恭介「可愛い暁美さんが、急にかっこよくなった」(396)

どうも、談義スレや小ネタスレで書き込んだやつです。
基本的な注意事項は。
 恭ほむ
 本編再構成
 一部の口調が微妙
などです。
とりあえず次から6レス程投下します。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1353179135



いつものように病院で目を覚ます、またダメだった。
どうしてもうまくいかない、必ずどこかで失敗する。
何か新しい物が必要だ、今までのループに無い何かが、この状況を打ち破る何かが。

ほむら「考えていても仕方ないわね、まずは動かないと」

いつものように姿を変える、弱い自分から強い自分へと。

ほむら(あら?ここはどこ?私の病室とは違う)キョロキョロ

視力を上げて気付いた、病室なのは間違いないが、ベッドの位置や窓の大きさが違う。

ほむら(でも置いてある荷物は間違いなく私のもの、この時間軸は違う病室なのかしら?)

ドアを開けて廊下に出ると、さらなる違和感を感じた。

ほむら(廊下が違う?まさか病院自体が違うというの?こんな事は初めてだわ。
……それにしてもなんだか見覚えがある気が)

??「あれ?暁美さん?」

違和感の正体を確かめるべく、廊下を歩いていたら突然後ろから声をかけられた。

ほむら「誰?あなたは!?」

恭介「よかったやっぱり暁美さんだ、髪型が違うから一瞬わからなかったよ」

振り向いた先には美樹さやかの幼なじみで、彼女の魔女化のトリガーでもある少年。

恭介「やっぱり女の子って、髪型でかなり印象が変わるね」

上條恭介が車椅子に乗って微笑んでいた。



状況が掴めない、だが今の様子から察するに、この時間軸では上条恭介と知り合いらしい。

ほむら「こんにちは上条君」

言ってから失敗に気付く、昔の私がこんなに堂々と名前を呼ぶのは有り得ないと、現に彼は驚いた顔をした。

恭介「暁美さんってそんな顔もできるんだね、ちょっとビックリしたよ」ニコッ

ほむら「ごめんなさい、転校する前にせめて、雰囲気だけでも変えようと思って」

頭をフル回転させて会話を組み立てる、元々人との会話が苦手な上に今のこの状況、とっさの言い訳ができたのは上出来だろう。

恭介「いや悪くないと思うよ、いつもの暁美さんは可愛い感じだけど、今日はなんだかかっこいいと思う」

ほむら「ありがとう」

なんとかごまかせたようだ、でもこれ以上は。

恭介「僕はどっちの暁美さんも好きだけどね」

……?今彼はなんと言った?私が好き?……!?

ほむら「へ……あう」カァ

恭介「あっいやっそういう意味じゃないんだよ、ある意味違わないんだけど、って何を言ってるんだ僕は」アセアセ

完全に予想外の言葉に、思わず取り乱してしまった、まあ彼自身も同じような感じだが。

恭介「僕が言いたかったのはさ、どっちの暁美さんも魅力的だという意味で」アタフタ

ほむら「わかっているわ」クスッ

恭介「いやーあはは」

彼とこんな風に話すのは初めてだ、元々の接点がほとんど無いから仕方ないのだが。

恭介「ところでこの後時間はあるかな?今日もお話ししたいんだけど」

ほむら「……構わないわ」



恭介「それでその時さやかがね……」

ほむら「そんなことが……」

上条恭介の誘いを受けたのは正解だったようだ、どうやらこの時間軸はかなりのイレギュラーらしい。
まずは私の入院先が違うこと、これ自体はさしたる問題ではないが、それに伴う変化が問題だ。
軽く探りを入れたが色々な変化がわかった。
まず私は3日前に階段で転んだらしい、怪我はなかったのだが偶然にも、そこに彼が通りかかって私に手を貸したらしい。
そして私が見滝原中学に転校する事や、年が同じ事、入院生活の経験などが理由になって交流を持ったようだ。

恭介「あれ?もうこんな時間か、僕はそろそろリハビリに行くよ、じゃあまた明日ね」

ほむら「ええ頑張ってね」

上条恭介を見送ってから私は病院を抜け出した、まずは武器の調達と、グリーフシードの確保をしなければ。

ほむら(それにしても、まさか上条恭介と知り合いになっている私がいたとは思わなかったわ)

色々な問題があるが、まずは戦いの準備からだ、頭を悩ませる問題を隅に追いやり集中する。

ほむら「私の目的はまどかを契約させないこと、他のことは関係ない」

自分に言い聞かせながら町を走る、頭の片隅に上条恭介の顔がちらついたが、無視して走り続けた。



ほむら「本当にマズいわね」

ベッドの上でため息をつく、今日の会話から得た情報を整理するとこうなる。
まず私は上条恭介と偶然知り合った、そして彼は美樹さやかに私の事を伝えている、直接の面識はないみたいだが同じ事だろう。
彼女の性格上、私の事はまどかや志筑仁美に伝わっているはずだ、となると向こうから接触をしてくるだろう、彼女達にとって私は病弱で気弱で何もできない少女なのだから。

ほむら(新しい何かは確かに望んだけど、これはさすがに変わりすぎよ)

今更どうにもできないことだが、恨み言の一つも言いたくなる。

ほむら(3日前の私に聞きたいわね、何で階段なんか使ったのか)

私の事が伝わっている以上、魔法少女であることを知られる事のリスクが高まった、上条恭介という証人がいる以上、私が契約できたのは昨日からの半日程の間となる。
つまりこの間に契約していない以上、私が魔法少女であるのはおかしい、そのことからQBに私の正体と魔法を感づかれる恐れがある。
今までは契約した覚えのない魔法少女だったが、今回は契約したはずのない魔法少女となる。
些細な違いに見えるがこれは全く違う意味を持つ。
契約できたタイミングが断定できれば、私が何をしたのか推測がしやすくなる。
今までのループと同じ行動を取りづらい状況だ、下手に動けばつけ込まれる。

ほむら「随分と難度が上がったわね」

だが利点も一応ある、まどか達との接触がしやすくなったのが一つ。
さらに上条恭介と知り合いになった事で、美樹さやかの魔女化を防ぐ事が出来るかもしれない。

ほむら「上条恭介と美樹さやかを……、うまくやれれば……」

何故か胸の辺りが重くなった気がした。



今日は私の退院日だ、上条恭介は車椅子で見送りに来た。

恭介「退院おめでとう、学校でさやかと仲良くしてあげてね」

ほむら「ええ上条君もリハビリ頑張ってね」

恭介「もちろんさ、1日でも早く腕を治してバイオリンを弾きたいからね」

ほむら「……学校で待ってるわ」

私は知っている、彼の腕はもう治らない、私の言ったリハビリは腕ではなく足の事だ。

恭介「腕が治ったら暁美さんにも聴かせてあげるよ」

ほむら「……楽しみにしているわ」

この言葉はいつか彼を苦しめる事になる、期待などかけない方がいいはずなのに、つい口をついて出てしまった。

恭介「その時は、さやかや鹿目さんにも、一緒に聴いてもらおうかな」

ほむら「そろそろ行くわね、それじゃあね上条君」

恭介「またね暁美さん」

ほむら「……今度お見舞いに来るわ」

恭介「うん!待ってるよ」

何故そんな事を言ったのか、彼のお見舞いなんて、している暇はないというのに。
だが私の考えなど知らずに、彼は笑顔で喜んでいた。

ほむら「今日も武器を集めないと」

時間は有限だ、全く足りないというのに、お見舞いなど……。

ほむら「……約束は守らないとね」

上条恭介と仲良くすること、それは利点を増やす結果になるはずだ。
何故か胸が軽くなった気がした。



やるべき事は変わらない、まどかの契約の阻止、でも今回は下手にQBを始末はできない。

ほむら「エイミーご飯よ」

エイミー「にゃー」ハグハグ

上条恭介という繋がりがある以上、いつ私の正体がバレるかわからない、今までとは状況が違いすぎる。
現状で可能なのは、まどかの契約の理由を無くすくらいだ、リスクを犯すべきでは無い。

ほむら「そうよ、慎重なのは良いことよ」

エイミー「なーご」

ほむら「食べ終わったのね」ナデナデ

エイミー「ふみー」スリスリ

ほむら「じゃあ私は行くわね、車に気をつけるのよ」

エイミー「うなー」タタッ

ほむら「さて次は……、そうね」

現状で打てる手は打った、ならばこれはむしろ、時間に余裕ができたと思おう。
時間は有限だ、無駄にはできない、ならばすぐに行動に移そう。

ほむら「まだ時間は大丈夫よね」


ほむら「入ってもいいかしら?」トントン

恭介「暁美さんかい?大丈夫だよ」

ほむら「おじゃまするわね、調子はどうかしら?」

恭介「大分歩けるようになったよ、まだ左手はほとんど動かないけどね」

ほむら「……そう」

恭介「明日からだったよね学校」

ほむら「ええ、美樹さん達と同じクラスになれればいいけど」

恭介「もし違っても、さやかと仲良くしてくれるかい?」

ほむら「……ええ」ニコッ

恭介「ありがとう、そういえば昨日さやかがね……」

ほむら「そうなの……」

時間は有限だ、少しでもうまく立ち回らなければならない。

ほむら(でも今は)

この時間が心地よく感じる、私はどうやら彼といるのが楽しくて仕方ないようだ、理由はわからないが……。

本日は以上です。
本当は明日くらいに始めるつもりでしたが、色々あって今始めました。
これからの予定ですが、書きためが増えしだい来ますが、最低でも週に1回は更新したいです。
何か質問やご意見がありましたらお願いします。
ではまた次回に。

どうも1です。
乙感謝です、書きたくなって書いたんですが読んでいただけて嬉しいです。
書きためが思ったよりも進んだので今日の夜11時~12時くらいに投下します。
それから>>1に書き忘れましたが、このSSではキャラの特徴や魔法などに若干の独自及び拡大解釈が含まれるかもしれません、先に言っておきます。
ではまた夜に来ます。

うん。全裸で待機しているからちゃんと来てね
あんたは恭ほむを諦めていた俺にはアンタは救世主だよ

>>16
可愛い暁美さんは免疫が無いので服を着てください。

どちらの暁美さんも可愛いので問題は……あれ?タイトルに矛盾?
まあとりあえず、今日は7レス程投下します。



ベッドの上で明日の事を考える、上条恭介に今の私を見せた以上、学校でもこのままで行くべきだろう。
だがまどか達から接触してきた場合に、どういう反応を返すべきかがわからない。
今の私になってからは必要以上の馴れ合いはしていない、しかも向こうから来た場合など殆ど無い。

ほむら「……ちゃんと寝ないとダメよね」ポフ

……まどかはともかく、美樹さやかとどう接すればいいのか。
魔法少女である事をうまく隠せるか。
どうやってまどか達の契約を阻止するか。

ほむら(本当に問題だらけね、どうすればいいのかしら)

だが収穫もある、なぜかまだQBはまどかに接触していない、更に私が魔法少女である事も知らないはずだ。
これはうまくいけばかなりのアドバンテージになる。
まどか達とうまく付き合い、QBを監視もできる、今までの時間軸とは全く違う展開だ。

ほむら(そうよ、問題に悩むよりも、この状況をうまく使う方法を考えるのよ)

上条恭介という繋がり、今までに無かった繋がり、これが吉と出る事を祈るだけだ。
まずは明日のまどか達の反応を見てから考えよう。
……上条恭介との繋がりも大事にしなければ。

ほむら(変な事考えてしまったわね)

これ以上遅くなると明日に響く、早く寝なければ。



結局少ししか眠れなかった、見た目には問題ないようだが、少しばかり眠い。
だがさすがに、転校初日に遅刻する訳にもいかない、しっかりと準備して学校に向かう。


通学路はいつも通り、何の変化も無い、まああっても困る訳だが。
さすがにイレギュラーがそんなに起こる訳がない。

???「あれ?もしかして暁美さん?」

起こってしまった、とびっきりのイレギュラー、この声を忘れるはずがない、振り向いた私を見つめる三対の視線。

ほむら「えっと、どなたかしら?」

私のよく知る三人の少女、鹿目まどか、志筑仁美、そして今話しかけてきた。

さやか「暁美ほむらさんだよね?私が上条恭介の幼なじみの、美樹さやかよ」

通学路で出会うなど全く考えていなかった、教室でどう動くかしか決めていない、こうなった以上は昨日のプランは全滅だ。
だが出会ってしまった以上は仕方ない、後は野となれ山となれだ。

ほむら「ええ暁美ほむらよ、よろしくね美樹さん」ニコッ

さやか「やっぱりか、恭介から聞いてた通り美人じゃん」

まどか「私は鹿目まどかだよ」

仁美「私は志筑仁美と申します」

ほむら「よろしくね鹿目さん、志筑さん」

学校まではまだ時間がある、うまく話せるかはわからないが、なんとかするしかない。



さやか「ありゃ?もう学校じゃん」

まどか「本当だね」

仁美「それだけ楽しかった、という事ですわ」

ほむら「そうね、とても楽しかったわ」

ここまでの会話はほとんど、美樹さやかがメインでしていた、当然というべきか、私への質問も多かった。

さやか「じゃあ私達は教室に行くから」

まどか「同じクラスだといいね」ティヒヒ

仁美「ではまた後でお会いしましょう」ペコリ

ほむら「ありがとう、美樹さん、鹿目さん、志筑さん」

まどか達と別れて職員室に向かう、その途中で先ほどの会話について考える。
やはり私のキャラが違う事に驚いていた、予想通り上条恭介から、気弱な性格と伝わっていたようだ。
少し油断していた、今までなら見覚えのない生徒だったから、たとえ見かけても声をかけてはこないだろう。
だが今回は私の容姿が伝わっている、印象が違っていても髪の長さや色で連想するだろう。
そうなれば後は簡単だ、美樹さやかの性格上声をかけてくるだろう、違ったら謝ればいいだけなのだから。
だがこれでまどか達と近づく事ができた、QBを追い回していない今回は、巴マミとも友好的な関係を作れるだろう。
今の所は順調だ、このままうまくやりたいものだ。

ほむら(まずは職員室ね)



教室の前で待つ、担任のいつも通りの話、男女の交際に関わる話。

ほむら(私には関係は……?)

何故か上条恭介の顔が浮かんだ、だがすぐに振り払う、今はそんな場合ではない。

早乙女「転校生の紹介をします」

さやか「そっちが後回しかよ!」

早乙女「暁美さん入ってきて」

いつも通りの流れで、いつも通りの自己紹介をする。
違うのはまどか達からの視線、転校生に対するものではなく、新しい友人に対するものだ。
微笑むまどか、小さく手を振るさやか、会釈をする仁美、今までと違う展開。


HRが終わり周りの生徒が集まってくる、それをかき分けて声をかけてくるのは。

さやか「暁美さん朝振りだね」

仁美「同じクラスになれましたね」

まどか「えっと、よろしくね暁美さん」

ほむら「ええよろしくね」

さやかが来てまどかと仁美がついてくる、他のクラスメートは首をひねっているが、質問責めよりはだいぶ楽だ。

ほむら(まどか、今回こそあなたを救う)

決意を新たにし、授業の準備をする、今日の正念場だ。
魔法少女である事を隠す為にも、やりすぎてはいけない。
かといって手を抜きすぎるのもダメだ、後で呼び出しなんて事は避けたい。
可もなく不可もなく、うまく調整しなければ。



午前中の授業は順調だった、体育以外は勉強していたと言えばいい。
体育は少々面倒だったが、平均よりも下くらいになれたはずだ。

さやか「ねえ暁美さん、お昼一緒に食べない?」
ほむら「構わないわ」

上条恭介という繋がりがあるからか、美樹さやかが積極的に話しかけてくる、元々社交的な性格なのだから当たり前だが。
まどか「暁美さんのお弁当美味しそうだね」

仁美「お母さんの手作りですか?」

ほむら「自分で作ったのよ」

さやか「暁美さんって料理もできるの?」

ほむら「といっても冷凍物が多いのだけれど」

私が一人暮らしを始めたのはつい最近だ、あまり料理が出来ると、不審がられるかと思い冷凍物を混ぜたのだが、どうやら杞憂だったようだ。
四人でおかずを交換したりしながら、お弁当を食べた、こんなのは久しぶりだ。

さやか「ねえ暁美さん」

ほむら「何かしら?」

さやか「放課後は時間あるかな?恭介のお見舞いに一緒に行きたいんだけど」

ほむら「……時間は大丈夫よ、それよりも一ついいかしら?」

さやか「何?」

ほむら「できれば名前で呼んでもらえるかしら?名字だとむず痒いと言うか」

まどかや仁美はまだしも、正直さやかにそう呼ばれるのは変な感じだ。

さやか「わかった、そのかわり私の事も、さやかって呼んでねほむら」

まどか「私もまどかでいいよ、ほむらちゃん」

仁美「私も仁美と呼んでくださいね、ほむらさん」

ほむら「わかったわ、さやか、まどか、仁美」

四人「ふふっ」

こんな風に笑いあったのはいつ振りだろう、もしかしたら初めてかもしれない。



午後の授業もそれなりにこなし、帰りにファーストフードによってからお見舞いに行く事になった。

さやか「そういえばほむらの家ってどこ?遠いんだったら早めに済ますけど」

ほむら「それほど遠くはないわ、それに一人暮らしだから時間も大丈夫よ」

まどか「ほむらちゃん一人暮らしなんだ」

仁美「そういえばお弁当も、ご自分で作ってましたね」

ほむら「まだ練習中なの、冷凍物が多いのはそれでよ」

さやか「あれだけできれば十分じゃない」

まどか「美味しかったよね」

ほむら「ありがとう」クスッ

仁美「あら?もうこんな時間ですの?本当に今日は時間がすぐに過ぎますわね」

さやか「仁美はお稽古があるんだっけ」

仁美「ええですから、今日はお先に失礼しますわ」

まどか「また明日ね仁美ちゃん」

さやか「頑張ってね仁美」

ほむら「さようなら仁美」

仁美「皆さんさようなら」スタスタ

さやか「じゃあ私たちも行こうか」

まどか「このまま病院に?」

さやか「その前にCD屋によっていこうかな、ほむらもそれでいい?」

ほむら「……このまま行った方が長く話せるんじゃないかしら」

さやか「そっか今日はほむらも一緒だしね、じゃあCDはまた今度にするかな」

まどか「たまには私も行ってもいいかな?」

さやか「もちろん、恭介も喜ぶよ」

ほむら「じゃあ行きましょう」

CD屋に行くとQBに会うことになる、顔を合わせるのはできるだけ避けたい。
ダメもとで言ってみたが、うまく誘導できたようだ。
そのまま私たちは真っ直ぐ病院に向かった。



さやか「おーい恭介ー」

恭介「いらっしゃいさやか、今日は少し早いね」

さやか「一人じゃないからね、さて問題です誰と一緒に来たでしょう?」

恭介「その口振りからして、暁美さんだね?」

さやか「惜しい!正解は」ガラッ

ほむら「こんにちは上条君」ニコッ

まどか「えっと久しぶりだね上条君、私もついてきちゃった」ティヒヒ

さやか「ほむらとまどかでした!」

恭介「ずるいよさやか、誰とって言ったじゃないか、てっきり一人だと思ったよ」

さやか「そしたらすぐわかるじゃん」アハハ

まどか「確かに一緒に来るなら、私か仁美ちゃんになるかな?」

ほむら「大抵は仲がいい人でしょうからね」

さやか「まどかは私の親友だからね」

恭介「確かに一番に浮かぶだろうね、いつも一緒にいるし」

ほむら「あら?それなら何で私だと思ったのかしら?」

恭介「さやかがああいう言い方をするって事は、普段とは違う事をしてると思ってね、それで暁美さんだと思ったんだよ」

さやか「なかなかいい読みだったけどね」

恭介「二人とは思わなかったからなぁ」

まどか「私が余計だったかな?」

ほむら「そんな事はないわまどか、さやかがそういう引っ掛けをしただけだもの」

さやか「そうそう気にしない気にしない」

まどか「さやかちゃんのセリフじゃないよね?」

恭介「ずいぶん仲良くなってるね、その様子だと同じクラスみたいだね」

ほむら「ええその通りよ」

まどか「それだけじゃないけどね」

恭介「何かあったのかい?」

さやか「実は朝にね」

今日は以上です。
この辺りから本編とは、少しずつ変わり始めました。
とりあえず次も書きためが溜まったら来ます、意見質問がありましたらどうぞ。
それではまた次回に。

どうも1です。
今日も夜の12時くらいから投下できそうです。
しかし他のSSと同じで、書けば書くほど量が増えます、現在構想段階の五割増しくらいの文量になってますし。
とりあえず今日の夜に来ます、ではまた後で。

はやーよ、ホセ!
最悪、月ごとだと覚悟していたのに……
ムリしないでがんばってください!

どうも今から投下します。
今日は6レス分です。
>>35 ホセ?



さやか「そんな感じでね、同じクラスになれて良かったよ」

恭介「なるほど、そんな事が」

ほむら「あの時はびっくりしたわ、学校についてから探してみるつもりだったから」

まどか「イメージと違ってたから、私たちも驚いたんだよ」

さやか「そうだよ!一言くらい言っておいてよ」

恭介「せっかくだからと思ってさ、わざと伝えなかったんだよ」

ほむら「まあ成功した、といっていいのかしら?」

まどか「なのかな?」

さやか「まあ仲良くなれたからいいよね」

恭介「……ちょっと羨ましいな、名前で呼び合っててさ」

まどか「そうかな?普通だと思うんだけど」

恭介「僕よりも仲良くなったみたいでさ、それがちょっとね」

さやか「ははーん、つまり恭介はヤキモチを妬いてるわけだ」ニヤリ

恭介「そんなんじゃないよ、ただ羨ましいなってだけでさ」

ほむら「……別に構わないわよ、上条君が好きな呼び方でも」

恭介「えっ本当かい?暁美さん」

さやか「ん?」

ほむら「あらやっぱり暁美さんでいいのね」クスッ

恭介「いやそうじゃなくて、えっとほむらさん?」

ほむら「それで構わないわ」

恭介「ありがとうほむらさん」ニコッ

さやか「あれ?」

まどか「どうしたの?さやかちゃん」

さやか「いや別に、何でもないよ」


さやか「気のせいだよね?」ボソッ



そうやっているうちに、上条君のリハビリの時間になった、今日はここまでだ。

さやか「それじゃ帰るね、リハビリ頑張ってね」

まどか「早く学校に来れるようにお祈りしてるね」

ほむら「じゃあまたお見舞いに来るわ」

恭介「今日はありがとう、とっても楽しかったよ、またみんなで来てね」

さやか「うんわかった」


さやか「恭介楽しそうだったね」

ほむら「お見舞いが来ると、それだけでも嬉しくなるのよ」

まどか「ほむらちゃんも、最近まで入院してたんだよね」

ほむら「今ではすっかり治ったけどね」

さやか「……私が一人で行った時よりも、嬉しそうだったかな」

ほむら「大勢だと楽しいのよきっと」

さやか「……うんそうだよね」

ほむら「それじゃあ私はこの辺で」

さやか「また明日ねほむら」

まどか「ばいばいほむらちゃん」

ほむら「さようならまどか、さやか」


二人と別れてからスーパーに向かう、今日の晩ご飯と、明日のお弁当の材料を買わなければ。
その時急に景色が歪み始めた。

ほむら「魔女の結界!?何故こんな所に?」

今日現れる魔女は一体しかいない、いくらイレギュラーが多くても、魔女の数まではさすがに増えないだろう。

ほむら(おそらくは薔薇園の魔女)

辺りが結界に包まれ、見覚えのある使い魔が現れる、いつもならまどか達を襲う連中だ。

ほむら(運がいいのか、悪いのか、どっちかしら?)



結界の中を進む、いつもの薔薇園の魔女だ。

ほむら(おそらく巴マミから逃げてきたのね、そして偶然私とぶつかった)

感じる魔力の強さからして、魔女本体に間違いないだろう。

ほむら(こいつを倒すのは簡単、イレギュラーだらけのこの時間軸、不安要素は徹底的に排除する!)

結界の奥で魔女を見つける、無傷な所を見る限り、やはり巴マミから逃げてきたようだ。

ほむら「悪いけど一気に片をつけるわ」カチリ

時間停止からの銃弾と爆弾、反撃の暇は与えない。

魔女「!!!?」

こちらの集中攻撃になすすべもなく沈黙する、一気に倒れグリーフシードを残し、結界ごと消えていく。

ほむら(変身をといて早く買い物に)スッ

??「魔女を追ってきたけど、先を越されたかしら」

つくづくイレギュラーの多い時間軸だ、今日は色々あったから早く帰りたいのだが。
声の方を見ればいつも通りに制服を着た、巴マミが立っていた。

ほむら「あなたは」シュン

マミ「その制服、あなたも見滝原中学の生徒なのね」

ほむら「今日転校してきたの」

マミ「そう、私は巴マミよ」

ほむら「私は暁美ほむらよ」

マミ「転校してきたのなら、この町に留まるのよね?」

ほむら「私はあなたと事を構える気はないわ、敵対してもお互いにメリットは無いでしょ?」

マミ「グリーフシードを独り占めしたくはないの?」

ほむら「多いに越した事はないけど、必要以上に持つつもりもないわ」

マミ「そう」

ほむら「私はもう帰るわ、それじゃあ」

マミ「待って暁美さん、この後時間はあるかしら?」

ほむら「……一応大丈夫だけど」

マミ「なら私の家に来ない?もう少し話しをしたいの」

ほむら「……構わないわ」

マミ「決まりね、こっちよ」

歩き出す巴マミについていく、この誘いにのるのは少々危険かもしれない、だが避けては通れないのも確かだ。
うまく事が運ぶことを祈るしかない。



普段のループならまどか達が来るのだが、今回は私がその役目らしい。
巴マミの家に招かれるのはいつ振りだろうか、ほとんどのループで敵視され、まともに会話をしたのすら久しぶりだ。

マミ「紅茶でよかったかしら?」コトッ

ほむら「ええ大丈夫よ」

マミ「はいどうぞ、今日はスフレを作ってみたのよ、お口に合えばいいのだけれど」コトッ

ほむら「いただくわ」カチャ

前にこうして彼女のケーキを食べたのは、いつだったかしら?

マミ「それでいくつか聞きたい事があるのだけど」

ほむら「何かしら?」

マミ「私と争うつもりは無いのよね?なら協力してくれるつもりはあるかしら?」

ここが第一の関門、最初の勝負所だ。

ほむら「あなたがそれを望むのなら、私は構わないわ」

マミ「じゃあ一緒に魔女退治をしてくれる?」

ほむら「一人よりも二人の方が安全だもの、断る理由は無いわ」

マミ「使い魔でも見つければ倒すのよ」

ほむら「私にも守りたいものがあるわ、それを守ることに繋がるのなら、しっかりと倒すべきよ」

巴マミはしばし考え込んでいる、この会話だけで信用を得るのは難しい、だが少なくとも敵ではないと認識させなければ。
彼女がどういう判断を下すか、それによって私も方針を決めることになる。

マミ「いいわ、じゃあ一緒に魔女退治をしましょう」

ほむら「私を信用してくれるの?」

これは少し意外な反応だ、いくら仲間を欲しがっていると言っても、会ったばかりの私を認めてくれるとは。

マミ「暁美さんの守りたいもの、大切な人がいるのね」ニコッ

ほむら「どうしてそう思うの?」

マミ「だってそう言った時のあなたの目、とても優しい目をしてたわ、そんなあなたが悪い子には思えないのよ」

ほむら「……ありがとう巴さん」



完全とは言い難いが、巴マミとの共闘もなった、このままうまくいけばいいが。

ほむら「それじゃあ、今日はもう帰るわ」

マミ「暁美さん、明日学校で話せるかしら?」

ほむら「大丈夫だと思うわ、何かあったらテレパシーを飛ばして」

マミ「わかったわ、それじゃあね暁美さん」

ほむら「また明日、巴さん」


巴マミとの関係は良好だ、心配があるとしたらQBだろう、姿を見かけないのがかえって不気味だ。
あいつが何をしているのか、気にはなるが迂闊には動けない。
利点と欠点、プラスとマイナス、すべてのイレギュラーが両方を持っている。
何が起きるか全くわからないのがこんなに怖いとは、繰り返すうちに、すっかり忘れていた。

ほむら「いえ、今回こそループを終わらせるのよ、例え何を犠牲に……?」

まどかを救う、それだけが私の目的で他はどうでもいい、そのはずだった。
だが何故か口にできなかった、口にしたらすべてが壊れてしまいそうで、それがとても怖くて。

ほむら(上条恭介)

何故か彼の顔が浮かんで、それが消えなくて、消せなくて。

ほむら「……まさかね」

一瞬浮かんだ考えを即座に否定する。

結局彼を頭から消す事はできなかった。

胸がとても重苦しく感じた。



目を覚まし朝ご飯の準備をする、一緒にお弁当も用意してから食べ始める。
今日は本来ならば、巴マミの魔法少女体験ツアーの日だ、だがまどか達には面識は無い、当然ツアー自体が行われないはずだ。
だがあの後まどか達に、QBが直接話しをした可能性はある、巴マミと一緒にいなかったのは良かったのか悪かったのか。

ほむら「早く学校に行きましょう」

まどか達に会えばわかるだろう、少なくともその日のうちに契約するような事は無いはずだ。

通学路を歩く、ほどなくしてまどか達との待ち合わせ場所についた。

ほむら(まだ早かったかしら)

携帯で時間を確認しようして。

??「あら暁美さん?」

よく知る声が聞こえた。

ほむら「おはよう巴さん」

マミ「おはよう、誰かと待ち合わせ?」

ほむら「ええクラスの友達と、巴さんは?」

マミ「私は朝のパトロールよ、おろそかにはできないから」

ほむら「収穫はあったかしら?」

マミ「いいえ、まあそれならそれで平和という事だけどね、私はそろそろ学校に向かうわ」

ほむら「じゃあまた後で」

マミ「ええまた後でね」

そう言って彼女は歩いていった、そしてこういう時は大抵。

さやか「おはよーほむらー!待たせちゃった?」

まどか「おはようほむらちゃん」

ほむら「おはようまどか、さやか」

さやか「ねえねえ、さっきの人って誰?知り合い?」

まどか「さやかちゃん、ストレートすぎだよ」

案の定見ていたようだ、だんだんこういうのも慣れてきた、何故か私の周りはこういう風になるのだろう。
さて、何と言ってごまかすか、今日も頭をしっかりと使う事になりそうだ。

今日は以上です。
やっとマミさんが出ました、ここから急展開にはならない予定ですが。
次回も書きためができたら来ます、ではまた次回に。
意見質問がありましたらどうぞ。

どうも1です。
皆さん色々と思うところがあるようですが、とりあえずラストは決まっています、なのでそこに向かうだけです。
自分の力では大幅な路線変更などは無理なので。
ちなみにほむらにとって、まどかと恭介に向ける感情はベクトルが全く違います。
それでも比べるとしたら、まどか>恭介なのは変わりませんが。
とりあえず書きためが出来たので今から9レスほど投下します。

携帯でかきためってどうやるんだろ



ほむら「一応知り合いよ、昨日病院から帰る途中にちょっとね」

さやか「あの後に?一体どんな人なの?」

ほむら「大した事じゃないわ、それよりも仁美は?」

まどか「朝少し寝坊したらしくて、学校の近くまで車で送ってもらうんだって」

さやか「だから先に行ってくださいってさ」

ほむら「わかったわ、でもめず……きっちりしてそうなのに」

まどか「私も詳しくは聞いてないんだけどね」

さやか「なんか夜に寝付けなかったみたいよ」

ほむら「気にはなるけど、あまり詮索はしない方がいいわね」

まどか「そうだね」

さやか「じゃあとりあえず学校に行こうか」

ほむら「ええ」

話題のすり替えはうまくいったみたいだ、できるだけ巴マミと、魔法少女と関わらせたくはない。

さやか「仁美はもう来てるかな?」キョロキョロ

まどか「まだみたいだね」

ほむら「まだ時間はあるわ、車で来るなら遅刻はしないでしょう」

さやか「そうだね、先に教室行ってようか」

まどか「そういえば今朝はたっくんがね--」

ほむら「そうなの--」

さやか「それなら--」

他愛もない話をしながら教室に向かう、二人がこのまま日常を過ごせればいいのだが。

仁美「おはようございます」

結局仁美はHRの5分前に来た、顔色は悪くないので病気ではないようだ。



マミ『暁美さん、ちょっといいかしら?』

三時間目の授業中に、巴マミからテレパシーが飛んできた。

ほむら『巴さん?どうしたのかしら?』

マミ『今日のお昼は空いているかしら?』

ほむら『ごめんなさい、まど……クラスメートと一緒に食べる約束があるの』

マミ『なら仕方ないわね、……今朝待ち合わせをしてた子かしら?』

ほむら『ええそうよ、私のあらちょっと待って』

先生「この答えを、暁美さん」

ほむら「答えは--です」

先生「正解です、そして--」

ほむら『ごめんなさい、あてられてしまって』

マミ『気にしてないわ、授業中だしこの辺にしておきましょう』

ほむら『ええそれじゃあね巴さん』

お昼のお誘いがあったということは、これからの事を話すつもりだったのだろう、昨日は具体的な話はしていなかったから。
だが今日のお昼は既に埋まっている、まどか達と一緒に食べるのだ、彼女には悪いが先約を優先するべきだろう。


