふ、だねー」

魔王「まあ、勇者だ才女だと言ったところで、しょせんは男と女だからね」

魔王「性欲からは逃れられないと思うよ」

側近「ここから勇者たちの堕落が始まるわけですか」

側近「胸が熱くなりますね」

魔王「股間が、じゃなくて?」

側近「ちょっとやそっとのことでは勃たなくなるほど、搾り取っているのは誰ですか?」ギロッ

魔王「側近ちゃんも私の媚毒(体液)、使う?」レロー

側近「つばをためた口を近づけるな! 汚らしい!」

魔王「まあ、それはさておき、勇者のことを見てみよう!」

魔王「てっきり、その日の晩に女僧侶ちゃんと合体するかと思ったんだけど……」

魔王「さすが勇者だね。自慰だけで終わらせちゃった」

魔王「でも、女僧侶ちゃんはそうじゃないみたい」

魔王「扉の隙間から漏れ出る媚毒をたっぷり吸って……」

魔王「我慢できなくなっちゃったんだね」

魔王「ほら、二日目。昼間なのに、目がとろーんとしてる」

側近「修道院にいたという話ですから、色欲に耐性がなかったのでしょうね」

魔王「だろうねー」

女僧侶『勇者様……お辛いようでしたら、私の体をお使いください』

女僧侶『勇者様にでしたら、私……』

勇者『女僧侶……』

魔王「なんてことを言ってるけど、辛いのはむしろ女僧侶ちゃんだろうね」

側近「勇者のことを言い訳に、自分の火照りを慰めさせるわけですか」

魔王「媚毒による疼きと背徳感とで、すごく乱れそう」

女僧侶『ああっ、勇者様! 強く! もっと強く!』

勇者『はあっ、はあっ、女僧侶! くうっ!』パンパン!

魔王「ほら、すごい」

側近「あーあー、あんなに大きな声を上げて」

側近「宿屋の他の宿泊客に迷惑でしょうに」

魔王「大丈夫! 体温上昇と発汗に伴って発生したフェロモンが広がって、」

魔王「他のお客さんも、エロエロモードに突入してるはずだから!」

側近「凄まじいですね、魔王様の細胞!?」

魔王「ふふふ、見直したか!」フンス!

