佐天「キング・クリムゾンのDISC?」(219)
JOJO×とあるのクロス
つってもJOJO勢で出てくるのはスタンドだけ
というか佐天さんがキンクリ使う話が書きたかった
投下は週1,2回くらいが目安
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佐天「おーい初春ー、今日これから大丈夫?」
初春「えーと、ごめんなさい佐天さん。今日は風紀委員の仕事があって……」
佐天「そっかー、初春も大変だねぇ」
初春「何かあったんですか?」
佐天「いやー、好きなアニメのサントラが今日発売でさぁ。TS○TAYAに行くから初春もどうかなと」
取り敢えず上条さんはどうなんの?
初春「あ、そういえば私も集めてる漫画の最新刊が今日発売日なんですよね」
佐天「そうなんだ。ついでに買っとこうか? 明日学校で渡すよ?」
初春「ほんとですか? 買いに行きたいんですけど、しばらく風紀委員の仕事が忙しくって」
佐天「そうなの? 書類整理とか?」
初春「いえ……ここ最近おかしな事件が相次いでて……それの調査をしなくちゃいけなくて」
佐天「ほぇー、相変わらず治安が悪いなぁ」
初春「佐天さんはただでさえ危ない事に巻き込まれやすいんですから、路地裏とか危険な場所には絶対に近づかないようにしてくださいね?」
佐天「わかってるってー。で、初春が欲しい本のタイトルはなんていうの?」
初春「超機動少女カナミンStrikersです」
佐天「カナミンさんじゅうはっさいと評判の……」
初春「18歳であの恰好はきっついですよねー。純粋に戦闘シーンとかおもしろいんですけどねぇ」
佐天「そうなんだ、今度貸してくれない?」
初春「いいですよー。そのかわり超機動少女カナミンA'sをまた貸してください」
佐天「ほいほい、それも明日持ってくね」
初春「ありがとうございます、たまに見返したくなるんですよね」
佐天「わかるよその気持ち」
初春「では、そろそろ私は行きますね」
佐天「はいはいー、またねー」
初春「はーい、朝遅刻しないでくださいねー」
佐天「ばっちり捲らせてもらうから安心して大丈夫だよ」
初春「佐天さんはもう……」
佐天「あはは、じゃねー」
佐天「んー……」ノビー
佐天「さて、T○UTAYAに行こっかな」テクテク
――TSU○AYA――
佐天「えーと、カ行カ行……あっれー? 見当たらないなぁ」
佐天「おっかしいなぁ……あ、もしかしてタ行なのかn……ん?」
佐天「……なんだろこれ、パッケージに何も書いてない……あれ、包装もされてないや」
佐天「値段のシールも貼ってないし……サンプルか何かかな」
佐天「……開けてみても大丈夫かな」
佐天「……」キョロキョロ
佐天「開けちゃえ」パカァ
佐天(……なんだろこれ)
佐天(…………変な顔の絵が印刷されてる)
佐天(なんで頭にへんな顔ひっつけてるんだろ、それになんかワッフルみたいな……これ、服なのかな……)
佐天(あれ、アーティストの名前かなこれ……キング・クリムゾン……スタンドディスクってなんだろ?)コソコソ
佐天(……聞いたことないなぁ、外国のバンドなのかな)コソコソ
「……さま」
佐天(興味ないし、戻そうかなぁ)
「お客様」ガシッ
佐天「ひゃい?!」カシャン
「申し訳ありませんが、少し事務所まで来ていただけますか」
佐天「」
――事務所――
店員「申し訳ありませんが、お荷物の方を改めさせていただいてもよろしいですか?」
佐天「あ、は、はい」
佐天(やばっ、咄嗟にあのCD入れちゃったかも……)
店員「……」
店員「…………」
店員「………………」
店員「も、申し訳ありませんでしたぁ!!」
店長「てやんでいこのスットコドッコイ! やっちまったなぁ!!」
佐天「あ、あはは……だ、大丈夫です、勘違いされるような動きしていたあたしも悪いですし……」
佐天(え、た、助かったの? 棚に戻したっけ……無意識のうちに戻したのかな)
店員「本当に申し訳ありません!!」
佐天「い、いえいえ! そんな、ほんとに大丈夫ですから!」
店員「いえ、こちらの不手際で誠に申し訳ありませんでしたぁ!」
店長「謝って済むとは思いませんが、お詫びとしてこの商品券を……」
佐天「あ、あの、ほんとに大丈夫なので……あ、じゃあ、一つお尋ねしたいんですけど」
店長「?」
佐天「キング・クリムゾンっていうアーティストのCDって、在庫ありますか?」
店員「キング・クリムゾン……? 少々お待ちください、調べてみますので……」
店員「……」カチカチ
店員「…………」カチカチ
店員「うーん……キング・クリムゾンというバンドのCDはそもそもうちの店では取り扱ってないですね……」
佐天「え?」
店員「それに、検索をかけてみてもそんなバンドは引っかからないというか……」
佐天(ど、どういうこと? あたしは確かに、キング・クリムゾンっていうアーティストのCDを手にしてたはず……)
店員「お客様? どうされましたか?」
佐天「あ、いえ、じゃああの、超機動少女カナミンのサントラのある場所を教えて欲しいんですけど……」
店長「あぁ、それならこちらになります」
――部屋
佐天「うーん、やっぱりカナミンは音楽も素晴らしいなぁ」シャカシャカ
佐天(でも、結局商品券を受け取ってしまった……)
佐天(まぁ、万引き犯にならなかっただけマシかな……お店の人ごめんなさい)
佐天(それにしても、あれはなんだったんだろ……)
佐天(あの後もう1度、あった場所を調べてみてもそんなCDは存在していなかった)
佐天(かといって、あたしの鞄の中にも入っていない……)
佐天(白昼夢? それとも、あたしが痴呆症とか……? まさか、幻覚でも見たのかな……)
佐天(でも、たしかにキング・クリムゾンなんていうバンドは調べても名前さえ出てこない……)
佐天(キング・クリムゾン……スタンドディスク……)
佐天「あーもう! わけわかんない!」
佐天「どうせ誰かがあたしが事務所にいる間に誰か買っていったんでしょ、そうに違いない!」
佐天「……はぁ、明日はシステムスキャンだし、もう寝よ」
佐天「能力のレベル上がっているといいなぁ……はぁ」
佐天「レベル上がって、御坂さんとも戦えるくらい強くなっちゃったりして?」
佐天「初春の風紀委員も手伝ってあげちゃったりして? 初春が言ってた事件の犯人だって、あたしの能力でグシャグシャっと……」
佐天「……やめよ、虚しくなってきた」
佐天(能力が欲しいなぁ……初春達を助けられるくらい強くなりたい……)
佐天(……zzz)スヤスヤ
とりあえず今日はここまで
佐天さん適性あんのかよとかそういうツッコミはご都合主義という事で許してください
>>3
上条さんはどうだろ
発動しても結果に至る過程も覚えてるというか普通なんじゃないかとは思うけど
上条さんと戦わせる予定ないし考えてなかったのが正直なとこですはい
――朝――
「うーーーーいーーーーはーーーーー」
佐天「るーーーーーーーーー!!」バッサァ
初春「ひゃい!!」
佐天「いやー、今日は白のレースかぁ。いいね!」
初春「な、なにするんですかぁ佐天さん!!」
佐天「あはは、ごーめんごめん。つい、ね」
初春「つ、ついで人のスカートを捲らないでください! まったく、佐天さんはまったく!!」
佐天「もはや一種の日課というか、ルーティンワークというかね」フッ
初春「その理論だと私は捲られるのが日課になるじゃないですか!! 次は本気で怒りますからね?!」
佐天「あらま、反抗期?」
初春「仕返しに捲りますよ?!」
佐天「……初春になら……いいよ?」ボソッ
初春「え……」
