杏子「有り得ねぇだろ！」

杏子「マミはなぁ！普段から気を張ってる分他のことには基本的に疎いんだ！」

杏子「きっと悪い男に引っかかったに決まってる！」

ほむら「そうよ！巴マミは知らないだけよ！」

ほむら「男はどいつも獣なのよ！」

さやか「ほむら、あんたはまどか一筋じゃないの？」

まどか「ほむらちゃんの嘘つき」ｳﾙｯ

ほむら「ち、違うのよまどか！そう言う事じゃないの！」

杏子「わかるぞ！ほむらの気持ち！あれだよなぁ！」

まどか「もういいもん」

ほむら「ま、まどかぁ！」

さやか「まどか落ち着け、多分あれだ」

まどか「え？」

さやか「ほら、こいつらって基本的にまみさんのお世話になりっぱなしじゃん」

ほむら「うっ」

杏子「ぐっ」

さやか「何ていうかこいつらの気持ち的にバツイチの母親が変な男に引っかかってるとかそんな感じだと思うよ」

まどか「あー…」

杏子「納得すんなよ！」

ほむら「見ていられないもの！巴マミの絶望する姿なんて！」

杏子「でも実際あたし多々めちゃめちゃお世話になってるよな」

ほむら「そうね、ほぼ毎日ごはん食べさせてもらっているものね」

さやか「ほむらは別に食べられるだろ」

ほむら「…いやぁ…」

さやか「ワルプルギスを超えて気が抜けたと」

杏子「そもそもコイツって普段から生活に気をつけるタイプじゃなかったしな」

まどか「ご飯もカロリーメイトだったしね」

ほむら「さ、最近はしっかり食べてるわよ？」

さやか「マミお姉さんの家でね」

ほむら「…ぬぅ」

さやか「じゃあさ、見に行っちゃおうか」

杏子「出歯亀はよくねぇぞ！」

さやか「じゃあ留守番よろしく」

杏子「でもマミが心配だからな！うん！仕方ねぇな！一人ぼっちは寂しいもんな！！！！！」

さやか「うるせぇ」

まどか「ほむらちゃんもいくの？」

ほむら「もちろんよ、こんな面白いこと見逃せないわ」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

まどか「震えてるよほむらちゃん」

さやか「ちなみにさ」

まどか「え？」

さやか「もしマミさんが本当に変な男に引っかかってたらどうする？」

杏子「知ってるか？人間も世界の中では食い物の一部なんだ」

ほむら「知ってる？私のお手製爆弾って跡形もなく人を吹き飛ばせるの」

さやか「知らねぇよ」

まどか「…あっ…あれってマミさんだよね？」


ｳﾌﾌﾌﾌ
ﾄﾓｴﾁｬﾝ、ｺﾞﾒﾝﾏｯﾀ?

杏子「ロッソファ」

ほむら「タンクロ」

さやか「待て待て！」

ほむら「その手を離しなさい美樹さやか」

杏子「男の癖に遅れてくるとはいい度胸じゃねぇか」

まどか「…」ｼﾞｰ

まどか(あんなデート、ほむらちゃんともしてみたいなぁ)

さやか「落ち着きなさいってば！槍とスイッチをしまえ！」

ほむら「ﾁｯ」

杏子「マミの奴大丈夫だろうな…」

さやか「あんたらってそんなマミさん好きだったっけ？」

ほむら「…///」

杏子「…///」

まどか「大好きに決まってるよぉ、ｳｪﾋﾋ」

さやか「はぁ…だったらマミさんのこともっと信用しろっての」

まどか「あ！移動するみたいだよ！」

さやか「追いかけよう！」

カフェ

マミ「まあ、男さんったら、フフフフフ」

男「あはは、いや、僕は本当にそう思ってるよ」



さやか「まあ、見た目は普通だよね」

杏子「いや、頼りねぇな」

ほむら「そうね、何よあの体つき、細っこいわ」

さやか「あんたらがいうなよ、人一倍細い二人が」

まどか「」ﾒﾓﾒﾓ

ショッピング

マミ「あ…これ…」

男「…ん？あぁ、似合ってるよ、巴ちゃん」

マミ「…///」

男「気に入ったなら買ってくるよ、ちょっと待っててね」




杏子「モノで釣れると思うなよ」

ほむら「巴マミはそれ程ちょろくないわ」

さやか(ちょろそうとか言ったら殺されそ)

