ほむら「必ず――を倒してみせる」(158)
注意事項:
1.魔法少女まどか☆マギカのスレです
2.キャラ崩壊、原作ブレイク、オリキャラなど苦手な方はgo back
3.アニメ版を基礎に改変を加えていきます
4.分量は大体アニメと同じぐらいにあるかと
5.Q:今更流行らないのでは? A:今更だと確かに思ったが、衝動を抑えられなかった
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367144538
――第?日目
まどか「ひどい……」
キュウベエ「仕方ないよ。彼女達では荷が重すぎた。でも、彼女らも覚悟の上だ」
まどか「そんな、あんまりだよ。こんなのってないよ」
キュウベエ「諦めたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる」
キュウベエ「避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せば良い。そのための力が君には備わっていんだから」
まどか「本当なの?」
まどか「私なんかでも、本当に何かできるの?こんな結末を変えられるの?」
キュウベエ「勿論さ。だから僕と契約して、魔法少女に――」
まどか「っ!……夢落ち?……」
まどか「おはようパパ」
パパ「おはよう、まどか」
まどか「ママは?」
パパ「タツヤがいってる。手伝ってやって」
タツヤ「ママー、ママー、あさー、あさ―、おきてー、ママー、ママー」
まどか「起きろ~」
ママ「どぅああああああ。あれ?」
タツヤ「ママ起きたね」
まず改行できるようになる所から始めようか
ママ「最近、どんなよ」
まどか「ひとみちゃんにまたルームレターが届いたよ。今月になってもう2通目」
ママ「ふん。直にコクるだけの根性のねぇ男は駄目だ」
ママ「かずこはどう?」
まどか「先生はまだ続いてるみたい。ホームルームでのろけまくりだよ。今週で3ヶ月目だから記録更新だよね」
ママ「さぁどうだか。今は危なっかしい頃合いだな」
まどか「そうなの?」
ママ「ホンモノじゃなかったら大体この辺でボロが出るもんさ。まぁ、乗り切ったら1年は持つだろうけど」
まどか「ふぅん」
ママ「完成」
まどか「えぇ、派手すぎない?」
ママ「それくらいでいいのさ。女は外見でなめられたら終わりだよ。ふっ、良いじゃん。これならまどかの隠れファンもメロメロだ」
まどか「いないよそんなの」
ママ「いると思っておくんだよ。それが、美人の秘訣」
>>4
読みにくいから文と分の間で改行しろってことですかね?
それ以外意味あるのかな…
まどか「ふふ」
タツヤ「あぁ~、あ~お。お」
ママ「あっと。セーフ。はい、残さないで食べてね」
タツヤ「あいー」
パパ「コーヒー、おかわりは?」
ママ「おぉ、良いや」
ママ「おっし。じゃ、行ってくる」
パパ・まどか・タツヤ「いってらっしゃーい」
パパ「さぁ、まどかも急がないと」
まどか「え、う、うん」
まどか「行って来まーす」
パパ「いってらっしゃい」
まどか「おはよう」
仁美「おはようございます」
さやか「まどか遅い。お、可愛いリボン」
まどか「そ、そうかな?派手すぎない?」
仁美「とても素敵ですわ」
まどか「――でね、ラブレターでなく、直に告白できるようでなきゃ駄目だって」
さやか「相変わらずまどかのママはカッコイイな。美人だし、バリキャリだし」
仁美「そんな風にきっぱり割り切れたら良いんだけど。はぁ」
さやか「羨ましい悩みだね」
まどか「良いなぁ。私も一通くらい貰ってみたいな。ラブレター」
さやか「ほぅ。まどかもひとみみたいなモテモテな美少女に変身したいと?そこで先ずはリボンからイメチェンですかな?」
まどか「ち、ちがうよ。これはママが」
さやか「さては、ママからモテる秘訣を教わったな。けしからん。そんな破廉恥な子はこうだ」
まどか「や、ちょっ、やめて」
さやか「可愛いやつめ。でも男子にモテようなんて許さんぞ。まどかは私の嫁になるのだ」
先生「うん。今日は皆さんに大事なお話があります。心して聴くように。目玉焼きとは堅焼きですか、それとも半熟ですか。はい、なかざわくん」
なかざわ「え、えっと・・・ど、どっちでも良いんじゃないかと」
先生「そのとおり。どっちでも宜しい。たかが卵の焼き加減なんかで女の魅力が決まると思ったら大間違いです。女子の皆さんは、くれぐれも、半熟じゃなきゃ食べられないとかぬかす男とは交際しないように」
さやか「ダメだったか」
まどか「ダメだったんだね」
先生「そして男子の皆さんは、絶対に卵の焼き加減に、ケチをつけるような大人にならないこと」
先生「はい。あとそれから、今日は皆さんに転校生を紹介します」
さやか「そっちが後回しかよ」
先生「じゃあ、あけみさん、いらっしゃい」
さやか「うわ、すげぇ美人」
まどか「え……うそ。まさか」
先生「はい、それじゃ自己紹介いってみよう」
ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
まどか「ぇ」
女性徒A「あけみさんって、前はどこの学校だったの」
ほむら「東京の、ミッション系の学校よ」
女性徒B「前は部活とかやってた?運動系?文化系?」
ほむら「やってなかったわ」
女性徒C「凄い綺麗な髪だよね。シャンプーは何使ってるの?」
仁美「不思議な雰囲気の人ですよね。暁美さん」
さやか「ねぇまどか。あの子知り合い?なんかさっきおもいっきりガン飛ばされてなかった?」
まどか「いや、えっと」
ほむら「ごめんなさい。なんだか緊張しすぎたみたいで。ちょっと気分が。保健室にいかせて貰えるかしら」
女性徒A「え、あ、じゃあ私が案内してあげる」
女性徒B「私もいくいく」
ほむら「いえ、お構いなく。係の人にお願いしますから」
女生徒A「係って誰だっけ?」
女生徒B「鹿目さんじゃない? 鹿目さーーん」
まどか「え、えっと。あの」
ほむら「案内してもらえる? 保健室」
まどか「――あぁ、暁美さん?」
ほむら「ほむらで良いわ」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「何かしら?」
まどか「あぁ、えっと、その、変わった名前だよね。いや、だから、あのね。へ、変な意味じゃなくてね。その、カッコイイな、な、なんて」
ほむら「ありがとう鹿目さん」
まどか「あの、わ、私のこともまどかって、呼んで欲しいな」
ほむら「まどか。ところで、あなたは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を大切にしてる?」
まどか「え? えっと、わ、わたしは、大切、だよ。家族も、友達のみんなも、大好きで、とっても大事な人達だよ」
ほむら「本当に?」
まどか「ほんとうだよ。嘘のわけないよ」
ほむら「そう。もしそれが本当なら、今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないことね。さもなければ、すべてを失うことになる」
まどか「え」
ほむら「あなたは、鹿目まどかのままでいればいい。今まで通り、これからも」
さやか「えぇ、なにそれ?」
まどか「訳分かんないよね」
さやか「文武両道で才色兼備かと思いきや、実はサイコな電波さん。くう、どこまでキャラ立てすりゃ気が済むんだ、あの転校生は。萌か。そこが萌なのか」
仁美「まどかさん。本当に暁美さんとは初対面ですの?」
まどか「うーん。常識的にはそうなんだけど」
さやか「なにそれ。非常識なとこで心当たりがあると?」
まどか「あのね、夕べあの子と夢の中で会ったような」
さやか「すっげえ。まどかまでキャラが立ち始めたよ」
まどか「ひどいよ。私真面目に悩んでるのに」
さやか「あぁ、もう決まりだ。それ前世の因果だわ。あんたたち、時空を超えてめぐり合った運命の仲間なんだわ」
仁美「夢って、どんな夢でしたの?」
まどか「それが、なんだかよく思い出せないんだけど。とにかく変な夢だったってだけで」
仁美「もしかしたら、本当は暁美さんと会ったことがあるのかもしれませんわ」
まどか「え?」
仁美「まどかさん自身は覚えていないつもりでも、深層心理には彼女の印象が残っていて、それが夢に出てきたのかもしれません」
さやか「それ出来過ぎてない。どんな偶然よ」
仁美「そうね」
仁美「あら、もうこんな時間。ごめんなさい、お先に失礼しますわ」
さやか「今日はピアノ?日本舞踊?」
仁美「お茶のお稽古です。もうすぐ受験だっていうのにいつまで続けさせられるのか」
さやか「うわぁ、小市民に生まれて良かったわ」
まどか「私たちも行こっか」
さやか「うん、まどか帰りにCD屋に行ってもいい?」
まどか「良いよ。また上条くんの?」
さやか「まあね」
仁美「ではまた」
さやか「じゃあね」まどか「ばいばーい」
キュウベエ『――助けて』
まどか「うん?」
キュウベエ『助けて。まどか』
まどか「え、え?」
キュウベエ『僕を、助けて』
さやか「うん?」
まどか「誰、誰なの?」
キュウベエ『――助けて』
まどか「どこにいるの?あなた誰?」
キュウベエ「助けて」
まどか「あなたなの?」
キュウベエ「助けて」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「そいつから離れて」
まどか「だ、だって。この子、怪我してる。だ、だめだよ。ひどいことしないで」
ほむら「あなたには関係ない」
まどか「だってこの子、私を呼んでた。聞こえたんだもん。助けてって」
ほむら「そう」スチャッ
まどか「え」
さやか「まどか、こっち」
まどか「さやかちゃん」
ほむら「……」
さやか「なによあいつ。今度はコスプレで通り魔かよ。つか、なにそれ。ぬいぐるみじゃないよね。生き物?」
まどか「わかんない。わかんないけど、この子助けなきゃ」
さやか「あれ、非常口は。どこよここ」
まどか「変だよここ。どんどん道が変わって行く」
さやか「ああもうどうなってんのさ」
まどか「あ、い、何かいる」
さやか「――冗談だよね。私、悪い夢でも見てるんだよね。ねぇ、まどか。」
さやか「あ、あれ」
まどか「これは」
マミ「危なかったわね。でも、もう大丈夫」
マミ「あら、キュウベエを助けてくれたのね。ありがとう。その子は私の大切な友達なの」
まどか「わたし呼ばれたんです。頭の中に直接この子の声が」
マミ「ふぅん。なるほどね。その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。2年生?」
さやか「あなたは?」
マミ「そうそう、自己紹介しないとね。でも、その前に――」
マミ「――ちょっと一仕事片付けちゃって良いかしら」
まどか「――す、すごい」
さやか「も、もどった」
マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいなら直ぐに追いかけなさい。今回はあなたに譲ってあげる」
ほむら「そうね」ポイポイッ
マミ「どういうつもり」パシッパシッ
ほむら「譲ってくれたお礼。二人のこと、頼んだわ」
マミ「何を企んでるの?」ジャキッ
ほむら「いずれわかるわ。そうね、明日にでもまた会いましょう。巴マミ」
マミ「……」キョロキョロ
さやか「消えた!?」
キュウベエ「ありがとうマミ。助かったよ」
マミ「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」
キュウベエ「どうもありがとう。僕の名前はキュウベエ」
まどか「あなたが、私を呼んだの?」
キュウベエ「そうだよ、鹿目まどか。それと美樹さやか」
さやか「なんで私たちの名前を?」
キュウベエ「僕、君たちにお願いがあって来たんだ」
まどか「お、お願い?」
キュウベエ「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ」
アニメの一話目にあたるところまで完了。
たぶんこんな感じで12話分ぐらいまで続く感じです。
諸事情で続きは数日挟んでからになるかと
ママ「まどか。夕べは帰りが遅かったんだって」
まどか「先輩の家にお呼ばれしちゃって」
ママ「ま、門限とかうるさいことは言わないけどさ、晩飯の前には一報いれなよ」
まどか「うん、ごめんね」
キュウベエ「ふーふぃー。ふぃーふふー」
まどか「本当に人には見えないんだ」
さやか「うわぁ」
まどか「素敵なお部屋」
マミ「一人暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備も無いんだけど」
まどか「マミさん。すっごく美味しいです」
さやか「うん、めっちゃ美味っすよ」
マミ「ありがとう。キュウベエに選ばれた以上、あなた達にとっても他人事じゃないものね。ある程度の説明は必要かと思って」
さやか「うんうん、何でも聞いてくれたまえ」
まどか「さやかちゃん、それ逆」
マミ「ふふ」
まどか「わぁ、綺麗」
マミ「これがソウルジェム。キュウベエに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔力の源でもあり、魔法少女である証でもあるの」
さやか「契約って?」
キュウベエ「僕は、君たちの願い事を何でも一つ叶えてあげる」
さやか「え、本当?」
まどか「願い事って?」
キュウベエ「なんだって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
さやか「うぅ。金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」
まどか「いや、最後のはちょっと」
キュウベエ「でも、それと引換に出来上がるのがソウルジェム。この石を手にした者は、魔女と戦う使命を課されるんだ」
まどか「魔女……」
さやか「魔女ってなんなの?魔法少女とは違うの」
キュウベエ「願いから生まれるのが魔法少女だとするば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ。魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を撒き散らす。しかもその姿は普通の人間には見えないからたちが悪い。不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災のタネを世界にもたらしているんだ」
マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件はかなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ。形のない悪意となって人間を内側から蝕んでいくの」
さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気づかないの?」
キュウベエ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を表さないからね。さっき君たちが迷い込んだ、迷路のような場所がそうだよ」
マミ「けっこう危ないところだったのよ。アレに飲み込まれた人間は普通は生きて帰れないから」
まどか「マミさんはそんなこわいものと戦っているんですか」
マミ「そう命がけよ。だからあなた達も慎重に選んだほうがいい。キュウベエに選ばれた貴方達にはどんな願いでも叶えられるチャンスがある。でもそれは死と隣り合わせなの」
まどか「ふえ」
さやか「うえ、悩むな」
マミ「そこで提案なのだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」
まどか・さやか「ええ」
マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。その上で、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えて見るべきだと思うの」
まどか「ねぇ、ママ」
ママ「うーん?」
まどか「もしも、もしもだよ。魔法でどんな願い事でも叶えてもらえるって言われたらどうする?」
ママ「役員を二人ばかし他所に飛ばしてもらうわ。あとそうねぇ。社長もさ、もう無理が利く年じゃねぇんだから、そろそろ隠居考えて欲しいんだけど、代わりがいないってのがなぁ」
まどか「いっそ、ママが社長さんになっちゃたら」
ママ「ん?その手があったか。営業部にさえしっかり根回ししとけば、企画部と総務は言いなりだし、そうなると問題は経理のハゲか。あれか、むしるか」
まどか「ママ、目が怖いよ」
まどか「おはよう」
ひとみ「おはようございます」
さやか「おは……うえぇ」
キュウベエ「おはよう、さやか」
ひとみ「どうかしましたか、さやかさん」
さやか「やっぱそいつ私たちにしか見えないんだ」
まどか「そうみたい」
ひとみ「あの」
さやか「ああ、なんでもないから。行こう」
まどか『頭で考えるだけで会話とか出来るみたいだよ』
さやか『えぇ、私たち、もう既にそんなマジカルな力が?』
キュウベエ『いやいや、今はまだ僕が間で中継しているだけ。でも内緒話には便利でしょ?』
さやか『なんか、変な感じ』
ひとみ「おふたりともさっきからどうしたんです。仕切りに目配せしてますけど」
まどか「これは、あの、その」
さやか「あぁ」
ひとみ「まさか二人とも既に目と目で分かり合う間柄ですの。まぁ、たった一日でそこまで急接近だなんて。昨日はあの後一体何が」
さやか「い、いや、そりゃねえわ、さすがに」
まどか「たしかに色々、あったんだけどさ」
ひとみ「でもいけませんわ。お二方、女の子同士で。それは禁断の恋の形ですのよ」
さやか「バッグ忘れてるよー」
まどか「あぁ、今日のひとみちゃん、なんだかさやかちゃんみたいだよ」
さやか「どういう意味だよ、それは」
まどか『頭で考えるだけで会話とか出来るみたいだよ』
さやか『えぇ、私たち、もう既にそんなマジカルな力が?』
キュウベエ『いやいや、今はまだ僕が間で中継しているだけ。でも内緒話には便利でしょ?』
さやか『なんか、変な感じ』
ひとみ「おふたりともさっきからどうしたんです。仕切りに目配せしてますけど」
まどか「これは、あの、その」
さやか「あぁ」
ひとみ「まさか二人とも既に目と目で分かり合う間柄ですの。まぁ、たった一日でそこまで急接近だなんて。昨日はあの後一体何が」
さやか「い、いや、そりゃねえわ、さすがに」
まどか「たしかに色々、あったんだけどさ」
ひとみ「でもいけませんわ。お二方、女の子同士で。それは禁断の恋の形ですのよ」
さやか「バッグ忘れてるよー」
まどか「あぁ、今日のひとみちゃん、なんだかさやかちゃんみたいだよ」
さやか「どういう意味だよ、それは」
さやか『つうかさ、あんた、のこのこ学校まで付いてきちゃって良かったの』
キュウベエ『どうして?』
さやか『言ったでしょ。昨日のアイツ。このクラスの転校生だって。あんた命狙われてるんじゃないの?』
キュウベエ『むしろ学校のほうが安全だと思うな。マミもいるし』
まどか『マミさんは3年生だから、クラスちょっと遠いよ?』
マミ『ご心配なく。話はちゃんと聞こえているわ』
キュウベエ「この程度の距離なら、テレパシーの圏内だよ」
まどか『あ、えっと、おはようございます』
マミ『ちゃんと見守ってるから安心して。それにあの子だって人前で襲ってくるような真似はしないはずよ』
さやか『ならいいんだけど』
まどか『あ』
さやか『げえ、噂をすれば影』
ほむら「……」
アチャー。順番間違えた。
テレビ版は絵があるから一目瞭然だけど、文字だとどうしてもごちゃごちゃしやすいから注意しないといけないのに……
時系列的には>>23の後
さやか「あの転校生も、えっと、その、魔法少女なの?マミさんと同じ」
マミ「そうね。間違いないわ。かなり強い力を持っているみたい」
さやか「でもそれなら、魔女をやっつける正義の味方なんだよね。それがなんで、急にまどかを襲ったりしたわけ」
キュウベエ「彼女が狙っていたのは僕だよ。新しい魔法少女が生まれることを阻止しようとしてたんだろうね」
まどか「え」
さやか「なんで。同じ敵と戦っているなら。仲間は多いほうが良いんじゃないの」
マミ「それがそうでもないの。むしろ競争になることのほうが多いのよね」
まどか「そんな、どうして」
マミ「魔女を倒せばそれなりの見返りがあるの。だから時と場合によっては、手柄の取り合いになって、ぶつかることもあるのよね」
さやか「つまりあいつは、キュウベエがまどかに声かけるって最初から目星を付けてて、それで朝からあんなに絡んできてたってわけ」
マミ「……たぶん、そういうことでしょうね」
>>28の続き
さやか『気にするなまどか。あいつがなんかちょっかい出してきたら。私がぶっ飛ばしてやるからさ。マミさんだって付いているんだし』
マミ『そうよ。美樹さんはともかくとして、私が付いているんだから大丈夫。安心して』
さやか『ともかくって言うな』
まどか「はい」
キュウベエ「あーん」
さやか「ねぇ、まどか。願い事、何か考えた?」
まどか「うーん。さやかちゃんは?」
さやか「私も全然。なんだかなぁ。いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ。欲しいものも、やりたいことも、いっぱいあるけどさ、命がけってところで、やっぱ引っかかっちゃうよね。そうまでするほどのもんじゃねぇよなぁって」
まどか「うん」
キュウベエ「意外だなぁ。大抵の子は二つ返事なんだけど」
さやか「まぁ、きっと、私たちがバカなんだよ」
まどか「ふぇ、そうかな」
さやか「そう、幸せバカ。別に珍しくなんか無いはずだよ。命と引換えにしてでも叶えたい望みって。そういうの抱えている人は世の中に大勢いるんじゃないのかな。だから、ソレが見つからない私たちって、その程度の不幸しか知らないってことじゃん。、恵まれすぎて馬鹿になっちゃっているんだよ。なんで、私たちなのかな……。不公平だと思わない。こういうチャンスほんとうに欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね。……転校生」
まどか「さやかちゃん」
マミ『大丈夫』
さやか「昨日の続きかよ」
ほむら「いいえ、そのつもりはないわ。そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけど、今さらソレも手遅れだし。で、どうするのまどか。あなたも魔法少女になるつもり?」
まどか「私は――」
さやか「あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ」
ほむら「――昨日の話覚えている?」
まどか「うん」
ほむら「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈ってる」
まどか「ほむらちゃん。ぁ、あの、あなたはどんな願い事をして魔法少女になったの?」
ほむら「……さて、なんだったかしら」
さやか「ひとみ、ごめん。今日はあたしら、ちょっとヤボ用があって」
ひとみ「あら、内緒ごとですの」
まどか「えっと」
ひとみ「羨ましいですわ。もうお二人の間に割り込む予知なんて、無いんですのねぇ」
さやか「いや、だから違うって、それ」
女性徒A「暁美さん、今日こそ帰りに喫茶店寄ってこう」
ほむら「今日もちょっと、急ぐ用事があって。ごめんなさい」
マミ「さて、それじゃ魔法少女体験コース第一弾。張り切って行ってみましょうか。準備はいい?」
さやか「準備になっているかどうか分からないけど、持ってきました。何も無いよりはマシかと思って」
マミ「まぁ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」
さやか「まどかは何かもってきた?」
まどか「え、えっと、わたしは」
さやか「うわぁ」
まどか「とりあえず、衣装だけでも考えておこうかと思って」
さやか・マミ「あはははは」
マミ「うん、意気込みとしては十分ね」
さやか「こりゃ参った。あんたには負けるわ」
マミ「これが魔翌力の痕跡。基本的に魔女探しは足頼みよ。こうしてソウルジェムの捉える魔女の気配を辿っていくわけ」
さやか「光、全然変わらないすね」
マミ「昨日の魔女は彼女にあげちゃったから。とにかくまた一から始めるしかないわ」
まどか「ごめんなさい」
マミ「そのことは別に良いのよ。あなた達を放って置けなかったし、魔女も彼女が倒してくれたと思うから」
さやか「うん、やっぱりマミさんは正義の味方だ。それに引換、あの転校生、本当にむかつくな」
まどか「……本当に悪い子なのかな」
さやか「ねぇマミさん。魔女のいそうな場所、責めて目星くらいはつけられないの」
マミ「魔女の呪いの影響で割と多いのは交通事故や傷害事件よね。だから大きな道路や喧嘩の起きそうな歓楽街は優先的にチェックしないと。あとは自殺に向いてそうな人気のない場所。それから病院とかにとりつかれると最悪よ。ただでさえ弱っている人たちから、生命力が吸い上げられるから、目も当てられない事になる。――魔翌力の波動だわ。近いかも」
マミ「……間違いない、行くわよ。使い魔だけみたいだけど、逃さない」
さやか「う、うわあ」
まどか「凄い」
マミ「気休めだけど、これで身を守る程度の役には立つわ。絶対に私の側を離れないでね」
まどか・さやか「はい」
ほむら「……」
マミ「そう言えばまだグリーフシードについて言ってなかったわね」
さやか「それは……」
マミ「彼女が私に渡したのと同じ物よ。そしてこれがグリーフシード――魔女の卵よ」
さやか「た、卵っ!?」
マミ「運がよければ時々魔女が持ち歩いていることがあるの」
キュウベエ「大丈夫。その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」
マミ「私のソウルジェム。夕べよりちょっと色が濁っているでしょ」
さやか「そういえば」
マミ「でも、グリーフシードを使えば、ほら」
さやか・まどか「あ」
さやか「綺麗になった」
マミ「ね、これで消耗した私の魔翌力も元通り。前に話した魔女退治の見返りって言うのがこれ」
さやか「それならなんであいつは二つも……」
マミ「彼女はお礼って言ってたけど、本心はわからないわ。だからそろそろ教えてもらえないかしら。――暁美ほむらさん」
ほむら「……まだ、その必要はないわ」
さやか「あいつ」
マミ「あくまで言わないつもりなのね。なら私も相応の態度を取らせてもらうわよ?」
ほむら「昨日言った通り、お礼としてあなたにあげた物よ。それ用途も解釈も全てあなたの好きにすればいいわ」
マミ「そう、それがあなたの答えね」
ほむら「……」
さやか「また消えた! ……くぅ、やっぱり感じ悪いヤツ!」
まどか「仲良く出来ればいいのに」
マミ「お互いにそう思えれば、ね」
キュウベエ「――。ようこそ見滝原へ」
??「そしてこれでさよなら、かな?」
キュウベエ「いやいや、君の力は僕たちの理想とする力そのものだ。君には最期まで協力を頼みたいぐらいだ」
??「そのくらいなら別に構わないよ。最期までよろしくね」
キュウベエ「本当にありがとう、――。でも、今回の相手には十分気を付けて」
??「暁美ほむらのことね。情報はまだ少ないから絶対に大丈夫――とは言えないけど、倒せない相手ではないかな」
キュウベエ「君が確信を持てないこと自体、十分イレギュラーなんだけどね。それじゃ始めようか、――」
??「うん、始めよう。インキュベーター」
これで二話に当たるところまで完了です。
一話目の細やかな違いから細かなズレが生じ始め、これからが本番になってきます(書き直す量的にも)
個人的には華やかな戦闘シーンもイイと思いますが、それ以外にパパやママの台詞が深いのもまどか☆マギカの一つの魅力なんだと思います。
ですので、出来ればカットしない方向でいきたいと思います。
さてついに三話目のシャルロッテ戦ですねニッコリ
なんでキュゥべえは片仮名詢子様もママになってるしまどマギの書くならそこらへんもしっかりしろよ
台詞集からコピペしてる感が異常
>>42
アニメ見ながら台詞書き起こしてたから、コピペ感になるのは仕方がないんだよ
言い訳にしか聞こえないだろうけど費やせる時間が少ない
と言っても原作と終盤変わってるからこれからコピペも少なくなっていくはず
>>41
大変失礼した
キュウべえと詢子さん、および登場人物の名前一覧を作ってくる
んで次のところからキュウベエ→キュゥべえ、ママ→詢子など修正入れておきます
……お菓子の魔女の追加したところは本気で取り組む
恭介「やぁ」
さやか「はいこれ」
恭介「いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」
さやか「そんなの運がいいだけだよきっと」
恭介「この人の演奏は本当に凄いんだ。さやかも聞いてみる?」
さやか「い、いいのかな」
恭介「本当はスピーカーで聞かせたいんだけど、病院だしね」
マミ「ティロフィナーレ」
さやか「いやー、やっぱりマミさんってカッコいいね!」
マミ「もう、見世物じゃないのよ? 危ないことしてるって意識は忘れないでおいてほしいな」
さやか「イエース」
まどか「あっ、グリーフシード落とさなかったね」
キュゥべえ「今のは魔女から分裂した使い魔でしかないからね。グリーフシードは持ってないよ」
まどか「魔女じゃなかったんだ」
さやか「なんか、ここんところずっとハズレだよね」
マミ「使い魔だって放っておけないのよ? 成長すれば分裂もとと同じ魔女になるから。さぁ、いきましょう」
マミ「二人とも何か願い事は見つかった?」
さやか「うーん……まどかは?」
まどか「うーん……」
マミ「まぁ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら」
まどか「マミさんはどんな願い事をしたんですか?」
マミ「……」
まどか「いや、あの、どうしても聞きたいってわけじゃなくて」
マミ「……私の場合は――考える余裕がなかったってだけ、後悔してるわけじゃないのよ? 今の生き方も、あそこで死んじゃうより良かったと思ってる」
マミ「でもね、ちゃんと選択の余地がある子にはきちんと考えた上で決めて欲しいの」
マミ「私に出来なかったことだからこそ――ね」
さやか「ねぇ、マミさん。願い事って自分の事での事柄じゃないと駄目なのかな」
マミ「え?」
さやか「例えば、例えばの話なんだけどさ。私なんかより困ってる人がいて、その人のために願い事をするのは……」
まどか「それって上条君の事?」
さやか「たた、例え話って言ってるじゃんか」
キュゥべえ「契約者自身が願い事の対象になる必然性はないんだけどね。前例もないわけじゃないし」
マミ「でも、あまり関心できた話じゃないわ。他人の願いを叶えるのなら、尚の事自分の望みをはっきりさせておかないと」
マミ「――美樹さん、あなたは彼に夢を叶えて欲しいの? それとも、彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」
まどか「マミさん……」
マミ「同じようで全然違う事よ。これ」
さやか「その言い方はちょっとヒドイと思う」
マミ「ごめんね。でも今のうちに言っておかないと、そこをはき違えたまま先に進んだら、あなたきっと後悔するんだから」
さやか「……そうだね。あたしの考えが甘かった。ごめん」
マミ「やっぱり難しい事柄よね。焦って決めるべきではないわ」
キュゥべえ「僕としては早ければ早いほどいいんだけど」
マミ「駄目よ。女の子を急かす男子は嫌われるぞ」
まどか「やっぱり簡単な事じゃないんだよね」
キュゥべえ「僕の立場で急かすわけにはいかないしね。助言するのもルール違反だし」
まどか「ただなりたいってだけじゃ駄目なのかな」
キュゥべえ「まどかは、力そのものに憧れているのかい?」
まどか「いや、そんなんじゃなくて、うーん……そうなのかな。私ってどんくさいし、何のとりえもないし、だからマミさん
みたいにカッコよくて素敵な人なれたら、それだけで十分に幸せなんだけど」
キュゥべえ「まどかが魔法少女になれば、マミよりずっと強くなれるよ」
まどか「え?」
キュゥべえ「勿論どんな願い事で契約するかにもよるけれど、まどかが産みだすかもしれないソウルジェムの大きさは僕にも測定しきれない。それだけの資質を持つ子と出会ったのは初めてだ」
まどか「何言ってるのよもう。うそでしょ」
キュゥべえ「いや――」
知久「――まどか、起きてるか?」
まどか「うん、どうしたの?」
詢子「ぉぅぐ、~~」
まどか「あぁ、またか。まったくもう」
詢子「あのすだれハゲ、飲みたければ手酌でやってろっつうの――」
知久「ありがとう――ココアでも入れようか」
まどか「うん、お願い」
まどか「何で詢子はあんなに仕事が好きなのかな? 昔からあの会社で働くのが夢だった――なんてないよね?」
知久「うーん、詢子は仕事が好きじゃなくて、頑張るのが好きなのさ」
まどか「え」
知久「嫌なことも辛いことも、いっぱいあるだろうけど、それを乗り越えた時の満足感が詢子にとっては最高の宝物なのさ」
知久「そりゃ、会社勤めが夢だったわけじゃないだろうけどさ。それでも詢子は自分の理想の生き方を通してる」
知久「そんな風にして叶える夢もあるんだよ」
まどか「生き方そのものを夢にするの?」
知久「どう思うのは人それぞれだけど、僕はね、詢子のそういう所が大好きだ。尊敬できるし、自慢できる――素晴らしい人だってね」
まどか「うん」
ほむら「わかってるの? 貴方は無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」
マミ「彼女達はキュゥべえに選ばれたのよ。もう無関係じゃないわ」
ほむら「貴方は二人を魔法少女に誘導している」
マミ「それが面白いくない訳?」
ほむら「迷惑よ。特に、鹿目まどか」
マミ「そう。あなたも気づいてたのね。あの子の素質に」
ほむら「彼女だけには契約させるわけにはいかない」
マミ「自分より強いやつは邪魔ってわけ? いじめられっこの発想ね」
ほむら「あなたとは戦いたくはないのだけど」
マミ「なら二度と会うことのないよう努力して。話し合いで済むのはきっと今夜で最期だろうから」
ほむら「……」
??「……」
さやか「よう、お待たせ」
まどか「あれ?上条君、会えなかったの?」
さやか「なんか今日は都合が悪いみたいでさ。わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよねぇ」
さやか「ん、どうしたの?」
まどか「あそこ、なにか……」
キュゥべえ「グリーフシードだ! 孵化しかかっている!」
まどか「嘘、なんでこんなところに!?」
キュゥべえ「まずいよ。早く逃げないと! もうすぐ結界が出来上がる!」
さやか「またあの迷路が?……はっ、まどか、マミさんの携帯聞いてる?」
まどか「え? ううん」
さやか「まずったな。まどか、先に行ってマミさんを呼んできて。私はこいつを見張ってる」
まどか「そんな!」
キュゥべえ「――無茶だよ! 中の魔女が出てくるまでには時間があるけど、結界が閉じたら外に出られなくなる。マミの助けが間に合うかどうか……」
さやか「あの迷路が出来上がったら、コイツの出所もわからなくなっちゃうんでしょ? 放っておけないよ、こんな場所で」
キュゥべえ「まどか、先に行ってくれ、さやかには僕が付いている。マミならここに来ればテレパシーで僕の位置がわかる。僕もここでさやかとグリーフシードを見張っていれば最短距離で結界を抜けられるよう、マミを誘導できるから」
さやか「ありがとう、キュゥべえ」
まどか「私、すぐにマミさんを連れてくるから――」
??(それでキュゥべえ。私は巴マミを足止めすればいいのかしら?)
キュゥべえ「怖いかい、さやか」
さやか「そりゃもちろん」
キュゥべえ「君さえ良ければすぐに願い事を叶えて、魔法少女にしてあげるんだけど」
さやか「うん、いざとなったら頼むかも。でも今は止めとく。あたしにとっても大事なことだから。――できることならいい加減な気持ちで決めたくない」
マミ『キュゥべえ、状況は?』
キュゥべえ『まだ大丈夫。直ぐに孵化する様子はないよ』
まどか『さやかちゃん、大丈夫?』
さやか『平気、平気。退屈で居眠りしちゃいそう』
キュゥべえ『むしろ、大きな魔翌力を使って卵を刺激する方がまずい。急がなくていいから、なるべく静かに来てくれるかい?』
マミ『わかったわ』
>>51 にてミスの訂正
× ??(それでキュゥべえ。私は巴マミを足止めすればいいのかしら?)
● ??『それでキュゥべえ。私は巴マミを足止めすればいいのかしら?』
まどか「……あの、マミさん」
マミ「なに?」
まどか「願いごと、私なりに色々考えてみたんですけど」
マミ「決まりそうなの?」
まどか「はい、でも。もしかしたらマミさんには考え方が甘いって怒られそうで」
マミ「どんな夢を叶えるつもり?」
まどか「私って昔から得意な学科とか、人に自慢できる才能とか――何もなくて、きっとこれからさきずっと、誰の役にも立てないまま迷惑ばかりかけて行くのかなって。それが嫌でしょうがなかったんです。
でもマミさんと会って、誰かを助ける為に戦うの見せてもらって、同じことを私にもできるかもしれないって言われて――何よりも嬉しかったのはそのことで。
だから私、魔法少女になれたら、それで願い事は叶っちゃうんです。こんな自分でも誰かの役に立てるかも胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから」
マミ「大変だよ? 怪我もするし、恋したり遊んだりしてる暇もなくなっちゃうよ?」
まどか「でも、それでも頑張ってるマミさんに私、憧れてるんです。」
マミ「憧れちゃう程の者じゃないわよ。私、無理してかっこつけてるだけで、怖くても辛くても相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり。いいものじゃないわよ?魔法少女なんて」
まどか「マミさんはもう一人ぼっちなんかじゃないです」
マミ「……そうね。そうなんだよね。本当に、私とこれから戦ってくれるの? 側に居てくれるの?」
まどか「はい。私なんかでよかったら」
マミ「なんかな、まだまだ先輩ぶってなきゃいけないのにな。やっぱり私はダメな子だ。でもさ、折角なんだから願い事は考えておきなさい」
まどか「折角――ですかね。やっぱり」
マミ「契約は契約なんだから、物はついでと思っておこうよ。億万長者とか、素敵な彼氏とか、なんだっていいじゃない」
まどか「いいえ、その」
マミ「じゃ、こうしましょう。ここの魔女やっつけるまでに願い事が決まらなかったら、その時はキュゥべえにご馳走とケーキを頼みましょう」
まどか「ケ、ケーキ!?」
マミ「そう、最高に大きくて贅沢なお祝いのケーキ」
まどか「ふぇ」
マミ「それで、みんなでパーティーするの。私と鹿目さんの魔法少女コンビ結成記念よ」
まどか「私、ケーキで魔法少女に?」
マミ「いやならちゃんと自分で考える」
キュゥべえ『マミ、グリーフシードが動き始めた。孵化が始まる。急いで』
マミ『OK、わかったわ。今日という今日は速攻で片付けるわよ。え、そんな』
マミ「お待たせ」
さやか「間に合った……」
キュゥべえ「気を付けて、出てくるよ」
マミ「悪いけど、一気に決めさせて、もらうわよ」
マミ「ティロ・フィナーレ」
巴マミの視界に、彼女自身に向けられた鋭い牙が写る。
咄嗟の事で唖然としていた彼女は、ただその光景を眺めていた。
そしてその鋭い牙が彼女に触れる前に、彼女の体はある少女に押し倒されていた。
ほむら「よかった。間に合ったぁ……」
暁美ほむらは巴マミの上でそう呟く。
ほむらは息が途切れ途切れで、額にも薄く汗を浮かばせている。
急いでやってきたのだろか――とほむらを気にかける余裕ができて初めて、彼女は周りの異変に気付く。
セピア色に色褪せた世界――その世界で動いてる者はどこにもいない。
まどかも、さやかも、キュゥべえも、そしてマミとほむらの頭上で牙を剥けている魔女ですら……。
ほむら「生きている……まだ生きている」
そう言って背中に手を回し、巴マミを抱きしめる。
マミ「暁美さん……? 貴女はいったい」
状況を把握しても理解が追いついていないマミは、唖然としてほむらを見る。
ほむら「ごめんなさい。今はまだ――彼女が来るまで言えないの」
マミ「彼女?」
マミが疑問を口にすると、ほむらはゆっくりと口を開いて答える。
――神名あすみ、と。
ほむら「巴マミ」
お菓子の魔女を倒した暁美ほむらは巴マミの名前を呼び、手に入れたグリーフシードを投げ渡す。
マミ「……」
それをマミが難なく受け取るのを見届けると、ほむらは残りの二人に向けて口を開く。
ほむら「目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるってこういうことよ」
そう言って姿を消したほむらを見て、さやかが愚痴を漏らす。
さやか「……クソ、美味しいとこ取りかよあいつ!」
しかし、ほむらの魔法を体験したマミは表情一つ変えずに考え込んでいた。
神名あすみと、彼女が最後に言い残したキュゥべえに気を付けて――という言葉が指す意味を。
まどか「マミさん、大丈夫ですか!?」
そう言って寄ってきたまどかを見て、彼女は思案する。
こんな状況下で彼女を巻き込んでもいいのだろうか、と。
マミ「ええ、なんとかね」
そして彼女は彼に聞いてみようと思い、辺りを見渡す。
しかし、彼女が探しているキュゥべえの姿はどこにも見当たらなかった。
あすみ「キュゥべえ、どうだった?」
キュゥべえ「おそらく後者かな。殺されかけたというわりに、マミはやけに落ち着いていた。空間移動では説明が付かないけど、時を止めたと仮定するなら十分説明が付く」
あすみ「考えうる最悪のケースが残ったわけか」
キュゥべえ「……」
あすみ「まあ安心してキュゥべえ。どっちにしろやることは変わらないし、負けるつもりなんて端からないんだから」
三話部分終わり
巴マミが生き残り、アニメ4話以降はほとんど引用するところないので遅くなります
あと最後の方、駄文失礼しました
あれだけでも結構時間がかかったので察して欲しいのですが、遅筆なので次は遅くなるかもしれません
と言いましたが、地の文は描写がないと本当に無理な状況じゃないとやらないと思うので、次がいつ出来上がるかはわかりません
あれ?本番はまだかね?
>>1です。別パソで不安なので適当なコテハン#aaaでテスト中←発覚防止のため
いけるようなら投下します
いけるっ!
>>67
ほむら「ああ! まどかっ! まどかぁっ!」
こんな感じですか? わかりません
――?日目――
「貴女には命を賭けられる願いを持っている。そしてそれを叶える術を知っている。だから私は確信してる。貴女が魔法少女になるって」
さやか「そんなのわかんないだろ」
「わかるよそのくらい。現に貴女は契約するかで揺れている。違うわね。答えは出てるけど、本当にそれでいいのか不安。だから人の意見の意見を聞いてみたい。結局こういって欲しいのでしょ、貴女の願いは間違っていないって。大丈夫、貴女は間違っていない。それは人として正しい願いだって私が保証する。それで、貴女はどうするの?」
さやか「……少しだけ、考えさせて」
「そう、それじゃ最後に一つだけ。こっち側で待ってるから――」
さやか「……変な夢。こりゃまどかのことも笑えないか」
ほむら『巴さん、聞こえますか?』
マミ『聞こえているわ。それで、今までと態度が随分違うようだけど、どういう心境の変化?』
ほむら『もう偽る必要がなくなりましたから』
マミ『どういうこと?』
和子「えー確かに、出産適齢期というのは、医学的根拠に――」
キュゥべえ『それについては僕にも教えてほしいな。暁美ほむら、君は一体何を企んでいるんだい?』
ほむら『……巴マミ、それについてはあとで話すわ。用があるのは貴女と鹿目まどかと美樹さやかだけ』
キュゥべえ『僕は邪魔者ってわけかい?』
ほむら『そうね。否定はしないわ』
和子「そこからの逆算で――」
マミ『ごめんなさいキュゥべえ。今回だけは外してくれないかしら。それで暁美さん、場所は私の部屋でいい? 昨日のお礼も兼ねて、ね』
ほむら『ええ、私はそれで構わないわ』
和子「つまり、三十歳を超えた女性にも――」
キュゥべえ『……マミがそういうなら仕方ないね。でも、彼女には十分気を付けてね!』
マミ『ええ、わかってるわ』
ほむら『……』
和子「したがって、ここは過去完了形ではなく、現在進行形を使うのが正解――」
まどか「あの、マミさん話って……」
マミ「暁美さんが話したいことがあるから集めてほしいって、それより美樹さんは?」
まどか「さやかちゃんなら今日もお見舞いに……」
マミ「そう、用事があるなら仕方ないわね」
まどか「マミさん、あの!」
ほむら「巴マミ、いいかしら」
マミ「ええ、どうぞ。キュゥべえならいないわよ」
ほむら「そう……ですか。おじゃまします」
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「どうしたのまどか」
まどか「その、話し方が……」
ほむら「それについては後で話すわ。巴さん、悪いニュースとすごく悪いニュースどちらから聞きたい、ですか?」
マミ「そうね。それじゃ悪いニュースからお願いできるかしら」
ほむら「昨日の夜、神名あすみが見滝原にいるのを確認しました」
マミ「そう……やっぱり」
まどか「えっと、その子ってどんな人なんですか?」
マミ「……良い噂は聞かないわ」
ほむら「彼女は、魔法少女を狩る魔法少女よ」
まどか「魔法少女を……狩る」
マミ「先日、手柄の取り合いになってぶつかることがあるって話はしたでしょ?」
まどか「はい」
マミ「本来なら戦いに勝った方がその縄張りで活動を続けるのだけど、そのあすみって子は戦いに勝ってもすぐに別の縄張りに移動してるらしいの。それで戦いに負けた魔法少女たちは……」
ほむら「それで彼女は魔法少女キラーとも言われてるらしいわ」
まどか「キラーって、そんな人が……マミさんが!」
ほむら「そんなこと、私がさせない」
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「……そしてすごく悪いニュースだけど、聞くにはそれなりの覚悟がいります。大丈夫、ですか?」
マミ「構わないわ」
ほむら「わかりました」スッ 変身
マミ「どういうつもりかしら?」スッ 変身
ほむら「こういうつもり、です」カチッ
ほむら「……」ダキッ
マミ「……そういえば昨日も抱き着いてたわね。もしかして甘えん坊さんなのかしら?」
ほむら「ごめんなさい。鹿目さんにはどうしても聞かれるわけにいかなかったので」
マミ「それならどうして私の両腕を固めるのかしら?」
ほむら「それは最悪の事態を避けるため、です」
マミ「まあ、いいわ。話を聞こうじゃない。それと畏まらなくていいわよ。慣れてないのでしょ?」
ほむら「お構いなく、私なりのけじめですので……。実は私、未来でキュゥべえと契約した魔法少女なんです」
マミ「……は?」
ほむら「信じられないと思いますが、事実なんです。その世界で私、魔法少女になった鹿目さんと貴女に助けられて、憧れて、鹿目さんのようになりたいと思いました」
マミ「彼女のように」チラッ
ほむら「キュゥべえと契約した彼女は今とは別人のように自信満々でかっこよかったんですよ? 私もその時は内気で弱虫でしたし」
マミ「へぇ、あなたが」
ほむら「それで一か月後、この町にワルプルギスの夜が現れて……」
マミ「ごめんなさい。ワルプルギスの夜って、あのワルプルギスの夜でいいのかしら?」
ほむら「はい。そのワルプルギスの夜です。それで巴さんと鹿目さんが戦って……」
マミ「負けたのね。私たち」
ほむら「……守られるだけで、何もできなかった私が悔しくて、キュゥべえと契約しました。彼女との出会いをやり直したいって」
マミ「それでこんな魔法が使えるのね」
ほむら「はい。それで時間を巻き戻して、貴女に戦い方を教えてもらって、無事、とは言い難いですけどワルプルギスの夜も倒せました」
マミ「それで、ワルプルギスの夜を倒したあなたがどうしてここにいるわけ?」
ほむら「そこで知ってしまったんです。魔法少女の真実について。……ここからショックが強いので遠まわしで話しますね。――ソウルジェムって、日本語に直したらどうなると思います?」
マミ「……ソウルが魂で、ジェムが宝よね」
ほむら「はい、そして宝には大切なものって意味もあります」
マミ「それって……!」
ほむら「……察しの通りです」
マミ「いいわ……続けて」
ほむら「そして知っての通り私たち魔法少女は魔法を使うと穢れが溜まっていきます。そしてソウルジェムが真っ黒になると」
マミ「っ! やめて!」
ほむら「……」
マミ「ごめんなさい……」
ほむら「……魔法を使う少女達は魔法を使う女として生まれ変わります」
マミ「それって……」
ほむら「……」
マミ「……なるほどね。魂を抜き取られてて、しかも酷使すると魔女になるですって。もしその話が本当なら――ソウルジェムが魔女を生むなら――」
ほむら「……」ギュウ
マミ「暁美さん……?」
ほむら「そんなことないです。あなたと私が死んだら、二人はどうなるんですか」
マミ「二人って……」
ほむら「美樹さんと鹿目さんです。昨日も見ましたよね? キュゥべえは二人が危険な状況になればにすぐに契約を持ちか
けます」
マミ「ダメよそんなこと!」
ほむら「そしてキュゥべえと鹿目まどかが契約するとします。鹿目さんは史上最強の魔法少女になります。もしそんな彼女が魔女になったら――人類は一週間以内に滅びます」
マミ「人類が……嘘でしょ?」
ほむら「……」
マミ「本当なのね……」
ほむら「鹿目さんを契約させるわけにはいかない。そう思って私は再び時間を巻き戻しました。そこから、私の迷走が始まりました。私の言うことを信じてもらえず、ふてくさり、いつしか誰も信じず一人で何とかしようとしてました。それが――」
マミ「それが昨日までの貴女ってわけ?」
ほむら「はい。正確には前の世界までの私です。実はこれでも結構緊張してるんですよ? 私の話を信じてもらえるか」
マミ「えぇ、あなたの鼓動でわかるわ。痛いほどにね」
ほむら「……」
マミ「なるほどね。最悪の事態ってそういうことか」
ほむら「……」
マミ「誰か撃ったのね、私。自分の仲間を」
ほむら「……巴さんはバラバラだった私たちをまとめようと頑張ってくれていました」ギュッ
マミ「いいの。一番頑張ってきたのはあなたの方でしょう。辛かったよね。ずっと一人で」
ほむら「……はい」
マミ「悲しかったよね。誰からも信じてもらえなくて」
ほむら「はい……」ギュッ
マミ「でもこれからは一人じゃないわ。あなたも、そして私も」
ほむら「それって」
マミ「私の後輩が頑張ってきたんですもの。私も頑張らないとね」
ほむら「……ありがとう、ございます」
マミ「もう……泣かないの。泣くのは全部終わってから、ね?」
ほむら「……はい!」
恭介「さやかは僕を苛めてるのかい?」
さやか「え?」
恭介「なんで今でもまだ、僕に音楽なんか聞かせるんだ。嫌がらせのつもりか?」
さやか「だって恭介、音楽好きだら……」
恭介「もう聴きたくないんだよ! 自分でも弾けもしない曲、ただ聞いてるだけなんて」
恭介「僕は……僕は……っ!」
恭介「動かないんだ……もう、痛みさえ感じない。こんな手なんてっ」
「貴女には命を賭けられる願いを持っている」
さやか「っ! でも諦めなければきっと、いつか――」
恭介「――諦めろって言われたのさ。もう演奏は諦めろって。先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」
「そしてそれを叶える術を知っている」
恭介「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもない限り治らない」
「だから私は確信してる」
さやか「あるよ」
恭介「え?」
さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
「貴女が魔法少女になるって」
まどか「あ! 仁美ちゃん……?」
仁美「あら、まどかさん、御機嫌よう」
まどか「ど、どうしちゃったの? ねえ、どこ行こうとしてたの?」
仁美「どこって、それは……ここよりもずっといい場所、ですわ」
まどか「仁美ちゃん……」
仁美「ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に。ええそうですわ、それが素晴らしいですわ」
まどか(どうしよう……これってまさか……)
まどか (あぁ……マミさんに連絡を)
マミ「どうしたの鹿目さん?」
まどか「あの、友達を見つけて……そしたら魔女の口づけが」
マミ「っ! わかったわ。今どこにいるの?」
まどか「えっと……」
あすみ「はぁ~~い。初めまして巴マミさん」
マミ「あなたは……」
あすみ「まあ、知らないのも無理はありませんけど」
あすみ「こうすれば最低限はわかりますよね」スッ
マミ「あなた、魔法少女ね」変身
あすみ「ご名答」変身
マミ「それで何の用かしら。これでも私急いでるの」
あすみ「いやだな。あなたも一年ほどやってるならわかるんじゃないかなぁ? 魔法少女が魔法少女に用があるって言ってるんですよ? 戦う以外に何かあるんですか?」
マミ「なるほどね。でも私、あなたと戦う暇すらないのだけど」
あすみ「そうですねー。困りました……だったらどうしようかなー」
マミ「……」
あすみ「うーんどうしましょう。どうしましょう」ニヤニヤ
マミ「もういいかしら。何度も言うとおり、私急いでるの」
あすみ「やだ、怒ってるの? そんなに怒ってると眉間に皺ができちゃうよ?」
マミ「……」イライラ
あすみ「なーんてね。もういいですよ巴さん」
マミ「? どういうことかしらっ?」
あすみ「いやね。もう結界出来上がってるし、四十秒近く足止めできたならもう十分かなって」
マミ「足止めってあなた!」
あすみ「それじゃまたね。生きてるといいね。お・と・も・だ・ち」
マミ「っ! 急がないと!」
あすみ「……」
あすみ「ふぅ……。あの人がいないなら、直接やったほうが早いのに」
さやか「いやーゴメンゴメン。危機一髪ってとこだったねぇ」
まどか「さやかちゃん……その格好」
さやか「ん? あーはっは、んーまあ何、心境の変化って言うのかな?」
さやか「大丈夫だって! 初めてにしちゃあ、上手くやったでしょ? 私」
まどか「でもさやかちゃん……!」
さやか「あ!」
ほむら「さやか……」
さやか「ふん、遅かったじゃない。転校生」
キュゥべえ「はあ……。まさか君が来るとはね」
杏子「あすみが来るって聞いたからさぁ、わざわざ出向いてやったっていうのに、なんか人多くない?」
キュゥべえ「……悪いけど、これからこの土地で争いが起きる。君はわざわざ戦火に飛び込む気かい?」
杏子「悪いけど、町の近くに悪名名高いアイツが現れて、そのまま放っておけるほど呑気じゃねぇよ」
キュゥべえ「それで、どうするつもりだい? 杏子」
杏子「決まってるじゃん。邪魔する奴は全員ぶっ潰せばいんでしょう?」
杏子「……あすみもろとも」
よし、終わった。
これで登場キャラは全員揃いました。
まぁ、アニメ版にあすみ足しただけですが
あと規制(?)でkillerの漢字が使えない(?)らしく、横文字になったわけですが、
とりあえず脳内で漢字にしてくださると幸いです。横文字だとなんか……
あとあすみの設定に関して若干手を加えてるのですが、いつか投下したがいいですかね?
