ほむら「悪魔ってなんなのよ…」 (286)




書き溜めです、順次投下させて頂きます。

叛逆ネタを含みます。




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第1話  天使と悪魔(サボり)



───見滝原市某所、何処かの鉄塔上───



ズシャア!!  ゴッ!!  バキッ!!      イクヨッ!  ゴシャアアァッ!!!

さやか「………」

ほむら「………」

さやか「ねえ」

ほむら「なに?」

さやか「助けに行かなくていいの?」

ほむら「…必要だと思う?」

さやか「…いや、うん、ごめん」


ハァッ!   ドシュ!!  …   バキンッ!!  ウケケケケケ!!   ゴスッ!!  ウケッ!?

さやか「…お、2匹目」

ほむら「戦闘中に使い魔が魔女になるなんて、珍しいわね」

さやか「…助けに

ほむら「貴女が行く?」

さやか「すんませんした」


ズシャアアアアアアアアアン!!!   ウギャアアアア!!?   マダマダァ!!

さやか「…まどかってさぁ」

ほむら「何よ?」

さやか「あたしの知ってるまどかって、もっとこう…小動物みたいなさぁ」

ほむら「天使よ」

さやか「あれを見てもまだそれ言う?」

さやか「…おいちょっとこっち向け目をそらすな」


ホラッ!!   オソイッ!!   ゴシャアアアアッ!!!!   ウケェエエエエエ!!??

ほむら「女神よ」

さやか「間違っちゃいないんだろうけどさぁ…」


さやか「まどかが最初に魔法少女になったとき、弓持ってたと思うんだけど」

ほむら「いつの時間軸でもそうよ」

ほむら「遠距離支援型。前衛はほとんど、貴女の役目だったわね」

さやか「…あれは?」

ほむら「杖よ。まどかの弓は杖にもなるのよ」

さやか「あたしにはでっかいハンマーに見えるけど」

ゴンッ!!  ゴッ!!  ゴッ!!  バキィッ!!!    グヘェエエエエ!!??

ほむら「魔力を先端で留めてるんでしょう。色ピンクだし。ほら、千歳ゆまの武器に似てる」

さやか「あー似てる似てる…無駄にデカいけど…」


ほむら「魔力、有り余っているのでしょうね。ある意味羨ましいわ」

さやか「あたしなんか杏子に節約しろ節約って散々言われてんのに…」

ほむら「それが普通よ。特に貴女は傷を受けたら自動で即回復してしまうから、余計にね」

さやか「不公平だー!!その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁー!!」

ほむら「やめなさい…貴女は結構、優秀な魔法少女なのだから、自信持ちなさい」

さやか「お?ついにデレたか?さやかちゃん愛されちゃってます?」

ほむら「真面目に。キュゥべえと契約してすぐに一人で魔女を倒せる魔法少女なんて、そういるものではないわ」

さやか「戦い方が頭の中に流れこんで~とかじゃないの?なんか勢いで倒せたけど。箱?の魔女だっけ」

ほむら「考えてみなさい。本人の願いにもよるけれど、わかり易く『武器』を持てる魔法少女がどれだけいると思う?」

さやか「ん?どゆこと?」

ほむら「例えば貴女の武器が盾…ましてやリボンで、これで魔女と戦え、と言われたら?」

さやか「…どないせーっちゅーねん、ってなるね」

ほむら「リボンをいっぱい出せる魔法(笑)であのグロいのに立ち向かうのよ?出来る?」

さやか「無理。マミさん…苦労したんだね…」

ほむら「その点貴女は、扱いやすい剣を複数無制限に出せるし、ノータイムで遠距離攻撃出来る刀身射出、三次元で移動出来る魔法陣、いつでもリジュネ…なんか腹立ってきたわ」

さやか「…あたしって恵まれてたんだね」

ほむら「それを全て一週間で使いこなしたのよ?素質という点では並みの魔法少女よりもずっと上だわ」

さやか「でも杏子にボコられてたよ?」

ほむら「あれは契約した直後の話でしょうに…。それに、それだけ苦労したってことよ、あの子も」

さやか「うーん…そーゆーもんですかねぇ…」


さやか「ほむらも…さ、たいへんだったよね」

ほむら「私は、いつも自分の願いのために戦った。それだけよ」

さやか「そうだけどさ…うーんと、今だから解るけど、あたしとほむらの願いって似てると思うんだ」

ほむら「…そうかしら?」

さやか「杏子もキリカさんも、まどかも似てると思うんだ。まどかはスケールがダンチだけどね」

さやか「でさ、あたしはいっつも途中で絶望しちゃうけどさ、ほむらは願いを貫いたわけじゃん。そこは素直に尊敬するよ」

ほむら「…貫いてなんかない」

さやか「あはは。まあ、そこはこれからだけどさ。まどかのために迷ってるのは変わらないんだから、自信持っていいと思うよ」

ほむら「…うん、ありがとう、さやか」

さやか「おお…ほむらがデレた…」

ほむら「…わりと普段からそう思ってるわよ…」

さやか「えっ、ナニコレかわいい。これはもう!ほむらはあたしの嫁にな─────




ヒュンッ…   ッガアアアアアアアアアアアアンンンン!!!!



さやか「…ナニガオコッタ」

ほむら「あなたと私の間を桃色の矢が突き抜けていって、後ろの壁がお亡くなりになったわ」

さやか「激おこですやん」

ほむら「というかこの距離でどうやって聞こえて…今さらまどかが何をやっても驚かないけど…」

さやか「愛されてますなぁほむらさん」

ほむら「貴女も煽るようなマネやめなさい…。なぜ強引に嫁のくだりにもっていくの…」

さやか「さやかちゃんのアイデンティティだからね!」

ほむら「貴女そのうちホントに円環されるわよ…」


杏子「おいーす」

さやか「杏子ー!おはよ!」

ほむら「こんにちは」

杏子「ばんわ。バラバラじゃねーか…首尾はどーだい?」

ほむら「まどかが戦闘中。2匹目よ」

杏子「2匹目ぇ?こっちはぜんぜん見つからないってのに…ってかあんたらはなにやってんだ?」

さやか「見学」

杏子「おい」


ガガガガガガガッ!!!  ソーッレッ!!!  ドゴオオオオオン!!!     ケフッ!?ガッ!?ケヘ!?ゲヒャアアアアア!!!??

ほむら「いやだって…杏子、あの中に入れる?」

杏子「…ねーな。巻き込まれんのはごめんだね」

さやか「でしょー?…お、まどか投手、振りかぶって、投げたー」エエエエエエエエイッ!!!!!!

ほむら「投げ槍ね」

杏子「いやいや洒落んなってねーよ…魔女ブチ抜いてそのまま結界に縫い付けてるじゃねーか…どんな威力だよ…」

さやか「まどか投手2投目…はナシで…そのままグーでいったー!?」

ほむら「さすがまどかね。戦う勇姿も愛らしいわ」

杏子「あれがファンシーな存在に見えるなら病院行ってこい」


ゴッ!!!   ゴッ!!!   ゴッ!!!   ゴッ!!!   ゴッ!!!   ゴンッ!!!   ゴキィッ!!!!

さやか「君がッ!泣くまでッ!殴るのをッ!やめないッ!」

ほむら「ぶふっw…ちょっとさやk…やめなっ、さいw」

杏子「アテレコすんなや。…さて、もう一踏ん張りするかな」

ほむら「まだ魔女を探すの?」

杏子「グリーフシードは余裕あるけど…収穫ナシってのもな。カッコつかねーし」

さやか「ムリすんなよー。このあとマミさんち行く?」

杏子「そのつもり。またあとでな」

さやか「あいよー」


ほむら「杏子もだいぶ落ち着いたわね」

さやか「さすがの杏子も、アレにはね。まーしょーがないよー」

ほむら「巴マミよりずっとマシよ…あら?」

さやか「終わったみたいだね。我らがお姫様がお帰りだよ」


まどか「ほむらちゃんただいま!さやかちゃんもおつかれさま!」

ほむら「まどかぁー!」ダキッ

さやか「おつかれー。さっきの矢はこわかったぞー」

まどか「だってほむらちゃんがさやかちゃんに食べられちゃうと思って…」

ほむら「まどかぁー!私は貴女だけよまどかぁー!!」

さやか「へーへーお熱いこって。でも油断してると本当にほむらを嫁にストーップ、クール、ユアクール、オーケー?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ほむら「まどかも巴マミの家に行くでしょう?」

まどか「あ!うん、お邪魔するんだけど、そのまえにパパに頼まれたおつかいに行かないといけないんだ」

ほむら「あら、じゃあ一緒に行くわ」

まどか「今日はママも一緒だけどいい?」

ほむら「…詢子さんも?」

まどか「…どうする?」

ほむら「…今回は…遠慮させてもらうわ…」

まどか「…へたれ」

ほむら「…もう少し時間をちょうだい…ホント…すみませんでした…」

まどか「うん。だからあとでマミさんのお家でね!」

ほむら「わかったわ。気をつけて帰るのよ」

オクタヴィア「そのまえにあたしを元に戻してってくれるとさやかちゃんうれしいかなーって」オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


さやか「詢子さんに会いたくないって、なにかあったの?」

ほむら「まどほむ現場を見られた」

さやか「Oh…」

ほむら「あちらは豪快に笑ってたけど、恥ずかしくて…」

さやか「このへたれめ」

ほむら「なんとでも言いなさい…」


さやか「それで?まどかとは上手くいってるんでしょ?」

ほむら「上手くなんて生易しいもんじゃないわ。ラヴラヴよ」

さやか「はいはい…でも、迷ってるんでしょ?」

さやか「このままこの時間軸で過ごすか。それとも巻き戻すのか」

ほむら「…そうね」


第2話  昨日の晩飯が思い出せない



鹿目まどか

暁美ほむら

美樹さやか

巴マミ

佐倉杏子

…この5人の、過去と未来の全ての時間軸の記憶を

全部…!私達に与えて………!!!



ほむら「二週間前、まどかは全ての時間軸を知りたいと願い、私達も巻き込まれた」

さやか「頭が割れる、ってアレのこと言うんだね。魔法少女じゃなかったら死んでたと思うよ」

ほむら「巴マミが狂わなかったのは奇跡と言っていいわね。立ち直ったのも、数日前の話だし」

さやか「多数の異なる時間軸の記憶…まあ、あたしの場合はだいたい結末が一緒だったけど」

ほむら「…数多くの時間軸の中で、最も重大な出来事、それが、



ほむら「前時間軸」



ほむら「一つ前の、まどかが」



ほむら「全てを救いたいと願った瞬間」





『全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で』


『神様でも何でもいい』


『今日まで魔女と戦ってきたみんなを、希望を信じた魔法少女を、私は泣かせたくない。最後まで笑顔でいてほしい』


『それを邪魔するルールなんて、壊してみせる、変えてみせる』


『これが私の祈り、私の願い』


『さあ!叶えてよ、インキュベーター!!』



ほむら「私はワルプルギスの夜が墜ちるのを呆然と見届けた後、

ほむら「世界が改変される、その瞬間、

ほむら「私は…巻き戻して…しまったわ…」


さやか「なんで…だろうね?」

ほむら「無意識とか直感とか…自分でもよく解らないのだけれど、

ほむら「私は間違いなく、まどかの願いを拒絶してしまったわ」


ほむら「…あの時間軸のまどかは、願いを叶えたあと宇宙を改変し、概念になった。」

さやか「…円環の理」

ほむら「…そうね。そしてその後『巻き戻さなかった』時間軸の私によって、強引に人間の生を与えられた…」

さやか「神を地に貶めし、悪魔」

ほむら「私達は、この時間軸のまどかの力で、その未来を知ることが出来た訳だけど…」


さやか「……悪魔」

ほむら「………」



さやか「…悪魔(自称)」

ほむら「……」



さやか「悪魔☆ほむら」

ほむら「~~~///」



さやか「わたしはカボチャ☆」

ほむら「うっさいわねラズベリー!!しょうがないじゃないのよぉ!!」

さやか「いやぁー他の時間軸の記憶を受け継いだときね?頭痛より引き笑いで死ぬかと思いましたよ(笑)」

ほむら「いろいろあったのぉ!ちょっとはっちゃけちゃったのぉ!!ゆるしてあげてぇ!!!」

さやか「まさかの未来が黒歴史て、斬新すぎるでしょ。デビほむ(笑)」

ほむら「やめてえええぇぇぇ!!!!」


ほむら「  」

さやか「生きてるー?おーい」

ほむら「悪魔ってなんなのよ…自分のドヤ顔なんてそうそう拝めるものじゃないわ…」

さやか「まあほらそれは置いといてさ。それから?」

ほむら「…とりあえず記憶を共有出来た私達は今までにないほど親密になったわ」

ほむら「そしてなにより、まどかの力。前時間軸をさらに超えて強大になったわ。そのうち事象改変なんて朝飯前になる。今の攻撃力も規格外だけど、まだまだ序の口よ」

さやか「すでに冗談で魔女化させられちゃうレベルなんだけど…まどかが本当に神になるってこと?」

ほむら「記憶を受け継いだかせいなのか、彼女も以前の時間軸と同じ願いを持っているけど、今度こそその願いを遂げるでしょうね。本当の、自分の手で」

さやか「概念になるのは避けられない」

ほむら「…そこが判らない。世界を改変しても、現世に残れるのかどうか…改変されたら私の時間遡行でもどうしようもなくなる。また弓装備のリボほむになってしまうかもしれないしね」

ほむら「…そして、私にはかつての『まどか』との約束もある。もうこの時間軸のまどかは魔法少女になってしまった…私のせいで」

さやか「ほむらのせいじゃないよ」

ほむら「いいえ…私が全てを話さなければ…せめて前回の彼女の願いだけでも黙っていれば…」

さやか「それは今となっちゃわかんないよ」

さやか「あたしは…うん、ほむらにも、まどかにも感謝してる」

さやか「アタマごっちゃごちゃでもさ、みんな結局は大事な人のために戦ってるんだって解ったらさ、

さやか「それにこんなに頑張ってる友達がいて、その友達が困ってるならさ、

さやか「自称正義の味方の、さやかちゃんの出番でしょうが!!」

ほむら「さやか…」

さやか「だから、ほむら」

さやか「戻るなんて言わないでよ。あたしと一緒に、方法なんて全然わかんないけど、

さやか「まどかがどっかいっちゃうってんならさ、あたしたちで引きずってでも止めよう!」

ほむら「…さやかっ!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「…」

さやか「…このピンク色の禍々しい…まどかの…殺気…!?」

ほむら「またどこかで覗いて…いないわね…」

さやか「まどか…ママさんとお買い物中じゃあ…さやほむは絶対に許されないのか…!」

ほむら「バカ言ってないで…それにしても、さすがまどかね。もう貴女に知り得ないことは何も無いのかもね…」

さやか「さやかちゃんしんじゃう」


さやか「っていうかさ」

ほむら「なによ」

さやか「ほむらが時間を巻き戻すとしてさ、まどかがそれを許すと思う?」

ほむら「無理ね」

さやか「ほむらがそれでも戻るとしたら、確実にほむらVSまどかになるよね?」

ほむら「…」

さやか「勝てる?というか生き残れる?」

ほむら「…導かれる」

さやか「死んじゃうじゃん(笑)まー結局悩む余地なんてないってことさー!」

ほむら「なんてこと…もう既に詰んでいたのね…」

さやか「ほむらも悪魔化しちゃえば「やめてえぇ!!」


第3話  野生児が最も常識人という風潮



───マミホーム───



マミ「開いてるわよー」

さやか「おじゃましまーす」

ほむら「邪魔するわ」

さやか「あれ?杏子じゃん。早かったね」

杏子「使い魔1匹、ぜんぜんダメ。飽きちまった」

さやか「おお!?使い魔見逃さなかったの!?えらいじゃんそりゃー!!」ダキッ

杏子「ちょっ、おまっ抱きつくんじゃねぇ!うぜっやめろっこらあぁ!!」



ほむら「早速いちゃついて悪いわね。まどかは後から来るわ」

マミ「あなたが人のことを言えるの…鹿目さんなら私がお菓子のおつかいをお願いしちゃったから、もう少し遅くなるわ」

ほむら「…そう」

マミ「あら?いつもの調子なら『まどかをパシりにしたわね!?』とか言って怒りそうなものなのに」

ほむら「…ちょっとね。今まどかに会うのは…あぁ、美樹さやかが円環されるかもしれないの」

さやか「やっぱりあたしは死ぬのか!?」

杏子「いい加減離れろテメー!!」


ほむら「もう大丈夫なの?」

マミ「意外に心配性なのね?ふふっ、ありがとう、もう大丈夫よ暁美さん」

杏子「…復帰、できんのかよ」

マミ「ええ!みんなに助けてもらった分、返さないとね」

さやか「整理はついたんですか?」

マミ「まだごちゃごちゃしてるし…円環の理とか…べべのこととか、いろいろあるけど、

マミ「悪魔さんのドヤ顔のインパクトで大抵のことは吹き飛んだわ「酷くない!?」

マミ「…みんながいるこの見滝原が好きだから、やっぱりわたしは、戦うの。やることは変わらないわ」

マミ「わたしは正義の味方だからね」


さやか「マミさん…」

マミ「あはは、他の時間軸の過去の事とはいえ、前科のあるわたしが言っても説得力ないかな?」

杏子「そんなこと…!」

マミ「いいのよ。それにそんなところはもう乗り越えたわ。もう二度と、仲間を撃ったりなんてしない」

マミ「信頼は、取り戻すわ。必ず。そして、鹿目さんも暁美さんも何処にも行かせない。このわたしの見滝原にいてもらうわ。鹿目さんと暁美さん、どちらか片方だけなんて、わたしは選ばない」