さやか「やっとお昼だー」

まどか「屋上に行こうか」

仁美「そうですわね」

ほむら「もう大丈夫なの?」

仁美「ええ、昨夜はちょっと考え込んでしまって」

さやか「何か悩み事?」

仁美「ええ、でも大した事ではありませんから」

まどか「何かあったら相談してね」

仁美「ありがとうございます」

ほむら「それじゃ行きましょう」

四人で屋上に行くと、そこには先客がいた。



マミ「あら暁美さん?」

ほむら「何でここに」

さやか「あれ?確か朝ほむらといた」

まどか「本当だ」

仁美「どちら様ですか?」

マミ「私は巴マミよ」チラッ

マミ『邪魔しちゃったかしら?』

ほむら『そんなことはないわ、でも何て説明すればいいかしら』

さやか「ほむらの友達の美樹さやかです」

まどか「鹿目まどかです」

仁美「志筑仁美です、巴さんは三年生ですか?」

マミ「ええそうよ、美樹さんと鹿目さんと志筑さん、私の事はマミでいいわ、よろしくね」

マミ『どうしようかしら?魔法少女の事は話せないし』

ほむら『昨日買い物中に知り合った事にしましょう』

マミ「暁美さんとは昨日知り合ったのよ」

ほむら「スーパーで買い物をしている時にね」

さやか「そっかほむらは一人暮らしだもんね」

まどか「あの後買い物をしてたんだね」

ほむら「同じ学校の制服だから声をかけられたのよ」チラッ

マミ「私も一人暮らしをしているの、それもあって話しがはずんだのよ」コクッ

さやか「マミさんも一人暮らしですか、やっぱり大変なんですか?」

マミ「慣れればそうでもないわ、まあ寂しくなる事はあるけどね」

まどか「よかったらマミさんも、一緒に食べませんか?ほむらちゃんの友達なら私も友達になりたいなって」

マミ「あらいいのかしら?」

ほむら「構わないわ、一緒に食べましょう」

マミ「じゃあお言葉に甘えるわ」

仁美「昨日も今日も、賑やかですわね」

仁美がいるとはいえ、このメンバーが魔法少女としてではなく、友達として集まっている。

ほむら(いいわねこういうの)クスッ



放課後は巴マミとパトロールの予定だ、細かい事は決まってないが、今日は魔女は出ないはずだ。
しばらく見て回ったら解散になるだろう。

さやか「おーいほむらー、一緒に帰ろー」

ほむら「ごめんなさい今日は用事があるの」

さやか「そうなの?じゃあ仕方ないか、また明日ね」

まどか「ばいばいほむらちゃん」

仁美「さようならほむらさん」

ほむら「ええまた明日」

まどか達と一緒に帰る、とても惜しいが仕方ない、ワルプルギスの為にも、巴マミとも仲良くしなければ。

まどか達を見送ってから教室を出る、巴マミにテレパシーを送りながら今後の事を考える。

ほむら『巴さん待ち合わせはどうするの?』

マミ『あら暁美さん、そうね校門の前にしましょう』

ほむら『わかったわ』

ほむら(これからの為にも巴マミの信頼を得ないとね)

マミ『ところで暁美さん』

ほむら『何かしら?』

マミ『美樹さん達があなたの大切な人なの?』

ほむら『……そうね、まどかやさやか、それに仁美と上……は大切な友達よ』

マミ『?そうならしっかりと守ってあげないとね』

ほむら『ええ必ず守ってみせるわ』

ほむら(今度こそ必ずまどかを……いえ)

まどかを守る、それが私の想い、決して揺るがない私の信念だ。
だが今回はまどかだけではない、さやかや仁美、巴マミや上条君もまた、私にとって大切な人なのだ。

ほむら(必ず守ってみせる、まどかとみんなを)



マミ「お待たせ」

ほむら「今日はどこから行くのかしら?」

マミ「そうね、まずは繁華街から町外れまで、順番に見てみましょうか」

ほむら「わかったわ」

巴マミの信頼を得るには、一緒に魔女を倒すのが手っ取り早いが、今日は諦めるしかない。
その代わりに会話で少しでも距離を詰めたいが。

マミ「そういえば暁美さんはどんな魔法を使うのかしら?」

ほむら「昨日の戦いは見ていたかしら?」

マミ「いいえ、私が来たら丁度結界が消えたのよ」

ほむら「そう、……私の魔法は瞬間的に移動したり、物を動かしたりが可能になるような魔法よ」

嘘は言っていない、時間停止の間は周りの時間は進まない、私が動いたり動かしたものは瞬間移動と同じ扱いと言えるだろう。

マミ「かなり強力な魔法ね」

ほむら「そうでもないわ、使用するにはいくつか条件があるの」

マミ「条件?」

ほむら「……ある程度開けた空間でないと使えないとか、障害物をすり抜けないとかね」

これも嘘ではない、実際に自分や物が通る空間は必要だし、障害物を迂回する必要もある。
だが完全ではないとはいえ、私の魔法を教えるのはリスクもある。

ほむら(それでもここで少しでも、彼女の警戒や疑念を解消したい)

マミ「障害物をすり抜けない、つまり完全に囲まれたり、拘束されると使えないのね」

ほむら「……そうなるわ」

やはりすぐに気づいた、巴マミの拘束魔法には、何度も痛い目を見てきたが。

マミ「じゃあそうならないようにしないとね」

ほむら「……そうね」

マミ「じゃあ今度は私の魔法ね、私の魔法は--」

うまくいったのだろうか?彼女の態度は変わらないが、少なくとも敵意は感じない。
このままうまくやっていければいいが。



魔女の居そうな場所を見ていくがどこにもいない、昨日薔薇園の魔女を倒したからだろう、今日出る魔女はいない。

マミ「今日はこんな所かしらね」

ほむら「そうね、今日はもう解散かしら?」

マミ「もう少し付き合ってもらえるかしら?QBが用があるって言っていたの」

ほむら「……QBが?」

マミ「何の用かは教えてくれなかったわ」

ほむら「……構わないわ」

QB……いやインキュベーター、この時間軸ではまだ姿を見ていない、あいつが何を考えているのか全くわからない。
巴マミの事だ、既に私の名前などはあいつに伝わっているだろう、できれば会いたくないが仕方ない、今は彼女と仲良くなる事を優先するべきだ。

マミ「とりあえず私の家に行きましょう」

ほむら「ええわかったわ」

この判断がプラスに働けばいいが、今回はこんなのばかりだ。
今までの時間軸と違う展開、今までに無かった選択肢、私は正解を選べているんだろうか?

ほむら(その答えは、神のみぞ知る……かしらね)


世間話をしながら巴マミの家に向かう、QBの用が何か気になる。

QB「やあマミ、それと暁美ほむらだね?」

ほむら「QB……用って何かしら?」

QB「単刀直入に訊くよ、君は何者だい?」

ほむら「……私は暁美ほむら、真実を知る魔法少女よ」

QB「なるほどね、ありがとうマミもういいよ」スタスタ

マミ「QB?暁美さん今のは?」

ほむら「巴さん、もう少し待ってくれるかしら?話せる時まで」

マミ「……わかったわ、あなたの覚悟が決まるまで待つ事にするわ」

ほむら「待ってくれるの?」

マミ「だって今のあなた、とてもつらそうなんだもの、とてもじゃないけど無理に聞けないわ」

ほむら「ありがとう」

どうやらこの時間軸に来てから、私はずいぶんと感情が出るようになったようだ。

ほむら(いいことなのよね、きっと)



数日が過ぎた、明日はいよいよあの日、お菓子の魔女が現れる日だ。

ほむら(明日は私が病院の周りを、巴マミには別の場所を見て回るように言えば大丈夫なはず)

さやか「ねえほむら、今日も恭介のお見舞い行く?」

ほむら「ええ大丈夫よ」
まどか「私も病院までついて行こうかな?」

さやか「そこまで行くならさ、せっかくだから一緒に行こうよ」

まどか「ほむらちゃんはともかく、私はちょっとね」アハハ

ほむら「気にする事はないのよまどか、上条君もまた来て欲しいって言ってたもの」

まどか「えっとそれじゃあ私も」

さやか「よーし、病院にしゅっぱーつ」

まどか達ともうまくやれていると思う、あまり自信は無いが。


さやか「それでまどかがね」

まどか「さやかちゃん!それは言わないでって言ったのに」

さやか「あははごめんごめん」

恭介「そうか鹿目さんがね」

ほむら「そんなことがあったのね」

まどか「あうー」

さやか「あーそろそろ時間かな?」

ほむら「そうね、あまり長居してもね」

まどか「そうだね」

恭介「……ちょっといいかな?」

さやか「どうしたの?」

恭介「ほむらさんは長い間入院してたんだよね、もしかしたら治らないかもしれない、絶対にかなわないかもしれない。
そんな風に考えたことはあるかな?そんな時どうするべきなのかな?」

ほむら「……諦めないわ、絶対に諦めない、だから私は今ここにいるのだから」

さやか「ほむら」

まどか「ほむらちゃん」

恭介「……そっか、そうだよね弱気になっちゃダメだよね。
ありがとうほむらさん、おかげで少しスッとしたよ」

ほむら「……いいのよ、入院中は弱気になるものよ」

恭介「ありがとう、みんなまた来てね待ってるから」



さやか「リハビリがうまくいってないのかな?」

まどか「ちょっとナーバスな感じだったよね」

ほむら「……そうね」

失敗した、彼の腕はもう治らないのだ、諦めないだけではどうしようもないのだ。
さっきの言葉はいつか彼を傷つける、現実を知った時に重くのしかかるだろう。

ほむら(何故あんな事を、もっと別な言い方が)

そう考えていた時、急に辺りの景色が歪んでいく。

ほむら「これは、何で?」

さやか「なっ何よこれ?夢でも見てるの?」

まどか「ここどこ?何が起こってるの?」

ほむら「嘘、だって明日のはずでしょう?」

この場所に現れる魔女はこいつだけだ、お菓子の魔女。
巴マミの生死に関わる重要な魔女、いつもなら明日現れるはずなのに、何故今日なのか。

QB「おや暁美ほむらじゃないか、今頃どうしたんだい?」

ほむら「QB?何故ここに?」

QB「さっきマミが奥に向かったんだよ、僕は彼女を待ってるだけさ」

ほむら「そんな……巴さん」

ほむら『巴さん聞こえてる?』

マミ『あら暁美さん?お見舞いはもう終わったの?』

ほむら『良かった、魔女はどう?』

マミ『見張っているけどいつ出てきてもおかしくないわね』

ほむら『私もすぐに行くわ』

マミ『大丈夫よ、あなたは友達と一緒にいなさい、それにもう時間もないわ、また後でね』

ほむら『巴さん!そんな!』

彼女の実力なら遅れは取らない、今回は浮かれて油断もしていないはずだ。
だが万が一彼女が気を抜いたら、この魔女はそれが命取りになる。

ほむら(でもまどか達が)

彼女達を残していく訳にはいかない、かといって外に連れて行く時間はない、このままでは巴マミは……。

【ほむら「……諦めないわ、絶対に諦めない、だから私は今ここにいるのだから」】

そうだ、無責任にもそんな言葉を発したのだ、その私が諦める訳にはいかない。

ほむら「諦めない」グッ



ほむら「まどか!さやか!」

ま・さ「「え?」」

ほむら「今は説明する時間も惜しいの、だからお願い!私を信じて!」

まどか「ほむらちゃん?」

さやか「……わかった、その代わり後で説明してよね」

ほむら「もちろん」

まどか「私も信じるよほむらちゃんのこと」

ほむら「ありがとう、じゃあ私の手を握って」

ま・さ「「はい」」

ほむら「いくわよ」カチリ

まどか「え?何これ?」

さやか「周りが止まってる?」

ほむら「手を離さないでついてきて!」

時間停止を使って結界の中を走る、多少危険だが、外に出るよりもこのまま向かった方が早い、少しでも早く。

ほむら「絶対に諦めない、こんなところで終わらせない!」

結界の奥についたと同時に、巴マミの攻撃が魔女を貫く、だが次の瞬間魔女の口から太巻きのような使い魔が現れ、巴マミに食らいつこうとする。

ほむら「させない!」カチリ

時間を止め彼女の下へ走る。

ほむら「巴さん!」ガシッ

マミ「え?暁美さん?何が起きて?」

混乱する彼女をどかし、使い魔の口に爆弾を放り込む。

ほむら「早くこっちに!」

マミ「え、ええ」

時間が動き出し、爆弾が爆発する、使い魔がこちらを見失った今がチャンスだ。

ほむら「くらいなさい!」ダンダンッ

魔女の本体を狙い撃つ、魔女は消えグリーフシードに変化する、同時に結界も消えていく。

ほむら「良かった間に合った」

マミ「今私は、え?魔女の口から、暁美さんが」

さやか「ほむら!マミさん!」

まどか「今のって何?」

ほむら「説明するわ、……まずは巴さんの家に行きましょう」

巴さんの事、まどか達の事、魔法少女の真実。
問題は山積みだが、まだ何も終わっていない。
いや終わらせない、必ず守り抜いてみせる。

ほむら(まどかもみんなも、絶対に守る!私のこの手で)グッ

今日は以上です。
>>74 携帯のメモ(500文字ほど)に書いて、それを貼り付けてます。
大抵足りないので、書き込む時に書き加えてますが。
とりあえず次回も書きためが出来たら来ます、それでは意見や質問がありましたらどうぞ。
ではまた次回に。

>>1の好きな様にやって欲しいな
まどか>上条だろうがまどか<上条になろうが

期待して全裸で待ってる

>>87
寒いですし、暁美さんが赤面してしまうので、できれば服を着てください。

メモが足りないというなら
メモて複数書けないのかな?
他にはメール(下書きでも可)使うとかで書き溜めできないかな

>>89
1レスに大体メモ1つちょっと(600~800くらい)です。
なので大体1レスにつき200文字くらい書き足している感じです。
1レスにメモ2つ使うのは考えてましたが、今のところ不自由はないのでいいかと。
投下時の時間が長いと思われるようなら、メモ2つの方に変えてみますが。

どうも1です。
皆さん乙感謝です、それで前回の投下分で>>82 の最後に次のを書き忘れてました。


ほむら「諦める訳にはいかない!」パァ

まどか「ほ、ほむらちゃん?」

さやか「何なのその格好」


これが無いといつ変身した?とかまどさや無反応か?となりますねすいません。
とりあえず次から6レスほど投下します。



混乱している巴さんを促して、彼女の家に向かう、もちろんまどか達も一緒だ。

マミ「……」

まどか「マミさん……」

さやか「ねえほむら、マミさん大丈夫なの?」

ほむら「一応大丈夫だと思うわ、この後が少し不安だけど」

さやか「さっきの説明してくれるんだよね、正直に言うと夢であって欲しいけど」

ほむら「夢ではないわ、これは現実なのよ」

さやか「だよね……、何だか聞くのが怖いよ」

ほむら「仕方ないわ、私も最初は怖かったもの」

さやか「……あんまり難しい話はやめてね」アハハ

ほむら「悪いけど内容は変わらないわよ」クスッ

マミ「……暁美さん、鹿目さん、美樹さん……」ボソボソ

まどか「マミさん……」オロオロ

巴さんの家に着く前に、話す内容を決めなければ、まずは魔法少女の説明をする、そして私の魔法についても話すべきだろう。

ほむら(問題は私の願いと、魔法少女の真実についてね)

ソウルジェムについてはまだいい、だが魔女化の事を話すべきか?最悪の場合巴さんが錯乱する可能性もある。

ほむら(そもそも信じてくれるかどうかもわからないけど、あの時みたいなのはもう……)ブルッ

さやか「大丈夫?何か顔色悪いよ?」

ほむら「ええ大丈夫よ、私よりも巴さんの方が」チラッ

マミ「死ぬ所だった、でも暁美さんが助けてくれた、……私は生きてる」ブツブツ

まどか「マミさんが……」オロオロ

さやか「いやーあっちはあっちでさ、声を掛けづらくて」

ほむら「確かにそうね」

やはり精神的にまいっているようだ、心のケアなどほとんどやった試しが無いのだが。

ほむら(それでもなんとかしないと、もう巴さんを見捨てたりなんかしない!)

マミ「……あそこが私の家よ」

まどか「そ、そうなんですか」アハハ

さやか「お、おじゃまします」アハハ

ほむら「失礼するわ巴さん」

マミ「ええどうぞ」ニコ

ほ・ま・さ(((笑顔が引きつってる)))



ほむら「私が紅茶を用意するわ、巴さんティーセットを借りるわね」スタスタ

マミ「ええお願いね」ニコ

まどか「まだ引きつってるよ」ヒソヒソ

さやか「よほどショックだったんだね」ヒソヒソ

マミ「そうね、暁美さんが準備してる間に説明しておきましょうか、魔法少女について」

ま・さ「「魔法少女?」」

マミ「そうよ魔法少女、QBと契約して魔女を倒す存在、それが魔法少女よ」

まどか「QBってもしかして、あの白い猫みたいな?」

マミ「そうよ、今はいないけど私と一緒に暮らしてるの」

さやか「魔女ってさっきの変な奴ですよね?」

マミ「見た目はみんな違うけどね、QBもいないし、私が簡単に説明するわ」

 -----

マミ「こんな所かしら?」

まどか「そんなことが……」

さやか「魔女って悪い奴なんですね」

ほむら「紅茶が入ったわよ」コト

マミ「ありがとう暁美さん、本当なら私がやらないといけないのに」

ほむら「構わないわ、それよりも味はどうかしら?」

まどか「美味しい!」コクリ

さやか「本当だ」

マミ「……?暁美さんはこの入れ方を、どこで覚えたの?」

ほむら「あらわかるかしら?」

マミ「私と同じ入れ方に思えて、それで気になって」

ほむら「……今から大事な事を話すわ、魔法少女の事を」

マミ「……覚悟が出来たのね?」

ほむら「ええさっき出来たわ、……諦めない覚悟と」スッ

ほむら「あなた達を信じる覚悟を」グッ

まどか「私達を」

さやか「信じる」

マミ「覚悟?」

ほむら「あなた達に謝らないといけないの、私は暁美ほむらであって、暁美ほむらでないのよ」

ま・さ・マ「「「へ?」」」

ほむら「まずは私の事を話すわ、私が契約をしたのは--」



ほむら「これが私の話、私が今ここにいる理由」

ま・さ・マ「「「……」」」

私が未来から来た事、私の使う魔法の事、ワルプルギスの夜の事、私に関わる事をほとんど話した。

まどか「私が魔法少女で、しかもマミさんも死んじゃうなんて」

マミ「私が暁美さんの師匠か、なんだか複雑ね」

さやか「ワルプルギスの夜ってそんなにヤバいんだ」

ほむら「あいつを倒す、それが私の願いの一つと言えるわね」

さやか「一つ?」

ほむら「私の願い自体はまどかを死なせないこと、まどかを守れる私になることよ」

まどか「私を守る?」

ほむら「私が最初にいた時間軸で、あなたは私の最初の友達だったの、だからQBと契約して魔法少女になったのよ」

マミ「それで時間に干渉する魔法なのね」

ほむら「ただ私は才能に乏しかった、不釣り合いな願いによって私は、固有魔法以外がまともに使えないの」

さやか「じゃあさっきの武器は」

ほむら「あれは本物の銃や爆弾よ、私は他の魔法少女と違って自前で武器を作れないから」

さやか「それってせっ「話しを戻すわね」おーい」

ほむら「それで私は時間軸を渡って来たの、だから今の私は本当の意味での暁美ほむらではないのよ」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「ごめんなさい、本当ならあなた達と友達になるはずだったのは、この時間軸の私なのよ」

マミ「そんなこと無いわ、暁美さんは暁美さんじゃない」

ほむら「ありがとう、でもそれでも私が別人なのは変わらない、上条君が驚くのも当然よね」

さやか「ねえほむら、私達と仲良くしてたのは演技なの?」

ほむら「そんな事無い!私は本当に楽しくて、またみんなで一緒にいれて嬉しくて」

さやか「ならさ、やっぱりほむらは私達の友達……、ううん親友だよ」

まどか「そうだよほむらちゃん」

マミ「私達が今話して、仲良くしているのはあなたなのよ暁美さん」

ほむら「……みんなありがとう」ニコッポロポロ

ま・さ・マ(((可愛い!)))



ほむら「ごめんなさい嬉しくてつい」フキフキ

さやか「いやいや構わないって」

まどか「全然大丈夫だよほむらちゃん」

マミ「気にしないでいいのよ」

ほむら「それで話しの続きだけど、私の目的は大きく分けて2つよ、1つはさっきのワルプルギスの夜を倒す事」

さやか「もう1つは?」

ほむら「まどかを魔法少女にしない事よ、できればさやかもならないで欲しいの」

まどか「えっ?私達を魔法少女にした方がいいんじゃないの?だってそのワルプルギスの夜を倒すなら」

マミ「何か理由があるのね?」

ほむら「……魔法少女の真実、契約の時にQBが話さない事、それに関わってくるわ」ブルッ

ここが正念場だ、これを伝えるかどうか信じてくれるかどうかで、状況は大きく変わる。

ほむら「願いとは別の私の目的、まどかを魔法少女にしない事、そしてさやかをしたくない理由」ブルブル

さやか「ほむら?」

ほむら「私がループを繰り返すもう1つの理由」ブルブル

まどか「大丈夫ほむらちゃん!」

ほむら「今までほとんどのループで信じて貰えなかった、でもだからこそあなた達には隠したく無いの」ガタガタ

マミ「落ち着いて暁美さん、大丈夫だから手を出してくれるかしら?」スッ

ほむら「え?」スッ

マミ「これで安心できるかしら?」ニコリ

ほむら「!これは巴さんのソウルジェム、何で?どうして私に?」

マミ「この状況であなたが恐れる相手、同じ魔法少女で拘束魔法をもつ私だけでしょう?」

ほむら「それは、その」

マミ「その真実を知って、その時間軸の私が錯乱して暴れたか何かした、そうじゃない?」

ほむら「……それぐらいの内容なの、でも既に魔法少女になっている巴さんは逃れられない」

マミ「大丈夫よ暁美さん、あなたが助けてくれなかったら私は死んでいたわ、命の恩人であるあなたを失望させたくないもの」ニコッ

ほむら「巴さん……、わかった全部話すわ、ソウルジェムの秘密、魔法少女の結末、QBの目的、その全てを」

 -----



ほむら「これが私の知る全て、私の戦う理由よ」

まどか「そんな……そんなのってないよ」グスッ

さやか「マミさんは大丈夫ですか?」

マミ「正直に言ってキツいわね、でも大丈夫よ今の私は一人じゃないもの、だから大丈夫よ」

ほむら「巴さん……、これあなたのソウルジェムよ、返しておくわ」

マミ「ありがとう暁美さん、もし私が魔女になりそうになったら、これを打ち抜いてね」

ほむら「……なら私の時もお願いするわ」

マミ「わかったわ、そういえば冷蔵庫にチーズケーキがあるの、みんなで食べない?」

ほむら「ええいただくわ」

さやか「マミさんの手作りですか?楽しみだな」

まどか「私も」グシグシ

マミ「じゃあすぐに用意するわ」クスッ


ほむら「そろそろ帰るわね」

さやか「ケーキごちそうさまでした」

まどか「とっても美味しかったです」

マミ「ええまた来てね、じゃあまた明日学校で」


さやか「いやーすっかり遅くなっちゃったね」アハハ

まどか「ママやパパに叱られちゃうかな?」クスッ

ほむら「……ねえ二人共」

さやか「契約はしないよ、あんな話しをした後じゃさすがにねえ」

まどか「魔法少女になりたいとは思わないかな」

ほむら「それがいいわ、世界の法則をねじ曲げるような存在だもの、選べるのならばならない方がいいわ」

さやか「わかってるって」

ほむら「ならいいのだけど、私はこっちだからそれじゃあね」

まどか「また明日ねほむらちゃん」

さやか「バイバーイ」

ほむら「ええまた明日」

今日は大きな前進があった、魔法少女の真実をみんなが信じてくれた、いつもならば嘘つきと言われ除け者にされていたが。
今までとは違う、お互いの関係も、成し得た事も、これまでのループとはまったく違う。

ほむら「……いえ、一番変わったのは私自身かしらね」

そうだ今までとは違う、まどかだけではない、この時間軸を、この世界のみんなを守り抜くと決めたのだ。

ほむら「絶対にやってみせるわ」



とはいえ問題が無い訳ではない、まずは対ワルプルギスの夜に必要な戦力だ、私と巴さんだけでは足りない。

ほむら(佐倉杏子)

彼女をなんとかして仲間にしたい、それでもまだ十分とはいえないのだが。

ほむら(巴さんとうまく折り合いをつけれればいいのだけど)

そしてもう1つ、さやかはああ言っていたが絶対ではない、想い人の腕を治す奇跡、それが目の前にあるのだから。

ほむら(なんとか上条君の腕が治せればいいのだけど)

やはり彼が大きく関わってくる、さやかがQBの誘いを振り切れるかどうか、そこが大事な所だ。
上条君自身にも何か伝えるべきか?だがさやかとは違う、彼に魔法少女の事を話すのはさすがに。

ほむら(でも今回の結果は、彼の存在が大きな意味を持っている、一度お礼を言っておかないとね)

上条君の顔を思い浮かべる、何故か胸の辺りが暖かくなる。

ほむら(やっぱりこれって、……いえ今はそんな場合じゃないわ)

胸の温もりとこの感情、両方にそっと蓋をする、今はまだこれを自覚するべきではない、私にはやるべき事がある。
そもそもさやかがいるのだから、私がでしゃばるべきではない、……でもいつか……。

ほむら(いつかその時が来るまでは、このままね)

それでもとても気分がいい、心が軽い、わずかな幸せを感じる。

ほむら(さやかの気持ちが少しだけ理解できたのかしらね)

そんな事を考えながら、買い物を終えた頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

本日は以上です。
だんだんと本編との違いが大きくなってきました。
とりあえず次回も書きためが出来次第来ます。
ではまた次回に。

どうも1です。
時間が空いたので6レス程投下します。
あと皆さんの予想通りかはわかりませんが、べえさんの行動にもちゃんと理由はあります。



 マミside

マミ「ああは言ったけど、やっぱりキツいわね」

今日はいろんな事があった、目前に迫った死、暁美さんの語った戦う理由、そして私に待つ運命。
ふと自分のソウルジェムを見ると、少し濁っているのに気づいた。

マミ「当然よね、あんな話しを聞いたのだから」

予備のグリーフシードで浄化する、その時にふと思った、何故暁美さんはあんなに強いのか?

マミ(……違うわね、強いんじゃない、強くあろうと無理をしているのよ)

彼女の話しでは元々は弱かったのだ、強くあるために自分を偽り、強い自分の虚像を作り出していた。

マミ(さっきの涙、きっとあの姿が本当の暁美さん、虚勢を張って自分を奮い立たせているに過ぎないのよ。
そしてそれはきっと私と同じ、とても脆いのね、だから緊張が途切れたりしたらさっきみたいに)

QB「やあマミ、ただいま」

マミ「……QB」

QB「どうかしたかい?」

マミ「聞きたい事があるのよ、魔法少女がいつか魔女になるのは本当?」

QB「何でそんな事を聞くんだい?」

マミ「暁美さんから聞いたのよ、ソウルジェムが穢れを溜め込みすぎると、グリーフシードになるって」

QB「……マミ、君はそれを信じるのかい?暁美ほむらが嘘を言っている可能性もあるんだよ?」

マミ「そうね普段なら信じなかったわ、でも今日の暁美さんの言葉には力があった、真実を話す力強さが」

QB「そうかい、マミにとって彼女は信じるに足る訳か……」

マミ「さっきから否定はしないのね、話しをそらそうとばかりしているわ」

QB「……まあ事実だからね、この星では成長途中の女性を少女と呼ぶのだろう?」

マミ「そうね」

QB「ならいつか魔女になる君たちは、魔法少女と呼ぶべきだよね」



マミ「……暁美さんが言っていたわ、あなた達の本当の名前とその目的」

QB「一応確認も兼ねて聞いておこうかな」

マミ「インキュベーター、私達の言うところの宇宙人にあたる存在」

QB「なる程」

マミ「その目的は魔法少女が魔女になる時に発生する、感情エネルギーを使って宇宙の寿命を延ばす事」

QB「厳密に言えば訂正する箇所があるかな?でもまあ否定するほど間違ってはいないね。
しかし別の時間軸の僕はずいぶんとおしゃべりなんだね、そんな事まで説明していたとは思っていなかったよ」

マミ「あなた達には感情が無いとも言っていたけど?」

QB「もし僕たちが感情を持っていたら、こんな辺境の星に来てはいなかったね」

マミ「そう……、ところでご飯はどうするの?」

QB「どういうつもりだい?今までの例から言って、僕を追い出そうとするかと思ってたよ」

マミ「私は既に魔法少女になっているもの、それにあの時契約しなかったら、私は死んでいたかもしれない」

QB「確かにかなり危険な状態だったね」

マミ「だから今更なの、知らなかった事を新たに知っただけ、あなたが命の恩人である事は変わらないのよ」

QB「……よく分からないな、やっぱり人間の持つ感情は僕たちには理解できそうに無いよ」

マミ「……とりあえずご飯にしましょう、それから鹿目さん達を勧誘しちゃダメよ?」スクッ

QB「……訳が分からないよ」

こんな私にどれだけの事ができるかわからない、でも彼女の手助けくらいはできるはずだ。
強がっているだけの、とても弱い彼女を守る、それが命の恩人である彼女への恩返しだ。
ふとソウルジェムを見ると、いつもよりも輝いている気がした。



 さやかside

今日は色々ありすぎた、おかげで少し頭が痛い、まさかほむらがあんな事してたなんて。

さやか「……危ない事をしなければいいけど、そうも言ってられないのかな」

魔法少女に魔女に奇跡、頭がこんがらがりそうだ。

さやか「……そういえば私が契約した時はどうなったんだろ?やっぱりワルプルギスの夜にやられたのかな?」

ほむらの話しを聞く限りでは、無事にワルプルギスの夜を倒せた事は無い、倒せた時は必ずまどかが契約したりしていたようだ。

さやか「私が契約したところでねぇ、そもそも願いだって……」

恭介の顔が浮かぶ、私が願うとすれば間違いない、恭介の腕を治す事だ。

さやか「恭介の腕を治して、魔法少女になって、その後は……?」

考える、どうなったかを考える、魔法少女になって自分の魂がソウルジェムにされて、その意味を知ったとしたら。

さやか「……私の事だしねよく分かるよ、きっと自分と恭介が一緒に居られないとか考えたんだよね」

別の時間軸の自分に問いかける、答えなど帰ってこないが、そんなもの必要ない。

さやか「自分の事はよく分かる、答えももう私の中にある、ほむらに確認するまでも無いよ」

私はきっと絶望して、そしてソウルジェムが濁っていき最後に。

さやか「魔女になって終わりかな?でもそれだけでそこまで絶望するのも何だか……」

……自分の事だから分かる、違っていて欲しいと思う反面、間違いないと確信もしている。

さやか「考えてみたらほむらのやつ、私が契約した時の話しはしなかったもんね、やっぱり間違いないよね」

明日学校で聞いてみよう、このままにしていたらどうにかなりそうだ。

さやか「……あーもう、考えるのはやめ!聞けば分かるんだしね、今日はもう寝るっおやすみ!」

そうして無理やり眠りにつく、早くほむらに確認するために、明日を迎えるために。



 ほむらside

朝を迎えた、本来ならばお菓子の魔女が現れる日だ、だがこの時間軸では何が起こるか分からない。

ほむら「次は箱の魔女かしらね、もっとも順番なんてあてにならないけど」

常に警戒はしておくべきだ、今の所うまく行ってはいるが、何が原因となって崩れるか分からない。

ほむら「……いえなんとしてもやり抜いてみせるわ、みんなと一緒にワルプルギスの夜を越える」

決意表明をした所で何も変わらない、でも言葉にするだけでも意味があるはずだ、少なくとも自分を奮い立たせる事はできる。

ほむら「絶対に負けない!」グゥー

……だがその前に、まずは朝食とお弁当の用意をしなければ。


いつものように、待ち合わせ場所でまどか達を待つ。

ほむら「今日も私が一番ね、まどか達はまだかしら?」キョロキョロ

その時視界の端をあるものが掠めた、有り得ないもの、まだいないはずの人物。

ほむら(嘘でしょう!?何故彼女が見滝原に?こんなの早すぎる)

慌ててそちらを見るが、既にいなくなっている。

ほむら(どういうことなの?まさかQBが何かしたのかしら?……追うかやめるか)

まどか「ほむらちゃんおはよう」

さやか「……おはよーほむら」

ほむら「おはよう、元気が無いわねさやか、どうかしたのかしら?」

さやか「いやー寝つきが悪くてさ、危うく寝過ごす所だったよ」アハハ

まどか「無理しちゃダメだよさやかちゃん」

さやか「分かってるって、それよりもほむら、ちょっと聞きたい事があるんだけどさ、HRの前にでもちょっといいかな?」

ほむら「?構わないわ、それより仁美はどうしたの?」

まどか「仁美ちゃんは体調が悪いらしくて、先に病院に行ってから決めるって」

さやか「だから今日も、先に行ってくださいってさ、風邪でもひいたのかな?」

ほむら「仁美が?ちょっと心配ね」

仁美の体調は気になる、もっとも二人とは違う理由だが、仁美の不調はあの魔女が関わっている可能性がある。

ほむら(でも早すぎるわ、いつもならまだそこまでは、思い詰めていなかったはずだけど)

さやか「まあとりあえず行こうか」

まどか「そうだね」

ほむら「ええ」

そしてもう1つの懸念、一瞬だが見間違いでは無い、あの赤い髪は間違いなく彼女だ。

ほむら(佐倉杏子、何故彼女がこんなにも早く来たの?これもイレギュラーなの?)



