ほむら「笑っちゃうくらいのご都合主義ってやつね」 (60)

さやか「・・・・あんたはまどかの力を、願いすらも奪い取ったんだ!」

ほむら「そうね」

さやか「まどかの世界を書き換えて何になるのさ!」

ほむら「・・・・そう噛み付くものじゃないわよ」

ほむら「あの子に嫌われてしまうわ」

さやか「・・・・あんなことしといて今更好かれているとでも?」

ほむら「あの子の記憶は真っさらよ」

さやか「・・・・あんた、やっぱ悪魔だよ・・・・」

ほむら「そう、私は悪魔よ」

ほむら「だって自分の欲望を叶える為だけにまどかを貶めたのだから」

ほむら「あなたも直に忘れるわ」

パンッ

さやか「・・・・ぐっ・・・・」

ほむら「でも私に対する敵意だけは残しといてあげるわ」

ほむら「ライバルくらいいないと詰まらないものね?」

さやか「絶対に忘れない!」

ほむら「何を?」

さやか「あんたが悪魔だってことをだ!!」

ほむら「そう、それじゃあ」

パンッ


 
ほむら「さようなら」

次の日

まどか「あ、さやかちゃん!おはよう!」

さやか「ん?お、まどか、おはよ!」

まどか「ウェヒヒ、くすぐったいよ、さやかちゃん」

さやか「あはは、まどかは私の嫁になるのだー!」

まどか「ウェヒヒ、変わらないね、さやかちゃんは」ニコッ

さやか「そういうまどかも変わってないよ」ニコッ

まどか「・・・・そうかな?」

さやか「そうだよ」

まどか「・・・・」

さやか「どうしたの?まどか」

まどか「・・・少しね、怖いの」

さやか「?」

まどか「・・・・私は本当に変わっていないのかなって」

さやか「だーかーら、変わってないってば」

まどか「・・・・」

さやか「・・・・」

さやか「まどか、分かるよ」

まどか「え?」

さやか「どうせまた私は変われないって思ってんでしょ?」

まどか「・・・・」

さやか「全く、どうして私の親友はこうも変わりたがるかねー」

さやか「あんたはさ、今も昔もひとつも変わっちゃいないよ」

さやか「ずっと、優しいまんまのまどかだよ」

まどか「・・・・ウェヒヒ、さやかちゃん」

さやか「って、なんでそんな話をしたのよ」

まどか「ウェヒヒ、私もクールになれないかなぁとか思っちゃって」

さやか「あはは、まどかには似合わないよ」

さやか「・・・・も?」

まどか「うん、暁美さんみたいなクールだけどとっても優しい女の子って羨ましいなあ」

さやか「・・・・」

さやか「悪いことは言わないよ、まどか」

さやか「ほむらには近付かない方がいい」

まどか「・・・・え?」

さやか「・・・・良く分からないけどあいつはやばいよ」

まどか「た、確かに最初にあった頃はちょっと怖かったけど・・・・!」

さやか「違うよ、そんな怖さじゃない」

まどか「じゃあどういう・・・・」

さやか「あいつは悪魔なんだよ」

まどか「あ、悪魔だなんてひどいよ!さやかちゃん!」

さやか「・・・・」

まどか(・・・・何かあったのかな・・・・)

まどか(・・・・二人とも大切なお友達なのに・・・・)

まどか(・・・・)

まどか(・・・・あ!」

さやか「・・・・あ?」

まどか「ご、ごめんね!さやかちゃん!用事を思い出しちゃった!先に帰るね!」タッ

さやか「ちょ!?まどか!?」

マミ「それで私のところへ、ねぇ」

杏子「へぇ、さやかってほむらが嫌いなのか、意外だな」

まどか「ど、どうにかして仲良くさせられないかな!?」

マミ「そうねぇ、二人とも意地っ張りなところがあるから」

杏子「ま、あたしは協力してやらねーでもねーけどな」

まどか「ほ、本当?杏子ちゃん!」

杏子「あぁ」

マミ「あら、佐倉さんらしくないわね?」
 
杏子「・・・・んー、何でかな」ポリポリ

杏子「あいつ見てるとさ、心がいてーんだ」

杏子「見てられないよ、あんなところ」

マミ「・・・・」

マミ「いいわよ、私も協力してあげる」

まどか「マミさん!」

杏子「おいおい、お前勉強大丈夫なのかよ?」

マミ「あら、少しくらいサボっても大丈夫な成績よ」

杏子「へいへい、お悪くなったもんだな」

マミ「いいのよ」

マミ「だって大切な後輩のためだもの」

マミ「先輩が一肌脱いであげるわ!」

まどか「頼もしいです!マミさん!」

杏子(正直マミのこういう時のノリついてけねーんだよな・・・・)

杏子「はぁ・・・・」

まどか「さやかちゃん!早く行こうよ!」

さやか「ちょ!どこに行くってのさ!」

まどか「いーいーかーらー!」

さやか「ふふ、服を引っ張るな!脱げる!脱げる!」





さやか「・・・・で、来たかったってのはこの喫茶店?」

まどか「き、綺麗でしょ?」ゼェハァ

さやか「息切れるくらいなら走るなっての!」

マミ「っていう喫茶店があるのよ」

ほむら「あなたはいっつも食べることばかりね」

マミ「そ、そんな事ないわよ!」

ほむら「・・・・はぁ、まぁいいわ、付き合ってあげる」

ほむら(一応まどかの先輩だし)

マミ「さ、さぁ!行きましょう!」

ほむら「はいはい、服を引っ張らないで」



マミ「じゃあ私は少し電話してくるから先に奥の部屋に入っててちょうだい」

ほむら「分かったわ」

まどか「ちょっとこの部屋で待っててね!さやかちゃん!」

さやか「え?どこに行くんだよ、まどかは」

まどか「す、少しおトイレに行きたくなっちゃって」

さやか「一人で・・・・」

まどか「出来るもん!!」プイッ

さやか「あはは、ムキになっちゃってまぁ」

さやか「・・・・それにしても綺麗なところ」

さやか「あはは、なんか楽園って感・・・・」

ガラッ

ほむら「・・・・」

さやか「・・・・」

ほむら「突然だけど私は美樹さやかと結婚することにしたわ」

まどか「!?」

ほむら「部屋を間違えたようだわ」

さやか「閉めて出て行きなよ、寒いじゃん」

ほむら「うるさいわね、私の勝手でしょ?」

さやか「第一何であんたがここにいるのよ」

ほむら「それも私の勝手よ」

さやか「はぁ、相変わらず言葉が通じない奴」

ほむら「あら、あなたも人語を理解できていないでしょ?」

ほむら「魚みたいだもの」

さやか「あ?」

ほむら「何?」




杏子「おいおい、何だこれ・・・・」

まどか「このカメラって・・・・」

マミ「魔法で認識できないようにしてるから大丈夫よ」

さやか「本当にいけ好かない奴だわ」

ほむら「こっちのセリフよ、何度もあの娘を殺しておいて」

さやか「はぁ?やっぱ話通じてないじゃん」

ほむら「馬鹿にはわからないわよ」

さやか「・・・・本当にムカつくわ、その上から目線」

ほむら「・・・・」

ほむら「私もよ、いつもいつもヘラヘラヘラヘラ」

ほむら「頭の中空っぽなんじゃないの?」

さやか「あ?」

ほむら「は?」  






杏子「なぁ、帰っていいか?」

まどか「ふ、二人とも怖いよ・・・・」

マミ「お互いのことを相当嫌いあってるようね・・・・」

さやか「大体なんなわけ?」

さやか「いつもいつもまどかにまとわりついて、まどかも悩んでるから」

ほむら「あらそう、でも私はまどかと必要以上に関係を持ったりしないわ」

さやか「・・・・」

さやか「なんだ、あんたも馬鹿じゃん」

ほむら「・・・・あなたに言われるのはムカつくわね」

さやか「まどかが大切?」

ほむら「そうね、この世で一番」

ほむら「大切よ」





杏子「お前好かれてるなぁ」

まどか「う、ウェヒヒ」

マミ「ふふ、二人共鹿目さんが大好きなのね」

さやか「もういいわ、あんたと話すことなんて何もないよ」

ほむら「私もよ」

さやか「あぁ、やっぱあんたって悪魔だわ」

ほむら「はあ?何それ、中二病なの?」

さやか「中二病でも何でもいいよ」

さやか「ただあんたはまどかが大切って口で言っても何一つまどかのことなんか分かっちゃいない」

ほむら「・・・・何ですって?」

さやか「・・・・は、あんたも怒るんだね」

さやか「あんたはまどかの事をわかっちゃいないって言ったんだ」

ほむら「・・・・」ギロッ





まどか「と、止めようよ!」

杏子「いや、ここで止めたら持ったいねぇ」

マミ「ちゃっかりしないの、鹿目さん、いざとなったら私たちが止めるから安心して」

さやか「おー、怖いね」

ほむら「・・・・いい加減にしなさい」

