勇者「新しく男がパーティーに入ったんだが」(482)

勇者「こいつが入ってきてからメンバーがやけに張り切ってる」

女戦士「でやああああっ!」ガギンッ

女魔法使い「はあっ!」ゴウッ

女僧侶「神よ!癒しを!」パァァ…

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魔獣「ギャオオン!」ブンッ!

勇者「危ない!」ギイン!

勇者「大丈夫か、女戦士!?」ザッ

女戦士「チッ、余計な事すんな!!」チャキッ

男「はっ、そんだけいえりゃあ大丈夫だな」

女戦士「う、うるせえ///」


勇者「…………」

女魔法使い「雷よ!」バババッ!

魔獣「グオオンッ!!」

女魔法使い「そんな、効いてない!?」

男「バカ、もう少し相性を考えろ!!」

女魔法使い「わっ、分かったわ!!」

勇者「奴は炎の性質だ!水系統か冷気系統の魔法を!!」

女魔法使い「……あのさ、そんなの分かってるからさ。知ったかぶりで言わないでくれる?」

勇者「……すいません」

魔獣「ギャオオン!」ゴオオッ!

勇者「ちっ、炎の吐息か!」

男「ううっ……」

女僧侶「ああっ、男!?しっかりして下さい!!」

男「いや……、擦り傷だ。大丈夫だ……」ニコッ

女僧侶「男……」ウルッ

勇者(ホント、炎の吐息にびっくりして転んだ時の擦り傷だけどな)

魔獣「グオンッ!」バババッ!

女戦士「角から放電だと!?」

女魔法使い「危ない、男!!」

男「ちっ!」チャキッ


男「きやがれ!!」



勇者「きやがれ、じゃねえええええ!!とっととよけやがあばばばばば」ビリビリビリ!

勇者「……ゲホッ」コンガリ

女戦士「おいっ、大丈夫か男!?」

男「ああ、大した事ねえよ」

勇者(そりゃ、俺が割って入ったからな!!)

男「……全く、こんな奴くらいでてこずるかね?」ヤレヤレ

女魔法使い「うっ……」

男「仕方ない、ここは一つ手本を見せて――」

女僧侶「男、危ない!!」


ブンッ


男「えっ?」







女僧侶「男、しっかりして下さい!!」

男「……」

女戦士「おいっ!何とかしろよ!お前、僧侶だろ!?」

女僧侶「やってますよ!!」グスッ

女魔法使い「……やだよ、しっかりしてよ、男ぉ……」




男「……うるせーよ」


「「「…………!!!」」」

男「……全く、お前らのせいで……」イツツ…

女魔法使い「あ、動かないで」

男「そういうわけにも……、うっ」ズキッ

女戦士「ほら、もうちょっと横になってろ」ポンポン

男「……ちっ」ポスッ

女戦士「ふふっ」ナデナデ

勇者「おい、男。大丈夫か?」

男「……お前、これを見て大丈夫だと思ってんのかよ?」イラッ

勇者(……魔獣の尻尾をあわやのところで俺がカットして、それにびっくりしてすっ転んだだけじゃねーか)イライラ

勇者「……チッ、なんなんだよお前、一体」ギロッ

男「……どういう態度なんだよ、マジで」ハァ…

勇者「なんだと!!」

女僧侶「やめて下さい勇者!男は怪我してるんですよ!?」

勇者「俺は全身ススだらけの大火傷だけど!?」

女魔法使い「はあ!?何言ってんのアンタ!!アンタ勇者じゃない!?」

勇者「勇者でも痛いもんは痛いんだよ!!」

女戦士「何言ってんだ!?じゃあ勇者なんか辞めて故郷に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってたら?」クスクス

勇者「……!!」ブチ



男「――――やめろ」スクッ


男「……全部俺が悪かった。それでいいだろ?」

勇者(それでも何も、その通りじゃねーか!!)イライラ

女戦士「おい、男……」


男「……何だよ」

女僧侶「貴方はそれで……」

男「良いじゃねーか、誰か悪者になってすむんなら、簡単な事だろ?」ニコッ

女魔法使い「う、うん……///」ポッ



勇者(なんなんだよこの流れ……)イライラ

男「ほら、そろそろ行こうぜ。日がくれちまうしよっ」タタッ

女僧侶「あっ、待って~」タッタッタ


女戦士「……ホント、出来た奴だよ男ってさ」

女魔法使い「そうそう、どっかの名前だけのデクの坊と違ってさ」

勇者「…………」






勇者(……その日、俺はストレス胃炎に悩まされて寝られなかったのは言うまでもない)

