エレン「女の子といちゃいちゃしたい」(295)
アルミン「耳鼻科に行ってくるね」
コニー「エレン、これは俺の故郷に伝わる神秘の踊りだ。お前はきっと邪霊に憑かれてんだ、これを踊って振り払え」
マルコ(くる……ッ! 嵐が……ッ!)
エレン「なんだよそんな深刻な反応して……俺だって男なんだよ」
アルミン「巨人がまだ駆逐されていないのにそんな言葉をエレンから聞けるとは……」
エレン「当たり前だ、人間としての願望は巨人の駆逐だけどな」
※クリスタ×エレン、アニ×エレンがメインです※
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コニー「でもなんだってそんなことを急に?」
エレン「いやさっき飯食いに行くときにさ」
――ライナー【エレンは本当に女子と接点がないなwww】
――ジャン【こんな死に急ぎ野郎と仲良くなりたがる奇特な女子なんていねえよwww】
――ベルトルト【そんなんでさびしくないのかい?www】
――エレン【うっせぇな、別にいいだろ……巨人を駆逐できたらそれでいいだろ】
――ライナー【どんな青春だよwww】
――エレン【じゃあお前らそういう青春送ってんのか?】
――ジャン【……モ、モチロンダッ】
――ベルトルト【それはともかく、少しはそういう経験をしておかなきゃ男として心配だよ?www】
――ベルトルト【兵士以前に君は男なんだから、そういうのから得る経験もあるはずだ】キリッ
エレン「って言われて」
マルコ(煽る必要あったのかな……)
コニー「確かにエレンは女子とあんまり話さないからな」
アルミン(許さない絶対にだ)
アルミン「で、誰といちゃいちゃしたいの?」
コニー「ミカサでいいんじゃねえか? 普段どおりだろ」
ミカサ「呼んだ?」ヒョコッ
アルミン(!? き、聞かれてないよね!?)
エレン「呼んでねーよ」
マルコ「本当にミカサはエレンにべったりだね……」
ミカサ「エレンは放っておけない。でもそういうところは可愛い」
エレン「男を可愛いとか言ってんじゃねーよ!」
ミカサ「……愛玩対象?」
エレン「それはアルミン」
アルミン「!?」
ミカサ「もう私は部屋に戻る。お休みなさいエレン、愛してる」
コニー「!?」
ミカサ「だってエレンは可愛いから」
エレン「いい加減にしろ! 可愛いのはアルミンだろ!」
アルミン「ねぇ冗談だよね!? さっきから僕に対する当たりがおかしいけど気のせいだよね!?」
マルコ(わかるわ)
コニー「わかるわ」
エレン「はぁ……女の子といちゃいちゃできなかったらアルミンに慰めてもらおう」
アルミン(エレンが女の子といちゃいちゃしたらミカサが荒れる、いちゃいちゃできなかったら僕に流れてきてミカサが荒れる)
アルミン(なんだ詰みか)
アルミン「もうこうなったら開き直るよ。誰といちゃいちゃしたいんだい?」
エレン「正直ぜんぜん決めてなくてだな」
コニー「ニーナは?」
エレン「んー、あー、いや、ちょっと待ってくれ」
アルミン「?」
エレン「やっぱ決めた。クリスタにしよう」
アルミン「!?」
アルミン「な、なんで」
エレン「だってお前らが日ごろ可愛い可愛い言ってんじゃねえか、どうせいちゃつくなら可愛い子のほうがいいだろ」
コニー「そんな簡単にできることなのかよ?」
マルコ「ハードルが高すぎやしないかな。親衛隊もたくさんいるし」
エレン「大丈夫だ、ジャンから女の子との話の仕方を習ってきたからな!」
コニー「おお、なんか自身ありげだな!」
マルコ(これはエレンとミカサを引き離すための策かな?)
アルミン(ジャンは余計なところだと何故か頭がはたらくからね……)チッ
エレン「明日からだ、見てろよお前ら!」
>>8
誤字ワロタ
×ニーナ
○ミーナ
翌朝
ライナー「……なあ、エレンが昨日の話マジにしてるって本当か?」
ベルトルト「正直信じられないっていうか、信じたくないっていうか」
アルミン「恨むよ君たち……まあ僕らの天使には怖い騎士がついてるからいいんだけど」ジトッ
ユミル「ほらソーセージやるよ、今日もクリスタは可愛いからな!」
クリスタ「ふふっ、ありがとう。でも私そんなに可愛くないよぉ~」
アルミン(心が洗われる……)
ベルトルト(今日も一日がんばれる……)
ライナー(あの笑顔を一枚の絵画に切り取って永遠に留めておきたい……)
ジャン「お、クリスタもいるじゃねえか。昨日の俺の教えを忠実に守ればいけるぜ」
エレン「ありがとなジャン、実はお前っていいやつだったんだな……行ってくるぜ!」
ザッザッ
アルミン「こんなに歪んだwin-winの関係は始めて見たよ」
ライナー「ベルトルト、ジャンが話していた内容覚えているか」
ベルトルト「いや、まったく」
マルコ「まぁまぁ。ジャンは女の子の扱いそんなに慣れてるイメージはないし」
コニー「何よりエレンがバカだから失敗するだろ」
アルミン「いい軌道のブーメランだね」
ライナー「おい、エレンが行ったぞ」
ベルトルト「見届けよう、自由に殉じた餓狼を」モクトウ
――ジャン【いいかエレン。女子との会話はインパクトが命だ】
――ジャン【プラスマイナスは簡単にひっくり返せることができる、だから最初のうちはあまり深く考えるな、インパクトのデカさが勝負だ】
――ジャン【そして何より一発目の印象は大切だぜ、一言の挨拶の積み重ねが大きなファクターになることもある】
エレン(まずは挨拶からだな……)
ユミル「あん? エレンじゃねーか、何のようだよ」
エレン「そう露骨に威嚇してくんなよ。挨拶だけだっての」
クリスタ「あははっ、おはようエレン」
エレン「おはよう天使」
クリスタ「……ん?」
アルミン「は?」
ベルトルト「ファッ!?」
サシャ「どうしたんですか皆さん、そんな表情で」モグモグ
クリスタ「え、あの、その」
エレン「ん?どうしたんだよ天使」
クリスタ「いや、その天使って」
エレン「天使は天使で、クリスタはクリスタだろ? つまりクリスタは天使」ドヤッ
クリスタ「あ、あうあうあう……」///
ライナー「ジャンてっめええええええ」
ベルトルト「これがエレンの反撃の嚆矢か」
マルコ「いちゃいちゃの布石にしてはピッチが早くないかな?」
コニー「見ろよ、アルミンなんて口から魂出てんぞ」
ユミル「おいテメェ!」
エレン「んあ?」
ベルトルト(騎士のご登場だ)
ライナー(頼む、お前のそのメンタルとフィジカルだけなんだ、アルミンを現世に連れ戻せるのは……!)
ユミル「……ちょっとクリスタの背中に翼、頭の上にわっかがついたの妄想してみろ」
エレン「やりづらいから現物見ながらでいいか?」
ユミル「許可する」
エレン「……」ジーッ
クリスタ「……ぅ、真剣過ぎるよ……」
エレン「……そこまで、あんまり」
ユミル「未熟者がァ!!」バキッ
エレン「ぐっ……ユミルお前、対人格闘訓練で手ぇ抜いてんな!?」
ユミル「今のは私の腕力じゃねえ……クリスタ教徒にのみ与えられる神秘のお力だ……」ツーッ
エレン「ユミル、お前泣いて……!?」
クリスタ(私が話の中心なのに、なんでだろう、まったくついていけない)
ライナー「早く俺にも加護こねえかな」
ベルトルト「アルミンが息をしていない……人工呼吸をするしかないようだね、大丈夫、座学で習った」
ユミル「早く上がってきな、私の世界へと」
エレン「ん? あ、ああ……(やべえ何のことだ)」
クリスタ「え、ええと?」
エレン「クリスタの可愛さを伝えるために、みんなお前のこと天使って言ってんだよ」
クリスタ「え、ええっ!?」
サシャ「直球ですね」
マルコ「どう考えてもアウトだよあれ」
ライナー「エレェェェンッ……くそもうどうにでもなれ、クリスタ天使!」
クリスタ「え、ええっ!? そんなこと言われてもぉ……」///
マルコ「あれ、照れてる」
アルミン「照れクリスタが見れると聞いて!」ガバッ
コニー「アルミンが戻ってきたぁ!」
ベルトルト「チッ」
アルミン「天使だよクリスタ! 君はこの穢土に舞い降りた浄化の天使だ!」
クリスタ「やっ、そんなぁ」///
ベルトルト「天使クリスタマジ天使!(便乗)」
クリスタ「恥ずかしいよ、みんないるのに……」///
コニー「天使! なんか響きがいいな!」
クリスタ「えへへ、照れるけど、ちょっとうれしいな」///
サシャ「クリスタは天使ですね! パァンさえくれたら大天使にしてもいいですよ!」
ジャン「なんだなんだ騒がしいな、またあの死に急ぎ野郎がなんかやったのか」
マルコ「ジャ、ジャン! 君は大変な流れを作ってしまった……!」
ジャン「はあ?」
エレン「やれやれ……こんなにみんながノってくるとはな。これじゃあクリスタといちゃいちゃするのは無理か。アニ正面いいか? 飯食おうぜ」
アニ「……天使ねぇ」
エレン「クリスタは可愛らしいからな、みんなそう言う」
アニ「へえ」
エレン「あ、でもアニは可愛いっていうよりきれいだから天使じゃねえな。お前は女神で」
アニ「……勝手にしな」////////////////
ベルトルト(ここで抜け駆けとはたまげたなぁ)
翌朝
アルミン「おはよう天使」キリッ
クリスタ「あっ……おはよう」///
ライナー(そうか、クリスタはエレンに照れたわけじゃない!)
マルコ(ただ単に男慣れしていなくて、異性からほめられると無条件で照れちゃうんだね)
アルミン(なってこった、こんなに簡単にクリスタの照れ顔を拝めるなんて、この突破口を開いたエレンは天才だよ)
ベルトルト「おはよう天使、今日も可愛いね」キリッ
アルミン「ああもうっやめてよっ」///
サシャ「おはようです天使さん!」
ミカサ「天使おはよう(便乗)」
クリスタ「みんなもおはよう!」
コニー「すげぇブームになってんな」
ジャン「ばかばかしい……おいエレン、次のステップは」
エレン「ジャン、正直もういいわ」
ジャン「なん……だと」
エレン「お、クリスタおはよう」
クリスタ「え? あ、うん……」
エレン(クリスタといちゃつきたかったなぁ、仕方ないから諦めるか)
クリスタ(…………)
さらに翌日
ミカサ「おはよう天使、エレン」
エレン「俺が天使みたいになってるだろやめろ」
クリスタ「おはようエレン、ミカサ。なんだかその呼び方恥ずかしいんだけどなぁ」
エレン(恥ずかしがってるし、もうクリスタといちゃつくのは難しそうだし、ジャンの作戦は捨てるか)
エレン「おはようクリスタ、ミカサ」
クリスタ「……うん、おはよう」
アルミン「おはようマイスウィートエンジェル」キリッ
クリスタ「ふふっ、なにそれ。おはようアルミン」
そのさらに翌日
ライナー「天使の天使っぷりはやばいな……」
クリスタ「もうやめてよお」
エレン「クリスタはよーっす」
クリスタ「……うん」
アルミン「おかしい、おかしいよ、クリスタが反応してくれない」
マルコ「慣れていってるみたいだね」
アルミン「そんな僕の天使がクリスタクリスタクリスタ」
コニー「アルミンがぶっ壊れるなんて珍しいな……んで、慣れってどういうこった?」
マルコ「たとえばコニー、今日は君の晩御飯はお肉たっぷりのビーフシチューだとするね」
コニー「!?」ガタッ
マルコ「例えばだって例えば! で、どう思う?」
コニー「肉! 肉! 肉!」
マルコ「翌日も同じだ」
コニー「肉! 肉! 肉!」
マルコ「次の日も次の日もその次の日も同じだ」
コニー「肉……いや、ずっと……肉か……」
マルコ「その環境がずっと続けば、君はたかがシチュー一つで大げさに騒ぐことはなくなるだろう? それが当然なんだから事実みんな、ここの薄い食事にそれほど過度に反応しなくなっている」
コニー「た、確かに。それがクリスタにもおきてるってことか?」
マルコ「たぶんね」
マルコ「ライナーはクリスタの写真にすがり付いてるしベルトルトは鬱病一歩手前で寝込んでる始末だし、これはヤバいかもね」
コニー「でも慣れたって言ってもよ、最近クリスタむしろ落ち込んでないか?」
マルコ「親衛隊三人とユミルが死に掛けてるのはそこなんだよ。ひょっとしたら天使って呼びすぎてクリスタが怒ってるのかもって」
ジャン「それは違うな」
マルコ「! 知っているのか、ジャン!」
ジャン「エレンのやつ、無意識のうちの俺の伝授した戦法を使ってやがるぜ」
コニー「お前の恋愛術とか使えんのかよ」
ジャン「意識して使ってるわけじゃねえよ、あいつは。無意識であれだから恐れ入る」
マルコ「……押してだめなら引いてみろ。つまりそういうことだね?」
ジャン「ああ」
コニー「……どうでもいいけど部屋が死屍累々すぎんだろ……」
エレン「zzzz」
アルミン「クリスタクリスタクリスタ……」
ライナー「永遠の君に願う……どうか俺を導いてくれ!」シコシコシコシコドピュッ
ベルトルト「僕はついていけるのだろうか、彼女の笑顔のない世界のスピードに」
翌朝
ジャン「おいエレン」
エレン「あ? ジャンかよ……おはよう」
ジャン「不機嫌そうな面ぶらさげてんな。おい、もうクリスタのことは諦めたのか」
エレン「ライナーたちに悪いしな」
ジャン「……そうじゃねえだろ」
エレン「あ?」
ジャン「そうじゃねえだろ! あの日、あの時! 一番最初にフィーリングでミカサを選んだお前は! お前の意思は! そんなに甘っちょろいもんじゃなかっただろ!」
エレン「……ジャン」
マルコ「なんだこの茶番は……まさかこれでエレンが方針を変えるとでも」
エレン「俺、間違ってたよ」
ジャン(計 画 通 り)
マルコ(うわぁ)
コニー「おい起きろアルミン、ライナー、ベルトルト。飯の時間だぞ」
ライナー「ふっ……まだ俺は負けていない。最後に勝ちを狙って何が悪い」
ベルトルト「朝か……壁の中の人間はこういう時に『good morning』と言うんだったね……エレンおはよう」
エレン「ジャンは俺に道を示してくれた。けれど……ライナーやベルトルト、アルミンを見てるとなんか、違うって思うんだよなぁ……」
コニー「何がだよ?」
エレン「うまく言えねえけど、今俺がクリスタと話しても、なんか俺とみんなはどっかズレてるっていうかさ」
クリスタ「ふぇ? 今エレン、私のこと呼んだ?」
エレン「ああ、いいや」
クリスタ「そ、そっか」
クリスタ(はぁ……意識しすぎだよ私、ここのところずっとエレンのこと考えてる……)
クリスタ(だって一番最初に呼び始めてくれたのに、気づいたら呼んでくれてないんだもん)
クリスタ(エレンがそう呼ぶのをやめただけでこんなに拗ねてる……私、いい子じゃないな……)
エレン(みんなは本気なんだ。みんなは本気でクリスタのことが好きなんだ)
クリスタ(だめだ、ここでネガティブになっちゃだめだ私! 踏み込まないと……!)チラッ
アルミン「エレン、ご飯にしよう」
エレン「おう」
クリスタ「あ、ちょ、ちょっと待って!」
エレン「うん?」
クリスタ「エレンさ……最近、私のことて、天使って呼んでくれないよね……? 何かしちゃった……?」
エレン「え、ああ、いや……」
エレン(おい、こういう時なんていったらいいんだよ)
アルミン(僕に聞かれても……)
ジャン(ここでうまいことやればミカサとエレンを引き離せる……! がんばれ! 死に急げ!)
ベルトルト「今日のパァンは塩の味がするね」
ライナー「そうだな、天使が俺たちの挨拶についにため息を返すようになったんだもんな」
エレン「何か……ちがうんだよ(ダメだ嘘とか思い浮かばん、正直に言うしかねェッ)」
クリスタ「?」
エレン「ライナーとかベルトルトとかアルミンとかと、俺の気持ちは、違う」
マルコ(マドンナ的扱いとは違う……?)
エレン「俺もうまく言葉にできなくてもどかしいんだけど、なんて言ったらいいのか(本気じゃない、いちゃつきたい、愛でたいんだ、でもこれどう伝えれば)」
――ミカサ【エレンは放っておけない。でもそういうところは可愛い】
――ミカサ【……愛玩対象?」】
――ミカサ【もう私は部屋に戻る。お休みなさいエレン、愛してる】
――ミカサ【だってエレンは可愛いから】
エレン(あ、そうか。ミカサがもう教えてくれてたんだ)
アルミン(あ、これあかんやつや)
エレン「俺はクリスタを愛してるんだ」
一番好きな組み合わせはアルミン×ベルトルトです
アニの可愛さが書けたらいいなと思います(粉みかん)
寝ますお休みなさい
じゃあ投下始めます。
【進撃の入試】
「駆逐してやるッ……! すべての対数を……ッ!」
ウォール・ローゼ中の学生を集めて行われるセンター試験。その関門を越えた者のみが調査兵団への入団を許される。
『スピンアトップの悲劇』『進撃の数Ⅰ・A』などの惨劇を乗り越えた103期生に続く傑物たちは誰なのか。
以下、予備校教師キースの手記
――ライナー・ブラウン
屈強な図形描写力と立体把握能力を持つ。政経・倫理に苦手意識がある。
何より試験前に仲間たちにシャー芯切れ防止のためアインシュタインを配るフォロー力を持ち、周囲からの信頼は厚い。
浪人二年目。
――アルミン・アルレルト
英文読解において標準的な和訳スキルに達しないものの、数学の整数問題に対し非凡な発想力を見せる。
本人が明確な志望動機を持てばあるいは……
現役生。
――アニ・レオンハート
現代文の読解の正確さはピカイチ。文系でありながら生物を苦手する欠点を持つ。
孤立気味で性格に難有り。
浪人一年目。
――ベルトルト・フーバー
文理の隔てなく苦手教科のないオールラウンダー。大柄な体格ゆえに手にした英単語帳が小さく見える。
勉強のリズムを他人に合わせやすく、積極的自学自習の意思が見えにくいが潜在的暗記力は高い。
浪人二年目。
――ジャン・キルシュタイン
新課程に対しいち早く対応する思考の柔軟さが売り。得意科目は物理。
周囲の雰囲気から平均得点を予想する視界の広さも持つ。
他人に対して辛らつな評価を与えることもあり、教室で浪人生同士の乱闘が起こったらほぼこいつのせい。
模試直前までツイッターをするのはやめろ。
浪人一年目。
――コニー・スプリンガー
右利きなのにシャーペンを左手で持とうとするな。
現役生。
――サシャ・ブラウス
試験中に蒸かした芋を食べるな。
現役生。
――ミカサ・アッカーマン
彼女一人で平凡な浪人生400人分の学力を持つ。
試験中にエレン・イェーガーの後頭部をガン見するのはいただけない。
現役生。
――エレン・イェーガー
特筆すべき得意科目はないが、最後の一秒まで粘り強く問題に食らいつく姿勢がある。
最後まで伸び続け、成長限界点がないタイプの人間か。
現役生。
クリスタ「…………」
アルミン「あbbbbbb」
マルコ「アルミンしっかり! 気を保つんだ!」
コニー「おいおいこの場をまとめられそうなのアルミンぐらいしかいねえんだぞ!?」
エレン「……みんなと俺の気持ちは違う。みんなはたぶん、クリスタのことが好きなんだ」
(みんなは本気でクリスタと付き合いたいんだろうなあ)
ユミル「じゃ、じゃああんたは?」
エレン「でも俺は違う。俺はクリスタを――愛しているんだッ」
(金髪撫でたい。猫かわいがりしたい。愛でたい。飼いたい……そんな軽い気持ちでライナー達と同じ立場みたいに振舞うのは、失礼だ)
ライナー「コヒューコヒューコヒュー」
ベルトルト「ライナーの喉が、まるで接着剤でせき止められたかのような音を鳴らす。衝撃を与えれば呼吸の経路を確保できると考え、ベルトルトは拳を握った。直後、原始的な暴力の音が連続した」ドンガンバキドゴ!!
ジャン「おいやめろ」
アニ「……なんだ、今日はずいぶん騒がしいね」
ミカサ「……どうしたの」
エレン「お、珍しい組み合わせだな」
クリスタ「」
アニ「あんた、何したの」
エレン「いや別に……」
ユミル「ちょ、ちょっとあんたこっち来い」
エレン「ふぐっ?」
ユミル「クリスタも!」
クリスタ「」ズルズル
ミカサアニ「…………」
ユミル「クリスタ。クリスタ……気をしっかり、クリスタ!」ペチペチ
クリスタ「はっ!? ここはどこ!? エレンどこ!? 私エレン!?」
ユミル「テンパりすぎだから。おら、あんたもとっとと座りな」
エレン「珍しいな、お前が男子を誘うなんて。隣いいよな?」
クリスタ「ふぁぃっ!?」
エレン「なんだその過剰反応」
ライナー「いてぇ……顔面がすげぇいてぇ……おい鼻陥没してないかこれ」
コニー「男女平等パンチえぐいなこれ」
マルコ「ベルトルトこそ大丈夫? 落ち着いたかい?」
ベルトルト「何が悪いんだい?」
ライナー「や、まさにお前の目の前に被害者がいんだろ。どうすんだよ朝から血まみれじゃねえか俺」
ベルトルト「異論は認めん、断じて認めん、僕が法だ黙して従え!」
ジャン「落ち着く気配すら見られねぇ……」
ユミル「……あのさあ、あんた」
クリスタ「ユミル」ジーッ
ユミル「な、なんだい(天使マジ天使)」
クリスタ「ちょっと席外してくれないかな?」
ユミル「お安い御用さ!(天使マジ天使!)」
タッタッタッ
エレン「よかったのか? いつも一緒じゃねえか」
クリスタ「……今からは、まじめな話をするから」
ユミル「あれ? あたし追い払われただけ?」
クリスタ「あ、あのさエレン」
エレン「ん?」モグモグ
クリスタ「エレンは、その……さっき言ってたの、本当?」
エレン「おう」ゴクッ
クリスタ「な、なんでそんな……」
エレン「仕方ないだろ、クリスタ可愛いから」ニコッ
クリスタ(ふああああああああ)
エレン「おい飯食っちまえよ、時間そろそろだぞ」
クリスタ「わ、私も!」
エレン「あ?」
クリスタ「えええエレンほどじゃないけど、その……好きだから……」ゴニョゴニョ
エレン「はぁ」
クリスタ「だ、だからっ! これから……よろしくお願いしまひゅ……」
エレン「これから? おう、もちろんだぜ!」グッ
クリスタ「!!」パァッ
ライナー「」
マルコ「ライナーの霊圧が……消えた……!?」
ベルトルト「もし わたしが雨だったなら
それが永遠に交わることのない
空と大地を繋ぎ留めるように
誰かの心を繋ぎ留めることができただろうか」
アルミン「――memories in the rain 」
ミカサ「Acta est fabula.」
コニー「104期生オワタ」
アニ「…………」
やっぱ月曜のこんな時間じゃ人いねえな。
俺も大人しく仕事戻るわ。
夜にまた投下します。
なんだこの伸び方(驚愕)
眠いし投下するわ
朝
クリスタ「お、おはよう!」
エレン「んあ? おう」
クリスタ「えへへ……」
アルミン「天使のほうから挨拶がもらえるなんて、エレンは恵まれてるなあ(棒)」
クリスタ「と、となりいいかな?」
エレン「いいぜ。あれ、ユミルたちとはいいのか?」
クリスタ「……ダメ?」
エレン「や、すっげー勢いでこっちをにらんできてるから」
クリスタ「……だって、朝ぐらいじゃないと二人で話せない(ボソボソ」
エレン(二人で話す必要なくね?)
アルミン(クリスタには斜め前の僕の存在が感知できていないのかな……)
クリスタ「お、おはにょ!」
エレン「んあ? おう」
アルミン「クリスタから挨拶をもらえるなんてエレンは恵まれてるなあ(棒)」
クリスタ「えへへ……あ、アルミンもおはよう」
マルコ(アルミンの目が焦点を結んでいない……直視するのが怖いんだ……)
クリスタ「あ、あのさエレン、その、わたしたち……と、と、隣でご飯食べてもいいよね?」
エレン「なに遠慮してんだ、早く座れ」ポンポン
クリスタ「! じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて失礼します……」
ごめん寝ぼけてた>>128は読み飛ばして
クリスタ「きょ、今日は馬術訓練と対人格闘訓練だね!」
エレン「またアニに蹴られる日か……速過ぎて何がなんだかわかんねえんだよなあ」
クリスタ「……蹴られて、痛くないの?」
エレン「痛くない訓練とかねえだろ」
クリスタ「……すごいなあ、エレンは」
エレン「お前も十分すげえよ、馬術一位さん」
クリスタ「あはは、運がよかっただけだって」
コニー「朝から見せ付けてんなー」
マルコ「エレンとクリスタの急激な接近……何か怪しい気もするんだけどな」
ジャン「死に急ぎ野郎もちょっとは周りを見始めたってことだろ。ほら飯だ飯」
用事できたから中断
ベッド遠すぎわろ
帰宅
モンスターエナジーカオス不味い誰かバーンくれ
じゃあ投下するかな
~馬術訓練~
エレン「んー、クリスタの馬ってなんか幸せそうだよな」
クリスタ「え?」
エレン「俺の馬は不機嫌そうだ」
エレン馬「ブルゥブルゥ」
クリスタ馬「ヒッヒーン」
クリスタ「あー、なんとなく分かるかも」
エレン「だろ? こいつの世話結構してやってるつもりなんだけどなあ」
クリスタ「ふふっ、馬は意外と繊細だからね。あ、今度毛並みの手入れとかしてあげたら?」
エレン「でもよ、馬小屋のブラシ汚ぇぞ」
クリスタ「あ、あーっ……じゃ、じゃあ」
エレン「今度町にでも買いに行くか。俺何が良いとかよく分かんねえから、教えてくれよ!」
クリスタ「え、よ、よろしくお願いします!」
エレン「大仰だな」
クリスタ「あ、あはは」
~格闘訓練~
エレン「いってぇ……どうやったら蹴り受けても姿勢を崩さずに済むんだよ」
アニ「自分で考えな」
コニー(エレンのやつすげえ、アニの蹴りに反応してガードできてる)
マルコ(本人はやり返せないと不服みたいだけどね。……それより、あれ)
コニー(んあ?)
クリスタ「……」ジーッ
マルコ(ガン見してるね……)
アニ「……」チラッ
エレン「おいどうした、俺とやってる最中だろ。俺を見ろよ!」ドウッ
アニ「チッ!」ヒュバッ
コニー(あんだけ見られたら普通気がつくだろ! エレンあいつバカじゃねえの?)
マルコ(ブーメランお見事也)
教官(そろそろ真面目にやらんか貴様らァ!)
マルコ(教官が空気を呼んで小声で叫んだ……だと……!?)
クリスタ(……だめだ、アニは文句を言われる筋合いはないし、私のこれ、すごい個人的な我がままだ)
クリスタ(でも、やっぱり、私以外の女の子と仲良くしてると、気になっちゃうよ、エレン……)
~昼食~
クリスタ「いっただきまーす」
ライナー「最近の女神はますます女神だな」
エレン「おいおいクリスタ、口元にパンのかけらついてんぞ」ヒョイパクッ
クリスタ「きゃっ」///
アルミン「隣にあの堕天使がいなければ最高なのにね」
アニ「……付き合ってんの? あれ」
ジャン「もちろん!」ドヤァ
アニ「半殺しの定義を教えてあげる。人体の骨格の半分――206本中103本、持ってくよ」バキメキョメキバキョキョメキ
ジャン「が、ィ……ァ……」
ベルトルト「堕天使ということは漆黒の翼を背負ったエレンか……半裸+首輪+鎖ならアリだね」キリッ
ミカサ「あなたとはいいワインが飲めそう」キリッ
クリスタ「」キャッキャッ
エレン「」クスクス
アルミン「……いいのかい、ミカサ?」
ミカサ「変に信用できない女よりはマシ。それに最後に戻ってくるところは分かりきっているから大丈夫……大丈夫……」ガクガク
コニー「膝にきてんぞ、どんな訓練した後ならそんな震え方するんだ」
マルコ「ライナーたちもおかしいぐらい落ち着いてるよね? いいの、クリスタとエレンは二人っきりだけど」
ベルトルト「最近、エレンを殴る妄想をしてるとすごい楽しくて、時間が過ぎ去っていくんだ……」
ライナーアルミン「うんうん」
マルコ「想像以上にダメだった」
アニ「……」スッ
コニー「ん? アニの奴……おいあいつエレンたちのテーブルに座ったぞ!」
マルコ「!?」
アニ「二人とも、最近仲いいね」
クリスタ「えっ、あぁうん……」
クリスタ(え、何? なんでそんな様子を探るような目で見てくるの?)
アニ(付き合ってる、ねえ……)
アニ「あんた最近動きが大分マシになってきたね。ちょっと今日の夜の自由時間、広場の裏の芝生に来な。見せたい技がある」
エレン「本当か!?」ガタッ
アニ「そんなにがっつくんじゃないよ、また後で」
アニ「……マルコ、コニー、ちょっと」
マルコ(あれ胃痛が)キリキリ
アルミン(胃痛の霊圧が……消えた……!?)スッキリ
コニー「まだ俺シチュー食い終わってねえんだけど……あれ?」
サシャ「私が食べといたんでもうアニのところにいけますね!」グッ
アニ「……」グッ
コニー「芋女てめぇぇぇぇ!!」
マルコ「で? アニ、どうしたの?」
アニ「確認しといてほしいことがあるんだよ」
コニー「エレンたちのことか?」
アニ「うん」
アニ「エレンに、『愛してる』ってどんな相手に言うのか聞いといて」
~翌朝~
マルコ「胃が……胃痛が……」キリキリキリキリ
コニー「やべぇよ……俺バカだけど、これだけは分かる。やべぇよ、やべぇよ……」キリキリキリキリ
――エレン【愛してる? ああ、クリスタを愛してるぜ?】
――エレン【なんていうか、ペットっていうかさ、とにかく愛でたいんだよな!】
――エレン【え? 恋人? いやそうなりたいのはライナー達だろww俺とあいつらを同列に扱うのは悪いよwww】
マルコ(えーっと、クリスタに愛の告白をしたエレンは実はそのつもりはなくて)
マルコ(クリスタはそれを愛の告白と勘違いして受けていて)
マルコ(あああああダメだ絶対誰かの血の雨が降る事になるッ)
アニ「結果報告は?」ズイッ
マルココニー「ひいいいいっ」
カクカクシカジカ
アニ「……へぇ、やっぱりあんた達に頼んで正解だったよ。他の奴らは終わってるからね」
マルコ「で、でも正直、あの二人の関係はあのままでいいんじゃないかな」
コニー「ライナー達まで巻き込むことになるし、今のままが……」
アルミン「話は聞かせてもらったァァァッ!!」バァァァン
ライナー「やれやれそういうことか……」
ベルトルト「僕らの天使を誑かすとは、エレンもイケない子猫ちゃんだね」
ミカサ「正妻ぱぅわー」ブイッ
マルコ「アルミンッ!? みんなまで!?」
コニー「マルコ、これやべえやつだ」
アニ「アルミン、あんたその表情からして考えがあるんでしょ?」
アルミン「もちろんッッ」
サシャ「あ、マルコパンもらいますね」
コニー「なにそれ美味そう」
アルミン「エレンに恋愛ごとを徹底的に教育するんだ!!」
マルコ「僕のパンが!」
サシャ「コニー! それも下さい!」
コニー「やるかバカ!」
アルミン「聞けよ!!!!」
アニ「……方法は任せる。がんばりな」
アルミン「他人事みたいだね? アニだって懸けるものは大きいんだろうに」
アニ「さあてね?」
マルコ「アルミン、本当にやる気なの?」
アルミン「これはショック療法だ。気は進まないけど、エレンを教育すれば、きっとクリスタは振られる」
アルミン「でもこれは決して悪いことじゃない」
ライナー「傷心のクリスタを慰める係になりたいやつ、正直に手を上げろ」
ユミル「」スッ
アルミン「」スッ
ベルトルト「」スッ
コニー「ユミルいつの間に来たんだよこぇぇ……」
アルミン「方法については僕に一任してほしい。必要なものは今度の休日に買いに行く」
ライナー「ついでに別働隊を編成するぞ。クリスタとエレンの買い物を尾行して、必要以上の接触がないか確認しろ」
マルコ「すごい、こんなにまとまってる君たち初めて見た」
コニー「お前らやればできるやつだったんだな!」
ベルトルト「あ、マルコとコニーはアルミン班ね」
マルココニー「ファッ!?」
~翌日・古本屋~
アルミン「どれにしよーかなっと」
コニー「うぇ、埃っぽいな」
マルコ「何を探しているんだい?」
アルミン「こういうのは古いほうが古典的でわかりやすいからね、あったあった、こんなのがいいや」
マルコ「それは……!」
コニー「知っているのか、マルコ!」
マルコ「舞台化もされた、昔から語り継がれている南部の口語伝承を元に作り上げられたラブロマンス……まさかアルミン、君は!?」
アルミン「そう、エレンに恋愛小説を読ませるんだ」ニヤリ
今日はここまでです
天使の出番少なくてごめん眠いんだ
すまんな、最近シリアス書いてて頭おかしくなってたわ
ゆっくり投下
アルミン「お帰りなさい」ニコニコ
エレン「んあ? おうアルミンか」
コニー「買い物は楽しかったか?」
エレン「まーな……って、バレてたのか」
アルミン(迂闊だコニー! 感づかれる!)
マルコ「うん。実は僕らもちょっと出かけててさ」
アルミン「あ、ああうんまあね」
エレン「へぇ、声かけてくれりゃ良かったのによ」
マルコ「お邪魔かなと思ってさ」
アルミン「はい、これ」
エレン「これは……本?」
マルコ「古本屋で買ったんだよ」
エレン「ふうん。でも俺、あんまり本読まないんだけど」
アルミン「大丈夫、分かりやすい小説だから、エレンでも楽しめるよ」
コニー「言い方が完全にバカにしてんな」
エレン「なるほどな。あ、そういえばライナーとユミルを昼間見たんだけど、あいつら付き合ってんの?」
アルミンマルココニー「…………ああ!」
エレン「……」モクモク
アルミン「読んでるなあ」
マルコ「珍しいね、でも今日中に読み終わるのは無理かな」
コニー「恋愛のいろはつっても、本読んだぐらいで分かるもんなのか?」
ジャン「チッ」
ベルトルト「駆逐系男子からインテリ系に路線変更か、欲張りだなあ」
ライナー「俺とユミルが付き合ってることになってるらしい、解せぬ」
エレン「……」モクモクモクモク
アルミン(消灯になってもまだ月明かりで読んでる……)
ベルトルト(月明かりで読書するとか僕狙い撃たれすぎ。クリティカルだよまったく)
ミカサ(激しく洞海湾)
ベルトルト(こいつ直接脳内に……!)