学校についた所で、さやかに呼び止められる。

さやか「ちょっと向こうに」

ほむら「ええいいわ」

まどか「じゃあ私もいいかな?」

さやか「ごめんまどか、ちょっとほむらと二人だけで話したいから」

まどか「え?……うん、わかった早く帰って来てね?」

さやか「ごめんね、じゃあ行こうかほむら」スタスタ

ほむら「ええ、じゃあねまどか」スタスタ

まどか「さやかちゃん……」


ほむら「それで話しって何かしら?」

さやか「ねえほむら、昨日の話しだけどさ、あれで全部じゃないよね?言わなかったのは、私に言いたくないから?」

ほむら「それは……、何でそう思うの?必要な事は話したわよ?」

さやか「必要な事はでしょ?まだ聞いてないよ、私が契約して魔法少女になった時の話しを」ジッ

ほむら「それはその……、あなたとは違うさやかよ、あなたに言わなくても」

さやか「ごまかさないでほむら、ちゃんと教えて欲しいの、私の事だからだいたいわかるから」

ほむら「さやか……」

さやか「だからこそちゃんと聞きたいの、ほむらの口から本当の事を」

ほむら「……分かったわ、でも私もすべてを知ってる訳じゃない、私の見聞きしたことだけよ、あなたはいつも上条君の腕を治す為に契約していたわ」

さやか「やっぱりそうなんだ、まあ他に願いなんて無いし、当然かな?」

ほむら「次に佐倉杏子という隣町の魔法少女と揉め事を起こすの、理由はだいたい魔法少女のあり方について」

さやか「願いの理由がどうとかそんなの?」

ほむら「他にもね、まあとにかくその辺りでソウルジェムの秘密がバレる事が多いわ、そしてあなたは」

さやか「恭介と一緒にいられない、それで絶望したの?でもさすがにそれだけじゃあ」

ほむら「……もう1つ理由があるの、その……ある女の子が上条君を好きだって、それで告白するってなって」

さやか「あーなる程、それで私は告白もできず、見守ったりもできずにって事ね」

ほむら「そう……あなたが魔法少女になると、かなりの確率で魔女になる、ならなくてもワルプルギスの夜にやられたり」ギュッ

さやか「あーもういいって、十分だからさ教室に帰ろ?」

ほむら「ごめんなさい、こんな話しで」

さやか「聞いたのは私の方なんだし、気にしてないって」

ほむら「本当にごめんなさい」

さやか「だからいいってば」



ほむら「内容が内容だけにその」

さやか「別にいいって、それよりもさっきのえっと、佐倉杏子だっけ?どんな魔法少女なの?」

ほむら「……そうね、彼女はいわゆる普通の魔法少女ね、巴さんとは反対のね」

さやか「マミさんと反対なのに普通?それっておかしくない?」

ほむら「どちらかといえば、巴さんの方が異端なのよ、だいたいの魔法少女は人助けなんてしないわ。
むしろわざと襲わせて、使い魔を魔女にしてから倒す、そんな魔法少女もいるわ」

さやか「何よそれ?そんなの人のする事じゃないよ!」

ほむら「だからあなたと、佐倉杏子はぶつかったのよ、使い魔を倒そうとしていたから」

さやか「何でそんな事を?」

ほむら「昨日も言ったけど、魔法少女にとって魔法は生命線なの、使えなくなったら戦う事もできない」

さやか「……そっか、使い魔はグリーフシードを落とさないから、でもだからってそんなの」

ほむら「人道的には許されないわね、でも良くも悪くも、魔法少女はそれにそぐわない、道徳の外にいる存在なのよ」

さやか「……ほむらはどうなの?」

ほむら「私の守りたいものを守る、それにつながるなら使い魔も倒すわ、もっとも自分が魔女にならないならだけどね」

さやか「……そうだね、ほむらが魔女になるのは見たくないかな」

ほむら「……実は1つ気になる事があるの」

さやか「気になる事?魔女の出てくる日が違ったってやつ?」

ほむら「それと関わりがあるかわからないけど、さっきの佐倉杏子をね、今朝見かけたのよ」

さやか「えっ?何で?そいつって隣町の魔法少女なんでしょ?」

ほむら「そうね、いつもなら巴さんがやられたりしたら、それを聞きつけて来るのだけど」

さやか「昨日の魔女で死んじゃう事があるんだっけ」

ほむら「生きている場合でも来るパターンもあったわ、でもこんなに早くに来た事は無いのよ」

さやか「確かに気になるね」

ほむら「まるで全ての予定が前倒しになったような、へたしたらワルプルギスの夜すら早く来ないか、なんて不安になるのよ」

さやか「ほむら」

ほむら「後で巴さんにも相談してみるわ、佐倉杏子とも知り合いだから何か知ってるかも」

さやか「……そうだね、よし!さやかちゃんもまどかも、ほむらとマミさんを応援してるからね!」グッ

ほむら「ありがとうさやか」クスッ

本日は以上です。
書いてて思ったんですが、QBのセリフって案外難しいですね、うまい言い回しが思いつきません。
今回からやっと視点の変更が入りました、ここから先基本はほむらの視点ですが、たまにこうやって他のキャラの視点が入ります。
次回はまた書きためができたら来ます、意見質問がありましたらどうぞ、ではまた次回に。

某スレの恭ほむ思い出した…あれを越えられるか楽しみに終わりを待つ


>>140
完結はさせるつもりですが、あんまり期待しすぎないでください。
ところでそれ何てスレですか?
まだまともな恭ほむ見た事無いんで、多分読んでないやつだと思うんですが。

どうも1です。
今から6レスほど投下します。



話しを終えて教室の前まで帰ると、まどかが不安そうな顔で話しかけてきた。

まどか「さやかちゃんのお話しって、何だったの?」

さやか「いやーちょっとね」チラッ

ほむら「ええあまり大きな話しじゃないわ、それよりも別に気になる事もあるしね」コクッ

まどか「気になる事?魔法少女の関係だよね?」

うまくまどかの意識をそらせただろうか、あまり彼女に聞かせたい内容ではない、さやかもそう思って二人きりで話したのだろう。

ほむら「佐倉杏子という魔法少女の話しよ、実は--」

先ほどさやかに話した事をまどかにも話す。

まどか「隣町の魔法少女かぁ、何で見滝原にいるんだろう?」

ほむら「まだわからないわ、とりあえず昼休みにでも、巴さんと相談してみるわ」

まどか「うん……わかった」

さやか「まあとりあえず教室に入ろうよ、もうすぐHRだよ」

ほむら「あら本当ね、まどか行きましょう」

まどか「うん」

三人で教室に入る、仁美は今頃病院の準備だろうか。

ほむら(ただの体調不良ならいいけど、もし仁美が魔女の影響を受けたのなら)

まどか「仁美ちゃん大丈夫かな?」

さやか「すぐに元気になればいいんだけどね」

ほむら「……そうね」

私自身を含め、ほとんどが今までとは違う、これも魔女の仕業かどうかわからない。

ほむら(そういえばこの間も、考え事をしていて眠れなかったと言ってたわね)

何かの要因で仁美の心境が変化しているのだろうか、だとすれば気をつけた方がいいだろう。

ほむら(巴さんが助かったと思ったら、今度は仁美と佐倉杏子、本当にすべてが前倒しになってるのかしら?)

何はともあれ昼休みを待とう、まずは巴さんとしっかり話し合わなければ。

結局仁美は学校を休む事になった、心因性の寝不足で体調を崩していたと診断されたらしい。
やはり箱の魔女を連想せざるをえない、今日も忙しくなるのだろうか?



昼休みに屋上に向かう、仁美が休んだ事は既に、テレパシーで巴さんに伝えてある。

さやか「そういえば朝佐倉杏子とマミさんが知り合いって言ってたけどさ、話しを聞いた感じだとマミさんと正反対なんだよね?」

まどか「確かに気になるかも」

ほむら「それは巴さんから話すべきだと思うわ、私もあくまで話しを聞いただけだし」

さやか「当事者の方が適任って事?」

ほむら「そうね、話したがらなければ私が話してもいいけど」

まどか「そうだね、まずはマミさんに聞くべきだよね」

そんな話しをしながら屋上のドアを開ける、ドアがわずかに開いたその瞬間。

マミ「どうして佐倉さん!」

杏子「悪いが私は一人で勝手にやらせてもらうよ、じゃあなマミ」

マミ「佐倉さん待って!」

巴さんとたった今話題になっていた、佐倉杏子の声が聞こえた。

ほむら「佐倉杏子!?」グイッ

マミ「暁美さん!」

だがそこにいたのは巴さんだけ、彼女の姿はもうない。

さやか「マミさん大丈夫ですか!」

まどか「何かされませんでしたか?」

マミ「大丈夫よ、ちょっと知り合いと話していただけよ」

ほむら「佐倉杏子よね?昼休みに話そうと思ってたけど、遅かったわね」

マミ「佐倉さんと何かあったの?」

さやか「実は今朝ほむらが」

 -----

マミ「そうなの、やっぱり魔女だけでなく佐倉さんもなのね」

さやか「でも何もなくて良かったです」

ほむら「まさか学校まで来るとは思わなかったわ、彼女といったい何を話したの?」

まどか「ちょっと険悪だったような」

マミ「そうね、隠すような事じゃないわ、私が屋上に来たらもう佐倉さんがいたのよ」



 マミside

マミ『わかったわ、じゃあ今日は四人で食べましょう』

ほむら『それと相談したい事もあるの、仁美には悪いけど、それで話しやすくはなったわ』

マミ『そうね、じゃあ昼休みに屋上でね』

ほむら『ええそれじゃあまた昼休みに』

暁美さんとのテレパシーを終える、志筑さんの体調も心配だが相談事も気になる所だ。

マミ(いったい何があったのかしら?)


昼休みになってすぐに屋上に向かう、暁美さんが今まで経験した時間軸と今の時間軸は大きく違う。

マミ(多分暁美さんが経験してない事、何らかのイレギュラーが起こったのね)

屋上のドアを開けて外に出る、するとそこには先客がいた、もっともこの学校の生徒ではないが。

マミ「え?佐倉さん?」

杏子「久しぶりだなマミ、相変わらず正義の味方をやってるらしいね」

マミ「何であなたが学校(ここ)に?」

杏子「何で見滝原(ここ)にいるかって?ちょっと訳ありでね、こっちの魔女を狩りに来たのさ」

マミ「どういう事かしら?」

杏子「んーまあいいか、実はな風見野の魔女がいなくなっちまったんだよ」

マミ「魔女が?全部倒したということ?」

杏子「いや、1週間ほど前から使い魔すら見かけなくてな、それで見滝原はどうかって思ってな」

マミ「1週間くらいならあり得るんじゃないのかしら?」

杏子「丸一日歩き回って1週間だぜ?さすがにおかしいだろ?」

思わぬ所で情報が聞けた、イレギュラーは見滝原だけではないようだ。

マミ(風見野は魔女がいない、見滝原は魔女の出現が前倒し、これは偶然かしら?)

杏子「いや急に黙るなよ」

マミ「……ねえ佐倉さん、あなたに話しておきたい事があるの」

杏子「説教ならいらないよ」

彼女は強い、それに元々は優しい女の子なのだ、仲間になってくれればとても心強いのだが。

マミ「違うわ、前みたいに仲良くできないかなって思って」

杏子「はあ?今更そんな事言ってんの?無理に決まってんだろ、一緒になんて出来る訳がねえよ」チッ

マミ「佐倉さん?」

杏子「今日は昔のよしみで顔を見に来ただけだ、次からはこうはいかないよ」クルッ

マミ「どうして佐倉さん!」

杏子「悪いが私は一人で勝手にやらせてもらうよ、じゃあなマミ」シュタッ

マミ「佐倉さん待って!」



 ほむらside

マミ「そんな感じでまともに取り合ってもらえなかったわ、やっぱり嫌われてるのかしら?」

さやか「元気出してくださいマミさん!そんな奴の言うことなんか気にしちゃダメですよ」

マミ「ありがとう、でも佐倉さんも昔はいい子だったのよ、ちょっと悲しい出来事があって今みたいになってるだけなの」

まどか「悲しい出来事ですか?」

マミ「さすがに勝手に話せる内容じゃないのよ、暁美さんは知っているのかしら?」

ほむら「ええ知っているわ、もっとも彼女から直接聞いた訳ではないけど」

マミ「ならわかるでしょ?彼女が本当はどんな魔法少女だったか」

ほむら「そうね、元々は巴さんの相棒だったのだし」

さやか「つまり昔はマミさんみたいだったの?」

マミ「少なくともその出来事まではね、とても優しい女の子だったのよ」

ほむら「……今も変わらないはずよ、割りきったつもりであんな風に振る舞っているだけ」

まどか「根っこの部分は変わってないって事?」

ほむら「そうよ、多分巴さんに対しても意地を張ってるだけ、本心ではきっと」

マミ「そうよね、そんなに簡単に変われないわよね、暁美さんみたいに」クスッ

ほむら「へ?」

さやか「確かにね、あんな姿見たらもう」ウンウン

まどか「かっこいいって言うよりも、可愛い感じだよね」ティヒヒ

ほむら「な、何を言ってるの!私は別に、昨日のはついうっかり」アセアセ

マミ「うっかり素が出てしまったの?」

ほむら「うっ」

さやか「やっぱり恭介から聞いたまんまだよね、ほむらは可愛いって」

ほむら「上条君が?」

まどか「転校生は可愛い女の子だよって、さやかちゃんに話してたの」

さやか「病院での話し相手ができたって喜んでたんだよ」

ほむら「そうなの……」

確かに上条君は最初に言っていた、いつもは可愛い感じだったと、元々の私は病弱な暗い女の子だったはずだが。
……いつも?彼はいつもと言っていた、知り合って3日の人間の事をいつもと言うだろうか?
……言わない事は無いだろうが、何かが引っかかる、その言葉に違和感を感じる。

さやか「どうかしたのほむら?」

ほむら「いえ何でもないわ」

違和感が拭えない、気になってしまう、彼の笑顔を思い浮かべると、胸の奥がモヤモヤとする。



マミ「とりあえず佐倉さんと、もう一度話してみたいわね」

さやか「しばらく見滝原にいるんですよね?なら魔女退治で鉢合わせするんじゃないですか?」

マミ「他に当ても無いし、それを待つしかないかしらね」

まどか「あっお弁当食べないと、もうあんまり時間が」

ほむら「後十分しかないわね」

さやか「ヤバい!話しに夢中になってた、さすがに全部はむりそう」

マミ「仕方ないわね」

結局少ししか食べられなかった、さやかはお腹が鳴らないか心配していたが。
……正直食欲がない、胸のモヤモヤも取れない、この感情は何だろうか?


放課後になって校門で巴さんを待つ、昨日お菓子の魔女を倒したのだから、今日は出ないはずだ。
もっとも今までの経験は当てにできないと、昨日の一件で思い知らされたのだが。

マミ「お待たせ、今日はどうするのかしら?」

さやか「私は恭介のお見舞いに行って来ます、魔女は倒したし大丈夫だと思いますけど」

まどか「私は仁美ちゃんのお見舞いに、プリントも渡さないといけないし」

マミ「なら私も途中まで鹿目さんと一緒に行くわ、暁美さんはどうするの?」

ほむら「私は……、さやかと一緒に行くわ、さやかの言うとおり少し心配だし」

マミ「本当なら今日出るはずの魔女が昨日出た、風見野からは魔女が消えた、これは偶然なのかしら」

ほむら「もう私の知識や経験は当てにできないわ、下手したら魔女の数まで増えるかもしれない」

まどか「そんな……」

マミ「大丈夫よ鹿目さん、私と暁美さんがいるわ、それに佐倉さんもまた仲良くしてくれるかもしれないし」

さやか「そうだよまどか、ほむらとマミさんがいるんだから大丈夫だよ!」

まどか「……うんそうだね」

マミ「じゃあそろそろ行きましょう鹿目さん、暁美さんと美樹さんも気をつけてね」

まどか「また明日ねさやかちゃんほむらちゃん」

さやか「バイバイまどかマミさん、じゃあ行こうよほむら」

ほむら「そうね、まどか巴さんまた明日」

モヤモヤが消えない、上条君に会えば消えるだろうか?彼に会って話しをすれば違和感は消せるだろうか?
わからない、このモヤモヤがなんなのか、私に何がおこっているのか。



 まどかside

ピンポーン

まどか「すいません同じクラスの鹿目ですけど、仁美ちゃんはいますか?」

『はい鹿目さんですね、今開けますからお入りください』

まどか「おじゃまします」

寝てるかと思ったけど、開けてくれたんだから起きているんだよね、プリントを渡してちょっとくらいならお話しできるかな?

まどか「仁美ちゃん入るよ?」ガチャ

仁美「まどかさん、わざわざ来てくださってありがとうございます」

まどか「ううんいいの、私保険委員だから、これ今日配ったプリントだよ」

仁美「確かに受け取りましたわ」

まどか「具合はどう?明日は来れそうかな?」

仁美「ええ大丈夫ですわ、心配をおかけして申し訳ありません」

まどか「全然大丈夫だよ、仁美ちゃんが元気になってくれればそれでいいの」

仁美「それなら問題はありませんわ、原因はわかってますし、それにもう解決しましたから」

まどか「どういう事?病院で何かあったのかな?」

仁美「その通りですが、これは秘密にさせてください、そのちょっと恥ずかしいので」

まどか「?わかった」

仁美「それに私にも意地がありますから」ボソッ

まどか「何か言った?」

仁美「いえ何も言ってませんわ」

まどか「そう?まあいいや、今日は学校でね」

仁美「何でしょうか」

思ったよりも仁美ちゃんは元気だった、何があったかはわからないけど、悩み事が解決したのかな?
その後は少しの間、仁美ちゃんとお話ししてから仁美ちゃんの家をでた。

まどか「あれなら心配はいらないよね?さやかちゃん達にメールしておこうかな」ピッピッ

まどか「ほむらちゃんやマミさんは何してるかな?魔女が出てなければいいけど」

ズンッズンズンズンドコ

まどか「あれ?さやかちゃん?」ピッ

さやか『もしもしまどか?今マミさんから連絡があってね、魔女を見つけたって、それでほむらも行っちゃって』

まどか「魔女が?二人共大丈夫かな?」

さやか『それでこの魔女は、仁美が巻き込まれてる事があるらしいんだけど』

まどか「それなら大丈夫だよ、さっきメールしたけどお家にいたよ」

さやか『だよねなら安心かな、それからほむらがまっすぐ帰りなさいって』

まどか「うんわかった、じゃあねさやかちゃん」ピッ

あの二人なら大丈夫だよね、私も早く帰らないと。

本日は以上です。
書いてるうちに、いろいろな事が本編と変わってますが、うまく伏線とか張れてるか心配になってきました。
とりあえず次回も書きためができたら来ます、ではまた次回に。

どうも1です。
1週間を過ぎてしまいましたが、いまいち筆が進んでいません、この何日か書いては消してを繰り返してました。
とりあえず少しずつ進んでいますので、月曜日の夜か最悪でも火曜日の夜には投下します、なのでもう少しお待ちください。

どうも1です。
昨日は間に合いませんでしたが、今から投下します。



 マミside

マミ「さてと、今日はどこから行こうかしら?」

いつも通り繁華街から行くべきかしら?それともこのまま町外れまで行こうかしら?

マミ「……ひょっこり佐倉さんに会えたりしてね」

佐倉さんが仲間になってくれれば嬉しいけど、さっきの様子では厳しいかもしれない。

マミ「……ダメね、弱気になってる暇なんてないもの、気を取り直してパトロールを」

男「俺はもうダメだ、でもあそこにいけば」フラフラ

マミ「?あれはまさか……!やっぱり魔女の口付け!すみませんそこの人!」

男「なんだい?お嬢ちゃんも一緒に行くかい?」フラフラ

マミ(目に生気がない、完全に操られているわね)

男「そうだそれがいい、さあ行こう」ガシッ

マミ「ちょ、ちょっと待ってください!」ズルズル

男「ほらほら」グイッ

マミ(とりあえず暁美さんに連絡を)ピッ

プルルルルガチャ

ほむら『巴さん?何かあったの?』

マミ「鹿目さんと別れた後で、魔女の口付けが着いた人を見付けたの、とりあえず私はこのままついて行くわ」

ほむら『私も行くわ、どこに向かっているかわかるかしら?』

マミ「この方向だと、確か工場があったわね」

ほむら『工場?巴さん!周りに人はいる?』

マミ「え?周りは……!いつの間にか他にも口付けが着いた人が!」

ほむら『まず間違いないわね、それは箱の魔女よ、一度に沢山の人を操れるのよ』

マミ「どんどん増えているわ、あまり時間はなさそうね」

ほむら『それと仁美はいるかしら?』

マミ「志筑さん?いないみたいだけど、志筑さんがどうかしたの?」

ほむら『箱の魔女に操られる被害者の中に、仁美がいる場合があるの、いつもとはタイミングが違うけど気になって』

マミ「鹿目さんからの連絡もないし、ちゃんと家にいるんじゃないかしら」

ほむら『そうね、とりあえず今からそっちに向かうから、無茶だけはしないで』

マミ「わかってるわ、暁美さんも気をつけてね」ピッ

マミ「この人達が向かっているのは、あの廃工場みたいね」タッ


??「……ちっ」タッ



 ほむらside

さやか「病院は普通みたいね」

ほむら「そうね、少なくとも昨日の魔女の影響はなさそうね」

気分が重い、どうしても気になってしまう、何故彼はいつもと言ったのか。

さやか「……ねえほむら、どっか調子が悪いの?」

ほむら「……何故かしら?私はいつも通りなんだけど」

さやか「強がんなくていいよ、お昼くらいからずっと暗い顔してるし」

ほむら「……さやかはやっぱり鋭いのね、前の時間軸でも嘘を見抜かれた事があったわ」

さやか「何か心配事があるんでしょ?私でよければ聞くよ」

ほむら「ありがとうさやか、でももう少し自分で考えたいの、自分の事をもう少しだけ」

さやか「……そっか、わかった今はこれ以上は聞かない、でもあんまり抱え込んじゃダメだよ?」

ほむら「ええわかっているわ、これからはちゃんと、私一人で無理だと思ったらすぐに話すわ」

さやか「ならばよし!なんてね、それじゃあ早速恭介のお見舞いに--」


さやか「リハビリの最中じゃあ仕方ないね」

ほむら「そうね、残念だけど仕方ないわね」

さやか「……おやおや?ほむらは恭介に会いたいから来てくれたのかな?」

ほむら「えっいや、そういう意味じゃないのよ、ただせっかく来たのにって思って」

さやか「ふーん……、まあそういう事にしておこうか」

ほむら「さやかは意地悪ね」

アカイーハナガーアカイーハナガー

ほむら「あら?巴さんから電話?まさか魔女が!」ピッ


ほむら「それじゃあ行ってくるわ」

さやか「気をつけてねほむら」

ほむら「あなたも今日はもう家に帰るのよ、じゃあまた明日」バッ

さやか「うんまた明日ね」


箱の魔女、魔女本体は大した相手ではないが、今回は何があるかわからない、念を入れておくべきだろう。

ハシリーダシタエバラスティン

ほむら(メール?まどかから!?……よかった、仁美はちゃんと家にいたのね)

これで仁美が巻き込まれる事はないだろう、 それにメールの内容を見る限り、十分に元気になったようだ。

ほむら(でも何があったのかしら?仁美の悩みなら多分上条君の事だろうけど)

まあいい後回しだ、今は魔女をなんとかするのが先だ、廃工場を視界に捉え私は更に加速する。



廃工場に着いた私の目に飛び込んできたのは、一つの扉の周りに倒れた人達だった。

ほむら「……全員気絶している、もう魔女を倒したのかしら?」

この魔女は精神攻撃は強いが、直接的な攻撃力はさほどない、巴さんが先に倒していてもおかしくはない。

ほむら(でも巴さんは無茶はしないと言っていた、そんな彼女が一人で魔女を攻撃するかしら?)

なんとなくだが予感がする、この扉の先にはおそらく彼女もいる、そして扉を開ける途中でそれは確信に変わる。

杏子「こいつは私がもらっていくよ、構わないだろ?」

マミ「佐倉さん……、助けてくれたのよね?」

杏子「別にそんなんじゃないよ、マミがちんたらやってたから私がトドメをさしただけだ」

ほむら「相変わらず素直じゃないのね」

杏子「ん?あんた誰だ?どこかで会ったか?」

ほむら「いえ初対面よ佐倉杏子」

マミ「ごめんなさいね暁美さん、操られてる人達が洗剤を混ぜようとしてたから」

ほむら「大丈夫よ巴さん、あなたが無事でよかったわ、ありがとう佐倉杏子、巴さんを助けてくれたのね」

杏子「……だから違うっての、それよりもあんたが今のマミのパートナーか?」

ほむら「一応そうなるわね、私は暁美ほむらよ」

杏子「……私の事はマミから聞いてるみたいだし、自己紹介はいらないよね?」

ほむら「そうね、それよりもあなたに話しがあるのだけど、聞いてくれるかしら?」

杏子「内容によるな、見滝原から出てけとかかい?」ギロ

ほむら「違うわ、もっと大切な話しよ」

マミ「佐倉さん自身にも関わる事なのよ、どういう判断を下すかは佐倉さん次第だけど、お願い聞くだけは聞いて欲しいの」

杏子「……仕方ねえな、聞くだけは聞いてやるよ」

マミ「ありがとう佐倉さん!それじゃあ私の家に行きましょう」

ほむら「そうね、少し長くなりそうだし」

杏子「……」ジロリ

ほむら「どうかしたのかしら?」

杏子「別に……何でもないよ」

マミ「とりあえず警察を呼んでと……、よしじゃあ行きましょう」

ほむら「ええ」

杏子「ふん」



マミ「ちょっと待っててね、すぐにケーキと紅茶の用意をするわ」スタスタ

杏子「……なああんたがマミを助けたのか?」

ほむら「昨日の魔女の事かしら?」

杏子「さっきの魔女がな、変な映像をマミに見せてたんだよ、目の前にでかい口が迫って来るやつだ」

ほむら「昨日の魔女の使い魔よ、魔女を倒したと思った瞬間に、魔女から飛び出してきたの」

杏子「なるほどな、気を緩めた瞬間を狙ってきた訳だ」

マミ「あと少し暁美さんが来るのが遅かったら、私は死んでいたわね」スタスタ

杏子「……大丈夫なのか?」

マミ「そうね一応大丈夫よ、それにもっと大変な事もあったから」

杏子「もっと大変な事?なんだそりゃ?」

ほむら「今からあなたに話す事よ、魔法少女の真実とか」

マミ「誘っておいてなんだけど、結構ハードな話しなのよ、だから」

杏子「あーもう、前置きはいいよ、どうせ私はもう魔法少女になっちまったんだ、なら知らないよりは知ってる方がいいだろ」

ほむら「なら話すわ、実はソウルジェムは--」

 -----

杏子「何だよそれ!そんなの私たちゾンビにされたような物じゃねえか!」

ほむら「それだけじゃないわ」

杏子「まだあるのか?」

マミ「ソウルジェムが穢れを溜めきると、グリーフシードに変わるのよ」

杏子「はあ?ソウルジェムがグリーフシードに?それってつまり、私達もいつか魔女になるって事か?」

ほむら「そういう事になるわね、もっともそうなる前にソウルジェムを砕けば魔女にはならないわ」

マミ「当然その場合は、魂が壊れて死んでしまうけど」

杏子「……ほむらっていったな、あんたはそれをどこで知ったんだ?」

ほむら「自分の目で見たのよ、大切な友達が魔女になるのを」

杏子「……悪い」

ほむら「いいのよ、それに今回はそうはさせない、絶対に守り抜いてみせるわ」

マミ「鹿目さんも美樹さんも、契約なんてさせないわ」

杏子「鹿目に美樹?友達か?」

ほむら「私の戦う理由であり、目的でもあるわ、今度こそあの二人をQBの魔の手から救う!」

杏子「今度?」

マミ「暁美さんはね、未来から来たのよ」

杏子「へ?」



 -----

ほむら「という訳よ」

杏子「そんな事があったのかよ、……私も仲間にねえ」

マミ「強制するつもりはないわ、でも前みたいに一緒に戦えたら嬉しいわ」

杏子「……考えておくよ、明日の夕方にまたここに来る」

マミ「ええ待ってるわ」

杏子「じゃあな」スタスタガチャバタン

ほむら「……明日か」

マミ「きっと力を貸してくれるわよ、明日のパトロールは少し早めに切り上げましょう」

ほむら「そうね、私も今日はもう帰るわ巴さん」

マミ 「ええまた明日ね暁美さん」


ほむら(また日にちがズレている、いったい何が起きているのかしら?)

いい加減イレギュラーの無い日が来ないものか、もっとも私自身も十分イレギュラーなのだが。

ほむら(……上条君)

リハビリをいくら頑張ってももう、やっぱりあんな事を言うべきではなかった、諦めないだけではダメなのだから。

ほむら(……明日は会えるかしら?でも時間が厳しいわね)

佐倉杏子の返事を聞くなら、私もいた方がいいだろう、だがそれだと病院に行く時間がとれない。

ほむら(……また、この感覚は何なのかしら?私の胸を重くするこの感覚は)

結局胸の重みは消せなかった。



 杏子side

おかしい、いくら何でもおかしいだろ、何で使い魔すらいないんだよ。

杏子「今日も収穫0かよ、いったいどうなってんだ?」

QBのやろうも見かけねえし、風見野の魔女は狩り尽くしたんだろうか?

