美魚「な……直枝さんが卑猥な本を買っていきました」(158)

美魚「卑猥です。……これは卑猥です」

来ヶ谷「? 美魚君、そんなところで何をぼーっと立っているんだ」

美魚「! 来ヶ谷さんですか」

来ヶ谷「いかにもそうだが」

美魚「実は……」

美魚「直枝さんが、卑猥な」

来ヶ谷「よし西園女史今すぐ理樹君の許へ行くぞ」

美魚「まだ喋り終えていません」

来ヶ谷「……ふむ。つい先ほどまで美魚君は書店にて本を購入しに来たところ……」

来ヶ谷「意外にも理樹君の姿を発見」

来ヶ谷「こいつぁみんなを出し抜くチャンスじゃねえかヒャッホウ早速猫被ってお色気作戦だぜげへへと思いを馳せつつ身を隠し……」

来ヶ谷「しかし理樹君はそんな美魚君に気づかずエロ本を買ってしまった」

美魚「その通りです」

来ヶ谷「ふむ……全くツッコまれないと酷く惨めな気分になるな……」

来ヶ谷「……して、美魚君」

美魚「はい」

来ヶ谷「その卑猥な本とやらは、一般的にどういう性癖にカテゴライズされるものだったんだ?」

美魚「……そ、それは」

美魚「……制服」

わふー\(>ω<)

http://uploda.cc/img/img513340c335612.jpg

来ヶ谷「うむ? 学生でありながら制服嗜好か……」

美魚「メイド……巫女……競泳水着……バニーガール……」

来ヶ谷「……ふっ。なるほど、理樹君は全般的なコスチュームプレイに興味があるのか……。これは楽しく」

美魚「痴漢、盗撮、緊縛、調教、放置、野外、女王様、お漏らし、人形、木馬責め、逆さ吊り、巨人化、時間停止……」

来ヶ谷「…………」

>>11
光の速さで保存した

美魚「……冗談ですよ」

来ヶ谷「……私はときどき、君と話していると世界が反転している錯覚に陥る」

美魚「そ、そうですか……失礼しました」

来ヶ谷「結局のところ、何を買っていったんだ?」

美魚「縦笛を持ちランドセルを背負った、小柄で童顔な女性の……」

来ヶ谷「ロリかよ」

美魚「まだ喋り終えていませんが、そのようですね」

来ヶ谷「しかし……理樹君がロリ嗜好とは思いもよらなかった」

美魚「ええ。わたしも驚天動地の心境です」

来ヶ谷「……ただ、これは面白くなってきたな」

美魚「そうでしょうか……直枝さんの将来に激しく危惧の念を催しますが」

来ヶ谷「夜な夜なクドリャフカ君のことを思い浮かべ、ハァハァしているのだろうか」

美魚「……! 卑猥です……直枝さん」

来ヶ谷「まあ、そう言ってやるな。世に蔓延る男はなべて助平、趣味は十人十色の千差万別」

来ヶ谷「少年にも、譲れない嗜好というものがある。それが偶然ロリであっただけのことだ。尊重してやらんとな」

美魚「ロリでもですか」

来ヶ谷「う……」

来ヶ谷「……美魚君のその趣味……それも、世間一般にはあまり受け入れられないものだろう?」

美魚「そ、それは……確かに、そうですが」

来ヶ谷「うむ。先に男は皆助平と言ったが、訂正しよう。人類皆、変態なのだ」

来ヶ谷「肝要なのは、それに羞恥心を抱きひた隠しにする善良な市民となるか、開き直り犯罪者の末路を辿るか、だな」

来ヶ谷「そして少なくとも理樹君の変態性は今の今まで明るみに出なかった」

来ヶ谷「これだけ言えば、もう分かるだろう」

美魚「分かりました……。来ヶ谷さんに倣い、わたしも直枝さんを受け入れましょう」

美魚「例えロリだとしても」

来ヶ谷「う、うむ」

来ヶ谷「さて、それではどうしようか……」

美魚「また何か、企んでいるのですね」

来ヶ谷「こんな楽しいネタを前に指を咥えて見ていられるほど、私はできた人間ではないからな」

来ヶ谷「……強引に拉致し更に詳細を吐かせるのもいいが……」

来ヶ谷「それとなく理樹君に話をチラつかせドキリとさせた方がより面白そうだ」

美魚「来ヶ谷さんが言いに行かれるのでしょうか」

来ヶ谷「いや、私だと恐らく意外性が出ない」

来ヶ谷「……美魚君にしても、理樹君は美魚君の本好きを認知している」

来ヶ谷「揺する際に、あの時書店で偶然見られていたからだ……と考えられかねず、これも狼狽には至らない可能性が濃厚だ」

来ヶ谷「対面こそしなかったが実際にあの書店に居合わせていたわけだしな」

来ヶ谷「あくまで、予測し得ない意外な人物に事実を衝かれた方が効果は覿面だ」

来ヶ谷「よって、私たち以外の誰かにこれを依頼したいところだが……」

美魚「小毬さんや三枝さんはいかがでしょうか」

来ヶ谷「私も考えたが、彼女らが真っ当に使命を果たしてくれる姿が想像できない」

来ヶ谷「クドリャフカ君も同じだな。残念ながら」

来ヶ谷「佳奈多君は……適任だとは思うが、まず引き受けるはずもないな」

美魚「それでは、恭介さん他の男性陣に任せるというのは」

来ヶ谷「ただの猥談に発展するだけだろうな」

美魚「……失言でした」

来ヶ谷「うーむ、どうしたものかな」

来ヶ谷「……む? 何やら向こうの……ゲーセンか。やたらと奇声が飛んでくるが……」

??「いよっしゃあーーっ! これで10連続ゲットぉぉーーーっ!!」

ゲームセンター――




??「あーっはっはっはっ! こいつらはもうあたしの手の中ね! あたしに取られるためだけに生まれたエモノっ!」

??「よーし、もうこうなったら全部取り切っちゃいましょうかっ!」

来ヶ谷「熱くなっているところすまないが」

??「うっさいわね、テンション爆上げだってのに茶々入れないでよねっ!」

美魚「そのように下品な声を撒き散らしていては、せっかくの美人が形無しですよ」

??「だから邪魔すんなって……へ……?」

来ヶ谷「はっはっは。中々の熱血ぶりだな、沙耶君」

美魚「こんにちは、朱鷺戸さん。テンション爆上げですね」

沙耶「…………っ!! 来ヶ谷さんに西園さんっ……!?」

沙耶「くっ……! に、任務失敗、直ちに戦闘から離脱……!」

来ヶ谷「まあ待ちたまえ」

沙耶「きゃあ!? ちょっ、どこ触って……っ!」

来ヶ谷「ふむ。目測でも見事な肢体だと思ってはいたが」

来ヶ谷「実際に触ってみると……たまらんな。おねーさん、興奮するぞ」

沙耶「いやあああああああぁぁぁっっ!!」

美魚「来ヶ谷×朱鷺戸ですか……。わたしの専門ではありませんが、これはこれで……」

沙耶「もうやめてえええええええええええぇぇっっ!!!」

来ヶ谷「さて、興奮冷めやらぬわけだが」

沙耶「だが、じゃないわよ! 全く、どんな了見で仕事の邪魔を……」

美魚「ぬいぐるみを取って発奮する仕事とは一体何なのかという疑問は生じますが、それよりも……」

美魚「朱鷺戸さん。少し、感じていましたね」

沙耶「!?」

来ヶ谷「うーむ……悪いが朱鷺戸女史、おねーさんは可愛いものを愛でたいだけであってだな」

来ヶ谷「残念ながら、ガチではないのだ。期待に副えずすまんな」

沙耶「だああああっ! 何なのあなたたちはっ!!」

来ヶ谷「さて、余興はこれまでとしておこう」

来ヶ谷「沙耶君。君にやってもらいたいことがある」

沙耶「やってもらいたいことぉ……?」

美魚「まずは場所を移しましょうか」

喫茶店――



沙耶「……信じられない」

来ヶ谷「現実を見るんだ、朱鷺戸女史」

沙耶「だって理樹くんが、私の理樹くんがっ……」

美魚(…………)

沙耶「真性のロリコンだなんてっ!?」

ざわ……    

美魚「声が大きいです。恥ずかしいので静かにして下さい」

美魚「それと……直枝さんはあなたのものではありません」

来ヶ谷「ふ……」

美魚「……来ヶ谷さん。何がおかしいのですか」

来ヶ谷「いやなに。今の美魚君を理樹君に見せてやりたい、と思っただけだ」

美魚「……っ」

来ヶ谷「それでだ。理樹君のロリはまだ決まったわけではない……」

来ヶ谷「が、ロリ本を購入したのは事実らしい」

沙耶「り、理樹く~んっ……そんなぁ~っ……」

来ヶ谷「まあ、依頼というのは今言った通りだ」

来ヶ谷「まずは何も知らない少年の心にチクリと針を刺し、それから徐々に抉り取るように……」

沙耶「…………」

沙耶「……断るわ」

来ヶ谷「む?」

沙耶「あたしなら理樹くんの何を知っててもおかしくないでしょ」

沙耶「ほら、あたしって世界を巡る凄腕スパイなわけだし? 身辺調査なんてそれこそ基本中の基本よ」

来ヶ谷「その脳内設定は耳にタコができるほど聞いたよ」

来ヶ谷「第一、君は今理樹君の性癖を聞いて驚愕し落胆し絶叫したじゃないか」

沙耶「設定じゃないってんでしょーがっ! スパイなのはホントなんだって……」

沙耶「……はっ! ま、また自分からトップシークレットを話してしまった……!?」

沙耶「…………」

沙耶「……ははっ。なに? またあたし、見えてる地雷に口笛吹きつつスキップしながら喜んで向かっていったってわけ……?」

沙耶「ええそうよ! あたしはいつも肝心なところでドジ踏みまくって
ゲーセンのUFOキャッチャーくらいで熱くなって周囲の痛い視線にも気づかないで
同級生を唖然とさせる滑稽なスパイよ! いやもうスパイじゃなくてピエロね! ピエロでしょ!
ピエロなんだから笑わせなきゃね、ほらみなさーん笑ってくださーい、笑いなさーいっ! 
笑えって言ってんでしょーがっ!! あーーーーはっはっはっ! って!!」

沙耶「あーっはっはっはっ!!」

美魚「朱鷺戸さんはとても優秀な方ですが、こればかりはどうにもなりませんね」

来ヶ谷「なに、完璧な人間などつまらんものさ。ともかく、沙耶君を丸め込むぞ」

美魚「了解です」

沙耶「あーっはっはっはっ!!」

とりあえずこまりまっくすはNGワードに入れといた

男子寮入口――



沙耶「目標捕捉」

来ヶ谷「うむ。それでは予定通り、首尾よく頼むぞ。オーバー」

沙耶「了解。オーバー」

美魚「……来ヶ谷さん。わたしはどうも、心配です」

来ヶ谷「ん? 沙耶君がか」

美魚「はい。この状況では正直言って、朱鷺戸さんも小毬さんや三枝さんと大差ないのでは……」

 
来ヶ谷「だろうな」  

美魚「……えっ」

来ヶ谷「……いや、沙耶君が完璧に指示通り動いても、結果は変わらないかもな」

来ヶ谷「行雲流水。成り行きに任せてみよう」

理樹「……っ! ……!」

沙耶(変な理樹くん。寮の前で何をキョロキョロしてるのかしら)

沙耶(よし、まずは自然に挨拶挨拶)

沙耶「……あら? 理樹くんじゃない」

理樹「うわああああああぁぁぁっっ!!?」

沙耶「ぎゃあああああああぁぁぁぁっ!!?」

沙耶「え!? なに、何なのよ!? あたし、自然に声かけたわよっ!?」


ぱさっ


理樹「!!」

沙耶「え?」

??「!!」

アニメ組の俺は沙耶を知らずそっとじ

沙耶「こっ……これ……」

理樹「と……朱鷺戸さっ……!!」

??(……ッ! 不味いッ……!!)

沙耶「ほ……ほんとに、理樹くんが真性ロリ……!?」

沙耶「げげごぼうおぇっ」

理樹「な……何でこんなときに朱鷺戸さんが」

理樹「そんな……そんなぁっ……!」




??(畜生っ! なんでこんなタイミングでッ……!?)

来ヶ谷「始まったか。行くぞ美魚君!」

美魚「ま、待って下さい来ヶ谷さん! わたしにはよく……!」

来ヶ谷「簡単なことだ。まず、美魚君は理樹君がエロリ本を買うところを目撃」

来ヶ谷「その後、しっぽりムフフな行為に励むのであったのだろう」

美魚「セ、セクハラですよっ」

来ヶ谷「……だが」

来ヶ谷「果たして本当にそうだったのか?」

美魚「え……?」

来ヶ谷「よく思い出してみてほしい」

来ヶ谷「……理樹君の部屋には、誰が生活しているのだろうか」

美魚「それは、直枝さんと井ノ原さんに決まってるじゃ……」

美魚「……!」

来ヶ谷「察しの通りだ。少年の部屋は個室ではなくルームメイトがいる」

美魚「で、ですが、個室ではないにしろ井ノ原さんの留守を計って……」

来ヶ谷「残念ながら、あの筋肉が理樹君と行動を共にしていないときは」

来ヶ谷「ほぼ間違いなく、自室で筋力トレーニングだ」

美魚「そ、そんな……!」

来ヶ谷「つまり、そもそも鬱憤を晴らす機会そのものがないのさ理樹君は」

来ヶ谷「その仮定に基づくと、エロ本を買ったのは健全で一般的な男子の目的『ではない』、ということになる」

美魚「そ、それなら直枝さんはいつ射……」

来ヶ谷「しゃ?」

美魚「ーっ! き、聞き流してくださいっ!!」

来ヶ谷「その質問に答えるなら……。まあ夢」

来ヶ谷「……解説を続けると」

美魚「む?」

来ヶ谷「ひ、卑怯だぞ君はっ」

来ヶ谷「ええい、つまりだ! 自分用ではない、ということは」

来ヶ谷「自分以外の誰かのため、という可能性が必然的に高くなる!」

美魚「……! なるほど……!」

来ヶ谷「こんな趣味丸出しの雑誌を、よもや女が頼むとは到底思えん」

美魚「……ということは」

来ヶ谷「野郎かつ、理樹君に近しい人物……」

来ヶ谷「……その黒幕とは!!」

来ヶ谷「そこにいるのだろう!」

来ヶ谷「出てこい……棗恭介っ!!」

??「ッ……!!」

恭介?「……ふん。何を言い出すのかと思えば」

恭介?「俺は棗恭介などではない……」

斉藤「マスク・ザ・斉藤だ……!」

斉藤「はりゃほれうまうー!」

来ヶ谷「さて、理樹君。君がその如何わしいエロリ本を購入する様子を美魚君に見られているわけだが」

理樹「っ……! 来ヶ谷さんに、西園さんまでっ……!」

恭介「おい! 無視してんじゃねえよっ!!」

来ヶ谷「君は何のために、そのようなものを買ったのだろう?」

理樹「そ、それは……っ!」

美魚「……自分用に……」

理樹「ち、違うよっ! 僕にそんな趣味ないからっ!」

沙耶「へぇ……それじゃ、何で買ったのかしら?」

美魚「朱鷺戸さん復活しましたね」

理樹「……!」

数時間前・理樹と真人の部屋――



真人「いよっしゃあ!! これで上がりだぜ!!」

理樹「そっ、そんなぁ……」

恭介「へっへっへ、理樹、分かってるな? 今日のババ抜き、その罰ゲーム……」

恭介「謙吾ぉ!」

謙吾「ヘイ! メイドに巫女、猫耳、スク水ぅ! 何でも揃ってるぞ!」

恭介「それは『女装』だぁ!!」

真人&謙吾「ひゃっほーーーーーーうっ!!」

理樹「男の僕にそんな恰好させて、何が面白いんだよっ!」

馬鹿三人「JO・SO・U!! JO・SO・U!!」

理樹「うぅっ……みんな酷いよっ!」

理樹「……ぐすっ」

謙吾「え……」

真人「理樹……?」

理樹「何で……何でこんなことするのさっ!」

理樹「罰ゲームはともかくとして……女装ってなんだよっ」

理樹「……僕は、童顔なの気にしてるのにっ……!」

真人「あーあー」

謙吾「いーけないんだーいけないんだー。せーんせーにーいってやろー」

恭介「何で俺一人だけ悪者扱いなんだよっ!? お前らも同罪だろっ」

恭介「あー……理樹、すまん。まさかそこまで悲しませるとは思わなかった」

理樹「いいよっ、どうせいつも僕に意地悪ばかりすること考えてるんでしょっ……!」

恭介(うっ……可愛いなオイ)

真人「おい恭介、さっさと理樹に許してもらえって」

恭介「てめーらも謝れよ!」

謙吾「大丈夫だ理樹。いざとなったら、俺と真人がお前を守る」

理樹「うん……ありがと」

謙吾(うっ……)

恭介「悪かった理樹、このとーりだ。もちろん罰ゲームはナシってことで……」

理樹「いや、ルールはルールだから……それは甘んじて受けるよ……」

恭介「え゛っマジで?」

理樹「じょ、女装じゃないからねっ!! 女装じゃなくて、別に用意してよ……」

恭介「女装の代わりの罰ゲームか……んーそうだな」

恭介「んじゃ『エロ本を買ってくる』なんてのはどうだ」

理樹「エ、エロ……っ!?」

真人「はっはっは! 理樹、驚きすぎだっつーの」

恭介「ふざけ過ぎたか、冗談はこのくらいで……」

理樹「いや、分かったよ……」

恭介「……え」

理樹「エ、エッチな本、買ってくればいいんでしょ……」

恭介「お、おお……そんな真に受けるとは……」

理樹「じゃあ行ってくるよ、待ってて!」

恭介「ちょ、待て……!」

真人「……行っちまったな」

謙吾「全く、恭介も悪趣味な奴だ」

恭介「いや本当に行くとは思わなかったぜ……よっぽど女装が嫌なのか」

恭介「絶対似合うのに、勿体ねーな……」

真人「んぁ? 何だよ、てめーも出かけるのか」

恭介「理樹の尾行だ。ちょっくら行ってくる」

謙吾「なんだなんだ、恭介までいなくなるのか……」

恭介「お前らは仲良く筋トレでもしてろ、んじゃな」

謙吾「早く帰ってこいよ?」

真人「さーて、んじゃ筋トレでもすっか」

謙吾「よーし、いっちょもんでやるか!」

>理樹「いいよっ、どうせいつも僕に意地悪ばかりすること考えてるんでしょっ……!」
なにこれ可愛いと思ってたら

>恭介(うっ……可愛いなオイ)
恭介は分かってるな

怪しい書店――



理樹(うぅ……つい勢いで飛び出してきたけど)

理樹(エロ本なんて買ったことないし、恥ずかしいよっ……!)

理樹(でも、一度言ったことを翻すなんてカッコ悪いし……)

理樹(……うわぁ。いっぱいあるなぁ……)

理樹(そういえば、どんな種類の買ってくればいいのかは言われなかったな)

理樹(どれでもいいのかな……)

理樹(うーん……どうせ僕はこんなの見ないし)

理樹(……どうせなら、恭介の好きそうなの買ってこう)

理樹(えーと、恭介は確かロリだったから……)

恭介(……おっ。ようやく出てきたか)

恭介(……紙袋。ブツは買えたようだな……)

恭介(なかなかどうして、肝っ玉がデカいじゃないか)

恭介(どんなものを買ったのかは気になるが……)

恭介(……このまま見守るか)

恭介(理樹、ミッション成功だ)

現在・男子寮前――



理樹「か、買ったのは……」

理樹「ば、罰ゲームで……エッチ本を買うようにって」

来ヶ谷「ふん。そんなところだろうと思ったよ」

美魚「来ヶ谷さんの推理通りでした」

沙耶「?」

来ヶ谷「全く、恭介氏も中々の鬼畜だな」

来ヶ谷「可愛らしい理樹君に、敢えてこんな子供のような女性が写った雑誌を買えとは……」

恭介「!?」

理樹「あ、それは恭介が言ったんじゃなくて……」

恭介「待て、理樹ィ!! それ以上言うなああああぁぁーーーーーーっ!!!」

理樹「恭介が好きそうだからこれにしただけ……」

恭介「うわあああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」

来ヶ谷「……なに?」

美魚「…………」

沙耶「え? え?」

生徒「おい、なんだか騒がしいな」

生徒「うおっ朱鷺戸さんがいる! 相変わらず美しい!」

生徒「直枝に来ヶ谷、西園、それと棗先輩もいるぞ! どうしたんだ、一体!?」

恭介「ーっ!? な、何だお前らっ! 来るな、これは違う、誤解だっ!!」

生徒「……えっ。何だこの雑誌……」

恭介「誤解なんだああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!!」

美魚「……初めから、直枝さんをつつく役は誰でも良かったというわけですか」

来ヶ谷「そういうことになるが、恭介氏が絡んでいると気づいたのは途中からだな」

来ヶ谷「それまでは、まあ……理樹君がそういう嗜好の持ち主なのだろう、と」

来ヶ谷「結果的には違ったがな」

来ヶ谷「しかし、それよりも問題なのは……」

美魚「……ええ」

恭介「…………」

恭介「…………ふっ」

来ヶ谷「恭介氏が真性のド変態だったとは……」

美魚「鈴さんが泣きますね……。というか鈴さんの貞操は大丈夫なのでしょうか……」

沙耶「よく分からないけど……理樹くんはヘンタイじゃなかったってこと?」

来ヶ谷「ああ。全くと言っていい清廉潔白だ」

沙耶「良かったあ! 理樹くん、あたしビックリしたんだからねっ」

理樹「え、あの」

美魚「……くっつき過ぎですよ」

沙耶「いーのよ、もしかして西園さんもこうしたいの?」

美魚「そ、そういうわけでは……」

来ヶ谷「はっはっは。実に平和で何よりだ」




生徒「……おい、聞いたかよ棗先輩の話……」

生徒「え……マジで?」

翌日――

恭介のロリ疑惑は瞬く間に全校生徒に知れ渡り、彼の環境を一変させた……。
口は災いの元、身から出た錆……。
彼とその周囲の人間は、その真実を深く深く心に刻み込んだという。


めでたしめでたし。

(^q^) {お兄ちゃんはどこれすかー?

               /     \

              //        ヽ
               | |       ヽ |
              | |     |  | | |
              Ⅵ | |  |  |/リ   じゃ、解散
.      rv^h        ∨ l  l  /
     r.| | | |          ┌∨  |y'┐
     | | | | l_l^l      イー--W--┴..、
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     ヽ     ノ/:::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ_
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