ほむら「あまりそこここに噛み付く物じゃないわよ」

さやか「・・・・は?」

さやか「噛み付いてるのはあんただろ」

さやか「気に入らない結果だったからってそれをねじ曲げてまで求めたあんたが言うの?」

さやか「今のあんた、魔女と何一つ変わんないよ」

ほむら「・・・・」

さやか「・・・・?」

さやか「何よ、急に黙」


パンッ




杏子「・・・・え?さやかが倒れたぞ?死んだぞ?」

マミ「ちょ!美樹さん!?」

まどか「さやかちゃぁん!」

ほむほーむ


ほむら(・・・・抜かったわ・・・・)

ほむら(ここは魔女も魔獣も魔法少女もいない世界の筈なのに)

ほむら(・・・・美樹さやかは覚えている)

ほむら(・・・・ただそれに私が蓋をしただけ・・・・)

ほむら「・・・・」ギリッ

ほむら「悪魔でも出来ない事なんてあるのね」ニヤッ

ほむら「ほんと、愚かでノロマで馬鹿らしい」

ほむら「あの頃と何一つ変わっていないじゃない」

さやか「・・・・ん、んぅ・・・・」

まどか「さ、さやかちゃん!!」

杏子「お、気が付いたか」

マミ「ほんと、危なかったわよ」

さやか「・・・・わ、私は一体・・・・」

マミ「暁美さんの魔法で倒れていたわ」

さやか「・・・・」

杏子「ま、怪我はないようだし良かったな」

まどか「き、杏子ちゃんはどうしてそんなに平気なの!?」

杏子「だってよ、あいつがさやかにひどいことするとは思えなかったんだもんよ」

杏子「にしても、ほむらの魔法ってのは一体なんなんだろうな」

マミ「そうねぇ・・・・」

杏子「生まれた時から誰もが何かしら一つはこんなもんを持っちゃあいるが」

さやか「・・・・」

杏子「こんなぶつけどころのねぇ力なんてあぶねぇだけだよな」

杏子「今日みたいなことが起こっちまうよ」

マミ「それでも秩序が保たれているのはすごいことだと思うわよ?」

さやか「・・・・」

まどか「さやかちゃん、どうしたの?」

さやか「・・・・いや、なんでもないよ、まどか」  

まどか「・・・・?」

杏子「ま、さやかの魔法が回復魔法でラッキーだったよな」ケラケラ

杏子「あたしだったらもう少し気絶してたかもな」

マミ「そうよね、佐倉さんの魔法はどちらかというと危険なほうだし」

杏子「はっ、あたしからしたらマミの方こそ危険だよ」

杏子「反則だろ、二つも魔法を持つなんてよ」

まどか「・・・・うぅ・・・・」

杏子「・・・・?どうしたまどか」

マミ「・・・・佐倉さん」

杏子「・・・・ん、あぁ、そっか、わりぃ」

まどか「・・・・うぅん、私が変なんだよ・・・・」

マミ「・・・・」

杏子「おいおい、落ち込むなよ、魔法がねぇからってさ」

まどか「・・・・でも・・・・」

杏子「さっきも言ったけどさ、こんなぶつけどころのねぇ力を持っちまってもどうしようもねぇぞ」

杏子「・・・・こんなもん、なくたってあたしは幸せだよ」

マミ「・・・・」

まどか「・・・・」

杏子「さっ、しけた話はお終いだよ、飯食いいこうぜ」

杏子「ほら、立てよ、飯食うのに魔法なんざいらねぇさ」ニコッ

まどか「うん・・・・!」

さやか「・・・・」

さやほーむ

さやか「・・・・」

さやか(・・・・わたし達ってこれでよかったんだっけ・・・・?)

さやか(・・・・)

さやか「・・・・」

さやか(これがわたし達の世界だったんだっけ・・・・?)

さやか(・・・・魔法って・・・・もっと・・・・)

さやか(・・・・私達、なんて呼ばれてたんだっけ・・・・?)

さやか(・・・・思い出せない・・・・!)

さやか(・・・・そう、この世界に生きる人間は必ず何らかの力を持ってる)

さやか(・・・・唯一この世界の法則を乱す力・・・・)

さやか(昔の人はそんな力を悪魔の力だと尊び名前を付けた)

さやか(・・・・悪魔から授かったこの力を魔法と名付けた)

さやか(・・・・ただの少女にも関わらず大きな力を得た・・・・)

さやか(・・・・魔法、少女・・・・?)

