美琴「私は変態じゃない」 (26)
はい
黒子をビリビリするたびに感じちゃう御坂さんってことですか?
美琴「いいかげんにしなさいっ!」ビリビリッ
黒子「の゛お゛お゛お゛お゛お゛おおっ!!」
美琴「はぁっ……はぁっ……」
黒子「き、今日もお姉さまの愛が……体に染み渡りますわ……」ビクッ ビクッ
美琴「あんたもそろそろ懲りなさいよね……」
黒子「この痛みこそが……お姉さまの愛の証ですの……」
美琴「っ……気持ち悪いわよ!」ビリビリッ
黒子「ああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
黒子「……zzZ」スー スー
美琴「…………」
美琴「……」モゾッ
ヌルッ
美琴(濡れてる…………また……)
いつからだろう。
黒子に電撃を見舞うときに興奮を覚えてしまうようになったのは。
初めは心臓がドキドキするだけだったのに、気がつくと性的な興奮を覚えるようになっていた。
自分が他人を虐げて快楽を覚える人間だとは、絶対に思いたくなかった。
その考えを払拭するために、あえてスキルアウトのたまり場になっているような所へ足を踏み入れたりした。
チンピラを痛めつけても、特に胸が高鳴ったり、ましてや快楽を覚えることはなかった。
それを根拠に「自分は正常だ」と思い込もうとした。
だけど、実際は違った。
寮でいつものように黒子に電撃を加えると、やはり興奮してしまうのだ。
そのことを明確に意識してからは、なぜか周りの人間を見る目が変わってしまった。
今まで意識してこなかった彼女たちの行動が、私の理性を揺さぶるようになった。
婚后「あら、御坂さんではありませんか」
美琴「婚后さん、今日は一人なの?」
婚后「ええ、お二人共水泳部の活動があるようでして」
美琴「そっか、私これから佐天さんたちとお茶しに行くんだけど、婚后さんも一緒にどう?」
婚后「わ、私もですか?」
美琴「うん、何か予定ある?」
婚后「いいえ、特にないのですが……本当にご一緒してもよろしいんですか?」
美琴「当たり前じゃない、じゃあ行きましょ」
婚后光子。
私の(それほど多いとは言えない)友達の一人。
見かけによらず結構おせっかい焼きで、とても優しい人。
美琴「そういえばこの間の資料ありがとう」
婚后「え……あぁ、あの流体力学の」
美琴「やっぱり最新のデータがあるなしだと、仕上がりも変わってくるからね」
婚后「父から送ってもらっただけですから……私は何も……」
そして、人に感謝され慣れてないのか、こういうことですぐに顔を赤らめてしまう。
可愛い人だなぁ、と思っていた。
それだけだった、ついこの間までは。
美琴「あれ、婚后さん、何か付いてるよ?」
婚后「ふぇ?」
美琴「ちょっと待ってね、とってあげるから」
彼女の首筋には糸くずのようなものがついていた。
それをとってあげようと、少し髪に手を潜らせて、首筋に触れる。
その瞬間、少しだけ婚后さんが肩を強ばらせる。
ゾクリ、と背筋を走るものがあった。
そのまま糸くずをとって「大丈夫、取れたよ」と伝え、再び歩き出す。
先ほどの感覚のことは、考えないようにした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
佐天「婚后さんって蛇飼ってるんでしたっけ?」
婚后「ええ、とても可愛いんですのよ?」
佐天さんは誰とでもすぐに仲良くなってしまう。
いつも元気がよくて明るいところが、ほかの人を警戒させないためだろうか。
婚后さんと会った回数もそれほど多くないはずなのに、既に親しげな空気を醸し出している。
カチャン、と音を立ててスプーンが落ちる。
婚后さんとの話に夢中になっていた佐天さんが、自分のスプーンを落としてしまったようだ。
私は咄嗟に、能力を使ってスプーンを引き寄せようとした。
佐天「痛っ!」
すると、運悪く同じタイミングで手を伸ばした佐天さんの手に電流が流れてしまう。
慌てて佐天さんの手を取り、怪我がないか確認する。
美琴「ごご、ごめんなさい佐天さん! つい能力使っちゃって……」
佐天「いやいや、大丈夫ですから気にしないでください。ほら怪我もないですし」
美琴「本当にごめんね……」
佐天「だから大丈夫ですって。あ、スプーン交換してもらわないと」
ボタンを押して店の人を呼ぶ佐天さんを見ながら、私の胸は高鳴っていた。
この鼓動は、まずいことをしてしまった、という気持ちから来るものではない。
電流が流れた時の佐天さんの反応に興奮しているのが原因だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ジャッジメントの仕事がある黒子と初春さんと別れたあと、私たちは解散した。
婚后さんはペットショップに寄っていくというので、先に帰ることにしたのだ。
帰り道を歩きながら、さっきの佐天さんの反応を反芻する。
痛みに歪む顔。
一瞬だけ見せた、怯えたような表情。
――なんで……なんでこんなことするんですか……
――お願いです、許してください……
脳内で作り上げた佐天さんが、私に許しを乞う。
四肢の痺れが彼女から自由を奪い、すがり付くような目が私を見ている。
そこまで考えて
、私は自身の体が昂ぶっていることに気づいた。
しかも、太ももを粘性の液体が伝っていく感蝕までする。
私はすぐそこまで来ていた寮へ入り、自室へ入って服を脱ぎ捨て、バスルームに駆け込んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
黒子「ただいま戻りましたの……お姉さま?」
美琴「なによ?」
黒子「もうお休みになられてるのですか?」
美琴「いや……ちょっと疲れただけよ……」
黒子「お姉さま……まさかまたどこかで喧嘩をなさっていたのでは……」
美琴「まっすぐ帰ってきましたー、全く……失礼ね」
黒子「それならよろしいのですが」
美琴「でも……今日はやることないから、もう寝ることにするわ」
黒子(お姉さまのご様子……確かに疲れてはいるようですが、落ち込んでいるわけではなさそうですわね)
黒子(ぐふふ……まさに千載一遇のチャンス!)
黒子(いまのお姉さまならばいつもより反応が遅れて、結果いつもより美味しい思いが出来るかもしれませんの!)
黒子「おっねえさまああああ!」シュン
バチバチッ
黒子「ぐぇえ゛!」ドサ
美琴「……」
黒子「お、お見事ですわお姉さま……」
美琴「……」ビリッ
黒子「ひゃん!?」ビクッ
黒子「お……お姉さま?」
ビリビリッ
黒子「いひっ!?」
黒子(いつもと電気の流れ方が違いますの……これは、なんというか……)
美琴「黒子はこういうのがしたかったんでしょ?」ビリビリッ
黒子「んあぁあああ!」ビクビクッ
黒子(体が……壊れそうですの……これ、は)
美琴「ごめんね、いままで適当に相手してて……でももう、吹っ切れたんだ、私」
美琴「今日は今までの分も、しっかり可愛がってあげるからね?」
黒子「おねっ……さっ」ガクガク
美琴「次はどこに流して欲しい?」ツツー
黒子「ひっ……ひっ……」
美琴「あは……すっごくイイ顔してるわよ……」
美琴「まだまだいろいろ試したいことがあるから……最後まで付き合ってね?」
おわり
このSSまとめへのコメント
確かに変態ではないね
ド変態だもんね