にこ「……リボ払い?」 真姫「ええ」 (220)
にこ「うう……」
にこ「アイドルグッズが欲しいのにお金ないよ……」
にこ「でも、いまを逃したらもう手に入らないかもだし……」
にこ「グッズは一期一会……」
にこ「なんとか……」
にこ「なんとかお金……」
真姫「……で、私の所に来たわけ?」
にこ「い、いやあ……、その……」
真姫「……」
にこ「……」
真姫「……いくら?」
にこ「え……?」
真姫「だから、いくらいるの?」
にこ「か、貸してくれるの?」
真姫「まあ、少しならね」
にこ「え、えっと……」
真姫「……?」
にこ「い、一ま――」
にこ「……」
にこ「いや……、5千円?」
真姫「……? なんで疑問系なの?」
真姫「まあ、いいわ」ゴソゴソ
にこ(あ……)
真姫「はい、5千円」サッ
にこ「あ……」
真姫「借りるんじゃないの?」
にこ「か、借ります!」
――――
――――――
にこ「良かったー」ホクホク
にこ「なんとか本命のグッズは手に入れられたわ」ニコニコ
にこ「でも……」
にこ(5千円だと、全部はまかなえないのよね……)
――――
――――――
真姫「お金?」
にこ「あ……」
真姫「なに? もう返してくれるの?」
にこ「……」
にこ「え、えっと……」
真姫「……」
にこ「……」
真姫「……いくら?」
にこ「えっと――」
――――
――――――
にこ「ふう……」
にこ「いやあ、なんとか賄えたわね」
にこ「でも、お金結構借りちゃったし……」
にこ「切り詰めないと――」スタスタ
にこ「……ん?」チラッ
にこ「こ、これは!?」
にこ「伝説のアイドル伝説!?」
にこ「な、なんでこれが出回ってるの!?」
店員「それ、今日出したからねー」
にこ「……え?」
店員「美品だし、すぐ売れちゃうよー」
にこ「……」
真姫「……」
にこ「おねがい! 絶対返すから!」
真姫「そう言われても……」
真姫「にこちゃん、私からいくら借りてるかわかっ――」
にこ「返すから! ちゃんと返すから!」
真姫「私も今月のお小遣いほとんど貸しちゃってるし」
にこ「……え? お金ないの?」
真姫「まあ、家に行けばあるけ――」
にこ「家行こ? ね? ついてくから!」
真姫「……」
にこ「今日中にお金払うってことで取り置いてもらってるの!」
にこ「真姫ちゃん! お願い!」
真姫「……」
真姫「……わ、わかったわよ」
――――
――――――
にこ「はあー」ウットリ
にこ「まさか今になって、未開封品を手に入れられるなんて……」
にこ「これもにこの普段の行いがいいからね」フフン
にこ「これで、一つは完全に観賞用でいけるわね」
にこ「多少、傷ついてもかまわないわ」
にこ「あくまで多少は、だけど」
――1ヵ月後
にこ「……」
真姫「……それで?」
にこ「あ、えっと……」
真姫「アルバイトでお給料入ったんでしょ?」
にこ「……」
真姫「なんでお金ないの?」
にこ「だ、だって……」
真姫「だって?」
にこ「グッズは毎月、新しいのが出てるし……」
にこ「お給料はそっちに回さなくちゃだし……」
真姫「なら、私はいつお金を返してもらえるの?」
にこ「い……」
にこ「一度には返せないよ!」
にこ「額も大きいし!」
真姫「ふーん……」
にこ「あ、いや……」
真姫「じゃあ、一万円だけ返して」
にこ「……え?」
真姫「毎月、一万円だけ返してくれれば良いわ」
真姫「それならなんとかなるでしょ?」
にこ「ま、まあ……」
にこ「だけど……、いいの?」
真姫「なにが?」
にこ「だって、返すのすごく遅れちゃうし……」
真姫「その点は問題ないわ」
真姫「利息を貰うから」
にこ「り、利息?」
真姫「でもにこちゃんは毎月一万円返してくれればいいのよ?」
真姫「毎月、一万円返してくれるなら私のほうからは何も言わないわ」
にこ「……」
真姫「悪くない話だと思うけど?」
利息(お金とは言ってない)
にこ「う、ううん……」
にこ(どうなんだろ……?)
