怜「なんで膝枕なんや」 (56)

怜「太股やのに」

竜華「…!」ハッ

竜華「な…なんやそれ…何ちゅうことに気付いたんや…」

竜華「そんなことあたし…!考えもせんかった…ッ!」

竜華「これまで私…何千回何万回と怜に膝枕してきたのに…」ゴクリ

怜「そんなにはされとらんで」

竜華「何千秒何万秒と…」

怜「そっちは逆に収まらんで」

竜華「これは由々しき事態やね。次から計っとこか。時間」

怜「ストップウォッチ持ち歩くんか?」

竜華「あかんの?」

怜「あかんで」

竜華「なんでや」

怜「竜華の体に硬いものが触れてるやなんて嫌やわ」

竜華「いや、やーらし」

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怜「ちゃうで」

竜華「何がちゃうんや」

怜「考えてみ?」

竜華「ふむ」

怜「スカートのポケットにストップウォッチ入れてるとしようや」

怜「したらな、膝枕されてるときにやな」

竜華「うんうん」

怜「頭に…ストップウォッチが…コツンと…」

竜華「ひっ…」

キャアアアアアアアアアア

竜華「そんなん最悪やん!もう何もかも変わってまうやん!」ガタガタ

怜「もうな? 一気に興醒めちう奴やろ?」

竜華「そらあかんわ…ストップウォッチ持ち歩くのやめるわ…」ショボーン

怜「いや、その必要はないで」

竜華「ほんまに?」ハッ

怜「保管場所を考えればええねん」

怜「こうな? 膝枕し始める時にな?」

竜華「うんうん」

怜「こう、乳の間からすーっとな。出すんや。ストップウォッチを」

竜華「かっこええ…」ホヘー

怜「けどな?」

竜華「なに?」

怜「まあ、持ち歩くゆうても持ち歩かんやろ、そんなん」

竜華「えぇーっ!? 持ち歩くよぉー!」

竜華「計りたいもーん!」

怜「私を膝枕した時間をか?」

竜華「計りたいよぉー!」

怜「それ本気に言うてんの?」

竜華「本気に決まってるやんかー!」ウルウル

竜華「怜は、怜は信じてくれへんのかー!」

竜華「あたしがこんなに計りたい言うてんのにー!」ウエエエエン

怜「りゅーか…」

怜「…照れるわ」フニャッ

竜華「…あたしも」ニコッ

怜「ほんで話戻るけどな」

竜華「うんうん」

怜「膝枕やんか」

竜華「せやな、膝枕やな」

怜「膝枕やないやんか」

竜華「確かになぁ~」シミジミ

怜「太もも枕って言わなあかんのちゃうかなぁ…?」

竜華「もう…そうとしか考えられへんで…」

竜華「おかしいよ…こんなに太ももしか使ってないのに…膝枕やなんて…おかしすぎる…ッ!」

竜華「こんな今の日本社会はおかしいと思うよ!」カッ

竜華「あたしは許せへん!」ゴオオオオ

怜「ローザ・ルクセンブルクもおかんむりやで?」

竜華「その通りや!ローザ・ルクセンブルクも怒ってる!」

怜「ローザ・ルクセンブルクに申し訳が立たんで…」

竜華「ローザ・ルクセンブルクごめんな…」ホロリ

怜「こーんなやらかい太ももやのになぁ」モニュモニュ

竜華「あふん」ビクッ

竜華「あっ」

怜「どしたん?」

竜華「でも太もも枕って長いからもも枕って言った方がいいんちゃう?」

怜「それはあかん!」くわっ

竜華「出た!怜のソムリエモードや!」ワクワク

怜「もも枕と太もも枕…確かに指すんは同じものかもしれん…」

怜「しかしや。もう一度立ち止まって両者を並べてみぃ…」

竜華「えっ…? ハッ! こ、これは…!」

ooO「もも枕」  「太もも枕」

竜華・怜「全くの別物…!」

怜「ようやく気付いたようやな…そう…それらの違いはまるで…」

竜華・怜「虎打線と猛虎打線…!」

竜華「わあああああ! 嘘やろおぉ!? 全然まるっきり別物やん!」

怜「ほっとしたわ…分かってくれてな…」

怜「一見似とるようでも、ももに寝転がるんと太ももに寝転がるんでは、天地の差があるんや」

怜「そう、その両者の間にある溝は…りゅ……、いより……い」ボソッ

竜華「え? 何? よう聞こえんかった」

怜「いや…その…」

怜「竜華への私の愛より深い、って…」ボソボソ

竜華「と、怜…」ジーン

怜「あっ」

竜華「え?」

怜「いやいやおかしいおかしい」

竜華「ほぇ?」

怜「何感動してんの自分あほあほおたんこなすばかばかりゅーか」

竜華「えーっ!?」ズガーン

怜「この比較やと何の深さのアピールにもなってへんやん」

竜華「あっ」

竜華「ほんまやなぁ、気付かんかったわ。ごめんな怜、私あほで」テレテレ

怜「ほんまやで、ちゃんと考えとてーや」

竜華「うん、ごめんな…。それで」

竜華「ほな改めてそのアピールしてや」

怜「えーっ!?」

怜「いややいややそんなんいやや、そんなん絶対せーへんもん!」

怜「絶対な!」

竜華「と、怜…そんなになん?」

竜華「でも…して欲しい…もう一回、ちゃんとした形で…」

竜華「お願い…! これが私から怜への最後のお願いやから…!」グスッ

竜華「だから…お願い…」

怜「りゅーか…そこまで…そんなにまで…」

怜「…しゃーないなぁ」太ももモミモミ

竜華「あふん」ビクッ

竜華「ふぅ…けどな?」

怜「なに?」

竜華「まあ、太もも枕ゆうても結局言わんやろ、そんなん」

怜「うーん…」

竜華「…」

怜「言わんな」

竜華「言わんわなぁ…」うんうん

怜「相も変わらず膝枕と言うな」

竜華「言うやろ? 膝枕と」

怜「これからもずっと膝枕って言うなぁ」

竜華「言うやろ? これからもずっと、膝枕って」

怜「これからもずっと膝枕って言うし…」

怜「竜華はこれからもずっと、私だけの膝枕やで…?」

竜華「いややぁ、そんなん当然やん」クスクス

怜「りゅーか…」ジーン

怜「とまぁ、そんなわけで」

竜華「どんなわけ?」

怜「折角なんやから膝枕もしてみようや」

竜華「えっ、膝枕するん? ほんまに?」

怜「一回やってみよーや、膝枕」

怜「これまで何遍も膝枕してきたけど、膝枕したことはなかったんやん?」

竜華「うーん…まぁ確かに膝枕は沢山してきたけど、膝枕をしたことないっていうのはよくないかもなぁ」

怜「やろ? じゃあ膝枕しよ」

竜華「せやな! 膝枕しよっか!」

怜「じゃあ一旦膝枕やめるで」クビアゲー

竜華「オッケー、膝枕出来たでー」ヒザノバシー

怜「よっしゃ、これで初めての膝枕やな」ポスン

竜華「うわぁ、膝枕初体験ってなんか緊張するわぁ」

怜「膝枕することってなかなかないもんなぁ」

竜華「ああ…怜、私達、今…」

怜「うん、膝枕…してるな…」

怜「それで、りゅーか? 実際どうなん? 膝枕は」

竜華「うーん…」

竜華「こそばい」

怜「こそばい?」

竜華「骨やん」

怜「あー、ね」

竜華「そー、怜の頭が直接骨に当たるからさー」

怜「なるほどなぁ」

怜「確かにこそばそうやなぁ」

竜華「いつもより怜を感じる」

怜「えろか」

竜華「はっ!?」

竜華「えっ、なっ!? 何言うてんのん!? そそそそんな意味ちゃうよ! 怜のあほーーー!」

アホーーー 
      アホーーー
          ホーーーー…

怜「ちゃうんか…」

竜華「ちゃうよう!」プンスカ

怜「いやちゃうことないやろ」

竜華「ちゃわんことないよう!」ガーッ 

竜華「あー、あとな」

怜「あと何なん?」

竜華「触りやすい」ナデナデ

怜「ふぁ…」

竜華「屈まんでええから触りやすくて」ナデナデ

怜「なるほどなぁ…」フニャア…

竜華「非常に助かる」ナデナデ

怜「助かるなぁ…確かに助かるなぁ…」フワフワ

竜華「えろちゃうで?」ナデナデ

怜「いやぁもうこらえろじゃないわ…もう完全にえろじゃないな…」

怜「徹頭徹尾、一分の隙もなくえろじゃないわ…」

竜華「頭のてっぺんからつま先までえろじゃないやろ?」ナデナデ

怜「全身の皮膚隈なくえろじゃないなぁ…」

どうでもいいけど
今怜が寝てるのは膝頭で
膝は本来太もものことを指すから膝枕であってるんやで

竜華「それで、トキ? そっちはどうなん? 膝枕は」

怜「うーん…」

怜「かたい」

竜華「かたい?」

竜華「うんまぁ…そりゃしゃーないというか致し方ないよねぇ…」

怜「致し方ないよぉ…だって太ももじゃないもん…膝やもん…」

竜華「当然やんなぁ…」

怜「切ないなぁ…」

竜華「ままならんなぁ…」

怜「りゅーかぁ…膝、かたい…かたいよぉ…」グスッ

竜華「怜…」

竜華「怜…怜…ごめんな…私、こんなかたい膝しかなくて…ごめんな…ほんまにごめんな…」ポロポロ

怜「いいよ…だって膝がかたくないと…りゅーかが困るやろ…?」ニコッ…

竜華「怜…っ!」グスッ

怜「ぐにゃぐにゃになるもんな…」

竜華「なるもんな…ぐにゃぐにゃに…」コシコシ

怜「あー、あとな」

竜華「あと何なん?」

怜「空が見える」

竜華「空かぁ…」グッ

怜「そう…この夏…竜華達と渡って東京で大会に出た空やで…」

竜華「そっか…もう1ヶ月前になるんやな…」

怜「つい昨日のようでもあり、ずっと前のようでもあり」

竜華「この夏に三年間かけてきたけど、終わってみればあっというまやったなぁ」

怜「ほんまにあっという間…でも」

竜華「そのあっという間が大切、やんな」

怜「うん…あっという間でも、皆と一緒駆け抜けた思い出は永遠やから…」

竜華「一瞬は永遠、か…」

怜「この一瞬もまた、永遠となるんやなぁ…」

竜華「そんなんかもな」

怜「そうやの!」

竜華「そうやな」ニコッ

竜華「嫌いな奴には膝枕せん」

怜「な、なんや急に」

竜華「嫌いな奴には膝枕せん!嫌いな奴には膝枕せん!」

怜「せ、せやな、嫌いな奴に膝枕せえへんな」

竜華「嫌いな奴には膝枕せん!嫌いな奴には膝枕せん!」

怜「そうやな、嫌いな奴には膝枕せんよな」

竜華「嫌いな奴には膝枕せん!嫌いな奴には膝枕せん!」

怜「りゅーか!? なんや、一体どうしたんや! なぁりゅーか!」

竜華「嫌いな奴には膝枕せん!嫌いな奴には膝枕せん!」

怜「お願い、落ち着いてりゅーか! お願いやからいつもの優しいりゅーかに戻って!」

竜華「嫌いな奴には…はぁ、ふぅ…」

怜「りゅーか…いきなりどうしたん?」

竜華「いや、なんもや。なんか急に言いたくなったんよ」

怜「そ、そうか…」

怜「ま、まぁ嫌いな奴には膝枕したくないもんな」

怜「竜華のその気持ち、分かるで」キリッ

竜華「ほんまに? ありがとうな」

怜「うん」

怜「まぁ、今は空が見えてる訳やけど」

竜華「けど?」

怜「いつも何が見えてるかと言うと」

竜華「えっ…いや何何!? やめてや恥ずかしいやん!」ワタワタ

怜「まだ何も言うてへんで…」

竜華「いや言うてへん言うても言うてもうてるやん!」

怜「いや言うてもうてへ…んことないかもな実際」

竜華「ほんまやでーほんまにやめてやこの子は…」

怜「竜華の下乳と」

竜華「いや結局言うんかい!」

怜「言うんかい言うて言わんなんていっこも言うてへんやん!」

竜華「言わんとは言うてへん言うても言う言わんはそう言うとはまた別言う話やん!」

怜「あと顔の下側が見えるから、竜華の鼻の穴がよく見えるで」

竜華「いやああああああああ!」カアアアア

怜「実際竜華がよそ見してる時とかによう見るんよ」

竜華「やめてええええええええ!」アアアアアアア

怜「まじまじとな」

竜華「…!…!」パクパクハーハー

怜「…まぁ、別にお嫁に行けなくなるーいうことはないんやからええやんか」

怜「竜華は私のお嫁さんになるんやからな」

竜華「…あほ」ポッ

竜華「とまぁ、そんなわけで」

怜「どんなわけ?」

竜華「そろそろ膝枕やめて膝枕に戻さへん?」

怜「ほんまにやで、こっちはかたいし竜華の下乳は見えへんしで損しかしてないんやから」

竜華「あっ…ごめんなぁ気付かへんくて」

竜華「あたしだけこそばくて触りやすくて得ばっかりして」

怜「まぁ今回は許したるけど、こんなこと初めからせんかったら良かったんや」

怜「少しは考えて行動を起こすべきやとは思わへんか?」

竜華「ほんまにその通りやなぁ…私が膝枕じゃないとか言い出さへんかったら…」

怜「ほんまやで、竜華が膝枕じゃないとか言い出さへんかったらやで」

竜華「うん、これからは気ー付けるわ」

怜「よっしゃ、その気持ち忘れなや?」

竜華「うんっ!そうやな!」

怜「あっ」

竜華「え?」

怜「膝枕に戻ってみて思い出したんやけど」

竜華「けど?」

怜「竜華、もも枕や太もも枕がどうたらこうたら言う話しとったやん?」

竜華「あー、言われてみれば少しはしとったような気もするな」

怜「竜華もも枕はあかんとかしょーもないこと言ってたけど」

竜華「うーん…あたしそんなこと言うとった?」

怜「言うとったよ…ほんましっかりしてや?」

竜華「そっかぁ…ごめん…それで?」

怜「もも枕がな? 桃枕やったら竜華のお尻で寝てるみたいやなぁって」

竜華「いや、やーらし」

怜「だって寝てみたいもん」

竜華「寝てるみたいじゃなくて?」

怜「寝てみたいねん」

竜華「えぇー…ほんま引くわぁ…」

怜「えっ、あっ、ちょっ」

怜「ご、ごめんな? やらしい意味ちゃうねんで? ほんまやで? せやから引かんとって…?」

怜「ほんまにやらしい意味じゃないから…」

竜華「なんや、ならええわ」ホッ

竜華「うーん…でもさぁ…」

怜「どうしたん?」

竜華「仮に怜が私のお尻で寝たとしたらな?」

怜「ふむ」

竜華「私がこうなって、怜がこうなるわけやん?」

怜「うん、そうなるな」

竜華「そうなったらもう、こうなられへんで?」

竜華「元々こうなってたのが、こーんななってまうけど、怜はそれでええん?」

怜「あっ」

怜「い、嫌やな! 確かにそれがそうなるんは嫌や!」

竜華「やろ? 顔が向き合えへんのは嫌やろ?」

怜「うーん…でもこうしたら向き合えるんちゃう?」

竜華「えっ!? ちょ、ちょっ怜!? それどうやってんの!? 首が、そんな…ええ!?」

怜「いや、これはここをこうして、こうやったら普通にこうなるで?」

竜華「うっそやって! ほら、ここをこうしてもそんなんならへんって!」

怜「あとは気持ちやな」

竜華「いや気持ちでそんなんなったら…」

竜華「あ、なったわ」

怜「でもこれは大変やから尻枕はやめとこうな」

竜華「そうやな」

唐突ですがここらで一旦区切ります。
ここまで読んでいただいた方におきましては大変感謝申し上げます。
今後このような形のものを脈絡もなく不定期に書いていきたい所存ですので、気が向いた暁にはまた覗いて頂けたら幸いです。

>>14
膝枕で合ってたとは…

白望「キャトルミューティレーション…」ボソッ

塞「は?」

胡桃「キャトルミューティレーションがどうかした?」

白望「キャトルミューティレーション…したい」

塞「いやいや…」

胡桃「したいんだ。されたいのかと思った」

塞「待て胡桃。そういう問題じゃないでしょうが」

胡桃「でもキャトルミューティレーションするならまず宇宙人にならなきゃだよ?」

白望「あー…うーん…」

白望「…」ウーン

塞・胡桃「…」

白望「ちょっ…と難しいかな…それは」

胡桃「ね」

塞「いや待て。待て待て待て待て」

胡桃「うるさいそこ!」

塞「ふぇっ!?」

塞(酷いよ…なんで唯一まともな私が詰られねばならないのか…)ズーン

塞「いやだっておかしいでしょ!?」

塞「いきなりキャトルミューティレーションとか言い出すのがまずおかしい! どっから出てきたその単語は!」

胡桃「どーでもいいじゃんそんなの…」

白望「塞はいつも細か過ぎなんだよ…だるい…」

塞「だーっ、もう!多勢に無勢で突っ込みが進まない!」

胡桃「まだあるの? いいよもう一々言わなくて…」

白望「寧ろ塞がうるさくて話が進まないじゃん…」

白望「この…人間街頭デモ…!」

胡桃「あっはは、シロうまーい」

塞「微妙に伝わりにくい比喩止めなさいって! 悪い癖だよ!」

塞「しかもデモの本体は人間でしょうが!? イマイチ比喩になってないじゃん!」

胡桃「あーもううるさいなぁ。パンの袋を空気で破裂させるのより全然うるさい!」

白望「パン!…って?」

胡桃「あはは」

塞「沸点が低いよ! 何言っても笑う笑い虫か!」

白望「うわつまんな」

胡桃「最悪だねー。ハブろうか」

塞「そのパターンは本気で傷付くから嫌だって先週言ったでしょ!?」

塞「でね、もう一つ言いたいのは」

胡桃「いいって言ってるのに…」

白望「胡桃…こうなった塞は止まんないよ…気が済むまでやらせとこ」

塞「宇宙人にならないとって言われた後のシロの間よ」

塞「一体何を考えてたの? 何の選択肢を模索してたの!?」

胡桃「あ、それは気になる。塞もやれば出来るじゃん」

塞「何でまた軽く見下ろしなのかな…」

白望「そこに突っ込むか…」

胡桃「どうなの?」

白望「まぁ…君達には説明しても分からないかもしれないけど…」

塞「おお、イラッとした」

白望「でも…説明して分かってもらうくらいなら…初めから説明しない方がいいというか」

白望「説明しないと分からないなら…それは分からないことなんだと思う」

胡桃「は? 何言ってんの? 意味分かんない!」

塞「うわー白望ちょっとそれはないわー。軽く引いたよ今」

胡桃「塞は調子乗らない」

塞「乗ってないから!」

胡桃「乗ったじゃん。明白だよ」

白望「…うそ。乗ったの…? まさか…調子に…」

塞「う…うるさいなぁ! あんた達の方が何百倍何千倍と乗ってるでしょうが!」

胡桃「あー認めたー調子乗ったんだー」クスクス

白望「天国のお母さん…お父さん…塞が調子に乗ったそうです…私はどうすれば…」

塞「親殺しやめろ! 昨日会ったわ!」

塞「ふぅ…まだまだ言いたいことあるけどもういいわ…」

塞「それで? キャトルミューティレーションしてどうしたいの?」

胡桃「塞はなんだかんだ乗ってくれるよね。好きだよ」

塞「いきなり変なこと言うのやめろ…」

白望「いやどうするって…キャトルミューティレーションだよ?」

塞「なんで蔑んだ目で見られなきゃいけないのよ…」

白望「だって当然のこと聞くから…」

白望「そりゃキャトルミューティレーションなら…誘拐して…改造して…」

白望「…」ウーン

塞「とかいって結局悩むのかよ…」

胡桃「その辺に放置したら? 観察すればいいじゃん」

白望「うーん…たべる」

胡桃「えー?」

塞「なんでそんな卑猥な方行くかなー…」

白望「えっ…?」

胡桃「うわっ…」

塞「あっ…」カーーー

白望「…ねぇ塞。卑猥って何? 今のセリフに何か卑猥なところあったの? ていうか卑猥って何? どういう意味? 分かんない。教えて? 体で」

塞「いや…その…あの…本当あれなんで…許して…」

胡桃「シロ…これは本当にかわいそうな奴だよ…忘れてあげよう」

白望「胡桃は優しいなぁ…私もう呟いたよ」

@k_shiromi 臼沢さんは卑猥な意味のたべるしかしらないらしい

塞「消してええええええええええ」

白望「リライトしてええええええ」ヒョイヒョイ

胡桃「ま、まぁ落ち着いて二人とも。それでさ、シロはキャトルミューティレーションするとしたら誰をキャトルミューティレーションしたいの?」

白望「うーん…誰かな…」

塞「はぁ…もういいよ…私は今日からひわいさんとして生きていくよ…」

胡桃「うん…まぁ塞もこのことは忘れなよ」

白望「キャトルミューティレーションするなら…全国大会で見た…佐々野さんとかキャトルミューティレーションしたい」

塞「あー、なんかちょっと分かるかも」

白望「あ、ひわいさんもそう思う?」

塞「…ごめんなさい。…ほんとごめんなさい…」

胡桃「私も分かるー。あの子はキャトルミューティレーションしたくなるよね」

胡桃「攫われた時の不安げな表情とか、泣き顔とか見てみたいよね」

白望「胡桃やけに具体的だね…」

白望「…」

白望「やる? 一緒に」

塞「いやいやダメだよ! 犯罪だから! 誘拐は!」

白望「犯罪じゃないよ! 違うから!」

白望「キャトルミューティレーションと! 誘拐は!!」ドンッ

胡桃「えっ…」

塞「あっ、うん…分かった…」

?部室?

胡桃「てことが今朝あってさー」

エイスリン「シロ、オモシロイ!」クスクス

豊音「私キャトルミューティレーションって初めて知ったよー」

塞「全く…本当シロの突拍子もやい発言には本当呆れるよねー」

白望「えっ? ひわいさん呆れるの?」

塞「…はい…」

胡桃「止めたげてよ…」

豊音・エイスリン「?」

エイスリン(サエ、何かはしたないことでも言ったのかな…)

豊音(ひわいってどういう意味だろう?)

豊音「ねー、シロはどうしてキャトルミューティレーションしたいと思ったの?」

塞「それ! それだよ! 豊音大好き!」

豊音「えへへ、ありがとー」

白望「理由はない…ただしたいと思ったからしたい…それだけだよ」

塞「答え微妙に変わってるし…」

豊音「ふーん? よく分からないけど…」

豊音「宇宙人になるなら、折角ならミステリーサークルとか作りたいよねー」

白望「!?」ガバッ

胡桃「シロが俊敏だ…」

白望「豊音…っ!!」ダキッ

豊音「うわわー、ど、どしたのシロー?」カァァァァ

白望「ありがとう…そういってもらう為に…私はキャトルミューティレーションをしたくなったのかもしれない…」

白望「この一言を貰う為に…私は豊音と出会ったのかもしれない…」

豊音「えっ、そ、そんな、照れるよー」カァァァァ

塞「いや…良いこと言ってるようで全然失礼だからね?」

エイスリン「トヨネ、アホ! シロ、ブレイモノ!」カキカキ バッ

胡桃「おっ、エイちゃんアホな豊音うまいねー」

塞「うわ本当だ、豊音のアホな感じが出てる」

エイスリン「ニュージーランド、カエッタラ、アホッテコトバ、ミンナニオシエル!」ニコニコ

塞「はは、いいんじゃない?」

白望「豊音がそういう発想の出来る人でよかった…豊音のそういう発想に出会えて良かった…」

豊音「し、シロー? 暑いよー///」

胡桃「まだやってたんだそこ…」

エイスリン「シロ、ソンナニ、mytery circle、カキタイノ?」

白望「ちょっと待ってよ…その言い方はおかしくない?」

塞「おかしくないよ、どこも…」

白望「じゃあ聞くけど、塞…」

白望「塞はミステリーサークル…描きたくないの…?」

塞「…!!? か、描きたい…そう言われてみると、描きたくてしょうがない…!」

白望「でしょ…」ニヤリ

白望「当たり前だよ…ミステリーサークルを描きたくない人類なんているわけがない…」

胡桃「その言い方はミステリーサークルを描きたくない人に失礼なんじゃない…」

白望「知ったことじゃないよ…どのみちそんな人…私の人生に何の接点も持たないような人に決まってるからね…」

塞「やけにスケールが大きな話だな…」

豊音「でもでも、分かるよー! ミステリーサークルって描きたいよねー!」ウキウキ

エイスリン「ワカル、カキタイ!」

エイスリン「イマ、ワタシハ、スケッチブックにミステリーサークルの絵を描いて見せることも出来るケド…」

エイスリン「アエテソレハシナイ!」

豊音「どうしてなのエイスリンさん!?」ワクワク

エイスリン「ナゼナラ…机上のミステリーサークルナドイミガナイカラ! ホンモノニコソ価値がアルカラダヨ!トヨネ!」キリッ

豊音「すごーーーーい! 凄いよエイちゃん! 私感動しちゃったよーーー!」

白望「エイちゃん…私…目頭が…」コシコシ

塞「あー…たまにこの子らのノリには付いていけなくなるよね…胡桃…」

胡桃「そうだね…ひわいさん…」

塞「あんた同情してくれてたでしょ!?」

塞「はいはい、もう宇宙トークは終わりにして、麻雀打とうよ麻雀」

エイスリン「エー…」

塞「AもBもない!」

胡桃「もう大会もないのに?」

白望「いや、大会なくても打つでしょ、麻雀は。そうだね、そろそろ打とうか」

豊音「はーい。けどミステリーサークル本当に描きたいなぁ…」

白望「…まぁ私達自体がミステリーサークルみたいなとこあるからね…」

胡桃「ん?」

塞「またシロは変なこと言い出す…」

白望「不思議な縁で結ばれた私達麻雀部…不思議な円だけにミステリーサークル…ってね」

白望「ね」

塞「…」

胡桃「うわ、シロさっむー」

塞「はは、それはちょっとないなー」

豊音「意味分かんないよー」アハハ

エイスリン「トヨネ、アホ!」

豊音「ええっ!? なんで!?」

私達の高校三年はまだ終わらない。

今日はここまでです。

怜「なぁ竜華」

竜華「んー? 何やー?」ナデナデ

怜「殺してもええ?」

竜華「ほぇ?」

怜「いや、やっぱり何でもないねん、忘れて」

竜華「え? 嘘言い、今殺してええかーて言うたやろ」

怜「私がそんなこと言うと思うか?」

竜華「思わへんけど、でもでも、この耳でちゃんと聞いたもん!」

怜「あほ。竜華が死んだら誰が膝枕してくれんねん」

竜華「…とーきー? いつまでもごまかそうたってそうはいかへんで? ちゃんと言うたこと言うたって認めなさい」

怜「いーいーまーしーたー」

竜華「ほれ見い」

怜「全く…何言わせんねん竜華は…」

竜華「元はと言えば怜が言い出したことやないの」

怜「せやけど…」

竜華「まぁこの件はもう許してあげましょう」

怜「よっさすが竜華ちゃんええ太ももや」

竜華「…太っ腹辺りと引っ掛けた?」

怜「別に何も考えてへんで」

竜華「さよか」

怜「せやせや」

竜華「で、さっきの話に戻るけど」

怜「ちょーっ! ストッープ! ストップ竜華!」

竜華「何やの元気そうに、ほんまに病弱かいな」

怜「病弱じゃ! 失礼な竜華やな」

竜華「怜は私を殺したいんか?」

怜「戻らんでええ言うんに…」

竜華「じゃあ戻ってなくて、私がただ聞いてるだけ」

怜「何なんそれ、そんなん卑怯やわ。フリテンやで」

竜華「フリテンって卑怯かな…?」

怜「ルール違反っちゅうこっちゃ」

竜華「ふーん。で、どうなん?」

怜「そんなん…そんなん有り得へんやろ!」

怜「竜華は、竜華は私が竜華を殺しても何とも思わんような冷血人間やと思ってたんかー!」

怜「酷いわ…こんなに一緒におるのに…」ウルウル

竜華「怜…!」

竜華「怜ごめん! こんな突拍子もない質問なんかして…怜を傷付けてしまって…」

怜「グスッ…ほんまやで…脈絡もなくそんな変なこと言い出すなんて…いつもの竜華やないよ…」メソメソ

竜華「怜…怜ごめん…! 急に気になって仕方なかったんや…!」

怜「もう、しょーがないなぁ…ええよ、許したる。特別やで?」

竜華「怜…ありがとう!」パァ

怜(キュン)

竜華「でも、私が怜に殺されたら」

怜「まだ引っ張るんかその話…」

竜華「怜が言った通り、怜を膝枕する役がおらんくなるし」

怜「せやで。大問題やで」

竜華「あと他に…うーん…うーん…」

怜「なんや、それ以外に思いつかんのか」

竜華「いやちょっと待って! もうちょっと思い付くから!」

怜「その様子じゃ無理やろ…私やったら100個くらい挙げられるで」

竜華「ほんまに? じゃあ挙げてみてや」

怜「うーん…そやなぁ…まず竜華の膝頭から1mmの所に寝られなくなるやろ?」

竜華「ふんふん、それからそれから?」

怜「それから…竜華の膝頭から3mmの所に…」

~中略~

怜「最後に、竜華の太ももの付け根に寝られなくなる。これで100個や」

竜華「すごー! ほんまに100個言えた!」パチパチ

怜「当たり前やろ。有言実行の園城寺やで?」

竜華「あ…でも今更自分のことやと思うとちょっと照れるな…」テレテレ

怜「照れんでええよ。全部ほんまのことやから」

竜華「…」ウツムキ

竜華「だからもし、怜が私を殺したくなったら」

怜「有り得へん前提やめーや」

竜華「私の太もものクローンを用意せなあかんから、もしもの時の為に医学を勉強した方がええかもなぁ」

怜「その労力で私の病弱治してほしいわ」

竜華「それが出来たら殺されても大丈夫かなぁ」

怜「何かっこつけとんの。へたれりゅーかが」

竜華「何でへたれ!?」古典的石

怜「何やかんや生きられなくなるのも嫌やろ?」

竜華「うーん…迷うけどそれはいいかな」

怜「あほあほあほ。あほあほりゅーか縮めあほ」

竜華「ち、縮めって…」

怜「殺されたら私が病気完治させても元気な姿見られへんで?」

竜華「あっ…あかん、私間違ってた。やっぱり殺されるのは嫌や」

怜「ほれ見い。竜華は私がおらんと何も分からへんのやな」

竜華「御免なぁ、私鈍くて」

怜「ゆっくり治していけばええよ」

竜華「分かった、うん頑張る!」グッ

怜「よし、その素直さやでりゅーか」

怜「急にな、思ったんや」

竜華「何を?」

怜「もし私が、どうしても、どうしても竜華を殺さなあかんようなことになったら」

怜「それがどんな状況かは、よく分からへんけど、何かの間違いでもしそうなったら…」

怜「竜華は私に何でもしてくれるけど…私に殺していいか、って聞かれたら、竜華はどうするんやろう、って…」

怜「そう思ったら怖くって…寂しくて…なんとも言えへんような気持ちになってん…」

怜「それにもし竜華が、ええよって答えたら、ほっとしてしまう気がして…そんな自分がまた怖い、って…」

竜華「怜…そんなん…そんなんほっとするよ…して当然やん…」

怜「話の通じひん竜華やなぁ」

竜華「ほぇ!? な、なんか的が外れとったかな…」

怜「重要なんはそこやないやろ?」

竜華「そうなんかな…分からへんわ」

怜「私がほっとする以上に遙かに重要なことがあるの分からんかなぁー?」

竜華「何やろ…分からへん」

怜「分からんやろなぁーあほ竜華じゃなぁー」

竜華「むぅー…あほじゃないもん!」プクー

怜「せやからな、今回はそんなときの為の練習やったんや」

竜華「練習…?」

怜「私に殺してもいいか、って聞かれても、竜華がすぐに答えを出さへんようにするためのな」

竜華「なるほど、確かにそういう所については今日は考えさせられたな」

怜「りゅーかはへたれやからなぁ。もっとふてぶてしくなって貰わんと困るねん」

竜華「そっかぁ…反省するわ」

竜華「そのために最初の話あんなに引きずったんやね」

怜「何ゆーてんの? 竜華が話終わらせようとしてたのを、私が無理矢理延ばしたんやんか」

竜華「あれ、そうやったかな?」

怜「せやせや」

竜華「ごめんなぁ、私鈍くて」

怜「ええよ。特別やで」

今日はここまでです。

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