いる人がいるようなら10話後にちゃっかり投下します
タブレットから
抱きつき方は後ろから両腕を押さえてる感じです
それを固めるって言わないなら脳内補完お願いします
関節決めてギュッとか拷問ですやめてください
深夜のノリとテンションでやった結果がこれだよ!
oh……あれから9日ほど経ったわけですが、時間取れないのと戦闘の描写でまだ時間かかりそうっていう
ふぅ……とりあえず一段落ついたので
戦闘シーンを会話だけで想像しろってのもあれなので
後半地の文が多量ですぇ……
仁美「ふあぁぁ…あ、はしたない。ごめんあそばせ」
さやか「どうしたのよ仁美。寝不足?」
仁美「ええ、昨夜は病院やら警察やらで夜遅くまで」
さやか「えー、何かあったの?」
仁美「何だか私、夢遊病っていうのか。それも同じような症状の方が大勢いて。気がついたら、みんなで同じ場所に倒れていたんですの」
さやか 「はは、何それ?」
仁美「お医者様は集団幻覚だとか何とか…。今日も放課後に精密検査に行かなくてはなりませんの。はあ、面倒くさいわ…」
さやか「そんな事なら、学校休んじゃえばいいのに」
仁美「ダメですわ。それではまるで本当に病気みたいで、家の者がますます心配してしまいますもの」
さやか「さっすが優等生!偉いわー」
さやか「久々に気分良いわー。爽快爽快」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「ん? どうしたまどか?」
まどか「いや、その……」
さやか「まったく、まどかもマミさんもそんなに心配しなくていいのに。ほら、昨日の奴にだってあっさり勝てたわけだし」
ほむら「そういう問題じゃないのだけど……」
さやか「げっ、転校生。何か用かよ。用がないなら――」
まどか「――待って! さやかちゃん!」
さやか「何だよまどかぁ」
まどか「お願いだから、ほむらちゃんの話も聞いてあげて……」
さやか「……はぁ、それで転校生は何の用」
ほむら「その、今までごめんなさい。本当に、本当にごめんなさい……」ペコリ
さやか「……は? え?」
さやか『ね、ねぇ、まどか。アイツ一体どうしたわけ? 熱があるとか、変な茸食べたとか?』
まどか『そんなこと……ないって思うな』
さやか『いや、だってまどか。あれはねぇよ。いつもクールで二枚目の電波が、いきなり頭を下げて謝りだした誰だって困惑しちゃうよ! サイコの電波さんなのはいつもだけど、あれはねぇよ!』
ほむら『聞こえているのだけど』
さやか『あ、いや、その……』
まどか『さやかちゃん……』
さやか「えっと、私そろそろ行かないと。じゃあね。まどか、転校生!」
まどか「……逃げたね」
ほむら「……」
まどか「ねぇ、ほむらちゃん……いきなりすぎない?」
ほむら「いや、でもまずは謝らないといけない気がして……」
さやか(あたしの願い、ちゃんと叶ったよ)
さやか(後悔なんて、あるわけない)
さやか(あたし、今最高に――これって……マミさん?)
さやか&恭介 病院での出来事なので原作通りなのでカット&差分だけ
あすみ『こんにちは巴マミさん。私の声、まだ覚えてますか?』
マミ『何の用かしらあすみさん。私に一体何のようかしら。今日も魔女探しで忙しいのだけど?』
あすみ『少し時間を貰えませんか。ただ貴方を倒して、貴方の縄張りを貰うだけです。そう時間はかかりませんから』
マミ『あら、今日はずいぶんと威勢がいいのね』
あすみ『事実ですので』
マミ『そこまで言うなら少しだけ時間を割いてあげる。場所はそこでいいのかしら?』
あすみ『ええ、ビルの屋上で待ってます。あと、人払いをしておくので安心してください』
人払いを済ませながら、神名あすみは彼女の情報を復習する。
彼女の名前は巴マミ。
数年前に事故で家族を失い、自身も瀕死の状態の時、自身の命を繋ぐためにキュゥべえと契約を交わした魔法少女。
平均以上の回復魔法を使用することができ、戦闘では単発式銃火器を用いる遠距離型。
主にマスケット銃や大砲と拘束魔法を組み合わせた戦い方が特徴的。
拘束魔法からの巨大な銃器の召喚や無数の銃を出現させて行なう一斉射撃など火力面では申し分ない。
銃を鈍器に見立て、蹴り技と織り交ぜることで接近戦もそつなくこなせるベテランの魔法少女である。
魔法少女の中では稀なことに、魔女と使い魔の脅威から守るという信念のもとで行動している。
それが原因で佐倉杏子と仲違いを起こし、孤独を感じている一面がある。
孤独を感じながらも、この街を守り続けてた彼女の精神面は決して弱くない。
いつか真実を知り、心が折れかかったとしても、彼女は自分の信念の下に行動を起こすだろう。
そして人払いを済ませるとほぼ同時に、屋内に繋がっているドアが開く。
屋上へとやってきたマミは既に変身を済ませているあすみを見て、無言で変身するのだった。
突然、ビルの屋上に錆が舞い始める。
マミは浮かび立つそのシルエットにマスケット銃を構える。
その錆の主を彼女は知っていた。
その主はかつて敗走を余儀なくされた魔女だった。
その魔女は彼女と杏子が止めを刺したはずの魔女でもあった。
あすみは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるマミを見て、口の端をそっと吊り上げて語りかける。
あすみ『聞こえませんか? あの子の声が』
そういうと魔女の後ろ隣に少年が現れ、その少年の鳴き声が辺りに響く。
それはマミにとっては忌々しい記憶。
あすみ『見覚えありますよね、この子の姿を』
その姿は銀の魔女に囚われたあの時の少年の姿。
あすみ『なにせ、あなたが初めて見殺しにした男の子――ですよね』
その少年はマミと目が合うと更に泣き出し、その声は次第に大きくなっていく。
あすみ『例えばの話だけど』
そう話を切り出すあすみを余所に、老若男女、数多の人々が二人を中心に現れ始め、苦痛の声が挙がる。
あすみ『死者を蘇らしてほしいと願い、契約を交わしたら、私の固有魔法は何になると思います?』
その問いにマミは答えず、代わりに彼女のマスケット銃が火を噴いた。
銀の魔女はそれを悠々と防ぐが、あすみはそれに構わず話を続ける。
あすみ『ネクロマンサー。一時的になら死者を生き返らせることだって可能だと思いませんか?』
マミは答えずにマスケット銃を大量に召喚すると、狙いを銀の魔女に変え、発砲する。
無限の魔弾、彼女が名付けたマスケット銃の一斉射撃が銀の魔女に叩き込まれる。
一撃事に銀の魔女は辺りに錆を振りまきながら体を大きく揺らす。
全弾をその身で受け、銀の魔女は手を地面につけるもすぐに立ち上がる。
あすみ『貴方は魔女や使い魔の脅威から守るために戦ってるんだっけ? どうです? この光景。貴方が救えなかった命がこんなにたくさん』
そしてあすみは、右にメイス型の、左にフレイル型のモーニングスターを手にすると、口元を笑みで歪めながらこう言った。
『あなたがしてきたことがどれだけ無意味なのか、教えてあげる』
異変を察知したさやかは、病院から飛び出してその現場へと向かった。
そして不自然に人気がないビルを見つけてその階段を上ると、更に上の階から響く声を耳にする。
さやか「何が起きてるの、コレ」
嘆き、痛み、恐怖、絶望など、様々な負の感情が入り混じった声を聞き、さやかは魔法少女に変身して一気に階段を駆け上がる。
そしてその音源である屋上まで来ると、ドアを開けて屋上へと出た。
さやか「マミさん!」
そこでさやかが目にしたのは、吹き荒れる錆と、床に倒れているボロボロの先輩と、一人の魔法少女だった。
マミ「美樹さん……来ちゃだめ!」
武器を構え、マミの背を足蹴にしているあすみは、さやかを見て無邪気な少女のように話しかける。
あすみ『どうしたんですか? 美樹さやか』
さやか「っ!」
自分の名前を知る得体の知れない少女と、尚も負の感情をまき散らす声に悪寒を感じながら、さやかは身を奮い立てて声を荒げる。
さやか「マミさんから離れろ!」
あすみ『離れる? そうね。次はあなたの番だもの』
あすみ『本当は見逃すつもりだったけど、しょうがないようね。だって私の前に立つんだもん』
マミ「っ! 美樹さん逃げっ――」
苛立ちを抑えているのか、マミを踏みつける力を強めるあすみを見て、さやかは再び声を荒げる。
さやか「いいからマミさんから離れろっ!」
あすみが手を振ると、あすみの傍らに立つ銀の魔女は、マミから離れて人の輪の外に移動する。
あすみ『助けたかったら私を倒せばいい。わかりやすいでしょ?』
マミ「お願い逃げて……美樹さっ!」
苛立ちがピークに達したのか。あすみは足を振り上げて、マミの背中を踏みつける。
そしてあすみは地面に伏せるマミを見下しながら冷たく言い放った。
あすみ『いい加減黙れよ』
さやか「離れろって……」
あすみ「……」
戦いが始まることを悟った両者は互いに構えて、互いに地面を強く踏みしめる。
さやか「言ってんだろうがぁあああっ!!」
あすみ『やれるものなら!』
剣を構え無鉄砲に突っ込むさやかを、あすみは体捌きのみで圧倒する。
一撃目で勢いを止め、二撃目で体制を崩し、三撃目で剣を叩き折る。
さやかは新しく剣を出して立て直すも、あすみは止まらない。
躱され、折られ、反撃に重い一撃をもらう。
再び剣を出し――この繰り返しである。
もし彼女の契約が癒しの祈りでないのなら、勝負は既についている。
むしろ癒しの祈りだからこそ、まだ勝敗の見える戦いが長引いていると言っていいだろう。
それほどまでにさやかとあすみの差は歴然であった。
接近戦では勝てないことをようやく悟り、冷静になったさやかは、あすみから距離をとる。
あすみは敢えて迎撃をせずに、たたずみ、さやかに人差し指でカモンっと挑発する。
舐められていることに眉を顰めながらも、さやかはマントから複数の剣を地面に突き刺し、回転して、その剣達を一本ずつあすみへと投げる。
あすみはメイス型のモーニングスターを出すと一本ずつ余裕をもって丁寧に撃ち落とす。
しばらくその攻防が続き、あすみは足元に数本の剣が突き刺さったのを確認すると、反対の手で巨大なフレイル型のモーニングスターを召喚する。
あすみの身長とそう変わらない大きさの鉄球を、あすみは攻撃が途切れた隙を狙ってさやかに打ち出した。
曲線軌道を描きながら近づいてくるその鉄球を、さやかは危なげであるが回避する。
そして鉄球がコンクリートの床を大きく抉り、その光景を見てさやかはもし当たったらと戦慄する。
その隙をあすみは逃がさなかった。
床に突き刺さっている剣を瞬時に指の間に挟んで抜き取ると、さやかの逃げ場を縫うように投擲し、あすみはさやかに接敵する。
接近戦では勝ち目がないことを知っているさやかは、彼女が投擲した意味も考えず、接近戦を避けるために後ろに下がろうとした。
当然ながら曲線軌道を描きながら逃げ場へと投擲された剣が、さやかの体を貫く。
まず上からの一本が彼女の右太ももに刺さり、そのあと左右から一本づつの剣が腹部を貫いた。
さやかは苦痛の声を挙げるが、すぐにあすみから放たれた重い掌底を顎に受け、地面に倒れた。
そして地面で気を失ったさやかを見下ろしながら、あすみは罵る。
あすみ『戦場に迷い込んだのかしら、素人が』
