さやか「ロアナプラ?」
ほむら「友人が格安でチケットをくれたのよ」
杏子「聞いたことねぇなぁ」
ほむら「私も詳しいことは知らないわ、海に面しているということしかね」
さやか「ちなみにその友人ってどんな人?」
ほむら「やのつく人よ」
さやか「おいこら」
まどか「大丈夫だよ!五人で行けばきっと楽しいよ!」
マミ「でも魔法少女が5人同時に町を開けるというのは…」
ほむら「その点なら心配ないわ、黒いのと白いのが請け負ってくれたから」
マミ「信用できるの?」
ほむら「少なくとも白い方は人の命を軽々しく見るような人ではないは」
杏子「なんでもいいよ、行こうぜ」
さやか「にしても珍しいなぁ、ほむらが旅行に誘うなんて」
ほむら「…私と一緒に戦ってくれた、そのお礼よ」
まどか「ウェヒヒヒ、ほむらちゃん!ありがとう!」
さやか「…ま、ほむらなら安心か!」
マミ「…」
杏子「どした?マミ」
マミ「いえ、こういうのって初めてだから…緊張しちゃって…」
ほむら「…」
ほむら「…大丈夫よ、きっと楽しい旅行になるわ」ニコッ
ほむら「…やっと着いたわね」
さやか「うわぁ…なんか物騒そうなところだなぁ」
杏子「そうか?」
さやか「あー…アンタは、ね」
杏子「何だこら!」
マミ「そう言えばどこに泊まるの?」
まどか「イエローフラッグっていう飲み屋さんが寝床を貸してくれるらしいです!」
ほむら「…それじゃあ、行きましょうか」
言葉が通じるのはお約束
バオ「おぉ、よくきてくれたな、へへ」
バオ「えーっと、ホムラアケミで間違いないか?」
ほむら「そうよ、寝床を貸してくれるということだったのけれど」
バオ「へへへ、大部屋だ、この鍵を使いな」
チャリン
さやか「さっきの人すごい胡散臭かったんだけど」
マミ「まぁまぁ、人は見た目によらないと言うでしょう?」
まどか「うわぁ!ひろーい!」
さやか「へー、意外と綺麗なもんだね」
杏子「なー、飯はどうすんだ?」
ほむら「…そうね、そういえば歩きどおしで何も食べていなかったわ」
マミ「じゃあ荷物を置いてどこかでご飯にでもしましょうか」
さやか「さんせーい」
店主「あぁ?嬢ちゃんたちジャパニーズか?」
杏子「あぁ、そうだぜ」
店主「ジャパニーズに食わす飯はねぇ!とっとと帰りな!」バシャア!
マミ「きゃっ!」
店主「へへ、ゴキブリ退治用のスープだ、たんと味わいな」
杏子「…テメェ」
杏子「食いもんを粗末にするんじゃねぇ!ぶっ殺…!」
ほむら「き、杏子!落ち着いて!」
杏子「は、離せぇ!」
さやか「もー…なんて街だよぉ、ここは」
マミ「ま、まぁ良いじゃない、佐倉さんがボコボコにしたおかげでご飯は食べれたんだから」
杏子「へへへ、儲かったな」
さやか(…あれ?杏子からこの街と同じものを感じる…)
まどか「でも落ち着いて食べられなかったね、ウェヒヒヒ」
ほむら「…ごめんなさい、下調べを良くするべきだったわね」
さやか「なーに言ってんの、ほむらが謝ることなんてないじゃん」
杏子「そーそー、意外と楽しめてるぜ?」
マミ「この五人で旅行なんてそれこそこんな機会がない限り無かったわ」
ほむら「…貴方達…」
まどか「…ウェヒヒヒ!楽しもうね!ほむらちゃん!」
ほむら「…ええ」ニコッ
ほむら「…え?」
さやか「…どういうことよ!」
バオ「だからなぁ、お前らのツレだと思って荷物を渡しちまったんだよ」
ほむら「な、何よそれ!私たちは5人って伝えておいたはずでしょう!?」
杏子「てめぇのミスなのに何だその態度は!」
マミ「…」
?「おいおい」
まどか「…?」
レヴィ「ピーピーうるせぇガキ共だな」
レヴィ「おいバオ、いつからここはガキの遊び場になったんだ?」
杏子「誰だてめぇ!」
レヴィ「…へぇ、威勢のいいチェリーじゃねぇか」
さやか「あ、あんたには関係ないでしょ?」
レヴィ「ここは酒を飲む場所なんだ、それを横でピーピー、それこそ囀られちゃ飲むもんも飲めねぇってもんさ」
レヴィ「…それとも何か?」
レヴィ「嗜んでみるか?大人の味ってもんをよ」
ほむら「…」
ほむら(…な、なんなのよこの街は…)
マミ(…単なる威嚇でもない、この人は本当に本物の殺気を放ってる…!)
まどか(こ、怖いよぉ…)
杏子「…へっ、じゃあやってもらおうじゃねぇか」
さやか「…言っとくけど、私は一筋縄じゃ行かないよ」
レヴィ「…!」
レヴィ「…あっはっはっは!この二丁拳銃に向かってそんな口聞けるなんてなぁ!」
杏子「…はぁ?」
レヴィ「…その威勢に免じて今日のところは見逃してやるさ」
まどか(…)ホッ
レヴィ「…だけど噛み付く相手を間違えんなよ、小鳥共」
レヴィ「…啄んだもんが悪魔の尻尾とも限らねぇぞ」
レヴィ「…じゃーな、バオ、そいつらにつけといてくれ」
バオ「あいよ」
ほむら「…今更だけど…とんでもない街へ来てしまったわね…」
まどか「…仕方ないよ…」
杏子「しっかし参ったな、どうやって帰ればいいんだ?」
マミ「…そうねぇ、携帯も全部荷物の中へ入れてしまっていたし…」
ほむら「…取り敢えず、今日は寝ましょう」
ほむら「…また明日、店主の人に話を聞きましょう」
バオ「あー、日本へ帰りてぇだァ?」
ほむら「ここがこんなにひどいところとは思っていなかったわ」
バオ「嬢ちゃん、住んでる俺に向かってよく言えるな…」
ほむら「いいから、元はといえばあなたが原因でしょう?」
ほむら「…何でもいいから帰れる伝を教えて頂戴」
バオ「…つってもなぁ、ジャパンなんて…あ」
ほむら「…?」
バオ「…そーいや一人いたな、ジャパンに縁のある奴が」
ほむら「…!教えてっ!」
バオ「…んー、でも…」
ほむら「早く!」
バオ「…しゃあねぇなぁ、俺から聞いたっていうなよ?」
バオ「…えっと…」
バオ「あった…、これだよ」
ほむら「…これは…ブラックラグーン…?」
バオ「そこのメンバーの一人が日本出身なんだ」
バオ「まぁ、送り返してくれるとは思わねぇが上手くいけば知恵くらいは貸してくれると思うぞ」
ほむら「…例は言わないわよ」
バオ「へいへい、お好きに」
バオ(…あのビデオ、その趣味のやつには相当高く売れるだろうしな)
ビデオ…?
さやか「…ブラックラグーンねぇ」
マミ「…怪しさ満点ね…」
ほむら「…ごめんなさい、でも現状はこれしか手がないの」
ほむら「…一応用心はしておいてもらえるかしら?」
まどか「…えっと、あの、…私は…」
ほむら「まどかは私が守るから、私から離れないで」ギュッ
まどか「…う、うん!」ギュッ
さやか「…おー、こんな時までお熱いことで」
杏子「まぁ実際暑いけどな」
>>22
魔法少女一行の寝姿の隠し撮りビデオ
バオさんは狡猾
ほむら「…ここね…」
ほむら「……!」
レヴィ「おいおい、腹の中に物騒なもんを隠して来るようなところじゃねぇぞ、ここは」ジャキッ
ほむら「…!」
レヴィ「教えてやろうか、常に握っときゃあいいんだよ、こんなもんは」
ほむら「…あ、あなた昨日の…!」
レヴィ「…ん?」
レヴィ「あああ!?てめぇらは…!?」
「…うるさいなぁ、どうしたんだい?レヴィ」
ロック「…これまた随分小さなお客達だね」
ロック「何か飲むかい?」
杏子「コーラ」
さやか「メロンソーダ」
レヴィ「ねぇよ、んなもん、泥水でもすすってな」
ロック「おいレヴィ、言い過ぎだぞ」
ロック「…それにしても、どうしたんだい?こんなところまで」
ほむら「…」
ロック「あぁ、成程…」
ロック「またバオはやったのか…」
レヴィ「そもそもこんなところで荷物を置いておくってのが間違いなんだよ」
レヴィ「荷物は武器と金だけで充分だ」
さやか「あんたと一緒にしないで」
杏子「バーカバーカ」
レヴィ「…ほぉ、随分安い挑発じゃねぇか…!」ビキビキ
ロック「分かってるなら乗るなよ」
ロック「…それで?僕らにどうして欲しいんだい?」
ほむら「…それは…」
ロック「…僕らはボランティアで仕事をしているんじゃあない」
ロック「ここへ来たってことは僕からが運び屋ってことを知ってるからだろうけど」
ロック「…これはビジネスだ」
杏子「ケチケチいうなよ」
マミ「佐倉さん、挑発しないで」
さやか「バーカ」
レヴィ「ぶっ殺すぞ!!!!」
マミ「あなたもよ、美樹さん」
ロック「…さぁ、どうする?」
ロック「僕らとしてはこのまま帰ってもらっても一向に構わない」
ロック「…むしろこんな小さな女の子五人を引き連れるなんてお断りしたいところだよ」
ほむら「…きっと貴方達に頼むと法外な額になるんでしょうね」
ロック「…日本よりは、ね」
ほむら「…こんな…」
ロック「…え?」
ほむら「こんな街で生活するためにはきっとあらゆる力が必要なのね」
ロック「…?そりゃあ…」
ほむら「…お金、武器、権力、人望」
ほむら「…だいたいこう言ったところかしら?」
ロック「…あはは、まぁ人望というよりは仕事上の信用だけどね」
ほむら「…そのうちわたし達はお金も払えない」
ロック「そうだね」
ほむら「…」
ほむら「…その中の一つでも提供できるなら…話は変わってくるのかしら?」
ロック「…!」
ロック「…話を聞こうか…」
レヴィ「…やめとけ、ロック、そいつはうさんくせェ」
ロック「…レヴィ」
レヴィ「…そんなガキがホラじゃなくて本気で言ってるって時点で乗るべきじゃねぇよ、この話」
レヴィ「…なぁ、気づいたか?」
レヴィ「…こいつら、皆、血煙と死の匂いがまとわりついてやがる」
レヴィ「…この歳でそんな匂いがするなんて、マトモじゃあねえ」
ほむら「…」
レヴィ「…それこそ、あのヘンゼル達見てぇなことにもなりかねねぇさ」
ほむら「…」
ロック「…だ、そうだよ」
ほむら「…わたし達から見れば、貴方達も相当だと思うけれど」
ロック「…そうかもしれないね、だけど簡単に首を振るわけにはいかないんだ」
ほむら「…」
ほむら「…仕方ないわね」
ほむら「…」カチッ
カチッ
ドサァ
ロック「…」
レヴィ「…」
ロック「え?」
レヴィ「…な、なんだこりゃあ!」
ほむら「…軍用ミサイル弾、二百個とRPG十丁、その他もろもろ合わせて五百ほどあるわ」
杏子「…あたし達もドン引きなんだけど」
さやか「ほむらぁ!爆弾はともかく盗むなって言ったでしょうがぁ!」
ほむら「…これで手を打てないかしら?」
ロック「お、驚いたよ…」
ほむら「そう、で、どうするの?」
レヴィ「」
ロック「あー、レヴィが…」
ほむら「…受けてもらえるかしら?この話」
ロック「…い、いやぁ、でも…」
ほむら「…言っておくけど、私の今の技を使えばあなたを容易く操ることができる」
杏子「できたっけ?」ヒソヒソ
さやか「建前でしょ」ヒソヒソ
ほむら「…ここは1つ、例を重んじる日本人のあなたに、日本人らしく接しているだけなのだけれど」
ほむら「…首を縦に振れないなら…もうその首、必要…ないわよね?」
ロック「…やります」
マミ「…うわぁ」
ダッチ「…で、結局頷いたってわけか」
ロック「…すまない、ダッチ」
ダッチ「ま、信用しきれねぇが確かに断る理由もねぇ」
ダッチ「ガキ共を送るだけで武器が手に入るなんて安いもんじゃねえか」
ロック「そう言ってくれると、助かるよ」
ダッチ「…ところでレヴィはどうした」
レヴィ「」
ロック「信じれないものを見て…」
ダッチ「…まぁ、あいつはオカルトの類なんか信じちゃいねぇからな」
ダッチ「ガキ共は?」
ロック「奥の部屋で寝てるよ」
ダッチ「ほう、お前さんにそんな趣味が…」
ロック「そんなわけ無いだろ、ただ…」
ダッチ「ただ?」
ロック「…日本にあんな目をした少女がいるのが…許せなかっただけさ」
ダッチ「…だから出来るだけ手厚く、か」
ロック「すまない」
ダッチ「…必要以上に干渉しないなら、構いやしねぇ」
ロック「…そっか」
ダッチ「だが忘れるな、あいつらは決して味方なんかじゃねえぞ」
ロック「…あぁ、分かってるよ」
杏子「くぁぁ~、よく寝た…」
さやか「…昨日のひっどいベッドに比べりゃあね」
まどか「ウェヒヒヒ、おはよう、ほむらちゃん!」
ほむら「ほ、ほむぅ…」
マミ「あらあら、寝付けなかったの?」
ほむら「そ、そんなところよ…」
ほむら(…こんな怪しいところで熟睡なんてできないわ…)
ほむら(…まどかも心配だし…)
杏子「…うん?外が騒がしくねぇか?」
さやか「まぁ、物騒な街だからね」
マミ「ほらほら、暁美さんも起きて」シャッ
まどか「わっ!眩しい…」
ほむら「…ほむ…ほむ…」
ほむら「…え?」
杏子「お、おい!ありゃあ!」
ほむら「あ、RPG!?」
どごぉぉぉ!!
パラパラ…
男「…やったか…!?」
杏子「…てめぇ…」
男「…!?」
杏子「いてぇだろうが!この野郎おおおおおお!!!!!」
ほむら「ま、まどか!大丈夫!?」
まどか「…けほっ…だ、大丈夫だよ」
マミ「…暁美さんが時間を止めてくれたのね…」
さやか「そ、それにしても…なんで…」
ほむら「…今は考えてる時間なんてないわ…!」
ほむら「とにかくここを出ましょう!」
杏子「うおらぁぁぁぁぁ!」
男「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
さやか「ど、どうなってんのさ!?」
マミ「な、なんでわたし達追われているの!?」
ほむら「…」
杏子「ああああ!!鬱陶しい!やっぱ引き返して…」
さやか「ちょ、バカ!やめろっての!」
まどか「ほ、ほむらちゃん、だ、抱っこは恥ずかしいよぉ…」
ほむら「…そ、そう?と、取り敢えず…まどかは…」
ズズズズズズ
ほむら「…!?」
さやか「う、嘘でしょお!?こんな時に!?」
杏子「チッ…!どうするよ!」
ほむら「…ここは一先ず結界の中へ入りましょう」
マミ「…でも鹿目さんが…」
ほむら「…まどかは私が必ず守るわ…!」
杏子「りょーか、いっ!!」ズドォォォ!
杏子「…よし!吹っ飛ばしたぜ!」
マミ「…使い魔じゃないみたいね…用心しましょ…」
結界
杏子「…はぁ…はぁ…」
さやか「何が起こったかわからねーと思うが気付いたら撃たれて追われていた!」
ほむら「うるさい」
マミ「…でも、どうして…?」
ほむら「…私にもわからないわ…ただ…言えるのは…」
まどか「…言えるのは…?」
ほむら「…あいつらが本気でわたし達を殺そうとしてたってことよ」
まどか「…ひっ…」ゾッ!
さやか「…それにしても、昨日のあいつら、どうして居なくなったの?」
杏子「…売られたとか…?」
ほむら「…さぁ、分からないわ」
ほむら「…ただ一つ明確なのは、わたし達を殺そうとしている奴らがいるということよ」
ほむら「…そして…」
ほむら「…!」
マミ「…どうしたの?」
ほむら「…そうよ、私は一度、時を止めて貴方達を助け出した」
ほむら「…その時あいつらは完全に私たちを見失っていたはず…」
ほむら「…居るんでしょう、出てきなさい、QB」
QB「呼んだかい?」
ほむら「…私たちが変身する際に、元々着ていた服はどうなるの?」
QB「…どうしてそんなことを気にするのかわからないけど」
QB「その時の君たちの服はここではない別の次元に仕舞われているよ」
ほむら「…」
ほむら「…」ぺたぺた
まどか「ひゃ!ほ、ほむらちゃん!?」
ほむら「…」ぺたぺた
さやか「おい何やってんだ変態」
杏子「時と場合を考えろ」
マミ「…暁美さん…」
ほむら「ち、違うわよ!これは…!」
ほむら「…!」
ほむら「…あった…!」
さやか「…これは…」
杏子「随分ちっさいな、何だこれ」
マミ「…これって…」
ほむら「…そう、発信機と、盗聴器よ」
まどか「…え?えええ?」
ほむら「…どのタイミングでつけられたのかは…分からないけど」
ほむら「…十中八九、あのイエローフラッグというところに泊まった時ね…」
さやか「…ええええ!気持ちわる!」
ほむら「…私達の居場所はこれで…知られていた…」
さやか「で、でもさ!どうして殺されかけたの!?」
杏子「そうだな、理由が見当たらねえ」
ほむら「…分からないわ…」
ほむら「…分からないけれどね…」
マミ(…あ、怒ってる…?)
まどか「ほ、ほむらちゃん?」
ほむら「…聞こえているんでしょう?」
ほむら「…わたし達は別に貴方達と敵対するつもりなんてなかったわ」
ほむら「すぐにでもここを出ようと思っていたし」
ほむら「…けれど」
ほむら「…まどかを、皆を傷つけようとしたことは、許さない」
ほむら「…今度はあなたたちが追われる番よ」
ほむら「そこで、ゆっくり待ってなさい」
ほむら「すぐに、殺してやるわ」
ブチッ!
さやか「…ほむらは怒らせないほうがいいな」ヒソヒソ
杏子「お、おう」ヒソヒソ
ほむら「…さて、魔女を倒しに行きましょう」
さやか「あ、忘れてた」
杏子「正直ついてけねーよな」
ほむら「…急いで倒しましょう」
ほむら「ゆっくりしている間にも…襲われている人が…」
ロック「う、うわぁぁぁぁあ!」
ロック「何だこれええええ!」
ほむら「」
マミ「襲われてたわね」
さやか「ええ」
杏子「おう」
ロック「…た、助かったよ…」
ほむら「…あんなところで何をしていたの?」
ロック「…いやぁ、明け方にコーヒーでもと思って外に出てみたら…」
ほむら「今まで生き残っていたの?…強運ね…」
ロック「あはは、良く言われるな」
ほむら「…女の人は…?」
ロック「…あぁ、レヴィかい?少し野暮用でね、君たちが寝ている間にほかの二人と出ていったよ」
ほむら(…だから居なかったのね…)
ロック「何かあったのかい?」
ほむら「…貴方達がいない間に襲われたわ」
ロック「な、なぁ!?」
ほむら「嘘なんて言わないわ、ホントのことよ」
ロック「…どうして…」
ほむら「…ちなみに、わたし達の体には盗聴器が仕掛けられていたわ…」
ロック「…盗聴器…?」
ロック「…!」
ロック「…なるほど…そういうことか…」
ほむら「…?」
ロック「…やってしまった…やってしまったんだ、ほむらちゃん」
ほむら「…どういう事よ」
ロック「…この町の治安はもう良くわかっているよね」
ほむら「ええ、ひどいわね」
ロック「それでもこの街が一応は街としての体裁を保てているのは…」
ほむら「…」
ロック「…強い勢力がひしめき合っているからさ」
ほむら「…」
ロック「…簡単なことさ、複数の強い勢力がひしめきあって、均衡を保っているんだ」
ロック「…誰もひとつの勢力の肥大化なんて望んじゃあいない」
ロック「…だけれど昨日君たちとの話でその均衡は崩れ落ちた」
ほむら「…それは私たちの知るところではないわ、売った武器は貴方達のものよ」
ロック「そうさ、それこそが盲点なんだ」
ほむら「…?」
ロック「僕は昨日言ったね、仕事上の信用があるって」
ほむら「…ええ」
ロック「…多くの取引をしている勢力とはそれに比例して信用も大きくなってくる」
ロック「…つまりだ」
ロック「…僕らと仲良しこよしのパートナー、そんなパートナーが巨大な勢力だったら」
ロック「…当然気に入らない連中も出てくるのさ」
ほむら「…」
ロック「…それが秘密裏の契約なら良かった」
ロック「…だけど、漏れてしまったんだ」
ほむら「…もったいぶるのはよして」
ほむら「何なのよ、その勢力って」
ロック「…沢山あるさ」
ロック「…だけれど僕たちの仕事の中で一番可能性があり」
ロック「…そして、一番強大な勢力は…」
ほむら「…」
ロック「…ホテルモスクワ」
ロック「…考えうる限り最悪の展開さ」
ロック「…再びこの街が戦場になってもおかしくないくらいには、ね」
ラキストじゃなかったっけ?
それはダッチだっけか?
とりあえず今日はここまで
明日完結させたいです
ちなみにおれはメビウス
おやすみ
寝付けないから後編書く
ほむら「…ということ、らしいわ」
さやか「…つまりそのホテルモスクワの敵対勢力から狙われてるってわけ?」
ほむら「そういうことよ」
マミ「…何でそんなことに」
ほむら「第三者から見れば私は一個人としては余りあるほどの現代武器を持っている」
ほむら「…この街で…狙われるのは当然だと思うわ」
ロック「…何より最悪なのは」
ほむら「…岡島…」
杏子「岡島っていうのか、ぱっとしねぇな」
ロック「…君の、そして君たちの名前と姿が割れているということだ」
時間は少し遡る
レヴィ「…姉御、あんたが呼ぶなんて珍しいじゃねぇか」
ダッチ「厄介なコトじゃなきゃあいいんだけどな」
ベニー「…」
バラライカ「ふふ、そう警戒するな」
バラライカ「…ここへ呼んだのは他でもない」
バラライカ「…お前達がかくまっている五人の少女についてだ」
ベニー「少女?」
レヴィ「あー…ベニーは知らねぇな」
バラライカ「…特に、黒髪の、ホムラアケミといったか」
バラライカ「彼女は一個人にしては多過ぎる武力を持っているそうだな」
レヴィ「…どこで知った?」
バラライカ「口を割らせただけだ」
バラライカ「…銃というものは便利だな」
バラライカ「弾丸が入っていなくとも額をつつくだけでまるで小鳥のように喋り出す」
ダッチ「…この話はあんたにとっても悪くないはずだ」
バラライカ「そうはいかない」
レヴィ「…」
バラライカ「危うい均衡でこの街は保たれているんだ」
バラライカ「…たとえその武力が巡り巡ってわたし達のところに来るとしても」
バラライカ「それほどの武力を持った個人がバランスを崩さないとは言い切れない」
ダッチ「どうするってんだ?」
バラライカ「排除する」
レヴィ「…!おいおい正気かよ、姉御」
ベニー「いくらなんでも早計すぎじゃ…」
バラライカ「黙れ」ギロッ
バラライカ「小指の先程の鉛の玉が人の死にいたらしめるという事実」
バラライカ「その事実を知りもしない貴様達が知ったような口をきくな」
バラライカ「私がどれほど経験したと思っている」
バラライカ「…お前達」
軍勢「…はっ!」ザッ
バラライカ「我々の敵になる可能性を持つものは例え1%であっても残すな!」
バラライカ「体中にその事実を刻みつけてやれ!」
ウオオオオオオー!!
バラライカ「…大事な商売仲間だ、よく、考えて行動することだ」
レヴィ「…」
レヴィ「…ただいま」
ロック「やぁ、遅かったな、レヴィ」
レヴィ「…」
ロック「…?どうした?」
レヴィ「…ロック、この話からは手を引け」
ロック「…?はぁ?どうして…」
レヴィ「いいから、手を引け」
ロック「…」
レヴィ「…」
レヴィ「あいつらはどこだ?」
ロック「信用できるところに預けてるが…」
レヴィ「…ホテルモスクワが動き出した…」
ロック「…!」
レヴィ「…しかも最悪の方向に、だ」
ロック「そ、そんな…」
レヴィ「悪いこたァ言わねぇ、この街でまだまだ息を吸っていてぇなら手を引くこった」
ロック「…」
レヴィ「…ロック…?」
ロック「…すまないレヴィ、それはできない」
レヴィ「…!?何言ってやがるテメェ!」
ロック「出来ないって言ったんだ」
レヴィ「お前正気か?何温いこといってやがる!」
レヴィ「情でも移ったか!?あのションベンくせェガキどもに!」
ロック「…レヴィから見て、あの子達はションベン臭いか?」
レヴィ「…あぁ!?」
レヴィ「あのクソガキ共に何を同情する必要がある!?」
レヴィ「いくらジャパンが温かろうがこの街では関係ねぇ!」
レヴィ「ここは悪党の街なんだよ!」
ロック「本当に温かったか?」
レヴィ「…!」
ロック「…見ただろ、昨日のあの子達の目を」
ロック「お前も言っただろ、血煙と死の匂いがするって」
レヴィ「…」
ロック「日本はそんなところじゃないんだよ」
ロック「あんな女の子達があんな目をする場所なんかじゃないんだ」
レヴィ「…だったらどうした!」
ロック「そんなガキ達が騙されて、ここへ来て!」
ロック「…それでも前を見て歩いてんだ…!」
レヴィ「…!」
ロック「何も思わねぇかよ!」
ロック「死ぬ必要がない、必要がないんだよ」
ロック「たとえあの子達が戦争の引き金になっちまったところで」
ロック「それがどうしたってんだ」
レヴィ「…何が言いてぇ」
ロック「…お前の言うションベン臭いガキ達が」
ロック「何もわからないまま無残に殺されようとしてる」
ロック「俺にゃそれが」
ロック「我慢ならねぇ…そう言ってんだ」
レヴィ「…!!」
レヴィ「…そうかよ」
レヴィ「…だったらもう止めねぇ」
レヴィ「…やっぱりお前、悪党なんかじゃあねえ」
レヴィ「ただの偽善者だ」
ロック「…」
ロック「…偽善でも構わない」
ロック「…俺は一度、救われた」
レヴィ「…あぁ?」
ロック「それをただ、借りたもんをただ返すだけだ」
レヴィ「…」
さやか「…ねぇ、わたし達どうなっちゃうの?」
ほむら「…ごめんなさい、こんなことに巻き込んで」
さやか「…いや、そんなこと…」
ほむら「…ごめんなさい、本当に…!」
マミ「…で、でももうすぐ帰れるんでしょ!?」
杏子「狙われてるっていってもこちとら魔法少女なんだ」
杏子「返り討ちにするだけさ」
まどか「そうだよ、ほむらちゃん」
まどか「誰もほむらちゃんを責めたりなんかしないよ」
ほむら「…!」
さやか「らしくないよ!ほむら!」
杏子「わたし達に勝てる奴らなんかいねぇさ」
マミ「ふふふ、そうよ」
まどか「ほむらちゃん、そんな顔しないで?」
まどか「また、日本で一緒にお茶しよう?」
ほむら「…」
ほむら「…ええ、そうね」ニコッ
ガチャッ
ロック「…やぁ、待たせたね」
杏子「よう、岡島」
ロック「準備ができたよ、行こうか」
ほむら「…」
ロック「そ、そんな目をしないでくれよ、大丈夫さ」
さやか「まぁ、岡島さんはいくらか信用できるよね」
杏子「ま、あの柄悪いねーちゃんよりはな」
マミ「…行きましょう」
まどか「…いこっ?ほむらちゃん」スッ
ほむら「…ええ」ギュッ
ブオオオオオ
ロック「…ところで」
ほむら「…え?」
ロック「今朝のあれは一体なんなんだい?」
ほむら「…」
ほむら(どうする?)
杏子(別に行っちまっても構わねぇんじゃねぇか?)
マミ(…そうねぇ、暁美さんはもう魔法も見せたわけだし)
さやか(ま、不都合はないしねー)
ほむら「…あれは、魔女よ」
ロック「…魔女?」
ほむら「…あなたも襲われていたでしょう」
ほむら「…わたし達の特別な力はあの魔女に対抗するためのもの」
ほむら「…そして、あいつらは私たちの成れの果てよ」
ロック「…!」
ロック「…じゃあ君達はあいつらを倒しながら生きているのかい?」
ほむら「そうね」
ロック「…あんな化物を相手に…か」
ロック「…なれの果てって…?」
ほむら「そのままの意味よ」
ほむら「あいつらは私たち魔法少女の成れの果て」
ほむら「…これを見てもらえる?」
ロック「…やけに大きい宝石だな」
ほむら「…これが濁りきると、あいつらのような、呪を振りまく存在へと変わってしまう」
ロック「…そうか…」
ロック(…どれほど…この子達は…)
ロック「…あはは」
ほむら「…どうしたの?」
ロック「いや、不思議なものだと思ってさ」
ほむら「…?」
ロック「僕らと同じような目をした君たちが」
ロック「まさか正義の味方だとは思わなくてね」
ほむら「…」
ロック「…少し、憧れるよ」
ほむら「…そんないいものじゃないわよ」
ロック「…そっか…」
ロック「…」
ロック「…着いたよ」
杏子「来た時は飛行機で、帰りは船か」
さやか「んー、さやかちゃん疲れちゃいました」
マミ「もぉ、警戒するのよ?」
ロック「僕はここでお別れだ」
ほむら「…礼は言わないわよ」
ロック「ま、取引だからね」
まどか「ウェヒヒヒ、これでやっとみんなでお茶できるね!」
ほむら「…ええ、そうね」
ほむら「…帰りましょう、私達の見滝原へ」ニコッ
バラライカ「戦争というものは嫌なものだな」
大尉「…ええ」
バラライカ「敵の弱点と同時に自分の汚れを見せつけられてしまう」
大尉「…ごもっともで…」
ッターン…!
まどか「…っ!」
ほむら「…は?」
さやか「…!?」
杏子「…!」
マミ「…そ、そんな…!」
ほむら「ま」
ほむら「まどかぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーー!!!!!!」
バラライカ「諸君、激鉄を起こせ」
バラライカ「引き金は引かれた」
バラライカ「あとは徹底的に殲滅しろ!」
バラライカ「戦争だ!」
ウオオオオオオー!!
ほむら「いやぁぁぁぁーーーー!!」
杏子「ほむら!落ち着け!さやかぁ!」
さやか「わかってる!」ポワー
まどか「…」
ほむら「まどか!まどかぁ!」
マミ「…アレって…?」
ロック「…予想以上に早い…!」
ロック「…この街最大の勢力、ホテルモスクワだ」
マミ「…!」
ほむら「…起きて…!起きてよぉ…!まどかぁ!」
まどか「…えへ…ほむら…ちゃん…」
ほむら「…!まどか!」
まどか「…ご、ごめんね…少し…だけ…眠らせてね…!」
ほむら「…!!」
杏子「おい!ほむら!まどかはまだ死んじゃあいねえ!」
さやか「そうだよ!今は…あいつらを…くっ!」
ほむら「…」ビスッ!ビスッ!
大尉「…!?」
大尉「目標、倒れません!」
バラライカ「…?何だと…?」
ほむら「…」ビスッ!バスッ!
ほむら「…殺してやる」
ほむら「殺してやる…!!!」
バラライカ「…成程…あちらもやる気というわけか…!」
バラライカ「…良いだろう」
ほむら「殺してやる!!!」
バラライカ「受けて立つ」
バラライカ「…戦争は滾るな、大尉」
大尉「…」
バラライカ「敵も味方も汚い部分をさらけ出して」
バラライカ「…まさに本能的だ」
大尉「…そうですね」
さやか「…ふぁ」
杏子「な、なんとか逃げきれたか…」
さやか「まぁ、あのままだったらまどかが危なかったもんね」
ほむら「…まどか…まどかぁ…」
まどか「…」
マミ「…大丈夫よ、暁美さん」
ロック「…すまない、俺が甘かった…」
杏子「…」
杏子「…なぁ」
杏子「岡島、あんた何か隠してるんじゃないのか?」
ロック「…」
杏子「…確かにあたし達はつえぇさ」
杏子「それはあんたも知ってんだろ」
ロック「…」
杏子「…だけどあんたはこれっぽっちも安心しちゃあいない」
杏子「むしろあたし達が強い事を恐れてるみたいだ」
ロック「…鋭いね」
ロック「…君は鋭いよ」
杏子「…」
ロック「…君達はロアナプラ最大の勢力に顔が割れてしまった」
ロック「…つまり君達の素性もいずれは調べられるということだ」
杏子「…!」
さやか「そ、それじゃあ…」
ロック「…そうだ、日本に帰れても…安全は保障できない…」
マミ「そ、そんな…」
ロック「…それだけじゃあない、君達の…家族でさえ危ないんだ…」
ロック「…それに君たちが強いというのも問題だ…」
さやか「…どうして?」
ロック「…君たちが本当にただの少女だったなら…あるいは…」
杏子「見逃されていたってか?」
ロック「…いいや、一人の犠牲で済んだのかもしれない」
ほむら「…!」
ロック「…しかしあそこで抵抗してしまったら…もう…」
ほむら「…ふざけないで」
ほむら「まどかは大事な友達よ」
ほむら「…一人の犠牲で助かる事なんてこれっぽっちも思っちゃいないわ」
ロック「…」
ロック「…それでもこの事態での最良は…」
ほむら「…最良は5人で生きて帰ることよ」
ロック「…それができないから…」
ほむら「…そう」
ほむら「やっぱりあなたもこの町の人間ね」
ほむら「…骨の髄まで腐りきってる…!」
ロック「…そうかもな」
ほむら「…認めない、私は認めない」
ほむら「…五人で生きて、必ず帰ってやる…!」
レヴィ「…姉御…」
バラライカ「なんだ」
レヴィ「まだあいつらを探してんのかよ」
バラライカ「そうだ」
レヴィ「もうよしときなって、あいつらも馬鹿じゃねぇんだ」
レヴィ「きっと…尻尾を巻いて逃げたに決まってるさ」
バラライカ「…そうかもな」
レヴィ「…だったら」
バラライカ「…ただしそれは私たちが何もしなかったら、の話だ」
レヴィ「…はぁ?」
バラライカ「…言っただろう?殲滅だ」
バラライカ「…そのための切り札はもう持っている」
ロック「やぁ、様子はどうだい?」
さやか「あ、岡島さん」
マミ「仕事はいいんですか?」
ロック「…あぁ、うん、少し喧嘩しちゃってね」
ロック「戻りづらいんだ」
杏子「サボリはいけねーぞー」
さやか「あんたがいうなあんたが!」
ロック「…まどかちゃんはどうだい?」
さやか「…向こうの部屋で寝てます…」
ロック「…そっか」
ほむら「…すぅ、すぅ…」
ロック「ほむらちゃんもお疲れのようだね」
さやか「…まぁ、寝ずに二日間つきっきりでしたから」
杏子「…はぁ、とんでもねーことになっちまったな」
マミ「…そうね」
ロック「…君たちはこれからどうするつもりだい?」
さやか「…どうするって?」
ロック「…済まないが、ここでじっとしているだけじゃ何も好転しない」
杏子「…」
ロック「…なにか行動を起こさないと…」
さやか「…そんなこと言っても、まどかが目を覚まさないとあっちゃあね…」
マミ「…そうねぇ…」
杏子「…ま、いつかは目を覚ますさ」
杏子「怖い王子様がつきっきりなんだ」
さやか「…あはは、そうかもね」
マミ「ふふふ」
ロック「…」
ガシャアン!
ロック「…!?」
さやか「な、何の音!?」
杏子「…まどかの部屋からか!?」
ほむら「…」
マミ「暁美さん!起きて!」
ロック「…!」
ほむら「…どか…!」
ほむら「…まどか…!」
ほむら「…行かないで…!まどかぁ!」
マミ「…」
さやか「…」
杏子「…」
ロック「…やられた…か」
バラライカ「そのための切り札はもう持っている」
レヴィ「…こいつは…!」
まどか「…」
バラライカ「…さしずめ眠り姫と言ったところだな」
バラライカ「奴らのコイツへ対する執着ぶりは見ていても相当だ」
レヴィ「…あんた、最悪だぜ」
バラライカ「…知ってるさ、だからこそのホテルモスクワだ」
レヴィ「…」
バラライカ「…さぁ、続きといこう」
ほむら「…私が…寝てる間に…!」
杏子「…すまねぇ、私たちが着いていながら…」
さやか「…ごめん」
マミ「…」
ロック「…」
ほむら「…」スッ
ロック「…どこへ行くんだい?」
ほむら「…決まってるじゃない、まどかのところよ」
ロック「…馬鹿か君は…!いくら君が強くとも生き残れると思うのか!」
ほむら「…」
ほむら「…それでも私はやるしかない」
ほむら「…これが…私の道なのよ」
ほむら「…知ってるかしら?魔法少女は奇跡を叶える希望の象徴なの」
ほむら「…それに…私は…」
レヴィ「…一人じゃねぇ、か?」
ほむら「…!」
レヴィ「馬鹿だねぇお前も、一人じゃねぇってだけで生き残れんなら今頃アメリカは世界を支配してるさ」
レヴィ「…ほんと、馬鹿だな」
ほむら「…何しにきたの?」
レヴィ「…連れてけよ、その仕事」
ロック「…!」
レヴィ「見せてみろよ、お前の言う奇跡とやらをよ」
ロック「…レヴィ」
レヴィ「…なぁ、ロック、見てみてぇとは思わねぇか?」
レヴィ「こんな腐りきった目をした奴らが一体どんな奇跡を起こすのかをよ」
レヴィ「…それを特等席で見てみたくはねぇか?」
ロック「…」
ロック「…あぁ、そうだな」
ロック「…最高に、面白そうだ…!」
バラライカ「…!来たか…」
大尉「…ええ」
バラライカ「…ふん、とうとう相手も本気というわけか」
大尉「…どうやらこの件、ラグーンの連中が絡んでいるようで」
バラライカ「…ロックとレヴィか」
大尉「…知っておいでで?」
バラライカ「…あいつらは根っからの悪党だからな」
バラライカ「…きっとこの件を特等席で見たいと思うだろう」
バラライカ「良いだろう、見せてやる」
バラライカ「言葉を紡ぐ暇さえないような圧倒的な戦力差を!」
さやか「…たぁぁぁぁぁあ!!!」シュキイイイイイン!!
男「ぐぁぁ!」
さやか「とおりゃぁぁぁぁあ!!!!」シュキイイイイイン!!
男「うてぇえええええ!」
さやか「…ぐっ!」ビビビビビスビスビス!!!
さやか「…あっはぁ、効かないよ」
男「…ひっ…」
さやか「よくも…人の友達を…!」
さやか「くらえええええ!!」
杏子「…」
男「うおおおおお!!」ガン!
杏子「…」スッ
男「き、消えた!?」
杏子「あらよっと」
杏子「おいオッサン、あめぇよ」
男「なんだ貴様は!」
杏子「そんなことも知らずに喧嘩売ってたのか?」
杏子「…あたしは見滝原の魔法少女…」ブゥゥゥゥン…
男「…ひっ…ふ、ふえ…?」
杏子「「「「佐倉杏子様だよ!」」」」ズガァァァ!
マミ「レガーレ!!」
男「…ぬっ…ぐぅ…」
マミ「…一般人を傷つけたくはないの…大人しく縛られていてちょうだい」
男「…く…うてぇえええええ!!」
マミ「…!」
ガィン!ギィン!ギィン!ギィン!ガィン!
男「…な、…な?」
マミ「…銃の撃ち合いで私に勝てると思って?」
レヴィ「…改めて見るとスゲェな」
ロック「…あぁ」
レヴィ「…だけど」
ロック「…そうだな、簡単なことだ…」
レヴィ「数にゃ勝てねぇ」
レヴィ「けっ、湿気たもんだぜ」
レヴィ「どれだけつえぇもんを持っていようが数が多い、それだけでねじ伏せられちまう」
レヴィ「こんなもんがあいつのいう奇跡ならとんだ茶番だよ」
ロック「…そうかもな」
ロック「…だけど、そうじゃない」
レヴィ「…あ?」
ロック「…これが奇跡だとは、俺は思えない」
レヴィ「…」
ほむら「たぁぁぁぁぁあ!!!」ジャキッ
バラライカ「…」ジャキッ
ほむら「…」
バラライカ「…」
ほむら「…打たないのかしら?」
バラライカ「…貴様こそ引き金を引かないのか?」
ほむら「…ええ」
バラライカ「…」
ほむら「…」
ほむら「…まどかを…返して…」
バラライカ「…敵地まで来て敵を打たずに人質を返して欲しいだと?」
バラライカ「舐めるな」
ほむら「…」
バラライカ「…貴様らは確かに強い」
バラライカ「…しかし、数の力には勝てない」
バラライカ「こちらの被害も大きい」
バラライカ「…今更返せなど、通る話では無いだろう?」
ほむら「…」
男「…う、ぁ…」
バラライカ「…!?」
バラライカ「…き、貴様ら…!」
ほむら「…私たちは誰も殺してはいない…」
さやか「まっ、そのおかげで三人とも捕まっちゃいましたけどね」
杏子「殺していいなら殺してるさ」
マミ「…」
バラライカ「…」
バラライカ「…何が目的だ気様…」
ほむら「…最初から言ってるじゃない…」
ほむら「…五人で…見滝原へ帰る」
ほむら「…それがわたし達の願いだって…!」
ほむら「…ねぇ、お願い…やっと守れた友達なの…」
ほむら「…返してよ…その子を返してよ…」
ほむら「…私は…」
ほむら「…私たちはまだ…」
ほむら「これからの未来すら知らないの」ぽろぽろ
ほむら「…やっと、前へ進めるの…」ぽろぽろ
ほむら「…だから…」ぽろぽろ
ほむら「…返してよぉ…!!」ぽろぽろ
バラライカ「…」
まどか「…ほむら…ちゃ…」
ほむら「…ま、まどか…!!」
まどか「…えへへ…」
ほむら「…まどかっ!まどかっ!」
まどか「…ほむら…ちゃん…」
まどか「大好き…」
ほむら「…~~!」
ほむら「…わ、私もよ…まどかぁ…!」
バラライカ「…」
レヴィ「…けっ、なんだ、結局こういうもんかよ」
バラライカ「レヴィ…」
バラライカ「なぜお前がここにいる?」
レヴィ「…いやぁな、こいつらが奇跡とやらをあたしに見せてくれるってんで特等席で見てたんだけどよ」
レヴィ「どうやら見せてくれたのは甘ったるいくらいのラブストーリーらしい」
バラライカ「…」
レヴィ「これじゃあ、奇跡とはいえねぇよなぁ」
バラライカ「…」
レヴィ「…まぁ、どこかの戦争マニアがその銃を下ろしてくれたら」
レヴィ「そいつぁ、この街一番の奇跡ってもんなんだけどよ」
バラライカ「…」
バラライカ「…はぁ」スッ
バラライカ「…いくぞ、お前たち」
大尉「いいんですか?」
バラライカ「奴らの目的はこの街ではない」
バラライカ「だったらもう良いだろう」
バラライカ「…それに…」
大尉「…?」
バラライカ「興が冷めた」シュボッ
大尉「…あの小娘たちの情報はいかがしますか?」ピラッ
バラライカ「…そうだなぁ」
バラライカ「…ふん、今日は寒いな大尉」
大尉「…ええ」
バラライカ「…火を焚け」
大尉「…かしこまりました」シュボッ
バラライカ「…ふん」
バラライカ「この悪党の街で、奇跡…か…」
ロック「…それじゃあここまでだ」
マミ「ありがとう、岡島さん、レヴィさん」
さやか「またいつか会おうね」
杏子「いや、もう来たくねーよ、こんなところ」
まどか「ウェヒヒヒ、杏子ちゃん」
ほむら「…」
ロック「…ほむらちゃん」
ほむら「…何よ」
ロック「…いいものを見たよ、ありがとう」
ほむら「…ふん、やっぱりあなた、ただの悪党だわ」
ロック「そうかもね」
レヴィ「おい、クソガキども、二度と来んな!ファッキンジャップだ!」
さやか「うるさい、バーカ」
杏子「バーカバーカ!」
ほむら「それじゃあ、行くわね」
ほむら「…岡島」
ロック「…なんだい?」
ほむら「…あなた、悪党だったけれど…」
ほむら「良い悪党だったわよ?」クスッ
ロック「…!」
ロック「…そりゃ、悪党冥利に尽きるね」ニヤッ
さやか「あー、疲れたァ!」
杏子「うへー、こっからまた何時間もかかんのかよ…」
マミ「まぁまぁ、荷物も見つかったことだし、お茶にしましょ」
さやか「旅行先まで持ってきてるなんてマミさんさすがです!」
ほむら「…まどか」
まどか「…ウェヒヒヒ、なぁに」
ほむら「…ありがとう」
まどか「…うん、大好きだよ、ほむらちゃん」
まどか「…帰ろっ?私達の町、見滝原に!」
ほむら「…えぇ」ニコッ
魔法少女まどか☆ほむラグーン
おしまいっ!!!!
疲れた
長くなってすまん
ただの思いつきで書いただけ
見てくれてありがとう
おやすみ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません