凛「プロデューサーに私を意識させたい」(113)
凛「タイトルの通りなんだけどさ」
奈緒「オイ!やめろよそういうの!」
加蓮「プロデューサーって、モバPさん?赤羽根Pさん?」
凛「Pさん」
加蓮「………ふぅん」
シーン……。
奈緒(空気重っ!!)
凛「とりあえず、どうしたら良いかな?」
奈緒「ノープランなのかよ」
加蓮「モバPさんとか赤羽根Pさんで、コクる練習でもしたら良いんじゃないかな」
凛「………どうやれば良いかわかんなし、加蓮お手本見せて?」
シーン……。
奈緒「なに陰険な応酬してんだよ! ったく、これだからクール系は……」
凛・加蓮「「奈緒もクールじゃん」」
奈緒「ぅぐっ……」
加蓮「とりあえず、直接相談とかしてみれば良いんじゃない?」
凛「Pさんに?」
加蓮「うん。気になる人がいるの~って」
奈緒「まぁ、そいうのってありがちだよな」
凛「そっか……うん、やってみる」
加蓮「がんばってね、凛」
奈緒「(へぇ、急に協力的じゃん)」ヒソヒソ
加蓮「(とりあえず凛で様子見)」ヒソヒソ
奈緒「クール……ってか怖っ!」
――
―
夜(ファミレス)
P「ファミレスなんかで悪いな」
凛「ううん、ファミレス嫌いじゃないよ?」
P「そうか? なら良いんだけど……で、相談って言うのは?」
凛「うん。あのね、ちょっと気になる人がいて」
P「んぐっ!? ゲホッ、ゴホッ!」
凛「……大丈夫?」
P「ご、ごめん。それは凛が気になってるってことで良いんだよな?」
凛「う、うん」
P(この様子からすると、既に気になるってレベルじゃないような……)
凛「それでね、どうしたら良いかなって」チラッ
P「えっと、それは、その人と付き合いたいっていうことか?」
凛「ううん。まだそんなに具体的な感じじゃないんだけど……」
P(“まだ”か……でも、凛のことだし、色々考えた上での相談なんだろう)
凛「プロデューサー?」
P「もし、凛が本気でその人のことが好きなら、俺は凛の気持ちを尊重する」
凛「え、それって――」
P「その時が来たら、俺からも社長や皆を説得するよ!」
凛「えっ!? あ、いやっ……」
P「でも、アイドルのことも考えてみてほしいんだ。凛は才能もあるし――」
凛「ちょっと待っ……たないで」
P「え?」
凛「つ、つづけて」
P「あ、ああ……凛は才能もあるし、もったいないって思うんだ!」
凛「………プロデューサーから見て、私才能ある?」
P「ああ!」
凛「そうなんだ、ふぅん……♪」
P「モバPも赤羽根Pも、凛は才能あるって言ってたぞ!」
凛「え、ちっ、ちがっ……」
P「うん?」
凛「~~っ………なんでもない」ガックリ…
P「そ、そうか? まぁ、話を戻そう」
P「とにかく、よく考えて決めるんだ。あ、でも、相手は芸能関係の人なのか?」
凛「え?」
P「いや、そうなるとうちの事務所だけの問題じゃなくなるからさ」
凛「えっと、それは……」
P「ごめんな。本来ならこんなこと聞くべきじゃないんだけど」
凛(うぅ、こんな形で……)
P「あ、もし俺に言い辛かったら――」
凛「その……事務所の人なんだ」
P「は?」
凛「だから、うちの事務所の人……」チラッ
P「えっ!うちの人なのか!?」
凛「……///」コクコク
P(そっ、そんな……一体、誰なんだ………ハッ!まさか!)
凛(プロデューサー黙っちゃった……うぅ、サイアク……)ズ~ン…
P「し、しかしな凛。相手にも家族がいるわけだし、何より年の差がっ!」
凛「…………何言ってるの?」
P「いやいや、恋愛に年の差なんか関係ないとは思うけどさ!」
凛「ちょ、ちょっと待って!」
P「え?」
凛「誰だと思ってる?」ジロリ
P(うっ………どうやら、俺の予想は違ったらしい……)
P「な、なーんだ、そうだよな!さすがにそれは……あははは!」
凛「言って」ギロッ
P「は、はい……えっと、社長かなぁ~っと」
凛「はぁあっ!?」ガタン!
P「ちょっ!」
ザワザワ…。
凛「ご、ごめん」スゴスゴ…
P「ふぅ、夜だし客が少ないと言っても、気を付けないとダメだぞ」
凛「うん、ごめんなさい……っていうか、プロデューサーが悪いんじゃん」
P「ごめんなさい」
凛「はぁ……っていうか、なんで社長だって思ったの?」
P「お、怒らないでくれよ?」
凛「内容による」
P「くっ」
凛「ほら、早く言いなよ」
P「……凛って、ちょっとオジセンぽいなって」
凛「…………………………っ///」プイッ
P(目ぇそらしちゃったよ!?)
P「や、やっぱり社ちょ――」
凛「それはない」キッパリ
P「そ、そうか」
P(でも、凛がオジセンで社長じゃないとすると、年齢的に次は俺だけど……)
P「うーん、俺はオジサンじゃないしなぁ」
凛「えっ! そんなことないって、プロデューサーは立派なオジサンだよ!」
P「えええっ!!?」ガーン!
P「オレ、オジサン……?」
凛「うん、絶対オジサンだって!」←必死
P「いやいやいや!これでもギリギリ二十代だぞ!?」←必死
凛「私から見たら完全にオジサンだしっ」
P「ぐはっ!!!」グサッ!
P「ハ、ハハ……そうだよな、JKからすれば俺は既にオジサン……」
凛「うんっ」グッ!
P「アンチエイジングはじめようかな……」ズ~ン…
凛「あ、あれ?」
P「はぁ……で、結局、凛の気になる人って誰なんだ?」
凛「えええっ!!?」ガーン!
P「な、なんだぁ!?」
凛「ありえないよ、プロデューサー……」
P「えっ!? ま、待ってくれ、俺にもう一度チャンスをくれ!」ガシッ、ギュ…
凛「(あぅ……て、手ぇ……///)」ゴニョゴニョ…
P「頼む、凛――」キリッ
凛(こ、こんなときに限って、無駄に凛々しい顔するし……)
凛「わかったから……手、はなして?」
P「おっと、これは失敬」
凛(びっくりした……)
P「よーし、次は当てちゃうぞぅ!」
凛「はぁ……」
――
―
数時間後(渋谷家前)
P「それじゃあ、また明日な」
凛「うん、送ってくれてありがとう」
P「ムフフ、赤羽根Pじゃなくてごめんな~」ニヤニヤ
凛「そ、そんなことない!っていうか、誤k――」
P「んじゃ、おやすみぃ~☆」
ブロロロ~……。
凛「………話を聞いて」
――…。
翌日(事務所)
凛「――っていう感じだった」
加蓮「ぷはっ……くふっ……コ、コントぉ?」
奈緒「ぶふぉっ……くくっ……し、死ぬうぅ」
凛「………」イラァ…!
加蓮「はぁ、はぁ……わかったよ。次は私が行ってみる」
凛「は?」
奈緒「へ?」
加蓮「だって、凛もお手本見せろって言ってたしぃ」シレ~
凛「……うん、そうだね。頑張って、加蓮」
奈緒「(おい、良いのか?)」ヒソヒソ
凛「(あの鈍さは、ちょっとやそっとじゃどうにもならないよ)」ヒソヒソ
奈緒「(でもさぁ~)」ヒソヒソ
凛「加蓮が帰ってきたら笑ってやるんだ……ふふ」
奈緒「こえーよ!!」
――
―
夜(ファミレス)
加蓮「私ね、気になってる人がいるの」
P「なんだとぅ!?」ガタンッ!
加蓮「どうしたら良いかなぁ……」チラッ
P「いけません!」キッパリ
加蓮「えっ!」
加蓮(り、凛の話と違うよ!?)
P「加蓮ちゃんには刺激が強過ぎます」
加蓮「はっ、はぁあ!? なに言ってんの!?」
P「加蓮……俺は、君のことが心配で心配でたまらないんだ……」
加蓮「Pさんっ……」キュン…
P「本当なら、加蓮を滅菌のガラスケースにでも入れて置きたいくらいなんだ!」
加蓮「そ、それは異常……」
P「いいや!こうしてる間にも、加蓮の身体目的の病魔が忍び寄ってるかも!」ワナワナ…
加蓮「いや、身体目的って……」
加蓮「っていうか、いつから病気の話になったの?」
P「とにかくダメです。加蓮ちゃんは恋愛禁止!」
加蓮「めちゃくちゃだよっ!」
P「議論の余地はありません」
加蓮「私だって、色々やりたいこととかあるんだよ?」
P「この前した放課後デートとかか?」
加蓮「それもそうだけど……(その先とかも……///)」ゴニョゴニョ…
P「む!加蓮、顔が赤くないか?」
加蓮「べ、別に赤くないっ///」カァ~
P「この話はやめよう」
加蓮「え?」
P「やっぱり加蓮にはまだ早かったみたいだ」
加蓮「意味わかんないよ!」
店員「お待たせしました。スパゲティアラビアータとオムライスになります」
P「お、来た来た。とりあえず食べよう、な?」
加蓮「もうっ……」プクゥ!
食後。
加蓮「ごちそうさま。さ、話のつづきしよっか」
P「その前に加蓮、口を空けてくれないか」
加蓮「え、なんで」
P「頼むよ、良いものあげるから」
加蓮「………ぁ~」
P「そぉいっ!」
ズボッ!
加蓮「もごぉっ!!?」
加蓮「ッ…っ……ぁ、あぃこぇ?」
P「のど飴(大)だよ。外は空気が乾燥してるからな」
P「もう八時だし、良い子と加蓮は帰る時間だろ?」
加蓮「ほ、ほんあぁっ」
P「それと今夜は冷えるから、コレを装備するんだ!」
――モコモココート、フワフワニットキャップ、ロングマフラー、ビッグマスク。
加蓮「ひょっ! むぐぐ……!」グルグル~
P「あ、コートとマフラーで簀巻き状態になっちゃった……まぁ、良いか」
加蓮「むむぐ~!(あと、マスクとマフラーの所為でじゃべれないから!)
P「よ~し、車で家まで送るぞ~!」
加蓮「むぐ~!(ほどいて~!)」
数十分後(北条家前)
P「ドアの前まで送るからな。どっこいしょっと!」ガシッ!
加蓮「むぐぐぅー!(か、担ぐなぁ~!)」ジタバタ!
P「すまない加蓮。高くて怖いかもしれないけど、我慢してくれ」
加蓮「む~む~ぐ~!(どんな心配の仕方!?お~ろ~し~てぇ~!)」
P「あはは、加蓮もすっかり元気になったよなぁ」
加蓮(え……)
P「本当に、良かったよ――」シミジミ…
加蓮(Pさん………Pさんっ、私っ…!)
加蓮「むーむんむむぐむむむぐ!」←告白中
P「あはははっ!何言ってるかわかんねぇw」
加蓮「むぐぅっ!!」ガーン
P「さ、着いたぞ。ぽちっとな♪」
ピンポーン♪
加蓮「むぐぐ!?(押すの!?)」
加蓮母『はい、どちらさまでしょう』
P「夜分遅くにすみません。765プロのPですが、お嬢様を送らせて頂きました~」
加蓮母『あら、いつもすみません。今開けますね~』
――。
翌日(レッスンスタジオ)
加蓮「――って感じ」
凛・奈緒「「………」」
加蓮「……笑えば?」
奈緒「いや、ごめん。笑えない」
凛「加蓮かわいそう……」
加蓮「くっ………(ぐすん…)」
奈緒「っていうか、お母さんが出て来て大丈夫だったのか?」
凛「娘が簀巻きにされてたら驚くよね」
加蓮「最初は少し驚いてたけど“暖かそうで良いわね~”だって……」
奈緒「え゛?」
凛「加蓮のお母さんって、過保護だって言ってたよね?」
加蓮「そうなんだけど、最近は私よりPさんの方が信用されてる気がする……」
奈緒「おいおい、さすがにそれはないだろ」
凛「言い過ぎだよ」
加蓮「でも、お父さんもお母さんも“Pさんのやることに間違いはない!”って」
凛「あれ?」
奈緒「んん?」
加蓮「どうしたの二人とも?」
凛「それとまったく同じ台詞、うちの親も言ってた」
奈緒「う、うちもだ」
凛奈緒加蓮「「「………」」」
凛「え、新興宗教?」
加蓮「Pさんが教祖様?」
奈緒「なにそれこわい」
凛「(……入信しようかな)」ボソ…
加蓮「ッ!!」
奈緒「ええっ!?」
凛「じょ、冗談だから」
加蓮「………はぁ、とにかく私はそんな感じだった」
奈緒(今、すげぇ凛のこと睨んでた)
凛「じゃあ、次は奈緒の番だね」
奈緒「よし!って、なんでだよ!」ズビシッ!
加蓮「はいはい、もうそういうのいいから」
凛「そうだよ、結局やることになるんだから」
奈緒「はぁあ!?いやだよ!あたしは絶対やらないからな!」
――
―
夜(ファミレス)
奈緒(どうしてこうなった……)
P「いきなりファミレス連れて行けなんて、流行ってるのか?」
奈緒「べっ、別に、ちょっと行きたくなっただけだって」
P「まぁ、良いけどさ」
奈緒「……あ、あのさ」
P「相談なら乗らないぞ~」
奈緒「んなっ!?」ガーン
P「あははっ、冗談だよ」
奈緒「(ったく、なんであたしのときだけ……)」ブツブツ
P「それは、奈緒がツンデレカワイイからだな」
奈緒「なっ、なに言ってッ――っていうか聞こえてたのか!?」
P「バッチリ聞こえてた。奈緒って、ついつい意地悪したくなる可愛さなんだよ」
奈緒「か、かわっ!?」
P「むふふ」
奈緒「へ、変態っ!」カァ~///
数分後。
P「うん、このハンバーグ美味いな」
奈緒「へぇ~、Pさんのはトマトソースなんだな」
P「良かったら食べてみるか?」
奈緒「いいの?」
P「ああ、美味いぞ。ほら、あーん」
奈緒「ええっ!?そっ、それはいいって!!」
P「早くしないとソースが垂れるぞ?」ニヤニヤ
奈緒「そ、それは……お店にも迷惑だよな。しっ、仕方ないな~。あ~ん…///」
数分後。
奈緒「でさ、凛も加蓮も、もうグチョグチョでさぁ~」
P「へぇ~、あの二人が以外だなぁ」
店員「失礼します。お済のお皿、お下げしてよろしいでしょうか?」
P「はい、お願いします。あ、そうだ奈緒?」
奈緒「へ、なに?」
P「デザート食わないか?」
奈緒「え、いいの?」
P「ああ、PV撮影も終わったしな。すみません。注文良いですか?」
数分後。
P「ふぅ、食った食った」
奈緒「うん、お腹いっぱいだ」
P「というか、あんなデカイパフェ食べて大丈夫か?」
奈緒「全然へーき、余裕だって!」
P「そうか? よし、ぼちぼちドライブでもしながら帰るか!」
奈緒「おー!」
――。
翌日、事務所。
奈緒「――って、あたしなにもしてねぇー!!」
凛・加蓮「「………」」
奈緒「フ、笑ってくれよ、二人とも……」
凛・加蓮「「えい」」ムギュ~~ッ!
奈緒「いひゃひゃひゃひゃっ!!!」
加蓮「まったく、何もしてなくないじゃん」パッ
凛「ほんとだよ。奈緒が一番楽しんでる」パッ
奈緒「うぅ、ほっぺいたぃ……」メソメソ…
凛「っていうか、そもそも私の企画だったのに……」
奈緒「まぁ、結局全滅だったよな、あたしら」
加蓮「なんか自信なくなってきた……」
P「おはようございます」
美希「あ、ハニー!おはようなの!」ガバッ!
P「うおっ、美希!? いきなり飛び付くなって!」
美希「ごめんなさいなの~♪」スリスリ
凛奈緒加蓮「「「………」」」
凛「……見た?」
加蓮「うん、抱き付いてた」
奈緒「さすがパッション系、ドストレートだったな」
凛「私達に足りないのはあれだよ」
加蓮「抱き付いたり、甘えたり?」
奈緒「あ、あたしは無理だ!やらないからな!」
凛「私もキャラじゃない」
加蓮「急にあんなことしたら、救急車呼ばれちゃいそう……」
春香「おはようございます!プロデューサーさんっ♪」
P「ああ、おはよう春香」
春香「今日はクッキーを焼いてきたんです」
P「へぇ~、相変わらず春香はすごいなぁ」
春香「えへへ、良かったら食べてください」
P「お、良いのか? なんか毎回悪いなぁ~」
春香「いえいえ、一人じゃ食べきれないですし」
P「うーん、それじゃ、今度お礼も兼ねてなんか奢るよ」
春香「ふふっ、楽しみにしてますね!」
凛奈緒加蓮「「「………」」」
凛「……見た?」
加蓮「うん、お菓子あげてた」
奈緒「さすがキュート系、女子力高いイベントだったな」
凛「私達に足りないのはあれだよ」
加蓮「手作りお菓子の差し入れ?」
奈緒「あ、あたしは無理だ!できないからな!」
加蓮「料理できない……」
凛「私はキャラじゃない、と思う」
あずさ「プロデューサーさ~ん」
P「あずささん、おはようございます」
あずさ「おはようございます~。あっ――」コケッ
P「ちょっ!」バッ
――ドタプ~ン!
あずさ「あらあら、ごめんなさいプロデューサーさん……」
P(とっ、咄嗟に抱きとめてしまった……顔に当たっているぅっ///)
P「むぐっ………い、いえっ、それより怪我はなかったですか?」
あずさ「あ、はい。プロデューサーさんこそ、どこか打ちませんでしたか……?」サワサワ
P「うひっ!? お、おかげさまでやわらkっ……大丈夫デシタッ!」カチコチ…
凛奈緒加蓮「「「………」」」
凛「チッ……見た?」イライラ
加蓮「最低、顔赤くなってた」イライラ
奈緒「さすが変態プロデューサーだなッ!」イライラ
凛「……でも、あんな照れたプロデューサーってはじめて見た」
加蓮「うん。それに、ちょっと試したいことできたかも」
奈緒「なんだよそれ?」
P「お~い、りんなおかれん~。何話してるんだ~?」ホクホク
凛奈緒加蓮「「「………」」」イラァ…!
凛「なにその顔、デレデレしてだらしないよ」イライラ
奈緒「変態!」ムカムカ
加蓮「私達、今大事な話してるからあっち行ってて」ツーン
P「ぬあっ!?俺のりんなおかれんがグレたっ!?」
凛奈緒加蓮(((俺の……///)))←チョロイ
加蓮「い、今は女の子同士の話なのっ」
奈緒「Pさんは聞かないでくれよ!」
凛「ごめんね、プロデューサー……」
P「え~、仲間に入れてくれよ~、凛~」
凛「っ!……もう、仕方ないなぁ……」
奈緒「ちょっと待てぃっ!」
加蓮「もう、なんだかんだ言って凛が一番Pさんに甘いんだから」
凛「ご、ごめん」
加蓮「ダメだよ、プロデューサー」
奈緒「ほら、あっち行った行った」
P「ちぇー」スタスタ…
奈緒「……で、試したいことってなんだよ」
加蓮「さっきのを参考にしてみたらどうかなって」
凛「さっきのって……星井さんや天海さん、あずささんのを?」
加蓮「うん。たとえば、お菓子を差し入れするとか」
奈緒「てか、他の二つは難易度高すぎだろ!」
凛「……じゃあ、私お菓子作ってみる」
加蓮「天海さんを参考にするんだ」
奈緒「まぁ、凛ならお菓子とかも作れそうだよな」
凛「頑張るよ。だから、奈緒は星井さんで、加蓮はあずささんね」
奈緒「はっ?」
加蓮「え?」
凛「ん?」
奈緒「いやっ、ちょっと待てよ!どうしてあたしまで!?」
加蓮「そ、そうだよ。それに、どうして私があずささんなの?」
凛「サイズの問題、かな」
加蓮「あ、確かに、私の方が背ぇ高いよね、ふふっ♪」
奈緒「嬉しそうなとこ悪いけど、たぶん背のことじゃない」
凛「とにかくやってみようよ」
加蓮「う~ん……」
奈緒「そっ、そもそもあたしはッ…あっ、あいつに意識してほしいわけじゃねぇし!」
凛「もともと加蓮の発案だよ?」
加蓮「ん~……そうだよね、やってみようか」
奈緒「あたしの話を聞けぇー!!」
――
―
翌日(事務所)
奈緒「なんであたしからなんだよ……」
P「よ、おはよう奈緒」
奈緒「ったく、肝心のPさんは来てねぇし」
P「俺来てるよ~」
奈緒「だぁー!っていうか、本当にやんなきゃダメなのかよぉ~///」
P「………」モミモミ
奈緒「あ~、気がおm―ひゃんっ!」ビクンッ!
P「……」ササッ!
奈緒「なっ、ななっ、なんだぁあっ!??」キョロキョロ
P「おはよう、奈緒」
奈緒「あれ、Pさん? あたし今、急に身体がびくってなって……」
P「どうしたんだ?」
奈緒「う~ん……いや、なんでもない。おはよう!」
P「ああ。今日はやけに早いんだな」
奈緒「べっ、別にっ、Pさんに用があって早く来たわけじゃないんだからな!」
P(俺に用があってきたのか………なんだろう?)
奈緒「(はっ、はにーって……ととっ、飛び付けば……)」ゴニョゴニョ…
P(う~ん、奈緒の様子が変だ)
奈緒「よしっ――って、できるかぁっ!!」
P「な、なんだ? 早起きしすぎてまだ寝ボケてるのか? ははっ!」
奈緒「(くっ…人の気も知らないでぇ……)Pさん!そこを動くなよっ!」キッ!
P「え……ちょっ! 腰を落として何する気だ!?」
奈緒「うぉおおお!!」ドドドド!
ピョ~ン、ピト…
P「………なにこれ」
P(タックルかと思ったら寄り掛かって来た……。何がしたいんだ?)
奈緒(うぁあああ~~っ!こっ、こっからどうしよぉ~っ///)
P「な、奈緒?」
奈緒(ぅうううぅ~っ……ハ!そっ、そうだっ!)
奈緒「……はっ…に……///」
P(え、歯に?)
奈緒「はにっ…ぃ……///」プシュ~
P「!?」
P(あっ、『ハニー』か!)
P(しかしなんで急に……)
奈緒「うぅぅ~っ……///」
P(はは~ん、この様子を見るに、罰ゲームかドッキリって感じだな)
奈緒「だっ……だぃ……す……~~っ///」
P(乗ってあげてもいいけど、俺はあえてイジメる方を選択するぞ!)
奈緒(うああああっ……なにやってんだあたしぃ……///)
P「(どうしたんだい、ハニー…?)」ボソボソ…、フゥ~…
奈緒「うひやうわぁあっ!??」ビクンッ!
――。
翌日(事務所)
凛「――で、そのまま気絶しちゃったんだ」
奈緒「みっ、耳は弱いんだよっ!!」
加蓮「いや、そんな力強く言われても……」
奈緒「絶対おかしなやつだと思われた……」
凛「そうかな? たぶん、企みに気付いたんだと思うけど」
加蓮「そうじゃなきゃ、わざわざ耳に息吹きかけないよね」
奈緒「んなっ!?じゃあ、やっぱりあたしはからかわれたのかっ!」
凛「やっぱりって……」
奈緒「くぅ~っ、仇を!あたしの仇をとってくれぇ!」
――
―
翌日(事務所)
凛(今日は私か……うまく渡せるといいな……)
凛「おはようプロデューサー」
P「ああ、おはよう凛。今日も早いんだな」
凛「うん、プロデューサーに渡したい物があって」
P「渡したい物?なんだろ?」
凛「あのね、クッキーを焼いてみたんだ」
P「へぇ~、凛って料理できたのか、なんか以外だ」
凛「い、以外は失礼……」
P「あはは、ごめんごめん」
凛「もう……」
凛「えっと、それでね、プロデューサーに食べてもらおうと思って」スッ
P「おっ、良いのか? ありがとしぶりんっ!」
凛「うん――って、なんでしぶりん?」
P「では早速……」ガサガサ…
凛「えっ、今食べるの?」
P「モグモグ……うん、美味いよこれ」
凛「そ、そう……なら良かった、かな……ふふっ」
P「それにしても、凛にお料理機能が付いていたなんてな~」
凛「お料理機能って……」
P「さすがは凛、ハイスペックアイドルだな!」
凛「お菓子くらいで、そんなに褒めないでよ……///」
P「あははは!照れてるのか?」ナデナデ
凛「ちょっ、まっ、にゃっ」
P「あははははは!」ナデリ、ナデリ
凛(うぅ……///)プシュ~
――。
翌日(事務所)
加蓮「――で、返り討ちにされちゃったんだ」
奈緒「意識させるつもりが、意識させられちゃったんだな」
凛「うぅ……」
加蓮「ミイラ取りがミイラって感じ?」チクチク
奈緒「あ~、まさにそれだな~」チクチク
凛「ゃ、やめてよ……」
加蓮「んっ」キュン…
奈緒「くっ」キュン…
加蓮・奈緒((り、凛かわいい……!))
凛「……二人とも?」
加蓮「ううん、なんでもないよ?」ナデナデ
奈緒「なんでもないなんでもない」ナデナデ
凛「うあ、ちょっとっ……」
加蓮「じゃあ、最後は私だね」
奈緒「おう!頼むぞ加蓮!」
凛「相手は手強いよ」
加蓮「うん、行ってくる……っ!!」ザッ…
――
―
翌日(事務所)
加蓮(とにかく、Pさんのペースに巻き込まれちゃだめっ)
加蓮「おはようPさん。あ~――」コケッ
P「かっ、加蓮っ!」バッ!
――むにゅん♪
P(む、胸を掴んでしまった――)
加蓮「きっ、きゃあああ~~っ!!」
P「うわっ!ちょっ!体重掛けたまま暴れるなっ!」
加蓮「はなしてっ、はなしてよぉーっ!」ジタバタ
P「わっ!そんな動いたら余計に!」
むぎゅっ、むにゅっ
加蓮「んぁっ…んんっ……///」ビクッ
P「ひっ、ひぃいいぃっ!ごめんなさいごめんなさい!」
加蓮「んくっ……いっ、いい加減にっ――!」ブン!
P「ちょっ!この体制でビンタ!?」
加蓮「しろぉーっ!!」
バッチィィーンン~~!!
――。
翌日(事務所)
加蓮「死にたい……」ズズ~ン…
奈緒「む、胸触られたのは事故なんだろ?」
凛「そうだよ。プロデューサーだってわざとやったわけじゃないと思うよ」
加蓮「うん、それは分かってるし……そっちは別に良いんだけど……」
奈緒「じゃあなんで凹んでるんだよ」
凛「もしかして、ビンタ?」
加蓮「うん……」
奈緒「いや、それこそ事故みたいなもんだろ」
加蓮「でも、思いっきりぶっちゃったし……」シュン…
奈緒「で、でもさ!Pさんも加蓮の胸触ったわけだし、良い思いしてるからチャラだって!」
凛「(ちょっと奈緒……!)」ヒソヒソ
奈緒「あっ……ご、ごめん」
加蓮「私なんかの胸で、良い思いしてくれたかな……?」
凛(加蓮、すごいこと言ってるけど)
奈緒(落ち込むとえらく殊勝になるな)
ガチャ。
P「おはようございます」
加蓮「っ!!」ビクゥッ!!
貴音「おはようございます、あなた様」
P「ああ、早いな貴――うおっ!?」コケッ
貴音「あ、あなた様」バッ
――ボユ~ン♪
P「もぐぐ……」
貴音「んあっ…」ビクッ
P「すすすっ、すまんっ!!」ササッ!
貴音「ぁ……いいえ、それよりも、お怪我はありませんでしたか?」
P「あ、ああ、貴音のおかげで助かったよ……///」ジィ~
貴音「あの、そのように見つめられては……///」
P「ぬあっ!決して胸を見ていた訳ではっ!!」
貴音「そこまで否定されますと、逆に傷付きます……」
P「ご、ごめん。その…さすが貴音だ、スゴかったよ!」グッ!
――ゲシッ!
P「いでっ!」
貴音「あ、あなた様?」
P「いてて…ったく、誰だぁ~?」クルッ
加蓮「………」
P「げっ!」
加蓮「ふぅん、四条さんとは違って、ずいぶんな反応だね」ギロリ
P「あわわわわ……あのぅ、そのぅ……」
凛「私達もいるんだけど?」イライラ
奈緒「変態!」ムカムカ
P「ひぃっ! でっ、出たぁ!」
奈緒「なんだよその反応!」
凛「プロデューサー最低だよ……」
加蓮「私の胸揉んでおいて、次は四条さんの胸ってわけ?」
P「ちょっ!そんな誤解を招く言い方をっ……!」
貴音「うふっ、ふふふっ」
凛奈緒加蓮「「「え?」」」
貴音「でしたら、わたくしも北条加蓮も、あなた様に責任を取ってもらわねばなりませんね」
加蓮「せっ、責任って……///」
P「お、おいおい……」
貴音「うふふっ、わたくしは“らぁめん”を所望します♪」
P「はぁ……わかったよ。トッピング全入りの大盛りをご馳走しよう」
貴音「はい、楽しみにしております。では、わたくしはお先に……」
P「ああ。俺もすぐに行くから、レッスンをはじめててくれ」
貴音「承知しました」
奈緒「(おい、見たか……?)」ヒソヒソ
凛「(うん。クールに流してたね……)」ヒソヒソ
加蓮「(なんかすっごい負けた気分なんだけど……)」ヒソヒソ
P「で、三人は何が良いんだ?」
奈緒「え、あたしたちもいいのか?」
P「ああ、胸触っちゃったし、お詫びだと思ってくれ」
奈緒「そっか――って、ちょっと待てぃ!いつあたしが胸触られたんだよ!」
P「………ムフ♪」
奈緒「ぎゃあああ!ほんとに触ったのかよ!いつだ!いつ触ったぁあっ!?」
P「まぁ、とにかく何が食べたいか考えておいてくれよ」
加蓮「(Pさんの浮気者、サイテー……)」ボソ…
凛「プロデューサー、もしかして私のも……?」
P「いや、凛のは触ってないよ?」
凛「な、なんでっ!?」ガーン
P「だって、知らぬ間にそんなことしたら卑怯じゃないか」
凛「そうだけどっ……そうじゃないよっ!」
奈緒「をい!その理論だと、あたしの立場はどうなるんだよ!」
加蓮「私は単なる事故だったし」ムスッ…
凛「私は触られてない……」ズーン…
P「皆何を言ってるんだ?」
ちひろ「もう、鈍いですね。プロデューサーさん。えいっ」チクッ!
P「あ、いたっ!ちひろさん……今、何かで刺しませんでした?」
ちひろ「いやですねぇ。そんなことしませんよ。というか、ダメダメじゃないですか!」
P「は、はぁ、ダメダメですか……」
ちひろ「良いですか?凛ちゃんは……ひそひそ……」
P「ふむふむ……えぇ~、本当ですかぁ~?」ジトー
ちひろ「本当です!間違いありません!」
P「でも、二人以上のことを頼んだら、それこそ俺捕まっちゃいますよ」
ちひろ「大丈夫です!プロデューサーさんが強く頼めば拒めません!」
P「う~ん、しかしぃ~」
ちひろ「(凛ちゃんのためですよ?)」ボソリ…
P「え……凛の、ため………あ、レ……?」グルグル
ちひろ「(ふふっ、効いて来ましたね? そうです。凛ちゃんのためです)」ヒソヒソ
ちひろ「(凛ちゃんのため、私の言う通りに………)」ヒソヒソ
P「――ワカリマシタ。リン、チョット……」
凛「なんか用……?」
ちひろ「(これは相当プライドが傷付いてます。さぁ、早く)」ヒソヒソ
P「リン。今スグ俺ニ胸ヲ触ラセルンダ」
凛「……はっ?」
奈緒「なななっ、なに言ってんだよ!?」
加蓮「本格的に頭おかしくなったの!?」
ちひろ「ダメよ。これは凛ちゃんとプロデューサーさんの問題よ?」
奈緒加蓮「「くっ……」」
P「リン、頼ム」
凛「……私のを、触りたいの?」
P「アア、リンノ胸ヲ触リタイ」
凛「……し、仕方ないな……」ヌギヌギ…
奈緒加蓮「「すとぉおっぷ!!」
奈緒「なんでカーディガンまで脱いでるんだよ!」
加蓮「っていうか、Pさんも何言ってるかわかってる!?」
P「エ――……はっ!俺はいったい何を!?」
凛「プロデューサー?」
ちひろ「チッ」ダッ!
加蓮「あ、逃げた!」
奈緒「待てこら!」
ちひろ「既にプロデューサーさんのセクハラ証拠動画は撮りました!」タッタッタッ
P「なんですとっ!?」
ちひろ「これからは貴方も、私の言う通りに課金してもらいますからね!」タッタッタッ
P「くっ…運営の犬めっ……!」
ちひろ「うふふふふふーっ!」
――ガチャ、バコン!!
ちひろ「ふぎゃっ……」
響「はいさい!……って、あれ?」
ちひろ「きゅうぅ~……」
――。
P「いやぁ、流石は響だ。助かったよ~」ナデナデ
響「えへへ、よくわかんないけど、役に立てて良かったさー」
奈緒「はぁ……なんだったんだろうな」
加蓮「ほんと……っていうか、何の話だっけ?」
凛(……なんか、いろいろ有耶無耶になっちゃったけど)
凛(そもそも私の企画だし、誤解もとかないといけないし……)
凛「プロデューサーと、ちゃんと話さなきゃ――」
夜。
凛「プロデューサー、この前相談したことなんだけど」
P「ん、ああ、赤羽根Pのことか?」
凛「それっ」
P「え?うん」
凛「違うから」
P「……はい?」
凛「赤羽根Pじゃないから」
P「えっ!ち、違ったのか!?す、すまん」
凛「本当だよ……」ジトー
P「いや、でも、いつも仲良さそうだし、てっきりさ……」
P「はぁ……今ので許してもらえるか?」
凛「ふふっ――うん、おもしろかったし、いいよ」
P「あと、レッスンのことで、たまには俺にも相談してくれ」
凛「うん、寂しい思いさせてごめんね?」クスクス
P「うっ……まったく………」
凛(ありがとうプロデューサー。今度は、私が恥ずかしがる番だね――)
凛「ねぇ、プロデューサー。私の気になる人なんだけど……」
P「いや、さすがにもう分かったさ」
凛「え?」
P「凛の本当に気になってる人のことだよ」
凛「っ!!?」ビクッ!
P「ほんと、気付かなくって悪かったよ。ごめんな」ペコリ
凛「べ、べつに……あやまらないでよ……」
P「考えてみれば、簡単なことだった」
凛「うぅ……///」モジモジ
P「凛」ガシッ
凛「へぁっ!?」
P「おまえの気になってる人って……」ズイ
凛(ち、ちかいちかい!)
P「………」ススッ…
凛(く、くちびるっ、乾燥してない……だ、だいじょぶっ…よひっ―!)
P「(モバP、だろ?)」ボソボソ…
凛(んぅ……////)プシュ~
凛「……ぅ?」
P「(だから、モバPのことが気になってるんだろ?)」ボソボソ…
凛「は――?」
P「ま、社長も俺も赤羽根Pも違うとすると、モバPしかいないしな!」
凛「………」
P「でも、前にも言ったけど、基本的には当人同士の問題だし」
凛「………」
P「俺は立場的に直接応援はできないけど、話ぐらいなら……って、凛?」
凛「………帰る」スタスタ…
P「あ、あれ、ちょっと凛?凛ちゃーん?」
――。
後日、事務所。
P「――というわけで、今回もアイドル達の好意を華麗にスルーしましたよ」
小鳥「えぇ~、そうですかぁ~?」ジトー
P「まぁ、多少強引な展開もありましたが、問題ありません!」
小鳥「もうっ、そのうち本当に刺されちゃいますからね!」
P「それこそかわしてやりますよ!」
小鳥「そ、そういうことですかぁ?」
P「それに、こうして誰かが悪者にならなければならないのなら……」
小鳥「あっ、その顔!また自分だけ良い人振ろうとしてますね!?」
ガチャ……
小鳥(あら、誰か来たのかしら?)
ギィ~……
凛奈緒加蓮「「「………」」」
小鳥「ひっ……!!」
P「俺は喜んで、アイドル達のために悪者になりますよ!」キリッ
凛奈緒加蓮「「「………」」」ジリッ…
小鳥「かっ、かか、かわせてませぇーん!うしろうしろーっ!!」
P「フ、何をおっしゃいますやら音無さん。この完璧Pの俺に――」クルッ
ピギャァアアアァアアーッ!!!
END...
だめだ、オチが思いつかなかった…。
みんな支援ありがとう!おやすみなさい!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません