まどか「幸せのキャンディ」 (89)

まどマギの百合物です
2回に分けて投下する予定です

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まどか「さやかちゃん、おはよう」

さやか「おはよ、まどか。今日も寒いねぇ」

まどか「そろそろ暖かくなると思うよ。それじゃ、行こっか」

さやか「あれ、ほむらは?」

まどか「少し遅くなるみたいで、先に行ってほしいってメールが来てたけど」

さやか「……あたしのとこには来てないね。あんにゃろ、まどかだけに送ったんか」

まどか「ま、まぁまぁ」

さやか「……それよりも、今日は待ちに待ったホワイトデーです。みんなからのお返しががっぽりと」

まどか「ただ単にバレンタインもホワイトデーもお菓子の交換してるだけじゃないかなって気はするけど」

さやか「それは言わないお約束だって。……そう言えばまどか、アレは結局どうなったの?」

まどか「アレ、って?」

さやか「ほら、バレンタインのとき、ほむらにやたら気合い入ったチョコあげたじゃん」

まどか「あぁ…うん、あげたんだけど……」

さやか「まさか…玉砕?」

まどか「ううん…ほむらちゃん、あのチョコが本命だって気づいてないみたいで」

まどか「まぁ、わたしが本命だって言えなかったせいでもあるんだけど……」

さやか「でも、あんだけ気合い入ったハートチョコ貰ったら普通気づきそうなもんだけどなぁ」

まどか「同じ女の子からまさか本命を貰うなんて考えてないんじゃないかな」

さやか「なるほど、それもあるか。それで、まどかはどうするの?」

まどか「もちろん…諦めるつもりなんてないよ。鈍感なほむらちゃんを振り向かせてみせるんだから」

さやか「何ができるかはわからないけど…あたしもできる限りは協力するよ」

まどか「うん…ありがとう」

さやか「それよりも…寒い。早く学校行こうよ、暖房入ってるし」

――――――

さやか「……あぁ、やっぱ教室は暖かいなぁ」

まどか「それはいいんだけど…ほむらちゃん、まだ来ないね。そろそろホームルーム始まっちゃうよ」

さやか「どうしたんだろ、寝坊かな」

まどか「さやかちゃんじゃないし……」

さやか「おうまどか、そりゃ一体どういう意味だい?」

まどか「えっ、あの、そのー」

さやか「……まぁ、事実ですけど。冬は寒くて寝坊もできないけどさ」

まどか「それはそれでどうなのかな……」

ほむら「おはよう、2人とも」

まどか「あ、ほむらちゃん。おはよう」

さやか「はよー。珍しいじゃん、こんなギリギリなの」

ほむら「少しね。……あぁ、忘れるのも嫌だし今のうちにお返し、渡しておくわね」

さやか「あ、そう?んじゃあたしからも…ほい、お返し」

まどか「さやかちゃん、これ…ホワイトチョコ?」

さやか「うん。ホワイトデーだし」

ほむら「私からは…えっと、これがさやかの分」

さやか「ありがと。クッキーかな、これ」

ほむら「えぇ。……それで、まどかへのお返しはこれね」

まどか「何だろ、わたしのは少し違うような?」

ほむら「えぇ、まどかのはクッキーじゃないから」

まどか「クッキーじゃないの?じゃあ、一体……」

さやか「……まどか?」

まどか「……あああ、あの、ほ、ほむ、ほむらちゃん?これは、その」

さやか「何テンパってんのさ……」

ほむら「頑張って作ってみたのだけど…口に合うかしら」

まどか「く、口に合うとか何とかじゃなくて、それ以前にさ、これって……」

さやか「……テンパってるというか、何か舞い上がってるね。何でかは知らないけど」

まどか「ままま、舞い上がってなんて、い、いな、いないよ!」

さやか「ほんと、どうしたのさ?」

まどか「ななな、なんでもないよ!わ、わたし、ちょっと出てくる!」

さやか「ちょっ!?まどか、どこ行く……」

ほむら「……」

さやか「……」

ほむら「まどかはどうしたのかしら……」

さやか「さ、さぁ。ほむらは何をあげたのさ」

ほむら「まどかにはキャンディをあげたのだけど…嫌いだったのかしら」

さやか「そりゃないと思うけど。……うん?キャンディ?」

ほむら「さやか?」

さやか「……あー、何でもないよ」

さやか(キャンディって何か意味というか…そんな感じのがあったような……?)

さやか(ま、あとでまどかに聞いてみるかな)

