ジャン「おう、アルミン」(185)

はじめに

進撃の巨人の未来を想像したSSです。

初SSなので至らない点があったらご指摘お願いします。

ネタバレありなのでご注意を。

その上で読んで頂ければ幸いです。

以上です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372530047

酉?はこれでいいのだろうか…
では投下します。

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-- 855年 シガンシナ区 --



アルミン「やあ、ジャン。何か用かな?」


ジャン「ああ、今度の壁外調査の事なんだがよ」


ジャン「俺の分隊の構成表を確認してくれねぇか?」


アルミン「分かった、預かるよ」


ジャン「しっかり頼むぜ、次期団長さんよ」


アルミン「はは、僕なんてまだまださ」


ジャン「何言ってやがる、お前のおかげで救われた命は1つや2つじゃねぇんだ」


アルミン「たまたまだよ」


ジャン「そのおかげで今は団長の補佐じゃねぇか。謙遜すんな」

アルミン「ジャンこそ班長として頑張ってるじゃないか」


ジャン「…アイツに負けるわけにはいかねぇからな」


アルミン「…ジャンは変わらないね、昔から。丸くはなったけど」


ジャン「うるせぇ」


アルミン「ふふ」


アルミン「…じゃあ僕の用事を済ませてもいいかな?」


ジャン「ああ、つーか俺も構成表の確認なんてのはついでだ」


ジャン「花なんて久しぶりに買ったぜ」


ジャン「なあ…死に急ぎ野郎」

僕たちは数え切れないほど並んだ墓標の一つを見つめた。

その墓標には”850年 エレン・イェーガー”と刻まれて
いる。

僕はそこに花束を添えて、口を開いた。





アルミン「久しぶりだね、エレン」


アルミン「今日でちょうど5年だ」


アルミン「あの戦いで大勢死んだ。だが、人類はマリアを奪還することが出来た」


アルミン「鎧の巨人、ライナー・ブラウン。超大型巨人、ベルトルト・フーバー。雌型の巨人、アニ・レオンハート」


アルミン「人類の敵、そして僕らの仲間」


ジャン「………」


アルミン「彼らは倒れ、事実上壁を破壊できる巨人はいなくなった」


アルミン「………」


アルミン「なのに…」


アルミン「何故、君はいなくなってしまったんだい?」


ジャン「まったくだ…ミカサを残して消えちまうなんてよ…っと」

ジャンも花束と、小包をそっと墓標の前に置いた。

可愛らしい包装がされており、僕は思わず笑ってしまった。



アルミン「ジャン、それは何だい?君に似合わない絵柄だけど」


ジャン「俺の趣味じゃねぇよ!隊の連中から預かってきたんだ」


ジャン「中身はいろいろだ…パンとか芋とか…」


アルミン「はは、供え物のチョイスをサシャに任せちゃダメだよ」


ジャン「仕方ねえだろ…コニーのバカは無理だし、ユミルはお任せとか言いやがるし」


アルミン「クリスタは?」


ジャン「我らが女神様は馬の飼育場の視察に行ってていねぇんだ」


アルミン「そっか、仕方ないね」


ジャン「ああ、よし、そろそろ戻らないとな」


アルミン「そうだね…じゃあエレン、また来るよ」



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アルミン(けっこう遅くなっちゃったな)


アルミン(ジャンの資料は明日渡そう)


アルミン「ふあぁ…」


アルミン(眠い…もう少し本部の近くに引っ越そうかなぁ…)


ミカサ「アルミン」スッ


アルミン「わっ!…ミ、ミカサ!」


ミカサ「そう…私はミカサ」


アルミン「夜道で急に背後に現れないでよ…」


ミカサ「ごめん…なさい。明日のことで…」


アルミン「ああ、いつものだね。大丈夫、明日は一日空けてあるよ」


ミカサ「あり…がとう。それじゃあ…また明日」スゥ


アルミン(消えた…!?)

-- 翌日 ミカサ宅 --




アルミン「それじゃあ、始めようか」


ミカサ「うん」


アルミン「今日は何にしようか」


ミカサ「訓練兵時代…の話がいい」


アルミン「わかった」


アルミン「もう5年以上前だけど思い出せるかな」


ミカサ「大…丈夫。アルミン、なら」


アルミン「期待に応えられるよう、努力するよ」

それから僕たちは訓練兵だったときの思い出話をした。
ミカサとはこうして定期的に話をしている。


エレンがいなくなった、と知った時のミカサは見るに耐えられなかった…。
まともに会話が出来るようになるまで3年以上のリハビリが必要な程に。


1年前から本人の希望で調査兵団に復帰したけれど、
その活躍ぶりは相変わらずで、今ではリヴァイ班のメンバーだ。


ジャンやみんなもミカサの復帰を喜んでいたけど…僕は心配している。





アルミン(今のミカサは…自ら死地に飛び込むような戦い方をするから…)


ミカサ「アルミン…聞いてる?」


アルミン「あ、ああ!聞いてるよ!エレンがジャンと喧嘩して二人してケガした話だろう?」


ミカサ「そう…走りながら、口論して…川に落ちた」


アルミン「はは、あのときは大騒ぎだったね。医務室でも喧嘩しちゃって」


ミカサ「でも…二人とも最後は…笑ってた」


アルミン「うん…そうだったね」

アルミン「ああ、もうこんな時間か。ミカサそろそろ…」


ミカサ「待って…今日は…大事な、話がある」


アルミン「え…?」


アルミン(また、妄想の話だろうか)


アルミン(こないだは家にエレンが来たって言ってたっけ…)


アルミン(だいぶ改善されてきたとは言え、完治まではもう少しかかるね)


ミカサ「エレンは…またどこかに、行ってしまった」


ミカサ「もう一ヵ月…」


アルミン「……(ちょうど前ミカサと会ったくらいか)」


ミカサ「アルミン、知らない…?」


アルミン「え?…い、いや分からないなぁ」


ミカサ「そう…」

この話をするときのミカサは、とても悲しそうな顔をする。
僕は、そんなミカサを見ているのが辛い…。


アルミン「ねえ、ミカサ。エレンは…」


ミカサ「死んでなんかいない」


アルミン「…!」


ミカサ「誰もエレンの戦死を確認していない」


ミカサ「死体も見つからなかった」


ミカサ「ので」


ミカサ「エレンは生きている」


アルミン「……」


エレンの死を否定するときだけは口調がはっきりする。
そう、昔エレンと話していた時のように。



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-- 調査兵団本部 --



アルミン「…ということがあったよ」


ジャン「そうか…」


アルミン「復帰したとは言えミカサの精神状態は不安定だ」


アルミン「慢性的に人材不足なのは理解できるけど…」


アルミン「今のミカサを戦場に立たせるのはあまりにも不安だよ」


ジャン「俺だってそう思うさ。だが…兵長や団長の言うこともわかる」


ジャン「次の兵長はミカサだって言う噂まであるくらいだからな」


アルミン「はは、ミカサなら有り得なくはないって思えちゃうね」


アルミン「まあ、根も葉もない噂だしなんとも」


ジャン「ああ、そうだな…ん?あいつら」


アルミン「サシャとコニーだね」


ジャン「話し込んでるな。おいサシャ!コニー!」


サシャ「はぇ!?あ、ジャンじゃないですか!」


コニー「おお、アルミンもいるぞ!」


アルミン「いつも元気だね、2人は」


ジャン「こいつらの馬鹿さには救われる時もある」


サシャ「優秀な隊員に向かってなんですかその言い草は!」


コニー「そうだぞジャン!ちゃんと構成表アルミンに見せたんだろうな?」


ジャン「いちいち騒ぐんじゃねぇよ。それよりサシャ」

サシャ「なんですか?」


ジャン「お前、また肉盗んだのか」


サシャ「い、いやちが、違いますよ?ねえコニー?」


コニー「あれ?お前さっき”最近は食料事情が改善されてきて盗むのが楽ですね”とかなんとか…」


サシャ「」


ジャン「…だそうだが、何か弁解は?」


サシャ「ありましぇん…」


ジャン「今日中に俺の部屋に報告書書いて持って来い」


サシャ「ハッ!」


ジャン「肉持って敬礼してんなよ!?」


コニー「ざまあねえな」


ジャン「貴様もだ…コニー・スプリンガー…!」ガッ


ジャン「口の周りのカスを拭いて死ぬ寸前まで走っていろ…!」ギリギリ


コニー「むぐぐ…くる、し…」


アルミン「ジャン、教官のマネ似てないよ…ところで2人は何を話していたの?」


サシャ「あ、そうでした大ニュースですよ大ニュース!」


コニー「そ、そうだ!ミカサが兵長になるってホントか!?」


ジャン「………」


アルミン「………」


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ジャン「はぁ…」


アルミン「はは、ジャンも苦労してるね」


ジャン「あいつらホントに馬鹿だ。馬鹿を突き抜けて馬と鹿だ」


アルミン「何言ってるかちょっと分からないけど、馬っぽいのはジャンだよね」


ジャン「お前たまにひどいよな…」


アルミン「ジャンに対してはいつもだよ?」


ジャン「………」


アルミン「冗談だよ。仕事に戻ろう」



ジャンは兵長の下で実力をメキメキと伸ばし、
サシャ、コニーも指折りの実力者に。


クリスタは相変わらず天使で、
ユミルは少しクリスタ病が治った。


ミカサは徐々に回復して、
僕は団長の補佐をこなす毎日。


そんな日々が続くと思っていた。
僕は忘れていたのだろうか。





この世界は、とても残酷だということを。

今日はここまでです。更新はたぶんゆっくりですが完走目指します。

-- 855年 第57回 壁外調査 --



エルヴィン「皆!聞いてくれ!」


エルヴィン「マリア奪還以降、壁を破壊できる巨人は確認されていない」


エルヴィン「…だが、また現れないという保証はない」


エルヴィン「だからこそ早急に巨人の謎を解明しなければならない!」


エルヴィン「心して任務に当たってくれ!」



ハッ!

ジャン「よし、準備は完璧だ…」


ジャン「俺、この壁外調査が終わったらミカサにプロポーズ(3ヶ月ぶり7度目)するぜ…」


サシャ「うわぁ…」


コニー「お前…」


ユミル「ば、馬鹿ジャンてめー!それを言った奴は生きて帰って来れねえんだぞ!馬鹿!」


クリスタ「大丈夫だよユミル」


ユミル「あ?なんでそんなことが言えんだよ。クリスタ?」


クリスタ「私たちが一生懸命戦えば、ジャンは死なない。誰も死なない」


クリスタ「ね?」ニコッ


ユミル「お、おおぅ…(ああ、愛しのクリスタ)」


ジャン「女神だ…(おい、いつまでもくっちゃべってんじゃねぇ)」


サシャ「ジャン、何言ってるんですか。気持ちが悪いですよ」


コニー「そろそろ出発時間だろ!行こうぜ」


ユミル「ああ…」


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-- 次列中央 指揮 --


エルヴィン「というルートで、この先は進む。何か質問はあるか?」


アルミン「団長、この丘は迂回すべきではないでしょうか?」


アルミン「確か足場も見通しもあまり良くない地形だったと思います」


エルヴィン「む、そうだったか。ならばルートを変更した方がよさそうだな」


エルヴィン「煙弾を撃ってくれ」


アルミン「ハッ…ん?あれは」


エルヴィン「赤の煙弾。左翼側に巨人、か」


エルヴィン「…仕方がない、丘に向かおう」


エルヴィン「状況を見て迂回するか判断する」


アルミン「はい!」


アルミン(確かジャン達の班は左翼だったな…皆無事でいてくれよ)

-- 初列二 索敵 --



ジャン「サシャ!アイツを引きつけろ!」


ジャン「俺とコニーでやる!」


サシャ「はい!」バシュ


サシャ「や、やい!このデカブツー!巨人ー!芋ー!」


コニー「芋はお前だ!」バシュ


ジャン「コニー!今だ!」


コニー「おう!」ザシュ


巨人「アー」ドシィン


サシャ「はふぅ…」


ジャン「よし…ナイスだサシャ、コニー。列に戻るぞ」


サシャ「あ、あの?ジャン?なんで私さっきから囮ばっかりなんですか?」


ジャン「芋のにおいがするからだ」


クリスタ「みんな無事?」


ユミル「こいつらなら巨人に踏まれても死なねーよクリスタ。馬はちゃんといるか?」


クリスタ「うん。大丈夫」


ジャン「ユミル…いざってときはお前の力が必要なんだからな」


ユミル「わかってるよ」

コニー「おい!また巨人が出たぞ!7m級1体、15m級1体だ」バシュ


ジャン「チッ、わんさかと沸いてきやがるな。散開しろ!」バシュ


サシャ「ジャン!私は「囮をやれ!」


ユミル「クリスタ!お前はこっちだ!」


クリスタ「うん!」


15m級巨人「………」ズシンズシン


15m級巨人「………」スッ


ジャン「ん…今アイツこっちを指差して…」


7m級巨人「アー」ドシンドシン


コニー「7m級共が突っ込んできたぞ!」


ジャン「チッ!」


サシャ「ひえぇ!3体もどうやって引きつければいいんですか!」


ジャン「まだ距離はある!無理に戦う必要はねえ!」


コニー「サッサと燃料切れにしてやろうぜ!」

ジャン「いや…!15m級だけ北に向かってやがるぞ…?」


サシャ「やーーーい!こっちだーーー!芋ーーー!」


コニー「北って何があるんだ?」


サシャ「かかってこいーーー!巨人ーーー!」


ジャン「壁だよ馬鹿!」


コニー「やべぇじゃねぇか!追いかけるか!?」


サシャ「うわーーー!うわーーー!」


ジャン「うるっせぇぞサシャ!ちょっと黙れ!」


サシャ「失礼しましたーーー!」


ジャン(追いかけるか?いや、間にあわねぇし、7m級が道を塞いでやがる!)


ジャン(団長に知らせるのが先だ!)


ジャン「クリスタ!ユミル!あの巨人のことを団長に伝達しろ!」


ジャン「…知性のある巨人が壁に向かってる可能性があるってな!」


クリスタ「分かった!」ダッ


ユミル「お前らも気をつけろよ!」ダッ

-- 次列中央 指揮 --



エルヴィン「それは確かなのか?クリスタ、ユミル」


クリスタ「はい!7m級の巨人をこちらに差し向け、そのあと自分は北に向かいました!」


エルヴィン「ふむ…だがかなりの距離があったのだろう?」


エルヴィン「今現在も外周で巨人と戦っている隊がある」


エルヴィン「突然の退却命令は混乱を招きかねん」


ユミル「私達が嘘を言っているとでも?」


エルヴィン「そうは言っていない。偵察班を出す」


エルヴィン「…やれるな?アルミン」


アルミン「!…私ですか!?」


エルヴィン「そうだ。腕利きを何人か連れて行け」


アルミン「しかし…」


エルヴィン「時は一刻を争う。やってくれ。君なら大丈夫だ」


クリスタ「アルミンなら心配ないね」ニコ


アルミン「やります!」


ユミル「おいてめー」



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アルミン「ジャン達は無事なの!?」


ユミル「あいつらなら大丈夫だ、心配すんな」


クリスタ「3on3ならジャン達の方が強いよ!」


アルミン「篭球だったら巨人に勝てないね…!」


ユミル「随分余裕があるじゃねーかアルミン。今どんな状況か分かってんのか?」


アルミン「非常にマズい状況かもしれないって危機感はあるよ」


アルミン「とにかく、左翼へ急ごう」

ジャン「オラァ!」ズバッ


巨人「ウー」ズシィン


コニー「そいつで最後だな!?」スタッ


サシャ「ハァ…ハァ…死ぬかと思いましたよ…」スタッ


ジャン「声おかしいぞお前…叫びすぎだ」


コニー「巨人の鼓膜でも破る気かと思ったぜ」


サシャ「ん…誰か走ってきますよ?お昼にはまだ早いですね」


ジャン「さっきまでの緊張を返せてめぇ」


コニー「もしかしたら早昼かもしれねえぞ!」


ジャン「突っ込み待ちか?巨人のケツに突っ込んでやるよ」

アルミン「ジャン!コニー、サシャ!無事だね!」タッ


サシャ「無事じゃないです。お腹空きました!」


コニー「おう!」


ジャン「アルミン!なんとかな…」


クリスタ「最悪な事にならなくて、本当に良かった…」


アルミン「天使…(そうだね、安心したよ)」


ジャン「女神…(クリスタ…いや、俺にはミカサがいるんだ、悪いな!)」


ユミル「気持ちが悪いな」


サシャ「気持ちが悪いですね」


コニー「気持ち悪い?大丈夫か2人とも!」


ユミル「ちょっと黙っててくれ、馬鹿」



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レスありがとうございます
先の展開は大体考えてあるので書き次第投下します
今日はこのくらいで

>>1です。

続き投下しますが、勢いで書き進めたら
厨二設定+ご都合主義全開になりました

吐き気がしたらクリスタの笑顔思い出してください
迷走してきたゴールできるかな…

アルミン「なるほど、それは確かに怪しい…!」


アルミン「団長からは状況に応じて判断しろと言われてる。すぐに追おう!」


ジャン「そうこなくっちゃな!」


サシャ「その前にお昼ごはんを…」


コニー「俺でも分かる。今はそれどころじゃねえ。で、どこに行くんだっけ?」


ジャン「…行くぞ。巨人共に遭遇しねぇことを祈ろう」


クリスタ「足の速い子(馬)を連れてきたから、間に合うといいけど…!」


ユミル「最短距離ならすぐ壁だ!」


ジャン「頼むぞ…」

-- 次列五 索敵 --


ミカサ「………」バシュ


リヴァイ(チッ!危なっかしい戦い方しやがって…)バシュ


リヴァイ「おいアッカーマン!出すぎだ!下がれ!」


ミカサ「私は…強い。ので大丈夫、です」


リヴァイ「てめえの心配をしてんじゃねぇよ」


リヴァイ「連携を乱すなと言ってるんだ」


ミカサ「………」


兵士「新手の巨人出現!15m級2体です!」


リヴァイ「お前は俺の右に付け。抜かるなよ」


ミカサ「…はい」



















---------------------------ミカサ!

---------------------------あいつらはここでやる!

---------------------------…やらなきゃ、ならないんだ!














ミカサ「………」



















---------------------------すまねえな、ライナー。ベルトルト…。

---------------------------お前達は最高の仲間だった。

---------------------------また会おう…。

















ミカサ「………」



















---------------------------アニ。あなたはエレンの敵。文句はないはず。

---------------------------ああ、やりなよ。見ず知らずの誰かにやられるよりはマシだ。

---------------------------さようなら、アニ…。

















ミカサ「何故、今…思い出すの…?」

-- 850年 --



ウォール・マリア奪還作戦23日目。

人類と巨人の決戦は続いていた。

シガンシナ区の内門は工兵部隊の尽力ですでに塞がれている。

僕達の町を奪還し、外門を塞げば人類は全ての壁を取り戻すことになる。




アルミン「もうすぐだエレン…もうすぐ僕達の家に帰れる」


エレン「ああ、この日を待ちわびていたぜ」


ミカサ「エレン、襟が乱れている。直したほうがいい」


アルミン「エレン…今日という日を人類の歴史に刻もう。頼んだよ」


エレン「やってやるさ…ライナーも、ベルトルトも、アニもな…!」


ミカサ「エレン、襟が…」


エレン「分かったよ!いい雰囲気を壊すんじゃねえ!」

鎧の巨人、超大型巨人(つまりライナーとベルトルト)ら、

知性のある巨人の攻勢は熾烈を極めた。


しかし、リヴァイ兵長を中心とした精鋭部隊及び、

エレン、ユミル両名の巨人化能力者の活躍で被害は最小限に留まっている。


ライナー達は正体を暴露したあとは表立って戦場に現れ、奪還部隊を苦しめた。

そこで、本部はエルヴィン団長立案の鎧の巨人及び超大型巨人殲滅作戦の展開を決定。


今日がその実行日…僕の、というより参加する兵士ほとんどの任務は、
シガンシナ区内の巨人の掃討及び工兵部隊の援護だ。

決戦の地へ向かいながら、作戦の説明を思いだす。



゛マリアの矢゛…それが今回の作戦の胆だ。

技術班が開発した対鎧の巨人用大砲、精度と初速に全てをつぎ込んだ切り札。

一門しかない上移動も出来ないが、作り上げだだけでも大したものだ。

団長はこれをシガンシナ区の壁上に密かに製作させていた。

エルヴィン「…だが、これはあくまでも囮だ」


エルヴィン「明日のシガンシナ区進行では、鎧の巨人と超大型巨人が現れると予想される」


エルヴィン「鎧の巨人に対して通常の砲では効果がないが、”マリアの矢”ならば効くはずだ」


エルヴィン「鎧を破壊し動きを止めたところを精鋭部隊が叩く」


兵士「超大型巨人にはどう対抗するんでしょうか!?」


エルヴィン「いい質問だ。彼らは常に連携を取って攻撃してくることは分かっている」


エルヴィン「…今回、壁上から高威力の砲で鎧の巨人が狙われたら、超大型はどう動く?」

兵士「砲を壊しにくる…!」


エルヴィン「その通りだ。そこで、エレン、ユミルらの出番だ」


エルヴィン「砲を破壊しに壁の近くに現れるであろう超大型を、撃破する…!」


兵士「そんなにうまくいくのでしょうか…」


エルヴィン「やらなければならんのだ。兵士の消耗や疲労、物資の補給を考えるとこれ以上作戦の延長はできん」


エルヴィン「連日の先頭でやつらも疲労している。今しかない」


エルヴィン「皆、明日という日を人類の勝利で締めくくろう。解散!」


ハッ!

-- シガンシナ区 東部壁上 --


ユミル「アレが例の大砲か。短期間でよくあんなもん作ったな」


エレン「巨人どもに情報が漏れることがなくなったからな、やりやすかったろ」


ユミル「ま、アレの準備は私らの仕事じゃねえ。作戦開始まで休もう」


エレン「俺はここにいる。…落ち着かないんだ」


ユミル「チッ…疲れてやれませんでした、なんてことになるなよ」


エレン「分かってるよ。お前こそ抜かるんじゃねえぞ」


ユミル「私の方が巨人の扱いはうまい」


エレン「はは、確かにそうだな」


ユミル「…エレン」


エレン「ん?」


ユミル「襟、曲がってんぞ」


エレン「………」キュッ

-- シガンシナ区 西部壁上 --


エルヴィン「…時間だ。作戦開始!」バッ


兵士「うおおおおおおおおお!」バシュバシュバシュ


リヴァイ「俺達が先頭を行く。油断するな!」


ミカサ「今日で…終わりにする!」


アルミン「家に帰るんだ…!」


エルヴィン「穴を塞ぐ工兵部隊は、門周辺の安全を確保した後に突入しろ!」


ジャン「力を貸せ…マルコ…!」


サシャ「勝って、お腹いっぱいご飯を食べます!」


兵士「3時の方向に15m級!逃すな!」


コニー「俺だって、負けてらんねえ!」


クリスタ「ユミル…私は生き残ってみせるからね!」


兵士「前方に3m級2体!かかれ!」



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とりあえずここまでです。
読み返すとすごく分かりづらいですね…脳内補完お願いします。

続き投下します
戦闘描写って難しい…半角擬音語のオンパレードですがご勘弁を
精進します

-- シガンシナ区内 --



ベルトルト「来たようだね…」


ライナー「そうだな」


ライナー「…そろそろやるとするか」


ベルトルト「うん………ぐっ!」ズキッ


ライナー「ベルトルト…!?」


ベルトルト「傷の治りがだいぶ遅くなってきた。そろそろ限界かな…」


ライナー「諦めるわけには行かない。俺達は戦士だ」


ベルトルト「分かってるさ…この誇りだけを頼りに戦ってきたんだ…!」


ライナー「今日勝って、アニを連れて故郷に帰るぞ…!」


ライナー「俺が先に出る。お前も後から来い」


ベルトルト「ああ…!」


ライナー「ベルトルト…俺はお前と戦えて光栄だった」


ベルトルト「僕もさ、ライナー」


ライナー「行くぞ、人類…!」ガリッ


カッ!

兵士「鎧の巨人、出現!真っ直ぐに内門へ向かっています!」


リヴァイ「出やがったな、鎧」


リヴァイ「俺達の目標はあいつだ!ついて来い!」


ミカサ「ライナー…!」


リヴァイ「お前も来い、アッカーマン。今は戦力が必要だ」


ミカサ「はい」


リヴァイ「…迷うなよ。それは死に直結する」


ミカサ「彼は巨人の仲間です。倒すべき敵です」


リヴァイ「結構だ」

鎧の巨人「………」ズシンズシン


鎧の巨人(アレはミカサ…いや、今さら迷うな。俺は戦士だ!)


リヴァイ「俺とアッカーマンで止める!残りは援護しろ!」バシュ


兵士「ハッ!」バシュ


リヴァイ「………ッ!」ズバッ


鎧の巨人(ちっ…またコイツか。生身の人間とは思えん動きだ)ピキッ


ミカサ「ふっ…!」ズガッ


鎧の巨人(ミカサも…相変わらず化け物やってるな)グラッ


兵士「流石リヴァイ兵長とミカサだ、やつが膝をついたぞ!」


鎧の巨人(大したものだ…疲弊しているとはいえ、俺の鎧を割るとは)ガクン


鎧の巨人「ダガ…俺ハ止メラレン…!」グググ


ミカサ「…!」


リヴァイ「アッカーマン、もう充分だ。離れるぞ」


ミカサ「はい!」

鎧の巨人「………?」


鎧の巨人(まとわりついていた連中が離れた?諦めたのか?)


鎧の巨人(いや、今までは俺が引かない限りは攻撃してきた。何を考えてる?)


鎧の巨人(…分からん。だがすぐにベルトルトも来る。問題はない!)






僕は偶然、一部始終が見える位置にいた。

リヴァイ兵長ら精鋭班がライナーから離れてすぐに、壁上の”マリアの矢”に動きがあった。

膝をついているライナーに照準が合わせているはず。

砲撃音。とほぼ同時に一瞬の雷光。すぐに爆発音。

瞬きする程の間に、僕は何が起きたかすぐに理解できなかった。きっと他の見ていた人も同じだと思う。

硝煙が晴れて、頭に大きな穴が開いた超大型巨人を見て、状況を把握した。

…ベルトルトが身を挺してライナーを守ったんだ。

エレン「クソッ!何だ!?」ゴオオ


ユミル「私が知るかよ!とにかく掴まってろ!」ゴオオ


エレン「ライナーを砲撃したところまでは見えたが…」


ユミル「煙が晴れてきたぞ…」


ユミル「オイ、あれは…!」


エレン「超大型の手だ…砲台がぶっ潰されたぞ…!」


エレン「ベルトルト…!あの野郎!」ガッ


ユミル「待て!よく見ろ!」ガシッ


エレン「超大型が…」


ユミル「頭に風穴が開いてやがるが…どうする?」


エレン「お前はベルトルトを確保しろ!動きを止めてる今がチャンスだ!」


エレン「俺は…アイツと決着をつけてくる…!」


ユミル「分かった。…勝てよ」


エレン「当たり前だ!」バシュ

鎧の巨人「ベル、トル、トオオオオオオオオオ!!」


鎧の巨人「オオオ………!」


鎧の巨人(ベルトルト!お前俺を守って…!)


鎧の巨人(すまねえ、すまねえ!)


鎧の巨人(クソッ…止まってる暇はねえのに…足が動かねえ)


鎧の巨人(ベルトルト…アニ…!)

兵士「エルヴィン団長!”マリアの矢”が!」


エルヴィン「分かっている!だが、超大型巨人はやったようだ…!」


エルヴィン「すぐにエレン達のところに増援を出せ」


エルヴィン「彼らの目標は変わった!鎧の巨人を叩く!」


兵士「ハッ!…いや、イェーガーが壁から飛んだ模様!」


エルヴィン「!…単騎で挑む気か、エレン…!」


エルヴィン「増援急げ!」

エレン「いた…!」ヒュウウ


エレン「ライナアアアアアアアアア!!」ガリッ


カッ


巨人エレン「アアアアアアアア!」ズシン


鎧の巨人(!…エレン!)


鎧の巨人(俺をやりに来たのか…)


鎧の巨人(頭に血が上りやすい性格は変わらんようだな)


鎧の巨人(これはチャンスか。エレンをやれば奴らは動揺するかもしれん)


鎧巨人(やってやろうじゃねえか…!)





その戦いを僕は忘れないだろう。

鎧の巨人・ライナーは経験値でエレンを上回るが、負傷と疲労で力は互角だった。

リヴァイ兵長や砲兵もエレンの介入で手が出せず、ただ見守るしかなかった。

あの時巨人が近くにいなくて本当に良かった。

2人の男の、己の存在の命運を賭けた決戦に魅入っていたから。

巨人エレン「ウアア!」ブン


鎧の巨人「………」ヒュ


巨人エレン「ガアア!」ブン


鎧の巨人「………」ヒュ


鎧の巨人(以前より動きは良くなっている、が)


鎧の巨人「フン!」ドカッ


巨人エレン「!」ドシン


鎧の巨人(待ってろベルトルト、アニ!必ず行くからな!)


鎧の巨人「オオオオオオ!」ドドド


巨人エレン(ぐっ…突進してきやがる!)


巨人エレン(構うもんか!素手同士なら、巨人だろうと負けるかよ!)グアッ


鎧の巨人(うおっ…!)


巨人エレン「アアアアアア!」ドガン

リヴァイ「鎧をぶん投げやがった」


ミカサ「…!」


鎧の巨人(鎧が砕けた)パキパキ


鎧の巨人(ここまでか…)シュウウ


リヴァイ「終わったな。行くぞ」


ミカサ「エレン!」


エレン「ぷはっ」シュウ


ミカサ「大丈夫?立てる?エレ…!」


ミカサ(また襟が乱れている…)


ミカサ(でも今は言わない。空気を読む女、それが私)


エレン「ライナーはどうなった…!?く…」フラ


リヴァイ「お前はもういい、休んでろ」


エレン「はい…」バタ


リヴァイ「…チッ。アッカーマン、こいつを連れていけ」


リヴァイ「鎧の中身はこっちで確保する」


ミカサ「エレンしっかり!今すぐ医療を呼ぶ…!」グイッ


リヴァイ「…言うまでもなかったか」

-- 東部壁上 --



ユミル「やったか、エレン」


ユミル「じゃあこっちも一仕事するかね」


ユミル「よっ…と?」


兵士「遅くなった!無事か?」スタッ


ユミル「ん、なんとか」


兵士「鎧の巨人はやったようだな」


兵士「そいつは生きてるのか?」


ユミル「今のところ動きはありませんが…蒸発しないってことは、気を失ってるだけです。たぶん」


兵士「ならば早いところ確保してしまおう」


兵士「本部からは可能ならば生け捕りにしろ、とのお達しだ」


ユミル「現場を知らない人間が言いそうなことです」


兵士「その通りだが我々は兵士。従う他あるまい」


ユミル「分かってます…」


ユミル「ったく、馬鹿でけえ図体しやがって…」チラ


ユミル「久々に顔拝ませてもらうぜ、ベルトルさん」



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ここまでです
日付変わるくらいまでに書き溜まってたらまたきます

少しばかり続きをば
部分部分は書いたのですが繋ぎに苦悩してます

鎧の巨人、超大型巨人が討伐されてから5日。

人類は遂にシガンシナ区を奪還した。

外門は大量の土砂や廃材で封鎖され、巨人の侵入を拒んだ。

僕達は勝った。多くの犠牲を引き換えに、巨人出現以来の快挙を達成したと言える。





エレン「はっ!」ガバッ


エレン「ここは…どこだ?」


ミカサ「エ…!」


エレン「ん…ミカサ!無事だったか!」


ミカサ「レ…!」


エレン「いてて…まだ身体中がいてえ」


ミカサ「ン…!」


エレン「ん…?」

ミカサ「エレンンンンンンンンンン!!」ガバッ


エレン「だああいてえ!全力で抱きつくな!」


ミカサ「ごめんなさい、私は今冷静じゃない」ギュウウ


エレン「自覚があるなら離れろよ!」


アルミン「どうしたの?ミカサ、朝から大声で…エレン!」ガチャ


エレン「アルミン!」


アルミン「良かった、目が覚めたんだね」


エレン「ああ…そうだ!作戦はどうなったんだ?シガンシナは!?」


アルミン「エレン、ウォール・マリアは奪還された。人類は勝ったんだ!」


エレン「そうか…遂にやったんだな…!」


アルミン「ああ!ライナーとベルトルトは、捕縛された」


エレン「生け捕りか…複雑な気分だな」


アルミン「そうだね…」


エレン「少し、一人にしてくれるか?」


アルミン「分かった」


アルミン「でも…君が起きるのを待っていたのは僕たちだけじゃない」


アルミン「きっと直ぐに兵団のお偉方や同期のみんなが来るよ」


エレン「はは、お手柔らかに頼みたいな」


ミカサ「エレンが起きたエレンが私のエレンが目を覚ましたエレンがエレンが」ブツブツ



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-- 数日後 --



ハンジ「やあエレン、生きてるかい」


リヴァイ「………」


エレン「兵長!ハンジさん」バッ


リヴァイ「そのままでいい」


エレン「もう自由に動けます。どうしたんですか?」


リヴァイ「どうしたもこうしたも…見舞いに決まってんだろうが」


リヴァイ「一言伝えようと思ってな」


エレン「?」


リヴァイ「…良くやった」


エレン「あ、ありがとうございます…」

ハンジ「リヴァイが…褒めた…、って顔だねエレン」


リヴァイ「黙れクソ眼鏡。俺は武勲を立てた人間を認められねぇ程小さくねぇ」


エレン「はは…」


ハンジ「じゃあまた来るよエレン、早く治しなよ!リヴァイが寂しがるからね」


リヴァイ「チッ…もう突っ込み気にもなれん」


エレン「あ、リヴァイ兵長!」


リヴァイ「…なんだ」


エレン「…ライナーとベルトルトはどうなったんですか?」


リヴァイ「今は研究所にいる。牢獄も兼ねてるがな」


エレン「研究所、ですか?」


リヴァイ「そうだ。クソ眼鏡のオモチャになる予定だ」


ハンジ「いやあ、生きてて良かったって心の底から思ってるよ!」


ハンジ「雌型の巨人は水晶のままだし、エレンをあんまりいじめる訳にもいかないしね」


エレン「いじめるって…」

ハンジ「彼らには巨人の秘密が溢れんばかりに詰まっているんだ!」


ハンジ「弄り回さずには行かないよ!」


ハンジ「早く尋問終わらないかなあ!」


エレン「相変わらず巨人の事となると別人ですね…」


リヴァイ「まあ、報いってやつだ。アイツらは人を殺しすぎた」


リヴァイ「二度と外の光は拝めねえだろうよ」


エレン「え…?それって…」


リヴァイ「知ってることを洗いざらい吐かせたら…あとは死ぬまで実験されて終わりだ」


リヴァイ「分かりきってることだろ?」


エレン「そんな…!」


リヴァイ「情でもかけるつもりか。お前の親も殺されてるんだぞ」


エレン「そうですが…でも…」

ハンジ「ははは!悩むことなんてないよエレン!彼らは数少ない巨人化能力者なんだよ?」


ハンジ「徹底して調べるのは当然のこと」


ハンジ「…その結果、死んでしまったとしても…ね」


エレン「………っ!」ダッ


ハンジ「ありゃ、嫌われちゃったかな?」


リヴァイ「てめえを好きなもの好きなんざいねえよ…」


リヴァイ「………」


リヴァイ「まだガキってことか…」

エレン「………」


エレン(確かにあいつらのせいで母さんは死んだ…)


エレン(そりゃ正体を知ったときは憎んださ!)


エレン(だけど、3年も一緒に訓練した仲間だ!その事実は変えられねえ!)


エレン(…それに、何度もぶつかって気づいたことがある)


エレン(あいつらは本当に戦士だった)


エレン(ライナーもベルトルトも故郷に帰るという信念に従って戦っていた)


エレン(人類を滅ぼすのはあくまでも手段ってことだ)


エレン(何も人類が憎かった訳じゃない…)


エレン(………)


エレン(今、俺は、あいつらを殺したいか…?)


エレン(それとも………)

続き行きます
そろそろ矛盾と回収忘れが怖くなってきましたね

-- 更に数日後 --


エレン(今日は俺一人でアニの監視の日)


エレン(行くか…)


エレン「アニ、そろそろ出てこねえか?」


エレン「ライナーもベルトルトも捕まっちまったんだぞ」


エレン「俺はお前達を許すことは出来ない。だけど…」


エレン「戦士としてでなく、実験で殺されちまうなんてあんまりだ…そう思う」


エレン「だから…お前達を壁の外に逃がす計画を立ててる」


エレン「出てこいよ。アニ・レオンハート」


アニ水晶「………」


エレン「聞こえてんだろ?時間があんまりないんだ」


アニ水晶「………」


エレン「…出てきたら、お前と付き合ってもいい」

アニ「…本当かい?」バリン


エレン「冗談だ」


アニ「戻る」クル


エレン「待てって!」ガシ


エレン「…久しぶりだな。アニ」


アニ「…ああ」


エレン「つーか随分あっさりと出てきたな」


アニ「あんたも巨人化出来るなら察しなよ」


エレン「分かった」


アニ「…で、今の話は本当なのか」


アニ「今のところ、9割くらい罠だと思ってるんだけど?」


エレン「付き合うって話か?」


アニ「壁の外に逃がすって話だよ!馬鹿!」ゲシゲシ


エレン「わりいわりい、そう怒るなって」


エレン「…俺一人だけの考えだ。信じてくれとしか言えん」

アニ「ふん、確かアルミンにもそんなこと言われて見事にハメられたね…7割」


エレン「今こうやって話をしてるだろ。罠ならとっくに捕まえてる」


アニ「…5割」


エレン「そこの袋に1/1アニ人形が入ってる。何かに使えるだろうと思って準備した」


アニ「ん…」チラ


アニ「似過ぎてて気持ち悪い。3割」


エレン「かなり金かかったんだぞ…足がつかないようにするのにも」


アニ「もうタネ切れかい?なら私は戻るよ」

エレン「…分かった…でも」


エレン「例え人類全てを敵に回しても俺はやる」


エレン「そう決めたんだ」


エレン「まあ、リヴァイ兵長あたりにすぐ殺されちまうだろうが…はは」


アニ「………」


エレン「…お前の助けがあれば死なずに済むかもな」


アニ「………」


アニ「…何があったんだい」


アニ「その変わり様。答え次第では…協力しなくもない」


エレン「お前達の覚悟を見た」


エレン「ライナーもベルトルトも…本物だ」


エレン「アニも…辛かったろうな…」


アニ「…!」


アニ「………」


アニ「…いいよ。乗った」


エレン「ホントか!?」


アニ「まずアンタの計画とやらを聞かせな。話はそこからだ」


エレン「ああ、だが今日はここまでだ。次の監視担当の日に来る」

ちょっとですがここまで
飯食ったり風呂入ったり終わったらまた

レスありがとうございます
個人的にアニとエレンの絡みはすごく書きやすいです

続けます

エレン「よう」ガチャ


アニ「来たか…よっと」バリン


エレン「まるで服を脱ぐような感覚だな」


アニ「私の裸を見たいのか?変態め」


エレン「そんな事言ってないだろ!?」


アニ「冗談だよ。こないだの仕返し」


エレン「はは、やられたな」


アニ「…本題に入りな。気になってしょうがない」


エレン「よし…作戦はこうだ」

エレン「研究所に放火する」


アニ「…は?」


エレン「すまん端折りすぎた」


アニ「………」ゲシゲシ


エレン「無言で蹴るな!怖い!」


エレン「…研究所に放火して人がいなくなったところでアイツらを連れ出す」


アニ「そんなこと…」


エレン「大丈夫だ。人払いの算段はついてる」


アニ「でも、火をつけるなんて正気じゃない」


アニ「憲兵団に捕まるぞ…本気なのか?」

エレン「最後まで聞け。そこでお前の出番だ」


アニ「私の?」


エレン「ああ、お前はここに火を放って姿を消せ」


エレン「人形でも燃えてればそれっぽくは見えるだろ」


エレン「監視兵はそれを上に報告するだろう。そうすればハンジさんもリヴァイ兵長も飛んでくる」


エレン「その隙をついて2人を連れ出す」


アニ「ふん、アンタにしちゃ随分頭を捻ったね」


エレン「考えに考え抜いたんだ。笑うなよ」


アニ「悪かったね。で、どこに行けばいいんだい」


エレン「外門の真上の、壁の上だ」


エレン「立体機動装置をここの外に隠しておく」


エレン「俺達は先に到着できるはずだ」


アニ「…いいだろう。」


エレン「よし、決行は3日後の夜だ」

アニ「エレン」


エレン「なんだ?」


アニ「その…ありが、とう…」


エレン「礼を言われる事じゃない。それに俺はお前達を許した訳じゃねえ」


アニ「分かってるさ」


エレン「うまくやれよ!じゃあな」ガチャ


アニ「ああ…」


アニ(アンタは卑怯だよ…エレン)

エレンが消えた日の朝。

僕達はいつものように朝を迎えた。

マリア奪還後はしばらく壁外調査は行わず、復興を進める方針が決定していた。

各兵団から町や農地での作業や、砲台の整備を行う人員が抽出されている。

調査兵団の一部はライナーとベルトルトがいる施設と、

水晶かしたアニが置かれている施設の監視・警備に充てられていた。



アルミン「今日は河川周辺の片付けだね」


エレン「おう、命懸けじゃない仕事ってのは楽なもんだな」


アルミン「それでも重要な任務さ。手を抜いちゃダメだよ?」


エレン「わかってるよ」


ミカサ「エレン、作業で濡れるかもしれない。タオルや着替えは準備した?」


エレン「濡れたって別に乾かせばいいだろ!ほっとけよ」


アルミン「このやり取りもまた日常的になってきたね」クス

エレン「………」


エレン(今日が実行日だ…上手くやれよ、アニ…)


アルミン「どうしたの?エレン」


エレン「あ、ああいやなんでもない。平和になったもんだと思ってよ」


アルミン「そうだね、しばらくはゆっくり寝れそうだ」


ミカサ(………)

-- 夜 研究所 --



エレン「………」コソ


エレン(そろそろアニが動き出す頃か…)


エレン(火種はあらかた設置し終わった。大丈夫)


エレン(深呼吸しろ…一般人なら兵団の俺の言うことを聞くはずだ)ガシッ


エレン「ガシ?」クルリ


ミカサ「エレン」


エレン「ミカサ!?」ビク


ミカサ「ここ数日様子がおかしかった」


ミカサ「ので」


ミカサ「ついてきた」


エレン「つけてきた、の間違いだろ…」


ミカサ「こんなところで何をしているの」


ミカサ「まさか…」ゴゴゴ


エレン(悟られたか…?)

ミカサ「ライナーとベルトルトに夜這いをかける気?」


エレン「………」


ミカサ「………」


エレン「そんな訳あるか!」


ミカサ「漢同士の友情を理解出来ない訳ではない」


ミカサ「だから、手紙を渡すくらいなら…許可する」


エレン「聞けよ!」ガシ


ミカサ「!」


ミカサ(エレンが私の肩を掴んだ。これはプロポーズ?いやそうに違いない)


エレン「何をどうしたらそんな勘違いをするんだ」


エレン「…あいつらを、殺しに来た」


ミカサ「………」


ミカサ(エレンは私と結ばれるを邪魔されたくない、そう思っている)

エレン「ミカサ!」


エレン「あいつらはここでやる!」


エレン「…やらなきゃ、ならないんだ!」


~ミカサ翻訳~


エレン「(俺達の結婚の邪魔になる)あいつらはここでやる!」


エレン「…(2人で暮らすためには)やらなきゃ、ならないんだ!」


~~~~~~


ミカサ「分かった」


エレン「お、おう(随分あっさり納得したな…)」

カンカンカン


エレン「!…鐘だ!」


ミカサ「何が起きたの?」


エレン「どこか火事でも起きたんだろ」シラッ


エレン(計画通りだ…いいぞアニ)


エレン「とにかく、チャンスだ」


エレン「ここも火事にする。準備はもうしてある」


ミカサ「私も一緒に」


エレン「いや、お前には頼みたいことある」


エレン「外門の壁上に行け。行けば分かる」


エレン「…頼む」


ミカサ「エレンがそう言うなら」

エレン「………」


エレン「すまねえな、ライナー。ベルトルト…」


エレン「お前達は最高の仲間だった」


エレン「また会おう…」


ボウッ


エレン「…行ってくれ、ミカサ」


ミカサ「任された」バシュ


エレン(あいついつの間に立体機動装置を…まあいいや)

研究者「クソッ!ここも火が回っている!」


エレン「研究者の方々は外へ!警備の方は誘導を!」


警備「やはりここも狙われたか…!」


警備「雌型の施設が火事という時点で気づくべきだった!」


エレン「悔やんでいる暇はありません!早く彼らを避難させて下さい!」


警備「君はどうするんだ!?」


エレン「俺は中に人が残っていないか見てきます!」


警備「気をつけろよ!」

ライナー「火事のようだな」


ベルトルト「ああ、このまま放置されるのかな」


ライナー「それでもいいんじゃないか。このまま実験体にされて死ぬよりかは」


ベルトルト「そうだね…」


エレン「よう、ライナー。ベルトルト」ガシャン


ライナー「!?…エレン」


エレン「その様子だと誰も連れて行こうとはしなかったみたいだな」


ベルトルト「何をしに来たんだい?僕らを笑いに来た、って訳でもなさそうだけど」


エレン「んなわけあるかよ…っと」


ライナー「!」ガシャ


ベルトルト「!」ガシャ


エレン「こんながんじがらめにされて苦しかったろ」


エレン「外に出るぞ、急げ」


ライナー「お前は…」


エレン「説明は後だ。死にたくないならついてこい!」



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今日はここまでになりそうです

続き投下します

-- シガンシナ区外門 壁上 --


アニ「………」


ミカサ「………」


アニ(ミカサが来たってことはエレンはミカサに見つかったのか)


アニ(にしてもホントにここに寄越すとはね)


アニ(ミカサに感づかれたら送り込むからわざと壁から落ちろ、なんて)


アニ(無茶な事を言ってくれる…けど)


アニ「私達の邪魔はさせない」


~ミカサ翻訳~


アニ「私達の(結婚の)邪魔はさせない」


~~~~~


ミカサ「…なるほど。エレンの頼みを今理解した」


ミカサ「この妄想癖のある女狐を排除してくれ、ということ」


ミカサ「全力で削ぐ」


ミカサ「アニ。あなたはエレンの敵。文句はないはず」

アニ「………」


アニ「ああ、やりなよ。見ず知らずの誰かにやられるよりはマシだ」


ミカサ「さようなら、アニ…」チャキ


アニ「ふん、だからと言って黙ってやられるつもりはないよ」チャキ


ミカサ「ふっ!」ヒュバ


アニ「!…っ!」ギン


ミカサ「はっ!」バヒュ


アニ「ちっ!」ガキ


ミカサ(思ったよりもやる…!でも!)ヒュ


ミカサ「エレンの敵は全て削ぐ!」ガキン


アニ(ブレードが…!)

ミカサ「………」バキャ


ミカサ「これで立体機動は出来ない」


ミカサ「もう後ろには下がれない。終わりだ」


アニ「ふん…さっきはああ言ったが、やっぱりアンタに殺されるは嫌だね」ズズ


ミカサ「じゃあどうするの?巨人にでもなってみる?」


アニ「こうするのさ…」ヒュッ


ミカサ「!」ダッ


ミカサ「………」ジイイ


ミカサ(暗くて下は見えない)


ミカサ(自ら飛び降りるなんて…)


ミカサ(まあいい。これでエレンの敵は消えた)


ミカサ(帰ろう)スッ

アニ「………っ!」ヒュウウウ


アニ(計画通り落ちたのはいいが、立体機動装置もなしにこの高さ…)


アニ(ちゃんと受け止めてくれるんだろうねっ!)


エレン「アニ!」バシュウウ


エレン「っと…間に合ったな」パシッ


アニ「エレン…!」


アニ「全く、焦らせないで欲しいね…」


エレン「悪い、暗くて良く見えなかったんだ」


エレン「降りるぞ」スタッ


アニ「ふう…」

ライナー「よう」スッ


ベルトルト「久しぶりだね、アニ」スッ


アニ「ライナー…!ベルトルト…!」ダッ


ライナー「っと、なんだらしくないぞ?」ナデナデ


ベルトルト「はは、僕らと会えなくて寂しかったのかな」ポンポン


アニ「うるさい…」ギュウウ


エレン「あー…感動の再会の邪魔はしたくないんだが、いいか?」


ライナー「あ、ああすまん」ナデナデ


ライナー「エレン。お前には本当に感謝する」ナデナデ


ベルトルト「僕からもお礼を言わせてくれ。ありがとう」


エレン「おいおいよせよ、俺がやりたいようにやったんだ」


エレン「俺はお前達を許す訳にはいかねえ。けど戦士として認めた」


エレン「それだけだ」

ライナー「命を救われたことには変わりはない」ナデナデ


エレン「………」


ベルトルト「今更…本当に今更だけど」


ベルトルト「すまなかった。エレン」


ライナー「………」


アニ「いつまで!撫でてる気だ!」ドガ


ライナー「ああっ!」ドサ


ベルトルト「ライナー!?…駄目だ、死んでる…!」


エレン「…お前らは後悔してるのか?」


エレン「目的はよく知らねえが、覚悟を持って戦っていたんだろ」


アニ「そう言って貰えると…助かる」

アニ「…ふふ」


エレン「どうした?」


アニ「なんか…もう全部どうでもよくなったのさ」


ライナー「奇遇だな、俺もだ」


ベルトルト「はは、正直僕も疲れたよ」


エレン「なら、もう壁を壊そうなんてしないことだな!」


ライナー「じゃあ帰るか」


アニ「故郷に?」


ベルトルト「人類を滅ぼさないと無理だよ」


ライナー「エレンを連れて行けばいいだろ」


ベルトルト「そうか!その手があった!」


アニ「一緒に行こう、エレン」


エレン「え?やだよ。みんなと離れたくないし」

ライナー「なん………」


ベルトルト「だと………」


アニ「………!?」


エレン「あ、当たり前だろ!何言ってんだ!」


ライナー「………」ズズ


ベルトルト「………」ズズ


アニ「………」ズズ


エレン「何迫ってきてんだよ…冗談だろ…?」


ベルトルト「ライナーやるんだな!?またここで!」


ライナー「ああ、勝負は今度こそ!ここで決める!」


アニ「付き合うって言ったよね…?」ボソ


エレン「てめえら…この…」









裏切りもんどもがああああああぁぁぁぁぁ…

ライナー、ベルトルトがいた研究所は完全に焼失。

一時期はまだ仲間がいるのでは、と大騒ぎになったけれど…。

アニはミカサが壁外へ脱走する寸前に殺害。

兵士100人分の実力者の言うことを疑う者はいなかった。


エレンは、研究所の中に取り残されてた人がいないか捜索しに行き、火事に巻き込まれてしまった。

警備の人間の証言によりそう結論づけられた。

みんなエレンの死を嘆き、悲しみ…それでも時は流れていく。



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とりあえずこれで
完全に書きため無くなりました…
ためてきます

あまり書いてませんが投下します
というかどう決着をつけるべきか…

- 855年 --



ミカサ(………)


ミカサ(エレン…)


ミカサ(もう5年になる…いつまで待たせるの…?)


ミカサ(もう私達が結ばれる道に障害はない)


ミカサ(本当に、恥ずかしがり屋なんだから…)


兵士「ふんっ!」ズバッ


巨人「ウアー」ズズン

士「兵長、ヤツが最後です」


兵士「間もなく目的地に到着します!」


リヴァイ「着いたか…周囲を確保して班員の確認をしろ」


リヴァイ「俺はエルヴィンのところに行く」


兵士「ハッ!」


ミカサ「………」


ミカサ「今あの日の事を思い出した意味」


ミカサ「間違いない…エレンが戻る」


兵士(何この子…怖い)


ミカサ(聴こえているぞ…)


兵士(!?)

-- 次列中央 指揮 --


エルヴィン「よし、荷馬車を集合!備蓄物資を降ろせ!」


エルヴィン「周囲の警戒を怠るなよ!」


兵士「ハッ!」


リヴァイ「エルヴィン」タッ


エルヴィン「リヴァイか」


リヴァイ「様子はどうだ」


エルヴィン「ここの備蓄ももうすぐ目標値だ」


エルヴィン「もうすぐ壁外拠点の建設に取り掛かれる、と思っていたが」


リヴァイ「…が、なんだ?」


エルヴィン「新たな知性のある巨人が現れた可能性がある」


リヴァイ「なんだと…?」


リヴァイ「確かなのか?」

エルヴィン「左翼の索敵部隊からの情報だ」


エルヴィン「自分達に巨人を差し向け、その巨人は北上した…らしい」


リヴァイ「何故そんなに曖昧なんだ」


エルヴィン「距離が離れていて、詰めようとしたが巨人に行く手を阻まれたそうだ」


リヴァイ「ほったらかしにしてる訳じゃねぇだろうな」


エルヴィン「アルミンを長にして追跡班を組織した。今頃は壁に到着している頃か…」


リヴァイ「チッ…ようやく物資の備蓄が軌道に乗ったと思ったらこれだ」


リヴァイ「新手の勢力だとしたらまた泥沼の戦争だぞ…」


エルヴィン「分かっている。荷降ろしが終わり次第すぐに戻る」

-- 謎の巨人追跡班 --


兵士「俺に構わず先に行け!後で追いつく!」


コニー「何言ってんだ!今助けに…」


ジャン「よせ!もう無理だ…!」


アルミン「もう僕達だけか…」


ジャン「クソッ!まだ追いつけねえのか?もうじき壁に着いちまうぞ…」


アルミン「仕方ないよ…普通の巨人だって全て無視できる訳じゃない」


コニー「もうガスも刃も少ねえ!サシャも限界だ」


サシャ「コヒュー…オナカ…コヒュー…スイタ」


アルミン「うん、それは放っておいてもいいね」


アルミン「とにかく急ごう!」


アルミン(だが、もしアレが知性のある巨人だったとして…)


アルミン(僕達4人だけで止められるのか…?)

アルミン「みんな、聞いてくれ」


コニー「なんだ?…ほらサシャ、水だ」


ジャン「面白い話じゃあ、無さそうだな」


アルミン「最悪の事態を、想定しておくべきかもしれない…」


ジャン「………」


コニー「………」


サシャ「大丈夫、ですよ…アルミンなら…」


サシャ「私達が今生きているのが、証拠…です…」ガクッ


コニー「サシャアアアアアア!」


ジャン「パンを食わせろ!早く!」


アルミン「なんとでもなる気がしてきた」

もう一息くらい書いてきます
できれば今日中に

人がいないうちに投下します
これは叩かれても文句言えない…

-- ウォール・マリア 壁上 --


謎の巨人「………」ゴゴゴ


ハンネス「な…巨人だと?」


整備兵「う、うわあああぁぁぁ!」


整備兵「壁を登ってきやがったのか!?」


謎の巨人「………」


ハンネス「落ち着け!固定砲は間に合わん!立体起動で対応しろ!」バッ


ハンネス「お前は伝令に行け!」


整備兵「は、はい!」


ハンネス「残りは俺に続け!やるぞ!」


整備兵「うおおお!」

謎の巨人「オイ、マテッテ!」バタバタ


謎の巨人「ヤメロヤメロ!」


整備兵「!?…話せるのか?」


ハンネス「待て、よく見ろ…」


ハンネス「お前まさか…エレン、か?」


謎の巨人「オ、ヤットキヅイタカ」シュウウ










エレン「久しぶりだな!」








ハンネス「エレン!本当にエレンなのか!?」


整備兵「エレンって…あのエレン・イェーガーか?」


エレン「あのってなんだ」


ハンネス「馬鹿野郎…5年も…どこほっつき歩いてやがったんだ」ウル

アルミン「くっ…間に合うか…」スタッ


ジャン「ヤツはどこだ!?探せ!」


コニー「いねえぞ…かといって騒ぎになってる様子もねえ」


アルミン「…!あれは…?」


コニー「固定砲の整備班が集まってるぞ」


ジャン「聞いてみるか」


アルミン「おーい!」タタ

ハンネス「お前…よく無事で…」オイオイ


エレン「よせよいい年したおっさんがよ、ははは」


アルミン「エ、エレン!」


エレン「アルミン!お前ら!」


アルミン「生きてたんだね!うう…!」


ジャン「てめえこの…この死に急ぎ野郎が…!」


コニー「エレンンンンンン!俺は生きてると思ってたぜ!」


サシャ「ふぇ!?エレン!?食べられるんですか!?」


エレン「相変わらず元気そうで安心したぜ」


エレン「まさか、戻るまで5年もかかるとは思わなかったがな…」


アルミン「団長や兵長が戻ってきたらすぐに知らせよう!」



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よし逃げろ
そろそろ山超えたいです
自分で納得が行く解釈が出来なくて泣きそうです

続き投下します
おおよその流れを決めてきました
何日かかってるんだって話ですね

エルヴィン「なんと…言っていいものか」


リヴァイ「まさかてめえが戻るとはな」


リヴァイ「オイ」ガシッ


アルミン「兵長!?」


リヴァイ「帰ってきたのはいい。後で聞く」


リヴァイ「だが俺の部下に巨人を差し向けたってのはどういうことだ?」


リヴァイ「納得のいく説明をしろ…出来なきゃ殺す」グググ


エレン「く、苦しいです…兵長…!」


エルヴィン「よせリヴァイ。とにかく本部へ行って話を聞こうじゃないか」


リヴァイ「チッ…」

-- 調査兵団本部 --



エルヴィン「さて…何から話すべきかな」


エルヴィン「聞きたいことは山ほどあるが…」


リヴァイ「時間はある…」


アルミン「僕はこの場にいてもいいのでしょうか?」


エルヴィン「君の頭脳が必要になるかもしれん。私の判断だ」


アルミン「は、はい」


エレン「…全部話します」


エレン「俺は、全てを知りました」


エルヴィン「いいだろう…好きに話したまえ」


エレン「はい」

エレンはゆっくりと口を開き、真実を全て話した。

恐らく、その場にいた全員が信じられないという顔をしていたと思う。
団長も、兵長も、僕もだ。

僕はあまりにも多くのことを一度に知りすぎて混乱していた。
巨人の謎、ライナー達の目的、ユミルの民、壁の中の巨人…全てが想像の上。

それらをまとめたこのノートは僕が持つには重すぎる存在になってしまった。
これはあとで団長に渡そう…。

ちなみにエレンが巨人を差し向けた、というのはジャンの勘違いだった。
エレン曰く巨人化するとあまり視力はよくないらしく、
ただ「どっかに行け」と指図しただけだそうだ。



エルヴィン「アルミン、それは私が預かってもいいかな?」


アルミン「はい!」


アルミン(良かった…団長は最初からそのつもりだったのかな)


アルミン(さすがは調査兵団長…覚悟が違うってことか)


アルミン(それにしても…)


アルミン(捕まって仲間にされそうになったけど逃げてきた…って言うのは)


アルミン(あのエレンの感じからして嘘の可能性が高い)


アルミン(何か隠さなきゃいけない事があるのか…)

バタン!



エレン「ん?」


ミカサ「エレン…!」ダキッ


エレン「ちょ、ミカサ!?」


ミカサ「エレンエレンエレンエレンエレン」ギュウウミシミシ


エレン「あばばばば」ブクブク


リヴァイ「チッ…早速来やがったか」


エルヴィン「おお、リヴァイの予想通りだな」


ミカサ「帰ってきているという予感はあった」


ミカサ「でも何故誰も知らせてくれないの?」ギロ


リヴァイ「”そう”なると思ったからだ」


リヴァイ「コイツの話を聞くのが最優先だったからな…だがもう終わった、好きにしろ…」


ミカサ「ハッ!」バッ


アルミン「あはは…」

-- その夜 ミカサ宅 --



ミカサ「エレン…また会えて嬉しい。本当に」


エレン「ああ!お前も元気そうで良かったぜ」


ミカサ「アルミン、も一緒?」


アルミン「う、うん」


アルミン(うわぁ…すごく嫌そうな顔してるよ…)


ミカサ(それは当然の事…5年ぶりの再開なのだから)


アルミン(!?…このミカサ、出来る!)


エレン「アルミンは俺が呼んだんだ」


エレン「お前達には真実を知っておいてもらいたくてな」


ミカサ「わかった」

アルミン「5年ぶりでもエレン相手にはびっくりするくらい素直だね」ハハ


エレン「ハハ、本人の前でそういう事言うなよ」


アルミン「君がいなかった間にミカサはだいぶバージョンが上がってるんだよ…」


エレン「?」


ミカサ「そんなことは、どうでもいい…エレン、聞かせて」


エレン「ああ…」



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ミカサ「……」


エレン「流石に信じらんねえよな、いきなりじゃ」


ミカサ「ううん、エレンの言うことは…全部正しいからそれはいい」


アルミン(その発想はどうなんだろう…ミカサらしいけど)


ミカサ「私が…気になっているのは、エレンが5年間、何をしていたのか…」


アルミン「さっきは聞かなかったけど僕も気になってるんだ」


アルミン「巨人の謎を解明出来たのは確かに大きな進歩だ」


アルミン「けれどそれとは別に、君が帰ってこられた理由も重大な意味があるのだろう?」


エレン「ああ。本当の事を話すよ…」

-- 850年 脱出後 --



ライナー「俺達は故郷に帰りたい…壁の中の巨人にされた仲間を救ってな」


ライナー「だが人類は強かった…」


ライナー「それに一度は命を落とし、お前に救われた」


ライナー「だからもう人類に挑むのはやめようと思う」


エレン「それはありがてえが…それじゃお前らが…」


ライナー「俺は1人じゃない。ベルトルトもアニもいる」


ライナー「こいつらは信頼出来る仲間だ」


ライナー「エレンもいるし、なんとかなるだろ」


ベルトルト「訓練兵時代に身に付けたサバイバル術もまだ覚えているしね」


アニ「私はエレンがいればどこでも…」


エレン「そうか」


ライナー「ああ」

エレン「……」


ライナー「じゃ、行くか」


エレン「おいおいおいおい」


エレン「だからなんで俺が行く必要があるんだよ」


ライナー「そういえば説明してなかったな」


ベルトルト「はは、うっかり屋さんだなあ」


アニ「ライナーったら」


エレン「なにほのぼのしてんだよ!?」

ライナー「エレン、よく聞け。お前に自覚があるかは分からんが…」


ライナー「巨人化能力というのは、人体の再生能力の応用なんだ」


ライナー「そしてお前はその力が強い…周囲に影響させることが出来る」


ライナー「理由は分からんがな」


エレン「父さんの薬か…!」


ライナー「その様子だと心当たりはあるようだな」


エレン「アルミンが…俺が巨人化した骨格の中に、花が咲いたって言ってことがある…」


ライナー「そういうことだ。お前は巨人の肉体以外に周囲のモノに生命を与えることが出来る」


ライナー「俺達のような…巨人と人間の中間の存在を元に戻せる可能性があるんだ」

エレン「なん…だと…」


ライナー「…もう、やめにしたいんだ」


ベルトルト「僕も決めたよ。人間に戻りたい…」


アニ「私はエレンと同じがいい」ギュウウ


エレン「何言ってんだよ…」


ライナー「なあいいだろ?エレン」ガシ


エレン「ああ、分かったよ!」


エレン「もうどうにでもなれだ!」


ベルトルト「数年単位の訓練が必要になると思う…大丈夫かい?」ガシ


エレン「お前らが離してくれねえんだろ…」


エレン「それに…俺の命1つで人類の安全が買えるなら安いもんだろ」

アニ「エレン…」ギュ


エレン「場所とかはどうするんだ?」


ライナー「この近くに壁外拠点の建設予定だった城跡があるらしい」


ライナー「状態が良ければそこにしよう」


エレン「巨人がウロウロしてるのに何年も住めるのか?」


ベルトルト「忘れたのかいエレン?僕達は全員巨人化能力者だよ」


アニ「エレンに近づく巨人は蹴り殺す」


エレン「はは、確かにそうだな」


ライナー「食料は栽培と狩猟でなんとかなる」


エレン「よし、腹は括った!やるぞ!」



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今回はここまです
矛盾が発生してませんように

地球守ってたら日があいてしまいました
申し訳ない

もう何日かで完結します
では続きを

-- 855年 --



エレン「ってわけだ」


アルミン「なるほどね…それが本当の話か」


エレン「まさか5年もかかるとは思わなかったがな…」


アルミン「じゃあエレンやライナー達はもう巨人化出来ないってこと?」


エレン「いや、俺には巨人を駆逐するって目的がある」


エレン「巨人が全滅する時が来るまで、この力は使わせて貰う」


エレン「ユミルも人間に戻る意志があるか聞いてみないとな…」


アルミン「ライナー達は今もその拠点にいるのかい?」


エレン「ああ、だけど巨人化出来ない今、壁の中に連れ戻してもいいかもな」


アルミン「なんだって…?」

エレン「いや、悪い」


エレン「3年間一緒に訓練して…また5年も暮らして考えが変わったんだと思う」


エレン「なんていうか、殺伐とした殺し合いじゃねえ結末が見える気がしてるんだ」


アルミン「エレン…」


アルミン(5年ぶりに会うエレン…)


アルミン(随分丸くなったみたいだ)


アルミン(巨人に対する考え方も前は駆逐駆逐と騒いでいたのが今は違う)


アルミン(どちらかというとハンジさんのそれに近いものになっているのか?)


エレン「もちろん、ただ人を喰うだけの巨人は全滅させてやるつもりだけどな!」


エレン「そういえば、ミカサどうした?」


エレン「さっきから黙りこくっちまって」

ミカサ「………」


ミカサ「エレン」


エレン「なんだ?」


ミカサ「あなたは…アニと…どういう関係に、なっているの」


ミカサ「返答次第では私は…」


ミカサ「アイドルに、なってしまう…かもしれない」


エレン「あいどる?」


アルミン(ぐ…っ!非常にマズイ事になった…っ!)


アルミン(確かに…っ!今の話からするとエレンはアニと「良好な」関係を築いている可能性がある…っ!)


アルミン(答えを間違えたら即アウツ…っ!)


アルミン(エレンは5年間に少しは進化したのか…っ!?)


エレン「アニとは何もねえよ?俺の本当の家族はお前だけだ、ミカサ」


ミカサ「!!」バターン

アルミン「ミカサ!?」


エレン「どうしたオイ!?」


ミカサ「エレンエレンエレンエレレレレレ」ブクブク


ミカサ「エレ…」ガクッ


アルミン「嬉死してる…」


エレン「なんでだ?俺なんか変な事言ったか?」


アルミン「君も相変わらずなんだね…結果オーライだけど」


エレン「?」


ミカサ「ふぅ…」スッ


ミカサ「もう大丈夫」


ミカサ「私はエレン公認、の妻となった。この結果だけあれば…過程は必要ない」


エレン「お、おう…?」

アルミン「エレンは随分と落ち着いているね?」


アルミン「僕達はもう過去の人なのかい」


エレン「そんな訳ねえだろ!」


エレン「ただ、頭の整理がついてねえだけだ」


アルミン「僕もそうさ」


アルミン「ミカサは、エレンに会えて本当に嬉しいみたいだ」


エレン「聞いてみたらミカサだけは俺が生きてるって思っててくれたらしいじゃねえか」


ミカサ「それは当然…エレンの”気”は常に感知できる…」


エレン「はは、なんだそりゃ」


アルミン(あながち冗談じゃない…)

アルミン「君はもっとミカサに感謝すべきだ!」


エレン「う…」


アルミン「ミカサは…あまりのショックに一時期を言葉を話せなくなった程なんだよ!?」


ミカサ「医師には…脳の血管が…破裂したと言われた」


アルミン「ほら!」


ミカサ「72時間ほど…エレン、との新婚初夜を想像…していたら、突然意識…が途絶えた」


アルミン「え」



855年、僕…アルミン・アルレルトは思い出した---ミカサの妄想癖は以前からあったということを---

---そしてそれはとても重症であるということを---

ミカサ「エレンには…責任、がある」


アルミン「そ、そうだそうだ!謝罪だ!賠償だ!」


ミカサ「ので」


ミカサ「私と、結ばれるべき」


エレン「(何がなんだかよく分からんが)分かった」


アルミン(あの顔…絶対分かってない、けど)


アルミン(胃が痛くなくなるなら…!)


アルミン「おめでとうミカサ!」


ミカサ「うあ、うああぁぁぁ…」ポロポロ


エレン「お、おい!どうして泣くんだ!?」



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とりあえず一呼吸です

あと矛盾があって泣きました
原作とか読み込んでる人はすぐ分かるジャン…

仕事が忙しくて詰んでました。
続き投下します。

-- 数日後 --



エレン「疲れた…」


ミカサ「お疲れ様、エレン」


アルミン「連日あらゆる人から質問攻めだものね、無理ないよ」


エレン「なんとか秘密に出来なかったかよ…はあ」


アルミン「表向きエレンは人類の脅威を撃破した英雄だからね…」


エレン「本当の事話したら兵長あたりに削がれるんだろうな、はは」


ミカサ「そんなことはさせない。絶対に」


ミカサ「もう家族を失う痛みは味わいたくない…」


エレン「心配かけたな…」ナデナデ


ミカサ「ふにゃ…」


アルミン「ところで、エレン?今日はこの後空いてるよね?」


エレン「暇だけど…何かあるのか?」


アルミン「エレンの調査兵団復帰祝いだよ!」


アルミン「104期のみんなで企画したんだ!」


エレン「本当か!?行くに決まってるだろ!」

-- 町の酒屋 --



ミカサ「では…エレンの復帰を祝い…」


ミカサ「みなでエレンの活躍を讃え敬い」


ミカサ「エレンのいいところを余すことなく堪能し」


ミカサ「エレンのお言葉をありがたく頂戴し」


ミカサ「嘗め回すように眺め、その勇姿を記憶に刻んで行って欲しい」


ミカサ「それではグラスを…」


ミカサ「ん…」


ワイワイガヤガヤ


ミカサ「……」


クリスタ「わ、私はちゃんと聞いてたよ!」


ミカサ「ありがとう…クリスタ」

ジャン「オォイ!エレェン!」ガタ


エレン「なんだ!」ガタ


ジャン「てめぇ…もうミカサは諦めろ!いや諦めてください!」


エレン「何言ってんだ!?」


ジャン「俺ぁもう7回もミカサにプロポーズしてんだ!てめえはもう引っ込んでろ!」


ミカサ「気持ちが悪い…」


サシャ「気持ちが悪いですね」モグモグ


エレン「ったく、久々に会ってもアレかよ…」

コニー「そう言うなって、この飲み会だって主にジャンが企画したんだぞ?」


エレン「そうなのか?」


ジャン「て、てめぇのためじゃねえ!俺は…そう、ミカサと飲みたかったんだ!」


エレン「ありがとうな、ジャン」


ジャン「あぁ!?クソッ…なんでもいいからミカサの隣を譲れ!」


エレン「別にいいぞ…」


ミカサ「断る」


ジャン「……」シュン


ミカサ「…正面なら構わない」


ジャン「…!」パアァ


エレン「分かりやすいなー」


アルミン「ふふ」

ユミル「またこのコントを拝めるようになるとはな」


クリスタ「そうだね。嬉しいな」ニコ


サシャ「これで、アニ達もいれば…元通りなんですけどね…」


ジャン「おいサシャ」


サシャ「え…?」


エレン「……」


ミカサ「……」ジロ


サシャ「あ、ごめんなさい…」


エレン「いいんだ。それより…」


エレン「お前らこの後ちょっといいか?」


アルミン「エレン、まさか?」


エレン「こいつらなら信じてくれるはずだ」


エレン「…仲間なんだからな」

-- エレン宅 --



ジャン「マジかよ…」


コニー「あいつら生きてんのか!」


クリスタ「頭がついていかないよ…」


ユミル「……」


ユミル(ってことは私の事も…?)


アルミン(大丈夫だよ、ユミル。後でエレンに話を聞くといい)コソ


アルミン(ここでは余計な事は言わないように釘を刺しておいた)


ユミル(すまねえな)


エレン「信じてもらえるか」

ジャン「…気にくわねぇ野郎だ」


ジャン「俺が5年間でどれだけ成長したかてめえに分かるか」


ジャン「巨人を討伐して、新兵を育てて…今じゃ班を1つ率いてんだ!」ダン


ジャン「何にも知らずによ…!」


ジャン「……」


ジャン「てめえが一人でそんなことをやってのけたなんてな」


ジャン「本当に気にくわねぇが…俺は信じるぜ」


エレン「すまねえな、ジャン」


コニー「俺は馬鹿だから…」


コニー「エレンがやった事がいいのか悪いのか分かんねえけど」


コニー「お前は自分を信じて戦ったんだろ?なら俺も信じる」


エレン「コニー…」

サシャ「エレンが嘘を言うとは思えません!私も信じます!」


クリスタ「私も…ううん、私はエレンを信じてる」


ユミル「後で事情は聞かせてもらうが…今は信じといてやるよ」


エレン「お前ら…」


ミカサ「エレンの言葉を信じない人間はいない…」


エレン「アルミン、手伝ってくれるか」


アルミン「例の計画だね。僕で良ければやろう」


アルミン「今度は最後まで付き合わせて貰うよ」


アルミン「置いてけぼりはもうゴメンだ」


ミカサ「私も…みんなだってそう」


エレン「すまねえな、お前ら」


エレン「じゃあ、早速明日から行動を開始するぞ」



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-

-- ウォール・ローゼ内の片田舎の村 --


ライナー「信じられん…また普通の生活を送れるようになるとはな…」


ベルトルト「僕達にその権利があるのだろうか…?」


エレン「そうだ、お前らは人類を殺しすぎた…」


エレン「間接的にだが…俺の母さんもな」


エレン「だからこそ死んだり、逃げたりしちゃいけねえ」


エレン「この壁の中で人々の生活に触れて、ずっと悩み続けなきゃいけない」


エレン「…それがお前達の責任の取り方だ」


ジャン「マルコの墓参りにもたまには来いよ」


ライナー「ああ」

コニー「俺はお前らは敵だとは思ってなかったぜ!」


サシャ「私も!私もですよ!」


ベルトルト「はは…救われるね…」


ライナー「これからは、人間として責任を果たそう」


ジャン「…たまには顔見に来てやるよ」


クリスタ「あれ?アニとミカサは?」


アルミン「たった今エレンを連れて出て行ったよ」


クリスタ「音もしなかったけど…」


ユミル「ほっとけよ。大体想像はつくしな」

ミカサ「……」


アニ「……」


エレン「おい…何だよ2人共怖い顔してよ」


ミカサ「…私はエレンに、プロポーズされた。あなたはお呼びでない…」


エレン(!?)


アニ「ふん、どうせいつもの妄想だろ?」


アニ「私は5年もエレンと愛を育んできた」


エレン(!?)


エレン(二人共何言ってんだ…!?)


ミカサ「愛を育んできた…?」ピキ


アニ「そうさ。濃密な時間だった…」フゥ


ミカサ「そんな、はずはない。そうでしょエレン?」

エレン「う…」


エレン(やっぱ俺に振られるよな…)


アニ「別に恥ずかしがることじゃないさ。正直に言いなよ…」


ミカサ「雌狐は…少し黙っていて頂きたい」


アニ「アンタこそ何様だい?エレンの親のつもり?」


ミカサ「私達は家族」


アニ「エレンは認めていないようだけど?」


ミカサ「エレン、私と貴方は(夫婦的な意味で)家族。そうでしょ?」


エレン(まあ、確かに家族ではあるしな…)


エレン「あ、ああ」


ミカサ「ほら」

アニ「チッ…じゃあエレン、私とあなたは毎日同じ屋根の下で過ごした。違う?」


エレン(まあ、ライナーとベルトルトも一緒だったけど…)


エレン「あ、ああ」


アニ「ほら」


ミカサ「チッ…なら…」


アニ「それなら…」


ミカサ「なら」


アニ「なら」


エレン「もうやめてくれえええ!」ダッ

アルミン「……」コソ


アルミン(たまたま3人を見つけたから様子を伺ってみたら)


アルミン(予想通りの光景だけど予想以上に苛烈だった)


アルミン(アニもミカサもまだ言い合ってるし…)


アルミン(また訓練兵時代の胃薬に頼ることになりそうだ…)



855年、エレン。イェーガーは調査兵団に復帰。

ライナー、ベルトルト、アニの3人は公に姿を現すことなくひっそりと…
人間として、今も生活している。

ユミルはエレンの提案を断り巨人の力を使い続けることを選択した。
本人曰く”背負ったものを簡単には降ろせない”とのことだ。

僕達の戦いはきっとこれからも続くだろう。
いつ死んでしまうかも分からない毎日を過ごしていくのだろう。

それでも…人間の好奇心は抑えることは出来ない。
いつか壁の外を自由に走り回れることを信じて…。

…エレンを巡ってのミカサとアニの争いがどうなったかは、また別なお話。



おしまい

これにてお終いです。
稚拙なSSにお付き合い頂いた方ありがとうございました

最後グダり気味だったので駆け足で終わらせました…
他にも書きたいネタが思いついたのでまた何か書くと思います

では失礼します

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