側近「ええ。正直、これほどとは思いませんでした」

側近「しかし、詰めが甘いようですね」

側近「ほら、見てください。満たされた二人が、幸せそうに寄り添って眠っています」

側近「これでは、翌日、元気に魔物退治に出かけるでしょう」

側近「昼間は冒険。夜はいちゃいちゃ」

側近「充実してますね。二人の繋がりは、ますます強くなるでしょう」

側近「これでは、敵に塩を送るようなものです。縁結びの神様ですよ」

魔王「ふふん、側近ちゃんは分かってないなー」

魔王「勇者の体には私の細胞が植え付けてあるんだよ?」

魔王「そして、それは性欲の高まりにつれて体に馴染み、」

魔王「ますます媚毒の効果を高めていく」

魔王「その影響を直に受ける勇者はもちろんのこと、」

魔王「媚毒漬けの勇者の体と、粘膜で繋がって……」

魔王「かつ、媚毒を含んだ勇者の体液を体に受けた女僧侶ちゃんも、」

魔王「もう、性の快楽から逃れられない」

魔王「セックスを覚えた思春期の少年少女……」

魔王「いや、うさぎさんか、お猿さん……」

魔王「いやいや、それ以上に、あのふたりはセックスに溺れると思うよ」

勇者『女僧侶……女僧侶……!』パンパン

女僧侶『ああっ、勇者様、ダメです、いけません!』

女僧侶『私たちには、魔王討伐の使命が……あっ、あっ、ああっ!!』

魔王「ほら、ね?」

側近「おお、真昼間から!」

側近「むわっとした空気が伝わってくるようですね」

魔王「だねー」

魔王「これで勇者と女僧侶は終わりだね」

魔王「もう、他のことなんて手が付けられないと思うよ」

魔王「あー、頑張った甲斐があった。結果が出てよかったー」ニパッ

側近「お、おおお……!」ワナワナ

側近「く、くぅー! あの怨敵勇者を、いとも容易く倒してしまわれるとは」

側近「私、これほどまでに、魔王様に仕えていてよかったと思ったことはありません」

魔王「側近ちゃんは相変わらず大げさだなー」

魔王「でも、側近ちゃんにほめられると、やっぱり嬉しいなー」テレテレ

魔王「だけど、まだ終わりじゃないよ、側近ちゃん」

側近「え?」

魔王「勇者と女僧侶は逸材だって話だったから……」

魔王「これで終わるだなんて、思えない」

魔王「きっとあの二人は、このままでは終わらずに……」

魔王「自分たちの快楽のために、周囲を巻き込んでいくと思う」

側近「え? と、言いますと?」

魔王「まあ、そこも含めて、録画映像の続きを見ていこうか」ピッ

今晩はこれで終わりです。

明日は、女僧侶の表情や衣装がエロくなったり、ドラゴンにさらわれた姫様をさらったりする予定。

お楽しみに!