真姫「……」
にこ「……ちょっと考えさ――」
真姫「……」
真姫「この提案が不満ならすぐに返して」
にこ「え……」
真姫「すぐに」
真姫「全額」
にこ「そ、それは……」
にこ「だからお金が――」
真姫「じゃあ、家の人に返してもらうわ」
にこ「……ッ!」
にこ「そ、それはダメ!」
真姫「ダメ? なにを言ってるの?」
真姫「にこちゃんは借りた側の人間なのよ?」
真姫「意見する権利なんかないわ」
にこ「……」
にこ「だ、だって……」
真姫「……」
真姫「じゃあ、先生に相談するわ」
にこ「そ、そんな……」
真姫「にこちゃんの担任の先生は誰だったかしら」ガタッ
にこ「ま、待って!」ガシッ
にこ「お、お願い……」ウルウル
真姫「……」
にこ「わかったから……」
真姫「なにが?」
にこ「真姫ちゃんの条件を飲むから……」
真姫「……気に入らないわね」
にこ「え……」
真姫「にこちゃんの立場は私より下なのよ?」
真姫「条件を飲むんじゃなくて、私にお願いする立場なの」
真姫「わかる?」
にこ「……」
にこ「真姫ちゃんの言う支払い方法でお願いします……」
真姫「……わかったわ」
真姫「そこまでいうならそういうことにしてあげる」
にこ「……」
――そして
にこ「これにサインすればいいの?」
真姫「そうね」
にこ「えっと……」ペラ
にこ(小さい文字ですごいいっぱい書いてある……)
真姫「ほら、早く」
にこ「う、うん……」
にこ(まあ、携帯電話を契約する時とかもこんな紙にサインしたし……)
にこ(その時もろくに読んでなくても問題なかったから平気よね?)カリカリ
真姫「……」
――その後
にこ「真姫ちゃん、あの……」
真姫「いいわよ、いくら?」
にこ「えっと……2万円」
真姫「……」ゴソ
真姫「はい、2万円」サッ
にこ「あ、ありがとー」ニパッ
にこ「じゃ、借りてくね?」
にこ「……」タタタッ
真姫「……」
――またしばらくして
にこ「2万円、お願いします」
真姫「はい、2万円」サッ
にこ「ありがとう!」
真姫「返済、わすれないでね?」
にこ「わかってるよー!」タタタッ
真姫「……」
――返済日
にこ「じゃあ、これ1万円」サッ
真姫「はいはい」
にこ「なんとか工面できたよ」
真姫「それは良かったわ」
真姫「返済はちゃんとしなくちゃね?」
にこ「うんうん!」
――またしばらくして
にこ「1万5千円! お願い!」
真姫「はいはい」スッ
にこ「ありがとー!」
にこ「もう! あのアイドル、急に新譜出すから焦っちゃったよ!」
にこ「しかも種類ごとに特典が違ってさー」
真姫「へえ……」
にこ「じゃ、ありがと! 真姫ちゃん!」タタタッ
――少しして
にこ「5万円! 5万円貸して!」
真姫「はいはい」サッ
にこ「ありがと!」パッ
にこ「じゃあね!」タタタッ
真姫「……」
真姫「……」
真姫「……」
――――
――――――
にこ「……じゃあ、これ1万円ね」
真姫「はいはい」
にこ「……」
真姫「……」
真姫「……どうしたの?」
にこ「あの……」
にこ「……お金貸してくれない?」
真姫「……」
真姫「ええ、いいわよ」
真姫「いくら?」
にこ「い、いいの!?」
真姫「ええ、1万円は確かに返してもらったしね」
真姫「それで? いくら?」
にこ「2万円……」
真姫「わかったわ……」ゴソゴソ
真姫「はい、2万円」
にこ「あ……」
真姫「……?」
にこ「ごめん、3万円……」
真姫「わかったわ……」
真姫「はい、もう1万円」サッ
にこ「あ、ありがとう!」
真姫「うん」
――――
――――――
にこ「……?」
にこ「……ッ!」
にこ「こ、これは!」
店員「ははっ。君も目が利くねー」
店員「さっき出したばっかりのものだよ」
にこ「値札ついてないですけど……」
店員「ああ、まだつけてなかったね」
にこ「いくらですか!?」
店員「1万2千円だよ」
にこ「と、とっておいて下さい!」タタタッ
店員「はーい」
――――
――――――
にこ「真姫ちゃん!」
真姫「どうしたの? わざわざ家まで来て」
にこ「1万5千円貸して!」
真姫「無理」
にこ「……え?」
真姫「……」
にこ「じゃ、じゃあ1万円……」
真姫「無理」
真姫「貸せないわ」
にこ「え……」
にこ「な、なんで?」
真姫「なんで? 単純な話よ」
真姫「限度額一杯だから」
にこ「……げ、限度額?」
真姫「にこちゃん、私からいくら借りてるかわかってる?」
にこ「え……」
真姫「……」
にこ「え、えっと……」
真姫「……」
にこ「10万円いかないくらい?」
真姫「……」ハア…
にこ「……?」
真姫「50万よ」
にこ「ご、ごじゅ……!?」
にこ「う、嘘よ! そんなに借りてない!」
真姫「そういうと思って、メモしておいたわ」ゴソゴソ
真姫「見てみなさい」スッ
にこ「……」
にこ「……」パラパラ…
にこ「……ッ!」
真姫「どう? 覚えのない借金はある?」
にこ「しゃ、借金……」
真姫「おかしなこと言ったかしら?」
真姫「借金でしょ?」
にこ「え、えっと……」
真姫「まあ、次の返済日に1万円、しっかり返してね?」
にこ「……」
――――
――――――
にこ(その日から……)
にこ(私は生活そのものを変えるほかなかった……)
にこ(大好きなアイドル活動はしっかりこなしながらも……)
にこ(毎日、少しでもバイトをいて……)
にこ(たまの休日には終日バイトをした……)
にこ(そして――)
1.私は借金を返済することが出来た
2.私の浪費癖は治らなかった
>>109
2
にこ(私の浪費癖は治らなかった……)
にこ(バイトをすれば嫌なこともある)
にこ(稼いだお金が返済に充てられて好きに使えない)
にこ(そんなストレスばかりの生活が長く続けられるわけがなかったのだ)
にこ(私は稼いだお金をアイドルグッズに注ぎ込み……)
にこ(ついにたった1万円の返済が出来なくなってしまったのだ)
――――
――――――
真姫「……」
にこ「あの……」
にこ「来月、2万円返すから」
にこ「だか――」
パアンッ!