今日はここで終わりです。また明日にでも更新出来ればと思います。

では、おつきあいありがとうございました。

再開します。




――――ある王国


男「やっと次の町に着いたか」

女僧侶「疲れましたよ~」

女魔法使い「随分と歩き通したもんね」

女戦士「そんじゃ、早速酒にしよーぜ!」

男「おいおい、まだ昼間だぞ?」

女戦士「いーじゃねーか、たまにはよー」

女魔法使い「そうよね、たまには良いんじゃない?」
男「やれやれ」








勇者「やれやれ、じゃねえよ!!」

女魔法使い「……」

男「……」

女戦士「……は?」



勇者「は?、じゃねえよ!これから俺等はこの国の女王に会いに行くんだよ!酒なんか飲んでる暇はねーんだよ!!」

女魔法使い「いや、だって……」

勇者「だって、じゃねぇ!!」

女戦士「あのな、お前…」ハァ…

勇者「……何」イライラ

男「やめろ、確かに勇者様の言う通りだ。ここは勇者様の言う事を聞いてあげようぜ」

女魔法使い「……まあ、あんたが言うなら」

女戦士「あ~あ、せっかくの気分が台無しだなー」チッ

男「ほら、文句言わないでさ」

女戦士「へいへい」

男「ほら、勇者。さっさとしろよ」

勇者「……ああ」




女僧侶「……ホント、空気が読めませんよね、あなたって」ボソッ

勇者「…………」

――王城、謁見の間


女王「ようこそ参られました、勇者様」

勇者「はっ、我々の様な者に謁見の機会を与えて頂きありがたく存じます」

男「……」

女王「して、我が国にいかように?」

勇者「はっ、この度は我々に魔族討伐に是非ともご助力頂ければと」

女王「ふむ、そうですか」

男「……」

女王「しかし、我等も折から魔族の侵攻を受け苦戦する始末。残念ながら望む様な支援は……」

勇者「いえ、女王に置かれましては、対魔族の同盟を結んで頂ければと」

女王「おお、それは願ってもない申し入れ。是非ともお願い致します」

勇者「ありがとうございます」



男「……ってか、何でこんなに偉そうなんだよ、オバサン?」

勇者「おい、男!何て事を!!」

男「黙ってろ!おい、一応言っとくけどな、俺はお前のためなんかに戦わねーからな!!」

勇者「いい加減にしやがれ、男!!」

男「いや、やめねーよ!大体、そんなとこにふんぞり返っててなんか分かんのかよ!!魔族と戦うみんなの苦しみは理解出来んのかよ!?言ってみろよ!!」

女王「……それは」

男「はっ!答えられねーだろうよ!!いいか、ここにいる貴族連中にも言っといてやる。お前らは俺らにとっちゃ害でしかねーんだよ!魔族以下の存在なんだよ!!」

貴族1「何だと!?」

貴族2「貴様、我等を侮辱するつもりか!!」

男「うるせえ!!」カッ!


男「お前らの中に今俺と戦える奴がいんのかよ!ええっ!!」スチャッ

貴族3「ひっ、剣を……」ブルッ

男「おら、どうした!こえーのかよ!?」

貴族4「じょ、女王……」アワアワ


女王「……おやめなさい」


男「はっ!そういってふんぞり返ってりゃあなんでも上手くいくってか!?どういう神経してんだよあんた!!どうせ魔族との戦いで人が死んでも全然気にしねーんだろ!!」

女王「……!?」

男「なんとか言って――



ガッ!

男「あぅ……」ドサッ

勇者「……申し訳ありません、女王。この者は早速始末致しますので、その首を持ってお許し下さい」

女王「……いえ、それには及びません」

勇者「しかし、それでは……」

女王「いえ、その者を傷つけてはいけません」

勇者「……はぁ」

女王「……その者の言う事も正しいのですから」

――――


男「……ぅ」パチッ

男「……ここは?」ムクッ


「あら、お目覚めかしら?」クスッ

男「……あんた、さっきの」

女王「そうね、一応この国の女王って呼ばれてるわ」フフッ

男「……俺をどうするつもりだ?」ギロッ

女王「そんなに怖い顔しないで。ただ少し貴方とお話ししてみたくて……」

男「……話?」

女王「そう、みんなに奉りあげられてがんじがらめに縛られてる哀れな女の話……」

女戦士「おい勇者!男はどうしたんだよ!?」

勇者「知らねーよ!あんなクズ!」

女僧侶「クズって……」

勇者「あの馬鹿、いきなりファビョりやがって!もし俺がああでも言ってなかったらもっとえらい事に……」ブツブツ

女僧侶「……はぁ」

女魔法使い「で、男はどうしたのよアンタ?」ギロッ

勇者「知らねーってんだろ!?何か女王が介抱したいって連れてったんだよ!人の言う事も無視して!」

女魔法使い「何してんのよあんたは!?」

女戦士「こうしちゃいられねぇ!!」カチャッ

勇者「おい、剣なんか持ってまさか!?」

女魔法使い「取り返しに行くに決まってんでしょ!!」

勇者「やめて!マジで国際問題に!!」

女僧侶「……あなたって、自分の面子のためなら仲間を売れるんですね。見損ないました」

勇者「どうしても行くってんなら―――」ザッ

女戦士「……何だ、ぶち殺されてーのか?」スチャッ

勇者「あの馬鹿とお前らのためにこれ以上事態を悪化させられん」

女僧侶「……どいて下さい」

女魔法使い「どかないってなら……」コォ…




兵士「た、大変です!!」バンッ

勇者「ん?どうした」

兵士「はっ!ま、魔族の大軍が……」

勇者「そうか。行くぞ、話は後だ!」ダッ!












勇者「って、あれええええええ!!!!?」

女戦士「悪いな勇者!」タッタッタ

女僧侶「わたしたちは男さんを助けにいきます!!」タッタッタ

女魔法使い「そっちはよろしくね~」タッタッタ




勇者「お前らあああああああああ!!!!」

――――――


男「……そうか、あんたも大変だったんだな」

女王「ううん、あなたこそ……」

男「知らなかったとは言え、あんな事言っちまって……。ホント、ごめん」

女王「そ、そんな頭を急に下げないでよ!?何だか申し訳ないじゃない……」

女王「……でもね、わたし思うの。みんな確かにわたしの言う事を聞いてくれるわ。でもね、それはわたしを見てるんじゃない、女王という殻を見ているだけなのよ……」

男「……んな事ねーよ」

女王「うそ!みんなそうよ!現にあの勇者だって――――」

男「違う!」

男「……みんな、あんたの事を見ているよ」

女王「!!?馬鹿にしないで!!」

男「少なくとも!!」ガバッ


男「俺はあんた自身を見てるよ……」ギュッ

女王「……男」ギュッ

ヒュルル…


女王「……魔族?」

男「……どうしたんだ?」

女王「ごめんなさい、わたし行かないと……」

男「……行かせねーよ」

女王「……え?」

男「これ以上お前を苦しめたくないんだ……」ギュッ


女王「……男」

………

勇者「……で」

勇者「何で軍が動かせねーんだよ!!」バンッ!

将軍「と言われましても女王の命令がないと……」シドロモドロ

勇者「その女王は何処にいんだよ!?」

親衛隊長「お、恐らく、王宮の中に……」

勇者「だったらさっさと連れてこい!!」バンバンッ!

親衛隊長「は、はあ……」

士官「た、大変です!西門が!!」

勇者「何!?今行く!待ってろ!!」ダッ!

