にこ「に、にこの2000円がない!?」 (57)

にこ「ね、ねえみんな知らない!?にこの財布の中に入ってた2000円がないの!」

穂乃果「2000円?」

海未「さあ……?どこかで落としたのでは?」

にこ「財布の中に入ってたんだから落とすわけないでしょ!本当に知らない!?」

真姫「知らないわよ。にこちゃんの財布の中身なんて」

にこ「あれがないと困るのよ!ねえみんな知らない!?」

花陽「うーん。今日にこちゃん財布弄ってないよね?」

にこ「そうよ。部室に来てから鞄すら開けてないわ」

凛「でも、だったら無くなるのはおかしいよねー」

にこ「そうなのよ……本当にみんな知らないの?」

真姫「だから知らないって言ってるでしょ。無い物は無いわよ」

にこ「っ!……そ、そんなこと言って、本当は真姫ちゃんが盗ったんじゃないの?」

にこ「あなたがとったんでしょ!」

穂乃果「ち、違うぞい?!」

海未「はぁ・・・?諦めたら?」

真姫「はあ!?なんで私が盗らなきゃいけないのよ!?」

にこ「だって真姫ちゃんこないだ欲しいものがあるって!」

真姫「意味わかんない!
私はにこちゃんみたいに貧乏人じゃないんだからそんなことするわけないでしょ!」

にこ「なっ……!?な、なによその言い方!もうちょっと言い方ってものが」

真姫「だって事実でしょ!
別に人のお金なんて盗らなくても買えるわよ!にこちゃんと違って!」

にこ「あ、あんたねぇ……!」

海未「二人とも落ち着いてください!言い過ぎですよ!」

真姫「でもにこちゃんが!」

海未「確かににこ、証拠もないのに人のことを泥棒扱いしてはいけません!」

にこ「う……ご、ごめん」

海未「そして真姫!あなたは人の家庭事情を馬鹿にしてはいけません!」

真姫「ご、ごめん……」

海未「……二人とも少し頭を冷やしてきてください。今のままでは練習になりません」

ー外ー
にこ「……あの、真姫ちゃん」

真姫「……なに?」

にこ「さっきはその、泥棒扱いしてごめん。頭に血がのぼっちゃって……」

真姫「いや、いいわよ。私の方が言い過ぎたわ。その、貧乏……とか、言っちゃって」

にこ「ううん、大丈夫。現に貧乏だしね!」

真姫「……」

にこ「あっ……ご、ごめん」

真姫「ううん、ホントにごめん……」

にこ「………………」

真姫「………………」

真姫 (まだ怒ってる……当然よね。貧乏なんてそんな酷いこと……)

にこ (やっぱり、泥棒扱いはだめだよね……なんであんなことしちゃったんだろ)

真姫 (……そうだ!)

真姫「ね、ねえにこちゃん!」

にこ「な、なに?」

真姫「これあげる!」スッ

にこ「っ!?こ、これ2000円じゃない!お金なんて受け取れないわよ!」

真姫「いいの、私の気持ちだから。困ってるんでしょ?だから受け取って」

にこ「いや……でもそんな、真姫ちゃんからお金なんて借りれないよ……」

真姫「ううん。返さなくていいわよ。だからほら」

にこ「ええっ!?そんなのもっと受け取れないわよ!いいから!大丈夫だから!」

真姫「ほっとけるわけないでしょ!ほら、いいから使って!」

にこ「だからお金なんて貰えないって……」

真姫「無理しなくていいって!私が持ってるより有意義に使えるでしょ!」

にこ「っ!無理なんかしてないわよ!そのくらい自分でなんとかするから大丈夫!」

真姫「大丈夫じゃないでしょ!さっきあんなに取り乱してたくせに!」

にこ「取り乱してなんかないわよ!いいからほっといてってば!」

真姫「なっ……人が好意で言ってあげてるのに……!」

にこ「好意って何よ!誰もお金ちょうだいなんて言ってないでしょ!」

真姫「じゃあこの2000円いらないのね!?」

にこ「最初からいらないって言ってるでしょ!」

真姫「じゃあもうあげないから!あとでちょうだいって言ってもあげないからね!」

にこ「真姫ちゃんに頼らなくてもやってけるわよ!バカにしないでよね!」

真姫「ッ~!もうにこちゃんなんて知らない!」ダッ

にこ「ふん!」




花陽「全然頭冷えてないよ……」

海未「先が思いやられますね……」

ー放課後ー
にこ (とは言ったものの……)

財布の中身:119円、ポイントカード

にこ (これじゃ缶ジュースすら買えない……今日の夕飯どうしよう……)

にこ (とにかくタイムセールを逃すわけには行かないわ、スーパーに行かなきゃ!)タッタッタッ

海未「………………」

ー1時間後ー
にこ「………………」

もやし×3

にこ (タイムセール逃した……!今日はもやし炒めかな……)

にこ「お米足りるかな……買えなかったし……」

海未「……おや、にこ。こんなところで何を?」

にこ「海未!?な、何の用よ」

海未「いえ、たまたま見かけたので」

にこ「そ、そう……じゃあこれで」

海未「待ってください」ガシッ

にこ「なによ?」

海未「先程お米がどうとか言ってましたが……どうかしたのですか?」

にこ「べつに。お米買い忘れたなーってだけよ」

海未「……足りるかな、とも言ってましたね」

にこ「……聞いてたならそう言いなさいよ」

海未「にこのことですから、変に意地を張って認めないと思いましたので」

にこ「変にってなによ……それに、否定するなら今だってできたでしょ」

海未「それもそうですね」

にこ「……はあ」

にこ「じゃあ、もう帰るから。また明日ね」

海未「待ってください」ガシッ

にこ「しつこいわね……なによ?」

海未「よかったら、夕飯うちで食べて行きませんか?」

にこ「いや、大丈夫よ。家に帰れば何かあるし」

海未「遠慮しないでください。話したいこともあるので」

にこ「……悪いけど、家に妹がいるの。だから早く帰ってごはん作らないと」

海未「では妹も呼んでください」

にこ「変な気を使わなくていいのよ?」

海未「先程も言いましたよね?話したいことがあると。いいから来てください」

にこ「……全く、強引なんだから。そこまで言うなら、お言葉に甘えさせてもらうわ」

海未「はい。それではお待ちしてます」

にこ「……海未」

海未「はい?」

にこ「ありがと」

海未「礼には及びませんよ。ではまた」

にこ「うん」

















真姫「…………」

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すまん昼飯食う

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月02日 (月) 08:34:30   ID: nmccl_qK

こんなss前にも見たような気がするんだが、完結してなかった?

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