ほむら「ペットが欲しいわ」 (93)

まどマギSSですよ。

黒いまどっちさまがいらっしゃいますので、苦手な方はバックしてね。

あと『叛逆の物語』後のお話なので、未見の方はご注意願いますです。

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ほむら「どうしようかしら……」

まどか「ほむらちゃ~ん、ごはん出来たよ♪
ニンニクたっぷりラーメン♪」

ほむら「あらっ! ありがとうまどか☆」

ほむら(悪魔パワーで嫁は出来た。
様々な記憶操作もバッチリだから、我が家は誰にも邪魔されない私とまどかの愛の巣よ)

ほむら(とはいえそろそろ新しい刺激が欲しいところであり、
その為にはペットを飼うとか良いかなと思っていたりもするのだ)

ほむら「明るい家族計画みたいなものね」

まどか「ひとり言とかキモっ」

ほむら「まどか?」

まどか「ごはん早く食べないと冷めちゃうよって言ったんだよ♪」

ほむら「それもそうね」

ほむら「それじゃあいただきましょうか。
いつもありがとう」

まどか「気にしなくて良いんだよっ♪」


??『待ちなさい!』


ほむら「!?」

まどか「マミさんだ♪」ボソッ

ほむら「……よく入ってこれたわね。
家には結界が張ってあったはずだけど」

マミ「そうね。それを抜けるのに結構苦労したわ」

まどか「えっ、だ、誰ですか!?」

マミ「鹿目さん……」

ほむら(なるべくまどかを一人占めしたいので、まどかからは余計な記憶は消してある。
その為に人間関係も必要最低限なものに留めてあるので、彼女は巴マミの事も覚えていないのだ)

ほむら「さすがは私、悪魔・暁美ほむら」

まどか「まーたひとり言か」

ほむら「まどか?」

まどか「ねえほむらちゃん、あの人なんなのかな? 突然人のお家に入ってきて……」

マミ「鹿目さん……必ずあなたを救ってみせるわ」

ほむら「……あなたは記憶を取り戻したみたいね」

マミ「そうよ。鹿目さんの事だけじゃなくて、あなたの正体も、ね」

ほむら「私の力から抜け出すなんてやるじゃないの。
さすがは歴代魔法少女の中でも有数の実力者たる巴マミ」

マミ「えっ?///
うふふっ、いえそんなそこまで凄くはないわよぉ/// うふふふっ///」

ほむら「それで、この私相手にどうするの?」

マミ「悪いけど、倒させて貰うわ」

ほむら「かつての私ならいざ知らず、今の私に勝てるとでも?」

マミ「……難しいのかもしれないわね。
でも、ここで負ける訳にはいかないの!」


バッ!


