リト(今朝はモモがベッドに潜り込んでなかったな……)
【750】美柑「おはよう、リト。朝ごはんできてるよ」
リト「ああ、おはよう。美か……ん?」
【750】美柑「なに? 私の顔に何かついてる?」
リト「ああ、いや……うん、ついてるな」
【750】美柑「うそ? どこどこ?」
【990】ララ「おっはよー!! リト!!」
リト「あ、ああ……おはよう……ララ……」
【990】ララ「どうかしたの?」
【400】ナナ「どうせ、スケベこと考えてんだろ。ケダモノは朝からケダモノだな」
リト(な、なんだ? みんなの額に数字が見えるぞ……。またララの発明品だよな、多分)
【1025】モモ「おはようございます。リトさん」
リト「モモ、おはよう」
リト(モモが一番多いんだな)
【990】ララ「いただきまーす」
リト「ララ、ちょっと」
【990】ララ「なにー?」
リト「また、何か作ったか?」
【990】ララ「朝ごはんは作ってないよ」
リト「いや、そうじゃなくて。俺、今さ――」
【1025】モモ「リトさん、どうしたんですか? 早く食べないと美柑さんのご飯が冷めてしまいますよ?」
リト「いや、それどころじゃないっていうか」
【990】ララ「何かあったの?」
リト「みんなの額に数字が見えてるんだ」
【990】ララ「数字? それってみるみるステータスかな?」
リト「やっぱりララの発明品か。また誤作動でも起こったのか!?」
【990】ララ「設定した情報を数値化して見れるようになる装置なんだけど……」
リト「設定した情報ってなんだ?」
【990】ララ「デバイスに見たい情報を入力するんだよ? 身長とか体重とか」
リト「それ、何の役に立つんだよ」
【990】ララ「好物を知りたいときとかだよー。例えば【ケーキ 好物度】って入力するとね、それが数字になって表れるの」
リト「多いほど好きってことか?」
【990】ララ「そうだよー。でも、一回で一つまでしか表示できないし、不便なんだよね」
リト(ってことは、この数字はなんらかの好物に対するものってことか……)
リト「実害はないみたいだけど、解除はできるのか?」
【990】ララ「うん。ちょっと待ってて、探してくるから」
リト「頼むぞ」
【750】美柑「リトー、食べないの?」
リト「わ、悪い。今行く」
モモ「……ふふ」
モモ(動揺してる。ちなみにリトさん。このみるみるステータスが数値化できるのは、経験や感情も含まれているんですよ?)
リト「ララー、見つかったか?」
【990】ララ「ごめん、リト。みるみるステータスくん見当たらない。どこいったんだろう?」
リト「俺に聞かれても……」
【21】ララ「おっかしいなぁ。ここに無いはずないんだけど……」
リト(なんだ、数字が大幅に減ったぞ?)
【21】ララ「今日中に見つけるから。ごめんね、リト」
リト「あ、ああ。別にいいよ。変身したり服を脱がされたりするんじゃないから」
【21】ララ「誰かが持ち出したのかなぁ……」
リト(数字は言わないほうがいいんだろうか)
【9999】ララ「うーん……。セリーヌちゃんかなぁ?」
リト「うわぁ!?」
【9999】ララ「リト?」
リト「あ、いや、なんでもない」
ララ「変なリトー。あはは」
リト(なんで数字がコロコロ変わるんだ……)
通学路
【990】ララ「それでね、ナナがね」
【400】ナナ「あ、姉上!! その話はしない約束!!」
リト(今朝の数字に戻ってる……。ララの発明品は行方不明だし、誰かが弄ってるのか?)
【1025】モモ「リトさん、数字が気になってるんですか?」
リト「え? そりゃあ、まぁな」
【1025】モモ「私のほうでも探してみますから、安心してください」
リト「ありがとう、モモ」
モモ(といっても、私の部屋にあるんですけどね)
【21】ララ「あ、春菜ー、おはよー」
【13】春菜「おはよう、ララさん。結城君」
リト「おはよう、西連寺」
【1033】「おはようございます」
【7】ナナ「おー、春菜ー」
リト(モモだけ数字が増えてるな……。やっぱり表示している情報が違うのか)
>>55
【1033】「おはようございます」
↓
【1033】モモ「おはようございます」
学校 廊下
【5014】春菜「へえ、そうなんだ」
【990】ララ「春菜も帰りに一緒にいこっ。ヤミちゃんのオススメだからきっと美味しいよ」
【5014】春菜「うん」
リト(春菜ちゃん、多いなー)
【98】唯「おはよう、結城君」
リト「古手川、おはよう」
【98】唯「西連寺さん、手伝って欲しいことがあるんだけど。いい?」
【5014】春菜「うん、いいよ。ララさん、結城くん、またあとでね」
【990】ララ「うん! 教室でねー」
リト(春菜ちゃん、かわいいなぁ。でも、数字の多さは気になるけど……)
モモ(気になってるご様子ですね、リトさん。とりあえず午前中にみなさんの数値を目にしてもらいましょう)
モモ(そして、数字の意味をしれば、リトさんとてみなさんを意識せざるを得なくなるはず)
モモ「ふふふ……」
ナナ(モモのやつ、またなんか企んでるな)
教室
【21】ララ「おはよー!」
【4】里紗「ララちぃ、おはよー」
【56】未央「おっはー」
リト(だめだ、すげー気になってきた。多いほうも少ないほうも一体何を表してるんだ……)
リト(でも、余り詮索しないほうがいい気もするしな……)
リト(俺に関係しているのか? 籾岡とかすげー少ないし……)
【101】唯「ありがとう、助かったわ」
【13】春菜「気にしないで。古手川さんにはお世話になってるし」
【101】唯「結城くんにハレンチなことされたらいつでも助けてあげるから」
【13】春菜「あはは……」
リト(さっきまでは春菜ちゃんが桁違いに多かったのに……。今は古手川が上なんだな)
【824】猿山「よー、リト。今日もハーレムだなぁ。いい加減にしろよな。お前の所為でモテないんじゃないかって気がしてきた」
リト「なにを言って……」
リト(猿山、多いな……)
休み時間 廊下
リト(トイレ、トイレ……)
【8360】ルン「リトくぅーん!!!」テテテッ
リト「ルン。今日、休みなのか?」
リト(ルンすげー……)
【8360】ルン「少し暇が出来たから来たの。あと2時間ぐらいで現場行かなきゃダメなんだけど」
リト「大変だな。大丈夫か?」
【8360】ルン「リトくん……。ありがとう、心配してくれて。嬉しい」ギュッ
リト「お、おい!! ルン!! こんなところじゃマズいって!!」
【8361】ルン「誰も見てないよ、大丈夫」
リト「いや……」
リト(なんだ、数字が増えたな……)
【8361】ルン「もう少し、このまま……」
【98】唯「結城くん、ハレンチだわ!! 校内でハレンチなことは禁止っていつも言っているでしょ!!!」
リト「こ、古手川!? いや、これは!! 違うんだ!!」
中庭
リト「あー……。思わず、逃げてきてしまった……」
リト(ルンともう少し話したかったな。あまり会えないし)
【0】ヤミ「何をしているのですか、結城リト。こんなところで。遅刻しますよ」
リト「え? ああ、すぐに――」
【0】ヤミ「なんですか? あげませんよ、たい焼き」
リト「いや、なんでもない」
リト(ヤミは0か……。落ち込んだほうがいいのか、喜んだほうがいいのか分からないな……)
【8】ヤミ「それでは失礼します」
リト「あ、ああ」
リト(8に増えた……。あー! もー!! なんだんだ、これー!!!)
【743】ティアーユ「結城くん、遅刻しますよ。早く教室に戻って」
リト「あ、はーい」
リト(先生も割りと多いな……。でも、これが多いほうなのか少ないほうなのか分からないぞ)
【743】ティアーユ「どうしたの?」
リト「あー……気になる……。すれ違うやつ全員の額に数字が……」
芽亜「リトせーんぱい。さっきヤミお姉ちゃんと何を話していたんですかぁ?」
リト「ん? ああ、芽亜か――」
【2334】芽亜「内緒話ですか?」
リト(芽亜もか……。俺に関することじゃないみたいだな)
【0】芽亜「教えてほしいなぁー」
リト「いや、大したことは話してないって」
【0】芽亜「本当ですか?」
リト「芽亜も教室に戻らないと遅刻するぞ」
【0】芽亜「怪しいですけど、いいです。戻りますね」
リト(芽亜も0か……。ヤミと姉妹だからっていうのもあるのか?)
【21】ララ「リトー、どこ行ってたの? もうすぐ授業始まっちゃうよ?」
リト「え? ああ、トイレに――あ」
【21】ララ「リト?」
リト「先生には少し遅刻するって言っておいてくれ」モジモジ
トイレ
リト(あぁ……。最悪だ。こんなことで遅刻なんて……)
リト「早く戻らないと……」
【106】リト「な!?」
リト(そういえば、鏡見てなかったな。俺の数字は106か……。でも、もう一種類あるんだよな)
リト「これはやっぱり自分のことなんだな……」
【0】リト「0になった」
リト(一体、なんだこれ)
リト(ララの発明品だから、想像もつかない数字のような気もするし、どうでもいいような数字のような気もするし……)
リト(すげー恥ずかしい数字の気もする)
リト(恥ずかしい数字なら春菜ちゃんのあの多さって……)
リト「いやいや!! 何を考えてるんだ!!! 俺は!!!」
リト「は、はやく、教室に戻らないとなー」
リト「あははは」
昼休み
【4】里紗「リト、ララちぃ借りるねー」
【21】ララ「リトも一緒にたべよー」
リト「ああ、そうする――」
【1036】モモ「リトさん、リトさん」
リト「モモ、どうしたんだ?」
リト(数字が若干増えてるな)
【1036】モモ「数字の件ですけど、わかったことがあります」
リト「装置は見つかったのか?」
【1036】モモ「それはまだですが、リトが見ている数字が何を表しているのかは分かりました」
リト「ホントか?」
【1036】モモ「その……きき、ますか……?」
リト「え……?」
【1036】モモ「ここでは、その……恥ずかしいので……屋上にいきませんか?」
リト(恥ずかしい……!? やっぱり、それって……!!)
>>93
【4】里紗「リト、ララちぃ借りるねー」
↓
【4】里紗「結城、ララちぃ借りるねー」
屋上
リト「えーと……あの……。それで、なんの数字なんだ?」
【1025】モモ「実は、ですね……」モジモジ
リト(なんだ……。俺、もしかしてとんでもない数字を見てるんじゃないだろうな……!!)
【1025】モモ「リトさんに対する好感度を数値化したものなんです」
リト「……え?」
【1025】モモ「きゃ、恥ずかしい」
リト「……」
モモ(これでよし。私が事前にテストしたときは、楽園計画に含まれているみなさんの数値は軽く5000を超えていました。お姉さまと春菜さんに至ってはカンストしていたほど)
モモ(誰がどの程度の好意を持っているのか、数値としてみてしまえばリトさんだって……)
リト『そうか。みんな、そんなに俺のことを……。これはハーレムしかないな!!』
モモ(って、なるはず!)
リト「……やっぱり、俺……ヤミに嫌われてるんだな……。いや、分かってた……。俺、いつもヤミには……でも、こうして言われるとショックだな……」
モモ「え? リ、リトさん? 何をいって……」
106】リト「な!?」
リト「まぁ、ヤミは仕方ないよな。それだけのことしてきたし。それにしても自分に対する好感度が【106】ってどうなんだ。ナルシストなのか?」
【1025】モモ「あの、リトさん。ヤミさんの数字は6000ぐらいなかったでしたか?」
リト「いや。0と8だったけど」
【1025】モモ「0と8!? ど、どうして二種類も!? 私は――」
リト「私? モモ、何か知ってたのか?」
【1025】モモ「あ、えっと……」
リト「モモ」
【1025】モモ「ごめんなさい。私がやりました。お姉さまのみるみるステータスくんをリトさんに使いました……」
リト「好感度を表示させるなんてやめてくれ。心を覗いてるみたいであまりいい気分はしないし」
【1025】モモ「……」
リト「でも、ありがとう、モモ」
【1025】モモ「え?」
リト「せめてヤミにはたい焼きを分けてもらえるようになるまで、がんばってみる。俺のことが嫌いじゃヤミだって家にきて美柑と遊ぶのを躊躇うかもしれないし」
【1025】モモ「リトさん! ヤミさんは決してリトさんのことを嫌ってなんかいません!!」
リト「でも、数字で出ちゃったし……」
>>1はようせい
【1025】モモ「待ってください!! あの、私の数字は今、どうなってますか!?」
リト「モモは1025だけど?」
【1025】モモ「1025!? 少ない!! あの、私はもっとリトさんのことを……!!」
リト「モモ……」
【1026】モモ「あ。いえ……」
リト(数字が増えた。何がきっかけなんだ)
【1026】モモ「と、とにかく私が1025なんてありえません!! 昨日、見たときは確かにカンス――もっと、ありました!!」
リト「そ、そうなのか。なら、好感度が下がったってことでいいのか? ごめん、モモ。心当たりが多すぎて、何を謝っていいかわからないけど……」
【1026】モモ「下がるなんて、とんでもない。今だって、リトさんの好感度は上がってますし」
リト「1しか上がらなかったぞ」
【1026】モモ「たった、1!?」ガクッ
リト「お、おい、モモ。大丈夫か?」
モモ(そんな……。私の愛はその程度だった……?)
モモ(ううん。そうじゃない。みるみるステータスくんがきっと不具合を起こしているんだわ。絶対に、そう)
リト「芽亜でも、芽亜は2000超えてたな……。0にもなったけど……。どっちなんだ?」
モモ(今表示されている数字は、好感度なんかじゃない。きっと別のなにか……!! 私のリトさんへの好感度が1025なんてあり得ないもの……!!)
リト「モモ。どうする?」
【1036】モモ「今の数字はどうなってますか?」
リト「あ、もう一種類のほうになったみたいだ。1036ってなってる。朝は1033だってけど」
【1036】モモ「3……増えたんですか?」
リト「ああ」
【1036】モモ「……あ」
リト「モモ? どうした? 心当たりがあるのか?」
モモ「み、みないでください!!!」
リト「えぇ!? なんだよ!?」
モモ「お願いです!! 見ないでください!! リトさん!!」
リト「あ、ああ!! わかった!!」
モモ(3増えた……偶然……わけない……)
モモ「あぁぁ……!!」ガクッ
リト「モモ!! おい!! どうしたんだよ!?」
モモ「……ぐすっ……」
リト「お、落ち着いたか?」
モモ「……すこしだけ……」
リト「数字の意味は聞かないほうがいいか?」
モモ「訊かれても、答えられません」
リト「な、なら、聞かない」
リト(すげー気になるけど、モモが落ち込むほどのことなんだろうし……。忘れよう)
モモ(もう尻尾を弄るのやめ……控えよう……)
リト「で、モモ。好感度じゃないんだな?」
モモ「それは間違いないです。私が見た数値とは違いますから」
リト「じゃあ、なんなんだ?」
モモ「それは表示設定を確認してみないことには」
リト「装置は家か?」
モモ「はい。あの、今から確認しに戻りましょうか?」
リト「……いや。わざわざ確認する必要もないだろ。もうオフにしよう。どんなものでも相手の情報が見えるって、その……」
【9999】ララ「リト?」
どういうことだ
モモ「リトさん……」
リト「モモもそれでいいな?」
モモ「はい。ご迷惑をおかけしました。今からオフにしてきますね」
リト「おう、頼んだ」
モモ「では、行ってきます」
リト「気をつけてな」
モモ「はぁーい」
リト「……」
リト(春菜ちゃんの数字だけは本当に気になるけど……)
【9】お静「あれ、リトさん。こんなところでどうしたんですか?」
リト「お静ちゃん。いや、ちょっとね」
【9】お静「そうそう。リトさんのこと探してたんですよ。御門先生が呼んでます」
リト「御門先生が? セリーヌが何かしたとか?」
【9】お静「いえ、変なものを持っているので見て欲しいみたいです」
リト「変なもの?」
ビッチ度
保健室
【7806】御門「いらっしゃい」
リト「すいません。何か迷惑を?」
【7806】御門「これなんだけど、見覚えはあるかしら?」
リト「えーと……」
【0】セリーヌ「まう!!」
リト「なんだ、これ? ララの発明品なのはわかるけど……」
【0】セリーヌ「まうーっ」ピッ
リト「おい、セリーヌ、勝手に押したらどうなるかわからないだろ」
【0】お静「ずっと弄ってますけど、別に変化はないです。壊れてるんじゃないですか?」
リト「いや、でも、どこで何がおこっているか……あ」
【0】御門「何か変化があったの?」
【9999】セリーヌ「まうまう!!」
リト(なんだ!? 数字に変化が……!? この数字の元凶は、これか!!)
【9999】セリーヌ「まう?」
リト「セリーヌ、ちょっと貸してくれ」
【9999】セリーヌ「まうっ」
リト「ありがとう。えーと……」ピッ
リト(色々項目があるな。そうか。セリーヌがこの項目を弄ってたから、数字が変わってたのか)
リト(文字が読めなくてよかった……。でも、オフにする方法がわからないな。ララに訊いてみるか……)
リト(いや、だめだ!! もし見せてララがショックを受けたら……)
リト「先生。すいません。何も言わずにこの装置をオフにしてもらえますか?」
【0】御門「いいの?」
リト「はい」
【0】御門「分かったわ。貸してみて」
リト「どうぞ」
【0】御門「……あら」
【0】お静「どうしたんです?」
【0】御門「うーん……。どうやら、時限解除以外は受け付けないみたい」
リト「ララの発明品らしいなぁ……」
【0】御門「解除するのは……。日付が変わるころ、かしら」
【0】お静「良かったですね、リトさん」
【9999】セリーヌ「まうまう!!」
リト「そうですか。それなら、いいんです」
【0】御門「ところで……」ピッ
リト「はい?」
【9999】御門「この項目だと、私の数字はどうなってるのかしら?」
リト「え? 9999ってなってます」
【9999】御門「10000以上は表示されないのね」
【10】お静「どういうことですか?」
リト「さぁ。俺は文字とか読めないし」
【1】御門「これは?」
リト「1、ですけど?」
【1】御門「ふふ……。そう……。本物ね」
リト「あの、どういうことですか?」
【1】御門「これは一つの情報した表示できないためか、入力履歴が残るのよ」
リト「履歴ですか?」
【1】御門「恥ずかしいから、あんまり見ないで」
リト「す、すいません!!」
御門「履歴は新しいものから順に項目として表示されているわ。セリーヌちゃんは一番目と二番目の項目を交互に選択して表示状態にしていたみたい」
リト(ああ、それで二種類の数字が交互に出てたのか……)
御門「三番目はあなたに対する好感度だけど……。上二つは……」
お静「なんです――ひゃぁ!?」
リト「お静ちゃん?」
お静「あぁぁ……ひゃぁ……リトさん、この数字を朝からずっと……見てたんですか……」
リト(なんだなんだ!?)
御門「知りたい?」
リト「……いえ。いいです。とりあえず、俺が持っておきます」
御門「そう。はい。項目は一番目のものにしておいたわ。他のはあまり選択しないようにね」
リト「わ、わかりました」
はよよよよよよよよよおよよよよy
廊下
リト(これで数字が変わることはないだろうけど……)
【0】芽亜「リトせーんぱい!」
リト「おお、芽亜。どうしたんだ?」
【0】芽亜「ん? それなんですか?」
リト「これか? これは――」
【0】芽亜「見せてください!」
リト「あ。まて」
【0】芽亜「んー? 結城リトに対する好感度……結城リトに大好きと言った回数……結城リトに……」
リト「なぁ……!?」
【0】芽亜「私、何回になってますか?」
リト「芽亜!!! なにやってんだ!!」
【0】芽亜「リトせんぱーい、だーすき!」
リト「え!?」
【1】芽亜「どうですか? 増えました?」
リト「芽亜、返せ!!」
【1】芽亜「増えてますか?」
リト「ふ、増えてるよ!!」
【1】芽亜「素敵っ! じゃあ……」
リト「なんだよ?」
【5】芽亜「だいすき、だいすき、だいすき、だいすき――」
リト「やめろ!! おい!! 増えてる増えてる!!」
【14】芽亜「これって、心の中で呟いてもカウントされるんですか?」
リト「知らないって!! いいから、それを返してくれ!!」
【9999】芽亜「どーんっ」
リト「怖いぞ!! カウント止まったから!!」
【9999】芽亜「素敵っ。全項目、カンストさせますか」
リト「なにいってんだ!?」
【0】芽亜「次はこれ。結城リトに手を繋いでもらった回数で」
リト(なんだよ、その項目は……!? ララ……!!)
【53】唯「ちょっと、なにしてるの!?」
リト「古手川!!」
【53】唯「また、ハレンチなことを……」
リト「あれ……そんなに多かったっけ……?」
【53】唯「なにが?」
【0】芽亜「ふふ……。せーんぱい」ギュッ
リト「おい、芽亜!!」
【53】唯「な……!!」
【0】芽亜「増えました?」
リト「いや、増えてない……」
【0】芽亜「なるほど。繋いでもらわないとダメなんですね。なら、次は……一番上にある結城リトとエッ――」
リト「芽亜!!!」
【2334】芽亜「なんですか?」
リト「いや、とにかく、返してくれ……」
【2335】芽亜「増えましたか?」
リト「あ、ああ……増えた、増えた」
【4236】芽亜「どうですか、どうですか?」
リト「増えすぎだろ!!!」
【101】唯「さっきから何やってるの!!」
リト「古手川、あの……」
【9999】芽亜「えーいっ」
リト「いい加減にしろって」
【9999】芽亜「でも、こういうのって全部を最大値にしたくならないですか?」
リト「知らない」
【101】唯「二人とも、いいから離れなさい。ハレンチよ」
リト「古手川の言うとおりだぞ」
【0】芽亜「では、次はこの結城リトのオ――」
リト「せいっ!」バッ
【0】芽亜「あ……」
リト「じゃ、じゃあな!!!」
リト「はぁ……はぁ……。芽亜のやつ……余計なことを……。でも、俺の0と106ってなんだ……? 106回も自分を大好きなんていうわけないし……」
【21】ララ「リト、どうしたの? すごい汗だけど」
リト「ああ、いや……」
【21】ララ「あ、それみるみるステータスくんだ。見つけたの?」
リト「な、なぁ、ララ……これなんだけど……」
【21】ララ「これどこにあったの? どこを探してもなかったのに」
リト(なんていえばいいかな……)
【21】ララ「確か、私が最後に使ったのはリトの好きなものを調べようとしたときだったかな?」
リト「え?」
【21】ララ「あれ? なんか、項目が増えてる……。これ、なんだろ……。リトと――」
リト「ララ、見ないほうが」
【9999】芽亜「ララせーんぱい。いいもの持ってるんですね」
【21】ララ「芽亜ちゃん?」
【9999】芽亜「リトせんぱいとの回数なんて調べて、どうするんですか?」
【21】ララ「なにそれ? 私、そんなこと調べてないけど……」
リト「芽亜。もういいだろ」
【9999】芽亜「でも、気になりませんか? どうしてそんなことを調べたのか」
リト「ならない」
【9999】芽亜「わたしはなります!」
リト「そんな力強く言われても……」
【21】ララ「これ。どうしてこんな項目が……」
【9999】芽亜「素敵ですね。色んなものを調べることができて。いらないなら、わたしにください」
リト「何をするつもりだよ」
【9999】芽亜「人間のことをもっとよく知ることができそうだし、ヤミお姉ちゃんのことももっと……」
リト「こんなことで調べなくても訊けばいいだろ」
【9999】芽亜「リトせんぱいとキスした回数とか、ペロペロされた回数とか、舌を入れられた回数とか、ヤミお姉ちゃん言ってくれると思いますか?」
リト「なんだよ、その偏った項目は!!」
【9999】芽亜「ぜーんぶ、その端末の入力履歴にあったことですよ?」
リト「え……!?」
【21】ララ「違うよ、リト! 私、そんなこと調べたことない!! あ、でも、リトと一緒にお風呂に入った回数はちょっと調べちゃったけど……美柑には敵わなくて……」
【9999】芽亜「その素敵アイテム、ください」
【21】ララ「だ、ダメだよ。ヤミちゃんだって、嫌がると思うけど」
【9999】芽亜「なら……」
リト「ララ!! 危ない!!」
【21】ララ「……っ」
【8】ヤミ「何をやっているのですか?」
【9999】芽亜「ヤミ……お姉ちゃん……」
【8】ヤミ「黒咲芽亜……。プリンセス・ララと結城リトに手を出すなら……!!」
【9999】芽亜「……ララせんぱい。今の項目は一番上になってますか?」
【21】ララ「な、なってるけど……?」
【9999】芽亜「素敵っ。ヤミお姉ちゃん?」
【8】ヤミ「なんですか?」
【9999】芽亜「リトせんぱいと居て起こるえっちぃ展開を出来るだけ思い浮かべてみて」
【389】ヤミ「と、とつぜん、なにを……!!!」
リト(なんだぁ……!? ヤミの数字が爆発的に増えたぞ……!?)
【9999】芽亜「リトせんぱい、ヤミお姉ちゃんの数字はどうなりました?」
リト「い、いえるわけないだろ!!」
【9999】芽亜「どうしてですか?」
【528】ヤミ「結城リト……これは……」
リト「まて、ヤミ! って、まだ増えてるぞ!!」
【1047】ララ「ヤミちゃん、だめ!!」
リト「ララまで!?」
【9999】芽亜「リトせんぱいの様子だと、増えてるのは間違いない。ふふ……。ヤミお姉ちゃんは、こんなときでもそういう妄想ができるんだ。素敵」
【999】ヤミ「結城リト、私に何をしているのか言ってもらいます……」
リト「俺は何もしらないんだ!! 見えてるだけで!!」
【1196】ララ「違うの、ヤミちゃん!! 誰かがこのみるみるステータスくんに悪戯したみたいで!! それでリトが……」
【1002】ヤミ「見せてください」
リト「ヤミ……あの……」
【1224】ヤミ「結城リトで……え……ち……な妄想をした回数……? 貴方はこんなものを調べていたのですか……?」
リト「違う!! 俺じゃないって!!」
今なんの表示してるのかわかりづらいな
括弧の種類で分けるとかあろうに
【9999】芽亜「やっぱり、ヤミお姉ちゃんもそういうのに興味深々なんだ」
【2584】ヤミ「そんなわけないでしょう!! えっちぃのはきらいです!!」
【1644】ララ「そ、そうだよ!! 芽亜ちゃん!!」
【9999】芽亜「リトせんぱい、カウンターのほうはどうなってますか?」
リト「それは……」
【2980】ヤミ「言ったら……ころします……」
リト「言わないって!!」
【9999】芽亜「もうカンストしちゃいましたか?」
リト「まだ、してねえよ!!」
【3000】ヤミ「黒咲芽亜……。覚悟……!!」
リト(すげー増えてるな……)
【3000】ヤミ「結城リト」
リト「は、はい!」
【3001】ヤミ「あ、あなたの始末は後で行いますから」キリッ
リト「わ、わかった……」
【3000】ヤミ「結城リト」
リト「は、はい!」
【3001】ヤミ「あ、あなたの始末は後で行いますから」キリッ
はいどぴゅ
ヤミ「はっ!!」
芽亜「わっ。危ない」
【2015】ララ「ヤミちゃん……」
リト「な、なぁ、ララ?」
【2016】ララ「な、なに!?」
リト「いや、その……。芽亜も言ってたけど、どうしてそんな……あの……俺で妄想って……」
【2017】ララ「わ、私じゃないんだって。私が調べたのは、リトとお風呂に入った回数と、リトと一緒に寝た回数だけだもん。どっちも美柑が圧倒的で……」
リト「そりゃあ、そうだ。その項目じゃ美柑は越えられないよ」
【2018】ララ「う、うん……」
リト「ララが調べようとしたわけじゃないんだな?」
【2019】ララ「流石にそんなことしないよ!!」
リト「なら、セリーヌか……? ずっと弄ってたし……」
【2020】ララ「セリーヌちゃんは入力はできないと思うけど」
リト「……ララ。あの……増えてる……」
【2021】ララ「や、やめてよぉ! 言われたら余計に想像して増えちゃうから!!」
>>260
これはSSだぞ童貞
>>262
キチ乙
リト「わ、悪い……。見ないようにする」
ララ「ごめん……リト……」
リト「え?」
ララ「勝手に使ってたの言わなくて……」
リト「ああ、いや。そんなことはいいんだけど。でも、誰かがそれを悪用してたのは間違いないと思う」
ララ「悪用って?」
リト「だって、そんな恥ずかしい回数を調べるなんて、おかしいだろ。弱みとか握ろうとしてるんじゃないのか」
ララ「誰がそんなことを……」
リト「いや、そうかもなーって話だけど」
ララ「うーん。簡単には持ち出せないはずなんだけど……。セリーヌちゃんが何度か外に持って行っちゃってるし、説得力ないかー、えへへ」
リト「セリーヌが持ち出して、誰かが使ったってことなのかな」
ララ「御門先生とか?」
リト「いや、それはないだろ。先生は今日、その装置のことを知ったみたいだったし」
ララ「えー。じゃあ、誰もいないよー」
リト「とりあえず、モモが帰ってくるのを待つか……」
【1040】モモ「リトさーん!!! ごめんなさい!!! どこにも見当たらりませんでしたー!!!」
リト「モモ、おかえり」
【1040】モモ「ただいま戻りました」
リト「セリーヌが持ち出してた。ほら」
【1040】モモ「ああ、やっぱり!」
ララ「モモが使ってたの?」
【1040】モモ「お姉さま!? あ、えっと……ところで、どうして木の陰に隠れているんですか?」
ララ「リトに回数知られちゃうから」
【1040】モモ「え……」
リト「ララは全部知ってる」
【1040】モモ「そ、そんな……。では、私が1036回もしたことを……?」
リト「それより、モモ。モモのほかにこの機械を使ったやつとかいなかったか?」
【1040】モモ「さ、さぁ……。私は以前にお姉さまが使っているのを思い出して……それで……」
リト「思い出した? いつ?」
【1041】モモ「リトさんの隣で尻尾を……いえいえ、ふと、ザスティンのためにお姉さまがみるみるステータスくんを使って、プレゼントを決めていたのを思い出しただけですよ」
ララ「あー、そういえば、あったねー」
【1041】モモ「はい。お姉さまのおかげでサプライズパーティーは大成功しましたからね」
ララ「ザスティン、すごーく喜んでたよね」
リト「それ、ララとモモでやったのか?」
ララ「ううん。ナナとペケも一緒だったよ」
【1041】モモ「そうでした、そうでした。ナナが危うく口を滑らしそうになったときはヒヤっとしましたよ」
ララ「懐かしいねー」
リト「……てことは、この装置のことナナも知ってるんだな?」
【1041】モモ「え、ええ……多分……」
リト「……ナナにも一応、訊いておいたほうがいいか?」
ララ「ナナがこんな悪戯をしたってこと?」
リト「分からないけど……。でも、誰かがこの回数を調べていたのは確かだ……。履歴にも残ってるから」
【1041】モモ「履歴機能なんてあったんですか? あの、見せてください」
リト「ああ、いいよ」
モモ(リトさんで妄想をした回数の次にある項目……。リトさんに対する束縛度って……どうして……。まぁ、誰が高いのか気になるので……)ピッ
リト「ナナ、ちょっと」
【400】ナナ「なんだよ? 芽亜を探してるから、またあとでな」
リト「な……!!」
【400】ナナ「あたしの顔になんかついてるか?」
【1025】モモ「リトさん、どうしましたか?」
リト「いや、数値がおかしい。モモ、弄ったか?」
【1025】モモ「はい。少し」
リト(朝一番で見た数字だな……。これ、なんの数字なんだ? また何かの回数なのか?)