翌朝
エレン「………………」
アルミン「読み終わってる、だと……」
マルコ「燃え尽きた感がハンパないね」
コニー「隈めっちゃできてんぞ、おい起きろエレン。時間だ」
エレン「ん、んぁ……」
ジャン「オラ起きろ」ドゲシッ
エレン「ふぁっ!?」
ライナー「ファッ!?」
ベルトルト「♂読破とはたまげたなぁ♂」
エレン「なあアルミン」
アルミン「どうしたんだい(これでやっと理解してくれたか、心苦しいけど天使にはフラれてもらうしか……)」
エレン「アニって、俺のことが好きだったのか……///」
マルコ「やばいやばいやばい」キリキリキリ
コニー「おっふ少しは休んでろよ胃痛」キリキリキリ
アルミン「え? なんだって?」
ジャン「思考を放棄しやがった……考えるのが怖いんだな」
マルコ「待って待ってその結論にたどり着くのは間違ってないけどおかしい」
エレン「いや、この本読んで良かったよ。なんつーか、今まで知らなかった世界が見えてきた」
マルコ「それでなんでアニにたどり着くんだよクリスタはどうしたんだよ」
エレン「? クリスタはクリスタだろ?」
コニー「エレンがぶっ壊れてんのか、この本が役立たずなのか、どっちかハッキリさせようぜ」
マルコ「やばいね高確率でどっちもだ」
エレン「おいアルミン、朝飯行くぞ」
アルミン「うん!」
ジャン「現実から解き放たれたアルミンが、生き生きしている……」
コニー「……この本」
マルコ「ちょっと待って。僕も読んだことあるから、内容を思い出してるところ。うーん」
エレン「お、ミカサおはよう」
ミカサ「おはようエレン」
クリスタ「おはよっ」
エレン「おう」
ミカサ「……大丈夫、私が一番最初に挨拶した。エレンが朝一番で話したのは私一番は私」
アニ「…………」
エレン「! お、おはよ、アニ」
アニ「うん?」
ミカサ「」
クリスタ「」
エレン「あーっと、い、いい天気だな!」
アニ「……頭でも打った?」
エレン「な、なんでもねえよ」
マルコ(これはAUTO)
コニー(男なんて相手から告白されたら、一日中その相手のことで頭ん中いっぱいだもんな)
マルコ(ストロボよりアオハライドの方が好きなんだけど)
アニ「ふーん。じゃ、また後で」
エレン「あ、あと?」
アニ「今日は対人格闘だろ?」
エレン「お、おう」
ミカサ「」
クリスタ「」
マルコ「家族()と彼女()が息してないよ……」
コニー「向こうのジャンとクリスタ親衛隊見てみろよ、メシウマって顔してるぜ」
マルコ「ジャンはウマヅラだけどね」
マルココニー「HAHAHAHAHA」
マルココニー「…………やべえ」キリキリキリキリ
対人格闘訓練
エレン「よ、よろしくお願いします」
アニ「なんでそんなに固いんだか」
マルコ「どうコニー? 内容的に問題はありそうだった?」
コニー「まだ全然読めてねえよ。エレン読むの早すぎだろ」
マルコ「彼の集中力は尋常じゃないからね」
エレン「フゥッ、フゥッ」
アニ「今日は避けてばっかりだね。ちょっとは反撃してきなよ」
エレン「うっせーよ」
エレン(よく見たらこいつ美人だよな……おい訓練中に何考えてんだ俺集中しろ)
アニ「フッ!」
エレン「あぼっ!?」
眠い
あと2回ぐらいで終わるから今日はここまでお休み
再開
マルコ「落ち着くんだ、本を読んだだけじゃない、僕はミュージカルだって見た覚えがあるんだぞ……」
コニー「うーん、読む限り普通のラブコメって感じなんだけどなあ」
マルコ「エレンの思考のブレのなさは定評がある。それをぶち破って無理やりアニへの意識を顕在化させたんだ、何か絶対にあるはず!」
コニー「なんかマルコのポジションがおかしくね?」
ベルトルト「この本、僕も読んだことあるね」ヒョイッ
コニー「うお! び、びっくりさせんなよベルトルさん……」
ライナー「オレモイルゾ!」
ベルトルト「へぇ、やっぱりこれだったんだ。正直このキチ小説ぐらいじゃないとエレンきゅんをあんな風にしたりできないよね」
コニー「お前のそのクソ気持ち悪い口調は置いとくぞ、この本ってどんな話なんだ?」
マルコ「…………ぁ」
ベルトルト「思い出したようだね」
マルコ「ぁ、…ぁ、ぁ……!!」
コニー「マルコ!? どうしちまったんだ!?」
ベルトルト「どうしたんだ、そんな超大型巨人を見たみたいに!」
ライナー(ひどい自演を見た)
マルコ「ミュージカルで、そうだった……この小説はマズい……」ガタガタ
アニ「どうした?もう終わりかい?」
エレン「け、蹴られた、アニに蹴られた……///」
アニ「はぁ?なんか今日のあんたちょっとおかしいよ、っと!」
エレン「ふぅあ!」
アニ「へぇ、今の避けるなんだやるじゃん」
エレン「おおおおまえ、俺のこと蹴りすぎだから! あれでもライナーにも蹴り入ってるような……?」
アニ「あんたもライナーも、いい的だから」
エレン「うわあああああああああ! アニがそんなヤツだったなんて知らなかったし知りたくもなかった!!」
アニ「は、はぁ……?」
エレン「もう一発もくらわねえ! 全部避けてやる!!」
コニー「お、おいおい。何がなんだか分かんねえ、マルコ説明してくれ」
マルコ「……この小説は、素直になれない女の子と鈍感な男の子の小説なんだ」
ライナー「まるでアニとエレンだな」
ベルトルト「真剣な話してんだよ黙れ!」バキッ!
ライナー「結婚しよっ!?」
マルコ「女の子はね、愛情表現が普通の人と違ったんだ。体質って言うのかな」
アニ「せ!!」
エレン「ーッ、ッ、ッ!!」ヒュオッ
アニ「すばしッこい……!」
マルコ「男の子はその愛情に気づかない。気づいたとき、愕然とした。それは到底愛情と呼べるものではないはずだったから」
アニ「なんで当たンないのッ」ズババ
エレン「速ェーンだよォッ、チックショウ!!」ブン
アニ(!? 蹴りを完全に捉えられた!? こっちの軸が崩される……!)
マルコ「小説での女の子の愛情表現は……『蹴り』だった」キリキリキリ
コニー「…………計ちゃン、じゃなくてエレンすげーあんなに速い蹴りを避けるなんてサシャよりはやーい」キリキリキリ
サシャ「!?」
エレン「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ」
アニ「……あたしの負け、だね」
エレン「あ、アニっ!」
アニ「……は?」
ベルトルト「まだだマルコ。まだ君は、男の子が女の子の想いに気づいてからの行動を述べていない」
コニー「な、なんだまだあったのかよ! 早く言ってくれよ!」
マルコ「……男の子は、自分は女の子の相手としては相応しくないと思った、だから」
エレン「俺、もっと強くなる!」
アニ「や、今あたしに勝って」
エレン「俺が欲しいのはアニを倒す強さじゃない! 巨人を倒す強さだ!」
アニ「…………ッ!!」ズキッ
エレン「だからもっと強くなる、いっぱいがんばる。だから……待っててくれ!」
アニ「……勝手にしなよ」ズキズキ
ライナー「…………」
ベルトルト「…………(エレンいい尻してるな……)」
クリスタ「そっか……エレンが待っててほしいのはアニなんだ」
クリスタ「仕方ないよねぇ、戦場でエレンの隣に並べるのって、アニぐらいじゃないとねぇ」
クリスタ「……だったら、私は……私、は…………」
今日は短いけどここまで
次で終わります
投下します
-前回までのあらすじ!-
アルミン「胃痛がFA宣言」
マルコ「さてと……コニー、これはプランD。いわゆるピンチだ」
コニー「えーっと、エレンはアニがエレンのことが好きだと思ってて、でもエレンのことを好きなのはクリスタで?」
マルコ「注意してほしいのは、クリスタの爆弾かな。名目上は彼女っていうポジションなのに完全放置だから正直憤死寸前だと思う」
コニー「ふんし?」
マルコ「……まあ、フラストレーションが爆発して死にそうってこと?」
コニー「フラスコ計画?」
マルコ「ああ……うん……コニーが天才になればいいよね……うん」
ジャン「くくく……さすがに予想だにしなかった展開だが、まあ俺の当初の目的は果たせているからいいさ」
ライナー「笑顔が真っ黒だな、おい」
ジャン「さあミカサ、寂しかったらいつでも俺の胸に飛び込んできていいんだぜぇ……?」
マルコ「あの連中にはバレないよう、どうにか事態を沈静化する方向に持っていきたいね」
コニー「けど、どうやって?」
マルコ「まあエレン次第ってところか……一応案はある。コニーの協力も必要だ」
コニー「オーライ。んで、どう落とし所を作るんだよ?」
マルコ「……正直言って、あまりいい気分になるものじゃないけどね」
夕食後
マルコ「それにしても、このミュージカルはひどかったね」
コニー「ああ、俺でも分かる駄作っぷりだったぜ」
エレン「……ん、マルコにコニーか。何の話してんだ?」
マルコ「やあエレン。この間コニーと劇場に行ったときの話をしててね」
エレン「二人で行ったのか? 付き合ってんのかよお前ら」
コニー「よせよ、ライナーとベルトルトじゃあるまいし」
ベルトルト「僕と君はいつの間に付き合いだしたんだ?」
ライナー「勘弁してくれよ」
ベルトルト「僕は一向に構わんッッ」
ライナー「俺が構うんだよこのスカポンタン!!」
エレン「へぇ……どんな?」
マルコ「えっとね、蹴りでしか好意を伝えられないっていう、普通じゃありえない――」
コニー(ん? なんかアニがこっち見て口をパクパク動かして……?)
アニ(――――お前らを見ているぞ)
コニー「!!? マルコ!!!」バキッ
マルコ「ライカァッ!?」
エレン「うお、びっくりした」
PCの調子がすげえ悪い
コニー(マルコ、マルコ、やべえよ! アニに気づかれてるって!)ヒソォッ
マルコ(そ、そうか……けど僕の顔面にグーパン叩きこむ必要はなかったんじゃ?)
コニー(とにかく失敗だ! エレンにこそっと本当の恋愛を教えるんなら部屋でやるべきだろ!)
マルコ(こ、コニーに諭された……分かったよ、今行く)
ベルトルト(エレンとアニは僕が引きつけよう、早く行くんだ!)
マルコ(誰だよ)
コニー「誰だよ!?」
アニ「……ねえ、ちょっと」
エレン「んあ?」
アニ「ちょっとこっちに来なよ」
エレン「お、おう」ズルズル
ベルトルト(……これは僕の功績)キリッ
マルコ「エレンが帰ってくるのを待つか」
コニー「そだな」
クリスタ(マルコとコニーが説明してくれたら良かったんだけどね)
クリスタ(ユミルは先に部屋に戻ってもらった)
クリスタ(……たぶん、アニのほうが、私より意識されてる)
クリスタ(なんでかは分からないけど、それはアルミンたちの手によるものなんだろう)
クリスタ(でも)
クリスタ(私は、負けたくない)
クリスタ(勝ち筋が、私には見えている。私には、見えている)
クリスタ(いい子ぶってる余裕なんてないの。もうなりふり構わない、じゃないと、エレンを捕まえられない)
クリスタ「……勝負は今、ここで決める!」ドン!
エレン(なんだこの小屋、狭いし暗いな……)
アニ「…………」
アニ(……あの本、役立ったみたいで良かったよ)ニヤッ
マルコ「ん、この本……前の持ち主の名前が書かれてる」
コニー「へえ、傍迷惑なもん売りやがって、どんな名前してんだよ」
『レオンハート』
マルコ「」ガタッ
コニー「」ガタッ
クリスタ「えーっと、ここの小屋かな? 前ハンナがみんなに密会用として紹介してたし」
クリスタ「どれどれ……」ソーッ
アニ「ねえ……最近さ、訓練のとき、ちょっと余所余所しいよね」
エレン「っ! や、そんなことねーよ」
アニ「こっち向いてって」ゲシッ
エレン「うわっ!?」
アニ「……今のは、ジャブみたいなもんだよ。これからもっと激しくなる」
エレン(は、はァッ……!? 今から俺、アニに蹴られまくるってことかよ!?)
アニ「もっともっと、激しくスるよ」
エレン「う、うぅ……」
クリスタ(……これって、え、え?)
アニ「……」ゲシッゲシッ
アニ(こんな愛情表現あるもんか、バカバカしい)
エレン「……ッ、ッ」
エレン(なんだ、なんなんだ!? 人がいないからってこんなに積極的になりやがるのか女ってのは!? だ、だめだ、こうストレートにされると、恥ずかしくて抵抗できねえ!)
クリスタ(お互い顔を赤らめながら、アニがエレンを蹴ってる)
クリスタ(アニがエレンを蹴ってる)
クリスタ(ローキックで脛、太もも、膝、時々足の甲を踏んだり)
クリスタ(それに対しエレンは無抵抗)
クリスタ(なんだこれ)
マルコ「エレン、エレンはどこだ!?」キリキリキリ
コニー「やべえよやべえよ! 全部俺たちは踊らされていたんだ!」キリキリキリ
クリスタ(! 二人が探しに来た!)
クリスタ「あ、マルコにコニー! どうしたの?」
マルコ「エレンを見ていないかい!?」
クリスタ「あっちに行ったよ」アサッテノホウコウ
マルコ「ありがと!!」ダダダ
クリスタ「……うぅ、先延ばしにしちゃった……どうすればいいんだろ」
コニー「何を先延ばしにしたんだ?」
クリスタ「ひゃあああっ!?」
マルコ「さすがコニー、直感だけでここまで僕を導いてくれただけはあるね」
コニー「というかこの小屋怪しすぎだろ、誰でもここだと思うわ」
マルコ「バレバレだね、逢瀬には向かないかな」
クリスタ(……ハンナごめん、私も同意)
じゃあ最終話更新
マルコ「これは……中は想像以上にひどくなってるね」キリキリ
コニー「うぅ、ごめん、俺たちのせいだ……俺たちがもっと早くエレンの勘違いをどうにかできていたら」キリキリ
クリスタ「ううん。私も、先延ばしにしてたから。立場に甘えて。有名無実なのも知らないで」
マルコ「え、気づいて……?」
クリスタ「ふふっ、気づいてないほうがおかしいよ」
コニー「無理して笑うなよ。見てて、痛々しいんだよ」
クリスタ「……ごめん……今日は、もう、帰って寝るね」
マルコ(……あれ、いい話っぽく終わらせようとしてるけど、これ後処理を僕らに丸投げしてない?)キリキリ
コニー(やべえガチだ)キリキリ
マルコ「ま、待つんだクリスタ!」ガシッ
コニー「ちょっと待てよ、行かせねえぞ!」ガシッ
クリスタ「ふぇ!? だ、だってもうエレンはアニと……!」
コニー「そんなの関係ねえだろ(俺たちの胃痛とは)!!」
クリスタ「!?」
マルコ「このままでいいのかい!? 僕は、僕は……(胃痛が)嫌だね……!」
クリスタ「けど……私は良い子だった、これからもたぶん。誰かから何かを奪うなんて、そんなの」
コニー「だから(俺たちの胃痛とは)関係ねえって言ってんだろ!! 俺たちは今! お前を行かせたくない!」
マルコ「(処理を押し付けられるのは)嫌なんだよ! だから……自分で戦ってみろよ、クリスタ・レンズ!!」
クリスタ「…………ッ!」
アニ「じゃあそろそろ、トドメかな」
エレン「ひっ……」
エレン(あの構え! ハイキックだ! こめかみを狙ってる! そんな一撃食らったら、イっちまう……!)
アニ「観念しな」
アニ(一撃で失神させる。それで……起きた後に)
アニ(今度こそ……蹴りなんかじゃなくて、私の言葉で……)
クリスタ「――エレン!」
アニ「ん?」
エレン「う……? アイエエエエ!?」
クリスタ「待たせちゃったね……本命(カノジョ)の登場よ」ババーン
コニー(おいさっきまで尻込みしまくってたヤツがイキってんぞ)
マルコ(思春期女子にありがちなあれだから……)
エレン「何してんだよお前……」
クリスタ「何って、私はエレンの彼女だよ? 彼氏の浮気を見過ごせるわけないじゃん」
アニ「……場所を変えよう」
クリスタ「行かせないよ」
アニ「……確かにこの場で、あんたは邪魔するのに成功した。でもね、私が賭けてるのはここからなんだよ」
クリスタ「何でよ……エレン……行くなエレン!! こんな所で行くな!! 何鈍感ぶってんだよ!! そんなにかっこよく自分に酔いたいのかバカ!! フラグ偏りきってんのに今更ハレーム作れるとでも思ってるのか、このアホが!! 女の子のために生きろよ!! こんな女を選んで行くくらいなら、もうこの場で私をフれ!!!」
マルコ「」キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ
コニー「」キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ
エレン「お、おい落ち着け二人とも、何殺気立ってんだよ」
クリスタ「エレン……私、諦めないよ?」
アニ「腹筋女以外にも壁があったか……まあ、この壁は小さくて、とびきり脆い」
クリスタ「私には……見えている。さっきまでの私の目は曇っていた。でも今の私には見えている! まだ、私には見えている……!」
エレン「え、ちょ、まっ」
アニ「……来な」クイックイッ
クリスタ「正面から行くわけないでしょ? エレンこっち」グイッ
エレン「うおっ」
アニ「! 待て!」
マルコ「は、早いっ!?」
コニー「追うぞマルコ、こっちだ! 見失っちまう!」ダダッ
マルコ「おう!」ダッ
エレン「く、クリスタ、どこに向かってんだよおいっ!?」
クリスタ「舌噛むから黙ってて!」
エレン「は、はい」
アニ「――兵舎に逃げ込む気か。逃がさないよ」
マルコ「なんでこんな追跡ミッションを……軽量二脚じゃだめだ、誰かフロート持って来い!」ダダダ
コニー「マルコしっかりしろ、気をしっかり持て!」ダダダ
ミカサ「気を抜いてはいけない。三人の認識がバラバラな以上、一度話を整理させる必要がある」
マルコ「ああそうだ……!?」
コニー「!?」
ミカサ「急ぎましょう」
マルコ「何で壁走ってんだよミカサ……」
コニー「故郷で聞いたことがある、あれはNINJAだ。やっぱり東洋生まれはすごい。俺はそう思った」
アニ「逃がさない……!」
クリスタ「くっ、さすがに逃げ切れない……けど!」
エレン「お、おいクリスタここどこだよ!?」
クリスタ「食堂裏道、女子寮に向かってる!」
エレン「俺を連れ込む気かよっ!?」
クリスタ(勝負は今……! ここで決める……!)