側近は男なのかふたなり的な何かなのか

>>55
側近は男でございます。

~三日目~

勇者『女僧侶! 可愛いよ女僧侶』パンパン

女僧侶『ああっ、勇者様も、とってもたくまして……!』アンアン

側近「やってますね」

魔王「励んでるね」

~四日目~

勇者『女僧侶……! 俺、ずっとこうしたかったんだ!』パンパン

女僧侶『わっ、私もです! 私もです、勇者様ぁ!』アンアン

側近「まだやってますね」

魔王「頑張ってるね」

~五日目~

勇者『ふうふう、ふうう……っ!』パンパン

女僧侶『い、いけません、勇者様! せめて、せめて宿で……ああっ!』アンアン

側近「今度は野外でしていますよ」

魔王「あれは青姦って言うんだよ」

~六日目~

勇者『ううく、女僧侶……! どこでこんなプレイを……!』ヌルヌル

女僧侶『女友だちから聞いたことがあって……は、はしたないとは思わないでくださいね』ヌルヌル

側近「うわ、この二人、風呂場でなめくじみたいにからみあってますよ」

魔王「おお、ローションプレイだ。実物は初めて見たなあ」

側近「そうですか……で、いつまでこんなAVまがいの映像を見なくてはならないのですか?」

側近「勇者たちが周囲を巻き込んで自滅するという話はどうなったのですか?」

魔王「まあまあ、もうちょっと待ってよ」

魔王「私の予想だと、もうすぐ……あ、ほら!」

魔王「見て、女僧侶ちゃんの服!」

側近「はい?」

女僧侶『ふう……ふう……』

町人A『お、おい、見ろよあれ』

町人B『あの帽子、僧侶様か?』

町人C『それにしては、あの恰好。いやらしすぎるだろ……』

女僧侶『み、見られています。見られていますよ、勇者様』

勇者『恥ずかしがることはない』

勇者『それは天使のレオタードという性能の高い装備品なんだから』

勇者『何も恥ずかしがることはないんだよ?』ニコッ

女僧侶『は、はいぃ』ゾクゾク

側近「おお、これは」

側近「勇者と女僧侶なのに、何てふしだらな」

側近「ああ、見てくださいよ。この二人、我慢しきれなくなって……」

側近「路地裏でし始めましたよ。まるで野良犬ですね」

側近「それに、あーあー……フェロモンにあてられたのか、町人たちの様子もおかしいですし」

側近「これが続くと、町の機能が麻痺してしまいそうですね」

魔王「ふっふっふ」

側近「なるほど、こういうことだったのですね」

側近「人間どもを色狂いにするという……」

魔王「いーや、まだまだ!」

魔王「勇者と女僧侶ちゃんは、ここで終わるような人物じゃない」

魔王「優秀だって話だから、もっと大きなことをしてくれるはず」

魔王「そうなるまで、ちょっと早送りしてみようか」ピッ

~九日目~

勇者『覚悟しろ、ドラゴンめ! 姫は返してもらうぞ!』

ドラゴン『おのれ勇者め! おのれ勇者めぇぇぇ!!』

ドラゴン『我は死なぬ! 我は、我は……!』

女僧侶『勇者様、今です!』

勇者『はああああああっ!!』

ドラゴン『グアアアアアアアッ!!!!』

ズズーン

魔王「……」

側近「……」

魔王「……あれ?」

側近「あれ? じゃないでしょぉぉぉ!?!?!?」

側近「い、今の、軍団長のドラゴンですよね!?」

側近「大国の姫をさらうという大金星を挙げた……」

側近「有望株のドラゴンですよねぇ!?」

魔王「あ、うん……そう、かも?」

側近「私が眠ってさえいなければ、増援を送ることもできたのに……」ワナワナ

側近「これでは、勇者たちに手助けをしたようなものです!」

側近「何が、淫毒ですか! 魔王細胞ですか!」

側近「勇者たち、復活しているじゃないですかぁ!」

魔王「あ、あれ~? おかしいなあ」

魔王「私の淫毒から逃れられる人間なんて、いないはずなのに……」ダラダラ

側近「勇者が常人離れしているなんて、分かっていたことでしょうに」

側近「おそらく、耐性ができてしまったのでしょうね」

側近「勇者と女僧侶は、毒や麻痺、石化でも死なないそうですから」

側近「こんなポンコツ魔王の淫毒なんて、克服してしまったのでしょう」

魔王「そ、そんなはずは~」

側近「現実を見てくださいよ、魔王様」

側近「では、このAV紛いの記録映像は切ってしまいますよ」

側近「ここから先は、勇者一行の快進撃という、面白くもない内容になりそうですからね」フン

魔王「ま、待って! もうちょっと待って!」