ほむら「ホームルーム始まるし、まどかを連れ戻した方がよさそうだけど……」

さやか「大丈夫…だと思うよ。落ち着いたら戻って来るって」

ほむら「ならいいのだけど……」

――昼休み――

さやか「……それで、まどか。一体どうしたのさ」

マミ「どうして私まで連れて来られたのかしら……」

さやか「きっと力になってくれると思いまして。さ、まどか。話しちゃいなよ」

まどか「う、うん。……あ、あの」

さやか「大丈夫だって、ほむらはいないから。だからわざわざこの寒い中屋上まで来てるんだし」

まどか「じ、じゃあ話すよ。……えっとね、わたし、ほむらちゃんから…キャンディを貰って……」

さやか「それ、ほむらから聞いたんだけどさ、キャンディって意味っていうか…何かあったよね」

マミ「ホワイトデーのお返しにキャンディは…『あなたが好き』って意味があったはずよ」

さやか「へー。……え、ちょっと待って。それだと、つまり」

マミ「えぇ。暁美さんは鹿目さんのことが好き、ということになるわ」

まどか「わたし、ほむらちゃんに本命…のつもりのチョコ渡したけど、上手く行かなくて……」

まどか「でも…ほむらちゃん、あれが本命だってわかってて今日まで待ってたんだよ、きっと」

さやか「んー…水を差すようで悪いけど、ほむらはわかってて渡したのかな」

まどか「わかってるはずだよ。ほむらちゃん、何でも知ってるし」

さやか「でもなー……」

まどか「これでわたしとほむらちゃんは恋人ってことだよね」

さやか「告白もしてないのに?」

まどか「わたしにとってこのお返しは告白と同じことだよ」

マミ「鹿目さんはそうでも、暁美さんはどうなのかしら……」

まどか「マミさんも疑うんですか?」

マミ「直接好きだって言葉を聞くまではどうしても……」

まどか「む……。わかりました、じゃあほむらちゃんに直接聞きましょう。電話してこっち来てもらいますから」

マミ「え、えぇ……」

まどか「ほむらちゃん、わざわざ来てもらってごめんね」

ほむら「まどかが何か用があるって言うから来てみたら…何であなたたちが?」

さやか「いやね、ちょっと」

ほむら「それで、用って何かしら」

まどか「えっと、あのね…キャンディ、ありがとう。すごく嬉しいよ」

まどか「それで…ほむらちゃんはわたしが好きで、キャンディを渡してくれたんだよね……?」

ほむら「おかしなことを聞くわね。大好きに決まってるじゃない」

まどか「ほ…ほんと?」

ほむら「こんなこと嘘ついたって何の意味もないでしょう?」

まどか「ほむらちゃん…わたし、嬉しい……!」

ほむら(そこまで嬉しがることかしら、これ。友達なのだから当然だと思うけど……)

まどか「……ほ、ほら。わたしもほむらちゃんもお互いが大好きなんだよ」

まどか「これはもう確定だよ」

さやか「うーん、でも…まだ納得いかないんだよね……」

マミ「えぇ…信じきれないと言うか……」

ほむら「何の話か知らないけど、用が済んだのならもう戻っても?」

さやか「えーっと…あ、あのさ、ほむらはまどかを……」

まどか「ご、ごめんね、わざわざ呼び出しちゃって。ただ、確認したくて……」

ほむら「確認したいって、私がまどかを好きだってことを?……確認するまでもないことじゃない」

まどか「そ、そうだよね。ほんとにごめんね。それじゃ、戻ろうよ」

さやか「ちょ、まどか、まだ終わって……」

ほむら「そうね。こんな寒いところで話なんて…風邪を引くわよ」

ほむら「あなたたちも冷えきる前に戻りなさい。……じゃ、私たちはこれで」

マミ「あ、暁美さん、ちょっと待……」

バタン

さやか「……」

マミ「……」

さやか「……えーと、マミさんは今の話、どう思います?」

マミ「えぇ…もしかしたら本当かも、とはほんの少し思ったけど」

マミ「やっぱり、そういう風でもないみたいだし……」

さやか「まどかは恋人になったって信じてるみたいですね……」

マミ「好きだと思ってる相手から…そうとも取れる返事を貰ったのだから無理はないけれど……」

さやか「あたしたちがどうこうするわけにもいきませんし…とりあえず今日1日は様子を見ましょうか」

マミ「そうね……。それに、どう転んだとしてもあの2人が解決しないと」

さやか「……じゃ、あたしたちも戻りますか」

――放課後――

ほむら「ふぅ……」

ほむら(今日、まどかはどうしたのかしら。授業が終わる度に私のところに来たりして)

ほむら(それに、授業中もやけに視線を感じる。きっとまどか…かしら)

ほむら(昼休みのこともわけがわからないし……)

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「……あ、まどか。何かしら?」

まどか「えっと…今日、これからって空いてる?」

ほむら「えぇ、特に予定は無いけど」

まどか「そ、それなら…で、デートに行かない……?」

ほむら「で、デート?」

まどか「だ、ダメかな。わたしとほむらちゃんの仲だし……」

ほむら「私とまどかの仲って、それはどういう……」

ほむら(どこかで聞いたわね。特に仲の良い2人で出かけることをデートと言うって)

ほむら(つまり…このデートもそういうことってわけね)

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「あぁ、ごめんなさい。そうね…せっかくの誘いだし、まどかとデートに行きましょうか」

まどか「わ、ほんと?」

ほむら「まどかから言い出したことじゃない。それとも私が断るとでも思ってたの?」

まどか「じ、実は少し……」

ほむら「もう。そんなことするわけないじゃない」

まどか「え、えへへ……」

まどか(ででで、デートOKって…ゆ、夢じゃないよね?現実だよね?)