杏子「……しょうがねえか、気は進まねえけど」

風見野に魔女がいないなら仕方ねえよな、明日は見滝原まで足を伸ばすとするか。

杏子「……マミの奴はどうしてるかな?」


久しぶりに見滝原に来た、最後に来たのはいつだったか。

杏子「さてと、まずは何をするかな」

魔女を探すのもいいが、せっかくこっちに来たんだしな、マミの顔でも見に行ってみるか。

杏子「一応ここはマミの縄張りだしな、断りくらいはいれとかねえとな」

確か中学校はあっちだったな、マミの奴は今も一人で戦ってるのかね。

杏子(……私が気にする事じゃないよな、第一喧嘩別れした私がそんなの)


とりあえず中学校に着いたが、どうやってマミを探すかを考えてなかったな。

QB「おや杏子じゃないか、こんな所でどうしたんだい?」

杏子「何だよQB、お前にやるグリーフシードはないぜ」

QB「ここに来たということは、マミに会いに来たのかい?」

杏子「だったら何だよ」

QB「それなら屋上で待つといいよ、最近はそこでお昼ご飯を食べているからね」

杏子「屋上ねえ、まあ確かに晴れた日なら弁当が美味いだろうな」

QB「マミはそこでいつも一緒にお弁当を食べているよ、魔法少女の仲間とね」

杏子「仲間……?」

QB「そうだよ最近新しく来た魔法少女さ」

杏子(あのマミに仲間?マミと同じで正義の味方でもやってんのか?)

その事実にかすかな苛立ちを感じる、私がいなくてもマミには仲間がいる、その事実に。

QB「それじゃあボクは行くよ、またね杏子」

QBを見送った後で屋上に行く、しばらく時間をつぶしていると、屋上のドアを開けてマミがやって来た。

マミ「え?佐倉さん?」

杏子「久しぶりだなマミ、相変わらず正義の味方をやってるらしいね」

私は驚いているマミにさっきの苛立ちを、わずかに含ませて話しかけた。

 -----

屋上から飛び降りる寸前、誰かが私の名前を呼んでいた、マミの今の仲間だろう。

杏子「ちっ何だよ、マミの奴」

苛立ちは更に募ってしまった。

本日は以上です。
次回はまだ未定ですが1週間以内に来たいとおもいます。
ではまた次回に。

作者が円環された可能性が微粒子レベルで存在する・・・?

おいここでエタったら二作目はどうするんだ

>>195
大丈夫です、導かれてはいません。
>>196
投げ出す事だけはしませんので安心して下さい、もう一つに関してはとりあえずこのSSが終わってから決めます。
ただ書く時間があまり取れずに、まだ3レス分しか書けてませんが、一応後で投下しますか?

では3レスだけですが、投下したいと思います。



苛立ちが収まらない、マミが、その仲間が気にくわない。

杏子(くそっ、何で私がこんなにならなきゃいけないんだよ!)

何故こんなに苛つくのか、今更マミの事なんて。

杏子「……そうだよな、マミにとっては喧嘩別れしたっきりだしな、私の事なんざ」

【マミ「前みたいに仲良くできないかなって思って」】

杏子「……何が仲良くだよ、自分にはもう仲間がいるじゃねーか!」ドガッ

苛つく、とても苛つく、そもそも何で私はこんなに苛ついているんだ?

杏子「……あーくそっ、魔女の一匹でも出てこいよな!」

結局しばらく歩き回っても、苛立ちは収まらなかったが、代わりに良いものを見つけた。

杏子「あの女、魔女の口付けが付いてるじゃねえか」ニヤリ

しかも一人じゃない、他にも何人かいる。

杏子「これは間違いなく魔女だな」

追いかけていると、聞き覚えのある声が聞こえた。

マミ「どんどん増えているわ」

どうやらマミも魔女に気づいていたらしい、誰かと電話で話している。

杏子(さっきの今で鉢合わせかよ、どうするか)

マミ「暁美さんも気をつけてね」

暁美さん、聞き覚えの無い名前、多分マミの今の仲間。

マミ「この人達が向かっているのは、あの廃工場みたいね」タッ

マミは魔女の所へ走っていった、さっきの様子だと後から仲間も来るんだろう。

杏子「……ちっ」タッ

苛立ちが収まらない、マミもその仲間も気に入らない。

杏子「めんどくせー、まとめてぶっ潰してやる」

マミの後を追うように、私も走り出した。


様子を見ていると、マミがバケツを外に投げた途端に、口付けの付いた連中が暴れだした。

杏子「あんなのほっとけばいいってのに、相変わらずなんだな」

マミが慌てて何かの部屋に入る、少し待つと魔力の反応が強くなった、どうやらあの中に魔女がいたらしい。

杏子「どんな魔女かね?まあマミなら余裕なんだろうな」

さてどうするか、まだマミの仲間は来ていない、どうせならそいつの顔も見たい所だ。

杏子「……仕方ないな、マミの様子でも見てるか」

そう言って私は魔女の結界に飛びこんだ。

マミ「い……嫌っ!」

その直後マミの悲鳴が聞こえた。



杏子「マミ!?」

見ればモニター型の魔女がマミを襲っている所だった、見た目はそれほど強そうには見えないが、何故かマミは足が震えている。

マミ「くっこのっ」

マミは集中力が途切れているのか、私にも気づいていないようだ、魔女の攻撃もなんとか避けてはいるが、完全に魔女のペースになっている。

杏子(何ちんたらやってんだよ、あんな攻撃が何だってんだよ)

マミから魔女に視線を向けると、魔女のモニターに何かが映っていた。

マミ「くうっ」

大きな口を開けた何かが迫ってくる映像、それを見る度にマミの体が震えている。

杏子(マミのあの様子からすると、他の魔女か?そいつにマミがやられかけた時の映像って事か?)

映像の通りだとすると、危うく死ぬ所だったようだ、そんな物を見せられたらパニックになるのも当たり前か……。

杏子(……あーくそっ)

何故かわからないが、マミがやられそうになると苛つく。

杏子「……てめえの相手は!」ダッ

突然飛び込んで来た私を見て、マミも魔女も一瞬動きを止める。

杏子「私だぁ!」ズバッ

魔女「ギギャッ」

マミ「佐倉さん!?」

杏子「トドメだ!」ズドスッ

魔女「ギギアー」

私の槍をまともに受けた魔女は、それで終わりだったらしい、精神攻撃はいやらしいが、まともにやりあえば非常に弱い魔女だったようだ。

杏子「大丈夫かい?」

マミ「何でここに?」

杏子「魔女を見つけたから来たんだよ、それ以外に無いだろ?」ヒョイ

私は魔女の落としたグリーフシードを拾いながら言う。

杏子「こいつは私がもらっていくよ、構わないだろ?」

少し呆けたマミの顔を見ていると、何故か苛立ちが収まってきた。


マミの部屋を出てから、何をするでもなくぶらつく。

杏子(ワルプルギスの夜か、また厄介な奴が出てきたもんだ)

さすがに相手が悪い、マミとほむらの二人だけでは少しきびしいかもしれない、そこに私が入ってやっと、十分に勝ちの目が出てくる感じか。

杏子「……それでもあいつ等は絶対に逃げないんだろうな」

ほむらもマミも守りたいモノがある、それを守るために最後まで戦うだろう。

杏子「守りたいモノか、……私にはもう何も」

とっくの昔に守りたいモノなんて……。



 ほむらside

寝付けない……、今日も色々あって疲れてはいるのだが、どうにも寝付けない。

ほむら(やっぱり何か食べておくべきかしら?)

結局食欲は夜になっても出てこなかった、もったいないとは思ったが、お弁当の残り程度の量ですら、食べる気にならなかった。

ほむら(佐倉杏子が見たら相当怒るでしょうね)

とはいえ食べられないのだから仕方ない、明日の朝ご飯はしっかり食べよう、……食欲が出ていればだが。

ほむら(……明日は上条君に会えるかしら?)

今は自分の事よりも、佐倉杏子の事を優先させるべきなのはわかってはいる、だが自分の力では治せそうにない。

ほむら(この胸の重み、私は上条君の事が……)

……今日はもう寝よう、明日は佐倉杏子を仲間にできるかどうかの大事な日だ、それにこの気持ちは蓋をしておいたのだ。

ほむら(今はみんなを守る事だけを考えればいいのよ)


朝になっても食欲は戻らなかった、仕方なく前に買っておいたゼリー飲料で朝食を済ませる、ついでに今日のお弁当もこれにしよう。

ほむら(……そろそろ行かなくちゃ)

いつもよりも少し遅めに家を出る、そしていつものように待ち合わせ場所に向かう。

さやか「おはよーほむらー」

まどか「おはようほむらちゃん」

仁美「おはようございますほむらさん」

ほむら「おはようみんな、今日は私が最後だったのね」

いつもよりは遅かったが、それでもさやかよりは早いと思ったのだが。

ほむら「仁美はもう大丈夫なの?」

仁美「ええもうすっかりよくなりました」

まどか「それじゃあ行こうか」

四人で一緒に歩き出したが、すぐにさやかが耳打ちしてきた。

さやか「やっぱりまだ元気ない?」ボソッ

ほむら「!……そうね、まだ食欲がなくて」ボソッ

さやか「無理はしたらダメだよ」ボソッ

ほむら「わかっているわ」ボソッ

どうやら私の事を気にしていたようだ、いつもより早かったのはそれでかもしれない。

ほむら「心配してくれてありがとう」ボソッ

さやか「いっいやぁ別にそんなんじゃ」ボソッ

気恥ずかしいのか、さやかの顔が赤くなっている。

まどか「二人共どうしたの?」

ほむら「何でもないわ」クスッ

さやかのおかげで少しだけ元気になれた気がする。

本日は以上です。
とりあえず次回は未定ですが、なんとか書き進めてきます。
ではまた次回に。

どうも1です。
大変お待たせして申し訳ありません、少々予定していた流れからはみ出した感じになりまして、修正やら調整やらしていたらこんなに遅くなってしまいました。
とりあえず今から投下します。



教室に着いてすぐに、仁美が私とさやかの袖をつかんできた、不思議そうな顔をするまどかを置いて、廊下まで引っ張っていく。

さやか「ん?どうかしたの仁美?」

仁美「ええ、さやかさんとほむらさんに、少しお話しがあります」

ほむら「私たちに?まどかはいいのかしら?」

仁美「はい、この話しはまどかさんには関係のない話しですから」

さやか「私とほむらにだけ?」

ほむら「いったい何かしら?」

仁美「まずは今日の放課後に、三人で一緒に上条君のお見舞いに行きたいのですが」

さやか「恭介の?私はいいけど」チラッ

ほむら「私は……今日はちょっと、巴さんと用事があって」

魔女退治の為のパトロール、それに佐倉杏子の返事を聞く必要がある。

仁美「ならお昼休みに、巴さんに了解をとってみましょう、無理そうなら明日でも構いませんが」

さやか「何か大事な話し?」

仁美「はい、とても大事な話しなんです、今の私にとって一番大事な話し」

ほむら「……」

さやか「よくわからないけど、まあ私はいつでも大丈夫だからね」

ほむら「とりあえずお昼に話しましょう、もうすぐ授業が始まるわ」

さやか「うん、じゃあこの話しはまた後でね」

仁美「そうですわね」

ほむら(上条君のお見舞い……、仁美の大事な話し……)

教室に戻ると、まどかが心配そうな目で見ていた、とりあえず説明はさやかに任せておこう。
問題は仁美の話しの内容だ、さっきの状況から考えて、まず間違いなく上条君への告白に関係した話しだ。

ほむら(でも何故急に?昨日何かあったのかしら?)

思えば学校を休むほどだった仁美が、まどかがお見舞いに行った時には、すでに元気になっていた。
精神的なものが原因であるにもかかわらず、その日のうちにである、病院に行ったにしても、そんなに急に気分が変わるだろうか?

ほむら(病院で何か……病院?まさか……)

もし仁美が昨日病院で、上条君に会っていたなら、何か話しをしたなら、仁美が急に元気になったのにも納得がいく。

ほむら(でも何を話したのかしら?……まさかもう告白を?いやまさかね)

……仁美と上条君が仲良くする事を思うと、胸の重みが増していく。

結局授業にも身が入らず、ついさっき少し出たはずの食欲も消え去ってしまった、……ただ胸の重みだけは消えない。



昼休みはいつもの様に、四人で屋上に向かう、もっとも私はとてもじゃないが、食べる気にはなれないが。

さやか「ねえほむら、本当に大丈夫なの?」

ほむら「食欲がないだけよ、それに一応コレは飲むつもりだから」

まどか「お昼がそれだけって、あんまりよくないと思うけど」

仁美「あんまり無理をなさらないでくださいね」

ほむら「ええ大丈夫よ」

まどか達に、要らぬ心配をかけてしまった、だが実際に体調は悪くはない、胸が重くなってはいるが。

ほむら(上条君のお見舞い、私が行く必要があるのかしら?……行けばこの胸の重みがなくなるのかしら?
でもまずは、巴さんにも聞かないとね、佐倉杏子の事もある事だし)

屋上のドアを開けると、巴さんが声をかけてきた。

マミ「こんにちは暁美さん、鹿目さん美樹さん、それと志筑さんはもう大丈夫なの?」

仁美「はい、ご心配おかけしました」ペコ

マミ「元気になったのならそれでいいのよ」ニコッ

さやか「それじゃあ食べましょうか」

まどか「そうだね」

さ・ま・マ・仁「「「「いただきます」」」」

ほむら「……いただきます」スッ

マミ「あら暁美さん、今日はそれだけ?」

ほむら「ちょっと食欲がないだけよ」

マミ「どこか具合が悪いの?そうなら無理はしないでね?」

ほむら「大丈夫よ、体調が悪い訳じゃないから」

さやか「ほむらの場合は、そう言って無理をしそうだけどね」

マミ「私もそう思うわ、それでいきなり倒れたりしそうよね」

ほむら「……あなた達には、私がどう見えてるのかしら?」

まどか「ええと、かっこつけてるみたいな?」

ほむら「まどか!?」

仁美「弱ってる姿を見せたがらないですわね」

ほむら「……あなた達が私をどう思っているか、よーくわかったわ」チュー

さやか「冗談だって、ねえみんな」

マミ「え?ええそうね」

まどか「あはは」

仁美「……本音だったみたいですわね」クスッ

ほむら「むう」

かっこつけみたいと言われても……、まあ否定しきれないのも事実だが。



仁美「あの巴さん、ちょっといいでしょうか?」

食べ始めてすぐに、仁美が巴さんに声をかける。

マミ「何かしら?」

仁美「今日の放課後に上条君のお見舞いに行くつもりなのですが、ほむらさんも一緒に行けないかと思いまして」

マミ「暁美さんも?そうね……私は構わないわよ」

仁美「ありがとうございます、ほむらさんもいいですか?」

ほむら「本当にいいのかしら?」

マミ「ええ、今日の事は私に任せて、せっかくのお誘いですもの」ニコ

ほむら「……ありがとう、じゃあ学校が終わったらすぐに行きましょう」

仁美「はい」

さやか「りょーかい!」

まどか「えーと、私も行ってもいいのかな?」

仁美「その、申し訳ないんですが、鹿目さんにはご遠慮いただけますか?」

まどか「え?」

仁美「ちょっと問題と言いますか、鹿目さんには直接関係はない話しなんです、ですから今日は」

まどか「う、うんわかったよ、じゃあ今日は一人かぁ」

マミ「なら途中まで私と一緒に行きましょう、私の用もそこまで急ぐ事じゃないから」

まどか「マミさんありがとうございます」ペコリ

マミ「じゃあ校門の所で待ち合わせね」

まどか「はい、わかりました」

ほむら『ごめんなさい巴さん、杏子の事もあるのに全部任せてしまって』

マミ『気にしないで暁美さん、佐倉さんとは元々仲間だったんだし、私一人でもなんとかなると思うわ』

ほむら『……ありがとう巴さん』

マミ『佐倉さんの事は任せて、あなたはゆっくりしてきてね』

今日の放課後に上条君に会える、訊きたい事もあるが、まずは仁美の話しからだろう、私はその後でいい。
……そう考えていたらまた少しだけ胸が痛んだ、この痛みの理由はなんだろう?ただ考えていただけなのに……。

さやか「ほむら?大丈夫?」

ほむら「ええ、大丈夫よ」

また顔に出ていた様だ、まどか達も心配そうな顔をしている、笑顔で返してはいるが、あまり意味はなさそうだ。
……早く、早く放課後になれば、上条君に会えばきっとよくなるはずだ。

ほむら(私は……私の想いは……)



案の定午後の授業は、まったく頭に入ってこなかった、私はどうしてしまったのか。

さやか「それじゃあねまどか」

まどか「うんバイバイさやかちゃん、仁美ちゃん、ほむらちゃん」

仁美「では失礼します」

ほむら「また明日ねまどか」

さやかと仁美と三人で病院にむかう、上条君は今何をしているだろう?今日は話しができるだろうか?

仁美「病院に着く前に、ちょっといいですか?」

さやか「ん?何?」

ほむら(このタイミングで?……まさか)

仁美「さやかさんとほむらさんに、言っておきたい事があります」

さやか「私とほむらに?一体何?」

ほむら「……」

仁美「実は私、以前より上条君をお慕いしていました」

さやか「へっ?」

ほむら(やっぱりその話しね、……でも何で私にも?)

仁美「昨日病院で上条君とお話ししました、その時にこの事を決意しました、お二人に話す事を」

さやか「えっと……何で?」

仁美「さやかさんはどうですか?ご自分の気持ちに素直になれますか?」

さやか「私は、私は……」

仁美「ではほむらさんはどうですか?素直な気持ちを聞かせて下さい」

ほむら「えっ?私の気持ち?」

仁美「上条君を見つめてきた時間はさやかさんが、ほむらさんは同じ病院で入院していたという繋がりが、お二人にはそれぞれあります」

さ・ほ「「……」」

仁美「私にはクラスメートという繋がりしかありません、それでも負けたくはありません!私は今日上条君に告白します」

さやか「えっ?告白?」

ほむら(!こんな事まで?)

仁美「ですが抜け駆けをするつもりはありません、なのでお二人にも一緒に告白してもらいます、そして上条君に選んでいただきます」

さやか「な……何で?私はただの幼なじみで」

ほむら「……私は……」

仁美「……私はさやかさんも、ほむらさんも大切に思っています、でも負けたくはない、だからこれが最大の譲歩です」

さやか「……ねえほむら、確か恭介に言ったよね?絶対に諦めないって」

ほむら「ええ言ったわ」

仁美「その言葉、私も昨日上条君に言われました」

さやか「そっか、じゃあ私も諦めない、仁美が相手でもほむらが相手でも負けないよ!」

仁美「わかりました、ほむらさんはどうですか?」

ほむら「私……は……」



さやか「おーい恭介ー」ガラッ

恭介「やあさやか、今日も来てくれたんだね、昨日はごめんね、リハビリに夢中になっちゃって」パタン

さやか「いーのいーの、それよりも今日は私だけじゃないよ」

恭介「うーん、今日は誰かな?鹿目さんとほむらさんかな?」

さやか「正解は!」

仁美「こんにちは上条君」

恭介「あれ?志筑さん?」

ほむら「……こんにちは」

恭介「ほむらさんも、なんだか珍しい組み合わせだね」

さやか「まあね、そういえばさっきの本って何?バイオリンの本?」

恭介「ああこれか、実はちょっと問題というか」スッ

さやか「ん?バイオリンの基礎?何で今更?」

仁美「上条君には必要ない物では?」

バイオリンの基礎?そんなものを何に?すでに覚えきっているはずなのに。

恭介「さやか、その本のページを折ってある所を見てみて?」

さやか「へ?えーと、……右手での持ち方?これって……」

仁美「どういう事ですか?」

恭介「実は昨日、先生に言われたんだ、僕の手はもう治らないって」

さ・仁「「えっ?」」

ほむら「……」

恭介「この左手はもう、握力が戻らないらしい、だからバイオリンは持てないんだ」

さ・仁「「!?」」

ほむら「……」

恭介「でもね、僕は諦めないよ、動かない手が動く様になった話しとかもある、だから僕もね」ググッ

さやか「恭介……」

恭介「それにバイオリンが持てなくても、弓は持てるようになるかもしれない、それが無理でも手首にくくりつければいい。
どんなに格好悪くてもいい、僕はもう一度バイオリンを弾けるようになりたいんだ」

仁美「……」

今までとは違う、今までの上条君とは明らかに違う、腕が治らないことがわかっても、それでも希望を捨てていない。
でもそれは本当にいいことなのだろうか?私があんな言葉を言ったから、彼はその苦しみを受け続ける事になる。
だからこれはきっと……

 -私のせい-

恭介「さやかに、鹿目さんに、志筑さんに、それにほむらさんに、僕のバイオリンを聴いて欲しいんだ」

さやか「恭介……」

仁美「上条君……」

ほむら「……」

上条君が私を見ている、優しくて希望に満ちた目を、私に向けている。

 -私にそんな資格はあるのだろうか?-

恭介「だから絶対に諦めたくないんだ」



さやか「……わかった!なら私も色々手伝うよ!必要な物とかがあったら言ってね」

仁美「私も応援していますわ」

恭介「うんありがとう」

さやかが契約をしなければ、上条君の腕は治らない、今までの時間軸ならば、バイオリンを捨てていたはずだ。
上条君のこの選択が、私の言葉でできたこの目標は、本当に正しいのだろうか?

恭介「ほむらさん?どうかしたの?」

ほむら「私は……、私も応援しているわ、……ごめんなさい、なんだかちょっと調子が悪くなってきて、今日は先に帰らせてもらうわね」スッ

胸が苦しい、私の迂闊な言葉のせいで、上条君がより苦しむ事になるかもしれない、そう思うだけで私は……。

さやか「え?ほむら?」

仁美「大丈夫ですかほむらさん?」

ほむら「ええ大丈夫、家で休めばすぐによくなるわ、それじゃあねみんな」

恭介「ほむらさん!明日も来てもらえるかな?」

ほむら「……ごめんなさい、まだわからないわ」

今の私にはそんな資格は……。

恭介「そっか、うんわかった、また来れたら来て欲しいな、じゃあねほむらさん。
……あーそれと、さやかはまだ時間はあるかな?ちょっと二人で相談したい事があるんだ」

さやか「え?時間は大丈夫だけど」

仁美「……では私も今日はここまでにしておきますわ、さやかさん、ほむらさん、さっきの話しはまた今度に」

さやか「……うんわかった、じゃあねほむら、仁美」

仁美「はい、さようなら」ペコリ

そして私は仁美と連れ立って病室を出た、そのまま病院の外で別れて家に向かう。

ほむら(……わからない、何もわからない、……何が正しくて何が間違っているのか)

胸が苦しい、気分が悪い、今すぐ全部吐き出してしまいたい。

ほむら「私は何をしているのかしら?私は何でこんなになっているのかしら?」

分かっている、とっくに分かっていた筈だ、この想いが何か、この感情をどこに向けるべきか、何故こんなにも苦しいのか。
もう認めよう、もう自分をごまかしても意味はないから。

ほむら「私は……、彼が……、上条君の事が好きになってしまったのね」

私に芽生えたこの想いは、やっと蓋を外して表に出てきたのだ。

本日は以上です。
お待たせしてすいませんでした、次はなんとか早く書いてくるつもりです、一応ですが。
次回は未定ですが、なるべく早く来たいと思います、ではまた次回に。

どうも1です。
昨日の投下分ですが、ちょっと中途半端というか、自分が気になってしまって、今日も書いてました。
そしたらなんかやたら筆が進んで、4レス分程書けたので、このまま投下したいと思います。



 【マミside】

放課後校門に着くと、既に鹿目さんが待っていた。

マミ「鹿目さんお待たせ」

まどか「あっマミさん」

マミ「それじゃあ行きましょう」

まどか「はい、……あのマミさん、ちょっと訊いてもいいですか?」

マミ「何かしら?」

まどか「今日はほむらちゃんと、何をするはずだったんですか?」

マミ「ああその事ね、いつものパトロールよ、今日は一緒に回るつもりだったから」

それだけじゃないけど、佐倉さんの事を言う必要はないわよね。

まどか「……あの、他にはないんですか?」

マミ「あらどうして?何か気になったかしら?」

まどか「いやその、今日のほむらちゃん、ちょっと様子が変だったから、昨日もお弁当残してたし」

確かに暁美さんの様子は変だった、昨日佐倉さんと話した時はそれなりに元気に見えたけど。

まどか「それで昨日、魔女退治の時とかはどうでしたか?ほむらちゃんに何かありましたか?」

マミ「……そうね、昨日はまだ多少は元気に見えていたけど、今日はちょっと沈んでるというか」

暁美さんの中で何かがあった、という事かしら?精神的な何かが原因で、暁美さんは沈んでいるの?

まどか「ほむらちゃんが無理してる気がして、私心配で」

マミ「そうね、でも昨日の魔女退治で何かあった訳じゃないわ、少なくとも暁美さんの精神に影響はないはず」

まどか「それじゃあほむらちゃんは」

マミ「魔法少女とは関係ない、暁美さん自身や周りの何かでああなっていると思うわ」

まどか「そうなんですか」

マミ「鹿目さんはどう?何か心当たりはある?」

まどか「えっと……そういえば、今朝授業が始まる前に、仁美ちゃんがほむらちゃんとさやかちゃんを廊下に」

マミ「何か話してたのかしら?」

まどか「お昼休みにも言ってましたけど、今日上条君のお見舞いに行くって、仁美ちゃんが言ってきたって」

マミ「……そういえば昨日、お弁当を食べる前は普通だったわよね、でも話している途中で急に?」

まどか「確かにそうですね、昨日は仁美ちゃんが休んだから、そっちを気にしてたけど、お昼までは普通のほむらちゃんだったような」

昨日のお昼の会話、佐倉さんの話しをして、暁美さんの話しをして、その後……?

マミ「上条君?」

まどか「え?」



マミ「暁美さんの雰囲気というか、反応というかが変わったのは、たしか美樹さんが上条君の話しをした時じゃなかったかしら?」

まどか「上条君の?」

マミ「確か……、暁美さんが可愛いっていう話しだったかしら?」

まどか「上条君に可愛いって言われて、それで落ち込んだんですか?」

マミ「多分違うわ、人によるけど、女の子なら可愛いって言われて、悪い気はしないでしょ。」

まどか「そうですよね、私もそう言われたら嬉しいです」

マミ「だから多分別の事、上条君の話しで何かを連想したか、あるいは何かを、思い出したんじゃないかしら?」

まどか「それで、それが原因でほむらちゃんは」

マミ「多分だけどね、その辺りで暁美さんの様子が変わったのは間違いないから」

まどか「ほむらちゃんどうしちゃったんだろう」

マミ「そうね」

暁美さんに何があったのか、ここでこうしていてもわかりはしないけど、とても気になる。

マミ「どうすれば……!?」

まどか「どうかしたんですか?」

マミ「え?ええその」

まさかこのタイミングで会うとは思っていなかった、どうやら向こうも私に気づいたらしく、こっちに向かってくる。

杏子「ようマミ昨日振りだな」ポリポリ

マミ「佐倉さん」

まどか「えっ?この人が杏子ちゃん?」

杏子「あんた誰だ?」

マミ「昨日話したでしょ?彼女が鹿目さんよ」

まどか「えっ?あっその鹿目まどかです」ペコ

杏子「ふーんあんたがまどかか、まあよろしくね」

まどか「あっはい」

杏子「それでさぁ昨日の返事なんだけど」パクッ

マミ「そうね、パトロールもかねて鹿目さんを送っていたのだけど」

杏子「ふーん、……そういえばほむらはどうした?てっきり二人一緒と思ってたけど」

マミ「暁美さんは病院よ、お友達のお見舞いに行ったわ」

杏子「なるほどね」

まどか「あのマミさん、昨日の返事って?それにほむらちゃんもって、昨日何かあったんですか?」

マミ「ええまあ、ちょっとね」

杏子「教えてやればいいじゃん、こいつも無関係って訳じゃないんだし」

まどか「お願いしますマミさん」

マミ「……わかったわ、とりあえず私の家に行きましょう」

杏子「はいよ、……これ食うかい?」スッ

まどか「えっ?あっうん」ヒョイ



 【さやかside】

恭介「ごめんねさやか、いきなり相談なんてさ、でもこんな事が相談できる相手が、さやかしかいないと思って」

さやか「別にいいってば、そんなの気にしないでよ、それよりも相談って何?バイオリンの事とか?それとも学校の事?」

私がそう訊くと、恭介は急に落ち着きがなくなって、口を濁しだした。

恭介「いやその、なんというか、ちょっと言いにくい事なんだけど」

さやか「言いにくい?何の話しなの?」

恭介「その、相談したいけど恥ずかしいというか、なんというか」

さやか「まったく、私と恭介の仲じゃない、そんな恥ずかしがったりせずにほら、笑ったりしないからさ」

恭介がこんなに渋るなんて、いったい何の話しなんだろ?

恭介「うん……そうだね、相談してるのは僕の方だしね、わかったよ」

さやか「よし!何でも言ってみたまえ」

恭介の相談……いったい何?

恭介「……恋愛相談なんだけど」

さやか「ふむふむ、恋愛相だ……ん?」

恭介「えっとその……、好きな人がいるんだけど、どうしたらいいかと思ってさ」

さやか「へ?」

恭介が恋愛相談?恭介に好きな人がいる?何よそれ、何でなの?相手は誰?

恭介「クラスの男子よりも、女の子であるさやかの方がいいかなって思って」

さやか「ふーん」

恭介「さやか?どうかしたの?」

さやか「……ねえ恭介、その相手って誰?」

恭介「えっと、やっぱり言わないとダメかな?」

さやか「そうだね知りたいかな」

恭介が好きになった相手、私じゃない誰か、いったい誰?

恭介「その……、ほむらさんなんだ」

恭介がそう言った瞬間、私の中で色々なものが繋がった、今までの恭介のほむらに対する態度とか、ほむらの話しをする時の顔とか。

恭介「やっぱりびっくりしたかな?」アハハ

色々なものが全部ひっくるめて、わかった、わかってしまった。

さやか「そっか……、やっぱりそうなんだ」

恭介「やっぱり?もしかして気付いてたの?」

さやか「なんとなくね……、ほむらに対しての態度がさ、気になってて」

恭介「そんなにわかりやすかったかな?」

さやか「結構ね、まどかや仁美も気づいてるかも」

恭介「ええっ!?そんなっ、それってつまりほむらさんも気付いて、……どうしよう」

さやか「ほむらはどうかな?」ウーン



恭介「え?」

さやか「ほむらってそういうのに疎いっていうか、慣れてないっていうか、今は結構大変みたいだし」

恭介「そうなのかい?じゃあ大丈夫かな?」

さやか「ねえ恭介、いつからほむらの事が好きになったの?」

恭介「あーその、ほむらさんが入院してた時からかな」

さやか「……そっか……」

だからなんだ、ほむらの事を初めて聞いた時の、恭介の楽しそうな顔は、ほむらへの気持ちだったんだ。

恭介「ねえさやか、僕はどうしたらいいかな?いきなり告白とかは迷惑かな?」

私は恭介が好き、でも恭介はほむらが好き、ほむらもきっと。

さやか「……恭介」

恭介「ん?なんだい?」

さやか「私に考えがあるよ、とりあえずまたほむらを連れてくるから、その時に恭介に決めてもらう」

恭介「決めるって何を?」

さやか「それは今度ほむらが来た時に、その時にわかるから」

恭介「?わかった」

さやか「じゃあ今日は帰るね」ガラッ

恭介「さやか?」

さやか「バイバイ恭介」パタン

恭介「……さやか?」

恭介の病室を出て歩き出す、商店街なんかをぶらついて、いつの間にか公園に来ていた。

さやか「そっかぁ、恭介はほむらが好きなんだ……、そんな気はしてたけど、やっぱりショックだよねぇ」

恭介の気持ちはわかった、仁美の気持ちも、ほむらは……どうなんだろうか?

さやか「そういえば、さっきはどうしたんだろ?急に具合が悪くなったって」

恭介の話しを聞いて急になんて、さすがに変だよね?ちょっと気になる。

さやか「何かあったのかな?……ほむらの気持ちに関係あるのかな?」

ほむらの気持ち、恭介をどう思っているのか……、さっきのほむらの答え……。

 -----

仁美「わかりました、ほむらさんはどうですか?」

ほむら「私……は……」

さやか「どうなの?」

ほむら「……自分ではよくわからないの、上条君に対してのこの感情が、自分でもコントロールできないこの気持ちが、恋なのかどうか」

仁美「ほむらさん」

ほむら「だから……、私も行くわ……、確かめるために、答えを出すために」

さやか「……そっか、よし!じゃあ三人で行こう!」

仁美「ええ」

ほむら「……」コク

 -----

さやか「自分じゃわからないって、むしろわかりやすいじゃない、頭がよくても、恋はわからないものなのかな?」

今日は以上です。
これでキリが……よくないですね、とりあえず次回もなるべく早く来たいと思います。
ではまた次回に。

どうも1です。
前回は中途半端な所できってしまい、色々とあれでしたが、続きが書けましたのできました。
次から6レス投下します。



 【杏子side】

マミ「さあ上がってちょうだい」ガチャ

まどか「お邪魔します」

杏子「邪魔するよ」

マミ「とりあえず紅茶を入れるわ」スタスタ

まどか「ありがとうございます」

杏子「……」

こいつがまどかか、成り行きで一緒に来させたけど、こいつの為にほむらは戦っているんだよな……。

まどか「?あの……、私の顔に何かついてるの?」

杏子「いや……そういう訳じゃないよ、ただちょっとな」

誰かを守る為に戦う、誰かを救う為に戦う、……私にはそんな相手はもういない、マミやほむらとは違う。

マミ「お待たせ、今日はアップルティーにしてみたわ、それとさっき買ったケーキもね」カチャリ

まどか「わあ美味しそう」

杏子「……なあマミ」

マミ「何かしら?」

杏子「マミもほむらも、ワルプルギスの夜と戦うんだよな?逃げたりはしないのか?」

マミ「そのつもりは無いわ、私はこの見滝原を守る魔法少女だもの」

杏子「見滝原を……か」

守りたいもの、守れるもの、私には何もない、そんなものはとっくに……。

まどか「あの……、話しが見えなくてその……」

マミ「そうね、じゃあ昨日の事を先に話すわ」

マミが昨日の事を説明している、私がマミを助けた事、二人からワルプルギスの夜の共闘を頼まれた事、その返事を今日する事。

マミ「暁美さんはいないけど、私と佐倉さんは前からの知り合いだから、一人でも大丈夫と思ったのよ」

まどか「そうだったんですか、ほむらちゃんそんな事、一言も言ってなかったから」

マミ「佐倉さんの返事を聞いた後でいいと思ったのね」

杏子「私の返事か……」

マミ「どうかしら?前みたいに一緒に、いえ暁美さんも入れて三人で魔女退治を、それが無理でもせめて一緒に、ワルプルギスの夜と戦ってくれないかしら?」

マミが頼んでくる、まどかが不安そうな顔で見てくる、二人共私の言葉を待っている。

杏子「……私は……」

私は……、私の答えは……。

杏子「……悪いな、ワルプルギスの夜と戦うっていうのは、降りさせてもらう、さすがに十分な見返りが期待できないしな」

マミ「えっ……、そう……なら仕方ないわね、ごめんなさいね」シュン

マミが泣きそうな笑顔を作る、別に謝る必要なんてないだろうに、謝るべきなのは……。



杏子「悪いな、今日はもう帰るよ」

そう言って私は、マミの家を出た、マミとまどかが何か言っていたが、私の耳には入らなかった。


杏子「……最低だな私、……何であんな事を」

断るつもりじゃなかった、マミやほむらと一緒に、ワルプルギスの夜と戦うつもりだった、なのに口にしたのは……。

杏子「くそっ、何でだよ!何であんな事言っちまったんだよ!私のバカやろう!」

私はそんなにひねくれていたか?思ってもいないような事が口をつくか?違う……さっきのは。

杏子「どこかで思ってたんだな、マミやほむらと自分が違うって」

一緒に戦うなんて、肩を並べるなんてできないって、自分で自分を縛りつけてたんだ、あの二人の戦う理由が、今の私には眩しすぎたから。

杏子「私にはもう、何かの為に戦える理由はないから、マミみたいな正義の味方も、ほむらみたいに守りたい人もいないから」

そんな自分が一緒に居たらいけない、そんな気がして……。

???「マミさんとほむら?二人と知り合いなの?」

突然声をかけられて気付く、適当に歩いていたら公園に来ていたらしい、どうやら独り言も聞かれてしまったみたいだ。
慌てて相手を確認する、見覚えは無いが、さっきの言葉からするとマミ達の知り合いだろう。

???「ん?それってもしかして、ソウルジェムの指輪?」

しかも魔法少女の事を知ってるのか、……待てよ?さっきのがまどかって事は、この青いのはもしかして。

杏子「あんたもしかして、さやかか?」

さやか「何で私の名前を?」

やっぱりか……、何でこんな所で会っちまうかね?

杏子「あー私は、佐倉杏子だよ、マミ達から聞いてないかい?」

さやか「あんたが佐倉杏子?何でこんな所にいるのよ?」

杏子「まあ色々あってね、あんたこそ一人で何やってんだい?」

さやか「さっきまでほむらと一緒だったのよ、まあ先に帰っちゃったけど」

杏子「そういやぁほむらの奴、お見舞いに行ってたんだっけか」

さやか「……何で知ってるの?」

杏子「何でって、マミから聞いたんだよ」

さやか「いやそうじゃなくて、何でマミさんと話してるの?」

杏子「マミだけじゃなくて、まどかって奴もいたぜ」

さやか「ますます何で?」

杏子「……実はな……」

私はさっきの事を簡単に説明した、マミ達と話した事、私の返事の事。



さやか「つまりあんたは、つい意地を張った訳?」

杏子「バッサリ言ったな」

なんとなくだが、こいつからは近いものを感じる、似てるというか、そのせいで余計な事まで言っちまったけど。

さやか「事実じゃない、……でもそれならさぁ、間違えたって言って、取り消してくればいいんじゃないの?」

杏子「簡単に言うなよな」

そんなの分かってる、分かってるんだよ、でもあんな言い方しといて、どの面下げて会いに行けってんだよ。

杏子「そんな簡単な事じゃないんだよ」

さやか「というかさぁ、何でそんな事言ったの?何か理由があるんでしょ?」

杏子「それは……」

さやか「もしかして何か訳あり?だとしたらごめん」

別に謝る事じゃないだろうに、マミもこいつも何で、何でそんなにまっすぐこっちを見てるんだよ。

杏子「……そうだな、せっかくだから聞いてくれるかい?なんだかそんな気分なんだよ」

さやか「何の話し?」

杏子「ちょっとした昔話さ、私がまだ守りたいものがあった時の話しだよ」

さやか「守りたいもの?それにあった時って」

杏子「……私の親父は--

 -----

--そんな訳で、私の願いは家族を幸せにする所か、壊してしまったのさ、だから私は決めたんだ、もう人の為には力を使わないって。
自分の為だけに魔法を使って、自分の為だけに生きるって、もう間違えない為にさ」

さやか「……」

杏子「……悪い、急にこんな話しして、ただ今は誰かに聞いて欲しかったんだ。
……どうもしなくていいから、ただ聞いてくれればそれで」

さやか「ほむらやマミさんが言ってた通りだね、強くて優しいんだね杏子は」

杏子「はぁ?何でだよ」

さやか「だってお父さんやQBじゃなくて、自分を責めているんでしょ?全部自分のせいだって」

杏子「!それは……」

さやか「自分を責めて、全部自分で背負って、周りを恨んだりもせずにずっと一人で」

杏子「……買いかぶりすぎだよ、私は別に……」

さやか「……よしっ決めた!杏子も今日から私の友達ね!」

杏子「はぁ?どうしてそうなるんだよ!」

さやか「いいじゃん細かい事は、はい握手」スッ

杏子「やだよ」

さやか「あれだけ話しておいて、今更それ?」

杏子「……ちっ、わかったよ」ギュッ

さやか「よしよし、ついでというか、私の話しも聞いてよ」

杏子「……好きにしな」



さやか「まあ杏子とは違ってさ、大した話しじゃないんだけど、その……恋愛についての話し」

杏子「あー悪いけど、私はそっちの関係はからっきしだぞ?大した事はって、何だよその目は?」

さやか「いやぁその、思ったよりも真面目に返してきたから驚いて、私も聞いて欲しいだけだからさ、気楽にしててよ」

杏子「ちっ、ならとっとと話せよ」フイッ

さやか「……私ね好きな人がいるんだ、とっても大好きな人、その人がバイオリンを弾いてる姿が特に好きなんだ」

少し頬を染めながらさやかは話しだした。

さやか「その人を思い浮かべるだけで、一緒にいられるだけで、幸せな気持ちになれる、でも……」

そこで急に声のトーンが落ちる、頬の赤みも消えていく。

さやか「その人は別の人が好きなんだ、私じゃない別の女の子、しかも私の友達の……」

杏子「……本人に確認したのか?」

さやか「その本人から言われたの、恋愛相談がしたいって、その女の子が好きだって、……私じゃないの、恭介が好きなのは……」ジワ

さやかの目に涙が溜まる、握った拳も震えてる、これはちょっとしたきっかけで泣き出してしまいそうだ。

さやか「恭介の気持ちは、ほむらに全部向いてて、私じゃ多分勝てないから」ポロッ

さやかは気づいてるのかいないのか、途中から名前を言ってしまっているのだが。
しかしほむらか……、当然あのほむらだろう、昨日少し話しただけだからまだよくは知らないが、こんな事になってたとはねぇ。

さやか「きっと……ううん、間違いなくほむらも、恭介の事が好きだから、だからもう私の入る隙間なんてなくて、でも諦めたくもなくて」ポロポロ

杏子「……」

さやか「恭介には今度来た時に、恭介に選んでもらうって言ったけど、そんなのただの時間稼ぎの強がりで、それで……」グスッ

杏子「あーもう、泣くのはまだ早いだろ、まだその恭介とやらが告白した訳じゃないだろ?ならまだわからないだろ?」

さやか「でも二人は、両想いだし、私が告白した所で、選んでなんて」

杏子「やりもしないうちから、うだうだ言うな!こんな所で泣いてる位なら、とっとと告白してこい!」

さやか「……それで玉砕したら?」

杏子「私が愚痴を聞いてやるよ」

さやか「……やっぱり優しいんだね」

杏子「違うっての、こんなのは別に……」

さやか「……ありがとう聞いてくれて、少し楽になった」

杏子「そうかよ」



さやか「……うん、決めた!私ちゃんと告白する!それできちんと決着を付けてくる」

どうやら元気を取り戻したみたいだな、……こういうの久々だな、……まあ悪くはないかな。

さやか「それで……、だめだったらその」

杏子「わかってるよ、ちゃんと聞いてやるから」

さやか「ありがとう杏子」ニコッ

杏子「やれやれ、柄じゃないっての」クスッ

さやか「じゃあついでにもう一つ、この後時間ある?付いて来て欲しい所があるんだけど」

杏子「はあ?何だよそれ?」

さやか「忙しいの?」

杏子「……まあ時間は大丈夫だけどよ、どこに行くっていうんだ?」

さやか「行けばわかるよ、それじゃ出発!」スタスタ

杏子「おい待てよ!私はまだ行くとは言ってねえぞ!」スタスタ

さやか「そう言いながら来てるじゃん」

杏子「これはその、お前がいきなり歩き出すからだな」

さやか「はいはい、ここからならすぐだから」

杏子「だからまだ言ってねえっての!」

 -----

杏子「おいさやか、このまま行くとその、マミの家の方向に行っちまうんだが」

さやか「だってマミさんの家に行くんだよ?」

杏子「はあ?聞いてねえぞ!私は行かないからな!」

さやか「誤解されたままでいいの?このままで本当にいいの?」

杏子「それはその……、でもなんて言えば」

あんな事言ったのに、今更だろうが。

マミ「あら?佐倉さん?」

杏子「マミ!?」

まどか「さやかちゃんも、何で二人が一緒なの?」

さやか「まどか、マミさん、ちょうど良かった、今マミさんの家に行く所だったんですよ」

マミ「私の家に?」

さやか「ほら杏子、ちゃんとしなって」

杏子「いやいや、いきなりすぎるだろ!まだ心の準備とかが」

さやか「マミさんに言うことがあるんでしょ、ほらさっさと言う」グイグイ

マミ「何かしら佐倉さん?」

そんな風に言うなよ!引っ込みがつかないだろうが!……仕方ない、もうこうなりゃやけだ!

杏子「その……さっきは悪かったよ、本当はあんな事言うつもりはなかったんだよ」

マミ「?そうなの?」

杏子「……ちょっとだけ、マミ達が羨ましかったんだよ、守りたいものがあるのが、それで意地張って思わず」

マミ「佐倉さん」

杏子「ワルプルギスの夜、私も力を貸してやるよ、だからその……、よろしくな」

マミ「ええっもちろんよ!」ニッコリ



マミ「それじゃあ暁美さんにも伝えなくちゃね」

まどか「そういえばほむらちゃんは?さやかちゃんと一緒じゃなかったの?」

さやか「あーその、先に帰っちゃったんだよね、具合が悪いからって」

マミ「家に帰ったの?病院にいたのに?」

さやか「家で少し休めば大丈夫だって、私は恭介がちょっと話しがあるっていうから、そのまま病室に残ってて」

杏子「それじゃあ今は家にいるのか?」

さやか「多分ね、まあ具合が悪そうだったのは本当だし、今日の所は休ませてあげた方がいいのかな?」

マミ「それもそうね、じゃあメールだけしておきましょう」カチカチ

杏子「じゃあ私もこれで」

マミ「待って佐倉さん、せっかくだし今日は家に泊まっていかない?久しぶりにお話しとかしたいし」

杏子「何でだよ、力を貸すとは言ったけどよ、なれ合うつもりは」

マミ「そっか、そうだよね」シュン

さ・ま「「……」」ジトー

杏子「……わかったよ!今日だけ泊まってやるよ!」

マミ「本当!」パアッ

杏子「今日だけだからな、明日は泊まらないからな」

マミ「ありがとう佐倉さん!」

杏子「……ちっ」

さやか「私達もそろそろ帰らないとね」

まどか「そうだね、マミさん杏子ちゃん、また明日」

さやか「バイバイ杏子、マミさん」

マミ「待って二人共、せっかくだからこのまま送っていくわ」

まどか「いいんですか?」

マミ「元々鹿目さんを送ってる途中だったんだし、美樹さんも一緒にね」

さやか「でも何か悪い気がするし」

杏子「ならさやかは私が送ってやるよ、それなら時間もかからないし、構わないだろ?」

さやか「うーんじゃあ」

さ・ま「「お願いね杏子(しますマミさん)」」

マミ「ええ行きましょう鹿目さん、美樹さんをお願いね佐倉さん」

杏子「はいよ、じゃあ行こうぜ」

さやか「バイバイまどか、私の家はこっちだよ杏子」

まどか「バイバイさやかちゃん」

……まあこんなのも、悪くないよなきっと、……友達か。

さやか「ん?どうかしたの杏子?なんか笑ってるけど」

杏子「別に何でもねえよ」フイッ

その後は他愛もない話しをしながら、さやかを家まで送っていって、マミの家まで戻った。

マミ「お帰りなさい佐倉さん」

杏子「……ただいま」

マミの出迎えがちょっとだけ、嬉しかった。

今日は以上です。
書いてて思ったんですが、杏子視点はなんだか長くなります、前も結構長かったですし、しかも次回もまだ少し杏子視点になる予定です。
しかしもう一つ、なんと前回と今回の投下分、10レス分の中に、ほむらが出てきませんでした、主人公なのに。
とまあそんな感じで次回に続きます、次回はまだ未定です、ではまた次回に。

乙!
主人公不在なんてよくあること
1冊の中で数ページ程度しか主人公が登場せずセリフもなしの巻がある漫画とかもあるし

>>240
某オサレ死神のマンガとかですかね?

どうも1です。
お待たせして申し訳ありません、少々詰まっていましたが、なんとか1週間以内に来れそうな感じです、もう少しお待ちください。

どうも1です。
申し訳ありません、色々邪魔が入ったりして満足に時間が取れずにいます、すみませんが後3日程待ってください、それまでにはなんとしても時間を作ります。

どうも1です。
大変お待たせしました、先ほどやっと書き上がったので今から投下します。



さてとどうするか、マミは飯を作ってるし、ちょいとヒマだな。

杏子「何かヒマつぶしになりそうなものは、トランプ位か?さすがに一人でオセロやってもなぁ」キョロキョロ

かといって出かけるのはマズいよな、どうしたもんか。

マミ「佐倉さん、お皿出してくれる?ちょっと手が離せなくて」

杏子「いいぜ」スクッスタスタ

マミ「そこの深めのお皿をお願い」クルクル

杏子「はいよ」ヒョイ

マミ「QBはそっちのコップをお願い」クルクル

QB「やれやれ」ヒョイ

杏子「ちょっと待て」

マミ「え?どうかしたの?」クルクル

QB「どうしたんだい杏子?もうすぐ食事だから手短に頼むよ」

杏子「違うだろ!なんでこいつがいるんだよ!こいつは敵みたいなもんだろうが!」ビシッ

マミ「それはそうなんだけど、何だか放っておけなくて、今までずっと一緒にいたから」

QB「それについては僕も聞いたよ、まあマミの答えは僕達にはよく理解できなかったけどね」

杏子「マミ!」

マミ「えっとその、この子のお陰で私は今生きてるような所もあるし、……ダメかしら?」シュン

杏子「う……、あーもう分かったよ、好きにしなよ」

マミ「ありがとう佐倉さん」ニコッ

反則だろまったく、あんな顔されたら強く言えないっての。

 -----

杏子「ごちそうさま!いやー美味かった!マミの料理は最高だな」

マミ「ありがとう、私は洗い物してくるわね」スタスタ

杏子「……さてと、ちょいといいかい?」ジロッ

QB「なんだい?」

杏子「昨日は何であんな事言ったんだ?」

QB「あんな事?僕はただマミの現状を話しただけだよ、事実マミには暁美ほむらという仲間も、まどかやさやかという友達もいただろう?」

杏子「わざと私を煽って焚き付けただろうが、仲間割れか何かでも狙ってたのか?」

QB「それは違うよ、僕は君にアドバイスしただけじゃないか、マミに会う方法のね」

杏子「ちっ、相変わらずだな、胡散臭くて信用ならねえ」

QB「やれやれ、僕程正直な存在はそういないと思うけどね」

杏子「ここはマミに免じて手は出さないけど、次は無いぜ?」

QB「やれやれ」スタスタ

杏子「ちっ」



マミ「変ねぇ」カチカチ

洗い物を終えたマミは、携帯をいじってはしきりに首を傾げている。

杏子「どうかしたのか?」

マミ「ちょっとね、暁美さんからメールの返事が無いのよ」

杏子「気づいてないだけじゃないのか?」

マミ「それならいいんだけど、体調が悪そうだったから心配で」

杏子「なら電話したらどうだ?まあ寝てたら悪い気もするけど」

マミ「そうね……、そうするわ」ピッピップルルルル

ほむらの体調ねえ、今日は会ってないからわからないけど、そんなに悪そうだったのか?

マミ「変ね、電話にでないわ」ピッ

杏子「まさか寝込んでるのか?」

マミ「もしそうなら少しマズいわね」

杏子「なんでだ?」

マミ「暁美さんは独り暮らしなの、もし寝込んでても看病してくれる人はいないのよ」

杏子「なら様子見に行ってみるか?」

マミ「それがその……」

杏子「何だよ歯切れが悪いな、……まさか」

マミ「暁美さんの家の場所は知らないのよ」

杏子「あー、さやかやまどかはどうだ?あいつらは同じクラスなんだろ?」

マミ「そうね聞いてみるわ」ピッピップルルルル

……私も少し心配になってきたな、ほむらの家の場所か……、さやか達は知ってるんだろうか?

マミ「そうありがとう、……二人共大まかな方向しか知らないらしいわ、朝はいつも待ち合わせしてるらしいの」

杏子「それじゃあお手上げじゃん、他に知ってそうな奴は?」

マミ「多分学校の先生なら、少なくとも住所は調べれると思うけど」

杏子「とっくに帰ってるだろうな」

おいおいどうするんだよ、本格的に心配になってきたぞ、何とか家の場所が分かれば。

杏子「ん?大まかな方向は分かるんだよな?ならそっちに行って魔力を探るなり、テレパシー送るなりすればいいじゃん」

マミ「そういえばその手があったわね、もう少し試してダメなら行ってみましょうか」ピップルルルル

ほむらの奴大丈夫だろうな、……まったく心配かけてんじゃねえよ。

マミ「……!暁美さん!?大丈夫!?」

電話に出たか、どうやら最悪の事態にはなってなかったみたいだな、まったくほむらの奴。

マミ「え?あれ?暁美さんよね?」

ん?何だ?

マミ「その体調が悪そうだったし、メールにも返事が無いし、電話も出なかったからちょっと心配で」

何かマミの様子が変だな、ほむらの奴どうしたんだ?



マミ「とりあえず今からそっちに行くわ、簡単にでいいから家の場所を教えてもらえるかしら?」

マミはそう言ってメモを取る、これは確かあの辺りだったか?

マミ「ええ、ええ分かったわそれじゃあ」ピッ

杏子「ほむらの様子は?」

マミ「えっと、多分体調が悪いからかしら?何というかその」

マミは携帯を見ながら、首を傾げている。

杏子「何だよ、ほむらがどうしたんだよ」

まさか何かあったのか?

マミ「その、今の暁美さんがいつもと違って、とても可愛かったのよ」ウーン

杏子「……は?」

よく分からないが、いつもと違うのか?にしても可愛いってどういう意味だ?

マミ「とりあえず今から行ってくるわ、佐倉さんはどうする?」

杏子「そんな風に言われると、気になるじゃねえか、私も行くぞ」

まあどっちみち行くつもりだったけど。

マミ「ありがとう、じゃあ行きましょう」

杏子「ああ」

 -----

ここがほむらの家か、一体どうしたんだか。

マミ「暁美さん私よ、巴マミよ」ピンポーン

ほむら『……はい、今開けますね』

……ん?何か違和感が

ドア「ガチャ」

ほむら「すみませんわざわざ来てもらって」

マミ「いいのよそんなの、独り暮らしじゃ大変でしょ?私もそうだからよく分かるわ」

何だこれ?ほむらだよな?あれ?もっと強気な奴じゃなかったか?

ほむら「佐倉さんもどうぞ」ハアハア

杏・マ「「え?」」

ほむら「?あの、何か?」ハアハア

マミ「えっいやその、何でもないわ、そのお邪魔するわね」

杏子「あ、ああお邪魔します」

何だこれ?何だこれ?こいつ本当にほむらか?別人じゃねえのか?まるで違うじゃねえか。

ほむら「すみません、私なんかの為に」

マミ「気にしないでいいのよ、私達仲間でしょ?」

杏子「そうそう、分かったら病人は横になってろ」

ほむら「ありがとうございます」ポフッ

杏子「何か食ったのか?」

ほむら「いえ、その食欲がなくて何も」

マミ「ちょっと台所借りるわね、お粥でも作るわ」

ほむら「あ、その、……ありがとうございます」

本当にどうしたんだ?何か悪い物でも食べたか?



マミ「野菜とかはそれなりにあるわね、でも食欲がない訳だし、簡単に消化に良さそうな物を」ヒョイヒョイ

杏子「なあマミ、あれは何だ?本当にほむらか?何かキャラが違うぞ?」

マミ「多分だけど、あれが暁美さんの素の姿なんだと思うわ、前にも少し素の反応を見たことがあるけど」

杏子「あんな感じだったのか?」

マミ「一瞬だったし、確証は無いけど、……体調不良のせいで、いつも張り詰めていた気が緩んでるんじゃないかしら?」

杏子「あれが元々のほむらだってか?にわかには信じらんないね」

マミ「本人が言ってたけど、本当の暁美さんは体が弱くて、勉強もダメで気も小さい、そんな女の子だったらしいわ」

杏子「なる程ね、確かにそんな感じだな、気を張る余裕もなくなるなんて、まったくほむらの奴」

マミ「早く元気になって欲しいわね」

杏子「ほむらがあんなだと、こっちまで調子が狂うぜ」

いきなりあんな風になられてもな、……私の事を佐倉さんて呼ぶなんて、いつもなら有り得ないんだろうな。

マミ「よしできたわ、佐倉さんお皿出してくれる?」

杏子「はいよ」コトッ

マミ「これでよしと、暁美さんできたわよ」スタスタ

杏子「大丈夫か?」

ほむら「巴さんと杏子?……ああそうだったわね、心配して来てくれてたんだったわね」

杏子「ん?」

マミ「はいどうぞお粥よ」

ほむら「ありがとう巴さん、でも今は食欲がないから、こんなに食べれないわね、杏子も食べてくれるかしら?」

杏子「ん、ああいいぜ」

マミ「少しは元気が出たのかしら?いつもの感じに戻ったわね」

杏子「……何か引っかかるな」ボソッ

ほむら「いただきます」

 -----

ほむら「……」スゥスゥ

マミ「寝たみたいね」

杏子「しかし大丈夫か?、結局半分位しか食べなかったぞ?」

マミ「ちょっと心配ね、そういえば鹿目さん達に連絡するの忘れてたわ、えっと」ピッピッ

杏子「まあしっかり休めよな、ワルプルギスの夜からまどかを守るんだろ?」

ほむら「……まどか」ウーン

マミ「落ち着いたみたいだし、とりあえず書き置きをして、今日の所は帰りましょうか」カキカキ

杏子「一人にするのはちょっと心配だけどな、まあ布団とかも分からねえし仕方ないか」

マミ「じゃあね暁美さん」ガチャ

杏子「またな」バタン

ほむら「……上条君……鹿目さん」ウーン



 ほむらside

ほむら「ん?朝?」ムクッ

えっと確か、昨日は家に帰ってから、体調が悪いからすぐに横になって、……まだ体がダルいわね。

ほむら「あら?この紙は……」

[今日は一度帰るけど、明日の朝にまた様子を見に来ます、お粥はまだあるから食べれそうなら食べてね   マミより]

ほむら「えっと……、ああそうだったわね、昨日の夜に巴さんと杏子が来てくれたんだったわ」

杏子が一緒だったという事は、協力してくれるという事だろう、……よかった。

ほむら「今何時かしら?あら?巴さんからメールが来て、……何があったのかしら?」

[佐倉さんが協力してくれる事になりました、詳しい事はまた後で、いまから鹿目さんと美樹さんを送ってきます]

ほむら(時間は……昨日の夕方ね、何故まどか達がいたのかしら?特にさやかは病院にいたはずだけど、……病院、上条君)

そうだ私は昨日、上条君の事が……。

ほむら「私は上条君の事が……」グー

ほむら「……このタイミングで、……お粥があるんだったわね、まだダルいし食欲も無いけど」グー

ほむら「……少しは食べないとダメそうね、えっと今は6時半ね、……今日は休もうかしら?」

この体調では学校は少々厳しいだろう、大事をとって寝ていよう。

ほむら「とりあえずお粥を」フラフラ

ピンポーン

ほむら「あら?こんな時間に誰かしら?……杏子と巴さん?」

杏子『……』

マミ『……』アタフタ

ほむら「二人共ちょっと待ってて」

杏子『おっ起きてたみたいだぜ』

マミ『佐倉さんたら、寝てたらどうするつもりだったのよ』

ほむら「まったくね、安眠妨害で訴える所だわ」ガチャ

杏子「なんだよそれ」

マミ「おはよう暁美さん、調子はどうかしら?」

ほむら「少しよくなったけど、今日は一応休むつもりよ、明日は土曜日だし治らなかったら、病院に行ってみるわ」

マミ「そう分かったわ、今日のパトロールは私達に任せてね」

杏子「私もかよ」

ほむら「ありがとう、学校とまどか達には後で電話しておくわ」

マミ「ええ分かったわ、それじゃあお粥温めるわね」

ほむら「それくらい自分で出来るわよ」

杏子「無理すんなってふらついてるじゃねえか、昨日みたいに甘えておけよ」

ほむら「?そうだったかしら?昨日の夜はぼんやりしててあまり覚えてないのよね」

杏・マ「「そうなの(か)?」」



マミ「それじゃあ行ってくるわ、佐倉さんは暁美さんをお願いね」

杏子「ちゃんと看とくよ」

マミ「じゃあいってきます」

ほむら「いってらっしゃい」

ガチャバタン

杏子「さてと、……ヒマだな」

ほむら「……オセロとトランプ位ならあるわよ」

杏子「何でその2つなんだ?マミの所もそうだったし」

ほむら「トランプはとりあえず便利なのよ、一人でも色々できるし、オセロは分かりやすいから誰でもできるからよ」

杏子「まあ将棋やチェスとちがってルールがシンプルだしな、確かに誰でもできる」

ほむら「……ただ一人でやるには向かないのよね、詰めオセロなんて見たことないし」

杏子「探せばあるのかね?一応いろんな本も出てる訳だし」

ほむら「……ちょっと見てみたいわね、どんな問題があるのか」

杏子「確かに気になるな」

ほむら「まあ今は一人トランプで我慢してちょうだい、一緒にゲームを出来るほどじゃないし」

杏子「分かってるよ、……トランプタワーでもするか」

……私が寝てる脇でトランプタワーを作る杏子、随分とシュールな光景ね。

ほむら「まあいいわ、私は寝るわね」

杏子「……おやすみって、ああくそ倒れた」

 -----

ほむら「ん?今何時かしら?」ムクリ

杏子「ん?起きたか?」ペラッ

ほむら「ええ……、確かあなたはトランプタワーをしていたわよね?今は何をしてるの?」

杏子「ん?見たら分かるだろ?ソリティアだったっけ?あれだよ」

ほむら「……タワーは何段までいったのかしら?」

杏子「……ん」ボソッ

ほむら「え?」

杏子「だから二段だよ、くそっ何であんなに倒れるんだよ」

ほむら「……何だからしいわね、それで諦めてソリティアなのね、……手が詰まってるみたいだけど」

杏子「AとKが一枚も出てこないんだよ」ペラッペラッ

ほむら「それじゃあどうしようも無いわね」

杏子「……何か食うかい?」サッサッ

ほむら「そうね、食欲は無いけど(さり気なく放棄したわね)」

杏子「まあ食材はあるしな、お粥位なら私が作ってやるよ」

ほむら「あなたの料理なんて貴重ね、……ありがとう杏子」

杏子「……うるせえよ、自分の分を作るついでだよ」スタスタ

ほむら「……ふふっ」

今日は以上です。
時間がかかってしまい申し訳ありませんでした、なんとか早く書けるように頑張ります。
次回はまだ未定ですが、頑張ってみます、ではまた次回に。

どうも1です。
お待たせして申し訳ありません、3月になってからほとんど時間がとれず、ちまちまとしか書けない状況が続いてます。
とりあえず少しずつ隙を見て書き進めていますので、もう少しお待ち下さい。
ではまた。

つまり、逆に言えば4月には投稿できるというわけだな……

ゆっくりでいいから完結待ってる!
このままじゃ、『ほむらはまどかとのカップリング以外では認めない病』に完全にかかってしまう……

どうちゃぶ台ひっくり返してくれるか期待してる

どうも1です。
とりあえず4レス分書けたので投下に来ました。
>>269>>270
期待しすぎないで下さい!自分はプレッシャーに弱いので。



ほむら「ごちそうさま」

杏子「お粗末さまってな」カチャカチャ

ほむら「……意外と普通だったわね」

杏子「お粥なんだから当たり前だろ?どんなの想像してたんだよ」

ほむら「そうね……、チョコレート粥やスナック粥は覚悟してたわ」

杏子「するか!そんなもん!私は食べ物で遊んだりしないんだよ」

ほむら「あらチョコレート粥はそこそこいけそうだけど、確かミルク粥みたいなものもあるし」

杏子「……試しに作ってみるか?残したら容赦しないけど」

ほむら「私は遠慮しておくわ」

杏子「結局イヤなんじゃねえか!」

ほむら「ふむ……あまり眠くないわね、できれば眠りたいのだけれど」

杏子「急に話題を変えるなよ、まあ昨日の夕方からほとんど寝てたんだろ?そりゃあ眠くなくなるだろ」

ほむら「そういえば昨日の事を聞いてなかったわね、一体何があったのかしら?」

巴さんのメールには、まどかとさやかを送ると書いてあった、つまり二人がその場に居た事になる。

杏子「昨日の話しね、まあ何と言うか、簡単に言うとだな--」

昨日の事を簡単に説明してもらい、大体の状況は分かった、私が寝込んでいる間にそんな事になっていたとは。

ほむら「そんな事があったのね」

杏子「そんな訳でな、まあとりあえずワルプルギスの夜まではよろしくな」

ほむら「ええよろしくね、……でも何でさやかは公園に居たのかしら?」

確か昨日は上条君のお見舞いに行って、私が体調が悪いと言って、その帰り際にさやかが上条君に呼び止められたはず。
だとしたらさやかは病院に居たはずだけど、あの後何を話したのかしら?

杏子「……それはまあ、さやかから聞けばいいんじゃないか?」

ほむら「そうねそうするわ」

杏子「……しかしまあ何て言うか、あまり生活感のない部屋というか」キョロキョロ

ほむら「そうかしら?まああまり意識してはいないわね」

杏子「ん?なんだあの荷物」

ほむら「入院していた時の荷物よ、ループの度に持って帰るから、もう整理するのも面倒になって」

杏子「まあ入院中の物は魔法少女とは関係ないもんな」

ほむら「今回はいつもと状況が違ったから、余計に面倒だったのよ」

杏子「なる程ね」

ほむら「……とりあえず寝てみるわ、眠れればいいけど」

杏子「お休み」

ほむら「ええお休み」



ピンポーン

チャイムの音で目を覚ます、横の杏子を見るとなぜか気まずそうな顔をしている。

ほむら「どうかしたのかしら?」

杏子「おっほむら!ちょうど良かった、開け方教えてくれ、ここのは慣れてないからさぁ」

ほむら「簡単よ、私がやるから見ててちょうだい」

そう言ってからインターホンを確認すると、よく知っている顔が2人。

ほむら「巴さんとまどかも来てくれたのね、2人とも今開けるわね」

まどか『ほむらちゃん、大丈夫?お見舞いに来たよ』

マミ『無理はしないでね、佐倉さんはいないの?』

ほむら「杏子ならそこに居るわよ、……はいどうぞ入って」ガチャ

まどか「おじゃまします」

マミ「おじゃまするわね、具合はどう?」

ほむら「大丈夫よ昨日よりも大分楽になったから、巴さんと杏子のおかげね」

まどか「よかったぁ、昨日さやかちゃんから体調が悪くなったって聞いて、マミさんからも電話があったし心配してたの」

ほむら「心配かけてごめんなさい、そういえばさやかは?一緒じゃなかったの?」

まどか「さやかちゃんなら病院に行ってから来るって、上条君に話しがあるんだって」

ほむら「上条君に?昨日の話しの続きかしら?二人は何か聞いてるのかしら?」

マミ「私達は何も聞いてないわ、暁美さんが元気になったら話すとは言ってたけど」

ほむら「私が?何の話しかしら」

杏子「……まあ今はとりあえず、体を治す事だけ考えてな、話しはその後でいいだろ」

ほむら「……そうね、他の魔女の様に、ワルプルギスの夜も早く来るかもしれないし」

もし今ワルプルギスの夜が来たりしたら、私は満足に戦えないだろう、それでは困るのだ。

マミ「とりあえずリンゴでも剥くわ、美味しそうなの買ってきたから」スタスタ

ほむら「ありがとう、そんなに食べれそうにないから、少しでいいわ」

まどか「ここがほむらちゃんの部屋かぁ」キョロキョロ

ほむら「あまり見られると、少し恥ずかしいのだけれど」

まどか「あっゴメンね、初めて来たからつい」

マミ「出来たわよ、さあ暁美さん」

ほむら「ありがとう巴さん、せっかくだしまどかと杏子もどうぞ」

まどか「私は別にいいよ」

杏子「残ったら私が全部貰うさ」

ほむら「そう、……美味しいわ巴さん」シャリシャリ

マミ「え、ええ」



ほむら「どうかしたの?」

マミ「別に大した事じゃないんだけど、よく考えたら私だけ名字なのよね」

ほ・ま・杏「「「?」」」

マミ「暁美さんの呼び方よ、みんなは名前なのに私は巴さんだから」

杏子「そういやそうだな」

マミ「それがちょっと気になって」

まどか「ほむらちゃん何か理由があるの?」

ほむら「意識した事はなかったわね、そうね理由というか、私よりも年上だし、最初の時間軸でそう呼んでいたというのもあるけど」

マミ「けど?」

ほむら「多分だけど巴さんに合わせていたのかしら?」

マミ「私に?それってつまり、私が暁美さんって呼ぶから?」

ほむら「まあそういう事ね、巴さんが私をほむらと名前で呼ぶなら、私もあなたをマミと呼ぶわ」

マミ「そ、そういうものかしら?……まあいいわ。
じゃあさっそく……、ほ、ほむらさん」

ま・杏「「……」」

ほむら「……ふふっ、何かしらマミさん」クスクス

ま・杏「「あはははっ」」

マミ「ううっ……、仕方ないじゃない、人を呼び捨てにする事なんてほとんど無いんだから」シュン

ほむら「でもこれはこれで特別ね、マミさんが名前で呼ぶのは私だけだし」クスクス

まどか「むー……、ちょっと羨ましいな、マミさん私も名前で呼んで下さい」

マミ「えっ?えっと……まどかさん」

まどか「はい!」

杏子「じゃあ私もだな」

マミ「きょ、杏子さん」

杏子「……やっぱりいい、なんかむず痒い」

ほむら「なら当然さやかもね、さやかが来たら名前で出迎えてあげましょう」

マミ「いきなり呼んでも大丈夫かしら?やっぱり先に話してから」

まどか「大丈夫ですよ、さやかちゃんはそんな事じゃ怒りませんよ、むしろ喜ぶと思います」

ピンポーン

ほむら「噂をすればね、頑張ってねマミさん」

マミ「わ、分かったわ」スタスタ

マミ「いらっしゃいさやかさん」

さやか『へっ?えっ?あっとマミさん?いまさやかさんって』

マミ「とっとりあえず入って、説明するから」

さやか『あっはい、おじゃましまーす』

ほ・ま・杏「「「ふふふっあはは」」」

マミ「もうっみんなして」カァァ



さやか「なる程……分かりました、さっきはいきなりでビックリしましたけど、そういう事なら大歓迎ですよ!」

マミ「ありがとうさやかさん」

ほむら「それで杏子はどうするの?」

杏子「あーさっき言った通りだよ、今までと同じに名字で呼んでくれ、マミに名前で呼ばれると変な感じなんだよ」

さやか「じゃあむしろ慣れなきゃね、せっかく仲間になったんだし、マミさん杏子も名前で呼んで下さい」

マミ「分かったわさやかさん、じゃあ宜しくね杏子さん」

杏子「勝手に決めんな!」

まどか「うーん何だか賑やかになっちゃったね、ごめんねほむらちゃん」

ほむら「構わないわまどか、こういうのも悪くないもの」

マミ「杏子さん」

杏子「やめろって!あーなんか痒い!」

さやか「あははっ」

ほむら「……こんなに楽しい時間軸は久しぶり、……いいえ初めてかしらね」

まどか「ほむらちゃん……」

杏子「おいほむらまどか!お前達からも言ってやってくれよ!」

ほむら「そうね、マミさん杏子は恥ずかしがってるだけみたいよ」

杏子「ほむら!?」

まどか「頑張ってマミさん」

杏子「まどかまで!」

マミ「ふふっ杏子さんたら」

さやか「素直じゃないなぁ」

杏子「だー!うるっさーい!」

ほ・ま・マ・さ「「「「あははははっ」」」」


杏子「たくよぉ、みんなして何が楽しいんだよ」

さやか「ほらほら元気だしなって」

ほむら「そういえばさやか、今日は上条君と何を話したの?」

さやか「ん?まあ大した事じゃないよ、ただ昨日の相談の続きだよ」

ほむら「そう……それならいいのよ」

さやか「それでさぁ、ほむらが元気になってからでいいんだけど、もう一度一緒にお見舞いに行って欲しいんだけど」

私と一緒に?まあ私も上条君に訊きたい事はあるし。

ほむら「……分かったわ、明日位まで様子を見て、そうね日曜日には行けるかしら」

さやか「ん、分かったそれでいいよ」

マミ「あらもうこんな時間ね、そろそろ晩御飯作るわ」スクッ

ほむら「そんな……いえ、ありがとうマミさん」

マミ「ええ、せっかくだからまどかさんとさやかさんも食べていく?」

まどか「じゃあ私お父さんに電話してきます」

さやか「あっ私も」

マミ「じゃあちょっと待っててね」スタスタ

今日はここまでです。
特別な形で仲良くなったこの時間軸、マミさんはほむらともっと仲良くなりたいと思ってますから、呼び方を変えてみましたが、大丈夫ですかね?
今後の大まかな展開は決まっているので、時間さえ取れれば早く書けると思うんですが、とりあえず次回をお待ち下さい。
ではまた。

どうも1です。
前回が4レス分しかなかったので、いささか中途半端な位置で切れてしまいました。
まあ気にしなくてもいいのですが、妙に気になりまして、なので2レス分だけですが、投下してとりあえず切りの良いところまで進めます。



まどか「お父さんがいいよって」

さやか「私も大丈夫」

杏子「じゃあ今日の晩飯は賑やかになるね」

まどか「マミさんの料理が出来るまでどうしようか?」

さやか「うーん……、手伝ってみる?でも邪魔しちゃうかな?」

ほむら『マミさん、さやかが手伝いに行こうかなって、言っているけど?』

マミ『あら大丈夫よ、今日は私の料理をみんなに食べてもらいたいから』

ほむら『分かったわ』

ほむら「さやか、今日はマミさんが手料理を振る舞いたいらしいわ」

さやか「え?ああテレパシーか、それじゃあおとなしく待ってようか」

まどか「そうだね、でも何かして……ん?」キョロキョロ

ほむら「どうかしたのまどか?」

まどか「あの荷物って何?」

杏子「入院中の荷物なんだってよ、片づけるのが面倒なんだと」

さやか「へえー何か意外」

ほむら「仕方ないじゃない、ループの度に同じ物を持って帰るんだし、今の私には必要ない物ばかりなのよ」

まどか「あっじゃあ私が片付けてあげるよ、何もしてないとちょっと悪い気がして」スクッ

さやか「じゃあ私も手伝おうかな、杏子は……知ってたって事は、自分からはしなかったんだね」

杏子「うるせーよ、……ほむらが寝てたのに勝手にやるわけにいかないだろ?」

ほむら「じゃあ杏子に全部任せましょうか」

さやか「そうだね、何かやる気みたいだし」

まどか「えっと、いいのかな?」

杏子「……あーそうだよ!片づける気なんか無かったよ!」

ほ・さ「「ふふふっ」」

まどか「えっとじゃあ片付けてくるね」

ほむら「ありがとうまどか、本棚やタンスに適当に入れてくれればいいから」

まどか「うん分かった」

さやか「私もやるよ、ほらせっかくだから杏子も」スクッ

杏子「分かったよ、ったくめんどくさい」スクッ

何だかすごい状況ね、前回までのループではあり得ない光景だわ。

シタギハココカナ? コレモホンダナニイレテイイノカナ? コレナンダ?

まどかとさやかと杏子が、私の部屋を片付けて、マミさんが晩御飯を作ってくれる、……何だか夢みたいね。

マミ「もうすぐできるわよ」

ま・さ・杏「「「はーい」」」

ほむら「……違うわね、これは夢じゃない、夢になんか絶対にさせない」ボソッ



ほ・ま・さ・杏「「「「ごちそうさま」」」」

マミ「お粗末様」

まどか「美味しかったですマミさん」

さやか「流石ですね、今度教えてもらおうかな?」

マミ「ええ構わないわよ、料理でもお菓子作りでも教えてあげるわ」

まどか「じゃあ私も一緒にいいですか?」

マミ「もちろんよ、ほむらさんや杏子さんはどう?」

杏子「私はそうだな「味見係りね」そうだなっておい!」

ほむら「その時は私も参加させてもらうわ」

マミ「決まりね、じゃあ全部終わったら私の家でやりましょう」

ほむら「ええそうね……、今から楽しみだわ」

本当に楽しみだ、それを実現するためにも、みんなとすごすためにも、絶対にワルプルギスの夜を倒さないと。

まどか「あっもうこんな時間、ごめんねほむらちゃん、私そろそろ帰らないと」

さやか「私もだね、また明日来るからねほむら」

ほむら「今日はありがとう二人共」

マミ「それじゃあ今日も送っていくわ、杏子さんはさやかさんをお願い、ほむらさんはゆっくり休んでてね」

杏子「はいよ、じゃあ行くかさやか」

さやか「うん、じゃあねほむら」

まどか「また明日ねほむらちゃん」

ほむら「ええまた明日」

ガチャバタン

ほむら「……ふう」

みんなが居なくなったとたん、部屋が静かになる、この部屋の本来の姿だ。

ほむら「……少しだけ寂しい感じね」

いつも見慣れたこの部屋、聞き慣れた静寂も、まるで知らない場所の様に感じる。

ほむら「それだけこの時間軸が、……みんなと一緒にいる事が、私にとって大切という事ね」

イレギュラーな時間軸で、イレギュラーな私が手に入れたもの。

ほむら(まどか、さやか、マミさん、杏子、仁美、……それに)

ほむら「上条君……」

今まで諦めていた、みんなとの繋がり、大切な人達との繋がり。

ほむら(……手放したくない、……もう一人は嫌)ギュッ

いくら強がっていても、どれだけ虚勢を張っても、本当の私は変わってなんかいない、今でも弱いままなんだ。

ほむら(でも……、だからこそ)

この時間軸のみんなを、この繋がりを守りたい、強くなくてもいい、カッコ悪くてもいい。

ほむら「絶対に負けない」


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QB「……そろそろかな?魔法少女達に本当の絶望を……」

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とりあえずこれで切りがいいですね、次回はまだ未定ですが、なるべく早く来ます、ではまた次回に。

どうも1です。
眠れなくてちょっと書いていたらもうこんな時間です、とりあえず6レス分書けたので、ついでに投下します。



目を開けるとそこは瓦礫の山だった、辺り一面破壊し尽くされた状態だった。

ほむら(これは夢?ワルプルギスの夜が来た時の……)

ふとどこからか声が聞こえる、どこかで聞いた声だ。

????「---……」

一人の少女が立っている、私のよく知っている少女、体が弱くて勉強も出来ない、気も小さい少女、暁美ほむらが立っていた。

ほむら「昔の私……、いえ本当の私の姿、何も出来なかった頃の私と今の私、中身は何も変わっていないのね」

その時眼鏡を掛けた私が振り返った、私を見て微笑んでいる。

ほむら「……大丈夫よ、私は今度こそ勝ってみせる、絶対に負けない、その微笑みを消させないわ」

めがほむ「きっとできるよ、今のあなたなら」

ほむら「……夢とはいえ、昔の自分に応援されるなんてね」

私がそう言うと、昔の私は困った様な顔をする、だがすぐに元の顔に戻り口を開く。

めがほむ「頑張ってね-----」

ほむら「え?何?」

次の瞬間世界が歪み消えていく、私は思わず手を伸ばした、もう一人の自分に向けて。

ほむら「今何て言って」

だが届かない、その私は消えていった、世界が消え、闇に落ちる。


ほむら「待って!」

私は跳ね起きた、そして思い出す、今のはただの夢だと。

ほむら「……大丈夫……、今回こそループを終わらせるのよ、不安なんて無い」

今の夢が何かの暗示なのか、それとも私の深層心理なのか、それはわからない、だがどちらにせよ私のやる事は変わらない。

ほむら「ワルプルギスの夜を倒して、みんなと一緒に未来を生きるのよ」

その為にも体調を整えなくては、時計を見るとまだ4時過ぎを指していた。

ほむら「……もう一眠りしましょう、……さっきの夢は……」

考えながら眠りに就く、先ほどの夢が何か考えていたが、いつの間にか眠っていた。


ふと目を覚ます、今度は明るくなっている、時計を見れば朝の7時を指している。

ほむら(今度は普通の夢だったわね、まあ魔女退治の夢が普通ならだけど)

体の様子を確認する、しっかり休んだからか、熱もダルさも感じられない、今すぐにでも魔女と戦えるだろう。

ほむら「やっと治ったかしら?まどか達にお礼を言わないとね」

ふと思い出す、マミさんと杏子は昨日泊まっていったのだった、まずは治った事を伝えよう、私はベッドから起き上がった。



マミ「元気になって良かったわ、本当に心配したんだから」

ほむら「ごめんなさいマミさん、でももう大丈夫よ、今日からまた魔女退治のパトロールを再開しましょう」

マミ「ダメよほむらさん、まだ病み上がりなんだから、今日一日は家でゆっくりしててね」

杏子「そうそう、魔女の方は私達に任せとけって、またぶり返したりしたらヤバいだろ?」

ほむら「でも……そうね、分かった今日はおとなしくしてるわ」

マミ「もう少ししたら鹿目さん達も来るし、私達はパトロールに行ってくるわ」

ほむら「私の知識はこの時間軸では役に立たないのよね、魔女が出るか分からないけど、気を付けてね二人共」

マミ「勿論よ、こんな所でリタイアなんて、する訳にはいかないもの」

杏子「私とマミの二人なら心配要らないって」

ほむら「そうよね、頑張ってね」ニコ

マ・杏「「……」」

ほむら「どうかしたの?」

マミ「いや何だか雰囲気が変わったというか」

杏子「変わったのに変わってないというか」

ほむら「よく分からないわね、まあいいわ」

朝ご飯の後に三人で談笑する、しばらくしてまどかとさやかがやって来た、それと入れ替わりでマミさん達がパトロールに出かける。

さやか「でも本当良かったよ、こうしてほむらが元気になって」

まどか「だよね、月曜日は一緒に学校に行こうねほむらちゃん」

ほむら「ええ勿論よ、そういえばさやか、明日はいつ病院に行くのかしら?」

さやか「ん、ああそれね、実は仁美も誘いたかったんだけど、明日は用事があって午後しか無理なんだって、だから2時か3時位にしようかなって」

ほむら「仁美も?分かったわ、じゃあそれについてはまた明日決めましょう」

私とさやか、そして仁美、三人で上条君のお見舞いという事は、この間の続きだろうか?……私の訊きたい事は後回しかしらね。

まどか「この後はどうするの?ほむらちゃんの事があるし、お出かけは出来ないよね?」

さやか「普通にお話ししようよ、まあトランプでもやりながらさ」

ほむら「そうね、そうしましょう」

その後は三人で楽しくすごした、お昼ご飯にはマミさん達も帰ってきて、五人で一緒に食事をした。
やっぱりみんなと一緒にいるだけでとても楽しい。
私の大切な、かけがえのない友人達。



 マミside

お昼ご飯の後は午後のパトロール、魔女の気配は感じられないけど、油断は禁物よね。

杏子「しかし見つからないな、風見野の方も相変わらずみたいだし、どうしたもんかね?」

マミ「まあ魔女はいない方がいいんだけど、全くいないと今度は私達が困る事になるのよね」

杏子「さてと……!……なあマミ」

マミ「ええ分かっているわ」

私達の後方、少し離れた所からこっちを見ている、ソウルジェムは反応していないが、魔力を感じる……つまり。

マミ「別にこちらには敵意は無いわよ、だからちゃんと出てきて欲しいんだけど」

私の呼びかけに応えは無い、どうしたらいいのかしら?少し困っていたら物陰からスッと少女が出てきた。

杏子「ん?あんた確か、隣町の魔法少女だよな?何で見滝原に居るってまあ、私が言うのも変な話しだな」

魔法少女「何故あなた達が一緒に居るのかは知らないけど、それよりも訊きたい事があるの」

マミ「何かしら?」

魔法少女「最近魔女を狩った?」

杏子「見滝原でなら3日前に倒したな、それがどうかしたのか?」

魔法少女「本当!?じゃあ居なくなった訳じゃないのね」

マミ「居なくなるって、魔女がかしら?」

魔法少女「そうよ、私の町ではもう十日ほど、魔女どころか使い魔すら出てない、それで発生率の高い見滝原はどうかと思ったのよ」

杏子「そっちもか?風見野もそんな感じだよ」

魔法少女「やっぱりそうなのね……」

マミ「それでどうするつもりかしら?このまま帰ってくれるのかしら?」

少しだけ強めの口調で告げる、言外に必要なら戦うつもりだと含ませて。

魔法少女「……止めておくわ、流石にあなた達を同時に相手になんて出来ないもの、それに他にも魔法少女がいるって聞いたしね」

そう言って彼女は帰っていく、少し肩すかしをくらったが、戦わずに済むならその方がいい。

杏子「……しかしどうなってんだ?魔女が居なくなった訳じゃ無いだろうし、使い魔すら居ないとなると」

マミ「そうね……、見滝原の魔女の出現タイミング、周りの町の異変……、一体何が起こっているのかしら?」

何かが引っかかる、この異変の中心はまず間違いなく、ここ見滝原だろう、原因も理由も不明だが。

マミ(こんな事ほむらさんも初めてだと言っていた、一体何が起きるというの?)



 ほむらside

今日は結局魔女は見つからなかったらしい、変わりに隣町の魔法少女から情報が聞けたらしいが。

ほむら(話しの内容からして、風見野以外の隣町も、ヘタしたら更に周りの町もかしら?何故か分からないけど、魔女が消えている、明らかに異常な状況よね)

どう考えても普通じゃない、だがこれだけの範囲で、誰にも気づかれずに魔女を狩る事が出来るだろうか?間違いなく無理だ。

ほむら(魔女だけならまだしも、そこらに居るはずの使い魔すら消えている、どう考えてもおかしいわ)

誰が何の為にどうやって魔女を消したのか、分からない……何か見落としがあるのだろうか?それともまだピースが足りないのだろうか?

ほむら(……考えていても仕方ないわね、今日はもう寝ましょう、明日は大変かもしれないのだし)

そうして日曜日になった、午前中はマミさんと杏子と三人でパトロールだ、途中さやかから電話があって、3時にお見舞いに行く事になった。

ほむら「そろそろかしら」

さやか「おーいほむらー」

ほむら「こんにちはさやか、仁美も一緒だったのね」

仁美「お待たせして申し訳ありません、どうしても外せない用事だったので」

ほむら「気にしないでいいわ、私も体調を崩してしまったのだし」

仁美「それは違いますわ、ほむらさんの方は急に体調不良になったのですし」

さやか「まあまあ、何にしても今から行くんだし、細かい事は気にしないほら行こう」

仁美「そうですわね」

ほむら「じゃあ行きましょう」

三人で一緒に病院に向かう、途中他愛もない話しをしつつ、すぐに病院に着いた。

さやか「恭介の奴準備はしてるのかな?」ボソッ

ほむら「?何か言った?さやか」

さやか「ううん何でもない、っと着いた着いた、おーい恭介」ガラッ

恭介「いらっしゃいさやか、ほむらさんと志筑さんも一緒なのかい?」

さやか「うんそうだよ」

仁美「お邪魔しますわ」

ほむら「お見舞いに来たわ」

さやか「それでさぁ、大事な話しがあるんだよ恭介」

恭介「大事な話し?一体何だい?」

さやか「心の準備はいい?仁美」

仁美「ええ大丈夫です、上条君、今日はあなたに聞いて欲しい事があるんです」

恭介「僕に?」

さやか「ねえ恭介、私が恭介の事が好きだって言ったら、どう思う?」



恭介「え?さやか?何を言って」

仁美「上条君、さやかさんは本気ですわ、かく言う私も上条君の事をお慕いしています」

恭介「志筑さん?えっ?これって……、二人共本当に本気なんだよね……、そっか……」

ほむら「……」ズキッ

さやかと仁美が上条君に告白している、仁美はともかくさやかが告白したのは初めてだ、……この状況は何もかも初めてで……。

ほむら(胸が……痛い、苦しくて辛い、だって私は……私も)ズキズキ

恭介「……だとしたらごめんねさやか、あんな事話して、……相談するだけのつもりだったのに、君を傷つけたんだね」

さやか「本当だよ、恭介ったら私の気持ちに全く気付かないんだもん、まあ私もアピールなんかしてなかったけどさ」

仁美「上条君、出来れば今ここで、答えを頂けますか?先延ばしにはしたくないんです」チラッ

ほむら「!……」ズキッ

恭介「……分かったよ、……さやか、志筑さん、……ごめん二人共、僕は二人の気持ちには答えられないんだ、……僕も好きな人がいるから」

……断った、上条君が二人の告白を……。

さやか「……だよね、あーあやっぱり無理かぁ、もしかしたらって思ってたけど、まあ仕方ないよね」アハハッ

仁美「……上条君、ハッキリ言ってくれてありがとうございます、お陰できっちり整理が付けられそうです」

恭介「二人共「待った!」さやか?」

さやか「今恭介は私達の告白を断ったの、私達を振ったの!だから優しくしないで……慰めないでよ、私達なら大丈夫だから」

恭介「……」

さやか「それに恭介にはやる事があるでしょ、大事な事が」チラッ

ほむら「!」

恭介「……分かった、ありがとうさやか」

さやか「ん、こんな美少女二人を振ったんだからね、中途半端な事したらこのさやかちゃんが許さないからね!」ビシッ

恭介「うん分かってる」

さやか「よし……、私達は先に帰るよ、じゃあね恭介、ほむら、行こう仁美」

仁美「ええ……、では失礼しますわ、上条君、ほむらさん」

ガラッバタンッ

ほむら「……私」

上条君は真剣な目をしていた。

恭介「ほむらさん、聞いて欲しい事があるんだ、ずっと言おうとして言えなかったけど……、今言うよ」

ほむら「上条君」

私に向かってまっすぐに。

恭介「暁美ほむらさん、僕はあなたが大好きです、僕と付き合って下さい!」

届いた言葉で、頭が真っ白になりそうだった。



ほむら「本当に私の事が?」

恭介「本当だよ、今まで言い出せなかったけど、僕は君の事がずっと好きだった」

ほむら「ずっと……」

恭介「さやかには悪い事をしちゃったよ、さやかの気持ちも知らずに恋愛相談なんてね」

この間呼び止めていたのはそれね、よりによってさやかに相談するなんて。

恭介「ほむらさんに一目惚れしたって言ってさ、今思えば随分ひどい事をしたって分かったけどね」

……待て、今彼は何と言った?私にナニヲシタと言った?

ほむら「……上条君はいつ私を好きになったの?」

恭介「えっとその、病院の廊下で見かけた時だよ、ただ歩いてるほむらさんを見て、目が合っただけだったけど、その一瞬で僕の心は君で埋まってしまったんだ」

病院で見かけた時、つまり階段で転ぶ前だ。

恭介「それ以来ほむらさんの事が頭から離れなかった、ずっとほむらさんの事を考えていた、そうしたらあの日偶然だったよ。
階段を下りるほむらさんを見つけて、目が合った次の瞬間バランスを崩して、慌てて近寄って助け起こしたんだよ」

そして二人は知り合い。

恭介「怪我も無くて、本当に良かったよ、ついでに名前も聞けたしね、その後話しをするうちにもっと好きになった」

彼はワタシに惹かれていった。

恭介「そして今に至る訳さ、……ほむらさん、返事を訊いてもいいかな?」

ほむら「……少しだけ、考える時間をくれるかしら、明日の学校の後にまた来るから、その時まで待って欲しいの」

恭介「うん分かった、いきなりだったしね、ゆっくり考える時間は必要だよね」

ほむら「……今日はもう帰るわ、また明日ね上条君」

恭介「うんまた明日、待ってるよ」

ほむら「……」

ガラッバタンッ

彼はワタシが好きなのだ、暁美ほむらが、私ではないこの時間軸の暁美ほむらが好きなのだ。

ほむら「……もう居ないワタシ、私じゃないワタシを見ている、彼の目にはワタシが見えている、私ではないワタシを好きになってくれたんだ」

でももうワタシはいない、ここに居るのは私なんだ、私はどうすればいいんだろうか?彼の告白をどうすればいいんだろう?

ほむら「私は何なんだろう?」

ワタシ……、私じゃないワタシは彼をどう思っていたのだろう?……知りたい、ワタシの気持ちを知りたい。

とりあえず以上です。
やはり時間が取れれば一気に進みますね、話しの流れ自体は決まっているので、後は細かい所を詰めて、どれだけ時間を取れるかですね。
とりあえず時間が取れれば、明日の夜、早ければ今日の夜に来れるかもしれません、時間が取れればですが、ではまた。

どうも1です。
時間がある程度取れた上に、筆が進んで6レス分書けましたので投下します、いつもこの位書ければいいんですが。



家に着いても答えは出ない、こんな事まどか達に相談なんて出来ないし、ましてさやかに話せる訳が無い。

ほむら「ワタシの気持ち……、知る方法なんてもう無いのに」

もう二度と分からない、何をしてもそれを知る術は無い、だがこのままでは何も進まない。

ほむら「……私はどうすればいいのかしら?私の気持ちを伝えれば……」

彼は喜んでくれるだろう、だが私はワタシではない、上条君が好きな暁美ほむらではない。

ほむら「私は……私は、……ねえワタシはどうだったの?上条君が好きだったの?それとも仲が良かっただけ?」

その問い掛けに答えは無い、もう彼女の答えを聞く事はできない、ワタシはもう居ないのだから。

ほむら「……彼が見ているのは私じゃない、それでも彼に好きだと言われて、喜んでいる自分がいる」

断る事もせず、こうして悩む位に喜ぶ自分がいるのだ、そんなの偽りだというのに。

ほむら「何かワタシの事が分かればいいのに」

そうすれば決められる、諦める事が出来るのに。

ほむら「私は本当にダメね、肝心な所で弱いまま、諦めるのにすら何か理由を欲しがっている」

さっきからずっと同じ、理由を探して見つからなくて、先に進まない、この部屋もワタシがずっと暮らしていた訳じゃない、全部私の知っている物しかない、答えはここには無い。

ほむら「……ん?」

ふと本棚に目が止まる、見覚えの無い本が一冊、紫色の装丁の日記帳がある。

ほむら「え?日記帳?私あんな日記なんて……!」

そうだ、ここはイレギュラーな時間軸だ、今までの私の知っている時間軸とは違う、何かのきっかけでワタシが日記をつけていてもおかしくない。

ほむら「これがあれば、これを読めば私は……」スッ

これを読めば諦められる、上条君への想いを押し込める事が出来る……、彼への想いを……諦める。

ほむら「本当に弱いのね、さっきまでは諦める理由を探していたのに、今度は諦めない理由を探してる」

だがこれを読まない訳にはいかない、何が書いてあっても読まなければ、先に進めないのだから。
私はゆっくりと日記帳を開いた、予想通りワタシが書いていたものだ、最初の日付はワタシがあの病院に来た翌日のようだ。

○月○日晴れ
昨日この病院に来ました、今日お医者さんから勧められて、日記をつける事になりました、忘れないように頑張ります。



ほむら「やっぱり……、私が知らないのは違う先生だからなのね、日記をつける理由は多分、治療中の精神面のケアか何かね」ペラッ

他人の日記を見るようなものだが、こればかりは仕方ない、私はページを飛ばしながら探す、上条君の名前を。
だがその前に気になる箇所があった、私がループするよりも前、ある日の日記。

○月◇日晴れ
今日はすっごく格好いい男の子を見たの、私と同じ位の年の入院患者さんだけど、車椅子に乗ってたから足が悪いのかな?

