ライナー「クリスタが怪しい」(14)

誰かいてもいなくても続けていきたいと思います

ライナー「夜の見回り当番は暇だな…」

エレン「あぁ」

ライナー「以前は訓練に耐えられなくなった奴が脱走することがあったが、最近はサシャやミカサがたまに抜け出すくらいだからな」

エレン「ミカサが!?」

ライナー「サシャは食糧庫あさりでいつものことだが、ミカサはどこへ行こうとするのか疑問だ。ミカサを追いかけようとすると何故か途中で記憶がなくなるし…」

エレン「何だよそれ」

ライナー「俺もよくわからねぇ」

エレン「トレーニングでもしてるんだろ」

ライナー「夜中にか?」

エレン「それより最近俺の身の回りの物がなくなるんだが」

ライナー「なくしてるだけじゃないのか?」

エレン「そんなことねぇよ。例えば、下着…鉛筆…くし…タオルとかなにげになくなって困る物ばかりなんだよ」

ライナー「誰かが間違えて持っていったんじゃないのか」

エレン「それにごみ箱のごみがなくなったこともあるんだよ」

ライナー「それも親切な奴が片付けているだけだって」

エレン「そうかな…」

ライナー「お、もう引き揚げる時間だ。エレン先に帰っていいぜ」

エレン「お前はどうするんだよ」

ライナー「もう少しここにいる。今日は夜空が綺麗だから眺めたいしな」

エレン「意外とロマンチックな奴だな。じゃあ先に寝るぞ」

ライナー「おう!」

ID変わってるけど続けます


エレン タタタッ…

ライナー「俺だけになったな…なんか重要なことに気づいた気がするがまあいいや」

ライナー「さて、もう12時を回ったな。俺もそろそろ引き揚げよう」

ガラッ

ライナー「ん?女子寮から誰か出てきたぞ!!」

?? キョロキョロ

ライナー「女子の見回り当番はさっき帰ったはずだが誰だ?」

?? キョロキョロ

ライナー「あれは…クリスタ!?」

クリスタ キョロキョロ

ライナー「(消灯時間はとっくに過ぎているぞ。これから出かけるのか?夜の見回り当番でもないのに…)」

クリスタ タタタッ

ライナー「(あっちは巨人討伐訓練をする森じゃないか)」

クリスタ タタタッ

ライナー「(怪しいな、ここは注意しに行かなくては…)」ダダダッ

ライナー「おい!」

クリスタ「!!」 ビクッ

ライナー「クリスタ!」

クリスタ「わ!?ラ、ライナー!?」

ライナー「クリスタ、こんな時間にどこに行くつもりだ」

クリスタ「わわわ…これはその…」

ライナー「サシャじゃないんだから規則を破ったらどうなるかくらいわかるはずだろ」

クリスタ「…」

ライナー「わかっているならさっさと…」

クリスタ「えいっ!!」メガミパンチ!!

ライナー「ぐおおおぉぉ!!」リユウノアルモンゼツ

クリスタ「ごめんなさい…」

ライナー「(華奢な体の割になんだこのパンチ…)」

クリスタ「早く…行かなきゃ…」タタタッ

ライナー「おい…待て…クリ…スタ」

クリスタ タタタッ…

ライナー「(くそ、起き上がれない!なんというパンチだ…。アニの格闘術より強烈だ)」

ライナー「(クリスタは一体何をしに…早く行かなきゃとか言っていたが…)」

ライナー「(森に夜行くのは危険だ!クリスタだから尚更)」

ライナー「くっ、まだ凄く痛いがやっと体の自由がきいてきた…。とにかく教官のところへ」ダダダッ

ライナー「いや待てよ…。今から教官に報告する間にクリスタの身に何かあったら大変だ。しかも、教官に報告することでクリスタがなにかしらの処分を受ける…」

ライナー「クリスタのことだ。規則まで破って抜け出すのは何か理由があるはずだ。教官への報告は後回しにして追いかけることにしよう」

ダダダッ…

サシャ「くしゅん!!…おかしいなぁ急にくしゃみが…誰か私の噂でもしているんですかね…」

サシャ「あれ?クリスタがいないような…私に見習って食糧庫でも行っているんでしょうか…あぁ…眠い…ムニャムニャ」



ライナー「さて、森に着いたがクリスタはどこに」

ライナー「まさか森の中に!?」

ライナー「おーい!クリスター!」

オーイ クリスター…

ライナー「くそ、やまびこしか返ってこない」

ライナー「こうなったら森の中を探すしかない!!」

ダダダッ…

ライナー「やはり炬を持っていて正解だった。月明かりがあるとはいえ、森の中を炬もなしで入るのは危険すぎる…早く見つけないと」

ダダダッ…

ライナー「だいぶ奥まで来たがいないな…。まずいぞ、クリスタの奴迷子…」

ガサガサッ

ライナー「!?」

ガサガサッ

ライナー「何か聞こえた!!行こう」

ダダダッ…

ライナー「(いた!!クリスタだ)」

クリスタ ガサガサッ

ライナー「(しかし、こんなところで何を)」

クリスタ「これくらいあればいいかな…」

ライナー「(何かを集めているのか?少し様子を見よう)」

クリスタ「ん?」

ライナー「(ヤバイ…気づかれる。危険だが炬を消そう)」バッ

クリスタ「気のせいかな?」

ライナー「(ふぅ…)」

クリスタ「ライナー大丈夫かな…」

ライナー「!!」

クリスタ「咄嗟に殴っちゃった…あんなことしたからライナーに合わせる顔がないよ…」

ライナー「(気にしていたのか…)」

クリスタ「とにかく…行かなきゃ…早く行かないと…」タタタッ

ライナー「(あ、さらに奥に行ったぞ、これ以上行ったら本当に迷うぞ…追いかけよう)」

ダダダッ…

ライナー「(こんなところまで来ちゃったよ。クリスタは一体何を考えている)」

クリスタ「…」サッ

ライナー「(木のそばになにか置いたぞ、あれは花じゃないか)」

クリスタ「…うっ…ぐずっ」

ライナー「(クリスタが泣いている!?)」

クリスタ「…ぐずっ」

ライナー「(あ、ここは!!)」

ライナー「(暗くてすぐわからなかったが、先週ジミーが訓練中に木に激突して死んだ場所だ)」

ライナー「(あの木がまさにその木だ)」

クリスタ「ジミー…遅くなってごめんなさい」

ライナー「(そうか!クリスタはジミーに花をたむけたくて抜け出したのか。森には訓練中にしか行けないし花をたむける時間もない。休日に行けばいい話だが、どうやらユミルに迷ったらどうするんだとか言われて反対されたんだろうな。だから、夜中に抜け出してここに…)」

クリスタ「ジミー…ぐずっ」

ライナー「(ジミーはマルコみたいに優しくて皆に慕われていた奴だったからな…)」

ライナー「クリスタ!」ザッ

クリスタ「!」ゴシゴシ

ライナー「泣いていたってこと隠さなくていいぜ」

クリスタ「ライナー…ごめんなさい…殴って…許してくれないよね」

ライナー「気にするな、訳ありだったんだから」

クリスタ「ライナーって本当に優しいんだね」

ライナー「お前こそジミーの為に花をたむけるなんて女神みたいじゃないか」

クリスタ「みんなバレバレかぁ…ぐずっ」

ライナー「おいおい、いつまで泣いていたって仕方ないぞ、ジミーだって泣いているクリスタの姿を見るのは辛いはずだ」

クリスタ「だって…ぐずっ」

ライナー「今ジミーの為にできることはジミーを忘れないことだ…いつまでも」

クリスタ「ライナー…」

ライナー「それがジミーの為にできることだ」

クリスタ「…」フキフキ

ライナー「ジミーの分まで頑張ろうぜ!それでジミーも喜んでくれるはずだ」

クリスタ「…そうだね!」

ライナー「さあ、もう帰るぞ」

クリスタ「…うん」

ライナー「早くしないと帰り道を忘れてしまうからな」

クリスタ「あ…このことは…」

ライナー「わかっている、ユミルにも教官にも内緒にするよ」

クリスタ「ありがとう…ぐずっ」

ライナー「おいおい、泣くなって」

クリスタ「…ぐずっ…ごめんなさい」

ライナー「ほら行くぞ」

クリスタ「うん…ぐずっ」




クリスタ、ありがとう…


ライナー「!」

クリスタ「!」

ライナー「今のは…」

クリスタ「きっとそうだよ…だよね…」


終わり






以上です

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