クリスタ「私は弱い。ここにいる誰よりも弱い。ので、誰かの助けがないと戦えない」
エレン「は、はぁっ……!?」
アニ「! この地点……マズイ!」
クリスタ「私に力を貸して、みんな……」スゥッ
クリスタ「リバースカードオープン! トラップ発動――『ヒーロー見参』!!」
ベルトルト「……呼んだかい?」(☆7 ATK:2800 DEF:2000)
アニ「ヒーローだったのあんた!?」
ライナー「やれやれ、シグナルが見えたから駆けつけてみれば……」
アルミン「良かったねアニ、どこを向いても敵だ、蹴り放題だよ」
ユミル「こちとらクリスタのディフェンスには定評があるんだ、簡単には通さないよ」
アニ「ぐっ、三人同時(アルミンはノーカン)に相手取るのはさすがに無理が……!」
クリスタ「じゃあね、アニ」
アニ「……!」
クリスタ「……エレン?」
エレン「あっちから……やっと来たか」
マルコ「ちょおおおおおおおおおっと待ったあああああああああああ!!!」ダン!
コニー「定刻破ってただいま参上、ってな!」ズパァッ
ミカサ「私のテールランプはもう真っ赤」ジャキン
アニ「ヒーローだったのあんた!?」
ライナー「やれやれ、シグナルが見えたから駆けつけてみれば……」
アルミン「良かったねアニ、どこを向いても敵だ、蹴り放題だよ」
ユミル「こちとらクリスタのディフェンスには定評があるんだ、簡単には通さないよ」
アニ「ぐっ、三人同時(アルミンはノーカン)に相手取るのはさすがに無理が……!」
クリスタ「じゃあね、アニ」
アニ「……!」
クリスタ「……エレン?」
エレン「あっちから……やっと来たか」
マルコ「ちょおおおおおおおおおっと待ったあああああああああああ!!!」ダン!
コニー「定刻破ってただいま参上、ってな!」ズパァッ
ミカサ「私のテールランプはもう真っ赤」ジャキン
エレン(ったく……やっと揃ったな)
マルコ「フーッ……ちょうどいいや、揃ってる」
コニー「先に説明しちまおうぜ、このしっちゃかめっちゃかな状態を」
ライナー「何? どういうことだ?」
マルコ「最初の悲劇はエレンがクリスタに誤ったアプローチを仕掛けたことだった。というかアプローチの趣旨が僕らとエレンでずれていた」
ベルトルト「彼は本当に……クリスタと仲良くなりたかった、アルミンとは違って、そこに一切の下心はなかったんだ」
コニー「何しれっと解説側に混ざってんだテメェ」
ジャン「しかもしれっとアルミンを貶めやがった」
ユミル「アルミンお前……」
アルミン「違う! 冤罪だ、あそこのでくのぼうが何か申し上げてるだけだ!!」
ベルトルト「…………」フーッ
コニー「うわ、出たよ芋ドヤ顔」
アルミン「うああああああああああああああああああああああああああ!!」
マルコ「ごほん。そしてクリスタにエレンは言った、愛してるって。でも僕らは知っているよね? エレンの愛してると、普通の愛してるは違うって」
エレン(…………)
アニ「一応言っとくよ、あんたを愛してるって言ったのは、ただ……ペットみたく、愛玩したかっただけなんだ」
クリスタ「……ッ」
アニ「だから、こいつの言葉の定義について、あんたたちが正しい知識を与える前に、勝負を決める必要があった」
マルコ「うん、だからもう、僕らの勝ちだ」
コニー「それを自分で言うってことは、アニはもう諦めた、ってことでいいよな……?」
アニ「あの小屋で見つかった時点で、賭けには負けてたからね」
クリスタ「…………私は、私にとっての勝ちは、アニとエレンを引き離すことだった」
ベルトルト「蹴り=愛情表現であると刷り込んだ君は、エレンに対して愛情を目いっぱいぶちまけた」
エレン「え、蹴りって愛してるって意味じゃなかったのか!?」
ジャン「ちょっと黙れお前」
ミカサ「エレン、あなたの言語力はとても残念だ、ので、あなたは静かにしておいたほうがいい」
エレン「お、おう?」
ベルトルト「……エレン、蹴りは愛情表現なんかじゃない、あの本がおかしいんだ」
エレン「!」
クリスタ「でもアニ……あなたなら、言葉で伝えられるはずでしょ? どうしてこんな回りくどいことを?」
アニ「……言いたく、ない」
ベルトルト「…………」
ライナー「…………」
クリスタ「そっか、そっか。じゃあ私の勝ちだね」
エレン「や、なあオイ、俺を抜きにして話進めすぎじゃないか?」
マルコ「エレン……けど、この話は、正直君がかかわるべきじゃないって言うか」
ベルトルト「待ってくれマルコ。僕は……いや、僕らは何か、大きな思い違いをしていたのかもしれない!」キュピーン
コニー「何キャラだよお前」
エレン「ベルトルトの言うとおりだ」
ベルトルト「……」チラッ
エレン「別に俺はそこまでバカじゃねえよ」
マルコ「……どういう……ことだ……?」
エレン「愛してるの意味ぐらい、きちんと学んでんよ」ババーン
一同『!!?』
クリスタ「え……え?」
エレン「だから、まあ、この間勉強したんだよ。なあ」
ベルトルト「魂にその銘の意味を刻み込んであげたよ」キリッ
クリスタ「待って、ちょっと待って、その、」
エレン「今度はちゃんと言う。クリスタ、その……」
エレン「俺のペットになってくれ」
アルミン「ファッ!?」
ジャン「おっ、おかしいだろ!? 今のは普通愛してるって言うとこだろ!?」
エレン「うっせーな! 自分に嘘はつけねーよ!」
アニ「」ブクブク
ユミル「」ブクブク
ライナー「」ブクブク
コニー「あ、泡吹いてんぞあの三人」
マルコ「エレェーン! 訂正しろ今すぐ! 早くしろっ!! 間に合わなくなっても知らんぞーーーーっ!!」
クリスタ「え、ぁ、ぅ」
エレン「俺はクリスタの頭をなでたい、手を引っ張って散歩したい、膝枕してもらいたい、並んで弁当食いたい」
クリスタ「は、はひっ」
エレン「それは……俺のペットになってほしいってことなんだって、分かったんだ」
クリスタ「あ、えと、その」
エレン「なあ」ギュッ
クリスタ「!!」
マルコ(クリスタの両手を握ったァーッ!?)
コニー(うわ、あそこだけ乙女チック火花バチバチ中だ)
エレン「俺に、飼われてくれ」
クリスタ「……………………はぃ」
コニー「あbbbbbbb」キリキリキリ
マルコ「だめだコニー、考えるのが怖いからといって思考を放棄しちゃいけない」
マルコ「本当の地獄はここからだ……」キリキリキリ
アニ「」
エレン「あ、アニ!」
アニ「え、ああ」
アニ「……ハハッ、そうか。あんたは選んだ、ちゃんと選んだんだ。偉いよ、うん」
エレン「俺はお前を――愛している」
アニ「」
マルコ「ファアアアアアアアアアアアアアアアアック!!」
コニー「あ、これあかんやつや」
アニ「は、は、は?」
クリスタ「え、え、え?」
エレン「クリスタっ。ペットなんだから、俺がいいって言うまで喋っちゃだめだろ?」
クリスタ「あ、はい」
アニ(処理能力が限界。もう何言ってんのこいつ)
ベルトルト「…………」
ライナー「お前の差し金か? これは」
ベルトルト「……僕はただ、エレンに少しばかり教養を授けただけさ」
ライナー「いや、教養って言わないだろこれ」
ベルトルト「こう見えて結構仲間思いなんだ、僕」
ライナー「どこが!?」
クリスタ「」ブッスー
エレン「んあ? なんつー表情してんだお前」
クリスタ「結局エレンは、選ばないってことでしょ?」
エレン「おう! 俺、女の子といちゃいちゃしたいだけだしな!」
クリスタ「……だってよ、アニ」
アニ「けれど、でも私は」
クリスタ「そんなに深く悩む必要なんてないんじゃない? エレンだってあんまり深く考えてないだろうし、私も、とりあえずエレンの傍にいれたらいいかなと思ってるだけだし」
アニ「……」
クリスタ「アニが何を抱えているのかは知らないけど、たぶんエレンは、その荷物ごと支えてくれるから」
マルコ(無条件エレンage……)
アニ「…………」
エレン「んだよ、人の顔ジロジロみて」
アニ「……」ポスッ
エレン「……」ギュッ
クリスタ「ずるいずるい! アニ離れて! 私も、エレン私も!」
コニー「おい、本当にペットみたいになってるぞあいつ」
マルコ「まるで小型犬だね」
ジャン「……ッテメェェェェェェ!! ミカサだけじゃなく二人キープだとォ!?」
アルミン「コロシテヤル……」
ライナー「やれやれ。バッドエンドに染め上げてやるとするか」
ユミル「やっと見せてやれるよ……120%の私を……」
オオオオオオオオオオオオオオ
コニー「おい、あっちの四人からすげえオーラが出てんだけど」
ベルトルト「君には分かるまい、四人の体を通じて出ている力が」
マルコ「勝手に四人の体にバイオセンサーを埋め込まないでくれ。とにかく、エレンが危ない……!」バッ
エレン「クリスタ、クリスタはかわいいなぁ」ナデナデ
クリスタ「~~♪」
アニ「ホントに気持ちよさそうだね……ペットというか、子供みたい」
エレン「? 俺とお前のか?」
アニ「………………バッッカじゃないの」プイッ
マルコ「あ、もうこのままでいいや」
四人『……行くぞ!!』
エレン「んあ?」
マルコ「危ない、避けろエレンッ」
ベルトルト「いや不必要だ。そろそろ、来る」
コツ…コツ…コツ…
マルコ「!?」
ライナー「こ、この足音は!?」
コツ…コツ
キース「今しがた、鬨の声が上がっているのが兵舎中に聞こえていたが……いったい今から何の訓練を始めるのだ?」ドドドドド
二日連続の寝落ち……すまぬ……すまぬ
今度こそ完結させる(フラグ)
マルコ(この這い寄る混沌コトコト煮込み状態に教官だと!?)
コニー(うまそうな名前だなオイ)
ミカサ「私が呼んだ」
コニー「おまっ……バカな俺でもわかるぞ、絶対に解決にならん」
ミカサ「ああいった性衝動的問題は私たちの手に負えない。大人の力を借りるべきだと判断した」
マルコ「ぐう正」
コニー「マルコしっかりしろ! さっきからなんかお前ヤバいぞ!?」
マルコ(この這い寄る混沌コトコト煮込み状態に教官だと!?)
コニー(うまそうな名前だなオイ)
ミカサ「私が呼んだ」
コニー「おまっ……バカな俺でもわかるぞ、絶対に解決にならん」
ミカサ「ああいった性衝動的問題は私たちの手に負えない。大人の力を借りるべきだと判断した」
マルコ「ぐう正」
コニー「マルコしっかりしろ! さっきからなんかお前ヤバいぞ!?」
キース(いや……分からんな、連れてこられたはいいが、何か問題が起きているのか?)
キース(ん、イェーガーにレオンハートにレンズ? 珍しい組み合わせだが、かなり近いな)
キース(パーソナルスペースを互いに侵食、いや、中和しているのか……)
キース(対照的に、この三人を周囲の距離は離れている。まるで台風の目だ)
キース「貴様がこの騒動の原因か、イェーガー」
エレン「…………」
マルコ(一発で見抜いた!?)
コニー(すまん、こんなの誰でもわかるわ)
エレン「騒動、で……ありますか?」スッ
キース「ああ」スッ
コニー「え? なんであの二人、お互いに距離を測りだしてんだ?」
ベルトルト「エレンの身にまとうオーラが違う。今日の彼は、一皮向けてるよ」ジュルリ
マルコ(今の舌なめずりは見なかったことにしよう)
コニー「今なんで舌なめずりしたんだ? 三流のすることだぞ?」
マルコ「迂闊だコニー!」
ベルトルト「♂知りたいのかいコニー?♂」
キース(バカな……イェーガーは典型的な似非リア充、所謂深く狭い交友関係の持ち主だという分析だったはずだ)
キース(輪の中にレオンハートとレンズを取り込んだということか?)
キース「そうか、自覚があるのは大変良いことだな」
エレン「それで、どうかされたのですか?」
キース「いやなに……貴様は……ん?」
キース(こいつ、なんでレンズの頭に手を置いたまま私と話をしているんだ?)
キース「いや、分からんな……なぜ貴様は今、レンズ訓練兵の頭をなでている?」
エレン「ハッ、クリスタが可愛いのはまさにこの刹那であり、この可愛らしさは次の刹那には変わっているので、今しかないと思い、なでております」
クリスタ「????」
アニ「????」
マルコ(刹那の生滅の繰り返しか、なんでここで仏教の論理を……)
コニー(自我が無数だってのを入れるとウパニシャッドになるな……)
マルコ(????)
キース「貴様の無常観はどうでもいい。そうした行動が集団の規律や団結を乱すということも……」
エレン「しかし教官。こいつは集団の一員ではなく、俺のペットです。それで集団の行動が乱れるとは思えないのですが」
キース「……!?」
マルコ(言ったあああああああああああああああああああああ)
コニー(あー腹減ってきちゃったなー早くメシ食いたいなー)キリキリキリ
キース「いや……分からんな。なぜレンズ訓練兵が貴様のペットになっている……?」
エレン「……? それは、なぜクリスタは天使なのかという質問でしょうか?」
キース(なんだ、このブラウス訓練兵と問答しているかのような感覚は)
クリスタ「え、エレン、その……さすがにそんな公に言うのは、恥ずかしいかな……」モジモジ
エレン「ん? なんで飼い主に反論してるんだ? クリスタはペットだろ?」
アニ(うわぁ)
エレン(キース教官が何を疑問に思っているのか分からない……とにかくハッキリさせてやるか)
ベルトルト(エレンッ、言うんだな、今ここで!)
エレン(ああッ、勝負は今! ここで決める!)
キース(こいつら直接脳内で……!)
エレン「こいつが俺のペットで、俺は飼い主だ」
エレン「んでこいつはアニ、俺の彼女」
クリスタ「……わ、わんっ」
アニ「にゃ、にゃー」
マルコ「アニはペットじゃねえだろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」
キース「なるほどな」
コニー「おい教官が寛大っぽい態度示してんぞ!」
キース「一つ問うがイェーガー……貴様のそれは、愛情か? 独占欲か?」
エレン「どちらもです」キリッ
コニー「歪みねえなあいつ」
マルコ「……コニー、逃げるぞ」
コニー「へ?」
ライナーユミルアルミンジャン「「「「…………」」」」
コニー「うわぁ……巻き込まれちまいそうだな」
マルコ「いいか、今日俺たちは何も見なかった……そうだな?」
コニー「合点承知」
ナラバイェーガー、ソノフタリヲマモリトオシテミセロ
ハッ
ミトメルワケネエダロオオオオ
ケンコンシヨオオオオ
ウワッナンダオマエラ
ドガバキドゴメメタァ
ミカサ(これで家族がいっぱい増える……)フフッ
マルコ(翌朝になって、四人とエレンは結構あざだらけの状態で朝食をとっていた)
マルコ(ベルトルトが言うには、キース教官がエレンの援護をしたおかげか、四対二でエレンが勝ってしまったらしい)
マルコ(まあベルトルトが食堂に残っていた理由はエレンの潜在的サディステックオーラから、いけてるリリックを思いついたかららしいけどさ)
マルコ(何なの? ベルトルトはラッパーにでもなりたいの? 僕ギターで伴奏するよ?)
コニー「じゃあ俺はドラムする!」
ジャン「キーボードで」
マルコ「思考に混ざってくんな」
エレン「俺はベースかな」
マルコ「お前はもっと混ざってくんな!」
ベルトルト「おはようエレン。昨晩はお楽しみだったね」
ライナー「あれ? なんかこいつ機嫌悪い?」
アニ「あんたの巻き添えで予想外の肘をもらってたから」
エレン「あれは痛そうだったわ」
クリスタ「…………」ウズウズ
エレン「クリスタ」
クリスタ「!」
エレン「待て」
クリスタ「」シュン
アニ「意地悪してやんないでよ」
エレン「いや、可愛いもんは苛めたくなるだろ」
アニ「クリスタ、もういいよ」
クリスタ「うんっ!」
エレン「ほらパン食えパン」
マルコ(あの三人組は、常に一緒というわけではないけれど、よく行動するようになった)
マルコ(僕から言わせてもらえば、なんかもう家族だよあれ。クリスタは娘。あとの二人は……分かるな?)
コニー(わかるわ)
キース(わかるわ)
ミカサ「分からない」
マルコ「オッフ」
ミカサ「確かに家族が増えるのはうれしい。アルミンは最近金髪を見るたびにのどを掻き毟ってるけど、さすがにその座まで譲った覚えはない」
マルコ「アルミンそんなことしてたのか」
コニー「鏡見るたびに悶絶確定だな」
ミカサ「エレン! 私もクリスタを愛でたい!」
エレン「え? やだよ」
アニ「だってあんた動物虐待を自覚なしにしそうだし」
ミカサ「」ガビーン
コニー「まずクリスタは動物じゃないってとこから気づこうぜ」キリキリキリ
マルコ「人権侵害者多すぎだろ」キリキリキリ
ミカサ「私も負けない! クリスタに認めさせてみせる!」
エレン「えぇー……」
アニ「ほらクリスタ、ちゃんと食べな。行軍演習でもたないよ」
クリスタ「はいはい。あ、エレン口元にパンくずが」ヒョイパク
アニ「……!」
マルコ「絵的になんだろう、父親ガチ狙いのファザコン?」
コニー「いやブラコン……分からんな」
キース「私も分からんな……朝食の時間はもう過ぎているはずだが、いつまでこうしているのか」
104期生『』
キース「全員走れえええええええええええ!!」
コニー「ああもう巻き添えだクッソ!」ハーハー
マルコ「行軍とは別枠でこんなのやらされたら死ぬに決まってんだろ!!」ゼェゼェ
クリスタ「あ、あのさっ、エレンッ」ハッハッ
エレン「んあ?」
クリスタ「私、ペットに留まるつもりなんてないから」チラッ
アニ「…………」
エレン「……あんま無理すんなよ」
クリスタ「もう、だから私は!」
エレン「俺はお前のこと心配してんだよ、バカやろ……」フイッ
クリスタ「! ふふっ」
アニ「……やれやれ、さっさと行くよ!」
クリスタ「うんっ!」
エレン「おう!」
エレン「女の子といちゃいちゃしたがったら、できた」
~終わり~
このSSまとめへのコメント
面白かったです!
クリスタ遊戯王やってんのかwww
サシャの活躍がない~(T-T)