結衣「京子オンライン?」(186)
結衣「なにそれ」
京子「え~、結衣知らないの?今大人気のオンラインゲームなんだよ?」
結衣「いや、私はそっち方面のゲームはやんないから……」
結衣「というか……京子オンライン?」
京子「うん!」
結衣「……なんで京子の名前がゲームの題名に」
京子「えっとねえ、色んな私になって遊べるゲームなの」
結衣「は?」
京子「んー、口で説明するのは難しいなあ……そうだ、ちょっと遊んでみる?」
結衣「……京子オンラインを?」
京子「うん!」
結衣「けど、私はそのゲーム持ってないんだけど」
京子「1つのゲームにつき3キャラ登録できるから、残りを使えばいいよ~」カチャカチャ
結衣「部室で出来るの?」
京子「うん、丁度予備のナーブギア持ってきてた所だしね」カチャカチャ
結衣「用意いいなお前」
京子「えへへ」
京子「よし、私のナーブギアと結衣のナーブギアを繋いだから、これで私のアカウントで結衣も遊べるよ」
結衣「えっと、これを被ればいいの?」
京子「うん!」
結衣(ナーブギアって使うの初めてだからちょっと緊張するなあ……)
京子「被った~?」
結衣「うん」
京子「よし、じゃあゲームスタート!」
ピッ
.
ザザザー
ピンッ
結衣「……ん、あれ」
結衣「ここは……建物の中?」
結衣「偉くリアルだけど……これって本当にゲームの中なの?京子」
シーン
結衣「あれ」
結衣「おーい、京子~?」キョロキョロ
シーン
結衣(京子居ない……おっかしいな、一緒にログインしたはずなのに)
結衣「はぁ……京子がこっちで説明してくれるみたいだから何も予備知識無しでログインしたのに……」
結衣「これは何時もみたいにちゃんと説明書を読みこんどいたほうが良かったかなあ……」キョロキョロ
結衣(部屋の中は普通の宿屋みたいな感じだな……)
結衣(ベットとか家具とかもある……)
結衣(あとは外に通じる扉も)
結衣「……」
結衣「……取りあえず、外に出てみよっか」
結衣「歩いてたら京子も見つかるかも知んないし」カチャ
≪船見京子は扉を開けた≫
.
結衣(あれ、今メッセージ表示に何か変な文字が出てたような……)
結衣「って、京子!」
「……」
結衣「良かった、一緒にログインしたのに見当たらないんだもん、ビックリしたよ」
「……」
結衣「ん?どうしたの、京子」
「……」
.
結衣(何だろ、京子の声が聞こえないや)
結衣(向こうは何か喋りかけてきてくれるみたいだけど……)
結衣(音声が届いてないのかな)
結衣「おーい、京子?聞こえる?」テクテク
ガッ
結衣「いたっ……」
結衣(あ、あれ、何か透明な壁にぶつかった?)
結衣「きょう……こ?」ペタペタ
結衣(あれ、なんだろ、透明な壁の向こうに居る京子が私と同じ動作してる気が……)
結衣「……」
結衣「……」
結衣「……え」
結衣「……これ鏡だ」
結衣「……」
結衣「わ、わたし、鏡に話しかけてたのか、なぁんだ」
結衣「……そ、そりゃあ、返事があるはずないよね、鏡なんだし」
結衣「かがみ……」
結衣「……」
結衣「か、髪……長い」サラサラ
結衣「頭にリボンがある……」キュッキュ
結衣「胸……小さい……」モミモミ
.
結衣「私京子になってるーーーーーーー!?」
.
結衣(お、落ち着け、船見結衣、落ち着いて)
結衣(そうだよ、最初に京子が言ってたじゃん、色んな私になって遊べるって)
結衣(だからこれは変な事じゃないんだっ……)
結衣(何時もみたいに只のゲームとして対処すれば何の問題も無いはずっ……)
結衣「……」
結衣「と、取りあえずステータス画面見よう……アイテムとかも……」
ピッ
船見京子
レベル:1
種族:ヤンデレ
属性:攻め
スキル:つっこみ
アイテム:ラムレーズン×10
結衣(名前が船見京子になってる……)
結衣(そうか、さっきのメッセージ欄の違和感はこれのせいか……)
結衣(まあ、良く見てみたら良い名前だよね、船見京子)
結衣(何の違和感もない)
結衣(ずっとそうでも構わないんじゃない?)
結衣「ね?京子もそう思うよね?」
結衣「うん!」
結衣「……」
結衣「……」
結衣「か、鏡を前に何やってるのわたし///」カーッ
結衣「色々と突っ込みはあるけど……外見が京子になっちゃった以外は普通のRPGみたいだな」
結衣「ステータス画面から地図も見れるし……」
結衣「今私が居るのは……初心者の館?」
結衣(初ログインした人はここに飛ばされる仕組みなのかな)
結衣「んー、ここは誰も居ないみたいだし、取りあえず街に出てみようかな」
結衣「京子と合流して色々説明して貰わないと……」
カチャッ
≪船見京子は町への扉を開けた!≫
結衣「うっ……眩しいっ……」フラッ
ドンッ
キャッ
結衣「うわっ……と」ヨロッ
結衣(やば、何かに目がくらんで人とぶつかっちゃった……)
結衣「す、すみません!大丈夫ですか?」トテテ
「うん、勿論大丈夫だよ~」
結衣「……え」
「君こそ、怪我とか無かった?」ニコ
結衣「……」
「ん?どうかした?大丈夫?」
結衣「……」
「おーい?」
結衣「はぁ……良かった、あっさり合流で来て」
「え?」
結衣「あ、私がこんな格好だから判んないか」
「?」キョトン
結衣「取りあえず、転んだままだと会話しにくいから、立とうよ、京子」
結衣「はい、手かしてあげるから」スッ
「ありがとっ!優しいんだね、君っ」ニコ
京子「君、初心者の館から出てきたって事は、はじめてゲームする子なのかな?」
結衣「え?」
京子「初めてだと、誰かにちゃんと教えて貰わないと苦労する事になっちゃうと思うよ~」
結衣「えっと……京子が教えてくれるんだよね?」
京子「……私?」
結衣「う、うん、私そのつもりでログインしたんだけど……」
京子「……」
結衣「……」
京子「……うん!いいよ!私でよければ力になってあげる」ニコ
結衣「そ、そっか……ありがと」
結衣(何だろ、京子の様子がちょっと変な気がするなあ)
結衣(何時もならもっと私に甘えてくる感じなのに……)
京子「じゃあ、町を案内してあげるねっ!」グイッ
結衣「お、おいっ、引っ張るなって……!」
京子「いいからいいからっ♪」
結衣「も、もうっ……京子は仕方ないなあっ……」
結衣(気のせい……かな、この元気の良さは京子そのものだし)
キラキラキラッ
結衣(というか、さっきもそうだったけど……)
結衣(なんか、町全体が、眩しい気が……)
キラキラッ
結衣(何が眩しいんだろ……)
結衣(んー……町全体じゃなくて道が……いや、道を歩いてる人が?)
京子「ん?どうかしたの?」
結衣「あ、うん、なんかちょっと眩しかったから……」
京子「あー、ゲームはじめたばかりだとそうなっちゃうよねえ」
京子「けど、そのうち慣れると思うよ?」
結衣「そ、そう?」
結衣(あ、けどさっきよりは眩しくない気が……)
京子「ほら、私達って全員金髪だし、なんか眩しいらしいんだよね」
結衣「……わたし、たち?」
京子「うんっ!」
結衣(あ、そろそろ見えるようになって……)
結衣「……え」
京子1「お姉ちゃーん、この装備もう少し安くして~」
京子2「ハッカ飴集めに行きませんか!@3!」
京子3「はぁ……お金が無いや……新人の子に装備プレゼントしたかったのに……」
京子4「あーあ、明日は学校かあ、行きたくないなあ」
京子5「あそこの洞窟のボスって強すぎるよね、もう10回くらい全滅してるし……」
京子6「お金無いならいいバイト紹介するよ?」
京子3「え、ほんと?」
京子6「ほんとほんと、黙って寝てるだけで1000G!」
京子3「マジ!?行く行く!」
京子7「ありさん飼育セットほしいよぉ」
京子8「誰かラムレーズン買いませんか~1個100G在庫48個っ」
京子9「やった!レアものの猫耳カチューシャ当たった!」
京子10「もう24時間寝てない……」
結衣「ま……町歩いてる人達が、全員京子……だと!?」
京子「そりゃあ、京子オンラインだしね」
結衣「そ、そりゃ確かにそうは聞いてたけど……実際に見ると、信じられないって言うか……」
京子「あはは、私も最初はびっくりしたよ、自分があの子になるなんて」
結衣「……え」
京子「ま、少しずつ慣れて行けばいいからさ……それまで、私が優しくエスコートしてあげるっ!」
結衣「……」
京子「ほら、行こう?」
結衣「えっと……ごめん、ちょっとステータス画面、覗かせて貰っていい?」
京子「へ?いいけど……他人からは名前くらいしか見れないよ?」
ピッ
.
キャラ名:杉浦京子
.
結衣(綾乃かよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!)
綾乃「ん?どうかした?」
結衣「い、いや、何でも……」
綾乃「そっか……何か困った事があったら何時でも言ってね?この歳納京子が何時でも力になってあげるから!」
結衣「う、うん……」
結衣(何か綾乃、全然性格違う気がするんだけど……)
結衣(あ、そうか、これもしかして……)
綾乃「ふんふふん~♪私は可愛くて優しい歳納京子~♪」
結衣(綾乃の中の京子のイメージをロールプレイしてるのか……)
結衣(つまり、綾乃の中では京子はこう言う感じに、なんというか、恰好良くて優しい感じなのか)
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