絵理「1番好きな曜日……?」 (14)
水谷絵理ちゃん、誕生日おめでとう!
遅刻ごめんなさい!
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1番好きだった曜日は土曜日。
今日と明日の2日間、家から出ることなく過ごせるからだ。
反対に1番嫌いな曜日は月曜日。
というか月曜から金曜までは全部嫌いだった。
イジメられてた、とか嫌がらせされたとかじゃなかったけれど。
ただただその息苦しい空間が嫌いだった。
そのうち学校に行かなくなって。
でもやっぱり平日は嫌いだった。
今まではあの息苦しい空間を嫌っていればそれで良かったのだけれど、親の目、ご近所の目、同級生の目の見えない圧力をひしひしと感じるのだ。
そんな自分のダメさ加減を実感するからやっぱり平日は嫌いだった。
そしていつしか嫌いな曜日も好きな曜日も無くなった。
1秒も、1分も、1時間も、1週間も、1ヶ月も全部私にとって等価値になった。
全部等しく無意味になった。
だって私はたぶんこのまま何もなく人の形をした肉袋となって生きていくのだから。
そうするとどんどん自分から人が離れていった。
ううん、たぶん私から勝手に壁を作った?
同級生の目が怖いから携帯のアドレスは全部消して、電話は着信拒否して。
ご近所の目が怖いから昼間は出歩かないし、もし外に出るときにはフードを被って顔を見られないようにして。
親の目は怖いというより、申し訳なかった。
その罪悪感から逃れるために部屋から必要最低限出ないようになった。
地に足をつけて歩くことが無くなった代わりに、電子の海に潜ることが多くなった。
寝て起きて寝るの日々に一手間が加わった瞬間だった。
寝て、起きて、ネットして、寝る。
それが私の生活のサイクルだった。
ネットに動画を挙げたのは、そんな生活の中でも『私はここにいる』ってのを誰かに知っておいてほしかったから。
自分は見えないように、分からないように立ち振る舞っているくせにね?
そんな日々が尾崎さんと、みんなと出会って一変した。
怖がってた世界にもう一度出てみて、キラキラしたことばかりじゃなくてキツイこともあった。
時々ケンカしたり、落ち込んだり。
教科書なんか通用しないこの世界で、出会えた人たちとの大切な日々。
そのどれもこれも大切な思い出で。
「好きな曜日、ですか!?」
「ええ。今度みんなで出演する番組の事前アンケートなのよ。ちゃっちゃと答えちゃってね」
「僕は日曜日ですかね、……理由はへへっ」
「私も日曜日かな。……理由は言わなくても分かるでしょ?」
「あーはいはい。バカップルは放っておいて。アタシは水曜日ですかね。その週の半分終わったの確認するのが好きなんデスよね」
「あたしは金曜日ですかね!!次の日がお休みってだけで嬉しくなってきちゃいます!!」
「全くあんたたちは。……絵理はどうかしら?」
好きな曜日か。
昔だったら愛ちゃんみたいに金曜日だったり、土曜日って答えたんだろうね。
でも今は。
「月曜日が好き、かな?」
みんなと会えるこの曜日が大好き!
スレ立てるまでも無い短さですいません。
改めまして絵理ちゃん誕生日おめでとう!
いつかライブで聞ける日を楽しみにしてます。
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