エレン「斬魄刀…ですか?」キース「そうだ」(358)

キース「今日のレクリエーションではこの特殊な刀を用いてもらう」

アルミン(見た目は…外の世界の本に載っていたあれに似ている!)

ライナー「訓練兵同士の戦いがレクリエーションとは?」

キース「なに、チャンバラごっこのようなものだ」

ジャン「なるほど、ストレス発散には良さそうだな」

ライナー「…」ブルッ

ベルトルト「大丈夫だよ、理不尽に襲われたりはしないはずだライナー」

キース「なお、形式はサバイバル。優勝者にはパートナー付きの1日休暇が与えられる」

ミカサ「パートナーは…」

キース「優勝者が選ぶ」

アニ「!」

マルコ「これは…」

ジャン「ああ」

アルミン「俄然燃えて来たよ」グッ

ライナー「」

ベルトルト(………バイバイライナー)

エレン「休暇かーあんまりいらねえなあ」

サシャ「はっっ…肉はパートナーに入りますか!?」

キース「少しは慎みを覚えろ…だが、まあ認めよう」

初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、タ書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねぇ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

初春「結果スとして面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許ケせませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「まあ、一番の害悪はそういったSSを持テち上げてる人たちなんですが」

佐天「初春?」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なんだネットか」

キース「ではまずこの浅打を配る!」ガチャガチャ

クリスタ「あ、あの!普段使っているブレードと変わらないように見えますが」

キース「その質問はもっともだ。だが、最初に言ったようにこれは特殊でな」チャキ

ミーナ「というと」

キース「啼け!紅姫!」シャラッ

ドン!

アニ「!」

エレン「すげえ!形が変わった!?」

アルミン「いったいどうなって…!」

キース「工兵部が今日だけのために創ってくれたのだ。あとは聞くな」

キース「さて、最低限の説明をしよう」

キース「刻限は日没まで。最後まで立っていたものを優勝とする!」

キース「フィールドはこの巨大樹の森一体。立体機動装置を存分に使え。以上」

マルコ「説明はそれだけですか!?」

キース「朝礼での校長の長話ほどつまらんものはなかろう?考えるな、感じろ」

キース「刀に語りかけるのだ!そうすれば使い方もわかる。では行け!」

キース「…どうした?散れ」

ライナー「し、しかし感じろと言われても…」

ベルトルト「…」

エレン「無理があるよな…?」

アルミン「うーん…でも、僕はどこかで…」

アルミン(まてよ。たしかおじいちゃんの持ってた外の世界の本の一冊…)

アルミン(そうだ!ブリーチって古文書にこういう剣が書かれてたぞ!)

アルミン(剣と意識の中で会話するんだ!)フッ

ミカサ「…」ブツブツブツ

アニ「…」ナンヤラカンヤラ

コニー「…なんだあの二人」

マルコ「なんか話しかけてるよ…」

クリスタ「わ、わたしも…」

ユミル「正気かよ…」スッ

サシャ「あ!ワラビとゼンマイ生えてます!」サッ

ミカサ「…」スック

エレン「ミカサ?」

シュウウウウウ

ジャン「!け、剣が!」

ライナー「驚いたな…本当に剣が変形するとは」

ミカサ「…」スタスタ

エレン「どこに行くんだ!?」

ミカサ「みんなが剣を変形させるまで、森の中に行く。斬魄刀の開放もできない状態で戦っても仕方ない…」

ジャン「♡」キュンッ

ミカサ「あ、エレン。次の日曜、空けておいてほしい…それじゃ」バシュッ

アニ「さて、私も行こうかな」

ベルトルト「君の剣は解放されてないけど…」

アニ「これは剣じゃなくて、刀。私はもう行くから…せいぜい急ぐんだね」

エレン「おう!気を付けて行けよアニ!」

アニ「えっ…その…」アセアセ

クリスタ(がんばってアニ!)

アニ「エレン、その。休暇、次の日曜に合わせるから。空けておいてくれない…?」

ライナー「…!」ダッ

エレン「え?無理だよ。ミカサに先約とられてるし」シレッ

ベルトルト「もっと遠くに逃げろライナー!!!!」

アニ「くそおおおおお!」バスッ

ライナー「ぐあああああ!」

アルミン「!よし!」

エレン「アルミン!お前もか!?」

マルコ「すごいやアルミン!」

アルミン「コツはね。深層意識で刀に語りかけるんだ。そして、刀の力を開放するには名前を呼ぶことが必要になる」

クリスタ「なるほど、刀?と会話して名前を教えてもらうのね」

アルミン「さすがだねクリスタ。とりあえす僕の斬魄刀をモデルに見せるよ」

ジャン「本当か?見せてくれ!」

アルミン「あ、ごめんクリスタ。一緒に刀支えてくれない?」

クリスタ「うん、いいよ!」

ユミル「…」ピク

エレン「おーいみんなー!こっち見ろ!アルミンが手本見せてくれるぞ!」

全員注目

アルミン(ごめんね、でもクリスタとデートは譲れないよ)

アルミン「砕けろ鏡花水月」パリンッ

ライナー「ほう、それがアルミンのか」

アルミン「こんな手順だからがんばってね!僕は体力で劣るから、先に森に入るよ!」バシュッ

エレン「お互い頑張ろうなアルミン!」

ベルトルト「さて、コツも教わったしやろうか」

ライナー「おう。いくぞ!」スッ

エレン「…」スッ

ジャン「…」スッ

サムエル「…」スッ








キース「…全員行ったか。では、様子を見に行くとするかな…」バシュッ

フランツ「フフ、斬魄刀…これはすごい力だ。これでハンナとの休暇をつかんで見せる」バシュッ…ギュン

ミカサ「ごめんなさい。エレンのためにあなたを倒さなくてはいけない」フォンッ

フランツ「!」ギクリ

フランツ「ちょうどいい…いつもの俺と思わないでくれよミカサ!」ガチャ

フランツ「羽搏け!劈烏!」ヒュンヒュンヒュン

ミカサ「…」ザッ

フランツ「さあさあさあ!恐怖しなさい!ハンナと休暇を過ごすのはこの私!」

ミカサ「…」ヒュンッ

フランツ「一気に間合いを詰めて来るとは…そんなボロボロの刀で!」バスッ

フランツ「かぺぺぺぺぺ…」バタリ

ミカサ「私の斬魄刀に名は無い。次」ギュンッ

サムエル「…」ソロリソロリ

ベルトルト「…」

サムエル「ひっ」

ベルトルト「やあ」

サムエル「な、なんだベルトルトか。驚かさないでくれよ」

ベルトルト「サムエル、キミにちょっとお願いがあるんだ」

サムエル「ん?なんだ?」

ベルトルト「モブが残ってたら駄目だろ」

サムエル「え…えっ」

ベルトルト「射殺せ 神槍」

サムエル「がぐッ!」ドズ

ベルトルト(バイバーイ…)

ライナー(ベルトルトの奴やりやがった…む!)ギュン

ミーナ「弾け!飛梅!」バッ

ライナー「不意打ちを狙ったはいいが、甘かったな」スッ

ライナー「轟け…」

ミーナ「ひっ」ビク

ライナー「…危険しろミーナ」フゥ

ミーナ「!」コクコク





ミーナ「あうぅ~…」ステテテ

ライナー(あれでけっこう可愛いところあるんだよな)

クルッ

ミーナ「がんばってね」ニコ

テテテ…

ライナー「…まあ、嫌な中途半端ではない、か」

ライナーさん天譴か
鬼道とかのないこの世界なら割と強そう

マルコ「…逃げ切れると思う?」ギュン

ジャン「無理だろうな…相手があれじゃ」ギュンッ

アニ「…」ヒュンッ

マルコ「やるんだな、ジャン」

ジャン「ああ。決着は今、ここでつける」バッ

アニ「覚悟決まったみたいだね…」グォッ

マルコ「面をあげろ…侘助!」バシュ

ジャン「霜天に坐せ!氷輪丸!!」キィィィンッ

アニ「掻き毟れ。疋殺地蔵」オオオオオオ

マルコ「!」ゾワ

ジャン「ヤバいなありゃ…」ゾク

アニ「行くよ!」バッ

ガキンッ

ジャン「剣術なんかやったことないが…」ギュン

マルコ「客観的に見るとなかなかカッコいいかもね…!」ビュオ

アニ「随分余裕じゃないか」キキキン

ピッ

マルコ「…!?」ピク

ジャン「どうしたマルコ!」

マルコ「体が…動かない!」

ジャン「何!?」

アニ「油断してるからだよ…」

ジャン「くっ」

アニ「さて、情けをかけるつもりはないからね」スラ

マルコ「…」

ジャン「くそっ」カチャ

アニ「仲間を置いて逃げないあたり、なかなか男前じゃないか。一緒におくって…」ズシッ

ジャン「…?」

アニ(刀が…重い!!?」

マルコ「フフ、油断してるからだよ」

アニ(しまった!こいつの能力か!?)

キースの斬魄刀:紅姫
解号:「起きろ」「啼け」「切り裂け」
封印時は紅花のような鍔を持つ直刀状の日本刀
(ステッキ状の仕込み杖として偽装されている事が多い)
始解は柄が中程で折れたような形状の直刀
紅いエネルギーの塊を盾、刃、網、炸薬等の様々な形で操る能力を持つ
卍解は不明だが他人を鍛える事には向いていないらしい

マルコ「侘助は触れた分だけ重くなるのさ!」エヘン

アニ「くそ!」

ジャン「悪いなアニ!」バッ

アニ「…もう一段階いくよ」

ジャン「なにっ」

アニ「出てこい金色疋殺地蔵!」ヌオオオオオオ

マルコ「うわあああああ!」

アニ「卍解を使うことになるとはね」

ジャン「…こりゃ隠しっこは無理だな」

マルコ「じ、ジャン!?」

アニ「まさか…」

ジャン「大紅蓮氷輪丸!!!」ピキキキキキ

アルミンの斬魄刀:鏡花水月
解号:「砕けろ」
封印時は六角形の鍔を持つ通常の日本刀
始解しても(恐らく)形状は変わらないが
始解の瞬間を見た人間はその瞬間から完全催眠の虜に落ちる
完全催眠は実際の催眠術のような精神に働きかける洗脳はできないが
五感や霊感からの知覚情報を術者の任意で自由に書き換えられる
また、一度でも解放の瞬間を見て催眠に落ちてしまった者は
それ以降は解放の瞬間を見る見ないにかかわらず
鏡花水月が解放される度に完全催眠の影響下に落ちてしまう

卍解は不明

アニ「はああああああ!」

ジャン「うおおおおおおお!!!」

マルコ「ま、まtt」

ドオオオオオオン!

エレン「うわ!すげー音だな…」ヒュン

コニー「ん!エレンか!」ヒュン

エレン「いい所であったなコニー!」

コニー「めんどくさい話は無しで行こうぜエレン!」

エレン「ああ、いくぞ!…咆えろ!蛇尾丸!!」ガシャア

コニー「裂けろ鬼灯丸!そんで最初から全開だ!卍解・龍紋鬼灯丸!!」

エレン「卍解なに!?」

ゴシャアッ

フランツの斬魄刀:劈烏
解号:「羽搏きなさい」
封印時は達磨のような形の鍔を持つ日本刀
始解すると刀身が無数のS字形の手裏剣状に分裂し
それらを自由に操って攻撃する事ができる
手裏剣状の刃は破壊されても柄を鞘に宛がう事で再装填できる
卍解は不明

エレン「ゲホッ…卍…なんだ?」ヨロ

コニー「やはり俺は天才だった…斬魄刀が2段階解放できることを知ってしまったんだからな…」

エレン「なんだと…」グラ

コニー「休暇をもらうのは俺だエレン!おまえも誘ってやるから眠ってろ!」ギュン

ビュッ

エレン「…」ガシ ドゴッ

コニー「…がはッ!?」ザザザ

コニー(バカな…あ、バカは俺か。卍解の攻撃を食らって立てるはずが)

コニー「エレン…じゃねえな?…誰だおまえ」

エレン「誰だ…?………はっ」

エレン「名前なんかねえよ」ズオッ

ミカサの斬魄刀:更木剣八の斬魄刀(名称不明)
解号:不明
持ち手のあまりの力の強さから通常の始解のプロセスを経ないままに
始解の形態(柄元から鋒までが刃毀れした長刀)を取ってしまっている
そのため能力も不明だが、持ち手が気付いていないだけで
実際には名前が存在する
卍解は不明

エレン・コニー戦場の樹上

ユミル(バカな…エレンの奴虚化しやがった)

クリスタ「な、なんだろうあのお面…?」

ユミル(私の領民…ユミルの民以外で虚化できる奴がいるとは)

クリスタ「…ユミル?」

ユミル「離れるぞクリスタ。ここはヤバい…」

エレン「…」ギロ

クリスタ「ひ!?」

ユミル(バカな!気づかれた!)

エレン「オオオオオオオオオ!!」キュアアアアアア

ズオッッッッッ!!!!!

ユミル「虚閃!?」バッ

ユミル「波悉く我が盾となれ 雷悉く我が刃となれ!」

ユミル「双魚理!跳ね返してやる!」ドオオオオオオオン

ベルトルトの斬魄刀:神鎗
解号:「射殺せ」「死せ」
封印時はS字形の鍔を持つ脇差
始解するとその脇差の刀身が刀100本分の長さまで伸びる
卍解:神殺鎗
形状に変化は見られないが始解の時よりもっと伸びる
マッハ500で全長13kmまで伸びる、という嘘を
達人級の使い手が見抜けない程度には速く長く伸びる
更に刀身内に猛毒が仕込まれており
伸縮の際に通過した箇所に刀身の一部を置いてくる事で
通過した対象の細胞を一瞬で溶かし崩し殺す事ができる

ミーナの斬魄刀:飛梅
解号:「弾け」
封印時は小判形(花柄)の鍔を持つ日本刀
始解すると刀身が七支刀のように(二ヶ所だけ)枝分かれし
刀身の腹にある細い溝から火球を撃ち出す事ができるようになる
卍解は不明

コニー「…、まいった、俺の負け」ボーゼン

エレン「…」バッ

コニー「…いっちまった。すげーなエレン」


樹上

クリスタ「え、エレンどこかに行っちゃった」

ユミル「…油断すんなよ。いつだれが襲ってくるかわからねえ…いつでも応戦できるように」

クリスタ「…うん。大丈夫だよ」ニコ

ユミル「ああ、そうだったな。おまえの斬魄刀は…」

ライナーの斬魄刀:天譴
解号:「轟け」
封印字は鼓形の鍔を持つ、刀身がやや幅広な日本刀
始解の際の形状変化はないが、攻撃の際に
拳や刀身をそのまま巨大化させた形の剣圧を伴わせられるようになる
卍解:黒縄天譴明王
全長数十メートルに及ぶ超巨大な鎧武者
使い手の動きをその巨体で完全にトレースする
ただし明王の受けた攻撃のダメージは使い手にも部位相応に伝播する

サシャ「フンフンフーン」モリモリ

クリスタ?「ご機嫌だね!サシャ!」

サシャ「!?」バッ

クリスタ?「すごいね…山菜の山。ずっと集めてたの…?」

サシャ「あはは…お腹すいちゃいまして」

クリスタ?「それなら、コレあげる。内緒だよ?…はい、マツタケ」

サシャ「こ、これは!」

クリスタ?(なんてね。催眠術で幻覚を見せてるだけだ。悪いけど、毒キノコを食べてもらうよ)

サシャ「アルミン…これ毒キノコやぞ?」

アルミン「…えっ」

サシャ「いくらなんでもマツタケとカエンダケは間違いませんよね…?」

アルミン「な、なんで…鏡花水月の催眠術は、開放を目にしたものすべてにかかるはず!?」

サシャ「ああ、ミーナが言ってましたね。お手本披露の時の」

サシャ「私山菜集めてて見てなかったんで」フーッ

アルミン「」

マルコの斬魄刀:侘助
解号:「面を上げろ」
封印字は長方形の鍔を持つ日本刀
始解すると刀身がコの字形に変形し、
斬り付けた物の重量を倍加させる能力が付加される
この重量倍加は累積され、二度斬れば重量は4倍、三度斬れば8倍となる
卍解は不明

サシャ「ペナルティーとして股間のマツタケもらいますよ」

アルミン「いや、その、落ち着こう!?ね!?」ジリジリ

サシャ「いやあ、狩猟の民はなんでも食べますからね!無駄にはしません」

アルミン「無駄とかじゃなくて…よ、寄らないで!」

サシャ「…」

アルミン「ごめんなさあああい!もうしませえええん!まいりましたあ!!」

サシャ「はい、合格」ニコ

アルミン「ひどいよベルトルトー!!」グス

サシャ「え?」

ベルトルト「いつから敵が一人だと錯覚していた?」ズッ

サシャ「…!!!」ザッ

ベルトルト「あちゃー…避けられたか。やるね、サシャ」

サシャ「アルミン…早く行ってください。走って!」ハーッ…ハーッ

アルミン「で、でも」

サシャ「走らんかい!!!」

アルミン「…」ダッ

ベルトルト「逃がしたのかい?」

サシャ「…」

ベルトルト「まあいいさ。それより、今僕の攻撃をかわしたのは…飛廉脚だね?」

サシャ「!」

ジャンの斬魄刀:氷輪丸
解号:「霜天に坐せ」
封印時は四方手裏剣形の鍔を持つ長刀
始解すると柄頭に鎖で繋がった月牙が現れる
冷気や氷を操る能力を持ち、氷で出来た龍を突進させる戦法を取る
卍解:大紅蓮氷輪丸
柄頭の鎖と月牙が消え鍔の形が四方手裏剣から八方手裏剣になる
そして使い手の体を覆うように翼を持つ氷の龍が現れる
熱や乾燥には弱く、成人男性の唇が切れる程度の気温湿度で氷龍は消滅する

ベルトルト「聞いたことがあるよ。ある山奥の村に住む狩猟民族…滅却師。その山歩きのための歩法だったかな」

サシャ「あなた何者です…?」

ベルトルト「訓練兵だよ、ただの」

サシャ「ただの、じゃないですよね」

ベルトルト「…君のことが好きな訓練兵だ」

サシャ「…えっ///」

アニの斬魄刀:疋殺地蔵
解号:「掻き毟れ」
封印時はL字に折れ曲がった鉄板様の鍔を持つ日本刀
始解すると柄元に赤子の頭と両手のような意匠のある、
捻れた三又の刀身を持つ形状に変化する
この刀身には斬った相手の四肢を動かす信号を停止させる毒がある
神経自体を麻痺させる訳ではないので痛覚等はそのまま残る
卍解:金色疋殺地蔵
下半身が芋虫状になっている巨大な赤子
撒き散らす呼気は使い手の血液から精製される致死毒となっており
使い手以外は近寄るだけでも数分の後に死に至る

ベルトルト「僕には自分の意思が無い…そういったことがある」

サシャ「…」

ベルトルト「訓練兵の入隊式。僕には衝撃が走ったよ。なぜかわかるかい?」

サシャ「いえ…」

ベルトルト「教官の話中にも関わらす!芋を食べている少女がいたんだよ!」

サシャ「…///」フイ

ベルトルト「その少女は持っていた!『芋を食べる』という『確固たる己の意思』を!」

サシャ「あうううう…///」ペタン

ベルトルト「何を恥ずかしがっている!?これはとても大切なことだ…嫉妬したよ!その強さに!」

ベルトルト「そしてその嫉妬はやがて…少女の天真爛漫な笑顔と混ざり合い恋に変わった」

ベルトルト「この気持ち…まさしく愛だ!!」

サシャ「なんでやねん…///」

ベルトルト「僕はこのレクリエーションで優勝し、キミにデートを申し込む!」

サシャ「急に言われても、こ、困ります!」オロオロ

ベルトルト「そしてそのためなら…君も倒す!」スッ…ドン!

サシャ「ドクロのお面!?」

ベルトルト「虚化というんだ!いくよ!」ギュン!

サシャ「刀身が伸びた!?」サッ

ベルトルト「まだまだ!神殺槍!」ギュオオオオ

サシャ「くっ…反撃を…」バシュッ

エレンの斬魄刀:蛇尾丸
解号:「咆えろ」
封印時は長方形の鍔を持つ日本刀
始解すると刀身が幅広のガリアンソードに変形する
卍解:狒狒王蛇尾丸
刀身が巨大な蛇の骨格になり、
おまけのように使い手に毛皮の肩掛けが着せられる
骨格状の刃節は物理的にではなく霊圧で繋がっているため
一部が破壊されても問題なく残りの刃節を連動させて動かすことができる
あと口からビームとかが出る

ベルトルト「フンッ」バシュン

サシャ「霊子の矢を弾いた!?」

ベルトルト「愛の力の前では半端な攻撃は効かないよ!」

サシャ「…仕方ないですね…お腹が減るので遠慮したいんですが」チャ

ベルトルト「弓が駄目なら刀かい?」

サシャ「いいえ。私の斬魄刀は持つ必要ありませんから…弓も撃てます」ストン

ベルトルト「…何?」

サシャ「散れ…」

サシャ「千本桜」

ズババババババ

ベルトルト「………!!!!」ギギギギギギ

バシュ

ベルトルト「くっ…!」シャ

サシャ「す、すごいですよ…刃を捌きつつ矢も避けるなんて」

ベルトルト(…サシャに毒攻撃をするわけにはいかない…だがそうなればどうやって)

サシャ「…全部見てもらいたくなりました」

ベルトルト「…?」ドキ

サシャ「千本桜景厳」フオオオオオオオオ…

ベルトルト「…………!」

コニーの斬魄刀:鬼灯丸
解号:「延びろ」「裂けろ」
封印時は小判型の鍔を持つ日本刀だが柄の中に血止め薬が仕込まれている
この血止め薬の止血・治癒性能は凄まじく
袈裟懸けに胴体を斬り裂かれ血液が噴出し意識を失っている状態の重傷者を
柄に入る量だけで完全に止血し、会話可能な状態まで意識レベルを取り戻させた
始解すると鎗の刃の付いた三節棍になるが男子高校生に殴られただけで折れる
卍解:龍紋鬼灯丸
巨大な刃が鎖で三つ繋がった形状になる
解放直後は悪逆非道な敵キャラが思わず気を遣ってフォローしてしまうほど弱い
戦闘を続けると中央の斧刃に彫られた龍が赤く染まっていき
最終的には敵が気を遣わずに済む程度には威力が上がる

ベルトルト「ゼェ…ハァ」バタリ

サシャ「…あっ」グウウウウウ…

ベルトルト「…ぷ…ははははは!!」

サシャ「い、今のは無しです!」

ベルトルト「…まいったよ…君は底が知れないね、サシャ。完敗だ」

サシャ「い、いいえ…」

ベルトルト「僕としては残念だけど。こうなったら優勝して休暇をもらって、誰かと…」

サシャ「まいりました」

ベルトルト「…え!?」

サシャ「何も優勝しなくても、日曜にはお休みもありますし」ナデ

ベルトルト「…」ドキドキ

サシャ「パートナーを強制的には連れて行けはしませんけれど」

サシャ「驚いたけど、うれしかった。一緒に出掛けてくれるんやんなベルトルト…?///」ニコ

ベルトルト(戦士辞める。僕は今日生まれ変わったよ、ライナー)

ユミルの斬魄刀:双魚理
解号「波悉く我が盾となれ雷悉く我が刃となれ」
封印時は小判型の鍔(魚柄)をもつ一本の日本刀
始解すると十手のように別れた刀身を持つ二本の刀が
5枚の札を通した紐によって柄頭で繋がれている形に変形する
片側の刀身で敵の攻撃を吸収し、攻撃をもう片側の刀身から撃ち出す
刀身間の敵攻撃の移動の際に札によって微妙にタイミング等をずらすため
元となる攻撃を熟知していても反射攻撃を捌き辛くなる
卍解は不明

キース「大丈夫か?」

マルコ「…ギリギリですが…」ズルズル

ジャン「…剣だけなら互角だったのにな…」ズルズル

ミーナ「誰にやられたか一発でわかるわね…」

トーマス「武闘剣術か…アニは手ごわそうだな…」

ベルトルト「…///」ギュ

サシャ「///」テレテレ

フランツ&ハンナ(ムッ ライバル!?)

ミカサ「…」

クリスタ「…」キッ

ミカサ「…」ヒュッ

クリスタ「…!」ガキンッ

ザザザザ…

ミカサ「意外。まさかあなたが挑んでくるなんて」

クリスタ「ふふ。優勝特典が欲しいの」

ミカサ「なんでもいい。優勝は私がする。そしてエレンを街へ連れて行く…」

クリスタ「…そう簡単に行くとは思わないでね?」スッ

ミカサ「………………」ゾッ

クリスタ「月牙天衝!!!」ズオオオッ

サシャの斬魄刀:千本桜
解号:「散れ」
封印時は田の字状の抜きがある長方形の鍔を持つ日本刀
始解すると刀身が花弁状の薄い千枚の刃に枝分かれし
それらを自由に操っての攻撃や防御を行う
卍解:千本桜景厳
始解の刃の数が億単位にまで増える
その莫大な数と量の刃で相手を包み込んだり
刀状に小さく固めて威力を高めたりと様々な形状、戦法を取る

パラパラ・・・

ミカサ「なる…ほど」

クリスタ「ね?」

ミカサ「正直甘く見ていた。それは謝ろう」

クリスタ「まだ甘く見てるよね?その片目の眼帯…ハンデのつもり?」

ミカサ「実のところ、レクリエーションとはいえ訓練。このくらいしなければやりごたえが無いと感じた」

クリスタ「そのまま続行するつもり?」

ミカサ「いいえ、外す。そうでなければあなたの隠された力には対抗できないだろう」

クリスタ「うふ。お見通しなんだね」

ミカサ「私にはできない力。卍解。自身以外を頼ることはできない…」

クリスタ「その分、自分のコントロールは完璧だよね。力さえも」

ミカサ「…」スッ

ズッ……ビリビリビリ

クリスタ「肌に来るね。プレッシャー」ゾク

ミカサ「…見せて」

クリスタ「うん、いいよ。…卍解」キュウウウウウウウ…

クリスタ「天鎖斬月」スラッ

ミカサ「ヤろう」フッ

クリスタ「うん」ニコ


ズガッッッ!!!

ユミル「くそ!邪魔すんな!」

ハンジ「そ、そんなことできないよ!君のその二刀一対の斬魄刀!イレギュラーな存在だ!調べさせてくれ!」

ユミル「押し通る…ッ!」ドンッ

ハンジ「ドクロのお面!?すッッげえっ!!!み、見せて!いいよねえ!?」

ユミル「どけ変態!」バッ

ハンジ「花風紊れて花神啼き…天風紊れて天魔嗤う」ババッ

ユミル「何!?」ガギギン

ハンジ「花天狂骨!!」

ユミル(くっ…おめーもイレギュラーじゃねえか!無事でいろよクリスタ!)

クリスタの斬魄刀:斬月
解号:なし?
封印時は長方形の鍔を持ち柄頭に炎柄の彫り込みと飾り緒の付いた巨大な刀
始解すると鍔も柄もない、茎に白布が巻かれただけの
巨大な出刃包丁の刀身のような形になる
斬撃を巨大化させて撃ち放つ能力を持つ
卍解:天鎖斬月
卍型の鍔を持つ通常サイズの刀となり、使い手の体に黒い外套が装着される
使い手の速度が上がり、斬撃の色が黒くなり威力も上がる

SSを完結させられずに無様に睡魔に飲まれることを
心より恥じる


すまぬ

ハンジの斬魄刀:花天狂骨
解号:「花風紊れて花神啼き天風紊れて天魔嗤う」
封印時は長方形の鍔を持つ脇差と太刀
始解すると二振りともに青竜刀のような大きな刀身に変化する
童の遊びを現実にする能力を持ち、
様々な遊びのルールをもじった能力を発揮するが
そのルールの適応対象には使い手本人も含まれてしまう上、
どの遊びなルールが使われるかは刀の気分次第であり使い手には制御できない
卍解は不明だが人目に付く場所での使用が憚られるようなものらしい

ユミル「チッ……あの変態野郎を撒くのに時間が掛かっちまった
     あの時でっかい炎の壁が現れなかったら不味かったな」

ユミル「誰の仕業かはともかく、助かった事に文句はないが……
     無事で居てくれよ、クリスタ…………!」




ハンジ「うう……酷いよリヴァイ、あとちょっとであの素敵な子を調べ放題だったのに」プスプス

リヴァイ「新兵のレクリエーションに混ざってはしゃぐほど良い歳でもないだろう
      そんな暇があったらさっさと仕事に戻れ、馬鹿が」

ハンジ「ちぇー、わかりましたよーだ。自分も仕事嫌いの癖に他人には仕事仕事
     流石兵長さんはお偉い事で、羨ましいかぎりですよ、っと……」ブツブツ

ハンジ(けど……さっきの子、妙に焦ってたみたいだけど)

ハンジ(どうして大きな音のしてた方とは別の方向に向かっていったのかなあ?)

腹冷えて眼ー覚めた…次は書き溜めて投下する
ありがとな
おやすみ

>>156
任せる

ユミル「クリスタ!無事か!?」

クリスタ「う……なん、とか……」

ミカサ「………………」

ユミル(なんだ?クリスタのこの傷は……これじゃまるで……)

ユミル「おいクリスタ。あいつに何をされた?」

クリスタ「え、その……普通に戦ってたけど、私が弱かったから……」

ユミル「そういうのは良いんだクリスタ。お前の傷はどう見ても
     そういう『実力の拮抗した奴同士全力で潰し合った傷』じゃない
     『抵抗できない相手を意味もなく苦痛を与える為にいたぶった』傷だ」

ユミル「……私を味方と思うなら言え、何があったのかを」

クリスタ「……わ、わたし、いくらレクリエーションでも
      やっぱり仲間を刀で攻撃するなんて、できなくて」

クリスタ「もう嫌だ、ミカサを傷付けたくないから、降参するからもうやめよう、って」

クリスタ「それなのに、ミ、ミカサが……
     『抵抗する気がないなら丁度良い。巨人はともかく上手い人間の斬り方は練習していないから』
     『だから……できるだけ早くは死なないようにそこで私に斬られ続けなさい』って……!」

ユミル「…………」ギリッ

ミカサ「……………………」

ユミル「ミカサ、てめえ……覚悟は出来てんだよな?要するに死にたいんだよな?」

ミカサ「………………」

ユミル「……なんとか」
ユミル「言いやがれ糞がああああ!!」ゴッ

ミカサ「…………」ギィン ギリギリ
ユミル(当然受けられるか……だが!)
ユミル「『双魚理』!」ガギン
ユミル(更に!)ヴンッ
ユミル「虚化しての双撃!受けてみやがれ……!」ゴウッ

ミカサ「…………」ガキン、ガッ

ユミル(な、事もなげに弾かれた……だと……?)

ユミル「済まないクリスタ……仇、取ってやりたかったんだが」
ユミル「ここまで、か」




ライナー「いや、お前は良くやったよ、ユミル」ザンッ

ミカサ「…………!」ブシュッ

クリスタ「ライナー!」パアッ

ライナー(結婚しよ)

ユミル「ヘ、タイミング図ったみてえに出てきやがって……ヒーロー気取りかよ」ズザァッ

ライナー「やれやれ、助けてやったんだからヒーローくらい好きに気取らせて欲しいもんだが」スチャッ

クリスタ「ライナー、ありがとう……!ユミルが殺されちゃったりしたら、私、私……!」ジワッ

ライナー(天使だ)
ユミル(女神だ)

ライナー「しかし……話は聞かせて貰ったがミサカ、流石にこれはな」

ライナー「俺は別にこいつらと組むつもりはなかったんだが、流石にお前の行動は看過できん」

ライナー「悪いが……ここで脱落して貰うぞ」ジャキッ

ユミル(話を聞いてたって事はマジでタイミング図ってたんじゃねえか)
ユミル(よしこいつも後で殺そう)

ライナー「ともあれこれで」
ユミル「形勢逆転、だな?ミカサよお」

ミカサ「…………」ギリッ

ライナー「『天譴』ッ!」ゴウッ

ミカサ「…………!」ガギギギギ

ライナー「ほう……これを受けるか、だが」

ユミル「敵は一人じゃない、ってなあ!」ザンッ

ミカサ「…………!」クルッ ザクッ

ユミル「ぐっ……!その体勢から反撃とか、どこの格闘チャンプだよてめえ……!」ガクッ

ライナー「だがその隙は逃さん」

ライナー「卍・解」

ライナー「『黒縄天譴明王』!!」ゴウンッ


ズガァァ……ァァアン

ユミル「な、な、な……!」

ライナー「ふう……流石にミカサももう立ち上がれんだろうな。戻れ明王」スゥ…

ユミル「なんてもんブッ放してんだてめえ!すぐ近くに私が居ただろうが!」

ライナー「といっても元々お前とだって敵だしな。当たらなかったんだから良いじゃないか」

ユミル「てめえ……」

クリスタ「でもライナー、すっごく格好良かったよ!憧れちゃう!」

ユミル「うおっ、危ねえぞクリスタ。いつの間にこんな近くまで来てたんだよ」
ユミル「そしてこんな奴に憧れるんじゃない。ワキガが伝染るぞ」

ライナー「(でもクリスタの腋臭ならちょっぴり嗅いでみたいかも)」

クリスタ「えへへ……。……!ラ、ライナー!危ない!」

ライナー「!?」

ユミル「!?」

ミカサ「…………!」ゴウッ

ライナー(な……!不味い、この距離では明王を使う余裕が……)

ライナー「(くそっ……!)『天譴』!」

ミカサ「…………!」ゴガッ

ライナー(馬鹿な……!手掌で俺の腕の動きの起点を弾き『天譴』の剣圧を逸らされた……!?)
ライナー(いくらミカサが強いとは言え、ここまで対人格闘に特化した強さだったか……!?)

ユミル「な……!?(逸らされたライナーの『天譴』が私の方に!?)」
ユミル「く……っそおおおおお!」ギュオッ
ユミル(双魚理で吸い……駄目だ、純粋なエネルギー体じゃないから吸いきれ……!)バヅンッ
ユミル「く……あ……」バタリ

ライナー(ユミルは……直撃は避けたようだがもう駄目か)
ライナー「だが……対人格闘なら俺だって心得がある!」ガガッ
ミカサ「…………」ゴガガギッ
ライナー「人体の動きの起点を的確に撃ち抜く打撃、それを確実に当てる為の手数と体幹移動……」
ライナー「確かに凄まじいが、こっちはそんな物普段から食らい慣れてるもんでな!」ガギョッ ゴシャッ

ミカサ「…………!!!」

ライナー「更に……ダメ押しだっ!(虚化!)」ズアッ

ミカサ「…………」ズアァッ

ライナー(ミカサも虚化……だと……?だがっ!)
ライナー「問題ない!このまま押し込むっ!」ズゴォッ

ドゴォオオンッ

ミカサ「……、……」ガクッガクッ

ライナー「ふ、ああ…………さて、流石にもう立てんとは思うが」スッ

ライナー「万が一にもまた俺やクリスタに襲い掛かられても困るんでな」チャキ

ミカサ「……」

ライナー「本当はここまではしたくないんだが……なに、急所は外す。悪く思うなよ」

ザシュツ

ミカサ「……、……ぁ……」ビクンビクン

ライナー「……もう寝ていろ、ミカサ」スッ

ミカサ「……ははっ」グタッ

ミカサ「やっ……ぱり……格闘も強いんじゃない、ライ、ナー」

ライナー「……?」

ミカサ「いつも……あたしに好き放題やられてたのは、わざと、だったんだね」
ミカサ「ふふ……わかっては、いたけど。あんたの、そういう所、好きだけど、嫌いだよ」

ライナー「ミカサ……?お前一体何を言って」

ミカサ「『普段から食らい慣れてる』は傷付いた、けどね……」
ミカサ「慣れてるなら、気付きなよ……」
アニ「まったく、ばか、なんだから」ガクン、ドサッ


ライナー「ミカ……な、アニ……!?」
ライナー「何だこれは、何故ミカサがアニに……!?」
ライナー「変装……?いやそんなレベルの話では……糞っ、一体何が起きて……!」

ライナー「そうだ、クリスタ!クリスタは無事か!?」


クリスタ「うん、僕は無事だよ、ライナー?」クスクス

ライナー「クリスタ?」

クリスタ「助かったよライナー。何しろアニは『見て』なかったから」
クリスタ「戦闘体勢のアニ相手じゃ目の前で刀を抜くことすら僕にはままならないだろうし」
クリスタ「誰かが倒してくれるのが一番都合が良かったんだ」

ライナー「クリスタ……?ちょっと、お前が何を言ってるんだか分かりかねるんだが」

クリスタ「後はミカサかあ……クリスタが倒してくれてると話は早いんだけど
      流石にそこまで美味い話はないよね……」

クリスタ「けどクリスタも相当強いみたいだったしミカサも流石に手負いだろうから
      ライナーとエレンに二人がかりで襲わせれば流石に倒せるかな」

クリスタ「ミカサはエレンを本気では攻撃できないだろうしね。君もそう思わない?ライナー」

ライナー「クリスタじゃ、ないのか……?」
ライナー「さっきのミカサと同じで……?」

クリスタ「あ、流石に気付かれちゃったか」
アルミン「まあ、こういう事なんだけどね。残念だねライナー」

ライナー「…………!」

アルミン「はは、まあこれが僕の斬魄刀の能力でね」

アルミン「君はすっかり僕の完全催眠の虜になってたんだよ、ライナー」

アルミン「……ん?ははっ、今の騒ぎで脱落組が見物に来たみたいだね」クルッ

ライナー「……!」ダッ ザンッ!

アルミン「ぐわあー!やられたー!背後から不意討ちとは卑怯なり~ぃ!」ユラリ

アルミン「いやマジで。僕が本当に『そこ』に居たら真っ二つじゃないか。
     酷いやライナー……それが仲間に向かってする事なの……?」メソメソ

ライナー「アルミン、貴様……」ギリッ

ベルトルト「はあ、はあ……
       大きな音がしたし、ライナーが戦っているようだから来てみたけど……」

サシャ「アルミン……?な、なんでライナーがアルミンが戦ってるんですか!?」

アルミン「やあ、サシャ達も来てくれたんだ?照れるけど、応援してくれると嬉しいな」

サシャ「そうじゃなくて!アルミンは私に『もうしません』って、『まいりました』って!」

アルミン「えー、僕がそんなこと言ったの?うっそだあ」

サシャ「とぼけないで下さい!私は確かにこの目と耳で……!」

アルミン「ああいやいや、その台詞を言う僕をサシャが
     『見て』、『聞いた』事は本当なんだと思うよ?」

アルミン「けどそれと、僕が本当にそれを『言った』のかは別の話だよね~?」

ベルトルト「まさか……!」

サシャ「けど、私はそもそもアルミンの解放を見ては……!」

アルミン「うん、お手本披露の時は山菜集めに夢中で見てくれなかったんだっけ」
アルミン「で、それを僕に教えてくれた時は僕を見てはいなかったのかい?」クスクス

サシャ「んなっ……!」

アルミン「あの時の僕は君に完全催眠を掛けているつもりで近付いて行ったんだ」
アルミン「当然斬魄刀は解放中、抜き身の状態でね」
アルミン「そこで君がまだ完全催眠に落ちていなかった事を知った僕が
     その抜き身の斬魄刀の始解を解いて、もう一度始解する程度の事をしなかったと?」
アルミン「斬り掛かるでもなく、詰め寄るだけだった君相手に僕がその程度の行動も起こせなかったと?」
アルミン「流石にその考えは甘いんじゃないかなあ」
アルミン「卍解修得者の君なら『卍解修得者は名を呼ばずに斬魄刀を解放できる』と知っていたろうにね!」

サシャ「…………!」
ベルトルト「…………!」

アルミン「まあ何にしろ、脱落組の君達には関係のない話さ」

アルミン「君達の降伏宣言は受理され、僕の降伏宣言は受理されていない」
アルミン「事実がどうあれ、これが全てだからね。僕がまだ戦えて居るという事が」

サシャ「そんな……!」

アルミン「そしてこれでチェックメイトさ」
アルミン「そこのライナーと、どこかに居るエレンでミカサを倒し」
アルミン「その後のんびりライナーとエレンは始末すれば良い」

ライナー「てめえ……!」

アルミン「ライナーとエレンは完全催眠に落ちてしまっているからね!」
アルミン「僕でも簡単に斬り伏せる事ができるよ!」
アルミン「はは、ははは、あはひはははははははは!」



「そう、アルミンはエレンを傷付けるつもりなのね?それはとても残念」

ミカサ「とても、残念だ……!」ギュオンッ
ザンッ

アルミン「ひ、ぐぅううっ!」パタタッ

ミカサ「ん……やっぱり浅かった」
ミカサ「目を閉じたままというのはやはり勝手が悪い」フンッ

アルミン「ミ……カサ……!」

ミカサ「けれど本当に残念。」
ミカサ「アルミンは私にとってもエレンにとっても、本当に大切な友人だから」
ミカサ「ここで斬らなければならないのは、本当に悲しい」

ライナー「ミカサ!クリスタはどうした!?」

ミカサ「安心して良い。『私自身が月牙になる』等と言って
     何を勘違いしたかあさっての方向へ飛んでいっただけ」
ミカサ「斬魄刀の力を失った状態でどこかに落ちているはず」

ライナー「そうか……」ホッ

ミカサ「そう。そして───」

ギュオンッ

「アオア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッ!!!」


ミカサ「エレンも来てくれる。これで百人力の私に敗けはない」フンス

ライナー(エレンが虚化している……!?)
ライナー(そうか、この場所には今、俺とベルトルト、アニ、ユミル……)
ライナー(戦闘不能者が多いとはいえ虚の力を持つ者が集中している)
ライナー(虚に目覚めたエレンは俺達の虚の魄動を嗅ぎ付け、
      惹かれ、求め、ここに現れたという訳か!)

エレン「フシュルルルル」

アルミン「ちっ……だがエレンが現れたのは僕にとって好都合!」
アルミン「さあエレンあれを見ろ!君が討ち滅ぼすべきにっくき巨人だ!」
アルミン「さあその力であいつを駆逐するん……」

エレン「グギ、ギィィイ」ギゴッ チュィィイン

ライナー(あれは……)

エレン「オアアッッ!!」
ギャイィィィィィイイイォン

ライナー(虚閃!)

アルミン「ひ、いぎぃぃいっ!」ジュウッ

アルミン「ひ、い、何故だ……!なんでだどうしてだ……!」
アルミン「エレンには確かに始解の瞬間を見せたはず……!」
アルミン「『ミカサを攻撃しない』ならまだしも
      どうして僕の居る位置を正確に把握して攻撃できる……!?」

ミカサ「決まっている。私とエレンの愛の力」フフン

ライナー(いや、愛の力は流石にない)
ライナー(見たところ、今のエレンは完全に内なる巨に飲まれ、身体を乗っ取られている)
ライナー(怪我の功名というか……今はそれがプラスに働いている)
ライナー(アルミンの始解を見たのはあくまでも『人間の』エレンだ)
ライナー(だから人間のエレンの意思が完全に鳴りを潜め、
      内なる虚の意思のみが顕在化している今の状態では
      アルミンの完全催眠の支配下に陥ることはない!)

アルミン「くっ、そ……けど!」キィィン

アルミン「ほらライナー!君に攻撃の流れ弾が向かっているよ!」
アルミン「迎撃しないと大怪我しちゃって大変だよ~?」

ライナー「うむ、知らんな」

ガスッ

ライナー「ぐ……ふ……」

ドゴッ

ライナー「がはっ……!」

アルミン「……なぜだ!?どうして避ける事も打ち払う事もしない?!ライナー!」

ライナー「そりゃ、なぁ……」ヨロッ

ライナー「さっきの、お前の話を聞いてたら……
      迎撃先にミカサかエレンが居るだろう事ぐらいは想像に難くない、からな」グッ

ライナー「簡単な話、俺だけが完全催眠の影響下にあるなら俺だけは一切何もしなけりゃ良い」

ライナー「どんな催眠をお前から受けてようが、流石に全く動かずに居れば
      ミカサやエレンを攻撃する事も、ミカサやエレンの攻撃の邪魔をすり事もないだろう……?」ニヤリ

アルミン「ぐっ……!けれど怪我が恐ろしくはないの!?
      実際に今の君は大きな負傷をし、酷い痛みを感じている筈だ!」

ライナー「しかしこの目に見える傷も、そこから感じる痛覚も、全部嘘なのかもしれないんだろう?」ビチャリ

ライナー「なら『催眠なら良いな』とでも思いながら黙って耐えてやるさ」
ライナー「なんといっても、こういう訳の分からん暴力やその流れ弾は」
ライナー「『普段から食らい慣れてるもんでな』!」ググッ

アルミン「……っ!!」

ライナー「まあそう心配するなよ
      本当に怪我をしていたとしてもこのレクリエーションが終わればゆっくり療養するさ」ニヤッ

アルミン「こ、のぉ……!」フルフル

ライナー「……そら、俺なんかと悠長に話していて良いのか?」

アルミン「!」

エレン「……ォオオ!」キィンッ
ギョウゥゥゥン

アルミン「ぐ、虚閃……僕の身体能力じゃ、避けきれな……」ヨロ…

ミカサ「エレンの攻撃だけじゃない。……これで終わり」ユラッ

アルミン「…………!!」

ミカサ「ふっ……!」ザンッ

アルミン「ご……は……」

アルミン「そん、な……」

アルミン「これほどの、能力の斬魄刀を、引き当てておいて」

アルミン「負けちゃう、なんて……」

アルミン「やっぱり僕は、ダメダメ、だなあ……」フラッ

ドサッ、バタリ

ミカサ「……駄目なんかじゃない。貴方はとても手強い敵だった、アルミン」スッ

ミカサ「さて、ライナー、終わった。もうアルミンの催眠は消えている筈だから動いても構わない」

ライナー「むう……しかしアルミンが倒れてお前に話し掛けられてる幻覚を
      俺が完全催眠で見せられているだけかもしれんしなあ……やはり動くのは」

ミカサ「なるほど良い覚悟だ。なら今から私が全力で斬り掛かるが動かず受けてみると良い」ヌラリ

ライナー「い、いやあやっぱり催眠は解けてるみたいだな!いやはや手強い相手だった!」ズザザッ

ミカサ「それで良い。後は……」

エレン「アァアアアアアアアアッ!!」

ミカサ「あのエレンをどうするか、だけだ」

ライナー「……それなら、俺に任せろ」スッ

ライナー「フンッ」ヴンッ

ミカサ「それは……『虚化』?しかしライナー、その怪我では……」

ライナー「この怪我だからこそ、さ。この怪我じゃどうせお前とまともにやり合っても勝てんだろう?」

ライナー「だったらせめて、あいつの目を覚まさせてやるさ……!」ダッ

ミカサ「ライナー!」

エレン「グギィアアアアアア!」ビュオッ

ガインッ ギリギリ……

ライナー「なあ、エレン……お前のお陰でアルミンは倒す事ができた……」ギシッ

ライナー「だが見ろよ、お前にあんまり見境がないもんだからミカサまであの怪我だぜ……?」ギリギリギリ

ライナー「良い加減……目を覚まし、やがれッ!」バキイッ

悪い
タイムアップ
仕事だ

なんでスレ落ちてないんだよwww

アルミン、リタイアさせたのに復活してやがる…(驚愕)

>>244
はよ。

>>245
引き継いで書いてくれた19AlK3IeOに申し訳が立たない
彼の考える展開は俺も楽しみだから待ってようぜ
ブリーチ×進撃の巨人の組み合わせのSSは新しく考えたから、またそのうち立てるよ

もう>>244が書いちゃえよ

真面目に>>1が帰ってくるまでの繋ぎのつもりだったんだけどな
まさか俺のせいで>>1に続きを書いてもらえなくなるとは

ベキンッ

エレン「ガ……!ア……!」シュウゥゥゥ

ミカサ「エレンの虚化が……解けた!?」

ライナー「エレンのだけって訳でもないけどな……流石に限界だ」シュウゥゥゥ

ミカサ「ライナー!」

ライナー「馬鹿野郎……ここからお前の相手をするのは俺じゃないだろ」

ライナー「支えてやるもよし、これを好機と斬り捨てて優勝を掻っ拐うもよしだが……」

ライナー「どちらにしろ……しっかりそいつを、見てやるんだな……」フラッ

ミカサ「…………!」

ベルトルト「大丈夫だミカサ!ライナーは僕らが助けるから、君はエレンを!」ダッ

ミカサ「……恩に着る!」ダッ

ミカサ「エレン……エレン……?」ヒシッ

エレン「う、あ……ミ、カサ……?俺は一体……」

ミカサ「エレンは……ずっと戦っていた」

ミカサ「暗い暗い道の中、がむしゃらに、ひたすらに」

エレン「…………(なんかミカサの言動がキモい)」

ミカサ「エレンのお陰で私とライナーは敵を倒す事ができた」

ミカサ「ライナーはもう斃れてしまったけど……エレンはと私はまだ、このレクリエーションで生き残っている」スタッ

エレン「他の、奴らは……?」スタッ

ミカサ「ユミルは伏し、コニーは諦め、アルミンは墜ち、クリスタは吹っ飛び、
     アニは敗れ、ジャンは討たれ、サシャは退き、……とにかく他の者は皆倒れた」

エレン「ってことは……!」ザッ

ミカサ「そう……私とエレンが、実質の決勝相手という事になる」ザリッ

エレン「……だったらなんで俺を助けてるんだお前は」

エレン「またいつもの保護者気取りの上から目線で勝ちを譲る気か?」

エレン「……あんまり嘗めるんじゃねえぞ……!」ギリッ

ミカサ「違う」

エレン「……?」

ミカサ「私はライナーに、エレンを支えるか斬り捨てるか選べ、と言われた」

ミカサ「けれどライナーの言う通りにするのも癪だから……」スッ

ミカサ「取り合えず優しく支えてから、その後に斬って捨てることにした」ジャキッ

エレン「…………!」ジャキッ

ミカサ「勿論降参を望むなら自由にすればいい
     けれど望まないならばしっかりとここで私がエレンを倒す」
ミカサ「エレンが傷付く事はとても悲しいけれど、私だって優勝賞品は欲しいし……
     それに降参しないということはつまり私に無様に斬り伏せられたいということでしょう?」ニコリ

ミカサ「気が進まなくても、エレンの希望にはできるだけ応えなくちゃいけないから」ゴゴゴゴ

エレン「……ハ。言うようになったじゃねえかミサカ!
     そういうことなら……こっちだって遠慮はしねえ!」ゴゴゴゴ

エレン「最初から飛ばしていくぞ!
     うおおおお、卍・解!」ゴウン

エレン「狒狒王……蛇尾丸!」キシャァアア

ミサカ「……!(これが……エレンの卍解!)」ダダッ

エレン「くら……えっ!はっ!おらぁっ!」ブンッ

ズガン
                        ズガン
            ズガン

ミカサ(流石に威力は高い……)サッ

ミカサ(狙いが不正確だから避ける余裕はあるが、あちらも手数の割には勢いが衰えない)

エレン「チッ、ちょこまかと……!」ズガガガ

ミカサ(防戦に回りっ放しでは流石にジリ貧か……)ズザッ

エレン「いくら逃げ回っても、狒狒王自体をどうにかできなきゃお前に勝ち目はないぜ!」ズオッ

ミカサ「……(後ろに跳び、一気に間合いを離す……!)」ズダンッ

エレン「ハッ!そんなんで逃げ切れると思ってんのか?
     渦巻いている刃を一直線に伸ばせばその程度の距離、眼前も同然なんだよ……!」
ズオオオオッ

ミカサ「そう、この形……この形を待っていた」ダッ

エレン(な……!?後ろに跳んでいたミカサが、急にターンしこちらに突進を……!)

ミカサ「……ふっ!」ザグザグザグザグバキャッ

エレン(中央の刃節が一つ……砕け散った……!)

エレン「……そうか……さっきの動きは狒狒王を伸びきらせて
     その刃節を狙い易くするため、って訳か……」チャキ

ミカサ「…………」

エレン「だが残念だったな……!狒狒王の刃節は霊圧で繋がってるんだ
     一つ二つ砕けた程度じゃその刃節をとばして霊圧を繋げば問題ない!」

エレン「狒狒王を止めたかったら、全ての刃節を順番に砕ききってみせ……」ギャララララララ……ガッ

ガゴン バキッ パキャッ ゴリッ ベキゴキバキッ ズズ……ン

エレン「な……!?狒狒王蛇尾丸の、全ての刃節、が……!?」

ミカサ「……ふふっ」

ミカサ「その卍解の刃節が霊圧で繋がっている……?そんなことは見れば分かる」ザッ ザッ

エレン「……!」

ミカサ「卍解を伸びきらせたのは一つの刃節を狙って砕くため……?一つだけなら形なんて関係なく砕ける」

エレン「…………」ギリッ

ミカサ「その卍解の全ての刃節を私が全て砕いてみせろ……?なんて、馬鹿馬鹿しい」

ミカサ「私がわざわざ砕かなくても……
     貴方自身に全ての刃節を砕かせれば良いだけなのに」

エレン「な……!?」

エレン「どういう事だ、ミカサ……!」

ミカサ「卍解を一直線に伸ばさせたのは
     一つではなく全ての刃節に攻撃を加えるため」

ミカサ「勿論、いくら私でもあの大きな刃節が微塵に砕け散るような攻撃を
     あの一瞬で擦れ違いざまに全ての刃節に対して行うなんて事はできない」

ミカサ「私がやったのは、刃節同士の接合面を斜めに薄く削ぎ、
     全ての刃節の接合角度をバラバラにずらしただけ」

エレン「…………!」

ミカサ「刃節の接合面の角度なんて、普段はどれだけズレていようが問題ない」

ミカサ「けれど全ての刃節を一気に手元に引き戻した時は話は別」

エレン「…………」

ミカサ「本来、刃節を引く力と接合面が垂直になっている事で
     どれだけの強さで引き戻してもがっちりと噛み合い止まる筈だった刃節は……」

ミカサ「接合面が斜めならば止まりなどせず、接合面に合わせて斜めにスライドする」

ミカサ「止まる筈の位置で止まらずにスライドした刃節は周囲の刃節にぶつかり破壊をもたらす」

ミカサ「全ての接合面がズレていれば、この破壊のプロセスが全ての刃節で等しく起こる」

ミカサ「それも、全ての刃節を一気に引き戻すほどの大きな力によって」

エレン「……!?」

ミカサ「エレンが何も考えず、全力で卍解を引き戻してくれて助かった」

ミカサ「それともエレンを勘違いさせるために刃節を一つだけ粉々に砕いたのが効いた?」

ミカサ「私はエレンがいざという時『何も考えてない』人間だと誰より側で見てきたけれど
     念のためにと仕掛けたフェイクに引っ掛かってくれたのなら私も仕掛けた甲斐があった」

エレン「……お前が何を言っているかはよく分からねえが……」ザッ

エレン「馬鹿にされてるって事は分かるぞ、ミカサ……!!」ギリッ

ミカサ「怒らせてしまったのなら謝ろう、けど……
     その卍解で今のエレンに何が出来るの?」

ミカサ「貴方の卍解はその長大なリーチと膨大な刃節が能力と威力の要」

ミカサ「流石に数個は刃節が形を保っているようだけど……
     それではリーチも威力も普通の刀と大して変わらない」

ミカサ「そして、普通の刀同士の打ち合いではエレンは私に勝てない」ジャキッ

エレン「く……!」ジャリッ

ベロベルト「すぐ横で見てるはずなのに僕ら空気だよね」
サシャ「せやな」

エレン(どうすれば……俺は勝つためにどうすればいい……!?)

ミカサ「これ以上は私も小細工は弄さない」
ミカサ「全力で、エレンを斬る」スラッ

エレン(……全力?……そうか、そうだった……)

エレン(俺のやる事は、俺のすべき事は、いつもただ一つ)

エレン(ただ、全てを全力で。それだけで良かったんだ……)

エレン(なあ、『蛇尾丸』)

エレン(俺の考えなしのためにそんな姿にしちまって、腹に据えかねてるかもしれないが……)

エレン(俺に、お前の『全力』を見せてくれないか)

エレン(俺に、『全力』で、お前を使わせてくれないか)

エレン(俺は、あいつに……ミカサに勝ちたいんだ……!)

エレン「……」ジャリッ

ミカサ(エレンの目付きが変わった……?)

ミカサ(いや、それよりもあの構えは一体……)

ミカサ(エレンには最早少なくなった刃節を刀身として振るうしか手はない筈なのに)

ミカサ(何故、エレンは地面に横たえた卍解の刃節と頭部に足を掛けているの……?)

エレン「行くぜ、蛇尾丸……。行くぜ、ミカサ」ギシッ

エレン「油断したとか言って後でごねるんじゃないぞ……!」

エレン「食らえ」

エレン「狒骨……」

エレン「大砲───!!!」

エレン「うおおおおっ!!」ギュオンッ

ミカサ「な……!?」

ミカサ(あの技……恐らくは本来なら刃節を繋ぐ霊圧をポンプのように送りだし頭部から放つ霊子砲)

ミカサ(しかし刃節が数個しかない今、あの技を使用しても大きな威力は期待できない)

ミカサ(そう、エレンはその『威力が低くなっている』事を活かして……)

ミカサ(私を撃つのではなくエレン自身があの霊子砲を受けることで)

ミカサ(エレンという弾丸を私に向かって撃ち放つ炸薬として利用した……!)

エレン「ミカ、サアァァァアアア!!」ギュンッ

ミカサ「くっ……!」
     (エレンの身体能力から想定していた最高速度を遥かに超えている……!)
     (万全の状態でなら反応できないスピードではないが……)
     (完全に油断していた……!)
     (エレンの位置からならまだ安全、という早計のために万全の迎撃体勢を取れていない……!)

エレン「はああああっ!戻れ『蛇尾丸』っ!!」ギュンッ

ミカサ(この状況で卍解を……いえ、始解までも解いて斬魄刀を封印状態に!?何故!?)

エレン(俺は……俺の全力の攻撃は、分裂する砲台でも遠くまで伸びる刀でもない)
エレン(俺が自身と一体として扱えるサイズのブレード!)
エレン(そしてそれを身に付けた俺自身が敵を穿ち抜く弾丸に、一矢になる)

エレン(これが……これが俺の全力だっ……!!!)

ミカサ(私も、私だって……!)

ミカサ(万全の体勢でなくとも、本来得られた筈の結果を得られなくとも)
ミカサ(ここからの、この体勢、この状況からの最適最高の『全力』でエレンを迎え打つ……!)
ミカサ(どんな状況からでも、そこから考えうる最善の一手を選びとり、打ち放つ)

ミカサ(これが……これが私の、全力っ……!!!)


エレン「ミカサアァアアアアアアア!!!!」ガオゥンッ!

ミカサ「エレェエエエエエエエエン!!!!」バオォオッ!

       ガギャァアッ

         カッ

ズズ………………………………………………………………ゥン

クリスタ「うぅ~~、ミカサの意地悪ー……」トテトテ

クリスタ「私が飛んでいったのに無視してどこかに行っちゃうし……」テトテト

クリスタ「それもこれも斬月が……」
『最後の月牙天衝、それはお前自身が月牙になる事だ(キリッ)』
クリスタ「……とか言うから『ああ、私が月牙天衝みたいにばびゅーんって飛んでいく技なのね!』
      って勘違いしちゃったんじゃない……うん、私は悪くない。腕を振り下ろすだけとか聞いてないもん」ブチブチ

クリスタ「そうこうしてる内になんだか斬魄刀の力も抜けてっちゃったみたいだけど
      だからってミカサ達の姿が見えなくなるわけでもないし、まだまだ私は戦える!」
クリスタ「私は自分を曲げないよ!」トコトコ

クリスタ「けど、なかなかミカサ達が見つからないなあ……こっちの方から大きな音がしてたんだけど」ガサガサ

クリスタ「ミカサー!どこー?……はおっ、何だか開けた場所に出……」ガサゴソ



エレン「」プスプス
ミカサ「」ブスブス

クリスタ「……………………」

エレン「」  ミカサ「」

クリスタ「えっと……これは……」

サシャ「あ、クリスタじゃないですか」
ベルトルト「やあ」

クリスタ「サシャ!ベルトルトも!」

サシャ「ミカサが『クリスタは吹っ飛んだ』とか言ってたんですが
     普通に無事で、別にリタイアしてた訳でもないんですね」

クリスタ「まあ、自分で飛んで行っただけだしね……」
クリスタ「それよりサシャ、その、そこのエレンとミカサなんだけど」

サシャ「ああ、相討ちですね。そこの二人がクリスタを除いては最後の二人だったみたいなんですけど
     何か大声で叫びながら物凄い勢いでぶつかって、そのまま二人とも伸びてそのザマです」

クリスタ「へぇ~、そうなんだ、………………………………」

クリスタ「………………」
サシャ「………………」
ベルトルト「………………」

クリスタ「VICTORY?」
ベルトルト「おめでとう」
サシャ「おめでとうございます」

            第104期生 レクリエーション
            総合優勝   クリスタ・レンズ

(優勝しよ)

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