ほむら「勇ましい事。
やはりあなたは魔法少女の鏡ね」

マミ「えっ?///
うふふっ、いえそんなそこまで凄くはないわよぉ/// うふふふふふふっ///」

マミ「そうだっ! 褒めてくれたお礼に、サービスとして両手を使わずに戦ってあげるわ!///」

マミ「大丈夫、戦いの途中で『サービス期間は終わったのさ』とか言わないから///」

ほむら(……!)キュピーン

マミ「うふふっ///」

ほむら「閃いたわ!」


☆マミリオン☆


マミ「きゃあっ!」ドサッ

ほむら「ふっふっふっ……」

マミ「ま、待って待って! 私の負け!
なんでもするから、だから命だけはぁ……」ウルウル

ほむら「なんでもする? 本当ね?」

マミ「は、はい!」

ほむら「ならば──」

ほむら「暁美ほむらの名において命ずる。
巴マミ、あなたは家のペットになりなさいっ!」

─────────────────────

ほむら「まったく、それにしてもこの私の元に一人で乗り込んでくるなんてね。
せめて美樹さやかとか杏子を連れてくればよかったのに」

マミ「だって、美樹さんは記憶が曖昧だし、佐倉さんはまだまったく覚えていなくてね。
そんな二人を巻き込みたくなかったし……」

マミ「それになにより、先輩の私から協力を求めるなんてカッコ悪いじゃない?」ドヤガオ

ほむら「ああぁん!?」

マミ「ひっ!?
カ、カッコ悪いじゃないにゃあ?」

ほむら「そうそう。今のあなたは家の猫なんだから、語尾に『にゃあ』をつけないと駄目よ」

マミ「わかったにゃあ!」

まどか「でもでも、またこうやってマミさんとお喋り出来るなんて嬉しいなぁ。
しかも一緒に暮らせるなんて!」

マミ「うふふっ、私も鹿目さんと一緒だなんて嬉しいわ♪
……えっ?」

ほむら「……えっ? まどか、巴マミの記憶が……?」

まどか「うん、思い出した」

まどか「なんで忘れてたのかなあ?
マミさんはとっても素敵な魔法少女で、わたしの大好きな先輩!」

マミ「鹿目さん……!」ウルウル

ほむら「こ・のッッッ!」


ぐいっ!


マミ「きゃあっ!
暁美さ……ううん、ご、ご主人さまっ、髪の毛引っ張っちゃダメよにゃあ!」

まどか「やっぱりマミさんはかっこ良いなあ。
わたしもマミさんみたいになりたい!」

マミ「鹿目さん……!」ウルウル

ほむら「ともぉぉぉぉぉえマミぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


ぐるぐるぐる!


マミ「きゃあっ!
ご主人さま、私のくるくる髪の毛を指でくるくるしちゃダメよにゃん!」


ぎゅっ!


まどか「ほむらちゃん?」

ほむら(このままではまずい!
まどかの巴マミ株を上げるのも駄目だけれど、
下手をしたら概念だった頃の記憶まで取り戻してしまうかもしれない!)

ほむら(だからいつもみたいにこうして……)

まどか「ほ、ほむらちゃん苦しいよ……!」ジタバタ!

ほむら「──あっ、ごめんなさい! きつく抱き締めすぎたかしら?」

まどか「ううん、わたしこそごめんね暴れちゃって」

ほむら「いいえ、私が悪かったのよ」

ほむら(……よかった。少なくとも、『円環の理』の頃を思い出しまではしなかったみたいね)

まどか「ほむらちゃんお口がニンニク臭いんだよ」

ほむら「まどか?」


ぐうぅぅぅぅぅぅ。


マミ「あっ///」

ほむら「なによ巴マミ。空腹なの?」

マミ「え、ええ。
ご主人さまの所に乗り込むんだと決めてから、一日くらいご飯が食べられなかったのにゃあ」

ほむら「あら、戦うのが怖かったの? 情けない猫ね」

マミ「……うん。正直、今だって戦いそのものは怖いわ」

マミ「でもそんな事よりも、悪魔になってしまったとはいえ、
元は大切な仲間だった暁美さんと戦うのは辛いなって……」

マミ「そう思ったら、食欲が無くなってしまって……」

ほむら「…………
……あいかわらず繊細な人ね」

マミ「……まあ、今は気が抜けてしまったからか、それでお腹が空いちゃったみたいだけどね」

ほむら「あと、また忘れているけれど、私は『ご主人さま』よ。駄猫マミ!」デコピン!

マミ「きゃぅっ!」

まどか「マミねこさん、お腹空いてるなら一緒に食べましょうよ。
わたしたち、ちょうど食事中だったんだ~♪」

ほむら「そうね。ペットにエサは必要だもの」

マミ「ありがとう!
……で、でもエサって、もしかして私はキャットフードとかにゃあ……?」

ほむら「そんな事はしないから安心しなさい。
ペット用の食べ物でも、猫には猫の、犬には犬用の物があるんだから、あなたには人間用の食べ物をあげるわ」

マミ「ご主人さまありがとうにゃん!
……あれ? でも今の私はネコなのよねにゃん……?」

ほむら「キャットフードが食べたいならそれでも良いわよ?」

マミ「人間のご飯が食べたいですにゃあ!」

まどか「──はいっ、マミねこさんのラーメン持ってきたよ♪」

マミ「あら、ありがとう♪」

マミ「……わあ、美味しそうっ!」

まどか「ティヒヒッ!」

ほむら「さて、じゃあ私の膝に乗りなさい」

マミ「えっ?」

ほむら「『えっ?』じゃないわ。ペットは主人の膝の上に乗るものでしょう?」

マミ「……確かにイメージの一つとしてあるわねにゃん。
でも、お食事する時は別にしないと思うけどにゃぁ……」

ほむら「私に逆らうのかしら?」ギロッ

マミ「逆らわないにゃあ!」


そっ。


ほむら「ふふっ、良い子ね……」ナデナデ

マミ「あっ……///」ドキッ

マミ「……にゃぁ……」トロン…

ほむら「喜びなさいマミねこ。
私がまどか特製ラーメンを食べさせてあげるわ」

マミ「えっ?」

ほむら「ほら、あ~ん」

マミ「いや、ご主人さまのお膝に乗っている体勢でラーメンを『あ~ん』は……
って汁が飛んでる! 飛んでるわ!」


べちゃっ!


マミ「熱っつ!?」

ほむら「ちゃんと口を開かないからよ。
ほらしっかり噛んで飲み込みなさい」

マミ「辛っ!? 辛すぎる!?」

まどか「マミねこさん用に唐辛子だけでおダシを取ったラーメンだよ。
麺にも唐辛子を練りこんであるし、具材も全部唐辛子♪」

まどか「マミねこさんは、一日三食全部で激辛物を食べるくらい辛いの好きだったよね?」

マミ「どこ情報!? 辛いものは特別好きじゃないわぁむっ!?」

ほむら「せっかくまどかが作ってくれたんだから全部食べなさいね」

マミ「ハフッ、ハフッ……!
で、でもこれ辛味しか感じない……」

まどか「あれ……? 辛いの好きじゃなかったでしたっけ……」

まどか「すみませんマミねこさん、わたしまだ記憶が混乱してるみたいで……
すみません……」

ほむら「!!!
ほ、ほらマミねこ、まどかが落ち込んでしまったじゃないの!」

マミ「ご、ごごめんなさい鹿目さんっ、ぜ、全部いただくわ。
今のはただ辛さにビックリしちゃっただけだから!」

ほむら「このダメ猫っ!」オシリペーン!

マミ「きゃあっ!」

─────────────────────

ほむら「ふう、お腹いっぱいね。
……けぷ」

まどか「だからニンニク臭いよ」

ほむら「まどか?」

マミ「ご、ごちそうさまでした……」

まどか「おそまつさまでした~」

まどか「……辛さに悶えるマミねこさん最高♪ 作戦成功♪」

マミ「鹿目さん?」

まどか「なにかデザート持ってこようか?」

ほむら「そうね。
私はアイスが食べたいわ」

まどか「うんっ。
バニラと抹茶とみぞれとチョコがあるけどどれが良い?」

ほむら「コーンポタージュ味が良いわ」

まどか「わかった♪
マミねこさんは?」

マミ「…………」

まどか「マミねこさん?」

マミ「あ、あの……ちょっとお手洗いを借りても良いかしらにゃあ?」

ほむら「ええ、もちろん構わないわよ。
じゃあペット用のトイレ……は無かったわ。どうしようかしら」

ほむら「それを買ってくるまで我慢出来る?」

マミ「い、いや普通に人間用のお手洗いをにゃあ!」

ほむら「ペットはペット用トイレで用を足すものでしょう?」

マミ「そ、そうだけど!」

まどか「マミねこさん顔真っ青」

マミ「か、辛いのがちょっとお腹にきちゃったみたいで……
空腹だったのもあると思うにゃあ」

ほむら「なんだ、大きい方?
じゃあ普通のトイレを使いなさい。
大きい方は処理が大変だし、さすがにニオイもあれだから」

マミ「ホッ……」

ほむら「でも、今後小さい方はペット用トイレでして貰うわよ」

マミ「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

マミ「──あ っ … … ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !」

─────────────────────

マミ「うぅ……ぐすっ」

まどか「はいマミねこさん、背中流しますよー」


ザバー。


マミ「ありがとう鹿目さん……」グスン

まどか「良いんですよ」

まどか「むしろ、さっきマミねこさんの可愛い姿を見れた上に、こうやって素敵な身体まで好きに出来て狙い通りだよ♪」

マミ「鹿目さん?」

まどか「はいっ、キレイになった!」


ガラッ。


ほむら「私も入るわ」

まどか「あっ、ほむらちゃん待ってたよ~」

マミ「あ、あの……
ご主人さま、ごめんね。その……にゃぁ……」

ほむら「気にする事は無いわ。
ペットの後始末は飼い主の務めですもの」

ほむら「そんな務め一つ果たせないような者は、ペットなんか飼うべきではない」

まどか「さっすがほむらちゃん! わたしの旦那さん!」チュッ

ほむら「うふふ///」

マミ「でもご主人さま……悪魔なのに」

ほむら「自分の考えだもの。
それを通すのに悪魔もなにもないわ」

マミ「いえ、そうじゃなくて発想というか考え方そのものというか……っひ!?」

ほむら「それにしても、相変わらず立派な胸だ事」ムニムニ

ほむら「他の肉付きは特別いうほどではないのに、なんなのよ……!」ムニー!