佐天「ここじゃ恥ずかしいけど、あたしのパンツ見たいなら……捲っていいよ?」
初春「え、あ、あう……」パクパク
佐天「ねぇ……初春ぅ」ズイッ
初春「ほ、ほほほ、ほんとにいいんでs」
佐天「――――なんつってねー!」バサァ
初春「え、あ、きゃあ! さ、佐天さん! ひどいです、騙しましたね?! 私を弄びましたね??!!!」
佐天「あはっ! 顔真っ赤にして初春ってば可愛いなぁ!」
初春「も、もー! 許しません! 今日という今日は許しません!!」
佐天「きゃーっ、初春に襲われるー」タタタッ
初春「あ、待ってくださいよぉ!」パタパタ
上条(……ふむ)
土御門「どうかしたか?」
上条(眼福眼福)
青ピ「ボーっとしてどないしたん? 可愛い娘でもおったん?」
上条「百合って……いいよな」キリッ
青ピ「わかる」
土御門「わかるにゃー」
上条「そして女の子のパンツはやっぱり白……だよな」キリッ
土御門「わかるぜい、JCやJKには特に白を履いてて欲しいにゃー」
青ピ「僕はTバックでも何でもええけどなぁ。あ、でもスパッツとかもええなぁ」
上条「わかる」
土御門「わかるぜいわかるぜい」
青ピ「残念スパッツでしたとかむしろサービスやん?」
上条「短パンは?」
土御門「短パンはないにゃー」
青ピ「スカートの下にジャージ履くようなもんやん? 一種の詐欺やで」
上条「いや、でもだな……あー、うん……」
土御門「どうした上やん、聞くぜい」
上条「……かぼちゃパンツならアリかな……なんて」
青ピ「僕はドロワーズもありやな」
土御門「わかるぜい、むしろわかってたぜい」
上条「わかりすぎるくらいわかる!」
ワイワイワイワイワイ
ワイワイ
…
――――
―――
――
佐天「システムスキャンの結果どうだった?」
初春「何も変わってなかったです、佐天さんはどうでしたか?」
佐天「あたしも特に変化なしだったよー。そうだ初春、これ昨日言ってたやつね」
初春「あ、ありがとうございます」
アケミ「なにそれ?」
佐天「超機動少女カナミンA'sの単行本とStrikersの最新刊」
まこちん「あ、それ知ってる。魔法少女ものだったっけ」
初春「おもしろいんですよー」パラパラ
佐天「ここで読まなくても……」
初春「支部で読んでたら白井さんがうるさいので……」
佐天「真面目なんだなぁ」
初春「姑みたいですよ」
佐天「そこは仕事熱心って言ってあげようよ」
初春「息抜きも重要なんです」
佐天「それもそっか、働きっぱなしだとお花……いや、初春さんが枯れちゃうもんね」
初春「枯れません! ていうかお花が本体みたいな言い方はやめてください!」
佐天「……え?」
初春「なんですかその心底意外そうな顔は」
佐天「ごめんごめん。それにしても、あーあ……今回こそはレベル上がってる気がしてたんだけどなぁ」
初春「佐天さんは頑張ってるんですから、そのうちきっとレベルだって上がりますよ」
佐天「そうかな……そうだといいな」
初春「そうですよ、きっと大丈夫です」
佐天「……なんか元気出てきた。ありがとね初春」クシャクシャ
初春「あ、ちょっと佐天さん……撫でるならもう少し優しく撫でてくださいよぅ、髪がグシャグシャに……」
佐天「えー? 仕方ないなぁ……こんな感じ?」サワサワ
初春「……佐天さん?」
佐天「はい」
初春「そ れ は お 花 で す !!!」
佐天「あれ、おかしいなぁ。初春さんはこういうの嫌いでしたか?」
初春「おかしいのは佐天さんでs……って、ちょっとなんでお花に喋りかけてるんですか」
佐天「あれ?」
初春「あ、もう怒りました。私もう怒りましたからね」
佐天「え~、なんでよー」
初春「佐天さんは1秒に1回私をいじらないと死んじゃう病気かなんかなんですか?」
佐天「初春てば、反応いいからね」
初春「なんなんですかその理由は」
ギャーギャーギャー
ギャーギャー
――風紀委員第177支部――
黒子「――ただいまですの……あら」
佐天「いやー、お忙しいとこお邪魔してます」
初春「ほんとですよまったく……はい、コーヒーです。白井さんもどうぞ」カチャ
黒子「どうもですの。あと初春、そんな緩んだ顔で言っても説得力の欠片もありませんわよ?」
初春「ゆ、緩んでなんて……」
佐天「ん~、初春はコーヒー淹れるの上手いなぁ。あたしんとこにお嫁に来ない?」
初春「あう……」
黒子「初春、顔が真っ赤ですの」
初春「佐天さんが変な事言うからですよぅ」
黒子「やれやれ、佐天さんも罪作りな女性ですの」
佐天「? そういえば、白井さんはどこかに行かれてたんですか?」
黒子「えぇ、最近物騒ですので巡回に行ってましたの」
初春「一昨日、3件目が起こったばかりですからねぇ」
佐天「なにかあったの?」
黒子「傷害事件ですの」
佐天「あれ、でもなんかわりとしょっちゅう起こってませんか?」
初春「犯行が少し……いえ、かなり奇妙なんですよね」
佐天「奇妙?」
黒子「えぇ……被害者は皆、舌を引き千切られた状態で発見されていますの」
佐天「し、舌をですか?」
黒子「舌をですの」
佐天「うっげぇー……」
初春「しかも、争った形跡が一切ないんですよね」
黒子「えぇ、舌だけを綺麗に引きちぎられているというか、被害者に抵抗をした気配が見受けられないというか……」
初春「とにかく、佐天さんも気をつけてください。何回も言いますけど、危ないとこには絶対に近づいちゃダメです」
黒子「路地裏や人通りの少ない場所は特に避けてくださいまし」
佐天「了解でーす。んじゃ、あたしはそろそろ帰りますねー。晩御飯の材料も買わなきゃですし」
初春「はいー、また明日ー」
黒子「一段落しましたら、お姉様も誘ってどこか遊びに行きましょう」
佐天「いいですねそれ。 絶対ですよ、約束ですからねー。それじゃ、お邪魔しましたー」パタン
初春「……白井さん」
黒子「はい?」
初春「早く片を付けて遊びに行きましょう」
黒子「初春……」
黒子「最近佐天さんと遊んでないのがそんなに寂しいんですの?」
初春「チガイマスヨー、ゼンゼンソンナコトナイデスヨー」
黒子「目が泳いでますの……まぁでも、早く片を付けるというのは大賛成ですの」
初春「風紀委員だけじゃなくて警備員も動員されてますし、時間の問題だとは思うんですけどね」
黒子「えぇ、そうですわね」
初春「さて、今日の書類整理とか終わらせちゃいましょうか」
黒子「はいはいですの」
――第7学区
佐天(いやー、ついつい長居しちゃった)テクテク
佐天(でも楽しみだなぁ。御坂さんともちょっと前に遊んで以来遊んでないし)
佐天(そういえば今日の晩御飯どうしようかなぁ……久々に魚でも捌こうかな)
佐天(うん、それがいいや。そうしよそうしよ……ん?)ピタッ
スキルアウト「いいから財布出せっつってんだろ? あーん?」
メガネ「い、嫌だって言ってるだろ」
スキルアウト「おいおい、痛い目みないとわかりませんってか? おらよ!」ガスッ
メガネ「うぐっ」ズサァ
スキルアウト「な? 素直じゃないと痛い目にあうって勉強させてもらったただろ? 勉強代払えよ、なぁお――――ッッ!」
メガネ「はぁはぁ……ぼ、僕はこう見えて電撃使いなんだ……」
スキルアウト「――てめぇ!」ガスッガスッ
メガネ「いっ、あぐっ!」
スキルアウト「しょっべぇ能力なんざよぉ、ちーっとばかし体格が違えば役にも立たねぇんだよボケ!! [ピーーー]ゴラッ!!」ガスガス
佐天(あーあー……一応警備員に連絡しとこうかな……)
スキルアウト「マジで切れたぜてめぇ……クズのくせによぉ!!」ガスガス
佐天(うわっ……どう見てもやり過ぎでしょ……)
スキルアウト「おらっ、こんなもんじゃねぇぞこら!!」ガスガス
佐天(……あーもう!)
佐天「ちょっと! やめなさいよ!!」
スキルアウト「あ?」
佐天「誰がどう見てもやりすぎです」
スキルアウト「あぁ? こいつがなめた真似――」
佐天「恐喝しようとして失敗して腹いせに暴力振るってるだけですよね? ……立てます?」
メガネ「ひっ……」
メガネ「ひいいいいいいい!」ダッシュ
佐天「ちょっ……」
スキルアウト「……意外と元気じゃね?」
佐天「……よしっ、なにはともあれ一件落着ですね。ではではそういう事で……」クルッ
スキルアウト「待てコラ」
佐天「あ、あはは……」
スキルアウト「あいつから貰えるはずだった金よぉ、どうしてくれんだ?」
佐天「真っ当に働いて稼いでください、それじゃ」ダッシュ
佐天(これはもう逃げるしかない!)
佐天「――わぷっ」ドンッ
スキルアウトB「あ? おいどこ見てんだコラ」
スキルアウト「おー、いいとこにきたな」
スキルアウトB「いいとこにじゃねぇよ、今日の収穫はどうだった?」
スキルアウト「カモ見つけたんだけどよぉ、そのガキのせいで逃げられちまった」
スキルアウトB「へぇ」
スキルアウト「その分はそのガキが体で払ってくれるってよ」
佐天「は、はぁ?」
スキルアウトB「ははは、そりゃいいな。オラ、逃げようとすんじゃねぇよ」ガシッ
佐天「いたっ」
スキルアウト「ガキにしちゃイイ身体してるぜ、ぐへへ」
スキルアウトC「あれ、何してんだ?」
スキルアウトD「おもしろそうなことになってんじゃん」
ワラワラ
佐天(あ、これやばいわ。この状況からどうやって無事に逃げ延びよう?)
『3択、ひとつだけ選びなさい
答え1.キュートな佐天涙子は突如反撃のアイデアがひらめく
答え2.友達が来て助けてくれる
答え3.犯される、現実は非情である 』
佐天(あたしが○をつけたいのは答え2だけど期待はできない)
佐天(少し前に支部で別れたばかりの白井さん達が、ここにアメリカンコミック・ヒーローのように都合よく登場して助けてくれるってわけにはいかないでしょ)
佐天(御坂さんの寮とは方角も違うから、御坂さんが通りがかってくれる可能性も限りなく低い)
佐天(やっぱり答えは……1しかない!)
佐天「――――とうっ」スルッ
スキルアウトB「うおっ!」ガクン
佐天(よしっ。初春から教わった、風紀委員式自分より体が大きい相手に捕まった時に逃げ出す技が上手くいったッ!)
佐天(後は逃げ――)
スキルアウトI「おっとぉ~、ここでまさかの俺登場~」ガシッ
佐天(あ、これ本格的にやばいやつだ)
スキルアウトB「このガキ……おい、そのまま抑えとけよ」
佐天「ちょっ、放して、放してくださいってば」
スキルアウトB「まぁ精一杯抵抗してくれや、そのほうが興奮するしなぁ!」スッ
佐天(い……嫌だ、こんなやつらに……)
スキルアウト「次俺な」
佐天「や、やだ……来ないで」
スキルアウトB「あー? 安心しろや、すぐに自分から腰振るようになるからよぉ」
佐天「だ、誰か……誰か! いやああああああ!」
スキルアウトB「――――ホガァァァァl!!」ドグシャア
スキルアウト「な……なんだとぉ?!」
佐天(……え?)
佐天「な、なに……これ」
佐天(あたしの胸から……腕が生えてる?)
スキルアウトC「テメぇえええええ! 何しや――アガァー!」バッコオォォォン
/´〉,、 | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
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//\\//ヽヽ
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i{\\//\\//ハミメ二.´ \
|ハノ/\\//ヽ:し':|:::::ヽ\\ :.
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//:::八:} {.:/⌒ヽ|.:} }:レ':/ハ::::/ :/ . \........:__人
| {::::{..i :{ 八o o}j:ノ //V 乂: / \_彡'⌒> \
l \_j : ミ(OX__ノx(Oフ{:Ⅵ :|:./ _ : : ::/― ' ∠:>ヘ
乂 \\∧ミ`゙ ´ ̄ }〈/: 乂彡く厶ミ. : .:| ̄//⌒>:/\
. ⌒\ヽ. \\:.. 、__,.、 /.: :...xく/┘| __丿 :{: : {{_/: :{'⌒\__
/ '⌒ミ::ヽ} :} }:::\:ニ´ イ: :/: /:/:厂ヽ〈____|//⌒Y } : : //::.>- .
′ } ∨彡'_丿:::::::`爪ミメ/rく:xく/ / } } \//ミ\{ .ノ \///\\ \
{ / /´ 乂二二エエ彡/:/ \ \_.厶イ彡' .::::\く/⌒>/二二 二ミ}
八 : : : . ..彡: ./ />‐へ__.丿ノ\/ \_/彡ニ==ァ=ニ}≧z::彡:'⌒¨¨¨´ ⌒ミ¨ ̄ ̄ ̄
\: : _/ {:..{ \ く__//\/⌒>\/ /:/=x:ー<⌒Y´ . : . :|
/ / _ ..乂乂ノ´} ノ\. く=彡く_//\/ / `⌒)ノ . : : : : ...::|
{/__/:\_>x__/ミ二二>く/\ く_〃⌒ {:/⌒>.::: : : : : ..::::|.
/..:/彡/\\ /三ニ彡、\/ /__/ _ノ..://:}:...ノ /:. //⌒ヽ /::::::::.......
八人/. : \从乂/ /.::\ r―- _彡'}:} {__彡へ:/ /乂__丿..: /:::::::彡'⌒
/\)¨¨二二7:/∨ ( / /ミ:.../.:/ ..:/ノノ /:{: :xく / //⌒ヽ :/
///\\. :/ \:\/ /__/ミ乂.ノ〈__/: : :.У xミヽ./...::乂__丿、/
{ / . : ノ ∨ \ : _彡个--ミ:... : : : :// /:>.、/.:(___丿
l>\//ヽ/ `¨¨_:Τ{ 〃⌒ミ:...// .イ./ /Y^} i |
,.∠/.:\\// /::::人{ {{::....... 〈_〃彡<__...ji/ ..: | / ∧/
xく/¨¨¨ミメ:.).:/ / ///\乂_彡' ̄  ̄ノ .......::/`<../
. /ハ. \__ ...:∨ / /// `¨¨¨¨ 、:...... /..: ミ〈_彡く┬┬―┬‐- .
. {{ノ ――--ミ∨ / >=ニ=‐- 、 .....::::/¨ ̄ノ ̄厂iΤ¨⌒Y⌒> \
. イ{/\\...::::/ミ| 〈/-――┘(__\\ . : : :/..::/...:/人乂__.ノ / /
. /.:リ:......::ノ 二ミメ| // ̄ ̄ ̄} _ミ丶:ヽ . . : : : /:::/ :// ー―‐<彡
佐天(な、なにこれ……変なもの、いや……人が……あたしの中から出てきた?)
スキルアウト「こ、こいつ、能力者か?!」
スキルアウトI「ひっ――ウゲァ!」ボコォ
スキルアウトD「な、なんだてめぇ! なにしてやがる!!」
スキルアウト「こ、このや――ウガァァァ!」バキィ
佐天(こ、これは……なに? この人たちには見えてないの?)
スキルアウトD「ひ、ひぃぃぃぃぃ! やべぇ、何が起こってるかわかんねぇが、とにかくやべぇ!!」ダッ
スキルアウトG「お、オイ待ってくれ!」ダダダ
佐天「…………はぁー……」ヘタッ
佐天「た、助かった……のかな」
佐天「……それにしても、これはいったい……」
キング・クリムゾン『……』ドドドドドドド
「おい、大丈夫か!」
佐天「へ?」
警備員「通報を受けて来たんだが……いったいこれは?」
佐天「えっと……」
スキルアウト達「」ピクピク
警備員「これはひどいな……君は能力者か?」
佐天「ち、違います」
警備員「そうか……少し状況を聞かせてもらっても? あぁ、ここじゃなくて、警備員の支部に行こう」
佐天「あ、あの、この人達は……」
警備員「救急車を手配した。目が覚めたらこいつらからも事情を聞く」
佐天「は、はい、わかりました……」
――警備員の支部
佐天「だ、だから、急に変な人みたいなものが出てきて! あの人たちをボッコボコに……」
警備員「あー、はいはいなるほどね。それで、その人はどこに行ったかわかるか?」
佐天「ど、どこって……ここ! ほら、ここ、私の隣にいるじゃないですか!」
キング・クリムゾン『……』ドドドドドドドド
警備員「何か見えるか?」
警備員B「いえ、私にはなにも……」
警備員「あんな場面に遭遇して気が動転しているのかもしれんな」
警備員B「そうですね、これ以上の取調べはまた後日、落ち着いてからにした方がいいかもしれません」
警備員「そうしようか……あー、協力してくれてありがとう、感謝するよ」
警備員B「私が家まで送っていきますよ、車の準備をしてきます」
佐天(うそっ……ほんとに見えてないの……?)