まどか(や、やっぱりほむらちゃんとわたしは……)

ほむら「それで、どこに行くのかしら?」

まどか「もう考えてあるの。今日はわたしに任せてよ」

ほむら「わかったわ。まどか、よろしくお願いするわね」

まどか「う、うん。それじゃあ、行こうよ」

ほむら「えぇ。どこに連れて行ってくれるのか楽しみだわ」

まどか「あ、あんまりハードル上げないでよ……」

――――――

まどか「ショッピングモールって便利だよね、うん」

ほむら「それには同意するけど……」

まどか「……し、仕方ないじゃん。近くて、お店も色々あって」

ほむら「べ、別に駄目とは言ってないわ。それより、ここからどこに?」

まどか「えっとね…CDショップと雑貨屋に行って、それから喫茶店でお茶でもって」

ほむら「特に順番が決まってないのなら、今言った順番で行きましょう。まずCDショップから……」

まどか「あ、ほむらちゃん。あのね…手を繋いでほしいんだけど……」

ほむら「手を?そのくらい構わないけど」

まどか「そ、そう?それじゃお言葉に甘えて……」

ほむら「……まどか?これって……」

まどか「ご、ごめんね。ダメかな……」

ほむら「駄目ということはないけど…ちょっと驚いたわ。でも、どうしてまた?」

まどか「だって、ほら…デートだから」

ほむら「……そうだったわね。それなら、今日は移動するときはずっとこうしていましょうか」

まどか「う、うん!……えへー」

ほむら「じゃあ行きましょうか」

ほむら(……確かにデートではあるけど、まさかまどかと恋人繋ぎをするとは思わなかったわ)

ほむら(友達とのデート…興味深いわ……)

――CDショップ――

まどか「……ほむらちゃん、最近聞いてるのってある?」

ほむら「えぇ、いくつか。まどかは…聞かなくてもいいかしらね」

まどか「あ、ひどい。これでも最近は色々聞いてるんだから」

ほむら「あら、そうなの?」

まどか「うん。ひとつのジャンルだけだと…その……」

まどか「……ほむらちゃんと話すとき、話題として使えないなって思って」

ほむら「そう……。ごめんなさい、まどかに合わせられなくて」

まどか「あ、謝らなくてもいいよ。それより、ほむらちゃんが今聞いてるのってどれなの?」

ほむら「えっと…この3枚かしら。聞いてみたいのなら今度貸してあげるけど」

まどか「うん、お願いするよ。わたしも気に入ってるの、いくつか貸してあげるね」

ほむら「ありがとう。でも、演歌は遠慮するけど」

まどか「もー、違うもん」

ほむら「ふふ、ごめんなさい」

まどか「ほむらちゃん、何か欲しいものあった?」

ほむら「いえ、特にはないわね」

まどか「わたしも。じゃあ、次に行く?」

ほむら「そうね…そうしましょうか」

まどか「ほ、ほむらちゃん、あの……」

ほむら「わかってるわ。手、繋ぐんでしょう?」

まどか「う、うん!……えへー」

ほむら(まどか、本当に嬉しそうな顔してるわね)

ほむら(ただまぁ…この手の繋ぎ方はどうにも落ち着かないというか、緊張してしまうというか……)

ほむら(……私とまどか、周りにはどう見えてるのかしら。こんなことしてるから…恋人?)

ほむら(……まさか。仲の良い友達以外には見えないでしょうね)

ほむら(私は別に恋人に見られたって構わな…って、何を考えてるの、私は)

ほむら(変なこと考えてないで次のお店に向かうことにしましょう)

――雑貨屋――

ほむら「……雑貨屋って色々置いてあるのね」

まどか「お店によって置いてあるものも違うし、見てるだけでも楽しいよ」

ほむら「それは知らなかったわ。じゃあ…そのときは、一緒に行ってくれる?」

まどか「もっ…もももも、もちろんだよ!」

ほむら「……何をそんなに慌ててるの」

まどか「なな、何でもないの、ごめんね」

まどか(だだだ、だってそれって次また一緒にデートしてほしいってことでしょ!?)

まどか(そんなの、OKに決まってるよ!)

ほむら「せっかく来たんだし、何か買って行きましょうか」

まどか「そうだね…この辺の文具なんかいいんじゃないかな」

ほむら「……あ、このノートがいい感じね。これと…ペンも一緒に」

まどか「そのノート、何に使うの?学校で使うにはちょっと……」

ほむら「日記帳にしようと思って。もう残りが少なかったはずだし」

まどか「ほむらちゃん、日記書いてるんだ。わたしもやってみようかなぁ」

ほむら「まどかとノートは…どうしてもあの落書きノートが思い浮かんじゃうわね」

まどか「あ、あのノートは封印しました。もう2度と人目には晒しません」

ほむら「そ、そう」

ほむら「……さて、欲しいものも買ったし…次に行きましょうか」

まどか「うん、そうだね」

ほむら「喫茶店…とは聞いたけど、確かここってそういうお店、いくつかなかったかしら?」

まどか「そう言えば……。でも、さっきの雑貨屋の話じゃないけど、お店で色々違うんだよ」

ほむら「今日行くお店はどんなところなの?」

まどか「それは行ってみてのお楽しみだよ」

ほむら「それなら、着いてからまた聞きましょう。案内、よろしくね」

まどか「任せてよ。……あ、ほむらちゃん。手、繋いで」

ほむら「そんなに大事なことなの?手を繋ぐのって」

まどか「当然だよ。だってデートだよ?デート」

ほむら「それはそうなのかもしれないけど…その……」

ほむら「普通に手を繋ぐのじゃ駄目なのかしら。これは…ちょっと恥ずかしくて」

まどか「デートだからこそ普通じゃダメなんだよ。それじゃただのお出かけになっちゃうもん」

ほむら「で、でも……」

まどか「ほらほら、そんなこと考えてないで行こうよ」

ほむら「あ、ちょっ……」

ほむら(……自分で恥ずかしいと口に出してしまったせいかしら)

