許嫁「あなたは許婚としての自覚があるの？」

男「あ、あるけど……」

許嫁「なら何故他所の女と関係を持てるのかしら？」

男「え、えっと……」

許嫁「信じられないわ。最低ね」

男「い、許嫁！その……」

許嫁「なぁに？まさかもう子供まで出来ちゃったとか？」

男「そ、そんなわけないだろ！？」

許嫁「ふーん、じゃあいつもちゃんとゴムをつけてしてるのね」

男「……つけたことないけど」

許嫁「は？」

男「あ、いや、そうじゃなくて！」

許嫁「避妊してないんだ」

男「ち、ちが、そういう意味じゃ」

許嫁「お父様たちに言いつけます」

男「違うんだ許嫁！」

許嫁「もう知りません。勝手に新しい家庭でも築けばいいじゃないですか」

許嫁「築けるものならね」

男「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

許嫁「ちなみに、お相手の方は？」

男「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

許嫁「幼馴染さんとか？」

男「も、もしそうだとしたら……」

許嫁「そんなに幼馴染さんのことが心配ですか？」

男「い、いや、そういうわけじゃ……」

許嫁「そうね、引っ叩いてしまうかも」

許嫁「泣くまで」

男「」

男「……ち、ちなみに、僕は…」

許嫁「殺す」

男「」

許嫁「随分と無駄な時間を過ごしたものですね」

許嫁「こんなことなら、私も遊んでおくべきでした」

男「え……？」

許嫁「どうしたんですか？そんな顔して」

許嫁「知ってると思いますけど、私って結構モテるんですよ？」

許嫁「単刀直入にセックスだけの関係を迫られることだって少なくありませんでしたし」

男「…………」

許嫁「あら？なんだか顔色が随分暗くなりましたね」

男「……べ、別に…」

許嫁「でもね、私はふしだらな女じゃないんですよ。あなたとは違って」

男「え……？」

許嫁「だって、私はあなたの許嫁ですから」

許嫁「その日が来るまで、ずっと純血のままでいたんですよ」

男「………！」

許嫁「ま、それも今日でおしまいですけどね」

許嫁「あなたに裏切られた寂しさを、誰かに慰めてもらいたいですし」

男「そ、そんな……」

男（どうしようどうしよう……）

男（今更許嫁に童貞って罵られるのが嫌で見栄を張ったなんて言えないよ……）

男（でも、そしたら許嫁が……）ｵﾄﾞｵﾄﾞ

許嫁「………」

許嫁「ねえ」

男「……？」

許嫁「いい加減白状したら？」

許嫁「この童貞が」

男「な……！」

許嫁「あなたが童貞ってことくらい、仕草を見てればわかるわよ」

男「ど、どういうこと？」

許嫁「そうね、例えばキスをしているときとか」

男「き、キス……？」ｶｧｧ

許嫁「ええ、そうよ。キスをしていると、あなたいつも腰を引くじゃない」

許嫁「それで私が後を追うように体を押し付けると」

許嫁「決まって、いつも固くなってるのよね」ｸｽｯ

男「………！」

許嫁「そういうあなたの些細な仕草をお友達と相談した結果」

許嫁「あなたは童貞、という結論に至りました」

男「な……！というか人に言っちゃったの！？」

許嫁「だってこういうことに関しては、彼女らの方が私よりプロフェッショナルだもの」

男「はあ……」

許嫁「そんなわけで童貞くん」

男「……なんでしょうか」

許嫁「どうしてこんなしょうもない嘘をついたのか喋ってもらおうかしら」ｸﾞﾘｸﾞﾘ

男「いたた、ご、ごめんなさいー！！」


おわり