警備員「? どうかしたか?」
佐天「いえ……なんでもありません」
警備員「そうか、しかし大変だったな」
佐天「あ、あはは……」
警備員B「車の準備ができました。さぁ、行きましょう」
佐天「あ、はい。よろしくおねがいします」タタッ
佐天(まぁ……考えるのは明日でいいや……)
とりあえず今日はここまで
最初からキンクリの能力を全て使えるわけじゃなくて、
キラークイーンみたいに新しい能力に目覚めていく方向にしようかなと思ってます
ボスも能力に目覚めた時はトリッシュみたいにスタンドに能力を教えてもらったんだろうか
ていうかキンクリは喋れるんだろうか、まぁその辺は原作でも描かれてないし想像である程度自由にやってしまいたいと思います
それではまた
――翌日・佐天ルーム――
ピピピピピピピピピピピピピ
佐天「……ん」バシン
佐天「……え、もう朝?」
佐天「あ、そっか。昨日帰ってきて、疲れてたからそのまま……」
佐天「ってうわっ、制服のまま寝ちゃってたとか……お風呂も入ってないじゃん」
佐天「時間あるかな」ゴソゴソ
佐天「……なんだ、まだ5時じゃん。ご飯はシャワー浴びてからかな……」
――お風呂場
佐天(ふぅー……)シュルシュルパサッ
佐天(……それにしても、昨日のあれは何だったんだろ)
佐天(お礼言おうと思っても気付いたらいなくなってたし……)
佐天(誰かの能力……? でも、それなら何であたしの身体から……)
佐天(それに、あの顔どこかで……)
佐天「んー……」
佐天(……もしかして、あたしの能力?)
佐天(よーし……出てこい! なーんて――)
キング・クリムゾン『』ドギャァァン
佐天「」
佐天「うそっ……これ……ほんとにあたしの能力……?」
佐天「超能力とか、そんなもんじゃ断じてない……そんなものよりもっともっと不思議で、非科学的な……」
佐天「あ、あはは。あたし、そっか……」
佐天「手に入れたんだ、あたしが望んでた、あたしだけの能力……」
―――
――
―
初春(はぁ……まだかなぁ佐天さん)
初春(いつもならとっくに来てるのに、このままじゃ遅刻しちゃいますよ)
初春(……むむ、これは佐天さんの気配!)
初春(今日という今日はスカートは捲らせな……あ、でも今日は可愛いの履いてきたし……)
佐天「初春、おはよ」
初春「あ、おはようございます……ってあれ?」
佐天「? どうかしたの初春」
初春「え、いえ……いつもならスカートを」
佐天「……もー、あたしだって毎日毎日捲るわけじゃないって!」
初春「えぇ……?」
佐天「ほら、早く学校行こうよ」
初春「あ、待ってくださいよー」
――通学路
佐天「……ねぇ初春」
初春「はい?」
佐天「あたしさ……幽霊が見えるようになったって言ったら……どうする?」
初春「……はい?」
佐天「しかもさ……それはすごく強くてあたしの命令通りに動く……とかさ」
初春「も、もしかしたら幽霊もいるかもしれないですね。私は見たことないですけど……」
佐天「うん……実は、今あたしの隣に」
初春「えぇ?! 私は何も見えないですけど……」
佐天(やっぱり……初春達には見えてない……)
佐天「なんてねー、冗談冗談。昨日ちらっとそれっぽいもの見えた気がしてさー」
初春「幽霊って殆どが気のせいらしいですし……佐天さんもあんまり気にしすぎちゃ駄目ですよ」
佐天「はいはい」
佐天(この能力……普通の人には見えないのは確定みたい。しかも、触れない)
佐天(触ることはできても触られる事はない……って事なのかな)
佐天(あと、あたしの近く――活動できる限界は2mってとこかな――が射程距離みたい)
佐天(わからない事の方が多いけど……悪用だけはしないようにしよう)
初春「佐天さん?」
佐天(とんでもなく悪い事とかも簡単にできちゃうんだよねこの能力。使い方も考えないと……)
初春「佐天さーん?」
佐天「……」
初春「ちょっ、無視しないでください」
佐天「え、あ……あぁ、初春どうしたの?」
初春「どうしたのじゃないですよ、さっきからボーっとしてますけどほんとに大丈夫ですか?」
佐天「あー……ちょっと考え事をね。で、何の話だったっけ?」
初春「そ、そこからですか?」
佐天「ごめんごめん」
初春「もぅ、今度のお休みに白井さん達と新しくできたデパートに行こうって」
佐天「あー、そうだったそうだった。風紀委員はお休みなの?」
初春「はい、だいぶ仕事を前倒しで進めたのでなんとかお休みが貰えたんですよー」
佐天「そっか。楽しみだなぁ」
初春「そうですねぇ、もうみんなで遊ぶのもずいぶん久しぶりで……って佐天さん?」
佐天「……」
初春「だめだこりゃ」
――放課後
初春「それでは佐天さん、私は風紀委員に行きますねー」
佐天「はいよー」
佐天(ネットや図書室でいろいろ調べてみたけど……結局よくわからなかったな)
佐天(都市伝説にもそれっぽい話はなかったし……)
佐天「うーん……ってうわわっ!」ドンッ
???「おっと、失礼。大丈夫かい?」
佐天「いつつ……あ、あたしは大丈夫です……」
???「何をやっているのですか貴方は……連れの者が申し訳ありません、立てますか?」
佐天「あ、はい、こちらこそボーッとしてて……すみませんでした」
???「良かった、怪我はないようですね。それでは私達はこれで失礼します、行きましょうステイル」
ステイル「あぁ、神裂。早く仕事を終わらせたいものだね」
神裂「そうですね。後であの子の所にも挨拶に行きましょう」スタスタ
佐天(ふぅー、大きい人だったなぁ。それにしても気をつけないと駄目だなぁ……初春にも心配かけてるみたいだし)
佐天(もしかしたら……もしかしたらあたし以外にもこの能力を持ってる人って、いたりするのかな)
「おい」
佐天(でもいたところでどうやって確かめるんだろ……うーん……)
「おい!! てめぇ!!」
佐天「……へ? あたし? ……ってうわっ」
スキルアウト「よぉ……昨日はよくもやってくれたなてめぇ」
ゾロゾロ
佐天(うわっ……たくさんいるし……ってあたし、いつの間に路地裏に……)
スキルアウト「俺はきれるとやべぇタイプなんで覚悟しろよてめぇ」
佐天(……しょうがない! 出て来い!)ドギャアアアアアン
スキルアウト「昨日はちょっと驚いたが、これだけいりゃてめぇの能力なんざ――ブガァアアアア!」グシャ
ナ、ナニィ?!
オイ、ナニガオコッタンダッテバヨ
ゲンジュツカ、マタゲンジュツナノカ?!
佐天(やっぱり、ある程度はあたしの意思で動かせる……! あたしに戦う意思があれば、この能力は応えてくれる!!)
ドゴォ! グシャア! ボッコーン! メメタァ!!
スキルアウト達「」ピクピク
生き残り「ど、どうなってやがる、あいつはあそこから一歩も動いてねえ!!」
生き残り「あいつら触れられてねぇのにやられちまいやがった!!」
佐天(や、やっぱりこの能力、相当強い……!! そういえば、全力だとどれくらい威力が出るんだろう……)
佐天(試したことなかったな……いい機会だけど人に試すのは危なそうだし……そうだ、あたしはっ! 壁に叩き込むッッ!)
