黒子「この白井黒子、全身全霊をもってして、お相手しますわ」
美琴「へえ……。黒子、あんたはいつからこの私に、そんな大層な口が利けるようになったわけ?」ビリビリッ
黒子「確かにお姉様は常盤台のレベル5。実戦ではわたくしの負けで満場一致ですの」
美琴「それとこれとは別、っていいたそうね」
黒子「違いますの?」
美琴「カチンッ!……いいわ、あんたがその気なら私も本気で相手してあげる」ビリビリビリッ
二人がいるのはとある寮の室内。
消灯時間はとうに過ぎているのだが、
今宵ばかりは落ち着いていられないようだった。
黒子「そのやる気が空回りしていたのはどこの誰やら……」ヤレヤレ
美琴「うっ……うっさいわね!あんたこそ急にポッと出てきたくせに!まるで横取りよね、横取り!」
黒子「なっ……!わっ、わたくしだってこう見えても前々から……」
美琴「ふーん?ちょっと前にはアイツのことボロクソに言っておいて、よく言うわよ。
アイツのこと何て言ってたっけ?類人猿?ひどい言い様よね」
黒子「あ、あのときはあのときですの!昔の話ですわ」
美琴「で?その類人猿とやらになびいちゃったわけ?あんたが?へええええ?
そんな浮ついた気持ちで、私の相手が勤まるのかしらねー?」
黒子「……お姉様こそ、あの方の前でツンツンデレデレと、見ている方が恥ずかしくなりますわ。
会う度会う度ひどい目に遭わせて、ああ、なんて可哀想なお方……」
美琴「い、いいじゃないのそれくらい!属性ってやつよ!ぞくせい!
あんたみたいな百合風味の変態と違うんだから、私は!」
黒子「ひ、人のことを変態とはどういう言い草ですの?!
そりゃ、ちょっと前ならそう思われても仕方ないと所もありましたけれど……。
と、とにかく!」
美琴「……ええ、わかってるわよ」
黒子「徹底抗戦ですの!」ビシッ
美琴「徹底抗戦よ!」ビシッ
時はしばし前に遡る。
白井黒子はいつものように、風紀委員の仕事に勤しんでいた。
黒子(まったく最近の仕事はどうにも細かい作業が多いですわね。
少し引き受ける仕事を選ばないと…………あら?)
道を歩いていて遭遇したのは、見知った顔だった。
黒子(あれは………上条当麻!)
上条「お、白井じゃないか。なにしてんだ?」
黒子「ご挨拶ですわね。言いませんでした?わたくし、ジャッジメントですの。
今日もこうして風紀を乱す輩がいないかと……」
上条「はは、わかってるって。毎日ご苦労さんだな」
黒子(えらそうにっ!この男のせいでお姉様は、色々と……)
上条「何だ?そんな曇った顔して」
黒子「……上条さんこそ、今日は何を?」
上条「勉強だよ、勉強。気分転換に外でやろうかと思ってさ。
ほら俺、無能力者だし、こういうのはからっきしなんだ。
お嬢様にはわからないかもしれないけどな」
黒子「あら、それはお嬢様だの庶民だの、関係なくてですわよ?
貴方の脳みその問題ですの」
上条「相変わらず手厳しいなあ」ポリポリ
上条「そういや御坂は元気か?」
黒子「……元気じゃなかったらどうだっていいますの?貴方には関係ない話ですの」
上条「おいおい、そこまで邪険にしなくていいだろ」
黒子「ふんっ、とにかく関係ないことですのっ」
上条「そんなに嫌いかよ、俺のこと……。まあいいや、じゃあな」
黒子「お待ちを」
上条「?」
黒子(この男に接近してみて何か弱みをにぎれば、お姉様も目を覚ますかもしれませんわね…)
黒子「………上条さん!」
上条「な、なんだよ……まだ何か言いたいことあるのか?」
黒子「その……す、少しならこのわたくしが、教授してあげてもよろしくて、ですの」
黒子(はッ!わたくし何でこんな言い方を……。これじゃまるで殿方に恥らう乙女みたいですの……)
上条「はい?」
黒子「だから勉強を教えてあげるって言ってますの!」
上条「勉強?……い、いいけどお前、どういう風の吹き回しだよ……」
黒子「あ、貴方みたいな類人猿が一人で勉強しても、途中で行き詰るのが関の山ですわ。
なんというか……そう、これも仕事ですの」
上条「仕事ぉ?」
黒子「風紀委員の仕事ですの!ボランティアみたいなものですわ。
そう、これはボランティアですの」
上条「……お前、何かたくらんでないだろうな」
黒子「ギクッ!……とととととにかく、どうしますの?やるんですの?やらないんですの!?」
上条「そりゃ教えてもらうのはありがたいけどさ……。お前仕事中じゃないのか?」
黒子「すぐに片付けなきゃいけないようなことでもないですわ。
わかったなら、ほら、行きますわよ」
上条「お、おい、手ぇ引っ張るなって」
黒子(ふっふっふ。作戦成功ですの。あとはどうにかしてこの男の弱みを……って)
黒子「……なっ、急に手をつなぐなんてっ、あ、あああああ貴方このわたくしに何をする気でしたの!?」バキッ
上条「いてえ!!!何いってんだ、お前が急に引っ張ったんだろうが!!」
黒子「あ、こ、これは失礼………」
黒子(殿方の手なんてひさしぶりに握ってしまいましたわ………)ドキドキ
黒子「……とにかく、行きますわよ、上条さん」テクテク
上条「はぁ………大丈夫かなぁ………」
二人が入ったのはとある喫茶店。
サンドイッチをほうばりながら、黒子は教科書をめくっていた。
黒子「見るからに大した問題ではありませんわね」
上条「そ、そうなのか?」
黒子「高校生の宿題と仰るから、幾分かは頭をひねらすかと思っていましたが……。
これならわたくしでもなんとか解けますわ」
上条「………お前らの学校ってのはどんだけ進んでるんだよ…トホホ………」
黒子「というか貴方、この程度の問題に四苦八苦していましたの?」
上条「うるせえなあ、どうせ上条さんは無能力者の落ちこぼれですよっ」
黒子「まったく………どうしてこんなのにお姉様は……」
上条「何か言ったか?」
黒子「い、いえ……特には……」
上条「…………あのさ」
黒子「……であるからして、今は一次元の場合で考えましたけど、
3次元になってもそれぞれの成分について変数分離でとくだけで、
結局はe^ik1x,e^ik2y,e^ik3zの積になるわけでして……」
上条「なぁ、白井」
黒子「ん、どうされましたの?」
上条「これは一体全体、将来何の役にたつんだ?」
黒子「波動関数は基本ですのよ?わたくしの能力には必要不可欠な知識でして……」
上条「いや、それはいいんだけどよ……。本当にこれは高校生が解く問題なのか?」
黒子「ええ?わたくしは中学でやりましたわよ?」
上条「………まあいいや、お前ってやっぱすごいんだな」
黒子「ふふっこの手の問題は十八番ですわ」エッヘン
上条「恐れいったよ、さすが風紀委員だな」
黒子「やっとわたくしの凄さに気づきましたわね?毎回お姉様の影に埋もれがちですが、そもそもレベル4というのは……」
上条「口元、ケチャップついてるぞ」フキッ
黒子「ッ!?」
上条「? どうした? 今度は顔がケチャップみたいだぞ」
黒子「な、なななななんでもありませんののの………」
黒子(くくく唇に一瞬、指が、指がっ)
上条「それで、その波動ナントカってやつはどうなるんだよ? 両手から噴射できるのか?」
黒子「……はっ、そ、それでそれで、ですわね……」
黒子(うう、頭が回らないですの………)
上条「ん? それで?」
黒子「いや、その、つまりですわね……ええと………こ、こっちの積とこっちの積が……、
あ、あら、それは違う問題でしたの……うう………」
上条「はは、おいおいそんな焦るなって。ゆっくりでいいから、な?」
黒子「~~っ!?」
黒子(女性の頭を簡単に触るなんてどういう神経してますの!?いや、でも、これは……)
黒子「す、少し休憩しますの!わたくし、お手洗いに行ってきますわ!」
上条「おう。食べ物ほかにいるか?」
黒子「いりませんのっ!!!!!!」
黒子(またケチャップがついたりしたら頭が噴火してしまいますの……)
黒子(だめですのよ、黒子)
黒子(わたくしはお姉様一筋、まかり間違ってもあのような類人猿に、こ、ここ心躍らせるなんて……)
トイレの鏡を見つめて、自分の表情を見る。
たしかに、ケチャップ色だった。
黒子(こ、こんなに顔を染めるなんていつ以来ですの?!しかも相手があの類人猿!くぅうう、
なんたる醜態、ですわ!黒子しっかり!!!)パンパン!
黒子(……目的を忘れちゃだめですの。弱みを握って帰って、そう、お姉様に…)
黒子(ふふ、落ち着いてきましたわ。どうせ相手はあの程度の問題も解けないような類人猿。
わたくしの魅力で懐柔して、そのあとは………)
______________
黒子「お待たせですの」
上条「おお、遅かったな」
黒子「……ちょっと目的を忘れていて……」
上条「目的?」
黒子「な、何でもありませんの!さあ、続けますわよ!」
数十分後。
黒子「ちょっと上条さん、聞いてますの?」
上条「聞いてはいるんだけどよお、うーん、やっぱり難しいな」
黒子「あらあら、この程度で根をあげるようでは先が思いやられますわね?」
上条「はは、白井は結構しっかりした指導者になりそうだな。
家庭に入っても、意外と教育ママになったりしてな」
黒子「当たり前ですの。お姉様と結婚した暁にはそれはもう……」
上条「お姉様?」
黒子(はっ、いけない、またペースをつかまれてしまいますの!
……そうだ、ここで作戦を……)
黒子「上条さん?」
上条「ん?」
黒子「少々突然ですが、お姉様のこと、どう思ってますの?」
上条「御坂のこと?」
黒子(ふふふ、これぞお姉様の悪口を言わせて告げ口してやる作戦、ですの!
どうせこの類人猿のことだし、お姉様についていい印象を抱いてるわけがありませんわ!
だいたい毎回追い掛け回されていることですし………。さあ!お姉様への不満をぶちまけなさい!
さんざん愚痴らせて、あとでお姉様に告げ口して、それで………ふふふふふふふ)
上条「いい子だよな」
黒子「そうそういい子…………って、へ?」
上条「なんていうか、うまく言えないけどいい子だと思うよ。
俺に対してはちょっと当たりが強いけどさ、芯が強くて努力家だし。
顔も可愛いし、女の子からしても理想なんじゃないか?
その上常盤台のレベル5、学園都市の頂点だろ?
正直言って俺なんかからしたら非の打ち所がないよ」
黒子「………そ、そう、ですわね」ボーセン
上条「いいから白井、続きを教えてくれよ。さっきから難しすぎて頭がパンクしそうなんだ」
黒子「え、ええ…………」
黒子(………なんだか………変な気持ちですの…………)
ある程度勉強が進んだ頃、
黒子の住む寮の門限がせまっているという理由で、その日は解散となった。
上条「今日はありがとな。マジで助かったよ」
黒子「こ、これくらいなんでもないですの」
上条「でもお前、風紀委員の仕事は大丈夫だったのか?」
黒子「あ……。まったく、貴方のせいでこんな時間になってしまいましたわ!
お礼は結構ですから、せいぜい帰った後に理解できなかった問題に苦しみやがれですの!」
上条「そう言うなって。ほんとに感謝してるんだからさ」ポンポン
黒子「な……っ!……わ、わわわわたくしは仕事があるのでこれで!!」ヒュン
上条「……わっ!あ、テレポートか。……素っ気ねえなあ。やっぱ嫌われてんのかな」
___________________________
ヒュン
黒子「はぁ……はぁ………」ドキドキドキドキドキ
黒子(ゆ、油断の隙もあったもんじゃないですの!気安く頭をさわってきて……!………でも……)
黒子(あの類人猿、お姉様のことを褒めていたのに……、わたくしはどうしていい気がしないんですの……?
なんだか心が沈むような………はっ)
黒子(ち、違いますわよね、まさか。わ、わたくしに限って、あんな類人猿なんかに、た、たった一回会っただけで……)
寮への足取りは重かった。
黒子(……………でも………)
黒子(……………すこしだけ)
黒子(………本当にすこしだけ、お姉様の気持ちがわかりましたわ………)
黒子のそれと同じように、その日の夕暮れの風は温かかった。
とりあえずここまでっす。
需要があれば明日以降かきますね。駄文失礼しました。
数日後、とある寮の室内。
美琴「黒子ー、初春さんがこれ、頼まれてた資料だって」
黒子「! は、はいですの……」
美琴「……どうしたの? なんか最近元気ないわね」
黒子「そ、そんなことはないですの。黒子は今日も元気いっぱいですわ」
美琴「ふーん、それならいいんだけど。なんか悩み事?」
黒子「………」
黒子(お姉様はやっぱり、上条さんのことが……)
美琴「な、なによジロジロ見てきて……」
黒子「……なんでもないですの」プイッ
美琴「素っ気無いわねー。これでもアンタの同居人よ? 困ったことあったらいつでも相談していいんだからね」
黒子「……少々、いり込んだ事情でして………」モジモジ
黒子(………やっぱりわたくしなんかが、口を挟む余地はないんですの。他人の恋路の間に入るなんて……)
美琴「ん?………はっはーん、もしかしてあんた、好きな人でもできたの?」
黒子「ふぇ?!ち、ちちちち違いますの!!だ、誰があんな類人猿……。く、黒子はお姉様一筋ですの!」
美琴「あっれー、もしかして図星?(るいじんえん……?)ははーん、ついに黒子も恋する乙女に目覚めたわけね?」
黒子「………お姉様は恋する乙女なんですの?」
美琴「え? な、何を根拠に、わ、私はちがうわよ!」アセアセ
黒子「………だって今、黒子『も』って……」
美琴「それは言葉のアヤってやつ!」
黒子「……お姉様」
美琴「な、なによ………」
黒子「やっぱり、そのぅ………、殿方というのはあれでしょうか、年下には興味がないというか、子供扱いというか……」
美琴「……うーん、どうなんだろ。私もそんなに経験あるわけじゃないけど、結局は年の差なんて関係ないんじゃない?」
黒子「そうでしょうか……」
美琴(アイツはどうなんだかわかんないけどね。はぁ、自分の願望を言ってどうすんのよ、私…)
美琴「ってことは、あんたのお相手は年上の人なの?」
黒子「まっ、まだ相手と決まったわけでは………」
美琴「隠したってわかるわよー、このこの。で? どんな人?」
黒子「そ、それはいえないですの!」
美琴「んー? ってことはもしかして私が知ってる相手? 誰よー? 教えなさいよー」ツンツン
黒子「…………うう……黒子は、黒子は……」グスッ
美琴「ああ、ごめんごめん! なかないの。……ほら、こっちおいで?」ヨシヨシ
黒子(お姉様がこんなに優しいのは初めてですの……。普段なら喜ぶべきこの状況、うう……でも……)
美琴「こういうときは人肌恋しくなるもんねー。うんうん」ナデナデ
黒子「ぐすっ………お姉様は、その、上条さんと……」
美琴「え”っ!? な、なんでそこでアイツの話が出てくんのよ?」
黒子「………………………………………やっぱり」
美琴「ち、ちがっ! 納得しないの!! ………アイツとは何でもないわよ、ただの友達。
ううん、知り合い、よね、知り合い。恋愛対象にもならないわ、うん」
黒子「………本当ですの?」ジーッ
美琴「ほ、本当よ! だいたい誰があんな鈍感で説教くさい男………」
美琴(………そういえば最近、会ってないな…………)
黒子「本当に本当に本当ですの?」
美琴「ほっ、本当に本当に本当よっ!(顔近っ!)神さま巫女さまミコトさまに誓って、本当!
……そ、それよりなんでアイツの名前が出てきたわけ?」
美琴(黒子に限ってそんなことないと思うけど………まさか……)
黒子「そ、それはその、黒子はお姉様がてっきりあの方に気があるのかと思いまして、ええと、そう、
アドバイスですわ!後輩として、今後のためにアドバイスを受けようかと……」
美琴「だから違うっての! ……私も経験が多いわけじゃないけど、
まああんたの気持ちはわかるわよ。素直になれないっていうか……」
黒子(わたくしの場合、それだけではないと思うのですけれど……はっ!)
黒子「だ、だから今後のためにという話ですの!今わたくしがどうこうって、そういうことでは決して……」
美琴「はいはい、わかったわよ。ちなみに私も同じ台詞をそのまま返すから」
黒子(………やっぱり、黒子の勘違いでしたの?……そうですわよね、お姉様はわたくしと違って、あんな男には……)
黒子「……お姉様」
美琴「何ー?」
黒子「………たまに相談、してもよろしいでしょうか。も、もちろん今後のためというか……」
美琴「まっかせなさいって。これでもあんたの先輩兼同居人なんだから、いつでも頼ってきていいわよ」
美琴(……あははっ、まさかねー。でも、……はぁ、私もがんばらないとな……)
数日後、とある公園
御坂美琴もやはり、見知った顔に遭遇していた。
美琴「ちぇいさー!!!」
上条「………おい、御坂」
美琴「何よ?」
上条「いい加減そのやり方はやめとけって。犯罪だぞ犯罪」
美琴「うっさいわねー。細かいこと言う男は嫌われるわよ?
だいたい、アンタが毎回これにお金を吸い込まれるのが悪いんじゃない」
上条「……もうちょっと他にやり方があるだろ?」
美琴「じゃあそのやり方ってやつをアンタが提案してみなさいよ?」
上条「それは……だな……」ポリポリ
美琴「まあ細かいことは言いっこなし! はい、これでいい?」
上条「………お、おう……」
上条(………なんで黒糖サイダー………)
美琴「しっかしほんとアンタって不幸体質よね。たまにお先真っ暗とか思ったりしない?」
上条「グサッ!……うるせーな、これでも小さい幸せをかき集めて日々がんばってるんだよ!」グビグビッ
美琴「小さい幸せ、ねぇ……。たとえば?」
上条「ふと立ち寄ったスーパーで特売品の卵にめぐり合ったり、
家に帰ったあとかばんの中に飲みかけのジュースを発見したり……」
美琴「…………、それが、しあわせ?」
上条「ぐっ………ああそうだよ!悪いか!安い幸せ買って悪いか!!!」
美琴(なんか可哀想になってきた………そういうとこが放っておけないのよね……)
上条(もっとも特売品は誰かさんに割られたり、飲みかけのジュースは腐ってたり、
実際はその小さい幸せすらつかめてねえんだけどな……)
美琴「…………はぁ」
上条「…………はぁ」
美琴「………ねえ、アンタってさ」
上条「なんだよ、これ以上俺を貶めてどうする気だ?」
美琴「まーたそうやってネガティブ発言する。ポジティブシンキングは人生楽しむコツよ?」
上条「ああもう! わかったよ、で? 何か言いかけてなかったか?」
美琴「……別にアンタじゃなくてもいいんだけど、その、年下の女の子ってどう?」
上条「どう……とは?」
美琴「だからぁ、年下の女の子は恋愛対象かってことよ!」
上条「はい?」パチクリ
美琴「あ。ち、ちがっ、私の話じゃないの!」
美琴(これじゃあ遠まわしに自分どうって聞いてるみたいじゃない、私のバカ!)
美琴「知り合いの子がね、どうも年上に恋してるみたいなの。
わ、私がどうってわけじゃなくて、その子が年の差ってやつを気にしてるみたいなのよ」
上条「んー、そいつは俺が知ってるやつか?」
美琴「それは秘密! そんなのその子のためにもいえるわけないじゃない、このバカ」
上条「……あのなあ、いちいち人のことバカバカって、前から思ってたんだけど、人と話してるときにそういう態度はどうかと思うぞ」
美琴「また説教するわけ? お決まりの強者の台詞? よっぽどアンタは人生経験豊富なのね!」
上条「そうじゃなくて………はぁ」ポリポリ
美琴「あ…………」
美琴(……うう、何やってるのよ私………。これじゃ、また………)
美琴「ご、ごめん、ちょっと言いすぎたっていうか……」
上条「……よくわかんねーけど、年齢なんてもんは生まれた順番を決めるための、ただの序列だろ?
同年代でも成長の度合いは違うんだから、当人がいいって思ったら、それでいいんじゃねえか?」
美琴「そ、そういうもん……?」ホッ
上条「俺も恋愛経験は豊富じゃないからわかんないけどさ。
……んーそうだな、例えばお前の後輩の白井。あいつだって年齢はお前より下だけど、
しっかりしてるとこあるじゃねえか」
美琴「そうそう、黒子がね…………………え」
上条「この前勉強教えてもらってさあ。テキパキしてて、面倒見よさそうな感じだったぜ?
……ちょっと変わってるとこあるけど、ああいうの見るとほんと、
年齢なんて関係ないんだなって思うよ。俺より遥かに優秀だしな、あいつ」
美琴「……く、黒子と会ったの?」
上条「おう。たまたま歩いてたら会って……っておい、か、缶が」
美琴(あいつあいつやっぱりしらないところでうごいてたんだなるほどだからわたしにいろいろきいてきてうそつきうそつきうそつき)
ギリギリギリギリ プシュー
上条「み、御坂、缶がつぶれるぞ缶が(それスチール缶だよな……)」
美琴「……それで、そのあとどうなったのよ」キッ
上条「え? いや、普通に勉強教えてもらって終わりだよ」
美琴「え、そ、そうなの?」
上条「だからたまたま会っただけだって。それからは会ってないなあ。
はは、でもあいつもあいつでなんていうか、トゲトゲしててさあ。
やっぱりあいつにも好かれてないんだろうな、俺………。はぁ……」
美琴「わ、私はそんなこと!」バッ
上条「え?」
美琴「…………なんでもない……///」
上条「……はは、でもあいつお前のこと本当に好きなんだな。
ことあるごとにお前の話出してたぜ?」
美琴「黒子が? 私の話を?」
上条「おう。レベル5とレベル4には絶対的な差があるだの、
お姉様はとにかくすごいだの、んー、あとは………あ、お前のことどう思ってるとか、聞かれたな」
美琴「! そ、そそそそれでアンタは何て答えたのよ」
上条「え? 聞きたいのか? はは、それはさすがに小っ恥ずかし……」
美琴「言いなさいよ!!!! なんて答えたの!! 早く!! 早くぅうううう!!!」ガクガクガクガク
上条「みみみみみさかかかかかかかくくくくくびがおれるるるるるるる」
美琴「はッ……ご、ごめん、つい………」
上条「ゲホゲホ……。そ、そういうのは白井に直接聞けよ……(し、死ぬかと思った……)」
美琴(黒子………。私のいないところで気を遣ってくれたのかな……。もう、水臭いわよ……)
美琴「……じゃあ、その、アンタも、年の差は関係ないっていうか……」
上条「ん? おう、もちろん。年齢がいくら離れてるからって、それを理由にあーだこーだするような人間じゃないぜ」
上条(こいつも年下だけど、俺より優秀だしな)
美琴「そ、そうなんだ。まあそういう考えもあるわよね、……あ」
上条「おいおい、その缶はお前がさっきつぶしただろ。ほら、こっち飲むか?」
美琴「なっ………そ、それって………」
上条「ん、黒糖サイダーだけど」
美琴「そっ、そおじゃなくってえ………///」
上条「なんだよ、嫌いなのかこれ」
美琴「だ、だからそれは……」
上条「もともとお前が取ってくれたんだし、いいよ。ほら」ヒョイ
美琴「あっ、ちょ、ちょっと」
上条「わりい、そろそろ行くわ。これから買出し行かなきゃいけないんだよ。またな」テクテク
美琴「……………もぉ」
美琴(ちょっと怪しいとこはあったけど、やっぱり黒子は応援してくれてるんだ……。
それなのに疑ったりして、私性格悪い………)
美琴(でも、そっか、そうだよね。年の差なんて関係ないよね、うん。
帰ったら黒子に報告してみよっと。ふふ、ちょっと先輩気分)
美琴(………それにしてもあいつ、ほんとデリカシーがないんだから。
こんなジュースくらいでドキドキしてる私も私だけど………。
まぁ………今回は、大目に見てあげよ……)チュー
__________________________________________
夜、とある寮の室内。
美琴「………ってわけ」
黒子「そ、そうでしたの。やっぱり年の差は関係ないんですのね」
黒子(上条さんと会ってたなんて……、くぅ、ちょっと羨ましく感じてしまう自分がにくいですの……)
美琴「そうよー。だからあんたもどーんとぶち当たってみなさいって」ドヤッ
黒子「どーんと、ですの……?」
美琴「こういうのは裏でアレコレ考えるより、いざ相手を目の前にして行動したほうがいいのよ。
あんたの相手がどうかはわかんないけど、どーせ鈍感男なんでしょ?」
黒子「ビクッ!……な、なぜそれを……?」
美琴「あんたの態度。だいたい女の子がヤキモキする理由なんて、
相手が鈍感だからーとか、相手が気づいてくれないからーとか、そんなかんじに相場は決まってるんだし」
黒子(……それももちろんですけれど、そもそもわたくしなんか相手にすらされていないような……)
黒子「………その、わたくしの相手は少々、特殊な相手でして」
黒子(うう………これは認めたことになってしまいますの?……いいえ、誰かまではバレてないですし、これくらい……)
美琴「そうなの? どんな感じ?」
黒子「い、いささかおモテになるというか、こ、好敵手がたくさん……」
美琴「……あー、わかるわかる。あれよね、気づかないうちにどんどんその気にさせるタイプ」
美琴(あいつなんてそのちょうしでどんどん他の女をまきこんでいってきづいたときには手遅れなのにどんかんで……)
ビリビリビリッ
黒子「……あー、お、お姉様もそういう経験がお有りで?」
美琴「ギクッ! う、うーんと、そうね。ほ、ほら昔からそういうタイプってクラスに一人はいたじゃない、うん」
黒子「………お姉様のクラスにいましたっけ、そんな殿方」
美琴「う……ま、漫画!漫画で読んだの、そういう設定の。と、とにかく!」
黒子「はい?」
美琴「行動すべし!ってことよ!」ビシッ
黒子「行動………ですの……」
黒子(お姉様………。もしかしたらと思ってましたけれど、やっぱりわたくしの勘違いですの。
どうやらお姉様も恋はしてるに違いないけれど、あの方とは別人のようですわ。
お姉様は黒子の味方………な、涙が……)
美琴(あいつと似たタイプの相手か………。これからの苦労が見えるようだけど、がんばりなさいよね黒子。
…………うう、私を影で応援してくれるなんて、なんて健気な後輩なの……)
深夜。
二人はお互いのベッドにもぐりこんでいた。
美琴(とはいっても。はぁ。
人に言うときは妙にストレートに言えちゃうのよね、ああいうのって。
ほんと自分のことは棚に上げといて、何えらそうに言ってるんだろ私。
………だめだめ、黒子ががんばってるんだから、私もがんばらなきゃ。
…………よおし)
黒子(お姉様が言うくらいですの、よっぽど大事なことなんですわ。
でもわたくしが上条さんと二人っきりになれる機会なんてありませんし……。
うう、ダメですのよ黒子、相談に乗ってもらってる以上にげるなんて。
…………そうですの)
美琴(今度あいつに会ったらなんとかして二人きりで遊ぶ日を設定して、
うん、そうしよう、きっとあいつお人よしだからOKしてくれるし)
黒子(……それでその後なんとか好みのタイプを聞き出して、
この前の話の続きで、わ、わわわわわたくしの気持ちを……よしっ!)
黒子「お姉様っ」ガバッ
美琴「黒子っ」ガバッ
しん、と空気が音をたてた。
美琴「お、起きてたの?」
黒子「お、お姉様こそ」
美琴「…………」
黒子「…………」
美琴「その………がんばりなさいよね」
黒子「ええ………お姉様も、ご健闘を祈ってますの」
その日、二人が夢に落ちるのはほぼ同時で、その夢の内容も同じだった。
吐息からは安堵が伺える。
……理由はもちろん、互いに、同じ相手を思い浮かべていたから。
お互いに袖を分かつそのときを、未だ想像できる由もなかった。
つづきはまた今度。
ええと、きづいたらこんなになっててびっくりしてますです
いちおう作者としては書いたものを投下していく立場しかとれないので、
気に入ってくださった方はどうぞよろしくおねがいします。
今回はちょっとだけ投下しますね
とあるファミレス。
白井黒子はとある人物を呼び出していた。
黒子(行動の前に……やはりこういうのは言っておくべき相手がいますわよね……)
話し相手は風紀委員のパートナー、初春飾利。
ノートパソコンで資料をまとめながら、黒子の話を聞いていた。
初春「へえー、かみじょうさん、ですか?」カタカタ
黒子「あ、あんまり大きい声で言わないでもらえます?」
初春「いいじゃないですか別にー。減るもんじゃないですし。うん、確かにあの人優しそうですもんね」
黒子「……初春もやはり、そう思われますの?」
初春「あはは、あんまり適当なこといっちゃダメですよね。なんとなくです」
黒子「ううん……やさしい、というよりかはなんというか……ツボを押さえる挙動というか……」
初春「具体的にどんな感じなんですか? いきなりぎゅって抱きしめたりとか?」
黒子「そ、そこまではまだ……。あ、そ、そもそもわたくしがあの方とどうなるか、
まだ決まったわけじゃないですし……」
初春「うふふ。白井さん可愛いですねー。今まで見たことないですよ、そんな顔」
黒子「あ、あんまりからかわないでくださいましっ…///」プイッ
初春(ほんとにかわいいなぁー)ポーッ
初春「でも、上条さんって確か、御坂さんとも仲良かったですよね?」
黒子「え? ……ああ、そのことなんですが、どうやらお姉様も恋してるみたいなんですの」
初春「えぇッ!? それって、まさかあの御坂さんと取り合いってことですか!?」ガタッ
黒子「あ、そ、それは違いますのよ。お姉様はまた別の殿方を……」
黒子(……わたくしのこと、応援、してくださっていますし……)
初春「あー、そうなんですか。うんうん、なら安心ですね。
さすがに御坂さん相手ってなったら、大変そうですもんね」
黒子「ええ………。……ん? 初春、大変とはどういう意味ですの?」
初春「ほら、やっぱり御坂さんって女の子から見ても憧れの的だし、勉強も優秀じゃないですか?
男の人って結構そういうステータスに弱いところあると思うんですよね。
たいていの女の子はああいう人に比べたら、見劣りしちゃうっていうか……。
あとはあの性格、一般的にええと、なんでしたっけ……ツン………ツン…」
黒子「……ツンデレですの」
初春「そうそう! ああいうちょっとトガった感じが、男の人にはぐっとくるというか……」
黒子「初春?」ギロッ
初春「はい? あ、あれ……どうしたんですか白井さん……怖い顔して……」
黒子「つまり初春は、仮にお姉様とわたくしの相手が同じ殿方だった場合、
わたくしなどでは相手にならない、と」
初春「あ、いや、そんなつもりは………(し、白井さんの目が座ってる……)」
黒子「常盤台のレベル5とレベル4では圧倒的な差があり、
わたくし程度がその相手など笑止千万、恥を知れ三下、と」
初春「さ、さんした……?」
黒子「わたくしのようなロリババアには殿方との色恋を演じる資格も必要も存在しない、
お前は家で百合要員としてもだえていろ、と……」
初春「し……しらいさん?」
黒子「………ふ、ふふふっふふ。ふふふふふふふふふふっふふふふふふふ」
初春「ししししし白井さん!!!! しっかりしてください!!!」パンパン!!
黒子「……ハッ!! あ、あぶなかったですわ。自分の中の負の感情に支配されるところでしたの」
初春「目が黄色になりかけてましたよ!!!!」
黒子「ご、ごめんなさいですの……」
黒子「でも……そういわれてみれば、わたくし………」シュン
初春「ま、まだ凹むつもりですか? (今度は能力者を呼ばないと……)」
黒子「ちがいますのよ。ほらわたくし、今までお姉様の露払いとして生きていたわけでしょう?
実際のところ、わたくしのような女が殿方からどう見えてるのか、わかりかねますの」
初春「……男の人からの、評価ってことですか?」
黒子「評価なんて大それたことではなくてですわ。
………単純に、女として魅力があるのかどうか…。
お姉様みたいな方を間近で見ているだけに……。
そういわれてみれば、まるで自信がありませんわ…………」
初春「……なにいってるんですか」
黒子「だって、きっとあの方もわたくしのこと、お姉様にくっついてる人、
くらいの印象でしかないと思いますの。実際、接点が多いのはいつもお姉様ですし。
この前だって勉強を教えたりはしましたけれど、あれだってお姉様の方が優秀だし、
わたくしの魅力なんて、きっとあの人には………」
初春「白井さん!!!!」ガタッ
黒子「……初春?」
初春「もう、これ以上私の前で白井さんをいじめるのはやめてください」
黒子「…………」
初春「……私の言い方が悪かったんですよね、ごめんなさい。
でも白井さん、確かに男の人で御坂さんみたいな人に弱いって人は多いかもしれませんけど、
白井さんには御坂さんにない素敵なところがあるの、私知ってますよ」
黒子「……そんなの、気休めですわ」
初春「なんでもかんでも数字で決められるのはコンピュータの中だけです。
だいたい、さっき言ったステータス、本当にそれだけでなびいてくるような人なんて、
私だったら願い下げですよ? 大切なのはお互いに足りないものを補い合うことでしょ?」
黒子「………」コクリ
初春「上条さんにとっての足りないものを、白井さんが補えればいいんです。
そこにはレベルなんて関係ないと思いますよ? ………私たちだって、そうですよね?
私は、ジャッジメントにおいて私のパートナーが務まるのは、白井さんだけだと信じてます」
黒子「………ういはる……グスッ」
初春「何にせよ、思いやりが大事ってことです。
ヘンに卑屈になってたら、伝わるものも伝わらないし………。
私も経験あるわけじゃないけど、そういうことだと思います。
……だいいち、いま私の前にいる人は、十分かわいらしい女の子だと思いますよ?」
黒子「だ、だからっ……からかったり………しないでくださいまし………」
初春「うふふ。とにかく、自信もってください、白井さん」
黒子「……うふふ、なんだか初春が大人に見えますわ」
初春「こういうのは当事者になると客観視できなくなるんですよ。
恋は盲目、っていいますし。もし私が白井さんの立場だったら、同じことを思ってたかも」
黒子「そのときは、わたくしが同じことを初春に言ってやりますわ」
初春「ええ、それが、補い合いです」
黒子「ありがとうですの、初春。話してよかったですわ。
あはは、最も、お姉様が実際に競争相手ってわけではないのですけれど」
初春「でも、上条さんモテるっていいますし、きっと今の話が役に立つときがきますよ」
黒子「ええ………そうですわね」
黒子(どうしても比べてしまうけれど、わたくしはわたくしで持っているものを出せばいいんですわ……うんっ)
初春「……で、白井さん。作戦はもう決まってるんですか?」
黒子「へ? あ、そ、そうですわ、それはこれから……」
初春「白井さん」
黒子「は、はいですの」
初春「…………何のために私をここに呼んだんです?」キラリ
黒子「え、それは、報告というか、相談というか……」
初春「言ったでしょ? 私は白井さんのパートナーですよ?
この私が味方についた以上、いかなる手を使ってでも白井さんには上条さんとくっついてもらいます」
黒子(………あれ、なんか、初春の雰囲気が…………?)
黒子「い、いかなる手をつかってでも?で、でもつい今しがた、補い合うことが大事って………」
初春「べつにそんなものは付き合ってしまえばなんとでもなります」キリッ
黒子「そ、そんなものって………(あれ、わたくしさっき泣いてませんでしたっけ……)」
初春「いいですか?
思いやることが大事ってことは、裏をかえせば相手を思いやっていたら何をしてもいいんです。
どんなにあくどいやり方をしようが、結果相手と付き合うことになって、
お互いが幸せになってしまえばそれまでの過程はすべて正当化されます。
これを恋愛における勝てば官軍の定理(※1 要出典)といいますね。
要するに目的遂行のために手段を選ぶなんて二流。一流はまず獲物を手に入れることを優先します。
多少の犠牲は仕方がありません。振り返ってもそこに夢はありませんから。
白井さん、これは戦争です。恋愛の戦争。略して恋戦(※2 要出典)」
黒子(……さっきまでの感動の話はどこへ……、いやそれより初春ってこんなキャラでしたっけ……?)
初春「うふふふ。現代における恋戦は先手必勝の情報戦。
この私の情報力と合わせれば、向かうところ敵なしですよ?
………さぁ、作戦会議をはじめましょう、白井さん!!!!!!!!」ゴゴゴゴゴ
黒子(………や、やっぱり………まちがい………だったかもしれませんの……)
初春(まずは仲間を集めないと……)
その日、二人の会議は門限近くにまで及んだ。
ここまでにしやす
遅筆でもうしわけない 更新が遅れそうなときは連絡しますね
すいません、こんなになると思ってなかったんで夏バテしてました
ちょっとですが続きいきます
美琴(きっかけがないのよね……)パラパラ
とあるコンビニ。
御坂美琴は悩んでいた。
片手には恋愛のハウツー本。
美琴(いざデートに誘うって言ってもなあ、何て声かけたらいいんだろ……。
だいたい何よこれ、こんなことできたらとっくにうまくいってるっつの!
ツンデレキャラで彼の気をひいちゃえ? ツンデレって(笑)具体的にどうしたらいいってのよ(笑)
『バッカじゃないの?』とか、『べ、別になんたらかんたら』って、
そういう言葉を使えばいいってもんじゃないでしょ。今時そんな言葉使ってる女子なんていないし!
ほんと、こういうの書くようなヤツこそバッカじゃないの?………はぁ)
美琴(こういうとき相談する人がいないのが致命的かも……。黒子には先輩風吹かせちゃうし……)
美琴(……こんなに私、あいつのこと……なのに……)
佐天「みーさかさーん!」ドンッ
美琴「ひゃっ!?」
佐天「どうしたんですかー、そんなツンデレキャラがデレたとこ見られたような声出して」
美琴「さ、さささ佐天さん!? あ、ひ、ひさしぶりね! げ、元気?」アセアセ
佐天「おっひさしぶりでーす! 何読んでたんですか? 雑誌?」
美琴「う、うん! ほら、最近の流行をちぇっくしないとね! 女子の嗜みってやつ!」
佐天「えーでもこれ、『恋する乙女の鉄則10ヶ条』って」パラパラ
美琴「ギクッ!! あ、あはあはははは! たまにはほら、見聞を広げないと!
あ、そうよそうなの、黒子が最近ちょっと、そっち系に目覚めたみたいでね」
佐天「ふーん……」パラパラ
美琴「じゃ、じゃあ佐天さん、またね! 私そろそろ帰らないと! 門限あるし!」
佐天「……門限って、まだ昼の2時ですよ?」
美琴「あ。………あああ、そ、そうよね、どうしよっか! たまには二人でファミレスとかいく?
あ、そうだ私、ひさしぶりに佐天さんの都市伝説聞きたいなあ~あはは!
ね、そうしよ! さぁ、ファミレスへレッツゴー!!」
佐天「……あの、何かあったんですか?」
美琴「なんでもないわよ! ほら、早く! こっちこっち!」テクテク
佐天「み、御坂さん?」テクテク
美琴「何!? いっとくけどああいうヘンテコな本を私が見てたのは本当に黒子のためなの、あいつほら、なんていうかちょっと性癖っていうかそっち関係おかしかったじゃない、だからあの子のために今日はコンビニでいろいろ研究してね、ああそうだよかったら佐天さんも相談のってあげてよあははまったくあいつったら本当に子供なんだか」
佐天「あの」
美琴「……な、なに、ほんとよ! ほんとに違うの! お願いだから変な噂」
佐天「いや、そうじゃなくて……」
美琴「え?」
佐天「……ファミレス、反対方向ですけど……」
美琴「あ………」
_________________________________________________
とあるファミレス。
佐天「なーんだ、そんなことなら最初から言ってくれればよかったのにー、水くさいなあもう」
美琴「そ、そんなことって! ………私だって……色々……」
佐天(やっぱり御坂さんくらいの人になると、そういうこと相談する相手がいないのかなー……)
美琴(ううう……言っちゃった………。今まで誰にも言ったことなかったのに……。
でもあの状況じゃさすがにごまかせないわよね……。か、顔が爆発しそう……)
佐天「大丈夫ですよー、私口堅いし。誰にも言いませんから(たぶん)」
美琴「ほんと!? ぜ、ぜぜぜぜ絶対!?」ガバッ
佐天「は、はい……」
美琴「約束よ! 女同士の約束!」ギュッ
佐天(そんなに知られたくないんだ……)
美琴(バレたらそれこそ一大事だわ……)
佐天「………どうしてそんなに隠すんですか?」
美琴「……え?」
佐天「うーん、私ならそーゆーときは、結構周りに言っちゃいますけどね」
美琴「え”!? な、ななななんで!?」ガバッ
佐天「(喰いつきすごいな……)
ほら、そうやって周りに知られて、お前らくっつけよーみたいな雰囲気出してたら、
お互いに気持ちが盛り上がったりするかもしれないじゃないですかー。
相手にもそれとなーく察してもらえるし」
美琴「……な、なるほど」
美琴(そういうもん……?)
佐天「じゃあ逆に、どうして周りに知られたくないんです?」
美琴「そりゃ……なんていうか、恥ずかしいじゃない、そんなの」
佐天「あー、御坂さんツンデレですもんねー。あはは(それがいいって人もいると思うけど)」チュー
美琴「私ってツンデレだったの!?」
佐天「自覚なかったの!?」
佐天「うーん、そうだなー、
つまり御坂さんは基本はそのままでいいと思うんですよ。あとはデレるタイミングですね。
略してデレタイ(※3 要出典)」」
美琴「な、なにそれ」
佐天「結局ツンデレっていうのはあれですよ、崩れるカタルシスなんです。
つまり普段は相手に対して突っ張って突っ張って、ここぞというタイミングでデレる。
その落差によって相手に可愛さというか、感情をぶつける商売なわけです」
美琴「うんうん(商売……?)」メモメモ
佐天「多分御坂さんは今、自分の中でそれが完結してるんですね。
小説とか漫画ならそれでもいいけど、現実で相手に訴えかけるにはもっと外に対して出していかないと」
美琴「……それが難しいっていうか……」
佐天「口に出すのはやっぱり恥ずかしいですか?」
美琴「……………うん」///
佐天(御坂さん……かわいいなあ………。でもそれなら……)
佐天「じゃこういうのはどうです?
上条さんと話してて、あー今私顔が赤くなってるなーと思ったら、
相手の服の裾をちょっとだけ引っ張ってみてください。
その際ポイントは相手の顔から目をそらして、うつむきがちにやること」
美琴「へ? それだけ? そんなことしてどうなるの?」
佐天「多分相手はドキッとします」
美琴「……あはは、もーからかわないでよ。いくらなんでもそんな訳ないじゃない、何よそれ」
佐天「私これで彼氏できましたよー(嘘だけど)」
美琴「ぜひ詳しく教えて」ギュッ
佐天「この行為の趣を説明するとそれこそ本が二冊くらいは書けるんですけど、
多分御坂さんに今説明したら余計にやりにくくなっちゃうと思うんで、
とりあえず今は引っ張るだけでいいです」
美琴「難しいわね……。それはどういう語る寿司なの?」
佐天「カタルシスです(この人レベル5だよね……)。
これは、そうですね。属性としてはペット系です」
美琴「ぞ、ぞくせい? ペット?」
佐天「そうですねー、
……飼ってる犬とか猫が、構ってほしそうに前足でポンッて太もも叩いてきたら、どう思います?」
美琴「かわいい! ぎゅってしたい!」
佐天「まー本当にわかりやすくいうとそれ系統の話です。
厳密にいうとちょっと違いますけど」
美琴「な、なかなか奥が深いのね……」
佐天「あと、さりげなくボディタッチは基本ですよ」
美琴「……あはは、それくらい知ってるわよ」
美琴(さっき本に書いてあったし)
佐天「じゃあ、ボディタッチがマイナスになることがあるのも知ってます?」チュー
美琴「え? そうなの?」
佐天「はい。男の人って刺激に対しては敏感なんですけど、同系統の刺激にはすごく慣れやすいんです。
あんまりベタベタ触ってると、『おーこいつ俺に惚れてやがる』とか、『てきとーに遊んでやろー』とか、
余裕ぶっこかれてそんな風に解釈されちゃうかも」
美琴「……そ、そうなんだ……」
美琴(………でも、あ、あいつはそんな人じゃ……)
佐天「そういう人じゃないって思いました? 甘いですよー御坂さん。
あ、俺いま追いかけられてるなー、って思ったら男はどこまでも調子のりますからねー。
大事なのはぎりぎりのとこで、『え?そうなの?気があるの?えええどうなのどっちなの?!』
って思わせ『続ける』ことです。ここで大事なのは『続ける』って部分。
これを恋愛における漸近線の定理(※4 要出典)と言います」
美琴「ふむふむ」メモメモ
佐天(これは男女問わずそうだと思うんだよなー)チュー
美琴「で? 他には他には? 定理は? 語る寿司は?」
佐天(やっぱりこういうところは勉強熱心だなあ)
佐天「一日に詰め込んでも実践できないと思うから、今日はこれくらいでいいんじゃないですか?」
美琴「……そ、それもそうよね」
美琴(よし、家に帰ったら公式を復習して……。それからそれから、頭の中でイメトレして……。
ううううみなぎってきたー! レベル1の頃を思い出す!)
佐天「でもいくら知識ばっかり詰め込んでも、実践しなきゃ何も意味ないですよ。
御坂さんはレベル5だから、意味わかりますよね?」
美琴「………うん」
佐天「がんばってください! 私でよかったら、いつでも相談のるんで」ニコニコ
佐天(無能力者の私が御坂さんにレクチャーしてるなんてどうかしてるけど……)チュー
美琴「ありがとう、佐天さん! これから師匠って呼ぶわね!」ルンルン
佐天「へ? し、ししょう?」
美琴(うんうん、やっぱり初心わするべからず、よね。あの頃を思い出してがんばろっと♪
なんか楽しくなってきた♪ きゃっほう♪)
佐天(……………今更雑誌の受け売りだなんて、いえないよなー……)ポリポリ
ってかんじどす。またそのうち!
だいたい>>168-177
待て待て、
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:09:36.94 ID:TN3Br2DO
>>168
よくわかったな
はみことにっきの作者即ちさくしゃーんである証拠にはならんぞ?
それともおれアホなだけ?
はっきりしてくれ!
>>179
麦野「しずにっき、でどうかしら」 の作者と、8/22のIDが一緒だからいいんじゃね?
麦野「しずにっき、でどうかしら」
492 :MOTO.T ◆le/tHonREI :saga :2010/08/22(日) 22:27:25.83 (p)ID:KcMgNWk0(2)
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/22(日) 21:44:05.77 ID:KcMgNWk0
くやしいのうくやしいのう;;
ちなみにこのお話はオチとかプロット組んでないんで、ゆるやかーに見守ってください
では続き
先手、白井黒子。
とある街外れ。
黒子(……やはり理論武装が大事ですの……)
上条「おい、白井」
黒子(……ああいう知識においては、初春の右に出るものはいないようですわね)
上条「???(いきなり話しかけてきて、ちょっと付き合えってどういう……)」
黒子(吊り橋理論………)
上条「どこ行くんだよ? こ、こっちはあんまり人いないぞ……?(闇討ちされるんじゃねえだろうな俺……)」
黒子(ええと……確か……)
________________________________________
数日前、電話にて。
初春『先手が決まりました。使う法則は吊り橋理論です』
黒子「それがどうかしまして?」
初春『聞いたことありませんか?』
黒子「そりゃ聞いたことはありますけれど、よもや吊り橋にあの方を連れていけと?」
初春『違いますよぉ、そんなこと言ってホイホイついていく人がいると思いますか?』
黒子「そ、そうですわよね……。で、具体的には……」
初春『これはカナダの心理学者が命名し、実証した学説です。恋の吊り橋理論とも言いますね。
簡単にいうと、人間はドキドキしたとき、自分が恋愛してるってことを認識するっていう』
黒子「ういはるう、それくらい知ってますわよ。というか当たり前のことではありませんの?」
黒子(私だって、日夜どきどきしてますし……)ドキドキ
初春『そこがちょっと違うんです。この理論のポイントは、緊張状態であっても、危機を感じる状況であっても、
人間はそのドキドキを恋愛感情に履き違えて理解する、という点です』
黒子「ふむふむ」メモメモ
初春『つまり危機的状況に見舞われたときこそ勝機!! ピンチはチャンス、ってことですね』
黒子(ピンチは………チャンス!!! なんて美しい響きですの……!!!)
初春(……もっとも、吊り橋理論は長続きしないって有名なんですけど……。
まあきっかけとしてはOKですよね。あとはその都度指示を出せば……)
初春『あとは白井さんがいかにして危機的状況を作り上げるかですよ』
黒子(危機的状況………)
初春『がんばってくださいね!』
黒子「わかりましたの。なんとかやってみせますの」
________________________________________________
黒子(ふふふ。ここで吊り橋理論を発動させれば……上条さんと私はッ!!!フォーリンラッ!!)
上条「白井!」
黒子「はっ、はひっ!!」ビクッ
上条「どうしたんだよ一体。また勉強教えてくれるんだよな?」
黒子「そ、そうですのよ? この私が貴方に手取り足とりあそこ取り……」
上条「何だって?あそこ?」
黒子「な、なんでもないですの!!」
黒子(いけませんわ黒子!!! 暴走しては駄目!! お姉さまのときとは違いますの!!! ストップラッ!!!)
上条「??? 何か変だなお前。こっちの道で合ってるのか?
だいたいここは街外れじゃねえか。物騒って有名だぞ、ここらへん」
黒子「あ、あら? そうでしたの? 黒子はてっきりこっちのほうが近道かと……」
黒子(ふふっふふうふふふ、さあ、襲ってきなさいスキルアウトの暴漢たちッ!!
危機的状況に陥ったところをこの白井黒子が華麗に解決しますの!!
そして………そしてそしてその暁には………上条さんとフォーリンラッ!!
……うふ。うふふふふふけけけけけ)
上条(鼻血出してるけど大丈夫かな……)
男A「おいおい、てめーら仲良く歩きやがってよお」
上条(うわ、いかにもって感じの………)
黒子(! キマシタノ! マサニキキテキジョウキョウデスノ! カミジョウサン、ドキドキシテル?)
男B「見せつけてんじゃねえぞコラァッ!!!!」
上条「あはははー……。失礼しましたー……(こういうときは逃げるが勝ち、ってな……)」
男C「ああん? タダで帰ろうってのかぁ?」
上条「いや……でも俺たちほら……あはは、お金ないし……だよなぁ、しら……
………お、おい白井………? く、黒子サン?」
黒子(勝機ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)ヒュン
上条「え?」
バキグシャゴキャボキバコボキグッシャアアアアアアア。
上条「!?」
男A「ギャ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 腕が!!!腕がぁ!!!」
男B「か、勘弁してくれえええええええええええええ!!」
黒子「駄目ですの」ヒュン
バキグシャゴキャボキボコボカバキバキバキバキバキバキィ。
上条「し、しらいーーーーッ!!! その人死んじゃう、死んじゃうよう!!!!」
男C「た、たふけて……」
黒子(うーん、もうちょっと演出が必要ですわね)ヒュン
上条「!?」
黒子(ここらへんのビルはボロいし取り壊しが決まってますから……)ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
上条「こ、今度はなんだってんだ……」
男A「ヒィイイイイイイイイイビルがああああああああああ」
男B「逃げろおおおおおおおおおおおおお」
男C「すいませんでしたあああああああああああああああ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガシャアアアアアアアアアアアアン。
黒子「ヒュン ふう。てんで話になりませんわね。お怪我はなくて? 上条さん?」
上条「………………」プルプル
黒子(か、上条さんが震えてる……。この私にときめいてくださったの? こ、これで私は……)
上条「馬鹿野郎ッ!」パンッ
黒子「……え…………?」
上条「ちょっと威嚇するだけで十分だっただろうがッ!
お前みたいな能力で一般人に本気を出したらどうなるかくらい、わかるだろ!?
ジャッジメントがやることは全部正義なのかよッ!?
俺はそんな信念が曲がった奴に教えてもらうことは何もねえ!!!」
黒子「……あ……あ、あの、ち、違うんですの、これは………」オロオロ
上条「もう俺についてくるな! 反省しろ!!」
黒子「あう………あうあう……」
黒子(か、上条さんは怒ってるだけでしたの? それを私、調子にのって……)
黒子(黒子のばかばかばか!!! 理屈に振り回されて、結局は嫌われて……。ううううう泣きそうですの……)グス
黒子「ご、ごめんなさいですの……。黒子はよかれと思って……つい………その………ぐす……」
上条「………」チラッ
黒子「……うう……でもでも、黒子のこと、嫌いにならないでほしいですの……。
………うううううううう」
上条「……ほら」サッ
黒子「……?」グス
上条「泣かれてるとまた絡まれるからさ。拭けよ」
黒子「め、面目ないですの……」チーン!
上条「でも白井、俺は間違ったことは言ってないぜ?
お前みたいな優秀なやつは、それこそこの街のために力を使うべきなんだろうけど、
正義をかざしてるからって何をしてもいいってわけじゃねえだろ?
……もうこんなことしないでくれよ? 約束な?」ポンポン
黒子「……ううう…………うわあああああん!!!!」ダキッ
上条「あはは、おいおい泣くなって」ヨシヨシ
黒子「……ぐす……か、上条さんは……どうしてそんなに優しいんですの?……」
上条「ん?」
黒子「………私のこと…………その………」
上条「……え?」
黒子「つ、つまり…………」ドキドキ
黒子(あ、あれ、この流れなら私………)ドキドキドキドキドキ
「当ォォォォ麻くゥウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!」
上条「!?」
黒子「!?」
「あッそびッましょォォォォォォォ!!!!!!!!!」
上条「………マジかよ……はぁ……」ポリポリ
黒子(この白髪………どこかで………)
黒子(!! そうですわ!! 確か前にお姉さまが言ってた、学園都市の第1位!!!
か、上条さんと面識がありましたの?)
一方「ぎゃはッ!! おィ三下ァ? さっきのアレはそこの女のチカラかァ??
ガキと歩いてたらよォ、急に地面が揺れやがってなァ………。
……さァーてここで問題でェェェェす。この俺の連れが世の中で一番嫌いなもンは、何でしょうかァ?!」
上条「………ロリコン」
一方「ブチブチブチィッ!! ……正解は地震だクッソ野郎がァッ!!! 一発殴らせろォ!! じゃねェと気が済まねェンだよォ!!」
上条「ハァ………。おい白井、勉強はまた今度だ。先に帰れよ」
黒子「な、何を言ってるんですの!? 相手は学園都市の第1位ですのよ!?
私でも到底歯が立たないっていうのに……」
上条「はは、気にすんな、顔なじみだよ。そんな悪いやつでもねえんだこいつ。
………それにさ」
黒子「……?」
上条「さっき助けられた分、お前にはかっこいいとこ見せておかないとな(男として)
嫌われたくねえし(男として)。今度はお前を助けさせてくれよ(男として)」
黒子「!!!!!!!!!!!!!!!」ドッキーーーーーーーーーーン
一方「当麻くンよォ、早くしてくれませンかァ!? 当麻くンをぶン殴りたくてウズウズしてるンですよォ僕ゥ」プルプル
上条「ったくひさびさに会ったってのにこれだから……。白井、大丈夫だから早く……ってあれ?」
上条(いなくなってる……)
一方「終わったかよォ、いくぞオラァッ!!」ビュンッ
上条「ちッ!」
………。
_____________________________________________
黒子(はぁはぁはぁ………)ドキドキドキドキドキ
黒子(だ、大丈夫だったかしらあの方……。
いや、それよりもあれ以上あの場所にいたら私の頭がどうなっていたか……)ドキドキドキドキドキ
黒子(つ、吊り橋理論の効果はすさまじいですの………心拍数が一向に元に戻らないですわ……)ドキドキドキドキドキ
黒子(ううう……どうしよう………これぞ策に溺れるというやつですの……わ、私の方が吊り橋理論の被験者に……)ドキドキドキドキドキ
黒子(……でもでも……抱きついてしまいましたの……あああああああ思い出したら胸がまた……)ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
黒子(こ、これは破壊力やばいですわ!!か、帰ったら初春にまた……相談しますの……)ヒュン
本日ここまでですおやすみなさい
あんまりためてないけどいけるとこまでいってみます。
後手、御坂美琴。
とある街角。
美琴「……で、どうなのよ、アンタ」
上条(……はぁ………)ポリポリ
美琴「ど、どうなのって聞いてるの! 答えなさいよ!」
上条「いやあ………、なんつーか、別にいいけどよ………(暇だしなあ……)」
美琴(! ヤッタ! うまくいった! さすが佐天さん、頼りになる~><)
_____________________________________
同じく数日前、電話にて。
佐天『付き合ってない男の人をデートに誘うなら、私が考えられる方法は二つですね』
美琴「えっ!? あ、あ、ちょっと待って! ノート持ってくるから!」ドタドタッ
佐天(メモするようなことじゃないんだけどなあ……。この雑誌に書いてあることそのまんまだし……)
美琴「……お待たせっ。で? どんな方法があるの?」
佐天『まずひとつはそのまま普通に誘うやり方。ストレートに、
「ね、とうまぁ。……デートしよっ?」。
ポイントは上目遣いでもじもじしながら、言うこと。あ、この前教えた裾ひっぱるやつ、有効ですよ。
で、最後に、
「……私とじゃ、やだ?」
までつけられたらそりゃあんたもうご飯何杯でもおかわりできますね』
美琴「へっ?! そ、それはちょっと……恥ずかしいっていうか………まだそういう関係じゃないっていうか……」アセアセ
美琴(なんかその名前の呼び方、癇に障るし……)メラメラ
佐天『ですよね~。そう思ったんで、こっちは却下します』
佐天(正攻法って軽んじられるけど、こういうのは意外とストレートに言ったほうが成功率高かったりするんだけどな~)
佐天『前にも言ったように御坂さんはツンデレですからね。その属性を最大限に活用するべきです』
美琴「う、うん………」
美琴(こうして直に言われてみると変な気分ね……)
佐天『そこで! じゃーん、名付けて「行く相手がいないから付き合ってよ」作戦!』
美琴「おお~」パチパチ
佐天(御坂さんってこのネタになると幼児退行する傾向あるなぁ……)
佐天『まぁこっちも定番ですが、こんな感じです。
「べっ、別にアンタじゃなくてもいいんだからね!
たまたま、そうたまたまよ! 他に相手がいなかったから!」
やはりもじもじしながら視線をそらすのがコツです。絶対に相手の目を見て言っちゃだめですよ』
美琴「な~るほどぉ~」メモメモ
美琴(うんうんっ、これならできそう♪
この感じ、なんかしっくりくるっていうか、何このサンマに大根おろしっていうか………ん?)
美琴「佐天さん」
佐天『? どうしました?』
美琴「こういうことを言う人のことをツンデレっていうの?」
佐天『まあ一概には言えないんですけどねー。
そもそも本来ツンデレとはおたく用語を起源とするインターネットスラングであるとされ、そのため定義も多様で、確定していない。解釈は流動的かつ感覚的であり、用法の拡散・細分化も著しい。よって大衆に一致したツンデレ像があるわけではなく、用例も性別、人間・非人間の別に左右されず、関係や出来事に至るまで幅広い。以上の理由より、それがツンデレに該当するのかどうかは話し手・書き手の主観に委ねられる。ただ基本的には「ツンツンしている面」と「デレデレしている面」の二面性をあわせもつ人物がいて、その二面性のギャップが当人の魅力を効果的に引き立てている場合にツンデレと呼ぶようである。逆にいえば、いくらギャップがあってもそれが魅力につながらない場合はツンデレとは呼ばれ難いようだ。つまり、ツンデレとは好意的に使われる一種の褒め言葉であるといえるだろう。当人にとってはあくまで「不器用な好意」「障壁のある愛」の表現であり、当人も好意を寄せられている相手も、第三者から指摘されるまでツンデレを自覚していない場合が多い。受け手にとっては、意のままにならなかった相手に心を開かせる支配欲、もしくは相手に身も心も委ねてしまう被支配欲を満足させる形になる。そのためツン状態(相手を邪険に扱う状態)にも強い感情・関心を伴う点が重要な要素である。恋愛感情や尊敬の念、母性本能や嫌悪感にせよ、同じくらい強い動機を持ったツン状態とデレ状態(相手にあからさまな好意を向ける状態)のギャップが受け手にとっての魅力となる。(Wikiより抜粋)
だそうです』
美琴「わっ、ちょ、ちょっと待って、メモが追いつかない!」メモメモ
佐天『まぁ細かいことはなんとやらです』
美琴(………結局雑誌に書いてあったまんまだけど、佐天さんが言うってことは有効なのかしら……)
美琴「……ううん、とにかく男の人はツンデレに弱いもんなのね?」
佐天『はい、その通りですよ。今やツンデレ趣向は文化を越えた趣の一つ。
……まぁ任せてください。今からその流れを私が伝授します』
美琴「ありがとうっ佐天さん!」
______________________________________
上条「……それで、どこいくんだよ?」
上条(中学生とデートかぁ……。トホホ、どうせなら俺はもうちょっと年上っぽい人の方がいいのになぁ……)
美琴「え? ……ば、場所なんか、ど、どこでもいいわよ別に。アンタが決めれば?」
美琴(あっ……ま、まちがえた……! えっと、この場合はなんだっけ、ええと……)
上条「誘っておいて決めてねえのかよ? はぁ、お前本当に適当に言ってみただけだろ?」
美琴(がーん!! みことしょっく! ……って、ち、ちがうのちがうの! ちゃんと決めてきたもん! えっと、この場合は……)
美琴「ゆ、遊園地とか、行ってあげてもいいわよ?」
美琴(こ、こんな感じ? 大丈夫だよね、目見てないし……)
上条「ん? なんだお前、遊園地行きたいのか?」
美琴「なっ! べ、別にアンタと行ってみたいなんて言ってないでしょ!」
上条「はぁ? じゃあどこがいいんだっつの」
美琴(あばばばばば;; そうじゃないってえええええ;; もおおお何してるの私……;;)
上条(何がしたいんだよこいつ………)ハァ
美琴「……も、もおいいっ、やっぱり今日は中止! 私帰る!」
上条「はぁぁぁ?」
美琴「うっさいわね! だいたいアンタなんかとゆ、ゆゆゆゆ遊園地なんて………。
二人で観覧車に乗って揺れた拍子に何されるかわかったもんじゃないわよ!」
上条(何の話をしてるんだ……? 大丈夫かよ………)
美琴(もうやだー;; 佐天さぁん助けてぇ;;)
??「あれ、お前ら」
美琴「あ………」
上条「お、おおう、め、珍しいな……」
滝壺「こんにちわ」
美琴(浜面仕上と滝壺理后……? 付き合ってるんだっけ、この二人)
浜面「何してるんだ?痴話喧嘩か?」
上条・美琴「「ちげーっつの!」」
滝壺「……はまづら。煽るような言い方はよくないよ」ペチッ
浜面「おお、わりいわりい。……で、お前ら何してたんだよ?」
美琴「………なんでもない」///
上条「それが聞いてくれよ、こいつがどっか行こうって言ってきたから遊園地を提案してみたら、
誰がアンタと、だの、今日はもういい、だの……。
まったくどうしろっつーんだよなぁ、このワガママビリビリ中学生は……」
美琴「な、何よ! せっかく人がアンタみたいな成績万年低空飛行の無能力者相手に、
ささやかな幸せを提供してやろうとしてたのに!
ばーか! そげぶ!」
上条「な、なんだとこのやろー!!」
美琴(あああああまた口が勝手に……)
浜面「……おいおい超電磁砲、そういう言い方はねえだろ。そもそも超能力者ってもんはだな……」
美琴「ッ! 何よ、あんたまでつっかかってくるワケ!?」
滝壺「はまづら」クイッ
浜面「な、なんだよ……」
滝壺「ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ」
浜面「! ………なるほど。おい、お前ら、俺たちもこれから遊園地行くんだけど、どうせなら四人で行かねえか?」
美琴「……えっ?」
上条「はい?」
浜面「アハハ、ちょうど滝壺と何するか考えてたところだったんだ。
ああいうのって、大人数で行ったほうが楽しいっていうだろ?
それに、向こうで困ったとき相談できるし」
上条「……だとよ、ビリビリ」
美琴「ビリビリいうなっ! ……そういうことなら、私は、別に………」
美琴(あれ。あれあれ!? なんかいい感じに……)
美琴(滝壺理后………)チラッ
滝壺「大丈夫」ヒソ
美琴「?!」
滝壺「そんな超電磁砲を、私は応援してる」ヒソヒソ
美琴「あ、ありがと………」///
上条「おい、行くなら早くいこーぜ。昼過ぎになると混むっていうし」
美琴「……わかってるわよ! 自慢げに言わないの!」
美琴(やったぁ! ウマクイッタヨ! ………あれ、でもこれからはどうしたらいいんだっけ……)
_________________________________________
とある遊園地。
ホントにとある遊園地。
浜面「おォッ!? なんかすげーな!! なんだあのネズミ!! あっ、そうかあれが有名なミッk」
滝壺「それ以上は言っちゃだめだよ、はまづら」
美琴(………ここって………)ドキドキ
上条「なんだ、二人もこういうとこ来るのは初めてなのか?」
滝壺「うん。はまづら、いつも昼間は寝てるから(私もだけど)」
浜面「うほおおおお! テンションあがってきたぜーーー! どれから乗る? どれから乗る!?」ペラペラ
美琴(……大丈夫なのかしら……)ドキドキ
上条「あ、俺このビ●●サ●●●マウ●●ンってやつ乗ってみたい。
絶叫系だろ?」
浜面「おいおい、明らかにメインディッシュの匂いがプンプンするじゃねえか。
こういうのは最初は軽くジャブ入れておくんだよ……」
滝壺「……プ●さん、かわいい」
上条「うーん、やっぱ女の子はこういうのが好きなのかぁ……男はこういうの、なぁ?」
浜面「男はやっぱりSFだよな。……あれ、あれないの? スタ●●アーズ」
滝壺「今年で終わっちゃったみたいだよ」
浜面「なあああにぃいいいいいいいい!? 嘘だろォ!? 一回乗ってみたかったのによぉ!!!」
美琴(なんか……みんな詳しいな……)
上条「御坂はどれがいいんだ?」
美琴「え? わ、私? 私は別にどれでも……」
上条「おいおい、せっかく来たんだから楽しめって」
美琴「……じゃあ……これ………」
上条「!?」浜面「!?」滝壺「……」
美琴(あ、あれ……。なんか変なの選んだ?)
上条「あ、あはは……う、うん、いいんじゃないか、夢の国っぽくて……」ヒクヒク
浜面「お、おう……まぁちょっとばかし対象年齢がアレだが、うん、まあいいんじゃねえか、落ち着くしな……」ヒクヒク
美琴「え? え? だ、だめだった? そ、それなら他のやつでも……」
滝壺「大丈夫だよ。これにしようか。いこ、浜面」グイ
浜面「お、おう……」
上条「お、俺たちも行くか……」
美琴「う、うん………」
美琴(……地雷? なんか地雷ふんだ? あああちゃんと佐天さんにこういうのも聞いておけばよかった……)
___________________________________________________________
セカイージュウーダレダーーッテー♪
上条「へえ、なんか思ったよりも洒落てるな。話ではもっと子供っぽいって聞いてたけど」
美琴「………」
上条「? おい、御坂?」
美琴「……はっ?! な、なに? こ、子供っぽいわよねーこれ、あはは。なんでこんなの選んじゃったんだろー私ーあははは」
上条「よだれ出てるぞ」
美琴「へ!? あ、あれーどうしたんだろ、おなかすいたのかなー」フキフキ
上条(俺もいつか彼女連れてここに来るのかなぁ)
美琴(か、かわいい……!!! こんな素晴らしい世界があったなんて……!! もう一生ここから出られなくてもいいわ……。
船に乗ってるのも私たちだけだし……あ)
美琴(後ろの二人はどうなんだろ…………ッ!?)
美琴(えええええええええええええええええチューしてる!!1ちゅーすてああrhなghんl)
上条「ん? どうした、後ろ向いて……」
美琴「み、見ちゃだめ!」バッ
上条「あ………」
上条(あいつら………あ、あんな白昼堂々と……)
美琴(き、気まずい……)
上条「………み、みさか」
美琴「………な、なに!」
美琴(わわわどうしよう、こ、こういうときはなんだっけ!?
あれ、どうしよう焦って思い出せないええええと裾をひっぱるんだっけ?
そうだ、ええい思いっきりやっちゃえ!!)
美琴「そおいっ!!!」グイッ!!!!!!!
上条「!? み、みさか何をうわあああああああああああああああああああああ」バシャーーーーン
美琴「あ」
______________________________________________________
●●●ニ●ランド閉場後。
上条「へっぷし!!」
浜面「あははは。お前らよお、こんな場所来てまで騒ぎ起こしてんじゃねえよ。なあ滝壺?」
滝壺「はまづら」ペチッ
美琴「…………だ、大丈夫?」
上条「お前、絶対俺に恨みもってるだろ……?」
美琴「ひ、人聞きの悪いこと言わないでよ! ……ちょっとやり方を間違えたっていうか……」ボソ
上条「はいはい。どうせ最初から俺を不幸のどん底に落としたかったんだろ?
よーくわかりましたよ、お前の日頃の恨みってやつがな。
もぉ今日は勘弁してくれ。俺は一人で帰る。お前ら飯でも食ってけよ、三人で」
美琴「ち、ちがうわよ……え、あ、ちょっと……」
上条「じゃあなー」テクテク
美琴「………」シュン
滝壺「超電磁砲」
美琴「……あ、あはは……ごめんね二人とも、付き合わせちゃって……。
私も、帰るから、二人でご飯……食べて……」グス
美琴(せっかく黒子に門限ごまかしてもらったのに……)
浜面「…………あーもう、しょうがねえなあ」
美琴「?」
浜面「俺と滝壺が相談のってやるよ? 好きなんだろ、あいつのこと」
美琴「べ、べつに私は……」
浜面「ほらまた出た、その台詞。今日何回使ったんだよ?
それにお前さあ、頭で色々考えてるのが見ててわかりすぎ。
ほんと、幼稚っつーかガキっつーか……」
滝壺「はまづら」キッ
浜面「う……」
滝壺「……大丈夫だよ。私たち味方だから。ご飯食べながら話そう? なんでも相談にのってあげるよ?」
美琴「うう……いいの? ありがとう……滝壺……さん?」
滝壺「おいしいもの食べて、元気だして。ね、みさか」
美琴「うん……」グス
___________________________________________________
美琴(なんだかまた……相談相手が増えちゃった……)
美琴(どうしよお、やっぱり嫌われちゃったかなあ……。もお、これじゃ黒子に顔向けできないじゃない……)
美琴(でも滝壺さん優しいし……この二人の話を聞いてみるのもいいかも……)
美琴(はぁ………)
美琴(がんばらなきゃ……)
今日はここまで。
途中経過
黒子:抱きつき1回、吊り橋理論実践(自爆)
美琴:間接キス1回、デート一回、裾引っ張る(落下)
美琴ちょっとリードか? ってわけでまたそのうち会いましょう。
ぶちこみます。今回は覚悟してみてくださいいろんな意味で
とあるファミレス。
佐天「………やっぱりなー、どうもおかしいと思ってたんだよ。なるほどねー………」
初春「でも、誰もがこうなるとは思わなかったでしょうね」
佐天「まあねー。あの二人って、二人でひとつっていうか、まあいうなれば初春とあたしみたいな関係だしねー」
佐天(あたしなんか適当に雑誌の知識を吹き込んだだけだし……)
初春「そうなんですよね……。まぁそれでも、頼られた以上は協力するしかないっていうか……」
初春(ごめんなさい白井さん! 結構前から状況は察してました><)
佐天「でーもぉ、初春ぅ、今んところあたしの方が優勢だよ?」
初春「へ? ど、どういうことですか?」
佐天「ふふんっ」ドヤッ
佐天「なんてったって、御坂さんはデートしたんだよ! 上条さんと!」
初春「えぇっ!? 本当ですか!?」
佐天「本当も本当、マジだよマジ。しかも場所はデ●ズニーラン●だって~」
初春「なっ!? カップルが行く場所といえば誰もが想像する、あの!?」
佐天「へへん、そうなんだよそうなんだよぉ~」
佐天(最も、二人っきりじゃなかったみたいだけど……)ポリポリ
初春「……はぁーー! それも佐天さんの差し金ですか?」
佐天「へ!? あ、ま、まあね? ほら、やっぱこういうのってアドバイザーの能力が雌雄を決するっていうか……」
佐天(まさか付き合う前からあそこに行くなんて考えもしなかったケド……)チュー
初春「さすがですねー、佐天さん! ……ふふ」ニヤリ
佐天「……?」
佐天「何だよ初春ぅ、その得意げな顔は?」
初春「ふふん、アドバイザーって言いましたよね? それなら佐天さん、恋愛のプロとしてはまだまだ未完成ですよ?」
佐天「はぁ!? だって白井さんはあれでしょ、ビルを崩して、上条さんに怒られて……」
初春「ふふ。甘いですね? まだ続きを話してませんでしたよね?」
佐天「えっ………?」
初春「これから後日談を話しますよっ」ドヤッ
佐天(な、なんだろ……後日談? 白井さんもデート行ったのかな……)
初春(白井さん、確実に勝利の女神は私たちにほほ笑んでますよ!)
___________________________________________
とある学校の放課後。
上条「え? また勉強教えてくれんの?」
黒子「き、今日はちがいますわ……」
上条「……じゃあなんだってんだよ、今度は……」
上条(こいつらコンビに付き合うとろくなことないんだよな……)
上条(この前は一方通行のやつと夜までやりあっちまったし……アタタタ、まだ筋肉痛が……)
黒子「今日は、カ、カラオケに行きますの」
上条「カラオケ?」
黒子「そ、そうですのよ……」
上条「カラオケったってお前、他に行くやついるのかよ?」
黒子「いませんの」
上条「へ?」
黒子「ふ、二人っきりで行きますのよ。……ほら、早く、こっちですの」ギュッ
上条「わ、わわわ白井、胸が、胸が……ッ」ドキドキ
黒子(これでいいんですのよね、初春?)
黒子(……デレデレキャラ……)
黒子(初春の言葉を聴いてるとどうも納得してしまいがちですの……。で、でもわたくしがそんなこと……できるんでございましょうか…)
黒子(初春……………)
___________________________________________
とある日の深夜。
初春『ツンデレって、諸刃の剣だと思うんですよね』
黒子「藪から棒にどうしたんですの? こんな遅い時間に電話してきて……」
初春『まぁまぁ。詳しい説明は省きますが、私的には白井さんには合ってないと思うんですよ』
黒子「どうしてですの?」
黒子(ツンデレっていうのは、あれですわよね、お姉さまみたいな……)
初春『あれって結局、鈍感な相手には伝わらない手法じゃないですか。
第三者の目からしたらニヤニヤしますけど、実際には気持ちがうまく伝えられていないだけです。
勘違いされた揚句、遊園地で喧嘩するのが関の山ですよ』
黒子(初春ってこういうときはズケズケと言いますのね……)
黒子「わ、わたくしはできれば、ありのままで勝負したいですの」
初春『うんうん、そうですよね。それこそ表裏一体の美学、デレデレです』
黒子「デレデレ?」
初春『白井さんの良さをそのまま出せばいいんですよ。ほら、御坂さんにアタックするみたいに』
黒子「ッ! で、でも、あれはそういう設定だからできるというものでして………、と、殿方にはちょっと……」
黒子(……た、たしかに頭の中ではもう何回か………してますし………はッ! だ、だめですのよ黒子!)
初春『何言ってるんですか! あの貪欲さにぐっとくる男性もいるんですよ! がっついていきましょう! 肉食系万歳!』
初春(……白井さんの場合、肉食系すぎても恐竜化してしまいそうですけど……)
黒子「そ、そうでしたの!? わたくしはてっきり、世論はお姉さま支持派が圧倒的多数だと思ってましたの!」
初春『まぁ、多少は抑えてもらわないとまた変態とか言われたり……ロリバb……はっ!』
黒子「ピキッ 初春、言いたいことははっきり言ってほしいですの」
初春『い、いや……あははは、とにかく普段の白井さんで勝負してみてください! 結果は必ずついてきます!』グッ
初春(たぶん………)
黒子(そういうもんなんでしょうか………)
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とあるカラオケ。
黒子「ずっと前っかっらー、彼ーのことー♪ 好きぃーだぁったー、誰ーよりもーーーー♪」
上条(さ、さっきから歌う曲歌う曲、恋する乙女ナンバーばっかりだ……。しかもなんていうか、ち、近いぞ白井、距離が。
なんだか今日は、す、スカート短いし………)
黒子「やぁっとわ・た・(く)・し・にぃー、きたぁーちゃーんすっ! の・が・せ・な・い・のーーーーっ!ですのっ☆」
黒子(こんな感じでいいんですわよね?? なんだか、普段通りすぎて張りあいがないですの。わたくしが意識しすぎてたんですの?)
黒子「……ううん、いまいちでしたわね。上条さん、次は貴方の番でしてよ?」ヒョイ
上条(なんか今日の白井、余裕あるなあ……小悪魔的っていうか……)
黒子(……上条さんさっきから黙ってますし……。や、やっぱりこんなわたくしじゃだめなんですの……?)
上条「なぁ、白井よぅ」
黒子「……はい?」
上条「……たびたび誘ってもらうのは嬉しいんだけどさぁ。お前ってジャッジメントなんだろ?」
黒子「そうですのよ。黒子はジャッジメント。自分の仕事には責任と誇りを持っておりますの」エッヘン
上条「いいのかよ? 仕事、たまってねーのか?」
黒子「ギクッ へ? あ、ああ、ソレナラ、だ、大丈夫ですのよ……。ご心配なさらずに……」
黒子(最近は先輩に仕事まかせっきりですの………)
上条「……食え食えっ山岡食むむ・・・食むむ・・・チンアジフライ前アジフライ刺身アジフライドボアジフライ顔チンお刺身アジむむ・・・山岡食むむ・・・食むむ・・・サボっアジむむ・・・食え食え食え食えアジフライ刺身ドボ食むむ・・・食むむ・・・食え食え中川? アジ食え食え陶人岡星むむ・・・アジ食え食え陶人食え食え食え食えアジフライチン風紀委員フライ食え食え陶人アジフライ刺身アジフライ京極ドボ食むむ・・・食むむ・・・京極お刺身ドボドボ陶人ゴク・・・食え食え中川」ポンポン
黒子「山岡ドボドボチン人聞フライドボドボドボアジフライ悪ドボドボフライアジフライアジアジフライドドドド言雄山ドボ食むむ・・・食むむ・・・ドボドボアジむむ・・・陶人フライお刺身アジ食え食え陶人お刺身ドボドボ岡星食むむ・・・食むむ・・・お刺身ドボドボ! 黒子山岡食むむ・・・食むむ・・・優等生アジむむ・・・陶人お刺身お刺身ドボアジフライゴク・・・っ!」ペチッ
上条「怒食え食え食え食えアジフライ刺身ドボ食むむ・・・食むむ・・・っアジむむ・・・あぁ岡星食むむ・・・食むむ・・・食え食え中川アジフライ刺身アジフライアジフライ刺身ドボドボアジフライ刺身アジアジフライフライドボドボ岡星アジフライ食え食え食え食え食え食えアジフライ刺身ゴク・・・ドボ食むむ・・・食むむ・・・あぁ俺岡星アジフライ休岡星ドボドボドボドボドボ入食え食え食え食えアジフライ刺身アジアジフライ毎回毎回補修アジむむ・・・陶人お刺身食え食え中川チン嫌ドボドボドボドボ食むむ・・・食むむ・・・っアジドボドボ岡星食むむ・・・食むむ・・・アジフライ刺身ゴク・・・あぁ
『上条アジドボドボゴク・・・食え食え中川~京極チン馬鹿ドボドボドボ山岡食むむ・・・食むむ・・・休岡星ドボドボドボ食むむ・・・食むむ・・・ドボドボドボアジフライアジむむ・・・陶人お刺身お刺身ゴク・・・~』っアジむむ・・・先生フライ食え食え陶人お刺身食え食え中川……」
黒子「………アジフライ刺身アジフライ食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジむむ・・・陶人お刺身ドボドボアジ食むむ・・・食むむ・・・食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・チンアジフライ刺身アジフライドボアジフライ度ドボドボドボ雄山アジ食むむ・・・食むむ・・・フライお刺身お刺身ドボドボフライ食え食え陶人………」ボソ
上条「むむ・・・?」
黒子「……山岡アジフライチン山岡アジフライ食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・チン次山岡食むむ・・・食むむ・・・貴方ドボアジフライ番アジむむ・・・陶人お刺身お刺身ドボアジフライゴク・・・! 気ドボアジフライ利ドボドボアジ食むむ・・・食むむ・・・メロウチューンドドドド入食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジむむ・・・フライお刺身アジ食え食え陶人お刺身ドボドボ岡星食むむ・・・食むむ・・・お刺身ドボドボ!」ズイッ
上条「山岡食むむ・・・食むむ・・・チン山岡食むむ・・・食むむ・・・ドボドボ山岡食むむ・・・食むむ・・・ドボドボチン雄山フライ食むむ・・・食むむ・・・っアジ食むむ・・・食むむ・・・ゴク・・・!(メロウチューン?)」
上条(っアジむむ・・・ドボドボアジフライ刺身フライ食むむ・・・食むむ・・・近ドボドボゴク・・・近ドボドボ! スカート山岡食むむ・・・食むむ・・・アジ食え食え陶人フライむむ・・・アジむむ・・・食え食え食え食えアジフライ刺身っアジアジフライ刺身ドボアジフライ! 羞恥心っアジむむ・・・岡星アジフライ京極フライ食え食え陶人ドボ岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・むむ・・・ドボアジフライフライ食むむ・・・食むむ・・・ゴク・・・! っアジ食むむ・・・食むむ・・・フライお刺身チン男心ドボドボドボ鈍感ドボ食むむ・・・食むむ・・・ゴク・・・アジアジフライ刺身山岡食むむ・・・食むむ・・・フライアジフライ食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジ食え食え陶人フライ食むむ・・・食むむ・・・食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・……)
黒子「アジアジフライ陶人アジフライ刺身フライ食むむ・・・食むむ・・・お刺身ドボドボ岡星食むむ・・・食むむ・・・お刺身ドボドボアジ食むむ・・・食むむ・・・ドボアジフライ?」
上条「……アジフライ刺身………ドボ食むむ・・・食むむ・・・チンドボ食むむ・・・食むむ・・・京極アジむむ・・・陶人岡星アジフライドボ岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・むむ・・・ゴク・・・………」ポチポチ
上条(アジアジフライ刺身っアジむむ・・・岡星アジフライカラオケドボ食むむ・・・食むむ・・・京極アジむむ・・・山岡アジフライアジアジフライ京極アジアジフライ陶人来ドボ食むむ・・・食むむ・・・ドボドボ京極アジ食え食え陶人ゴク・・・ドボ食むむ・・・食むむ・・・……あぁ持アジドボドボ歌岡星アジフライ少ドボ食むむ・・・食むむ・・・ドボドボお刺身ドボドボ……あぁ食え食えっチンアジフライ刺身アジフライアジフライ刺身アジ食え食え陶人!)ピピピピ
黒子(上条お刺身京極っアジむむ・・・アジアジフライ陶人京極ドボ食むむ・・・食むむ・・・曲ドドドド歌アジフライ刺身京極アジむむ・・・陶人お刺身お刺身ドボアジフライ……? アジドボドボゴク・・・アジフライ中川っアジアジフライ楽お刺身ドボドボ岡星ドボドボ……)ワクワク
!?!?!?ドボ食むむ・・・食むむ・・・チンドボ食むむ・・・食むむ・・・京極アジむむ・・・陶人お刺身お刺身ドボアジフライフライアジフライ食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・……
test
上条「……あっは、お前その顔、さてはサボってるなぁ? だめだろ、風紀委員がそんなんじゃ」ポンポン
黒子「ひ、人聞きの悪いことを言わないでくださいまし! 黒子は優等生ですのよっ!」プイッ
上条「怒るなって。まぁそういうときもあるよな。俺も休みに入ると毎回毎回補修でさぁ、嫌になっちまうよ。
『上条ちゃ~ん、馬鹿には休みないのですよ~』って先生がさぁ……」
黒子「………それでしたら、その度にわたくしが………」ボソ
上条「え?」
黒子「……ほ、ほら、次は貴方の番ですのよ! 気の利いたメロウチューンを入れてくださいまし!」ズイッ
上条「は、はいはい、わかったよ!(メロウチューン?)」
上条(っていうか近いよ近い! スカートはだけてるっつの! 羞恥心ってもんがねえのかよ! ったく、男心に鈍感なやつはこれだから……)
黒子「どうかしましたの?」
上条「……な、なんでもねえよ………」
上条(つってもカラオケなんてほとんど来ないんだよな……。持ち歌も少ないし……。あっ、そうだ!)ピピピピ
黒子(上条さんってどんな曲を歌うんですの……? ちょっと楽しみ……)ワクワク
~~♪
上条(おっ、きたきたこれ。英語は歌で覚えろってな。はは、こんなとこで練習の成果が役立つなんて)
黒子(洋楽……? そ、そんなに自信がおありですの……??)
~~~♪ ~~♪
黒子(え………えええええええええええええええええ!?!?!?)
上条「I …… was born……
toooooooooooooooooooooooooo……love you……♪
With every ~~ single beat …… of…… my heart …… ♪」
黒子(でええええええええええええクイーンじゃないですの!?
っていうかうまああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!)
上条(音程はずしてねえよな……)ドキドキ
上条「Yes, ……… I ……was born …… to take care of you ~~ ♪ ah ……
Every single day…(day day day……) …… ALL RIGHT!!!!!」バッ
上条(はっ!? つい立ちあがっちまった!!! いかん、PVを身過ぎたせいだ!)
黒子(ほ、本気ですの! この男本気ですのよ! 黒子、気をしっかり! しかと見届けるんですの!!!)
~~♪
上条(……ええいままよっ!! 白井!! この俺の雄姿をとくと目に焼き付けろおおおおおおおおおおおおおおおお!)
黒子(か、かっこいい……!! パネェですの! まじパネェですのよ上条さん!! はっ、なんだかわたくしまで………!!)ワクワク
数分後。
店員「お待たせしましたぁ~、こちらご注文のポテトで……」ガチャ
上条「Born!!!?」バッ
黒子「To love you!!」バッ
上条「Born!!!??!?」バッ
黒子「To love you!!!!!!!」バッ
上条・黒子「「EVERY SINGLE DAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAY!!!!」」
店員(……うん、見てない見てない)ドアガチャ
また数分後。
~~………。
上条「はぁ……はぁ……」
上条(結局歌いきっちまった……あははは……)
黒子(上条さんがこんなに歌うまいだなんて……な、なんだか恥ずかしくなってきましたの……ッ! わたくしの歌なんて……)
上条「……ほら白井、次お前……うたえよ……」ハァハァ
黒子「も、もう無理ですのっ! 上条さんがまた歌ってくださいまし!!」
上条「ええ!? 俺だってもう声がカレチマッタヨ……」
黒子(もぉ……せっかくだしもうちょっと聞いてみたかったですの……)
黒子「じゃあ次は黒子が選んで差し上げますわね」ピッピッ
上条「おう……頼むよ……」ジュースゴクゴク
黒子(また恋する系チューンでいいですわよね。えいっ)ピピピピ
~~♪
アナタト………ガッタイシタイ……
上条「ぶっ!!!!!!」
黒子「!?!?」
黒子(へ!?!? な、なんでこの曲が…………あ、あああああああああ!!! 入れる曲を間違えましたの!!!
というか何故声入りですの!?!? いうにことかいて合体はまずいですのよ~~!!!!!)アセアセ
上条「ゲホゲホ……わ、悪い白井、スカートにジュースが……」フキフキ
黒子「ッ! ひゃぁん!」
黒子(そ、そこは……)
上条「……ってわあああああああああああああああすまん!!! 悪気はないんだ!! ほ、本当に!!! マジだって!!」アセアセ
上条(お、女の子の秘部にあやうく触れるとこだった……くそう、不幸だ……。ま、回し蹴りが来る………)ビクビク
黒子(………上条さん、もしかして………)
黒子(…………)グッ
黒子「………………わたくしは………構いませんの………」ボソ
上条「へっ?」
黒子「……上条さんとなら………構いませんですのよ……」ズイッ
上条「な、何を言ってるんでせう?!」
上条(ち、近いっ!! 顔が近いぞ白井!!)
黒子「………嫌ですの?」ドキドキ
上条「ななななな何が!? 何が嫌だって!? 構わないって!?!?」ドキドキドキドキ
黒子(………恋の戦争……恋戦………)
黒子(初春…………)
『…………現代における恋戦は先手必勝の情報戦……』
黒子(………行きますわよ白井黒子……)ドキドキドキドキ
黒子(……必ず勝つために、戦場の一番奥深くへと……)ドキドキ
上条「お、おいしら………んっ!?!?!?!?」
chuっ。
黒子「ん………」ギュッ
上条「!?!?」
上条(はぁぁ!?!?? 何だこれ!?!? 何かのドッキリか!?
ど、ドッキリだっていうならあれだ、まずはそのカメラをぶち壊……)ドキドキ
上条「………~~ッ………」パチクリ
黒子「………な、何か言ってくださいまし………///」
上条「え"?! …………いやその……なんていうか………」
黒子(うううう沈黙が痛いですの………)ドキドキ
上条(ど、どうすりゃいいんだこういうときは……。感想? 感想を求められてるのか俺は?)
上条(…………)
上条「その………だな………」
黒子(………ッ!)ドキドキ
上条「………ガ、ガッタイシタゼィ!………なんちゃって………アハハ……」ポリポリ
黒子「………………………………………………………」ドーン
上条「あ、あれェ、白井さん、どうしたんですか……こ、怖い顔して………」
黒子「………………………先に帰りますのっ!!!」ヒュン
上条「え!? お、おい白井!!!」
店員「お時間でーす。お会計お二人様で4500円になりまーす」
上条「!?」
上条「ふ、不幸だ……………」
______________________________________
とあるカラオケボックスの路地裏。
黒子(……………)ドキドキドキ
黒子(………)キョロキョロ
黒子(………………///)カーーーーッ
黒子(………………ッ!ッ!!)イライラ
黒子(…………………///)ポーーー
黒子(……………………………)テクテク
______________________________________
とあるファミレス
初春「ってわけなんですよー、ふんふん♪」
佐天「えええええええええええ!? ってことは何、白井さんもうチューしちゃったの!?」
初春「ええ! これで状況は断然こっちが優勢になりましたね!!」
佐天「ぐ………ぐぬぬぬぬ………」メラメラ
初春(正直付き合ってないのにそこまでするとは思いませんでしたけど……。白井さん、ナイスファイトです!!)グッ
佐天(ううー、なんだかわかんないけど悔しいよー!! 御坂さんだって頑張ってるのにぃ!)
初春「どうします? 負けを認めますか? ふふふ」
佐天「カチンッ!! う・い・は・る・ぅー!! それは宣戦布告と見なしていいのかなぁ~?」ピクピク
初春「へ? そ、そういうわけじゃ……ないんですけど……」
佐天「ふんっ! 見てなさいって!! こっちの御坂さんだって負けないんだから!! また来週、ここで報告会ねっ!!」テクテク
初春「あ、佐天さん!!」
初春(……なんだかおかしな方向に………。でも……ふふふ、負けませんよ佐天さん♪)
_____________________________________________
佐天(くぅ~~!! 初春のアドバイスでキスまでもってくなんて~!! さすがは白井さん、直球勝負!)
佐天(……この話、御坂さんにしちゃったら立ち直れないなぁきっと……)
佐天(それに、雑誌のアドバイスだけじゃあの初春に対抗できないし………)
佐天(……やっぱりこのままじゃダメだ! もっと真剣に考えよう!! うん、御坂さんだって真剣なんだから、あたしも本気ださなきゃ! そうだよ!)
佐天(よぉぉしそうときまったら情報収集!
………!! そうだ、あの人に相談しに行けば……)
佐天(思い立ったが吉日っ! ……待っててね、御坂さん!! あたしが絶対上条さんとくっつけてあげる!!!)
佐天(……恋愛のプロの………名にかけて……!!!)グッ
かくして恋の戦況は大きく動き始めるのだった。
今日はここまでです。
上条さんの歌声が聞きたい人はyoutubeへれっつごー!
お疲れ様でした。
あと、一応こういうのもやってるんで、暇な方はぜひ。
カオスなので腹筋と心の広さに定評があるだけどうぞ。
少しだけ投下
________________________________
とある研究室。
木山「……君たちね」
佐天「はい?」
木山「そういうのは同年代でやってもらえないか……」
佐天「いやぁそれもいいんですけどね。やっぱりここはアレですよ、大人の女の手解きってやつをひとつ! このこの、どうせ暇でしょ?」
木山「……はぁ」
佐天(この人なら脳科学的になんちゃらってことで、タメになる話聞かせてくれるよね)
木山(子供は……嫌いだ……)
美琴「さ、佐天さん……やっぱり迷惑じゃ……」
美琴(……よく木山春生を思いついたわね……)
佐天「ここまで来て何言ってるんですか御坂さん!! 今更なりふり構ってる場合ですか!!
あたしたちは後手に回ってるんですよ! 何を悠長なことを!! 捕られてもいいんですか!?」
美琴「え? あたし、たち? ゴテ? とられ、る……?」
佐天「はっ……。い、いやほら、もしかしたら他にもあの人のこと狙ってる人、いるかもじゃないですか?
そういう人たちに、邪魔されたりとか、現にすでにちゅーされて………あ」
美琴「……ちゅー? ねえちゅーってなにそれ。ソレッテタベラレル? オシエテホシイナ」カクカク
佐天「た、たとえばの話ですけどね……」
佐天(瞳孔開いてる………)
木山「その、なんだ。君たちが話してる男性というのは……」
佐天「上条当麻です! ツンツン頭の鈍感頭、かつ説教癖がある高校生!」
木山「……その男のことが好きなのか、君は」
美琴「…………」コクリ
木山「なら告白すればいい。簡単なことじゃないか」
美琴「でっ……できるわけないでしょそんなの! 前から思ってたけどアンタって研究バカじゃないの!?」
美琴(……簡単に言わないでよね……)
木山「なぜ?」
美琴「えっ」
木山「どうしてできないんだ? 思ってることを伝えるだけだろう?
好きだから付き合いたい。好きだからキスがしたい。好きだからセックs」
佐天「すとおおおおおおおおおおおっぷ!!!」
佐天「先生。乙女心はそんな単純じゃないんですよ!
自分の思うように相手に伝えられないから、御坂さんだって悩んでるんじゃないですか」
木山「……うん? そうなのか、君」
美琴「……だって……だってぇ……」ソワソワ
木山「しかし君、動いてみないことには確かめられないじゃないか。そもそも実験とはだね……」
佐天「だーかーらぁ! そういうのじゃないんですよ、先生!」
木山「……うん?」
佐天「あーもうダメだなぁ。……いいですか? そりゃ科学の実験ならもし動いてみて失敗したとしても、
『あれぇやり方が間違ってたか。じゃー次はこっちの方法で』ってできますけど、
こと恋愛においてはやり直しはできないんですよ?! 下手に動いて失敗して、御坂さんが傷ついたときの責任、取れます?」
木山「それは取れないな」
佐天「ほらぁ。もっと真剣に考えてくださいよぉ」
佐天(やっぱり相談する相手を間違えたかなぁー……)
木山「……いや、私は真剣だよ。うん………なるほど、そういう考えもある……ふむふむ」
美琴(………?)
佐天「何かいい解決策、思いつきましたかっ!?」バッ
木山「いや。特に何も」
佐天「がくっ!」
木山「ただ……ふと思った」
美琴「な、なに……?」
木山「君らもこの都市にいるなら知っていて不思議ではないんだが、科学とはすなわち再現性の賜物だ。
Aという行動をして、Bが起こるとき、その間にある法則を見つけるのが我々の使命」
佐天「……せんせえ、そういうのは授業だけで十分ですよぉ。この話題と関係ないでしょ?」
木山「そうでもないよ」
佐天「え?」
木山「これを踏まえて恋愛を考えると、確かに私は君が失敗したときの責任は取れない……し、その間にある法則を見つけることも、
残念ながらできない。なぜかといえばそれはおそらく、恋愛には再現性がないからだ。
人の気持ち、また出会いには不確定要素が多すぎる。一期一会という言葉を知ってるだろう?」
美琴「う、うん……」
木山「……君たちは法則を見つけることにこだわっているようだが、はたしてそれはそんなに大事なことかい?
それは我々のような科学者がやることだ。だってそうだろう、想い人と結ばれたいのなら、結果が起きてなんぼの世界だ」
佐天(む……難しい話になってきたなぁ………)
木山「以上を踏まえるとだ。御坂美琴、君に必要なのはやはり行動すること。法則を見つけて再現性を見出すことではないよ。
ありのまま、感じたままに気持ちをぶつけてきなさい」
美琴「……そうだけど……そうなんだけど……さ……」
美琴(もしも嫌われちゃったら、私、どうなっちゃうんだろ……。これ以上アイツに嫌われるくらいなら、このまま何もしない方が……)
木山「……君は体を張るのは得意みたいだが、心を張ることには臆病なのかい?」
美琴「!」
木山「私に立ち向かってきたときは……もう少し気概を感じたものだが」
美琴「あれはっ……あ、アンタが言わないでよ! あのときは、その……守るものが、あったからよ……」チラチラ
佐天「?」
木山「同じことだよ」
美琴「……!」
木山「それなら今度は自分の気持ちを守ってみなさい。しっかりと、その足と頭で。……なぜなら」
木山「君の脳は、そこにあるのだから」
美琴「!!」
木山「……まぁがんばりなさい。乗りかかった船だ、私でよければいつでも相談に乗るから」ガタッ
美琴「あっ……ちょ、ちょっと……」
木山「これから実験でね。すまないが、今日はこの辺にしてくれないか?」
佐天「み、みさかさん、あたしたちもそろそろ……」
美琴「うん………」
佐天「先生、ありがとうございましたっ!」
美琴「あ、ありがと……」
木山「うむ。何、これくらいのことなら何でもないさ」
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美琴(この女にここまで言われるとはね……。滝壺さんたちにも同じようなこと言われたし……勇気、出さなきゃ)
佐天(き、木山先生、なんだかかっこいい……やっぱり大人だなぁ……。ちょっと感動しちゃった)
木山(……こんな感じでよかったのかなっ……? やった、ちゃんと決め台詞いえたよっ! はるみんがんばったもんね! いえいっ)ドキドキ
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数日後。とある街角。
上条「お、おう………ビリビリ。き、奇遇だな、またしても」
上条(……また投げられるのかな)ドキドキ
美琴「だからぁ! 私には御坂美琴っていう名前があるの! ………名前で呼んでよ、たまには」ボソ
上条「ん? こ、この前のことなら気にするなよ……」
美琴「べ、別に? 最初から気になんかしてないし! バッカじゃないの?」
美琴(……なんとか、なんとか好感度を上げなきゃ……そうじゃなかったら好きって言えないし……)
上条(白井のことでこっちは頭がこんがらがってるっていうのに、こいつは本当に出てくる場所を選ばないな………そうだ)
上条「な、なぁ御坂」
美琴「何よ?」
なぜかここまでなんだ、すまぬ。
ちなみにプロットは完成したので、なるはやで書きますね。
待っててくれた人ごめんなさい!ちゃお!
~ここまでのあらすじ~
黒子と美琴の想いが交差するとき、上条さんはだいたい不幸になりだす!
上条「……その、何だ。ちょっと話があるんだけど」
美琴「へ?」
美琴(こいつから私に話って……珍しい。……!! え、まさか……)
美琴「は、話って何よ……。時間ならあるけど……」モジモジ
上条「なんていうか、ここでは言いにくいことなんだよな。場所、変えないか?」
美琴「何なのよ! 言いたいことあるならここで言えば? ど、どうせたいしたことじゃないんでしょ?」
上条「はぁ。……お前な、空気読めっての。わかるだろ、こういう展開。『たいした話』、に決まってんだろが」
上条(俺にとっては、だけどな……)
美琴「……ッ!? え、え、ええ?!」
美琴(まさか……まさかまさかぁ!!! そうなの!? ええええええええええそうなのぉ!? ど、どうしよう佐天さん! こんなの台本にないよぅ!)
美琴「ま、待ってお願い! こ、心の準備がまだ……」
上条「いいからついて来いよ。こっち」グイッ
美琴「え、あ……ち、ちょっと……」
美琴(…………こいつの手、あったかいな………ああああ何よ私! してやられてるじゃない!)
上条(仕方ないか。他に話す相手もいないし……)
_______________________________
とある夕暮れ、公園のベンチにて。
上条「ほい、黒糖サイダー」
美琴「あ、ありがと……」ゴクゴク
美琴(落ち着けぇっ! 落ち着け落ち着け。そうだ、こういうときは素数を数えるといいって誰かが……。
1、3、5、7……あ、あれ、1って素数だっけ? ん、素数の定義は確か……。
あ、あれなんだっけわわわ混乱してきた……)ドキドキ
上条「御坂どうした? そんなに悩むなって。何ぶつぶつ言ってんだ?」
美琴「1って素数だっけ?」
上条「は?」
美琴「はっ! ……なんでもない……///」
上条「………?」
上条(数学の授業でもあったのかな……)
美琴(ひつじが一匹、ひつじが二匹……)ドキドキ
上条「話ってのはさ……」
美琴「キッ 何よ!!!! た、たいした話じゃなかったらホントのホントに、あれよ……。許さないんだから!!!!」
美琴(うううううう、ドキドキするよぉ……。そんな真剣な目で見つめないでよ……。
って、何これ私ヘンだよ! ココがヘンだよ御坂美琴! み、見つめられただけでこんなに……)ドキドキドキドキ
上条「いや、その……そりゃ地球規模で考えたら、たいした話じゃねえかもしれねえんだけどさ」
美琴「何言ってんの! この際地球も子宮もあるもんですか! 女の子が一番大事なのは子宮なんだからね!!」
上条「……?!」
美琴「はっ」
上条「お、おう……覚えておくよ……」
上条(なんか変な薬でも飲んだのかな御坂)
美琴(だぁーーーーーーばかぁーーーーーーーーっ!! し、子宮の話をしてどうすんのよ私!)
上条「……頼むよ。頼れるのはお前しかいないんだ」ギュッ
美琴「へ? た、頼る……?」
美琴(……やっぱり手、あったかい……。安心する………って)
美琴(なんだ……。告白じゃないのか……。私てっきり……)シュン
美琴「……はぁ。何? もしかしてまた宿題の話? ちょっとくらいなら手伝ってもいいけど。アンタ馬鹿だしねーあはは」ゴクゴク
上条「いきなりキスされるのってどう思う?」
美琴「ぶっ!!!!」
上条「お、おい大丈夫か」
美琴「げほげほ……。大丈夫、ちょっと脳内でひつじが牙を向いただけ……。そ、それで何よ、その話……」
上条「いや、そのまんまだよ。お前はいきなりキスされるのってどう思うんだよ? どんな気分だ?」
美琴「!? き、キス!? い、いきなり!?」
上条「ああ」
美琴「そ、それってあれ!? いきなりガバッて、ちゅーされて、『唇、やわらかいな』っていうアレ!?」
上条「う、うーん、ちょっとそこまではわかんねえけど、まあそうだよ。そういうことされたらどう思う?」
美琴(えええええ何!? ど、どういうことなの!? 今から私キスされちゃうの!? そ、そのあと『お前も子供じゃないんだ、わかるだろ』って……。
『わかっててきたんだよな? たいした話の続きは、ホテルでゆっくりしようぜ』ってなって……そ、そのまま………そのままあああああああああああ)
上条「お、おい御坂……」
美琴「なっ何っ!? えとえと、わ、私一応まだ中学生だし、ホテルは早いっていうか、いきなりだと怖いっていうか……」
上条「?? 鼻血、出てるぞ」
美琴「っ!?」フキフキ
上条「で、どうなんだよ? どんな気持ちだ?」
美琴「だだだだだだだめよっ、や、やっぱり私最初はちゃんとした関係になってからがいいもんっ!
そ、それでそれで、クリスマスにサンタのコスプレするのっ! 私がプレゼントになるのぉっ!!」アセアセ
上条「………え?」
美琴「……はっ!!!」
美琴(何言ってるの私!!!! それは別の話っ!!! そんな展開ありえるわけないでしょーが!!!バカバカ!)
美琴(ここは冷静にならないと……黒子が一匹、黒子が二匹……)
美琴「……ふ、ふーん? まぁ誰にそゆことしようとしてるかはわかんないけど、アンタにできるの?」
上条「え?」
美琴「ほらみなさいよ。アンタじゃせいぜいあれよね、噛み噛みの口調で、
『そそそそそそそげぶぶっぶ』とかなんとか、
適当なこと言って寸止めになるのがオチってもんだし」ゴクゴク
上条「いや、その、まぁ俺は確かにそうなりそうなんだけど」
美琴「そうでしょうそうでしょう」ゴクゴク
上条「白井にキスされたんだよ、俺」
美琴「あははそうそう黒子もよくいきなりね……」
美琴「…………………………………………………………え?」ピタリ
美琴「今……何て?」
上条「う、うん?いやほら、白井とこの前カラオケに行ってさ。そのときに、こう、ジュースをこぼした弾みにいきなり、さ……」
美琴「くろこ………が………?」
上条「お、おう。なんかさ、やっぱ女の子だし、ほら、こういうのってあんまり広めるようなことじゃねえだろ?
その、俺も初めてだったしさ……。お前は白井と仲いいから、なんていうか、いい意見聞けるかなって」
美琴「………………」
上条「ど、どうした? ああああ、やっぱこういうのって誰かに聞くべきようなことじゃないよな! 俺ってやつはホント……」
美琴「……よかったじゃない」
上条「え? なんて?」
美琴「………よかったねって言ってるの!……あはは、 なーんだ、そういう話? アンタって本当に鈍感よね。
そんなの好きって合図に決まってるでしょ」
上条「や、やっぱりそうなのか?」
美琴「……そうよ。この鈍感男」ゴクゴク
上条「……うーん。やっぱりそうなのか。いやほら、あまりにもいきなりでさ。俺も混乱しちまって」
美琴「あの子はああ見えて男には奥手みたいだからね。言葉でどうこう言うタイプじゃないし」
上条「そう言われてみれば確かにその節はあったなぁ。妙に距離近かったし」ポリポリ
上条(それであんなスカート短かったり、恋する乙女チューンばっかり選んでたのか……)
上条(そう考えるとあれだな、俺はすげえ空気読めない行動してたんだな、色々……)トホホ
美琴「もぉ。少しは気持ちに気づいてあげてよ。私の大切な後輩なんだからさ。頼むよ高校生!」ドンッ
上条「あはは、面目ない。今度からは気をつけなきゃな」
美琴「……それで? どうなの、あの子のこと」
上条「ん?」
美琴「そんなことされたからにはちゃんと答え、考えてんでしょーね?」
上条「お、おう……まぁ、少しは……」
美琴「………………」ジーッ
上条「そ、そんな目で見るなって! ちゃんと考えてるよ、ちゃんと……」
美琴「………ちゃんと?」
上条「ああ、本気でな! 上条さんなめるなって!」
美琴「………ほんき?」
上条「な、なんだよしつけぇな! 疑ってんのか?」
美琴「べつに」ゴクゴク
上条「明らかに疑ってんだろ! ……でもまぁ、正直めっちゃ混乱してるよ。
い、言い訳みたいになっちまうけど、なんていうか……。
俺、白井のことあんまり知らないし、今までそういう目で見てこなかったから、いきなり言われても……」
美琴「……ふーん………」
上条(急に落ち着きだしたな……なんだ? 俺、なんか間違ったこと言ったのかな?)
美琴「話って、それだけ?」
上条「お、おう。まぁ、一応、今んとこは……」
美琴「そうなんだ。それじゃ、私、そろそろ帰る」
上条「え? も、もう門限か? その、もうちょっと詳しく聞いたりとか……」
美琴「いいの! ちゃんと相談、乗ってあげたでしょ? 今度ファミレスおごってよね」ガタッ
美琴(………………)
上条「あ、ああ。そうだ、よかったら送ってくよ。暗いだろ、帰り道」
美琴「馬鹿じゃないの? 私、これでも学園都市のレベル5だから。 アンタに送られるほど落ちぶれてないっての!」
美琴(………気持ち………)
上条「はは……。まぁそうだよな。俺なんかレベル0の無能力者だし」ポリポリ
美琴「やっと気づいたかー? このばーか」
上条「あはは………さすが御坂、向かうところ敵なしだな」
美琴(……………私の………)
美琴「まったくもう。鈍感男は困ったもんねー。私に頼らないと色恋のひとつや二つも解決できないんだから」
上条「おいおい、そういうお前はどうなんだよ? 恋は盲目っていうだろ」
美琴「自分のことになるとわからなくなるってやつ?」
美琴(…………私の、気持ち………)
上条「そうそうそれそれ。……お前も困ったら相談しろよな。上条さんでも話くらいは聞けるぜ」エッヘン
美琴「ははっ、アンタなんかに相談するくらいなら黒子に言うわよ。うぬぼれるなっつーの、ばーか」
美琴(………心を、張る……気概……)
美琴「まぁ、こんな私でも生きてたら好きな人くらいはできるかもね。考えとく。……それから」
上条「ん?」
美琴「前にした年上の人を好きになってる友達の話、あれ黒子のことだから」
上条「……え?それって……」
美琴「そーゆーこと。まぁがんばりなさい、青年!」スタスタ
上条「……お前の方が年下だろがよ……。またな、御坂」
美琴「はいはい、また今度」スタスタ
美琴(…………一期、一会)
木山(君の脳は、そこにあるのだから。)
美琴「………!!」グッ
上条(そっかぁ。やっぱりあれはそういう合図だったんだな。ごめんな白井、気づいてあげられなくて。
……帰ったら色々と整理してみよう。土御門に聞けば色々相談にのってくれるかも……)
美琴「ねえ」
上条「ビクッ! な、なんだよ、どうした? やっぱり送ってくか?」
美琴「そうじゃないの。……やっぱり相談、今のって」スタスタスタスタ
上条「え? え? えええ?」
上条(おおっ? きょ、距離がち、近いですよ御坂さん?)
美琴「……そ、その……………」
上条「ど、どうした? 長くなる話ならほら、もう一回ベンチに座って……」
上条(御坂からただならぬ覚悟を感じる……。ま、まさかまた決闘とか言い出すんじゃ……)
美琴「……………………わ、わたわた、私っ!!!!!!!」ギュッ!
上条「へぁっ!?」
上条(く、ぐるじい!!)
上条「どどっどどうしたんですか御坂さん!? そんなに締め付けられたら背骨が折れちゃいますけど!?」
美琴「……ね、ねえ、び、びっくりしない? 絶対びっくりしない? 怒ったりしない? このツンデレって言ったりしない??」
上条「そ、そんなに一度にはしゃべれないと思うけど……」
美琴「わ、私ね………あ、あ、あああああ、アンタのことが…………」
美琴「…………好きなのっ!!!!!!!!大好きなのッ!!!!!!!!!」
上条「……!?」
なぜかここまでなんだ。すまねえ。
本日予定はいってるので続きはまた近々。
ちゃおず!
上条「御坂……えっと」ドキドキ
上条(ん? こ、こりゃあ一体どうなってんだ?待て待て、整理しろよ? 今現在、俺の目の前で御坂が告白してきて、
でも俺は白井にキスされてて、んでもって白井は俺のことが好きで……)
美琴「……だから……く、黒子のこと………好きになっちゃやだ……」ポロポロ
上条「!」
美琴「わ、私こういうの全然経験ないし、口下手だし、がんばってデートに誘おうとしても失敗してアンタのこと振り回しちゃうし……」
上条「御坂……」
上条(じゃあ、この前遊園地に行ったのもそれで……)
美琴「だけど、だけどね、これでも一生懸命考えたの……。どうしたら振り向いてくれるかなって。
それで……色々……佐天さんとか……相談したりしてね……ぐす……」
上条「お、落ち着けよ。座って話そうぜ、な?」
美琴「………うん……」
上条(正直俺も頭ん中がこんがらがってきたぞ……。どうしよう。で、でもまずは御坂を落ち着かせてあげないと……。
そ、それでその後色々……だぁあああああどうしてこんなことに!?)
ヒュンッ……
「――――そういうことでしたの」
上条「!?」
美琴「…………ッ!」
上条(な、なんでこんなところに白井が!? じゅ、巡回ってやつか?!
いくらなんでも都合よすぎねえかっ?! いやそれより……)
上条「な、なあ二人とも、とりあえず座ろうぜ? ほら、上条さん今日はお金あるから、ジュース一本ずつつけちゃうぞ~~なーんて……」
美琴「…………泥棒猫ッ!!」
黒子「…………女狐ッ!!」
上条(聞いてねえっ! 完全に無視かよ! んんんんんこりゃあやばいんじゃないかなっ!
二人の間に何か強いオーラのようなものを感じるんだなっ!)アセアセ
黒子「この時間の公園は不埒なことをやらかす輩が集まりますの。
……それがまさかお姉様だったなんて。話は全部聞かせて頂きましたわ」パキポキッ
美琴「……アンタこそ、カラオケボックスで急に襲いかかるなんて、
貞操観念の欠片も備わってないみたいね」ビリビリッ
上条「………おーい、お二人さーん……」
上条(戦争でも始まるんですかね!? さしもの上条さんもこの二人を同時に沈めたりはできねーぞ!?)
黒子「ふん。夕暮れの公園で殿方に抱きついてる人に言われたくないですの!
……はーぁ、お姉様ったら案外大胆というか、体を売るタイプといいますか……」
美琴「な、なんですって!? そっちこそ接近戦で気を引くなんて、さっすが露出癖ある変態よねー?!きっもちわるー!」
黒子「……ッ!! ひ、ひどいですの!! く、黒子は……黒子は本気でお姉様が力になってくれると思っていましたのに!!
……そういうことでしたのねっ……あ、憐れなわたくしを笑うつもりで、最初から……ッ……」ワナワナ
美琴「何よ!!! 私がこいつに気があることぐらい、アンタなら分かってたでしょ!! ……それを……それを急に現れて……。
わ、私より先に……。私の方がアンタよりずっと前から、こいつのこと大好きだったんだから!!!」ビリビリッ
上条(!?)
黒子「何を仰りますの!! それを言うならわたくしなんて大大大大だーーーーーーーいすきですのよ!!!」
上条(!?)
美琴「ふんっ! 言葉では何とでも言えるわよ!! 私なんて毎日夢に出てくるんだから!! 夢の中でいちゃいちゃしてるんだから!!」」
上条(!?!?)
黒子「何を偉そうにっ! 妄想で勝負というならわたくしなんか上条さんで毎日アレしてますの!!! ええそりゃもう毎日ですのよ!!」
上条(!?!?!?!?)ブッ
美琴「………どうやら、本気みたいね」
黒子「………お姉様こそ」
上条「……あああもうっ!!」
上条(くそ……このままだとここら辺一帯が戦場になっちまう……。仕方ねえな……)
上条「……おいお前等っ!! いい加減にしろよっ!!!
何やってんだ、お前たち二人ともあろう者が!!
………いいぜ、これ以上仲間割れみたいなことを続けるっていうなら、まずはそのげんs」
黒子・美琴「「うるさいッ!!!!!!!!!!」」キッ
上条「…………すいませんでした……」
黒子「……ここでやり合っても迷惑ですの。ここは平和的に、寮に戻ってから話し合うのが筋ですわね」
美琴「はっ、上等じゃないの。……そうね、寮監が巡回してくるのが消灯前。
その後ゆっくりじっくりねっとりぐっちゃり話し合いましょうかね……ッ!!」
黒子「こっちこそじょーとーですのよッ!!!」
上条「あ、あの………」
美琴・黒子「「何ッ!?」」キッ
上条「ヒ、ヒィッ! ぼ、僕は帰ってもいいんでしょか……」
美琴「とっとと帰りやがれッ!」
黒子「邪魔ですのッ!!」
上条「あ、はい………じゃあ………帰らせてもらいましゅ………」
上条(あいつら本当に俺のこと好きなのかよ……。不幸だ……しくしく……)テクテク
美琴・黒子「「~~~!!!」」ヒュン
美琴(ぜったい負けないんだから!)
黒子(わたくしの恋は本気ですの!)
____________________________
とある寮の室内。
ヒュン
美琴「………わかってるわね、黒子」
黒子「もちろんですの。無粋なことを聞かないでほしいですわ」
美琴「絶対後悔しないんでしょうね?」
黒子「………それはこっちの台詞ですのよ?」
美琴「ならいいわ。私も心置きなく戦える」
黒子「ならば」
美琴「ええ」
黒子「………これからは敵同士、ですわね?」
美琴「………望むところよ?」
______________________
ちゃおず!
いっぱいレスあってびっくりしました。
それで、私の書いたものについて批評してくれるのは助かるのですが、
原作の批判についてはさすがにここで話すことではないと思うので、どうか配慮をお願いします。
嫌な思いをされた方は申し訳ないです。書いた分投下しますね。
_________________________
とあるマンション。
上条(……いるかな、あいつ)ピンポーン
「だれだー?」ガチャ
上条(この声……)
上条「……おお、これはこれはメイド様」
舞夏「おお、これはこれは上条当麻様ー。どうしたんだー?」
上条「それがだな……なんていったらいいか……ちょっと色々あって……」ポリポリ
舞夏「またフラグ立ててきたのかー?」
上条「そんなんじゃねえよ! ……いや」
上条(今回はあながち……)
舞夏「んー? 図星だなー?」
上条「ぐっ」
舞夏「……同居人にバレても知らないぞー」
上条「あいつはそういうんじゃねーよ」ポコ
舞夏「ふふんっ。……今呼んでくるから待ってろー」
上条「はぁ………」
土御門「お待たせカミやん。 お久しぶりだにゃー」
上条「おう。……いきなりだけど、お前この後暇か?」
土御門「暇っちゃ暇だぜい。時間は作るもんだっていうしにゃー」
上条「……その、ちょっと付き合えよ」
土御門「う~ん? ちょっと、かにゃー?」ジロジロ
上条「いや、たいしたことじゃねえから」
土御門「む~~~ん?」ジロジロ
上条「…………まじで、ほんとに」
土御門「にゃ~~~~~~ん?」ジロジロジロジロ
上条「……………わりい……頼むよ………。久しぶりに頭抱えてんだ………」
土御門「……はははっ、了解したぜい。ちょっと待っててほしいぜよ」
上条「恩に着るよ……」
______________________
とある喫茶店。
土御門「………んっ」チュー
上条「紛らわしい擬音を出すなっ!!」
土御門「コーヒー飲んでるだけだぜい」
上条「わかってるよ! 誤解されるような音出すなって言ってんだよっ!」
土御門「カミやんのえっちー」チュー
上条「ったく…………。なぁ、どう思う?」
土御門「どうって?」
上条「だからさ。全部話しただろ?」
土御門「感想、聞いてるのかにゃー?」
上条「そーだよ」
土御門「うーん、ちょっと甘いかにゃー、ブラックでよかったぜよ」
上条「お前、真面目に会話する気ないだろ」
土御門「俺ってば嘘つきなんだぜよ」
上条「………お前に相談した俺が馬鹿だったよ」
土御門「あはは。スイッチ入れるかにゃー?」
上条「頼むっつの」
土御門「それで、詰まる所カミやんはどっちが好きなんだ?」
上条「えっ。そんなの……。どっちって、急に言われても……」
上条「白井は白井で面倒見がよくていい子だし、御坂は御坂で素直じゃねえけどいい子だし」
土御門「白井さんちょっとリード」チュー
上条「……そうじゃねえよ。御坂はこの前いきなりだったから、なんていうか、整理できてなくて……」
土御門「そんじゃ、両方付き合っちまえば?」
上条「ばっ……で、できるわけねーだろそんなの!」
土御門「できるだろ。一夫多妻なんて世界的に見たら割とメジャーだぜよ」
上条「一部の国の一部の事情をメジャーデビューさせるな! ……あるっちゃあるけどさ」
土御門「問題は、カミやんにたくさんの女の子の気持ちを受け入れる器量があるかどうか」
上条「……そんなの、自分じゃわかんねーよ」
土御門「それもそうだにゃー」チュー
土御門(その気になったらできそうで怖いんだぜい)
土御門「そんじゃ、提案その1。白井黒子と付き合う」
上条「あいつは……。まぁかわいいけど。思ったより女の子っぽいとこあるし」
土御門「おうおう、惚気ですか。気が早いにゃー」
上条「ありのままの事実を言ってるだけだ」
土御門「提案その2。御坂美琴は?」
上条「あいつも……。まぁかわいいよ。健気だし」
土御門「こりゃまいったぜよ。カミやんは学園都市きってのスケコマシになれるにゃ」
上条「おちょくるな!」
土御門「提案その3。どっちとも捨てちまうのは?」
上条「………やっぱそれがいいかな。言い方は悪いけど」
土御門「うん? これにはつっこみいれないのかにゃー?」
上条「まあな」
上条「確かに両方ともすげーかわいいしいい子だけど、大事なのは俺の気持ちっつか」
土御門「………」チュー
上条「俺が自分から好きにならないと、ちゃんと気持ちを伝えてくれたあいつらに失礼かなって」
土御門「………」チィー
上条「そんな中途半端な気持ちでどっちか選ぶなんて、何様だよって話だし」
土御門「………」チュー
上条「それならいっそ、両方ふっちまってさ。すぱーっと忘れたほうがいいかなって」
土御門「………カミやん」
上条「え?」
土御門「あんまり真面目に考えてないだろ」
上条「は!? そんなことねえよ!!」
土御門「違うね。早く足洗いたくてうずうずしてる。めんどくせーからとっとと片付けたいってな」
上条「な、何を根拠にそんなこと……」
土御門「もっと熟考してみろよ」
土御門「あの二人の関係なら俺よりカミやんの方が詳しいはずだぜよ。見えてないもんあるだろ?」
上条「……そりゃまあ、何回も面識あるけど……。見えてないもん?」
土御門「俺ってば仕事柄、バランスみたいなもんには一際目ざといんだぜい?」
上条「バランス?」
土御門「Balance.」
上条「発音よくしたって同じだっ」
土御門「簡単にいうと、天秤を想像してほしいにゃー」
上条「また無難な素材を選んできたな……」
土御門「カミやんは馬鹿だからこうでもしないとわからないだろ」
上条「……ッ」
上条(一応、お前も三バカの一角なんだっつの)
土御門「カミやんは今、天秤の支点を担ってる」
上条「支点? 支点ってつまり、真ん中にいるってことか?」
土御門「そうだ。絵にしてみよう。ちょっと前までの図がこれ」カキカキ
上条「なんだこれ。相関図みたいなもんか?」
土御門「まー似たようなものだにゃー」
土御門「まず御坂美琴がカミやんにホの字なので、矢印がカミやんに向けて一本。
白井黒子はそんな『お姉様』のストッパー役。よって矢印は御坂美琴を自分に引っ張る方向に。
肝心のカミやんはそれに気づかない鈍感男。ベクトルなし。一風変わった構図だが、それはそれでバランスが取れていた」
上条「言い回しが少し気になるんだが……。この時点では御坂が中心だったんだな」
上条(なんだか三国志みたいだな)
土御門「そう。自分の気持ちと、白井黒子のアレとで、丁度引っ張り合ってる状態だ」
土御門(まあつっても、ツンデレってやつは複雑だからにゃー。厳密には他にも力は働いてたんだろーけど)
上条「ふむふむ」
土御門「しかし話を聞いた限りじゃここで矢印が一本増える。白井黒子からカミやんに一本追加」カキカキ
上条「……なぁ、これは一体いつ増えたんだと思う?」
土御門「聞いてどうする?」
上条「……それもそうか」
土御門「続けるにゃー」
土御門「このベクトルが追加された時点で保たれていた調和は乱れる」
上条「……たしかに、いびつな形になったな」
土御門「偏ってるにゃ。こうなった以上、ストッパーの役割を果たしていた白井黒子の、
御坂美琴を引っ張るベクトルはだんだんと薄れてくる。カミやんに気が向いてたっぽいからにゃー」
上条「……なるほどな。つまり今は二人からのベクトルが俺に向いてる状態ってことか」
土御門「はぁ。……だから真面目に考えてないっていったんだぜい。頭つかえよ」
上条「?」
土御門「カミやんには見えてないベクトルが、ここにもう二本」カキカキ
上条「……あ」
土御門「御坂美琴から白井黒子へ、白井黒子から御坂美琴へ。
気づいたかにゃー? ……あの二人は互いにベクトルを相殺し合ってるにゃ。
つまり今のあの二人は競争関係にある。
カミやんに気持ちを伝えて、それぞれの想いを理解し合ったからだぜい」
上条「………」
土御門「このベクトルは太くて長いにゃ。別に卑猥な意味はないんだぜい」
上条「小ネタをいちいちはさむなッ!」
土御門「そして種類も違う」
上条「……!」
土御門「あの二人の信頼関係は、奇しくもカミやんの鈍感頭によって別の感情に置き換えられてしまった。
可愛さあまって憎さ百倍って言葉、知ってるか? 愛情と憎しみの関係は?
どれもこれも、お前が鈍感なせいなんだぜよ」
上条「つまり……こうなる前に、どちらか一人を選択すべきだった?」
土御門「そうは言ってない。~をすべきだったってのは、正解が存在する勝負での話なんだぜい。
これはあくまで三人に的をしぼった場合の話だにゃ。結果について考えることならまだしも、
過去の選択を悔いても何の意味もない。後悔するなら進めってな」
上条「………」
土御門「大切なのはこれからどうするか、だぜよ。さてここで問題です」
上条「?」
土御門「ここでカミやんがこの二人、両方からのベクトルを放棄したら、どうなるでしょうか?」
上条「………それは………。……二人の太くて長いベクトルだけが……残る?」
土御門「ご名答」
上条「……俺に伸びてるベクトルがなくなったら、解決するんじゃねえのかよ」
土御門「なくならない。普通はこういう状況のとき、矛先を失ったベクトルは対抗していた相手に向くもんだぜい。
あいつさえ現れなければ、ってな。太くて長いベクトルは、もっともっと太くて長くなると思うにゃー」
土御門「あの二人は元が信頼し合っていただけに厄介だぜよ。
相手の考えが手に取るように分かる上、長所も短所もお互いに理解している。ろくなことにはならないと思うにゃー」
上条「なあ、それって嘘じゃないよな。ほんとにそういうもんなんだよな?」
土御門「嘘じゃない。が、本当でもない。あくまで俺個人の推察だぜよ。ま、それなりに説得力はあっただろ?」
上条「………土御門。俺はどうしたらいい? どうしたら、誰も傷つかずに……」
土御門「またそういうこと言い出すのか?」
上条「……え」
土御門「もうすでに傷つけてるだろうが。犠牲を払わないでうまくやろうなんて、原因を作った男が今更都合のいいことを言うな」
上条「………」
土御門「ま、どうしてもっていうなら、ベクトル操作が得意なやつ、知り合いにいるけど紹介してもいいんだぜい?」
上条「……おまえな。やっぱりおちょくってるだけだろ」
土御門「何のことかにゃー?」
________________________________
一方「へっぷしィ!」
打止「!? あなたがくしゃみするなんて、珍しいっていうかありえないって、ミサカはミサカは驚きを隠せなかったり」
一方「あーくっだらねェ」
打止「?」
_________________________________
土御門「それに」
上条「ん?」
土御門「さっきも言ったけど俺は仕事柄バランスを大事にする。
けど、それはあくまで俺が優先すべきことが調和なだけだ。
カミやんが崩したかったら、いつ崩してもいいんだぜい?このままでいいならこのままでいればいい。
……ただ」
上条「……ただ?」
土御門「自分の責任でこの状況を作り上げたあげく、偽善をかざしてとんずらこいて、
後はよろしくーってのは、まぁなんていうか、ちょっとカミやんらしくないな」
上条「…………」
土御門「まあ同時にカミやんらしくもあるんだけどにゃー」
上条「え?」
土御門「………うにゃー、ひさびさに講義したら疲れちまったぜよ。会計よろしく♪」ガタッ
上条「あ、お、おい土御門!」
土御門「またなんかあったら報告するにゃー。カミやん、恋する女には気をつけろよ」
上条「ど、どういう意味だよ」
土御門「そのまま。辞書でも引いて調べるにゃー。あでぃおす、あみーご」テクテク
上条「………はぁ」
土御門「それと」
上条「わっ!! シメに入ってからぶり返すなっ!」
土御門「カミやんなら他の選択肢、見つけられるかもにゃー」
上条「……他の……選択肢……?」
土御門「悩め悩め」
上条「………」
___________________________________
上条(バランス、か)
上条(確かにあの二人をこのまま放ってはおけないか……)
上条(かといって俺が間に入って和解させるのは難しそうだったし……)
上条(……やっぱり、どっちか一人を選ばなきゃ? 白井か、御坂か……)
上条(でも、今の俺は………)
上条(ああくそっ、悪気はねーのに、どうしてこんなことになっちまったんだ……)
上条(……寝れないな、こりゃ……)
上条(………不幸……なのかな)ポリポリ
_______________________________________
ってかんじどす。結末までネタはあがってるんで、訂正はしないつもりです。
読んでくださってる方ありがとです。ちゃお!
穀潰し
ひどいんだよ
_________________
とある寮。
『話し合い』はいまだ続いていた。
美琴「二週間よ」
黒子「!?」
美琴「今から二週間で、ケリつけましょ。ダラダラやってても仕方ないしね」
黒子「に、二週間、ですの? ……少しばかり短いのでは」
美琴「ふーん? 自信ないんだ?」
黒子「むっ……そ、そんなことありませんのよ? お姉様こそ、そんな短い期間でよろしくて?」
美琴「ッ! へ、平気よ! むしろ長いくらいだわ! こっちの作戦は決まってるんだから!」
美琴(やばっ……適当なこと言っちゃった。大丈夫かな。まぁなんとかなるよね)
黒子「……おほほ、それでしたら、わたくしは半分の一週間でケリをつけてみせますわ」
美琴「なんぬっ!?」
黒子「ふふんっ」
黒子(……こういうのは虚勢を張った方が相手を牽制できますわよね……)
美琴「……上等じゃないの。なら私もやってやるわよ、一週間で」
黒子「え”っ!? お姉様も!?」
美琴「あ、アンタに先越されちゃったら意味ないもの。長けりゃいいってもんじゃないし」
黒子「短けりゃいいってものでもないような……」
美琴「………」
黒子「………」
美琴「……ねえ、黒子?」
黒子「な、なんですのお姉様……」
美琴「確認するけど、私がアイツとくっついたら私の勝ち。アンタがくっついたらアンタの勝ち、なのよね?」
黒子「もちろんそうですのよ。じゃないと勝負になりませんの」
美琴「……思ったんだけど」
黒子「はい?」
美琴「アイツに聞くのが一番早くない?」
黒子「…………あ」
黒子「た、たしかに……。考えてみたらわたくしたち、もう両方とも上条さんに告白してますものね」
黒子(わたくしの場合は少しばかり、間接的でしたが……)
美琴「そうよ。アイツの反応次第では、もしかしたらすでに決着はついてるかもしれないし」
黒子「それもそうですわね……」
美琴(つっても今日は頭に血がのぼってて、アイツのことほったらかしにしちゃったしなー……)
黒子(………決着は、ついてる………?)
美琴「……明日、一緒にアイツのところへ行って、二人で返事を聞いてみない?」
黒子「へっ!? で、でも………同時に二人で、ですの?」
美琴「え、だめ?」
黒子「そ、それですと……その……」
美琴「ん?」
黒子「か、片方だけしか選ばれないわけですし……残った方は……なんというか精神的にも……」
美琴「……馬鹿ね、そんなこと気にしてるの?」
黒子「ふぇ?」
美琴「そんなの恨みっこなしよ。私は仮にアンタが選ばれたとしても、まぁアイツが決めたんなら仕方ないし。
……そりゃまぁ、すぐに納得はできないかもしれないけど、理解しようと努力はするつもり」
黒子「……お姉様……」
美琴「勘違いしないでよね。アンタは敵よ。徹底抗戦。……私は負けないようにベストを尽くす。
でも、この私とライバル張る相手にはどんと構えてほしいわけ。細かいこと気にしてほしくないわ」
黒子「……でも、わたくし……」
美琴「私だって怖いよ」
黒子「! お姉様」
美琴「当たり前じゃない。アンタも自分で言ってたけど、これは戦闘じゃなくて恋愛なのよ?
……競争相手が誰だろうが、臆病になってしかるべきでしょ? これでも私、アンタにびびってるんだから」
黒子「………」
美琴「さっきまでの威勢はどうしたのよ? まさか、やる気なくなった? やめる? 逃げる? 私は、逃げないわよ」
黒子(………お姉様………)
黒子「……黒子は」
美琴「え?」
黒子「黒子は今まで、お姉様の露払いとして生きてきましたの」
美琴「………?」
黒子「お姉様は常盤台のレベル5。学園都市に7人しかいない超能力者の一人。
いつだって強くて、美しくて、素敵で、……ちょっとだけ弱くて」
美琴「黒子?」
黒子「……そんなお姉様に憧れてすごしていた毎日の中で、ふと思いましたの。
わたくしからお姉様を取り除いたとき、何が残るのか」
黒子「もちろん戦闘や日々の生活でしたら、わたくしは一個人として、しっかりとしたアイデンティティを備えてるつもりですの。
そういうことではありませんの。……女の子として、ですのよ」
美琴「な、何いってんのよ、こんなときに……。アンタがそんなこと言う柄?」
黒子「そういうことですのよ、お姉様」
美琴「……そういうこと?」
黒子「わたくしは女性としての魅力が自分にあるのか、あの方を好きになってから分からなくなってしまいましたの。
客観的に、自分を見て、お世辞にも可愛い性格をしてるなんていえない。
お姉様だって、わたくしが殿方に恋焦がれるところなんて、想像してなかったでございましょ?
いつだって黒子はお姉様と自分を比べてしまいますの。
初春はそんなわたくしに、自分を出せばいいとおっしゃってくれましたが……」
美琴「黒子……」
黒子「いざ目の前にしてみれば、なんてことはありませんの。……あの方に抱きついてるお姉様を見て、一瞬思いましたわ。
譲るべきかと。わたくしが身を引いて、お姉様を立てるべきかと。
それが露払いたるわたくしの使命かと。……でもそうしなかった。
それはお姉様がわたくしを立ててくださった一方で、自分の気持ちに嘘をつかなかったから、
自然に出てきた行動だと思いますの」
美琴「……私は………自分勝手なだけよ……。アンタの気持ち、アイツから聞いて知ってたのに」
黒子「いいえ、違いますの。お姉様はそんな人じゃないですのよ。
譲られて手に入れたってこと、後でわたくしが知ったら、気にすると思ったんじゃないですの?」
美琴「……………違うのよ……」
黒子「わたくしがお姉様でも、きっとそうしましたの。だから、お相子ですのよ。
……わたくしもそれを見て、自分の気持ちに嘘をつかないようにしようと思いましたの。
正面からぶつかって、本気で勝負するって、決めましたのよ。
……そりゃあ、あの時は多少、取り乱しましたし、感情的になってしまいましたが……。
ふふ、泥棒猫だの女狐だの、昼ドラじゃあるまいし……。
とにかく、だから今回も、わたくしは逃げませんの。お姉様と同じく、正々堂々と……」
美琴「違うッ!!!」
黒子「!?」ビクッ
美琴「……私は………ただアイツが他の人に取られるのが嫌だっただけ……。
アンタに遠慮なんかしてなかった……」
黒子「………お姉様……?」
美琴「………アンタが怖かったのよ。私より先にキスして、私より先に想いを伝えて、
……私より………あいつの頭の中にいて………」
黒子「ならどうして、上条さんにわたくしのこと、伝えてくださったんですの? それはフェアな勝負を……」
美琴「単なる気まぐれよ!………それか、私に気持ちを伝える勇気がなかっただけ………」
黒子「お姉様………」
黒子「で、でも……お姉様は黒子のこと、認めてくださったんじゃありませんの? だからこそあんなに罵って……」
美琴「思ったことをそのまま言っただけっ! 感情をぶつけただけよっ! 私はそんな聖人君主みたいな人間じゃない!」
黒子「それでも、それでも黒子は……」
美琴「……もう寝るわ。話し合いはおしまい。……明日、どうせ全部わかるしね」
黒子「…………」
美琴「おやすみ、黒子」
黒子「……お姉様………?」
美琴「…………」
黒子「…………」
美琴(……………ごめんね、黒子…………)グス
___________________________
とあるマンション。
別日。
上条「へっぷし!」
禁書「…………とうま……? どしたの……こんな夜中に……」ムニャムニャ
上条「ああ、悪い、起こしちまったか。鼻がむずむずしてさ。ティッシュ借りに来た」
禁書「…………うん………風邪ひかないようにね………むにゃ……」
上条「お、おう」
上条(そりゃまいにち冷たいとこで寝てるからな)
上条(…………)
上条「なあ、インデックス」
禁書「………………んー?……今日のご飯ならおいしかったんだよ……」ムニャムニャ
上条「…………女の子が人を好きになるときって、どんな気分だ?」
禁書「ま た お ん な ?」ガバッ
上条「え”っ!? い、いや、ちょっと聞いてみただk 」
禁書「とうま? ちょっとそこに座って。正座して!」
上条「は、はい……?」
禁書「とうまの女癖にはあきれたもんなんだよ。神さまにちゃんと謝るんだよ!」
上条「……す、すいませんでしたあ……」ナムナム
禁書「それは仏教なんだよ! ちゃんと十字を切って! 誠意をこめて! 懺悔するんだよ!!」
上条「うう……。だってさぁ、俺には自覚ねーんだもん。それも悪いことなのか?」
禁書「自覚がないのが一番タチ悪いんだよ」
上条「……そうなのか」
禁書「だってそうでしょ? 悪いことしてても、悪気がなかったら責められないし。
憎まれてあげるのも大事な役目なんだよ? それが悪党の流儀」
上条(どっかの誰かが言いそうな台詞だな……)
上条「あはは……、そういわれてみればそうかもな。なんか初めてお前がシスターっぽく見えた」
禁書「ピクッ ……と、とうまは私のこと何だと思ってたか、聞いてみたいかも……」
上条「>>473-482」
禁書「………とうまーーーーーーッ!!!」ガブッ
上条「ぎゃああああああああああああああなんで俺がああああああああああ!!!」
______________________________
小出しですまねえ。書き溜めたほうがいいかしらね。
次回、急展開です。お疲れ様でした。
みんなの代わりに上条さんが体はってくれたんだよ!
インデックス正直すっごく好きです。毎日なでなでしたい。からかうのはほどほどにね。
やめるのまだかなまだかな
やめるのまだかなまだかな
なんだよ聖人君主て(笑)語彙力もカスですね(笑)これだから女は(笑)二度と臭いSS書かないでくださいね(笑)才能ないんで(笑)
インスパイア(笑)
シェイクスピアとこんな駄作比べんなよ馬鹿
元ネタを上回る斬新さなんて全くねえじゃん 気持ち悪い信者と気持ち悪いさくしゃーん(笑)の溜まり場ww
さっさと落としてこいって
信者必死(笑)巡礼ご苦労さまです(笑)
言っとくけど俺は数レスしか読んでねえよ 展開読むには十分だし
こんなくだらないのに最初から張り付いてる馬鹿はいねえだろ(笑) え?いるんすか?サーセンwww
どうせこのやり取り見てるんだろさくしゃーん(笑)
みんな思ってることは一緒だよwww信者がキモくて言えなかっただけwwwうざいってwwwわかったら早く消してこいやカス
ちょっと待ってくれwwwwww俺は禁書読んでないぞwwwwwwwwwwww
>>535
必死チェッカーで荒らしのレスと引っかかるのだが・・・
>>536
俺は読んでないって
ID同じでひっかかってるけど
>>1です
私の発言ややり取りを不快に思っていた方がいたら申し訳ありませんでした。
ただ、書くのを途中でやめるというのは最初から見てくださった方に失礼なので、
一人でも見てくれている人がいる限りはちゃんと最後まで書くつもりです。
終わったらすぐにHTML化依頼をしにいくつもりですので、どうか勘弁してくださいませ。
また、どんな理由があろうと他のスレッドに迷惑がかかるような行為はやめてください。
このスレの中で、また私の書くものについてなら、
周りに迷惑がかからない範囲で批判してくださって結構ですので……。
________
『話し合い』の翌日。とあるマンション。
上条「……お、お前ら………」
美琴「ふう。こうして邪魔者は始末してっと」
禁書「………」ピクピクプスプス
上条「イ、インデックスーーーーーーーーーーーッ! インターネット、インテグラルぅ!!!」
禁書「わ、私の名前はインデックスッテイウンダヨ……」ピクピク
上条「……うう……こ、こんなに……ま、真っ黒になっちまって………」
上条(くそっ、土御門の言うとおりだったぜ! 恋する女は暴走するってか!?)
上条「お前ら……ッ! どうしてインデックスを!! 何も黒こげにすることねえだろ! それでも同じ人間かよ!」
黒子「だってうるさいんですもの」
上条「何っ! なら仕方ないな!」
禁書「」トウマノバカ…
上条「ってのは冗談で」
美琴「ってゆーか! もう逃がさないからっ! さぁ、答えを出して!」
黒子「上条さんはわたくしの能力が効きませんから、捕まえるのにも一苦労でしたの!
さぁ、答えを!!!」
上条「~~ッ!!」
上条(いきなり家に押しかけてきて、有無を言わさず人のこと拘束しやがって! 人権侵害もいいとこだぜまったく……。
よっぽど土御門の言ってた矢印ってのは太いんだなこりゃ……)
美琴「………ね、ねえ、早く言ってよ……///」
黒子「……こっちも………その、緊張、してますの……///」
上条「う……」
上条(この二人そろっての上目遣いは破壊力あるな……。縄で拘束されてるのが気になるけど……)
上条(………しょうがねえな)
美琴「ねえ……」モジモジ
黒子「お願いですの……」モジモジ
上条「………」
上条「……わかったよ、言うよ」
美琴「っ!」ドキドキ
黒子「……!」ドキドキ
上条「答えってのはつまり、俺が付き合う相手を選べばいいんだろ?」
美琴黒子「!」コクリコクリ
上条「言うから、このロープを解いてくれよ。逃げたりしないからさ」
黒子「本当ですの?」
上条「本当だよっ! それにたかが告白の返事くらいで拘束なんざ……」
美琴「た・か・が……?」ピクピク
上条「……うぐ。と、とにかく解いてくれよ! こんな体勢じゃ格好つかないだろ」
黒子「……お姉さま、どうやら嘘は言っていないようですの。解いてさしあげては?」
美琴「しょうがないわね。ほら」スルスル
上条「さんきゅー。……さてっと」
上条「じゃあお前ら目つぶれよ」
黒子「へっ」
美琴「な、なんでそんなこと……」
上条「……恥ずかしいだろが、面と向かって言うの。
お前らが目を閉じてる間に、俺が頭を触ったやつが、俺の彼女。それでいいだろ?」
美琴「かっ! かかかかっかのっ」
黒子「じょ、ですの?」
上条「そーだよ。ほら、目つぶれって」
美琴(かのじょかのじょかのじょかのじょかのじょかのじょかのじょ)
黒子(つきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあうつきあう)
上条(こええよ………)
黒子「……で、でも上条さん?」
上条「ん? なんだ?」
黒子「本当に、結論出てらっしゃいますの?」
上条「……ん」
美琴「そ、そうよ! 適当なこと言ってごまかしたりしたら、承知しないんだからね!」
黒子「こっちは覚悟を決めてきてますのよ!」
上条「安心しろって。ちゃんと決めてあるから。いいからほら、早く」
美琴(……ばかっ、こっちは覚悟を決めてきたってのに……)
黒子(……これじゃあ、余計にドキドキしますの……)
上条「じゃあいくぜ? びっくりして卒倒すんなよっ!」
美琴・黒子「は、はい(ですのっ)っ!!」
ポンッ
美琴「!」
黒子「!」
上条「……おい、大丈夫か?」ポンポン
禁書「え、あ………あう……と、とうま?」
美琴「」
黒子「」
上条「ははは、真っ黒だなお前。あとでお風呂入ろうな?」
禁書「………!? こ、これはどういうことなのか……せ、説明してほしいかも……ひゃっ!?」
上条「俺はお前のことが好きだ、インデックス。俺の彼女になってくれよ」ギューー
禁書「ふぇっ!? わ、私は、ええええ? で、でもとうま、えええええええええええ」
上条「嫌か?」
禁書「いっ……嫌じゃないよ! 嫌じゃないけど……い、いきなりだし……その……びっくりしてるんだよ……」ドキドキ
上条「そりゃそうだよな。俺もついこないだまではお前のこと、ただの暴食シスターだと思ってた」
禁書「う、うん……(悪気はないと思うんだよ)」ズキッ
上条「でもな、この二人に告白されて、ふと思ったんだ。俺が本当に好きなのは誰なのか?
そりゃーお前はやたらと食うし、気にくわないことがあると噛み付いてくるし、
ちょっとわがままなとこもあるけど……そんなお前を放っておけない俺って、お前のことが好きなんだと思う」
禁書「とうま……」ウルウル
上条「遠回りしちまったけど、これが俺の答えだよ。受け取ってくれ、インパルス」ギュッ
禁書「うん………。うん………?」
上条「悪いな、御坂、白井。これが俺の……ってあれ?」
禁書「………」
上条「どこいっちまったんだあいつら? さっきまでそこにいたのに……」
上条(本当ならこっから上条さんの説教タイムで、あいつら二人の仲をうまいこと直す予定だったのに)
上条(インデックスなら後で説明したら分かってくれそうだし)
上条(……まぁ、仕方ないか。いくら方便とは言え、とんずらこくのとは違うしな。日時を変えて……)
禁書「とうま」
上条「ん? どうした? あはは、ごめんな、こんな茶番につきあわせちま……」
禁書「………イギリスではその、本来シスターは生涯純潔を保つことになってるんだよ」ギュッ
上条「え」
上条「ど、どどどどうしたインデックス、腕つかんだりして……」
禁書「……でも、とうまがその気なら、私は………構わないんだよ」
上条「!!! ま、待てインデックス、これには深い訳があってだな……」
禁書「そ、それにしたって私は、は、はじめてだから……や、やさしくしてほしいんだよ……」ポッ
上条「え”!? な、何を言ってるんですか……? はじめて?やさしく?」
禁書「……わ、わかんないことあったら、その、私の10万3000冊の魔導書の中にきっと……」
上条「ちょ! ちょっと待て! 違うんだインデックス、一から説明させてくれ!」
禁書「だめなんだよっ! もう誰にも渡さないんだよっ!! とうまは私の彼氏なのっ!!
大好きなのっ! 私だけのものなんだからっ!」ギューーーー
上条「まてまてまてくそおおおおおミスったあああああ不幸だあああああ!!!!」
禁書「不幸!? 自分で言ったくせに!! とうまーーーーーーーーーーー!!!!!!」ガブッ
上条「はぎゃああああああああああああ」
_______________
土御門「だから言わんこっちゃないにゃー」
上条「お前は昼ドラの姑か!!」ペシッ
_______________
とある寮への帰り道。
黒子「…………」トボトボ
美琴「…………」トボトボ
黒子「…………お姉さま」
美琴「…………」
黒子「し、仕方ないですのよ。今回はなんというか、少々タイミングが悪かったですの。
わたくしたちも精一杯がんばったことですし」
美琴「…………」
黒子「それにしても上条さんも人の悪い。あんなに盛り上げておいて、わたくしたちを選ばないなんて。
や、やっぱりあの男はダメ男ですわね!」
美琴「…………」
黒子「わたくしなんてファーストキスを捧げてしまいましたの!
ふふ、蓋を開けてみたら、この白井黒子、なんたる失敗」
美琴「…………」
黒子「……お姉さま! そんなに気を落とさないでくださいまし! 黒子まで……あ、あれ…ですの………」グス
美琴「………ばか、涙、拭きなさいよ」スッ
黒子「……………面目ないですの……ぐす……」
美琴「みっともないわね………ほんと、黒子は仕方ないんだから……」
黒子「……お姉さまこそ………みっともないことこの上ないですの……」
美琴「ぐす……うるさいわね……ばか………」
美琴「ねえ、黒子……」
黒子「なんでしょう」
美琴「どっちにしろ言おうと思ってたことがあるんだけど……その、……色々とごめんね?」
黒子「へ? な、なにを今更言いますの? ライバル宣言した仲ですし、あ、謝られるようなことは別に、わたくし……」
美琴「違うの。私ね、その前からすごく自分勝手だったから。前にも言ったけど、本当にアンタの気持ち、無視したのよあのとき」
美琴「木山春生、覚えてる? ……あの人に『行動しろ』って言われたの、思い出して。気がついたらあいつに抱きついてた」
黒子「………」
美琴「先輩として、本当ならアンタに譲るべきかもしれなかったんだけど、どうしても無理だったの。
それくらいアイツのこと好きだったから。だから私よりも、アイツの頭の中にアンタがいるのが悔しくて。
ずるいよね、私。………とにかく」
美琴「本当にごめんっ!」ペコッ
黒子「ええっ!?」
黒子「お、お姉さま! か、顔を上げてくださいまし!」
美琴「いいの。これくらい当然よ。アンタは私の気持ち、なんだかんだちゃんと考えてくれてた。
その上で逃げなかった。私の想いも受け止めてくれてた。
なんていうか………そういうとこちょっと尊敬したっていうか……」
黒子「………お姉さま……」
美琴「だから、本当にごめん」
黒子「……気にしてませんの。もう終わったことですのよ、お姉さま……」
美琴「それでね、黒子……」
黒子「ど、どうしましたの?」
美琴「……その、ちょっとヘンだと思われるかもしれないけど……聞きたいことがあってね……」
黒子「何をおっしゃりますの! 戦いが終わった今、黒子はいつもどおり、お姉さまの味方ですのよ!
なんなりとおっしゃってくださいまし!」
美琴「………キスって、どんな感じ……?」
黒子「……へ?」
黒子「お、お姉さま?」
黒子(このタイミングでキスの話題、ですの……?)
美琴「……したんでしょ、あいつと」
黒子「……そ、そりゃまぁ……勢いもありましたけれど……」
美琴「……私とはしてないくせに?」
黒子「わっつ!?」
黒子(お姉さまの様子がおかしいですの……)
美琴「あれってやっぱりレモンの味、するの?」
黒子「し、しませんのよ! そんなの迷信ですの!」
黒子(コーラの味はしましたけれど……ってそうじゃないですの!!)
美琴「そっかぁ……。私、キスしたことないからわかんない」
黒子「……そ、それをわたくしに聞いてどうしようと……?」
美琴「くろこ」ギュ
黒子「ふぁい!?」
美琴「私、やっぱりずるい?」
黒子「な、ななななな何がですの? お、お姉さま、熱でもあるんじゃ……」
黒子(そ、そんなにじっと見つめられたらドキドキしてしまいますの! はっ! わ、わたくしまた……)
美琴「……私とは、するの嫌?」
黒子「」
黒子(お姉さまは常盤台のレベル5の電撃姫その電撃姫がわたくしの前で手を握ってこちらをじと目で見ているそしてわたくしにキスについての感想を尋ねたこれはつまりどういうことかというt)
美琴「……嫌だったらいいの。私ね、寂しいだけだよ? 黒子がそういうの嫌だったら、このまま帰る」
黒子「…………」
美琴「今だけね、本当に今だけ……なんとなく思っただけ。ずるいことしたくないから、先に言っておくね」
黒子「…………」
美琴「……………あはは。だめだよね私。あいつに振られた寂しさを後輩のあんたで埋めようなんて。
それに、もう黒子は男の人のことが好きになるようになったんだもんね。変なこと言ってごめ……」
黒子「……黒子も」
美琴「え?」
黒子「黒子も、今日は寂しいだけですのよ……」ギュ
美琴「……黒子」
黒子「だからこれは、なんというか……埋め合わせをするだけですの。明日になったら綺麗さっぱり、忘れますの」
美琴「ほんとに、綺麗さっぱり?」
黒子「そ、そうですのよ。綺麗さっぱり………」
黒子(お姉さまはわたくしを求めてくださってますの? ……いや、そうではありませんわ。
これはお姉さまが言うとおり、寂しさを埋めたいだけ……わたくしも、多分そうですの……)
黒子「……キ、キスはその、唇にするんですの?」
美琴「……アンタはどこにしたのよ、ばか」
黒子「そりゃあ……唇ですけれど……」ドキドキ
美琴「……。じゃあ、私には他のとこにもしてよ……?」モジモジ
黒子「お、お姉さまっ!……わ、わたくし、そのっ……!!」ギュッ
美琴「………ここじゃだめ……部屋でしよ?」
黒子「は、はいですの………」
_____________________
ここが分岐点。
※すまんそういう話だったんだ。 耐性がない人はここで終了してくれ。
続きはまた今度。
忙しくなりそうなんでこのペースで書きます。失礼しやした。
すまぬ、そういう意味じゃないんだ。百合耐性ない人のためにって意味だぜい
つまんね(>>1とお前ら)
>>1「みんなが考えてもいなかった展開にした俺かっこいい」
作者とかwwwwwwwwwwww便所の落書きに作者呼ばわりなんてwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
じゃあこれからはスレ主って呼ぼうぜ!ww
スレ主マダー?
>>682
\ ∩─ー、 ====
\/ ● 、_ `ヽ ======
/ \( ● ● |つ
| X_入__ノ ミ そんな餌で俺様が釣られクマ――
、 (_/ ノ /⌒l
/\___ノ゙_/ / =====
〈 __ノ ====
\ \_ \
\___) \ ====== (´⌒
\ ___ \__ (´⌒;;(´⌒;;
\___)___)(´;;⌒ (´⌒;; ズザザザ
________________
とある寮。
帰宅して有事を済ませた白井黒子と御坂美琴は、ベッドの上で向き合っていた。
美琴「さ、どっからでもかかってきなさい」
黒子「………で、では………」
美琴「…………」
黒子「…………」ドキドキ
美琴「………………………」
黒子「………………………」
美琴「…………ねえ」
黒子「はい………」
美琴「どうしたの? 何してもいいってば」
黒子「い、いえ、その……」
美琴「?」
黒子「き、キスをするというのは何回目でも、なんというか……」
美琴「……緊張する?」
黒子「ええ……お姉さまはしてませんの?」
美琴「……面と向かって言われるとそりゃするけど。ま、私はしたことないけどね」
黒子(そうじゃありませんの。……黒子は、まだ上条さんのこと……。
お姉さまだって……。それに、何か……お姉さま?)
美琴「ほら、早く。目つぶるから……」
黒子「な、なんというかお姉さま、いざこうなると……その……つまり……」
美琴「黒子」ガッ
黒子「は、はい!?」
美琴「いいから。私がしなさいって言ったらしなさい。今まで私にさんざん色々してたでしょ」
黒子「……そうなのですけれど………」
黒子(………)
美琴「嫌なの」
黒子「そ、そんなことはありませんの! わたくしはお姉さまが大好きでしたし……」
美琴「でした、………か」
黒子「はっ!? ち、ちがいますの!! そ、それはそのう、上条さんとのこともありましたし、そういう意味で過去形に……」
美琴「………ぷっ」
黒子「……?」
美琴「バッカみたいよねー私。あいつに散々振り回された挙句、今度はアンタにキスしろとかなんとか。
こんなんだから、あいつにも振られて、アンタにも過去形にされて、あはは」
黒子「お姉さま、ですからそれは……」
美琴「何が違うのよ!!」
黒子「!」ビクッ
美琴「…………ごめん」
黒子「え? そ、それはその……」
美琴「素直じゃないよね、私。こんなんだからアイツに振り向いてもらえなかったのかな。だからアイツは、あのちびっ子になびいちゃったのかな。
……やっぱり私、魅力なかったのかな………」
黒子「…………そんなことは………」
美琴「ねえ、黒子。さっきも言ったけどね、私、寂しいからあんたに逃げてるの。あいつから逃げてるのよ。
こんな先輩でごめんね」
黒子「お姉さま……」
黒子(やっぱり様子が変ですの……こんなに情緒不安定になるお姉さまは見たことないですの)
黒子(……お姉さまも相当傷ついたんですのね。……でも)
黒子(……わたくしこそ、何だというんですの? あんなに上条さんが好きといった後、お姉さまとこんなことをしたりしていて……)
黒子「お、お姉さま、今日はやはりお休みになられた方がよいのでは……。黒子でしたら、いつでもお姉さまのそばにいますし……」
美琴「…………ひつ……よう…」
黒子「はい?」
美琴「必要だ、と、思わせて、よ……」
黒子「…………」
美琴「…………」
黒子「……わかりました。目をつぶってくださいませ」
美琴「……………うん」
黒子「……お姉さま」ギュッ
美琴「………」ビクッ
黒子(わたくしは、今までお姉さまに何度も……そうですのよ、黒子。何を戸惑って……)
黒子(……どうして、胸が痛くなるんですの?)
黒子(………どうして……)
chuっ。
美琴「………っ」
黒子「…………ど、どうでしょう、少しは気分が……」
美琴「……………」
黒子「お姉さま?」
美琴「………寝るね」
黒子「え?」
美琴「ありがと、黒子。落ち着いた。……おやすみ」テクテク
黒子「え、ええ……。おやすみなさいませ………」
黒子(………)
黒子(何の味も、しませんの……)
_____________________
黒子(……、……)
黒子(わたくしは何がしたいんですの?)
黒子(上条さんのことは…………)
黒子(……、……)
黒子(………やっぱりまだ好き……)ドキドキキュー
黒子(……でも、お姉さまはやっぱりお姉さま。黒子の、憧れの……)
黒子(ならお姉さまが求めてくださってますのよ? 何を躊躇って……)
黒子(……、……)
黒子(……二人とキスをした)
黒子(……わたくしは………)
黒子(……、……、……………………)
___________________
数日後。
とあるファミレス。
佐天「ええっ!? じゃあ結局二人とも振られちゃったんですか!?」
黒子「ええ……まぁ」
黒子(声が大きいですのっ!! というかこの二人、裏でつながってたなんて初めて知りましたわ。
……まぁ、今となってはどうでもいいことですけれど)
初春「佐天さんっ!! もうちょっとデリカシーのある発言をしてください!! もぉ。
白井さん……何て言葉をかけていいか………」
黒子「初春がしょげてどうしますの! その件に関しましてなら、もう気持ちは整理できてますの」
佐天「えっ、そうなんですか?」
黒子「もちろんですの。こう見えても立ち直りは早いんですのよー、ふふ」
黒子(……………)
初春「じゃあこれで、御坂さんとの恋の戦争もひと段落ってことですね……。
でもやっぱり残念です、私がついていながらこんな結果に……」
佐天「もぉ、あたしたちが凹んでどーすんだよー初春ー。
白井さんや御坂さんがどう思ったか、何を得たかの方が大事じゃん!
……あれ、そういえば今日、御坂さんは?」
黒子「……それですの、今日二人を呼び出した理由は」
初春佐天「??」
黒子「あの日以来、お姉さまとはなんだか気まずくて」
佐天「……ううん、それはある意味仕方ないっていうか。
元の関係に戻るには時間がかかるんじゃ……。だってライバル同士でしたもんね?」
黒子「あ、いや、そういうことではなくて……」
佐天「?」
黒子「ええと……」
初春「全然話してないんですか?」
黒子「……そういうわけでは、あ、ありませんのよ。
会ったら話はしますし、そもそも同じ部屋で生活しているわけですから、最低限のコミュニケーションはとっていますの」
黒子(……何いってますの、わたくし)
佐天「最低限って、どれくらいの?」
黒子「えっ」
初春「白井さん……?」
黒子「そそそそ、そうですわね、朝起きたら『おはよう』、帰ってきたら『おかえり』、顔を合わせたら『元気?』とか……」
初春「ず、ずいぶんドライな関係になったんですね……」
黒子「……ええ、………まあ」
佐天「あたしが連絡してみましょうか?」
黒子「へっ?」
佐天「ほら、相談のってた身ですしー。あたしも最近は連絡なかったんで、特に関わってなかったんですけど…」
初春「確かに御坂さんが何考えてるかは気になりますね」
黒子「!!」
黒子「け、けっこうですの!!! これはわたくしが自分の手でっ!!!」ガタッ
初春(…………)
佐天「でもさぁ、御坂さん、意外とさっぱりしてそうなんだけどなー。
いや、別に気持ちがその程度だったってことじゃなくてさ、
それが原因で白井さんと関係悪くなるような人かな?」
黒子「…………」
黒子(…………やっぱり……)
黒子「その、実は……」ボソ
初春「御坂さんのことは佐天さんの方が知ってると思いますけど……。
でも徹底抗戦!って宣言したんですよね? どーも腑に落ちないというか」
黒子「………」
佐天「いつもならこう、『しょうがないよね黒子!』とか」
初春「『なんくるないさっ黒子!』とか」
佐天「『盛るぜぇ~、超盛るぜぇ~』とか」
黒子「……は?」
初春「違いますよ佐天さん、『伊達にあの世は見てねぇぜ!』です」
佐天「お、そう来るかぁ? じゃああたしは『つきに代わってお仕置きよ!』だなー」
初春「あーずるい! それなら私は『海賊王に、俺はなる!』にします!」
黒子「何の話をしていますの!?」
初春「まとめると、コミュニケーションの問題なら、白井さんからアプローチしたらどうですか?」
黒子「………」
初春「白井さん?」
黒子「は、はひ」
初春「一度しっかりお話をしたほうがいいんじゃないですか?」
黒子「………」
佐天「そうですよっ! だいたい日常会話がさっきみたいなやり取りだけなんて、いくらなんでも寂しすぎますよ」
黒子「……、……………」
初春「……白井さん? 聞いてます?」
黒子「なっ、何がですの? そ、そうですわね、『わたくしの戦闘力は53万』ですのよ!」
佐天初春「………は?」
黒子「あ。ご、ごめんあそばせ! わたくし今日はこれで帰りますの!!!! これ、わたくしの分のお金ですのよ! でわ!」ダダダダ
佐天「あ! ……行っちゃった」
佐天(テレポートすればいいのに)
初春「………佐天さん、妙だと思いませんか」
佐天「え?」
初春「御坂さんと白井さん、本当にあんなドライな関係になったんでしょうか」
佐天「なんでそう思うのー?」
初春「第一には勘です」
佐天「根拠に乏しいぞぉ初春ー。論理的にいかないと」ジュースチュー
初春「……私には、なんだか白井さんには隠してることがあるような気がしてなりません」
佐天「隠すぅ? 今更何を隠すっていうんだよー。私たちは全部知ってる身だぜー?」
初春「……テレポートすればいいのにって思いませんでした?」
佐天「んー、まあ思ったけど、演算するの面倒だっただけじゃない?」
初春「………」
初春(動揺してたのか、悩み事か、あるいは……)
______________________
とある寮。
黒子「………んっ……」チュプ
美琴「………、………」
黒子「…………っ……」
美琴「………ありがと、黒子。今日はもういいや」
黒子「……はいですの……」
美琴「ごめんね、毎晩寝る前に……」
黒子「こ、これくらい平気ですのよ! キスもだいぶ慣れてきましたし……お姉さまが、その、求めてくださるのはうれしいわけですし…ええと」
美琴「嫌だったら言ってね? ……私が安心したいだけだからさ」
黒子「そ、そんなこと……ッ!」
美琴「黒子だってそうでしょ? 私が求めるから、断れないんでしょ?」
黒子「違いますの! わたくしは、お姉さまのことが……」
美琴「嘘」
黒子「……」
美琴「それくらい私にだってわかるよ」
黒子(………)
黒子「……お姉さま、黒子は今日初春たちに相談してまいりましたの、それで、やっぱり想ったんですけれど」
美琴「! 誰かに言ったの?」
黒子「え、あ、いや……こ、このことは言ってませんの」
美琴「………ごめん黒子、ずるいのわかってるけど……。やっぱりこのことは秘密にして?」
黒子「え、う………あうあう……」
美琴「やだ? それに黒子がどうしてもっていうならもう言うのやめるから」
黒子「………うう……」
美琴「………ごめん」
黒子「………」シュン
美琴「おやすみ、黒子」
黒子「……おやすみなさいませ……」
_____________________
黒子(……あれから毎晩、こうしてお姉さまの夜伽をしていますの)
黒子(伽といってもキスだけですけれど……)
黒子(だ、だんだん慣れてきて……大人っぽいキスになってきましたわ)
黒子(…………でも………)
黒子(ああなんて優柔不断ですの? ダメダメ黒子……)
黒子(…………お姉さまに求められるのは嫌じゃない、むしろうれしい……けど)
黒子(…………)
黒子(……初春……。やっぱりちゃんと相談すればよかった…)
黒子(……前までは……普通にいえたのに)
黒子(……不純、と思ってしまうのはなぜ?)
黒子(違いますのよ黒子。理由は簡単ですの)
黒子(わたくしは悩んでいる)
黒子(お姉さまもまだ、悩んでいる)
黒子(はぁ、まったく上条さん、貴方という人は本当に罪作りな男ですの)
黒子(こんなかわいい女の子が二人、貴方を想っていますっていうのに……)
黒子(………お姉さまの心がここにないのもわかる、わかるから、悩む)
黒子(でもそれ以上に、わたくしの心は一体どこに行ってしまいましたの?)
黒子(わかりませんの………わからないことだらけですの……)
黒子(…………)
黒子(……)
黒子(…………やっぱり……好き……?)
____________________
とある放課後の教室。
土御門「ほんとカミやんは手の施しようがないんだぜい」
青髪「なんで僕に教えてくれなかったんよ? こないな楽しい話」
土御門「割と必死だったからにゃー。まぁ確かにデルタフォースとしてはからかい甲斐があるネタだったぜよ」
青髪「……結局はそのシスターちゃんと付き合ったわけやろ? あーカミやん、なんて罪作りなお・と・こ」
土御門「それがそうもいかないんだぜい」
青髪「何やて!? まさか二股かけるってわけじゃないやろな! なんてうらやm」
土御門「あのカミやんが大嘘つき通せる性格だと思うか?」
青髪「……というと」
土御門「次の日に会ったんだけどにゃー、体中に噛み付かれた痕つくってたぜい」
青髪「ありゃりゃ」
土御門「ま、自業自得だにゃ」
青髪「ちゅーことは結局振り出しに戻ったわけやな?」
土御門「そういうわけでもないぜい。白井黒子と御坂美琴はまぁ、その、いわゆる…」
青髪「!! まさか、百合展開!?」
土御門「あー、まぁそこまでディープな領域には入ってないみたいだが、似たようなもんだぜい」
青髪「………」
土御門「どうした?」
青髪「いつも思うんやけど」
土御門「?」
青髪「どっからそういう情報仕入れてるん?」
土御門「色々とな」
青髪「…………」
青髪(こりゃ僕もうかうかしてると変態ランキングで抜かれるなぁ)
青髪「ふと思ったんやけど」
土御門「ん」
青髪「仮に付き合うとしたらどっちにする?」
土御門「俺がってことか? なんでまた急にそんなこと聞く?」
青髪「ええやないのう! ちょっと思っただけやって。僕たちの仲やし」
土御門「………白井黒子」
青髪「おほ。即答やなぁ。なんでなんで? 御坂美琴ちゃん、かわいいやないの」
土御門「素直じゃないやつは友人関係だけで十分なんだぜい。あっちの方が多少はストレートな印象だにゃー」
青髪「……しかもロリ?」
土御門「うにゃー! さすが話がわかるんだぜい!!」
青髪「ロリがええとちゃうで~」
土御門「ロリもいいんだぜい~」
青髪土御門「あっはっはっは」
青髪土御門「………はぁ」
土御門「うーむ、ま、それは冗談としても」
青髪「どうしたのん?」
土御門「そういうのもアリなんだぜい」
青髪「うーん、なんだか悪い顔してるのはどういうこっちゃろ?」
土御門「悪い顔、かにゃ? ……そうだな、持論を展開してもいいかにゃー?」
青髪「変態トークならいつでも付き合うっちゅーの」
土御門「そうじゃないんだぜい。……俺はいつも思うんだけど、恋愛なんてもんは結果論だぜよ」
青髪「おおっ、天下のつっちーさんがいつにも増した黒幕トーク!」
土御門「照れるんだぜよ」
青髪「このこのぅ」
土御門「結果さえよければ過程なんてもんはなんでもいいってことだにゃ。
たとえば俺がここに線を一本足したとする。描いたベクトルがどう働くかは相手次第。
過程で傷つく奴はいるかもしれないが、それでも大事なのは結果だぜよ。
それこそどんなあくどい手を使っても、目的は他にあっても、不純な動機でも、
……関わった人を幸せにしたやつの勝ち。どうかにゃー?」
青髪「そないな適当なこと言って、また荒れちゃっても知らんでえ?」
土御門「構わないにゃー。視聴者には言いたい放題言わせてあげるのは健全な体制なんだぜい」
青髪「挑戦的やなぁ」
土御門「コミュニケーションをとってるわけだから、当たり前だぜい。それも過程のうちってことだにゃ」
青髪「ほうほう」
土御門「……さて、嵐の中の船出だぜよ」
青髪「僕は傍観者でええの?」
土御門「できれば見守ってくれると有難いけどにゃー」
青髪「任せとけっちゅーねん。最後まで付き合うでえ」
土御門「感謝するぜよ」
青髪「まいどあり」
_________________
百合描写が嫌いな人はすいませんでした!
このスレは私の私物でもなんでもないので言いたい放題言ってくださって結構です。
ただ展開を変えるつもりはないというか、
最後までもう決まっちゃってるのでそこは許してね。
ではまた近々
_________________
とある夕刻の公園。
ベンチに座って缶を握り締める御坂美琴。
焦点は定まらず、一人地面を見つめる。
美琴(…………)
美琴(…………私)
美琴(……最低だよね)
美琴(わかってるよ、わかってる)
美琴(なんかよくドラマである感じ? 最初は寂しさを埋めるとか、聞こえのいいこといっちゃって…)
美琴(それがだんだん癖になってきて……)
美琴(そんな行為に意味とかないし……だからどうなるってわけでもないのに)
美琴(……)
美琴(……黒子も、悩んでるんだよね)
美琴(くやしかったから? さみしかったから? だれでもいい、から?)
美琴(……、……)
美琴(どうして同じ人を好きになっちゃったんだろう)
美琴「それもこれも、ぜーんぶあの馬鹿のせい!」
美琴「ばーか!! そ・げ・ぶっ!!!!」ヒュッ
カラン、カランカラン……
美琴(………)
美琴(口で言っても何も変わらないっての)
美琴(本当なら、黒子と一緒にがんばろうねって言い合ったり……)
美琴(……それで、作戦会議? とか)
美琴(プレゼント何にするー、とかさ)
美琴(……一緒にデートしたりとか…)
美琴(……、……)
美琴(でもね)
美琴(何が最低ってね)
美琴(私ね、悔しいんだ)
美琴(……あのシスターにじゃなくて………)
美琴(……黒子は……)
美琴(……あいつとキスした)
美琴(私はまだそれが………)
ダメダヨ、ヒトガミテルヨ……ダイジョウブダッテ……
美琴(? だれかいる?)
美琴(あそこの茂み……?)コソコソ
美琴(……! ……!!!!)
___________
浜面「……な? ちょ、ちょっとぎゅっとするだけ」
滝壺「だめだよ、はまづら。この前遊園地いったときもそういってた」
浜面「あ、あれはなんというかだな、雰囲気だ雰囲気。こことは違うって」
滝壺「おなじ。私、もう外ではくっつかないよ? 癖になっちゃうから」
浜面(癖にしたいんですぅぅぅぅぅ!)
浜面「……たのむよぉそういうことしようよぉ」
滝壺「………」ジーーーー
浜面「え? ……!! や、やややや! いや違うんだ! そういう意味じゃないぞ!? もっとライトなやつでだな…」
滝壺「……はまづらは」
浜面「え?」
滝壺「私とそういうことしたい?」
浜面「ん!? ………ん?! そ、そういうことって……」
滝壺「えっちなこと」ボソ
浜面「えっ! お、おう! そりゃそうだ! 滝壺、やっとその気に」
滝壺「……………からだめあて?」
浜面「ばっ、ばっかやろう!! 俺はお前といるだけで幸せだっ!」
滝壺「ならもう行こう? 私もはまづらといるだけで幸せだよ」グイッ
浜面「あ……うぐ……」
浜面(ちくしょうくそったれ、お前が可愛い過ぎるから悪いんだよ!!!
…………ってのはさすがに言えねえな……)
美琴(<●><●>)ドキドキドキドキ
浜面(はぁ……しょうがねえな……)テクテク
美琴(……あっ、やばッ! どどどどうしようこっち歩いてくる!!)ガサゴソッ
浜面「ん?」
滝壺「どうしたの?」
浜面「なんか今そこで音が……」
美琴(!! バレタ! みことぴんち!)
浜面「……だ、誰かいるのか!?」
滝壺「………?」
美琴(やばいよう! ついうっかり見入っちゃったから………)
美琴(……ええいっ、いちかばちか!)
美琴「……げ、げこげこ」
浜面「!?」
美琴「げ、げろげーろ」
滝壺「蛙だよ、はまづら」
浜面「なんだただの蛙か」
美琴(ホッ ごまかせた………なんでもやってみるもんね)
浜面「しかし蛙って俺、昔からダメなんだよな。あの外見に緑だぜ?
はは、気持ち悪いったらありゃし」
美琴「ピクッ! ゲコ太を馬鹿にするなぁーーーーッ!!!!」ガバッ
浜面「」
美琴「あ”」
滝壺「…みさか?」
_________
浜面「ほい。ジュース」
美琴「ごめんなさい………」
滝壺「大丈夫だよ。私たち気にしないから。ね、はまづら?」
浜面「お、おうよ。まぁ別に何したわけでもねえし……」
美琴「………」
美琴(ぜったいちゅーする気だったこの人)
美琴(………)
美琴(………うらやましくなんかないもん)グス
滝壺「みさか、顔色悪いよ? 具合悪い?」
美琴「へ、平気……」
滝壺「みさか」ジーーー
美琴「な、何?」
滝壺「……やせた?」
美琴「………ちょっとだけ」
滝壺「…………」
浜面「おう超電磁砲、あれだぞ、腹が減ってはなんとやらだ。
例のあいつと一戦やらかすんだろ? 無理してでも食っt」
美琴「……っ!」ズキッ
滝壺「! …はまづら!!!」キッ
浜面「はひぃぃ!?」
滝壺「……ちょっと向こういってて?」
浜面「……う、うんっ!! あ、あれえ、なななななんだぁ急に走りたくなっちゃったぞー!! あはははは!」ダダダダッ
_________________
浜面(あんな怖い目する滝壺初めてみたよっ!)
浜面(やっぱり口は災いの元だねっ! 僕ちんもう黙ってようかなっ!!)
浜面(………)
浜面(俺こういうの多くね?)
___________
美琴「き、気とか、遣わなくていいからっ」
滝壺「………」
美琴「まぁ、そーゆーコト。……なんかね、あいつ同居してるシスターが好きなんだって」
滝壺「同居してたの?」
美琴「うん。私もあいつの家行って初めて知ったんだけどね。
はは、今思えばそこで気づけばよかったなー」ポリポリ
滝壺「………」
美琴「あ、それとね、なんか私の後輩も同じ人が好きだったみたいなの」
滝壺「前に話したときにちらっと言ってたひと?」
美琴「そそ。二人とも振られちゃったってわけ。……ごめんね、せっかく遊園地誘ってくれたのに」
滝壺「ううん、気にしないよ」
美琴「……それでね、黒子がね……あ、黒子っていうのは私の後輩で……」
美琴「……あいつとキスしてたみたいでね……」
美琴「……私もがんばったんだけど……そういうのじゃなくて……」
美琴「…………ああもうわかんないや……わかんない」
滝壺「こっちおいで」ギュッ
美琴「!」
滝壺「みさかはがんばったんだよね? 私にはわかるよ」
美琴「…………っ、」
滝壺「大丈夫だよ。誰も見てないから」ヨシヨシ
美琴「……滝壺さんは……彼氏いるじゃない……」
滝壺「……うん」
美琴「だから……こうやって他人を慰められるんだよ。余裕があるから。私には……誰もいないもん……」グス
滝壺「………」
美琴「……誰もいないから……後輩に頼って……適当な言い訳して……」
美琴「なんとなく空いたものを補うことしかできないの……」グス
滝壺「……うん」
美琴「……なんかね、すごく悔しいのと……嫉妬とか……甘えてるなあとか……色々あるんだけどね……」
滝壺「……うん」
美琴「…………、私……今一番傷つけたいのはじぶんなの……」
滝壺「…………」
美琴「……今の私……自分には何もないんじゃないかなって思っちゃうから……」
滝壺「………」
美琴「……辛いことは今までもたくさんあった。けど……乗り越えた……」
美琴「でも今回は……どうしたらいいか……わかんない……」
美琴「……私……必要じゃないって……思って…………」
滝壺「みさか」
美琴「………?」
滝壺「痛かった?」
美琴「……うん……」
滝壺「我慢しちゃだめだよ?」
美琴「…………うん………………」
滝壺「傷口に傷を重ねてもだめだよ?」
美琴「……うん……ひっく……ぐす……」
滝壺「それと……」
美琴「……………?」
滝壺「自分が必要じゃないなんて、言っちゃだめだよ」
美琴「……う、……うう……」
滝壺「……」ヨシヨシ
美琴「うわああああああああああああああああん!!!!」
____________
ガサゴソ。
浜面(そろそろ平気かな……)ドキドキ
浜面(超電磁砲が泣き出したときはびっくりしたけど)
浜面(なんか落ち着いたみたいだし……)
浜面(………あいつ、振られてたのか……)
浜面(………)
浜面(滝壺……怒ってないかな……)
浜面「おおい!」
滝壺「おかえりはまづら。さっきはごめんね」
浜面「ん? な、なんのことだ? 俺は全然平気だぜ」
美琴「………ありがとう、滝壺さん」
滝壺「私は何もしてないよ」
美琴「ううん。……ちょっとだけ、落ち着いた」
滝壺「……」
浜面(……慰めてあげてたのか滝壺)
浜面(さすが俺の嫁! 包容力と母性とボディと脱力感には定評があるぜ!!)
浜面(………しかし)
浜面(……そうかなるほど……悪いことしたな……)
美琴「えっと……は、浜面、も、ありがと」
浜面「おう、どういたしまして(呼び捨てなのはつっこまないでおくか)」
浜面(………)
浜面「……なあ超電磁砲」
美琴「え?」
浜面「うーんと、そうだな。お、俺はあんまり細かいことはわっかんねぇけどよぉ」
美琴「………」
浜面「俺が滝壺に惚れたときはさ、……なんつーか、」
滝壺「はまづら?」
浜面「……真心だったぜ。飾りっ気なんて微塵もなかった。
だからこそ、今もあのときの気持ちはかわってねえ」
美琴「………」
浜面「多分これからも変わらねぇ。お互い素っ裸で向き合ってるんだからよう」
浜面「だからお前も、あいつの心のど真ん中を……」
浜面「……って、あああ、え、偉そうだな俺、あはは」
滝壺・美琴「………」
浜面(ぐっ……。変な空気になりやがった……!?)
美琴「……ぷ」
浜面「………?」
美琴「なにそれ。惚気ですかー? こっちは振られたっつの」
浜面「ん、んん? わ、わわわわりィ、ちょっと調子に……」
美琴「ありがとう」
浜面「おお?」
美琴「お幸せにね。……二人とも」
浜面「…………?」
____________
滝壺「私たちも帰ろう」
浜面「ん? おう、そうだな、もう暗くなってきたしな」
滝壺「うん」
浜面「……あいつ、大丈夫かな」
滝壺「まだわからない」
浜面「だよな。立ち直るにはなんかきっかけが必要っつか……。
ああもう、どうにかならねえのかよ! ほらあの、『スクール』の女とかよ…」
滝壺「だめだよ。はまづら、真心が大事って言った」
浜面「わかってるけどよぉ…。そうは言っても……心配になるだろ」
滝壺「うん」
浜面「……うーむ、しかし、あの男もあれだな、情け容赦ねえっつかなんつうかよ。
冷静に考えてあんな可愛い子を振るなんて信じられねえ」
滝壺「はまづら」
浜面「……!? あ、いや違うんだ、いっ、今のは、こここ言葉のアヤってやつで」
滝壺「ちょっとだけ、寄り道してこ?」
浜面「え? いいけど何処に?」
滝壺「ないしょ」
浜面「お、おい滝壺! どこいくんだよーーーー!!!」
滝壺(私も変わってないよ、はまづら)
滝壺(……みさか)
滝壺(辛いと思うけど、乗り越えて)
滝壺(そしたら、また遊園地いこうね)
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続きはまた今度
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