怜「予知夢を見れるようになったみたいや」(123)

セーラ「あちゃー、帰ろう思たらいきなり雨が降ってきてもたな」

竜華「天気予報は晴れやいうてたんやけどね」

セーラ「貸出用の傘はもう持ってかれとるやろうしなぁ」

怜「大丈夫。今日は傘2つ、ウチが持って来とるで。一個足らんからウチと竜華は相合傘や」

セーラ「おお、やるやん怜」

竜華「ありがとなー。けどなんで2つも持ってきたん?」

セーラ「おかげで助かったんやけどな」

怜「……今日は雨が振る気がしてなー」

竜華「ふふっ、なんなんそれ?」

セーラ「ついに怜は麻雀以外でも未来予知が出来るようになったんか」

怜「せやでーさすがやろー」


怜(本当に麻雀以外でも未来予知が出来るようになったいうたら、2人共信じてくれるかなぁ)

~自宅~

怜(なんでか知らんけどこの前から予知夢を見るようになった)

怜(何気ない明日の風景やったり数日後に抜き打ちテストをやってる姿やったり)

怜(今のとこ、夢で見たことが外れたことはない。百発百中や)

怜(今日も前日に見てた予知夢のおかけで雨が降ること知っとったから、竜華と相合傘が出来たのは嬉しいんやけど)

怜(……なんか、怖いなぁ)

怜(一巡先どころの話やないでこれ。能力が暴走しとるんか?)

怜(インターハイでトリプルなんて無茶もやったしなぁ)

怜(今のとこ体に異常は見当たらんし、夢から覚めても疲労とかは感じないからそこら辺は安心しとるんやけど)

怜(……ひょっとしたら能力の暴走やなくて進化なのかもしれんな)

怜(一巡先を超えた、一日先。凄いな、ウチこの能力で一財産築けるんちゃう?)

怜(……これ、どこまで先の未来見れるんやろ)

怜(今まで見た夢の中では一週間後あたりが最長や)

怜(……ちょっと怖いけど、チャレンジャー精神が疼いてしゃーない)

怜(今日は意識して寝て見よか)

怜(ウチ達が歩む無限の未来の中にある、1つの未来)



怜(ずっと先の未来を――見る! いくで――!)



怜「一年先や……」スヤスヤ

~一年後?~


 『園城寺怜の墓 享年20』


竜華「怜……怜ッ! なんでや、なんで死んでしもたんやぁ……!」ポロポロ

セーラ「俺ら、まだまだ若いやろ! まだ半分も人生やってないんやで!?」

セーラ「早すぎや……早すぎるで、怜ぃー!」ポロポロ




怜『』

怜『……嘘、やろ?』

怜『ウチ、来年、死んでまうん?』ガタガタガタ

怜『ウチの病気って、ウチの体って、そんなに悪かったんか……?』

怜『い、嫌や……こんなん嫌やぁ!』

怜『まだやりたいことたくさんあるんや! 竜華とデートだって数えるほどしかやってない!』

怜『セーラと全然遊んでない! 部活のみんなともっと麻雀打ちたい!』

怜『死にたくない……死にたくないよぉ……竜華ぁ……』ポロポロ






竜華「病気が治ったからって! お餅を10個も一気食いなんてするから……!」ポロポロ

セーラ「健康になってもそんなん常人でもチャレンジせんわ、ド馬鹿!」ポロポロ



怜『』

怜『……』

怜『……ウチは』

怜『ウチは危機管理のなってないおばあちゃんかあああああああああああああああああああぁ!』

怜『なんやねんお餅10個一気食いして死ぬって!?』

怜『病気やないんか!? 死因!?』

怜『そりゃそんな情けない死に方したらセーラにドアホいわれるわ!』

怜『嫌や、嫌やこんな未来! こんな死に方!』

怜『絶対にこの未来を変えてみせるで!』

怜『ウチはもう生涯お餅食わん! そうすりゃ死なないはずや!』

怜『安心してな、竜華! セーラ! ウチ、絶対に生き延びてみせるで!』



泉『清水谷先輩……』

竜華『い、泉……』


怜『あ、泉も墓参り来てくれてたんか……』

泉「園城寺先輩のことは、残念でしたね」

竜華「突然のこと過ぎて、私はもうどうしたらいいかわからへん……」

竜華「あんなに大好きやった怜は、もうこの世にいんのや……」ポロポロ

泉「……先輩! いえ、竜華さん! 私が、私が竜華さんのことを支えますから!」リョウテニギリ

竜華「っ!? 泉……?」

泉「私なんかが園城寺先輩の変わりになるわけないです! けど、私、私!」

セーラ「ちょ、おま!? いきなり何をいうてんや!? こんな場所で……!?」

泉「不謹慎なのわかってます! けど、そんなボロボロになった竜華さん、もう見てられないです!」ポロポロ

泉「竜華さん――このさいだから全部、ぶち撒けます! 私……ずっと竜華さんが好きでした!」ダキッ

竜華「――い、泉……」ポロポロ




怜『』

~自宅~

怜「いやあああああああぁ! 竜華あああああああぁ!」ガバァ

怜「はぁ――! はぁ――!」

怜「……なんて、未来や――!」ゴゴゴゴゴ






 ダダダダダッ

 ガラガラ

 バン!

怜「泉ー!」

泉「!?」

怜「ワレェ妻を亡くした未亡人に速攻手ぇ出すとはエエ度胸しとるなぁ!? あぁ!?」

泉「え? え!?」

怜「あんまふざけた真似しとったら簀巻きにして阪神優勝の騒ぎに紛れて道頓堀ぶち込むぞコラァ!」

泉「は……!?」

怜「このっ、このっ!」ポコポコ

泉「痛っ!? ……くはないけどなんでいきなり叩くんですか!? や、やめてください園城寺先輩!」

竜華「ちょ、ちょ! いきなりどないしたんや怜!?」

竜華「暴力はあかんて!」

怜「うううううううぅ!」ポロポロ

怜「竜華ぁ!」

竜華「な、なに?」

怜「好きやで! 竜華!」

竜華「なっ!?//// わ、私も好きやで、怜。け、けどホンマに今日はどうしたん?」

怜「どうもせん、どうもせんけど……!」

怜「うち、もう二度とお餅は食わん!」

竜華「???」




泉「うっ……ひっぐ……私が何したいうんですかぁ……」ポロポロ

セーラ「……俺の胸ん中で泣け、泉」ナデナデ

~自宅~

怜「とにかく、お餅を食わなきゃええんやろ?」

怜「お餅を食べれんのは日本人として残念やけど、お餅は竜華ので満足すればええんやしな」

怜「竜華は絶対に誰にも渡さんで……!」

怜「さぁ、未来が変わったか確認や! いくで――!」

怜「一年先や……」スヤスヤ




~一年後?~

怜「それにしても、レポートは面倒やなぁ」

セーラ「レポートさえなければ大学生活最高なんやけどな」

竜華「こらこらー。大学は遊び場やないんやでー」

竜華「ちゃんと勉強もせなな」

怜「わかっとるって」



怜『よかった……』ホッ

怜『大学生活、楽しそうやなぁ』

怜『一年後にはウチの病気も治ってるみたいやし』

怜『いうことなしやな』

怜『……しかし、一度あることは二度あるいうしな』

怜『なんか物凄い不安やし……二年後も見れたら見とくか』

怜『――二年先や!』キィィィン



~2年後?~

 『園城寺怜の墓 享年21』


竜華「怜ぃぃぃぃぃ! なんで怜死んでしまうんやぁ……!」ポロポロ

セーラ「行き急ぎすぎや、怜ぃー!」ポロポロ




怜『』

竜華「それにしてもまさか……」

セーラ「怜が、怜が……!」

竜華「タンスの角に足の小指をぶつけて死ぬなんて……!」

セーラ「打ちどころが悪かったんやろなぁ……怜のドアホっ……!」




怜『ウチはスぺランカーかああああああああああああああああああぁ!』

怜『タンスの角に足の小指ぶつけて死ぬって、そこまで貧弱ちゃうわっ!』

怜『日常生活出来んやろそれ!?』

怜『こんなことで死にとうないわあああああああぁ!』ポロポロ

ピピピピピ

竜華「あ、メール……泉からや」

セーラ「最近、竜華は泉と仲ええなぁ」

竜華「……怜が死んでから三ヶ月たった今も立ち直れない私を、泉は親身になってかまってくれてな」

竜華「おかげで、少しづつ前を向けるようになって……」

セーラ「そっか……大事にしたりや。泉はええ奴やで」

竜華「うん、わかっとるよ……怜はもういないんや。二度と私に頬笑みかけてくれたりもせぇへん」ポロポロ

竜華「私も、いつまでも塞ぎこんでないで、新しい私を始めなあかん」

竜華「泉と一緒に……怜、天国で私達を見守っててな……」




怜『』

~自宅~

怜「いやあああああああぁ! 竜華あああああああぁ!」ガバァ

怜「はぁ――! はぁ――!」

怜「……認めん、こないな未来――!」ゴゴゴゴゴ





 ダダダダダッ

 ガラガラ

 バン!



怜「泉いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃ!」

泉「また!?」

怜「ワレェ誰が時間を置いて籠絡したら許す言うたぁ!? あぁ!?」

泉「え? え!?」

怜「あんまふざけた真似しとったら宮永姉妹と天江衣の雀卓ぶち込んで麻雀楽しませるぞコラァ!」

泉「は……!?」

怜「ほんまええかげんにせぇやああぁ!」ポコポコ

泉「それは私の台詞ですよ園城寺先輩ぃ! やめて! やめてぇ!」

竜華「タイム、タイム! またどないしたんや怜!?」

竜華「暴力はあかんよ!」

怜「うううううううぅ!」ポロポロ

怜「竜華ぁ!」

竜華「な、なに?」

怜「愛しとるで! 竜華!」

竜華「も、もうっ!?//// わ、私も愛しとるで?」

怜「うち、もう桐タンスは家に置かん!」

竜華「???」


泉「先輩ぃ……江口先輩ぃ……」ポロポロ

セーラ「……今日も俺んちでマリパやろうな、泉」ナデナデ


~自宅~

怜「しゃぁ! これで家のタンスは全部処分した!」

怜「角という角にはスポンジで防護しておいたし、これで安全や!」

怜「竜華の膝枕はウチだけのもんやもん……!」

怜「さぁ、未来が変わったか確認や! いくで――!」

怜「2年先や……」スヤスヤ

~2年後?~

セーラ「インターカレッジにも高校時代にやりあった相手が結構おってなんや嬉しいな」

竜華「けど、大学いかんと直接プロになった宮永照さんや他の人らとはもう打てへんのやね」

怜「セーラはプロを目指すんやろ?」

セーラ「インカレで結果だせたら、それもありや思うとる」

怜「プロか……ウチは、どないしようかな……」

竜華「私はプロにはならんつもりやけど、2人がプロになったらマネージャーにでもさせて貰おうかな?」

怜「それええなぁ。竜華と二人三脚やったら、プロ相手でも負ける気せえへんで」




怜『この頃になるとみんな大人びて来るんやなぁ』ホロリ

怜『……さすがにもう安心やろ?』

怜『いくらなんでもそこまで死なんやろ、うち』

怜『ジャンプ漫画でさえ3度死ぬ奴はそうそうおらんで』

怜『……』

怜『――三年先や!』キィィィン


~3年後?~

 『園城寺怜の墓 享年22』


竜華「怜ぃ! 怜ぃ! 怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜怜ー!」ポロポロ

セーラ「なんでやー! どうしてそんなに病弱なんや怜ぃ!」ポロポロ




怜『』

竜華「後輩に格好いいとこ見せようよあんま飲めんのにウォッカの一気飲みなんてするからっ……!」

セーラ「無茶しすぎやで……怜のドアホ……!」



怜『ウチはロシア人かああああああああああああああぁ!』

怜『絶対に急性アルコール中毒で死んだやろそれ!?』

怜『21歳にもなって何しとんねんウチ!?』

怜『チャレンジはしてみる方やけどそこまで無謀ちゃうわ!』ポロポロ



セーラ「そういえば、竜華。あの話、どうするんや?」

セーラ「怜はもう、おらんのや……」

竜華「……受けな、受けなあかんやろ……」ポロポロ



怜『え? あ、あの話……?』

セーラ「そう、か……親に決められた結婚なんて、今時流行らんやろ……!」

竜華「……今までは怜がいてくれたから、そう強くは言われんかったみたいやけど」

竜華「怜が死んだらいきなり知らん男とお見合い結婚しろなんて、あんまりや……!」


怜『――は?』


竜華「……でも、親はこの話を受けなんだら縁を切るとまで言っとる」

竜華「……怜を! ウチを! なんやと思うとるんや!」

セーラ「――嫌なら逆縁切って逃げろや! なんなら俺が面倒みたるで!? プロ入りの話やって来てるんや!」

セーラ「今すぐにでも大学止めてプロに……!」

竜華「……」フルフル

竜華「……そこまで、親友に迷惑かけられへん。それに」

竜華「親は、親なんや。いままで散々、お世話になってきた両親なんや……」

セーラ「竜、華……」

怜『……竜華が、知らん男と結婚?』

怜『……は?』

怜『……』






怜『は?』




竜華父「よく決意してくれたな、竜華」

竜華「……はい」

男「お見合い結婚とはいえ、家庭を作るならば幸せなものを築きたいと僕は思っている」

男「どうかよろしく、竜華さん」

竜華「……はい」ギリッ

~結婚式~

 リーンゴーン

   キャーオメデトー


神父「それでは、新郎新婦による近いのキスを」

男「竜華さん――」スッ

竜華(ごめんな、怜……私は、私は……)ポロポロ



セーラ(ええんか!? なぁ、ほんまにこれでええんか、竜華――!)





 トビラバァン!




男「な、なんだ!?」

竜華「……っ!」

セーラ「……ちっ、来るのが遅いわ――!」



「悪いんやけど、この結婚式――」









泉「頭ハネや」



竜華「い、泉ー!」キュン

竜華父「な、なんだね君は! 今は大事な結婚式の最中なんだ!」

竜華父「部外者は出て行って貰おうか!」

泉「大事な、結婚式やと――?」

泉「ふざけるな! こないな強制された結婚式の何が大事なんや!」

男「っ!」

泉「竜華さん!」

竜華「泉……!」

泉「竜華さんは、どうしたいんですか!?」

竜華「私は、私は!」

竜華父「ええい! 警備は何をしているんだ! とっととあいつを外に放り出せ!」

警備「かかれー」ダッダッダ

警備2「うおー」ダッダッダ

竜華「はっ!? 泉、危ない!」

泉「――!」



  ドス! 
          ボカッ!
    ゴス!


警備「ごはっ!」

警備2「ぐはぁ!」



セーラ「邪魔すんなや。今、俺の大事な親友と、大事な後輩の」シュッシュ

セーラ「運命を分けるオーラスなんやで!」


泉「先輩!」

竜華「セーラまでっ!」

泉「竜華さん! 私は、私は竜華さんのことが好きです! 愛してます!」

竜華「けど、私は、怜を……!」

泉「それでもいい!だって、私は始めに好きになったのは――園城寺先輩の事が大好きな竜華さんなんだから!」

竜華「っ!」

竜華「……い。お願い! 泉! 私をここから連れだしてええええええええええええぇ!」

泉「――はい!」オヒメサマダッコ



竜華父「な、なんだこれは……!? こんな馬鹿なことが……!」

男「――いいんです、清水谷さん」

竜華父「男くん、だ、だが……」

男「いいんです……一度、僕は竜華さんを本気で愛そうと決めた」

男「だからこそ、彼女の本当の幸せを願いたい」

男(さようなら……竜華さん)

泉「っ……あなたも、いい男ですよ!」

竜華「決して私が言っていいことではありませんけど……私なんかよりも、もっと良い人を見つけてください!」

男「……はい」ニコ

竜華父「りゅ、竜華……」

竜華「お父さん……出来の悪い娘で、ごめんなさい……!」

泉「悪いけど、お宅のお嬢さんは、私が貰う! そういうことで! 逃げろー!」ダダダダッ



竜華父「馬鹿娘が……精々――幸せにな」ポロポロ



セーラ「なぁ、天国で見とるか……怜」

セーラ「竜華はちゃんと、幸せになれそうやで――なぁ、怜ぃ……」ポロポロ

~自宅~

怜「」ガバァ


 ダダダダダッ

 ドンガラガッシャーン

 ステステステ

 タッタッタッタ

 フラフラ

 ガラガラ



 バン!


怜「お前は少女漫画に出てくるイケメンかあああああああああああああああああああああああああああああああぁ!」

泉「もう勘弁してください……」

怜「なにあのカッコ良さ!? なぁホンマなんなんやぁ!」ポロポロ

怜「お前、セーラとは別ベクトルにかっこええから死ぬほど似合いすぎて腹立つわもぉおおおおおぉ!」

泉「え? え!?」

怜「私なんて貧弱すぎて竜華をお姫様抱っこなんて夢のまた夢なんやぞおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」

泉「は……!?」

怜「このっ、このっ!」ポコポコ

泉「なんで褒められながら貶されてるんですか私!?」

竜華「ハウス! ハウスや怜!」

竜華「それ以上はあかんて!」

怜「うううううううぅ!」ポロポロ

怜「竜華ぁ!」

竜華「う、うん?」

怜「竜華、月が綺麗ですね!」

竜華「今昼間やで?」

怜「うち、もう生涯酒は飲まん!」

竜華「???」





泉「先輩、今日も先輩の家に泊りにいってええですか……」ポロポロ

セーラ「……おう、親もお前のことえらい気にいって連れてこい言われてんねん」ナデナデ

セーラ「それから、俺のこと名前呼びでええで? 俺とお前の仲やろ?」

泉「そ、そんな恐れ多いこと……///」

~自宅~

怜「生涯禁酒の近いを竜華に誓う」

怜「竜華は泉に渡さん……!」

怜「正直、私が泉に勝っとるとこなんてないかもしれんけど!」

怜「竜華を世界で一番愛しとるのは、うちやから――!」ポロポロ

怜「さぁ、未来が変わったか確認や! いくで――!」

怜「3年先や……」スヤスヤ


~3年後?~

竜華「インカレでワンツーフィニッシュおめでとー!」パチパチ

セーラ「いやぁ、照れるなぁ///」

怜「まさか私がセーラを抑えて優勝出来るとは思わんかった」

セーラ「一巡先の能力だけに頼らず基礎を磨きに磨いた結果がようやっと出たな、怜。おめでとさん!」パチパチ

怜「……あ、ありがとなぁ、セーラ、竜華」ポロポロ

竜華「もう、泣かんときな怜ぃ」ナデナデ

セーラ「高校時代からよう泣くなぁ」ナデナデ

怜「うちがここまでこれたのは、あの時支えてくれたみんなと、2人のお陰やから……」

怜「どれだけ感謝しても、しきれへん……」

竜華「それは私も同じやで」

セーラ「せやせや。俺かてみんながいたから麻雀頑張れんねん」

セーラ「……ええよな。仲間って、友達って」

竜華「ホンマやね」クスッ





怜『泣けるわ……』ポロポロ

怜『……』

怜『……どうせ』

怜『……どうせまた、死んどるんやろ?』

怜『アホなことで死んで』

怜『竜華とセーラ泣かせて』

怜『……また、死ぬんや』

怜『――上等やないか!』キッ

怜『例えこの先、老衰が来るまで無限に死に続けようとなぁ!』

怜『その無限の未来を変えてやるわ! 生き残ってやるわ!』

怜『竜華とセーラと泉とフナQといつまでも一緒にいたいんや!』

怜『うちの心が死なん限り! うちは絶対に死なん!』

怜『行くで――! 4年先や!』キィィィンン

~4年後?~

セーラ「おめでとさん!」パチパチパチ

浩子「先輩方、おめでとうございます!」パチパチパチ

雅枝「こうして後輩たちが新しい家庭を作ってくのを見るんは顧問名利に尽きるわ」パチパチパチ

洋榎「似合っとるでー園城寺ー!」パチパチパチ

絹恵「羨ましいでー」パチパチパチ

玄「どうかお幸せになのです!」パチパチパチ

宥「あったかーい家庭をつくってね」パチパチパチ

憧「おめでとう!」パチパチパチ

灼「おめでと……」パチパチパチ

哩「絆を大切にな」パチパチパチ

煌「すばらですお二人とも!」パチパチパチ

姫子「お嫁さん、大事にしてあげてください」パチパチパチ

美子「お、おめでとー」パチパチパチ

仁美「これで政治がようなると」パチパチパチ

照「どうか、離れ離れになることない家族を作って」パチパチパチ

菫「精一杯祝福させて貰う」パチパチパチ

尭深「おめでとうございます……」パチパチパチ

誠子「いやー、めでたいなー!」パチパチパチ

淡「ブーケは私に頂戴ね!」パチパチパチ

やえ「お見せしよう――王者の祝福を!」パチパチパチ

睦月「うむ」パチパチパチ



泉「――おめでとうございます! 園城寺先輩! 清水谷先輩!」




 ワーワー

        キャーオメデトー

怜『…………』

怜『ん?』



怜「みんな、みんな! ありがとなぁ、ホンマにありがとなー!」ポロポロ

竜華「忙しいやろうに、私達の結婚式にこんなに集まってもろて……なんて幸せなんやろうなぁ、うちらは」ポロポロ

怜「竜華! うち、病気は治ったけどまだまだ貧弱や」

怜「腕立て一回も出来んし、竜華をお姫様だっこもしてやれん」

怜「けど、けど――! 竜華を誰よりも幸せにしてあげれる! 誰よりも愛してあげれる!」

怜「竜華、竜華! 愛してる!」

竜華「私もや、私も愛しとるで! それにな、怜がお姫様だっこ出来んかったら――」ダキッ

怜「わわっ」フワッ

竜華「私がいくらでも怜をお姫様だっこしたるんやー!」オヒメサマダッコ

 ヒューヒュー

    オアツイゾー!

怜『……』ポロポロ

~自宅~

怜「……」ガバァ


 タッタッタッタ

 ガラガラ

 バン


怜「泉、今まですまんかった」ナデナデ

泉「許してくださっ……え?」ビクビク

竜華「おお、よくわからんけどいつもの怜に戻っとる」

怜「竜華……」

怜「竜華! うち、絶対に死なんからな! 絶対に竜華を幸せにするから!」

怜「だからこれからも、一緒にいてな……」

竜華「あ、そ、そこは変わらへんのやな……///」

竜華「うん、ずっと――ずーと、一緒に居るで」ニコ

怜「……竜華ー!」ダキッ





セーラ「なんやったんやろうな、今までの怜は」

泉「私としてはありがたいですけど……あ、いや、これはこれで困るかも……?」

セーラ「え、なんでや?」

泉「だって……」

泉「セーラさんの家に押しかける言い訳、使えんようになってまいますし……///」

セーラ「……こっの! かわええなぁお前は!」グリグリ

泉「痛い痛い! セーラさん園城寺先輩の数十倍は力強いんですから止めてくださいー!」

セーラ「なんなら俺んち住んでもええんやで。江口泉になれや」

泉「は、はい!///」カー











浩子「……は!?」


カン

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