姫「とりあえず、新世界でも創りますか?」(669)
魔王が書きたかっただけなのに、あまりかけないままついに3部作となりました。
読んでくれる人いたらありがとうございます。
妄想・爆走・命掛けです。投下スピード遅いのは勘弁してください。
当SSは
魔王「姫・・・おまえを愛している。どんな絶望があろうと、俺と共にあれ」【長編】
魔王「姫を愛している。俺と共にあれ」 - SSまとめ速報
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と
騎士王「『魔王、ずっとずっと、だいすきだよ!』」【長編・続編】
騎士王「『魔王、ずっとずっと、だいすきだよ!』」 - SSまとめ速報
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の続編になります。
今まで、書き溜めを一気投下してたのですが、今回は順次投下で・・・。
不手際などあるかもしれませんが、宜しくお願いします。
↓からはじめます。
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【オリジナル】姫「とりあえず、新世界でも創りますか?」【長編・続編】
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<王国 白薔薇の庭園>
姫「とおりゃんせ、とおりゃんせ・・・♪」シャワワ・・・
騎士王「・・・花に水をやってるにしては、へんな歌を歌うなー?」
姫「あ// 歌ってました? 私・・・」
騎士王「つか、朝から歌ってるよね?どうした?」
姫「なんだか、寝ておきたらず~~~~~っと頭の中でリフレインしてるんですよ~」ハァ
騎士王「あるあるってやつだね」アハハ
姫「恥ずかしいので、また歌ってたら止めてくださいね?」
騎士王「おう!」
姫「さっ、続きのお花のお世話を・・・と・・・」ゴト
姫「とーりゃんせ とーりゃんせー♪ こーこはどーこの細道じゃー・・・♪」シャワワワワ
騎士王「・・・だいじょぶなのか、ありゃ・・・」ハァ
騎士王「・・・それにしても・・・なんか、よく聞いてみると・・・気持ち悪い歌だな・・・?」
~~~
♪通りゃんせ 通りゃんせ・・・
ここは何処の 細道じゃ・・・?
天神様の 細道じゃ・・・御用の無い者 通しゃせぬ・・・
この子の七つのお祝いに お札を納めに参ります・・・
行きは良い良い 帰りは怖い・・・
怖いながらも 通りゃんせ・・・ 通りゃんせ・・・♪
~~~
騎士王「・・・」ブルッ
騎士王「・・・なんか・・・風邪でもひいたかな・・・?」
騎士王「・・・? なんだ・・・変な気配が・・・」
シュパアアアアアアア!
騎士王「何者だ!」チャキ
姫「ひゃ?!」ビク
キラキラ・・・
女神「っ、と・・・よかった、間に合った!」
騎士王「・・・・あ、え? 女神?」ビックリ
姫「あ・・・お久しぶりです、ど どうしたんですか 急に・・・っていうか今まで一体・・・」
騎士王「ああ、そ、そうだよ! お前魔王んとこ行ったのか!? 超キレてんぞ!」
女神「正直、それもだけど・・・それ以上に大変なことになった。本っ当にごめんー!」フカブカ
姫「・・・え、いや、なんていうか・・・女神様に謝罪されるって・・・すごい不吉なんですが・・・」オドオド
女神「いや、吉兆っちゃー吉兆なんだけど、オススメはしない、つか全力で逃げてほしいレベル!」ガシ
騎士王「ちょ、まてまて。なんだ逃げるって。説明しろよ?」
姫「魔王城の破滅に巻き込まれるより、もっとヒドイことなんてそうそう無いですよ?」
女神「いや、ある・・・かな?」テヘ♪
姫「き、聞きたくない・・・」
女神「とにかく!今すぐ!逃げて!!」グイグイ
姫「に、逃げるってどこにですかぁ!!」
女神「あああああ!早く!土葬されるか天に召されるかしてでも逃げろ!!」
姫「暗に今すぐ死ねっていってますよね、それえ!?」
騎士王「ちょ、待てって、どっか連れてくなら俺の移動魔法つかうから・・・、・・・・!?」ゾクリ
騎士王「!?」バッ
騎士王「・・・なんだ・・・また、妙な気配が・・・濃く・・・」
女神「ああ・・・間に合わなかったかー・・・間に合うわけも無いけどさー・・・」ガックリ
姫「な、なんですか・・?」
女神「あああー。あいつがくるよーー」ウアア
パァァァァァ・・!
シュ・・・・ トンッ
??「・・・」ニッコリ
姫「え? あ、あれ?っていうか・・・」
騎士王「・・・あ? なんだ・・・『あいつ』って・・・」
騎士王・姫「「・・・魔王(様)・・・?」」
??「・・・くす」ニッコリ
姫「え? あの。ま、魔王様、今日はどうかなさいましたか?」
??「うん? 僕に言ってるのかな・・・可愛いね、君」クスクス
姫「え、あ// な、どうしたんですか、なんか今日はその・・・う、うぅ//」
??「何?・・・もしかして、喋れないほど僕に見蕩れちゃったの?」ニッコリ
姫「あ、あうぅ// ど、どうしましょう// なんかイロイロとアウトなんですけど・・・ごめんなさいメイドさん・・・//」
騎士王「姫ちゃん勘弁してよ! って、おい、魔王も何やってんだ。ほんとに・・・熱でもあるのか・・・?」
??「くすくす」
騎士王「・・・? いや、っていうか・・・おまえ・・・」
騎士王「・・・おい、女神。なんなんだ、この魔王モドキは・・・」
女神「・・・コレが、天神だよ。油断するなよー?・・・まぁ、何しても無駄だろうけど・・・」ハァ
騎士王「は? 天神、だって? あの、魔王が必死に探してる、天神様ってやつ?」
女神「そーだよ。ハァ・・・見つけたくも会いたくもなかったけど探してたその天神だよ・・・」ガックリ
姫「か、神様でしたか。すみません、あまりにも魔王様によく似ていらっしゃったのでっ//」
女神「あー。姫ちゃん、敬語とかいらないよー。つか間違っても崇拝しちゃダメなやつなんだよーコレは」
??改め天神「ひどいなぁ、女神・・・僕のこと、何だと思ってるの?」クスクス
女神「何とも思いたくねーよ!っつか、ほんとにこんなとこまでくるとかありえないっしょー!?」
天神「だって、君が報告したんでしょう? 僕のせいにされても、ねぇ? どうおもう、君?」
姫「ひゃ?! わ、私ですか・・・?」
天神「うん♪ 君のこと、だよ?」フリフリ
姫「う・・・ど、どうしましょう// 魔王様と同じ顔なのに、表情が違うだけでとっても爽やかイケメンです!//」
騎士王「え、ええ? 顔は確かにほぼ同じだけど、中身とか全体的に真逆でキモいだけだよ!ってか神だよ!!」
姫「い、いえ、正直ヤバイです// ちょっとこう、フラっとなるくらいの美形ですよ・・・//」カー
騎士王「だから顔は魔王と同じだよ!? ていうかやっぱりほんとは魔王の事すきなの!?嫁になる気なの!? ていうか俺の前でソレ言うとか、いろいろと俺泣くよ!?」
姫「えっ、いえ!!それは誤解ですよぉ!!」オロオロ
天神「くすくす。ああ、ほんと可愛いね。君でしょう? 女神の・・・見習いの子から、神気で幸運を授かったのは」
姫「見習い・・・あ、メイドさんのこと・・・?// は、はい。そうです、私が授かりました//」
天神「うん、素直だし、丁寧で従順だ。いいね。僕、割と気に入ったよ」ナデナデ
姫「ひゃ・・・!//」カー
天神「うんうん。反応も上々だね? お嫁さんは、やっぱりそうじゃなきゃね」ニッコリ
騎士王「は? お嫁さん?」
姫「え? え? それはどういう・・・?」
女神「・・・ちょ、天神ってば。マジでやるの?」
天神「うん、もらってくね?」ニッコリ
パチン
シュパアアアアア・・・
姫「っあ」 ガクン
・・・バタン
騎士王「! 姫ちゃん!?」
天神「・・・・・あれ? 何、この子。転送しようとしたら、魂抜けたんだけど、どうしたの?」
女神「あー・・・姫ちゃん、こないだまで魔王の禁忌でマモノの身体に魂いれてたらしいから・・・馴染みきってないのかも」
天神「何それ? 困るなぁ・・・魔王ってば、面倒なことしてくれるよ。自分で連れてかなきゃいけないのかー」
騎士王「お、おい!おまえ、姫ちゃんに何するつもりだ!?」
天神「? 君は誰?」
騎士王「さっきからいるだろ!!その子の婚約者だよ!あぁ、あと一応勇者だ!」
天神「勇者?」キョトン
天神「・・・君が? 何処が?」
騎士王「何処とかいうな!!」イラ
天神「? まぁ、いいや。とりあえず魂を身体に戻して・・・っと」スッ・・・
姫「・・・・・」クタリ
天神「あらら・・・眠り姫になっちゃった?くすくす、かわいいなぁもう」チュ
騎士王「! ってめ・・・何勝手に手を出してんだ!」
天神「あー、大丈夫大丈夫。別に傷つけたりしないから」ニッコリ
天神「身体は大事だもんね? ・・・僕の赤ちゃんを、宿してるわけだし」
騎士王「・・・・・・・は?」
女神「」アチャー
天神「気がつかなかったの? だめ勇者クンなんだね、君・・・よいしょっと」ダッコ
天神「この子は、僕の神気をたっぷり入れて、それで子を望んでくれた」
天神「僕の子を宿したんだから・・・僕のお嫁さんでしょう?」ニッコリ
騎士王「・・・は? いや、いやいやいやいや・・・って、おい、女神・・・」
女神「・・・てへ?」
騎士王「テヘじゃねーよ! なんかいってやれよコイツに!」
天神「女神の言葉なんかいらないよ?」
天神「じゃぁ、この子・・・眠り姫ちゃんはもらってくから。 さよなら、勇者クン」バイバイ
騎士王「は!? え、だめにきまっ」ダッ
パァァァァァァ・・・ シュッ・・・
騎士王「・・・・・・・・・あ」
女神「…あぁ」ガックリ
騎士王「消えた・・・ おい、消えたぞ、女神」プルプルプルプル・・・
女神「き、消えたねぇ・・・」トオイメー
騎士王「おい!!どーなってんだクソ駄女神!!!」
女神「ひどいよ!?暴言だよ女神に向かって!!あいつのする事なんか知らないよ!」
騎士王「くっそ、魔王の顔して、爽やかに笑いやがって・・・似すぎだろクソボケ!!」
女神「割とそこはどうでもいいよね!?大丈夫!?」
騎士王「あの馬鹿、なんとなく油断しちまったじゃねぇか!!ヘラヘラしやがって・・・」
女神「ちょ、あんなんでも神なんですけど」
騎士王「とりあえず魔王にチクってやる!!」
女神(小学生か!!)
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
--------------
今日はココまでにしておきます。
眠くて意識が落ちて気がつくと文章がグダグダになっているのです
やったはいいけどイケメンさわやか魔王風味ってのは無しだよなー
あれ、おれなに言ってるんだろう
次回は明日・明後日のうちに投下します。
宜しくお願いします。
深夜の住人にエロ嫌いな奴は居ないだろ
そんな俺もエロ大好物
魔王とメイド姫ちゃんの超絶濃厚セックスが見たいです
寝付けなくて酒飲んでた。
>>15 やりたいなーそれ 勢いだけでいまこのままかこうかな
酔っ払ってるからグダグダになりそうだけど 最近ここに書くのが一番の発散になってる
↓から軽くやる。※本編追うときはトリついてるとこまでとばしてください
<時を遡って魔王城 執務室>
カリカリ・・・カリカリ・・・ カリ、
魔王「・・・・・・・・」ハァ
魔王「・・・・姫」
メイド姫「はい、魔王様。どうかなさいましたか?」
魔王「こちらへこい。今すぐに」
メイド姫「・・・お茶の支度中ですが、よろしいでしょうか」
魔王「かまわない」
メイド姫「?」テクテク・・・
魔王「・・・・」ソッ・・・
バチン!
メイド姫「・・・魔王様・・・今朝も試したばかりですよ?」
魔王「何故、触れられない」
メイド姫「神気のせいですね・・・」
魔王「・・・・・」イライラ
メイド姫「・・・・(かれこれ半年が立ちますし・・・さすがに焦りも隠せないご様子です)」
魔王「・・・」ピタ
メイド姫「・・・? あの、魔お
魔王「脱げ」
メイド姫「・・・え、あ、ええと・・・全て、でしょうか・・・//」
魔王「・・・・あ、いや。すまない、気にするな。少しどうかしていた。作業に戻ってよい」
メイド姫「・・・」
魔王「・・・」ハァ
メイド姫「・・・」スルッ・・・
パサ・・・
魔王「! おい、何を・・・」
メイド姫「・・・私を、気遣ってお止めになったのでしょう・・・私でしたら構いません」シュルシュル・・・
パサ、パサ・・・
魔王「っ。待て、やめろ。そうじゃない」
メイド姫「・・・・」ピタ
魔王「・・・ああ。そんなに着衣を解いてしまって・・・俺は別に・・・」
魔王「べつ、に・・・・」
魔王「・・・・」
メイド姫「・・・っ// あ、その・・・申し訳、ありません・・・余計な、こと・・・を、しましたか・・・?」←すごく乱れた格好で静止してる
魔王(触れないのにこんな据え膳って地獄としか思えない)
メイド姫「・・・あの、申し訳ありません・・・私、何かして差し上げたいと思ったのですが・・・余計なお目汚しをしてしまいました・・・」
魔王「いや、俺がおかしかったんだ。お前に非はない」
メイド姫「・・・ありがとうございます・・・」ウルウル
魔王(その格好で、目を潤ませて、見上げてくるとかもう本当に耐えられそうに無い)
魔王「はぁ・・・おまえの神気、消えるまで瘴気を流し込み続けたら・・・払えるだろうか」
メイド姫「・・・魔王様?」
魔王「・・・我ながら乱暴なやり方だな。嫌か?」
メイド姫「・・・いいえ。魔王様の、お望みをかなえられないのは・・・私も辛いですから・・・」
魔王「・・・お前、これが嫌いだろう」パチン
モワモワモワ・・・
メイド姫「っ・・・」ビク
魔王「・・・耐えずとも、良い。見せただけだ。お前を怖がらせるのは本意ではない」
魔王「それに・・・あの馬鹿女神さえ戻れば済む話だ・・・、? おい?」
メイド姫「・・・ぁ// っあ、その・・・申し訳、ありません・・・// その、塊の瘴気を見ると・・・//」モジ・・・
魔王「ああ。すまない、すぐに消そう」スッ・・・
モワン・・・
メイド姫「・・・ぁ」
魔王「はぁ・・・。自分のしたこととはいえ、お前に以前これを使って恐怖を与えてしまったのは失敗だったな」
メイド姫「ぁぅ・・・// その、怖い・・わけでは・・・ど、どちらかというと・・・//」
魔王「? ああ、良い。身を震わすほど怯えるお前に、慰めをもらうほどは落ちぶれていないさ」
メイド姫(ど、どうしたら 恐怖心故の反応ではないとわかってもらえるのでしょう// 顕著すぎる自分の反応が恥ずかしいです・・・//)
魔王「・・・ふむ。塊・・・塊、か。では、これならばどうだ?」パチン
フワ・・・ モワ・・・
メイド姫「・・・霧、ですか?」
魔王「・・・耐えずとも、良い。見せただけだ。お前を怖がらせるのは本意ではない」
魔王「それに・・・あの馬鹿女神さえ戻れば済む話だ・・・、? おい?」
メイド姫「・・・ぁ// っあ、その・・・申し訳、ありません・・・// その、塊の瘴気を見ると・・・//」モジ・・・
魔王「ああ。すまない、すぐに消そう」スッ・・・
モワン・・・
メイド姫「・・・ぁ」
魔王「はぁ・・・。自分のしたこととはいえ、お前に以前これを使って恐怖を与えてしまったのは失敗だったな」
メイド姫「ぁぅ・・・// その、怖い・・わけでは・・・ど、どちらかというと・・・//」
魔王「? ああ、良い。身を震わすほど怯えるお前に、慰めをもらうほどは落ちぶれていないさ」
メイド姫(ど、どうしたら 恐怖心故の反応ではないとわかってもらえるのでしょう// 顕著すぎる自分の反応が恥ずかしいです・・・//)
魔王「・・・ふむ。塊・・・塊、か。では、これならばどうだ?」パチン
フワ・・・ モワ・・・
メイド姫「・・・霧、ですか?」
魔王「瘴気の森にもあるような、薄い濃度の霧だ。・・・これも恐ろしく思うか?」
メイド姫「いえ・・・赤紫に霞んで、美しく思います」・・・スッ
モサ・・・ フワ・・・
魔王「!」
メイド姫「あ・・・今、触れ、られた?」
魔王「・・・そうか。本能的に瘴気を払う、とはいっていたが。つまり瘴気として特に意識すらしない程度ならば、特に払うことも無いのか・・・?」
メイド姫「・・・では・・・?」
魔王「・・・薄く伸ばした瘴気を、出してみよう。おまえはそれを取り込め・・・払うまでもなく、体内にはいってしまえば神気を弾けるかもしれない」
メイド姫「・・・取り込む、とは・・・飲めばよろしいでしょうか?」
魔王「吸おうと飲もうと構わない。試してくれるか?」
メイド姫「はい。もちろんです」
フワ・・・ モワモワ・・・
メイド姫「・・・ん、んぅ・・・」コク・・・コク、ン
魔王「・・・・(あれ)」モワモワ・・・
メイド姫「んっ、ふ・・ぅ、んっ」コクン・・・コクン・・・
魔王「・・・(指先から瘴気だすんじゃなかった・・・何だこの状況・・・)」モワモワ・・・
メイド姫「・・・ふ、ぅ、ん・・ぁ、んっ」コックン
魔王「・・・(着衣を乱した姫を・・・跪かせて・・・飲ませて・・・しかもなにやら・・・)」モワモワ・・・
メイド姫「ん・・・ぁぅ、ま、おー・・・さまぁ・・・、ぁ、ん・・・っ//」コクッ・・・コクッ・・・
魔王「(・・・ゆっくりじわじわと体内に溜まった瘴気が、強力な催淫効果を・・・)」ゴクリ モワモワ・・・
メイド姫「んっ・・・も、だめぇ・・・・ のめ、な・・・、んっ・・・ぅ、あ、んんっ//」プハッ
魔王「~~~~っ」ムラムラムラムラムラ
魔王「姫・・・っ」ギュッ
バチバチバチバチバチバチバチ!!! バチン!
魔王「」ビリビリ
メイド姫「・・・? 私、今・・・何を・・・? 何か・・・一気に瘴気が払われて・・・?」スッキリ
魔王「(本当にこのまま溜めてたら、次はいろいろ破滅するくらい出しかねない)」orz
なにやってんだおれ。もう朝なのにもう一本ビール空けてたよ
しかも魔王がメイド姫に触れないタイミングで書いてしまったもんだから
結局は魔王も俺も欲求不満のまま・・・orz←いろんな意味で前屈み
ほんと寝ます 次からはちゃんと本編に集中します。
魔王の魔王だから魔王レベルで禍々しい訳ではなくむしろどんな相手をも虜にする柔軟性と硬さを持つ魔剣
休憩中にみたらすごい楽しそうなことになってたw
今夜投下予定だけど仕事終わんねえorz
順次投下のがいろいろ聞きながらアイデアいれられて楽しいな
でも遅筆なんだ…
〉〉28
すごく…いいです//
ってヤバいwwww なんかたぎるww
〉〉30
魔王の禁欲の辛さが体感出来たようでなによりですwww
あれ いつもと違う端末つかったら>全角になった…
>>22連投ミスしてますねすみません
あれ いつもと違う端末つかったら>全角になった…
>>22連投ミスしてますねすみません
pad嫌い…俺泣く
投下を再開します。
昨夜からなんかいろいろと途中にはさんですみませんでした。
一応本編に沿うようには気をつけましたが、不要の番外編ですね。
反省はしますが後悔はしていません。ごめんなさい。
でも今回は順次投下なので、いろいろ試していきたい気がします。
クレーム受け付けます。
改めて↓から再開します。
<魔王城玉座>
バターン!!
騎士王「おい!!魔王!!」
魔王「なんだ側近、今すぐ消えてくれ。というか消してやる」モヤモヤイライラ
騎士王「最近俺の扱い全体的にひどいんだよコンチクショウ!!」
メイド姫「も、申し訳ありません騎士王様。ただ今魔王様は機嫌があまりよろしくなくて・・・」
騎士王「・・・なんかあったの?」
メイド姫「・・・// いえ、いつもどおりといえば、いつもどおりなんですが・・・//」
騎士王「・・・(何があったんだろう)」
騎士王「って! そんな場合じゃねえんだよ!!魔王っ大変なんだ!」
・・・・・・・・・・・・・
魔王「・・・天神が、現れただと?」
騎士王「そうなんだよ!あいつ、姫ちゃん連れて消えやがったんだ!!」
魔王「何故、ここにつれてこなかったんだ!?後始末させなきゃならんのに!」イライラ
騎士王「そんなヒマあったら姫ちゃん取りかえしてたっつーの!っつかほんとどーした、おちつけよ!」
魔王「既にあれから半年以上だ!いまだに姫に触れられないのだぞ!?」
騎士王「・・・え、まじで?」
魔王「指一本でも弾かれる」イラ
メイド姫「・・・薄い瘴気だけであれば、一応触れることはできたのですが・・・結局は払われて霧散するのです・・・//」
騎士王「うわぁ・・・俺以上の禁欲生活に耐えてたとか・・・同情を通り越して憐れみそう・・・」
魔王「ふん、お前の場合は姿を見ることも叶わなくなったみたいだがな」イライラ
騎士王「うああああああああああ!もはや禁欲ですらねええええええ!!」
メイド姫「・・・というかお二方とも、私たちをそういう目”のみ”で見るのをお止めくださいませ・・・//」
女神「こいつら実は、魔王と勇者じゃなくてタダの猿なんじゃね・・・?」
魔王「!女神!貴様、いままでどこにいた!?」
女神「最初から騎士王くんについてきてたよ!?」ガーン
魔王「そうじゃない!この半年間だ!!何を遊んでいた!!どれだけ待たせるつもりだ!」
女神「ひ、ひどい。ちゃんとまじめに天神さがしてたのにー!!」うっうっう
騎士王「!おまえ、それで天神の居場所を見つけたのか?知ってるのか!?」
女神「あー・・・いやぁ、それが、さぁ・・・」ポリポリ
・・・
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
<女神の回想 遠い山のはるか上空>
女神「ハァ・・・天神、天神ねぇ・・・?」フヨフヨ・・・
女神「あー、あいつ探さなきゃいけないとか・・・ほんと嫌だよ・・・」ハァ・・・
女神「でもなー・・・世界とか破滅させられたら、今度は呼び出しだしなぁ・・・」
天神「なに、なんか悩んでるの?」
女神「なんとかウマイこと報告して・・・メイド姫ちゃんの神気を吸収してもらわないとダメだよなぁと思って・・・」
天神「おもしろそうな話だね?僕にも聞かせてよ?」
女神「コイツ出てくるとろくなことにならな・・・
天神「くすくす」
女神「!!!???!?」ヒューーーーーン・・・
天神「あ、ちょっとー?女神、ここ上空10000mだよー!落ちたら・・・」
ドーン!!
天神「・・・落ちたら、痛いよ・・・?」
・・・・・・・・
天神「大丈夫かい?女神」ヒョイ
女神「ハイ」
天神「くすくす。相変わらずだね?何か面白いことあったなら、報告してよ、ちゃんとさぁ」ニッコリ
女神「あー・・・いやねー、実は・・・」
かくかくしかじか
天神「え?じゃぁ、僕が女神にわけてた神気、女の子にあげちゃったの?」
女神「暴発したの! んで、その神気をさらに、妹分の別の女の子に・・・幸運を授けようとして・・・」
天神「えー?それ、割と不始末すぎない?報告いれてよ、そういう時は」ウーン
女神「報告いれるもなにも、どこにいんのかもわかんないじゃんか天神は!」
天神「ああ、そうなんだっけ?まぁそれは仕方ないよね、女神のせいだもの」ヨイショ
女神「ちょっと? ・・・なに、してんのさ?」
天神「僕の神気、一応どこに分かれてるか探さなくちゃだめでしょ?」カキカキ
女神「ああ・・・陣かいてんのね・・・って、投影陣じゃん・・・水晶くらい持てばいいのに・・・」
天神「手荷物もつとか、かっこわるいじゃないか」パン
ヒュ・・・パァァ!
天神「んー・・・あれ?」
女神「?」
天神「ねえ、この金髪の子?」
女神「ああ、それがメイド姫ちゃん。暴発した神気の」
天神「・・・じゃぁ、こっちの白金の髪の子は?」
女神「そっち? 幸運を授けた妹分って奴だよ。姫ちゃんってゆーの」
天神「・・・この子、子供宿してるよね?・・・神気の」
女神「・・・ほえ?」キョトーン
天神「・・・そうか。たまった僅かな神気で子供を望んだのか・・・?幸運のせいだろうけど、実現させるとかすごいな・・・まるで聖女じゃないか・・・」
天神「・・・うん、ちょっと予定外だけど・・・ちょうどいいや」パシュ
パキン
女神「ちょ、ちょっと、天神? 急に陣消したりしt」
天神「この子もらってくる!僕のお嫁さんにして、元気な子を産んでもらわなきゃね!」
女神「・・・え? ちょ!え!?まっ」
シュ・・・パ
女神「・・・・・・・・・・・あああ・・・どうしよう・・・!!」
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・
女神「・・・・と、いうわけで。急に現れ、急に聞き出し、急に消え、の連続なんだよー・・・」ハァ
騎士王「・・・上司が傲慢だと、部下って苦労するよな」ウンウン
魔王「おまえ、今は自分も最上位に居ることを忘れてるな・・・」ハァ
メイド姫「・・・ですが、その上司の居場所を知らないというのは・・・一体、何故なのですか?」
女神「あー・・・うん。2500年位前だったかなぁ。あたしだけ取り残されちゃって・・・」ポリポリ
魔王「・・・は?」
女神「最初はね、神事はみんなで宮殿に暮らしてたのよ?でもいつの間にか、宮殿ごとぽっかりと・・・」
騎士王「・・・神事?宮殿?」
女神「ああ、神事(かみごと)ってのは神の一族のこと。ヒトだって人類とか人間とかいうっしょ?マモノだって魔族とかいうし。その感じだとおもってくれたらいーよ、うちらがそう呼んでるだけだし」
騎士王「んで、その宮殿ってのは?」
女神「騎士王クンは知ってるでしょ、あたしの住んでたでっかい泉。あそこには昔、宮殿があったんだよー」
騎士王「・・・それって、もしかして天空宮殿のことか・・・?」
女神「あれ、知ってるの?うん、とんでっちゃってからはそう呼ばれてるよー」
魔王「おい。それは一体何処にあるんだ?」
騎士王「あー・・・上空、3000mくらいで、ぽかっと浮いてるかんじ?」
魔王「なんだそれは。ふざけた宮殿だな・・・ほぼ大きな山と同等の高度だぞ」
女神「ああ、あれは浮遊しながらどんどんあがるからねー。あたし10000mまでは見たけどなかったよー?」
騎士王「いちま・・・」
女神「30万メートルまでなら大気圏内だからなんとかなるって」テヘ
メイド姫「大気圏外に出られては、もはや神ではなく星座です」
魔王「・・・で、だ。仮に、まぁ5万mくらいだとして。ポンと浮いている場所へどうやって行くんだ?」
女神「んー・・・5万くらいだったらギリあたしたちは飛べるかも。でも10万いったらさすがにねー・・・」
メイド姫「騎士王様は、以前はどのようにしていかれたのですか?」
騎士王「え?あ、俺?いやー・・・はは、は。勇者だったし・・・ドラゴン乗っていったわ、ははは」
魔王「まったく役に立たない参考だな。ドラゴンが何処にいるんだ」
騎士王「ごもっともで・・・」
メイド姫「さすがに、創生術でドラゴンの容姿を真似したところで、その飛行能力までは再現できないでしょうね・・・」
魔王「ああ。ドラゴンの魂でもあれば別なのだろうが、生憎と見たことも無いな」
騎士王「・・・あ、いや。まてよ・・・?」
魔王「どうした」
騎士王「そうだ!蟲だよ。メイドちゃん、前に俺が飲んだ蟲、今何処にいる?」
メイド姫「え?えぇ、あの子なら私の部屋に」
騎士王「・・・なんで、メイドちゃんの部屋に・・・あんな物騒なもの・・・」
魔王「飼いたいというので与えたのだ」フム
メイド姫「私はあの子ともおしゃべりできるので、愛着がわいてしまって//」
騎士王「・・・ま、まあいいや」
騎士王「うまくいくかはわからないけど、アレをうまく成体化させれば、ドラゴンになるかもしれない」
魔王「・・・・・姫」
メイド姫「はい。ただいま連れて参ります」
タッタッタッタッタ・・・
バタン
魔王「それで、どういうことか説明しろ。成体化とは何のことだ?」
騎士王「・・・上手くいくか、保障はしないけど。ドラゴンの幼体っていうのが、あの蟲にそっくりなんだ」
騎士王「だから・・・もしかしたら、あの蟲にもその可能性があるかもしれないと思った、っていうだけなんだけどな」
魔王「・・・魔王の瘴気のみで作られた擬似生体。確かに、それならば化石も魂もないのも頷けるな」
魔王「あれは確かに、俺が創造しようとしていた蟲の姿とはかけはなれていたしな」
騎士王「前は、怪我をして魔力切れで弱って幼体化したドラゴンに、魔力を注いで成体にもどしたんだ」
魔王「ふむ・・・年月をかけて瘴気を吸収し巨大化するものなのだとしたら・・・、今回は瘴気と魔力の両方が必要になるやもしれん」
騎士王「大量の瘴気に魔力・・・・魔王、いけるか?」
魔王「・・・・・・・・・・正直、どこでもいいから出したいくらい溜まってる」ハァ
騎士王(よっしゃ禁欲万歳!)
------------
<魔王城庭園>
魔王「・・・・・・・・・・・」
モワモワモワモワモワモワモワモ・・!
シュゥンシュゥンシュゥン・・・!
蟲「ぴぃぃぃぃいぃぃいぃいいいぃいいいぃ!!!!!」ジタバタジタバタ
魔王「動くな騒ぐな黙れ跪いて果てるまで受け入れろ」ハハハハハ
蟲「ぴぃあああああああ!!!」ガクガクブルブル
騎士王「な、なんか・・・邪魔させない威圧感的なのが半端ない。本当に、よっっっぽど溜まってんだな、魔王・・・」
メイド姫「・・・・//」
・・・・・・・
・・・・
・・
魔王「できたぞー」スッキリ
騎士王「発散して賢者になってんじゃねぇ」イラ
騎士王「まったく・・・あーあ、やっぱり目を回してやがる・・・おい、ドラゴン。大丈夫か?」
蟲改めドラゴン「・・・・・ぴぃ・・・・」クラクラ
騎士王「ったく、魔王も加減しながら入れてやりゃいいのに・・・時間も惜しいっつーの・・・」ナデナデ
ドラゴン「・・・ぴぃ。ぴーい?」
騎士王「あ?なんだお前、成体化しても、そんな鳴き声かよ?」
ドラゴン「・・・・ぴゃーす!ぴゃーーーーーっす!」
騎士王「はいはい、無理しなくていいよ、っと・・・」ナデナデ
ドラゴン「・・・・♪」ツン
騎士王「いて。なんだ?」
ドラゴン「ぴぴぴー♪」
メイド姫「・・・恩人と思ってるみたいですね」
騎士王「え?」
メイド姫「蟲として能力を与えられて創られたので、蟲として生きるところだった、と その子が言ってます」
騎士王「ああ・・・いや、それならメイドちゃんに言えばいいだけなんじゃ・・・」
メイド姫「先程、魔王さまが魔力や瘴気と同時に、ドラゴンのイメージを・・・存在意義として入れたそうです。それで自分がドラゴンの幼体と気づいたそうですよ」クス
騎士王「なんだお前、意外とマヌケだな」ナデナデ
ドラゴン「ぴっぴぴー♪」
メイド姫「・・・すっかり、懐かれていますね。『できることがあればなんでもいって』とのことですよ」
騎士王「よっし、お前に仕事をやろう。俺たちを乗せて天空宮殿を探すんだ、イケるか?」
ドラゴン「ぴ?ぴーぴっぴ♪」スリスリコクコク
騎士王「お、やってくれるか。よし、実は姫ちゃんが攫われていて一刻を争う。さっそくだけど、頼むよ」
ドラゴン「ピ」スッ・・・バサッ!
騎士王「よし、乗るぞ・・・おお、なんか俺って今、ドラゴンナイト的な・・・」ぐっ
魔王「おい馬鹿、俺もいくぞ。あの天神に姫の神気をどうにかさせねばならないのだ」
メイド姫「では、私もご一緒させてもらいたいのですが・・・よろしいでしょうか?」
騎士王「一人目の乗客に馬鹿って呼ばれたことを訂正させる時間を与えて欲しい」
ドラゴン「ぴぃ♪」バサッ
メイド姫「ふふ。ありがとうございます」
騎士王「ちょ、ドラゴンが勝手に乗せてるし!!」ガーン
・・・・・・・・・・・
騎士王「さて、乗ったか?」
魔王「ああ」
女神「一応、あたしも一緒にのせてねー♪」
騎士王「おう、お前は元凶だから縛ってでも連れてくつもりだ安心しろ」
メイド姫「・・・ドラゴンさん、お願いしますね」ギュ
ドラゴン「ぴぃ♪」
騎士王「目標、天空宮殿・・・天神にあって文句いってやる!」
騎士王「GO!」
ドラゴン「ぴぃいいいいいいいいいい!!!」
バサアッ!! バサァッ、バサアッ、 バサ・・・バサ・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
--------------
本日はココまでで中断します。
次回投下は天神無双の予定。
宜しくお願いします。
どんな相手でも虜にする魔王の魔王……
<魔王領より北西の大海 上空>
バッサ…バッサ…
ピィィ・・・ ピィィィィィ・・・・
魔王「さすがに、高いな…」
メイド姫「…目が、眩みそうです…」
魔王「俺にはおまえを支えられない。目を閉じしっかりとドラゴンに捕まっていろ」
メイド姫「はい」ギュ…
女神「…上空、5万mを越えるよ。1度、このまま周辺を飛んで探すしかないかもね」
魔王「ならば俺は下を見よう。女神は上を、側近は並行位置を見ていろ」
女神「りょーかい…雲をよくみてね。大体は雲に埋もれるようにして姿を隠してるから…見落としたら最後さー」
魔王「…ち。おい、側近は行ったことがあるんだろう。どこにあるか検討くらいつかんのか」
騎士王「つかねーよ!2000年前の情報源なめんな!?」
魔王「くそ。この蟲…どれだけ飛んでいられるものか…」
女神「うーん…とりあえず世界を一周して、見つからなければ…10万まで、あがるしかないかも…」
騎士王「さ…寒いな。つかもう、凍える…勇者だ騎士だとか言っても…10万mとか、装備云々より人間としてキツいかもしんない…」ブルブル
メイド姫「…あ…」
魔王「大丈夫か?」
メイド姫「…いえ、騎士王様の言葉で気付いたのですが、あまり寒さを感じないのです…何故でしょうか」
メイド姫「それどころか、段々と暖かくなってきたような気も…」
魔王「…?女神、理由がわかるか?」
女神「うーん…あ、もしかしたら神気があるのかも…補充される感覚が暖かく感じるとか…?」
女神「あたしはもうあんまわかんないんだけど…メイド姫ちゃん、どっちのほうに熱を感じる?」
メイド姫「…右の、側頭部から肩にかけて。なにかあたたかいです」
女神「騎士王くん。右上にドラゴン飛ばしてみてくれる? メイド姫ちゃんの反応見ながらゆっくり」
騎士王「右上だな。・・・ドラゴン、行ってくれ」
ドラゴン「ぴぃっ…」
魔王「…おい、女神、普段からそれくらい落ち着いていろ」フゥ
女神「いまそこ指摘する!?」ガーン
・・・・・・・
<上空7万m>
騎士王「…さ、さむい…!!!!」ガクガク
メイド姫「かなり暖かくなってきました」
女神「うん、やっぱり神気だ…。あたしにもわかるよー」
魔王「…神気が補充されているのか…また余計に触れられないとおもうと複雑だな」
騎士王「レーダーとして助かるよ。今はすごくありがたい。早く暖かいところへ・・・」ガクガク
女神「天空宮殿の雲の範囲までいけば、あったかいハズだからがんばってねー」
魔王「おい。向こうのほうに随分と雲がかかっている。見てくれ女神」
女神「え? ・・・!あそこ!あの左上の雲、おかしい!巻積雲にしては濃すぎるよ!」
騎士王「ドラゴン!あの雲を目指せ!突っ込むんじゃなく、一度上空にあがってからゆっくり下降するんだ!」
魔王「妙に指示が子細だな?」
騎士王「2000年前、あれに突っ込んでな。ドラゴンが怪我して、飛び下りて帰るハメになった!」
メイド姫「この高度では死ねますね…気圧差で既に…」ブルッ
バサッ…バサッ…
騎士王「…っ、見えた!あれだな、女神!」
女神「なつかしー!あたしんちだー!ひゃっほぅ、帰ってきたー!風呂!ベッド!衣装箪笥ー!!やったぜパラダーイス!ヒューヒュー!100年くらい昼寝しよーーっと!」イエーイ
魔王「…」イラ
チャキ
騎士王「…」イラ
スチャ
メイド姫「…」ニッコリ
パァァ・・・
女神「・・・・え? なんだよぅおまえら・・・」
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
------------
<天空宮殿 正面入口>
神事門兵「止まれ! …何者だ」
騎士王「天神に用がある。泥棒被害の被害者さ」
魔王「はやく天神を出せ」
神事門兵「…愚かな。神事でもない奴等を立ち入らせる訳にはいかぬ、早々に立ち去れ」
騎士王2000年後に黒歴史を後悔したくなきゃ、「そんな台詞吐いてないでさっさと天神をだせっての!」
神事門兵「…なんの事かわからぬな…ん?」
女神「あ…あははー…」ボロッボロ
神事門兵「め…女神様!?一体どうなさったのです、そのボロ雑巾を紐で干したようなお姿は!」
女神「言い過ぎだよね!?縛られてるだけじゃんっ、捕虜みたいとか言い様あるでしょ!?」
神事門兵「女神が捕虜とか余計に情けなさすぎますよ!」
女神「うるせーわ!勇者と魔王と女神見習いに世界を人質に上空70kmでシメられてみろ!ルール無用とか無用だわ!!」
魔王「…とにかく、こちらにも言い分はある。女神をシメても余るほどのな」
騎士王「そうそう。だから早く天神を連れてきてくれ。押し入りみたいな真似はしたくないんだ」
神事門兵「…天神様ならば、今はおられませんよ」
魔王「ではどこにいる」
神事門兵「…」チラ
女神「教えてやってよー、頼むよ、マジ殺される…」ハァ
神事門兵「…天神様ならば、連れ帰った娘と共に、海へとお出掛けになりました」
メイド姫「・・・海?」
魔王「二人で・・・?」
騎士王「っあいつ・・・デートかよ!ふざけんな!!」
女神「二人でサンセットしけこむとか舐めてんのかあいつ!!」
メイド姫(…女神様と騎士王様は、とてもよく似てる気がします)
魔王「…」ハァ
騎士王「何がなんでも邪魔してやる!行くぞオラ!」
女神「真っ逆さまに堕ちろデザイア!」
神事門兵(女神様、それは古いです)
・・・・・・・
・・・・
・・
------------
<大陸海上500m、天空宮殿真下>
天神「さて、と…僕の眠り姫。禊(みそぎ)の時間だよ?」ニッコリ
姫「…」クッタリ
天神「んー♪可愛いなぁ。子を宿してなければ、このまま眠らせて飾って置きたいくらいだよ」チュ
姫「…」クテ
天神「…くす。でも僕の子を元気に産んでほしいからね。がんばって清めようね?」スッ…ポイ
ヒューーーーーン……
ドボンッ!!
……。プクプク…ブクブク…ボコッ、ボコボコ・・・
天神「…海はまだ、少し冷たいのかな?随分泡立たせるね…人魚のように、泡になることも美しいけれど」クスクス
ヒメチャンッ・・・!
天神「ん?」
バサッバサッ・・・
バシャー! ジャボン!
天神「あれ?珍しいな、ドラゴンなんて。…それに、あれは…」
・・・ バシャッ!
騎士王「っぷはぁ!姫ちゃんキャッチした!」
魔王「…っ、間に合ったか!」
騎士王「姫ちゃん!大丈夫?!」ユサユサ
姫「う……」ガクリ
騎士王「…生きてる…よかった…」ホッ
天神「あーあ。駄目だよ、今は禊の最中だよ?邪魔はしないでほしいなぁ」フヨフヨ・・・
騎士王「…っこの…!」
騎士王「てめぇ!!何が禊だ!!手荒な真似はしないんじゃなかったのかぁっ!!」チャキン!
天神「ああ、その子を抱っこしながら、剣なんか抜かないでよ。傷ついたらどうしてくれるの?」
騎士王「・・・っち」
天神「? 何怒ってるの?ほらほら、僕の物に勝手にさわらないでよ、ダメ勇者くん?」ニッコリ
パァッ…シュッ
パッ
騎士王「姫ちゃ・・・! くそ、また!!」
天神「返してもらうよ。清めなきゃだめなんだ。…今度は邪魔されないように神気で包んで…っと」パァァァ…
天神「はい。やり直しだよ、眠り姫ちゃん」
パッ
ドボンッ!!
騎士王「っ姫ちゃん!」ガッ
メイド姫「私がいきます! 神気の膜で守られていても、私なら破れるかもしれません!!」
ドボンッ!!
魔王「姫!! ・・・っち、無茶な・・・泳いだことなど無いだろうに・・・っ」
騎士王「メイドちゃん・・・頼む・・!!」
天神「…あれ?魔王クンに…、たしか、今潜ったのは…」
プハァ!!
メイド姫「…っ、ごほっ!げほっ…!」
魔王「姫!無事だったか…。無茶をするな、お前にまで何かあったら・・・」ギュ・・・グイ
メイド姫「っ、も、申し訳…っごほっ!ぐ、げふっ…」
姫「…ケフッ」コポッ
魔王「そっちも無事か…」
騎士王「姫ちゃんっ、よかった・・・!」
魔王「・・・そのまま、その姫を抱いたままドラゴンの上へ。・・・身体を温めろ」
天神「うん、やっぱりそうだ。君、女神の見習いっていう、女の子だよね?」
メイド姫「…っ、ごほっ!わ、私の事を、知って…?」ゲホッゴホッ
天神「聞いてるよ♪僕のお嫁さんは、君の妹分なんだってね?ちょうどいいや!一緒に僕の所においでよ♪」ニッコリ
魔王「!」スチャ
メイド姫「お断りします!っはぁ、私は魔王様以外の方にお仕えするつもりはありませんので・・・っ!」ハァ…ハァ…
魔王「…姫」
天神「えー?つれないな。でも割と好きだよ、気丈で一途な美少女。ほら、よく見てよ。僕と魔王クン、おんなじ顔だし、いいんじゃない?」
メイド姫「は…?あぁ…確かに…よく似ていらっしゃいますが…」
天神「似てるも何も、同じだよ、あはは」
魔王「そういわれてみれば・・・俺と、同じ顔だと…!?」
天神「くす・・・そうだよ?だって魔王は、基本が僕のクローンだからね」ニッコリ
騎士王「…クローン…?」
天神「まぁ、魔王クンほど同じってのはあんまいなかったかなー? 普通は多少、気性に左右されて顔つきが違ったりするのだけど・・・魔王クン、よっぽど僕と同じ性格してるのかな」クスクス
騎士王「なんだそれ…!?」
天神「驚いているけど、君だって似たようなものさ勇者クン。僕を模して、少しだけ変えて…まぁ、勇者は僕の遺伝子を持った子供みたいなものかな?」
騎士王「…っ!」
魔王「…」
天神「くす…これ、どんな意味か…魔王クンなら、わかるよね?」クスクス
魔王「…っち」
騎士王「…?なんだ、どうした魔王?」
天神「僕と同じ、創造主の資格を彼は持っているんだもんね。創られた者が、創った者に勝てると・・・思えるかい?」ニッコリ
メイド姫「!」
魔王「…ふん。ハッタリならばそれに越した事はないが。本当に創られた身であるとするならば…勝機は、無いだろうな」フム
騎士王「な!」
天神「ハッタリなんかかまさないよー。僕は天神だよ?神様は嘘なんてつかないよ」アハハ
魔王「そうか。だが、主である以上は創造物に責任を持つ必要もあろう…」
天神「責任? なんの?」
魔王「女神の不始末のせいで、こいつらはそれぞれ神気を大量に取り込んで・・・結果、二人とも不自由している」
魔王「あいつらの神気を取り除け。子だかなんだかしらんがもう執着するな。要求はそれだけだ」
天神「えー?」クスクス
天神「わかってないな。僕のクローンのくせに…。執着?なんで僕のもの、捨てなきゃいけないの?」ニッコリ
騎士王「っ!てっめ…まじで魔王か!ふざけんなよ、クローンかなんか知らねぇけど、俺がぶっとばしてやる!!」
天神「え?君が?」キョトン
天神「…く、あははは!勝てるわけないよっ!君、魔王クンにすら勝てなくて、あの子と結婚できずにいるんだろ?」アハハハ
騎士王「!な、なんでおまえがそんなこと…っ!」
天神「ふふ。お嫁さんにするんだもん…魂や記憶、前世くらいは調べさせてもらったよ、もちろんね?」ニコニコ
天神「可愛いよね、本当に。前世に聖職だったこともあるみたいだし…ふふ、魔王クンを斬ったこともあるみたいだし」
魔王「…全て、知った上でそうしているのか。いい性格をしてるな」
天神「くす。彼女の性感帯くらいなら教えてあげてもいいよ?…まーだ知らないみたいだし、勇者クン」クスクス
騎士王「馬鹿にしやがって…!余計なお世話だこの野郎!」
天神「…ん、でも、そうだね?眠り姫はどうやら本当に、見習いちゃんが好きみたいだからね」パチン
パァァァ…
パッ
メイド姫「…っきゃ!?」
姫「…ん…」モジ
魔王「なっ、おい貴様、姫に手を出すと許さんぞ!」チャキ
ボゥ・・・モワモワモワ・・・
天神「でもさ、かわいい姉妹を、引き離すのは可哀想じゃない!」アハハハ
ギユーッ
メイド姫「っ、離し…!」
魔王「どういうつもりだ、手を離せ!」
天神「見習いちゃんももらってくよ!・・・ふふ、魔王クンの仕込みなら楽しめそうだ」クスクス
魔王「な…ふざけるなよ…!許してたまるかそんなこと!」ザッ
ダンッ・・・
天神「残念でした。ばいばい、手土産ありがとうね」
パァァァ…
シュッ…パッ
ヒュン・・・
魔王「…く!斬るよりも早く、消えただと!?」
騎士王「神出鬼没か…くそ、また7万mも上がれってか!」
魔王「な・・・」
魔王「・・・いや、そうか・・・。チッ・・・ 転移術!姫の元へ!」
モワ・・・ブンッ
騎士王「…は!?あ…そっか…くそ、俺は馬鹿か…!っつか、気づいたにしても置いてくなよ!」
騎士王「俺だって・・・ 移動魔法!姫ちゃんの元へ!」
キンッ・・・キラキラ・・・
シーン…
女神「…ぇ、あ?…おーい…」
ドラゴン「ぴぃ…」
シーン…
女神「…あー…」ポリポリ
女神「…かえろっか、魔王城くらいに…。なんかもうアレと関わるのほんとやなんだよ…」ハァ
ドラゴン「ぴぃー…」ションボリ
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
----------
今日はここまでで再中断します。
ちょこちょこ出しててすみません。
微妙な時間が余ったので、次回予告置いていきますね。
--
お願い、死なないで魔王!
あんたが今ここで倒れたら、姫さんやメイドちゃんとの約束はどうなっちゃうの?
ライフ(瘴気)はまだ残ってる。ここを耐えれば、天神に勝てるんだから!
次回「魔王死す」。デュエルスタンバイ!
--
(まったくもって冗談・・・ですよ?たぶん)
おつー
ドラゴン可愛いなぁ
ところで魔王がいまだに騎士王を側近て呼んでて何でか草が生える件
>>74
ずっと天神のターン!とか許されざるよw
>>75
魔王「ふむ。側近が、勇者らしく俺に勝つか、騎士らしく忠実に誠実になるか、
王らしく威厳を持つかしたら、その時は呼び方を考え直してやってもいいぞ」
騎士王「俺の肩書き全否定しないで!?」
ってかんじです。
ところで「ずっと天神のターン!」は前フリだったんでしょうか。
↓から投下します
ブンッ…パッ
スタッ…
魔王「おい…。あまりつまらぬ手間をかけさせるな、天神」
天神「…あれ?なんでこんなとこまで来られるの?来たことないよね、宮殿の最奥だよ、ここ?」ゴソゴソ
キンッ…パッ!
シュタッ…
騎士王「馬鹿か!そいつら連れてれば、どこに逃げたってそこまでは行けるっての!!」
天神「えー?だって君たち、最初はわざわざドラゴンなんかに乗って来たじゃない?…てっきり何か、飛んでこられない訳でもあるのかと思ったんだけど」カキカキ
騎士王「…」フイ
魔王「…」フイ
天神「…二人揃って馬鹿だと、まるで僕が無能みたいだからやめてくれる?」シュパパ…
騎士王「うっせぇ慣れてねぇんだよ!勇者としては2000年寝て起きたばっかだ!」
天神「あぁ、寝ぼけてるのか。じゃあしょうがないかもね」パシュッ
パチン…
天神「…はい、おしまい。ゲームオーバーだよ、勇者クン、魔王クン」
騎士王「はぁ?」
魔王「…どういう意味だ」
天神「そのままだよ。…もう、遅いってこと」クス
天神「紹介、しようか?あたらしい…僕のお嫁さんの『聖女』と、僕専属になった『メイド姫』だよ」ニッコリ
姫改め聖女「…ん・・・・」ムク…
メイド姫「…ぅ、んー・・・」ムク・・・
魔王「姫!無事か!?」
メイド姫「…? 天神、様。私は一体…?」
魔王「・・・・え」
天神「あぁ姫、目覚めはどう?」クスクス
メイド姫「御前で眠っていましたか?…失礼をいたしました天神様」
聖女「…天神様ぁ…私も起きましたよぉ…」
天神「あれ?ふふ、目覚めのキスより早く起きていいの、眠り姫?」
聖女「ぁぅ//…やり直し、効きますか?」
騎士王「ぇ…あ、姫ちゃん…?」
聖女「…?あ、騎士王様ですね、おはようございます」
騎士王「…姫ちゃん、どういうこと…?とにかく、こっちに来て」
聖女「え?…んー…。えへへ、ごめんなさい。天神様にまだキスを頂いてないから//」
魔王「…これは…?」
騎士王「…おい。二人になにしやがった…」
天神「くす。魂と記憶、いじっちゃった」クスクス
魔王「な…魂をいじるだと?生体のままか!?」
天神「そう!今、君たちの目の前でね。二人とも止めないんだもん」ニッコリ
騎士王「いじるって…何をどうすればこんなんなるんだよ!」
天神「知りたいの?簡単なことしかしてないよ?」
天神「ふふ。まずメイド姫ちゃんはねぇ、あんまりにも見事な調教がしてあったからねー・・」
天神「わかりやすく、今日の記憶は消して、僕と魔王を記憶からすりかえてみました」ニッコリ
魔王「…!」
天神「聖女ちゃんはね…大切な身体だし、それはもう簡単に。少し、僕に従順で素直になるように、魂に強制しただけだよ?」
騎士王「おまえ・・・そんなことが、許されるとでも・・・!」
トトトト・・・
聖女「ねぇ、天神様…」コソ
天神「?何、聖女ちゃん。今はお話し中だよ?」
聖女「…ゴニョゴニョ…」コソ
天神「…ふ、あはははははは」クックック
騎士王「…くそ、内緒話がこんっなに苛つくのは初めてだ!コソコソすんなよ!」
天神「ふ、ふふ。あぁ、さすがに僕も予想外だったなぁ。これは笑えるよ。勇者クンにも、聞かせてあげる」アハハハ
騎士王「…なんだよ」イライラ
天神「クスクス…『私、早く天神様に操を捧げてあげたいな…』…だってー!さすが、元聖職なだけあるよね!」アハハハ
騎士王「!ふざけんな!」
天神「ふざけてないよ?言ったでしょ、僕は嘘はつかないんだ」
騎士王「じゃあなんで…そんな…!」
天神「クスクス。いつまでも手を出してこないような腑抜けた無能より、僕のが魅力的だっただけじゃない?」
天神「…この子、最初から僕にみとれてたくらいだし。あぁ、でも少し素直にしすぎたかな」クスクス
騎士王「…姫ちゃん、君は…っ」
魔王「おい。・・・いますぐメイド姫を返せ」
天神「?何言ってるの?」
天神「別に僕は縛ったりしてないじゃないか。…好きに、してみたら?」ニッコリ
魔王「ち…姫、こちらへ来い。帰るぞ」
メイド姫「…何故ですか?私は天神様の元を離れる気はございません…私の帰る場所は天神様の元だけです」
魔王「っ!」
騎士王「こんな…まじで…!?」
メイド姫「貴方がどういった方かは存じませんが…天神様に仇なすものは打ちますよ。あまり無礼を働かれぬよう」
魔王「…っくそ」
騎士王「…姫ちゃん、姫ちゃんは俺がわかるんだよね!?」
騎士王「メイドちゃんが正気に戻るようなんか言って?!悪い冗談はやめて早く戻ってきてよ!」
聖女「え?…えっと…今は、まず天神様の寝所にいきたいな…//」
天神「くすくすくす…!あぁ、本当に、予想以上だ。こんなに楽しいのはどれだけぶりかな!」
騎士王「…おい、魔王…どーすんだこれ…」
魔王「くそ…正直、頭が回らない。ぶっとばしたいのは確かだがな」
天神「ふふ、じゃあ僕が代わりに決めてあげる。…寝所まで転移されてこられてはたまらないからね」
パァァァー…ッ
パシュッ!!バシュバシュ!!
騎士王「!!」
魔王「…っ」
天神「…捕縛、完了…だね」
騎士王「…ってめぇ…」ギシッ
天神「動けないでしょ? 力、出ないでしょ。魔王クンなんかは結構キツイんじゃないかな・・・聖気の拘束呪は」
魔王「っ・・・ぐ」
天神「大丈夫!殺さないよ、世界が均衡を崩すのは僕も困るんだ」
天神「今夜は、もう時間もおそいしね・・・お楽しみを邪魔されたくも無いんだ」ニッコリ
天神「ここには神事を仕置きするための特別な部屋があってね。指定した収容者の気と魔力を削っていくんだ…なかなかいい部屋だよ?」
天神「くす。…君たちにゲストルームとして、特別に提供しよう」
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
------------
<神事収監室>
騎士王「…ハァッ!!」ザシュッ
スッ…パァァァ…
騎士王「…ち。何度やっても隙間もあかねぇや…」
魔王「…」
騎士王「…おい、魔王も少しは何かためすなりなんなり…」
魔王「…」
騎士王「おい、魔王」
魔王「・・・」
騎士王「」イラ
ゲシッ!!
魔王「…。痛いじゃないか…死にたいのか側近」
騎士王「死にそうな顔してる奴に言われたかねーよ!」
魔王「…なんかもう生きる意味が…」ハァ
騎士王「お前なんのために生きてんだマジで!?つかその割に諦め早くね!?奪いかえそうよ!?」
魔王「…創造者、というものは絶対だ。それは俺自身が嫌と言うほど味わってきたからな…まさか創られた側の立場に立つとは…」ハァ
騎士王「愛があれば勝機くらいどうにかなるって!魔王はそんくらいでメイドちゃんの事諦めるのか!?そんな安い気持ちなのか!?略奪しろよ、魔王なんだから!」
魔王「そうはいってもな…。おまえだって、姫のあの態度をみただろう」
魔王「本当に、俺と天神を刷りかえられたのだ…生体のままなど俺には治せん。禁忌はリスクが高すぎる」
魔王「ただ連れ去ったりしたら、あいつは俺に…天神に不要な手間や不利益をかけさせぬ為に自害する道を選ぶに決まってる。あいつの忠誠心は見事だ」キッパリ
騎士王「どんなノロケだ!?」ゲシッ
・・・・・・・・・・・
<2日後 神事収監室>
魔王「…姫は今頃何を…」ドヨーン
騎士王「それもういい加減にやめよう!魔王として威厳なくすから!」
魔王「…こんなことになるなら、本気で神気尽きるまで瘴気流し込めばよかった」ズーン
騎士王「ほんとに大丈夫か魔王…キャラ変わってるぞ…つかもう魔王として死んでるとしか…」ハァ…
魔王「魔王やめたいなぁ…」ボソ
騎士王「(これはやばいほんとに死んでる!)」ゲシッ!ゲシッ!
・・・・・・・・
騎士王「なぁ、建設的に考えようぜ? いつかは誰か来るだろうし、その隙をつくとか…」
魔王「この、馬鹿みたいに神気にあふれた、力を吸い取られるような監獄で? 身動きもままならん俺が?」
騎士王「魔王」
魔王「…まぁ、俺だって一応はずっと考えてはいる。だが結局、天神相手に有効とおもえるのは…こうして大人しくしている他にないってだけで…」
騎士王「…じゃあ、とりあえず従って機会をまつ…?」
魔王「いや。俺ならそんな機会は与えない。精神的に自滅するか、徹底的に逆らわないよう調教するまでは拘束を解かないだろう」
騎士王「お前やっぱり魔王だわ。ちょっと復活したらいきなりソレかよ!?」
騎士王「・・・つか調教って…」ドンビキ
魔王「…連れ去りも洗脳解除も討伐も叶わぬくせに、一人の姫を捨て置けないなど…魔王を名乗れんがな」
ガチャ
天神「やぁ。元気? いきなりだけど・・・拘束呪」シュパッ! バシュ!バシュ!
騎士王「うわっ!?」ビク
ガッチリ
魔王「…調教…」ハァ
ガッチリ
天神「あれ?魔王クンはちゃんと趣旨を理解してくれてるみたいだねー!さすが僕のクローンだ」ニッコリ
騎士王「嫌すぎる前フリしやがってこのくそ魔王…」
魔王「………姫?」
騎士王「はぁ?!」
魔王「姫!」ガッ、ギシッ
騎士王「!?あ…?」
ピョコッ
聖女「おひさしぶりです、騎士王様」ニコニコ
騎士王「姫ちゃん!!」
メイド姫「…」
魔王「姫…。よかった、元気そうだ…」
メイド姫「? …もしや、先程、貴方は私の事を呼んでいたのですか?」
魔王「・・・ああ、そうだ」
メイド姫「私でしたら何事もありませんよ。いつもどおりです」
魔王「…『いつもどおり』…か」ハァ
天神「…あぁ、駄目だよ二人とも?これは調教なのだから、口を聞いてはいけない。居ないと思わなくちゃ…」クスクス
騎士王「!?」
魔王「・・・」ハァ
メイド姫「申し訳ありません。天神様のお考えについて、理解が足りませんでした…」ペコリ
天神「そうだね。…くす。こういうときは…『仕置きが必要だな』…なんて言うのかな?」クスクス
魔王「…っ」
メイド姫「…天神、様。処罰は如何様にも受けます…が、その。まさか…こちらで?」チラ
魔王「…く」ギシッ・・・
天神「あれ? 僕は『居ないと思え』って言ったのになぁ・・・従えない?…やっぱり、仕置きしなくちゃね」チュ
チュ…チュ、
メイド姫「きゃ…っん、む…。な、あのっ…これは、仕置き…なのですか?これでは、まるで…っ//」
天神「誰かに見られるのは、初めてでしょ?君にとっては仕置きになるんじゃないかな…それとも、興奮しちゃう?」ツツ…
メイド姫「…っ、そんな…ことは…んっ」モジ・・・
聖女「天神様ぁ…私には、してくれませんか…?」スッ…
騎士王「な…っ!や、やめろよ、なに言うんだ姫ちゃん!!」
聖女「ん…だって、もっと…欲しいですよぉ…//」
天神「クスクス…聖女ちゃんは、昨日いっぱいしてあげたじゃない?独り占めしようとして、メイド姫に怒られたでしょ?」クスクス
聖女「や、いじわる言わないでください…それにもっとちゃんと…天神様から…だめ?//」チュ…
天神「クスクス」
チュ・・・ピチュ、チュ、パ・・・
騎士王「ああ…なんつうか、最悪な展開だな、おい。 なに、寝てもないうちに寝取られたの俺…?」
魔王「あぁ…お前、やたら元気だとおもったら、今更現実に気付いたのか…」
騎士王「すぐにそっちに頭回らないあたり、禁欲が長すぎたんだな。今になって魔王が死んでた理由はよくわかった…が」ギシ
騎士王「おい!天神!なんのつもりだ!」
天神「え?そんなの魔王に聞いtん、んー…。ップハ、ちょ、駄目だって聖女ちゃん…、ん。」チュ…
聖女「んっ、やぁ、もっとぉ…」チュ・・・チュル・・・チュ、パ
騎士王「・・・なんだろう。妙に冷静な俺がいる」
魔王「人はそれを現実逃避と呼ぶんだ」
騎士王「そうか。で、魔王でも現実逃避すんのか?」
魔王「俺なら何をしたか、何が出来るか考えれば天神の行動に予想はつく…」ハァ
魔王「…姫達に何を教え込んだのかまではわからんが、現実逃避程度じゃ逃げられない事を見せつけるつもりだろう。それこそが俺達を自滅させるための調教だと、あいつは思ったんだろうな」
天神「…クスクス」
魔王「何をしても無駄だ、何をしても敵わないと思わせる。俺に想定できるような反抗策なら、天神も既に対策をしてるだろう」
天神「…優秀だねぇ、魔王クン。その通りさ。その落ち着きは悟りかい?…じゃあ、もっと厳しくしなくちゃね」ペロ…
メイド姫「ひゃ…!ん、や…っ」キュ・・・
天神「ん…でも、まぁいいかな。『そのつもり』なら、ね」クスクス
魔王「・・・ふん。貴様が何をしても…自滅などしないさ」
魔王「俺はされたことはキッチリやりかえす主義だ。あまり悪戯が過ぎるなよ、後悔したくなければな」ギロリ
天神「さて…どうかなぁ?ほんとに『その選択』でいいの?」
天神「勇者クンより、魔王クンの方が僕にはよくわかるんだけど…よほど酷い目に合いたいと見える」クス
魔王「…ち」
天神「…ふふ。別に、目を閉じていてもいいんだよ?」ニッコリ
天神「さぁ、はじめようか。…天罰の、時間を」
トン…
メイド姫「ぁ…っ! や、てんじんさ・・」ドサッ
クスクス…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで一度今日は切ります。
すんませんなんか寸止めで。
ちょっとこの後のシーン、もっかい書き直したくなりました
>>84
○神気の拘束呪
×聖気の拘束呪 です
長く間を空けてすみませんでした。
再投下をはじめます。
NTRはキツイ、という意見があったので、しばらく地の文を入れてあります。
苦手な方は、そのあたりを読み流してもらいやすいかな、と。
大丈夫な方は普段より少しだけ濃厚な感じで読んでもらえればな、と。
自分で書いててキツかったのは、NTRが苦手な俺のせいか、文才のせいか。
では↓よりはじめます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
こんなもの、悪い夢であればよいのに。
「…ぁ…、--様…」
聞き慣れた声がする。
甘く優しく、控えめな…それでいていつも少し怯えたような。
最愛の姫。
俺の寵愛を一身にうけた、献身的で賢い姫。
その姫が、目の前で俺と同じ顔をした男にベッドに倒される。
夢ならば、自分を客観的に見ることもあるのかもしれない。
夢でないことはわかっていながら、そんな空想に浸りそうになる。
男はゆったりとした仕草でベッドに腰掛ける。
横たわる姫の横で、微笑を浮かべながら姫に小さな口付けをする。
一瞬の戸惑いの後、静かに瞳を閉じる姫。
誰よりも知っている…否、俺だけが知っているはずのその所作は、今は男の為のもの。
ゆっくりと男の身体が沈んでいく。
わざとらしく音を立てて、舐めるような口付けを繰り返しながら唇を動かす。
唇から、頬、耳。
首筋をなぞり、肩口へ…。ゆっくりと、焦らすように舐めつくす。
一通り舐めた所で、また移動を始める。
さらに細かく、姫の華奢な身体をついばむように。
着衣の上であることを知りながら、まるでヒルのように這っては止まり、軽く吸い付いていく。
その度に、隠しきれないわずかな身じろぎを繰りかえす姫。
彼女はこういう時、決して抵抗することはない。
悶えることも、声を出すこともひたすらに堪えながら、その身を任す。
200年もの間、幾度となく繰り返されたその行為は儀礼的なものであり、
一方的な営みの始まりを示す象徴的なものでもあった。
だが俺は知っている。
知っているからこそ安心して行為に及べる。
知らなければ気付いてあげられない、彼女の本心のバロメーター。
軽く閉じられた彼女の手の指先だ。
そこだけは、いつだって素直に敏感に、硬直や弛緩の強弱によって本心を教えてくれる。
彼女自身ですら自らのその声には気付いていないのだろう。
悦びの反応。
恐怖への慄き。
ほんの少しの、期待感。
その声に気付けば、彼女はきっとそれすらも隠してしまうのだろう。
だから俺も気付かないふりを続け、ひたかくしにしてきたのだ。
俺だけが知ることのできる、大事な大事な確かな彼女。
ことここに至ってなお、
男がその声に気付かない事をただ願う俺は間違っているだろうか。
ピクリ、と反応してしまう細く美しい指先。
大振りのフリルがついたエプロンドレスの胸元、その頂点に口付けをされたからだ。
「…っ」
もどかしいだけの薄すぎる快感。
それでも漏れでる吐息は、このあとの行為を期待するが故。
俺だけが気付いてあげられる彼女の本心はそれを表している。
今は知りたくもないが、癖になっていて自然に読みとってしまう。
自分がひどく恨めしい。
彼女はただ、忠誠を誓う相手にされているものと信じきっているのだ。
その期待を責めることなどはできない。
そもそも彼女がそう反応するように仕向けたのは過去の俺なのだ。
姫の身体を挟んで、男を支えていた右手が彼女に触れる。
唇がそうだったように、頭からゆっくりと彼女の身体を撫でていく。
豊かな膨らみにはふれず、
輪郭だけをなぞるようにして腰元へ降り、柔らかな弾力をもつ臀部を撫で上げる。
気色が悪い。
まるで自分を撮影したものを鑑賞しているようだ。
男の愛撫は、自分のそれとあまりにも似すぎている。
男は忠実な模写をするように彼女に触れていく。
顔まで同じだなんて気がおかしくなる。
あれは誰だ。
あれは俺か。
いつの間にだまし絵の世界に閉じ込められたというのだろう。
偽物が、当然のように現実に割りいってくるこんな世界はくそくらえだ。
「んむぅっ…!」
突然の、予想外の口付け。
それまでの穏やかな動きから一転して、
激しく咥内を蹂躙されるような口付けには、姫も驚きの声を隠せなかったようだ。
「ん、む、あぅ…ふ、むぅ…っ!」
強引なそれに酸素を取り入れられないのだろう。
段々と頬が紅潮していく。
耐えかねて上げた膝によって、ドレスの裾が引き上げられ、白く美しいふくらはぎがあらわになる。
男の手が彼女の手首に重ねられ、わずかにベッドに押さえ付けられる。
動くな、という意思表示にしかならないそれでも、
彼女には充分な拘束になりえるのを知っているのだろうか。
ツゥー、と粘りのある糸を引きながら、唇は唇を解放する。
「…っは、ぁ…」
安堵とも余韻ともつかぬ小さな吐息。
酸素不足で朦朧とし、蕩けていく瞳。
いつもならば眼前で…間近に見届けるその変化。
憎らしいことに、実際には見えていない今でも鮮明に脳裏に再生されてしまう。
「--、さま…」
呼び掛けの中に隠される、読み取れるかどうかの僅かな哀願。
始まりの合図。
それは自分から求めることを善しとしない彼女の、精一杯の表現だ。
俺はいつもそれを見落とさぬように最大限の注意を払って彼女に触れる。
改めて考えて見ると、なんともどかしい行為の仕方なのか。
よく200年もこんなやり方で続けられたと思う。
このあとは今度は俺が、
欲望のまま暴れだしたくなる俺自身を抑制し、彼女にひたすらな快楽を与えてやるのだから。
が。
男は気付かなかったのか、
あるいはあえて察しようとしないのか、スッと身を引いてしまう。
「立ち上がって、下着を脱いで」
男は、それまで自らが作り上げていた甘い空気を払うかのように言いつける。
驚き、戸惑い、ためらい、恥じらい。
そういったものが姫の動きを鈍らせるのがわかる。
それでも決して抗議を口には出さない。
意を決したように、だがしとやかに、立ち上がる。
自らの両手をドレスの裾からたくしいれ、薄布をずり下ろす。
用を足すかのようなその動きを晒すことで、恥ずかしさに僅かに震えている。
それでも逆らうことはなく従い続ける。
自分に向けられていれば心地よい忠誠も、いまはただ憎いだけだ。
逆らえばよい。
どうか今だけは逆らってくれ。
その想いが口に出ていたか、わからない。
現実と脳内が入り交じるようだ。
あってはならないことを、なかなか受け入れることができない。
あれが俺ではない事を確信せざるをえない。
----ペキッ
ひび割れて行く音が、聞こえた気がした。
男はその間、
彼女には一切の興味を示さない様子で別の少女を膝に乗せた。
少女は嬉しげに背中を預け、首だけを傾けて濃厚な口付けをせがむ。
口付けをしながら、無遠慮な様子で少女のドレスの胸元に手を入れ、僅かな可愛らしい膨らみを弄ぶ男。
少女を支えようともせず反対の手ではドレスの裾をたくしあげ、薄桃色の太股を撫でまわしている。
くすぐったい、とでも言いたげな矯声をあげつつ、少女は男の首に両手を回す。
あまりにも無邪気すぎる様子に、淫靡なそれはない。
それでも次第に甘い馨りを漂わせてくる少女に、僅かに女を感じるのは何故だろうか。
クチュリ、クチュリと湿っぽい音を立てて、男は少女の布越しの秘部に指を這わせる。
唇を依然として濃厚に絡み合わせながら、少女は熱っぽい吐息を吐き出す。
「ん…ぁ、はぁっ…--さまぁ…っ」
一瞬、意識が朦朧とする。
まただ。また、自分の顔をした男が、まるで自分であるかのように錯覚する。
違う。俺はあの少女を抱いたりはしない。
彼女を悲しませてしまうから。
彼女が、自分だけでと願うから。
意味の無い、罪悪感。
悪質なシミュレーションゲーム。
そう、いえば。
俺の中で、この男の名が先程からはっきりしないのは何故か。
無意識な自己防衛。
予想される卑猥で野蛮な行為を認めない為の唯一の逃避。
あるいは、それは俺であればいいのにという、唯一の願い。
ああ、もう。
もういいのに。
そんな優秀すぎる自己防衛反応なんて必要ないというのに。
----パキ、ペキ。
ひびがはいる。亀裂が走る、音が聞こえる。
「--、様。…脱げ、ました…」
頼りなさげな声。
いっそ気付かれなければよいと。
だけれど本当は自分こそを相手にしてほしいのだと。
自分だけを愛して欲しいのだと。
その矛盾した願いが尻すぼみな呼び掛けとなって発せられる。
「うん。おいで、僕の横、すぐそばに」
ゆっくりと歩を進める。
男の真横にくると、黙って手を揃えて立つ。
それを舐めるように上から下まで見て・・・男は言った。
「・・・裾を、あげてよ」
やめろ!
それ以上の羞恥を彼女に命じるな。
「…はい、--様・・・」
ドレスの腰元を、まるで会釈をするようにつまんで・・・持ち上げる。
ため息をもって男は否定の意思を表す。
姫は、ドレスの前面の裾に手を当てなおし、裾を胸の高さまで持ち上げる。
充分な布量と、豊かなふくらみを持つエプロンドレスは
その重みでUの字を描き、彼女の下半身・・・その始まりの部分をいまだ隠している。
「もっと、上まで…よく、見えるように」
「~~っ」
堪えかねるのだろう。
顔を朱にそめ、潤む瞳を伏せて、どうにか従う。
ドレスを持ちあげる手を、ぎゅっと握りしめながら。
男は姫を立たせたまま。
その腕には別の少女を抱いたまま。
彼女の秘部に、少し傾げた首だけを近付けて観察する。
「うん、まぁ予想はしたけどね。なんてイヤらしい匂いだろう」
「…っ。もう、しわけ…ありませ…」
蔑むように言われ、いまにも泣き出しそうになる姫。
どこまでも自分自身を虐げ続ける彼女のことだ、
何をされてそうなったか、その張本人を責める事など思いつきもしないのだろう。
「くすくす。まぁ、いいけどね…聖女、ちょっと降りて」
「ん…。ぁ…ねぇ…?」
「ん?…あぁ、いいよ」
「♪」
少女はずるりと身体を床に降ろす。
可愛らしい微笑を浮かべながら、どこか恍惚とした表情で…男の股間へと手を滑り降ろす。
服の上から、優しく撫でるように。
愛おしいものに触れるように。
脱がすことも露出させることもなく、そのままに顔を埋めて口付ける。
「ん…ぁ、む♪」
少女の愉しげな声が聞こえてくるのを確認して、男はまた視線を姫にもどす。
気だるげに、わざとらしく一本だけ指をたてて、姫の膝にピタリと当てた。
ツツツ、と指をずらす。
膝下から、太股へ。内股に、付け根へ。
ゆっくりとゆっくりと、彼女に緊張感を抱かせていく。
撫で上げるようにして、薄い毛の中に指を滑り込ませていく。
「…っ。ぅ…」
ピチリとした肉を割ることはしない。
隙間に何か塗り込むよう、ただただ這わせるのみ。
遠目にも、その指が次第に滑らかな動きになり、僅かな艶をたたえていくのがわかる。
----ペキン。
何かが割れた。
先程から、これは何なのか。
築きあげたかった信頼?姫との生活?
それとも・・・ここ数年で初めて知った、穏やかで暖かな「何か」だろうか。
突如、少女が男の着衣の下に手を入れて象徴的なものを取り出す。
眼下にそれを見た姫に、緊張がはしり一瞬硬直する。
その隙をついて、男は指ではなく…顔を、舌を、姫に埋めた。
「ひぁっ…!?」
驚きよりも、突然の快感に負けて首を仰け反らせる姫。
やめろ!
届かない声を叫びあげる。
やめろ!!
やめろ、やめろっ!
男の長い舌が、彼女の秘部から出される。
ゆっくり、ゆっくりと。
溢れ出る蜜の在りかを探しているように、ゆるゆるとくねらせながら
じっとりと姫を焦らしていく。
「ふ…、ぅっ…ぁ…」
一度だけの、滑らかすぎる小さな小さな侵入。
やめろ。
それ以上をすると許さない・・・!
どれだけ思っても、どれだけ叫んだつもりでいても、
まったく鼓膜を震わさない呼び掛けに意味はないのだろうか。
愉しそうに舌で舐めあげ、こじあけ。
でも今度はそれ以上に進むことなく、器用な舌先で小さな突起を責め立てていく。
―ん、ぁっ、や…っ
ピチャ…ペチャ…。
んむ…あ、む、むぐ…ぁはっ♪…んっ…
どこから聞こえてくる音か、判別が難しい。
何から漂うのか分からない、独特な匂いが周囲に立ち込めていく。
このままでいれば、全てがわからなくなって楽になれるのだろうか。
この2日、何度も頭の中によぎっては斬り捨てた考えが、また蘇る。
手の届かない場所で、目に見えない場所で、なにも出来ないまま…大切な者が傷つけられている。
犯されている。それも恐らく、酷いやり方で。
それは思考を諦めるのには充分すぎた。
虚無だった。脱力し、喪失した。
失うものなど既にないというのに。
その事実を突きつけられることで、またそれを繰り返すのか。
----パキ、パキパキ。
耳障りな、それでいてあまりに軽すぎる破壊音。
亀裂はついに、それがそれでいられないほどに伸びていった。
僅かに、確かに、崩れていく。
「っあぁっ!!」
一際甲高い、悲鳴。
確かにそれは悲鳴であった。
わずかに残された…庇護欲にも似た何かが、意識を引き戻すのを感じる。
見ると、男の指が彼女に突き入れられている。
突き立てたまま、蠢かせる。
!?
何してやがる。
許さないぞ。やめろ!
何故、この声は届かない。
やめろ。
やめろ。
やめろ!
ああくそ、この痛みはなんだ。
心からくるのか、身体から来るのか。
ギシギシと音を立てて俺を蝕む。
…やめろ
虚空に熔けて消える声。
何も震わせぬ声など、聞き届けられる者は居ないのだ。
----ガラッ・・・カラ、・・・
小さな破片が、剥がれて落ちた。
崩れていく。崩れてしまう。
愛おしいとおもうものが、大切にしたかったものが。
「クスクス…」
何がおかしい。
何がたのしい。
男はまるで犬や猫でも撫でる時のように、片腕をベッドに立ててリラックスしている。
反対の手だけを伸ばし姫の中を弄ぶ。
「ぁ…ぅ。い、やぁ…っ」
膝が震えて、立っていられなくなったのだろう。
彼女の言う『嫌』はいつだって自分自身に向けられるものだ。
命令を実行できない。要求に応えられない。
そんな自分自身を奮い立たせるため、無意識に口をついて出てくる言葉。
健気な彼女らしい、愛おしい言葉。
だが男にはそれがわからなかったようだ。
ピタリ、と手を止める。
ぬるりと指が引き出され、彼女に突き付けられる。
「舐めとって」
不機嫌そうな声。
その声に、先程までとはちがう理由で彼女は身を震わせる。
ドレスの裾を離し、男の手に自分の手を添え、ゆっくりと口を近付けてくわえようと…
ピシリ、と。
男は彼女の手を払う。
明らかな嫌悪感を隠しもしない。
「誰が裾を降ろせと言ったの?」
「も、申し訳、ありません…っ!」
慌てて取り繕うような声。
そして再び…一瞬だけの躊躇をひた隠しにし、裾を元の高さまで持ち上げる。
膝立ちになって、男の指を口に含み、丁寧に舐めとる。
あれではまるで奉仕に出された奴隷娘だ。
いや…まるで、ではないのだろう。
男は明確な意思をもってそうさせている。そうであれと命じているのだ。
ひとしきり舐めとると、姫はその愛らしい唇をそっと口を離す。
「終わり、ました…っ」
「…ねぇ、メイド姫。さっき、何て言ったのかな?」
穏やかな笑顔とは裏腹に、その口調はひどく冷たい。
ビクリ、と震えてから、その顔は血の気を失っていく。
「いえ…わたくし、は…何も…」
「いや、と聞こえた気がしたんだけれど」
「そ、それは…!」
ガクガクと、恐怖心にその身が支配され震えていく。
それまでの刺激的で快楽を伴う感覚による反応とは本質的に違うもの。
「ねぇ。僕に逆らうなよ。反抗的な事を言う口ならば・・・塞いでしまえ」
「…っ」
彼女には、あの男はどう見えているのだろうか。
愛しき主と思ったままでいるのならば、こんなに辛いことはないだろうと思う。
俺自身、昔は確かに冷たく接することをした。
が、その時でも彼女を傷つけぬことに注意を払ってきた。
冷たい振りをしていただけだから。愛を確かに注いでいたから。
ましてやここ数年は違う。彼女に愛情を語ることすらもあった。
人のそれとは異なるだろうけれど、優しく接するように気を付け、気遣いをした。
彼女は不慣れで不器用なそれを喜んでいたはずだ。幸せだといってくれた。
それがどうだ。
半年ぶりに触れた主は心変わりをし、自分を蔑み、只の性奴隷へと貶めている。
目の前で、自分もよく知る別の少女を可愛がりながら、
不機嫌に自分を辱しめ、乱暴に犯す主。
彼女はそんな主に何を思うのか。
罵ってくれたならよい。
裏切られたと責めてくれればよい。
呆れ、見放すならばなおよい。
おまえ自身には非のない事なのだとどうか気付いてくれ。
こんなときまで、自分を責めないでくれ。
「・・・こんなに待ってあげたのに、返事もない。察して行動もしない。…本当に、だめな女なんだね、君は」
違う!
顔を伏せ、涙をこらえ、逃げ出したい気持ちを抑え
ただただ耐え続けている彼女のなにが駄目なものか。
「仕方ないね。わからず屋で素直じゃない…。まったく、僕がちゃんと教えてあげなくちゃね?」
「…は、い。…おねがい、します…」
「ああ。口は聞かなくていいよ。気分が盛り下がるから…。そのドレスの裾でもくわえてろよ」
男はそう言って、彼女が掴むドレスを、軽くまとめて口内に捩じ込む。
顎を抑え、口を抉じ開けさせ、喉奥深くまで、入りきらないほど…無理矢理に。
「っ!む、ぐぅっ…!」
「ああ。よく似合うよ。うん…、それならば、まぁいいかな。ほら、立って」
蔑んだ笑いと共に与えられる、残酷な命令。
彼女が立ち上がると同時に、また指だけを這わせていく。
音を立て、乱暴に、それでも確実に急所を責め続ける。
「ふぅぅ…ふぅ、ぅーっ…」
咥内に満たされた布が呼吸を邪魔するのは当然だ。
自然、息遣いを荒くせざるをえないのだろう。
下半身に与えられる執拗な快楽が、さらにそれを荒立たせ、彼女に獣の息遣いを強制する。
「くすくす…やだなぁ。そんなにキモチいいの?ドレスがよだれまみれ。とても汚ならしい…。ねぇ、聖女ちゃん?」
「~っ!」
「んむっ…あむ、む…ん、んん…ぷは…。ぇ…?なぁに、――様…」
蕩けた瞳で男のものをくわえていた少女は、
舌をチロチロと出しながら、改めて問いかけた。
姫にとって、反芻されたくはない質問を。
「くすくす…もう。夢中になりすぎるのもよくないよ?」
姫に与える声とは違う、からかうような優しい口調。
「メイド姫ちゃんさ…しつけの悪い犬みたいだよね、って言ったんだよ」
「ぅ~~~っ!!」
赤い顔をさらに真っ赤に紅潮させ、瞳は潤んでいく。
見ていられない。
妹分として彼女を慕っていたはずの少女は、そんな彼女を眼だけで観察する。
「ん…あは、でも…それもカワイイかなぁ…」
一言だけ感想を述べると、また小さな口いっぱいに男を頬張っていく。
「くすくす…ほんと、聖女ちゃんは可愛いね・・・」
「・・・・っ・・・」
「聖女、大好きだよ。…さすがぼくのお嫁さんだ」
「っ・・・・!」
ああ。
泣いた。
泣いてしまった。
ギュッと閉じられた瞳から、
一筋、二筋と涙の粒が姫の頬を流れた。
やめろ…。
もう、やめてくれ。
----ガラ、ガラ・・・
勢いを増して・・・崩壊が始まる。
「…あれ?泣いてるの、メイド姫」
「――っ…」
ポロリ、ポロリと次から次へ。
溢れだして止まらない。理由も存在もあまりに理不尽な涙。
「ふぅん…?少しは、素直になる気になったのかな…?」
男は、そっと姫の口から布を引き出してやる。
突然の酸素にむせ帰り、苦しげに身体を曲げる姫を支えて、優しく撫でる。
そうしてから、甘いキスを与え、涙を舐めとり…やさしく微笑む。
苦しませた張本人が、助け出すヒーローをも演じる。
なんてばかげたシナリオ。
天神「ねぇ…メイド姫?」
天神「僕は、君にたくさんのひどいことをしたし…このあともするけれど」
天神「こんな僕の事…どう、思う?」
ああ・・・もう。
もういいだろう、やめてくれ。
聞きたくないんだ。
それだけは、聞きたくないんだ。
「ぁ…愛しています…っ…それでも、私は、こんなにも貴方を…愛しているのです…っ」
・・・っ!
俺は・・・ここにいるというのに・・・。
姫の言葉は、切実な悲鳴であった。
現実の状況を慮れば・・・まさに心を引きずり出すような、痛みを伴った悲鳴。
「よく言えました。・・・可愛いね」
顔を手で覆い、声を上げて泣いている彼女。
涙も、命令に逆らって崩れ落ちる身体もそのままに。
「ご褒美をあげよう…それとも、僕に愛される方が嬉しい?」
男はそんな彼女を片腕で引き起こし、
自分の座るやわらかなベッドの上へと導く。
どこまでも優しくベッドに横たえられる。
柔らかな口付け。
心地よい言葉。
安堵してしまう心に嘘がつけなくなる彼女。
そんな姫の心の隙をついて
あまりに卑猥で、刺激的な愛撫が一斉に彼女に襲い掛かった。
「ん…ぁ、あぁっ!!…んんっ--、さまっ、…愛、してくださ…ぁっ、ふぁぁ!!」
目の前が、暗転する。
声が反響する。
世界は歪み、美しいものが反転して、ぐるりぐるりと螺旋を描いて乱れていく。
ふと。
それまで誰にも届かなかった声が。
願いを叫び、助けを求める声が。
神に、拾われた。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
天神「やめろ、やめろと・・・うるさいね。・・・姫たち、ちょっとまっててね・・?」クスクス
魔王「!」
テクテク・・・
天神「さて…。もうそろそろ、こっちもいいかなぁ」
魔王「なにを・・・これ以上、なにをするというのだ・・・」
天神「ふふ。怖い?大丈夫・・・魔王クンに、素敵な事を教えてあげるだけだから」
魔王「…っ、やめろ。くるな。…もうやめてくれ…やめろ…」ギシッ
天神「クスクス…。でもきっと、最初に聞いておけばよかったって、思うようなことだよ?」
天神「…そしたらもしかしたら、元気なうちにもう少し本気で反抗できたのかもしれないような…ね」クスクス
魔王「ほざけ…今更、何を…っ」
天神「今更、ね。…ふふ。やっぱり教えてあげる」スッ…
魔王「くるな!」
天神「ねぇ、魔王…」コソ
魔王「…くるな…やめろ…何も知りたいことなど・・・!」
天神「あのね・・・・
…僕が、メイド姫ちゃんにこうして触れているのは…
…『今が初めてなんだ』…
魔王「…!」ギシッ
天神「ふふふ・・・あは、いい顔・・・自分の絶望していく顔ってこんなに素敵なんだねぇ・・・」クスクス
聖女「ん・・天神さまぁ、まだ、だめなの・・・?」
天神「ああ。いま、戻るよ。続きをしなくちゃいけないものね」クスクス
スッ・・・
魔王「っ!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!」
ギシッ、ミシミシ…ギシッ!!
天神「あはははは!いい声だよ!なかなか気分が盛り上がってくる!」
魔王「ふざけるなよ!馬鹿をいうな!!」
天神「んー・・・半年ぶりなんだっけ?!堪らないんだろうね?あんなにされて、こんなに感じちゃって…!」
チュ…。ツツ…
メイド姫「ふ…ぁっ!や、もうっ…!!」ビクンッ
魔王「それでは…それでは、俺は…!!」
天神「そうだよ、魔王クン」
天神「今更だ、手遅れだと思って諦めていたせいで…」
天神「本当は守るべきものが目の前にあるのに、みすみす手を出されて。一部始終を見ながら、ぶち壊されて、君は本当に失うんだ」クスクス
魔王「…っ!!く、そ…やられた…っ!!こんな、こんな…目の前にいて…っ俺は何を…っ!!」
天神「僕は最初に、ヒントをあげたんだよ?『そのつもり』で、いいのかなって」アハハハ
メイド姫「ん…ぁ、てん…じ、さま…っ…」モジ…
天神「あぁ、ごめんね…あんまり長いと、おあずけはつらいよね」チュ…
天神「さぁ『頂こう』。これからが、本当の天罰だ」…グッ
女神姫「…ぁ…ぅっ!」キュ・・・
----パキーーーン!!!!
その瞬間。
バランスを保てなくなった何かが一斉に崩れ…
全て真っ黒な闇の中に飲み込まれていくのを感じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「させない」
モワッ・・ モワモワモワモワモワ、バシュシュシュシュ!!
天神「!? ・・っく」
パアァァァァァァァァ!
ドシャァァァァァァァァァ…!!
ガラ・・・ガラ・・・
かつ・・・コンッ
聖女「…っ」
天神「・・・」
聖女「あ…え?…部屋、が…崩れ…」
メイド姫「…ぁ、…?」
天神「…これは、驚いたな」
天神「3日も閉じ込められて、まだそんなに瘴気を保っていたなんて…このままでは、この部屋はもう機能しないじゃないか」
聖女「…て、天神さまぁ…」
魔王「・・・・ふん」
天神「魔王クンに、ここまでできるとはね…。僕がいなければ、彼女たちだって無事じゃ済まなかったよ?」
魔王「…そうなったらそうなった時だ。おまえのおかげで気がついたよ」
天神「ふーん…?なに?もしかして、キレちゃった?」
魔王「キレる?俺が?」ククク
魔王「ありえない。ようやく眼が覚めた、といったところさ」
天神「ああ。寝取られて、どうでもよくなっちゃったんだ?」
魔王「取られた…ね」フム
魔王「確かにあれは無断借用されてしまっている。だがそろそろ取り返すべきだな。調子に乗らせてしまったようだ」
天神「…なんか、雰囲気かわったねぇ…ふふ。確かにその方が、魔王らしいけど」
魔王「愚鈍な欲に溺れすぎて、自分が魔王ということすら忘れていた」
天神「ふふ・・・まぬけすぎるんじゃないの?」
魔王「ふむ・・・。神というのは、もしや・・・光の中で全てを生み出し、世界に暖かな道を開くものなのだろうか」
天神「は?何を突然・・・」
魔王「いいだろう?別に。俺の物を貸してやっているんだ、それくらい答えろ」
天神「どういうつもりなんだか。・・・うん、そうだね。まぁ、僕の好みの道を作るけれど、だいたいはそんなとこさ」クスクス
魔王「では、お前は魔王とは何かがわかるか?」
天神「は?・・・そんなの・・・僕の知るところじゃないよ。自分の魂に存在意義があるだろう、聞けよ」
魔王「お前が俺を作ったのだろう?」
天神「・・・確かに僕の魂のコピーで創られている、君は僕の偽者さ」
天神「でもそれをしたのは僕じゃない。僕は3代目だ。あたりまえだろう。そこまで古い記憶は魂に残っていないよ」ハァ
魔王「ああ、そうだったのか。それでも長生きだな、神というのは。世界の創生者かと信じてしまったのも無理は無いか」
天神「だから!魂は同じだよ!おまえだって同じ仕組みで代を重ねるのだからわかるだろう!」
魔王「俺は、俺さ。歴代魔王と同じでは無い。そしてお前とも違う。真逆すぎて、似て見えるほどに」
天神「・・・なんだって?」
魔王「真の創生者の偽者、天神。俺の存在意義を知らぬようだから教えてやろう」
魔王「暗闇の中で全てを破壊し、絶望に寄り添う者。それが、この・・・魔王だ」
天神「……『魔王』か。・・・これは、計算外だったな・・・絶望よりも、ぬるま湯のほうが致命的とはね・・・」
魔王「俺がお前と同じだとでも思っていたのか、くだらない」
天神「冗談。僕は君ほど、ひねくれてないよ」ニッコリ
魔王「さて、どうする気だ?」
天神「・・・何が?」
魔王「俺は最初に言ったはずだ。このままなら世界が破滅すると。悪戯が過ぎぬように、と」
魔王「何もかも、やりすぎたな。…今、世界は破滅する手前だ。別れを惜しまぬのか?」
シュワワワ・・・モワモワ・・・
天神「…ふぅん。なるほど?でも、それをすれば君の大事な姫様も塵になってしまうよ?」
魔王「それが、どうした?」
天神「…は?・・・なんて?」
魔王「些末な事を気にするのだな、神というのは」
天神「・・・君は、彼女を愛しているんじゃなかったのかな」
魔王「気にすることではない。あれにはこう命じてある。『どんな絶望があろうと、俺と共にあれ』と」
天神「…ふーん?魔王らしいプロポーズのつもりかい?」
魔王「ただの命令さ」
魔王「おまえが俺でない以上…あいつはその命をやぶったのだ。殺されても文句もでないだろう」
魔王「それにあれは、俺の命令に絶対であろうとする奴でな」ククク
魔王「…死という絶望をもって俺の元に戻ることが出来たのなら…本人は至福の一時に浸るだろう」
天神「…ふふ。ははは・・・魔王、魔王ね。ああ。たしかに君は僕と同じだ。そのとおりだね、よくわかるよ」
魔王「今それをすれば、見たことの無い最高の顔が見られるのだろうか・・・ああ、いいな。く・・くっくっく」
天神「・・・・」
魔王「しかし、あれを悦ばせるのは俺の唯一の趣味でね。・・・出来るのならまだ壊したくはない」
魔王「…姫を戻せ。全てを元に戻し、俺に従え。・・・世界が惜しければ」
天神「人質には人質を、ね…。でもね、宮殿を壊されて、さすがの僕も怒っているんだ」
天神「挑むことを、認めてやろう。…僕に勝てたら、その願い聞きいれてあげる」
魔王「世界を壊せないお前と、全てを壊せる俺。どちらが有利か、教えてやろう」
・・・・・・・・・
一時、中断します。別の作業があるの忘れてました。
終わり次第、朝のうちにもう一度投下するかもしれません。
NTRに30レスも使ってしまった。地の文入れるのバランスむずかしいね。
それではいってきます
うぁぁ すんません、丁度再投下しようとしてたら、
ありえない時間に呼び出されて無理になりました・・・!
夜には、再投下しますので。
いってきますー、すみませんー!!
NTR属性ないのに…地の文いいじゃないか…ふぅ
しかし魔王のターン待ちわびたぞ
なんか約一名の存在感がない気もするけどw
>>143
いってらー
NTRは、読んでて、てんしょんさがるねー。前文は、かなり面白いのですが・・・
忘れ物で帰宅。時間ないので投下はやはり夜かな。
>>144
ふぅ、じゃないwwどこでそうなったw
地の文は苦手なんで、素直に嬉しいです。ありがたいです。
NTR内容じゃなければもっと喜べたんだけどねwww
薄い人にもがんばってもらいましょうw
>>145
わかります…俺もテンションだださがりで書いてましたから…すみません。
一回大きく書き直したのですが、
校正中に夢にまで見て、起きてリバースしたのはもう忘れることにしました。
自分が苦手な分、やるならとことんやらないとキャラが死にそうだったのでこうなりました。
前のほう楽しんでくれたとか、そっちが俺の本分なんですごく嬉しいです。
苦手なのに読んでくれてありがとうございます。
騎士王と姫ちゃんの展開はこのあとお楽しみに。
ではまた夜に。
>>146
145のものです。
あ、批判を言いたい訳じゃないのを付け加えます。
純粋に、物語の続きを楽しみにまってます!
私には、こう言う物語は書けないので(泣
魔王「 ・・・>>147?」
メイド姫「はい。珍しいほど律儀で丁寧で思いやりを感じます。誠実そうですね」
魔王「ふむ。こいつの爪の垢でも取って、天神に飲ませてやるか・・・」
メイド姫「魔王様。女性に対して、爪の垢だなんて失礼に当たりますよ?」
魔王「女なのか、>>147は?」
メイド姫「・・・いえ、確証はありません。が、性別を問わず、爪の垢だなんて・・・」
魔王「まぁ、綺麗そうなイメージはあるな」
メイド姫「実際に、爪の垢があるかどうかは問題ではないのですよ、こういう場合は」
魔王「そうなのか? ふむ・・・。」
魔王「姫、指先を見せてみろ」
メイド姫「えっ、で、ですから、そのようなことを女性に言うなど・・・」
魔王「気にするな」グイッ パク・・・ペロリ
メイド姫「ひゃ!?// ちょ、魔王様、何をなさるおつもりですか?!//」
魔王「俺は気が利かないようなので、お前の爪の垢でも舐めてみようと思ってな」ベロリ・・・
メイド姫「~~~~っそんなもの、私には・・・」
魔王「・・・『あるかどうかは問題ではない』といったのはお前だぞ?」ペロ、ペロ・・・チュゥ・・・
メイド姫「っ! ぁぅ、で、ですが・・・// その、そのように、されてはっ//」
魔王「どうなるのだ?」チュパ・・・チュ、チュゥ・・・ペロペロ
メイド姫「~~っ、で、ですからその、妙な気分になってしまうと・・・//」
魔王「ふむ。それは大変だ」ピタリ
メイド姫「」ホッ
魔王「>>147、どうやら姫には急用ができたようなのでこれで失礼するよ」ヒョイ ダキ
メイド姫「そ、そんな風におっしゃられては、まるで私が・・・っ//」
魔王「新しい楽しみ方を思いついた。>>147に感謝しよう」
メイド姫「か・・・感謝するべきポイントをお間違いですっ//それにこのように見せ付けるのは立派なセクハラです!!//」
魔王「困ったな。お前以外にセクハラするつもりはないのだが」
メイド姫「ぁぅ// ご、ごめんなさい>>147さんーーっ!//」
急に思いついて、つい書いちゃっただけです。
本当、ネタにしてしまってすみません。批判も俺は大歓迎派ですよ?
投下は0時過ぎになると思います。
作業終わらない・・・(←そんなときに何やってんだ俺。
小ネタ書いてるとき何気に至福っていうのはSSあるあるだと思う。
予定より随分遅れましたが、投下を再開します
ああもうほんと 魔王笑いがしたくなるほど
地の文かかなくていい文章がすごく楽しくて仕方ないです
↓よりはじめます
天神「・・・くすくすくす・・・」
魔王「何が、そこまでおかしい」
天神「・・・確かに、元始の神ではないけどね。それでも君は僕に勝てるわけがないのに、と」クスクス
パアァァァァッ…
魔王「おい。その神気、本当に嫌いなんだ。…放つのやめろ」イラ
天神「僕自身と同意義だからね、魔王クンに嫌われて嬉しいよ」ニッコリ
魔王「・・・さっきは俺が教えられたから、今度は俺が教えてやるとしよう」
魔王「おまえ、自分が俺にどんだけキモチ悪いことしてるか体感してみろ」
モワ・・・モワモワ・・・ッ
天神「・・・」
魔王「どうだ、嫌だろう」
天神「…うん、確かに周り中に気を広げられると嫌な気分だ。こんなの露出狂に会ったも同然じゃないか、やめてよ変態魔王」キッパリ
魔王「ふざけるな俺のセリフだ鬼畜天神」イラ
天神「…でも、仕方ないよね、僕は剣とかの武器や攻撃ってのは実は苦手なんだよ」
天神「戦闘で役立つことなんて、気を固めて結界にすることくらいだから」
魔王「守り育てるべき神が、戦闘狂じゃなくてよかったとは思うな」
天神「そうなんだよね、僕は守る者」
天神「悪いけど神気を放ち守らせてもらうよ。ひとまずは僕と彼女達をね。…妻子がいるもんで」クスクス
ッパアアアア・・・!
魔王「ちっ…自分の周囲に結界を張ったか。…小さい分、硬度はあるってとこか?」
魔王「それにしても…こんな何もない部屋に囚われていたとか、俺も何をしていt
騎士王「……」ブツブツ…
魔王「…忘れていた。…見事に絶望に堕ちているな…」ハァ
騎士王「……」ブツブツブツブツ・・・
魔王「まったく。勇者を絶望させるのは俺の仕事だというのに。仕事まで取るとは…」チラリ
……<結界の張られたベッド内>……
天神「聖女ちゃん、メイド姫ちゃん、もう大丈夫だよ♪ごめんね中断してて」
聖女「天神様ぁ…私怖かったですー!」ギュー
天神「っと、参ったなぁ。メイド姫ちゃんの番だったんだけど…あれ?」
メイド姫「」きゅう
聖女「メイドちゃんはダメっぽいですよぉ…。キモチよすぎてフラフラしてるとこに爆風きて、そのまま倒れちゃいましたぁ……」
天神「…うーん、そんなに過敏になってるなんて。やっぱり2日もただ僕たちの行為を見せ続けたのはやりすぎたかな?」
聖女「…//私は、もっともっとしてほしいですよ…?//」
天神「くすくす。とんだ聖女だこと…」チュ
聖女「ん…ぁは♪」チュ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「あいつ・・・好きにかかってこいというにしても、せめて戦闘のポーズくらいとれ…」ハァ…
魔王「まぁいい」
魔王「姫に手を出さないなら、今はこちらも取り敢えずほうっておこう…問題はこいつだ。・・・おい」
騎士王「だめだ・・もう、だめだ・・・」ブツブツブツブツ
魔王「ふむ。・・・癪だが、あいつの真似でもして覚醒を促してみるか…」
騎士王「……」ブツブツ
魔王「…何を言えばいいのか。ふむ。勇者…勇者、ね。やはり『希望』とかか?」
スッ・・・
魔王「あー・・・おい側近。いいことを教えてやろ・・・う・・・」
魔王「・・・あー・・・・・・」ウーン
騎士王「・・・・・?」ボー
魔王「…どうしたものか。こいつが立ち直るだけの『希望』が、嘘の1つでもでてこない。魔王が明るい希望を語るとかそもそも無理だ」キッパリ
騎士王「…希望がない…無理…希望なんか、未来なんか…」ブツブツブツブツ
魔王「っ、しまった。・・・・悪化させたか」ハァ・・・
騎士王「ろ…し…ヒ」ボソ、ボソ・・・
魔王「? 何と・・・?」ソー・・・
騎士王「やめろやめろやめろ俺にしろ俺にしろやめろウヒヒヒヒヒやめろやめろやめろ俺にしろ俺にしろ俺にしろやめろやめろやめろウヒヒヒヒヒやめろやめろやめろやめろ俺にしろ俺にしろやめろウヒヒヒヒヒやめろウヒヒヒヒヒやめろやめろやめろ」ブツブツ
魔王「ひっ・・・!?」ドンビキ
魔王「~~~~っ!!」プルプル
ゲシッ!ゲシッ!!ドカッ!!
魔王「ええい、おまえがやめろ!もう知るか、勇者として死んでしまえ!その上で更に死んで蘇るな!あまりの気持ち悪さに俺が負けるとこだったわこの陰湿勇者が!!」ゲシンッ!!
騎士王「はっ!…魔王が負けたら姫ちゃんと結婚して俺があれをヤってもらえる!?」ガバッ!
魔王「!!」ビクッ
騎士王「……」キョトン
魔王「…」
騎士王「…あ、あれ?」キョロキョロ
魔王「…いや、まぁ…俺も、結局はおまえと大差ない理由で覚醒したけどな…」ハァ…
騎士王「は、え?どゆこと?つかまだヤってる?!」
魔王「あー・・・そうだな、ヤってるな・・・」
騎士王「なんで魔王あれみて平気でいられたの?!メンタル強すぎじゃね?!」
魔王「……あー…」
魔王「『絶望した!女を目の前で寝取られるとか絶望した!!』ってかんじ」フイ
騎士王「よくそれで立ち直れたなオイ」
魔王「『ハーレム王に俺はなる!』みたいな理由のお前に言われたくない」イラ
騎士王「…うん、やめよう…そんな魔王vs勇者戦はごめんだ」
魔王「同感だ。それにさっさとあの結界をぶち壊して、姫を連れ出さなきゃならない」チャキ
騎士王「結界、ね。OK、わかりやすくていいぜ、戦いはそうじゃなくちゃ!」スチャ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
天神「・・・くす」
聖女「・・・・♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「俺はとにかくあれを瘴気で覆い被せ蝕む。神気をどうにか薄めて払わなきゃならない」
魔王「側近は剣で斬りつけて、どこでもいいから破れ。瘴気に飲み込まれぬよう気を付けろ」
ズ、ズズズ・・・
モワモワモワモワ・・・
騎士王「何。俺の心配してくれんの?」ニヤニヤ
魔王「違う・・・・・・絶望したお前をいつか撮影して見せてやるよ・・・」ハァ
シュワァ・・・モフー・・・
騎士王「ちょっ!瘴気萎えてるよ!?俺どんだけキモいのよ!?」ガーン
魔王「まったく、俺の周りはうるさい奴等ばかりだ…行くぞ」
ゴッ・・・!
モワモワモワモワ・・・ブワッ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
騎士王「…くそ。なんだあの結界。弾かれないように剣をあてるのがやっととか、どうすんだよこれ!?」
魔王「創生者の魂は伊達ではないな。しかしなんて力量差だ。ありったけ覆せても結界を崩せない」
魔王「まさか本当に瘴気が尽きる寸前とは…払われる分、無駄に消費するんだな」
騎士王「くっそ…おい、魔王? 大丈夫なのか、なんかぼやけてんぞお前」
魔王「あぁ…よく霧散しないよな。明らかに瘴気を使いすぎた。あの部屋のせいで魔力もないし…実体がうまく維持できない」
騎士王「…くそ、神ってのはどんだけなんだよ…」ジッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
天神「クスクス」チュ…
聖女「ん♪んむ、む…ぁむ…」ペロ、ペロ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
騎士王「・・・」ハァ
魔王「・・・」ハァ
騎士王「この状況でまだヤッてられる精神が理解できない…。もう俺の姫ちゃんはどこにもいないのか…」ガックリ
魔王「・・・。しかし、ここにきて、俺は側近の気持ちがようやくわかったぞ?」
騎士王「あ?なにがだよ」
魔王「反省しよう。創造者に勝たなくては女も抱けないだなどと不条理すぎる。帰ったら王にあの誓いを訂正させてもいい」ウム
騎士王「そんな場合か!ありがたいけどもういねぇんだよ俺の姫ちゃんは!遅いわ!!」
魔王「あそこで天神のに、むしゃぶりついてるではないか」チラ
騎士王「そうなんだよ!どうなんだよ!アレはソレすぎるだろ!ナンなんだよ!」ガシッ、ブンブンブン!!
魔王「落ち着け意味がわからん」ガックガック
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
天神「クスクス…」
メキメキメキ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「! しまった、攻撃を止めたら神気を広げはじめた!!収監室が復元する…また閉じ込められるぞ!」
騎士王「くそ…部屋から離脱するしかねぇのか…!」
パァァァァァァ…!!
魔王「なっ、結界をここまで広げ…?! ぐ…こ、これでは…」
騎士王「一気に広げて無理矢理に雲から追い出す気だ!!」
天神「ふふ、正解。それだけ瘴気を失ったら、この程度の硬度の結界でも破りようが無いでしょ」ニッコリ
天神「さよなら。いま掃き出してあげる」
魔王「…ちっ」
天神「安心してね?聖女は身重だから、そんなに激しくはしないさ…」
騎士王「おまえらまだやる気かよ!!」
天神「ふふ。メイド姫は楽しみだよ。無力な魔王クン、今までの調教おつかれさまでした。あははは」
魔王「ほざいていろ…っ! くそ、結界が…この状態じゃ俺まで消されてしまう。引くぞ!」
騎士王「ああああ…収監室のせいで二人して魔力切れしてんし…結局また落下帰宅かよ…っ!」
バッ・・・
ヒューーーーーーン!
魔王「…っこのまま手も足もでないまま横取りされるなど…ん?」
/マオークーン!メイド姫チャン、
\コンドコソイッタダッキマース♪
魔王「」イラ
スタッ・・・
魔王「まずは宮殿を消す。空中じゃさすがにヤれないだろ」キッパリ
スタッ!
騎士王「なかなか無茶苦茶言うね、そのための瘴気もないくせに!」
女神「いやー、今の台詞はまじでありえないわぁ…畜生だな・・・」
魔王「・・・・・・・・あ?・・・女神?」
騎士王「・・・あれ、おまえいつ消えて、どこから沸いた?」
女神「3日も帰らないあんたたちを心配して来てみたら、案の定落下させられるのを見つけて、華麗にドラゴンを翔ばして足場にしたあたしの偉業を見事にスルーしやがるわけだこの天然コンビは」
ドラゴン「ぴぃっ!」
騎士王「…あ、そういや立ってるし墜ちてない…と思ったら、ドラゴンか。…ありがとなー」ヨシヨシ
魔王「うむ、見事だドラゴン。まったく気付かず着地してしまったぞ」ナデナデ
女神「もういっそだまってくんないかな!?」ムキー!
女神「ったく…まぁ、イラつくのは仕方ないけどねー。 天神はうちら兄妹の中でも特にハンパないもん…」
騎士王「…は?」
魔王「…兄妹?」
女神「義理だけどね。てか、神事ってのは基本が全員親族なんだよ?ヒトやマモノと交わることもそうそう無いし」
騎士王「…そーいやなんか、天空宮殿でも偉そうだったなぁ、おまえ…。」
女神「実際かなり偉いんだよ!つかNo2だよ!天神とは絶縁してんけど!あれが上司じゃなかったら蹴ってる!」
魔王「NO.2が絶縁されて、地上に置き去り?」
騎士王「おまえ、それ相当変なことしたんじゃないの?」
女神「あいつがしたの!文句いって絶縁してやったの!そしたら置いてかれたの!!」
魔王「何されたんだ」
女神「彼氏とられた」
魔王「・・・『彼氏』・・・だと?」
騎士王「聞かなかったことにする。俺は何も聞いてない。あーあーあー」フルフルフル
女神「そうなるでしょ!?あたしは『男同士でありえない、おまえとなんか絶縁してやる!』って怒鳴っただけだよ!!」
騎士王「あいつ・・・なんか・・・もういろいろサイテーだな・・・」
魔王「あいつ俺と同じ顔してんだぞ、俺は今最悪な気分だ。こんな絶望に寄り添うつもりは無かった」ドヨン
女神「あいつは昔からサイテーの色魔だよ。老若男女関係ないし。妊婦とか絶対にガンガンやられてんよ」
騎士王「なっ!?」
女神「『一粒で二度おいしい♪』とかいいながら精神崩壊ギリギリまで追い込んでから掬いあげるんだ、いつもの手だよ」ハァ
騎士王「まて、いくらアレな姫ちゃんでも、そんなことになるのは見過ごせない!」
魔王「あー・・・あれって常套手段だったのか・・・どうりで手馴れてると・・・」
騎士王「体感して達観してんじゃねぇ!俺はあの子を守るって約束してんだ!本人が乗り気で楽しそうだったからなんかまだよかったけど、そうとわかれば話は別だ!!」
騎士王「あのやろう・・・まじで生かしておけねえ!!やれ魔王!」
魔王「命令すんな。あと、なんかもうやりたくなくなってきた。瘴気もないし」ダラー
騎士王「・・・・このまま姫ちゃんにアイツの子生まれて、それが男で、さらにそれとヤるかもしれないぞ、お前の顔で」
魔王「俺の顔で最低なことすんな!!絶対とめてやる!!」
女神「あんた魔王だよね!?基本が最低なことする生き物だよね!?」
魔王「とはいっても・・・くそ、瘴気も魔力もないのにどうしろってんだ・・・」イライラ
ドラゴン「ぴー・・・」
魔王「・・・」ジー
ドラゴン「・・・ぴ?」
がしっ
魔王「喰わせろ、ドラゴン」
ドラゴン「ぴっ!?ぴぃ!?」ジタバタ
騎士王「ちょ、どうした魔王!正気を保て!肉食ったら元気でるなんてレベルの話じゃねえぞ!」
魔王「いや、これなら大丈夫だ」スッ・・・
ゴシュッ!!
騎士王「ちょっ!!・・・え?」ガクッ
ヒューーーーーーン!!!!!
騎士王「えっ、ちょ!ド、ドラゴンが居ない!?お、おち、落ちる!?」
ガシッ!ガシッ、ペイッ!!
女神「うぉっ、ちょ、重い!!飛べるけど重い!!重いからおまえらまで持って飛んでられない!!」
魔王「ふむ。足場を食うのは間違いだったな」シレッ
女神「ちょ!~~~ああもうっ!地上までなんとか降ろすからあとでちゃんと感謝しろよ!?」
魔王「それには及ばん」ニヤリ
魔王「転移術・・・地上へ!」パチン
モワモワ・・・ブンッ!
---------
<地上>
騎士王「死ぬかと思った」
魔王「ふん。策もなく、そんな迂闊な真似をするわけないだろう」
騎士王「するよね、魔王なら。・・・・で?何したの?なんで魔力もどってんの?」
魔王「喰ったのだよ、ドラゴンの内の瘴気と魔力を。吸収したのだ。・・・ほら」ポイッ
蟲「・・ぴ・・・・」クラクラ
騎士王「・・・・ドラゴンが・・・蟲に、戻ってる?」
魔王「まったく、これは便利な貯蔵タンクだな。暇なときに溜めておけば、何かと役立ちそうだ」
騎士王「いや・・・さすがにそれはドラゴンが不憫すぎてもう・・・魔王、こええよ・・・」ガックリ
魔王「それにしてもこのドラゴン、よくこれだけ呑みこんでいたな」
騎士王「出かけに自分で『動くな騒ぐな黙れ跪いて果てるまで受け入れろ』って叫んで、半年間の鬱憤を無理に詰め込んだんだろうが!!可哀想すぎるわ!!」
魔王「そうだったな。どうりで、鬱憤と恨みが蘇るような気がすると思った」ククク
魔王「ああ。本当に。瘴気と魔力と、堪え切れないほどの欲望が湧き出してくる・・・」ニヤリ
騎士王「・・・っ」ゾク
魔王「さて。『楽園』の扉、開けさせてもらおうか」パチン
モワッ・・・
騎士王「・・・っ、瘴気が・・・固まって、槍に・・・?」
魔王「ゆけ」
ヒュ・・・ズダンッ!!!
騎士王「な!!・・・7万メートル上空だぞ・・・まさか・・・」
魔王「・・・いけるさ。今、俺はすごく機嫌がいいんだ・・・」クク
シュパッ・・・・・・バキーーーーン・・・!!