まどか「」ﾒﾓﾒﾓ

映画館

マミ「…っ…」ｸﾞｽｯ

男「…大丈夫？」

マミ「…ええ、ごめんなさい、涙もろくて」

男「ううん、いいよ」ｷﾞｭｯ

マミ「…///」





杏子「…なんだよ…これ…こんな物語あっていいのかよ」ｸﾞｽｯ

ほむら「泣ける映画ね…」ｸﾞｽｯ

さやか「何しにきたのアンタら」

まどか「すー…すー…」

マミ「…それじゃあありがとう男さん」

男「うん、また今度デートに行こうね」

マミ「…デート…///」

男「あはは、それじゃ」

マミ「…うん、バイバイ」

男「今度会うときは男くんって読んで欲しいな」

マミ「…うん…！」

マミ「バイバイ…男…くん…！///」




杏子「ぬがぁぁぁあ！！！くっせええええええ！！」

ほむら「まるで昭和のようね」

さやか「あんたらって基本的にけなすんだね」

まどか「うん、今日はご飯はいいよー」ｹｰﾀｲﾃﾞﾝﾜｰ

ファミレス

さやか「まあ結論から言って男さんは普通にいい人だったよね」

杏子「んなわけねえ、きっとあのマミのでけぇ胸が目当てだ」

ほむら「そうね、巴マミは一般の人と比べても魔女退治以外ではふわふわぽわぽわしてる」
　
ほむら「男からすれば簡単にヤレそうとか思われるかもしれないわ」

さやか「うん、口を開くなお前ら」

まどか「ハンバーグ四つ」

さやか「…まぁさ、正直あんたらの気持ちはわからなくはないんだ」

杏子「…」

ほむら「…」

さやか「そうだよね、あんなにお世話になった先輩が遠いところに行きそうで」　　　
　
さやか「…それってちょっと怖いもん」

さやか「でもさ、いつまでもって訳にも行かないよ」

ほむら「…そうね…」

杏子「…そうだな」

ほむら「…いっそあの男がクズ男だったら良かったのだけれど」

杏子「…ま、ぎりぎり、ほんっとぎりぎりで及第点だ」

さやか「あはは、あんたらは何様なのよ」

まどか「ぱくぱく」

杏子「…でもさ、それって多分一番残酷なことになるんだよな」

ほむら「…杏子…」

さやか「…どういうこと？」

杏子「…さやか…あんたはまだ日が浅いからわかんないかもしれない」

杏子「…あたしもあんたもほむらもマミも…魔法少女なんだよ」

さやか「…あっ…」

杏子「あぁ、そうだ」

杏子「そりゃあな、魔法少女だからって恋人を作っちゃいけねぇなんて決まりはねぇ」

杏子「だけどいつかその日は必ず訪れるんだ」

杏子「…一般人とは違う形でな」

ほむら「…そしてもっとも残酷な形で…」

さやか「…そっか…あんたたちはもう…知ってるのか…」

杏子「…あぁ…そしてマミもな…」

さやか「…！」

杏子「…きっとさ、そんなリスクも辛さも省みようとする時間すら惜しかったんだよ」

杏子「そんだけあの野郎のことを思っちまった」　　

ほむら「…」

杏子「…本気で好きになったんだ」
　
杏子「…いつものあたしなら何を馬鹿なことをって怒鳴ってるだろうさ」

杏子「…だけどよ」
　
杏子「…魔法少女と人間…その二つが交われないなんてことあるとは思えねぇ」

さやか「…」

杏子「…そいつらがいい例だよ」

ほむら「…///」

まどか「？」もぐもぐ

杏子「ま、気に食わねーがあたしはマミに任せるよ」

ほむら「そうね、それがいいわ」

さやか「…あはは、何だかんだ言ってしっかり考えてるんじゃん」　　

杏子「そりゃあな」

杏子「あたしの２回目の大事なモンだ」

ほむら「…私の初めての先輩だもの」

さやか「えへへ」

杏子「な、なんだよ」

さやか「なんでもないよ」

まどか「はい、パフェ」

ほむら「まどかちょっと食べ過ぎよ」

ある日

マミホーム

男「…」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

マミ「…男くん、いらっしゃい」

男「やぁ、巴ちゃん、珍しいね僕を呼ぶなんて」

マミ「うふふ、今日はご馳走しようと思って」

男「へぇ、嬉しいな」

マミ「…それでね」

男「えっ？」

マミ「…私の大事な友達にぜひあって欲しいの」

男「ん？そのために呼んだってことかい？」

マミ「…うん」

男「いいよ」　

マミ「…！」

男「巴ちゃんの大事なお友達、僕も会いたいな」

マミ「…うん！みんなすっごくいい子なの！」

男「あはは、楽しみだ」

マミ「さ！入って入って！」





杏子「おうてめぇか、うちのもんに手を出したのは」

ほむら「たまぁとったるけぇの、覚悟しいや」

さやか「何キャラなんだよ！」

まどか「男さん！初めまして！鹿目まどかっていいます！」

男「…あ、初めまして鹿目さん」

ほむら「まどかに手を出したらｺﾛｽ」

男「…えぇ…」

マミ「うふふ、お茶を入れてくるわね」

ﾀｯﾀｯﾀｯ

さやか「男さんどうもはじめまして！美樹さやかちゃんです！」

杏子「どうもはじめまして、マミの隠し子その長女、巴さくらです」

ほむら「同じく次女、巴あけみよ」

杏子「残念だったな、アイツはバツイチだとっとと失せろ」

ほむら「その「ﾋﾟｰ」の使いどころなんて来ないわよ」

さやか「やめろおおおおおおおおおお！！！！」

男「…あ、あはは、個性的な友達だね」

さやか「男さんとマミさんってどうやって知り合ったんですか？」

男「え？馴れ初めってことかな？」

さやか「そうです！」

男「…んーとね、僕は見てのとおり高校生なんだけどね」

男「ちょっと理由があって高校で問題が起きたんだ」

男「その事が原因でさ、三日三晩寝こんだんだよなぁ、確か」

さやか「それで！？それで！？」

杏子「おいほむらウノしようぜ、バツゲームありの」ｷｷﾐﾐｰ

ほむら「…乗ったわバツゲームは男性の右腕の献上よ」ｷｷﾐﾐｰ

男「あはは、まぁそれでさ、蓮化しながらその時自殺を考えてたんだよね」

男「…うーん、今でもあれは夢なのか現実かわからないけれどさ」

男「…すっごく怖い経験だったよ」

さやか「…」

ほむら「…」

杏子「…」

男「そんな感じで倒れてた僕を介抱してくれあのが巴ちゃんでさ」

男「…まぁ、そっから始まったって感じかなぁ」

>>28
一行目
蓮化しながら??
恥ずかしながら

さやか「…男さんはマミさんのどこが好きなんです？」

男「…？どうして？」

さやか「…いえ」

男「そうだね、可愛いところも照れてるところも起こったところもね」

男「全部可愛いし、それが好きな理由になるね」

さやか「…」

男「…でもね、好きってことに理由はあってもさ」

男「…愛してるって事には理由はないんだよ」

さやか「…」カァァァ　

さやか(この人高校生じゃなくね？)

男「愛はね、心を染めるんだ」

男「その人一色に染め上げる」

男「気付いたらもうその人しか考えられないんだ」

さやか「…心を…染める」

杏子(くっせえ台詞だなぁおいほむら)

ほむら(いいかっこしぃなのね)

さやか(うるせえ！)

男「…僕はね、巴ちゃんが大好きだよ」

男「…そしてそんな巴ちゃんが大好きな君達とももっと仲良くなりたいよ」

さやか「…当たり前っすよ！」

男「もちろん、そこの二人もね」

杏子「…けっ」ﾂｰﾝ

ほむら「…ほむっ」ﾂｰﾝ

男「…巴ちゃんはきっと寂しがり屋なんだよ」

男「…だから君たちみたいな子がいると僕はとっても嬉しいよ」ﾆｺｯ





ﾄﾝｯ　

男「…っ…」ﾄﾞｻｯ

さやか「…」

杏子「…」

ほむら「…」

まどか「…うっ…」ｳﾙｯ

マミ「…ありがとう、男くん」





マミ「その言葉が聞けて私はとっても嬉しかったわ」　

杏子「…良かったのかよ？」

マミ「…えぇ、もともと好きになってしまった私のミスだもの」

まどか「…でも…ﾋｸｯ…魔法で記憶を消すなんて…ﾋｸｯ…そんな…ｸﾞｽｯ…」

さやか「…マミさん」

ほむら「巴マミ…」

マミ「…ごめんね？美樹さん、変な役目を押し付けて」

マミ「…でもあの人の本心が聞けて本当に良かった」

マミ「愛が心を染めるなら」

マミ「私は愛を心に添えるのよ」

杏子「…ミスなんかじゃねぇぞ」

マミ「…え？」

杏子「…人を好きになるってことはミスなんかじゃねえからな…！」

マミ「…そうね」

マミ「…ふふっ…あ、ありがとう、皆…」

ほむら「…」

ほむら「…あなたは先輩である前にわたし達の大切な友達だもの」

マミ「…じゃあ、甘えてもいいかな？」

ほむら「…」ｷﾞｭｯ

マミ「…うぅぅぅ…」

マミ「…うわぁぁぁぁあん…！」





さやか(…強がって背伸びばかりしていて)

さやか(…ふわふわしててキリッとしてる)

さやか(…そんな優しい大事な先輩に)

さやか(…奇跡が起こればいいなって)

さやか(…私たちはそう思ってしまうのでした)

「…何だ、ここ…」

「…どいて！」

「…ティロ・フィナーレ！！」

「うわぁぁぁ！！」

「ごめんね、他人には内緒にして欲しいわ」

「…まだこっちへ越してきたばかりなの」

「…」

「…」

「…君はどこかで…あったことがなかったかい？」

「…いいえ、無いわ」

「…そっか」　　

「…助けてくれてありがとう」

「…」

「…こちらこそ、ありがとう」　　

「…？」

愛は心を染めるもの
愛は心に添えるもの
二つの心は互いに交わることはなく
だけど確かに存在した
これからあなたはきっと他の人と愛し合って行くんでしょう
だったら私の役目は
そんな貴方達の障害を少しでも取り除くことよね
それがあなたの愛した私だもの
ありがとう



「…お礼に…ご飯でもどうかな？」

「…」

「ご飯だけなら…ね」


でも、さようならはもう少し、後

おやすみさよならぁぁぁ！
お前らと俺の間のサヨナラは一瞬だからさよならァァァあ！！！
いい夢見ろよおやすみ