さやか「セイバーさやかちゃん参上!」切嗣「」(1000)

VIP板で書いてた奴の続き

続きから書いてもいいんかな?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1330848461(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

中途半端になりそうだから最初から書いてくわ

さやか「えーと」

さやか「誰があたしのマスターなんですか…?」

アイリ「セイバーェ…」

舞弥「…戦闘の工夫次第で十分善戦は可能かと(棒)」


切嗣「」orz


さやか「って何なんすか!?このビミョーなフインキは!?」

アイリ「け、剣術に加え治癒力の高さでも随一のサーヴァントと言えるわ…!」

舞弥「あ、あきらめるのはまだ早いでしょう」


切嗣「ダメだ…舞弥…僕の直感が緒戦での敗退を予測している」ガクッ


さやか「は!?」

さやか「ちょっと何よいきなりその言い草は!?」


切嗣「アイリ。僕は少し頭が痛い…先に休ませてもらうよ」スタスタ


アイリ「はい…」

舞弥「厳しい戦いになりそうですね」

さやか「って無視するなぁ~!!」

―同じ頃・間桐宅前

桜「おじちゃん・・」

雁夜「バイバイ…桜ちゃん」ヨロ

雁夜「また、今度…必ず会おうね」ニッ

  ザッ



雁夜「――――さて」

雁夜「行くぞ、バーサーカー」

マミ「――――――」コクリ




―冬木市内・某所

ウェイバー(よし、ここで召喚するか)ザッ

ウェイバー(それにしても…)

ウェイバー(こんな聖遺物で本当にサーヴァントを召喚できるのか?)スチャ

ウェイバー(ケイネスの奴が取り寄せようとしていたモノだから…)

ウェイバー(大丈夫だとは思うけど…)

ウェイバー「―――――縁の赤い、眼鏡―――――」




この辺でOP>  ♪~クリカエスセカイ ナンドテヲ ノバシタラ~

―翌日・アインツベルン城

イリヤ「もう口聞いてやらないんだから~!」プンプン

切嗣「そ、それは困る…ごめんよ~イリヤ」



―窓際

さやか「ああいう一面もあるんですね、あの人」

アイリ「ええ、…意外でしたか?」

さやか「もしかして、…あの人…ロリk」ヒソッ

舞弥「それは断じてありません。仮にも実の娘ですし」ヒソッ






―同じ頃・冬木市聖堂教会


「              はじめまして…!              」ペコリ




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




璃正「お・・・・おお・・・」

時臣「見たまえ、綺礼」

時臣「―――――この戦い、我々の勝利であろう」キリッ

綺礼(私の後援は、果たして必要なのだろうか)

―その翌日・航空機内

さやか「“全て遠き理想郷(アヴァロン)”ですか…何か凄いですね」

アイリ「でも、あなた自身の性質からそれほど必要ではないかもしれないわ…」

アイリ「(ちょっと不安だけど)私を守ってくれますね…セイバー」

さやか「正義の味方、さやかちゃんにお任せをッ!!」ニッ

さやか(どんな敵が来るかは分かんないけど…乗り掛かった船だし…!)

さやか(やってやりますか~!!)グッ





―同じ頃・冬木市内




切嗣(正義の味方・・・か)イップク




舞弥「―――使い魔が得た情報によると」

舞弥「今回召喚されるサーヴァントは皆…“魔法少女”関連の存在のようです」

切嗣「で、セイバーは序列的に…どうなのかな?」カタカタ

舞弥「そ、それが、…現時点で比較可能な範囲で…」タラリ

舞弥「戦闘力、メンタル面、スピード、才能…」

舞弥「トータル的に見て……、………さほど芳しk」

切嗣「まぁいぃや、言わないでくれ・・」ハア

舞弥「し、しかし…どうやら運だけは規格外(エキストラ)のようですが…!」

切嗣「運だけで勝ち残れるほど、聖杯戦争は甘くない」

切嗣「それは、分かっているとは思うが…?」

舞弥「…はい」

【聖杯戦争1日目】

―夜―

―冬木市内・某ホテル


ケイネス「…はあ」

ソラウ「…正直、アテが外れたわね」

ソラウ「まさか…こんな子供が召喚されてくるなんて」

杏子「あ?」パクパク

杏子「なめんじゃねーぞ、オバさん」

ソラウ「な」

ソラウ「この…クソガキ…!」ギロッ

杏子「ほんとのコト言っただけだろ」フンッ

ケイネス「君達、無意味な言い争いは辞めたm」

ソラウ・杏子「「 うるさいッ 」」



プルルルルプルルルルプルルルルプルルルル   



ケイネス「おや?…ルームサービスを頼んだ覚えは(ry」ガチャ




《・・・・・・・・・》「マチガイナクセンセイノコエダ」ヒソヒソヒソ「ソウ、ジャアサッソク」ツーツーツー




ケイネス「ッ!!?」

キュルルルルルルルルルルルルルルル

                 ピカッ☆



ドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーン
                




キュルルルルルルルルルルルルルルルルル     (※ホテル倒壊)






ドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーン



ガラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララドガシャ―――――――――ン






シュッ――――――――――――――――――――――――――――――――――――




ウェイバー「あだっ」ドサッ     ほむら「終了」シュタッ

ウェイバー「…先生達は、えーと…円環の理って奴に導かれたわけ?」

ほむら「いいえ」

ほむら「たぶん…そういう世界構成ではないと思うわ、ここは」

ウェイバー「は?」

ほむら「それに、今回は挨拶代わり」

ほむら「―――さすがにこの程度で殺られるほど相手もヤワではないはずよ」

ウェイバー「そ、…そうだな」ゴクリ

ウェイバー(クラスがライダーだって言ってたから…)

ウェイバー(一体何に乗るのかと思いきや…)

ウェイバー(まさか、“時流”に乗る能力を持っていたとは…)

ほむら(…何者かにどこからか監視されているわね)チラリ

ほむら(おそらく、佐倉杏子の一党ではないわ)

ウェイバー「ところでお前、そろそろ真名くらい教えt」

ほむら「断固拒否するわ」ファサ

ウェイバー「な」

ウェイバー「何でさ!?」

ウェイバー「僕はマスターなんだぞ…!!」

ほむら「例えマスターだとしても、安易に真名を名乗るべきではない」

ほむら「私にとってはあなたはマスターであり、それ以上でもなければそれ以下でもない」

ほむら「あなたにとっての私は単なる使役対象の使い魔(サーヴァント)」

ほむら「共闘形態を保つ上で、名前など―――――どうでもいいでしょう?」

ウェイバー「い、…いちいち癪に障る言い方だな」

ウェイバー「―――それにしてもお前らさ」

ウェイバー「・・・昔の知り合いだとか言ってたよな?」

ウェイバー「よく躊躇なく攻撃できるな」

ほむら「召喚されたからには戦うほかない―――違うかしら?」

ほむら「あたなにしても、仮にも恩師を相手に殺し合いを挑むことになったわけでしょ?」

ウェイバー「誰が恩師だよ!?」

ほむら「それよりも私はあなたのような無鉄砲の馬鹿と徒党を組まざるを得ない現実に絶望しそうな気分よ」

ウェイバー「お、お前にまで馬鹿にされる筋合いはないッ!!」

ウェイバー「第一僕の方が年上なんだぞ!少しは言葉遣いってものを(ry」

ほむら(魔法少女に年齢なんて関係なかったわ…特に私の場合はね)プイッ

ウェイバー「はあ…分かったよ、もうその話はいいから」

ウェイバー「―――それより、早くここを立ち去ろう…誰かに見られているようだし」ヒソッ

ほむら「あら、ちゃんと気付いてはいたのね。少しは見直したわ」ヒソッ

ウェイバー(…見くびるなよ)フンッ

ほむら(さて、急がないと―――ランサー陣営が追跡してくる前にね)




―物陰

QB「…」コソッ

―冬木市内・遠坂邸近郊

QB 「動きが出たようだよ」ヒョコッ

QB「―――言峰綺礼」

綺礼「アサシンか――――表で姿を現すのはなるべく控えるようにと言っていた筈だが」

QB「まあ、もともと僕は普通の人間には見えないのだけれど」

QB「それにしても、君のような人物が僕のマスターであったことには」


QB「奇妙な因縁すら感じるよ―――感情のない僕ですらね」


綺礼「………………………」


綺礼「状況を、説明してもらおうか」

QB「分かったよ」

QB「まず、ランサー陣営が脱落したらしいね」

綺礼「…ほぅ」

綺礼「それで、ランサー陣営を葬ったというのは―――」

QB「正体不明の魔法少女(サーヴァント)と少年の陣営(コンビ)さ」

綺礼「―――何?」

綺礼「アサシンよ、貴様は全ての魔法少女の創り手だと言っていたではないか」

綺礼「正体不明とはどういうことか、説明してもらおう」

QB「あの魔法少女も僕が生み出した存在であるのは間違いないんだ」

QB「ただ、その出自は僕にもよく分からない」

QB「クラスはライダーのようではあるけれど、その秘める能力もまだ…分からない」

綺礼「…」

綺礼(現時点で存在が確認できているのは――)

綺礼(アーチャー、セイバー、バーサーカー、ランサー(故?)、そしてライダー)


綺礼(残るは――――キャスターだが)


綺礼(すでに聖杯戦争の火蓋は切って落とされている、か)

綺礼(では、こちらも始めるとしよう―――師の指示通りに)

綺礼「アサシンよ」

QB「何かな?」

綺礼「さっそくだが、お前にはこれから遠坂邸に向かってもらう」



綺礼「速やかに遠坂時臣氏を抹殺しろ」



QB「…いいのかい?」

QB「彼とは確か…」

QB「同盟関係を結んでいると聞いたような?」



綺礼「お前には言っていなかったが、遠坂のサーヴァントは…最弱だ(棒)」



綺礼「加えて」

綺礼「…お前ならば」

綺礼「邸宅中に張り巡らされた魔術結界も、容易に突破できるだろう」

QB「そうなのかい?」

QB「…まあ、いずれにしろ遠坂邸の様子も見に行くつもりだったんだ」



QB「行って来るよ」シュタッ

―遠坂邸


魔術結界「フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン」



QB(…)サッサッサッサッサッサッサッサッサッ



QB「きゅっぷい」



QB(…まったく、他愛ないね)サッ

           
ヒュルン!!

QB「ぐあっ!?」グサッ



「 久 し ぶ り だ ね ~ 、き ゅ ぅ べ ぇ 」ウェヒヒヒヒヒヒヒヒ



QB「」




まどか「誰の許可を得て人様のおうちに入って来たのかな~」スッ




ドキュン ドキュン ドキュン ドキュン ドキュン ドキュン

グサッ  グサッ  グサッ  グサッ  グサッ  グサッ 



QB(言峰綺礼…わけがわからない…よ)ガクッ



まどか「     バイバイ     」

まどか「――――もうあなたの顔は、…永久に見たくないから」クルッ

―邸宅内


時臣(―――計画通りだ)


まどか(後何匹…倒せばいいのかは分からないけれど)

まどか「とりあえず、侵入してきたアサシンを片づけておきました」


まどか「時臣おじさん」ニコッ


時臣「アーチャー…もといまどかちゃん」

時臣(これほど偉大な才能を有していながら…傲慢さのかけらも無い)

時臣(なんと心根の優しい素直な子なんだろうか…)シミジミ

時臣「何か…飲み物でも用意しようか」

時臣「…オレンジジュースでいいかな」

まどか「え!?」

まどか「い、いえ…マスターさんにそんなことをさせるわけには」アクセク

まどか「私が用意してきますから!」

時臣「いやいや…君はそこに腰かけて待っていればいい」

まどか「そんな…時臣おじさんこそここに座ってゆっくりしていてください!」ペコリ  タッタッタッ

時臣(凛も、大きくなったら…)シミジミ

―城内

さやか「いやー、こんな綺麗なお城で過ごせるなんて、夢のようですよ!」

アイリ「といっても、聖杯戦争はもう始まっているわ」

アイリ「そろそろ、私達も…(囮として)行動を開始しましょう」キッ

さやか「はい!」

さやか「それじゃ、町のパトロールに行きましょっか!」


アイリ「私が車を運転するわ」

さやか「え?アイリさん免許持ってるんですか!?」チョットイガイ

アイリ「楽しみにしててね!」



―別室

舞弥「アサシンが遠坂邸内でアーチャーに殺害された模様ですが」シュタッ

切嗣「…初日から出来過ぎているな」

切嗣「……遠坂のことだ、裏があるに違いないだろう」

舞弥「加えて、某ホテルで発生した爆破テロに関してですが」

舞弥「どうやら、ロンドン時計塔のマスターが宿泊予定のホテルだったようです」

切嗣「なるほど」

切嗣「発生した時期からして、いずれかの陣営が関与していると見て間違いないな」

切嗣「奴の生死は…分かっているか?」

舞弥「不明ですが…避難者確認の名簿にはチェックがありました」

舞弥「ただ、チェックに応じたのが年端もいかない少年だったという目撃情報が」

切嗣(…まるで僕がやりそうな手口だ)

ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

―窓際

舞弥「奥方とセイバーが外出しましたね」

切嗣「…僕達も行動を開始しよう」ジャキン カチャカチャ





―某ホテル跡・近郊

「危ないので近寄らないでくださーい」「交通規制にご協力を」


杏子「やれやれ、いきなり仕掛けて来るとはな」パリポリ

ケイネス「予め予防線を張っておいて正解だったということか」

杏子「あたしが部屋に展開しておいた防御結界」

杏子「…プラスあんたの“月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)”の二重防壁」

杏子「にしても、いってぇ敵はどうやって瞬間的にホテルを爆砕しやがったんだ?」

ケイネス「どんな能力を使ったにせよ」

ケイネス「このロード=エルメロイに対する侮辱的な行動、許すわけにはいかない」ギリリッ



ケイネス(覚悟しておくがいい―――――ゥウェイバー君)メラメラ



杏子「ところであのオバさんはどこ行ったんだ?」キョロキョロ

ケイネス「…少し別の場所で待機してもらうことにした」

杏子「何で?」パクパク

ケイネス「まあそれはともかくとして」

ケイネス「使い魔が戻って来た―――アサシンがアーチャーに殲滅された」

ケイネス「―――ということだが」

杏子(アーチャーか…)

杏子(かつての魔法少女の知り合いに…いたような、いなかったような…)

杏子「アサシンがどんな奴かは分かんないけどさ」

杏子「そう簡単にやられるほどヤワな奴は参戦していないだろ」

杏子「案外、わざと殺られたフリをしてるとか…有り得ると思うよ」ニヤリ

ケイネス(八重歯・・・・・か)チラリ

ケイネス「――――我々のようにな」ニヤリ

―冬木市内・民家

龍之介「えーと」パラパラ

龍之介「これでオッケーな筈なんだけどな~」マホージン

龍之介「ボウヤ~、悪魔ってホントにいると思う?」


子供「ガクブル」

母親「ガクブル」


龍之介「うまくお出まししたら…ボウヤが悪魔に殺されてもらうよぅ☆」


子供「ングムグググングゥ~!!?」ジタバタ

母親「ングッングッ」ゾクッ



龍之介「痛ッ」

龍之介「何だこりゃ…?」チラッ(※令呪刻印)


ポゥゥ シュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ


龍之介「    」ハッ




ワルプルギス「――――――――――――――――――――――」サアアアアッ




龍之介「え、えっと…」

龍之介(お、女のコぉ…???)

ワルプルギス(何たる驚愕・・・、何たる驚天動地・・・、 感 情 の 発 露 )



ワルプルギス「―――わらわをこのようなカタチで召喚するとは」パチッ

ワルプルギス「相当の手練か、あるいは――――――といったところかの?」ニヤリ



龍之介「あ、・・・あっれ~?」

龍之介「おっかしいなあ…てっきり悪魔が出て来ると期待してたのになあ」ポリポリ


ワルプルギス「――――悪魔?ここにおるではないか。正真正銘の魔女が、な」


龍之介「魔女…?アンタがか?」


ワルプルギス(この人間…一応の魔術回路は構築されているがそれは微力としか言いようがない)

ワルプルギス(         が         )

ワルプルギス(わらわは―――人間の怨嗟、呪い、絶望といった感情がこの世に存在する限り)

ワルプルギス(それらを自身の魔力に変換して顕現を保つことが可能)

ワルプルギス(――――問題なかろうぞ)ニイッ


龍之介「あ、あのさ~」

龍之介「魔女サンなら、とりあえず魔女狩り的なことやって見せてくれよ。そこに材料あるし♪」クイッ


ワルプルギス「魔女狩りでは意味が逆じゃ…が、まあ見ておれ」

ワルプルギス「そこの親子」ギロリ


母子「「 ビクッ 」」


ワルプルギス「約束しよう――――わらわは一人を殺し、もう一人は助けてやる所存じゃ」

龍之介「え~!?ちょっとぉ~」

ワルプルギス「助かりたい者は―――――頭(コウベ)を垂れるがよい」




子供「………………」

母親「………………」コクリッ

               グシャリ

母親「」バタッ

子供「                     」


ワルプルギス「始めから、うなずいた方を殺すと決めていた」


子供「…………………………」ウルウル


ワルプルギス「母親が自分を裏切ったことに対する絶望と」

ワルプルギス「生き残る権利を得た希望と…相半ばしておるのじゃろう?」


ワルプルギス「じゃがなァ、ボウズ」

ワルプルギス「わらわは、約束なんてはなから守るつもりはないのじゃよ」ニタァ



子供「                     」

       グシュグシュグシュグシュグシュグシュ

子供「ァァァ・・」バタッ




ワルプルギス「ハラワタを軽く抉ってやったわ…まったく人間は…儚いものよの」グシャリッ




龍之介「………………………」




龍之介「COOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOL!!!!」



龍之介「超クールだよぉ!!」パチパチ

龍之介「お嬢ちゃ――――んっ!!」ヒャッハー

ワルプルギス(聖杯戦争…か)

ワルプルギス(己の儚き望みに敗れ…)

ワルプルギス(絶望の淵に落ちた魔女達の複合意思体であるわらわに…)



ワルプルギス(今さら願望など、有るわけが―――――なかろう)







―某所

ソラウ(ランサーっていうから)テクテク

ソラウ(私はてっきり凛々しい男性が召喚されるものと思っていたのだけれど)

ソラウ(何よ・・・あの小憎たらしい小娘は・・・!!?)キィィ

         スレチガイ

切嗣(ランサー陣営が殲滅されたかどうかはまあいいだろう)

切嗣(バーサーカー陣営には、目立った動きはない…か)

切嗣(ただ、バーサーカーの実力は未知数だ―――注視しておいて無駄はない)

切嗣「一旦、間桐雁夜の動きを追う」

舞弥「はい」

舞弥「…奥方の方は大丈夫でしょうか」


切嗣「仮にも…セイバーがついているだろう…」


―民家

ワルプルギス「貴様、名を何という?」

龍之介「えーと…雨生龍之介」

龍之介「―――趣味はまあ、殺人全般かな~最近はマンネリで(ry」

ワルプルギス「―――そうかぁ」ククク

ワルプルギス「奇遇じゃな――――わらわも、人間に不幸を振り撒くことが大好きじゃぞ」

龍之介「不幸を振り撒く…?」

龍之介「う~ん、ちょっと違うなぁ~」

ワルプルギス「違う?」

龍之介「別にさ」



龍之介「人を不幸にするために…殺しをやってるわけじゃないんだよね」

龍之介「―――――結局は、自分のためなんだよ」


龍之介「たぶん」



ワルプルギス「…………」

ワルプルギス「ますます」

龍之介「ん?」

ワルプルギス「ますます、貴様に興味が湧いてきた」

ワルプルギス「貴様と共に、無力な生贄を葬り続けていれば――――あるいは」

ワルプルギス「なぜ、わらわがこうも人を不幸にせざるを得ないのか」

ワルプルギス「…おのずと、理解できると思うのじゃ…」

龍之介「ってことは…!!」

龍之介「要するに、一緒に殺(アソ)んでくれるってことなんだな…ッ!!」グッ

ワルプルギス(本当は・・・)

ワルプルギス(こうして、感情を得ることで)

ワルプルギス(全てを理解してしまったも同じなのじゃが)

ワルプルギス(――――――それでもわらわは、絶望を振り撒くほかない)


ワルプルギス(魔女とは――――そういうふうに…できてしまっているからのぅ)


龍之介「そーだ!」

龍之介「…嬢ちゃんの名前――――――まだ聞いてなかったなぁ~」

ワルプルギス「名前…か…」

ワルプルギス「名前など、もはやわらわにも分かりはしないな」

龍之介「そうなのぉ?…じゃあ何て呼ぼうか」


ワルプルギス「――――――“ワルプルギスの夜”――――――」


龍之介「へ?」

ワルプルギス「わらわの、あだ名と言ったところじゃ」

龍之介「へえ…ワルプル…えっと、―――じゃあ、ワルちゃんでいいか!」

ワルプルギス「!?…ワ、ワルちゃん…?」




―遠坂邸

まどか「それじゃあ、おつかいに行ってきます!」

時臣「気をつけるんだよ、一応ね」

まどか「大丈夫ですよ~」

まどか「ちょっとお夕飯のお買い物に行って来るだけですから」ティヒヒ

時臣(わざわざ…夕飯の支度までしてくれるとは…)

時臣(凛も大きくなったら…私に手料理を作ってくれたりするのだろうか…)シミジミ

―冬木市内・高速道路上


ヴォンヴォンヴォンヴォンキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィガガガガガガガガガガガガ


アイリ「いかがですか、セイバー!!」

アイリ「私のハンドル捌きは…?」

さやか「あ、えっと・・・」

さやか「何ていうか・・・凄いですねえええええええええええええっ」ヒィィ


ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ




―冬木市内・某所

雁夜「…ということだ」

雁夜「彼女を…悲しませる元凶である遠坂時臣を潰し」

雁夜「そして、間桐の家に“囚われの身”となった桜ちゃんを絶望の淵から救い出す」

雁夜「それが俺の願いであり、聖杯戦争に参加する理由のすべてだ」

雁夜「分かってくれたか?―――バーサーカー」

マミ「本当に…これまで辛い想いをしてきたんですね…」グスッ


雁夜(おいおい・・・本当にコイツはバーサーカーなんだろうな…)


雁夜「ところで…お前さん、狂化…してるんだよな…?」

マミ「あ、いえ…まだ20%くらいなので」グスッ

雁夜「え・・・・・?」

マミ「私は狂化の程度を自分でコントロールできますから」フキフキ

マミ「戦闘時以外は感情を残しておいたほうが、意思伝達にも便利ですし」

マミ「…あなたの魔力消費も・・小さくて済みますし」

雁夜「そう…なのか」


マミ「ちなみに、私は“円”卓の騎士ですから!!」キリッ

雁夜「・・・・・」

マミ「あ…それから、予め言っておかなければならないことがあります」

雁夜「・・・・何だ?」

マミ「できる限り、令呪は使用しないようにしてください」

マミ「勿論、私はあなたを裏切るつもりはないのですけれど」ニコッ

雁夜「・・・・・・」

―某民家


龍之介「行こうぜぇ!ワルちゃん」スクッ


龍之介「アンタにとっての殺しの意味と、俺にとってのソレは少し違うかもしれないけどさ」

龍之介「アンタと一緒に殺れば…今まで以上に楽しそうだ」

ワルプルギス「…ああ、そうよな――――――楽しめそうじゃ」

ワルプルギス「さっそく、希望に満ちた子供の未来を――――絶望だけの血の海に変えてやろうぞ」ニッ

龍之介「あくまで、芸術的にさ」ニッ

ワルプルギス(――――他のサーヴァントたる魔法少女ども)

ワルプルギス(――――わらわを止められるものなら。止めてみるが、よい)クワッ




使い魔「「「「「「「「「「「「キャハハハハハハ」」」」」」」」」」」」ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ




龍之介「すげー!!!何今の黒いの、どっか飛んでっちゃったケド!?」

ワルプルギス「さしずめハーメルンの笛吹き、といったところか」ニヤリ

ワルプルギス(ついでに、…余所の陣営へ我らの存在を知らしめしてくれよう)

龍之介「よーし…俺達も、始めよう~!」

ワルプルギス「――――ああ」コクッ

―某所

雁夜「…………ならばなぜ、わざわざ忠告するんだ?」

マミ「―――――私が“最終手段”を使ったときに」

マミ「あなたが私を制御できるようにするために」

マミ「どうしても、令呪が必要だろうから」


マミ「―――――その時が来るまでは」キッ


雁夜「―――――分かった」

雁夜(聖杯という“万能の願望機”を求める戦争に組み込まれた以上)

雁夜(意図的に理性を失って魔女化(ゼツボウ)することができるのはコイツしかいないはず)

雁夜(そうなれば、二重に強化されたバーサーカーに太刀打ちできるヤツは・・・いない)


雁夜「――――お前は、間違いなく最強のサーヴァントだ!!」

マミ「そ、そんな!?…お世辞はよしてくださいよ~!//////」



雁夜(――――必ず、勝てる…ッ!!)グッ









―物陰

舞弥「…などと供述しておりますが」ジー

切嗣「…間桐雁夜」ジー

切嗣「…ふん」

切嗣「間桐のじいさんも必死だな」

切嗣「狂化の程度を操れるというのは確かに厄介だ」

切嗣「 だ が 」

切嗣「完全に狂化したバーサーカーを支えるには」

切嗣「あの男は魔術師として…青二才に過ぎる」

舞弥「しかし、…シミュレートによると」ゴクリ

舞弥「不完全な狂化状態でも…、セイバーが対抗できるかどうかは…微妙(ry」

切嗣「…」

切嗣「…」ジャキン


切嗣「――――この場で、間桐雁夜を始末する」


舞弥「!?」

舞弥「対サーヴァントへの備えがない現状では、安易にマスターを攻撃するのは危険では!?」

切嗣「――――舞弥」






切嗣「僕は―――――――もう誰にも頼らない」キッ






舞弥「    」

―近郊の公園の高台

杏子「おい、なんか物陰に隠れてる連中がマm…いやバーサーカーの」ジー(望遠鏡)

杏子「マスターを狙ってるっぽいぜ」

杏子「どーする?」チラッ

ケイネス「今は高みの見物といこう」パクパク

ケイネス「バーサーカーの実戦が観察できれば大いに収穫となるからな」

杏子「だな。ところでさ、たけのこの里旨いか~?」パクッ

ケイネス「ふむ・・・ジャンクフードの割には悪くはないな」

杏子「ジャンクじゃねーし!!」





―物陰

切嗣「・・・?」

切嗣「どうした?」

舞弥「・・・いえ」

舞弥「――――それでも私は」


舞弥「あなたに、ついて行きますから」ニッ


切嗣「舞弥・・」ジッ

      テクテク



まどか「あ、あららら…/////」ジー

切嗣・舞弥「「     」」



まどか「あ、えっと・・・こ、こんばんは!」ペコリ

まどか「・・マスターさんから聞いているんですけど」

まどか「もしかして、さやかちゃんのところの…えーと」



切嗣(くぅ…!!)サッ・・ヒュンッ              

        カアアアアッ



まどか「わっ!?まぶしっ」


切嗣(単独行為スキルを有するアーチャーか!?)

切嗣(とてもではないが…手に負える相手ではない!!)


切嗣(―――ここは退避だ)ザッ

舞弥(はい!)ザッ


シ――――――――――――――――ン


まどか「もぅ・・・いきなりびっくりさせないでくださいよ・・ってあれ~?」キョロキョロ

まどか(あ~あ…)

まどか(居なくなっちゃった)

まどか(スーパーにお買い物に行った帰りに)

まどか(偶然見かけたから声をかけただけなんだけれど…)

まどか「まあいいか…さやかちゃんは一緒じゃなかったみたいだし」テクテク

まどか(早く帰らなきゃ…マスターさんも心配するもんね)




―公園の高台

ケイネス「…」ゴクリ

杏子(オイオイ…ちょっと超チートレベルじゃね)

杏子(なんつーか…あいつのオーラ)ゴクリ

杏子「べ、別にさ」チラッ

杏子「マスターがやる気なら」

杏子「…今すぐ襲撃してやるよッ!!」キッ

杏子「向こうはマスターが近くに居ないみたいだしさ」

ケイネス「ま、まだ…戦争は始まったばかり」

ケイネス「奴は…今日のところは見逃してやろう」キリッ

杏子「だ、だな」カエローゼ







―公園・ブランコ

マミ「雁夜さんも乗りませんか~?」タノシイデスヨ~


雁夜「…いや、俺はいいわ」ゲホゲホ

―公園・滑り台前



ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ






雁夜「ん。・・・・・・・・・・・・ッッッ!!?」

マミ「あら・・・!!!」スベリ~ 

   

          バッタリ






ケイネス「oh…」

杏子「マジかよ…」

雁夜(この気配は…間違いなくサーヴァントと魔術師ッ!!)

雁夜(――――――ヤらなきゃ、ヤられる―――――――)



雁夜「 薙 ぎ 払 え 」

雁夜「 バ ー サ ー カ ー ッ ッ ! ! 」クワッ



マミ「佐倉さん、あなたと再び相まみえることができて、光栄よ」グッ


杏子「こっちもだぜ、マミ」キッ

ケイネス「こ、この私に対して正面から挑む無謀さをレクチャーしてし差し上げよう…!!」キリッ



マミ(佐倉さんなら…まだ全力を出す必要はないわ!!)


マミ「60パ―セントォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」カッ



メキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキ




杏子「いいぜ、マミ――――――――そっちがその気なら」

杏子「やってやろうじゃねーか――――――――ッ!!!」ギュルルルルルルルルルルン

ケイネス「我が変幻自在の魔術礼装の盾を砕けるものなら砕いてみるがいい!!」グニュニュニュニュ

マミ「      テ          ラ         」

マミ「   フィナーレ―――――――――――――――ッ!!!!!    」ピカッッ☆

ケイネス・杏子「「                           」」


                               ヽ`
                              ´
                               ´.

                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´


―その後

雁夜「ゲホッゲホッガバボゴ・・グハァァァ・・・・ゼーハー」ブハッ  ウネウネ

マミ(…………………)マ、マスター・・・シッカリ・・・

雁夜(クソッ……俺はこんなところで倒れる…わけには…ァ!!)ギリッ



杏子「なあマスター、今日は・・こ、この辺でいいんじゃね…あたし腹減ったし」ゼーハーヒーハー

杏子(もう・・・見てらんねえよ・・)

ケイネス(何を…言うか、ラン…サー)ヒーハーゼーハー



ケイネス「我々にとって目下の敵は残念な教え子とそのサーヴァントだ―――今宵は、お開きにしよう」ザッ



杏子(マスター・・・!!!)            ザッ




雁夜「ちっ…」ユラリ

雁夜(クソッ…敵に情をかけられるとは、…情けねえ)

マミ(―――次に)

マミ(遇ったときは…もう手加減はしない)

マミ(どんな形であれ…戦うことが私達の使命なら)

マミ( もう、受け入れるしか・・・・・・ないじゃない )

マミ(そして、私・・私のささやかな望みを・・聖杯に託したいわ)


マミ(   わたしは    ともだちが     ほしい      )ホロリ

雁夜「一旦…引くぞ」ザッ

マミ「…」コクリ





―遠方の高層ビル

切嗣「―――八重歯だ」ジー(※軍事用望遠鏡・カールツァイス社製)

舞弥「と、言いますと?」

切嗣「ランサーの持つチャームの魔術」

切嗣「おそらくこれがあるために…ランサー陣営は比較的良好な信頼関係を保てているのだろう」

舞弥「…なるほど」

切嗣「ロンドン・時計塔より聖杯に見込まれた男」

切嗣「―――ケイネス・エルメロイ…厄介な相手だ」

切嗣「バーサーカー…奴の全力は果たして如何ほどのものなのか」

切嗣「コイツも厄介な相手に変わりはないな…」

切嗣「そして遠坂時臣は勿論、言峰綺礼という不可解な男も要注意だ」

切嗣「後は・・・」

舞弥「…というより、これではもはやどの陣営も厄介なのでは…」

切嗣「…」


切嗣「も…勿論、僕は最終的に聖杯を獲得するつもりだ」

切嗣「…従ってどんな形であれ」

切嗣「全ての敵陣営を排除することには変わりはない」キリッ

舞弥「は、はい・・・」

切嗣「とにかく、一切情報を掴めていないキャスターはおそらく…弱小だろう(願望)」

舞弥「そう・・・ですね」

舞弥「ところで」

舞弥「そろそろ…奥方達のもとへ戻られた方がよろしいかと」

切嗣「そう、だな」

舞弥「セイバーとも…意志疎通を試みてはどうd」

切嗣「だが断r」




    ヒュルルルルルルルルルルッ       ドッカ――――――――――――――ン☆




切嗣「ぐ!?」ザザザザッ

切嗣(背後…いや、上空から…敵襲か!!)キッ

切嗣「――――舞弥、無事か」チラッ

舞弥「はい!――――着弾地点が少し離れていたのが幸いでしたね」ザッ




バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ




切嗣「攻撃ヘリだと…!…周囲の警戒は怠っていなかったが」

舞弥「いつの間に至近距離に…!?」




切嗣(まさか――――――ライダーか…?)


―対戦車ヘリ(AH-1 コブラ)

ほむら「ちっ」ビュオオオオオオオオオオオオ

ほむら「要注意の“魔術師殺し”…一撃で仕留めるつもりだったのだけれど」

ほむら「少し目測を誤…なっ!?」グラグラグラ

ほむら「…しっかり操縦してもらえるかしらッ」チラッ

ほむら「この、三流魔術師…!」イラッ

―操縦席

ウェイバー「ううううるさいっ!ちゃんと墜落しないように飛んでるだろ!!」グワングワン


バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ






―道路上

ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

―ボンネット上

さやか「何か向こうでヘリが低空飛行してますよ!!」

さやか「迷彩の自衛隊っぽい模様の奴ですッ!!」

さやか「もしかして…」

―運転席

アイリ「・・・そうね!」

―運転席

アイリ「・・・そうね」

アイリ「あんなコトをするのは…まともな人間ではないでしょうね」

アイリ(時期が時期ですし…!)

アイリ「セイバー、先に現地へ移動してください!」

アイリ「もしかしたら、切嗣が関わっているかも・・・!」



―ボンネット上

さやか「分かりました…!!」




さやか「さやかちゃん、いっきまーすー!!!!!」ジャンプッ

ピュ―――――――――――――――――――――――――――――――――――ン





―近郊

綺礼(そろそろ夕食にするか)タッタッタッタッ




―高層ビル内・空室のベランダの陰

 
 バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ


舞弥「―――撃ちますか?」スッ

切嗣「ああ」

切嗣「そして、向こうの出方を見るとするか」ジャキンッ

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ―――――――――――――――――ン

    


     ―コブラ―

ウェイバー「く、来るっ!!?」ヒイッ

ほむら「急降下して!」

ウェイバー「          な」



ほむら「――――――迎え撃つわ」ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ



ウェイバー「もうどうにでもなれえええええええええええええええええええええ」ギュルン



パーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーンパーン



―高層ビル・ベランダ

舞弥「ぜ、全弾を的確に弾き飛ばしたッ!?」



切嗣(―――――あのサーヴァントと契約を交わしたいッ!!)クゥゥ



バラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ



ほむら「このまま突撃して!――――ヘリごと爆殺を試みるわ」クイッ

ウェイバー「何ィィィィィィィィィィィィィィ!?」

ウェイバー「そんなことをしたら僕達も死ぬだろ―――――――――――ッ!!?」








―中華料理店(紅洲宴歳館・泰山)

綺礼(・・・・・・・)モグモグ

―遠坂邸

―キッチン


まどか「“根源に至る”・・・ですか」テキパキ


時臣「そう」

時臣「それこそが私が聖杯に託す願い・・・さ」

時臣「まどかちゃんには・・・ちょっと難しいことかも知れないけれど」

まどか「てへへ・・・私、頭は凡人並みですから・・」シャッシャッ

時臣「私ももともとは…凡人だったさ」

まどか「ほえ?」

まどか「そうなんですか?…遠坂家は凄い名家だって…」

まどか「監督役のおじいちゃんも、言ってましたよね?」

時臣「うん…確かに魔術の名家に生まれたわけだけれど」

時臣「今の立場にいるのは…人一倍努力した結果…なんだよね」

まどか「努力・・・ですか・・・」

時臣「だからこそ、こうしてゆるぎない信念を持って」

時臣「―――――聖杯戦争を戦っている」

時臣「その点は、君にも理解しておいてもらいたい」

まどか「 …信念 」

―冬木市上空

―コブラ―

ほむら「大丈夫」


ほむら「―――――――――私を、信じて―――――――――」


ウェイバー「    」ドキッ

ウェイバー「もう」



ウェイバー「どうとでもなれええええええええええええええええええええええええ(二回目)」



ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


ほむら(あまり魔力を遣いすぎることは憚られるけれど)

ほむら(時間停止を使って―――――確実に決める)キッ





舞弥「く、来るッッ!?」            

切嗣「―――逃げろ、舞弥」バッ

切嗣(固有時制御を使って――――ヤツらを極限まで引き寄せて抹殺する)キッ





「危なぁああああああああああああああああああああああああああああいッ!!」







―近所のコンビニ

雁夜「あ、好きなの買っていいから」

マミ「えーと・・それじゃ、これと、これと、これと・・・」パッパッパッ

雁夜「……………チラッ」(サイフ)

マミ「あ、ご心配なく」

マミ「自分の分は自分で払いますので…!」

雁夜「アンタ、・・・金持ってないだろ・・」

マミ「・・・あ」

さやか「転校生!!」ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

さやか「ここで遇ったが100年目ええええええええええええええええええええッ!!」バッ



ほむら「       な       」

ウェイバー「       え       」



切嗣「                」

舞弥「               ぁ」



さやか「はああああああああああああああああああああああああああっ!!!」ブォォォォン

                シュパッ

コブラ「           パ   カ   ッ            」


                | |  ,..._
          ,.r-、 ,ry | |  ヒ;;;::}
      ィt:、 ,:'::::// '''´ | |  ,、.、  ,..,..._
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     ー'’._ ,r'う {::jj ,.、、 _,...::::::''ヽ  ,.,´  {{::::::::ヽ.
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TTTTTTTTTTTTTT:::;' :|l'| ̄ ̄「「「ニ|ニf(二二..))\ `゙、===
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ニニニニニニニニ]' ::::|.|'|::::::::::::::|.|.|..|ヾ.| : :::::::::::::|゙、  `、!::::::

―近くの駐車場

アイリ「だ、大丈夫・・だったのかしら・・」

―ポートタワー頂上

QB「やれやれ…」

QB「一日目からこれでは」

QB「…冬木市がいくつあっても足りないんじゃな」グシャッ

              シーン

ワルプルギス「わらわにとって…」ワナワナ

ワルプルギス「貴様ほど嫌悪以外の何物も感じぬ醜い存在は、ない」ガシッ

 
グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ






―繁華街

綺礼「今夜のうちに(勿論脱落したフリだが)教会の保護下に入っておこう」イッチニ

綺礼(だが)サンシッ

綺礼(その前に軽く日課のランニングを済ませておくか)シャキッ

 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ

ソラウ(…えーと)テクテク

ソラウ(ケイネス達が落ち合うのに指定してた場所は確か…)

ソラウ(げぇ・・・何よ・・ココは・・・?)ニンニククサイ…

―遠坂邸

時臣「うん・・!」パクッ

時臣「とてもおいしいよ」

時臣「まどかちゃんは料理も上手だねぇ」

まどか「もうー褒めすぎですよ~」テレッ

時臣「それで…衛宮切嗣と思われる人物が…不倫をしている光景を見たと」

まどか「は、はい!」

まどか「…写真で見ていた奥さんでも…セイバー…でもなかったと思います」

時臣「ふむふむ…」


時臣「まあ、今は泳がせておいていいだろう」

時臣「正直言って、セイバーは恐れるに足らないだろう」

まどか(さやかちゃんェ・・・)デスヨネ・・・

時臣「現時点で一番の問題は…」


時臣「7人目のサーヴァントの情報が依然つかめないということだ」


まどか「ええと…確か残るは、キャスターでしたっけ?」

時臣「そう」

時臣「すでに召喚がなされたらしいことは聖堂教会からの一報で判明しているけれど」

まどか(あと一人…か)ウ~ン

まどか「ところで、時臣おじさんは外出しないんですか?」

時臣「…私はインドア派でね(積極的に出るには…時期尚早だ)」

―深夜・カプセルホテル


TV<盗難された自衛隊のヘリが、冬木市内で低空飛行・空中分解しOOビルに墜落・連鎖爆発…

TV<現場では残骸の回収作業が続き…、なおビルは全室テナント募集中で死傷者は奇跡的にゼロ…


雁夜「…あるいは」

マミ「いえ…、おそらく間違いないと思うわ」

マミ「聖杯戦争関連で発生した事故」

マミ「―――魔術でヘリコプターを操っていたのかも」

雁夜(…住宅街の一角で堂々と…よくやるな)


雁夜(―――先の緒戦では)

雁夜(魔力の制御さえできれば、十二分に戦えることを実証できた)


雁夜(テメェの高慢チキな顔に必ず泥を塗ってやるからな―――――待ってろよ時臣ィ…!!)グッ





―中華料理店(紅洲宴歳館・泰山)

杏子「あたしらが公園を出た後、また他のとこで派手な乱闘があったらしいな」パクパク

ソラウ「まあね…どうやら、ライダーとセイバーのマスターが小競り合いを起こしていたと見えるわ」

ソラウ「ところでケイネス…どうしてこの私がこんな辛気臭い店に…!?」イライラ

ケイネス「お、落ち着きなさい…ホテルの一件があるだろう」

杏子「そーそー、次に奇襲受けても…ホテル一つ潰されるよりマシだろ」

杏子(それに、こういうごみごみしたトコに潜んでる方が小回りが利くしな)

杏子「第一、あたしは“生前”もホームレスみたいな生活をしてた時期が長かった」

ソラウ「道理で」

ソラウ「―――野良猫みたいな低俗な雰囲気がするわけだわ」

杏子「うるせえ」

杏子「…とにかくあーいう高級なホテルは…何かかえって落ち着かないのさ」

ケイネス「ランサーもこう言っている」

ケイネス「…今夜はこの店の隣のネット・カフェイとやらに泊まるとしよう」

ケイネス「このような異文化体験も、悪くはないとは思わないかい…ソラーウ?」

ソラウ「ケイネス・・・もしかして戦闘で頭でも打ったんじゃないの・・・」ゾクッ

杏子「??」




―新開地辺りの路地裏

龍之介「ほらほら~、しっかり歩きなよ~」テクテク

使い魔(ワキャキャキャ)(※誘拐補助)

子供達「―――――」ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ

―冬木市内・某所

子供「―――」ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ

ワルプルギス「それなりに集まったの~」

龍之介「おぅ!こっちも」オイデオイデ

子供「―――」ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ




ワルプルギス「さて」サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




龍之介「おお!何この空間!!まるでサーカスを見に来たようだなぁ~!」ヒュゥ

ワルプルギス「わらわには結界は不要―――――なれど、張れぬこともない」ニッ

ワルプルギス「わらわの記憶の中に埋もれた…無数の魔女達の…心象風景」

ワルプルギス「全てが混沌と混ざり合い、融け合い、織り成した・・・一つのまぼろし」

龍之介「・・・ふーん」


龍之介「それじゃ、パーティーを始めよっか♪」ギラリッ

ワルプルギス「気絶しない程度の苦痛を与えながら―――生き地獄の中でなぶり殺そうぞ」

ワルプルギス「なぁ、龍之介」ニヤリ

―城内・反省会



アイリ「・・・・・・」

さやか「・・・・・・」



切嗣「…………………」

舞弥「…………………」



アイリ(き・・・気まずい・・・)



さやか「あ、あははははは~」

さやか「ごめんごめん…ついカッとなって飛び込んじゃって~・・」

さやか「・・・」

アイリ「セ、セイバーも悪気はなかったのよ…!」

アイリ「結果的に…成果を挙げられなかったのは…事実だけれど…」

さやか「うっ」


切嗣(接近戦でライダー陣営を葬る好機だったというのに…!!)ガクッ

切嗣「セイバーが…横槍を入れたせいで」ボソリ

舞弥「そこは槍ではなくてむしろ剣では…?」


アイリ「あら、舞弥さん…お上手ね!」

さやか「あははははは、面白~い!!」


切嗣「…」シーン

舞弥「…あ、いえ…」


アイリ「・・・」

さやか「・・・」

舞弥(それにしても)

舞弥(あの一瞬で逃げおおせるとは…)

舞弥(ライダーは瞬間移動を使ったとしか…?)