パァァァァァァァァァァァァァァ!
・・・ビュオオオオオオ!!!!
騎士王「!!っ、ここまで・・・風が・・・!」
魔王「よし、結界を砕いたな」
女神「すっげ・・・あれだけあった神気が一気に・・・どこかに・・・消えた・・・?え?どこに?なんで?」
騎士王「・・・・魔王、おまえ・・・」
魔王「さぁ。改めて、捕らえにいこうじゃないか・・・?」
魔王「転移術。・・・神様気取りの、哀れな盗人の元へ」
モワッ・・・・ブンッ!
-----------
<天空宮殿>
ブン・・・パッ
スタッ
魔王「また会ったな。食事は終わったか?」
天神「!」
聖女「」クッタリ
魔王「まったく、食事するのにどれだけの時間をつかうのか・・・」
騎士王「姫ちゃん!」チャキッ
天神「・・・残念ながら、まさに食事の最中だったんだよね」
天神「突然の暴風にすべてを台無しにされてしまって・・・彼女たちは気を失ってしまうし。僕はひどく不機嫌だよ」
魔王「そうか。さっさと食べてしまわないからいけないんだな。俺は上機嫌だよ」ニヤ
天神「・・・何をした?」
魔王「何、とは?」
天神「結界の分もだが、爆風で飛ばされた集まっていた神気まで消えた。戻ってこない。なんだかずいぶん取られたようだけど・・・」
魔王「さて。知らぬな。神気にまで愛想を尽かされたのではないのか?」ククク
天神「・・・・僕を弱らせようってわけ?外堀から埋めるタイプ?・・・まだるっこしいなぁ、嫌われるよ?」
騎士王「てめぇ・・・いいかげんにしろよ」
天神「まぁ、いいけどね。ちょうど面白いことをしていたんだよ」クス
魔王「・・・・・・」
天神「メイド姫ちゃんが気を失ってなかなか起きないからね・・・僕の気を、かなり分けてあげたトコだった」
メイド姫「・・・」スッ
魔王「姫」
天神「君の相手は、僕の力をいれたこの子・・・くす。 もう見習いではない、『女神』がお相手するよ」
メイド姫「天神様に仇なすもの。打つと、言っておいたはずです。お覚悟を」スッ・・・
魔王「・・・・姫」
天神「神気で触れないし、さすがに自分で斬りつけるのは抵抗があるだろう?」
天神「・・・さてどうする、魔王クン?」クスクス
魔王「抱く」キッパリ
天神「・・・・・・・・は?」
魔王「抱く、といったのだ。抱きたい。わざわざ自らの欲に逆らう必要もあるまい」
天神「・・・・まじで、言ってるの?この状況で?」
騎士王(お前が言うか)
魔王「何度聞かれても同じだ。抱く。その為に取り返しにきたのだしな」
天神「はは・・・・さすが僕のクローンだな・・」
魔王「それはやめろ」イラ
天神「ああ、いやいや。すこし驚いたけど、どうするつもりなんだ?触れないのに」
天神「・・・もしかして、『愛の奇跡』なんか信じたりしてないよね?」
騎士王「~~っ!逐一ほんとにお前はむかつくやつだな!愛は世界を救うって言うだろ!」
天神「くすくす。そんな奇跡、僕はおこさないよ?」
魔王「さすがに俺もそんなことを考えるほど馬鹿じゃない」
騎士王「お前ら両方とも、勇者的精神を馬鹿にしてんじゃねぇ」イラ
魔王「単純なことさ。俺自身を全て瘴気に戻し、姫の体内に無理やり挿入する」
天神「・・・捨て身、ね。抱くというより、抱かれてしまうじゃないか」クスクス
魔王「それもそうだな。だがまぁそれも一興だろう」
天神「それだけの瘴気をぶち込まれたら、神気は払えるかもしれないね・・・」
天神「・・・でも記憶は戻らない」クス
魔王「構わない。俺の記憶が無いのなら、一から植えつけていけばよい」
天神「それは・・・ずいぶんと、気長でいらっしゃる」くすくす
魔王「こいつには2000年支えてもらってるんでね。それに比べれば短いだろうさ」
天神「・・・元に戻ると思っているのか。ずいぶん、自信家だね」
魔王「こいつに関しては、いくらでも自惚れてしまうよ。そういう姫だ」ククク
天神「へぇ・・・それは・・・ますます返したくなくなったな」クス
魔王「返して、もらう」パチン
ボワンッ
天神「!!」
メイド姫「・・・体が・・・渦巻いて、霧になっていく・・・?これは・・・こんなもの、どうすれば・・・っ!?」
--(黙って俺に身を任せてしまえばよい)
グワッ!!
メイド姫「!?きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ んっ!むぐぅっ、っぁっ~~~~っ!!!??」
--(従え。俺と共にあれ。俺の全てを受け入れろ!)
ズモモモモ・・・・ボシュンッ!!!
メイド姫「あ・・・」ガク・・・ン
騎士王「! な・・・本当にはいった!?」
天神「メイド姫!」
メイド姫「・・・っ、ふ、ぁ、ぐ・・・っ・・・!? んんっ、ああ、ぁぁぁぁぁぁ?!?!」ガクガクガクガク
メイド姫「ああああああああああああああああああああああ!!!!」
シュパァァァァァァァァァァァァァ!!
バシュンッ!!!!
--(っく・・・)
グルンッ
魔王「・・・っち。俺ごとつっこんだのに、弾き出されるとは・・・やはり駄目、なのか・・・」
メイド姫「う・・・・・あ、くは・・・・・っ」フラ・・・
魔王「! 姫っ」ダッ
ぎゅっ
魔王「!!!」
魔王「・・・・・触れ・・・られた? 何故・・・」
天神「な・・・神気は充分に持っているのに、そんな馬鹿な・・・まさか、受け入れたのか?どうして・・・」
魔王「受け入れる?どういうことだ?!」ギュッ
天神「・・・神気があれば、どうしたって魔物に触れられないんじゃ、困るだろう」
天神「相手の気を、意図的に僅かに自分に取り入れることでその気に対して反応を弱めることができる」
天神「・・・正直、とても苦しくて気持ちの悪い、まさに犯されにいくような許しがたい行為さ」
騎士王「・・・なんか、アレだな。免疫的な感じ?」
魔王「俺は病魔か!」
天神「病んでる魔王ってトコでは、間違いなく『病魔』だね。君の行動は僕から見ても常軌を逸してる」
魔王「くそっ・・・まぁ・・・でも、よい・・・触れられるようになったのだ」ギュゥ
メイド姫「・・・・う、ぅ・・・っ、くっ!」カハッ
天神「あーあ・・・触れないから面白かったのに・・・。仕方ないね」
天神「メイド姫。帰っておいで」
メイド姫「っ・・う・・、はな、してください・・・っ」バシッ!
魔王「姫」パッ
メイド姫「~~~つぅっ!!」フラ・・・
タタ、タタタ・・・
天神「…いい子だ」ヨシヨシ
メイド姫「は…ぁ、う…苦し…」フラ・・・ヨロッ
天神「可哀想に…あんなものを呑み込んで、消化しようとするからさ」
メイド姫「…は…ぁ…。から、だが…あつ…」ズル・・・
天神「…立っていられないか。大丈夫、休んでいるといいよ」ソッ・・・
魔王「…」
天神「ねぇ、魔王クン…。本当にいいのかい?大切な姫をこんな目にあわせてしまって」
魔王「いや、駄目だな。俺を受け入れるために苦しみに喘ぐ姫は、とても扇情的で堪えられそうにない」クク
天神「・・・気持ちはわかるけれど。でも僕はね、自分で助けるのが好きで、その為に貶めるんだ」
天神「他者が、ただ乱暴に扱うのは好きじゃない」
魔王「ほう。そこは同感だな。俺も、ソイツを誰かが乱暴にするのは気に入らない」
魔王「…勝手に優しくしてやるのも、含めてだが」
天神「…残念だ」
魔王「悔い改めても、もう遅いぞ」ニヤ
魔王「こんな雲の上などにいるから、そう落ち着きが無いのだ。・・・地にひれ伏せさせてやろう」
天神「・・・できるものなら、ご自由に」
魔王「姫の記憶、戻してもらう!」パチン!
ズ、ズズズ・・・ズモモッ モワッ!
天神「ちっ…ばかみたいなサイズの瘴気を塊でだすなよ。いっただろ、露出狂みt
メイド姫「…ひゃぅっ!?///」
魔王「・・・」
天神「・・・『ひゃう』?」
メイド姫「~~~~っ//」モジ
魔王「あ」
天神「…は?」
メイド姫「ぁ、やっ…//違っ//ぅ、ぁっ//」モジモジ
魔王「…あー…」
天神「…め、メイド姫ちゃん…どうしたの?」
メイド姫「ち、違うんですっ天神様っ//こ、これは//何故か…あ、あれ?//んっ…//」ペタンッ
天神「・・・え?なに?!」
魔王「…あー。いや、コレのせいだ」スッ・・・
モフ・・・
メイド姫「・・・ぁ、消えた・・・」ショボン
魔王「…」パチン
モワモワ
メイド姫「!? やっ//あんっ//」
魔王「…」スッ・・・
モフ・・・
メイド姫「…~~っ!! も、もうやめなさいっ!!なんですかソレはっ!!」
魔王「…」パチン
ズモモ・・・
メイド姫「ひゃぁぅっ!?// あぁっ//」ビクンッ
魔王(なんだこのおもしろいの…)ドキドキ
天神「ちょ、ちょっとまって!!ほんとになんなのソレ!?」
魔王「いや、正直よくわからん…。姫は、これが怖いはずなんだが・・・」ウウム
メイド姫「ふ、ふぁあん!// いやっ、はやくっ// しまって・・・しまってくださっ、ぁぅっ//」フニャラ
天神「メイド姫・・・なに?もしかしなくても・・・きもちよくなってる・・・よね?」
メイド姫「…っ//ぁんっ!!//も、だめぇぇっ//」
天神「・・・何か・・・何か、したの? 魔王クン・・・」
魔王「いや・・・、いや、別に・・・ちょっと・・・」
魔王「激しい苦しみと痛みを伴うような瘴気を浴びせて、神経のその先まで支配したあげく、その快楽に酔わせた過去があるくらいで…」
天神「魂レベルの性的トラウマ植えつけるとか・・・魔王クンって最低なんだね…」ドンビキ
魔王「ええいうるさい!これに過剰反応するのは知ってたが、恐怖心からだと思ってたんだ!!」
天神「なんでこの反応で気付かないんだよ!」
魔王「俺の前じゃ刺激に耐えるんだよこいつは!」
メイド姫「ふ、ぁぁんっ//だめぇっ//助けてください天神さまぁっ//」
天神「こんなの・・・僕に、どうしろって…いうんだよっ!!」
パアアァッ!!
シュワァ・・・
魔王「ち。消されたか。・・・せっかく愉しかったのに」
メイド姫「…は、ぁ…//」クッテリ
魔王「…」ジー
天神「…」ジー
メイド姫「…あ…ら?」キョトン
メイド姫「…天神様…? あの…神気…だしてみて、もらえますか…?」
天神「…」
パァァ・・・
メイド姫「…」
メイド姫「…あの?」チラリ
魔王「…」パチン
ズモモ・・・
メイド姫「ひゃぅっ//やっ、あのっ、も、もうし、しまっ//」
魔王「…」スッ・・・
モフ・・・
メイド姫「はぁ…//」ペッタン
スクッ…
メイド姫「…あの…あなたは、天神様なのですか?」
魔王「…いや。俺は、魔王だ」
メイド姫「…申し訳ありません…意味がわかりません・・・」スッ・・・
テク、テク、・・・
メイド姫「…いつの間に天神様は、魔王様になられたのですか?」ジッ・・・
魔王「俺は俺のままだ。姫、早くこちらへ来い」
天神「だめだよ、メイド姫。こちらに戻るんだ」
メイド姫「…???」スタタタ・・・
魔王「・・・」
天神「・・・」
ピタッ
メイド姫「…どうしても…こちらに…来たく、なりました…」
メイド姫「何故…ですか? 魔王、様?」
魔王「…お前が、俺のものだからだ」ギュウ
メイド姫「私は、天神様のものでは…??」
魔王「どうでもよい。よかった。本当に」ギュッ・・・
メイド姫「・・・あたたかい。何故か・・・懐かしいです」キュ・・・
メイド姫「・・・私は、私が貴方のものだと確信できます。この腕の中は、とてもきもちいいです…」ギュゥ
魔王「…瘴気の塊よりも?」ククク
メイド姫「それは…っ//」カー
天神「ねぇ。いっそ愛の奇跡に負けたかったんですけど。なんだよ性的トラウマって…ほんっとにどうなの!?」
魔王「…結果オーライって言葉があるぞ」シレッ
天神「ふざけてるなよ変態魔王」イラ
天神「…ちぇ。ちょっと癪だけど…まぁ仕方ないか…こちらには聖女ちゃんがまだいるし、本命は彼女のほうだ」
騎士王「諦め、わるすぎんじゃないの?」
天神「諦めてたまるものか。子供がいるんだ」
騎士王「…ちっ」
魔王「…おい側近、お得意の『愛は勝つ』はどうした。もう言わないのか?」
騎士王「そんな愛のトラウマ植えつけてねーんだよ普通!魔王のは俺から見てもほんとにかなりおかしいからね!?」
天神「よかった。君までそうだったらどうしようかと心配したよ」ニッコリ
騎士王「生憎、ストイックな関係だもんでねっ!悔しくなんかないからな!?」
天神「そうだった。それは残念だったね」スッ・・・ ダキ
聖女「」クタ・・・
天神「さよなら勇者クン。結構本気で、世継ぎは必要なんだ。これだけは守らせてもらう」クルッ
騎士王「! おい!」
天神「大丈夫。ちゃんと可愛がってあげるから」ギュッ・・・
パアアァァァァ シュッ!
騎士王「・・・ちっ。また消えたか。無駄だって言うのに…」
騎士王「さっきからどんだけの時間たってると思ってる!移動するくらいの魔力は回復してるっつーの!」
騎士王「移動魔法!!姫ちゃんの元へっ!!」
キンッ… パッ
――――――――――
・・・パッ スタッ
騎士王「姫ちゃん!!!」
魔王「…いや、魔王だけど」
騎士王「は!?」
魔王「…」
メイド姫「…?」
騎士王「…ぇ?なんで?」
魔王「移動魔法失敗とか…なんかこちらまで恥ずかしいな…」ハァ…
騎士王「いやいやいやいや!移動したよね俺!?」
騎士王「くそ、もう一度っ!!」
騎士王「移動魔法!姫ちゃんっ!!」
キンッ… パッ
―――――――――――
パッ …スタッ
騎士王「どうだっ!」
魔王「…うん…」
メイド姫「…//」
騎士王「………なんでっ!?」
魔王「帰ろうか、姫」
メイド姫「は、はい。てん…じゃなく…魔王様」
騎士王「まって!魔王まって!お願いだから!一回!一回やらせて!!」ガシッ
魔王「気持ち悪いわ!!やめろその言い方!?」ゲシッ!!
騎士王「まじで!一回転移ためさせて!!」グググッ
魔王「俺は帰って姫を抱くんだ!」ギギギッ
騎士王「殺生な!!」ギュウウッ
メイド姫「…あ、あの、魔王…様。あまりにもおかわいそうかと…//」オズ・・・
魔王「…ちっ。・・・一回だけだ」フン
魔王「転移術…王国姫の元へ」
モワッ・・・ブンッ
―――――――――――
ブンッ スタッ
魔王「…」
騎士王「…」
メイド姫「…駄目、ですね」
騎士王「どうして!?なんで!?」ウワァァァ!
魔王「転移術。城に帰る」ハァ
モワッ・・・
ブンッ
―――――――――――
<魔王城玉座>
ブンッ
スタッ
魔王「…ふむ。無事にかえれた。俺まで恥をかかなくてよかった」
騎士王「…なんで。 なんでだ・・・!?」
女神「あれ?おかえりー。おっ、メイド姫ちゃん、無事に奪還したんだ?よかったねー!!」アハハー
騎士王「女神どうして!?どうしてだ!?」ガシッ
女神「うわっ!?な、何っ!?」ビクッ
・・・・・・・・・・・・・・
女神「…なるほど?姫ちゃんいないのはそのせいかぁ…」
魔王「何故俺まで付き合わなきゃならない…部屋に戻ろう、姫」ハァ・・・
メイド姫「申し訳ありません魔王様・・・姫様については私も心配なのです…」
メイド姫「天神様について、私達がされたことについて理解してみると、なおさらに…どうか私がここにいることをお許しいただけませんか?」ペコリ・・・
魔王「…おまえがここにいるのに、俺だけ部屋に戻っても意味はない…」ハァ・・・
騎士王「なぁ女神。なんで移動魔法がつかえない!?」
女神「まじ知らないし…」
女神「まぁでも昔から、あいつはたまに本気で雲隠れするんだよ。あたしも移動できないようなトコにね。それがどこかなんて知らない」ハァ・・・
騎士王「そんな!?じゃあ姫ちゃんはどうなるんだよ!?」
女神「そんなこと言われても、どうしようも・・・」
女神「まず第一に、勇者の移動魔法はあたしより優れてるんだよ?」
女神「それで移動できないってどーなの?勇者クンなんか時空すらこえるんでしょー?それで駄目ならもう無理としか…」
騎士王「あ」
魔王「…そうか」
メイド姫「過去に…」
女神「ちょ、やめてよ!?歴史かわっちゃうじゃんっ。下手すんと消えるんだよ!?」
騎士王「そんなのかまわねぇ!」
女神「かまう!君は勇者なんだっつーの!自覚してよ!!勇者が世界つぶすつもり!?」
騎士王「じゃあ!過去の俺やみんなにバレなきゃいいんだよな!?」
女神「はぁ!?」
女神「…あー、まぁ、うん・・・。 そうだけどさぁ…でもそんなn
騎士王「魔王!!魔力を俺にわけてくれ!」
魔王「誰が…」イラ
メイド姫「魔王様…私からもおねがいします。…どのような事でも私なら必ず致しますから…」ウルッ
魔王「う」
魔王「…なんなんだ…何か、姫が破壊力を備えて帰ってきた気がするのだが・・・多少の変化は仕方ないか」ハァ・・・
魔王「おい。・・・面貸せ、側近」チョイチョイ
騎士王「ツラ?」
魔王「ああ、その間抜けなツラをよこせ」ガシッ
騎士王「・・・がぼっ!?」ベシッ
魔王「・・・・・・・・・」スー
魔王「欲しいだけ持ってけやこんのくそがぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
キイイイイイイイイイイ・・・・・・・・・・・・・ン!!
騎士王「ギャァァァァァァァァァァァァ!!?!?!?」
キンッ…
パッ
女神「い、移動魔法が暴走するほどの魔力を突っ込みやがった…!?」ドンビキ
蟲「ピィ…!!!!」ガクガクブルブル!!
女神「…ここにも魔王のトラウマ持ちがいるのか…あいつ問題だな・・・」ガックリ
―――――――――――
今日はここまでで投下を中断します。
ここから先はEDに向けて一気にいこうかなと思うけど・・・
さてさて、一筋縄でいくのかこれ。風呂敷ひろげすぎだろ俺。
楽しんで書くので、がんばって読んでください。お願いします。
ところで話は変わりますが、
過去2回は、本編・エピローグ・後日談1・後日談2という
4部編成でやらせてもらってきました。
今回もそのつもりですが、違うのは
次の話に引っ張らずに、完結させる予定だということです。
なのでスレの残レスも結構のこることだし、
後日談の前に、最後だし番外編もいれてしまおうか悩んでます。
小ネタとか、こいつらの日常みたいなものですけどね。
没ネタといわれればそれまでですが(笑
やるやらないのご意見を下さる方がいましたら、お待ちしてます。
ちなみに俺はやりたいです(笑
では おやすみなさい。
最新お疲れさまです。
いや~、面白くなってきました!
ただ、天神は読んでて超ムカつきますねw(性格てきに)消えちゃえばいいのに(笑
あとは、姫ちゃんだっかんですねー。あと、記憶かな?それは、騎士王次第か・・・。ハッピーエンドを期待します(^^ゞ
番外編は、ジャンジャンやっちゃってください!むしろ御願いします(土下座
もっとやれ
やらなきゃ魔王の魔王の魔王を片方もいでぶつけんぞ
魔王がトラウマ製造者になっとるなwww
いや、魔王らしいけど
しかしここまで来ていまだに騎士王が不憫であるw
>>195
むしろ投下しやがれください
騎士王「>>197が、魔王の魔王の魔王、片方もいで投げるってさ、いい気味」ケケケ
魔王「は?…うぁ…」フルフル
騎士王「…え、何? とられた?」
魔王「馬鹿、とられてたまるか。…おまえ自分で想像してみろ」
騎士王「オレの…?…ぐぁ…」プルプル
魔王「ぅぁぁぁぁ…、なんか嫌だ、普段意識しないとこに力がはいる…」ブルブル
騎士王「オレら馬鹿すぎる…魂吐きそうぅ…」ガクガク
・・・・・・・・
女神「…あいつらマジでガキか」
姫「想像しただけで・・・なんて、やっぱり相当なんですかね?」
女神「さぁ?取ってみる?あははは」
メイド「…?? あの…魔王の魔王の魔王って…?」
女神「いやいや、知らないとは言わせないぞ、あんただけには」
メイド「そっ、そのっ//魔王様の魔王は…わかります…よ?//」
姫「ぅ//…い、いぇ、あの…その下あたりに…あります、よね?保体ではそう教わりましたよね?//」
女神「200年前に保体はなかったろうけど、メイド姫ちゃんは実物でしってるだろうよ?」
メイド「…見たことは…ない、です// その…行為中に魔王様の魔王はチラとは…見えることもありますが…//」
女神「魔王のくせに…させたりしないのか。意外だわ…」
姫「デリケートに扱われてますね、メイドさん…」
メイド「な…なのであの…た、体感でしかわからないのですが…//」
メイド「…三個目の魔王とは、アレらの中で『どれ』の事なんですか…?//」
姫「………ひっ!?」
女神「やばいやばいやばいやばい!!なんだなんだオイ!?」
メイド「え?」
女神「念の為に魔王脱がして確認して結果次第でどうかしてやる!!何がデリケートだ変態魔王!」ダッ
姫「なんかいろいろ怖いですよっ!!なにでどうされてるんですかメイドさんっ!?」ガシッ!!
メイド「!?」ビクビク
適当な勢いだけで投下したらsageそびれてたorz
>>197でちょっとヒュンっ!としたから
魔王の魔剣でも投げかえしてやろうとおもっただけなんだよ・・・。
>>196->>198
ありがとなー。嬉しいよすごい。
いろいろ読みたいって言ってくれる人が居るっていうのは幸せだと思う。
本編の投下再開はまた深夜~朝の間でできる・・・かな?くらいで。
気長に待ってもらえると喜びます
おそくなりました。↓より投下を再開します。
今日は投下、大目にできるといいなぁと思います。
―――――――――――
キン…
ボジャッ!!
<海中>
騎士王「ぼぶぁ!?」ブグブグ
魔王(…海中!?くっ、側近!!はやく!)
騎士王(痛い痛い痛い痛い顔面が焼けてる!!!!)ジタバタ
魔王(馬鹿やってるな!水の中で焼けるか!!)
騎士王(は!そういえば苦しい!?なんだこれっ!?)
メイド姫(…っ!ふ…っ!?あれをっ)ユビサシ
姫「……」プクプク…
騎士王(姫ちゃん!今、助ける!)ザバザバッ
ギュッ・・・
魔王(ちっ。ここは、天神があちらの姫を海中におとしたあの時か…)パチン!
シュパン!…
偽姫「…ほぇ?…ぶ、ごばっ!?」
魔王(あの娘のフリをしろ!おまえは今から姫だ!あの騎士王という男の女だ!俺が姫の姿から変えるまでは決してそのフリをやめるな!!)ギロリ
偽姫「っ」コクコクコクコク
魔王(わかったら返事!)
偽姫「わ゛か゛り゛ま゛っ…」ゴボッ
偽姫「…」コポ・・・
魔王(…あ)
メイド姫(…だめ、です…もう、私も・・・息が…)コポ・・・
魔王(ちっ…側近!)
騎士王(OK)コクリ
騎士王(移動魔法…天空宮殿の側へ…)
キンッ…
―――――――――――
<天空宮殿近く、雲の上>
キンッ…
パッ
スタッ
魔王「ぷはっ!!姫、大丈夫か!?」
メイド姫「っ…」カハッ・・・
魔王「…水は出したな。が、気を失ってしまったか…」ソッ・・・
騎士王「姫ちゃんっ!!大丈夫か!?」
姫「……けほっ」
魔王「…最初から気を失っていたから、水を飲んでいない。そちらは大丈夫だろう・・・」ホッ
魔王「そうだ…海上の様子はどうなっている!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<手荒な真似はしないんじゃなかったのかぁッ・・・!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
騎士王「…あー。あんな叫んで。可哀想な俺・・・偽者とも知らずに…」
メイド姫「……」クタ・・・
魔王「…無理をさせたな。 記憶もはっきりしない中で、よく着いてきてくれた・・・」ナデナデ
騎士王「・・・」ヘヘ
騎士王「はぁ…とりあえず、一安心したな・・・。でもさ、なんで偽物なんて…?」
魔王「歴史を変えてはいけないのだろう。俺たちはあの時、姫を海中から引き揚げた。替え玉くらい必要なはずだ」
騎士王「あぁ…なるほど」
騎士王「つかなんか…やたら従順な魔物だったな…?」
魔王「…くくく。あれは代々魔王に伝わっている災厄さ」
魔王「特別な束縛が付いているからな、解放時に絶対命令をひとつだけさせられる。あれを天神にあてがってやる…!!」
騎士王「な、なんなんだよ、それ?」
魔王「…2代目魔王が封印した、初代魔王を自滅させた夜の悪魔、『リリス』だ」
魔王「全ての淫魔の母。最初の魔王の嫁。ヒトの世でも有名だが、その史実は実際とは違っているな」
魔王「そして、アレの血がはいってるから魔王は代々必ず性欲が強いのだとか言われる程の色欲を持つ」
騎士王「・・・」ゴクリ
魔王「解放するのは俺は2度目だが、あれはヤバいぞ。気を抜くと全てを吸いとられるくらいにな」ククク・・・
騎士王「…鬼畜色魔同士でお似合い…でもちょっとうらやましいような…・・・ん?」
魔王「くくく、滅びろ天神…!!」ハハハハ
騎士王「あ!」
ゲシッ!!!
魔王「!?痛いぞ、何しやがる!!」
騎士王「ってかそれがまさに原因じゃねぇか!!おかしいとおもったわ、生娘の姫ちゃんがあんな淫乱なはずねぇだろ!」
魔王「…あ」
騎士王「…て…てめぇ…」イラ
魔王「…寝取られてなかったんだから良かったじゃないか」シレッ
騎士王「俺は何のために絶望までしてこんな苦労してんだよ!タイムパラドックスとかくそくらえだよ!」
魔王「…助けてやったのに変わりはないだろう。…姫には黙っていてくれたまえ?」
騎士王「偉そうに懇願すんな駄目魔王」イラ
騎士王「はぁ・・・。とにかくいろいろ納得した。でも姫ちゃんがまだ昏睡だ。時空転移なんて無理をさせたら…」ハッ
騎士王「…そうだ。姫ちゃんは最初、天神に連れていかれそうになったとき、魂が抜けた…」
騎士王「普段の移動ではそんなことなかった! もしかしたらあいつは時空移動で隠れるのかも…!?」
魔王「…ふむ。ありうるな」
騎士王「…とにかく、このまましばらく、時をやりすごしてから帰ろう。確定じゃないけれど、リスクが高すぎる」
魔王「どこに留まるつもりだ?」
騎士王「俺達の気配が分散して気付かれたら厄介だな。灯台元暗し。このままこのあたりに留まるしかないか」
魔王「…ではあの、神事門兵のとこにでも行ってみるか?」
騎士王「そこまで堂々としちゃう!?」ガーン
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
<二日後 天空宮殿内 小部屋>
魔王「で、だ。そろそろ随分な時間がたつが・・・どうする?」
騎士王「…いまごろ、こっちの俺は絶望してるんだろうなぁ…変態淫魔みながら。…なんか今ブルーだわ」
魔王「ああ、じゃあそろそろこっちの俺が覚醒するな。震動に備えておけよ?・・・っくるぞ」
ドカーーン!!!!
グラグラグラ…
パラ…パラ…
騎士王「うわ・・・結構ゆれたな・・・」
魔王「よし、いまごろ俺のターン」グッ
姫「…ぅっ!!」モジ・・・
騎士王「!!姫ちゃんっ」
魔王「・・・今の衝撃で、ようやく眼が醒めたか。なかなかいい仕事だ、俺」ウム
メイド姫「はい。素晴らしいです、魔王様」ニッコリ
騎士王「魔王、俺が思ってた以上に結構ストレスたまってんだな・・・」ハァ
姫「・・・・ふぁ、あ・・・あれ・・・?騎士王様…?」
姫「う・・・私、天神様に連れてかれそうになったはずじゃ…?」
騎士王「姫ちゃん!姫ちゃん、姫ちゃん、姫ちゃんっ!!」ギュウウッ
姫「ひゃっ///は、恥ずかしいですっ//どうしたんですかっ!?//」
騎士王「ああああ!!!俺の姫ちゃんが帰ってきたああああああああああ!!!!」ウワァァァン!!
魔王「しかし、なんだな…。アレな姫を見たあとだと、何かこう…今の姫が…」ムム
メイド姫「…」コホン
魔王(姫返ってきて気が抜けすぎてる!落ち着け俺!)コホン
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・
かくかくしかじか
姫「…そ、そんなことが…?」
メイド姫「~♪」コポコポ
魔王「なかなかいい茶葉を置くな、天空宮殿は」
メイド姫「魔王様、おかわりは如何ですか?」
魔王「頂こう」
姫「…あ、あの…魔王様。そんなにリラックスされると今のお話の信憑性が…」ガックリ
騎士王「神事門兵も、女神を人質にしてあるっていったくらいで、よく部屋を1つ差し出したよな…」ハァ・・・
姫「そ、それで、このあとは一体…?」
騎士王「うん…。悩むけれど・・・リスクを覚悟で、体調が回復次第、時空移動をするs
ドカァァァァァァァーン!!!!!!!
騎士王「っ!!!」
姫「…っきゃ!!」
魔王「ぐっ!?姫ッ」ダキッ
メイド姫「きゃぁぁっ!!!」ギュゥゥ
グラグラグラグラ・・・・
ヒュォォォ・・・・
騎士王「・・・っ、くっそ・・・なんなんだよ、今のは・・・?」クラクラ
魔王「ちっ・・・油断していた・・・。天空宮殿の結界を破ったんだったな・・・」
姫「…あ、れ・・・?」
魔王「?」
姫「…痛い…?い、痛いっ!!」
騎士王「!大丈夫か!?どっか怪我を…!?」
姫「い、いたい!いたいです!!」
騎士王「どこだ!?どこを何した!?」
姫「産まれる!絶対出る!!絶対出ます!!!いたいいたいいたいっ!!!!」
騎士王「は!?ちょっ…」
魔王「・・・・陣痛・・・?」
姫「ううううううう!? はぅぅぅぅぅぅぅぅっ・・・」グゥゥ
騎士王「待って!お願い、それだけは産んだら嫌だ!!アレの子なんだ!!」
姫「う~~~~~~~っ!!」
パァァァァァ…!!
メイド姫「神気が…神気が、すごい勢いで集まっていますっ!!!」
魔王「っ、結界だ!割れた結界は、宮殿の神気は、ここに集まっていたんだ・・・っ」
シュパァァァァァァァァァァァァァァ・・・ッ
フワ・・・・ストン
姫「は…ぁ…っ・・・はぁ、はぁ・・・嘘・・・ほんとに、おなかから・・・出た・・・?」
幼天神「…」チョコン
騎士王「……魔王…恨むぞ…ほんっとーーーーに恨むからな!!」
魔王「知らん!!まさかあの時、こんなことになってるとは知らなかったんだ!!」
騎士王「つかどうすんだよ!目の前に天神がまたでてきちまったじゃないか!!」
メイド姫「・・・この子、結構な量の神気をもっています!容姿は、子供のそれですが・・・」
幼天神「・・・? だれですか? あなたたち」キョトン
魔王「・・・」
騎士王「・・・な、なんだ?性格は違うのか・・?」
姫「子供うんじゃった・・・っ!赤ちゃんじゃなくて子供うんじゃいました、どうしましょう!?」パニック
幼天神「!」スタタタタタ
姫「ひゃ!?こ、こっちにくる!?」
幼天神「・・・っ」ピタ
姫「・・・・・・っ!・・・?」
幼天神「・・・おかーさん・・・でしょ?僕のこと・・・嫌、なの・・・?」ウルウル
姫「・・・」
騎士王「・・・」
魔王「・・・これは」
メイド姫「天神様と・・・同一人物のようには見えない・・・ですね」
姫「かわいいですっ//かわいいです、かわいいですかわいいですっ//」…ぎゅ
幼天神「うわっ、ぷ。おかーさん、びっくりするよ・・・」
魔王「また・・・どうやらこの姫には抱きつき癖でもあるようだな」
メイド姫「危険の無いものでしたら、よろしいのではないですか?」
幼天神「ニヤ」ピース
騎士王「おい、やっぱり絶対同一人物だって!!!子供になっただけだって!!離れろおおおお!!」ウァァ!
魔王「・・・」ハァ
メイド姫「危険・・・危険かどうか判断つかない場合は、どうなのでしょう・・・」
姫「幼天神くんっ」ニッコリ
幼天神「はいっ、おかーさん!」ニッコリ
姫「かわいいいい♪」スリスリ
幼天神「おかーさんのほうが可愛いです!!」ムギュー
騎士王「姫ちゃん、あやうく自分がされそうだったことを教えてあげるからすぐに離れて!!」
魔王「ええいうるさい!おまえら、遊んでる場合じゃないぞ!どうするんだこの後は!!!」
騎士王「はっ!そうだった・・・ええと・・・天神は雲隠れ、俺たちは魔王城へ・・・だったよな」
魔王「俺たちがいないなら、少なくとも部屋は出て平気そうだな」ふぅ
メイド姫「・・・あの」
魔王「なんだ、姫」
メイド姫「このまま、ここに居てみませんか・・・?」
騎士王「は?なんで・・・」
メイド姫「確信はできないのですが・・・天神様は、神気をかなり消耗していました」
メイド姫「それに子を無事に産ませるのが一番の目的であったと記憶しております」
魔王「・・・続けろ」
メイド姫「そんな方が、神気のあつまるこの宮殿を長く空けるとは思えないのです」
メイド姫「タイミングを見計らって、またご自身のお部屋へすぐにお戻りになるのではないかと・・・思われます」
騎士王「あー・・・あいつ、ちゃっかりしてるしな・・・」
魔王「姫・・・。 記憶の混乱するおまえにこんなことを言うのは難かもしれぬが・・・」
メイド姫「っ、申し訳ありません、浅慮な事を申しました!」
魔王「違う、そうじゃなくて」
魔王「・・・俺以外の男に、そのように敬意を払った物言いをするな」
魔王「また、取られそうな気がして不愉快だ・・・」ギュ
メイド姫「ひゃ・・・は、はいっ//」ポー
騎士王「・・・・・・・魔王がデレた・・!?」
姫「メイドさんも・・・なにやら変わりました?表情が以前よりも豊かに・・・一体何が?」
騎士王(素直にならない、ダメなやつって罵られて、あんだけのことヤられてるからなぁ・・・)ハハ・・・
騎士王「つか、結局は天神もトラウマを植えつけてるんじゃねーか・・・マトモな奴がいねぇ・・・」ガックリ
姫「???」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
------------
<天空宮殿最奥の間>
バターン!!
魔王「邪魔するぞ!戻ってきているか天神!!」
天神「!」ビク
聖女「んっ、ああんっ!やめちゃだめ!もっとして・・・奥まで、奥までいれてぇぇっ!!」アンアン
魔王「・・・・・」ハァ
騎士王「・・・・・・・いきなりこれかよ!!おまえらほんとにどうなってんだ!!」プルプル
姫「!?!?わ、わたしっ わたしが!?!!?」
魔王「身重とか気にしているそぶりが見えない」ハァ
姫「ひゃ!?やっ!!//魔王様見ちゃいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?//」
騎士王「残念!すっかり見慣れてるんだな、アレもコレも!!」
姫「~~~~~っ!?!?」ガーン
姫「うううううううう・・・いやです!!いやですいやですこんな現実ぅぅぅ!!」ダッダダダダダダダバターン!
ミンナミンナワスレテクダサイイイイイイ!!!!ウワァァァァァン!!!
騎士王「ああっ!本物はやっぱこうでなくちゃ!!大好きだ姫ちゃん!!!」グッ
メイド姫「そんな場合ではありません!姫様一人で離れられては危険です!!」ダッ・・・
幼天神「おかーさん!大丈夫、おかーさんのがちょっとカワイイおっぱいサイズだよ!!」スタタタ
魔王「おまえらいい加減にしろ」イラ
天神「・・・え?聖女・・・が、二人・・・・?」
魔王「残念だったな。そこの娘は偽者だ。いま飛び出して逃げたのが本物の姫だ」
天神「なっ!」
聖女「天神様ぁ♪あは、もっともっとぉー♪」
魔王「どうした。くくく・・・魂を確認しなくていいのか?本物を見たのだ、一目で区別はつくだろうけどな」
天神「っこんなの詐欺じゃないか!お前らはいつのまに、本当に何をしたって言うんだ!?」
騎士王「けっ!姫ちゃんの中身を全部浚ったからって油断してたのが運のツキだな」
騎士王「おまえ・・・メイドちゃん取られた後、ソイツつれて時空移動して逃げただろう」
騎士王「一番最初はソレができなかったっていうのに・・・、違和感なかったのか?」
天神「・・・」ピク
天神「ふーん・・・どうして、『時空移動』なんて突飛な事を言い出したりするの?そんな無茶なこと・・・」
騎士王「無茶?よくいうぜ。まぁ、お前の専売特許じゃないってことだよ」
天神「・・・・まさか?!」
騎士王「過去にもどって、お前が海中に姫ちゃんを落としたときに、こっそりすり替えてやった」フフン
天神「~~~っ!馬鹿いうな!第一、それならばこの聖女は誰だというんだ!?」
魔王「俺が用意した、お前にお似合いの淫魔さ」
天神「ありえない!そんなことで騙されないよ!僕が魔物に触れたりするはずない!」
魔王「く・・・くっくっく」
騎士王「・・・・そういや、なんであの聖女は天神に弾かれないんだ・・?」
魔王「術を解いてやろう。種明かしだ」パチン
聖女「!」ボワン
聖女リリス「きゃ♪やったぁ!解放されたよぉ♪じゃぁ今度は遠慮なくいただきまぁす♪」
天神「!? 淫魔・・・っていうか、これはまさか・・・・んむっ、むぅぅ!」バターンッ
聖女リリス「ん~♪やっぱり魔王様も良かったけど、神様のは神様のでたまらないよぉ♪久しぶりの味ぃ!」
天神「!?!?むっ、むぐぅ!?っぷは!詐欺だ!こんなの詐欺dっん~~~っ!」ジタバタ
騎士王「う、うわ・・・あの天神が・・・襲われてる・・・!?」
魔王「悪魔リリス。その正体は堕天使だ。元々が神気を持ち神に仕えた者だ。弾かれるわけあるまい」
騎士王「・・・ちなみに、なんで堕ちたか聞いていい・・・?」
聖女リリス「んっ、はむ・・・んん・・俗世ではぁ、なんかっいろいろ言われてりゅけほぉ・・・」あむ、あむ、あむ
天神「~~っやめ、だめだっ!咥えて喋るんじゃない!」ック
聖女リリス「ぷはっ!んっとね、神様にコレしてみたら美味しくって止まらなくなっちゃったの♪」ペロペロペロ
聖女リリス「諦められ、にゃくれ、んっ・・ぁふ、ずっと、してたらっ・・チュパジュル・・・」ベロン
天神「っく、やば、なんだこれ・・・・っちょ!? まってなにこれなにこれなにこれ見たことないコトに!?」
魔王「・・・・・・・・」ハァ
騎士王「ごめん、なんかいろいろ集中できないから、そっち続けててもいいぞ・・・?」ドキドキ
聖女リリス「あむ、もにゅ・・ほーぉ?んんん、んにゃちゅじゅけりゅへ・・・ジュポジュポジュポ・・・」
天神「ひっ!?う、うぁ、ちょ、吸い・・・吸いとられっ~~~っ!!!ぅぁ・・・と、とまらなっ!?」
天神「ひっ・・・あwせdrftgyふじこlp;@!!!!!」
チュポン・・・
聖女リリス「補給かんりょー☆ で・もー・・・♪ まだまだ出るんじゃないっ? あむっ」
天神「ひゃぅあっ!?ちょ!無理!まって無理だって!!! うぁぁあっ!?」
聖女リリス「ほら、無理じゃなかったよぉー♪じゃぁ今度はコッチの中で・・・か・け・て☆」
天神「!?!?!?」
騎士王「美人なのに・・・でもすげえ可愛いのに・・・なんだあの妙技・・・男を組み敷いて固めてヤってるぞ・・・?」
魔王「・・・前にあいつを解放したときの事思い出した。まずい、あんな目にあってもなお天神に同情してしまいそうだ」
騎士王(一体どれだけなんだろう・・・)ゴクリ
聖女リリス「とめらんない♪もーいっかい☆」
天神「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?!!?!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
聖女リリス「んー♪文字通り、お腹いーっぱい、あは☆」
天神「・・・・・・・・・・・・ぅ」ゲッソリ・・・
騎士王「こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい」ガタガタガタガタ
魔王「精魂どころか・・・神気も尽きてるな・・・この短時間に・・・」ゾクリ
ガチャ・・・
メイド姫「失礼します。姫様をようやく説得してきました・・・まさか4時間もかかるとは・・・遅くなって申し訳ありません」
幼天神「おかーさん、大丈夫だよ。ちゃんと身体はちょっとだけ違ったから!」
姫「うっうっうっ・・・お嫁に・・・お嫁にいけません、もう・・・」
騎士王「いや、絶対貰うし大丈夫だ!」グッ
姫「はぅ・・・//」シクシク
天神「ゴメンナサイもう勘弁してくださいちゃんとメイド姫の記憶も戻します跡継ぎだけはください」ガクガクブルブル
メイド姫「・・・・何があったのですか?」
魔王「天国の中に地獄をみたようだな」ハァ
幼天神「・・・おとーさん?」
天神「ん・・・。ああ、そうだよ」
騎士王「馬鹿いうな、そんなん絶対みとめない。姫ちゃんは俺の嫁になってもらうんだ!」
天神「うん、もう・・・お嫁さんも諦める・・・リリス怖すぎるし・・・なんか嫁宣言してたから置いてきたし・・・」ハハ
魔王(すっかり人が変わったように!?)
天神「おいで、僕の子」
姫「・・・どうするつもりですか?」
天神「大丈夫だよ。神は常に一人であるべきなんだ。魔王みたいに神気を固定化もしないから子供でも平気」ニコ
幼天神「?」
天神「姫ちゃんは、お嫁さんにできなかったけど…まぁ、どっちみち最終的にはこうなるんだしね」ポンポン
魔王「・・・何か、ずいぶん諦めが良くないか。何を企んでいる」
天神「このままここにいて、残りの人生をリリスに吸われ続けるのだけは本当に嫌なんだ」キッパリ
シュパァァ・・・・・
--(あーあ。もうすこし遊んでからいきたかったけど・・・仕方ないね)
魔王「・・・・天神が、神気になって・・・?」
騎士王「っ、子供のほうに吸い込まれていくぞ!」
--(僕の子、よろしくね 姫ちゃん)
パァァァ・・・・シュゥ・・・・
幼天神「・・・・・」
姫「どうなってるのですか・・・幼天神くん、大丈夫?」ギュ
幼天神「・・・・大丈夫だよぉ、おかーさん!」ギューーー♪
姫「ひゃ!?」
幼神「姫ちゃんっ!僕のおかーさんっ!」ぽふっ、もみもみもみ
姫「ひゃっ、ちょっきゃぁ!や、やめてぇ//」
騎士王「ちょ、なんだ!? 中に天神がはいったのか!? 斬る! 幼体化するだけかよ!」
幼天神「ううん!僕は4代目だよ!おとーさんより素直でかわいいよ!」
メイド姫「・・・どうしてそのようなことががわかるのですか?」
幼天神「記憶をゴソっともらってるから♪ なんかいろいろ一瞬で悟っちゃったよ、クスクス」
幼天神「予定外のコトであんまり力はもらえなかったけどね・・・」
魔王「でも、何故そこまで世継ぎが必要だったのか」
幼天神「さすがに万年生きてると、同じ身体じゃ保てなかったんだって。 ”性欲減退”らしいよ!」
騎士王「あれで減退してたの!?」
幼天神「おかーさんおかーさんおかーーーさん♪」スリスリ
姫「ひゃ!かわいいけど、なんか、ちょっ、やぁぁん//スリスリしちゃだめぇ!//」
幼天神「おかーさんっだぁいすきだよー♪」モニュー
騎士王「くっ、複雑…ほぼ無力の子供を斬るのは・・・でもアイツの分身だし・・・」ぐぬぬ・・・
魔王「鬼畜天神が、ただの変態マザコン小僧に…」
メイド姫「しかし・・・姫様はこれで正式に・・・神様の母上となられたわけですね?」
幼天神「そうだよ!おかーさんは創世以来、3人目だよ!」
メイド姫「しかし、それはかなりすごいことなのでは・・・世界最高峰ともいえる地位ですよ?」
魔王「いや、最低の変態の母という世界最底辺の地位ともいえるぞ」
姫「!? 完全に汚名ですー!!その変態という枕詞を私に被せないでください!!」
幼天神「ちがうよぉ、おかあさんっ!僕のおかーさんはこうよばれるんだ!今日からは・・・」
幼天神「姫ちゃんは、聖母姫になりました!」ニッコリ
今日はここまでて投下を中断します。
本編は実質がココまで。このあとはエピローグで事件本解決させます。
いま丁度エピローグ分の魔王とメイド書いてるのですが、
すげえ楽しい。昨日これでテンションあがりすぎました。
ほんとは最後までやるつもりなかった、でもずっとやりたくて、いましかないと。
ヒントは >>15 俺はテンションMAX
うまく書けるように祈っててください。お願いします。
リリスが全部持って行きおったー!?
神様も元天使も性欲すごすぎんだろこの世界www
>>236
よっしゃ祈っとく!
ちゃんと騎士王とちっぱい成分もあるんだろうな?
しかし魔王の魔王の魔王って……メイド姫どんだけ開発されてんだよ…
魔王の魔王の本気を食らってで三日間目を覚まさなかったもんなメイド姫
>>236
俺も息子もボルテージMAXでございます
最新乙です。
姫ちゃんがリリスと入れ替わっているとは!
なるほどになりましたw
天神は変態にならないといいが・・・
次の最新まで正座して待ってます!
うぁ、前回分、passつけてなかった。まぁどうでもいいか。
>>237
騎士王とちっぱい・・・需要あんのかww ちっぱいは好物だけど!
騎士王で処女貫通・・・むむ、むずかしいなこのお題。
・・・いっそ魔王に姫ちゃんをヤらせてから・・・(←鬼畜
>>238 すげぇ、第一部のプチネタおぼえててくれたのか! ありがとう!
>>239 ご丁寧に出したモノをひっこめろ、話はそれからだww
>>240
一晩正座で待機させるとか、なにそれすげー興奮するww
放置もまたヨシ。←朝から何かんがえてんだ俺orz
微妙なトコで中断しそうで不安ですが、
3連休前に本編を終わらせたい・・・ので
↓から無理やり投下再開します。
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エピローグ
---------------------------
<魔王城玉座>
女神「・・・・・・・で。よ~やく帰ってきたと思ったら・・・ なにこれ、どういう状況?」
魔王「魔王に」ハァ・・・
メイド姫「女神・・・」ペコリ
騎士王「勇者に」ブスー
聖母姫「神の母」アハハ・・・
幼天神「あと神様と」ニッコリ
聖女リリス「あくまで天使!」エヘヘ
女神「・・・・なんなのこの豪華スペックメンバー・・・」ガックリ
魔王「…揃いも揃いやがって」ハァ…
女神「いやね、いいのよ。最初はよかったのよ? みんな無事に帰ってきたしさ」
女神「でもさ、解散後しばらくして みんなもそれぞれ落ち着いただろうから」
女神「じゃぁ改めて、今回のことを話そうって召集かけて、話聞いてみたら・・・」
メイド姫「ようやく、この異常なスペックに気がついた、と」
騎士王「まーな。今、改めてまとめて説明したけど、なんかいろいろぶっとびすぎてるわ」
魔王「主にそこのクソガキと女神の責任だろうが、どう始末つける」イラ
女神「い、いや・・・どうなのよ てんじ・・・幼天神。 なにをどう考えるよ?」
幼天神「僕? このメンバーで集まるのが魔王城だと、世界の滅亡でも狙ってるのかって話になるなーって」
騎士王「いやまぁ、俺は王国に呼んでもいいけど、魔王は絶対に来ないじゃんか」
聖母姫「ですが、さすがに魔王城に集まっていては…確かに誤解じゃ済まないかもしれませんね?」
魔王「ただで済まない誤解をされるほど来るんじゃない!」
魔王「まったく…俺は騒がしいのもトラブルも嫌いなんだ」フイッ
女神「いやいや、類友とかいうじゃんよー。集めてんのは魔王なんじゃなーい?」
魔王「そんな覚えはない。…はぁ、お前らももう来るな、いますぐ出てけ。おちおち寝てもいられないではないか」
騎士王「ははーん。…不機嫌だとおもったが、本心はそっちか。メイド姫ちゃんも寝かされてばっかで大変だな、オイ」ニヤニヤ
メイド姫「…魔王様でしたら毎日多くのご公務を済まされ、その後はきっちりとお部屋に戻られてお一人でご就寝なさってますよ」
騎士王「え?毎晩メイドちゃんを呼んで、じゃなくて?」
メイド姫「…ご帰城以来、そのような御用命は承っておりません」
魔王「ふん。俺を何だと思ってる」フイ
幼天神「おとーさんは、『歴代でも比類ない性犯罪魔王』と思ってたみたいだよー」
魔王「」イラ
女神「え?トラウマメーカーだろ、こいつ?」
騎士王「ただのこじらせた変態に1票」
聖女リリス「ん~♪病魔っていうのがお気に入りだよぉ☆」
魔王「…」ハァ
メイド姫「あの、皆さん!魔王様は魔王様ですよ。魔王たりうる全てをお持ちなだけです!」
聖母姫「ふふ、フォローも大変ですね」
魔王「…」ジッ
聖母姫「…えっ?…も、もしかして私も言うんですか?」
魔王「…」ジ-ッ
聖母姫「え…ええっと……。…ぅっ//」
騎士王「なに?なんで照れたの今?卑猥な侮辱でもいうつもりだった?」
聖母姫「ち、ちがいますっ//別に貶めるような事は思ってないです//」
騎士王「なんだ…ちょっと卑猥なセリフを聞いてみたかったのに」チェー
聖母姫「あ、あんまり見つめられたので、やっぱりかっこいいなって思っただけです! 何期待してるんですか、もうっ!」
騎士王「」ガーン
女神「姫ちゃん…彼氏になんて堂々とした浮気発言を…」
聖母姫「あっ…」
騎士王「…」ズーン
女神「効いてる効いてる、これは痛々しいなー、あはは」
魔王「…ハァ」
メイド姫「……」
魔王「…姫?」
メイド姫「はい、なんでしょうか魔王様」
魔王「…いや。なんでもないならよいのだが」
女神「…」ニヤニヤ
騎士王「ちっ、なんだよ女神。人が落ち込んでる時に、ニヤニヤしてんじゃねぇ」
女神「ふっふっふ。メイド姫ちゃんの本音が聞いてみたい人ー?」
メイド姫「!?ちょ、女神さん、やめてください!?」
魔王「…」ノ
女神「ふふん♪素直でよろしい…耳かして?」チョイチョイ
魔王「」スッ・・・
メイド姫「だっ、だめです!だめですからね?!」
女神「」ゴニョゴニョ
魔王「……!」
メイド姫「ぅ…」
魔王「・・・悪いが、俺は部屋に帰る」
モヤ・・・ブンッ・・・
メイド姫「!?」
女神「…あれ??」ポリポリ
メイド姫「…何を言ったのですか女神さん!」ガシッ
女神「え?え?あたしはちゃんと読んだ通りに言ったよ!?」
騎士王「何て言ったんだ?魔王がメイドちゃんをそのまま置いて部屋に帰るだなんて、よっぽどだぞ?」
女神「いや、『いくら姫様でも、魔王様だけは譲れないもん…』って」
メイド姫「~~~っ」プルプル
騎士王(うわ、かわいい)
聖母姫「…あ、あの、メイドさん?私は別に…魔王様にそういった気持ちはないですよ…?」オズオズ
幼天神「…クスクス。みんなして…なんて可哀想な魔王さんだろう」
女神「?なんで魔王?メイドちゃんでしょ?」
メイド姫「……ぅー…」ポロポロ
騎士王「泣いちゃった!?」オロオロ
聖母姫「メイドさんっ、どうされたんですっ?大丈夫ですよ!?」
女神「…えーっと…
『やっぱり魔王様に嫌われてしまったんでしょうか…他の方を主と間違え身を許すなんて、専属メイドとして失格』
『私はもう不要なのでしょう…。それなのにあんな、まるで所有願望があるような事まで聞かれて…!』
って・・・いや、まさか…そんなことないでしょ…?ないよね?」オロオロ
騎士王「おま…すぐに頭ん中を読むんじゃねぇよ…」ハァ
メイド姫「~~っ!焼却術っ!!」
ドゴオッ!!
女神「ちょっ!?」ボワァァァァァ!
メイド姫「~~~~~~っ!」ポロポロ
タタタタタ…バタンッ
女神「ぎゃぁぁぁぁ!やけっ、焼ける!!まじで焼けるっ!!自分も女神なんだって自覚してぇぇぇぇ!!」
幼天神「クスクス…ミディアムレアで止めてあげるよー♪」
騎士王「・・・ったく。メイドちゃんも…魔王が、そんくらいでメイドちゃんを嫌うわけないだろーが…」ポリポリ
聖母姫「…でも、あれ以来ずっとそういったことがないなんて…」
聖母姫「負い目がある分、理由がわからないままでは不安になるのは分かる気がします…」ショボン
騎士王「そういや魔王はなんで、シてないんだ?」
幼天神「クスクス…そんなの、魔王さんを読むまでもなくわかることだよー」
騎士王「は?」
聖母姫「え?なんでか、わかるの、幼天神くん?」
騎士王「………あ…。俺わかったわ。さすが、変態魔王だ」ク、アハハ
幼天神「へぇ・・・君が気付くとは。魔王の側近だったっていうのは、本当みたいだね」クスクス
聖母姫「え??…魔王様は何故?」
騎士王「ハハハハ、あいつ馬鹿だなー。ちょ、行ってくるか。女神とリリスはついてくんなよー?」
女神「行きたくても行けないっ!はやく消して天神!!」ゴウゴウ!
幼天神「だめー。女神はメイド姫さん泣かした張本人だもんっ、天罰だよ!」
女神「そもそもの原因はおまえみたいなもんだろ!?」
幼天神「おとーさんの罪は僕には関係ないでーす」クスクス
騎士王「ったく。憎たらしいガキだな・・・」
騎士王「姫ちゃん、メイドちゃん迎えにいってあげて?誤解だから平気だって伝えて、魔王の部屋に呼んでよ」アハハ
聖母姫「…?はい、わかりました…」
騎士王「あ、30分後ね」
キンッ…
パッ
姫「なんなんでしょう…?とにかく、メイド姫さんの所へ…って、こんな状態で30分で説得できるのでしょうかっ!」
タタタタタ…
聖女リリス「あーんっ!リリスも行きたかったぁ~!」
幼天神「クスクス。リリスじゃ解決できても、メイド姫さんが余計に泣いちゃうから駄目だよー」
女神「いやぁぁぁぁ!服がとけたぁぁぁ!魔王城ストリップはかんべんしてぇぇぇ!!」
幼天神(それは見たくない)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<魔王の自室>
キンッ…
パッ
スタッ
騎士王「んー…居ないか?」キョロキョロ
騎士王「アッチかな」
キンッ…
パッ
-----------
< ? >
スタッ
騎士王「よっ、と」
魔王「…」ハァ
騎士王「おー…いや、相変わらずなんだな、この隠し部屋…」
魔王「!」ビクッ
騎士王「いやいや、どんだけ気を抜いてんだ魔王。来た時点で気付こうよ・・・」
魔王「ちっ。こんなとこまで入ってくるとかありえない。『隠し部屋』の意味を考えろ」イラ
騎士王「しゃーないだろ。室内に居ないんだから?」
魔王「…うるさいやつらに乱入されたくないからそっちに居ないのだ。来たら意味がないだろ」
騎士王「いや、でもさ。メイドちゃん泣いてたから、急ぎ報告しとこーかなと」
魔王「何故泣かした!?」ガタッ
騎士王「俺じゃねぇよ。魔王の態度が原因だろ」
魔王「……何の事だ」
騎士王「『魔王様以外に身を許した私はもう不要なんだ、嫌われてしまったー』だってよ」
魔王「な…!」
騎士王「誤解しちゃったんだなー、当人はこんなにメイドちゃんのことばっか考えてんのに」ケケケ
魔王「…ハァ…」グター
騎士王「メイドちゃん、30分したら姫ちゃんが部屋に連れてくるよ。居なかったらきっとまた泣くぜ?」
魔王「…ちっ」パチン
モワモワ・・・バシュッ!
ギィ…
スタスタ…
騎士王「まったく、ほんとに変態魔王だよな。自室の壁の中に小部屋があるとか。しかし、流石にまだあるとは思わなかったけど」ハハハハ
テクテク・・・
魔王「うるさい、自分の城だ。文句ないだろ」
魔王「…まったく、なんのつもりだ? お前は姫をつれてきてどうしたいんだ」パチン
モワッ・・・ギィ・・・バタンッ。シュワ・・・
騎士王「ん?あー。あんま考えてなかったけど・・・」
魔王「…考えもなく俺の部屋に連れ込もうとすんな…」ハァ
騎士王「でもなんかあのまんまじゃ、メイドちゃんも魔王も可哀想な気がして。本当に余計だった?」
魔王「…ああもう、だまれ」
魔王「お前は王にまでなって、勇者になっても相変わらずなんだな」ドサッ・・・
騎士王「当たり前だろ。俺は俺。誰かさんみたいに無理に変わろうとしないさ」
魔王「…ち」
トントン…
聖母姫「あの、魔王様、騎士王様…いらっしゃいますか?」
騎士王「早いな。さすがメイドちゃん、姫ちゃんに魔王が呼んでるとでも言われたのかな」クク
魔王「ああもう。…くそ、あいつこそ部屋に入れたくないのに、返せないではないか!」
騎士王「あきらめわるいぞー」ケラケラ
スタスタ
ガチャ
騎士王「はいっといで、二人とも」
聖母姫「…すみません、早すぎましたか?」
騎士王「うんにゃ、ナイスタイミングだ。さすが俺の姫ちゃん」ナデナデ
聖母姫「ひゃ//」
魔王「…ち」
メイド姫「…あ、あの。魔王様…」
魔王「・・・」
メイド姫「先程は…大変な失礼をいたしまして…」
魔王「失礼?」
騎士王「『所有願望でもあるみたいな発言』のことだろ」
魔王「…なんだ、そんなことか。気にするな。それよりも、おい。その目・・・」
魔王「…ああもう。何故そんなに目を腫らすほど泣いたのだ…」
メイド姫「…っ、申し訳…ありません…」
魔王「…」
騎士王「魔王」
魔王「…くそ、気に入らん。何故、側近に促されなくちゃならんのだ」
騎士王「魔王が魔王らしくしないからだろ」
魔王「…知らんぞ、もう」ハァ・・・
聖母姫「?」
メイド姫「…魔王様…?」
魔王「こちらにこい」
メイド姫「…」オズオズ
魔王「…あまり、そう泣くな」スッ・・・
メイド姫「……ぅ…」ポロポロ
魔王「泣くなと言われて泣く奴があるか」チュ
メイド「!」
魔王「…お、止まったな」ナデナデ
騎士王「あーあ、見せつけんなよ駄目魔王」
魔王「阿呆。お前が呼ぶからだ」
聖母姫「…魔王様、やはりメイドさんの事嫌ってなんかないのですね。…よかった」
騎士王「あれ、姫ちゃんも本気でそう思ってたの?」
聖母姫「だ、だって…その、触れもしないと聞いたので…」
騎士王「なんだそれ」プッ
騎士王「溜まりすぎて触った瞬間にヤバいレベルで襲いそうだったとか?マヌケすぎるだろ魔王」アハハ
魔王「なっ!おい側近、なんてことを…!」
メイド姫「…そう…なのですか?」ジッ
魔王「う」
騎士王「抱きたすぎて、自分で止まらないのがわかるから抱けないとか、どんだけ変態なんだって話だよな」アハハ
聖母姫「…//」
魔王「側近、おまえ絶対に殺す!」ジャキン
魔王「それはもう魔王の歴史に残るほど残酷で非道な数多の手d 「抱いてください」 すぞ・・・って」
魔王「………は?」
騎士王「わぉ」
聖母姫「…!//」
魔王「…あ…姫?…いま…なんと?」
メイド姫「抱いて、ください…」
魔王「あ。いや、その…」
メイド姫「駄目ですか…っ?」
騎士王「うーん…。これは破壊力抜群だな…。俺でもヤバいレベルかもしんない…」
魔王「いや、ていうか!そんなこと今まで言われたこと一度も…!」
メイド姫「…っ//」
魔王「」
騎士王「…あ…えと…す、すまん。さすがに俺もこんな核弾頭みたいなの飛んでくるとは…」
魔王「」
騎士王「…あー…。ひ、姫ちゃん、ちょ、あの…い、行こう!!いつぞやよりヤバいの見せられる!俺は無理だ!!」
聖母姫「え?」キョトン
騎士王「魔王、俺たち帰るから!速攻帰るから!みんなも帰しとくから!じゃあな!落ち着いたら絶対連絡いれろよ!」ガシッ
聖母姫「ひゃ!?ちょ、騎士お
キンッ…
魔王「・・・あ・・・あいつ・・・」ボーゼン
メイド姫「…」
魔王「・・・あー」コホン
魔王「…あ、その…なんだ、つまりだな…」
メイド姫「…本当に…嫌われたのだと思っていました…」
魔王「いや、ないだろ」キッパリ
メイド姫「違うときいて・・・嬉しいです。幸せです。…私も、堪えられそうにありません」
魔王「…姫…」
メイド姫「申し訳ありません…自分の欲を抑えられないなど…失格ですね。私は、魔王様のようにはやはり出来ないようです…」
魔王「いや、だからそれは・・・」
メイド姫「魔王様・・・」
メイド姫「…抱いてください。堪えないでください。溢れるほどにお与えください。…こんな私を、壊してください…っ」
魔王「…っ」グ
メイド姫「お願い…します」
魔王「…」ハァ…
魔王「やめておけ。・・・本当に壊しかねない」
メイド「想うだけで壊れかけている私が悪いのです」
魔王「やめろと言われても、止まらないかもしれないんだ」
メイド姫「例えこの口がそう言ったとしても、私はやめてほしくなどありません。その時は素直でない私をお責めください」
魔王「…優しくなんてしてやれない。それどころか何をしてしまうかもわからないのに…」
メイド姫「本望です。魔王様の全てが知りたいのです…その欲望までもお教え頂けるならば光栄です」
魔王「…くそっ…なんなんだ…!」
メイド姫「……だめです、か?」
魔王「~~~~っ!!どうなっても知らぬぞ!!」グッ
メイド姫「!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
華奢な腕を捕らえる。
強引に引き寄せたそのままに、唇を奪う。
「ん…む、んん…っ」
知らない感覚。
一方的な蹂躙ではなく、求めあい絡み合わせていくソレに一瞬で意識を奪われた。
「は…ぁっ…」
熱すぎる吐息。
見覚えのある蕩けた瞳の中に、今までと違う光。激しすぎる快楽への憧憬。
――…っ!
呑み込まれたい。
再び唇を奪う。奪われる。取り返す。引きずり込まれる。離せない。
「んん…っ」
捕らえたままのと逆の細腕が、蛇のように腰元にゆっくり絡み付いてきた。
軌跡を辿って這いよる情欲が、鎌首をもちあげる。
塞がっている唇の代わりにと、自らの指先が彼女を舐めはじめていた。
細い首、薄い肩口、柔らかな肌を引き立てる対照的な固さの鎖骨。
今は脱がす手間すら惜しい。強引に引き下げ、その先まで露出させる。
「ぁぁ…っ」
繋がったままの咥内に忍ばされる嬌声が、媚薬に代わり俺を支配しようと脳を麻痺させた。
管制から離された指先は彼女の豊かな膨らみを舐めにかかる。
「んっ…ふ、ぁ…む…」
揺らし、ついばみ、掬いあげ。
指先が先端に僅かに届くと、またすぐに裾野から登り始める。
「あっ、ふぁ…っ!」
早くも崩れかける細い腰。それを支えると、そのまま抱き上げるようにして床の上に落とす。
「んんっ…む、あむ…っ」
彼女は息継ぎを忘れている。
この欲望は、生き物が持つべき生への反射行動すらも奪ってしまったらしい。
ゆっくりと舌をほどき、呼吸を促してやると、腕も足も力を失って崩れていく。
それは圧倒的な支配の前に服従する様子そのものだった。
「…魔王…様…」
床の上だというのを忘れる程の淫靡な誘惑。
ねっとりとした質感すら抱く甘やかな声音。
抗うことなど不可能だ。
白い肌に吸い付く勢いそのままに、押し倒した。
「んっ…は、ぁぁっ…」
むしゃぶりつくように舐めあげる。
小さな頂を舌で溶かし、もう一方は掌で侵食を試みる。
「ぅ、んんっ!!」
俺の頭を抱えるようにして、しがみつく彼女。
身勝手な俺の動きを抑え込むためというより、さらなる快感を引き込む為としか思えない。
だが、
――駄目だな。
ビクリと震えて僅かに弛緩したその隙に、俺を抱えていた腕を強引にねじあげる。
頭上高くに揃えた腕を片手で押さえ、指を鳴らす。
赤紫の靄が表れ、まるで華のコサージュのように彼女の腕を飾りつけ、そのイメージそのままに具現化して固まる。
――駄目だ。僅かでも止められたくないんだ。
拘束された彼女の服を片手で強引に脱がせる。
反対の手は彼女の頬を味わっている。
唇はまた唇を侵し始める。
何もかもが我が儘に彼女を求めようとする中で、脱がす手間は酷くもどかしい。
だが腕を挙げてしまった今では、もう服を引き下げて済ます訳にいかない。
…それで済む訳がない。
「ぁ…ん、んっ…」
その身じろぎひとつでさえ、ひどい淫夢のように見えた。
身体を芯から粟立たせるような感覚が走る。
これに抗い精を抑えることなど出来ない。
ひとしきり彼女の身体を弄んだ時点で、身体を起こす。
眼下に眺める彼女は艶かしい。
まだこれからだというのに、既に熱っぽい吐息を静かに繰り返し、
瞳を閉じてその余韻すらをも味わっているようだった。
拘束を少し緩め、腕をおろしてやる。
淫らな様相はそのままに、祈るような姿勢をとらされた彼女は背徳的な美しさで俺を魅了する。
――穢したい。
腹の底の暗闇から湧き出る歪みきった願望。
彼女を抱き、ベッドの脇に背を預けて床に座る。
横向きで膝に乗せたまま、唇だけを軽く触れ合わせる。
それ以上の絡まりを求めようと身体をくねらせ顔を寄せる彼女。
僅かに触れあったままのその距離を保つ為に逃げ続ける俺。
彼女はハンティングに夢中になりながらも、捕まらない獲物に不満気な視線を寄越してくる。
――ああ。堪らない。
油断しきっていた秘部に指を沈めた。
「ぁふぁぁぁっ!」
それは、突然の圧迫感に苦しさを吐きだした声か
あるいは指と共に快感を吸い込んだ声か。
「あっ、あっ、んっ、やっ!!」
指の動きと同じリズムを奏でる卑猥な楽器。
天上の楽団でもこれほどの名器はもちあわせていないだろう。
先程まで積極的に狩りをしていた唇は、今度は獲物を楽しませるためだけの御馳走に代わってしまった。
「ん、んんっ、あ、ふゃあっ!あああっ…んん!」
特に馴れさせるまでもなく、充分にほどけて柔らかくなっている膣内で指先が踊る。
ようやく触れあうだけの唇から唇へ飛び移る、悩ましい吐息と甘美な歓声。
ひときわ甲高いそれを聞いた後、彼女の上半身だけをベッドにうつ伏せに置く。
溶けた意識の中で朦朧と、されるがままになっている。
陶磁器のような美しい尻を抱え込み、膝立ちにさせる。
…動物が背後から覆い被さるそれそのままに、…自らを挿入した。
「ん~~~っ!!」
屈辱的な姿勢でありながらも、身を仰け反らせる。
溢れだして太股にまで垂れる蜜は、明らかな歓迎をしているとわかる。
それでありながらも膣内は狭く、押し出すような脈動で俺を締め上げてくる。
だが充分な湿りを帯びてしがみつき引き摺りだそうとするそれは、
ただ悪戯にこちらの嗜虐心をかきたてるばかりだ。
「う、んんんんっ」
乱雑なピストン。
舐めて味わうかのように緩やかに引き抜くのもよいし、
その感触を咀嚼するかのような早めの挿出も捨てがたい。
奥の奥まで突き立てて、ぐちゃぐちゃにかき混ぜるのも一興だ。
思うように、好きなように。
「あ…ま、お…さまぁっ…」
言葉が吐息に取り込まれ、鼻にかかった声に変わる。
それは媚びておねだりをするために産まれたような響きを持って、終焉を促している。
「―――――!!」
快楽を味わうと、ずるり、と彼女から引きずり出す。
解き放った物は、彼女の持つ力によって全て払われてしまったようだ。
そのなんともいえない虚無感に、意識が覚醒する。
自らも彼女の横でベッドに腰掛ける。どうにかこのまま冷静を保つ努力をしてみようと、目を閉じた。
「…んっ」
可愛らしい声と刺激に驚いて、目を見開く。
よりにもよって、気を失いかけていた彼女にくわえられている。
油断すると落ちてくる瞼に必死に抵抗しながら、彼女は俺自身を舐めあげる。
――っせっかく…抑え込む機会が手にはいったのに…
チュパ、ピチャと水音をたてて、無言で舐めてくる。
正直、拙い。
だが当たり前だ、こんなことは初めてするはずなのだから。
四苦八苦しながら懸命に『清拭』しようとしている。
その愛らしくいじらしい様子そのものに発情してしまった。
拘束を外し、ベッドに持ち上げ、上に乗る。
彼女の足を持ち上げて、事後でありながらも蜜だけが溢れるソコに口付けをする。
足を跳ねあげて、驚きと悦びを受け入れる。
続けて、蹂躙するような舌の動き。
爪先をピンとのばして、腰を浮かして、身を縮こませる。
「ひゃ、や、んうっ…」
湧き出す蜜を確認してから足を解放してやる。
目があったのて唇同士の口付けをひとつ。ふたつ。
髪を撫でて名をよぶと、甘い空気が空間を支配するのがわかった。
蕩けた瞳がにこやかに愛を囁く。
――俺も、止められないほど愛しているよ
そうして
何もかもが壊れるほどに、強く、早く、自身を打ち付けた。
結局、彼女が気を失っても猛りは収まらなかった。
行為によって目覚めさせ、行為によって休憩をとらせ、
行為によって食事をし、
行為によって眠らせた。
それを繰り返していたら、
あるとき彼女に「おかえり」と伝え忘れていることに気付いて
ようやく冷静さを取り戻した。
火照りすぎて感覚を忘れた身体を落ち着かそうと窓を開ける。
暖かすぎる風が、季節が変わっている事を知らせていた。
俺は『魔王に禁欲などさせてはいけない』という法を作ることに決めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
------------------
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
<魔王城玉座 ×ヵ月後>
騎士王「…俺、連絡しろっていったよね?」イラ
魔王「だから連絡したではないか」フン
騎士王「何ヵ月たってるとおもってんだよ!何やってたんだ今まで!」
魔王「ナニしてた」シレッ
聖母姫「…ひっ!?」
騎士王「いやいや、嘘だろさすがに!信じるか!!」
魔王「事実を否定されてもな」
騎士王「何が事実だ、証拠もあるぞ!」
魔王「証拠?」
騎士王「おもっっっきり、国を繁栄させやがって!なんだこれ、魔物が溢れてるじゃねぇか!」ドア、バンッ
ワイワイ…オーイ、ゴブリンシラネ?マチデ、パーティヤルッテ
マジカヨ、サキュバスノサソイドースンダ!!ワイワイ…
魔王「な。おかげて暫くは公務が大変そうなんだ。手伝っていけよ側近」
騎士王「ふざけんな!メイドちゃんの為に待ってやってたのに、なに魔王業に勤しんでる!」
魔王「いや、だから…俺はナニしかしてないんだ。あとはその片付けくらいだな。本当に」
聖母姫「で、ですが、この魔物達は一体…?」
魔王「あぁ…。つまりだな」カキカキ
やる→出る→神気に払われる→やる→出す→払われる→(中略)→やる→出す→払われる
騎士王「…中略って…つかバカバカしいこと書くな!」ビリビリビリ!!
魔王「で、終わって部屋を出てみたら、城中に踏み場も無いほど払われた瘴気が塊で落ちていてな」フゥ
魔王「仕方なく1つずつに魂いれて形をつくってたら、こうなった」キリッ
女神「なんて贅沢な天然避妊具。神気を堕とすなよ…」ハァ…
聖母姫「え…そ、それってまさか…//」
騎士王「…魔物の数=ヤった回数…だと…!?」
魔王「いや、それは違うぞ?」
聖母姫「そうですよね!ありえませんよねそんなこと!」
魔王「作業がめんどくさくなったころ、思い付いて蟲に喰わせておいたから回数のが多い」シレッ
騎士王「変なもん餌にすんな!あとふざけんな!」
魔王「しかし効率よく片付いたぞ。ドラゴンが食べ過ぎて卵を産んでな。そいつも食べ初めてくれるようになってからは早かった」
騎士王「は!?…ドラゴン、親になったの?」
魔王「うむ。ほれ、窓から見えるぞ、庭園の奥だ」
聖母姫「わぁ!見たいですー、私ドラゴンは初めて見ます♪」テテテテ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<ドラゴン牧場>
ピィィ!!バッサバッサ…
ビュアアア!!ギャウー!!ピピピ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
騎士王「…群れ!?」
魔王「餌があるといくらでも増えるのな。観光名所にしようかと思っている」ウム
騎士王「伝説を安売りするんじゃねぇぇぇ!!」ドガシャァァ!!
女神「…魔王が女神に封印されているって噂、なんのこっちゃと思ってたらある意味でマジだったんだな…」
幼天神「あと半年はいけると思ったんだけどなぁー」←噂流した張本人
騎士王「あと半年いかれてたまるか!つかメイドちゃんはどうした!」
魔王「・・・・・・・・」フイ
聖母姫「こ、こわいです!メイドさんはどうされてるんですか!?」
魔王「いや、俺の部屋にいるように言ってあるだけだ…うん」
騎士王「はぁ?なんで…」
魔王「なんか…ちょっとアレでな。人前には今出せない」ハァ…
聖母姫「!?メイドさんが壊されたっ!?」
魔王「壊すか阿呆」
魔王「・・・ああ、聖母姫だけ後で顔を見せてやってくれ。喜ぶ」
聖母姫「必ず参りますっ」
騎士王「何で姫ちゃんだけなんだよ…」
魔王「…ほんとになんか…ヤバくてな。無意識なんだろうが、淫魔が霞んで見える程の挑発してくるんだ。とても人前には…」ハァ…
聖女リリス「ぅんっ、わかるっ☆イキすぎてハイになってる時とかの女の子あるあるだよねそれっ♪」
騎士王「超見たい超見たい超見たい!!!」ダッ
魔王「お前はほんっっっと駄目だからな!!」ガシッ
聖母姫「…私自身は、会って大丈夫なのでしょうか…//」ドキドキ
聖女リリス「でもそっかぁ☆女神の加護どころか女神を独占してるのかぁー♪国が大繁栄するのもわかるよぉ☆」
魔王「なるほど」ポム
騎士王「納得すんな!つかまじでこっちはどーすんだこんな状況!!王国でも滅ぼす気か!」
魔王「いや、別に…ナニの結果で滅ぼされる国とかあるの嫌だろう」
聖母姫「嫌ですよ、平和に統治して下さい。じゃあ…とりあえず、新世界でも創りますか?」
女神「さらっとすごいこといった!?さすが神の母!」
騎士王「新世界ってどんなんだよ…。変態の支配する世界か…?」ガックリ
聖母姫「そうですね…」ウーン
聖母姫「勇者も魔王も神も女神も悪魔も、みんなが平和に、集まって大騒ぎで楽しく暮らせるような世界ですっ!!」ニッコリ
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
--------------
<千年後>
―――――――――
遠く昔、この世には勇者がいた。
勇者は魔王と争い、数千年の世を争いあっていた。
神と女神と天使はある時それに手を加え、
この世に大変革を起こさせた。
魔王と勇者は心を通わせ意気投合し、
世界に種族を越えた真の平和を実現させた。
こうして「新世界」は生まれたのだ。
――新・創世記第七章
―――――――――――
ペラ…ペラ…
女神「…なんでこう、俗世にはいつも変に美化された伝記ばっか伝わるかねぇ…」ハァ…
トントン・・・ ガチャリ
天神(大人)「あ、またこんなところにいる。仕事しないとドラゴンの餌にするよ?」
女神「だってさー。この伝記かいたやつ、本気でこんなんだと思ってるのかなーと思ってさ」
天神(大人)「『新・創世記』?…ああ、ひどいよねこれ」クスクス
女神「でしょー?」フン
女神「よっしゃ、あたしが本当の事を書き記してやる!伊達にみんなの頭の中はみてきてないぞ!」
天神(大人)「…悪趣味すぎるんだよ女神は…」ドンビキ
女神「三部作の大長編にしてやる!燃えてきたー!」ウオリャァ!
ダダダダ…
天神(大人)「…まぁ、書くのはいいけどさ。出版はさせないよ」クス
天神(大人)「せっかく美談の裏に隠したのに。真実を語られたら、お父さんが可哀想だ」クスクス
――――――――――――――
姫「とりあえず、新世界でも創りましょうか?」
おしまい
このあとに番外編と後日談を投下します。
と、言うわけで本編は終了です。いかがでしたでしょうか(gkbr)
なんとか一気投下で外出前に一段落着いて安心しています。
ちなみにこの後の投下予定ですが
番外編 魔王「・・・約束なんて、しなきゃよかった」
番外編 メイド「側近様、すごすぎます・・・っ」
番外編 騎士王「秘密の小部屋でぶっちゃけトーク!」
後日談 魔王「誓え。お前の全てを俺に捧げると」
後日談 騎士王「誓うよ。君の為に生きる。俺という剣を君に託そう」
の5本でお送りします。
タイトルでネタバレしとるがな。
番外編は短めだし、前に書いといたやつとかだから、
連休明けから投下できると思います。
で、ですね。
後日談のぶっちゃけトークで いろいろ小ネタだしていきます。
そこでお願いがあります。
連休中はおそらく戻ってこれなくなるので
スレ落ちしないように保守がてらにお題くれませんか!お願いします!
小ネタになるだろうけど、無理難題でもがんばります!
心優しいヒトのご応募、おまちしております。
乙
魔王の魔王の魔王は一度でも空になったのか、それが気になります!!
絶倫ってレベルじゃねえぞ!!?
というかこれはもうメイド姫がすげえ…
あ、タイトル回収完結乙です!
番外も楽しみに保守っときます
お題……ドラゴン牧場でひとつあると嬉しい
乙!あんたが女神だったのか。
乙 番外編も楽しみだなー
小ネタ。小ネタかー
そういえば、姫と騎士王がくっつくんだから、
騎士王って天神(大人)の義父になるんだよね
その辺りをツッこまれてさぞかし嫌そうにする騎士王ってすごい見たいなぁ(ゲス顔
リリス!リリス!
とりあえず保守
ただいまです。
微妙な時間に戻ってきたので投下は夜かな、と。
連休中、久しぶりにカラオケ行ったら楽しかった生キャラメルです。
>>284 魔王の魔王の魔王の空っぽ疑惑
>>285 ドラゴン牧場
>>288 お義父さん騎士王
>>289 リリス
了解です。まとまるのかこれ!?
>>287
書いといてなんだが俺が女神はキツイよなww 代理投下ってことでw
>>290
保守ありがとう!春休み3連休の乱立や上がりが流れ読めずに心配だったけど
さすがに4日くらいだったらオちることもなかったか。
まぁ、こないだスレ大量落ちしたばっかだったからね。ありがとうなー。
>>288 をみていろいろ考えていたら、もうドンヨリ騎士王ばっかでてくる
騎士王EDがとんでもないことになったらごめんなww
微妙な時間だけど 番外編1を投下しておきます。
短いので最後までいけるかな。この時間帯で荒れないように祈りつつ
↓からはじめます
-----------------
番外編1 魔王「・・・約束なんて、しなきゃよかった」
-----------------
<魔王城 執務室>
カリカリ・・・ペラ カリ、
魔王「シューベルトの、『魔王』?」
メイド姫「はい。王国で発表された歌唱曲だそうです」
魔王「興味ないな・・・。側近も手伝わないし、魔物も増えまくって・・・公務がやたら忙しいしな」
メイド姫「そうですか。なかなか私は気に入りましたが…魔王様と聴けないのは残念です」
魔王「む。 ・・・俺と聞きたいのか?」
メイド姫「はい。王国には騎士王様もいますし、シューベルト本人から指南を受けた歌い手にも当てをつけてもらえるかと」
魔王「…側近に何か頼むのは嫌なのだがな…ふむ」
メイド姫「…」
魔王「よいだろう。たまには息抜きになる」
メイド姫「ありがとうございます。では、さっそく騎士王様に連絡を取らせていただきますね」
魔王「任せる。 ・・・そうだな、せっかくなら全てお前の望むようにするといい」
メイド姫「…全て、ですか?よろしいのでしょうか」
魔王「ふん、俺は歌劇などに興味はない。だがお前が悦ぶ事は興味深い。なのでおまえの一番望むようにしろといっている。俺からはそれだけだ、計らえ」
メイド姫「……。では…、用意のために外出許可を頂けますか?」
魔王「? 側近なら伝令で足りるが…」
メイド姫「…」
魔王「…まぁ、よい。好きにしろ」
メイド姫「ありがとうございます。では、いってまいります」
パタパタ…
メイド姫「~♪」
魔王「…?なにやら嬉しそうで結構な事だ」カリカリ・・・
-----------------
<王国 王城 謁見室>
騎士王「・・・・えっ」
メイド姫「お願いできますか?」
騎士王「いや、まぁ、シューベルトの魔王はこっちでも流行ってるし・・・、それ自体は構わない…というか。近く王城主催で公演も予定してるんだけど、さぁ・・・」
メイド姫「その場をお借りしても?」
騎士王「いや、うん、えー…? 魔王はなんて?」
メイド姫「…この件については、私に一任されています」
騎士王「…まさか、知らないの?」
メイド姫「…一任されていますので」
騎士王「・・・・・・」
騎士王「よ、よし。じゃあ、メイドちゃんの顔を立てるって体で了承するよ!当日はしっかり魔王つれてきてくれよ!」
メイド姫「はい、それは必ず。では私は音楽堂に向かわせてもらいますね。失礼いたします。」
騎士王「…おう、またな」
パタパタパタ・・・
メイド姫「~♪」
騎士王「…楽しそうだな、メイドちゃん…」ポリポリ
-----------------
<音楽堂 コンサートホール>
メイド姫「あ、それはこちらに。その衣装は私が手を入れますので、あちらに置いていただいて…あ、はい。それはお任せしてよいですか?あ、そちらですが…。…あ、上手側の照明、もう少し暗くしていただいて…」テキパキ
職員「な、なぁ、あの美人さんだれ?すごい仕切ってるけど、あたらしい支配人?」
職員「ばか、魔王の妃ともいわれてる姫さんだよ!」
職員「まじで!?なんでそんな人がここに!?」
職員「今度やるシューベルトさんの公演、舞台演出やるらしい。…本物の魔王来るって噂、しらねぇの?」
職員「ば、ばかじゃねぇの!? 魔王の前で魔王歌う奴がどこにいんだよ!歌手逃げるわ!!」
職員「いや、それがさぁ…」
メイド姫「…~♪」
-----------------
<当日 音楽堂>
魔王「ふむ。なかなか豪奢な劇場だな」
メイド姫「旧帝王国時代より残る歴史的な建造物を、改築して劇場にしたそうです」
魔王「しかし、まさか本当に招待状を送ってくるとは…側近、国での信頼はもう棄てたのか」
メイド姫「魔王様がいらして無事最後まで観覧されたとしたら、騎士王様にとっては偉業ですよ?」
魔王「そう聞くと、暴れてやりたくなるな・・・」
メイド姫「暴れますか?」
魔王「…いや、一度口に出したことだ。最後まできちんと観るさ」
メイド姫「それを聞いて安心しました…が、…あの、魔王様…?」
魔王「なんだ」
メイド姫「…お約束、してくださいますか?お帰りになるまで…私が、いいと言うまでは、暴れたり…その、酷いことをなさらないと…」ウワメヅカイー
魔王(これは可愛すぎる)ユビキリ
-----------------
<音楽堂 ホール裏の一室>
魔王「…で。どこだここは」
メイド姫「はい。私が用意させました控え室でございます」
魔王「…この衣装は?」
メイド姫「主賓扱いですので、相応しい物をご用意させていただきました」
=アイテム=
・マント
・王冠
・角飾り
・王剣
・黒衣
・メガネ
魔王「…魔王かっ!」
メイド姫「はい。魔王です」シレッ
魔王「まて!しかもよく見ると変な物が混じってる!」
メイド姫「お顔をそのまま晒すのはよくないかと思いまして。…仮面よりはよいかと」
魔王「魔王にメガネっておかしいだろう!」スチャッ
メイド姫「あ」
魔王「…な、なんだ?」
メイド姫(メガネ魔王様…想像以上にかっこよかった…//)ポー
魔王「えっなんだその反応…」
メイド姫「帰りに、買い取らせてもらいましょう」キッパリ
魔王(今日の姫はどうかしてる・・・)ハァ
・・・・・・
・・・・
・・
魔王「…まったく…正式な戴冠の儀でもここまでの正装はしなかったぞ…」バサッ
メイド姫「~♪」
魔王「ご機嫌だな…む? おまえはその衣装のままなのか?」
メイド姫「はい。元々この衣装は魔王さまより頂いたものですので、問題ないかと」
魔王「ハァ・・・俺が正装で、お前がエプロンドレスで済む訳ないだろう」パチン
モワモワ…シュウシュウ…
魔王「魔王と共に公の場に出向いて居るのだ。装いまで自覚をもて。それとも、俺に恥をかかすのが目的なのか…まったく」
シュウッ…
メイド姫「! …魔王様…?」
魔王「なん…」クルッ
メイド姫「…本気でしょうか」
魔王「…。いや、間違えた」
メイド姫「ミニスカメイド姿は慣れてはいますが・・・さすがに現在の体格では…その、少々…恥ずかしいのですが…//」
魔王(どうかしてるのは俺だった)パチン
シュワシュワ…
メイド姫「…っと。これは…綺麗なドレスですね。以前、私が姫様にお渡ししたものが原型でしょうか」
魔王「あ、ああ。女の衣装はよくわからないからな。少し落ち着かせたつもりだが」
メイド姫「…」
魔王「気に入らないか?」
メイド姫「いえ。ありがとうございます、魔王様」
魔王「…? …あぁ・・・そうか」
魔王「少し、待て…ふむ。」
メイド姫「?」
魔王「…こんなものか?」パチン
シュワシュワ・・・シュワ
メイド姫「…!」
魔王「確かに、妃にと考えている姫に、他の姫に着せた衣装と同じような物を着させるのは無神経だったな」ナデナデ
メイド姫「…魔王、様…///」
魔王「俺が考えた、お前だけの衣装だ。…今度こそ、気に入ってもらえたか?」
メイド姫「…はいっ、ありがとうございます…っ」
魔王「ああ」ナデナデ
メイド姫「~♪」
~~~
♪~まもなく開演です。ご観覧の皆様は着座してお待ちください…
~~~
魔王「さあ、行こうか」
メイド姫「ご案内いたします」ペコリ
テクテクテク
-----------------
<コンサートホール>
魔王「・・・本日二度目だが。 なんだここは」
メイド姫「はい。魔王様のための特別な観覧席でございます」
魔王「…ステージか!」
メイド姫「はい。ステージです」シレッ
魔王「どういうことだっ!?」
メイド姫「こちらで御覧頂きたいのです…駄目、ですか?」
魔王「…駄目とかじゃなく、さすがに・・・そもそも、すぐそばに本物の魔王がいるのでは、歌手が可哀想だろう…」ハァ
メイド姫「いえ。その歌手の要望でして」
魔王「そいつ絶対おかしい」
ブー
メイド姫「あ、開演ですね。幕開けのブザーです」
魔王「おい…本当、どうすんだコレ…」
メイド姫「そちらに居てさえくだされば、私も安心ですのでお願いいたします」
トトトトト…
魔王「おい!おまえは何処へいく!」
メイド姫「はい、私は…」
シュルシュルシュル・・・ ワアッ! パチパチパチ!!
メイド姫「中央で、歌います」ニッコリ
魔王「」ビックリ
…~♪
ワアッ・・・ブラボー!! マオウサマー!! ヒメサマー!! パチパチパチ!!
メイド姫「」ペコリ
魔王「…」
シュルシュルシュル・・・
~~~
♪以上で、公演は終了です…お忘れ物の無いよう…
~~~
パチパチパチ!! ワァー!! パチパチ! ブラボー!! ヒメサマー! パチパチ・・・
メイド姫「…いかがでしたか?」
魔王「あ、ああ。何かおかしな夢でも見ているようだ・・・」
メイド姫「…おたのしみいただけなかったでしょうか…?」ショボン
魔王「いや・・・」
魔王「…く、くっくっく。まさか、姫が歌うとはな。予想もできなかった」ククク
メイド姫「…今日は、お付きあいいただきありがとうございました」ペコリ
魔王「俺はただ座っていただけだ」
魔王「・・・それより、本当にこれでよかったのか?俺と『聞きたかった』のだと思っていたんだが」
メイド姫「はい。…もちろん最初は…並んで観劇するのを考えていたのですが…」
魔王「ああ」
メイド姫「例え男性歌手とはいえ、誰かに巧く歌われるのは嫌だと思いまして」
魔王「…?」
メイド姫「自分でも、今日は上手く歌えたと思います…」
メイド姫「…どうでしたか、魔王様…?私は、ちゃんと…ちゃんと、『魔王』を私のモノにできていましたか?」
魔王「…なるほど」
メイド姫「……」ドキドキ
魔王「…そうだな」クク
魔王「ああ、見事だった。すっかり、魔王はお前のものにされてしまったようだ」ナデナデ
メイド姫「…//」
魔王「だが・・・」ピタッ
メイド姫「…?」
魔王「モノにされたままでは魔王が廃るというもの」グイッ
メイド姫「きゃっ」ガッ
魔王「転移術・・・」
モワッ・・・ ブンッ
-----------------
<魔王城 魔王の自室>
ブンッ・・・ パッ
ドサッ
メイド姫「っ、ひゃっ…」
魔王「おい」グッ
メイド姫「は、はい…!」
魔王「帰ってきたぞ」シュルッ
メイド姫「…あ、はいっ、そ、それではあの、お茶など用意して…、ひゃ」
魔王「違う」モゾ
メイド姫「あ、んっ、え…で、では、お食事になさいますか…っ?//」
魔王「30点」ツツツ・・・
メイド「きゃっ!! で、ではお休みになられます…か、んっ」
魔王「50点。合わせて80点だな。ぎりぎり及第点といったとこだ、褒めてやろう」チュ・・・ペロ・・・
メイド姫「ひゃんっ!あぅっ、うぅ…あ、あの、魔王さ…う、動けないのですが…お支度、が…//」
魔王「残り20点を棄てるつもりか?仕置きのがいいのか?」ムギュッ
メイド姫「~ッ! 」
魔王「あぁ、すまないな…それで?忘れてることがあるだろう?」ベロリ
メイド姫「んんっ、そんな、わ、たくしはっ…何も、っ!ぁ、ゃ、あぁっ!」
魔王「…ほう、何も忘れてない、と?」チュー・・・チュ、パッ
メイド姫「!?!? ひゃぁっう!だ、駄目、です、ぅっ、まお…ッあ、ああっ!」
魔王「まあ、よい。そのつもりならそれでも」ツ、ツツツ
メイド姫「ぁ…ぅ、んっ…は、ぁ…っ、や、です…そん、な。」
魔王「嫌、ねぇ…」クチュ・・・
メイド姫「…は、ぁっ…んっ…ふぁっ…あ…んっ、んん…ま、おぅさまぁ…やめっ…」
魔王「…なんだ?」ピタッ
メイド姫「…ぁ、…や」
魔王「…止めて、と聞こえた気がしたのだが?」
メイド姫「…ぁ、ぁ…の、…ぅ…そ、れは」モジ・・・
魔王「…ふむ、気のせいだったようだな?」チュプ・・・クチュ、クチュ・・・
メイド姫「ふ、ぁっ!! ん…っ、や…ぁ、んんっ!」
魔王「・・・」ツツツ
メイド姫「もっ…ま、おぅさまぁ…もう…わた、くし…」
魔王「…」チュプ
メイド姫「んんっ…そん、な…焦ら、されて…は…あ、は、ぁ…んっ!」
魔王「何をいってる? お前が思い出さなければずっとこのまま…ここまでしかできないぞ?」チュ、パ
メイド姫「!? や、そん、なぁっ!だ、だめです、んっ…~~~ッ!?」
・・・・・・・
・・・・
・・
メイド姫「」クッタリ
魔王「ちっ。結局思い出さなかったか…どうしてくれる」
魔王「…本当に、どうしてくれる、この姫は…」ソッ・・・
ナデナデ
メイド姫「…ぁ、魔王、さ…まぁ…。んっ…」・・・クー・・・クー・・・
魔王「」ムラムラ
魔王「くそ。魔王に約束させといて、それを忘れるとは…」ハァ
魔王「…仕方ないのか。魔王はもう、こいつにモノにされたようだしな・・・」
メイド姫「クー…クー…」スヤスヤ
魔王「う…触れないのとは別に、これもなかなか辛いな・・・自制とか苦手なのだが」
~~~~~~~~~~~
「…お約束、してくださいますか?
お帰りになるまで…私が、いいと言うまでは、
暴れたり…その、酷いことをなさらないと…」
~~~~~~~~~~~
魔王「まったく…俺は『酷い』やり方しか知らないというのに…」ウーン
魔王「このまま思い出さなかったら…酷くないやり方を学ばなきゃならないのか…?魔王だぞ…?」ハァー
魔王「はぁ。…廃れた魔王もいたもんだな…」ナデナデ
メイド姫「ん…」
魔王「お。気が付いたか…?」
メイド姫「…まおーさま…あいしてます…」ムニャムニャ
クー
魔王「……~~~~~っ!」
魔王「…ハァ・・・約束なんて、しなきゃよかった…」
-----------------
番外編1 魔王「約束なんてしなきゃよかった」 おしまい。
魔王の廃れっぷりが書きたくて
随分前(1作目の頃)に書いた奴を編集して番外にしてみました。
いわゆる没ネタの発掘です・・・こんなんで、すみません。
番外編2は また今夜か明日にでも投下しますね。
こっちもいわゆる没ネタ編集ですがよろしくおねがいします。
あ、番外編3はまさに今書いてます。
書く分には楽しいですね、番外ストーリって。
なら焼酎の魔王ネタがあっても良いのでは
>>317
うお、番外編3書きあがってきてみたら追加ネタ!
どうにか書き込んでくる・・・番外編3は明日投下するな。
ちなみに魔王は飲んだことないです。
名前がカッコイイのでいえば、『100年の孤独』を買って呑んだな、酒は好きだ。
↓から番外編2を投下します。
-----------------
番外編2メイド「側近様・・・すごすぎますっ!//」
-----------------
<X年前 魔王城 玉座>
男「それで、魔王って強いの?倒してみていい?」
魔王「・・・なんと言った?」
男「え?だから、魔王倒していいのかなって」
魔王「・・・いや、おかしいだろ。おまえ、自分が何のために産まれたかわかっているか?俺に今創られた魔物なんだぞ?」
男「何のために・・・って。え?くっついてきたらなんか身体もらっただけだよ?・・・魔王ってのもさっき知ったし」
魔王「・・・いや、その魔物の肉体には存在意義を与えただろう。感じないのか?」
男「か、感じる・・・?な、なんかエロいからやめろよ、気色わるいな・・・」
魔王「おまえがやめろ」イラ
スッ・・・
メイド「・・・魔王様、よろしいでしょうか」
魔王「なんだ」
メイド「そちらの新しく創られた魔物、創られたにもかかわらず意義を見失っている様子。危険もあるやもしれませんので、ご処分になるのがよろしいかと」
魔王「・・・危険、ね」フン
魔王「おい、そこの男」
男「ん?なんだ?」
魔王「・・・そこにメイドがいる」
男「・・・?うん、そうだな。それがどーしたんだ?」
魔王「斬ってみよ」
男「は?」
メイド「・・・」
魔王「案ずるな、俺はそれを弾くので遠慮なくこい」
男「いやいや!つか普通に打ち合えばいーじゃん!?なんで女の子を斬ったら勝ちみたいにすんだよ!」
魔王「模擬戦のようなものだ。力量を見るのに殺し合いをする訳にいかないだろう。それに、勝敗も分かりやすくてよい」
男「はぁ?あー、シチュエーション訓練ってこと?」
魔王「・・・俺を倒すと言うほどだからな。相当の自信があるんだろ?的のひとつもなければ手がみえぬではないか」ニヤ
男「ま、ね。でも無関係の女の子は斬れないよ?」
魔王「それを聞いて安心した。お前は単に攻撃的な性格なわけではなさそうだ」
男「いや、なんか理由もないのに明らかに弱いものいじめしても仕方ないってだけだけど・・・魔王は強そうだから倒してみたい気もするような」
魔王「・・・ふむ、ではこうしよう。このメイドに触れてみよ。無事に触れることができたら、手合わせしてもよい」
男「おお、確かにそう言われると俄然やる気でるな!いいぜ、やろうやろう!」
メイド「・・・私は、どうしたらよろしいのでしょうか」
魔王「俺の後ろで立っていろ。下手に動いて、殺されたくなければな」
メイド「かしこまりました」
魔王「さて。・・・まぁ、斬れだの触れてみよとはいったが、これは俺の専属メイドでな。普段ならそんなことはさせないものだ」
男「そーなの?・・・まぁ、確かにかわいいよ、うん」
魔王「であるからして、当然防御をさせてもらう。何、よほど危害を加える気でもなければ手加減はしてやる。やってみろ」
男「はじめていいの?」
魔王「いつでもいいz
ヒュンッ!・・・ヒョイッ!
魔王「・・・」
男「おお!軽い!柔らかい!可愛い!なんかいい匂いもする!」クンクン
メイド「・・・は・・・?」
魔王「・・・」
男「おお・・・さすが魔王の専属・・・なにやらこれは・・・うん、変な間違いを起こしs
魔王「起こされてたまるか!」ベシ-ッ
男「いてぇっ!」
魔王「何をしてる!?」
男「はっ!つい!?」
メイド「あ、え?・・・あの、おろしていただいても?」
男「うん、ごめんな。・・・あ、いや、でももう一回匂いだけ・・・」
魔王「ふざけるな」ベシッ!
男「ゴメンナサイ」ヨイショ
・・・・・・・・
魔王「はぁ・・・自分でやれと言ったが、いろいろ予想外だ・・・」
男「そうだよ、なんでやれって言われてやったことで、ひっぱたかれなきゃなんねーんだよ!」
魔王「匂いを嗅げと誰が言った!」
男「いや、まぁ、そりゃそーだけど」
メイド「・・・お強いのですね、あなたは」
男「そう?」
メイド「・・・いくら手を抜いていたとはいえ、魔王様を出し抜く方はいままでいらっしゃいませんでしたので」
魔王「・・・ふん」
男「あー、まぁ。魔王は殺気とか敵意・・・悪意?に反応してるっぽかったからなー、俺は無警戒だったんだろ?」
魔王「なに?」
男「いや、なんに警戒してんのかしらないけどさ。メイドちゃんに触れるまでは魔王はノーガードだったよ?」
魔王「・・・」
男「まぁ、ひっぱたかれた時は俺も反応できないくらい、いきなり近づいてきて焦ったけど」ポリポリ
魔王「・・・気配だけでなく、その種類までをも読めるのか、驚いたな」
男「ふつーだぜ?」
魔王「・・・。まぁ、よい。俺は約束は違えぬ主義だ。手合わせしてやろう」
男「おお、ラッキー!」
魔王「いまやるか?」
男「うーん。ここでやっていいの?」
魔王「・・・おまえ、何を用いて戦うつもりだ?」
男「あ。そーいや武器がないな。剣とか借りていい?」
魔王「兵用の長剣ならば予備もあるだろう」
男「じゃあそれ」
魔王「剣相手か。久々だ。庭に出るとしよう」
メイド「庭園に支度をして参ります。人払いはなさいますか?」
魔王「無用だ。俺が斬られて恥をかくとでも思ったか?」
メイド「いえ。余計な被害が出ることを危惧いたしました」
魔王「剣ならばそんな手荒にはならないさ」
男「来るつもりなら、メイドちゃんこそ離れてなよ?」
メイド「・・・あの。先程からなんですか?その『メイドちゃん』というのは」
男「え?ああ、ちっちゃい子を呼び捨てるのもなんとなく変だし」
メイド「ちっちゃい子・・・」
魔王「・・・それも魔物だ。かれこれ200年は生きているぞ」
男「うぇっ!?かわいいロリ少女がおばあちゃんっ!?」
メイド「・・・ロリ少女・・・おばあちゃん・・・」
魔王「・・・。何か本当に調子を狂わす奴だな。それも作戦なのか?」
男「いや、どちらかとゆーと俺のが調子悪くなりそう・・・クンクンしちゃった・・・」ガクリ
魔王「・・・」ハァ
魔王「名をやる。ノリも口調も動きもあまりに軽すぎるから、軽男だ」
男改め軽男「受け入れるとおもうのかこのやろう・・・って強制かよ!」ガーン
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
-----------------
<魔王城 黒百合の庭園>
軽男「なんか剣、短い」
魔王「一般的なサイズだ」
軽男「そうかなー、なんかこう・・・」シュパ
魔王「・・・ほう」
軽男「・・・うーん、まぁいっか」フリフリ
魔王「なかなかいい振りだな。俺に一手でも喰らわせたら、軽男用の長剣を用意してやってもよい」
軽男「サービスついでにその名前も変えてくれ」
魔王「まぁ適当につけただけでさすがに不憫だなとは思うからいいぞ」
軽男「本音はかくせよ・・・。よし、やろう。剣ほしいしカッコいい名前にしたい!」
魔王「・・・本気で俺を斬れるつもりなのか?」
軽男「へ?魔王の強さもわかんねーのに、そんなんわかるかよ」
魔王「・・・まぁよい。さて、かかってこい。気配を読むとわかっている以上、今度は先のようにはいかぬぞ」
軽男「よし」スチャ
魔王「・・・」
軽男「・・・?」
魔王「・・・」
軽男「・・・おい?」
魔王「なんだ」
軽男「剣ぬけよ、はじめらんねーだろ!」
魔王「必要ないだろう、あたらないものを弾くこともない」
軽男「手合わせするっつったろ!合わせろよ!」
魔王「そこまでいうなら抜かせるだけの攻撃をしろ」
軽男「なんか魔王きらいだ」
魔王「好かれてたまるか」
軽男「・・・ほんとにいいんだな?」
魔王「必要なら抜くさ」ククク
軽男「・・・いくぞ」チャキ
スタッ・・・
魔王「いい跳躍力だ」フム
軽男「・・・はっ!」
魔王「さて」パチン
モワモワ・・・
軽男「うわ!?」モクッ
魔王「・・・瘴気の壁だ」
軽男「なんだこれうぜぇ!!ちかづけないし!」
魔王「剣の必要がないといったろう」
軽男「ずるくね!?インチキじゃね!?」
魔王「魔王相手になにいってるんだ軽男」
軽男「・・・っ、ていっ!!」ブワッ
魔王「ほう。斬風だけで瘴気を吹き飛ばすか」
軽男「所詮は霧だよ!」
魔王「確かに」
軽男「今度はださせねー・・・よっ」
シュタ
魔王「・・・やはり、早いな。だが」スッ・・・
軽男「!?・・・ぐっ」
魔王「反応できぬわけあるまい」
軽男「」バタリ
メイド「・・・殺してしまったのですか?」
魔王「いや、軽い手刀だ。じきに起きるだろう」
メイド「よかったです」
魔王「・・・おまえは処分しろと言っていなかったか?」
メイド「はい。・・・ですが、魔王様が少し愉しそうなご様子でしたので、思い改めました」
魔王「愉しそう?俺が?」
メイド「気のせいでしたか、失礼いたしました」
魔王「・・・いや。俺に歯向かう魔物など初めてだったからな。確かに新鮮ではあったな」クク
メイド「その魔物・・・軽男を、どうなさいますか?」
魔王「しばらくは暇潰しになりそうだ。手当てをしてやるといい」
メイド「かしこまりました」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
---------------
<夜 魔王城 メイドの自室>
軽男「う・・・。・・・あれ?ここは・・・?」
メイド「私の部屋です。手当てのため運ばせました」
軽男「いてて・・・あー、なんかクラクラする」
メイド「首に手刀をあてられたからです」
軽男「あー、あ?なにこれ、冷やしタオル?」
メイド「手当てのために、冷やしました」
軽男「あ、そういや・・・。うん、ありがとな、メイドちゃん」ナデナデ
メイド「・・・」パシッ
軽男「あ、ごめん。嫌だった?」
メイド「・・・魔王様の許可なく触れるのは、慎んでください」
軽男「あー。専属なんだっけか」
メイド「はい」
軽男「うーむ・・・まぁ、さすがに幼女に手を出す気はないけどさ」
メイド「幼女・・・」
軽男「あ、200歳こえてんだっけ、ごめんな」
メイド「かまいません。容姿は確かに幼いですので」
軽男「・・・」ジー
メイド「なにか」
軽男「つかぬことを聞くけど、もしかして専属メイドっていわゆる夜のお手伝いもしちゃったりしt
魔王「軽男より屑男にしてやるからいますぐ黙れ!!」バターン!!
メイド「これは、魔王様。申し訳ありません、お越しになるとは思いませんでしたのでお出迎えのご用意が・・・」
魔王「・・・近くにいたら、急に寒気を感じたのでな」フン
軽男「ロリコン魔王か・・・いや、まぁ趣味は人それぞれだけど・・・ちょっとこの子は幼すぎる気も・・・」ブツブツ
魔王「やっぱり処分しよう」キッパリ
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
---------------
<翌日昼 魔王城 玉座>
魔王「・・・で。さっきから後ろに張り付いて、何してるんだお前は」
軽男「再戦申込み」
魔王「寝首をかくつもり、の間違いか?」ハァ・・・
軽男「いやいや。付きまとってれば、うっとーしくなって剣抜くかな、と」
魔王「・・・勝手にしろ」
メイド「軽男。お許しがでたとはいえ、あまり失礼のない範囲に留めてくださいね」
軽男「うぃーっす」
・・・・・・・・
・・・・
・・
------------
<魔王城 執務室>
魔王「・・・」カキカキ・・・パラリ・・・カキカキ・・・
軽男「じー」
<魔王城 食堂>
魔王「・・・」パクパク・・・モグモグ・・・
軽男「じー」
メイド「・・・」
<魔王城 創生の間>
魔王「・・・」モクモク、シュワワワ・・・
軽男「じー♪」
<魔王城 魔王の専用浴場>
魔王「・・・」ガチャリ
軽男「じー 魔王「ちょっとまて!」」
軽男「え?どうした?」キョトン
魔王「ここは浴室だ。ここまで入るつもりか?」
軽男「あー。ちょっと疲れたし風呂はいって汗流すのもいいなぁ」
魔王「・・・」ハァ
魔王「暇ならば30分してから執務室に来い。そんなことで剣は抜かない。男同士で入浴する気もない」
軽男「えー」
魔王「つまらんことで逆らうな、消すぞ」
軽男「それも嫌だな」
魔王「そこは『も』じゃないだろうに。ほら、はやく行け」
軽男「はいはーい。んじゃ後で!」シュタタ・・・
魔王「・・・まったく変なやつすぎる・・・創生でこれだけの大失敗は初めてだ」ハァ・・・
<30分後・執務室>
魔王「・・・」パラリ・・・パラ、パラ・・・
<一時間後・執務室>
魔王「・・・」カキカキ・・・カキカキ・・・
<二時間後・執務室>
魔王「」イラ
魔王「ああそうか。よーくわかった。そんっなにもお望みなら、斬り捨ててやろう!」ガタッ
<魔王城 廊下>
テクテク・・・
魔王「くそ。いないな・・・。どこにいるんだ軽男のやつ」イライラ
魔王「ち。メイドに手伝わせるか・・・」クルッ
<メイドの部屋の前>
魔王(寝ていなければよいが・・・ふむ、起こしては可哀想か?)ソッ・・・
ボソボソ
魔王(ん?話し声・・・?)
軽男「・・・あ、やばい・・・。これは・・・超かわいいよメイドちゃんっ・・・」
メイド「それ以上はやめてください・・・」
軽男「柔らかいのもいいけど・・・まぁでも一番はこの匂い・・・もうたまらない・・・」
魔王「!?」
メイド「・・・駄目ですよ。そんなに・・・もう触れないでください・・・いくら固くなったからといっても・・・あっ!」パリーン
軽男「ごめんっ!ごめんっメイドちゃんっ、俺ガマンできなk 魔王「させるかあああ!!」」バターン!!ザクー!!
軽男「うぉぉああっ!?」ヒョイ!
魔王「ちっ!かわしたか!」スチャ!
メイド「・・・魔王様?」キョトン
魔王「無事か!?」
メイド「・・・ええ、と」
メイド「飴細工でしたら軽男がかじってしまいましたので、あまり無事とはいいがたいですが・・・ご所望でしたか・・・?」
魔王「・・・は?」
軽男「・・・」←人魚ちゃん型の飴細工をくわえてる(尾がパキーンと欠けてる)
メイド「・・・」←スライム型の飴細工を作ってる(まだむにむに)
魔王「・・・」←困惑している
軽男「・・・あ、あー・・・。うん、ああ・・・」
魔王「・・・」
軽男「そ、そーだ!俺、魔王と約束してたな!そんな怒んなよ!」
軽男「じゃ、じゃあまた飴細工作りの見学させてねメイドちゃんっ!!おやすみ!ほらいくぞ魔王!?」
魔王「・・・え、は?」
メイド「そう、でしたか。そうとは知りませんでしたので軽男の見学を許してしまいました。お待たせをさせて申し訳ありません」ペコリ
魔王「ああ・・・いや・・・」
軽男「さ、さっさといくぞ魔王!」グイッ
魔王「え、ちょっ・・・」
スタタタ・・・バタン
・・・・・・
メイド「魔王様と、もうあんなに打ち解けられているなんて・・・軽男はあなどれませんね」
---------------
<魔王城 魔王の自室>
魔王「・・・おい、いい加減に手を離せ。なんなのだ、いったい。俺の部屋に連れて来た所で・・・」パシッ
軽男「あ、ごめん。いや、よくわかんないけどなんとなく。あのままメイドちゃんに問われたら魔王が可哀想な気がして。余計だったか?」
魔王「・・・」
軽男「・・・いや、まぁ・・・うん、なんかこう、勘違いさせたのは仕方ない発言内容だったよ、ごめんな?」
軽男「でもあれはまじで、メイドちゃんの作る飴細工の未完成ぷにぷにスライムの可愛さと、完成品ツヤツヤ人魚ちゃんを耐え切れずついかじっちゃった話なんだ・・・うん」
魔王「・・・あー・・・」ハァ・・・
軽男「はは・・・ごめんなー、なんか」
魔王「ああ、もうよい、だまれ」
軽男「いやー、でもさすがにドアあいた瞬間の抜剣とそのまま勢いの斬撃は怖いって。どんだけ必死だよ、魔王」ハハハ
魔王「ああもう、まじでうるさい・・・だまれって」グデー
軽男「魔王、意外といいやつなんだなー?小さい子をしっかり守ったりして。意外だったわ、見直した」
魔王「なにいってるんだ、頭でも斬ってたか?」
軽男「・・・『させるかぁぁ!!』・・・ぷはっ、く、くくく」
魔王「・・・」イラ
魔王「・・・そうか、お前の本心、よーくわかった」
軽男「なにが?」
魔王「そんなにスライム水飴が好きなら埋もれていろ!!創生!」パチン
モモモ・・・シュパ!!
ドシンッ!!
軽男「ぐはぁ!? 俺が食べたのは人魚ちゃ・・・ッ」ベシャッ
魔王「しばらく潰れてろ!」イライラ
巨大スライム「ぷにっぷにやでー」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
<翌朝 魔王の自室>
魔王「・・・おまえ、まだ居たのか」
軽男「うん、重かったしなんか動くのダルくて・・・床で寝てたわ」ノビー
魔王「よく退かしたな。退かせないサイズにしたつもりだったのに」
軽男「どうりで。おかげで一度、埋もれて窒息しかけたわ」
魔王「惜しかった」
軽男「惜しむべきは俺の命だから!」
魔王「で。今日もついてまわる気なのか?」
軽男「うんにゃ、今日はただの魔王観察。剣を抜かせる方法ならわかったし・・・ぷっ、くふふ」
魔王「スライム地獄Ver.2創生」パチン
ポポポポポポポポポポン!!
軽男「スライムが豪雨!?ぎゃぁぁあ!!」ムギュギュ
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
<夜魔王の自室>
ガチャ・・・
軽男「おー・・・おかえりー魔王・・・」ボケー
魔王「なんだ・・・まだ生きてたのか・・・いっそ死体に迎え入れられたほうが気分がいいぞ・・・」ハァ・・・
軽男「いやさ、スライム可愛いなぁーと思って・・・。しばらく見てたわー」ボンヤリ
魔王「どこがだ、どこが」
軽男「見る?・・・おまえら、さっきのやってみ?」
青スライム「ぴぴー」プルプル
赤スライム「ぴぴー」プルプル
黄スライム「ぴー」プルプル
緑スライム「ぴー」プルプル
黒スライム「ぴっぴー」プルプル
スライム5「ぴぴぷぴー!」プルプルプルプル
軽男「な?」
魔王(どうしようわかんない)
魔王「ハァ・・・おまえなぁ・・・、俺がスライムを愛でてたらおかしいだろ・・・」
軽男「そっかな。メイドちゃんはスライム好きらしいよ?まぁ水飴で細工するくらいだしね」
魔王「そうなのか?・・・ふむ」
魔王「では、一匹くらい飼ってみるか・・・よし、じゃあ あいつ用の可愛らしいのを・・・」パチン
モワモワ・・・ペチッ
桃スライム「ぴ」
軽男「あ、手のひらサイズ。かわいいなそれ」
魔王「む。いや、単に失敗したらしい、小さすぎた。連続で創りすぎて集中力が足りてないな・・・まぁ、いいか」ヒョイッ
桃スライム「ぴ・・・」ブルブルブルブルブルブルブル
魔王「っ!?」ビク
ポイッ、ベチャッ
桃スライム「ぴ」ピタ。ジワー
魔王「・・・?」
軽男「・・・」ソー・・・
ベトリ・・・
桃スライム「ぴ」ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル
魔王「・・・」
軽男「・・・天然ジェル付きピンクローター生物・・・?」
魔王「!? なんでそんな最悪なもん創ってんだ俺!?どうなってんだコレ!?」ガーン
軽男「魔王、おまえ・・・これ、メイドちゃんにあげるつもりか・・・?俺、今度は軽蔑するぞ・・・?」
魔王「違う!誤解だ!失敗だといっただろ!?」ブンブンブン
桃スライム「ぴ♪」ピョンピョン
軽男「で。・・・どうする、これ・・・。殺すのは不憫だぞ、さすがに」ウーン
魔王「とにかくメイドにだけは見つかりたくない。あらぬ誤解はごめんだ」ハァ・・・
トントン
メイド「魔王様、先程なにか大きな声が聞こえましたが・・・入室してもよろしいですか?」
魔王「!」
ヒョイッ
パチン バシッ バタン ペイッ!
バタン!! パチン ビシッ!
魔王「何もない。そのまま下がれ」
メイド「・・・そうですか。失礼いたしました」テクテク・・・
魔王「ハァ・・・」
軽男「・・・あの・・・」
魔王「! ・・・・・・・・・」
軽男「・・・いま・・・なんか、壁ん中から扉でてきたの・・・気のせい?」
魔王「気のせいだな」キッパリ
軽男「じゃ、じゃあ、あの変態スライム投げ込んだ部屋に大量に見えたしゃ
魔王「勘違いだ」キッパリ
軽男「・・・」
魔王「・・・」
軽男「・・・言ってて、キツくない・・・?」
魔王「・・・」フイ
軽男「・・・うん。これは忘れるから、安心してくれ。代償は剣のみの再戦と、俺の剣と、名前の変更な」
魔王「」ハァ・・・
魔王「剣の図案をもってこい・・・創ってやろう・・・」ドンヨリ
軽男「♪」ルンルン
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
----------------
<翌朝 黒百合の庭園>
軽男「よっしゃ、はじめようか魔王!自分用の剣を早く振るいたい!!」
魔王「ああ・・・もう好きにしろ。切り刻みたい」
メイド「・・・魔王様、よろしいのですか?再戦はしないのでは?」
魔王「やむを得ない事情がある。聞くな」ハァ
軽男「メイドちゃんの合図で開始なー♪」
メイド「・・・それでしたら・・・わかりました」
メイド「試合条件、剣による打ち合い。両者、抜剣用意。・・・初め!」
軽男「先制!」バッ
ヒュンッ・・・!
魔王「・・・」スッ
シャッ
軽男「へへっ」チャキッ
シュパン!!
魔王「・・・!」タッ
キンッ!!
軽男「おらおらいくぜっ!!」シュパパッ!!
魔王「速いな、予想以上だ」シュッ・・・
魔王「それにその長剣のリーチでは、打ち合いはやりにくい」
スタン
軽男「まー・・・ねっ!!」
ヒュ・・・!!
魔王「!!」
ガキン!!
軽男「でも・・・、力比べだと、長い分やりにくいんだなぁっ、これ、が・・・っ」
ググ・・・
魔王「・・・何か、打ち合いの記憶でもあるのか?」
グイッ、キンッ!!
軽男「はじめてよ?」シュタッ
魔王「まぁ・・・そのはずだよな・・・」
タッ、ヒュッ・・・ザクッ
魔王の面目ってわりと初期から保たれてなかったのねw
しかし今日は重いな…全然更新されんかった
>>351
側近になっても、騎士王になっても、勇者になっても
アレはアレですww
朝、投下作業中まったく動かなくなり途中落ちしてました。
5時台~9時台は一切動かなかったなー。
残りがあと8レスくらいなんで終わらせちゃいますね。
↓から再開します。
軽男「っべ、服斬れた」
ジャリッ
魔王「・・・服だけですんだか。見事だ」
スッ・・・
軽男「んー・・・なんか違うんだよなぁ・・・?」
スッ・・・
魔王「なにがだ」
軽男「わっかんね、試す」
シュパン!!
魔王「!!」
ザザザッ・・・
軽男「お。ちょっといいかんじ?」
魔王「いや、すごいな。こちらも本気でやるぞ?」
軽男「なんだ。本気じゃなかったのかよ」
魔王「ただの軽口、というわけでも無さそうだな」
スッ・・・
軽男「・・・」
ザッ・・・
魔王「はっ!!」
ドバンッ!!
軽男「・・・っ」
ダッ!!
魔王「相変わらずの跳躍。反応も速い。よく避けたよ。これはかなりの逸材だ」
軽男「へへ。さんきゅ・・・・・・
・・・。
魔王「気配を・・・絶った?このタイミングで?」
・・・。
魔王「・・・さて、さてと・・・どうくるかな」
ヒュパッ・・・
魔王「後ろk」
スル・・・
魔王「っ、な?!っ・・・くっ」
キンッ!ガキキキキン!!!ザンッ!!
魔王「っ!!」
パラリ・・・
軽男「・・・よっしゃ、軽いけど1本いれたぜ?まぁあんだけ打って1本かといわれりゃそれまでだけど」
魔王「・・・速い、とかいうレベルじゃないな。一息に何十にも打ち付けてくれるじゃないか」
軽男「ちょっと調子でてきたかも。でもやっぱなんか違うんだよね」
魔王「・・・おまえ自身でさえ手数が見えないのは恐ろしいな。長期戦は不利そうだ」
軽男「残念だ」スチャ
魔王「・・・あまり乗り気はしないが・・・、試す価値はありそうだ」チャキッ・・・
軽男「お?妙な構えだな」
魔王「腹にいれる。避けてもよいが、殺すには惜しい。・・・本気で護れ」
軽男「え?」
魔王「行くぞ」
ヒュ・・・
ビュオオッ!!
バシィィィィッ!!
軽男「・・・ぐっ!!・・・っふ、ぅあっ・・・?!」
ゴシュッ・・・ズ・・・ズズズ・・・
魔王「・・・俺の勝ちだ」
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
----------------
<6日後 夜 魔王城メイドの自室>
軽男「ぅ・・・」ズキッ
メイド「・・・気が付かれましたか?」
軽男「あ、あぁ・・・ぐ、ぅあ、腹が抉られるように痛いな・・・」
メイド「生死の境を6日さまようほどでしたので、仕方ありません」
軽男「・・・はは、なんだそりゃ・・・くっそ、剣一本で範囲攻撃とか・・・ありえねぇだろ・・・」バッタリ
メイド「しっかり腹部の防御をなさっていたので、斬撃自体は入ってません。それでも衝撃はかなりでしょうが・・・」
軽男「・・・そっか。んじゃこんだけ寝てようやく起きたんだ、後の回復は早いかな」
メイド「・・・何故、避けなかったのですか?」
軽男「え?」
メイド「跳躍に自信があるようでしたので、避けると思いました」
メイド「まぁ避けたら死んでいたでしょうが・・・範囲攻撃と知らなかったのなら、なおさら避けるのが普通かと」
軽男「だって、魔王が護れって言ったし」
メイド「・・・それだけ・・・ですか?」
軽男「殺したくないって、あの気配は真剣だったしな。そういや避けるとか考えもしなかったわ」ハァ・・・ゴロン
メイド「・・・そう、ですか・・・。もう少し、お休みになられますか?」
軽男「ん・・・そーするよ。ありがとな、また看病しててくれたんだろ?」ナデナデ
メイド「いえ。魔王様の指示ですから、礼は必要ありません。どうかお気になさらず」
軽男「・・・あれ?思わず撫でちゃったけど、今日は手、払わないの?」
メイド「はい。魔王様より、許可が出ておりますので」
軽男「・・・許可?何で?俺にもメイドちゃん守れって?」
メイド「いえ、私に触れる許可というわけでなく・・・」
軽男「?」
メイド「ざっくり言うと、全権許可ですね」
メイド「さらに『魔王不在ならびに有事の際には必要に応じた全指令系統の総括を命じる』との指令もございます」シレッ
軽男「・・・は?」
メイド「側近様、御昇進おめでとうございます」ペコリ
軽男「まてまてまてまて!?」ガバッ
メイド「何か、説明に不備がありましたか?」
軽男「不備とかじゃなくいろいろ備えすぎている!!」
メイド「そうですね。私も魔王様がそうおっしゃられた時はかなり驚きました」
軽男「つか、なんだ側近様って!?」
メイド「はい。軽男に代わる新しい名称にございます」
軽男改め側近「なんで生後10日程度で魔王側近なんだよ!おかしいだろ!・・・って、おい、また強制かよこんちくしょう!!」
メイド「あー・・・側近がお嫌でしたら、
『魔王補佐』、『魔王代理』、『No2』、あるいは
『面倒を押し付けるのに丁度いい。よしこの剣撃馬鹿は今日から奴隷のように働かせて俺が休む時間を作ろう』、
の中から選べとのことですよ・・・」ハァ・・・
側近「ねぇ、さらっと最後の流したけど明らかに魔王の本音だよね?わかっててそれ伝えちゃうの?なんなのその本当は嫌なんだけどみたいな顔?」ドンビキ
メイド「・・・魔王様には珍しく、こちらの書面にて、しっかりそのように記入して渡されていますので・・・申し訳ありません」ピラッ
[※一字一句間違わずに、従うのも話すのも嫌だよ汚らわしい、という様子で伝えること 魔王]
側近「わぁ、確信犯だー。メイドちゃんの態度はかなり柔和に抑えてくれてたよアハハー」
メイド「病み上がりですので、最大限の配慮を致したつもりです」
側近「おう、ありがとな」ピッ!
ビリビリビリビリ・・・ゲシッゲシッ!!
側近「スー・・・」
側近「ぅおら魔王出てきやがれ!ふざけんなこのやろおおおお!!」
シーン・・・
メイド「・・・あの。魔王様でしたら、おそらく自室にいられるはずですよ。それにお腹の怪我は・・・」
側近「うん、なんかそれどころじゃないよね。腹の中からなんかがみなぎってくるのがわかる・・・そうか!」
側近「あンの魔王・・・範囲攻撃の正体、剣に魔力いれてぶちこみやがったな・・・くっそ」
メイド「魔王様が、魔力を・・・?」
側近「ああ、そりゃ6日も寝るはずだわ・・・俺にそんな魔力いれる容量ねぇっつーのに・・・」
メイド「そういえば『10日もあれば目覚めるか死ぬかわかるだろう』と魔王様がおっしゃってました」
側近「殺すくらいの量の魔力投げつけたの!? 何考えてんだあいつ!!」
メイド「魔王様のなさることですので・・・」
側近「・・・・・・」ジッ
メイド「・・・なにか?」
側近「あぁ、いや。そうか・・・もしかしたら・・・」
メイド「どうかなされましたか」
側近「うん、ちょっとごめんね、メイドちゃん。やっぱ魔王に一泡吹かせたい」スタッ
メイド「?」
ぎゅーーっ・・・。
メイド「!」
側近「・・・はい。ありがとう」パッ
メイド「あ、あの!なんの抱擁ですか?」
側近「うん、まぁなんていうの。あー・・・闘いの前の景気付けだとでも思ってやって?ごめん。下がっててね」チャキン
メイド「はぁ・・・闘い?」
ブンッ!!
魔王「斬る!!」シュパッ
側近「とうっ!!」ガキン
ガキン!!ガキン!!ガシュッ!!ヤッパコロス!!イカシトイタラ、コウカイシソウダ!!
シュパパッバシッ!!コノクサレマオウ!!クチドメニシテモ、チャントカンガエロバカ!!
メイド「・・・呼吸、ぴったりですね・・・何なのでしょうか・・・」ハァ・・・
メイド(それにしても、何故いつも丁度よく魔王様はこちらにいらっしゃるのでしょう?側近様も来るのをわかっていたようですし・・・)
メイド(・・・お二方とも気配の察知に優れている、とかですかね。私ではとても判らない領域です・・・側近様は、さすが魔王様に大抜擢されるだけの事はあるのでしょう、私ももっと頑張らねば・・・)
メイド(それにしても・・・魔王様に魔力を入れられていたとしても・・・魔王様と互角に剣で張り合われるだなんて・・・)
メイド「側近様・・・すごすぎますっ//」グッ
魔王「・・・」ピク
側近「・・・えっ、ちょ、メイドちゃん・・・何を言って・・・?」
魔王「・・・貴様・・・なにしやがったぁぁぁぁぁぁぁ!」
ズバァァン!!
側近「今のは誤解だぁぁぁぁ!!」
グシャァァァ!
-----------------
変態魔王編おしまい
なんでか側近は報われないオチしか思いつかない
しまった 没ネタ時のメモ用の一言書きをそのままあげてしまった
×変態魔王編
○メイド「側近様・・・すごすぎますっ!」 です
番外編3は 夜か明日に投下します。
いろいろ盛り込んだらちょっと長くなってしまった。
生キャラメルです。
大変なことになっているので当人達より一言弁解をどうぞ。
魔王「アレは、帝王国の姫時代から生きているので俺より年上なんだが・・・」
メイド姫「魔王様の母と双子なので。魔王様が胎児だったころから知っていますよ?」
昨夜は投下できませんでした。今夜こそ投下したい。
番外編はサクっと投げて、後日談1までいけたらなぁとおもっています。
さてさて、と。1:00を目安に
↓から投下を再開します。
------------------------
番外編3騎士王「秘密の小部屋でぶっちゃけトーク!」
------------------------
<ドラゴン牧場>
ドラゴン「ぴ♪」
騎士王「よしよし、元気だったか?ドラゴンはかわいいな。すっかりでかくなっちまったが・・・」ナデナデ
ドラゴン「ぴぴ♪」ツンッ
騎士王「ごめん、つつくのやめて。お前の餌がアレだと思うといたたまれない」
ドラゴン「ぴぃー」ズイ
騎士王「ひっ!?瘴気の塊!?やめ、それやめろ!枯渇しても俺は食わねえ!」
子ドラゴン「ぴぴぴー♪」
騎士王「あ、ちっこいドラゴン寄ってきた・・・見た目は可愛いんだが・・・この餌好きなのかなぁ・・・」
ドラゴン「ぴーぴ!」バサァ・・・
騎士王「いや、ドラゴンナイトとか言ってた俺が悪かった。悪いけど乗らないから」
ドラゴン「ぴぃ・・・」ショボン
騎士王「・・・まぁ、こんだけの飛行能力を眠らせるのは勿体ないか」
ドラゴン「ぴぃ?」バサァ・・・
騎士王「乗らないけど・・・よし、王国で竜騎士兵団でもつくるか。見た目の威圧感だけで治安維持に役立ちそう」
ドラゴン「ぴっぴー!」スリスリ
騎士王「お、乗り気だな。じゃあ魔王に言って数匹もらって・・・」
メイド姫「お仕事熱心ですね、騎士王様」
騎士王「うわ!? ・・・なんだ、メイドちゃんか。珍しいな、一人で城外にでるなんて」ドキドキ
メイド姫「そう、ですね。一人で居るのも久方ぶりな気がします」
騎士王「魔王に監禁されてたからなー」ハハハ
メイド姫「・・・//」
騎士王「いや、照れられても。レベルおかしいの知ってると反応しずらい。で、魔王は?」
メイド姫「その・・・いらっしゃらなくて。まさにいま探している所なのです。お見かけしていませんか?」
騎士王「魔王、いないの?」
メイド姫「はい。朝食後、お部屋に戻られてから姿が見えなくて・・・城中さがしてもいらっしゃらないのです・・・」
騎士王「それでこんなとこまできたのか。なんか急用なの?」
メイド姫「あぁ、いえ。用があるわけでは。・・・ですが何も聞いていませんし、突然居なくなられたのが心配で・・・一目だけでも、と」
騎士王(ちょっと離れただけで心配とか魔王中毒だな。つまり会いたいだけだろそれ)ハァ・・・
メイド姫「・・・どちらにいらっしゃるのでしょう・・・騎士王様の所でもないとは・・・」
騎士王「んー・・・寝てるんじゃね?」
メイド姫「お部屋は何度か訪ねました。ですが裳抜けの殻で」
騎士王「ああ、じゃあ・・・まぁ多分だけど居場所わかると思うよ。なんか伝える?」
メイド姫「・・・さすがに元側近の名は伊達ではないですね。あの、私を連れてって頂く事はできませんか?」
騎士王「あー、それはちょっと。魔王に聞かないと・・・」
メイド姫「・・・そう、ですか」
騎士王「うん、ごめんね」
メイド姫「・・・・・・」
騎士王「どうした?」
メイド姫「あの・・・その居場所というのは・・・もしやどなたかがいるような場所なのではないかと・・・」
騎士王「へ?」
メイド姫「例えばその・・・女性とか・・・」
騎士王「いやいやいや!やましい場所でも逢い引きでもないからね!?一人だけで静かにゆっくりできるようなとこだよ!」
メイド姫「そ、そうですか!それならばお邪魔するわけにいきませんね!」
騎士王「(超うれしそうだなオイ・・・何考えてたのかバレバレ。本当に変わったな、メイドちゃん)ハハハ・・・
メイド姫「伝言は結構なので、もしそちらに居ないようでしたら教えていただけますか?」
騎士王「あいあーい。んじゃいってくるわ」
キン・・・
------------------
<魔王城 隠し部屋>
パッ
魔王「帰れ」
騎士王「~~っ俺を確認する前に追い出すなよ!」
魔王「お前以外に誰が来れるというんだ。このあいだからなんなんだ、勝手に入るな」
騎士王「いいじゃん、別に・・・。意外に落ち着くんだよ、この狭さとか。いい部屋だな」スワリコミ
魔王「・・・ちっ。これだけモノがあるから狭く感じるのだ。部屋自体は割と広い」
騎士王「暮らせそうなくらいあるもんなー」
魔王「はぁ・・・ここは元々はシェルターだ。実際に暮らせるはずだぞ」
騎士王「いや、魔王は知らんけど俺が生きるために必要な物は足りてないから」
魔王「ふむ。まぁ確かに、食物といえるのはアルコールくらいだな」
騎士王「へぇ。酒とか持ち込んでるのは意外だな」
魔王「ワイン寝かせるのに丁度よい環境だと気が付いたのでな。試しに数本置いている。それからは上納された酒も置くようになったんだ」
騎士王「おお、すげー!ちょ、魔王の部屋に『魔王』がいっぱい!?」
魔王「つまらぬ洒落を言うな。・・・『魔王』は上納数がかなりあるからな」
騎士王「せっかく貰ったのに飲まないの? もしかして美味しくないとか?」
魔王「いや、めちゃくちゃ美味い。美味いが、調べさせたらどうも飲む気がしなくなってな・・・」
騎士王「なにそれ?」
魔王「やはり魔王としては、『魔王』には森さんに圧倒的に勝ってほしいので満足したらダメかな、と」
騎士王「誰だよ森さん・・・」
魔王「『森伊蔵』。ここには置いてないぞ」
騎士王「魔王のくせに、どうでもいいこと気にするのな・・・」
魔王「あとそのネーミングの由来は怖い」
騎士王「何?」
魔王「『天使を誘惑して魔界に持ち込まれ献上される酒』だそうだ」
騎士王「・・・ああ・・・リリス・・・好きそうだな、アイツ。コレいい匂いするし・・・」
魔王「ここで開けるな、リリスが匂いに釣られて出てきそうだ。ここから出ていくなら飲んでもいいぞ」
騎士王「いいねいいね。片っ端から開けちまおう。魔王も一緒に呑もうぜ!」
魔王「出ていけと言っている。誰がお前となど・・・」
騎士王「あ。メイドちゃんが『魔王が朝から黙って居ないのは隠れて女と会ってるんじゃないか』って不安に駆られてたから払拭しといたぞ?」
魔王「・・・」
騎士王「飲むべ?」
魔王「付き合おう。お前に借りを作るのは嫌だ」
騎士王(魔王がちょろいってどうよ)
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
魔王「これは・・・飲みすぎたな・・・。何本開けるんだ・・・流石にキツいぞ・・・?」
プハー
騎士王「つまみも無いのにひたすら呑むとか苦行かよ」ククク
魔王「なんだこれ、飲んだことない味だぞ?」
騎士王「それ? なんだっけ・・・えっと・・・あ、これだ。『天誅』?」
魔王「ふざけた上納する奴が居るな」イラ
騎士王「あ、これ『魔王』と同じ酒蔵のやつだ。姉妹品?」
魔王「急に鬼畜と飲んでる気がして気持ち悪くなれる不思議な一品だ」
騎士王(お前だけだよ)
魔王「しかし・・・冗談ではなくさすがにこれだけ飲むと気分がな・・・。少し静かにしていろ」ハァ・・・
騎士王「しっかしシェルターねぇ。こんな部屋で暮らしたら病みそうだわー。あ、病んでるのはメイドちゃんか。魔王中毒だし」ヒック
魔王「なんの話だ・・・いや、そうじゃなく、静かにしろと・・・」ダラー
騎士王「つか昔から気になってたけど、その巨大水晶何よ?」
魔王「城内監視用モニタ・・・」ウトウト
騎士王「だよね、知ってたわー」
魔王「あぁ、知られてると思ってたなー」ボンヤリ
騎士王「魔王・・・酔ってる?」ニヤニヤ
魔王「・・・。お前の顔みて、天神の酒を呑んだせいで悪酔いしたらしいな・・・酒に呑まれるなど最悪だ」ハァ
騎士王「そりゃ結構」ケケケ
騎士王「しっかし改めて再認識したら最悪だよなー魔王。完全にストーカーだ。どうせメイドちゃんの部屋とかみてんだろ?」
魔王「失礼な奴だ。普段は自室専用にきまってるだろう・・・」
騎士王「普段 ”は” ?」
魔王「・・・」フイ
騎士王「はぁ。まぁいいや。・・・で、自室見てどうすんだ」
魔王「だから・・・ここはシェルターだといったろ。自室への侵入者や不審行動を見るための処置だ・・・というかもう黙れ・・・」
騎士王「魔王の部屋で不審行動とか、そんなやついるの?」
魔王「・・・・・・」
騎士王「ほら、やっぱり。実際は何に使うんだよ」
魔王「はぁ・・・。説明するのも今は億劫だ。自分で見ろ」パチン
ボヤ・・・
騎士王「お、さすが巨大水晶。鮮明によく映るな。・・・でも無人の、魔王の部屋じゃなー」
カチャ・・・
騎士王「・・・あ、ドア開いた?誰?」
魔王「俺の部屋に入ってくる奴なんか限られてるだろ・・・」
騎士王「なんだ、メイドちゃんが清掃しにきたのか。つかまじでいまだにメイド業やってんだな・・・止めさせないの?」
魔王「いや、これがなかなか楽しくてつい、な・・・」
騎士王「楽しい?」
魔王「さて、今日は何かな」ノソ…
騎士王「? ベッドメイク? ・・・コレ見て楽しいか?」
・-・-・-・-・-・-
ピタ
キョロキョロ・・・
ソッ・・・
マクラ ギュ-♪
マクラ スリスリ♪
ハッ!
セッセセッセ・・・テキパキテキパキ
・-・-・-・-・-・-・-・-
魔王「・・・な?」
騎士王(やばいこれは確かに楽しい!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「と、いうわけでたまにここで癒されてるわけだ」ハァ
騎士王「あれは癒されるなー」
魔王「お前は聖母姫に癒されてくれ・・・」ゴロリ
騎士王「いや、癒されるどころか地獄をみるから無理だわ」
魔王「は?」
騎士王「昨日は特に酷かった。聞いてくれる?」
魔王「いや・・・。さてはお前もずいぶん酔ってるな・・・顔に出ないで泥酔するタイプか・・・」ハァ・・・
・-・-・-・-・-・-・-・-
聖母姫「騎士王さま、トランプしませんか?」
騎士王「いいよ。スピードやろうか」
聖母姫「ぅ・・・苦手なの知ってて言ってます?」
騎士王「二人ババ抜きがしたいならそれでもいいけど」
聖母姫「・・・スピードでいいです」
シャシャシャ・・・
聖母姫「あっ」
騎士王「どんだけトランプ飛ばすんだよ。待っててあげるから取っといで?」
聖母姫「あぅー・・・」ヨチヨチ
騎士王(う。四つん這い・・・)
聖母姫「あ。チェストの下に・・・」ゴソゴソ
騎士王(ちょ!尻!尻をつき出すな!)
聖母姫「よかった、とれましたー♪」ズリズリ
騎士王「あ、膝立ちで歩いてきたら危な・・・」
ツンッ、コケッ
ドサッ
聖母姫「いたた・・・、っごめんなさい!大丈夫ですか騎士王様・・・?」
騎士王「近い近い近い!」
聖母姫「あ・・・//すみませんっ、今どきま・・・ すっ!?」
騎士王「・・・どした?」
聖母姫「足痛めました・・・」ズキズキ
騎士王「全体的になんてお約束な子だろう。・・・ほれ、見てやるから出してみ」
聖母姫「ぅぅ//」
騎士王「ああ、大丈夫だよ。赤くなってるけど腫れてない。打ち身かな」スリスリ
聖母姫「!」
騎士王「あ、ごめっ、つい」パッ
聖母姫「・・・いえ。騎士王様なら・・・嫌じゃ、ないですから//」
騎士王(さ、誘われてる?)
聖母姫「・・・//」
騎士王「姫ちゃん・・・」ギュ
聖母姫「ひゃ//」
騎士王(柔らかい柔らかい柔らかい!なんか微妙に当たる部分がボリューム足りないけどスッゲー柔らかい!)
聖母姫「騎士王様・・・//」
チューー・・・
騎士王(うわ、キスしてきた・・・やばい、これはマジ誘いなのか・・・どうする俺!)
ーーーーー・・・
騎士王(うーむ・・・触れ合わせるだけ、と。やっぱ俺から、もっといくべきなのか・・・?)
ーーーー・・・
騎士王「(・・・けど・・・、あれ、なんか・・・あれ?長すぎね?)
パタリ
騎士王「は!?」
姫「」キュウ
騎士王「ちょっ!?自分でしときながら窒息!?息止めてたの!?」
姫「」グッタリ
騎士王「姫ちゃん!姫ちゃんってば!看護師!看護師ー!!」
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
騎士王「・・・というわけで、ありえないほど天然なんだ」
魔王「それは天然じゃなく、ただの阿呆の子だ。それも王道の阿呆だ」
騎士王「ああもうぶっちゃけ我慢できなくなりそう。俺も魔王とメイドちゃんみたく何日も何日も引きこもれたらいいのに。
魔王「無理に引きずり込んですればよいではないか」フン
騎士王「そうしたくなることもある。けど、なんだろう、勇者としてそれはできないんだよな」
魔王「勇者が姫に強制猥褻か。確かに嫌だな。魔王として何をすべきか悩みそうだ」ウウム
騎士王「つか引きずりこんだとこでそんなできねーしな。誰かさんみたいな特殊すぎる身体能力ねーし」
魔王「馬鹿なことを。俺だって普通にしてればそんなに続くわけないだろ」
騎士王「え?」
魔王「体力的にも同程度のお前と大差があるとも思えんが・・・そうか、そうでもないのか。・・・悪かったな、個人差だから気にするなよ」ポン
騎士王「何を同情してんだ馬鹿野郎。そうじゃなくて、魔王は数ヵ月の間、やってたんだろ?普通に無理だって」
魔王「ああ、まぁあれは自室だったからな」
騎士王「どゆこと?」
魔王「俺が瘴気の塊だって忘れたのか?城以上に自室には瘴気がよく集まるんだ」
騎士王「いや、ごめん、つながんない」
魔王「・・・海をかんがえろ。海水が暖められると、蒸発して雲になり、雨になる。雨はあちこちから流れてきてまた海に溜まり、暖めるとまた雲になる」
騎士王「はぁ」
魔王「暖める=興奮する。雲になる=精がたまる。雨がふる=アレを出す」
騎士王「・・・つまり出しても、国中から集まるしょうきで、いくらでも補充されてくるからまた出せる、と?」
魔王「そんな感じ」
騎士王「適当すぎる嘘つくな!普通に出来るって言われた方が、魔王ならなんか信じられる!」
魔王「俺はどんなイメージなんだ・・・」
騎士王「エロ魔神?」
魔王「魔王だと何回言えばいいんだ」
魔王「第一、天神だって神気のあつまる宮殿で、延々としてたじゃないか。・・・お前、あれも神なら普通の事と思ってたのか?」
騎士王「思わねぇよ!そんな神は嫌だと思ったよ!ツッコミいれまくったよ!」
魔王「・・・だろ?そういう仕組みなんだ」
騎士王「・・・はっ!だから魔王、呆れるばっかでアレにツッコミいれなかったのか!?」
魔王「まあな。それに俺は『宮殿を壊す、空中じゃ流石にできないだろ』って言ったはずだが」
騎士王「言ってたな」
魔王「身体能力的な事であんだけヤっていられるなら、あいつは飛べるから空中でもヤってるだろ。『どっちも絶景♪』とか言いながら」
騎士王「そんな後付け回収って有りなの?」
魔王「メタはやめろ」
騎士王「しかしなんか反則な気が・・・」
魔王「まだ信用しない気か?・・・そうだな。おまえ、聖母姫を禁忌で呼び出した日を覚えてるか」
騎士王「? ああ・・・なんとなく・・・」
魔王「お前、二日で戻ると言って、四日戻ってこなかっただろう」
騎士王「あ、思い出した。メイドちゃんがご機嫌で、魔王がちょっとやつれてた」
魔王「・・・あの時は執務室だったからな。多少は補充もされるが速度がな・・・」
魔王「あれで四日はさすがにキツい。姫を前にしてダメになってたら、恨みでお前を消してたと思う」
騎士王(知らないままでいたかった。そんなふざけた死因の可能性)
騎士王「って、あれ?じゃあもしかして、勇者で聖気の俺にも、同じこと言えたりする?」
魔王「どうだろうな。気をあやつれないから、そこまでのループは難しいかもしれん」
騎士王「そっか、まぁそうだったら自分で既に気付いてるよな」
魔王「・・・が、聖気の集まる場所ならば普段以上にはなるだろうな」
騎士王「それで充分だよ!じゃあ何、おれも自室でならスゴイ事に!?」
魔王「・・・自室って、王国の城か?あれは王の城であって勇者の城じゃないだろう。聖気なんて集まる訳がない」
騎士王「あ、そうか。・・・じゃあどこなら集まるんだろう」
魔王「・・・聖気の事はわからんな。逆に今まで、どこで力を発揮してきたか考えろ。妙に力が沸き出した場所とかないのか?」
騎士王「んー。王国軍退治。国境近辺の平地か。疲れてたけど今考えるとあれだけ相手によくやれたなと思う」
魔王「まだ勇者として目覚めてない頃じゃ、なんとも言えないな。他にはないのか?」
騎士王「そういや2000年前、魔王城で魔物討伐してたらやたら魔力沸いたかな」
魔王「魔物討伐? 魔王城で?」
騎士王「城っつーか、庭だけど」
魔王「・・・あぁ、もしかして・・・。いや、だとしたら俺や天神よりよほど・・・。まぁ、世界中を冒険するのが本分な勇者だしありうるか・・・?」
騎士王「なになにっ!?」
魔王「特定の場所に集まる物ではなく、この大地全体より溢れでている「生気」。それがつまり「聖気」の事なのだとしたら・・・、という話だ」
騎士王「どういうこと?」
魔王「「『外でやるなら、どこでもいつもよりスゴイ事に』」
騎士王「うわぁぁぁぁ!? 変な性癖を俺に押し付けるなぁぁぁ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔王「落ち着いたか」
騎士王「酔いまで醒めたわ!!」
魔王「羨ましいな。俺はお前の馬鹿騒ぎで、酔いはマシになってもまだ頭が痛いというのに」
騎士王「全力でさっきの話を論破してみせる!勇者が青姦趣味とかそんな性癖あってたまるか!」
魔王(元々が仮定の話なんだが)
騎士王「気が集まる場所なら無尽蔵に続けられるというのはやはり嘘だな!俺を変態に誘導するための嫌がらせだ!」
魔王「何故そう言い切れる?」
騎士王「リリスだ!天神は天空宮殿にいたにも関わらず、リリスに吸われて神気が尽きていた!その理屈なら尽きるはずがない!」
魔王「結界壊したあげく、さらに集まってた神気も聖母姫が回収してた。無い物は補充できないだろ」
騎士王「う・・・。いや!でも魔王も昔リリス呼び出した時の事で、『油断すると全て吸いとられる』っていってたじゃないか!」
魔王「・・・・・・おまえ、嫌なことを思い出させるなよ・・・」
騎士王「よしっ、これで論破だ!」グッ
魔王「想像してみろ。海底にブラックホールをくっつけてだな、毎秒数百万トンの勢いで海水が呑み込まれて行ったらどうなる」
騎士王「・・・え」
魔王「海水だって尽きるだろうな・・・と思うのも不思議じゃない」ハァ
騎士王「リリスって・・・どんだけなの・・・?」
魔王「だからあれは怖いんだ。歴代魔王がわざわざ代々封印してきたんだ。俺が天神に同情するのも、天神がこのままよりは消滅したほうがマシだと思うのもわかるだろう」
騎士王「で、でもそれなら何で解放したりしたんだよ・・・」
魔王「代々色欲の強い魔王が、試さずにいられると?」
騎士王「馬鹿なんじゃないの歴代魔王」
魔王「ちなみに解放時の絶対命令は、まず皆そろって『やめろと言ったら素直に封印されること』にしてきているらしい。俺も例に漏れず」
騎士王「・・・リリス最恐伝説・・・」
魔王「幼天神は子供だから今は無事だが、成長後はどうなることやら。不憫な」
騎士王「なんか・・・余命宣告にちかいのな、リリスの存在って」ハァ
魔王「しかしそう聞くと、不思議な事にあんな鬼畜マザコン天神でも助けてやりたくなる。勇者の宿命かね・・・」
魔王「・・・がんばれよ、お義父さん」
騎士王「ひっ!?何!?」
魔王「聖母姫を嫁にするんだろ。責務を果たせよ、お義父さん」
騎士王「やめろよ!?そんなつもりはないぞ!?」
魔王「天神にとって聖母姫が母なら、その夫は父じゃないか、お義父さん」
騎士王「嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ!」
魔王「いつか息子に嫁を寝取られるとか最悪だな、お義父さん」
騎士王「うぁ・・・っ!想像できる・・・っ!つかもうこないだの再現じゃないか・・・なんだその未来予想図・・・っぐぅぅ」
魔王(ふん、俺が酔ってるからと調子のりやがって。側近を堕とすとかチョロいというのに・・・ん?)
騎士王「ひひひ・・・」ブツブツ・・・ブツブツ・・・
魔王「はっ!まて!絶望まではするな!俺が耐えられんからやっぱり目を醒ませ!勇者たる者がそう簡単に堕ちるな!」ガックガック
騎士王「寝取られる・・・寝取られる前に・・・ウヒ、ウヒヒ・・・」ブツブツ
魔王「やめろ馬鹿!ほら水晶みろ、ドラゴンだ!お前の好きなドラゴンがたくさん映ってるぞ!」パチン
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
<ドラゴン牧場>
ドラゴン「ぴー♪(ドラ娘ちゃん♪)」
メスドラゴン「ぴ・・・ぴっ//(ドラ夫さん//)」
ドラゴン「ぴぴぴ♪(王国に行っても、ずっと大好きだよ♪)」
メスドラゴン「ぴぃ・・・ぴぴ//(私も・・・好き//)」
ドラゴン「ぴっ♪(ちゅっ♪)」
メスドラゴン「ぴー//(やぁん//)」
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
魔王「ドラゴンのラブシーン・・・これは貴重な・・・ってそんな場合じゃない!」
騎士王「ドラゴンでさえ・・・愛し合うというのに・・・俺は・・・イヒヒ・・・もういっそ獣に堕ちて・・・」ブツブツ
魔王「くそ、また悪化した!?じゃあこれならどうだ!聖母姫を映せ水晶!」パチン
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
<魔王城 メイド姫の自室>
聖母姫「すみませんっ、なにやら急に押し掛けてしまいまして・・・!」
メイド姫「いえ、それは構わないのですが。姫様でしたらいつでも歓迎いたしますよ。ですが・・・」
聖母姫「すみませんっ、すみませんっ!」
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
魔王「・・・? 聖母姫、来てるのか。おい側近、聖母姫だぞ。おまえの姫は近くにいるらしいぞ、見てみろ」
騎士王「姫ちゃん・・・?」ボー
魔王「メイド姫の部屋にいるらしいな」
騎士王「あぁ、姫ちゃんだ・・・うぅ、ごめん地獄とか言って・・・。やっぱ君はそこにいるだけで俺を癒してくれるよ・・・」ウウ
魔王(よかった!本当によかった!だが酔いが一気に醒めるほど、必死に勇者を絶望から救う魔王ってどうなんだ!?)
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
<魔王城 メイド姫の自室>
メイド姫「そんなに謝らないでください。事情は察します、姫様に非はありません。ですがこれは・・・」
聖母姫「すみません・・・騎士王様が留守だと言ったら無理矢理こちらに連れ出されて。騎士王様はこちらに来ていませんか?」
メイド姫「困りましたね・・・。確かに騎士王様でしたらこちらにいらっしゃいましたが・・・不在の魔王様を探してくださると、やはり居なくなってしまわれて・・・」
聖母姫「魔王様も居ないのですか!?」
メイド姫「はい、朝からどちらかに外出なさってらして、行方がわかりません・・・どうしたらよいのか・・・」
幼天神「やったね!魔王さんも騎士王さんも不在とか、最高じゃないか!」ギュムッ
メイド姫「ひゃっ!//や、やめなさい!//」
幼天神「他人のハーレムを土足で好き放題に蹂躙できるなんて、やめられないよー!」ムニムニ
聖母姫「やんっ!//こらっ、幼天神くん、だめっ//あなた子供でしょっ!」
幼天神「確かにいろいろ子供だからお楽しみは難しいけど、技術的にはいろいろ知ってるよ!試してあげる!」ペロペロ、ムニムニ
聖母姫「ちょっ!!//いやぁ、騎士王様ぁ!//」
メイド姫「や、だめです!//魔王様ぁっ//」
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
キンッ・・・
ブンッ・・・
騎士王「切り刻まれろ外道天神!」スチャッ、バシュ!
魔王「二度と同情などしてやらん!リリスに突き出してやる!!」チャキッ、ズシャッ!
幼天神「うわっ!?」パァァァ・・・!
魔王「魔王城で結界張ったところで無駄だ!瘴気の海に沈め!」
ブワッ・・ズモモモモ!!
騎士王「神気尽きたら外に連れ出してミンチにしてやる!子供だからと手加減はしないぞ!」
ジャキンッ!ズバッ、ガシュ!
幼天神「ちょっ!聞いてない!揃って居るとか聞いてないよ姫様達!?」
パァァァ!パァァァ!パァァァ!
ワァワァ・・・
聖母姫「・・・」ポカン
メイド姫「・・・」ボーゼン
聖母姫「呼んだらすぐに現れるとか・・・さすが騎士王様、まるでヒーローです//」
メイド姫「勇者ですよ、姫様・・・。それにしても・・・何かこう見覚えのある景色ですね・・・」
聖母姫「前にもこんなことが?」
メイド姫「はい。いくらなんでもあまりに毎回タイミングがよすぎる気が・・・」
聖母姫「・・・それは・・・」
メイド姫「・・・一体二人で、どこで何をしていたのか・・・」ハァ・・・
聖母姫「た、たしかに・・・」ハァ・・・
聖母姫・メイド姫「「お二方とも、あまりにもタイミング良すぎて、とても不審です・・・」」ガックリ
-----------------
<夜 天空宮殿>
幼天神「ああもう!隙をついて飛んで逃げたからいいけど、ボロボロだよ!」
聖女リリス「おかえりっ☆ 幼天神ちゃん♪」
幼天神「リリス・・・。ちゃん付けはさすがにやめてね?」
聖女リリス「ご主人様♪」
幼天神「それもちょっと。僕まだ子供だから」
聖女リリス「あれぇ、わざわざ飛んできたのー?」
幼天神「転移で追われたらやだからね。飛んで撒いたんだよ。魔王さんも騎士王さんも飛べなくてよかったよ」ハァ・・・
聖女リリス「あ、そっか☆ 魔王ちゃん昔っから飛べないもんねぇ♪よく飛びたがってたなぁ、懐かしいっ☆」
幼天神「・・・そっか、リリスは初代魔王も初代天神もしってるんだっけ?」
聖女リリス「うんっ☆」
幼天神「なんでわざわざ魔王なんてクローンを作ったのか、なんで僕のクローンなのに飛べないのか、知ってる?」
聖女リリス「んー・・・愚直ってるの聴いたくらいしか知らないよぉ?」
幼天神「それでいいよ、おしえて」
聖女リリス「あのね、リリスが神様と喧嘩したからだよ☆」
幼天神「・・・え?いや、もうちょっと詳しく教えてよ?」
聖女リリス「んっとね・・・リリスが神様の舐めてたら、超無理矢理どかされてー・・・」
幼天神(いきなりそこからか・・・)
聖女リリス「『上に乗ってまでヤるな!』って怒られたのー!だから、乗らなきゃ舐めにくいよ!って無理に乗っかりなおしてー・・・」
幼天神(史実の、体位1つで喧嘩ってそんなんだったのか・・・女性人権団体は真っ青だな・・・)
聖女リリス「で、その時は無理矢理抑え込んでしたんだけど、次の日にいきなり神様が雲から堕ちるのみつけてね?」
幼天神「え?初代天神が雲から・・・堕ちた?」
聖女リリス「うん、でも実はそっくりの偽物だったの!リリス、知らなかったから追いかけちゃって・・・リリスも堕ちちゃったんだぁ・・・」
幼天神「まさか、それが魔王?」
聖女リリス「うんっ☆」
幼天神(まさかの影武者要員!絶望に寄り添い全てを破壊しろって、リリスに寄り添って、リリスを滅しろって事なのか!?)
聖女リリス「まぁ、ほとんど同じだったしいっかなー♪と思って魔王ちゃんと楽しんでたら、天に帰りたい、飛びたい、って泣いてた☆」
幼天神(飛べない理由はリリスを連れて戻ってこないようにってことか・・・なんて哀れな・・・)
幼天神「あ、いや。でも転移してこれたはずじゃ?」
聖女リリス「ううん、なんかすっごい空の高いとこにいっちゃって、見つけられなくなったの☆」
幼天神「・・・天空宮殿が浮遊しながら上昇する理由はそれか・・・転移の範囲外ってどこまで上がったんだろう・・・大気圏外・・・?」
聖女リリス「リリスはそのまま魔王ちゃんのお嫁さんになって、魔王ちゃんの子供うんで・・・」
聖女リリス「でも、魔王ちゃんの子供にも手を出したら 魔王ちゃんは病んじゃってそのまま・・・(´・ω・`)」
幼天神(初代魔王の死因が情けなさすぎる!)
聖女リリス「だいたいそんな感じだよっ☆」
幼天神「はぁ・・・史実に正しく残らない理由もわかったよ。そうか、元々宮殿は空にあったのか・・・でもなんで二代目からは地に落としてたんだろう?」
聖女リリス「リリス、封印されてたからわかんないっ☆」
幼天神「なんかあったんだろうな・・・また想像できないような理由が」
聖女リリス「リリスとのえっちが忘れられなかったとかだといいなー☆」
幼天神「・・・リリスの肖像が、強く魂に残ってる理由はそれなのかな・・・?」
聖女リリス「そうなの?」
幼天神「数万年経ってても、一目みればこれがリリスだってわかるくらいには」
聖女リリス「えへへ☆うれしー♪」
幼天神「でも、よくそれだけ封印されてたね?」
聖女リリス「あれは騙されたぁ~」
幼天神「騙す?どうやって?」
聖女リリス「息子がね、いいコだったのに、いきなりなんかやたらサディスティックなプレイばっかやるコに豹変してね・・・」
幼天神「はぁ」
聖女リリス「ある日ついに『今日は放置プレイだ。出てきたら絶対に命令に従えよ?』って言われて、1個だけならって約束して、ウキウキしながら小さな水晶に入ったら・・・」
幼天神「え・・・まさか・・・」
聖女リリス「いつまでまっても放置されて、あれはリリスも泣いたなぁ・・・」
幼天神(封印の仕方がヤバい!魔王のサディスティックさは魂に刻まれた生存本能だったのか!?)
聖女リリス「あ、そういえば一回だけ、解放されて3代目魔王ちゃんとエッチしてるときに勇者くんに会ったなぁ☆」
幼天神「! そうだ、そういえば勇者と魔王と神の構成の謎がわからないままだ」
聖女リリス「え? 勇者くんは、神様のスパイでしょ?」
幼天神「・・・スパイ?」
聖女リリス「『神に頼まれてリリスの様子を定期的に見に来ることになった』って初代勇者くん言ってたよ?」
幼天神「・・・そ、それで?」
聖女リリス「その時・・・3代目魔王ちゃんが『この馬鹿犬みたいに舐めまくる悪魔をどうにかしろ!神のとこに連れて行け!』って勇者くんに詰め寄って・・・」
聖女リリス「勇者クンが『同情する、いいだろう着いて来い』って答えたら、いきなり誰かに勇者クンの魔力が奪われて行けなくなって・・・」
幼天神(切り捨てた! いままで勇者のくせに魔力値ひくかったのはそのせいだったのか!)
聖女リリス「勇者くんは『魔王が悪い!どうしてくれる!』ってキレるし、魔王は『俺の知ったところじゃない!』ってキレるし・・・何年も大喧嘩してね・・・リリスはおかげでしばらく解放されたままだったけど♪」
幼天神「数万年の戦争の火蓋がどうでもいいことで斬り落とされた上、災厄が!?」
聖女リリス「馬鹿犬っていわれたの、ちょっとドキドキしたなー♪」
幼天神「そんな性癖暴露程度で、この話はまとめらんないよ!」
聖女リリス「で、ようやくまともに出てきて、神気と神様のおかげで無事に解放されましたぁ☆てへっ♪」
幼天神「史実に残せない・・・残せないよそんなの・・・っ」ガックリ
聖女リリス「幼天神ちゃんも、はやくおっきくなって楽しもうね♪」
幼天神「人を呪わば穴二つっ?!そんなの初代天神の勝ち逃げじゃないかっ!僕は認めない!」
聖女リリス「この機会にショタも勉強してみよっかな☆」
幼天神「ひっ?! ま、魔王たすけて! 謝るからこいつをまたどうにか騙して封印して!」
聖女リリス「とりあえず今日は触りだけー♪」ヌギヌギ
幼天神「ふざけるなああああああああああああああああああ!!!」ギャー
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番外編3 騎士王「秘密の小部屋でぶっちゃけトーク!」 おわり
というわけで、番外編123はおわりです。
本当にどうでもいいですね、裏ネタだらけです。
本編読むときはあまり気にしないでください、シリアスシーンが台無しなんで・・・
ただやりたかっただけ感がハンパないですが
せっかくなので後日談にも少し絡めてみています。
後日談 魔王「誓え。お前の全てを俺に捧げると」は
2時くらいから投下する予定。飯食ってくるからもう少し遅くなるかもです。
----------------------
後日談1 魔王「誓え。お前の全てを俺に捧げると」
----------------------
魔王「・・・美女と魔獣?」
メイド姫「野獣、です。王国の童話ですね。お時間が空いたのでしたら、お暇潰しにいかがでしょう」
魔王「美女が野獣の慰み物になるのか?」
メイド姫「・・・いえ、童話ですので。そういったシーンはございません」
魔王「つまらない」
メイド姫「・・・可愛らしいお話ですが、魔王様には確かに不向きでした。申し訳ありません」
魔王「それが、おまえは好きなのか?」
メイド姫「・・・野獣が、まぁ実は人間の王子が呪いによって変身している姿なのですが、それが人間に戻るまでは、好きです」
魔王「・・・野獣が、好きだと?」
メイド姫「野獣が好きな訳ではありませんが、いえ、でもその・・・まぁ、はい。その童話で限って言えば好きですね・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「ご覧になりますか?」
魔王「・・・暇だし、見るか・・・」
メイド姫「書籍と映像がございますが」
魔王「お前はどちらが好きなのだ?」
メイド姫「映像で!」
魔王「・・・」
メイド姫「あ・・・// い、いえ。映像はミュージカル風な演出がよく出来ていて、その、野獣の可愛らしさが・・・その・・・//」
魔王「野獣の・・・可愛らしさ・・・」
メイド姫「・・・//」
魔王「・・・まぁいい。準備をしたら声をかけろ。赴こう」
メイド姫「はいっ、では急いで準備を致してきます!」
トタタタタタ
魔王「野獣・・・そんな趣味があるとは・・・どうしたものか・・・」
魔王「・・・まぁよいか、見ればわかるだろう。さて、今のうちに雑務を・・・」ガサガサ
トントン
メイド姫「ご準備が整いました」
魔王「(早すぎる!)」
~♪(鑑賞中)
魔王「・・・あ、人間になったな」
メイド姫「ここからはあまり好きではないので、2倍速にしましょうか」
魔王「いや、それならば消してよいだろう」
メイド姫「同感です」
魔王「・・・で、これの何が好きなのだ?」
メイド姫「え?・・・野獣が可愛らしいと思いませんか?」
魔王「いや、ありえないかと思ったな」
メイド姫「ありえない、ですか?」
メイド姫「・・・まぁ、確かに野獣であれば食い散らかしそうなものですが、元が人間なのですし、愛するものを探し、愛されるために美女に優しくするのは展開としてはおかしくはないかと・・・」
魔王「いや、そうではなく。野獣の元がわがまま王子なら、それこそ野獣のように手込めにしておいてからモノにすれば・・・」
メイド姫「そうなんです!それができない小心っぷりや、優しくしたいのにうまく出来ない不器用さがもうたまらなく可愛らしいんです!」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・あ//」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・う、あの。も、申し訳ありません・・・//」
魔王「・・・」
メイド姫「じ、自分でも幼稚な趣味である事は理解しておりますが・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「う、うう。あの、何かその、仰っていただきたく・・・」
魔王「・・・『がぉー』・・・」
メイド姫「!?」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・っふ、くっ、クスクスクス」
魔王「おい」
メイド姫「・・・//っ、あ、くふ、く、クスクスクス」プルプル
魔王「・・・」
メイド姫「・・・す、すみませ・・・クスクス・・・あ、あれ、とまらな・・・ふ」プルプル
魔王「おちつけ」
メイド姫「す、すみま・・・ちょっ、離席いたしますっ//」クスクスクス
10分経過
ガチャリ
魔王「・・・おい、そろそろ帰ってこい・・・」
メイド姫「・・・スー・・・ハー・・・。・・・。はい、今もどります。申し訳ありません、取り乱しました」シャキッ
魔王「・・・」
魔王「がぉ」ボソッ
メイド姫「!?」プッ
魔王「駄目だな」
メイド姫「クスクス、あ、ふふ、や、ひどいですっ、ふふふっ、せっかくっ、たちなおった、のにっ、クスクス」
魔王「・・・おまえのツボがわからん・・・」
メイド姫「で、ですが、あ、あはは・・・く、ふふふ」プルプル
魔王「・・・おまえのそんな顔は初めてだ。なんだかこちらまでおもしろくなってきたな」
メイド姫「え?クスクスクス・・・や、もう、やめてくださいね、クスクス・・・と、とまらな・・・クスクス」
魔王「ふむ。少し、まっていろ」
メイド姫「・・・?ふふっ・・・スーハー・・・う、あ、駄目ですほんと・・・くっ、ふふっ」プルプル
魔王「・・・」ボワン
モワモワ
魔王(魔獣)「『がお』」
メイド姫「・・・」ピタ
魔王(魔獣)「・・・は?いや、なぜこれで止まる」
メイド姫「・・・(野獣のおつもりなんでしょうが・・・いえ、これはこれで、とてもかわいいです//・・・でもやはり魔王様のお姿のほうが・・・)」ジー
魔王「・・・」
メイド姫「・・・あ」ジー
メイド姫(いけない、また思考を読ん『あれ、何故喜ばない?野獣になってないのか?というか変身までしておいて笑ってくれないと立場が・・・一体このあとどうすれば・・・』・・・って)
メイド姫「・・・っ、ふ、くふ、ふ、あ、あははは、ふ、ふふふふふ」プルプルプルプル
魔王(魔獣)「!?」ビクッ
メイド姫「っ!!」
魔王(魔獣)「・・・」
メイド姫「・・・」プルプル
魔王(魔獣)「・・・いや、まぁ、うん。笑わせようとしたのは確かなんだが・・・」
メイド姫「す、すみませんでした・・・。あまりにも、その・・・あの・・・。い、いえ。あ、よろしければ触れても・・・?」
魔王(魔獣)「・・・ああ」
メイド姫「では・・・」ソッ
モフ
メイド姫「!」
魔王(魔獣)「どうした?」
メイド姫(なんとふさふさな・・・しかしこれは魔王様。控えねば・・・)ナデナデ
魔王(魔獣)(あ、ちょっと気持ちよい)
メイド姫「・・・♪」ナデナデナデ
魔王(魔獣)「・・・」
メイド姫「♪♪」ナデナデナデナデナデ
魔王(魔獣)「・・・」
メイド姫「♪♪♪」ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ
魔王(魔獣)(姫が止まらない・・・もう好きにさせよう・・・)ハァ・・・ペタン
・・・・・・・・・・・・・
メイド姫「ああ、本当に可愛らしいですね・・・♪」ポー
ナデナデナデ
魔王(魔獣)「・・・そんなに、野獣が好きか?」
メイド姫「いいえ、魔王様が好きなのですよ・・・♪」ポー
ナデナデナデ
魔王(魔獣)「・・・は?」
メイド姫「野獣は魔王様をデフォルメした物のようで好きだったのですが・・・やはり本物には敵いませんね・・・♪」ウットリ
魔王(魔獣)「・・・おい、姫?」クルッ
メイド姫「魔王様は・・・本当に格好よくて、凛々しくて、素敵で、かわいいです・・・♪」トローン
ギュウウウ
魔王(魔獣)「は? おい? ・・・どうしたのだ一体・・・何か・・・目が・・・」
メイド姫「あああ、モフりたい・・・モフりたいです・・・♪」トローン
モフモフモフモフ
魔王(魔獣)「う・・・これは・・・瘴気酔い・・・? 一体何故・・・?」
メイド姫「あぁ・・・とても幸せ・・・こんなことがあってよいのでしょうか・・・♪」ニコニコ
モフモフモフモフモフモフモフモフ
魔王(魔獣)「! これか!」
パサッ・・・モワモワ・・・
魔王(魔獣)「やはり・・・瘴気が染み出ている。そうか、俺は野獣じゃなく魔獣に・・・毒素の代わりに瘴気を出していたのか・・・いや、しかし神気で払えるはずだが・・・」
メイド姫「ふぁぁぁ♪ モフモフです、モフモフですね♪」トローン
クンクンモフモフクンクンモフモフ
魔王(魔獣)「・・・わざわざ吸い込んでいるのか・・・体質的に受け付けるはずの無いものを無理に・・・悪酔いだな・・・」ガックリ
魔王(魔獣)「とにかくまずは瘴気を出さないようにして・・・」フッ
モワモ・・・
魔王(魔獣)「おい。起きろ」ベロン
メイド姫「ひゃっ♪」クスクスクス
魔王(魔獣)「・・・おい・・・」ベロン
メイド姫「やぁん♪」クスクス
魔王(魔獣)「・・・・・・」ベロンベロン
メイド姫「ぷ、ちょっ、あはは、駄目ですよぉー♪」ニコニコ
魔王(魔獣)「(もはや犬扱いされてる気もするが、楽しくなってきている俺がおかしいのだろうか)」ベロンベロンベロン
メイド姫「もー、いたづらしたら駄目ですよぉ♪」ギュ
チュー
魔王(魔獣)「!」
メイド姫「ふふふー、お返しですー♪」ニコニコ
魔王(魔獣)(~ッええい、勝手に酔ったのだ、俺のせいではない!)ガシッ
メイド姫「きゃっ、こらぁ♪」
ドサッ
魔王(魔獣)「・・・(いちいち無駄に可愛い)」ベロベロベロベロベロ
メイド姫「・・・ひゃっ、やん、ちょっと、駄目ですー!舐めすぎですよー!」ジタバタ
魔王(魔獣)「・・・(なんか癖になるなコレ)」ベロベロベロ
メイド姫「・・・あ、あれ・・・?あ、ちょっ」
魔王(魔獣)「・・・(ああ、そうか。魔獣化で嗅覚も敏感なのか・・・、今なら気配や感情まで舐めとれる気がする・・・)」
ベロベロベロベロベロベロベロベロベロ
メイド姫「あ、え、なっ?ま、魔王様っ?」
魔王(魔獣)「・・・(あぁ、違うな。舐めることでしょうきを回収できているんだ。姫の中に入ったしょうきだから姫の感情が・・・)」
ベロベロベ・・・ロ
メイド姫「・・・ま、まおう、さま・・・///」
魔王(魔獣)「(・・・読め、た・・・)」ベロン
メイド姫「あの・・・//」
魔王(魔獣)「・・・」ゴクリ
メイド姫「・・・あ、あの・・・何を・・・というか・・・一体何が・・・?//」
魔王(魔獣)「(記憶がないとか残酷な。気が付いたら舐め倒されてるとか、俺にどう弁解しろと?)」
メイド姫「・・・あ、あの魔お・・・
キンッ・・・・
魔王(魔獣)「!?」
メイド姫「ひゃ!」ビクッ
シュタン!