乱れた息を整えながらあすみは振り返り、一人の少女に話しかける。
あすみ『ああ、可哀そうに。癒しなんて祈らなかったら、こんな無様に倒れることはなかったのに』
マミ「いや、いやぁ……美樹さん」
それを端から見ることしかできなかった巴マミは、目に涙を溜めて呟く。
そんな彼女へ、あすみは止めを刺す。
あすみ『そういえば、貴女は守るために戦ってきたんですよね』
そう言って、彼女はさやかの剣を振り上げる。
その意味を悟ったマミは声を荒立てる。
マミ「っ! お願いやめて!」
あすみ『チッ……また、守れませんでしたね。巴マミ』
あすみは一つ間を置いて、構えた剣を振り下ろす。
ほむら「それはどうかしら」
一発の銃声と、何かが砕ける音が辺りに響いた。
5話目終わり。
ほむらは対人関係が不器用なのでこんな感じかなぁと。
あとようやくあれらしい戦闘ですか。
駄文続いてすまんが戦闘はちょっと会話だけでは無理だった
少し設定説明しておくと
魔法少女の筋力=((素+魔翌力強化)*脳のリミッター(%))
あすみはキュゥべえに使える戦闘知識叩き込まれてる
そしてようやく原作カットを覚えるという
分量的には半分しかできてないけどとりあえずできたところまで投下します
一発の銃声と、ソウルジェムが砕ける音が辺りに響く。
それを皮切りに、あすみの体はゆっくりと崩れ落ち、銀の魔女含めた周りにいた人々の姿が消え始める。
地面に倒れたあすみの傍らには、一丁の拳銃を構える一人の少女の姿があった。
ほむら「やった……私は確かに、彼女を――彼女を……私が」
その少女――暁美ほむらは拳銃を下に向け空を見上げて言葉を漏らす。
そんな光景を眺めていたもう一人の少女はほむらの様子を見て唖然とする。
マミ「暁美……さん?」
マミ「暁美さん、美樹さんを……!」
ほむら「ごめんなさい。回復は得意じゃなくて……渡したソウルジェムはまだ残ってますか?」
マミ「えぇ」
ほむら「それで回復を……おねがいします」
マミ「わ、わかった」
さやか「――おわあああああ。ってあれ? マミさんに……転校生?」
マミ「やっぱり、あの話は本当なのね。あれだけボロボロだったのに……美樹さん、怪我はもう大丈夫?」
さやか「怪我って? ってそれより! アイツ! アイツどうしたんですか!」
あすみ「」
マミ「彼女は、その……」
ほむら「……」
あすみ「」ムクリ
ほむら「え?」
マミ「うそ……」
あすみ『っははははは』
あすみ『ソウルジェムを砕いた程度で、本当に私を殺したと――本気でそう思ってるの? 暁美ほむら!』
さやか「くっ、このやろう」お腹サスサス
マミ「暁美さん! これはどういうこと!?」
ほむら「……」
あすみ『まあ、理解できないでしょうね。所詮キュゥべえと契約しただけで――しかも敵対しているあなたたちが、"この事"を知ってるはずないですものね』
さやか「キュゥべえと敵対? 何意味わからないこと言ってるのコイツ」
あすみ『おや、知らないんですか? そこの二人は――巴マミは暁美ほむらの言うことを真に受けて、キュゥべえからそっちの側に寝返ったの』
さやか「え……え? マミさんそれってどういう――」
マミ「――後で話すわ」
さやか「え、あっ、はい……」
あすみ『後で話す。後で、後で。みんなそうやってはぐらかす。どう? 美樹さやか。私と一緒に来れば直ぐにでも教えるけれど?』
さやか『っ!誰が――』
ほむら「――残念だけど神名あすみ。あなたはこの場で死ぬのだからその機会は永遠に訪れないわ」
さやか「おい。今私がしゃっべってるだろ?」
あすみ『奇遇ね暁美ほむら。私もあなたのこと殺したいと思ってるの。でも――今日は引かせてもらうわ』
さやか「お前まで無視するなぁー!」
ほむら「させな――っ!」
さやか「ってうわっ、アイツまで消えれるのかよ。くそっ、言いたいことだけ言って逃げるなぁー!!」
マミ「美樹さん……」
あすみ「はぁはぁ……」
キュゥべえ「お疲れ様、あすみ。調子はどうだい?」
あすみ「……相変わらずこれ、反動が凄いね」
キュゥべえ「それは仕方がないよ。常にリミッターを外して戦っているんだ。元に戻った時に反動がくるのは当然のことさ。それで彼女を真近で見てどうだったかい?」
あすみ「一発で場を巻き返す……わかっていたけど本当に強い」
キュゥべえ「まあそれが彼女のイレギュラーたる所以だからね。実際、彼女がいなければ事もすんなりと済んでただろうね」
あすみ「そして私が来る必要も、ね」
杏子「――よう、こんなところで奇遇じゃねぇか。キュゥべえ」変身
キュゥべえ「っ!? あすみ今すぐ逃げて!」
あすみ「逃げる? 冗談……それで佐倉杏子さん、いったい何の用?」
杏子「なるほどね……胡散臭いとは思ってたが、そいつはアンタの味方だったってわけだ。キュゥべえ」
あすみ「そう、私はキュゥべえの味方。だからあなたと戦うつもりはないの」
杏子「あ? それで"はいそうですか"って済むとは思ってねぇだろうな。早く変身しな」
あすみ「そう? 私は済むと思ってるけど? 言ったでしょ。"私はキュゥべえの味方"だって」
杏子「はっ。それで、そいつの味方だからどうだってんだよ」
あすみ「私はキュゥべえに言われた子以外興味がないの。あなたは先日それとなく言われなかった? 私に関わるなって」
杏子「……だからなんだよ」
あすみ「私は本当にあなたと戦うつもりはないってこと。やること終わったら直ぐ次の場所に行く予定」
あすみ「なんなら終わったらこの街を空け渡してもいいわ。これに誓ってもいい」ポイッ
杏子「……」パシッ
杏子「……その話、本当だろうな?」
あすみ「もちろん」ポイッ
杏子「……」パシッ
あすみ「お願いだから余計な手間をかけさせないで。最悪の場合、私はあなたとも戦わなければいけなくなるのだけど……どうする? あと三つなら交渉ということであげてもいいけど」
杏子「ちっ、調子狂うな。もういいよ。とりあえず様子を見るだけだからな」
あすみ「ありがとう。助かるわ」
さやか「おう転校生」
まどか「あっ、おはようほむらちゃん」
ほむら「おはよう美樹さん、まどか、志筑さん」
仁美「あら、私のことは遠慮なく仁美でいいですのよ?」
ほむら「ええ、おはよう仁美」
さやか「ぬぬ、これは私の嫁達が取られるピンチかぁ?」
仁美「あらあら、私もさやかさんの嫁でしたのね」
さやか『転校生、昨日の話、そろそろ教えてほしいのだけど』
ほむら『ええ、もちろんそのつもりだけど……』
まどか「まったくもう、さやかちゃんったら……」
ほむら『? まどか、聞こえてる?』
さやか『ん? ああ、キュゥべえが近くにいないからかも。ほら、まどかは魔法少女じゃないから』
ほむら『……そういえばそうそうだったわね。まあ好都合よ』
仁美「いけませんわほむらさん。私はともかく、まどかさんとさやかさんは目と目で通じ合うほどの仲。私たちが邪魔したらいけませんのよ?」
さやか『もしかしてまどかに聞かれたくない話だったとか?』
ほむら「ええ、そうね」
まどか「ほむらちゃん!?」
さやか「転校生?」
ほむら「も、もちろん冗談よ」
ほむら『と、とにかく好都合なの』
仁美「まあまあ、それにしてもお二人は相変わらず息がぴったりですのね」
さやか「まあ、まどかとは長い付き合いだしね。もちろん仁美も長い付き合いだけど」
さやか『まどかには聞かれたくない話、ね。とりあえずは聞かせてもらおうじゃないの』
さやか『あんたの話は分かったわ。キュゥべえを敵視するわけも、まどかに拘るわけも。でも、そんな話信じられると思う?』
さやか『キュゥべえが私たちを騙してて、契約するとゾンビにされて、私たちが魔女になるって話をさ』
ほむら『……』
さやか『答えなさいよ。転校生』
仁美「どうしましたさやかさん。急に怖い顔なさって……」
まどか「さやかちゃん?」
さやか「いや、なんでもない。なんでもないからほんと」
ほむら『……私の話なんて信じてくれないの?』
さやか『むっ、その言い方は卑怯だろ』
ほむら『……そうね。ごめんなさい』
ほむら『でも、私はもう手段なんて選んでられないの。私はもう嫌なの。あなたたちと友達になれない世界は……』
さやか『転校生?』
まどか「ほむらちゃん?」
仁美「もしかして体調がすぐれないとか……」
ほむら「いえ、大丈夫。心配かけてごめんなさい」
ほむら『暗い話になるけど、構わないかしら?』
さやか『……いいよ。話して』
ほむら『まどかが契約しないように時間を巻き戻してきた話はしたわよね。それで私は一つ前の世界まで、ワルプルギスを倒おしてまどかさえ契約しなければ、他の誰がどうなろうとどうでもいいって思っていたわ』
さやか『!?』
ほむら『誰も信じてくれないって捻くれて、いつしかあなたたちを説得することすらあきらめて、するとしても口頭での注意だけ。例え誰かが死のうが、例え不気味に思われようが、例えまどかに恨まれようがお構いなく――ワルプルギスの夜さえ倒せればそれでいいって、そう本気で思ってた。……本当に酷い話』
まどか「……ほむらちゃん、やっぱり少し顔色悪いよね?」ボソ
仁美「……ですわよね」ボソ
ほむら『でもある人が自分の命も顧みずに説教してきたわ。あなたは何のために魔法少女になったのかって』
ほむら『まどかとの出会いをやり直すために契約したくせのに、こんな世界が望んだ世界なのかって叱られたわ』
ほむら『それで、私はその……』
ほむら『……恥ずかしいから一回しか言わないわ。私だって本当はそんな未来は嫌なの。まどかだけじゃない。志筑さんとも、巴さんとも、もちろんあなたとも仲良くしたい。全員無事でワルプルギスの夜を倒して、私はみんなと平和な日々を過ごしたい』
仁美「……ほむらさん。余計なお世話かもしれませんけど、具合が悪いなら頼ってもよろしいのですよ?」
まどか「そうだよほむらちゃん。だってほら、私たち友達……なんだし」
仁美「そうですわよ。ね、さやかさん」
まどか「ぁ……」
さやか『……転校生、それ本気で言ってるの』
ほむら『ええ、さっき言ったことはその……本心よ』
さやか『あんた私からの好感度知ってる? あんたの話信じないかもだし、まどかやマミさん、仁美からも引き離すかもしれないよ?』
ほむら『そうかもしれない。それでも、私はあなたとも一緒に過ごしたい。もう一人はごめんよ』
さやか『……』
さやか「ふむ、これはもう嫁にするしかないか」
まどか「さやかちゃん?」
さやか「……よし決めた。ほむら、あんたも私の嫁になるのだ!」
さやか「クールでツンツンした嫁をデレっとさせるのも夫の役目。ならばその役目、このさやかちゃんが引き受けた!」
さやか「さあ具合が悪いところはないか? 嫁よぉ」
ほむら『えっ……』
仁美「えっと、その……さやかさん?」
さやか「うっ。ほらどうした嫁よ。私のことはさやかちゃんって呼んでもいいんだぞ」
さやか『と、まあそんなわけでよろしく。転校せ……いや、ほむら』
ほむら『あああ、ええ』
ほむら「よろしく、さやかちゃん」
さやか『うぉっ、違和感が。やっぱり私の事は呼び捨てでよろしく』
ほむら『……』
……言うなれば6話Aパート終わり。
Bパート、構想ぼんやりとしか思いつかなくて時間かかりそうだったのでAパートのみ投下しました。
この数日起きたことをありのままに話すぜ。
6話Bパートを書き上げようとしていたら、気づけば11話と12話を書いていた。
何を言ってるかわからないと思うが俺も何を言ってるのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった……。
発泡酒だとかカクテルだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしい日本酒の片鱗を味わったぜ……
マミ「それで今日はどうしたのかしら?」
さやか「あはは、ちょっと聞きたいことがありまして」
マミ「もしかして暁美さんのこと?」
さやか「えぇ、まあ」
マミ「それで彼女からどこまで聞いたのかしら?」
さやか「ほむらがキュゥべえと契約した理由と、魔法少女の秘密まで……」
マミ「そう、なら私が話せることはほとんどないわよ?」
さやか「マミさんは平気なんですか? 自分がその……ゾンビにされたようなものなのに」
マミ「そうね……私はある意味仕方がないと思ってるわ」
さやか「仕方がない?」
マミ「私の場合は、ね。言ったでしょ。私には考える余地がなかったって」
さやか「あ……」
マミ「だから、きっと本当のことを言われても契約したでしょうね。だって、命は欲しいもの。あなたはどう? 契約したこと、後悔してる?」
さやか「私は、私だって……後悔はしてないです。それでもキュゥべえのやり方はちょっと許せなくて」
マミ「そうね。確かに酷い話だわ。考える余地がある子に黙って契約するなんて」
さやか「……」
マミ「だから、全てが終わったら説教しましょう」
さやか「え?」
マミ「キュゥべえのことが許せないのでしょ? だから全部片づけたらみんなでキュゥべえをとっちめるの」
マミ「そうすれば、少なくても私達のように、何も知らないで契約する人は減るでしょ?」
さやか「マミさん。確かに……そうですね」
さやか「よっしゃ、それじゃやりましょうマミさん!」
さやか「アイツとワルプルギスの夜なんて、三人でササッと倒して、キュキュっととっちめまてしまいましょう!」
マミ「ええ、そのいきよ美樹さん」
マミ「そういえば、暁美さんは今日来ないのかしら?」
さやか「ああ、そう言えば今日は風見野に行くって言っていましたよ?」
マミ「風見野……ね」
杏子「あ? 何か用かよ」
ほむら「ええ、ベテランの魔法少女であるあなたに話があるの」
杏子「ん? ああ、もしかしてお前が噂のイレギュラーか」
ほむら「そうね。おそらくそのイレギュラーで間違いないわ」
杏子「へえ、んで何の話だい?」
ほむら「私達と協力してほしい」
杏子「私達? 他にもお仲間がいるのか?」
ほむら「巴マミと美樹さやか」
杏子「ああ、あの甘ちゃんにボンクラか」
杏子「残念だけど話にならねぇ。出直してきな」
ほむら「――二週間後、ワルプルギスの夜が来る」
杏子「……なぜわかる?」
ほむら「それは秘密。ともかく、そいつが来ればこの街だって無事じゃすまない」
杏子「ふぅん……ワルプルギスの夜ね。あんたが仲間を集めてる理由はそれか」
ほむら「それと敵はそいつだけじゃない」
杏子「魔法少女殺し……だろ? 今見滝原に来てるそうじゃないか」
ほむら「知ってるなら話は早いわ。私と――私達と協力してほしい」
杏子「断る」
ほむら「なっ」
杏子「はっ、ようやくその冷血面が崩れたな」
杏子「悪いけど、私はアイツと関わる気はねぇよ」
杏子「触れない神に祟りなしってな」
ほむら「あなた、どうして……」
杏子「ああ? おかしいことじゃないだろ」
杏子「あたしの安全は確保されてるし、ワルプルギスの夜も――」
杏子「――まあ、その期間だけ別の街に避難するさ」
杏子「上手くいけば風見野だけじゃねぇ。見滝原まで手に入るだろうさ」
杏子「それとも何かい? それ以上の見返りとやらがアンタらに用意できるのかい?」
ほむら「……ワルプルギスの夜のグリーフシードと、私達が保有してる半分のグリーフシードでどう?」
杏子「具体的には何個用意できるんだい?」
杏子「ボンクラは論外として、マミのやろうも予備はそう持ってないだろうしさ」
ほむら「――そうね。私の予備は十数個ほど用意してるわ」
ほむら「だから合計で十個ちょいってところかしら」
杏子「お、おう。結構持ってるじゃないか」
ほむら「それで、協力はしてもらえるのかしら?」
杏子「……相手が相手だ。少し考えさせてくれ」
杏子「少なくてもそっちの戦力ぐらいは確認しときたいしさ」
ほむら「ええ、今はそれで十分よ」
杏子「おい、待てよ」
杏子「アンタ、名前は」
ほむら「暁美ほむらよ」
杏子「まあ、まだあんたらと組むわけじゃねぇけどよ」
杏子「食うかい?」
6話終わり。
現状ぶちまけると
789手つかずの11は書き上げ済み。
12が2/3で10が1/5ってな感じです。
なんで初めてで長いの書こうと思ったのか
急に休みになったから書上げと投稿を同時進行でやってみようかと
――??日目――
杏子「あんたが美樹さやかかい?」
さやか「あんた誰」
杏子「佐倉杏子。それよりも魔法少女って言った方が話が早いと思うけど」
さやか「……その魔法少女がいったい何の用」
杏子「おいおい、つれないじゃないか。ちょっと馬鹿の顔を拝みに、ね」
さやか「……誰が馬鹿って?」
杏子「馬鹿さ、馬鹿だ、大馬鹿だね」
杏子「他人のために一回しかできない願い事を使うなんて考えられない」
杏子「病院の子を助けたいんだろ? ならもっと冴えた方法を教えてやるよ」
さやか「冴えた方法?」
杏子「なに、あんたが契約するまでもない」
杏子「腕と足をメチャクチャにして、アンタ無しでは生きてはいけない体にすればいいのさ」
杏子「なんだったら今日の縁ってやつで私がやってやろうか?」
さやか「ふざけるな! あんたは人の命をなんだと思っているんだ!!」
杏子「餌さ」
杏子「食物連鎖って習っただろう?」
杏子「使い魔が人を食べ、魔女になったところで魔法少女が食べる」
杏子「つまり人は魔法少女が生きる為の餌さ」
さやか「……もういい。アンタとは絶対に相容れない」
――??日目――
「なるほど……ね。彼女が言っていることは間違いじゃない」
「でも正解でもない」
さやか「どういうこと」
「確かに使い魔は人を食べるし、魔女の持つグリーフシードは生きるために必要」
「でも、彼女の答えは正解とは言えないかな」
「――ちょうどいい。あなたには教えておこうと思っていたの」
さやか「うわ! やばいって! 早くQBに処理してもらわないと!」
「そうね。このままだと確かに魔女が生まれてしまうわ」
「だからこそ」
さやか「なにやってるの! ●●!」
「だからこそ穢れを限界まで与えて、魔女を孵す」
「穢れを食べたグリーフシードは魔女となり、グリーフシードを孕む」
「そしてそれを私たちが狩り取る。これで正解」
「……でもQBは」
「彼の言動を思い出してみて、穢れが溜まったグリーフシードは必ずしも処理しないといけないなんて言った?」
「おそらく魔女が生まれると煽って、穢れが溜まったグリーフシードを処理させようと仕向けただけなんじゃない?」
さやか「そういえば……」
「といっても、QBは何も嘘は言ってないわ」
「例えば、私が手元に残すグリーフシードは、その魔女との相性が良くて、尚且つ魔力消費が少なくて済むのだけね」
「強すぎる魔女は得る量以上の魔力を消費するから」
「わかった? QBは決して嘘をついているわけじゃないって」
さやか「……」
「まあ確かに、最初から教えてくれたらって気持ちはわかるけど……」
「それよりも今日の特訓を始めよう。さやか」
さやか「腑に落ちないけどとりあえずわかった」
さやか「それじゃ一丁お手柔らかに頼もうかな。あすみ」
キュゥべえ「おはようあすみ」
キュゥべえ「ん? どうかしたのかい?」
あすみ「……なんでもないよ。キュゥべえ」
乙
以前談義スレでここ最近で一番ひどいSSって評したけどそれは訂正するわ
最近わりと面白くなってきた
>>133
談義スレ見てきた。
確かに最初の方は原作まんまだからああ言われるのは自業自得だし、
今だから思うけどやり方というかアプローチの方法が酷かった。
実はバタフライエフェクト的な感じでわずかな違いからどんどんずれが大きくなるように書いてるんだけど、
台詞が何も変わってないところは本当にカットすべきだった。
ちょこっとずつ変えてるから読み流せないし、それが苦痛な人が少なからずいたんだと思うと本当に申し訳ない。
そして期待してくれてるのにアレなんだけど、7話はさやかちゃんのターンなんだ。
閑話休題でワカメこと仁美さんと恭介君云々の話をやる予定だけど自信がないので期待外れだったら申し訳ない。
マミ「それで暁美さん、相談って何かしら?」
ほむら「色々話はあるのですが、まずはさやかのことから」
さやか「へっ?」
まどか「さやかちゃんの話?」
ほむら「ええ。時期的にそろそろだと思うのですけど、さやかの好きな人が――」
さやか「――ちょっと待って! その話題って今重要なの!?」
ほむら「ええ、とても重要な話よ」
さやか「それでも、うう……」
まどか「それで上条君がどうかしたの?」
さやか「まどかぁ……ああ、もうわかった。いいよ話して」
ほむら「ごめんなさい。でも、貴方にとってとても大事な話なの。それで、さやかの好きな人がある人に告白されるわ」
まどか「!?」
マミ「……」
さやか「……へ、へぇー。恭介がね。アイツモスミニオケナイナ」
ほむら「相手はさやかが先に告白する権利があると言って待っててくれたのですが……」
さやか「あ……振られたんだ。私」
ほむら「いえ、彼に告白せずに魔女対峙をしてたわ」
さやか「自分が思ってる以上にヘタレだったわけだが」
まどか「さやかちゃん……」
ほむら「結局はそれが原因で、殆どの確率でさやかは……魔女になりました」
さやか「ああ、なるほど」
マミ「それで暁美さん、私に何を聞きたいのかしら?」
ほむら「なんとかしたいんですけど私、恋愛とかよくわからなくて……」
ほむら「それで、できれば経験豊富そうなマミさんからアドバイスをお願いしたいのですが……」
マミ「……え?」
ほむら「頼めませんか?」
マミ「……わかったわ。こうなったら先輩としてしっかりアドバイスしなくちゃね」
マミ「まず美樹さん、他人が言うべきことじゃないと思うけど、その時が来たら必ず告白をしなさい」
さやか「いえ、でも、こんな体にされて何を言えば……」
マミ「あなたの気持ちをそのまま口にしなさい」
さやか「え?」
マミ「別に彼と付き合えとか、付き合うなとか、そういう話じゃないの」
マミ「気持ちを伝えなかったあなたは、後悔したり、絶望したりして魔女になった」
マミ「暁美さんが見た未来っておそらくそういうことでしょう?」
ほむら「ええ、まあ」
マミ「だから、あなたはあなたが思うことを彼に伝えなさい。この先決して後悔しないように」
マミ「気持ちを伝えた後どうするのかは、あなたが自分で考えなさい」
さやか「……わかりましたマミさん」
学校での出来事省略
さやか「それで……話って何?」
仁美「恋の相談ですわ」
さやか「……」
(ry
仁美「私、明日の放課後に上条君に告白します」