さやか「・・・・ははっ、馬鹿らしい、私たちがそんな可愛らしいもんなわけないよね」

さやか「・・・・それに悪魔から授かったって・・・・」

さやか「・・・・そんなんほむらから貰ったみたいじゃん・・・・」

杏子「お、さやか、おはよう」

さやか「おはよー、杏子」

杏子「今日はまぁまぁ元気だな」
 
さやか「まぁね、いつまでもさやかちゃんは落ち込んでいられないよ」

杏子「へへっ、さやかはそうでなくちゃな」

さやか「・・・・ねぇ、杏子」

杏子「んー?」

さやか「・・・・ほむらのことさ、どう思う?」

杏子「あたしは別に嫌いじゃねーよ」

杏子「あんたは嫌いだろうけどな」

さやか「・・・・」

さやか「分かんないんだよね」

杏子「は?」

さやか「私はさ、確かにあいつがムカつくよ」

さやか「いつもいつも間違ってばかりでさ、だからと言って弱音を吐こうともしない」

さやか「そんなあいつがさ」

杏子「・・・・何言ってんのかさっぱりなんだが」

さやか「私も」

さやか「・・・・でも、これだけは言えるよ」

さやか「きっとあいつは、幸せなんかじゃないよ」

杏子「・・・・」

さやか「・・・・この力はさ、ぶつけどころのない危ないものだって杏子は言ったじゃん」

杏子「ああ」

さやか「だったらさ、この力はない方がいいよね?」

杏子「・・・・さぁな」

杏子「・・・・あたしはなくても幸せだって言っただけだけどよ」

さやか「・・・・?」

杏子「それでもさ、なにかこの力には意味がある気がするんだよ」

杏子「だってよ、こんな大層なもんだぜ?」



 


杏子「この力は使い方しだいではいくらでも素晴らしいもんになるはずさ」

さやか「・・・・!」


パリン

さやか「・・・・ありがとう、杏子」

杏子「は、はぁ?」

さやか「一緒にいてくれて」ニコッ

杏子「な、何を・・・・、お、おい!さやか!どこに行くんだ!」

さやか「やることが出来たんだ」

杏子「訳わかんねぇぞ!おい!」

さやか「あはは、ちょっと拗ねた友達を叱ってくるだけだよ」

杏子「・・・・おい!待て!行くな!」

さやか「・・・・そんなに叫ばないでよ」

さやか「・・・・ただ授業サボるだけじゃん」

杏子「嫌だ!行くな!」

杏子「なんでかわかんねぇけど!今お前が行っちまったら二度と会えねぇ気がするんだよ!」

さやか「・・・・」

杏子「さやかぁ!!」

さやか「ありがと、杏子」

さやか「大好き」バサァッ!

さやか(・・・・そうだ、この感覚だ)

さやか(このマントも剣も宝石も)

さやか(私だ)

さやか(私は)




さやか(魔法少女だった)

さやか(・・・・どこだ!ほむら!どこだ!)

さやか(・・・・見つからない・・・・!)

さやか(・・・・まだ何かを忘れているの?)

QB「・・・・」ポツン

さやか「」

さやか「いたぁっ!!!」

QB「・・・・!?!?」

さやか「そうだよ、あんたもだよ!」

QB「・・・・君は僕が見えるのかい?」

さやか「見えるよ!QB!」

QB「・・・・さ、やか・・・・?」

さやか「やっぱり!」

さやか(この世界は完璧じゃない!)

さやか(みんなの記憶は消されたんじゃない!隠されただけなんだ!)