車椅子に乗った男の子、同じ位の年、これはまさか……、その日からワタシの日記はその男の子の事でいっぱいだった。
そしてあの日、ワタシが階段から落ちたあの日の日記。

○月△日晴れ
今日は良い事と、悪い事がありました、良い事はあの男の子の名前が分かった事です、彼の名前は「上条恭介君」私と同い年でしかも、見滝原中学の生徒らしいです。
悪い事は階段で転んだ事です、階段を下りる途中で偶然上条君と目が合って、それでドキッとした拍子に足を滑らせてしまいました。
でもそれで上条君と知り合えたし、怪我も無かったから、これも良い事かもしれません、明日も上条君とお話ししてきます、今から楽しみです。

これで確定した、二人は……ワタシと上条君は、元々両想いだったのだ、私がループして来なければ二人はきっと。

ほむら「私が来る前日、これがワタシの最後の日記……」

○月×日曇り
今日も上条君とお話ししました、上条君と一緒だととても楽しいけど、すぐに時間が経ってしまいます。
……この数日ずっと、上条君の事ばかり考えてしまいます、優しい声と笑顔が頭から離れません、……私やっぱりそういう事なんだよね?
……お願いです神様、明日私に勇気を下さい、上条君にあれを渡す勇気を、そしてできるならうまくいきますように。

日記はここで終わっている、この翌日に私がループして来た、だから日記はここまで、ワタシの願いは叶わなかった。

ほむら「……私は、あら?次のページに何か挟まって……!これはまさか……そういう事ね」

ワタシの気持ちは分かった、そして私がするべき事も……。

ほむら「私は……、私がワタシの為に出来る事は……、一つだけね」

ようやく決まった、この日記を読んで決まった、上条君に対する答えが……

ほむら「私は……、私は……」

今日はもう眠れそうに無い。



翌日私は学校に行った、少し赤い目をしたさやかと仁美にしつこく質問されたが、今はまだ話せないと言って引き下がってもらった。

ほむら(今から答えるのだから、それを先に周りに言ってはいけないわよね)

気がつけば上条君の病室の前にいた、どうやって来たか覚えていないが、関係ない……今から私は。

ほむら「……上条君、入ってもいいかしら?」コンコン

恭介「ほむらさん?どうぞ入って」

ほむら「お邪魔します」ガラッバタン

恭介「待ってたよほむらさん、……昨日の答えは出せたかい?」

ほむら「ええちゃんと出してきたわ」

恭介「聞かせてもらえるかな?ほむらさんの答え」

ほむら「……ごめんなさい、私にはあなたと付き合う事は出来ない、あなたと付き合う資格は無いの」

恭介「……そんなの、資格なんて必要ないよ!そんな物無くても「違うの!」え?」

ほむら「そうじゃないのよ、私はあなたに好きになってもらう資格は無い、だって私はあなたの知っている暁美ほむらではないから」

恭介「ほむらさんじゃない?何を言っているの?ほむらさんはほむらさんだよ」

ほむら「違うのよ、私は……今ここにいる暁美ほむらは、あなたの好きになった暁美ほむらじゃないの」

そして私は告げる、残酷な事実を、私の正体を。

ほむら「私が未来から来たって言ったら、あなたは笑うかしら?」

恭介「未来から?」

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ほむら「これが真実よ、私は暁美ほむらだけど、あなたの知っている暁美ほむらとは別人なのよ」

恭介「……ほむらさん」

ほむら「これをあなたに渡しておくわ、この時間軸の暁美ほむらが書いた物よ」スッ

恭介「日記帳と手紙?これは?」

ほむら「日記に目を通してあげて、彼女が何を思っていたのか分かってあげて、そしてその手紙は私も読んでいない、それを読む資格があるのはもう、この世であなただけだから」

恭介「……」

ほむら「それじゃあさようなら上条君、多分もう来ないから、いえ来る訳にはいかないから」ガラッ

恭介「待ってほむらさん!」

バタン

……これでいい、これでいいんだ、私に資格は無い、私の想いを告げる資格なんて無い。

ほむら「さようなら……、私の想い」

さようなら……、上条君。


今日もまた眠れそうに無い、だがワルプルギスの夜は待ってはくれない、無理やりにでも眠らなくては。



 さやかside

昨日の夜恭介から電話がかかってきた、明日学校が終わったら来て欲しいって、変だなって思ったけど、その時は深く考えずにそのまま寝た。
今朝ほむらと会った時、昨日にも増して様子が変だった、ほむらは昨日も恭介に会いに行ったはずだけど、何があったのか話してくれなかった。

さやか(まああんなに憔悴してるのに、しつこく訊けないよね……、何があったんだろう?)

まどか「ほむらちゃん大丈夫かな?今にも倒れそうだよ」

さやか「よく分からないけど、余程の事があったんだろうね、話してくれないって事は、自分からは言い辛い理由があるのかな?」

まどか「ほむらちゃん……」

一昨日恭介はほむらに告白したはずだ、ほむらも恭介の事が好きなはず、なのに昨日今日と様子がおかしい、一体何があったの?

さやか(ほむらからは聞けない、なら恭介から聞くしかない、多分恭介もそのつもりで私を呼んだんだよね……)

何があったのか知らないけど、絶対に良くない事があったんだ、……そんなの認めない、私達の恋がこんな形で終わるなんて絶対に認めない。

さやか(ほむら……、私はほむらのそんな顔なんて見たくないよ……)

結局一日中、ほむらはそのままだった、マミさんにも心配されて、また体調が悪くなったのかって。

さやか(……体調不良じゃない、恭介と何かあって精神的に参っているんだ、何とかしなきゃ、多分私が二人に一番近い位置にいるから、でも私に出来る事はあるのかな?私に何が出来るのかな?)

さやか「……考えてても仕方ないよね、……よしっ、おーい恭介!一体何があったのさ!」ガラッ

恭介「ん?ああさやか、待ってたよ」

さやか「……ほむらと何かあったんだよね?だからほむらがあんなになってるんだよね?……だから恭介がそんなに辛そうな顔してるんだよね?」

恭介も普通の状態じゃなかった、ほむら程じゃないけど辛そうな、苦しそうな顔をしていた。

さやか「私嫌だよ……、こんなの嫌だよ!大好きな幼なじみも!大切な親友も!両想いのはずの二人が!……なんで告白したのにこんな事になってるの?」グスッ

恭介「……ねえさやか、魔法少女って知ってるかい?」

さやか「えっ?何で恭介が」

恭介「昨日ほむらさんから聞いたんだ、そして彼女が僕と付き合えない理由もね」

そう言って恭介は、見覚えのある日記帳と、手紙を握りしめた。



元々両想いだった二人、そして勇気を振り絞って想いを告げようとしたほむら、だがそれは叶わなかった、告白するはずの日にほむらが、魔法少女であるほむらがループしてきたのだ。

さやか「ほむらが来なかったら、二人はとっくに付き合っていた?だからほむらは責任と自己嫌悪であんなに……」

こんなのどうしようも無い、何とかしたいけどこの時間軸のほむらはもういない、そしてほむら自身が自分を許せないのだ。

さやか「こんなのって無いよ……、こんな!……こんなのどうしろっていうのよ……」

周りが何を言ったってほむらは自分を許さないだろう、もし何とかできるとしたら、きっと恭介かこの時間軸のほむらだけだ、……でも。

恭介「もうここには来ないって言ってた、多分僕が退院して学校に行っても、ほむらさんが避けてしまうだろうね」

このままでは恭介の話しを聞いてもらえない、しかしもう一人は、この時間軸のほむらはもういない、現状では完全に手詰まりではないか、ほむら自身が吹っ切る事が出来ない限り、ここから進めない。

さやか「……こんな事になるなんてね、杏子に泣きついて励まされて、せっかく二人を応援しようって、仁美と話してたのにさぁ……」

これでは報われない、私も仁美も恭介も、誰よりもほむら自身が報われないではないか。

恭介「……さやかにこんな事言うと、ひどいって言われそうだけど、……僕はほむらさんが好きだ、だから……このままは嫌なんだ、……絶対に」

さやか「恭介……、そうだよね」

そうだこのまま終わる訳にはいかない、こんなバッドエンドは認めない、さやかちゃんが応援するんだから、ハッピーエンドでないと許さない!

さやか「やろう恭介、なんとしてもほむらともう一度話そう、そしてほむらを自分の気持ちに素直にさせるんだ!私は恭介の幼なじみで、ほむらの親友なんだから!」

恭介「さやか……、ありがとう」

さやか「お礼はまだ早いよ、それはほむらを何とかして、ちゃんと二人が付き合ってから言ってね」

恭介「そうだね、僕も頑張らなくちゃ……?」ググッ

さやか「さてまずは何から始めようか」

恭介「……さやか、ちょっと頼んでもいいかな?」

さやか「ん?」

恭介「持って来て欲しい物があるんだ」ギュッ

さやか「!?……ああそっかアレだね、分かった今から取りに行ってくる」

恭介「ありがとう」

さあ始めよう、今私に出来る事を。



 ほむらside

今日も魔女は居ない、周りと同様見滝原からも、魔女と使い魔が完全に姿を消した。

ほむら「一体何が起こっているの?」

マミ「……」ソワソワ

杏子「落ち着けよマミ、気持ちは分かるけどな」

ほむら「マミさん私は大丈夫よ、本当に大丈夫だから、心配しないでいいわ」

マミ「でもほむらさんが」オロオロ

杏子「はあ……ん?」

QB「やあみんな、ちょうどよかったよ、君達に話しがあるんだ」

杏子「てめえ!のうのうと、一体何の用だよ」チャキッ

QB「ちょっとした忠告さ、明後日ワルプルギスの夜が来る、それを伝えに来たんだよ」

ほむら「明後日!?ワルプルギスの夜まで随分と早く来るのね」

杏子「信じるのかよ!?」

ほむら「コイツは嘘をつかないわ、だからワルプルギスの夜が明後日来るのは間違いない、ただ何の目的でそれを伝えに来たのかしら?」ファサッ

QB「目的かい?そうだね強いて言うなら……、君達に諦めてもらう為かな?」

マミ「どういう事かしら?」

QB「言葉通りの意味だよ、君達だけじゃ絶対にワルプルギスの夜には勝てない、断言するよ」

杏子「てめえ!「待って杏子」ほむら!」

ほむら「何故そんな事が言えるのかしら?こちらは魔法少女が三人、絶対とは限らないんじゃないかしら?」

QB「確かに三人も居れば、普通の魔女なら大丈夫だろうね、でもあのワルプルギスの夜は別だよ、あの魔女だけはね」

マミ「あら三人居ればワルプルギスの夜相手でも何とかなる、そんな風に聞いていたけど、あなたは断言するのね」

QB「今回のワルプルギスの夜だけは別格なのさ、僕の言葉の意味はすぐに分かるよ、ワルプルギスの夜を前にすればね」

杏子「はっどんな奴でも、私達の敵じゃないよ」

QB「……忠告はしたよ、後は君達次第だ、勝ち目の無い相手と、戦うのも逃げ出すのもね」クルッ

ほむら「勝つわ……絶対に」

マミ「……」

杏子「どうしたんだ?」

マミ「いえちょっとね、多分思い過ごしだと思うけど」

杏子「ん?何がだ?」

マミ「ううん何でもないわ、それよりも明後日が決戦なんだから、しっかり体を休めたりして、英気を養いましょう」

ほむら「……そうね、負けられないもの、……絶対に勝たないと」



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QB「人数も何も関係ないよ、君達じゃワルプルギスの夜には勝てないのさ、アレを前に絶望するだけだ」

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とりあえずここまでです。
今日は条件が良かったので、大分進みました、この感じで行ければいいんですが。
一応ですが、後何回かの投下でラストまで行けるかと思います、まあ思わぬシーンが追加されて想定よりも増えるかもしれませんが。
ではまた次回に、このペースが続けばいいですが、流石に無理かな?

どうも1です。
今日も眠れなくて、書いていたらこんな時間です。
とりあえず6レス分書けたので寝る前に投下します。



ほむら「とりあえず私の知る限りはこんな所ね、まあ今回はあまり、当てに出来ないかもしれないけど」

私達はあの後私の家に行き、一緒にワルプルギスの夜の対策会議をしていた。

杏子「結構色々やるんだな、まあ最強の魔女って言うくらいだし、その位はやってくれなきゃな」

マミ「……一筋縄じゃいかなそうね、うまい具合に立ち回らないと、三人でも苦戦しそうね」

ほむら「……加えて言うなら、まだこれ以外にも隠し球があるかもしれないわ、今までまどか抜きで奴を倒した事は無い、それどころか追い詰めるのも……」

杏子「自分が不利になって初めて使う攻撃か、まあ無いとは言えないな」

マミ「やってきそうな攻撃を、ある程度は想定しておいた方が良さそうね」

ほむら「そうね……、あの巨体だし--」


ほむら「こんな所かしら?」

マミ「これ以上は実際にやってみるしかないわね」

杏子「あー腹減った、何か食おうぜ」

ほむら「そうね、じゃあ今日は私が作るわ」

マミ「体は大丈夫?無理はしない方がいいわよ」

ほむら「平気よ、料理するだけだし何でも無いわ」

マミ「そう?じゃあせっかくだしお願いするわね」

ほむら「ええ待ってて」スタスタ

杏子「ほむらって料理できるのか?」

マミ「結構上手なのよ、ループを繰り返した分だけ、ずっと独り暮らしを経験していたんだし」

杏子「嫌でもできるようになるか」

そんな二人の会話をなんとなく聞きながら、簡単な料理を作っていく、明後日の為にしっかりと食べておかないと。

ほむら(明後日に奴が来る、今度こそ勝たないと)

みんなの為にも、自分の為にも、……ワタシの為にも。

ほむら「……」ズキン

胸が痛い……、でもこれは仕方ない事だ、これは私への罰なのだ。

ほむら「明後日……、奴を倒したら……、私は……」

……今は考えるのはよそう、料理に集中して。

ほむら「って危ない、焦がす所だったわね」

野菜炒めをお皿に盛り、他の料理も仕上げる。

ほむら「……これでいいかしらね、二人共できたわよ」

マ・杏「「はーい」」


二人が帰り一人になる、明後日にはワルプルギスの夜が来るのだ、しっかりと休まなくては……。

ほむら(……無理にでも眠らないと、せめて体だけでも治しておく必要が……、いえ考えてはダメ)

夜はまだ長い、ちゃんと眠れるだろうか?私は目を閉じた。



目を開いて見えた物は、暗い空、荒廃した町、そして眼鏡を掛けた私、この間と同じ夢、でも一つだけ違う。

めがほむ「……」

もう一人の私の顔は、悲しみで満ちていた。

めがほむ「……落ち込まないで、苦しまないで」

ほむら「私は……、私はきっと正しい事をしたの、私のせいで……私が来なければ!」

もう一人の私は首を振る、そして悲しみながらも僅かに微笑んだ。

めがほむ「あなたのせいじゃない、あなたが苦しむ事は誰も望んでないんだよ」

ほむら「違う!私は罰を受けるべきなの!私が彼女を……ワタシを消してしまったのだから!」

私は叫ぶ、叫ばずにはいられない、私は許されない事をした、許されてはいけない事をしたのだ。

ほむら「だから……私を許そうとしないで、こんな夢を見て、救われようとしている私を……、お願いだから許さないで」

私はその場に泣き崩れた、この夢は私の心の現れだ、私は心のどこかで自分を許してしまっているのだ、そんな弱い自分が嫌になる。

めがほむ「大丈夫だよ、あなたは弱くなんてない、あなたは私と違って、とっても強くて、とっても格好いいよ」

ほむら「……いいえ、私は弱い……昔と何も変わってない、ずっと弱いまま、自分では何も出来ないのよ」

めがほむ「違うよ」ギュッ

ほむら「!」

いつの間にかもう一人の私が目の前にいた、そして私を優しく抱きしめた。

めがほむ「あなたは弱くなんかない、ずっと一人で……孤独と戦って来た、私よりもずっと長く、とても辛い戦いを続けて来た」

ほむら「……でも、もう無理よ……もう一人に戻れない、私はもう一人では戦えない、この時間軸が眩しすぎて、もう独りの世界には戻れない。
ワタシを消してしまったのに、私はもうここから消える事が出来ない、こんなの不公平よ、ワタシが可哀想じゃない」

めがほむ「大丈夫だよ、全然そんな事無いよ、私は……ワタシはちゃんとここに居るよ」

ほむら「え?」

もう一人の私はすでに満面の笑みを浮かべていた。

めがほむ「ワタシはここに居るから、あなたと一緒に居るから、だからもう自分を責めないで、あなたが悲しいとワタシも悲しいから」

ほむら「ワタシ?あなたは私が消して……何で?」

めがほむ「消えてないよ、あなたが来てからずっと一緒に居たよ、そして誰よりも近くであなたを見ていたよ」

私は再び泣いた、ただただ泣いた、ワタシは黙って頭を撫でてくれた。



どれくらいそうしていただろう?私が再び顔を上げると、ワタシは立ち上がり向こうへ歩き出した。

めがほむ「一緒だから大丈夫、あなたの気持ちはちゃんと分かってるから、ワタシの事は気にしないでいいから」

ほむら「……でも、本来ならあなたが居たはずの場所、私がそこに居る訳にはいかないわ」

例えワタシがいいと言っても、私が手に入れていいモノじゃない。

めがほむ「前に言ってくれたよね?私の微笑みを消させないって、だからその約束を守って欲しいな」

こちらに向き直ったワタシの顔は、少し困ったような感じだった、まるで意地を張る子供を見るような、少し呆れたような顔……。

めがほむ「あなたが悲しいとワタシも悲しいから、だから……ね?」

ほむら「私は……」

ワタシが再び笑顔に戻って、私に告げる。

めがほむ「頑張ってね、ワタシの分もあなたにあげるから、ワタシが一緒に居ることを忘れないで」

そう言ってワタシが手を振る、それと同時に周りが消えていく、世界が変わっていく。

ほむら「ワタシの分も……ね、私に何が出来るかしら?」


 -----

ふと目を覚ます、外はまだ暗い、雨と風の音が少しうるさいがまあいい。

ほむら「今のはただの夢?それとも現実?」

あのワタシは本物なのか?私が作り出した都合のいい幻想ではないのか?
ふとソウルジェムを見ると、とても澄んだ輝きを放っていた。

ほむら「我ながら単純ね、……まずはワルプルギスの夜を何とかしないと」

時計を見ればまだ朝の6時だ、もう少しゆっくりして……!?

ほむら「6時!?こんなに暗いのに?というか雨も風も何なの?」

窓から外を覗けば強めの雨が降っている。

ほむら「どういう事?ワルプルギスの夜が来るのは明日でしょう?何でこんなになっているの?」

慌ててテレビをつける、ちょうど特番をやっていた。

アナウンサー『--です、繰り返してお伝えします、現在見滝原を中心に突如巨大な低気圧が発生し、この影響でかなり激しい雨と強風が発生しています。
また過去のデータに記録が無い程の勢いで低気圧が発達しており、雨と風は今後も強まっていくと思われます。
住民の皆さんは早めに安全な避難場所に--』

何だこれは?今までにこんな事は無かった、前日の時点で既に軽い嵐になっている。

ほむら「これがワルプルギスの夜の前兆なの?だとしたら、今までとは違う……」



私はすぐにマミさんに電話した、マミさんも先程起きてテレビを見ていたらしい。

ほむら「とりあえず私が知る限り、前日の朝にこうなった事は無いわ、もしかしたらいつものワルプルギスの夜よりも、強いかもしれない」

マミ『昨日のQBはこれを言っていたのかしら?普通よりも強いワルプルギスの夜が来るって』

ほむら「かもしれないわ、……いずれにせよ今日は学校は休みでしょうね、この様子じゃ避難所として使うでしょうから」

マミ『どうするのほむらさん、私達も避難所に行く?』

ほむら「……いえ、私の家に来れるかしら?明日の為の準備もあるし、流石にこんな状況になるとは思って無かったから」

マミ『最後のイレギュラーかしらね、……杏子さんと一緒にすぐ行くわ、それからまどかさん達にも伝えないとね』

ほむら「……私が電話をしておくわ、マミさん達はなるべく早く私の家に」

マミ『分かったわ、それじゃあまた後でね』プツ

マミさんと杏子はこれでいいだろう、後はまどかとさやかに伝えなければ。

ほむら「まずはまどかに」ピップルルルルプルルルルガチャ

まどか『もしもしほむらちゃん?これってまさか』

ほむら「ええそう、ワルプルギスの夜の影響よ、本体は明日出るらしいのだけど、その前兆が今の状況よ」

まどか『こんなにすごいのに、まだ前兆なの?』

ほむら「明日にはきっと、更に強くなるはずよ、まどかも家族と一緒に、なるべく早く避難所に行って」

まどか『うん分かった、ほむらちゃんも急いで避難してね』

ほむら「……私は行かないわ、奴と戦う準備をしないといけないから、でも大丈夫よ絶対にワルプルギスの夜を倒すから」

まどか『ほむらちゃん……分かった、気をつけてね』プツ

ほむら「……次はさやかね」ピップルルルルプルルガチャ

さやか『ほむら?この雨とかってやっぱり』

ほむら「ええワルプルギスの夜よ、あなたも早く避難所に行って、まどかも行くはずだから」

さやか『……ほむらは戦うんだよね?避難所には来ないの?』

ほむら「準備をしないといけないから、ワルプルギスの夜に勝つ為に」

さやか『……何だか少し元気になってるね、じゃあ気をつけてね、絶対に無事に帰って来てね、それでほむらに言わなきゃいけない事があるから、ちゃんと聞きに来てね』

ほむら「分かったわ、じゃあねさやか」ピッ

さて準備を始めましょう、絶対に勝つ為に。



雨も風もどんどん強くなる、私の家は大丈夫か少し不安になる。

ほむら「準備は何とか終わったけど、この嵐はどこまで強くなるのかしら?」

マミ「今の時点で既に、大型の台風レベルよね、どうなるのか予想がつかないわね」

杏子「まあ私達には関係無いけどな、嵐だろうが何だろうが、戦う事に変わりは無いよ」

ほむら「……一応訊いておくわ、二人共逃げはしないのかしら?」

魔女が出なくなった事で、グリーフシードもあまり余裕はない、負けるつもりは無いが、かなり危険な戦いなのは確かだ。

マミ「勿論よ、私はほむらさんと一緒に戦うわ、私は見滝原を守る正義の魔法少女だもの」フフッ

杏子「私も逃げないよ、ワルプルギスの夜と戦うまで……いや、奴を倒すまで一緒にいるさ」ニヤリ

ほむら「……二人共ありがとう、今日はもう寝ましょう、明日の決戦に備えてね」

マミ「そうね、おやすみなさいほむらさん、杏子さん」

杏子「ああおやすみ二人共」

ほむら「おやすみなさいマミさん、杏子」

いよいよだ、明日は決戦……絶対に負けられない、奴を倒して先に進むんだ。



 -----

QB「いよいよだよ暁美ほむら、君達にも本当の絶望を見せてあげるよ、このワルプルギスの夜でね」

 -----


嵐はどんどん強くなる、そしてとてつもない魔力を感じる、明らかにいつもよりも強大なそれは、どこまでも強くなる。

ほむら(何なの?いくら何でもこれはおかしいわ、同じワルプルギスの夜なのに、ここまで変わるものなの?)

マミ「とてつもないプレッシャーね、まだ出現すらしていないのに」

杏子「はっ、その分燃えるってもんさ」

ほむら「……いつもならもうすぐよ、もうそろそろっ!?」

マミ「これは!?」

杏子「来たか!?」

突如膨れ上がるプレッシャー、始まるカウントダウン、そして私達の前にワルプルギスの夜が、……“本当の絶望”が姿を現した。


 -----

まどか「ほむらちゃん達大丈夫だよね?」

QB「無理だよ」

まどか「え?QB?いつの間に?」

QB「あの三人ではこのワルプルギスの夜は倒せない、絶対に勝てないんだよ」

まどか「どういう事?」

QB「簡単な話しだよ、今回のワルプルギスの夜は普通じゃない、それだけの事さ」

まどか「普通じゃない?どういう意味?」

QB「彼女達には忠告はしたよ、絶対に勝てないってね」


 -----



おかしい、カウントダウン自体はいつもの事だ、だがいつものそれとは少し違う。

Ⅴ……Ⅳ……Ⅲ……Ⅱ……Ⅰ

カウントダウンが終わり、奴が現れる、そして私は凍りついた。

杏子「なんてデカさだよ!しかも魔力のプレッシャーが尋常じゃねえぞ!?」

マミ「ほむらさんはこんなのと何度も?……でも何だか聞いていたのとは、ちょっと違うような?」

ほむら「違う……あんなの知らない」

マミ「え?」

杏子「おいほむら、知らないってどういう事だ?」

ほむら「あれは私の知ってるワルプルギスの夜じゃない、あんなの見たこと無い、……あんな……あんなの」

ワルプルギスの夜、幾度となく戦ってきた相手、そして今回こそ倒すつもりだった、……でも、アレは何だ?

ほむら「私の知ってるワルプルギスの夜はあんな姿じゃない、あいつはあんな杖を持ってはいなかった。
全身にあんな角は生えていなかった、背中にあんな翼はついてなかった!
……こんなにも、桁違いの魔力を放ってはいなかった」

マ・杏「「なっ!?」」

今私達の前にいるアレは、間違いなくワルプルギスの夜だ、……だが今までとは全く姿が違う。
両手にそれぞれ、色とりどりの宝石が付いた杖を持ち、全身の至る所から、無数の様々な色の角を生やし、背中に色も形も違う、三対の翼を生やしている。

ほむら「今までの奴とは違う、感じる魔力が……文字通り桁が違う」

何度も戦ってきた私だから分かる、このバケモノは全く違う、もはやワルプルギスの夜と呼ぶべきではない、それ程までにこいつは尋常じゃない。

杏子「どういう事だよ?いくらイレギュラーって言ったって、程があるだろ!」

マミ「とりあえず作戦通りに」

マミさんがそう言った瞬間、無数の角の内、黒い角が光り出し、地面に伸びて突き刺さった、そして周囲を円形に黒く染めていく。

ほむら「離れて!」

嫌な予感がして咄嗟に叫び、距離を取る、……次の瞬間黒い円から無数の棘が伸びてきて、私達の居た場所を貫いた。

ほむら「なっ!?今のは」

杏子「何だよ!あんなの聞いてないぞほむら!」

ほむら「何でアイツがあの攻撃を使えるの?」

マミ「どういう事?」

今の攻撃を私は知っている、今の攻撃は……。

ほむら「今の攻撃は、あいつの……影の魔女の攻撃、ワルプルギスの夜じゃない、別の魔女の物よ」

それを聞いて、マミさんと杏子の顔も凍りついた。

とりあえずここまでです。
やっとワルプルギスの夜まで来ました、ここまで時間がかかりましたが、やっと出せました、本当の絶望こと、強化ワルプルギスの夜さんです。
まあ次回どうなるか、予想したりしながらお待ち下さい、ではまた。

どうも1です。
時間が多少空いたので、4レス程投下します、しかし眠い、結局眠れずに朝まで書いてました。
では今から投下します。



杏子「一体どういう事だ?何で別の魔女の攻撃なんか使うんだよ!」

ほむら「分からないわ!ただとても嫌な予感がする」

さっきの攻撃もそうだが、もう一つ気にかかる事がある、ワルプルギスの夜の最大の特徴でもある、あの高笑いをまだ聞いていない。

ほむら「とにかくいつものワルプルギスの夜とは違いすぎるわ!次は何を出してくるか」

マミ「見て!また角が光ったわ!」

慌てて見ると、白っぽい水色の角が光っている、次の瞬間角の周りにいくつもの氷柱が現れ、私達目掛け飛んでくる。

マミ「ほむらさんこれは?」

ほむら「知らないわ、こんな攻撃は見た事が無い」

全て避けたと思えば再び角が光る、今度は紫色の角から毒々しい色の液体が、杏子に向けて噴出する。

杏子「こんなの避けてって、地面が溶けやがったぞ!?」

どうやら今のは強力な酸の様だ、コイツは一体どれだけの攻撃法を持っているのか。

マミ「……まさか……でもそれなら」

杏子「おいどうしたマミ」

ほむら「来るわよ!」

今度は杖の宝石が光る、茶色の宝石から巨大なミミズのようなモノが現れ、私達を襲う。

ほむら「こんなに沢山の攻撃を、一体……ん?沢山?……まさか!?」

マミ「多分その通りよ、そう考えれば全部説明がつくわ」

杏子「何だよ!説明してくれよ!くっこのぉっ」ズバッ

ほむら「一旦物陰に隠れましょう、説明はそこでするわ」

次々と光り出す角や宝石、その度に繰り出される数々の攻撃、それは正に魔女のお祭り、ワルプルギスの夜と呼ぶに相応しいだろう、私達は何とかそれをやり過ごし、ビルの陰に隠れた。

杏子「あーくそっ、何なんだよあいつは」

杏子は気づいていないが、私とマミさんはアイツの正体が分かってきた、アイツ……いやアイツ等と呼ぶべきか。

ほむら「あれはワルプルギスの夜であって、ワルプルギスの夜ではないわ」

杏子「は?何だよそれ」

マミ「あれはワルプルギスの夜が、パワーアップしてるのよ」

ほむら「他の魔女を取り込む事でね」

杏子「なっ!?」

ほむら「さっきから角や宝石が一つ光る度に一つ攻撃をしてくる、あれは角一つにつき魔女一体分の力、そういうことじゃないかしら」

杏子「はあ!?ちょっと待てよ?角一つで魔女一体って、見える範囲だけでも30本以上はあるぞ!?どうやってそんなに」

マミ「……QBよ」

杏子「!?」



ほむら「アイツが集めたのよ、魔女を直接か或いはグリーフシードを、そんな事が出来るのも、それで得をするのもアイツくらいよ」

マミ「杏子さんの居た風見野、そしてこの間の魔法少女の町、そんな見滝原周辺で出現するはずだった魔女達を集めたのよ」

杏子「それをワルプルギスの夜が取り込んだのかよ、何て無茶しやがる」

ほむら「この間の言葉、今回のワルプルギスの夜と言っていた、つまりあのインキュベーターはこう言っていたのよ。
僕が強化したワルプルギスの夜には絶対に勝てないってね」

杏子「あの野郎一体どこまで行って集めてきたんだか」

ほむら「そうね……、見えてる角が30本、反対にもおそらく30本、翼が3つで、宝石がざっと40個、合わせて103体って所かしら?」

マミ「隣町どころか、県内の全ての魔女を集めてきたのかしらね」

杏子「おいおい……、どんだけ豪勢な魔女退治だよ」

インキュベーター……、今回は殆ど見かけないと思ったら、まさかこんな事をしてたなんて。

ほむら「いえ……、もしかしたらあれがあの魔女の本来の姿なのかしらね、舞台装置の魔女……演目はワルプルギスの夜(魔女達の祝宴)」

マミ「確かに出来すぎね」

杏子「で?あんなバケモノとどう戦う?」

この冗談のような光景、いつも以上のバケモノだ、だがアイツはあくまでも舞台装置、だとしたら。

ほむら「確かにまともに戦っても勝ち目は薄いでしょうね、でも本体はあくまで舞台装置、他の魔女はその舞台で踊っているだけよ」

マミ「つまり本体さえ倒せれば」

杏子「まとめて倒せるって訳か」

どれほどキツい相手でも関係ない。

ほむら「逃げるつもりも、負けるつもりも無いわ」

それぞれ武器を構え、一つ頷く。

ほ・マ・杏「「「必ず倒してみせる!」」」


 -----

QB「彼女達がどれだけ頑張っても無駄さ、あのワルプルギスの夜には勝てない、……でもまどか、君なら別だ……、君ならアレを倒す事が出来るよ」

まどか「わ、私は……魔法少女には……」

QB「みんなを助けたいだろう?じゃあ簡単さそう願えばいい」

まどか「わた……私、あっ……私っ」

QB「さあまどか、僕と契約して魔法少女になってよ」

 -----



有り得ない、こんなの……こんなバケモノ。

ほむら「これでどう?」バシュシュン

マミ「ティロ・フィナーレ」ズドオォン

杏子「この!邪魔すんな!」ズバッ

あれから攻撃を繰り返しているが、全く効いていない。

マミ「くっまたあの膜が、あれのせいで攻撃が届かない」

ほむら「魔力を遮断する膜、そして並の物理攻撃ではビクともしない本体、想像以上に厄介な組み合わせね」

金色の宝石から放たれる膜は、魔力を遮断してしまう、マミさんのティロ・フィナーレですら、ライフル程度の威力にまで軽減されてしまう。
かといって私の通常兵器では、ワルプルギスの夜に有効打を与え辛い。

杏子「くっキリがないぜ!」ギギィン

杏子は防戦一方、矢継ぎ早に繰り出される攻撃に加え、その多くが遠距離攻撃である、近~中距離戦闘がメインの杏子は近づく事がまず難しい。
遠距離戦闘がメインの私達もあの膜と、本体の単純な防御力に阻まれ、まともにダメージが通らない。

マミ「でも少し分かってきたわ、まず一度出した攻撃はすぐには出してこない、あの膜も同じね、何回かは防がれないで届いてる」

ほむら「それにあれ以外に防御の力は無いみたいね、まあ素の防御力が既に出鱈目だけど」

杏子「一度に出せる数も5つまでみたいだな、まあキツい事には変わりないけどさ!」ギィン

ほむら「恐らく舞台の上限ね、一度に出れるのは5人までで、一度引っ込んでから次の出番を待っているのよ」

マミ「流石に100体全部が相手じゃなくて助かったわ、それに……ティロ・フィナーレ!」ズドオォン

膜が引っ込むタイミングに合わせて、マミさんが大技を決める。

マミ「個々の動きは単調で、普通の魔女よりも対処し易いわね」

ほむら「あくまでも舞台の演目という事ね、予め決められた最低限の動きしかしないんだわ、魔力を感知したら膜を張る、敵に狙いを付けて放つ、ただそれだけ」

確かに普通のワルプルギスの夜よりも強い、だが戦いやすくもある、何とか突破口を見つけられれば……。

ほむら「負けられない、絶対に負けない!あなたを倒さないと先に進めないのだから!」カチッ

時間を停止させ一気に距離を詰める、金色の宝石の周りに爆弾を仕掛け離れる。

ほむら「食らいなさい!」カチッ

ドドドオォォン

爆煙が晴れると宝石はまだそこにあった、あの程度ではダメという事か。



杏子「これでもくらえ!」ズガァッ

マミ「これでどう?」ズダダダン

ほむら「いい感じ、このまま行ければ」

ある程度パターンを掴めば、戦いはそれ程キツくは無い、だが普通のワルプルギスの夜以上に頑丈に思えるコイツは、全くダメージが見えない。

マミ「ほむらさん!ソウルジェムは大丈夫?」

ほむら「ええ大丈夫よ、まだいけるわ」

あの夢のおかげか、私の精神状態がいいのか、ソウルジェムの濁りがいつもよりも少ない、これはワタシに感謝である。

杏子「しかし本当に頑丈だな、ダメージがあるのか分かりゃしねえ」

確かに目安が無い以上、全く分からない、何か分かりやすい物は……!?

ワルプルギスの夜「……」ジロリ ニヤリ

こちらを見た?しかも笑った?いつもなら気にも留めないのに、確かに今こちらを見て笑った。

ほむら「何?何なの?」

ワルプルギスの夜「……キャハッ、キャハハハッ」

来た!今まで何度も聴いてきた高笑い、いつもは常に響かせていたのに、何か理由があるの?

キャハハハハッキャハハハハッキャハハハハッハハッ

マミ「見て!角が光って」

杏子「ちいっやっと本気になったのかよ」

今までは5つしか光らなかった、だが高笑いを始めると共に、一度に10本光り出した。

ほむら「単純計算で2倍の手数ってわけね、でもその位」

その時水色の角と紫色の角が伸び、先端がくっ付いた。

杏子「何だ?」

次の瞬間氷柱が現れ、酸の塊を纏いだした。

マミ「まさか……、合体攻撃?」

そして酸を噴射しながら、氷柱がこちらに飛んで来た。

ほむら「くっ」カチッ

時間停止を使い二人を掴んで回避する、あの攻撃は危険だ、スピードも酸のかかる範囲も格段に上がっている。

マミ「ありがとうほむらさん、それにしてもあんな隠し球があったなんて」

杏子「厄介なのはあの酸と、影の攻撃、あとはあのミミズか?」

ほむら「その辺りが組み合わさらない事を祈るわ」

2体の魔女の合体攻撃、今までそんな物は見た事が無い、基本的に魔女は自分の結界に閉じこもっている為に、他の魔女と同時に現れる事は無い、だからこそ普通は有り得ないはずの攻撃なのだ。
ほむら「くっ、負ける訳にはいかないのに」

この合体攻撃によって、どの攻撃も油断が命取りになる可能性がある。

マミ「正念場ね……」

杏子「はっ上等」

ほむら「行くわよ!」

とりあえず今はここまで。
続きは夜に書きます、投下は明日かな?ではまた次回。

どうも1です。
書いてみたら思ったよりも短かったんですが、キリがいいので3レスだけ投下します。



 -----

QB「やれやれ……、君達の考える事は本当によく分からないな、今更何をしても無駄なのに」スタスタ

QB「まあ見届けさせて貰うよ、君達の選択を、君達の結末を」

 -----

流石に厳しくなってきた、ただでさえダメージが通っていたか怪しいのに、あの合体攻撃のせいで更に攻撃の手数が減ってしまった。

マミ「不味いわね、もうグリーフシードも底をつくっていうのに」

杏子「しぶとすぎるぜアイツ」

ほむら「何かないの?この状況をどうにか出来る物」

このままではジリ貧もいいところだ、何かでこの状況を打破しない限り、私達に勝ち目は無いだろう。

ほむら「いえ……そんなこと無い、勝てるはずよ!今回こそお前を倒す!」ドドドオォォン

杏子「しつこいんだよ!この野郎!」ズバァッ

マミ「ティロ・フィナーレ!」ズドオォン

三人の攻撃が一斉に直撃する、だが奴は平然としている、まるでダメージなど無いかのように。

マミ「くっこれでもダメなの?」

杏子「もうグリーフシードも無くなっちまったぞ!?」

ほむら「ここまで来て、アイツさえ倒せれば終わるのに!」

グリーフシードも魔力も底を尽き、私の重火器も数える程しか残ってない、……もう打つ手が無い。

ほむら「嫌……嫌よ、もう繰り返したくない、もうみんなと離れたくない!どうして……どうして倒せないの!?」

……その時、何かが耳に届いた、優しくて透き通るような音、暖かい何かが私を包んでいる様な感覚。

ほむら「え?何?この音は?」

~~~-~-~~-♪

この戦場には場違いな、明るく穏やかなバイオリンの音が聴こえる。

ほむら「!バイオリン!?まさか!」

辺りを見渡す、すると私達の後方、小さなビルの屋上に人影が見える。
一人は車椅子を持つまどか、一人は体を支えるさやか、そして……。

ほむら「何で?何で上条君がここに居るの!?」

体をさやかに支えられ、右手でバイオリンを構え、左手に持った弓で必死に演奏する、上条恭介がそこに居た。

杏子「あいつ等何やってんだ?早く逃げろ!ってん?」

マミ「あら?これは?」

優しくて暖かい音色、とても安らぐ心地よい演奏、まるで彼の思いが直接伝わってくる様な感じだ。

【頑張って……信じてるから】

そんな思いが伝わってくる様な、心のこもった演奏だった。



だがそんな演奏も、雑音にしか感じられない者も居る。

ワルプルギスの夜「キャハッキャハハハッキャハハハハハハッ」

ワルプルギスの夜にとっては、耳障りな音でしかないのだろう、その視線が上条君を捉える、そして翼がはためき、近くにあったビルを、上条君めがけて弾き飛ばした。

ほむら「ダメ!させない!」カチッ

咄嗟に時間停止を使う、あのビルを吹き飛ばさないとまどかがさやかが、上条君が死んでしまう。

ほむら「させない!みんなは私が護る!」ズダダダン

残った重火器と爆弾を全て使いビルを吹き飛ばす、だが……。

ほむら(ダメ……これじゃあまだ破片が飛んでいく、全てを防ぐにはもう武器が足りない)

こうなったら自分の体を盾にしてでも、三人を護る、護ってみせる!そう思った瞬間。

マミ「大丈夫よほむらさん」

杏子「後は私達に任せな!」

停止した時間の中で、二人の声がした、そしてビルの破片全てを吹き飛ばした。

ほむら「どういう事?二人共私に触ってないのに」

そこまで言って気付いた、時間停止中にも関わらず、私達を優しく包む音色がある事を。

ほむら「上条君?何で?どういう事?」

時間停止を解くと、ワルプルギスの夜の高笑いが戻ってきた。

マミ「そうね……多分だけど」

マミさんが仮説を立てる。

 -----

QB「おっと危な……あれ?今こっちにビルが飛んで来ていたのに、ああそうか暁美ほむらの時間停止か、しかしまだ爆弾が残っていたのか」

まどか「違うよQB」

QB「ん?違う?」

さやか「ビルを吹き飛ばしたのはほむらだけど、残った破片を片付けたのは、マミさんと杏子だよ」

QB「?何でそんな事が分かるんだい?」

まどか「見えてたからだよQB」

さやか「止まった時間の中で、あの三人が私達を助けてくれたのがね」

QB「訳が分からないよ」

恭介「……ほむらさん」

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マミ「この演奏じゃないかしら?音楽は人の心を繋げてくれる、人の心を癒やしてくれる、そしてこの演奏がほむらさんと、私達全員の心を繋げてくれた、だから離れていても一緒に動けたのよ」

ほむら「そんな事……、いえあってもおかしくないわね、そんな奇跡があっても」

杏子「いいねこの音、心が軽くなる、今なら全開で戦えそうだぜ」

ふと自分のソウルジェムを見る、今まで見た事が無いほどに強い輝きを放っていた。



魔力の源のソウルジェムは魂、つまり心がその力の根源だ、上条君の演奏で心を繋げ、魔力も回復した、後は奴を倒すだけだ。

ワルプルギスの夜「キャハッキャハハハッキャハハハハハハッ」

アイツは狂った様に笑い続ける、まるで壊れたラジオか何かみたいに。

ほむら「……大丈夫よ、アナタの苦しみもここで、私の繰り返した因果の全てと一緒に、終わらせてあげるわ」カチッ

時間停止を使う、そしてマミさんと杏子を見る。

マミ「さあ、これで終わらせましょう?」

そう言っていつもよりも、更に巨大な大砲を作り出す。

杏子「一気に決めてやるよ!」

そう言って槍を地面に突き立てる、すると地面から何本もの巨大な槍が現れる。

ほむら「感じるわまどか、あなたの魔力を、どうすればいいのかも分かる」

左手に魔力を集中する、私がイメージするのは弓、まどかと同じ形で、色だけが紫色の弓を生み出す。


まどか「マミさん!」

マミ「ティロ・フィナーレ!」


さやか「杏子!」

杏子「くらえぇぇぇっ!」


恭介「ほむらさん!」

ほむら「これで終わりよ!」


巨大な弾丸が人形の部分を吹き飛ばし、幾本もの槍が貫き縫い止める、そして放たれた直後に巨大化した矢が舞台装置を、ワルプルギスの夜の本体である歯車を貫いた。

ほむら「さよならワルプルギスの夜」

そして絶望は消え、希望の空が広がった。

『おめでとう』

どこかからそんな声が聞こえた気がした。

ほむら「ありがとう」

こうして私の戦いは終わった。

とりあえずここまでです。
この先はエンディングなんですが、一気に投下するつもりなので、次回で最後になるかと思います。
一応回収できる伏線は全て回収したつもりですが、見落としや気になった箇所がありましたら、自由に指摘及び質問して下さい。
ではまた次回、エンディングパートで。

どうも1です。
たった今最後まで書き終わりました。
とりあえず今から投下します。



ワルプルギスの夜が消えると同時に、空から大量のグリーフシードが降り注ぐ。

杏子「すごいなこりゃ、多すぎて有り難みが無いぜ」

マミ「一体幾つあるのかしら?私達だけじゃ使い切れそうにないわね」

こんなにあっては総数が分からない、拾い忘れて魔女になられても困るのだが。

ほむら「どれがどの魔女かしら?せめてワルプルギスの夜だけでも回収して、隔離しておきたいのだけれど」

アイツだけは確実に確保しなくては、もう二度と戦いたくは無い。

杏子「そうは言ってもなぁ、この数じゃ……ん?」

グリーフシードを眺めていると、一つだけ他の物よりも大きく、言いようの無い威圧感を放つのがあった。

マミ「恐らくあれがそうね、あれをしっかり回収して、他のグリーフシードは……、近場の魔法少女にでも分けるのがいいかしら?」

杏子「そんなのもったいない……、いやまあ流石にあんなには要らないか」

ほむら「QBのせいで魔女が居なくなっていたのなら、みんなグリーフシードが足りなくなっているでしょうね」

どこまで魔女を集めに行ったのか、後で問いただしておこう。

マミ「グリーフシードを回収して、とりあえずまどかさん達の所に行きましょう」

杏子「だな、しかしあいつ等、危ないから来るなって言ったのに」

マミ「でもまどかさん達が来なかったら、多分勝てなかったわ、あのQBが絶対勝てないと、断言する位だしね」

杏子「私達の実力や、相性何かを見て確実に勝てる強さ……か、まあ確かにかなり厳しかったな」

ほむら「逆に言えば、もうどんな魔女を相手にしても負けないわ、アイツよりも強い魔女なんて、存在する訳がないもの」

まあまどかが魔女になったら、あれ以上の強さなんだけど。

杏子「まあな……、しかし本当にいくつあるんだ?こんなに持ちきれねえよ」

マミ「ねえほむらさん、お願いしてもいいかしら?」

ほむら「ええ、私の盾に全部しまってちょうだい」グイッ

私が盾を開くと、杏子とマミさんがグリーフシードを片っ端から放り込んでいく。

マミ「これで最後ね、じゃあ改めてまどかさん達の所に行きましょう」

杏子「まったく……、軽く叱ってやらないとな」

ほむら「……そうね」

まどか、さやか、そして上条君、……一体どんな顔で会えばいいのかしら?

ほむら(でも逃げる訳にはいかないわよね)



 -----

QB「そんな馬鹿な、あのワルプルギスの夜が負けるなんて、一体何が起こったっていうんだ?」

まどか「今のはね、人の感情が、想いが起こした奇跡だよ」

QB「人間にこんな力が?訳が分からないよ」

さやか「大丈夫恭介?左手おかしくなってない?」

恭介「うん大丈夫みたいだ、ほとんどぶっつけ本番だったけど、思ってたよりは上手く弾けたしね」

QB「……人間の音楽にこんな力があるなんて、僕達には理解できないよ」

 -----

まどか「私は……私「まどかを魔法少女になんてさせないよ」え?さやかちゃん?それに上条君まで」

さやか「まどかが契約する必要なんてないよ、ほむら達は絶対に負けないから」

QB「どういう事だい?ワルプルギスの夜相手に、何か勝算でもあるのかな?」

さやか「勿論だよ!ね?恭介」

恭介「え?勿論って何がだい?」

さやか「そうだった恭介にはQBが見えないんだった」

まどか「えっと勝算があるのかって」

恭介「ああそうか、勝算ならあるよ、まあ僕が自分で言うと、ちょっとあれだけど」

さやか「QBにも見せてあげるよ、バイオリンの力……音楽の奇跡ってやつをね」

恭介「いやさやか、流石にそこまで言われると」

さやか「恭介なら大丈夫だって、だからまどかも契約なんてしないで、私達と一緒に来てよ」

まどか「さやかちゃん……、分かった!私もさやかちゃんと上条君を信じるよ!」

さやか「よし!じゃあ行こうか、ほむら達の所に」キュラキュラ

まどか「でも上条君は大丈夫なの?」スタスタ

恭介「多分大丈夫……かな」キュラキュラ


QB「……音楽の力か、それが君達の選択なんだね……」

 -----

QB「……音楽の力か、これを理解して、上手く使えばもっと効率的に、感情エネルギーを集められるかもしれないな」

まどか「そんな風に考えてる間は、理解なんてできないんじゃないかな?」

QB「そうかい?……それは残念だな、一気にエネルギーを集めるチャンスなんだけどなぁ」

さやか「おっ?ほむら達がこっちに来るよ!おーいほむらー!マミさん!杏子!」

まどか「お疲れ様ー!」

QB「……まずは聴く所から始めてみようかな、理解できるかは分からないけど、まあやってみて損は無いしね」

……音楽か……、少しだけ興味がわいたよ。

 -----



マミ「まどかさん、さやかさん、それと……あなたが上条君ね、さやかさん達から話しは聞いてるわ」

杏子「さっきの曲、なかなかよかったぜ」

恭介「ありがとうございます、えっと巴先輩と佐倉さんだよね?」

さやか「そうそう」

ほむら「……まどか、さやか、上条君」ジー

ま・さ・恭「「「えっと」」」

ほむら「何でここに来たの!?ここは危険だからって、来ちゃダメだって言ったでしょ?」

まどか「あの……その……、やっぱり少し不安で、QBはほむらちゃん達が負けるって言うし」マドマド

さやか「まどかを連れてきたのは私だよほむら、だからまどかの分も私を叱ってよ」

ほむら「む……まあ二人を叱るのは後にして、何故上条君を連れて来たの?ただでさえ危険なのに、彼は魔女を見る事すら出来ないのよ!?」

恭介「待ってよほむらさん、さやか達は悪くないんだ、ここに来るって言ったのは、僕の方なんだ」

ほむら「だからって連れて来るのはダメよ!何かあったらどうするつもりだったの?」

恭介「そんな心配はしてなかったよ」

ほむら「なっ!?」

恭介「ほむらさんを信じていたから、絶対に大丈夫だって」

ほむら「むう……」

そんな風に言われたら、怒れないじゃない。
私以上に、ここに居る誰よりも、私の事を信じてくれたのだとしたら、怒る訳にいかないもの。

恭介「僕は約束を守っただけだよ」

ほむら「約束?……あっ」

私と上条君の約束……、確かに約束したと言えなくもないけど。

恭介「僕の腕が治ったら、ほむらさんに演奏を聴いてもらう、さやかや鹿目さんも一緒にね」

ほむら「……馬鹿ね、何もこんな時にこんな場所でなくても」

恭介「そうかな?僕の目には危ない物なんて映らなかったよ」

ほむら「あなたには見えなかっただけよ」

恭介「僕の目に映ったのは、とてもかっこいい、ほむらさんの姿だけだよ」

ほむら「なっ!?何よそんなの」カァァ

いきなり何よ!そんなの……、嬉しくなっちゃうじゃない。

さやか「おおー、ほむらが照れてる照れてる」

マミ「ほむらさんって、突然の事に意外と弱いわよね」クスクス

ま・杏「「アハハ」」

ほむら「覚えてなさいよあなた達」

恭介「……ねえほむらさん、この間の答え……、僕の告白の答えをもう一度聞かせてくれないかな?今度はちゃんと、ほむらさん自身の答えを」

ほむら「……私は」



ほむら「……ごめんなさい、私やっぱり……」

ワタシには悪いけど、……いえ悪いと思うからこそ。

ほむら「あなたの気持ちには「ほむらちゃん!」まどか?」

まどか「聞いてほむらちゃん、私の気持ち」

ほむら「まどかの?」

まどか「ほむらちゃんは今までずっと、私を助ける為に頑張ってきたんだよね?とっても長い間私の幸せを願ってくれたんだよね?」

ほむら「ええそうよ」

まどかを救う、私の最初の願いとは少し違うけど、成し遂げるべき目標、そして私のたった一つの道標。

まどか「それはたった今かなったよね?私は契約していない、ワルプルギスの夜も倒した、だからもう……ほむらちゃんはループなんてしなくていいんだよね?」

ほむら「……そうね、私やったのね、ついにあなたを守り抜いた、やっとあなたを救う事ができた」

これでもうループなんてしない、やっと先に進める、この時間軸の……大切な仲間と一緒に。

まどか「でもねほむらちゃん、このままじゃ私はまだ幸せになんてなれないよ?」

ほむら「え?」

まどか「私の幸せを願い続けてくれた、大切な親友が、幸せになってくれないと、私は幸せになんてなれないよ、だからほむらちゃん」

そう言ってまどかは、私の目を真っ直ぐ見ながら言った。

まどか「今度は私がほむらちゃんの幸せを願うから、今からほむらちゃんは自分の幸せを考えて欲しいな」

初めて見る程の、とても優しい笑顔で、私の幸せを願ってくれた。



さやか「ねえほむら、ほむらは見てたよね?私と仁美の告白、その結果もさ」

ほむら「さやか……」

さやか「分かっていたんだ、勝てないってのは、それでも諦めたくなかった、可能性を信じたかった、何よりも伝えもしないで負けを認めたくなかった」

そう言いながらも、さやかの顔は晴れやかだ。

さやか「それでやっぱり勝てなくてさ、恭介は私も仁美も選ばなかった、選んだのはほむらだった」

ほむら「……でもあれは」

私じゃなくて、ワタシの事が。

さやか「仁美も分かってたんだって、恭介の目に映ってるのがほむらだって、だからあんな事言い出したんだよ」

ほむら「……でも私には」

さやか「それで仁美と一緒に決めたんだ、今度はほむらを応援しようって、悔いがないとは言わないけど、それよりもほむらと恭介に幸せになって欲しいから」

さやかもまどかと同じように、私に真っ直ぐ気持ちをぶつけている。

さやか「だからこんな結末は、私達の恋の終わりがこんな形なんて嫌だよ!こんなの誰も幸せになってない!ハッピーエンドを迎えられるのに、バッドエンドを選ぶなんて許さない!」

さやかの目はとても真剣で、とても厳しくて、とても暖かかった。



マミ「ねえほむらさん、私は上条君の事はよく知らないし、口を挟むべきじゃないかもしれないけど」

マミさんが微笑みながら言う。

マミ「今のほむらさんは無理をしてる、それだけは分かるわ、自分を無理やり押し込めて納得させている」

杏子「だな、辛気くさい顔しやがってよ、そんなに辛いなら無理すんなよな」

そう言った杏子は、呆れたような表情をしている。

マミ「ほむらさんにどんな理由があるか知らないけど、自分の気持ちを真っ直ぐ見せてくれた人に対して、自分は隠してしまうなんて、そんなのはダメよ」

杏子「面倒くさい事考えてないで、ただ素直になればいいんじゃないか?それだけで十分だと思うぜ」

マミさんも杏子も、私を後押ししてくれる、だとしたら私のするべき事は……。



恭介「ほむらさん覚えてるかな?僕は最初に言ったよね?今のほむらさんに初めて会った時に」

ほむら「何をかしら?」

初めて会った時に言った事?あの時は確か……。

恭介「いつもの可愛いほむらさんも好きだけど、かっこいいほむらさんも好きだって、あれは僕の本心だよ」

ほむら「……」

確かに言っていた、どちらの私も好きだと、あの時既にワタシの事が好きになっていたのだから。

恭介「可愛いほむらさんも好きだけど、今僕が一番好きなのは、今ここにいるかっこいいほむらさんなんだ。
沢山話しをして、仲良くなって、あの時よりももっと好きになったんだ」

ほむら「……私は」

私は……何だ?今ここにいるのは私だ、そして上条君はワタシではなく私を好きだと言ってくれている。
私がやるべき事は、私の気持ちは……。

ほむら「……ありがとうみんな、分かったわもう逃げない」

そう言って上条君の目を真っ直ぐ見返す。

ほむら「私も「待って」え?」

恭介「もう一度、僕から言わせてくれないかな?」

ほむら「分かったわ」

恭介「暁美ほむらさん、僕はあなたの事が大好きです、どうか僕と……、結婚して下さい!」

ほむら「ええこち……へ?」

ま・さ・杏・マ「「「「結婚?」」」」

恭介「あっ、ごっごめん間違えた、いや間違いではないんだけど、それはいつかって言うか、あのその」アタフタ

ほむら「……ふっ、ふふっあははっ」クスクス

恭介「ほむらさん?」

ほむら「あの時と同じね、変わらないわ、最初に会った時もうっかり言ってしまったし」クスクス

恭介「あーいやその」

ほむら「ふふっ、こちらこそよろしくね、上じょ……ううん、恭介君」ニコッ

私の目一杯の笑顔と共に、彼に答えを返す、私の本当の答えを。

恭介「えっ、あっうん」

ま・さ・マ・杏「「「「おめでとう二人共!」」」」

恭介「ありがとうほむらさん!」ダキッ

ほむら「なっちょっ!?いきなり抱きつかないで!」カァァ

恭介「やっぱりほむらさんはほむらさんだね、慌てると可愛いほむらさんになるし」クスクス

ほむら「なっもう、恭介君なんて知らないわよ!」ダッ

さやか「ちょっほむら!どこいくの!?」

どこだっていい、とりあえずみんなの居ない場所だ、顔の火照りがおさまるまでは。

ほむら「恥ずかしくて、一緒に居られないわよ」カァァ

 終わり

……終わった、終わりました、とりあえずこれでこの話しは終わりですが、質問とかありますか?
それからこの後、後日談を書くか、別の話しを書くか、どっちがいいですか?

乙ー!完結おめ!

おりこ勢やかずみ勢は居るのこのセカイ?

>>355
そうですね……一応居ます、ただ魔法少女になってないかも。
基本的に番外編等は見てないのでSSでの知識しかありません、なので彼女達は出したくても出せないんです。

乙!
後日談の上条とほむほむのラブラブエッチ見たいです!

>>357
中学生なので、しかも上条君は病み上がりなので、エロな展開はないです。
後日談は簡単なその後の話しと、本編中には回収不可能だった伏線の回収なんかがメインになると思います。

どうも1です。
では後日談をちまちま投下していく事にします、うまくペースがあがれば、今日の夜にまた来ます。
ドロドロからのオクタ爆誕等を期待していた方がいたらすみません、自分はノーマルエンドかハッピーエンド、或いは6流位のバッドエンドしか書けないので、基本的にバッドにはしません、もしバッド期待していた方は別のスレをお楽しみ下さい。
ではまた。



次回作って上条が惚れる奴かい?

だったら談義で立てる相談する時点でバッドとかじゃないって言って欲しかったな

どうも1です。
朝っぱらから少し投下できそうです、まあ3レス分ですが。
>>363一応それですね……予定ではですが。
>>364それについてはすみません、まあ先にバッド無しと言ってしまうと、展開を読まれやすくなるかと思って、言わないでいたのもありますが、これからは気をつけます。



あの後は大変だった、恭介君は恥ずかしい事をうっかり言うし、それを聞いたみんながからかってくるし、避難所まで行く間に私の顔は、すっかり茹でダコのようになっていた。

ほむら(まあ恥ずかしいと思うのと同じくらい、嬉しいとも思ってしまったけど)

避難所ではまどか達の家族や、先生達をなんとかごまかして。

ほむら(まどかのお母さんはやけに鋭いし、……まあ何かを察してくれたようだったけど)

……今更ながら実感が湧いてきた、私は……いや私達はついにやったのだ、まどかを契約させずにワルプルギスの夜を乗り越えた。

ほむら「……しかもみんなが居る、みんなと一緒に歩いていける、それがこんなに嬉しいなんてね」

「うーん」

いけない、ワルプルギスの夜突破記念といって、みんなが私の家に泊まりに来ているんだった。

ほむら(……ただの寝言ね、起きた訳じゃないわよね?)

今のを聞かれていたら、……考えただけで恥ずかしい、……まあそれでももう二度と、ループなんてしないけど。

ほむら(……そろそろ寝ないとね、明日も早いし)

そうだあまり遅くまで起きてる訳にはいかない、そう思ったら急に眠気が来た、まあワルプルギスの夜を倒したんだし、疲れてて当然よね。

ほむら「お休みみんな」

 -----

ホムラチャンオキテホムラチャン

ほむら(ん?何?)

まどか「ほむらちゃん、起きて朝だよ」ユサユサ

ほむら「ん……まどか?おはよう」ムクリ

まどか「おはようほむらちゃん、マミさんが朝ご飯作ってくれてるよ」

ほむら「マミさんが?昨日あれだけ騒いだのに元気ね」

まどか「すごく張り切ってたよ、みんなと朝ご飯って」

ほむら「そうなの?昨日は結構、そういえば一番最初に寝ていたわね」

まずマミさんが寝て、いつの間にかまどかも寝て、さやかと杏子はしばらく騒いだ後にコテッと急に寝たんだったわね。

ほむら「昨日は私が最後だったのよ、遅いのはそのせいね」

まどか「そうなの?」

ほむら「……朝ご飯食べましょう?マミさんが作ったのなら、絶対に美味しいもの」

まどか「そうだね」


マミ「あらおはようほむらさん」

ほむら「おはようマミさん、いい匂いね」

マミ「まあね、ああそうそう」ヒョコッ

ほむら「?」

マミ「一緒に歩けて、私も嬉しいわ」ボソッ

ほむら「なっ!?」

聞かれていたらしい、どうやら赤い顔で朝食をとる事になりそうだ。



朝食をみんなでとった後は、QBが横取りしてきたグリーフシードを、どうやって返すかを話し合った。

杏子「もうQBに任せた方がいいんじゃない?流石に無理だろこの数と範囲は」

ほむら「まあそうね、でもワルプルギスの夜の事を考えると、アイツに預けたくはないのよね」

まどか「またあんな事されたら大変だもんね」

さやか「……ちょっと話し変わるけどさ、なんでほむらはそんなに顔が赤いの?」

ほむら「……忘れなさい」

マミ「ふふっほむらさんたら」ニコニコ

さやか「マミさんはやけにご機嫌だし、一体何なの?」

ほむら「……知らないわよ」フイッ

杏子「ますます赤くなってんぞ?」

マミ「本当ね」ニコニコ

ま・さ・杏「「「?」」」

あんな風に気を抜いた所を聞かれるなんて、何とかマミさんの記憶を消せないだろうか?

ほむら「続けましょう、とりあえず近場の町から--」

……結局私の顔はしばらく赤いままだった。


それから一週間、グリーフシードの受け渡しもあらかた終わり、ワルプルギスの夜の影響で休みになっていた学校も明日から再開するらしい。

ほむら(前兆の嵐だけでもとんでもない被害だったみたいね、戦場の外もかなり荒れてたし)

そう思えばかなり早く、学校が再開したとも言えるわね、……明日から学校、恭介君も無事退院して明日から登校するらしいし。

ほむら「……学校……楽しみね」

明日に備えて早く寝ないと。

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いつもと違う光景、壊滅した見滝原ではなく、私の部屋だ。

めがほむ「やったね、全部うまくいったね、おめでとう」

ほむら「……」

めがほむ「あ、あれ?嬉しくないの?」

ほむら「いえ嬉しいわ、でもあなたの事を思うとね、少し申し訳ない気持ちになるのよ」

めがほむ「そんなこと気にしなくていいんだよ?私は今のままでも十分楽しいから」ニコッ

そう言ってワタシは微笑む。

ほむら「それでも、それだけじゃ……、あなたはずっと一人じゃない、私以外の人と話す事もできないじゃない」

私がここにいる以上、ワタシは私の中にしかいられない、いつまでも一人、私の事を見ていたとしても、ずっと孤独を感じてしまう。

ほむら「叶うならあなたにも、みんなと触れ合って欲しい、仲良くなって欲しい、……幸せになって欲しい」

めがほむ「……あの、……私は、……実はね--」



 さやかside

さやか「ほむら遅いなぁ、一体どうしたんだろ?」

今日は久しぶりの学校なのに、しかも今日からは。

恭介「ほむらさんはいつもは早いのかい?」

まどか「うん、大抵は一番最初に来てるかな?」

そう、この間退院した恭介が、今日から学校に戻ってくるのだ!

さやか「仁美は朝から忙しいって言うし、なんだかなぁ」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「あら?まどかとさやかさん?それに上条君も」

さやか「へ?マミさん?おはようございます!ついでに杏子もおはよう」

杏子「ついでってなんだよ!」

まどか「マミさん杏子ちゃん、おはようございます」

恭介「えっと巴先輩と佐倉さん、おはようございます」

マミ「ええ、おはようみんな」

杏子「おはようって、そう言やぁ、ほむらはどうした?まだきてないのか?」

さやか「あーちょっとね、連絡してこないってことは休みじゃないと思うけど」

まさかまた倒れているんじゃあないだろうか?……急に心配になってきた。

ほむら「おっ、おはようございます」

さやか「って来た来……、へ?」

まどか「えっと?」

マミ「あら?」

杏子「ん?この感じ」

恭介「……あれ?もしかして」ボソリ



あれ?ほむら?あれ?

ほむら?「えっと、鹿目さん?美樹さん?どうかしましたか?」

ま・さ「「……」」ボーゼン

ほむら?「え?あの?巴さん佐倉さん、ワタシ何か変ですか?」

マミ「間違いないわね、これは」

杏子「ほむらがダウンしてた時の」

恭介「ほむらさん……、いや暁美さん久しぶりだね」

ほ・ま・さ・マ・杏「「「「「え?」」」」」

恭介「あれ?もしかして違った?ほむらさんに替わる前の暁美さんみたいだったから」

ほむら?「えっとその……、あううー……」スゥゥ

さやか「ほむら?」

ほむら「こんなに早くバレるなんてね」ファサッ

恭介「あっほむらさんに戻った」

まどか「え?いつものほむらちゃん?」

マミ「えっとほむらさん?今のは一体?」

杏子「なあもしかしてあの時のって」

ほむら「全部説明するわ、……ワタシがね」ニヤリスゥゥ

ほむら?「ひゃっ、えっとあの、ううー私の意地悪」シュン

恭介「久しぶり……でいいんだよね?暁美さん」

ほむら?「えっあのうん、ひ、久しぶりだね、上条君」アワアワ

ま・さ・マ・杏「「「「……どういう事?」」」」

何が何だか分からないんだけど?

3レス分のはずが、改行制限に引っかかったので、急遽4レスに変えました。
とりあえずこんな感じで、本編で回収不可だった伏線回収何かをメインに書いていきます。
ではまた。

どうも1です。
生存報告です、まだもう少し続きますが、上手く書けていません、書きたいシーンがあるのにそこに行くまでが書けない。
途中ではやめませんので、もう少しの間、お待ち下さい。

どうも1です。
生存報告です。

生存報告遅れた。ガクッ

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