ほむら(まどかと手を繋いでると…顔が熱い。変にドキドキしてしまって……)

ほむら(周りから本当にそうだと見られてることはないだろうけど……)

ほむら(だけど…少し。ほんの少しだけ、これが本当のデートだと錯覚して……)

ほむら(中身はどうあれ…デートだと言ってるからかしらね)

ほむら(……でも、まどかが私を引っ張ってくれている今は…悪くないわね)

ほむら(もし、本当のデートだとしてもまどかが私を…って、だから何を言ってるの、私は)

ひとまずここまで
続きは今日の夜投下します

そろそろ再開
今日中に終わらせたい

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――喫茶店――

ほむら「何にしようかしら……」

まどか「このお店、ケーキがおいしいんだ」

ほむら「そうなの?それじゃあ…ショートケーキとコーヒーを」

まどか「それじゃわたしは…チーズケーキとコーヒーでいいかな」

ほむら「珍しいわね、まどかがコーヒーなんて」

まどか「別に飲めないわけじゃないよ。……まぁ、砂糖とミルクは入れるんだけど」

ほむら「決まったのなら注文しましょうか。すいません、注文を……」

ほむら「……それじゃ、頂きましょうか」

まどか「うん。いただきます」

ほむら「……本当、凄く美味しいわね」

まどか「わたしは1度食べたことあるけど…何だか前よりもおいしい気がするよ」

まどか「きっとほむらちゃんとデートで来てるからかな」

ほむら「そ、そう言ってもらえると嬉しいわ」

まどか「それより…ほむらちゃんのもおいしそう」

ほむら「少し食べてみる?」

まどか「いいの?」

ほむら「えぇ。どこを取っても構わないわ」

まどか「……ほむらちゃん、そこはあーんってやるところじゃない?」

ほむら「え……?」

まどか「わたし、ほむらちゃんにあーんってしてもらいたいな」

ほむら「いや、あの…それは……」

まどか「ダメ…かな。だってせっかくのデートだし……」

ほむら「……し、仕方ないわね。わかったわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん。じゃあ…お願い」

ほむら「え、えぇ」

ほむら(お、思わずやると言ってしまったけど……)

ほむら(手を繋いだときとは比にならないくらいに…ドキドキしてる……)

ほむら「ま、まどか…あ、あーん……」

まどか「あーん…うん、おいしいよ」

ほむら「そそそ、それはよかったわ」

まどか「じゃあわたしからも…ほむらちゃん、あーん」

ほむら「え……」

ほむら(ま…まどかが私に?こ、これ…私はどうしたら……?)

まどか「ほむらちゃん?ほら、早くー」

ほむら(た、食べないとまどかに悪いわよね。せっかくしてもらってるわけだし)

ほむら「……あ、あーん」

まどか「ね、どう?」

ほむら「え、えぇ…美味しいわ」

ほむら(味なんて全然わからない……)

まどか「こうするともっとおいしくなるような気がするんだ」

ほむら「そ、そう…かしら……」

ほむら(友達とのデート…侮れないわ、ここでこんな……)

ほむら(でもこれ以上のことはさすがに起こり得ないでしょう。あとはゆっくりケーキを……)

まどか「あ……」

ほむら「……?どうかしたの?」

まどか「う、うん。えっと……」

まどか「……ほむらちゃんと間接キスしちゃったなー…って。さ、さすがにちょっと恥ずかしいね」

ほむら「……そう…だった」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら(そうだ、忘れてた…私、自分が使ったのをまどかに……)

ほむら(まどかの方も…まどかが使ったもので…その……)

ほむら(ま、まどかの馬鹿…言わなければ気づかなかったのに……)

ほむら(だけど気づいてしまった以上…どうしても意識してしまって……)

ほむら(あぁもう、何なの?この気持ちは……。さっきからずっとドキドキしてしまって)

ほむら(緊張してるわけじゃない。恥ずかしいことは事実だけど…恥ずかしさとも違う……)

ほむら(なら、このドキドキは一体…何?)

まどか「ね、ねぇほむらちゃん?どうしたの?」

ほむら「まどか…わ、私……」

まどか「ほむらちゃん、真っ赤になって俯いちゃったから」

ほむら「ご、ごめんなさい。ちょっと…恥ずかしくなって……」

まどか「そうだったんだ。無理にさせちゃったかな……」

ほむら「き、気にしないで。その…恥ずかしかったけど、嬉しかったから」

まどか「そう言ってもらえてよかった。ほら、残りのケーキ、食べちゃおうよ」

ほむら「そうね……」

ほむら(この胸のドキドキも、顔が真っ赤になってしまうのも…恥ずかしいからじゃない)

ほむら(現に…今、まどかを見てるだけでもまたドキドキしてしまってるし)

ほむら(……自分のことのはずなのに、これが何なのか…さっぱりわからない)

ほむら(私は…おかしくなってしまったのかしら……?)