QB「こ、ここは・・・・!?」

さやか「話は後だよ!急いで着いてきて!」

QB「成程、合点が言ったよ」

さやか「そりゃどうも!」タッタッタッ

QB「つまり僕はほむらに記憶を書き換えられたということなんだね」

さやか「あんただけじゃない!わたし達も!」

QB「・・・・それは少し変だね」

さやか「・・・・はぁ!?」

QB「ほむらの目的は今度こそ鹿目まどかが生きる世界を作り上げることだ」

QB「・・・・だとしたらこの世界での「魔法」の存在がどうしても邪魔になってくる」

さやか「・・・・」タッタッタッ

QB「君の名前ですら僕は記憶を思い出したんだ」

QB「世界を書き換えるほどの力を持った存在がどうしてそんな矛盾と取れるような行動を取るのかな?」

さやか「・・・・矛盾なんかしてないよ」 ピタッ

QB「・・・・?」

さやか「この力には目的があるんだよ」

さやか「それはね、ほかの誰よりも意地っ張りな」

さやか「さらにいえば天邪鬼で」

さやか「だけど本当は臆病な」

さやか「そんな奴がくれた力なんだ」

さやか「・・・・止めて欲しかったんだよね?」

さやか「・・・・こんな力を与えて」

さやか「・・・・ほんっと、ムカつくよ」

さやか「・・・・ほむら、あんた何も分かっちゃいない」





ほむら「・・・・」スッ

ほむら「・・・・しぶといのね」

ほむら「さっきからずっと呪いをかけているのだけど」

さやか「はっ、殺す気のない呪いが通じるわけないじゃんか」

ほむら「・・・・」クイッ

さやか「・・・・く・・・・」

ほむら「私の世界で生きていきたいなら、私の邪魔をしないことね」

ほむら「さもないと、今度は痛みだけじゃない、あなたの存在を消すわよ」

さやか「・・・・」

さやか「ふん、ばーか」

さやか「そんな顔してる奴に何言われても怖くないよーだ」

ほむら「・・・・」

さやか「・・・・何が気に食わなかったのさ」

さやか「何がダメだったんだよ」

ほむら「・・・・あの子が救われなかった」

ほむら「それだけよ」

さやか「・・・・それで、この世界の何がいいんだよ」









ほむら「あの子が幸せでしょう!!?」

さやか「あんたが幸せじゃないだろ!!!!!」






さやか「いつまでこんな茶番繰り返す気?」

さやか「まどかがいなくたって世界は回る」

さやか「だってまどかは数多くいる人間のほとんどと他人だからね」

ほむら「黙れえええええ!」

さやか「どうしてあの子があんな辛い役目を背負えたか分かる!?」

ほむら「黙れ黙れ黙れ!」

さやか「みんなから忘れられても!覚えてくれる人が居たからだ!」

ほむら「ーーーーーっ!!!」

さやか「あんたが生きてくれてたからなんだよ!」

ほむら「だ、まれ・・・・!」

さやか「そんなあの子が、あんたの最高の友達のあの子が・・・・」

さやか「こんな、あんただけが辛い世界を望んでる筈ないじゃん・・・・!」

ほむら「・・・・黙れ」

ほむら「黙れ」

ほむら「黙れ!」

ほむら「黙れええええええええ!!!」ズドォ!

さやか「・・・・ぐっ、は・・・・」

ほむら「私は認めない!」

ほむら「まどかの幸せがあんな物だなんて認めない!」

ほむら「まどかは普通の人生をたどって普通に生きて普通に死んでいくんだ!」

ほむら「魔法少女なんてものと関わる事無く死んでいくんだ!」

ほむら「あなたがまどかに関わるなら・・・・!」

ほむら「殺す!」ズドォ!