魔王「たぶん、何か起きるはずだから……!」

側近「往生際が悪いですよ、魔王様」

側近「こんなもの、さっさとしまって、対策会議を開きま」

姫『きゃああああああっ!?』

側近「……ん?」

勇者『これで邪魔をする者はいなくなったな』

女僧侶『そうですね、勇者様』

女僧侶『腑抜け揃いの人間の軍隊は、ここには近づきませんし』

女僧侶『この洞窟の魔物は、一匹残らず片付けました』

女僧侶『少なくとも、一週間は姫を自由にできるかと』

勇者『ふっ、三日で十分だ』

女僧侶『さすが勇者様』ニコッ

姫『貴方たちは、何を……何を……!?』ブルブル

女僧侶『何を、ですって?』

勇者『そんなの決まっている』

勇者『姫、貴女を調教して……』

女僧侶『勇者様のお情けなしでは、生きていけない体にするのです』

姫『何のためにそのようなことを!?』

勇者『ははは』

女僧侶『愚問ですね』

勇者『俺たちは愛に……セックスに目覚めただけなのに』

女僧侶『兵隊たちは、私がちょっと裸を見せただけで、いちいち邪魔をしに来るのです』

勇者『宿屋の店主も、喘ぎ声がうるさいと苦情を言ってくるしな』

女僧侶『まったく、この国はいつからこんなに狭量になったのか』

姫『セック……!?』カァァ

姫『そんなもの、取り締まるに決まっています!』

姫『異常なのは貴方がたです!!』

女僧侶『姫様。貴女は、以前の私とそっくりですね』

女僧侶『女の悦びを知らず、男女の営みに汚らわしさを感じる純情な少女』

女僧侶『他のどうでもいいことに気を取られて、セックスを忌避する哀れな女』

女僧侶『私は、勇者様のおかげで目覚めました』

女僧侶『人間の幸せは、つまるところ三大欲求に帰結するのだと』

女僧侶『寝て、食べて、セックスをして、寝て、食べて、セックスをして……』

女僧侶『これだけで人間は幸せになれるのです』

女僧侶『これこそが人間の幸せなのです』

勇者『それをみんなに知ってもらいたくて、俺たちは……』

勇者『まずは、姫様に目覚めてもらうことにした』

女僧侶『古今東西、どのような改革も、まずは上から始めるものです』

女僧侶『姫様のお力添えがあれば……きっと、この国に幸せが満ち溢れますよ』ニコッ

姫『狂っている……! 貴方たちは狂っています!』

勇者『どうしようか、女僧侶』

勇者『どうやら姫は、勘違いなされているようだ』

女僧侶『ふふっ、ささいな誤解というものです』

女僧侶『セックスを体感すれば、きっと姫様も分かってくれます』

女僧侶『私たちもそうでしたし……ね?』

勇者『ああ、その通りだな!』

姫『やめ、止めてください……!』フルフル

姫『いや、やだ、近づかないで……!』ガタガタ

姫『やだ、止めて! 止めて!!』

姫『助けて! 助けて、お父様! お母様!』

姫『たす、助け、あっ、ああっ、ああ!!』

姫『ああああーーーっ!?』

側近「……すごいことになりましたね」

魔王「でしょ?」ドヤ

側近「ドヤ顔は止めてください」

側近「とはいえ、アクシデントはありましたが、おおむね魔王様の予想通りになりましたね」

側近「ドラゴンは惜しいことをしましたが……」

側近「代わりに、あの忌々しい大国をソドムやゴモラのようにできるのなら、」

側近「結果は上々と見ていいでしょう」

側近「しかし、勇者たちは素晴らしいですね」

側近「ドラゴンから姫を救いに行くふりをして、」

側近「誰にも悟られない、ドラゴンの巣の最奥で姫の調教を行うとは」

側近「国に戻ったころには、姫は勇者たちの言いなりですか」

側近「そして、国王は何も知らず、変わってしまった姫を迎え入れる、と」

側近「浸透戦略とは、かくありたいものですね」

魔王「勇者たちが有能でよかったねー」

魔王「ただの勇者だったら、淫毒に脳みそがとろけちゃって」

魔王「他のことなんて、考える余裕もなかったと思うよ」

側近「おそらく、勇者と女僧侶が、今の立場でなければそうなっていたでしょう」

側近「しかし、彼らには救世という使命があります」

側近「幼い頃から宿命づけられていた、この上ない使命が」

側近「そこに責任感の強さが加わって、淫毒に侵されても、その点だけは変わらなかったのでしょうね」

側近「ただ、『セックスによって世界を救う』という、とんでもない理論に変わっていますけど……」

魔王「ふふふ、私の淫毒に勝てる人間などいない!」ブイッ!

側近「いや、素晴らしい」

姫『何これ、何これぇ……!?』トロー

女僧侶『おや、勇者様の体液が効いてきたようですね』

姫『たい、えき?』

女僧侶『どうしてか、勇者様の体液には催淫作用があります』

女僧侶『これを経口摂取するか、粘膜で吸収すれば……処女でもよがり狂うのですよ』

女僧侶『ふふっ、きっと、これも勇者様の優しさの証ですね』

女僧侶『破瓜の痛みを憐れむ心が、奇跡を起こしたのです』

姫『ちが、違うぅ』

姫『これは、禍々しい、不吉な……』

勇者『おっ、膣がこなれてきたな』ズッズッ

姫『あっ、あああっ!?』

~姫調教二日目~

姫『止めて、もう止めてください……あっあっ!』

勇者『またそんなこと言って。腰が動いていますよ、姫』

勇者『快楽を享受すれば、もっと気持ちよくなれるのに』

姫『わ、私は大国の姫。悪漢の甘言には、んっ、決して乗りません!』ハァハァ

勇者『ふー、やれやれ。これは骨が折れそうだ』

勇者『これはまた、【説得】が必要かな?』

姫『っ!?』

姫『い、いやです! 止めてください!』

勇者『そうは言っても、俺も姫には楽しんでもらいたいし……』

姫『や、やだ! その手を近づけないで!』

姫『やだぁ! 説得、やだぁ!』

勇者『じゃあ、姫』

姫『や……』

勇者『姫の頭と体に、【説得】、しますね?』

姫『あーーーーーっ!!』

姫『あっあっあああ!』

姫『きもちいいよぅ! もっとして! もっと!』

勇者『こうですか?』パンパン

姫『いいいぃ!』

姫『セックス、きもちいぃ!』

姫『セックス、だいすき!』

勇者『ふふふ……』

側近「うわぁ、ずいぶんとえげつないことをしますね」

側近「混乱魔法(メダパニ)と幻惑魔法(マヌーサ)の複合魔法をかけるだなんて……」

側近「それを性交目的に最適化し、淫毒の効果と合わせることで……」

側近「制限時間つきながら、人格にすら影響を与えていますね」

魔王「さすが、優秀な勇者」

魔王「淫毒に侵されてたった一週間で、新しい魔法と、それの有効利用法を生み出すだなんて……」

魔王「あっ、姫ちゃんが正気に返った」

魔王「あっ、でも、また魔法をかけられた」

魔王「うわー、脳みそに擦り込むように、両手で姫ちゃんの頭を挟んでる」

魔王「これはもう、洗脳魔法だね、洗脳魔法」

魔王「私も真似しようかな……」

側近「……私を含めたボスクラスの魔物に、精神魔法は通じませんからね?」

魔王「ちぇー」

~姫調教三日目~

姫『勇者さまぁ。姫はさびしゅうございます』

姫『せっかく勇者さまと仲良くなれたのに、国に帰らなくてはならないなんて……』

姫『このまま、ずっと勇者さまとセックスしていたいですぅ』

勇者『でも、姫には大事な役目があるからな』

勇者『王を始めとする、頭の固い連中を【説得】するという大役が』

勇者『これは姫しかできないことなんだ。だから、姫は国に帰らなくちゃ』

姫『でも、やはりさびしいです』

姫『当分の間、勇者さまとオマンコできないなんてぇ』

勇者『姫がうまくやれば、ご褒美に何度も抱きに来るさ』

勇者『だから、頑張るんだぞ? いいな?』

姫『はい……はい! 姫は、その言葉をお待ちしておりました!』

姫『きっと、きっと来てくださいね』

姫『姫、頑張りますから……!』

勇者『ああ、約束だ』

姫『なら……』

姫『それまで我慢できるように、姫の子宮にたっぷりと精を飲ませてください』

姫『それで姫は頑張れますからぁ……』

勇者『強欲な姫君だ……なっ!』ズン

姫『ああん♪』

側近「……何というか、人間、変われば変わるものですね」

側近「一日中、洗脳魔法をかけられながら抱かれたせいで、」

側近「姫、すっかり色狂いになっていますよ」

側近「抵抗なく真っ裸になって、躊躇なく胸を勇者に押しつけて……」

魔王「まあ、人間は弱いからねー」

魔王「薬や魔法であっさりと『変化』しちゃう」

魔王「あの勇者だって、私の細胞をちょこっと植え付けただけでこうなったんだから……」

魔王「その勇者が全力を出せば、姫なんてイチコロだよ」

側近「ですね」

~四日目。姫調教完了~

勇者『さあ、城に着いたぞ』

勇者『ここまで来れば、もう安心だ』

勇者『もう、邪魔は入らない……』ニヤッ

女僧侶『姫様、【説得】の際には、これを使ってください』

女僧侶『勇者様の体液を煮詰めて作った丸薬です』

女僧侶『飲めば一時的に男女を狂わすフェロモンが出るようになり、』

女僧侶『香炉で焚けば、広範囲に渡って同じ効果を得られます』

女僧侶『これを使って、この国に愛を広めてくださいね』ニコッ

姫『まあ、何から何まで……』

姫『ありがとうございます、勇者様、女僧侶様』

姫『姫、きっとうまくやりますね』

姫『お父様やお母様、兄弟たちに愛を説いて……』

姫『王宮を、城下町を愛で満たして……』

姫『誰もが幸せに暮らせる国を、きっと作ります』

姫『作りますから……』

姫『そうしたら、ご褒美をくださいね』

姫『……ご主人様』ゾクゾク

魔王「堕ちたね」

側近「堕ちましたな」

魔王「これで大国も終わりだね」

魔王「姫に染み込んだ淫毒だけで十分かなー、って思ってたけど、」

魔王「まさか、薬まで作っていたなんて」

魔王「これで、大国陥落までの時間は、ぐっと縮まったと思うよ」

側近「勇者に劣らず、やはり女僧侶も優秀ですね」

魔王「そうだねー」

側近「ふう。これで目の上のたんこぶが、また一つなくなりましたね」

魔王「まだまだ! 人間界は広いからね。まだまだ勇者たちには頑張ってもらわなくちゃ」

側近「気の長い話になりそうですね……」

魔王「そうでもないよ」

魔王「勇者と女僧侶は一線を越えた」

魔王「自分たちだけじゃなくて、他人を巻き込むことを知った」

魔王「これで、もう歯止めは効かなくなる」

魔王「雪だるまがどんどん大きくなるように……」

魔王「二人は、加速度的に人間界を侵していくよ」

側近「……」ゴクリ

魔王「それじゃ、次のVTR、いってみよー」ピッ

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