ドッゴォォーン!!
佐天「……え」
スキルアウト「」
佐天(コ、コンクリの壁に穴が……)
ザワザワザワ
ヤ、ヤベェヨアイツ
コ……コロサレル……!!
佐天「……ま、まだやるつもりなら、えっと……こ、これをあなた達にぶち込みます」
佐天「ので、できれば金輪際あたしに関わらないでください」
ヒ、ヒイイイイイ
モ、モウニドトコノヨウナコトハイタシマセン!
佐天「そ、それではあたしはこれでー……」スタスタスタ
―――
――
―
佐天(……はーーー……)ヘタッ
佐天(こ、怖かった……この能力があって助かった……)
佐天(またこんな事があったら怖いし……この能力を使う訓練もしておかなきゃ駄目かな……)
佐天(まだ把握できてない事もかなり多いし……よし、そうと決まれば帰っていろいろ試してみよう)スタスタ
―――
――
―
ステイル「やれやれ……神裂、”あの男”はほんとに学園都市にいるのか?」
神裂「ええ……これを見てください」
ステイル「これは……資料か?」
神裂「最近学園都市で頻発している事件の詳細です。もっとも、この事件は一般にはほとんど報道されていない上に、報道されるのは改竄されたもののようですが」
ステイル「!!! これはっ!」
神裂「似ていると思いませんか? イギリスで起こっていた一連の事件と」
ステイル「ああ、手口が似ている。勘で動かされたときはイラついたが、さすがは最大主教といったところか」
神裂「えぇ、ここなら1度入ってしまえば外部からの干渉も受けにくい。身を潜めるには最適な場所であるのは間違いありません」
ステイル「大人しくしていればいいものを……やつめ、欲望を抑え切れなかったか」
神裂「この調子でいけば、近いうちにも大きな事件を引き起こす筈です」
ステイル「ああ……やつが持っている、魔術でも科学でもない……第3の能力の存在が誰かに知られる前に身柄を拘束しなければ」
神裂「えぇ、その能力はきっと私達にとっても大きな力となるはずです」
ステイル「くだらない事に巻き込まないで欲しいものだが、世界のパワーバランスが変わりつつある今は少しでも力を集めたがるのもわかる」
神裂「それにこの街にはあの子がいますから」
ステイル「その通りだ。これ以上被害が出る前に、とっとと捕まえるとしよう」
今日はここまで
投下にこれなくて申し訳ない、次回あたりスタンドvsスタンドになりそう
仕事のほうがひと段落しつつあるので投下ペースを早められる……と思います
それではー
――休日
御坂「いやー、なんだかこの4人で集まるのも久しぶりね」
白井「あぁん、お姉様にはいつもこの黒子がついていたではありませんの」
御坂「はぁー……だから余計疲れるのよ」
初春「相変わらずですね白井さん、御坂さんもお疲れ様です」
白井「い、言いますわね初春」
佐天「もぉ、せっかくの休日なんですし仲良く遊びましょうよ~」
初春「そうですよ白井さん。それに佐天さんも最近はなんだかボーっとしてる事が多かったんですから」
御坂「そうなの? 何かあったの佐天さん」
佐天「いやー、あたしも色々考えることがありまして」
白井「何かあったら私達に相談してくださいまし」
佐天「もちろんですよー、皆さんも何かあったらあたしに相談してください。聞くだけならできますから」
初春「野次馬ってやつですね」
佐天「捲るよ?」
初春「ちょっちょっちょっ、スカート引っ張らないでくださいよぉ」
御坂「相変わらずねぇ……そうだ、まずどっかで軽く食べない? 朝食べてないのよ私」
初春「あっ、それなら私達が行くデパートにスイーツで有名なカフェが」
御坂「いいわね。よし、久しぶりなんだし私が奢るわ」
佐天「え、いいんですか?」
御坂「ええ、佐天さんには私も個人的にお世話になってるし、気にしないでいいのよ」
白井「こ、個人的に?! どういう事ですの佐天さん!」
佐天「うぇ?! いや普通に勉強教えてもらったりとか、料理の作り方教えたりとか……」
白井「うらやましいですの! はっ、も、もしや個人的にお世話という事はお姉様は妄想で佐天さんにあんな事やこんなk――あぁん!」バチィ
御坂「やっと静かになったわねまったく」
白井「あ”ん”ま”り”ですの”ぉ”~」
初春「さぁ、早く行きましょう!」
白井「ちょっ、すぐには動けませんの……」
佐天「はい、掴まってください白井さん」
白井「うぅ、感謝しますの佐天さん」
佐天「よっと……白井さん軽いですねぇ、ちゃんとご飯食べてます?」
白井「それはもう」
佐天「初春さんなんてほっといたら水しかとらないから……あたしは初春にも栄養あげてくださいって言ってるんですけど」
初春「佐天さん! お花のことでいじるのはやめてください!」
佐天「あれ、聞こえてた? ごめんごめん!」
初春「もう! 佐天さんはまったくもう!」
――デパート
佐天「ん~!! このケーキ美味しい~!」
初春「絶品ですね!」
御坂「ほんとに美味しいわ……お持ち帰りもできるのね」
白井「帰るときに買うのがいいと思いますの」
初春「生ものですしねぇ」モグモグ
佐天「うーん……」モグモグ
御坂「? どうかしたの?」
佐天「自分で作れないかなぁと思いまして」
御坂「作れるの?!」
佐天「使ってる素材がいいものなのがなぁ……素材があればなんとかなりそうかな、なんて……」
初春「あっ、圧倒的……っ!! 圧倒的女子力……っっ!!」ザワザワ
白井「お嫁さんライセンスを発行してもいいくらいですの」
御坂「佐天さんの手作りかぁ……そうだっ、今度集まってケーキ作ってみない?」
初春「いいですね! 佐天さんならきっと美味しいケーキを作ってくれますよ! ね?」
佐天「人任せ?! 作るのは初春もでしょ」
初春「えぇ……私は食べ専なので……」
佐天「ダメダメ! いくら初春でもそんな我がまま認めないよ。初春さんもそう思いますよね?」
佐天「…………」
佐天「ほら!」
初春「な、何がですか?」
白井「お二人とも、もう少し静かにしたほうがよろしいかと」
佐天「え? あ……あははっ、お騒がせしました~……」
初春「佐天さんのバカ……」
御坂「でもいいわねぇ、そうだ何か必要な材料があったら言ってね? 用意できそうなものは用意するから」
佐天「あ、はい。いろいろ調べときまs……ん?」
佐天(今、何か飛んでた……?)キョロキョロ
初春「佐天さん?」
ブーーーーーーゥーーーーーーーン
佐天(うっ……やっぱり、何か飛んでる……これは、羽音?)キョロキョロ
御坂「キョロキョロしてるけど、何かあったの?」
佐天「えっと……なんか虫の飛んでるような音が聞こえませんか?」
白井「……? いえ、私は何も……」
御坂「私も聞こえないけど……初春さんは?」
初春「同じく何も聞こえないです」
佐天「えっ? だって、こんなにもはっきり……っ!!」
佐天(な、何あれ……あれはカブト、いやクワガタ虫? で、でかいっ)
佐天(嘘でしょ……あんなのが店の中にいて、どうして誰も気付かないの?)
佐天(それに、あんなにでかい羽音がしてたら普通訝しむはず……なのに誰も気にも留めてないように食事を続けている)
佐天(…………ま、まさか……まさか!! あのクワガタ、まさかっ!)
―
――
―――
スキルアウト『ひ、ひぃぃぃぃぃ! やべぇ、何が起こってるかわかんねぇが、とにかくやべぇ!!』
警備員A『何か見えるか?』
警備員B『いえ、私には何も』
初春『私には何も見えませんけど……』
―――
――
―
佐天(あたしと同じ、あの能力? だとしたらすべて説明がつく!)
佐天(だとしたら……いったい、誰が、なんの目的で、今ここで出しているんだろう)
御坂「佐天さん、大丈夫?」
初春「お店から出ましょうか」
白井「そうですわね。そういえば私、このデパートに行ってみたいショップがありまして」
御坂「じゃー次はそこね、お会計してくるから先出てて」
初春「ありがとうございます! ほら佐天さん、行きましょう。佐天さん?」
佐天「あ、あぁ……うん」
佐天(はっ! あ、あのクワガタ虫、あの女の人の座席の影に……い、いったい何をする気なんだっっ!)
佐天(も、もし……あの能力を持っているやつが、能力を使って悪事を働こうという輩だとしたら……まさかっっ!!)
ボッゴォーン!!
「――――きゃあああああああああああああ!!」
「な、なんだぁああああ! 急に女の人が吐血したぞ!!」
「ひどい出血だ! おい、大丈夫か!」
佐天(や、やりやがった!!)
白井「――初春!!」
初春「はい! 風紀委員です、皆さん落ち着いてください!!」
白井「初春……この方、舌を引きちぎられてますの……しかし、いったいどうやって!!」
初春「白井さん! 今はとにかく救急車と応援を!!」
佐天(や、やばいっ! この羽音……あのクワガタ、まだここにいる!!)
佐天「……白井さんっ、初春!! 早くこっちに来てください!!」
白井「佐天さん、申し訳ありません。どうやら今日はここで解散みたいですの」
初春「御坂さん、佐天さんを連れて安全な場所に移動してください!」
佐天(い、いた! あいつ、白井さんの隣に!!)
佐天「い、いいから! 早くあたしの方に走って!!」
御坂「黒子! 佐天さんを避難させたら戻ってくるから!」
佐天(くっ! 来てくれないなら……あたしが行くしかないっっ!)ダッ
御坂「ちょっ! 佐天さん! そっちは店内よ!」
???『』ウジュルウジュルブジュ
佐天(よしっ、とらえた!! 射程圏内だっ!!)
佐天(いけ、あたしの能力っっ!!)
キング・クリムゾン『』ドギャアアアアアン
???『何ぃ?!』
佐天「くらえ!」
キング・クリムゾン『フンッ!』ブゥン
スカッ
佐天(――――うそでしょ、あのスピードをかわされたっ!)
???『クク……驚いたぞ……まさかこの都市に俺と同じ能力……『スタンド』の使い手がいたとは!』
佐天「ス、スタンド……スタンドですって?!」
???『そうだ! 貴様もDISCを……スタンドDISCを使ってこの能力を得たはずだ!』
佐天(スタンドDISC……はっ! まさか、TSU○AYAで見つけたあれの……キング・クリムゾンとかいうCDの事?!)
???『そばに現れ立つからスタンドと言ったところか……そして俺のスタンドの名は――『灰色の塔(タワーオブグレイ)』――!!』
佐天(ま、まずいっ、あたしが本体だという事はもう知られてしまっている……!)
佐天(そして白井さんや初春もここにはいる……もしかしてあたし……今)
佐天(ピンチ……ってやつ?)
_,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_
/´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:|
.|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ
.|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V
| l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;)
l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙
゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y: .l /
| `ラ´゙'''´ ''"'´ .| |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' /
゙'i, .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./
゙i,. r、,,,.、,_ / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
.゙i,ヾ'-'ニワ. / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..>
/:::l,〈` //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ .:ヾ、;:) ゙'i `ヽ、
/::::::::|ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙ ..:: ,ソ .(:: _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、,
/ l;::::::::::Y゙人゙l;:. .,/,r'ニ゙ _,、r''´ ..:: ゙ヾ、 :: ヽ,
l /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....::::: .`ヽ、,....:::::.. ゙l,
.!. .l゙l゙レ'>‐゙ | ト;゙i,l、ノ,r;;'ニ゙/´゙Y .,r'゙ ̄ .....::::::::::::::::::::::::.゙ヽ、::: l,
| 'ー;l.'i,.l゙ ,j 'シ'‐-ヘ;'V゙./ ゙l, ヽ, ......::: ::::..ヽ, ゙l
.|._,rラl,.| / ,i l, .ノ , ゙i, .゙ィ,.レ' :.゙l, .|
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.,rl´.'-‐ニ, .,、 L,,,,,゙l, V / ヽ,゙'´/.| .l゙/;=iミ;゙'i,. [ .:::::::::::::::Y゙
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レ:'二i .i''゙゙´| .|:::::::)、V.l゙ ゙l,.゙'V / ゙'i, ゙V゙ /ノ゙ /゙L,___,,,_ : : :: :::::l
..゙T´ .| | ,.| .|::::::/ ゙'i,゙l, `i , l, 〉,,.〈/ .ヽ、,,,,,、、-―‐-、ヽ、 ..:: .:/
┌─────────────────────────┐
│ スタンド名―「キング・クリムゾン」 │
│ 本体―佐天涙子 .│
├───────┬────────┬────────┤
│ 破壊力―A │. スピード―A .│. 射程距離―E .│
├───────┼────────┼────────┤
│. 持続力―E .│ 精密動作性―? │. 成長性―? .│
└───────┴────────┴────────┘
A―超スゴイ B―スゴイ C―人間と同じ D―ニガテ E―超ニガテ
佐天涙子が知っている
『キング・クリムゾンに関するデータ』
その①.射程距離は2メートル程度であり、パワーとスピードに優れる。他に能力があるのかは不明。
その②.「自分の身を守ろう」や「怒りをぶつけよう」といった意思によって動かすことができる。
その③.他人には見えず、触られる事もない。物体の透過非透過も本体の意思により決定できる。
中途半端だけど今日はここまで
佐天さんが知っているデータは徐々に増えていく予定
ではー
タワーオブ(ry『ククク、そうかそうか……その反応、やはりお前もスタンド使い!』
佐天「だ、だからなんだっていうの!」
タワー『簡単な話よ……おい女! 俺の仲間になれば命は助けてやってもいいぞ!』
佐天「はぁ? 誰があんたの仲間なんかに!」
タワー『馬鹿め、この能力を使えば何だってできる! 例えば飛行機事故! 列車事故! ビル火災だって俺の能力にかかればお手の物よ!』
佐天「な、何を言ってんのよあんたは!」
タワー『人を殺しても絶対にばれん……この能力があれば金品だって盗みたい放題よ』
佐天「なんてことを……あんたは人間じゃない!」
タワー『クク、ならどうする、一か八かで俺を倒してみるか? やめておいたほうがいいと思うがなぁ』
佐天(幸いこいつはまだ射程範囲内……キング・クリムゾンの両手での全力のラッシュを叩き込んでやる!)
佐天「そうさせてもらう――キング・クリムゾン!!――」ドドドドドドドド
タワー『おっと』ヒュン
佐天(か……かわされた……両手でのラッシュを……な、なんて早さなの!)
タワー『クク……例えここから1センチメートルの距離より、10丁の銃より弾丸を撃ったとして……弾丸は俺のスタンドに触れる事すらできん!』
佐天(くっ……あたしの能力と同じと考えるなら……きっとこの近くに操っている本体がいるはず……)
佐天(そいつさえ、本体さえ見つかれば……)
タワー『クク……』ヒュン
佐天(はっ、き、消えた!)
タワー『』パッ
佐天(うっ……あいつ、人ごみの方に移動したッ!)
タワー『お前に正しい能力の使い方を教えてやる!』
佐天(ま、まさかッ)
佐天「――そこの人達! あなた達です! 逃げて! 早くそこから離れて!!」
ザワザワ
ナニ? アノコデンパ?
ウワー、シャメットコ
御坂「佐天さん!? 早くこっち来て!」
初春「佐天さん、さっきから1人で何を――」
ボゴボゴボゴォ!
佐天「――あぁ!」
「きゃあああああ!」
「何が起こったんだ!」
「きゅ、救急車を! 早く!」
タワー『ビンゴぉ! 舌を引きちぎった!』
白井「くっ、いったい何が起こってますの!」
初春「……佐天さん、さっき、たしかにあの人達に逃げろって言ってましたよね? 何が起こってるか、わかってるんですか……?」
佐天「……うん、わかってるよ、全部わかってる。あたしにしか対処できない事態なの、これは」
白井「教えてくださいまし! いったい誰がこのような事を――えっ」
初春「うわぁ!」
佐天「御坂さん!」
佐天(白井さんと初春をキング・クリムゾンで掴んで放り投げる!!)ブゥン
御坂「えっ、ちょっ、わわわっ!」
佐天「後で話しますから、2人をつれて逃げてください! できれば他の皆さんも、早く!」
タワー『お友達を逃がしたか、クク……馬鹿なやつめ』
佐天「……もうじき、ここには警備員が大挙して押し寄せてくる、あんただって逃げられない」
タワー『ハハハハハ! この能力は誰にも見えん! 故に裁けん! 仲間にならんというなら、お前を始末した後、なんならコーヒーでも啜って帰るまでよ!』
佐天「ッッ……ゲスめ!」
タワー『ハハハハハハッ!! いくぞッ!!』
佐天「――キング・クリムゾン――!!!」ドドドドドドド
タワー『KEAEEEEEEEEEE!!』ヒュンヒュンヒュン
佐天(ま、まずい! かわされ――)
タワー『――『塔針(タワーニードル)!!』』ウジュルジュル
佐天(くっ、口から針を?! スタンドで防御を――!!)
ドスッ
佐天「――うああああああ!」ブワアァァ
佐天(ス、スタンドが受けたダメージが、あたしに……?!)
タワー『ファハハハハハ! どうやらスタンドが受けたダメージは本体に直接影響するようだな!』
佐天「ぐっ……くっ、うう」
タワー『お前のスタンド、スピードはなかなかのもんだが……ビンゴにゃあのろすぎるゥゥゥゥゥゥゥ!』
佐天「こ、このっ!」ドドドドド
タワー『わからぬか、ハハハハハハハー!!』
佐天(だ、駄目だ……捉えきれない!)
佐天「――――ッッッああああああ!」ブシャア
タワー『ビンゴォ! 足を貫いた! これでお前は逃げる事すらできん!』
実際コイツスタンドの中でも結構強めなんだっけ
タワー『そして! 次の攻撃で今度はきさまのスタンドの舌にこの塔針を突き刺してひきちぎる!』ブゥゥゥゥゥン
佐天「ぐうっ……く、くそっ」
佐天(だ、駄目だ! とても――――ん?)
―――
警備員『おい、君! 大丈夫か!』
佐天『え、画面と同じに、人が……? だ、駄目! こっちに来るんじゃぁない!」
――
佐天(え……こ、この画面は? 何か、見える……?)
警備員「おい、君! 大丈夫か!」
佐天「え、画面と同じに、人が……? だ、駄目! こっちに来るんじゃぁない!」
佐天(はっ! こ、これは、さっき見た画面と……同じ事が?!)
短いけど今日はここまで
明日でこの戦いは終わらせる予定
>>143
スタプラのラッシュよけてたし、普通に強いんじゃないかなとは思ってる
キンクリのラッシュのスピードとか話の都合で適当だけど許してください
スタンドステータスもデータだけ見れば6部のキッスがスタプラとほぼ同格だったり
パワーCのゴールドエクスペリエンスが車ぶっ壊してたりするから……どうなんだろう
ではー
佐天「い、いったいなにが……」
佐天「!!」ハッ
――
タワー『ククク』ブウウウウン
――
佐天(い、今……画面にあいつのスタンドが写った?!)バッ
佐天「いない……でも、画面にはあいつの……!!」キョロキョロ
タワー『ククク』ブウウウウン
佐天(!! やっぱり……この画面に写った位置と、寸分違わぬ場所にあいつのスタンドが……)
佐天(もしかして、この画面は数秒後に起こる未来を予知している……とか?)
佐天(も、もしそうだとしたら! この能力があれば……あいつのスタンドを捉えられるかもしれない!)
佐天(は、早くあいつの次の行動を画面で確認しないと……!)キョロキョロ
――
警備員『うげええええええええ!』ボコオオン
――
佐天(!!)
警備員「立てるか?! 今病院に連れて行ってやるからな!」
佐天「あ……あたしは……大丈夫、です! 早く逃げて!」
警備員「いいから! ほら、つかまれ!」
佐天(く、くそ! 仕方ない、キング・クリムゾンで無理矢理避難させるしかない!)
佐天「いいかr――」
佐天「!!!」ハッ
タワー『』ブウウウン
佐天(あいつ、いつの間に!! やばっ、間に合わな――)
警備員「うげえええええええ!」ボコオオン
佐天「ッ!」ビシャ
タワー『ファハハハハハ! 見ることも触る事もできんゴミカスめ、引っ込んでろ! そしてェ! 今度こそ貴様の番よ!!』ブウウウウン
佐天(こ、こいつ! 倒すしかない……ここで! あたしが! これ以上犠牲者が出る前に、あたしが!!)
佐天(考えるんだ佐天涙子……今ある能力であのクソ野朗を倒す方法を!)
――
タワー『ハハハハハー!』
佐天『うッ――ああああああ!』ブシャアアア
――
佐天(あ、あたしの足が! まずい……何とか、何とか回避しなければ……!)
タワー『おれに舌をひきちぎられると、くるい、もだえるンだぞッ! 苦しみでなァ!』ギャンギャンギャン
佐天(見失ったッ! くっ、あのスピードで動き回られたら……!!)
佐天(と、とにかく、ここから逃げないと……)
佐天「うぐッ」ガクン
佐天(だ、駄目……今までの攻撃で足がッ!)
佐天「――キング・クリムゾン!」ドギャン
佐天(キング・クリムゾンのパワーならあたし1人を引っ張る事など容易いはず!)グイッ
タワー『ハハハハハー!』
佐天(あっ……しまっ……)
佐天「うッ――ああああああ!」ブシャアアア
タワー『足掻いても無駄だッ! お前はここで死ぬんだぞッ舌をひきちぎられてなァ!』
佐天(ぐっ……あ、足を貫かれた! あの画面のとおりに!)
佐天(あいつはあたしの舌を狙っていた……そして、あたしはそれを回避しようとした結果、足を貫かれた)
佐天(あの画面を見て、それを回避するために行動したつもりが、あの画面と同じ結果になったということは……)
佐天(未来を予知する……というよりは、あの画面は未来に起こる結果を映しているということ?)
佐天(そして、その結果はあたしがどう足掻いても変わらない……ということ……?)
佐天「うっ、うぅっ……」ドクドク
タワー『次で確実に仕留めるッ! そしてェ! ここにいる奴は皆殺しよッ!!』ドギャアアン
佐天(くっ、来るッッ! 未来を――)
――
タワー『ククク……ゆくぞッ!!』
――
佐天(あそこから仕掛けてくる!)バッ
佐天(……い、いたっ)
佐天(さっきも今も、画面を見てからおよそ10秒後に画面の出来事が起こった……)
佐天(見極めないと、今からおよそ10秒後の未来に起きる出来事を――!)バッ
――
佐天『がっ――』ボッコオオオン
タワー『ハハハハハー! やったぞッ! 舌をひきちぎったァ!!』
――
佐天(ッ!! や、やばい!)バッ
佐天「あぐっ!」ガクン
佐天(だ、駄目だ……もう足も動かない……さっきの通りになるなら、今からおよそ10秒後……あたしは舌をひきちぎられる)
佐天(いや……あたしに直接搭針が刺さっていなかったという事は……攻撃を受けるのはあたしのスタンドかな)
佐天(うっ……ううううううっ……)
佐天(…………えぇい、覚悟を決めるんだ、あたし!)
佐天(死ぬほど痛いだろうけど……ほんの少し、ほんの少しの間意識を保つ事ができればッ)
佐天(あいつの搭針も射程はそんなに長くないはず……それなら、あいつにキング・クリムゾンの拳を叩き込んでやる!)
タワー『KEAEEEEEEEEE!!』ギャンギャンギャンギャン
佐天(く……でも、見えてる! 来るなら来いッッ! 舌と引き換えにあんたを倒してやる!)
佐天(――そこだッ!)
佐天「――――キング・クリムゾン!!」ドッギャアアアアン
タワー(なにィ!? こいつ、まるで俺がどこから仕掛けるか知ってたみてーな動きを!)
タワー(――だが!)
タワー『残念! やはり俺のスタンドの方がちと早いみたいだなァ! ファハハハハハ!』
佐天(やっぱりかわされたッ! でも、あたしが賭けたのはここからだッ!)ギリッ
タワー『ハハハハ! そういえばおまえはずいぶんあの3人のお友達が大切みたいだな!』
佐天(は……? 友達……う、うい……はる? 白井さん……? 御坂さん……? こいつ、何言って……)
タワー『会えなくなるからと言ってちっとも寂しがる必要はないぞ! ここにいる……ここにいた連中は皆殺しだ、お前のお友達もなァ!』
佐天「……は……」
タワー『もちろん、お前のスタンドの舌をひきちぎった後でだがな!』ギャンギャンギャン
佐天「」プッツーン
タワー『もらった――』
タワー『――なにィィィィィィィィ???!!!』
タワー(バ、バカな! 何が起こっ……かわされた……いや、かわされていた?! いつの間に――――)
キング・クリムゾン『ウルァ!』ズド
タワー『――ウゲッ!!』グシャァ
キング・クリムゾン『ウオラァアアアアア!!』ドドドドドド
タワー『グゲアアアア!』ドグシャアアアアアア
「ギィヤャアアアアアアアア!」バッカァーン
佐天「うっ、ぐっ……」ヨロヨロ
グレーフライ「ブワロロロ~~~ベロォォォォ」
「ひいいいいいい!」
「もういやあああああああ、だれかああ!」
佐天「はっ……はぁ……大丈夫ですか?」
グレーフライ「あばばばば! き、気をつけるんどわあああああ、急に舌がああああばっばばばあ」
佐天「へぇ、大変ですねぇそれは……ほぉら、つかまってください!」ドッギャアアアアン
キング・クリムゾン『』ブオン
グレーフライ「ひぃぃいいいええええええ!! やめてくれえええええええ」
キング・クリムゾン『』ピタッ
佐天「やめてくれ……? へぇ~~~っ、どっから誰が見ても『怪我をした中学生』にしか見えないあたしに、どうしてやめてくれなんて言うんですか?」
グレーフライ「……はっ」
佐天「あたしがそんなに恐ろしい人に見えましたか? この重傷を負って今にもぶっ倒れそうなあたしが?」
佐天「不良相手に凄んでも笑われるっていうのに……あんたはこのあたしが恐ろしい力を持ってるように見えたってそーいうわけ? ん?」
佐天「ひっかかったな、あんたはあたしのキング・クリムゾンが見えてたんだ」
グレーフライ「ぶわああああばばばばばばああ」
佐天「ついでに教えといてあげる。あたしのスタンド……キング・クリムゾンの能力は、未来を予知する力」
佐天「……そーいえば……あんたはこの能力は裁かれないとかなんとか言ってましたよねぇ」
佐天「そんなあんたに問題、10秒後あんたはどうなるでしょう。ちょっと簡単すぎますかね?」
グレーフライ「あばばばああああばばっばあばばばた、たすけてくれええええゲロゲロ」
佐天「いーや、駄目だね」
佐天「キング・クリムゾンの予知は絶対だ――そしてッ!!」
佐天「あんたを裁くのはッ! このあたしのスタンドだッ!! 佐天涙子のキング・クリムゾンだッッッ!!!」ドッギャアアアアアアン
キング・クリムゾン『ウラァ!!』ズドドドドドド
グレーフライ「どわあああああああああ!」バッコーン
佐天(…………ふぅ)
佐天(あの時……あたしが見た未来は確かにやつのスタンドに舌を引き裂かれる未来だった……)
佐天(でも、キング・クリムゾンはあいつの搭針を避けて……結果、予知した未来は回避された……)
佐天(……ただ単に、急に未来を予知できるようになったよーに、キング・クリムゾンが突然成長した結果、未来が書き換わった……?)
佐天(それとも……キング・クリムゾンには、あたしが知らないだけで……予知以外の別の力が隠されている?)
佐天(わかんないや……でも……足も腕も痛いし……ちょっと休みたい……)フラッ
佐天(あー……疲れ、た……)ドサッ
「お、おい! 医者が来たぞ! こっちだ、早く来てくれ!」
「ひどいな……担架だ、早くしろ!!」
「重傷の患者から運ぶんだ!」
「あ、あの、あっちにおじいさんが……」
ワーワーワー
ドイテクダサイドイテクダサイ
ワーワー
ワー……
……
…
――病院
グレーフライ「……はっ」
「やぁ、お目覚めのようだね」
グレーフライ「な、なんだ貴様らはあああああばばば」
「あまり騒がないでください。本来は数ヶ月は動けない傷でしたが……喋れる程度にしか回復させていないので、傷が悪化しますよ」
「おっと、そうか自己紹介がまだだったかな」
ステイル「僕はステイル・マグヌス……必要悪の教会に所属する魔術師だ」
神裂「同じく、神裂火織と申します」
グレーフライ「な、何の用だ」
ステイル「君の持っている力について話してもらおう。人払いのルーンを刻んである……騒いでも無駄だぞ」
グレーフライ「なんのこ――あがばっ!」ドゴッ
ステイル「今ここで君を殺すのは容易い……それをしないのは、僕たちの放った追っ手を退ける程強力な君の能力に興味があるからだ」
神裂「洗いざらい話していただければ手荒い真似をしなくても済むのですが」パキポキ
グレーフライ「あがばばばば、話す、話すからやめろォ!」
ステイル「――ふむ、スタンド能力……か」
神裂「私たちには見ることも触ることもできない……にわかには信じられませんが……」
ステイル「いや、放った追っ手はいずれも手練れだった。ついこの間まで一般人だった男に彼らを殺すだけの手段があるとは思えない」
ステイル「それに、そんな能力ならイギリスで散々事件を起こしておいて証拠が全く出てこなかったのも納得できる……」
グレーフライ(スタンドがズタボロの今はなんとかしてこの場をしのがねば……こいつらが俺の能力に興味を持っているというなら、迂闊に俺を殺す真似はしないは――)
ステイル「もういいだろう、十分だ。神裂、さっさとこいつを始末しよう」
グレーフライ「な、なにィィィィィィィ! 待てッ! 俺の能力に興味があるんじゃァなかったのか?!」
ステイル「あぁ、ここで始末する予定はなかったが……事情が変わったのさ」
神裂「ステイル、良いのですか?」
ステイル「こいつはスタンドとやらはスタンドでないと攻撃できないと言った……つまり、そのスタンド能力とやらを持っている人間がこいつ以外に存在するという事だ。でなければまずわからないだろう」
ステイル「そして恐らく、その能力を持っている人間は学園都市にいる……違うか?」
ステイル「これは推測だが、君が今日事件を引き起こしたデパートにその人間はいた。そして君と戦い、君は敗れたんだ。そうだろう?」
グレーフライ「ぐっ」
ステイル「その能力者の特徴を教えるんだ、そうすれば見逃してやらんこともない」
グレーフライ「く、黒髪の女だ! 中学生くらいの黒髪の女だった!」
神裂「ステイル」
ステイル「あぁ、現場の防犯カメラの映像を手に入れよう。できるだけ速やかにだ」クルッ
グレーフライ「――ぶわははははははああばばばばばぁバカどもがあああああ! てめーらなんぞ例えスタンドがズタボロでも楽に殺せるんだよおおおおおおロロォォ――」
神裂「――七閃!」スパッ
グレーフライ「――――はっ? ギ、ギイヤアアアアアアアア!」
ステイル「君は一般人を殺しすぎた……僕たちは、最初から君を見逃してあげるつもりなんてないのさ」
グレーフライ「あああばばばァァァァァァ! マッ待てッ、俺の能力が必要じゃぬわぁいのか!」
ステイル「そうだな、たしかに僕たちは君が言ったスタンドとやらを使う能力者を連れてこいと言われているが――」
神裂「――なにも貴方を連れてこいとは言われていません。その黒髪の少女と接触する事にしますよ」
ステイル「そういうことさ。まぁ、君が殺した人間に精々詫びながら死んでいくんだな」ボウッ
グレーフライ「まッ――――」
ギイヤアアアアアアアアアア
本体名:グレーフライ
スタンド名:灰色の搭(タワーオブグレイ)
再起不能
―――
――
―
短いですが本日はここまで
来るのが遅くなって申し訳ありません
エピタフさんの予知能力がいろいろおかしいかも、色々と大目に見ていただけると幸いです
仕事も一段落したので次回はなるべく早く来たいと思います、では
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