ほむら「・・・・はぁっ、はぁっ」

杏子「危ないところだったなぁ、さやか」

さやか「・・・・き、杏子?」

マミ「もう大丈夫よ、安心して」

さやか「ま、マミさん!その格好・・・・!?」




杏子「ったく、そんなことならあたしにも言えよな」

マミ「そうね、少し寂しいわ」

さやか「な、んで・・・・」

杏子「おいおい、もしかして記憶が飛んだのか?」

さやか「だ、だって・・・・!」

杏子「・・・・言っただろ、一緒にいてやるってさ」

マミ「・・・・言ったでしょ、もう大丈夫、安心してって」

さやか「・・・・!!」

ほむら「そう・・・・、貴方達も魔女を思い出したのね」

杏子「うんにゃ、思い出したんじゃねぇよ」

マミ「わたし達ふたりは教えてもらったのよ」

ほむら「・・・・は?」

杏子「わたし達は魔女なんか知らねぇさ」

マミ「だけど見せてもらったの、あなたと過ごした一ヶ月を」

杏子「なぁ、神様?」

さやか「・・・・え・・・・」



この世界に生きる人間は必ず何らかの力を持っている


この世界の、人間はーーーー


まどか「ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「・・・・まどか・・・・!!」

ほむら「・・・・思い出したのね・・・・!」ギリッ

まどか「ごめんね、ほむらちゃん」

まどか「私のためにこんな事までさせちゃって」

ほむら「・・・・私は自分のためにしたのよ」

まどか「・・・・」

ほむら「まどか、この世界ならあなたはもう戦わなくて済む・・・・!」

ほむら「辛い思いも、怖い思いもしないで普通に生きていけるのよ!?」

まどか「・・・・ほむらちゃん・・・・」

ほむら「私から・・・・まどかを奪わないで・・・・!」

まどか「・・・・」

ほむら「・・・・まどかぁ・・・・!」

まどか「ほむらちゃん、ありがとう」

まどか「大好きだよ」

まどか「私もね、少し後悔してるんだ」

まどか「・・・・ほむらちゃんのこと何も考えてなかったよ」

ほむら「・・・・!」

まどか「・・・・ほむらちゃん、いつも私に優しくしてくれたけど」

まどか「・・・・でも、一緒に帰ってくれすらしなかったよね」

まどか「・・・・」

まどか「・・・・ほむらちゃんは救われていいの」

まどか「・・・・もうこの物語は幕を閉じてもいいんだよ」

ほむら「・・・・あなたがいない世界なんて、生きる価値もない・・・・!」

まどか「・・・・だったら」

ほむら「・・・・?」

まどか「・・・・えへへ、お願いするのは、二回目かな・・・・?」

ほむら「・・・・何を・・・・?」

まどか「助けて」

ほむら「・・・・!」

まどか「・・・・私を助けて」

まどか「・・・・いつかの私じゃない」

まどか「・・・・もしほむらちゃんが「それ」を願うなら私はこの世界を書き換える」

まどか「・・・・最悪のハッピーエンドでも、最高のバッドエンドでもない」

まどか「・・・・唯一の、最高のハッピーエンドへ抜ける世界に書き換える」

まどか「・・・・そこで、私を・・・・助けてくれないかな?」

まどか「あの一ヶ月の時の中で、私を・・・・助けてよ・・・・」ぽろぽろ

ほむら「・・・・!」

ほむら「・・・・あなたは愚かね、まどか」

ほむら「・・・・あんな世界に書き換えたところであなたは結局魔法少女のまま」

ほむら「・・・・例え、神の力を失ってしまったとしてもあなたの死は免れない」

ほむら「・・・・そんな一魔法少女の平凡な生き方がお望みというの?」

まどか「・・・・えへへ」

まどか「・・・・もっと、もっと、ほむらちゃんと、遊びに行きたいな」

まどか「そんな世界になれたらいいな・・・・!」ぽろぽろ

ほむら「・・・・まどかのわがままは初めてだわ」

ほむら「・・・・それもかなり最悪なわがままね」

ほむら「本当に愚かだわ」

ほむら「私があなたのお願いを聞かないわけないじゃない」

ほむら「・・・・助けて見せる!」










ほむら「今度こそ!最高のハッピーエンドへあなたを連れていって見せる!」

ほむら(・・・・本当に戻ってきたのね)

ほむら(・・・・見慣れた天井)

ほむら(・・・・懐かしい匂い)

ほむら(・・・・うっとうしい三つ編み)

ほむら(・・・・助けて見せる)

ほむら(・・・・今度こそ、あなたを助けて見せる・・・・)

ほむら「・・・・」

ほむら「・・・・えへへ」

ほむら「・・・・やっぱりさみしいや、まどか・・・・」

「一人ぼっちは寂しいか?」

ほむら「・・・・え?」

「奇跡も魔法もあったんだよ」

ほむら「・・・・どうして?」

「もう、怖くないはずよ?」

ほむら「・・・・」

ほむら「私はそんな世界一度も経験したことなかった・・・・!」

ほむら「・・・・この世界は・・・・」

「そうだよ、ほむらちゃん」

ほむら「・・・・!」

ほむら「・・・・あ・・・・ぁ・・・・」ぽろぽろ

ほむら「・・・・覚えてて、くれたの?」

「えへへ」

「今度こそ、五人でワルプルギスを倒そう?」

ほむら「本当に、この一ヶ月は終わるの?」

「終わるよ」

まどか「最高のハッピーエンドへ向かってね」

ほむら「・・・・ふふ」ぽろっ

ほむら「笑っちゃうくらいのご都合主義ってやつね」

物語を終わらそう。
最後を締めるのは
最強の魔女。
そして五人の魔法少女。
世界を強く照らせ。
今度こそ、迷わないように。
今度こそ、間違わないように。
何度でも、立ちあがれるように。


さぁ、舞台に光を。
鮮やかな、光達を。

おしまい
お休み
ぐっない

・・・・使い過ぎ
ついでに言うと三点リーダつかえ

>>55
そんなこと言われても使い方がわからない…

あと渚が出なかったのはただ忘れてただけ
ごめんね、なぎさちゃん

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