まどか「ほむらちゃん、食べないの?」

ほむら「……いえ、食べるわ」

ほむら「……さて、そろそろ帰りましょうか」

まどか「あ、うん。でも……」

まどか「せっかくのデートだから、何だか帰るのがもったいないよ」

ほむら「……まどかさえよければ、また付き合ってあげるから」

まどか「うん。……別れるまで、手…繋いでてね。そこまでがデートだから」

ほむら「じゃあ、行きましょう」

まどか「……うん」

――――――

ほむら「……それじゃまどか、私はここで」

まどか「あ…うん、そうだね」

ほむら「えっと…今日は楽しかったわ。ありがとう、まどか」

まどか「わ、わたしもだよ。ほむらちゃん、ありがとう」

まどか「……それよりも、わたし…お願いがあるの」

ほむら「お願い……?」

まどか「……うん。あのね、わたし……」

まどか「ほむらちゃんに…キスしてほしいの」

ほむら「……それは、その…どこに?」

まどか「……唇にしてほしいな」

ほむら「ま、待って。いくらデートとは言ったって、そんな…恋人でもないのに」

まどか「恋人じゃ…ない……」

ほむら「え、えぇ。少なくとも私はまどかに告白した記憶も、告白された記憶もないわ」

まどか「そんなのって…ないよ。あんまりだよ……」

ほむら「ま、まどか?」

まどか「なら…あのお返しはなんだったの!?何であんな…手作りのキャンディなんかくれたの!?」

ほむら「先月のバレンタインのとき、まどかからは手の込んだチョコをもらったから…そのお返しに」

まどか「あのチョコのお返しにキャンディを貰ったわたしのことも考えてよ!」

まどか「わたし…本当に嬉しかったのに。ほむらちゃんもわたしと同じ気持ちだったんだ、って。なのに……」

まどか「その気もないのに、お返しにキャンディなんて渡さないでよ!」

ほむら「まどか…落ち着いて。私、何か怒らせてしまうことを……」

まどか「チョコのお返しにキャンディ渡しておいて、恋人じゃないなんて言うから怒ってるんだよ!」

まどか「どうせあのチョコの意味もわかってないんでしょ!?」

ほむら「チョコの…意味……?」

まどか「ほむらちゃんのバカ!ほむらちゃんの鈍感!ほむらちゃんの世間知らず!」

まどか「……ほむらちゃんなんか、もう知らない!!」

ほむら「あ、まど……」

ほむら「……」

ほむら「……行ってしまった、わね……」

ほむら(まどかの怒りようから、私が何かしてしまったのでしょうね……)

ほむら(恋人じゃないなんて言うから怒ってるって…どういうことなの?)

ほむら(……いくら思い返しても告白した、告白された記憶は…ない)

ほむら(私が思うに、チョコとキャンディが何かまずかったようだけど……)

ほむら「……私だけじゃ駄目ね。力を貸してもらいましょう」ピッ

Prrrrrrrr

さやか『ほいほーい、どしたー?』

ほむら「さやか、今大丈夫かしら?」

さやか『んー?大丈夫だけど』

ほむら「……少し、力を貸してほしいの」

さやか『あたしの?一体どうしたのさ?』

ほむら「実は……」

ほむら「……ということになってしまって」

さやか『あー…そりゃまどかが怒るのも仕方ないよ……』

ほむら「当然って…どういうこと?」

さやか『まどかはさ…あんたと恋人になれたと思ってたんだよ。キャンディを貰ったからさ』

ほむら「キャンディ……?どういうこと?」

さやか『ホワイトデーのお返しにキャンディは…あなたが好きって意味があるんだよ』

さやか『もちろん、友達としてじゃない。恋の対象として、ね』

ほむら「キャンディにそんな意味があったなんて……」

さやか『ほむらのことだからそんなこと知らないで渡したんでしょ?知らなかったんだから仕方ないけど』

さやか『あのチョコの意味がわからないのはどうなのよ?』

ほむら「まどかも言ってたけど、あのチョコの意味って……」

さやか『……あのさ、バレンタインの日に手作りのハートチョコを渡す理由なんて…ひとつしかないでしょ』

ほむら「まさか…あのチョコって……」

さやか『そ。あれは本命だったの。……まぁ、まどかもほむらが好きって言えなかったみたいだけど』

さやか『好きだって言われなかったから、ほむらもあれが本命だなんて思わなかったんでしょ?』

ほむら「つまり私は…本命のお返しとして、キャンディを渡して……」

ほむら「そんな意味があるなんて知らずに渡してしまって…まどかを傷つけてしまったのね……」

さやか『さっきも言ったけど、知らなかったんだから仕方ないよ。今回のは…色々とタイミングが悪かっただけ』

さやか『でも、全部わかった以上は…どうしたらいいか、わかってる?』

ほむら「……受けるにしろ断るにしろ、まずは今回のことを謝る。それから、気持ちを伝えるわ」

さやか『今度は…ちゃんとやりなさいよ。これ以上仲が拗れないように』

ほむら「わかってるわ。……ありがとう、さやか」

さやか『いいって。んじゃ、がんばって』

ほむら「えぇ。……それじゃ」ピッ

ほむら「まどかは…きっと家にいるはず。……早く行かないと」

ほむら(私、自分の気持ちが…どうしてあんなにもドキドキしてたのか、わからなかった)

ほむら(緊張してるから、恥ずかしいから。そう考えたけど…このドキドキはそうじゃない)

ほむら(だって、まどかの顔を見てるだけで…まどかのことを思うだけで……)

ほむら(……私、やっとわかった。このドキドキは…まどかのことが好きだから)

ほむら(さっきまで自分の気持ちがわからなかったけど…今なら言える。私も、まどかが好き)

ほむら(手を繋いだことも、喫茶店でのやり取りも…このデート、私を恋人と思ってしてくれたのだとしたら……)

ほむら(私は…凄く嬉しい。……そう思ったこの気持ちに嘘も間違いも…無い)

まどか「まどか、待ってて……!」

――――――

まどか「……はぁ」

まどか「……恋人じゃない、か」

まどか「ほむらちゃんからキャンディを貰えたときは…嬉しかったのにな……」

まどか「きっとそんな意味があるなんて知らないで渡したんだろうね……」

まどか「……でも、好きって言えなかったわたしも…悪いよね」

まどか「ほむらちゃんに直接好きって言ってもらえたわけじゃないのに…勝手に舞い上がって、落胆して……」

まどか「その挙句にほむらちゃんに怒鳴って、酷いこと言って……」

まどか「わたし…嫌われちゃった、よね。きっと……」

コンコン

知久『まどか、お友達が来ているけど……』

まどか「友達……?誰が……」

ガチャ

ほむら「……」

まどか「ほむら…ちゃん……」

知久「暁美さん、何か大事な話があるみたいなんだ。ちゃんと聞いてあげるんだよ?」

まどか「う、うん」

知久「それじゃ僕は下にいるからね」

バタン

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「……え、えっと…ほむらちゃんは、どうしてわたしの家に……?」

ほむら「……まどかに…謝りに来たの」

まどか「わたし…に……?」

ほむら「……まどか、ごめんなさい。私、何も知らずに……」

ほむら「あなたがくれたチョコのことも、そのお返しにキャンディを渡す意味も……」

ほむら「私の行動は…まどかを深く傷つけてしまったと思う……」

ほむら「……まどかに言われた通り、鈍感で、世間知らずで…その上、大馬鹿ね。私は」

まどか「そ、そんなこと……」

ほむら「いくら謝っても足りることじゃないと思うけど…本当にごめんなさい」

まどか「ほむらちゃん…わたしがどうして怒ったか、わかってくれたよね……」

ほむら「……えぇ」

まどか「……わたしね、ほむらちゃんのことが好きなんだ。好きで、大好きで…仕方なかった」

まどか「だから、バレンタインの日に…手作りのハートのチョコを渡したんだ。……本当のこと、言えなかったけど」

まどか「ほむらちゃんが気づいて、返事をしてくれるって…ずっと待ってたの」

ほむら「どうして待って……?」

まどか「あとになってあれが本命だったなんて…言えなかったんだ」

まどか「そんなときに…ホワイトデーのお返しに、ほむらちゃんから手作りのキャンディを貰って……」

まどか「わたし…チョコの返事だと思っちゃったんだ。だから…ほむらちゃんと恋人になれたんだって、勝手に浮かれて……」

まどか「ほむらちゃんはそんなつもりじゃなかったのに…恋人じゃないって言葉に落胆して……」

まどか「その言葉を聞いたら何だか悲しくなってきて、頭の中も胸の内もごちゃごちゃになって……」

まどか「それで、ほむらちゃんに怒鳴って…酷いこと、言っちゃったよね」

まどか「……最低だよ、わたし」

ほむら「……まどかは今日のデート…私を恋人だと思って、してくれたのよね?」

まどか「手を繋ぐのも、喫茶店のやり取りも、全部」

まどか「う、うん。でも…今思えば、迷惑だったよね……」

ほむら「……私、まどかとのデート中…ずっとドキドキしてたの」

ほむら「手を繋いでるとき、喫茶店でケーキを食べてるとき。最初は緊張とか恥ずかしさのせいだと思ってた」

ほむら「でも、そうじゃなかった。自分のことのはずなのに、どうしてこんなにもドキドキするのかわからなかった」

ほむら「まどかと別れたあと…私ひとりじゃどうしようもなくなって、さやかに力を貸してほしいと電話したの」

まどか「それで…チョコとキャンディのこと、知ったんだね」

ほむら「えぇ。……さやかに電話して、全部わかったの。まどかの気持ち、私がしてしまったこと」

ほむら「そして…このドキドキの正体」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「私がドキドキしてたのは…まどかのことが好きだから。緊張でも、恥ずかしさでもない」

まどか「えっ……」

ほむら「まどかのことが好きだから…手を繋いだとき、ケーキを食べさせてくれたとき…凄くドキドキしたんだと思う」

ほむら「何より…今日のデート、私を恋人だと思ってしてくれていたとわかって…私、嬉しいの」

ほむら「……私、まどかのことが好き。恋人じゃないと言ったあとで、ようやく自分の気持ちに気が付いた…鈍感な私だけど」

ほむら「今の私の気持ちに嘘も間違いも無い。……まどか、私と恋人に…なってほしい」

まどか「ほむら…ちゃん、わたしのこと……?」

ほむら「私は…まどかが大好き。何度だってそう言えるわ」

まどか「じゃあ…わたし、ほむらちゃんと両想いに……?」

ほむら「えぇ。時間がかかった上に、まどかに悲しい思いをさせてしまって…ごめんなさい」

まどか「……ほむらちゃんの、バカ」

まどか「ほむらちゃんの、鈍感」

まどか「ほむらちゃんの、世間知らず」

まどか「……でも、大好き。鈍感なところも、ちょっと世間知らずなところも、全部」

まどか「わたしも…ほむらちゃんのこと、大好きだよ」

ほむら「……ありがとう。そう言ってくれて…嬉しい」

まどか「……あ、そうだ。わたし、ほむらちゃんにまだお返しあげてなかったよね」

ほむら「そう言えば……。でも、貰わなくても十分よ?」

まどか「そうだとしても、バレンタインにチョコ貰ったんだからちゃんとお返しはさせて。ね?」

ほむら「まどかがそう言うのなら……」

まどか「じゃあこっち来て、ここ座って?」

ほむら「……?わかったわ」

まどか「それから…目、閉じてもらえないかな」

ほむら「目を……?いいけど、一体何なのかしら」

まどか「……ほむらちゃん、ちゃんと閉じてるよね?」

ほむら「えぇ、ちゃんと閉じてるわよ」

まどか(……胸が痛いくらい…バクバクしてる……。ほむらちゃんもずっと…こんな感じだったのかな……)

まどか(ほむらちゃんのことは大好きだけど…ずっとわたしの想いに気づいてくれなかったんだもん)

まどか(少しだけ…仕返ししても、いいよね)

まどか「……これから、わたしの想いのこもったものをあげるから…ちゃんと受け取ってね」

ほむら「それはいいけど、何をするつもり……」

まどか「じゃあ…行くね……」

ほむら「え、ちょ…まど…っ……」

ほむら(わ、私は何をされてるの?何かが…唇に……)

ほむら(お菓子という感じでは…マシュマロとも、グミとも違う感触が……)

ほむら(でも…微かに甘いような気がする……)

ほむら(まどかは…私に一体何を……)

まどか(ほむらちゃん…自分が何されてるのかわかってないって顔してる……)

まどか(きっとお菓子か何かを唇にくっつけられてるとでも思ってるんだろうね。ほんと、鈍感なんだから……)

まどか(……だったら、これでどうかな)

ほむら「ん…ぅっ……!?」

ほむら(私、まどかに抱きしめられて……?)

ほむら(ま、待って。じゃあ、今触れてるのって何?まどかが何かいたずらしてるわけじゃないのなら……)

ほむら(抱きしめられてる腕がここにあって、その先が肩、そして頭部…顔……)

ほむら(……まさか。まさかまさかまさか……)

まどか(ほむらちゃん、気づいたみたい。すごく驚いた顔してる)

まどか(それなら…もう、いいかな)

