前川みく「雨宿り」 (27)



ザー…


みく「…ひどい雨だにゃー」
http://i.imgur.com/LCxuW06.jpg

あやめ「ええ」
http://i.imgur.com/7Eyus0m.jpg

みく「…」


ザー…


あやめ「相合傘でかえりますか?」シュル

みく「うーん…この雨だと濡れちゃいそうだから…遠慮しとくにゃ」

あやめ「そうですか」グイ

みく「あーそれ肩からかけるんだ…格好いいよね」

あやめ「おおっ分かって頂けますか!さすが前川殿ですなー」フフーン

みく(ちょっととなりにいるの恥ずかしいけどね…まあ)

あやめ「ふんふん♪この傘と一緒なら雨も悪くないですよねー」ニンニーン

みく(いっか。あやめチャン楽しそうだし…)クス


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ザー…


ニャー


みく「あっ猫チャンだ。おいでおいでー」

あやめ「ずいぶんぬれておりますね…。そうだ。わたくし今日は手ぬぐいの用意があります」ゴソゴソ

みく「どうせただのタオルでしょ」

ふるふる

あやめ「んにゃっ」

みく「あははっ。ほら猫チャンもあやめチャンにつっこんでるにゃ」

あやめ「むぅ…ち、ちがいます、これは旅行先で手に入れた由緒ある手ぬぐいで」

みく「それみやげものでしょ。ゆいしょもなにも――」

ふるふるっ

みく「んにゃっ」

あやめ「……ぷ。ふふ…前川殿もかけられているではないですか……」フルフル…

みく「……」ポタポタ

みく「もーっ。こうなったらしっかりしっかり拭いてやるにゃ!覚悟するにゃあ!」ワシワシ


ニャー



ニャー


みく「うんうん♪これでもう風邪を引いたりはしないでしょ」

みく「キミも雨宿りかにゃ?みくと同じだにゃあ」ナデナデ

ごろごろ

みく「ふふっ。かわいーにゃー」ナデナデー

あやめ(…みく殿は本当に猫がお好きですね)



ザー…


みく「…まだ止みそうにないねー」

あやめ「ええ」

ニャー

みく「あやめチャンはまだ帰らないの?」

あやめ「え?ええ。前川殿はこのまままだ雨宿りをしているのでしょう?」

みく「うん。そうだけど…あやめチャンは傘があるにゃ」

あやめ「ありますが…それが?」

みく(会話が噛み合わない…)

ニャー

みく「…あー」


みく「そういうことかにゃ」

あやめ「??どういうことです?」

みく「ううんっなんでもないよ!ふふーよしよし」

あやめ「わ、わたくしを撫でてどうするんですか…猫殿がさみしそうですよ」

みく「いやねこ殿って。なにそれ大仰だにゃ…ごろごろー」

あやめ「にゃう…あ、あやめはねこではないですよーっ」

みく「ふふふっ♪」

ニャー



ザー…


みく「くしゅ」

みく「んぅ…雨のせいかな……最近また寒くなって来たよね…」

あやめ「そうですね。季節の変わり目という感じがします」ナデナデ

ニャァ

みく「うん。風邪引かないようにしないとね」

あやめ「はい」パサ

みく「…なんの真似にゃ」

あやめ「おお。その台詞はなんだか時代劇風でよいですな!」

みく「ああうん。いやみくにはよく分からないけれども」


みく「マフラー…」ポフ

みく「貸してくれるのは嬉しいけど、これだとあやめチャンがさむいでしょ」

あやめ「わたくし忍びですので!このくらいの寒さはへっちゃらなのですよ!」フフーン

みく(じゃあなんでさっきまでマフラーしてたんだにゃ)

あやめ「いまは前川殿の方が寒そうですし。どうか遠慮せず」ニコ

みく「…はぁ」

みく「…あやめチャンは…なんていうか尽くすタイプだにゃあ」モゾモゾ

あやめ「わたくし忍びですので!えっへん!」

みく「アイドルでしょ。ん…まあありがと」

あやめ「忍ドルですよっ♪いえいえお気になさらず」

みく(…あったかい)モゾ

ニャー

みく「…よしよし。ふふ…」ナデナデ…


ザー…


みく「さむいしなにかあったかい飲み物でも買うかにゃ」

あやめ「妙案かと」

みく「みくがごちそうするね」

あやめ「えっ、そ、それはなぜでしょう」

みく「なんとなく。みくは猫だから気まぐれなんだにゃん。はい」

あやめ「あっ…は、はい。かたじけ、ないです」

みく「いえいえ」パコ

あやめ「…」フフ

あやめ「ただ前川殿わたくしどうせならおしるこが飲みたかったです」

みく「大人しくカフェオレ飲んでろにゃ」ズズ

あやめ「はーい♪」



ザー…


みく「…」ケプ

みく「…早く事務所にもどって…こたつ入りたいにゃあ」ナデナデ

ニャー

あやめ「そうですね」

みく「うん」

あやめ「それならあやめは」

あやめ「こたつでみかんが食べたいです」

みく「いいにゃ。ちゃんと入る前にとって来てね」

あやめ「むっ。わたくしも注視しますが前川殿も忘れぬようお願いしますよ」

みく「にゃふふっ。みくは着いたら一目散におこたに飛び込むからそんな余裕ないにゃ。猫はさむがりなのにゃ!」

あやめ「むうー。それずるいですっ」

みく「にゃははー」



ザー…


みく「…」ケプ

みく「…早く事務所にもどって…こたつ入りたいにゃあ」ナデナデ

ニャー

あやめ「そうですね」

みく「うん」

あやめ「それならあやめは」

あやめ「こたつでみかんが食べたいです」

みく「いいにゃ。ちゃんと入る前にとって来てね」

あやめ「むっ。わたくしも注視しますが前川殿も忘れぬようお願いしますよ」

みく「にゃふふっ。みくは着いたら一目散におこたに飛び込むからそんな余裕ないにゃ。猫はさむがりなのにゃ!」

あやめ「むうー。それずるいですっ」

みく「にゃははー」


みく「あとは……ん…」

ぐしぐし

あやめ「?」

みく「のんびりお昼寝したいにゃー…ふぁ。あったかくしてー…えへへ。Pチャンとあやめチャンがいるといいにゃあ」

あやめ「ぷ、プロデューサー殿はともかく、わたくしもですか?」

みく「うん。だれかみかんのほじゅーがかりがいるもん」

あやめ「わたくしもお昼寝に入れてくださいよ!?」

みく(可愛い怒り方だにゃー)


みく「にゃはっ。じょうだんだにゃあ」

ポスン

あやめ「…?…前川殿?」

みく「三人で一緒に…お昼寝……するにゃ。ホントはひなたぼっこしながらできると、よかったけど…んー…今日はがまんにゃ…」ウト…

あやめ「…はい。それはまた今度ですね。天気の良い日を待ちましょう」

みく「……うん」コク

みく「…」

みく「…………」クゥ…

あやめ「…はい」ナデナデ


ザー…









ザァ…


あやめ「…」

あやめ「…」

ニャー

あやめ「…ふふ」ナデナデ

みく「…くぅ…」

あやめ「猫殿はこれからどうなさいますか?」

ニャー

あやめ「そうでした。みく殿と友達になられたのでしたね」ナデナデ

ニャー

あやめ「はい」ニコ


あやめ「では今日は猫殿も交えてのお昼寝がよいでしょうか」

ニャー

あやめ「…そうですか。いえ。それもまた人と、」

あやめ「人の世に紛れて生きる野良猫殿とのさだめかもしれませんね」

ニャー

あやめ「はい。ではいま一時の時間をお過ごしください」

ニャー

あやめ「いえいえ。わたくし忍びゆえ。お二人のお休みを見守っております」

…ニャー

あやめ「勿体ないお言葉です。ふふっ。ごゆるりと。みく殿にはよろしく伝えておきますゆえ」

ニャー

あやめ「…」ニコ



ザザァァァ…









みく「…にゃ?」パチ

あやめ「?」モソ

あやめ「おお前川殿。気がつきましたか」モグモグ

みく「…うん」

みく「…あーん」

あやめ「あーん」

みく「ん」パク

みく「ふふっ。ありがと」モグモグ

あやめ「いえいえ」パク


みく「…」ムグムグ

みく「あれっみくいつの間に事務所にもどって来たにゃ?」

あやめ「よくぞ聞いてくださいましたっそれはそれはあやめの忍法でですね――」

みく「うそはいいから教えるにゃ」ヒョイ

あやめ「ああっあやめが剥いたみかんをつぎつぎ奪うのはやめて頂きたく!?」

みく「おいしー」モグ


あやめ「ぷ、プロデューサー殿に迎えを頼んだのですよ。一向に雨が止む気配がなかったから…」

あやめ「このままだと、前川殿が風邪を引くのではないかと思って」

みく「そ、そうだったんだ…ぜんぜん覚えてないにゃ」

あやめ「ぐっすり眠っておられましたからね。お疲れだったのですね」ナデナデ

みく「んぅ…」

みく「…まあ…うん。そうかも…」

あやめ「はい。ですからいましばらくはゆっくりお休みください」

みく「うん。あ…ありがと…にゃ」モゾ

あやめ「いえいえ」ニコ

あやめ「お礼ならばプロデューサー殿へ言ってあげてください」

あやめ「先ほどそのままお仕事に向かわれましたから、もどって来てから、ということになるかとは思いますが」

みく「うん。分かった」コク


みく(おこたあったかいにゃ…)モゾモゾ

みく「…あっ。そういえばあのときの猫チャンは――」

あやめ「猫殿なら」

ニャー ペチンッ

みく「ふにゃっ」

あやめ「…そこにいますよ」


みく「やったにゃー!このこのーねこパンチにゃあ!」

ニャーニャー

あやめ「…」クス

あやめ「仲良しですね」

みく「ねこ同士だからね!ふしゃー!」

シャー

あやめ「ケンカはだめですよ?」


あやめ「ふふ。野良猫があがり込むのはまずいだろうと一度は固辞されましたが」

あやめ「少しならいいとプロデューサー殿に許しを頂いて、寝ているうちに連れて来てしまいました。あとでお帰り頂きましょう」

みく「う、うん。そっか…そうだよね…」

みく「??こ、こじ?」

あやめ「ええ」

みく「…だれがにゃ?」

あやめ「猫殿がですが」

みく「…えっ…あ、あやめチャンって」

ニャーニャー

あやめ「あう…く、くすぐったいですよ。ふふっ」ニンニン

みく(…しゃべれるの?)

あやめ「企業秘密でござる」

みく「なんでいまみくの考えてることが分かったの!?」

あやめ「ふふっあやめも忍びのはしくれですからねー。よしよし」ナデナデ

ニャー

みく(…やりおるにゃ……)


みく「でもそっか…よしよし」ナデ…

ニャフ

みく(…あのままお別れじゃなくて…よかったな。ふふ)

みく「ありがとにゃ。あやめチャン」

あやめ「い、いえいえ。なにもお礼を言われるようなことは」

みく「みく、あやめチャンのことわりと大好きだよ」

あやめ「えっ」

みく「ふふっ。ごろごろ♪」

ゴロゴロ

あやめ「あ、あの前川殿?わりと、ですか?それともだ、だい…//」

みく「あやっぱうそ。ちゃんと名前で呼んでくれないとだめにゃ」

あやめ「ええっ」ガーン

あやめ「そ、それは前にも説明した通りですね…前川殿の方が響きも格好いいですし…」

みく「そっちじゃない方の理由が大事じゃなかったかにゃ!?」ガーン


ニャーニャー



・・・・おしまい

以上です


なんであやめ殿は前川呼びかみたいな話は以前のSSにちょこっと出てまして
興味があったらどうぞー

前川みく「みくは自分を曲げるよ!」 浜口あやめ「そうはさせません!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377449640/)

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