騎士王「やっほー!魔王いるー!?」
姫「っ、や、やっぱりこの移動魔法は慣れないですね」ドキドキ
騎士王「・・・ん?」
魔王(魔獣)「・・・」←のしかかり
メイド姫「・・・」←下敷き
騎士王「・・・!?」
姫「きゃぁっ!メイドさんが魔獣に食べられるっ!?」
騎士王「魔王はどうした!メイドちゃん、今助けるっ!」チャキン
メイド姫「はっ!だ、駄目です!斬らないでください!」
騎士王「はぁっ!?でもそんな大型魔獣、メイドちゃんじゃ倒せないだろ!!」
メイド姫「違うんです!こ、これは・・・」チラ
魔王(魔獣)「・・・」ジッ
メイド姫「・・・!!」ジー
魔王(魔獣)『誤魔化せ。手法は問わない』
メイド姫(って、無理いいますね、魔王様・・・!)
騎士王「メイドちゃんっ、ごめん、斬るよ!?」ザッ
メイド姫「駄目です!・・・大丈夫なので、剣を収めてください・・・」
姫「・・・メイドさん・・・?」
メイド姫「魔お、・・・ま、魔獣様。退いていただけますか?」
魔王(魔獣)「・・・」ノソッ
メイド姫「・・・」ホッ
騎士王「・・・言うことを聞くのか?」
メイド姫「は、はい。魔獣様はその・・・そう。魔王様が留守の間、私に付いていただく事になった魔獣なのです。そう、魔獣です。よろしいですか?」
魔獣「・・・」フイッ
スッ・・・、ドサッ
姫「・・・寝そべった・・・」
騎士王「・・・番犬ってことなのか?じゃあなんでメイドちゃんに襲い掛かってたんだ・・・」
メイド姫「襲い掛かっていたわけではないです。・・・じゃれていた、と言いますか・・・」
騎士王「じゃれ・・・って・・・」ハハ
姫「い、命懸けの遊びですね・・・さすが魔王城・・・」アハハ
メイド姫「ですので、お二方ともご安心ください。・・・魔獣様は、・・・多分、安全です」
騎士王「多分て」
メイド姫「す、少なくとも私に危害はありませんので」
姫「・・・まぁ、確かによく見ると、可愛らしい気もしますね」
騎士王「そうか?」ジッ
騎士王「・・・いやー、こんなふてぶてしい顔したクソ生意気そうな魔獣はそういないぜ?」
姫「・・・うーん、そうですかねぇ?」
騎士王「そうそう。こんなんなら、まだ魔王のが可愛げあるよ!まぁ番犬ならいいのかな!」アハハ
ポンポンッ
魔獣「」イラッ
ガブッ
騎士王「ぎゃぁぁっ!?」ベシッ
メイド姫「あ!あの、あまり容易に触れない方が・・・」
騎士王「はやく言ってよ!?つか安全ですって言わなかった!?」イテテテ
メイド姫「大丈夫ですか、・・・魔獣様?」ナデナデ
魔獣「・・・」フン
騎士王「俺の心配じゃないのかい!」
姫「でもちょっと残念ですね。私もその柔らかそうな毛に触れて見たかったです」ショボン
魔獣「・・・」
トテトテ・・・スッ・・・スリッ
姫「ひゃっ。わ、すごいふかふか・・・! でも、なんで・・・?」
メイド姫「・・・魔獣様のすることですので・・・触れてよいということではないかと」
姫「ひゃぁ♪ かわいい!ふかふかしてて温かい!これはじゃれたくなりますね!」ギュウッ
メイド姫「あ」
魔獣「・・・」←硬直オスワリ
騎士王「しっかし俺の時と態度ちがうだろ! どうなってんだこの変態魔獣!」
魔獣「」イラッ
魔獣「・・・」ニヤ
騎士王「あ?なんだよ。なんか文句あんのか?」
魔獣「」ペロペロ
姫「きゃっ、や、こすぐったい!あはは、やめてくださいー♪」
魔獣「・・・」チラ
騎士王「~っ!!このやろっ・・・喧嘩うってんのか馬鹿犬!姫ちゃんから離れろ!!」ベシッ
魔獣「」イライラ
魔獣「・・・」フン
パクッ
姫「きゃっ!ちょ、くわえた!?食べられちゃう!?」
魔獣「」シュタタタタ
姫「きゃー!」
バターン
騎士王「てめぇ!姫ちゃん傷付けたら斬るだけじゃ済まさねぇぞ!!」
メイド姫「・・・騎士王様、早めに謝罪してください・・・」
騎士王「メイドちゃん何いってんの!? 姫ちゃん食べられちゃうよ!?」
メイド姫「・・・そう、ですね。・・・どうでしょう・・・随分苛ついてらしたので、うっかり手を出す・・・とも思えませんが・・・」
騎士王「はぁぁ!?」
メイド姫「とにかく土下座でもなんでも謝罪すれば解放していただけるはずです」キッパリ
騎士王「どんだけ高慢な犬だ!! 俺が躾けてやる!」ダッ
バターン! シュタタタタ・・・・
メイド姫「・・・躾・・・」
メイド姫「魔王様が姫様に手を出すとは思えませんが・・・」ウーン
メイド姫「・・・あまりに無礼だと、騎士王さまのせいで、本当に姫様を辱しめることになるかもしれませんね・・・私も追いましょう」
トテテテ
--------------------
<魔王城 姫の客室>
魔獣「・・・」スッ・・・
姫「・・・あ、あれ? ・・・食べないんですか? というか、私の部屋・・・よく知ってましたね?」
魔獣「・・・」ハァ
姫「・・・? えっと・・・話は通じるんですよね?」
魔獣「・・・」ジッ
姫「んー・・・。痛いこととか、しないですか?」
魔獣「・・・」コクリ
姫「そうですか・・・本当に騎士王様に喧嘩うるつもりなら、やめたほうがいいですよ?」
姫「あの方は強いので、魔獣さんとはいえ勝てないと思いますし」
魔獣「・・・」ニヤ
姫「!?」ゾクッ
魔獣「・・・」スッ・・・ ペタン
姫「・・・な、なんか余裕ですね。まぁ魔王様が留守の護衛に残したなら余程強いのかもしれません・・・というか、なにやらいいしれぬ恐怖感が・・・」
魔獣「・・・」ゴロリ
姫「・・・それにしても、おっきいなぁ・・・ふさふさだし・・・うん、強そうだし。怖いけど、かっこいいかも。こんな魔獣に護られてるなら、メイドさんも安心ですね」
魔獣「・・・」パッサパッサ
姫「ふふふ。もしかして喜んでるのかな?・・・ね、撫でてもいいですか?」
魔獣「・・・」フイ
姫「ふふ。何してもかわいいっ。うん、やっぱりかわいいです。いいなぁ、私にもこんな魔獣をくれないかな、魔王様・・・抱っこして寝たら暖かそう・・・♪」
魔獣「・・・・・・・・・」ハァ ゴロリ
姫「あ、寝っころがった!いいのかな!じゃあ失礼して・・・」モソモソ
魔獣「!?」ブンブン
姫「ひゃぁ!あったかーいっ!ふかふか!ふかふかだよー!気持ちいい!ベッドより最高っ!ふわふわのふわふわだぁ」ギュウ
魔獣「・・・」ハァ
姫「いい匂いー・・・あー・・・なんか・・・気持ちよくなってきましたね・・・ふふ・・・あぁ、眠いような・・・」
魔獣「・・・?」
姫「ああ、だめです・・・もう、目が・・・あけてられな・・・」
魔獣「・・・・」
魔獣「・・・・・・!」ガバッ
モワモワ
魔獣「・・・」チラ
姫「クー・・・クー・・・」
魔獣「・・・」ガックリ
魔獣「」スッ・・・
モワモ・・・
魔獣「・・・」ペロペロ
姫「ふにゃ・・・ふふ、くすぐったいー」ギュー
魔獣「・・・」ハァー ペロペロ・・・ペロペロ
バターン!
騎士王「おら馬鹿犬!ここかっ!?」
魔獣「」ハァ ←舐めてる
姫「ふにゃー・・・」 ←瘴気に酔って自我を失ってる
騎士王「・・・!!」ムッカー
騎士王「てめぇ・・・消すぞ!姫ちゃんに何しやがったぁぁぁぁ!!」ジャキン!
魔獣「・・・」イライラ
騎士王「喰らえ!」シュパッ
魔獣「・・・」スッ・・・
騎士王「避けんじゃねぇ!!刻んでスープにして生ゴミに棄ててやる!!」
魔獣「・・・」イライラ
騎士王「はぁっ!!」ザンッ
魔獣「・・・」チッ
ダンッ・・・ガブッ
騎士王「・・・っ、こ・・・のやろっ・・・剣を、喰う気・・・かっ!!オラッ!!」スパン!!
魔獣「・・・」フム
魔獣「」ニヤ
シュタ・・・
騎士王「疾い!?」
魔獣「・・・」フン
ダンッ・・・ドサッ!!
騎士王「ぐっ、てめ・・・」グググ
魔獣「・・・」グイッ
騎士王「ぐ、は・・・重・・・っぐ」ガクッ
バタン
メイド姫「魔獣様、騎士王様、姫様、ご無事でしょう・・・か・・・」
魔獣「・・・」←押し倒してる
騎士王「」←気を失ってる
姫「ふふ・・・ムニャムニャ・・・」←寝てる
メイド姫「・・・」ハァ
メイド姫「・・・姫様どころか・・・騎士王様までも貞操の危機が・・・」
魔獣「違うぞ!?この馬鹿が斬りかかってきたから倒したのだ!気色悪いことを言うな!!」
メイド姫「・・・申し訳ありません、ですがあまりにもわからぬことばかりで・・・。とにかくお部屋へ。こちらは片付けておきますので・・・」
魔獣「・・・元はといえば見境を無くしたおまえの責任だ。始末はつけて当然だ」イライラ
メイド姫「・・・そう、でしたか。ですが、お話は聞かせていただきたく」
魔獣「ふん、気が向けばな」フイッ
メイド姫「・・・魔王様・・・ずいぶんと荒れたご様子。私、なにか大変なご無礼を?」
魔獣「・・・無礼というほどのものではない。だが始末はつけろ!」
メイド姫「・・・魔王様・・・」ジー
魔獣「チッ」イライラ
『野獣野獣と騒ぐのに妬いて魔獣になったせいで、まったく面倒なことに!
つまらぬ事に妬くんじゃなかった。くそ、紛らわしいこと言いやがって・・・なにが野獣だ!
俺が好きならそれでいいだろう!俺を愛でたいなら愛でればよいのだ!』
メイド姫「え」
魔獣「なんだ!?」
メイド姫「! も、申し訳ありませんでした。私にこのような落ち度があったとは露とも考えつきませんでした・・・」
魔獣「・・・! おまえ、読んだな?」
メイド姫「申し訳ありません!故意ではないのですが、あまりのご様子に見つめてしまいました・・・」
魔獣「・・・ッ! ・・・ハァ」
メイド姫「っ、如何様にもご処分をお与えください!」
魔獣「・・・チッ。奴等を帰したら部屋に来い」
メイド姫「・・・はいっ」
-------------------
<魔王城 魔王の自室>
魔王「・・・」
トントン
メイド姫「・・・魔王、様。参りました」
魔王「入れ」
メイド姫「っ・・・失礼、いたします・・・」
魔王「・・・随分、怯えているな」
メイド姫「・・・っ」
魔王「どのような処罰だと思っている?」
メイド姫「・・・考えも及びません・・・」
魔王「嘘をつくな。何も考えつかないのにおまえは怯えるのか」
メイド姫「・・・その。私の、最も厭うことでないように願っていまして・・・」
魔王「嫌な事はされたくないと?処罰なのに?」
メイド姫「・・・そう、思ってしまう自分の勝手さを思うと・・・震えが止まらないのです・・・」
魔王「・・・確かに、勝手だな」
メイド姫「・・・申し訳がございません・・・」
魔王「目を、隠せ」
メイド姫「・・・?」
魔王「また考えを読まれてはたまらない。その目を、隠せ」
メイド姫「では、潰します」
魔王「隠せ、といったのだ。これ以上勝手なことはするな」
メイド姫「・・・はい」スッ・・・
クルクル・・・キュッ
魔王「・・・腰ひもを解いては、ロクに身動きもとれまい。本当にそれを使ってよいのか?逃げることもままならないぞ」
メイド姫「魔王様から頂く処罰から逃げるつもりはございません」
魔王「・・・さて。これからどうされると思う?おまえの最もされたくない事とはなんだ?」
メイド姫「・・・それ、は」
魔王「なぶる事、打つ事、姿を変えられる事・・・それとも、単に殺される事、か?」
メイド姫「殺される事など苦ではありません。それで魔王様の気が晴れるのならば、是非・・・」
魔王「・・・そういえば、お前は俺が傷つくのが嫌だと言っていたな」
メイド姫「!それもだめです!どのような処罰からも逃げませんが、それだけは止めてみせます!」
魔王「それ『も』?」
メイド姫「・・・っ」
魔王「ふむ」
スッ・・・
メイド姫「・・・?」
・・・。
メイド姫「魔王、様・・・?」
・・・。
メイド姫「魔王さま、どちらにいらっしゃいますか・・・?」
・・・。
メイド姫「・・・魔王様・・・魔王さま?」
メイド姫「どちらです? ・・・嫌です、いなくならないでくださいね」
・・・。
メイド姫「や、魔王様・・・」ガタガタ
メイド姫「・・・っふ、ぅう・・・」ポロポロ
・・・。
メイド姫「・・・」ポロポロ
・・・」スッ・・・
メイド姫「・・・! 魔王様・・・?」
魔王「ほう。気配を戻すだけですぐに気がつくか。たいしたものだ・・・まぁ、俺が動いてもいないことには気が付かないようだが」
メイド姫「・・・」ホッ
魔王「・・・で?何を慌てることがあった?処罰を下す者がいなくなったなら安堵してもよいものだが?」
魔王「・・・俺はてっきり、いなくなった隙に逃げ出すかと思ったのだがな・・・」
メイド姫「・・・」フルフル
魔王「申せ。一切の隠し事や誤魔化しを許さぬ」
メイド姫「・・・っ」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・わ・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・わた、くしの・・・最も厭うのは・・・魔王様がいなくなってしまう事・・・だから、です・・・」ガクガク
魔王「・・・俺の側にいたい、と?」
メイド姫「・・・いえ。ご健在でここに居てくださるなら・・・私はそれを知れるだけで・・・どのような辺境にでも赴きます・・・」
魔王「・・・続けろ」
メイド姫「・・・あ・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「・・・」ポロポロ
魔王「・・・何故、泣く?」
メイド姫「・・・間違い、ました・・・。魔王様が・・・突然にここから消え・・・まるで消息をたち・・・安否もわからぬまま・・・私では何もできないことが・・・最も厭うと、思っておりましたが・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「ですが・・・私は・・・思ったよりも欲深く・・・やはり、お側を離れる事を思うと・・・それだけで怖くなりました・・・」ポロポロ
魔王「・・・それを聴いて、俺がそれを処罰に採用したら、とは思わないのか。それとも、暗にそうしてほしいという為の・・・嘘か」
メイド姫「・・・」ポロポロ
魔王「隠すな。黙るな。思うことを全て晒せ」
メイド姫「っ、嘘ではありません・・・ですが・・・申し訳ありません・・・どうか、どのような形でも、お側にだけはいさせてくださいませ・・・お許しくださいませ・・・」ポロポロ
魔王「どのような処罰も、逃げないのではなかったのか」
メイド姫「・・・ふ、ぅっ・・・ぅぅ・・・」ポロポロ
ガタガタ
魔王「・・・目隠しを外せば、俺の考えを読めるのだろう。そうすれば、もしかしたらそんなに怯えずにすむかもしれない・・・何故、そうしない?」
メイド姫「・・・お許しがでておりません・・・逆らう気もありません・・・必要な、処罰なら、・・・それが恐ろしくとも・・・私は・・・わたくし、は、受け入れ・・・っ」ポロポロ
メイド姫「・・・ぅ・・・うう・・・」ト・・・ペタン・・・
魔王「・・・何故、膝をつく。赦しを乞うのか」
メイド姫「・・・いえ・・・いいえ・・・立っていられなかったのです・・・怖くて・・・」フルフル
魔王「・・・」
メイド姫「魔王様・・・魔王様。どうぞ一思いにお斬りください・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「耐えられそうにないのです。離れろと言われ、離れていられないのです」
メイド姫「ですが決して、自らの欲に負けて逆らいたくはないのです・・・。どうか今のうちに、私を斬り捨ててくださいませ・・・」ポロポロ
魔王「・・・ハァ」
魔王「・・・いっそ、目隠しを取って俺を見ろと思っても、さすがに伝わらないのだな」ボソ
メイド姫「・・・?」ポロポロ
魔王「・・・仕置きは、終わりだ。もう、それを取って良い。泣き止み、立て。こちらへ来い」
メイド姫「・・・ですが、処罰が・・・」
魔王「終わりだと言った。・・・俺の考えを一方的に読んだのだ。おまえの考えを一方的に聞き出した。それが処罰だ」
メイド姫「・・・ぁ」
魔王「俺は命令を出したのだが?早く、従え」
メイド姫「・・・っ」シュルッ・・・
魔王「・・・早くしろ」
メイド姫「・・・ぁ・・・魔王様・・・」ポロポロ
魔王「・・・」
メイド姫「~っ」グッ
スタ・・・タタタタタ
魔王「・・・」スッ・・・
グイッ
ギュー
魔王「・・・まったく卑怯だ、この姫は」
メイド姫「ふ・・・ぅぅ、魔王様・・・魔王さま、魔王さまっ・・・」ギュウ
魔王「馬鹿馬鹿しい。まったく馬鹿馬鹿しいな。そんな処罰をしてどうする。俺の考えを読んだなら、いっそ全て読むがいい。半端に読むな。面倒だ」
メイド姫「・・・魔王さま・・・」
魔王「・・・これでは、どちらが処罰されたのかわからないではないか・・・」ギュウ
メイド姫「ぁ・・・ま、おう・・・さま・・・?」
魔王「俺は、お前に触れられないだけで、世界すら滅ぼすつもりの魔王だぞ・・・」
魔王「そんな魔王がいる世界で・・・お前は俺の側以外、どこで生きられるというのか・・・」
メイド姫「・・・はい・・・はいっ・・・」
魔王「望め、叶えてやる。 晒せ、愛でてやる。 奪え、赦してやる」
魔王「誓え、お前の全てを俺に捧げると。全て俺の物となれ。代価として、俺はお前の全てを赦し、全ての煩いから解放しよう」
メイド姫「・・・ま、ぉう・・・さま? それは・・・」
魔王「・・・」
メイド姫「ぁ・・・」
魔王「誓え」
メイド姫「・・・! 誓います。この世界にかけて誓います!有象無象の万物をかけて、私は魔王様に全てを捧げると誓います!」
シュワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
キラッ・・・カツン
魔王「・・・出たか」
メイド姫「・・・これ、は?」
魔王「正しく誓った場合にのみ出る、婚姻の誓約呪だ。虚偽は通用しない」
魔王「これは魔王自信の肉体よりもさらに高濃度の瘴気で固体化されている。その呪縛は絶対だ。俺ですら解けない。覚悟を持って身に付けろ」
メイド姫「魔王様・・・本当に、私でよろしいのですか?」
魔王「言っただろう。奪え、全てを赦すと。おまえが俺自身を強引に奪ったとしても、俺はそれを赦す誓いを建てた」
魔王「だが、俺を所有するお前は確実に俺の物だ。・・・魔王の后とはそういうものだ」
メイド姫「・・・」ソッ・・・
・・・キラ
シュワァァァァァァ・・・。
メイド姫「・・・っ!?」ズキン!
魔王「瘴気の呪縛だ。噛み千切られるようなものではないが・・・契る痛みは耐え難いと聞く。痛みを恐れるのならば、破棄してもよい」
メイド姫「・・・」
スッ・・・スルッ
メイド姫「・・・ーーっ!? ぅ、~~っ!!」グッ
魔王「・・・すまない」
メイド姫「・・・っ!っ!!ぅぅ、くっ・・・あ・・・っ!」グググ
魔王「・・・耐えずともいい。泣き叫んで構わない・・・」
メイド姫「ぅっ・・・~~っ!か、はッ・・・ぐ・・・!」ギュッ
魔王「血を、吐くほどか。・・・俺はいつも、お前に苦しみばかりを与えているな・・・」
メイド姫「うぅ・・・っ、ぐ、・・・・あぁっ・・・」
魔王「こうでもしなければ・・・望みを与えることを出来ない・・・。そのためにまた苦しませる・・・魔王とは残酷なものだな・・・」
メイド姫「・・・っ!ま、お・・・さ、ま・・・っ」グググ
魔王「・・・頼む・・・決して痛みに負けて逝くな・・・」
メイド姫「・・・っ~ぅぅ!!あ、まぉ・・・っ、い、で・・・」
魔王「・・・・・・?」
メイド姫「っぁ。なか、な・・・い、で・・・っぁ、ぁぁっ!」
魔王「・・・ぁ・・・」
メイド姫「・・・ーーっ!!ぁ、う・・・っ!!」
魔王「・・・姫・・・姫・・・」ギュ
メイド姫「・・・まお・・・さ、ま・・・」フラ・・・
クタリ・・・
魔王「!!」グッ
メイド姫「・・・」クテ
ギューッ
魔王「・・・ありがとう・・・姫・・・」
-----------------
<魔王城>
魔王「・・・目が醒めたか」
メイド姫「・・・まお・・・さ、ま・・・?」
魔王「ああ。ここにいる。・・・無事か?」
メイド姫「・・・私は・・・」
魔王「指を、見てみろ」
キラ・・・
メイド姫「・・・あ」
魔王「・・・婚姻の誓約は無事に結ばれた」
メイド姫「・・・婚姻・・・」
魔王「姫・・・いや、后。本当に無事に目を醒ましてくれてよかった」ギュ
メイド姫改め后「魔王様・・・。私はこれで、まだ、これからも、魔王様の為にお側にいられるのですか・・・?」
魔王「・・・ああ。そして俺も、お前の為に側にありつづけるさ」ナデ・・・
后「あ・・・」
魔王「どうした。・・・後悔しているか?」
后「違います!その・・・。言葉にならなくて・・・この喜びをどう表現したらよいか・・・」ワタワタ
魔王「ククク、好きにしてよい。そうだな、俺の頭でも撫でて礼でもするか?」
后「ま、魔王様の頭を撫でるなんて・・・!」
魔王「触れる事に臆するな。お前はこの魔王の后だぞ、唯一それが赦される身となったのだ」
后「・・・。・・・で、では・・・」ソッ・・・
魔王「・・・いや、それは撫でるというより触れるというのだが・・・」
后「・・・いえ、充分に幸せです//」
魔王「・・・ふむ。少し慣れるべきだな」
后「?」
魔王「そうだな・・・何か我が儘を言ってみろ」
后「ワガママ・・・ですか?」
魔王「そう。なんでも叶えてやるぞ」
后「・・・?」
魔王「・・・いや、要求の1つくらいあるだろう。欲しいものや、してほしいこと、俺への不満や文句でもよいのだぞ」
后「ないですね」
魔王「・・・。 ああ、いや。即答せずとも・・・。何か考えてみろ」
后「・・・お時間さえくだされば・・・1つくらいなら考え出せる可能性は少しはあるかもしれません」
魔王(逆にプレッシャーが半端ない)
后「・・・ワガママ・・・魔王様にしてほしいこと・・・?」ウーン
魔王「まぁよい、時間はある。考えてみろ」ナデナデ
后「・・・」
魔王「」ナデナデ
后「・・・」
魔王「」ナデナデ
后(・・・幸せです// このままで一生を終えたい、なんてダメですよね//)
魔王(なんか変なこと考えてそうで恐い)ナデナデ
后「あ・・・」
魔王「ん?」
后「あの・・・してほしいことはないのですが・・・『してみたいこと』でも良いですか?」
魔王「ふむ、言ってみよ」
后「・・・いつも、私ばかり幸せに感じているので・・・何か、魔王様のワガママを叶えてさしあげたいです」
魔王「・・・は?」
后「も、申し訳ありませんっ! ついつい甘えて出過ぎた事を・・・!」
魔王「いや、そうじゃなく・・・お前はいつでも俺のワガママばかり聞いて付き合っているじゃないか」
后「?」
魔王「俺は充分にワガママを叶えてもらっているぞ?」
后「そう、ですか?メイドとしての仕事しかしてこれなかった気が・・・」
魔王(メイド業を何だと思ってるんだ・・・)ハァ・・・
后「・・・うーん・・・」
魔王「まぁ、よいか。内容はともかく后として初めての願いだ、間違いなく聞き届けよう」ナデ・・・
后「・・・で、では何か・・・ワガママを仰ってくださいませ・・・」
魔王「ワガママ・・・ねぇ」ナデナデ
后「・・・」ドキドキ
魔王「・・・うーむ」ナデナデ
后「・・・」ソワソワ
魔王(あれ、ワガママとか言われてもいつも通りすぎる要求しか出てこない)ナデナデナデナデ
后「・・・あ、あの・・・」モジモジ
魔王「・・・ああ、じゃあこうしよう。『気を張らずに俺に接してみよ』」
后「・・・え?」
魔王「瘴気に酔った素のお前がなかなか面白かったのでな。また見てみたいが、面倒になるのも嫌なのだ」
后「は、はい。わかりました・・・やってみますっ」グッ
魔王「・・・いや、いきなり肩肘張られてもな」
后「・・・ええと・・・あの時は・・・魔獣化した魔王様が可愛くて・・・それから・・・」ブツブツ
魔王「可愛い?俺が?」
后「!す、すみません、声に出ていましたか?!」
魔王「構わない。それが素のおまえの本音なら聞いてみたい」
后「・・・ぁぅ//」
魔王「聞かせてくれ」ジッ
后「その、あの時は・・・何かこうモコモコしていて、普段の魔王様とは違くて、思わず可愛がりたくなるというか・・・何か、母性的なものが出たというか・・・//」
魔王「・・・俺を、可愛がりたい?本気か?」
后「ぅ・・・//いえ、ですがやはりその、普段の魔王様には・・・『可愛がられたい』、です・・・//」
魔王(なんかいろいろやばい俺がいる)ドキドキ
后「ですから、その、魔獣の姿は・・・また普段とは違う趣旨の『好き』、なのです//」
魔王「・・・あー・・・では・・・」パチン
ボヤンッ
魔獣「ほら。これでよいか?」
后「!」
魔獣「さてさて、あの時のように素のままに、愛でてみるがいい」ククク
后「・・・私は、なんてことをしていたのでしょう//」
魔獣「今更すぎる。まぁ俺と知って愛でる奴などいないからな、これもなかなか貴重な体験だ」ペロ・・・
后「ひゃ!//」
魔獣「・・・お前が愛でないのなら、俺が愛でる」ペロペロ
ドサ・・・
后「ちょっ、ひゃぁ!// ぅ//」
魔獣(やっぱりクセになってるかな俺。楽しい)ベロンベロンベロンベロン
后(尻尾!尻尾がフリフリしててすごく可愛い!!けど気付いてなさそうだから言えません!//)モフモフ
魔獣「どうだ?」
后「・・・可愛いです。大好きです。抱きしめたくなります」
魔獣「なんと。これだけのサイズになっているのに、まったく威厳がないとは」ククク
后「・・・あの・・・ワガママ、もうひとつ思い付きました・・・言ってもよいですか?」
魔獣「もちろん」
后「・・・魔獣の正体を、私以外には隠しつづけたいです・・・」
魔獣「・・・ほう?」
后「この可愛らしい魔王様だけは・・・誰にもとられたくないと・・・。この姿の時だけでも、私のものにしたいと思いました・・・」
魔獣「・・・限定された時間とはいえ、魔王を全て独占したいと?」
后「・・・はい//」
魔獣「その間、この国は王が実質不在となるようなものだが?」
后「・・・それでも、です//」
魔獣「・・・く・・・くくく」
后「・・・ダメですか?」
魔獣「・・・いいな、その強欲こそ、魔王の后にふさわしい」ククク
魔獣「その望み・・・この魔王が確かに叶えよう・・・」ベロン
后「・・・魔王様・・・」モフ
---------------------
魔王「誓え。お前の全てを俺に捧げると」 おわり
↑が まぬけすぎるレスで申し訳ありません。
「魔王EDが モフ、で終わっていいのか?つかこれじゃ魔獣EDじゃね?」
という最もな問い合わせは現時点では受け付けておりません(ぇ
現在、騎士王「誓うよ。~」がまだ完成していません・・・8割くらい?
清書と最終校正だけなんですが、予定的に投下は週明けになっちゃうかなと思います。
間が開きそうなので、1行予告だけ置いていきます。
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后「騎士王様が、自殺未遂・・・ですか?」
-------------------
うん、これだけで重い。前4本が軽すぎてすごく重くかんじる。
でも締め括りのラスト一本なんで、初心に返って真面目にがんばります。
うぁ!? 書き込むボタン押し忘れてて、時間たってから押したら
すごく失礼なことになっとる!?
すいませんすいませんっ 朝も早よからすみません!
「↑」とは >>457 のことですので!!
こんばんは。スレおち、なんか即効でなおりましたね。
3日くらいはダメかなーハハハと思ってたんですが。
えー。では、いよいよ魔王様シリーズ(?)も、最終話です。
皆様、どうぞ最後まで見守っていただけますよう宜しくお願いします。
↓から後日談2を投下します。
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後日談2 騎士王「誓うよ。君の為に生きる。俺という剣を君に託そう」
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<魔王城 玉座>
后(元メイド姫)「騎士王様が、自殺未遂・・・ですか?」キョトン
聖母姫「い、いえ。自殺未遂とか、そういうのじゃないと本人は言っているのですが・・・」
后「王国の城主が・・・城の頂から落下して、自殺未遂じゃない、なんてことが?」
聖母姫「う・・・」
私は今日、魔王城に相談に来ています。
理由は今お話した件で、メイドさん・・・じゃなかったお后様に聞いて欲しくて。
聖母姫「・・・おそらく本当に、ちょっとした不注意なのだとおもいます。確かに・・・結構な騒ぎになってしまいましたが・・・」
后「逆によく無事でしたね」
聖母姫「落着の瞬間、我に返って移動魔法を使われたそうです・・・」
后「『瞬間、我に返る』だなんて、完全に自殺未遂者の言い訳ですよ・・・姫様はなぜ、違うと思われるのですか?」
聖母姫「・・・最近・・・よく塔頂にいらっしゃるのです、騎士王様は・・・」
后「それは、煙とかと同じで高いところが好きなだけでは?」
聖母姫「あ、暗に騎士王様を貶めないでくださいー!」
后「すみません。ですが・・・騎士王様は、そんな場所で一体何をしているのですか?」
聖母姫「・・・何か、おかしいのです。ここのところ・・・ずっと・・・」
騎士王様は、ここ1ヶ月の間、明らかに挙動不審でした。
朝、お部屋を訪ねると、うなされていたり、一睡もしていない様子だったり。
部屋から出てくるなり、やたらと不機嫌にどこかへ行ってしまわれたり。
この間は、夜も深い時間だというのにお部屋にいらっしゃらず・・・
は!別に夜這いにいったわけではありません!
(うぅ・・・我ながら何を弁解するのか・・・恥ずかしい・・・)
后「屋根にも、よく登ると?」
聖母姫「・・・最近、何度か、チラとお見かけしたことがあるので・・・」
后「・・・」
お后様の側には、最近はいつでも大きな魔獣が寝そべっています。
魔王様の留守を守るための番犬なのだとか。
それを優しげな眼で見つめながら、そのふさふさの毛をしきりに撫でているお后様。
気持ちよさそうに、お后様の膝に頭を預ける魔獣さん・・・。
(いいなぁ・・・ふわふわ、私も触りたいー)
后「・・・騎士王様は、ご自身では何かそれについておっしゃらないのですか?」
聖母姫「・・・一応、かなり早い段階で聞いては見たのですが。明らかに動揺しながらも、何も無いよー、と・・・」
后「嘘をつくならもっとマシについてほしいものですね」
聖母姫「今までに無いことなのです。それに昼間にしょっちゅう眠っていられるようですし・・・」
后「・・・夜に寝つけていないのならば、仕方ないことなのでは?」
聖母姫「寝ている間中、止まることなく何やらブツブツと喋りつづけているのですよ?」
后「怖いです」
お后様が野獣を優しく撫でていると、魔獣さんが顔を上げて后様の顔を舐めました。
少し困ったような顔をしてるけれど、とても幸せそうなお后様。
まったく、新婚だというのに、動物と戯れている場合じゃないですよ。
魔王様はどうしたんですか、魔王様は!
聖母姫「・・・そういえば、今日も魔王様はお留守なのですね?」
后「え、はい。・・・そうですね」
聖母姫「いいんですか? 新婚なのに・・・最近、いつ来ても外出してばっかりじゃないですか」
后「・・・よろしいのです。魔王様のなさることですから・・・ひゃっ」
魔獣がお后様に甘えてます。もうすっかり懐いてますね。あーあー・・・
最初に見たときはすごく驚いて・・・お后様が食べられてしまうとおもったのだけれど。
今のこの、魔獣さんの、お后様を溺愛する様子を見ると心配したのも馬鹿らしくなります。
あー・・・ベロンベロンですよ、お后様・・・なに喜んでるんですか。
聖母姫「・・・はぁ。まぁ、魔王様はよいのです・・・今日は、メイ・・・お后様にご相談にあがったので」
后「ですが、私ではあまりよいご意見もできませんよ?」
聖母姫「よいのです・・・魔王様に騎士王さまのことを相談しては、騎士王様に叱られますので」
后「ふふふ。婚姻披露の宴でも。叫んで帰られましたものね」
お后様に言われて、すぐに思い出せる出来事。
『どうしたら自分だけ先に飄々と結婚できるんだ、やっぱり魔王だなお前!
お前を倒して俺も結婚してみせるからな!!』
って、いきなり宣誓しちゃったあの時・・・白い目が痛かったです。まぁ、ずいぶん呑まれてましたしね。
聖母姫「あはは・・・『メイドちゃん幸せになれよぉぉぉぉぉ』って泣きながら逃げていかれると、完全に捨てられた男みたいですよね」
后「あの後は大変でした。騎士王様のことを知らない魔物達が、完全武装で兵列を組もうとしていて・・・」
聖母姫「え」
后「魔王様も『祝いの義で俺を倒すだなどと不吉な。お前らアレが勇者だ、行って殴ってこい』と便乗して」
聖母姫「ひっ」
后「・・・私が后として発言力を認められていなければ、勇者撲滅戦争が危うくスタートするところでした・・・」
聖母姫「ちなみに、お后様は・・・なんとおっしゃったんですか?」
后「・・・・・・」
聖母姫「?」
后「いえ、その・・・場を、収めるために・・・『その勇者が居なければ、魔王様が暇つぶしできなくなるからやめたほうがいいと思います』と・・・」
聖母姫「対勇者は暇つぶし・・・ですか。さすが魔王様って感じですね」フフ
后「申し訳ありません、ですが騎士王様がいらっしゃると魔王様にもなんだか楽しそうでよい刺激にn
ベロンベロンベロンベロンベロンベロンベロン
聖母姫「!?だ、大丈夫ですかお后様!!」
后「~~~~っま、まってくだs」ドサ
聖母姫「ちょ!?魔、魔獣さん、舐めたおしちゃダメですよ!その方は魔王様の后なんですよ!?」
ピタリ
聖母姫「話の通じる魔獣さんでよかったです・・・さすがに2メートル半の魔獣がのしかかるのを見ると、心臓が飛び出しそうで」ホッ
ベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロ
ベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロ
聖母姫「エスカレートしましたよ!?話通じてないんですか!?」ガーン
后「ちょ、きゃ// だ、だめですだめですだめです!ひゃぅっ!?// 変なところ舐めないでくださいーーー!//」
聖母姫「喜ばないでください、お后様!!構図がかなりアブないですよ!?」
まったく、この魔獣さんは油断なりません。
どうして魔王様は、こんな番犬にしたのでしょう?明らかにお后様を独占しようとしてますが・・・あ
聖母姫「そう、ですよね。 ペットって・・・飼い主に似るっていいますものね」ガックリ
(そうだ、この魔獣さんは行動こそ違うけど、溺愛っぷりが魔王様に似てるんだ)
それなら仕方ないのかなぁ、と思いながら
私には寄り付かなくなってしまった魔獣さんが、お后様を好き勝手するのをしばらく見ている事にしました。
しばらくして、お后様が何か囁かれると、魔獣さんは大きな尻尾を揺らして部屋を出て行きました。
后「・・・・」グッタリ
聖母姫「・・・大丈夫でしたか?かれこれ30分ほど舐められてましたね・・・」
后「はい・・・服がドロドロになってしまいました。失礼して、着替えてまいりますね・・・」ヨロヨロ
聖母姫「ど、どうぞごゆっくり」アハハ・・・
后「そうだ、姫様。よろしかったら共に昼食はいかがですか?」
聖母姫「よろしいのですか?」
后「ふふ。実は、いつか姫様と一緒にお料理などしてみたいと思っていたのです」
聖母姫「! 楽しそうです! 私にも手伝わせてください!」
后「では、よろしければご一緒に厨房へ・・・いえ、着替えもありますし、私の部屋にしましょうか」
聖母姫「・・・あの部屋、なんでもできるんですね・・・」
后「昔からあるという、普通の民家程度の設備が一式揃っている部屋を頂いたのです」
聖母姫「それは・・・もはや部屋とはいわないのでは・・・?」
(やっぱり魔王様が何を考えてるのか私にはわかりません・・・はぁ)
------------------
<魔王城 后の部屋>
聖母姫「后になって、女神になってもお料理とかなさるんですね」カチャカチャ
后「はい。長年の習慣というのもありますが、やはり人間として食は大切にしたいので」
后「なるべく、私と魔王様の分は作るようにしています」シャカシャカ・・・
聖母姫「人間、なんですか?」
后「・・・」
聖母姫「あ、いえ! べ、別に変な意味ではなく! 女神になったと聞いていたので・・・」
后「そう、ですね・・・。騎士王様ならは、元の魂が人間ですから魔物の肉体もゆっくりとそこに近づくのでしょうが・・・」ギュゥギュゥ
聖母姫「あ、そういえば・・・騎士王さまはいまだに魔物の素体部分が多いとか」シャクシャク
后「それでも、おそらくは数年もたてば、人間にすべて変わっていくでしょう?」
私の場合、魂も肉体も普通の人間ですので・・・いくら神気を与えられても、神事にはなれません」ギュゥギュゥ
聖母姫「女神程の力をもっていても、ですか?」シャクシャク
后「・・・魂が肉体に与える影響というのは強いのだそうです。今は女神と同等の力を持っていても、いずれは・・・」
聖母姫「・・・?」
后「いずれは、以前のようなただの力ない人間に戻るだろうと、魔王様はおっしゃっていました」カタン
聖母姫「ふふ。私自身もただの人間なので・・・女神ほどの力がある方が不思議に感じます」ギュゥギュゥ
后「そうですね」ニコ
后「女神の加護。大変な目にもあいましたが・・・でもやはり、素晴らしいものなのですよ」ムニムニ
聖母姫「ちょっと、羨ましいです」ムニムニ
后「ふふ。姫様には、必要ありませんよ」クスクス
聖母姫「ふふふ」
后「さぁ、できましたね。姫様と私の共同制作『いなりずし』です」カタン
聖母姫「何故、いなりずし・・・?」
后「ふふ。お嫌いですか?」
聖母姫「いえ! ぷにぷにしてて好きです! あと・・・簡単でおいしいです!」
后「だと、思いました」クスクス
聖母姫「お見通しなんですね」クスクス
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<魔王城 黒百合の庭園>
后「せっかくなので、ピクニック気分でいただきましょう」
聖母姫「いただきます♪」
聖母姫「・・・こちらの庭も、すっかり見頃で綺麗ですね。全体的に黒いけれど」
后「魔王城が彩り鮮やかというのもどうかと。ですが毎日、手入れをしています」
聖母姫「お后様がですか?」
后「はい」
聖母姫「ふふ。なんだか、お后様らしくはないですね」
后「私は、魔王様の為にできることがしたいだけですので」クス
后「・・・ですが、騎士王さまが騎士王さまらしくないのは気になりますね」
聖母姫「あ・・・ちょっと忘れそうでした」
后「昼食をたべて帰るだけでは、夜に後悔して眠れなくなってしまいますよ?」
聖母姫「本当にそのとおりですね・・・。どうしたらよいのでしょう」
后「・・・騎士王様は、何かお悩みなのではないかとおもいます」
聖母姫「悩み、ですか?」
后「はい。一人になる時は大体集中したいときが多いですから。ボンヤリしているとしても、何かお考えなのでは?」
聖母姫「・・・騎士王様の・・・悩み・・・」
后「あるいは、勇者として。王として。騎士として、個人として。 側近として、は無いでしょうが」クス
聖母姫「ふふ」
后「もう少しそのあたりに注意をして様子を見守られてはいかがですか?」
聖母姫「そう、ですね。あれ以来、塔頂に登るのはなるべく控えていらっしゃるようですし」
后「2度落ちたら、さすがに笑えませんものね」
聖母姫「もしかしたら逆に、国暦に残るほどの笑い者になってしまうかもしれません」ハァ
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
---------------
<王国 白薔薇の庭園>
聖母姫(すっかり遅くなってしまいました・・・帰城した魔王様に城門まで送っていただけてよかったです)テテテ
聖母姫(? あれ・・・庭園に誰か居る。 もしかしてまた、騎士王様ですかね?)ピタ
騎士王「・・・」
聖母姫(あ、やっぱり。何してるのでしょう。また一人でぼんやりと・・・)
騎士王「・・・あ・・・、また・・・?」
聖母姫「?」カサ
騎士王「! ・・・」
キンッ・・・
聖母姫(あれ・・・いま・・・私に気がつい・・・た? もしかして、私から逃げた・・・?)
聖母姫「・・・騎士王様・・・?」
---------------------
<夜 王国 姫の自室>
ゴロゴロ・・・ゴロゴロゴロゴロゴロ・・・・
聖母姫「はぁ・・・」ポフ
聖母姫「このままじゃ・・・やっぱり、寝れそうにないです・・・」
スクッ
聖母姫「騎士王様に会って、もう一度きいてみましょう! 私に何か原因があるのかもしれませんし・・・」
スタタタタ・・・
---------------------
<王国 騎士王の自室>
聖母姫(今日はお部屋にいるでしょうか・・・)
トントン
聖母姫(・・・うー。居てほしいような、居てほしくないような)
騎士王『誰だ』
聖母姫(・・・?)
騎士王「ああ・・・おい、誰だ?」
ガチャ
聖母姫「っ! あ・・・その、すみません・・・」
騎士王「姫ちゃん・・・。あぁ、こっちこそごめん。兵の誰かかと思ったんだ、こんな時間だし・・・」
聖母姫「すみません、夜も遅い時間に突然・・・」
騎士王『・・・どうかしましたか』
聖母姫(あ、また・・・なんか、雰囲気が・・・急に・・・?)
騎士王「あ・・・姫ちゃん? えっと・・・」
聖母姫「あの、明日! 明日はほら、建国式典で国民の前に立たれるので! その応援に・・・!」
騎士王「わざわざ来てくれたの・・・? ・・・ありがとう。でも大丈夫だよ、少しは慣れてきたしね」
聖母姫「あ・・・そう、ですよね。戴冠とかも国民挨拶ありましたし・・・」
騎士王「うん、やったねー」ヘヘ
騎士王「それに昔もよく人前に出る機会はあったから。緊張とかはあんまないかな?」
聖母姫「昔・・・、ですか?」
騎士王「・・・っ。 う、うん。騎士だった時も一応は部隊長だったしね」
聖母姫「そうでしたね。団長以上の実力はありましたけれど」
騎士王「俺は貴族上がりの騎士じゃなかったから・・・部隊長までなれたなら、よかった方だよ」
聖母姫「旅人だとか言ってましたっけ?」
騎士王「あ・・・いや、違うんだ。あれは・・・勇者の記憶と混同してただけで・・・」
聖母姫「そうでした」クス
騎士王「混同・・・してたんだ・・・」
聖母姫「・・・騎士王様・・・?」
騎士王「・・・ごめん、少し疲れてて。応援ありがとうね。今日はもう寝ることにするよ」
聖母姫「! 長居してしまってすみませんでした!」
騎士王「おやすみ」ニコ
聖母姫「・・・はい、おやすみなさい。騎士王様・・・」
バタン
---------------------
<王城 渡り廊下>
トボトボ・・・
聖母姫(騎士王様・・・やっぱり、なんだか様子が・・・)ハァ・・・
聖母姫(・・・あ、今日は新月なんですね・・・外が真っ暗)
聖母姫(・・・私も、庭園でぼんやり過ごしたら・・・少しは騎士王様を理解できるでしょうか・・・)
テクテクテクテク・・・
---------------------
<王国 白薔薇の庭園>
聖母姫「・・・ほんとに来ちゃいました。ちょっと怖い・・・かな?」ドキドキ
聖母姫「はぁ・・・でも夜風はきもちいいな・・・」ノビー
ボソボソ
聖母姫「? この声・・・まさか・・・まさかね」ソッ・・・
騎士王「・・・くっそ、なんなんだ・・・」ブツブツ
聖母姫(! 騎士王様・・・なんで? さっき、疲れてるから寝るっていったばかり・・・)
聖母姫(私を、部屋に返すための言い訳だったんだ・・・)ズキ
聖母姫(・・・部屋に、帰りましょう。見つからないように)
聖母姫(こういうときって必ず小枝とか踏んでバレるんですよね、慎重に・・・)ソッ・・・
騎士王『なにしている?』
聖母姫「!」
騎士王『すっかり夜も深いんだぞ、こんな時間に出歩くような・・・』
聖母姫「あ・・・騎士王、様?」
騎士王『・・・出歩けば・・・殺される・・・外に出れない・・・』ブツブツ
聖母姫「~~っ!?」ゾクッ・・・
タタタタタ・・・
騎士王『・・・逃げた・・・』
騎士王「っ! 姫ちゃ・・・。ああもう・・・・・・何でこんな・・・」ハァ・・・
---------------------
<王城 姫の自室>
ガチャ、バタン!!
ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・
聖母姫(何、何、何!!)
聖母姫(怖い。騎士王様が、怖いなんて)
聖母姫(知らない。あんな騎士王様は知らない。どうして。何があったの・・・)ポロ・・・
聖母姫「騎士王・・・様・・・」ポロポロ・・・
---------------------
<翌日 王城バルコニー>
・・・・・
ザワザワザワ・・・
大臣「これより建国式典、開催の挨拶を行う!まずは先代王よりお言葉がある!心して・・・
チラ
聖母姫(・・・騎士王様・・・ですよね)
聖母姫(どう見ても別人のようには見えないのに・・・あんなに怖いなんて・・・)
聖母姫(昨日のは、なんだったのかな・・・。今朝は普通に話し掛けてくれましたが・・・)
聖母姫(夜だったし・・・何かの・・・間違いだったのかな・・・あ、でも逃げちゃったや・・・)ボー
大臣「・・・めさま。姫様! どうなされました。次は姫様の番です! 前にでて、お言葉を!」
聖母姫「! すみませんっ」スタタタ
聖母姫「本日は多くの国民の皆様がこの式典に参加していただいてこの国の姫として大変・・・
聖母姫(・・・気になって頭は動いてないのに。私の口は、勝手に調子よい挨拶を述べるものですね・・・)
テクテク・・・
騎士王「姫ちゃん、かっこよかったよ!」コソッ
聖母姫「騎士王様」
騎士王「次は俺かー、ヘマしなきゃいいけどなぁ。あ、姫ちゃんが応援してくれたから平気か」アハハ
聖母姫「・・・」
聖母姫(やっぱりいつも通りの・・・騎士王様、ですよね・・・?)
大臣「次は現国王であらせられる騎士王殿よりお言葉と、式典開催の令!」
聖母姫(っ! 気にしてばかりいても仕方ないですよね。・・・ちゃんと、見守らなくちゃ)
コツコツコツ・・・コホン
騎士王「騎士王だ。戴冠より間もなくでありながら、この国の歴史ある式典を俺の名の元で開催出来ることを・・・・・・
聖母姫(やっぱりすごいな、騎士王様は)
聖母姫(堂々としてて、凛々しくて、力強くて・・・国王としての威厳を、もうもってる)
聖母姫(こういう時の、普段とはまったく違う様子にはいまだに驚くけれど・・・、それも素敵なんですよね)
聖母姫(普段とは・・・違う・・・けど・・・)
聖母姫(・・・騎士王様・・・)ボー
ザワザワ・・・ザワザワ・・・
聖母姫(っいけない! またボンヤリしてしまって・・・! あれ、なんか・・・騒がしい・・・?)
聖母姫(騎士王様は・・・)チラ
騎士王「・・・ぁ・・・」ツー
聖母姫「・・・え? 泣いて、る? 何が・・・」
騎士王「・・・・・・」フラ・・・
キャー!!オチルゾ!!オウサマ!!
聖母姫「騎士王様っ!?」タタタッ
ガシッ
騎士王「・・・」ブラン・・・
聖母姫「っ・・・ぅぅ・・・っ!」ズル・・・
大臣「・・・! 騎士王殿、姫様! おい何してる、はやく引き上げろ!」
警備兵達「「「っ、はいっ!」」」
グ・・・グイッ・・・ズル
ハァッ・・・ハァッ・・・
聖母姫「騎士王様っ! 騎士王様!?」
騎士王「・・・」グタ・・・
大臣「大王様・・・」チラ
元国王「・・・ああ」コクン
ツカツカツカ
元国王「皆、驚かせてすまない。騎士王殿が急病のご様子だ。悪いが式典は延期とする!」
ザワザワ・・・
聖母姫「騎士王様!大丈夫ですかっ!!」ユサユサ
元国王「姫、離れなさい。今看護師を呼ぶ。感染症の類だといけない」
聖母姫「そんなことない!騎士王様!騎士王様っ!!」
元国王「姫・・・。おい、看護師はまだか。急いで呼べ!!」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
---------------------
<数日後 王城 医務室>
聖母姫「・・・騎士王様・・・」
騎士王「・・・」スー・・・スー・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「騎士王殿は・・・魔物の肉体をいまだ持たれている。人の治癒の療法では効果が芳しくないのかもしれない」
「そんな・・・」
「生体反応などに異常はないのです。深く眠られているとしか・・・」
「どうしたら・・・目覚めるのですか?」
「・・・せめて原因さえわかれば・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
聖母姫「そんなこと・・・どうしたらよいのでしょう・・・」ペタン
聖母姫「・・・騎士王様、起きてください・・・」ユサユサ
騎士王「・・・」スー・・・スー・・・
聖母姫「騎士王様・・・」
~~~~~~~~~~~~
側近「俺の一番大事なもの、守らせてくれる?」
~~~~~~~~~~~~
聖母姫「・・・っ」
聖母姫「自分で言ったんじゃないですか・・・ちゃんと、守ってくれなきゃ・・・嫌ですよ・・・」ポロポロ
騎士王「・・・」スー・・・スー・・・
聖母姫「原因・・・魔物の身体・・・治癒・・・」
聖母姫「! 魔物! もしかしたら、魔王様なら・・・っ!」ガバッ
聖母姫「騎士王様、魔王様に相談してきます。・・・だから・・・起きたら、叱ってくださいね」ニコ
タタタタタ・・・ ギィ・・・ パタン
---------------------
<魔王城 玉座>
シュン・・・
聖母姫「魔王様っ! 魔王様はいますかっ!」
后「! ・・・姫様? いきなり転送陣で玉座にまで入られるのは、流石に・・・」
魔獣「・・・」ペロ
后「・・・。 姫様、どうかなさいましたか?」
聖母姫「魔獣さんがいる・・・ってことは、魔王様はまた外出なさってるのですか・・・?」
聖母姫「いつもどられますか!? どこにいらっしゃいますか!? 私はどうしたら・・・っ!」ペタン
后「・・・何かあったのですね。話してみてください」
・・・・・・・・・・・・・・・
后「騎士王様が・・・原因不明の昏睡・・・」
聖母姫「あれからもずっと、なおさらに、様子がおかしかったのです・・・こんなことならば問い詰めてでも聞くべきでした・・・」ポロポロ
后「姫様のせいでは・・・」
聖母姫「いいえ・・・怖いと感じて避けてしまったのです。逃げてしまったのです・・・」
后「・・・」
后「魔獣様・・・あの・・・」
魔獣「・・・」スッ
クル・・・ タタタ・・・
聖母姫「・・・?」
后「大丈夫です・・・きっと魔王様が、来てくださいますよ」ニコ
聖母姫「もしかして・・・魔獣様が、呼びに・・・?」
后「ふふ」
聖母姫「魔王様・・・騎士王様をお助けしてくださるでしょうか・・・」
后「大丈夫ですよ、姫様」ソッ・・・
ブン・・・!
スタ
魔王(いちいち隠れて元の姿に戻るの、間抜けで嫌だ・・・ウル○ラマンか俺は・・・)ハァ
聖母姫「魔王様!」
后「魔王様。騎士王様の昏睡原因は一体・・・」
聖母姫「え?そんないきなり言っても・・・」
后「あ」
魔王「・・・ああ。あの魔獣は『特別製』でな・・・」ククク
后「・・・//」
魔王「あの魔獣の知るもの全て、俺が知る所になる。以後、内緒話をしたい時は気を付けるのだな」ククク
聖母姫「そ、そうなのですか・・・?」
魔王「例え『ベッドよりふわふわ』でも創ってやれるようなものじゃない」
聖母姫「う・・・。本当に知られているのですね・・・」
聖母姫(・・・もしかして・・・魔獣って魔王様とお后様の子・・・?)
聖母姫(いや、意外とあり得るのかも・・・魔王様に似てるし、お后様になついてるし・・・いっぱいシてたし・・・)
聖母姫(って、いやいや。そんな場合ではないです、今は!)ブンブン
魔王(何やら盛大な勘違いをしてそうだな。いや助かるけど)
后「そ、それで魔王様。騎士王様ですが・・・」コホン
魔王「ああ、前回の話からして原因に心当たりはあったのだ。だが・・・」
聖母姫「教えてください! 騎士王様を目覚めさせる方法になるかもしれません!」
魔王「だが、そうだとしたら具体的な治し方などない。それでも聞くか?」
聖母姫「・・・え? は、はい・・・」
魔王「側近の様子が『まるで別人のよう』・・・と言ったな」
聖母姫「はい・・・」
魔王「事実、別人と考えてよいだろう」
聖母姫「どういう・・・ことですか?」
魔王「ふむ。・・・1から話そう」
魔王「魔王は代々、魂を後継にそのまま移譲する。それはつまり記憶や経験も含み、子という新しい人格の中に入り込むということだ」
聖母姫「・・・はい、」
魔王「その中で希に、先代の記憶に影響を受けすぎる魔王もいる。完全に受け入れれば、ほぼ『幼体化』したような状態になるな」
聖母姫「・・・?」
魔王「だが受け付けない場合、二重人格、錯乱、情緒不安定、不審行動など様々な問題を引き起こして、結果死亡する事が・・・魔王にも、あるのだ」
聖母姫「・・・で、ですがそれは、魔王様のような魂をもつ場合ですよね!? 騎士王様は・・・」
魔王「勇者の魂は人間と同様、死んで新たな人格が転生するタイプだな」
聖母姫「・・・」ホッ
魔王「だが、あいつは・・・2000年前の記憶を呼び起こされている」
后「・・・先代勇者・・・ですね」
魔王「騎士の記憶も受け継いでいた時から多少危惧はしていたのだ。さらに先代勇者は2000年前から魂を見続けてきたらしい。つまり・・・」
聖母姫「2000年分の・・・前世の記憶が・・・?」
魔王「・・・元が自分の魂だからな。見てきた記憶が蘇ることで、釣られて当人としての経験や感情まで蘇っている可能性が高い」
魔王「直前の前世である、騎士の記憶がすぐに目覚めたのはそのせいだろう。・・・記憶に共通する姫もいた事だしな」
聖母姫「前世の記憶が・・・今の人格に入り込んでいると、そう仰るですか? そんなことありえるのですか?!」
魔王「王国にはドン・キホーテという書物があろう」
聖母姫「え?」
魔王「本を読み耽った男が、自分自身をその登場人物に当てはめる」
魔王「最初はただなりきっていただけだが、次第に本当の事のように思い込み、自身を喪失していく話だったかと」
聖母姫「・・・あ」
魔王「本を読むだけでもそうなるような種だ、そこに記憶と経験が足されれば・・・充分に他人になってしまうのではないか?」
聖母姫「そんな、そんな!嫌です、騎士王様が、過去の誰かになってしまうなんて!」
魔王「誰かになるならまだよい。それも一人格と言える。魔王でいう『幼体化』と結果は同じだ」
聖母姫「・・・もっと酷いことが?」
魔王「勇者として生きていないなら平均寿命は80年程あったとしよう。・・・2000年で25人だ。恐らくそれ以上だが・・・」
聖母姫「・・・25人分以上の人格が・・・騎士王様の中にあるかもしれぬと・・・そう、仰るのですか・・・?」
魔王「・・・脳はそれほどの処理能力を持たない。実際は何人分がどの程度甦っているのかわからない」
魔王「昏睡原因は、恐らく脳の処理能力不足による機能停止・・・。まったく、嫌な事を見せ付けてくれる」
聖母姫「?」
魔王「それの治療方法など、無いのだ。・・・あれば、とっくに・・・」グ
后「魔王様・・・」ソッ
魔王「・・・。 ともかく、俺は聖母姫の力にはなれない。昏睡がただの病気によるものであるといいな」
魔王「・・・俺の予想通りならば・・・このまま眠り続けても、あいつはそう遠くないうちに死ぬだろうから」
聖母姫「! そんな・・・そんな・・・!」フラ・・・
バタン
后「姫様!」タッ・・・
魔王「あいつは勇者の魂を持つ・・・まだ、可能性はあるか・・・?」
后「・・・では」
クルッ
魔王「それが后の願いならば、必ず叶えよう。最大限、聖母姫を助けてやる」
后「!」
魔王「俺は書庫に行く。まずは過去の記録の中に回復した例がないか浚ってみよう」
魔王「后は姫を。王国に伝令をだし姫を休ませる旨、伝えておけ」
后「はいっ! お願いしますっ!!」
ブン・・・
后「騎士王様・・・どうかまだしばらくは・・・共に居てあげてくださいませ・・・」ギュ
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
--------------
<翌日朝 魔王城 姫の客室>
シュルシュル・・・クルッ
后「おはようございます、姫様。・・・お加減はいかがですか?」
聖母姫「え・・・」
后「王国には疲労の色が濃いので泊まらせると伝えておきました」
后「元国王様より、姫様に『しばらく城を離れることを許可する、静養をとれ』との伝言が戻ってきております」
聖母姫「それはつまり・・・騎士王様は未だ寝たまま、なんの兆しもないと・・・」
后「・・・姫様は、あまりお休みになられていないと聞きました」
后「今、魔王様が書庫で回復の当てを探してくださっています。ですからどうか今しばらくおやすみください」
聖母姫「魔王様が・・・?」
后「はい、昨夜あのあとから、ずっと」
聖母姫「何故、魔王様がそこまで・・・?」
后「ふふ。魔王様のなさることですから・・・」ニコ
---------------------
<同日 昼>
トントン
聖母姫「はい! 今あけます!」スタタ・・・
ガチャリ
魔王「起きていたか。体調はもうよいのか」
聖母姫「魔王様・・・。はい、ゆっくり休ませていただきました」
魔王「その割に顔色が未だ優れぬようだが。・・・手短に用件を済ませよう」
聖母姫「用件・・・?」
魔王「・・・魔王の例があてはまるのかはわからないが、一部に回復例があった。いま、后が状況と状態を側近に照らし会わせて確認をしている」
聖母姫「!」
魔王「・・・もしかしたらだが、姫にも手伝ってもらう事があるかもしれない、とだけ伝えておこう」
魔王「充分な休養を取り、体力を戻しておけ」
聖母姫「はいっ!魔王様・・・ありがとうございました!」
魔王「・・・礼ならば、后に。俺はあれの願いを叶えているだけだ」
聖母姫「願いを・・・?」
魔王「・・・時間が惜しいからな。出来ることは全てしたい。俺は他の例を探してくるので、休むように。明日また声を掛けよう」
クルッ・・・スタスタ
聖母姫「・・・?」
・・・・・・・・・
----------------
<翌日 魔王城玉座>
魔王「結論から言おう。目覚める可能性は、ある」
聖母姫「それは本当ですか!」
魔王「史実を調べ直すと、記録と記憶が違うところがあるのだ。恐らく、先代勇者が歴史を変えた結果だろう」
后「先代勇者が・・・」
魔王「俺の記憶では、2000年前の魔王は魔力暴走による自滅で30年程度とかなりの短命だった」
魔王「・・・だが、記録によると100年程は生きた事になっている」
后「・・・そんなことが?」
魔王「以降の魔王の在任期間が記憶より少しづつ減っている気がする。歴史を変えたことにより調整が働くようだな」
聖母姫「そ、それでは魔王様ももしかしたら・・・!?」
魔王「くく、そんなことは構わない。むしろ愉快だ」
聖母姫「ですが!」
魔王「それよりも、その史実の改編が興味深い事になっていてな」
魔王「魔王に従事した娘が、魔力暴走を抑えるためにその力を封印したことにより・・・却って、今まで以上の魔力量のコントロールを可能にし、魔王は精神の安定を得た、とあるのだ」
后「それは、一体?」
魔王「魔力暴走の原因は書かれていない。が、おそらくは先代の記憶への拒否反応による情緒不安定、あるいは先代の意思による供給過多による暴走だろう」
聖母姫「・・・」
魔王「娘の行為の結果を考えると、後者だった場合が有力だ」
魔王「これはつまり『別人によって与えられ過ぎた魔力を削ることで、適正量を保ちつづけて扱えるようになった』と言うことだな」
聖母姫「・・・す、すみません・・・魔力を持たない私には感覚が・・・」
魔王「ふむ。ではバケツに水を貯めると考えろ」
聖母姫「バケツ・・・ですか?」
魔王「バケツにバケツより多い量の水を一気にひっくり返し入れたらどうなる?
聖母姫「・・・溢れます」
魔王「バケツの水は?
聖母姫「恐らく、勢いで・・・満量は入らないままになるかと・・・」
魔王「そうだな。では、ゆっくりとバケツの満量分を注ぎ入れたらバケツの水はどうなる?」
聖母姫「ぴったりに入ります。 そういうことですか・・・」
魔王「・・・勇者の史実は残されていない。元々の勇者がどれだけの魔力を持っていたのか判らない」
魔王「側近には俺が適当な魔力を無理に入れたんだ。・・・供給過多による負担はありえるな」
聖母姫「騎士王様の中の魔力を抜けば、自身の本来の適正な魔力量によって、精神の安定をもたらす、と?」
魔王「魔力とは精神力に近いからな。溢れれば高揚するし、減れば暗鬱となる」
魔王「そして本来の魔力値を維持させれば精神は安定する。・・・だが、逆もありうる」
聖母姫「逆、とは」
魔王「魔物の肉体に、魔王の魔力。それが、勇者の魂を抑えて記憶の甦りを遅らせている可能性も考えられる」
魔王「その場合、俺の魔力を減らすことで記憶はより早く甦り・・・昏睡では済まない事になるな」
聖母姫「・・・まさに、生か死か、という選択なのですね・・・」
后「魔王様、それでは・・・」
魔王「俺ならば、魔力を削ってみるな」
聖母姫「そんな・・・何故、そのように断定できるのですか?」
魔王「今の状態、恐らく夢という形で記憶を整理しているのだと思う」
魔王「だが容量が空いてもまた新しく記憶は増えて埋めていく。・・・じわじわと溢れだすそれは、最後には生命活動を阻害し自滅する」
聖母姫「このまま寝たままでも死ぬというのは・・・そういう事だったのですね」
魔王「今死ぬか、後で死ぬか、生きる可能性にかけるか。単純な選択肢だな」
魔王「・・・まぁ、全て検討違いという可能性もあるが、今はそれを見直す余地も方法もない。魔力を削ぐ、それが俺の答えだ」
魔王「それにより即死したとしても、な」
魔王「姫が決めろ。実行するのならば明日、王国に向かおう。今夜は部屋でよく考えるがいい」
聖母姫「・・・魔王様・・・昨日いっていた、私が手伝うかもしれない事とは・・・?」
魔王「・・・魔力を削った後、精神の安定に至る過程」
魔王「その段階で・・・あいつが混乱状態に陥り、暴走するかもしれない。暴走とは残す人格の選択そのものだろう」
魔王「側近・・・いや『騎士王』を残すためには・・・姫がそれを表裏に導くのが一番に効果的だと思う」
聖母姫「・・・暴走・・・?」
魔王「暴走状態のあいつなどリスクはかなり高いが。俺・・・魔王が抑えては、その印象から魔王討伐を志した人格が呼び起こされ、それが定着してしまう。・・・暴走した場合は頼みたい」
聖母姫「・・・私が・・・」
魔王「あまりに危険だと判断した場合は俺が抑えよう」
聖母姫「・・・」
魔王「今夜はゆっくり考えろ。・・・いっそ綺麗な想い出のまま、あいつの胸に剣を突き立てるのもいいかもしれない」クルッ・・・
スタスタ・・・
聖母姫「・・・」
后「姫様・・・お部屋にお送りします・・・」ソッ・・・
聖母姫「・・・」
---------------------
<翌朝 魔王城 玉座>
魔王「・・・決めたか?」
聖母姫「・・・」フルフル
魔王「そうか。悩むのも、回復を待つという手段だ。咎めはしないさ」
聖母姫「いえ・・・ひとつだけ、どうしても決断できない理由があるのです・・・」
魔王「なんだ」
聖母姫「魔王様に・・・騎士王様殺しをさせたくありません」
魔王「・・・馬鹿な事を。俺は魔王、あいつは勇者。殺し合いこそが本分だ」
聖母姫「それでも・・・共に新世界を創ろうと誓った仲間です」
魔王「・・・あれが死ねば、どのみちそのような世界は成立しない。意味がないな」
聖母姫「それでも、騎士王様は魔王様に・・・哀しみを与えたくないはずです」
魔王「殺されたくない、だろう?」
聖母姫「いえ。騎士王様は・・・魔王様が好きなのだと思いますから」
聖母姫「殺し合いが宿命だとしても、このような形で『殺させる』のは・・・きっとどうしたって嫌がると思います」
聖母姫「自滅するほうがマシ、と考えるでしょう」
魔王「・・・耳が痛いな」
聖母姫「え?」
魔王「気にするな。逆もまたしかりだ」
聖母姫「・・・すみません、何を仰っているのか・・・」
魔王「何を間違ったか、あいつが勇者だから・・・その可能性もあるというだけだ」・・・フイ
后「魔王・・・様?」
魔王「・・・」ナデナデ
魔王「ともかく、魔力を削いであいつが死んでも、暴走を止めるために斬ったとしても俺は気にしない」
魔王「むしろ俺の魔力の責任だから始末をつけるべきだ。恨むのはよいが、決して気に病むことはない」
聖母姫「そんな・・・お后様からも何か・・・っ」
后「魔王様が、そう・・・仰るのならば・・・としか。すみません」
聖母姫「・・・わかり、ました」
聖母姫「魔王様。どうか、騎士王様の魔力を削いでください。お願いいます」
魔王「・・・お前の願いを叶えるつもりはない。それを后が望むから叶うのだと、留め置け」スッ・・・
聖母姫「・・・はい」
魔王「行くぞ」パチン・・・
ブン・・・パッ
-------------------
今日はここまでで中断します。
恐らくこの後も3つくらいに区切って投下していきます。
騎士王がボケないと、こいつらこんなにシリアスになれるんだと実感。
次回予告「騎士王の暴走」。
やーだー。やっちゃったー。仕方ない。
じゃぁもう投下しちゃいましょう↓からいきましょうスルーでいきましょう
<王国 城門前>
ブン・・・ スタッ スタスタッ
聖母姫「・・・え? 城門・・・? 何故、直接騎士王様の所に・・・」キョロ・・・
魔王「失礼する」ズカズカ
門番1「何者だ!」
魔王「魔王だ」
門番2「なっ!?」
魔王「騎士王に用がある。邪魔をするな」
聖母姫「~っ! あの、お通ししてください!」
門番1「・・・姫様!?」
門番2「これは一体!?魔王殿の来訪は聞いていません!」
聖母姫「それは・・・むぐっ!?」
魔王「騎士王が倒れているそうだな。姫が惜しければここを通すがいい。あいつ以外に俺に手を出せる者などいないのは承知のはずだ」
聖母姫「むぐぐぐっ!?」ジタバタ
門番1「なっ・・・くっ・・・」ジリ・・・
魔王「利口だな。ついでだ、騎士王の元まで連れていけ。国ごと滅ぼしたくなければ逆らうな」ギロ
門番2「っ!! ・・・・・・」チラ
門番1「姫様が・・・。く、仕方あるまい・・・俺達ではどうしようも・・・」
魔王「逆らわなければこの国に・・・少なくとも、この場で手荒な真似はしないと約束しよう」
門番1「・・・おそらく、騎士王様ならば医務室のはずだ。魔王殿とは懇意の間柄と聞いている。その約束を信じ、お連れしよう・・・」
魔王「・・・ふん」
聖母姫(魔王様・・・? なんでわざわざこんな真似を・・・?!)
ザッザッザッ・・・
---------------
<王城 医務室前>
門番1「ここだ・・・」
魔王「入らせてもらう。・・・人払いを」
門番1「!? なりません、王との謁見には、場所を問わず必ず立ち会いが必要です!」
魔王「王同士の密談だ、立会人は聖母姫を据え置こう」
門番1「そんなことは許されm
魔王「黙れ」ギロ
門番1「ひっ・・・」ガクガク
魔王「許しを乞うつもりはない。死にたくなければ立ち去り、人払いをしろ」
魔王「城門は閉じ、全ての兵と使用人をまとめて、城内に固まっているんだな」ククク
門番1「~~っ」コクコク
魔王「聡明な判断だ。・・・行け!」
門番1「っ!」ダダダダダ・・・
・・・・・・・・・・・・
魔王「やっと行ったか。この国の兵は少し鈍いな」フム
聖母姫「っぷは! 魔王様、これは一体!?」
魔王「・・・気にするな」
聖母姫「ですが! これではまるで魔王様が侵攻してきたかのように思われてしまいます!」
后「・・・姫様。この国の為ですから仕方ありません」
聖母姫「え?」
后「・・・この後、騎士王様に何かあった場合・・・こうでもしていなければ姫様が罪に問われます」
聖母姫「っ!」
魔王「本来の王位継承者はおまえだ。現王を失ったとしたら姫は一番に疑われる」フン
后「・・・『魔王をたぶらかし、王殺し・婚約者殺しをさせた姫』として断罪されるでしょう。この国は継承者を失います」
聖母姫「そんな・・・! ですがこれでは魔王様が・・・!」
后「・・・継承者争いというのは、綺麗事では済みませんよ。多くの犠牲を伴うものです」
魔王「側近が無事ならばいくらでも言い様はある。死んでも俺が殺したのは事実だしな」
魔王「そしてなにより、俺達は勇者と魔王だ。・・・俺を裁ける奴がいたら見てみたいものだな」ククク
聖母姫「魔王様・・・」
魔王「入ろう。人払いは済んだようだ。今は時間が惜しいはずだ」
聖母姫「はい・・・」
ガチャ・・・
----------------
<王城 医務室>
騎士王「・・・・・・」
聖母姫「騎士王様・・・魔王様がいらしてくださいました」
騎士王「・・・・・・」
魔王「なるほど。確かに寝ているだけのようだな」
魔王「・・・魂を見てみよう。暴走するとは思わないが、何かあるかもしれない。離れていろ」スッ・・・
モワ・・・
騎士王「・・・・・・」
魔王「・・・これは」
聖母姫「どうなっているのですか・・・?」
魔王「酷いな。予想以上に魂の情報が乱れている。倒れるまで錯乱しなかったのは奇跡だ」
后「それほどに・・・?」
魔王「以前こいつの魂を見たとき、必要以上に情報が失われてぼやけていたが・・・今は逆に鮮明すぎる」
魔王「・・・今思うと、初代勇者の意思がこれらの記憶を魂の奥底に念入りに隠していたのかもしれない」
聖母姫「・・・隠す? 何のためにですか・・・?」
魔王「・・・本来は勇者であるべき魂が、それをしてこなかったのだ」
魔王「後世は恵まれ過ぎた才にも気付けず、報われぬまま・・・非業の死ばかり遂げてきている」
魔王「初代勇者。・・・責任逃れのつまらぬ隠蔽だな。善意だとしてもそれは偽善だ」
聖母姫「そんな・・・。 っ! では、もしや騎士様も、そのような最期を・・・?!」
魔王「・・・どれがその記憶か判別はつかない。記憶が断片化した状態で流れ続けている」
魔王「だが・・・一番よく再現するコレだとしたらキツいな。何故、騎士などになったのか・・・」
聖母姫「魔王様・・・。どうか、騎士様の最期・・・私に教えてください・・・」
魔王「・・・」
魔王「・・・そういえば、側近も創ったそばから戦闘能力を持っていたな」
魔王「勇者として過ごした昔からの戦闘スタイル。意識せずとも再現されるほどに、魂が記憶していたのか」
聖母姫「・・・魔王様?」
魔王「機動力を活かした単騎突進、悪くて少数精鋭。本来はそんな戦いをする者が軍属になったのだ・・・哀れとしか言えない」
聖母姫「・・・まさか」
魔王「魔物と仲間が入り乱れる混戦。溢れる屍の中、立つのは一人。・・・そいつが泣きながら自分で喉を斬り落とすのが見える」
聖母姫「・・・っ! そんな・・・そんな、騎士様が・・・そのような最期を!?」
后「姫様・・・」ギュ・・・
聖母姫「昏睡の直前・・・バルコニーで、騎士王様は泣いていました・・・っ。もしや・・・その記憶が・・・」
魔王「騎士ならば、出軍前に城に上がり前に立つこともあろう。精神不安定の中で・・・致命的なフラッシュバックが起きたのかもな」
聖母姫「・・・騎士様・・・騎士王様っ・・・」ポロポロポロ・・・
后「そんな記憶が・・・延々と甦ってくるだなんて・・・」ブルッ
魔王「先代勇者か。魔王を救おうなどと愚かな事をしたために、子孫を犠牲にしてしまったな」スッ・・・
魔王「だが朗報だ。騎士としての記憶の再生が今も強いのならば、選択の際の有力候補だろう」
魔王「よほどの犯罪者まがいが出てくるよりは、やりやすいかもな」クク
魔王「・・・魔力を削ぐ。一度、部屋から出ていろ」
聖母姫「・・・ここに、居させてください・・・」
魔王「何を馬鹿な・・・暴走がはじまって、必要な場合には呼ぶ。室外に出ていろ」
聖母姫「嫌です・・・魔王様だけに、罪を背負わせるかもしれないなんて・・・」
聖母姫「好意はありがたく受け取ります! ですが、いざとなれば、私も共犯です!」
魔王「・・・暴走のタイミングかわからない。バーサク状態で襲いかかるかもしれない。聞き分けろ」
聖母姫「嫌です!」
魔王「くそ、出ていけ!」ダンッ!
聖母姫「嫌です! 嫌です嫌です嫌です!」
魔王「強情な・・・っ! 死にたいのか! こいつに姫殺しをさせる気なのか!?」
聖母姫「っ・・・! ですが・・・それでも・・・っ」ポロポロ
后「・・・魔王様・・・。私が、結界を張ってみます。姫様の立合いを許して差し上げて貰えませんか・・・?」
魔王「神気を使う気か。・・・破られたらどうする」
后「なるべく厚く、硬く張ります」
魔王「それでも破られたら」
后「急いで張り直します」
魔王「そうじゃない・・・! 破られたら、お前では霧散していく神気までは回収できないんだ!」
后「・・・っ」
魔王「・・・ちっ」
后「・・・破らせません。必ず自力で畳みます。魔王様・・・どうかやらせてくださいっ・・・!」
魔王「・・・っ!」
后「あ・・・」
魔王「・・・・・・」フイ
魔王「『叶えよう』」ボソ
后「・・・魔王・・・様・・・。申し訳ありません・・・」
魔王「張り終わったら声を掛けろ」
后「はい・・・」
聖母姫「・・・あの、いいの・・・ですか?」オズオズ
后「・・・」ニコ
パァァァァ・・・! キラキラキラ・・・
后「・・・。 張り終わりました、魔王様」
魔王「決して破らせるな。 ・・・魔力を抽出する」スッ・・・
魔王「・・・念のため・・・少しづつ、削るか」
ゴシュッ!
騎士王「・・・・・・」
魔王「・・・反応、しないか」
魔王「もう一度・・・今度はもう少し多めに抜いてみよう」スッ
ゴシュゥッ!
騎士王「・・・・・・」
魔王「これでもダメか・・・仮定が間違っていたか・・・? いや、だが魂の状態を見ても理屈は合ってるはず・・・」
魔王「もう一度・・・今度は半分以上抜くつもりでやってみよう」スッ・・・
ゴシュァッ!!
騎士王「・・・・・・」
魔王「」イラ
魔王「スースーと寝てるコイツの顔見てるだけで腹ただしい。いっそ全部抜いてしまおう、そうしよう!」スッ
聖母姫「え」
后「ま、魔王さま・・・?」
魔王「っ、来い!」
ガシュゥゥゥゥッッ!!
聖母姫「・・・っ!」
后「騎士王様は・・・!?」
騎士王『・・・・・・う』
魔王「む。意識が戻ったか・・・? こいつ、元々の魔力値はかなり低いんだな・・・」スッ
ガッ!!
魔王「!! 腕を、離せ・・・っ」グググ・・・
騎士王『お前・・・俺に触れたなッ!』グッ・・・グイッ!
魔王「投げ・・・! っく!」
ドガシャーンッ!!
后「魔王様!!!」
騎士王『ハァ・・・ハァ・・・! 俺に触れるな!ちかづくな!』
騎士王『・・・何か・・・武器・・・、武器になるもの・・・ あったッ!!』 チャキッ
聖母姫「っ剣を! 騎士王様の剣を取られました!! 魔王様、気をつけてください!」
魔王「うーむ。投げられるとか初めてだな・・・そういえば体術はあまりやった記憶がない・・・」パンッ、パンッ
后「魔王様・・・よかった、ご無事でしたか」ホッ
魔王「ああ。驚きのあまり、珍しく怒りが出てこなかった。帰ったら体術を鍛えよう」
聖母姫「そんな場合じゃ・・・」
騎士王『来るな・・・嫌だ、やめろ!俺は誰も殺したりしないから!』ブルブル・・・カチャカチャ・・・
魔王(剣先が震えている・・・恐怖に支配されている? コイツも『非業の死』に苛まれた人格か・・・)
騎士王『っうわぁぁ!!!!』ダダダダダ
魔王「っ馬鹿か、長剣を持ってるのに突進してきてどうする・・・!」スッ・・・
后「魔王様、そいつの動き、格闘家と思われます!」
魔王「ちっ、肉弾戦など俺はしないというのに!」
騎士王『・・・』ピタ
魔王「・・・なんだ?」
騎士王『結界・・・? 中に・・・誰が・・・?』フラ・・・
騎士王『ああああああああああああああああああ』ダダダッ
后「!!」
ガンッ!ガン、ガン、ガンッッ!!!
魔王「なっ・・・結界を・・・!?」シュタッ
騎士王『うあああああああああああ!!!』
ダガダガダガダガダガダガダ!!
魔王「やめろ!」ゲシッ!
騎士王『っうるさい!』
クルッ、バシィィィ!
ピキ
魔王「! 結界が・・・!」
魔王「ちっ、ありがたく思えよ・・・お望みの、肉弾戦だッ!」ダッ・・・
ドカァァァッ!!
騎士王『!?!?』
ズシャッァァ!
后「体当たり!?」
魔王「后は結界の維持に集中しろ!」
騎士王『ハァ・・・ハァ・・・刺した・・・刺してやった・・・刺される前に・・・ハハ・・・ハァ・・・』ニヤ
魔王「・・・ち。やはり肉弾戦は稽古せねばならんか・・・」
后「・・・! 魔王様、腕から血が・・・!」
魔王「少し突かれただけだ!動揺するな!!」
騎士王『ハァ・・・やった・・ハァ・・・刺した・・・違うっ・・ハァッ・・・』ブツブツ・・・ブツブツ・・・
魔王「・・・なんだ・・・? 殺気が消えた・・・今のうちか・・・。転移術! 外へ連れ出す!」パチン!
ブンッ・・・パッ
-----------------
<王城 裏庭>
ブン・・・ スタッ グシャッ
騎士王『・・・ブツブツ・・・ブツブツ・・・』
魔王「う・・・こいつの絶望時のスタイルは・・・もしや前世の影響を受けていたのか・・・?」
魔王「・・・しかし、俺を刺したら急に動かなくなった・・・? 一体どのような経験が・・・」
<魔王サマッ!
タタタタタ・・・
魔王「結界を解いたか・・・」ハァ
后「魔王様!お怪我の具合はどうなのですか!」タタタ・・・
魔王「后、あまりコチラにちかづくな。 興奮こそしていないが、いまだ別人格だ」
聖母姫「ならば今のうちに、私が騎士王様の人格を呼び起こします!」
スタタッ・・・
騎士王『・・・・う・・・』
魔王「・・・待て、聖母姫! ・・・様子が変わった」チャキ・・・
騎士王「・・・・ぐ、う・・・あっ・・・痛い・・・っ!?」
聖母姫「! 騎士王様! 騎士王様ですね!!」
騎士王「・・・ぐ・・・」フラ・・・
聖母姫「騎士王様!?」
騎士王『・・・・・・?』ユラ・・・
魔王「・・・また別人格に変わってしまったか・・・ちっ、面倒な・・・」
シュタ!
魔王「跳んだ!? 何処に・・・」
后「きゃぁぁぁ!?」
魔王「! 后!?」
騎士王『オンナノコ。いいにおい・・・カワイイ女の子?』キョトン
后「・・・はい?」
騎士王『・・・おぉ・・・こんなとこにカワイイ子が。はじめまして、俺と恋のバカンスでもどうでしょう?』ホッペチュー
后「!」
聖母姫「!?!?」
魔王「何してるふざけんな貴様!!」シュタッ!
后「っ、相手を・・・お間違いですっ!!」グイッ
シュタン!
ジャキンッ
魔王「ちっ、ちょろちょろ跳びやがって・・・!つかなんだ!さっきとは真逆の人格じゃないか!」
騎士王『相手・・・俺の、相手?』
魔王「聞いてない・・・っ、前世まで女好きとか筋金入りかあの馬鹿は!」スチャ
騎士王『俺の相手って誰?』
后「それは・・・」
魔王「まて、教えるな。もはやこれは暴走とは違う、完全な別人格だ・・・意識がはっきりしすぎている・・・」
聖母姫「・・・私です!」
魔王「~~っ!揃って馬鹿か!」
聖母姫「今は別人格でも! 諦めなければ騎士王様を呼び起こせるかもしれないじゃないですか!」
シュタン!
聖母姫「きゃっ!?」ビクッ
騎士王『うわ・・・すげー可愛い・・・? なんか・・・』スッ・・・
ギュー・・・
魔王「・・・っ!」
騎士王『・・・名前は?』
聖母姫「姫・・・聖母姫です・・・」ビクビク・・・
魔王「油断するな、それは側近ではないんだぞ!危害を加える可能性があるんだ!」
騎士王『は?なんで?女の子傷付けたりしねーよ馬鹿か!』
魔王「・・・くそ、なんだか毒気が抜かれる!なんなんだこのアホ面は!」
后「昔の側近様のようですね・・・事実、昔の側近様の魂なのですが」
騎士王『んー・・・聖母姫、か。・・・そっか』
騎士王『きれーな名前だね。しかも本気で可愛い。俺の“相手”なの?』ナデナデ
聖母姫「え、いえ・・・正確にはあなたの相手なわけでは・・・」
騎士王『そうか・・・残念。でもさ。 ・・・口説いてもいいよね?』ギュ・・・
シュタンッ・・・
聖母姫「きゃぁっ!?」
魔王「なんて跳躍を・・・! くそ、何処に・・・?!」
后「姫様が!」
魔王「くそ、予想斜め上の面倒な人格に定まろうとしやがって・・・あんなのただのアイツの本能だ!!」
后「元々同じ魂ですから仕方ありません!探しましょう!」
と、いうわけで中断します。
>>517を改めて
次回予告「騎士王の暴走(2重の意味で)」
魂とはその人物の本質である。by魔王
>>503にミスがありました・・・今更だけど訂正させてください。
頭の何行かが消えてます。
-----------------
魔王「・・・側近か・・・まったく、どうしてこう・・・」
后「魔王様・・・このままでは、あまりにも姫様がお可哀想です・・・」ギュッ
魔王「・・・助けたい、と?」
后「・・・はい・・・」
魔王「・・・あいつは勇者の魂を持つ・・・。まだ、可能性はあるか・・・?」
后「では・・・」
クルッ
魔王「それが后の願いならば、必ず叶えよう。最大限、聖母姫を助けてやる」
后「!」
魔王「俺は書庫に行く。まずは過去の記録の中に回復した例がないか浚ってみよう」
魔王「后は姫を。王国に伝令をだし姫を休ませる旨、伝えておけ」
后「はいっ! お願いしますっ!!」
ブン・・・
后「騎士王様・・・どうかまだしばらくは・・・魔王様と共に居てあげてくださいませ・・・」ギュ
閑話休題「四月馬鹿」
魔王「四月馬鹿とはなんだ?」
后「春の陽気に心さそわれるまま、馬鹿になりきることですかね。とんでも話や嘘をついたりして、周りを笑わせたりします」
魔王「ほう。馬鹿ねぇ…」フム
后「よろしければ試してみますか? 本当でしたら、明日なのですが…」
魔王「まぁ細かいことはいいだろう」
后「では、お互いにひとつずつで…」
思案中
魔王(馬鹿になりきる…。馬鹿といえば側近、側近の真似をしてみるか…)
魔王(あいつといえば『姫ちゃん、大好きだー!!』が馬鹿丸出しだが、さすがにそれをそのまま言う気にはならんな…むむむ)
(姫ちゃん、などといって向こうの姫とおもわれては困るし…そこだけかえてみるか?)
(姫…さん? 姫さん大好…無理だ!!)
后(魔王様…なにをそんなに…。はっ。まさかこれが既に四月馬鹿のふり?)
后(ありえます! 四月馬鹿なんてくだらないものに真剣になやむなんて確かに馬鹿です!)
后(さすが、冗談一つにしても予断をゆるさぬ完成度。ダジャレ程度をいうつもりだった私は愚かなのでしょう…)
后「完敗です魔王さまっ!私は反省して出直してまいりますっ!どうか今一度の機会をおねがいしますっ」タタタタタッ
魔王「は?何故泣きながら飛び出していく…?」
閑話休題「四月馬鹿テイク2」
后「魔王さま、もう一度四月馬鹿をいたしましょう!」
魔王「あ、ああ」
后「では、こんどは私からいきますね!」
后(今度はしっかりかんがえぬいてきました!魔王さまのセンスにまけない一品です!!)
后(絶対ありえるはずのないことを、真剣に、そんな馬鹿なこと有りえ無いとしか言えないことをいうのです!)グッ
后「魔王様は変態で情けなくてかっこわるいです!」キッパリ
魔王「う…」
魔王「うあああああああああ」
ブンッ
后「消えました!?ま、魔王さまっ!どこですか魔王さまぁっ!!」
女神「なんかすごいの見ちゃった…」
騎士王「魔王死んでないかな…おれ、移動魔法でさがしてくるわ…」
聖母姫「い、いそいでくださいね!」
というわけで生キャラメルです。
どうも今夜は投稿できそうにないので、季節ネタを代わりに投下してみました。
最終話中に挟んですみませんでした。
携帯からなんでID違いますが気にしないでください。
四月馬鹿/決定戦
后「魔王様がまた行方不明なんです…」
騎士王「まぁ俺は何処にいるか知ってるけど」
后「姿を眩ますなんて、最大の処罰を与えられてしまうなんて…」ポロポロ
騎士王「処罰じゃないんだけどね。……あ」
后「なにか…?」
騎士王「追徴罰として、正しい四月馬鹿を練習するので許してください、というのはどう?成功率100%」
后「!! 正しい四月馬鹿を教えてください!!」
騎士王「じゃぁこれを………」
隠し小部屋
騎士王「ここは心のシェルターか」
魔王「后に変態って言われたんだぞ…やっと嫁にしたのに…」ドンヨリ
騎士王「その展開は流石に慣れた。ところで水晶見ようか。魔王の部屋ね」
魔王「…なにもする気おきない…」
騎士王「見ないの?后ちゃん来てるけど、相当癒されるよ今日は」
魔王「…………………みる」ボソ
魔王の部屋/后「…ブツブツ…♪ …ブツブツ…♪」ペラ・・・
魔王「なんなんだあれは。何か読んでいるのか?」
騎士王「うん、追徴罰だと言ってさっきからずっと音読させてるんだよね」
魔王「勝手に后に罰なんて与えるな。・・・だが、その割に楽しそうだな」
騎士王「それは俺も意外だった。よく聞いてやれよー」ケラケラ
魔王「…?」ボリュームアップ
魔王の部屋/后「まおーさま、だいすきです♪まおーさま、ぎゅーってしてください♪まおーさま、わたしとあそんでくださいな♪まおーさま………」
魔王「」
騎士王「可愛い姫ちゃん台詞集を名前置き換えて延々読ませてる。『正しい馬鹿のなりきり方』として」
魔王「」
騎士王「あの様子じゃ、素直に甘えられる姫ちゃんに変身願望でも持ってるのかもなー」ニヤニヤ
魔王「」ブンッ
魔王の部屋/魔王「」ギュー
魔王の部屋/后「きゃっ!ま、魔王様っ!?こ、これはその…」ワタワタ
魔王の部屋/魔王「」モゾモゾ
魔王の部屋/后「ひゃ//ま、魔王さまっ、まってください、急にそんなっ…あっ//」
騎士王「…魔王…俺が見てることを忘れてやがる・・・」プルプルプル
騎士王「エイプリルフールだから后ちゃんの発言も全部ウソになるなって言って凹ませるつもりだったのに!どーすんだこれ!見てろってか!?」
<やっ、まおーさまぁ//
<后は続きを読んでいろ
<で、ですがこれはっ//
騎士王「…はは、ピエロな俺が四月馬鹿大賞か……」ガックリ
というわけで、本編投下を↓から再開します。2回ほど間に中断を挟みます。
--------------
<王城 兵用・武器格納庫>
騎士王『うわ、なんか雰囲気あるかも・・・思ったより暗いかな』
聖母姫「目が・・・目が回ります・・・ピョンピョンしながら壁が降ってくる・・・」クラクラ・・・フラ・・
騎士王『おっと』ギュッ
聖母姫「ふぁぁ・・・しょ、焦点が・・・焦点が回ってます・・・」グテン
騎士王『あはは・・・乗り物よい? 俺はジェットコ-スターか?』ケラケラ
騎士王『よいしょ、っと』ドサッ
騎士王『ほい。膝の上だけど、しばらく抱っこしててあげるから。休んで? ごめんな』ナデナデ
聖母姫「う・・・騎士王様の顔で、騎士王様の声で、騎士王様の性格なのに、なんかどっか変です!」
騎士王『ひどいなー。誰だよ騎士王サマって』アハハ
聖母姫「あなたのその身体の本当の持ち主ですよ!」
騎士王『え? ん? ・・・そりゃやだな・・・』
聖母姫「・・・身体と中身が別だとわかってるのですか・・・?」
騎士王『いや、これは俺の身体だけど・・・騎士王って男だろ?やっぱ女の子にあげたいよね、カラダもココロも』モゾ
聖母姫「ひゃっ?! 耳は・・・顔が!近いですっ」
騎士王『お。耳弱いとみた。かわいー』チュ
聖母姫「ひゃぅ!//」
騎士王『あはは、敏感すぎ。それとも誘ってくれてる?』
聖母姫「馬鹿いわないでください!」
騎士王『馬鹿ねー。まぁ確かに』
聖母姫「自覚あるならちゃんと騎士王様を・・・」
騎士王『一目で好きになった。俺、本気だよ。馬鹿みたいだろ?』
騎士王『・・・自分でもよくわからないんだ、なんでこんなにも君が好きなのか』ジッ
聖母姫「・・・っ!//」
騎士王『頬とか、おでことか、髪とか』チュッ、チュッ、チュ・・・
聖母姫「!」
騎士王『首とか、耳とか』チュ・・・、チュゥ
聖母姫「ひゃ?! やめっ」
騎士王『・・・そんなんじゃ、足りなくなりそう。・・・唇に、触れたくなる』
聖母姫「え・・・」
騎士王『聖母姫がどこの姫かは知らないけど・・・』
騎士王『姫なら、駄目だよね。王族って貞操にはきびしいっていうし。したことないでしょ、オヒメサマ?』ニヤニヤ
聖母姫「・・・むっ。ありますよ、騎士王様とならっ!」
騎士王『・・・・・・え?』
聖母姫「あ//」
騎士王『婚前の、将来の女王の身を汚した!?』
聖母姫「ち、ちがいます! 私からしたんです!」
騎士王『どっちからとか関係ない! なんでそいつは処刑されていない!?』
聖母姫「落ち着いてくださいっ!?」
騎士王『さっさと殺せよ、国はなにしてんだ! つか俺が斬ってやる!』
聖母姫(それは他殺か自殺かどっちでしょう!)
聖母姫「はぁ。ええとですね・・・私は、既に継承権を譲っているんですよ。だから騎士王様は許されるのです」
騎士王『・・・継承権を?』
聖母姫「はい。ですから・・・処刑とか、物騒な事はいわないでください・・・」ハァ・・・
騎士王『・・・・・・・・・』
聖母姫「どうしました?」
騎士王『罪にならなくても、やっぱり許せない。悔しくて我慢できなくなった』ガシッ
聖母姫「え? ちょ・・・な、なんですか! やめっ・・・」
騎士王『気付かない? 今の発言で、俺を止める理由がなくなった事に』
聖母姫「・・・っそんなつもりじゃ・・・だ、駄目ですよ!」
騎士王『駄目じゃなくなった』ジッ
聖母姫「~~っ!」
騎士王『そんなの我慢できない。・・・誰かがその唇に触れたなんて許せない』グッ
騎士王『』チュ・・・
聖母姫「!」
騎士王『・・・・・・・・・』チュー・・・
聖母姫「・・・・・・・・・!」
騎士王『・・・』・・・チュ
聖母姫「・・・・・・ッぷは!」ハァ・・・
騎士王『・・・さすがに頑なだね。息を止めてまで口を開けないなんて』
聖母姫「え?」キョトン
騎士王『・・・えっ、て。・・・いや、拒絶されたんだよね俺?』
聖母姫「・・・・・・無理矢理キスしておいて、何を」
騎士王『・・・いや、今のは・・・・・・って、もしかして・・・』
聖母姫「な・・・なんですか?」ビクビク
騎士王『・・・姫、口開けて?』
聖母姫「く、口ですか? なんで・・・」
騎士王『軽くでいいから』
聖母姫「?」アー
騎士王『ん』
チュ・・・クチュ・・・
聖母姫「?!」
騎士王『・・・・・・・・・・・・』チュウ・・・チュパ、チュ・・・ムチュ・・・チュ・・・パ
聖母姫「んっ、んんっ! むぅ・・・まっ・・・んっ・・・・・・・・・ん・・・」
騎士王『・・・』ツー・・・
聖母姫「・・・ハ・・・ぁ・・・・・・」クテン・・・
騎士王『・・・キスって、こういうやつだと思うけど・・・知らなかった?』クス
聖母姫「・・・・・・!//」カァッ
騎士王『脱力しちゃって、すごく可愛い。・・・他のヤツに取られてなくてよかった』ナデナデ
聖母姫「・・・う・・・だって、そんな・・・こんなの・・・っ」カァ
騎士王『・・・気持ちよかったんだ?』
聖母姫「! ちがっ・・・」
騎士王『違わないよね。君は顔や態度に出すぎるって言われない?』
聖母姫「~っ!//」
騎士王『・・・もうさ、こんなの罠だよね。本当に誘われてるとしか思えないもんな』グイッ
聖母姫「やっ、まって! もうだめですっ!これ以上は・・・っ!」
騎士王『・・・じゃあ、もっかいキスしよう。・・・もっと欲しくなるようなキスを』チュ…
聖母姫「やっ・・・んん・・・っ」
(だめ、なんか頭まわってくる・・・っ、離して、もらわなきゃ・・・)
騎士王『・・・』ナデ
聖母姫「んんっ・・・・・・んっ・・・」
(足・・・触られてる・・・? でも、なんか・・・段々・・・あぁだめ、ぼーっとする・・・)
騎士王『・・・』モゾ
聖母姫「・・・ん・・・ぅ・・・・・・ぁ・・・」チュ・・・
(・・・内腿・・・手が・・・あったかい。撫でられてるだけなのに・・・なんか・・・・・・キモチイイ・・・?)
騎士王『・・・チュ、パ・・・』ナデナデ
聖母姫「・・・んぁっ・・・」モジ
騎士王『姫・・・?』ナデナデ
聖母姫『・・・・んぅ・・・・』クテ・・・
騎士王『・・・まって、敏感すぎる。キスはもうやめてるし、次の段階にはいってるけど・・・コレ、いいの?』ナデナデ
聖母姫「・・・ぇ・・・?」
騎士王『気付いてない? あと20cmくらいでアウト領域なんだけど』ハハ・・・
聖母姫「・・・・・・・・・ひゃっ!?//」バサッ!
騎士王『なんだこれなんだこれ、もうほんとに可愛すぎるー!!!』ギュウーー!!
聖母姫「~~っ!// なんなんですかっ、もう!」
騎士王『本気7割、理性2割、からかい1割』シレッ
聖母姫「もっと理性を高めてくださいっ!!」
騎士王『いや、だって・・・本気で理性なんて飛びそうなくらい誘われてたし』
聖母姫「誘ってません!」
騎士王『じゃあ誘って?』
聖母姫「・・・っ、何を・・・」
騎士王『・・・ぶっちゃけ、ギリギリなんだよね。ふざけて自制するのも限界なくらいに』ジッ
聖母姫「何が・・・」
騎士王『理性』
聖母姫「!」
騎士王『可愛い。大好きだ。君の全部がすごく可愛くて仕方ない』チュ・・・チュ
聖母姫「う・・・」
騎士王『・・・抵抗しないの? してくれないと、そろそろ本当に理性が飛びそうなんだけど』ナデ・・・
聖母姫「こ・・・こんなの・・・おかしいのに・・・っ」
騎士王『姫・・・』スッ・・・
ドサ
騎士王『・・・君が、欲しい』チュ・・・
シュル・・・
聖母姫(騎士王様じゃないのに・・・なんで逆らえないの!?)グッ
チャキ
騎士王『!』
魔王「馬鹿か。上から抑え込んでおいて、何が抵抗しないのか、だ」
騎士王『あ。 ・・・邪魔者』
聖母姫「っ、た、たすけてください!!」
魔王「まさかこんな場所にいるとはな。ギリギリ無事で何よりだ」
聖母姫「わた、わたしっ! どうしたらよいかわからなくなってきました!!」パニック
魔王「予想と違う意味で危険すぎるなコイツは。また魔力ぶち込んで昏倒させてしまうか」
聖母姫「そんなことして大丈夫なんですか!?」
魔王「馬鹿は死ななきゃ治らんだろう。ぶったおして再選択する」
騎士王『つか誰ださっきから。もしかしておまえが騎士王サマとかってやつ?姫なら奪わせないよ?』ギュ
魔王「誰が騎士王だって?」イラ
騎士王『なんだ違うのか。じゃあ馬に蹴られろ』ベー
魔王「貴様・・・」イライラ
騎士王『見てわかるでしょ? 俺、今からマジで忙しいから帰れ、すぐに。それとも野次馬する気? 変態? そーゆー趣味?』
魔王「」プチ
聖母姫「・・・騎士王様も、素はこんななのかなーと思えてきました・・・」
后「あれで意外と理性が働いてたのかもしれませんね」
魔王「后。本っ当にコレを助けたいか・・・?」プルプル
后「・・・『姫様』を助けたいのです。未だ下敷きにされてますし・・・その、服も少し//」
聖母姫「! やっ// いつの間にか腰紐が全部ほどかれてますっ!//」
騎士王『それも気付いてなかったのか。ほんと可愛いなー』ナデナデ
魔王「ち、手癖の悪い。ともかく聖母姫を助ける、お前を斬ってでもな」スチャ
騎士王『誰が。昔からプリンセスを助けるのはナイトって相場が決まってんだよッ!』ギュッ
聖母姫「ふぇ?」
シュタンッ
聖母姫「き、きゃぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・!?」
魔王「~~~~~っ!!! また跳んで逃げやがった・・・ッ!!」プルプル
后「・・・単純に、騎士王様本人がこれを機に大暴走してるだけって可能性はないですよね・・・?」
魔王「知るか! なんであいつはいつも俺の横を跳んで通り抜けられるんだ?!」
魔王「くそっ・・・今度こそ聖母姫の貞操が危うい!! 急いで探すぞ!!」
后(命を守るときより、なぜか必死に感じるのは気のせいでしょうか)ハァ
----------------------
<王城 塔頂>
シュタン、スト
騎士王『んー、絶景!』
聖母姫「ひっ・・・高いっ?! どうしたら脚力でこんな場所まで登れるんですか!?」
騎士王『君との時間、次こそ邪魔されたくなかったから。もしかして恐い?』
聖母姫「答えになってないし、いまはあなた以上に物理的に恐いです!」
騎士王『んじゃ』ギュ-
聖母姫「ひゃっ!?」
騎士王『・・・俺に抱きついてれば大丈夫でしょ』ナデナデ
聖母姫「う・・・」
騎士王『このまま座ろうか。膝から降りないでね、滑るといけないし』ヨイショ
騎士王『うーん、やっぱ密着してると、からかいたくなる』チュ
聖母姫「ひゃ! も、もうやめてくださいっ! 高い場所で目が眩んでいるのです!」
騎士王『あはは、それはすごく残念だなー。絶景を二人占めなんて、デートスポットにいいと思ったのに』ナデナデ
聖母姫「はぁ・・・」
聖母姫「あのですね。ちゃんと言っておきますが・・・私は騎士王と婚約しているので、口説いてもダメです」
騎士王『え。ソイツと婚約までしてるの?』
聖母姫「・・・まぁ、魔王様に勝ったらという条件付ですけど」
騎士王『ぷ、あはははは!!』
聖母姫「な、なんで笑うんですか!」
騎士王『いや、最高の求婚の断り文句だなと思って。結婚する気なんか無いじゃん、ソレ。普通もう諦めてる』クックック
聖母姫(本人が言ってるわけじゃない本人が言ってるわけじゃない本人が言ってるわけじゃない!)
騎士王『あー、おかしかった・・・』ハハハ
聖母姫「もう・・・笑わないでください! 本気なんです!」
騎士王『お、元気でてきたね。高いのにも、少しは慣れてきた?』
聖母姫「え? あー・・・そうですね。下さえ見なければ・・・」
騎士王『ん、よかった。じゃぁ・・・ 』
騎士王『もっかい、さっきの続きから 口説いてイイよね?』チュ・・・ チュ、チュ、チュ・・・
聖母姫「!? ちょ、やです! やめ・・・ひゃ// 耳! 耳やめてください!! やぅ!// 首もダメです!!」
騎士王『やめれないー』ギュムー
聖母姫「う。そんなに抱きしめられたら・・・動けな・・・」クル
騎士王『』ジッ
聖母姫「・・・う」フイッ
騎士王『下、見ると怖いよ?』
聖母姫「~~~っぁぅ」ブルッ・・・
騎士王『下は、いいから。俺だけ見てて』
聖母姫「~~~っ」コクコクコク!
騎士王『・・・姫は・・・俺が、怖い?』ジッ・・・
聖母姫「・・・・・・ぁ・・・」ドキ
騎士王『・・・・・・ほんとに、俺のこと、嫌?』
聖母姫「・・・」ドキ…ドキ…
(こんなの・・・)
騎士王『・・・否定も、抵抗もされないなら・・・、無視されてるだけでも、今はすごく嬉しい』チュ・・・チュゥ・・・
聖母姫「んっ・・・む、ぅ・・・」
(こんなのは・・・あんまりにもズルすぎる・・・)
騎士王『・・・』チュ・・・ムチュ、チュゥゥ・・・
聖母姫「んん・・・ぁ・・・む・・・ぷは。・・・んっ、む・・・う・・・」
(騎士王様にしか、見えないなんて・・・)
騎士王『・・・』ジッ
聖母姫「・・・ぁ・・・」
(・・・逆らいたく、ないなんて・・・)
騎士王『嫌だったら・・・ちゃんと、言ってくれたら・・・やめるから』
ゴロ・・・トサ
(ずるい)
騎士王『姫・・・』ソッ・・・
ザク。
騎士王『・・・』
魔王「お前という奴は・・・・っ」プルプルプル
騎士王『・・・』フー
聖母姫「ぁ・・・魔王、さま・・・?」ボー
后「大丈夫ですか、姫様・・・何かされていませんか?」
魔王「どうしたら野外、それもこんな高所で行為におよぼうと思えるんだ! 猿以下か!」
騎士王『・・・』スー
騎士王『お前は! なんで! どうして! ココぞって時に邪魔するんだ!!』
魔王「俺だって毎回押し倒してるとこに割り込みたくは無いわ、この痴漢猿!」
騎士王『本当にタイミング見て計ってんじゃないのか、この変態!!』
聖母姫「・・・・・・」チラ
后「・・・安心してください、もちろん計ってません。これは偶然です」
魔王「おまえみたいななぁ・・・・・・」イライライラ
魔王「本能で爆走してるような25重人格者に言われたくない!! 斬り捨ててやる!」チャキッ
騎士王『わー最低。女の子二人も居るのに剣だすとか。こんな場所で斬るつもり?」ジロッ
魔王「何処に居ようと、斬ることに変わりはないだろうが」ギロ
騎士王『・・・姫を傷付けたら、俺は許さないよ?』ギュッ
魔王「そちらに当てない程度の腕はあるさ。せいぜいそのまま盾になってろ!」シュパッ
シュタッ・・・・
ジャキキン
スタン・・・
騎士王『・・・斬りつけたな』
魔王「ふむ。この足場で、あの体勢から姫を抱えて避けるとは」
魔王「やはり機動力は侮れない。正直、側近以上のようだな。手加減していては斬れないか・・・」
騎士王『・・・姫、ごめん。恐いけど許してね』
聖母姫「え・・・?」
シュタッ・・・
聖母姫「まって・・・! ここ・・・塔頂・・・っ!」
騎士王『大丈夫。俺、”姫”は絶対守るから』ギュ
聖母姫「え・・・?」
ヒューーーーーーン・・・
シュタッ
騎士王『ね。・・・大丈夫だったでしょ?』
聖母姫「~~ぁぅ」クラクラ
騎士王『ありゃ、ごめん。どーも俺は精神的な負担ってやつが予想できなくて・・・』
ブン・・・パッ
魔王「お前は忍者か何かなのか。あの高さ、飛び降りるなどと正気じゃないぞ」
騎士王『あれ?・・・お前も飛び降りたの?』
魔王「馬鹿な。転移したのだ」
騎士王『・・・そんな魔法が使えるなら、なんで今まで使わなかったんだよ?』
魔王「・・・・・・」フイ
騎士王『・・・?』
后(駆けて逃げるのを見て、つい駆けて追いかけてしまいました・・・『取って来い』の犬になった気分です)ハァ
魔王(后に、犬みたいって思われたらどうしよう・・・最近ずっと魔獣だったしなー・・・)ハァ
騎士王『溜息のシンクロって何気に気持ち悪いからやめろよ・・・何考えてんだ・・・』
騎士王『まぁ、追ってきたのには変わらないか』
騎士王『姫。 俺の後ろ、少し離れた所に下がってて』スッ
聖母姫「あの・・・」
騎士王『絶対に、動いちゃ駄目だよ?』ニコ
聖母姫(・・・騎士王様・・・じゃ、ないの・・・? 本当に・・・?)
騎士王『おい!そこの黒いの!』
魔王「黒・・・」
騎士王『ここならば姫も安心して離れていられるだろう。掛かってくるのならば受け立つ!』
魔王「・・・何?」
騎士王『剣を抜かないのならば退け。深追いはしない。姫に危害をくわえる気ならば容赦はしないと心得ろ!』
魔王「ち、面倒な。さらにまた別人格が・・・?」
騎士王『俺を侮辱する位ならば許してやる』
魔王「・・・・・・いつの間にか、俺が悪者の立ち位置にいるな」
后「魔王ですから、あってますよ魔王様」
魔王「そうだった・・・。とにかく、姫をこちらによこせ」
騎士王『断る。姫は俺が必ずお守りすると決めたのだ』キリッ
魔王(やばい、長いこと不真面目だったから魔王の立ち位置がわからなくなってる)ウーン
魔王(よく考えたら、今まで相手が弱すぎて、こういう、いかにもVS魔王戦ってしたことないんだよな・・・・・・)
魔王「・・・・・・・・・あ」
騎士王『何だ!』スチャッ!
魔王「成る程、な。 わかった」
騎士王『・・・企み事か』
魔王「まぁ、そうだな。ククク・・・余興としては面白いか」
騎士王『・・・不吉な奴め』
魔王「当たり前だろう?・・・俺は魔王なのだから」
騎士王『!?』
聖母姫「魔王様・・・?」
魔王「姫は奪わせてもらうぞ」
騎士王『魔王。俺の前に現れたことを後悔しろ』スチャ
魔王「さて・・・どこまでできるかな」チラ・・・
スタっ
聖母姫「きゃ・・・私!?」
騎士王『姫っ!』シュタッ・・・
ガキン!!
魔王「ほう。よく守った」
騎士王『貴様・・・なんのつもりだ!姫を殺す気か!?』
魔王「そうだ、と言ったら?」クク
聖母姫「え?」
騎士王『くそ、それが狙いか!』
魔王「守りきって見せろ」
バシュッ!!
聖母姫「きゃぁぁぁっ!? 」
・・・シュババババン!
騎士王『姫っ!!』
ガキキキキン!!
魔王「ふむ」スチャ ブンッ!
ガキン!
騎士王『! っく・・・っ』グググ・・・
魔王「キツそうだな? 力比べや防衛戦は苦手か」ククク
騎士王『だとしても・・・姫は命に代えても守る。盾として死ねれば本望だ』
魔王「・・・」カチャッ
騎士王『っ!? ・・・引いた?』
スタッ・・・トン
魔王「・・・少し時間をやろう。俺とて弱い者虐めをしたいわけではない」
騎士王『何のつもりだ』
魔王「どうしたら、守れるか。考えてみるんだな・・・ 行こう、后」
后「はい、魔王様」
魔王「30分で戻る。あまりふざけたことをしていれば、次は間違いなく姫を殺されると思え」パチン
ブン・・・パッ
騎士王『な! ・・・消えた?! 本気で時間を与える気なのか、なんて傲慢な!』
騎士王『・・・姫を殺す、か。 口説いてる場合じゃなくなっちゃったな・・・』
スタスタ・・・
騎士王『・・・大丈夫?』
聖母姫「あ・・・はい・・・」
騎士王『魔王ってやな奴だな。女の子に刃を向けるなんて。しかもなに考えてんだか・・・』ポンポン
聖母姫「あ、あの?」
騎士王『どした?もしかして腰抜けた?』アハハ
聖母姫「い、いえ、そうじゃなくて・・・あなたは・・・え? 別人格・・・なわけでもない? 戻った? 誰??」
騎士王『うーん・・・騎士王サマーって呼ばれるよりは、まだアナタのがいいか。新婚みたいでドキドキ』ヘヘ
聖母姫「なっ?!//」
騎士王『・・・ごめんな、恐い思いさせて。でも絶対守るから。約束するから』ナデナデ
聖母姫「・・・・・・あ・・・騎士王様・・・?」
騎士王『・・・へへ。わりとキツいんだな。・・・好きな子に、俺以外の男の名前で呼ばれるのって』
騎士王『そいつの名前・・・ あんま言うと俺、泣くよ?』ポンポン
聖母姫「・・・・・・違うの? 本当に、騎士王様ではないって言うの・・・?」ポロ
騎士王『・・・俺は、そんな名前じゃない・・・ごめんね』
聖母姫「こんなに・・・同じで・・・なんで、違うの・・・? もう・・・わかんないよ・・・私は・・・誰が好きなのか・・・」ポロポロポロ・・・
騎士王『・・・姫・・・泣かないで。・・・ごめん、なんか・・・俺のせいなのかな・・・』
聖母姫『・・・・・・・・・』ポロポロポロ・・・
騎士王『・・・』ナデナデ
騎士王『・・・あのさ。 姫、抱いてもいい?』
聖母姫「え・・・?」
騎士王『ごめん』グイ
ギュー・・・
聖母姫「きゃっ・・・何を・・・」
騎士王『あ。姫・・・結構小さいんだね?』
聖母姫「なっ! ひど・・・//」
騎士王『さっきから思ってたんだけどね。俺より頭一個近く違うかな。うん、細いし。やっぱり軽い』
聖母姫(う// 身長の話でしたか・・・つい胸の話かと・・・)モジ
騎士王『・・・っぷは、顔にも態度にも出てる! それじゃバレバレだよ、考えてること!』アハハハ
聖母姫「~~っ//」
騎士王『うん。泣いてるよりは、怒ってるくらいのが元気でいいよね。できれば笑顔も見せて欲しいけど』ナデナデ
聖母姫「あ・・・ そのために、そんな話を・・・?」
騎士王『流石に今は触って確かめてる場合じゃないのがすごく悔しいけどねー』ヘヘ
スクッ・・・
聖母姫「・・・あ、あの?」
騎士王『姫も立てる? 今のでちょっとわかったかもしれないんだ、守りながら戦う方法』グッ・・・
聖母姫「・・・方法・・・?」スク・・・ッ トン
ギュッ
聖母姫「っ、また! ・・・どうしてそうやってすぐに抱きしめるんで・・・」
騎士王『姫なら、きっと抱いたまま戦える』ギュー・・・
聖母姫「・・・・・・え?」
騎士王『なんでかな。姫を抱いてると、すごい勇気わくのな』
騎士王『絶対守りたいって思えるし、姫なら離さないでいられる自信もある。俺も随分、傲慢だよなー』ハハ・・・
聖母姫「・・・(・・・騎士王様じゃないのに・・・なんで私は・・・大人しく、このヒトに抱きしめられているの・・・?)」
騎士王『このまま、魔王が戻ってきても・・・君を抱いたままでいてもいい?』
聖母姫「・・・(ダメなのに。頭では、ちゃんとわかってるのに)・・・」コクン
騎士王『ありがと』チュ
聖母姫(騎士王様・・・ごめんなさい。どうしても・・・逆らえません・・・)ギュ・・・
ブン・・・ パ
騎士王『!』
魔王「・・・さて、そろそろよい頃合か?」
騎士王『・・・女を置いてきたのか。 少なくとも良識くらいはあるようだな』
チャキン
騎士王『・・・・・・あれ?』
聖母姫「どうしましたか・・・?」
騎士王『・・・これ、誰の剣?』
聖母姫「騎士王様の、愛用する剣ですね・・・」
騎士王『・・・あれ? いや、この剣は俺のだよ。 俺のだけど・・・誰かいじった?』
聖母姫「ですから、騎士王さまの愛剣です」
騎士王『??』
魔王「クク…やはりな。それは模造品だ」
騎士王『模造品? 俺の剣はどこへやった?』
魔王「知らん。だがそれを使ってかまわぬさ、元々俺の作ったものだ」
騎士王『……』スチャ・・・
騎士王『…いや、やっぱり俺の剣だ。 でも・・・なんか違う?』
聖母姫「だから違うと言ってます! なんなんですかもう!」
魔王「…こちらは既に準備を整えてきたのだ。くだらぬ事に気をとられていると死後に後悔する」
騎士王『・・・準備、だと?』
魔王「いくぞ!」パチン
ブン・・・
パッ
-------------------
<魔王城 黒百合の庭園より、少し手前の広場>
・・・ブンッ パッ
スタッ スタタッ
騎士王『・・・!? どこだここは!』
聖母姫「ここは…魔王城?」
騎士王『…! あいつ、俺に時間を与えたのは…この支度をするためだったのか…!』
聖母姫「支度? 魔王様は・・・一体…?」
グルグルグル・・・ ガゥルルルル・・・
ギャォォォ! ギャオオオオオ!
ピヤァァァァ!
ガガ・・・シンニュウシャ・・・コロス・・・コロス・・・
聖母姫「な…魔物が…?」
騎士王『くそっ、領地に引き込むとは…』
聖母姫「か、軽くみただけで・・・50体程はいますね…みんな殺気立ってる・・・」ゴクリ
騎士王『正々堂々と戦わないなんて・・・なんて卑劣な奴!』
魔王「ククク・・・俺は魔王だぞ? 魔物をけしかけて、何がおかしいというのだ」ニヤ
魔王「・・・魔物達、後は任せよう。そいつら・・・『両方とも、殺せ』・・・」
ギャオォォォォォ! ギャオオオオ!
コロセ! コロセ! コロセ!
ガオオオオオオオッ!
キシャァァァァァ!
聖母姫「え…? 嘘・・・魔王様・・・」
魔王「・・・これならば…『おまえ』とは2度と会うこともあるまい」パチン
ブン・・・
パッ
騎士王『まて、魔王っ! ・・・くそ!!』
聖母姫「…魔王様…これは一体…」ブツブツ
騎士王『ああもう! 俺はなんってことしちゃったんだ・・・!』
騎士王『ハァ。 …ごめん、姫。俺のせいで、恐ろしいことに巻き込んじゃったな・・・』
聖母姫「え?」
騎士王『え、って・・・』
騎士王『恐く…ないの? 姫は。 これだけの魔物に囲まれているのに・・・』
聖母姫「・・・守ってくださるのでしょう? ・・・これくらいなら、倒せるんじゃないですか?」
騎士王『は…はは。なんで俺のほうが萎縮してんだ・・・みっともないトコ見せちゃったな。うん、そうだ。”姫”の前ではカッコよくいようって決めてたのに・・・よし、やり直す!』
騎士王『姫を、抱いていたのは正解でした。間違いなく姫は、俺の希望そのものです』 ジャキン!
騎士王『一撃千倒と言われたこの腕…お見せ致します!!』
---------------------
----------------
私を片腕に抱いたまま、低空で跳躍する。
鞭のように翻る剣と、美しい金属音の残響。
いつか見た、騎士王様とおんなじ戦い方。
あの時と違うのは 私がその腕に抱かれていること。
円舞のようなその回転をするたびに、私のドレスの裾が翻る。
曲芸のような剣の持ち替えに、私の体がターンする。
抜いた瞬間に血液を振り払われ、輝きを取り戻す剣の光は まるでスポットライト。
誰かをその腕に抱いて戦うのが前提のような、完成されたステップ。
それはまるで、殺戮という恐怖を 誰かの心に植えつけないために
目を閉じていれば、まるで踊っているかのように錯覚させられる 戦い方。
負担や衝撃のかかる 拮抗した鍔競り合いなどを許さない。
一息で駆け抜けて 早々にその場を終わらせるための 跳躍と疾走。
誰かの為に 誰かを守るためだけに生まれた 勇者の戦い方。
勇者が、姫を抱いて戦うためにつくりだした 戦闘曲。
姫の心を思いやるために生まれてきた 場違いな舞踏曲。
間違いなく、この方のカラダと魂は騎士王様・・・勇者様なのだと確信できるのに。
眼前に迫る 最後に残された一頭。
双頭の巨大な蛇。
その末端が見えないほどに
長く伸び、蠢く大蛇。
その口元に、突如打ち込まれた一本の杭。
そして一瞬の構えの後に、一息に尾まで切り裂かれる。
騎士王さまに出会うより、ずっと以前に見たものと 寸分たがわぬその動き。
そういえば 彼はこう言っていた気がする。
『プリンセスを助けるのはナイト』なのだと。
彼は・・・ まさしくナイト ――騎士 なのだと ようやく理解できた。
---------------------
聖母姫「・・・まさか・・・そんな・・・」
騎士王『…静まったな。どうやら敵の増援もなさそうだ…』ハァ
聖母姫「・・・なんで、気がつかなかったの・・・」
騎士王『よかった、姫が無事で。…とにかくすぐに城に戻らねば…』
聖母姫「…この技…この、戦い方は・・・騎士様のものです…」
騎士王『え』
聖母姫「あなたは…騎士様…ですね?」
騎士王『俺を、知ってる・・・? 君は… 一体…』
聖母姫「私は・・・王国の一人娘、姫です!」
騎士王『な…姫? 王国姫か!? でも…俺の知ってる姫はもっとずっと幼い子供で・・・』
聖母姫「あれから…10年以上もたっているのです…私だとわかりませんか…?」
騎士王『10年・・・?! あ…。だから…俺はこんなに君の事が…? でもなんでそんな・・・俺は一体・・・?』
聖母姫「・・・もう・・・もう、いいです・・・そんなことより・・・! そんなことより・・・言わせてください・・・っ」ポロポロ
聖母姫「あれから・・・ずっと、ずっと後悔していて・・・どうしても、言いたかったのに・・・っ言えなかった言葉を・・・」ポロポロ
騎士王『言いたかった・・・こと・・・?』
聖母姫「騎士様…ありがとうございました! 騎士様の無事の生還を、何より願っておりました・・・っ」ニコ
騎士王『!』
聖母姫「・・・ようやく・・・言えました・・・っ。・・・また、『騎士様』に・・・会えましたっ・・・帰ってきてくれましたっ」ポロポロ・・・
騎士王『・・・・・・”帰れた”? ・・・っ』ズキッ
聖母姫「騎士、様・・・?」
騎士王『俺・・・? あぁ、そうか・・・ 俺・・・帰れなかったんだっけ・・・』フラ
聖母姫「騎士様!?」
騎士王『ようやく・・・姫のもとに…帰れた・・・』
ガクン
聖母姫「騎士様!?」ガシッ
聖母姫「大丈夫ですか!? まさか、また記憶と人格が・・・」
騎士王「・・・あ・・・だいじょうぶ・・・」フラ・・・
聖母姫「ですが・・・ っこれは、もしかして・・・騎士様の人格が、定着した・・・?」
騎士王「・・・・聞いてくれる・・・?」
聖母姫「え・・・?」
騎士王「ずっと前に・・・お城で生まれた、小さな姫のお披露目があったんだ」
騎士王「・・・真っ白な布にくるまれて、白でも銀でもない髪が美しく輝いてて」
騎士王「丸くて大きな瞳を、惜し気もなく綻ばせて…その姫は笑ってた」
聖母姫「騎士様・・・?」
騎士王「天使だって思ったんだよね」
騎士王「俺は天使に仕えるんだって思って…騎士としてがむしゃらに頑張れたんだー」ヘヘ
騎士王「その姫の前ではいつも格好つけて騎士らしくしてたのに…ついに、騎士の素の顔がばれちゃったや」
聖母姫「ふふ・・・そんなこと、しなくてもよかったのに・・・」
騎士王「な。みんなに二重人格者って散々いわれるほど、がんばって素を隠してさ」
騎士王「公の場所での、騎士の振る舞いが癖にまでなったのに・・・こんなバレ方するとか、最悪だよ」アハハ
聖母姫「しかも、私じゃないヒトを口説いてたつもりだったなんて、2重でヒドイです」クス
騎士王「うん、でもやっぱり、姫ちゃんだったから口説いたんだと思うよ」ヘヘ
聖母姫「え? ・・・いま、私のこと・・・。騎士・・・様? え? 騎士王様なのですか?」
騎士王「…約束、守れなくてごめん…」ナデ
聖母姫「約束・・・?」
騎士王「へへ。覚えてないか?」
騎士王「可愛いかったなー。『いつか私をお嫁さんにしてください!』って、俺に言ってくれたんだよ」
騎士王「俺も、『騎士として、いつまでも姫様のお側でお守り致しましょう』…なんて。カッコつけて約束したつもりなんだけどなー」ハハハ
聖母姫「あれ…子供から受けた告白を、体よく流されたのだと思ってました…」
騎士王「だよね。うん、なんか反応おかしいなーとは思ってたんだー。超解釈でもしたの?」
聖母姫「だってそれって、『王になるかどうかは別として、少なくとも騎士としては支えるよ』って意味ですよね?」
騎士王「・・・いや、だって・・・結婚したとしても俺は王にはならなかったはずだよ? あくまで婿・・・」
聖母姫「ああ・・・お父様は昔、よく私に
『お前が国を継いだら国が潰れるから、お前は王位を譲れるだけの相手と結婚せにゃならんよ』
と言い聞かせてましたから・・・そういうものなのかと・・・すみません」
騎士王「oh...確かにちょっと当時から破天荒な姫だったかも…」
騎士王「まぁ、約束の意味が伝わってないのは気付いてたんだ。どうしたもんかと、苦労もしたし」アハハ
騎士王「俺は勝手に・・・意味はちがくても、約束だけは守るつもりだったんだ。本気でね」
聖母姫「・・・騎士様・・・」
騎士王「でも…魔王討伐に向かう途中…魔物の群れに出くわして・・・」
騎士王「…仲間が・・・分散していて、うまく戦えずに、追い詰められて。…錯乱状態で、隊の仲間まで一緒に…」
聖母姫「・・・ッ それ、は・・・!」
騎士王「とてもじゃないけど、このまま天使の側には帰れないと思ったんだ。でも他に行くべき場所もなくて・・・」
聖母姫「・・・騎士様・・・」
騎士王「でも…そっか。全部わかった。ようやく、繋がった」
騎士王「どうして・・・2度目の初めても、3度目の初めても、姫ちゃんを一目見ただけでこんなに好きになるのか・・・」
騎士王「これで……ようやく、繋がったんだ・・・」グラ
バターン
聖母姫「!?」
聖母姫「だ、大丈夫ですか!? しっかりしてください!」
聖母姫「ま、まさかまた・・・昏睡状態に・・・!? いやです、騎士様・・・、騎士王様!?」
ブンッ・・・
パ
魔王「そいつなら大丈夫だ」
聖母姫「魔王様! 騎士様が・・・!!」
魔王「城から水晶で見ていた。安心しろ。・・・大きな精神的ダメージの封印が解禁されて、一時的に負担が高まっているのだろう」
魔王「さしずめ、脳の記憶の整理のために、また睡眠状態に入ったというところだ」
聖母姫「大丈夫・・・なんですか?」
魔王「昏睡は昏睡だろうが、以前よりは確実によくなっているはずだ」
聖母姫「・・・あの・・・今までの人格は・・・騎士様・・・ですよね? 騎士様が・・・新しく人格として定着してしまったのですか?」
魔王「・・・ふむ。あの人格がもつ記憶の経験時点でいえば、騎士ということになるな」
聖母姫「・・・経験時点?」
魔王「自己防衛の為に封印していた記憶が、前後の記憶を分断させていたんだ」
魔王「ずっと姫のそばにいたかった騎士の記憶」
魔王「・・・『それを不可能にさせ、自殺にまで追い込んだ大失態』の記憶」
魔王「俺に創生されて、1から生まれ変わってからの側近としての記憶」
魔王「『姫の下に帰る』という目的が擬似的にでも達成されることで・・・中間の封印された記憶が受け入れられるようになり、ようやく側近としての記憶まで、一つに繋がったのだろう」
聖母姫「・・・騎士様と、騎士王様は・・・同じ魂なだけで、別人格だったはずでは・・・?」
魔王「俺もそう思っていたがな」フン
魔王「・・・側近の肉体は、元々俺が創った魔物のカラダ。親からの遺伝や、別の魂からの影響などを持たないただの『外観』だ」
魔王「元々、魔物は生前の魂に影響を受けて創生されるものではあるのだが・・・」
魔王「これだけ元の意識体の記憶を残した魂なんだ、もはや肉体を移し変えられるというか、生まれ変わるというか・・・」
魔王「ざっくり言うと、『強くてニューゲーム』状態になってたんだな・・・」ハァ
聖母姫「では・・・騎士さまと騎士王さまは・・・?」
魔王「肉体は別、成長過程も別。・・・だが、その魂も意識体も、間違いなく『同一人物』だろうな」
聖母姫「・・・では、先程まで一緒に居た騎士様とは・・・」
魔王「騎士として生育してきた場合の、アイツ自身だな」
聖母姫「私の知ってる騎士王様は・・・?」
魔王「魔物として俺に生み出された場合の、騎士自身だな」
聖母姫「・・・」
魔王「ちなみに今そこで寝てるのは、両方の記憶をつなげて持ってるんだろうな」
聖母姫「臨死体験どころじゃないですね、それ。完全に死んだ記憶があるとか、怖くて人間として必要な理性が飛びそうです」
魔王「俺も、二度と勇者の魂を使って創生しないように、法を作っておこうと思う」
聖母姫「では・・・今までのは結局・・・本来あるべき騎士王様自身の暴走ってことなんですか・・・?」
魔王「・・・頭が痛いから、その結論をださないでくれ」ハァ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
聖母姫「騎士王様は・・・また、昏睡してしまうのですか・・・?」
魔王「さあな。その時はまた、一番負担の高い魂から、ストレスを昇華させねばならないのだろうが」
聖母姫「目覚めたら…どうなりますか?」
魔王「…少なくとも、目覚めるのならば昏睡する前以上には精神が安定したと言うことだ」
聖母姫「・・・・・騎士王様を、王城にお連れします」
魔王「いや、触れるな、放っておけ」
聖母姫「?」
魔王「・・・以前、側近と話したときの仮説なのだが。こいつは勇者の能力で、大地から聖気や魔力を吸収する可能性があるんだ」
聖母姫「・・・そうなのですか?」
魔王「いま、こいつは気も魔力もすっからかんなはずだからな」
魔王「うまく吸収すれば、正しい量の魔力と聖気が付いて、精神の安定を大きく助けるだろう」
魔王「…倒れてもなお立ち上がるという伝説の…『勇者の蘇生能力』の正体は、聖気による自然回復能力だったんだろうな」パチン
モワモワモワモワ・・・
聖母姫「魔王様、何を・・・」
魔王「簡易テントで屋根だけ創った。さすがに気付くまでには日を要するかもしれん。こいつは俺が様子をみる、聖母姫は城に戻れ」
聖母姫「…ですが、騎士王様を置いたままなど…」
魔王「早く帰れ。…俺も城へ戻る。倒れた后を置いてきたままだ」
聖母姫「お后様が…?」
魔王「先程、城にもどった時に傷の手当を買ってでてな。だがあいつの思っていたより怪我が深かったらしい。
自分のせいでと興奮しはじめて倒れたので、少し眠らせている」
聖母姫「それは…私がわがままを言って、無理に室内にとどまったせいです…結界を張ってくださったのに、お后様に申し訳ないことをしました・・・」
魔王「…。望んだのは后だ。俺は何も咎めたりしない」パチン
モワモワモワ・・・ バシュッ
聖母姫「魔王様…? このおうちは…?」
魔王「どうせコイツから離れる気はないのだろう。おまえを説得する時間が惜しい。だが聖母姫を助けるのがあいつの願いだからな…」ハァ
魔王「ただの小屋だが、ないよりはマシだ。せめてこの中で待つくらいに留めておけ」
聖母姫「ですが、騎士王様が地に伏されているというのに…」
魔王「…先程、聞き分けのないことを反省したように聞こえたが、嘘なのか」
聖母姫「っ! ……わかりました。ありがとうございます、魔王様。使わせていただきます…」
魔王「それでよい。俺は急ぐ。…ワガママならば、ソイツが目覚めてからソイツに言うんだな」
ブン・・・
聖母姫「騎士王様…どうか、必ず目を醒ましてくださいね…」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
------------------
今日はここで投下を終了します。
次に投下するときは、一気に最後まで持って行きますので
あと、もう少しだけ お付き合いください。
あ、いやいや公私なの分かってて二重っていったんだ、まぎらわしくてすまん
伝わってるから気にしないで
つかカッコよくしてやってw
>>608
聖母姫「き、騎士王様はカッコイイですよ! 王様モードはいってる時とか魔王様にも負けてません! むしろ勝ちます!!」
騎士王「なになに? 姫ちゃん何してんの?」ヒョイ
聖母姫「ちょうどいい所に! 騎士王様、ちょっとカッコよくなってください!」
騎士王「ガーン!! 俺、出会い頭に指摘されるほどかっこわるい!? うわぁぁぁぁんっ!!」ダダダダダダ!
聖母姫「あっ………失敗しました」ショボーン
-----<白薔薇の庭園>-----
騎士王「あぁ…姫ちゃんに貶められた…」トボトボ
騎士王「しゃーねー…またアレやるかぁ…」ハァ
-----<練兵場>-----
騎士王「全員集合!四人一組で計20班、抜剣次第まとめてかかってこい。ルール無用で制限20分、無装備で避ける俺に一本いれた組にドラゴンを支給する!」キリッ
チャキン、チャキン! ジャキッ、ジャッ!、スチャチャ!!
騎士王「本気で、来い」ジッ
(20分後)
騎士王「やっぱ走ると少しスッキリするな。モヤモヤ解消に一番だ。しかしドラゴンの乗り手がなかなかきまんねーなー…どうすっか」スタスタ
一般兵(((…また勝てなかった!! みんな王様相手でも抜剣に躊躇なくなってるし!)))ゼェゼェ・・・ハァハァ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
騎士王はこうしてストレスと欲求不満を解消しつつ、兵を鍛えてます。
忘れがちですが騎士王はかなり強いです。一般兵とか全然レベル違うのに何故かカッコよくならないけどw
では、最終投下を↓からはじめます。
------------------
<魔王城 魔王の自室>
后「………あ」
目を覚ますと、魔王様の腕の中。
窓枠から漏れる、薄い青が、明け方の時刻を教えている。
后(……そうだ。魔王様のお怪我…!)
自分が眠り込んだ原因を思い出す。
結界を破こうとする騎士王様をとめるために、魔王様自らが…
視線をずらすと、私が頭を乗せているその腕に包帯をみつけた。
慌てて体を起こし、怪我の具合を悪くさせなかったか確かめようとする。
するとすぐ、眠ったままの魔王様が手を伸ばし、私を元の位置へと誘導してきた。
私を腕の中に収める途中、僅かに傷口に私の頭が触れる。
一瞬、僅かに眉をひそめたけれど、抱きしめたままの姿勢を崩そうとはしない。
痛みを与えないよう魔王様の胸に重心を寄せると、また規則的な呼吸を繰り返しはじめた。
ここしばらくの間で、急にすっかり定位置を決めた寝姿。
怪我の痛みなどどうでもいいのだというように、私を抱いて離そうとしない寝姿。
温かな腕と、小さすぎる心音が私を包んでくれている。
五感の全てを使わせて、私に幸せを届けてくれている。
毎日が幸せ。
生きられるはずのない時を生きてきた幸せ。
やれることはなんでもやってきた幸せ。
最愛の方の側でそれだけ過ごしてこれた幸せ。
最愛の方の、伴侶となれた幸せ。
それらがあまりにも溜まりすぎて溢れている。
溢れていく幸せに溺れているなど、私はどれだけ贅沢なのでしょう。
200年以上もの時間を過ごしたこの城で
私は静かに静かに沈んでいく。
最初に、それに気が付いたのは魔王様でした。
魔獣の姿の時、意識をしないと漏れだしてくる瘴気。
私の中に入り込んだそれを舐めとることで、私の気配や感情が読み取れるのだそうです。
それを日常的に繰り返している内に、
魔王様は私自身ですら気が付かなかった体調不良や…気配の薄弱化すらをも、読み取りました。
気配の薄弱。
それはつまり魂の劣化を表しているのだそうです。
200年以上の時を生きた、
普通の人間の魂。
それはあまりに長く同じ肉体に留まり続ける事で…劣化してしまったのだろうと。
それから、200年分の記憶や経験を突然保持するようになった、
普通の人間の身体。
それも、脳の処理能力不足により…機能が停止しつつあるのだと。
女神の力が、いまの私の崩壊を留めてくれている。
女神と神に注がれたこの“幸運”は、死に行く人の命を留めるために、逆巻く水のようにどんどんと使われていく。
その奇跡の力が尽きたとき、私もまた尽きるのでしょう。 持って、数年。
魔王様は、魔物の私が人間に戻ったとしても、人間としての寿命程度は生きられると思っていたそうです。
…魔王様はわかること、調べたこと、予想できることを全て私に教えてくださいました。
そのあとで、すまない、と。
私の身体を強く抱き締めて…一言だけ、仰りました。
翌日になって、魔王様は神気の補充を私に提案しました。
ですが、望まないと私が答えると、それ以上には仰らないでいてくれました。
私の指に輝く、残酷な呪縛。
それは私ではなく、魔王様を捕らえてしまっている。
ですがきっと、本当は魔王様もわかっているのでしょう。
勇者や、王国と争わなくなったこの世界で…どれだけの期間を魔王様が生きる事になるか。
過去には数千年生きた魔王もいるという、その寿命。
人の身で…神気に頼り、神に頼み、最期まで付き添うことなど…元々、不可能なのだと。
魔王様はそれ以来
外出と偽り、公務を人に任せ、多くの時間を魔獣として私の側にいてくださるようになった。
じゃれて甘えあい、寄り添い、癒しあう蕩けた時間。
そのような日常の中でも、定期的に私の気配を確認せずにはいられない魔王様。
夜になると帰城したふりで元のお姿に戻り、私を抱き締めて眠る。
…夜毎、そうしていなければ、眠ることもできぬようになった魔王様。
私が居なくなってから、魔王様は一体どれだけの時を、どのように刻むのか。
今の私にはそれだけが気掛かりです。
后「魔王様…私は最期に、何をして差し上げられますか…?」ギュ・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
------------------
<2日後 魔王城 黒百合の庭園より、手前の広場>
魔王「ふむ。…魂を見ると、未だ情報は乱れているようだな。かなりマシにはなっているが…」
聖母姫「あれから、時々うなされることもありましたが・・・ずっと、眠ったままでした」
魔王「他の人格は手付かずのままだし、仕方ないだろう」
魔王「だが、この魂の乱れが勇者としての能力を妨げ、聖気の回収を阻んでいるのかもしれん」
聖母姫「…そんな」
魔王「まったく、厄介な事をしてくれるな、2000年前の勇者は…」
魔王「聖気…生気。まさに活力か。なにか助長させることができればよいが…」フム
后「騎士王様でしたら、姫様との仲の進展が一番の活力でしょうね」クス
魔王「『目覚めのキス』でもしろと? 后は童話の読みすぎだな」ハァ
后「騎士王様は、いつだって愛の力を信じていらっしゃいましたよ」クスクス
魔王「では、愛の力など有り得ないと証明してやろうか。どちらに転がろうと損は無い。…聖母姫」
聖母姫「え…っ、その、私が…キスをすればよいのですか?」
魔王「試しにな。何、寝ているのだから本人にはわからんさ」
聖母姫「……で…では…」
スッ…
聖母姫「…騎士王様…」
聖母姫「…」チュ
チュ…ムチュ…チュー、クチュ…
后(なんと濃厚な// 目覚めのキスというより、まるきり襲っているように見えます//)ドキドキ
魔王(あー、騎士に習ったのか…。アレで婚前交渉は無しとか、ハニートラップすぎるな…)ウーム
チュパ…ツー…
聖母姫「ん…騎士王様…起きて…」
騎士王「…」
聖母姫「…騎士王様…。やっぱりだめなのですか…?」
騎士王「……ぁ」ボー
聖母姫「…騎士王様…?」
騎士王「…なんかすごいいい夢みた気が……続き…。うん、もっかい寝なきゃ…」ゴロン
魔王(愛の力じゃなく、馬鹿の力が証明されたな…)ハァ
聖母姫「ま、まってまって!まってください!? 起きて!」
騎士王「だいじょうぶ…いまいくよー」ウトウト
聖母姫「騎士王様!! 私はここにいます!!」
騎士王「!」パチ
騎士王「あ、あれ? 姫ちゃん? 本物? 夢?」キョロキョロ
ギュ・・・
聖母姫「良かった…目が醒めて…」ポロ
騎士王「ちょ、何? どこまで夢? どうなってんの?」
聖母姫「夢にしないでください…。ちゃんと起きてください…」ポロポロ・・・
騎士王「え…」
騎士王「…ごめん…もしかしてなんか迷惑かけた…?」
聖母姫「覚えて…ないのですか?」
騎士王「…なんか、ずいぶん長い事…いろんな夢みてたわ…」
聖母姫「……」ポロポロ
騎士王「最悪なことばっか続くような…いや、まぁ最後の方の夢はすごく楽しかったけど」
聖母姫「…ふふ。夢ではありませんでしたよ」
騎士王「なんだ、夢じゃなかったのか… って、え? 夢じゃない?」
聖母姫「散々、口説かれました。これでは浮気だと思い、随分と苛まれました…」
騎士王「う、うわ…ごめっ。でもあれは夢の中の事で勝手に… って何これ、夢遊病か、俺?」
魔王「夢遊病患者に刺されるとか、たまったもんじゃない」ハァ
騎士王「…あ、魔王。 …あれ、それももしかしてマジで…」
魔王「刺されたな。散々、俺を邪魔者扱いしやがって」
騎士王「俺の意思ではなかったとだけ言わせてくれ、ずいぶん昔の夢を見てた気がしてるんだ…」ズーン
聖母姫「…どうして、倒れるまで…何も言ってくださらなかったのですかっ?」
騎士王「倒れた…んだっけ。そっか…式典の演説中だったな…ごめん」
騎士王「…俺、あの後どうなったの…?」
魔王「身体を死に至らせるだけの精神的ダメージを持つ『騎士の記憶』。他にもあるようだが、おまえはそれらの影響を受けて昏睡していた」
騎士王「騎士…か。俺の前世。確かに、俺自身のように思ってはいたけど…」
騎士王「その割には、ソイツの最期をはっきりとは思い出せなかったんだよな…」ハァ
魔王「自己防衛だな。自殺者の感情は強く魂に刻まれる。精神的ダメージだけで肉体を死に追いやるほどの記憶だったのだろう」
騎士王「……。うん。キツかったな。日に日に、記憶がいろいろ蘇り始めて…すごくリアルで、段々怖くなって…」
騎士王「自分が・・・自分じゃないような気がしてきて」
騎士王「このままじゃいけないと思って…一人で、ひとつひとつの記憶に向き合おうとしたんだ」
聖母姫「…それで、あのような不審行動を…?」
騎士王「向き合おうとすればするほど…次々に記憶がでてきて。キリがなくて…やめたくても、止まらなくなって…」
騎士王「騎士のあの記憶が蘇ったときには…俺は死ぬべきだと思った」
后「騎士王様…では、塔から落ちたのは本当に自殺を…?」
騎士王「…ごめん。記憶が蘇ってるとき、本当に自分がソイツになるような感覚があって…混同しちゃうんだ」
聖母姫「バルコニーで…泣いていたのは…?」
騎士王「騎士の記憶が…魔王討伐の出兵式の記憶がよぎって」
騎士王「あの時もみんなが期待して集まってくれて、挨拶して出発したんだ。…でも、その後どうなるか知ってて…それを思い出したら…」ハァ
聖母姫「辛いときには、独りで抱え込まないでください…私はそんなに頼りないですか…?」
騎士王「…ごめん。姫ちゃんには、弱ってるとこ見せたくなかったんだ」
聖母姫「ふふ、騎士様と同じですね。私の前だからって、カッコつけたりしなくてもいいのに…」
騎士王「なんだろ。騎士の記憶が、本当に自分が過去に体験した記憶みたいに感じる。一気に年を取った気分だ」
魔王「同じ意識体だ。時系列で脳が整理したら、そうなるだろうな」
騎士王「やばいな…。騎士のイメージ崩れた上に、悟り開けそうな過去がいろいろ思い出せる…」
騎士王「記憶喪失者が記憶を取り戻すときって、こんな感じなのかな」ハァ
聖母姫「悟りそうな騎士様の過去って、どんなものですか?」
騎士王「…騎士になる前の記憶がいろいろヒドい。姫に出会って180度人生かわったレベル」ドンヨリ
聖母姫(すごく聞きたい)
后(とても知りたいです)
騎士王「そんな顔されても絶対言わない。既に俺の過去みたいなもんなんだ…ほんとごめん姫ちゃん」ハァ
聖母姫「謝られるような過去って一体…怖くて聞けなくなりました…」
魔王「…それにしても謝ってばかりだな」
騎士王「なんか…前みたいに、思い出したソイツになるような感覚は無いんだけどさ」
騎士王「相変わらず、ボーっとすると騎士だけじゃない他の記憶もでてきて…なんか、謝りたくなる」
魔王「…立ち直ったのか、立ち直ってないのかわからんな。全く情けない奴だ」
騎士王「はは。そだな。ちょっとこれは情けないわ」
聖母姫「騎士王様…。騎士王様は、騎士王さまですよ。元気だしてください」
騎士王「やばいなー。姫に励まされる騎士とか、かっこわるすぎるなー」ハハ…
魔王「ふむ。騎士以前に、お前は勇者だったはずだけどな。もういっそ全部、肩書きを捨てたらどうだ?」
騎士王「ひでえな。俺に何が残るんだよ、ソレ。名前まで無くなるわ」
魔王「ふん。その時はまた、軽男とでも呼んでやるさ」
騎士王「ふざけんな、懐かしい名前だしやがって。絶対ヤだね」
聖母姫「何ですか、その『軽男』って?」
后「騎士王様は以前、創生されてから側近になるまでの間で、魔王様にそう呼ばれていたのです」
聖母姫「そうでしたか…ですが、なんで軽男?」
魔王「ノリも口調も態度も動きも、何もかもが軽いだけの男だったから」
魔王「今なら『存在も軽い』ってことでますます丁度いいんじゃないか?」ククク
騎士王「魔王、あんまふざけんな。殴るぞ」
魔王「やれるもんなら。軽男の時は本気でやってようやく一本。その後、俺に吹き飛ばされて昏倒してたな」
騎士王「…今の俺には騎士として散々鍛えた体験記憶もあんだ、ナメんなよ」イラ
魔王「確かに騎士の跳躍は見事だったがな。おまえのせいで逆に鈍ってるんじゃないか?」クク
聖母姫「魔王様…騎士王様が弱ってると思って、容赦ないですね」
后「刺されたり馬鹿にされたりした恨みがジワジワでてますね。あれでも優しくしてるつもりですよきっと」
騎士王「優しくしてんのは俺だっつの、つけあがりやがって。関わってらんねーな」フイ
魔王「関わられてたまるか。・・・そうだな、いっそ聖母姫も、もうコイツなど見限ったらどうだ?」
騎士王「あ?」イラ
聖母姫「え、あの、流れが読めませんが・・・」
魔王「こんな情けない男なんかの所で一生過ごしたってつまらんだろう」
騎士王「てめ、何を・・・」イライラ
魔王「なんなら魔王城にきてもいいぞ、后もいるしな」
騎士王「」プッチン
聖母姫「え、あー、いや、その…。お誘いはうれしいですが…」
騎士王「姫ちゃん、マジでやめとけ」
魔王「お前のトコにいるよりはマシだと思うがな」
騎士王「何処が」
騎士王「こんな変態スライムつくるわ、色情狂リリス隠し持ってたわ、清掃にくるメイドちゃんの様子を隠れてみてるわ、隠し部屋に大量に貯めこんだsy 魔王「死ね」 」 チャキ
騎士王「…あ」
魔王「…なかなかいい覚悟じゃないか…」プルプルプルプル
騎士王「しまった。ついバラしてしまった」
后「……魔王さま。…今のお話は…」
魔王「死ね今すぐ死んで詫びて後悔しながら焼かれ尽くして骨まで残さず熔けて塵屑のように散り飛べ、いいな?」ピキピキ
騎士王「…いやー、ご、ごめんってっ。てへ?」
魔王「赦されると思うな、斬る!」ザクッ
騎士王「あっぶねーな! 何しやがる!!」
魔王「お前に容赦する必要性は無いし、あったとしてもするつもりは無い!!」ザンッ、バシュゥゥゥッ!
騎士王「ちょっ、まじかよ!」シュタンッ
魔王「飛び散るまで潰してやる」ブンッ!
ビュォォォォォォォオ!!
騎士王「!? やめろ、魔力投げんな、範囲攻撃は危ない!!」
聖母姫「…余程、隠しておきたかったんでしょうね…魔王様」
后「騎士王さまの口ぶりからして、他にも続きがありそうですけどね」ハァ
騎士王「ちょ、たんま! タイムだ魔王!」シュタン! シュタタッ!
魔王「生かしておけるか」ダンッ
ジャキキキキン!
バシュッ!
魔王「その足から塞いでやる」パチン
モワモワモワモワ・・・
バシュゥゥゥ!!
騎士王「! か、囲い!? また跳びにくいものを…」
魔王「逃げられると、余分な被害が出るからな」ギロリ
騎士王「ま、マジでキれてる…?」
后「…諦めて、真面目に対抗してください。死んでしまいます」
騎士王「くっそ、なんでこんな…」
后「それは『変態スライム』あたりからの発言のせいですね」
騎士王「自爆体質が悔しい!!」
魔王「肩書きも存在も記憶も後悔も、俺がいますぐ消してやるよ…」ゴゴゴゴゴ
聖母姫「…か、壁のせいで、ここが闘技場のように見えてきました」
后「魔王vs勇者の正しい構図ですね。これはかなり貴重ですよ」
騎士王「…やばい魔王の気配が、シャレにならない殺気を放っているんだけど…これはリアルに殺されるかも…!?」
后「…タヲルでもなげましょうか?」
騎士王「…いやー。ここまできたら、倒すか倒されるかだなー…」チャキン…
聖母姫「大丈夫なんですか!?」
騎士王「まぁ・・・どうせいつかは一回倒しとかなきゃ、姫ちゃんと結婚もできないし…ね!!」ダンッ
魔王「!」
ガキン!
シュババババ! バシュッ!
ガガシャーーーン! ドドド!
<クチまで軽い馬鹿は死ね! ガシャシャーン!
<俺はもう生きるって決めたんだよ! シュタタン! バシュバシュッ!
<男なら初志貫徹だ! モワモワモワ! バシュバシュバシュ!!
<ふざけんな!そんな後ろ向きな初志貫徹があるか! ヒュンッ!ザクゥゥゥ!
<元々俺の進行方向が後ろなんだ!魔王だからな! ブワッ、ビュォォォォ!
<わけわかんねーこというな!変態! スタタン! ズザザァァァァァ!
<お前に俺を分かられてたまるか! ブン! ガキン!!
聖母姫「・・・み、見えない速さで、罵声と破壊音だけが響いています!!」
后「これはすごいですね。どちらも本気の状態だと、ここまでのお力が出せるとは…」
<変態ストーカー魔王! ジャキン! シュタッ
<陰湿ネガティブ勇者! スチャッ! バシュッ
聖母姫「罵声の内容が、行動に対してひどく低レベルなのに関してはつっこまないんですか?」
后「……いつもどおりですよ」クス
聖母姫「うーん…確かにいつも通り…喧嘩と戦争くらいの武力程度差を除けば…」
幼天神「なんか、おもしろそうなことしてるね?」ヒョイ
后「勇者VS魔王戦ですね… って、え?」
幼天神「遊びにきたら、魔王城にへんな囲いがあったから、転移で入ってきちゃった♪」
聖母姫「幼天神くん…本当に神出鬼没ですね」
幼天神「神だからねー♪」
聖母姫「…結構あぶないですよ、ココ。幼天神くんじゃ、ここぞとばかりに巻き込まれるリスクが…」
幼天神「いやいや、むしろチャンスだよ。あんだけ戦闘に夢中になってて僕にも気付いてないもの」ニコ
后「…まさか…また貴方は・・・」
聖母姫「わざわざ、私たちに変なことするために…こんなとこまで…?」
幼天神「母親も人妻も大好物だからね!!」ムギュゥ!
<ひゃ、きゃぁっ!//
<やぁんっ!//
魔王「っ、后!?」
騎士王「幼天神!?」
魔王「ちっ、先にあいつを…」クルッ
騎士王「俺の専売特許は一刀両断! おまえらまとめて倒してやる!」シュタタン!
シュババッ!
魔王「!? ぐぅっ!」
幼天神「やb」 パァァァァァ! パッ
スタン…
騎士王「…あれ、おもいっきり本気の斬撃、魔王の背後から入っちゃった…?」
魔王「」 バッタリ
后「ま、魔王様!? ご無事ですか!?」タタタタ…
聖母姫「幼天神くんは、距離があった分逃げちゃいましたね…何しに来たんだか・・・」ハァ
騎士王「……なんだこれ、魔王の負けになるのか? また無効試合?」
聖母姫「まぁ…状況はイーブンでしたし…魔王様が気を取られたのが敗因でいいんじゃないかと…」
騎士王「魔王にとって、后ちゃんってアキレス腱すぎるだろ…」ハァ
ドサッ、ゴロン…
騎士王「なんか、勝ったけど…勝負のきっかけから、勝敗の決め手まで情けないっつーか…」
聖母姫「…クス。気分はどうですか?」
騎士王「つかれた! っと、その前に…后ちゃん! 魔王の様子どお!?」
后「…傷は入ってません。恐らく直前で瘴気を盾にしたのでしょう…衝撃で目を眩ませているだけかと」
騎士王「おお…本気でやっても死なないとか、さすが魔王だな…」
后「…あの、今の内に、変態スライムと覗き見と隠し扉についておしえていただけると…」
騎士王「何その再戦申し込み。教えたら終わりだよね。次こそ死ねっていってるようなもんだからね?」
后「………」
騎士王「そんな目でみつめないで!? さすがに次も勝つ自信はない!!」
聖母姫「…いつもの騎士王さまだ…」
騎士王「え?」
聖母姫「ずっと…最近はずっと、遠くに行っちゃったみたいだったから…」グス
騎士王「あー…。ごめんね、心配かけまくったよね…」ナデナデ
聖母姫「ううん、もういいんですっ! ちゃんと騎士王様に戻ってくれたなら!」
騎士王「魔王とひっさびさにフルパワーであばれたら、すっきりしたわ。やっぱ俺、屋外戦闘だと力出るのかも」
聖母姫「勇者の能力ってやつですか?」
騎士王「そう、みたいだね。魔王が魔王城で瘴気あつめるのと同じだって、魔王が言ってた」
騎士王「なー、魔王? そろそろ起きてるだろ?」
魔王「…あぁクソ。あの馬鹿天神さえ来なければ勝ってたのに…」ノソ…
后「魔王様…もうすこし、横になったままでいてください」
騎士王「ケケ。俺の勝ち」
魔王「……おまえ、記憶とかハッキリ戻ったのに…その身体の存在意義は思い出さないのか?」
騎士王「え? ああ、そういやわかんないままだったな」
魔王「……」
騎士王「でもなー、感じろっていわれても、わっかんねえんだよな。何なんだよ、俺の存在意義」
魔王「『魔王の暇つぶし相手として俺に従う』だ。意義を失って消えればいいのに」ボソ
騎士王「……」
聖母姫「……な、なんて適当な…というか、勝っても負けても本気で消すつもりだったんですね…」
后(そこまでして隠されるものって何でしょう? 魔王様なら何をしてもされても良いですのに)キョトン
魔王「何故、霧散しない? 肉体が人間に変わりつつあるからか? 勇者の魂に、騎士の強い意志を刻まれているせいか?」
騎士王「しらない…しらないけど…意義の内容に文句もあるけど… 何が一番インパクトあるかっていうと…」
騎士王「俺って…『魔王の暇つぶし相手になりつつ、姫ちゃんのそばにいて守りたい』ってだけで、産まれ変わったのか…?」
魔王「……おお」
聖母姫「……わりと…」
后「そのままですね…」
騎士王「試合に勝って、何かに負けた!?」ガーン
魔王「ああもう、側近うるさい。 帰れ!」
騎士王「帰るよ!」ギュッ
聖母姫「ひゃっ!?」
騎士王「魔王なんか…だいきらいだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
キンッ・・・ パ
魔王「うるさい! 好かれてたまるか!!」
后「もう居ません、魔王様」ハァ
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<王国 王城 城薔薇の庭園>
キンッ… パッ
ストッ
騎士王「……ああもう。やっと帰ってこれた…」ハァ
聖母姫「……クスクス。『側近うるさい!』って、怒ってましたね」
騎士王「まったく魔王はほんと魔王だよな。いつまで側近させてるつもりなんだか。俺、仮にも勇者なのに」
聖母姫「ふふ。ですが魔王様と一緒にいる時の騎士王様が、一番元気がよくて好きです!」
騎士王「そうかな?」
聖母姫「はいっ! 今回も元気でましたし!」
騎士王「…ちぇ。じゃあ姫ちゃんのために、もうしばらくなら『魔王の側近』してやっててもいいかな…」
聖母姫「くす。素直じゃないですね?」
騎士王「まぁ、魔王あるとこに勇者ありってね」
聖母姫「じゃあ、勇者様とお呼びするべきですかね?」
騎士王「まだ6割以上魔物の身体なんだけどね」
聖母姫「いいんですよ。魔物の勇者さまでも。姫の勇者様だから」
騎士王「姫ちゃん…」
聖母姫「はい、なんですか勇者さまっ」
騎士王「んー…。なんかむずがゆいー」
聖母姫「クスクス」
騎士王「ハァ。魔王の側近だし、勇者だし、なんかもうめちゃくちゃだけどさ。姫ちゃん守れるならなんでもいいや」
聖母姫「そのへんは騎士って感じですよね。やっぱり騎士王様のままがいいかなー?」
騎士王「そだね。その方が落ち着く。 …まぁでも俺さ、魔王に勝ったんだよね?」
聖母姫「はい。おめでとうございます!」
騎士王「…んじゃあ、さ」
聖母姫「?」
騎士王「…姫ちゃんに初めてあったときのキモチで、言えてなかったことあんだけど、言っていい?」
聖母姫「初めてって、ええと…。はっ! まさか、暗黒微笑のクマの時ですか?!」
騎士王「俺、おまえまるかじりー・・・ってあほか!! こんなときに下ネタださねーよ!」ガバッ
聖母姫「きゃぁっ食べられる!?」
シーン
聖母姫「……」ソー
聖母姫「…って、え? な、なんでひざまづいてるんですか!?」
騎士王「……」
聖母姫「や、やめてください、王様なんですよ!? 一体どうし…
騎士王「…俺、いったよね? 姫ちゃんが産まれたときから知ってるって」
聖母姫「…騎士様の…記憶ですね」
騎士王「俺の記憶だよ。俺が最初に君にあったのは騎士の時だっておもう」
騎士王「…だから、騎士としていいたいんだ。言えなかった事」
聖母姫「騎士王、さま? なにを…」
騎士王「あの日の告白の返事、ちゃんとやり直したいと思ってた」
騎士王「誓うよ。君の為に生きる。俺という剣を…君に託そう」
聖母姫「あ…」
騎士王「………」
聖母姫「…王国の第一王女の名において、姫は汝を騎士とします。命果てるまでその誓いを守りなさい」
騎士王「全て、姫の御為に」
聖母姫「……」
騎士王「…・…っぷ、あはははは!!」
聖母姫「くすくすくす、もう! なにやらせるんですかー!」
アハハハハ…
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
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エンディング 「ふたり」
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<魔王城 黒薔薇の庭園 手前の広場>
后「ふふ、騎士王様、強くなりましたね」ナデナデ
魔王「ただの馬鹿だったのに、ついに俺を倒せるようになったな」ゴロン
后「まさか勇者まで創ってしまうなんて。魔王様はすごいです、本当になんでもできてしまうのですね」
魔王「ああ。これで…創生者は絶対ではないと思える。…少し、肩の荷がおりた気分だ」
后「魔王様…?」
魔王「后。…俺の『わがまま』を、また聞いてくれるか?」
后「はい。なんなりと」
魔王「…子を、産んでほしい」
后「それ…は」
魔王「お前の身体に…どれだけの負担がかかるか…無事に産めるのかもわからない」
魔王「だが俺は…お前のいない世界で独り生き続ける事など…耐えられそうになくてな」
后「魔王様…?」
魔王「人間のお前を愛してしまったときから…覚悟をしていたはずなのに」
魔王「俺が、俺のままでいれば…死んでもまた、お前の魂を見つけて創生して、側に置くことができると思っていた…」
魔王「何百年かかっても、1からまた始められるからと…、永遠に、共にいられると思っていたんだ」
魔王「でも…耐えられない。待てるわけがない」
魔王「今回のことで……お前の魂ではなく…、おまえを離していられないのだと気付いてしまった」
后「……」
魔王「俺の子を成してくれ」
魔王「子を成さねば、俺は死んでもまた俺として復活してしまう。他の誰かとの間に子を作る気はない」
魔王「子を成してその子を魔王に足りるだけ育て…お前も居なくなったときには…俺も、俺を終わらせよう」
后「魔王様!?」
魔王「ここ数日の間、その時に俺を殺せる奴がいなかったらどうしようかと思っていたんだ」
魔王「お前を失えば、俺は我を忘れて世界を壊そうとするかもしれないからな」ククク
魔王「側近がいれば、いざとなれば俺を倒せるだろう」
后「…私が…荷を、負わせてしまっていたのですね。 …私が、人間だから…」
魔王「まぁ、こうして俺が倒れるときは、いつもお前の膝の上に乗っているからよいだろう。俺は重いか?」
后「…はい。とてもとても、心地の良い重さがします。側にいることを実感できて幸せです」
魔王「俺の荷も、同じことだ」
后「…子が生まれたら、膝の上では寝れなくなるかもしれませんね? 場所を取られそうです」クス
魔王「む。どかせばよいのだ、そんなもの。第一、お前に乗っていいのは俺だけのはずだ」
后「クスクス…」ナデナデ
后「はい。私は最期まで、ずっと魔王様だけのものです」
魔王「ああ。后は最期まで、俺から離れてくれるな」
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<王城 白薔薇の庭園>
聖母姫「…これから、忙しくなりますね?」
騎士王「なんで?」
聖母姫「…魔王様に勝ったのに、まだオアズケさせるつもりですか?」クス
騎士王「…あ。そか…結婚…」
聖母姫「私が姫から后になったら、慣れるまではお后様だけ振り向きそうです」クスクス
騎士王「んー…じゃぁ、今のうちから練習しとく?」
聖母姫「え? 練習?」
騎士王「…后、好きだよ」ニコ
聖母姫「は、はずかしいです// でもなんか幸せです!」
騎士王「后、大好き。后、カワイイ。后、ちっちゃい」ナデナデ
聖母姫「もう!//最後のはどっちの意味ですかっ!//」
騎士王「俺の后。優しい后。世界一大切な后」オデコチュー
聖母姫「ちょ、ちょっとまってください!// どうしたんですか!?// なんかもういろいろアウト…」
騎士王「后。 結婚しよう」
聖母姫「う…//」
騎士王「…俺だけの、后になってくれる?」ジッ
聖母姫「…はい。よろしくおねがいします…//」
騎士王「ぃやったぁぁぁーー!!!」ギュゥゥゥゥゥゥ
聖母姫「~~~っ// 騎士王様はなんかいろいろギャップがありすぎます!!// ずるいです!//」
騎士王「そうかー? しっかし、こんどは『后』の一声で、二人共振り返りそうだなー」ハハハ
聖母姫「ふふ、まだまだみんな一緒に居そうですもんね」
騎士王「ああ。俺たちが作る新世界なら大丈夫さ」
聖母姫「はいっ! …あ、白薔薇がいい香り。今年も綺麗に咲きましたねっ!」
騎士王「そうだな、小さな苗木だったのに…、やっぱり育つのは嬉しいよな」
聖母姫「え?」
騎士王「覚えてない? 昔、庭で毒蛇がでてさ。俺…つか、騎士が捌いて」
聖母姫「おぼえてますけど…」
騎士王「でも姫ちゃん、あのあと怖くてしばらく庭に出なくなったんだよな」
聖母姫「え? そう…でしたか?」
騎士王「わすれてるんじゃん」アハハ
聖母姫「蛇を、捌いたのは…おぼえています」
騎士王「あー…ごめんな、嫌な記憶ってやつか」
聖母姫「いえ。怖い記憶なわけではないので…ただ一閃、一瞬の内に行われたそれが、あまりに印象的で…」
騎士王「そか。…この白薔薇はさ、姫ちゃんを外に誘い出すために…騎士だった俺が、植えたんだ」
聖母姫「え?」
騎士王「蛇のとき、白薔薇なかっただろ?」
聖母姫「そう、いえば…」
騎士王「…最後の一苗は、姫ちゃんと一緒に植えたんだよ」
聖母姫「ご、ごめんなさいっ! 私、覚えてなくて…!」
騎士王「うん、いいんだ。…忘れてほしかったから」
聖母姫「な、なんで…ですか?」
騎士王「最後に植えたのは、魔王討伐に行く出発の朝だったから」
騎士王「…俺はそのまま、帰ってこれなかったから」
聖母姫「っ!!」
騎士王「幼い姫が、愛を語ってくれたんだ」
騎士王「永遠の想いを教えてくれたんだ」
騎士王「勇気も希望も全部持たせて、抱きしめてくれたんだ」
騎士王「俺は、もっと早く…ちゃんと応えたかったけど…最後まで口にできそうになかったから…」
スッ
聖母姫「…騎士王様?」
騎士王「この花を、選んだんだよね」
--------------------
<魔王城 黒百合の庭園>
魔王「ああ、黒百合が、揺れているな」
后「そうですね。毎年増えて…ついには黒百合の庭園とまで呼ばれるようになるとは。本当によく育ちました」
魔王「世話を任せていてすまない」
后「いえ。魔王様が大切にするものは、私にとっても大切にしたいものですから」
魔王「ああ。とても大切な庭園だ。…この庭園は、お前に贈るために作ったのだから」
スッ
后「…魔王様?」
魔王「この花の全て、受け取ってくれ」
--------------------
…………………………
……………………………
「この花を、送る意味を知っているか?」
「この花の、花言葉がわかる?」
『いえ…何ですか?』
「”いつか…それが誰だか知らなくとも…また愛し合えるように”」
「”この約束は守る”」
『…それは…、その花を育てたのは…つまり…』
「おまえへの願い」
「君への誓い」
『こんなに…庭園に溢れるほどに…?』
「いつかその日が来ても…きっとまた『魔王』は『お前』を見つけ出すから」
「前は、守れなかったから…今度こそは」
『はい…っ、お願い、します…っ』
「愛している 黒百合の后」
「愛してるよ 白薔薇の后」
『…はいっ私も………』
------------------
エンディング 「ふたり」
Even if not written down, this love will be never-ending story.
I wish xxx all the happiness in the world, With many thanks.
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3部にわたって、お付き合いいただきありがとうございました。
これでこのお話は完結です。
皆様の応援、ご感想などありがとうございました!
何よりもまずありがとうと言いたい
そしてお疲れ様です
皆様、朝から読んでいただきありがとうございました!
このSSではいろいろ挑戦できてよかったと思います。
途中、エロやNTRや鬱もあったのに、最初に注意書きしなかったのは反省。
ありがとうって言ってくれた>>
>>656にはなんか泣かされました。こちらこそありがとう。
そして変なとこで途中送信して今泣きそうですwww
実は今、魔王様達は出てきませんが、天神で一本プロット作ろうとしてます。
何故そこかといわれると微妙ですがwww
個人的に好きなんで最終回にも無理矢理登場w
また投下するようだったら、よろしくお願いします!
あえてそこに行くのかwww
投下あったら喜んで飛んでくるよ
これからも見かけたら追いかけるぜ!
番外編のぶっちゃけトークのネタ使われたの嬉しかったよ
面白かった!天神のも楽しみにしてる
楽しいSSをありがとう、お疲れ様です
乙乙!
落ち着いたのでこっそりレス。
>>659
さっそく投下しましたw
といっても、本編で軽く触れた○○をピックアップしただけなんですが。
さて、誰でしょうね。きっとすぐにわかると思います。
つ 魔王「何故だろう。姫に逆らえる気がしない」
>>660
天神はマジでプロット書き始めてますw
でも時間かかりそうなんで、その前にポチポチ他のあげるかもです。
ありがとうとか、ほんと俺泣くよww ←あれ、騎士王化してしまった
>>661
サンキューです!
乙乙!
>>667 ありがとうございます!
うあ、え? あれ?
なんでsageコメントなのにあがってきたんだこれwと驚きました。
幼女マジック? なんか前にもこんなことがあったような…?
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