まどか「……ほむらちゃん、目…開けていいよ」

ほむら「あああ、あの、まどか?い、いま、今のってまさか、ききき、キス……」

まどか「……うん。わたしの、はじめてのキス」

まどか「ほむらちゃんにあげるはずだったお菓子、ヤケになって食べちゃったから……」

ほむら「そそそ、そう、そうなの」

まどか「わたしの気持ち、受け取ってくれる…よね?」

ほむら「わ、わた、私は…えっと、どうしたら……」

まどか「ほ、ほむらちゃん、1回落ち着こう?」

ほむら「……ふぅ。ごめんなさい、取り乱していたみたいで……」

まどか「ううん、気にしないでよ」

ほむら「……それより、まどかは…その、はじめて、だったのよね。勿論私もだけど」

ほむら「本当に…私でよかったの……?」

まどか「もちろんだよ。ほむらちゃん以外なんて…考えられないんだから」

ほむら「そう言ってくれて…ありがとう。まどかの気持ち、確かに受け取ったわ」

まどか「わたし…胸がすごくドキドキしてる。痛いくらいに。ほむらちゃんも…こんな感じだったんだと思う」

まどか「でも、今は…ドキドキしてることが、嬉しいんだ」

ほむら「嬉しいって……?」

まどか「だって…このドキドキは緊張してるからでも、恥ずかしいからでもない。ほむらちゃんのことが好きだから」

まどか「もちろん、そのうち慣れていっちゃって、こんなにはドキドキしなくなっちゃうと思う」

まどか「だからこそ…今、ほむらちゃんが側にいるだけでドキドキしてることが、嬉しい」

ほむら「まどか……」

まどか「わたし、ほむらちゃんが…好き。大好き」

ほむら「……嬉しい。まどかの想いが…凄く嬉しい」

ほむら「私も、まどかが…大好き」

まどか「だけど、今日のわたしは…先走りすぎちゃったよね」

まどか「ほむらちゃんからキャンディを貰っただけなのに恋人になったと勘違いして、デートまで……」

ほむら「でも、あのデートがあったからこそ…この関係が生まれたんだと思うわ」

まどか「キャンディを貰ったからこそ、デートに行こうって思ったから…ほむらちゃんがキャンディをくれたおかげだよ」

ほむら「そう…なのかしら。作った私が言うのもあれだけど、あのキャンディには幸せが込められていたのかもしれないわね」

まどか「もしそうだったのなら…ありがとう、ほむらちゃん。わたしに幸せのキャンディをくれて」

ほむら「幸せの…キャンディ……」

>>57
まどか「まどか、待ってて……!」

ほむら「まどか、待ってて……!」

>>63
まどか「手を繋ぐのも、喫茶店のやり取りも、全部」

ほむら「手を繋ぐのも、喫茶店のやり取りも、全部」

ですよね。

いつもありがとうございます。

まどか「だってそうでしょ?渡したほむらちゃんも、貰ったわたしも幸せになったんだから」

ほむら「……そうね。この先もずっと、幸せでいましょう」

まどか「うん。……じゃあこのキャンディ、一緒に食べようよ」

ほむら「え、でもそれは私がまどかに……」

まどか「いいの、わたしが一緒に食べたいって言ってるんだから」

まどか「それに、このキャンディを一緒に食べたら…ずっと、ずーっと幸せでいられる気がするから」

ほむら「まどかがそう言うのなら……」

まどか「それじゃほむらちゃん、口開けて?」

ほむら「え?」

まどか「ほら、あーん」

ほむら「……あーん」

>>57訂正


ほむら「まどかは…きっと家にいるはず。……早く行かないと」

ほむら(私、自分の気持ちが…どうしてあんなにもドキドキしてたのか、わからなかった)

ほむら(緊張してるから、恥ずかしいから。そう考えたけど…このドキドキはそうじゃない)

ほむら(だって、まどかの顔を見てるだけで…まどかのことを思うだけで……)

ほむら(……私、やっとわかった。このドキドキは…まどかのことが好きだから)

ほむら(さっきまで自分の気持ちがわからなかったけど…今なら言える。私も、まどかが好き)

ほむら(手を繋いだことも、喫茶店でのやり取りも…このデート、私を恋人と思ってしてくれたのだとしたら……)

ほむら(私は…凄く嬉しい。……そう思ったこの気持ちに嘘も間違いも…無い)

ほむら「まどか、待ってて……!」

>>63訂正


まどか「ほむらちゃんはそんなつもりじゃなかったのに…恋人じゃないって言葉に落胆して……」

まどか「その言葉を聞いたら何だか悲しくなってきて、頭の中も胸の内もごちゃごちゃになって……」

まどか「それで、ほむらちゃんに怒鳴って…酷いこと、言っちゃったよね」

まどか「……最低だよ、わたし」

ほむら「……まどかは今日のデート…私を恋人だと思って、してくれたのよね?」

ほむら「手を繋ぐのも、喫茶店のやり取りも、全部」

まどか「う、うん。でも…今思えば、迷惑だったよね……」

まどか「……じゃ、次はわたしにお願いね」

ほむら「恋人になった途端、こんなに甘えられるなんて思わなかったわ」

まどか「だってわたしたち、恋人だもん。甘えるのはほむらちゃんにだけなんだからね」

ほむら「ふふ、それは光栄ね」

まどか「それにほむらちゃん、鈍感さんだもん。わたしのこと、しっかり見ててもらわないと」

ほむら「いくら私が鈍感だからって、まどかから目を離すわけないわ。はい、あーん」

まどか「あーん」

ほむら「……ど、どうかしら?」

まどか「……すごくおいしいよ。これ作ってたときは、ほむらちゃんにそのつもりはなかったんだと思うけど」

まどか「ほむらちゃんの気持ちが詰まってるっていうか…幸せの味がする、ような……」

ほむら「幸せの味…なのかしら。味見したときよりもずっと美味しくなったような気がするわ」

まどか「きっとそうだよ。これでわたしとほむらちゃん、ずっと幸せでいられるよ」

ほむら「まどかがそう言うのなら…そうに違いないわね」

まどか「……わたし、ほむらちゃんと恋人になれて…すごく幸せだよ」

ほむら「私も…まどかとこうなれるなんて、夢にも思わなかった」

ほむら「でも今は、とても嬉しいことだって…そう思うわ」

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん。ひとつだけ、お願いがあるんだ」

ほむら「お願い?」

まどか「うん。……えっと、あのね」

まどか「わたしのこと…大事にしてね」


Fin

これで完結です。
最後まで見ていただき、ありがとうございました

>>75
ミス指摘ありがとうございます。確認したのにしにたい

時間取れずにだいぶ過ぎちゃった…
読んで下さった方、感想頂けた方、本当にありがとうございました

・次回予告

ほむら「まどかと過ごす1日」 短編

ほむら「バトルメイド暁美」 長短未定

ほむら「あなたを守りたい私と私を守りたいあなた」(仮) 長編


叛逆のネタも出てきそうな気がするのでそのうち書けるかも…
またどこかで見かけたらよろしくお願いします

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