切嗣(夜風を浴びながら一服してくるか)ガタッ

アイリ(何だか・・先が思いやられるわ)

さやか「あ、・・・何か・・すいません」ペコリ

アイリ「そ、そんなに気にすることはないわ、セイバー!」

さやか「アイリさん・・・!」

さやか「任せてください!…明日からはあたし、じゃんじゃん貢献しますんで!!」ニッ






―深夜―聖堂教会

        ザッ

璃正「綺礼か?―――――客人が待っておるぞ」

綺礼「…客人?」

        ガラッ



まどか「こんばんは、言峰さん」



綺礼「…」

綺礼「アーチャーか」

綺礼「…何の用だ」

まどか「今日の晩御飯に、マーボー豆腐を作ったんですけど」ゴソゴソ

まどか「たくさん作っちゃったので、おすそわけってことで」

まどか「良かったら・・・どうぞ」ニコッ

綺礼「…」

綺礼「わざわざ…ここまで届けに来たというのか」

まどか「はいっ」ティヒヒ



まどか「ど、…どうですか?」ドキドキ

綺礼「悪くはない」コトッ

綺礼「が、少々甘過ぎる」

まどか「ふええ…そうですか~?」

綺礼「――――――で」



綺礼「ここに来た本来の目的を、そろそろ説明してもらおうか」



まどか「……………はい」キッ





まどか「あなたが、アサシンのマスターだったんですね」



綺礼「…」

綺礼「いかにも」

綺礼「お前達とアサシン―インキュベーター―のかつての関係は熟知しているつもりだ」

まどか「じゃあ、私がきゅぅべぇのマスターであるあなたに対して」

まどか「どんな感情を抱いているか――――分かる?」

綺礼「…」

綺礼「―――私を殺すというのならば、殺すがいい」


綺礼「己が師のサーヴァントに弑せられたとて、何の後悔も無い」


まどか「…」

まどか「言峰さん」

まどか「―――私はあなたのことを殺そうなんて、微塵も思っていないよ」

綺礼「…何?」

まどか「きゅぅべぇは私達にとってはまるで悪魔のような存在だったけれど」

まどか「あなたはきっと悪い人じゃないって…なんとなく…そんなふうに思うから」

綺礼「…」

綺礼「何、・・故」

綺礼「…そう…、思うのだ…?」

まどか「わからないよ」

まどか「わからないけれど」


まどか「今、私の身近にいる人達だけでも…そうであると信じたいから」


綺礼「 信、じる・・・ 」

まどか「―――願いって」

まどか「それくらいの、ちっぽけな信じる気持ちから生まれて来るんじゃないですか?」

綺礼「アーチャー」

綺礼「…お前は一体…、何を言いたい」

まどか「…………………………」ニッ

まどか「う~ん…」

まどか「私にも・・よく、分かんないです・・・」

綺礼「な・・・」

まどか「それでは、今日はこの辺で!」ノシ

まどか「…あんまり遅くなると、おじさんが心配するから」シュンッ

      

ポツーン

綺礼(私の・・・・・願望・・・・・とは・・)




QB「(アーチャーも帰宅したし)…入っていいかい?」コソコソッ




この辺でED>♪~オモイダケガ イキルスベテ イノチをツクルノハ ネガイ~




【聖杯戦争1日目・終了】


―翌朝―冬木市内・民家


TV<冬木市内の高級ホテルがテロで倒壊、△△公園で謎の爆発・地盤沈下、盗難ヘリ墜落事故…

TV<県警は自衛隊及び駐留米軍と協力して事態の収拾にあたって…

TV<凶悪なテロリストが市内に潜伏している可能性が高く…

TV<更に夜間に幼い子供が忽然と姿を消すという事例が市域周辺で発生し…

TV<連続猟奇殺人事件の犯人は依然足取りが掴めず…


ジイサン「まったく、冬木も物騒になったもんじゃな」

バアサン「というより…まるで世紀末ですねえ」





―同民家の一室

ウェイバー「パチッ」

ウェイバー「・・・・・・・・」ボー

ウェイバー「もしかして、…全部…夢だったのk」チラッ

ほむら「スースースー」

ウェイバー「OH・・・」

ウェイバー(夢じゃ・・・ない・・・・)ガクッ             

【聖杯戦争2日目】


―冬木市内・某所



QB(―――アサシンの朝は早い)タッ



QB(言峰綺礼…今の君の心境の変化を)

QB(僕は残念ながら理解することができない)

QB(ちょっと、口惜しい気分だよ・・・)



―ヘリが墜落・半壊したビル

雁夜(これはひどいな)ガラガラッ

マミ(何か他陣営の手掛かりになりそうなものは…)キョロキョロ

マミ「う~ん」

マミ「特に見当たらないですね」

雁夜「派手に破壊活動をやっておいて」

雁夜「立つ鳥跡を濁さず・・・か」


―ネカフェ前

ソラウ「狭苦し過ぎでしょ」

ソラウ「…まったくロクに眠れなかったわ…」アタマイタ

杏子「おっはよ~お二人さん!」シュンッ

ケイネス「グッモーニン、ライダー」


ソラウ「ランサーは無駄に元気ねえ」

杏子「つかソラウは昨日大したことやってないクセに」

杏子「何疲れたツラしてんだよ」ニヤニヤ

ソラウ「誰が魔力供給してやってると思ってるわけ?」ギロッ

杏子「まーまーそう怖い顔すんなよ…顔のシワが際立っちまうぜ」

ソラウ「・・・・!!?」イライラ


ケイネス「君達…朝っぱらから喧嘩腰の会話しかできないのはどうにかならないか…」


杏子「とりあえずスタバでも行こーぜ」

ソラウ(…ああムカつくッ!!)キィィ

ケイネス「まあ落ち着きなさい」ポンポン

ケイネス「―――――さぁて」

ケイネス「今日こそは、この私の真の実力を存分に発揮させてもらおう」ニヤリ

杏子「おう!」

杏子「やってやろうぜ、マスター!!」ニカッ

―城の庭

 チュンチュン チュンチュン

さやか「本日も晴天なり~」

さやか「いや~、朝の新鮮な空気は気持ちいいっすね」シンコキュー

アイリ「ですね」

さやか「そういや、マスターと舞弥さんは?」

さやか「朝食の席にも居なかったけど」

さやか「もしかして…寝坊とか?」ププ

アイリ「いえ・・」

アイリ「二人は数時間仮眠を取った後」

アイリ「今朝早くには、行動を開始したようで」

アイリ「今は不在なんです」



さやか(あの人達・・・元気だなあ・・・)

≪この辺でOP~♪イツニナッタラ ナクシタミライヲ~≫ 

―民家

ほむら「・・・・パチッ」

ほむら「・・・あら、私としたことが少し睡魔に襲われてしまったようね」フアー

ウェイバー「やっぱり・・・・現実か」

ほむら「あら、ようやくお目覚めのようね」

ほむら「あの危機的状況の中で無様にも気絶するなんて…情けないとは思わないの?」

ウェイバー「フンだ・・・どうせ僕は情けない落ちこぼれの馬鹿野郎さ・・」ショボーン

ほむら「そう落ち込むことはないわ。才能だけでは生き残れないのが、この戦争の肝でもある」

ウェイバー「それで慰めてるつもりか」プイッ

ウェイバー「…それよりお前、今は霊体化しておけよ…!」

ウェイバー「こうしている間も待機電力のように僕の魔力が少しずつ削られてるんだぞ!!」

ほむら「霊体化しているとトリートメントが不十分になるわ」シャッシャッ

「二人とも~降りといでえ~」



―食卓

バアサン「はい、…ウェイバーちゃん、まどかちゃん。ごはんができましたよ」

ジイサン「ははは、ウェイバーがこんなべっぴんなお嬢さんを連れて来るとは」



ウェイバー「勘違いはよしてくれ!(たとえ暗示をかけていても)身の毛がよだつから!!」

ほむら(とりあえず彼らには偽名を使っておいて問題ないわ)ファサ

ウェイバー「…ところでライダー、TVのニュースでも言っているけど」ヒソ

ウェイバー「僕達が関わっているやつは・・・ともかくとして」ハア

ウェイバー「…子供達の不可解な失踪ってのは」ヒソッ

ほむら「その話は後でね。かなり厄介な事態が発生していると見えるわ」ヒソッ

―聖堂教会

QB「まったく、昨日はいきなり僕の貴重な個体の一つを無駄にするなんて」

QB「…もったいないじゃないか!」

QB(おまけに別個体の一つも何者かに奇襲を受けて破壊された…)

QB(高確率でサーヴァントの仕業だろうけれど)

QB(気配は十分に隠していた筈なのに…)

綺礼「これも他のサーヴァントを欺くためのことだ」

綺礼(しかし…今回のようにアサシンの姿を確認することで)

綺礼(その特性が他のサーヴァントに容易に露見しうる状況下では…)

綺礼(その実効性はやや疑問符が付くが)

綺礼(その点を考慮すると、マスターとサーヴァント間での情報のやりとりが密であるほど)

綺礼(戦闘を優位に進められる…ということか?)


綺礼(すなわち・・・信頼関係の・・・醸成が重要となる・・・・わけだ)

ここまでで続き部分までが終了
微修正とかしてて時間食ってスマン

一旦買い物で離脱しますが今晩中に二日目終了させるつもりです

――――――――――――――――――CM―――――――――――――――――――――――――

慎二「ふっ…待たせたね――――投下再開だよ」

仁美「間桐くん!?…これほど読者の方々をお待たせしておいてその態度はあんまりですわ!」

慎二「…ところで何故僕達のコンビがこうやってCMに出演しているのかな?」

仁美「両作品の知識がある方々には何となく・・察しがつくと思いますわ」

慎二「それにしてもライダーは・・・イイね」

慎二「彼女か第4次のライダーが僕のパートナーだったら、確実に僕が第5次聖杯戦争の勝者に(ry」

仁美「どう考えてもウェイバーさん以上に足手纏いになってすぐに脱落していたに決まってますわ」

慎二「黙れええええええええっ!!?」

仁美「それでは、続編をお楽しみください!――――いよいよさやかさんが本領発揮ですわ!」

慎二「衛宮の親父の奔走っぷりと、――――あの神父の動きに注目してくれ」ニヤリ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―聖堂教会

綺礼「…それよりもアサシン」

綺礼「サーヴァントとしての戦闘力は、あるいはお前が最弱…」

QB「大丈夫さ」

QB「君が彼女たちのソウルジェムを奪い取ってくれれば、僕の力で彼女たちに苦痛を(ry」

綺礼「その折は私が握りつぶせば良いだけのことだろう?」

QB「…」


 サアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


綺礼「む…?」

QB「!!?」

綺礼「これは…敵襲か…」



使い魔「キャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハキャハハハハ」



QB「な…まさか!?―――――使い魔!!?」

綺礼「馬鹿な」

綺礼「仮に他陣営が間諜として放ったものだとして」

綺礼「―――伝令用の使い魔がこのような結界を張ることなど…できるはずが」

―民家

ほむら「昨夜以降、明らかに魔女が使役する使い魔と思われる気配が、冬木周辺で確認できているわ」

ウェイバー「魔女…ってことは…!」

ウェイバー「ってどういうことだよ?」

ウェイバー「お前、聖杯戦争に召喚されているのは魔法少女っていう存在なんだろ?」

ほむら「…別にあなたが詳しく知る必要はないわ」

ウェイバー「なっ!?」

ほむら(情報戦も戦略上、重要な要素の一つ)

ほむら(マスターとはいえ…まだまだ未熟な人間に安易に話すべきことでは、ない)

ほむら「とにかくよ」

ほむら「もしかすると…魔法少女以外のイレギュラーな存在が召喚された可能性がある」

ウェイバー「イレギュラー…だって…?」

ほむら(あるいは…)

ほむら(魔法少女のうちのいずれかが…早くも魔女化した)

ほむら(…という可能性も、一応はあるわね)

ほむら(ただ、聖杯という“万能の釜”を追求する形式で使役されている私達は)

ほむら(…そう簡単には魔女化しないはず)


ほむら(実際、私はこうして“ハズレくじ”を引いて大いに絶望したのに)ジー


ウェイバー「…ん?何だよ…?」


ほむら(未だにソウルジェムは輝きを失っていない…!)キラリ


ウェイバー「僕の顔に何かついているのか…?」


ほむら(となると…やはり…!)


ウェイバー「黙りこくってないで何か言えよ…、いや…言ってください・・・ませ」ガクリ

―教会



使い魔「キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ」ドシューンドシューンドシューンドシューンドシューン

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ





QB「これはまずいことになったよ、言峰綺礼!」チョコン

綺礼「むぅ…!」サッサッサッサッサッサッサッ

QB「使い魔1体で、この強さ…」

QB「間違いなく…途方もなく強大な魔女がこの世界に顕現したとしか考えられない…!」

綺礼(――バーサーカーが“卍解”した、という線は薄いか。ということは)




QB「おそらく、―――唯一捕捉できていないキャスターは」




綺礼「キャスター、―――――あるいは、“反英雄(アヴェンジャー)”」サッサッサッサッサッサッ


使い魔「キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ」



QB「さて、まずはこの使い魔を倒さない限り」

QB「君は生き残ることはできない」

QB「君の魔術師としての実力は、見習いの修了程度だったね」

綺礼「――――何が言いたい?」

QB「投擲剣や黒鍵、それに君独特の殺人拳も…この使い魔相手にはどれほど効果があるかは未知数だ」

QB「そこで、僕が君に力を貸してあげても構わないのだけれど」


綺礼「――――お前は私のサーヴァントだ」


綺礼「有事にマスターに協力するのは――」

QB「――当然のことだろうね。令呪もあるし…………それでも」


綺礼「それでも・・・何だ?」


QB「君は、この場を乗り切ることで…生き残りたいと欲しているね」



QB「      そ れ は 、 何 の た め な の か な       」

綺礼「――――――――」




QB「『遠坂時臣を援護するためにはまだ死ぬわけにはいかない』なんていううわべは、聞きたくないな」



綺礼「――――アサシン」







綺礼「   令呪を以て命ずる――――――私の後援に徹しろ   」








QB「――――それが、君の答えかい?」キィィィィィィィィィン

QB「いいよ、君の魔力は君の望む道を切り開くに十分なほど増幅・補填された」



綺礼「私の・・・望み・・・」ポゥ




QB(僕は今後…君の思想信条には干渉しない)

QB(ただの影武者として、君の求める情報の収集に徹するとするよ)





綺礼「―――」ギュオオオン        ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



使い魔「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」



ブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッブシュッ

―民家

ほむら「もしかしたら」ゴクリ

ウェイバー「もしかしたら?」

ほむら「私達…魔法少女の陣営に共闘指令が発せられる可能性さえ有るわ」

ウェイバー「共闘ッ!?…何言ってるんだ、各陣営はそれぞれ敵同士じゃないか!?」

ほむら「聖杯戦争のような“平和”なイベントを続行できないほど強大な化物が」

ほむら「この冬木どころか…世界中を地獄と化する虞が…ある」

ウェイバー「そ…」

ウェイバー「それほどの化物が…この町のどこかに潜んでいるというのか」

ほむら「ええ」

ほむら「私の勘が正しければ…間違いないわ」

ウェイバー「勘…か」ハア

ウェイバー「お前さ…いろいろ知ってるんならもうちょっと手の内見せてくれてもいいだろ?」



ウェイバー(これじゃ…ライダー1人が戦っているだけじゃないか)

ウェイバー(僕の実力を試すための絶好の舞台…)

ウェイバー(そう思って参加したというのに…!!)ギリッ



ほむら「いずれ」ボソリ

ウェイバー「・・・え?」

ほむら「いずれあなたもその目で見ることになるわ―――――私の生き様を」

ほむら(   私の、固有結界の中でね  )

―聖堂教会

        バタンッ

璃正「綺礼!」

璃正「何があった…?この部屋から妙な気配が…」

璃正「」




綺礼「―――父上」シャララーンッ




綺礼「私は、少し・・・吹っ切れたのかもしれません」

QB(僕は指示通り、使い魔を放った主を捜索する作業に取り掛かるよ)



璃正「」バタッ



QB(息子の艶姿に…あまりのショックで気絶してしまったようだ…)タタタ



綺礼「父上・・!どうなされまs」

綺礼(な・・・!?・・・・こ、れは・・・・もしや)ゴクリ

―夕刻・遠坂邸

まどか「それじゃ、今日も行ってきま~す」



時臣「いってらっしゃい、まどかちゃ…否、アーチャー」

時臣「君ならば大丈夫だと確信しているが」

時臣「単独行動スキルがあるからといって…あまり羽目を外し過ぎないように、気をつけるんだよ」



まどか「はい、気をつけます!」コクリ


まどか(           …皆にまた逢うことができる            )


まどか(出会い頭に・・・殺し合いになってしまうかもしれない)

まどか(それでも、――――――たとえそんな形でしか)

まどか(語り合うことが・・・・できないにしても)


まどか(       それは私にとって、とっても嬉しいことなの・・・       )


まどか(      ほむらちゃんなら・・・分かってくれるかなぁ・・・?      )シュタッ

―冬木市内・魔女工房

龍之介「でーきたッと~☆」フー

ワルプルギス「ほうほう…人体オルガンとはお見事じゃなぁ」ニヤニヤ



龍之介「お!さっすがワルちゃん、見る目あるね!」

ワルプルギス「じゃが、おぬしは人間の死にいたる過程において…もっともっと苦痛を味わわせるべきじゃな」


ワルプルギス「幼い子供の儚い希望が救いようのない絶望に陥るその瞬間―――これほど美味なる光景(モノ)はこの世に存在せぬ」ウムウム

龍之介「う~ん…ま、難しいことは置いといてさ」



使い魔「ヴイ~~~~~~~~~~~~~~~~ン」



龍之介「そこのスクリーンみたいな形の使い魔は何なんだ?」


ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ


龍之介「おっ!?…何これ映像が映った!」

ワルプルギス「――――どうやら、わらわの面前にはまだ彼奴等は現れてくれんらしい」

ワルプルギス「魔法少女同士の殺し合い―――――今宵の余興とさせてもらおう」ニヤリ

―深夜・波止場

アイリ「きれいな海・・・」

さやか「そうですね・・」

アイリ「あなた達の生地は確か…見滝原といったかしら…?」

さやか「ええ、そうです。まあ、冬木からは遠く離れたところなんですけどね」

アイリ「いつか…見滝原という町にも…行ってみたいわ…」

さやか「・・・・・・行きましょうよ!」ガシッ

アイリ「セイバー・・・・」



さやか「  この戦いが終わったら、できたら・・“みんな”で行けたらいいなって  」ニッ



アイリ「―――――、ええ」シミジミ







―物陰

舞弥「敵のサーヴァントが接近中です――――クラスはまだ分かりませんが」

舞弥「わざと気配を漂わせて…他陣営に対する挑発を行っている節がありますね」

舞弥「セイバーは…気づいていないみたいですが」

切嗣「舞弥、セイバーには…ほとんど期待できない」

切嗣「敵のマスタ―を発見次第、即座に僕達が動く―――いいね」

舞弥「了解」

さやか「アイリさんって…ホントにいい性格してますよね」

さやか「何にでも興味を持てるっていうか…勉強熱心って感じで!」

アイリ「そうね・・」


アイリ「ずっと外界を知らずに育ったから…外の世界に対する好奇心は人一倍かもしれない」


さやか「へえ~」

アイリ「といっても」



アイリ「…私は“普通の人間”ではないのだけれど―――」



アイリ「前に話したわよね、私がホムンクルスだということ」


さやか「はい…」コクリ



さやか「  でも  」



アイリ「え…?」


さやか「たとえホムンクルスだとしても、アイリさんはアイリさんじゃないですか…!」


さやか「あたしも…人とはかけ離れた存在だけど」


さやか「・・・かつてそうなった自分の存在に・・・価値を見い出せずもがき苦しんだけれども」




さやか「それでもやっぱり、あたしはあたし―――正真正銘のさやかちゃんなんですよ」


さやか「だから」



さやか「難しいことは考えずに、楽しみましょ!!…かけがえのない今を」ニコッ



アイリ「セイバー…私を勇気づけてくれて、・・・ありがとう・・・」ニッ

さやか「そういうわけで」クルッ

さやか「待たせちゃったね」




さやか「―――――始めようか、ランサー」




さやか「        ううん、杏子        」スタッ

アイリ「!!」ハッ

                


                  ザッ





杏子「久しぶりだな、――――さやか――――」ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


さやか「下がってて、アイリさん!!」



アイリ「ええ」コクリ

さやか「貴女は、このあたしが命を懸けてお守りします」キッ




杏子「どんな形であれ、もう戦闘は避けられない」

杏子「けれど、あたしはあたしで…こういう再会もアリだと思ってるんだ」



さやか「肉体言語ってこと?…いいよ、あたしも手加減しないから」ニッ




杏子「いつまで続くかも知れない今を…精一杯楽しもうぜ、さやかァ!!」スッ








―物陰

舞弥「…少し、セイバーに対する評価を…変えてもよろしいのでは」

切嗣(…口では、何とでも…言えるさ)ジワリ



切嗣「今度こそお手並み拝見だ――――ちょっと残念な騎士王さん」

バーサーカー枠でキリカ
キャスター枠でおりこ

とか出る構想とかはあったのかな?

>>95 済まない…アニメの方しか見てなくて、漫画(?)の方のキャラは分かんないんだ
   


さやか「はあああああああああああああああああああっ!!」ダッ

杏子「行くぜええええええええええええええええええっ!!」ギュルン

      カキンッカキンッカキンッカキンッカキンッカキンッカキンッ




さやか「おりゃああ!!」ザッ        ズガバキグシャガリガリガリガリガリガリガリ



杏子「スピードでは」スッ

杏子「あたしが上だっての!!」ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルンッ



さやか「あきらめの悪さなら」

さやか「あたしが世界一だあああああああああああッ!!!」カッカッカッカッカッ ブウォン




アイリ(―――正面切っての競り合いでは)

アイリ(まったくの、互角だわ…っ!!)

杏子「思い出すよな、さやか!!」ザッ

           ガキンッ




杏子「あたしたちが、初めて出逢ったときのこと」ギギギギ

さやか「そうだね」ギギギギ



さやか「あのときも…こんな感じで」ギリッ

さやか「命を懸けた――――殺し合いをしたっけ!!」ズガッ


杏子「っと…!…ああ」スタッ

杏子「かつて敵として出逢って、いつしか仲間になって――――再び敵として相対」



杏子「そういう運命なのかな、あたしたちは」



さやか「運命、だろうね」スタッ



さやか「運命だったら――――もう、受け入れるしかないよねぇ!!!」




さやか(その先に・・・何が待っていようとさ)

さやか(そうでもして自分を納得させなきゃ・・・先に自分の頭がおかしくなっちゃいそうだよ)

杏子「…」チラッ



杏子「――――ところで、そっちの人はアンタのマスターか?」



アイリ「…!」ビクッ

さやか「ううん、違うよ!」






アイリ「ちょっとセイb」



さやか「本当のマスターはそっちの陰に隠れてるんだ」クイッ

さやか「アイリさんは囮であたしと一緒に行動してるってわけよッ!!」




杏子「そ、そうか…(おいさやか…お前…やっぱ馬鹿のままだな…)」









―物陰

切嗣(あの馬鹿ァ・・・ッッッ!!!!)orz



―近郊

舞弥「こちらアサシンを視認しました―――ランサーのマスターは依然確認できていません」ムセン




―遠方

QB「ジー」




―海中

シュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ

ほむら「時は満ちたわ」   ウェイバー「もう・・・やだ・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




―海峡大橋上

まどか(そろそろ実体化して躍り出ようかな~)コソッ





―地下施設内

雁夜(そろそろ…頃合か?)

マミ「…」グッ

さやかwwwwwwwwwwwwwwww

これって円環の理=英霊の座として考えていいの?

>>103 う~ん…それだと完全にチートだし…

―波止場



ケイネス「  ほ う  」ザッ



ケイネス「姿を晒すことさえできぬとは…セイバーのマスターはさぞかし臆病な人間と見える」ニヤリ

杏子「な!?…おいマスター堂々と出てくんなよ!?」

ケイネス「この実力者である私が、戦闘をサーヴァントに押し付けて雲隠れする筈がなかろう」ドヤッ

杏子「…そうかい。勝手にしな」ニッ




アイリ「!!…あなたが時計塔の…!?」

アイリ(いいえ、影武者の可能性もあるわ…!!)

さやか「だってよー切嗣さ~ん!!」オーイ



さやか「正義の味方ならコソコソしないで正々堂々戦いましょうよッ!!」



アイリ(セイバー・・・無垢は罪なのかもしれませんね・・・)





―物陰

切嗣(…セイバーを少しだけ見直した僕が馬鹿だった)シキリナオシ

切嗣「舞弥、アサシンを撃て―――威嚇射撃だ」ムセン



切嗣「僕は、この場でランサーのマスターを撃つ…!」チャカッ



さやか「  来ないなあ・・・切嗣さん  」



アイリ(切嗣…この危機的状況を打破できるのはあなただけよ…!!)




杏子「  そんじゃ、続きを始めようか  」ザッ

ケイネス「  共にいざゆかん、ランサー!!  」スッ







―物陰

切嗣「5、4、3、2、…」キッ






―近郊

舞弥「5、4、3、2、…」キッ

「「1!!!!!」」

           




            ファサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

「―――――――――――悪夢のカーニバルの、始まりじゃ――――――――――――」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

            ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ






  ケイネス・杏子「」                        さやか・アイリ「」






―物陰

切嗣「」                         舞弥「」









―海上・潜水艇

         カパッ

ほむら「あ・・・れ・・・はァァァ・・・」ガクガク

ウェイバー(何なんだ・・・あいつ・・・まるでステータスが・・読めない)ゾクッ

―遠方

QB「や、やはり“舞台装置の魔女”が顕現していたのか…!!」

QB「しかも理性も有しているとは…もはや不条理なんてレベルじゃないよッ!?」

QB「これは…まずいことになっt」




まどか「さよなら、アサシン」ザッ       ドキューン






         QB「」チーン


まどか「ふう――――そして」

まどか「(マミさん…ううん、)バーサーカーさん…だね」キッ


マミ(遠坂時臣のサーヴァントのアーチャーッ!!!!)ゴゴゴゴゴ



まどか(…マミさんもだけど)チラリ

まどか(波止場に現れた7人目のサーヴァント――――あの子は ま さ か )ゴクリ






―地下施設内

雁夜( 全 力 で い け 、 バ ー サ ー カ ー ! ! ! )ググググ

改変後でまどかのこと知らない感じか?

>>111 改変の影響で杏子とマミはまどかのことをはっきりとは知覚できない感じ
   ただ、過去のループにおける関わりが記憶の中に残滓として少し残っているみたいな



ワルプルギス「あんまり、お主らが楽しそうにあそんでいるのでなぁ」ククク

ワルプルギス「わらわも、そろそろ顔見せくらいはしてやろうと思って来たものよ」ギロリ

使い魔一行「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」




ケイネス「――――ランサー、今宵の戦いはここまでだ」ザッ

杏子「くっ…!―――じゃーな、さやか!…イキロ」ザッ





さやか「  え・・・    マジで・・・  」ボーゼン

アイリ「セ、セイバー…わ、…私に、…勝利を」ボーゼン





キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

          ―弾道ミサイル搭載型潜水艦―

ほむら「突撃ィ―――――――――――――――ッ!!!」ズガガガガガガガガガガガ

ウェイバー「もう・・・帰りたいけど・・・やってやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」ウワアアア


ザッバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



ワルプルギス「――――時間操作か」ニッ


ほむら(!!…やはり、時間の干渉も受け付けないのね……)クッ


ワルプルギス「やはりおぬしもおったのか――――― 会 え て 、 実 に 嬉 し い ぞ 」クワッ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ズダダダダダダダダダダダダダダダダ――――――――――――――――――ン★彡

               ―潜水艦大破―

ズガバキドゴグシャガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル


ほむら「くぅ…!!」ドガシャーン

ウェイバー「ぐはっ!!?」ドガシャーン

さやか「なっ!?…転校生と、そのマスターまで!!?」

アイリ「あなたたちは…どこからッ!?」


「セイバー…ッ!!」



切嗣「……………」ザッ

さやか「!!!!!」

さやか「   マスター・・・  」

さやか(やっとあたしのことを、・・・呼んでくれたんだね)ジワッ




舞弥「お急ぎください!!」タッ      アイリ(2人とも…どうか、無事で…!!)コクリ




ほむら(あれほどの呪いを帯びた魔力を持つ魔女の現界…奴のマスターは何者…!!?)ユラリ

ほむら(それとも―――もしかして…魔女の存在原理から類推するに)ギリッ

ウェイバー(この世の人間の持つ負の感情そのものを糧として…自ら魔術回路を構築…しているんじゃ)ユラリ

―遠方

マミ(―――――――――――)シナナイデ、カリヤサン

マミ「はああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」

メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリ



マミ「80%ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



まどか「マミさん」

まどか(キャスターも気になるけれど・・・ここは、相手をしてあげなきゃ悪いもんね…!!)



まどか「私の“円環の理(セオリー・オブ・トータス)”を受けてみる?―――――バーサーカー…さん」ヴォォォォォン




―遠坂邸

《波止場周辺を監視させておいたアサシンは…倒されました》

《現状では、波止場にて“キャスター”とセイバー陣営及びライダー陣営が睨みあい》

《ランサー陣営は逃亡、“キャスター”のマスターは所在不明です》

《アーチャーはやや離れたところで、バーサーカーと相対している模様》

《宝具の解禁も辞さない構えのようですが》

時臣(これは…混沌として来たな)ムムム

時臣「綺礼よ、引き続き周辺の状況を逐次報告し」



「             申し訳ありません              」ザッ

>>118 修正 トータス → トーラス

擬音多すぎじゃね

>>121 文章っていうか漫画の下書き時の構図見てるようなつもりで我慢して欲しい…

―遠方

まどか「さあ、始めるよ」ポゥゥゥゥゥゥゥ


ドシューン  ドシューン  ドシューン  ドシューン  ドシューン


マミ「――――――」スッ


ビュォン   ガシッ   カツーン☆   ボキッ!!   メリメリ・・・パァーン☆



マミ「~~~~~~~~~~~~~~」ド ヤ ッ ッ



まどか「                    」アゼン







―物陰

ケイネス「何・・・・・・・・・・・と・・・・・・・・・・・・・・・」

杏子「マミ・・・・・・・・・・・・・・・・・さん・・・・・・・」

ソラウ「ちょっと、あなたたち…だらしないとは思わないの?」イラッ

―遠坂邸

時臣「!!!?」



時臣「その声は…綺礼かッ!!?」ガタッ

時臣「いつの間にこちらに移動しt」クルッ


時臣「             」

              

              ~マホウショウジョ・キレイ★マギカ~


綺礼「―――――我が師よ」

綺礼「――――――この言峰綺礼の願望というものを、どうか聞いていただきたい」




時臣「綺礼よ、こ、こ、これは一…体ッ…!?」

綺礼「どうか、落ち着いて下さい」

時臣「せ、説明してもらえるか――――その服装は・・・ま さ か ッ ! ! ? 」



綺礼「私は決意しました―――――師匠との提携関係は本日をもって解消させてもらいます」


時臣「馬・・・鹿・・・な・・・?」

時臣「そんなことをしたら・・・君は父たる監督役とももはや顔向けできな」


綺礼「父上は先刻、心不全で急逝しました」


時臣「な」

綺礼「これからは聖杯を争う一人のマスターとして、あなたとも敵対することになります」

時臣「・・・ぐぬぬ」

時臣「――――ひとつ、聞かせてもらいたい」

時臣「そうまでして、君が手に入れたいと願うものは・・・一体何だ」



時臣「カネか・・・権力か―――――――あるいは、死別した妻の蘇生…か?」



綺礼「…」


綺礼「              師匠               」

綺礼「              私は               」



綺礼「   あ    な    た    が    欲   し   い   」





時臣「                                    」


―遠方

まどか(私の円環弓を全て弾き飛ばすことなく、受け止めて・・・一瞬のうちに無に回帰させるなんて・・・)


まどか「    す    」ガクガク



まどか「―――――すごいや、マミさん―――――」ティヒヒヒ



マミ「………………」ニッ



まどか「もっともっと!!」バッ

まどか「  私のチカラを、受け止めて!!!!!  」


ドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューン



マミ「――――!!!」パシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッ








―物陰

ケイネス「何という・・・・・」

杏子「別次元の戦い・・・」

ソラウ(もし再契約を結ぶとしたら…やっぱり…)

―波止場



ワルプルギス「もう隠すまでも無かろう」

ワルプルギス「わらわは―――――――――“舞台装置の魔女”」

ワルプルギス「通称、――――――――――ワルプルギスの夜」ニヤリ







ほむら「…」ゴクリ

ウェイバー「…」ゴクリ



さやか(ワルプルギスの…夜…、ってどんな夜だろ?)

切嗣(もう戦略もへったくれも無い混沌とした状況…!)ギリッ

切嗣(ここは、令呪を使用してでも――――退避してこの場をやり過ごすのが最適だ!!)

ワルプルギス「まあ、そういうわけでの」

ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



ほむら「な…!?」        ウェイバー「に、…!」


さやか「ちょっと、あんた!!?・・・逃げるつもり!!?」

切嗣(…………………………)


ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



ワルプルギス「言ったじゃろう、今宵は顔見せだけじゃ」ニヤニヤ

ワルプルギス「近いうちに、わらわの真の姿を目の当たりにさしてやろうぞ」




ワルプルギス(また逢おう――――――――――――――名も知らぬ時間遡及者よ)シュウウウウウン

―遠坂邸



綺礼「妻と死別してから後」

綺礼「わが身に令呪が宿ったのをきっかけに」

綺礼「あなたの徒弟として」

綺礼「教えを請い、寝食を共にする中で」

綺礼「私は・・・」

綺礼「師に対して、尊敬とは少しくことなる感情を」

綺礼「抱くように・・・なっていたのです」






時臣「           」アングリ

綺礼「これまでは、そのような感情を―――道義に反する愉悦・業慾として切り捨てて参りました」

綺礼「が、しかし」

綺礼「アーチャーと接することで、私は――――気付くことができたのです」

綺礼「どんに醜悪な嗜好であれ――――――己がこう有りたい…有って欲しいというものを」

綺礼「願望として自ら認めることだけが」


綺礼「幸福を追求する唯一の手段であるということに・・・!!」


時臣「           」アングリ



綺礼「――――――それでは」クルッ

綺礼「どんな形であろうと」

綺礼「また、お逢いすることになりましょう――――――愛しき、話が師よ」シュタッ



時臣「わ け が ・・・わからない・・・・」ヘタリ


時臣「   !!!   」ハッ


時臣(まままずは、・・・戦略の練り直しを行わねばならない…!!)




時臣『令呪を以て命じる―――――――アーチャーよ、直ちに帰宅したまえ!!!』

―遠方

まどか「はっ!!!!?」トクンッ

マミ「~~~?」ピタッ

まどか(時臣おじさん…)

まどか(しょうがないや…もう、門限の時間だもんね)

まどか「ごめんね、バーサーカーさん!!」


まどか「    この続きは、また今度ね   」ニコッ

マミ「――――――」ノシ


まどか「…」シュンッ


―物陰

ケイネス「我々も」キリッ  杏子「撤収と行くか」キリッ   ソラウ「今夜はもうちょっとマシなトコに泊まりたいわね」ヤレヤレ



―地下施設内

雁夜「アーチャーの奴」

雁夜「俺のバーサーカーを前に、戦線離脱しやがったッ!!!!!」



雁夜「時臣ざまあああああああああああああああああああっ!!!」ガッツポーズ!!!!



雁夜「ゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホ」ゥァァァァァァァァァァァァ

雁夜「オエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ」ウネウネウネウネウネウネウネウネ

雁夜『と、とりあえずも・・・もどれ・・・バーサーカー・・』ゼーハー

                シュンッ

マミ「……」ダイジョウブデスカ…

―波止場

ほむら(ワルプルギスの夜・・・やはり私一人では・・・勝ち目はない・・・わね)

ウェイバー「もう滅茶苦茶だ…」

ウェイバー「というよりお前も…いくらなんでもやり過ぎだろッ!?」

ほむら「潜水艇程度でビビっているのかしら、マスターさん?」

ウェイバー「こんなんだったら…!」

ウェイバー「        いっそセイバーとでも契約してた方がッ!!          」

ウェイバー「僕自身の聖杯戦争ってものを突きつめられたに違いないッ!!」クソゥ

ほむら「何を馬鹿なことを言っているの?」

ほむら「もしセイバーと契約していたら」

ほむら「        あなた、確実に脱落第一号になっていたと思うわ         」





さやか「ってあたしがいる前であたしを名指しで馬鹿にするなぁ~!!」プンプン



切嗣「ライダーのマスターよ」スタッ

ウェイバー「!?…な。何だ!?」ビクッ

ほむら「…」

切嗣「何なら・・・」

切嗣「―――――取引をしないか(サーヴァントを交換しないか・・・!!)」

ウェイバー「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」




さやか「え????」

切嗣「君にはもってこいの条件だと思うが?」




さやか「え、だから…」

さやか「何を取引するわけ??」





ウェイバー「そう・・・ですね」

ウェイバー「――――でも」

ウェイバー「やっぱり、いいです」チラッ

ほむら「……………………」

ウェイバー「これ(ライダーと組むことになったの)も、何かの運命だと思いますから」キッ

ほむら「…そう」

ほむら「私は別に、構わなかったのだけれど、・・・ね」プイッ

ウェイバー「ふ、ふんだ・・・」プイッ




さやか(何・・あたしだけ・・・何か置いてきぼり・・・)セツナイ






切嗣「交渉決裂――――――――か」スッ

ほむら「衛宮切嗣と、…セイバー」



ほむら「あの魔女を野放しにするのは、この世界を放棄するレベルで危険なことよ」



ほむら「それだけは、分かっておいてもらえるかしら」ガシッ(ニゲルワヨ)

ウェイバー「ちょっと待てよ…!!」

ウェイバー「あれほど底知れない化物だぞ…!!」

ウェイバー「ここはいっそ、同盟でも組んd」グイッ   シュタッ

         ズダ――――――――――――ン!!




切嗣(…貴重な起源弾)

切嗣(…ほんの一瞬、タイミングを逃してしまったか…)ギリッ



さやか「切嗣さん…ほんと、スキがないですね…」ジュンビシテタンダ・・・



切嗣(舞台装置の魔女・・・か)



さやか「ところでさっきの取引って何の話だったんですか~?」

切嗣(確かにその強さは計り知れないが――――率先して僕達が戦う必要はない)

さやか「あの~、もしもーし」

切嗣(ヤツとの戦いで命を落としては――――――――――――本末、転倒だ)

さやか「おーい」

切嗣(それにセイバーが動かずとも、危急となれば他陣営が討伐に乗り出すだろう)

さやか「もしかして目を開けたまま寝てるんですか…!?」



切嗣「…」クルッ     スタスタ



さやか「あっ…待って下さいよ~マスタ~!?」タッ



切嗣「…城に戻って情報整理及び作戦の練り直しとするか」ヒトリゴト

さやか「!!・・・は~い!!」ニッ


―城内

舞弥「どうやら」

舞弥「一応、事態は収束したと見えますね」

アイリ「良かったわ…」センリガン

アイリ(…切嗣)



アイリ(あなたが本当の意味で心を開いてセイバーと共闘すれば)



アイリ(どんな困難なことでも)

アイリ(きっと乗り越えられる…)

アイリ(私は…そう思うわ)

―魔女工房



ワルプルギス「戻ったぞ」シュンッ




龍之介「最ッ高にCOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOL!!!!!!!」

龍之介「だったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

龍之介「ワルちゃああああああああん!!!」イヤッホーッ

ワルプルギス「まだまだ序の口じゃよ」フフン

龍之介「いやあ…こんなコトが現実に起きているなんてさぁ~!!」

龍之介「次は俺の目の前で、スッゲェことをやってくれよッ!!!」

ワルプルギス「そうじゃな―――――いつか見せてやるさ、スッゲェ…ことをな」




ワルプルギス(その時は、・・・わらわの最期であり)

ワルプルギス(・・・きっとおぬしの・・・最期でもあろうな)

ワルプルギス(     そういう、宿命なのじゃろう? わらわたちは     )






この辺でED~♪シズカニウツリユク トオイキオクノナカ~





【聖杯戦争第二日目終了】

《次回予告的な(あくまで仮)》



「聖杯問答という名のお茶会なんてどうですか・・・!」

「大人になったら・・・もう・・・正義の味方なんて名乗っちゃいけないのかな」

「私は希望を抱き続ける限り―――――絶望の迷宮から逃れられない運命だった」

「言峰神拳・・・だとぉ・・・!!?」

「僕と契約して、魔法幼女になる気はないかい?」

~~穏やかなる幕間~~


―二日目深夜


―カラオケルーム


マミ「 ほら恐れないで 皆のために~♪ 」

マミ「 愛と勇気だけが 友達さ~♪ 」

雁夜「・・・・」

雁夜(音痴だな・・・・)



マミ「こうやって誰かと一緒にカラオケなんて行ったの…本当に久しぶりです…!」

雁夜「ふ~ん」

マミ「事故で両親を失って、“生き残る”ために魔法少女になって以来…」

マミ「私は…きゅぅべぇ…ここではアサシンでしたね」

マミ「きゅぅべぇと二人で一緒に何度か行ったぐらいで…」

雁夜「そいつもともと人間じゃないんだろ・・・」オレミテナイケド

マミ「さ、雁夜さんも一曲歌ってみてくださいよ~!」

雁夜「いいよ俺は…歌ったら体が疼きそうだし…」

マミ「じゃあクチパクでいいですよ!」

雁夜「いや意味ないだろ…それ」


雁夜(まったくしょうがねーな・・・それじゃ、一曲だけ・・・)ソウシンッ


雁夜「くれ~なずむ~町のぉ~♪」

雁夜「光と~影の~中~ぁ~♪」

マミ(雁夜さん・・・・・・意外と音痴ですね)

―雀荘


杏子(ちっ・・・今日はツキがねぇな・・・)カッ

ソラウ(まったくタバコ臭いところね・・・)カッ

ケイネス(マージャンもなかなか面白いではないか)カッ

葛木(…)カッ




杏子(はァ・・・!?これゼッテー誰かイカサマしてるっしょ!?)カッ

ソラウ(さてはケイネスが召喚術を使って欲しい牌を引き寄せて…!)カッ

ケイネス(我が月霊髄液を応用すればこの程度の卓上の戦争、いとも容易く)シャッ

葛木「――――九連宝燈」スチャッ

ケイネス「」



葛木「―――失礼」ガタッ

杏子(勝ち逃げかよ・・・)

ソラウ(よくよく見ると案外凛々しいヒト・・・)


ケイネス「 そ ろ そ ろ チ ェ ス を 始 め よ う 」ガタッ


―城内・反省会

さやか「・・・・・・・・」

アイリ「・・・・・・・・」

切嗣「………………………」

アイリ「・・・セ、セイバーにも悪気は・・・」

切嗣「善意悪意の問題ではない」

切嗣(敵に対していとも容易くマスターの所在を教えるなど…)

切嗣(サーヴァントとして言語道断…!)ワナワナ

さやか「す、すいません・・・これからはホント気をつけますんで・・・」

切嗣「アイリ、セイバーのせいで君が囮として振る舞う意味は…ほとんどなくなった」

さやか「・・・」シュン

切嗣「今後はセイバーのみを単独行動とし」

アイリ「いいえ、切嗣」

切嗣「 !? 」

アイリ「私は…セイバーと共に戦うことを決意した身ですから」

さやか「アイリさん・・・」

アイリ「私は最期まで…あなたのことを信じていますから」ニッ

切嗣「アイリ…」

さやか「はい、あたし―――――絶対にアイリさんをこの手で守って見せますッ」キッ

      パタンッ

舞弥「夜食用にとケーキを買ってまいりました」

さやか「おー!!おいしそう!舞弥さん気が利く~」

アイリ「私もひとついただくわ――――切嗣もどう?疲れた時には糖分の摂取が大事よ」




切嗣「遠慮する」スタスタ    …バタン

―遠坂邸

時臣「監督役の言峰璃正が…亡くなったらしい。病院からの連絡があった」

まどか「あんなにお元気そうだったおじいちゃんが・・・どうして・・・」

時臣「も、もともと寿命ということも…有ったのだろう」

時臣「かなりショックな出来事があって・・・心臓が止まってしまった・・・らしい」

まどか「ショックな出来事・・・ですか?」

時臣「うん・・・まあ・・・・」ゴクリ

時臣「彼が有していた過去の聖杯戦争の敗者が使い残した令呪は」

時臣「私達を裏切ることとなった・・・綺礼が、受け継いだ」





まどか(言峰さん…)

まどか(願い事…見つかったんだね)

まどか(お師匠さんの時臣おじさんと、敵対する運命になるのは…悲しいことだけれど)

まどか(言峰さんの…あの何もかもをあきらめたような冷たい表情が)

まどか(希望を求めて活き活きと生きる人間らしい表情(カオ)に変わるのならば…)

まどか(それはそれで・・・良かったと思うんだ・・・きっと・・・!!)ニコッ




まどか「ところで、言峰さんの願いって…?」

時臣「……………………………………………」ガクブル

―民家

ほむら「…………」カタカタ

ウェイバー「何を調べているんだ?」

ほむら「最新の戦闘兵器に関する情報を探索しているのよ」カタカタ

ウェイバー「ハア・・・今度は何を盗み出す気だよ・・・」



ほむら「それよりあなた、錬金術とやらでアヴェンジャーの居所を掴む作業は一向に捗っていないようね」

ウェイバー「し、仕方ないだろ!?」

ウェイバー「・・・アイツ、あれだけ暴れておいて…ほとんど痕跡らしい痕跡を残さずに風のように消え去ったし・・・」

ほむら「まあ、下手な鉄砲も…ってことよ――――せいぜい頑張りなさい」



ウェイバー「その命令口調を令呪を使って糺してやろうか!?」キッ

ほむら「やれるものなら、やってみるがいいわ」キッ

ウェイバー「・・・・・・・・・・やっぱりいいです・・・」ガクッ



ほむら(せめてワルプルギスの夜が使役していた使い魔を捕捉できれば手掛かりになるのだけれど…)

―冬木市外・別邸



「凛~早く寝なさいよー」コンコン



―凛の部屋

凛「分かってるぅー!」



凛(お父様は・・・危ないから冬木に居てはダメだって言っていたけれど・・・!!)

凛(私にだって、きっと出来ることは有るはずなんだから・・・!!)ヨーシ!



凛( 明 日 、 冬 木 に 行 っ て や る ぅ ! ! )




―深夜・24時間営業スーパー

龍之介(え~と・・・)

ワルプルギス「……………!!」ガサッ

龍之介「えっ」

龍之介「ってワルちゃぁん!?何シュークリームばっか山ほど駕籠につめてるわけぇ~!?」

ワルプルギス「分からぬか、龍之介?」



ワルプルギス「しゅーくりぃむの形状から、何かを想起せぬか・・・?」

龍之介「何かを・・・・?」ウ~ン


ワルプルギス「外はふわふわの皮に包まれ、―――――中はとろとろのくりぃみぃなモノに満たされて・・・!!!」


龍之介「ああっ!!」ポンッ



龍之介「人間の脳ミソだねー!?」ビシッ

ワルプルギス「ご名答じゃっ!!」ビシッ

龍之介「冷凍庫でCOOLに冷やして食べれば、――――それはまさしく北極海で蝋人形化した死体の脳ミソさながらだねぇ!!!!!」

ワルプルギス「おお!!その発想はなかったぞ!!さすがじゃ龍之介ぇぇぇ!!!!!」



アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ



店員(深夜勤務してるとたまに居るんだよなー・・・なんかちょっとエキセントリックな客が・・・)

―聖堂教会

QB「つまり、君と僕の間で当初取り交わされていたのは僕にとっては“仮契約”だったんだよ」

QB「君のサイドからすれば“契約”だったわけだけど」


QB「仮に初対面の時点で僕が君に願いを聞いたところで、君はそんなものはないと否定して取り合わなかっただろう」

綺礼「だろう、な」


QB(まさか、アーチャーとの接触が“本契約”のきっかけになるとは…人間の心の琴線とは不可解としか言いようがないよ)

QB(でもこれで、結果的に綺礼が聖杯戦争に本腰を入れることになったのは僕としても幸いだ)



QB(ワルプルギスの夜と魔法少女達―――――この両者はいずれ激突をまぬかれないだろう)



QB(彼らの間隙を縫って、マスターであり“魔法少女(サーヴァント)”でもある綺礼が暗躍する)

QB(僕達の陣営が最終的に聖杯を手にすることができる可能性は十分にある)



綺礼「ところでアサシンよ、貴様の魔法少女製造能力には限界はないのか?」



QB「…いいところを突いてきたね…言峰綺礼」

QB「実は、今回の召喚において僕が契約可能な人間は――――3名のみさ」

綺礼「ほう」

QB「ちなみに、本来は思春期の少女の魂を専門に扱っている僕が…こうやって君のような壮年期の男性と契約したことは…」



QB「僕にとって・・・かなりの負荷となっている」

綺礼「…」



QB「残る2名は…少なくとも女性、かつ出来る限り若い子でないと…厳しいね」

QB「そういう人物を上手く仲間に引き込められれば――――君の願望成就の助けになるのは間違いないだろう」



綺礼(・・・・・・よしッ)グッ



QB「ところで」

QB「君はいつまで…その格好のままでいるつもりなんだい…」



綺礼「私は既に過去の私とは縁を切った―――――――これが、うまれかわったわたしのすがただ」



QB「・・・そ、そうかい」  




~~幕間、終了~~



【聖杯戦争第三日目】

―早朝―

―遠坂邸

時臣「おはよう、まどかちゃん」

まどか「あ、おはようございます…時臣おじさん」トントントントン

まどか「もうすぐ朝御飯の支度ができますんでー」コトコト

時臣(・・・はぁ)

時臣(一睡も・・・できなかった・・・)

時臣「あのね、まどかちゃん…ちょっと聞いていいかな…」

まどか「は~い?…何ですか?」サッサッ

時臣「その・・・だね・・・」

まどか「は~い?」デキマシター



時臣「まどかちゃんは・・、―――ホモ・セクシュアリティに関して・・、どう思うかな・・?」



まどか「ほえええっ!!?//////」パリーンッ

時臣「だ、大丈夫かい…!?」

まどか「あ、ご、ごめんなさい…!!すぐ片づけますから…!!」アワワ



―食卓

時臣「朝から…変なことを聞いてしまって済まなかった…」

まどか「い、いえいえ!!…と、とってもゆ、有意義な問いかけじゃないかと…!!」

時臣「そ、うかな・・・」

まどか「えっと、…私としては…」モジモジ

時臣「・・・・・・」

まどか「あんまり…そういうのは…」



まどか「―――――――ちょっと気持ち悪いかなって…」



時臣「ホッ・・・それを聞いて安心したよ」

時臣(やはり綺礼の趣向が…異常だったのだ…!)


まどか「・・・でも」

時臣「でも?」



まどか「あ、愛があれば・・・性別の差なんて関係ないかもって」

まどか「ちょっぴり思ったりも・・・します///」ポッ

時臣「・・・・・・」ゴクリ


―聖堂教会

5陣営の使い魔「「「「「 ざわ・・・ ざわ・・・  」」」」」


綺礼(アヴェンジャーを除く全5陣営の使い魔が召集に応じて集まったようだな)フリフリ

QB(そうだね…、それにしても彼らすら引かせてしまうとは)ステルス

QB(…言峰綺礼、まったく君はたいしたものだ…)

綺礼「改めて、全陣営に対して宣言しようッ」

綺礼「―――アサシンは昨夜の乱闘の渦中でアーチャーに襲撃されて全滅し、私はマスターとしての資格を失った」

綺礼「そして、私の父である監督役が昨夜急逝したため―――」


綺礼「今後はこの私、言峰綺礼が監督役代行として、今後の聖杯戦争の円滑な進行に務めるものとする」


綺礼「今回召集に応じなかった“キャスター”については、もはや聖杯戦争を真っ当に遂行する意志がないものとみなし」


綺礼「 各 陣 営 に 追 討 指 令 を 発 布 す る 」


綺礼「尚、駆逐に成功した陣営には報酬として私が父から享受した令呪の一部を委譲するものとする」


綺礼「―――――――以上―――――――」

―冬木市外・別邸

  シーン



凛(そーっと・・・、そーっと・・・)コソコソ

  

      ガラッ            パタン…


凛(行ってきます・・・お母さま)ペコリ


凛(お父さまから頂いた、少し早目の誕生日プレゼント)ギュッ


凛(これがあれば…)

凛(敵が近づいてきてもすぐに分かるし、それなら逃げられるはずだし・・・!)



凛(――――きっと、大丈夫っ!!)キッ

―聖堂教会

綺礼「さて」

綺礼「行動開始といくか」

綺礼「引き続き他陣営の偵察、及びアヴェンジャーの探索を怠らぬように」

QB「分かっているよ」

QB(ワルプルギスの夜が使役していた使い魔)

QB(うち1体は綺礼が魔法少女と化して退けた)

QB(一方…二日目の混戦の際、本体と共に現れたその数は…本体を合わせて11体だった)

QB(加えて、マスターの保護に1体を費やしていると想定すると)

QB(合計で―――――――――13体…?)

綺礼(まずは、魔法少女に適任と思われる人物を確保し、私の手足として動いてもらおう)




綺礼「―――――私は間桐の家に向かう」シュタッ




QB「・・・途中で職務質問を受けないように気をつけた方がいいよ」

―遠坂邸

時臣(綺礼がもともと右手に宿していた令呪は、璃正氏が有していた令呪と混ざってしまっていた)

時臣(従って他の陣営には、一見…彼の言が真実のように取れるはずだ)

時臣(ただ、綺礼のあの“変貌”ぶりを見て・・・疑念を抱かない者はいないだろうが・・・)ゴクリ

時臣(私にとっては、彼の宣戦布告を眼前で見せつけられた以上)

時臣(彼の言がはなから虚言で有ることは自明だ)



時臣(しかし…、どうする…?)

時臣(他陣営の戦力分析が不十分な状態での、綺礼の離反…)

時臣(ここで私自身が安易に行動を起こすよりは…やはり邸宅の魔術結界を一層強固にして守りに徹しつつ)

時臣(アーチャーに動いてもらって他陣営を牽制、あわよくば――――)



まどか「―――時臣おじさん」

時臣「ん、…何かな、まどかちゃん?」


まどか「今日は…休戦にさせてくださいっ!お願いします!!」ペコリ


時臣「な・・・!?」

時臣「まどかちゃ…いや、アーチャー…」

時臣「君まで・・・私を裏切るというのかい・・・」ガクガク

まどか「ちっ、違いますよ~!!」アワアワ

まどか「私は勿論、最後までマスターの味方ですから!」



まどか「言峰さんの真意は別としても…ワルプルギスの夜を倒すためには――――仲間づくりが必要だと思うから」

まどか「それに、できたら一度―――――皆で円卓を囲んで聖杯に託したい望みについて語り合える機会が欲しいんです」



まどか「だから、お願いしますっ!!」ジッ

時臣(・・・こういう真剣な目で見つめられると・・・、・・・)ウ~ン…



時臣「・・・分かったよ、今日は君の思う通りに行動することを認めよう」

まどか「ありがとうございます、時臣おじさんっ」ニコッ

まどか「それじゃあ、行ってきます・・・!」シュンッ



時臣(わざわざちゃんと断って行くところは、礼儀正しくて結構…と言えようか)

―間桐宅の食卓

マミ「どうぞ、召し上がれ――――お口に合えばいいのですが…」


臓硯「落伍者の上、仮にも戦争のさなかによくこの間桐の門をくぐって来れるのう…雁夜よ」

雁夜「宿泊費が馬鹿にならんからな…代わりにバーサーカーの手料理で勘弁してくれ」

雁夜(今に見てろ…!聖杯は必ずこの俺が…ッ!!)

桜「おじちゃん…3日前に会った時よりもっともっと顔色が悪くなったね・・・」


雁夜「まあ、少し無理をしたから…ゲホッゲホッ」ボトボト


マミ「あっ!雁夜さんのお味噌汁の中に・・・蟲ががが」ヒィッ

臓硯「具が増えたと思ってそのまま飲み干せ」

桜「頑張って、雁夜おじちゃん・・・」

マミ「か、雁夜さん・・・別に無理はしなくても・・・!?」


雁夜「・・・・・・・・・」ズズズズ・・・

桜「おいしかったよ、・・・お姉ちゃん」

マミ「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいわ…桜ちゃん」

臓硯「蟲風呂の時間の時間じゃ、小娘」

桜「はい・・・おじいさま」スタスタ

雁夜「・・・・・」ギリッ

マミ「蒸し風呂・・・?」




―地下・蟲風呂



ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ



雁夜「――――おぞましい光景だろう?」

マミ「た、確かになかなか・・・グロテスクな光景ですね」

桜「でも、もう慣れたの」

マミ「そ、そうなの…?」

桜「最近は・・・ちょっと気持ちよくなってきたんだ」

マミ「ほ、本当に…ッ!!?」

雁夜(さ、桜ちゃん・・・・)

桜「お肌にもいいんだって」

桜「お義父さんも言ってたよ」

マミ「そ、そうなの…!!?」

マミ「……………………」ゴクリ




マミ「ちょっとグロテスクだけど…私も入ろうかしら…!!」

雁夜(  狂  っ  て  や  が  る  )








―庭

         ガスッ

鶴野「アッ―――――――――――――――――――――!!!?」バタッ

綺礼「――――他愛ない」ザッ

綺礼(秘孔を突いただけで倒れるとは…間桐の名も廃れたものだ)


臓硯「な、何事じゃ………?」



綺礼「――――――――間桐臓硯だな」シャララーン



臓硯「          」



綺礼「間桐家の養子の小娘を(利用するために)攫いに来た」

綺礼「抵抗するようなら、それ相応の対応をさせてもらうが」

綺礼「ん?」



臓硯「          」ブクブク




綺礼(この私を前にして…直立状態で気絶したか?)

綺礼「だが、容赦はしない」グググ



ボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカボカ

   ダダダダ

雁夜「おい、どうしt」ザッ

桜「   え    」

マミ「    え    」





綺礼「む・・・?」シャランラ~





雁夜「             」

桜「              」

マミ「             」


綺礼(バーサーカーとそのマスター…?)

綺礼(家庭内の事情から…間桐雁夜が間桐家に近寄る可能性は薄いと見て襲撃を試みたわけだが)

綺礼(これは…もはや交戦をまぬかれ得ない、か)



綺礼「――――いきなり秘密が露見しまったようだな」ジョジョダチ



雁夜「オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ」

桜「お姉ちゃん・・・怖い」ガクガク

マミ「桜ちゃん、目を合わせちゃダメよッ!!」サッ

雁夜(ちょっと待て・・・どうなっているんだこの状況はッ!?)

雁夜(アサシンのマスターの…言峰綺礼とか言ったか)

雁夜(今朝の召集は、どうせ脱落したと見せかけたカモフラージュか何か…)

雁夜(とは踏んでいたが・・・)ゴクリ

桜「おじちゃん・・・私・・怖いよ」ブルブル

雁夜「大丈夫だよ、桜ちゃん…!おじさん達がついているから、安心して」キッ

マミ「え、えーと…監督役代行さん?…こ、これは一体どういうことですか!!!?」



綺礼「さっそくだが―――――――」

綺礼「私はそこの小娘――――――――間桐桜を(利用するために)欲している」




雁夜「                                     」

桜「                                      」

マミ「                                     」

雁夜「 寝 言 は 、 寝 て 言 え 」

雁夜「 バ ー サ ー カ ー ッ ッ ッ ッ 」コロセ



マミ(…仕方がないわね)

マミ(“魔法少女”以外の相手を攻撃するのは…少しためらわれるけど)ヒュルルルン


綺礼「むぅ・・・?」

       ギュッ   ギリギリ…

綺礼(リボン型の…拘束具か)




桜「綺麗な・・・リボンだね」

雁夜「!!!(…あんなに無表情になった桜ちゃんが…ギャグを…ッ!!?)」



マミ「もう逃げられないわよ―――――――さあ、どうすr」




綺礼「 ふ ん っ 」ブチブチブチブチブチブチ

マミ「          な」

雁夜「ば、馬鹿なッ!!?」

桜「おじちゃん・・・・・」



綺礼「これで分かったか―――――――――私はアサシンと契約して魔法少女となった」



QB「というわけなんだ」シュタッ



マミ「ええええええええええええええええええええええッ!!?」

雁夜「こいつも・・・狂ってやがる・・・」





桜「わけ・・・わかんない・・・・」



QB「――――――間桐桜」トッ

桜「・・・え・・・?」ビクッ

―漫画喫茶

ケイネス「もともと私は、ライダークラスのサーヴァントを召喚するはずだった」

ケイネス「が、しかし先述の通り、残念な教え子が聖遺物を盗み出したため」

ケイネス「こうして…ランサー、お前が召喚されることとなった」

杏子「何でそんな重要な事を今さら…」

ソラウ「そんな重要なモノを取り寄せるならもっと確実な方法を使いなさいよ…」テワタシトカ

杏子「つーか、ライダーの聖遺物なんてどうやって探し出したんだよ?」

ケイネス「現存する五人の“魔法使い”のうち一人が所有していたものだ」

ケイネス「―――今回の聖杯戦争に参加するにあたって、融通を図ってもらった」

ソラウ「ロード=エルメロイの人脈は伊達じゃないからね」

杏子「てことは…!そいつから話を聞けば…あいつ持つの能力の手掛かりをつかめるんじゃね!?」

ソラウ「――――それは無理な話よ」

ケイネス「左様だ…」

杏子「え…何でだよっ!?」

ケイネス「魔法使いが聖杯戦争に直接的に関与することは、禁忌(タブー)とされているからだ」

ソラウ「第一、連中は世界随一の魔法―魔術師の最高到達地点にして、魔術を優越する神秘―の使い手」

ソラウ「並の魔術師など、相手にもしてもらえないわ」

杏子「そんな連中に顔が利くなんて・・・」

杏子「すげえな、マスターは!!」

ケイネス「 当 然 だ 」フフン

ソラウ「でも結局、その利点を ま っ た く 生かせなかったわけだけど」ギロッ

杏子「・・・・・」

ケイネス「・・・・・」


ケイネス「し、しかし…!結果的にランサーという最高のパートナーを得ることができたではないか!」

ソラウ「どこが最高よ!?・・・この・・・ロリコンッ!!」

ケイネス「     ッ!!!!?     」

杏子「あたしはガキじゃねえええええっ!!?」ムカッ



杏子「で」

杏子「じゃあ、どうやってあたしを召喚しやがったんだ?」

ソラウ「どうやったも何も・・・・」アタマイタイ

ケイネス「新たな聖遺物を入手するにはあまりに時間が不足していた」

ケイネス「従って、…聖遺物なしでの召喚を屋内で試みたところ…」

ソラウ「偶然テーブル上に置かれていたフルーツバスケットの中のある果物が…触媒として機能したのよ」ポリポリ

杏子「その果物って・・・もしかして・・・」ハッ


ケイネス「――――――――リンゴ、だ―――――――――」

―魔女工房

ワルプルギス「なんだかのぅ…」ゴロリ

龍之介「なんだかな~」ゴロリ


ワルプルギス「どうしたのじゃ、龍之介?」チラッ

龍之介「ここ二日間で、一生分の殺しをヤっちゃったような気分でさ」チラッ


龍之介「ちょっと、倦怠期みたいな・・・」

ワルプルギス「ほう、奇遇じゃな・・・わらわも同じような事を考えておったぞ」

ワルプルギス(結局、いくら他人に不幸を振り撒いたところで・・・わらわは幸せにはならない・・)

ワルプルギス(わらわは・・・・・・)



龍之介「よ~し!」

龍之介「気分転換ってことで、今日はフツーに街で遊んじゃおっか!」

ワルプルギス「…そうじゃな…!連中の相手は使い魔どもに任せるとしよう!」

龍之介「どっか行きたいトコとかある~?」

ワルプルギス「う~んと、――――美術館に、行きたいのじゃ!」

―間桐宅


マミ「~~~~~~~~~~!!!!」ズダーンズダーンズダーンズダーンズダーンズダーンズダーン




綺礼(―――――魔弾の同時一斉射出か)グッ

綺礼(――――――だが)ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン

   

           パシューン!!

マミ「!!!」



雁夜(な!?・・・投擲剣を魔力で強化して・・バーサーカーの攻撃を弾いただと!?)




綺礼「―――――ムダなことだ」タッ

マミ「ッ!!!!?」ドゴッ



QB「 僕と契約して、魔法幼女になる気はないかい? 」



桜「ま・・・ほう・・・・」

QB「僕ならば、君の願いを叶えてあげることができるよ」

桜「私の・・・・・?」



QB「ただし、それと引き換えに…僕のマスターに協力してもらうことになるけれど」

QB「そのような代償を甘んじて受けるとしても」

QB「叶えたい願いがあるならば」



QB「告げるがいいさ――――――それも、君の運命かも知れないからね」

桜「わ・・・たし・・・・・・・・は・・・・・・」




雁夜「辞めろ、桜ちゃんッ!!!!とにかく・・・そいつらを信用しちゃダメだ!!」ズキズキ

雁夜(ダ・・メだ・・・体が疼いて・・・動けねええええっ)ギリッ

雁夜(バーサーカーはアサシンのマスターとの戦闘で動けない…!!)

雁夜(このままじゃ―――――桜ちゃんを守れない)

雁夜(葵さんに、――――二度と・・・顔向けできなくなる)

QB「さあ」

QB「君の答え(ネガイ)を教えてもらおうか」

QB「――――勿論、今すぐにとは言わない」

QB「また、次に会ったときにでもいいけれど」


桜「 おじちゃんを 」


QB「!!?」


綺礼(よし!―――仲間が増えた、な)ザッ

マミ「!!?」ソンナ!!



雁夜「え・・・・・・・・・・」




桜「        雁夜おじちゃんを しあわせに して・・・あげて        」



パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

―冬木市郊外・路上


ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ



葵(凛…一体どこへ)

葵(…!)ハッ

葵(まさか、冬木の地に…!?)

葵(お願いだから・・・無事でいて・・・)クッ



ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

桜「おじちゃん・・・私、頑張るから」シュタリッ



雁夜「さ、くらちゃn」ドボドボドボ

マミ「か、雁夜さん鼻血出てますよ!!?」フキフキ

QB「鼻血の中に蠢いているね・・・」



綺礼「これで私の唯一無二の願い――――時臣師範との純粋なる愛の結実も遠くはない・・・か」

QB「そう・・かもね・・・」


雁夜「え」

マミ「え」

雁夜「お前の願望・・・・はっ・・・!!!」


雁夜「時臣とそういう関係になることだったのかああああああああああああ!!!?」




綺礼「無論…だ」

綺礼「この悟りの境地に至るまで、随分と紆余曲折を経たがな」





桜「え?・・・お父さ・・ううん、あの人と…この変な人が…何??」

マミ「だ、男性同士でそういうのは・・・ちょっと・・・///」



QB「…」

雁夜「アサシンの・・・マスターさんよ」キッ

綺礼「何だ」

雁屋「俺と、組まないか?」

綺礼「何?」

雁夜「俺の願いは、葵さんを不幸にする時臣の排除と聖杯を獲得して、臓硯の手から救うことだった」


QB「けれど、間桐臓硯なら、すでに死亡しているよ」

桜「本当だ…」チラッ

マミ「これは一体…どういう…」


QB「綺礼のオーバーキルによるところもあるけれど…」

QB「間桐桜の魂をソウルジェムとして物質化する段階で」

QB「彼女の心臓に寄生した臓硯の本体である蟲は…“生きた”宿主を失って、死んだのさ」


マミ「つまり・・・そういうことね、桜ちゃんの魂と肉体は分離された・・かつての私達のように・・」ガクッ

桜「お姉ちゃん、元気出して」ナデナデ

桜「 わたしは、わたしだから 」

雁夜「さ、くら・・・ちゃん・・・」ウル

綺礼「つまり、その上で・・・お前が望むのは」

雁夜「ああ」

雁屋「はっきり、言わせてもらう」


雁夜「 俺 は 、葵 さ ん の こ と が 好 き だ 」


夜「この戦いが、終わったら」


雁夜「―――葵さんと、凛ちゃんと、そして桜ちゃんの4人で―――」


雁夜「―――――4人で、どこか遠くに・・・旅に出たいんだ」



綺礼「…」

綺礼「―――――――――――――承知、した」



綺礼「共に、闘おう」スッ

雁夜「―――ああ」アクシュッ

桜(お姉ちゃんと・・・また・・一緒に・・・?)ジワ


QB「…こ、このままでは聖杯の獲得を前に綺礼の願いがかなってしまうんじゃ」


マミ「きゅぅべぇと共闘なんて・・・本当に久しぶりよね」

マミ(過去には色々あったけれど…まあ、いいわ…)

マミ(今は、マスターのためにも――――桜ちゃんのためにも)キッ





―遠坂邸

時臣(アーチャーが不在だというのに)

時臣(な、何だろうか・・・この悪寒は・・・)

時臣(令呪は…もう無駄に消費するわけにはいかない)

時臣(第一、今日は自由に行動して良いとの前言を安易に撤回するのは…)

                                   (つづく)

―電車内



「まもなく、冬木に止まりまーす」



凛(いよいよね…!)

凛(よーし、頑張るぞ~!)グッ

   ガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトガタゴト(対向車)

凛(   え  っ   )ゾクッ

   パリーン☆

凛「ッ!!!?」

凛(嘘・・・ブローチが・・・壊れ…ちゃった…)ガクガク

凛(ま、まさかこの電車の中に…!?)

凛(ううん、違う)

凛(さっきの・・・タイミング)

凛(きっと対向車の中に…強力な魔力を放つ存在が…)

凛(でも、どういうことなの…?)

凛(まさか…サーヴァントが…電車に…!!?)

凛(しかも…冬木から外へ…!?)

凛(一体どうなって・・・)

  

シュウウン ガラッ

「冬木ー、冬木です」

―対向車


 ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン


ワルプルギス「電車とは随分鈍足なモノじゃのう~」

龍之介「え~?コレ各停じゃないよ~」

ワルプルギス「それより先刻すれ違った列車に魔術師のタマゴみたいなのがおったぞ」

龍之介「へ、魔術師・・・?」

ワルプルギス「…まあ今日はどうでもよいが、の」

ワルプルギス「ところで、美術館にはいつ着くのじゃ?」

龍之介「えっとね~、こっから1時間くらいで大きな都市(マチ)に着くからさ」パラパラ

龍之介「そこの美術館でさ、“人体の不思議展”ってのをやってるらしいんだァ☆」コレコレ

龍之介「どうよ?」

ワルプルギス「面白そうッ!!」

―城内

さやか「さーて、今日こそは張り切っていきますか~!!」

アイリ「ま、待って…セイバー」

さやか「ん?…どうしてですか、アイリさん?」

アイリ「切嗣からの指示で、今日は私達2人は城内で留守を守るようにと仰せつかっているの…」

さやか「え・・・」

さやか「それって、・・・やっぱりあたしが・・・役に立たないからですか・・・」

さやか「・・・・・・」グスッ

アイリ「な、泣かないで…セイバー」ヨシヨシ

アイリ「きっと切嗣は、あなたならばお城と私の安全をちゃんと守ってくれると信じて」

アイリ「あなたにこちらの護衛の任務を任せたのだと思うわ」

さやか「ううぅ・・アイリさん」

アイリ「ほら、・・・元気出して・・・」


さやか「はいッ!!…自宅警備、頑張ります!!!」キリッ

―別室

舞弥「奥方が囮であることが露見してしまった以上…」

切嗣「アイリを狙って無闇やたらに襲撃してくる陣営はいないだろう」

舞弥「しかし、セイバーを狙って敵サーヴァントが我々の本拠地(アジト)に侵攻してきた場合は…」

切嗣「城の周辺は天然の要塞でもある」

切嗣「仮に敵襲があってもアイリの千里眼ですぐに察知すれば…」

舞弥「しかし、セイバーだけでは…やはり少し覚束ないのでは…」

切嗣「……………………」

切嗣「舞弥、君も…ここに残れ。アイリを頼む」ハァ

舞弥「…承知しました」

―民家

ウェイバー「あ~もう畜生っ!!」ワサワサ

ウェイバー(どうしてこうも手掛かりを掴めないんだ・・・)


ウェイバー(――冬木市を中心に大量の子供達が忽然と失踪)

ウェイバー(原因はあの舞台装置の魔女とか言う奴に間違いないのに)

ウェイバー(誘拐を実行しているのは使い魔なんだろうけど)

ウェイバー(ライダーの言うように…そいつら一匹一匹が結界を構築して、街のどこかしらに潜んでいるんだろうな)

ウェイバー(敵の本拠地も…おそらく結界の奥深く…)

ウェイバー(一度入りこまれると…ライダー達魔法少女(サーヴァント)でもなかなか発見できないらしい)


ウェイバー(もう…向こうがどこにいるかを探索するより)

ウェイバー(いっそ向こうから来るのを待っていた方が早いんじゃないか?)


ウェイバー(ライダーとワルプルギスの夜の間には…何だか深い因縁があるみたいだしさ)

ウェイバー「それにしても」

ウェイバー「あいつの聖遺物・・・確か眼鏡だったよな」

ウェイバー「もしあいつが眼鏡を掛けても・・・全ッ然似合ってないだろ」イメージ


ウェイバー「あれ」

ウェイバー「そういえば、どこだ?…ライダー?」キョロキョロ

        ガラッ

ほむら「何か用かしら?」シトシト


ウェイバー「…………………」ジトー

ウェイバー「お前・・・・」

ウェイバー「何でサーヴァントが朝からシャワー浴びてるんだよッ!?」


ほむら「別にいいじゃない―――実体化していれば…実質人間のようなものよ」ドライヤーブォォォォ

ほむら「汗くらい流したくなるわ」シャッシャッ


ウェイバー「もう…勝手にしろ・・」ハア

ほむら「さて、今日はまず聖堂教会の動きを捕捉することから始めるわ」

ウェイバー「聖堂教会っていうと、監督代行がいるはずだな」


ほむら「アサシンのマスターの…言峰綺礼」

ほむら「―――――監督役を務めていた言峰璃正氏は実の父親だったという情報を手に入れたわ」

ウェイバー「何!?…つまり…監督役(故)の息子が聖杯戦争のマスターとして参加していたというのか!?」


ほむら「そうよ」

ウェイバー(クソッ・・・・あれか、・・・コネって奴か・・・!!)ムカッ


ほむら「まあ、聖杯が誰をマスター適格者に認定するかは人間の干渉の及ばない範囲の事象だろうけどね」

ウェイバー「あ、確かにそれもそうだな・・」


ほむら「といっても、やはりそういう関係がある以上…何か裏がある可能性は高い」

ウェイバー「―――――じゃあ、あの魔女の方は」

ほむら「とりあえず様子見と言うことにしましょう」

ほむら「言峰綺礼の出した追討指令は他陣営も当然把握しているはず」

ウェイバー「把握していなくても、あいつの存在が相当危険だってことは昨日の一件ではっきりしてるもんな」



ほむら(美樹さやかの陣営はともかく、他陣営とならば協力の余地はある…!)

ウェイバー(先生の陣営とセイバー陣営はともかく、他の陣営とならば・・・!)

ウェイバー(僕達だけでは魔女を発見できてもやっぱり対抗するには…心もとない)

ほむら(といっても、やはりワルプルギスの夜に対抗する上で一番頼りになるのは!)

ウェイバー(変なしがらみの無い陣営と…一時的に同盟を組めれば…!)



ほむら(どうにかして…まどかと協力関係を築きたい…!!)

ウェイバー(サーヴァントのステータスでいったら…やっぱりアーチャーあたりが心強いな)ウ~ン

ほむら(そういえば…召喚以来…あの子とまともに会話すら出来てないわね…)

ほむら(だからまどかがどういう考えを持っているか定かでないわ)



ウェイバー(でも、アーチャー始めほとんどの陣営のマスターとは面識がないし…)

ウェイバー(またセイバーのマスターみたいに交渉次第でいきなり奇襲されたり…)

ウェイバー(騙し討ちに遭ったりするのはもうイヤだからな・・・!!)


ほむら・ウェイバー「「 とにかく!! 」」ガタッ



ほむら「・・・・・・・・・・」

ウェイバー「・・・・・・・・・・」

ほむら「…とにかく、じっとしていても始まらないわ」

ウェイバー「め、珍しく気が合うな・・・とにかくまずは聖堂教会に行こうッ」

―市内某所

切嗣(今朝未明、聖堂教会から召集がかかり)イップク

切嗣(聖堂教会の監督役が急死し、言峰綺礼の地位継承および舞台装置の魔女撃退の指令が下ったわけだが)


切嗣(十中八九、裏があると見て間違いないだろう)


切嗣(―――――おそらくは、言峯綺礼による監督役の暗殺)


切嗣(奴が一体どういった目的でこの聖杯戦争に臨んでいるのかは調査段階から不明瞭極まりなかったが)

切嗣(仮にも聖職者の身で、実の父親を殺害してその令呪を奪取する…か)



切嗣(ついにその本性を現したということか…?)

  ボワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



切嗣「むっ!!?」クラッ

切嗣(これは・・・何だ!?)

切嗣(視界が・・・まさか・・・)

切嗣(幻覚の類・・・か・・・・・!?)ギリッ







「―――――ロッソ・ファンタズマ」ジャリッ









―遠方のマクド

     ざわ・・・    ざわ・・・

マミ「作戦会議を兼ねて、ちょっと早めのお昼ごはんですね」

雁夜「好きなものを頼んでいいよ、桜ちゃん」

綺礼「私が推奨するのはこの新発売のマーボバーガーだ」シャララーン

桜「ええっと…」

QB「言峰綺礼…君も桜のように着替えるべきではないかな」

杏子「まあ、こんなもんでいいっしょ」パチンッ


切嗣(ぐぅ・・・!ランサーか・・・・!!)スッ


杏子「おっと」ヒュルルルルルン


切嗣「!」ピタリッ

杏子「変な動きを見せたら、速攻槍(コイツ)でお前の急所を貫くぜ」ジリジリ

杏子「武器を捨てな」クイッ


切嗣(…隙の無い動きだ)オテアゲ

切嗣(だが、ここで死ぬわけにはいかn)


杏子「―――マスターは近くにいねえし」

杏子(…今頃二人でボーリングやってんだろうな)

杏子「あたしは、たまたまあんたを見かけたから声かけたんだよ」


切嗣「――――何?」


杏子「同じサーヴァント以外の、人間を手にかけるつもりはないのさ」

杏子「さやか…いや、セイバーのマスターさんだろ、あんた」


杏子「昨日のドサクサん中でライダー陣営と一悶着やってたよな」ニヤリ


切嗣(…やはり、…全てのマスターに囮作戦が露見してしまっていたか・・・)


杏子「ちょっと話がしたいんだ―――――ツラ貸してくれない?」


切嗣「…」

切嗣「拒否権はない、ということか?」



杏子「別に、嫌なら嫌で構わねぇけど」パリポリ

切嗣(…どういう意図があるのかは不明だが)

切嗣(ランサーに殺意は感じ取れない――――マスターが付近に潜んでいる可能性も、低そうだ)チラリ

切嗣(勿論警戒は解かないが、ランサーから有益な情報を引き出せば…今後の戦略上…損はない)


切嗣「―――いいだろう」


杏子「――――そっか」



杏子「じゃ、とりあえず」スタッ

杏子「 喰うかい? 」ニカッ

切嗣「…………………」

―ボーリング場


ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ    ストライク!


ケイネス「ふふん」キリッ

ソラウ「今、タマじゃなくて水銀転がしたでしょ」

ケイネス「…」ビクッ

ソラウ「まったく、あなたは本当に負けず嫌いね」

ケイネス「わ、私は名門アーチボルト家の嫡男であり卓越した魔術師…この私に失敗など許されぬ」

ソラウ「と言っても、ここ数日失敗続きでしょう」

ケイネス「ぐっ」

ケイネス(い、いかん…ランサーを召喚して以降ソラーウが不機嫌なので)

ケイネス(今日はランサーに暇を出して二人きりの時間を有意義に過ごそうとしていたが…)

ソラウ「でも、失敗続きの割には…」

ソラウ「それほどヒステリックになってないわね…あなたらしくもなく」

ソラウ「それはどうしてなのかしら?」

ケイネス「ぐっ・・・それは・・・」


ソラウ(結局楽しいんでしょ、ケイネス?)

ソラウ(ランサーと一緒に闘っていること、自体が)イラッ


ソラウ(ハッ・・・何なのかしら・・・この気持ちは・・・!!?)

ソラウ(政略結婚の道具として利用されたことも)

ソラウ(ケイネスの許嫁になったことも)


ソラウ(どうでもよかった・・・・というのに・・・・?)ドキッ



ケイネス「ソラーウ?…どうした…具合でも悪いのか…?」ソワソワ

―聖堂教会


キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル



ほむら「…」コソッ

ウェイバー「…」コソッ

ほむら(言峰綺礼が不穏な動きを見せたことから)

ほむら(一応、聖堂教会の内部の様子を窺いに来たけれど)

ウェイバー「どうやら・・・不在のようだな」

ほむら「そうね」



キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

ウェイバー「それにしても」

ウェイバー「さすがに勘繰り過ぎじゃないのか?…本当にアサシンも全滅したんじゃ(ry」

ほむら「そんなはずは、ない」

ほむら「アイツがゴキブリ並みにしぶとくて手に負えない存在なのは、私が一番よく知っている」

ウェイバー「ひどい例えだ・・」

     

            ガラッ




まどか「言峰さん、こんにちは・・・ってあれれれ!!?」






ウェイバー「                  」

ほむら「                  」

まどか「ほ、ほむらちゃんっ!!!」ビックリリタ



ウェイバー「ほむら・・・・・?・・・・・って!?」ソレヨリ!


ウェイバー「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」

ウェイバー「い、いきなり・・・アーチャーがッ!!!?」

ウェイバー「に、逃げるぞ!!・・・ライダー!!」クルッ



ウェイバー「えっ」

ほむら「やっと逢えたね・・・・・まどか」ウルウル



ウェイバー(ラ、ライダーの様子が…!?)

ウェイバー(まるで年齢相応の女の子みたいにッッッ!!?)

ほむら「まどかァー!!!」ダッ

ウェイバー「ラ、ライダー!!?」

       


     ギュッ

ほむら「逢いたかった・・・」

ほむら「ずっとずっと・・・あなたに逢いたかったのよ・・・まどか」ギュゥゥ

まどか「ほ、ほむらちゃん…?///」

まどか「く、苦しいよ・・・ほむらちゃん」ギュウウ

ほむら「うう・・・まどかぁぁぁぁぁぁぁ」ウワ~ン



まどか「…私も」

まどか「最高の友達にまた逢うことができて・・・本当に、嬉しいよ」ニッコリ







ウェイバー「           」アングリ

まどか「ええっと」チラッ



ウェイバー「いっ!!?」ビクッ



まどか「あの人が…ほむらちゃんのマスターさん?」

ほむら「そうよ・・」グスッ

ほむら「美樹さやか並に馬鹿で才能がないヘタレ魔術師よ」

まどか「そ、そうなんだ…」




ウェイバー「馬鹿にするな馬鹿にするな馬鹿にするな―――――――――――ッ!!!!」ジタバタ

ほむら「…それよりあなた、何さっきからこちらを凝視しているの?」

ほむら「見せ物じゃないのだから、どこかに消えてもらえるかしら?」



ウェイバー「僕はお前のマスターだろうがッ!!!!!」ムキー



まどか「ほむらちゃん、…それと、ほむらちゃんのマスターさん」



ウェイバー「は、はひっ!!?」



まどか「私から、提案があります」

まどか「一緒に」


まどか「 聖杯問答という名のお茶会なんてどうですか・・・! 」ニコッ


ほむら「 え ? 」

ウェイバー「      は ?      」

―河川敷

杏子「へえ~」

杏子「“戦いの根絶”、“恒久平和の実現”」

杏子「要するに…あんた理想主義者なのな」


杏子「―――安心したよ」パクリ

切嗣「…どういう意味だ」プハー


杏子「さやかのマスターがどんな奴なのか、結構気になってたのさ」

杏子「ウチのマスターが言うには、アンタはアインツベルン家の隠し玉だって」

杏子「手段を選ばす、目的のためならどんな酷いことでもやってのける―――極悪テロリスト」

杏子「そう、聞いてたからさ」

切嗣「…」

切嗣「表面上は、間違っていない」


切嗣「―――多数を救うために少数を切り捨てる」


切嗣「惨劇を引き起こした父親を自らの手で殺して以来、僕の信条は…変わらない」

杏子「…」


杏子「あたしも」

切嗣「…?」

杏子「あたしも、父親を殺したよ――――実際は自殺だったけど、あたしが殺したも同然だった」

切嗣「…」


杏子「それ以降は、あんたとは逆だったな」

杏子「父親のためを思って魔法少女になったのに、結局は父親の身も心も滅ぼしてしまったから」

杏子「今度は自分のためにしか魔法は使わないって決めた」

杏子「それに比べたら、あんたは殊勝なもんさ」

切嗣「殊勝なんてものじゃない…」


切嗣「誰かを救うために誰かを殺す現実―――そこから生まれて来る罪悪感と喪失感」

切嗣「僕がどんなに信条に徹したところで、世界から戦争がなくなることは決して、ない」ギリッ


杏子「…」

杏子「でもさ」

杏子「自分のためにしか魔法を使わないって決めて“生きていた”あたしの気持ちを」

杏子「根っこから揺さぶる魔法少女に、いつしか出会ったのさ」



杏子「そいつが、アンタんとこのさやか(サーヴァント)さ」

切嗣「…」

杏子「自分をどんだけ犠牲にしても…仲間のために、町のために、みんなのために」


杏子「ひたむきに闘い抜く―――――そんな絵に描いたような“正義の味方”に―――――」

杏子「あたしは、惹かれていったのさ」


杏子「まるで、自分が忘れかけていた希望ってものを、代わりにそいつに託すように」

杏子「結局、あたしにとっての希望は、あたしの目の前でボロボロになって崩れ去ったんだけど…な」



切嗣「――――ランサー」

切嗣「一つ、問いかけに答えてくれないか?」

杏子「…いいぜ、何でも言えばいいさ」


切嗣「大人になったら・・・もう・・・正義の味方なんて名乗っちゃいけないのかな」


杏子「………………」

切嗣「僕にとっては…あるいは君にとってもかも知れないが――――セイバーは太陽のような存在だ」

切嗣「僕にとってのセイバーは…眩し過ぎる」


切嗣「殺し屋として躊躇なく悪(マタベツノセイギ)を躊躇なく切り捨てられる衛宮切嗣と」

切嗣「誰もが幸せになる世界を目指して、純粋に、まっすぐに信念を貫くセイバーとは」

切嗣「―――――どうしても相容れない存在なんだよ」ギリッ



杏子(難しいな―――――――――大人が考えることって)

杏子(おんなじ正義の味方なのに…どうしてこう、うまく打ち解け合えないのさ)

杏子(敵という立場だけどさ――――なんつーか、歯痒いな)

切嗣「…」スタッ

杏子「…行くのか」

切嗣(………)シュタッ

杏子「………」

杏子(いずれワルプルギスの夜っつー…一見分かり易い“巨悪”が動き出すだろう)

杏子(次に会うときには、さやか達と共闘できたりするかも知れない)

杏子(そんなふうに思いたい自分がいる…)

杏子(『敵同士での再会もアリだと思ってる』なんて、スカしたセリフかました癖にさ)

杏子「結局、あたし…やっぱりもう…傷つけあうのが辛いんだ、――――――さやか」ジワリ





―某美術館

龍之介「へー、コーガイガクシューで来てるわけ」

大河「おお~う!何このヘンな作品!!」

龍之介「嬢ちゃん~これが芸術(アート)ってヤツなの、さ☆」

ワルプルギス「作者の醜悪な本性と人間存在に対する絶望感がひしひしと伝わって来るのう」

ワルプルギス「―――傑作じゃ」フムフム

龍之介「嬢ちゃんもこういうの見て面白いの?」

大河「いや~あたし何でも好きだし~!」

―冬木市内某所・結界内




使い魔「アヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャ」




凛「くぅ・・・ッ!!」ジリジリ

凛(何よ・・・この空間・・・!?)

凛(何なのよぅ・・・・アイツは・・・・ッ!!?)ガクガク





―森の中



ほむら「さすがに道なき道をゆくのは困難を極めるわね」ガガガガガガガガガガガガガガ

ほむら「といっても、魔力を使って動かせば関係ないのだけれど」グラグラグラグラグラグラ

ウェイバー「もう・・・普通に行けばいいだろッ!!!?」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

まどか「見えてきました、あそこがセイバー陣営の本拠地です」マエニシタミシテイタノデ!




ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




―物陰

舞弥(ライダー陣営に加えて…)ザッ

舞弥(共に行動しているのは…アーチャー!?)

―城



アイリ「セ、セイバー…大変よ!!」

アイリ「せ、戦車が・・・こちらに向かっているわッ!?」

さやか「こんな大掛かりなモノに乗って来るのは…!」

さやか(転校生め、さてはマスターの不在を嗅ぎつけて奇襲しに来たな!)




さやか「――――かかってこいってのよっ!!」キリッ





―冬木空港

  ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

イリヤ「ここが…冬木の地…」ザッ


                                   (つづく)

―結界


「アヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャ」



凛(化け物・・・!?)

凛(……………………)アトジサリ

凛(くっ・・・!)キッ

凛(こ、こんなの相手に震えてどうするのよ・・・私!)

凛(こんなんじゃ、お父様に顔向けできないわ!)



使い魔「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」バッ



凛「ようし!」ポウ

凛(初歩的な魔術だけど、何とか応戦して!)カッ

         ドシュンッ



使い魔「アヒャアヒャアヒャアヒャ!!」ピンピン




凛「なっ!!?」

凛「ぜ、全然・・・効いてない・・・」ゾクッ



使い魔「アヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャ」ザッ




凛「きゃあああああっ!!?」



「こっちだ!!」

凛「え!!?」

凛「な、何!?」

凛「あ、あなたは・・・一体・・・?」



QB「詳しい話は後だよ!」

QB「いいから逃げなきゃ、魔女の使い魔に殺されてしまうよ!」タッ




使い魔「アヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャアヒャヒャヒャ」ギュン



凛「くぅ!!」ダダダダダ

―城内

ズガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


さやか「来る!!」

アイリ「どうするつもり、セイバー!?」

アイリ(外に舞弥さんがいるはずだけれど、サーヴァントを止めるのは…)

さやか「勿論、玄関先で迎え撃ちますよ!」

さやか「転校生のことだから…躊躇なくお城を破壊するに決まってる!!」

さやか「やれるもんなら(ry」

アイリ(切嗣・・・もしかしたらあなたが帰宅するころには)

アイリ(お城が跡形もなく崩壊しているかもしれないわ・・・)

―90式戦車―


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ほむら「城が見えてきたわ」

ほむら「そろそろ敵の迎撃が始まる頃ね」

ほむら「まあ、不在の可能性もあるけれど」

まどか「ううん、きっといると思うよ」ティヒヒ

まどか(さやかちゃんのマスターさんの愛人さんが隠れているみたいだし)

ウェイバー「それにしてもお前…毎度毎度どこからこんなデカブツを調達してくるんだよ」

ほむら「まあ、本当は第四世代を乗りこなしたかったところだけれどね」

ウェイバー「は???」

まどか「???」

―物陰

舞弥(私だけでは、どこまで対抗できるか…)ギリッ

舞弥(―――しかし、城の防衛は私の責務)

舞弥(これ以上先に進ませるわけには、いかない)

舞弥「行きます」スッ



ズダダダダダ――――――――――――――――――――――――――ンッ!!!!!



ウェイバー「ひっ!!?来たっ!!?」

まどか「あわわわわ!!?」

ほむら(魔力で操る装甲相手にあまり意味をなさない銃撃…?)


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ




ほむら(――――――いいえ、これは)

ほむら(私達のある方向へおびき寄せるための、…呼び水!)キッ

―物陰

舞弥(―――かかった)



        ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"

         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,

      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~

               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i

                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i

               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ






舞弥(――――対戦車地雷、および爆薬不足補填のため複数の誘導爆弾を仕込んだ地雷原)

舞弥(この至近距離で受ければ、少なくともマスターの命は)ツンツン

まどか「見つけました!」ニコッ


舞弥「       」


まどか「ちょっと大人しくしといてくださいね」スッ  ヒュルン

舞弥「なっ!?」ギュルン キュッ

まどか「私の使う円環弓はね、状況に応じて形態を変化させることができるんだよ」

まどか「例えば、こういうふうにドーナツ型の拘束具になったりね」



ほむら「あなたの、負けよ――――城は堕ちたも同然ね」シュタッ


舞弥(く・・・ぅ・・)ガクッ





ウェイバー「お、お前ら・・・・今日は休戦なんだろっ!!?」ゼーハー

―結界

凛「はあ、はあ…」タタタ

凛(一応逃げられた…?…でも、まだこの変な空間から抜け出せない…!)キョロキョロ



QB(…やれやれ)タタタ

QB(ようやくワルプルギスの夜が操る2体目の使い魔を発見したけれど)

QB(綺礼達がここまで到達するにはもう少し時間がかかりそうだ)


QB(僕としては、今目の前にいる適齢期の幼女―――――遠坂時臣の長女だったかな)

QB(と契約しても構わないと考えているけれど)


QB(奈何せん綺礼の意向を考慮しないとね…)

QB(何しろ、令呪を豊富に持ち合わせている綺礼の機嫌を損ねたら)

QB(…僕としてもあまり不利益を被りたくは――)



凛「そ、それで……あなたは一体……何者なの?」

QB「僕かい?―――僕の名前はきゅ…アサシンさ」

凛「アサシン…!?」

凛「も、もしかして…綺礼が召喚したっていうサーv」

QB「その通r」




使い魔「アヒャヒャヒャアヒャヒャヒャ!!」ザッ





凛「ひっ!!?」

QB「見つかってしまった!!」

凛「ど、どうしたら…!?」

QB「―――こうなったらしかたないね」

凛「えっ!?」



QB「遠坂凛――――生き残りたいと思うならば、君の願いを聞かせt」ガブッ



凛「 」



使い魔「ムシャムシャムシャ」つQB「○×□△!?」ジタバタジタバタ


使い魔「バリボリグチュグチュ」つQB「」シーン


使い魔「ゴクリッ」ゲップ



凛「ひ、ぇぇぇぇぇぇ・・・・」ガクガク


シュパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン



使い魔「アアアアアアアッ!!?」ドシャッ




凛「!!?」

凛(え、何が起こったの・・・!?)

             スタッ


「 もう…大丈夫 」




凛「!!!!!」

凛(―――――――その、声は――――――)ハッ




桜「お姉ちゃんは、私が守るから」シュキラァァァァァァァン




凛「さ・・・・・くら・・・・・・?」アゼン

―城

 ドガシャ――――――――――――――――――――――――――ン!!!!

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



シュ―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ほむら「よいしょっと…また会ったわね、美樹さやか…もといセイバー」

ウェイバー「これじゃ襲撃と変わらないじゃないか!?」

まどか「こんにちは、…さやかちゃん」




さやか「な、ま、まどか・・・まで!!?」


舞弥「ご、ご安心ください」タッ

アイリ「え、どういうことなの…舞弥さん!?」

舞弥「アーチャー、ライダーの両陣営とも…本日は休戦協定を結んでおり」

舞弥「セイバーに対しても敵意はなく…」

舞弥「なんでも…“お茶会”へのお誘いのため訪問したということでして…」

アイリ「お、お茶会・・・?」


舞弥「嘘ではないと思いますが―――でなければ既に私は戦死していたに違いありません…」ヒソ

アイリ「そ、そう…」ヒソ

アイリ(切嗣のいないこの状況では…戦力的にこちらが圧倒的不利)

アイリ(ここは無理に抵抗せず、向こうの意向に沿って――)



さやか「え、ホントなの!?まどか!?」ヒョイッ



舞弥「ちょっと!?」

アイリ「す、少しは警戒してー!!」セイバー!

さやか「確保ー!!」ギュッ

まどか「わっ!もぅ~さやかちゃんったら・・///」

さやか「いや~…もう」グスッ

まどか「えっ…さやかちゃん?」

さやか「杏子に再会したときもさ、感極ここに極まれり・・・って」

さやか「感じだったけどさ」ポタポタ

まどか「さやかちゃん・・」ギュッ

さやか「やっぱり、まどかとまた…こうやって触れ合えることができて」

さやか「本っ当に嬉しいよ…!!」ニコッ


さやか「だってまどかは―――――永久にあたしのお嫁さんなんだから!!」


まどか「ありがとう…さやかちゃん」ニコッ


まどか(良かった――――――――さやかちゃんがとっても元気そうで)








ほむら「―――マスター、セイバーへの攻撃指示を」メラメラ

ウェイバー「 や め ろ 」

ウェイバー「この三すくみの状況で誰かが誰かを攻撃したら…確実に袋叩きになるだろ!?」

はむら「何を本気に取っているの?」

ほむら「――――軽い冗談よ」

ほむら(美樹さやか――――今日のところはまどかに免じて見逃してあげるけど)

ほむら(次に会ったときは…!!)


ウェイバー「お前いつも顔が本気に見えるんだよ…!!」シュウウン

ウェイバー「ん」

ウェイバー(さっきので令呪を1つ使ってしまったじゃないか・・・・)orz


ほむら(先のことを考えれば、今のうちにくだらない内容で令呪をすべて消費させておいて)

ほむら(いつでもフリーになれるようにしておいて損はないでしょ?)ファサ

まどか「デパートのスイーツコーナーでいろいろ買って来たんだよ♪」

さやか「わ~おいしそう!!」

さやか「え、でもお金とかどうしたの?」

まどか「マスターさんがお小遣いを渡してくれたの」ティヒヒ

さやか「え~?いいなあ~!」


アイリ(御三家のひとつ・遠坂家のサーヴァントのアーチャー…)

舞弥(相当…人たらしの術(スベ)を心得ていると見える…)ゴクリ


さやか「あっちの方に綺麗な庭園があるんだ~!行こ行こ!」

まどか「うん!」


ほむら「さあ、行きましょう…まどか」テツナギ

まどか「あ、うん…ほむらちゃんも」ニコ

さやか「こら~転校生!まどかを独り占めは許さん!」テツナギ

まどか「あ、・・・あははは」ズルズル

舞弥「お茶を淹れて参りますので」スタスタ

アイリ「あ、お願い」


ウェイバー(……平和過ぎだろ……)ハア


アイリ「…えっと、私達も行きましょうか?」チラッ


ウェイバー「あ、はい…そう、ですね」








―某都市・お好み焼き屋

    ジュージュー

ワルプルギス「おお!この具材の絡みつき具合、これはまさしく!」

龍之介「ペッタンコでグチャグチャになった脳ミソにそっくりだね!」


アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


店員(クレイジー……)

―遠坂邸


時臣「……………」ソワソワ

時臣「……………」ソワソワ



―遠坂邸近郊

切嗣(…遠坂時臣は相変わらず自宅警備に徹しているようだな)


―遠坂邸屋根裏

QB(アーチャーがいないと比較的容易に侵入できるから助かるよ)


―遠坂邸地下

ズモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ

ケイネス「ソラーウの機嫌もよくなった―――そろそろ本格的な行動を(ry」

杏子「ほんと水銀便利だな」








―冬木駅近郊

イリヤ「すいませーん、ヒッチハイクで~す」オーイ



キキィィィィィィィィ          ガタッ


葵(い、今は凛のことで…それどころじゃないのだけれど…)

葵(何となく…放っておけないわ)オイデ

―屋内庭園

さやか「いや~おいしいわ~コレ!」パクリ

さやか「超ウマって感じ!!」

ほむら「まどかが選んだものよ―――当然でしょ」ズズ

まどか「舞弥さんが淹れてくれたお茶もおいしいです!」

舞弥「そういってもらえると光栄です」

アイリ「舞弥さんにケーキバイキングの趣味があったなんて知らなかったわ」

まどか(舞弥さんとアイリさん…仲良さそうだけど)

まどか(アイリさんは知ってるのかな…舞弥さんが切嗣(マスター)さんと…)ポッ





ウェイバー(…何だよこの緊張感ゼロなピクニックは)ポツーン

さやか「おーい、転校生のマスターさん」

ほむら「今さら警戒しても遅いでしょう…?」

まどか「えっと、一緒にお話ししましょうよ・・・!」

舞弥「甘いものが苦手ならば何か別のものを用意しましょうか?」

アイリ「そんなところで一人でいては手持無沙汰でしょう?」






ウェイバー「あ、いえ…お構いなく」

ウェイバー(な、何ていうか…)

ウェイバー( 凄 く 居 づ ら い ・ ・ ・ ・ )

ほむら「さて」

ほむら「そろそろ本題に入りましょうか。ね、まどか」チラッ

まどか「…うん」

さやか「本題…?」

まどか「聖杯問答―――――聖杯に託したい願いはどんなものなのか」

まどか「今日は、そのことを皆と語り合いたいなって思って…こういうお茶会を開かせてもらったの」


まどか(できたら…マミさんや杏子ちゃん、それから…“あの子”とも)

まどか(こういう形で話し合えれば良かったけど…まだチャンスはあると思う…!)


舞弥(…聖杯問答…)

舞弥(アーチャーは…誰の願望が聖杯に託すに最もふさわしいかを見極めようとしている…?)

アイリ(アーチャーはとても平和的な性格の魔法少女ね)

アイリ(…まだ会ったばかりだけれど…そういう雰囲気が滲み出ているわ)

さやか「託したい願い・・・ね」

ほむら「それではまず、私のマスターが発表してくれるらしいわ。一同注目」



ウェイバー「え」



さやか「おおっ!」パチパチ

まどか「ど、どうぞ」パチパチ

舞弥「……………」ジー

アイリ「……………」ジー




ウェイバー「・・・・・」

ウェイバー「じ、」

ウェイバー「自分を見下した時計塔の連中に己の沽券を(ry」



ほむら「――――まどかが本当の意味で救われる世界をもう一度構築する」

ほむら「――――それが、私のたった一つの願いよ」

さやか「勿論、まどかもだけどさ―――」

さやか「皆がもう争い合わなくていい…こういうふうに…お菓子でも食べながら笑いあえるような」

さやか「そんな世界が実現したいよ……それが、どれだけ難しいことかは、身にしみてわかってるけどさ」

アイリ「セイバー・・・」ジーン

まどか「・・・ほむらちゃん、さやかちゃん」

舞弥「………………………」ジーン



ウェイバー(自分のちっぽけな自負心に絶望しそうだ・・・)ガクッ

さやか「それじゃあお次は、まどかの番で~す!!」

ほむら「そうね―――――まどか、あなたの今の気持ち…聞かせて欲しいわ」

まどか「―――――うん」

まどか「 私 も ね ―――――――――――――――」



サアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



舞弥「むっ!!?」

アイリ「これは・・・!!」



使い魔「「「「「「「「「「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」」」」」」」」」」



ウェイバー「で、出たぁぁ!!?」


さやか「こ、こいつらは!!」

ほむら「――――使い魔ね、おそらく」

まどか(あの子が―――ワルプルギスの夜が―――差し向けた使い魔)ギッ

―某所・結界内

凛(どういうことなの・・・)



使い魔「アアアアア!!」



桜「これで、とどめだよ」ヴン    ギィ・・・

凛(ま、魔力を秘めた、弓っ!!?)

桜「風(ウィンディ)!!」ビュルン!!



      ズダーン!!

使い魔「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」

   

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン



桜(良かった・・・・)

凛「や、やった・・・の・・・・・・」ヘタリ

凛「あ、ありがとう・・・・桜・・・」

桜「お姉ちゃん」ギュッ

凛「桜・・・・・」

桜「私、やっぱりお姉ちゃんと一緒がいいよぅぅ・・・」グスッ

凛「桜・・・・・あなた・・・・」ヨシヨシ…

                

              

                ザッ

雁夜「おいバーサーカー、桜ちゃんの武器は弓なのに何で決め台詞は風にするんだ?」ヒソ

マミ「何となくこの方がぴったりな気がするんです!」ヒソ

凛「そ、その声は…!!雁夜おじさん!!?」クルッ


雁夜「やあ、凛ちゃん…怪我はないかい…?」

マミ「間に合ってよかったわ―――近くにきゅぅべぇが居てくれたおかげね」

QB「…おかげでまた貴重な個体の一つを失ってしまったよ」ヒョコ



凛「ちょ、ちょっと待ってよ!?」

凛「いったいどうなってるの!!?」



凛「だってアサシンは綺礼のサーヴァントで、桜は間桐の家で…、雁夜おじさんは・・・!?」コンラン



桜「お、落ち着いて…お姉ちゃん」

雁夜「ああ、おじさんもマスターの一人なんだよ――――な、バーサーカー」チラリ

マミ「―――はい」コクリ

凛「え!!そ、それじゃあ―――」




「詳しい事情は私が説明してあげよう、凛」ザッ




凛「!!!!!」

凛「その声は、綺礼!!?」チラッ




綺礼「まったく、禅城の家で大人しくしているようにとあれほど――」シャララ~ン☆





凛「                             」



凛「」フラリ

雁夜「り、凛ちゃん!?大丈夫か!!?」ストッ

桜「お姉ちゃん!?」ヒシッ

マミ「あらら・・・」




綺礼「………………」

綺礼「おそらく使い魔に襲われた恐怖から解放され、体の力が抜けt」



QB「いやいやいや…」

―城・屋外庭園


使い魔「「「「「キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ」」」」」



さやか「ひー、ふー、みー、よー・・」エート

舞弥「――――全部で10体いますね」



使い魔「「「「「キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ」」」」」



アイリ「くっ・・・!」


ほむら(―――これだけの数を一度に仕向けてくるとは)

ほむら(向こうも本気で潰しに来た、と言うことかしら)キッ


ウェイバー(ほ、本体は近くに居ないようだな…!)


さやか「よーし!!――――ここはさやかちゃんに任せt」キッ



まどか「 待 っ て 、 二 人 と も っ ! ! 」

さやか「えっ!?」

ほむら「まどかっ!?」



まどか「―――――ワルプルギスの夜さん」

まどか「ここにいなくても、どこかで…私のことばを聞いてくれているのなら」


まどか「  あなたと、お話しがしたいの!!  」



さや・ほむ・舞弥・アイリ・ウェイバー「「「「「 !!? 」」」」」


使い魔「「「「「「「「「「……………………………………………………………………」」」」」」」」」」ピタッ



まどか「あなたは確かに魔女だから…私達、魔法少女にとっては倒すべき“悪”だよ」

まどか「たくさんの子ども達を誘拐して・・・彼らの希望にあふれた未来を奪ったんだね?」

まどか「――――それは許せないことだよ」



まどか「でも」

まどか「私達は…あなたがもともとは…私達と同じ魔法少女だったということを知っている」

まどか「だから、感情を持つようになったあなたが…どれだけ辛い思いをしてきて」

まどか「今、どれだけ自分自身と葛藤しているのか…想像することができる」



まどか「            でも、だからこそ                」

まどか「         あなたは―――――――――もう            」

まどか「        絶望を振り撒く必要なんて、ないんだよ          」

まどか「    あなたは、“自分の意志”で新しい未来を切り開くことができる   」

まどか「     私は、あなたの気持ちを全部…受け止めてあげるから       」



まどか「だから――――――――――――――――――――――――――――――お願い」

―通天閣頂上


龍之介「いや~楽しかったねぇ」

ワルプルギス「………………………」

龍之介「ん?どしたのーワルちゃん…ボーっとして」


ワルプルギス「―――――眩し過ぎるのじゃ」ホロリ


龍之介「え・・・・?」


ワルプルギス(魔法少女・・・・・・よ)

ワルプルギス(済まんな・・・・・・魔女であるわらわは)

ワルプルギス(もう・・・・自分で決めておるのじゃよ)

ワルプルギス(最期まで―――――魔女らしく“悪役”を務めあげようとな)


ワルプルギス(     そういうさいごをむかえる それが わらわののぞみ     )

―屋外庭園



使い魔「「「「「「「「「「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」」」」」」」」」」

           ドシューン!!



まどか「くぁっ!?」ドサッ



舞弥・アイリ・ウェイバー「「「ああっ!!?」」




ほむら「まどかァ・・・!!」


さやか「―――――――――」

さやか「――――最低だよ」ギロリ

さやか「まどかは・・・」

さやか「あたしたち全員の気持ちを代弁してくれたんだ」

さやか「それでも、あんたは・・・何も感じなかったんだね」




さやか「――――――――――あたしは、あんたを許さない――――――――――――」




まどか「さやか・・・ちゃん・・・」



使い魔「「「「「「「「「「キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ」」」」」」」」」」」



さやか(まずは、こいつらを――――)スッ

ほむら「―――――その必要は、ないわ」サッ

さやか「邪魔しないでよ、転校生」ギロッ



ほむら「―――ここには、本体はいないでしょ」



さやか(え・・・・・・?)

さやか「・・・・・・・・・・!」ハッ


ほむら「―――ここは、私にやらせてもらう」



シュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

さやか「!!!?」

まどか(ほむらちゃん・・・)



舞弥「な、これはっ!!?」

アイリ「心象風景の・・・・具現化・・・・!!」



ウェイバー「・・・・・・固有・・・結界・・・・なの・・・か」



ほむら「見せてあげるわ、マスター………………………私の生き様を、ね」



キュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

~ミタキハラ~


使い魔「「「「「「「「「「「アワワワワワワワワワワワワワワワワ!!?」」」」」」」」」」キョロキョロ




アイリ「ひ、ひどい・・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・・・・・・・」

さやか「ここは、・・・・・・・・・まさか」

まどか「うん、そうだよ・・・、さやかちゃん」



ほむら「廃墟と化した・・・・見滝原―――――私の闘いの、始まりの場所」

ほむら「私は希望を抱き続ける限り―――――絶望の迷宮から逃れられない運命だった」



ウェイバー「・・・・・・・・・・・・」



「  マスター・・さん  」スッ

ウェイバー「え・・・・?ええええええええええええええええええええええっ!!?」

ウェイバー「お、お前はっ!!?」


めがほむ1「い、今まで・・・隠し事ばっかりしてて・・・ご、ごめんなさい!!」

ほむら1「でも、仕方がなかったのよ」


ウェイバー「え」


ほむら2「この聖杯戦争こそが――――」

ほむら3「私が」

めがほむn「私の・・・力で・・・!」


ほむら「―――まどかを救うための最後のチャンスだったから」


ほむらn「このチャンスを逃すことは、私にとって何よりも辛い結末だったから」


ほむら「―――――だから、許して欲しい」


りぼほむ「―――――ウェイバー・ベルベット」ニッ



ウェイバー「                」ボーゼン



  ホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホムホム

アイリ・舞弥「「              」」アゼン

さやか「転校生が、、、、、い っ ぱ い 」アングリ

まどか「す、すべての時間軸のほむらちゃんを現界させる・・・“焔の軍勢”・・・だね・・・?」



使い魔「「「「「「「「「「ヒィィィィィィィィィィィィィィィ!!?」」」」」」」」」」



ほむら「 さ て 」

ほむら「邪魔者には、消えてもらうわ」



ほむら一同「キッ」ジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキンジャキン


ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

ドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューンドシューン

ドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーン

バキグシャガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

―冬木市内・某所


葵「凛ー、どこなの~?」

イリヤ「おーい、りん~」


イリヤ「・・・むぅ~、早くお父様とお母様がいるお城に連れていってほしいなぁ」

葵「お城って言われても・・・」

葵「やっぱり交番に行きましょう・・・その方が」

イリヤ「まいごじゃないのぉ~!!」プンプン

葵(困ったわね・・・)



「これはこれは、奥方―――――ちょうどよいところに」ザッ

葵「!」

イリヤ「ん?」

葵「その声は、言峰さ」




綺礼「凛でしたら、私達が無事保護しています」シャラリララ~ン★




葵「                  」

イリヤ「                  」

葵「」ユラリ


雁夜「あ、葵さん!?大丈夫ですか!?」ダダダッ      ストッ


凛「お、お母様!?お気を確かに!!」ヒシッ

桜(お母さんにも…また逢えるなんて…)




イリヤ「かわいいー!!!私もあのフリフリ着た~い!!」



マミ「・・・あら、予想外の反応ね」

QB「なら、僕と契約して(ry」

綺礼(む…この少女はもしや…、時臣師が収集していた資料の中にあった)

綺礼「君、名前は―――」

イリヤ「イリヤだよ!」

イリヤ「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン!!」



マミ「まあ、可愛い子ね~」ヨシヨシ

マミ「(外国人かしら?)―――どこから来たの?」

イリヤ「ドイツ!!」

マミ「家族の人は?…もしかして迷子?」

イリヤ「だから、ちがうのぉ~!!」プンプン



綺礼(やはり)

綺礼(――――――衛宮切嗣という男の、愛娘か―――――――)

―夕刻・遠坂邸



まどか「ただいま、時臣おじさん」シュンッ



時臣「おかえり…まどかちゃん…!!」

まどか「その宝石は・・・?」

時臣「あ、ああ、…敵襲に備えて入念な準備をしていたんでね」


時臣(ああ、・・・何て心細い一日だったんだ・・・)ホッ


まどか(楽しいことも、悲しいこともあった一日だったけど)

まどか(それでも、…後悔なんてしないよ――――絶対に)

―屋外

QB(―――アサシンの見切りは早い)シュタッ



―近郊

プルルルルルルルルルルルル ピッ   

・・・・・・・・・・・

切嗣(“焔の軍勢”…規格外…か。――――やれやれ)ハァ





―回転寿司店

ソラウ「――――――で」

ソラウ「今日の収穫は?」

ケイネス「まだ聖杯戦争が始まって三日過ぎたのみ」

杏子「あしたからが本番だよな…!!」

―魔女工房

龍之介「さーて!…今日はいいリフレッシュになったから」

龍之介「また、気持ちを新たに!!二人で究極のアートを追求しよっか~!」

ワルプルギス「・・・・・・・」

ワルプルギス「なあ、龍之介」

龍之介「ん?・・・何~?」


ワルプルギス「 わらわは、希望を抱いたらダメなのじゃろうか・・・? 」


龍之介「………………」


ワルプルギス「この世には・・・・希望に輝く存在がいて」

ワルプルギス「それと同じだけの・・・・絶望に満ちた存在がおる」



ワルプルギス「絶望が希望を羨んでは・・・やっぱりダメなんじゃろうか?」

龍之介「希望があるから」

ワルプルギス「・・・・え?」


龍之介「希望があるから・・・絶望しちゃうんだよ」ナデ


ワルプルギス「・・・・・・」


龍之介「 だからさ、みんなを絶望させちゃえばいいんだよ 」

龍之介「 真っ白な世界を ぜーんぶ 真っ黒に染めちゃうのさ 」

龍之介「そうすれば、希望も何もないから――――――もう、絶望する必要もないんじゃない?」


ワルプルギス「・・・・・・・」


龍之介「ワルちゃんも・・・きっと、救われるさ」ニッ

ワルプルギス「龍之介ぇ・・・わらわ達のやってきたことは・・・・」

龍之介「全然間違ってないさ、絶対に」

ワルプルギス「絶対に・・・・・?」

龍之介「そう、絶対に」



ワルプルギス「―――――――――――――――――――――――――――」ニヤリ




ワルプルギス「――――――明日、わらわの真の姿を見せてやるのじゃ」

龍之介「えっ…!それって、昨日言ってた、スッゲエこと!!?」

ワルプルギス「うむ―――――――最初で最後のスッゲエ舞台(ショー)を」



ワルプルギス「見せてやろうぞ――――――――――龍之介」




【聖杯戦争3日目・終了】

≪次回予告(仮)≫


「言峰さんとの関係について……………説明してください…………」

「あたしの多節棍槍で――――ヤツの核(グリーフシード)を打ち砕くッ!!」

「これは誅罰ではない―――――――――――――――――救済だ」

「これでとどめだぁああああああああああああああああああああっ!!!!」

「アーチャーよ・・・私は・・・・――――もう何も、怖くない」

(―――――――――― 甘 き 死 よ 、 来 た れ ―――――――――――)

~~静謐なる晩餐~~



―3日目夜―



―城内・反省会

 
シ―――――――――――――――ン


さやか「・・・・・・・・・」

舞弥「………………………」

切嗣「………」


さやか(アイリさんが席を外していると・・・)


舞弥(会話が途絶えがち―――いえ、会話が一切成立していない)


舞弥(そろそろ…いえ、いい加減…セイバーとのまともな対話を試みるべきです!)チラリ

切嗣(そ、そう急かすな…舞弥)チラリ

切嗣(――――今日のランサーとの接触の中で)

切嗣(セイバーの存在が僕にとって…もはやただの使い魔(サーヴァント)ではなく)

切嗣(僕の理想的な正義の味方の偶像そのものだということを)

切嗣(再認識するに至った)


さやか(切嗣さん・・・また目を開けたまま寝てるのかな?)


切嗣(彼女と・・・本当の意味で協力して戦えられれば―――)

切嗣(―――否、むしろそうありたいとさえ…)



さやか「も、もしかして…お城の玄関とかが全壊しちゃったことをまだ怒ってるのかな…」ヒソッ

舞弥「いえ…城の崩壊はある程度想定済みでしたので」ヒソ

舞弥「ちなみに、明日以降のための別の隠れ家をすでに手配しています」ヒソ

さやか「え!・・・ホントですか!」ヒソ

舞弥「ここに比べれば・・・少々手狭な純和風の屋敷となりますが」ヒソ

さやか「全然オッケーですよ!!」アハハ




切嗣( だ が )

切嗣(奈何せん・・・セイバーの実力では・・・)

切嗣(この戦線を勝ち抜けるかどうかは・・・たいへん覚束ない・・・)ガクッ



さやか「マスターさ~ん、ボーとしてないでワルプルギスを倒す作戦考えようよ!」

舞弥「ほ、本当に一人で戦いを挑むつもりで…」

さやか「そりゃそうですよ」

さやか「転校生にばっかりいいカッコさせてらんないもん!」グッ

さやか「あたしもそろそろ本気モードで行きますから!!」


舞弥「な、何か…秘策でも…?」

さやか「――――聖剣を、鞘から抜きます」ニッ

舞弥「・・・・・・・・・・・・・」


舞弥「…………………………“さやか”だけにですか?」

さやか「・・・・・・・・・・・え?」

舞弥「え・・・・・・・・・・・・?」


さやか「・・・・・・・・・・・・・」

舞弥「・・・・・・・・・・・・・・」


さやか「舞弥さんって意外とお茶目ですよねー!!」アハハッ

舞弥「そ、そんなことはッ!!?」カア

切嗣(セイバーとの…交友関係が良好だというアーチャー…)


切嗣(セイバーにアーチャーをおびき寄せさせ、その隙に遠坂時臣(マスター)を殺害)

切嗣(―――セイバーの処遇を取引材料にして、無契約状態のアーチャーと再契約)

切嗣(セイバーには…、心苦しいが…令呪で……………………………)




アイリ「たいへんよ、切嗣!!」バタンッ




切嗣「!?」

さやか「アイリさん・・・!?」

舞弥「どうなさいましたか、奥方!?」



アイリ「本国からの連絡があって・・・」

アイリ「イリヤが・・・・・・・・・・」

アイリ「一人で・・・冬木に向けて出国したらしいの・・・!!!」



切嗣「なん・・・だって・・・!!?」ガタッ


さやか「マジですかっ!!?」

舞弥(これは…また懸案事項が…)

―聖堂教会

イリヤ「ねー、フリフリのおじさんー」

イリヤ「いつになったらお城に連れてってくれるの~?」


綺礼「今日はもう遅い…ここに泊って行きなさい」フリフリ

綺礼「聖杯戦争中の冬木市は危険極まりないが…監督役代行の私のもとに居れば安全だ」



QB(よく言うよ)ステルス



イリヤ「もぅ~・・しかたないなあー」

綺礼「さあ、子どもは早く寝るように」

イリヤ「は~~~~い」ファーア

イリヤ「・・・・・スヤスヤ」


マミ「…ようやく眠りについてくれたのね」シュンッ

QB「バーサーカーマミ、君は間桐雁夜(マスター)のもとに居なくていいのかい?」シュンッ

マミ「と言っても…呼ばれたらすぐに戻れる距離だし」


マミ「それに、今は“家族”水入らずの方がいいと思って」ニコリ


綺礼(家族・・・・・・・か)


マミ「ところで、言峰さん」

マミ「私のマスターの願いは…形としては、ほぼ成就に近づいています」

マミ「一方であなたとしては、葵さんと凛ちゃんという――――」

マミ「“交渉材料”を手中に収めている形になりますね」


QB「加えて、セイバー陣営の“虎の子”もね」

綺礼「・・・うむ」

マミ「私としては…余命数週間の雁夜さんの“希望”を一刻も早く叶えてあげたいの」

QB「い、いや…」

QB「聖杯を獲得することで、間桐雁夜の運命をまた別の方向に変えることができるかもしれないんだよ」


QB「言峰綺礼、あまり性急な行動は控えるべきd」



綺礼「令呪を以て命じる―――――――アサシンよ、黙れ」



QB「                  」


QB「~~~~~~~~~~~~~~~~~!?」

マミ「あ、あらら・・・」


綺礼「――――準備は整った」


綺礼「 師 匠 、明 日 あ な た に 逢 い に 行 き ま す ! ! ! 」





イリヤ「・・・おじさん、うるさい~~~」ムクリ  ファー

―聖堂教会・客室



凛・桜「「スヤスヤスヤスヤ」」



葵「ようやく・・落ち着いて・・眠ってくれたみたい」ホッ

雁夜「あ、葵さんは…落ち着いた?」

葵「ちょっとまだ…言峰さんの姿が…脳裏に…」クラクラ

雁夜「まあ、俺も最初見たときは…ゲホゲホッ」


葵「雁夜くん…」

雁夜「だ、大丈夫さ」ゼーゼー

葵(本当に・・・やつれた顔になって・・・)


葵「ところで…桜の…ことだけれど」

雁夜「あ、ああ…そうだな」

雁夜「間桐の爺さんが―――――死んで」

雁夜「鶴野のヤツは…病院に運ばれたんだが、意識不明の重体だ」


雁夜「もう、桜ちゃんを間桐の家に縛り付ける桎梏は、無くなった」


葵「そう・・・・・」



雁夜「桜ちゃんはもう、間桐桜である必要はない――――」

雁夜「何のしがらみも無く、また・・・凛ちゃんの――――妹になる」



葵「・・・・でも」

葵「――――時臣が」

葵「遠坂の当主として…一旦決定したことを…」

葵「後から・・・・・・・曲げることなんて・・・・・」



雁夜「―――――」ギリッ



雁夜「 葵 さ ん  ! ! 」キッ



葵「か、雁夜くんっ!!?」ビクッ


雁夜「そんなことでいいのかッ!?」

雁夜「――――――幸せな家庭を築くことができると、信じて」

雁夜「遠坂の家に、―――時臣に、嫁いだんだろう!?」

雁夜「だったら、ここであきらめていいのかよ!!」



雁夜「いいわけ・・・・・ないだろ・・・・・」グッ



葵「雁夜・・・・・くん・・・・・・・」

葵「………」


雁夜「―――君にそれができないというのなら、俺が代わりにやってやる」


雁夜「―――まずは」

雁夜「―――君の幸せを無意識に阻害してはばからない」

雁夜「―――遠坂時臣というふざけた魔術師をぶち殺s」

      

        ガラッ



マミ「いえいえいえ・・・!?」

綺礼「その必要はないと何度も確認していた筈だが」


―10分後


綺礼「以上、成行きの説明は終了です…奥様」ペコリ

マミ「それでは、私もこれで」シュンッ


     ガラッ



葵「・・・・・・・・・・」ポカーン

雁夜「・・・・・・・・・・・」


葵「ねえ、雁夜くん・・・」

葵「“師弟愛”というものは・・・ああいう・・ものなの?」ゾクッ

雁夜「いや、俺には・・・ちょっと良く分からないけれど・・・」

葵「言峰さんと時臣が・・・良好な間柄だとは思っていたけれど・・」

雁夜「ま、まあ・・・人にはいろいろな趣味があるってことじゃ・・・?」

葵「雁夜くん・・・」ウル

雁夜「!!?」


葵「私は、時臣(アノヒト)のことを・・・心から愛していた・・・」ポツリ ポツリ

葵「それなのに・・・・・・私は」

葵「もしかして・・・・騙されていたのかしら・・・」ウウッ…

雁夜「俺にも・・・本当のところは分からないけれど」



雁夜「――――――少なくとも」

雁夜「――――――時臣以上に、あなたのことを愛してくれている奴が」

雁夜「――――――きっと、いるから」ニッ



葵「――――――――――」ハッ




雁夜「――――おやすみなさい、葵さん」スタッ

         バタンッ

―隣室

    カベニミミアリ



綺礼「絶好の機会を逃すとは―――――」

QB「~~~~、~~~~~~~~~」

マミ「すごく、ドキドキしちゃいました…///」

イリヤ「何なに~?イリヤよくわかんな~い??」








雁夜(こいつら全員聞いてやがったのかよ・・・)orz

―魔女工房

        ザシュッ      

 

   シ―――――――――――――――――――ン



ほむら「下手な鉄砲も、数撃ったら・・・当たったわね」


ウェイバー「………………………………」


ほむら「でも、もうもぬけの殻…だけれど」



ほむら(凄惨極まりない光景…だけれど、これほどの足跡をわざわざ残して放置するなんて)チラリ



むら(もしかしたら…ワルプルギスの夜は、もうここには戻って来るつもりがない…?)

ほむら(今日の一件で使い魔が殲滅されたと仮定すれば…魔女(ヤツ)はマスターとともに行動しているはず)

ほむら(マスターにとって安全な隠れ家を放置して、いよいよ…勝負に出ると言うことかしら?)



ウェイバー「なあ、ライダー」

ほむら「何?」



ウェイバー「―――僕は、お前を勘違いしていたよ」

ウェイバー「お前は、サーヴァントとしては滅茶苦茶強く、見えるけれど」

ウェイバー「魔法少女としてのお前は…元来時間遡及しかできない…弱々しい存在だった」




ほむら「………―――――――――ええ」

ほむら「私は一切の攻撃魔法や魔法を用いた武器を持たず、魔法少女としての純粋な戦闘力は極めて低かった」

ほむら「けれども、私はその弱さを乗り越えるために」

ほむら「時間操作という制限付きの能力を生かせる方法を追求し――」

ほむら「ループを繰り返す中で経験を積むことで補おうとしてきた――」



ほむら「  ひとえに、たったひとつの想いを胸に抱きながら  」



ウェイバー「僕は、魔術師としての才能は…はっきり言って…下の下だ」

ウェイバー「そんな僕だけれどさ、魔術師である前に――――1人の人間として」


ウェイバー「―――最後まで、お前についていきたい―――」キッ

ウェイバー「そう、思う」


ほむら「…」

ほむら(・・・・・・・ばか・・・・・・・・)



ほむら「正直言って…あなたの命の安全までは保証できないわ」

ウェイバー「死んでも後悔しない―――――覚悟はもう…できたから」



ほむら「………」



ほむら「…さて」ファサ

ほむら「まだ、魔女が近くに潜んでいるかも知れないわ」


ほむら「―――行きましょう、マスター」

ウェイバー「…」コクリ

―遠坂邸

     ガチャン


時臣「…………………」ゴクリ


まどか「ど、どうしたんですか…?」


時臣「禅城の家から連絡があってね…」

時臣「今朝方以降…、私の娘と妻の行方が…分からないらしい」

まどか「お、奥さんと・・・娘さんがですかっ!?」


時臣(凛のことだ。もしかしたら…私の力になろうとして冬木(コチラ)に向かったのかもしれない)

まどか「も、もしかして…」

まどか「どこかの陣営に…誘拐された可能性も…?」


時臣「―――ありうる」ギリッ


まどか「わ、私…周辺を見回りに行きましょうか・・・?」


時臣「い、いや…待ってくれ、まどかちゃん」

時臣「まだ、2人が冬木に来たという確証は得られていない…もう少し情報を集めてからにしよう」


まどか「そ、そうですか」ワカリマシタ

時臣「…それに」

まどか「それに?」



時臣「今夜は私の傍らに控えておいてくれないかい…?」

時臣「寝込みを襲われそうで……怖くて…眠れなくて…ね」ズツウガ…



まどか「…わかりました―――ずっとそばにいますんで」

まどか「安心してくださいね―――――時臣おじさん」ニコッ

―吉野家

ケイネス「魔術師としての経歴に『武功』という名の箔をつけるために聖杯戦争に参加した」


杏子「のに?」パクパク


ケイネス「正直言うと…そのようなことはもうどうでもよくなってきたのだよ」

ソラウ「じゃあ、何のために闘うって言うの?」

ソラウ「ランサーとしても、マスターの意志がしっかりしていないと困るでしょう?」チラッ


杏子「いや~…別にどうでもいいっしょ?」


ソラウ「        は」


杏子「闘う理由なんて・・・闘いの中で見出していけばいいさ」

杏子「否が応にも・・・闘わざるを得ない場合・・・以外は」シュン

ソラウ「…ランサー」


ケイネス「――――救済だ」


杏子「え・・・・・?」

ソラウ「救済・・・・?」


ケイネス「すべての魔法少女(サーヴァント)が救われる世界を実現し、ランサーの笑顔を守る」



ケイネス「そのために、私は命を懸けて闘おう――――――――――よいな、ランサー」

杏子「・・・・・あんがと・・・・マスター・・・」ジワ



ケイネス「そして――――――これからも、よろしく頼む…ソラーウ」

ソラウ「・・・わかってるわよ・・・もう」

―翌日未明

  

       ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


ワルプルギス(海………………)

ワルプルギス(…やはり、この上空が最適じゃろうな)



ワルプルギス(わらわの―――――“死せる魂(グリーフシード)”―――――)スゥッ



ワルプルギス(わらわが包括する全ての魔女の心臓部を媒介として)

ワルプルギス(――――わらわの真の姿をこの世に現界させる)

ワルプルギス(その生贄に必要不可欠なる子どもは…十分に捧げた)

ワルプルギス(完全なる形で実体化できれば―――)

ワルプルギス(わらわは“再び”理性なき獣となり)

ワルプルギス(―――――――あとはひとりでに世界(スベテ)を破壊し尽くすのみ)



ワルプルギス(―――――――最期まで見ていてくれよ、龍之介)ノシ





―海浜公園

龍之介「ワルちゃ~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!」


龍之介「COOLなショーを期待してるからね――――――――ッ!!」ノシ



龍之介(たぶん・・・・これでサヨナラなんだね、ワルちゃん)

龍之介(―――――いい夢見ようよ、一緒に・・・・・・さ)




~~静謐なる晩餐・終~~

このままグッドエンドでいくか、まさかのバッドエンド直行ルートにもっていくか割と悩んでる

とりあえずしばらく社畜になる準備とかで忙しくなるんで更新は2期始まって以降ってことでオナシャス

>>435
>QB「加えて、セイバー陣営の“虎の子”もね」

>綺礼「・・・うむ」

これはそろそろ正ヒロインの出番か

―WAKAME道場―――――――――――――――――――――――――――――――

慎二「やあ、また会ったね…諸君」キリッ

仁美「本当に御無沙汰しておりますわ」ペコリ

慎二「それよりこのコーナーについてだけど…普通に原作のあのキャラ達を使えばいいんじゃ…?」

仁美「本編に登場しないキャラを使うという暗黙の了解があることを御存じありませんの…?」

慎二「ああ、なるほど――――――――――ってちょっと待てよ!?」ダンッ

慎二「志筑はともかくこの頃遊学中の僕は登場できなくもないだろ!?ふざけるn」

仁美「間桐くんが登場したところで、魔女の餌食になるだけですわよ…?」

慎二「・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱいいや」

仁美「そういうわけで、少しばかり更新していきますわ―――」

慎二「―――とりあえず遠坂の親父が(ry」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【聖杯戦争・4日目】


―気象庁

「レ、レーダーが異常な気象変動を確認・・・っ!」

「冬木市近郊に・・・・これは、もしや・・・!?」

「間違いありません!!…スーパーセルの前兆です!!」



―冬木市災害対策本部

「冬木市沖に謎の巨大構造物が出現したとの目撃情報が…!」

「突如発生した台風の渦の中心部の位置と一致しています…!」

「可能性は低いでしょうが…あるいは人為的な災害喚起の虞も否定できないのでは…!?」

「それより連日発生している児童失踪事件、連続爆弾テロ、地殻変動、自衛隊機盗難、騒音」

「および・・不審な中年コスプレイヤーetc…への対処は!?」

「どうするつもりですか、市長っ!?」



市長(もう・・・やだ・・・・)ウワアアアアアアアアア

―聖堂教会内・至聖所


マミ「どうしますか、マスター」シュンッ

マミ「海上に、現れたのは…おそらく“ワルプルギスの夜”と名乗っていたサーヴァントの…」



雁夜「…お前の好きにすればいいさ」

マミ「えっ…?」

雁夜「俺にとっては、言峰がどう動くかを見守るのが最優先だ」

雁夜「が、…お前が魔女のことが気がかりなのも…よくわかる」

雁夜「それに、他の魔法少女連中も…すでに事態の深刻さに気づいているはずだ」


雁夜「―――――何なら、共闘すればいい」


雁夜「一応、言峰の奴が出した追討指令はまだ有効だからな」


マミ「雁夜さん・・・」

雁夜「 なあ、バーサーサー 」



雁夜「 本当は、欲しいんだろ―――――――“人間”のともだちが 」



マミ「へっ!!!?//////」



マミ「ど、どうして…それを…!?」オロオロ

雁夜「カラオケの時の話とか、アサシンとの話とか聞いてると…分かるさ、何となく」

雁夜(―――時臣との因縁に決着が着いたら、今度はアンタの願い…叶えてやらねえとな)

雁夜「まあ、今は…行ってきな――――俺も、後で必ず合流するから」



マミ「そ、それじゃ・・お言葉に甘えて、ちょっと様子見に――」



桜「ひとりぼっちじゃ、…さみしいもんね」シュタッ

桜「私も一緒に行ってあげる――――マミお姉ちゃん」


雁夜「…………………」

桜「今は私がマミお姉ちゃんの“仮のマスター”なんだから」つギシンノショ

雁夜「おじさんが不甲斐なくてごめんよ・・・桜ちゃん」

桜「大丈夫だよ」ニコッ

桜「行ってくるね…雁夜おじちゃん…!」



マミ「でも・・・とても危険よ・・・マスター、本当にいいんですか!?」




雁夜「―――――俺は、アンタを信じてるから」



マミ「―――――――――――」ドキッ



雁夜「アンタがいれば、桜ちゃんも大丈夫だって、な」

雁夜(そして、―――――こんなに澄んだ瞳を以て、自分から積極的に行動しようとする桜ちゃんを)

雁夜(止めることなんて、――出来そうに無いだろうからな)シミジミ



マミ「それじゃあ、行きましょう桜ちゃん!」キッ

桜「――――行ってきます、雁夜おじちゃん」ノシ

                 シュンッ





―客間

綺礼「・・・・ということなのです」

綺礼「後は、奥様ご自身で―――――師匠に確認していただければ」


綺礼「では、私は――――――これで」ガタッ

        スタスタ       バタン



葵(                )ボーゼン

葵(  衛宮・・・・・・切嗣・・・・・・・  )



―隣室

凛「zzzzzzzzzzz」スヤスヤ

イリヤ「zzzzzzzzzzzz」スヤスヤ

―至聖所

綺礼(衛宮切嗣――――――少しばかりお前の存在を利用させてもらう)

綺礼(あくまで――――――私の願望成就のために、な)


雁夜「で、どういう作戦で行くつもりなんだ?」


綺礼「時臣師は不測の事態に対処することを不得手としている―――」


雁夜「…………確かに。頭でっかちで融通が利かない野郎だからな」



綺礼「だが、強引な方法は通用しない―――危急の事態となれば、アーチャーは師のために忠誠を尽くして闘うだろう」


雁夜「加えて時臣本人も…魔術師として強力なのは事実だからな…」


綺礼「そこで、………………………………………」ヒソヒソ

雁夜「……………………………………なるほど、精神攻撃は基本…と言うわけか」


QB(先が思いやられるよ…)ヒョコ

―森の中

切嗣「舞弥はアイリを新居に送ったら連絡してくれ―――」


舞弥「了解―――それでは行きましょう」タッ

アイリ「ええ」

アイリ「それじゃあ、頑張ってね――――――二人とも・・・」



さやか「はい!」

さやか「マスターと力を合わせて魔女を倒してきます!!」

切嗣「敵に移動を勘付かれるとまずい―――急げ、アイリ」



アイリ「は、はい…!」タッ

      



  シ――――――――――――――――――――ン




さやか「………………………………」

切嗣「………………………………」

さやか「そ、それじゃ行きまs」



切嗣「さっそく単独で………を探しに行くか」ヒトリゴト

        シュタッ



さやか「え、ちょっとっ!!?」

さやか「…………………………」ポツーン

さやか「!!」ハッ


さやか「そっか!…マスターさんは魔女のマスターを探しに行ったのか!」


さやか「確かに魔女が陣取ってるってのは海の上みたいだし」

さやか「たぶん向こうのマスターは海岸沿いとかに隠れてるはず…!」

さやか「だったらこっちも別々に行動した方が効率いいし…!」


さやか「よーし!―――任せてください切嗣さん!!」



さやか「敵マスターを倒す前に、あたしがワルプルギスを片付けちゃいますからっ…!!」ダッ

―冬木市上空


ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



~F-15戦闘機~

《冬木市警察より航空自衛隊に出撃翌要請――――》

《―――冬木市沖にて謎の巨大構造物が出現》

《至急現場の確認及び市民の安全の確保を―――》

仰木「―――前線より報告」

仰木「―――現在、台風の目に向かって移動中」

仰木「―――視界は概ね良k・・・!!?」

      

        シュタッ!!

―機体前部

ほむら「―――こんにちは」ファサ




仰木「           」ボーゼン

ほむら「今よ!」

      ザッ

ウェイバー「すいません!」ドシュッ

仰木「ぐはっ!?」

仰木「ガクッ」キゼツ



ウェイバー「…やれやれ…、ホントお前のやり方…強引だな」ハァ

ほむら「あら、私について行くなんて豪語していながらもう弱音を吐くつもり?」

ウェイバー「―――そんなつもりじゃない!」ソウジュウ!


バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ


ウェイバー「―――――で、どうするつもりだ」

ウェイバー「迂闊に攻撃するよりは…一旦、あのデカブツと一定の距離を保った上で…その弱点を見極めた方が妥当だと思う」


ほむら「――――そうね、私も同意見よ」

ほむら(…強烈な魔翌力を充満させながら、少しずつ完全体に移行しつつあるワルプルギスの夜)

ほむら(ただ、今のところは羽化前の“繭”の状態といえる)

ほむら(こちらから攻撃しない限りは…向こうから街を侵蝕する気配がない)

ほむら(まさに台風の目に入っているわね…一時停止の無風状態)

ほむら(そして、…ヤツが自発的な活動を開始するにはまだ時間的猶予がある…!)


ウェイバー「繰り返しあの魔女と闘う中で、何か弱点になりそうな手掛かりはつかめていないのか?」


ほむら「過去の経験上は」

ほむら「魔法少女一人では対抗し得ない超弩級の大型魔女――――ということしか言えないわね」


ウェイバー「そうか…、確かに…二日目にまみえた時も…力の差を見せつけられたもんな」

ほむら「ただ」

ウェイバー「…ただ…?」

ほむら「この聖杯戦争において、ヤツが私の知っている過去の魔女と全く同じ性質ではないことも分かっているでしょ?」


ウェイバー「――例えば、感情を有していること…だよな?」

ほむら「そう」


ほむら「ヤツだってイレギュラーながらもサーヴァントとして召喚されている存在」

ほむら「マスターが倒されたら顕現できなくなるというリスクの他にも―――」


ほむら「私達魔法少女と“同様のリスク”を背負っているんじゃないか」

ほむら「私は、そういう可能性を予測しているのよ―――根拠はないけれど、ね」


ウェイバー「同様の・・・リスク・・・」ウ~ン


バラララララララララララララララララララララララララララララララララララ

ウェイバー「というかさ、ライダー」

ほむら「何かしら」

ウェイバー「別に…無理に舞台装置の魔女本体の撃破を狙わなくとも」

ウェイバー「冬木市内のどこかに隠れているはずのマスターを探した方が手っ取り早k」

ほむら「ええ、そうよ…理屈ならね」


ほむら「でも、それをやるのは私達じゃなくてもいいのよ」

ウェイバー「まあ、ランサー陣営とセイバー陣営も動き出しているようだけれど…」


ほむら「昨日のセイバーとの“約束”―――私は約束は守る主義だから」


ウェイバー「じゃあ、ワルプルギスの夜とは…」


ほむら「あくまで、美樹さやかの援護射撃に徹するつもりよ」

ウェイバー「で、でも弱小なセイバーが前線に立っても…魔女には歯が立たないだろっ!?」

ほむら「ええ」

ほむら「“現状”の美樹さやかのパラメータでは…ね」

ウェイバー「げ、現状の…?どういう意味だよ?」

ほむら「他のサーヴァントと比較して、美樹さやかのパラメーターだけが極端に低い格付けになっている」

ほむら「けれども、私が知っている美樹さやかは」

ほむら「経験や才能という部分を除して考察すれば」

ほむら「決して他の魔法少女と引けを取らないそれなりの実力を有していたわ」


ウェイバー「…………つまり」

ウェイバー「もしかしたら、何らかのカラクリで…あえて低いステータスを表示させて」

ウェイバー「他陣営を油断させているかも知れないのか」

ほむら「―――そして」コクリ

ほむら「―――美樹さやかは非常に思い込みが激しい性格の魔法少女」

ほむら「―――あるいはこの性質が、この世界では大いにプラスに働く可能性があるんじゃないかしら?」

ウェイバー「――――!!」

ウェイバー(手の内を見せていないだけで…セイバーが『投影』を自在にこなす可能性があるということか)

              


                 ピカッッッ★



「 ギ ガ ・ フ ィ ナ ー レ ――――ッ ! ! 」






ウェイバー・ほむら「「                        」」

チュドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!



―空中

ほむら「くっ!!」シュンッ   グイッ

ウェイバー「ひぃぃ!!」

ほむら「何とか脱出っ!!・・・な!?」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

ウェイバー「う、わあああああっ!!?」ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



ほむら(しまっ…拘束されていると…時間停止が使えないっ!!)

ウェイバー「バ、バーサーカー!!?…グアアアッ」ヒィィ



マミ「暁美ほむらさん―――――あなたがライダーだったのね」



桜「ライダー…?」ヒュンッ


ほむら・ウェイバー「「!!!?」」



マミ「私の記憶では…あなたはアーチャー向きだと思っていたけど…?」



マミ「ところで―――――聖杯戦争に無関係な一般人を巻き込むなんて」

マミ「ちょっとやり過ぎだとは思わないかしら?」チラリ

桜「マミお姉ちゃんもちょっと・・やり過ぎじゃない・・?」




仰木「シーン」ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ(※リボンの命綱で陸地へ降下中)

ほむら(……………………あ)

ウェイバー(そ、そういえば操縦士を乗せたまま航行してた…)



ほむら(そ、それよりも・・・!!?)

ウェイバー(バーサーカーの隣にいるのは・・・!!?)

ほむら・ウェイバー((新たなる・・・魔法少女っ!!?))



マミ「今回の一件だけじゃないわ」

マミ「あなた達…戦闘機を各地で強奪しては冬木市中を蹂躙しているみたいね」




マミ「―――――ちょっと、頭…冷やそうか?」ニッ




桜「マミお姉ちゃん…、おかお・・・こわい・・・」ブルッ




ウェイバー「オカアサァァァァァァァン」キャアアアアアアア

ほむら「こ、こんなことしてる場合じゃ・・・!!!」クゥッ


―聖堂教会


QB(綺礼からゴーサインが出たよ)コックリコックリコックリ


雁夜「さて」

雁夜「それじゃあ、通話を始めてくれ」


葵「…」コクッ

凛「お母様!・・・まずは私が・・・!」

葵「これ、凛…」


雁夜「凛ちゃん…これは凛ちゃんにはまだ難しいような…大人同士の微妙な問題なんだ」


凛「でも、だって…私は…綺礼のことは…どうしても…好きになれない…」



凛「その綺礼が・・・お父様と今以上に仲良くなるって・・・どういうこと!?」ワカンナイ

雁夜「と、とにかく…こっちにおいで凛ちゃん」

雁夜「これは、凛ちゃんや桜ちゃんにも関係があるけれど…」

雁夜「やっぱり夫婦の間でまず…はっきりさせるべきことなんだよ」



イリヤ「おーい」

イリヤ「りん~!一緒にあそぼ~!!」コッチコッチ

凛「・・・・・・・・・・・・・」ム~

凛「・・・分かったよ・・、・・・雁夜おじさん」シブシブ



ピポパポ  …プルルルルルルルルプルルルルルルルルプルルルルルルルルプルルルルルルルルプルルルルルルルル   ガチャ


葵「もしもし…………………時臣?」







―遠坂邸

まどか「はい、もしもし~」

まどか「どちらさまですか…?」

―書斎

時臣(昨日に続いて…屋敷の周辺からものものしい気配が…)ゴクリ




―遠坂邸北方

QB (…昨日の令呪の効果…随分長続きするね…)コソッ





―遠坂邸西方・高所

舞弥「…遠坂邸に依然目立った動きはありませんが」ムセン

舞弥「部外者からの通信がありました―――盗聴を続けます」

舞弥「また、お嬢様の姿が目視できた場合には直ちに保護に向かうということで…?」ムセン

舞弥「―――了解」ムセン




―遠坂邸南方

綺礼(まずは奥方に手筈通り連絡を入れてもらい、師を動揺させる)トウチョウチュウ











―穂群原学園

「急な災害警報のため、生徒諸君は集団で速やかに帰宅するように!」

大河「やっほー!放課後だぁ~~」

―聖堂教会

葵(あれ…女の子の声…?)

葵(ああ、…この子がアーチャーなのね)

葵「――――時臣の妻の遠坂葵といいます」


《お、奥さんですか…!!》


葵「夫が在宅でしたら、少し代わってもらえませんか?」

葵(言峰さんから聞いているので…在宅だということは分かっていますが)



《はい、分かりました。すぐに代わりますんで!》トキオミオジサーン


葵(…………………………)ゴクリ



―遠坂邸

まどか「―――行方知れずだった奥さんから電話のようですが」

時臣「――他陣営による錯乱目的のダミーの可能性もあるね」スッ

時臣(…………む)ピーン

時臣(この番号は―――――聖堂教会の一般信徒応対用の固定電話の番号…か)

時臣(ということは―――――間違い・・・・なく・・・・・)


時臣(綺礼の策謀だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ゴクリ


時臣(そして、私が当然知っているこの番号を利用してきたということは・・・・・)


時臣「――――もしもし、私だ」


《あなた……………なのね》


時臣(―――――やはり、妻(…そしておそらくは凛も)を人質として利用するもりか…綺礼…!)ギリッ



時臣(状況次第では、アーチャーと共に直ちに行動を起こさねば)チラリ

まどか(時臣おじさん…とても険しい表情をしてる)

時臣「大丈夫…なのかい」



《私も凛も、…桜も無事ですから、安心してください》



時臣「そうか、それは良かっ――――――――――――さ、桜・・・だって・・・?」

まどか(さくら・・・・・・・・・?)

まどか(・・・・・・・・・・・・杏子ちゃん!!!?)



《ええ、桜 も …です》



時臣「何を言って…?―――あの子はもう…私達一族とは関係な」






―聖堂教会

葵「――――時臣」


《・・・な、何だね》



葵「  あの子は・・・私の子ですッ!!!!  」ホロリ



《!!?》

葵「―――もう、桜が間桐の家にとどまる理由は・・なくなったのよ」

葵「間桐の家の…邪悪な存在は、雁夜くんが倒してくれたらしいの」



《雁夜…だと!?》

《あの男は…!現在バーサーカーのマスターであって…私の明確な敵であり、かつ魔道の家に生れた人間としてあるまじき――》




―隣室

雁夜(い、いや…別に俺が倒したわけじゃないんだけどな…)ポリポリ

雁夜(でも、良かった・・・・・・葵さんが、時臣に本音をぶつけてる・・!!)


凛「雁夜おじさんが…桜を助けてくれたんだ・・・」

凛「ほんとうに・・・ありがとう・・・」ギュッ

イリヤ「よくわかんないけど」

イリヤ「おじさん、いい人そうだからイリヤもぎゅってしてあげる!」ギュッ


雁夜「こ、こらこら二人とも…」ヨシヨシ

―遠坂邸


《―――――それに》


時臣(一体何が・・どうなって・・・!!?)コンラン


《私は、昨夜―――――――雁夜くんに、遠回しに…告白されました―――――――――》


時臣「っっっ!!!!!!!!!?」


《今まで、雁夜くんのことは幼馴染の友人だとしか思っていませんでしたが》

《あなたの    “性癖”    を知って…》

《裏切られて、失意のどん底にあった私を親身に励ましてくれた、彼の・・そのことばに・・》

《私は・・・少しだけときめいてしまったの》




時臣「              」ワケガワカラナイ

まどか「マスター!!?ど、どうしたんですか!!?」ユサユサ





―聖堂教会・隣室

凛「か、雁夜おじさんが、・・・わ、私達の・・お義父さん・・にっ!!!?」ドーイウコト!?

イリヤ「よくわからないけど、良かったね、おじさん!!」パチパチ

雁夜「ままままままままってくれ!!?/////////」

―遠坂邸


《あなたの返答次第では―――――私は、遠坂の家との離縁も辞さないつもりです》

《凛や桜の…教育的観点からも》


時臣「?????????????????」

まどか「?????????????????」



《言峰さんとの関係について……………説明してください…………》グスッ



時臣「                            」

まどか「             え              」






《言峰さんから…すべてを聞かせてもらいました》

《これまで…師弟という上下関係を利用して、言峰さんに対して…性的な…いたずらを繰り返してきたそうですね》





時臣「                             」ナニ  ソレ

まどか「時臣おじさん!!!?・・・・・そ、そ、そっち系のヒトだったんですかぁぁ!!!?」

《執拗に虐待された反動で、あの人の治癒魔術は皮肉にもあなたを凌ぐほどになったと・・・》



時臣「                             」ナニ  ソレ

まどか「そ、そうだったんですかぁぁぁぁ!!!?」



《そして、言峰さんが…とうとうあなたへの歪んだ…愛に…目覚めてしまった時には》




《  衛 宮 切 嗣  ―――という別の男性に心移りした…そうですね》






時臣「                             」ナニ  ソレ

まどか「さ、さやかちゃんのマスターさんの情報収集に余念がなかったのはそのためだったんですかっ!!!?//////」

―遠坂邸近郊



~トウチョウチュウ~



{そして、言峰さんが…あなたへの愛に目覚めた時には…衛宮切嗣という別の男性に心移りしたそうですね}





舞弥「                  」



舞弥(こ、これは・・・・)

舞弥(切嗣の・・・貞操の危機・・・・!!)ゴクリ

舞弥(き、極めて深刻な事態・・・・ここは直接本人に伝えるべきでしょう!!)スタッ

―遠坂邸



《だから、言峰さんはもう一度あなたに振り向いてもらいたくて―――協力関係を破り、雁夜くんと手を組んだ》



時臣「                              」

まどか「つまり言峰さんの願いは・・・時臣おじさんと・・・む、結ばれること・・・・・//////」




《説明…するまでもないのかしらね?……………時臣》



時臣「                              」ヘタリ

まどか「マ、マスター・・・・・さん・・・・・・・・」




《 ――――――そう。それがあなたの・・・答えなのね 》

《          さよう・・・なら           》

    

        プツッ          ツーツーツー




時臣「――――――――――――――――――――――――――」

まどか「…………………………………………………………………」





時臣「アーチャーよ・・・私は・・・・――――もう何も、怖くない」ホロリ





まどか(ど、ど、ど、どういう・・・・意味・・・だろう・・・・・・???)

                                  

                                    (つづく)

―遠坂邸近郊



綺礼(     計     画     通      り     )




綺礼(否、計画以上と言ったところか…!)

綺礼(普段は師に対して口答えなどなさらなかった奥様が、こうもはっきりと意志表示をしてくださるとは…!)

綺礼(さて、残るは…アーチャーを如何にして師から遠ざけるか)



QB「綺礼!(やっと昨夜の令呪の効果が切れたみたいだ・・)」

QB「このままワルプルギスの夜を野放しにするのはさすがにまずいよ!」



綺礼「アサシンよ」クルッ



綺礼「私は今、忙しいのだ―――――――― 邪 魔 を 、 す る な 」ギロリ



QB「           」ビクッ



QB(愛は盲目とは―――――――――――――――――こういう状況を言うのだろうか)

QB(こんなの・・・絶対おかしいよ・・・)シュタッ

―聖堂教会



葵「………………………………」ガチャリ

     ガランッ



雁夜「葵・・・・・・・さん・・・・・・」




葵「雁夜くん・・・・・・・・・・・・・」




葵「―――――私、凛と桜を連れて、冬木を出て、どこか遠くに行きたいわ」ポタ ポタ





雁夜「………葵、さん」





葵「  ――――私達を  どこか遠くへ  連れてって  」



雁夜「 よろ・・・・・こん・・・で・・・・・・  」ジワ

―隣室



凛「最低だわ・・・お父様・・・!!」

凛「お母様を裏切った挙句…綺礼の純粋(?)な気持ちを弄ぶなんて・・・・・」



凛「―――――もう顔も見たくない!!」



凛「お父様なんか、綺礼やエミヤキリツグって人と結ばれちゃえばいいのよ!!」




イリヤ「キリツグにはお母様がいるからだめっ!!!!!!!」

     

             タタタタッ

凛「おじさん!」



雁夜「凛・・・ちゃん・・・」



凛「おじさんなら――――――私も、桜も大歓迎だから!!」ニコッ


葵「凛…」

凛「よろしくね!―――――――――“おとうさん”」





雁夜「・・・・・・・・・・・・あ」

雁夜「ありがとう・・・・凛ちゃん・・・・・・・」



雁夜(そして・・・・本当に、ありがとう・・・・・・・・・桜ちゃん・・・・!!!)ヒッグ…エッグ…






イリヤ「はやくキリツグとお母様に逢いたいよおおおおおおおおおおっ!!!!!」ジタバタ

―武家屋敷

アイリ「なかなか素敵なところね」

    ガラ

アイリ「魔術結界を構成するには…ここが最適かしら」キョロキョロ



アイリ「……………」



アイリ(切嗣が収集した情報によれば…冬木空港から公共交通機関を経て)

アイリ(冬木駅から外に出たところまでは足取りが掴めているけれど)

アイリ(その後は…)



アイリ(イリヤ…あなたは一体どこにいるの…?)シンパイ



アイリ(それから…結局…会話を交わすことなく別々に出て行った切嗣とセイバーのことも…とても心配)

―海上




ワルプルギスの夜「ズモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモ」




ザッパーン





―海岸

杏子「はあああああああああああああああああああああああああっ!!!」



ギュルルルルルズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッズガッ

            ビュルンッ!!



杏子「ぐぁっ!!」ドゴッ

杏子(――――ちっ)コウタイ




杏子(ビクともしねぇ)ギリッ


杏子(…どれだけ攻撃を加えても、自動的な防御機構が働いてるのか…サッパリ効いちゃいない)

ソラウ(くっ…!)

ソラウ(苦戦しているわね…ランサー)

ソラウ(――魔女のマスターはケイネスが捜索中だけど)

ソラウ(――まだ見つからないようね)




「君たち!!」ヒョコッ




ソラウ「!…コイツは!」



杏子「!!」ピンッ



ソラウ「アサシン…?(やっぱり、あの監督代行とやらの一連の行動にはウラがあったのね)」





杏子「テメェ、何しに来やがったッ!?」ザッ


QB「やれやれ…いきなり敵意を向けられるとは心外だね」

QB「今回は君達にとって有益な情報を提供しようと思って、あえて躍り出たまでさ」




ソラウ「有益な情報―――?」



杏子「あたしが、アンタの言葉に耳を貸すと思ってるわけ?」ジャキンッ

QB「僕は見ていたんだよ―――ワルプルギスの夜が、自身のグリーフシードを核として」

QB「その真の姿を顕現させようと目論見、行動に移した―――その一部始終をね」

ソラウ「な…!」

杏子「に…?」



ソラウ「つまり、あの構造体の内部におとといの小さな魔女がいて」

ソラウ「そいつが持ってるのグリーフシード(だっけ?)を破壊すれば―――!」



QB「おそらく、ワルプルギスの夜に致命傷を与えることができるだろう」

QB「もっとも、完全体に移行してからでは手遅れになるだろうけどね」



杏子「………」

杏子「おい、テメェ…何でそんなコトをあたしたちに伝え――」

QB「僕のマスターは現時点で、…諸般の事情で舞台装置の魔女の動向には無関心でね」

QB「僕としては、このままワルプルギスの夜に暴走でもされて聖杯戦争が破綻する事態は避けたいんだよ」




杏子「――――――本当だろうな」

杏子「人間の世界がどうなろうが関係ねぇ…ってのが信条じゃなかったのか?」




QB「重要な前提を忘れてもらっては困るね、佐倉杏子」

QB「――――僕だって、君達と同じサーヴァントなのだよ」








「なるほど、――――よく分かったわ」ザッ

ソラウ「その声は・・・!」キッ

杏子「―――さやか」



QB「や、やあ…」




さやか「アンタを見た瞬間、即刻イアイギリにしちゃおうかと思ったけど」

さやか「今日のところは勘弁してあげる!」




さやか(切嗣さんは今頃、あの魔女のマスターを探しているはず…!)

さやか(―――――だから、あたしは)

さやか「ま、一人で闘うつもりだったんだけど」チラ

杏子「一人よりも二人の方が、強いに決まってんだろ」チラ

ソラウ「―――いいわよ。バックアップは任せなさい………二人とも」フン




さやか「あたしが、魔女をパカッと真っ二つにしてッ!!」

杏子「あたしの多節棍槍で――――ヤツの核(グリーフシード)を打ち砕くッ!!」









さやか「ところで杏子のマスターって男の人じゃなかったっけ?」

杏子「マスターは野暮用でさ―――(てか話しちゃっていいのか?)」チラ

ソラウ「(いいわよ、ケイネス自身もう隠密行動を取る気はないし)私はケイネスの協力者で」

ソラウ「…許嫁の―――――ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリよ」

さやか「ソラウさんですね――――よろしくお願いしまーす!」ペコッ

ソラウ「…はいはい」

―海浜公園



   ざわ・・・   ざわ・・・




野次馬「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ」




龍之介「頑張れよぅっ―――――ワルちゃん・・・!!」




野次馬「ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ」




大河「うわ~・・・何あれ・・・超芸術的なナニか??」



野次馬「ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ」

―地下鉄(海岸線)


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

ケイネス(おかしい…この近くでかの魔女と類似した微少な魔力の痕跡をを感じるのだが)

ケイネス(―――それにしても日本の地下鉄の料金は割安ではないか)

ケイネス(ということはともかく)

ケイネス(海上にてサーヴァントが大胆な動きを見せているのなら…)

ケイネス(マスターは海岸沿いの、身を隠しやすい地下に潜んでいるとみて探しているのだが)

ケイネス(まさか…無防備にも地上の視界良好な沿岸にいるはずは・・・)ウ~ム





―地下鉄・海浜公園駅

切嗣「…冬木駅構内での目撃情報があったのは昨日」カチッカチッ

切嗣「その後、どのような移動手段を使ったのかが問題だな」

切嗣「やはり…もうこの近辺での捜索は無意味…か…?」

切嗣「………………」プハー





切嗣(僕のイリヤは・・・今どこにいるんだッ・・・!!)クソゥ



―砂浜

ソラウ「でも、セイバーはどうするつもりなの?」

さやか「え?…何がですか?」

ソラウ「ランサーには伸縮自在の槍があるから、ここからでも海上の塊(マジョ)を攻撃できるけれど」

杏子「さやかの武器は接近戦主体の剣だろ」

杏子「海の上を走りでもしない限り、とてもじゃねーが射程圏内には入れないっしょ?」

さやか「―――杏子は分かってるだろうけど」ニッ

さやか「ソラウさんにも分かるように宣言しちゃいますね…!」



杏子「――――――――――え?」

ソラウ「へ…?」





さやか「――――――あたし、“人魚の属性”を持っているんですよ」スッ




―冬木市沖・上空



ワルプルギスの夜「トクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンッ」




―近郊の海上


~小型漁船~

   ザザザザザザザザザザザザザザザザ

マミ(相変わらず…魔女は表面上変化していないわね)チラミ

マミ(―――沿岸部には佐倉さん(ランサー)と美樹さん(セイバー)…そしてキュゥべぇ)チラミ

マミ(状況に応じて、私も魔女討伐に向けて動くことにするわ…!!)ヨシッ



桜「マミお姉ちゃんも乗り物を魔力で操れるんだね」

マミ「実は私、乗り物に限らず何でも宝具化して武器に使うことができるのよ~」

桜「そうなんだ~」

マミ「さて」

マミ「―――そろそろアーチャーについてあなたが知っていることをすべて話してくれないかしら」



マミ「暁美さん?」チラッ



ほむら「――断るわ」コウソクチュウ

ウェイバー「…帰りたい」コウソクチュウ



ほむら(―――巴マミ、バーサーカーでありながら理性を残しているとは…手強いわね)ギリッ

ほむら(でも、仮に完全に理性を喪失して…正真正銘の魔女(バーサーカー)になることができると仮定すれば)

ほむら(まどかにとっても私にとっても…相当の脅威になる…!!)

ほむら(だから…私はここで話すわけにはいかない…!!)

ほむら(どこかで隙を見出してここから逃避するわ――――)

ほむら(そうしなくとも、もうじき…魔女が動き出してそれどころではなくなるかも知れないけれど)ギリッ



マミ「仕方ないわね~」

マミ「それじゃあ桜ちゃん…マスターさんの方にお願いしてみましょうか」




桜「うん」シュタッ

ウェイバー「ひっ!!?」



ほむら「・・・・・!?」

桜「お兄ちゃん・・」ジィ

ウェイバー「な、なんだよ!?」

桜「令呪を使って、ライダーさんをおしゃべりにして欲しいな・・・」

桜「  おねがい・・・  」ジー

ウェイバー「な          」ドキッ




ほむら「 無 視 し な さ い ッ 」ギロッ




マミ「あら、暁美さん・・もしかして嫉妬してるの?」クスクス




ほむら「なっ!!!?」

ほむら「断じて違うわ!!私は私の戦略上(ry」




桜「ダメ・・・ですか・・・・?」ウル

ウェイバー「………………………………」ゴクリ

ウェイバー「――――――――――――」キッ


ウェイバー「      誰が、話すか!!     」プイッ


ほむら「・・!!!」


マミ「あら・・・・・」



ウェイバー「僕はライダーと共に闘うって決めたんだ―――こんなことで、決意が揺らぐわけ、ないだろ」チラリ



ほむら「…………………」

ほむら「あなたのこと、少し見直したわ」



桜「………………………」シュン

桜「仕方ないね、マミお姉ちゃん」

マミ「そうね、仕方ないわね―――奥の手を使いましょうか」

桜「うん」ゴソゴソ


ウェイバー・ほむら「「・・・・・?」」


桜「これ」つ虫かご



蟲「ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ」



マミ「かたくなな態度を変えるつもりがないのなら・・・蟲責めにしちゃうわよ!」テヘッ





ウェイバー「                         」キゼツ

ほむら「前言撤回―――――何あっさり気絶しているのよ!?」




桜「それじゃあ…」チラリ

マミ「いずれにしても、話してもらうのは暁美さんの方だから」チラリ



ほむら「                     」

桜「大丈夫だよ・・・気持ち悪いのは最初だけだから」ホラ

マミ「お肌がスベスベになるらしいのよ・・・っ」ホラ




ほむら「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」




ほむら(こ、これも・・・まどかのため・・・・!!!)

ほむら(まどかのためなら・・・私は・・・・!!!)

ほむら(どんな苦痛を受けようが、か、か、関係な・・・)ウルウル





ほむら(   誰   か   、   助   け   て   ! ! !   )イヤアアアアッ

シュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ

マミ「ええっ!!?」

ほむら(渦潮ッ!!!?)

桜「!!!」

ウェイバー「」シーン




ギュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!




―海中

ほむら「!!!?」ゴポゴポゴポゴポ

      ガシッ

 ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


ほむら(だ、誰かが・・・)

ほむら(私を、引き上げて・・・・)

ほむら(マスター・・・・・・・?)

ほむら(ちがう・・・・・・・・・)ムリニキマッテイルワ

ほむら(きっと・・・・いいえ・・・・・間違いないわ)

     バシャシャッ




―海上

ほむら「プハッ・・・ゼィゼィ・・・―――――――あ・・・」

ほむら「ありがとう、m」クルッ







さやか「  まどかだと思った?  ――――残念、さやかちゃんでした!!  」アハハハハ~








ほむら「                                    」

ほむら「      絶望したわ      」 ガ ク ッ 



さやか「って!?」

さやか「助けてあげたってのにその反応はないでしょ!!?」

ほむら「     」キゼツ

さやか「って気絶するな~!」

さやか「起きろ転校生~!!」ユサユサ

―砂浜


ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル     ジョウリク!



ウェイバー「」シーン

杏子「とりあえず回収したけど、コイツ大丈夫か…?」ツンツン

ソラウ「………脈はあるし、気絶しているだけのようね」

ソラウ「ライダーのマスターと言えば…一番最初の高級ホテル爆破の時の…」タシカ

杏子「だよな、マスターが目下の敵って言ってた…けど」ソーイヤ

ソラウ「でも、今のケイネスなら…どういう態度をとるか分からないし」

杏子「だな、今はそれどころじゃねーし」


ソラウ・杏子「「放置ってことで」」

マミ「佐倉さん」シュタッ

桜「こんにちは」シュタッ



ソラウ・杏子「「 !!!!? 」」

杏子「今度はマミかよぉぉぉぉ!!」クッ

ソラウ(って…隣にいるのは…!?―――また別の魔法少女!!?)




マミ「佐倉さんっ!!」ダッ



杏子(く、来r)ヒッ             



               ダキツキッ!


杏子「・・・・・・・・・・・・へ・・・・・・・・・・・!?」

マミ「やっぱり私、もう・・あなたとだけは・・戦いたくないの・・・・!!」グスッ

マミ「また・・・“昔”のように・・・一緒に・・・・っ・・・・・・・・」ヒック

杏子「………………………やれやれ」

杏子「この前は間髪入れずの先制攻撃――――そんでもって、今回は“また”手を組もうって?」

杏子「まったく、―――そういう強さと脆さが相半ばするトコは…相変わらずだよな、マミ」


杏子「一緒に魔女(アイツ)と闘おうぜ――――――――――“相棒”」ニッ


マミ「ううううっ・・ありがとう佐倉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」ギュッ





ソラウ「………………信じて、…いいのよね…?」

桜「…信じて、欲しいです」ニコリ

―上空

ワルプルギスの夜「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

   ギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィギィ   

      ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズスズズ      

             ザザザザザザザザザザザザザザザザザ           

―水面

   シュパパパパパパパパパパパパパパパパパ

さやか(やばっ・・・・!!)

ほむら「シーン」オヒメサマダッコ

さやか(何だかんだやってる間に、もう“孵化”しちゃいそうだよ…!)

さやか「杏子、それからマミさん!!」チラッ

さやか「転校生をお願いっ…!」        ポイッ彡

        

             ほむら「」ヒュルルル



―砂浜

杏子「マミ、とりあえずライダー陣営は放置ってことでいいな?」ギュルルルルン

マミ「ええ、とりあえずはねっ!」シュルルルルルル

                 ストッ

ソラウ「とりあえず、この2人は安全な場所に寝かせておきましょ」

桜「…うん」コクリ



ウェイバー・ほむら「「バタンキュー」」

―地下鉄・構内



切嗣「おーい、イリヤ・・・何処に行ったんだ・・・」

切嗣「・・・・・お願いだから返事をしてくれ――――!!」



              スレチガイ



ケイネス「――――キャスターのサーヴァントよ、姑息なマネはよせ」

ケイネス「――――このケイネス・エルメロイと正々堂々勝負(ry」




切嗣(―――――――――ん)ハッ

ケイネス(―――――――――む)ハッ

切嗣「貴様は…!」クルッ    ジャキンッ

ケイネス「これはこれは」キッ

切嗣(時計塔降霊科の一級講師―――――ケイネス・エルメロイ・アーチボルト)

切嗣(ランサーの…マスター)

ケイネス「セイバーのマスターにして、アインツベルンの切り札――――エミヤキリツグ」

ケイネス「“魔術師殺し”の異名を持つ冷酷残忍な男―――――」

ケイネス「前回、ランサーとセイバーが一戦交えた折も…陰で権謀術数を巡らしていた、な」

切嗣「…………」ジリ





ケイネス「だが、その正体は―――――“正義の味方”に恋焦がれる理想主義者――――――」






切嗣「!!!!!?」ドキ

ケイネス「そう、ランサーが私に話してくれた」


切嗣「…鵜呑みにしていいのか?」

切嗣「僕が虚言を吐いた可能性も――」


ケイネス「ランサーが信じたのなら、私も信じよう―――――私はランサーに全幅の信頼を寄せている」

ケイネス「だから私は今、貴様とは闘わない」

ケイネス「なぜなら、――――――今は分かりやすい“悪”の存在がはっきりしているからだ」



ケイネス「共に闘おうではないか―――――セイバーの、マスターよ」



切嗣「…………………」ギリッ…

切嗣(………紳士的なマスターに恵まれて幸運だったな…ランサーよ)

切嗣(君に免じて、この場で彼を射殺するのは・・・止めておくよ)スッ

切嗣「済まない―――――――――ロード=エルメロイ」





切嗣「 僕 は 、本 当 は 」

切嗣「 今 す ぐ セ イ バ ー と 一 緒 に 闘 い た い ん だ っ ! ! 」





ケイネス(…よい表情(カオ)をしている)

ケイネス(“暗殺者”という一面からは想像もできぬほどに)

ケイネス(――――血の通った求道者の表情ではないか)




切嗣(でも、あの子・・・・・・のことが・・・・・・・・)グッ





舞弥「ご安心ください」タッ


イリヤ「キリツグ~~~~~~~~!!」ジャンプッ

切嗣「!!!!!!!!!」オットット

       ストンッ

イリヤ「も~う、ひとりぼっちは・・・イヤなんだから!!」ギュッ

切嗣「イ・・・・リヤ・・・・・・よかった」ギュ

切嗣「舞弥・・・・・・よく見つけてくれた・・・」



舞弥「聖堂教会の前で偶然発見しまして」

舞弥「詳しい事情は定かではないのですが…間桐雁夜が保護していた模様で…」



切嗣「そうか…まあいいや・・イリヤが無事なら・・・それで」

イリヤ「リン達とまた遊びたいなぁ~」テヘヘ





ケイネス「察するに…」フム

ケイネス「…そちらの懸案事項はなくなった…ということか?」

切嗣「――――ああ」キッ

切嗣「舞弥、イリヤをアイリの元へ送ってくれ」



舞弥「―――了解です」

イリヤ「…頑張ってね、キリツグ」



切嗣「――――ちょっとだけお別れだ、イリヤ」



ケイネス「――――あまり、時間的な猶予はない」



切嗣「――――分かっている」


舞弥「と、ところでなんですが・・・」イイヅライ…



舞弥「遠坂時臣が同性愛者であることが判明し、…切嗣(アナタ)が…標的にされているようです!!!!」






切嗣「                            え」

ケイネス「 O H ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

舞弥「く、詳しいことは…後ほど」シュタッ    イリヤ「ばいばーい!」ノシ





切嗣「                             」コンランチュウ

ケイネス(                             )ソシャクチュウ







切嗣(忘れよう)キリッ

ケイネス(私には関係ない)キリッ

    

          タッ

―海上

ワルプルギスの夜「メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリ」

           バッ

さやか「とりゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

           ブシャッ!

さやか「はああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

          ブシャッ!!

さやか「くぉんのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

          ブシャッ!!!



―米軍ヘリ乗っ取り中(※無人)―

マミ「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆!!」クワッ

マミ「   ペ   タ   ・   フィナ―レ――――――――――――ッ!!!!」

         


          ズダ――――――――――――――ン!!!!

マミ「ゼーハー・・・・◆◆◆◆◆◆・・・・」ギリッ

さやか(やっぱり…、奥の手を使うしかないか)ゼーハー




―砂浜

ソラウ「く…相変わらず分厚い表面に苦戦するわね」ギリ

杏子「ああ…まるで敵の固有結界の中ででも闘ってる気分だぜ」ザッ

桜「あれ…?セイバーさんの剣が・・・!?」






ワルプルギスの夜「トクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンットクンッ」






さやか「さあて、そろそろあたしの宝具を見せてあげるよ」スッ



さやか「        鞘よ、砕けろ!!        」リミッターカイジョ!!



さやか(――――――もう、痛みも何も――――感じない!!)

さやか(――――――見返りなんて、求めない――――――)

さやか(みんなを助ける――――――それだけのためにあたしは闘う―――――)




さやか(それが、あたしにとっての    正 義    なんだから)

   

      ピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ   パリ―――――ン!!

  コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ







―ヘリ―

マミ(あ、あれは・・・・・・・卍解・・・・ッ!?)


―砂浜

ソラウ「あれは・・・・・・・・」

杏子「光・・・・・・・の・・・・・・・・・・」

桜「剣・・・・・・・・・・・・」

―地上

切嗣(これは・・・!!!!?)ピーン

切嗣(どうなっているんだ…!?)

切嗣(セイバーのすべてのステータスが…ワンランクアップしただと…!?)




QB「き、君たち!!」




ケイネス「む、貴様は―――――――…アサシンか」

切嗣「自称監督代行の言峰綺礼の差し金か―――――――悪いが今は」





QB「ようやく見つけたんだよ!!」

QB「魔女のマスターらしき人物をね!!」




切嗣・ケイネス「「 何 ッ ! ! ! ? 」」

―海上

さやか「これでとどめだぁああああああああああああああああああああっ!!!!」


      ギュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン


さやか「            “約束された正義の剣”             」







さやか「サヤカリバァ――――――――――――――――――――――――ッ!!!!!!!!」










マミ「美樹さあああああああああああああああああああああん!!!!?」

杏子「さやかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!?」

桜「えっと・・」

ソラウ「そこは・・・」

ウェイバー「エクスカリバーでいいだろおおおおおおおおおおおおおお!!!?」メザメタ

ほむら(美樹さやか・・・・・・あなたってほんとバカ・・・・・・・・・)ワタシモ…コンカイハ



                                   (つづく)

―ディアロボⅡ―


バラララララララララララララララララララララララララララララララララ


小林(一等空尉が消息を絶ったポイントはここか…)





小林「あ、あれは・・・・・・・・・・・・・なんなんだ・・・・・」ボーゼン





小林(…謎の巨大構造物にできる限り接近して)


小林(場合によっては撃退を試みろ…という指令を受けたわけだが…!!)ギュォォォン

    クルッ バララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ



小林「申し訳ありません!!仰木一等空尉!!」テッタイ

小林「自分は・・・・既に・・精神に異常を来してしまったようです」ウアアアア

―海上

               カ ッ 


         ス      パ      ッ



ワルプルギスの夜「       パ       カ       リ      」

              ギラッ★






杏子(見切ったぜ――――――――グリーフシード――――――――)


杏子「そこだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

  ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

        


             パ    キ    ー    ン    







杏子(   ――――――やったな、さやか   )





さやか「いやったああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」






    5、

      4、

        3、

          2、

            1、



サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ







「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」






さやか「                                    」

杏子「                                     」

マミ「                                     」

ウェイバー「                                    」

桜「く、雲が晴れて・・・空から・・・・!!!!?」アゼン

ソラウ「ま・・・」


ソラウ「まさか、今まで攻撃していたのは…魔女が用意していた偽物(ダミー)だったの・・・」アゼン


ほむら「・・・上空に・・・」

ほむら「冬木市全体を覆うような見えない結界を形成して…その外側で完全体になる準備をしていた…?」

ほむら「精巧に造られた幻影(ニセモノ)で私達の目を欺きながら…」



ほむら(・・・・・・・やられた・・・・・・・)

ほむら(――――――――――――――――もう・・・・・・手遅れだわ・・・・・)





舞台装置の魔女「アーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハアーハハハハハ」





ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




さやか「じ、上陸・・・する気だ・・・!!」



杏子「こうなりゃもう…ヤケクソだろ」




マミ(100%で闘うべき時が、来たようね)ゴクッ

マミ(―――魔法少女化した桜ちゃんから、マスター代理として魔力供給を受けている現状では)

マミ(私が魔女化しても、雁夜さんの身が持たないという最悪の事態には…陥らない)

桜(でも、マミお姉ちゃん…本当に…いいの…?)

桜(お姉ちゃん…言ってたよね?)

桜(魔女さんに変身したら・・・もう元の姿には戻れないって・・・)




ソラウ「アンタたちも、逃げないの?」チラ



ウェイバー「もう、闘うしかないだろ!!」キッ

ウェイバー(こんな化物を放置してたら・・・・・・・)」

ウェイバー(聖杯戦争が破綻するどころか・・・・・・・)




ほむら(   まどかァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!   )ドウシテキテクレナイノ!?



―海浜公園

「危険なので直ちに避難してください!!」カクセイキ

ギャーギャーワーワー 



龍之介「スッゲェよ・・・」

龍之介「超サイコーだよ・・・」




龍之介「このままぜーんぶブチ壊しちゃえ、ワルちゃあああああああああああああああんっ!!」




ワーワーギャーギャー






大河(あれっ!?)

大河(あのヒト・・・昨日の美術館の…クールにーちゃん?)

―間桐宅付近


ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


雁夜(この感じは………………ヤバいな)



雁夜「俺はバーサーカーと桜ちゃんのもとに向かう!!」バッ



雁夜「二人は今すぐ安全な場所に…!!」

葵「でも、…車は駅の駐車場に止めたままなのよ」

   

   ゴロゴロゴロ     ピシャ――――――――――――ン☆



凛「ひっ・・・雷っ!!?」ビクッ

      
        キキィィィィィィィィ




「―――乗ってくれ」クイッ

葵「!?…あなたは…!!」


鶴野「禅城の家まで運んでやるから―――急げ」

雁夜「兄貴!!?―――――怪我の方は大丈夫なのか!?」


鶴野「・・・一応・・・」ズキズキ

凛「でも、どうして私達を助けてくれるの!?」

鶴野「桜に辛い思いをさせた責任は自分にもある――――せめてもの…罪滅ぼしのつもりだ」

雁夜「飲酒運転じゃねぇよな?」


鶴野「――――あ、ああ」

雁夜「―――――二人を、頼む」ダッ




葵(雁夜くん・・・・・)



凛(おじさんも、桜も・・・死んだら絶対・・・許さないんだから)

―遠坂邸・書庫



まどか(この・・・・感じ・・・・)ゾクッ




まどか(魔女(アノコ)がとうとう・・・・・このままじゃ・・・街が・・・みんなが・・・・)




まどか(私も行かなきゃ――――――――でも・・・時臣おじさんを・・放っておけない・・・・・)

まどか(さっきの電話以降・・・様子が・・・・・・・・)

まどか(書庫の奥で・・・・うずくまって・・・・)



まどか(ま、まるで・・・・ひきこもりみたいに・・・・)










時臣「――――――――――――――――――」ウウッ

まどか「と、時臣おじさん・・・」

まどか「お、奥さんもきっと・・そ、その・・・」

まどか「い、いきなりそういうことを言峰さんからカミングアウトされて・・ショックで・・」





時臣「まどかちゃん・・」ボソリ






まどか「は、はいっ」




時臣「仮に私が、綺礼の求めに応じなければ…綺礼は確実に私の家族に危害を加えるだろう」





まどか「そ、そうでしょうか…?…私には、そんなに悪い人には思えないのですけど…」




時臣「彼はこれまでの数年間、修行を寡黙に着々とこなし…サーヴァントを召喚しうる実力を身につけるに至った」

時臣「彼が一途に鍛錬に励むその態度は、―――ひとえに信仰心から来るものだろうと亡き璃正氏は言っていた」



時臣「・・・そして、私もそうであろうと思い込んでいた」





まどか「そ、それが・・・実際は・・・・っっっ///」





時臣「・・・実際は・・・私を・・“ねじ伏せる”ための力を欲するがゆえの有体であったのかも知れない」



時臣「いや・・・・・、今では・・・そういう捉え方しかできない・・・」

時臣「―――――もう、言峰綺礼を止めることは不可能だろう」

時臣「―――――こちらが如何様に対抗しようとも」

時臣「―――――あの男は、無数の奸計を謀って私を追い詰めてゆく・・・」








時臣「――――――私はもう、逃げられない」

時臣「   ――――――ならば、仕方がないだろう    」      スクッ



まどか「 え・・・・・ 」

まどか「そ、それじゃあ・・・!!?ま、まさか・・・・//////」

時臣「“邪道”に堕ちるくらいならば―――――――私は」カツンッ!       フォォォォン





時臣「      死を選ぶより、他は・・・・・・・・あるまい      」








時臣「―――――――それが、遠坂の血を継ぐ者として」





時臣「         ふさわしい末路・・・だろう           」












まどか「                                    」


                                    (つづく)

―遠坂邸近郊



ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ



綺礼(おかしい…アーチャーは他の魔法少女同様、魔女の動静を気にかけている)

綺礼(それなのに、この不穏な状況下でもまだ…師のもとを離れないと言うのか…?)


綺礼「ぐうううう!!」ギリッ


綺礼「これ以上は・・・・もはや・・・・耐えきれない」クワッ



綺礼「他陣営の妨害が入る可能性は希薄!――――邪魔者は、アーチャーひとり」グッ




綺礼「――――――――――私の全力全開で、退けてくれようぞ―――――――――――」





綺礼「師匠――――――――――――――――――ッ!!!!!」ダッ

―書庫

時臣「ごめんね・・・・まどかちゃん・・・・・・」

まどか「そ、そんなの・・・・・ダメだよっ!!」

まどか「・・・誰も、救われなくなっちゃうよ」ウル



時臣「令呪を以て命じる――――――アーチャーよ、この場から離れよ」



まどか「くぁ・・・!?」ヴン

         シュウウン






時臣(私の勝手な都合で君を道連れにすることは・・・できない)

時臣(新しいマスターを見つけて…君自身の闘いに決着をつけて欲しい)

時臣(不甲斐ないマスターで・・・本当に・・済まなかった)

時臣(私にとっての・・・まどかちゃんの存在は・・・)

時臣(――――“3人目”の娘といっても過言ではなかった)ホロリ





「しな・   ・な・・・・  ・い・・・で・・・    !!」グググ









―遠坂邸・庭



魔術結界「フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン」



綺礼「―――――――――――――――」ジャリッ

綺礼「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

               カッ

ドガバキグシャズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ

―書庫

時臣「――――!!!」ハッ




まどか「やめて・・・お願い・・・死な・・・ないで」グググ




時臣「まどかちゃん!!?」

時臣「馬鹿な・・・令呪の拘束力に・・・抗って・・・」




まどか「私・・・いやだ・・・」グスッ

まどか「まるで・・・もう家族(パパ)みたいな・・・時臣おじさんが・・・・・」





まどか「死んじゃうなんていやだよおおおおおおおおおおおおおっ」ウワァァァァァァァァン





時臣「まどか・・・・・ちゃん・・・・・・・・」

まどか「言峰さんが・・・襲ってくるというのなら・・・・」

まどか「時臣おじさんは、私が――――精根尽くして守りますっ・・・」

まどか「だから・・・・・・・・お・・・ね・・・・が・・・・い・・・・」がしっ



時臣「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ポロ…ポロ…ポロ…




時臣「私が・・・・間違って・・・・いたよ・・・・・・」



時臣「      ありがとう     まどかちゃん     」




まどか(          よかっ・・・た・・・・・          )

               



              ガラッ



「―――――――師匠、お待たせしました」ザッ

まどか「!!!!!!」クルッ





まどか「         悪いけど         」





まどか「   容赦しないよ―――――――――――――言峰s   」




綺礼「―――――臨むところだ、アーチャー」しゃらんら~~~~☆☆☆☆☆









まどか「                                  」

まどか「               き」


まどか「     きれい・・・・・・・・・ちゃん・・・・・・・・?     」ガクゼン




綺礼「ふふ、……アーチャーよ」

綺礼「お前のおかげで、私は己の切実なる願望を真摯に追求することができるようになった」

綺礼「そして今…私の願望を遂げる上で最大の障害が…お前であるということは、なんとも皮肉な運命だな」





まどか「 こ ん な の っ て 、 な い よ 」ヘタリ





時臣「来たか・・・・綺礼よ」スクッ

綺礼「さあ、来るがいい―――――アーチャー」

綺礼「お前を倒して、私は――――――――師と」ジリッ



まどか「さ、・・・!!」キッ

まどか「させないよ!!――――そんなこと・・・!!」

まどか(たとえ…マスターと言峰さんの間に…どんな過去があろうとも…!)

まどか(大切な家族を人質にするなんて、卑劣な手段を使う言峰さんの思い通りには…!!)




時臣「もう、いいんだよ」ポン

まどか「――――――え―――――――?」







綺礼「―――――――――――――――!?」

時臣「 すべてを、受け入れよう――――――――あるがままに、ね 」

時臣「 それが、私の周りの人々を救うための…唯一の手段ならば 」



時臣「                私は                   」

時臣「          甘んじてそれを受け入れよう              」




綺礼「お、ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

まどか「ほええええええええええええええええええええええええええっ!!!?///////////////」

              
                 コツ   コツ





時臣「―――――――今まで、君のほんとうの気持ちに無頓着で済まなかった」

時臣「―――――――言峰、綺礼・・・・・・・くん」

綺礼「とんでも・・・ありません、・・・・・師(せんせい)・・・」



まどか「      //////   □    //////      」



まどか「そ、そ、そ、それじゃあ!!!!!」アタフタ

まどか「わ、私は・・お邪魔虫なんで・・・!!魔女と闘いに!!!」



時臣「――――待って欲しい、まどかちゃん」

時臣「君のおかげで――――私は死という“最悪の選択”を回避することができた」

時臣「だが…正統派の魔術師として…真人間(ひと)として―――“最期”を迎える私の在り様を」

時臣「君にだけは――――――最後まで見届けてもらいたい」

綺礼「魔女と魔法少女の攻防が真に切羽詰まれば、アサシンが否応なくこの場に現れるだろう」

綺礼「そして私も、・・・私の幸福の結実を・・・お前にだけは、見届けてもらいたいのだ」



まどか「・・・・・・・・・・・・・・・・」

まどか「そう、・・・・・ですか・・・・・・」

まどか「――――――――わかり…ました」ポッ




まどか「私、最後まで・・・お二人のことを・・・み、見届けさせてもらいます///////////////」プシュー

―港




舞台装置の魔女「アーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハアーハハハハハハ」





ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



杏子「    か は っ ! ! ?   」ズガシャ――――ン!!

ほむら「     くぁっ!!!      」ズガシャ―――――ン!!

さやか「   げ   ほ   っ   ! ! ? 」ズガシャ――――ン!!     パリーン★


さやか「あ」シュー


さやか(・・・聖剣が・・・折れちゃった・・・)

ウェイバー「ライダ――――――――――――ッ!!!」

        カッ     ズダーン!!

ウェイバー「ひぁっ!!?」グイッ

ソラウ「―――自分の身の危険にも気を配りなさいよ」マッタク




舞台装置の魔女「アハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッアハハハッ」




マミ「私が、相手よ――――――舞台装置の魔女さん」バッ

桜「マミ・・・お姉ちゃん・・・・・・・!!」ジワ






マミ「◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆」スウー

マミ「   1   0   0   パ   ァ  ァ  ァ  ァ   」






「   バ ー サ ー カ ー   ! ! ! ! 」ザッ



雁夜「令呪だ―――――――――魔女に、なるなあああああああああああああああああああっ!!!」



桜「!!!!!!!!」ハッ

桜「おじ・・・ちゃん!!!」



マミ「な             !!?」ヴヴン



マミ「    そ    ん    な ・ ・ ・ ・ ・ 」



マミ「どうして!!?マスター!!?」

マミ「このままじゃ・・・・・・魔女を―――――」



QB「大丈夫さ、マミ」シュタッ



桜「アサシンさん・・!!?」



QB「――――あと数分間、魔女を足止めすることができれば」

QB「“彼ら”が魔女のマスターを倒すことができる…!!」


マミ「!!!!!?」

雁夜「それ以上に」



雁夜「俺だけが幸せになったら―――――――後味悪いだろうが」

雁夜「お前だって、―――――――ホントは魔女に何かなりたくないだろ」



雁夜「――――――幸せになろう、  お 前 も 」

マミ「          」ドキッ



マミ「・・・・・雁夜さぁん・・」ウルウル






舞台装置の魔女「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」





ほむら「巴マミを魔女にさせるわけにはいかないわ(危険だから)」キッ

杏子「マミのためにも…もうひと踏ん張りだ!!(頼むぜ、マスター)」キッ





「――――――――――――――トレース・オン――――――――――――――――」

ほむら「!!!!」コレハ

杏子「さ、さやか!!?」

ソラウ「これは…!」

ウェイバー「剣(イメージ)の具現化…!!」

桜「しかも・・・」

雁夜・マミ「「 二刀流ッ!!? 」」





さやか「―――――セイバーのクラスに召喚された時からさ、何となく思ってたんだ」ギラリ

さやか「あたし、今ならゾンビっていうより―――むしろ剣でできているんじゃないかって!!!」ニッ






QB「・・・・・・・・・・そうかい・・・・・・・・・・・」スコシヒクヨ

―海浜公園



ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ



大河「あの化物はにーちゃんのツレのあの子なの!!?」

龍之介「――――まあね」

大河「だったら早く止めなきゃ!!」

龍之介「もう・・・止まれないさ」


大河「  にーちゃんならきっとあの子を止められるよッ!!  」キッ


龍之介「…………………」

大河「このままじゃ…街が…」





「   ――――その男から、離れろ    」ジャリ

大河「えっ…?」

龍之介「――――――あんたは…?」



切嗣「もう一度言う――――――、そこの君―――――危険だから離れなさい」チャッ


切嗣(アサシンから得た情報に加えて)

切嗣(もしかしたら…と思って、県警の捜査情報を盗み出していたことも…)

切嗣(結果的に、この男を炙り出すのに有効に働いた)


切嗣「雨生龍之介―――――連続強盗殺人及び幼児誘拐の黒幕にして」

切嗣「ワルプルギスの夜(アヴェンジャー)のマスター」



切嗣「――――違うか」ジャキンッ



大河「殺人・・・!!?」

龍之介「…あーあ」ポリポリ

龍之介「とうとう、お巡りさんに見つかっちゃったか」

龍之介「大正解   さ」ニヤッ

切嗣(右手の甲に令呪!!―――――決まりだ)

切嗣「死を以て罪を償うより他はないな」スッ



「撃っちゃダメええええええええええええええええええっ!!!!!」バッ



切嗣「!?」



龍之介「!?…嬢ちゃん!?」



大河「あたしは、にーちゃんに昨日たまたま会っただけで・・・」

大河「にーちゃんのこと、ほとんど知らないけど・・・」

大河「にーちゃんがワルい人ってことも、全然知らなかったけど・・・」

大河「でも!!!――――――にーちゃんは全然若いんだから!!!!!」

大河「きっと更生できると思うから!!・・・だから、殺さないで・・刑事さん!!!!!!」

龍之介(馬鹿かよ・・・このコ・・・・)

龍之介(何で・・・俺のような・・・人間のフリした悪魔のこと・・・かばってんだよ)



切嗣(……何だ………この感じ……………)

切嗣(この少女の雰囲気・・・・・・・不思議な懐かしさを・・・覚える・・・)

      
      ポンッ


ケイネス「この場は私に任せるがいい」


切嗣「―――――ケイネス」



ケイネス「セイバーが最前線で死力を尽くして闘っている」

ケイネス「―――――――行ってやれ、セイバーのマスターよ」




ケイネス「―――――――セイバーには、“心強い鞘”が必要だ」




切嗣「――――――――――――――――礼を言う…ロード=エルメロイ」シュタッ

大河「にーちゃん!!!」

大河「あんな姿じゃ…あの子全然クールじゃないっ!!!」

大河「早く・・・もとの姿に戻してあげて・・・・!!!!!」



龍之介(ワルちゃんは・・・・・・・・・・・)






QB(残念ながら…完全体になった今、令呪を使っても魔女の理性を取り戻させるのは困難だろうね…)ヒョコ


ケイネス(――――――仕方が、            …あるまい)





ケイネス「これは誅罰ではない―――――――――――――――――救済だ」

                                    (つづく)

―ハーバーランド



さやか「だあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

キィン!! ガッ!!  ガスッ!!  キィィィィィィィン!!!



杏子「うおりゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル   ガッガッガッガッガッガッガッガッガッ



桜「それっ!!!」ヒュルン!!



マミ「はあああああああああああああああああああああああああっ!!!!」ズダーン!!!






舞台装置の魔女「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

桜「少しずつだけれど・・・!!」

マミ「効いているわよ・・・・・・!!」



さやか「―――――体が軽いや」ザザザザザザザッ

さやか「―――――今ならあたし何だって出来ちゃいそうな気がする!!」


杏子「おいさやか、油断するなよッッッッ!!!!!」




ほむら「………………」




さやか「って転校生!!?何一人だけ力を出し惜しみしてるわけよっ!!?」

杏子「おいほむらッ!!今は全員で力を合わせねーと!!!」



ウェイバー「おいライダー、昨日の固有結界を使えよ!!!」

ウェイバー「あの中に閉じ込めてしまえば、多少の時間稼ぎに(ry」

ほむら「そ・・・、…それが」

ほむら「セイバーに助けられるという高度の精神的ダメージのせいで…」ゼーゼー

ソラウ「近隣の無関係な部外者は全員避難できたようね」キョロ

雁夜「今のところ…死者なしか、…奇跡的だな」キョロ

ソラウ(―――――というより)

ソラウ(この膨大な魔力をもってすれば、とっくに突破されてもおかしくないのに)

ソラウ(―――――あえてランサー達の相手をしている風にも・・・)

ソラウ(見えなくはない・・・わね)














―路上

    シュタッ シュタッ シュタッ シュタッ



イリヤ「ねえ・・・」ダッコ

舞弥「……………?」

舞弥「何でしょうか…?」

イリヤ「・・・・・・奇跡も魔法も、あるんだね」ニッ

舞弥「・・・・・・?」キョトン

舞弥「え、ええと・・・・・・・」

イリヤ「ううん」



イリヤ「  こっちのはなし・・・♪ 」


舞台装置の魔女「アババババアババババアババババアババババアババババアババババアババババ!!」





さやか(       行ける――――――!!!       )

さやか(       あと・・・・・・・・一歩       )

さやか(     あと・・・・・・・もうひと踏ん張り    )

さやか(        みんなを、守るために・・・・・・・・!!!!!     )








「    セイバ――――――――――――――――――――ッ!!!!    」












杏子「!!!!!!!」ハッ

杏子(――――――――切嗣、やっと…来てくれたんだな)ヨカッタナ、サヤカ

                 ガシッ



切嗣「君の剣を、―――――僕も、支えよう」グッ

さやか「マス・・・・・ター・・・・・・・」



切嗣「もう一度、―――――“正義”の剣を構築できるかな?」

さやか「…………………………………………」




さやか「――――――――――――――はい」コクリ

さやか「必ず来てくれるって、信じていました――――――」



さやか「―――――あたし、もう・・・・舞い上がっちゃって・・・ます」ジワ



ドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーンドッカーン



ワルプルギスの夜「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」






ほむら「―――――美樹さやか」ファサ

ほむら「約束通り――――――     あなたの獲物よ」





               シュキラァァァァァァン

                   バッ






さやか・切嗣「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」」






ブシュ 

     ジュパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

                

                    トクンッ


(―――――――――― 甘 き 死 よ 、 来 た れ ―――――――――――)




杏子(―――――――この声)キィン



マミ「―――――――今度こそ本物の核(グリーフシード)よぉ!!!!!」





杏子「…!!!!!」ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

      
          ビ           キ            ッ

(―――――――――さらばじゃ、わらわを破った魔法少女よ―――――――――――)

(おぬしらとのチャンバラごっこを・・・・・・心から楽しむことができたのは・・・・)

(これが、―――――――――――――初めてじゃ・・・・・・・・・・・・・・)


(                           ありがとう    )




杏子(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか)ウル

杏子(なんでもっと・・・・素直になれなかったんだよ・・・・・・・・・・)

杏子(もしかしたら・・・・あたしらだって・・・・アンタと友達になれたかも知れないのに・・)


―遠坂邸付近



士郎「急に天気良くなったなぁ」テクテク


          ,,                                 ,,,
  ゙'lliiiiiiiiiiiiilllllllllllllllll|||li,,                               l||||l
   ゙゙゙゙゙  、,,,,,,,ii!!"゙゙゙゙゙     、,,,,,,   、,,,,                      ||||
      ,l||||"       ゙゙'llli,, ゙l||! ,,l|||゙   ill,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,iiilllll,,,      |||

      ,,l|||!         ゙゙゙゙゙  ,,,l||"     ゙゙'゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       ||
     ,il|l゙゙            ,,rlll"                      ,,,,

    ,,ill"゙           ,,,ril"゙                         il||||l
                                            ゙゙゙"



士郎(・・・・・・・・・・?)

士郎(な、なんだろ・・・今の悲鳴・・・・)



ギシギシ・・・        アーアー・・・                        ティヒッ 



士郎(この家・・・お化け屋敷だっけ・・・・)

士郎(何だか気味悪い・・・・・・)カエロ

―砂浜

さやか「やったね・・・マスター」スッ

切嗣「――――セイバー、君がパートナーで良かった」ハイタッチ

さやか「それじゃ、早速―――――イリヤちゃんを探しに…!!」キッ

切嗣「イリヤなら、無事だ――――舞弥が保護してくれたんだ…今頃はアイリのもとに」

さやか「!・・ホントですか!!良かったぁ~」

切嗣「新居(ヤシキ)に戻ろう―――――僕達のことをアイリが心配しているだろうからね」シュンッ

さやか「はい!!」シュンッ


さやか「それじゃ、杏子―――――――また明日ね!!」ノシ


杏子「―――――――おう。………………またな、さやか」ノシ



杏子(これから・・・・・どうなるのかは分からないけれど)

杏子(きっと、いい方向に行くんじゃないかって・・・そう思えてくる)

杏子(お互いに・・・いいマスターに巡り合えて、良かった)

ソラウ「お疲れ」

杏子「…ソラウ」

ソラウ「今日はよくやってくれたわね、ランサー」ニッ

杏子「―――――お互い様、だろ」ニッ

           ヒュルルルルル       パシッ

桜「これは…?」サ

雁夜「矢文…?・・・まさかアーチャーの・・・!!?」パラ



《               間桐雁夜殿                  》

《妻と凛、そして桜のことをよろしく頼む》

《彼らには、今まで申し訳なかったと伝えておいてはくれまいか》

《皆を、幸せにしてあげて欲しい》

《                             旧友  遠坂時臣 》

(※添付書類:離婚届・判付き)




雁夜「時臣・・・・・・・・・・・・・・・」

雁夜「お前本当に・・・・・・・ホモだったんだな・・・・・・」ブルッ

桜「・・・・・バイバイ、お父さん。あの変な人と・・・幸せになってね」モクトウ






ソラウ(ホモ・・・・・・・・?)ウゲ

杏子(変な人・・・・・・・・?)ダレダロ

桜「これからも、よろしくね―――――――雁夜おじちゃん」


桜「    ううん     おとうさん    」ニッコリ


雁夜「   ありがとう   さくらちゃん   」


マミ(よかった・・・・・・・・)ジワ



雁夜(とりあえず・・・“俺自身”の聖杯戦争はこれで終わり(フィナーレ)だ…)フゥ

マミ「マスター。今夜は葵さんや凛ちゃんと合流して、祝杯を挙げましょう…!」ニコッ

雁夜「あ、ありがとな、バーサーカー」テレッ


マミ「あれ、そういえば雁夜さん――――随分顔色がよくなってません?」

雁夜「・・・あれ、そういえば・・・・」ゲンキ

雁夜「!!?・・・む、蟲が・・・!?体の中を蝕んでいいた蟲共が・・・!?」

桜「どこかに消えちゃった・・・の?」

マミ「あれ、手の甲の令呪も・・・残りの2画が無くなってますよね!!!?」

雁夜「どういうことだ・・・・・これは」アゼン


ソラウ「まあ、いいんじゃないの?」ブラブラ

杏子「詳しい事情は知らねぇが、アンタの願いはかなったんだろ?」テクテク

杏子(そういや、ほむライダー達はどこ行ったんだ?)

ソラウ(そういえば…逃げ足の速い連中ね)


雁夜「そ、それはそうなんだが・・・・・・・・」

雁夜(言峰の奴が監督権限でも使って…願いがかなった俺の令呪を回収したのか?)


雁夜(―――――――そういや・・・言峰の願いも・・・叶ったんだよな・・・)ゴクリ


ソラウ「今夜は私達も祝杯でも挙げていいんじゃない・・・って気分だわ」アアツカレタ

マミ「それじゃあ…私達と一緒にどうです…?」ニッ

杏子「あたしは全然オッケーだぜ」ニッ

ソラウ「――――――異存なしよ」~♪

―海浜公園

    
     パァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ


大河(空が急に・・・晴れた・・・!!?)



(―――――――――――――――龍之介―――――――――――――――)

龍之介「                」ハッ

(短い間じゃったが、おぬしと遊べて・・・ほんとうに・・・たのしかったぞ・・・・)

(わらわはもう、なんにも思い残すことはない                  )

(この世界を・・・・・滅ぼすのはやめじゃ                    )

(おぬしには・・・・・       まだ・・やっぱり・・・          )


(          生きていて     欲しいからの            )


(                さらばじゃ                 )

龍之介(ワル・・・・・ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・)シュゥゥゥン

ケイネス(…彼奴の令呪が、…私のもとに転移した、か)ポゥ

ケイネス(――――よく、やってくれた・・・ランサー)

QB(あれ…?あの綺礼が本当に監督代行としての役割を果たしたのかい…??)





QB(あ、あるいは・・・!これが、・・・・“聖杯の意志”・・・・・・!?)





龍之介「なあ、・・・アンタ」



ケイネス「…………………」



龍之介「  俺を、殺してくれよ  」

大河「にーちゃん!!?」

龍之介「やっと、わかったんだよ・・・・・」

龍之介「俺・・・・いーっぱい殺しやって・・・究極の素材(ヒトノカラダ)でアートを探求して・・・」

龍之介「でも結局は・・・どんだけやっても・・・・・生きてる限り辿り着けないモノをずっと追い求めていたんだ」



ケイネス「―――――――――“死”への到達、か?」




龍之介「頼むよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」ドゲザ

龍之介「殺してくれえええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!」



大河「にぃ・・・ちゃん・・・・」ウル

      

        ジャリ

ケイネス「――――――――――断る」ガシッ



ケイネス「さあ、立ちなさい」



龍之介「んな・・・なんで・・だよぉぉぉぉぉぉ!!?」ポツリ



ケイネス「お前がこれまで犯した罪の重さを鑑みれば、―――お前は、死にすら値しない」




ケイネス「加えて…魔女が潰えた今、私がお前を殺すべき明確な動機は見当たらない」




ケイネス「そして」チラリ



大河「ぅ・・・ぅぅ・・・」ヒック




ケイネス「――――無垢な少女のやさしさに…、私は答えざるを…得ない」




龍之介「・・・・・・・・」ポツリ

ケイネス「――――生きて罪を償いなさい」

ケイネス「――――そして…魔女が古(イニシエ)に失った魂(イノチ)の重みを…、考え続けなさい」




ケイネス「――――それが、これからの君の人生における――――私からの、宿題だ」




龍之介「せ・・・・・・・・」

龍之介「せんせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」











―物陰

舞弥(…どうやら、今日のところは一件落着のようですね)ホッ

舞弥(切嗣とセイバーの奇跡的な共闘による、ワルプルギスの夜の(実質的)撃破)

舞弥(…おいしいところはランサー陣営が全部持って行った感がありますが)



舞弥(――――さて、イリヤ嬢におみやげでも買って帰りますか)スタッ

―武家屋敷



イリヤ「お母様ぁぁ~会いたかったようぅ!!」ぴょんっ

        ギュッ

アイリ「イリヤ・・・・・・・・・・」ウル

アイリ「もう・・・こんな無茶しちゃダメよ・・・」ギュ

アイリ「本当に・・・心配したのだから・・・・・」

イリヤ「ごめんなさい・・・お母様・・・・・・」



イリヤ「でもね、わたし・・・もうちょっとだけ・・・無茶しちゃうかも」スッ



アイリ「!!!!!?」

イリヤ「わたしも、聖杯に見込まれちゃったみたいだから・・・!!」ホラ




アイリ「    う       う・・・・そ・・・・・・    」

アイリ「右手に・・・れ、令呪・・・が・・・・・っ!?」

アイリ「そ、そんな・・・・?でも、イリヤ・・・幼いあなたは魔術師としては・・・!?」







イリヤ「         わたし、魔法少女になったんだよ            」ヘンシーン!!






イリヤ「どう、似合ってる~?」きらきら☆







アイリ「                   」ボーゼン

アイリ「わけが・・・・・わからないわ・・・・・・・」

アイリ(でも・・・イリヤから・・・強い魔力の発露を感じる・・・!!!)ドキリ

イリヤ「わたしに優しくしてくれた、病気のおじさんを健康にしてあげたの・・・!」エヘッ






イリヤ(――――――――――キリツグ、イリヤもマスターになるよ・・・!!)


イリヤ(それで、聖杯戦争なんか終わらせちゃうんだから!!)


イリヤ(          だって           )





イリヤ(それさえ終わっちゃえば、・・・・また家族みんなで過ごせるんだよね)





イリヤ(―――――――――自分のねがいは、自分で叶えちゃうよっ!!)キッ

―夜―


―聖堂教会


―客室


まどか「――――――――」カキカキカキカキカキ


まどか「・・・・で、できたっ!!」イラスト

    

          ~綺礼×時臣~



まどか「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプル



まどか「お、おかしいよ・・・わたし・・・・・・・////////////」カアアア

まどか「私・・・な、何の取り柄もない平凡な中学生だったのに・・・・//////」

まどか「こ、こんな・・・絵を、書いちゃうなんて・・・・・////////////」

まどか「・・うぇひ」

まどか「うぇひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひっ//////////////」

―隣室

    

         トクトクトク(※高級ワイン)



時臣・綺礼「「――――乾杯」」カラン

時臣「感謝するよ…綺礼」

時臣「私は…君と交わることで、   何か   を失った」

時臣「だが、しかし…同時に、    ある   極致というものに…到達した」




時臣「         私   は  、  根  源  に  至  っ  た         」




綺礼「―――――師の願いもまた、私と同じように叶えられたのですね」

時臣「ああ」

綺礼「では、私は…アサシンが戻り次第、令呪を以て自害させますが…」

綺礼「アーチャーのほうは…そうはいきませんよね」


時臣「勿論―――――今度はまどかちゃんの望みが叶うまで――――私の聖杯戦争は終わらない」




QB「ただいm」シュンッ



綺礼「インキュベーターよ、お前にもう用はない」



QB「え     ち、ちょっと待っ!!?」




まどか「―――ちょっと待ってください」シュタッ

綺礼「アーチャー・・・?―――――なぜ止める?」

時臣「まどかちゃんにとっては、アサシンの滅失は喜ばしいことのはずだろう…?」


まどか「最初の頃は…そうでした―――――気持ちに余裕もなかったので」

まどか「でも、今は違います―――――――私、新しい自分の一面に気づいて」

まどか「はっきりとした・・・望みを・・・見出したんです!!!!」



まどか「だから、その望みを叶えるために、キュゥべぇを私の“使い魔(サーヴァント)”にして利用します!!」



QB「    え    」



綺礼「な!!?」

まどか「もう、きれいちゃんが他のマスターに標的にされないようにするんです」ニコッ

時臣「ちょ、ちょっと待つんだまどかちゃん…!?そんな掟破りなことを…君はなせるというのかい?」




まどか「私の意志を貫き通すためなら――――――」コォォ

まどか「そんな掟(ルール)、壊してみせるッ!!!!!」ギラリ





まどか「 “破壊すべき全ての不(ルールブレイカ――――)”ッ ! ! 」グサリ






QB「                                   」

              シュウウウ



まどか「改めてよろしくね、キュゥべぇ」ブラーン

まどか(―――――――まだ、あなたには)

まどか(問い詰めなくちゃならないことも、あるから)



まどか(『聖杯』というものの“本質”について――――)

まどか(――――あなたはきっと、知っているんでしょ?)




QB「アーチャー・・・・・・いくら条理を覆すにしてもあまりに反則的ではないかい・・・・・・」




QB(――――そして)

QB(――――君の存在が・・・・・・如何なるものだったのか)

QB(――――ようやく僕の知覚にもはっきりとしてきたよ、鹿目・・・まどか)




QB(“あの時”、ワルプルギスの夜を救済し、世界を再構成したのは・・・・・!!!!)


綺礼「では、私は正式に監督代行となりますが――――アーチャーの願いは師の願いに同じ」

綺礼「再び師の後方支援に徹するとしましょう」

時臣「頼むよ、綺礼」

時臣「さて、まどかちゃん―――――そろそろ、君の願いについて聞かせてもらおう」


まどか「は、はいっ」ドキッ

まどか「その・・・ですね//////」ソワソワ

まどか「もっと、いろんな[ピ―――]を見ることができたら・・・・・!!!!」ポッ

まどか「それはとっても・・・・・嬉しいなって・・・・・!!!!」








QB「か、鹿目まどか・・・・・・き、君は・・・・・・・・・」







綺礼「―――――なるほど」

時臣「―――――わかったよ、まどかちゃん」



綺礼「では、とりあえず私達が協力して…敵マスターを“襲撃”するというのはどうでしょう?」ヒソ

綺礼「マスターを“再起不能”にし、解放されたサーヴァントをアーチャーの“仲間”として受け入れる」ヒソ




時臣「…うむ」



時臣(最終的に、聖杯戦争の終結を円滑に迎えるためには)





時臣(―――――――――この方針がベストに違いない――――――――)キリッ





綺礼「まずは間桐雁夜などいかがでしょう?―――私と提携関係にあるので、騙し討ちは容易」






時臣「いや…あの男は、そっとしておこう―――――(それが、“彼ら”のためにもなるのなら)」フッ










時臣「当面の標的は――――――――――――衛宮切嗣―――――――――――――――」ガタッ











時臣「金目当てで聖杯を欲する歪んだ心根を、私達の力で浄化し、解き放ってやろう」ニッ

綺礼「金目当てかはともかく…私も賛成です―――あの男には多少の興味を持っていますので」



綺礼(魔法少女と化した愛娘の存在が、今後如何なる影響を及ぼすかは…私にも未知数だ)ニヤリ



綺礼「――――もちろん師の魅力には、遠く及びませんが」



まどか「よ、よろしくお願いしますっ!!!!!!」ワクワク







QB(   どうして こんなことに ・・・・・・・・・  )

―民家


TV<連続猟奇殺人事件の犯人を名乗る若い男が出頭…民間人に付き添われ…

TV<複数の幼児失踪にも関与しているものとみて…余罪を追及…

TV<なお、冬木市沖に出現した謎の巨大構造物については…専門家は集団心理による幻影だとの見方を示し…

TV<爆弾低気圧(スーパーセル)の上陸による死傷者は奇跡的にゼロ…



ばあさん「昼間は大荒れの天気でしたねぇ」

じいさん「おまえさんたちが無事に戻ってきて心底ほっとしておるよ」

じいさん(二人が来てからというもの・・ばあさんが随分明るくなったものだ・・)シミジミ



ほむら(・・・・・ごはんが・・・・こんなにもおいしいなんて・・・)

ウェイバー(・・・いきているって・・・・・すばらしい・・・・・・・・・)ウウッ




【聖杯戦争第4日目・終了】

《次回以降予告(仮)》



「どういうことだ・・・オイ・・・・?・・・コイツ・・・腐ってやがる・・・・」

「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」

「ねえまどか・・・お願いっ―――――――私もあなたの眷属に加えて・・・!」

「――――――全ての懊悩を忘れて、私に身を委ねてください」

「ロード=エルメロイよ、―――私と―――   闘  ら  な  い  か   」 

「ずっと、アイリさんのことを裏切っていたんですね――――― ひ ど い よ 、切 嗣 さ ん 」

「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」

「だ、だれかたしゅけてええええええええええええええええええええええええええええっ」

「    僕の    さいごに、のこされた・・・・・・道標(ミチシルベ)・・・・・・・」


                                 

                                 (後半につづく)

――WAKAME道場―――――――――――――――――――――――――――――――

慎二「おい」

慎二「誰得の展開だよ・・・これは・・・」

仁美「あらあら間桐くん?―――――――むしろここからが本番ですのよ」

仁美「色んな意味で、ドロドロの愛憎劇が(ry」

慎二「もう十分ドロドロだろ・・・」オエッ

仁美「さて、分岐ルートの1つを以下に示しておきますわ」

~~~~~~~~~≪時臣がまどかを振り切り自殺していた場合≫~~~~~~~~~~

→綺礼“魔獣”化(外観不変、理性残存、僧侶姿、すべての幸福を憎む悪の化身に)

→雁夜の幸福の実現に加担する形になったQBを令呪で消滅させる

→真アサシン(インキュベーター:今回の聖杯戦争仕掛人)降臨

→綺礼、フリーになったまどかを欺いて契約

→鶴野・葵・凛の乗った車を爆破し殺害

→提携関係を利用し雁夜をおびき寄せ、絶望させる

→追ってきた桜・マミ・杏子・ケイネス・ソラウの目の前で、雁夜を“マミる”

→桜、絶望して魔女化(黒桜)、綺礼の操り人形に

→マミ、怨恨を糧に魔女化・暴走

→綺礼、令呪でまどかを魔女化させ、バーサーカー撃破

→杏子、マミの後追いで自爆(同時にケイネス・ソラウの逃避の時間稼ぎ)



→インキュベーター、黒桜をイリヤに差し向ける

→イリヤを助けようとしたケイネス・ソラウを黒桜が殺害

→イリヤ、絶望し魔女化

→ほむら、まどかの魔女化を知って絶望

→それでも奇跡を信じて魔女まどかに挑み、ウェイバーの眼前で最期を迎える

→綺礼、容赦なくウェイバーを殺害



→綺礼、アイリを誘拐、「器」として利用

→インキュベーター、切嗣と舞弥の関係をさやかに嘯く

→さやか、過去を想起、アイリと自身を重ね切嗣との信頼関係崩壊

→舞弥、魔女イリヤに殺害される

→切嗣、聖杯に触れて絶望

→さやか、魔女まどかとの戦闘拒否、令呪に歯向かって自害

→綺礼、魔女まどか・黒桜・魔女イリヤと融合、アンリマユそのものに



→切嗣、虚空でワルプルギスの幻影を見る

→人々の命を救いたいと反英雄の人間らしい“願い”に聖杯が再度変質

→冬木市大火災発生(本来は世界が滅ぶレベルだったのが小規模化)

→インキュベーター、結果的にはノルマを達成し悠々と宇宙に帰還



→改心した龍之介が士郎(唯一の生存者)を助ける

→切嗣、誰一人救えなかった失意の念のうち、自殺

(→孤児となった間桐慎二が藤村家に引き取られる)            (完)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

慎二「・・・・・・・・絶望的過ぎだろ」

仁美「ちなみにこれは、あくまで分岐ルートの1つですわ」

慎二「それよりこのルートだと…も、もしかして僕とアイツが義兄弟に(ry」

仁美「――今後の展開が『希望的』になることを保障するものではありませんので」

仁美「――ご了承ください」ペコリ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

~穏やかなる幕間2~

―真夜中―


―藤村邸・玄関



組長「ウチの大河がお世話になったそうな」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

組員「「「「「「――――――」」」」」」」ペコリ



ケイネス「い、いえいえ…私は教育者として…娘さんを無事にお宅まで送り届けたまでで…」


大河「ありがとう・・・・せんせー」

大河「あたし・・・にーちゃんに手紙を書くよ」

大河「にーちゃんが、ちゃんと罪を償えるように・・・あたしが元気づけてあげるの」

ケイネス「―――――そうかい」

ケイネス「―――――私も、彼のことを見守ってゆく所存だ」



ケイネス(―――――この戦いが、終わってからも・・・・)



ケイネス「それでは」ノシ




大河「バイバイ・・・せんせーっ」ノシ



大河(―――――あたし、大きくなったら)

大河(せんせーみたいな、  先生  になりたいな)


ケイネス(さて…ソラーウやランサーと合流するとしよう)

ケイネス(2人とも…魔女を相手によく奮戦してくれたと見える…)

ケイネス(存分に労いの言葉を掛けなければ)フム





パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ





ケイネス「!!!!?」



杏子「―――お疲れ、マスター」ニッ

ソラウ「今日はいい仕事をしたんじゃないの?…ケイネス」ニッ

マミ「素敵でした・・・」

凛「教師の鏡だわっ!」

桜「本当に・・・・」

葵「娘たちを教え子にして頂きたいくらいです…」

雁夜「結局検問で捕まったアル中野郎にも説教してもらいたいくらいだ…」

ケイネス「こ、これは…どういう状況だ…!?」

杏子「かくかくしかじか」

ケイネス「な、なるほど…」

ソラウ「というわけで、今夜は祝賀会なのよ―――――いかがかしら?」



ケイネス「尋ねるまでもあるまい」スタスタ



ケイネス「――――今宵は無礼講といこうではないか」

雁夜「――――どうも」ペコリ

葵「……………」ペコリ

雁夜「い、いつぞやは・・・情けをかけてもらって・・・」


ケイネス「はて、何のことだったかな―――なあ、ランサー」チラ

杏子「記憶にねーよな」ニッ

マミ「さ、行きましょう。2人とも」ニコリ



凛「うんっ!!」

桜(マミお姉ちゃんのために、おじちゃんはもう闘えない…)

桜(おじちゃんはすっかり“もと”のおじちゃんに戻っちゃったから…)

桜(このままじゃ・・・マミお姉ちゃんは・・・・もうすぐ消えちゃう・・・?)









―丘の上

 サアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

イリヤ(大丈夫だよ、さくら)

イリヤ(わたしが、バーサーカーとけいやくするから・・・!)

―武家屋敷・反省会


アイリ「・・・・・ということなの」

アイリ「・・・・・イリヤは、それだけを告げたら・・・出て行ってしまったわ」



さやか「……………………」

切嗣「……………………」

舞弥「……………………」



さやか(一難去ってまた一難・・・ってやつかな・・・)クッ

切嗣(これも・・・運命なのか・・・・・・)

切嗣「ひどすぎる・・・あんまりだ・・・・」ギリッ


舞弥「――――アサシンとイリヤ嬢が“契約”した…という線が濃厚でしょうか」

さやか「――――たぶんね。ていうか・・・それしか考えらんないよ」キッ

切嗣「――――イリヤが・・・魔女になる・・可能性は?」

さやか「どうなのかは…わかんない・・・キュゥべぇを問い詰めない限り!!」

アイリ「でも、少なくとも――――サーヴァントとしてのアサシンを・・・倒せば」

舞弥「イリヤ嬢との契約は自動的に解除される蓋然性は高いでしょう」


切嗣(当面の目標はアサシン陣営を早々に撃破すること)



切嗣(言峰綺礼―――――まだ接触はないが……この男の在り方を、僕は理解できない…)

切嗣(遠坂時臣のことも・・・ゴクリ・・・含めて・・・・・気をつけなければ・・・)ゾワッ



アイリ(切嗣の顔色がすこぶる悪いわ……)

アイリ(……当然よね。ようやくセイバーと意気投合できたというのに…こんなことになって…)

舞弥(……………遠坂時臣氏の奇特な性癖に関しては…奥方やセイバーには…………)チラ


切嗣(そ、その点は二人には伝えないでいいだろう?―――二人が無用なショックを受ける恐れがある)チラ


舞弥(た、確かに・・・)


アイリ「・・・・・・・・・?」


切嗣(―――イリヤは魔法少女でいる限り、相応の実力を有するはずだから…一人でいても少し安心だ)


さやか「マスター・・・・・・・、もし、イリヤちゃんと・・・闘うことになったら」


切嗣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギリッ

切嗣「―――現状では、マスターと逸れたサーヴァントはいない」

舞弥「我々が知る限り、マスターを安易に裏切りそうな魔法少女も…特段見当たりませんし」


さやか「確かに…そうですね(転校生は微妙だけど)」


切嗣「アサシン陣営を叩いた上で、イリヤを説得し安全な場所へ――――これが最優先事項だ」


さやか・舞弥「「はい」」コク



アイリ(イリヤ・・・・・私たちは・・・・あなたの気持ちに・・・・・)

アイリ(どう・・・・・・・・答えてあげればいいの・・・・・・・・・)

―民家

ほむら「あなたの今日の不甲斐なさぶりにはほとほと愛想が尽きたわ」

ウェイバー「な」

ウェイバー「お、お前だって今日はバーサーカーやセイバーに借りを作っただろ!?」

ほむら「ぐ」


ウェイバー「………………………」

ほむら「………………………」


ウェイバー「と、とにかく…だ。最大の脅威(ワルプルギス)は無事撃破されたんだ」

ウェイバー「明日以降は残る6陣営による戦闘再開か・・・」ゴクリ

ほむら「…………………ええ」

ほむら「ただ、いくつか気がかりな点があるわ」

ウェイバー「…あのバーサーカーと一緒にいた小さな魔法少女のことか?」

ほむら「それもあるのだけれど」



ほむら(最後まで…魔女の前にまどかが現れなかったこと・・・・・・)

ほむら(あの子のことだから・・・よほどの事情があって来れなかったに違いないわ・・)

ほむら(魔女暴走という混乱の中で・・・アーチャー陣営の情勢に何らかの変化が・・・?)



ウェイバー「・・・それにしても」

ウェイバー「本当に・・・・・よく倒せたもんだな・・・・あの魔女」



ほむら「――――――今思うと、倒すべくして倒せたんじゃないかと…」ファサ


ウェイバー「―――――えっ?」

ほむら「ワルプルギスの夜―舞台装置の魔女―、その性質は、“無力”」

ウェイバー「無・・・力・・・・?」


ほむら「感情を得てしまったばっかりに、“彼女”は自身の救いようのない在り方を否応なく逡巡し」

ほむら「結果的に、破滅を選ぶことが自身にとっての唯一の救いになる」

ほむら「………そう思い至ったのではないかしら」


ウェイバー「その感情が…完全体になっても残滓として残っていた…?」


ほむら「可能性として、ね・・・。本当のところは、もはや私達には知る由がないけれど」



ウェイバー(この世の全ての悪を体現するかのような禍々しい存在には…最期まで)

ウェイバー(…切ない願いを打ち砕かれた…かつての人間としての脆弱な側面が共生していた)

ウェイバー(哀しい・・・闘いだったな・・・)

―聖堂教会・調理場

まどか「下ごしらえ、できましたよ~」シャッシャッ

時臣「さて」ス


ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


まどか「さすが時臣おじさん!すごい火力ですね~」

時臣「仮にも火属性だからね」ジュージュー

まどか「きれいちゃん、きっと喜んでくれますよっ」ニコリ

時臣「だといいけれど」




時臣(―――綺礼が麻婆豆腐を好き好んでいたとは知らなかった)

時臣(―――個人の嗜好など…魔道の前では取るに足らないものだと思ってきたが…)

時臣(私はこれまで……揺るぎない信念に縋りきって……逆に自分自身を雁字搦めにしてしまった)

時臣(葵の本心に気がつくことができなかった遠因も…私の意固地さにあったのだろう)



時臣(そんな私を救ってくれたのは――――――まどかちゃん、そして綺礼・・・君だ)

時臣(これからは――――魔術師の前に一人の人間として、“幸せな家庭”を築いていこう)


QB「・・・・・・・・・・・・・・」

QB「ところで遠坂時臣・・・・・なぜ君は・・・・先ほどから上半身を露出しているんだい・・・?」


時臣「魔術師だろうと何だろうと、一皮むけばただの人間である」

時臣「―――――という自身への戒めを形で表したのさ」

まどか「すごくいい心がけだと思います…っ!」ティヒヒ


QB(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ゾクッ


まどか(    こんな幸せなひとときが      )

まどか(   ずっとずっと  続いたらいいな   )

―別室

綺礼(私が・・・こうして人並みの幸福を享受できることになったのは)

綺礼(ひとえに師匠とアーチャーの寛大なるこころに救済されたがためだ)



QB(僕も結果的に君の願望成就を大いに後押しする形になってしまったよ・・・)

QB(正直・・・・想定外な出来事が起こり過ぎて・・・)

QB(もうぐぅの音も出ないよ・・・・・)



綺礼(明日からは―――――再び“誰かのため”の闘いに力を尽くすことになるが)

綺礼(この高揚感は、過去の私には・・・・有り得なかった・・・・)



綺礼(      私 は い ま      最 高 に 幸 せ だ       )



QB(というわけで結局その格好を辞めないんだね・・・・)

―拘置所・独房

      サァ

龍之介(…ちっちゃな小窓から、月の光が綺麗に差し込んでる)

龍之介(――――綺麗…)

龍之介(不思議だなぁ~・・・)

龍之介(今までは、真っ赤な血以上に・・・何かをキレイだなんて・・・思わなかったのにさ)




龍之介(いつになるんだろ)

龍之介(・・・・・・・・ま)

龍之介(その時が、来るまで)

龍之介(俺は生きるよ、ワルちゃん)

龍之介(奪い取った命はもう…取り返しがつかないけれどさ)

龍之介(それでも生きる――――生きていないと懺悔なんてできないんだから)



~穏やかなる幕間2・終~

【聖杯戦争・第5日】

―暁時

―禅城宅

雁夜「zzzz」

葵「zzzz」

凛「zzzz」




―玄関前

イリヤ「それじゃ、またね!――――さくら」

マミ「短い間でしたけど…お世話になりました」

マミ「桜ちゃん、・・・・・・・雁夜さん・・・・・・・・」ペコリ

桜「マミお姉ちゃん・・・・・・」

桜「おじちゃんには・・・」

マミ「いいのよ、桜ちゃん」

マミ「だって・・・雁夜さんはもう幸せになったじゃない」ニコリ

マミ「雁夜さんをこれ以上“私の闘い”に巻き込むわけにはいかないわ」ナデ

桜「でも・・・・」


イリヤ「さくらばっかりなでられてずるい~~~!」


マミ「あらもう…、イリヤちゃん、落ち着いて」ナデ

イリヤ「気持ちいい~!」キャハ


桜「マミお姉ちゃんっ」

桜「私も………!」

桜「マミお姉ちゃんについて…!」    ピトッ

マミ「…………」メッ

桜「・・・・・・」ウル

マミ「そんな顔しないで…桜ちゃん」

マミ「あなたはここに残って・・・みんなを守ってあげて」



マミ「お姉ちゃんとの、・・・約束よ」ユビキリ

桜「・・・・・・また」ゲンマン



桜「また、会えるよね・・・・お姉ちゃん?」

マミ「――――――――――ええ」

マミ「この闘いが終わったら、・・・きっとまた・・・・・・ね」ノシ

        スクッ

マミ(―――――桜ちゃん、そして・・・イリヤちゃん)

イリヤ「リンにもよろしく言っといて~」ノシ



マミ(――――最終的にあなたたちが“普通”の女の子に戻ること)

マミ(――――それこそが、あなたたちにとっても)

マミ(――――あなたたちの家族にとっても)

マミ(最も望ましい結末―――――)

―さくら(※新幹線)―

  プオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン

イリヤ「ねえ…バーサーカー」

マミ「…なあに、イリヤちゃん?」

イリヤ「協力してくれて・・・ほんとにありがとう・・・・」

マミ「・・・・・・・」ニコッ

マミ「あなたの願いを聞いたら・・・とても放っておけないって思っちゃったのよ」

マミ「血のつながったご両親がいるのに、離れ離れだなんて・・・・」

マミ「そんなの・・・・・哀しすぎるもんね」



イリヤ「ひとりぼっちはもういやなのっっっ」ギュッ

マミ「イリヤちゃん・・・」ヨシヨシ



マミ(イリヤちゃんは、もちろん殺し合いなんて望んでいない)

マミ(自分のために願わずに)

マミ(自分の幸せを自分でつかみ取るために…危険な世界に一歩足を踏み出した)

マミ(美樹さん、―――――そしてご両親)キッ

マミ(イリヤちゃんは、私が責任を持って預からせていただきます)

マミ(佐倉さんのランサー陣営と、セイバー陣営とは極力――――――戦闘を回避するわ)



マミ(・・・・ううん)

マミ(闘いたく・・・ない・・・・)



マミ(あの子とも・・・・・・・アーチャーのあの子とも・・・!!)

マミ(最初に相まみえた時には・・・雁夜さんの宿敵のサーヴァントとしか捉えられなかったけれど)

マミ(だんだん・・・・私の記憶の底から・・・あの子のことが・・・)



マミ(        いつか     あの子と       )

マミ(      夢のなかで    逢ったような      )

―武家屋敷

   チュン   チュン

   ジリリリリリリリリリリリリリリリ

さやか「ふあ~あ」カチッ

さやか「もう・・・朝かー」


さやか「アイリさ~ん、朝だよ~」ユサユサ

アイリ「ぅ・・・ぅ~ん」


アイリ「・・・うっ」


さやか「!?」

さやか「ど、どうしたんですかアイリさん・・・?」

アイリ「だ、大丈夫よ・・・セイバー」

アイリ「ここ最近・・・少し調子が悪くて・・・」

アイリ「ちょっと、気分がすぐれないだけよ・・」

さやか「風邪か何かですか・・・?」

アイリ「いいえ、・・・そういうわけじゃ・・・なくて・・」

さやか(病気とかじゃなくて・・・?)

さやか(・・・・・・・・・・・・・)

さやか(・・・・・・・・・・・・・!)ハッ

さやか「ああっ!!」

アイリ「・・・?どうしたの、セイバー?」


さやか「アイリさん!!!」ガシッ

アイリ「セ、セイバー・・!?」

さやか「おめでとうございますっ!!」

アイリ「へ・・・・・・・?」

―隣室

舞弥「…といった具合でセイバーが何やら勘違いをしていますが」ムセン





―遠坂邸近郊

切嗣「………穏便に誤解を解いておいてくれ、舞弥」ムセン

切嗣(…セイバー)

切嗣(…「全て遠き理想郷」のことはアイリ本人から聞かされていたはずだが…?)

切嗣(彼女がもう少し頭の切れるサーヴァントなら)

切嗣(僕も全幅の信頼を置けるところなのだが…)

切嗣(―――――いや)

切嗣(―――――馬鹿だからこそ、彼女は強いのかも知れない)

切嗣(強大な魔女に正面から切り込むなど――――馬鹿になれなきゃ・・・できないさ)シュポッ



切嗣(あの瞬間―――――――僕も・・・・“馬鹿になれた”んだ)プハー

切嗣(そして・・・アイリ)

切嗣(僕だって、本当は君を助けたいさ・・・)

切嗣(それは・・・・叶わぬ願いだと・・・・)

切嗣(分かり切っている・・・としても・・・・)



切嗣(―――――――だめだ)

切嗣(――――僕が弱気になっては、どうしようもないだろう…?)



切嗣(もう、後戻りはできないのだから)

切嗣「………」ジリ


切嗣(さて、聖杯戦争開始以降、自宅に籠ったまま動きを見せていなかった遠坂時臣だが)

切嗣(どうやら昨夜のうちに出立したらしいな)

切嗣(邸宅は蛻のカラか…)

切嗣(中に侵入して、手掛かりになりそうなものを物色するか?)

切嗣(いや・・・)

切嗣(あえて無防備を装って、邸宅内に敵をおびき寄せるための罠かもしれない)

切嗣(遠坂時臣の性癖が真実ならば・・・危険だ・・・)




「中に誰もいなかったわよ」

切嗣「――――!」ピクッ



ほむら「セイバーのマスターさん」ファサ



切嗣「――――ライダーか」



ほむら「美樹さやかは近くにいないようね」チラリ



切嗣「………」



ほむら「ここであなたを排除すること自体は、容易いことなのだけれど」

ほむら「――――セイバーには昨日の借りがあるから、………ね」

ほむら「ちなみに今、私のマスターは近くにいないわ」



切嗣「………」

切嗣「―――邸宅の中の状況は?」


ほむら「建物周辺が滅茶苦茶に破壊されていた―――敵襲があったのは間違いない」

ほむら「――書庫が火災で半焼状態」

ほむら「加えて、室内のカーペットに…血痕が残っていたわ」


切嗣「…なるほど」




ほむら「――――アーチャー陣営に何らかのアクシデントが発生したとみて間違いない」ギリッ




ほむら(まどかァ・・・・・!!!?・・いったい誰に、・・・・襲われたの・・・・ッ)ワナワナ

切嗣(―――遠坂時臣が何者かに襲撃された?)

切嗣(―――舞弥が入手した情報と、対ワルプルギス戦線の参加陣営の動きを総合考慮すると)

切嗣(―――――裏で何やら暗躍していた、言峰綺礼に騙し討ちにされた可能性も)


切嗣(あ、あるいは・・・・・・まさか・・・・・・)ゴクリ



ほむら(い、いいえ…!普通に考えて…まどかに敵なんていないはず…よね…!)ブンブン

ほむら(一刻も早く、まどかの無事を確認しないと…!!)キッ




切嗣(と、とにかく・・・今はアサシン殲滅とイリヤの保護を第一に考えるんだ…!!)キッ

ほむら「………」

切嗣「………」



ほむら・切嗣((――――こんな時だからこそ、冷静に…!!))スー   ハー



ほむら「―――衛宮切嗣、一つ忠告しておくわ」

ほむら「思い込みの激しさは、時として悲痛な限りの破綻を招く」


切嗣「………」


ほむら「―――この先、セイバーがもしも暴走するに至ったら。令呪を使ってソウルジェムを奪い取るのが得策よ」


切嗣「ソウルジェム―――――君たちの魂そのものという例の宝石のことか」


ほむら「そう」

ほむら「ソウルジェムとして保持することで、一時的に使い魔(サーヴァント)を“英霊の座(ホンライノイバショ)”に返戻することができる」


切嗣「――――ライダー」


ほむら「その条件下において、主(マスター)は第二の使い魔を使役することが可能になるわ」





切嗣「――――分かった」

切嗣「――――心に、留めておくよ」クルッ               シュタッ




ほむら「―――――」クルッ

ほむら(私は、冷静な人の味方だから、………ね)

                 シュタッ




       アト イチドダケ  キセキハ   オコルダロウ

           ヤサシイ コエデ  エガク  ユガンダ ミライ

                                    (つづく)

―正午過ぎ―

―異人館前



杏子「こ、この絵は・・・」パリッ



杏子「あんたが・・・」ポキッ



杏子「・・・自分で・・・書いた・・・わけ・・・?」ガクガク



まどか「う、うん・・///」



杏子「」

杏子「てか、表紙にシミがついてるけど・・・」


杏子「もしかしてこれ・・・血か・・・・?」


まどか「あ、それはね・・・」

まどか「私の鼻血なんだあ・・・」エヘヘヘ



杏子「どういうことだ・・・オイ・・・・?・・・コイツ・・・腐ってやがる・・・・」 ボソッ



まどか「へ?…今何て、杏子ちゃん?」


杏子「な、何でもねーよ!!」アワワ

杏子(昔マミが言ってたな・・・)

杏子(世の中には、男同志のアレコレの話が好きな女がいて)

杏子(婦女子にかけて、“腐”女子っていうんだって・・・)

杏子(これが“腐女化”ってやつか・・・)ゴクリ

まどか「でも…良かった」

杏子「…?…何が」


まどか「キュゥべぇ、マミさん、ほむらちゃん、さやかちゃん――――」

まどか「――――そして、杏子ちゃん」


まどか「(キュゥべぇはともかく)みんなとお話しできて・・・私は、とっても嬉しいよ」ニコリ

杏子「…おいおい」

杏子「マミとのあれは肉体言語以外の何物でもなかったろ?」クス

まどか(魔女(アノコ)とだけは、お話しできなかったことは…心残りだけれど)

―異人館内・喫茶店



時臣「―――ようこそ」

               …カタン



ソラウ(・・久しぶりにおいしい紅茶を口にした気がするわ)


時臣「――さて、そろそろ本題に入りましょうか」


ケイネス「―――我々と、休戦協定を結びたいと?」


時臣「――」コクリ

時臣「ワルプルギスの夜討伐の一件における、ランサー陣営の活躍は――」

時臣「――私も風の便りで小耳に入れている」

時臣「あなた方の実力を見込んで、こちらとしては無益な闘いを回避したい」


ケイネス「――――なるほど」

ケイネス(御三家の一角といえども、いよいよ私の存在を無視できなくなってきたか)フフン

ケイネス(それ以上に、ランサーの敵が一人でも減るのなら…それは望ましいことだろう)

ソラウ(アーチャーのマスター…)

ソラウ(こうして面を拝むのは初めてのはずよね)

ソラウ(なかなか、優雅な雰囲気を漂わせているけれど)

ソラウ(・・・・どうして上着を着ていないのかしら・・・・)ゴクリ

―喫茶店前

まどか「やっぱり、変かな・・・」モジモジ

杏子「ま、まあさ」

杏子「いいんじゃねーの・・別に、・・・」

まどか「そ、そうかな・・・」

まどか「こういうコトにどきどきするなんて・・・やっぱりおかしいんじゃないかって・・・」

杏子「―――――愛があれば」

まどか「………」

杏子「愛があれば、性別なんて足枷にとらわれないでいいのさ」

杏子「その方が、ずっと気持ちだって楽になるだろうし」

まどか「杏子ちゃん・・・」

杏子「ところでさ、何でアンタ…フツーにあたしのこと知ってるわけ…?」

杏子「あたしはアンタのこと…いまいちよく思い出せないんだけど」ジー

まどか「そのうち・・・思い出せるよ、きっと」

        
                      ゴライテンアリガトウゴザイマシター


まどか「それじゃあ、私はこれで」チラリ

杏子「―――まったく、調子狂うよ」ノシ

まどか「―――――杏子ちゃんなら」

杏子「ん?」



まどか「―――――さやかちゃんを幸せにできると思うな」ニコッ       シュンッ



杏子「・・・・・・・・・・・・・!?」

杏子「って何言ってんだよッ!!?//////」




ソラウ「何?・・・あんたレズだったの?」ゲ

―駐車場



ケイネス(  OH・・・・・・・・・・・・・・・  )ゴクリ




時臣「―――それでは、また」

時臣「―――時期が来れば逢いましょう」ザッ

時臣(―――ランサー陣営はさほど脅威にはならないと見た)

時臣(…………彼らは後回しでいいだろう)

       パタンッ

―運転席

綺礼「・・・zzz」シャランラーン★











―武家屋敷・土蔵


アイリ「はあ・・はあ・・」ポォゥ

さやか「・・・アイリさん」

アイリ「セイバー・・・」

アイリ「・・だいぶ、楽になったわ」

アイリ「もう・・大丈夫だから」ニコリ

さやか「アイリさん、さっきはごめんなさい・・・」

さやか「あたし、無神経なこと言っちゃって・・・」

アイリ「気にしないで、セイバー」

アイリ「それにね」スッ

アイリ「私には既に、2人目の娘(コ)ができたも同然なのよ」ナデ

さやか「・・・」

アイリ「これからも、よろしくね」

アイリ「セイバー、―――――――サヤカ」ヒシッ

さやか「―――――――はい」ギュ

―庭

舞弥(…む)

舞弥(…何者かが、屋敷の中に侵入した形跡が…?)



QB「気がついたかい?」スウッ



舞弥「!!」

舞弥(―――――アサシン!?)



QB「セイバーに顔を合わせるのは危険だから、さっそく本題といくよ」パカッ

QB「これを受けとって欲しい」スッ



舞弥「これは…」サッ




QB「遠坂時臣からの共闘の申入れ・・・さ」ダダダダッ

舞弥「ま、待t」

       ビュンッ!!                       ドサッ

QB「」チーン



さやか「近接戦に持ち込めないなら」ザッ

さやか「剣を投げちゃえばいいわけよ!!」ニッ



アイリ「セイバー…………」

舞弥「………………………」



さやか「あれ、どうしたんですか二人とも?」

アイリ「アサシンからイリヤのことを問いただすことが…」

さやか「  あ・・」

舞弥「ところで、この書状ですが…」パサ


さやか「何でキュゥべぇがまどかのトコのマスターの手紙を…?」


舞弥「アサシンのマスター・言峰綺礼と、遠坂時臣は裏で繋がっていた節がありまして…」


アイリ「同盟を結ぼう…との誘いのようね」

さやか「同盟…?」

アイリ「私たちの陣営を…与(クミ)しやすいと考えての策略ね…」

さやか「でも、まどかがあたし達のことを陥れようとするとは思えないし…」

アイリ「確かに、………」

アイリ(アーチャーの実力は申し分ないし、人格的にも優れているのは確か)

アイリ(それにマスターも優秀な魔術師だから、現段階で同盟を結ぶことは)

アイリ(私たちにとっても有益よね)

さやか「アイリさん…、あたしはまどかのことを信じたいと思います」

さやか「今のまどかなら、もうキュゥべぇに騙されたりはしない…!」

さやか「きっと、あの子なりの考えがあるんだと思う…!」

アイリ「―――そうね」


アイリ「―――この誘い、受けましょう」


舞弥「ち、ちょっと待ってください・・!」

さやか「え?」

アイリ「舞弥さん…?」


舞弥「遠坂時臣は衛宮切嗣を“標的”にしています!!」

舞弥「迂闊に接触するのは大変危険かと…!」


アイリ「標的…といっても」

さやか「マスターならどこの陣営もつまるところは同じ立場じゃないですか…?」


舞弥「あ、いえ…そういう意味ではなく…」タジ


アイリ「切嗣は今、不在だから」チラ

さやか「あたしたちだけでいけば、大丈夫ですよ!」


舞弥「…ある意味、大丈夫ではありましょうが…」

アイリ「でも、アサシンが運び屋で来たということで――」

アイリ「聖堂教会の監督代行者(コトミネキレイ)が」

アイリ「――まだ聖杯戦争に主体的に関与していることは確実」

さやか「聖堂教会で向こうと顔を合わせるのは…ちょっと危ないかもしれませんね」

アイリ「こちらから中立的な地点を再度提案しましょう」

アイリ「舞弥さん、使い魔で聖堂教会に伝達を」



舞弥「し……、承知しました」

―ゲームセンター

ソラウ「…ところでランサー」カチカチカチカチ


杏子「…何だよ」ホップステップ


ソラウ「バーサーカーとの共闘の件は結局…昨日限りに…?」カチカチカチ


杏子「あー、そう…だな…」チャクチッ


杏子「マミの奴、打ち上げの後にマスター他一同を送っていって・・・」


ケイネス「その後、消息不明…か」チャリーンチャリーン

ケイネス「現界を保てなくなり、・・・・・・・・・・・・」

ソラウ「・・・・・・・・」

杏子(マミ・・・・・・・・・・・)




「佐倉さん―――――――私はまだ、現世(ココ)にいるわよ」ニッ

ケイネス「む・・・!!」

ケイネス(バーサーカー!?………そして、その後ろにいるのは!)

ソラウ「え、・・・嘘・・・」

杏子「マミ!!?」

杏子「お前、どうして・・・!?」


マミ「――――私の新しいマスターを」

マミ「――――紹介するわ」


イリヤ「はじめまして」ペコリ

イリヤ「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンですっ」

イリヤ「――――イリヤって呼んでね」ニコッ

―聖堂教会付近

ウェイバー「おいこらライダー!」

ウェイバー「何勝手に行動を起こしているんだよ!?」


ほむら「分からないの?」ファサ

ほむら「あなたに、くだらない内容で、…残る令呪を消費させるためよ」


ウェイバー「ぐっ」

ウェイバー「お前、・・・」

ウェイバー「やっぱり僕が足手纏いだからって・・・」


ほむら「―――言ったでしょ?」

ほむら「あなたの命までは保障できないって」ジッ

ウェイバー「・・・・・・・・・・」

ほむら「いっそ、令呪を使い果たした上で私との契約を解除してしまえば」

ほむら「あなたは、聖杯戦争から降りることができる」

ウェイバー「そ、そんなこと…するもんか!!」

ほむら「それならば」

ほむら「もしも、私があなたを裏切るとするならば」


ほむら「―――あなたは私を、令呪で殺すことができる?」


ウェイバー「そ・・・」

ウェイバー「そんな・・こと・・・」

ほむら「――殺すといっても、“死”に返すだけだけれど」プイ

ほむら「魔法少女(ワタシタチ)は所詮、世界の外側の領域に押し上げられ―――」

ほむら「――――輪廻からも因果の枠からも外れて不変の現象となった存在」

ほむら(そういう―――――――――未来(うんめい)――――――――――)



ウェイバー「・・・だと、しても」ギリ



ほむら(できないのでしょ?―――――あなたには)

ほむら(―――――――その甘さが、いつか致命傷になるわよ?)





「お前たち」ジャリ

ほむら「―――!」

ウェイバー「―――!?」




綺礼「こんなところで、何をしている?」しゃらりらら~ん★





ほむら「                                    」

ウェイバー「                                    」





時臣「おや、君たちは…?」ジャリ

まどか(あっ、ほむらちゃん…!!)

―マクド

切嗣「………」パクッ

切嗣「………」カタカタカタ


切嗣(…昨夜未明、間桐雁夜が夜行バスで冬木市を退去したことが分かった)

切嗣(同行者が数名いたらしいが特定には至っていない)

切嗣(スパイを使って拘置中の間桐雁夜の実兄から事情を聴取したところ)

切嗣(『詳しい経緯は知らないが、雁夜の願いは叶ったはずだ』―――とのこと)

切嗣(ここから導き出せる結論は、バーサーカー陣営の脱落…かな?)


切嗣(本人の願いが叶ったというのなら、聖杯戦争から離脱して安全圏に向かうのが自然な流れだろう)

切嗣(バーサーカーの処遇は…?)

切嗣(……………………………)

切嗣(………間桐雁夜は幼児性愛者(ロリータ・コンプレックス)である可能性が指摘されているからな)


切嗣(まだ身近に侍らせているか、あるいは―――――)シュポッ


切嗣「いや…」プハー


切嗣「現在サーヴァントを持たない主資格者はイリヤのみだ」

切嗣「イリヤがバーサーカーと接点があるとは思えな   」



切嗣(  ・・・イリヤと、バーサーカー・・・  )
 
切嗣(  何か・・・引っかかるな・・・・・・  )

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「こ、子どもができたのっ!!?」ガタッ

「・・ちょっと和子、驚き過ぎよ」

「そりゃ、一つ屋根の下で暮らしてたら子どもくらいできるって」

「そ・・・それもそう・・よね」

「………私も欲しいなあ、子ども」ハア

「…まずは相手からだろっ」クスクス

「・・・そうだったわね」ハア

「ところで詢子、お仕事の方はどうするつもりなの?」

「どうするも何も、ギリギリまで働いて、…産休終わったらすぐ復帰するつもりよ」

「うちはあたしが大黒柱なんだから♪」

「無理しちゃだめよ…、体のことを最優先しないと…」

「わかってるって~」

(―――――男の子だったら、タツヤ)

(女の子だったら、   まどか   がいいかな――――――この子の、名前)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

                                   (つづく)

―禅城宅前

桜「どこにいくつもりなの」

桜「―――おじちゃん」

雁夜「決まっているだろう」

雁夜「―――冬木だ」ザッ


桜「行って、どうするつもりなの」

雁夜「…………」ギリッ


桜「今のおじちゃんじゃ、マミお姉ちゃんを助けることはできないよ・・」

桜「かえって、・・・」


雁夜「足手まといになる――――――もちろん、分かっているよ・・自分でも」

雁夜「足を引っ張ってばかりの俺が、こんな風に安全なところで無策に立ち尽くしている今も」

雁夜「…アイツは死線を潜り抜けている」

雁夜「これでアイツが報われなかったら・・・俺は・・・ッ・・・」グッ

桜「きっと大丈夫だよ、おじちゃん」


桜「信じようよ――――――マミお姉ちゃんを」

桜「それから・・魔法少女のみんなを」


雁夜「・・・・・・」

桜「もう一度、奇跡が起こりますように、・・・って」


桜「だから―――――行かないで、“おとうさん”」ギュッ

雁夜「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

雁夜(――――頼む―――――)

雁夜(――――死なないでくれ、バーサーカ―・・・・・)カミダノミ

―聖堂教会前

ウェイバー「な」

ウェイバー「なんなんだよ、この 変 質 者 はッ!?」

         シュッ

         ガスッ

ウェイバー「 か は っ 」

         バタッ

綺礼「人を捉まえておいて、いきなりその言い草は何だ」


綺礼「―――小僧」


ウェイバー「      」チーン

時臣「大丈夫かい…少年」

まどか「いきなり暴力はよくないよ、きれいちゃん!」


綺礼「許せ――――アーチャーよ」

綺礼「―――尊い師を変質者呼ばわりされ、頭に血が昇ってしまったのだ」


まどか(えっ)

時臣(えっ)



ほむら「まどかァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

      ひしっ

ほむら「良かった・・・無事だったのね・・・まどか・・」

ほむら「本当に、心配していたのだから・・」

まどか「ほ、ほむらちゃん・・?」

まどか(何を心配していたんだろう…?)

まどか「うん、えっと・・・(とりあえず)心配かけてごめんね・・ほむらちゃん」

まどか(あっ!・・・そうだ)

まどか「――“あの子”は、ほむらちゃん達が倒してくれたんだよね」

まどか「ごめんね・・・私は昨日、いろいろあって・・・戦場には行けなかったの」

ほむら「一時はどうなる事かと思ったけれど…」

ほむら「ワルプルギスの夜――――彼女も、彼女なりの救いを得ることができた」

ほむら「そう、信じているわ」ギュッ

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」ニコリ


時臣(・・・微笑ましい光景だ)シミジミ

綺礼(――ライダーのマスターか)ジャリ

ウェイバー「    」シーン

綺礼(斯様にひ弱な魔術師が、師と肩を並べて聖杯を求めようなど―――言語道断)イラ




QB「――遠坂時臣」ヒョコッ

QB「セイバー陣営からの返事が来たよ」

QB「接見には応じるけれど、場所を柳桐寺に変更するようにという要請が(ry」


時臣「―――構わない」

時臣「あちらがどのような策謀を施して来ようと―――今の私には怖いものなどないのだから」


QB「・・・君も大胆になったね」

ほむら「えっ!?」

ほむら「ちょっとまどか!?・・・あなた、いつの間に刺青を入れたの!!?」

まどか「え!?」

まどか「ち、違うよ~!ほむらちゃん!」



QB「御覧の通り、・・・僕の自由を奪う令呪さ」

綺礼「アーチャーは信頼に足るサーヴァントなので、私が管理していた全ての令呪も譲渡している」


まどか「私はね」

まどか「自分自身の聖杯戦争を突きつめる為に、キュゥべぇを使役するマスターになったんだぁ」ニコッ

まどか(キュゥべぇは、聖杯戦争に関して私達と同様の知識しか持っていなかった)

まどか(それでも―――油断はしないよ)

まどか(あなたの処遇は、―――私が決めるから)

QB(昨夜は主(カナメマドカ)に家畜のようなむごい扱いを受けた…)

QB(僕に感情というものがあれば、すでに発狂していただろうね…)


ほむら「まどか・・・」

ほむら「やっぱり・・・あなたってすごいわ・・・」ウットリ

ほむら「そういえば―――この前の“聖杯問答”の折には」

ほむら「魔女の使い魔の闖入で、あなたの願いだけ聞けなかったわね」

ほむら「今、教えてもらえたら嬉しいわ――――まどか」

まどか「うん、いいよ」

まどか「・・耳を貸して、ほむらちゃん」ヒソッ

ほむら「え、ええ…///」ドキドキ




綺礼「師匠、傍観しているだけでよろしいのですか?」ヒソ

時臣「――彼らの無邪気なやり取りに干渉するつもりはない」

時臣「君も、子を持つ父親であるならば…分かるだろう?」

綺礼「――――ええ。そう…ですね」

QB「…今の君達がそういう発言をしても説得力に欠けるんじゃないかな」

まどか「実はね・・///」ゴニョゴニョ



ほむら「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ほむら(まどかが!?)

ほむら(同性愛に・・・・っ!!目覚めたというの!!?//////)





時臣「だが交渉相手を待たせるわけにはいかない」

時臣「そろそろ柳桐寺に移動するとしよう」

時臣「アサシン、セイバー陣営に条件を呑むとの伝令を」

QB(また僕の個体の1つが浪費されるんだね…)

綺礼「さて」

綺礼「ライダーよ、監督役として問おう」

ほむら「………」

綺礼「お前は、どうするつもりだ…?」



ほむら「・・・」チラ

ウェイバー「       」シーン



ほむら「・・・」チラ

まどか(つい・・・言っちゃったけど・・)

まどか(・・ほむらちゃん・・、気持ち悪いって思ったかな・・)ソワソワ




ほむら「――――!!」キッ

ほむら「ねえまどか・・・お願いっ―――――――私もあなたの眷属に加えて・・・!」


まどか「ほえええっ!!?」


ほむら「―――私は」

ほむら「―――あなたになら、どんな命令をされようと構わないもの」ニッ



QB「長いものには巻かれるということだね…暁美ほむら」

時臣「―――的確な判断だろう」



ほむら「その代わりに、―――監督役の言峰綺礼」チラリ

ほむら「私のマスターの生命の安全を、保障してもらいたいのだけれど」



綺礼「……………………………、心得た」

ほむら「そう」ファサ

ほむら「死なない程度にならば、多少手荒く扱ってもらっても構わないわ」

まどか「ほむらちゃん・・・・!!!」



QB「暁美ほむら・・・」


時臣「―――君は・・・主の魂を売るというのだね」


ほむら(己の願望成就の前では、主従の信頼関係なんて浅はかな幻想に過ぎない)



ほむら「―――――聖杯戦争って、そういうものでしょう?」キリッ

―武家屋敷前

アイリ「ほら見て、セイバー」

アイリ「切嗣からあなたへのプレゼントよ」



    ―YAMAHA V―MAX―

さやか「・・・・・・・・・・」ポカーン



舞弥「騎乗スキルをもってすれば、容易に乗りこなせるかと」

さやか「いや、あたし別にそういうスキルとか持ってないんですけど・・」

アイリ「・・・・・」

舞弥「・・・・・」


さやか「それに免許ないですし・・」


アイリ「無免許運転は良くないわよね・・・!」

舞弥「ですね(棒)」

―聖堂協会前


綺礼「さて―――柳桐寺に向かいましょうか」ヒョイッ

ウェイバー「    」シーン



まどか「こちら、私のマスターの時臣おじさん」


時臣「間接的にではあるけれど、よろしく――ほむらちゃん」


ほむら「こちらこそよろしくお願いします、おじさま」ペコリ

ほむら(まどかのマスターが紳士的な男性で良かったわ)ホッ

―物陰

杏子「エゲツねぇな・・・オイ・・」ゴクリ

マミ「いったい何が始まるのっ・・!?」

イリヤ「どこかに向かうみたいだよっ!」

ソラウ「仮にもあなたの教え子が、何やら…拷問でもされそうな雰囲気ね」

ソラウ「どうするつもり、ケイネス…?」

ケイネス(…アーチャー陣営とは先刻、休戦協定を結んだばかり)

ケイネス(敵の戦力を考えても、波風を立たせたくはないのが本音だ――――そして)



ケイネス「ウェイバー君は、ライダーを使役して悪質なテロ行為を繰り返してきたのだ」

ケイネス「―――多少の天誅は、必要なのではなかろうか」キリッ

                                    (つづく)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《ケリィは大きくなったらどんな大人になりたいの》

《正義の味方にでもなるつもりか》

《みんなすくえるなんて、おもってないさ―――それでもぼくは、ひとりでもおおくすくいたい》

〈じゃが、理想を究極的に追い求めるおぬしの生き方は――〉

〈――人間としてのあるべき感情を喪失した死者(ゾンビ)とさして変わらぬのではないか〉

―――君は・・どこから、話しかけている

―――黙れ。黙ってくれ。お願いだ・・・

―――僕は、あのときに抱いた希望を・・・必ず実現させるんだ

〈信条が強ければ強いほど、――それが裏切られた時の絶望感は、取り返しのつかないほど深遠なものになるぞ〉

―――僕は、聖杯を手に入れて・・・必ず憎悪の連鎖を終わらせるんだ

―――これが・・・終焉のための、 最 後 の 戦 い に な る ん だ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

―マクド


「お~い、昨日の刑事さぁーん」ユサユサ

「おっきろぉー!」デコピンッ


切嗣「~~~~」パチ


切嗣「     」ガタッ


大河「わっ」ビクッ



切嗣(…………………、夢か…)

切嗣(僕としたことが…こんなところで無防備にうつつを抜かすとは…)

大河「こんなところで張り込みか何かですかー?」オーイ


切嗣(―――今回だけじゃない)

切嗣(ランサーとの接触、そして早朝のライダーとの遭遇)

切嗣(―――本来ならば、僕はとっくに死んでいたはずだ)

切嗣(まったく、この体たらくでは…セイバーのことを馬鹿にできないじゃないか)


大河「このあたしが目に入らぬかぁ~~!」ガオー


切嗣(セイバー、ランサー…、…ライダーも、やはりそうだ)クルッ

切嗣(彼ら同士は、本当の意味での戦争を…忌避している)スタスタ


大河「挨拶くらいしなさいよ社会人~!!」タタッ

切嗣(14,5歳の齢で英霊となった身といえども…彼らはもともと普通の子どもだったんだ)

切嗣(――――彼らは、魔女化しないかぎり…外道にはなれないだろう)


切嗣(――――僕と、違ってね)



大河「あっ」ツルッ

  ドテッ

大河「うー、・・痛たた・・」サスリサスリ


切嗣(…………)ピタ

切嗣(やれやれ…)

切嗣(かかわる必要など…ないというのに…)


切嗣「大丈夫かい?―――手を貸そうか」スッ

大河「あ、ありがとー…刑事さん」

切嗣「………僕は、刑事などではないよ」

大河「えっ…?…じゃあ昨日にーちゃんを追ってたのは…どうして…?」

切嗣「―――君には、関係のないことだろう?」

大河「関係なくないよっ!」

大河「にーちゃんのことも、せんせーのことも、…おじさんに出逢ったことも」

大河「あたし、何かの運命なんじゃないかって・・・」

切嗣(おじさん…………。…まあいいか)

切嗣「一つだけ教えてあげよう」


切嗣「―――僕は、“魔法使い”なんだ」キリッ


大河「・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」ポカーン

―柳洞寺・境内


ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ


住職「………………………」

住職(な、何やら不穏な気配が・・・)

     ジャリッ

住職「!?」クルッ




時臣「――――失礼する」ゴゴゴゴゴ

綺礼「――――貴様、何者だ」バァァァァァ~~ン

ほむら「セイバー陣営が差し向けた刺客の可能性があるわ」ジャキンッ



住職「          」

       バタッ

住職「     」ブクブク

綺礼「――我々との実力差に恐れ慄き、腰を抜かして気絶したようですね」

時臣「――というよりも」

QB「どう考えても無関係の一般人だと思うよ…」






一成「な、何者だ貴様らはっ!」

まどか「わあー、この子かわいいね~」ナデナデ

一成「き、気安く触れるでない!」

ほむら「…口調はちょっとアレだけれどね」シュタッ

ほむら(それよりまどか)

ほむら(サーヴァントである私達が無関係の一般人とかかわるのはなるべく控えた方がいいわ)ヒソ

まどか(あっ…、それもそうだね)コク

キュルルル  シュタッ  キュルルル

一成(消えた・・・・・・?)

時臣(――先方はまだ到着していないようだ)チラ

QB(密約の類は日没後に行うのがセオリーだろう…?)ヒョコ

綺礼(では、まずこの身の程知らずの小僧にこの場で私刑を――)ドサリ

ウェイバー「       」シーン

ほむら(…無様ね、ウェイバー=ベルベット)タッ

時臣(さすがに野外で…というのは、野蛮ではないかね…?)

綺礼(では、庫裏を占拠して――)

まどか(―――その必要はないよ、きれいちゃん)タッ

まどか(お寺の人に迷惑がかからないように、――地下に隠れ家を創るから)



まどか(―――――――私のちからで)ポゥ・・

―夕刻―


―円蔵山山頂


イリヤ「夕日がキレイだね~」ペロペロ

ケイネス「うむ…。戦いで荒んだ心が清められる」パリポリ

ソラウ「それほど荒んでいたかしら…?」パリッ

杏子「…連中、寺に籠ったまま出てこないようだな」ポリッ

マミ「正確には、お寺の“地下壕”の中から、ね」カタッ


ソラウ「…それにしても、魔力で“神殿”を創りだすなんて…」

ソラウ「…もう何でもアリといった感じね」

イリヤ「魔法少女は ふかのう を かのう にするからだよっ!」

マミ「アーチャー陣営の実力が計り知れないわね…」


杏子「…ほむらのマスターは今頃、あいつらにヤられて・・・」


ケイネス「いや、さすがに殺しはしないだろう」

ケイネス「今後、ウェイバー君と新たに契約を結ぶなどという愚行に出るサーヴァントはおるまい」

ソラウ「名目上、監督代行の男が保護下に置いているってことよね」タブン

マミ「彼らが柳洞寺を本拠地にするつもりなら……」

イリヤ「ずっと閉じ込められちゃうんだ…」カワイソウ

杏子「い…いや、そーいう意味じゃなくて…さ」

杏子「ウェイバーの奴、何ていうか・・“生け贄”にされてるんじゃ・・」


マミ「い、生け贄…?」

イリヤ「なにそれ・・・こわい・・・」

ソラウ「囚われのお姫様ならぬ囚われの少年…」


ケイネス(なるほど確かに)

ケイネス(聖杯が現れるためには、魔術回路を持つ存在―媒体―が必要になると聞く)

ケイネス(…そのような可能性も無きにしも非ず…?)

―路上



 ブォンブォンブォンブォンブォンブォン



 ―YAMAHA V―MAX―

アイリ「しっかりつかまっていてね、セイバー!!」ガッガッガッ

さやか「アイリさん、ノーヘルってヤバいんじゃ!?」ッヒイイ

   

  ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

  
 ―メルセデス・ベンツ・300SL―

舞弥(…奥方)

舞弥(人間の乗用を度外視したチューニングが施されているというのに…)

                                     (つづく)

 ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ


舞弥(――まあそれはともかくとして)

舞弥(アーチャー陣営がこちらの条件提示にすんなり応じてきたのは少し気がかり)

舞弥(遠坂時臣氏は、これまでずっと邸宅に籠って鳴りを潜めていたというのに)

舞弥(強敵と目された魔女が撃破されたのを機に、積極的に攻勢に出るつもりなのでしょうか…?)


>キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィガガガガガガガガガガガガガガガガガ

>ドンガラガッシャァァァァァァァァァァン              \チュド――――――ン★/



舞弥「……………」

―柳洞寺・山門

   
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


アイリ「ここが待ち合わせの場所ね…」ゴクリ

さやか「な、何だか…色んな魔力の波長が…」ゴクリ

さやか「ところでアイリさん。バイク、…壊れちゃいましたね…」シュン

アイリ「形あるものは…いつか壊れる運命なのよ、…セイバー」トオイメ


舞弥「…ともかく無事で何よりです」

舞弥(――他陣営も我々の動きを嗅ぎつけて辺りに潜んでいるようですね)

舞弥(――周辺の地形の把握、退路の確保は万全)

舞弥(のはず…―――)

   

   サァァァァ


アイリ「!?」

さやか「!!!?」

舞弥「!」



ほむら「たまには霊体化して息を潜めていたらどうなの、美樹さやか」ファサ

QB「…暁美ほむら、立場上喧嘩腰な態度は控えるべきだよ」スッ


アイリ「アサシン…と…」

舞弥「――ライダー?」

さやか「ちょっと!?何でアンタが出てくんのよッ!?」


ほむら「―――私は、まどかとともに歩むことになったのよ」ドヤッ


さやか「・・・・な・・・?」


QB「――とにかく、僕達が案内するのでついてきて欲しい」



さやか「…」チラ

アイリ「…」コクリ

舞弥「…」ゴクリ

―数時間後



―深夜―



―神殿・奥の間


「ぅ・・・ぅーん・・・」

「 ハ ッ !!?」


ほむら「ようやく目を覚ましたようね」


ウェイバー「ライダー…ここは何処…………なっ!!?」

ウェイバー「何だよこれは!?・・・両腕が鎖で繋がれて…!?」ジャラッ


ほむら「まどかの“円環”の拘束具よ」

ほむら「―――魔術師では、逃れることは不可能でしょうね」

ウェイバー「お・・・お前・・・」

ウェイバー「裏切ったな・・・」

ほむら「………」


ウェイバー「僕を、死なせない・・・ために・・・」


ほむら「―――勘がいいわね。……その通りよ」


ほむら「ただし」

ウェイバー「…え」

ほむら「まどかがね、あなたが[ピ――――――]されるところを見たいらしいから」

ウェイバー「                    」

ほむら「甘んじて受け入れるがいいわ、生きる為に」ファサ

ほむら「今日のところは“命拾い”したわね」クルッ

ほむら「あなたがずっとのびていたから、私刑は後回しになったのよ」

ほむら「声を上げてくれないと高揚感が足りないから、らしいわ」

     バタンッ

ウェイバー(死は…覚悟していたつもりだ)

ウェイバー(死、は・・・)

ウェイバー「・・・だ」

ウェイバー「だ、だれかたしゅけてええええええええええええええええええええええええええええっ」イヤダァァァァァ

 エエエエエエエエ…   エエエエ…    エエ…


  

      コツッ   コツッ

ほむら(――――“鮮血神殿”)

ほむら(――――とは上手く言ったものね、言峰綺礼)

ほむら(まどか、あなたが望むなら・・・私は何でも受け入れるからね)

ほむら(あなたこそが私のすべて――――――)

ほむら(――――ふたりで、幸せになろうね・・・!!)

―人気のない路上

ホー   ホー


―ベンツ―


アイリ「はぁ・・はぁ・・」ユラリ

舞弥「マ、奥方(マダム)・・・」

アイリ「舞弥さん・・・いって・・・!」

舞弥「い、いけません…!」

アイリ「これは、異常では・・・ぅふふ、・・・・ないのよ・・」スッ  

舞弥「ダ、ダメです!…他陣営に見られたら変に思われますよ…!」

舞弥(奥方・・・)

舞弥(…柳洞寺でおぞましい光景(主に言峰綺礼の容姿)を目にして)

舞弥(…精神的に参っておられるのでしょうか…)

舞弥(あるいは…接見後の会食で嗜んだお酒で…酔っておられるだけでしょうか…?)ヤメテクダサイ

―物陰

杏子「…く、車の中で…」ジー

マミ「あらあらまあまあ…」ジー

ソラウ「…そういえば」

ソラウ「…ランサーも同性愛者だったわね」

マミ「えっ…!?」

杏子「     な」

マミ「やだ・・佐倉さん・・」

マミ「私のことも…そういう目で見ていたの?///」ボヨヨ~ン

杏子「ち、違(ry」

ソラウ(結局セイバー陣営もアーチャー陣営と手を組んだということなのかしら…?)

―冬木駅・プラットホームのベンチ


カンカンカンカンカンカンカン   ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

ヒュゥゥゥゥ

. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : 切嗣「………」:::::::::::::::::::::::::::::::::::

        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄



さやか「―――やっと見つけたよ」タッ


切嗣「………」


さやか「舞弥さんからもう連絡があったと思うけど」

さやか「遠坂時臣って人がマスターを狙ってるって…」

さやか「そういう・・・意味だったんだね・・」ゴクリ


切嗣「………」

さやか「言峰綺礼って人も・・・凄くヤバそうな人だった・・・」

切嗣「………」


さやか「――――そして、何より」

さやか「まどかが…ちょっとおかしくなってたの」ギリッ

さやか「あたしのカンなんだけどさ、なぜかまどかのそばに侍ってた転校生」

さやか「あいつが…変なことを吹き込んだんじゃないかって思ってる」


切嗣「………」

さやか「………マスター?」

さやか「さっきから何にもしゃべってないけど…大丈夫d」

     スッ

さやか「へっ」

さやか「え、ち・・ちょっと…!?切嗣さん・・・!?」ドキッ

切嗣「・・・セイバー」ナデ

切嗣「今なら・・・まだ(皆で)逃げられる・・・」

切嗣「僕は・・・奴らのことが・・・」

切嗣「            怖いんだ・・・              」

切嗣「―――遠坂時臣のみならず」


切嗣「 一番危険な奴(コトミネキレイ)が・・・僕を狙っている・・・!! 」

 
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン

―物陰

QB(僕が常時尾行しているのに気付かれていたようだ…)テレパシー






―柳洞寺・山門

綺礼(――――そのまま尾行を続けろ)ゴエイチュウ

綺礼(それがアーチャーの意志だ)

―神殿内・食卓

まどか「それじゃまた~ねっって~~言葉~で」ウェヒヒックッ

まどか「また会えるって~~手を振って~~」フラフラ

時臣「だ…大丈夫かい、まどかちゃん?」サスリ

時臣(酔っている…?)

時臣(おかしい…まどかちゃんはぶどうジュースを飲んでいたはずなのだが…)

ほむら「―――ご心配なく、おじさま」

ほむら「―――まどかは私が、やさしく介抱してあげますから」キリッ






―冬木駅・プラットフォーム


切嗣「一番会いたくなかった・・・あの、男が・・・・」

さやか「切嗣さん…」


さやか(そっか)

さやか(切嗣さんも、やっぱり人の子なんだ)

さやか(ポーカーフェイスで、油断も隙もなくて、怖いもの知らずな感じだけど)

さやか(心の中では…いっぱい悩み苦しんでるんだろうな)

さやか「―――それでも」

さやか「―――――逃げちゃ・・・だめだよ」メッ

さやか「闘わなきゃ・・・・・・・・現実と」

さやか(あたしも―――――ね)

切嗣「………」

切嗣「それが、―――――“僕達”、正義の味方の使命だから」

さやか「…」コクリ


切嗣(情けないところを見せてしまった…)

切嗣「驚かせて済まなかった…セイバー」クルッ

切嗣「―――引き上げよう」


さやか(――――大丈夫だよ、安心して)

さやか(――――アイリさん、舞弥さん、イリヤちゃん)

さやか(――――切嗣さんも、このセイバーさやかちゃんがバッチリ守ってあげるから!)

―冬木駅近郊

イリヤ( だめ・・・・・っ )フルフル

イリヤ( そんなに・・・キリツグと仲良くしないで・・・ )


イリヤ( ・・・もしかして・・・キリツグ )ハッ

イリヤ( わたしは お城から抜け出して来て・・・ )

イリヤ( 魔法少女になって・・・ )

イリヤ( 自分勝手に戦争に参加しちゃった・・・ )


イリヤ(・・・こんなわるい子なイリヤのこと)



イリヤ( き ら い に な っ ち ゃ っ た の ? )ポロリ

―路上

ケイネス(アーチャー・ライダー・アサシンの3陣営が連合し)

ケイネス(一方で、我々2陣営が協力関係を築くに至っている現状で)

ケイネス(―――残るセイバー陣営はいかような動きに出るつもりなのか)



「せんせーっ!!丁度いいところにっ!」タッタッタッ


ケイネス「む・・・君は、昨日の・・」

ケイネス「こんな時間に徘徊するのはよしなさい…」



大河「せんせーの力を借りたくって!・・・ずっと探してたの」

大河「近所の老夫婦の家の子供が今朝方から行方不明らしくて…」

大河「兄妹らしいんだけど…」

大河「あたし、警察よりもせんせーの方が頼りになるかもって思って…」

ケイネス(子供…か。本日失踪したのならば、魔女の所業ではなかろうが…)

ケイネス(時期が時期だけに、…一般人が聖杯戦争に巻き込まれた可能性もあろうか?)

大河「えっと、お兄さんの方は…何とかって名前で」ドワスレ

大河「妹の方が、 まどかちゃん って言うんだって」


ケイネス「・・・・・・・マドカ・・・・・・?」


【聖杯戦争第5日目・終了】

《次回予告(仮)》


「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」

「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」

「―――まどかの純心を汚した元凶を、 私 は 絶 対 に 許 さ な い ―――」

「ロード=エルメロイよ、―――私と―――   闘  ら  な  い  か   」

「ずっと、アイリさんのことを裏切っていたんですね――――― ひどいよ  切嗣さん  」

「必殺ッ!“あかいゆうれい(ロッソ・ファンタズマ――――――――――――――――ッ)”!!!!」

【聖杯戦争・第6日】

―未明―

―神殿内・寝室





「嫌だぁぁ・・・こんなの・・・」

「どう・・・して・・・・・?」

「だって・・・・・あなたは・・・・ッ」

「―――ほむら・・・ちゃん」





「                                 気持ち悪い」





気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ




何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も



            繰り返してきた・・・・・・・


          いつしか、あなたの存在が・・・・・



           あなたに対する想いだけが・・・・



・・・・・・いきるすべてになった



あなたのために・・・あなただけのために・・・・・私はあああああああああああああ



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ」



―――――この気持ちは、断じて否定されるべきじゃない


・・・・・・だって、私・・・こんなに頑張ってるんだよ・・・

・・・・・・少しくらい・・・・・少しくらい・・・・・・・・



私にも・・・ 幸 せ な 夢 を 見 さ せ て よ

まどかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ




「い・・・たぃ・・・・る・・しぃよ」ギュゥ

「・・・・・むら・・・・・ちゃ・・・」ギュゥ





ほむら「                                    」ハッ


キュルルルルルルルルルルルルルルル


   フラリ・・・


ほむら「ちがう・・・・」ヘタリ

ほむら「ちがう・・・・」


ほむら「まどかが……まどかが……」

ほむら「私を……拒むなんて……」

ほむら「そんなはずない………」




ほむら「だって、私達は 最 高 の 友 達 なんだから」

ほむら「そうでしょ・・・まどか」ウルウル


キュルルルルルルルルルルルルルルルル

ほむら「ちょっと…乱暴しちゃったわね…」

ほむら「大丈夫・・・まどk」チラ



まどか「ぅぅ~~~~~~」

まどか「もう食べられないよぉぉ~ヒック~~」

まどか「zzzzzzzzzz」



ほむら「…………」

     

        パタン



ほむら(―――おやすみ、まどか)

   コツ         コツ

ほむら(―――まどかは、同性愛になど…目覚めていなかった)

ほむら(―――それなのに、男同士(ゲイ)のような汚らわしいモノに執心するなんて…)

ほむら「でも、まどか」

ほむら「あなたは・・・悪くないのよ」

ほむら「きっと何者かの甘言に・・・・また惑わされているだけだよね?」

ほむら「あなたに異常な趣向を植え付けた原因を取り去れば、またもとのまどかに戻ってくれるよね?」




「―――まどかの純心を汚した元凶を、 私 は 絶 対 に 許 さ な い ―――」

―某ホテル一室



切嗣(武器・弾薬の補填は万全だ)カチャリカチャリ

切嗣(僕は逃げない、立ち向かうんだ――――――運命に)




切嗣「――――――――――もう、何も怖くない」ボソリ




舞弥「……切嗣」

舞弥「あなたは…セイバーと出逢って以来」

舞弥「少し…穏やかな表情になりました」



舞弥「まるで、夢見る少年のそれのように…、あなたの瞳は輝いていました」



切嗣「………」

切嗣「舞弥・・・」


切嗣「ぼ・・くは・・・」

切嗣「もう・・わからないんだ・・・自分自身の心の在りようが」


舞弥「・・・」



切嗣「アイリは、きっと救えない・・・」

切嗣「イリヤまで、助からないかもしれない・・・」



舞弥「・・・」



切嗣「それでも・・・」

切嗣「僕の心の奥底に・・・奇跡を信じるもう一人のぼくがいるんだ・・・」



切嗣「皆が救われる・・・そういうハッピーエンドを・・・」

切嗣「さやか(セイバー)とともに、掴み取れるんじゃ・・ないかって・・」



舞弥「―――切嗣」スッ

舞弥「――――――全ての苦悩を忘れて、私に身を委ねてください」

   ギュッ



切嗣「・・・マイ・・ヤ」

舞弥「あなたは・・・とっても弱いから」

舞弥「今は・・・何も考えないで・・」

舞弥(…彼女(セイバー)はあくまでも…あなたの使い魔に過ぎない…)



舞弥(誰かを救済することは、また別の誰かを犠牲にすることで成り立っている)

舞弥(―――――――――希望と絶望は、差し引きゼロ)

舞弥(そういう、運命(システム)――――――――――――)



舞弥(それは、あなたが一番よくわかっていることでしょう…、切嗣)




舞弥「―――どうか私達を、容赦なく切り捨ててください」



舞弥「―――あなたの悲願の、達成のために」ニコリ

        

           ユラリ…

―某ホテル・上空

   


     サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



イリヤ「…………………」

      シュンッ




マミ「…イリヤちゃん」

マミ「なかなか戻ってこないから心配してたのよ…」

マミ「…?」

マミ「どうかしたの…イリヤちゃん…?」





イリヤ「ねえ、・・・バーサーカー」

イリヤ「わたしはね・・・」

イリヤ「お母様と、キリツグとわたしの幸せな家庭をね・・・」

イリヤ「守りたかったの・・・」




マミ(守りたかっ・・・、・・・た・・・?)




イリヤ「でもね」ユラ



イリヤ「そんな幸せな家庭が、とっくに壊れていたとしたら」シャフド



イリヤ「    わたしってとっても  ば  か  だ・・・よ・・ね    」

―某所

   ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


QB(言峰綺礼の“願望”、遠坂時臣の“覚醒”、アーチャー・鹿目まどかの“暴走”)

QB(――――……性杯戦争とでも表現した方が適切ではないだろうか)



QB「聖杯戦争は、狂っているよ…」

 

     スゥゥゥゥゥゥゥゥ



「―――左様」





QB「!!」



QB「・・・・生きて、いたんだね」



QB「―――間桐、臓硯」

QB「―――真の名は、マキリ・ゾォルゲン」



臓硯「―――――」ニヤリ




臓硯「“魔法少女”ならざる“魔女(アクマ)”が召喚されたのみならず」

臓硯「貴様のような“イレギュラー”がアサシンの器に割り込むなど」

臓硯「聖杯の変質を示す証左以外の何物でもない」




QB「…」


臓硯「―――物質化した魂(ソウルジェム)………か」

臓硯「―――幾百年前の儂が、おぬしに出逢っておれば」

臓硯「―――歴史は変わっておったかも知れん」


QB「…」


QB「…君は、何のために僕の前に現れたんだい?」

QB「間桐雁夜はすでに聖杯戦争から離脱しただろう?」


QB「―――たいへん幸運な形で、ね」



臓硯「―――分かっておると思ったが?」



臓硯「“魔法少女”という腐肉の旨味に這い寄るウジ虫の如きおぬしからは」

臓硯「儂と同類の匂いがするから、のう」ニヤ

臓硯「あの出来そこないが、“ぬか喜び”から絶望の淵に落ちるのを眺めるのも興は深いが」

臓硯「――――年端もゆかぬ小娘どもが悶え苦しむ様は」

臓硯「――――見ていて、飽きが来ぬ」



QB「――――この上もない、 愉 悦 ・・・・・ということだね」



臓硯「―――おぬしも、外道よのぅ」フェッフェッフェッフェッ



QB(―――――――――――愉悦―――――――――――)

QB(―――――それは、人間の感情の中でも)

QB(最も本能的で、恍惚とした精神作用なのかもしれない)


QB(――――僕は、そんな感情に 目 覚 め て し ま っ た の だ ろ う か )ジュルリ

                                    

                                      (つづく)

―暁の空

イリヤ「ぅ・・・・ぅう・・・・」ウルウル

     
シュウウウ


マミ「ッ!!!!!!」

マミ(イリヤちゃんのソウルジェムがっ!!!!!)

マミ「イリヤちゃん!!」

         だきっ

イリヤ「うう・・・バーサーカー」グスッ

マミ「だいじょうぶよ・・・だいじょうぶだから・・・泣かないで、イリヤちゃん」



マミ(ようやく、…思い出した)



マミ(穢れを溜め込んだソウルジェムが、なぜか自然に消滅してしまう世界と)

マミ(ソウルジェムがグリーフシードと化して、魔法少女が魔女化する世界)

マミ(二つの世界は分離された・・・まったく別の世界として、確かに存在していたのよ)

マミ(そして・・・・)

マミ(その二つの世界を結びつけるのは・・・・)

―円蔵山山頂


杏子「―――“まどか”だったんだ」


杏子(ずっともやもやしてたんだよな…微妙な記憶の欠落に)

杏子(でも、その“真名”を聞いて…ようやく思い出したよ)パリ


杏子「あんたのおかげだ、ありがとな」チラ

大河「え?…いやーあたし別に感謝されるようなことしてないよ~」ナハハ


ケイネス「…なるほど」

ソラウ「なるほどね」


大河「なるほど?」

ソラウ「以前にアーチャーが対バーサーカーで使った“セオリー・オブ・トーラス”って宝具」

ケイネス「日本語に訳せば、“えんかんのことわり”」


杏子「そう、その“円環の理”ってのが、あたしたちのなじみのある世界では」

杏子「魔法少女間に伝わる伝承として存在していた原理なのさ」


ソラウ「で、そのシステムを構築したのが、あのアーチャー・・・だというのね」

ソラウ(アーチャー・・・“魔法使い”というより・・・もはや神の域に達しているんじゃ・・)

ケイネス「確かに“円”は、“まどか”とも読める」

大河「・・・へぇ~」シラナカッタ 

ソラウ「まあとにかく」

ソラウ「そのアーチャーの真名を、あえて偽名として使っていたライダー…」

ソラウ「何らかの意図があったのかしら…?」

杏子「さあ」

杏子「ただ、ほむらの奴がアーチャーとかかわりが深いことへの裏付けにはなるな」


ケイネス「…ウェイバー君、民間人への暗示すら満足にこなせないとは…」アワレミノメ


大河「でも、…たとえ利用されていると分かっていたとしても」

大河「あの老夫婦にとっては、二人はもう・・・実の孫のようなものなんだって・・・」

大河「だから、二人のことが・・・」


ソラウ「――――――心配」

ソラウ(血のつながりはなくとも、彼らにとっては二人のことが家族のように…)チラリ

ケイネス「…?」

ケイネス「ソラーウ?…私の顔に何かついているのか…?」

ソラウ「ふふ、・・・家族、ねえ」クス

ケイネス「…?」

ソラウ(―――喜んでいいわよ、ケイネス)

ソラウ(―――今の私は、もしもあなたの身に何かあったら)

ソラウ(家族以上に…悲しむと思うもの)


杏子「―――――家族、か」

杏子「そういう話を聞いちまうとさ、何だか…知らんぷりするのもな」


ソラウ「確かに、心配ね――――――特に、・・・あの少年が・・・・・」チラ

杏子「あ、ああ・・・」チラ


ケイネス「………」

ケイネス「しかしウェイバー君は、悪質なテロ(ry」

ソラウ「私が前に彼を目にした印象では、そういうことを率先してやるようなタイプではなかったわ」

杏子「…つーか、ほむらの奴が主導していたんだろうな…」

ケイネス「……」

ケイネス(―――考えようによっては)

ケイネス(未熟な教え子を正しい道に導くことこそ、師たる立場の者の責務)


ケイネス「  よかろう  」

ケイネス「ここは私が一肌脱いで――――ウェイバー君を救出し、再教育するとしよう」キリッ


大河「せんせー!(事情はよくわかんないけど)ファイト~!!」オー

杏子(何だろう…別に変な言葉じゃないけど…)ゴクリ

ソラウ(ケイネス・・・まさか、あなたも・・・?)ゴクリ

ケイネス「ところで、バーサーカー陣営の二人はいずこに…?」

ソラウ「そういえば、二人とも戻ってこないわね…」



杏子「…ところでさ」

大河「ん、何~?」

杏子「アンタ、家抜け出して…こんなとこに居て大丈夫か…?」

大河「大丈夫っ!」

大河「だってあたし、剣道やってるから結構強いし!」

杏子「そういう問題じゃねえ…」

大河「ところで、キョーコちゃん」

杏子「何さ」

大河「“魔法使い”って、どうやったらなれるの・・・?」

―暁の空

イリヤ「でも・・・わたし・・・」

イリヤ「どうしたら・・・・・」ウルウル

マミ「もう・・闘うしか、ないじゃない・・」ナデ


マミ(―――家族と一緒に、幸せな日々を送りたい)

マミ(そんなイリヤちゃんのたったひとつ願いごとが・・・遮られてはならないわ)

マミ(この子の幸せのためなら・・・・!)

マミ(桜ちゃんのように、イリヤちゃんも・・・!)


イリヤ「でも・・・」

イリヤ「バーサーカーは、ホントは闘いたくたいんだよね・・・」

マミ(それは・・・・否定はできないわ)

マミ(でもね・・・イリヤちゃん)

マミ(私は、あなたとの再契約を決意したときに・・覚悟は・・・していたの)

マミ(・・・心の片隅で)

マミ(他人のために願いを遂げた魔法少女が、自分自身も幸せになれる)

マミ(そんな奇跡が何度も起こるほど、この世界は・・・優しくないのよ・・・)



マミ「―――私のことよりも、あなたの気持ちが優先されて当然でしょう?」

マミ「―――私の可愛いマスターさん」ニコッ

イリヤ「・・・ありがとう」ナミダヌグイ




イリヤ「バーサーカーみたいなともだちができて・・・イリヤうれしい」ギュッ




マミ(・・・・・・・・・・・・・)ギュ

マミ(つまるところ、私自身の体験に重ねているのよね・・・)

マミ(でも・・・)

マミ(雁夜さんや桜ちゃん、そしてイリヤちゃんが幸せになれれば)

マミ(もう思い残すことなんて、何もない)

マミ(そう思い込まなければ殺し合いなんてできないから…?)

マミ(―――いいえ)

マミ(―――だって)

マミ(    私の“願い”は、もう叶ってしまったじゃない   )

―柳洞寺山門

綺礼「貴様」

綺礼「なぜ、戻ってきた?」

QB「…屋敷に一旦戻って以降の衛宮切嗣の足取りが掴めなくてね」

QB「まるで秘め事でもあるかのような姿の晦ましようだったy」ガスッ

綺礼「…まあいい」

綺礼「セイバー陣営の隠れ家はすでに把握済み」

綺礼「―――奇襲するまでだ」

QB「停戦協定の破棄……………、…まあ君なら仕方ないね」

綺礼「早めに攻勢を掛けた方がよいだろう」

綺礼「――セイバー陣営が今後勝ち残るか否かは微妙なところだ」

綺礼「衛宮切嗣と一戦交えることなく、聖杯戦争が終結しては…面白みがないからな」ニヤリ









QB(―――― 絶 望 というものに 鮮 度 がある)

QB(――――そうは思わないかい?)

QB(――――言峰綺礼)

                                  (つづく)

―朝―

―神殿内


まどか「朝のお散歩に言ってきまーす」ペコリ



時臣「いってらっしゃい」



ほむら「………」

ほむら「――私はここで待機しているわ」




まどか(昨日は何だか…ごはんを食べてから後の記憶が…)

まどか(何かあったような…何もなかったような…)

時臣「………」

ほむら「―――」

ほむら「少し、いいですか?」

時臣「―――何か、私に尋ねたいことでも?」

ほむら「………」コクリ

ほむら「まどか(マスター)の主の“人となり”について、私としてももう少し知っておきたいと思いまして」


ほむら「  特に…おじさまと、監督代行(コトミネキレイ)との関係について  」


時臣「…………」フッ



時臣「話せば、長くなるだろうけれど」

時臣「――――聞かせてあげよう」

時臣「私と綺礼の馴れ初めと、今に至る軌跡を――――」


―路上



まどか(…朝の風が気持ちいいなあ)テクテク

     

       スタスタ

葛木「………」



まどか「――おはようございます」ニコリ



葛木「………」


葛木「…………、…おはよう」スタスタ




まどか(…あれ?)

まどか(そういえば、きれいちゃんとキュゥべぇはどこに行ったのかな?)


―路上

さやか「よっ」グラ

さやか「とっと」グラ

さやか(えーと、転校生達の隠れ家っぽい民家はこっちの方だっけ?)

  

     ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド


さやか(いや~慣れたらフツーに乗りこなせるじゃん!)

さやか(あたしってやっぱ騎乗スキル持ってたりして・・・!)テヘッ

  

     ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



士郎「・・・・・・」ポカーン

士郎(一輪車・・・・・・速過ぎ・・・)


―武家屋敷・土蔵


「これを返して、・・・おくわ――――切嗣」

「私はもう・・・・・長くないでしょうから」



(――――――――“全て遠き理想郷(アヴァロン)”)ガシ

(――――楽器(ヴァイオリン)を象った聖剣の鞘―――――)



「――――アイリ」

「済まない――――僕は、きみを………」



「   裏切る―――――――――ことになる   」



「―――――いいのよ・・・切嗣」ニッ

「私は、―――――9年間――――ほんとうに幸せ・・・だったよ」


「………」


「“わたしたち”の夢を、実現させて・・・・・・・・」

「イリヤを、アインツベルンの宿命から解放してあげて・・・・」




「それが、私の・・・最期の・・・・願い・・・・・・・・・」


      バタン…

―庭

舞弥「…」

切嗣「…」

舞弥「―――ようやく、戻りましたね」

舞弥「―――あなたらしい、瞳(メ)に」



切嗣「―――目下最大の敵は、アーチャー陣営」

切嗣「―――だが、アーチャーを直接打ち倒すのは極めて困難だろう」

切嗣「仮の同盟関係を利用して、主(トオサカトキオミ)を騙し討ちにする」

切嗣「柳洞寺の連中も一枚岩ではないだろうからな」

切嗣(どんなに汚い手段だと罵られようと…もう躊躇は、しない)

切嗣「――――アイリのことを頼む、舞弥」ザッ



舞弥「――」コクリ

―神殿内部

     カタン…

時臣「―――綺礼のおかげで、今の私がある」

時臣「―――もちろん、まどかちゃんのおかげでもあるけれど」

ほむら「…そういう、経緯が」

ほむら「そして、そのアゾット剣を…言峰綺礼に?」

時臣「――そう」

時臣「彼とは、弟子として…愛しき存在として」

時臣「将来にわたり、共に歩んでゆくことになるだろう」



時臣「これは、私から彼への――――誓いの気持ちを込めた贈呈品(プレゼント)さ」




ほむら(―――なるほどね)



ほむら(    よ く    分 か っ た わ    )

       
      サアア



時臣「――む」ピク



ほむら「―――」ピク



時臣(―――何者かが周囲の結界に足を踏み入れたようだ)



ほむら(美樹さやか…、ではないようね)

―柳洞寺・山門

 

   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




杏子「まどか不在、だな」

杏子「――――ついでに、教会のヤバそうな神父もいない」

ケイネス「―――虎穴に入らずんば虎児を得ず、か」

杏子「―――侵入するなら、今」



ケイネス(接見時に、遠坂時臣の令呪が残り一画であることは確認済み)

ケイネス(アーチャーを連れ戻すために、安易には使えまいが…)


ケイネス「―――ここから先、如何なる結末が待ち受けていようとも」

ケイネス「―――私は、後悔などしないだろう」

ケイネス「―――それくらい、楽しいひとときを・・・感謝する」


ケイネス「英霊―――――サクラ・キョウコよ」




杏子「・・・・・・・・・」ポカーン


杏子「・・・・・・おいおい」

杏子「・・・そんな、あたしが感謝される筋合いないって」

杏子「むしろ、ちょっぴり幸せな夢を見させてもらったのは、あたしのほうさ・・・」

≪―――――次にあなたに会うときは≫

≪―――――私はもう、わたしでなくなっているでしょう≫

≪―――――そのときは、あなたの“必殺技”を・・必ず、使うように・・・≫

≪―――――もち・・ろん・・、声に・・・出してね・・・≫

≪―――――わたしに、分かるように≫

≪      さようなら      佐倉さん      ≫




――――――それが、マミからの最後のテレパシーだった

――――――マミと、小さな魔法少女(マスター)に、

――――――どういう心境の変化があったのかはわからない



~~~~~~



ケイネス「――――――さて」

杏子「――――――道場破り、といくか」

―路上

 ズダダダダ

さやか(はっ…!)

さやか(この気配…!)

さやか「!!」キキィィィ


       イリヤ「………………」ヒュォォォォォォォォォォ


さやか「・・・・・・・えっと」

さやか「イリヤちゃん・・・だよね」




イリヤ「・・・・ばよかった」





さやか「・・・・・・・え?」





イリヤ「聖杯戦争なんて、始まらなければよかったんだ」




イリヤ「―――聖杯なんて、最初から     なければよかったんだ」



                                  (つづく)

―土蔵


アイリ「―――ねえ・・・舞弥さん」コォォォ


舞弥「…何でしょうか、奥方」


アイリ「あなたは、気づいてた?」


舞弥「―――と、言いますと」



アイリ「…私、以前からね…わかっていたのよ」

アイリ「切嗣と、あなたが…男女の関係にあったということを」

舞弥「………」ドキ

アイリ「…図星のようね」

舞弥「申し訳・・・ありません・・・奥方」



アイリ「…ううん」

アイリ「…怒っているわけじゃ、ないの」



舞弥「………」



アイリ「切嗣が私やイリヤに見せた情愛は………けっして偽物などではなかった」

アイリ「切嗣は、いつか私を裏切らざるを得ないときが来ることを」

アイリ「よく…理解していたのだから」

舞弥「奥方・・・」


アイリ「―――自身の覚悟を、そういう形で“予行演習”していたのね」

アイリ「・・・違う、かしら」


舞弥「――――いいえ」

舞弥「―――相違…ありません」


アイリ「………」クスッ


舞弥「?…奥方?」



アイリ「…確かにね」

アイリ「ちょっぴり、嫉妬もしたけれど」

アイリ「―――私も昨日、切嗣を裏切ってしまったから…」チラ

舞弥「…そ、そうですね」



アイリ「…舞弥さんの過去のことも、聞かせてもらったわね」



舞弥「………」





「―――舞弥さん」

「聖杯戦争(コノタタカイ)が終わったら」

「切嗣と、イリヤのことを――――――お願いね」


    

       
          ズガシャッッッッ

舞弥「!!!?」


    
          ズガシャッッッッ

             ズガシャッッッッ
   


     ドゴォォォォォォン!!





アイリ「―」ドサリ


「――――他愛ない」ジャリ

舞弥「貴…様……ッ」ギリ




綺礼(―――アインツベルンが用意したホムンクルス)

綺礼(―――この、…中身が)



綺礼「―――女」ギロ



舞弥「!」



綺礼「衛宮切嗣の居場所を吐いてもらおう――――――さもなくば」


―冬木市内


まどか(…!?)トクンッ


まどか「…これ」

まどか「―――魔女の気配…だよね」

まどか(―――でも、ワルプルギスの夜は、もう・・・)

まどか(―――!!)ハッ

まどか(もしかして・・・・・)




まどか(さやかちゃんっ!!!?)


≪魔法少女になるだって?≫

≪…やめときな≫

≪タイガー、…とか言ったっけ≫

≪自分のために、真に奇跡を必要としない人間がさ≫

≪等価交換で得られる以上の奇跡なんかに≫

≪手を出しちゃ・・・ダメだ≫

≪あんたのためにも≫

≪あんたのことを大切に思う人達のためにもさ≫

≪ここから先は、あたしたちに任せな≫

≪一般人である君をこれ以上危険に巻き込むわけには…ゆかぬ≫

≪―――私が家まで送ってあげるわ≫




―藤村家

大河「zzzzz」

大河「タイ・・・ガー・・・・ゆうなぁぁぁ・・・」ゴロン



―冬木市内


まどか(ごめんなさい、時臣おじさん)

まどか(ごめんね、ほむらちゃん)



まどか(ちょっと帰りが遅くなるかも…だけど)

まどか(今度はもう・・・放っておけないっ!!)

    



      コツッ コツッ コツッ




「俺も、ついていって・・・いいか?」



まどか「…!」

まどか「―――――あなたは」






雁夜「魔女に最も近い位置にいるのは、狂戦士である・・・あいつだ」

雁夜「マスターの資格を失った、ただの人間である俺に出来ることなんて」

雁夜「何も・・・無いかもしれないが・・・」



雁夜「それでも、俺は―――――傍観しているだけの自分自身が、許せない」

まどか「……………」



まどか「―――わかりました」




まどか「―――あなたがどういういきさつで、今ここに立ち尽くしているのか」

まどか「―――私には、分かりません」




まどか「 けれど 」


まどか「私があなたの立場だったら、きっと同じように考えるんだろうなって」

まどか「そう、思いますから」キッ




雁夜(ごめん―――――――――――――――“みんな”)

雁夜( お れ は 、 ば か な に ん げ ん だ )



  ヤミニカエルオモイタチガ  モエツキテク

     ソノアカリヲシルベニセカイハ  マタユメヲミル

                                  

                                 (つづく)

―路上

ゴロン…       カランカランカラン…(一輪車)



さやか「・・・・・・・・そ、でしょ・・・」ガク

さやか「そんな・・・・・・こと・・・・・」ガク



イリヤ「…ふうん」

イリヤ「…キリツグの身近に侍っていながら」

イリヤ「何にも、知らなかったのね」



さやか「・・・だって!」

さやか「切嗣さんは無口で、無愛想な感じの人だけどさ」

さやか「―――あの人は、アイリさんのコトを…本当に大切に思ってるよ」



イリヤ「………」

さやか「………サーヴァントのあたしが、こんなことを言う立場じゃないかもしれないけれど」

さやか「アイリさんが切嗣さんのコトを想うのと同じくらい」

さやか「切嗣さんは、アイリさんのコトを・・・・・愛してた」



さやか(何だかさ・・・アイリさんのことが羨ましいくらいに・・・)

さやか(―――――だってあたしが、恋した相手は)

さやか(―――――、・・・・・・・・・・・・・)




さやか「いろんな事情やら思惑やらが絡んでいたとしても・・・」

さやか「切嗣さんの気持ちは偽物なんかじゃないって・・・あたしは」



イリヤ「………」



さやか「そのことは…実の娘のイリヤちゃんなら・・・」

さやか「一番よくわかるはずでしょ?」



イリヤ「そう」

イリヤ「だね」



イリヤ「良く分かるよ」

イリヤ「ほんとうに・・よくわるよ・・」


イリヤ「 よ く わ か る か ら こ そ 」


イリヤ「―――その光景を見てしまったわたしは」


イリヤ「・・・・こころが・・・・・ね」

イリヤ「こわれちゃったのかな・・・・」

イリヤ「――――――――――――――」ニィ



さやか「イリヤちゃん・・・!?」





イリヤ「邪魔者は、みーんな追い払って」

イリヤ「――――聖杯を、壊して」

イリヤ「――――キリツグの夢を、わたしが打ち砕いてあげるんだよ」




イリヤ「お母様と、わたしを――――――裏切った罰として」




さやか「!!!!!!!!」

「    や っ ち ゃ え 、 バ ー サ ー カ ー っ ! ! !    」















≪何の躊躇も戸惑いもなく≫

≪ただ、非道な殺し合いに徹する≫

≪その・・・ため・・・には・・・≫

≪人間らしい心を・・・失って・・・≫



≪ 私 が 魔 女 に な る し か 、 な い じ ゃ な い ≫

―土蔵

      

綺礼「むぅ!?」ゾク


舞弥「!?」


綺礼(これは――――――魔女の気配か…?)

綺礼(――――結界に隠れ、これまで息を潜まていたらしい)

綺礼(この波長は―――――バーサーカー……だな)



綺礼(―――――と、いうことは)

綺礼(―――――いよいよ血なまぐさい殺し合いが始まるらしい)





(言峰綺礼―――――神殿に侵入者があったようだ)テレパシー

(ここは一旦戻った方がいいと思うよ)

綺礼(…………)

綺礼「この女は、交渉材料として価値がある」ヒョイ

アイリ「―」グッタリ



綺礼「―――衛宮切嗣はいずれ我々の手に落ちるだろう」



舞弥「…腐れ外道ッ」ギリ




綺礼「その光景を、お前が目にすることは無いだろうがな」ザッ




     サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



舞弥「なっ…!」






舞弥(――――――魔女の固有結界)チャキ




舞弥(・・・・・・・・・・・・・)



舞弥(・・・・・・申し訳ありません)            カラーン





舞弥(マダム……、あなたのことを最後までお守りできなかった)

舞弥(そればかりか、“約束”も守れそうにありませんね)


キャンデロロ「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」



舞弥「こんな…人生だったのです」

舞弥「最期くらい…幸せな夢を見てもいいですか…?」

舞弥「・・・きりつぐ」












――――――――――――グシャリ

                                    




                                       (つづく)

>>1です
仕事が山積みで何か鬱です…
まだ見てる人がいるならまた続きを立てるかも
それではノシ

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