にこ「ぶ……ッ!」
真姫「寝ぼけたこと言わないで」
真姫「返せない? 返せないってどういうことなの?」
にこ「あ……」ブルブル
真姫「約束したわよね? 毎月1万円返すって」
にこ「う、うううううう」ポロポロ
真姫「まさかここまで馬鹿だとは思わなかったわ……」
にこ「……」ポロポロ
にこ(私がお金を返せなくなった途端……)
にこ(真姫ちゃんの態度は急変した……)
にこ(私のことをゴミを見るような目でみてくるようになった……)
にこ(会話はお金の催促だけになり……)
にこ(ついに真姫ちゃんはとんでもないことを言い出したのだ……)
1.死ねば助かるのに
2.私の女になりなさい
3.給料の振込口座を私名義にしなさい
>>152
2
にこ(真姫ちゃんは私自身を求めた……)
にこ(二人が結ばれればお金の貸し借りもチャラになると……)
にこ(私はその誘いに乗った……)
にこ(いや、乗る以外に私に選択肢などなかったのだ……)
にこ(そして――)
――――
――――――
真姫「ねえ、キスして欲しい?」
にこ「うん、してほしい……」
真姫「仕方ないわねー」スッ
にこ「ん……」////
真姫「ふふ……」
真姫「ねえ、私のこと好き?」
にこ「うん……、好き」
にこ「にこは真姫ちゃんが好き」
真姫「そうよね」
真姫「にこちゃんは私以外はいらないわよね?」
にこ「うん、いらない」
にこ「にこには真姫ちゃんしかいらない」
真姫「……」フフッ
にこ(私はどこで間違ってしまったんだろう……)
にこ(でも、考えても仕方がないことだ……)
にこ(だって……)
真姫「にーこちゃん♪」
にこ(もうにこの借金は――)
真姫「今日はこれで遊ぼっか?」ルンルン
にこ(もうどうやっても返せないくらいに膨れ上がっているのだから……)
おわり
ハッピーエンドでしたね(適当)
――――
――――――
真姫「どうしたの? にこちゃん」
にこ「え……?」
真姫「なんかぼんやりしてたけど」
にこ「あ、ごめんごめん」
にこ「ちょっと疲れてて……」
真姫「バイトのしすぎじゃない?」
真姫「もっとのんびりでもいいのよ?」
にこ「ダ、ダメダメ!」
にこ「ちゃんと返します!」
にこ「じゃあ、これ9万円ね!」
真姫「はいはい……」
にこ「え、ええとこれで……」
真姫「大体、あと15万円くらいね」
にこ「よし! あと2ヶ月もあれば完済ね!」
真姫「そうね」
にこ「あ、じゃあ、にこ、これからバイトだから!」
真姫「はいはい」
――――
――――――
真姫(くうう……)
真姫(借金させて返済日ににこちゃんと会う計画が……)
真姫(このままにこちゃんが卒業したらもう会う口実がなくなっちゃうのに……)
真姫(なんとかうまいこと言ってにこちゃんの返済ペースを落とさなくては……)
――4月
にこ「ほらほら! ペース乱れてるわよ!」
ことり「にこちゃんまたきてるね……」コソッ
海未「大学のほうは大丈夫なのでしょうか?」ヒソッ
花陽「大学で友達が出来なかったんじゃあ……」コショ
凛「ありうるにゃー」ウンウン
真姫(私の苦労はなんだったのよー!)
にこ「ほらほら! 一年生! 脇が甘いわよ!?」
にこ「まったく!」
にこ「やっぱりOGのにこがいなくちゃダメね!」フフン
穂乃果「穂乃果、にこちゃんが来てくれて嬉しいよ!」ニコニコ
にこ「そうでしょう、そうでしょう!」
真姫(あああああああ!!)
おわり
本当は一年で12万円返しても
元金が3万円しか減ってなくて
絶望するにこちゃんが書きたかったんだよ
無計画に書いてたからわき道にそれたわ
蛇足
にこ「え……、これって招待券じゃなくて優待券なんですか……?」
ことり「え? 今日、穂乃果ちゃん来れないの?」 海未「……」
海未「アイドルはなしです!」 穂乃果「……」
穂乃果「あ……、ことりちゃんが捨てられてる」 (・8・)「……」
にこ「にこの上履きがない……」
海未「風評被害に悩んでいます」
海未「ふふっ。下の口は正直ですね、穂乃果」
ことり(今日の穂乃果ちゃん、なんか変……)
暇だったら読んでみてください
支援して頂いた方、読んでいただいた方、ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません