誠子「バレンタインデーのお返しに」(66)

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代行ありがとうございます!



~ホワイトデー前日 白糸台高校部室~

誠子「…という訳でお願いします!!」

淡「えっと…つまり私に買い物に付き合ってほしいと?」

誠子「うん、こんな事淡にしか頼めないんだけど、どうかな?」

淡「私は別にかまわないけど…買い物だったらたかみーの方がいいと思うよ?」

誠子「いや、こればっかりは尭深に知られたくないんだよね」

淡「えっ、いや~私もそんな物騒な物を買うのに付き合いたくはないんだけど」

誠子「違うから!全然物騒じゃないから」

淡「えー、じゃあ何を買うのかぐらいは教えてくれないかな」

誠子「あーもう、明日は何の日か分かるか?」

淡「ふむふむ、明日は三月十四日…なるほど、ホワイトデーですな」

誠子「そうそう、それでバレンタインに尭深からチョコを貰ったからさ、そのお返しを買いたいんだ」

淡「へー、誠子って案外律儀なんだね」

誠子「いや、律儀とかじゃなくて普通はもらったら返すだろ…」

淡「私は返さないよ!!」ババーン!

誠子「お前はそれで…まあいいや」

淡「でもさ、たかみーに何かプレゼントするならお茶っ葉とかでいいんじゃないの?多分それが一番喜ぶと思うよ」

誠子「いや、お茶については尭深がいつも飲んでるお茶の上のランクのやつを調べて、もうすでに用意してあるんだ」 

淡「お茶っ葉をわざわざ調べて買うなんてずいぶん手間をかけたね」

誠子「まあお茶の袋自体は部室にあったから調べるのは簡単だったし、それに下手にやっすいお茶を買って失敗したらさ…後がな」

淡「あー、なんか不味いお茶だったとしたら怒り狂いそうだよね、たかみーって」

誠子「うん…私もそんな気がする」

淡「けど、お茶っ葉を買ってあるんならもうそれだけ渡せばいいんじゃないの」

誠子「まあそれだけでもいいような気はするんだけど…バレンタインの時に立派なチョコを貰ったから流石にそれだけというのも寂しいからさ」

淡「ちなみにどんなチョコを貰ったのさ?」

誠子「確か手作りって言ってたけど…ハート形のガトーショコラだったよ。結構大きかったかな」

淡「ず、ずいぶん手が込んでるね」

誠子「まあ意外だったのが上に乗ってるプレートにLOVEとか色々と書いてあった事だな。尭深がそんな事するとは思わなかったからさ」

淡「  」

誠子「うん、どうした淡?」

淡「ち、ちなみにその後は…」

誠子「ちゃんとその日のうちに食べて後でお礼を言ったよ、美味しかったってね」

淡「…その時、たかみーはどんな顔してたか覚えてる」

誠子「流石に顔までは…けどなんか残念そうな顔をしてたかな?思いすごしだと思うけど」

淡『…アカン。誠子、まるで分かっていない。もうそれ本命チョコ以外の何物でもないよ』

淡『というよりたかみーもたかみーだよ。もうそこまでするなら告白でもしちゃえばいいのにさ』

誠子「という訳でお茶の他にも何か渡してあげたいんだよ」

淡「いっそ婚姻届でも渡してあげたら?」

誠子「婚姻届って…冗談にしかならないだろ」

淡『一番喜びそうだと思うけどなー』

誠子「で、そのプレゼント選びの際に淡の意見を参考にさせてほしいんだ」

淡「なるほど、確かに誠子はプレゼント選びとか苦手そうだよね」

誠子「ああ、自覚してるさ。趣味にかかわる事なら自信があるんだけどな…」

淡「ホワイトデーに釣り道具を渡してもね」

誠子「という訳でお願いします!どうか力を貸してください!!」

淡「まあそんな事なら別にいいけど、タダという訳にはねぇ」

誠子「くっ…淡にも何かお菓子買ってあげるからさ」

淡「本当!?で、数は」

誠子「足元見やがって…一個で充分だろ」

淡「五個でどうだ!」

誠子「多いわ!」

淡「えー、それじゃあ三個で!!」

誠子「お前なぁ…まあいいや、それで手を打つよ」

淡「ありがとー!よーし取引も成立した事だし後はこの高校100年生におまかせあれ!!」ドヤァァァ!!!

誠子「…はぁ、来月の釣り代が飛ぶなこりゃ」

~デパート~

淡「という訳でデパートにやってきたけど、やっぱりこの時期だとホワイトデー売り場ができてるね」

誠子「しっかしやっぱり駄目だ。どれも同じものに見える…」

淡「まあまあ、とりあえず一つずつ見ていこうよ」

誠子「それじゃあ、まずはこのへんのクッキー売場から」

淡「あー、その辺はよしておいた方がいいよ」

誠子「えっ?何でさ」

淡「いやぁ、既製品のチョコを貰ったとかならともかく手作りのチョコでしょ。それのお返しに既製品を渡すって…正直どう?」

誠子「…言われてみれば、ちょっとな」

淡「でしょ、だからどうせ送るなら手元に残る物がいいと思うよ」

誠子「成程、参考になる」

淡「それに既製品のだと当たり外れが大きいのもあるから」

誠子「そうか、やっぱり淡がいると心強いな」

淡「そんな参考にするほどの事でもないと思うけどねー」

誠子「しかし手元に残るものといってもそれはそれで何を選んでいいか困るな」

淡「うーん、確かにここが一番の悩みどころだね」

誠子「やっぱ定番となるとハンカチとかか?」

淡「ハンカチも確かにいいとは思うけど…流石に柄とかの好みは本人じゃないと分からないから避けといた方が無難だと思うよ」

誠子「確かに自分の趣味じゃないものをもらっても困るしな」

淡「できれば身につけられるものとかがいいとは思うけど、たかみーにブレスレットとかネックレスは似合いそうにないよね」

誠子「つけてみれば似合うとは思うけど、常につけてるイメージはないな」

淡「うーん、たかみーのイメージにもあって、かつ身につけれそうなものはっと」キョロキョロ

誠子「やっぱ条件が厳しすぎるか」

淡「あれでもないこれでもないっと…ねぇ、これなんかどうかな!!」

誠子「これは…キーホルダー?」

淡「そうそう!このキーホルダー、結構たかみーのイメージにあってると思うよ」

誠子「うーん、確かにこの落ち着いた雰囲気とかが尭深に合いそうだ」

淡「でしょ!それにキーホルダーなら無理なく身につけられるし、お値段もそんなに張らないしね」

誠子「よしっ、それじゃあこれにするか!」

淡「えっ、そんなすぐに決めちゃっていいの?もしかしたらもっといいのもあるかもしれないけど…」

誠子「いや、これ以上のものはないと思う。私の直感がそう告げてる」

淡「いわゆる釣り人のカンってやつ?」

誠子「うん、これ以上のヒットは見込めない感じかな」

誠子「それじゃあお会計済ませてくるからちょっと待っててもらえるか?」

淡「はーい…って誠子、他の子のお返しはいいの?」

誠子「いや、お返しといってもなー、私バレンタインの時、尭深以外からチョコを貰ってないんだよな」

淡「えー!うっそだー!」

誠子「いやいや嘘じゃないって、確かに一個しかもらえなかったなんて今年が初めてだけどさ」

淡「だって誠子ってインターハイで活躍したチーム虎姫のメンバーで、更にスポーツが得意、おまけに容姿は男子顔負けのイケメンじゃん」

誠子「最後は余計だろ…少し気にしてるんだから」

淡「そんな誠子が義理ですらチョコを貰えないなんて絶対におかしい、そんなオカルトありえないよ!!」

誠子「けどなぁ…もらえなかったのは事実だし」

淡「ま、まあ手渡しとかはなかったにしてもロッカーとか下駄箱とかに入っていたとかするんでしょ」

誠子「いや、尭深にも確認してもらったけどなかったよ」

淡「そんなオカルト…うん?何でそこでたかみーの名前が出てくるのさ?」

誠子「いや、尭深とはクラスが同じだからだけど、それがどうかしたか」

淡「もしかして…いや、いくらなんでもそれは…」ブツブツ

誠子「どうしたんだ、いきなりブツブツ小声で喋り出して」

淡「…ねえ誠子、ちょっと質問していい」

誠子「構わないけど、何か気になる事でもあったのか」

淡「いや、ちょっとした事なんだけどね、バレンタインの日、たかみーって誠子より先に学校に来てたりした?」

誠子「先って事はないと思うけど…下駄箱の所で会ったから」

淡「じゃあその後は?」

誠子「普通にクラスについていつも通り授業を受けて…特に変わった事はなかったよ」

淡「本当に?」

誠子「そういえばあの日は2人で行動する事が多かったかな。というか尭深がどこに行くにも付いてきたというか」

淡「 」

誠子「あと常に重そうな袋を持ってたな。何かって聞いたらゴミとか言ってたから特に気にもしなかったけど」

淡「 」

誠子「…で、それがどうかした?」

淡「…ううん、何でもない」

誠子「じゃあちょっとお会計してくるねー」

淡「うん、いってらっしゃい…」

淡「……」

淡「…さて、どうしよう」ハァ

淡『テルー、スミレ、大変です。たかみーが想像以上のヤンデレでした』

淡『というより誠子はああ言ってたけど、絶対に誠子より先に学校に来てるよ』

淡『で、下駄箱とかロッカーに入っていたチョコを全部処分して、何食わぬ顔で誠子と玄関で落ち合ったと』

淡『たぶん誠子と一緒にいる時、ものすごいオーラを出してたんだろうなー』

淡『恐らくチョコを渡そうとしてる子達を寄せ付けないようにしてたんだろうけど…想像したくないね』ブルッ

淡『まあそれより怖いのは』

誠子「おまたせー!…って淡?どうしたのさ」

淡『この誠子の鈍感さだよーーー!!!』ウガーーー!!!

誠子「いやー、綺麗にラッピングしてもらったしあとは明日尭深に渡すだけだな」

淡「…そうだね」

誠子「けど本当に今日は助かったよ、ありがとう淡」

淡「ど、どういたしまして…」

淡『うーん、誠子も悪くはないと思うんだけど、ちょっと鈍すぎるよね』

淡『このまま2人の関係が進展しないのもたかみーがかわいそうだし、ここは私が一肌脱ぎますか!!』

淡『それに、あまりに進展しないとこっちにとばっちりが飛んできそうだしね…』

誠子「それじゃあ後は約束の淡のお菓子を買いにいくだけか」

淡「わーい!それじゃあさっそく行ってみよー」

誠子「全く…お菓子の事になるとたちまち元気になるな」

淡「それはもう!なんと言っても甘いものは別腹だしね」

誠子「あまり高いものは買わないでくれよな」

淡「まあまあ、細かい事は気にしない」

誠子「お前は少しは気にしろ!!」

淡「それじゃあ…とっつげきー!!!」スタコラサッサー!!

誠子「はぁ、なんとかやりくりできるかと思ったんだがな…」

淡「ふう。満足満足!」ドッサリ!

誠子「少しは気にしろといったのに、全部大箱のお菓子かよ…」

淡「まあまあ、これも授業料だと思ってさ」

誠子「ずいぶん高くついたな…」

淡「っとそうだ、ちょっと私も買いたいものがあったのを思い出したからここで待っててもらえないかな?」

誠子「別にかまわないけど、私も一緒に行こうか?」

淡「すぐに済むから大丈夫だよ、それじゃあ行ってきまーす!!」

誠子「おーい!って行っちゃったか」

誠子「…けど、尭深が喜んでくれるといいな」

~ 十分後 ~

淡「お待たせー!!」

誠子「そんな慌てなくてもいいのに…で、それはなんなのさ」

淡「あのね、これは私から誠子へのプレゼントなんだ!!」

誠子「わ、私に!?」

淡「まあ正確にはたかみーへのプレゼントなんだけど、私が買ったって事を内緒にして誠子のプレゼントとして渡してほしいんだ」

誠子「それでこんなに綺麗にラッピングされてるのか」

淡「そうそう、多分たかみーは喜ぶと思うよ」

誠子「そういう事か…ありがとう」

淡「どういたしまして!まあ誠子にはお菓子を買ってもらったしそのお礼も兼ねたんだよ」

誠子「で、この中身は一体何なんだ?ちょっと大きめだけど」

淡「ふふふー。それは秘密!開けてみてのお楽しみー」

誠子「…ドッキリグッズとかじゃないだろうな」ジロッ

淡「もう、変な心配しなくても大丈夫だって。ちゃんとしたものだからさー」

誠子「…分かった、それじゃあありがたくもらっておくよ」

淡「どうぞどうぞ、それじゃあ明日たかみーに渡すの頑張ってね!!」

誠子「ああ、喜んでもらえるといいんだけどな…」

淡「大丈夫!きっとうまくいくって!」

淡『まあ、その後の事はしらないけどねー』

~ ホワイトデー当日 放課後 ~

誠子「あー、今日も練習疲れたー」

尭深「そうだね、けど先輩達が抜けた穴を埋めるためにはもっと練習しなきゃ…大変だけど」

誠子「はぁ、先は長いよな~」

尭深「だね、はいお茶」コトッ

誠子「おっ、ありがとう尭深」ゴクゴク

尭深「どういたしまして」

誠子「それじゃあこれを飲み終わったら後は戸締りして帰ろうか」

尭深「うん、私達だけであまり遅くまで残っていても仕方ないしね」

誠子「っとそうだ…尭深、ちょっといいかな」ガサガサ

尭深「どうしたの?そんなに改まって」

誠子「えーっと、その…これっ!!」ドサッ!

尭深「こ、これって…!?」

誠子「私からもらっても嬉しくないかもしれないけど…一応ホワイトデーのお返し」

尭深「!!!」キューン!!

誠子「それとあの時も言ったけど…プレゼント、ありがとう」

尭深「……うっ!」ポロッ

誠子「えっ、ちょっ、尭深!?」

尭深「あっ、ご、ゴメン…ちょっと嬉しくて涙が、気にしないで」ポロポロ

誠子「そんな、そこまで泣くほどの事じゃないと思うんだけどさ」

尭深「ゴメンね、けどね本当に嬉しいの、誠子からこうしてプレゼントが貰えるなんて…夢みたいで」

尭深「ありがとう…本当にありがとう!」

誠子「うーん、まあ喜んでもらえて何よりかな」

尭深「それで…これ開けさせてもらってもいいのかな?」

誠子「うん、できれば感想も聞きたいから開けてもらえるかな?」

尭深「ありがとう、それじゃあ…」ガサガサ

尭深「こ、これって…!!」パリッ!

誠子「あ、それはお茶だね。尭深がいつも飲んでるのよりちょっと高いのを買ってみたんだけど…」

尭深「うん、一度飲んでみたかったんだ!これ」

誠子「良かったー。実は買ってあったとか言われたらどうしようかと思ったから」

尭深「そんな事ないよ!そうだ、せっかくだから今淹れようか」ガタッ

誠子「いや、お茶は今飲んだばっかりだから別にいいよ。それに尭深へのプレゼントだから私が飲むのもどうかと思うし…」

尭深「そっか、それじゃあこれは家で飲ませてもらうね」

尭深「次はこの箱のなんだけど、開けていい?」

誠子「いいよ、けど気に言ってくれるかなー」

尭深「これって…キーホルダー?」パカッ

誠子「うん、普段から使えるものがいいかなと思ったんだ。ネックレスとかも考えたんだけちょっと毎日使うものでもないから」

尭深「そうなんだ、色々と考えてくれたんだね」

誠子「いやー、考えたというか聞いたというか、まあそんな感じかな」

尭深「別に指輪とかでも良かったんだけど…」ボソッ

誠子「…?尭深、今何か言った?」

尭深「な、何でもないよ!?こ、これも大事に使っていこうと思っただけだよ!!うん、そうそう!」ビクッ!

誠子「…?まあ何にしても気にいってくれて何よりだよ」

尭深「あと最後のこれは?」

誠子「えーっとそれは、まあ開けてもらえれば分かるよ?」

尭深「分かった。それじゃあ…」パリパリ

誠子『そういえば、結局何だったんだろう、あれ?』

尭深「えーっと…!?」ドキッ!

誠子「どうしたの?」

尭深「………///」カァー!

誠子「ありゃ、尭深が固まっちゃったけど結局何だったんだ?」チラッ

チームIPSお墨付き!!


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誠子「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

誠子「あ、淡のやつ何を買ってるんじゃァァァァ!!!」

誠子「畜生!ちょっとでも信用した私がアホだった…なんで信用したんだろう」

尭深「……///」

誠子「っとそうだ、えーと尭深、これはあの淡のやつのイタズラというか、というより私自身こんなもんだとは知らなくてさーその」

尭深「……///」

誠子「そ、そうそう話せばわかる。分かると思うから軽蔑しないでほしいというか、その~」

プ ッ ツ ン !

誠子「…へ、ぷっつん?」

尭深「…誠子」ズイッ

誠子「えーっと、渋谷さん?なにやら目がレイプ目っぽくなっていますが大丈夫でしょうか?」

尭深「誠子の気持ちは分かった。ありがとう」ガシッ

誠子「ど、どういたしましてー、はい、あの気持ちはわかったのでできたらこの手を放していただけると助かるんですが」

尭深「やだ、もう離さない」

尭深「誠子がここまでしてくれたのだから、今度はこっちが答える番」ヌギヌギ

誠子「ってなんで服をぬぐn」ムグッ

誠子「!!?!?!」チュー!

尭深「…っふう。誠子のファーストキス、ご馳走様」

誠子「た、尭深…!?」

尭深「大丈夫誠子、一緒に気持ち良くなろう…優しくするからさ」

誠子「優しくするからってちょっとそれどういう意味…!?」

尭深「誠子…大好き!!」ギュッ

誠子「ちょ、まだ心の準備が…って」



アーーーッ!!!

後日、散々搾り取られた(肉体的に)誠子が淡を搾り返す(説教で)事になるが、それはまた別の話…



カン!

亦渋が全然ないので書いてみました。ホワイトデーはオマケみたいなもんです
自分の中では結構いいコンビだと思うんですけどねー

ついでにここで書くのは初めてだったので、かなり緊張しました


それではまた

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