綾「Brave」 (33)
2月13日
陽子『明日はいよいよバレンタインだな』
忍『陽子ちゃんは誰にチョコをあげるのですか?』
陽子『それは…』
綾『べ、別に、陽子からチョコを貰っても、う、嬉しくないからね』
陽子『何だ、突然!?』
綾『(やっちゃった…)』
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綾「恥ずかしい…」
綾「陽子がまだ何も言っていないのに、何であんな事言っちゃうのよ…」
綾「さらに…」
忍『綾ちゃんは誰にチョコをあげるのですか?』
綾『そ、それは…』
綾『////』カアー
陽子『何、赤くなっているんだよ』
忍『もしかして陽子ちゃんにチョコをあげるのですか?』
綾『よ、よ、よ、陽子に…』
『陽子にチョコなんか渡さないからね!』ダッ
綾「」ズーン
綾「何で素直になれないのよ、私…」
綾「せっかく陽子に渡すためのチョコを買って来たのに…」
綾「こんな事言ったんじゃ陽子に渡せない…」ウルッ
綾「何より陽子に渡す勇気が…」
綾「」ハアー
綾「テレビでも見よう…」
綾「新しいタブレットのCMか…」
綾「…」
綾「…」
綾「何で?CMで流れている曲が胸に響く…」
綾「日本語で歌っていないから多分、洋楽だと思うけど、何という曲だろう?」
綾「ひょっとしたら、もう1回流れるかもしれないからテレビを見続けよう」
1時間後
綾「あっ、流れた」
綾「歌っている人と曲名出るかな?」
綾「あっ、出た」
♪Sara Bareilles「Brave」
綾「」メモメモ
綾「曲は分かったけど、何で私の胸に響いたのだろう?」
綾「携帯を使って和訳を探して見ましょう」
数分後
綾「すぐに見つかったわ」
綾「CMで流れた部分の和訳は…」
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言いたいことを言うの
言葉にするの、正直に
勇敢な所を見せて
言いたいことを言うの
言葉にするの、正直に
勇敢な所を見せて
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綾「これ…」
綾「あっ、下にもまだ歌詞があるわ」
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見せて欲しいの
見せて欲しいの
見せて欲しいの
勇敢な所を見せて
見せて欲しいの
見せて欲しいの
見せて欲しいの
勇敢な所を見せて
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綾「」グッ
綾「分かったわ!この歌の力を借りて明日、私の勇敢な所を見せてやるわ!」
2月14日 帰宅道
陽子「今日はみんなからチョコを沢山貰ったな」
綾「カレンのチョコはちょっと高そうだよね」
陽子「カレンのチョコ、日本では全く見掛けないな」
綾「もしかして、イギリスでしか売っていないチョコかもね」
陽子「それは帰ってから食べるのが楽しみだな」
陽子「そういえば、まだ綾から貰っていないな」
綾「(そうだ、帰り道に渡そうと思ってずっとカバンの中に入れていたわ)」
綾「(あの歌の歌詞を思い出して…)」
綾「陽子!」ガバッ
陽子「どうしたんだ?カバンを開けて」
「これ、私からのバレンタインチョコよ!」
陽子「これ、ラッピングされているけど、もしかして…」
綾「そうよ、本命チョコよ!」
綾「昨日はあんな事を言ってごめんなさい」
綾「だけど、本当は陽子に渡したかったの」
綾「私の本命チョコを」
綾「だけど、私、素直になれないから…」
ギュッ
綾「!」
綾「な、何、抱き締めているのよ」////
陽子「本当は知ってたんだ。綾が私にチョコを渡したい事を」
綾「!」
陽子「昨日、顔が赤くなったのとその後の反応で分かったんだ」
陽子「本当は私にチョコを渡したいんだなって」
綾「じゃあ、その後、何で言わなかったのよ!」
陽子「だって、話した所で綾がまた逃げ出してしまうだろ」
陽子「だからずっと黙ってた」
陽子「綾が素直に告白してチョコを渡すまでは」
綾「」ポロポロ
陽子「綾…?」
綾「バカッ!」ポロポロ
綾「いつもは凄い鈍いのに、何でこんな時だけ鋭いのよ!」ポロポロ
陽子「ご、ゴメン…」
綾「どこまで私の心を弄ばなければ気が済まないのよ!」ワーン
陽子「べ、別にそんな訳じゃ…」
陽子「ほら、もう泣かないで。可愛い顔が台無しだぞ」
綾「ほら、また弄んでる」ワーン
分かれ道
綾「じゃあ、ここでお別れね」
陽子「チョコ、ありがとな」
綾「ところでまだ陽子からチョコを貰ってないけど」
陽子「ああ、そうか。確かカバンの中に」
陽子「…」
綾「陽子…」
陽子「あはは… どうやら忘れて来たみたい…」
陽子「その代わりに」チュッ
綾「!」////
陽子「お詫びにキスをあげるよ」
綾「(チョコの代わりに陽子のキスなんて…)///」
綾「」シュー
陽子「おい、綾、しっかりしろ!」
陽子「ああ、ショートして気を失ってる」
陽子「仕方ない。綾を背負って綾の家まで送りに行くか」
陽子「よいしょっ」
陽子「あっ」
陽子「背負うよりもこっちの方が持ちやすいから、こうやって持って行くか」
陽子「よっと」
少し経って
綾「」ハッ
綾「(えぇぇぇ、何で陽子にお姫様抱っこされているのよ////)」
陽子「もうすぐ綾の家だな」
陽子「しかし、綾って意外と軽いんだな」
陽子「空太と美月が頼んで届いた通販の品物を持ったような気分だ」
綾「私を通販の品物と一緒にしないで!」
陽子「おっ、気が付いたのか」
綾の家の前
綾「私を家の前まで送ってくれてありがとう」
陽子「チョコはゴメンな。明日渡すから」
綾「うん、バレンタインから1日遅れてしまうけど、楽しみにしているわ」
陽子「じゃあ、そろそろ帰るね」
綾「あっ、ちょっと待って」
綾「(もう1回、あの歌の歌詞を思い出して)」
綾「あ、あの、陽子…」
陽子「何だ?」
綾「(勇敢な所を見せて…)」
綾「(息を整えて)」
「陽子、今日はありがとう」チュッ
「あと、先に告白してくれてありがとう」チュッ
「私も陽子の事が好き」チュッ
その後
綾「キスした後の陽子の顔、今まで見たことがない顔をしていたわ」
綾「私のキスがよほど不意打ちだったみたい」
綾「今日、陽子がした事とあの顔、一生忘れないわ」
綾「今まで私を弄んだ分、それでお返ししてやるんだから」
綾「あっ、あのCMがまた流れてる」
綾「このCMで曲を知ったおかげで陽子にチョコを渡したり、キスをする事が出来た」
綾「ありがとう、CM」
綾「ありがとう、Sara Bareillesさん」
綾「ありがとう、Brave」
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言いたいことを言うの
言葉にするの、正直に
勇敢な所を見せて
言いたいことを言うの
言葉にするの、正直に
勇敢な所を見せて
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おしまい
使用曲
Sara Bareilles「Brave」
ttp://www.youtube.com/watch?v=QUQsqBqxoR4
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