将軍「お、おたっしゃで……」

勇者「働けえええええ!!」

―――

女王「……静かね」

男「……ああ」

女王「……こうしてると魔族との戦いとかまるで嘘みたい……」

男「……そうだな」



~~~~

兵士「に、西門が!?」


勇者「待たせたな!!」ヨッコラセッ

兵士「そ、その武器は!!」

勇者「何だよ」

兵士「じょ、女王の許可なく使えば極刑が!!」

勇者「知るかんなもん!!」

ドンッ!

兵士「あーっ!?」

勇者「極刑よりも目の前の危機を何とかしろ!!首が飛ぶ前に国が無くなるぞ!!」

―――

女王「……ねぇ」

男「……何だよ」

女王「……このまま時が止まればいいのにね」



「なら、止めてやろう。永久にな」





~~~~~~

勇者「くそっ!キリがない!!」

士官「ど、どうします!?」

勇者「……騎兵を五百集めろ」

士官「へ?」

勇者「あこにいるのが敵の将軍だろ?」

士官「あ、随分と本陣が近くにって、まさか!?」

勇者「俺があいつを叩く。その後に騎兵を突撃させろ」

士官「む、無茶です!」

勇者「大丈夫だ!あと、北門に兵を集めて出撃させろ。敵本陣の後ろを取れ」

士官「そ、そんな事が……」

勇者「早くしろ!」


士官「はっ、はひ!」ピューッ

親衛隊長「あ、あと王宮に強力な魔族が……」

勇者「はたらけええええ!!!」

―――――

男「ちっ、魔族か!!」スチャッ

女王「男……」ブルブル

男「……安心しろ、お前に指一本触れさせねーって」


魔族「……愚かな」ビュンッ!

男「ぐっ!」ズサッ

女王「男!?」

魔族「その程度で何が出来る?」

男「……くそ」ググッ…

魔族「では死ね」



「やらせねーよ!!」ガギン!

男「お前は、――――女戦士!?」

女戦士「待たせたな、男!って、何て格好してんだ!!」




~~~~~~

魔将軍「行くぞ、勇者!!」

勇者「うおりゃあああああ!!!」

――――――

女魔法使い「……何してたのよあんたは」

男「いや、なんつーか、その」ポリポリ

女僧侶「あとでたっぷり聞かせてもらいますからね」


魔族「……ふん、少しは骨がありそうか」

女戦士「ちっ、男、女王を連れて逃げろ」

男「んな事出来るわけ「早くしろ!!」

男「……死ぬなよ」

女戦士「死なねーよ」ニィ

女僧侶「さあ、早く!」

男「……行くぞ」

女王「……ご無事でっ」タッ!

魔族「逃がさん!」

女戦士「させるかあああ!!」






~~~~~~~

勇者「魔将軍、討ちとったりいいいい!!」


ワアアアアア!!!



将軍「あ、そろそろ王宮の方にも」

勇者「はたらけえええええ!!!」

―――――

男「大丈夫か!?」ハァハァ

女王「わ、わたしは大丈夫で―――きゃあ!!」

男「何!?」

刺客「……待っていたぞ」ニヤァ…

男「くそっ!」ダッ!



男「でやああああ!!」ギイン!

刺客「ぬるい」ブンッ

男「ぐっ!?」ズザッ

女王「男!?」タタッ

男「く、くそ……」ググッ…

刺客「雑魚が……」ニィ…



女王「っ、お、男に指一本!!」キッ

刺客「……馬鹿が。まあいい、二人もろとも地獄に」


カッ


刺客「――な」


――ズバッ


勇者「……やったか?」シュウゥ…

親衛隊長「や、や、やりましたよ勇者様!」

勇者「落ち着け」


男「……う」ズキッ

女王「……大丈夫?」

男「……ああ、擦り傷だから」

女王「……そう」ホッ



女王「……本当に、バカなんだから……」

――――翌日


大臣「――それでは、昨日の戦いに関して褒賞を与えたく存じます」

女王「まず、女戦士、女僧侶、女魔法使い」

女戦士「はっ」

女魔法使い「はい」

女僧侶「はい」

女王「あなた方三名におかれましては強力な魔族を撃退され、我が命をお救い頂いた事を改めて感謝致します」

女戦士「まっ、いっーて事よ」

女僧侶「ちょっと、女戦士!?」

女魔法使い「すいません、礼儀知らずで……」

女王「いえ」ニコッ

女王「それでは次に、―――男」

男「…………」スッ

女王「貴殿におかれましては我が国の危機をお救い頂き、なんと言えばいいか……」

男「……俺は何もしてねーよ。国を救ったのはこの国のみんなが力を合わせたからだ」

女王「……そうかもしれません。しかし、貴方は紛れもなく英雄なのですよ」

男「……どうだか」

女王「ほら、外をご覧なさい。貴方を呼ぶ声を――――」



ワァァァァァァ……

男「……何か照れ臭いな」ポリポリ

女戦士「なーに言ってんだよ!」

女僧侶「みんなの声援に応えるのも英雄の仕事ですよ?」

男「そ、そうかな?」

女魔法使い「ほら、手を振って―――」


ワァァァァァァ!!

女王「そして勇者」

勇者「はっ」

女王「……何か申し開きはありますか?」

勇者「……へ?」



女王「我が国の法を侵し、軍を動かし兵器まで違法に使用したとなれば極刑は免れませんよ?」

勇者「え、あ、ちょ」

将軍「お、お待ち下さい!!」

女王「……何か」

将軍「ひっ…、じ、自分は勇者に脅されて止むなく軍を!!」

勇者「てんめえええええ!!」

女王「申し開きがないのであれば、これで―――」

男「―――待てよ」

女王「―――はい?」

男「確かに、そいつがやった事は許されねーよ。けどな、そいつなりにみんなを救おうとした結果なんだ。それに、今日はこんなにいい日じゃないか――――」





こうして男はまた一つ英雄としての軌跡を刻んだ。



そして、俺の精神面は暗黒面に+3された事は言うまでもない……。




続く!

今日はここまでです。たくさんのレス、ありがとうございます。大変励みになります。

また、近いうちに更新出来ればと思います。

それではお付きあいありがとうございました。

ちょっとだけ更新です。



――――とある町の廃虚

ヒュウウゥゥゥ……

女僧侶「……ひどい、酷すぎます……」

ガサガサ…

女魔法使い「何だってこんな……」ギュッ…

女戦士「こんなの、あんまりだろ……」バンッ!

勇者「……どうやら町の連中を皆殺しにしやがったみたいだな……」

男「……戦争なんだから仕方ないだろ」

女僧侶「でも、だからって、酷すぎます!こんな、こんなのって……!!」

勇者「……確かに、な。見ろよこの子、いたずら半分に首を引き千切られて殺されてる……」ソッ…

女魔法使い「そんな……!?」

勇者「……可哀想に。こっちのお母さんも酷いもんだ。子供をかばいながらよ……」スッ…

女戦士「やめろ!!」

勇者「……まだ、死体も腐ってない。やられてから大して時間がたってないんだ」

女戦士「じゃあ、あたしらがもう少しだけ早ければ……」グッ…

男「……やめろ」

女僧侶「……ごめんなさい。私たちがもう少し……。私たちのせいで!!」

男「やめろって言ってるだろ!!」

女魔法使い「男……」

男「今、俺達が悲しんでも亡くなった人々は帰ってこない。違うか!?」

女僧侶「でっ、でも!!」

男「それとも何だ、見る人全てを救えるとでも思ってんのか!!」

勇者「お、おい、男……」

男「そんな真似、出来んのはそれこそ神くらいのもんだろうが!!それとも何か、自分がそんなにエラい奴だとでも「いい加減にしろ!!」バキッ!

男「ッ!」ドサッ

女魔法使い「ちょっ、ちょっと……」

女戦士「ゆ、勇者……」

勇者「さっきから聞いてりゃうだうだうだうだと!一番テンパってんのはお前じゃねーか!!」

男「……っ」

勇者「こんな悲惨な現場見たらよ!そりゃ悔しいよ、悲しいよ!……俺は正直情けなさでくじけそうだよ……」グシッ…

勇者「でもよ!悲しいからって、悔しいからって、犠牲になったみんなを悼む女僧侶にあたってどうする!そんなの、自分の感情の捌け口にしてるだけじゃねぇか!!」

男「…………っ」

女戦士「お、おい、勇者。その辺で……」

勇者「けどよ!!」

男「……ざけんなよ」ボソッ

女魔法使い「……えっ」

男「ふざけんなよって言ったんだよ!!」

女魔法使い「……っ」

男「今、俺がどんだけ悔しくて情けない思いしてると思ってんだ!?こんな、こんな悔しい事ってあるか!!」グスッ

男「こんな……、こんなよう……」ウッウッウッ…

女魔法使い「……男」ギュッ…

女僧侶「……泣かないで、男」ソッ…

男「……女僧侶?」グスッ

女僧侶「……貴方は私以上に嘆き悲しみ、苦しんでいたのですね……」キュッ…

男「……女僧侶」

女僧侶「……でも確かに貴方の言う通りです。今嘆き悲しむより再びこのような悲劇を起こさない事が大切なのだと……」ニコ…

男「……女僧侶」

女戦士「じゃあ、そろそろ行くか!そのクソ魔族をブッ倒しによ!!」

女魔法使い「……そうね。まだ連中もそう遠くには行っていないはず。今ならまだ間に合うかもね」

男「そうと決まれば!!」ダッ!

女僧侶「あっ、ちょっと男!?」

男「急げよお前ら!!ぐずぐずしてると置いて行くぞ!!」

女僧侶「まっ、待って下さい~」タタタッ



女戦士「全く、現金なもんだ」クスッ

女魔法使い「まあ、そこが彼の良いところなんだけど」

女戦士「そんじゃ、一つ魔族をブッ殺しにいきますか!!」







勇者「……うん」

――――魔族の城


女戦士「ここが連中の棲みかか?」

女魔法使い「ええ、恐らく違いないわ」

女僧侶「で、でも、随分いっぱいいますし、見張りも……」

勇者「……確かに、一筋縄ではいきそうにないな」

女戦士「んで、どうする?やっぱ中央突破か?」

勇者「やめろ!それでこないだえらい目にあったじゃねーか!?」

女僧侶「で、でも、それで上手くいったじゃありませんか?」

勇者「あんなん結果主義もいいとこだろうが!?たまたま敵の将軍が剛毅で部下思いだったからだろうが!!」

男「でも、だからって敵を見逃した理由にはなんねーだろ?」ギロッ

勇者「あこであいつの首を取ってたらそれこそ生きとられんかったわ!!大体、あいつは落とした町の住民にもえらく慕われてただろうが!!」

男「……そうやってかけた情けがあの悲劇を生んだんじゃねーか」

勇者「……うっ」

男「……俺は違う。俺は何があっても奴らを許さない。そう、例え何があっても――――」ダッ!

女戦士「って、おい!?」

勇者「バカっ、戻れ!!」


男「うおおおおっ!!」ダダダダダッ!

見張り「……何だ奴は!?」

見張り2「まさか、一人でか!!」

男「うおおおおっ!!」

女戦士「しまった、男の奴、見つかったぞ!?」

女魔法使い「こうなったら仕方ないわ。突撃よ!!」タッ!

女僧侶「わ、わかりました!!」
タッ!


女戦士「行くぞおおおお!!!」



勇者「行くなああああ!!」

この男に贈る言葉
力無き正義は無能である
パスカルやアバン先生のありがたいお言葉だ

女戦士「……何でだよ。男の奴がアブねーだろうが」ギロッ

勇者「知るかんなもん!!自業自得だ!!」

女魔法使い「……そういう風にいって何でもかんでも自己責任で済ませちゃうんだ」ジロッ

勇者「自己責任って言うか、自暴自棄に見えるんだけど!?」

女僧侶「あーあ、そんな風に思ってる人と組たくありませんよねー」ハァ…

勇者「あのなあ!!」

女戦士「まあいい。臆病もんはほっといてさっさと男の支援にまわるぞ!!」ダッ

「「おーっ!!」」ダダダッ



勇者「おまえらあああああ!!!!!」

――――――城内



ザシュッ!

魔族「ぐうう……」ドサッ


勇者「こ、これでこのフロアの敵は全滅したな……」ハァハァッ

女戦士「あ、ああ……。これで全部だと思う……」ゼェッゼェッ…

女魔法使い「ま、まさかあんな大軍だったなんて……」グッタリ…

女僧侶「もう歩く気力も……」ヨロッ

ザッ!

魔族2「もらった!」ブンッ

女僧侶「きゃっ!?」

女戦士「しまっ―――」


ドンッ!

魔族2「ぐふっ!?」

男「りゃああっ!」ズバッ!

魔族2「ぎゃああっ!!」ドサッ

女僧侶「お、男さん……」

男「大丈夫か!?」

女僧侶「あ、はい……」

男「たくっ、気をつけろよな!!」ニッ

女僧侶「は、はい」///

男「よし、あと残るは敵の大将のみ!!一気に行くぞ!!」

勇者「ちょっ、その前に休憩を……」ハァハァ…

男「何言ってんだ!?モタモタしてたら敵を逃しちまう!!ついてこれる奴だけついてこい!!」ダッ!

女魔法使い「あっ、ちょっと!?」

女僧侶「ま、待って下さい~」

女戦士「おい、あたしらも行くぞ!!」

勇者「……ああ」





女戦士「しかし、なんてタフなんだ男のヤツ……」

勇者「…………」



勇者(……さっき戦ったのが最初だという事は黙っておこう)

―――城主の間

男「……お前がここの城主か!?」チャキッ!

城主「……随分と早かったじゃないか。全く、例え駒とは言えもうちょっと頑張って欲しかったけど。まあ、所詮下級魔族程度に期待出来ないか」クスクス

男「何だと!?お前、まさか自分の部下を捨て駒に!?」

城主「むしろこのボクのために死ねたんだからさ、感謝してもらわないと」クスクス

男「テメエ!!」

ガギン!

城主「……何?このぬるい一撃は」

男「なっ、何!?」ゾクッ

城主「あのさぁ、せめてこれくらいじゃないと」

ツゥ…

ドンッ!

男「がはぁっ!」ドサッ

城主「あらあら、もうおしまいなのぉ」クスクス

男「……くっ、くそ……」

城主「……つまらない。せめて凝った殺し方にしてあげるよ、間抜けな間抜けな勇者さん」クスクス

男「……うっ」

女魔法使い「男!!」ブンッ

女僧侶「男さん!!」コウッ


ズワッ!!



城主「…………」クスクス

女魔法使い「……そんな!?」

女僧侶「魔法が通じない……!?」

城主「このローブがある限りボクには魔法は無駄だよ」クスクス

女戦士「男!?」

城主「……そして、接近戦でもね!!」ブワッ

女戦士「しまっ……


ギイン!

城主「なにっ!?」

勇者「ぼさっとすんな、女戦士!!」

せめて男が勇者のフォローとか頑張りとかのおかげで自分がなんとかなってるって気付いて
感謝なり反省なりなんなりすればまだ溜飲が下がるんだけど

今んところマジで自分の無能無力さに気付いてないっぽいしなぁ
これがメアリー・スー的な超潜在能力持ちとかで危機の時に都合よく覚醒するとかならまだあきらめもつくけど
男って運とタイミングが良いだけっぽいしな

城主「ぼ、ボクの一撃を……」

勇者「……まずは、人と話す時はその訳の分からん布きれと!」スパッ

城主「ひっ」

勇者「妙ちくりんな仮面をとりやがれえええ!!」ズバッ!

城主「ひぅっ」

カキン!




女戦士「――――な」

女魔法使い「女の子!?」

はい男のハーレムにお一人追加でーす

少女魔族「あ、ああ……」ガタガタ

勇者「……随分とやってくれたな、ええ!!」

少女魔族「!!」ビクッ

女戦士「お、おい、勇者……」

勇者「黙ってろ!!お前のせいで町の人は死んだ!お前のせいでこの城の魔族も無駄な犠牲が出た!!」

少女魔族「そ、それはボクのせいじゃ……」ブルブル


勇者「黙れ!お前、捕まえた人達になにやった!?」

少女魔族「な、なにって、ほんのお遊びで……」オドオド…

勇者「遊びであんな惨い事が出来んのか!!」カッ!

少女魔族「ひっ」

勇者「……生かしといちゃいけないんだよ、こんな奴はよ!!」スパッ!

少女魔族「ひぃっ」

スパッ スパッ スパッ

少女魔族「い、いたい!いたいよおおおおおお!!」

勇者「苦しめ!テメエがやった事の億分の一にも足りないがよ!!」スパッ

少女魔族「いたひいいいいいい!!!!」

少女魔族「……ウッウッウッ」

女僧侶「……酷い」

女魔法使い「……わたしはこんな奴とこれまで旅を……」ギリッ

勇者「……まだまだなぶり足りないが、まだテメエが餓鬼だから最低限の情けはかけてやる」スラッ

少女魔族「……こ、ころすの?ボクを……?」

勇者「当たり前だ」

少女魔族「い」



少女魔族「やだやだやだやだやだやだ!何で殺されなきゃなんないのさ!?」

勇者「……いいよ。うざい。死ね」ヒュッ



ガキッ




勇者「……何で邪魔すんだよ、女戦士」

女戦士「……お前、本当に殺すつもりかよ、こんな餓鬼を」

勇者「……その餓鬼に何人殺された?」

女戦士「……そ、それは」

勇者「……それに、今こいつをここで止めないとまた別の餓鬼がやられちまう」

女戦士「……う」

勇者「……安心しろ、せめて最後は楽に逝かせてやるよ」


少女魔族「ぁ、ぁ、ぁ、だ、れか」ガタガタ

女魔法使い「……」

女僧侶「……神よ」

男「―――そこまでだ、勇者」

勇者「……あ?」

男「俺がこの子を殺させない」

勇者「……へえ」



勇者「……そいつがその先何人殺そうとか?」

男「……違う!未来は決まってない!この子がこの先人を殺すとは限らない!!」

勇者「……いいや、殺すね。そもそもそいつは何が悪いか分かってない。ただの害虫だ。だからこそ、今のうちに処分しなきゃならない」

男「害虫だと!?お前は何も見ていない!!こんな、こんな可愛いくて、真っ直ぐな瞳を!!」

勇者「……はあ?」

勇者「……聞いたか?ご立派な男さんはあの魔族をお助けになるらしい。……けどよ、そんな奴が俺達のパーティに必要か?」

女僧侶「……ええ、確かに不必要ですね」

勇者「だ、そうだ」

男「………っ」

少女魔族「おにいちゃん……」


男「……くっ」










女僧侶「ただし、不必要なのはあなたですけどね、勇者」




勇者「…………へ?」

と、いうところで今日は終わりです。

ご批判や様々なご意見ありがとうございます。

あと少しでおわりますのでもう少しお付きあい頂ければと思います。

それではありがとうございました。

>>193では
>男「……そうやってかけた情けがあの悲劇を生んだんじゃねーか」

>男「……俺は違う。俺は何があっても奴らを許さない。そう、例え何があっても――――」ダッ!

>>220では
>男「俺がこの子を殺させない」

>男「……違う!未来は決まってない!この子がこの先人を殺すとは限らない!!」

>男「害虫だと!?お前は何も見ていない!!こんな、こんな可愛いくて、真っ直ぐな瞳を!!」


スーパーダブスタスケコマシ野郎ここに極まれり
マジぐう畜っていうのはこいつのためにある蔑称だな

ちょっとだけ更新です。








勇者「……ふざけるな」


女僧侶「えっ?」



勇者「ふざけるなふざけるな」

女戦士「あ、おい、勇者……?」










勇者「ふざけるなーーーーーっっっっっ!!!!」

――――――――――――
―――――――――
―――――――
――――――
―――――
――――
―――
――
―…









勇者「って事があったんだよ!!」

神官「……はあ」

魔将「ほう。それで、その後どうした?」

勇者「……そんあとは全員ひっくるめて国のギルドに送り返したんだよ物理的に!!」

神官「そんな、宅急便でもあるまいし……」

勇者「宅急便で送ろうと思ったら、『あ、生物はダメです』って笑顔で断られたんだよ!!」

神官「は、はあ……」

魔勇者「……くだらん」

勇者「大体、あいつらは節操が無さすぎるんだよ!女僧侶は彼氏がいたし女魔法使いには幼なじみの婚約者!女戦士に至ったら、人妻だぞ人妻!!俺が一人寂しく夜に耐え、機会があれば会う機会を作ってやってたのによ!!」

神官「良く手を出しませんでしたなー」

勇者「何回もムラムラしたよ!!あいつら顔とスタイルだけは抜群だったもん!!特に女戦士と女僧侶!!ビキニ鎧に全身タイツとかふざけんじゃねぇ!!」グビグビ

神官「ゆ、勇者殿。あまり飲み過ぎになられては……」

勇者「そもそもだ!あいつら仮にも勇者の従者の末裔だろ!!そいつらが揃いも揃って男の奴に股開いてんじゃねえ!!」ゴクゴク

魔将「ほう、それは初耳だな」ニヤニヤ

勇者「大体だな!男の奴が来てから急にみんな態度変わるんだもん。これまで四人仲良く飯食ってたのがあっという間にぼっち飯だぞ!?一人で女三人も占有しやがってちきしょーめ!!」グビグビ

勇者「大体、俺があいつらの水浴び、風呂、野宿とかでも見張ってやってたのにその裏でズコバコやりまくってたんだぞ!!ああああ、今思い出しても腹がたつ!!」グビグビ

魔将「それで、そのあとどうなったのだ。ん?」

勇者「知らねーよ。あいつら叩き返した後は興味無かったしよ、別に連中から連絡が在るわけでもなかったし」グビッ

勇者「あ、でも女戦士のところはかなり揉めたみたいだったなー」グビグビ

魔将「ほうほう」キランッ

勇者「女戦士ん家は結構な名家だったし旦那も騎士団の隊長だったしよ。ほかの二人もかなり揉めたってのは風の便りで聞いたっけなー」グビグビ

魔将「ふむふむ、それで肝心の男はどうなった?」

勇者「だから知らねーよ。まあ、どっかで女でも垂らしこんでんじゃねーの?」グビグビ

魔勇者「……くだらん」ゴクッ

勇者「……あ?」プハァ

魔勇者「良く良く人間というものはくだらんものだ。貴様さえ篭落しておけば良いものをわざわざくだらん男に熱を上げるのだからな」グビッ

神官「……はあ」

魔将「ほう。何だ魔勇者、ツンデレか?」ニヤニヤ

魔勇者「なっ!?」ブホォッ!

勇者「うわ汚ねえっ」

魔勇者「な、何を言い出すんだ貴様!!」ゲホゲホ!

魔将「ぬわっはっは!男色大いに結構!!それこそ武将のたしなみではないか!!」

魔勇者「な、何を……!」カァァ…

勇者「い、いや、俺ノンケだから、そっちはノーセンキューだから!!」

神官「……そうですか」ショボン

魔勇者「……チッ」

勇者「反応がおかしいぞ既婚者のおっさん!?」

勇者「大体、お前は美人の嫁さん一筋だろうが神官!」

神官「は、はあ」

勇者「それに魔勇者!お前は愛を誓いあった魔王様が待ってるんだろうが!!」

魔勇者「……それはそうだが……」チラッ

勇者「ヒィィィ…」

魔将「うわっはっはっはっ!!我等、幾度かの困難と言う試練の打撃に耐え見事咲かした友情よ!!その花の下にあらゆる艱難辛苦を乗り越え見事、異界の神を討ち倒すという偉業を成し遂げた!!」

魔将「ようやく訪れた平和と、我等の友情、そして魔勇者と我が君の将来を祝っていまいちど杯を交そうではないか!!」

勇者「……そうだな」

魔将「では!我が友、魔勇者と!」

神官「世界の平和!」

魔勇者「我等の友情を祝って――――」



勇者「かんぱーい!!!!」

―――――王都

勇者「おおっ、久しぶりの都だなー」

神官「はい、ようやく帰ってきたという気がしますよー」

魔将「うむ!街にも活気があって結構結構!!」ウワッハッハッ!

何、これもしかして魔王倒した後裏ボスが出てきてそいつを魔界勢力と一緒に倒したって展開?

魔勇者「にしても、えらい活気だ」

ワイワイ、ガヤガヤ…

勇者「ああ、何でも新しい王が立つらしい。それに、魔王もそれを祝いに来てるし、何かえらい発表があるらしいぞ」

神官「だから魔族の方々も大勢いられるのですねー」

勇者「まあ、えらい発表っても何かは大体検討つくけどなー」チラッ

魔勇者「よ、よせ///」テレテレ

魔将「うわっはっはっ!結構結構!!」

勇者「さて、俺らの帰還の式典も明日になるみたいだし、今日はゆっくり休もうぜー」

魔将「うむ、今宵は一つ夜の街にでも繰り出すか!!」

勇者「いいねえー。魔勇者もどうだ?」

魔勇者「……いや」

魔将「そうか、全くお堅い奴だ!!」

勇者「ま、そこまで操を立てられりゃあ魔王も本望じゃねーの?」

魔勇者「よ、よせ///」テレテレ

魔将「うわっはっはっは!可愛い奴よ!!」

神官「あ、じゃあ私はこの辺で……」

勇者「おう!美人のかみさんに宜しくな!!」

魔将「今日は夫婦でたっぷりと楽しむのだぞ!!」

神官「も、もう///」

勇者「そんじゃ、また明日な!」

魔将「明日はかみさん紹介して貰うぞ!!」

神官「は、はーい///」






魔将「……さてと」

勇者「では、いざ行かん!夜の街へ――――」



ガヤガヤガヤ……

―――翌日、王城

勇者「いやー、昨日は飲んだなー」

魔将「うむ!店の中の酒を文字通り飲み干してやったわ!!」

魔勇者「……お前ら、俺が来なかったらまだ飲むつもりだったのか?」

魔将「あたぼうよ!!」

勇者「―と、神官。どうした元気がないぞ?」

神官「そそそそそんな事あり得ませんよあははははははははは」

勇者「動揺しまくってるじゃねーか」

勇者「おっ、そろそろ時間みたいだな」

魔将「うむ、では行くか!」ザッ!








―――式典場

大臣「前へ」

勇者「はっ」ザッ



新王「……勇者よ、今度は実にたい、たい?たいーーー????」

姫「大義、ですよ、あなた」ヒソッ

新王「そうそう、大義であった。その働きはばんせーー????」



魔将「……おい」ヒソッ

勇者「……ああ」





勇者「ってか、何で王になってるんだよ、男ーーーーーーーォ!!!!?」

女運だけでここまで登り詰められるって、最早ある意味才能だなww

そしてその陰で何人の婚約者や彼氏達が犠牲になったのだろうか…

勇者(ってか、大臣よく見りゃ女魔法使いだし!?あそこにいる司教は女僧侶だし!!親衛隊長は女戦士だしいいいいいい!!?)

勇者(ってか、あそこにいるやけにセクシーな女司祭は誰ええええ!!?あのぽっこりお腹はどう見ても妊娠……)チラッ

神官「ギリギリギリギリ」

勇者(神官んんんんんん!!!?)

勇者(あれが神官の奥さん!?確かにセクシーって、妊娠んんんん!!?)


勇者(誰なんだあいつを妊娠させたのは誰なんだーーっ!!?)

女司祭「……では、前へ」

勇者「あ、はい」

勇者(やべーよ、もう全然式典に集中出来ねーよ。ってか、相手誰ええええ!!?)

女司祭「……あ」フラッ

王「おっと」ガシッ

女司祭「あっ……」///

勇者(男ーーーーッ!!!)


王「全く、気をつけなきゃ。もう一人の体じゃないんだし」ニコッ

女司祭「は、はい///」

勇者(はいアウトだよもうなに人の女孕ましてんのもう、って)

神官「ガクガクガゲク」

勇者(神官んんんんんんっ!!!)

勇者(やべーよ神官やべーよあわ噴いて倒れちゃったよ!?)

神官「」ブクブクブクブク

女司祭「では、次へ」

勇者(ガン無視かよおおおおお!!人が倒れてんのにガン無視!?)

女司祭「……衛兵」

衛兵「はっ」

グイッ

タッタッタ…

勇者(神官強制排除かよおおおお!!!)

クーデター起こして王になったんか
んで一夫多妻にでも法改正したんかねぇ

こりゃ魔勇者の愛しの魔王様も寝取られてるな
新勇者パーティーは世界を救うために旅してたんだよな?
亭主の留守中に嫁さん寝取ったわけか
奥さんも「寂しがらせたあなたが悪い」ってか
救えねぇ

女司祭「では、次の式へ――――」

勇者(つーか、何で何事も無かったように進めてんだよこいつはああああ!!やべーよ、もう何やってんのか全然分かんねーよ。誰か、誰かこの状況を教えてくれえええ!?)

神官(……それはですね)

勇者(し、神官!?何で神官の声が聞こえんだよ!?)

神官(……いいじゃないですか。どうせ……、どうせ……)

勇者(よくねーよ!!せめて、何でもいいから教えてええええ)

ん?結局勇者は一人になっても魔王は倒してないの?
なのになんでいきなり異界の神?
よくわからん……誰か教えて……

神官(では、王の即位のいきさつを……)

勇者(何で知ってんだよ!?)

神官(……昨夜妻から、妻からああああああ!!!)

勇者(わ、分かった!分かったから、落ち着いて、ね、ね!?)

神官(……すいません、つい)

神官(……では、かいつまんで経緯を説明しますと、

勇者が彼らと別れたあと、かなり揉めたみたいです。)

勇者(ま、まあ、そうだろうな)

神官(特に女戦士は旦那本人や実家とも揉め、両家の騎士団を巻き込んだ対立になったみたいです)

勇者(魔王討伐が不倫旅行じゃなあ……)

>>323
>>291みたいな感じじゃね?

神官(そのあわや内戦かという騒動の解決を図ったのが王らしいのです)

勇者(どうやって?)

神官(はい、その前に王は女戦士を通じて女王と接触したようでして)

勇者(……まさか)

神官(哀れ旦那騎士団は滅亡の浮き目に……)

勇者(なんじゃそりゃああああああ!!?)

神官(流石に国軍に攻められたらひとたまりもなく、捕えられた旦那は浮気の濡れぎぬを着せられた挙げ句)

勇者(……ゴクッ)

神官(……僻地に左遷させられたみたいです)

つうか出てくる女キャラ碌でなしばっかだなぁ
元からなのか
男に惚れるとイカレるのか

>神官(はい、その前に王は女戦士を通じて女王と接触したようでして)
>勇者(……まさか)
>神官(哀れ旦那騎士団は滅亡の浮き目に……)

人妻寝取って寝取られた夫はコネで潰すとか
最早クズという言葉だけじゃ足りないなww
ここからどうざまぁするのか期待

神官(その他女僧侶や女魔法使いの婚約者や恋人も謎の事件に巻き込まれ哀れ命を……)

勇者(ひでえ)

神官(そうして一躍時の人となった王は女王に押されて将軍に抜擢されたのです)

勇者(酷すぎだろうが!?)

神官(しかし、王に何の経験も無かったため、魔族に攻め込まれたさい、万余の死者を出す大敗を喫し、また王も囚われの身に……)

勇者(役に立たねえな、おい)

神官(しかし、以前魔王の妹を助けていた縁で命を許され逆に魔王軍の先鋒となったのです)

勇者(どういう変わり身!?)

神官(その事に驚いた女王は王女に一軍を与え王の奪回を図ったのです)

勇者(色に狂い過ぎだろ、女王!?)

神官(まあ、王女も王に思いを寄せてたようでして、喜び勇んで出撃したものの哀れ返り討ち。捕まってあわや処刑かというところを王に助けられたそうです)

勇者(……待てよ、王女って隣国の王子と恋仲で婚約中じゃ……)

神官(……そうですよねぇ)


勇者(いやいやいやいや)

魔王の妹ってあいつか
はあはあなるほど
ほんと男に都合の良いようにできてるんだなぁ~

神官(王女が破られた事に驚いた女王は慌てて勇者を呼び戻し、また隣国にも支援を願い出てようやく決戦を行った訳です)

勇者(あー、あの時急に呼び戻されたのはそういう理由だったのね)

神官(かくして、魔族との決戦になった訳ですが)

勇者(あんとき初めて魔将と魔勇者とやりあったんだよなぁ)シミジミ

神官(その後、見事勝利を収めた連合軍でしたが、その際、魔王や王女、王は行方知れず)

勇者(そのせいで追放同然に旅に出されたんだっけ……)

神官(後日、発見された時にはもう……)

勇者(……やっちゃってたの?)

神官(いやあ、恋って恐ろしいですよねえ)

勇者(怖すぎるわ!!)

神官(と、まあそういう事でして、隣国の王子とは婚約破棄。新たな婚約者として王が)

勇者(無茶苦茶過ぎるわ!!)

神官(それだけではなく、いつの間にか落とした魔王とも婚約したらしく、王は人間と魔族を統べる存在に)

勇者(どんな展開だよ!?)

やはりそうなったか…魔翌勇者ェ…

勇者(って、おい!?魔王って確か!!)

神官(ふふふ、そうです。魔勇者も私と共に苦しむがいい)

勇者(まじで!?)

魔勇者「ああああああああああああ」ガクガクガクガクガクガク

魔勇者「あうっ」ドサッ


勇者(死んだ、魔勇者が死んだ!!!!!!)



かくして世界は一人の英雄により魔族と人間との共生が実現したのである。



ついでに、異界の神を倒し世界を救った勇者はそのささやかな功績を記され、僻地に封じられたのであった。

また、妻と婚約者を失った二人は失意の内に何処へ立ち去りその姿を見た者はいない。



かくして、世界に平和がもたらされたのであった。


















今回の話は一応これで終わりです。

テーマとしてはエロゲ、ラノベ主人公と対した時の敵役をと思って書いてみました。

では、おつきあいありがとうございました。

?があるから逆転サヨナラあるかと思ったけど終わりかよ

部活動、たっちゃんの再来と言うか、本当の意味で再登場かい?

実は勇者は魔王の転生体で
男は魔王の側近みたいな感じで
勇者の中の魔王を目覚めさせるためにああいう感じに事を運べた~とか妄想してたけど
本当に男がただのイケメンのラッキーマンなだけのお話だったので肩すかし

あとこの話は男性からも女性からも支持を得にくいと思う(NTR好きは知らないけど

まず男性から支持を得られないのは
男性読者というのは大体が「納得のできる理由」を欲してるので
様々な事に貢献した勇者が全然報われなくて
口だけ一人前?なダブスタ無能イケメンの男が
なぜか良い所だけ全部掻っ攫っていくってところ
ここで男が狙ってやってるならまだしも
天然でやってるのでさらにイライラが募る
あと勇者のフォローがなければ命の危機もあったのに
まったく勇者に感謝してないところとか
後は女性陣が露骨に勇者蔑視&男贔屓してるのもかなり不快
勇者が真っ当な事をいっても悪態を突かれて
男が同じ事を言えば賛同するって…

女性から支持を得られなさそうなのは
まずこのSSに出てくる女性陣の人格がちょっとアレすぎる
口だけの男が女性陣にもてはやされ
実際に結果を出してる勇者の事を軽く扱い過ぎてる所が
「女性=イケメンだったら誰でも良いバカ」みたいに思わせてる
特に後半の寝取られタイフーンが典型的にそれ
この世界の妻は夫が大変な仕事をしてる時に平気で不倫して夫を捨てれる奴しかいませんって
また男のほうも「女を狂わせるほどの魅力があるの?」って感じだし
(まあそれはあえて描写しなかったのか、できなかったのか…)
そんなどこが魅力があるんだかわからない男がさらにハーレムなんか作ってるんだから
「無能のくせに一穴主義でもないこの男のハーレムを女達はなんで許してんの?」ってなる
ハーレム内で女達が男をめぐって殺しあえばそれはそれで面白そうだが
この男のハーレムは「なぜか」そういう事が起きないんだろうな…つまらん

でも男以外の男性陣の考え方は結構マトモなので
>>1がキチガイとはあんまり思えない
気分の悪くなるSSを作ろうとしたけど
色々描写不足でちょっと残念な出来になったって感じ

ちなみに、勇者には設定上彼女(女剣士で幼馴染)がいます。

>>444
ぜんぜんそうなってないだろ

>>446
きっと>>1はダメ主スレとかの作品しか知らないのだろう

お口直しにどぞ。自他共にワンパだと認めたスレだとか何とか。あとはお察し
もう一つの処理落ちスレは忘れた。他は知らね


男「たった一人の部活動……か」

男「俺が勇者一行に選ばれた訳は」

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