【400】ナナ「あたしはもう行くぞ」
リト「ナナ。待ってくれ。この装置に見覚えないか?」
【400】ナナ「……しらない」
ララ「ナナ! 覚えてないの!?」
【400】ナナ「姉上!? どうして、そんな遠くにいるんだよ……」
【1025】モモ「お姉さま、設定は変えましたから。妄想回数は表示されてませんよ」
【990】ララ「そうなの? はぁー、よかったぁ。これで堂々としてられるね」
【1025】モモ「リトさん。今、数字が大きいのは誰ですか?」
リト「え? いや、そんなこといえるわけ……」
【1025】モモ「誰が多いかでいいですから」
リト「でも……」
【400】ナナ「モモ、お前……!」
【1025】モモ「ナナでしょ。こんなにいっぱい入力したの」
【400】ナナ「いや……違う……。知らないっていってんだろ」
【1025】モモ「履歴が残るようになってるのよ。それで下のほうまでスクロールさせていくと……」
【400】ナナ「な、なんだよ……?」
【1025】モモ「リトさんのことばっかり。これは、どういうことかしら?」
【400】ナナ「あたしが知るわけないだろ!! 離せよ!!」
【1025】モモ「ナナ。待って。私が言えたことじゃないけど、この入力量は多すぎる。もし、この項目全てを調べたんだとしたら、それはやりすぎよ」
【400】ナナ「やりすぎって……あたしは……」
【1025】モモ「ナナ。貴女がこんなにもリトさんのことを調べたのは……」
【990】ララ「ナナ? あまり色々と調べるなら、一言言ってほしいよ。モモもだけど」
フルボッコわろたwwwwwwwww
最後までやれよ
ナナ「だから……!! あたしじゃ……!!」
ララ「ホントに?」
ナナ「……う、うん」
リト「そっか。ナナじゃないならいいんだ。ほかをあたってみる」
モモ「あ、リトさん。他って?」
リト「ララ、ついてきてくれ」
ララ「はぁーい」
ナナ「あ……」
モモ「自分と比較したかったの?」
ナナ「な、なんのことだよ……」
モモ「今、自分がどれだけリトさんのことを好きなのか、想っているのか、周囲と比較したかったんでしょ?」
ナナ「ちがっ……!!」
モモ「……」
ナナ「違う……。別にリトのことなんて……。ただ、一人でいるときにみんなもあたしと同じこと考えてたりすんのかなって……。あたしだけってことだったら変だろ……?」
モモ「それで、周囲が自分の値よりも上か下で一喜一憂してたのね?」
ちゃんとくぅ~wまでしないと怒るからな!
ナナ「……」
モモ「分かったわ。つまり、リトさんでいやらしい妄想したり、リトさんを独り占めにしたいって思ったりすることが、自分だけだったらどうしようって考えた」
モモ「それで、お姉さまのを使って、様々なことを調べた。それでいい?」
ナナ「だから、リトは関係――」
モモ「それでいい?」
ナナ「……別にいいけど」
モモ「そう。ナナ、それぐらいみんな思ってることだし、そんなことでいちいち心を読んじゃダメじゃない」
ナナ「モモだって同じだろ!!」
モモ「まぁ、そうだけど。ナナはやりすぎね」
ナナ「うっ……」
モモ「ところで、ナナ。この束縛度……独占欲っていってもいいだろうけど、誰が一番高かったの?」
ナナ「なんで、そんなこと聞くんだよ」
モモ「いいから」
モモ(楽園計画において、独占欲が強い人ほど徹底した懐柔が必要になる。ハーレムを認めさせるのに時間がかかるだろうし……)
ナナ「コテ川が一番高いと思ってたらそうでもなくて……。春菜のほうが怖いぐらい高かったのがビビったな。そんな感じに見えないし……」
コテに反応しちゃった恥ずかしい
【5014】春菜「結城くん、お昼休みどこにいたの?」
リト「ああ、ちょっと。散歩に」
【98】唯「どうせハレンチなことをしてたんでしょ? ララさんとかとルンさんとかと」
リト「し、してないって」
【98】唯「どうかしらね」
【5014】春菜「古手川さん。ルンさんはもう仕事に行ったらしいし」
【98】唯「黒咲さんやヤミさんとかもいるじゃない」
【5014】春菜「でも、結城くんは別に……」
【990】ララ「私とずっと一緒だったけど、何もなかったよー? ねー? リト?」
リト「あ、ああ……」
【5120】春菜「そうなんだ」
【100】唯「やっぱりハレンチだわ!!」
ナナ「な、こえーだろ? 春菜のやつ」
モモ「ふむふむ……。古手川さんも上昇傾向にあり……。参考になったわ。さてと、ナナ。帰ったら何をするか分かってる?」
ナナ「な、なにって、なんだよ……」
ナナ「ごめん!!! 今ままでずっと、あたし、みんなの心を覗いてたんだ!!!」
春菜「え……」
唯「そ、それ、本当のことなの?」
ヤミ「プリンセス・モモから大体のことは聞きましたが……」
美柑「えーと、ナナさん。あの……その……」モジモジ
ナナ「不安だったんだ……。もしかしたら、変なこと考えてるのがあたしだけじゃないかって……。そう思ったら、調べたくなって……」
春菜「どんなことを調べたの?」
モモ「一覧はこちらにあります。上のほうから最近使われたものになってます」
唯「一覧って……」
・結城リトに対する束縛度
・結城リトでエッチな妄想をした回数
・結城リトに対する好感度
・結城リトとキスした回数
・結城リトと手を繋いだ回数
・結城リトに対する興奮度
・結城リトに対して大好きと言った回数
・結城リトに冷たくして後悔した回数
春菜「こ、こんなに……!?」
ナナ「ごめん、春菜……ほんとに……。これでもまだ1/3ぐらいで……」
モモ「ここ一週間ぐらいは使い続けていたみたいですね」
唯「こ、これらが額に浮かび上がってたの……!?」
モモ「そうなります」
春菜「そ、そんな……結城くんに全部……見られちゃった……」ガクッ
ヤミ「生きていけません。こんな情報が知らず、漏洩していたなんて……!!」
美柑「なんか、この中だと私が一番ダメージ大きいような……」
モモ「みなさんの精神的ショックは大きいと思います。なので、ナナには少しおしおきをしようと思います」
春菜「お、おしおき?」
唯「ちょっと、ハレンチなことは……」
モモ「これらの項目、ナナの数字をどうなっていたのか気になりませんか?」
ヤミ「なるほど。確かに私たちは情報を開示したのですから、そちらも開示するべきです」
美柑「いや、でも、それはちょっと。ナナさんも悪気があったわけじゃ」
春菜「う、うん。よくないよ」
唯「別に……しりたくもないし……」
ナナ「みんな……」
モモ「いいんですか、美柑さん。いやらしい妄想の回数をナナに把握されているんですよ?」
美柑「そ、そんなことしてません!!! 0です!!」
ナナ「……0ではなかった気がするけど」
美柑「な……!?」
モモ「春菜さん、古手川さん。リトさんに対する興奮度もばっちり数値化されて、ナナが知っているんですよ? いいんですか?」
春菜「だけど……」
唯「え、ええ……」
ヤミ「実行しましょう。これは情報漏洩という立派な罪です。罰して然るべきでしょう」
モモ「というわけで、ナナにはとっておきのものをみなさんに見せるべきね」
ナナ「ヤミ以外、賛同してねえだろ!!」
モモ「ナナので興味を引くものは……」
ナナ「やめろぉー!! 悪かったって!!」
モモ「ダーメ」
ナナ「ひっ」ビクッ
モモ「あなたの所為で私は……恥をかいたんだから……」
リビング
リト「あいつら、ラボのほうで何やってんだ?」
【990】ララ「よくわからないけど、モモがナナを強引に連れ込んでたよ」
リト「おいおい。それはマズイだろ。助けに行かないと」
【990】ララ「大丈夫だよ。きちんと考えてあるから」
リト「考え……?」
【990】ララ「うん。実はね、入力情報履歴のほかにも機能があるんだー」
リト「なんだよ、それ?」
【990】ララ「じゃーん! 各項目別TOP100」
リト「な、なんで、そんな機能があるんだ!?」
【990】ララ「ほら、誰の好物だったか一目でわかるようにしてたら便利でしょ?」
リト「それを使ってどうにかするのか?」
【990】ララ「確かにナナも悪いけど、モモだって同じ事してたから」
リト(なんだ。ララが珍しく怒ってるのか? やっぱり、勝手に色々な情報を見たのがまずかったな)
【9999】セリーヌ「まうー?」
ラボ
モモ「ふふふ……。では、ナナの全ての情報を……」
ナナ「やめろー!! ゆるしてくれー!!!」
美柑「モモさん!! もういいから!! 私たちはみんなナナさんを許したから!!」
春菜「う、うん! やめてあげて!!」
ヤミ「いえ。執行するべきです」
唯「ハレンチじゃなきゃ、いいわ」
ララ「――待って!!」
モモ「お姉さま……?」
ナナ「あねうえー!!」
リト「な、なんでナナが張り付けになってんだ」
春菜「結城くん、こっちみないで!!」
唯「あ、あさっての方向を向きなさい!!」
ヤミ「こちらを一瞥した瞬間、斬ります」
リト「わ、わかった……」
モモ「なんですか、お姉さま?」
ララ「みんな! これを見て!! これを見ればもうケンカもしないでいいと思う!!」
モモ「な、なにをですか……?」
春菜「ララさん、それは?」
ララ「ほら、ほら見て、春菜。この【結城リトと一緒に寝た回数】ってところ」
春菜「へ!? ね、ねた……って……!!」
ララ「美柑が桁違いの回数でしょー?」
美柑「うわぁぁぁ!!!! ララさん!!! 何言ってるの!?」
唯「あ、ホント」
ヤミ「すごい回数ですね……。他を寄せ付けないほどに」
美柑「だ、だってこれは!! リトと二人のときが多かったからで……!!」
ララ「あとね、ほら。【結城リトに抱いてもらった回数】も美柑が一位なんだよ」
美柑「それもリトがおにいちゃんで!! だっこしてもらうことがあっただけでー!!!」
モモ「こ、これは……。ナナ、このこと知ってたの?」
ナナ「まぁ……。大体の項目は……美柑がぶっちきりだった……けど……」
ララ「ね? 殆ど美柑がトップだから、こんなことで競うあうのはダメだよ。みんな美柑に勝てないから」
リト「美柑のことバラすなよ!!」
ララ「でも、ほら、美柑が何においても一番なら、みんな納得するじゃない」
リト「どうして!?」
ララ「だって、リトの一番大事な存在でしょ?」
リト「ララ……。そういう問題じゃないだろ……」
ララ「違うの?」
美柑「とんでもなく恥ずかしいんだけど……」
春菜「甘えた回数、8000回超えてる。いいなー」
唯「あ、こっち。名前を呼んでもらった回数も一位ね」
ヤミ「一緒にお風呂に入った回数なんて……これは、どう計算しても、ごく最近まで……」
美柑「みないでー!!!」
モモ「妄想をした回数を知られたぐらいで怒るのが馬鹿らしくなりました……。美柑さん、羨ましいです」
ナナ「何気にキスした回数も美柑が一位なんだぜ」
美柑「もうやめて!!」
美柑「りとぉー、たすけてー」
リト「美柑。悪かった」
ララ「ナナ、モモ。何を気にしても美柑が一番だから、気にしちゃダメ。いい?」
モモ「わかりました……。もう詮索はしません」
ナナ「美柑の数字を見るたびに安心してたなぁ、そういえば」
ララ「よし。みるみるステータスくんは廃棄しておくね」
春菜「やっぱり、心を覗くのはいけないことみたい」
唯「そんなこと当然じゃない。見て得することはないわ」
春菜「でも、この一覧を見る限り……」
唯(これだけ妹に尽くしているなら、自然と女性に対しての扱いも上手くなるし、妹以上の女性でなければ靡かない。結城くんはハレンチというより、紳士なのかも……)
ヤミ(よかった……。私のえっちぃ妄想……美柑より少ない……)
リト「なぁ、もういいだろ? 美柑が可哀想だ」
モモ「そうですね。これ以上、お兄さんとの赤裸々な記録を覗くのは淑女として失格ですし……」
美柑「赤裸々じゃないってば!! お兄ちゃんと一緒にいた時間が長いんだから当然でしょ!!」
リト「美柑、落ち着けって」
美柑「モモさん!! ナナさん!!!」
モモ「は、はい。ごめんなさい」
ナナ「な、なんだよ?」
美柑「罰として今日から一週間、家事は全部私がするから何もしないで!」
モモ「えぇー!?」
ナナ「罰か、それ?」
モモ「リトさんの好感度を上げる機会が根こそぎ……」
美柑「あと、モモさんはリトのベッドにもぐりこむの禁止」
モモ「そんなぁ!?」
美柑「そもそもモモさんが余計なことするから私がこんな目に!!」
ララ「……ねえ、リト。私のやりかた間違ってた?」
リト「数字を見て誰が最も傷つくのかが分かっただろ? 正しいってわけじゃないけど、モモとナナは反省してくれたみたいだし……。いいと思う」
ララ「リト……。ありがと」
リト(あれ、そういえばいつの間にか数字が見えなくなってるな……)
リト(あとは……)
モモの部屋
モモ「はぁー……リトさんとの距離がぁー……」
モモ「はぁ……」
モモ「……んっ……んっ……」シュッシュッ
リト「モモ、いるか?」
モモ「は、はい!! どうぞ!!」
リト「悪いな」
モモ「ど、どど、どうしたんですか?」
リト「最後に確認したいことがあって」
モモ「確認、ですか?」
リト「結局、今日俺が見てきた数字なんだけど……。その……」
モモ「あ、気になってるんですか?」
リト「気になってるというか……。まぁ、そうなんだけど……。本当に妄想した回数と、その、束縛だっけ? そういうのだったのか?」
モモ(これはチャンス。こういったほうでも効果があるなんて……)
モモ「ええ。そうですよ? みなさん、少なからずリトさんに好意があるということですね」
モモ「ルンさんのように束縛度が8000を超えている人は勿論、ティアーユ先生や御門先生みたいにリトさんの知らないところでよからぬ妄想をしている人がいるんです」
リト「そんなことないって思ってたけど、やっぱり数字で見ちゃうとな……」
モモ「はいっ。リトさんは自分を過小評価していると思いますよ」
リト「ヤミや芽亜は0だったけど、あれは?」
モモ「独占欲がないんでしょうね」
モモ(ヤミさんの場合は美柑さんほうへ傾向して、芽亜さんはそういう対象としてみていない、というところでしょうけど)
リト「なるほど……」
モモ「リトさん。楽園計画は決して夢物語じゃないって分かっていただけましたか?」
リト「……いや、でも、西連寺とかの数字を見る限りじゃあ、ダメじゃないか?」
モモ「確かに独占欲が強いようですが、問題ありませんよ。まだまだ時間はありますしね」
リト「時間って……」
モモ「私にお任せください……。春菜さんも……古手川さんも……みんな……リトさんに……」
リト「モモ!! 近い!!」
モモ「私は今回で確信しました。リトさんを取り巻くみなさん全員を側室にできると。美柑さんなんてもう……」
リト「な……!!」
モモ「ふふ……。きっと、リトさんを幸せにしますから、見ててください」
リト「でも、美柑は妹で!!」
モモ「キスした回数が最も多いのに、ですか?」
リト「それは小さいときの話だ!!」
モモ「しかし、回数は100を超えて……」
リト「だから!!」
モモ「私ともしてくれますか……?」
リト「うっ……!!」
モモ「んー……」
リト「あ……」
ナナ「おーい。美柑が――あー!!! ケダモノ!! なにやってんだよ!!!」
リト「ち、違うって!!」
モモ「ナナ。キスの回数なら美柑さんに勝てるわよ」
ナナ「……120回ぐらいだもんな。って、だれがリトなんかと!! ふざけんな!!」
モモ(全く。あれだけのことしたのに、いい加減素直になればいいのに)
リト「悪い……。おまたせ」
美柑「遅い」
ララ「――できた!! リトー、できたよー」
リト「なにが? ダークマターの料理は勘弁してくれよ?」
ララ「違う違う。みるみるハイパーステータスくんだよ」
リト「……え?」
美柑「ララさん……?」
ララ「前のは数字表記だったから、こう色々と表面的にしか捉えられなかったけど、今度のは違うの。文章でステータスを表記してくれるの。文章のほうが深みが出るし」
ララ「文章なら回数だけじゃ分からないものを見えてくると思うの」
リト「まて、ララ!! そっちのほうがヤバ――」
ララ「リトの好感度、みるみるー!」ピッ
美柑「きゃ――」
セリーヌ「まうー!!!」
ナナ「姉上ー? 何を騒いで……なぁ!?」
モモ「まぁ……」
【リトだいすき!】
ララ「出た出たー。どうどう?」
【まうまうー!!】
セリーヌ「まうー!!」
【美柑、春菜、ララ、モモ、ナナ、みんな好きだ】
リト「なんだこれー!!! ララ! 消してくれ!!!」
【お兄ちゃん、愛してるーっ!】
美柑「……」ガクッ
ナナ「これは……」
モモ「お姉さま、楽しそうで何よりです」
ララ「やっぱり、数字より言葉だよね」
ナナ「姉上!! 絶対にあたしに使わないでくれ!!! もうステータスはみたくない!!」
モモ(確かに。こちらのほうがより直接的で誤魔化しが利かない……。これは使える……!!)
美柑(もういいや……。開き直って……誰の追随も許さないぐらいに……リトと……)
ララ「ま、文字にするまでもなかったかもしれないね。美柑と私は」
リト「いいから、消してくれー!!」
おしまい。
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