マミ「ご、ご主人さまダメよにゃあ!」

まどか「そうだよほむらちゃん。
そんな風に揉んだら痛いでしょ」モミモミマミマミ♪

マミ「にゃうんっ!///」

ほむら(!? マミねこの反応が違う!?)

まどか「ティヒヒっ、大きな胸はこうするのが正解だよ♪」

マミ(あっ、あっ、あっ、何コレ何コレ!?
暁美さんに触られるのとか、一人でやる時とは全然違う!?)

まどか「ほらほら、『にゃんにゃん』鳴かないとやめちゃうよ?」ニタア…

マミ「にゃ、にゃんっ!にゃんにゃんにゃぁっ!///」

まどか「もうや~めた♪」

マミ「!?」

マミ「な、なんで……?」

まどか「手が疲れちゃったんです♪」

マミ「そんなぁ!?」

ほむら「なに? ペットがまどかに逆らうの?
あなたの主人の嫁はあなたの主人も同じなのよ」ギロッ!

マミ「逆らわないにゃあっ!」

マミ「って、『我が師の師は我が師も同じ』みたいに言わないでよ……」

まどか「二人とも、お湯に浸かろうよ」

マミ「にゃぅ……そうね……」ションボリ

ほむら「待って、私は軽く身体を洗ってからにしたいわ」

まどか「そっか。それもそうだね」

ほむら「マミねこ、私の身体を綺麗にしなさい」

マミ「わかったわにゃあ」


コシコシ……


マミ「あら、やっぱりご主人さまの肌は綺麗ねにゃん」

ほむら「……主人に媚を売るとは、この猫め」

マミ「媚とかじゃないわよ。本当に綺麗にゃん」

ほむら「う、うるさいのよ///」

マミ「あら、照れちゃった? 可愛いところあるじゃない」

ほむら「~~~!///」

ほむら「あとでポリエステルかナイロン100パーセントのタオル買ってきて、
あなたの肌を力いっぱい洗ってあげるわ!」

マミ「やめてぇぇぇぇぇぇ! お肌に傷がついちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

まどか「はぁ~、マミノンノ♪ ほむっと良っい湯っだっな♪」ユッタリ

─────────────────────

まどか「気持ちよかったね♪」

マミ「ええ♪」

ほむら「さて、じゃあ散歩に行くわよ」

マミ「えっ!?」

ほむら「異論でも?」

マミ「だって、お風呂に入ったばかりなのに……
どうせならお風呂前に行きたかったなにゃぁ」

ほむら「あなたのせいでお風呂が先になったんじゃないの」

マミ「……あっ///」

まどか「はい、首輪持ってきたよ♪」

ほむら「ありがとうまどか」

マミ「ご主人さまが散歩に行くって言ってから持ってくるまで早!
そしてなんで首輪なんてあるの!?
しかもリード部分が鎖の!」

ほむら「さあ、つけるわよマミいぬ」

マミ「わかった……
にゃ? 犬?」

ほむら「ええ。ここからはあなたは犬よ」

マミ「???」

ほむら「色んなあなたが見たいからね」

マミ「にゃっ!?」

ほむら「ここからは『ワン』よ。
間違えたらひ ど い 目に合わせるから」ニタア…

マミ「ワン!」


シャラン。


まどか「──はいっ、マミいぬさんに首輪つけたよ♪」

マミ「えっ、あれ!? いつの間に!?」

ほむら「じゃあ行きましょうか」


ぐいっ!


マミ「あぅっ!///
……も、もしかして、私四つん這いになるとか……?」

ほむら「いいえ、これもエサの時と同じね。
マミいぬは四つん這いで歩く生き物ではないのだから、そんな事しろなんて言わないわ」

マミ「ホッ。
……あれ? でも、そうしたらこの鎖のリードつきの首輪はちゃんとつけて外を歩くの?」

ほむら「そうだけど?」

マミ「恥ずかしいわよそれ!」

まどか「マミいぬさんは恥ずかしがり屋さんだったんですね♪」

マミ「いや私もだけど、二人も確実に変な目で見られるわよ!?」

ほむら「あなたはどこまで愚かなの。
私を誰だと思っているのかしら?」

マミ「えっ?」

ほむら「そんなもの、私の力でどうとでもなるわ。
それが当たり前のように、通行人たちの脳を操作でもなんでもすれば良い」

マミ「そんな事が可能なの?」

ほむら「ふん、当然でしょう?」

まどか「まあ、ほむらちゃんがダメだったらわたしがやるよ♪」

マミ「えっ?」

ほむら「まどか?」

まどか「じゃあ出発しよ~~~っ!」

─────────────────────

マミ「凄い……
本当に誰もおかしな目で見てこないわ」

ほむら「ふっ、これが私の力よ」

ほむら「なんといっても、この世界は私の『楽園──パーフェクト・ワールド──』なのだから、
私に不可能は無いのよ」ニヤッ

マミ「まあっ、カッコ良いワン……!」キラキラキラ!

まどか「酷く中二病なネーミングだね、それ」

マミ「鹿目さん?」

ほむら「まどか?」

まどか「わたし、カニ食べたいなぁ」

ほむら「また突然ね」

ほむら「……でもまあ小腹は空いたかもね。
さすがにカニはすぐには用意出来ないけれど、あとで適当に軽く買い食いでもしましょうか」

まどか「うんっ」

ほむら「まどかはなにが良い?」

まどか「メロンドリア♪」

ほむら「私は、かぼちゃのハッカうどんにしようかしら」

マミ「両方聞いた事ないわよワン!?」

ほむら「マミいぬはなにか食べたい物はあるのかしら?」

マミ「ん……ごめんなさい、さっきのラーメンが効いていて、もうお腹は空いてないの」

ほむら「まったく、こういう時にガッつくのが犬でしょうに」

まどか「犬は犬でもメス犬か」

マミ「鹿目さん?」

まどか「あっ!」

警官「君たちちょっと良いかな?」

マミ「ひっ、お巡りさん!」

ほむら(……洗脳が完璧じゃなかったのかしら?)

警官「君たち何歳? お父さんやお母さんは?」

ほむら「あ……」

ほむら(そういう事か。
まあ、もう完全に夜だしね)

マミ「あ、あ、ええと……」

マミ(お、お、おおおおおおお落ちおちおち落ち着くのよマミ、
ここここここここここここここここここここここここここっここここは年長者として私がキチンと対応しなきゃ……!)

まどか「すみません、わたしたちだけでお散歩してたんです。
すぐに帰ります」キュィィィン

警官「……わかった。気を付けてね」

まどか「はい」

マミ「あ、あら???」

まどか「ふぅ~、話のわかるお巡りさんで助かったね♪」

ほむら「???
まどか、もしかしてあなた、何かした?」

まどか「ところでマミいぬさん、『鹿目さん』はそろそろやめて欲しいかなって」

マミ「えっ?」

まどか「ほら、わたしたちはもう家族でしょ?
だからその呼び方はちょっと寂しいです」

マミ「家族……」

ほむら「……ふむ、確かにそうね。
主人と主人の嫁と、そのペットという関係としてはあまり適切ではない呼び方だわ」

マミ「え、えっと……
じゃあ、なんて呼んだら良いかしら?」

まどか「円環の理たる美の女神・まどか様」

マミ「えっ?」

ほむら「まどか?」

まどか「すみません、噛んじゃいました♪」

マミ「いや、わざとのように感じたけれど……」

まどか「噛んでぃやいマミた♪」

マミ・ほむら『わざとじゃない!』

キュゥべえ「きゅ?」


パアンッッ!!!


マミ「!!?
今なにか弾けた!? 弾けたわよね!?」

まどか「なにやってるの? ほむらちゃん」

ほむら「ちょっと下賎なケモノを見つけたから処分しただけよ」

まどか「それよりも、『ご主人さま』はほむらちゃんだし、普通に『まどか』で良いですよ」

マミ「あ……えっと……」チラッ

ほむら「?
こんな事、私に許可なんかいらないわよ」

ほむら「良いんじゃないの?
まどかの言った通りペットという存在は家族なんだし、ならば名前呼びの方が自然よ」

マミ「じゃあ、ご主人さまもワン……?」

ほむら「あ、私に対しては『ご主人さま』と呼びなさいね?」クビワヲ、グイッ!