仁美 「丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めてください」
仁美「上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」
さやか「わかった。仁美、それじゃ行って来るよ」
さやか「昨日の今日でか。仁美、恭介のこと頼んだよ」
恭介「そういえばさやかと一緒って久しぶりだね」
さやか「そうだったかな?」
恭介「うん。確か、最後は病院にいた時じゃなかったかな?」
恭介「あの時はごめんね。さやかに連絡しようと思ったんだけど、少しでも早くヴァイオリンが弾きたくて」
さやか「ああ、そのことなら気にしてないから別にいいよ」
恭介「それでさやか、今日はどうして一緒に帰ろうと?」
さやか「ああ、うん。その前に公園に寄ってもらってもいいかな?」
さやか「恭介に話したいことがあるんだ」
さやか「それじゃ改めて。恭介、話があるんだ」
さやか「私、恭介のことが……!」
さやか「……」
恭介「……」
さやか「……あははは、ヘタレかよ私」
恭介「さやかのペースでいいよ」
さやか「うん、ありがとう」
さやか「私は恭介のことが好き……です」
さやか「恭介は私のことどう思っていますか?」
恭介「……もちろん、さやかのことが嫌いなわけないじゃないか」
恭介「辛かった時、いつもそばに居てくれてありがとう」
恭介「それで、さやかが言う好きってのは異性として好きってことでいいんだよね?」
さやか「……」コクン
恭介「……なんだ、そうだったんだ。てっきりさやかは僕のこと友達としか思ってないと思ってた」
さやか「それを言うなら恭介だって……ってことは病院でのアレって」
恭介「それはその……うん」
さやか「ははは。なんだ、そうだったのか」
恭介「さやか?」
さやか「ん?」
恭介「どうして泣いているんだい?」
さやか「なんと言いますか。ほっとしたというか――両想いで嬉しかったというか」
さやか「違うな。罪悪感か」
恭介「え?」
さやか「恭介ごめん。私、恭介とは付き合えない。ううん、もう誰とも付き合えない」
恭介「……何を言ってるんだい? さやか……?」
さやか「病院で私が言った事覚えてる? 奇跡も魔法もあるんだよって」
恭介「ああ、覚えてるとも」
さやか「見てて」変身
恭介「さやか……その姿は」
さやか「これがその奇跡の代償。恭介の指を治すための、ね」
さやか「何といいますか、願いを叶えてもらった代わりに魔法少女になっちゃいました」
恭介「かっこいい……」
さやか「え?」
恭介「かっこいいよさやか! 魔法少女、なんだいそれ!? もう少し詳しく話してくれないかな!?」
さやか「なはは、期待を裏切るようだけど、そんなにいいものじゃないよ」
恭介「え?」
さやか「強い化物はいるし、他の魔法少女とも戦うこともあるし、お腹刺されるし、死ぬほど痛いし」
恭介「……」
さやか「私はもういつ死ぬかわからないから、嫌だけど、恭介と付き合うことはできない」
恭介「そんなことはない。少なくても僕はそれでもかまわない」
さやか「恭介……っ! 駄目だよ恭介。私にはもうそんな資格ないんだから」
恭介「なんでだよさやか。僕はそれでもかまわないって言ってるのにいったいどうして」
さやか「私がもう、人間じゃないから」
恭介「は?」
さやか「言葉通りの意味だよ。例えば、剣で体を串刺しにされたとしても死なないし、やろうと思えば痛みすら感じない」
さやか「それに私が生きるためには化け物と戦い続けないといけないからごめん恭介」
恭介「そんな、ならどうして魔法少女なんかに……! ごめん……」
さやか「ううん。いいよ別に。だから私のことは忘れて」
恭介「……」
恭介「……もんか。忘れるもんか」
さやか「恭介?」
恭介「僕は絶対に忘れない。美樹さやかって幼馴染のことを」
恭介「君が僕の指を直したっていうのなら、人じゃないから付き合えないっていうのなら、この恩は僕なりに返して見せる。君が直してくれたこの指で!」
恭介「僕はヴァイオリンで世界に羽ばたいて見せる。何年かかるかはわからない。だからお願いださやか。その時まで必ず生きてくれ……」
さやか「わかったから恭介。お願いだから泣かないで」
恭介「……ああ、もうかっこ悪いな僕」
さやか「ううん。かっこよかったよ」
さやか「ねえ恭介。明日恭介に告白しにくる子がいるから、お願いだからその子のことも真剣に考えてあげて」
恭介「はは、自分が振った相手に他の子を勧めるのかい? さやかって意外と意地悪なんだね」
さやか「ごめん。でも、今こうしているのもその子のおかげだから……」
恭介「……わかった。でも、僕の答えは変わらないよ。君にこの恩を返すまで、誰かと付き合ってる暇はないからね」
さやか「……恭介。今日だけ、今だけは恭介の傍に居てもいい?」
キュゥべえ「いいのかいあすみ? 今なら用意にさやかを倒せるのに」
あすみ「いいの。今日は帰りましょう」
キュゥべえ「もしかして上条恭介が羨ましくて、いや、彼に気を使っているのかい?」
あすみ「……黙って」
キュゥべえ「……気づいてるのかいあすみ。君の抱いている感情が矛盾していることに」
キュゥべえ「幸福な人間を呪いながら、不幸な人間、自分と同種の人間には手を差し伸べる。まるで――」
あすみ「―――黙れ、インキュベーター」
7話終わり
後見直しとかしないので誤字とか結構ありますね
一回目のあすみ戦後なんて
ほむらが渡したものがグリーフシードじゃなくてソウルジェムみたいになってるし……
誤字減らすにはどうすればいいのでしょうね
次の8話はとっとと書き上げたい
―――??日目
人払いがされている駅の中、二人の魔法少女が相手を見据えて対峙していた。
互いが互いを知り、互いが互いを思い、そして互いの立場故に、二人は各々の武器を構える
さやか「あすみがマミさんを……それだけじゃない。他にもたくさんの人達を」
あすみ「……だったら?」
そう答えるあすみにさやかは困惑する。
あすみがやってきたことはさやかの価値観から言うと悪の行いである。
魔法少女を魔女にし、その魔女を狩って糧を得てきた魔法少女。
やっぱりあすみを――そう考えていると、ふとあすみとの思い出が頭をよぎる。
私は――さやかはその眼を濁らせながら、剣を強く握りしめがらあすみを見た。
ここで死ぬわけにはいかない――あすみは決意する。
まだ彼との約束を果たしていない。
その過程でさやかが敵になるというなら――あすみは唇を噛む。
……なんて皮肉なことか。
手塩にかけてきた子が敵になるなんて――あすみも自虐気味な笑みを浮かべながらさやかを見た。
それでも、もうやり直せないけれど、もしあすみ(さやか)がその手を降ろしてくれるのなら――。
静かだった戦場に、二人の叫び声が響く。
まるで相手を威嚇するように、まるで自身を奮い立たせるように、まるで悲鳴を挙げるように。
こうしてベテランの少女と新入りの彼女、二人の戦いが始まった。
互いが互いの名を叫び、互いが互いに近づき、そして互いが互いの武器で応戦する。
その戦いを端から見れば、あすみの方が押しているのは一目瞭然である。
才能の差はほとんどないとはいえ、経験の差、その一点がさやかを圧倒的に上回っていた。
現に彼女の攻撃を上手くいなし、反撃を加え、追撃を仕掛け優位に立ち始めている。
しかし、優勢を取られているさやかより、優勢を取っているあすみの方が焦っていた。
狂戦士――さやかの姿を例えるなら、その言葉がしっくりとくるだろう。
自身の体を顧みず癒しの魔法に頼っている彼女には、例え致命傷であっても関係ない。
それを重々承知しているさやかはあすみの攻撃を受けながらも、虎視眈々と逆転の一撃を狙い続ける。
さやかは剣で薙ぎ払い、返しに一撃を受けながら、再び攻撃の態勢に入る。
あすみも剣をいなし、一撃を加え、体制を整えて相手に備える。
ソウルジェムに穢れが溜まったのなら互いが隙を付いてソウルジェムを浄化させる。
こうして終わりの見えない戦いは、果てしなく続いていった。
しかし、結末のない物語がないように、この戦いも結末へ向かっていく。
終焉は、あすみの隙を付いたさやかの一撃だった。
キュゥべえからあすみへ、そしてあすみがさやかに伝えたリミッターを外した強烈な一撃。
その一撃をまともに受けたあすみは為すがまま吹き飛ばされ、仰向けに寝転がる。
そこにさやかが投擲した複数の剣があすみの服を縫い身動きを奪うのだった。
さやか「あすみ……私はおまえを――」
満身創痍になりつつも、マウントポジションを取ったさやかはそこで言葉を区切る。
あすみ「……いいよ。さやかになら」
そう穏やかな表情を浮かべるあすみに、さやかは剣を逆手に握り振り上げる。
あすみ「さぁ……」
あすみはその結果を受け止めるように瞳を閉じる。
果たして振り上げた剣であすみのソウルジェムを突き刺したのかどうか。
その結末を見るより早く――さやかは夢から目覚めるのであった。
芸術の魔女戦後、マミの部屋
マミ「それで佐倉さん、今日の戦いはどうだったかしら?」
杏子「……マミは文句ねぇとしか言えないけど、さやかは話にすらなってねぇ」
さやか「なっ!?」
ほむら「……」
マミ「……」
杏子「正直、あの程度の魔女に手こずるようじゃ邪魔だ。邪魔」
マミ「ちょっとそんな言いかたは……」
杏子「あ? こちとら背中を預けることになるんだ。妥協で預けられるかってんだ」
ほむら「それで、どうするつもりなの?」
杏子「そんなの二つに一つに決まってるだろ。さやかを外野の救助に当てるか、私が抜けるかだ」
マミ「それは……」
ほむら「……」
杏子「まあ、この調子ならな」
さやか「……へっ?」
杏子「何呆けてやがる。ほむら、ワルプルギスの夜まで時間はまだあるんだろ?」
ほむら「ええ」
杏子「ならそれまで鍛えりゃなんとかなるだろ。邪魔になりたくないなら死ぬ気で鍛えやがれ」
マミ「あら? でも教えるなら佐倉さんが一番いいんじゃない?」
ほむら「確かに杏子ならさやかが学べることも多いかも」
杏子「てめぇら……」
さやか「……」
杏子「ああもうわかったよ。私はマミほど甘くないから覚悟しとけよ」
さやか「……ありがとう。よろしくね。杏子」
さやか「というわけで今日から杏子って子と特訓することになったわけよ」
まどか「ふふ、楽しそうだねさやかちゃん」
さやか「まあね。杏子に認めさせてやるってさやかちゃんやる気満々ですよ」
ほむら「ええ期待してるわ。私にも手伝えることあったら言ってね」
さやか「その時はよろしく頼むよ。嫁よぉ」
あすみ「私からも一ついいかしら?」
まどか「!」
さやか「……」
ほむら「あすみ……」
あすみ「そろそろ決着を付けよう。暁美ほむら」
ほむら「さやか、まどかを連れて離れて。あと念の為にマミさんと連絡を」
さやか「私だって――」
ほむら「――ごめんなさい。あなたを守りながら戦う余裕はないの」
あすみ「私は二人同時でもいいけど?」
ほむら「その必要はないわ、あなたは私一人で充分よ」
残りは後日
戦闘のところで時間かかる
分量的にはまだ100行ほど残ってるとか……
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