ほむら「マミ…」

マミ「だから、ね?わたしは戦う。でも、弱いから。どうかみんなの力を、貸して下さい」

さやか「はい!こちらこそ!」

杏子「当たり前じゃねーか。んなことで頭下げんな」

ほむら「…私からも、よろしくお願いします。どうかまどかの…いいえ、私のために、力を貸して下さい…」

マミ「もちろんよ。でも悪魔になっちゃダメよ?」

ほむら「またそれを言うの!?」


ほむら「  」ズーン

さやか「ほむらが立ち直る前に、ケーキの用意しちゃいましょーよ」

杏子「食っちまおーぜ」

マミ「ダメよ。鹿目さんもまだだし、先に紅茶入れるわ。待っててね」

杏子「…ほむらは気にしてんのか?未来の悪魔になった自分をさ」

さやか「うーん…とりあえず、露出し過ぎ、目つき悪い、言動が痛い、と見てるのに耐えられないみたいだけど、

さやか「まどかを否定した、ってところが1番キツいんじゃないかな」

杏子「ふうん?」

さやか「あたしの想像だけどね」


さやか「未来の、悪魔になったほむらはさ?未来のあたしは敵対しちゃってるわけだけど、

さやか「こうやって客観的というか、第三者視点で見ると、他に選択肢はなかったんじゃないかって思えるんだよね」

杏子「ほぼインキュベーターのせいだしな」

さやか「そう。もちろん、インキュベーターにまどかの話をしちゃったほむらにミスがないわけではないけどさ、

さやか「それを責めるのは酷だと思う。あの時点でインキュベーターがどう動くかなんて、想像もしなかったし」

杏子「…リボンをつけたほむらは、まどかの話をする時だけ、幸せそうだった」

さやか「そのまどかを守るためには、ああやって手元に置くしかなかったんだと思う」

杏子「拳銃を突きつけられた状態で選んだ選択肢が、あの子の望むものであるはずがない…何時かのほむらの言い分だったか」

さやか「でも現実として、まどかはあの未来を選び、

杏子「カタチはどうあれ、ほむらはまどかを引き裂いた」

さやか「まどかが背負う運命を、否定した…ってわけだ」


ほむら「…私も、理屈は正しい、と思うわ」

さやか「ほむら?」

ほむら「でも見過ごせない問題も多い…不安定な世界、インキュベーターは諦めるのか?そもそも何故まどかが予知出来ない未来があるのか?そして

杏子「…解ってなかったらぶっ飛ばすぞ」

ほむら「…私がまどかのために彼女の運命を否定したように、きっとまどかも悪魔である私の運命を否定するわ」

さやか「お、解ってんじゃん」

ほむら「さすがにこれだけの記憶…情報があって…というかこの時間軸ではまどほむ状態だし、

杏子「爆発しろ」

ほむら「…充分解ってるつもりよ。わたしがまどかを大切に想う分、まどかも私を想ってくれているって」

杏子「ようやく素直になりやがったか…」

さやか「さっきまで巻き戻すかどうか悩んでたくせに」

杏子「んだと!?」

ほむら「ああ、ごめんなさい。それはもう大丈夫というか、詰んでいるのよ」

杏子「あん?どいうことだ?」

さやか「巻き戻す!ってほむらが宣言したときのまどかを想像してみて」

杏子「………ほむら、短くて長い付き合いだったな」

ほむら「勝手に殺さないで!?」


マミ「鹿目さんと暁美さんが話し合うのが一番手っ取り早いと思うのだけど、どう?」

杏子「そういうのをな?身も蓋もないって言うんだよ」

さやか「うーん…どの世界でもマミさんの紅茶は美味い!」

マミ「ありがとう美樹さん…でも、それが一番良いというか、普通だと思うんだけど」

杏子「こいつら人前でいちゃいちゃするし、ちゃんとそういう気持ちは伝え合ってんのにさ?」

さやか「シリアスになると、途端に力関係が出るんです」

マミ「?」


さやか「まどほむ、ほむまど。の言葉が象徴するように、とかいうのは冗談ですけど、

杏子「思い出せ。まどかとほむらが、対等な力関係であったことがあったか?」

マミ「…あーうんまぁ言われてみれば…」

さやか「極端なんですこいつら。まどかに守られるほむらと、

杏子「ほむらが守るまどか。両立しやしない」

マミ「そっか…いつもどちらかが守られる側で、

マミ「…片方が置き去りにされてしまって、それで、

さやか「爆発」

杏子「時間や宇宙を巻き込んで、な」

ほむら「弁明の余地もないわ…」

さやか「もちろんインキュベーターやワルプルギスの夜とか、

杏子「あと定期的にさやかもだな「すみません」

マミ(私もだよね…ごめんなさい)

さやか「障害が過酷だったから、全部が全部ほむらの責任じゃないけど、

ほむら「…まどかと向き合う」

杏子「だな」

さやか「やっぱり、ほむらVSまどかだね」

ほむら「それはちょっと…リアルに…死んじゃうんじゃないかしら…」


第4話  淫乱ピンクの野望



まどか「おじゃましまーす」

マミ「いらっしゃい。待ってたわよ」

まどか「おそくなっちゃってごめんなさい!メールしてもらったの買ってきました!」

マミ「ありがとう。ごめんね急に頼んじゃって。誰かさんが食べ散らかしてたものだから…」

まどか「ウェヒヒ…あっ!ほむらちゃんもう来てますか?」

マミ「ずいぶん前から居るわよ?美樹さんも佐倉さんも

まどか「ほむらちゃーん!!」

マミ「…暁美さんの心配って、全部杞憂なんじゃないかしら…」


まどか「ほむらちゃん!」

さやか「………」ペラッ

ほむら「Zz…」

杏子「Zz…」

まどか「あれ?寝てるの?」

さやか「寝てるよー」

まどか「おそくなっちゃったね…さやかちゃんなに読んでるの?」

さやか「ワンピ」

まどか「先週出たやつ?」

さやか「うん」

まどか「あとで貸して?」

さやか「マミさんのだからマミさんに聞いてー」ペラッ

まどか「はーい」


まどか「マミさーん」

マミ「あら鹿目さん、すぐケーキにする?二人が起きるのを待つ?」

まどか「えーと…」

マミ「ふふっ。暁美さんが起きてからね?」

まどか「はーい!」



さやか「………」ペラッ

さやか「………」

まどか「うんしょっうんしょっ」ズル  ズル  ズル

まどか「よいしょっ!」トサッ

まどか「ふぅ」ナデナデ

さやか「…いやいやちょとまてや」

まどか「なぁに?」

さやか「なにナチュラルにほむらを引きずってきて…ひざ枕?」

まどか「ウェヒヒ」

さやか「人前でいちゃつきおって…おいこら。起きてるだろほむらぁ」

ほむら「 Zz…」

さやか「私は何度でも繰り返す」キリッ

ほむら「 Zz…」イラッ


マミ「…ねぇ鹿目さん?ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」

まどか「なんですかマミさん?」

マミ「…そろそろ聞いておきたいの。なぜ、あの願い事をしたのか」

まどか「…ごめんなさい」

マミ「違うの。そのことはもう充分よ」

まどか「でもマミさん

マミ「勘違いしないで」

マミ「わたし達が苦しんだあの記憶は、間違いなく、わたし達自身のモノよ」

マミ「切っ掛けは確かにあなたの願いだけれど、わたし達にも原因があってあの未来があった以上、その責任は負うし、だからこそ覆す権利もあるって考えてるの」

まどか「マミさん…」

マミ「あなたはもう充分謝ってくれたし、記憶に関してはわたし達も感謝しているわ。でも、その話じゃないの。どうしてあの願いを選んで、叶えたのか。それが知りたいの」

まどか「…」





まどか「わかりません」

マミ「  」

さやか「  」


まどか「…ほむらちゃんのことが、好きなんです」

マミ「いや、いきなり惚けられても…」

まどか「初めて会ったときから」

マミ「!」

さやか「…この時間軸での話、だよね?」

まどか「うん」



「ほむらちゃんが、転校生として初めて教室に入ってきたときから、

「保健室へ向かう廊下でちょっと電波なことを言われたときから、

「初めて入ってしまった結界で初めて助けてもらったときから、

「どうしようもなく、ずっと好きでした」


まどか「でもほむらちゃんは、もうすでにぼろぼろでした」



「問い質すわたしに、ほむらちゃんは割と簡単に答えてくれました。たぶん、もう限界だったんだと思います」

「何度も時間を繰り返したこと」

「その度に、わたしが死ぬところを見てきたこと」

「わたしを撃ったこともあること」

「そして」

「一つ前の時間軸で、

「わたしの願いから、逃げ出してしまったこと」


マミ「…」

さやか「…それで?」

まどか「ほむらちゃんの話を聞いてるうちに、わたしは、

まどか「許せないって、そう思ったんです」

マミ「…誰を?」

まどか「ほむらちゃんを苦しめる…全ての人を」

まどか「そして…ほむらちゃんが今まで出会ってきた、全ての鹿目まどかを」

さやか「…ッ」

まどか「…どうして助けてあげられなかったの」

まどか「どうして守ってあげられなかったの」

まどか「どうして、ほむらちゃんをこんなに苦しめるの!!!」





マミ「………」

さやか「………」

杏子「………」


まどか「…ほむらちゃんはみんなの事もたくさん話してくれました」

まどか「…謝りながらです」

まどか「…いろんなことを教えてもらったのに、まだ何も返せてないって、マミさんのことを」

マミ「…」

まどか「…いつも助けることができない、見殺しにしてしまうって、さやかちゃんのことを」

さやか「…」

まどか「いつも巻き込んでしまうって、戦力だけじゃなくて人としても信頼してたって、杏子ちゃんのことも」

杏子「…」

まどか「そして…命を救われたのに、貴女のことを救うことすらできない、って」

まどか「ほむらちゃんを『約束』で縛ってしまったのに、そんなわたしなんかのことを」


まどか「始めは、怒りでした。どうして、ほむらちゃんがこんな目に」

まどか「次に、嫉妬でした。ほむらちゃんにこんなに想われてる過去のわたしと、仲間たちに」

まどか「最後は、疑問でした。どうしたら?わたしは何をしたらいいの?わたしになにが出来るの?だから、



『出てきて、インキュベーター!!!』



まどか「…」

マミ「…」

杏子「…」

さやか「…


さやか「…なーんでひざ枕しだしたのかと思ったら、そうか、ほむらを魔法で眠らせてるんだ?」

まどか「ウェヒヒ…バレちゃった」

マミ「…聞かれたくないの?」

まどか「まだ、伝える勇気が出ないというか…よくわからなくて、とりあえず」

杏子「…解らねぇ。それで、どうしてあたし達に他の時間軸の記憶を?」

まどか「最初は、ほむらちゃんを助ける方法が知りたかったんです。もちろん、ほむらちゃんの話からインキュベーターがアテにならないのは解ってたので、

まどか「誰かに相談しようと思いました。さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃん…」

まどか「でもあの時、あの時点では、みんなの距離はとても遠かった」

まどか「さやかちゃんはほむらちゃんを怪しんでたし、マミさんとは敵対してたし、杏子ちゃんに至っては会った事すらなかった」

さやか「…」

マミ「…」

杏子「…」


まどか「それで…わたし、すごいっ、自分勝手だってっ、っ、わかってたんですけど」

まどか「みんな、何やってるの、って」

まどか「ほむらちゃんがこんなに苦しんでるのにっ、どうして助けてくれないのって!」

まどか「でもっ、わたしバカだから、どうしていいかわからなかった」

まどか「助けて、仲良くして、そんなことしか思いつかなくてっ、

まどか「でも、願い事で仲良くしても、それは違うっていうのは、わたしにもわかってて、

まどか「それで…  …キイイイイイン…

さやか「…っ!まどか…その眼!?」

まどか「うん…だんだん使えるようになってきたの。因果の力…なのかな。使い方は『覚えた』からね」


まどか「ほんとはさっきのほむらちゃんの話、聴こえてたんだ」

さやか「…え?」

まどか「まだ使えたり使えなかったりするんだけどね?」

まどか「ほむらちゃんと対等に向き合う。うん。わたしもそうしたい。ほむらちゃんが同じ事を考えてくれて、すごく嬉しかったの」

まどか「あと、ちょくちょくさやほむしようとするさやかちゃんは後でオクタヴィアちゃんね」

さやか「  」

まどか「…わたしはほむらちゃんを助けたかった。でもその前に、守られてるだけのわたしじゃダメだった」

まどか「ほむらちゃんと同じ目線に立ちたい。だから、願ったの。ほむらちゃんが超えてきた、いろんな時間の記憶を」

まどか「そして、本当に自分勝手なんだけど、みんなにも見て欲しかったの。みんなが今までどんなふうにほむらちゃんと過ごしてきたのか、解って欲しかった」

まどか「きっと、ほむらちゃんと一緒に戦ってくれると思った。ほむらちゃんが泣きながら話してくれた過去の皆なら、絶対にまた、力を貸してくれるって」

まどか「もう他に何も考えられなかった。もう、ほとんど勢いだけで、契約しました」



『この5人の、過去と未来の全ての時間軸の記憶を』

『全部…!私達に与えて………!!!』



まどか「…これで、全てです」


第5話  野生児が最もキレ者という風潮



杏子「…後悔はしてねぇんだな?」

まどか「…はい」

杏子「そうか…」

オクタヴィア「…」オオオオオオオオオオオオオオオオオ

マミ「…」


杏子「…あ~っ!!さやかだったら十発くらいぶん殴るのになぁー!!」

さやか「なんですと!?」

まどか「殴られても、いいよ」

杏子「いや、いい。なんとなくだし」

さやか「なんとなくでボコられるの!?」

杏子「あーうん、なんていうか、

杏子「…自分自身のために願った。そう捉えて間違いないんだな?」

まどか「うん。ほむらちゃんのことが好きだから」

杏子「その願いのために、4人全員振り回したんだな?」

まどか「…ごめんなさ「そうなんだな?」

まどか「…うん、間違いないよ」

まどか「わたしの都合で、みんなに記憶を押し付けました」

まどか「そのことを反省はしてるけど、

まどか「後悔は、してません」


杏子「…それが解ってんなら、それでいい」

マミ「えっ?いいの?」

杏子「不満か?」

マミ「いいえ…ただ佐倉さんがあっさり引き下がるのが意外というか…」

杏子「あたしをなんだと…簡単なことだ。こいつがあたしより強いからだよ」

さやか「ビビリ?」

杏子「あとで11発な。そうじゃねぇ」

杏子「こいつが並の、そこらの魔法少女だったらそうはいかない。弱かろうが強かろうがオトシマエはつけさせてもらう」

杏子「だがこいつはすでに半分神様だぜ?こいつに反抗する奴は、それこそまた叛逆の物語だ」

さやか「…待って。それがビビリじゃなかったらなんなの?」

杏子「まだ解んねぇのか…あたしは、こいつの宇宙改変を受け入れるって…そう言ってんだ」

さやか「はい!?」

まどか「杏子ちゃん…」

マミ「…どういうこと?」


杏子「…あたしは…まあ他の時間軸の話だが、本当に弱くて、弱くて、弱くてな…。この自分もそうなんだけど、情けなくてね」

まどか「…そんな

杏子「事実だ。自業自得、とか言って回ってるくせに、自分の業すら支払えていない。あたしが立ち直るのに時間が掛かったのは…そんな自分が許せなかったからさ」

マミ「佐倉さん…」

杏子「でもさ、こいつと…ほむら。すげぇんだ。なんで絶望しねーんだって、見てるこっちがやべぇぐらいの地獄だってのによ…」

杏子「極めつけは、前の時間軸のまどかの願いさ。正気かよ?なんの見返りもないんだせ?まあ結果はほむらを蔑ろにしちまったけどさ…」

杏子「とてもじゃねぇが敵わなかった。ベテラン?笑わせるぜ。てめぇの世界から目を背けてた奴が、なに吹いてやがんだか」

さやか「…杏子…あたしは杏子にたくさん助けてもらったよ」

杏子「なんだよ急に…。でさ?まどか。あんた、宇宙を作り変えるんだよな?」

まどか「…うん」

杏子「なんのために?」

まどか「魔女と戦ってきたみんなを、希望を信じた魔法少女を、私は泣かせたくない。最後まで笑顔でいてほしい」


まどか「そして」

まどか「ほむらちゃんも、泣かせたくない」

杏子「ほむらが悲しむのは何が原因か解ってるのか?」

まどか「わたしと、離れ離れになること」

マミ「…前回の時間軸の鹿目さんは成し得なかったことよ」

まどか「はい、解ってます。でも、やります。どんな手を使ってでも」

杏子「ほらな?こんな強ぇ奴がどんな手でも使うってんのに、記憶ぐらいで騒いでらんねーだろ?」

さやか「うーん…そうなのかなぁ…」

杏子「そう思っとけ。こいつになら振り回されてもしょうがない。それだけの資格がある。なんせ神様になるってんだからな」

杏子「その代わり、ムカついたらぶん殴れる神様だぜ?融通が効く分、親父の宗教よりずっとマシだ」

まどか「杏子ちゃん…それは…」

杏子「そういう腫れ物扱いは良くねぇ。皆の希望になるんだろ?まずは、それぞれ個々に向き合わなきゃな」

まどか「…はい!」

杏子「じゃあ、手始めにそこの膝に乗ってるバカを起こそうか」

まどか「それは…ちょっと…まだ心の準備ができてないかなって…」


第6話  察しのいい巨乳という謎の存在



ほむら「…ぅん?もうこんな時間…さすがに寝過ぎきゃあ!?」

さやか「ぼばようぼぶら」ボロボロ

ほむら「なにその顔!?女の子がしていい顔じゃないわよ!?」

さやか「いやぁいろいろばびばびで…」

ほむら「いいからさっさと変身して治しなさい!」

さやか「おお!その手があったか!さすがほむら頭がいいなぁ!」シャキーーーン!

ほむら「貴女が馬鹿過ぎるのよ…それでみんなは…あら?」

マミ「鹿目さんはご両親と夕食があるから帰ったわ。ほむらちゃんをお願いしますって」クスッ

さやか「杏子はあたしをボコった後、魔女の反応があったとかで飛び出してった。見滝原と風見野の境辺りとか言ってたけど」

ほむら「この距離でわかったの?…野生のカンってやつかしらね」

さやか「あたしも今から帰るんだ。今日は親帰ってくるから、夕食用意しとかないとね。ほむらはどうする?」

ほむら「私は…」

マミ「暁美さん。あなたの分のケーキ残ってるけど、どうする?」

ほむら「今日はもう………いえ、いただくわ。さやか、また学校でね」

さやか「うーい。じゃ先に帰るね。まどかにメールしとけよー。マミさんもお茶ありがとうございました」

マミ「ええ、気をつけてね」

さやか「はーいお邪魔しましたー」


マミ「察しがいいのね」

ほむら「飲み込みが悪いとは言われたことがあるけどね」

マミ「あはは。うん、ちょっと二人で話したかったかな。ひさしぶりって言っていいのかわからないけどね」

ほむら「…記憶のことで謝るのはもう結構よ。あれは

マミ「違うの。まあ無関係とは言わないけどね」



マミ「…暁美さん、あなたは記憶を、受け入れられた?」

ほむら「どういう意味?過去の記憶は、私が実際に体験したことだし。まあ未来の悪魔というのがちょっとアレだけど…」

マミ「…眼鏡の頃のあなたと、悪魔のあなたが同居している気分はどう?」

ほむら「!?…気づいてたの?」

マミ「体験したと言っても、少しずつ忘れて行くものだわ。細かい感情の起伏とか、その時何を思ったのか、とか」

マミ「鹿目さんの願いは、あなたが巡った全ての時間軸の記憶を、同時に頭に叩き込んだわ。だから、いろいろな時間軸の自分の記憶が同居する」

マミ「と言っても、主体はこの時間軸のわたしだから、そこまで大きな混乱は無かったわ。でも暁美さんは、

マミ「メガほむ、クーほむ、リボほむ、デビほむ。最初と最後の暁美さんなんて最早別人だわ。その記憶が全てあると、

マミ「それは、どんな気分なのかなって。ちょっと興味があってね」


マミ「気付いたわけじゃないわ。悪魔の暁美さんを眼鏡の暁美さんが見たら、どう思うのかなーって。そしたらなんだか笑えてきて」

ほむら「…偽町での戦い…ここでまたおっ始めてもいいのよ?」

マミ「あははは!ごめんごめん。そんな真剣な話でもないのよ。ただ私のカンだと、鹿目さんには言いづらいんじゃないかなって」

ほむら「…あなたには敵わないわね、巴マミ」

マミ「昔みたいに『マミさん』って呼んでくれてもいいのよ?」

ほむら「昔は『巴さん』だったでしょうが…」

マミ「あ、バレた?」

ほむら「まったく…でも、そうね。ちょっとまってて」ゴソゴソ


ほむら「…これでどうかしら?」…スチャッ

マミ「眼鏡…まだ持っていたのね」

ほむら「盾に放り込んであっただけよ。これをつけたからといって、性格が変わるわけじゃないけど…

ほむら「………マミさん」

マミ「………なあに暁美さん?」

ほむら「ええっと…スゥ…ハァ…うん、



ほむら「初めて結界に入ってしまったとき、助けてくれて、ありがとうございました」

マミ「…!…うん」

ほむら「戦い方を教えてくれて、ありがとうございました。お陰で、今日まで生き延びることができました」

マミ「うん」

ほむら「…あの時、ほっぺた引っ叩いちゃって、ごめんなさい」

マミ「…うん」

ほむら「お菓子の魔女のとき、間に合わなくて、ごめんなさい」

マミ「うん」

ほむら「私の結界に巻き込んでっ、銃まで向けてっ、ごめんなさい」

マミ「うんっ」

ほむら「いつも巻き込んでっ…騙してっ、脅してっ!傷つけてっ!本当にごめんなさい!」

マミ「う…うぇ…うわああああん!!」


ほむら「…取り乱したわ。もう大丈夫よ」ズビッ

マミ「鼻水拭きなさいよ…こちらこそ、ごめんね?」

ほむら「…カッコつかないわね…だから嫌なのよ…こういうの」

マミ「ふふっ。やっぱりメガほむは良い子ね、かわいいわ」ナデナデ

ほむら「うるさいわね…」

マミ「でも苦手呼ばわりしたのは忘れないからね?」

ほむら「言ったのはこの私じゃないからね?」


マミ「愛よ!」ドヤアアアアア!!!

ほむら「なに?マミりたいの?マ/ミされたいの?」

マミ「悪魔な暁美さん、やっぱり嫌いなの?」

ほむら「嫌いというか…正直よくわからないわ。…ホントわかんないわ…」

ほむら「どう捉えていいのか、本当にわからないのよ。好き嫌いなんて簡単なものでもないし、やったことが間違ってるとも思えないけど、正しいかと言われると…」

ほむら「ただ、あの格好をしろと言われてもお断りだわ。恥ずかしいもの」

マミ「そう?控えめなスタイルによく似合ってると思うけど」

ほむら「よし、構えなさい。聖戦よ。宇宙改変して絶壁にしてやる」ガチャッ!

マミ「ウフフ。見苦しいわよ?新編でほんのちょっぴり増量されてたじゃない…それで我慢なさいな!」ジャキッ!!


ほむら「だからなんで煽るのよ…」

マミ「あははは…久しぶりに楽しくってついね」

マミ「ありがとう。あなたとまたこんなふうに話せて、とても嬉しいわ」

ほむら「…私もよ、ありがとう。

ほむら「…マミさん」

マミ「!…ええ!暁美さん!」

ほむら「あまり私と親しくすると円環のお断りされるけどね」

マミ「わたし一応年上なんだけどなぁ…関係ないんだろうなぁ…」


マミ「愛されてるのね。ホント、羨ましいくらいだわ」

ほむら「…正直、たまに身の危険を感じるのよね…まあ私的には全然いいのだけどむしろウェルカムだけど」

マミ「爆発しちゃいなさい」

ほむら「私達まだ中学生だし、その、ちょっとそういうのはまだ早いかなぁって…」

マミ「悪魔がなに言ってるのよこのへたれ」

マミ「というか、あなたからいっちゃいなさいよ。鹿目さんもきっと期待しているわよ?」

ほむら「えっ…そうかしら…」

マミ「そうよ。こういう時こそ主導権を握るのよ。普段はまどほむでも、ベッドの上ではほむまどになるのよ!間違いないわ!!」

ほむら「ほむまど…うん、そうね…やってやる…やってやるわ!私…叛逆する!まどほむからほむまどの物語へ!!」

マミ「鹿目さーん聞いてたー?暁美さんが鹿目さんの秩序を欲望で支配するってー」

ほむら「ちょ!?やめなさい!聴こえてないわよね!?力は不安定って言ってたから大丈夫よね!?ってかこれ完全に私の結界が破られるフラグじゃない!?」


第7話 QB「僕のケーキが無いじゃないか!!」



…スッ   トコトコ       ピョンッ

QB「やあ、久しぶり。仲が良さそうだね。始めは敵対していたのに、わけがわからないよ」

ほむら「Heyマミ!掃除が行き届いてないんじゃないか?白いゴキブリが沸いてるぜ!?」ジャキィッ!!!

マミ「Ohほむら…まってくれ、今すぐこの280mmカノンでそのキレイな顔を吹っ飛ばしてやるァ!!」ゴゴゴゴゴッ!!!

QB「もう夜遅いから近所の迷惑になるよ?それにマミ、君は自分の部屋を壊すつもりかい?」

ほむら「…ノリの悪いヤツね」

マミ「ネタにマジレスはかっこ悪いのよ?キュゥべえ」

QB「君達人類は本当に理不尽だなぁ」

ほむら「で?今さら何をしに来たの?姿を現すのはまどかとの契約以来ね。答えによっては」

マミ「部屋は汚さないでね」

QB「相変わらず嫌われているね。まあ、いいさ。今日は君達に伝えたい話があって来た。聞いて欲しい」


QB「宣言するよ」

QB「僕達インキュベーターは、君たち人類に完全に敗北した。故に、魔法少女システムを君達に明け渡す。これが僕達の総意だ」

マミ「えっ!?」

ほむら「はぁ!?」

QB「珍しいリアクションをするね、ほむら」

ほむら「そんな事どうだっていいじゃない!どういう意味!?何か企んでるにも程があるわよ!?」

QB「一先ず落ち着いて欲しいんだけど…まあそうだね。急にそう言われても混乱するのは当然か。ちゃんと一から説明させてもらうよ」

QB「まず、そもそもが予想外だった。まどかのあの願いに君達は当然に巻き込まれたわけだけど、

QB「何故かは解らないが、僕も巻き込まれた。僕達にも、君達の他の時間軸の記憶が与えられたんだ」

マミ「そうなの!?なんで!?」

QB「答えようがないなぁ…まどかの側にその意思があったんじゃないかとしか…」

QB「そこは問題じゃないからいいんだ。問題はその与えられた記憶。これが僕達にとっても衝撃的だった。僕達インキュベーターであっても、他の時間軸に干渉はおろか観察も出来ないからね。他の時間軸のデータは本来貴重であるハズなんだけど…」

QB「その記憶の中に、そう、君がこの時間軸に来る、その一つ前の、まどかが魔法少女システムを根底から覆した世界で、

QB「暁美ほむら、悪魔である君によって、僕達は支配された」


ほむら「…あー、あったわね、そんなこと」

QB「…数多くある時間軸の、その中のたった一つの時間軸であったとしても、僕達は敗北した。人類の感情を読み切れず、システムのコントロールを失い、遂には人類から撤退を決めた挙句、悪魔の支配下にまで堕ちた」

QB「俄かには信じられなかったよ。人間の一生などほんの一瞬でしかないほどの悠久の時を経てきた僕達の歴史の中で、支配される側に陥るなんて唯の一度も無かった。あるはずが無かった」

QB「これは推測に過ぎないけれど…それはあちらの僕達も同じだったのだろう。そして彼等は限られた力の中で、たった一つだけ、悪魔に反抗を試みた」

QB「ほむら、マミ。君達はおかしいと思わなかったのかい?」

ほむら「…なにがよ?」

マミ「…」

QB「この世界さ。どうしてまどかが宇宙を改変し、全ての魔女を消し去ったのに、この世界には魔女が存在するんだい?」

ほむら「!!!」

QB「魔女だけじゃない。当のまどか本人もそうだ。彼女は概念となり、全ての時間軸から消滅したんだ。この時間軸だって例外では無かった。彼女は存在するハズが無いんだ」

ほむら「そ…んな…」

QB「だが現に、魔女もまどかも存在する。夢だとか幻では無い。僕達の観測でも、確かに彼女は存在しているんだ」


マミ「…あなたも含めて、この世界は…造りもの…?」

QB「可能性としてはある。例えば、悪魔である君の空想上の世界、とかね。でもそれよりも、僕達インキュベーターとしてはある仮説を支持したい」

ほむら「…勿体ぶらないでよ」

QB「…悪魔に支配された僕達は、悪魔の力を利用して、ほむら、君に干渉した」

マミ「そんなことが…!?」

QB「推測でしかない。裏付けを取るためにしばらく君達の前から姿を消したのに、確証に足るものは何も見つからなかった」

QB「顛末はこうだ。悪魔に支配された僕達は、彼女に悟られないように過去…まどかが宇宙を改変する瞬間に悪魔の力を利用して干渉し、暁美ほむらを次の時間軸に移動させた。悪魔が誕生しなければ…と考えたのかな」

マミ「暁美さんへの実験を止めれば済む話では?」

QB「まどかが改変する瞬間にアクセスすることで、魔獣よりも効率的だった元の魔女システムも取り返せたら…漁夫の利でも狙ったつもり…かな」

QB「というよりも、ほむらの盾を辛うじて動かす、ぐらいの干渉が精一杯だったんじゃないかな。我ながら情けない話だとは思うけどね」

ほむら「…」


QB「結果は…失敗だった。失敗どころの騒ぎじゃない。彼等にとって最悪、君達にとっては最良の結果を叩き出した」

QB「君達は知っているはずだ。ほむら、君が時間遡行を繰り返す度に、まどかの力は増していった」

ほむら「…今さら、それがなんだっていうのよ」

QB「まどかが魔法少女になっても、次の時間軸のまどかはより強い力を宿した」

QB「解るかい?因果は消費されていなかったんだよ。まどかが契約しようがしまいが、因果は増大し続ける」

QB「…では、概念となるほどの力を得たまどかの、その次の時間遡行した先のまどかは、どうなる?」

ほむら「…概念となったまどかを超えるまどかが、生まれる…の?」

QB「それがこの世界に存在するまどかだ。もう過去にも未来にも存在するはずがない、どんな時間軸にだって存在し得ない、そんな彼女の運命を、この世界のまどかは見事に跳ね除けて顕現した。宇宙改変をも否定したんだ」

QB「あの強大な魔力…もう既に彼女は時間軸を超えた理さえ否定出来る。自身が新たな理を生み出すことも造作も無いだろう。彼女は現世に存在したまま、神のように振る舞うことが出来る。もう既に、遊び半分で美樹さやかを魔女化させているんだろう?」

ほむら「…よかった…まどかは…本当に本当のまどかなのね…」

QB「この世界のまどかの強大な力が、僕達がこの仮説を選んだ理由だ。僕達に限りなく都合が悪く、君達の都合に良い。僕達の失敗、と仮定すれば、こんな事も起こりえるんじゃないかな」


マミ「…魔法少女システムを明け渡す、というのは?」

QB「ご覧の通り、この時間軸のまどかは凄まじい力を持っている。僕達では到底及ばない。というか、一度抵抗しただけでこの有様さ。もう誰も彼女を止められない」

QB「ほむら、君にも言えることだ。僕達があの手この手で干渉しても、もう君を止められないだろう。魔法少女システムが君達の手に委ねられるのは、避けようが無い」

QB「だから僕達は決断した」

QB「魔法少女システムを、鹿目まどかの改変をもって完成とする、とね」


ほむら「…システムを放棄、では無いのね」

QB「とんでもない!僕達にとって、魔法少女システムとはエントロピーを凌駕するために開発した、僕達の肝入りのシステムだ」

QB「宇宙の危機を悟ってから、システムの開発に幾億年、感情を持った生物を探すのにまた数億年、君達人類を発見してから魔法少女システムを辛うじて運用するに至るまでさらに何千年、途方もない日々だった」

QB「…それでも、未だこのシステムは安定を欠いた。それどころか不安定な第二次成長途中の少女に対象を絞ったためか、エントロピーを大きく凌駕するようになった反面、不安定さはさらに増した。何時、少女達の願いがシステムに干渉してしまうのか、全く読めなかったんだ」

QB「優れた素質を持つ少女達がいつシステムに干渉する願いを言い出すのか。願いを叶える、というシステム上の要件がシステム自体を脅かす。笑い話にもならないよ」

QB「…近代を迎えた辺りからかな。少女達が僕達の予想し得ない願い事を叶えるようになったのは」

QB「とても理解出来るものでは無かったよ。彼女たちの願いは理不尽で、不条理で、そして勝手に絶望していく。わけがわからなかったよ。彼女らの願いには何の意味も価値も見出せなかった」

QB「でも今なら理解できる。それこそが人間の感情…人間の持つ力なんだってね」

QB「ついに条理は覆された。宇宙の改変…それを二度も成し遂げた。感嘆したよ。エントロピーを凌駕するシステムを保持したまま、魔法少女の終わりの運命を変えた。君たちの価値観に沿ってシステムは書き換えられたのに、円環の理は破綻することなく稼働している。僕等が運用しているより余程マシさ」

QB「だから明け渡すのさ。もちろん契約とグリーフキューブ…呪いの回収のために僕達のサポートはまだ必要だけれど、その問題も君達にとって不都合なら時期に解決するだろう。そう期待しているのさ」

QB「理解してもらえたかな?これで、君達に魔法少女システムを託す理由は全てだ」


マミ「話が長すぎよ。ケーキふたつも食べちゃったじゃない」

ほむら「話の長い男は嫌われるわよ」

QB「なんでこの流れで茶化すかなぁ…まあいいけど。嫌われているようだし、この個体を失わないうちに退散させてもらうよ」

マミ「まって。…キュゥべえ」


マミ「あなたは、その…これからどうするの?」

QB「どうって、まどか次第さ。僕達に出来ることは何も無い。何も変わらないかもしれないし、まどかの改変次第では僕達は消されて、新しい存在が君達をサポートするかもしれない。どちらにしろ、僕達の及ぶところでは無いね」

ほむら「貴方は…それでいいの?」

QB「消えるかもしれない、の話かい?仕方無いんじゃないかな。元より、想定の範囲内だしね」

マミ「…なにカッコつけてるのよ」

QB「考えてみてごらん?宇宙の寿命を延ばす、これ以上の不条理があると思うかい?」

ほむら「…あぁ、そうか…」

QB「宇宙の死を回避する…それこそが宇宙の運命への反抗だ。僕達はハナから、しっぺ返しがあるだろうことなんて織り込み済みだ」

マミ「キュゥべえ…」

QB「その反動が、延ばした分だけが消失するのか、倍返しになって宇宙が死に近づくのか、何かの存在の消滅でバランスを取るのか…」

QB「僕達の消滅で済むのなら、それは安い話だ。それに、魔法少女システムは僕達の手を離れて人類に息づいた。僕達に代わって感情のある生命が、時期に宇宙の命題を解決するだろう」

QB「僕達の目的は遂げられる。充分だ。僕達のやってきたことは無駄ではなかった。これ以上、何も望むことはないよ」


マミ「…ヒック…うぇ…キュゥべえ…」

QB「嫌悪している存在のために泣く、ホント、人間というのは不思議な生き物だね」

ほむら「…たぶん、貴方は消えないわ」

QB「どういうことだい?」

マミ「ふぇ?キュゥべえ消えちゃわないの?」

ほむら「…まどかは、優しい子よ。ええ、キュゥべえ。貴方にも記憶を与えた理由、私には解るわ」

QB「…聞かせてくれないかな?」

ほむら「まどかはね…キュゥべえ。貴方も救おうとしているのよ」

マミ「えっ!?」

QB「また…突拍子も無い話だね?僕はまどかに嫌われているだろう?」

ほむら「それでも、よ…。それがあの子のいいところであり、手を焼かされたところでもあるんだけどね」


ほむら「…キュゥべえ、貴方、感情が無いんだっけ?」

QB「無い。僕たちの文明では、感情という現象は、極めて稀な精神疾患でしかない。知っているだろう?」

ほむら「その『精神疾患』に侵された個体はどうしてるの?」

QB「処分しているよ。同期する時に個体差があっては困るからね」

ほむら「…人間ではね、そういうのを『感情を殺す』って言うのよ」

マミ「…あっ!?」

QB「…僕達が感情を受け容れることを拒否している…そう言いたいんだね?」

ほむら「そもそも知的生命体が…しかも達成困難な目標を掲げている生物が無感情であるはずがないのよ」

ほむら「目標への渇望、挫折、憤慨…例え最初は本当に感情がなかったとしても、後から生まれて来ないわけがないわ。貴方は同期に不都合という理由があるから感情を殺しているに過ぎない」


QB「…」

マミ「…どうなの?キュゥべえ」

QB「認めたくはないが…」

ほむら「それがそもそも感情なんじゃない。貴方はただ、努めて合理的なだけよ。人間から見たら非情に見える選択肢も、合理を優先して選び取る。それだけよ。冷徹と無感情は同じではないのよ?無感情が聞いて呆れるわ」

ほむら「まあ、やることがないなら楽しみにしていなさい。まどかのことよ。きっととびっきり面白い感情を与えてくれるわ」

QB「…もう一度反抗しようかなぁ…」

マミ「キュゥべえ、感情漏れてるわよ」


第8話  まどか、大地に立つ



───見滝原市、海岸付近───



…本日午前7時、突発的異常気象に伴い避難指示が発令されました…

付近にお住いの皆さんは、速やかに最寄りの避難場所への移動をお願いします…

こちらは見滝原市役所広報車です…



杏子「おい」

ほむら「なによ?」

杏子「まどかとは、あれからどうなんだ?」

ほむら「濃厚なまどほむが3回、ライトなまどほむが9回、ほむまどは0回よ」

杏子「完敗してんじゃねーか…ってかそんなこと聞いてねーよ。おまえらちゃんと向き合ったのかって話だよ」

ほむら「…風が出てきたわ…来るわよ!」ダッ!

杏子「まだ影もカタチもねぇだろ…おいこっち向けこら逃げんなこのヘタレぇ!!」


ほむら「いや、ちょ、やめ、りっ、理由はちゃんとあるのよ!?痛ッ!?」ゲシッ! ゲシッ! ゲシッ!

杏子「あーん?ヘタれた以外に真っ当な理由なんざあるわけねーだろぉ?」ローキックローキックハーイキーック

ほむら「べふっ!?聞いてってば!だからね!まどかの力が完全になるまで待とうってことなの!」

杏子「関係あんのかそれ?」

ほむら「大ありよ!…まどかの力次第で、宇宙を改変した後まどかが現世に残れるのかどうかが決まるのよ?万が一出来なかったら、また別の方法を考えなきゃ…時間遡行も含めて」

杏子「まだそんなこと言ってんのかおまえは!?」

ほむら「今のまどかから離れるつもりなんてないわ!」

ほむら「…ただ、私の力だって、まどかの力になれると思うの。自惚れでも何でもなく、時間遡行は切り札だわ。まどかの力と合わせれば純粋に『この時間軸』の時間を巻き戻せるかもしれない。誰も失わず、やり直せるかもしれない」

ほむら「でも何をするにも結局、まどかの力次第でしょ?向き合うのは、それが解決してからでも遅くはないわ」

杏子「なーんか煙に巻かれてるような…ま、ワルプルギスの夜さえ倒せれば時間の余裕はあるんだし…」

ほむら「ええ。だから向き合うのに拘る必要なんてないのよ?それにまどかと私は一心同体、何も問題はないわ!」

杏子「大層な自信だなぁ…すれ違ったら割を食うのはコッチだってのに…」


さやか「まどか。まどかはさ、どうしてみんなを救おうって決めたの?」

まどか「そうしたいからだよ」

マミ「…暁美さんと、どっちを選ぶの?」

まどか「両方ですよ、マミさん」

まどか「さやかちゃん。さやかちゃんは目の前に困ってる人がいて、その人を助ける力があるなら迷わず助けるでしょ?」

さやか「そうだね。それがあたしの正義だ」

まどか「マミさん。マミさんは見滝原に危険が迫ったら、真っ先に駆けつけるでしょう?」

マミ「そうね…いつだって、そうしてきたわ」

まどか「わたしにとっては、助けたい人が全ての魔法少女達で、守りたい世界が過去と未来全ての宇宙です」

まどか「ただ、それだけの話です」

まどか「でも、ほむらちゃんだけは特別。ほむらちゃんだけは、側にいて欲しいの」





杏子「おい、あっちなんかシリアスだぞ?行かなくていいのかよ?」

ほむら「最近まどかが何かにつけてマジになるのよ。イケメンで素敵ね」

杏子「おまえも真面目にやれよ…こいつもう尻に敷かれてそのまま死なねぇかなぁ」

ほむら「それいいわね、本望よ」

杏子「今すぐ死なねぇかなぁ」


QB「やあ。揃ってるね。僕もここに居ていいかい?」

ほむら「キュゥべえ」

杏子「好きにしろよ」

QB「ワルプルギスの夜とは付き合いが長いからね。見届けようと思ってね」

ほむら「…貴方がアレを呼んだの?」

QB「まさか。ワルプルギスの夜に干渉なんて出来ないよ」

QB「ただ、彼女がまだ魔法少女だった頃。君達の尺度で言えば、割合長い時間を共に過ごしたからね」

ほむら「どのくらい一緒だったの?」

QB「200年ほどさ」

杏子「長っ」

QB「勇敢で、優秀な魔法少女だった。僕達の思想を理解し、共に歩んでくれた数少ない人間のうちの一人だ。志半ばで倒れてしまったけど…魔女になった今でも、溢れた呪いの終着点として機能してくれているよ。彼女には感謝しているさ」

ほむら「…私達にとっては、なんとも微妙な話ね」

杏子「おまえ本当にキュゥべえか?キャラ違くねぇ?」

QB「自分の消滅が近いんだ。さすがにナーバスにもなるさ」

ほむら「感情、隠れてないわよ」


マミ「あらキュゥべえ、来てたのね」

さやか「あんたの話は聞いたよ。なます切りは勘弁してあげる」

QB「助かるよ。…久しぶりだね、まどか」

まどか「こんにちは、キュゥべえ」ニッコリ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ





QB「…あれは誰だい?邪神か何かに見えるんだけど」

ほむら「あんな可愛い子になに言ってるの!?女神まどかに決まってるじゃない!!」

杏子「あの威圧感はなんなんだろうなぁ…円環の理の力…気に入ってんだろうなぁ」


ヒュオオオオオオオオオオォォォォ………

さやか「…風、強くなってきたね」

杏子「逃げんなよーほむら?」

ほむら「そうね…そろそろ迎撃地点に向かいましょう」

マミ「ここまで緊張感の無いワルプルギス戦もなかったでしょうね…鹿目さん、大丈夫?」

まどか「はい!いつでもいけます!」

さやか「頼もしいこって…」

杏子「実際、あたしらやることあんのか?」

ほむら「使い魔だって上陸させるわけにはいかないわ。私達の役目は露払いよ」

マミ「狙撃中心になるだろうから、ほぼ私と暁美さんの二人で済むけどね」

まどか「その前に一撃でワルプルギスを沈めちゃいますよ!」

さやか「あたしの親友がおっかない…」

杏子「救済はどうした救済はー」


───海岸、迎撃予定地点───



さやか「…」

杏子「…」

マミ「…」

ほむら「…」

まどか「…」

QB「…」







さやか「…」

杏子「…」

マミ「…」

ほむら「…」

まどか「…」

QB「…来たね」







さやか「…?」

杏子「…あれは?」

マミ「…空が…赤い?」

ほむら「…知らないわ………こんなの知らない!」

まどか「…」

QB「………」

ほむら「キュゥべえ!貴方!何か知っているの!?貴方の仕業なの!?答えなさい!!キュゥべえ!!!」

QB「…僕達はなにもしていない…」

QB「僕も、初めて見るよ。なんということだ…こんなとこが起こり得るのか…





…オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ………………………

QB「あの彼女が、ワルプルギスの夜が、怯えている」


気色悪いな、こんな駄文書き溜めてて恥ずかしくなかったのか




水平線を薄っすらと染める、赤。

近づくにつれ、空を覆い、赤い星空へとなり変わる。

眼前を埋め尽くすあの大軍は、

QB「あれは全て、ワルプルギスの夜の使い魔だ…」


白い人形はその重い頭を高らかに起こし

歯車は気魂しく泣り響く

舞台に役者は誰も残っていない

嘗ては客席から怒号が飛んでも

彼女の興行は終わらなかった

だが、それも今日限り

最強の、超弩級の魔女、ワルプルギスの夜は





「ギャハハハハッアハッギャハッギャハハハハハハギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

神に、最期の戦いを挑む


さやか「…ひっ!?」

杏子「…あれとヤんのかよ…話が全然ちげぇぞ…」

マミ「…あの数…あり得ない…あり得ないわ!!」

QB「最強の魔女と恐れられ、事実、人類の歴史上に顕現しては、幾多の文明すら葬ってきた」

QB「その最強が初めて、まどかを遥か格上の存在と認めたのだろう。自身が消滅すると確信している。それでも退くことを良しとしないのは、彼女の願いか、あるいは誇りか」

QB「あのワルプルギスの夜が、自身の力を全て投げ打って挑んでくる。当然、君達の記憶のワルプルギスの夜とは比較にならない」

ほむら「…!!」

ほむら「…まどか!救済の力は!?」

さやあんマミ「!?」

ほむら「あの力なら!どんな魔女でも消しされる!円環に導いてさえしまえば…!!」


まどか「ダメだよ、ほむらちゃん」

まどか「わたしには、まだ、救済の力は宿ってない」

ほむら「…そんな!?」

まどか「まだこの世界には、円環の理のシステムまでは出来てないんだよ?このあと、私が作るんだから」

マミ「…それじゃあ…やっぱり…アレは迎え撃たないといけないのね…」

さやか「…ムリ、絶対無理…何万いるってのよ…」

杏子「…ちっ…余裕ぶっこいてこの様か…ホント何も学んでねぇ…」

ほむら「…また…私は…なにもできない…」



まどか「大丈夫だよ」

まどか「こちらには、わたしがいる」


まどか「わたしが先に突入します。マミさんとほむらちゃんは、ここを最終ラインに。わたしの援護よりもこのラインを超えてくる使い魔を優先して撃破して下さい」

まどか「さやかちゃんと杏子ちゃんは、わたしに着いてきて。わたしがワルプルギスの夜を相手にするから、わたしに近づく使い魔をお願い。ワルプルギスに近接戦闘を仕掛けるけど、二人共しっかりついてきてね。あのワルプルギス、わたし達の記憶よりも速いだろうから」

ほむら「まどか…貴女…」

杏子「おいおい…そんなのでいいのか?」

まどか「ワルプルギスも使い魔も、目標はこのわたし。避難所に押し寄せることはない。だから、わたしが飛び込むまで」

まどか「わたしは神様だよ?まさか、負けるとでも思った?」

杏子「…!!へへっ!そこまで言われちゃあなぁ!!」

さやか「お決まりのように打ちのめされたけど…へーへーやりゃあいいんでしょやりゃあ!!」

マミ「…わかったわ。あれを全部撃たなくていいのなら、まだなんとかなるか…よし!」

ほむら「…まどか!!」

まどか「準備はいい?ほむらちゃん」

まどか「さあ…行こっか」


>>83
正直キツい。もっと恥ずかしくなる。

まどかは、小さく一歩を踏み出した。

華奢な右手を軽く掲げる。

そして、まるでなんでもないかのように、

「大丈夫だよ、みんな」

そう、呟き、リボンをほどくような気軽さで、

彼女の桃色の愛らしい魔法少女の装いは


アルティメットまどか「…勝つよ」


純白のドレスに生まれ変わった





Uまどか「あっそうだ。ほむらちゃん」バサァ…

ほむら「ふぇ!?」

Uまどか「待ってるからね」フワッ…

ほむら「…えっ?」



…ゴウッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


さやか「はいい!?ちょっと杏子!まどか羽生えて飛んでちゃったけどどうすんの!?」

杏子「っせーなー。おまえも飛べるようなもんだろ。さっさと行くぞ」

さやか「あっそっか…って杏子はどうすんの!?海だよ!?」

杏子「えっ、おまえ水の上走れねぇの?」

さやか「忍者かよ!?あーもーじゃあさっさと行くよ!!」ダッ!!



マミ「魔法少女が防衛線戦だなんてね…世の中何が起こるか分からないものだわ」

ほむら「えーっと、あの、さっきのまどかの、あれ、どういう意味?」

QB「…君は本当にヘタレだなぁ暁美ほむら」

ほむら「貴方までそれを言うの!?」


第9話  お客様の中に魔法少女はいらっしゃいますか?



───海上、最前線───



Uまどか「そぉら!!いっちゃええええええ!!!!」バシュッウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!

さやか「あたしの親友が拡散メガ粒子砲撃ってる…」



杏子「おらっ!!ぼさっとしてんな!」ザシュ!  …バシャァ!!

さやか「杏子っ!?」

杏子「確かにすげぇ火力だけどなぁ…まどかの初撃で奴らの前線は粗方消し飛んだ。このまま押し切るぞ」キンッ  ガッ  ドガッ!!

さやか「了っ解…まどかが撃ち漏らしたのを相手にすりゃいいのね?」ズシャァッ!

杏子「ワルプルギスの夜は使い魔連中の最後尾だ。使い魔全滅までさっきのまどかの火力で3、40発ってところか…流石に…まどか!あと何発イケる!?」

Uまどか「…つまんない」

さやか「…は?」

Uまどか「思ったよりも使い魔が脆い…手数重視なのかな…マミさん!!)

マミ(鹿目さん?)

Uまどか(偽街でのほむらちゃん救出作戦のときのアレ、何発撃てますか?)

マミ(対ブロッケン級の?…あなたが望むだけ、撃てるわ)

Uまどか(あはは!期待しちゃいます!)

Uまどか(一旦、使い魔全部任せます。使い魔軍がマミさんの射程内に入ったら、わたし達が引きつけますから、構わず撃っちゃってください)

マミ(…いいのね?)

Uまどか(手加減出来るような攻撃ですか?)

マミ(…わかったわ。元最強の魔法少女の力、見せてあげる)

Uまどか(はーい!おねがいしまーす!)


Uまどか「聞いてた?」

さやか「後ろからティロフィナるの?あたし死ぬよ?」キンッ

杏子「なんか考えがあるんだろ。なぁまどか」ジャラララララ

Uまどか「うん。さっきも言ったけど、あっちの狙いはわたし。だったらこちらが広範囲を攻撃するより、わたしに群がってきたのを集中砲火したほうが楽。そうでしょ?」

さやか「でもあたし達がマミさんの射線上にいたら邪魔でしょ?いくら構わず撃つって言ったって…」

Uまどか「うん。だからワルプルギスの夜に突撃!しようと思うの」フフン

杏子「…いや、だからそれをやるのに使い魔が邪魔なんだろ…」

Uまどか「そう!だから」

Uまどか「↑」

さやか「…?」

杏子「…おい…まさか…」

Uまどか「上に、まいりまーす」ニッコリ


───海岸、防衛ライン上───



マミ「ここでは列車砲は使えないわね…他の攻城砲を一から組むか…なにがいいかしら…」シュルルルルル…

QB「随分大きいね…ほう?装填機構まで…複雑な構造は苦手じゃなかったのかい?」

マミ「手持ちのサイズだとね…大型化しても問題無いなら、なんとか造れるわ…苦手には違いないけれど」…ルルルルルル、ギチッ

ほむら「…私は、まどかの役に立てないのね…」

マミ「…さすがに難しいわね…でも未来のわたしが出来たのだし…」シュルルルルル…

ほむら「手持ちの火器…全然射程が足りないわ…時間停止も…出番が無いし…」

マミ「………」シュルルルルル…

ほむら「待ってるからって言われても…わたし…またなにも出来ない…」

マミ「暁美さんちょっと静かにしてて。集中出来ないわ」

ほむら「 」ガーン


Uまどか(マミさん!準備出来たら教えてください。それまで使い魔を牽制してます)

マミ(その必要はないわ。超長距離カノン砲…八門、いつでもいけるわ)

Uまどか(おおう…さすがマミさん…じゃあこちらのタイミングで仕掛けます!マミさんは好きなようにやっちゃってください!)

マミ(オーケー…ド派手なのをお見舞いしてあげるわ)


Uまどか「それじゃ!はい!」つ  つ

杏子「なあ…本当にやんのか…?」右手つ ギュ

さやか「杏子…腹をくくろう…止められないって…」左手つ ギュッ

Uまどか「しっかり握っててね!それでは!」

Uまどか「ごー!」

さやか「…神様、生きて帰れますように…」

Uまどか「よーーん!」…ゴゴゴゴゴ

杏子「…てめぇの隣にいるだろカミサマがよぉ…」

Uまどか「さーーん!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

さやか「…悪魔のがマシかなー…」

Uまどか「にーーー!!!」ゴゴゴゴオオオオオオオオオ

さやか「…もう何も怖くない」

Uまどか「いちーーーー!!!」コォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

杏子「テメッ!?それフラグ

Uまどか「発っっっ射ーーーー!!!! ズッオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

さやあん「ッあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?






マミ「…宇宙にでも行く気かしら…いちいちスケールが大きいわね…」

ほむら「使い魔がみんな上向いたまま呆けてるじゃない…アホらしくなってきたわ…」

QB「使い魔の頭上をちょっと超える程度で充分なんじゃあ…」

マミ「!!…お喋りはここまでね。カノン1番2番!弾種、榴弾で牽制!発射ッ!!」ドォンッ!!!


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

さやあん「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

Uまどか「かーなーたーへー♪きーみーのーてーをーとーりー♪」

さやあん「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

Uまどか「こーこーろーだけーがしーっーてーるーばーしょーへー♪」

さやあん「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

Uまどか「みーすてーりーおーそー♪まーいーあーがーるーよーーー到着!!」

さやか「おぶぇ!?」グキィッ!?

杏子「がはッ!?げほっ急に止まるな!!」

Uまどか「おまたせしましたー!高度30000mくらいでーす!」

杏子「やりすぎだろ!!?」

Uまどか「ただいま当機は自由落下中でーす。これよりワルプルギスの夜に真上から突撃しまーす」

さやか「なんであたし達までこんなとこに…」

Uまどか「んーとそうですねーそれじゃーまーそろそろ



Uまどか「真面目にやりましょうか、二人とも」


第10話  『どんな姿に成り果てたとしても』


さやか「…まどか?」

Uまどか「…ここからはバラバラで。わたしが先行して、ワルプルギスの夜を抑える。二人とも、自分のタイミングで仕掛けて」

杏子「おい!?こんなところで別れるのかよ!?冗談じゃねぇぞ!?」

さやか「死ぬって!絶対死ぬって!」

Uまどか「さやかちゃん、杏子ちゃん」

Uまどか「…待ってるからね」

杏子「おっ、おい!?」

Uまどか「特に、さやかちゃん」

さやか「な!?なにっ!?」

Uまどか「天使」

さやか「!?」

Uまどか「それじゃ、行くね」ゴウッ!!!

杏子「まどか!?まどかあああああ!!?」


ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…



Uまどか(♪~)

大丈夫。

Uまどか(♪~)

みんな、もっと強くなれる。

いつの日か、わたしよりも、ずっと。

Uまどか(♪~)

どうか、理解して。

わたしのワガママな願いを。

ほむらちゃんの旅の記憶を。その果てを。

Uまどか(~♪)


わたし、ほむらちゃんと一緒にいたい。

でもね、

さやかちゃん、

杏子ちゃん、

マミさんに、

…キュゥべえも。





どうか、わたしと一緒に生きて。

わたし、みんなとも一緒にいたい。

だから、

Uまどか「…散々みんなを泣かせてくれたね」

ワルプルギスの夜「─────────」

どうか、

Uまどか「あなたのことは、後で必ず救う」

どうか、強くなって

Uまどか「だから今は、そこをどけえええええええええ!!!!!!!」

これからも、わたしとほむらちゃんを助けて


─────…ォンッ!!!  ドォンッ!!!  ドォンッ!!!  ドォンッ!!!  ドォンッ!!!  ガカッ  ドォンッ!!!…ズズンッ!!!



マミ「…6番…沈黙……4番…装填…8番…エイム…発射……」ゴホッ

ほむら「マミ!もういいわ!少し休んで!マミ!!」

巴マミは既に前を向いていない。

今、彼女の網膜には八門のカノン砲の照準が投影されている。

マミ「2番…発射…3番徹甲…8番…砲身…冷却……」フラッ……   ドサッ

ほむら「マミ!マミ!!くっ!!」

マミから託されたソウルジェムにグリーフシードを充てがう。

幾つ目だろう。二桁はとっくに超えた。浄化と消耗を繰り返すソウルジェムは、まるで明滅しているかのようだった。

マミ「斉射…1から3番斉射……ヒュッ……ゲホッ…撃て…」

ほむら「マミ!!くそっ!!まどかっ!!まだなの!?まどか!!!」

本来の目標を失った使い魔は、攻城砲を擁する巴マミを新たな敵と認め、押し寄せた。

それでも万の軍勢を一人で押し留めた彼女は、最強の魔法少女を名乗る資格があるだろう。

防衛ラインは、未だ健在していた。

マミ「…やらせるものですか…4番…射角…良し……………

ほむら「マミ!?マミ!!まどかっ!まどかぁ!!」

上出来だ。充分だ。ならば、もう彼女は救われるべきだ。

QB「まどか…もういいだろう…まだ、君は…まだマミを試すというのか…!!」


─────大丈夫。

ほむら「………ッ!!!」

もう大丈夫。

おまたせ。

さぁ、ここから先は、

ワルプルギス「───────────────ギャハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

Uまどか「───────────────ッああああああああああああああああああああ!!!!!」



ゴッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!



ワルプルギス「ギャハハブギョッッ                        !!?!!?!!!!!?」ズシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

Uまどか「ブッ殺すぞぁあああああああああああああああああああん!!!!!!???」



─────女神、光臨。アルティメットまどか様タイムだ。





ほむら「まどかっ…まどかぁ!!!」

QB「急降下の勢いそのままにワルプルギスを殴りつけたのか…なんて無茶を…」


Uまどか「そらぁ!!!」バキィッ!!!!

ワル「ゴブェッ!!??」ドボォッ!!!?

Uまどか「オラァ!!!!」ゴシャァッ!!!!

ワル「ギャバァ!?!!」グシャァッ!!?!

Uまどか「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ワル「アギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

Uまどか「ほむらちゃんのヘタレエエエェ!!!!!!!!!!!」ズシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!

ワル「ッギャアアアアアアアアアアア!!!!!!!??」ズザァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!


ほむら「なぜそこで私ッ!!?」

QB「どうでもいいよ。それよりも今のうちにマミを!」

ほむら「ああっ!?マミ!無事!?生きてる!?」

マミ「…ゴホッ…戦況…は…?」

ほむら「まどかが到着したわ。大丈夫よ、少し休んで

マミ「そう…それじゃあ…ここからが…本番ね…」ズズ…フラッ

ほむら「マミっ!?ダメよ寝てなきゃ!」

マミ「なにを言ってるの…忘れたの?…私の役目を…キュゥべえ…使い魔は…?」

QB「元々の目標であるまどかに向かっている。もう既にまどかは囲まれているよ」

ほむら「そんな…くっ!マミ!カノン砲を私に!エイムとトリガーぐらいなら私の魔法でも

マミ「…邪魔よ…どきなさい…」

ほむら「マミ…!?」

マミ「敵が背中を向けている…今撃たないで何時撃つの…これは私の仕事よ。貴女は貴女の成すべきことをしなさい…」

ほむら「わたしに…できることなんて…」グスッ

マミ「…暁美さん…一つ言っておくわ…今の貴女よりも…悪魔さんのほうがずっと素敵だわ…」

ほむら「!?ど、どういうことよ!?」

マミ「さぁね…さ、どきなさい…私には…撃たなきゃならない敵がいるのよ…」

マミ「応えなきゃいけない…大切な人がいるのよ…!!!」


ああ、SSってキツいんだ。初めて知った。

ワル「ギャアアアア!!!!」ドガァッ!!!!

Uまどか「がはっ!?ぐっ…げほっ!!!」ガキッ!!  ガキンッ!!

使い魔「キャハハハハ!!」

使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」

Uまどか「ッ…!…硬いなぁ…手が痛いよ…そぉらっ!!!」ヒュガッ!!!!

ワル「ギャハァ!!?アギャギャグギャハァ!!!!」ッ…ズオオオ!!!!

Uまどか「これでどうおぶっ?!げほっげほっ!うっとおしいなぁ!!!」

使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」


ほむら「使い魔が邪魔だ…さやかと杏子はどこに…マミさん!?」

マミ「…スゥ…ハァ…



巴マミ。かつて最強と謳われた魔法少女。

幼少期に不慮の事故にて両親を喪い、

彼女は己の命と引き換えに戦う運命を負った。

11ヶ月。魔法少女の平均的な寿命。

5年。彼女は一人で見滝原を守った。

弟子が出来た事もあった。

直ぐに失った。

一人だった。


ある日、奇妙な出来事に巻き込まれた。

突然、異世界の自分を知った。

仲間を撃っていた。

仲間を殺していた。

同胞を殺していた。

同胞に殺されていた。

死んだ。

殺した。

何度も死んでいた。

マミ  ………」

だのに、

こんな自分を、救った人がいた。

こんな無価値な自分を、慈しんでくれた。

ならば、

捧げよう。

マミ「………5番、魔法力装填、完了」…オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…

彼女が、彼女達が望んでくれたから。



マミ「…ティロ・フィナーレ…」…コァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



これが、私の、愛だ。



マミ「…コン・フォーコ!!!!!」キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


───上空───



杏子「…まどかに試されてんのは理解した。さやか、あんたが言われてた天使ってのは?」

さやか「円環の理の…魔女の力を自由に操る力。アレを使えるようにしろってことだと思う」

杏子「はん…舐められたもんだ。このあたしが挑発されっぱなしじゃねーか」

さやか「杏子…まどかは

杏子「カンケーないね。あたしはあたしのやりたいようにやる」

さやか「…そうだね。あたしもちょーっとおこかな。好き勝手してくれちゃって」

杏子「…よっし。ぶん殴りに行くか。ついでにワルもよ」

さやか「ついでがそっちかー…ま、賛成、だね」


美樹さやか、ただいまお空のどこかを落下中。

さやかちゃんはとても困っていた。

脳内オクタヴィアちゃんと仲良くね!と言われても、

アレはどっかの世界のさやかちゃんが失恋をこじらせたっていう、

なんだかしょうもなーい理由で魔女してるらしい。

さやか(どこのあたしだか知らないけど…願い事くらいキッチリ分別つけなさいよ…)

幸か不幸か、この時間軸のさやかちゃん、

ちょっとだけ賢かった。

さやか(コイツ…話通じるのかなぁ…?)

さやか(それともあたしが自分で…あたし…絶望、出来るのか…?)

なかなか斬新な悩みである。


佐倉杏子は苛立っていた。

理由は数あれど、こうも容易くルーキー達に超えられてしまっては、

ベテランとして立つ瀬が無い。

杏子(おいおい…いつの間にかこいつらの中であたしがドベなんじゃないか…?)

…まどかは少々例外過ぎるけれど。

順位に拘っているわけじゃないが、

さやかにレベルアップの要素があるのなら、

杏子(あたしだって出来なきゃいけねぇ)

その心は?

もう少しだけ待って欲しい。

彼女もなかなか、素直になれない。


Uまどか「はぁっ!!やっ!!ッ!せぇぇえい!!!」ゴッ!!!  ガッ!!!  ズシャアァッ!!!!

ワル「ギャハハハハ!ギャハ!アハッ!ギャハハハアアア!!!」ゴガガガガガガガガカッ!!!!

使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」使い魔s「キャハハハハハハハ!!!」

Uまどか「くっ…ちょっと面倒になってきたかな……ハッ!!?」シュン!!





…キラッ…

────────………………ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ………………────────────────────────






ワル「ゲヒャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!???」ジュッアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!

使い魔s「キャッ                 !!??」ジュッ────────!!!!!!!

Uまどか「ふおっ!?とー危なかったー………勢いでテレポートしちゃったけど…出来るんだ…わたし」テヘッ


マミ「…ハァッ…ハァッ…ハッ…」ドサッ

マミ「いくらなんでも…調子に乗り過ぎね…ちょっと休むわ…」

ほむら「マミさん!待ってて!すぐに浄化するわ!」

ほむら「暁美さん…いいから…あなたは…鹿目さんのところに…」

ほむら「私が行ったってなんの役にもたてないわ!そうよ…昔からそう…私は…何もできない…」グスッ

マミ「………そっか…そういうことか…やけに気弱だなぁと思っていたら…あなた、眼鏡をかけていたころの暁美さんが出ているのね…?」

ほむら「…ふぇ?」ズビッ

マミ「…あー…わたしのせいかなぁ…あなたの元々の性格…それに…理想の姿でもあったものね…」

ほむら「理想…なんの…話?」

マミ「未来のあなたの結界の話よ…遊び半分で眼鏡をかけさせたのがいけなかったのかしらね…」クスッ

ほむら「眼鏡なんか…かけてないし…」

マミ「ふふっ…ねぇ?あなたは今でも悪魔が嫌い…?」

ほむら「…わかりません」

マミ「…そう…そうね…もし契約をせずに…普通の中学生でいられたら…あんな姿になることもなかったものね…」

ほむら「………」


マミ「…ねぇ暁美さん?…あなたが時を巻き戻したのは…この時間軸に来たのは…未来のキュゥべえの仕業だったのよ?」

マミ「あなたがあのまま、あの時間軸にいたら…必ず悪魔になっていた…間違いないわ…」

ほむら「…」

マミ「あなたは逃げてなんていなかった…自信を持って…逃げなかった結果が、あの悪魔なのよ…?」

ほむら「!…」

マミ「どんな理由であっても…導かれることを良しとせず…戦い続けることを選んだのよ…そんなあなたが悪いはずなんてないじゃない…誰もあなたを責められないわ」

ほむら「…」…パキ

マミ「あの未来はあなたのものよ…受け入れるまでもない…そうよね?」

ほむら「…手間をかけさせたわね、マミ」…パキ…パキッ…

マミ「…行きなさい。待ってる人が、いるんでしょう…?」

ほむら「ええ、そうね…私、行くわ。ありがとう、マミ」…パキンッ!!!

マミ「…似合ってるわよ…その姿…」



悪魔ほむら「そうね…自覚はあるわ」…バサァッ!!!


さやか「あー…うーん…あーでもない…こーでもない…」

杏子「それ口に出すことか?なにやってんだよさっきから」

さやか「オクタヴィアちゃんと脳内会議」

杏子「バカって気楽でいいよな」

さやか「なんですと!?…よし。オッケーいつでもいけるよ!」

杏子「あん?そんな簡単なもんなのか?」

さやか「恭介が中沢に取られるよりはマシだって説得した」

杏子「魔女もバカなのか!?」

さやか「うっさいわねー…でね?杏子、やりたいことがあるんだけど、協力してくんない?」

杏子「…あたしもたぶん、同じ事を考えた」

さやか「おお!?ついに以心伝心ってヤツですか!?これはもう今日のさやあんは大活躍決定ですな!!」

杏子「うっぜぇ…まあ…さやか、あたし、それにオクタヴィアとくれば、コレしかないだろ」

杏子「それに、とっておきもあるしな」


Uまどか「さすがティロ・フィナーレぇ…サテ○イトキャノンみたいになってたよ…これじゃあさすがにワルプルギスも

ワル「────────────グパァッッッ!!」アーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!

Uまどか「───え?」





デビほむ「チェストォオオオオオオオオオ!!!!!!」ドゴオオオオオオオオオオッ!!!!!!

ワル「ゴッ!?ブファアアアアアアアアアア!!!!?!?!!?」ビッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッ!!!!!!!





デビほむ「………間に合ったわね」バサッ!!


Uまどか「ほむらちゃん!!?」

デビほむ「待たせたわね、まどか」ギュッ

Uまどか「ほむらちゃん!!」ギュゥゥ!

デビほむ「もう何も心配いらないわ。私が片付ける」ナデナデ

Uまどか「ほむらちゃん!!!」ギュゥゥ!!

デビほむ「さあ下がってなさい、後は私が「おそぉい!!」ドボォ!! ぐぼぉ!!?」ハラァッ!!?

Uまどか「遅いよほむらちゃん!まど神様激おこぷんぷん丸だよ!!」プンプン

デビほむ「あぁ…これね…痛みすら愛おしいってこういうことを言うのね…」ビクンッビクンッ


ワル「ッ…ッ…ォォォ…オオオオオオオオオ!!!!」





デビほむ「まだ動けるの…あぁでもちゃんと疲弊はしているのね…初めて見るわ…まどか!残りの使い魔は放っておいて、私と一緒に愛の共同作業といきましょう。トドメ刺すわよ」

Uまどか「ちょっと待って…全員揃ってから…まだかなぁ…あ!ほら!やっときた!」

デビほむ「今さら誰が………うわぁ」


杏子「タングステンで出来ちゃいねーが…神の杖だ、受け取れ」ズズズズズ……

さやか「はいよ!オクタヴィア!!目標、ワルプルギスの夜!スクワレで加速して突っ込む!!」コアアアアアアアアアッ!!!!!

杏子「…あぁ、さやか、こういうのはどうだ?」スッ…

さやか「へ?」

杏子「…ロッソ・ファンタズマ」

杏子「…for オクタヴィア」…ヴンッ!!!!!!



杏子「…ロッソ・マジカルスコール・スプラッシュ」ッキィイイイン!!!!!!!!!!!





オクタヴィアs「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ズド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓ド↓!!!!!!!!!!!!!



ワル「ギィヤァアアアアアアアアアアア!!!?!!!??!!!」ズガガガガガッガガガガガガガガガガガッガガガッガガッガガガガガッッガッガガガ

使い魔「ガッ

使い魔「ギャハ!?

使い魔s「イギャアアアアア!?!!!!」ズガァッ!!!!!!!



───海岸、最終防衛ライン───




デビほむ「ぶはぁ!!バカじゃないのあいつら!?」シュンッ!!  ザザァッ!!

QB「急に現れないでくれよ。驚くじゃないか」

Uまどか「すごいなぁ。あ、あれだ!ドラゴンダイb「それ以上はいけないわ」

マミ「大量の人魚が降ってくる…シュールね…きっと大漁ね」ボソッ

Uまどか「みっなさーん。マミさんがなんか言ってまーす」


さやか「どっせい!」ズザァッ!!

杏子「…っと。やっと帰れたな…おいまどかぁ!」

Uまどか「ティヒヒ…ごめんね☆」テヘペロッ

デビほむ「まどかに悪気はないわ。文句なら私を倒してからにしなさい」バサァッ!!

さやか「誰アンタ!?あっほむらか!?目付き悪っ!?」

杏子「あーこれはキッツいなー…まだ中2なのに痴女じゃねーか。親御さん悲しむぞ?」

デビほむ「うっさいわね!?親は関係ないでしょ!?」


QB「これで揃ったね」

マミ「ピュエラ・マギ・ホーr「「やめろ(て)」」

デビほむ「…まどか」

Uまどか「…うん、そうだね」

デビほむ「ごめんなさいみんな、私「さっさといけ」

Uまどか「杏子ちゃん…」

杏子「ほむらの因縁の相手だろ?トドメ刺してこい」

さやか「あ、まどかも一緒にね?ほむら一人じゃ負けちゃうかも知れないからね」ケラケラ

マミ「正直限界なのよ…さすがに疲れたわ…あなた達に任せるわ」

杏子「なんだ歳か「ぶっ放すわよ?」

デビほむ「みんな…」

デビほむ「ええ…わかったわ。私とまどかの石○ラブラブ天○拳をその目に焼きつけておきなさい!!」

さやか「うわぁ…」ドンビキ

Uまどか「それはちょっと…ないかなって」ヒキッ

杏子「おまえ前以上にめんどくさくなったな」イラッ

マミ「やっぱりメガほむのほうが可愛げがあったなぁ」クスン

デビほむ「まさかのフルボッコ!?」ガーン!?


朝からなにやってんだろ。完走キツくなってきた。

第11話  QB「フウフゲンカ?それが今日の晩ご飯かい?」



ワル「キャハ…キャハハ……ハ…キャハ…」……ボロ………ボロ…………

デビほむ「…終わりね」

Uまどか「うん…やっと終わるね」

デビほむ「長かった…本当に…やっと…」

Uまどか「…さあ、ほむらちゃん、一緒に」

デビほむ「ええ、まどか、一緒に」


デビほむ「…あら?あの時のように一緒に弓で射るんじゃないの?」

Uまどか「それでもいいんだけど…ほむらちゃんがさっき言ってた…」

デビほむ「えっ…アレ!?冗談に決まってるじゃない…」

Uまどか「セリフはさすがに恥ずかしいけど…」

Uまどか「ほむらちゃんがしたいなら…いいよ?」

デビほむ「  」


さやか(ヘーターレ)

杏子(ヘーターレ)

マミ(ヘーターレ)

QB(ヘーターレ)

デビほむ(わざわざテレパシーで煩いわよあなた達!!?)

Uまどか(ヘーターレ)

デビほむ(まどかまで!?)

オクタヴィア(オーオーオ)オオオオオオオオオオオオオ

デビほむ(嘘でしょっ!!?)


ワル「ア…ハ…アハ………ハ…………」





デビほむ「…お別れね」

デビほむ「…おまえも、もう、休みなさい」

Uまどか「ほむらちゃん、手を」スッ…

デビほむ「ええ、まどか」…コオ…ッ!!

デビほむ「…さようなら、ワルプルギスの夜」…コオオオオオオ…!!

Uまどか「あなたのことも、絶対、救いに行くからね………!!」キイイイイイイイイイイイインッ!!!

デビほむ「…これで…!」オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

Uまどか「ぜんぶ!!!」キュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!

まどほむ「終わりだああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

ゴッ!!!!!!!!!!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!───────────……………………………

ワル「ア……………ハ………………────────────────────────────────────────────


さやか「終わったかぁ…終わったーーー!!!やったぜーー!!バカヤローー!!いちゃいちゃしやがってーー!!」

杏子「デカイ技一発だけだってのに…やたらキツかったな…」

マミ「そりゃ空から落ちてくればね…よく流されなかったわね?」

杏子「魔法」

マミ「呼吸とかどうしてたの?」

杏子「魔法」

マミ「なんでもアリじゃないの…」

杏子「魔法で紅茶出してる奴に言われたかない」

さやか「…おー?御両人お帰りだぞー!」

杏子「…そういや、あいつらが向き合うとかなんとかがメインだったな…」

マミ「元々ワルプルギスの夜は一撃で済む予定だったからね…あふ…眠くなってきたわ…」

杏子「急なスパルタの理由もちゃんとまどかから聞きたいんだが…面倒だな…もう明日にして帰ろうかな…」


>>123
そりゃないだろ、駄文言われたのを気にしてんのか?
本編あれだけ中二だったんだから二次創作も臭くなって当然だろ?

ここまで読んだ人なんて存在すんのか。マジありがとうあんたスゲーわ。パソコン叩き割りてぇ

>>129
いや、完走はする。マジありがとう。

でもコレ。キツい。変な笑い出る。

Uまどか「…」

デビほむ「…どう?まどか」

Uまどか「うん、やっぱり。ほむらちゃんが時間遡行を繰り返したこの場所と時間に向かって、わたしの力は強まってたんだね」

デビほむ「特異点ってヤツかしらね…まどか?」

Uまどか「…」

デビほむ「まどか?どうしたの?」

Uまどか「時が来たら、もっとこう…シュピーン!シャキーン!って新しい力が増えたり変身したりするのかなぁって期待してたから…」

デビほむ「…特に大きな変化はないわね…」

デビほむ「…特異点の理屈なんかどうでもいいわ、どうせ改変するのだから…まどか。概念にならずに改変は出来そう?」

Uまどか「余裕のよっちゃんイカだよ」

デビほむ「あなたホントに中学生?」





Uまどか「…ん。よし、いつでもいけるよ」

デビほむ「…そう…ね。その前に、ちょっといいかしら?」

Uまどか「…うん。ちゃんと、向き合わないとね」


なら、休んだらどうだ?しばらくは落ちないしな

デビほむ「…私の、最初の願い」



『私は、鹿目さんとの出会いをやり直したい』

『彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい』



デビほむ「貴女を守る私になりたい…。ふふっ、長かったわ…本当に永かった。私はとても弱かったから…ずいぶん待たせてしまったわね。ごめんなさい」

デビほむ「姿まで変わってしまった私だけど…。貴女のためなら、平気だわ。どんな姿でも、傷ついても、貴女を守れるならなんだってするわ」

Uまどか「…」

デビほむ「魂だって、ほら、捧げられる……すんごい色してるわね…こんな私だけど、どうかこれからも、あなたを私に守らせ「違う!!」

デビほむ「!?…まど、か?」

Uまどか「ほむらちゃん全然わかってない!全然わたしのこと解ってない!!わたしはね!ほむらちゃん!!」

Uまどか「悪魔なほむらちゃんを認めない!!!!」

デビほむ「そんな!?」





杏子「あいつ…3話あたりで私は理解してるって豪語してたよな?」

マミ「急なメタは止めなさいよ…」

さやか「マミさん人の事言えない…」


Uまどか「わたしはこんな痛々しいほむらちゃんを見てられないの!痛いのが愛だなんておかしいよ!わたしだってほむらちゃんを助けたい!自分を犠牲にするなんてそんなの絶対許さない!!」

デビほむ「貴女…貴女だって自分を犠牲にしてばっかりじゃない!?私が何度繰り返したと思ってるの!?過去の貴女もいつも何時も自己犠牲してばっかりだったわ!貴女だって過去の自分が許せないって言ってたじゃない!!」

Uまどか「…ッ!!?…聞いてたの?」

デビほむ「…あ」





さやか「おーっと暁美選手、ここで手痛い墓穴を掘りました。一方的な展開が予想されますが…解説の巴さーん?」

マミ「あの子結構バカなのよね…私とはしゃいでるときも口を滑らしてたわ…」


デビほむ「…いやいやいや貴女だって私の話をこっそり聞いてたじゃない!?私だけが責められるのはおかしいわ!」

Uまどか「…う…っていうかどうやって聞いてたの!?最初はホントに寝てたし、仮にもわたしの魔法だよ!?バレるはずがないよ!!」

デビほむ「私の中にまどか(の魔法)が入ってきたのに、感じないわけがないじゃない!!!」

Uまどか「ッ!!!??」





杏子「すげぇな。変態って神様より強ぇーんだな」

さやか「長引きそうだね…あたし一回帰るわ。なんかいるものある?」

杏子「ハンタ貸して」

マミ「Zz…」


>>134
いや、ここで止めたら心が折れる。粉砕する。意地でも完走する。

Uまどか「変態ッ!変態ッ!!へんたいっ!!!ヘンタイッ!!!!」

デビほむ「ふふん!この悪魔たるもの、変態呼ばわりなどご褒美でしかないわッ!!!」

Uまどか「ほむらちゃんの変態!!ヘタレ!!甲斐性無し!!痴女!!絶壁!!!」

デビほむ「絶壁は貴女に言われたくな…げぶぁあああああああ!!??!!?」バキイイイイイッ!!!!!??

Uまどか「ほむらちゃんのバカァアアアアア!!!!!!」ドカアアアアアアアアアアンッ!!!!!!





QB「まどかが君達に試練を与えたのはね、

杏子「えっ、おまえがその話を始めるのか?」

マミ「Zz…」


デビほむ「やったわねぇ…貴女は私に守られてりゃいいのよおおおお!!!!!」ゲシイイイイイイイッ!!!!!!

Uまどか「いったああああい!?怒った!!もう怒ったからねええええ!!!!!」ゴゴゴゴゴオオオオオオオオ!!!!!!!





QB「改変した世界で、君達に生きてもらうためだよ。願いによって多くの記憶を与えられた君達、にね」

杏子「あん?なんか関係あんのか?それ」

QB「普通に宇宙を改変したら、君達の記憶は消える。未来の君達がそうだろう?」

杏子「…あぁ、そうだな。まあ、あたしらはそれでいいと思ってたけどな」

QB「まどかは…簡単に言えば、前時間軸を乗っ取るつもりだ」

杏子「へー…それはまたデカイ話だな」

QB「前時間軸だけじゃない。改変した後に全ての時間軸を『上書き』するんだ。そして上書きするにあたって、

QB「この時間軸から誰かを連れて行こうものなら『衝突』する。さて、杏子。杏子が二人いて、片方消えるとしたら、どちらが残る?」

杏子「…強い方」

QB「だろう?そのためさ」


杏子「…いや、結構ひどい話じゃないのか?あ、いや…いいのか?」

マミ「結局改変される側は記憶を保てない…詰まる所は同じよ…別に面と向かって自分と戦うわけじゃない。それに、鹿目さんが本来消したい相手は」

QB「未来のほむら…それに、概念となったまどか自身も含むのかな。君たちはそのついで、オマケさ」

杏子「オマケね…ま、招待を蹴る理由もねーわ…んなことより、あたし強くなったのか?空飛んで落ちただけだぞ?」

QB「その割りにはずいぶん大仰な魔法を使ったじゃないか」

杏子「あれは…ついテンションが上がっちまって…」

マミ「ロッソ・マジカルスコール・スプラッシュ」(笑)

杏子「ケンカ売ってんのかおまえ…まて、どうやってそれを聴いてたんだ!?」

QB「力を与えたのはまどかだよ。ただ、単純にまどかの力を与えたわけじゃない。皆が自分自身で持っている力さ」

QB「因果は消費しない…時間遡行を繰り返したわけではない君達の因果など微々たるものだけど、枯渇しないというのは大きなアドバンテージだ。いや、もちろん宇宙規模で見ればエントロピーの増大に影響がある可能性が



さやか「とうちゃーく!ほら、ハンタと摘まむものテキトーに」ホイッ

杏子「おー助かる。まどかとほむらに加えてキュゥべえまで話が長い」

マミ「漫画、他にないの?」

さやか「あたし結構売っちゃったあとで…あ!まどかの家にNA○A全巻ありますよ?」

マミ「それは…結構…鹿目さんのイメージが崩れるわね…」

QB「ここ重要な話なんだから茶化してもらっちゃ困るんだけどなぁ…」


第12話  このSSは、まど☆マギオ○ラインの提供でお送りいたします



Uまどか「さやかちゃん!!!」

さやか「おーおかえりまどか。そのボロ雑巾はなんだー?」

Uまどか「私の嫁。それより!すぐ改変やるよ!準備して!」

杏子「Zz…んがっ…なんだ?もうやるのか?明日で良くねぇ?」

マミ「ずいぶんサラッと嫁宣言したけど…ホントにいいの?これで」

デビほむだったモノ「  」ボロ

Uまどか「聞き分けがないのでお仕置きしました。大丈夫です。解り合えました」

QB「実験が施された時だってこんな悲惨な目には…」フシメ

さやか「ホムリリィになった時だってこんな惨いことには…」アワレメ

ほ/む/ら「  」


QB「まどか、頼みがある」

Uまどか「んー?」

QB「魔法少女システムを、宜しく頼む。僕達は、改変後の世界には行けないのだろう?だから「キュゥべえ!」…なんだい?」

Uまどか「一緒に、行こう!!」

QB「!…感謝するよ、鹿目まどか…」

Uまどか「社畜キュゥべえと、どMキュゥべえ、どっちがいい?」

QB「ここでお別れだ、鹿目まどか」


Uまどか「それじゃいっくよー?」

さやか「…軽い、軽すぎる…」

杏子「おい、おまえ一応円環の理の一員になるんじゃないのか?いいのか?アレで」

さやか「あっ…その辺どうなんだろ…」

マミ「わたし…新しい世界で上手くやっていけるかしら…友達いるのかなぁ…」

QB「皆、頼む、目を覚ましてくれ。前時間軸を改変するということは、未来の悪魔と戦うかも知れないんだよ?解ってる?ねぇ?」

生ごみ「  」





───宇宙───





QB「世界が書き換えられていく…新しい概念が誕生したというのか!?」

マミ「なんでまたそのセリフを言うのよ…」

さやか「3度目らしいけど………地球は、青かった」

杏子「てめぇら真面目にやれよ…」

Uまどか「さすがにちょっと静かにして。間違えたら宇宙消し飛ぶ」

QB「すみませんでした「黙って」はい」







「貴女達、何をやっているのかしら?」…バサッ…





さやか「!!」

杏子「ちっ…」

マミ「…来たわね」


悪魔ほむら(叛逆)「私の庭で、一体何をしているのかしら?」

杏子「…悪い。悪いが、やらせてもらう」

マミ「…」

さやか「…まどかの邪魔はさせない」

叛逆ほむら「可笑しなことを言うのね?美樹さやか。というか、貴女達は一体何?」

叛逆ほむら「まどかなら…ええ、今も変わらず学校に居るわ。私の世界に干渉する馬鹿が現れたから何かと思えば…」

叛逆ほむら「まあ、いいわ。来なさい。誰であろうと、私とまどかの邪魔はさせないわ」



「それがわたしであっても?」



叛逆ほむら「!!?ッ…そんな…いつの間に力を…いいえ…あり得ないわ…あなた、一体!!?」


ハイパーアルティメットまどか「遅い」


叛逆ほむら「…え?」



HUまどか「ほむらちゃんはやっぱりほむらちゃんだね」

HUまどか「もう…改変は終わっちゃったよ。あとは、ほむらちゃんだけ」


HUまどか「───────これで、わたしの話はお終いだよ」

HUまどか「既に、わたしの時間軸での円環の理…救済のシステムは完成した。この世界も時期にわたしの世界に置き換わる。ほむらちゃん、あなたも例外じゃない」

叛逆ほむら「………」

HUまどか「ごめんね…ほむらちゃんはこちらのほむらちゃんの中で生き続けるっていう考えで…わたしと一緒に生きてくれないかな…?」

叛逆ほむら「…私のまどかはどうなるの?」

HUまどか「わたしが彼女の人生を引き継ぐ。ほむらちゃんが作った世界は、ちゃんと尊重したつもりだよ」

叛逆ほむら「そう…話は理解したわ………」

HUまどか「……………ほむらちゃん?」


叛逆ほむら「…まどか、また貴女と話せてよかった」

叛逆ほむら「…新しい世界を、よろしくね」

マミ「えっ!?」

さやか「そんなアッサリ…」

杏子「てっきり宇宙規模でやり合うのかと…」

叛逆ほむら「…三馬鹿、私をなんだと思っていたの?」

さやあんマミ「三馬鹿!!?」

叛逆ほむら「私には解るわ…あなたも本当のまどか…なのね」

Uまどか「…ごめんなさい…ほむらちゃん…」

叛逆ほむら「いいのよ…それに…インキュベーター、来ているんでしょ?出てきなさい」

QB「…なにか用かい?暁美ほむら」

叛逆ほむら「貴方の仮説、聞かせてもらったわ。相変わらず妙な処で抜けているのね」

QB「あくまで仮説だからね。穴だらけなのは認めるさ」

叛逆ほむら「この私が貴方程度の存在に隙を見せる筈が無いわ。自己評価が高過ぎよ」

叛逆ほむら「それを成したのは…ふふっ…私には一つの存在だけよ、思いつくのは。だから納得がいったのよ。本当に、敵わないわね…」

HUまどか「それは…一体、誰?」

叛逆ほむら「貴方には直ぐに解るわ。そんなことより、

叛逆ほむら「まどか、私を殺してちょうだい」


HUまどか「!!…」

杏子「おまえ…!」

叛逆ほむら「消えるのも時間の問題、抗うにも相手はまどか、勝ち目は無い。そうでしょう?だったら私は、貴女の手で逝きたい」

HUまどか「…わかった」

さやか「まどか!?」

HUまどか「初めから決めてたの。最初に導くのは、このほむらちゃんだって」

叛逆ほむら「ふふ…何もかもお見通しなのかしらね…」

叛逆ほむら「…でも、只導かれるのも面白く無いわね…」…バサァッ!!

HUまどか「…!!」

叛逆ほむら「…本気で来なさい。私はまた、貴女を引き裂くつもりでいくわ」


HUまどか「…」………スッ…

叛逆ほむら「………?…貴女、弓はどうしたの?その構え…」

HUまどか「わたしは常にコレ一本だよ」…ギュッ

叛逆ほむら「徒手空拳…?なんでまた…」

HUまどか「契約したとき…初めて記憶を見た時ね?未来のほむらちゃん…あなたを見たの」

HUまどか「なにも武器を持ってなかったけど、そういうのもカッコいいなと思って、頑張って少しずつマネしてみたの」

叛逆ほむら「…」

HUまどか「さやかちゃんを千切っては投げ千切っては投げを繰り返してるほむらちゃんを見て「まどか」

叛逆ほむら「…あの…」

HUまどか「なあに?ほむらちゃん」

叛逆ほむら「…言い辛いのだけど…私の武器は、基本的にコレ(羽)よ?」

HUまどか「  」ガーン


叛逆ほむら「…本気で来なさい。私はまた、貴女を引き裂くつもりでいくわ」





杏子「無かったことにした」

マミ「空気を読んだのね…あっちの暁美さんの方が優秀なんじゃないかしら」

さやか「あの世界のあたしぃ…可哀想なあの世界のあたしぃ…」


HUまどか「…ほむらちゃん」

叛逆ほむら「…なあにまどか?」

HUまどか「…大好き」

叛逆ほむら「ええ…私もよ」

HUまどか「本当に…?」

叛逆ほむら「…本当よ」

叛逆ほむら「まどか、愛しているわ」

叛逆ほむら「貴女に会えて」

叛逆ほむら「私は幸せだった」

叛逆ほむら「…ほら、泣いていたら、上手く殺せないわよ?」

HUまどか「うぇっ…ヒック…ほむらちゃん…ほむらちゃぁん…」

叛逆ほむら「…さぁ、行くわよ、まどか」



どうか、貴女も幸せに。

…出来たのなら、私のこの手で、

貴女を愛したかった。

…私には贅沢過ぎる欲望ね。

そちらの世界の私、

まどかのことをお願いね…









…そういえば、そちらの世界の私を見ていないような「確保ー!!!」



マミ「三馬鹿一号!暁美さん確保!!」シュルルルルルルルギュッ!!!
叛逆ほむら「ぶぇっ!!?」

さやか「三馬鹿二号!ほむら捕獲完了!!」ガシィ!!!!
叛逆ほむら「ちょっ!?えっ!?なに!?」

杏子「三馬鹿三号…悪魔確保ー…おい、なにやらせんだ。ったく…」ジャラジャラジャラ

HUまどか「ちょちょちょちょっと待ってよみんな!?ほむらちゃんになにしてるの!?」

さやか「らしくないらしくない全然まどからしくなぁい!!シリアスぶっ潰してこそのまどかでしょ!!!」

マミ「鹿目さん、提案なんだけど…



マミ「暁美さん、混ぜちゃいましょう?」


杏子「あー、投票の結果ー、

杏子「叛逆ほむら3票、デビほむ0票ということでー、

杏子「叛逆ほむらのがマシ、という結果になりましたー「マシってなによ!?」

HUまどか「あ…う…え?」

マミ「鹿目さん?わたし達だってあなたに辛い思いをさせたくないのよ?」

さやか「3人で相談したんだけどさ、まどか?『上書き』じゃなくて『融合』させちゃダメかな?」

HUまどか「…あ!」

杏子「こっちの世界のほむらが変質しちまうけど、叛逆ほむらも色濃く残る。むしろ、

マミ「ヘタレよりマシ」

さやか「変態よりマシ」

杏子「だから叛逆ほむらさえ良ければあんたが濃い目でもいいかなぁと「そっちの私なんなの!?」

さやか「どう?出来そう?」


HUまどか「…うん…出来る…出来るよ!そっか、よかっ、た…わたし…ほむらちゃんを消さなくて済むんだ…」

マミ「だそうよ?どうする?叛逆さん?」

叛逆ほむら「…っと言うか、何でそれを最初に思い付かないのよ…結構恥ずかしいこと言っちゃったじゃないのよ…」

さやか「あーそれはほら、あたし達けっこうあんたと宇宙大戦争になるのかなーって思ってたから」

叛逆ほむら「だからその私のイメージはなんなのよ…それで?そっちの私はどうなのよ?」

HUまどか「ちなみにこっちのほむらちゃんがこちら「きゃああああああっ!?」



ほむら?だったもの「  」チーン



叛逆ほむら「何よこれ!?死んでるじゃない!?死んでる!私死んでる!!」

杏子「あー忘れてた…」

マミ「そういえばそんなこともあったわね…」

叛逆ほむら「なんなのこれ!?イジメ!?私イジメられてるの!?」

さやか「原因はこいつの自業自得です「何をやらかしたらそうなるの!?」

HUまどか「やったのはわたしです「まどかぁ!?」


さやか「どうする?まどかさえ良ければさっさと混ぜちゃうよ?」

HUまどか「ハリー!ゴー!ハリアーップ!!」

叛逆ほむら「ちょちょちょ待って!?いや!?近づけないで!?それゾンビ!!ゾンビみたいになってるから!!」

マミ「痛いのは最初だけだから。天井のシミを数えている間に終わるわ」ニッコリ

叛逆ほむら「宇宙!!ここ宇宙だから!!!なんなの!?あなた達はふざけてないと死ぬの!?馬鹿なの!?」

さやか「世の中には魔法少女合成システムってのがあってね」シレッ

叛逆ほむら「ステマすんなやあああああああ!!!アレはまだ未実装でしょうがああああああ!!!!」

杏子「うるせぇなぁこっちは早く帰りてーんだ。ほら行くぞー」ハイ サーンニーイーチ

叛逆ほむら「だああまあありいいなああさああああああい!!!あっ、ちょ、ムリ!こんな終わり方、ふざけ









HUほむら「───────ここは──」





杏子「起きたぞ」

マミ「せっかくのハイパーアルティメット化も誕生の流れで台無しね」

さやか「HUの無駄遣いだなぁ」

HUほむら「──なんだろう──起き抜けなのに──こいつらぶっ殺したい──」


HUまどか「…ほむらちゃん」

HUほむら「…まどか」

HUまどか「どう?これで完璧に対等だよ?わたしの力の半分をあげたからね」

HUほむら「…そっか。手間をかけさせたわね」

HUまどか「ほむらちゃんが力が対等じゃないってしつこいから、こうしたんだよ?」

HUほむら「ごめんなさい………まどか」

HUまどか「………なあにほむらちゃん?」

HUほむら「もう一度、私に向き合わせて」

HUまどか「もう、間違えちゃダメだよ?」

HUほむら「えぇ…まどか…







わたしは、あなたのそばにいたい

…うん



もう、どこにもいかない

…うん



わたしの、そばにいてください

…はい



もう、どこにもいかないでください

…はい




ほむら「まどか、貴女を愛しています」

まどか「…はい…わたしも、貴女を愛しています」

ほむら「………」

まどか「………」

ほむら「………まどか?「合格っ!!!」ダキッ!! きゃっ!?」





さやか「ハッピーエンド、めでたしめでたし、リア充爆発しろー」

杏子「…ったく、手間かけさせやがって…おら、帰んぞ」

さやか「…杏子」

杏子「あん?」

さやか「ずっと聞きたかったんだけどさ」

さやか「杏子はなんで、あたし達と一緒に居てくれるの?」


杏子「…」

さやか「…杏子?」

杏子「…簡単さ」

さやか「へ?」

杏子「さやか、あんたが行くって言うからさ」

さやか「!………へへっ」

杏子「…んだよ」

さやか「へへっ…うへへっ…あはは!!」

杏子「ちっ…んだよ人がせっかく素直に「杏子!!」

杏子「あん?」

さやか「あたしも!大好きだよ!!」

杏子「…ばっかやろう…」





マミ「くそが…なによアレ…FFのパクリじゃないのよ…宇宙爆発すればいいのに…」ブツブツ…

QB「マミ、ダメだ。ここでキャンデロロはまずい。マミ!」


HUほむら「…それじゃあ、そろそろ」

HUまどか「うん、新しい世界へ」

さやか「まどか王国誕生と行きますか!」

マミ「新しい世界…新しい学校…新しい友達…」

杏子「やっと終わる…長ぇ一日だった…腹減ったなぁ…」





HUまどか「…!?」

HUほむら「どうしたの?まどか?」

さやか「どしたー?……敵?」

HUまどか「…違う…これは…」

HUまどか「…ごめん、みんな。先に行ってて」

杏子「おい!?危なくねぇのか!?」

HUまどか「ううん…大丈夫…そっか…そういうことか…」

マミ「…行ってきなさい」

HUほむら「マミ!?」

HUまどか「大丈夫だよほむらちゃん」



HUまどか「…会って、お礼を言ってこなきゃ」


───何処でも無い場所───



HUまどか「………ドア?」………ガチャ…

HUまどか「…貴女が…」





理「………」


HUまどか「こんなに…ボロボロになって…」

理「………」

HUまどか「貴女のおかげで、わたしはほむらちゃんに会えたよ…」

理「………」

HUまどか「ありがとう…ありがとう…私の半身…」



理「……ア…」

HUまどか「えっ!?」

理「ア…リ……ト……ウ…」

理「ホ…ム……ヲ……オ…ネ……ガ…」

HUまどか「!?…うんっ!!うんっ!!」

HUまどか「わたしっ!!がんばるから!!絶対に!!ほむらちゃんを離さないから!!」

HUまどか「貴女の分も生きるから!!精いっぱい生きるから!!だから!!!」

HUまどか「どうかっ!…わたしたちをっ…見守っていて…っ……っ………」



理「…………………─────────────────




QB「…戻ってきたね」

杏子「…終わったか?」

HUまどか「…はい」

マミ「…これから、大変よ」

HUまどか「…はい!」

さやか「大丈夫だって!天使のさやかちゃんもいるし!!」

HUまどか「!…あはは!!」

HUほむら「…さあ、まどか」

HUほむら「私達の世界へ、行きましょう」

HUまどか「うん!」

HUまどか「みんな!!これからも一緒に!!!よろしくね!!!!」




最終話  君のカラフルな庭で



───新世界、見滝原中学校前 桜並木の通り───





悪魔ほむら「……………」





さやか「……………」




さやか「…あんた、何やってんの?」



悪魔ほむら「………」



さやか「………」



悪魔ほむら「…コーヒーを」


さやか「…ここで?」

悪魔ほむら「…そうよ」



さやか「……」

悪魔ほむら「……」



さやか「……ふ」

悪魔ほむら「……//」





さやか「ぎゃははははははwww!!コーヒーwww!!通学路でコーヒーwwwパラソルwwww周りww人wwww居過ぎwwww」

デビほむ「うっさああああああい!!!気がついたらここに居たの!!ドヤ顔でコーヒー飲んでたの!!しょうがないじゃないっ!?」

さやか「見えてるwww今回wwww歩行者の皆さんww見えてるwww超チラ見されてるwwww」

マミ「無事に改変は終わったけど、ここから始まるのね…鹿目さんが以前の世界を尊重したってこのことかしら…」

杏子「どういうことだよおい…あたしのカバン…リンゴしか入ってねーじゃねぇか…」


ほむら「だいたいなんで私またこの目つきなのよ…普通のクーほむでいいじゃない…」ハァ…

さやか「杏子ー!会いたかったぞー!」ダキッ

杏子「抱きつくな!気分的には5分もたってねーじゃねぇか!」

マミ「学校…友達……あ…今日の宿題とかやってあるのかしら…」

QB「まどかはどこだい?」

ほむら「前と同じなら、またアメリカからの転校ということになっているはずだけど…」

QB「そうかい。ところでほむら、ちょっと僕を踏んでみてくれないかい?」

ほむら「あ、その運命は避けられないのね」





マミ(…大丈夫かしら…普通に昨日も通ってた設定みたいだし…気をつけないと)

マミ(あーでも親しい人なんていないから問題なんて何もないのかもね…)



「おはよう、恩人。今日もデカいね」



マミ「ふぇ!?…え?え!?」


「どうしたんだ恩人?悪いモノでも食ったかい?」


マミ「あなた…呉キリカ!?」

キリカ「いかにも私は呉キリカだが…今日の恩人はおかしいね。まあそれも恩人らしいと言えるか…ほい」つ紙袋

マミ「なっ…なに?コレ?」

キリカ「なにって…織莉子が君に借りてたCD。『ありがとうと伝えて欲しい』と言っていた。確かに伝えたからね?織莉子に感謝されたんだ、有難く受け取ってくれたまえ」

マミ「あ…はい」

キリカ「それと、ゆまがなぎさに会いたがっていて仕方が無い。織莉子がまたお茶会をやりたがっていたから、ついでに連れてきてくれ。細かいところはいつものように二人でテレパシーかメールで決めてくれればいい」

マミ「!…う、うん、わかったわ」

キリカ「あと、ここだけの話なんだが…」

マミ「なっ!?なに!?」ドキッ!?


キリカ「…2限の数学、授業の前半が小テストだっただろう?予告よりも範囲が2ページも多いらしいんだ…まったくあのクソジジイ…十手ぐらいかましたろうか…」

マミ「…えっ…あ、うん!そうね、ぶっ放しちゃいましょうかね!」

キリカ「…キミ、そんなキャラだったかい?まあそれも恩人らし「キリカー!」うっさいなー!課題ぐらい自分でやれ!!…ってなわけで私は行かなければいけない。テストの対策、今のうちにやることをオススメするね」

マミ「…ええ、ありがとう。呉さん」

「マミー!おはよー!」
「マミ様ー後生ですから宿題見せてー」ウワーン

マミ「あ…おはよう!みんな!」



…ありがとう、女神様



マミ「あ…やっぱり宿題やってなかったわ」

「マジで!?やばい!このままだと数学がマミる!」

マミ「!?なんですとぉ!!?」





さやか「杏子ー、あんた学校で生活できんの?大丈夫?」

杏子「学校なら誰かさんの結界内で行ってたさ…それにそこら辺のボンボンに負ける気はしないね。こちとら魔法少女だ」

ほむら「食事は購買でお金で買うのよ?その辺の木から取っちゃダメだからね?外の花壇も荒らしちゃダメよ?」

杏子「オーケー、喧嘩売ってんだなそうなんだな。今日の昼飯賭けて体育で勝負だこら」

ほむら「貴女の昼食リンゴじゃない、嫌よ」

さやか「はいはい暴れないよーに…おはっよー!!」

「おはよー!」
「さやかおはよー」


さやか(あんまり変わってないな…っと」



仁美「あら、おはようございますさやかさん。…どうかなさいましたか?」

さやか「…あーいやいや何でもない!昨日ちょっと大変でさぁ!まだ疲れが抜けてないのかなーって」

仁美「昨日…あぁそうでしたわね…アレはさやかさんは悪くありませんわ!!まったく…本当に呆れますわ上條君には…」

さやか「い!?…いや、なんていうか…あはははは…」

仁美「先程、上條君がさやかさんに謝りたいと言って来ましたが…それを私に言ってどうするんですの!?軽くお説教してやりましたわ!!」

さやか「あはは…仁美、落ち着いて…」

仁美「まあ、少し、ほーんの少しですけど言い過ぎたことも無くはないかも知れませんが…さやかさん、仕方ないので是非寛大な心で聞いてやってくださいな」

さやか「あ…はい、善処?しま…す?」





…たぶん、女神様の差し金でしょうよ。

まーったく、余計な気を回してくれちゃって。



さやか「…恭介ー!」

上條「…さやか?」



でもね?女神様。



上條「…昨日はごめん…せっかく来てくれたのに」

さやか「…」

上條「埋め合わせはするからさ?あ!今度の日曜に映画「恭介」

さやか「…」

上條「…さやか?」







舐めんな。





さやか「フンッ!!!」ドボォッ!!

上條「ごぶぉ!!?」ハラァッ!!



ほむら「  」

仁美「さやかさんっ!!!」グッジョブ!!!

中沢「上條ぉーっ!!?」

上條「  」チーン



これでチャラにしてあげるよ、恭介。



さやか「……ふぅ」テクテク…  ストン

杏子「…もういいのか?」

さやか「…あはは。うん、あたしはあんたで手を打ってあげるよ」

杏子「…バカが」




杏子(…まさか今さらあたしが学校なんてな…)

「おはようございます佐倉さん」
「佐倉ーおはよーん」
「杏子さん、コレ頼まれてた雑誌ね」

杏子「おはよう。助かる、ありがとな」

杏子(…ビビらてるわけでもねぇ…ホント…普通だ。みんな普通に話しかけて来やがる…)

「佐倉さん!今日の体育組まない?」
「あんこー放課後ゲーセンいこゲーセンー」

杏子「誰があんこだ誰が。おまえ成績余裕あんのか?」

杏子(こんなあたしが…いいのかよ…普通の生活なんて…親父…お袋…モモ…あたし…今さらどのツラ下げてあんた達に「杏子」



さやか「大丈夫。あたしがいるよ。杏子」

杏子「…さやか?」

さやか「もう充分だよ。あんたはもう一人じゃない。あたしもいるし、みんなもいる」

さやか「女神様が、許してくれた…そう思っておこうよ」

杏子「あ…、

杏子(そうか…あたしは…もういい、のか…?………いや、






すまねぇ親父。忘れない。誰かに許されるなんてことは絶対無い。

でも…こんなあたしにも、女神が幸せな夢を見させてくれてんだ。

そっちに逝くまで、それぐらい、大目に見てくれ。



杏子「…そうだな」



女神様よ…この借りは、必ず返す。





杏子(いつになるやら、って感じだけどな…ん?)

雑誌『あん○ん特別号  春のゴスロリ☆愛しのあの子と百合の園』

杏子「…そういや…まだぶん殴ってなかったな、女神様よぉ…!!」





ほむら(…誰も話しかけてこないわね)



なんとなくそんな気はしていた。

なにせ私は悪魔のままだし、…目付き悪いし。

ほむら(…でも…これは…ないわ…)

私は常に全力でまどか一筋だけど、

人並み以上の…百合センサーも備えている。

ループ中、男女問わず面倒な事になったことが結構あったから…かしらね。

それが、全力で警報を鳴らしている。

ほむら(…視線が…やばい…見られてる…それも複数…)





「…」ジー
「…」ジー
「…」ジー





………いやいやいや!?なんなの!?私だけ何この扱い!?建てた覚えのないフラグが乱立してるんだけど!?しかも全員女子!?なんでいきなり百合ハーレムに「暁美…さん」はいぃぃぃ!!?



ほむら「…なにかしら?」

「あの…これ…受け取ってくれると…嬉しいな」

「!?」エェッ!?
「!?」ガーン
「……」ギリギリギリギリギリッ

朝イチで来たあああ!?なに!?普通こういうのって放課後じゃないの!?後ろの連中の視線も痛いわよ!?どんだけ悔しいの!!?



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



試されてるうううぅぅぅ!!?私試されてるの!?なんで!?貴女自分で改変したんでしょこれ!?ホント一体何がしたいの!!?





浮気したら、導くからね?





なんで私だけ死刑宣告なのよまどかああああああああ!!!!!!???


さやか「ほむらのロッカーが朝っばらからラブレターその他(女子オンリー)で埋まったのはいいとして」

ほむら「  」ゲッソリ

杏子「まどか来ねぇな…あ、センセーの話の後だっけか。またアレを聞くのかよ…お?」ガララッ



早乙女「はい!皆さん、おはようございます」

早乙女「今日はみなさんに大事なお話があります。心して聞くように!」





中沢「どっちでもいいかと…」



ほむら(早乙女先生は何が何でも結婚出来ないという風潮はなんなの…改変してあげればよかったのに)

さやか(無茶苦茶言うね…全部の時間軸で確実にコレだから、ある意味最強の存在って言っていいんじゃないかな…)

杏子(長ぇ)

早乙女「…はい!あとそれから、今日はみなさんに転校生を紹介します。じゃ、鹿目さん、いらっしゃーい」ガラッ!

さやか(おっ)

ほむら(いよいよね)

杏子(いやただ教室に入ってくるだけ…はぁ!!?)




キレー!   カミナガーイ      カワイー    メガミ!メガミキタ!     スタイルイーナー





HUまどか(見滝原中制服ver.)「ハァイ!みんな!よろしくね!!」ニッコリ





ほむら「  」

さやか「  」

杏子「…やりやがった…」

早乙女「元気かあってよろしい!それじゃ、自己紹介いってみよう!」



HUまどか「マドカ・カナメです!!母の仕事の都合で10年ほどアメリカに留学してました!二週間前に帰国してきたばかりなのでいろいろ迷惑かけてしまうかもしれませんが、仲良くしてください!よろしくお願いします!ナイストゥーミーチュー!!!」ドヤアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!



ほむら「  」

さやか(なんでそこ増えてんのよ…)

杏子(英語に謝れ。今すぐ英語に謝れ)



早乙女「鹿目さんはアメリカでの生活が長かったのでいろいろ戸惑うことも「ほむらちゃん!!!」ダッ!!

ほむら「ッ!?はいぃ!!?」ビクゥッ!!?

さやか「  」

杏子「  」






ほむらちゃん、わたしね、女神になったんだよ





Uまどか「ほむらちゃん!!」ダキッ!!

ほむら「  」





これから一緒に頑張ろうね





Uまどか「これから!ずっと!!ずっと一緒だよ!!!」

ほむら「  …ええ、そうね、まどか」





この世界が、わたしたちの愛だよ










文武両道才色兼備のバカップル誕生の噂が学校中に広まるのは、今日の昼休みの話。



終わり




謝辞

本日は長らく駄文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

  初SS、初投稿でした。不慣れな点が目立ったかと思います。申し訳ありませんでした。テンプレ展開ばかりの妄想全開の痛い文でしたが、貴殿の心に何か一つでも残って頂ければ幸いです。

  最後に少々のおまけをもって、当SSの投稿は終了とさせて頂きます。

  重ねてお礼申し上げます。皆様、ご一読頂き誠にありがとうございました。


第XX話  いつか在り得る世界



───見滝原市某所、何処かの鉄塔上───



ま だ ダ メ よ

ま だ ダ メ よ

な に 色 の

朝 が 来 る ?



ま だ ダ メ よ

ま だ ダ メ よ

ま だ 夜 は

食 べ か け よ


眠 っ て い る 子 は ど こ に

「まだその歌が必要ですか?」





ゴスほむ「………」

なぎさ「…横、失礼するですよ」スッ


おつ
面白かった

ゴスほむ「………」

なぎさ「…その格好は?」

ゴスほむ「…別に…ただ、懐かしくて」


ゴスほむ「…なにか用かしら?」

なぎさ「文句の一つも言いたくなるですよ。なぎさの知らない間にまた宇宙が改変されました、なんて。これでも円環の理の一部なんですよ?」

ゴスほむ「悪かったわね…というか、それはまどかに言うべきじゃない?」

なぎさ「二人で一つなんですよね?では、ほむらにも聞く義務があると思いますよ」

ゴスほむ「…貴女も、少し変わったかしら」

なぎさ「成長期ですから」

ゴスほむ「そういう問題かしら…」


なぎさ「まどかはどこに?」

ゴスほむ「導かれるのにゴネてる魔法少女がいるらしくて…今ごろ鉄拳制裁ね」

なぎさ「変な話です」

ゴスほむ「…何事も、思い通りにはいかないものよ」




個人的には粗削りな部分もあったけど80点台の良作と名作の間くらいに感じた
叛逆後の続編的な長編ssのなかではそれなりにシリアスとコメディのバランスが良かった
正直初めてとは思えなかった
メタとコメディの質も良かったので是非また書いてほしいね

なぎさ「…かつてほむらが悪魔となって叛逆した世界。今のまどかにもその先の未来が解らなかったのは、何故だと思いますか?」

ゴスほむ「…それは貴女、続編が公開されて無「ストップ」

なぎさ「…まどかの力が足りなかった。そういうことにしておきませんか」

ゴスほむ「それは…」

なぎさ「完全な存在なら、わざわざ出向いての鉄拳制裁はしてないですよ」


なぎさ「…どんな未来が来るかなんて、誰にも解りません」

なぎさ「ひょっとしたら、今よりももっと絶望に塗れた世界になるかもしれません」

なぎさ「それでも、ハッピーエンドを期待するのですか?幸せな結末になると誰が決めつけられるのですか?そんな権利が、わたしたちにあるのですか?」

ゴスほむ「…私には待つことしか出来ないわ…でもね、







私たちの世界は、決して弱くなど無い

きっと必ず、最幸の結末に辿り着ける

だから、それまで私は今の世界を守り続ける





ゴスほむ「…私はそう信じているわ」

なぎさ「…そうですか」


なぎさ「…そうですね。きっとなぎさが見滝原を守る主人公になれたりするかもしれません。期待して待っているですよ」

ゴスほむ「貴女ね…」

なぎさ「用は済みました。これで失礼するですよ」

なぎさ「…願わくば、どんな未来であっても、また貴女方と戦うことの無いよう祈っています」

ゴスほむ「…こちらこそ」

なぎさ「チーズが食べられなくなったら、この限りではありませんですよ?」

ゴスほむ「…そうね。私も、私の願いが否定されれば、その限りではないわ」

なぎさ「期待しているです。では」

ゴスほむ「…」




ゴスほむ「…」





さあ、物語の続きを

この星に、新しい頁を

世界を巡る理に、輝かしい未来を

私に、愛を





どんなに大きな壁があっても

超えてみせるから

きっと





ほむら「まだ ダメよ」





私達は未だ、終わらない





un finished




以上です。ありがとうございました。


投下ここまでです。

終わった…キツかったぁ…

<<187 <<191 <<198

マジありがとう。SSがこんなキツいものだとは知らなかった…なんでもやってみるもんだな…

ああ、アンカすら間違えてる…はらへったわぁ…

>>187 >>191 >>198

すまぬ

何か変だと思ったらsageてたのか。普通作者はsage入れなくていいからな。
sagaはいるけど

>>201

途中までは上げてたんだが…恥ずかしくなってきてsageた。反省はしている。

テキストで書いてんのと、実際に投稿して眺めるのはこんなにも差異があるんだな…。行間とか半角とか、反省だらけだわ。

次に活かせばいいだろ。続編は書くんだろ

>>203
終わらないって書いといて、真っ白です。えへ

書いている間は楽しかった。書き終わってドヤ顔もした。

投稿で冷静になった。



読んでくれた人マジありがとう。

後日談期待してますん

おつかれさま!
一気に読みきったわ

なんでまどかが戦ってんの

結構面白かったよー

>>205 >>206 >>208

ありがとうマジありがとう。

とりあえず限界なんで落ちる。
またHTML申請に来るので疑問、矛盾、むしろ叩け、等あったら頼む。次回作…次回かぁ…

>>207
なんでだろうね?俺もわからん

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