マミ「きゃぁぅっ!///」

マミ「……う、うん……じゃあ……
まどか、さん?」

まどか「さすがに『さん』はこそばゆいですよ~」

マミ「えっと、じゃあ……
まどか、ちゃん///」

まどか「はいっ、マミいぬさん!」

マミ「!」

ほむら「ふっ、嬉しそうな顔をして……」

マミ「うふふっ。家族……
家族かぁ……」

ほむら「……さあ行くわよ。まどか、マミいぬ!」

まどか「は~い♪」

マミ「わかったワンっ♪」

まどか「でも、別に呼び捨てでもよかったんだけどなぁ」

マミ「さすがにそれは恥ずかしくって……///」

─────────────────────

ほむら(それから時間が過ぎていった)

ほむら(それはとても暖かく、幸せな日々だった)

……………………

………………

…………

……

マミ「まどかちゃん、マフラー編んだんだけどどうクマ?」

まどか「わあっ! 嬉しいですクマミさん!」

ほむら「私としては、『マミくま』の方が良いと思うのだけれど」

まどか「え~っ、『クマミ』さんの方が可愛いよぉ」

マミ「あらあら、ふふふっクマ♪」

まどか「わぁい! オシャレだしあったかい♪」

マミ「気に入って貰えたみたいでよかったわクマ♪」

ほむら「…………」

まどか「どうしたのほむらちゃん?」

ほむら「……なんでもないわ」

マミ「うふふっ、心配しなくても、ご主人さまのマフラーも編んであるわよクマ♪」

ほむら「……!」

まどか「あっ、ほむらちゃん超笑顔になったーっ♪」

ほむら「そ、そんな事ないわ。
まったく、そんな物があるならさっさと出しなさいよっ」

マミ「ふふっ。ご主人さま、ごめんなさいクマ」

ほむら「ふ、ふん。愚かなクマめ」

マミ「それにね、実は私のもあるのクマ」

まどか「……あれっ。
そういえば、わたしのもほむらちゃんのもクマミさんのも、お揃いのガラだね」

マミ「そうなのよ。
私たちは家族なんだし……良いかなって」

まどか「うんっ! 最高ですよ♪」ダキッ!

マミ「きゃっ。
……まどかちゃん……///」

ほむら「…………」ソッ

マミ「ご主人さま?」

ほむら「ふん。
まあ良い仕事したと褒めてやるわ。
このマフラー、使ってやるから感謝しなさい。マミくま」

マミ「うふふっ。ええ」

ほむら(……なんだろう。この満ち足りた気持ちは)

ほむら(まどかと二人で暮らしていた時もそうだったけど、今はもっと……だ)

ほむら(やっぱり、家族が増えたからかしら)

ほむら(家族、か……)

ほむら(……わかっている。
こんな作り方をした世界なんて──ここでの幸せなんて、長続きなどしないだろう。
私はいつか必ず裁かれる)

ほむら(けれどそれまでは……)

ほむら(それまでは、この幸せを享受したい)

ほむら(させて……欲しい)

まどか「わたしが飽きるまではこのままにしておくから安心してね、ほむらちゃん♪」

ほむら「まどか???」

まどか「わたし、クマミさんの淹れた紅茶が飲みたいなぁ」

マミ「わかったわ、淹れてくるわね」

まどか「やったあ!」

ほむら「ケーキもつけて貰えるかしら?」

マミ「OKクマ!」

まどか「楽しみだねぇほむらちゃん♪」

ほむら「ええ」

ほむら(……でも、そうね。
そろそろ新しい刺激が欲しくなってきたかも)

ほむら(たとえば……)

ほむら(とても仲がよく、毎朝私を起こしに来てくれるような幼なじみポジションの大親友とか?)

─────────────────────

さやか「どぶえっくしょいっ! ってかちくしょいっ!!!」

さやか「……?」グスッ





おしまい。

以上でした。

これは去年の冬に書いたまま投下し忘れてたSSなので、マフラーとか季節外れな部分もありましたね(笑)

ではでは、ありがとうございました~♪

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