アニ「巨人仲間」(91)
ユミルとアニがメインのSSです。
アニ「ふぅ。ここまでくれば問題ないか」
アニ「練兵場の外れの森。ここまでくれば誰にも見つからない・・・はず」
ユミル「あぁめんどくせーな」
ユミル「たまの休みにこんなことをしなきゃいけないんだ」
ユミル「誰にも見つからないようにこそこそと」
ユミル「だけどしゃーねー」
アニ「たまにはなっておかないと感覚がわからなくなりそう」
ユミル「じゃ・・・」
アニ「・・・」
カッ!・・・ガサガサガサ
カッ!・・・ガサガサ
アニ(ふぅ・・・慣れないねこの感覚は)
ユミル(くそっ意識を保つのがめんどくせ)
アニ(あれっもう一つ同じような音が)
アニ(んっ?)
ユミル(あれは?)
アニ(巨人だー!)
ユミル(巨人だー!)
アニ(何でこんなところに)
ユミル(いるんだよ!)
アニ「・・・」
ユミル「・・・」
アニ(あれっ動きが少ない)
ユミル(奇行種か?)
ユミル(誰かに見つかる前に元に戻りたいが)
アニ(戻った瞬間奴が襲ってくるだろう)
アニ(じゃあ殺すか?)ジリッ・・・
ユミル(おっやるのか?)
ユミル(あいつのほうがデケーけど速さなら負けねー)スッ・・・
アニ(反応した?)
ユミル(いや・・・待てよ普通の巨人が構えをとるか?)
ユミル(そういうことか?だったら)
ユミル(ここは大人の対応を見せてやるぜ)
アニ(駄目だ。戦いでもしたら更に目立ってしまう)
アニ(どうしたら・・・ん?)
ユミル スッ・・・
アニ(手を差し出した?これは握手!?)
ユミル(どーぞよろしく)
アニ「・・・?」
アニ(こいつはもしかしたら私達と同じ?)
ユミル(早く手を掴めよ)
アニ スッ・・・
ユミル(よし!通じた)
ユミル(後は穏便に済ませるだけだ!)
アニ(なぜ私は握手に応じたんだ?)
アニ(あれっ?)
アニ(なんか身振り手振りしているけどなんだ?)
ユミル(くそっ全然伝わらない。鈍い奴だな)
ユミル(お前はこっち私はこっち側に走って別れようっていってるのに)
アニ(自分を指差してあっち、私を指差してあっち・・・だから?)
ユミル(首かしげやって。可愛くねーぞ。このやろー)ダンダンッ
アニ(地団駄踏んで・・・何怒ってるの?)
アニ(そんな怒らないで)ナデナデ
ユミル(頭なでんじゃねー)
ユミル(こうなったら・・・)
ユミル「オマエトワタシベツベツニゲテワカレヨウ」
ユミル(これならわかんだろ)
アニ(えっ何?滑舌悪いよ)
ユミル(んっ?耳に手を当てて・・・指を立てて・・・もう一回って)
ユミル(わかんなかったのかよ!)ダンダンッ
アニ(アンコール、アンコール)パンパン
ユミル(なんかなめられていないか?まぁいいや)
ユミル「オマエトワタシワカレヨウ」
アニ(うん)コクコクッ
ユミル(やっとわかってくれたか?)
アニ(やっぱ何言ってんの?)
ユミル(まだ首かしげやがった)
ユミル(くそっどうしたら)
ユミル(・・・あっそうだ地面に文字書けばいいんだ)
アニ(なになに?)
ありがとうございます。少しですが書きます。
ユミル(どうだ!)カキカキッ
アニ(うーん?)
ユミル(なんだ読めないのか?)
ユミル(そうかあいつは対面にいるから逆に見えるんだ)
ユミル(こっちにこい)ブンブンッ
アニ(えっそっちに行けって?)
ユミル(そうそう)
アニ(じゃあよいしょっと)ズシーンッ
ユミル(あっ)
アニ(砂埃で消えちゃった・・・)
アニ(もう一回、もう一回)パンパン
ユミル(手拍子すんな)キーッ
アニ(はいはい。怒らないの)ナデナデ
ユミル(頭なでんな)
ユミル(もう一回だけからな)フンッ
アニ(はい。どうぞ)ウンウンッ
ユミル(はいっ)カキカキッ
アニ(あっそういうこと)ポンッ
ユミル(やっとわかったか)
アニ(私はこっち)
ユミル(私はそっちに行くから)
アニ(じゃーね)
アニ ・・・ニヤッ
ユミル(こいつ笑顔こえー)
ユミル(じゃっ・・・じゃーな)
アニ ズシーンッズシーンッ・・・
ユミル ズシーンッズシーンッ・・・
アニ「・・・」
ユミル「・・・」
クルッ
アニ(あっ)
ユミル(あいつも振り返った)
ユミル(・・・どーも)ペコッ
アニ(・・・どーも)ペコッ
アニ(うーん・・・)
アニ(結局あいつは)
ユミル(誰なんだ?)
次の日
クリスタ「おはようユミル。早く起きないと朝ご飯に遅れちゃうよ?」
ユミル「ん・・・はようクリスタ。もうそんな時間か?」
クリスタ「そうだよ。みんなもういったよ。後はユミルとアニだけ」
クリスタ「アニも起きてー」
アニ「うっ・・・うーん」
ユミル(昨日は久々に巨人になった所為で疲れちまったな)
ユミル(しかしあの巨人は誰なんだよ。練兵場に現れたってことは訓練兵か?)
ユミル(見た目は珍しい女の巨人だから元は女なんだろうけどなー)
ユミル(金髪で女で・・・)
アニ「ちょっと・・・どいて」ボーッ
ユミル(まさかこいつが・・・)
ユミル「そんな訳ないよなぁ」
アニ「何が?」
ユミル「だってチビだし」
アニ「喧嘩売ってる?」
アニ(昨日の巨人が気になってあんまり眠れなかったな)
アニ(誰なんだろうあいつは?)
アニ(チビでちょっと愛嬌があって少し面白かった)
ユミル「おいっ早くいけよ」
アニ「・・・」ジィ
ユミル「なっなんだよ睨むな」
アニ「まさかね」
ユミル「何が?」
アニ「まったく可愛げがないもの」
ユミル「はぁ?」
ユミル「今日の訓練は対人格闘か。私嫌いなんだよなー」
クリスタ「たまには真面目にやろうよ」
ユミル「意味ねーもんこんなの」
クリスタ「じゃあいいもん。私別の人とやるから」
ユミル「あっ」
ユミル「いっちまった・・・反抗期か?」
ユミル「流石にまったくやらねーと目を付けられるから」
ユミル「まだ余ってる奴は・・・あいつか」
アニ(かったるいな・・・)
ユミル「今日はいつもの相手のエレンじゃないのか?」
アニ「いつもじゃない」
ユミル「ふーん」
アニ「何の用?」
ユミル「相手がいなくて寂しそうなお前の相手になってやろうと」
アニ「いやだね」
ユミル「ハッ・・・愛しのエレンじゃないと嫌か?」
アニ「・・・」
アニ「よく喋る奴だ・・・」スッ
ユミル「おっやるのか?かかってこいよ孤独気取りのチビ女」
アニ「ハッ後悔しないといいね。皮肉屋気取りの老け顔さん」
ユミル(んっ?こいつの構え)
ユミル(どっかでみたような?)
アニ「シッ」
ユミル「うおっ?ちょっちょっと待て」
アニ「なに?やる気ないの?降参?死ぬ?」
ユミル「やる気はねーけど降参はしねーし。死なねーよ」
ユミル「なぁ一つ質問だ。昨日は何してた?」
アニ「答える義務も義理も感じないね」
ユミル「可愛くねー」
アニ「悪かったね」
アニ(いや待てよ。なんでこんなことを聞いてくる?ほんとにそうなの?)
アニ「逆にあんたは昨日何をやっていた」
ユミル「自己啓発」
アニ「オーケー。もういいや」
ユミル「今日は真面目な訓練になりそうか?」
アニ「してやるよ」
次の日
ユミル「いってーくそっ。あいつどこにあんな力があんだよ」
ユミル「チビのくせに・・・ったく」
アニ「いたっ・・・チッ」
アニ「ユミルめ。絶対普段の訓練は手を抜いてる」
アニ「本気を出せば楽に上位にいけるだろうか・・・ったく」
ユミル「むかつく奴だ」
アニ「むかつくね」
ユミル「しかし・・・あれだな巨人になれば傷なんてすぐ治るかな?」
アニ「・・・やってみるか」
カッ!・・・ガサガサガサ
カッ!・・・ガサガサ
アニ(んっ?)
ユミル(あれは?)
アニ(巨人だー!)
ユミル(巨人だー!)
アニ(ってまたあの巨人か)
ユミル(またあの女型巨人だ。こいつ何考えてるかわからなくてこえーよ)
アニ(あっ木の裏に隠れちゃった。怖がられてる?)
アニ(ほーら。こっちおいで。怖くないよ)
ユミル(手招きされてる。なんだろ)
アニ(来てくれた。なんか嬉しい)
アニ(あれっ?)
ユミル(なんだよ?)
アニ(あなた怪我しているじゃない。どうしたの?)
ユミル(すごい心配している目で見られてるが?)
アニ(駄目。伝わらないか)
アニ(とにかく。ここに座って一緒に日向ぼっこしよう)
アニ(そうすればきっと早く治る・・・と思う)
ユミル(となりに座れって?)
アニ(そうそう)
ユミル(よくわかんねーけど)
アニ(座って!)
ユミル(なんか必死だ)
ユミル(・・・今回だけだぞ)
アニ(やった!)
ユミル(うーん・・・暖かいなぁ)
アニ(暖かいね)
アニ(今日はこのままでいたいな)
ユミル(zzz)
アニ(あっ寝ちゃったの?)
アニ(起きるまで待っていよう)
アニ(そうしたら訊いてみたいよ)
アニ(あなたは誰なのって?)
アニ(それでもしかしたら・・・もしかしたら友人になれるかも)
アニ(だけど無理かな・・・巨人だしね)
アニ(ふぅ・・・今はなにも考えずに目を閉じよう)
ユミル(あっ寝ちまった)
ユミル(なんだぁこいつも寝てるのか?)
ユミル(・・・まぁ嬉しそうな顔して)
ユミル(よくわかんないけど良かったな)
ユミル(起きるまでそばにいてやるさ)
ユミル(しかし・・・ほんと誰なんだ?)
ユミル(こいつたぶんいい奴だよな。さっきは私の体を気遣ったんだ)
ユミル(仲間になれるかな?)
ユミル(もしこんな私にできるなら・・・いいんだけどなー)
ベルトルト「ねぇライナー。アニってこっちに来たのかな?」
ライナー「さぁな?別にアニがどこに行ってもいいじゃないかよ」
ベルトルト「違うよ。ライナー聞こえなかった?巨人になった時の音が」
ライナー「マジかよ」
ベルトルト「何かあったのかも知れない」
ライナー「あぁ余程のことがあったんだな」
ベルトルト「あっあそこだライナー。まずい!別の巨人がいる」
ライナー「確かに巨人がいるが」
ベルトルト「襲われているんだ!」
ライナー「そうかぁ?・・・あれは別に」
ベルトルト「僕はアニを助ける!いいねライナー?」
ライナー「あっ?まさか巨人になるつもりか?ちょっと待てよ」
ベルトルト「躊躇なんてしてられるか。僕は巨人になる!」
カッ!
アニ(なに?すごい音)
アニ(いや、あの子はどこに行った?)
ユミル(巨人だー!)ウワァー
ユミル(なんだあいつ超デケー!)
アニ(ベルトルトが巨人に?なんで?)
アニ(それよりあの子が驚いちゃってるじゃない)
アニ(あのバカ!何巨人になってんの)
ベルトルト(アニ助けに来たよ!)
ライナー「あいつあんなに行動的だったか?・・・だが」
アニ(あの子がびっくりしちゃったじゃない!)
ライナー「なんかアニ怒ってないか?」
ベルトルト(どうしたのアニ?)
ユミル(逃げろ!)
アニ(あっいかないで)
アニ(・・・いっちゃった)
ベルトルト(大丈夫だった?)
アニ「・・・」
ベルトルト(アニ?)
アニ(ベルトルトォ!お前は正座ぁ!)クワッ
ベルトルト(えぇー)
ユミル「くっそ昨日はとんでもないことが起きやがった」
ユミル「まさかあんな巨人がいるとは」
ユミル「もう暫く巨人にはならないほうがいいかぁ」
ユミル「あんなに落ち着いていられたの久しぶりだったのに」
アニ「まったくベルトルトの奴。もう来てくれないかも知れない」
アニ「また会って話を・・・ってそれはできないか」
アニ「だって二人ともうまく話せないもの」
アニ「また座って日向ぼっこしたかった」
ユミル「ハァー・・・」
アニ「ハァー・・・」
ユミル「あっ?」
アニ「えっ?」
ユミル「元気ないな」
アニ「あんたもね」
ユミル「・・・飯行こうぜ」
アニ「・・・うん」
アニ「・・・この前は悪かったね」
ユミル「この前?あぁ対人格闘の訓練の話か」
ユミル「いいよもう(治ったし)」
アニ「そう。丈夫だね」
ユミル「そう。丈夫なんだ」
ユミル「お前は大丈夫だったか?」
アニ「もう痛みはない。問題ないよ(治ったし)」
ユミル「健康っていいな」
アニ「健康っていいね」
アニ「今日はクリスタ起こしてくれなかったの?」
ユミル「あぁ何か馬の世話するって言ってたな」
ユミル「お前はいつも一人で起きるのか?」
アニ「周りが起きれば気配で分かるよ」
ユミル「最近は起きれないみたいだな」
アニ「あんたもね」
ユミル「疲れているのか?」
アニ「そうかも。何かうまくいかないことがあってね」
ユミル「そうか大変だな・・・実は私もなんだよ」
アニ「そう・・・大変だね」
ユミル「大変だよ」
アニ「うん・・・大変だ」
アニ「混んでるねぇ」
ユミル「そりゃ私らで最後だからな。席も空いてないさ」
ユミル「あの端の席空いてるな」
アニ「そうだね」
ユミル「おう」
アニ「・・・」
ユミル「・・・一緒に食うか?」
アニ「そうだね」
ユミル「いつも通りだが味気ねー食事だよな」
アニ「そう?私はそうでもないよ」
ユミル「そうかぁ?いつもと同じだよ」
アニ「うん」
ユミル「・・・それで?」
アニ「なにが?」
ユミル「さっき言ってたうまくいかないことって何だよ?」
アニ「あぁその話」
アニ「もしも、もしもだよ。あんたが言葉の通じない奴がいるとしてそいつと」
アニ「コミュニケーションをとりたい場合どうする?」
ユミル「なんだそりゃ?」
アニ「だからもしもだって」
ユミル「なんだよ犬か猫でも拾ったのかよ?」
アニ「違う。そいつは怖がりで小さくて(私からみれば)でもどこか愛嬌があって」
アニ「一緒にいたくなるような奴なんだ。そしてきっと私と同じ境遇なんだ」
ユミル「よくわかんねーけどとにかく一筋縄ではいかなそうだな」
アニ「うん」
アニ「・・・で?」
ユミル「でって?」
アニ「なんでもない」
ユミル「嘘だよ。アドバイスが欲しいんだろ」
アニ コクッ
ユミル「がんばれ」
アニ「えっ?そんだけ」
ユミル「嘘だよ」
アニ「・・・」
ユミル「黙るなよ」
アニ「嘘つきだ」
ユミル「それは本当だな」
アニ「やっぱりね・・・ん?それはどっちのこと?」
ユミル「どっちだろーな」
アニ「・・・ごちそうさま」
ユミル「待てって(からかいがいのある奴)」
ユミル「言葉が通じなくて」
ユミル「それでも仲良くなりたい思うのだったら」
ユミル「まずは相手に対し自分が友好的であることを態度で示さなくちゃな」
アニ「どうやって?」
ユミル「笑顔でいるとか?」
アニ「無理だね」
ユミル「無理じゃねーだろ」
ユミル「はいっほら。やってみろよ」
アニ「なにを?」
ユミル「笑顔」
アニ「いやだ」
ユミル「他にもいいアイデアがあるんだけどなー(ないけど)」
アニ「えっどんなの?」
ユミル「まずはこの第一ステップをクリアしなくては教えられないな」
アニ「うぅ」
ユミル「はい。じゃ。ほらっ」
アニ ・・・ニコッ
ユミル「おー可愛い」ナデナデ
アニ「さーわーるーな」
ユミル「もーいっかい」
アニ「なんで」
アニ「いいから教えてよ。やったでしょ」
ユミル「そうだな・・・あっもう時間だ」
アニ「ズルイ」
ユミル「じゃあ夕食のあとでな?」
アニ「わかったよ」
ユミル(それまでに考えるかぁ)
夕食後
アニ ウズウズ チラチラ
ユミル(なんかすげー期待されてる)
ユミル(何も考えてないんだけどなー)
ユミル(まっなんとかなんだろ)
クリスタ「あれっ?どこいくの?」
ユミル「ちょっと散歩にな」
ユミル(いくぞアニ)チラッ
アニ(オーケー)グッ
クリスタ「アニもどこかいくの?」
アニ「えっと、ちょっと星が見たくて」
ユミル(なんだそれ?)
クリスタ「へー。すごいねー」
アニ(納得した!?)
アニ「あれだね。クリスタはちょっとあれなんだね」
ユミル「言うな。素直なだけなんだよ」
アニ「そう。ところでステップ2は?」
ユミル「なんだっけ?」
アニ「なんだっけだって?」
ユミル「冗談だよ冗談」
ユミル「まずはこちらの友好を示したところで」
ユミル「一緒に食事とか」
アニ「無理(巨人だから)」
ユミル「一緒に買い物とか」
アニ「無理(巨人だから)」
ユミル「じゃ散歩とか」
アニ「無理(巨人だから)」
ユミル「じゃどうすればいいんだよ!」
アニ「だから聞いてるの!」
ユミル「なんつーめんどくさい奴なんだよそいつは」
アニ「別にいいでしょ。そんなのは関係ないもの」
ユミル「そうかぁ?まぁ好き好きだしいいけどよ」
ユミル「じゃえっとプレゼントとかどうだ?」
アニ「プレゼント?」
ユミル「そうプレゼント」
アニ「けど相手が喜ぶかどうかわからないじゃない?」
ユミル「だったらお前がもらって喜ぶものにしたらどうだ?」
アニ「そう・・・それは良さそうだね」
ユミル「おう。ちなみに何を考えてる」
アニ「パーカー」
ユミル「それ以外で」
アニ「難しいね」
ユミル「いやいやまだあんだろ。もっと考えようぜ」
アニ「じゃあ何をもらったら嬉しい?」
ユミル「金」
アニ「うわ」
ユミル「冗談だって引くなよ」
ユミル「どんな奴だって綺麗なもの美しいものをもらったら嬉しいんじゃないか?」
アニ「どんなのが?」
ユミル「身近なものでいったら花とか」
アニ「意外だね」
ユミル「うるせっ」
次の日
アニ「じゃっ」
ユミル「いってくるのか?」
アニ「うん」
ユミル「会えるといいな」
アニ「ありがと」
ユミル「プレゼントは?」
アニ「用意する」
ユミル「がんばれよ」
アニ「うん」
ユミル「私も付いていこうか?」
アニ「いやいいよ。気にしないで」
ユミル「わかったよ」
ユミル「もう夕方か・・・アニはうまくいったか?」
ガチャ・・・
ユミル「おう・・・会えたか?」
アニ フルフル
ユミル「そうか・・・次は会えるといいな」
アニ「・・・そうだね」
ユミル「今日もいくのか?」
アニ コクッ
ユミル「今日は天気が悪いぞ?」
アニ「いやでも今日こそいるかも知れないし・・・」
ユミル「止めはしねーけどさ」
森の中
ポツポツ・・・
アニ「雨が降ってきてしまった・・・」
アニ「だけど今日はきっと会えるよ。この前は巨人でいたから」
アニ「こなかったんだ。この前は怖がらせてしまったからね」
ユミル(どんな奴に会うのか気になって後をつけてきたが)
ユミル(あいつ何一人でぶつくさ言ってんだ)
アニ「このプレゼント喜んでくれるかなぁ?」
ユミル(げっあいつ本当に花をもってきてる)
ユミル(不恰好な花束だ・・・自分で摘んできたのか?)
アニ「来ないね・・・」
ユミル(来ないな)
アニ フゥ・・
アニ「ねぇいるんでしょ?聞いてよ!」
ユミル(えっ私のことか?)
アニ「私はいままでさ、ずっと一人だったんだ」
アニ「小さいときの記憶なんて今と同じで訓練した思い出しかない」
アニ「それで友人なんて一人もいなくてそれでもいいと思っていた」
アニ「これから私がすることがどんなことか考えれば当たり前の話だけど」
アニ「だけど・・・だけどさぁ」
アニ「やっぱりつらいよ・・・」
ユミル(アニ・・・)
ユミル(見ていられないな)
ガサッ
アニ「誰!?」
ユミル「私だよ。悪いなちょっと気になってな」
アニ「ユミル」
ユミル「今日も会えなかったな」
アニ「うん」
ユミル「もう帰ろうぜ?ほらっそんなに濡れちゃあ風邪ひくからさ」
アニ「・・・」
ユミル「綺麗な花だ。帰って飾ろうぜクリスタも喜ぶさ」
アニ「私はやっぱり駄目なのか?」ジワッ
ユミル「おいっ泣くなって」
アニ「泣いてない」ゴシゴシ
アニ「もうあいつは・・・」
アニ「もう私のこと嫌いになっちゃったのかなぁ?」
ユミル「そんなことない。また会えるって」
アニ「嘘ばっかり」
ユミル「嘘じゃないさ。私が一度でも嘘をいったか?」
アニ「何回も」
ユミル「そりゃそうだ」
ユミル「けどほんとのことも言うから」
ユミル「お前はきっとまた会えるよ私が保証してやる」
ユミル「ユミル様がいうことに間違いないさ」
アニ「まぁ・・・期待してるよ」クスッ
ユミル「あっお前期待してないなー」
アニ「ハハッ」
ユミル「よしっじゃあ帰ろうぜ」
アニ「うん」
ユミル「ただいま」
クリスタ「おかえり。最近どうしたの訓練が終ったらすぐ出かけてしまって」
クリスタ「あれっ?二人とも雨に濡れちゃって」
ユミル「まぁこれは色々あってだな」
クリスタ「拭くものを持ってくるね」パタパタ
アニ「いい奴だね」
ユミル「いい奴だろ」
ユミル「でもあいつも結構つらい境遇にいたんだぜ」
アニ「そうなの?」
ユミル「あぁけどここにいる奴ら全員そうなのかもな」
クリスタ「二人供タオル持って来たよ」
ユミル「サンキュー」
アニ「・・・ありがと」
クリスタ「その花どうしたの?」
アニ「これは・・・」
ユミル「二人で摘んできたんだ。部屋に飾ろうと思って」
クリスタ「ほんと?綺麗だね。そうだっ花瓶を探してくるね」パタパタ
ユミル「ありがとなー」
アニ「ふふっ」
ユミル「なぁお前が会いたい奴って誰なんだ?」
アニ「・・・」
ユミル「言いたくないならいいけど」
アニ「あんたは・・・ユミルは巨人のことをどう思う?」
ユミル「一般的には忌み嫌うべき脅威だ」
アニ「そうだね。巨人はそういうもんだね」
ユミル「お前・・・まさか?」
アニ「巨人にもいい奴っているのかな?」
ユミル(そういえばあの森って私が以前巨人になって)
アニ「聞いてる?」
ユミル「悪い悪い。少し考えごとをしていたよ」
ユミル「お前が友人になりたいって思うならいい奴だとか」
ユミル「悪い奴だとか関係ないだろ」
アニ「ありがとう」
ユミル(まさか本当に?)
アニ「笑ってくれても信じてくれなくても構わない」
アニ「私は巨人(正確にはその中の奴)と仲良くなりたい」
ユミル「マジか?」
ユミル(こいつが友人になりたい奴って私のことか?)
ユミル(いやっそれよりもこいつが女型の巨人だったのか)
アニ「どうしたの?」
ユミル(どうしたらいい?私がその巨人だよっていうべきか?)
アニ「やっぱり変だよね」
ユミル(駄目だろ。私もアニもいろんな事情があるんだ)
アニ「もう一度会えたらって」
ユミル「なんでもう一度会いたいって思うんだよ?」
アニ「何回も言ってることだけどきっと友人になれると思う」
ユミル(だけどこいつの気持ちにも答えてやりたい)
クリスタ「花瓶あったよー」
アニ「忘れてた」
クリスタ「酷いなー」
ユミル「ありがとなクリスタ」
クリスタ「どういたしまして。あっごめんなさい二人とも着替えたほうがいいよね」
クリスタ「着替え持ってくる」パタパタ
アニ「いい子だね」
ユミル「いい子だろ」
ユミル(クリスタもこいつもなんで私達はいつまでも苦しんだり悩んだりしなきゃなんねーんだ)
ユミル(・・・ったく。気にくわねーな)
ユミル「なぁ明日もう一度今日の場所にいこうぜ」
ユミル「必ず会えるさ。必ず」
アニ「そうだね。・・・ついてきてくれる?」
ユミル フルフルッ
アニ「そう」
ユミル「そんな悲しい顔すんなって今度はうまくいくから」
アニ「わかったよユミル様を信じましょう」
ユミル「信じてくれよ」
次の日
アニ「いつもの場所に着いたけどさ」
アニ「あんまり期待してないんだ。ユミルには悪いけどね」
ユミル「お前さ、一人のほうが良く喋るのか?」
アニ「ユミル?どうしてここに?来ないっていったじゃない」
アニ「まぁいいか。あなたも待ってみる?どうせこないよ」
ユミル「ハッ・・・」
アニ「何?」
ユミル ニコッ
アニ「えっ?」
ユミル「ここからお前がどういう行動に出たってなにも悪くないさ」チャッ
アニ「どうしたのナイフなんて出して?」
ユミル「ほらほら、そんな顔すんなって」スパッ
カッ!
アニ「まさかユミルが?まさか?」
ユミル(騙すつもりなんて微塵もなかったよ)
アニ「あなたが巨人なの!?」
ユミル(いまの私にはお前がよく見えてしまう)
ユミル(だけどその顔は驚いているんだろか?怖がっているのだろうか?)
ユミル(よくわからない。お前は今どんな感情なんだ?)
アニ「そうか・・・そういうことなんだね」
ユミル(お前は私を認めるか?お前が巨人だと知っている私を?)
アニ「・・・」ダッ
ユミル(あっ行っちまった・・・これは予想外だな)
ユミル(どうなるんだ。まさかあのバカデカイ巨人でも連れてきて)
ユミル(もしかしたら殺されちまうのか?)
ユミル(流石に勝てねぇよなー)
ユミル(私はただお前とさ・・・)
ズシーンッズシーンッ!
ユミル(きっ来た!)
ユミル(一人だ!アニも巨人になっている)
ザッ
ユミル(止まった?)
アニ(・・・)スッ
ユミル(やっやるのか?)
アニ(これっ)
ユミル(手を差し出せって?)
アニ(受け取って)
ユミル(これって・・・花か?)
アニ(そう)
アニ(友好の証でしょ?)
ユミル(じゃさっきいなくなったのは)
アニ(今日は花を忘れちゃって)
ユミル「ハッハハハ!」
アニ(うわっどうしたの)オロオロッ
ユミル(なんだよ。バカじゃねーか私は)
ユミル(なんで信じなかったんだよ)
ユミル(あー笑えるくらい情けねーな)
ユミル(おーいアニ)チョイチョイ
アニ(なに?)
ユミル(これをみろ)カキカキッ
アニ(なーに?)
アニ(ちょっと待っててだって?)
ユミル(そう。ちょっとだけな)チョコット
アニ(ちょっとだけだよ)チョットネ
ユミル(じゃ)ダッ
アニ(じゃ)バイバイ
ユミル(うーん喋らなくても)
アニ(伝わるもんだね)
アニ(まだかなー)
ユミル(待ったか?)ヨッ
アニ(ううん大丈夫)モンダイナイヨ
ユミル(じゃあこれをお前に)ドウゾ
アニ(あっ花だね。ありがとう)
ユミル(後で持って帰ろうぜ)
アニ(部屋が花だらけになっちゃうね)
ユミル(クリスタも喜ぶな)
アニ(うん)
ユミル(・・・あともう一個渡したいものがあってさ)モウイッコ
アニ(ほんと?ありがとう)ナーニ?
ユミル(ちょっと元に戻ろうぜ)
アニ(・・・うん)
ユミル「・・・よっ」
アニ「・・・どうも」
ユミル「うおい。なんでこっちのほうが気まずいんだよ」
アニ「なんでだろうねぇ」
ユミル「とにかくまずは花ありがとな」
アニ「あなたもね」
アニ「あと何かあるの?」
ユミル「そうだそうだ。ほらっこれ」
アニ「服を?ありがとう」
アニ(あっパーカーだ。この前いったの覚えてたんだ)
アニ「いつの間に買ったの?」
ユミル「今日クリスタに買いに行ってもらって、さっきはそれを受け取りに戻ったんだよ」
アニ「クリスタにも何かお返ししなきゃ」
ユミル「この花でいいだろ」
アニ「クリスタには花が似合いそうだね」
ユミル「私達はそんな柄じゃないよな」
アニ「残念ながらね」
アニ「あのさ一つ聞きたいことがあるんだ」
ユミル「奇遇だな。私もある」
ユミル「なぜ私を信じてくれた?」
アニ「えっ?信じるって?」
ユミル「そうなのかよ。敵だとか考えなかったのか?」
アニ「考えもしなかったよ」
アニ「あなたが巨人になる前の笑顔を見てからね」
ユミル「そういうことかー」
アニ「じゃあ次は私から」
アニ「なんで私に正体を明かしてくれたの?」
アニ「あなたは私よりも早く私達のことに気付いた」
アニ「だからあなたの選択としてはこのまま黙っていることもできるでしょ?」
ユミル「こっちも大した理由じゃねーよ」
ユミル「ちょっと気に食わないって思ったんだ」
アニ「気に食わない?」
ユミル「お前の言うとおり知らない振りしてたほうがお互い安全だってわかるけどな」
ユミル「それでおしまいだ」
ユミル「この力を持ってる私達はさ、どう考えても過去にも未来に苦難と苦痛があって」
ユミル「いや苦難が待ち伏せているか?どっちでもいいや」
ユミル「ちょっとそんなのにうんざりしたんだ」
アニ「ちょっとよくわからないね」
ユミル「だーかーら。要はお前とこんな風に話すほうが楽しいってことだよ」ゲシゲジ
アニ「やーめーて」
アニ「もうっ髪がグシャグシャ」
アニ「まっ確かにそんな未来はいやだね」
ユミル「願うしかねーよ。今の段階では。私達に幸運があることを」
アニ「叶わないから願うのでしょ?」
ユミル「おー乙女だなーこいつめ」ゲシゲシ
アニ「やーめーてーよ」
ユミル「だけど違うな大人な私が教えてやるさ」
ユミル「叶ったり叶わなかったりするから願うのさ」
アニ「訳わかんないね。だったらどうするの」
ユミル「願いまくる。それだけさ」
アニ「バカみたい。どこが大人なの」
ユミル「かっこいいだろ」
アニ「だからどこが?」
ユミル「大人になったらわかるさ」
アニ「・・・なれたらね」
ユミル「なれるってそれこそ願えよ」
アニ「あのさ・・・」
ユミル「なんだ?」
アニ「もう日が暮れそうだね?」
ユミル「そーだなー」
アニ「・・・」
ユミル「・・・」
ユミル(きっと私達はまだ)
アニ(話す言葉を探しているんだ)
ユミル(すぐそこに最悪があって)
アニ(こんな風に話せなくなるってわかるから)
アニ「それで・・・」
ユミル「うんうん・・・」
ユミル(だから私達はまだ)
アニ(話を続けるんだ)
ユミル「そういやあんときクリスタがさー・・・」
アニ「・・・アハッ」
ユミル(こいつ笑うと可愛いな)
ユミル(過去と未来はどうであれ今日の私とお前は決して間違ってないさ)
・・・
ユミル「そろそろ帰るか?」
アニ「うん」
アニ「じゃまた明日からもこんな風に話そうね」
ユミル「当たり前だろ?」
これで終わりです。ありがとうございました。
また、レスありがとうございます。嬉しかったです。
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